ウルトラマンゼアス「律子さん!」 律子「プロデューサー殿」 (34)

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アイマスとウルトラマンのクロスです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1408362268

律子「一体何回目だと思ってるんですか!!」

ゼアス「す、すいません…」

律子「あなたは本当にプロデューサーとして活動する気があるんですか?」

ゼアス「も、勿論ですよ!」

律子「口では何とでも言えますけどね、こうイージーミスを連発されちゃあ困るんですよ!!あなたには自覚ってものが…」

亜美「うげぇ、またゼアス兄ちゃん説教くらってるよ」

レオ「だが、あいつもここに来てだいぶ経つ。そろそろ一人前のプロデューサーになってもらわないとこっちが困る」

アストラ「今は見習いだから大目に見られてるけど、さすがにそろそろ…」

レオ「あとは、あいつの頑張り次第だ」

律子「はぁ…いつまでも見習い見習いって言われて悔しくないんですか?少しでも悔しいって思うなら、早く一人前になってくださいよ…」

ゼアス「はい…」

律子「じゃあ私は営業の仕事がありますんで、この書類整理しといてくださいね」

ゼアス「わかりました…」

律子「一人一人のアイドルの活動もやっと軌道に乗り始めた。人員が増えたせいで財政は相変わらずですけど…765プロは今、勝負の時なんです。だからあなた一人に構ってる時間は無いんですよ」

