母「夕方から幼ちゃん来るから」 男「はっ!?」(63)

母「言っておいたでしょ?今日から一週間出張だって」

男「それは聞いてる」

母「それで、あんたのご飯とかどうしようか悩んでたわけ」

母「んで、スーパーでばったり会った幼ちゃんに事情を説明
 したら任せてくださいって」

男「まじかよ」

母「ホント良い子よねー、幼ちゃん」

男(母さんは幼の本性を知らないから)

母「んじゃっ、そういうわけだから。行ってきまーす」

男「ちょっ!待って!」

母「お土産買ってくるからー」バタン

男「…まじかよ」

夕方

ピンポーン

男「ついに来てしまったか…」

男「ここはだんまりを決め込もう」

ピンポーン

ピンポーン

ピンポピンポピンピンポピンピピンポーン

幼「ちょっと開けなさいよ!いるのは分かってんのよ!」ガンッガンッ

男「…」

シーーン

男「…諦めて帰ったぐはあっ!!?」

幼「あんたどういうつもり!?蹴り飛ばすわよ!?」

男「やってから言うなよ…。てかどうやって入ったんだよ!」

幼「あんたの部屋の窓にきまってるじゃない」

男(鍵締め忘れてたorz)

男「おまっ不法進入で訴えるぞ!」

幼「ふ~ん?これから一週間お世話になるくせにそういうこと言っちゃうんだ」

男「誰もたのんでねえよ!」

幼「へぇ。じゃああんた一人で一週間もまともに生活できると」

男「あ、あたりまえだ!」

幼「学校の調理実習で危うく火事をおこしかけた男君がねぇ」

男「ぐっ…」

幼「お風呂わかそうとして家中浸水させたこともあったっけ」

男「…」

幼「さらに極めつけは」

男「………マス」

幼「なに?聞こえない」

男「よろしくお願いします!」

幼「幼様、は?」

男「よろしくお願いします!幼様!」

幼「はじめからそう言いなさいよグズ」

男(クソっだから嫌だったんだ)

リビング ソファー

幼「あーつーかーれーたー」ドサッ

男「疲れたってお前、家となりだろ」

幼「あんたが無駄な抵抗をしたせいでしょうが」

男「そうでしたねすみません幼様」

幼「あんたコンビニにジュース買いに行きなさいよ

男「は?やだよ」

幼「そっか、じゃああたし帰るわ」

男「わかったよ行くよ!」

幼「いちいちメンドクサイわね。もっと俊敏に行動しなさいよ」

男(クソっクソっ)

幼「あたしスコールね」

男「はいはい」

幼「はいは一回!」

男「お前は母さんかと」

幼「あっ?」

男「…はい」

コンビニ

男「ったく、今日は最悪だ…」

???「男くーん!」

男「ん?ああ女さん、奇遇だね」

女「うん!男君は何買いにきたの?」

男「いやー、幼がジュース買って来いってわがまま言ってさ」

女「…幼ちゃんが?」ピクッ

男「うん」

女「へ、へぇーそっか。二人とも仲良いもんね」

男「そうかな」

女「うん、学校でもいつも一緒だし。付き合ってるんじゃな
 いかって噂になってるよ」

男「俺と幼が?ないない!あいつとはただの腐れ縁だよ」

女「そ、そうなんだ」ホッ

男「あっ、そろそろ行かないと幼がキレちゃう。じゃあね!」

女「う、うんっバイバイ!」ノシ

疲れた

見てる人いるのかな

ですよね

リビング

男(相変わらず女さん可愛かったなぁ。それに比べてこいつは)

幼「たかがジュース買うだけでどんだけ時間かかけてんの?トロいわねー」

男「コンビニで女さんに会ってちょっと話してただけだよ」

幼「女さん?」ピクッ

男「なんだよ、悪いかよ」

幼「べっつに!仲がよろしいようでなによりですね」

男「いやぁそれほどでも」デレッ

幼「チッ!」ゲシッ

男「痛っ!なにすんだ!ってなんだこの旨そうな匂い」

幼「ああ、ご飯作っておいたから適当に食べてね」

男「まじで?幼もやるときはやるなあ」

幼「まあ、おばさまと約束したからね。味は保証しないけど」

男「ありがとっじゃあ早速…」

幼「その前にちゃんと手洗いなさい」

男「お前は母さんかと」

幼「あっ?」

男「へいへい」

食卓

男「いただきまーす」

幼「…」ジッ

男「…あの幼さん?」

幼「何よ」

男「そんなに見られると食べにくいんですが」

幼「んなの知らないわよ。早く食べなさい」

男「…はい」パクッ

幼「…」ドキドキ

男「……う」

男(うおえぇぇ~っまずい何これ苦い!いや辛、甘い!)

