京太郎「うーん……」和「須賀くん?」 (52)

京太郎「お、和」

和「お疲れ様です、今日は部室くるの早いですね」

京太郎「あぁ、ちょっと部長に退部届け渡そうと思って」

和「へー」



和「えっ」

京太郎「えっ?」

和「いや、なんでやめちゃうんですか」

京太郎「え、むしろやめない方がおかしくね?」

和「えっ」

京太郎「えっ」

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京太郎「いや別に麻雀が嫌いとか部員が嫌いとかそういうんじゃないぞ?」

和「麻雀が嫌いじゃないならつづけちゃえばいいじゃないですか」

京太郎「本気で麻雀やってるみんなのそばで、そんな惰性で続けるのが申し訳なくて……」

和「いやそんな深く考えなくても……」

京太郎「無名校の清澄で努力してその果てに全国制覇しちまったみんなのそばで、全力でのめり込みもせず、ダラダラやるなんてのは、失礼だ」キリッ

和「いや、その……」

京太郎「それにさ、俺サッカー部に誘われててさ」

和「えっ」

京太郎「ちょうどいい機会だと思う。俺もサッカーは好きだし、このまま皆との温度差に自分から壁作っちまうよりかは、新しいこと始めた方がいいなって」

和「お、おぅ……」

京太郎「そ、それにまぁ、なんだ。女の子に俺一人男ってのも、いよいよ恥ずかしくてさ」タハハ

和(思ったより真面目に退部のこと考えたんですね……)

和「寂しくなっちゃいますけど、そこまで考えてたのなら、私から言えることはないですね……」

京太郎「悪いな、急にさ」

和「できれば、須賀くんにも麻雀の本当の楽しさ知って欲しかったなー」ツーン

京太郎「の、和……」

和「……ふふ、冗談ですよ。別に今生会えないわけじゃありません、同じ学校ですしね」

京太郎「おう!力仕事の雑用ならすぐ駆けつけるぜ!」

和「たまには一緒に遊びましょうね」

京太郎「おう!」

ガチャ

久「ハロー!あら、二人とも早いわね」

京太郎「あ、竹井先輩、お疲れ様です」

和「お疲れ様です」

久「んー、いい響きよね~、やっと皆の竹井先輩呼びに慣れたわ」

京太郎「たはは……あ、それでですね、部長に渡したいものがありまして」

久「ん、なにー?」

京太郎「これなんですけど」つ退部届け




久「……アポ?」

竹井先輩なんだから部長は染谷さんが引き継いでるんだよな?
退部届を渡す相手が違うんじゃないか?

京太郎「すいません急に、麻雀部やめようと思いまして」

久「え、あ、え」

京太郎「……部長?」

久「……(´;ω;`)ブワッ」

京太郎「えっ」

和「えっ」

久「ゴメンナサイ……ゴメンナサイ……」

京太郎「え?え?ええ!?」

久「そうね、私が気が付くべきだったわよね、雑用ばっかりおしつけて……」

京太郎(言われるほど雑用ばっかじゃなかったけど、普通に大会前も頻度は低いけど教えてくれたし)

久「大会終わって、やっと後輩の育成に励めると思ったのに……あなたがそんなんじゃ私……ふぇえええ……」ボロボロ

京太郎「え、いや、その、別にやになったわけじゃ」

久「やめないで!」

京太郎「いやその」

久「お願い!」

京太郎「え、えーと、そのでs」

まこ「おーう、送れたn……」



まこ「(′A')?」

和「いや私を見られても」

>>5
だめだ、意識してても染谷部長になじまない、おまけに見返したらモロ部長って言ってる、少し訂正するわ

京太郎「すいません急に、麻雀部やめようと思いまして。染谷先輩まだかなー」

久「え、あ、え」

京太郎「……竹井先輩?」

久「……(´;ω;`)ブワッ」

京太郎「えっ」

和「えっ」

久「ゴメンナサイ……ゴメンナサイ……」

京太郎「え?え?ええ!?」

久「そうね、私が気が付くべきだったわよね、雑用ばっかりおしつけて……」

京太郎(言われるほど雑用ばっかじゃなかったけど、普通に大会前も頻度は低いけど教えてくれたし)

