コンマからはじめるキャラ作成【ダンガンロンパ風】 (907)




十数番煎じなダンガンロンパ風なオリキャラのあれです



キャラ決め手順

1.コンマで【ステータス】を決定

2.安価で【特徴】をもういいかなってなるまで追加

3.【名前】を決める

4.それらに見合った【超高校級の肩書き】を与える



人が来たらはじめます






SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1408261832



では男子1人目から


・コミュ力
0=人間不信 12=人見知り 3456=普通 78=おしゃべり 9=超リア充

・体力
0=虚弱体質 12=運動音痴 3456=普通 78=体育会系 9=屈強

・精神力
0=豆腐メンタル 12=臆病 3456=普通 78=気丈 9=鋼メンタル

・優しさ
0=卑劣 12=めんどくさがり 3456=普通 78=気が利く 9=献身

・知力
0=電波 12=アホの子 3456=普通 78=優等生 9=天才

・器用
0=ドジっ子 12=下手くそ 3456=普通 78=上手 9=神の手

・容姿
0=不細工 12=地味 3456=普通 78=キレイ 9=誰もが振り向く

・運勢
0=仏滅 12=不幸 3456=普通 78=幸運 9=神懸かり



コンマの10の位と1の位で判定します

↓1 10~コミュ力 1~体力

↓2 10~精神力 1~優しさ

↓3 10~知力 1~器用

↓4 10~容姿 1~運勢

人物像から肩書きか…
肩書きは既存(公式)のでも採用するん?



コンマ:85 88 45 86


コミュ力と精神力と優しさと容姿に長けマイナスな要素のない好感の持てる青年に【特徴】を足します


ステータスと矛盾しない範囲で、趣味、容姿、性格、特技など、自由にお書きくださいね


例:『サッカー好き』『メガネ』『気取り屋』『美声』など


↓3まで

器用貧乏

器用貧乏

>>18
イエーイ(・∀・)/



【器用貧乏×2】→ 器用さにすごくボーナス

【諦めない】→ 精神力にボーナス


濃さが足りぬ


↓3まで 容姿、特技、趣味など

短髪ドレッドヘア…ゴラァさんかな?
そしてポエマーだと才能っぽくね?
いえ、一の判断次第ですが…



【仲間思い】→ 優しさにボーナス

【短髪】→ さわやかなショートヘアー

【ポエマー】→ 詩を書くのが趣味のロマンチスト


社交的で仲間思いなショートヘアーのイケメン。
小器用でやると決めたら諦めない不屈の精神を持つ。
ロマンチックな思考を持ち、たまに思いついた詩をメモ紙に書いている。


そんな彼のお名前は……

↓3までの中から選びます


sageすまぬ

↓ 名前

長岡 成(ながおか せい)



oh、すれちがい

進藤 明クン 採用


【ステータス(補正込み)】
コミュ力 高
体力 並
精神力 高→極
優しさ 高→極
知力 並
器用 並→極
容姿 高
運勢 並


割とどんな才能でも行けそうですね

↓5くらいまでから【肩書き】選びます

詩人



『幸運』と迷いましたが運勢が並なので『生徒会長』でいきます

人望ありそうですからね



女子1人目も同じように作ります


コンマの10の位と1の位で判定します

↓1 10~コミュ力 1~体力

↓2 10~精神力 1~優しさ

↓3 10~知力 1~器用

↓4 10~容姿 1~運勢

うい

待て、まだ0=10と言う事も…
いえ、すいません、容姿自分です。
ごめんなさい…



コミュ力 極
体力 極
精神力 極
優しさ 皆無
知力 極
器用 並
容姿 皆無
運勢 並


恐ろしい人ができてしまった


不細工版盾子ちゃんに【特徴】を足していきます


性格面はステータスでお察しなので、趣味や特技がいいかも

さらにひどい性格にしても構わぬ

容姿フォローしてもいいのよ

↓3まで

厚化粧

根暗

腐川さんみたいなんかもだから…(必死)



【危険思想】→ ある恐ろしい思想を持って生きている

【厚化粧】→ 自分の容姿に自信が無いため化粧が濃い

【根暗】→ 表面上は人の中心にいるタイプだが実はキャラ作り、本性は根暗


器用さは並だから隠しきれないブス

↓2と↓4 趣味や特技

弱者懐柔

アカン…

これは‥最後まで生き残るな



【高速演算】→ あらゆる計算を一瞬でこなす頭脳を持つ、知力に更なるボーナス

【弱者懐柔】→ 精神的に弱い人に取り入り意のままに操ることを得意とする


厚化粧でも隠せていない程の不細工だが謎のカリスマ性を持つ少女。
常に人の中心にいる社交的な少女に見えるが、恐るべき本性を内に秘めている。
人間離れした計算能力と戦闘能力には畏怖すら覚える。


ラスボスみたいな彼女……その名は

↓4までから選びます

唄形 果 (うたかた はてる

マリア フランドール

柊 京子(ひいらぎ きょうこ)



美袋 いずみさん 採用


【ステータス(補正込み)】

コミュ力 極
体力 極
精神力 極
優しさ 皆無→悪魔
知力 極→超人
器用 並
容姿 皆無
運勢 並


逆にどうして器用さだけ無いのかと言うほどの超人の持つ才能とは……

↓5までから選びます

超高校級の欲望

オカ研(オカルト研究部

超高校級の物理学者



超高校級の『欲望』採用


これはきっと『ギャル』みたいに隠れ蓑的な才能があるはず

↓5まで 表向きの才能

古物商

物理学者



『カウンセラー』採用

これは危険



男子2人目でございます


コンマの10の位と1の位で判定します

↓1 10~コミュ力 1~体力

↓2 10~精神力 1~優しさ

↓3 10~知力 1~器用

↓4 10~容姿 1~運勢

(うわぁ・・・・)

ある意味、今回コンマに恵まれてますね。(白目)

oh

こいつ九頭龍とか序盤に孤立するタイプだろ



コミュ力 皆無
体力 並
精神力 極
優しさ 皆無
知力 並
器用 皆無
容姿 極
運勢 極


卑劣で鋼メンタルを持つ孤高の美男子


明らかに美袋さんと相性最悪な彼に【特徴】を足します

↓3まで

天上天下唯我独尊

人間不信



【ナルシスト】→ 自身の容姿を誇っている、コミュ力マイナス

【優しさ】→ 誰とも関わろうとしない卑劣な彼だがごくまれに優しい一面を覗かせる、優しさにボーナス

【唯我独尊】→ 自身を選ばれた存在であると信じて疑わない、コミュ力マイナス


忘れがちですが実は人並み外れて不器用な彼の趣味と特技

↓2と↓4

数独(趣味

怪力

プレイボーイ

ちょっとまってコミュ力がちょっとそのちょっと、



【バイク趣味】→ バイクを愛している、しかし運転は……うん

【アニオタ】→ アニメ鑑賞が日課、何を見ても駄作と酷評しているが楽しいのだろうか


強運を持ち何一つ不自由せずに生きてきた絶世の美男子。
とにかく自分を愛しており他人の存在を気にも留めない。ぼっちであることも気にしていない。
アニメで見たライダーに憧れバイクを購入したが、全く運転が上達しないのが最近の悩み。


意外とかわいいところのある(?)彼の美しく気高いその名前は……

↓4までから選びます

仁影 透摩(にかげ とおま

上帝 創聖(うわみかど そうせい)



鹿鳴院 伍月クン 採用


【ステータス(補正込み)】

コミュ力 皆無→もうどうしようもない
体力 並
精神力 極
優しさ 皆無→低
知力 並
器用 皆無
容姿 極
運勢 極


不器用なせいで割と選択肢が狭そうな鹿鳴院さまのご才能は……

↓5までから選びます

幸運

暴君

キング



『御曹司』採用


キャラ設定や選んだ名前の段階でこれ以外なさそうでしたね、ゴメンナサイ



女子2人目、ヒロイン欲しいよね


コンマの10の位と1の位で判定します

↓1 10~コミュ力 1~体力

↓2 10~精神力 1~優しさ

↓3 10~知力 1~器用

↓4 10~容姿 1~運勢

知力はアホの子でいいが容姿・・・・

普通だ…



コミュ力 並
体力 低
精神力 高
優しさ 高
知力 並
器用 並
容姿 低
運勢 低


大丈夫、0じゃない限り『地味』なので小泉さんくらいには可愛い


華やかじゃないけどまともな子の【特徴】を決めます

↓3まで

雰囲気かわいい
補正かけよう

提案だが、次から女の子の容姿は多少補整つけちゃ駄目かね?
既に二人ブスいるし…

>>156
容姿補正は【特徴】で何とかしようと>>1も奮闘している。
しかし何分にも安価だからな…
0は10にしない? (欲望さんで容姿0にした人)

いいと思う



【子供好き】→ 優しさにボーナス

【妖艶】→ 大人っぽい魅力を持つ、容姿にボーナス

【雰囲気かわいい】→ 何となく好ましい雰囲気を纏っている、容姿にボーナス


量産型女子高生はどういうものか分からなかった……


容姿は、原作で言うと朝日奈さんでようやく『並』レベルの基準なので

現実基準だと女子はだいたいかわいいです

0が出てもマイナス補正つかない限り見るに堪えない醜女にはなりません


ボーナスのおかげで第一印象よりはモテるようになった彼女の、特技や趣味

↓2と↓4

編み物

子供をあやす



【手芸】→ 編み物が得意、器用にボーナス

【オカルト趣味】→ 都市伝説や心霊スポットの話を聞くとよだれが出る


華やかさは無いが大人っぽい魅力的な雰囲気を纏った女子。
子供や手芸を好み誰にでも献身的な彼女と一緒にいると包み込むような安心感がある。
常識的な感性を持っているがオカルトの話になると豹変するのがたまにきず。


最初の判定で地味だったおかげでむしろ独特の魅力が出た彼女の名前は……

↓5までから選びます

杼島 機音(ひじま はたね

虹野 七瀬(にじの ななせ)



佐々木 春花さん 採用

普通な彼女に似合ってる、普通の名前も必要さ


【ステータス(補正込み)】

コミュ力 並
体力 低
精神力 高
優しさ 高→極
知力 並
器用 並→高
容姿 低→高
運勢 低


力仕事以外ならいろいろできそうな気はする彼女の才能は……

↓5までから選びます

家政婦



『手芸部』採用

ここはだいぶ迷った



男子3人目、いっくよ~


コンマの10の位と1の位で判定します

↓1 10~コミュ力 1~体力

↓2 10~精神力 1~優しさ

↓3 10~知力 1~器用

↓4 10~容姿 1~運勢

幸運決定だな



コミュ力 高
体力 皆無
精神力 高
優しさ 並
知力 低
器用 並
容姿 低
運勢 極


なんとなく情けない男子……


せっかくだし彼に非凡な【特徴】を足しましょう

↓3まで

超天然

心の奥底には健康な人達への妬みと憎しみがあったりなかったり。



【超天然】→ 天然でぽわぽわしていてどこかあざとい、器用と知力マイナス

【妬み】→ 心の奥底では健康な人々を憎んでいる

【お節介焼き】→ 困っている人を見ると放っておけない性格だが役に立てないことが多い、優しさにボーナス


癒し系地雷男子の趣味と特技、あと容姿とかの【特徴】を足します

↓1、↓3、↓5

超高校級マニア

活字狂

ヌイグルミ好き

きっと長期療養で年齢が…(震え声)



葉巻は……入れられそうになかった……すまぬ……


【読書家】→ 体が弱く室内で本を読んでいることが多い、知力にボーナス

【超高校級マニア】→ 超高校級の人々に憧れを持っており彼らの逸話や人となりに詳しい

【活字狂】→ 1日1回は活字を見ないと落ち着かない、精神力マイナス


生まれた時から体が弱く、幼いころから本ばかり読んで育ってきた細身の小柄な少年。
朗らかで誰とでも仲良くでき、天然で思いやりに溢れる性格から話している相手に癒しを与える。
超高校級のスポーツ選手たちに憧れているが、一方で心の奥底に眠る彼らへの憎悪にも似た嫉妬には本人も気づいていない。


嫌な予感しかしない彼の名前は……

↓5くらいまでから選びます



猿渡 実里クン 採用


【ステータス(補正込み)】
コミュ力 高
体力 皆無
精神力 高→並
優しさ 並→高
知力 低→皆無→低
器用 並→低
容姿 低
運勢 極


一応超高校級の才能を募集、生徒がそろった時点で彼以上に幸運枠っぽい人がいない場合、彼は『幸運』になります

↓3くらいまで

図書委員



はみ出てるけど『くらいまで』だったので

猿渡クンの才能は『司書』を暫定採用します



女子3人目! 念のためこの子だけ【特徴】に【美少女】を追加いたします


コンマの10の位と1の位で判定します

↓1 10~コミュ力 1~体力

↓2 10~精神力 1~優しさ

↓3 10~知力 1~器用

↓4 10~容姿 1~運勢



コミュ力 並
体力 皆無
精神力 並
優しさ 並
知力 極
器用 皆無
容姿 皆無→高
運勢 並


持ってて良かった【美少女】スキル


今のところ深窓の令嬢感があるこの子にスパイシーな【特徴】を追加します

↓3まで

芸人気質

平等に優しい



【美少女】→ 正統派美少女、容姿に強引なプラス補正

【美しい金髪】→ くるぶしまで伸びた金髪ストレート、そりゃ運動なんてできないね

【勉強家】→ “勉学は裏切らない”が信条、知力にボーナス

【芸人気質】→ 常日頃から笑いを取りに来ようとする、コミュ力にボーナス


なんか面白い子にさらにもう一味、趣味や性格など

↓2と↓4

ハリセンツッコミ

ソニアさんきたーwww



【昭和】→ちょっと昔の日本文化が好き

【エセ関西弁】→付け焼刃な関西弁で話す


長く美しい金髪を持つ一見近寄りがたい美少女。
超が付くほどの勉強家でIQも極めて高い。
しかし実際に交流してみると芸人気取りのドジっ子という残念美少女。


関西版ソニアさんなこの子の名前は……

↓5までから選びます

辻島 イラ(つじしま -

ケイト ネヴァーマインド



マリア・フォーキンスさん 採用

【ステータス(補正込み)】
コミュ力 並→高
体力 皆無
精神力 並
優しさ 並
知力 極→すごい
器用 皆無
容姿 皆無→高
運勢 並


どんな才能が来ても、キャラと才能がかみ合ってない子になる予感がするフォーキンスはんの才能は……

↓5までから選ぶで

超高校級のアイドル 崩れ

もう遅いが知能高いのに技術系…



超高校級の『アイドル』を目指している超高校級の『お笑い芸人』並木恵美

と名乗る超高校級の『文化学者』マリア・フォーキンスさん

になりました




男子4人目、体育会系が1人欲しいので彼には【特徴】に【体育会系】を追加いたします


コンマの10の位と1の位で判定します

↓1 10~コミュ力 1~体力

↓2 10~精神力 1~優しさ

↓3 10~知力 1~器用

↓4 10~容姿 1~運勢


長い

なんやろ…九九のバーゲンやな…
だが女子の容貌は…
うん…



コミュ力 並
体力 極→すごい
精神力 並
優しさ 並
知力 並
器用 並
容姿 極
運勢 極


マッチョだけど美男子……世紀末的な画風?という彼に【特徴】を追加します

今回はまとめて、性格も容姿も趣味も特技も

↓1、2、3、5、7

親しみ易い

落ち着きない

男終里か‥



【体育会系】→ 男らしいたくましい体つき、元が極なので人並み外れた運動能力に

【細マッチョ】→ 暑苦しさを感じさせない細く締まった体付き、元が極なのでまるで彫刻のような美しさに

【親しみやすい】→ 話してみると爽やかで好感が持てる、コミュ力にボーナス

【落ち着きがない】→ 意外とビビリで焦りやすい、精神力マイナス

【人徳者】→ 人々から信頼を集める真っ直ぐな人柄、優しさにボーナス

【ロードバイク】→ 自転車競技においては他を寄せ付けない実力を持つ


まるで神話の世界からやってきたような容貌を持つ青年。
優しく真っ直ぐで親しみやすい人柄が人望を集める。
見た目通りあらゆるスポーツ競技を得意とするが、特に自転車に乗らせればもはや敵はいない。


生きて帰れる気がしない彼の才能は……

↓5までから選びますが、あえて『ロードレーサー』は無しとします

嶽守 雷穏(たけがみ らいおん

間違えたッ……!!

先に名前でした

↓5までから選びます

アスリート

阪上 駆(さかがみ かける)

いえ、間違えたんは自分だから
>>1
が正義なんで、気にすべきは自分なんで…
嶽守 雷穏(たけがみ らいおん


ふむ……好きな名字と好きな名前がバラバラ……


名前、組み合わせてもよろしい?

いいんじゃない



付けた人にもこだわりがあるだろうからやっぱりそのままで行きます

嶽守 雷穏クン 採用


改めて、嶽守クンの才能は……

↓5までから選びますが、やはり『ロードレーサー』は無効とします

アスリート

ヒーロー

あっ、いえ、そんな、
ただどきゅんネームあるとポイかなってだけで
基本、>>1の判断に任せます。
なんかすいません。



『代理選手』採用

1はなかなか発想できない才能をお好み



女子4人目、この子には【特徴】に【小柄】を追加し、容姿のステータスは最低でも並になります

ええ、ロリ枠です


コンマの10の位と1の位で判定します

↓1 10~コミュ力 1~体力

↓2 10~精神力 1~優しさ

↓3 10~知力 1~器用

↓4 10~容姿 1~運勢

なんか罪木っぽい

つか、現状、平均しても器用さが残念な事になっている…



コミュ力 皆無
体力 高
精神力 高
優しさ 並
知力 低
器用 並
容姿 並
運勢 低


なんというか……何とも言えない子に【特徴】を追加します

まず4つね

↓7くらいまで まだ一度も採用されてないID優先、それ以外は上から順に

なんかよく噛みつく



ちょっとはみ出てるけど採用数少なかったIDから


【小柄】→ 高校生に見えない容姿を持つ

【デスメタル】→ デスメタルの音楽を愛している

【ちょこまか】→ 小柄な体躯に優れた体力、テンションが高い

【残念】→ とある意味で残念な子である

【目立ちたがり】→ 派手好きで人と違うことをしたがる


特技を追加したい

変わった物でもいいのよ

↓3までで採用数少ないID優先 似たようなものなら↓2採用

悪戯



【悪戯好き】→ 他人にちょっかいをかけるのが好き、そして悪戯のクオリティが高い、器用ボーナス優しさマイナス


派手好きでデスメタル調のファッションを身に着けている、高校生に見えない幼い体つきの少女。
小柄な身体と行動力を生かしてちょこまかと他人に悪戯を仕掛けて回る。
だがコミュニケーション能力に欠け、面と向かうと赤面して一言も話せない残念な子。


コミュ障おてんば娘の名前は……

↓5までから選びます

桐先 音羽(きりさき おとは)



忍原 鳴さん 採用


【ステータス(補正込み)】

コミュ力 皆無
体力 高
精神力 高
優しさ 並→低
知力 低
器用 並→高
容姿 並
運勢 低


つかみどころのないこの子の才能は……

↓5までから選びます

超高校級の陶芸家



『くノ一』採用


和風な才能でありながらデスメタルファッション!

忍者でありながら目立ちたがり!



男子5人目

ここでお知らせ、実はキャラメイクは10人まででございます

まあちょっとした理由はあります



コンマの10の位と1の位で判定します

↓1 10~コミュ力 1~体力

↓2 10~精神力 1~優しさ

↓3 10~知力 1~器用

↓4 10~容姿 1~運勢



コミュ力 高
体力 並
精神力 並
優しさ 並
知力 並
器用 並
容姿 並
運勢 低


これは……【特徴】が極めて重要になりますね

すいませんがここで夕食休憩はさみます

↓10くらいまで 採用少ないID優先で5個採用、どっこいなら上から順に採用

ムードメーカー

惚れっぽい

動物と会話



【前向き】→ 希望は前に進むんだ!、精神力にボーナス

【挙動不審】→ たまにあいつ何してんのって目を向けられる、コミュ力少しマイナス

【変態紳士】→ 真顔でセクハラ発言を飛ばす事がある、コミュ力少しマイナス

【自己犠牲】→ 希望の踏み台になら喜んでなるよ、危うさもあるが一応優しさにボーナス

【勧誘】→ 言葉巧みに人を誘うのが得意、コミュ力にボーナス

【タフガイ】→ 屈強な肉体と精神を持つ、体力と精神力にボーナス


苗木狛枝枠になれそうなそうでも無いような彼の趣味や容姿は……

↓1、3

胡散臭いおっさんぽいイメージ

>>394ので
葉隠に固定された…

左右田っぽい

ならソニアさんポジのアリアにせまるな



【無精髭】→ 不潔な印象を与える髭面、容姿マイナス

【占い】→ 占いが趣味、前向きなので悪い結果は信じない


無精髭を生やしたごつい男性がセクハラ発言する様はもはやおっさんでしかない。でも一応高校生。
挙動不審で胡散臭いが彼に誘われるとなぜか誰もがついて行きたくなる。
昔から運が悪いため占いに頼るようになった、しかし前向きなので悪い結果は信じない。


初期設定葉隠の印象に近い彼の名前は……

↓5までから選びます

葉隠 弥助(はがくれ やすけ)

琴吹 醍醐(ことぶき だいご)



柳生 総司クン 採用

いい感じにおっさんっぽい


【ステータス(補正込み)】

コミュ力 高→やや高→並→高
体力 並→高
精神力 並→高→極
優しさ 並→高
知力 並
器用 並
容姿 並→低
運勢 低


意外と頼れそうな彼の才能は……

↓5までから選びます、ただし『占い師』はNG

営業員

まじないし



柳生クンは

超高校級の『何でも屋』という才能で入学してきますが

裏社会では超高校級の『闇医者』としても活動している

ということになりました




女子5人目

1からキャラメイクするのはこれが最後でございますよ


現メンバーのコミュ力が両極端なので、皆無は低に、極は高に変化します


コンマの10の位と1の位で判定します

↓1 10~コミュ力 1~体力

↓2 10~精神力 1~優しさ

↓3 10~知力 1~器用

↓4 10~容姿 1~運勢

全体的に極端な…



コミュ力 高
体力 皆無
精神力 低
優しさ 並
知力 極
器用 高
容姿 低
運勢 極


コミュ力を一段階下げた分どれかを一段階上げます

体力や容姿をカバーしたり、超幸運にしたり、自由なのです

↓1 どこに振るか選択



『容姿』採用です

コミュ力 高
体力 皆無
精神力 低
優しさ 並
知力 極
器用 高
容姿 並
運勢 極


体も心も弱いけど優れた技術を持つ、ちーたんタイプの彼女に【特徴】を与えます

↓6くらいまで 採用少ないID優先で3つ採用

争いを好まない



【芯の強さ】→ いざという時には譲らない強い芯を持つ、たとえ涙目になっても負けない

【平和主義】→ 争いを好まない心優しい少女、優しさにボーナス

【やれやれ系】→ いつもダルそうにしている、基本ジト目


不二咲一家の遺伝子を感じる彼女の特技と趣味と容姿

↓5まで 同じく採用少ない人優先

技術系前提か…



3つ採用って書き忘れてたね、ごめんね


【高身長】→ 女子としてはずいぶん背が高い、モデル体型?

【甘党】→ 常に甘味を欲している、三食お菓子でもいけます

【ゲーム開発】→ パソコンでゲームを作って配信したことがある、器用にボーナス


最後になんかかわいい子来たね、この子の名前は……

↓5くらいまでから選びます

遠鐘 実伽(とおがね みか

真中 美波(まなか みなみ)

日付変わってID変わる前に酉つけるよ



愛澤 心さん 採用


【ステータス(補正込み)】

コミュ力 高
体力 皆無
精神力 低
優しさ 並→高
知力 極
器用 高→極
容姿 並
運勢 極


技術系ながら実はめちゃめちゃ運がいい彼女の才能は……

↓5までから選びます、やはりあえて『ゲームプログラマ』は無しで


sage消すの忘れてたよ


『AA職人』採用


『女子力』は気に入ったので特徴に加えます

さて、ちょっと今までの10キャラまとめつつ投下しますね



男子1 超高校級の生徒会長 進藤 明(シンドウ アキラ)

コミュ力 高
体力 並
精神力 極
優しさ 極
知力 並
器用 極
容姿 高
運勢 並

【超器用貧乏】→ どんなことでも人並み以上にこなす超高校級の器用貧乏、器用にボーナス
【諦めない】→ やると決めたらやり遂げる信念の持ち主、精神力にボーナス
【仲間思い】→ 他の生徒の事を大切にしている、優しさにボーナス
【短髪】→ さわやかなショートヘアー
【ポエマー】→ 詩を書くのが趣味のロマンチスト

社交的で仲間思いなショートヘアーのイケメン。
小器用でやると決めたら諦めない不屈の精神を持つ。
ロマンチックな思考を持ち、たまに思いついた詩をメモ紙に書いている。

「朝焼けに輝く山は希望ヶ峰……か。このフレーズは全校朝会で使おう」



女子1 超高校級のカウンセラー(超高校級の欲望) 美袋 いずみ(ミナギ イズミ)

コミュ力 極
体力 極
精神力 極
優しさ 悪魔
知力 超人
器用 並
容姿 皆無
運勢 並

【危険思想】→ ある恐ろしい思想を持って生きている、優しさにマイナス補正
【厚化粧】→ 自分の容姿に自信が無いため化粧が濃い
【根暗】→ 表面上は人の中心にいるタイプだが、実は作られたキャラ
【高速演算】→ あらゆる計算を一瞬でこなす頭脳を持つ、知力に更なるボーナス
【弱者懐柔】→ 精神的に弱い人に取り入り意のままに操ることを得意とする

厚化粧でも隠せていない程の不細工だが謎のカリスマ性を持つ少女。
常に人の中心にいる社交的な少女に見えるが、恐るべき本性を内に秘めている。
人間離れした計算能力と戦闘能力には畏怖すら覚える。

「さぁ、貴方の悩みを聞かせて? ……ウフフフっ」



男子2 超高校級の御曹司 鹿鳴院 伍月(ロクメイイン イツキ)

コミュ力 もうどうしようもない
体力 並
精神力 極
優しさ 低
知力 並
器用 皆無
容姿 極
運勢 極

【ナルシスト】→ 自身の容姿を誇っている、コミュ力マイナス
【優しさ】→ 誰とも関わろうとしない卑劣な彼だがごくまれに優しい一面を覗かせる、優しさにボーナス
【唯我独尊】→ 自身を選ばれた存在であると信じて疑わない、コミュ力マイナス
【バイク趣味】→ バイクを愛している、しかし運転は……うん
【アニオタ】→ アニメ鑑賞が日課、何を見ても駄作と酷評しているが楽しいのだろうか

強運を持ち何一つ不自由せずに生きてきた絶世の美男子。
とにかく自分を愛しており他人の存在を気にも留めない。ぼっちであることも気にしていない。
アニメで見たライダーに憧れバイクを購入したが、全く運転が上達しないのが最近の悩み。

「なんだ平民。この私に汚れた声で何を…………フ、フン。バイクはあくまで鑑賞物だ」



女子2 超高校級の手芸部 佐々木 春花(ササキ ハルカ)

コミュ力 並
体力 低
精神力 高
優しさ 極
知力 並
器用 高
容姿 高
運勢 低

【子供好き】→ 優しさにボーナス
【妖艶】→ 大人っぽい魅力を持つ、容姿にボーナス
【雰囲気かわいい】→ 何となく好ましい雰囲気を纏っている、容姿にボーナス
【手芸】→ 編み物が得意、器用にボーナス
【オカルト趣味】→ 都市伝説や心霊スポットの話を聞くとよだれが出る

