モバP「クラリスさんと愛」 (28)
―8月26日 午前
東郷あい(23)「さて、疲れてはいないかい?」
クラリス(20)「お気遣いありがとうございます、あいさん」
http://i.imgur.com/jdDtWWl.jpg
あい「気にすることはないさ。妻を気遣うのは夫の役目……そうだろう?」
クラリス「まさか私とあいさんがこうなるとは思いませんでしたわ」
あい「フッ……世の中わからないものだね」
クラリス「ええ、本当に」
あい「まさか……」
あい「――クラリスくんのウエディング関連の仕事の相手が急に体調を崩し、オフでたまたま近くにいた私が代わりに駆り出されるなんてね」
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クラリス「今日こうしてあいさんとご一緒することになったのも、運命のお引き合わせなのかもしれません」
あい「そう言ってもらえると馳せ参じた甲斐もあると言うものだ」
クラリス「衣装、とても良くお似合いですわ」
あい「クラリスくんの方こそとてもよく似合っているよ。いや……今はあえてクラリスと呼んだ方がいいのかな?」クィッ
クラリス「あっ……」
あい「―なんて、少しキザだったかな」
クラリス「あ、あいさんが女性だと分かっていても少し鼓動が早くなってしまいました」
あい「……そうまじまじと言われると私も少し照れてしまうな」
クラリス「あいさんが男女共に人気がある理由、少し分かった気がします」
あい「皆に支持されるというのは嬉しい事だね」
クラリス「次はあいさんがウエディングドレスを着る番ですね。ファンの皆様もきっとその姿も見たいはずです」
あい「フフッ、その仕事の機会がある時には今度はクラリスくんに新郎役を頼もうかな」
クラリス「私が、ですか? 私に務まる役目でしょうか……」
あい「フッ……さて、そろそろ撮影再開のようだ」
クラリス「あら、もうそんな時間に」
あい「ところで、この仕事が終わったら誕生日祝いにどこか食事にでも行かないかな?」
クラリス「あいさん……私の誕生日をご存知だったのですか?」
あい「もちろん。大切な仲間のことだからね」
クラリス「ふふっ……ありがとうございます」
あい「クラリスくんにとって良き日の始まりを、僭越ながらこの私がエスコートさせて頂くよ」
―――
――
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―8月26日 午前 事務所
相原雪乃(22)「あら、お茶がもう……」
クラリス「お注ぎしますわ雪乃さん」
http://i.imgur.com/tBX4QQ2.jpg
雪乃「ありがとうございま……クラリスさん?」
クラリス「はい、クラリスでございます」
雪乃「これはご丁寧に……私は相原雪乃でございまってそうではなくて!」
クラリス「はい?」
雪乃「お仕事から帰ったばかりでその様な……」
雪乃「それに今日はクラリスさんのお誕生日なのですから、むしろ私がもてなす側でなければいけません」
クラリス「ですが、奉仕活動とは私にとって大切な」
雪乃「私だってたまには強気にでちゃいますわ。さぁ、お座りくださいませ」
クラリス「はい」コトッ
雪乃「改めまして、お誕生日おめでとうございます」
クラリス「ありがとうございます、雪乃さん」
雪乃「それではくつろぎの時間を過ごしましょう。紅茶もお菓子もありますわ」
クラリス「それではこちらを一つ……」パクッ
クラリス「……とても美味しいですわ!」
雪乃「うふふ♪ クラリスさんの素晴らしい日の為に特別な物を用意しましたの♪」
クラリス「私の為にわざわざ……雪乃さん、本当にありがとうございます」
雪乃「礼を言うのはこちらの方ですわ。私も他の皆様も、クラリスさんにはいつもお世話になっていますもの」
クラリス「ふふっ……雪乃さんの優しさが、雪のように心に降り積もります」
雪乃「さぁ、時間はまだまだありますわ。一緒にのんびり過ごしましょう♪」
―――
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―8月26日 昼 事務所
棟方愛海(14)「くっらりっすさーーーん♪」
クラリス「お呼びでしょうか?」スッ
http://i.imgur.com/HbAEQb2.jpg
愛海「ぐわあぁぁーーー!!!」ガシャーン
クラリス「あ、あらあら……お怪我はありませんか?」
愛海「ノ、ノープロブレム……がくっ」
クラリス「……愛海さん!」
愛海「いや大丈夫だよ。死んでないよあたし」
クラリス「ほっ……」
愛海「そうだ! 言うのが後になったけどお誕生日おめでとうクラリスさん!」
クラリス「はい、ありがとうございます」
愛海「という訳でバースディモーミーしていい?」
クラリス「ダ、ダメですわ」
愛海「ちぇー……いやまぁプレゼントは別にちゃんとあるんだけどさ。せっかくだしチャレンジしておこうかなと思って」
クラリス「……以前から気になっていたのですが、愛海さんはなぜ女性の胸を求め続けるのでしょうか?」
愛海「あたしがお山を目指す理由?」
クラリス「ええ」
愛海「それは……愛を求めているから、かな」
クラリス「……!」
愛海「やっぱり女の子のお山にはさ、人それぞれの愛がギュッと詰まっていると思うんだ!」
クラリス(もしかして……愛海さんは愛を知らずに育ったのでしょうか)
愛海「言うなればあたしは愛の狩人、みたいな?」
クラリス(だとすれば私にできること……それは……)