久「大会終わって、やっと後輩の育成に励めると思ったのに……あなたがそんなんじゃ私……ふぇえええ……」ボロボロ

京太郎「え、いや、その、別にやになったわけじゃ」

久「やめないで!」

京太郎「いやその」

久「お願い!」

京太郎「え、えーと、そのでs」

まこ「おーう、送れたn……」



まこ「(′A')?」

和「いや私を見られても」

まこ「まさかとは思うが京太郎が久を?」

京太郎「んなわけ!」ピラッ

まこ「ん?その紙はなんじゃ」

京太郎「あ、これ染谷部長に」

久「ダメ!」サッ

京太郎「あっ!ちょっと!」

まこ「落ち着きんしゃい二人とも、とりゃっ」パシッ

久「あっ!」

まこ「さてさてこれはいったい……」

『退部届け』

まこ「……」



まこ「京太郎や」

京太郎「あ、はい、受けてもらえm」

まこ「まぁ、座りんさい、ほら、二人も」

和「アッハイ」ストン

久「うん……」ストン

京太郎(え、何この空気)

まこ「うん、まず謝らなきゃならん。ごめんな、放りっぱなしで」

京太郎「いや、そこまで放置されたわけでも……」

京太郎(なんたってこの数カ月で初歩しか知らなかった俺が普通に打てるもんな)

まこ「かくさんでもええ、わしが一番わかっとるつもりじゃ、もう少し後輩に目を向けてやればな」

京太郎「いやだから別に」

まこ「麻雀ってのは、奥が深いもんじゃ、京太郎にももっとそれを知って欲しい、大会が終わったいまならそれができる」

まこ「どうか、もう少しでもええから続けてみてくれんか?」ペコリ

京太郎(や、やめずらっ……!!)

和(そこまで重たい理由でもないとは言えないですね……)

久「私も、私も教えるから……!」

京太郎「あの、俺の話を聞いt」

優希「おーっす!優希様只今参j……」



優希「え、なにこれは」

和「いやだから私を見られても」

優希「皆で卓囲んで牌もおかずに、こっくりさんでもしてるのか~?」

久「ひぐっえぐっ……」

優希「え?ガチでこっくりさん?それでなくとは竹井先輩も案外怖がりだじぇ!どれ、この紙は」ペラッ

『退部届け』

優希「……」

『名前・須賀京太郎』

優希「」



優希「きゃああああああああ!!!!」ドテーン

京太郎「と、唐突にこけた!?」

和「歩いてもいないのに……」

優希「ややややめる!?京太郎が!?」

京太郎「ま、まぁ、そのつもr」
優希「いやぁああああああ!!!」

京太郎「話聞けよ!!」

和(須賀くんキレ気味です……)

