ディオ「そんな貴様が嫌いだったよ」(171)

ジョナサン「…うっ………あ、れ…?……僕は…一体…眠って、いたのか…?」

ジョナサン「ここは…どこなんだ?…うぅっ、酷く不快な気分だ。痛いとも違う、苦しいとも違う、これは、この感覚は一体…」

ジョナサン「確か…僕はエリナと客船に……エリナ…そうだ、エリナ!ああエリナ!君を守らなくては、エリナ…!」

ディオ「……うるさいぞ、ジョジョ」

ジョナサン「ッ!?ディオ?ディオなのか、どこだ、どこに居る?」

ジョナサン「…おかしい…何かがおかしい……ディオ、その声は感じられる。姿形も感じられる。なのに…"聞こえない"、"見えない"?」

ジョナサン「耳に届かない、目に映る事がない。これは…なんなんだ!?奇妙ッ!実に奇妙!この奇妙な状況は一体ッッ!?」

ディオ「フン…当たり前だろう、そんな事」

ディオ「お前は自分の顔を見られるか?自分の声を聞く事が出来るのか?」

ジョナサン「………?」

ディオ「例えば、そう、"鏡"だ」

ディオ「穏やかに流れる小川でもいい、それらに自分の姿は映るだろう」

ディオ「しかしはたして、それは自分の本当の姿だろうか?」

ディオ「鏡が真実を映していると、一体誰が証明できよう」

ディオ「小川など石を投げてしまえば、その水面は簡単に揺らぎ散る」

ディオ「フッ、俺を苦しめてくれた"波紋"によって」

ジョナサン「……?ディオ…何が…言いたいんだ?」

ディオ「なぁジョジョ…人は自分の姿を見る手立てなど、ひとつも持っていないというのが、これでわからないか」

ディオ「自分は認識できる。自分を認識しなければ、自分でいられないからだ」

ディオ「だからお前には俺のを声を、姿を感じられる。だが、聞く事は出来ない。見る事も出来ない。それは何故か?」

ディオ「何故ならば……」

ジョナサン「ッ!!?あ…あああ……ああぁッ…!?」



ディオ「お前は俺であり、俺はお前だからだ」

ジョナサン「い…今ッ!はっきりと"感じ取れた"ッ!!僕の中にディオが!いや、ディオの中にも僕が!あああ…こんな…こんな事って……ッ!!」

ディオ「危なかった…まさに間一髪というヤツだ。あの大爆発の最中、俺はなんとか貴様の首を切り落とし、その肉体を奪った」

ディオ「微かに残った生命エネルギーを使い、爆風に煽られ焼かれながら、無様にも埃だらけの床を芋虫のように這って、棺桶に入り込んだ…」

ディオ「この屈辱は絶対に忘れん」

ディオ「蓋を閉めるとほぼ同時に、またも凄まじい大爆発が起きてな」

ディオ「棺桶は海へと投げ出された。このディオとあろう者が、フフ、随分と肝を冷やしたぞ。何せ貴様の体に残るエネルギーは微量、海水が入って来ないよう鍵をかけるにも、力が入らず指が震えて……」

ジョナサン「………」

ディオ「おい。聞いているのか?」

ジョナサン「………」

ディオ「…フン。まあいい。しかし貴様は本当にしぶといヤツだな。まさか精神…心とでもいうのか、それが残っていて、こうして対話出来るとは」

ディオ「本当に忌々しいものだ」

ディオ「昔からそうだったな…ここぞという時にこそ、お前は食らいついてくる。俺の足を引っ張って邪魔をする」

ジョナサン「………」

ディオ「そんな貴様が嫌いだったよ」


ディオ「腑抜けの間抜けの腰抜けジョナサン。鬱陶しくて仕方がなかった、邪魔で目障りで仕方がなかった」

ジョナサン「………」

ディオ「ああ、だからといって、勘違いはしてくれるなよ」

ディオ「貴様はとんでもなく人が好い、おめでたい頭の持ち主だからな。念のため断っておかんと、後々どう解釈されるかわからん」

ディオ「嫌い"だった"、とは言ったが」

ディオ「今現在も勿論嫌いだ」

ディオ「未来永劫、貴様が嫌いだ」

ディオ「認めてやらん事もない部分はあるが……とにかく。だから、気安く擦り寄ってはくるなよ」

ジョナサン「………」

ディオ「………フン」

ディオ「……しかし、退屈なものだな」

ディオ「体は眠りにつかせている。だが精神だけが違う…ジョジョ、貴様という異物のせいだ。貴様の甘ったれた心が、俺に退屈を感じさせるのだ」

ディオ「俺は人間を辞めた。頂点に立てる存在だ。こんな不愉快な感情だって、人間である事と共に捨てたのだ」

ジョナサン「………」

ディオ「ジョジョ……お前のせいだ」

ディオ「自分の姿を見る術も持たない下等な生き物が、弱っちい生き物が、このディオを不快にさせるなど百年早い」

ジョナサン「………」

ディオ「……フン」

ディオ「全く、忌々しい」

支援するけどdioじゃない?


ディオ「静かだ」

ディオ「何も聞こえない」

ディオ「何も見えない」

ディオ「これが永遠なのか。そうとすら感じられる」

ディオ「暗いとも違う」

ディオ「黒いとも違う」

ディオ「光や色などではなく」

ディオ「時だけが……」

ディオ「………」

ジョナサン「………」

>>8
支援ありがとうございます。ジョナサンとの対話としてディオと表記してます。





ディオ「昔読んだ本の内容を思い出している」

ディオ「しかし同時に引き出される、何故だ、あのクズが」

ディオ「読書の邪魔をして、煩わしい、耳障りな咳が、痰の絡む汚ならしい声が、垢の臭いが!」

ディオ「ひとつ咳をする度に心臓が昂る。背筋に冷たいものが走る。心地好くはない、しかし気は急くばかりで、本の内容はちっとも頭に入らない」

ディオ「気づくと同じ行ばかりを目で追っている」

ジョナサン「………」

ディオ「薬を催促する声が響く」

ディオ「おかげで本が読めやしない」

ディオ「人は鏡を使い、自分の姿を見る」

ディオ「時に小川で、時に窓で、時に他人の瞳で」

ディオ「しかし、はたしてそれは本当に"自分"なのか?」

ディオ「自分の姿とは、自分とは、何だ?」

ディオ「鏡に映った姿が真実なのだと、誰が決められようか。偽りかもしれぬ姿を見て、一喜一憂して。くだらんな」

ディオ「人間は、自分すらもわからない生き物なんだ」

ディオ「俺は、だから人間を辞めた。人間は無力だ。人間は愚かだ」

ディオ「俺は俺だとわかる。これは素晴らしい事だぞ、ジョジョ」

ディオ「今のお前ならば、この素晴らしさが理解できよう。俺と一体化したお前なら」

ディオ「光栄に思えよ。お前は俺であり、俺はお前なのだからな!」



ジョナサン「………」

ディオ「………」

ディオ「……………フン」

ディオ「…エネルギーが足りん。ボディが眠ったまま目覚めない」

ディオ「ここから出る事が出来たら…まずは食事だな。エネルギーを得て…体をなじませないと」

ディオ「貴様がワンチェンを倒したから、全く面倒で敵わんな」

ジョナサン「………」

ディオ「まあいい…時間はたっぷりある。面倒を楽しむのも一興、か」

ジョナサン「………」

ディオ「………」

ディオ「(…それから、エリナだ)」

ディオ「(あの女からは、微弱だがもうひとつの生命エネルギーを感じた)」

ディオ「(もしかすると…身籠っているかもしれん…ジョナサンの子を。こいつの血を受け継いだ……。……イヤな予感がする。確認を…しなければ)」

ジョナサン「………」ピクッ

ジョナサン「………」

ジョナサン「(………エリナ)」

ディオ「………」

支援ありがとうございます。



ディオ「(………それにしても、ジョジョが結婚、か)」

ディオ「(グズでノロマで馬鹿がつくほどのお人好し、学生時代も浮いた話のひとつも出てきやしなかったというのに)」

ディオ「(まぁ、出たところで、俺が潰してやったが)」

ディオ「(………ジョジョ、らしい。そう評価する以外、適切なものが浮かばん。ずっとエリナを思っていたのだろうな)」

ディオ「……………ククッ」

ディオ「このディオに言わせれば、それはまるで、そう、ままごと…だな。児戯そのものだ」

ディオ「(しかし、何故だろう)」

ディオ「("ああ、やっぱりな"……"そうでなくては"………そんな事ばかりが浮かぶ)」

ディオ「(これは、安堵…か?このディオとあろうものが、まさか)」

ディオ「(微笑ましく、暖かい。そんなものを…?――有り得ん。有り得ん。有り得ん有り得ん!!不愉快だ、吐き気を催す!頭を掻きむしり、そのまま脳髄をも抉り出したい程の不快感!!)」

ジョナサン「………」

ディオ「………馬鹿馬鹿しいッ!」

ディオ「……エリナ、か…」

ジョナサン「!!」

ジョナサン「……エリナ」

ディオ「ああ。いたのか、ジョジョ」

ディオ「もうとっくに消滅したと思っていたぞ」

ジョナサン「エリナ、エリナは無事なのか?彼女は無事に逃げたのか?」

ディオ「さぁなぁ~ッ……どうなったのやら…」

ジョナサン「お願いだ、ディオ!君が何かを見たなら教えてくれ!僕は、最期辺り、目が見えていなくて…気がついたらこんな状態で」

ジョナサン「エリナ、ああエリナ……彼女は無事なのか…あの赤ん坊は……あぁ…エリナ、君は無事なのかい…?」

ディオ「……鬱陶しいぞ、ジョジョ。…フン。あの女なら逃げていったさ。何かを抱えてな」

ジョナサン「!! それは本当か、ディオ!」

ディオ「その後の事は知らん、もしかして爆風に煽られてでもし、それとも海に沈んだかもしれんぞ?」

ジョナサン「……それでも…それでも、僕は、エリナ、君を信じている…きっと、エリナ、君なら…」

ジョナサン「…父さん……どうか、どうかエリナをお守りください」

ディオ「………そこで神にすがらないのが、お前らしくもあるのか」

ジョナサン「今は一体何時で、いや、何月……何年なんだろう?」

ディオ「さあな。一万を数えた辺りで飽いたから、わからん。もっとも、呆けていた貴様に教えてやる程、この俺が親切だと思うか?」

ジョナサン「天地がひっくり返っても、ないだろうね」

ディオ「………フン」

ジョナサン「そもそも、こうなって君はどうする気だったんだ?今こうして身動きひとつ取れない、寝返りどころか指の一本動かせやしない、無計画って騒ぎじゃないよ。なんというか…君らしくもない」

ディオ「貴様が無駄な抵抗をせず、素直に俺を受け入れていれば良かったんだ。そうしていれば、こんなところ、一万を数える前に脱出していた」

ジョナサン「僕が素直に君に従うと思ったのかい?それこそ、君らしくもないね。間抜け、とでも言おうか」

ディオ「………」

ジョナサン「ジョークだよ」

ディオ「昔、紳士を目指すのだと、耳にタコが出来る程聞かされたように思うのだが」

ジョナサン「紳士だってジョークくらいたしなむさ」

ディオ「黙ってろ」

ジョナサン「エリナ……こんな事になってしまって、すまない…」

ディオ「………」

ジョナサン「せめてもう一度、君に会いたい…もうこんな状態じゃ会えないとわかっているけれど、でも、それでも…」

ジョナサン「ああ僕はなんて弱いのだろう!守るものが出来れば強くなれると思っていた、なのに…僕は弱くなってしまった」

ディオ「…ピーピーとうるさいぞ、ジョジョォ~…女の名前をぶつぶつ呟いて、女々しいヤツだ」

ジョナサン「散々僕を起こそうと泣きついていたヤツの台詞と思えないな」

ディオ「誰が泣きついた!……クソッ、思い出したぞ。そういえば少年時代、貴様に泣かされた事があったな」

ジョナサン「君からその話を振るなんて、意外だな。あの時は…僕も文字通りに若かったから。怒りに任せて拳を奮って」

ジョナサン「もっとも、それは今も変わっていないけれど。ディオ、君に向かう時は大半、僕は怒っていた」

ジョナサン「紳士として恥ずべき事だ…私欲のままに、怒り、悲しみ、恨みを晴らす為に、がむしゃらに突っ込んで」

ディオ「なんなら今ここで決着をつけても構わんのだぞ」

ディオ「時間は…いくらでもあるのだからな」

ジョナサン「…遠慮しておくよ、それこそ無駄な行為だ。第一、どうやって君に触れられるというのか」

ジョナサン「君の声を感じる、姿形を感じる、しかし聞こえない、見えない。そこにあって、ここにない。…自分で自分を殴ればいいのかな?やっぱり御免被るよ、僕の拳は痛い、それは君自身が一番よく知っているだろう」