愛海「だから……ってクラリスさん聞いてる? おーいクラリスさーん?」
クラリス「愛海さん……私が与えられるものはこれくらいですが、受け取ってくださいませ」
愛海「えっ、受け取る? いやむしろあたしがクラリスさんにプレゼントを渡すほ」
クラリス「プレゼントは……至上の愛ですわ」ギュッ
愛海「えっ……」
クラリス「私には抱擁をすることしかできませんが、愛海さんの心を少しでも満たすことができたら……」
愛海「ク、クラリスさん……」
クラリス「それでも愛海さんが満たされないのであれば、わ、私の胸を……さわっ」
愛海「ぐわああぁぁーー!!」
クラリス「きゃっ……あ、愛海さん?」
愛海「な、なんか溶けそう! 浄化する! 謎の申し訳無さと多幸感で浄化しそう!」
クラリス「しっかりしてくださいませ愛海さん……!」ユサユサ
―――
――
―
―8月26日 昼 事務所前
相葉夕美(18)「ふぅ……」
クラリス「どうなさいましたか?」
http://i.imgur.com/MQ8xEjU.jpg
夕美「あっ、こんにちはクラリスさん!」
クラリス「こんにちは、夕美さん」
夕美「実はお昼からガーデニングをしていたんですけど、この暑さで少し参っちゃって……」
クラリス「連日強い日差しが続きますからね」
夕美「それでも、好きなことだから頑張っちゃうんですよ♪」
クラリス「その気持ち、私もよく分かりますわ」
クラリス「夕美さん、よろしければ私にもお手伝いさせてくださいませ」
夕美「えっ? いいんですかクラリスさん?」
クラリス「2人でならもっと作業も捗りますわ」
夕美「クラリスさん……それじゃあお願いしちゃいます♪」
クラリス「私、ガーデニングの経験というものがありませんので、すみませんがご教示頂けますか?」
夕美「はいっ!」
・・・・・・
・・・
夕美「……よしっ、おしまい!」
クラリス「無事、完成しましたね」
夕美「改めて、ありがとうございますクラリスさん!」
クラリス「私も初めての体験でしたが楽しかったですわ。とても有意義な時間でした」
夕美「手伝ってくれたお礼がしたいから、ちょっと待っててくだいさいね?」
クラリス「ええ」
タッタッタ
夕美「お待たせしましたっ」
クラリス「これは……?」
夕美「私がここのお花で作ったプレゼントです。クラリスさん、お誕生日おめでとうございます♪」
クラリス「夕美さん……ありがとうございます。私は果報者でございます」
夕美「このお花、千日紅って言うんですよ。花言葉は……変わらぬ愛です♪」
クラリス「変わらぬ愛……素敵な言葉ですね」
夕美「私も皆もクラリスさんのことが大好きですからっ」
クラリス「ふふ……私も、皆さんのことを愛していますよ」
―――
――
―
―8月26日 夕方 教会
クラリス「柑奈さん、本日はお手伝いいただきありがとうございます」
有浦柑奈(19)「いやいや! 私の方こそこんな素敵な場所で歌わせてもらって感謝ですよ!」
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クラリス「子ども達もとても喜んでいました。柑奈さんさえよろしければ、またお願いしても構わないでしょうか?」
柑奈「もちろん! ラブ&ピースを届けるためならいつでも駆けつけますよ!」
クラリス「その折にはよろしくお願いししますね」
柑奈「それにしても、クラリスさんはアイドルになってからもよく教会に顔を出してるんですねー」
クラリス「ええ。アイドルの活動ももちろん大事ですけれど、私の原点はやはりこの場所ですから」
柑奈「へぇ……」
クラリス「……色々と環境は変わりましたけど、この教会の景色はいつまでも変わりません」
柑奈「原点……かぁ。私も久しぶりに爺っちゃんに会いたくなってきたなぁ」
クラリス「それでは、長崎も含めていつか一緒に旅に出ましょう。皆様に愛と歌を届けるために」
柑奈「おぉっ、それいいですねクラリスさん! 約束ですよ!」
クラリス「はい、約束ですわ」
柑奈「……ん~! なんだか気分が乗ってきたからもう一曲行っちゃおう!」
クラリス「もう一曲、ですか?」
柑奈「はい! 世界で一番特別な日を迎えたシスターさんのための歌を……ねっ♪」
クラリス「まぁ……」
柑奈「クラリスさんと、女神様だけがお客さんのスペシャルコンサートですから!」
クラリス「では、大切に聞かせて頂きますね」
柑奈「それじゃあ歌いますよ! この教会の風に乗せた愛の歌を!」
―――
――
―
―8月26日 夜 事務所
「今日は皆様に祝って頂けて本当に幸せでした」
「次は私が皆様に愛を届ける、ば……」
「……っ」コクッ
「んっ……少し、休憩が必要でしょうか」
「……」
・・・・・・
・・・
―――
――
―
トントン
「はっ……?」
「あら……お帰りなさいませ。今日は、いつもよりも長引いていたのですね」
ガサゴソ
「……これを準備する為に時間がかかっていた、ですか?」
「ええ、ありがとうございます。とても嬉しい気持ちで一杯ですわ」
「……ふふっ」
「主は来ませり……なんて♪」
http://i.imgur.com/bU1LX2p.jpg
以上、拙いけどクラリスさん誕生日おめでとうSSでした
あいの人達、もう少しいるけれど都合上数人だけになってすみません
皆もクラリスさんを好きになり一緒に幸せに満ちた時間を過ごしませんか?
http://i.imgur.com/WWXy7Pf.jpg
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