みく「大切な友達の誕生日」 (23)



未央「あ、みくにゃんじゃん」

みく「にゃっ!?……って未央チャンかぁ、驚かさないで欲しいにゃ」

未央「驚かせたつもりは無かったけど……っていうか珍しいね、みくにゃんがこんなお店から出てくるなんて」

みく「そ、そうかにゃ?」

未央「うん、こういうお店はりーなの……あっ!」

みく「うっ……」

未央「はっはーん、なるほどねー」

みく「うぅ、李衣菜ちゃんには秘密にしておいて欲しいにゃ」

未央「大丈夫大丈夫、私も折角のサプライズを台無しにするほど野暮じゃないよっ」

みく「ありがとにゃ未央チャン」

未央「良いってことよ!それじゃ事務所行こうか?」

みく「うん!」



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未央「それでプレゼントは何をあげるの?」

みく「それはねー……これ!」

未央「おぉ、ネコミミヘッドフォンかあ!いいじゃんいいじゃん」

みく「でしょー?今夜李衣菜ちゃんが泊まりに来た時に渡すの!」

未央「お泊りなんだ」

みく「うん!メールで聞いたら来れるって言ってたしご馳走する為のハンバーグの準備もケーキの予約もバッチリにゃ!」

未央「アスタリスクは仲が良いなぁ、羨ましいよ」

みく「こっ、これはほら!祝わないと李衣菜ちゃんがへそを曲げるから仕方なくっ!」

未央「はいはいわかったよ……っと、着いたね」

みく「それじゃ入るにゃ」

未央「うん」




李衣菜「――でしょ?それで――ネコミミヘッドフォンを――」

卯月「――可愛いです!きっと――」


みく「あれ、私が買ったのと……」

未央(あー……)

李衣菜「ってみくちゃん!?い、いつから居たの!?」

みく「い、今来たところにゃ」

李衣菜「そ、そっか」

みく「……」

李衣菜「……」

未央(二人共黙りこんじゃって気不味い、ここは私が――)




卯月「そうだ!今日は李衣菜ちゃんのお誕生日ですよね?私プレゼント持ってきたんです!」

未央(しまむーその話題はだめえええっ)

未央(プレゼントがりーなが買ったヘッドフォンと同じだったみくにゃんにも誕生日を忘れてた私にもマズイよっ!!)

李衣菜「わぁ、ありがと!」

未央「あー、私プレゼントは用意出来なかったから今度何か奢るよ」

李衣菜「えー?そんな別に良いのに」

未央「そうは行かないよ、だから奢らせて?ねっ?」

李衣菜「みおちゃんがそういうなら……というかそれより……」

みく「な、なに?みくに何か用?」

李衣菜「べっつにー」



卯月「あの……みくちゃんの持ってるラッピングされた包みって李衣菜ちゃんの……」

みく「ちっ、違うにゃ!」

李衣菜「じゃあ何なの?」

みく「な、何でも良いでしょ!李衣菜ちゃんには関係ないんだから!」

李衣菜「何その言い方」

みく「ふん!だいたい李衣菜ちゃんだってみくが入ってから何か隠してるにゃ!」

李衣菜「こ、これは……そんなのみくちゃんには関係無いでしょ!?」

未央「ふ、二人共落ち着いて落ち着いて」

卯月「そうですよ、喧嘩は良くないです」

李衣菜「みくちゃんが悪いんでしょ!?」

みく「何でみくのせいになるにゃ!」



卯月「えーっと……そう!李衣菜ちゃんは誕生日に家族でお祝いとかするんですか?」

李衣菜「ああ、うん。するよー、毎年結構なご馳走が出るから今夜も楽しみ――」

みく「え?」

未央(えっ?……確かみくにゃんの話ではりーなは今日みくにゃんの部屋にお泊りするんじゃ……)

