京太郎「どうも、貴女のKYOです☆」咲「ドンペリもう一本♪」 (148)

注意

1、これは咲-saki-を原作とした二次創作SSです

2、須賀京太郎が主人公です、そして大学生ホストです

3、主に客としてくる女性キャラたちがキャラ崩壊してるかもしれません

4、こことは別に安価スレもやっている為、基本不定期更新です

それでもよろしければ……ゆっくり見ていってね!

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.        Y ヽ        //   i   ., / /|  |  :.  | | |    ∨
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        ‘,   ∨     .|   .i , rⅥィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
.        ∧  .‘,     .i   i . { 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
r <                  i   i.}从lム     ; \     ,ノ /  \  「最高級のサービスを貴女に……!」
.', .\               _ .j   i  | ∧          ∧,イ
 ',   <    .∧         .i  Ⅵム  .-===-  ...イ //
.  ヽ    ` ─ .´ヽ        ∨  ヽl\       //イ
.     >                ‘ ,  |.≧` .ー . ´.≦|
     >  ´     /          ̄ ̄ ̄ ̄)三三└x
 > ´     _             __  ≦i.iミ&三三三ニ≧ -   _  、
(_  <   ∧           ィマY三三三三i.i三三三三三三三三三三.iニ',



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世の中には奇妙な巡りあわせとか、不思議な縁とか、自分が思う以上に存在すると思う

登校中うっかり道の角でトーストを咥えた女の子とぶつかり、その子が自分と同じクラスで隣の席だったり
憎き家族の仇として戦い追いかけてきた相手が、なんと自分の実の父親という事実が明らかになったり
……たまたま知り合いに誘われた合コンに参加したら、幼馴染と出くわしてしまったり(出来る事なら忘れたい)

まるで運命に導かれた様に、起こってしまう架空のような必然を……俺は味わうこととなった

『ーーーーすまん!』

「父さん……」

俺は須賀京太郎、長野生まれ東京在住の一般大学生である
諸事情(周りからしたら非常に呆れる様な事情かもしれないが)で必死に東京にあるそこそこ受験が難関である大学を受け、滑り込みで合格できた俺
今までの進路からいきなり方向転換したから当時は大変だったが、今は楽しく学生ライフを満喫している
そんな東京での大学生活にも慣れた頃、電話ごしに父に謝罪された
今まで両親に何不自由なく裕福な暮らしをさせてもらっていた……だからこれからもずっと我が家は割と金持ちなんだと言う認識を勝手に持っていた

……だが現実は甘くなかった……

俺の父親が今までいた会社が不況の波を受けて経営難になり、結果として職を失ったのだ
大学や一人暮らしのための支援を両親に受けていた俺は、途端に支えをなくした

『……仕事は見つける!せめて京太郎の学費くらいは満足に支払えないのは余りにも情けない!』

『けどあなたはもう若くないわ……私が働きます、今なら主婦の働き手が結構あるわよ』

『そう言ったって母さんだって……』

後ろから母の声も聞こえた、生まれてからずっと共にいてくれた専業主婦である
年齢的に再就職が難航しそうな父、専業主婦から突然仕事を始める母
どちらも上手くいくか不安が残るし、家や車のローンだってまだあるんじゃなかったか……?

「(……カピー)」

実家に住むペットのカピーの為にも金は必要だ
やっぱりというかそれなりにお金がかかる子、しかしともに長く過ごした家族なんだ……!
……それら込みで生活費も含めると貯金削ったとしていつまで持つだろう?
まぁいずれにせよ、今の生活水準を維持できなくなるのは確か……なら!

「ーーーー働くよ俺!」

『……えっ!?』

今まで世話になってばかりで親孝行出来なかった……けど、今回はそのチャンスだ!
自身の生活費(家賃含める)と学費とカピーの世話にかかる金は必須として、二人の為にも稼いでやる!

「……大丈夫ですか、須賀君?」

「----えっ、まぁその、色々な!ハハッ!」

……そう決意して大学生活の合間に仕事を探す俺だったが、どうにも上手くいかない
バイト経験も満足にないし、学生だからな……大きく稼げるバイトが限られてしまう
あっちこっち面接や見学に行ったが、収穫ゼロ……骨折り損のくたびれ儲けってやつだ
そして今疲れている俺の所にやってきて心配してくれているのが、俺がこの大学に進学するきっかけとなっている人物
俺が高校時代憧れていた女の子、原村和だ
彼女は最初長野の大学か東京の大学のどっちを受けるか悩んでたらしいのだが、東京を選択……そして俺はその追っかけとして唐突に進路変更したのだ
……呆れていいぜ、女の子の追っかけとかダサいって罵られても仕方ない
けどよ、東京に進学するって言った時の和の表情に一抹の不安の陰りが見えたりしたら?……俺には放っておけなかったんだ
今まで転校を繰り返していたから慣れてると言ってはいたが、三年以上も同じ場所にいてからだとまた違うと思うんだ
最初はただ皆呆れてたけど、俺が勉強頑張ってるのを見てだんだん応援してくれた
そうした努力の結果、俺と和は以前と変わらず同校同級生ってわけだな(こんなの、満足するしかねぇ!)

「無理はしないでください、身体を壊したりしたら元も子もないんですから……ね?」

「ん、善処するよ」

俺を心配してくれる和、やっぱり天使だ……!
けど悪いな、今は身体をゆっくり休ませてる余裕がないんだよ
何とかして稼げる方法をみつけないと、まずここに居られなくなってしまうかもしれないんだからな

「……えっと……」

「お?どうした?」

「あっ、いえ……やっぱりなんでもありません」

意味ありげに口ごもり、取り繕う和……なんでもないってことはないだろう

「実は悩みとかあーーーー」

「そ、それでは失礼します!」

憶測にすぎないが、何かしら悩み相談でもあるんじゃないかと踏んだ俺は和に聞こうとした
しかし途端に足早にその場を逃げるように去ってしまった
……もしかして俺が疲れてる様子だったから気を使われた?
いかんいかん!和に距離置かれるとかこれじゃ何のためにこの大学に来たんだよって話だ、早々に解決しなくては!
自宅に帰ってから自分の問題点諸々整理する
……何度か面接を受けて分かっていることだが、どうも俺の地毛の金髪も印象的にマイナスみたいな様子だ

「(金髪がマイナスにならなそうな仕事……)」

居酒屋みたいな夜遅くまでやるバイトは給料もそこそこあり、金髪も厨房とかならそこまで気にされないかもしれないが……疲れが学校で出ると和が心配してさっきみたいになっちまう
あとはパチンコやパチスロの店員とかも考慮に入れるが、その手のことは詳しくないし、あまりいい印象がない
……などとあれこれ考えているうちにどんどん時間が過ぎる、外が暗くなってきた

「(……気分転換に町でもいってみようかな?俺東京に来たけど行ってない場所まだまだあるし)」

行き詰りかけて耐えられなくなり空気を変えようと、外に足を運ぶ
ぼんやりとしながら街中を練り歩き、だんだんと雰囲気が明るくなってくる
……新宿区……
名は体を表すというが歴史的にまだ出来て日が浅く、個性の富んだ地域が点在する東京の特別区の一つ
中でも歌舞伎町は東洋一の歓楽街だの欲望の迷宮都市だのと評されてるほど、非常に……色々と個性的だった

ーーーーそしてそこで俺の運命が大きく左右される出来事が起こる

「君、ホストとか興味ない?」

「……えっ」

流れであれよあれよと連れてこられた場所はホストクラブ……名はセブンというらしい
ホストって言うと水商売の一種で煽ってぼったくる、軟派でチャラい人が多い、女の敵
……とか思われるのが一般的だろう、実際上記のような一面が存在しないわけではない
けども、今いるここは“当たり”だと俺は認識した
思わぬスカウトに最初は困惑したし、怖くもあったのも事実だ
しかし冷静になってみると新しく出来たばかりのホストクラブらしく、俺みたいな未経験者で若いって人達も多い
その状況でもしっかり店が回っていて客もそこそこ入っている、雰囲気も悪くない

「どうだい、良い場所だろ?……ところで君若く見えるけど、学生さん?」

「はい、大学生で18です」

「おー、イイねイイね!ウチプレイヤーも内勤も結構学生さん働いてるからさ、きっと気が合う人もいると思うよ!」

「へぇ……(内勤はまぁなんとなく分かるけど、プレイヤー……?)」

スカウトさんからの専門用語で分かりづらい時もあったが、おそらく流れ的にプレイヤーとはホストのことなんだと思う
実際今の状態が通常営業なら、学生が結構働いているというのは間違いないだろう

