多田李衣菜「相棒の誕生日!」 (17)
―――
がちゃ
凛「おはようございま――」
じゃらーん♪
凛「え?」
李衣菜「はっぴばーすでー、とぅーゆー……」
じゃらん♪
李衣菜「はっぴばーすでーい、とぅーゆーうぅー♪」
じゃかじゃかじゃか♪
李衣菜「はぴー、ばーすでーい……でぃーあ、りーんー♪」
じゃらららん♪
李衣菜「はぴーぃ、ぶぁーすれぇーい、とぅー……」
じゃかじゃかじゃかじゃか……♪
李衣菜「ゆぅーぅううーぅぅー……♪」
じゃらららー……ん♪
李衣菜「……ふっ。誕生日おめでとうだぜ、凛!」キリッ
凛「…………」ポカーン
李衣菜「あ、あれ? 凛ー?」
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凛「……はっ! り、李衣菜?」
李衣菜「うん、私だけど。聞いてくれてた?」
凛「き、聞いてたよ。今のは……」
李衣菜「あ、もしかして自分の誕生日忘れてたとか? へへ、最近忙しいもんねー」
凛「う、ううん……そうじゃないんだけど」
李衣菜「んー? じゃあどしたの?」
凛「えと、こんなふうに祝ってもらえるなんて思ってなかったから……」
李衣菜「あはは、そっか」
凛「とにかく……李衣菜、ありがと。……ふふ♪」ニコッ
李衣菜「えへへ! どういたしまして♪」ニパッ
凛「でも、すごいね李衣菜。いつの間にあんなに弾けるようになったの? しかも歌まで……」
李衣菜「いっぱい練習したからね。凛の誕生日に間に合うようにさ!」
凛「ふふ、ここまでしてもらうと、なんだか恥ずかしいよ」
李衣菜「まぁ、特訓してもらったから。ねー、プロデューサー?」
凛「え――」
P「おう、今までで一番良かったぞ李衣菜」ヒョコ
李衣菜「へへへ♪」
凛「ちょっ……ぷ、プロデューサーいたの!?」
P「ああ、いたぞ? 給湯室に隠れてたんだ」
凛「しゅ、趣味悪いよっ。盗み聞きなんて……!」
P「う、そう言われると……ご、ごめんな?」
凛「もうっ……!」
李衣菜「まぁまぁ凛。実はね、アイデア出してくれたのはプロデューサーなんだ」
凛「そ、そうなの?」
李衣菜「うんっ。それに、ギターの練習にも付き合ってくれたし……」
李衣菜「言わば、私とプロデューサーの合作プレゼントなんだよ!」
凛「そうだったんだ……」
P「うーん、でもさすがにこっそり見てたのはまずかったよなぁ」
凛「ま、まぁ……そういうことなら、別にいいよ」プイッ
P「え、あ、あぁ……?」
李衣菜「プロデューサー、プロデューサー」チョンチョン
P「どした?」
李衣菜「凛、照れてるだけですよ。ふふ、ぶっきらぼうですから」ヒソ…
P「あ……良かった、怒ってるわけじゃないんだな」ヒソヒソ
李衣菜「かわいいんですよねー、照れてる凛って♪」
P「おお、それには全面的に同意だ」
凛(聞こえてるんだけど……! もうっ)カァァ…
李衣菜「えへへ……やっぱりいいね、こういうのって!」
凛「ん、なにが?」
李衣菜「大切な人に歌を歌うのってさ、すっごく素敵なことだと思わない?」
李衣菜「今日は簡単な曲だったけど、いつかは凛の曲も弾けるようになりたいなぁ……!」
凛「李衣菜……」
李衣菜「へへっ、いつか出来るようになったら、真っ先に凛に聞かせるから!」
凛「……うん。私も、もっとギター上手になる。それで、李衣菜の曲弾いてあげる!」
李衣菜「競争だね!」
凛「ふふっ、今は李衣菜が先に進んでるけど、すぐ追い越すから」
李衣菜「あっ、言ったなー? いくら凛が相棒でも、負けないからねっ」
凛「私だって負けないよ、相棒だけどライバルだもん」
李衣菜「へへ♪」
凛「ふふ♪」
P(うんうん、青春してるなぁ……)ニッコリ
李衣菜「プロデューサーにも何か歌ってあげたいなぁ」
P「え、俺? いやぁ、俺は……」
凛「ふふ、いいかもね。……プロデューサーだって、とっても大切な人だし」
李衣菜「おっ、凛ってば大胆!」
凛「ち、ちがっ! ……わない、けど。……うん、大切な人だから」
李衣菜「私だってプロデューサーのこと大切だよ! ……ですよ、プロデューサー♪」
P「……はは。ありがとな、二人とも」ナデ
凛「ん。……うんっ」
李衣菜「えへ……はいっ」
P「さてと。せっかく凛の誕生日なんだし、ケーキか何か買いに行くか!」
凛「いいの?」
P「はは、遠慮するなって。好きなもの、なんでも買っていいからさ」
凛「うーん……それじゃ、甘えちゃおうかな」
P「うん、甘えろ甘えろ」
李衣菜「はいはいっ、私もケーキ食べたいですっ!」
P「ああ、もちろんいいぞ。李衣菜も今日は頑張って――」
凛「え、李衣菜も来るの?」
李衣菜「えっ、ひどくない!?」
李衣菜「ちょ、なんでなんで!? 私も食べたいよケーキ!」
凛「だって、私の誕生日だよ?」
李衣菜「ていうかプロデューサーと二人きりとか! ずるいよっ」
凛「……李衣菜はプロデューサーに個人レッスン受けたんでしょ? そっちのがずるい」
李衣菜「うぐっ! で、でもそれは凛のために……!」
凛「む……」
李衣菜「むむ……!」
ばちばちっ
P(行かないのかなぁ……)ポツーン
凛「大丈夫、ケーキは李衣菜の分も買ってくるから。何のケーキがいい?」ニコ
李衣菜「……凛は留守番しててよ。私とプロデューサーで買ってきてあげるからさ?」ニコニコ
凛「それは李衣菜に悪いよ。……私が行くね」トテトテ
李衣菜「待った待った。誕生日なんだから凛は待ってなよ。私が行くから」グイ
凛「いやいや」グググ
李衣菜「いやいやいや」ググ…
凛「…………」
李衣菜「…………」
だりりん「「プロデューサー! どっちと行きたい!?」ですか!?」バッ!
しーん……
だりりん「「……あれ?」」
ちひろ「あ、あの……二人とも? プロデューサーさん、さっき出ていきましたよ……?」
だりりん「「えっ」」
―――
P「ふんふふーん♪ 前に二人の好きなやつ、聞いといて良かったなーっと」トコトコ
―――
凛「」
李衣菜「」
ちひろ「えっと……プロデューサーさん、二人ともお話が長くなりそうだと言ってたので……」
ちひろ「俺がぱぱっと買ってきますよー、って……」
凛「」
李衣菜「」
ちひろ「だ、大丈夫? 凛ちゃん李衣菜ちゃん……?」
凛「李衣菜の……!」フルフル…
李衣菜「凛の……!」ワナワナ…
「「バカぁぁぁぁああああっ!!」」
おわり
というお話だったのさ
繋がりとしては『渋谷凛「私の……相棒」』これだけど読まなくてもいいように書いたつもりだよー
しぶりん、誕生日おめでとう!
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