ジョナサン「なにせ、こちらが罪悪感を抱くほどに泣いてしまったのだからね。抱き締めてやるわけにもいかないから、ハハ、とても困ったものだ」

ディオ「ジョジョォォーッッ!!!…貴様は紳士とは程遠いッ!恥を知れいッッ!!」

ジョナサン「全くだね。反省文を書いて提出するよ、よく父さんにも書かされたっけ」

ジョナサン「………」

ジョナサン「道は違えど僕らは立派な大人になったのに、何故だろう。今は…君と出会った頃の時に思える」

ジョナサン「…僕がよく見えない。僕がよく聞こえない……不思議だな」

ジョナサン「今は何時で、何月で、何年なんだろう」

ジョナサン「エリナ…君は無事なのか…」

ジョナサン「………幸せになって欲しい、そう思った、心から願ったよ。あの時は」

ジョナサン「でも、今は………」

ジョナサン「………」

ジョナサン「………ごめんよ…エリナ」

ジョナサン「すまない……」

ジョナサン「腹も空かないんだな…実に奇妙な感覚だ。代わりにとても寒気を感じる。外気ではない、内から込み上げる不快な寒気を。内側から肌に、肉に爪を立てられているような…おぞましい感覚」

ジョナサン「これが吸血鬼の空腹ならば、ディオ、君の選択は、今もはっきりと言えるよ、間違っている」

ディオ「フン。貴様は食い意地が張っていたからな」

ディオ「勉学は義父さんに言われて、心底面倒だったし嫌だったが、俺も教えてやったからこそ身に付いていったが」

ディオ「テーブルマナーだけは最後の最後、ギリギリまで身に付かなかったな」

ジョナサン「だって、美味しいんだから仕方ないだろ」

ジョナサン「口の中の味が消えてしまう前に、次の味を堪能したいじゃないか。それに満腹になった、あの幸福感。膨れた腹を抱えてベッドに沈む充足感を、君は知っているかい?ディオ。これを幸せと言わずしてなんと言う?」

ディオ「下品」

ジョナサン「なんとも言えない」

ありがとうございます!



ジョナサン「腑に落ちない点がひとつあるんだ」

ジョナサン「少年時代、君はとっても嫌なヤツだと、怒りや悲しみ…不信感ばかりが渦巻いて、そう思っていた。けれど…ある日を境に、君とはとても仲良くなれた。なのに、君と過ごす時間を1日また1日と重ねるごとに、心に渦巻く風穴が色を濃くしていくんだ」

ジョナサン「はたしてどちらが本当のディオだったのか…ううん、今の君を見れば、作ったものなのだろうと思える。でも、どうしても…気になって仕方がないんだ」

ディオ「………。……フー………ジョジョォ…だから貴様は甘ちゃんなんだ。反吐が出る程に、甘ったれで純粋で。とても食えたものじゃない」

ディオ「作ったもの?ハッ、わかっているじゃないか。俺は反省し、成長したんだ。その時までの自分を鑑みて、作り上げた。完成したからこそ、ここまで…ジョジョ、貴様は間抜け面を晒せたのだろう?」

ジョナサン「………」

ジョナサン「………そう、だな」

ジョナサン「君の言葉を借りれば、すると僕はいつまでたっても成長しない、子供のままだ」

ジョナサン「だからこうして、今ここにいるのだろう。反省も成長もできない子供だから」

ジョナサン「昔は、君と比べられるのがとても悔しくて、悲しかったよ。どうして僕ばっかり、このまま涙に濡れて誰にも気にされないまま死んでいくんだ、そんな風に悲観的にもなったさ」

ジョナサン「勉強をすれば君は僕よりいい点数を取って、友達だっていなくなって、ダニーも、エリナも……家に帰っても休まらない、常に背中を針で刺されているような。何をしてもディオ、君と比べられる」

ジョナサン「そんな君が嫌いだったよ」

ジョナサン「残酷で冷血で非道なディオ。君が憎くて仕方がなかった、敵わない自分が嫌で仕方がなかった」

ジョナサン「仲良くなればなる程、疑念が渦巻いて…辛かった」

ジョナサン「君はこんなにも、いいヤツなのに、って。昔の事は勘違いなんだ、なのに、どうしても、って」

ディオ「………」

ジョナサン「…ああ、だからといって、勘違いはしないでくれよ」

ジョナサン「君はひねくれている、悲しい人だからね。念のため断っておかないと、後々どう解釈されるかわからない」

ジョナサン「嫌い"だった"、とは言ったけど」

ジョナサン「今現在も勿論嫌いだ」

ジョナサン「未来永劫、君が嫌いだ」

ジョナサン「………」

ディオ「………」

ジョナサン「………でも、」

ジョナサン「僕は、君と友達になりたかったよ」

そういえばディオっていつも本読んでるイメージだが何の本読んでるんだろうか?

なんか涙が出てきた…

ジョナサン「不思議だな。あんなに必死になって、命のやり取りをしたのにさ」

ジョナサン「いざ、こうして落ち着いてみれば…素直になんでも話せる」

ディオ「…フン。貴様のどうしようもない点、弱さのひとつが、それだろう。その底抜けなまでの純粋さ、素直さ。だから俺に隙を突かれたんだ、何度も。面白いくらいにな」

ジョナサン「違いない」

ディオ「成長の出来ぬそれが貴様の弱さだ、ジョジョ」

ジョナサン「時を巻き戻せるならば、やり直したいくらいだよ」

ジョナサン「そうすれば、こんな事にはならなかったろうな」

ジョナサン「君と友達になれたろうに」

ジョナサン「…本当の」

ディオ「………」

ジョナサン「………」

>>27
一部の頃から本がお供ってイメージ。dioの館も不思議ですね。

>>28
勿体無い。ありがとうございます。

ジョナサン「………」

ジョナサン「………あ」

ジョナサン「今なら言えるよ、今、この状態なら」

ディオ「なんだ」

ジョナサン「思い出したんだ」

ジョナサン「貸した時計、いい加減返してくれないか?」

ジョナサン「勿論、壊したなら弁償して返しておくれよ。じゃなきゃ父さんに言いつけてやるぞ」

ディオ「今言うか」

ジョナサン「ただのジョークさ」

ディオ「暇ならそのジョークの笑える部分を探しておけよ」

最高にハイ!!なdio様も面白い。
落ち着いて喋る時も結構多いかと思います。

ジョナサン「今は何時で、…何日で、何月で、…何年なんだろう」

ジョナサン「ディオの言うとおりだ。一万数えた辺りで飽きる」

ジョナサン「………」

ディオ「………」

ディオ「………」

ディオ「………フー……」

ディオ「………咳が、聞こえる…」

ジョナサン「…エリナ…もう一度、君に会うとしたら」

ジョナサン「きっともう、天国にでも行かなきゃならないんだろうけれど」

ジョナサン「…ごめんよ、エリナ。僕はきっと、天国には行けない」

ジョナサン「父さんとも、ダニーとも…会えないだろうな」

ディオ「………」

ジョナサン「少し、いや、もう意地を張ることもないか」

ジョナサン「会えない、それはとても……とても、寂しいことだ」

ディオ「………」

ジョナサン「知っているかい、ディオ。天国への入り口前には、綺麗な草原が広がっているんだ」

ディオ「子供に聞かせる寝物語になど、興味はないぞ」

ジョナサン「その草原では、主人と別れた動物達が遊んでいる。生前受けた傷や病気は治っていて、自由気儘に遊べるんだ」

ジョナサン「でも、皆どこか寂しそうで。だってそれは、大好きな主人が何処にもいないから」

ジョナサン「ずっとずっと待っているんだ。いつか迎えに来てくれる主人を、ずっと…ずっと。一緒に虹の橋を渡って天国に入るために」

ディオ「………」

ジョナサン「ダニーは待っていてくれるだろうか…母さんが言っても父さんが言っても、エリナが言っても、待っていてくれるかな」

ディオ「………あの馬鹿犬ならば。馬鹿面下げてお前を待つだろうよ、飼い主によく似ている」

ジョナサン「………うん」

ジョナサン「………でも」

ジョナサン「………それは困る、なあ…」

ジョナサン「僕は天国へは行けない、…行かない」

ジョナサン「母さんや父さん、エリナ達と…一緒に行って欲しいなあ…」

ジョナサン「ずっと待たせてちゃ…辛いよ」

ジョナサン「………」

ディオ「………」


天国へ行けない

天国へ行ってはならない

行く方法があったとしても

知ってはならない

行ってはならない

ごめんよ   。



天国には行かない

天国には行けない

天国には行ってはならない

激しく勿体無い。ありがとうございます。


 『っへへへ!!やった、やっと引き揚げられたぞ!!』

 『なんだぁこりゃあ?お宝…なのか?まるで棺桶のような……』

 『d……i…o………ディ、オ…?名前か?おいおい、やっぱり、これって』

 『おいっ兄弟!そっちを持ってくれ、もう少し、もう少しだ!もう少しで開きそうだぞ…』


―― ダメだ


 『かってェェ~ッ…固いなあっ、すっかり錆び付いてなかなか開きゃぁしねェッ』


―― 開けちゃダメだ!

 『ん…なんだ、これ…内側が二重になって……』


―― やめてくれッ!!海に戻してくれ!!開けるな!開けるなァァァッッ!!


 『………う、ひィィィ!?みっみみ…ミイラ!?ミイラか、これっ』

 『皺々の干物みてーだな…おい、首が千切れかかっているじゃねーか。この紐みたいなものは…もしや血管か…?』

 『金目のものは身につけてねーのかよォ~ッ、俺にもよく見せろよ……ッ痛、いってて!』

 『チキショウッ縁で引っ掻いちまったじゃねーかァァ~ッ!!血が出ただろうがァァ、ムカつく!ムカつくぜェ!!』

 『ミイラに血ィ垂らすんじゃねーよ、汚れたら価値が下がるだろうがよォォー、こういうのはな、お偉い先生方に売り付けりゃ少しは金にな、………な、なんっ、』


一滴も、一欠片たりとて残すものか

久しぶりの食事だ


どのくらい経ったのだろうな、一万を数えた辺りで飽きたから

今は何時で何日で何月で何年だ


どうした、さあ食えよ

好き嫌いはいけないって、また叱られるぞ

反省文を書かなくっちゃあな……


………


ジョナサン「勉強したり、運動したり、小遣いを賭けてボクシングしたり。あのフットワークを教えてくれよ、小さな爆発を起こしたあの筒はなんだい?それで魚を捕ろう」

ジョナサン「カエルを掴んだ事はあるかい?僕も掴むのは嫌いさ。でも紐を結んで引っ張ったりすると面白いんだ」

ジョナサン「嫌な事があったら、大声を出しながら坂を転がるんだ。大抵の事はそれでどっか行っちまう」

ジョナサン「川で泳ごう、滑り台も楽しいよ。時にはダニーもエリナも一緒に、…ああでもエリナは渡さないから」

ジョナサン「エリナは僕のエリナなんだから。可愛いだろう?最初は恥ずかしがって、ただの一言も喋らなかったっけな」

ジョナサン「エリナに酷い事をしてみろ、君が泣くまで殴るのを止めないからな」

   『う…う、ううっ、うああ』

ジョナサン「スポーツもそうだけど、実は僕は考古学が好きでね。体を動かすよりも、研究に没頭しているのが性に合うらしい」

   『……う、ぷ。ぐがッ!!げっ、げえええぇぇ!がはっ、がはっ、…ご…、ぅ……う…』

ジョナサン「研究の成果をレポートにまとめて、発表したいんだ」

ジョナサン「母さんと父さんの思い出を詰めて」

ジョナサン「それでも、疲れてしまったり、辛くなってきたら」

ジョナサン「ふふ、内緒だぞ。隠れてパイプを吹かそう、木の上に登ってさ。意外と見つからないんだぜ」

   『おうええぇぇ……!!』

ジョナサン「だからそんなに怯えないで」


dio「……大丈夫だ、安心しろよ」

ジョナサン「君と仲良くなりたいんだ」

dio「ゲロを吐くほど怖がるなよ」


「「君と仲良くなりたいんだ」」

「「友達になろう」」


dio「…なあ?花京院」


花京院「うわあああ……あああ、ああああああ!!!」


ジョナサン「君が嫌いだったよ」

ディオ「貴様が嫌いだったよ」


ジョナサン「………でも、」

ジョナサン「…君と、友達になりたかったよ」


ディオ「………」

ディオ「………フン」


ひとまずここで区切り。
お目汚し失礼しました。読んでくださった方、ありがとうございました。

あとでいくつか小ネタを投下していきたいなと思います。トリップつけます。

ディ・モールトありがとうございます!
アニメは全シリーズ放送してもらいたいものです。
神父はなかなか話が浮かばなくて…もっと原作読み込んできます。

では短いのをいくつか投下。



ジョナサン「それは何だい?気色の悪い。そんなものを彼に植えつけるのか。やめろよ。死んでしまう」

ディオ「貴様は無様に喚いていろ。何もできない歯痒さ、無力感にのたうち回れ。…これは俺の細胞だ。いざという時に、命令を下し、操る為の…言うなれば保険、だな。この花京院という男、いまいち信用できん」