「あ、店長!支配人(オーナー)!新人候補ーーーー」

「声がでかい、姫やプレイヤーの邪魔になるだろ」

「うっ、す、申し訳ございません……」

「まぁまぁ、そう目くじら立てないのよ店長。それで、その子は……」

店の片隅に立っていた俺とスカウトさんの前に現れたのは、このホストクラブの店長と支配人さんらしい
店長は強面で不愛想な印象を受ける中年の男性、支配人は優しげな雰囲気の美人だ(やったぜ。)
俺はスカウトさんの失敗を見ていたから抑えめであいさつをする

「初めまして、先ほどこちらの方にスカウトを受けさせていただきました……須賀京太郎です」

「……ふむ」

「良い挨拶ね、キミ……じゃあ早速で悪いんだけど、事務所で少しお話ししましょ?」

「はい、かしこまりました」

職業訓練(ありがとう、ハギヨシさん)でさんざん礼儀作法はやってきた、最低限のマナー……とくにレディの前で失礼があっちゃいかんでしょ
俺はそのまま店長と支配人に連れられて、ほいほいと事務所に吸い込まれた
そこで二人と面接を行ったのだが……

「……お前はいつから来れる?」

「----と、言いますと?」

「ふふふ、そのままの意味よ……貴方は合格、私たちのお墨付きでね」

まさか大した時間会話してないのに、こんなにあっさり認めてもらえるとは思わなかった……ほんと驚いた……
しかし流石に条件とか何も聞かずに始めると決めるわけにもいかないので、契約書など情報の提示を求めた
向こうは快く提示してくれた

ホストは基本歩合給と言う、一ヵ月の売り上げに応じてその何パーセントかを賃金として貰えるという完全実力主義な制度
だからみんなお客からの指名を貰ってお酒をどんどん飲んでもらおうとするわけだ
まぁ、万が一丸一日指名されなかったとしても最低限の日給は出してもらえるらしいが……そっちは大したもんじゃない
……しかし頑張れば頑張るだけ稼ぐことができるというのなら、やる価値はあるのかもしれない
ほかにも契約書等に怪しいところはなかったと思うし、あとは自分次第ってことだろうか

「(俺がここで稼げれば、家族も和との大学生活も守られる……よし!!)」

意を決した俺は資料をテーブルに置き、改めて姿勢を正し二人の経営者を前に深々と礼をする

「いつでも大丈夫です、よろしくお願いいたします!」

「……なら本番は明日からだな」

「じゃあ今日は勉強のためにもみんなの仕事、見て言ってちょうだい……明日からよろしくね、京くん!」

「はい!精進いたします!」

こうして俺は大学生とホスト……二つの顔持つようになったのだ
明日からいそがしくなるぞ!!

ーーーー翌日

「ね、ねぇこーこちゃん……やっぱり止めたほうが……」

「今更何言ってるのさ、すこやん!それに初回割に加えて麻雀プロ割なんて言う素敵なサービスで、なんと一人800円で食べ飲み放題!こりゃ行くしかないじゃん!!」

「た、確かに安いけど……(うまい話には何とやらだし……ホストみたいな感じの人、苦手なのにぃ)」

「でしょ!?ほらほら善は急げだよ!」

「ま、待ってよこーこちゃん!(あぁもう大丈夫かなぁ……)」

ーーーー21世紀
世界の麻雀競技人口は数億人を越え、プロの麻雀プレイヤーは人々の注目を集めていた……
これは麻雀に青春を捧げてきた少女達の新たなる軌跡
彼女達はホストである彼を起点として、再び交わるのだ

プロローグ『京太郎、ホストになるってよ』 カンッ

今回はここまで!

バイオスレ(と言う名のDMCスレ)もちゃんとやらなきゃ(使命感)

では失礼いたしました

          /   /     |   | |   | |  :       l :l   |  |   :|   | |
       / /    |    |__ | |   | |  |  :   l :l:  /|  |   :|   | |  「やぁってやるぜ!!」
.      ///     |    |\ |‐\八 |  |  |    |__,l /-|‐ :リ   リ  | |
     /  /   - 、     :|   x===ミx|‐-|  |:`ー /x===ミノ//  /  :∧{
       /   |  :.八   _/ {::{:::刈`|  |  l:  /´{::{:::刈\,_|  イ  /ー―‐ ..__
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スレ立てたんですね、乙です。
こっちは非安価で行くんですかね?

皆さん反応感謝でございますorz

>>21
非安価ですよ~

プロローグ永い

菫「吐きそう」

照「吐いたらお嫁に行けない」

淡「やーい吐け吐け」

誠子「コラ淡あまりはしゃぐ」

尭深「今日は全国制覇で弘世菫様の奢り」



俺のスレミューズ編

エルフェンリート編

極々のブリブリ編

h20編

生徒会の一存編

ef編

最終章BLEACH須賀ブラ編

ネリー「ねぇねぇキョータロー褒めて褒めて」

京太郎「15巻は神」

淡「私だって諸星古海ちゃん残してるし」

衣「実は衣の高校全国に往ってました」

霞「アラアラ今年も全国団体戦永水女子二位ねぇワタシノ性かしら」

神代小蒔ちゃんは多分全国個人戦6位

白糸台は強い

~前回までのあらすじ~

突然の父親の失業の報を受けて仕事を決意した俺、須賀京太郎
けど世の中そうそう求める職にはありつけないものだ
四苦八苦して疲れている所を、憧れの女の子原村和に心配されちまう始末
じゃあ気分転換にでもと新宿に出かけた俺に突然のスカウト
えーっ!?俺がホストデビュー!!?(迫真)
トントン拍子に話が決まっちまったけど……不肖この京太郎、精一杯頑張らせていただきます!

                                 ,.ー-‐.、
                               ヽ、   ヽ  __
                               /,..-ニ‐- '"_,..)
       _,.‐-、                      ' ´/  , _ 、´
        ' 、 .ノ                    ,. ''" ,. -‐/ _  ̄\
       r   ヽ                , ',. -一' ./..'/     .}
        !    l               / ,. '′  ,..,.  ,/    ./
.       !     !                / /    {  \ヽ      i'
       l      !              ー'´        `´\ ヽヽ   !
      └! .i! .!┘   _   _             ,.'⌒   `,. l   !  ー"ヽ  ヽ
        l !l .!    .l l  //.           ! ゝ-‐'´ /l  .!  `ー-、   }
       l .l ! l    .| |//          __. \  /  }  .}    ヽ/
        l .! l .!    l  、 ヽ   、-、 ,.-, ,' r‐、ヽ   `ヽヽ  j  ノ
    __r' 」 l、゙、__| |ヽ ヽ_ヽ.∨ /__.ゝ ー’ノ___ ゙、`'   / ___
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄〉 ./ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ }   ./  ̄ ̄ ̄
                        / ./.              ヽノ
                          ̄
第一夜『グランドマスター来店』

ホストとして仕事することが決まった翌日
大学で講義を受けている最中、俺は仕事が決まらない重圧からは解放された
けど今度は仕事が上手くいくか不安に感じ出していた……
一応向こうのお墨付きは貰ってるし、昔からトーク力には自信がある
けどそれが本番に生かせるかどうか……そもそも来店した女性に指名をしてもらわないと、それも無意味だ

「……」

……隣から視線を感じる、席が隣のマイエンジェル和からのだと期待してチラリと見るが和は授業に集中している

ーーーーでは一体誰からの視線なのか?

それは奥にいる和の旧友たる奈良出身の女の子、新子憧からだった
彼女は俺らと同じ大学を受験して見事に合格、奈良から東京で一人暮らし中だそうだ
和とは互いに受験会場で遭遇して驚いたそうなので、まず間違いなく偶然のことだが二人にとっては喜ばしいことだったらしい
……ここまで聞けば非常に微笑ましいが、俺からすると厄介だ
今回もそうだが、何かと俺を警戒するような視線を向けることが多い
最初に会った時も……

『和と同じ高校だった、須賀京太郎です!まっ、仲良くしようぜ!』

といった感じにフレンドリーに少し距離を縮めただけだったんだが……(手すら差し出してない)

『……よ、よろしくっ』

とぎこちない返事とともにさりげなく距離を離した
後から和に聞く限り男性に免疫がなく、結構苦手なんだそうだ
無論それだけなら良かった……問題は和関連や講義で遭遇することが多くなり、少し慣れてきた最近の状態……

『アンタ、和に何かしたりしてないでしょうね?』

『視線が明らかに変態のそれ!』

『ほんとデリカシーゼロ!そんなんで和に近づくなっての!』

和から俺に近づくときは特に問題ないんだが、俺から和に近づこうとする時に何かとツッコミが入り妨害される
……いやね、俺だって男だから下心がないわけじゃないぜ?
けどそこまで露骨に警戒されたり罵倒されたりするとダメージ受けるし、和と自由に交流出来ない!出来にくい!
ってことで見た目的には和に負けず劣らず美少女だと思うが、俺からするとお邪魔キャラになりつつあるのだ

