苗木「マヨナカテレビ?」 (942)

──4月11日



ガタンガタン…


苗木「はぁ…」

>もう何度目のため息だろうか

>どうしてボクがこんな目に…

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1407509722

~一週間前~

苗木「え? 留学…ですか?」

仁「実は今回、生徒の代表を1年間別の環境で生活させてみようという事が決まってね」

仁「これには君達の才能が普段とは違う環境でも、きちんと適応できるのかという──」ペラペラ

苗木「あ、あの。それでどうしてボクがここに呼ばれたんですか?」

>大体察しはつくけど…

仁「それはね、君がその生徒代表に選ばれたからなんだ」

>やっぱり…

~~~~~~~~

>そもそもボク、なんの才能もないんだけれど……

>仁先生は『幸運だって立派な才能だ!』とか言うんだろうなぁ

>まあ、留学といっても国内だからよかったかな…

アナウンス『次は~八十稲羽~八十稲羽~』

苗木「あ、次で降りなきゃ。えっと切符切符…」ゴソゴソ

ポロッ

苗木「あれ、何か落として…あ、これ…」

苗木「葉隠クンがこの間占ってくれたタロットカード…」

>いつもはインスピレーションなのに、『たまには道具で占ってやるべ』って…千円で買わされたんだっけ

>"塔"の正位置…確か意味は…『災難』…だったっけ

苗木「うう…当たってるよ…」




スタスタ…

苗木「ここが稲羽市…」

>なんていうか、その、田舎だなぁ

苗木「えっとお世話になるのは……」

>ボクは希望ヶ峰学園で講師をしている人の親戚の家で、一年間お世話になる事になっていた

ヒュウウゥウウ…

苗木「あ、風でメモが…!」

>住所を書いていたメモが飛んでいってしまった…

苗木「あ…」

>飛んでいった方へ向かうと、パーカーを着た女の子がメモを拾っていた

???「……このメモ、君の?」

苗木「う、うん。風で飛ばされちゃって…」

???「はい」スッ

苗木「ありがとう」

???「………」

>メモを受け取ろうとしたが、女の子はボクの手を握ったまま離そうとしない

苗木「あ、あの、手を…」

???「………」ジー

>なんでボクの顔をそんなに見るんだ…? 米粒でもついてるのかな…?

???「……旅行の人?」

苗木「え? えっと旅行というか、ちょっとした事情で1年間ここで暮らす事になったんだ」

???「ふーん…」パッ

>やっと離してくれた…

???「君、名前は?」

苗木「ボ、ボクは苗木誠。…キミは?」

???「…七海千秋」

苗木「メモを拾ってくれてありがとう七海さん」

七海「別に…それじゃあね」スタスタ…

>行ってしまった…

苗木「なんだか……変わった子だったな…」

クラッ…

苗木「あ、あれ…? なんだか眩暈が…」

>長旅の疲れが出たのだろうか…?

>とりあえず、早く下宿先に向かう事にしよう…



ピンポーン

シーン…

苗木「あれ、留守なのかな?」

>住所はここであってる…よね

???「うちに何か用か?」

苗木「え?」クルッ

>声の方を向くと、無精髭の男性と小学生くらいの女の子

>そして、ボクと同じくらいの歳の少年が立っていた

>もしかしてこの人達が…

苗木「あの、堂島さん…ですか?」

堂島「そうだが…もしかして、お前が苗木か?」

苗木「はい、苗木誠です」

堂島「あー…すれ違いになってたか。悪い、こいつを迎えにいってたんだ」

>後ろの少年が軽く会釈する

堂島「こいつも1年間ここで暮らすことになってな。まあここじゃなんだ。入ってくれ」



堂島「改めて、俺は堂島遼太郎。お前らを1年間預かる事になった」

堂島「こっちは娘の菜々子」

菜々子「こ、こんにちは…」

堂島「で、こいつが…」

鳴上「鳴上悠だ。よろしく」

苗木「うん、よろしく…あれ、鳴上…?」

>その苗字って…

堂島「知ってるかもしれないが、そいつの両親が希望ヶ峰に勤めていてな」

堂島「1年間だけ海外支部に行かなきゃならないだかで、こいつも一緒に暮らす事になったんだ」

苗木「そういう事だったんですか」

堂島「ま、ウチは俺と菜々子の2人だし、仕事の都合もあるからお前達みたいのがいると助かる」

鳴上「仕事はなにを…?」

堂島「刑事でな。家を開けちまう事も結構あるんだ」

菜々子「………」

>菜々子の表情が暗くなる…

堂島「これからしばらくは家族同士だ。気楽にやってくれよ」

鳴上「押忍!」

苗木「お、オス?!」

>鳴上クンは以外と体育会系なのかな…?

苗木「お、お世話になります」

堂島「あー固い固い。気ィ遣いすぎだ苗木。鳴上を見習え」

苗木「す、すみません…」

堂島「1年間はここがお前のウチになるんだからな。何もないが自分の家だと思ってくれると嬉しい」

菜々子「でもね、ジュネスがあるんだよ!」

菜々子「エヴリディ・ヤングライフ・ジュネス♪」

>菜々子が楽しそうにジュネスのCMソングを歌う

>なんだかこっちも微笑ましい気分になるな…

鳴上「エヴリディ・ヤングライフ・ジュネス♪」

苗木「!?」

菜々子「わああああっ!」パアアアア

鳴上「………」ジー

菜々子「………」ワクワク

>…期待の眼差しで見られている

苗木「…エ、エブリディ・ヤングライフ・ジュネス?」

奈々子「……!!」パアアアア

鳴上「………」ニコリ

苗木「は、ははは…」


>こうして、堂島さん、奈々子ちゃん、鳴上クンと話した…


>これから一年、うまくやっていけるだろうか…

──────
─────
───
──

チク…タク…チク…タク…

苗木「あ…あれ?」

>荷物の整理中に、いつの間にか眠ってしまっていたようだ…

苗木「11時59分…うわ、真夜中じゃないか…」

ザアアアアアアア…

苗木「雨も降ってる…朝、晴れればいいけど…」

苗木「そうだ。天気予報を見てみようかな」

>そうして、ボクはテレビに近づいて電源を点けようとした

ザ…ザザ…

苗木「え…!?」

>テレビになにか映った…!?

苗木「女の人…?」

>テレビをよく見ると、ショートカットの女性が映っていた

>最近議員秘書との不倫騒動で話題になっている山野真由美アナウンサーだった

>何かから逃げてるように見えるが…

苗木「…寝ぼけてるのかな…?」

>明日は新しい学校に行ったりで、忙しいから早く寝てしまおう…

>そう思ってボクは布団に入って再び眠りについた…

>………

──4月12日



ザアアアアア…

>雨…止まなかったな…

菜々子「学校、あそこの道まっすぐだから」

苗木「ありがとう菜々子ちゃん」

菜々子「わたしはこっち。それじゃあね」

テクテク…

鳴上「……しっかりした子だな」

苗木「そうだね…今朝だって、ボク達の分の朝ごはんも用意してくれて…」

チリンチリーン!

自転車の少年「うわー!! どいてどいてー!!」

苗木「う、うわ!?」サッ

ガシャーン!!!

苦しそうな少年「う、おごごごご…こ、股間が…」

>かなり苦しそうだ…

苗木「だ、大丈夫──」

>と、声をかけようとしたが鳴上クンに止められた

>彼は黙って首を横に振った

股間を押さえてる少年「うぐぐぐぐ…」

>…そっとしておいた

~八十神高校~

諸岡「静かにしろー! 不本意ながら転校生を二人紹介する!」

赤カーディガンの少女「転校生?」

緑ジャージの少女「それも二人も?」

諸岡「ただれた都会から、へんぴな地方都市に飛ばされてきた哀れな奴らだ」

>哀れな奴って…

諸岡「いわば落ち武者だ!」

>お、落ち武者…!? むちゃくちゃな先生だなぁ…

鳴上「誰が落ち武者だ」

クラス全員「!?」 諸岡「!?」 苗木「!?」

>な、鳴上クン!?

諸岡「む…貴様らの名は"腐ったミカン帳"に刻んでおくからな!」

>ボクまで!?

諸岡「いくら貴様があの希望ヶ峰から来たからといって、好き勝手なぞやらせんからな!」

>しばらく諸岡先生の話は続いた

>……本当にうまくやっていけるだろうか?

>その後、ボクはたくさんの人から質問攻めにあった

>……どの質問もボクの事ではなく、超高校級の皆の事だったけど

>質問が一段落ついた頃、校内放送が流れてきた

ピンポンパンポーン

校内放送『全校生徒・職員にお知らせします』

校内放送『学区内で、事件が発生しました。通学路に警察官が動員されています』

校内放送『それに伴い緊急会議を行いますので、至急職員室までお戻り下さい』

校内放送『また全校生徒は各自教室で指示があるまで待機していて下さい』


苗木「事件…?」



ウー…ウー…


>パトカーのサイレンが聞こえる。結構近いみたいだ

男子A「くっそ、窓からは霧のせいでなんも見えないぞ」

男子B「最近、雨が降った後とかやけに出るよな」


>しばらく教室で待っていると、再び校内放送が流れてきた

ピンポンパンポーン

校内放送『全校生徒にお知らせします』

校内放送『出来るだけ保護者の方と連絡を取り、落ち着いて、速やかに下校して下さい』

校内放送『警察官の邪魔をせず、寄り道などしないようにして下さい。繰り返します──』

鳴上「苗木、帰ろう」

苗木「うん」

緑ジャージ「あ、帰るの? よかったら一緒に帰らない?」

苗木「え? ええっと…」

里中「あたしは里中千枝。鳴上くんは隣の席だから知ってるよね」

鳴上「ああ」

里中「こっちの赤いのは天城雪子」

天城「赤いのって…初めまして、天城雪子です。急でごめんね?」

里中「ちょ、ちょっと! なんかあたしが失礼な人みたいじゃん!」

里中「さっきは人がたくさんいて話しにくかったから、一緒に帰って話を聞きたいなーって、それだけだって!」

顔色の悪い少年「あの…里中さん…?」

>あれ、この人今朝の……

顔色の悪い(ry「これ、なんだけどさ…」

里中「あたしの貸した『成龍伝説』じゃん。これがどうかしたの?」

顔色の(ry「すまん事故なんだ!! じゃ!」

里中「!! ちょっと待て! DVDに何した!!」

バキッ!

顔(ry「ぐはあ!?」

里中「信じらんない、ヒビ入ってるじゃん!!」

か(ry「お、俺のも…割れそうだ…」

>かなり痛そうだ…

鳴上「そっとしておこう…」

里中「そうそう、花村の事なんかほっといて。三人ともいこ!」



里中「へ~、鳴上くんと苗木くんは同じ家に住んでるんだ」

鳴上「ああ。俺は親の都合で…」

苗木「ボクは留学みたいなモノかな」

天城「希望ヶ峰なんて凄いね」

苗木「抽選で選ばれただけのただの平凡な高校生なんだけどね…」

里中「それでも何十万といる中から選ばれたんでしょ? 十分凄いよ」

鳴上「運も実力のうちだぞ」

苗木「そ、そうかな…?」

里中「もし雪子が超高校級だったら"超高校級の女将"とかかな?」

天城「ちょっと千枝…」

鳴上「女将?」

里中「雪子んちは"天城屋旅館"って旅館をやっててね。稲羽市の自慢の名所なんだ!」

天城「ただ古いだけだよ…」

>"天城屋旅館"……ときどき雑誌で見る名前だ。"隠れ家温泉"だって…

>天城さんはそこの一人娘で、次期女将になる予定らしい

里中「ね、雪子って美人だと思わない?」

天城「ち、千枝!?」

苗木「え? えっと…」

鳴上「ああ。そう思う」キッパリ

苗木「!?」

里中「でしょ!」

天城「またそういう事…」カアア

鳴上「だけど、里中も負けてないと思うぞ」

里中「え!?」

苗木「鳴上クン!?」

>す、凄い勇気だ…!

里中「そ、そんな事ないけど…でも、アリガト…」カアア

鳴上「ああ」ニコッ

里中「あれ、何だろう」


主婦A「でね、その第一発見者の高校生の子、ちょうど早退してたんですって」

主婦B「まさか、アンテナに引っかかってるなんて思わないわよねぇ」

主婦C「見たかったわあ」

主婦B「遅いんだから…ついさっき下ろされちゃったわよ」

主婦A「恐いわねえ。こんな近くで死体だなんて」


>死体…!?

里中「い、今なんて…?!」

???「おい、ここで何してる」

鳴上「あ、堂島さん…」

苗木「帰り道にこの道を通ってて…何かあったんですか?」

堂島「あの校長…通さないようにしろって言ったのに…」ガシガシ

里中「知り合い?」

>二人に堂島さんを紹介した…

堂島「とにかく四人とも、ウロウロしてないでさっさと帰れ」

苗木「は、はい…」

堂島「おい足立ィ!! いつまで吐いてんだ! 本庁に戻るかぁ!?」

足立「す、すいません…」

タタタタタ…

>堂島さんと足立と呼ばれた男は立ち入り禁止の向こうへと行ってしまった…

里中「さっきの校内放送ってこれの事…?」

天城「死体…それにアンテナに引っかかってたって…」

鳴上「……すぐに帰った方がよさそうだな」

里中「そうだね…ジュネスに寄るのは今度にしよっか」

天城「うん…」

里中「それじゃああたし達はここでね。明日からも宜しくね!」

>二人は入ってしまった…

──────
─────
───
──

菜々子「お父さん…今日帰ってこないのかな…」

>夕食を終えテレビを見ていると、菜々子ちゃんがぽつりと呟いた

苗木「菜々子ちゃん…」

アナウンサー『ではまず、今日最初のニュース。静かな郊外の町で、不気味な事件です』

アナウンサー『本日正午頃、稲羽市の鮫川付近で、女性の遺体が発見されました』

>通学路がテレビに映っている

苗木「鳴上クン…これって昼間の…」

鳴上「ああ…やっぱり事件というのはこれの事だったんだ」

アナウンサー『遺体で見つかったのは、地元テレビ局のアナウンサー、山野真由美さん、27歳です』

誤字修正
>二人は入ってしまった… ×
>二人は行ってしまった… ○
です。すみませんでした

苗木「!?」

>山野アナが…!?

アナウンサー『稲羽警察署の調べによりますと…』

菜々子「お父さんのはたらいてるとこだ!」

>菜々子ちゃんの表情が暗くなる…心配そうだ

鳴上「大丈夫だよ」

菜々子「…わかってる。おシゴトだから、しかたないよ」

>ニュースを簡単にまとめると…

>地元テレビ局の女子アナをしていた山野アナの遺体が、通学路近くにある民家のアンテナに引っかかった状態で発見されたらしい…

菜々子「やねの上でみつかったの? なんか、こわいね…」

CMの声『ジュネスは、毎日がお客様感謝デー。来て、見て、触れて下さい』

菜々子「あ、ジュネスだ!」

CMの声『エヴリディ・ヤングライフ・ジュネス♪』

菜々子「エヴリディ・ヤングライフ・ジュネス!♪」

鳴上「ジュネス!♪」

菜々子「………」

鳴上「………」

苗木「ジュ、ジュ・ネ・ス!」

菜々子「~♪」

苗木「ふう…」

>どうやら恐い話は忘れたようだ…

──4月13日




ガッシャーン!!

>通学途中、何かがハデに転ぶ音が聞こえた

>……ゴミ箱から足が生えてる

ゴミ箱「だ、誰か……!」ゴロゴロ

鳴上「……そっとし」

苗木「いや、さすがに助けようよ!」




自転車の少年「いやー、助かったわ。ありがとうな! えーと…」

自転車の(ry「そうだ転校生の鳴上と苗木だ」

花村「俺、花村陽介。よろしくな」

苗木「ケガはない?」

花村「へーきへーき」

>どうやら花村クンは無事なようだ…

花村「な、昨日の事件知ってるだろ? 女子アナがアンテナに、って奴」

苗木「う、うん」

花村「あれ、なんかの見せしめとかかな? 事故な訳ないよな、あんなの」

鳴上「そうかもな…」

花村「わざわざ屋根の上にぶら下げるとか、マトモじゃないよな」

花村「つか、殺してる時点でマトモじゃないか」

>花村クンは顔をひきつらせている

花村「!! やっべ、遅刻だ! 後ろ乗ってくか? ギコギコいってるけど」

苗木「い、いや遠慮しておくよ」

>学校へ急いだ…

──────
─────
───
──


>放課後、帰ろうとしたら花村クンに呼び止められた

花村「どうよ、この町もう慣れた?」

鳴上「ああ、だいぶ」

苗木「ボクはまだちょっと…」

花村「そっか。よかったら帰り飯食いにいかね? 朝助けてくれたお礼に奢るぜ」

里中「あたしにはそういうのないの? 『成龍伝説』」

花村「う…メシの話になると来るなお前…」

里中「雪子もどう?」

天城「いいよ、太っちゃうし。それに家の手伝いあるから」

花村「天城って、もう女将修行とかしてんの?」

天城「忙しいときにちょっと手伝ってるだけ。それじゃ私行くね」

スタスタ…

>天城さんは行ってしまった

里中「仕方ないか。じゃ、いこ」

花村「え、マジで三人分奢る流れ…?」

>花村クン達と食事に行くことになった…

>ジュネス・フードコート

里中「あたしビフテキが食べたかったなー」

花村「ビフテキ三人分も奢るなんて無理に決まってんだろ!」

里中「だからって、自分んちに連れてくるこたないじゃん」

花村「別に、俺んちって訳じゃねーって」

苗木・鳴上「「?」」

花村「あーえと、俺も半年くらい前に都会から引っ越してきたんだよ」

花村「親父が新しく出来たココの店長になる事になってさ。で、家族で来た訳」

花村「んじゃコレ、歓迎の印って事で」

>ジュースを手渡される

花村「じゃ、カンパーイ」

「「「カンパーイ」」」

>しばらくたわいのない話で盛り上がった…

里中「ここってさ、出来てまだ半年くらいだけど、行かなくなったよねー、地元の商店街とか」

里中「店とか、どんどんなくなっちゃって…あ」

花村「別に、ここのせいだけって事はないだろ?……あ、先輩だ。悪ぃちょっと行ってくる」

>花村クンは席を立ち、向こうに座っている女性に話しかけにいった

苗木「あの人って…」

鳴上「陽介の彼女か?」

>ばっさり聞くなあ…

里中「そうならいいんだけどね」

>花村クンと女性は楽しそうに笑っている…

里中「小西早紀先輩。家は商店街の酒屋さん」

苗木「え、それって…」

鳴上「大丈夫なのか?」

里中「……うん、商店街の人にはあんまりよく思われてないみたい」

鳴上「あ、こっちにくるぞ」

小西「キミ達が噂の転校生? 都会っ子同士はやっぱり気があう?」

小西「こいつ、友達少ないからさ。仲良くしてやってね」

苗木「はい」

小西「でも、ウザかったらウザいって言いなね?」

鳴上「いや、イイヤツですよ」

小西「あははっ。分かってるって、冗談だよー」

花村「せ、先輩~!」

小西「さてと、それじゃあ私戻るから。それじゃね」

花村「ったく、先輩はさ~…。弟がいるから、俺もそんな扱いっていうか…」

里中「…ふ~ん、やっぱそういう事」ニヨニヨ

里中「地元の老舗酒屋の娘と、デパート店長の息子。燃え上がる禁断の恋…的な?」

花村「バッ…そんなんじゃねーよ!」

里中「そんな悩める花村に、イイコト教えてあげる」



里中「"マヨナカテレビ"って知ってる?」

苗木「マヨナカテレビ?」

里中「雨の夜の午前0時に、消えてるテレビを一人で見るんだって」

里中「で、画面に映る自分の顔を見つめてると、別の人間がそこに映ってる…て奴」

苗木「!!」

里中「それ、運命の相手なんだってよ」

花村「なんだそりゃ。何を言うかと思ったら…」

>それって…

>もしかして、この間のあれは…

鳴上「ん? どうした苗木?」

苗木「あのさ…」

>皆に二日前の夜中に体験した出来事を伝えた

里中「それ、多分マヨナカテレビだよ!」

苗木「やっぱり…」

里中「苗木くんには山野アナが見えたんだ。ふーん…」

花村「じゃあ苗木の運命の相手は山野アナって事か?」

鳴上「でも、山野アナは…」

里中「うん…死んじゃってるんだよね、昨日……」

花村「うわ、なんか不吉じゃね…?」

苗木「………っ」

里中「とりあえずさ! 今晩やってみようよ! 丁度今晩から雨みたいだし!」

花村「はあ!?」

里中「こうして見たって人もいるんだからさ! マヨナカテレビはあるんだって!」

苗木「た、単にボクが寝ぼけてただけかも…」

里中「それじゃあ苗木くんも確認って事でやってみようよ! 鳴上くんもね!」


>こうして、今晩"マヨナカテレビ"を試してみる事になった…

──────
─────
───
──


カチャカチャ…

菜々子「………」

鳴上「………」

苗木「………」

>今日も堂島さん抜きの夕飯だ…

ガチャッ

菜々子「あ、帰ってきた!」

堂島「やれやれ…何か変わりなかったか?」

菜々子「ない。かえってくるのおそい」

堂島「悪い悪い…仕事が忙しいんだよ…テレビ、ニュースにしてくれ」

菜々子「………」

ピッ

アナウンサー『霧の煙る街、稲羽市でアナウンサーの山野真由美さんが民家の屋根で変死体となって見つかった事件』

アナウンサー『山野さんは生前、歌手の柊みすずさんの夫で議員秘書の生田目太郎と愛人関係にあった事が分かってます』

>昨日の事件の続報のようだ…

>異性関係のトラブルによる事件なのだろうか…

アナウンサー『番組では、遺体発見者となった地元の学生に、独自にインタビューを行いました』

堂島「どこから掴んでんだ? まったく…」

>画面が切り替わり、顔にボカシ加工がされた少女が映し出された

>制服から、八十神高校の生徒である事が分かる…が

>どこかで見たことがあるような…

現場レポーター『最初に見た時、どう思いました? 死んでるって分かった? 顔は見た?』

女子高生『え、ええと…』

現場レポーター『霧の日に殺人なんて、なんだか恐いよね?』

女子高生『え…? 殺人なんですか?』

現場レポーター『えーと…最近、このあたりで不審な人とか、見たりしなかった?』

女子高生『や…私は、何も…』

>女子高生はリポーターの勢いに戸惑っているようだ

アナウンサー『それでは、一旦CMです』

>自分の部屋に戻る事にした…

──────
─────
───
──

チク…タク…チク…タク…

ザアアアア…

>雨が降っている…

11:59

苗木「そろそろか…」

>鳴上クンも隣の部屋で見ているはずだ…

苗木「………!」ジッ

ザ…ザザ…

>映った!!

苗木「あれ…?」

>前回見たときと映像が違う…?

>里中さんの話だと、マヨナカテレビには運命の相手が映るらしいが…

苗木「山野アナ…じゃない…?」

>山野アナは黒いショートだった…だけれど、テレビに映っているのはウェーブのかかったロングヘアの女性だった

苗木「これは…誰…?」

>しかし、映像が前回よりも不鮮明でよく分からない…



『う、うわぁあああッ!?』



苗木「!!?」

>鳴上クンの声だ!! 隣の部屋で何かあったのか!?

ガチャッ

苗木「鳴上クン!!」

>鳴上クンの部屋に入ると、信じられない物が目に映った

苗木「え……!?」

>鳴上クンの上半身は、テレビの画面の中にすっぽりと入っていた

鳴上「………!!」ズ…ズズ…

>吸い込まれてる…!!?

苗木「な、鳴上クン!!」ダッ

>鳴上クンの腰辺りを掴み、思い切り引っ張る

苗木「くっ…!!」ググッ

ズポッ

鳴上「うわッ!?」

苗木「わあっ!!」

ゴンッ!!

苗木「~~~~~~~~~~~ッ!!?」

>後頭部に強い衝撃が走った…テーブルに頭をぶつけたようだ…

鳴上「ハァ…ハァ…助かった…ありがとう苗木」

苗木「うぐ…一体何が…!?」

鳴上「テレビの画面に触れようとしたら……腕が吸い込まれてそのまま…」

苗木「どうして…?」

鳴上「…明日、皆に話そう」

苗木「うん…」

──4月14日




里中「そういえば、事件の第一発見者って小西先輩らしいよ」

花村「だから最近元気なかったのかな…今日学校来てないっぽいし」

天城「それじゃ千枝、また明日ね」

里中「あれ? 今日も家の手伝い?」

天城「今、ちょっと大変だから…ごめんね」

スタスタ…

花村「なんか天城、今日とっくべつテンション低くね?」

里中「忙しそうだよね、最近…」

花村「ところでさ、昨日、見たか?」

>放課後、昨晩の事を皆に話した

花村「全員が同じ女の子を見た…か」

里中「苗木くんも? 山野アナじゃなくて?」

苗木「うん。さすがにショートとロングの見分けはつくよ」

花村「う~ん…山野アナが死んだ事で運命の相手が変わった…とかか?」

再び誤字修正
>放課後、昨晩の事を皆に話した ではなく
>昨晩の事を皆に話した です

花村「しっかし、テレビに吸い込まれたってのは…さすがに動揺しすぎか、寝落ちじゃねえの?」

苗木「でもボクも確かに見たんだよ」

>まだかすかに痛む後頭部を擦りながら言った

鳴上「もう少しテレビが大きかったらどうなってた事か…」

里中「もし大きかったら…か」

──────
─────
───
──

花村「という訳で、ジュネスの家電売り場に来た訳だけどさ」

鳴上「大きいな…」

里中「しかも高いし、こんなん誰が買うの?」

花村「金持ちじゃね」

里中「………」

花村「………」

里中・花村「「ぬん!!」」バッ

>花村クンと里中さんが大きなテレビの画面に手を合わせる

>……が、何も起きない

花村「やっぱ入れる訳ないよな」

里中「はは、寝オチ確定だね」

花村「二人が同じ夢を見るなんてのは、珍しいけどたまにあるだろうしな」

里中「そういえばさ、今ウチでテレビを買い換えようかって話がでてて──」スタスタ

花村「最近多いからなー」スタスタ

>二人は売り場の向こうにいってしまった…

ペタ

>……触れても反応はない

苗木「……本当に夢だったのかな」

鳴上「………かもな」スッ

>鳴上クンが画面に手を伸ばして画面に触れようとした──

ズブブッ

鳴上・苗木「「!!」」

>鳴上クンの腕が…画面に刺さった……

花村「ちょ、どーなってんの!? どんなイリュージョン!?」

里中「タネは!? 仕掛けは!?」

>花村クンと里中さんが戻ってきて、鳴上クンの腕を食い入るように見ている…

鳴上「もう少しいけるかもしれない」


「「「え!?」」」

ズズ…

>鳴上クンは、画面の中に自ら上半身を突っ込んだ

苗木「ちょ…こんな所で勇気発揮しなくていから!!」

花村「ば、何やってんだバカ!!」

里中「は、早まるなー!!」

>三人が鳴上クンを止めようと駆け寄る




「「「あ」」」


ドンッ!!


>勢い余って鳴上クンにぶつかってしまった


>……これってもしかして


>テレビの中に落ちる!?







「「「「う、うわああああああああッ!!!!?」」」」

今日はここまでです

鳴上悠の両親が希望ヶ峰学園の教員というのはこのSSオリジナル設定です(分かってると思うけど)

一部の展開(特に序盤)はペルソナ4原作の展開とほとんど同じになります

苗木以外のダンガンロンパキャラも登場予定です

のんびり更新です

最初に書くべきだったよ…

投下します
今回は(も)ほとんどP4原作と一緒です

──────
─────
───
──


苗木「う…みんな、大丈夫…?」

鳴上「ああ…」

里中「う、うん…」

花村「ケ、ケツをモロにうっちまった…割れたかも」

鳴上「もともとだろ」

里中「てか…ここ、どこ…?」

>どこかのスタジオのようだけど…

>すごい霧だ…

里中「ジュネスのテレビがこんなところに繋がってるなんてねー。なんかのアトラクション?」

花村「…んな訳ねーだろ」

里中「…だよね」

鳴上「かなり広そうだな」

花村「けど、霧…じゃなくてスモーク?のせいでちょっと先も見えないな…」

里中「ねえ、どうするの?」

鳴上「とにかく調べてみよう…出口があるかもしれない」

花村「あ、ああ。そうだな」

里中「出口とかあんのかな…?」

苗木「ボ、ボク達がここにいるって事は、入ってきた場所がどこかに絶対あるはずだよ!」

里中「そうだけど…」

鳴上「はぐれないように固まって進もう」

>出口を探す事になった…

>その後しばらく歩き回っていると、ドアを発見した

里中「もしかして、あれが出口?」

花村「かもな…行ってみるか?」

里中「え、で、でも…」

鳴上「行くしかないだろう」

苗木「進めそうなのは、ここしかないしね…」

>ドアを開けて先に進むとそこに出口はなく、小さな部屋に続いていた

花村「行き止まり…か」

里中「出口なんてないじゃん!」

鳴上「部屋の雰囲気も…なんだか…」

苗木「不気味…だね」

>その部屋には、いたるところにポスターが貼られていて、写っている人物の顔が切り取られていた

>それに加えて、赤や黄色のペンキのようなモノで汚されていた…

>極めつけは天井から縄で吊り下げられている輪状にされたスカーフ…それはまるで…

里中「この顔が切り取られてるポスター、よく見れば全部同じ人じゃん…」

鳴上「相当恨まれてるって事か…?」

花村「このロープと椅子…あからさまにアレだよな…」

苗木「うん…」

里中「ね、もう戻ろうよ…なんか気分が悪くなってきた…」

花村「そ、そうだな…俺もなんだか…」

>さっきの場所に戻る事にした…

苗木「ん?」

花村「どうした?」

苗木「あそこ、何かいない?」

>霧の向こうでなにかが動いている…

花村「たしかになんかいるっぽいな…おい里中、お前いけよ」

里中「なんであたしが!」

花村「だってお前カンフー得意だろう?」

里中「なによそれ!」

ギャーギャー!

>結局ジャンケンで誰がいくか決める事にした…

>………

苗木「ボクか…」

花村「じゃ、頼んだぞ!」

苗木「う、うん…」

苗木「……」ゴクリ

>覚悟を決めて影の方へと歩みを進める

苗木「だ、誰かいますかー…?」

???「そこに誰かいるクマ?」

>影がこちらに近づいてくる

>人にしてはなんだか丸っこいような…

>そしてだんだん姿がはっきり見えてきて…

苗木「え…キグルミ…?」

>サル…いや、クマか…?

花村「な、なんだコイツ」

>花村クン達も近づいてくる

謎のクマ「き、キミらこそ誰クマ?」

里中「喋った!? だ、誰よあんたっ! やる気!?」

>里中さんが身構える

謎のクマ「そ、そ、そんなに大きな声出さないでよ…」

>謎のクマはおびえている…

苗木「ちょ、ちょっと…もう少し優しく訊いた方がいいんじゃ…」

鳴上「なあ、ここは何処だか分かるか?」

>鳴上クンが優しい口調で謎のクマに問う