華やかさは無いが大人っぽい魅力的な雰囲気を纏った女子。
子供や手芸を好み誰にでも献身的な彼女と一緒にいると包み込むような安心感がある。
常識的な感性を持っているがオカルトの話になると豹変するのがたまにきず。

「えっ、このマフラーですかぁ? よくぞ聞いてくれましたこれは狐貉狸さんの、ってちょっと逃げないでください!」



他に幸運っぽいのがいなかったので猿渡クンは『幸運』になりました


男子3 超高校級の幸運 猿渡 実里(サルワタリ ミノリ)

コミュ力 高
体力 皆無
精神力 並
優しさ 高
知力 低
器用 低
容姿 低
運勢 極

【超天然】→ 天然でぽわぽわしていてどこかあざとい、器用と知力マイナス
【妬み】→ 心の奥底では健康な人々を憎んでいる
【お節介焼き】→ 困っている人を見ると放っておけない性格だが役に立てないことが多い、優しさにボーナス
【読書家】→ 体が弱く室内で本を読んでいることが多い、知力にボーナス
【超高校級マニア】→ 超高校級の人々に憧れを持っており彼らの逸話や人となりに詳しい
【活字狂】→ 1日1回は活字を見ないと落ち着かない、精神力マイナス

幼いころから本ばかり読んで育ってきた細身の小柄な少年。
天然で誰とでも仲良くでき、思いやりに溢れる性格から話していると癒されてしまう。
超高校級のスポーツ選手たちに憧れているが、一方で心の奥底に眠る彼らへの憎悪にも似た嫉妬には本人も気づいていない。

「ボクもみんなと一緒にあそべたらいいのになぁ。……ううん、見ているだけでも楽しいよっ」



女子3 超高校級の文化学者 マリア・フォーキンス
(自称:超高校級のアイドルを目指している超高校級のお笑い芸人 並木恵美)

コミュ力 高
体力 皆無
精神力 並
優しさ 並
知力 すごい
器用 皆無
容姿 高
運勢 並

【美少女】→ 正統派な美少女、容姿に強引なプラス補正
【美しい金髪】→ くるぶしまで伸びた金髪ストレート、そりゃ運動なんてできないね
【勉強家】→ “勉学は裏切らない”が信条、知力にボーナス
【芸人気質】→ 常日頃から笑いを取りに来ようとする、コミュ力にボーナス
【昭和】→ちょっと昔の日本文化が好き
【エセ関西弁】→付け焼刃な関西弁で話す


長く美しい金髪を持つ一見近寄りがたい美少女。
超が付くほどの勉強家でIQも極めて高い。
しかし実際に交流してみると芸人気取りのドジっ子という残念美少女。

「それは龍鬚麺やのうてウチの髪や!バチコーン!あ、龍鬚麺とは中国の世界一細い麺でございまして、って何言わすネン!」



男子4 超高校級の代理選手 嶽守 雷穏(タケガミ ライオン)

コミュ力 高
体力 すごい
精神力 低
優しさ 高
知力 並
器用 並
容姿 すごい
運勢 極

【体育会系】→ 男らしいたくましい体つき、元が極なので人並み外れた運動能力に
【細マッチョ】→ 暑苦しさを感じさせない細く締まった体付き、元が極なのでまるで彫刻のような美しさに
【親しみやすい】→ 話してみると爽やかで好感が持てる、コミュ力にボーナス
【落ち着きがない】→ 意外とビビリで焦りやすい、精神力マイナス
【人徳者】→ 人々から信頼を集める真っ直ぐな人柄、優しさにボーナス
【ロードバイク】→ 自転車競技においては他を寄せ付けない実力を持つ

まるで神話の世界からやってきたような容貌を持つ青年。
優しく真っ直ぐで親しみやすい人柄が人望を集める。
見た目通りあらゆるスポーツ競技を得意とするが、特に自転車に乗らせればもはや敵はいない。

「ぬぁっ、ななななな、何の音であるか!? フゥ……そなたに怪我が無くてよかったぞ」



女子4 超高校級のくノ一 忍原 鳴(オシハラ メイ)

コミュ力 皆無
体力 高
精神力 高
優しさ 低
知力 低
器用 高
容姿 並
運勢 低

【小柄】→ 高校生に見えない容姿を持つ
【デスメタル】→ デスメタルの音楽を愛している
【ちょこまか】→ 小柄な体躯に優れた体力、テンションが高い
【残念】→ ある意味で残念な子である
【目立ちたがり】→ 派手好きで人と違うことをしたがる
【悪戯好き】→ 他人にちょっかいをかけるのが好き、そして悪戯のクオリティが高い、器用ボーナス優しさマイナス

派手好きでデスメタル調のファッションを身に着けている、高校生に見えない幼い体つきの少女。
小柄な身体と行動力を生かしてちょこまかと他人に悪戯を仕掛けて回る。
だがコミュニケーション能力に欠け、面と向かうと赤面して一言も話せない残念な子。

「いひひ。……きゃっ!? ……ご、ごめ……(涙目)」



男子5 超高校級の何でも屋(超高校級の闇医者) 柳生 総司(ヤギュウ ソウジ)

コミュ力 高
体力 高
精神力 極
優しさ 高
知力 並
器用 並
容姿 低
運勢 低

【前向き】→ 希望は前に進むんだ!、精神力にボーナス
【挙動不審】→ たまにあいつ何してんのって目を向けられる、コミュ力少しマイナス
【変態紳士】→ 真顔でセクハラ発言を飛ばす事がある、コミュ力少しマイナス
【自己犠牲】→ 希望の踏み台になら喜んでなるよ、危うさもあるが一応優しさにボーナス
【勧誘】→ 言葉巧みに人を誘うのが得意、コミュ力にボーナス
【タフガイ】→ 屈強な肉体と精神を持つ、体力と精神力にボーナス
【無精髭】→ 不潔な印象を与える髭面、容姿マイナス
【占い】→ 占いが趣味、テレビの占いで一喜一憂する

無精髭を生やしたごつい男性がセクハラ発言する様はもはやおっさんでしかない。でも一応高校生。
挙動不審で胡散臭いが彼に誘われるとなぜか誰もがついて行きたくなる。
昔から運が悪いため占いに頼るようになった、しかし前向きなので悪い結果は信じない。

「チッ、今日は11位か、ツイてねぇ。まぁ信じねぇがな。なあ、景気づけに風呂いかねェか?……下ネタじゃねぇぞ?」



女子5 超高校級のAA職人 愛澤 心(アイザワ ココロ)

コミュ力 高
体力 皆無
精神力 低
優しさ 高
知力 極
器用 極
容姿 並
運勢 極

【芯の強さ】→ いざという時には譲らない強い芯を持つ、たとえ涙目になっても負けない
【平和主義】→ 争いを好まない心優しい少女、優しさにボーナス
【やれやれ系】→ いつもダルそうにしている、基本ジト目
【高身長】→ 女子としてはずいぶん背が高い、モデル体型?
【甘党】→ 常に甘味を欲している、三食お菓子でもいけます
【ゲーム開発】→ パソコンでゲームを作って配信したことがある、器用にボーナス
【女子力】→ 実は器量良し、家事なら何でもできるし自分で食べるお菓子を自作している

パソコンの前から動かない系女子。甘い物があれば幸せ。
隠れモデル体型で社交的で女子力もありプログラミングの技術もあるが、それを生かさずAA制作の日々。
争いが大嫌い。普段は臆病者だが、不和を招いて喜ぶような相手には決して屈しない。

「んー? めんどいから私はいいや。ほら、甘い物あげるから食べて幸せになればいいよ」



さて、あと4キャラです。全14キャラなんです。


ここで主人公を決めます。

主人公は原作キャラになります。


最大で↓10くらいまで主人公にしたい原作キャラをどうぞ(苗木・日向除く)



一番多い狛枝ロンパは……犯人の味方をしかねないのできついかな


左右田ロンパで行きます


左右田のサポートとなるキャラを原作から連れてきます(霧切・七海ポジ)


↓10くらいまで(最大で) 1・2キャラから男女問わず 苗木・十神・日向・七海除く



左右田がセレスに罵られながら代わりに答えを言っていく学級裁判……

左右田と澪田が前半漫才してると思ったら後半いきなり真面目になってクロが面食らう学級裁判……

でも田中がそれ以上に面白そうなので田中で行きます



田中「彼奴にカタストロフをもたらした背徳者は……」

田中「闇を照らす魔導具を混沌の炎で滅することが可能であった者……ッ!」

田中「雑種よ……ここまで言えば分かるであろう? ……俺様にこれ以上語らせるなッ!!」

左右田「いや分かんねーよ!? 分かってほしいなら分かる言葉で言えよ! つーか自分で犯人言えよ!」

…改めて思ったが安価取る必要無かったんじゃ、いや、よそう、俺の勝手な推測でみんなを混乱させたくない



さて、あと女子2人ですが……


もともと予定していた通り、こちらで用意したキャラを2人つっこみます





……だけじゃ面白くないので、【特徴】を足して改造しましょう


1のオリキャラがどんな変人に化けるのか楽しみです


ではまず1人目 超高校級の幽霊部員 に【特徴】を足します

こちらは割と足しようが無さそうなキャラなので2つまで


↓4までから2つ選びます



超高校級の幽霊部員さんにはこちらの2つが追加されました


【超記憶力】→ 一度見た景色を忘れない記憶能力を持つ

【存在感】→ 肩書きに反した圧倒的な存在感を感じる


>>503  1が自由に決めてよかったら舞園さん主人公だったよ! サポートは分からん!



さて、最後のキャラ 超高校級の???さんに【特徴】を足します

こちらは特徴が空欄だらけのロンパ感無い薄ーいキャラなので、4つ、いけそうなら5つ足します


↓8くらいまでから4つ選びます

1のキャラも一人欲しかった

あんまりSSに登場しない大和田とか



元々ある【特徴】と矛盾しない範囲で全部突っ込んだ


【思わせぶり】→ 思わせぶりな言動を取る

【商売根性】→ お金に厳しい、けちんぼ

【秘密主義】→ 秘密を隠しがち、別に言ってもいいことまで思わせぶりに隠す

【ハイテンション】→ テンションが高い、コミュ力にボーナス

【方向音痴】→ 道に迷いやすく遭難しかけることも……

【シリアスブレイカー】→ シリアスな場面でも空気を読まない、裁判中もハイテンション

【笑顔】→ 常に笑顔を絶やさず日常でも思いやりにあふれている、コミュ力と優しさにボーナス


>>524  大和田ロンパというのも想像していました、他にも山田ロンパとか朝日奈ロンパとか

たぶん1キャラだろうなと思ってたので左右田や狛枝などは完全に予想外でした



さて……最後に舞台を決めましょう

オリジナル舞台で行こうと思っていますが……


あげられた要素をミックスして制作しようと思います


例:学校+日本庭園+カジノ → 希望ヶ峰学園旧校舎

例:浜辺+病院+遊園地 → ジャバウォック島


↓ 1、3、5



ナチスはまずい……


海外+季節感+絶海の孤島で行かせてください


それでは今晩はここまで、遅くまでお付き合いいただきありがとうございます

近日中にプロローグを投下予定……



各キャラの、身長、体重、胸囲、好きなもの、嫌いなもの、人称、過去、が揃いました


スキルとオシオキはまだなのでございます


プロローグはこのスレでいい?  次スレ立てるべき?



では、次レスから開始です

今日はゆっくりと自己紹介パートを進めていきたいと思います




遠くから波の音が聞こえる。



目を開けると、知らない天井。



オレ……なんでここで寝てるんだっけ?



あー、忘れてた。



オレは、旅行に来てたんだった――






     ソウダノロンパ

希望の左右田と欲望の高校生と




うっす、オレは左右田和一っつーんだ。


実家の自転車屋に持ち込まれる機械を好きで修理しているうち、いつしかメカニック業界じゃ誰もが知ってる有名人。


そんなオレは、一月前から超高校級のメカニックとして天下の希望ヶ峰学園に通ってる。




【超高校級のメカニック】 左右田 和一(ソウダ カズイチ)




ここでならダチや恋人ができるかも! なんて考えてたが甘かった。


クラスメートはビビっちまう程の変人揃い。


仲良くなるきっかけすら掴めねえ。


でも、それもこれまでだ……!


今日から3日間……研修旅行が行われる。


超高校級のパーティスタッフが考案した、絆を深めるためのレクリエーションが満載と来た。


絶好のチャンスじゃねーか!


この研修旅行でぜってーにソニアさんを落としてやるぜ……!


左右田「えっと、オレの席は……げっ」


田中「貴様か。……左右田よ、俺様は魔獣の放つ瘴気を身にまとっている。それでも、俺様の傍らに坐する覚悟はあるか?」


左右田「は? 何言ってんだオメー」


ソニア「動物アレルギーは無いか、と聞いています!」




学園の用意したバス、田中の隣の席に座り、目をつむる。


今日が楽しみで、昨晩はあまり眠れてねーんだよな。


しばらく仮眠をとるか……。


オレの感覚は真っ暗な意識の底に沈んでいった……。


土のにおいがする。


背中に硬い感触が伝わっている。


オレは……大の字に寝っころがっていた。


??「大丈夫? 目は覚めた?」


左右田「……っつ」


左右田「ん……?」


声をかけた主は、パーカーを羽織った白い肌の小柄な少年だった。見覚えはない。


周囲を見渡すと……茶色い岩と土が転がっていて、離れた場所に森が見える。


左右田「ハ、ハァ!? なんだよこれ!? どこだよここは! バスが事故ったのか……!?」


左右田「んでオメーは誰だよ! クラスにはいなかったぞ!? オメーがバスを事故らせたのか!?」


小柄な少年「ううん。違うよ。ボクじゃない。まず、落ち着こうか、ね?」


左右田「ハー、ハー……」


小柄な少年「順番に答えるね……。ここはどこだかボクも分からない。今分かっているのは、ここが島だっていうこと」


左右田「し、島ァ……?」


小柄な少年「うん。みんなで調べたから間違いないよ。ここは海に囲まれた絶海の孤島だよ」


左右田「わっけわかんねーよ……。ん? みんなってことはオメー以外にもいんのか?」


小柄な少年「うん。ボクたちはみんな、キミと同じように気が付いたらここに寝ていたんだ」


小柄な少年「キミが一番目を覚ますのが遅かったんだ。みんな心配してたよ?」


小柄な少年「ボクは体が弱いから、探索はみんなに任せてここでキミを見てたんだぁ」


小柄な少年「ボクの名前は猿渡実里。ひとまず、よろしくね?」





【超高校級の幸運】 猿渡 実里(サルワタリ ミノリ)




左右田「お、おう。オレは左右田和一だ」


猿渡「左右田クンも、希望ヶ峰学園の生徒だよね?」


左右田「ああ、ってことはオメーもか?」


猿渡「ボクはただの『超高校級の幸運』だけどね。左右田クンは『超高校級のメカニック』だよね?」


左右田「お、オレの事知ってたのか?」


猿渡「顔は知らなかったよ。キミが本物の左右田クンなんだ!」


左右田(相手が男でも、知ってもらってると嬉しいもんだな……!)


猿渡「ボクの予想通りなら、左右田クンも研修旅行に行く途中だったんじゃないかなぁ?」


左右田「なっ!」


猿渡「みんな、そうなんだ」


猿渡「ボクたちの仲間の一人がね、もしかしたら研修旅行はこの島で行われるんじゃないか」


猿渡「そして研修旅行はクラスをシャッフルして行うんじゃないかって、予想したんだ」


左右田「……希望ヶ峰学園だったら、ありえねーことも無いのか……?」


猿渡「もしそうだったら、ボクたちはこれからしばらく一緒に過ごすお友達だよねっ」


猿渡「だから、提案だけど、みんなのところに行って自己紹介しない?」


猿渡「ボクが島を案内しながら、みんなのプロフィールも教えてあげるよっ!」


左右田(友達……)


左右田「んじゃ……頼むわ、猿渡」


左右田「改めて、ヨロシクなっ!」


猿渡「うん! よろしくねぇ!」


猿渡「ボクたちが見つけたのは、きっとみんなで泊まることになる旅館、なんか外国っぽい町、たぶんボクたちを乗せてきた飛行機のある空港」


左右田(その飛行機で帰れるんじゃね?)


猿渡「ヤシの木のある浜辺、桜と紅葉がキレイな森、雪景色の牧場」


左右田「ちょっと待て! んなわけねーだろ! 季節感どこ行ったんだよ!」


猿渡「そんな事言われても……本当だもん」



どこから見に行きますか

1.旅館  2.町  3.空港
4.浜辺  5.森  6.牧場

↓1


【旅館】


その高級な雰囲気を持つ和風な旅館は、海を背にして佇んでいた。


左右田「京都とかにあるもんだろ、こういう旅館って」

猿渡「違和感がすごいよねぇ」


中に入るとほんのり薄暗く、ひんやりとした空気が漂っていた。


左右田「……オ、オイ猿渡。あれ、オメーにも見えてるよな……?」

猿渡「うん。存在感あるよね。でも隣にも注目してあげてね」

左右田(スルーは……できねぇよな……)


どちらから話し掛けますか?

1.身長が180cmくらいあり不気味ながら強烈な存在感を放つ真っ白いセーラー服の女子
2.ブレザー制服の上からエプロンをかけている穏やかな雰囲気の女子


白服(じーっ)


左右田(こっち見てるこっち見てる)


左右田(ちくしょう……1人目からこれかよ……!)


白服「……くすくす」


白服「……ねぇ、アナタ」


左右田「は、はいっ! オレは左右田和一ッス! 超高校級のメカニックやってます!」


白服「……私の名前は呪瀬宮子。呪瀬宮子よ。くすくす」





【超高校級の幽霊部員】 呪瀬 宮子(ノロセ ミヤコ)




猿渡「呪瀬さんは超高校級の幽霊部員なんだ」


左右田「み、見りゃ分かるよ……!」


180cmある長身のこの女に近づいた途端、冷蔵庫の中にいるような冷たさを感じた。


枝毛の多い黒い長髪の向こうに隠れた両目が、真っ直ぐにオレを見下ろしている。


見た目の割に幼い、かすれた声を聞いただけで鳥肌が立った。


間違いねえ……こいつ、生きてる人間じゃねーよ……!


足早に離れたオレに追いついた猿渡が無駄に知識を披露し始めた。


猿渡「そうそう。左右田クンはこんな話知ってる?」


猿渡「全国のね、部活に伝わる都市伝説なんだけど……」


猿渡「ある日突然、名簿に知らない部員の名前が加わることがあるんだ」


猿渡「部長はもちろん、顧問の先生さえもその生徒は知らないと言う」


猿渡「そして、その現象が起きた部活からはねぇ、必ず行方不明者が出るんだ」


猿渡「気が付くと、その名前は名簿から消えている……行方不明になった生徒と共にね」


猿渡「この話はその生徒の名前から『宮子さん』って呼ばれてて」


左右田「もういい! 途中でオチ分かってた!」


猿渡「すごいよねっ、都市伝説の登場人物が実在してるなんてっ!」


左右田「できることならお近づきになりたくなかったよ!」


エプロン「あのー、何か楽しそうなお話をしていますね?」


左右田「楽しくねぇよ! 身の危険をひしひしと感じてるよ!」


左右田「って、あ……怒鳴っちまった、悪い」


エプロン「気にしてませんよ」


エプロン「わたしは佐々木春花と申します」




【超高校級の手芸部】 佐々木 春花(ササキ ハルカ)




佐々木「きみのお名前は?」


左右田「あ、左右田和一です。よろしくお願いします」


見た目は至って普通なのに、なんとなく喋り方や声がかわいく、それでいて大人っぽい雰囲気の女子だった。


なぜか緊張してくんな……


猿渡「佐々木さんは、世界的に有名なファッションショーの衣装を実際に縫っている、超高校級の手芸部なんだ」


猿渡「それだけでなく繊維系の新素材の開発にも携わっているんだよ」


佐々木「なんだか照れますね……」


猿渡「左右田クンは超高校級のメカニックで――」


あれだ。うちのクラスにはいない、地味かつ性格いい系女子だ。


こんな人がいてくれて本当によかった……! ついでにウチに欲しい!


佐々木「左右田くん、さっきのお話ですけど……」


佐々木「都市伝説のお話、してませんでした?」


左右田「まぁ、してたが」


佐々木「わたしああいうの大好きなんですっ!!」


左右田「ひっ」


佐々木「ほら、見てください! わたし、くねくねの物真似ができるんですよ! 実際に見たことあるんです!」


前言撤回、やっぱりまともじゃなかった!



どこを見に行きますか

1.町  2.空港  3.浜辺  4.森  5.牧場


【町】


その小規模な町はアラビア風、南欧風、イギリス風、東南アジア風の4件の家屋ならなっていた。


左右田「オレあんま詳しくねーけどよ……これは異常だろ」

猿渡「そうだね。まるで万国博覧会だねっ」

左右田「そもそも住民はどこ行っちまったんだよ?」

猿渡「家の中も見てみよっか?」


南欧風ハウスの2階はオシャレなカフェになっていた。こういう場所は慣れてないから少し気恥ずかしい。


左右田「おっ、また女子が2人いるな」

猿渡「よかったね、左右田クン」

左右田「どっちもキレイどころじゃねーか! よぅし、第一印象が肝心だ、ガンバレ、オレ!」


どちらから話し掛けますか?

1.ゆったりとした服を着たモデル体型で赤髪の女子
2.非現実的なほどの長い金髪で清楚なワンピースとオシャレなブーツの女子


まずイスに座っている赤髪の女子に話し掛けることにした。


まだ話し掛けやすそうだったからな。


左右田「よう、ちょっといいか?」


左右田「オレ、超高校級のメカニックの左右田和一ってんだ。これからよろしく頼むぜ」


赤髪「んー? ……んー」


左右田「……」


赤髪「……」


左右田「あのー、お名前は……」


赤髪「あいざわこころっす」




【超高校級のAA職人】 愛澤 心(アイザワ ココロ)





愛澤「AA職人やってまーす」


左右田「えっと……」


猿渡「AAはアスキーアートの略だよね、愛澤さんっ」


愛澤「うんうん。猿渡くんは物知りだね」


猿渡「左右田クン。彼女は超高校級のAA職人で、パソコンで文字と記号を組み合わせて描く絵、アスキーアートを芸術にまで昇華させた人物なんだ」


猿渡「彼女の実力を認めた有名な芸術家の人たちが主催して、海外で展覧会まで開かれたんだよっ」


左右田「それはすげーな」


愛澤「……だりー」


愛澤「もう挨拶は終わったよね? しっしっ」


左右田「な……!」


オ、オレと話すのはそんなにつまらなかったか……! 悔しい!


愛澤「あ。待った。お近づきのしるしにこれをあげよー」


左右田「……キャンディ?」


愛澤「甘味は世界を救うよ」


左右田「よく分からんがいただきます…………うめぇ、これカフェにあったのか?」


愛澤「私の手作りだけど?」


左右田「!? !?」


猿渡「左右田クン、顔真っ赤だよ?」


左右田「う、うっせ!」


さて、次は……。


窓際で物憂げに佇む金髪美少女……!


オレの好みドストライクだぜ!


それにしてもおかしい位なげー髪だな……。


うう、触りてぇ。


ち、ちげーぞ!


これはやましい理由じゃなくてメカニックとしての知的好奇心からだからな!


猿渡「じっと見てないで話しかけたら?」


左右田「黙ってろ、猿渡! オレのタイミングってもんがあるんだよ!」


金髪「実におかしな町並みですわ……。こんな辺鄙な島に入植者でもいたのかしら?」


金髪「研究しがいがあるのはよろしいですけど、話を伺える島民がいらっしゃらないとなると……」


ああ! 声色もお美しい!


研究と言っているから文化系の才能か?


相手が知性派なら……精一杯真面目な感じを出していこう。


左右田「すいません」


彼女がこちらを振り向く。丸い青緑の瞳が印象的なお顔も実に愛らしい……!


左右田「はじめまして。オレは超高校級のメカニックという才能を持つ、左右田和一と申します」


左右田「お嬢さん。良ければお名前をお聞かせ願えませんか?」


決まった……!


金髪「なんや、あんさん、硬っ苦しいなあ! 楽にしいや!」


左右田「な ん で だ よ !!」


金髪「ウチは超高校級のお笑い芸人、並木 恵美(ナミキ エミ)っちゅーもんや!」


左右田「嘘つけ!!」


並木?「あ、ばれてしもた? やー、実はウチ、超高校級のアイドルなんよ」


左右田「んなわけねーだろ!?」


並木?「おー! ナイスツッコミやん! 自分、ウチの相方にならへん? なんてな!」


左右田「詐欺だろ!? さっきの姿は何だったんだよ!? あれもネタの一部かよ!」


左右田「もう嫌だオレ人を信じられねぇ(涙目)」


猿渡「あははっ、予想通りだよ」


左右田「てめー、知ってて送り出したのかよ……!」


猿渡「ごめんね。彼女の本名はマリア・フォーキンスさんだよ」




【超高校級の文化学者】 マリア・フォーキンス




猿渡「世界でも有数の天才学者でね、超高校級の文化学者として数々の研究成果をあげているんだ」


マリア「なんでやネン!」


マリア「今のは全部フィクションやからな? 信じんとき?」


左右田「わけわかんねーよ……」


猿渡「彼女は文化を研究しているうちに、日本の、特に大阪の文化に魅せられちゃったみたいでね……」


マリア「特に昭和な。あの時代はよかったわぁ~。やっぱ今の日本には活気が足りんわ」


左右田「……マリアさんその時代に生まれてたんすか?」


マリア「おっと。ウチの名前は並木恵美やで。間違えんなや、コーラくん?」


左右田「左右田です!」



どこを見に行きますか

1.空港  2.浜辺  3.森  4.牧場


【牧場】


その島にある牧場には雪が積もっていた。牛たちはともかく鶏は寒くないのだろうか。


左右田「ホントに雪景色じゃねーか」

猿渡「言ったでしょ?」

左右田「さみーからさっさと挨拶終わらせて帰ろーぜ」

猿渡「あそこに2人いるね……。すごいファッションで白い背景だから特に目立つねぇ」

左右田「……は? なんでだ……? オレにはいてはいけない奴が見えるんだが」


どちらから話し掛けますか?