「はい、それでは講義はここまで」

どうやらもう講義は終了らしい
講師の人から終了が告げられると、皆一斉に帰りの準備を始めていく
俺も同様に帰宅の準備を始める、不安はあるがもう決まったことだし始めて早々遅刻とかありえん

「あの、須賀君ちょっといいですか?」

とそれは天使の一声でピタリと中止、彼女の方へ視線を向ける

「どうした和?」

「……相談があるんです」

どうやら昨日の続きらしい

大学近くにある喫茶店アルプス、洒落た店構えで学生にも人気がある場所だ
俺たちはそこにいる、だが実は二人きりなんて甘いお話ではない

「ご注文は何にいたしますか?」

「ホットコーヒーをお願いします」

「んじゃ私も同じので」

「……アイスココアを」

俺の注文を聞いた今回の同席者は途端に噴き出した

「この流れでアイスココア……ぷふぅッ!」

「あ、憧……笑うところじゃないですよ」

人の注文を笑うとはいい度胸だ……まぁ、確かに空気読めてなかったかもしれんけど
その同席者の正体は先ほど話題に出た新子憧だ
理由はわからんが、いつもと変わり映えないメンツである

「冷たくてまったり甘いものが飲みたい気分だったんだよ……それより和、俺とこいつにどんな相談なんだ?」

「え、えっと……ウチの大学に元は麻雀のサークルがあったことはご存知ですよね?」

「ん、ああまぁな」

実は俺たちが来た大学にあった麻雀サークルは、俺らが入学する前に解散してしまっておりもう存在していない
この麻雀が流行ってるご時勢で解散するってことはよっぽどの理由があったんだろうが、俺達には知りえない話だ
それでその関連での相談ってことは……

「けど私も和も麻雀がやりたいって気持ちが強いからさ、ここは新たにサークルを立ち上げちゃおうって話になったわけ」

「あっ、そっちはもう知ってるというか最初から関わってるんだな」

「途中から誘われたレベルのアンタとあたしじゃ、和との縁の年季が違うのよ年季がね!」

「こほん……それでそのメンバーの一人として、須賀君に来てほしいなと」

「oh……」

……なんてことだ、なんてことだ……(大事なことなので2回)
大学に入ってからは和とのこと以外特に決めてなかった俺は、サークルかバイトかとちょいと悩んでいた
まぁつい最近知った実家の事情から、学生でもやり方次第では稼げるホストになることを選んだわけだが……!
ホストなんかやってたらサークル参加してる余裕なんてないじゃん!(ないじゃん!)
もし父さんの失業がなければ、今頃美少女二人と麻雀サークルで青春を謳歌する虹色大学ライフだったってことじゃないか!
ちくしょう、運命様はバカだぁ……

「……悪い、実は家庭の事情で働かなくちゃいけなくなって」

「えっ……」

「ちょっ、このタイミングで!?」

「もう働き先も決まってて、たぶんサークルに参加出来るほど余裕ある仕事でもないからさ……すんげぇ嬉しいお誘いだったんだけど、さ……」

うっわぁ!ヤバイくらい後ろ髪引かれる!和が明らかに予想してなかったのかショック受けてるし、憧が焦ってるし!
でも俺が稼がなきゃ、大学生活はもとより家族のことも不安なんだ!ゴメン!

「……そう、でしたか……もしかして昨日の疲れた様子は……?」

「ああ、仕事探しであっちこっち回ってたから……あの後決まったわけだけども」

「間、悪すぎ……」

ですよね、俺もそう思うよ本当に
それからはしばらく揃ってだんまりであり、テーブルに静寂が訪れる
……ふと俺は時間が気になって店の備え付けの時計を見ると、そろそろ帰らないといけない時間だった

「そろそろいかないと……じゃあ、また」

「あっ……」

俺はお代だけ置いて去ろうと立ち上がった、その時突然腕を掴まれる
掴んだのは恐らく和だろう、非常に弱弱しく手が震えている

「……ごめん」

それだけ言って、手を軽く払ってアルプスを出た
何だろう……まるで勇気をだして告白してくれた女の子をフったような気分だった
だが逆に言えばそれほどまでに、あの誘いは俺にとって魅力的だったってことだな

所変わって新宿・歌舞伎町、ホストクラブ『セブン』
家に帰ってから非常にアンニュイな気分だったが、シャワーを浴びて何とか切り替えてここまでやってきた

「来たわね、待っていたわよ」

「支配人、今日からよろしくお願いいたします!」

「ええ、よろしく。さぁ、改めて事務所へ来て」

店に来て早々支配人と会えた、彼女から誘われて事務所に入ると相変わらず強面で仏頂面な店長もいた

「……よし、時間より早く来たな。それじゃ最初にこいつらを渡す」

店長から差し出されたのは鉄砲(チャカ)……ではなく、黒い地味目なスーツとロッカーのキー等々の今後必要になってくるもの
やはりスーツ着てなきゃホストじゃない、はっきりわかんだね
……実はスーツを持ってなかった旨と金銭事情を伝えると稼げるようになったら返してもらう、とこうして貸し出してくれたんだけどな!(店長が優しくてよかった)

「名刺はあるな?」

「はい、作ってきました!」

「よろしい……それじゃ、お前の先輩方にあいさつに行くぞ」

社交辞令として、名刺を渡したり交換したりはかなり重要らしいので用意はしてきた
後はいよいよ先輩方へのあいさつ、失敗して嫌われないようにしなきゃな!
これから色々と忙しくなる、頑張るぞ!

「フフフ……頑張ってね、KYO♪」

「……KYO?」

「……とりあえずの、お前の源氏名だ。不服か?」

「いえいえ!不服なんてそのような事はまるでございません!……なるほど、源氏名ですか」

ホストは基本的に本名を名乗らず、源氏名がつけられてそれで名乗ることが原則だ
そして俺は仮にだがKYOとなったわけだ……思ったより、悪い気分ではないかな?(美人に最初にそう呼ばれたからって可能性がゼロではないけども)

CHANGE SIDE PRINCESS

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         |:.:.:.:.:.:.| 斗ぅ芋ミ       抖ぅ芋ミ.  |:.:.:.:.:.:.|
         |:.:.:.:.:.:.l. {{ rJ::::::ハ       rJ:::::::ハ }}. |:.:.:.:.:.:.|
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私は現在苦境に立たされています……

『いらっしゃいませ、姫!最高級の夜を貴女に!』

「きゃっほー!これよこれこれ!この感じだよすこやん!」

「え、えっと……」

三十路に入ってから人生初のホストクラブに来てしまいました……麻雀プロの小鍛治健夜です
友達でアナウンサーの福与恒子ちゃん、通称こーこちゃんに連れられています
……正直どうしたらいいのか分かりません、まるで借りてこられた猫のような状態
悲しいけど、これが私の現実……

「どちらのテーブルになさいますか?」

「それじゃあそこが良いかな♪行くよ、すこやん!」

「ま、待ってよぉ!」

腕を引っ張られてテーブルにつかされる私、抵抗むなしくあっさりと
第一もう店の中に入ってしまったし、ここで引き返すのは気が引けるし……うぅっ

「それでは最初に指名する者をお選びください、こちら男本になります」

男本?と気になって覗くと、男性の顔がずらり……
そっか、メニューで料理を注文するのと同じ気軽さで気になった男性を指名するってことなんだね
……いやぁ、でも私にそんな度胸はないかなぁ

「すこやん、先選んでいいよ!」

「ウェイッ!?べ、別にいいよ私は……こーこちゃんが選べば」

「ええ~、そう?じゃあ……ん、この人がいいな!あとすこやんにつく人はオススメで!」

「かしこまりました、では少々お待ちください」

結局私は自分で選ぶ勇気がないためこーこちゃんに投げてしまった、そして私の相手をしてくれるらしい人はお店のおすすめの人なんだそう
お店のオススメの人ならきっと大丈夫……なのかな?
一人でグルグルと頭で考えていたら、私たちの担当のホストの人たちがやってきた

「初めまして、俺は霧兎だ!キリッ☆」

「おっ、男本の紹介通り良いノリ!キリッ☆」

こーこちゃんの相手は黒髪黒スーツで、中世的な容姿の男性(かなり若く見えるけど、学生さんかな?)
……一方私の相手の人は……

「へーい!どうもTAKAです!フーッ!!」

凄くテンションが高い、茶髪で赤いスーツの男性
パッと見私と同年代くらいに見えるけど……こういうノリ、私苦手なんだよなぁ……グスッ

「ままっ、そう緊張しないでさ!何か注文してよ、姫は今日食べ飲み放題なんだしさ☆」

「は、はい……じゃあーーーー」

姫っていうのはきっとお客さんのことなんだろうけど、これがホストクラブの普通かぁ……どんな人にも言ってるんだろうって思うと、大変そうだなぁ
と、ともかく注文しなきゃ損ってのは確かだし、何か頼もうと思った私は……