謎のクマ「ココは、ココ。名前なんてないクマ」

謎のクマ「ボクがずっと住んでいるところ」

苗木「ずっと住んでいるって…こんなところに?」

謎のクマ「むっこんなところとは失礼クマね! とにかく、キミたちは早くアッチに帰るクマ!」

謎のクマ「最近、誰かがココに人を放り込むから、クマ迷惑してるクマよ!」

花村「は? なんの話だ?」

>人を放り込む…?

謎のクマ「誰の仕業か知らないけど、アッチの人にも、少しは考えて欲しいって言ってんの!」

里中「ちょっと何なワケ? いきなり出てきて、何言ってんのよ!」

里中「あんた誰よ! ここは何処よ! 何がどうなってんの!?」

苗木「ちょ、ちょっと里中さ…」

謎のクマ「ひ、ひぃ~!」

>クマはこっちに向かって走ってきて、ボクと鳴上クンの前で一旦止まった

謎のクマ「………」

謎のクマ「ひぃ~!!」

>そして鳴上クンの後ろに隠れた

>………どっちが隠れやすいか考えてたな

謎のクマ「さ、さっき言ったクマよ…」

>鳴上クンの背中から顔を出しながらクマは話し出した

謎のクマ「と、とにかく早く帰った方がいいクマ!」

花村「だから! 俺たちも帰りたいんだっつーの! だけど出口が分からないんだって!」

謎のクマ「ムッキー! だから、クマが外に出すっつってんの!」

苗木「え…!」

鳴上「出口がどこか分かるのか?」

>謎のクマがトントンと足を鳴らす

ボゥンッ!

花村「なっ!?」

>するとテレビが出現した

里中「い、いきなりテレビが出てきた…どうなってんの!?」

謎のクマ「さー行って行って、行ってクマ。ボクは忙しいクマだクマ!」グイグイ

苗木「わ。ちょ、ちょっと…」

>謎のクマに背中を押される

里中「いきなりなに!?」

花村「押すなって!!」

謎のクマ「さっさといくクマー!!」

ドンッ



「「「「う、うわあああああああッ!?」」」」

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店内放送『ただいまより1階お惣菜売り場にて、恒例のタイムサービスを行います』

店内放送『お見逃しのないようお得なタイムサービスをご利用下さい──』


鳴上「も、戻ってきた…?」

>どうやらジュネスに戻ってこれたようだ…

花村「げ…もうこんな時間かよ…結構長いことあそこに居たんだな」

里中「! ねえ、あのポスター、向こうでも見なかった?」

>里中さんが指差す方を見ると、演歌歌手"柊みすず"のポスターが貼られていた

苗木「本当だ…顔を切り取られてて分からなかったけど、"柊みすず"だったんだ」

里中「最近ニュースで騒がれてるよね。旦那がこの前死んだ山野アナと不倫してた…って」

花村「それじゃあ、さっきの不気味な部屋は、山野アナが死んだ件となんか関係があるのか…?」

花村「あの意味深な"輪っか"といいさぁ…」

花村「っと、こんな話やめやめ!」

里中「そ、そうだね! ていうか、今日あった事まるごと忘れちゃおうよ!」

花村「そうだな! それじゃ俺帰るわ!」

里中「あたしも。また明日ね!」

タタタタタ

>二人は行ってしまった…

>ボクらも今日のところは帰ろう…

──────
─────
───
──


堂島「おう、お帰り」

>家に帰ると、堂島さんが出迎えてくれた

>菜々子ちゃんは今日の夕飯であろうカップラーメンにお湯を注いでいるところだった

菜々子「お帰り、遅かったね」

苗木「友達と寄り道して帰ってきたからね…」

堂島「お、もう寄り道するくらいの友達ができたのか」

鳴上「はあ…」

>どうも体のだるさが取れない…

>鳴上クンの様子を見ると、どうやら鳴上クンも同じようだ…

堂島「なあ…」

>珍しく堂島さんから話を切り出してきた

堂島「まあ、知らんと思うが…小西早紀って生徒の事…何か聞いてないか?」

鳴上「今日は休んだって聞いたけれど…」

堂島「そうなのか…」

苗木「何かあったんですか?」

堂島「実はな…」

>堂島さんの話によると、昨日から小西先輩の行方が分からなくないという

>警察の方でも捜索しているが、まだ見つかっていないらしい…

菜々子「ねえお父さん、テレビ点けてもいい?」

堂島「ん? ああ…」

ピッ

アナウンサー『──山野真由美さんが変死体となって見つかった事件』

アナウンサー『山野さんは事件前日発覚の前日まで、地元の名所として知られる"天城屋旅館"で宿泊していた事が──』

>……!

苗木「天城屋旅館って…」

鳴上「ああ、天城の実家だ」

菜々子「…ニュースつまんない」

堂島「待て菜々子。変える前に天気予報見とけ」

アナウンサー『雨足は、段々と弱まってきました』

アナウンサー『事件のあった稲羽市周辺などでは、これから朝にかけて、霧が出やすいでしょう』

アナウンサー『視界が悪くなります。車の運転などの際は、十分な注意を──』

菜々子「……お父さん、気をつけてね」

堂島「あ? ………ああ、大丈夫だよ。そら。そろそろラーメンもういいんじゃないか?」

>死んでしまった山野アナは、死の直前、天城さんの実家の"天城屋旅館"に泊まっていたらしい…

>その遺体の発見者の小西先輩は、行方が分からないらしい…

鳴上「ぶえっきし!!」

苗木「!!」ビクッ

>どうやら鳴上クンがくしゃみをしたようだ

苗木「大丈夫?」

鳴上「……少し寒気がする」

堂島「風邪か? まあ、新しい環境で疲れがたまってるんだろう。待ってろ、今薬を持ってくる」

鳴上「すみません…」

堂島「薬飲んだら、今日はもう寝ろ。念のために苗木もな」

苗木「はい」

>今日は早めに寝る事にした…

──4月14日




ザアアアアア…


>激しく雨が降る中、小西早紀先輩が……遺体となって発見された

>噂ではその遺体は電柱に引っ掛けられていて、山野アナの変死体と似たような状態だったという

>午後の授業は中止になり、その件についての全校集会が行われた

ミス
4月14日ではなく、15日でした

──4月15日




ザアアアア…



>濃い霧の中、小西早紀先輩が……遺体となって発見された

>噂ではその遺体は電柱に引っ掛けられていて、山野アナの変死体と似たような状態だったという

>午後の授業は中止になり、その件についての全校集会が行われた

──4月15日








>濃い霧の中、小西早紀先輩が……遺体となって発見された

>噂ではその遺体は電柱に引っ掛けられていて、山野アナの変死体と似たような状態だったという

>午後の授業は中止になり、その件についての全校集会が行われた

>そして放課後…

スタスタ…

>花村クンが暗い表情をして近づいてくる…

花村「………」

苗木「あの、花村クン…」

花村「なあお前ら…昨日、あの夜中の…見たか?」

苗木「え…?」

里中「あんた何言ってんの!? 小西先輩が死んじゃったんだよ!?」

花村「分かってるよ…でも、聞いてくれ!」

鳴上「花村…?」

花村「俺さ…なんか気になって、昨日もあのテレビ見たんだ…」

>あのテレビというのは、マヨナカテレビの事だろう

花村「そしたらさ…前より映像がはっきり見えたんだ。そしたら…」

花村「小西先輩が映ってた…」

「「「!!」」」

花村「先輩、なんか…苦しそうにもがいてるみたいだった…」

花村「それで…そのまま画面から消えちまった」

里中「なによ、それ…」

花村「なあ苗木…お前この前『山野アナが見えた』って言ってたよな…」

苗木「う、うん……」

花村「何か気がつかないか…?」

苗木「なにか……あ!!」

花村「気づいたか?」

>三日前、ボクがマヨナカテレビを偶然見た時、映っていたのは山野アナだった

>その次の日、山野アナは遺体で発見された

>昨日、花村クンがマヨナカテレビを見たときに映っていたのは小西先輩だった

>そして今日、小西先輩は遺体で発見された…


苗木「二人とも、マヨナカテレビに映った次の日に亡くなってるんだ…!」

花村「それに先輩の遺体…最初に死んだ山野アナと似たような状態だったって話だろ?」

里中「ちょ、ちょっと待ってよ。それって…あのテレビに映った人は死んじゃう…そう言いたいワケ?」

花村「そうとしか考えらんねーだろ!」

>偶然にしては、共通点が多すぎる…

>四日前、ボクがマヨナカテレビを偶然見た時、映っていたのは山野アナだった

>その次の日、山野アナは遺体で発見された

>昨日、花村クンがマヨナカテレビを見たときに映っていたのは小西先輩だった

>そして今日、小西先輩は遺体で発見された…


苗木「二人とも、マヨナカテレビに映った次の日に亡くなってるんだ…!」

花村「それに先輩の遺体…最初に死んだ山野アナと似たような状態だったって話だろ?」

里中「ちょ、ちょっと待ってよ。それって…あのテレビに映った人は死んじゃう…そう言いたいワケ?」

花村「そうとしか考えらんねーだろ!」

>偶然にしては、共通点が多すぎる…

花村「こっからは想像なんだけど…先輩と山野アナが死んだのって、"あの世界"が関係あるんじゃないか?」

里中「あの世界って…テレビの中の?」

花村「そうだ。ポスターの部屋…山野アナの事件となんか関係ある感じだったろ」

鳴上「そういえばあのクマが言ってたな…"誰かが人を放り込む"とか…」

花村「もしかしたら、二人はあの世界に入ったんじゃないか」

花村「そうだとしたら…先輩に関する場所だってあるかもしれない」

里中「花村あんた、まさか…」

花村「ああ。俺、もう一度行こうと思う」



>その後、里中さんは警察に任せた方がいいと止めたが、花村クンは「警察はアテにならない」と聞き入れなかった

>「こんだけ色んなもの見て、気づいちまって、なのに放っとくなんてできねーよ…」と呟く彼の表情は悲しそうだった

>彼はジュネスで待っていると言って、立ち去った…

──────
─────
───
──

>ジュネス・家電売り場

花村「来てくれたのか」

里中「バカを止めにきたの!」

苗木「ねえ花村クン…本当にいくの?」

花村「ああ。一度は帰ってこれたんだ。あん時と同じ場所から入れば、またあのクマに会えるかも知れない」

里中「……それで、もしものための命綱?」

花村「ああ。だから里中と苗木はここで待っててくれ」

鳴上「向こうには俺と花村でいく」

里中「あぁ~! 馬鹿だこの二人!!」

鳴上「それじゃ行って来る」

苗木「……き、気をつけてね二人とも!!」

>鳴上クンと花村クンはテレビの中へ消えていった…

>それからしばらくして……

苗木「二人とも…遅いね」

里中「も、もしかして向こうでなにかあったんじゃ……!!」

>里中さんは慌てて花村クンから託されていた命綱を引っ張った

スポンッ

>……が、ロープは途中で切れてしまっていた

「「…………!!!」」

里中「ど、ど…どどどどどどうしよう!!」

苗木「お、落ち着いて里中さん!!」

里中「落ち着けるワケないじゃん!!」

里中「ひゃ、110番!? それとも119番……!?」ワタワタ

里中「でも、人がテレビの中に閉じ込められたなんて信じてもらえないだろうし…!」

>鳴上クン達が心配だ…

>鳴上クン達が消えたテレビの画面に触れる

ズズ…

苗木「!!」

>中に入れる…!? 昨日は入れなかったのに…!!

>………

苗木「……里中さんはここで待ってて」

里中「え?」

苗木「ボクが行って、見てくる」

今日はここまでです
原作とほぼ一緒&訂正しまくりですいませんでした
次回更新は未定です

ダンガンロンパのキャラクターにアルカナ割り当ててたら大体逆位置でワロタ
投下します

──────
─────
───
──


苗木「……来れた…」

>テレビの中に入ると、前回来た所と同じ場所に着いた

>どうやら場所と場所で繋がっているようだ

苗木「……里中さんには悪い事したな…」

>鳴上クンと花村クンの姿は見えない

>それにあのクマもいないようだ…

苗木「……探そう」

>ボクは深い霧の中、二人を探す事にした

>闇雲に歩き回っていると、雰囲気の違う場所に辿り着いた

苗木「ここは……商店街?」

>そこは、町の商店街と瓜二つだった

苗木「だ、誰かいませんかー!?」

>………

シーン…

>返事はない…

>いくつか店の中も除いてみたが、人はいないようだ

苗木「ここは……」

>商店街を探索していると『コニシ酒店』という店を見つけた

苗木「そういえば小西先輩の実家は酒屋だって…」

>もしかしたら、ここに花村クン達がいるかも…

>そう思い、店の入り口を開けようと──



『ガァァアアアアアアアッ!!!』グオッ



苗木「うわぁ!?」

>後ろから何かが襲い掛かってきた!?

『アアアアアアアア……』

>襲い掛かってきた"何か"は、グネグネと形を変え、球体に口のついた化け物に変貌した

>に、逃げなきゃ…なんとか隙をついて…

ジリッ…

コツッ

>…? 足に何か当たったような…

苗木「……!!」

>足に当たったのは、グシャグシャになったゴルフクラブだった

>これって、鳴上クンが持ってた…

『ガァアアアアアアアアッ!!!』

苗木「!?」

>しまった、足元に気をとられて……!

ガッ!!

苗木「あぐッ!?」ドサッ

>化け物の突撃で吹き飛ばされてしまった…

>早く立って逃げないと…!!

苗木「う…」ググ…

『オオオオオオオオオッ!!!』

>また来る……!!

苗木「くっ、霧でどこから来るのか分からな───」

ドゴォ!!

苗木「が…は…!!」

>腹に強い衝撃を感じ、意識が遠くなる──

『アアアアアアアアアアッ!!!』

>っ……体に力が入らない…!

苗木「う、うわぁああああああああ───!!!?」

>もう駄目だ…!! そう思って目を閉じてしまう

>その時だった

───ドクン




───リムジンの中




───長鼻の老人





───厚い本を持った女性





───そして、もう一人…


>頭の中で、声が聞こえる…



───我は汝…



「ペ……」



───汝は我…



「ル……」



───汝、己が双眸を見開き…



「ソ……」



───今こそ発せよ!!



「ナ……!!!」

ゴォッ!!!!!

苗木「これは……!?」

>力が沸いてくる…!

>身体の痛みも消えていた

苗木「っ……!!」

>身体を持ち上げ、ボクを守るかのように前に立っている存在を見る



>それは、両腕に大きな車輪を持ち、身体の周りには複数の球が浮かび、目を布で覆い隠していた



───我は汝の心の海より出でし者…





───千変万化の運命の担い手、テュケなり!!

苗木「…………!!!」

>戦い方が分かる…!!

苗木「テュケ!!」

>ボクが叫ぶと、テュケは持っていた車輪を化け物へ投げた

ゴォッ!!!!

『グォオオオオオオオオオ!!!』

>車輪が命中した化け物は甲高い叫び声をあげ、消滅していった

『ウアアアアアアアアア!!!』『ガアアアアアアアアアアアアッ!!!』

苗木「!! まだいたのか!」

苗木「ガル!!」

ヒュゴォオオオ!!!

>周囲にかまいたちが巻き起こり、化け物を切り裂く!



『アアアアア……』シュゥゥゥウ


>化け物が全て消滅すると、テュケは空気に溶けるように消えていった…


>胸の奥に暖かいものを感じる…


苗木誠は困難に立ち向かうための人格の鎧、ペルソナ"テュケ"を手に入れた!!


苗木「これが……ペルソナ…」

苗木「!! そうだ、鳴上クンと花村クンは!?」

>ボクは急いでコニシ酒店の中に入った

苗木「鳴上クン、花村クン!!」

鳴上「苗木!?」

謎のクマ「え!?」

花村「な、苗木……?」

>二人(と一匹?)はコニシ酒店の奥にいた

苗木「花村クン!? どうしたの!?」

>花村クンはかなり疲弊しているようだ…

ギリシア神話の運を司る「女神」…
やっぱり苗木きゅんはヒロインだったんだね!

鳴上「苗木、お前どうしてここに…?」

苗木「それは…二人がなかなか戻ってこないから心配で…」

鳴上「ここにくるまで、大丈夫だったのか? シャドウ…じゃなくて、化け物に襲われたりとか」

苗木「信じてもらえないかもしれないけど…」

>ボクはさっきまでの事を話した

鳴上「お前にもペルソナが…?」

苗木「"お前にも"ってもしかして、鳴上クン達も?」

鳴上「ああ。俺達もシャドウに襲われて…」

謎のクマ「話は後にするクマ。ここは普通の人間にはちょっときついクマよ」

鳴上「そうだな。花村、肩を貸す」

花村「わ、わりぃ…」

>元のスタジオまで戻る間に、ここで何があったかを教えてもらった…

>この世界の事…シャドウの事…"影"の事……

>"影"とは、『自分が認めたくない、抑圧した感情』が具現化したものらしい

>小西先輩は自分の"影"に殺されてしまい、花村クンも殺されそうになったという…

>その話をするとき、花村クンはとてもつらそうな顔をしていた…

花村「そういえば、お前……メガネ無しでよく来れたな…」

苗木「え? あ、そういえば花村クン達、メガネしてるね」

鳴上「このメガネをかけると、視界がはっきりするんだ」

クマ「クマが作ったんだクマ!」エッヘン

苗木「へぇ~」

花村「しっかし、この霧の中あそこに辿り着けるなんて"超高校級の幸運"の名は伊達じゃないってか?」

苗木「はは…」

花村「なあ…二人とも」

花村「俺達なら…この先また誰かが放り込まれても、その人を救えるんじゃないか? 俺の時みたいに…」

鳴上「ああ、そうに違いない」

花村「俺……この事件を止めたい。もう先輩達みたいな人が出ないように…」

苗木「……それに賛成だよ」

クマ「またココに来てくれるクマ!?」

鳴上「当たり前だ」

クマ「ほ、ほんと?」

花村「嘘じゃねぇって」

クマ「そ、それじゃあお願いがあるクマ!」

>クマのお願いというのは、『必ずジュネスのあのテレビから入ってきてほしい』との事だった

>違うところから入ると違うところに出てしまって、もしそれがクマの行けない場所だったら出る事が出来なくなってしまうらしい…

>その事を了承して、ボク達は外に出た…

──────
─────
───
──

里中「あ…」

>戻ってくると、テレビの前で里中さんが座り込んでいた

花村「よ、よお…」

苗木「た、ただいま…」

>里中さんはボク達の顔を見るや否や、目に涙を貯めて


里中「馬鹿!!」

バシッ

花村「うぐっ!!?」

>花村クンの顔にロープを投げつけた

花村「何すんだよ!」

里中「何すんだよ、じゃないよ! ホンット馬鹿! 最悪!!」

里中「もう信じらんない! アンタら三人ともサイテー!! すっげー心配したんだからね!」

>あーもう、腹立つ! と里中さんは怒って走っていってしまった…

花村「…ちょっとだけ、悪いことしたな」

苗木「いや、ちょっとどころじゃない気が……」

鳴上「ああ…」

花村「明日謝ろう…許してくれないかもしんねーけど」


花村「……今日はぐっすり眠れる気がする」

>帰り道の河川敷…

鳴上「ん? おい苗木、あれ…」

苗木「え?」

>広場の休憩所に誰か二人が座って話している…

>そのうち一人は、着物を着た天城さんだった

>どうやら困ってるようだ…

鳴上「……止めにいこう」

苗木「う、うん」

タタタタタ…

苗木「天城さん!」

鳴上「天城!!」

天城「あ、鳴上くん、苗木くん…」

>天城さんはホッとしたような表情を見せる

???「ああ? なんだよオメーら、邪魔すんじゃねーよ!!」

>天城さんと話していた相手は怒声を飛ばしてきた

>どこかで聞いた事があるような……

>………って

苗木「き、キミは……」

赤髪の少年「んあ? あ……」

鳴上「苗木、知り合いか?」


>し、知り合いというか……


苗木「桑田クン!?」

桑田「苗木じゃねーか!」

今日はここまでです
ここからオリジナル展開に分岐していきます

・苗木のペルソナについて
苗木のペルソナは>>138さんが仰っている通り、ギリシャ神話に登場する女神『テュケ』です

テュケは"絶頂から谷底へ急落したかと思えば再び高みへ舞い上がる、千変万化の人間の運勢を司る女神"です

<ペルソナの外見の由来>
両腕に持っている車輪は、「運命の輪」を表していている

周囲に浮かぶ球体は「球のように絶えず流転する不安定な運気の渦」を表している

目を布で覆い隠しているのは「相手が悪人でも関係なく幸運をもたらす『見る目がない』女神」として描かれていていたから

<ペルソナの性能>
昔の船乗りが「助かるも助からぬも運次第」とテュケを畏れ崇めていた事から、風属性が得意

<中の人ネタ?>
テュケは善悪関係なしに恩恵を与えるという女神で、因果応報の女神ネメシスとは対をなす存在

ネメシスはペルソナ3に登場する天田乾の初期ペルソナだった


以上の、"気まぐれに幸運を与える女神"である事と"ネメシスと対をなす存在"である事から、テュケを苗木のペルソナにしました

てか「コイツしかいねー」と思いました


ダンガンロンパのキャラも極力本編に出す予定です。ただ人数が多いんだよなぁ…

本編更新は11時過ぎの予定です。ではまた

雪子編の途中から分岐していきます
投下します

鳴上「桑田って、もしかして"超高校級の野球選手"の桑田怜恩?」

桑田「あ、もしかして苗木の新しいダチ? どもー桑田怜恩でーっす」

苗木「な、なんで桑田クンが稲羽市にいるの?!」

桑田「なんでって、ひでーな。遊びに来たに決まってるじゃねーか!!」

>遊びにきたって…

桑田「オレ以外にも、来てるんだぜ」

苗木「え、だ、誰が!?」

桑田「葉隠」

苗木「……葉隠クンは?」

桑田「商売しにいった」

>何してるんだあの人…

桑田「お前がいなくなってから、大変だったんだぜー」

桑田「大和田と十神は喧嘩ばっかだし、山田と腐川も喧嘩ばっかだし、
   それを見て石丸が怒ってそれを見た江ノ島が爆笑して不二咲がそれを見ておろおろして…
   セレスと霧切と戦刃は誰とも話そうとしねぇしよ」

>ボクがここに来てまだ一週間くらいしか経ってないんだけど…

桑田「他の奴らも暇が出来たら遊びに来るってよ」

苗木「え、本当?」

桑田「ああ」

>皆、遊びにきてくれるんだ…

苗木「桑田クンはこっちにどれくらいいるの?」

桑田「んー三ヶ月くらい?」

苗木「三ヶ月!?」

>流石にいすぎじゃ…

鳴上「試合とか大丈夫なのか?」

桑田「試合ー? んなモン出ねーって!」

鳴上「野球選手なのに?」

桑田「野球とかあんな泥くせーのゴメンだっつの! オレはミュージシャンになりたいんだって!」

鳴上「それでそんな格好なのか…」

桑田「いやーしっかし、田舎でこーんな可愛い子に会えるなんてなー」デヘヘ

天城「あ、あの…」

桑田「だからさーさっきから言ってっけどオレと遊ぼーぜー」

苗木「ちょっと桑田ク……」

>さすがにもういい加減に…

鳴上「悪いが」

グイッ

天城「きゃ…」

>鳴上クンは天城さんの肩を掴んで抱き寄せ…って、え?

鳴上「天城は俺の彼女なんだ。手を出さないで貰おうか」

天城「え…?!」

桑田「へ?」

>!?

桑田「なーんだカレシいんのかよー言ってくれよー」

天城「あ、あの、その」

鳴上「悪いな」

桑田「ま、いいや。そんじゃオレそろそろ行くわ。んじゃーな苗木、とそのダチと天城ちゃん♪」

苗木「あ。う、うん…」

桑田「今度天気がいい時に案内とかしてくれよなー!」

タタタタタ…

>桑田クンは行ってしまった

天城「あ、あの…鳴上クン?」カアア

鳴上「おっと、悪い天城」

>鳴上クンは天城さんの肩を放した

天城「その…彼女って…」

鳴上「ああ。そう言ったらアイツも諦めてくれると思って」

天城「そ、そうだよね!!」

苗木「ごめんね天城さん。桑田クンが迷惑かけて…」

天城「ううん、気にしないで」

天城「でも…なんだか彼が羨ましいな」

苗木「え?」

天城「なんでもない。私そろそろ戻らなきゃ」

鳴上「格好から察するに、家の手伝いか?」

天城「うん。ほら、山野アナの件でマスコミがひどくてお母さんが倒れちゃって色々大変で……」

苗木「そっか…ボク達に手伝える事があったら言ってよ」

天城「ありがとう。それじゃあ、また学校でね」

──────
─────
───
──

>堂島宅・夕食後…

菜々子「お父さん、おそいな…」

アナウンサー『今朝7時頃、稲羽市の住宅街で、地元高校の3年生、小西早紀さんが遺体で見つかった事件』

アナウンサー『警察は、遺体の状況が極めて似ている事や、被害者が遺体発見者であった事などから…』

アナウンサー『先の山野アナの事件から続く連続殺人の可能性もあると見て、捜査を進めています』

アナウンサー『警察の調べによりますと、小西さんの死亡は昨晩1時過ぎ頃と見られています』

アナウンサー『ですが現場は未明から濃い霧で視界が悪く、発見が遅れたのではないかと───』

菜々子「またジケンだね…またお父さん、かえってこなくなる」

>菜々子ちゃんの表情が暗くなる…

苗木「…大丈夫だよ、菜々子ちゃん」

鳴上「俺たちがついてる」

菜々子「うん…」

>菜々子ちゃんをはげますが、表情は相変わらず暗いままだ…

菜々子「お父さんけいじだから、いそがしいのは、しょうがないよね…」

>本当にしっかりした子だ…心配になるほどに

ナレーター『…鮫川の上流に軒を構える、地元随一の歴史をもつ高級温泉宿、"天城屋旅館"』

ナレーター『源泉かけ流しのラドン泉の露天風呂を備え、遠方からのリピーターも多い旅館だ』

現場レポ『事件後、女将が一線を退き、今はこちら、一人娘の雪子さんが代わりを務めています』

苗木「あ!」

>和服姿の天城さんが映っている

現場レポ『ちょっとお話をうかがってみましょう。すみません!』

天城『え…私ですか?』

現場レポ『女子高生で女将、という事ですが』

天城『いえあの、私は代役で…』

現場レポ『でも跡を継がれるんでしょう?』

天城『あ、あの……』

現場レポ『希望ヶ峰学園から"超高校級の女将"としてオファーされたりするんじゃない? 和服姿色っぽいし』

天城『そんな事…』

>様々な有名人が通う希望ヶ峰学園では、マスコミが待ち構えているのは日常茶飯事だった

>が…それでも、これはさすがにどうかと思う

菜々子「つまんない」

>菜々子ちゃんがテレビのチャンネルを変える

菜々子「お皿洗わなきゃ」

苗木「あ、手伝うよ」

鳴上「俺も」

>家事を手伝う事にした

ザー…カチャ…カチャ…

鳴上「……苗木」

苗木「ん? なに?」

鳴上「今日も夜は雨だから……何か映るかもしれない」

苗木「……分かった」

菜々子「手が止まってるよ」

苗木「ご、ごめん」カチャカチャ

>夜中、テレビを見る事にした

──────
─────
───
──

チク…タク…チク…タク…

ザアアアア…

>雨が降っている…

>テレビに何か映るだろうか…

気象アナ『今日のニュースにもありました稲羽市ですが、今日も頻繁に濃霧が観測されています』

気象アナ『実はこれは、ここ数年見られるようになった異常気象で、原因はよく分かっていません』

>へえ、そうなんだ

気象アナ『今日は稲羽市の事件について時間を延長してお伝えしました…間もなく午前0時です』

>テレビの電源を落とす

>テレビの画面を見つめる…

ザ…ザザ…

苗木「映った!」

>どうやら、条件さえ揃えば何度でも見られるようだ

苗木「…何か見える…?」

>映像をよく見てみる

>……人影だ!

>女の人……和服を着ているようだが…

苗木「……駄目だ。いままで以上に映像が荒くて誰かは分からない…」

苗木「あ…」

>映像は消えてしまった…

ガチャ

鳴上「苗木、見たか?」

苗木「うん。着物を着た女の人が映ったよ。だけど…」

鳴上「誰かは分からなかった…か?」

苗木「うん…」

鳴上「明日、陽介たちに相談してみよう」

>今日はもう休む事にした

──4月16日




>空は曇っている…

花村「よっおはよーさん」

苗木「おはよう花村クン」

>朝のあいさつを交わすと、花村クンは真面目な表情になった

花村「昨日の夜中の、見たろ?」

鳴上「ああ。誰だかは分からなかったが…」

苗木「映った以上、放っておけないよ」

花村「また誰かが放り込まれたんだとしたら、やっぱマジでいるのかもな、"犯人"…」

>あの世界を"凶器"として、使っている奴がいる…?

花村「だからさ…絶対、俺たちで犯人捕まえようぜ!」

花村「だって、警察に捕まえられるか?"人をテレビに入れてる殺人犯"なんてさ!」

鳴上「いい考えだ」

花村「だろ? そう思うよな! お前がそう言ってくれるなら心強いぜ!」

花村「実は昨日、うちのテレビで試したら俺もテレビの中に身体突っ込めたんだよ」

鳴上「!?」

花村「もしかしたら、あの力に目覚めたからテレビに入れるようになったのかもな」

花村「"ペルソナ"だっけか」

>花村クンもあの力に目覚めていたのか…

花村「けど、テレビに入るのも、ペルソナも、鳴上が最初にやってのけたんだよな…」

花村「苗木もペルソナ出せるんだっけか」

苗木「うん…多分」

花村「なんだかお前らとならこの事件を解決できそうな気がするんだ」

花村「よろしく頼むぜ相棒!!」

苗木「うん!」

鳴上「ああ!」

>花村クンと鳴上クンと握手を交わす…

>二人との間にほのかな絆の芽生えを感じる…

鳴上「……!!」




花村「さ、学校いこーぜ」

苗木「そうだね。行こう鳴上クン……?」

>鳴上クンは自身の掌を呆然と見つめていた

鳴上「これが…あの人が言ってた…」ブツブツ

苗木「鳴上クン、どうしたの?」

鳴上「いや、なんでもない。行こう」

>……?

──────
─────
───
──

>八十神高校・2-2

>外はいつの間にか雨が降っている…

ガラッ!

>里中さんが慌てて教室に入ってきた

苗木「あ、あの里中さん、昨日はその…」

花村「わりぃ心配させて……」

>しかし里中さんはそれを無視し

里中「そんな事より、雪子まだ来てない?」