ディオ「細胞、そうだな、因んで"肉の芽"と名付けよう。フフ…さあ、行け。肉の芽よ」ズズズ

ジョナサン「………ますます君が憎らしくなるな、肉の芽だけに」

ディオ「………」

ジョナサン「………」

ジョナサン「………強く反省している」

ディオ「よろしい」



dio「君は特別な能力を持っているそうだね?」

ジョナサン「占い師!占い師!!不思議な力!!」ムッハー!

dio「ひとつ…それを私に見せt」

ジョナサン「研究が捗る予感!!不思議な力!!試したい!!すごく!!」

ディオ「………~ッッ、ジョジョォォ黙っていろッ気が散る!今交渉中というのが貴様にはわからないのかァァーッ!?」

ジョナサン「試そう!不思議な力!!占い!!昔は父さんの命がかかっていたから、占いをしてもらう暇がなかったんだッ、でもすごくすごく興味があるんだッッ」

ジョナサン「まずは僕とエリナの相性から占ってもr」


アヴドゥル「ウオオオオ!!」ガシャーン


ディオ「あっ」

ジョナサン「あっ」

ディオ「………おい、逃げられt」

ジョナサン「………インチキだったんだよ、きっと」

ディオ「ジョジョォォォォ!!!貴様ァァァ!!!」



ジョナサン「ダニー!!久しぶりだなあ、君にまた会えて嬉しいよ!さあっこっちへおいで!」

ダニー「わんわんわん!!」

ディオ「………フンッ、馬鹿犬が」ギロッ

ダニー「!!?」

ジョナサン「……あれ?どうしたんだい、ダニー!急に止まって!僕だよ、ジョナサンだよ!?おいで、おいで!」

ディオ「………」

ダニー「わ、わんわん!……??………ううう…」ビクビク

ジョナサン「ダニー!」

ディオ「犬めッ!」ギラッ

ダニー「??? ……ッ、ウォォォ~ン!!」


ディオ「………おお…」

ディオ「すっかり混乱しているな」

ジョナサン「これがいわゆるヤマアラシのジレンマ」

ディオ「犬なのに」



ディオ「………zzz」

ジョナサン「………」

ディオ「………ッぎゃあああ!?ぐわわわわ、あ、足がァァボディの足がつったあああ!!?」

ジョナサン「いたたたた!!痛い!これは痛いッ!!」

ディオ「ジョジョ貴様ッ波紋を使ったなァァァァ地味に痛い!!地味に痛い!!!まるで指とか外に反れてるような感じが地味に痛い!!感覚しか無ければ引っ張りもできんンンン~ッッ」

ジョナサン「そういえば波紋を使ったらどうなるのかと試してみたくなったんだけど…は、反省するよ、微弱なものでもこんなにダメージがあるなんて…」

ディオ「貴様の興味など無駄無駄無駄ァァァ!!まさに無駄ッ!!嫌がらせにも程がある!!そのスカスカの脳筋肉味噌に刻みつけろ、俺達は今や共存状態、ダメージは貴様にもダイレクトに返ると!!」

ジョナサン「本気で反省」

ディオ「態度で示さんか!!」

ジョナサン「無理難題」



ジョナサン「これが博物館か!なんて素敵なところなんだろう、ワクワクして仕方がないッ!」

ディオ「ああ、いたのかジョジョ。今度こそ消滅したのかと思ったぞ」

ジョナサン「早く!早く行こう!あ、館内の説明が書かれた紙を貰わなきゃ、端から順に隅々まで巡って、」

ディオ「うるさい、少し黙れ。…此処へは遊びに来たのではないのだ、何百年も前に作られた、曰く付きの刀剣を取りに来たのだからな。そいつにはスタンドが宿っているという、きっとこのdioの力となろう……」

ジョナサン「………」

ディオ「ぐがががが!!はっ波紋を流すなァァ!!き…気化冷凍法…!!」ビリビリ

ジョナサン「君がッ館内を巡るまでッ波紋を流すのをやめないッ!!」ボロボロ

ディオ「ボディが崩れるゥゥゥゥやめんかァァァ!!」ボロボロ

ジョナサン「よしッ端から順にだぞ!掲げられた説明も一字一句すべて読むからちゃんと立ち止まってくれよッ!?」ボロボロウキウキ

ディオ「………ああ…。足取れたけどな…」ボロボロ

アヌビス神「(なんかうるせえ)」



ジョナサン「クルマ…ジドウシャ…?なんだか不思議なものだな、馬車や船なら知っているんだけど」

ディオ「馬車は時折馬を休ませねばならん。船は沈んだり航海中の病気が懸念される。しかしこれはそのような心配がないらしい。エネルギーを入れねば走らぬが、大抵どこにでも停められ、馬よりも早く走ると」

ジョナサン「へえ…どうやって動かすんだい?」ワクワク

ディオ「それはまだ調べていない。しかし船の動かし方と似たようなものではないか?」

ジョナサン「ちょっと動かしてみよう」ワクワク

エンヤ婆「お待ちくだしゃれ。いけましぇんぞ、dio様。車を動かすには"免許"が必要ですじゃ」

dio「…免許?そんなもの無くとも、このdioにかかれば動かすなど容易い事よ」

エンヤ婆「免許無しに乗っては、車は木っ端微塵に爆発しますぞ?無免許運転、ダメゼッタイ。ですじゃ」

ジョナサン「えっ」

ディオ「えっ」

ジョナサン「………」

ディオ「………」ガッシャガッシャ

ジョナサン「…ああ、動いた動いた。押したら車が動いたよディオ、君はすごいな」

ディオ「………フン…いずれ得てやろう、免許…!この屈辱は必ず晴らす…!」



ジョナサン「この年代の料理も、とても美味しいなあ!やっぱり食事は口に入れて味わい食べなきゃ、吸血鬼なんか止めてくれよディオ、寝覚めも悪いし心が痛む」アムアムベチャベチャガフガフ

ディオ「食べながら話すな!余所見をするな!食事中に席を立つな!グラスをひっくり返すなァァァ」ダンダン!!

ジョナサン「そういう君こそ食事中にテーブルを殴らないでくれないか、皿が床に落ちてしまう」ムシャムシャグチャペチャ

ディオ「口を閉めて食わんかあああ!!食べるか喋るかどっちかにしろ!クソックソッこの上ない屈辱!このディオ、未だかつてこんなにも苛立った事はないィィィィィィ」

ジョナサン「」ムシャムシャムシャ

ディオ「………フー…」

ジョナサン「あ、そこの胡椒を取ってもいいかい」グビグビ

ディオ「グラス煽りながらテーブルに乗り上がるなあああ!!貴様のテーブルマナーは死んでも直らないのか、エリナとの食事は普通にしていただろうが!」ドンガラガッシャン

ジョナサン「馬鹿だなディオは、みっともないところを見せたらエリナに嫌われるだろう」

ディオ「おかげで私も貴様がますます大嫌いになったわ!!!」


ヴァニラ「(dio様は賑やかなお方だ…)」



ディオ「……ッ! ヌウゥ…また…何か見られたような感覚があったぞ…不愉快極まりない。早くこの原因を探る事のできるスタンドを見つけなくては」

ジョナサン「流石に僕もプライベートを侵害されては恥ずかしいな。とんだとばっちりだ、それもこれもディオ、君が悪さをするから」

ディオ「…意味はわからなくもないが、もしやプライバシーと言いたいのか」

ジョナサン「やっぱり、もう波紋を流して自害しよう。地獄に落ちようディオ、腐れ縁として付き合うから」

ディオ「断る。グダグダと言っている暇があるなら貴様も文献に目を通せ、スタンドを調べるんだ」

ジョナサン「こっちも見返す事ができればなあ……うーん………あれっ?」バチバチ

ディオ「なっ!?波紋か?波紋か!?あれ程やめろと言ったのに」

ジョナサン「いや、違うよ…これは…蕀?蔓か…?い、いきなり現れて腕に巻き付いて…うわ!ディオ、なんだいこれ!?」

ディオ「!! …不鮮明だが…水晶球に何やら映像が…?これは、こいつは」

ジョナサン「あ、あああ……わかるッ!!血の繋がりがそれを僕に教えてくれる、これは…彼らは……僕の血縁者…!子孫達ッ!!」

ジョナサン「ああ、ああ……感慨深い…!どことなくエリナの面影もある、そんな、こんな事が…あああ……」ポロポロ

ジョナサン「生きて…いや、もう死んでいるけれど…その内に、子孫達の顔を見る事ができるだなんて……」

ジョナサン「エリナ、君は……無事に逃げて、生きてくれたんだね…彼らが、彼らの存在がそれを証明してくれる。なんて喜ばしい事だろう!」

ディオ「……貴様は相変わらず腑抜けの間抜けの腰抜けジョジョだな。見ろ、こいつらの表情を。怒りに満ち満ちている、私を憎むこの目を。…貴様とそっくりだ…生き写しとはまさにこの事よッ」

ディオ「……フハ、フハハハハハハ!!ジョジョォ~こいつらは私を、いや貴様を倒しにくるのだ!今必死に私達の居場所を探っているのだろう、まさに!まさにまさに血眼ッ!!怒りに身を委ね私と貴様の息の根を止めに!!」

ディオ「なんと奇妙な悲劇だなぁ~…ジョジョ、この世界全てひっくり返し探しても、こんなにも辛く苦しい話はないぞ。貴様とエリナの血を分けた子孫が、襲ってくるなどと!辛いのはジョジョ、貴様だけだがなァ~…ッ」

ジョナサン「………」

ジョナサン「………それでも」

ジョナサン「それでも、構わない」

ディオ「何ッ」

ジョナサン「それでも構わない。僕は天国には行けない、行かないけれど、僕の最後の使命は、願いは、君を地獄へ連れて行く事だからだ。ディオ」

ディオ「………」

ジョナサン「僕の体はもう僕のものじゃない…君の許可無くして指一本動かせない。だからずっと待っていた、僕の意思を継ぐ者が、僕を…君を救ってくれる日を」

ディオ「……ジョジョォォ…!」

ジョナサン「怖がるなよ、ディオ。付き合ってやるからさ。僕らは友達だろう?表裏一体、一心同体、文字通り、地獄の果てまで付き合おう」

ディオ「……紳士であれ、ジョジョ!!その寝言ばかりの口をすぐに閉じろ!貴様の笑いどころひとつないジョークなど、とっくに聞き飽きている!」

ディオ「貴様の子孫など、根絶やしにしてくれるわ…」

ジョナサン「………」

ジョナサン「(………すまない……)」

ジョナサン「(………君達を苦しめてしまって。僕が不甲斐ないせいで……君達に迷惑を…)」

ジョナサン「(………)」

ジョナサン「(………待っているよ)」

ジョナサン「(ずっと待っていたんだ。もう僕は僕が見えないから、聞けないから。だから君達を待っていたんだ)」

ジョナサン「(これが運命ならば、受け入れよう。恐ろしくなどない、大丈夫)」

ジョナサン「(………待っているよ。君達が来てくれるのを。ありがとう…血を、意思を継いでくれて)」


ジョナサン「ありがとう」



ジョナサン「いやあしかし、自分の子供っていいものだね」

ジョナサン「なんだかくすぐったくて、嬉しくて……あ、もう一枚撮っていいかな。承太郎の顔をはっきり念写したいんだ」

ディオ「…子供子供というが、そいつらは貴様の顔もろくに知らん、子孫だぞ。ジョータローに至っては貴様の血も薄くなっているのではないか」

ジョナサン「それでも嬉しいものじゃないか。僕の子供が結婚して、また子を成して……感慨深いなあ、歴史を感じる」

ジョナサン「まあ…ディオにはわからないだろうけどさ。だって君は女性を食べる事しか考えていないんだから」

ディオ「」カチン

ジョナサン「…言ってはなんだけど、食べる事しか考えてない、なんて……野蛮だよね?紳士の風上にも置けない、対極の」

ディオ「」ムカムッカァーッ

ジョナサン「というか、君……お付き合いもそうだけど、もしかしてキスすらまだ…」

ディオ「キス以上もあるわァァァ!!!(泥で洗われたりしたが)この俺を侮辱するな、ジョジョォォォォ!!!」

ジョナサン「(途中がよく聞こえなかったけど)」


ヴァニラ「(dio様はお一人で何を騒いでいらっしゃるのだろう…つくづく賑やかなお方だ)」



ディオ「クソッ、ジョジョめ…調子に乗りおって。この首の傷さえ癒えれば貴様などすぐに消してやる…」

ディオ「………」

ディオ「………」


・・・


ホギャアホギャアホギャア


ジョナサン「ディオもすみに置けないな、知らないうちに一児のパパだなんて!…な?やっぱり子供って可愛いだろう、ましてや自分の子供なら」

ディオ「………フン」

キャッキャ

ジョナサン「あっ、笑った」

ディオ「………フ、フンッ!」

ジョナサン「(…大変動揺していらっしゃる)」



ジョナサン「赤ん坊は母親と共に逃がしたんだってね」

ディオ「言葉は正しく使えよ、ジョジョ。逃がした、のではない。逃げた、のだ」

ジョナサン「………」

ジョナサン「あの子が強く育つといいな、親の影響は絶対承けない方向で」

ディオ「………うるさいぞ、ジョジョ」

ジョナサン「………」

ジョナサン「今夜は付き合おう。朝まで飲むんだろ?酒」

ディオ「………フン」



ディオ「まあ、子供はジョルノだけじゃなく、まだ何人かいるけどな」

ジョナサン「えっ」

時系列めちゃくちゃですみません。また何か思いついたら書きにきます。

ありがとうございました!