「じゃあこの日本酒と……焼き鳥で」

「……オッケー!!日本酒と焼き鳥ィ!!」

今、若干間があったよね……変な注文だったかなぁ?
すると先に日本酒のボトルとロックが運ばれてきた、やっぱり焼き鳥は時間かかるよね
お酒を注ぐと、TAKAさんだったかな?が下から両手を添えてグラスを差し出してきた

「貴女に乾杯☆」

「か、乾杯?」

互いにグラスを軽く当てチンッと鳴らすと、私は少し向こうは結構大きく口に含みお酒を飲む
……うん、やっぱり飲み放題だしこれくらいかなとは思う味だった

「それでそれで、姫は麻雀プロ割も加えて入ったでしょ?ってことはそっち関連なの?」

「ま、まぁそうですね……」

もしかしてこの人、麻雀知らない人?
……だったら既に話が合わない感じあるなぁ……

「へぇ!すごいねー、マジ尊敬!!あれでしょ、石をこう集めてツモ!ロン!みたいなさ!」

「あ、あはは……」

私がまともに出来る話題って麻雀くらいなのに、それも出来ないってことは……

「じゃあさじゃあさーーーー」

「へ、へぇ……」

「でさ、こんなことがーーーー」

「……」

「あ、あれ?姫……?」

のれない……全然乗っかれない!
せっかく向こうが頑張って話してくれてるのに……いや、苦手なノリではあったんだけど
努力してる人は割と嫌いではないんだよ、けど麻雀の話題が最初のアレだけで終わっちゃった時点で私何もできないよ!

「……」

「え、えっとぉ……」

だ、誰か……この空気をどうにかしてぇ……ッ!

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「TAKAの馬鹿が、麻雀知ってるってのは嘘だったか」

「んー、功を焦っちゃったみたいねぇ……」

挨拶を終えて、いよいよ開店となったセブン
お客様たる姫達が、スタンバイしてたかのようにやってくる
途端に忙しなく皆動き回る、既に指名を貰っているホストはお相手に奔走
一方まだ指名のないホストは、内勤のやる雑事を手伝っている
俺はと言うと出来上がった酒や料理や運んでいたのだったが、店長と支配人の会話が耳に入る
二人の視線の先には以前別の店でホストをやっていた経験のあるTAKAさんが、姫の相手に苦戦しているのが目に映る

「TAKAさん、どうしたんですか?」

「ん、KYOか……実は前々から告知してて今日から導入した、麻雀プロ割ってのがあってな」

「そのおかげか、有名プロが来てくださったんだけど……TAKA君、自分が知ってるからやらせてくれって言うからお相手してもらったんだけど」

「あの様子だ、知らなかったらしい……後で説教だな」

「けど指名は向こうなんですよね?」

「彼女のお連れさんが店のオススメって言われてしまってね……」

なるほど、功を焦ったってそういう……まぁ、みんな指名いただきたいって必死だから分からなくはないけど(俺だって指名ほしい)
けど流石に嘘はよくない、万が一嘘をつくにしてもその上で姫に楽しんでいただくのが俺たちホストだと思う
……しかし有名プロって誰だ?と思って覗き込んで俺は思わず驚愕した

「ってあの方、小鍛治プロじゃないっすか……!」

「「!」」

小鍛治健夜、現在においても日本最強の麻雀プロの名を欲しいままにする……通称グランドマスターだ!
そんな絶対強者がホストクラブに来るって、ある意味すごい現場に俺は居合わせているのかもしれない!

「KYO」

「えっ、は、はい?」

「お前、麻雀知ってるのか?」

「ええ、高校三年間麻雀部でした」

俺の答えを聞いて、考え込む店長
対して俺にガッツポーズをして微笑みかけてくる支配人(ああ^~たまらねぇぜ)
そして考えがまとまったのか、店長が俺の前まで来て肩をポンとたたく
思わず固まるがかけられた言葉は意外なものだった

「お前、初日だが……姫の相手出来る自信あるか?」

「……へ?」

といったところでこの時間での投下はここまで(これから用事があるため)

夜に残りを投下して、第一夜終わらせます

それでは失礼いたしました

                     ,.   -────-
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         {      { | |             | | / |

正直このお店に来たことを後悔しかけていた時、今度はすごい強面の人がこちらのテーブルまでやってきた
つい身構えちゃったけど、途端に彼は頭を下げた

「申し訳ございません姫、私どもの手違いで貴女に相応しくないプレイヤーを寄越してしまいました」

「えっ……」

「て、店長これは……!」

いきなりの謝罪に戸惑っていると、私の担当の人が焦りだした
けど店長と呼ばれた人が彼のほうを見たとき、その表情は真っ青になった
私からは影になって見えないけど、怒ってるのかもしれない

「わ、私の方こそ!えっと、こういう場所来たことないし……友人に連れてきてもらっただけの風情で、ご迷惑かけてません!?」

「いえ、そのような事は全くございません。今回の件は姫からオススメの注文をいただきましたのに、対応ができなかった私共に非がございます」

少しでも穏便に済ませてもらおうと私が必死に苦手なフォローしようとすると、店長さんはより深く頭を下げて謝罪をする
そして顔を上げた時、多少柔らかくなった表情でこう提案してきたんだ

「……本来ならば一度指名いただくと他のプレイヤーに変更することは無理な決まりなのですが、今回は私たちの裁量でオススメを選抜させていただいたため例外的に改めて選抜したプレイヤーに変更をさせていただきたく思います」

「プレイヤー変更……」

「はい、先ほどのご様子からして今までは全くお楽しみいただけていなかったでしょう?」

「そ、それは……」

私の担当だった人には悪いけど、店長さんの言うとおりだった
話にも乗れない、お酒も進まない、これじゃ全然楽しくなんてない

「ですので、今回は間違いなく貴女に相応しい者を連れてまいりました」

「相応、しい……」

「後悔はさせませんよ?」

……この人の目、嘘偽りない真剣な目だ
信じて、良いのかな?

「……お願いします」

「ありがとうございます、姫の慈悲に感謝を。……行くぞ」

「はっ、はひ……」

店長さんは私の元担当の人を連れてテーブルを去っていく、そして途中すれ違った誰かの肩に軽くポンと手を置く
もしかしてあの人が私に相応しいっていう、新しい担当の人?
そう思って黙っていたら、やはりその人が近付いてきた

「……わっ……」

近づいてきて分かった、180cm以上はある長身に金髪……その特徴とは非常にギャップがある優しげな表情と、洗練され堂々とした歩き方
……どこの王子様かな?などと呆けて座っていると、彼は私の目の前まで来て身体を屈ませた

「……初めまして、今日入ったばかりの新人のKYOって言います」

そう言って彼は私に微笑みかけた
……脳が震えた(確信)

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/////////////{/∧   l\   ー=≦__ ,   ´   /' / イ∧/////////////
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最初は無難に、相手を警戒させちゃいけないってのは定石
特に小鍛治プロはさっきの様子を見るに俺のポンコツ幼馴染に近いタイプの人種、あまり自分に自信がなく謙虚で……良くも悪くも素直そう
だからこそ下手にわざとらしくテンションを上げたりするのは、逆に引いてしまう

「え、えっと、KYO君っていうの?」

「はい、こちら名刺となっております」

そして名刺の差し出し、これは最初にやるべき
自分の名前を覚えてもらいやすいし、連絡先と勤め先も乗っかってるから気が向けばリピーターになってくれるかもしれない
TAKAさんは最初に名刺を差し出し忘れていたそうだ……多分指名とりに焦ってたからうっかりって感じだろうな

「こ、これはどうもご丁寧に……って18歳!?」

「はい、まだ大学生なんですよ……その、座ってもよろしいでしょうか?」

「えっ、うん!どうぞどうぞ!」

「失礼いたします」

また同席する場合、許可を求めるのも礼儀としては重要だと思う
初対面で許可もなしにいきなりどっかり座ったりしたら、相手の心象は悪くなるだけだろう

「それにしても……小鍛治プロ、ですよね?」

「うぇっ?そ、そうだけど……」

「やっぱり、俺高校3年間麻雀部だったんで知ってます!生で会えるとか、本当に光栄です!」

「……へぇ、KYO君は元麻雀部なんだ。だったら話合いそうだね」

また相手は雀士なんだから、やっぱり最低限麻雀の知識は必要
さらにプロともなればファンと話すって感覚なら慣れてるだろうし、気軽に接してくれるだろう

「ちなみにどこの高校だったか聞いていい?」

「長野の清澄です」

「ああ、長野の清澄ってあの……あれ?そういえば……見たことあった!?」

「えっ、いつですか?」

「3年前のインターハイの表彰式、清澄の優勝旗掲げてたの絶対KYO君でしょ!」

「……よく覚えてますね」

そうだったそうだった、俺が一年生の時はずっと雑用ばっかりだったからなぁ(特にインターハイ前後)
けど頑張った甲斐あり、竹井部長にご褒美として晴れ舞台で優勝旗を掲げる大仕事をさせてもらった
公的な場で目立ったこともあり、かなりクラスの奴らにいじられたけど……いい思い出だ