苗木「天城さん? 天城さんならまだ来てないけど…」

里中「どうしよう…あの話ってやっぱり本当なの?」

里中「マヨナカテレビに映った人は"向こう側"と関係してるってヤツ」

鳴上「……天城がどうかしたのか」

>里中さんの話によると、昨日マヨナカテレビに映ったのは天城さんだという

>そういえば…映っていた女性が着ていた和服は天城さんの着ていた物とよく似ていた…

>天城さんは"今日は学校に来る"と言っていたらしいが…

>ボクらは向こうの世界で得た情報をかいつまんで伝えると、里中さんはよけい混乱してしまった

花村「落ち着け里中! 天城に連絡してみろ!」

里中「う、うん…」

プルルルルル、プルルルルル……

里中「どうしよう留守電になってるよ…」

>そういえば天城さんのお母さんは倒れてしまって、今は天城さんが女将代理をしていると言っていたような…

>里中さんにそれを伝えると、「それはもう知ってる」と一蹴されてしまった

>だが里中さんは少し考え込むと…

里中「それだよ苗木! きっと旅館の方で手伝いをしてるんだよ!」

プルルルルル、プルルルルルル…プツッ

里中「あ、もしもし雪子!? ……よかったぁ~…」

>どうやらいたようだ…一安心だ

里中「うん…うん、そっか…あ、ううん。なんでもない。また後でメールするから!」

ピッ

里中「急に団体さんが入って、手伝わなきゃいけなくなったんだって」

>そういう事は今までもあったらしい

>天城さんは明日も旅館の手伝いをするため、学校には来ないようだ

里中「もう! アンタらのせいで要らない心配しちゃったじゃん!」

里中「"まさか、天城はテレビの中に…?"とかってさ! 全然無事じゃん!」

苗木「ご、ごめん…」

>ボク達はマヨナカテレビに映るのは、テレビの中にいるからだと思っていた

>だけど、天城さんはちゃんとこっちの世界にいる…どういう事なのだろうか

>ボク達は放課後、ジュネスに行ってどういう事か確かめる事にした

──────
─────
───
──

>ジュネス・家電売り場

>昨日起きた事を、改めて里中さんに詳しく説明した

>里中さんは意外とあっさりと信じてくれた

花村「で、中に入って様子を探りたいんだけどさ……」

ざわざわ、ざわざわ

鳴上「なんで今日はこんなに客が多いんだ?」

花村「あーそっか。そういや今、家電セール中だったっけか」

ざわざわ、ざわざわ

里中「これじゃ、中に入れないね…」

苗木「どうする?」

花村「ん~…そうだ! テレビの中に手をつっこんでクマを…って無理か。この人ごみじゃあ…」

里中「てか多すぎない? セールの他になんかイベントとかやってないの?」

花村「やってない…はずなんだけど」


女子高生A「有名な占い師が来てるんだってー!」

女子高生B「行ってみよ行ってみよ!」


鳴上「有名な占い師?」

花村「親父からはそんなん聞いてねーけどな…普通に客としてきたのか?」

>まさか……

葉隠「さーよってらっしゃい見てらっしゃい! "超高校級の占い師"葉隠康比呂の公開占いだべー!!」



>やっぱり…

花村「超高校級って事は…苗木、知り合い?」

苗木「うん…」

葉隠「あ、おーい! 苗木っちー!!」タタタ

>見つかった!!

葉隠「会いたかったべ苗木っち!!」ガシッ

苗木「ボ、ボクもだよ…」

葉隠「ん? こっちは?」

苗木「ボクの友達の…」

鳴上「鳴上悠です」

花村「え、えと、花村陽介です」

里中「里中千枝っす」

葉隠「俺の事は知ってる?」

鳴上「有名だからな」

葉隠「苗木っち達も占いやってくか? 友達料金で安くしとくべ」

苗木「ボクはいいよ…」

鳴上「いくらなんだ?」

葉隠「通常6000円のところを3000円だべ」

鳴上「それじゃあやって貰おう」

花村「んじゃあ俺も。小遣い入ったばっかだし」

里中「あたしも3000円くらいなら」

苗木「い、いいの三人とも?」

里中「"超高校級の占い師"に占ってもらう機会なんてそうそうないだろうしね」

葉隠「毎度ありだべ!それじゃあ占うべ」

>葉隠クンは三人から料金を受け取ると、懐から水晶玉を取り出し唸りだした

葉隠「う~むむむむ……む? むむ…ハッ!! 見えたべ!!!」

鳴上「……」ドキドキ

葉隠「鳴上っちには、女難の相が出てるべ! すっごいの!!」

鳴上「え!?」

葉隠「鳴上っち、浮気とかしてる?」

鳴上「………!!!」ブンブンブンッ

>鳴上クンは途轍もない速度で首を横に振る

花村「お、俺は? 俺はどう?」

葉隠「花村っちは全体的に悪いべ」

花村「そんな大雑把な!? も、もうちょい詳しく教えてくれよ!!」

葉隠「まずは恋愛運、縁がないべ。次に仕事運、報われないべ。次に料理運、最悪だべ。後7項目あるけど…」

花村「もういい…止めてくれ…」

葉隠「まあ、なんだ。カレーと原付と尻には注意するべ」

花村「なんだよそれ!?」

里中「最後はあたしだね」

葉隠「里中っちは───」



警備員「おいお前!! ここで何をしている!! 許可をとってやっているのか!?」



葉隠「やべッ!? 見つかった!! そんじゃな苗木っち!!!」

ダッ!!!

苗木「あ、葉隠クン!?」

里中「ちょっとあたしの占いは?!」

警備員「待てー!!!」ダダダダダダ

里中「金返せー!!!」

ダダダダダダダ…

>葉隠クンは走って逃げてしまった…

花村「………まあ、なんだ、その……どんまい」

里中「うう…あたしの3000円……」

>なんだかこっちが申し訳ない気分になる…

>里中さんが落ち着くのを待った

花村「気を取り直して…天城の事なんだけど」

里中「あたし、雪子に気をつけるように言ってくる」

里中「土日は旅館が忙しいだろうから一人で出歩いたりしないと思うけど…」

花村「そうだな…月曜は一緒に来るんだろ?」

里中「うん、家まで迎えにいく」

鳴上「もしかしたら、今夜のマヨナカテレビでまた何か分かるかもしれない」

里中「全部、勘違いならいいんだけど…」

>あの時映ったのは、本当に天城さんだったのだろうか…

>今夜、テレビを見るのを忘れないようにしよう…

──────
─────
───
──

チク…タク…チク…タク…

ザアアアア…

>雨が降っている…

苗木「テレビに何か映るかな…」

>できれば何も映らないで欲しいけど…

苗木「そろそろかな…」

>テレビをじっと見つめる

ザ…ザザ…

>映った!!

苗木「今日は何が───」


『こ~んば~んわ~!!』


苗木「………は?」

>……画面に映ったのは、やはり天城さんだった

>今日の映像は鮮明に映っているから、はっきりと顔まで見える

>だけど、今日のはいままでのとは明らかに違った

>なんというか…その…

>バラエティレポート…?

天城『えーと、今日は私、天城雪子がなんと!!』

天城『"逆ナン"に挑戦したいと思いまーす! キャハ☆』

天城『題して───』



<やらせナシ! 雪子姫、白馬の王子様さがし!>



>天城さんは赤いドレスに身を包み、なんだかテンションが異常に高い

天城『見えないトコロまで勝負仕様…』

天城『はぁと♪ みたいなね!』ムギュ

苗木「………」

天城『もぉ私用のホストクラブをブッ建てるくらいの意気込みで…』

天城『じゃあ行ってきま──す!!!!』

ウフフフフフフ……

ブツンッ

>天城さんはお城の中に入っていき、そこで映像は消えた

>しばらく開いた口が塞がらなかった…

ガタガタッ!

>開いた口を塞いだのは、隣の部屋から聞こえてきた物音だった

苗木「!!」

>もしかして、あの時みたいにまたテレビに……!!

ガチャッ

苗木「鳴上クン!?」

鳴上「……苗木か。どうした?」

苗木「あ、あれ…? さっき物音が……」

>鳴上クンはバツが悪そうな顔をしている

鳴上「………花村に会ってきた」

苗木「?」

鳴上「おやすみ」

苗木「う、うん。おや、すみ……?」

>………?










「い、今の……天城ちゃん…だよな。この前会った」




桑田「今の映像…なんだったんだ…?」

ここまでです

続き投下します
展開遅くて申し訳ない

──4月17日




苗木「二人ともまだ来てないみたいだね」

鳴上「ああ」

>ボク達は昨日のマヨナカテレビについて話し合う為、ジュネスのフードコートで待ち合わせしていた

花村「わり、待たせたな」

苗木「あ、花村クン。ううん大丈夫だよ」

鳴上「……何を持ってるんだ?」

花村「へっへへ。バックヤードからいいモン見っけてきたんだ」

>そう言うと、花村クンはいままで後ろ手に隠していた物を取り出した

花村「ジャーン! どうよコレ!」


苗木「…摸擬刀?」

花村「いくら"ペルソナ"があるからって、身一つじゃ心許ないからな」

花村「これで先制攻撃ー!!ってな!!」ブンブン

>花村クンは摸擬刀を振り回しだした

花村「とりゃ、ほりゃー!!」ブンブン

苗木「ちょ、危ないって…」

巡回中の警察官「挙動不審の少年三人を発見。刃物を所持、至急応援求む」

「「「!!!?」」」

花村「は…? あ、や、ちょ…」

苗木「ち、違うんですコレは…」

鳴上「俺達、刃物マニアというか…」

>…それはそれでアブナイ話だ

巡回「とにかく詳しい話は署で聞くから。手は頭の上!!」

花村「ひぃぃぃいいい!!!」

>警察に連行される事になってしまった…

──────
─────
───
──

堂島「お前ら…こういうバカをするタイプには見えなかったがな」

苗木「すいません…」

鳴上「ごめんなさい…」

堂島「今、色々起きてるのは知ってるだろ。警察もピリピリしてんだ」

花村「うす…スンマセン」

堂島「ったく…俺が偶然居なきゃ、補導歴が付いてたところだ」

>武器は没収されてしまった…

堂島「もうこれっきりにしろよ。帰ってよし」

花村「じゃ、戻るか」

>警察官の話し声が聞こえる…


私服「え、じゃ、居なくなったのって、やっぱ天城屋の…」

制服「ああ…でもま、高校生だ。ただ家出とかってオチかも知れんが…」


「「「!!!」」」

苗木「今のって…」

花村「天城屋…つってたよな」

鳴上「まさか…」

若い刑事「あれ? キミ達、もしかして堂島さんとこの?」

>この人は最初の事件のとき、堂島さんと一緒にいて吐いてた…

>確か足立さんだったか

花村「あ、あの! ちっと訊いてもいいすか!? 天城雪子の事なんすけど…」

鳴上「もしかして、いなくなったんですか?」

足立「あー…もしかして天城さんの友達?」

苗木「は、はい…」

足立「言ってもいいのかなー…まあ、天城さんと友達なら、特別だよ?」

>足立さんの話によると、天城さんは昨日の夕方頃から、急に姿が見えなくなってしまったらしい

>土曜日だから旅館の人は皆忙しく、誰も天城さんがいなくなっていた事に気づかなかったという…

鳴上「まさか、誘拐とかじゃ…」

足立「でも、まだ事件って決まった訳じゃないから!」

>"まだ"、か…

足立「そうだキミ達、天城さんから何か聞いてない?」

花村「なにか…ですか?」

足立「例えば辛そうとか」

鳴上「辛そう…?」

足立「ほら、1件目の殺人の前、例の山野アナが天城屋に泊まっててさ」

足立「山野アナ、接客態度の事で、女将さんに酷い言葉浴びせたみたいなんだよね」

足立「で、女将さんがストレスで倒れちゃって…ほら、天城さん、女将さんの娘なわけだし、その、色々思うじゃない?」

花村「色々…?」

足立「天城さん、家出とかホノめかしたりしてなかった?」

足立「じゃないと、"何か都合悪い事"があって、"隠れてる"とか言ってるヤツもいるしさ…」

>それってつまり…

>天城さんが山野アナ達を殺した犯人だと疑っている…?

足立「あ、これ言っちゃまずかったかも…」

>ごめん忘れて!と足立さんは逃げるように去ってしまった…

>入り口まで戻ると、そこには里中さんがいた

里中「あれ? アンタら警察署で何してんの? 待ち合わせジュネスじゃなかったっけ」

花村「色々あってな…って、なんでお前もここにいるんだよ」

里中「ん。あいつの事しょっぴいてきた」


葉隠「は、放してくれー!!!」ジタバタ

警察「大人しくしろ!!」


里中「また無許可で商売してたからさ。3000円の恨みは恐ろしいんだから!」

>……気にしないでおこう

里中「そんな事より雪子の事だよ!!」

>どうやら里中さんも天城さんがいなくなってしまった事を知っていたようだ

>天城さんが容疑者に疑われているかも…と伝えると

里中「何よそれ!? 雪子が犯人だって!? ヤバい目に遭ってるのは雪子なのに!!」

花村「んなコトは分かってるよ!!」

里中「どうしよう…早く助けないと…!!」

>二人は動揺しているようだ…

鳴上「二人とも落ち着け!」

「「!!」」

里中「で、でも雪子が…」

苗木「気持ちは分かるけど、焦っちゃ駄目だよ!」

鳴上「何があるか分からない。準備はしっかりやっておいた方がいいだろう」

花村「そ、そうだな…夕方のセール終わらないと店も混んでるだろうし、一旦解散しよう」

里中「じゃあ後で、ジュネスのフードコートに集合ね!」

>一旦解散して、準備をする事になった

>天城さん…無事だといいけど…

──────
─────
───
──

>稲羽中央通り商店街

四六のおばちゃん「また来てねぇ」

苗木「えっと…念の為の傷薬と、後は…あれ?」

>鳴上クンの姿が見えない

>さっきまでだいだらの前にいたはずだが…

>だいだらと四目内堂書店の中も覗いてみたが、いなかった

苗木「北側に行ったのかな?」

>北側にいくと、惣菜大学に桑田クンがいた

苗木「桑田クン」

桑田「おー苗木か。どうしたんだ?」

苗木「鳴上クンを見なかった?」

桑田「鳴上…ああ、アイツか。んにゃ見てねぇよ」

苗木「そっか。ごめんね邪魔して」

>立ち去ろうとすると、桑田クンに腕を捕まれた

桑田「ちょっと待て苗木。少し話さないか?」

苗木「それで、話ってなに?」

桑田「実はな……オレ、見ちまったんだよ」

苗木「見た?」

桑田「昨日の夜中、なかなか寝付けなくてテレビをつけようとしたんだ…そしたら映ったんだよ。まだ電源いれてないのに」

苗木「!!!」

桑田「そしたらさ、天城ちゃんが派手なドレス着て、逆ナンだのなんだの言ってるじゃん」

>桑田クンがマヨナカテレビを…しかもよりにもよって昨日の…

桑田「…その様子じゃ、お前も見てたみたいだな」

苗木「う、うん…」


桑田「ハッキリ言うぞ……天城ちゃんってまさかあのテレビに……」


苗木「………」ゴクリ


>ま、まさか、あのテレビの秘密に……!?


桑田「出演してる【企画モノの女優】なのか!?」

苗木「それは違うよ!!!」

BREAK!!

苗木「そんな訳ないでしょうが!!」

桑田「じゃああの映像はなんなんだよ!!」

苗木「ゆ、【夢】なんじゃないかな? 寝ぼけて……」

桑田「それはちげーよ!!」

BREAK!!

桑田「オメーだってさっき見たって言ってたじゃねーか!!」

苗木「う…」

桑田「苗木ィ…オメー、オレに何か隠してるな…?」

苗木「な、なんの事?」ダラダラダラ

桑田「しらばっくれるんじゃねー!! 吐け!! 吐かねーと千本ノックの刑だぞ!!」

苗木「ちょ、や、やめ…」



鳴上「苗木?」


苗木「あ! 鳴上クン助けて!!」

鳴上「……そっとしておこう」クルッ

苗木「鳴上クン!!?」

桑田「鳴上ィオメーもグルか!!」ガシッ

鳴上「!!?」



ギャアアアアアアアア…

──────
─────
───
──

>ジュネス・フードコート


桑田「つーワケで! 桑田怜恩っす!! シクヨロ!!!」


花村「苗木ぃ~…」

里中「鳴上くん…」

苗木「ごめんなさい…」

鳴上「申し訳ない…」

>二人の攻めるような視線が痛い…

花村「あのなぁ…遊びじゃないんだぞ? 止めといた方がいいって」

桑田「だーいじょぶだって!! ほらオレ超高校級だし!!」

花村「理由になってねぇし……里中、お前も…」

里中「あたしは絶対行くからね!! 雪子を絶対に助けるんだから!」

桑田「その意気だぜ里中ちゃん!!」

里中「うっさい部外者!!」

桑田「んだとぉ!?」

里中「どーせ変なコト考えてるんでしょ!?」

桑田「アホか! んな事考えてねーっつの!!」

ギャーギャー!!

>周りの客の視線が集まる…

花村「はあ……行くならさっさと行こうぜ…」

ここまでです
明日明後日は実家に帰るので更新できません

ではまた

最近更新できなくて申し訳ありません
来週まで更新できそうにないので、報告しておきます

お久しぶりです
投下していきます

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───
──

桑田「すっげー! マジでテレビん中!? ヤベー!!」

花村「頼むから少し落ち着いてくれって…」

>テレビの中に入るなり、桑田クンは興奮して辺りを歩き回っている…

苗木「く、桑田クン、この霧の中うろちょろするのは危ないよ」

花村「はぐれたりしてもしんねーからな」

桑田「分かってるよー!!って、うわぁ!?」

ドサッ!!

苗木「桑田クン!?」

桑田「ててて…なんかに躓いて転んじまった」

苗木「だから言ったのに…」

桑田「くっそ! なんだよコレ!!」ゲシッ

???「イデェ!?!」

桑田「うわ、喋った!?」

クマ「痛いクマね! 何をするクマ!!」

桑田「う、うわああなんだコイツ!?」

鳴上「クマ!」

里中「わ、ホントにあん時のクマ…」

花村「そんなとこで横になって、なにしてんだお前?」

クマ「見て分からんクマ? 色々考え事してるクマ」

桑田「ちょ、ちょっと何だよコイツ!!?」

クマ「そう! まさにそれを考えてたクマ!!……て、どなた?」

桑田「この俺を知らねーっつのか!?」

クマ「そういえば、今日はどんな用クマ?」

>里中さんがクマにつめよる

里中「ここに、あたし達以外に誰か来なかった!?」ズイッ

クマ「なんと! クマより鼻が利く子がいるクマ!? キミの名前も何クマ?」

里中「名前? 千枝だけど…って、それはいいから、どうなのよ!誰か来たの!?」

クマ「確かに昨日辺りから、誰かが居る感じがしてるクマ」

花村「天城なのか!?」

クマ「そこまでは分からないけど…」

鳴上「気配はどこから?」

クマ「う~んと…多分あっち」

>そういってクマは向こう側を指す…霧のせいで見えないけど

里中「あっちね…」

鳴上「みんな、準備はいいか?」

苗木「う、うん!」

花村「おう!」

桑田「お、おう???」

里中「行くよ!!」タッ

花村「ちょ、待て里中!! お前具体的な場所分からないだろ!!」

タタタタタ…

──────
─────
───
──

>しばらく走っていたボク達は、辺りとは雰囲気が違う場所にたどり着いた

>そこは…

里中「お城…!?」

苗木「昨日の番組に映ってたのって、ここだよね…?」

鳴上「ああ…きっと天城はここにいるんだ」

桑田「なぁ、ところでよ。あの夜中の番組、誰が撮ってるんだ?」

クマ「バングミ? 知らないクマよ。何かの原因で、この世界の中が見えちゃってるのかもしれないクマ」

桑田「そ、そうなんか?」

クマ「ココは初めから、こういう世界クマ」

桑田「初めから、こういう世界って…?」

花村「それがよく分からんっての!」

クマ「じゃあキミたちは、キミたちの世界の事、全部説明できるクマ?」

苗木「う…」

>論破されてしまった…されたのか?

クマ「でもこの世界が影響して、起こってるのはそうなのかも知れないクマね」

クマ「何かの原因でこの世界の中が見えちゃってるのかもしれないクマ」

鳴上「でも、この世界が見えてるだけなら、天城が失踪する前にテレビに映ったのはどういう事なんだ?」

クマ「う~ん…不思議クマね。まだいろいろと分からないけど、キミ達の話を聞く限り…」

クマ「そのバングミってのは、その子自身に原因があって生み出されている…って気がするクマ」

里中「雪子自身があの映像を生み出してるってコト!? ありえないよ!」

花村「まあ…あの天城があんな事をなあ…」

桑田「オレはちょっとしか話したコトないけど…逆ナンっつータイプには見えなかったなぁ…」

クマ「逆ナン? 逆ナンって何クマ?」

桑田「逆ナンってのはな……」

>桑田クンがクマに逆ナンとはなにか教え始める

クマ「ほほう!! 逆ナンとはそういう事だったクマか! なんか楽しそうクマねー」

里中「そんなのはどうでもいいから!! もうあたし、先に行ってるからね!!」タッ

苗木「さ、里中さん!!」

花村「おい一人で行くなって!!」

タタタタタタ…

>里中さんが一人で城に走っていってしまう

桑田「オレ、追いかけてくる!!」タッ

苗木「え!?」

>桑田クンまで走っていってしまった

>さすが腐っても『超高校級の野球選手』。すぐに姿が見えなくなってしまう

>…って、そうじゃない!

花村「あ、あいつら馬鹿か!?」

苗木「ボ、ボクたちも行かなきゃ!!」

クマ「あ、ちょっと待って!」

>城の中に入ろうとすると、クマに呼び止められた

>クマは懐から何かを取り出し、ボクに差し出す

苗木「あ、これ…」

クマ「これ、マコトの分のメガネクマ」

>かけてみると、周囲の霧が消えて、辺りが鮮明に見えるようになった

鳴上「似合うじゃないか」

苗木「あ、ありがとう…」

鳴上「うし、今度こそ行くぞ皆!!」

「うん!」「おう!」

>ボク達は城の中に入っていった

──────
─────
───
──

クマ「まだそんなに遠くには行ってないクマ」

花村「あいつら、先走りやがって…」

鳴上「早く見つけるぞ!!」

苗木「天城さん…里中さん…桑田クン…無事でいてよ…!」



『ガァアアアアアアアッ!!』
             
        『グォオオオオオオオオッ!!!』

 『オオオオオオオオオオオ!!!』


クマ「シャドウクマ!! いっぱいいるクマよ!!」

花村「ちっ、早速出やがったか!!」

花村「行くぜ俺のペルソナ──」


花村「ジライヤ!!!!」


ゴォッ!!!!!

>迷彩柄の服に赤いマフラーを纏い、両手に手裏剣を持った、まるでヒーローのようなペルソナが出現する


鳴上「俺も負けていられないな」


鳴上「イザナギ!!!!」


ゴォッ!!!!!

>黒い長ランのような衣に身を包み薙刀を持った、まるで番長のようなペルソナが出現する

苗木「これが花村クンと鳴上クンのペルソナ…」

>と、見入ってる場合じゃない!!

>ボクも───!


苗木「テュケ!!!!」


ゴォッ!!!!

>ボクの呼びかけに答えるように、ボクのペルソナ、テュケが姿を現す

鳴上「それが苗木のペルソナか」

花村「へへっ頼もしいぜ!」

苗木「いこう、皆!!」

「「おう!!」」

──────
─────
───
──

桑田「おーい天城ちゃーん、里中ー」

桑田「まいったな…霧でなんも見えねー」

桑田「なーにが危険だ。霧が濃くて足元が危ない以外特になんもねーじゃねーか」

>もうしばらく歩いているが、何とも遭遇していない

>一応護身用に持ってきた野球ボールを弄りながら、歩いていた

桑田「……適当に上目指してるけど、いいのかな」

桑田「おーい天城か里中ー。いたら返事してくれー」


「桑田くん…?」

桑田「!! 天城ちゃん無事だったのか!」

天城「……」

桑田「苗木たちが心配してるから帰ろうぜ」

天城「………」

桑田「しかし、そのドレス姿も可愛いな~似合ってるぜ~」

天城「…………」

桑田「あれ? オレどっちから来たっけ…? あれ?」

天城「…ねえ、桑田くん」

桑田「ん、なに?」

天城「私ね…生まれも育ちも、ずっと稲羽の町なの」

桑田「へ、へぇ…そうなんだ…?」

>…何か様子がおかしい

天城「昔から代々続く高級温泉宿「天城屋旅館」の一人娘で…」

天城「小さい頃から女将修行とかさせられてて、ずっとこれからもこの町で生きていくんだと思う」

桑田「………」

ギリッ…

>自然とボールを握る手に力が入る

天城「桑田くん、河川敷で私に色々話してくれたでしょう?」

桑田「あ、ああ…」

天城「私ね、桑田くんが羨ましかった」

桑田「オレが…?」

天城「自分の才能に囚われず、自分の進みたい道を進む桑田くんが…」

桑田「そ、そうなの? い、いやぁ~…」

天城「それに比べて私は…」スッ

桑田「ひっ!?」

>天城ちゃんに頬を触れられる

>その手は驚くほど冷たかった

天城「一人で飛び立つこともできずに…こんなところに束縛されて…」



天城「ねえ桑田くん……雪子をどこかに連れていって?」


桑田「う、うわあああああああああああああッ!!!!」ダッ


>オレは思わず、天城から逃げてしまった

>あの天城からは、底知れぬ闇を感じた

>果たしてあれは、本当に天城だったのだろうか

>よく似た別人だったのではないか…?

>既に霧に隠れて、天城の姿は見えなくなっていたがそれにも関わらずオレは走り続けた

桑田「ハァ…ハァ…」

>息が切れるまで走ったのはいつぶりだろうか…

桑田「ハァ…ハァ…あれ?」

>持っていたボールがいつの間にかなくなっている

>走っている間に落としてしまったのだろうか

桑田「探す…っつってもこの霧じゃあなぁ…」

>仕方ない…諦めよう

>そう思った時だった



『楽しいなぁ…』

桑田「え…?」

>向こうから、誰かが近づいてくる

『野球は…楽しいなぁ…』

>そして、その姿がはっきり見える

桑田「………!!」

>霧の向こうから現れたその人物は

>野球のユニフォームに身を包み、坊主頭という点を除けば

>自分が一番よく知ってる人物だった

桑田「オレ……!?」

クワタ『野球は楽しいよなぁ。どんなことよりも…』

桑田「な、何言ってんだお前…」

>コイツは何をふざけた事を言っているんだろう

>野球が楽しいだって…?

桑田「ハァ!? あんな泥まみれ、汗まみれになるスポーツが?んな訳ねェだろ!!」

桑田「オレの顔してそんな事言いやがって…オメーは誰なんだよ!!」

クワタ『オレか…? オレはお前だよ、桑田怜恩』

桑田「オレがオメーな訳ねーだろ!!」

桑田「第一オレが野球をやってたのは、女の子にモテるためだ!!」

桑田「試合だって本当は出たくないのに、センコーや後輩に頼まれて仕方なく…!!」

桑田「一度も練習した事ないし、一度も楽しいなんて思った事ねェ!!」

クワタ『本当にそうかな…? 思い出してみろよ、初めて試合で勝った時の事…』

桑田「……!?」

>コイツの言葉は的外れのはずなのに、何故か心に深く突き刺さる

桑田「お、オレがなりたいのはミュージシャンだ!! 野球選手じゃねぇ!!」

クワタ『そのミュージシャンになりたいのだって、行きつけの美容室のお姉さんと付き合いたいから、だろ?』

桑田「う…」

>どうしてその事を…!?

クワタ『それに、舞園の好みが俳優なら、俳優でもいいんだろ?』

桑田「っ……!!」

クワタ『お前の夢なんて、その程度なんだよ。その時その時でころころ変わる…』

クワタ『なあ、もう自分に嘘をつくの止めろよ』

クワタ『お前は心のどこかで思ってるはずだ』

クワタ『"野球が一番好き"なんだって』

桑田「ふ…ざけんな…」



桑田「オレは野球なんか好きじゃねえ!!」



桑田「野球が好きなオレなんてオレじゃねえ…」




桑田「だからオメーはオレじゃねぇ!!!!!!」




クワタ『………』

クワタ『く…くくくく…!!』

クワタ『あくまでオレを認めねぇか…!!』

クワタ『いいぜェ!!! だったらオレが全部ぶっ壊してやんよ!!!!』

桑田「……!!?」

>奴の周りに黒い影が纏わりつく

>そして、その影が晴れたとき、そこにいたのはオレそっくりな男ではなく…



桑田の影『ひゃはははっははははははあ!!!』



>それは、巨大なバッティングマシーンに様々な楽器が突き刺さり、無理やり人の形を成したような化け物だった

桑田「う、うあ……」

>に、逃げなきゃ…

>そう思ったが、足が動かない

ガッ!!

桑田「っ!!」ドサッ

>何かを踏んで転んでしまった

コロコロ…

桑田「オ、オレのボール…」



桑田の影『そんなに自分が受け入れられないなら…』

桑田「っ!!」



桑田の影『消えちまえばいいんだよぉおおおおおおおおおおおおお!!!!!!』

グオッ!!!

>しまっ───

ここまでです
次の更新は未定です

お久しぶりです
続き投下します

「桑田クン!!!」



ガギィッ!!!!



桑田「………?」

>…どこも痛くない…?

>それに、今の声は……

苗木「桑田クン、大丈夫!?」ザッ

桑田「苗木、お前…」

クマ「レオン、大丈夫クマか!?」

桑田「どうしてここに…? 鳴上たちは…?」

クマ「今はセンセイとヨースケにチエチャンを任せてるクマ」

桑田「あれは…?」

クマ「あれは、レオンの抑圧された内面…不安定な精神状態が、制御を失って現れたモノクマ」

桑田「それじゃあ、あれは…オレの本心って事か…?」

クマ「いや、全てが本心って訳じゃないクマ。タチ悪く暴走してるだけクマ!」

桑田「そうなのか…でも…」

桑田の影『なんだオメーは! 邪魔すんじゃねーぞ!!」

>暴走した影…

>これに山野アナと小西先輩は殺されたんだ…

>花村クンも殺されそうになって…里中さんも…

苗木「桑田クンも…」



桑田の影『邪魔するっていうなら……オメーもぶっ殺す!!』

桑田『小指一本で吹っ飛ばしてやるよぉ!!』

グオッ!!

苗木「っ!!」

ガギンッ!!!!

苗木「くっ…」ググ

>桑田クンの影の攻撃を再び受け止める

>…が、ボクのペルソナは力が強いわけではないから、長くは持たない

>どこかに弱点は…

苗木「!!」

>あった!

>影の身体を構成している楽器とバッティングマシーンの隙間!!

苗木「テュケ!!」

>車輪を回転させて、隙間にぶつける!!


ガリガリガリガリッ!!!!

