モバP「プロデューサーパブ?」 (42)



注意!複数Pの世界観です

事務所:事務室

ガチャ

モバP(愛海担当)「おはようございまー……ちひろさん!?」


ちひろ「うでー、おあようございまず、マスクドPざぁぁん」グデーン


モバP「酒、入ってます?そんな妖怪みたいな呼び方、やめてください」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1408180135



ちひろ「二日酔いでも出社してるんです、勤勉ですよねー」


モバP「知りませんよ!人が菓子折り持って謝りに行ってる時に、72やってるんです……簡単なの、作りますから!」


ちひろ「どうも……」



モバP「……お待たせしました。豆乳のスープです」コトッ


ちひろ「ン……ありがとうございます。浮いてるのはアサツキと」


モバP「ささみにニンジン、しいたけと厚揚げです。醤油をかけてどうぞ」



ちひろ「いただきます。あーっ、厚揚げの食感が楽しい……豆の香りって、醤油を垂らすとズドンと引き締まりますよね」


モバP「おかわり食べます?」


ちひろ「是非」


モバP「どうも」



数分後

ちひろ「ごちそうさまでした。やっと酔いも、少しは……」


モバP「お粗末様でした。どうしたんです?ベロンベロンになるまで飲んじゃうなんて」


ちひろ「いやぁ、このお店面白いんですよ」チラッ



モバP「……プロデューサーパブ?裏方なんかが……なんです、これ?」


ちひろ「最近、裏方さんだって前に出て人気とるんですよ。名物スタッフみたいに」



ちひろ「Pさんとか、典型じゃ無いですか。愛海ちゃんが暴走した時、颯爽と表れては関節技で〆るPヘッドの怪人!出てくる度にTwitterは大わらわですよ?」


モバP「だからマスクドなんたらですか……まったく、他に映すものが多々あるってのに」



モバP「余興用のPヘッド被ったのだって、緊急避難なんです。今回みたいに謝りに行くこと減らしたいからやっただけで、俺までテレビの一部なんて嫌ですよ。愛海の冠なのに」


ちひろ「個人の感覚じゃ無いんですよ……あのお店はですね、アイドルのプロデューサーとお話してる『気分に』なれるんです」


ちひろ「Pさんだって、日頃言ってるじゃ無いですか。愛海ちゃんのファンと、直接顔を合わせて意見を聞いてみたいって」


モバP「そりゃまあ、愛海の性質上、勘違いもあればヘイトを買ってしまうことだってありますし……グラつきますよ」



ちひろ「でしょう?とすれば、このクーポン!Pさんも久しぶりに飲みに行きません?」


モバP「回し者ですか、あなた……わかりましたけど、その店には俺一人で行きますからね?飲みに行くのはその後、別のお店にしますから」



ちひろ「いいじゃないですかー、ケチー」ブーブー


モバP「何がケチですか、いい歳の女性がパブ通いなんてみっともない……」


ちひろ「うぅ、相手いたらしませんよ、こんなの。金払ってお酌して貰いたくもなりますよー!」ピヨォォォ



モバP「……ここに一人、ただでお酌してもイイって言う、アイドルのプロデューサーがいますよ」ボソッ


ちひろ「ン……何か?」


モバP「そろそろ働いてくれって言ってるんです!」


ちひろ「ひゃーん!」



数時間後

繁華街:プロデューサーパブ前


モバP(結局、クーポンを貰ってしまった。飲まなきゃ……ゲロ吐く酒欲しい)


??「ああー、ちょっとそこのキミ!まぁ、こっちに来なさい!」



モバP「何か?えっと……ここがプロデューサーパブさん?」


モバP(スーツ姿の女性に、声をかけられてしまった。客引きの人まで、アイドル関係者風なのか?)



高木(源氏名)「ウン、まさしくそうだよ!キミをプロデューサーと見込んで……ウチで一杯どうかね?」


モバP「殺し文句ですね……割引効きます?」


高木「もちろんだとも。さぁ、入店をしたまえ」



プロデューサーパブ:エントランスからの光景


雪美P(源氏名)「……要件を聞こう」


客1「……一番安い料理に、調味料ありったけ」



凛P(源氏名)「だからね、私の仕事はアイドル達に欲しいものを渡して、選択してもらう事なんだ。それが本当に欲しいものなのかを……」


客2「そ、そうですか」(抽象的過ぎて、よくわからん……)



客3「我々は私によって、しぶりんぐうかわを理解した」


客4「我々は我々を分岐させる。我々は私を行動させる。絶対正義しぶりんはすはす」


客3「では、我々は私をも行動させる。しぶりんきゅんきゅん」



客2「何を言っているんだ?」


客5「答えるな!どうかしてるぞ!」


モバP「おお、そのアイドルの『担当』っぽい!」


高木「アイドルをテーマにした、料理もある」



楓P(源氏名)「出汁ゥゥゥゥゥ!ガンモはオモチャじゃないんだぞー!!」


客6「そう言うと思ったよ……あ、イチゴトースト追加で」


モバP(……味、薄いのかな?)