「まさかあの時の子とこんな場所で会うなんてねぇ……あっ、何かビックリしすぎて喉乾いちゃったな」

「では何か注文されては?せっかくの飲み放題ですし」

「そ、そうだよね!えっと……じゃあたまにはこう言う小洒落たシャンパンでも飲んでみるかな」

「かしこまりました、シャンパン入ります!」

うん、ここまでは順調かな?
この調子で小鍛治プロを楽しませてあげなきゃ(使命感)

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         |斗sヤ¨´    ∨\八 \:/__/|/|::::::::::::::/:::::::::::j
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       {        ∨》              ∨》       く\\
       ,       ∨》               レ》|  |   /⌒二¨¨\
      ∧      |∨》                レ》|  | /     ヽ、\〉

不思議だな、こんなに穏やかに楽しくお酒飲んでるのいつぶりだろう
いつもはこーこちゃんや他プロの皆と飲んだりするけど、賑やかで落ち着かないし
家飲みだと一人が虚しいし、お母さんが部屋覗いてくるのが気になっちゃうし
でも今の状態はとってもいい、最初はカッコいい王子様みたいな男の子が来たって興奮してただけだけど……

「そうなんですか、それはまた厄介ですね」

「うん、プロもいろんな人が出てきてドンドン張り合いが出てきたっていうか……凄く楽しいよ」

「そういえばうちの宮永って、小鍛治プロ的にどうみます?」

「とっても強い子だよ、皆脅威の新星だって警戒してるぐらいだし。私もあの子と一回だけ対局したことあるけど、ワクワクさせてもらった」

「……でも負ける気はしない?」

「ふふふ、まぁまだ不敗でいたいかなぁ~」

凄く自然体で穏やかな空気、私の話題にもしっかりついて来れてるし……細かい所で気が利くとってもいい子だ
何だろう……自分に弟がいるんだとしたらこんな子が良いなって思う

「それにしてもKYO君大学生だよね、なんでホストなんて?」

「えっ?」

「いやほら、高校三年間麻雀続けてたんでしょ?最高成績は?」

「あー……県大会個人ベスト8ですかね」

「人口多い男子でそれだけ勝ち進めたならすごいと思うよ、なんなら大学で麻雀サークルにでも参加するとかさ」

「……」

「……えっ?」

途端に俯き黙り込んでしまうKYO君
どうしたんだろうか……もしかして急に具合が悪くなった?
そ、それともさっき私マズいことでも言っちゃった!?

「あのっ、KYO君大丈夫?」

「……」

「ね、ねぇ!……KYO、君?」

俯いた彼の顔があげられる、その瞳には涙が浮かんでいた!
……やっちゃった!?(混乱)

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             ___/ ̄ ̄\_
         ,  ´        <⌒
        ,:'            `ヽ、
       ,                \_
                      \ } ̄´
        '              ,  \
      / ,          |/} ∧ }`ー`

       {∧          「ノ|/}/イ
      '  、       | /`/ } '
         } ∧     /イ   /
         |' ,} \__/イ__ /
         //////////∧

        _,.{///////////|

     -=≦//////|////////≧=-- 、_
  r≦//////////////////////////////ヽ

最初に言っておきます、ごめんなさい
これは職業訓練(龍紋のハギヨシさんありがとう)で得たもしもの時の涙を出す演技、曰く執事たるもの主を諫める際に情に訴えるための涙一つ流せないようでは二流なんだそうだ
そして俺はそれを小鍛治プロという女性に指名してもらう為だけに使用している、これはハギヨシさんにも小鍛治プロにも悪い
けど俺にはどうしても金が必要……だから家族の安寧と和との大学生活のために利用出来る物はなんでも利用する、修羅となるのだ!

「すみません、これは……ちょっと、事情がありまして」

「いいよいいよ、無理に話さなくても!」

「……いえ、寧ろ聞いてもらったほうが少しは気が楽になるかもしれません。だから、小鍛治プロに聞いてほしいです」

「あ、うぅ……そこまで言うなら聞こうかなぁ?」

「へへっ、ありがとうございます……!」

そうして俺は話した
俺の父親が失業して大学生活における支援が受けられなくなったこと
その為に自分が働いてお金を稼がなければいけないこと
中々思うように職を得られず悪戦苦闘していたこと
結果スカウトを受けて流れでホストになったが、あとから麻雀サークルに入る誘いを受けたこと(念のため女子だったことは伏せる)
後ろ髪を引かれたが泣く泣く断ったこと(泣く泣くな理由として、勿論麻雀をまたやりたい気持ちもあるが……一番は和の傍にいれる場所だったってことも伏せる)

「----ってことがありまして……」

全てを話し終えてすぐ、全方位からの罪悪感が押し寄せてきたが……なんとか気合で跳ね除ける
そして改めて小鍛治プロの顔を見ると……

「……グスッ、ごめんねGYOぐん゛!!」

涙でボロボロだった、くそっ……また罪悪感が……!

「姫、涙をお拭きください」

そっと彼女の涙を拭くが、拭いたそばからあふれてくる
どうやら小鍛治プロ、酒の影響もあるかもしれないがこういう話に弱い様子……しかも自分が好きな麻雀関連の話だから尚更だろう

「だっで、だっで……!」

「仕方ないんですよ、バイトもしないで親の脛齧っていようなんてしてた俺への罰なんですから……」

「ヒック、そんなことないよ!」

自分を卑下する俺を、小鍛治プロは多少落ち着いたのか自分で涙をぬぐって俺の手を取る
その手は柔らかくて、すべすべしてて、あったかい……なんだかドキドキした、自分がどれだけ取り繕っても童貞だってことを嫌でも自覚する

「学生の内は親に甘えたって良いんだよ、なのにそんなに自分を卑下しないで!……大体KYO君が罰を受けるなら私は……」

「えっ?」

「と、ともかく!さっきはごめんね、私が余計なこと言ったばかりに嫌なこと思い出しちゃったね……」

「い、いえそんな……」

本当に純粋、素直……小鍛治プロっていい人なんだなぁって思う
だからこそ……状況次第でコロコロ転がる

「……こーこちゃん、ホストって確か」

「おっと、すこやん皆まで言うない!実は霧兎君と話は聞いてたけど、その流れで聞きたいことはなんとなく察しはつくよ!」

「ホストの給料は、“本指名”してくれた姫からのお支払い次第で決まるといっても過言じゃないな!キリッ☆」

本指名とは……
客たる姫が、気に入ったホストを自分の担当に決める事
本指名されれば以降その姫が店に訪れた場合、本指名されたホストがお相手することになる
また永久指名制と言う者があり、本指名が存在する姫を他のホストは営業を掛けてはいけないルールになっている
つまり本指名のみに会うために、姫はこの店を訪れるようになるわけだ……そりゃ本指名を皆ほしがるさ、本指名してくれる姫が多ければ多いほど儲かる可能性が上がるのだし

「KYO君、私キミを本指名するね」

「……俺で、いいんですか?」

「寧ろ、KYO君以外はいやかな……それにね」

彼女は軽く微笑むと、俺の頭を優しくなでる

「ほっとけないよ」

……不覚にもガチで泣きそうになった

『ありがとうございました!!』

深夜0時、セブンは閉店
皆各々帰り支度をしており、内勤の人たちは1時まで店の掃除などを行っているらしい
……さて、あの後だが小鍛治プロとアドレスを交換した
いつでも連絡していいという旨を伝えると、喜んで頷いてくれた
また彼女からも暇な時は相談に乗るとも言ってくれた、本当にいい人だ

「……ご苦労だったな、KYO」

「あっ、店長!お疲れ様です!」

「おう……正直、助かった。今後もこの調子で頼む」

「はい!」

俺の返事にフッと鼻で笑い、さっそうと帰っていく店長……俺も年取ったらあれぐらいカッコいい中年になりたいものだ
と今度は支配人に肩を不意に叩かれる

「この店で初日に本指名取ったのはKYO君が初めてよ」

「え?」

「これからも期待してるわね♪」

ウインクしてご機嫌な様子で歩いていく支配人、どうやら俺は店で初の快挙を成し遂げたらしい
そう考えると多少自信がわいてくると言うものだ

「(よーし!明日も頑張るぞ!)」

決意を新たにして俺は家路へとついた



ーーーー翌日

「んふふ~、ふふっ♪」

「おっ、よっす小鍛治プロじゃね。知らんけど」

「うぇっ?……って三尋木プロ、どーも」

「……ん?なんか落ちたぜぃ?」

「あっ!(それはKYO君からの!)」

「……へぇ……ホストクラブ『セブン』っすかぁ、やっぱやることはやってるんっすねぇ!知らんけど」

「か、かか返して!」

「へいへい~……っとそろそろ現場行かないとっすからしっつれい~、にゃはははは!」

「うぅ、相変わらず飄々として掴みどころない子だよね……」

「……あの小鍛治プロの様子……今度寄ってみっかねぃ!」

ーーーー21世紀
世界の麻雀競技人口は数億人を越え、プロの麻雀プレイヤーは人々の注目を集めていた……
これは麻雀に青春を捧げてきた少女達の新たなる軌跡
彼女達はホストである彼を起点として、再び交わるのだ

第一夜『グランドマスター来店』 カンッ

今回はここまで!