ゼアス「……」

律子「私はいつまでもあなたのお守りをする気はありませんからね…頑張ってくださいよ、プロデューサー殿」

ゼアス「…駄目だ駄目だ!落ち込んでたって始まらない!まずは仕事を終わらそう!」

セブン「…やる気はあるんだけどなぁ」

伊織「やる気はあっても、仕事出来ないんじゃ意味ないじゃない」

セブン「そう言ってやるなよ…さ、俺達も仕事だ、そろそろ行こう」

伊織「そうね…」

セブン「そういや最近、変な事件が多発してるらしいぞ」

伊織「変な事件?」

セブン「何でもアイドルに関するグッズなんかが、突然破壊されたり、消えたりする事件らしい」

伊織「…また変態宇宙人の仕業じゃあないでしょうね」

セブン「その筋は十分考えられるが、今は仕事に集中する時だ。余計な事は考えずに行こう。何かあったら、ちゃんと守ってやるから」

伊織「あんたが居れば何も問題ないでしょうけど、一応警戒はしときましょうか」

ゼアス「良し、終わったぞ!じゃあ早速、いつもの場所に行くか」

ゼアス「シュワッ!!」



~都内某所~



リポーター「皆さん私は今、店の商品を根こそぎ盗られて、ボケたジジイの頭の中みてぇに、スッカラカンになったアイドルショップの前に来ています!」

店長「もうだめだ…おしまいだぁ…」

リポーター「あれが店長か。養豚場の豚みてぇな野郎だなぁ」

?「ふっふっふっふ…アイドル、それは一種の破壊…時として常識を破壊し、時として人の人生さえ狂わせ破壊する…美しい…」

?「…ん?この反応はッ!!」

~ある山中~



?「反応はここからか…」

ゼアス「シュワッ!!」

?「ぬおッ!?なんだ!!」

ゼアス「ん?…何だろうあのヘリ…ま、いっか。特訓特訓っと」

?「あいつは…ウルトラマンゼアスッ!!」

ゼアス「えい!…はぁぁ…シュワッ!」

ゼアス「うわぁっ!?あちち!」

ゼアス「くそう…もう一回!…シュワッ!」

?「ふふふ…奴はまだまだ未熟のようだ…」

ゼアス「あちち!?おっとっと!」



ベチャ



ゼアス「べちゃ?…あ…ああああああああああああああ!!!」

ゼアス「うわああああ!!!ああああああ!!!」

?「ふふふ…なるほど…奴は未熟なうえに、汚れが苦手…ふふふ…」



~765プロ~



真美「兄ちゃん兄ちゃん!」

レオ「何だ真美」

真美「最近変な事件が起こってるって言ってたよね?」

レオ「あのアイドルグッズが突然無くなるってやつか?」

真美「んっふっふ~♪実は真美、すんごい新情報を手にいれちゃったんだ!」

レオ「そうなのか」

真美「聞いて驚かないでね…なんと!その事件が起こる時には決まって、謎の音が鳴り響く!!」

レオ「…それだけ?」

真美「え?…う、うん」

レオ「音って言っても、どこから聞こえてくるとかわかるのか?」

真美「ど、どこからともなく聞こえるらしい…」

レオ「どんな音が?」

真美「確か…『こって~んぽっぺ~♪』みたいな」

レオ「コッテンポッペ?」

律子「なにくだらない事話してるんですか。そろそろ仕事の時間でしょ」

レオ「そうだったな、真美行くぞ」

真美「くだらないって何さ!真美は事件解決に協力しようとして…!」

レオ「そうだな、真美は偉いな」

真美「え?…そ、そりゃあね…」

レオ「あぁ、とっても偉い。だからご褒美をあげよう」

真美「ほ、ほんと!?」

レオ「あぁ、今日の仕事頑張ったら、もっともっとご褒美をあげよう」

真美「そ、そう言われちゃあ張りきってやっちゃうよん!!」

レオ「じゃあ行くぞ」

真美「うん!!」

律子「…羨ましい」

ゼアス「何か言いましたか?」

律子「何でもないです!…とりあえず、今日はTV局のお偉いさんに挨拶しに行きますから、しっかりしてくださいよ」

ゼアス「は、はい!」

~TV局~



悪神「初めまして…悪神亜久馬ですッ!!」

律子「私は765プロの秋月律子と言う者です。こちらは…」

ゼアス「朝日勝人です!!新米プロデューサーですが、よろしくお願いします!!」

悪神「元気があってよろしい…握手でも…」

ゼアス「は、はい!!…うああああ!?」

悪神「ふふふ…」

律子「え…泥?」

ゼアス「や、やめてぇ!!」

律子「ちょ、ちょっと!?どこ行くのよ!」

ゼアス「うああああ!!」

悪神「ふふふ…やはり奴が、ウルトラマンゼアスッ!!」

悪神「奴はまだ未熟で弱い…まずは奴を破壊するとしよう。ゆくゆくはウルトラマン、そして…この美しい地球を破壊するッ!!破壊こそ最高の美なのだッ!!」

悪神「ふふふ…ふははははッ!!」



ベンゼン星人「フハハハハッ!!」


~夜 765プロ~



律子「…確かに相手が悪戯してきたのも悪いわ。でもね、あなたの行動は下手すれば業界全体に、765の悪評を流布する事にも繋がりかねない事だったのよ」

ゼアス「でも、あれはあっちが…」

律子「それでもよ!ちょっとした事でも、こちらの評価を下げる結果になるかもしれない…あなたも業界の人間なら、もう少し意識してほしいものね」

ゼアス「……」

律子「それに、ちょっと手が汚れただけであんなに騒ぐ事なの?」

ゼアス「他の事ならいくらでも我慢出来ます。でも…汚れるのだけは…」

律子「情ないわね!男だったらちょっと汚れたくらいでギャーギャー騒ぐんじゃないわよ!それにあんな事で動じてちゃ、アイドル達から好かれないわよ」

ゼアス「…律子さんは、動じない人の方が好きですか?」

律子「そうね…そういった人の方が好きよ」

ゼアス「わ、わかりました!よーし、頑張るぞー!!」

律子「ちょ、ちょっと!?…はぁ、やる気は凄いんだけどなぁ…早く一人前になってくれれば…」

ゼアス「シュワッチ!!シュワッチ!!…まだまだ…シュワッチ!!」

マン「やってるな」

ゼアス「え…あっ!?ウ、ウルトラマンさん!?」

マン「ポカリでも飲むか?」

ゼアス「も、貰います!」

マン「ゼアス、最近どうだ?」

ゼアス「はは…さっぱりです」

マン「まぁ焦らなくても良い、出来ない事を一つ一つ克服していけば良いさ」

ゼアス「はい…」

マン「…自信がないのか?」

ゼアス「そ、そうじゃありません!…でも、いくらやっても上手くいかなくて…」

マン「そんな時もあるさ、最後まで諦めなければ必ず結果が出る」

ゼアス「ウルトラマンさん…」

マン「ゼアス、お前は何故この地球に来たんだ?」

ゼアス「僕は、ウルトラマンさんに憧れてこの地球に来たんです。この青く美しい星を守りたいと思って…」

マン「では、何故プロデューサーになろうと思ったんだ?」

ゼアス「…地球に来て、あるアイドルのライブを見たんです。そのアイドルは、もう引退しちゃったんですけど…その時思ったんです、彼女をもう一度、アイドルとしてステージに立たせてあげたいって。あの煌めくステージに立たせてあげたいって。それが叶わなくても、近くで一緒にプロデューサーとして活動しながら、守ってあげられればなぁ…なんて」