桑田の影『あがぁぁああああああああああッ!!!!?』


>装甲が剥がれるように、楽器が落ちていく

桑田の影『チョーシのってんじゃねーぞ!!』

ガッ!!!

苗木「くっ!!」

苗木「ガル!!」

ヒュゴォ!!!

桑田の影『っ……! んなモンが効くかよぉお!!』

>あまり効いていないようだ…

苗木「ラクンダ!!」

>影に防御低下魔法をかける

苗木「タルンダ!!」

>更に攻撃低下魔法をかける

桑田の影『オレの演奏を聴きなァアアアアアアアアッ!!!!!』

>影についている楽器が一斉に大きな騒音を出す


ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!!


苗木「っ!!!?」


>騒音は巨大な衝撃波になって、身体が大きく吹き飛ばされる!

クマ「ひぎゃあああ耳が、耳がぁああッ!!!!!」

桑田「………!!」

苗木「がはっ…!!」

桑田の影『オレの演奏が聴けねぇってのかァ?! そんな野郎には…オシオキが必要だなぁ~!』

>桑田クンの影の身体を構成しているバッティングマシーンのモーターが大きく回転を始める

クマ「!! 嫌な予感がするクマ!! マコト逃げるクマ!!」


桑田の影『千本ノックだぁああああああああああ!!!!!!!』


ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッッ!!!!!!


>バッティングマシーンから無数の弾が凄い勢いで射出される!

苗木「うわあああああああああああああッ!!!!」

>全身に弾がぶつかり、強い痛みが走る

苗木「が、あ…!」

クマ「マコト!」

桑田「苗木!!」

>クマと桑田クンが駆け寄ろうとする

苗木「来ちゃ駄目だ!!」

桑田「っ!?」ビタッ

苗木「危ないから…来ちゃ、駄目だ…!」

桑田「だ、だけど…お前、ボロボロで…」

苗木「大丈夫…ボクは大丈夫だよ」ググ

>直前にかけた攻撃低下魔法でダメージが軽減されたおかげで、まだ動く事はできる…

苗木「ボクがアレを止めてみせる!」

桑田「苗木…」

苗木「おおおおおおおおおおッ!!!」

桑田の影『ウットオシイんだよオメーはよぉおおおおお!!』

>影が再び衝撃波を放つ

苗木「ガル!!」

>疾風魔法で衝撃波を相殺する!

苗木「らぁあああああッ!!」

>テュケの周囲に浮いている球を影にぶつける!!

桑田の影『あ…ぎぃ!!』

ドグッ!!

苗木「ぐふっ…!」

苗木「まだ…まだぁああああああ!!」

桑田「あ…」

>オレは何をやってるんだ…?


   「おおおおおおッ!!」

 ドガァッ!!

       『クソヤロォオオオオ!!』

  「あぐっ!!」


>苗木があんなに頑張ってるのに…

>あんなボロボロになってるのに…

>オレはここで突っ立って怯えているだけ…

>オレが自分に向き合えなかったから…

苗木「はぁ…はぁ…!」

桑田の影『ゼェ…ゼェ…』

桑田の影『なんなんだよオマエ…なんで…』

桑田の影『なんで…どうしてそんな弱いヤツを庇うんだよ!!』


苗木「それは違うよ!!」


桑田の影『!!?』

桑田「!!」

苗木「桑田クンは…弱くなんかない……」

桑田の影『へっ、自分と向き合えないような奴のどこが強いっていうんだ!!!』

苗木「自分と向き合うって事は…とても大変なんだ…」

桑田「苗木…お前…」

桑田の影『お前もう、消えちまえよ!!!!』

ィィィィィイイン───!!!!

>再びモーターが激しく回転を始める

苗木「……!!」

>おう一度喰らってしまえば、さすがにまずい…

>なんとか体勢を立て直して…

桑田の影『喰らえ!!千本ノ──』


ゴンッ


桑田の影『……あ?』

>何か丸い物が凄い勢い飛んできて影にぶつかった

コロコロ…

苗木「野球のボール…?」

桑田「ありがとうな苗木…こんなオレを弱くないって言ってくれて」

クマ「レオン、危ないから下がるクマー!!」

桑田「うるせぇアホ!!」

クマ「アホ!?」

桑田「ありがとうな苗木…こんなオレの為にそんなになるまで戦ってくれて」

苗木「桑田クン…」


桑田「オレ…もう目をそらさねぇ。どんな自分も受け入れてやる!」



桑田の影『う、ぐぁあああああああああッ!?』

>突然桑田クンの影がもだえ苦しみ始めた!

クマ「!! 影の力が弱まってるクマ!! やるなら今クマー!!!」

苗木「うおおおおおおおおおおおおおッ!!!!」

桑田の影『ふ、ざ、けやがってぇええええ!!』

ガガガガガガガガガガガガッ!!!!

桑田「そんな球遅ぇんだよ!!」

苗木「はぁあ!!」

>向かってくる弾を車輪で弾き返す

桑田の影『ちくしょぉおおおおおおおお!!』

桑田「やっちまえ苗木!!!!」

苗木「うん!!!!」



>テュケが影を一閃する!!




桑田の影『アアアアあああああああああああああああああ!!!!!』



>影はグズグズに崩れて、その形を失っていった

>……いや、完全に消滅した訳ではない

苗木「もう一人の…桑田クン」

>もう一人の桑田クンは恨めしそうな目をこちらを見ている

クマ「まだ暴れるかもしれないクマ!!」

桑田「…いや」

>桑田クンが、もう一人の桑田クンに歩み寄る

クマ「危ないクマよ!!」

苗木「大丈夫だよ、クマ」

クマ「でも…!」

苗木「大丈夫」

桑田「おい」

クワタ『………』

桑田「オレのさっきの投球、効いたろ。本気でぶん投げたからな」

クワタ『………』

桑田「それに比べてオメーのはなんだ。苗木なんかに打たれちまってるじゃねーか。情けねー」

桑田「いや、正確には弾かれた、か」

クワタ『………』

桑田「なんにせよ、オメーの球は全然なっちゃいねーって事だ」

クワタ『………』

桑田「………やっぱ、オレはオレらしくやった方がいいんだよ」

桑田「ひとつの事に一生懸命になるのはオレらしくねー」

クワタ『………』

桑田「だからよ、オレは歌って踊れて楽器もできて演技もできて…」

桑田「…野球もできる『超高校級のミュージシャン俳優野球選手』になる」

クワタ『………!!』

桑田「なりたいもん全部になってやる…それでいいか?」

クワタ『………』

>もう一人の桑田クンが優しく微笑んで、柔らかい光に包まれていく


>もう一人の桑田クンは姿を再び変える


>そこにいたのはさっきまでの歪な形をした化け物ではなく



>雄雄しい獅子の鬣を携え、左手にはエレキギターの様な武器を持ち、右手は大きな砲になったペルソナだった



>ペルソナは桑田クンの中に溶け込んでいく…



桑田怜恩は困難に立ち向かう為の人格の鎧、ペルソナ"ミユシス"を手に入れた!!

桑田「う…」

>桑田クンが倒れてしまう

苗木「桑田クン!!」

桑田「へへ…迷惑かけたな苗木…」

苗木「そんな事ないよ…」

クマ「一旦戻るクマ。センセイ達も戻ってるかもしれないクマ」

桑田「待てよ…天城は…」

苗木「そんなんじゃ無茶だよ。体勢を立て直してから、また来よう」

桑田「わりぃ…」

>スタジオに戻る事にした…

今日はここまでです
次回更新は未定です

お久しぶりです。学校の方が始まって少し忙しかったもんで…
投下したいと思います。今回は安価があります

あれ?なんか酉バグってる?

鳴上「!! 苗木、桑田!!」

>スタジオに戻ると、そこには鳴上クンと花村クン…そして里中さんがいた

>鳴上クンと花村クンは全身ボロボロで…里中さんはめだった怪我はないが、立っているだけでやっとのようだ

花村「お前ら無事だったのか…って苗木、お前ボロボロじゃねぇか!」

苗木「えっと、それは…」

桑田「…オレのせいなんだ」

>桑田クンは、さっきあった出来事を全て隠さず皆に伝えた

里中「雪子にあったの!?」

桑田「多分、影の方だけどな…」

桑田「でさ、そんとき言われたんだ…才能に囚われないで、進みたい道を進むオレが羨ましいって」

桑田「オレは才能に囚われてないんじゃない…目を逸らして逃げてただけなんだ」

>それがあの影…と、桑田クンは自嘲気味に笑った

鳴上「そうか…お前にも影が…」

里中「……」

桑田「もしかして…お前らにも同じような事が?」

花村「ああ、俺と里中も自分の影に殺されそうになったんだ」

>桑田クンが暴走した影に襲われる少し前、里中さんも自分の影と遭遇していた

>天城さんに対する歪んだ劣等感と優越感…それが里中さんの影だった

>結局、里中さんが否定してしまった事で影は暴走してしまったが…

>鳴上クンと花村クンによって、影は倒され里中さんを救う事ができた…

鳴上「そして今、天城が…」

里中「雪子……」

桑田「どうすんだよ、今こうしてる間にも天城が影に殺されたりしたら…!」

クマ「それだったら大丈夫クマよ」

鳴上「どうやら、俺達の世界とここは霧の晴れる日が逆みたいなんだ」

桑田「霧…ってここら一帯の異常気象か。それと天城がなんの関係があるってんだ?」

クマ「影はここが晴れた日…つまり外で霧が出てる日に暴れるんだクマ」

桑田「んじゃあ、オレ達の世界が晴れてたら、天城は大丈夫…ってことか?」

鳴上「ああ。霧は雨の後に出るらしい。最近の天気予報だとしばらくは晴れだから、天城が影に襲われるのはまだ先だ」

花村「早めに助けるに越した事はないけどな」

桑田「なあ、みんな…」

>桑田クンは真面目な表情になって、ボク達の顔を見回す

桑田「この件、これからもオレに協力させてほしいんだ。今度は遊び半分なんかじゃない、本気だ」

桑田「天城の影はこうとも言ってたんだ。『どこかに連れていって』…って」

桑田「きっと天城は、今の環境に嫌気がさしてたんじゃないのかな…」

花村「環境って…天城は旅館を継ぐのが嫌だったって事か?」

里中「そんな…あたし…あんな事考えてたばかりか、雪子の悩みにも気付いてあげれてなかったの…?」

>里中さんは今にも泣いてしまいそうだ…

クマ「チエチャンは悪くないクマよ。影は元々抑圧された感情…本人すら気付いてない事もあるクマ」

桑田「オレ、天城に教えてあげたいんだ!」

桑田「天城は束縛されてなんかない…自分で自分に枷を付けちゃってるだけなんだって!」

桑田「頼む皆!! オレにも協力させてくれ!!」

>桑田クンが皆に頭を下げる

苗木「みんな…どうするの?」

鳴上「桑田も影を打ち破ったって事は…」

花村「ああ、ペルソナが使えるようになってるはずだ」

苗木「という事はもしかして里中さんも?」

里中「うん…多分ね」

桑田「そのペル…なんとかって、苗木が使ってたあの力のことか?」

苗木「そうだよ。ボク達はあれでシャドウ達と戦う事ができているんだ」

桑田「じゃあオレもそれを使って今すぐにでも──うっ…」フラッ

>桑田クンは大きくふらつき、地面にへたりこんでしまう

花村「お、おい桑田、大丈夫か?」

鳴上「ペルソナを使うと体力と気力をかなり消耗するんだ。今の状態だと下手したら意識を失いかねない」

桑田「くそ…」

鳴上「……里中も桑田も、今は身体を休めてくれ。協力してもらうのはその後だ」

桑田「それじゃあ…!!」

花村「ああ、これからよろしくな二人とも」


>桑田クンと里中さんが正式に仲間に加わった!

花村「よし、じゃあ放課後は出来るだけここに来よう…あ、もちろん学校ない日もな」

鳴上「とにかく今日は休んで、明日からに備えよう。特に桑田と里中」

桑田「ああ」

里中「分かってるって。帰ったらすぐお風呂入って寝るよ」

里中「今日のところは仕方ないけれど…絶対にリベンジしてやるんだから!!」

里中「みんな勝手に行ったりしないでよ!?」

花村「んじゃ約束だ、俺ら全員の約束。"一人では行かないこと"…危険だからな」

鳴上「みんなで力合わせなきゃ、事件解決どころか天城だって無事に助けられない…そうだろ?」

里中「うん、そうだね。あたしも約束する」

苗木「ボクも約束するよ」

桑田「オレもだ」

クマ「クマも頑張るクマ!」


>そういって皆が手を前に出し、重ねていく

苗木「必ずこの事件を解決しよう!」



「「「「「おお!!!!」」」」」

──────
─────
───
──

>あの後、ボク達はジュネスに戻り、各自家に帰ることにした

>ボクは鳴上クンと途中で別れ、桑田クンをバス停まで送ることにした

桑田「…苗木、傷大丈夫か?」

苗木「うん、どうやらペルソナに覚醒すると、少し傷の治りが早くなるみたいなんだ」

>まだ多少痛むけれど、明日には大分よくなっているだろう

桑田「ホント、悪かったな…天城の事とかで大変なのに、いらねー迷惑かけて」

苗木「気にしないでよ」

>しばらく無言が続く…

>先に口に開いたのは、桑田クンだった

桑田「あのさ、苗木…」

苗木「なに?」

桑田「オレ、さ…希望ヶ峰学園、辞めようと思うんだ」

苗木「え!?」

>桑田クンが希望ヶ峰学園を…!?

桑田「卒業したら人生勝ち組ってのを捨てちまうのは惜しいけどさ…」

桑田「きっとオレの事だからそれに甘えて、まただらけちまうと思うんだ…だから…」

桑田「あの学校を辞めて、今度は真面目に野球やろうと思うんだ」

苗木「そっか…」

>やっぱり桑田クンは弱くなんかない…

桑田「お、バス停だ…そんじゃな、苗木」

苗木「うん。またね桑田クン」

>桑田クンがバスに乗るのを確認し、ボクも帰路につく事にした…

──────
─────
───
──

>堂島宅

>今日は堂島さんが早く帰ってきていて、三人で食卓を囲んだ

>テレビではニュース番組が流れている

アナウンサー『以上、全国のニュースをお伝えしました。続いて、各地域ごとの話題を──』

堂島「………」

>堂島は難しい顔で黙っている

苗木「どうしたんですか? 弁当…美味しくなかったですか?」

堂島「いや、あのな……」

堂島「お前ら…妙な事に首突っ込んだりしてないよな?」

苗木・鳴上「「!!?」」

堂島「署でのこと…少し気になってな」

堂島「もしかして、まだ何か言ってない事があるんじゃないか?」

苗木「そ、そんな事ないですよ!! ねえ鳴上クン?」

鳴上「あ、ああ!!」

堂島「…そうか。ま、なんとなく気になっただけだが…」

菜々子「…ケンカ?」

>菜々子ちゃんが不安そうな顔でボク達の顔を見る

堂島「いや…ケンカじゃない」

菜々子「ここ、ケーサツじゃないよ…?」

>菜々子ちゃんの言葉が胸に突き刺さる…

堂島「…こっちは、お前らを預かる身なんだ。おかしな事には首を突っ込むなよ…いいな」

苗木「…はい」

鳴上「分かってます…」

>食卓の空気が重くなる

>その中で、テレビのアナウンサーの声だけが響く

アナウンサー『西からの高気圧の影響で、この先しばらくは、春らしい晴れ間の覗く日が──』

──4月18日

>八十神高校

>今日は晴れている

花村「里中のヤツ、大丈夫かな」

鳴上「昨日は色々あったしな…」

花村「そういや苗木、桑田の様子は?」

苗木「朝電話してみたけど、結構元気そうだったよ。寝てたところを起こされて不機嫌だったけど…」

鳴上「お前の傷の具合は?」

苗木「大丈夫。もうほとんど痛くないよ」

鳴上「そうか」

ガラッ

里中「おはよー」

苗木「あっ里中さん、体はもう平気なの?」

里中「うん、もう平気」

里中「あの、さ…その、昨日は色々ありがと」

花村「え?」

鳴上「なんの事だ?」

里中「恥ずかしいっていうか…よく考えたら、皆には本音とか、全部見られちゃった訳だし…」

花村「そんなの気にすんなよ」

里中「確か、花村と…苗木くんの話だと桑田も、あたしみたいになったんだよね? 花村ん時はどんなだったの?」

花村「え? あー…なんていうか…」

鳴上「俺が教えてやろうか?」

里中「うん! 教えて教えて!!」

花村「わ、馬鹿!!」

苗木「ボ、ボクもちょっと気になるかも…」

>鳴上クンが花村クンのシャドウがどんなのだったか教えてくれた…

>鳴上クンの話はとても分かりやすく、思わず聞き入ってしまった

>凄い伝達力だ…!

鳴上「あ、そうだ。里中」

里中「ん? なに?」

鳴上「連絡先、教えてくれないか」

>里中さんは、一瞬ポカン、とし

里中「うえええええええええッ!!?」ガタガタッ

>後ろに飛び退いた

花村「ドストレートに聞いたな…」

苗木「勇気あるね…」

鳴上「? 連絡先を知ってると捜査に便利だと思うんだけど」

里中「あ…そっか。そうだよね、捜査…うん」

鳴上「?」

花村「そういう事なら、全員の連絡先交換しようぜ」

>鳴上クン、花村クン、里中さんの連絡先を手に入れた!

里中「雨が降ったら、その後霧に注意…だったよね。その前に、絶対助け出そう!」

「おう!」「ああ!」「うん!」

キーンコーンカーンコーン…

──────
─────
───
──


>放課後になった

>霧が出る前に、準備を整えて天城さんを助けないと…

苗木「さて、今日はどうしようかな…」



1:誰かと過ごす(現在桑田を除く)…コミュが上がり、仲良くなれます。異性とは特別な関係になれるかも…?

2:ジュネスに集合する…ストーリーが進みます。制限日数は原作と同じになります

3:自由安価…そのままの意味です。現在は八十稲羽内のみの行動となります

↓3

>放課後は花村クンと過ごすことにした

苗木「花村クン」

花村「お、どうした苗木。ジュネスに集合か?」

苗木「ううん。今日は万が一に備えて、準備をしておこうかと思って」

花村「なるほどな。そんじゃ、俺も付き合うぜ!」

──────
─────
───
──

>稲羽中央通り商店街

苗木「えっと傷薬も補充したし、後は…」

花村「このロケット花火なんか、武器代わりになるんじゃないか?」

苗木「どうだろう…」

>花村クンに買い物に付き合ってもらった

苗木「ありがとう花村クン。助かったよ」

花村「なに、いいって事よ…あ、ちょっとそこで待っててくれ!」

苗木「え?!」

>そういうと、花村クンは走ってどこかに行ってしまった

苗木「花村クン、どこに行ったんだろう…?」

???「あの」

>ふと、後ろから声をかけられた

苗木「?」クルッ

>振り返ると、そこにはふわふわとした髪のキレ目の少年がいた

???「財布、落としてましたよ」

苗木「え? あ、本当だ! すいませんありがとうございます」

???「いえ…別に」

>…あれ?

>この人、どこかで見たような…

花村「おーい苗木ー!」タタタ

苗木「あ、花村クン」

???「あ…」

花村「お前、まだここの名物のビフテキ食ってなかった──あ…」

???「…それじゃあ、家の手伝いがあるんで失礼します」

>そういって少年は行ってしまった

>去っていく時、ちらっと花村クンを見たような…

花村「……苗木、今のは…」

苗木「いつの間にか財布を落としちゃってたみたいで、さっきの彼に拾ってもらったんだ」

花村「そうか…財布を…」

苗木「……花村クン?」

花村「なあ苗木、前に小西先輩が俺をどう扱ってたか…言った事あったよな」

苗木「うん。弟みたいに接してくれてたって…」

>…!

苗木「もしかして今の…!」

花村「ああ、小西尚紀…先輩の弟だよ」

>そうか…だから見覚えがあったんだ…

花村「顔を見るのは初めてだけど…やっぱ似てるな。一目見て分かった」

>花村クンは寂しそうな顔をする

花村「家の手伝い、か…一番つらいはずなのにな」

花村「…なあ苗木。絶対にこの事件、解決させような。先輩の…あいつの為にも」

苗木「…うん」

>花村クンの決意が伝わってくる…

>花村クンと少し仲が深まった気がする…

花村「っと、悪いな! 気分暗くしちまって。ほら、ビフテキ串! うまいぞー!…筋ばってるけど」

>花村クンと、ビフテキ串を食べて帰った…


>花村陽介の希望のカケラを入手した!

今日はここまでです
久しぶりな更新なもので、設定を間違えてたりしているかもしれませんので、その際はご指摘下さい

おまけ:桑田のペルソナについて
桑田のペルソナは「ミユシス」
エジプト神話に登場する神で「マヘス」とも呼ばれていて、頭が獅子のものになっています
ミユシスは「血が騒ぐ殺戮の主人」、或いは「大なる力と大なる怒りを持つ者」とも呼ばれており
血が騒ぐ、大なる怒り→短気
大なる力→才能
獅子の神→レオン
という事でミユシスが桑田のペルソナとなりました
炎属性を得意としています

おっすおっす
これからはほぼ毎回放課後に行動安価がある予定です
とりあえず安価のところまで投下します
その続きは9時半から11時までに投下します

パンツ…パンツか…

──────
─────
───
──

>夜

>菜々子ちゃん、鳴上クンと三人で夕食を食べた

鳴上「堂島さん遅いな…」

苗木「もしかしたら、今日は帰ってこないかもしれないね」

鳴上「そうか。それじゃちょっと出てくる」

苗木「え!?」

>鳴上クンは靴をはき始めている

苗木「ま、まずいって! 堂島さんはボク達を信用してくれてるんだし、それに菜々子ちゃんが…!」

鳴上「少し散歩してくるだけだ。そんな遠くにはいかないし、すぐ戻ってくる」

>鳴上クンは「菜々子を頼む」と言い、出て行ってしまった…

>鳴上クンが家を出て、しばらくすると菜々子ちゃんがお風呂から上がってきた

菜々子「あれ? 悠お兄ちゃんは?」

苗木「散歩だって」

菜々子「誠お兄ちゃんはいかないの?」

苗木「ボクはいいよ。菜々子ちゃん一人を夜に留守番させるのは危ないからね」ニコ

菜々子「……そっか。誠お兄ちゃんって優しいんだね」

苗木「そんな事ないよ」

>菜々子ちゃんの顔が少し赤いような…お風呂が熱かったのかな

菜々子「それじゃ、お休みなさい」

苗木「うん。お休み」

>…今度、鳴上クンに留守番してもらってボクも散歩してみようかな

>こうして夜は更けていった…

──4月19日

>今日は晴れている

>登校中、前を歩いている生徒の話し声が聞こえてきた


ジャージ男子「今日から部活に入ってない奴は運動部に入れるんだってな」

明るい男子「そうらしいな」

ジャージ男子「お前は勧誘とかしねーの? 俺みたいに」

明るい男子「お前…もしかしてその格好、朝練じゃなくて勧誘のつもりだったのか?」

ジャージ男子「おう!」

明るい男子「あのなぁ…ジャージでただ走ってるだけじゃ何部か分かんねーだろ」

ジャージ男子「…あ」


苗木「部活だって。鳴上クンは前の学校で何かやってた?」

鳴上「いや、ずっと帰宅部だったな…いい機会だから、やってみるのもいいかもな」

鳴上「とりあえず、今日の放課後に部活動の見学に行ってみるよ」

──────
─────
───
──

>放課後

>鳴上クンは部活動の見学に行ってしまった

苗木「今日はどうしようかな…」



1:誰かと過ごす(桑田、鳴上、花村(前回選択したため)は選択できません)

2:テレビに行く

3:自由安価(八十稲羽内のみ)


誰かと過ごすコマンドはもっとキャラ増えてからにするべきだったかもしれない…
↓2

因みに道化師(足立)と永劫(マリー)はあり?

>>346
足立コミュは安価次第で発生します。マリーコミュは未定です
続きの投下はしばしお待ちください

>放課後は里中さんと過ごす事にした

苗木「里中さん」

里中「あ、苗木くん。ちょうどよかった」

苗木「え?」

里中「これから特訓に付き合ってもらえないかな?」

苗木「特訓?」

里中「そう、特訓。ほら、ペルソナを使うと体力を使うって話じゃん? 雪子を助ける前に倒れちゃったりしたら困るし…」

里中「…それにあたしのシャドウの話、聞いたでしょ? あれがもう一人の自分なんて情けなくて。もっと頑張らなきゃって思って」

>里中さんの決意が伝わってくる…

苗木「そういう事ならボクも付き合うよ!」

里中「ありがと! よし、それじゃあ早速行こうか! 駆け足!」タッ

苗木「わ、ちょっと待ってよ!」タッ

諸岡「コラァ! 廊下を走るんじゃない!!」

──────
─────
───
──

>鮫川

苗木「ハァ…ハァ…」

>結局、学校からここまでずっと走ってきてしまった…

里中「よーし、準備運動も済ませたし、始めよっか!」

苗木「い、今の準備運動だったの!?」

里中「あれ?疲れてるの? う~ん…それじゃあ軽く…うさぎ飛びダッシュ!」

苗木「全然軽くないよ!?」

>里中さんの特訓に付き合った

里中「おつかれ。はい飲み物」

苗木「ハァ…ハァ…あ、ありがとう…」

>里中さんはケロッとしている

>この感じ…希望ヶ峰で朝日奈さんと大神さんの特訓に付き合った時にそっくりだ…

>もしかしたら三人は話が合うかもしれないな…

苗木「里中さんは身体を動かすのが好きなの?」

里中「うん。あたしカンフーが好きでさ。時々この川原で型の練習とかしてるんだ。今度見せてあげるよ!」

里中「後ね、身体を動かした後に食べるビフテキ串がまた格別なんだ~」

苗木「そういうのってあるよね。ボクもお風呂上りに牛乳を飲むのが好きなんだ」

里中「あーそれもいいよねー! こう腰に手を当ててグイーッと!」

苗木「そうそう」

>しばらく里中さんと食べ物の話で盛り上がった…

>里中さんとの仲が、少し深まった気がした…

里中「なんかこの話題で話してたら、お腹すいてきちゃった。何か食べにいこ」

>里中さんと軽く食事をとり、途中まで一緒に帰った…


>里中千枝の希望のカケラを入手した!

──────
─────
───
──

>夜

>少し遅れて、鳴上クンが帰ってきた

鳴上「ただいま」

苗木「お帰り鳴上クン。部活動見学どうだった?」

鳴上「ああ。少し練習にも参加させてもらったよ」

苗木「それで、部活どうするの?」

鳴上「そうだな…もう少し考えてからにするよ」

苗木「そっか。今から夕飯の準備するから手伝ってくれる?」

鳴上「ああ」

菜々子「菜々子がお皿並べるから、お兄ちゃんはおはし並べて」

>準備をし、三人で夕食をとった…

>夕飯を終え、しばらく経った…

>まだ寝るには少し早いかもしれない

苗木「さて、なにをしようかな…」



1:出かける

2:早めに寝る

↓1

苗木「ボクも夜の散歩、してみようかな」

鳴上「おお、行ってこい。結構気持ちがいいぞ。家の事は任せてくれ」

苗木「うん。よろしくね」

>動きやすい服に着替えて、夜の散歩に出る事にした…

──────
─────
───
──

>稲羽中央通り商店街

苗木「やっぱり、昼に来るときと雰囲気違うなぁ…」

>とりあえず適当に歩いてみよう…

スタスタ…

苗木「あれ? ここって四六商店じゃなかったけ?」

>『四六商店』は『スナック紫路宮』というなんだか大人な雰囲気な店になっていた

>入らないようにしよう…

苗木「次はどこにいこうかな」

──────
─────
───
──

>神社

苗木「なんとなく来ちゃったけど、不気味だなぁ…」

>何かが出てきそうな雰囲気だ…

ガサガサッ!!

苗木「ヒッ!!?」

>何かが本堂の前にいる!?

>ま、まさか…幽霊!?

苗木「だ、誰かいるんですか…?」

???「!!!?」ビクッ

>本堂の前の影が反応した

???「………!!」ダダダダダダ

>そして凄い勢いでこっちに向かってくる!?

苗木「うわ───」


???「すみませんでしたぁぁぁああああああああッ!!!!!」ガバァ!


>……そして土下座した

苗木「…………」

苗木「……は?」


???「すいませんこれは違うんです賽銭箱を漁っていたのではなくその中に小銭を落としてしまってそれを拾おうとしてたん」


苗木「……葉隠クン?」

葉隠「……苗木っち?」

>ボクの前で見事なまでの土下座を決めたのは、幽霊などではなく、葉隠クンだった

>そして葉隠クンは相手がボクだと分かると、すぐに立ち上がった

葉隠「な~んだ、苗木っちか~! 巡回中の警官かと思ったべ」

苗木「こ、こんなところで何してるの?」

葉隠「何って? 賽銭箱からちょっとお金を借りようと思ってただけだべ」

苗木「…それ犯罪じゃないの?」

葉隠「貰うじゃなくて、借りるんだからセーフだべ!」

>その自信はどこから来るんだ…

葉隠「さ~て、早速続きを…」

苗木「ちょ、ちょっと止めたほうが…!」

>葉隠クンを止めようとしたその時だった


???「コーーーーーーーーーン!!!!」バッ


葉隠「うわぁあああ!!?!」

>木陰から何か飛び出してきた!?

???「コーーーーーーーーン!!!!」

苗木「き、狐?!」

>飛び出してきた狐が葉隠クンのお尻に噛み付く!!

ガブゥ!!

葉隠「うぎゃあああああああああああああッ!!!!!!」

葉隠「た、助けてーーーーーーーー!!!」

狐「コーーーーーン!!!!」

葉隠「ひえぇええええええええええ!!!!」タタタタ…

>葉隠クンは噛まれたお尻を押さえながら逃げていった…

狐「コーーーーーーーン!!!」

>狐は勝利の遠吠えをして、どこかへ消えていった…

>もしかしたらあの狐は、神社の守り神だったりするのかもしれない…

苗木「……今日はもう帰ろう」

>家に帰って寝る事にした…

今日はここまでです
>>324で「制限日数は原作と同じ」とありましたが、それではペルソナ4未プレイの方に不親切でしたね。申し訳ありませんでした
雪子救出は4月29日が期限です。それを超えてしまうとゲームオーバーになってしまいます

どうも
今日も書き込んでいきたいと思います

──4月20日

>今日は少し曇っている…

>午後

>授業中…

現代文の細井「そんじゃ、最初の授業って事で、お手並み拝見するっぺ」

現代文の細井「んじゃー…敬語が苦手そうな花村っち! ”拝見します”の敬語の種類は?」

花村「うえッ!? そ、そりゃ得意じゃねーけど…悪い、苗木教えてくれ」ヒソヒソ

苗木「えっ!? えーっと…」


↓2

現代文の細井「おお、花村っち見直したわいな。見るの謙譲語が"拝見します"なんよ」

現代文の細井「謙譲語では、自分の動作をへりくだって表現することで、相手への敬意を表すんや」

花村「ふ~…助かった。ありがとな苗木」

>花村クンに感謝された!

>花村クンと少し仲良くなれた気がする…