男(これはヤバい)冷や汗ダラダラ

幼「ど、どう?」

男(感想を求めてきやがった。正直に言うか?いやでも…!)

男「う、うまいよ」

幼「ホントに!?」パアッ

男「あ、あぁ…うぷっ」

幼「ま、まぁ当然だけどねっ」ニコニコ

幼「ほらどんどん食べなさい」

男(香りはいいのになんだこの味は…!これ以上は無理っ!)

男「幼、俺ちょっとトイレに」

幼「これも自信作なの。食べてみて」ウキウキ

男「」

ーーーーー
ーーー


男「ハッ!ここは!?」

幼「男っ!よかったぁ」

男「えーと、どうなったんだっけ」

幼「すごい勢いで食べ終わったと思ったら急に倒れたの!」

男「あーそうだっけ」

男(なんとか食べきったんだった)

幼「ねぇ、男」

男「なんだ?」

幼「正直に答えて。ご飯ホントにおいしかった?」

男「そ、それは…う、うまかったぞ」

幼「嘘でしょ。絶対まずかった」

男「…」

幼「いいの、本当のことだし」

男「幼…」

幼「あたし駄目だね。あんなに偉そうにしてたのに料理も満
 足にできないんだからさ」

幼「男の役に立ちたいだけなのに逆に迷惑かけて」

幼「…あたし帰るね。私の代わりは絶対見つけるから心配し
 ないで」

男「幼!」

幼「…なに?」

男「確かに飯はお世辞にもおいしいとは言えなかった」

幼「…」シュン

男「でもお前は一生懸命やってくれたんだろ?」

幼「…」コクッ

男「なら良いんだ」

幼「でもっ」

男「でもじゃない。その気持ちが嬉しいからさ」

幼「…」

男「だからさ明日からも来てくれないか?」

幼「でも料理できないし」

男「じゃあ一緒に練習しよう」

幼「ホントにいいの?」

男「あぁ。だから早くいつもの強気な幼に戻ってよ」

幼「…」ズズッ

幼「……ばーか。臭い台詞ね」

幼「………ありがと」

男「おう」

幼「でも今日の所はもう帰るわ」

男「時間も時間だしな」

幼「…泊まってあげよっか」

男「」

男「………はあ!?」

幼「冗談よ冗談」

男「」

幼「今ちょっと期待したでしょ。変態」

男「し、してねぇし」

幼「どうだか。じゃ、また明日」

男「お、おお」

その夜

男「おっ、幼の奴風呂わかしてくれてたんだ。入ろーっと」

ザパァ

男「ふい~、良い湯だー」

男「今日は色々たいへんだったなあ」

ぼちぼち再開します

男「あいつは昔っから不器用で、素直じゃなくて」

男「でもホントはすごく優しい」

男「あいつのあんな悲しそうな顔初めて見た」

男「いや、前に一度あった気が…。いつだったかな…」

男「…思い出せねえ」

男「気になるがそろそろあがらないとのぼせるなこれ」

ザパァ

男「明日は学校だし早めに寝るとしよう」フキフキ

翌日 早朝

男「…zzz」

窓「カチャッガラガラ」

幼(男の部屋の潜入に成功したわ)コソコソ

幼(現在時刻6:30。男を起こす時間まであと30分あるわ)

幼(朝ご飯の用意もできてるし。ママが作ってくれたものだけど…)ショボーン

幼(ううん、料理はこれから上手くなるもの)ふんすっ

幼(今はとにかく…男の寝顔を堪能よ!)

男「うーん…zzz」

幼(ま、まずはほんとに寝てるか確認ね)

幼「お、男ー」ユサユサ

男「ぐぅ…zzz」

幼(よし、ちゃんと寝てるわね)

幼(それにしても昔から寝顔だけは可愛いわね)キュン

幼「ちょっと撫でるくらいなら平気かな…」ナデナデ

男「zzz」にへらっ

幼「///」キュンキュン

幼(あ、もうこんな時間だ。残念だけどそろそろ起こさないとね)

幼「男ー起きて」ユサユサ

男「zzz」

幼「起きてー起きてってばー」バンバン

幼「もー何で起きないのよ」イライラ

幼「あっ」ピーンっ

幼「お、起きないとち、チューしちゃうわよー」顔近づけ

男「…なに言ってんだ?お前」

幼「」

男「いまチューがどうとかって」

幼「っっわぁーーーー!!!」バッチーン!

男「ぎぃやーーーーーー!!!!」

幼「なっななななっ!?」

男「いってえなてめこら!」

幼「いつからっ!」

男「あ?」

幼「いつから起きてたのかってきいてんの!」

男「いつからって…起きてってばーのあたりから」

幼「」

男「幼もあんな冗談言うんだな」

幼「…忘れなさい」

男「え?なに?」

幼「いいから忘れろーー!」ボコォッ

男「理不尽ッッ!!?」

幼「私はなにも見ていません聞いていません」

男「私はなにも見ていません聞いていません」

幼「私はわざわざ起こしにきてくれた幼様に大変感謝しています」

男「私はわざわざ起こしにきてくれた幼様に大変感謝しています」

幼「よろしい。やさしい幼馴染みがいてよかったわね」

男「優しい幼馴染みは人をかばんで殴ったりしません」

幼「あぁ!?」

男「なんでもないです」

幼「さっ、早く準備しなさいよ。遅刻するでしょ」

男「へいへい…」

幼「リビングにご飯あるから。あ、安心してねママが作った奴だから」ショボーン

男「おお、ありがとな」

幼「…」

男「…」ピーンッ

男「そうだ、料理の練習今日から早速やるからな」

幼「ほんとに!?いいの!?」

男「だって今日もうちに来るわけだし、善は急げって言うしな」

幼「あっ、じゃあ帰りに食材買いに行かなきゃ」

男「そうだな。一緒に行くか」

幼「しょうがないから一緒に行ってあげるわ」ウキウキ

男「はいはい、ありがとうございます」

幼「えへへ」ニコニコ

幼「じゃ、玄関で待ってるから早く来なさいよね」

男「別に待たなくていいぞ。時間かかるし」

幼「あたしが待つって言ってるんだからそれでいいの。なんか文句ある?」

男「へいへい。遅刻しても知らないからな」

幼「だから早くしろっていってんでしょ」

ガチャッバタン

男「朝から騒がしい奴だ」ヤレヤレ

------
---


学校

幼「なんで朝からこんなに走らないといけないのよ!」ダダダッ

男「だから舞ってなくていいって言っただろ!」ダダダッ

幼「それはあたしの勝手でしょ!?あんたが出る直前にトイレ
 に行くのが悪いのよ!」ハァハァッ

男「急に便意の波が押し寄せたんだから仕方ないだろ!そっち
 も出る直前だったんだよ!」ハァハァッ

幼「さいってー!もっとましな表現できないの!?」

ガララッ

男・幼「セーーーーーフッ?」

担任「outだバカタレ」

幼「えー、チャイムが終わるのと同時だからいいじゃないですか」

男「そうだそうだ!」

?「今日も夫婦仲がよろしいようで何よりですねー!」

モブs「hahahawwww」

幼「うっさい死ね!友!」

友「そんなにっ!?男ー幼がいじめるー」

男「語尾をのばすなキモイ」

友「」

担任「ほらさっさと席につけ」

男・幼「はーい…」

ガタッ

女「男君おはよー。二人一緒に遅刻なんて珍しいね」ニコ

男「おはよう女さん。うん、今日はたまたまね」

男(女さんは朝から可愛いなぁ)デレッ

幼「ムッ…ふんっ!」ゲシッ

男「痛っ!なんで背中蹴るんだよ」

幼「べっつにー、蚊がいたのよ蚊が」ゲシッゲシッ

男「あぁ、なるほど…ってんなわけあるか!」

幼「つまらないつっこみね」はぁ…

男「やんのかオラぁっ!」

友「まぁまぁ」

男・幼「てめえ(あんた)は黙ってろ!」

友「」

女「あはは…」

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