まだすこやんは落ちてはいないんよ、まだ姉弟くらいの認識なんよ!(落ちないとは言ってない)

では失礼いたしました

                    ;/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\ ;
                 :/:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:ヽ ;
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        ノ ̄l〃   :|:.:.:.:|:.:.| ≠==ー        ̄ ̄  |:.:.:|:.:.:.:.:.|
          ノ     :|:.:.:.:|:.:.|:.        ,        u |:.:.:|:.:.:.:.:.|
          ─|─〃  |:.:.:.:|:.:.|ハ            ,    イ : |:.:.:.:.:.|
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.             ; /   (}  {   ー-    -──' |/ {)    \ ;


ホストはクズになりきれないと辛いから京太郎にはキツそうというか暗い話になりそうでもう怖い
最初は既にホスト遊びに慣れてる客に当てるんだけど、すこやんみたいな客が最初だと本当に辛いぞこれ


リアルなホスト事情を追及し過ぎたらつまらなくなりそうだから程々になー

乙~
うたたんは中々落ちないくせに、嵌まると一気に堕ちそう

しかし麻雀割引してる店に雀士少ないのはいかんでしょ笑
まあリアルを突っ込んだらキリがないよね、乙!
続き期待

高卒プロ勢は誰がいるかな

レス返しのみ

>>70
悪いけど私は極端な鬱展開好きじゃないので、ドン底みたいなことにはならない塩梅の内容にしかならないのよー

>>73
ぶっちゃけるとホスト事情に詳しいわけじゃないから、そんなに追及はしないというか出来ない(断言)
基本のらりくらりとその場のノリとストーリー展開に必要ならって感じで、臨機応変に調べて使わせてもらってるだけよー

>>74
さらにホれたらとことん尽くすタイプだって思いますね、口で知らんけどって適当装いながらなんだかんだ甘やかすみたいな……

>>75
実はTAKAが雀士じゃなかっただけで、他のホストの中に普通に雀士がいたりします(第二夜で登場予定でした)
なのに何故ああなってしまったのかについても、第二夜で語られるのでお楽しみに!

>>76
現在第一夜時点では、咲ちゃんのみ確定ですかね(他は秘密)

そして第二夜は明日やります(告知)
では失礼いたしました


優勝旗って目茶苦茶重くて(専用のベルトつる必要があったはず)持つの大変なんだけどソレをやるとか相変わらず京ちゃんのフィジカルマジパネェ
そういや年齢バラしてよかったのか?未成年だと酒飲めないしアラフォーに二人だけの秘密だとかいってたらしこんだのかな

[速報]小鍛治健夜、未成年ホストに飲酒を強要

…何だろうねこの「誰か早くもらってやれよ」感

>>81
デスクトップパソコン一式や雀卓を持ち運んだ男だからね

実際ホストって家庭に闇抱えてる人結構いるよな。まぁ切羽詰ってもいないのにホストって職業選択をする人なんて大していないしな

>>81
現実世界でも投票年齢改正に伴い成人年齢引き下げが議論されているから、
この世界では18から飲酒可、風営法も改正済みなのかもしれん。

京太郎20歳なら、原作3年生組は社会人が多くなるから客にしやすいかもしれんが。
そこら辺はうまくさばいてくれるだろう。

レス返し

>>81
京ちゃんのフィジカルは原作でもあるし、このスレの京ちゃんは……(ゴニョゴニョ
未成年なんだからお酒はもちろん飲んでません、会話のテンポを重視してて京ちゃんのためにジュースを注文するみたいなところ省いちゃっただけで……

>>83
やめたげてよぉ!(建前)ナイスゥ!(本音)

>>84
ホストは色々大変でしょうからね、普通はならないに越したことない……でもそんな彼らに救われたり破滅したりな女性が後を絶たないあたり、ホストと言う職に需要があるんでしょうな

>>85
なるほど、そういう捌き方もありましたねぇ
京ちゃん18歳で3年生たちは成人になりたて、プロ入りや高卒での就職してるキャラ=セブンメイン 大学生になったキャラ=日常メイン って出番構成にはなってますかね

そんじゃ本編に移りますよ~

~前回までのあらすじ~

ホストとして仕事をすることが決まった翌日
なんと和とその旧友新子憧に、麻雀サークルを立ち上げないかと誘われちまった!
けど稼ぐためには誘いに乗るわけにもいかず、泣く泣く断ってしまった……
一方でホストクラブではあの小鍛治健夜プロが来店、先輩ホストのTAKAさん大苦戦!
結果的に流れで俺が代打することになったが、チャンスをものにしてなんと彼女の本指名をゲット
初日から色々激動だったが……今日も一日頑張るぞい!

                                 ,.ー-‐.、
                               ヽ、   ヽ  __
                               /,..-ニ‐- '"_,..)
       _,.‐-、                      ' ´/  , _ 、´
        ' 、 .ノ                    ,. ''" ,. -‐/ _  ̄\
       r   ヽ                , ',. -一' ./..'/     .}
        !    l               / ,. '′  ,..,.  ,/    ./
.       !     !                / /    {  \ヽ      i'
       l      !              ー'´        `´\ ヽヽ   !
      └! .i! .!┘   _   _             ,.'⌒   `,. l   !  ー"ヽ  ヽ
        l !l .!    .l l  //.           ! ゝ-‐'´ /l  .!  `ー-、   }
       l .l ! l    .| |//          __. \  /  }  .}    ヽ/
        l .! l .!    l  、 ヽ   、-、 ,.-, ,' r‐、ヽ   `ヽヽ  j  ノ
    __r' 」 l、゙、__| |ヽ ヽ_ヽ.∨ /__.ゝ ー’ノ___ ゙、`'   / ___
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄〉 ./ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ }   ./  ̄ ̄ ̄
                        / ./.              ヽノ
                          ̄
第二夜『迫り来る怒涛の乙女』

「(何ともいえねぇ……)」

俺は一人ぼんやりと喫茶アルプスでホットココアを啜って黄昏る
なんでこうなってるかと言えば、講義中ずっと生きた心地がしなかったからだ
原因その一、普段なら何があろうと授業に集中している天使オブ天使の和が俺をチラチラと気にしていた
間違いなく昨日の一件のせいであろうが、緊張と罪悪感で死にそう(脆弱)
原因その二、いつも通りではあるが明らかに敵意がありそうなキツい視線を向けてくる憧
同じく昨日の一件のせいだな、いずれ何かしらの形で俺を害してきそうなレベルだった(確信)
そんなわけでもっと交流を深めて今後のために関係の改善をしたい気持ちがないでもなかったが、まだ俺の覚悟が決まらないのでついつい逃げてしまった

「(……情けないな)」

昨日多少なり自信がつく出来事があったが、やっぱ俺は未熟な一般大学生ですわ……昨日はあれだ、奇跡的な成功だっただけだ
……だからこそ絶対調子に乗ったりせず、初心を忘れず仕事に打ち込まないとな
そんな風にとりあえずの自分の悩みの落としどころを決めて、気持ちを切り替えたところで席を立ち会計を済ませる

「ありがとうございましたー!」

「(……さっさと家帰ってシャワー浴びて、準備だな)」

アルプスを出て、帰る為の家路へとつくが途中思わぬ遭遇をした

「ンー……」

「(またここにいる……)」

公園に佇み、風で揺れる俺とは毛色が違う金髪と耳に挟んだ赤いペン
彼女のことは知っている、かつて岩手の宮守女子に留学生として所属していた女性エイスリン・ウィッシュアートさん
俺より2才年上で、現在は家族と東京に暮らしてるらしいが……

「今日は何を書いてるんですか?」

「アッ……アソコ、ミテ」

「……なるほど」

彼女の指さす先には猫たちがのんきに日向ぼっこしていた
そっと彼女の画板を見ると、非常にほんわかした画風の猫たちが描かれていた

「相変わらず上手いっすね」

「フンッ、ソレホドデモナイ!」

「……また妙な日本語覚えてる」

エイスリンさんと知り合ったのは俺がこっち来て間もない時、この公園で今日のように彼女が絵を描いていた時だった
何しろ大学からの行き帰りの道なもんだから、結構頻繁に遭遇する
そうしている内に多少だけど仲良くなった……と思う

「そういえば、エイスリンさんって何か仕事とか?」

「エーゴ、リンジコウシ!アトホンヤク!」

「うわっ、マジっすか!エイスリンさんに臨時講師やってほしいなぁ、たぶん英語の講義が一層楽しくなると思うし」

「フフッ、キョウタロウナラスグハナセルヨウニナル!」

「いやいや、こればっかりは苦手でしてね。大学入試も相当勉強してようやく突破出来たレベルっすからね」

英語の臨時講師、小学生でも中学生でも今時英語をしっかり授業で習うからな……需要はあるだろうさ
そして翻訳って言えば、英語の本とか映画の字幕とか色々あるよな……そう言うのの合間で絵、描いてるんだろうか?