~~~~~~~~~~~~~
授業イベントが時々発生します
正解すれば、仲間からの仲が少し進展します

──────
─────
───
──

>放課後

苗木「さて、今日はどうしようかな…」




1:誰かと過ごす(桑田、里中(前回選択したため)は選択できません)

2:テレビに行く

3:自由安価(八十稲羽内のみ)


↓2

──────
─────
───
──

>ジュネス

桑田「すまん、遅くなった!」

花村「これで全員集まったな」

鳴上「今の状況を確認をしようか」

苗木「小西先輩に続いて、今度は天城さんがテレビの中に…」

花村「まさか、俺達が"殺人事件"なんてもんに首突っ込む事になるなんてな」

里中「雨が降って、霧が出てしまったら…雪子は…」

桑田「そうなる前に絶対に助けるぞ!」

鳴上「ああ!」

──────
─────
───
──

クマ「あ、来たクマね。待ってたクマよ」

桑田「早速、城に案内してくれ」

クマ「了解クマ! あ、でもその前にチエチャンとレオンには渡す物があるクマ」ゴソゴソ

里中「渡す物?」

クマ「ジャンジャジャーン! メガネ~!!」

桑田「眼鏡ェ? オレ、別に目悪くねぇぞ?」

里中「あたしも別に…」

クマ「いいからかけてみるクマ」

桑田「わぁったよ……お? おお!?」

里中「何これすげー!霧がないみたい!」

鳴上「それをかけると、ここの霧が見えなくなるんだ」

桑田「そういや、助けて貰った時に苗木メガネかけてたな。テンパってて気づかなかったわ」

花村「うっし、これでまともに探索ができるな」

クマ「それじゃあ出発クマー!!」

──────
─────
───
──

>雪子姫の城

里中「来たね…」

苗木「うん…」

花村「里中、桑田、また勝手に突っ走るんじゃねぇぞ」

桑田「分かってるっての」

鳴上「皆、油断するなよ」

桑田「それも分かってるよ! うーっし!! 突入だー!!」

──────
─────
───
──

クマ「クンクン…上の方にいるクマ!」

桑田「上っつってもどんぐらい上だよ?」

クマ「ん~…すぐ上クマ!」

花村「それじゃわかんねぇよ!!」

里中「すぐ近くにいるって事でしょ? ほら、早く行くよ!」


メキメキ…

ドゴォオン!!!

「「「「「!!!!??」」」」」


  『ォオオオオオオオオオオオッ!!』

『ガァアアアアアアアアアッ!!!』


>城の装飾を破壊してシャドウが2体飛び出してきた!

花村「急いでるってのに…!!」

桑田「ここはオレにやらせてくれ!!」

>桑田クンが前に出る

桑田「きやがれ───!!」


桑田「ミユシス!!!!!」


ゴォッ!!!!!

>雄雄しい獅子の携えた、派手な格好をしたペルソナが出現する


『ォオオオオオオオッ!!!』グオッ


>シャドウが桑田クン目掛けて突進してくる!

鳴上「桑田、避けるんだ!」

桑田「おっせぇな…」

苗木「え?」

桑田「おっせぇんだよアホ!! そんな球ホームランコース一直線だぜ!」

ドゴォッ!!!

桑田「ホームラーン!!!」

>ミユシスが左手に持っていた武器でシャドウを吹き飛ばす!

『………!!』

>そして、砲と化している右手を吹き飛んでいるシャドウに向ける

桑田「そらホームランの祝砲だ、受け取りな!」

桑田「アギ!!」

カッ!!!

ドォオオオオオオオッ!!!!!!

>炎球の直撃を受けたシャドウは消し炭になり、そのまま消滅した

花村「すっげ…」

クマ「残りは一体クマ!!」

桑田「次ィ!! 喰らいなぁ!! アギ!!」

ドォオオオオオオオオッ!!!!!

桑田「ふ…楽勝だぜ」

鳴上「いや、まだだ!!」


『ガァアアアアアアアアアアッ!!!』


桑田「え、なんで?! 直撃したじゃん!!?」

苗木「相性が悪かったんだ! そいつに火属性の攻撃は効かないんだよ!」

桑田「うっそ!!?」

『ガァアアアアアアアアアアアアッ!』

桑田「やっべ、間に合わな──」


里中「桑田にばっかいい格好させないよ!」

里中「来て──!」

里中「トモエ!!!!!」


ゴォッ!!!!!

>黄色のライダースーツに身を包み、頭全体を覆う面を被った、まるでアクションスターのようなペルソナが出現する

メキィ!!!

>里中さんのペルソナ、トモエの蹴りが決まる

『ガァ……!?』

里中「火が効かないなら、その逆ならどう?」


里中「ブフ!!」

ヒュゴォッ!!!!

『………!!』パキパキ

>シャドウは凍りつき、動きが封じられた

クマ「弱点をついたクマ! 今がチャンスだクマー!」

里中「トモエ! 串刺し!!」

グォッ!!!

バキィィイイイイインッ!!!!

>凍りついたシャドウは、コナゴナに砕け散り、その破片はグスグスに崩れて消滅した

里中「ふー…」

桑田「た、助かったぜ里中ァ…」

里中「もう気をつけてよね。じゃ、周りに注意しながら上に向かおうか」

──────
─────
───
──

>ボク達は上を目指し、時にはシャドウを倒しながら城を探索していった

>そして、一際大きな扉にたどり着いた

クマ「む、むむ…! この扉の向こうにいるクマ!!」

鳴上「なに!?」

里中「雪子がこの向こうに…!」

花村「おい皆! この扉を開けるから協力してくれ!!」

苗木「う、うん!」

ゴゴゴゴゴゴ…

>扉を開け、中に入るとドレスを着た天城さんがボク達に背を向けていた

苗木「天城さん!」

花村「天城、無事か!?」

里中「雪子!!」タッ

>里中さんが天城さんに駆け寄ろうとする

桑田「待て里中!!」

>が、それを桑田クンが肩を掴んで止める

里中「なんで止めるのよ!? 雪子がそこにいるのに──!」

桑田「あれは天城じゃねぇ!!」

里中「え──」

桑田「オレには分かる。あれは……影の方だ!!」

アマギ『うふふ…ふふ、あはははははは!!』

>ドレスと着た天城さんは、その整った顔を歪め、大きく笑い声をあげた

アマギ『あらぁ? サプライズゲスト? どんな風に絡んでくれるの?」

アマギ『一体どの王子様がアタシを連れ出してくれるのかしら?』

アマギ『んふふ、盛り上がって参りました!』

桑田「何が『盛り上がってきた』だ! 本物の天城はどこだ!!」

アマギ『うふふ、何言ってるの? 私も雪子…雪子も私よ』

里中「何言って…! あんたなんか雪子じゃない!!」




「……千枝?」

苗木「!!」バッ

>声がした方を見ると、そこには着物姿の天城さんが立っていた

>あっちが本物の天城さんだ…!

天城「千枝……それに皆も、どうしてここに…」

アマギ『ねぇ、"私"、聞いてくれる?』

天城「え…? 私が…もう一人!?」

>天城さんはこの状況に困惑しているようだ

アマギ『千枝ったらね、私の事を『雪子』じゃないって言うのよ?』

天城「え…?」

アマギ『千枝はアタシの王子様だった』

>だった…?

アマギ『…でも結局、千枝じゃ駄目だったのよ!! 千枝じゃアタシを連れ出してくれない! 救ってくれない!!』

天城「そ、そんな事…」

アマギ『それに、老舗旅館とか女将修行とかもまっぴらなのよね?』

天城「……!! ち、千枝、聞かないで!!」

里中「雪子…?」

アマギ『老舗の伝統? 町の誇り? そんなのクソ喰らえ!!』

アマギ『それがホンネ…そうでしょ? もうひとりの"アタシ"』

アマギ『天城雪子は…私達はそういう女なのよね?』

天城「ち、ちが…」

>……!!

苗木「駄目だ天城さん!!」

桑田「それ以上言うんじゃねェ!!」




天城「違う! あなたなんて……私じゃない!!」


アマギ『……』



アマギ『ふふ…ふふふ』

アマギ『あはははははははははは!!! いいわぁ! 力がみなぎってくる!!』

>ドレス姿の天城さんに黒い影が纏わりつく

クマ「ま、まずいクマ! 影が暴走するクマー!!」

桑田「くっそ…ペルソナァ!!!!!!」

ゴォッ!!!

>桑田クンがペルソナを召喚し、影に駆けていく

鳴上「花村!苗木! 俺達も!!」

花村「ああ!!」

苗木「う、うん!!」

「「「ペルソナ!!」」」

ゴォッ!!!

天城の影『うふふふ…あははははははは!!』

>その影は、派手な装飾を施された籠に自ら閉じこもっている、紅一色の人面鳥の姿をしていた

天城の影『ここから出して…私をここから連れ出して…』

桑田「だったら出ればいいじゃねーか! 籠の扉は開いてるんだからよ!!」

天城の影『どこか遠くに連れ出して…!』

花村「ちっ、聞く耳持たずかよ!」

里中「ねえクマ吉、あれを倒せば、雪子は助かるんだよね?!」

クマ「この場は収まると思うけど…また同じ事が起きちゃうかも──」

桑田「起こさせねぇよ!」

里中「もし起こっちゃったとしても、そん時は…」


「「「「「何度だって止めてやる!!!!!」」」」」


天城「皆…」

今回はここまで
次回の更新で桑田・天城編は終了の予定です

どうも
今日も投下していきます

天城の影『ああああああああああああああッ!!!!!!!』ゴォッ!!!

ブワッ!!

>天城さんの影が大きく羽ばたくと、周囲に炎が広がった!

花村「うおぉッ!!?」

桑田「アイツも炎を使うのかよ!」

>その炎は、ボク達を囲むように円状に広がった

クマ「たっ退路が塞がれたクマー!」

里中「最初から逃げるつもりなんてないよ! トモエ!!」

>里中さんもペルソナも召喚し、駆けていく

里中「ブフ!!」

ヒュゴォォオ!!

天城の影『ぐぅ…!』バシッ

鳴上「効いてるぞ!」

里中「もいっちょぉぉおお!!!」

ヒュゴォオオ!!

天城の影『あああああああああああッ!!!』

鳴上「スラッシュ!!」ズアッ

>イザナキが怯んでいる影に追撃を加える

花村「ソニックパンチ!!」ドゴォ

天城の影『ああああああああああああああッ!!』ゴォッ!!

>影が羽ばたき、炎を発生させる

>炎はさっきとは違い、その全てがボク達を狙って飛んでくる

苗木「みんな、ボクの後ろに!!」

苗木「ガル!!」

ヒュゴォ!!!

>突風を発生させ、炎の弾道を逸らす

桑田「がら空きだぜ!! アギ!!」

>火炎弾が影に命中する

天城の影『………』

>しかし、全く聞いてる様子はない

桑田「ちっ、じゃあこっちはどうだ! シングルショット!!」

>ミユシスの右手からエネルギー弾が飛び出し、命中する

天城の影『ぎゃあああああああああッ!!』

桑田「よし! こっちは効いた!!」

天城の影『誰か私を連れ出して…ここじゃないどこかに…』

>天城さんの影が蹲り、その周囲を白い光が覆う

花村「弱ってるぞ! もうちょいだ!!」

里中「そんじゃあ、弱点でてっとり早く──!!」

里中「ブフ!!」

>冷たい空気の塊が影にぶつかる!

里中「え…!?」

>…が、さっき喰らった時と違い、特に効いた様子がない

里中「な、なんで…!? さっきはあんなに効いてたのに…!」

クマ「きっと、あの白い光は氷結の耐性を付ける結界なんだクマ!!」

苗木「そんな…!」

天城の影『誰かあああああああああああああッ!!!!』

ゴォッ!!!

「「「「「!!!??」」」」」


>天城さんの影は、いままでの物とは桁違いの大きさの炎を発生させた!!


ガァアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!!


「「「「「ぐわあああああああああああああッ!!!!!!!?」」」」」



>みんなが大きく吹き飛ばされる…!!

花村「くっそ…さっきのは弱ってたんじゃなくて、力を溜めてたのかよ…」

鳴上「みんな…無事か…?」

クマ「な、なんとか…」

苗木「!! 里中さん!!」

>みんなが体勢を立て直す中、里中さんだけが立ち上がれずにいる

里中「あ、あれ…体が…」

クマ「チエチャンのペルソナの弱点が炎だったんだクマ。だからチエチャンだけ余計にダメージを…」

里中「っ…」

天城「千枝!」

>天城さんが駆け寄ってくる

里中「っ雪子こっちに来ちゃ駄目!」


ゴォッ!!!


天城「!?」

>ボク達と天城さんとの間に、炎の壁ができる

花村「天城!!」

天城の影『我は影…真なる我…』

天城「い、いや…」

里中「雪子、逃げて!!」

天城「あ…」

>天城さんは腰を抜かしてしまって、動けないようだ

天城の影『…………』ゴォォォオオ

>影は巨大な火球を生成している

>まずい──!

天城の影『──ばいばい』

苗木「天城さん!!」


ドォオオオオオオオオオオオオッ!!!!!


>大きな爆音が城全体に響き渡った

>ボク達は爆風で吹き飛ばされそうになる

苗木「……!」


パラパラ…

里中「雪子、雪子ォ!!」

>爆風で舞い上がった砂埃で、向こうがよく見えない

>天城さんはどうなって──!?

>天城さんがあれを喰らってしまったら、怪我だけじゃ──!


「ってーな…」

桑田「イテーじゃねぇかアホ!!!」


「「「「桑田(クン)!?!」」」」


>いつの間にか桑田クンは天城さんの前に立っていた

天城「桑田…くん?」

桑田「怪我はねーか天城?」

天城「う、うん…でも、桑田くんが…」

桑田「あ? へーきへーき。大して痛くねーから。熱かったけど」

桑田「さっきアギがあいつに効かなかった時に思ったんだ。『やっぱ炎に炎が効くわけねーか』って」

桑田「で、もしかしてって…てな。どうやら正解だったみたいだな」

桑田「全然効かないって訳にはいかなかったけど、どうやらオレのペルソナにも炎に対する耐性があるみたいだな!!」

天城の影『あああああああああああああああああッ!!!!!』

ドドドドドドドッ!!!!

>影が狂った様に、火炎弾を天城さん目掛けて撃つ

>しかし、その全てをミユシスが受け止める!

桑田「イデデデデデデッ!! イテェけど…そんなんじゃオレは倒れねーぞ!」

桑田「いけミユシス!!」

ゴォッ!!!

鳴上「俺達も加勢するぞ!!」

苗木「うん!!」

桑田「…なあ、天城ちゃん。本当に旅館を継ぐのが嫌なのか?」

天城「え…?」

桑田「そんなに着物が似合ってんのに?」

天城「……嫌だよ」

天城「たまたまここに生まれてきただけなのに…これからの人生を勝手に決められて…」

天城「生き方…死ぬまで全部決められて…私、そんなのはイヤ」

天城「こんな【束縛された人生】…イヤだよ…」

桑田「それは違うんじゃねーか?」

天城「え──!?」

桑田「事情はよくしんねーから、滅多な事言えねーけど…」

桑田「その旅館の女将を継ぐっての。親に強制されてんのか?」

天城「それは…」

桑田「違うならよ、別に違う道を歩んでもいいんじゃねーか?」

桑田「そりゃ、ホンネを言えば親は継いでほしいんだと思うけどよ」

桑田「子供の未来を応援しない親なんていねーと思うんだわ」

天城「………」

桑田「それとな、オレ嘘ついてた」

天城「え…嘘…?」

桑田「オレさ、あの河川敷で『野球なんて嫌い』だって言ってたけどよ。あれ嘘だわ」

天城「嘘…?」

桑田「あんときは気づけてなかったけどよ…最近気づく事ができたんだ」

桑田「それで、えーと…何が言いたいかっつーと…」

桑田「旅館を継ぐのは選択肢の一つって事にしてよ。他にやりたい事を見つけたら、それに一生懸命になればいいんじゃないかな?」

桑田「ただ待ってるだけじゃ…やりたい事も見つからないぜ」

天城「待ってるだけじゃ…駄目…」

天城「………そうだよね」

天城「自分の力で決めていかないと…駄目だよね」



天城の影『あああああああああああああああああッ!!!!』



クマ「今度こそ弱ってるクマ!!」

桑田「里中! いつまで寝てんだ! オメーが決めろ!!」

里中「え…」

桑田「親友なんだろ!? だったらオメーが引導を渡してやれ!!」

里中「う…うん! 分かった!!!」ググ

>里中さんが立ち上がる

里中「いくよトモエ……いくよ雪子!!」

鳴上「援護する! タルカジャ!!」

花村「スクカジャ!!」

苗木「ラクカジャ!!」

>三人で補助魔法をかける

里中「ありがとう皆!!」

ゴォッ!!!!!!

>トモエと里中さんが更に加速する!!!!!



里中「らあああああああああああああああああああああああッ!!!!!!」



>トモエと天城さんの影が交差する──!!!!


ザンッ!!!!!



天城の影『ア……アアアアアアアアあああああああああ!!!!!!』

>影はグズグズに崩れていった…

桑田「………」

桑田「……ぶはー!! 終わったー!!」ドサッ

>桑田クンは全身の力を抜き、尻餅をついた

天城「ううん…まだだよ」

桑田「……そうだったな。行ってこい!」

天城「うん」

>天城さんが影が崩れたところへ歩いていく

ズズ…

>影が身体を再構築し、ドレスの天城さんの姿を成す

アマギ『………』

天城「逃げたい…誰かに救ってほしい…か」

天城「確かに…あなたは私だね」

アマギ『………』

天城「どうして私だけ…なんで私が…」

天城「私ばっかり辛い目に…なんてかわいそうな私…そう思ってたよね」

アマギ『………』

天城「でもね、父さんも母さんも、おじいちゃんもおばあちゃんも」

天城「旅館の人たち皆も、お得意のお客さんも…近所の皆も家族みたいに接してくれて…」

天城「小さい頃から、みんな優しくしてくれたよね」

アマギ『………』

天城「そんな中で育ったから、今の私があるんだよ」

天城「"旅館なんて潰れてくれた方が"って思ったりもするけど…」

アマギ『………』

天城「やっぱり、ここは私の居場所…皆がいてくれて私がいられる場所…」

天城「潰すことなんてできないよ…もちろんあなたも」

アマギ『……!』

天城「今までは誰かに…特に千枝には何度も手を差し伸べてもらってたけど…」

天城「今度は私がそうする番……一緒にいこう?」

>天城さんがもう一人の天城さんに手を差し伸べる

>もう一人の天城さんはその手をとり、優しく微笑んで、柔らかい光に包まれていく


>もう一人の天城さんは姿を再び変える


>そこにいたのはさっきまでの鳥な形をした化け物ではなく



>桜の花のような色の翼を持った、華麗な姿をしたペルソナだった



>ペルソナは天城さんの中に溶け込んでいく…



天城雪子は困難に立ち向かう為の人格の鎧、ペルソナ"コノハナサクヤ"を手に入れた!!