優希「やめろ!やめろ!!」

京太郎「え、やめるけど」

優希「違う!辞めるのをやめろ!!部活やめるな!!」

京太郎「いやだって俺麻雀にそこまd」

久「続けてれば楽しくなるから!最初は皆そうだから!」

京太郎「それにサッカーb」

まこ「頼む、考え直してくれ、このままお前さんをやめさせたとなったら皆悲しい」

京太郎「いやそこまで重く考えn」

優希「やーーめーーるーーなーーー!!!」

京太郎「だからさぁ!!話を最後まできいt」

咲「な、なんかすごい声がするけど……」オドオド

京太郎「だーーーーもーーーー!!」

和「タイミング悪いですね……」

咲「きただけでこの反応!?」ガーン

咲「な、なんでぶ、竹井先輩が泣いてて、優希ちゃんが叫んでるの……?しかも京ちゃんに縋って」

和「ここで説明役ですか私……かくかくしかじか、ということです」

咲「えっ……」

和「それがいやで、あの三人と須賀くんが言い争いを……」

咲「そ、そんなのやだよ、京ちゃんなんでやめちゃうの?」

和「いや、ほんと今言った通りですけど……」

咲「そんなの、そんなのぉ……京ちゃあん……」

京太郎「いやちょっとまって!まって!なんかここまで引きとめられてるとマジでわけわからない!!いやだってそこまでして止めるほどでもなくね!?理由的にも!」

和「いや、それはまぁ、私も少しは寂しいですけど確かに」

京太郎「だよね!?」

咲「わ、私は京ちゃんに誘ってもらってこの部活に来て、すごく素敵な思い出ができたのに……」

咲「その京ちゃんが部活やめちゃうのはさみしいよ……」

京太郎「いや、俺だってさみしいけどさ、別に同じ学校なら普通に会えるだろ」

京太郎「それにさ、皆が皆俺にもう放置しないとかひどい扱いしないとか言ってるけど、別におれそこまでひどい扱いされた気はしないぞ?」

京太郎「買い出しも当番制だし、力仕事くらいは別に男だし、それに大会前で忙しい時も皆指導してくれてさ」

久「え……?」

まこ「指導……?」

優希「え、わ、私はしてないじょ……」

咲「私は、教えるの苦手で……」

京太郎「え?そんなはずないぞ?実際おれうまくなって、あれ?」

京太郎「え?ん?」

和「……あー、もしかして……」

京太郎「どうした?」

和「須賀くん、牌効率は誰に教わりました?」

京太郎「和だったな、あれは勉強になった」

和「捨て牌からのて読みは?」

京太郎「和だな、いやぁ、世界が変わったぜ」

和「牌譜からの読み取りは?」

京太郎「和と一緒にやっ……ん?」

咲「もしかして……」

まこ「和だけ……」

優希「京太郎に教えてた……?」

久「」ピシッ

京太郎「……あー、言われてみれば和に色々教わってたなぁ……」

和「忘れるなんてひどいですね」

京太郎「いや俺もまさか和以外の誰からも教わってなかったとは……ハッ!?」

他「」ズーン

京太郎「まずった……!」

久「ひどい、先輩よね……」

優希「ぐう畜……」

まこ「おに、あくま、ちひろ……」

咲「」シオシオ

京太郎(気まずっ!!退部のこと追及できねぇ……!!)

京太郎「い、いやそのまぁ、そんな、みんな深く考えないでさ!」

京太郎「あれだよあれ!女の子五人に男一人が気まずいだけ!QED!」

京太郎「よし!あとはよろしく!」ダダッ

和「まって!!!」ガシッ

京太郎「がべぉあげ!?おまっげほっ……!!えりつがむな……っ!」

和「あ、すいませんつい……って!この中に私を放置して行かないでください!」

他「」ZU~N

京太郎「」

和「私のみにもなってくださいよ……」

京太郎「部活辞めるのってこんな大変なのか……」

和「多分色々悪い条件が重なった……と、考えたいですね」

京太郎「ほんとどうしようこれから……」

和「まぁ、焦らなくてもいいのでは?」

和「サッカー部のお誘いも今すぐにってわけではないのでしょうし……」

京太郎「まぁ……」

和「今はまだ急な話でみんな混乱してるだけです」

和「冷静になったら須賀くんの話も聞いてくれますよ」

京太郎「冷静になられて急にやめておkってのも、落差が怖いな……」

和「それはまぁ……」

京太郎「仕方ない、とりあえず今は保留にするか、さて、まずは……優希、ほら、お前こけたとこ血がでてるぞ、消毒するからそこで動くなよ」

優希「ぅー……」

和(はてさて、これからどうなりますかね……)