マン「その気持ちを忘れるなよ。その気持ちを忘れない限り、君は必ず一人前の戦士になれる」

ゼアス「はい!」

マン「では、私はやよいの買い物に付き合わなければならない。頑張れよ、ゼアス」

マン「シュワッチ!!」

ゼアス「ウルトラマンさん、ありがとうございました…よし、そうと決まったら…」

「きゃあぁっ!!」

ゼアス「こ、この声は、律子さん!?」

律子「た、助けて!!」

ゼアス「律子さん!!」

律子「いやぁ!!」

ゼアス「律子さん!!」

「ふふふ…朝日勝人…いや、ウルトラマンゼアスッ!この女を返してほしければ、一人で指定の場所まで来るのだ…フハハハハッ!!」

ゼアス「…待ってて律子さん、必ず助けるから!」

ウィーン…



ゼアス「シュワッ!!」

ゼアス「…駄目だ、まだ汚れが取れていないんだ…くそ、もう一回!」



ウィーン…



ゼアス「シュワッ!!」

ゼアス「くそっ!!何で…どうして…!」



『頑張れよ、ゼアス』



ゼアス「ウルトラマンさん…」



『ちょっとした事でも動じない人の方が、私は好きよ』



ゼアス「律子さん…律子さん!!」

ゼアス「うおおおおおお!!やるぞー!!」



ゼアス「シュワッチ!!!」



律子「……」

コッテンポッペ「グオオオオ!!」

律子「何で私がこんな目に…」

ベンゼン「ふふふ…早く来るのだウルトラマンゼアスッ!ここがお前の墓場となるのだ」

律子(あ、あいつは…)

ベンゼン「貴様がスペシュッシュラ光線を撃った時、地球は…ふふふ…」

律子(ど、どういう事?と、とにかくプロデューサーが来たら…)

ゼアス「シュワッ!!」

律子「プ、プロデューサー殿!?」

ベンゼン「来たな…さぁ、早くスペシュッシュラ光線を撃つのだッ!その時が…!」

ゼアス「律子さん、今助けるよ!はぁぁ…スペシュッシュラこう…!」

律子「待ちなさーい!!」

ゼアス「!?」

ベンゼン「!?」

律子「撃っちゃダメよ!今スペッシュッシュラ光線を撃ったら…」

ベンゼン「黙れ!!」

律子「きゃあっ!?」

ゼアス「律子さん!!お、おのれぇ…何だか知らないが、スペシュッシュラ光線は撃っちゃダメみたいだ…それなら肉弾戦だ!シュワッ!!」

ベンゼン「ええいッ!作戦その二だッ!」

ゼアス「うおっ!?バ、バリアーか…って、うああああ!!ど、泥がぁ!!」

ベンゼン「ウルトラマンゼアスッ!その泥の海を渡り泥まみれになるか、それともスペシュッシュラ光線を撃つかッ!二つに一つだ!」

ゼアス「く…」

律子「もう良いわ逃げて!あなたじゃ無理よ、早く事務所から応援を…」

ゼアス「……」



       ズブ…


            ズブ…



律子「な、何してるのよ!?あ、あなた潔癖なんでしょ?そんな事したら…」

ゼアス「僕は…律子さんを助けに、来たんだ…僕はもう、見習いなんかじゃない…絶対に律子さんを助け出す!!」

律子「プロデューサー…」

ゼアス「ぐ…」

ベンゼン「ふふふ…そのまま泥の海に呑まれてしまえッ!!」

ゼアス「うああ…うあああああ!!」

律子「プロデューサー!!」

ゼアス「……」

律子「…嘘でしょ?ねぇ、返事してよ…プロデューサー…プロデューサー…」

コッテンポッペ「グオオオオ!!」

ベンゼン「フハハハハッ!これでウルトラマンゼアスは倒したッ!次は765プロのウルトラマン達だ!フハハハハッ!」

律子「……」

律子「あなた、何でこの事務所に来たの?」

ゼアス「どうしたんですか急に?」

律子「何となくよ。やっぱりウルトラマンが居たから?」

ゼアス「それもあります…でも」

律子「でも?」

ゼアス「あるアイドルがこの事務所に居たから…ですかね」

律子「あるアイドル?」

ゼアス「いつか僕が彼女のプロデューサーになって、彼女をもう一度煌めくステージに立たせてあげたいから…あの時彼女に魔法をかけられて、僕はプロデューサーになったんです」

律子「ふーん…願いが叶えば良いわね」

ゼアス「はい!」

律子「……」

ベンゼン「早速765プロへ…ん?」



鏡の中 ため息が一つ 「教科書がボーイフレンド?」 みんな言うけど



ベンゼン「何だ、この歌は?」



机の中 書きかけのラブレター まだ見ぬあなたに 思いを馳せる



ベンゼン「そ、その歌をやめろ!」

律子(ねぇ、聞こえる?あなたが言ってたアイドルって、きっと…)

ゼアス「…律子さん」

恋を夢見るお姫様は いつか素敵な王子様に巡り合える




ベンゼン「やめろ!やめるんだ!」

律子「きゃっ!」

律子(負けるもんか!今の私にはこんなことしか出来ないけど…でも!)