1.死神のようなメイクでオレンジに染めた髪を逆立てたパンクロリータな服装の小さな女の子
2.田中眼蛇夢


左右田「おい」


田中「むっ?」


左右田「なんでオメーがいるんだよ」


田中「ニワトリが人の子の言葉を喋った……?」


左右田「ニワトリじゃねーよ! 非常事態だからふざけんなよ、田中」


田中「貴様……何ゆえ俺様の名を知っている……!?」


左右田「なぜって、そりゃクラスメートだからだろ。一月もあれば覚えるわ」


田中「貴様のような男は我が級友にいなかったはずだが……?」


左右田「やめてくれ、オメーからだとしてもショックがでけぇ」


猿渡「2人は知り合いなの?」


左右田「クラスメートだ」
田中「知らん」


猿渡「あははは……」


左右田「わーったよ! 改めて名乗ればいいんだろ! オレは左右田和一、超高校級のメカニックだ! もう忘れんなよ!」


田中「フッ、貴様はこの俺様が記憶するに足る男か……せいぜい見定めさせてもらうぞッ!」


左右田「あ、これまた忘れられるわ……」


猿渡「左右田クン、かわいそう……」


田中「可哀左右田な」


左右田「オメーやっぱ覚えてんだろ!」


田中「俺様も改めて名乗らせて貰おう……」


田中「この俺様こそ、制圧せし氷の覇王!」


田中「田中眼蛇夢であるぞッ!!」




【超高校級の飼育委員】 田中 眼蛇夢(タナカ ガンダム)




田中「いずれ破壊神暗黒四天王と共に、世界を総べる男だッ! フハハハハハハハッ!!」


左右田「あれ誰に向かって名乗ってんだよ」


猿渡「世界に、じゃないかなぁ」


左右田「あー納得いった」


田中「フハハハハハハ!!」


??「あーっはっはっはっは!」


田中「何奴!?」


??「超高校級のくノ一、メイだ!」




【超高校級のくノ一】 忍原 鳴(オシハラ メイ)




左右田「なんだこいつら」


忍原「いひひ……せいやっ!」


忍原が投げた縄の端が田中のストールを奪い去った。


田中「きっ、貴様……! 我が四天王を……田中キングダムを……!」


忍原「はっはー! 取り返せるものなら取り返してみろー!」


くノ一は、普段見せない必死の形相で躍り掛かる田中をひょいひょいとかわしていく。


猿渡「彼女は忍原鳴さん。忍原流一門の末裔で、ああ見えてボクたちと同い年なんだ」


左右田「……和風な才能だとチビになる縛りでもあんのか?」


猿渡「忍原流は潜入や情報戦よりも、武道や様々な小道具を使った仕掛けに重きを置いている流派でね」


猿渡「超高校級の罠師とも言い換えられる才能の持ち主なんだっ」


田中「不覚……ッ! 俺様としたことが……!」


猿渡の言葉通り、いつの間にか田中は縄でぐるぐる巻きにされていた。


田中はいけ好かねぇ奴だが、流石にかわいそうだな……良し。


忍原「あーっはっはっは! 恐れ入ったかー!」


田中に背を向けて高笑いしている忍原の後ろからとびかかる。


左右田「オラッ! 捕まえたぞ!」


左右田「いい加減に返してやれ!」


あれ、おかしいな? 今頃オレは忍原に、変態!と罵られながら投げ飛ばされ、その様を田中に笑いものにされているはずなんだが……。


忍原「はわわわわわわわわわ(パクパク)」


忍原の頬は真っ赤に染まり目はグルグル回っている。


左右田「抵抗しないのか……? 」


忍原から離れるともじもじした後、ぴゅーっと逃げ出してしまった。


まさか……男性恐怖症とか……?


悪ぃことしちまったかなぁ……。


左右田「ほらよ、田中。大事なモンなら自分で取り返せ」


田中「……雑種、貴様には感謝してもし足りんな」


左右田「それ感謝してんのか?」


田中「褒美に、貴様には田中キングダムの清掃委員になる権利をくれてやろう!」


左右田「いらねーよ!!」


田中「く……」


左右田「逃げられちまったし、結局自己紹介できなかったな……」


猿渡「大丈夫。実は彼女に自己紹介できた人は誰もいないからね」


左右田「マジかよ……」





田中「左右田…………ありがとう」


左右田「へいへい」


なんか後ろで田中が言っていたが聞きなおしてもどうせ意味わかんねーよな。


猿渡「あと半分だねっ」



どこを見に行きますか

1.空港  2.浜辺  3.森


【空港】


その空港には確かに飛行機があった。しかしメカニックである左右田には一目で張りぼてだと分かる代物でしかなかった。


左右田「オイ猿渡、あれ……張りぼてだぞ」

猿渡「えっそうなの? さすがは超高校級のメカニック、中を調べなくても分かっちゃうんだねっ」

左右田「そもそもエンジン積んだところであの羽じゃ飛べねーんだよ」

猿渡「じゃあこの空港って……」

左右田「特に意味のないビルだな」


内装はきちんと空港の体を成していた。もっとも従業員の姿は見えないが。


猿渡「従業員はいないけど、仲間はいたよっ」

左右田「……田中以外だと初めての男子か」

猿渡「ボクは?」

左右田「スマン、忘れてた」


どちらから話し掛けますか?

1.道に迷っているように見える黒髪ツインテールでカッターシャツにネクタイをしたギャルっぽい女子
2.ソファに座り雑誌を眺める近寄りがたい高貴なオーラをまとっているスーツの美青年


神様って残酷だよな……。


どうしてこんな美青年を生み出すんだよ……。


美青年「ふむ……やはりこちらの方が私には似合っているか」


男に対して取り繕う必要はねーな。


左右田「おい、オメー」


美青年「は? ……フン」


オレの顔を一瞥するなり愉快そうに口の端を吊り上げて嗤った後、黙って雑誌鑑賞に戻りやがった……!


左右田「……あー、オレは左右田和一。超高校級のメカニックだ。オメーは?」


美青年「……」


左右田「オイ」


美青年「……これは独り言だが、汚き者と関わりを持ってしまうと、私のこの美しく気高き美貌がくすんでしまうのだ」


左右田「何だコイツ……!」


猿渡「あはは、彼はナルシストで有名な鹿鳴院伍月クンだからね」





【超高校級の御曹司】 鹿鳴院 伍月(ロクメイイン イツキ)




猿渡「超高校級の御曹司である彼は、生まれたときからそれはもうちやほやされて来たからしょうがないんだよ」


鹿鳴院がソファから立ち上がり、一歩前に出た。


鹿鳴院「おい、猿渡のラッキーシンボルが何を他人事のように言っている」


左右田「ラッキーシンボル? そういやオレ猿渡の事については何も聞いてねーな」


鹿鳴院「そうなのか、私にはどうでもいい。……これは説明ではなく私への再確認だが、猿渡家は長男坊が生まれてからというもの幸運続きでな」


鹿鳴院「事業に次々と成功し莫大な資産を築きあげているのだよ」


鹿鳴院「幸運の象徴として猿渡実里は親類からまつり上げられていると爺やから聞いている」


猿渡「そんなこと無いよ。ボクと鹿鳴院クンの格好を見れば一目瞭然でしょ?」


左右田「まあな」


鹿鳴院「しかし、一代でいくら資産を築こうとこの鹿鳴院伍月にはかなわなああああッ!?」


鹿鳴院は尻もちをついた。


鹿鳴院「……」


左右田「ほれ、掴まれ」


鹿鳴院「平民の穢れた手など借りぬ! 私は誇り高き鹿鳴院家の長子であるぞ!」


そう言い残すと鹿鳴院は足早に去って行った……雑誌を残したまま。


猿渡「この雑誌……バイクの雑誌だね」


左右田「意外とオレと趣味合うんじゃねーか……まさかな?」


さっき遠くに見えた女子、鹿鳴院と話してる最中にどっか行っちまったと思ったら……また同じ場所にいるな。


ギャル「あれー? ここってさっき通ったっけ? もーわからーん!」


左右田「おい」


ギャル「あー! 人だー! ヘルプミィー! もーここ道複雑すぎぃ!」


左右田「マジで迷ってたのかよ……。まあオレらについて来れば出口はすぐそこだぜ」


ギャル「きゃー、ありがとー! あたしってば方向音痴なのが唯一の欠点なんだよねー」


オレの両手を握り身を寄せてくるギャル。


ちょ、胸、当たってるんだが! つーかめっちゃでけぇ!


ギャル「あれ? あれ? あれあれあれ?」


今度はオレの顔を覗き込んでくる。


ギャル「あんた、最後まで寝てた人だ! 目が覚めたんだ! よかったよー! 心配したんだゾッ!」


一瞬何が起こったのか分からなかった。


こいつ……オレに抱き着いてきやがった!?


ギャル「あ、ゴメン。テンションあがると抑えが利かないんだよなーあたし。めんごめんごー」


……巨乳女子高生にいきなり抱き着かれたのもあるが……オレを心配してくれていたという事実がめっちゃ嬉しい。


ギャル「あんた、名前は?」


左右田「そ、左右田、和一だ! 超高校級のメカニック! オメーは!?」


ギャル「えー? あたしを忘れてんじゃないでしょーね? まー男子だし知らなくてもしょーがないか」


ギャル「あたしは超高校級のギャル! 姫下花乃だゾッ★」





【超高校級の???】 姫下 花乃(ヒメジタ ハナノ)




猿渡「それは違うはずだよっ」


姫下「んー?」


猿渡「超高校級のギャルとしてスカウトされた人物は希望ヶ峰学園77期生までに一人も存在しないんだ」


猿渡「本はなんでも読むからキミが人気モデルなのは知ってるけど、スカウトされた才能は違うものだよ」


猿渡「それに、本当に姫下さんかどうかも怪しいよ! ほら!」


猿渡「このバイク雑誌に写ってるモデルと顔が違うんだ!」


姫下「それ? 盛ってるんだよー。画像編集ソフトでね」


左右田「……ここにいる方が編集後っぽくね?」


姫下「あれま! いーこと言うじゃん左右田!」


姫下「お礼に……ほっぺにチューしてあげよっか?」


左右田「いい! 遠慮する!」


思わせぶりな態度取りやがって……オレはそんな単純じゃねーぞ!


猿渡「でも……こんなに道に迷いやすいなら、やっぱり左右田クンを気にしてた姫下さんに残ってもらうべきだったかもねぇ」


姫下「だから言ったじゃん。猿渡の虚弱体質よりあたしの方がやばいって」


でも、心配してくれてたのは本当……なのか?



どちらを見に行きますか

1.浜辺  2.森


【森】


その森は桜と紅葉で2色に彩られていた、足元にも季節感を無視した花々が咲き乱れている。


左右田「ここまで来ると綺麗どころか気味わりーぞ……」

猿渡「そうかな? 一年中の綺麗なものが一度に楽しめるんだよ?」

左右田「ところでオメー虚弱体質って言ってなかったか? 足場悪いが大丈夫か?」

猿渡「なんだか今日は調子がいいんだよねっ。憧れの超高校級のみんなに会えたからかな」

左右田「無理すんなよ」


森の奥にはログハウスと木のベンチが設置されていた。


左右田「まーた濃いのがいるなぁ……」

猿渡「2人とも程よく社交的だからさっきの2人みたいにはならないよ」



どちらから話し掛けますか?

1.無精髭を生やした筋肉質で挙動不審なおっさん
2.中肉中背で厚化粧の冷たいような温かいような異質な目をした女子

挙動不審な奴に先に話しかけるあたり左右田も残念だな



今晩はここまでにします

ラスボスさんはお預けです


>>605  無意識に危険を避けてるんですよ……さすがは本編生き残りというべきか


感想などありましたらどーぞ


おっさん「うへえ、こりゃ参った」


おっさんは地面に足で線を引いたり、落ち葉を蹴り飛ばしたり、木のテーブルを叩いたりしている。


怪しい……。


左右田「あのー、サーセン」


おっさん「あン?」


左右田「引率の……先生ですよね? オレ、超高校級のメカニックの左右田和一といいます」


おっさん「あっはっは! アンタ面白い事言うねェ」


おっさん「俺の名は柳生総司。アンタの同級生だよ。まあ、程々に頼むぜ」





【超高校級の何でも屋】 柳生 総司(ヤギュウ ソウジ)




左右田「ど、同級生ッスか!?」


猿渡「間違いないよ。彼は超高校級の何でも屋」


猿渡「特に何かに秀でている訳じゃないけど、頼まれたどんな仕事でも依頼者の期待以上の成果を出してしまう、不思議な人なんだよ」


猿渡「確かに老け顔だけど、なんだか彼ならやってくれそうな安心感が出てるでしょ?」


左右田「そうか? 胡散臭さがにじみ出てるぜ?」


柳生「よく言われるよ。……運悪くこんな顔に生まれちまったんだ、仕方ねェよな」


柳生「幸いにして身体だけは強えから、それを活かそうと思って何でも屋を始めたワケよ」


柳生「人の為になることをすンのが俺の生き方さ。アンタも何かあったら俺を頼りなよ」


左右田「は、はい」


柳生「タメ語で構わねえぜ。別に一度もダブっちゃいねェから同い年さ」


左右田「マジですか……じゃなくてマジかよ……」


猿渡「ところで柳生クンはさっき何してたの? 落ち葉遊びならボクも交ぜてよっ」


柳生「遊びじゃねェよ、占いだ」


左右田「結果はどうでし……どうだったんだ?」


柳生「……ひでー結果だ。思わずテーブルに当たっちまったよ」


柳生「おっと、悪い結果とイイ女は信じるな、だ。気にすンな」


頼りがいのある同級生なのかへんちくりんなおっさんなのか最後まで掴めなかったな……。


まあまとめると結局胡散臭いんだが。


厚化粧「あら、貴方は最後まで寝ていた人よね……。疲れは取れたかしら?」


左右田「あ、ああ。別に疲れてたわけじゃねーけどな」


口には出せねーが、この女、不細工だし、スタイルも悪いな……。


少しでも印象を良く見せたいのか、化粧をべったり塗って隠そうとしてるようだが、逆効果じゃないか?


厚化粧「ウフフっ。私は超高校級のカウンセラー、美袋いずみよ。……よろしくね」




【超高校級のカウンセラー】 美袋 いずみ(ミナギ イズミ)




左右田「ああ。ヨロシクな」


猿渡「超高校級のカウンセラーの彼女と2人きりで話すと、どんなに重い悩みを抱えた人でも生きる活力を取り戻してしまうんだよ」


猿渡「こちらは左右田和一クン」


猿渡「どんな機械でも製作・解体できて、すでに他に類を見ないほどの高出力エンジンの開発にも成功している超高校級のメカニックなんだっ」


美袋「まあ、すごい。やっぱりここには優秀な人ばかり揃っているのね。私の出る幕はあるのかしら……?」


美袋「でも貴方、実は小心者だったりしない?」


左右田「なっ、なんでだよ……」


美袋「蛍光色は警戒色。相手を威嚇する色でもあるの……。カブトムシは地味な黒、毒虫は派手な赤、ね?」


美袋「あっ、怖がらせちゃったかしら。でも大丈夫。私は貴方がどんな人間でも笑ったりしないわ」


左右田「そ、そッスか」


一重瞼だし小さいしでお世辞にも魅力的とは言えない美袋の目だが……なぜか吸い込まれそうに感じた。


この女に言い当てられた通り実は小心者なオレは即座に感じ取った。


こいつはヤバイ……!


左右田「そ、それじゃ、また」


軽く会釈して逃げるように森をあとにした……。






美袋(彼は……使えそうね)


美袋「ウフフフっ」


【浜辺】


その島の砂浜は、常夏の陽気に満たされていた。ツナギの下にじわりと汗をかく。


左右田「あちぃ……」

猿渡「ツナギって寒さにも暑さにも弱いんだね」

左右田「工具はいっぱい入るんだけどな……」


海は透き通っており美しく水平線がどこまでも続いていた。


猿渡「あそこにいる2人で最後だよ」

左右田「どっちも青空と海が絵になりやがるヤローだな」



どちらから話し掛けますか?

1.ギリシャもしくはローマの彫刻のような肉体美を持つ半袖シャツとジャージのズボンの青年
2.メモ紙を持って海を眺め黄昏ているブレザーの制服をぴっちりと着こなした爽やかな青年


イケメン「君を乗せた船は小さく、小さく、小さな点になり……」


イケメン「青い空と青い海のはざまに君は消えて行った――」


イケメン「……僕に用事かな? 話を聞こう」


……気に食わねえ。


イケメン「おや、君とは挨拶がまだだったね」


イケメン「生徒会長の進藤明と申します」


酉ミス、改めて
――――――――――――

イケメン「君を乗せた船は小さく、小さく、小さな点になり……」


イケメン「青い空と青い海のはざまに君は消えて行った――」


イケメン「……僕に用事かな? 話を聞こう」


……気に食わねえ。


イケメン「おや、君とは挨拶がまだだったね」


イケメン「生徒会長の進藤明と申します」




【超高校級の生徒会長】進藤 明(シンドウ アキラ)




進藤「よろしく頼むよ、左右田君」


左右田「ヨロシク。……あれ、なんでオレの名前知ってんだ?」


進藤「猿渡君からあらかじめ聞いておいたんだ。生徒の名前を覚えるのも生徒会長の務めだからね」


猿渡「進藤クンは幼稚園生のころからリーダーの素質を発揮し、小学校では6年間学級委員を務めた模範生」


猿渡「中学校と前にいた高校では生徒会選挙でどちらも95%以上の票を集めた程の人望を持つ、超高校級の生徒会長なんだよ」


左右田「そうかよ」


進藤「ふむ……どうやら誤解されているようだね」


誤解はしていない。


……コイツがイケメンで女子からちやほやされているだけじゃなく、老若男女から好かれる雰囲気を纏っているのは分かる。


オレもあんまり悪印象は持ってない。


が、そこまで分かった上で、オレ含めて誰からも好ましく思われる人望を持っていることに腹が立つんだよ……。


進藤「まあ、これから少しずつ仲良くなって行こうじゃないか」


進藤「この出会いが後にかけがえのない宝物になると信じてね」


ヤシの木の下に立っているアレは人間でいいんだよな?


日陰で腕を組み目をつむり微動だにしないその姿はよく出来た像に見えた。


左右田「……」


近くに寄ると肩と胸が微妙に動いていて、息をしているのが分かった。


左右田「オメー、ちょっといいか?」


細マッチョ「ぬおおっ!?」


左右田「のわああ!?」


左右田「……何大声出してんだよっ!」


細マッチョ「す、すまぬ……」


猿渡「左右田クンが言えたことじゃないと思うけどね……」


左右田「うっせー! 突然大男が目の前で叫んだらビビるだろーが!」


細マッチョ「お、驚かせてしまってすまない。我も突然話しかけられて動転してしまったのだ」


細マッチョ「我の名は嶽守雷穏」





【超高校級の代理選手】 嶽守 雷穏(タケガミ ライオン)




嶽守「して、そなたの名は?」


左右田「左右田和一っつーメカニックだ」


嶽守「ほう……いい筋肉をしているな」


左右田「機械いじんのにもそれなりに力使うからな。嶽守の才能は何だ?」


猿渡「嶽守クンは超高校級の代理選手!」


左右田「オメーが言うのかよ」


猿渡「怪我や病気で出場できなくなった選手の代わりに、臨時のチームメイトとして試合に出て」


猿渡「本来出場するはずだった選手よりもチームの勝利に貢献してしまう、万能のスポーツマンなんだよっ!」


猿渡「ボクの憧れの人なんだっ!! ……けほっけほっ」


嶽守「だっ、だだ、大丈夫か?」


左右田「落ち着けよ、どっちも」


猿渡「……うん、もう大丈夫。嶽守クンは特にロードバイクなら誰にも負けないんだよねっ」


嶽守「うむ」


左右田「へぇ、ロードバイクか。それならオレが今度特製のエンジン付けてパワーアップしてやるぜ!」


嶽守「そ、そのだな、左右田殿。それではオートバイになってしまうぞ?」


猿渡「左右田クン。ロードバイクは主に競技用の自転車の事だよ」


左右田「……スマン」


猿渡「これで全員に自己紹介できたねっ。でも、ちょっと少なく感じなかった?」


左右田「いや、オレのクラスより1人少ない14人だ、ちょうどいい。つーかこれ以上こんな濃いのがいてたまるか!」


猿渡「左右田クンのクラスは少ないんだね。ボクのクラスは40人以上いるんだよ」


左右田「多すぎだろ……。自己紹介だけで日が暮れるわ……」


超高校級のバーゲンセールじゃねーか。


猿渡「どう? みんなとは仲良くできそう?」


左右田「不安しかねーよ……」





こうして見ず知らずの連中と一緒にいると、たった一ヶ月とはいえ同じ学級で過ごしたクラスメートたちが懐かしく思えてくる。




十神――

『おい愚民、俺は腹が減ったぞ。何も持っていないだと……? フン、愚民が』


澪田――

『うっきゃー! 和一ちゃんに作ってもらった特製ギターぶっ壊しちゃったっすー!』


花村――

『左右田くん、今宵ぼくとベッドの上で一夜限りのフレンチなフルコースを楽しまないかい?』


佐藤――

『ちょっと弓の的になってよ、左右田。真昼にあの事ばらしちゃってもいいの?』


小泉――

『休み時間だからって寝てんじゃないわよ! 男子でしょ!』


西園寺――

『ねぇねぇ左右田おにぃっ! ちょっと質問なんだけどー、生きてて恥ずかしくないの?』


弐大――

『無ッ。どこへ行くんじゃ。……クソかぁぁあああああ! クソなのだなぁぁああああああ!!』


終里――

『もぐもぐ……。はあ? うるせえ! ここはオレの席だ!』


九頭龍――

『けっ、気に食わねぇ。コンクリに詰めて東京湾に沈めてやろうか!?』


辺古山――

『左右田よ……今この場で貴様を斬り捨てねばならぬのだが、言い残すことはあるか?』


罪木――

『左右田さん、栄養剤のお注射を……い、嫌ですかぁ……? ふゆぅ、ゲロブタが出しゃばってすみませぇ~ん!!』


狛枝――

『ハァ……。左右田クン。キミにはがっかりだよ。希望の象徴であるはずの超高校級のメカニックであるキミが』
『言うに事欠いて合コンの話だって? せっかく才能を持って生まれたんだからもっと建設的な話をしてほしいな』
『そもそも、こんな見るに堪えないゴミクズのボクごときに、そんな縁なんてあると思った? その発想すら残念だよね』
『あ、それとも! ボクを隣に並べることでキミを魅力的に見せて、超高校級のプログラマーや超高校級の塗装職人の娘と』
『仲良くなることで、より大きな希望を生み出そうとしているのかな!? そればらば喜んで希望の踏み台になるよ!』
『早とちりして悪かったね……。とにかく希望は前に進むんだ! アハハハハ、アハハハハハハハハ――――』