李衣菜「何?」

みく「もう李衣菜ちゃんなんて知らないにゃっ!!」

李衣菜「……へっ?」

未央「ちょっとみくにゃん!?……行っちゃった」

李衣菜「……な、何あれ、意味分かんないし……」

李衣菜「私の誕生日忘れてて気まずかったからって酷くない!?」

未央「ええと……李衣菜」

李衣菜「何?」

未央「みくにゃんはりーなの誕生日忘れてない……っていうか、凄く楽しみにしてた……と思う」

李衣菜「……どういうこと?」




李衣菜「お泊り?」

未央「うん、メールで聞いたら大丈夫って言ってたってみくにゃんが」

李衣菜「うーん、そんなの来てたかなあ」

未央「一応確認してみて?」

李衣菜「わかった……」


李衣菜「あっ」

未央「あった?」

李衣菜「多分、これ……」

未央「どれどれ……『来週の火曜日泊まりに来れるかにゃ?』……来週の火曜日って今日、だよね」

李衣菜「うん……」

未央「りーな返信してるじゃん。ええと……『あー、多分オッケー』」

李衣菜「うっそ……全然憶えてないんだけど……」

未央「時間が深夜だしもしかして眠くて適当に返事した?」

李衣菜「かもしれない……」




李衣菜「でもそれなら何であんな態度を」

未央「いやあみくにゃんのプレゼントってその、私達がさっき入ってきた時にりーなが持ってたのと同じだったみたいで……」

李衣菜「みくちゃんがこれを?」

未央「うん、『李衣菜ちゃんきっと喜ぶにゃ!』って」

李衣菜「嘘……」

未央「まあこればっかりは仕方ない……」

卯月「違いますよ未央ちゃん」

未央「しまむー?」

卯月「そのヘッドフォン、李衣菜ちゃんがみくちゃんに買った物なんです」

未央「えっ?」

李衣菜「その……みくちゃんがいっつもヘッドフォンのこと馬鹿にするから良さを分かってもらおうと……」

未央「あちゃー……」



みく(はぁ……)

みく(こんな公園で何やってるんだろ……)

みく(もう日もくれちゃったしお仕事もサボっちゃったにゃ)

みく(今度謝らないと……許して貰えるかな……)

みく(そもそも李衣菜ちゃんに連れてっいてもらったお店で選んだのが間違いだったにゃ)

みく(しかも事務所では動揺して酷いこと言っちゃったし……)

みく(みくは最低にゃ……)

みく(帰らなきゃ……)

みく(あ、予約したケーキ……)




みく(うう……)

みく(ケーキを受け取ったは良いもののこれどうしよう……)

みく(やっと着いた、鍵を開けて……うん?)

みく(開いてる?何で?)

みく(朝は浮かれてたとは言えしっかり鍵は閉めたはずだし……)

みく(それに中からする匂い、これは……)

みく(ハンバーグ?)

みく(材料は勝っておいたけど何で……)

みく(と、取り敢えず中に入るにゃ)



