ちひろ「その鍵は、婚期を失ったアイドル…『婚期レス』を浄化するための剣なんです」

凛「……」

ちひろ「婚期レスは、婚期あふれる人物のもとへ集まります。熟した果実に群がる虫のように……」

凛「……！」

凛「……プロデューサーが、危ない」

ちひろ「プロデューサーさんを救いに行くのなら、まず仲間を集めること」

ちひろ「何故あなたが婚期ーブレードに選ばれたか……そのことを考えれば、すぐに答えがわかるはずです」

凛「……よくわからないけど、とにかくプロデューサーのところへ行くよ」

ちひろ「貴女に残された時間も多くはありません。どうかプロデューサーさんを……」

凛「……うん」

――――数時間後――――



凛「さ、みんな準備はいい？」

卯月「え、普通にプロデューサーのお家に遊びに行くだけじゃないの？」

ハナコ「ｱｯﾋｮwwwwwwwww」

凛「うだうだ言ってないで行くよ、ドナルド、グーフィー」

卯月「えっえっ、どういうこと？何の話！？」

ハナコ「ｱｯﾋｮwwwwwwwww」

凛「だって卯月って体型がドナルドっぽいでしょ？」

卯月「ひどい」

凛「ほら、プロデューサー宅に着いたよ」

卯月「うう……えっと、扉の前に誰かいるよ？」

凛「あれは……」

川島「……」

凛「川島さん……」

卯月「あっ、おはようございます！」ﾍﾟｺ

川島「あら……奇遇ね。こんなところで会うなんて」

凛「その手に持ってるものは、何？」

川島「これ？ふふ……」

卯月「婚姻届ですか！？まさか誰かとご結婚とか……」

川島「そう……そのはずなんだけど…おかしいのよね、P君からずっと連絡が来なくって」

川島「こうして家まで来て判を押してもらうのをかれこれ数時間は待ってるんだけど…フフ、余程恥ずかしがってるのね。わかるわ」ﾋﾟﾝﾎﾟ―ﾝ


凛「とんだ宅配便だね。プロデューサーは判を押さないよ」

川島「なんですって……？」

凛「だって、貴女は私がここで浄化するから」ｶﾁｬ

卯月「な、なにがなんやら」

川島「私を浄化する……わからないわわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからない」

ﾜﾅﾗﾅｲﾜﾜﾅﾗﾅｲﾜﾜﾅﾗﾅｲﾜﾜﾅﾗﾅｲﾜﾜﾅﾗﾅｲﾜﾜﾅﾗﾅｲﾜﾜﾅﾗﾅｲﾜﾜﾅﾗﾅｲﾜﾜﾅﾗﾅｲﾜﾜﾅﾗﾅｲﾜﾜﾅﾗﾅｲﾜ……

ｿﾞﾜｿﾞﾜ……

卯月「か……川島さんが黒くなって分裂した？」

凛「さて…やっと本番だね！」ﾀﾞﾝｯ

卯月「り、凛ちゃん！？」

凛「はっ！」ｻﾞﾝ

ｷｨﾝ！ｻﾞｼｭ　ﾜｶﾙﾜ　ﾊﾞｼｭｯ

卯月「すごい……鍵みたいなので当然のように戦ってる…」

ハナコ「ｱｯﾋｮwwwwwwwww」ｶﾞﾌﾞｯ

ﾜｶﾙﾜｧｧｧｧｧ

卯月「は、ハナコまで！？」

凛「ほら、卯月も戦って！」

卯月「無茶だよぉ！」

凛「プロデューサーが危ないの！！だからっ……お願い」ﾌﾞﾝ

卯月「……！」

卯月「が……頑張ります！！」

凛「ふっ！」ｽﾞﾊﾞｯ

ﾜ…………ｶﾙ…………ﾄﾞｻｯ

卯月「はぁ……はぁ……終わった……？」

ハナコ「ｱｯﾋｮwwwwwwwww」

凛「うん、川島さんは浄化できたみたいだね。じゃ、急いで家に入るよ」ｶﾁｬ