・棺桶時は仮死?状態で呼吸ができなかった
・dioに体がなじめばなじむ程、波紋が弱くなる(ジョナサン吸血鬼化)
・ディオいわく、ジョナサンの、笑いどころがまるでないジョーク

などと考えております。

今日はジョナサンの誕生日らしいので、また少し書かせてください。ジョセフ達との会話も書きたくなりました。


ディオ「…ヤツらを気にしているのか、ジョジョ」

ジョナサン「ディオ!」ハッ

ディオ「ククク、今の私達は2人で1人の一心同体。貴様の考えなどすぐにわかる」

ジョナサン「…なんだか複雑だが、ほぼその通りだよ。こうして君に肉体を奪われ、意識、心のみだけの存在になった僕にできる事はない。ただこうして…君の非道を眺めているしかできない」

ジョナサン「だがそれも、もうあと僅かの事だと悟っている。僕の子孫が君を倒すか、君が首に残る傷を癒す程のエネルギーを得るか…はたしてどちらが早いかわからない。けれどどちらにせよ、それをもって僕は消滅する、全ての決定権が君に移る…」

ジョナサン「…笑えよ、ディオ。僕は悔しい!心がこんなにも掻き乱されるほどッ!何もできない、誰かが傷つくのを眺める事しかできない、それが悔しい、悔しいんだ!」ダンッ!

ディオ「………」

ジョナサン「君が新たなエネルギーを得るたびに、波紋を生む力も弱くなっていく…吸血鬼の、君の血が濃くなり、僕に入り込んでくる。僕が僕で無くなっていく。それが、とても……恐ろしいんだ…」

ありがとうございます



ディオ「………」

ディオ「………フー……」

ディオ「………腑抜けたな、ジョジョ」

ジョナサン「………」

ディオ「かつて、この私を追い詰めた男の台詞とは思えん。私は、…俺はこんなちっぽけなヤツを相手にしていたのか?」

ディオ「今の貴様は俺が見てきた中で、二番目のクズだ」

ジョナサン「なっ」

ディオ「俺の知るジョナサン・ジョースターではない。凄まじい爆発力、それを秘めるにも関わらず培われた冷静さ、反吐が出る程の甘ったれた考えに正義感」

ディオ「結局は俺に足元を掬われるばかりだが、そんな俺にとってのモンキーであった貴様は、今や蛆虫以下にしか見えん」

ジョナサン「………」

ディオ「グズグズと泣き言を垂れるしかできんヤツを、今まで飼い殺していた事を心から恥じよう。全く無駄だった。無駄無駄無駄……」

ディオ「………」

ジョナサン「………」

ディオ「………会わせてやろうか。ヤツらに」

ジョナサン「えっ?」

ディオ「勘違いはするなよ。ただの気紛れ、暇潰し、余興。それらにすぎん」

ディオ「貴様がまだ、腐っていないというなら。それを俺に見せてみろ」

ディオ「……このディオが認めてやった、尊敬してやったジョナサン・ジョースターを見せてみろ」

ジョナサン「………そんなこと言ったって、何をすればいいんだ?」

ディオ「フフ…言ったろう、余興だと」

ディオ「…この俺の手駒として働くなら、ヤツらに会わせてやる」

ジョナサン「なッ!!?」

ジョナサン「できるわけがないッ!そんなこと!」

ジョナサン「それは悪に手を染めろと言っているのと同じ!」

ディオ「クックック……まあ、そうだよな」

ディオ「腑抜けの間抜けの腰抜けジョナサンは絶対に受け入れん事だよなァァ~」

ディオ「だが…よく考えておくんだな」

ディオ「このまま情けなく鼻水を垂らして、べそをかくだけで終わるのと」

ディオ「一抹の望みに託して、機会を狙うのと」

ディオ「…さてさて、はたしてどちらが良いものか?」

ジョナサン「………ッ!………ッッ!!」ギリリッ


ディオ「(…血が滴る程に唇を噛み、悔しさと怒りを燃やして体を奮わせる。そんなイメージが流れ込んでくるかのような気迫!!)」

ディオ「(ククッ…悩め、葛藤しろ、苦しめ!ジョジョ!!)」


ディオ「(……まるで、昔の貴様を見ているかのようだ)」

ディオ「王たるこの俺に、腑抜けは不要ッッ!!」

dio「ヴァニラ・アイスッ!!」

ヴァニラ「此方に」シュタッ

ディオ「ジョジョ!貴様が悪に染まるなんてできないなどと、良い子ちゃんぶってグズるままを選択するならば!!」

ディオ「俺は即刻このヴァニラ・アイスに命じて、血を吸いッ!首の傷を癒し!!貴様を消滅させる!!」

ジョナサン「!!!」

ディオ「だが!そうではないと言うならば!」

ディオ「例え紳士の、正の理から外れようとも、望みへと手を伸ばすッ!戦士として果てると、その気概があると言うならばッ!!」

ジョナサン「………」

ディオ「このディオの手を取れいッジョジョ!」スッ

ディオ「これは死にゆく者への餞別、手向け。貴様の前にある道はどう進んでも先は無い。しかし貴様のやり方によっては、もしかしてその途切れた道に橋がかかるやもしれんぞ?」

ジョナサン「………」

ディオ「さあ…どうする、ジョジョ」

ジョナサン「………君に励まされる日が来るなんて、夢にも思わなかったな」

ジョナサン「気色が悪い」

ディオ「………フン」

ディオ「言ったろう、俺にとっては戯れなだけよ。ジョースターの血統?残らず叩き潰す。敬意を表し、それこそ飲みほしてやってもいい。どう足掻いても貴様らは、俺に負ける運命よ」

ジョナサン「………」

ジョナサン「僕の答えは……」

ジョナサン「………紳士であることを!正義を貫く!ディオ、君の悪事を止めてみせるッ!」

ジョナサン「僕の血を、魂を、意思を受け継いだ彼らに会いたい!!」

ジョナサン「彼らが負の遺産を、運命を断ち切ってくれるのを見届けたい!!」

ディオ「………フン」

ジョナサン「君に従うわけじゃない、僕は僕の体で、力で、君を止めて見せよう。僕の子孫達と共に」グッ

ディオ「物は言い様だな、ジョジョ」

ジョナサン「君の口車は相変わらず快調なんだと思い知ったよ。百年経っても錆び付いてやしない。フフ、子供の頃はよく騙されて酷い目にあわされたっけなあ」

ディオ「フッ、貴様は馬鹿だからな、容易かったさ」

ディオ「………」

ジョナサン「………」


ディオ「………ところでいい加減、手を離せ」

ディオ「アイスが困惑しているだろう」

ヴァニラ「………」

ジョナサン「あ、すまない。だってディオ、君と握手ができないからさ。代わりに」

ディオ「俺にはこの最強のスタンド、ザ・ワールドがある」

ディオ「即ち貴様に決定権を譲るのは、ただの気紛れ、遊び心というのを忘れるな。ジョースター達も貴様も、すぐにも消せるという余裕からの遊びよ」

ディオ「不穏な動きを見せれば、即座に貴様を消す」

ディオ「制約に縛られる中で、貴様がどう、無様にもがくか…フフ、楽しみにしているぞ」

ジョナサン「やってみせるさ。悪は必ず滅ぶという事を君に思い知らす。…まずは…」

dio(ジョナサン)「ヴァニラ・アイス。君はこの館に残り、ケニーgらと共に守りを固めてくれ。ここには大事な本や研究を纏めた書物が多いからな」

ヴァニラ「はっ?あ、いえ、…かしこまりました、しかし…私がお守りしたいのはdio様にございます…」

dio(ジョナサン)「僕は大丈夫だから。頼んだよ。(彼のスタンドは危険すぎる。奇襲、暗殺に特化したものだ…パワーも凄まじい。それに何より…彼には悪いが、その特性が僕の意義に反する)」

ヴァニラ「…かしこまりました。(…僕?)」

ジョナサンおめー



ジョナサン「外に出るのはまだ無理か、太陽が高い。もし子孫達が早く辿り着いてしまったら…」

ディオ「門番にペットショップとテレンスを配置している、問題ない。例え仕止められなくとも、時間はたっぷり稼ぐだろう」

ジョナサン「…僕に体を返してくれれば、太陽も平気なんじゃないか?試してみようよ」

ディオ「図に乗るな。主導権は俺にある、貴様に移るのは、俺の気が向いた時だけだ。第一そんな見えすいた自殺行為を、俺が易々許可すると思ったか?浅い浅い」

ジョナサン「………」

ディオ「主導権が移れば波紋もそこそこ使えよう…その際は気化冷凍法を合わせてガードできるかわからん…よって波紋の使用は基本禁止だ。頭に叩き込んでおけよ」


・・・

ドォォン…

ジョナサン「!!」

ディオ「…来たか」

ヴァニラ「報告致します。ペットショップ、テレンス、共にジョースターらに倒されました。ケニーgも発見された為、現在、館に張った幻覚が消えております」

ヴァニラ「直にdio様のいらっしゃる、この部屋も発見されましょう。…どうか私めに、出撃する事の許可を。dio様」

dio(ジョナサン)「ダメだ。君はここに残り、蔵書を守れ。この先読めなくなるとしても、大事な本や資料達だ」

ヴァニラ「しかし!dio様ッ!!」

dio「……しつこいぞ、アイスよ」

ヴァニラ「」ビクッ!

dio「何度も同じ事を言わせるな。同じ事を言わせるというのは、お前が馬鹿で、私の言うことを理解できない。そういう事だぞ?」

dio「同じ事を言うのは、無駄だ。無駄無駄無駄……。……アイスよ。私は馬鹿な忠臣を傍に置いた覚えはない。お前は……私を煩わせたりなどはしない。そうだよな?」

ヴァニラ「……は、はッ。も…申し訳ございません」

dio(ジョナサン)「……ありがとう。それじゃあ、蔵書の事は任せたよ。ついでに掃除を頼んでいいかな?ついサボってしまうんだ…埃が溜まって酷いからさ。宜しく頼むよ」

ヴァニラ「…は……はッ!……ですが…しかし…やはりdio様の手を、それこそ煩わせるには……私には……」

dio「………」

dio「………フー……」

dio「わかった、わかったよアイス。私の負けだ」

ジョナサン「!! ディオ!」

dio「お前の忠誠心は私ですら末恐ろしくも感じるよ。こんなにも私を慕い、熱い男を止めておくなど贅沢が過ぎるというものだ」

ディオ「尽くそうとする心意気を無下に扱うなど、戦士に対して失礼ではないか?ジョジョ」

ジョナサン「……くっ……う」

dio「…ヤツらは任せたぞ。ヴァニラ・アイスよ」

ヴァニラ「!! …はッ!…dio様……必ずやジョースター達を…仕留めてみせます」

ガオンッ!

dio「……ドアくらい開けて出ていけ…マナーだぞ、マナー。どこぞの紳士もどきと良い勝負だな…全く」

ジョナサン「………」

ジョナサン「(…彼を…止めきれなかった!彼のスタンドは恐ろしい…この館という閉鎖空間が彼を最強に仕立て上げてもいる。このままでは…このままでは、何人か…いや、最悪全滅も…)」

ジョナサン「(クソッ!やはり僕には無理なのか!?ディオと一体化している今、彼の悪事を止められないのか!)」


―― 己の無力に嘆くジョナサン。

だがそれは違うッ!
彼は彼らを守ってみせた!

ジョナサン自身気づかない事だが……運命は…"ほんのちょっぴり"だけでいい…

目覚ましが鳴って、それを止めて、あと五分。その五分が気持ちいい。
柔らかく暖かい布団の中で微睡むその五分、なんとも幸福な五分。

しかしその五分が、五分だけ、ずれただけで運命は変わる。

"五分早く起きていれば、会社に遅刻しなかったのにな"

"五分早く起きていれば、あの電車に乗れたのに"

運命は、たった五分だけでいい。たった数十秒だけでいい。

"ほんのちょっぴり"……それだけで、劇的に変わるのだ。

アヴドゥル「ポルナレフ!!イギー!危ないッッ!」バギァッ


―― "ほんのちょっぴり"だけでいいッ!