ソニアさん――

『左右田さんは黙っててください! あ、田中さん! 破壊神暗黒四天王はお元気ですか?』


左右田「あれ……なんだか今の方がマシな気がしてきた……」


猿渡「よかったねぇ!」


左右田「よくはねぇよ!」





進藤「さて、左右田君も起きたことだし、一旦みんなで集まろうじゃないか」


進藤「やはり集まるならば旅館の玄関だろうね」


進藤「僕と嶽守君が手分けして呼んでくるから、左右田君と猿渡君は先に旅館に行っておいてくれたまえ」


嶽守「左右田殿も猿渡殿も、島を一周して疲れたであろう」


猿渡「ありがとう2人ともっ。お言葉に甘えさせてもらうよ。行こっ、左右田クン!」


【旅館】


旅館の玄関は広々としていたが、流石に14人が一堂に会すると手狭であった。


進藤「みんな、早い集合、ありがとう。流石は超高校級の生徒たちだ」

進藤「まずは現状報告といこうか。何か分かった事を教えてくれ」


いつの間にか進藤が指揮を執っていた。


超高校級の生徒会長という肩書きゆえ仕方ないだろうが。


柳生「まず俺は島の端っこを回ってみたんだがな。こりゃ完全に絶海の孤島だ。陸地なんざ水平線のどこにも見えなかったぜ」


美袋「ええ。それに、港すらありませんでしたわね」


左右田「空港にある飛行機は張りぼてだ。こっからの脱出には使えねえ。……でもどうやってこの島に来たんだろうな?」


忍原「キャー! メイたち囚われの身になっちゃったー! キャー! キャー!」


左右田「忍原、ちょっと黙ってろ!」


忍原「ひぃぃっ……」


姫下「あたし空港のどっかでフードコートを見たんだけど、場所覚えてないや」


姫下「あ、でもでも人も食べ物も無かったし用はナッシング! ってもしかしてあたしたち飢え死にしちゃう!?」


佐々木「大丈夫です! 旅館の食堂には食べ物がいっぱいありました。しばらくはお腹を空かせる心配はありませんよ」


呪瀬「……生きてるって素晴らしいことね。くすくす」


マリア「空港だけじゃあらへん。この島、人っ子一人おらんで」


マリア「昔は栄えとったけど今は使われんくなった島……って事かいな」


猿渡「その割には水道も電気も生きてたね。旅館だって綺麗なまんまだしさ」


田中「白き死の世界の中、魔獣たちはたくましくその威容を放っていた……。彼奴らと契約を交わした主がその身を隠しているのは明白であろう」


嶽守「わ、我々はどこかから見張られていると言うのか……?!」


愛澤「ところで、ネット回線どころかパソコンすらないんだよねー。やれやれ……どうしよっか」


鹿鳴院「……なんだと? それでは私の趣味が楽しめぬではないか……!」


鹿鳴院「管理者よ。この鹿鳴院伍月の命令だ。隠れていないで姿を見せよ!」




『はーい!』



左右田「出てくるわけねー……って、んなっ!?」


『ミナサン、お集まりいただきありがとうございまちゅ』


『希望ヶ峰学園“卒業旅行”によくぞいらっしゃいまちた!』


何も無い空中から現れたのは、乙女チックな衣装を身にまとい、過剰に装飾されたステッキを持った、小太りなウサギのぬいぐるみだった。


ウサミ「あちしは魔法少女ミラクル☆ウサミ。ミナサンの引率の先生でちゅ。フェルト地なんでちゅ!」


左右田「ほんぎゃあああああ! ぬいぐるみが喋ったああああ!?」


嶽守「ぬおおおおお!? これは夢か真か!?」


佐々木「すっごく上質なぬいぐるみですね! お喋りしてるってことは呪いのぬいぐるみでしょうか!?」


呪瀬「……私たち、仲良くなれそうね」


ウサミ「ありがとうございまちゅ……ってあちしは呪いの人形じゃないでちゅよ!」


マリア「これはきっと腹話術やな! 床下に誰か潜んでんねん!」


忍原「キラキラしてる……ああいうのもいいなぁ」


猿渡「何だろう。不気味というか、嫌な予感がするよ……」


進藤「君たち、先生に失礼だろう? ……しかし、本当に先生なのか?」


ウサミ「正真正銘、先生でちゅ! でも、硬くなる必要はありまちぇんからね!」


鹿鳴院「下らん。ぬいぐみるごときにこの私の教師が務まるか」


田中「虚空より出でし魔獣の形代か……興味深い」


美袋「そんな事より……皆さん、大事なことを聞き逃してはいなくて?」


柳生「ああ……。ウサミ先生、アンタ“卒業旅行”っつったねェ。これは研修旅行じゃなかったんかい?」


左右田「そうだよ! オレたちまだ入学したばっかだぞ! 卒業なんてまだまだ先だろ!?」


ウサミ「研修旅行はお流れになりまちた」


マリア「なんでやネン! 納得いかへんで!」


ウサミ「卒業旅行を終えたら、ミナサンには希望ヶ峰学園の卒業式が待ってまちゅ!」


進藤「そんな馬鹿な……」


左右田「分かった。百歩譲って卒業旅行なのは認めるぜ」


左右田「でもよぉ……ここにいる奴らが嫌なわけじゃねーが、こういうのって普通クラスメートと行くもんだろ?」


ウサミ「左右田クンのクラスメートのミナサンも卒業旅行中でちゅよ! 別の島にいまちゅけど」


田中「何故我らと異世界の者どもを混沌へと放り込んだ? 返答によっては貴様は漆黒の炎に飲まれることになるぞ……!」


ウサミ「そ、それは……すみまちぇん、言えないんでちゅ」


田中「ダークフレイムハリケーン!」


美袋「……旅行というからには、期間が決まっていますのよね? 私たちは何日この島で過ごせば帰れるのでしょう」


ウサミ「実は……期限は無いんでちゅよ」


嶽守「ききききき期限がななないだとっと!?」


猿渡「ボクたちに死ねって言ってるのかなぁ?」


ウサミ「だ、大丈夫でちゅ! 食料は補充しまちゅし、病気になったらあちしがマジカルステッキでほいっ☆と治してあげまちゅから!」


佐々木「帰る方法は無いんですか?」


ウサミ「ありまちゅ……。ありまちゅけど……」


進藤「はっきり言ってください。教師ならば生徒をむやみに混乱させるのは避けて欲しいのですが」


ウサミ「うう……言いにくい方法なんでちゅ」


愛澤「みんなと絆を深める、とかならやってあげないこともなくもないかもしれないけど」


左右田「船が無いならオレが作ってやんよ。バッテリーとパーツはねえのか?」


ウサミ「……」


姫下「……あたしたちにコロシアイをしろって言うんじゃないでしょーね」


ウサミ「うぐっ!?」


姫下「……やっぱりか。やっぱりこうなるんだ」


柳生「コロシアイ? 物騒だねェ嬢ちゃん。で、どうなんだ先生?」


ウサミ「う、うう……。そうなんでちゅ。ミナサンには、これから、コロシアイを、してもらわなくちゃ、いけないんでちゅ……」


鹿鳴院「コロシアイ……だと?」


呪瀬「……人を殺すの?」


ウサミ「は、はい……」


嶽守「な、ななななななな」


佐々木「た、嶽守くん! しっかり!」


左右田「ふ、ふざけんな! なんでオレらがんな事しなくちゃいけねーんだよ!」


ウサミ「あちしだって……本当はこんなことさせたくないんでちゅよ……」


猿渡「そんな事言われても信じられないよね」


美袋「させたくないのなら、やめるべきでは無くて? 私たちも気が乗りませんもの」


ウサミ「でも、これ以外に無いんでちゅよ……。ごめんなちゃい」


ウサミ「……撲殺、ひぃっ! 刺殺、あわわ……。斬殺、きゃー! 絞殺、イヤー! 毒殺、うぐぐ。焼殺、熱いでちゅ! 呪殺、怖いでちゅ!」


ウサミ「どんな殺し方でも構いまちぇん……。お友達にばれずに殺した人だけが、卒業の権利を得るのでちゅ……」


進藤「希望ヶ峰学園を卒業した者には人生の成功が約束される――」


進藤「成功した人生を歩みたいならば誰かを殺せと、そう言う事なのか……?」


ウサミ「そうなりまちゅね……」


ウサミ「ミナサンのお部屋に“電子パスポート”を用意しまちた。詳しくはその中にある“卒業旅行のしおり”をご覧下ちゃい」


ウサミ「それではあちしはこの辺で……」


美袋「待ちなさい」


ウサミ「ひぃっ!」


いつの間にかウサミの近くへ移動していた美袋が、鋭い眼光で睨みつけていた。


美袋「あんなことを言うだけ言って……逃げられると思って?」


ウサミ「あわわ……暴力はダメでちゅよ……。他に聞きたいことがあるなら、答えまちゅから……」


美袋「それに、誰かを殺せば帰れるのよね?」


ウサミ「キャン!」


美袋が体格からは想像もできないほど鋭い蹴りを放った。


ウサミ「痛い! 痛いでちゅ! 顔面を蹴られるとすごく痛いでちゅ!」


美袋「まずは、貴女を殺してあげる」


再び素早く近づいた美袋がウサミの耳を掴み持ち上げる。


ウサミ「ごめんなちゃい……美袋さん」


ウサミ「ごめんなちゃい……ごめんなちゃい……ごめんなちゃい」


美袋「……これは」


姫下「美袋! 離れて!」


美袋「……ちっ」


次の瞬間、ウサミを中心に光の奔流が巻き起こった――


左右田「はあああ!?」


田中「クッ……! 自爆魔法か……!」


佐々木「美袋さん! 怪我はない!?」


美袋「ええ、私は何とも無いわ」


柳生「これで……いなくなったのかねェ?」


マリア「や、やったんか!?」


美袋「いいえ、おそらく……」


『あちしは死にまちぇん!』


嶽守「なあああ!? 幽霊だあああ!?」


呪瀬「……ひええ、怖い怖い」


左右田「オメーが言うのかよ……!」


『残念ながら、あちしを殺しても卒業はできまちぇん……』


『今のは警告でちゅ……! ちゃんと生徒同士で、こ、コロシアイしてくだちゃい』


『で、でも! 早く帰ることだけ考えないで、ミナサンで仲良くこの島を楽しんでくれるとあちしも嬉しいでちゅね』


『それではまた後で会いまちょう。らーぶらーぶ』


それきり、ウサミの声は消えた……。


猿渡「言ってることが矛盾してるよ……」


嶽守「今の話は真か……!?」


忍原「よく聞け!」


忍原「本当か嘘かは問題じゃない!」


忍原「問題は、この中にそれを本気にする人がいるかどうかだ!」


佐々木「忍原さんは、どう思っているんですか?」


忍原「……え、えと……その……こ、殺さない、よ」


左右田「オ、オイ。誰かさっきのを本気にしてる奴はいねーよな!?」


進藤「当たり前だ。コロシアイなんて認めない。生徒会長として、絶対に止めてみせる」


愛澤「コロシアイなんてめんどくさいよ。楽に生きよーよ」


マリア「せやな! 人殺しても何の得にもならへんわ!」


呪瀬「……うん。本当にね」


柳生「真意は分からねェが、先生も本気でコロシアイを望んでる風じゃなかったかンな」


田中「奴の言葉は本気にするだけ無駄だろう……」


姫下「うんうん! 今のは忘れよう! 皆で旅行を楽しもっか!」


美袋「ええ。みんな仲良くよね。ウフフっ」


鹿鳴院「フン。仲良しごっこもコロシアイも平民同士で勝手にやっててくれ。私は先に部屋を見に行かせてもらうぞ」


猿渡「ま、待ってよ。鹿鳴院クンっ」


みんな口ではコロシアイをする気など無いと言ってくれた……。


でも、本当に誰かを殺そうと思っている人間が、本音を言うはずがねえ……!


みんなが自分の部屋を見に行った後も、オレだけは恐怖でその場から動けずにいた……。




PROLOGUE:ようこそコロシアイ卒業旅行 END



        生き残り生徒:14人



         To Be Continue...



To Be Continuedだ

『d』抜けてた、すまぬ




そろった14キャラの設定と舞台の設定から、黒幕と真相は決定済みです


各チャプターで起きる事件について決めたいんですが

1.全部1が決めていいよ(比較的話に筋が通りやすい、サクサク)

2.クロ・被害者の組み合わせを2、3通り用意してコンマで決めよう(スレタイに合ってる、よくある形式)


のどちらがいいか、最速3票集まった方針で行きます



では起こる事件はコンマで判定します

起こらなかった方の事件は章終了後に発表いたします


本当は

3.【クロ判定値】【確定死亡フラグ】【交友度】などを組み合わせたシステムにしよう(好きなキャラを行き残せるための安価合戦)

と言う選択肢もあったのですが、1が辛いのでやめました



進行は

章開始イベント → 一定回数自由行動 → コンマ判定 → 裁判 → 章終了イベント

となります


左右田「……あれ、一人でいたら逆に狙われんじゃ……!?」


やべえ……早く部屋に行かねーと!


そしてオレはできる限り部屋から出ず、みんなが集合しているときにはその場所に行くんだ……!


誰かと二人っきりになることだけは避けてぇ……!


電子パスポートで自分の部屋を確認すると、足早に向かった……。


長い長い廊下に等間隔に扉が並んでいる。


オレの部屋はその廊下の一番奥、突き当りに用意されていた。


鍵のかかった扉を電子パスポートで開けると、高級感のある広々とした部屋がオレを出迎えた。


落ち着きのある畳の和室。机の上にはお茶菓子も置かれている。


座布団には田中が座っている。


……。


左右田「おい田中! なんでオメーがオレの部屋にいんだよ!?」


田中「む? ここは俺様の部屋だが」


左右田「ちゃんと部屋確認しろよ! つーかどうやって入ったんだよ!」


ウサミ「それはあちしが説明しまちゅ!」


左右田「ひぃ! 出たぁ!」


ウサミ「実はこの旅館……部屋が12室しか無かったんでちゅよ」


ウサミ「だから、あちしが急きょ、廊下の一番奥に魔法で大部屋をこしらえたんでちゅ!」


ウサミ「そういうわけで……面識がある左右田くんと田中くんには相部屋で我慢してもらうことになったんでちゅよ。ごめんなちゃい」


左右田「部屋2つ作ればよかっただろ! 田中と相部屋なんてぜってー嫌だからな!」


ウサミ「そう言われまちても、廊下は伸ばせなかったからこうするしか無かったんでちゅ……」


左右田「そもそも、こんなの田中にオレを殺してくださいって言ってるようなもんじゃねーか!?」


田中「左右田。逆も然りだという事を忘れるな」


ウサミ「それは、その、お互いを信じてあげてくだちゃい! らーぶらーぶ、でちゅよ!」


左右田「コロシアイしろっつっといて何言ってんだ!」


ウサミ「きゃー、そうでちた!」


左右田「……他は、他の連中はどうなってんだよ。ちゃんと部屋が足りてるホテルに泊まってるんじゃねーだろうな!」


田中「奴らもコロシアイを命じられているのか?」


ウサミ「はい。ミナサン、それぞれ違う人たちと、こ、コロシアイ卒業旅行の最中でちゅよ」


左右田「マ、マジかよ……。おい! ソニアさんは無事なんだろうな!」


ウサミ「部屋はどこも足りていないので……ソニアさんは西園寺さんと相部屋って聞いてまちゅ」


左右田「不安だ……」


【夕食】


佐々木「わたしの作ったおかずが余ってるので、どうぞ食べてください」


左右田「田中……オメーはハムスターに毒見させられるからいいよな……」


田中「逆だ。四天王に与える食事を俺様が毒見するのだ」


左右田「そういうとこは飼育委員なんだな」


田中「たとえ異物が入っていようとも、この毒で出来た体にはまるで効かぬわ!」




【風呂】


左右田「うっ、猿渡。オメー細すぎだろ……」


猿渡「昔からこうなんだ……。嶽守クンがうらやましいよ」


左右田「嶽守は……なんか最近映画で見たような」


彫刻のような筋肉質な男性とお風呂……なんだっけか。


【深夜】


左右田「チクショウ……眠れるかよ……」


田中「左右田、うるさいぞ」


左右田「オメーに殺されるかも知んねえって思うと寝れるわけねーだろ」


田中「安心しろ。俺様が[ピーーー]としても貴様は狙わん」


左右田「だとしても、もしオメーが鍵を閉めずに出て行ったりしたら誰が入ってくるか分かんねーじゃねえか……!」


結局、この晩は一睡もできなかった……。


oh,またもやmiss...
――――――――――――

【深夜】


左右田「チクショウ……眠れるかよ……」


田中「左右田、うるさいぞ」


左右田「オメーに殺されるかも知んねえって思うと寝れるわけねーだろ」


田中「安心しろ。俺様が殺すとしても貴様は狙わん」


左右田「だとしても、もしオメーが鍵を閉めずに出て行ったりしたら誰が入ってくるか分かんねーじゃねえか……!」


結局、この晩は一睡もできなかった……。


『ミナサン、おはようございまちゅ!』

『朝7時になりまちた! 起床時間でちゅよ!』

『今日も元気に、らーぶらーぶ!』


田中「左右田……貴様まさか本当に一睡もしていないのか?」


左右田「わりーかよ……」


田中「フッ、愚かだな」


朝食後。


田中「俺様はしばし散歩に出る。部屋を出る際は鍵をかけるのだぞ」


左右田「へいへい。まー出ねーけどな」


トイレと食事、風呂以外では絶対に出るもんか。


オレは生き延びるんだ……!




※ビビリの左右田クンはしばらく部屋から出ません


部屋にいる左右田を尋ねてくるのは?(来そうな人だけ)

1.【生徒会長】進藤明
2.【幸運】猿渡実里
3.【何でも屋】柳生総司
4.【カウンセラー】美袋いずみ
5.【手芸部】佐々木春花
6.【???】姫下花乃

↓1、3


昼前、部屋でごろごろしているところに来客があった。


扉は防音らしいが、通話口を開ければ話すことはできた。


左右田「誰だ?」


進藤「僕だよ」


左右田「……オレを殺しに来たのか?」


進藤「違うよ。その証拠に柳生クンも連れてきた」


柳生「よお、左右田」


左右田「2人がかりでオレを殺そうってか……!」


進藤「左右田クンはもう卒業旅行のしおりは読んだかい?」


左右田「ああ?」


進藤の説明によると、共犯を行っても実際に卒業できるのは1人だけ……。


つまり3人いる状況ならば殺人は起こせないということらしい。


2人を中に入れた。


左右田「んで、何の用だよ」


進藤「左右田クンが部屋からほとんど出てこないから不安になってね」


進藤「僕に何かできないかと思って訪ねてみたんだけど……」


進藤「その様子だと、コロシアイが不安で出られないってところかな?」


左右田「あたりめーだろ……。死ぬかもしんねーんだぞ……」


柳生「しかし左右田よ。俺は逆に引きこもってた方が危ねぇと思うがねえ」


柳生「孤立した人間ってのは狙われやすいモンさ。殺し以外でもな」


左右田「ちゃんと食事や風呂には顔出してるからいいだろ……」


柳生「悪いとは言わねぇけどな。ただよ……」


柳生「部屋にいたら安全とは言えねぇんじゃねえか?」


柳生「ほら……このメンツ、『呪殺』ができそうな奴が数人いるだろ?」


左右田「や、やめろ!」


柳生「俺じゃねェよ。それに、無理矢理扉をぶっ壊せる連中、鍵のプロテクトを破壊できそうな連中もいるぜ?」


進藤「柳生君。僕たちは左右田君を脅かしに来たんじゃない」


柳生「ま、そういう奴らに狙われないようにコミュっとけってこった」


進藤「確かに、彼の言う事には一理あると思うよ。仲のいい相手を殺そうとは思わないだろう?」


柳生「普通はな」


進藤「柳生君は一言多いよ……」


左右田「わーったよ。……少しは気が楽になったわ、ありがとな」


進藤「生徒会長としては当然の責務さ」


柳生「占いだとアンタの運勢、絶好調らしいぜ? 出かけねぇと勿体ねえよな」


まーったやった、更新中は他スレ覗かない方がいいね、うん
――――――――――――

2人を中に入れた。


左右田「んで、何の用だよ」


進藤「左右田クンが部屋からほとんど出てこないから不安になってね」


進藤「僕に何かできないかと思って訪ねてみたんだけど……」


進藤「その様子だと、コロシアイが不安で出られないってところかな?」


左右田「あたりめーだろ……。死ぬかもしんねーんだぞ……」


柳生「しかし左右田よ。俺は逆に引きこもってた方が危ねぇと思うがねえ」


柳生「孤立した人間ってのは狙われやすいモンさ。殺し以外でもな」


左右田「ちゃんと食事や風呂には顔出してるからいいだろ……」


柳生「悪いとは言わねぇけどな。ただよ……」


柳生「部屋にいたら安全とは言えねぇんじゃねえか?」


柳生「ほら……このメンツ、『呪殺』ができそうな奴が数人いるだろ?」


左右田「や、やめろ!」


柳生「俺じゃねェよ。それに、無理矢理扉をぶっ壊せる連中、鍵のプロテクトを破壊できそうな連中もいるぜ?」


進藤「柳生君。僕たちは左右田君を脅かしに来たんじゃない」


柳生「ま、そういう奴らに狙われないようにコミュっとけってこった」


進藤「確かに、彼の言う事には一理あると思うよ。仲のいい相手を殺そうとは思わないだろう?」


柳生「普通はな」


進藤「柳生君は一言多いよ……」


左右田「わーったよ。……少しは気が楽になったわ、ありがとな」


進藤「生徒会長としては当然の責務さ」


柳生「占いだとアンタの運勢、絶好調らしいぜ? 出かけねぇと勿体ねえよな」





進藤「僕はコロシアイを阻止する。念のため、怪しい行動を取っている人を見かけたら左右田クンも僕に教えてくれ」


柳生「しおりは読んどけよ。暴力は禁止、でも人は殺せとか矛盾した事が書いてあって笑えるぜ」


ああは言ったものの……そうすぐに外に出る勇気は出ねえよな。




夕方ごろ。


びしょ濡れになった田中が帰ってきた。


左右田「どうしたんだよそれ」


田中「神の洗礼を受けた」


外は豪雨らしい。


左右田「部屋入る前に風呂行って来い」


田中「そうさせてもらおう……」


【食堂】


田中が風呂に入っている間に夕食を食べに来た。


……試しに誰か誘ってみるか。



↓2 一緒に食事をとる相手を選択


左右田「マリアさん、一緒にごはんどうですか?」


マリア「左右田くんやないか! 全然顔見せんから死んでんのかと思たで!」


マリア「あと敬称なんか付けんでええよ。それとウチは並木恵美やから『並木』でええで! あっ、もう原型あらへんな」


左右田「何となくさん付けしたくなるんスよ……その、キレイだから」


マリア「んー? 聞こえへんなあ。もっとこう旅館に響き渡るくらいの大声で、それ、もういっちょ!」


左右田「勘弁してくださいよ!?」


マリア「そや。何か食べたいもんある? ウチこう見えて世界中の料理に詳しいねん」


左右田「こう見えてって文化学者じゃ……」


マリア「芸人やち言うとるやろ? ほれほれ、食べたいもん言うてみい」


こんな美人、それも文化学者の作る手料理を食べる機会なんてなかなかねえよな……!


左右田「それじゃ……」


1.関西風お好み焼きを
2.中華風宮廷料理を
3.マリアさんの生まれた国の家庭料理を


左右田「関西風お好み焼きを」


マリア「おお! 気が合うなあ! ウチの大好物なんよ!」


マリア「今準備するからちょっと待っとき!」




マリア「いよし! 準備オーケーや!」


左右田「目の前で作るんすか?」


マリア「関西じゃ常識やで!」


マリアさんはすでにいいにおいのするお好み焼きのもとを鉄板に注いだ。


マリア「10、11、12……」


ひっくり返すタイミングが重要なんだろう。秒数を数えている。


コテの扱いもめっちゃ上手いんだろうなあ……。


マリア「そいや!」


ぐちゃっ


マリア「がびーん!」


左右田「とんだ期待ハズレだな、オイ!?」


マリア「大丈夫や、味は変わらへん。3秒ルールや」


左右田「使い方違うし、失敗してから10秒は経ってますけどね!」


マリア「はー。やっぱおかんみたいには上手くいかへんなー」


左右田「マリアさんのお母さんってお好み焼き作ってたんですか?」


マリア「あー違う違う。日本でお世話になっとるおかんな」


マリア「おとんが会社に行ってる間お好み焼きのお店やってるんや。ほんまに優しいし気丈なお人でなあ」


マリア「ウチの憧れの女性なんや」


左右田「マリアさん……」


左右田「……お好み焼き、焦げてますよ」


マリア「あああ!? しもたあああ!?」


……ところどころ焦げていたしちょっと堅かったが、レシピが良かったのかとても美味しくいただけた。


【Info】
マリア・フォーキンスの通信簿に今回の情報を追記しました


『ミナサン、午後10時になりまちた』

『間もなく、食堂の入口はロックされ、立ち入り禁止になりまちゅ』

『それではおやすみなちゃい……』


結局大したことをせずに一日が過ぎた……。


でも、生きているからそれだけで十分だ……!


今晩はここまでやで


今日中にチャプター1に入れませんでした、明日かな……


実はわかりやすい人以外にも地雷を仕込んであります

キャラメイクと矛盾しない範囲で、ですがね


マリアさんは器用さが皆無です

1が昭和に詳しくないので昭和要素がなかなか入らない……


感想や質問や気になるキャラなどありましたらどうぞ


相部屋設定は男子ペアだからなのです

さらに澪田さんがパートナーだと、追加キャラが男女一名ずつなので、
呪瀬さんの代わりに『山賊』か『トラック運転手』、または、姫下さんの代わりに男子の『???』が入ってました。

今考えてるオチともちょっと変わってるはず……。

今日はすごく短いです、チャプター1開始と共に終了でございます


翌朝。


佐々木「雨……止みませんね」


一寸先も見えないほどの豪雨が島を襲っていた。


忍原「よし、ここはメイに任せておけ! ……痛たたた!?」


銃弾が降り注いでいるかと紛うほどの勢いで地面を叩きつける水滴は、彼らが外に出ることを許さない。


猿渡「ウサミが余計な事をしてるんじゃないかな」


マリア「ほんま困ったやっちゃなー」


左右田「これ、いつになったら止むんだよ……」


旅館の天井が落ちて全滅するのではないかと不安になり、顔を青くし震えてしまうビビリの左右田だった。


昼。


左右田「旅館の中にゃバラせそうなモンはねーし、チクショー、暇過ぎんぜ……!」


左右田「何もしなくても腹は空くんだよな……」


左右田「誰か誘ってメシ食うか」


↓ 一緒に食事をとる相手を選択(マリア以外)


左右田「よう、嶽守」


嶽守「む、左右田か。天気が悪いと気分も落ち込むな」


左右田「気分転換にメシ食おーぜ」


嶽守「いいだろう。我も軽食が欲しかったところだ」




テーブルを挟んで向かい合い、2人でハンバーガーを食べる。


左右田「嶽守ってそんな見た目だけど、普通のもん食うんだな」


嶽守「肉料理が好きでな。好物は焼肉なのだが……」


嶽守「その……油は飛ぶし、焦って肉は焦がすしで、自分では用意できないのだ」


左右田「今夜何人か誘って焼肉でもすっか?」


嶽守「ありがたい。みなと親睦を深める切欠にしたい」


左右田「にしてもすげー筋肉だよな。ただでけーだけじゃなくてしっかり鍛えられてるし」


左右田「アスリートの完成形って感じだよな」


嶽守「そ、そうか。こう褒められると……て、照れるな」


左右田「オレも昔鍛えようとしたことあんだよ。でも疲れるしすぐに飽きちまった」


左右田「嶽守はどうやってモチベーション保ってんだ?」


嶽守「ふむ……そなたは何だと思う?」


1.観客の声援
2.喜ぶチームメイトの顔
3.自分の達成感


左右田「やっぱ……観客からの声援とかか?」


嶽守「む……声援は……できれば御免被りたいのだ」


嶽守「集中が乱されてな……。試合に集中できなくなってしまうのだ」


左右田「マジかよ……。オメー、ちょっと心弱すぎねーか……?」


嶽守「我も心得ている」


嶽守「しかし、心とは人間で最も鍛えにくい物なり」


左右田「よくそんなんで試合に勝てるな……」


嶽守「我はそんな時、仲間の声だけを聞くようにしている」


嶽守「我が呼ばれる試合は1人で行うものではない。仲間との助け合いが勝利を導くのだ」


嶽守「それに……我が100%の力を出せずとも、大概の試合は問題なく勝てるからな」


致命的な弱点があっても物ともしない実力、それが超高校級たる所以なんだな。


【Info】
嶽守雷穏の通信簿に今回の情報を追記しました


進藤「みんな! 外に来てくれ!」


佐々木「何かあったんですか?」


進藤「様子がおかしいんだ!」


柳生「雨は止んだンかい?」


美袋「止んでいたわ、ただ……。いえ、見てもらった方が早いわね」


田中「空は暗黒に侵され、地は異形で満たされ、人間世界の黄昏が訪れたと見える」


左右田「いや意味わかんねーよ。後不吉な事言うな」


美袋「それが……田中くんの予想が当たらずとも遠からずなのよ」


姫下「そ、それ結構やばくない!?」


玄関に集まったオレたちが見たのは……。


空に立ち込める暗雲。


草地に林立する墓石。


離れた場所に見える、昨日までは無かった建物。


間違いなく……昨日までとは違う島がそこにはあった。


ウサミ「ミナサーン! こんにちはー!」


進藤「ウサミ先生! 先生が何かしたんでしょう!」


ウサミ「はい! その通りでございまちゅ!」


左右田「何だよこの気味悪い風景は!?」


呪瀬「……暗くて涼しくて過ごしやすいよ」


猿渡「ここは……昨日までいたのと同じ島でいいのかな」


ウサミ「いいえ、ミナサンは新しい島に来たのでちゅ」


鹿鳴院「新しい島だと……?」


ウサミ「ここはイギリスの沖合に浮かぶ……」


ウサミ「ホラーとロイヤルの、スリリングサマー島でちゅ!」


Chapter:1 夏の夜長に


    (非)日常編



左右田「ほ、ホラー……!?」


嶽守「すっ、すすスリリング……!?」


ウサミ「希望ヶ峰学園卒業旅行実行委員会では、生徒のミナサンに、いろんな国々を楽しんでもらおうと企画したんでちゅ」


ウサミ「記念すべき最初の国はイギリス!」


ウサミ「正式名称はグレートブリテンおよび北アイルランド連合王国……」


ウサミ「現地の人にはイギリスじゃ通じまちぇんからね!」


猿渡「そんな事どうでもいいよ!」


愛澤「この島には住んでる人がいるの?」


ウサミ「残念ながら貸切なのでいまちぇん」


佐々木「じゃ、じゃああそこに見える歩いてるのって、一体何ですか!? も、もしかして……」


ウサミ「あれはゾンビでちゅ! 捕まってしまったら……」


ウサミ「きゃー!(棒)」

佐々木「きゃー!(喜)」

左右田「きゃー!(脅)」



マリア「ちゅーかどうやってこの島に来たんや! 旅館が飛行機よろしく飛んだんか!」


田中「フッ、決まっているだろう。……これが俺様の“力”だッ!!」


ウサミ「田中くん、あちしの魔法でちゅからね!?」


姫下「んで? あたしらはここでゾンビに捕まらないように数日過ごせば次の国に行けるワケ?」


ウサミ「うっ……。残念ながらそうはいかないんでちゅ……」


柳生「んじゃあ俺たちはどうすりゃいいんだ?」


鹿鳴院「もう答えは分かりきっているだろう……」


鹿鳴院「コロシアイが起きれば次の島へ行ける―――違うか、ウサギ?」


ウサミ「は、はい。そうなんでちゅ……」


左右田「マ、マジかよ……! 誰かが死ななきゃここから出れねーのかよ……!」


ウサミ「で、でも気を落としちゃダメでちゅ! 町にまで行けば、ちょっと不気味だけど楽しい娯楽もありまちゅから……!」


ウサミ「それではあちしはこの辺で! ホラーにも負けずにらーぶらーぶ、でちゅよ!」


進藤「……まずは島の探索を行おう。みんな! 3、4人のチームを組んでくれ」


田中「左右田。俺様についてこい。いかなる悪魔が出ようとも蹴散らして見せよう」


マリア「左右田はん、一緒に行ってもええかな?」


猿渡「ボクもついて行くよっ」


オレが何もせずともチームは決まった。


……ぼっちにならなくて、本当によかった……!