卯月「あ、そこは合鍵で普通に開けるんだ」

凛「ま、期ーブレード使うまでもないから。じゃあ入るよ」

ｷﾞｨ……

卯月「お邪魔しまー……」

凛「卯月、伏せて」

卯月「えっ……きゃあ！！」

ｷｨﾝ！

凛「……」ｸﾞｸﾞｸﾞ

留美「……よく気づいたわね」ｸﾞｸﾞｸﾞ

卯月「わ、和久井さん！？」

凛「匂いでわかるんだ……婚期レスが放つ特有のフェロモンは特に鼻につくからね」ｸﾝｸﾝ

留美「へぇ……言うじゃない。彼女のことも気づいているのかしら」

凛「何――――」

卯月「凛ちゃん、上！！」

瞳子「ｳｫｵｵｵｫ！！！」

凛「くっ！」ｽﾞｻｯ

留美「あら、よく避けたわね。残念」

凛「……まさかプロデューサーの服を纏ってるとは、ね」

留美「瞳子には着せておいたの、こういう時のために。これで自慢の鼻は利かないわね？」

瞳子「ｫｫ………」

卯月「瞳、子さん？……もう、黒くなってる……」

留美「さて、そろそろ終わりにしましょうか」ｽﾞｽﾞ…

ﾜｸ……ﾜｸﾜｸﾜｸ……………ﾜｸﾜｸﾜｸﾜｸ

凛「ッ……数が多すぎる……」

卯月「か、囲まれちゃいました……」

ハナコ「ｱｯﾋｮwwwwwwww」

凛「………」
　
ﾄｫｫｫｵｵｵ………ﾜｸﾜｸﾜｸﾜｸ…………ﾌﾞﾗｲﾀﾞｧﾙ…………

凛（ざっと数えて100体か……厳しいね）

留美「サア……貴女達モ、ｳｪﾃﾞｨﾝｸﾞﾄﾞﾚｽヲ着テ、婚期ヲヲクラセルノヨ」ﾊﾞｻｯ

凛「……」ｼﾞﾘｯ

卯月「私達どうなっちゃうの……？」

「そこまでです！」

留美「……！？」

瞳子「ｸﾞｫｱｧｧｧｧ！！！」ﾄﾞｽｯ

留美「トウコ！？」

ｼｭｳｳｳｳｳ……

卯月「婚期レス？たちが……消えてく……」

響子「どうやら間に合ったみたいですね！」

凛「響子！？……それに、その剣は」

響子「ええ、婚期ーブレードですよ。凛ちゃんも選ばれたみたいですね」　

凛「……」

卯月「響子ちゃんもそうなんだ……」

響子「世間話はあとにしましょう！先にこいつらをやっつけないと……」

凛「そうだね、早いとこ潰そう」ﾁｬｷ

留美「ゥ……」ﾀｼﾞ…

ハナコ「ｱｯﾋｮwwwwwwwww」

卯月「よ、よし！形勢逆転、かな！」

凛「覚悟は、いい？それじゃ――――始めるよ」

留美「」ﾄﾞｻｯ

卯月「ふぅ……疲れたぁ」

凛「響子……聞かせて、なぜ婚期ーブレードに選ばれたか……」

響子「そうですね……凛ちゃん、私達に共通するものはなんですか？」

凛「共通するもの……？」

響子「そうですね」

凛「誕生日、とか」

響子「そう、それも関係あるにはあるんですが……正解は2つあります」

響子「1つは年齢……凛ちゃんと私は現在15歳です。法律上、結婚できない年齢……」

凛「まだ婚期を迎えていないってこと？」

響子「そうですね。なので、婚期レス化する心配はありません。逆に言うと、16歳を越えると婚期レス化する危険性があります」

凛「じゃあ、卯月も婚期レスになるかもしれないんだ」

響子「はい。例え17歳でも油断できません」

卯月「えぇーー……それだけは嫌だなぁ……」

ハナコ「ｱｯﾋｮwwwwwwwww」