ガオンッ!!


ポルナレフ「アヴドゥルゥゥゥーッッ!!」

アヴドゥル「……ッぐああああッッ!!あああ……ッあ…!」


―― ジョナサンの説得が生きた!ジョナサンがヴァニラ・アイスを説得した時間が、たった数十秒だけのずれが、運命を大きく変えたのだ。

アヴドゥルがポルナレフ達を庇うために、彼らを殴り飛ばし、その反動で態勢が崩れ、床に落ちる。

運命が正しく進んだなら、アヴドゥルは床に倒れる前に亜空間に喰われ、両腕だけを残して消滅していた。

しかし今、運命は"ほんのちょっぴり"だけ、ずれている。


ポルナレフ「アヴドゥル!!あっあ……足が!アヴドゥルの両足がない…ッ!!なんてこった!スタンド攻撃か!?」

アヴドゥル「ぐッ、うぐぐ…ッ!!し、しかし、炎探知機にもイギーの鼻にも感じられなかったなんて…、こいつは…!?」

ヴァニラ「…このヴァニラ・アイスに傷を負わすとは…確かにdio様の言ったとおりだ」

ヴァニラ「アヴドゥル、貴様は最早、再起不能。足を無くしたお前を倒すなど…赤子の手を捻るが如し…。今はポルナレフだ…ヤツは確実に追い詰めて倒す…確実に……」ガオンッ

アヴドゥル「ぐッ!うぐッ!!ポ…ポル……ナレフ…!イギー…ッ!!」


―― 運命は"ほんのちょっぴり"の事で容易く変化する…

しかしその修正力も強い。アヴドゥルは助かった。だが運命の修正力はポルナレフとイギーを再び襲う。


ジョナサン「……僕は…無力…なのかッ!」


―― いいや違う!

運命を変えるだけの"ほんのちょっぴり"が!またも生きた!


ヴァニラ「ゲボッ!」ドズウッ!!

ポルナレフ「やったッ!命中だッ!しゃぶれッ!俺の剣をしゃぶれッ!このドグサレがッ!」


―― dioは命じていない。ヴァニラ・アイスに、その生き血を捧げるよう命じていない。
ジョナサンを煽る為に使った、その行為がここで生きた!

ヴァニラ・アイスは!吸血鬼化していないッ!

・・・

アヴドゥル「………ッポルナ…レフ……イギー…」


コツン…
      コツン…


アヴドゥル「………」

ディオ「……太陽光に気をつけろよ…ジョジョ…少しでも触れれば、そこでジ・エンドだ」

ジョナサン「わかっているよ」

アヴドゥル「………(誰…だ…?ジョースターさん…?いや違う…足音は…ひとつ……)」

アヴドゥル「(…し、しかし……私の炎探知機には…ひとつ……大きく揺らめく炎…そのすぐ傍らに…小さくも……強く煌めく…炎が……)」

アヴドゥル「(ぐ、う…意識が……!ポルナレフと…イギーか……?わ、わからん……もう…、…血を…出しすぎ……て…)」ガクッ

dio「………」

ジョナサン「………」

ジョナサン「………ありがとう」

ジョナサン「君は立派にやり遂げてくれた。僕の子孫達を、彼らの友人を、守り導いてくれた。報告だけだが、君を畏怖し警戒するディオの部下はとても多かったと感じたよ」

ジョナサン「ありがとう、心から感謝すると共に、立派な戦士に敬意を贈ろう。今はゆっくり休んでくれ」コオオオオ

ディオ「…ぬうう…うッ!…やはり…波紋は危険すぎる……気化冷凍法でも、内なるものは防ぎきれん。そこまでだジョジョ、それ以上は許可しない!」ボロボロ

ジョナサン「…仕方ない。出血だけは防げた、あとは彼の生命力次第か」

ジョナサン「暫くぶりで本格的に使ったからな、調整が難しい。もう一度試させてくれないか?ディオ」

ディオ「ふざけるな、もう許可はしない。調子に乗るなよジョジョ」

ジョナサン「波紋をも克服した吸血鬼なんて、最強すぎると思うんだけどな。僕だったら勝てそうにないよ。もう一度だけさ、もう一度試して、ダメなら諦めるから」

ディオ「………」

ジョナサン「それに、相手は僕の子孫だぞ?波紋も使えるんだろう、今のうちに対策を整えておくのもいいんじゃないか」

ディオ「このディオを愚弄するか?波紋なぞ…、若き日の俺は手を焼いた。しかし今は違う」

ジョナサン「そうだね、君の強さは僕が一番認める。僕が一番知っている。だからこそ、さ。傷を癒す波紋と、太陽の波紋は別物と言ってもいい。とにかくは"慣れ"だ。…行こう」

ディオ「………波紋は慣れる事などないと思うのだが。やれやれ全く、昔から変わらん頑固さだ…」


アヴドゥル「……………ぐっ……。ぅ……あ……暖…か…い……?これは…一体……」

・・・

イギー「………」ピクピク

ジョナサン「………」スッ

ジョナサン「……こんなにも小さな体なのに…君はとても勇敢なんだな、尊敬する」

イギー「………」

ジョナサン「ここで僕が君を助ける事は、君のプライドをひどく傷つけるだろう。君は気高い、孤高ともいえる。だがこれは情けなんかじゃない、僕のエゴだ」

ジョナサン「僕は昔…遠い昔、僕の大切な友達を失った。きっとすごく怖い思いをしただろう、寂しかったろう、なのに助けられなかった」

ジョナサン「…彼ならきっと怒る。君を見捨てたら、怒って僕を軽蔑するだろう。彼は誰よりも"命"の大切さを知っているんだ。僕も…彼に教えてもらった…」コオオオオ

ディオ「気化冷凍法……ッ!………ッ…!」ピキピキ

ジョナサン「ありがとう。これで彼が救われたわけじゃない。けれど、ほんの少し。ほんの少しだけ……僕は救われた。…ありがとう…。君のおかげだ」


イギー「………ク…ゥン」


アヴドゥル
亜空間に両足を喰われるも一命は取り留める、再起不能


イギー
ヴァニラ・アイスの責めを受け瀕死、再起不能


ヴァニラ・アイス
ポルナレフの怒りを受け死亡

ディオ「………」ボロボロ

ディオ「(少しずつ…少しずつだが……コツが掴めてきている。これもジョナサンと一体化しているからこそ、かもしれん。が……少しずつ。………波紋のダメージを防ぐコツ、タイミングが…掴めてきている)」シューシュー

ジョナサン「………」

ディオ「ジョジョ、そこまでだ。これ以上の波紋使用は許可しない。ボディのダメージを回復せねばならん」

ディオ「今ここで自爆しては、子孫共に会えんぞ?自害もひとつの方法かもしれんが、それは俺と交わした取引、約束を破ること」

ジョナサン「………ああ。わかっているよ」

ジョナサン「一度飲んだ条件……約束を、破るつもりはない。自害も今はする気はない、回復しよう」

ディオ「自室に戻る。不味いが医療用血液のパックがあるからな、ひとまずはそれで繋ぎ…日が落ちてから街へ下りるとしよう。血は新鮮なものに限る」

ジョナサン「………」

ありがとうございます!



ディオ「ムッ?」ピタ

ジョナサン「…彼は…」

ポルナレフ「dio……お出ましかい」

dio「ポルナレフか。久しぶりだな」

ドドドドド

ジョナサン「(…今、彼と戦うのはまずい。こちらもいくらかダメージがあるとはいえ…彼は負傷している。何よりも……ディオのスタンド、ワールドの正体を知らない彼には圧倒的不利!)」

ジョナサン「(考えろ…考えるんだ、ジョナサン!過程や方法、なんでもいい!彼を救うことのできる何かを…)」

ジョナサン「(ディオのスタンドと戦わせてはならない…ディオにスタンドを発現させてはならない……、……いいや、違う!)」

ジョナサン「(それは逆!逆に考えるんだ、ジョナサン!!)」

ジョナサン「("スタンドを出させちゃいけない"?違う!)」

ジョナサン「(――答えは!"出しちゃってもいいさ"!だ!!)」

ポルナレフがdioの挑発に乗り、足を上げ階段を踏む。
その瞬間、いやそれよりも早く発現されるdioのスタンド。最強のスタンド、"ザ・ワールド"。

時は止まる ――

ジョナサン「この瞬間ッ!!」

―― 発現するのはジョナサンのスタンド!!

ディオ「ッ!?」

それはジョセフのスタンド、ハーミット・パープルによく似ている。比べる機会があるかはわからないが、ジョナサンの方が若干、性能が勝っているか?
伸びるその蕀はディオが攻撃するよりも早く、ポルナレフを押し避けて階段から下ろした。

ディオ「ジョジョ…貴様何を」

ジョナサン「…見ろよ、ディオ。彼は階段を上がっていない、下りている。つまり彼には戦う意志が無いということだ」

ディオ「……それは詭弁というものだ」

ジョナサン「だが、階段を下りろと言ったのは紛れもない、君自身だろ?」

ディオ「………フン。時間切れだ」

―― 時は動き出す。

ディオ「ジョジョのいらん事しいめ。だが、まあいい。ポルナレフは混乱しているようだ。隙だらけ…そんなヤツの攻撃など、無駄無駄無駄」ドドドドド

ポルナレフ「それがザ・ワールドかッ!こいーっ」

ボゴオオン !!

dio「!! ヌウウ……!!」

ポルナレフ「ジョ……ジョースターさん!」

ジョセフ「安心するんじゃ……ポルナレフ」

ジョナサン「!!」

ジョナサン「…あれが……彼が、僕の……」

ディオ「…フッ。部屋に戻るぞ、ジョジョ」

ジョナサン「彼が!僕の孫……子孫達!!」

・・・

承太郎「…アヴドゥルとイギーは?」

ポルナレフ「こ…ここまでは来れなかった……俺を助けるために…深手を負って動けない」

ジョセフ「……そうか…spw財団に連絡を取らねば…」

花京院「しかしジョースターさん…実にまずいです、陽が沈みかけています。急がないと」

ポルナレフ「……ジョースターさん…まさかここにきて、次の日の出を待つなんてことは言わないよな…」

ポルナレフ「言っておくがジョースターさん!俺はこのままおめおめと逃げ出すことはしねーからなッ!」

花京院「僕もポルナレフと同じ気持ちです」

ジョセフ「……わしだって同じ気持ちじゃ…しかし、dioが太陽の光に弱いということ。アヴドゥルとイギーを一刻も早く安全な場所に移さなくてはならんこと…」

ジョセフ「何より、ポルナレフ!お前が体感したdioのスタンドの謎!それがわからん今、下手に動くことは得策と言えんッ!!」

ポルナレフ「う…う……」

花京院「………」

花京院「承太郎ッ!君の意見を聞こうッ!」

承太郎「……アヴドゥルとイギーを助ける……それと同時にdioと戦う…つまり」

承太郎「二手に分かれて…挟み撃ちの形になるな」

ポルナレフ「!!」

花京院「………」ニコリ

ジョセフ「……よし!わしと花京院はdioを追おう。ポルナレフはアヴドゥルとイギーの居場所を知っている。承太郎、怪我をしている彼をサポートするんじゃ」

ジョセフ「dioの肉体はジョナサン…わしの祖父のもの。承太郎もうっすらと感じておるかもしれんが、血の繋がりか、dioの動きはなんとなくわかる。そしてそれはdioも同じこと」

ジョセフ「二手に分かれるならばこの組み合わせがベストじゃろう。頼んだぞ、二人とも」

承太郎「ああ」

ポルナレフ「ジョースターさんも花京院も!無茶はするんじゃねーぜッ!?…俺はもう……友人を失うのは御免だ!!」

花京院「…わかっているよ。……ジョースターさん、急ぎましょう。陽が沈む、もうほとんど光が射していません」


ジョセフ「……ああ…ヤツの時間が…来てしまった」

ありがとうございます!



ディオ「……ヤツらは二手に分かれたようだな…」

ジョナサン「あれは確か…トラックとかいう自動車か。いつ見てもすごいパワーとスピードだ」

ディオ「……まずはジョセフを追う。この首の傷を癒すには、承太郎よりも貴様に近いジョセフの血が最適だろう」

ジョナサン「………」

・・・

ベギン

dio「……前座席へ行け。運転してもらおう」

上院議員「おげえぇぇあああ~ッッ!!イイデェーッ」ピューッ

ジョナサン「おい、ディオ!あまり酷いことをするな!」

ディオ「フン。貴様は黙っていろ、偽善者が。耳障りだ」

dio「…貴様もだ。ギャーギャー喚く気力があるなら結構。もう一度言う……運転しろ」バギボギベギ

上院議員「うぎゃああああ!! …ッ助け…助けてッ!」

ジョナサン「! そうだっ!逃げてくれ!」

ディオ「…無駄無駄無駄。このディオの力を忘れたか?」ドドドドド

・・・

dio「……軽トラックに追いつくまで飛ばせ…追いつけなければどうなるか…」

上院議員「はッはいぃ~!!」

上院議員「じゅ…渋滞ですゥ~ッ…この時間帯は道路が混んでギシギシなんですゥ」

dio「…歩道が広いではないか。行け」

ジョナサン「なっ!」

上院議員「ほ、歩道~ッ!?仕事帰りの人があふれていますよォォォ」

ジョナサン「やめろ、ディオ!!自動車にぶつかったら人が怪我をする!そんな事、許さないぞ!」

ディオ「………」

ディオ「………」クスクスクス

dio「関係ない。行け」

上院議員「は……はいィィィィーッッ!!」ドドドドド

ジョナサン「やっやめろ!やめるんだァァァッッ!!」


きゃああああ!!