そっと瞳を閉じるから 魔法をかけて!




律子「あんた、私をプロデュースするんでしょ!!それならそんな所で寝てないで、早く私を迎えに来なさいよ!!」

律子「ウルトラマンゼアス!!」

ゼアス「うおおおおお!!!」



ゼアス「シュワッチ!!!」



ベンゼン「その女を殺せぃ!!」

コッテンポッペ「グオオオオ!!」

律子「きゃああっ!?」

ゼアス「でりゃあああっ!!」

コッテンポッペ「グギャアアッ!?」

ベンゼン「ヌオアア!?」

ゼアス「はっ!!でりゃあっ!!」

コッテンポッペ「グオオオ!!」

ゼアス「うおりゃあああっ!!」

コッテンポッペ「ウギャアアアッ!?」

コッテンポッペ「……」

ゼアス「残るはお前だけだ!」

ベンゼン「こ、小癪なッ!」

ゼアス「てりゃああっ!!」

ベンゼン「グオオッ!?」

ゼアス「地球から、出て行けぇ!!」

ベンゼン「オワアアアアアッ!?」

ベンゼン「お、覚えていろ―!!ウルトラマンゼアース!!」



        キラーン 

    

ゼアス「……」

律子「プ、プロデューサー!だ、大丈夫ですか?」

ゼアス「えぇ、大丈夫ですよ。律子さんこそ、怪我はありませんか?」

律子「え、えぇ…」

ゼアス「良かった…少しの間、ここで待っててもらえませんか?」

律子「…そいつを片付けるの?」

ゼアス「こいつにスペシュッシュラ光線を撃てば、大爆発を起こしてしまうみたいだ。律子さんが止めてくれなかったら、どうなっていたか…」

律子「だから、宇宙で倒すのね」

ゼアス「少しの間、待っててください」

律子「待ってるわよ…ずっとね」

ゼアス「ありがとう…シュワッ!!」

律子「早く戻って来てね。女をこんな所に一人で待たせるなんて、最低なんだから…」



              ドカーーン!!



~数日後~


ゼアス「律子さん、こっちの書類なんだけど」

律子「それはそっちで…そっちお願い」

セブン「何だか見違えるように成長したな、ゼアス」

マン「彼はもう立派なウルトラ戦士の一人だ。どんな困難が訪れても、彼は乗り越えられるだろう」

レオ「彼女も、でしょ?」

マン「あぁ、そうだな」

律子「…プロデューサー」

ゼアス「何ですか?」

律子「あの…あの時の…」

ゼアス「あぁ、しっかり聞いてましたよ」

律子「え!?あ、あの…わ、私はアイドルに戻る気は…」

ゼアス「良いですよ」

律子「え?」

ゼアス「律子さんが僕にプロデュースされても良いってなるまで、待ってますから」

律子「…一生そんな事言わないかもしれないわよ?」

ゼアス「それでも、僕は待ち続けます」

律子「ずるいわよ…」

ゼアス「え?」

律子「そんな事言われたら、逃げられないじゃないの…」

ゼアス「僕は絶対に、あなたを逃がしたりしませんからね」

律子「…ばか」

ゼアス「馬鹿で結構です」

律子「…今度、レッスン付き合ってくれる?」

ゼアス「勿論です」

律子「ふふ…頼りにしてるわよ、プロデューサー殿」

「私のプロデューサー?そうね…頼りなくて、弱くて、極度の潔癖で、元気だけならあるけどすぐ空回りして…でも、全部ひっくるめて、私の大切なパートナーだから…ううん、そんな事よりもあの人に逢いたい気持ちがあるから…だから、今すぐにあの人の元へ行きたいって思えるんだろうな。名前?…その人の名前は…」



「ウルトラマン、ゼアス」



「「シュワッチ!!!」」



終わりです。拙い物ですが読んで下さった皆様、ありがとうございました

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