「キョウタロウハ?」

「え?」

「シゴトヤサークル!」

「まぁ、最近仕事始めました」

「ワオッ!ドンナシゴト!?」

「……それは黙秘します」

言えない!こんな純粋な人に、俺女の人に貢がれるホストやってますなんて!
それにこの人なら一応ないとは思うけど、知られて引かれたらたぶん立ち直れん!

「エエェ~……」

「そんな残念そうな声出してもダメっす」

「……ケチッ」

「はい、ケチですとも~」

頬を膨らませる仕草が非常にかわいらしく、不機嫌な表情も愛らしいのは彼女のような美少女の特権だと思う(声がカタコトな分、結構表情の方に感情が出るらしい)
ただどうあっても知られるわけにはいかんのだ、すみませんねエイスリンさん

「……イキルッテタイヘンダヨネ」

「え?」

「ジブンラシイイキカタ、ツラヌクッテタイヘン」

「……確かに、そうっすね」

「ケド、ワタシハマンゾクシテル!タイヘンダケドタノシイ!」

唐突に彼女から哲学的な話が始まり困惑する俺
けどこの後の言葉に俺はド肝を抜かれる

「ダカラアナタモ!イヤナコトカラニゲテバカリジャダメダヨ、キョウタロウ!」

「----何の話です?」

「ミレバワカル!」

「……はぁ……今この瞬間だけ貴女にゾクッときましたよ」

見透かされたようだった、確かに結局は自分で勝手に落としどころを決めて逃げただけなのは事実なんだよな
和や憧との今の状態……これを解消しないと後で何かしら支障が出ちまうだろう、だから彼女の言う通り早めの解決は必要かもな

「エイスリンさん」

「ン?」

「……また来ます」

「ウン!イツデモキテ!」

解決出来たらその時改めて彼女にお礼をしよう、だから今日は言葉に出さず胸に秘める
笑顔で手を振るエイスリンさんに見送られ、公園を後にする俺
とそんな時、不意に携帯に連絡が来る

「(おっと、小鍛治プロからだな)」

『今日で二日目のお仕事だろうけど、無理せずに頑張ってね。応援してるよ!』

「(……ありがとうございます、我が姫っと)」

ああ、心に染みる……こう言う思わぬところからのナイーブな感じの励ましに、俺は非常に癒された
最大限の感謝の気持ちを込めてメールを返信し、より強く歩みを進める
……運も実力のうち!今日も昨日に調子が出せるように、気合入れていくぞ!
そう、決意した

短いですが今回はここまで!

今日予想外に用事が多くて全然書けませんでした

って事でホストパートは次回(未定)です

それでは失礼いたします

             / /               \\     (⌒)
           ´ ´  /        ヽ  ヽヽ     「
          / /  //   /         ヽ  ヽ ヽ    o
         / /   //   i{   /i  }   ',   ', ',
         | ,'   !ハ{   ! ! / }! /ハ  }レ }  l
         | |   |ト-l-、_ハl, {  }_レ!7´/|   !  l
         | |  ハ__ヽヽハヽi ノノ__レ_ノl  V l

         | |  l /イ⌒ヾ  ` ´ イ⌒ヾヽ',   V│
         |   ハヽ 廴_ノ     廴_ノ ´人  ∨!
         |   /、l       、     U lノ\ \
         |  /i ヽ "         " / i  ヽ ヽ
    (⌒)    ,'  / l  \U   ヽ '    イ  j  人 ヽ
     「   / /∧ ヽ ヽ ヽ>  _ イ  iノ  ノ ノノ ヽヽ
      o   / / lVヽ ヽ ヽ/ }     { \' ノ ノノ  ヽ )

乙~

竜華は貢ぎそうなイメージがある

乙!
咲世界のキャラは皆どはまりしそうな雰囲気ある

家の事情で働かざるを得ないのになんでアコチャーは敵意むき出しなのか
男慣れしてないというよりただ嫌ってるだけなのかね

ツン多めのキャラもいた方がアクセントになるし進行しやすいからなぁ。

ハーレムもので下手な人が書くとみんなデレデレでかえって無個性になったりするし。

>>99
いや、構ってほしいだけでじゃない?
男慣れしてないからそういう免疫が無いという解釈

わざわざ敵意剥き出しにするのはどう考えてもヒロインムーブだし、
そう目くじらを立てることじゃない。むしろ歓迎すべき展開かと

>>103
……つまり京太郎が天使とかイタイこと言っちゃってる和は負けヒロインフラグ

レス返しのみ

>>94
チョロそうかつ母性が強そうな竜華はヒロイン力が高い

>>98
唯一跳ね除けれそうなのは大正義すばら神ですかね……(惚れたら神も堕落する

>>99 >>100 >>102 >>103
このスレではラノベみたいに地の文を主人公の京ちゃんが担っています(ホストパートのサイドチェンジは除く)
故に物語が京ちゃん視点のみの解釈で場面が描写されている為、和と憧の心中と行動の真意は現状皆様の想像にお任せしますって感じですね
そういうのも含めてお楽しみいただければと

>>105
おい馬鹿やめろ!
確かに天使発言は私も書いててイタイって思ってたけど、和に負けヒロインフラグが立ってるとか戦争になるのでやめるべき(しきたり)

次の予定は相変わらず未定~♪

では失礼いたしました

                /. : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : .\
               /. : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : .ヽ
            / : . / : . : . : . ,. : . : . : .i. : . : . : . : .ヽ . : ',
          , 'ニ/. : .:,'. : . : . : . :i . : . : . : |. : . : . : . :、. :! : ._{_}ミ ヽ
         // /. : . :i: .,' . : . ,':/! . : . : . : |. : . : . : . :.:i .|: イ:|  \: \ AMT!アコチャーマジ天使!!(バルスッ!
.      //  .,' /: . :| :| ./: . |/ | |:ノ: .ヽ、 |: . : . : . : .:.|: |r:{: .|   \: \
.    /:, '    /:/! : .:.| .|/| :|: | ,|イ : . : . : ト:、{ :i:.:| : i: |: |/| : |     \: `. 、
    /:/     !:| | :i . :!:.∧.斗匕 圦 : . ト : | ヽ`{:十t}: } :|: !: i |        ヽ: . :i
.   /:/     |:!|:| . |.:|:{x示㍉xミヽ\:{ ヽ{xテヤ示xV!: :!,'.: .| |        ヽ:.|
  ,' :i      {! .|∧: :! 圦 {トイ_刈`    ´{トイ_刈 灯:.:| : . :| |         |.::|
  | :|       |:i :ヾ|: :{c乂こソ      乂こソっ|: :!|. : . :l |          !: |
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  |: |      i| i!: :. :.|: |:.:ヽ.      __       イ:.|: |. : . : . :|: |        |.|
  | :|      l|:.:| : . : | :|: .|: > .  ´ `   イ:.:..!.:|: | . : . : . |: |         |.::|
  |: |     l|: . !.: . :..|: :i:.:|: . : r‐|`  -‐ ´ |入.:.|:.| :|. : . : . : l: |         !: |
  | :|       l|: : |: : . : !_ l:_| _/ \    /   \j :!: . : . : . :|: |       |:|
  |: |     |: : ,:|. : . : |ヽ{ |     /`Yバ      ノ/|. : . : . : . l: :|        ! :|
  | :|    |:, イl: . : . .|   ヽr──ミ、__彡──y'  |. : . : . : :/ヽ:!     |:|
  |: |   /  /. : . : .j    {    { }     } |: . : . :./   \      ! :|

つまり私は無意識にアコチャーを薬漬けにしようとしていた……?(錯乱)