     ひぃいいッッ…!!


ジョナサン「ッ……!!ううッ!!くそ…くそぉッ……!!」ギリギリ

dio「…もっとだ。もっと飛ばせ。近くでなければザ・ワールドは使えん」

dio「………ん?」

ドドドドド

dio「…これは…花京院の」

花京院「dioッ!くらえ!エメラルド・スプラッシュ!!」ドバァァッ

dio「………フフ」ビシィッ

花京院「!! なんてヤツだ…シートから腰を浮かさず指一本だけで弾き返した!」

dio「………」

ディオ「………フー……」

ディオ「面倒臭いな。ジョジョ。お前がやれ」

ジョナサン「………ッ………ッ!!」

ディオ「やれ。過ぎたことをいつまでクヨクヨしている。相変わらず女々しいヤツだ」

ディオ「お前がやらぬならば、またそこらを歩いている人間を捕まえて盾にでもするか」

ジョナサン「………!」

ディオ「さあ。どうする?ジョジョ」

花京院「これならどうだッ!集中砲火エメラルド・スプラッシュ!!」ドババァッ

ジョナサン「………ッ!!」

ドッバァァァ!!!

花京院「なッ!!?」

ジョセフ「なんじゃと!?」

花京院「集中エメラルド・スプラッシュをも弾かれた……い、いや、それも脅威だが…それ以上の!!衝撃が!」

花京院「dioの乗る自動車を護るように包んだあの蕀はッ!まさしく!!」

ジョセフ「ハーミット・パープル!!」バァァーンッ

ジョセフ「それにあの量はなんじゃッ!?あれだけの蕀はわしも出せるかどうか……ハーミット・パープルにこんなにもパワーがあったのか!?」

花京院「dioのスタンドは…ジョースターさんと同じハーミット・パープルなのか…?……ハッ!!」

ワールド「無駄ァッ!!」ドッゴォォン!!

花京院「ぐあああッッ!!」

ジョセフ「花京院!!」

ジョセフ「花京院!大丈夫か!?気をつけろ!ヤツに近づきすぎじゃぞ!怪我をしたのか!?」

花京院「す…すみません…つい…。し、しかし…ジョースターさん、見ましたか、今の」

花京院「dioのスタンドは…2種類あるのか…?接近パワー型のスタンド…あれがザ・ワールド。そして…まるでジョースターさんのスタンド、ハーミット・パープルのような……」

花京院「わ…わからない…スタンドは複数持てるのか?dioの謎は一体……」

ジョセフ「……むっ?………おかしい…ヤツの車が停止したぞ」

花京院「!! 気をつけてッ!なにか飛んでくる!」

ジョセフ「!? あれはッ、ぬおおお!!?」

―― それは蕀!!ジョセフのスタンドと酷似したハーミット・パープル!

ジョセフ達を襲う蕀はたったの一本。しかしッ!太い!!ジョセフのハーミット・パープルを紐に例えるならば!襲ってきた蕀は綱!

それがジョセフ達の乗る自動車に、前輪タイヤに突き刺さり、パンクさせ!勢いそのままに自動車は転がり大破した!

ジョナサン「…すまない…運転してくれた彼の命を守るためだ」

上院議員「ひッ、ひッひッ」ガクガクブルブル

dio「………ジョセフ達がいない。フン。上に逃げたか」


花京院「………」

ジョセフ「何をしている、花京院!早く来いッ」

花京院「ジョースターさん……dioのスタンドの謎を解けるかもしれません」

ジョセフ「何ッ!?何か思いついたのか!?」

花京院「はい。…しかし、大きな賭けになるかもしれません。ハーミット・パープルそっくりのスタンド……謎の近距離パワー型スタンド……上手くいけばどちらの正体も暴け、倒せる…大きな賭けに!!」

ありがとうございます。




ポルナレフ「承太郎ッ!いたぜ、花京院とジョースターさんだ!dioもいる!!」

承太郎「じじい達もdioも建物の屋根を行ったようだな……」


dio「…前方に…花京院とジョセフ。後方からはポルナレフと承太郎……二手に分かれた挟み撃ちか。フン。無駄なことを……」

ジョナサン「!! ディオ!下だ!!」

ドドンッ!!

dio「ヌゥッ!これは……花京院のハイエロファント!」バシバシバシ

ジョナサン「後ろからも!」

ディオ「蕀でガードしろ!ジョジョッ!!」ドバァァッ

dio「ハイエロファントの結界…!!」

花京院「近距離パワー型なら!半径20メートルも離れれば射程範囲外!蕀でのガードも四方八方から発射されるエメラルド・スプラッシュを防ぎきれまい!」

花京院「くらえッ!dioッ!半径20メートル、エメラルド・スプラッシュをーッ!」ドドドドド

dio「間抜けが…知るがいい!ザ・ワールドの真の能力は…まさに!『世界を支配する』能力だということを!」

dio「ザ・ワールド!!」ドォン!!

花京院「 」

ジョセフ「 」

dio「…これが…ザ・ワールドの真の力だ……もっとも、時間の止まっているお前には見えもせず感じもしないだろうがな…!」

dio「終わったな!花京院ッ!!」


ジョナサン「(―― ダメだ!!)」

ジョナサン「(このままでは!彼が!花京院が危ない!!守らなくては!血統を!友を!彼らを守らなくては、それが僕の使命なんだッッ!!)」

ジョナサン「ディオォォォ!!僕に!呼吸を合わせろーッッ!!」コオオオオ!!

dio「!! 波紋ッ!?」ピキピキ

ジョナサン「突き出された拳は止められない!ならば!!その勢いはそのままに!」

ジョナサン「貫く力に波紋を乗せる!同時に纏うは、"くっつく"波紋ッ!!自身に受けるダメージはディオの気化冷凍法でガード!貫かれた彼の傷口はくっつく波紋で即!塞ぐッ!!」

ディオ「ジョジョォォ!!貴様ァッ!!」

―― 時は動き出す!!

ドッゴォォォンン!!

花京院「グハァッッ!!……ッ!な…に……!?」

ジョセフ「なッ!?な、なんじゃと!?花京院!な…何が起こった!一体!これは!?」

花京院「き…気づいたら……殴り飛ばされていた…ううッ…!」

花京院「(ハイエロファントの結界も破られている…いつの間に…?あの蕀を奮った?違う…何も見えなかった、斬ったという感じじゃない、一瞬……一瞬のことだった…)」

花京院「(こ…こんな芸当がはたして可能なのか?結界を破り、僕を殴り飛ばし…それも一瞬で……まるで時が止まったかのように…)」

花京院「……時…まさか……dioの謎のひとつは…時……!?うぐッ!」ズキン

花京院「(それでも…謎の全てが解けたわけじゃない。ハーミット・パープルに似たスタンドはなんなのか…そ……それに…dioに殴られた箇所が…実に奇妙…ッ!)」

花京院「(貯水槽にぶつかった衝撃で骨が折れたか……?でも、殴られた腹の傷が……無い!貫かれたように服がズタズタに破れているのに、腹に痛みが残っているのに、傷が無い…!)」

ジョセフ「花京院ッッ!!大丈夫かァッ!?」

花京院「ハッ!ジョ……ジョースター…さん…!わ、わかりました、dioの能力の…ひとつが……ッ」

花京院「(…ダメだ……酷く目眩がする…い、意識が……気絶する前に…伝…えなくては……ッ!!)」

ドゴォッ!!

ジョセフ「ッッ!!?」

花京院「ジ……ジョースターさん…気づいてください……、…こ、これが…dioの能力……ひと…つ…」ガクッ

ジョセフ「花京院ッッ!!なんじゃ、何故時計なんぞをエメラルド・スプラッシュで撃った?何かのメッセージなのか…?」

ジョセフ「時計…壊す……時計が止まる……時が…止まる?………!まさか!まさかdioのスタンド能力は!」

ジョセフ「―― ハッ!?」

ポルナレフ「あれはッジョースターさん!dioに追われている!?」

ジョセフ「ハーミット・パープル!!」ビシュウッ

ジョセフ「よしッdioを捕らえたッ!!続けて食らえい!太陽のエネルギー波紋ッッ!」


ディオ「………」

ディオ「………フー……」

ディオ「老いぼれが……貴様のスタンドが一番なまっちょろいぞッ!!」

ジョナサン「彼も僕らにだけは言われたくないだろう」

ディオ「言ってる場合かァァァァ!!」


dio(ジョナサン)「波紋を消すにはどうすればいいか?……答えは!もうひとつ波紋を作るッ!」

dio(ジョナサン)「おおおお!波紋疾走ッッ!!」

ジョセフ「!!?」

ドッギャァァーンンッッ!!

見てますよ

>>122貴様ッ見ているなッ!?(ありがとうございます)



ジョセフ「なッ…なっなっ…なんじゃと……!?い、今のは…確かに…"波紋"…波紋……じゃったぞ…バカな…dioが波紋を使った…?」

dio(ジョナサン)「………」

dio(ジョナサン)「そもそも波紋を使えば加齢も抑えられる…見たところ、波紋の呼吸を止めているようだ。だからかな、僕の波紋でも弾けたのは」

dio(ジョナサン)「…僕も子供の頃は嫌いだったさ、復習…なんて。一度習ったことをもう一度やるなんて、時間の無駄じゃあないか?遊びに行きたい!そう思っていたものだよ」

dio(ジョナサン)「でも…ダメなんだ、それじゃあ。復習に復習を重ねて…積み重ねて…そして漸く身に付くのが…それが……知恵ってものなんだ」

dio(ジョナサン)「サボってしまうと…よく鞭で叩かれた。そう!こうやって!!」バシィッ

ジョセフ「ぐあぁッ!!」

ドサァッ!!

ジョセフ「う…うぐぐ」

客1「なんだ?こいつはよぉ~」

客2「空からじじいが降って来やがったぜ」

客3「サンタさんよ、サンタさん」

客4「おい、じいさん!屋根の上で何してた?女でも覗いていたのか?」 ギャハハハハハ


ジョセフ「ッく……」

承太郎「! じじい……」

ジョセフ「承太郎!下がってろ!わしの方へ来るんじゃない!」

ジョセフ「dioのスタンドの正体は時じゃ!時を止めるスタンドなんじゃ!それだけじゃあないッ、ヤツは…波紋も、ハーミット・パープルも……!」

dio「ザ・ワールド!!時よ!止まれいッッ!!」ドォーーーン


ジョセフ「 」

承太郎「 」

dio「最初はまばたきほどの一瞬しか止められぬ能力だった」

ジョナサン「(dioの進む先の障害は僕の蕀が避ける)」

dio「しかし……この首の傷がなじんでくるにつれ、2秒……3秒と長く止められるようになった」

ジョナサン「(しかし僕の孫をからかい、笑い者にしたのは許せん)」ビシッ! ビシッ!

dio「楽しみだ…だんだん長く時間を止めるのはな……」

ジョナサン「(怪我をしているかもしれない人間を!助けもせず笑うなど!紳士として恥ずべきことだぞ!)」ビシビシィッ!!

ディオ「………貴様は何をやっている、ジョジョ」

ジョナサン「………」フーフー


dio「……おっと。ジョセフは波紋で全身をガードしているんだったな」

dio「百年前は手を焼いた波紋も…貴様の祖父が直々に指導してくれたおかげで学習ができたぞ?フフフ…」

dio「更に!我がスタンド、ザ・ワールドの前では全くの無力ッ!」

ジョナサン「!! ディオ…それはナイフ!?」

dio「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!」ビシュッ!!

ジョナサン「あっ!な、なんてことを!!」

dio「ジョナサンの孫……ジョセフ。これで貴様は死んだ!……1秒前…ゼロ」

―― 時は動き出す

ジョセフ「!! うぐっ!ぐあぁ…」ドバァッ

承太郎「!!!」

ジョナサン「なッ!なんてこと!!なんてことを!ディオォォォッッ!!」

承太郎「………野郎……dio……!!」ドドドドド


ジョセフ「うが…あ……ああう…」ズシャァア

ジョセフ「に……逃げろ……承…太郎……」

承太郎「……じじい……」

ジョセフ「距離を……距離を、取るんじゃ…離れ………ろ…」

ジョナサン「ああああ!!なんということだ…僕の……僕の孫が…エリナと僕の孫が…死んでしまう!!目の前で!」

ジョナサン「そんなことッ!あってはならないことだッ!!」

ジョナサン「エリナ!エリナァァ!!僕に力をーッ!!!」

―― 運命ッ!