天城「っ…」

>天城さんが倒れてしまう

里中「雪子!」

花村「大丈夫か!?」

天城「うん…少し、疲れたみたい…」

里中「ごめんね雪子…あたし友達なのに、自分の事ばっかで雪子の悩みに気づいてあげられてなかった…」

天城「千枝…」

>里中さんはポロポロと涙を流し始める

里中「あたし、ずっと雪子がうらやましかったんだ…」

里中「雪子は何でも持ってて…あたしには何も無い…そう思って、ずっと不安で…心細くて…」

天城「…ううん。そんな事ないよ」

天城「千枝はいままで私の事をいっぱい助けてくれた…私はその強さにずっと甘えてた」

天城「自分が傷つくのが怖くて…逃げてばっかりで…守ってもらってばかりで…」

天城「でもね、私も強くなるから…千枝を助けてあげられるくらいに…」

里中「雪子ぉ…」ポロポロ

花村「これで…今度こそ全部終わったな」

苗木「うん…」

>二人が落ち着くまで待ち、スタジオまで戻った…

──────
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───
──

クマ「んで、キミをココに放り込んだのは誰クマ?」

天城「分からない…誰かに呼ばれたような気がするん…だけど…記憶がぼんやりしてて」

クマ「分からないクマか…」

桑田「けどよ、やっぱ天城をここに放り込んだ"誰か"がいるってことだな」

クマ「ちゅー事は、やっぱヨースケ達の仕業じゃなさそうクマね」

苗木「疑ってたの!?」

クマ「い、いえいえ別にそんな訳じゃないクマよ!?」

花村「こんにゃろう…」

鳴上「とにかく外に出て、天城を休ませよう」

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───
──

>ボク達は外に出て、フードコーナに集まった

苗木「天城さん大丈夫? 怪我とかしてない?」

天城「うん…ちょっと疲れただけ」

鳴上「何か思い出した事とかはないか?」

>しかし、天城さんは首を横に振るばかりだった…

天城「何も思い出せなくて…ごめんね」

里中「いいって! 雪子が無事だったんだから十分だって」

桑田「そうだぜ天城ちゃん!」

天城「ありがとう…」

花村「でもよ。天城が今までの二人と同じ手口で、その…殺されかけんだよな」

苗木「それと、マヨナカテレビに映ってたのは、本物じゃなくて"もう一人"の方だったよね…」

鳴上「天城が現実で抑え付けてたものが、向こうで現実になった…という事か?」

里中「そういえば、クマくんもそんな事言ってたけど…」

花村「あー駄目だ。考えれば考えるほど訳が分からなくなる!」

鳴上「犯人はどんな奴なんだろうな…」

桑田「つかよ、今日はこの辺にしね?」

里中「そうだね。雪子の状態が心配だし、難しい話は今度にしよ?」

花村「そうだな…天城の疲れ、ハンパじゃないもんな」

鳴上「詳しい話は、天城が元気になってからだな」

桑田「オレが送ってくわ」

里中「何言ってんの! あたしが雪子送っていくんだから!」

桑田「ちぇー」

苗木「はは…」

天城「ごめんね…ありがとう皆」

花村「じゃ、今日はこれで解散だな」

>各自、帰路についた…

>天城さんを無事に助け出すことができた…

>しかし事件の謎は深まるばかりだ…

>今は天城さんの回復を待つ事にしよう

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>夜

>堂島家

ガチャ

菜々子「かえってきた!」

苗木「堂島さん、今日は早かったで──あれ?」

足立「こんちゃっすー」

堂島「珍しく上がりが一緒になったんでな。送りがてら連れてきた」

鳴上「えっと…足立さんでしたっけ」

足立「あれ、僕キミに自己紹介したっけ? ま、いいや改めて──」

足立「この春から、堂島さんにこき使われてる、足立です。いごお見知りおきを」

堂島「こき使われてるだぁ? これでも遠慮してんだぞ」

足立「またまたー。冗談きついっすよ! あはは」

足立「っと、そうだ! キミ達、確か天城雪子さんと友達でしょ?」

足立「天城さん、無事に見つかったよ! みんなにも知らせてあげてよ」

苗木「安心しました」

鳴上「お疲れ様です」

足立「でも、まだ全てがクリアって訳じゃないんだけどね」

苗木「え? どういう事ですか?」

足立「さっき尋ねた帰りなんだけど、天城さん、居ない間の事覚えてないんだってさ」

>そういう事か…

足立「それに、その間の彼女の足取りも、まるで本当に消えたみたいで、実はウチらも掴めてなくてさ」

>掴めないのは当然だ。本当にテレビの中に消えていたのだから

>しかし、そんな事を言っても信じてはくれないだろう…

足立「なーんか怪しいっていうか…」

バシッ

足立「いって!?」

堂島「馬鹿野郎、要らん事言うな!」

足立「す、すいません…」

堂島「気にするなよ。コイツの勝手な妄想だ」

鳴上「…天城を疑ってるんですか?」

堂島「心配するな。警察は野次馬じゃないからな。コイツの独り言だ、本気にするなよ」

菜々子「おなかすいた」

堂島「ああ、俺もペコペコだ。飯にしよう」

足立「ああ、堂島さんも菜々子ちゃんの前だと、ぺこぺことかいうんすね」

堂島「くだらない事言ってないで、手ェ洗ってこい!……あ、俺もか」

>今日は賑やかな夕食になりそうだ…

──4月21日

>今日は曇っている

里中「おはよ鳴上くん、苗木くん」

鳴上「おはよう」

苗木「おはおう里中さん」

里中「雪子、なかなか体調戻らないらしくて、今週いっぱい休むってさ」

苗木「そっか…」

鳴上「命に別状はないんだよな?」

里中「はは、心配しすぎだよ。夏バテみたいな感じだって」

鳴上「そうか。それなら良かった」

>里中さんと一緒に登校した…

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──

>放課後になった

>テレビに行くのは天城さんの体調が戻るまで待とう…

苗木「さて、今日はどうしようかな…」



1:誰かと過ごす(桑田は選択できません)

2:自由安価


↓2

花村コミュ、了解しました
一旦ここで終了します。9時以降に再開予定です

質問等あれば、なんでもどうぞ

アルバイトとかあり?

八十神高校制服版の苗木クンを描いてみました
大して代わらねぇ…
本編更新は暫しお待ち下さい

>>433
一応やる方向で考えています

http://i.imgur.com/AwavohH.jpg

遅くなってしまって申し訳ありません
続き投下します

>放課後は花村クンと過ごす事にした

苗木「花村クン」

花村「おっす苗木。これからヒマなら、どっか行かないか?」

苗木「うん、いいよ」

花村「よっしゃ! そんじゃ行こうぜ!」

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───
──

>沖奈市

>花村クンに連れられて、電車に乗ってやってきた…

苗木「へぇ、こんな所があったんだね」

花村「苗木、ここ来た事なかったのか?」

苗木「うん。稲羽に来た時に乗った電車ではここ通らなかったから…」

花村「そっかそっか。そんじゃあ、俺がここ案内してやるよ!」

苗木「え、いいの?」

花村「いーのいーの! 俺、ここには結構来るからさ」

>花村クンに沖奈市を案内してもらった…

花村「映画と喫茶店、どっちいきたい?」

>どうしようか…


1:映画

2:喫茶店

↓2

>花村クンと喫茶店に入った

花村「ここのコーヒーがうまくてさ」

苗木「なんだかお洒落な感じのお店だね」

花村「そうそう。そこも気に入っててさー」

店員「お待たせしました」

>店員さんがコーヒーを二つ持ってくる

花村「お、来た来た!! さっ飲んでくれ。ここのコーヒーはブラックのまま飲むのが一番うまいんだ」

苗木「うん、分かったよ」カチャ

>とても澄み切っていて、綺麗なコーヒーだ…

>香りもとても良い…

苗木「いただきます」

>一口飲んでみる…

苗木「!!!?」

>意識が朦朧とする壮絶な味わいだ……!

ドサッ

花村「苗木? 苗木ーーーー!!」

>花村クンの声が妙に遠く聞こえる…



苗木「…あ、あれ…?」

>目を覚ました頃には、閉店の時間になっていた…

花村「初心者にはきつかったか…」

>まだ頭がもやもやする…

>今日は帰る事にした…

──────
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───
──

>夜

>今日は鳴上クンが散歩に出ている…

>菜々子ちゃんを一人にする訳にはいかない

>寝る事にした…

──4月22日

>今日も曇っている

鳴上「苗木、どうした? つらそうだな」

苗木「な、なんかお腹の調子がおかしくて…」

鳴上「そうか…お大事にな」

苗木「うん…ごめんね」

──────
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──

>放課後になった

>なんだか身体がだるい…

>今日は誰とも仲は深まりそうにない…

苗木「どうしようかな…」


1:家に帰って休む(次の日になります)

2:自由安価

↓2

──4月23日

>今日も曇っている

>昨日早めに休んだからか、今日は身体の調子がいい

鳴上「なあ苗木。お前バイトどうするんだ?」

苗木「バイト?」

鳴上「ああ、そっか。昨日はまっすぐ家に帰ったから知らないのか」

鳴上「町の掲示板に、バイトの募集が貼られたんだそうだ」

苗木「へぇ、そうなんだ」

鳴上「俺は帰りに見にいくつもりだけど、お前はどうするんだ?」

苗木「そうだね。ボクも見に行ってみようかな」

──────
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───
──

>午後

世界史の祖父江「では、今の話を聞いていたか誰かに聞いてみる事にしようかの」

世界史の祖父江「では里中氏、世界最初のバブル経済事件は?」

里中「えっ!? え、えーと…ごめん苗木くん、なんだっけ?」

苗木「えーと…」

↓2

世界史の祖父江「そう、正解じゃ。よく授業を聞いておるな」

里中「あはは…ありがと苗木クン、助かったよ」

>里中さんに感謝された!

>里中さんと少し仲良くなれた気がする…

──────
─────
───
──

>放課後

鳴上「苗木、掲示板を見に行こう」

苗木「うん」

>鳴上クンと商店街のバイトの広告を見に行った…

>稲羽中央通り商店街

鳴上「結構あるな」

苗木「そうだね」

>掲示板には封筒貼りから家庭教師まで、様々なバイトが貼り出されていた

苗木「家庭教師とか、鳴上クンにあってそうだね。教えるのうまいし」

鳴上「そうだな。それじゃあ俺はそれをやってみるか」

>鳴上クンは早速、書かれていた連絡先に電話をし始めた…

苗木「う~ん、ボクはどうしようかな…」

>ボクでもできそうなのは…

1:封筒貼り 500円~

2:四六商店のお手伝い 火・木・金 1000円~

3:愛屋の皿洗い 月・水・土 2000円~

4:バイトをしない


~~~~~~~~~~~~~
バイトをすると、時間を消費する代わりにお金が手に入ります

入手したお金は商店街で使用する事ができます

四六商店の前にあるカプセルマシーンからは、プレゼントを手に入れる事ができます(一回600円)

プレゼントは、放課後を一緒に過ごした相手に渡す事ができます

相性によっては、喜ばれて友好度が上がりやすくなったり、嫌がられて下がったりしますのでご注意下さい

商店街に行くには、放課後の自由安価から指定して下さい

また、バイトを止める際も自由安価から指定して下さい

苗木「う~ん、ボクはどうしようかな…」

>ボクでもできそうなのは…

1:封筒貼り 500円~

2:愛屋の皿洗い 月・水・土 1500円~

3:丸久豆腐店のお手伝い 火・木・金 2000円~

4:バイトをしない


↓3

~~~~~~~~~~~~~
バイトをすると、時間を消費する代わりにお金が手に入ります
入手したお金は商店街で使用する事ができます
四六商店の前にあるカプセルマシーンからは、プレゼントを手に入れる事ができます(一回600円)
プレゼントは、放課後を一緒に過ごした相手に渡す事ができます
相性によっては、喜ばれて友好度が上がりやすくなったり、嫌がられて下がったりしますのでご注意下さい
商店街に行くには、放課後の自由安価から指定して下さい
また、バイトを止める際も自由安価から指定して下さい

>愛屋の皿洗いのバイトをする事にした

鳴上「愛屋でバイトか」

苗木「うん。初めてのバイトだしこんなもんかなって」

鳴上「なるほどな。ちょうどここの隣だし行ってみるか?」

>鳴上クンと一緒に愛屋で肉丼を食べてから、家に帰った

今日はここまでにします
4月24日以降から、曜日も表示します(最初から表示しときゃよかった)
次回更新で、巽・???編を始められたらと思います

おはようございます
4月23日の夜行動の分だけ投下します

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──

>夜

苗木「まだ寝るには早いな…どうしようかな」



1:出かける

2:早めに寝る

↓1

>夜の散歩に出る事にした

苗木「今日は河川敷の方に出かけてみるかな」

鳴上「家の事は任せてくれ」

>動きやすい服に着替えて、家を出た

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──

>鮫川河川敷

苗木「この辺りは、薄暗いなぁ…足元に気をつけなきゃ」

トコトコ

苗木「ん?」

>犬がやってきた

>野良犬だろうか…

苗木「何か咥えてる…?」

ザクザク

>犬は穴を掘り、その中に咥えていた物を入れた

犬「ワンッ!」

>そしてその穴を埋めて、去っていった…

苗木「骨でも隠してたのかな?」

ドドドドド…

苗木「え?」

???「待つべぇええええええええ!!!!!」

ドドドドドドド!!!

>な、何か近づいてくる!?

葉隠「あ!! 苗木っち!!!」

苗木「葉隠クン!?」

>こっちに全力疾走していたのは葉隠クンだった

葉隠「こ、ここになんか咥えた犬が来なかったか!?」

苗木「え? き、来たけど…」

葉隠「どこ行った!!!?」

苗木「え、えっと…あっち…」

葉隠「サンキュー! 今度ただで占ってやるべ!!」

苗木「あ、ちょっと待って!! 犬が咥えてた物は──」

ドドドドドドド…

>葉隠クンは行ってしまった…

苗木「……えっと、この辺りに…」

ザクザク

>犬が掘った穴を掘り返してみた

>『本物の水晶玉』を入手しました

苗木「……今度会ったら返してあげよう」

>家に帰って寝る事にした…

投下は一旦ここで終了です
29日までストーリーは進展しませんが、そこまでスキップしますか?
これは多数決で決めたいと思います

2対2で止まっているので一度あげます

ではスキップにします
現段階コミュUPできるキャラがいない&26日から雨が降ってコミュができないのでコミュ安価は省略します
※雨の日は基本的にコミュが選択できません。ご注意下さい(これも最初に言うべきだった。申し訳ない)

ですので、25日(月)と27日(水)のバイト安価のみ取ります

01~85 1500円
86~99 2000円
ゾロ目 2500円


下二つのレスのコンマを採用します

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──

>それから一週間、ずっと雨が降り続いた…

>特にする事もなかったので、ボクはバイトに精を出した

>3000円入手しました

現在所持金:3000円

──4月29日(金)

ザアアアア…

天気アナ『終日降り続いた雨の影響により、各地とも気持ちのいい晴れ間とはいかないようです』

天気アナ『特に稲羽市方面では、今夜半から明日にかけて、濃い霧の発生が予想されます』

堂島「霧か…多いな、最近」

苗木「…今日がタイムリミットだったんだね」

鳴上「今夜、マヨナカテレビを確認してみよう」

苗木「うん」

>CMが流れる

CM『ジュネスは、ゴールデンウィークは休まず営業!』

CM『来て、見て、触れて下さい』

CM『エヴリディ・ヤングライフ! ジュネス!』

菜々子「エヴリディ・ヤングライフ! ジュネス!』

堂島「ゴールデンウィークか…どこか行くか?」

菜々子「どこか行けるの?!」

苗木「休みが取れたんですか?」

堂島「正確には"取れそう"だな。四日と五日なら、取れるかもしれないんだ」

菜々子「菜々子ね、ジュネス行きたい!」

堂島「そんな近場でいいのか? 旅行とかもいいんだぞ?」

菜々子「旅行!?」パアア

>菜々子ちゃんは明るい表情を見せるが、すぐにそれを曇らせる

菜々子「……ほんとに?」

堂島「なんだよ、疑ってるのか?」

菜々子「いつもダメだから…」

堂島「ま、毎年じゃないだろ…おまえらはどうだ? 何か予定はあるか?」

鳴上「いえ、特には…」

苗木「ボクも特にないです」

菜々子「だったら、みんなで行きたい! おべんとうもっていきたい!」

堂島「弁当か…いつもは、惣菜メシばっかだからな」

鳴上「だったら、俺が作りますよ」

菜々子「菜々子もてつだう!」

>ゴールデンウィークにみんなで旅行する事になった…

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───
──

チク…タク…チク…タク…

ザアアアア…

>雨が降っている…

>窓から外を確認してみる

苗木「霧も出てる…」

チク…タク…チク…タク…

苗木「…もうすぐ0時だ」

>テレビの画面を見つめる…

ザ…ザザ…

苗木「映った! けど…」

>いままでとは違い、マヨナカテレビには誰も映らない

>ノイズだけが映り続けていた…

ガチャ

>鳴上クンが部屋に入ってくる

鳴上「苗木、どうだった?」

苗木「誰も映らなかったよ。そっちは?」

鳴上「こっちもだ」

苗木「天城さんを助ける事ができたから…って事なのかな」

鳴上「恐らくな。これで天城については一安心だ。里中の話だと明日から来れるようだから、詳しい話はその時にしよう」

苗木「うん。おやすみ鳴上クン」

鳴上「おやすみ」

──4月30日(土)

>学校に登校すると、校門前で天城さんが立っていた

天城「あ、お、おはよ」

苗木「おはよう。身体はもう大丈夫なの?」

天城「う、うん…今日から学校、来るから…よ、宜しくね」

鳴上「ああ、よろしくな」

天城「なんか、みんなにすごく迷惑かけちゃったよね…ごめんね」

天城「ううん…ごめんじゃないや。…"ありがとう"だよね」

>天城さんの表情は、以前よりも明るいようだ

天城「お母さんね、もう仕事に復帰したの」

鳴上「そうなのか。よかったじゃないか」

天城「うん…仲居さん達も今まで以上に協力してくれて、何だか前より上手く回ってるみたい」

天城「私、無理してたのかな…何でも自分がやらなきゃって、思いすぎてたのかも」

苗木「困った事があったら、何でも言ってよ」

鳴上「苗木の言うとおりだ。俺達にできる事なら、なんだって協力してやる」

苗木「だからさ、一人で抱え込まないでね」

天城「ありがとう…」

天城「でも…なんか恥ずかしいな」

天城「自分でも見たくないと思ってた事、みんなに見られちゃったし…」

苗木「気にしないでよ」

鳴上「あれが天城の全てじゃない」

天城「うん、そう思いたい…」


「雪子ー!」タタタ


>里中さんがこちらに駆けてくる

天城「あ、千枝」

鳴上「話してきたらどうだ? 色々話したい事があるだろうし」

天城「ありがとう。じゃあ、また後でね」

苗木「うん。教室で」

>天城さんは里中さんの方へ歩いていった…

鳴上「…あの調子だと、本当に身体の方は大丈夫みたいだな」

苗木「うん…助ける事ができて本当によかった…」

──────
─────
───
──

>午前

地理の山田「それじゃあ、この間の復習でちょっと問題をだしてみようかな」

地理の山田「苗木くん。太陽系で最大の峡谷の名前は次のうちなんだったかな?」

苗木「え、えっと…」

1:黒部峡谷
2:マリネリス峡谷
3:グランド・キャニオン

↓1

地理の山田「おお、よく覚えていたね。火星にあるマリネリス峡谷は、グランド・キャニオンの10倍もの規模なんだ」

地理の山田「他にも火星には、オリンポス山という太陽系最大の山もあるんだ」

>選んだ答えは正解だったようだ

鳴上「やるじゃないか苗木」

>鳴上クンに褒められた

>鳴上クンと少し仲良くなれた気がする…

一旦投下終了します
9時以降に再開する予定です

<おまけ>
昔考えたダンロンキャラのアルカナ
メモ帳のデータを漁ってたら見つかったので折角だから
大体逆位置に当てはまってるような…
今考えると多分違う結果になると思うけど

苗木 世界
舞園 恋愛
桑田 太陽
不二咲 運命
大和田 剛毅
石丸 審判
山田 魔術師
セレス 女教皇
大神 刑死者
朝日奈 戦車
葉隠 塔
十神 皇帝
腐川 月
ジェノ 星
霧切 隠者
江ノ島 死神
戦刃 女帝

お待たせしました
すいません、巽・???編は今日投下できそうにないです…
4月30日放課後を投下します

──────
─────
───
──

>放課後

>ボク達は屋上に集合していた

花村「後は天城だけ…お、来たな」

>天城さんは両手に、赤と緑のパッケージのカップ麺を持ってきた

天城「お待たせ。千枝はお蕎麦の方だよね」

>緑の方を里中さんに手渡す

里中「サンキュ! お~この匂い、たまらん…これ、あとどんくらい待ち?」

天城「全然まだよ」

里中「で、なんだっけ。…あ、雪子に事情を聞くんだったよね」

>そう、ボク達は事件について、天城さんに詳しく聞くために屋上に集まったんだ

花村「なぁ、天城さ、ヤな事ムリに思い出さす気は無いんだけど…改めて、聞かせてほしいんだ」

鳴上「さらわれた時の事、やっぱり何も覚えてないのか?」

天城「うん…落ち着けば思い出すかなって思ったけど、時間が経つ程、よく分からなくなっちゃって…」

天城「ただ、玄関の…チャイムが鳴って…誰かに呼ばれたような気は、する…」

苗木「玄関のチャイム…?」

天城「けど、その後はもう、気付いたらあのお城の中で…ごめんね」

里中「謝んなくていいって!」

>今のところの手がかりはその【玄関のチャイム】だけか…

里中「けど、やっぱその来客が犯人?」

花村「どうだろうな…そうなると相当大胆な犯人だぜ?」

苗木「玄関から直接来てるって事だからね…」

鳴上「目撃者がいないか警察も洗ってるだろうけど、期待はできないだろうな」

里中「すぐにバレるような格好で歩き回る訳ないもんね」

天城「でも…どうしてこんな事するんだろう」

鳴上「それは、犯人に聞いてみなきゃ分からないな」

花村「だけど、これで大事な事がはっきりしたな」

苗木「人が次々に"向こう"に行ってるのは偶然じゃない…って事だね?」

花村「そう。こっちに居る誰かが、さらってテレビに放り込んでるんだ…これは、殺人だ!!」

花村「あ、そうだ。天城にはまだ言ってなかったな」

花村「俺とコイツらで、犯人挙げちゃうことにしたから!!」

>そう言って花村クンは、ボクと鳴上クンの肩を掴んだ

花村「この事件、正直警察には無理そうだけど、俺たちには"力"があるからな」

鳴上「絶対に捕まえるから、安心してくれ」

里中「あたしもやるからね! あんな場所に、人放り込むなんてさ。も、絶対ブチのめす!」

>里中さんははりきっている

天城「千枝…」

天城「私も…やらせて」

苗木「え?」

天城「どうしてこんな事が起きてるのか知りたいの」

天城「お願い、私にも協力させて!!」

鳴上「……いいのか?」

天城「もし自分が、殺したい程誰かに恨まれてるなら、知らなきゃいけないと思うの」

天城「もう、自分から逃げたくないの!!」

>天城さんの強い決意が伝わってくる

花村「…おっし! じゃあ、全員で協力して捕まえてやろーぜ!」

天城「うん!」



>天城さんが仲間に加わった!

里中「でも、どうやって犯人捜す? 今のところ、手がかりはほとんど無いよね」

天城「狙われたのって私で三人目なんだよね? これで終わりなのかな…?」

苗木「次に誰が狙われるのか、見当がつくなら先回りできそうだけど…」

鳴上「先回りか…」

花村「いいアイデアだな。じゃあ、今までの被害者の共通点を挙げてみようぜ」

>……

>一人目の被害者は、女子アナの"山野真由美"…

>二人目の被害者は、"小西早紀"先輩…

>三人目の被害者は、"天城雪子"さん…

>全員の共通点は…

天城「テレビに入れられた人って、全員女性なんだね」

花村「だな」

里中「女性ばっか狙いやがって! きっとヘンタイね」

鳴上「まだあるんじゃないか?」

苗木「もう一つの共通点は…」

>……

苗木「そうか! 二人目以降の被害者は、みんな山野アナと接点があるんだ!」

里中「どういう事?」

苗木「小西先輩は山野アナの死体の第一発見者で、山野アナは生前、天城屋旅館に泊まっていた…」

苗木「これって、共通点と考えられないかな」

花村「成る程な」

天城「とすると、"山野アナの事件と関わりのあった女の人が狙われる"…って事?」

鳴上「とりあえずは、そう考えるのが妥当だろうな」

花村「で、多分なんだけど…次もし、また誰かが居なくなるとすれば…」

里中「雨の晩に"例のテレビ"に映るのかな!?」

花村「天城んときもそれっぽいのが流れたからな」

花村「最初のうちはハッキリ見えないけど、重要なのは居なくなる前に映ったって事だ」

苗木「まるで"誘拐の予告"みたいだね…」

鳴上「"誘拐の予告"か…言い得て妙だな」

花村「あれが何なのかは分からないけど、今はあれを当てにするしかない」

苗木「だね…」

>次を予測する手がかりは、今は"マヨナカテレビ"しかなさそうだ…

>次の雨の夜には、忘れずにテレビを見る事にしよう…

苗木「ところでさ。それ、そろそろ出来てるんじゃない?」

里中「うおっと、そうだった! いっただっきま──!」

ガチャッ

>その時、屋上の扉が開いた

???「おー皆ここに居たのか」

里中「あ?」

>短髪の少年が、屋上に入ってきた

???「いやー探したんだぜー!」

>短髪の少年はこちらに近づいてくる

花村「えと、あの……どちら様?」

???「ハァッ!? 何言ってんだよ花村! オレだよオ・レ!」

花村「ん~…?」

???「マジで分からないのか…? な! 天城ちゃんなら分かるよな!!」

天城「………?」

>天城さんは無言で、首を傾げた

???「うおおおおおおおおおおマジでふざけんなよアホアホアホアホ!!!」

苗木「……もしかして、桑田クン?」

里中「ええ!?」

花村「で、でも桑田って、髪の毛バリバリで派手なカッコしてて…」

桑田「ああ、これな。天城を助けた後、鏡見てみたら焼けてチリチリになってたから泣く泣く切ったんだ」

里中「それはいいとして……なんでウチの制服着てる訳?!」

桑田「なんでって、ここに転校してきたからだけど?」



「「「「「ハァッ!!!??!?」」」」」


花村「て、ててててて転校って!? おま、希望ヶ峰学園辞めたの!?」

桑田「おう! 色々考える事があってな」

苗木「ボクはてっきり、前の学校に戻るものだと…」

桑田「エース校に戻ったって面白くねーし、またサボっちまうかもしんねーだろ?」


桑田「だから! オレは! この学校で1から! 野球をする事にしたんだ!!!」


鳴上「……凄い発想と行動力だな」

桑田「それによ。事件解決まで付き合うって言ったろ。だったら近場だった方がいいと思ってな」

苗木「桑田クン…」

花村「つか、三年だったのかよ!」

里中「マジで!? ヒゲのせいで老けて見えるだけでタメだと思ってたんだけど!?」

天城「桑田先輩…って呼んだ方がいいのかな?」

桑田「ああ? そんな堅っ苦しい呼び方しねーでよ、いままで通り『桑田きゅん♪』って呼んでくれよ!」

花村「そんな気持ち悪い呼び方してねーよ!」

桑田「お前に呼ばれても嬉しくねーよ!」

桑田「とにかく、来週から通う事になるからよ! よろしく頼むぜ!!」

鳴上「よ、よろしく…」

>桑田クンが稲羽市に引っ越してきた

>桑田怜恩コミュが解放されました

天城「千枝、麺伸びちゃうよ」

里中「あ、忘れてた! いっただっきま──…」

桑田「おっうまそうなモン食ってんじゃん。一口ちょーだい」バッ

>桑田クンが里中さんの蕎麦を掠め取った

里中「あっ!?」

>そして

ズルズルズルズルズルッ!!!!

>…一気に全て食べた

桑田「ぷはー!! やっぱウメー!!!」

里中「あ…あ…」

桑田「あ、ワリー。美味くてつい全部食っちゃった」

里中「おたく、なにしてくれとんじゃあああああああああああッ!!!!!」

ベキィッ!!!!

桑田「ぐはぁ!!?」

苗木「さ、里中さん落ち着いて!!」

>里中さんを必死に抑える

里中「これが落ち着いていられるか!! たぬきの敵をとるんだ!!」

天城「わ、私のを分けてあげるから! ね!?」

里中「それは違うよ!!」

天城「何が違うの!?」

里中「たぬきだからいいんだ…きつねじゃダメなんだぁぁああああ!!!!」

花村「何訳分かんない事言ってんだ!?」

鳴上「桑田! なんとかしろ! 謝れ!!」

桑田「す、すまん里中! なんかおごっから許してくれ!!」

里中「…おごる?」ピタッ

桑田「そうだ! 肉でもなんでも奢るぞ!!」

里中「なら許す!!」

>早っ!!