高木「また、VIP料金を払うことで、プロデューサー体験もできる」




モバP「なるほど……大人のごっこ遊び、と言った風ですか」


高木「大人がつくといかがわしいカンジだが、まあおままごとの延長線上だよ」



加蓮P(源氏名)「見事だよ、客7君。薬包紙をおり切らず、見事とじてみせた。客7君には整理を司る、新しいプロデューサーをやってくれ!」


客7「そう言って、延長をさせるつもりか!」


加蓮P「そうでもあるがぁぁ!」



モバP「味、薄いのかな?」


高木「この事務所(みせ)だけで無く、系列店も含めて194人のプロデューサーがいる!好きな娘の裏話、聞いてみたらどうかね?ン?」


モバP(今活躍してる女性アイドルちょうど?凄い力の入れようだ……)

少し落ちます



モバP「あ、じゃあ、この棟方愛海担当って人で」


高木「かしこまっ。棟方P入りましたー!こちらのお席へどうぞ」


モバP「これは、どうも」



数分後

プロデューサーパブ:テーブル

愛海P(源氏名)「ファンの皆さん、はじめましてっ。私が棟方愛海の担当をしております、愛海Pと申します」


愛海P「いつも愛海を応援してくれて、本当にありがとうございます。ですから、今日は皆さんに愛海ちゃんのこぼれ話を、沢山しちゃおうと思いますっ」



客8「うっほほーい!Lets揉みングターイム!」


客9「待ちたまえ。お触りは厳禁だ」


モバP(愛海Pと話したがる客ってことは、当然愛海のファンってはずなんだ……プロデュース方針の、参考になってくれ……)



愛海P「最近は、『柔い所は口ほどにモノを言う』って言って、人の体調や考えてることが当てられるようになったんですよ」


モバP「へ、へぇー」(そんなオカルトな……)


愛海P「そんな愛海ちゃんも、オフの日には花も恥じらう……なんですよ♪幸子ちゃんの髪をずっと弄ったり……」



客9「事務所内でも、仲が良いのだな」


モバP(食いついてる?やはり、正統派路線の方が、受けが良いのか)


モバP(……でも、それで愛海は嬉しいのだろうか?)



愛海P「でもまあ、揉み癖で場を温めてくれるのはありがたいですね。マスクドPを呼ぶタイミングの指示、上手ですし」


モバP(……ン?)


客9「呼ぶ、とは?」



愛海P「愛海ちゃんはテレビの事を常に考えてる、真面目な子ですから。呼べばウケるってタイミングを適切に選んで、合図を送ってるんですよっ」


愛海P「ゲストの娘の腰をなぞったときによく出てくるでしょ?あれが合図なんですよ」



客8「……黒子ってわけね。お勘定」




モバP(違う……違う!愛海は、毎回暴走をして、ゲストに狼藉を働いてるんだ……柔い所に対しての、ストイックさ故にだ)


モバP(それを、どうしてメディアの為の行為と言えようか。愛海は、愛海の為に揉んでいるんだぞ!?)



モバP(それなのに、それがコメディリリーフとされるのなら……愛海の本気が、勘違いされてるなら)


愛海P「ええっ、もう少し飲みましょうよう」


客8「いやーごめん!今月ちょっちキツイんだよね」



愛海P「……ツケでも、いいですよ?」


客8「酔いすぎちゃったの!いいよね?」


愛海P(源氏名)「……わかりました。カウンターへどうぞ。客8プロデューサーが、外回りにお出かけになられまぁす!」



モバP(愛海はコメディアンじゃ無くって、揉むことに本当に命を張ってる求道者だってこと。俺は、ファンに伝えていなかった……なら)


モバP(伝えなければ、ならない……愛海が、真摯であるってことを!)


モバP(愛海が揉みに揉み倒してるか姿に悦を見出すファンを、掴み取るんだ!もうブレん……愛海のプロデュース方針は!)




モバP「……すみません、俺もお勘定!」



繁華街:プロデューサーパブ店外


モバP「……もしもし、愛海。聞こえてるか?よかった。えっと、再宣言って言うか……」


モバP「いや、違う!プロデュース方針を少し変える」



モバP「今後お前が何やっても、お咎め無しにするようにした!そうだ!」


モバP「問題無いのかって?親から貰った、下げる為の頭があるから問題無い!」


モバP「バストだ?揉め揉め!耳たぶ?はみはみ!尻?あ、それはちょっと……いや、がんばれっ、がんばれっ!」



モバP「とにかく、マスクドPは廃業にして、菓子折り沢山用意する!」


モバP「お前は世界一・宇宙一の登山家アイドルになるんだ!そうだっ、そうだ!揉むことこそが、正統派の時代を作るぞ!」








モバP「……ごめん、やっぱほっぺとかだけじゃダメ?ダメかぁ……」プツンッ



指の運動に対してのストイックさを売り込んで行った、棟方愛海の記録的活躍から数十年が過ぎた現在。

業界に入ったばかりのアイドルが最初に覚えるフレーズは「乳は揉んでも揉まれるな」なのである。


おわり



元ネタは新・吠えろペン「金づるはどんな人?」です。島本和彦先生の極めて面白いコミックスですので、是非是非読んでください。

意味不明な文章や、ご都合な展開が多々あったことを、何卒ご容赦ください。
拙い作品に最後まで付き合っていただき、本当にありがとうございました。

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