マリア「左右田はん? 何泣いてんねん?」


田中「放っておけ」


進藤「さて、探索の前に……」


進藤「くれぐれもゾンビに捕まらないよう気を付けるように」


進藤「また、危険そうな場所を見つけたら、入り口だけ確認して引き返してくれ」


呪瀬「……ねぇ、ちょっといい?」


進藤「どうしたんだい、呪瀬さん」


呪瀬「……この島、前と地形が同じだよ」


マリア「言われてみればそやな? 墓石や草どかしたら一緒やで」


呪瀬「……くすくす。私、記憶力だけはいいから。絶対に忘れないから」


田中「我らが宿が転移したのでは無く、島が変貌を遂げたと言うことか」


柳生「イギリスってのも嘘かもしんないねェ」



どこを見に行きますか

1.牧場があった場所  2.浜辺があった場所  3.森があった場所  4.空港があった場所  5.町があった場所

↓1、3


↓ もう一か所


【レイニー666番通り】


その湿り気の中にある町は街灯の光にほんのりと照らされ、伝統的な家屋の裏には蒸気機関の吐き出した煙が見えた。

前の島の町より規模も大きく、半透明の紳士淑女が新聞を読んでいる光景が見られた。


田中「ふむ。いいセンスだ」

猿渡「まるでファンタジー小説の世界に来たみたいだねっ」

マリア「あ、こりゃ間違いなくイギリスや。イギリスを楽しむならここって感じやな」

左右田「……幽霊にはノーコメントかよ!?」


一件のカフェに入ると、紅茶とコーヒーの香りに包まれた。

半透明の男性が持つ新聞を覗き見ると、裏通りで殺人鬼の起こした事件が一面を飾っていた。


田中「フハハ! どうした! 俺様に恐れをなしたか!」

猿渡「無視されてるねぇ」

マリア「幽霊はんからはウチらが見えてへんのやろか?」

左右田「どうせならオレらからも見えないようにしてくれよ……!」


【ポートリー古城】


空港があったはずの場所には、立派な、しかし年季の入った古城がそびえていた。

その古城は、ぱっくりと口を開けて左右田たちを誘っているようだった。


左右田「田中、オメーこういうの好きだろ。中見てこいよ」

田中「いいだろう」

猿渡「良くないよっ。せめて懐中電灯は用意しないと」

田中「俺様の邪眼をもってすれば暗黒の中でも探索は可能だ!」

マリア「これは引き返すべきやね。曰くのありそうな場所には近づかんのが賢明や」

マリア「お化け信じてへん学者先生でも、歴史的建造物で体調崩すのはよくあることやで」


【旅館玄関】


美袋「森は森のままだったわ。ただ、真っ暗で前が見えなかったけど」


柳生「懐中電灯持って進んでみたが、あれだ。お菓子の家があった。高校生にもなって入ったりすんなよ?」


愛澤「浜辺もそのままだったねー」


嶽守「し、しかし、うっ、ううう海から、てて、手が我らに手招きをしていたぞ……」


進藤「サメ出没注意の看板もあった。海すら危険とはね……」


呪瀬「……牧場は病院になってたよ」


佐々木「亡者の方々がいっぱいでしたぁ……」


……基本、どこも危ないみたいだ。


これからも引きこもり生活になりそうだな……!


【左右田の部屋】


みんな出かけているのだろう。


旅館はびっくりするほど静かだった。


そんな旅館には、外とはまた違った和風な怖さがあった……。


左右田「……1人になったら余計こええよ!!」


左右田「今、呪瀬にばったり会ったら気絶する自信がある……!」


左右田「や、やっぱ誰かに会いに行こうそうしよう」





<<自由行動 開始>>







~~自由行動~~


1章につき生き残り人数の半分の回数だけ、生徒を選んで交流します

今回はもう2回行動したのであと5回です

ただしコンマで回数を増やすことができます


安価は一気に取ります

全部終わった後、取得スキルを提示します


まず、下でコンマ一桁判定です

12 1回増える
34 2回増える
56 3回増える
78 4回増える
90 5回増える


おめでとうございます

自由行動回数はあと10回になりました

ほぼ全員と交流できるほどですね

または安価が集中すると一気に通信簿マックスまで行けるほどですね、最大で4ページ予定

……2章からは最大追加回数は少なくなるかも


今晩は安価を取って終わりにします

感想ほかありましたら安価に添えたり添えなかったりしてどうぞ


では、安価下10まで

【生存キャラ(解放ページ)】
田中・進藤・鹿鳴院・猿渡・嶽守(1)・柳生
美袋・佐々木・マリア(1)・忍原・愛澤・呪瀬・姫下

できるだけ連投は無しでお願いします

↓1~10


足りないので2回目OK

すでに出たキャラ選んでもいいんですよ、通信簿2回分埋まるので


↓1、2


鹿鳴院
呪瀬
進藤
嶽守
猿渡
マリア
忍原
愛澤
柳生
佐々木

終盤まで生き残りそうな人を残して万遍なく埋めていくチームワーク、了解しました

まあ一度も交流せずに退場されるのは嫌ですよね


多少書き溜めるので、次回更新は少し遅くなりそうです

改めて感想・意見などありましたらどうぞ


モノモノマシーンはないん?


>>732  ウサミ先生でちゅから!

というわけではなくて、好感度が何かに影響するシステムでは無いので別にいらないかなーと

まどろっこしいシステムは排してすっきりしたSSにしたい

ただし自由行動時にプレゼント選択安価はたまにやるかも


ではゆっくりと自由行動を更新いたします

幕間に自由行動と関係ないイベントが入ったりもするよ


【町:カフェ】


幽霊の徘徊する通りを涙目になりながらも歩き、昨日も入ったカフェにたどり着いた。


左右田(げっ……鹿鳴院かよ)


鹿鳴院「む? 平民か。興味ないな」


左右田(やっぱ腹立つな)


鹿鳴院「目障りだぞ、平民。消えよ」


左右田(どうする、オレ? こんな鹿鳴院と一緒に過ごすのか……?)


左右田(でも幽霊の群れの中に一人でいるよりマシか……)


カフェの一席に座り、雑誌を読んでいる鹿鳴院と同じテーブルに着く。


鹿鳴院は露骨に眉をしかめたが、平民とは会話できない縛りからか特に何も言ってこなかった。


左右田(こんなやつだけど何か会話してーよな)


1.コロシアイは怖くねーのか?
2.雑誌は低俗じゃねーのか?
3.こういうお洒落なカフェは好きか?


左右田「なあ、鹿鳴院。雑誌は低俗じゃねーのか?」


鹿鳴院「……」


左右田「オメーはたしか高貴な人間なんだろ? 俗っぽい物は好まないと思っていたんだがよ」


鹿鳴院「……いくら平民の戯言とは言え我慢できぬな」


鹿鳴院「私は美しい物は評価する人間だ」


鹿鳴院「美しい私に似合う美しいもの……それを日々探しているのだよ。分かったかね、低俗凡庸下級平民」


左右田(イラッ)


左右田「……雑誌が美しいのか?」


鹿鳴院「さすが平民。頭の出来もよほど悪いのだな」


鹿鳴院「私が美しいと言っているのはこれなのだよ、見ろ」


鹿鳴院が見せてきた雑誌にはたくさんのバイクが写っていた。


ライダーのファッションや走るのに適した国道なども紹介されている。


左右田「オメー、やっぱバイク好きだったんだな」


鹿鳴院「お前もバイクの美しさが理解できるというのか?」


左右田「おうよ! オレは超高校級のメカニックだぜ!?」


左右田「バイクの修理や改造なんて日常茶飯事だ、エンジンとかタイヤとかたまんねえぜ!」


左右田「オメーが頼んできたら専用のバイクを作ってやってもいいんだけどな」


鹿鳴院「く……」


鹿鳴院「平民の分際でバイクが好きなどと二度と抜かすな!」


鹿鳴院「バイクとはこの鹿鳴院伍月のような選ばれし美しい人間にのみ許された趣味なのだ!」


鹿鳴院「……フン」


左右田(意外と会話できたな)


左右田(あと心なしか満足げに見えるのは気のせいだよな?)


ちびちびと飲んでいたコーヒーのカップが空になった。


ふと見ると鹿鳴院のカップも空になっていた。


しゃーねぇ、ついでに入れてきてやるか。


左右田「コーヒー、入れてくるぞ」


鹿鳴院「待て」


左右田「ああ?」


鹿鳴院「平民の手など借りぬ。私自らやる」


左右田「けっ……先行けよ」


鹿鳴院「言われるまでもない。私は優先されるべき人間だ」


鹿鳴院はカフェのカウンターの中に入ると、ポットとコーヒー粉を時間をかけて用意した。


手際わりーな……。


しかし、カフェで育ちの良さそうな美青年がコーヒーを注ぐ様は絵になるっちゃなる。


鹿鳴院がカップにポットを傾けると……お湯が勢いよく飛び出し、鹿鳴院のスーツにもかかった。


鹿鳴院「あちちちちっ! ひーっ、ひーっ! …………フン」


左右田「オメーもか!」


左右田「マリアさんとキャラ被ってんじゃねーか!」


鹿鳴院「被ってなどいない。私の方が上手(ウワテ)だからな」


左右田「ドジ具合がか!? そこ誇るのかよっ!」


鹿鳴院「勘違いするな……! 美しさがだ!」


左右田「それは聞き捨てならねーな! 口調はともかくマリアさんの方がぜってー美人だろ!」


鹿鳴院「フン……平民には私の美しさは理解できまい……」


左右田「そこまで言うんなら所作も美しく決めろよな……!」



【Info】
鹿鳴院伍月の通信簿に今回の情報を追記しました


【病院】


左右田「いてて……指切っちまった」


部屋にあるエアコンを解体した後組み立て直す途中の事故だ。情けねえ。


左右田「気味悪いけどここにしか絆創膏ねぇし」


左右田「念のため多めに持って帰るか……」




その時、個室から

ぬーっと現れる白い女



左右田「ほんぎゃあああああああ!!」


呪瀬「……奇遇だね」


左右田「なんだ呪瀬かよ! おどかすなよ! って呪瀬だあああ!?」


呪瀬「……うん。呪瀬宮子よ」


左右田「分かってるよ! 再確認してねえよ!」


左右田「チクショウ……」


腰抜けちまった……!


呪瀬「……くすくす。掴まって?」


左右田「やだよ! お前に捕まったらシャレにならない場所に連れてかれるだろ!」


腕を使ってずりずりと必死で後退した。


呪瀬「……病院にご用事?」


左右田「絆創膏取りに来たんだよ……」


呪瀬「……取って来てあげる」


左右田「あれ……意外と優しい……」


左右田「って罠だろ! 落ち着けオレ! うわあああ!!」


呪瀬から絆創膏を受け取ったオレは病院から旅館への道を足早に歩いていた。


左右田「……うう、なんで」


左右田「なんで憑いて来るんだよぉ……!」


呪瀬「……着いてきちゃダメ?」


左右田「気味がわりぃよ……」


呪瀬「……そう」


左右田「それよりも圧迫感がすごいんだよぉ……!」


呪瀬「……くすくす。ちょっとお話してあげる」


左右田「怪談は嫌だからな!? 呪瀬が喋ると何でも怪談になりそうだけど!!」


呪瀬「……『六尺女』って話、知ってる?」


左右田「やっぱガチ怪談じゃねーか!? 佐々木に話せってそういうのは!」


呪瀬「……町中でね。やけに目を引く六尺――180cmくらいの女性が現れることがあるの」


左右田「続けんなよ! そしてそれオメーだろ!」


呪瀬「……六尺女を見た人はね、六尺女に魅入られてしまうの」


左右田「やっぱオメーだろ!」


呪瀬「……魅入られてしまうと、くすくす、六尺女はどんな場所にでも現れる」


呪瀬「……決してその人から離れない」


左右田「オメー……だろ……うう、クソ」


呪瀬「……ちなみに六尺女のもう一つの特徴は」


呪瀬「……『くすくす』と笑う事よ。くすくす」


左右田「結局オメーじゃねーか!」


呪瀬「……まあ、私なんだけどね」


左右田「オメーが作って流布した作り話なのか……!?」


呪瀬「……ううん。実在する都市伝説。私は何もしてないよ」


左右田「ああ、そうかよ……」


【左右田の部屋前】


左右田「マジで憑いて来やがった……!」


呪瀬「……アナタのお話が聞きたいの」


左右田「うう……クソ……」


1.帰れよ!
2.これ(日本人形)やるから帰れよ!
3.これ(ミルク飴)やるから帰れよ!


左右田「これやるから帰れよ!」


呪瀬「……日本人形?」


左右田「部屋に置いてあって気味悪かったんだよ……!」


左右田「なんかオメーこういうの好きそうだろ? やるから帰ってくれよぉぉ!」


呪瀬「……ありがとう」


呪瀬「……そうね。私にお似合いだね。くすくす」


呪瀬は満足しているんだかしていないんだか分からない様子で去って行った。


心臓が止まるかと思ったぜ……!



【Info】
呪瀬宮子の通信簿に今回の情報を追記しました


【町】


進藤「英国紳士の白い影、レンガの壁に君の影、怯える君の手を取って……うーん、違うな」


左右田「よう、進藤」


進藤「左右田君か、ちょうどいいところに来てくれたね」


進藤「この詩のいいフレーズが浮かばないんだよね。『君』を二回重ねちゃうと語彙力が無さげだし……」


左右田「オレに聞くなよ……」


進藤「それもそうだね……。やはり、詩は自分で作ってこそか」


左右田「女子にコクる時も詩で告白してんのか?」


進藤「告白……は残念ながらしたこと無いんだ」


進藤「そもそも彼女もいたことないからね」


左右田「嘘つくなよ! オメーみたいなイケメンなら女子の一人や二人すぐ捕まるだろ!」


進藤「……告白されることならたくさんあるよ」


進藤「ひとつ残らず断ってきたけど」


左右田「よし。てめー、一発殴らせろや」


進藤「やめてくれよ。顔に傷がついたら全校生徒の代表としての面目が保てないだろう」


左右田「ちっ。……なんで断ってんだよ、女子の方もかわいそうだろ」


左右田「つーか他の男子から女子総取りしておいて無責任だろがっ!」


進藤「落ち着いてくれ、左右田君」


進藤「僕はあくまで生徒会長。全校生徒の代表であり、全校生徒のために働くべき存在であるんだよ」


進藤「そんな僕がたった一人の女子を贔屓するわけにはいかないんだ」


進藤「男女問わず、全校生徒のために僕はいるんだからね」


カッコつけてんだか、信念があるんだか分かんねーな。


進藤「それに僕は生徒会の業務と勉強と体力作りと習い事で常に忙しいんだ。デートなんてしている暇がない」


左右田「詩を作ってる時間を当てればいいんじゃねーか?」


進藤「詩は僕の唯一の趣味だからね……。この時間だけは削りたくないんだよ」


左右田「ふーん、そういうところはオメーも普通の男子なんだな」


進藤「突然だけど左右田君。さっきのは保留にして新しい詩を書きたくなった。何か詩のネタを提供してくれないかな?」


進藤「何かパッと思いついたワードでいいからさ」


左右田「適当でいいんだな?」


1.『曇り空』
2.『コーヒー』
3.『新聞』


左右田「いま思いつくのだと……コーヒーとか?」


進藤「うん、それなりだね。無難にいい詩が書けそうだ」


左右田「貶されたような気がする」


進藤「そんなこと無いよ」


進藤「君との愛はコーヒーのように……うーん」


左右田「恋愛したことないくせによくそんなの書けるよな……」



【Info】
進藤明の通信簿に今回の情報を追記しました


【左右田の部屋】


ある日の昼ごろ、インターホンが鳴った。


誰だ?


呪瀬とか忍原とかじゃねえよな……?




姫下「グッモーニンッ! あ、もう昼かー!」


左右田「姫下か。何の用だ?」


姫下「左右田! あたしと一緒に古城探検に出かけよーよ!」


左右田「こ、古城ってあの真っ暗で不気味な……!?」


姫下「うん、そこ! 大丈夫、あたしが守ったげるから!」


左右田「いや、オメーだから心配なんだよ。暗闇で方向音痴発動したらもう二度と帰れねーだろ」


姫下「そこは抜かりないぞ☆ ちゃーんと助っ人を二人ご用意しました!」


姫下「残念ながら二人っきりとはいかなくなっちゃったけどね……」


左右田「で、その二人って?」


姫下「お城の前までくれば分かるよ!」


【古城】


姫下「彼らが助っ人だよ!」←方向音痴

猿渡「こんにちは、左右田クン」←虚弱体質

嶽守「左右田殿、よくぞ参った」←超絶小心者

左右田「不安しか無くなったじゃねーか!!」←小心者その2



左右田「何で来たんだよ! 猿渡は分からんでもないけど!」


嶽守「うむ……女子に頭を下げられるとどうしても断りきれる空気ではなく……」


左右田「このお人よしめ!」


猿渡「左右田クンがそれを言うの?」


左右田「うっせうっせ! 考え得る限り14人中で最もダメな4人じゃねーか!」


左右田「こんなメンバーで行くなら二人っきりの方がまだマシだろ……」


姫下「左右田……! あたしと二人っきりがいいんだ! 嬉しいかも!」


左右田「い、いやそういう意味じゃねーよ」


猿渡「うん。ボクと2人がいいんだよね?」


左右田「それは絶対にちげーからな!?」


姫下「気持ちは嬉しいけど……やっぱり4人で行くべきだよ! お互いの長所で短所をカバーし合うんだ!」


左右田「足の引っ張り合いにならなきゃいいがな……」


比較的マシという理由でオレが懐中電灯を持って先頭になった。


姫下にだけは任せらんねぇしな……。


左右田「んじゃ……入るぞ、はぐれんなよ……?」


姫下「レッツ☆ゴーぅ!」


猿渡「出発進行だよっ」


嶽守「いいいいつでも、いいいぞぞぞ」


古城に入ったオレたちをまず出迎えたのは大きな玄関ホールだった。


朽ちたシャンデリアが頭上で寂しげに佇んでいる。


町や病院と違い目に見えた幽霊はいなかったが、それが逆に静かな恐怖感をもたらしていた。




左右田「ま、まずどこから行くよ? 左か? 右か?」


姫下「田で!」


左右田「…………文字じゃねーと分かり辛ぇよ!」


猿渡「正面の広い階段でもいいんじゃない?」


嶽守「たた、高いところは、勘弁願いたい……」


左右田「じゃあオメーは何なら大丈夫なんだ……」


2階に上がり廊下を歩いていると出口を見つけた。扉は壊れている。


左右田「ここは屋外のパーティ会場って感じか?」


猿渡「バルコニー……かな? マリアさんに聞いてみたいね」


姫下「きゃっほー! いい景色だー!」


嶽守「きょきょ強風は勘弁願いたい」


左右田「オメーはそればっかだな!」




左右田「まだ探索してないのは……?」


猿渡「1階の廊下だね」


嶽守「も、もうよかろう……。早く帰らないか……?」


左右田「それに賛成だ! もういいだろ!?」


姫下「ダメダメー! 全部見なきゃ探索完了とは言えないぞ!」


左右田「行きゃいいんだろ行きゃ……!」


1階廊下は真っ暗だった。


懐中電灯があっても照らせる範囲が狭く、先ほどまでで薄暗闇に慣れていたオレたちだがほとんど視界が確保できていなかった。


その上、とても住む場所とは思えないほど道が入り組んでおり、まるで迷路だった。


姫下「あ、あれー? みんなー、どこー!?」


左右田「お、おい! はぐれるなっつったろ!」


猿渡「ボクが探して来るよっ」


左右田「ま、待てって!? オメーまで迷ったらどうすんだ!?」


左右田「なあ嶽守? ……嶽守?」


目の前の人の背中すら見えなかったのか……。


オレたちは完全に分かれ分かれになってしまったんだ……!




左右田「と、とりあえずオレだけでも帰って助けを呼んで来ねーと……!」


嶽守「ぬぁぁぁぁあああああ!!」


左右田「い、今のは嶽守の声か!?」


猿渡「嶽守くーん! 無事なら返事してー!」


左右田「猿渡どこだー! 姫下どこ行ったー!?」


猿渡「きゃーーー!!」


左右田「猿渡!?」


女みたいな悲鳴を上げたきり、猿渡の声も消えた……。


左右田「お、おいおいおい。次はオレじゃねーだろうな……?」


左右田「いやだいやだいやだいやだ! お願い助けて神様女神様仏様!」


コツン、コツン


左右田「嫌だあああああ! 来るなあああああ!!」


足音が消えた。


……後ろを振り向く。


誰もいねえ。


左右田「ビビらせやがって……!」




正面を向くと


『……見ーつけた』




左右田「ぎにゃああああああああああああああああああああああ!!!!」





姫下「きゃあああああああ!! 来んな来んなああ!!」


古城の外で呆けているオレたち男子3人と、迎えに来た進藤の元に、姫下の絶叫が届いた。




進藤「まったく……僕に知らせないで危険な真似をするのはやめてくれよ」


姫下「すいませんっした……」


嶽守「我からも謝罪する……」


猿渡「でも、助けに来てくれてありがとう」


進藤「僕は知らせを聞いただけだよ。お礼は呪瀬さんに」


左右田「呪瀬……? 何でオレたちが古城にいるって知ってたんだ?」


呪瀬「……姫下さんが3人とお喋りしてるのが見えたから」


呪瀬「……楽しそうだから付いてきちゃった」


左右田「マジかよ……」


姫下「でもあんな暗闇で懐中電灯も無しにどうやってあたしたちを見つけたワケ?」


呪瀬「……私、物覚えがいいから迷路には強いの」


呪瀬「……暗い場所が好きだから暗視もできるんだよ」


猿渡「さ、さすがは超高校級の幽霊部員である呪瀬さんだねっ」


左右田「猿渡、声震えてっぞ……?」


呪瀬「……それにね」


呪瀬「……みんなの事が大好きだから、いつでも居場所が分かる気がするの。くすくす」


左右田「……」カタカタ


猿渡「ひ、ひええ」


姫下「あわあわあわ」


嶽守「どっ、どどっどど、ど」ガクガク


助けてもらっておいてなんだが、血の気が引いた。


進藤「ははは。ともあれ、皆無事で安心したよ。バルコニーは何かに使えそうって分かったから良しとしようかな」


【浜辺】


サメ出没注意。海からは手招きする亡者。


そんな危険な海の浜辺でローマの彫刻のような男が汗を流していた。


左右田「よぉ、嶽守」


嶽守「左右田殿。共に鍛えるか?」


左右田「んな事より、オメー大丈夫なのか?」


左右田「目の前で無数の手が蠢いてるが」


嶽守「騒がしくないので良いのだ」


嶽守「サメもいるらしいが、海に入らなければ済む事なり」


左右田「基準がよく分かんねーな……」


嶽守「一人ではできる練習にも限りがある」


嶽守「どうだ、我と一緒にしばし汗を流さぬか」


左右田「たまにはいいかもな。体がなまっちまいそうだし」


1.硬球でキャッチボールしようぜ
2.サッカーのドリブルとパス練習しようぜ
3.砂浜を活かしてバレーボールでフットワーク鍛えようぜ


左右田「せっかくの砂浜だし、バレーボールでフットワークを鍛えようぜ」


嶽守「ふむ。いいだろう。左右田殿は中々専門的な発想をするな」


左右田「ありがとよ」


一時間、嶽守とバレーボールのラリーを続けた。


最初はよかったがだんだんオレだけバテてきて、嶽守が手加減してくれるようになった。


結局、オレにとっては練習になったが、嶽守にとっては微妙だったかも知んねぇな……。


左右田「しっかし、オメー見れば見るほど、容姿端麗だよな……」


嶽守「む……そうか。鍛えたかいがあるものだ」


左右田「肉体もだけどよ、顔もよく見ると整いすぎてて怖いくらいだぜ」


左右田「仮に不細工だったら彫刻には見えなかったかもな」


嶽守「そ、そうか……」


あれ、あんまり嬉しそうじゃねーな。


もしかして外国人のような彫りの深い顔を気にしてたりするのか……?


嶽守「その……前にも言ったが、我は注目されるのに弱いのだ」


嶽守「この肉体だけでも人目を引いてしまうのに、競技に関係のない顔でも注目されてしまうのは正直辛い」


嶽守「顔だけはいわゆる、フツメンに生まれたかったぞ」


左右田「高望みだな!」


左右田「全国の不細工が聞いたら泣くぞ?」


オレだって現在進行形で妬んでるよ!