里中「じゃあ行こう! 早速行こう!! 今すぐ行こう!!!」

花村「それでいいのか、里中…」

>ジュネスに行く事になった…

──────
─────
───
──

>ジュネス

里中「ぷはーッ食った食った! 余は満足じゃ~」

桑田「どんだけ食うんだよ…財布が…」

花村「んじゃ、さっきの話に戻るぞ」

桑田「"いままでの被害者が、全員山野アナの事件の関係者"って話だっけか?」

>ジュネスに行くまでの間に、ボクが説明しておいた

花村「一件目の山野アナだけ見れば、動機は恨みっぽいよな。不倫相手の奥さんとか」

里中「でも柊みすずって、アリバイがっちりでしょ? 旦那さんとも前から別居中らしいし」

鳴上「次、二件目の事件被害者の小西先輩は、山野アナの死体の第一発見者だった」

花村「……」

>花村クンが顔を歪ませる

苗木「犯人が同一犯だとすると、先輩が狙われたのは…」

──────
─────
───
──

天城「すごい…ここ本当にテレビの中なんだ」

クマ「あ、皆いらっしゃいクマー」

天城「あの時のクマさん…夢じゃなかったんだ」

クマ「ユキチャンも来たんだクマね」

天城「私も仲間に入れてもらったの。一緒に頑張ろう」

クマ「うん! 一緒に頑張ろうって思ってたクマ! だからユキチャンにも用意してたクマよ!」

>クマは天城さんにメガネを渡した

天城「そっか、みんなかけてるの、コレなんだ。ありがとうクマさん」

>天城さんはメガネをかけた

天城「うわぁ凄い…霧が晴れて見える」

桑田「…やっべ、オレメガネに目覚めそう」

花村「それに賛成だぜ桑田…」

苗木「あれ? クマ、何か落としたよ」

クマ「あ、それ失敗したメガネクマ」

天城「あー…これ…」

>天城さんはそのメガネを拾い、かけなおした

里中「ちょ、ちょっと雪子!?」

天城「あはは、どう?」

苗木「ど、どう…って…」

>天城さんがかけているメガネは俗に言う"鼻メガネ"だった…

>なんと反応したらいいか…

鳴上「凄く似合うぞ。むしろそっちの方が自然だ」

苗木「鳴上クン!!??」

>何言ってるの!?

天城「あはははは、やっぱり?」

>やっぱり!?

天城「私、こっちがいい!」

>!!!!???

里中「お止めなさい!!」

天城「えー…じゃあ、はい」スッ

里中「…はい?」

天城「次、千枝の番」

里中「はいぃ!?」

里中「しょーがないなぁ…」

桑田「かけるのかよ!」

>里中さんも鼻メガネをかける

天城「う…ぷぷ!! あはは、あはははっはははは!!!」

苗木「あ、天城さん…!?」

桑田「天城ちゃんが壊れちまった…!!」

里中「いや、雪子って大体こんな感じだよ」

苗木「え」

天城「ち、千枝の顔…うぷぷ…おかしー!! ツボ…ツボに…お腹くるしー!」

桑田「な、なんか…イメージが音を立てて崩れてく…」

>天城さんの笑い声が、テレビの中の世界に響き渡った…

今日はここまでです
展開が遅くて申し訳ない…ダンロンキャラも全然出ないし…
次回こそアイツらを登場させる予定です

今日も午後11時ぐらいに投下予定です

苗木のペルソナをデザインしてみたので投下する際に一緒に貼ります
しかし、正直かなり微妙なので誰かうまい人描いてくれないかなぁ...(チラッ

デザインの清書ができたんで、先に貼っちゃいます
最初はりせちーのヒミコっぽい感じだったけど、最終的にこんな感じになりました

http://i.imgur.com/iW25Znu.jpg

こんばんわ。少し遅くなりましたが投下します
今回の投下は少なめです

──5月1日(日)

>早朝

テンシヨ、イキヲスイコンデ~♪

苗木「ん…?」

>携帯の着信音で目が覚める

フタタビ、ソラヲメザセ~♪

苗木「誰からだろう…」

>寝ぼけた頭で、電話にでる

ピッ

苗木「もしもし…?」

>………

>……

>…

苗木「ハァ!!!?」

ガチャッ!

鳴上「どうした苗木!!」

>鳴上クンが部屋に飛び込んでくる

苗木「………」

ツーツー…

苗木「………」

鳴上「何かあったのか…?」

苗木「……が…て」

鳴上「え?」

苗木「き、希望ヶ峰の皆が、ゴールデンウィークだから遊びに来るって…」

鳴上「……」


鳴上「なぁ!!??」

──────
─────
───
──

>午後

>八十稲羽駅

鳴上「…そろそろか」ソワソワ

花村「ああ~なんか緊張するぜ」ソワソワ

里中「なんたって超高校級の人達だもんね。どうしよう、あたし変じゃない?」ソワソワ

天城「大丈夫だよ千枝。私の方こそ大丈夫かな…」ソワソワ

桑田「んなキンチョーしなくても大丈夫だって」

苗木「そうだよ。皆いい人達ばかりだからさ」

花村「苗木が言うんなら、そうなんだろうけど…」

ヤソイナバーヤソイナバー

鳴上「お、来たぞ」

>電車から皆が続々と降りてきた

朝日奈「ぷはー! やっと着いたー!! もう身体ガチガチだよー」

大神「結構な時間座っていたからな」

セレス「しかし…何にもない所ですわね」

山田「何を言いますか、 背景の資料にできそうな素晴らしい田舎ではありませんか」

石丸「それでは点呼をとるぞ! 男女一列に並ぶのだ!!」

戦刃「全員いるけど…」

苗木「みんな!」

>皆はボク達に気づくと、すぐにこちらに駆け寄ってきた

朝日奈「苗木ー久しぶりー!!」

苗木「うん。久しぶり」

大神「元気そうで何よりだ」

石丸「うむ!健康が一番だ!!…しかし、桑田くん! キミの行動には驚かされたぞ」

セレス「まさか遊びに行って、そのまま転校するとは思いませんでしたわ」

桑田「へへ、わりーわりー」

桑田「ところでよ。これで全員なのか? 舞園ちゃん達は?」

山田「舞園さやか殿と江ノ島盾子殿は仕事の方が忙しくて、今回は来れないそうですぞ」

朝日奈「霧切ちゃんは本当は来れるはずだったんだけど、昨日急に仕事が入っちゃったらしくて…」

苗木「そっか。会えないのは残念だな…」

>でも、仕事が忙しいなら仕方ないか…

戦刃「腐川さんはいつも通り…十神くんが行かないなら私も行かないって」

>腐川さんと十神クンはぶれないなぁ…

桑田「大和田と不二咲は?」

石丸「兄弟達は後で来るそうだ」

セレス「どこかで事故を起こしてなければいいですわね?」ニコッ

>ああ、バイクで来るのか

花村「す、すげぇ…皆テレビとかで見たことある人ばっかりだ」

天城「私そういうの詳しくないから…水泳の人は知ってるけど…」

里中「本物の朝日奈葵ちゃんと大神さくらさんだよ…サイン貰おうかな…?」

桑田「なんでオレの時は、その反応が出なかったのか」

鳴上「仕方ないだろう。あの時は天城が大変だったんだから」

桑田「そーだけどよ…」

石丸「む? そちらは苗木くん達の友達か?」

苗木「あ、うん。紹介するよ」

>皆の事を紹介した…

セレス「天城…といいますと、天城屋旅館の方でしょうか?」

天城「あ、お客様でしたか。いつもご利用ありがとうございます」

苗木「みんなで天城屋旅館に?」

石丸「いや、そこに泊まるのはセレスくんだけだ」

山田「一人だけちゃっかり予約してたのです…僕達が予約しようした時には時既に遅し…」

苗木「あ、そうなんだ…」

セレス「私セレスティア・ルーデンベルクと申します。セレスで結構ですわ」

花村「え、でも日本人…だよな?」

セレス「セ・レ・ス・ティ・ア・ル・ウ・デ・ン・ベ・ル・クですわ」ニコリ

花村「は、はい…」

>セレスさんは相変わらずだな…

鳴上「ハイカラだな」

セレス「ハイカラですわ」

朝日奈「えっと、里中ちゃん…だっけ」

里中「は、はい!!」

朝日奈「里中ちゃんは何かスポーツとかやってるの?」

里中「え?」

朝日奈「いやぁ、結構いい身体してるなって思ってさ」

里中「い、いやいやそんな事ないですよ!!」

大神「いや、なかなか良い筋肉をしている。格闘技でもやっているのか?」

里中「え、えっと…カンフーを少し…」

戦刃「カンフーにしては、筋肉の付き方が少し違うような…」

里中「それは多分、自己流でやってるからかも…」

大神「ほう、自己流か」

戦刃「自己流…」ジロジロ

里中「な、何かまずかったですか…?」

戦刃「いや…自己流でこれは凄いと思って…」

里中「え、本当ですか!?」

大神「うむ。なかなか良い筋をしていると思うぞ」

戦刃「ちゃんとした訓練を受けたら、いい所まで行けると思う…」

里中「あ、ありがとうございます!」

朝日奈「ねぇねぇ、今度暇だったら一緒に運動しない?」

里中「はい、あたしでよかったら」

朝日奈「そんな畏まらないでさ。もっと気軽に話してよ!」

里中「え、えっと…うん。葵ちゃん」

朝日奈「よろしくね、千枝ちゃん!」


>向こうは早速仲良くなっているようだ…

今回はここまでです
短くてすいませんでした

このペースだと1スレで多くて作中時間1ヶ月だな(確信)
完結まで何スレかかるんだろう...
書きたいシーンが当分先っていうね
次回の更新は土日になります

土日に間に合わなかったべ!
しかも少ないべ!
投下するべ!

苗木「みんな、この後はどうするの?」

石丸「しおりにはここで一度解散し宿に荷物を置き、その後は6時まで自由行動となっているな」

苗木「しおりって…」

>そんな修学旅行じゃないんだからさ…

花村「あ、じゃあさ。もう一度皆で集まれないかな? 俺、この町案内するぜ」

里中「小さい町だけど、美味しい中華料理店があるんだよ」

朝日奈「美味しい中華料理!?」

天城「剣とか鎧とか売ってるお店もあるよね」

山田「剣と鎧ですと!? いい資料になりそうですな!!」

鳴上「町全体を見渡せるいい場所もあるぞ」

戦刃「視察はとても大切…」

苗木「とにかく、ここは凄くいい町なんだよ。皆にも楽しんでもらいたいな」

石丸「ふむ…分かった! 君達の言葉に甘える事にしよう!!」

セレス「それでは、荷物を置いたら再びここに集合、という事でよろしいですか?」

石丸「では、30分後にまたここに集合とする! 解散!!」

──────
─────
───
──

>50分後…

セレス「お待たせしましたわ」

山田「お…遅くなりました…ぞ」

石丸「遅いぞセレスくん、山田くん! 集合時間はとっくに過ぎているのだぞ!」

セレス「文句なら山田君に言ってくださいますか? 彼が荷物を運ぶのが遅いのが悪いのです」

山田「ぶひぃ…ふひぃ…自分のとことセレス殿とこを往復はきついですぞぉ…」

天城「ねぇ…あの二人ってどういう関係なの?」ヒソヒソ

苗木「え?」

天城「旅館まで案内してる間に少し会話したんだけど、仲がいいのか悪いのかよく分からなくて…」ヒソヒソ

苗木「多分いいと思うけど…」ヒソヒソ

桑田「オレにゃよく分からん世界だ…」ヒソヒソ

花村「と、とにかくよ! 全員集まった事だし行こうぜ!」

>惣菜大学

花村「やっぱり始めはこれだろ! ビフテキ!」

朝日奈「ちょっと筋ばってるけど、美味しいね」

山田「しかし、一日一個限定ってのは少々少ないですなぁ…」

石丸「仕方ないのではないか? 牛肉を使っているのだから」

大神「牛肉にしては安すぎる気がするが…」

里中「それは言っちゃいけない」

>だいだら.

山田「ぶひょー!! 凄い!凄いですぞー!!!」パシャパシャ

オヤジ「おうコラ撮影は禁止だ!」

戦刃「…これ本物じゃない? 大丈夫なの…?」

天城「け、警察は何も言わないし大丈夫じゃないかな…?」

セレス「………」

鳴上「どうした? 中に入らないのか?」

セレス「この店の前…何か特別なモノを感じますわ。扉のような…」

鳴上「!! き、気のせいだろ! そっとしておこう!!」

苗木「……?」

>四目内堂書店

石丸「おおおおおッ!! 都会では売ってない参考書が沢山あるではないか!!」

花村「旅行に来てまで勉強の事かよ…」

山田「ほほう、なかなかニッチな漫画も置いてありますなぁ」

天城「腐川冬子の新刊だ。買っちゃおうかな…」

鳴上「漢シリーズの新刊はまだ出てないか…」

苗木「弱虫先生…ちょっと気になるな…」

>四六商店

朝日奈「わー色んなのが売ってるね」

戦刃「傷薬に鎮痛剤…救急医療キットまである」

山田「やや! 油芋があるではありませんか!」

大神「ほう、デンデン太鼓か…懐かしい、幼い頃はよくこれで遊んでいた…」

桑田「オーガが言うと、なんか修行っぽく聞こえんな」

セレス「あら? これはなんでしょうか?」ズルリ

里中「く、釘バット!?」

鳴上「そっとしておけ!!」

>辰姫神社

天城「ここで祭られてる神様には安産、開運、水難祓いのご利益があるんだって」

セレス「苗木君、お祈りしてみたらいかがですか?」

苗木「な、なんでボク…?」

チャリンッ

石丸「~~~~~~~」ブツブツ

戦刃「石丸くん、お賽銭を上げても学力は上がらないよ…?」

>十神クンはこういうの信じないだろうなぁ…「どうでもいい」の一言で一蹴しそう

花村「こっちの社ではおみくじが引けるんだ」

里中「恋愛関係の事が占えるんだよね」

桑田「よっしゃ引いてみっか。相手は勿論舞園ちゃん!」

ゴソゴソ…

桑田「何がでるかな~っと」

【大凶…部屋に呼び出されて殺されそうになるかも】

桑田「大凶?! しかも何この具体的な!?」

狐「コーン!」

朝日奈「あ、狐だ!」

>中華料理店 愛屋

あいか「肉丼、お待ち」

朝日奈・里中「「いっただっきまーす!!」」

花村「どんだけ食う気だよお前ら…」

愛屋主人「アイヤー、よく食べるね。苗木くんのお友達ね?」

苗木「はい。希望ヶ峰の方の」

愛屋主人「アイヤー希望ヶ峰! それは凄いね! サイン貰っちゃおうかな?」

あいか「自慢になる」

桑田「サインだったらいつでもOKだぜ。ほれ」スッ

戦刃「いつも持ち歩いてるのそれ…?」

鳴上「苗木の仕事ぶりはどうですか? ちゃんとやってますか?」

苗木「な、鳴上クン…」

>キミはボクの保護者かい…?

愛屋主人「しっかりやってくれてるよ。皿洗いだけじゃ勿体無いね」

あいか「でも、出前はわたしの仕事。譲らない」フンス

苗木「はは…」

愛屋主人「ここを継いで欲しいくらいね!」

天城「え、そ、それって…」

桑田「はっはっは苗木! オメーにも春が来たんじゃねーkグバァッ!!?」ドゴッ

愛屋主人「ゴハァ!?」バキッ

苗木「桑田クーーーーン!!? 店長ーーーーーーッ!!!?」

あいか「……」シュゥゥウ

大神「ほう…いい拳だ」

愛屋主人「」 

桑田「」

あいか「……苗木くん、お父さんがごめんね」

苗木「い、いや…気にしてないから」

>それより大丈夫かな…思い切り鳩尾に入ってたけど

朝日奈・里中「「おかわりー!」」

花村「いい加減にしろ!」

セレス「餃子定食、御代わりですわ」

花村「オメーもか!?」

ここまで
愛屋でバイトを始めた事であいかコミュが開放されました
なんでP4Gであいかコミュ追加しなかったんや…

お久しぶりです
ちょっとだけ投下します

>ジャージコンビとセレスさんが食べ終わるのを待ち、愛屋を出た

愛屋主人「またきてネー」

朝日奈「はー美味しかったー」

花村「雨の日限定で、スペシャル肉丼ってのがあるんだよな」

朝日奈「なにそれ超食べてみたい!」

桑田「あー…あれかぁ…この前の雨んとき注文してみたけど、食いきれなかったわ…」

山田「それは桑田怜恩殿の根気が足りないからではないですかなぁ?」

桑田「だったらオメーは食いきれんのかよブーデー!」

山田「ええ、食べてみせましょうとも! 同人作家は根気が命ですからな!」

朝日奈「よーし! 誰が一番最初に食べれるか競争しよう!」

桑田「石丸! 次の雨はいつだ!?」

石丸「天気予報によると、明日だな」

桑田「そんじゃ明日の午後に、愛屋に集合な!」

桑田「……ちなみに、その雨っていつまで降るん?」

石丸「? 夜には止むそうだが?」

桑田「そ、そうか…」ホッ

石丸「?」

鳴上「さて、次はどこに行こうか」

天城「ん?…ぶふっ!!」

苗木「!?」

里中「ど、どうしたの雪子? いきなり吹き出して」

天城「ぶ、ふふ…ガ、ガソリンスタンド…」プルプル

里中「ガソリンスタンド?……ぶはっ!?」

花村「なんだ?……ぐはっ!?」

鳴上「?……っ!!」

>ガソリンスタンドを見た瞬間、皆が吹き出した

山田「い、一体なにが起こっているんだ…まさか新手のスタンド使い?!」

桑田「いや…多分アレだろ」

苗木「うん…」

朝日奈「だね」

大神「うむ」

戦刃「ん」

セレス「ですわね」


>皆が吹き出した原因は恐らく、ガソリンスタンドでバイクを給油している人物の頭を見たからだろう

>思わず吹き出してしまう頭…それにバイク…

>その人は…


【怪しい人物を指名しろ!!】


下1

申し訳ない一旦中断
続きは11時頃に投下します

遅くなり申した
続き投下するでござる

>キミしか…いない!

苗木「大和田クン!!」

大和田「ん、おー苗木じゃねーか。久しぶりだな」

>そう、ガソリンスタンドにいたのは大和田クンだった

>天城さん達が吹き出したのは彼の立派なリーゼントを見たからだろう

>幸運な事に、大和田クンは皆が吹き出した事に気がついていないようだ

>気づいていたらどうなっていた事か…

>ボクは過去に彼の髪型を馬鹿にした人がどうなったか見た事がある

>その人は、まるで漫画のように数メートル吹っ飛んだ

>そうならなくてよかった…!

花村「苗木、もしかしてこの人も…」ヒソヒソ

苗木「うん、『超高校級の暴走族』の大和田紋土クン」ヒソヒソ

里中「ぼ、暴走族!?」ヒソヒソ

大和田「そっちは苗木の新しい舎弟か?」

苗木「しゃ、舎弟じゃないよ! 友達だよ!」

花村・里中「「は、初めまして!!!」」ピシッ

鳴上「よろしく。鳴上悠だ」

大和田「おう、苗木が世話になってんな」

天城「ぶ、ふ…く…よ、よろしく…」

大和田「……苗木、この女どうしたんだ?」

苗木「な、なんでもないよ!!」

>ヒ、ヒヤヒヤする…!

石丸「兄弟、不二咲君はどうしたのだ?」

大和田「今トイレ借りてるところ…お、丁度帰ってきたみたいだ」

不二咲「お待たせぇ…あ、みんなぁ!」トテトテ

大和田「もう大丈夫か?」

不二咲「うん、心配かけてごめんねぇ」

山田「不二咲千尋殿、どこか悪いので?」

不二咲「ううん、ちょっと酔っちゃって…」

朝日奈「もう、大和田の運転が荒いせいだよ!」

大和田「んだとゴルァ! 安全運転で来たわ!!」

戦刃「暴走族としてそれはどうだろう…」

鳴上「不二咲千尋…『超高校級のプログラマー』の子か」

天城「なんていうか小動物みたいな子だよね」

花村「周りにはあんな【女の子】いないなぁ。真逆のはいるけど」

里中「なんだとぅ!?」

>…今の発言には、大きな矛盾がある

>それは…

苗木「…花村クン、それは違うよ」

BREAK!!

花村「え? 俺なんか変な事言った?」

里中「そうだよね苗木くん! あたしが肉食獣なんて違うよね!?」

花村「そこまで言ってねーだろ! てか自覚あんのかい!」

苗木「いや、そこじゃなくて…」

苗木「不二咲クンは男なんだよ」

「「「「え゛!?」」」」


花村「え、で、でも…」

桑田「気持ちは分からんでもない。オレも初めはそうだった」ポンッ

>桑田クンが花村クンの肩を優しく叩く


桑田「だ が 男 だ」


花村「そ、そんな…」ドシャァ

>膝をつくほどショックだったのか…

鳴上「男の娘って奴か」

天城「こんなに可愛い子が女の子のはずがない!って奴だね」

里中「雪子はそんな知識どこから仕入れてくるのよ…」

不二咲「だ、大丈夫ぅ?」

苗木「ああ不二咲クン…紹介するよ…」

>皆の紹介をした…

>その後、大和田クンと不二咲クンを交えて町を見て回った

>不二咲クンは皆に大和田クンとのツーリングの事を話していた

不二咲「ちょっと酔っちゃったけど、風がすっごく気持ちよかったんだぁ」

不二咲「でもねぇ大和田くんってばいきなりスピードあげるんだから、ビックリして思わずギュッってしちゃった」

花村「ギュッ…!?」ピクッ

花村「ギュッって事は…つまり…密着したって事だよな…?」ブツブツ

苗木「は、花村クン…?」

>花村クンが何かをブツブツと唱えている…

>…不気味だったのでそっとしておいた

山田「かー! リア充爆発しろ!! いや、溶けてしまえ!!バターになってしまえ!!」

桑田「バターはオメーの方だろ」

セレス「いえ、山田くんはラードですわ。大和田くんはマーガリンです」

天城「ぶふっ…ト…トウモロコ──」

鳴上「それ以上いけない!!!!!」

天城「むぐ!」

大和田「???」

──────
─────
───
──

>数時間後…

花村「っと、大方見終わったな」

里中「そうだね」

石丸「それでは、ここらで解散としようか」

鳴上「皆はどれくらい、こっちに居るんだ?」

朝日奈「とりあえず、GWいっぱい居るつもりだよ」

大和田「居ようと思えば、ずっと居れるんだけどな」

天城「え? どういう事?」

山田「希望ヶ峰学園は才能の向上がメインで、勉学は二の次ですからなぁ」

不二咲「それに僕達、学年バラバラだもんねぇ…」

花村「そういえば桑田は3年で苗木は2年だったな」

桑田「そゆ事」

大和田「"才能の向上の為"なんて言っておけばOKって訳だ」

里中「へーいいなぁ」

朝日奈「あ、あんまり石丸の前でそういう事言うのは…」

石丸「…いかん!いかんぞ!!」

里中「ふぇっ!?」

朝日奈「ああ…始まった…」

石丸「例え学年がバラバラであろうと学生の本分は学業! それを疎かするなど!!」

ギャーギャー!!

>石丸クンの説教はしばらく続いた…

──────
─────
───
──

>説教が済んだ後、解散となり家に帰った

>八十稲羽に石丸クン・山田クン・大和田クン・不二咲クン・朝日奈さん・大神さん・セレスさん・戦刃さんが遊びに来た

>見かけたら声をかけてみようか…

苗木「あ、でもGWは菜々子ちゃん達と旅行に行くんだ…明日は雨だし…」

苗木「折角遊びに来てくれたのに、あんまり話せないのか…」

>旅行が嫌な訳ではないのだが…複雑な気分だ

>今日は早めに寝てしまおう…

──5月2日(月)

>今日は雨が降っている

>夜には止むらしいから、マヨナカテレビを見る必要はないだろう

天城「おはよう」

苗木「あ、天城さん。おはよう」

天城「雨だね…私が"向こう"に居た間、鳴上くんたち、きっと雨の度に…」

天城「あ、ごめん。暗くなっちゃうよね」

天城「そうだ、明日からゴールデンウィークだけど、予定はあるの?」

鳴上「ちょっと家族サービスにな」

苗木「家の皆で旅行に行くんだ」

天城「へぇ、家族みんなで旅行かぁ。いいね、お休み中はずっと晴れみたいだし」

>天城さんと一緒に登校した…

──────
─────
───
──

>放課後

>雨が降っている

>誰かと過ごすという訳には行かないだろう…

>今日はバイトがある日だ…

苗木「さて、今日はどうしようかな…」

1:バイトに行く(給料は安価のコンマを採用。>>483を参照)

2:自由安価

3:家に帰って休む


↓2

安価了解しました
今回はここまでにします
次の更新は週末までに必ず

質問なんだけどコミュって苗木君がやらないとペルソナ転生しないの?

>>601
ヒント:番長も裏でコミュやってたりします
もしかしたら狙ってたあの子がNTRされるかも...

カプ厨も見てるからNTRとか言わない方が無難ですよ

>>605
迂闊な発言をして申し訳ない
気をつけます

続きはもう暫しお待ちを

コミュ関連少しまとめました

希望のカケラ入手現状
花村:1/10 そろそろ仲が深まるかも
里中:1/10 そろそろ仲が深まるかも

放課後選択可能キャラ
鳴上 花村 里中 天城 桑田

バイトをする事で進行
中村あいか

特殊なコミュ発生
・自由安価での行動とコンマによって発生するコミュ
例:自由安価でジュネスに行く&コンマゾロ目→足立コミュ発生(あくまで例です。本編でもこの条件とは限りません)
・特定のキャラのコミュを進行する事によって発生する

期間限定イベント
とある期間内でのみ、特定のキャラのコミュで発生するイベント

コミュを選択したからと言っても、毎回希望のカケラが手に入る訳ではない。プレゼントをあげる等して好感度をあげよう
(プレゼントは四六商店の前のカプセルマシーンから一回600円。自由安価で指定)
他にも、授業の問題を正解する事でも好感度は上がる


何か質問等ありましたらどうぞ

早くて10時頃に投下予定です

本当に質問とか大丈夫ですか…?

カプセルマシーン回したら時間は経過する?

>>609
昼間だと経過しませんが、夜行動の際は経過します

期間限定イベントはヒントあり?

>>612
ヒントというか、期間に入るとそれに関したちょっとしたイベントが発生します

お待たせしました
投下します

>バイトに行く事にした

──────
─────
───
──

カチャカチャ…

>今日は雨のせいか、あまりお客さんも来ない

苗木「…っと。これで溜まってた分は最後かな」

愛屋主人「お疲れー。今お客さんいないから、休憩していいヨー」

苗木「はい」

ガラガラッ

あいか「ただいまー」

>中村さんが出前から戻ってくる

愛屋主人「あいか、お帰りー」

苗木「お帰り、中村さん」

あいか「…また」

苗木「え?」

あいか「中村さん」

苗木「で、でも…」

あいか「ん」ジィ

苗木「う…」

>め、目が怖い…

苗木「あ、あいか…さん」

あいか「ん」スタスタ

苗木「あ…」

>中む…あいかさんは、奥に行ってしまった…

>捕らえ所がなくてやりずらいなぁ…

あいか「ん」コトッ

苗木「え?」

あいか「お茶」

苗木「あ、ありがとう」

あいか「ん」

>あいかさんはボクの隣に座り、お茶を飲んだ

あいか「…あったまる」

苗木「……」ズズ

苗木「…うん」

>二人でお茶を飲んだ…

>あいかさんとの仲が少し深まった気がする…


>中村あいかの希望のカケラを手に入れた!

ガラガラッ

愛屋主人「あ、いらっしゃーい」

苗木「いらっしゃいま──」

桑田「おっちゃん! スペシャル肉丼!!」

>桑田クン!?

朝日奈「私もスペシャル肉丼!!」

山田「僕もですぞ!!」

大和田「オレも同じの」

>それに朝日奈さんと山田クンと大和田クンも!?

朝日奈「あれ? 苗木だーオッスー」

苗木「やあ皆…」

桑田「オメーもなんか食いにきたのか?」

苗木「いや、ボクは客じゃなくて…」

山田「エプロンをつけているという事は、アルバイトですかな?」

苗木「そ、そうなんだよ」

大和田「はは、似合ってるじゃねーか」

苗木「あ、ありがとう…?」

苗木「皆は一緒に食べに来たの?」

桑田「一緒に食べに来た…?」

山田「これはそんな生易しい物じゃあない…」

朝日奈「そう、これは…」

「「「勝負だ!!!」」」カッ

苗木「……あー」

>そういえば、昨日そんな事言ってたっけ…

>あれ、でもそのとき大和田クンは…

大和田「さっき偶然会ってな。面白そうだったから来た」

苗木「面白そうだったからって…」

あいか「…泣きを見ても知らない」

大和田「あー? 泣きを見るだぁ? このオレがぁ? なに馬鹿な事言ってんだ」

桑田「無駄話はその辺にしときな…来たぜ」

愛屋主人「はい、スペシャル肉丼お待ちー」

ドンッ!!!