ここでジョセフの命は尽きてしまうのか。ジョナサンの叫びはただ虚しく響くだけなのか。

違う!運命は!掴める!!繋がる!手繰り寄せるッッ!!

ジョナサン「ジョセフゥゥゥゥッッ!!!」ドシュゥゥッ

―― 彼らを縛る運命が!血統が!蕀が!

今!繋がったッッ!!



・・・

ジョセフ「………」

ジョセフ「………んが、」

ジョセフ「ん~…ムニャムニャ……あと三時間…」

ジョナサン「………寝坊助にも程があるぞ。起きろ」

ジョセフ「…んが?あ…?なんだ、ここ。暗いとも違うし……黒いとも違う…」キョロキョロ

ジョセフ「それに、これもなんだァーッ?顔の皺がねェッ!ダンディーな髭もッ!!義手でもないぞッこれは俺の手じゃん!」ペタペタ

ジョナサン「簡単に言えば精神の世界だからね。感覚に合う姿になるんだろう。もっとも…感覚だけなんだから、"姿"というのも、おかしな話なんだけど」

ジョセフ「!! 誰だッ」

ジョナサン「間に合って良かった…本当に……目元はエリナ似かな?真っ直ぐで煌めく力を感じる…ああ、本当に良かった…ありがとうエリナ…力を貸してくれて」

ジョセフ「だから誰だって聞いてんだよッこのスカタン!ノックしなきゃ~返事はしねーのかァッ、呆けてブツブツと俺のばあちゃんの名前を呟いて………え?」

ジョナサン「だけど性格は誰に似たんだ?荒々しく乱暴で血気盛ん、…スピードワゴンにか?」

ジョセフ「目には見えない……耳に聞こえない…でも、なんでだ?姿を感じる、声を感じる!あっ頭がパンクしそうだ!!」

ジョセフ「そうだッこの姿!思い出した!昔、エリナばあちゃんに見せてもらった!肖像画!!まさかッ!あんたはまさか!?」

ジョセフ「じっじっ……じいちゃん!?ジョナサンじいちゃんなのかッ!?」

ジョナサン「………」ニコリ

ジョナサン「間に合って良かった。ディオの攻撃を受けて倒れた時…ディオから身を守るために全身を波紋でガードしていたこと、ハーミット・パープルを巻きつけていたこと、それが良かった」

ジョナサン「こうして蕀同士を絡め、繋げ…波紋に波紋を乗せて、君を引き止めることができた。本当に…良かった……」

ジョセフ「オーッ!ノーッ!!」

ジョセフ「おっおっ俺はァァァ死んじまったのかァーッ!?ここは天国か!?だってじいちゃんがいるもんなーッ!やっぱり死んじまったんだろーなァーッ!」

ジョナサン「………」

ジョナサン「君は死んでいないよ。死なせない。何故なら僕が守るからだ。エリナが守るからだ」

ジョナサン「だからこの蕀を解くな。手を離すな。今……僕の波紋を君に渡す。そうすれば復活できる」

ジョナサン「昔、僕の師匠がそうしてくれたように。ツェペリさん、彼がそうしてくれたように。君に僕の全てを伝える。……波紋で!」

ジョセフ「ツェペリ!?じいちゃんもツェペリを知って……いや、そうか、そうだよな。シーザーが話していたもんな」

ジョナサン「シーザー?」

ジョセフ「シーザー・アントニオ・ツェペリだよ、そいつから聞いたんだ。シーザーのじいさんも、俺のじいちゃんと一緒に戦ったってさ」

ジョナサン「……ツェペリさんの孫ということか?それは…実に奇妙な因果か、関係か……というかツェペリさん、血縁者がいたのか…あれ?」

ジョナサン「…まあいい、その辺りは察しよう」

ジョセフ「でッでもさッじいちゃん!波紋を渡したらじいちゃん、死んじゃうんじゃないか!?俺ヤダぜッ!そんなのヤダぜッ!」

ジョセフ「波紋はもうまっぴらごめんだ!確かに便利だけどさ、修行はチョー厳しかったしィ~ッ!今でもうっかり思い出すと呼吸ができなくなるよーな感覚になるんだ、ムカつくぜーッあのマスク!」

ジョセフ「それに、波紋を渡されるとか絶対イヤだ!もうイヤだ、二度も味わいたくねーんだよッ!大事なヤツが死んで!最期の形見が波紋!割れちまう、消えちまう波紋なんて!」

ジョセフ「スージーqと一緒にいられなくなる波紋なんて!もうイヤだッ!!たまに使うくらいが丁度イイんだよッ!多様しちゃあダメなんだ!」

ジョナサン「………」

ジョナサン「………この世界では…嘘が吐けなくなる」

ジョナサン「自分でも全く気づかない"本音"……普通なら聞くことのできない、自分でも聞けない本音。自分なのに知らない本音」

ジョナサン「吐き出すことで、またきっと、強くなれる」

ジョナサン「でも…ダメなんだ…それだけじゃあダメなんだ」

ジョナサン「覚悟を決めろッ!!ジョセフ!!」

ジョセフ「」ビクッ!

ジョナサン「紳士だったら!男だったら!!泣くんじゃない、泣き言を吐くんじゃないッッ!!」

ジョナサン「覚悟を決めろ!でなければ君の大事な人をまた失うぞ!?君の友を!妻を!娘を!孫を!!また失うことになる!」

ジョセフ「………」

ジョナサン「覚悟を決めて大切なものを守る!友人を守る、家族を守る!!それが男というものだ!」

ジョナサン「覚悟を決めた己を守り通すのが男というものだ!!」

ジョセフ「………」

ジョナサン「僕は死なない。いや、実際はとっくの昔に死んでいるけれど。僕は生きているよ、生きるよ。君の心の中に」

ジョナサン「君は思い出してくれたじゃあないか……僕のことを。それが…証さ。僕が生きている証。ありがとう、ジョセフ」

ジョセフ「………じいちゃん~……」

ジョナサン「君達を守りたい…そう思って、その為に僕は……酷いことをたくさん、たくさんしてしまった…ディオを止められなかった…」

ジョセフ「そ…んなこと……ないぜッ、じいちゃん…じいちゃんはカッコイイよッ……」

ジョセフ「だって、俺のじいちゃんだもんなッ、カッコイイ俺の、カッコイイじいちゃんだもんなッ!でもッそれでもじいちゃんが悔やむんなら!嘆くんなら!!」

ジョセフ「殴ってやるぜ、じいちゃん!腹が立ったら殴る!疲れるまで殴る!俺もよくやったんだ、シーザーと。アイツ、キザでスッゲー腹立つからよ、ちょっとムカついたらすぐ殴りあった」

ジョセフ「でも、そのあとはスッゲースッキリするんだ……ムカついてたことなんかキレ~さっぱり忘れちまってさ、そんで…そんで、一緒に飯を食いに行くんだ」

ジョナサン「………」

ジョセフ「それまでムカついてたことなんか、ぜ~んぶ忘れちまうんだ…」

ジョナサン「………僕を殴ってくれるか?ジョセフ」

ジョセフ「ああッ!じいちゃんが泣くまで殴ってやるぜ!!スッゲームカつくから!dioに体を奪われたじいちゃんを助けたいから!殴ってやるぜッ!」

ジョナサン「……ありがとう、ジョセフ。僕は…救われる。君の、君達のおかげで救われる……」

ジョセフ「……あっ。でも~」

ジョナサン「?」

ジョセフ「………エリナばあちゃんには内緒にしてくれよ、じいちゃん。殴ったことを知られたら、エリナばあちゃん…スッゲー怒るよ、きっと」

ジョナサン「………」クスクス

ジョナサン「それは約束できないな」

ジョセフ「んげッ!!」

ジョナサン「エリナは怒ったらすごく怖い。それは誰よりも、君よりも……僕が一番知っている。覚悟を決めるんだな、ジョセフ」

ジョセフ「オー!マイ!!ガーッ!!!ごちそうさまだぜッじいちゃん~!」

ジョナサン「…もっと話していたいな。けれど残念ながら時間だ。……承太郎達が危ない。守るんだ、彼らを。君が!」

スージーqと一緒にいられなくなる波紋なんて!
ってのがいいな

ありがとうございます。

>>136まあ浮気はするんですがねw

・・・

ポルナレフ「くたばりやがれッ!!dioォォォォッッ!!」

承太郎「(ポルナレフ!!)」

dio「……フン。やはりポルナレフか。しかし…このdioを暗殺することはできん…このdioには"世界"が!"ザ・ワールド"がある!!貴様らの攻撃など無駄なのだ!フハハハハハ!無駄無駄無駄無駄ァァッッッ」

承太郎「(なんてこった…ポルナレフがやられる…このままじゃ……なんとかしなければ……)」


ジョナサン『………僕が君達を守る……』

・・・

承太郎「おらぁッ!!」

dio「なにィィィ!!時よ止まれ!ザ・ワールド!!」

バグォォン!

dio「うぐっ!」

承太郎「苦労したんだ…てめーが時を止めようがこのまま頭を打ち抜かせてもらうぜ……dio!!」


ジョセフ『………俺がお前達を守る……』

・・・

dio「ぐぐっぐぐぐぐ!あの場所へ!あの場所へ……!」

承太郎「ここは満員だ……逃げることは……できねーぜ……」

dio「!!」

承太郎「諦めるんだな、dio」


ジョナサン&ジョセフ『僕達が!俺達が!!君を!お前を!! ―― 守ってみせるッ!!』


承太郎「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァーッ!!」ドバドバドバドバ

グショアアアーッ!!

dio「ブァガッ!! …かかったな!承太郎ッ!これが我が『逃走経路』だ…貴様はこのdioとの知恵比べに負けたのだッ!……」

承太郎「………こ…この通りは……ま…まさか…」

dio「そうだ、ジョセフ・ジョースターの血を吸うための『逃走経路』だ!」

承太郎「てめ…え、……dio!」

ドドドドド


・・・

君は…死なない……

お前は死なない…

何故なら僕達が

俺達が

―― 守ってみせるからだ!!


・・・

dio「なじむ。実に!なじむぞ!フハハハハ!フフフフフハフハフハハハハハハ!!」ボリボリブシュブシュ

dio「フハハハハハハハ!!!」

承太郎「じ… じじい」ドドドドド

承太郎「………、…ッ……?」

ゴゴゴゴゴ

承太郎「な…んだ……?幻…覚か」

dio「おい、どこを見ている?承太郎」

dio「フフハハハ……」


ジョセフ「―― お前は次に『残りの血も全て吸い取ってやる』と言う」

dio「どれ、ジョセフの残りの血も全て吸い取ってや………ハッ!?」

ジョセフ「クラッカー・ヴォレイッ!!」バギィッ!

dio「ガッ!!?」

ジョセフ「……は、今は持ってないから、ハーミット・パープルを団子状に束ねて、ぶつけたのよん。目覚ましには丁度良い刺激だろ?」

承太郎「……誰だ?てめー」

ジョセフ「おいおい、いくら若返ったとはいえ、わからなくなるか?フツー。この甘~いマスクとセクシーな唇は幾つになっても健在じゃんッ」

dio「まさか!ジョセフ・ジョースター!?」

ジョセフ「イッエース!!正義のヒーローは遅れてやってくるものだぜッ!」

dio「……ッ一体、何が起きたんた………ハッ!?…そうか…ジョジョ……貴様かッ!!」

dio「フ……フフフ………そうか、そうか。もう消滅したのかと思った。ジョセフの血を吸い、ボディが完全になじんだからかと思った。……だが、それは違う!忌々しいジョースター家の血統とやらが!引き会わせたか!!貴様らをッ!」

dio「……フフ……良かったじゃないか、ジョジョ」

dio「それは俺から貴様に贈る手向け。塩だ。……忌々しい…ジョースター家の血統………ジョナサン・ジョースター!ジョセフ・ジョースター!!空条承太郎!!!」

dio「貴様らは!このdioが始末する!跡形もなく!根こそぎに!!始末してやるぞォォォォジョースターァァァッッ!!」

ジョナサン「…長く続いた因縁……それも今日で終わりにしよう!ディオ!!」

ジョセフ「かかってらっしゃいッ、dioちゃ~ん!踏み潰してやるぜ、犬のクソみてーになッ」

承太郎「やれやれだぜ」

ジョセフ(ジョナサン)「ディオの首から下は僕の体!一体化し続けた事で波紋が効きづらくなっている、気化冷凍法でガードするタイミングを知っているんだ」

ジョセフ(ジョナサン)「生半可な波紋じゃダメだ!ぬるい波紋じゃ効果がない!!気合いを入れろ!」

ジョセフ「ったく、じいちゃんのいらん事しいめッ」コオオオオ

ジョセフ「おおおお!!波紋疾走ッッ!!」ドガァッ

dio「無駄無駄無駄無駄!!!」バチィッ

承太郎「スター・プラチナッッ!!」

dio「無駄と言うのがわからんかァァッッッ!!ザ・ワールド!!」グオオン!!