みく「ただいま……って、李衣菜ちゃん!?」

李衣菜「あ、みくちゃんおかえり」

みく「な、なんでここに……」

李衣菜「合鍵、いつでも入れるようにってくれたでしょ。もうすぐ準備出来るから手洗って待ってて」

みく「ありがと……ってそうじゃないにゃ!何で来たの!?家族でご馳走は!?」

李衣菜「えー?呼んだのはみくちゃんでしょ?」

みく「そうだけど……」

李衣菜「家族のご馳走は、まあいつでも食べれるし」

みく「なにそれ……」

李衣菜「ほら丁度出来たっ、ナイスタイミング!」

李衣菜「突っ立ってないで、早く準備しないと冷めちゃうよ?」




李衣菜「どう?」

みく「……おいしい」

李衣菜「えーっとさ、さっきはごめんね?」

みく「何で……何で李衣菜ちゃんが謝るの?」

李衣菜「だって私、みくちゃんとのお泊りの約束忘れてたし」

みく「じゃあ何で……」

李衣菜「みおちゃんに教えてもらったんだ……プレゼントのことも」

みく「それは……それはみくが悪いにゃ、安易にプレゼントを選んだから……」

李衣菜「待って待って!」

みく「え?」

李衣菜「あのヘッドフォンさ、みくちゃんの何だよね」

みく「みくの……?」

李衣菜「そう、プレゼントしようと思って」

みく「プレゼント……」

李衣菜「笑っちゃうよね、二人して同じものをプレゼントしようとしてたなんてさ」

みく「ホントにゃ……」

李衣菜「私欲しいな、みくちゃんのプレゼント」

みく「みくも……みくも欲しいにゃ」

李衣菜「じゃあ、決まりだね」

みく「うん」




みく「李衣菜ちゃん誕生日おめでとうにゃ」

李衣菜「ありがとう」

みく「それとさっきは取り乱してあんな言い方してゴメン」

李衣菜「しょうがないから許してあげるっ

李衣菜「それじゃあ私からもこれ」

みく「うん」

李衣菜「私も、ごめんね」

みく「良いよ、許すにゃ」

李衣菜「それじゃあこれで」

みく「仲直りにゃ」





李衣菜「あー美味しかった、今度このケーキ屋さん教えてよ」

みく「いいよー」

李衣菜「ふぁあ……そろそろ眠くなって来たよ」

みく「布団の準備するねー」

李衣菜「よろしくー」

みく「よいしょ……って、李衣菜ちゃんケータイに着信来てるよ」

李衣菜「うわ、ホントだ……マナーモードで置きっぱなしにしてたから気付かなかった」

みく「家族?」

李衣菜「うん、ちょっと電話するね」

みく「どうぞー」







李衣菜「あ、お母さん?」

李衣菜「うん」

李衣菜「メール送ったと思うけど……」

李衣菜「え、来てない?」

李衣菜「送信出来てなかったかも」

李衣菜「ごめんなさい……」

李衣菜「うん。今日は泊めて貰うから」

李衣菜「え?仕事仲間っていうか……大切な友達、かな」

李衣菜「わかった、ありがとう」

李衣菜「はい、それじゃあおやすみなさい」



李衣菜「あ、布団準備してくれたんだ」

みく「うん」

李衣菜「それじゃ私もう寝るねーおやすみー」


李衣菜「……って、みくちゃん?」

みく「今日は一緒に寝たいの……だめ?」

李衣菜「べ、別に良いけど……」

みく「さっきの電話のあれ」

李衣菜「き、聞いてたの?」

みく「駄目だった?」

李衣菜「駄目じゃ無いけど……恥ずかしいというか何というか」

みく「みくは、嬉しかったよ」

李衣菜「みくちゃん……」

みく「みくも思ってるから、李衣菜ちゃんのこと、大切な友達だって」

李衣菜「うん……」



李衣菜「なんか、ありがとう」

李衣菜「色々あったけど、良い誕生日になったよ」

みく「良いよー、みくの誕生日は倍返しにしてもらうから!」

李衣菜「な、なにそれ!?」

みく「こういうのは倍にして返すのが基本でしょー?それとも李衣菜ちゃんは出来ないのかにゃ?」

李衣菜「で、出来るし!」

みく「それは楽しみだにゃ」

李衣菜「その代わり、来年の私の誕生日はこの4倍にして返してもらうから!」

みく「じゃあその次のみくの誕生日は8倍ねー」

李衣菜「そんなこと言ったらその次は16倍!」

みく「そしたらその次は32倍にゃ」

李衣菜「ならその次はっ……やめよっか」

みく「うん」

李衣菜「それじゃ、おやすみ」

みく「おやすみにゃ」


おわり


李衣菜ちゃん誕生日おめでとう
短いですが読んでくださってありがとうございます
アスタリスクは尊い、そしてアニメ二期も楽しみ
それではHTML化以来出してきます

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