かくして京太郎の退部は保留になったが、大変なのはこれからだった……

久「ここはね、こっちのターツよりもトイツの方が直撃が……」

京太郎「アッハイ」


まこ「お茶入れたぞ~」

京太郎「いやいや部長がお茶いれるのはおかしいでしょ」


優希「そう!ここはこう、バーンと思い切って!そーじゃなくて、こう、風のようにスパーンと!」

京太郎「麻雀の解説をよろ」


咲「え、えーと……まずはカン材を集めます、カンします、上がります……わかった?」

京太郎「できねぇ」




京太郎「ダメだっ……ちょうむずかゆい……!!おまけにここまでちやほやされると退部のこと言い出せない……!」

和「ま、まぁたしかにいまは須賀くんの指導以外してませんね、少し露骨と言うか……」

和「秋大会に備えて少しは練習したいんですけど、言っても聞いてくれないでしょうね……」

京太郎「あーくそ!退部さえうまく行けば万事解決なのにぃー」

和「……須賀くん」

京太郎「ん?」

和「焦ることはないと思いますよ?」

京太郎「いやだって、サッカーだって今から追いつくには時間が必要だし、皆の大会に影響でそうだし……」

和「うーん……確かに、影響はでそうですね」

京太郎「だろ?」

和「でも、焦るなって言うのはそこじゃなくて……須賀くんは、強くなってますよ?」

京太郎「……いや、いきなり何を」

和「須賀くん、一つだけ嘘をついてますよね、麻雀にそこまで熱中してないっていうの」

和「そうじゃなきゃ、我ながら厳しすぎた指導にあそこまでついてはきませんよ」

京太郎「それはその……」

和「須賀くん」

京太郎「……」

和「大丈夫ですよ、皆は須賀くんのことを悪く思ってません。そうじゃなきゃ、あそこまで引き止めたりしないです」

京太郎「でもさ、俺、悔しい……そりゃ、一朝一夕で勝てる相手じゃないってのはわかってるさ……」

京太郎「でも、和の指導を受けてもまるで壁は高いまんまで……俺は、逃げたいんだよ」

京太郎「皆強い中で一人だけ初心者でさ、情けなくて……」

和「甘ったれないでくださいよ!!」

京太郎「!」

和「誰だって最初は初心者ですよ!強い人にボコボコにされますよ!それは麻雀だってサッカーだって、野球やゲームやポケモンだって!」

京太郎「え、ポケm」
和「静かに聞く!」
京太郎「はい」

和「はぁー……だから、焦る必要なんてないんですってば、同じ学生同士、迷惑かけてかけられて、助けて助けられてで、いいじゃないですか」

和「それに私は、須賀くんに教えるのは別に面倒臭くなかったですよ?なかなか新鮮でした」

京太郎「……」

和「それとも須賀くん、負けっぱなしで、教わりっぱなしで悔しいですか?」

京太郎「そりゃあ!……そうだけど」

和「だったらいま別のことに逃げてどうするんですか、どうせそんな女々しい根性じゃ、おんなじことの繰り返しですよ」

京太郎「っ!だったら!」



京太郎「だったらどうすりゃあいいんだよ……」

和「教わりましょう勝つまでは……私でよければいくらでも指導します、勿論、余裕のできた他のみんなも」

京太郎「いやあの、咲と優希は勘弁」

和「……」

京太郎「……」

和「こほんっ……それで焦らないで、少しづつ成果をだしましょう。大丈夫、須賀くんなら強くなれますよ、だって……」

和「皆で強くなっていけるんだから……」

和「ね?須賀くん。もうすこーし、続けてみませんか?後悔はさせません、そうですね……」

和「私の見込みでは、須賀くんは後一月で、部内での一位率二割を超えます!」

京太郎「……ははっ、低くね?それ」

和「低いですね、なっさけないですよ」

京太郎「え?ひどくない?」

和「でも、私が始めていまの須賀くんくらいやったころ、何割だったと思います?」

京太郎「……二割二分?」

和「……一割八分」

京太郎「……ハハッ!!アハハハ!!」

和「笑わないでくださいよぉ~!」

京太郎「ははっ、ありがとうな、和……何よりやる気でたぜ」

和「そーですか」ツーン

京太郎「……本当にありがとうな」

和「……えぇ」

翌日

京太郎「竹井先輩、これ」つ退部届け

久「っ……」

京太郎「これをですね、まずこうします」

つ退部届けC

久「え?」

京太郎「で、こうします」

退部/<アッシマーがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
/届けバリバリッ

久「……え?」ポカーン

京太郎「清澄高校麻雀部員一年生、須賀京太郎!まずは秋季大会一回戦勝利目指して頑張ります!」

京太郎「付きましては皆様にご指導ご鞭撻のほどをお願い申し上げます!」

久「……~~~~~~っっ!こォンのぉ!」ガッシイイ

京太郎「お”ぅ!?」

久「いままで手こずらせた分、いじり倒してやるんだからぁ~~~!」グリグリグリ

京太郎「ぎゃああああ!!やっぱやめるぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」



和「頑張りましょうね、須賀くん……」

『さぁ、秋季男子個人戦一回戦始まりました、いよいよですね、藤田プロ』

藤田『だねぇ、今年はどんな子がいるかな……ん?』

『お?早速注目の選手が?福本校ですか?』

藤田『いや、夏に見かけた子がいるんだが……この短い期間でずいぶん変わったな』

『と、いうと?』

藤田『うち筋に相当な自信があるようだが……』



そうさ……皆に支えられて、教えてもらった俺の麻雀

自信持って打たなきゃ、失礼だもんなぁ!



京太郎「ロンッ!」



おわり

のどっちにポケモンって言わせたかっただけ

書き終わったスレはどーんどん、HTMLしちゃおうね~

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