……(無言の再開

夕方、ホストクラブ『セブン』に到着した俺は早々に裏に入る
今日は支配人さんが私用で留守にしなければならないため、最初に顔を合わせたのは店長だったりする

『支配人がいないからってテンション下がるプレイヤーもいたりするが……まぁ、お前には心配不要か』

大人の余裕がある美人さんってことで、セブンのホスト達の中でも結構人気のあるらしい支配人
俺も多少会えなくて残念に感じはしたが、向こうに私用があるんじゃ仕方ない
とロッカールームで着替えるため入室すると……

「おはようございます」

「おっ、KYO。お前この前は凄かったじゃん!」

「これは飛鳥先輩、お褒めに預かり光栄です」

彼は先月からセブンで働いているらしい、俺とは違う大学の2年生である飛鳥先輩
この人に限らずセブンで働く大学生ホストは数人おり、店長曰く皆麻雀経験者らしい

「皆超焦ってるぜ~!初日で本指名、しかも天下の小鍛治プロとかやばいだろってさ!」

「いやでもあれはタイミングが良かっただけで……というかTAKAさん以外の人行ってれば、少なくともああいう事態にはならなかった気もするんですけど」

「うっ、ああ~……それなんだけどさぁ」

俺の言葉に飛鳥先輩はバツが悪そうに頭をかき、苦笑する
そして彼の口から事の顛末が語られた
受付から小鍛治プロが来店された報告を聞いた店長が、新人でまだ未経験の俺は雑用に従事させて他のプレイヤーたちを集めたんだそうだ
皆プロが来店されたと聞き、てっきり軽いノリで来た新人プロかと予想していた。だが来店されたのはまさかの大御所の小鍛治プロ
その為皆はどうするべきかつい逡巡してしまう、そんな時TAKAさんが強く名乗り出たそうだ
その時TAKAさんも麻雀経験者だと胸を張っていたこともあり、さらに当人の強い押しから店長は彼をオススメとして案内したそうだ

「結果あの裏切りだからさ、別テーブルの俺たちマジ冷や汗もんだったっての!」

「えっと、TAKAさんってそんなに指名取れてないんですか?」

「初見の人ならしょっちゅう入るな、やっぱホストとして俺たちより歴があるって紹介されてるし安心感があるんだろうな。実際そつなくこなせちゃうしさ、けど……」

「……本指名」

「そうそう、以前の職場と勝手が違うからって当人は言ってるらしい。実際のとこは分かんないけどな」

本指名のお客がホストの懐事情の生命線……厳しい業界なのは分かっていたが、皆生き残るのに必死だ
TAKAさんもそうなんだろう……スカウトを受けてセブンに来たってことは以前の職場で何かしらトラブルがあったのか、或いは自分に相当自信があったのか……
何にしても己の生活の為、彼の二の舞は踏むまいぞと改めて思った

CHANGE SIDE PRINCESS

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           l : l : : : !: : :!l: : : : :l丶!、: ! ̄ :l : : : : l: :l: : ,

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            |: :| : : ' |:_:_|     .斧芸斥≫: : : : :!: :! : !
            |: :!: : { 《芸芯     弋__り | : : : : ::|: :! : l
           l:.:l: : :l |弋_リ         l : : : : : l: :l : :|
           l: |: : :l |: : |  ,        j : /: : : :!: l : :|
              N : : | !: : !         //: : : : :|: :! : |
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             ノ\:.\!:_> イ: : : : : __ y:''"´: : : :/: : : : : :、: : ̄:/

        ___ヽ_/: :l: : :>--<> --l  ̄ .//: : : : : : /ヽ : : : : : : :二ニ=-
       |:::::|   フ : |: : : : |/: :{ / {! / ./: : : : : : /   \: : : : :ヽ
       |:::::|-=ニ , : : |: : : : { : :ヽ  |/  /: : : : : /     \: :、: :Y

明るく賑やかな歌舞伎町、そこをあたしみたいのが闊歩してんのは結構場違いかねぇ?
まっ、あたしにとっちゃただの興味本位でしかない……そう、それは麻雀解説番組出演のために現場に向かってる時のことだ……

『……ん?なんか落ちたぜぃ?』

『あっ!』

『……へぇ……ホストクラブ『セブン』っすかぁ、やっぱやることはやってるんっすねぇ!知らんけど』

『か、かか返して!』

まさかあの小鍛治プロがホストクラブに通ってるとは……彼女は麻雀一筋かつ実家暮らしで全然男っ気がないと思ってたが正直予想外だねぃ
ーーーーそんなイメージの人が通っちまうホストクラブ、っつーと途端に興味がわいてくる
男っ気がないっつーのも、実際のところあたしも同様だったりするし……異性とイチャコラする自分とか全くイメージができない、そうなっちまうほど異性に興味がなかったからだ
しかしこれも何かの縁だねぃ……いっちょ夜の世界に足を踏み入れてみっかと、割と勢いで夜の歌舞伎町にやってきた

「(確か調べた限りこのへん……あったあった!)」

けど別にあてもなく来たわけじゃねぇ、ちゃーんと場所とか評判とかサービスとか調べておいたのさ
そしてその過程で小鍛治プロが足を運んだきっかけはなんとなく推測がついた
ーーーー初見割り+麻雀プロ割り、そりゃ安い飲み食い放題にイケメンと楽しくおしゃべりってなると食いつく可能性は高まるだろうさ
……うーん、何か思ったより緊張するもんだねぃ……まっ、初体験なんてそんなもんか
と意を決して店に入ると……

『いらっしゃいませ、姫!最高級の夜を貴女に!』

「お、おおう……」

色々イメトレはしてきてたんさ、けどやっぱリアルに幾人ものイケメン達のお出迎えに正直驚いたねぃ
圧倒されつつもホスト達に軽く会釈して、あたしは受付に向かった

「どーも、三尋木咏だぜぃ」

「!! い、いらっしゃいませ!……もしかしてサイトをご覧に?」

「まっ、そんなとこさ。ちゃちゃっと案内よろ~」

「かしこまりました、ではこちらへ……」

受付はあたしが誰かよく知っている様子だな、それにホストの何人かもこっちをチラチラ見てるしねぃ
流石にプロ割りをやってる店が麻雀プロ知らないんじゃ、話にならないかんな
そうこう考えてるうちにテーブルにつく、周りをそっと見回すと客はそこそこいる……けど新しい店だけあって常連が多い店特有の独特な空気は薄く、良くも悪くも癖がなく感じた

「ご指名の者はいますか?」

「ん?ああ、指名ね……」

そういえばその辺りどうしようか考えてなかったな、異性の好みとかよく分かんねぇし
と少しばかり考え込んだが、ふと思い出した……小鍛治プロが持ってた名刺に書かれてた名前だ

「KYOってやつで頼むぜ」

「えっ」

「ん?」

おろ、なんかマズったかな?

前回と言い小出しですけど今回はここまで!

次回は21日あたりで(あくまで予定)

それでは失礼いたしました

             . . : ´ ̄ ̄ `: : . .
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          '.:.:.:.:.:.:.:::::::::: i::::::ヽ::::::.:.:.:':.:.ヽ
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       .:./ :l:|: ::|l::::::::::::| -―-::l::::.:.:.:l:.:.l::.
      |: l::::斗-:|l::::::::::::||:l |:ハ::|:::::.:.:.l:.:.l:.:. 「(異性の好みとかよくわかんねぇし)」

      |: l::::| |: ::|L:: -'ィ芹气ト、:::i::::::|::..|: |

      |:{ ::::〈|: ::|ト.     乂ツ /::::i::::::|::::|: |
      |:{i::::ハ|: ::|´     ,,,,, |:::::i::::::|::::|: |
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      |八::圦::::|   _    /::::::::::/:::::|八
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       /::|:::::::::/`Y丁 ̄/ /::::::::::::/:::::::::: : : : \
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     {:/::/⌒シ':::*::::{{::::*::::*::::*::::*::::*:\:*:::*:::|
     /*〈 イ'三三三}:::*::::*::::*::::*::::*::::*\:*:::|


須賀京太郎カプ総合スレ95にホストネタが少し流行ったんだよ
それをここの>>1

>697 :
>名無しさん@お腹いっぱい。
>2016/09/28(水) 22:12:52.54 ID:W6RSFf2R0
>とりま立てやした
>
>京太郎「どうも、貴女のKYOです☆」咲「ドンペリもう一本♪」
>京太郎「どうも、貴女のKYOです☆」咲「ドンペリもう一本♪」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1475067966/)
>
>不定期でよければ、みてね☆

という風にここが立てられて

>751 :
>名無しさん@お腹いっぱい。
>2016/09/29(木) 23:56:34.52 ID:AdeiorlR0
>ホスト祭り言うけど実質書いたのスレ立てた方と最初に電波受信した自分だけなんよね
>容が被るのはいけないだろうからアコチャーや松実姉妹、あわあわ編はお蔵入りに……

と最初に書いてた人が書けなくなったって話

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