承太郎「 」

ジョセフ「 」

dio「wryyyyyyyーッッ!!このdioこそが!無敵ィィィィ!!」

承太郎「――― ッ!!」バッ

承太郎「オラオラオラァッ!!」

dio「無駄ァッ!!承太郎!例え貴様が時の世界に入門を果たせたとしても!!この俺に追いつくなど不可能!!」

承太郎「………ッ!!」

スタープラチナ「オラァァァ!!!」グワッシィィーン

ギャバッ!!

dio「ウグッ!?拳を…砕かれたか……しかしッ!!7秒経過!まだだ!まだまだ止められる!!このdioは最強にして最高!!フハハハハ実に!実に清々しいッ歌でもひとつ歌いたいようなイイ気分だ~フハハハハハハ!!!」

承太郎「(や…野郎…!)」

dio「wryyaaaaa!!」ドンドンドン!!

承太郎「うぐっう!?」

dio「9秒経過……時を止めていられるのは、今は9秒が限界か…時は動き出す!!」

ドッゴォォーンン!!

ジョセフ「―― ハッ!じ、承太郎ッ!!」

ジョセフ(ジョナサン)「ディオのザ・ワールドだ!時が止まっていたんだ!承太郎ォォ!!ハーミット・パープル!!」バシュッ

承太郎「ぐ、ぅ……!」

ジョセフ「承太郎!大丈夫か!?」

承太郎「ハァハァ……な…んとかな……しかし…やはり厄介だな…俺も……2秒程度だが…時を止められるようになった……花京院がくれたヒントを見て……、ッ、dioと同じタイプのスタンド、スタープラチナは時を止められるように……」

ジョセフ(ジョナサン)「2秒も!……しかし…問題はタイミング。承太郎の使える2秒をどこで放つか、いつ使うか、作らなくては…タイミングを…」

ジョセフ「っていうかdioはどこに行きやがったんだ?まさか逃げ出したり……は、しないよね~そーしてくれても俺的には全然イイんだけどさ」

dio「………」

dio「ジョナサン…ジョセフ……承太郎!!忌々しいジョースター家の血統…このdioにまとわりつく貴様らを…まとめて……潰す!!」

承太郎「!!」

ジョセフ「げえッ!?」

dio「ロードローラーだッ!」

ジョセフ(ジョナサン)「ハーミット・パープル!!!」ドシュドシュドシュ!!

承太郎「!! じじいのじじい!ハーミット・パープルを…網の目状にして……」

ジョセフ(ジョナサン)「ハーミット・パープルの盾でガードするッ!!」

ジョセフ「ッてェ、簡単に言ってくれるけどさーッ、ロードローラーが何トンあると思ってんだよッdioォォ!!コノヤローッ絶ッ対に!泣かしてやるからな~!!」プルプル

承太郎「スタープラチナ!!オラオラオラオラオラァァァッ」ガンガンガンドゴドゴ!!!

dio「もう遅い!!脱出不可能よッ!無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァーッッ」ガンガンガンガン!!!

dio「ウリイイヤアアアアーッ!!ぶっ潰れよーッ!!!」

グッシャァァァ!!!

dio「………」

dio「やった……」

dio「終わったのだ!!ジョースター家の血統は!今ここに!全て潰された!!」

dio「フハハハハハハ!!これで何者もこのdioを超える者はいないことが証明された!とるにたらぬ人間どもよ!支配してやるぞ!」

dio「不死身ッ不老不死ッッ最強のスタンド、ザ・ワールドのパワーで!フハハハハハハ!!止まれ!時よ!!」ドゥン!!

dio「フフフハハハハ……ん、………ぐ?」

dio「なん…だ……?体の動きが…鈍いぞ……?いや、ち…違う…う、動けん!バカな!!体が動かん!?」

承太郎「…俺が時を止めたんだ…dio」

dio「!!」

承太郎「じじいと…じじいのじじいがくれた"タイミング"……やれやれだぜ、無駄にせず使えたようだ…じじい達は時の世界に入れない、止まっているがな…」

3部格ゲーの若ジョセフはすごく良かったと思います

承太郎「俺が止められるのは、たったの2秒だ…だがてめーをやるのにッ!1秒もかからねーぜッ!」

dio「じょ……承太郎ッ!!」

承太郎「オラァァッ!!」ブァギィィッ!!

dio「ウグゥッ!!」

承太郎「……時は動き始めた」

ジョセフ「―― ッッ!!」

ジョセフ(ジョナサン)「発動したのか!承太郎のスタープラチナ・ザ・ワールド!」

承太郎「…今、砕いたdioの脚が……治癒するのに何秒かかる?3秒か?4秒か?」

承太郎「俺自身の心に後味よくねえものを残さぬように!ジョースター家とdioの因縁を断ち切るために!!」

承太郎「じじい共ッ!!dioの治癒完了と同時に叩き込むぜ!!dio!かかってきな!!」

dio「グッ……!ク……ッ!!」

dio「ジョースター…ァァァ…!!なめるなよ…このdioをなめるな……このdioは…不死身!全ての頂点に立つ……君臨者だ……」

ジョセフ(ジョナサン)「ぬるい波紋じゃあダメだ……燃える程熱い波紋じゃなければ…太陽のように、燃える、熱い波紋!!」コオオオオ

ジョセフ「血潮よりも濃く!赤石よりも赤い!!心が震える波紋!煮えたぎるほどの波紋!!」コオオオオ

承太郎「それを早く!!星の流れよりも素早く!!精密に!正確に!!dio!てめーに叩き込む!!」ドドドドド

dio「このdioをなめるなァァァァーーーッッ!!ジョースターァァァァ!!!」


ジョナサン・ジョセフ・承太郎「うおおおおお!!!食らえッdio!!スタープラチナ・オーバードライブ!!!」ドグァシャン!!


dio「………フ……」

ビシ! ビシ! ビシ!

dio「!! なっ…!!ボディが!俺自身が!砕けるッ!!?」

バギィアァァッ!!

dio「うぐおおおああああ!?なああにィィイイイ!!バカな!こ…このdioが…!このdioがァァァァァァァ」ボゴン! ボゴン!

ジョセフ(ジョナサン)「………ディオ……僕は…出会った頃から、君のことが嫌いだった。大嫌いだった。君と比べられることがイヤだった…酷く辛かった」

ジョセフ(ジョナサン)「…君によって、何度も、何度も、大切なものが…大切な人達が奪われて……それが、百年。君のことは!嫌いだ、すごく!すごくッ!」

ジョセフ(ジョナサン)「けれど、ディオ!!僕は…僕は、君と友達になりたかったよッ!仲良くしたかった!!ディオ!!」

dio「………」ビシビシビシ

dio「………腑抜けの…間抜けの、腰抜けジョナサンめ。甘ったれで軟弱で……バカな貴様が嫌いだった。苦労のひとつも知らない、ぬるま湯に浸かってぬくぬく生活し、生きる貴様が……そんな貴様が………嫌いだったよ」

dio「………ジョースター…家など、このdioの、…ディオの……踏み台だ!利用し、糧とし、俺は成り上がる!!ただの金持ちなんかじゃあない、人間を辞め!不老不死となり!!全ての頂点に立つ!!」

ジョセフ(ジョナサン)「………ディオ…!!君はまだ……そんなことを…ッ…!」

ディオ「…勘…違い……するなよ、…ジョジョ……貴様は……お人好しで…おめでたい頭の持ち主だからな……」

ディオ「お…れは……貴様、が………嫌いだ…今現在も…未来…永劫………大嫌いだ」

ジョセフ(ジョナサン)「………」

ディオ「………」

ディオ「………………フン」ニヤリ

バグォォォンン!!!

承太郎「………」

ジョセフ「………終わったな…」

ジョセフ(ジョナサン)「…このまま朝日を待てば、ディオの体は塵となる」

承太郎「……dioの敗因は…たったひとつだ。たったひとつの…シンプルな答えだ」

ジョセフ「それは?それは?」

承太郎「………フッ」



―― てめーは"俺ら"を怒らせた。

ジョセフ(ジョナサン)「…さて…僕もそろそろいかなくちゃな」

承太郎「………」

ジョセフ「えっ!?も、もう?そんな、もうちょっといてもいいんだぜ、じいちゃん!体ならいくらでも貸すしさ!その、ほらっ…」

ジョセフ「じいちゃんだって、もっと話していたいって言ってたじゃん!それにまだ飯も食ってねーしッ!殴りあったあとは飯なんだよ!俺、旨いパスタを出す店知ってっから!だから!」

ジョセフ(ジョナサン)「…ありがとう。でも無理だよ、自分の体じゃなきゃ、長くはいられない。正直、今だってギリギリの縁にいるんだ。僕を繋ぐ波紋が消えかけている」

ジョセフ「……か…覚悟はしたさ……覚悟はした…けどさ!やっぱりツラいじゃねーか!最期の形見が波紋なんて!消えちまう波紋なんて!!」

ジョセフ「じいちゃんのバカヤロー!!俺に二度もやらせやがって!波紋なんかもうまっぴらごめんだッ!それこそ二度と使ってやらねーぜ!!」

承太郎「………じじい。そこまでにしておけ。じじいのじじいが困ってんだろ…」

ジョセフ「…う……ううっ……」

ジョセフ(ジョナサン)「………」

ジョナサン「………ありがとう、ジョセフ。承太郎」

ジョセフ「!! あ…あああ……!」

ジョナサン「君達のおかげで……救われた…僕は天国には行けない。行かない……けれど…救われたよ……」

承太郎「………じじいのじじい」

ジョセフ「うあああ……この…感覚……これだ…あああ……消えていく…波紋が…消える感覚……!」


ジョナサン「………ありがとう……僕と…エリナの……大切な…子孫達……君達は………立派に……成長してくれた…僕は……」

ジョナサン「嬉…し………い……、………」

     ……………


ジョセフ「ああああ!!うあああああああ!!!じいちゃん!じいちゃあああんん!!!」

承太郎「………」


ジョセフは泣いた…子供のように…
大好きな祖父と離れるのが辛いとグズる姿は…孫そのもの。声を挙げて…泣いた……


承太郎には何かが見えているのか。
嘆くジョセフを傍らに置いて…朝焼けに染まる空を、水平線を…暫く眺めたあと…帽子を深く被り直した。

承太郎「………本当に……いっちまったようだな。じじい…また老けてるぜ」

ジョセフ「………ああ…」

承太郎「………」

承太郎「1981年の映画『類人猿ターザン』の主演女優は?」

ジョセフ「ボー・デレク」

承太郎「『今夜はビート・イット』のパロディ、『今夜はイート・イット』を歌ったのは?」

ジョセフ「アル・ヤンコビック」

承太郎「………」

承太郎「やれやれだぜ。そんなくだらねーことを知っているのはじじいしかいねー」

承太郎「………つられて熱くなっちまうから…疲れるんだがな……感謝してやるよ。じじいのじじい……」


アヴドゥル …
spw財団作成の義足を受け取り、ジョセフの相談役としてニューヨークへ移住。普段は占い師として生計を立て生活する。
戦闘からは完全に引退し、晩年は静かで充実した時間を過ごせたようだ。

イギー …
瀕死の重症を負ったにも関わらず、奇跡的な回復を見せ復活。
時々、ジョセフに誰かを重ねて見てしまうようで、デレてしまった苛立ちはアヴドゥルやジョセフにキツく当たって晴らす。

花京院 …
酷い裂傷と骨折を負うも、spw財団の適切な治療を受けて生還。
日本へと帰国し、家族と和解した後、再び学校へと通う。部活は美術部を選択。将来は画家になりたいようだ。

ポルナレフ …
ジョセフの誘いを丁重に断り、祖国フランスへと帰っていった。
後に謎の"弓矢"を追いかけ、深傷を負うが……巡り会う運命は、また別の話である。

承太郎 …
母の回復を見届けた後、花京院共々復学。後に海洋冒険家として様々な功績を生み出す。
しかし彼を取り巻く運命は数奇なもので、これから先も休まるところがないのを、彼はまだ知らない。

くぅ疲

読んでくださった方、ありがとうございました

ありがとうございます!

っていうかジョセフの後日談書くの忘れてました。ごめんジョセフ。>>160に付け足しで。


ジョセフ …
娘の回復を確認するべく、日本へ。その後はスージーqと共にニューヨークの自宅へと戻る。
酒の旨さに目覚め、泥酔したことで犯した過ちが、後に大きな引き金と化けるのだが、これもまた奇妙な運命と言えるか。


今度こそくぅ疲。

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