嶽守「そ、そうか。ならばこのことはあまり口にしない方が良いかもしれんな」


左右田「そうしとけ」



【Info】
嶽守雷穏の通信簿に今回の情報を追記しました


【旅館:食堂】


左右田「よう猿渡。今日も読書か」


猿渡「うん、体が弱いから部屋にいることが多かったってのもあるけど、純粋に本は好きなんだ」


猿渡「毎日読まないと気が済まないんだよ」


左右田「オメー体弱いらしいけど、どんくらい弱いんだ?」


猿渡「そうだねぇ……生まれてすぐからだね」


猿渡「衰弱して生まれてきたってお医者さんから聞いたんだぁ」


左右田「そりゃ大変だな……」


猿渡「それと、人生の大半は病室にいたかなぁ。自分の家もほとんど知らないんだよ」


猿渡「だから本くらいしか娯楽が無くて、お母さんたちに言って本を持ってきてもらってるんだ」


左右田「す、すまねぇ。重い話させちまって……」


猿渡「重かった? ボクは全然気にしてないよっ」


猿渡「そりゃあ……たまに、ボクもスポーツ選手みたいに活躍したいなぁとか、お母さん手作りの出来立て料理を食べたいなぁとか思うこともあるけどね」


猿渡「そんなボクだから、超高校級の人たちに憧れてるんだ」


猿渡「彼らの事を好きで調べるうちに、いつの間にか超高校級マニアになっちゃった。えへへっ」


猿渡「ためしに何か超高校級の才能を言ってごらんよ。その活躍と意外なエピソードについて語ってあげるからさっ」


左右田「誰にすっかな……」


1.超高校級の日本舞踊家
2.超高校級の料理人
3.超高校級の保健委員


左右田「じゃあ……超高校級の保健委員」


罪木は悪い奴じゃないんだが、性格に癖がありすぎるんだよな。


その分才能がすげぇならいいんだが、保健委員としては超高校級であっても、せいぜい医者レベルなんじゃないかと思う。


プラスとマイナスが釣り合ってない気がするんだ。


別に嫌いじゃないんだけどな。


猿渡「罪木蜜柑さんだね」


猿渡「実は彼女はボクが会ったことのある数少ない超高校級の一人なんだよっ」


左右田「へえ、会ったことあるのか。変わった奴だったろ?」


猿渡「うん、とっても。でも超高校級ってそんなものでしょ?」


猿渡「左右田クンは普通だけどね」


左右田「うっせ!」


猿渡「それで、彼女の活躍だけど……」


猿渡「正直、超高校級の人々の中でも世間への貢献度はトップクラスだね」


左右田「そうか?」


猿渡「うん。まず手術の腕は天才的だね。非常時だったから無免許で行ったんだけど、がん摘出、臓器移植、脳外科手術の実績があるよ」


左右田「それすごいのか?」


猿渡「どれか1つ専門にするだけでも、医者の中でも一握りの名医に分類されるレベルだよ?」


猿渡「看護師・薬剤師としての知識もあって、新型インフルエンザが流行った時には隔離患者の看病に従事したらしいねぇ」


猿渡「あくまで噂だけど、警察の検死や、去年南オセアニアから広がりかけた新種のウイルスのパンデミックを防ぐ協力とかもしてたらしいよ」


左右田「あいつそんな化け物染みた才能の持ち主だったのか……!?」


猿渡「意外なエピソードとしては……」


猿渡「罪木さんが超高校級のいじめられっこでもあることは超高校級ファン界隈では常識なんだけど、」


左右田「そんな界隈あんのか……」


猿渡「実はレジスタンス的なファンクラブが存在している事はあまり知られていないんだ」


猿渡「といっても、彼女に救われた元患者たちの会に近いんだけどね」


左右田「オメー超高校級の超高校級マニアでも行けそうだな」


猿渡「ううん。知ってて当然だよ。だってかくいうボクがファンクラブのメンバーだからねっ」


猿渡「ボクがこうして病室の外に出歩けるようにしてくれた医療チームの中に罪木さんもいたんだよ」


左右田「不思議な縁もあるもんだなー」


左右田「でもおかしいな。オメー確か超高校級の幸運だったろ? 普通に比べて不幸な境遇としか思えねぇんだが」


猿渡「あはは。ボクの幸運は基本自分には働かないからねぇ」


猿渡「初めて自分が幸運になったと思ったらこんなことに巻き込まれちゃうし」


左右田「洒落にならねぇな……」


猿渡「それに、左右田クンのクラスの幸運がどうかは知らないけど、幸運枠は抽選だからねぇ」


猿渡「歴代の半分くらいの超高校級の幸運は、特に普段は幸運でも不幸でも無い生徒なんだよ」


左右田「うちの幸運が特殊過ぎんのか……」


猿渡「どんな人?」


左右田「性格に難あり。洒落にならない不幸と幸運が連続で襲ってくるってやつだ」


猿渡「狛枝凪斗クンだねっ。それなら歴代でも上位の幸運かな」


左右田「一番じゃねーのか?」


猿渡「一切の不幸もなく生まれてから死ぬまであらゆることが幸運なんていう怪物もいたからね……」


猿渡「特殊な人だと、破滅願望があるのにどうしても望んだ結果が得られない、人から見れば幸運な人とか」


猿渡「一生不幸体質だったけど実は周囲の不幸を吸い寄せていて、知人は全員幸運だった人とか」


猿渡「色々いるんだよ」


左右田「そういうの聞くと……幸運と幸せは別物って感じがするな」


猿渡「ボクもそう思うよ」



【Info】
猿渡実里の通信簿に今回の情報を追記しました


今日はここまで

あとは通信簿ネタが半分と、幕間エピソードがいくつかで、事件発生パートに入ります

幕間は基本的に事件の伏線張りです

感想や質問ほかありましたらどうぞ


【左右田&田中の部屋】


左右田「おし! デジカメ分解完了だぜ!」


左右田「ふぃー、汗かいたな……シャツ着替えるか」


左右田「結構脱いだの溜まってんな。まぁ替えはまだあるし後で洗えばいいよな」


田中「どうしたジャンPよ。贄(餌)はいらぬと言うのか。フッ、後で食べればよい」


田中「……俺様としたことが髪のセットを忘れていたか。急いで覇王の威厳を保たねば」


田中「な……! マガG! 俺のワックスで遊ぶな!」


ぴんぽーん


左右田「今手離せねぇ。田中出ろ」


田中「仕方あるまい……」


田中「何奴だ」


美袋「私よ」


田中「我が城に何用だ」


左右田「勝手にお前のもんにすんな」


佐々木「わたしもいます。掃除に来ました!」


左右田「なっ……!」


田中「だ、駄目だ! 俺様の覇気に恐れをなして尻尾を巻いて帰るがいい!」


佐々木「やっぱり汚れているんですねー」


佐々木「開けないと呪いますよー、ほら、ほら」


ドンドン、ドンドン


左右田「佐々木! 必要ねぇから帰ってくれ! オレたちは至って清潔だぜ!」


田中「その通り。掃除ごとき我が魔力と破壊神暗……」


美袋「開 け て?」


田中「はい!」


左右田「オメー何開けてんだよ!」


佐々木「わあ。散らかってますね」


美袋「ウフっ、部屋の乱れは心の乱れよ」


佐々木「ちゃっちゃと取りかかりましょう。わたしは田中くん側を」


美袋「私は左右田くんの担当ね。よろしくね。左右田くん?」


左右田「いらねーから! 自分でやるよ!」


美袋「落ち着いて。私は危害を加える訳じゃないの。貴方のためを思って助けに来たのよ」


左右田「お、おう……」


美袋「ところでそれはなぁに? 貴方は破壊衝動でも持っているのかしら?」


左右田「ち、違げぇよ! これは今から組み立てなおすんだ!」


美袋「ウフフっ。貴方は無駄なことに価値を見出せる人間なのね」


左右田「んな難しい理由じゃねーよ。機械いじってねぇと落ち着かねぇんだよ」


美袋「貴方、弱いのね」


左右田「うっせうっせ!」


美袋「私、弱い人間は嫌いじゃないわよ。強い人間は無理をしている人間だもの」


左右田「そ、そうか?」


美袋「雑談はここまでにして始めましょうか」



佐々木「あっ、田中くん。ストールの端がボロボロじゃないですか。後でわたしが縫うので預かります」


田中「やめろぉ! それは飼育委員としての勲章だ!」


佐々木「勲章なんか無くても田中くんには実力がありますよ」


佐々木「でも、色は非凡ながら地味なデザインですね。せっかくなのでわたしがもうちょっとお洒落にします」


田中「それはそういう世界観なのだ!」


左右田「自分で世界観って言うのかよ!」


佐々木「では掃除が終わったら返します」


田中「ゆけ! 四天王よ! この部屋の塵という塵を一寸残さず滅ぼすのだ!」


田中の放った四天王が部屋中の小さなものを集めてゴミ箱に入れていく!


左右田「待ってくれええ! それはオレのデジカメのパーツだああ!」


田中「ふっ、終わったぞ!」


佐々木「こちらも終わりました。はい、綺麗になりましたよ」


田中「馬鹿なッ……! この刹那に縫い上げたと言うのか……!」


佐々木「超高校級ですから。それでは失礼しました」


左右田「オレのパーツぅぅぅ!」


田中「俺様の世界が……!!」


美袋「落ち着いて」


左右田「ふざけんな! あれ高かったんだぞ!」


田中「俺様の栄光が……!!」


美袋「落 ち 着 い て?」


左右田・田中「はい!」




そして、綺麗に片付いた部屋に、美袋にたしなめられて無心で立っている、デジカメを失ったオレとちょっとお洒落になった田中が残された。


まるで嵐が通り過ぎた後のようだった……。


【町:カフェ】


なんとなくミルクティーが飲みたくなったのでカフェにやってきた。


道中何度も叫ぶ羽目になったがな!


マリア「コロシアイ……起きそうにないですわね。本当によかった……」


マリア「しばらくの間はこのような時間も悪くないかもしれません……」


左右田(やっぱり独り言だとご令嬢な喋り方すんだな……)


左右田(本当綺麗な声だな。ドキドキするぜ……)


マリア「せっかくでございますから、ここで相方も見つけ……あら?」


左右田「やべっ、見つかっちまった」


マリア「左右田はんやないか! 何隠れとんねん、出てきいや!」


左右田「ほら、こうなりますよね!」




とりあえず、キッチンでミルクティーを作ってくることにした。


左右田「マリアさんも何かいります?」


マリア「うーん、適当に作って来てくれへんか?」


左右田「お任せください!」




左右田「……緑茶ねぇのかよ!」


左右田(どれがいいんだ……? 外国人だしどれでも大丈夫そうだが……)


1.コーヒー
2.ココア
3.ミルクティー


左右田「すいません、マリアさん! 緑茶ありませんでした!」


マリア「ホンマ使えへん野郎やわ! ……なーんて言うと思たか?」


左右田「びっくりした……!」


マリア「ええよ。緑茶無いの知っとるし。何作って来てくれたん?」


左右田「どうしていいか分からなかったので、オレと同じミルクティーを……」


マリア「おそろやな! ありがと!」


左右田「喜んでもらえて光栄です!」


マリア「言い忘れとったけど、ウチ、コーヒー嫌いやねん。覚えといてくれたら嬉しいわ」




ミルクティーを置いて、マリアさんと同じテーブルに着く。


左右田「さっき聞いちゃいましたけど、マリアさんってやっぱり関西弁は演技じゃないですか!」


マリア「ちゃうわ! ウチは芸人並木恵美、コテコテの関西人や!」


左右田「素で話してくださいよ! なんてもったいない!」


マリア「素? けったいなこと言いよるな、左右田はん」


左右田「はい?」


マリア「あんさんには言われたくあらへんっちゅーことや!」


左右田「オレ関西人じゃないですよ!?」


マリア「左右田はん……ツッコミはええのにな」


左右田「それ褒められてるんですかね……?」


マリア「なあ、左右田はん! ウチと本気で漫才コンビ組んで頂点目指さへんか!?」


左右田「誘ってくれたのはすごくうれしいですけど……すいません、無理です」


マリア「そこを何とか!」


左右田「無理ですって!」


マリア「一回だけでも!」


左右田「オ、オレと素の口調で話してくれるなら……!」


マリア「ならええわ」


左右田「引き際が良すぎる!」




左右田「どうしてマリアさんはそこまで漫才にこだわってるんですか?」


マリア「ウチがお笑い芸人やから以外ありえへんやろ!」


左右田「チクショウ、話が前に進まないっ……!」


マリア「そやな。コントはここまでにするわ」


マリア「……これはウチが昔文化学者キャラでネタをしとった時の話なんやけどな」


左右田「言ったそばからボケないで!」


マリア「日本の漫才っちゅー文化を調べた時、大変に感銘を受けたんや」


左右田「漫才なんてそんな高尚なものじゃないと思いますけどね」


マリア「いいや、世界でも他に類を見ないまっこと素晴らしい文化やねんで」


マリア「漫才にはボケがおるやろ? ボケはあえて間違った事を言うんよ」


マリア「そしてツッコミは、間違ったことを言ったボケをいてこます」


マリア「でもそんなどぎつい構図やのに、そこには愛と信頼があり、見てる人にも笑顔が生まれるんやで」


マリア「素敵やん?」


左右田「物は言いようなんだなってオレは思いました」


マリア「左右田はんなら分かってくれると思たんやがな……」



【Info】
マリア・フォーキンスの通信簿に今回の情報を追記しました


【左右田の部屋】


ぴんぽーん


左右田「へーい」


がちゃ


廊下に顔を出すと、忍原が逃げも隠れもせず仁王立ちしていた。


忍原「忍法! クレイジーメタリックピンポンダッシュ!」


左右田「ダッシュしろよ!」


忍原「ひゃいっ!?」


怯えて走り去る忍原を黙って見送った。


だって追いつけねぇし罠とかあるかも知れねぇし。


しかし、忍原はそのまま消えず、角のところで立ち止まり、


忍原「和一あにさま! おはようございますっ!」


そう叫んでいった。


左右田「わけわかんねえなアイツ……」


【旅館:食堂】


そんな忍原が食堂に1人で座っているのを見つけた。


特に相手もいないし、一緒に朝めし食うか。


左右田「忍原。ここ座るぞ」


忍原「ひぅっ……」


左右田「そんな怯えんなって……」


左右田「忍原って忍者だったよな? なんで忍者なのにそんな派手な格好してんだよ?」


忍原「は、はい、う……えう……」


左右田「まともな会話ができねぇ!」


左右田「もしかしてあれか……? 人と目を合わせられないのか?」


忍原「……」コクコク!


左右田「待ってろ。メシ持ってくるから」




左右田「あれ、忍原どこ行った?」


見回すと、忍原は食堂の入口にワイヤーを仕掛けていた。


左右田「おいコラ!」


忍原「ひゃわわっ!」


忍原は驚き、自分でワイヤーに引っかかり……


全てのテーブルが、パンッ!というかんしゃく玉の破裂音と共にライトアップされ……


白煙と共に椅子の上に人形が現れ……


中央のテーブルの上にスポットライトが当たり、激しいギターの音楽が流れだす。


そして忍原自身は全身にたっぷりと小麦粉を浴びた。


忍原「無念……」


左右田「オメーこの短時間で何を作り上げてんだよ……!」


なぜかライバル心がうずいちまうじゃねーか!


結局食堂を一緒に片づけてやった。


忍原「あにさま、あ、ありがと、ございます……」


左右田「悪戯もほどほどにしとけよ」


忍原「そ、それは……いきがい、ですから……ごめんなさい」


左右田「……せめて相手は選べよ」




忍原と無言で朝食を食べた。


忍原「……ごちそうさまでした」


こいつ挨拶だけは欠かさないんだな。


……親はどういう教育をしたらこんなちぐはぐな奴ができんだよ。


そういやオレ、こいつが喜びそうなもんいくつか持ってたな。


何か押し付けてやるか。


1.フラッシュハイダー
2.イロハシャツ
3.半分安全靴


左右田「忍原、オメーにこれやるよ」


フラッシュハイダー。


まあパーツとして使えなくはねぇが、こいつならそのままでも喜んでくれるはずだ。


忍原「……なにです?」


左右田「銃に付けるとより大きな音が出るようになるパーツだ」


左右田「びっくりさせるのには役立つんじゃねーか?」


忍原「……メイ、銃……持って、ません」


左右田「似たようなものはあるか?」


忍原「……水鉄砲、なら」


左右田「ちょっと貸せ」




左右田「ほれ、できたぜ」


忍原「……?」


ドッパァン!


忍原「あっ」パァァ


ドッパァン! ドッパァン!


忍原「いひひ。乱射! 大量殺人! 濡れ濡れになりてぇ奴から前に出やがれェェッ!!」


左右田「……」


忍原「ハッ…………お、お見苦しいものを、お見せして……」


左右田「今更過ぎるわ!」


忍原「あの、あにさまに、これを」


どうやらオレにルービックキューブをくれるらしい。悪くねぇ。


左右田「お返しか?」


忍原「……」コクコク


左右田「じゃあ貰っとくぜ。サンキュな」


カシャカシャカシャ


左右田「のわあああ!!」


忍原「……自動変形ルービックキューブでございます」


左右田「テメーふざけんな! 水鉄砲返せ!」


忍原「もうしわけございませぬー!」



【Info】
忍原鳴の通信簿に今回の情報を追記しました


【町】


マリア「超高校級のツアーガイド、並木恵美と行く! ぶらり町歩き、今回はスリリングサマー島にやって来ました」


左右田「お笑い芸人じゃなかったんですかっ!?」


進藤「開幕ボケと開幕ツッコミの素晴らしい連携プレイだね」


進藤「生徒会長の僕も鼻が高いよ」


左右田「オメーもボケ側に回んなよ!?」


左右田「ただでさえこの面子なんだぞ……!」


田中「ここはすでに我が破壊神暗黒四天王が一角“侵略する黒龍”チャンPの手によって陥落せし都!」


田中「町人よ、この俺様が直々に視察に来てやったぞ!」


姫下「あたし町歩き大好きだよ! バイトのあと片っ端から隠れ家的お店を回るのが楽しいんだ!」


姫下「ただし家に帰れない模様っ!」


マリア「ほな、行こか」


進藤「左右田君。よろしく頼むよ」


左右田「オレの負担でけえ!」



マリア「まずはこの紳士から見ていきましょう」


左右田「最初から幽霊!?」


進藤「幽霊はこの町の特色だからね」


左右田「町歩きは普通まず店からだろ……!」


マリア「イギリスと言えばこのようなジェントルマンのイメージがありますが、ここでクエスチョン」


マリア「ジェントルマンとはどのような人物を言うのでしょうか? はい、左右田くん!」


左右田「いきなりクイズ!? えっと……紳士的、つまり英国の優しい男性のこと」


マリア「はい、ハズレ! 次、姫下さん!」


姫下「レディースじゃない方!」


マリア「まあ正解やけど次、進藤くん!」


進藤「僕のような美しい男性のことかな?」


左右田「オメーそのネタ鹿鳴院とかぶるぞ」


マリア「進藤くんがカッコいいかは関係なくハズレ! 最後、田中くん」


田中「俺様のような、常に余裕を感じさせ、人間共の上に立ち覇道を往く、下々に認められし者だ!」


左右田「オメーら全員当てる気ねえだろ!」


マリア「正解!」


左右田「はあああ!?」


マリア「ジェントルマンとは元々はただの支配者階級。時代が進むにつれ気品や教養が重視されるようになり、今の意味になったのです」


マリア「不正解の左右田くん、進藤くん、姫下さんは……ボッシュートです!」


姫下「うわああん!」


進藤「はぁぁーん!」


左右田「このノリはまずくねーか……! あと進藤の泣き声きめぇよ!」


マリア「茶番は終いにして、ここはパブ。イギリスの料理やエールを楽しむ下町の社交場や」


進藤「イギリス料理は美味しくないと聞いたことがあるけど本当かな?」


マリア「薄味って言われとるな。ほんまは自分でソースをかけなあかんのにそのまま食うからそうなるんや」


マリア「つまりソースがかかった状態で出てくる大阪のメシは素晴らしいっちゅーことやな!」


左右田「たぶん大体の国でそうですよね!?」


マリア「あとは昔新鮮な食材が手に入らなかったから保存食ばかりで、野菜も火をしっかり通しすぎる」


マリア「労働者は軽食で済ませてたから味を気にしなかった、なんて理由もあるで」


姫下「幽霊のお皿からこっそりいただいたけど、普通に美味しーよ!」


左右田「あの世のメシ食ったら現世に戻れねーんじゃ……」


田中「ふむ……」


田中「ぐはぁっ! お、お……」


田中「おふくろの味……!」


マリア「最後は紡績工場や。イギリスと言えば工業化。世界の工業文化を語る上でこの工場は外せへんわ」


左右田「佐々木も連れてくるべきだったな」


田中「ここには魔力が感じられん」


左右田「幽霊は数人いるけどな……」


姫下「すっごーい! 誰も触ってないのにどんどん糸ができてくよ!」


マリア「これはミュール紡績機やな。蒸気機関で自動で糸を作る200年ちょっと前の発明品や」


進藤「蒸気の織りなすこの想い、歴史を越えて君の元へ――」


マリア「――スモッグとしてやけどね」


マリア「ロンドンが霧の町って言われとるのは知っとるか?」


進藤「オシャレだよね。幻想的で詩の題材にもふさわしい……」


左右田「工業が始まった国だから公害も最初に起こったんだよな」


左右田「紡績とかのそんなに動力がいらない産業さえ全部自動化するもんだから、車の排気ガスよりもヤバイ煙で町中が覆われた」


左右田「ただでさえ石炭は石油より効率悪いから尚更だったんだ」


進藤「君がそんなに詳しいことに驚いたよ……! とてもそうは見えないのに……!?」


左右田「見かけで判断すんじゃねーよ! それでなくともメカニックだぜ……!」


マリア「ガイドの仕事取られてしもたわ」


マリア「これで町は歩き終わったし、帰ろか?」


進藤「あれ、姫下さんはどこに行ったんだい?」


左右田「……あいつはもうー!」


【旅館:食堂】


食堂で愛澤が本を読んでいた。


左右田「よう、愛澤。本好きなのか?」


愛澤「ううん。暇つぶし」


左右田「そうか」


愛澤「猿渡くんに借りたはいいんだけど……あんまり好きじゃなかったから、どう言って返そうか考え中」


左右田「あー、あいつ嬉々として感想聞いてきそうだもんな」


愛澤「パソコンあれば借りる必要も無かったのに……」


左右田「オレが作ってやれればいいんだが、材料がねぇんだよな。スマン」


左右田「パソコン手に入ったら愛澤の作るアスキーアート見せてくれよ」


愛澤「……電子パスポートのメモを使って小さいのを作ってみたけど見る?」


左右田「おっ、どれどれ」


左右田「マジで立体だな……! この文字数でもそれかよ……!」


愛澤「AAなんかでよかったらいつでも見せたげる」


左右田「愛澤はなんでAA職人になったんだ?」


愛澤「うーん……」


愛澤「平和だからかな?」


左右田「AAが平和?」


愛澤「なんかこう……頑張ってないじゃん」


左右田「……おう」


愛澤「……世界平和のために甘い物を食べよう」


左右田「前後がおかしくね?」


愛澤「今からプリンを作るけど左右田くんも食べる?」


左右田「いいのか!?」


愛澤「1人分だけ作る方がめんどくさいもん」


プリンができるのを待ちながら台所にいる愛澤を眺めてみる。


ほんと、スタイル抜群だよな。


やや赤みがかった髪もすごく綺麗だから、伸ばせばいいのに。


なんで超高校級のモデルにならなかったのかが不思議なくらいだ。




愛澤「できたよ」


左右田「サンキュー! いただきます!」


左右田「……女子の手作り補正を抜きにしてもこれは……お店の味じゃねぇか?」


愛澤「毎日作ってるから上手くなっちゃった……」


左右田「愛澤、オメーすげぇよ。だらけてるのがもったいねぇくらいだ」


愛澤「私はAA職人で十分。……部屋から出たくないし」


手作りプリンのお礼をしようとカバンの中をあさってみたが……


やべー。甘い物ねぇのかよ。……何渡せば喜ぶのかさっぱりわかんねえ。


1.油芋
2.葉隠流水晶
3.バール


左右田「愛澤、プリンのお礼になるかはわかんねーが……」


左右田「このバール、やるよ」


愛澤「……やだ」


左右田「やっぱいらねーか」


愛澤「左右田くんは私を殺すつもり……!?」


左右田「なっ、んなことしねーよ!」


愛澤「そんな物騒な物は捨てて……!」


まったく喜んでくれなかったみてぇだ……。



【Info】
愛澤心の通信簿に今回の情報を追記しました


【左右田の部屋】


ぴんぽーん


もう昼も終わるころだと言うのに誰かが訪ねてきた。


左右田「誰だ?」


柳生「俺だよ、左右田」


扉を開けておっさんを中に招き入れる。


左右田「なんか用か? 出かけるには遅せーし、風呂やメシにはまだ早えーぞ」


柳生「今だからいいんだよ。なあ、今から俺と一緒に……」


柳生「……森へ肝試しにいかねェか?」


左右田「嫌に決まってんだろ!!」


柳生「まぁ、あれだ。行ってみなきゃ分かんねぇことも多いってこった」


左右田「乗せられねーからな!!」


柳生「奥に面白いモンがあるっつってもか?」


左右田「……面白い物って何だよ」


柳生「面白いモンは面白いモンさ。確かめたかったらついてきな」


左右田「確かあそこ真っ暗なんだろ!? 危ねーだろ!」


柳生「危険に関しちゃ……俺を信じてはくれねえかい?」


左右田「……わーったよ。ついて行けばいいんだろ」


【森】


最初に来た時の、桜と紅葉と花々が織りなす奇妙な風景の森は完全に失われていた。


しかし、樹々に閉ざされ、深い闇に光るキノコがぼんやりと光る様は、前にもまして不気味であった。


左右田「こんなところに何があんだよ……」


柳生「それは着いてのお楽しみ……っと、その前にキノコ占いでもしてみっか?」


左右田「そんな占いがあるのか」


柳生「ああ。森で見つけたキノコをかじってみて、今日の運勢を占うのさ」


左右田「運悪かったら死ぬだろ!?」


柳生「死なねェよ。運が良ければ。ま、俺だったら死ぬがな! わっはっは!」




柳生「突然だがクイズでもしようか」


柳生「アンタはこの奥に何があると思う?」


1.幸運のお守り
2.極上のエロ本
3.脱出用ボート


左右田「極上のエロ本か?」


柳生「……アンタはツッコミじゃなかったンかい?」


左右田「うっせ! だいたい何があるかなんて分かる訳ねぇだろ!」


柳生「アンタがエロ本好きなのは分かった」


柳生「……今晩俺の部屋に来い。特上のが用意してあンぜ」


左右田「……おう」


今夜は柳生と絆を深められそうだ。




柳生「着いたぜ」


森の奥、ログハウスのあった場所にはお菓子で出来た家があった。


柳生「お菓子の家だ」


左右田「……報告しなかったか、それ?」


柳生「中だ」


左右田「……高校生にもなって中に入るなとも言ってなかったか?」


柳生「俺ァおっさんだからな!」


左右田「都合のいい時だけおっさん自称すんなよ!」


はじめは入るのをしぶったオレだったが、柳生のおっさんに言われるがままホイホイとお菓子の家に入ってしまった。


柳生「これを見ろ」


左右田「なんだこりゃ? ……地図、か?」


柳生「この島のな」


クッキーのテーブルには一枚の地図が置かれていた。


その地図にはスリリングサマー島と記されている。


そして、問題はその地形だった。


左右田「気持ち悪りぃ……」


スリリングサマー島の形は綺麗すぎるほどにホームベースの形をしていた……。


南の端に旅館。


旅館から真っ直ぐ北に進むと森の遊歩道への入口。


南東、南西、北東、北西に、それぞれ、町、古城、病院、浜辺。


柳生「な? 面白ェもんだったろ?」


左右田「……まさかこの島、希望ヶ峰学園が作った人工島なのか?」


柳生「さあな。間違いなく自然にこの形になったわけじゃあないだろうが」


左右田「地図は……外せねぇのか」


柳生「島のちょうど真ん中にだけ地図が置かれてるってのも不自然だよな」


柳生「空気が甘ったるすぎて気分が悪くなって来ンな。もう帰ろうぜ」



【Info】
柳生総司の通信簿に今回の情報を追記しました


【墓場】


なんか最近旅館の前のゾンビが増えた。


最初は3匹だったはずなんだが今は30匹近くいる。


進藤「一体どうなっているのかご説明願います。ウサミ先生」


ウサミ「はわわわ……。どうしてでちょうね……」


左右田「はぐらかしてんじゃねーぞ! オレはもう2日は外に出てねぇんだからな!」


鹿鳴院「黙れ平民。あの程度で恐怖するなど片腹が痛いぞ。所詮は平民か」


美袋「でも捕まったら危ないのでしょう? おちおち出かけられないわ」


猿渡「ボクも近ごろは捕まりそうで怖いんだよ。ウサミ、魔法で消せないのかな?」


ウサミ「すいまちぇん、ゾンビにはあちしの魔法が効かないんでちゅ……」


柳生「物理攻撃も効かねェんだよな」


ウサミ「いいえ、効きまちゅ」


姫下「じゃああたしたちで倒しちゃってもいいんだね!」


嶽守「うむ! そうと決まれば開戦の時!」


田中「地に還してくれよう!」


忍原「くきゃきゃきゃきゃ!! SATSU☆JINの時間だァ!!」


佐々木「わたしは今のままでいいんですけど……」


呪瀬「……みんな同じ人間じゃないの?」


進藤「しかし、僕たちを襲ってくる時点で和解は不可能だろう」


マリア「言葉通じへんからな!」


ウサミ「ミナサン無理はしないでくだちゃいね……!」



左右田「ゾンビなんてどうやって倒すんだよ……」


愛澤「左右田くんの出番じゃない?」


鹿鳴院「ゾンビ物において銃を使える事は重要だ。ここで活躍しなければお前はただのモブキャラだぞ」


左右田「誰がモブだコラ!」


左右田「……拳銃はねぇけど、代わりにボウガン作ってやるよ」


柳生「手伝うぜ。急いだ方がいいだろ?」




忍原「虐殺してやるぜェ! ヒャッハーァァァァ!!」


佐々木「あんまり遠くに行っちゃダメですよー」


佐々木「呪瀬さん。わたしたちは石でも投げましょうか?」


呪瀬「……くすくす。呪いを込めればいいのね?」


佐々木「その通りです!」


進藤「嶽守君。今こそ君の出番だよ」


猿渡「ボクの代理選手として戦ってよっ!」


鹿鳴院「4人分の働きを期待しているぞ、でくのぼう」


嶽守「せ、せかすでない! わっ我のタイミングが重要なのだ……!」


愛澤「……」モグモグ


マリア「愛澤はん、戦わへんの?」


愛澤「争いはキライだもん」


美袋「人は争いの中で成長するのよ」


愛澤「私成長しなくていいし。働きたくないでござる」


マリア「忍者かっ!」


忍原「よ、呼んだ……? あねさま」


マリア「呼んでへんけど……飴ちゃんいる?」


忍原「え、えと……」


愛澤「いらないなら私がもらうよ」ヒョイ


美袋「愛澤さん。私に本音を聞かせてちょうだい?」


愛澤「ゾンビこわいよ……」


美袋「ウフっ、貴女って実は一番の問題児よね」


姫下「……3匹目! その頭、割らせてもらう!」


姫下「みんな! 見て見てー! このゾンビ真珠のネックレスしてたよ! 高く売れそう!」


姫下「あれれ……!? みんなどこ行った?」


姫下「…………あっちゃー」




左右田「一台目のボウガンは完成だ。柳生、そっちは?」


柳生「本職のメカニックには適わねェよ」


左右田「でもずいぶん早ぇーな」


左右田「ともかく、これで離れたところから安全にゾンビの急所に矢をぶっこめるってワケだ」


柳生「急所にぶっこむんだな……!」


左右田「いやらしく略すなよ!」


柳生「左右田。アンタもこういう話嫌いじゃねェだろ?」


左右田「……まあな」


柳生「ちぃとサボって俺と猥談に花を咲かさねェかい?」


そして、せっかく作ったボウガンは結局使われることは無かった。


【食堂】


佐々木「左右田くん。よかったらおかずいりません?」


左右田「お、おう。いいのか?」


佐々木「お世話は好きなので、気になさらないでください」


佐々木が作ったメシは上手い。


家庭的で面倒見がよく呪瀬や忍原も懐いている佐々木は、大人っぽい体つきと優しげな雰囲気も手伝って若母親を思わせる。


左右田「佐々木、いつもサンキュな。なんかお礼にできることはねーか? 紡績機作ってやろうか?」


佐々木「そんな、お礼なんて……あっ」


佐々木「だったら、その……」


左右田「……?」


佐々木「今日わたしと2人でお出かけしてくれませんか?」


左右田「な、なっ!?」


佐々木「さ、さすがにイヤですよね……?」


左右田「ぎゃ、逆にいいのかよ!?」


佐々木「はい。きみじゃなきゃダメなんです」


マジか……!


