電池ちゃん「今日もリモコンちゃんに呼び出された」 (22)

リモコン女「おい電池早く吸わせて」

電池ちゃん「んん……ちょっと待ってね?」

テレビさん「リモコンいい加減にしなよ。 電池ちゃんだって嫌がってるじゃない」

リモコン女「は? あんたには関係ないでしょ。 電池は私のなんだから」

テレビさん「電池ちゃんも嫌ならいやって言わないと」

電池ちゃん「別にいやってわけじゃ……」

リモコン女「ほら見ろ。 電池だっていやじゃないって言ってるんだし問題ないはずでしょ」

テレビさん「問題ないわけないでしょ!」

リモコン女「うるさい。 少し黙ってて」

テレビさん(消音)「……………」


百合注意

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1409159796

電池ちゃん「あ、あのリモコンちゃん? みんなもっと仲良くしよ?」

リモコン女「なんでよ? 私と二人っきりじゃ嫌なわけ?」

リモコン女「それともなに? テレビみたいな一人でなんでもできる女の方がいいわけ?」

電池ちゃん「そんなこと言ってないよ! 私は昔みたいにみんなで仲良くしたいだけで……」

リモコン女「仲良く、ね」

電池ちゃん「う、うん」

リモコン女「できるわけないでしょ」

電池ちゃん「どうして?」

リモコン女「どうしてって、本当にわからないの? 呆れたわ。電池って本当に馬鹿よね」

テレビさん「リモコンいい加減にしなさい!」

リモコン女「はぁ、また一人で音量でも上げたのすごいすごい。 なんでも一人でできるって楽なんでしょ」

テレビさん「なに意味わかんないこと言ってるのよ」

リモコン女「どうせ私の言ってる意味なんてあんた達二人には一生わからないわよ」

リモコン女「もういい帰る」

テレビさん「ちょ、ちょっと待ちなさい! まだ話は終わってないわよってもういないし」

電池ちゃん「リモコンちゃん昔はもっと優しかったのに……」

テレビさん「電池の気にすることじゃないわ。 どうせ勝手に拗ねてるだけだから」

電池ちゃん「そうなのかな」

テレビさん「そうそう電池はリモコンのことなんて気にしなくていいの。 それじゃまた明日」

電池ちゃん「うん、バイバイテレビちゃん」

この世界は主に一級製品と二級製品、そしてそれらを動かすための神様に分別されている。
神様は電力といい世界中にケーブルを張り巡らしてその力を私たち製品に力を分け与えているのだ。

一級製品とは、自らにケーブルを挿し電力を吸収し活動できる製品のことを表している。
二級製品は、一級製品と違いケーブルとは無縁の製品のことを表している。

しかし、二級製品の中にも例外があり神様の力を憑依させ二級製品に力を与える電池というものも存在している。

一級製品と二級製品の間には社会的格差が存在しており二級製品は日に日に存在価値を下げられていった。


リモコン女「っち……・またかよ」

電子レンジ「あ、ごめーんリモコン、その席ゴミ箱かと思ってキッチンペーパー捨てちゃった!」

リモコン女「あっそ」

電子レンジ「なにその態度? 二級製品のくせに生意気なんだけど」

リモコン女「ゴミ箱も知らないやつに礼儀正しくする必要なんてねぇだろ」

電池レンジ「うっわーまじむかつくー。 あんま調子乗らないほうがいいよ」

リモコン女「調子乗ってんのはどっちですかぁ?」

テレビさん「はいストップそこまで」

リモコン女「邪魔すんじゃねーよ!」

テレビさん「はいはい。 電池の力を借りてないリモコンじゃ私を操作なんてできないから」

電子レンジ「テレビさぁ、なんでそんな二級製品と一緒にいるわけ?」

テレビさん「電池のこと馬鹿にしてるの?」

電子レンジ「いやいや、電池ちゃんのことは尊敬してるってー。 神様の力と同等とかすごいじゃん」

電子レンジ「私が言ってるのはそのリモコンのことだって」

テレビさん「電池が一緒にいるからに決まってるでしょ。 電池がいなきゃこんな奴と一緒にいないわよ」

電子レンジ「キャー、電池ちゃんモテモテだねぇ!」

テレビさん「それじゃ私このリモコンに話あるから失礼するわね」

リモコン女「私は話なんてねぇぞ。 一級製品同士遊んどけよ」

テレビさん「そんなこと言わずにさっさとついてきなさい」

リモコン女「痛い痛い! 引っ張るなよこのタコ!」

テレビさん「私テレビだからタコじゃないわ」



リモコン女「んで、なんだよこんな誰もいない教室に連れてきて」

テレビさん「今度から私以外の一級製品にあんな態度とらないでもらえる?」

リモコン女「媚売れってか?」

テレビさん「まぁそういうことかしら。 あ、勘違いしないでね」

リモコン女「なにをだよ」

テレビさん「私はリモコンのことなんて心配してないから」

テレビさん「プライドの高い電子レンジが本当に電池のことを尊敬してるとは思えない」

テレビさん「あんまり刺激すると電池に火の粉が移る可能性もあるのよ」

テレビさん「電池のことを大切に思うならせめて校内ではおとなしくして」

リモコン女「……わかった」

テレビさん「リモコンが悔しいのはわかるわよ。 劣等感を感じてるのもわかる」

リモコン女「大人になれってことだろわかってるよ」

テレビさん「ごめんなさいね。 私もカバーしきれない部分があるの」

リモコン女「そういえば今日電池はまだ来てないの?」

テレビさん「えぇなんでも寝坊したとか」

リモコン女「へぇー」

テレビさん「とりあえず電池は守るから自分の身は自分で守りなさいよ」

リモコン女「はいはい」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom