女僧侶「わあい。ご飯ですよ!」 勇者「やめろォ!」 (4)

女僧侶「え?」

勇者「食うのやめろよォ!」

村長「一体勇者様はどうなされたのですか?」

女武道家「あんたねえ。せっかく村長さんが魔物退治のお礼にって御馳走してくれてるのに…」

女武道家「それは失礼なんじゃない?」

勇者「うるさい!」

女武道家「なっ、なによ! いつもは黙りこくってる癖に! ヤるっての!?」キーッ

女僧侶「ど、どうどう。落ち着いて下さい、武道家さん」

女武道家「それにしたってこいつの態度は…!」

村長「お気に召さなかったのですかな。勇者様は…」

勇者「……」

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女武道家「何とか言いなさいよ!」

勇者「……行こう」ガタッ

女僧侶「え?」

勇者「村を出る」スタスタ…

女武道家「ちょ、ちょっと!」

村長「あのぉ、用意させた料理のほうは…」

女僧侶「あの、ごめんなさい。勇者様には何かお考えがあるようなので…」

村長「そうですか。残念ですなあ…」

女僧侶「ごめんなさい…」シュン

村長「旅を続けられるのでしたら、お気を付けて」

村長「魔王を倒した後にでも、またお立ち寄り下さいませ」

女僧侶「は、はい!」


女武道家「……勇者」ピキッ

街道


勇者「……」スタスタ

女武道家「止まりなさい勇者!」

勇者「……」ピタッ

女僧侶「勇者様…」

女武道家「何であんな失礼な真似をしたのか。説明しなさい」

勇者「これ以上失礼な真似は重ねたくなかったからだ」

女武道家「はぁ!?」

勇者「あの村は困窮していた。魔物の影響で畑は荒らされ、食料もそれほど蓄えていなかっただろう」

女僧侶「……」

勇者「そんななかで俺らが貪っていく、というのは気が引けた。だから、『我慢』した」

女武道家「はあ。またそれね」

勇者「?」

女武道家「まあいいわ。そんなに我慢が好きなのね」

勇者「……」

女僧侶「それじゃあ、あの…」

女武道家「行きましょうか!」

勇者「……」グーッ

女僧侶「あっ…」

女武道家「……はあ。熊でも狩ってくるわ」

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