し、しかしオレにはソニアさんという人が……!


……。


……ばれないよな?


左右田「オ、オレでよかったら!」


佐々木「嬉しいです! じゃあ早速行きましょうか」


左右田「町だな! (マリアさんに教わった)いい場所案内してやるぜ」


佐々木「いいえ。古城です」


左右田「……へ?」


【古城】


左右田「イヤだああああ!!」


佐々木「さっきいいって言ったじゃないですかっ!」


左右田「何でオレなんだよおおお!!」


佐々木「それは……」


佐々木「やっぱりある程度怖がってくれる人の方が楽しいんです」


左右田「ひでえよ!」


佐々木「さ、行きましょうか♪」


佐々木が手を握ってきた。


左右田「ちょっ、ちょっとオイ」


佐々木「? この前暗すぎてはぐれたって聞きましたから」


うかつに手汗もかけやしねぇ……!




佐々木「この西洋鎧ステキ……!」


左右田「そうか……?」


佐々木「理想の男性です」


左右田「無機物だろ!」


佐々木「どうして動き出してくれないんでしょう。今度忍原さんに頼んで動くようにしてもらいましょうか」


左右田「たっ頼むならオレにしてくれ! アイツが細工するとホラーにしかならねぇ!」


佐々木「わたし、ホラーな男性が好きで……」


左右田「もうフランケンシュタインと結婚しろよ!」


佐々木「フランケンとの新婚生活……うへへへ」


左右田「早く帰らせてくれ……!」


細長い螺旋階段の塔を上って古城の最上部に出た。


低い柵から身を乗り出すと古城の入口が下に見える。


反対側からはバルコニーが見下ろせた。


左右田「たっ高けぇよ……!」


佐々木「左右田くんの背中を押してみたいです……!」


左右田「ぜってぇに手離さねぇからな!」


佐々木「……やめてください。照れちゃいます」


左右田「こんな恐怖に歪んだ声でか!?」




佐々木「今日は付き合ってくれてありがとうございました」


左右田「オメー、ホラー趣味さえなければ常識人なのにな……」


佐々木「記念品として、この場で何か縫いますけど、欲しい物はあります?」


左右田「この場で……? えっと」


1.靴下
2.手袋
3.マフラー


左右田「じゃあ、オーソドックスにマフラーを頼む」


左右田「いつかこの旅行で雪国に行くかもしれねぇからな」


佐々木「わかりました。マフラーっていいですよね」シャカシャカシャカシャカ


佐々木の両手が早送りのように動く。


佐々木「だって、首吊りにも使えるんですよ♪」


左右田「使いたくねーよ!」


佐々木「左右田くんがいつでも自殺できるように、体重でちぎれない丈夫なマフラーにしますからね」


左右田「オレに死ねっつーのか!?」


佐々木「はい。そしてわたし好みの男性になって帰って来てくれればいいんですけど……」ウルウル


そ、そんなうるうるした瞳で見つめんなよ……


左右田「揺ら……がねぇよ! 危ねぇ!」


佐々木「できましたよ」


左右田「あっという間だったな……。手触りもいいし、大切にしたいが……」


佐々木「亡霊になった左右田くん……ハア」


左右田「本当、これじゃなければな……!」



【Info】
佐々木春花の通信簿に今回の情報を追記しました


~CHAPTER:1 自由行動終了~


現在の交友度(事件には影響しない)

田中 1.0
進藤 1.0
鹿鳴院 0.8
猿渡 1.3
嶽守 0.8
柳生 1.3
美袋 0.0
佐々木 0.8
マリア 1.6
忍原 0.8
愛澤 0.3
呪瀬 0.5
姫下 0.0

(田中はクラスメートなので最初から1.0)

(自己紹介で同行した猿渡は0.5、左右田に会いに来た進藤・柳生にも0.5)

(自由行動で0.5 喜ぶ選択なら0.8 悪い選択なら0.3上昇)



3ページが解放された、マリア・フォーキンスからスキル『マシンガントーク』を獲得しました。

3ページが解放された、嶽守雷穏との交流で、集中力が1ポイント上昇しました。

2ページまでだが交友度の高い、柳生総司からスキル『手当て』を獲得しました。

2ページまでだが交友度の高い、猿渡実里との交流で、発言力が1ポイント上昇しました。


●通信簿●

【超高校級のメカニック】左右田和一
・身長:172cm 体重:64kg 胸囲:86cm 好:コーラ 嫌:糖類ゼロ

発言力4 集中力4

『スキル』
マシンガントーク 反論ショーダウンで使用可能。集中力を2消費し指定したウィークポイントを全てのコトノハで斬る。
手当て 裁判全体で解答レスと共に使用可能。集中力を2消費し発言力を1回復する。



【超高校級の飼育委員】田中眼蛇夢
1.身長:182cm 体重:74㎏ 胸囲:93cm 好:破壊神暗黒四天王 嫌:俗世


【超高校級の生徒会長】進藤明
1.身長:183cm 体重:72㎏ 胸囲:86cm 好:青空 嫌:片付いていない部屋
2.イケメンであり人望にも溢れている彼は告白されることもしょっちゅう。しかし彼は全校生徒のために働くためすべて断ってきたという。


【超高校級の御曹司】鹿鳴院伍月
1.身長:171cm 体重:61㎏ 胸囲:81cm 好:私 嫌:平民
2.誇り高い鹿鳴院家の御曹司。運よく名家に生まれただけで中身は残念なドジっこ……?


【超高校級の幸運】猿渡実里
1.身長:158cm 体重:43㎏ 胸囲:71cm 好:図書館 嫌:お医者さん
2.生まれついて病弱で本ばかり読んで育ってきた。身体は弱いが知識は豊富。でも本当は運動がしたいらしい。


【超高校級の代理選手】嶽守雷穏
1.身長:195cm 体重:94㎏ 胸囲:95cm 好:スポーツドリンク 嫌:ホラー
2.精神力が弱く集中を乱されやすいという致命的な弱点を抱えている。しかし圧倒的な実力とチームワークでそれをカバーしているらしい。
3.整ってはいるが濃い顔立ちを本人は嫌がっている。鍛えて引き締まった体つきと合わせて人目を引くので辛いのだとか。


【超高校級の何でも屋】柳生総司
1.身長:175cm 体重:70㎏ 胸囲:92cm 好:占い 嫌:煙草
2.普段はただの胡散臭いおっさんだがその言葉には不思議な魅力が宿る。思わずホイホイついて行ってしまうような大人の魅力を見せることがある。


【超高校級のカウンセラー】美袋いずみ
1.身長:156cm 体重:52㎏ 胸囲:79cm 好:メイク 嫌:虫


【超高校級の手芸部】佐々木春花
1.身長:159cm 体重:44㎏ 胸囲:85cm 好:オカルト 嫌:セクハラ
2.家庭的で大人っぽい体つきとかわいらしい笑顔が素敵な彼女。しかし時たまオカルトに触れた際に見せる恍惚の表情は見るに堪えない。


【超高校級の文化学者】マリア・フォーキンス
1.身長:170cm 体重:47㎏ 胸囲:84cm 好:ナニワ 嫌:コーヒー
2.大阪でお世話になっているお好み焼き屋のおかんに憧れているが、不器用で上手く料理ができない。
3.間違った発言をした人を叩いているのに何故か愛がある、そんな漫才と言う文化を心から愛している。


【超高校級のくノ一】忍原鳴
1.身長:135cm 体重:32㎏ 胸囲:65cm 好:デスメタル 嫌:おしゃべり
2.度を越した悪戯好きで迷惑をかけることも多いが、謝罪や感謝などの挨拶はおどおどしながらも欠かさない。


【超高校級のAA職人】愛澤心
1.身長:174cm 体重:48㎏ 胸囲:80cm 好:お菓子 嫌:荒らし
2.甘い物を食べれば世界は平和になると言う。料理上手でしかもスタイル抜群の彼女が台所に立っている姿はとても魅力的だった。


【超高校級の幽霊部員】呪瀬宮子
1.身長:182cm 体重:50㎏ 胸囲:85cm 好:白いもの 嫌:明るい場所
2.優しくて非常に人懐こい性格?『宮子さん』だけでなく『六尺女』の都市伝説の正体も彼女であるらしい。


【超高校級の???】姫下花乃
1.身長:169cm 体重:49㎏ 胸囲:91cm 好:内緒話 嫌:噂話


『ミナサン! 至急、旅館の大広間に集合してくだちゃい!』


『希望ヶ峰学園卒業旅行実行委員会から、重要な連絡がありまちゅ!』


その放送は、オレたちがこの島で過ごし始めて約1週間経った頃に流れた。


姫下「なにごと?」


猿渡「ウサミの声、久しぶりに聞いたよ」


進藤「至急と言っていたね。皆、行こう」


【大広間】


一面に畳が敷かれた広い部屋。


その前方の演壇に、光と共に寸胴なウサギのぬいぐるみが姿を現した。


忍原「いいなぁ……」


ウサミ「ミナサン! お久しぶりでちゅ!」ヘヘイ、ヘヘイ、ヘーイ!


美袋「本当にね。どうしたの、私たちを帰す準備ができたのかしら?」


ウサミ「そ、それは無理なんでちゅって……」


愛澤「だるいから要件だけ言ってよ……」


ウサミ「すいまちぇん!」


ウサミ「もう6日も経つのに……ミナサンが全然こ、コロシアイをしないので……」


ウサミ「先生はとっても嬉しいでちゅ!」


呪瀬「……そうだよね。くすくす」


左右田「もう騙されねぇぞ! 嬉しいけどでもコロシアイしないといつまでも帰れねーって言うんだろ!」


ウサミ「は、はい……」


ウサミ「ミナサンのらーぶらーぶに水を差すのは非常に心苦しいのでちゅが……」


ウサミ「ここで、動機を与えたいと思いまちゅ……!」


嶽守「動機、とな……?」


佐々木「わたしたちが誰かを殺したくなる情報ってことですか……?」


進藤「島から帰さない以外にまだあるんだ?」


ウサミ「6日間、頭を絞って考えまちた……」


ウサミ「閃いた日の夜はもう怖くて怖くて眠れまちぇんでちた……!」


ウサミ「こんな恐ろしい事実をあちし自ら発表しなければいけないなんて、先生は……もう……心苦しくて!」


鹿鳴院「御託はいい。言え、ウサギ」


ウサミ「は、はい! では、言いまちゅよ!」


ウサミ「どきどき……」


ウサミ「実はこの14人の中に!」


ウサミ「…………死んでいる人がいまちゅ!!」


……。


ウサミ「はわわ……言ってしまいまちた……」


マリア「えぇーっ!! そんなバカなーっ! 早速人を殺さなあかんわーっ!」


マリア「ってなるわけあらへんわ! アホかいな!」


姫下「きゃー幽霊がいるんだこわーい」


嶽守「……流石に拍子抜けである」


ウサミ「死んでいる人がいるのは事実でちゅよ!」


呪瀬「……くすくす。そうかもね」


佐々木「先生からお墨付きがもらえてうれしいです」


ウサミ「死んでるけど、もう一回こ、殺してもいいんでちゅよ!?」


左右田「怖いっつってもな……殺そうとは思わねーよ」


忍原「引っ込みやがれ! 淫乱ダッチワイフバニー!」


ウサミ「ひ、ひどいでちゅ!」


柳生「……そんだけなら部屋に帰っていいかい?」


ウサミ「う、うむむ……こうなったら本当は言いたくなかった、もう一つの動機を使うしかなさそうでちゅね……」


田中「俺様にこれ以上下らない戯言を吐き続けるようなら……分かっているな?」


ウサミ「こ、今度こそ大丈夫でちゅ!」


ウサミ「い、言いまちゅよ……!」


ウサミ「実はこの14人の中に……」


ウサミ「…………予備学科の人が紛れているんでちゅ!!」


ウサミ「キャー! 本当は言いたくなかったのに!」


柳生「とりあえず、予備学科って何だ?」


猿渡「希望ヶ峰学園の本科に入れない人……超高校級の才能を持ってない人でも生徒になれる学科なんだ」


佐々木「えっと、ではウサミはわたしたちが、そんな理由で人を殺すと思ってるってことですか……?」


ウサミ「あ、あれ……? 反応が良くありまちぇんね……」


ウサミ「で、でも! もしかしたら、超高校級の才能を持ってない人ならこ、殺してもいいと思ってる人がいるかもしれまちぇんよ!」


マリア「そんなんいる訳ないやろ!」


美袋「いるとしたら、サイコパスよね」


左右田「実際、いるんだよなぁ……」


田中「……うむ。しかし、この中にはいない」


田中「仮にそのような者がいるなら先に言っておこう」


田中「この俺様の目が黒いうちは殺人などさせんぞ……!!」


姫下「ねー、ウサミ。そんなことより殺人せずに帰る方法は本当に無いの?」


姫下「全員とは言わなくても、例えば一人死んだらみんな帰れるとか」


左右田「縁起でもねぇこと言うなよ……!」


鹿鳴院「おいウサギ。誰かを殺せば帰れるのならば、半数である7人までは帰れるのだろう?」


ウサミ「実は、こ、コロシアイが起きたら、学級裁判が行われるのでちゅ……」


ウサミ「学級裁判では、犯人をミナサンで話し合って投票して……」


ウサミ「それが正解なら犯人はおしおき。不正解なら犯人はおうちに帰って、それ以外の全員がおしおき」


ウサミ「ひどいルールでちゅが、ルールだから仕方ないんでちゅ……」


呪瀬「……おしおきって何?」


忍原「見るも無残な公開処刑サア!」


ウサミ「そうなんでちゅ……」


忍原「ひぃっ、う、うそ……」


マリア「……それ、最後は2人か3人にならへん?」


愛澤「……バトルロイヤル?」


ウサミ「一応、こ、殺せるのはお二人まででちゅ」


ウサミ「そして…………」




ウサミ「人数がある程度減ればそこで終わりでちゅね」




左右田「は……?」


??(ミンナニハヘッテモラオウ)


??(ヘラサレルマエニヤッテヤル)


??(ヘラソウトスルヤツヲコロス)


左右田(!?)


左右田(今のはなんだ? 心の声?)


左右田(誰の? オレの?)


左右田(……オレのじゃねえ! 信じねぇぞ!)


左右田(じゃあ……誰だよ?)


進藤「――――い! 僕がいる限り誰にも殺させはしない! 先生、帰ってください」


左右田(ハッ!)


ウサミ「ミナサンが大丈夫そうで、安心したような不満なような、うう……」


美袋「消えたわね」


猿渡「どうする?」


進藤「……ひとまずは今まで通りの生活を送ろう」


進藤「僕たちが決してコロシアイをしないと分かれば、いつかは先生も無駄だと気づいてくれるさ」


姫下「何事も無ければいいけどね……進藤、気をつけなよ」


呪瀬「……特に背後にね。くすくす」


田中「進藤明よ、覚悟しておけ!」


左右田「なんでオメーら進藤を脅してんだよ!?」


マリア「左右田はんはいつも通りやな。安心やわ」


……その日は、何事もなく過ぎた。


翌日も何事もなく……終わってほしかった。




【廊下】


左右田「佐々木のもうめぇけど、オレは愛澤派だわ」


嶽守「愛澤嬢の料理は栄養バランスがだな……」


美袋「左右田くん、ちょっといいかしら?」


左右田「どした?」


美袋「ごめんなさい。嶽守くんには聞かせられない話なのよ」


嶽守「うむ。ならば仕方あるまい。左右田殿、また後でな」


美袋「ちょっと私の部屋に移動しましょうか」


【美袋の部屋】


美袋自身は厚化粧でけばけばしいが、部屋の方はそんなことはなく……


むしろ、何もなく清潔すぎるのが逆に不気味な印象だった。


美袋「左右田くん、座って」


左右田「ああ」


美袋「はい、お茶よ」


左右田「サンキュ。……で、用事ってなんだ?」


美袋「単刀直入に言わせてもらうと」


美袋「左右田くんを狙っている人がいるわ」


左右田「……は?」


美袋「今のは言い方が悪かったわね」


美袋「貴方を殺そうと計画している人がいる」


左右田「……冗談だろ?」


美袋「いいえ。私、聞いてしまったの」


美袋「『左右田くんを殺そう』って……」


左右田「ふ、ふざけんな! 誰だよ!」


美袋「ごめんなさい。分からなかったわ」


左右田「それをオレに教えてどうする気だっ!?」


美袋「貴方が心配になった、それだけよ」


左右田「……」


美袋「不安なら、私に吐き出せばいいわ」


美袋「……さあ、貴方の心の声を聞かせて? ウフフっ」


オレは気が付くと、美袋に不満を吐き出していた。


よく知りもしない連中と絶海の孤島に閉じ込められたこと。


仲がいいわけじゃない田中との相部屋。


元々のクラスでの扱い。


そんな何もかもがストレスになっていたんだ。


左右田「……すまねえ。ずいぶんオレばっかり話しちまった」


美袋「いいのよ。これがカウンセラーの仕事だから」


左右田「ありがとよ、美袋」


美袋「私は左右田くんの味方だから。安心して」


美袋「でも、いざという時、私だけでは助けてあげられないかもしれないわ」


左右田「おっ、オレはどうすればいいんだよ……!?」


美袋「一番信頼できて、頼りになりそうな人にこのことを話すといいわ」


左右田「そいつがオレを殺そうとしていたら……!」


美袋「絶対に貴方を殺しそうにない人、誰もいないの?」


左右田「……イヤ、いるな」


左右田「オレ、話してくる」


美袋「行ってらっしゃい」


【進藤の部屋】


左右田「進藤、今時間あるか?」


進藤「今夜は来客が多いね。どうしたのかな?」


左右田「中に入れてくれねーか……?」


進藤「左右田君なら問題ないよ。どうぞ」


進藤の部屋はよく整頓されているが、普通の男子らしい部屋だった。


進藤「僕に秘密の相談かい?」


左右田「実はな――」


進藤「……左右田君もか」


左右田「!! まさか、進藤も狙われて……!」


進藤「ちょっと違うけどね」


進藤「これを見てくれ」


『アしタ必ズヒとガCヌ』


左右田「これって……」


進藤「脅迫状の類だね」


左右田「……どうすればいいんだ」


進藤「僕に考えがある」


進藤「明日は皆を一か所に集めておくんだ」


進藤「誰にも見られてはいけないというルールが以上、お互いに監視し合えば殺人は起こせない」


進藤「左右田君も協力してくれるね?」


左右田「もっもちろんだ!」


進藤「絶対に皆に人殺しはさせない」


進藤「誰にも命を落とさせはしない」


進藤「超高校級の生徒会長の名にかけて、僕はコロシアイを止めてみせる!」



さてさて、コンマ判定のお時間でございます。


起きうる事件は四通り。

クロは三通り。被害者は二通り。


直下コンマで判定いたします。


↓キャラたちの運命を決めるのはアナタ↓



CHAPTER:1のクロと被害者が決まりました


明日は朝のうちに書きためて、夕方くらいには事件を起こしたいところ。

遅くとも明後日には事件が起きます。

今日はここまでです。ずいぶん久しぶりになりましたが読んでくれた方はありがとうございます。


進藤「パーティを開こう!」


翌日の朝、大広間にオレたちを集めた進藤の第一声だった。


愛澤「……いきなりどうしたの?」


進藤「この卒業旅行もちょうど1週間経ったから、ここで大きなイベントをしておきたくてね」


姫下「賛成ー! いいじゃんパーティ! 楽しく飲み食いしよ!」


鹿鳴院「平民の余興か……。しかし、馳走次第では考えんこともない」


佐々木「いつもより豪勢な食事を作ります!」


田中「果たして俺様を満足させられるかな? フハハハハッ!」


柳生「んで、場所はどこか決めたンかい?」


呪瀬「……ここでいいんじゃない」


進藤「せっかくだからもっと開放感を味わえる場所がいいんじゃないかと思ってね」


マリア「ほんなら町やな!」


嶽守「……あそこは幽霊がだな」


美袋「人と幽霊を見間違えてしまいそうね」


左右田「それはねーよ」


忍原「肉体は多ければ多いほどいいのさァ! 激しいメイのスクリームでお前たちを死の世界へご招待だァ!」


左右田「観客ほぼすでに死んでるだろ!」


忍原「……そっ、そう、ですよね……うぅ」


左右田「オメーはもうちょっとツッコミ耐性つけろよ……!」


佐々木「左右田くん! 忍原さんをいじめないでください」


左右田「えええええ」


進藤「場所はもう決めてあるんだ」


進藤「古城のバルコニーを使おうと思ってる。広いし、空と海が見えて開放的だよ」


猿渡「バルコニーはいいけど、行くまでが暗くて危ないよっ」


進藤「そこは左右田君になんとかしてもらおうと思ってる」


左右田「オレかよ!?」


進藤「照明器具について頼むならメカニックである君しかいないだろう」


姫下「真っ暗だったけど誰が置きに行くのー?」


呪瀬「……私が行くよ」


左右田「そういやオメー暗闇で目が視えるんだったな」


呪瀬「……くすくす。覚えててくれてありがとう」


進藤「皆にもそれぞれ仕事を頼むからね。よろしく頼むよ」


左右田「進藤。これが昨日言ってた……」


進藤「そうさ。全員をバルコニーに集めて一晩過ごす」


進藤「屋外だから停電させて闇にまぎれて奇襲される心配もない」


左右田「……これでオレ、殺されずに済むんだろうな……!?」


進藤「もちろん。パーティが始まれば基本的に誰も開けたバルコニーからは出さないつもりだよ」


進藤「食事の補充やトイレの時は2人1組で行動してもらう」


進藤「犯人が自明になってしまう状況で殺人を犯す人なんていないからね」


左右田「進藤……! ありがとな……!」


進藤「それは無事にパーティを終えてからにしてくれないかな。左右田君も準備をよろしく頼むよ」


左右田「任せとけ!」




オレが離れると、進藤のところへ美袋が行って何か話していた。


進藤も美袋も笑顔だったから不穏な話じゃねぇな。


たぶんオレと似たような話か。


進藤の采配は見事だった。


手先が器用で家庭的な、佐々木と愛澤はいつも通り調理班。


会場の準備が整い次第料理を運搬する係も担う。


旅館からテーブルやイスを運ぶ係は、嶽守、柳生、そして美袋。


美袋は女子ながら力持ちであり、怯える嶽守のケアも兼ねさせているのだろう。


猿渡、鹿鳴院、マリアさんは、町で飾り付けに使える道具を探す。


……仕事をさせるには危なっかしいこの連中でもできる仕事を与えたわけだ。


ついでに言うと猿渡とマリアさんは、鹿鳴院と普通に会話できる数少ないメンバーでもある。


田中、姫下、そして進藤自身は古城のバルコニーの清掃班。


言ってることが分からないが単独作業ならそつなくこなせる田中。


そして、何でもそつなくこなせるが動き回らせるのは危険な姫下、この2人は余り物とはいえ適材だろう。


オレは照明器具の作成。


その隣で忍原がクラッカーと花火を作っている。


この一週間で全員の特徴と得意分野を完璧に把握して的確に指示を飛ばす進藤は、さすがは生徒たちを率いる才能の持ち主だと言わざるを得ない。


照明が10個ほど完成した。


左右田「うし、ちょっと持って行くわ」


忍原「……いってらっしゃいませ、あにさま」


大きめのリュックに照明を入れて、呪瀬の所まで持って行くのもオレの仕事だった。


左右田(でも、呪瀬には会いたくねぇな……)


左右田(古城の入口前に置いて行くか)


佐々木「あっ」


左右田「おっ」


佐々木「左右田くん。奇遇ですね」


左右田「……オメー、調理班だろ? 何で古城にいんだよ」


佐々木「その……。呪瀬さんが一人じゃないですか。まだ調理を始めるには早いのでお手伝いをしようと」


左右田「オメー、アイツにも優しいのな。流石はオカルトマニアだぜ……」


佐々木「……それだけじゃないです」


佐々木「呪瀬さんは優しくて気が利くし、わたしにとってお互いに助け合える良い仲間なんです」


左右田「オレにはわかんねー」


呪瀬「……いらっしゃい。くすくす」


左右田「のわぁっ!? いきなり出てくんじゃねーよ!!」


呪瀬「……照明作ってくれて、ありがとね」


佐々木「呪瀬さん、手伝います」


呪瀬「……アナタ、暗いところでも見えるの?」


呪瀬「……見えないよね……くすくす」


佐々木「そうですね……。すいません、お役にたてなくて」


呪瀬「……アナタのごはん、待ってるから」


佐々木「はい! 呪瀬さんのためにも腕によりをかけますからね」


左右田「お前ら本当に仲いいんだな……」


猿渡「左右田クンっ」


左右田「照明の材料が足りなくなったんだ。工場どこだ?」


猿渡「そこの角を曲がって――」


左右田「猿渡、助かったぜ」


左右田「そっちは順調か?」


猿渡「鹿鳴院クンが楽しそうだよっ」


左右田「……想像できねぇな」


猿渡「それと、奥の方を見てくるって言ったきりマリアさんが帰って来ないんだよね~……」


左右田「ちゃんと見つけとけよ……」


猿渡「ボクも今探しに行くところだったんだよ」


その後何度か、旅館の大広間と古城の前を往復した。


オレが出入りするたびに挨拶する忍原が気になった……。


たぶん三往復目のこと。


左右田「……嶽守?」


嶽守「ぬおおっ!?」


左右田「オレだよ。オメー古城の前で何やってたんだ」


嶽守「……左右田殿か。実は掃除が終わるまで我らの仕事はできんのでな。まだかと様子を見に来たのだ」


嶽守「しかし、呼びかけても返事が無い……。かと言って一人で中に入る事は出来ぬ……」


嶽守「従ってこうして古城の前で頭を抱えていたのだ」


左右田「柳生たちは来なかったのかよ?」


嶽守「柳生殿は、進藤殿に念のために救急セットを用意するよう言われていたとのことで病院へ」


嶽守「美袋嬢は、猿渡殿に呼ばれてマリア嬢を探しに町へ出かけたぞ」


左右田「マリアさんまだ見つかってねぇのか……心配だ」


左右田(間の抜けた猿渡と他人に興味のない鹿鳴院だからってこともありえそうだが)





田中「そこで何をしているっ!!」




左右田「あれっ、田中!? どこだよ!?」


嶽守「ぬおおお! 声はすれども姿が見えず! 田中殿の生霊であるか!?」


田中「フハハハハッ! 俺様はここだ!」


見上げると、古城の塔の上で低い段差に片足をかけ、ストールを風にたなびかせた田中が高笑いしていた。


嶽守「危ないぞ、田中殿!!」


左右田「オメー、バルコニーの掃除担当だろ! 何でそこにいんだよ!」


田中「ここは夜の天蓋を打ち砕くエクスプロージョンの発射場なのだ!!」


左右田「えっと……」



閃きアナグラム開始!

ひ び は て な



A.はなび

左右田「できたぜ!」



左右田「花火でも打ち上げるのか?」


田中「いかにも」


嶽守「左右田殿、よく分かるな……」


左右田「さっきから忍原が隣で作ってたからな」




忍原「あにさま、おかえりなさいませ」


左右田「ただいま。オメーの仕事重要みたいだぜ」


忍原「そ、そう、なのですか」


左右田「パーティの花形だ。よかったな」


忍原「……うひひ。ファッ●ン夜空ァ!!」


全員が力を合わせてパーティの準備を行った。

そして夕方。


――17:00

左右田「もう時間だぞ……? なんで2人来てねーんだよ」

猿渡「もう少し待ってみようよ」

左右田「ああ……」


――17:20

愛澤「ごはんが冷めちゃう……」

忍原「……えと、花火まだです?」

田中「すでに20分経つ……。探しに行くべきだろう」

田中「左右田。猿渡。行くぞ」



探す場所は……

1.旅館  2.森の奥  3.病院
4.町の通り  5.紡績工場  6.浜辺


3人で手分けして病院の中を捜索した。


左右田「怖いけど……それどころじゃねーな……!」


病室、手術室、果ては勇気を出して霊安室まで。


時間をかけて、かたっぱしから部屋を見て回ったが、どこにも誰もいなかった。


左右田「おい、誰か見つけたか?」


田中「気配すら感じられん……」


猿渡「2人とも、ここにはいないみたいだねぇ……」




――18:00


愛澤「そっちは見つかった……!?」


左右田「いや、いなかった……!」


進藤「町も旅館も森の方もいなかった……まさかね……」


美袋「希望を捨てちゃダメよ! 生徒会長でしょう!」


進藤「そうだね……!」


鹿鳴院「……まだ探していない場所があるだろう」


嶽守「古城の中であるな……」


田中「灯台下暗しというわけか」


忍原「……か、和一あにさまの照明を、はずして持つのです」


城の入口から正面の階段を上がると廊下が左右に分かれ、そして奥で再び合流してバルコニーの出入口に続く。


オレの作った照明はその順路を照らしていた。


つまり、誰かが隠れているとすれば……一階。


目の前の人の背中すら見えないほどの暗闇が立ち込める中を、照明を手に持って進む。


左右田「今回ははぐれんなよ……!」


猿渡「背中に手を当ててるから大丈夫っ」


嶽守「我も猿渡殿の肩を掴んでおる……!」


猿渡「力が入っててすごく痛いよ……」


嶽守「ぬおっ!!」


左右田「うっせえよ! どうした!?」


嶽守「足に何かが当たって……」


嶽守の足元を照らすと、そこに落ちていたのは……。






左右田「矢……?」


左右田「この辺りを探すぞ……!」


そして、オレたち三人は見つけてしまった。


通路の奥の壁に寄りかかり、腹部に深々と槍が刺さった……


殺される姿なんて、誰にもまるで想像できなかった……
























超高校級の幽霊部員……呪瀬宮子の死体を……


『ピンポンパンポーン』


『……死体が、発見されまちた』


『一定の自由時間の後、学級裁判を行いまちゅ……』


Chapter:1 夏の夜長に


   非日常編 開始


※いきなりミス発見。>>852>>856で猿渡はいなかったことにしてください。2人1組行動でした。


左右田「うぎゃあぁぁぁ!!!」


猿渡「キャーーー!!」


嶽守「ぬあぁぁぁ!!」


イマノ アナウンス ナニ!?


シタイ ダト!


ドッ ドコヤネン!


ダレガ コロサレタンダ…?


ウサミ「……」


左右田「うおっ、ウサミ!?」


猿渡「ねえ、さっきのアナウンスは何なの……! ボクたちを馬鹿にしてるの!?」


ウサミ「き、決まりで流したんでちゅ……」


嶽守「暗闇の中で見るウサミは不気味であるな……」


左右田「何しに来やがった……!」


ウサミ「……このままじゃ捜査ができまちぇんから、明かりをつけに来たんでちゅよ」


ウサミ「ちんぷい、ちんぷい、ちちんぷいぷい!」


左右田「まぶしッ!!」


一瞬にして、暗闇の廊下が昼間のように明るくなった。


そして、オレたちの目に先ほどよりも鮮明に、呪瀬の死体が映った。


真っ白なセーラー服が赤く染まり、元々生気の無かった顔はさらに青白くなっている。


美袋「明かりが点いたわ!」


田中「なッ……! ……アナウンスは真だったのか」


忍原「ひぃっ……!」


愛澤「……うっ、なんで……?」


仲間たちが次々とオレたちの周りに集まってきた。


進藤「そんな……! 僕は……止められなかったのか……」


鹿鳴院「よもやこいつが最初の被害者とはな……面白い筋書だ」


マリア「鹿鳴院はん! 滅多な事言うなや!」


柳生「こいつは……完全に死んでやがンな。手遅れだ」


佐々木「……うそ、でしょ……」


佐々木「呪瀬さんは、もう死んでるから……死なないんじゃなかったの……?」


呪瀬が殺された……。


つまり……。


左右田「呪瀬は……生きている人間だったのかよ……!」


……今考えると、ひでーこと言っちまってたな……。


美袋「みんな、落ち着いて!」


佐々木「でも……!」


美袋「私たちは今から犯人を見つけ出すの!」


嶽守「そうは言ってもだな……!」


美袋「そうしないと、私たちは生き残れないのよ」


左右田「……!」


美袋「信じられないかも知れない。けれど、呪瀬さんは死んだわ」


美袋「そしてそれを殺した人も、この中にいる」


進藤「……そう、だね」


進藤「これは明らかに他殺だ」


進藤「僕たちはせめて、彼女の敵を取らなくてはいけないね」


美袋「それでこそ生徒会長よ」


マリア「待ちぃや。その前に……」


マリア「姫下はんはどこいったんや?」


ウサミ「よ、呼んできまちゅ……」


――18:15


姫下「みんなー! 死体が発見されたって……」


姫下「うきゃああああ!?」


進藤「これで全員そろったね……」


ウサミ「……ミナサン。学級裁判の説明はもうしまちたね」


柳生「ああ。犯人を見つければ俺たちの勝ち。犯人は処刑」


柳生「犯人が逃げ切れば犯人の勝ち。俺たちは全員処刑……だったな」


田中「……この中に、本当に殺人者がいるのだな?」


ウサミ「はい。あちしは魔法でこの島を全部見てまちゅから……」


猿渡「だったらさ、犯人教えてよ!」


ウサミ「ルールで言えないんでちゅ……。ゴメンナサイ」


姫下「全部見てるってまさか着替えも!? お風呂も!? キャー!」


左右田「空気読めよ! 人が死んでんだぞ!」


ウサミ「犯人は教えられまちぇんが、ヒントは与えられまちゅ……」


ウサミ「ザ・モノクマファイル、でちゅ!」


愛澤「モノクマってなに?」


ウサミ「このファイルとコロシアイのルールを作った張本人で、とっても残虐で、狡猾で、とにかくイヤな奴でちゅ!」


進藤「ウサミの言うことだ。鵜呑みにはできないね」


ウサミ「あうう……」


コトダマゲット『モノクマファイル1』

『被害者は超高校級の幽霊部員、呪瀬宮子。発見されたのはポートリー古城一階の廊下。』
『腹部に槍が刺さったことによる失血死。犯行時刻は17:30。』


鹿鳴院「くく。これで物語らしくなってきた……」


佐々木「鹿鳴院くんは黙っててください……!」


柳生「おや、これはおかしくねェかい?」


柳生「犯行時刻が17:30ってことはだ」


マリア「捜索中に殺されたってことやん……!?」


忍原「……メっ、メイは違います! 春花あねさまとずっと一緒にいました……!」


佐々木「確かに、その時間はわたしは忍原さんと工場にいました」


進藤「僕が2人1組で行動するように言ったから、それを守っていれば全員にアリバイがあるはずだよ」


オレたちは一緒に行動したペアを確認した。


左右田&田中、佐々木&忍原、柳生&嶽守、進藤&猿渡、マリア&鹿鳴院、美袋&愛澤。


進藤「これで合ってるね?」


柳生「共犯を行っても、実際にクロとして脱出の権利を得るのはとどめを刺した1人だけだったな」


美袋「あら? これってもう犯人は分かったんじゃないかしら?」


美袋「ねぇ、姫下さん?」


姫下「……あたし!?」


鹿鳴院「全員が古城を離れた時間を狙ったというわけか。実にあっけない」


進藤「2人1組の行動を義務付けておいてよかったよ」


進藤「姫下さん。君が犯人ではないと言うならどうしてパーティに来なかったのか教えてもらえるかな?」


姫下「あたしはいつも通り道に迷ってただけだけど……?」


マリア「でも、まだ決めつけるには早い気がするで。何せ命がかかってるんやからな」


柳生「ひとまずは捜査だろうなァ……いっちょやりますか」


進藤「それなら……まずは現場の保全担当を決めよう。もちろん2人1組だ」


柳生「俺にやらせてくれねェか? こんな状況だから言っちまうが、俺には検死の心得がある」


左右田「マジか、オメーすげぇ奴だったんだな……」


嶽守「もう一人は我が担当しよう。……死体は恐ろしいが、我がいれば犯人も手出しできまい」


進藤「助かるよ」


進藤「証拠隠滅が行えないよう、できるだけ2人1組……さっきと同じペアで動いてくれるかな?」


佐々木「分かりました……」


マリア「おっしゃやるで!」


進藤「姫下さんの監視は……美袋さん、お願いしていいかな?」


美袋「ウフフっ、任せて」


進藤「では、捜査を始めよう。解散!」


田中「左右田、行くぞ」


左右田「お、おう……。オメー犯人じゃねぇよな!? オレと離れている間に呪瀬を……」


田中「病院から城までどれだけかかると思っている……」


左右田「……それもそうか。そこらへんに注意して詳しくアリバイを確かめねえとな」


コトダマゲット『全員のアリバイ』
『犯行時刻である17:30には姫下以外の全員にアリバイがある。
 お互いのアリバイを保証できるのは、左右田&田中、佐々木&忍原、柳生&嶽守、進藤&猿渡、マリア&鹿鳴院、美袋&愛澤の組み合わせ。』


今日はここまで

次回は捜査パートを投下いたします

裁判の流れを決めてからになるので時間は結構かかりそうです、気長にお待ちください

目途が立ったらまたお知らせするかもしれません

なお、捜査パートは自動進行です


お待たせして申し訳ございません……久しぶりに再開いたします

今夜は捜査パートのみとなります


※『モノクマファイル1』『全員のアリバイ』の『犯行時刻』を『死亡時刻』に変更しました

【モノクマファイル1】
『被害者は超高校級の幽霊部員、呪瀬宮子。発見されたのはポートリー古城一階の廊下。
 腹部に槍が刺さったことによる失血死。死亡時刻は17:30。』

【全員のアリバイ】
『死亡時刻である17:30には姫下以外の全員にアリバイがある。
 お互いのアリバイを保証できるのは、左右田&田中、佐々木&忍原、柳生&嶽守、進藤&猿渡、マリア&鹿鳴院、美袋&愛澤の組み合わせ。』




=捜査開始=



左右田「行くって、まずどこから…」


田中「走るぞ、左右田っ!」


左右田「は!?」


田中「フハハハハ! 果たして俺様の動きについて来れるかな?」ダーッ


左右田「オ、オイ! 待てって!」




【病院】


左右田「ゼェ、ゼェ、ゼェ……何だったんだよ……!」


田中「ハァ、ハァ……これで俺たちの無実が確実に証明されたぞ……」


田中「城からここまで……約5分……。17:20に古城を出た俺たちが17:30に犯行をすることは不可能だ……」


左右田「な、なるほど、な……。先に言えよ……!」




田中「姫下と呪瀬の姿を探す最中、俺様は気になる物を発見した」


左右田「それも先に言っとけよ……うおっ、ひでーなこれ」


田中「何者かが薬品棚を荒らした跡だ。事件と無関係ではないだろう」

左右田「マリアさん! 大丈夫ですか?」


マリア「ああ、ウチはなんとか……」


左右田「一応、捜索中の状況を詳しく聞かせてくれませんか?」


マリア「えとな、ウチらは森の中を捜索しようとしたんやけど、ほら、ウチ、こんな髪やん?」


マリア「足場が悪い森の中にはよう入れへん。ほんで鹿鳴院はんだけに行ってきてもろたんや」


田中「貴様は何をしていた?」


マリア「森の入口で待っとったな。15分くらいやで」


鹿鳴院「フッ。15分もあれば呪瀬を殺し再び戻って来れるだろう」


田中「確かにな……」


マリア「信じてくれへんやろか……?」


左右田「オメーら、マリアさん疑ってんじゃねーぞ! このマリアさんがあの呪瀬に勝てる訳ねぇだろ!」


マリア「逆にきついで、自分!?」


左右田「2人は、他に気付いたことはないか?」


鹿鳴院「私はお前に語る言葉など持たん」


左右田「何も気付いてねーんだな、マリアさんは?」


マリア「たしか……棚から薬品が一つ、消えてたで。○○っちゅう薬品や」


田中「揮発性で即効性のある睡眠薬だな」


左右田「それって……」


鹿鳴院「事件に使われたという事だ。平民は頭の回転も遅いのか」


左右田「言うまでも無かったんだよ……!」


左右田「それにしてもマリアさん、よくあの状態の薬品棚から何が無くなってるか分かりましたね。流石は超高校級の文化学者です!」


マリア「ま、まーな。ウチもこう見えてごっつ記憶力いいんよ。漫才の台本覚えないといけへんからなー……」


左右田「そういえば、マリアさん準備の途中どこに行ってたんですか? 猿渡が探してましたけど……」


マリア「……たとえ事件に関係なくても、黙っておきたいことはあるんやで」


左右田「は、はあ……」


鹿鳴院「怪し過ぎるな。私はマリアがクロだと推理した」


左右田「オメーはろくな情報も持ってないんだから黙ってろ!」



コトダマゲット

【古城と病院の距離】

【荒れた薬品棚】

【マリアの証言】

【無くなった薬品】


【旅館】


田中「気になることはあったか?」


左右田「ねーな。ここには何も無さそうだ」


左右田(……本当にそうか? 何か違和感があるんだよな……)


左右田(旅館の広間を見たとき、何かが無くなっている気がしたんだが……)




【浜辺】


左右田「あれは……愛澤に美袋、進藤、姫下、猿渡……大勢で何してんだ?」


左右田「おーい、オメーら何してんだよ! 何か見つけたか!?」


美袋「今探している最中よ。姫下さんがここにいた証拠をね」


姫下「うーん、無いなー……」


進藤「波にさらわれたんだろう。少しでも足跡が残っていてくれればいいんだけどね」


愛澤「ここに来たからと言って犯人じゃないとは言えない気がするけど……」


左右田「愛澤、捜索中の話を聞いてもいいか?」


愛澤「いいよ。と言っても私と美袋さんはずっと一緒にいただけなんだけど」


美袋「間違いないわ」


左右田「おい、猿渡」


猿渡「ん~?」


左右田「何してんだ」


猿渡「砂浜に絵描いてるんだ。左右田クンもやる?」


左右田「捜査中に高校生が何してんだよ!?」


猿渡「でも楽しいよっ」


左右田「あー。呪瀬たちを探してる時、お前は進藤といたんだよな?」


猿渡「そうだよ。お城の近くにね」


左右田「ずっと一緒にいたか? 途中離れてないよな?」


猿渡「一緒にいたと思うよ!」


左右田「お、おう……」


愛澤「ねぇ、気になったことがあるんだけど……ウサミを呼んでもいいかな?」


姫下「別にいーけど?」


進藤「構わないよ」


愛澤「ウサミせんせーい」


ウサミ「は、はいぃ! 呼びまちたか!」


愛澤「この“卒業旅行のしおり”に書かれてるポイ捨て禁止って、どこからがポイ捨て?」


ウサミ「と言うと……?」


愛澤「海に凶器を捨てるのはダメってこと?」


ウサミ「だ、だめでちゅ! 環境破壊でちゅよ!」


田中「環境どころか、命が奪われたのだがな……」


ウサミ「いちおう、例外もありまちゅが……」


姫下「なるほどね。あの照明とかがそうなんでしょ!」


ウサミ「進藤くんに、みんなで仲良くなるためのパーティを開くから、古城は規則の適用外にしてほしいと頼まれたんでちゅよ」


ウサミ「本来規則はあちしも破れない絶対の物なんでちゅが……ミナサンのために頑張りまちた!」



コトダマゲット

【愛澤の証言】

【姫下の証言】

【猿渡の証言】

【ルール:ポイ捨て禁止】


美袋「そろそろ検死も終わったかしら」


進藤「姫下さん。ここは諦めて、現場の状況から無実を証明する手立てを探そう」


姫下「仕方ないかー……」


愛澤「進藤くんは優しいね」


進藤「悪いね。容疑者に優しくするのは甘いとは分かっているんだけど……」


愛澤「私はそういうところ好きだよ」


田中「左右田。猿渡と捜査するか?」


左右田「それはゴメンだ! 今行く!」


猿渡「ボクも行くよ、待って~」


左右田「死体、だな……」


田中「今更どうした」


左右田「いや……今でもまだ、いきなり起き上がって脅かしてくるんじゃねーかって思ってるんだ」


田中「夢を見るな。一度失った命は決して帰らん。この俺様の『力』でも不可能なのだ」


左右田「覚悟を決めるか。柳生、検死結果を教えてくれ」


柳生「オーライ。結果は単純、このファイルの通りだぜ」


左右田「刺殺か」


柳生「ザ・刺殺ってとこだ。刺し痕も一つだけしかねェ」

          スピア・オブ・スティグマ
田中「この<<一つの歴史を紡ぎし神槍>>が凶器だな」


柳生「そのはずなんだが……鋭さが足りねえんだよ、この槍」


左右田「思い切り突き刺せば刺さるもんじゃねぇのか?」


柳生「俺らならな。女子供にゃ無理だ。これで容疑者が絞れるかも知れねえぜ」


左右田「んで、この状態はどういうことだ?」


柳生「拘束されてンな」


左右田「細いがずいぶん頑丈な紐だな……」


左右田「嶽守。何か気づいたことはあるか?」


嶽守「すまぬ……。我はしっ、死体を一瞥もしておらんのだ……」


田中「フン、使えない男だ」


左右田「見張りしてくれてるだけで十分だ。呪瀬を探してる時、柳生とは離れたりしなかったか?」


嶽守「我らは旅館を手分けして探したのだ。5分程度だが離れたぞ」


左右田「5分なら問題はねえかな」



コトダマゲット

【柳生の検死結果】

【死体の状態】

【槍】

【嶽守の証言】


左右田「次は死体の周りだが……」

                 スピア・オブ・スティグマ                     ガイア・アーマー
田中「見定めたぞ! <<一つの歴史を紡ぎし神槍>>の出所はこの<<地球を駆ける風の如き守護鎧>>だな!」


左右田「オメー、それオレが止めるまで続ける気か……?」


左右田「あの槍が鋭くなかったのはこれが理由か。あくまで飾りだったってわけだ」


左右田「しかし明るいところで見てもなんも怖くねーな……」


田中「む? ゴミが落ちている」


左右田「ゴミじゃねーよ!」


田中「あの残骸だ」


左右田(オレのことだと思った……。恥ずかしい……!)


田中「貴様ならこれが何のパーツか分からないか?」


左右田「ゴムと金属のパーツ……なんだこれ? スマン、思い出せねえ」


左右田「最初から落ちてたってことはねぇよな?」


田中「これがウサミの言う『例外』とやらだろう」


左右田「あ、オイ、忍原…」


田中「ムッ、仇敵!」


忍原「わわっ!」ピューッ


左右田「逃げられた……。チクショウ、一緒に作業して少しは仲良くなれたと思ったのに……」


田中「案ずるな。俺様の覇気に恐れをなして逃げただけだ……」


佐々木「うっ、ぐすっ……」


左右田「忍原逃げちまったし……佐々木、少し、話聞けるか?」


佐々木「は、はい」


左右田「呪瀬を探してる時、佐々木は忍原とずっと一緒にいたってことで間違いないな?」


佐々木「はい……わたしたちは町にいました」


左右田「そんだけだ。ありがとな」



コトダマゲット

【西洋鎧】

【謎の残骸】

【佐々木の証言】


姫下「やや! 重要そうな証拠見つけたり!」


左右田「容疑かかってんのに元気だなお前」


美袋「何があった?」


姫下「見て見て! 手形見つけた!」


左右田「手形か? これ」


美袋「ええ。手形よ。引きずった形をしているけれどね」


姫下「これって床からの高さで犯人特定できるよね?」


左右田「とりあえず……忍原じゃないことだけは分かるな」




進藤「ウサミ先生に聞いたけど、そろそろ時間らしいよ。左右田君、調べ忘れは無いかい?」


左右田「最後に現場の確認をしておくか」


進藤「今は明るいけど……元々は真っ暗な廊下だったね」


田中「深淵の闇に閉ざされし迷い路であったな」


進藤「そう。そんな感じで形容できるほど暗くて懐中電灯程度では照らせない。左右田君の作ってくれた照明が無いと真っ直ぐ進むことすら難しいね」


左右田「古城に合わせて松明型にしたんだが、まさか本当に松明として持って使うことになるとは思わなかったぜ……」


進藤「外すのにだいぶ時間がかかっていたね」


左右田「設置しやすく外れにくい設計にしてやったからな」



コトダマゲット

【廊下の手形】

【古城の廊下】

【照明】


『キーンコーンカーンコーン』


『時間になりまちた! ミナサンは捜査をやめて旅館の前に集合してくだちゃい!』


左右田「いよいよか……」


進藤「大丈夫、もう悔いはない」


田中「行くぞ。決戦の地へ」


ウサミ「ミナサン、お疲れさまでちた。でも本番はこれからでちゅ」


ウサミ「この中からクロを見つけ出さなければいけまちぇん」


ウサミ「くじけないで、頑張ってくだちゃい! 応援してまちゅ!」


進藤「……行くんだろう? 学級裁判場へ」


ウサミ「はい。それではミナサン、エレベーターに乗り込んでくだちゃい」


愛澤「エレベーターなんてどこにも見えないけれど……」


ウサミ「ここでちゅ!」


ウサミががらりと旅館の入口を開くと、そこにはいつも違う狭い部屋があった。


猿渡「どうして!?」


鹿鳴院「面白い」


姫下「劇的!」


マリア「ビフォーアフターか!」


忍原「……今夜からどこに寝ればいいのでしょう」


美袋「まずは今日の夜を迎えることを考えましょう」



~エレベータートーク~

生き残りの生徒の中から一人を選び会話します


↓生徒選択


左右田「猿渡……。オメー、大丈夫か?」


猿渡「ボクには左右田クンの方がきつそうに見えるよ」


左右田「そうかもな……」


猿渡「……ボクも確かに怖いけどね」


猿渡「でも、ボクは超高校級のみんなを信じてるんだっ」


猿渡「だからきっと、ボクは死なない、ボクらは負けないって、そう思えるんだ」


左右田「ちょっと気楽に考えた方がいいのかもな」


左右田「でも人任せにしないで、オメーもちゃんと議論に参加しろよ」


猿渡「うん。左右田クンが言うなら、できるだけ頑張ることにするよ」


猿渡「でも、期待しないでね」


猿渡「ボク、読んだ本や超高校級のみんなのことは覚えられるんだけど……」


猿渡「昔から、最近あったこと、見たり聞いたりしたことをすぐに忘れちゃう体質なんだ……」


左右田「なんだそりゃ……」


猿渡「大丈夫。ボクは『幸運』だよ。だから左右田クンもボクを信じてくれると嬉しいなっ」


左右田「おう、ちょっとだけ気が楽になったぜ」


オレたち13人を乗せたエレベーターは深く深く潜っていった。


この狭い箱の中に、呪瀬が生きていることを見抜き、そして殺した犯人がいる。


そいつを見つけ出さないと、待っているのは、死。


ついに、始まってしまった……。


命がけの謎解き。


命がけの裏切り。


命がけの騙し合い。


命がけの信頼。


命がけの……学級裁判……。

コトダマ一覧

【モノクマファイル1】
『被害者は超高校級の幽霊部員、呪瀬宮子。発見されたのはポートリー古城一階の廊下。
 腹部に槍が刺さったことによる失血死。死亡時刻は17:30。』

【全員のアリバイ】
『死亡時刻である17:30には姫下以外の全員にアリバイがある。
 お互いのアリバイを保証できるのは、左右田&田中、佐々木&忍原、柳生&嶽守、進藤&猿渡、マリア&鹿鳴院、美袋&愛澤の組み合わせ。』

【佐々木の証言】
『町の捜索中、佐々木と忍原は一時も離れていないらしい。』

【猿渡の証言】
『古城付近の捜索中、猿渡と進藤は一時も離れていないらしい。』

【愛澤の証言】
『浜辺付近の捜索中、愛澤と美袋は一時も離れていないらしい。』

【嶽守の証言】
『旅館の捜索中、嶽守と柳生は二手に分かれて捜索した。離れた時間は5分程度。』

【マリアの証言】
『森の捜索中、マリアは森に入らず鹿鳴院が一人で入った。マリアはその間15分ほど森の入口で待っていた。』

【姫下の証言】
『姫下は島のどこかの海岸線をうろついていたらしい。足跡は波に消され見つけられなかった。』

【古城と病院の距離】
『古城から病院までは走っても最低5分はかかる。』

【荒れた薬品棚】
『病院の薬品棚がひどく荒らされていた。薬品が散乱している。』

【無くなった薬品】
『病院の薬品棚から揮発性で即効性のある睡眠薬が消えていた。』

【ルール:ポイ捨て禁止】
『ポイ捨ては“卒業旅行のしおり”で禁止されており、もし破ると島中に大きな警告音が鳴り響く。』
『いくつかの例外があるらしいが、海に凶器を投げ捨てるのはご法度。』

【柳生の検死結果】
『腹部に槍が刺さっており、刺し痕は一つのみ。死因はこれで間違いないらしい。』

【死体の状態】
『呪瀬の死体は紐で両手足を縛られており、口もガムテープで塞がれていた。』

【槍】
『呪瀬の腹部に刺さっていた槍。あくまで飾りであるため鋭さが足りず、一般人の力で人体を刺すことは難しい。』

【西洋鎧】
『古城の廊下に置かれた西洋鎧の、手に持った槍が消えていた。』

【謎の残骸】
『古城の廊下に分解された何かの器具が落ちていた。ゴムや木片、細長い金属片が確認できる。』

【廊下の手形】
『古城の廊下の壁はほこりっぽく、うっすらと引きずったような手形が残されていた。』

【古城の廊下】
『普通の懐中電灯では照らせないほどの濃い暗闇に包まれた廊下。左右田特製の照明の強い光ならばある程度照らすことができる。』

【照明】
『左右田お手製の照明。古城の廊下を照らすために作った。トーチ型であり片手で持てる程度には軽い。』



すでに死んでいるため決して殺されることのないと思われた【超高校級の幽霊部員】呪瀬宮子。

最も意外な彼女の犠牲によりついにコロシアイ卒業旅行が幕を開けた。

呪瀬を殺したクロは果たして誰なのか。左右田和一の初めての学級裁判が今、始まる。


短いですが本日はここで終わりです

裁判は新しいスレを立ててはじめます

裁判開始はおそらく日曜日……遅れる場合土曜日までに報告します

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