朝日奈「」

山田「」

大和田「」

>三人が、口を開けて絶句している

>桑田クンはそれに哀れむような視線を送っている…

>相変わらずでかいな…スペシャル肉丼

>普通の肉丼でも十分なボリュームなのに、それの5割増しだもんなぁ

山田「…店長殿」

愛屋主人「アイヤ?」

山田「これを食べきった猛者はいるのですかな…?」

愛屋主人「千枝ちゃんと、2年くらい前の夏に合宿で来た紅い瞳が特徴的な女の子だネー」

大和田「女がこれを完食したのかよ!?」

桑田「これに関しては素直に里中すげぇと思うわ…」

朝日奈「よぉし! 私も負けてらんない!!」ガシッ

大和田「ちょ、朝日奈、先に食い始めるんじゃねぇ!!」ガッ

山田「ぬぐぐ…『始まりにして終わりなる者』の真の力見せてくれよう!!」ガッ

桑田「オメーら勝手に食うな! 苗木、ゴングだ!!」

苗木「え? え?」

あいか「よーい、ドン」


「「「「うおおおおおおおおおおおおおッ!!!!!!!」」」」


ガツガツガツガツ!!!!!!


>みんな殺気立っている…

──────
─────
───
──

ガラガラッ

愛屋主人「アイヤーいらっしゃーい」

鳴上「店長、スペシャル肉丼」

愛屋主人「アイヨー」

苗木「鳴上クン!?」

鳴上「よう苗木、しっかり仕事してるか?」

苗木「今は休憩…じゃなくて! スペシャル肉丼食べる気なの!?」

鳴上「そうだが?」

苗木「いくら鳴上クンでも止めた方が…見てよ、この惨状!」

山田「」

大和田「肉…肉…油…肉…米が見えねぇ…」

桑田「へ…へへ、甘いなオーワダ…オレはもう米に入ったぜ…」

大和田「肉端に寄せてるだけじゃねェか…うぷ」

朝日奈「あと少し…あと少しで食べ切れる…のに」


鳴上「死屍累々だな…」

苗木「ね? だから鳴上クンでも…」

鳴上「…ふっ」

苗木「え…?」

鳴上「いいか苗木。こういう類を食べるにはな…」

鳴上「全てを受け入れる“寛容さ”」

鳴上「正しくペース配分する“知識”」

鳴上「具の群れに突っ込む“勇気”」

鳴上「食べ続ける“根気”」

鳴上「それら全てが必要なんだ!!」

ゴォッ!!!!

──────
─────
───
──


カチャ

鳴上「ご馳走様でした」

愛屋主人「アイヤー…」

鳴上「完食したら、タダでしたよね?」

愛屋主人「あ、うん…」

鳴上「じゃ、仕事頑張れよ苗木」

苗木「う、うん…」

ガラガラ、ピシャン

あいか「まいどー」

愛屋主人「……」

苗木「……」

桑田「」

大和田「」

山田「」

朝日奈「」

愛屋主人「…苗木くん、そろそろ友達起こしてくれる?」

苗木「…はい」

>鳴上クンはボクの予想以上に凄い人だった…

>ボクはこの時の事を、一生忘れる事はないだろう…


>1500円入手しました

ここまで
それではまた

やばいダンロンキャラ全員に出番あげたい病にかかってる
ジュネスに十何人も集まって店側に迷惑や(´・ω・`)
ほとんど喋らない奴もでる始末だし...

ちなみに、このスペシャル肉丼イベントが、5月2日のみに発生する期間限定特殊イベントでした

>>621の紅い目の子については、雨降ってなかったけれど、P3Pに天候システム自体なかったので降っていた事にして下さい

今日の10時過ぎに投下する予定です

遅くなりました
投下します

──────
─────
───
──

>夜

苗木「少し遅くなっちゃったな…」

ガラガラッ

苗木「ただい──」

菜々子「……!!」

タタタタタッ

苗木「っと、菜々子ちゃん、走ると危な──」

バタンッ!!

>自分の部屋に入ってしまった…

苗木「…?」

>居間に入ると、鳴上クンが電話に出ていた

鳴上「はい…はい…分かりました。堂島さんも気をつけて」

>どうやら堂島さんと話しているらしい

>鳴上クンは電話を切ると、ボクに気づいたようだ

鳴上「苗木、帰ってたのか」

苗木「う、うん…さっきの電話って、堂島さんだよね?」

鳴上「ああ、その話なんだけどな…」

鳴上「堂島さん、急な仕事が入ってしまって、しばらく家に帰られないらしい」

苗木「それって…」

鳴上「四日と五日の旅行は中止…だそうだ」

苗木「…そっか」

鳴上「…菜々子は、部屋に戻ったのか?」

苗木「うん、そうみたいだよ」

鳴上「そうか…気にかけてやってくれ」

苗木「…うん」

>そろそろ部屋に戻ろうか…

カチャ…

苗木「あ…」

>菜々子ちゃんが部屋から出てきた

苗木「菜々子ちゃん…えっと…」

菜々子「…へいきだよ」

苗木「え?」

菜々子「いつものことだから…」

>そう言って菜々子ちゃんは寂しそうに笑顔を見せた

菜々子「それじゃ、おやすみなさい」

苗木「…うん、おやすみ」

──────
─────
───
──

>自室

苗木「…あ」

>鞄の中から本が出てきた

>そういえば、鳴上クンにあげてって店長に頼まれたんだっけ…

苗木「でも、渡せる雰囲気じゃなかったよなあ…」

>また今度、改めて渡そう…

>『THE 麺道』を入手しました

>今日はもう寝よう…

──5月3日(火)

>今日は憲法記念日で休みだ

菜々子「あ、おはよ」

鳴上「おはよう苗木」

苗木「おはよう。菜々子ちゃん、鳴上クン」

>鳴上クンと菜々子ちゃんは二人でテレビを見ていた

ピンポーン

鳴上「誰か来たみたいだな」

苗木「ボクが出るよ」

ガラガラッ

里中「おーよかった。居るじゃん」

朝日奈「おはよう苗木!」

>里中さんと朝日奈さんがやって来た

朝日奈「ねぇ、今日ヒマなら皆で遊びに行かない?」

里中「菜々子ちゃんも一緒に行く?」

菜々子「え? えっと…」

>菜々子ちゃんは突然の事で驚いているようだ

鳴上「菜々子、一緒に行こう」

菜々子「でも…いいの?」

里中「いいに決まってるじゃん!」

朝日奈「こんないい天気なのに、外に出ないのは勿体無いよ!」

菜々子「……」チラ

>菜々子ちゃんは少し困った顔でボクの方をちらりと見る

苗木「皆もこう言ってるんだし、菜々子ちゃんも行こうよ」

菜々子「……」

>菜々子は少し考え…

菜々子「……行く!」

鳴上「決まり、だな」

>菜々子ちゃんを連れて皆と遊びに行く事にした

──────
─────
───
──

>ジュネス

>バイト中の花村クンや、家の手伝いを切り上げて来た天城さんらと合流した

桑田「せっかくのゴールデンウィークなのにこんな所って、菜々子ちゃんがカワイソーだろ」

花村「こんな店ってお前なあ…まあその通りだけどよ」

里中「でも他無いじゃん」

大和田「考えりゃ色々あるだろ。沖奈市とかよ」

大神「いや、ゴールデンウィークは駅前は特に混んでいるだろう…」

菜々子「菜々子、ジュネスだいすきだよ?」

花村「な、菜々子ちゃん…」ジーン

菜々子「でもほんとは、どこかにりょこうに行くはずだったんだ…」

朝日奈「…そうだったんだ」

大和田「旅行なぁ…オレのバイクのケツに乗せてツーリングするか?」

菜々子「つーりんぐ?」

花村「ツーリング…!」ピク

鳴上「却下だ」

苗木「さすがに危ないもんね…」

菜々子「りょこうにはお弁当をつくって持ってくつもりだったの…」

天城「菜々子ちゃん、お弁当作れるの?」

菜々子「ううん…お弁当係は悠お兄ちゃん」

桑田「鳴上が?」

不二咲「鳴上くん、料理出来るんだぁ」

鳴上「まぁ、家庭料理くらいならそれなりにできるな」

朝日奈「へー凄いじゃん。私なんてドーナツしか作れないよ」

花村「逆に、ドーナツは作れるのか…」

石丸「男性でも料理が出来るというのはいい事だ! できて困るという事はないからな!」

大神「石丸は料理はできるのか?」

石丸「むぐ…米を研いだりとか、お湯を沸かしたりなら…」

大神「できないという事だな…和食程度なら我が今度教えてやろう」

大和田「大神が料理してる所が想像できねェな…」

朝日奈「えーそうかな? さくらちゃん、この前私と一緒にドーナツ作ったんだけどエプソン似合ってたよ? ねーさくらちゃん!」

大神「う…うむ」

桑田「もしかしてそれ照れてるのか…?」

不二咲「ねぇ大神さん、僕も一緒に教えてもらってもいいかなぁ?」

大神「うむ、構わんぞ」

不二咲「えへへ、ありがとう」

花村「苗木は? 料理できんの?」

苗木「ボ、ボクは卵焼きとかカレーとかかな?」

>中学の時に、一回作っただけだけど。しかも家庭科の実習で…

花村「フツーだな…」

苗木「はは、言われると思ったよ…」

天城「でも、それが苗木くんらしいよね」

里中「お弁当かぁ…言ってくれれば作ってあげたのに、うん」

花村「里中が料理?…いや、ねーわ」

桑田「ねーな。里中はできなそうな顔してるわ」

里中「できなそうな顔ってなに!? んじゃあ勝負しようじゃん!」

桑田「ムキになる時点で丸分かりだっつーの。それにオレ作れるなんて言ってねーよ」

花村「あ、でも里中だったら俺でも勝てそうだな」

天城「あはは、それ分かる」

里中「ちょ、雪子!?」

朝日奈「じゃあさ、菜々子ちゃんが審査員って事で、料理対決なんてのはどうかな?」

桑田「朝日奈オメー、菜々子ちゃんが腹壊しちゃったらどうすんだよ」

里中「ちょっとそれどういう事!? 美味しいかもしれないじゃん!」

桑田「『かもしれない』ってなんだよ『かもしれない』って」

里中「うぐ…」


花村「この人ら、菜々子ちゃんのママよりウマイの作っちゃうかもよ~?」

>あ…

鳴上「花村、それは…」

菜々子「お母さん、いないんだ。ジコで死んだって」

花村「え…」

大和田「……!」

花村「そ、そっか…その…」

里中「ちょっと、花村…」

花村「…ごめん、知らなかったからさ…」

菜々子「菜々子、へーきだよ」

菜々子「お母さんがいなくても、菜々子にはお父さんがいるし。それに…」

>すると、菜々子ちゃんはボクと鳴上クンの手をキュッと握る

菜々子「…お兄ちゃん達もいるし」

鳴上「菜々子…」

苗木「菜々子ちゃん…」

菜々子「今日はジュネスに来れたし、すごいたのしいよ」

花村「…そ、そっか」

里中「お姉ちゃん達、いつでも菜々子ちゃんと遊んであげるからね!」

天城「うん、遊ぼう」

朝日奈「よーし決めた!」ガタッ

桑田「どうしたよ朝日奈、突然立ち上がって」

朝日奈「私ここにいる間、ずっと菜々子ちゃんと遊んであげる!!」

菜々子「いいの?」

朝日奈「うん! 菜々子ちゃん何がしたい?」

菜々子「うーんとね…鬼ごっこ!」

朝日奈「鬼ごっこかーいいね。早速行こう!」

花村「待て待て急すぎるだろ! もう昼時だし飯が先だろ!」

朝日奈「あ、そっか…じゃあ、ジュース買いにいこっか!」

菜々子「うん!」

>菜々子ちゃんと朝日奈さんは自販機のある方へ歩いていった

大神「まだ幼いのに、強いのだな…」

不二咲「うん…」

石丸「あの強さは、我々も見習わなければならんな」

大和田「……事故で身内が…か」ボソッ

不二咲「? 大和田くん、何か言った?」

大和田「…いや、なんでもねェよ」ガタッ

>そういって大和田クンは席を立ち、ジュースを買いに行った二人に近づいていった

大和田「おーい奈々公!」

菜々子「ナナコウじゃないよ! 菜々子だよ!」

大和田「菜々子、なんか食いたいモンねぇか? オゴッてやるぜ」

朝日奈「大和田が奢るなんて、どういう風の吹き回し?」

大和田「あ? いいだろ別に。で、何が食いたい? 焼きそばか? わたあめか?」

菜々子「菜々子、焼きとうもろこしが食べたい!」

大和田「焼きとうもろこしか! それもうまいな!」グリグリ

菜々子「いたいよぉ」

>大和田クンは笑いながら、菜々子ちゃんの頭を乱暴に撫でた

天城「焼きとうもろ…ふぶっ! くく…」

>……こっちはこっちで、笑っていた

桑田「オレビフテキな!」

大和田「オメェには奢らねぇよ!」

桑田「なんでだよ! いいだろ別に!!」

朝日奈「ちょっと菜々子ちゃんの前でそういうの止めなよ!」

ギャーギャー!!

>三人が言い争いを始めた…

花村「おいおい、なにやってんだよアイツラ…」ガタッ

石丸「君たち! お店の方に迷惑になるだろう!」ガタッ

>ああ…更にややこしくなる…

不二咲「み、みんなぁ止めてよぉ!」

里中「雪子、止めにいくよ!」

天城「ぷくく…焼きとうもろこし…」

大神「全くしょうがない奴らだ…」

>皆、言い争いを止めに席を立った

>座っているのはボクと鳴上クンだけになってしまった…

>菜々子ちゃんがこちらに戻ってくる

菜々子「お兄ちゃんも一緒にいこ?」

鳴上「…そうだな。行くか」

苗木「うん」

>皆や菜々子ちゃんと一緒に、楽しく過ごした…

──────
─────
───
──

鳴上「菜々子、今日は楽しかったか?」

菜々子「うん! とっても楽しかった!」

苗木「そっか、よかったね」

菜々子「うん!…ふわぁ」

>菜々子ちゃんがあくびをする

>眠そうだ…

鳴上「たくさん走ったからな」

セレス「あら、そこにいるのは苗木くんじゃないですか」

>セレスさんが惣菜大学で座っていた

苗木「セレスさん」

セレス「丁度よかったですわ。少し話相手をして下さいませんか?」

鳴上「苗木、菜々子は俺に任せてくれ」

苗木「ありがとう鳴上クン」

>うつらうつらと船を漕ぎ始めている菜々子ちゃんを鳴上クンに任せて、セレスさんの向かいに座る

苗木「今日はなにをしてたの? 姿を見かけなかったけど」

セレス「山田くんを連れて、沖奈市の方へ行ってましたの。美味しい喫茶店があるという事でしたので」

>この間、花村クンに連れて行ってもらった喫茶店かな?

セレス「けれど、失敗でしたわ…ちっとも美味しくないわ、混んでるわ、テレビのインタビューを受けるわで…」

苗木「はは…大変だったんだね」

セレス「そうですわね、少し疲れました…苗木くん、肩を揉んでくれませんか?」

苗木「え?!」

セレス「冗談ですわよ…さて、わたくしそろそろ行きますわ」

苗木「少し暗くなってるから、気をつけてね」

セレス「ご忠告感謝しますわ。それでは御機嫌よう」

>セレスさんは行ってしまった…

──────
─────
───
──

>夜

鳴上「おい苗木、これってセレスじゃないか?」

>鳴上クンが見ていたニュースを指す

苗木「あ、本当だ…この事だったんだ」

>セレスさんがインタビューを受けていた

ナレーター『最近、八十稲羽で物騒な起きていましたが、どう思いますか?」

セレス『興味ありませんわ』

ナレーター『そ、そうですか…沖奈市には旅行で?その格好は趣味…あれ、もしかしてキミ、"超高校級の…"って、あ! ちょっと待って!!』

>ナレーターの話を最後まで聞かず、セレスさんは画面から消えた…

>その後ろを急いでついていく山田クンが一瞬映った

>その手にはたくさんの荷物…恐らく全てセレスさんのものだろう

苗木「セレスさんらしいなあ…」

>この映像を使う番組も番組だけど…

──────
─────
───
──

>夜

鳴上「おい苗木、これってセレスじゃないか?」

>鳴上クンが見ていたニュースを指す

苗木「あ、本当だ…この事だったんだ」

>セレスさんがインタビューを受けていた

ナレーター『最近、八十稲羽で物騒で不思議な事件が起きていましたが、どう思いますか?」

セレス『興味ありませんわ』

ナレーター『そ、そうですか…沖奈市には旅行で?その格好は趣味…あれ、もしかしてキミ、"超高校級の…"って、あ! ちょっと待って!!』

>ナレーターの話を最後まで聞かず、セレスさんは画面から消えた…

>その後ろを急いでついていく山田クンが一瞬映った

>その手にはたくさんの荷物…恐らく全てセレスさんのものだろう

苗木「セレスさんらしいなあ…」

>この映像を使う番組も番組だけど…

苗木「菜々子ちゃんは?」

鳴上「よっぽど疲れてたんだろうな。もう寝たよ」

苗木「そっか」

>ボクが寝るにはまだ少し早いな…

>どうしようかな


1:出かける

2:早めに寝る

↓2

1:出かける、了解しました

今日はここまでです

朝日奈凄い使いやすいキャラだから台詞多くなってしまう
逆に石丸は何言わせればいいか分からねぇ…


今後ちょいちょい挿絵的なイラストも貼っていこうと思ってます
ポスカを描く機会があったので、練習でセレスさん描いてみました。この子描くの苦手だ…
http://i.imgur.com/d9B3V6H.jpg

安価もう一つ忘れてた…
とりあえずそれだけ投下します

本編は間に合ったら、早くて11時頃に

苗木「じゃあボクはちょっと散歩してくるよ」

鳴上「どこまで行くんだ?」

苗木「そうだな…」


1:商店街

2:神社

3:河川敷

↓2

短めですが投下します

──────
─────
───
──

>鮫川河川敷

苗木「風が気持ちいいなぁ…」

ポチャンッ

苗木「ん?」

>今なにか聞こえたような…

ポチャンッ

苗木「やっぱり、何か聞こえる」

>川原の方からだ…行ってみよう

>川原に降りると、誰かが川沿いに座っていた

山田「おや、苗木誠殿ではないですか。お晩でござる」

苗木「あ、山田クン。こんばんは」

>座っていたのは山田クンだった

苗木「ねえ、この辺りで何か音が聞こえなかった?」

山田「音でござるか?」

苗木「うん。何かが水に落ちるような音なんだけど…」

山田「あー…申し訳ない。それ、僕です」

苗木「え? どういう事?」

山田「実は、川に石を投げ込みながら考え事をしていたのです。音の原因はそれかと」

苗木「あ、そうだったんだ…」

山田「苗木誠殿はここに一体何をしに?」

苗木「ちょっと散歩にね」

山田「そうでありましたか。確かに、今日は風が気持ちいいですからな」

苗木「山田クンも散歩?」

山田「ま、そんな所です。しかし、今日は疲れました…」

苗木「ああ、聞いたよ…セレスさんに連れまわされたんだっけ。大変だったね…」

山田「そうなのです…あの女狐、僕をまるで下僕みたいに…」プルプル

>山田クン、やっぱりあの扱いは不満だったんだ…

山田「癖になってしまうではないかぁあぁぁぁあああッ!!!」

>…それは不満なのか?

山田「ぬううう、思い出したら段々ムカムカしてきた…! こうなったら…!!」ガタッ

>ま、まさか山田クン、セレスさんに復讐するつもりじゃ…!?

苗木「や、山田クン、乱暴は…!」

山田「この思いを、紙面にぶつけてやろうではないかぁ!!」

>……あ?

山田「周りから浮いている女生徒が暴走した優等生に襲われて…!!」

苗木「ちょ、ちょっと山田クン?!」

>山田クンが大きな声で何かとんでもない事を言い出した!

>これ以上はまずい。こんな話誰かに聞かれでもしたら──

山田「……ふう」

苗木「…え?」

>山田クンはさっきまでの鬼のような形相が、嘘のように穏やかな表情になった

>…まさか

山田「いや…止めておきましょう」

苗木「そ、そうだよ! もうこの話は止めよう! おしまい!」

山田「そうですな…考えてたらなんだか頭が痛くなってきました…」

苗木「もう帰って寝た方がいいんじゃない?」

山田「くっ…夏のコミクに出す新刊の執筆の為に、睡眠時間を削ったのが仇となったか…」

山田「……うわ、マジで頭痛くなってきた。なんか鈍器で殴られたみたい」

>帰り道に倒れたりしないだろうな…?

苗木「き、気をつけて帰ってね」

山田「し、心配ご無用ですぞ…それでは、また会いましょう…あー…頭痛すぎてなんか思い出しそう」

>「誰か膝枕してくれないかな…」と呟きながら、フラフラと山田クンは去っていった…

>本当に大丈夫だろうか…

>ボクもそろそろ家に帰ろう…

──5月4日(水)

>今日はみどりの日で学校が休みだ

>三人で朝食を食べる…

鳴上「苗木、今日は俺出かけるから」

苗木「あ、うん分かった」

菜々子「あ、菜々子もでかけるよ」

鳴上「どこに行くんだ?」

菜々子「今日は朝日奈お姉ちゃんたちとあそぶんだ!」

>ニコニコと菜々子ちゃんは嬉しそうに語る

鳴上「そうか。いい子にして迷惑をかけないようにするんだぞ」

菜々子「うん!」

──────
─────
───
──

>鳴上クンと菜々子ちゃんはもう出かけてしまった

>今日は午後からバイトがある…

苗木「さて、今日はどうしようかな…」


1:出かける【移動場所…商店街(店も指定可)、河川敷、神社、沖奈市】

2:バイトに行く(午後限定、給料は>>483を参照)

3:家でのんびり休む


まず午前行動から
↓2

午前、惣菜大学了解しました

続いて午後行動
↓2

午前:惣菜大学
午後:バイト
了解しました

今日はここまで

申し訳ない、更新は週末まで無理そうです
何故か書き溜めが一向に進まんのです
本当に申し訳ない...

遅くなりました
5月4日の昼行動分投下します

──────
─────
───
──

>午前

苗木「ちょっと小腹がすいたな…」

>惣菜大学で何か食べようか

不二咲「あ、苗木君だぁ」

>惣菜大学には、不二咲クンがいた

不二咲「苗木君も何か食べに来たの?」

苗木「うん、ちょっとお腹がすいちゃってさ」

不二咲「えへへ、僕もなんだぁ」

>二人でビフテキ串を買い、席に座る

不二咲「はむっ」

>不二咲クンはハムスターのように肉を頬張る

不二咲「んぐ…? むぐ…んー!」

>が、なかなか噛み切れなくて苦労しているようだ

不二咲「…!? はふ、はふはふ!」

>今度は熱くて慌てている

>その様子がおかしくて、思わず顔が綻んでしまう

不二咲「んぐ…ん? どうしたの?」

苗木「な、なんでもないよ」

>ボクも食べよう…

>食べ終わり、近くの自販機でジュースを買って一息つく

不二咲「ここ、本当にいい所だよね。空気も美味しくて」

不二咲「僕、小さい頃からあんまり外に出ないで、家にばっかりいたからこういうのって新鮮なんだぁ」

>失礼だが、確かに不二咲クンが外で遊んでいる姿はあまり想像できない

苗木「でも、ボクもあんまり外で遊ばなかったなぁ」

不二咲「へぇ、どういう事をして遊んでたの?」

苗木「そうだなぁ、友達の家で対戦ゲームしたり…とかかな?」

不二咲「………」

>……おや?

不二咲「いいなぁ…僕、そういうのも経験した事ないんだよねぇ…」

>…あれ、もしかしてボク地雷踏んだ?

>少し気まずい空気が流れる

苗木「…じゃ、じゃあさ。今度、ボクの家に遊びに来ない?」

不二咲「え?」

苗木「この留学が終わった後になっちゃうけどさ…どうかな?」

不二咲「で、でも…いいの? 迷惑じゃない?」

苗木「迷惑なんかじゃないよ。むしろ大歓迎だよ」

不二咲「…ありがとう苗木君」

不二咲「それじゃあ、楽しみにしてるね!」ニコッ

>不二咲クンは笑顔を見せてくれた

>…不覚にも、ドキっとしてしまった

>その後、しばらく会話をしてから不二咲クンと別れた…

──────
─────
───
──

>午後

>中華料理店 愛屋

カチャカチャ…

苗木「ふう…」

ガラガラッ

愛屋主人「アイヤーお帰りー」

>どうやら、あいかさんが出前から帰ってきたようだ

苗木「お帰り、あいかさん」

あいか「……」フラフラ

苗木「…?」

>何だか様子がおかしい

愛屋主人「あいか? どうし──」


ドサッ


苗木「…え? ッあ、あいかさん!?」

愛屋主人「あいかッ!?」

>あいかさんが倒れた───!?

──────
─────
───
──

>愛屋二階 あいかの部屋

>部屋の中央では、あいかさんが布団で眠っている

>顔が赤く、呼吸も乱れていてかなり辛そうだ

あいか「ん…」

苗木「あ、気がついた?」

あいか「こ、こは…?」

苗木「あいかさんの部屋だよ。ごめんね、勝手に上がっちゃって」

あいか「……わたし、倒れたんだっけ」

苗木「きっと、この間の雨が原因だね…あの日は冷えたし、あいかさんはその中出前にいったから」

苗木「とにかく今日はゆっくり休んでよ。もうすぐ、あいかさんのお母さんがお粥を持ってくるから──」

あいか「出前、行かないと」ムクッ

苗木「!?」

>あいかさんは布団から出て、立ち上がろうとする

苗木「だ、駄目だよ! 熱もあるんだから!」

あいか「大丈夫、【こんなの微熱】」

苗木「それは違うよ!」

BREAK!!

苗木「38度もあるのに、微熱なわけないよ!」

あいか「……」

苗木「そんなんで出前に行ったら、また倒れちゃうよ。出前だったらボクが行くからさ」

あいか「それは、駄目」

>いつもの彼女からは想像できない強い口調だった

あいか「出前はわたしの仕事」

苗木「で、でも…」

あいか「苗木くんの仕事は皿洗い。それに君、原付免許持ってない」

苗木「う…そ、そうだけど…」

あいか「わたしの仕事をとらないで」

苗木「え…」

愛屋主人『おーい、苗木くーん』

>下から店長の呼ぶ声が聞こえる

苗木「あ、はーい! ごめん、ボクそろそろ戻らなきゃ。それじゃ、ちゃんと休むんだよ?」

あいか「………」

>あいかさんからの返事はない

>仕事に戻った…

──────
─────
───
──

愛屋主人「苗木くん、そろそろ上がっていいよー」

苗木「あ、はい。分かりました」

愛屋主人「ごめんね、今日はあいかが迷惑かけてしまって」

苗木「いえ、迷惑なんかじゃないですよ。気にしないで下さい」

愛屋主人「…あの子、時々こうして無理をしてしまう事があるんだよ」

苗木「え…?」

>どうやらあいかさんは、以前にも無理をして出前に行き、体を壊してしまった事があるらしい

>何故彼女は、そこまで出前に執着しているのだろうか…

愛屋主人「具合が悪い時は、手伝わなくてもいいっていつも言ってるんだけどねー」

>店長は頭をかいている…

>あいかさんの事が少し分かった気がした…


>中村あいかの希望のカケラ(2)を入手した!

すいません1500円も入手してました

とりあえず一旦中断です
なるべく皆に平等に出番与えようとしてるんだけど地味に難しい
どうしても好きなキャラの台詞が多くなってまう

夜行動分投下します

>日が落ちて、街灯がともり始めた

苗木「そろそろ帰るか…」

ポツ

苗木「ん?」

ポツポツポツ…

苗木「わ、雨!?」

>天気予報だと、今日はずっと晴れのはずじゃ…!?

ザアアアアアアア!!!

苗木「うわあああッ?! 本格的に降ってきた!?」

>い、急いで帰らなきゃ──!

>堂島家

苗木「ハァ…ハァ…」グッショリ

>うう、全身ずぶ濡れだ…

鳴上「大丈夫か?」

苗木「まさか天気予報が外れるなんて…」

菜々子「はい、タオル」

苗木「あ、ありがとう…はっくしょん!」

鳴上「風邪を引くといけない。風呂沸いてるから入って来い」

苗木「う、うん…そうする…」ズズ

>風呂へ向かった…

──────
─────
───
──

>夜

ザアアアア…

苗木「うわぁ…凄い降ってるよ…」

>この調子じゃ、しばらく降り続きそうだ…

鳴上「…苗木」

苗木「うん…分かってる。『マヨナカテレビ』…だよね?」

鳴上「ああ、確認してみよう」

菜々子「なんのはなし? テレビ見るの? 菜々子も見たい」

苗木「え、いや…菜々子ちゃんにはちょっと早いかな?」

菜々子「…もしかして、えっちなの?」

苗木「そ、そんなんじゃ──」

──『見えないトコロまで勝負仕様…』

──『はぁと♪みたいなね!』ムギュ

>……どうしよう、なんか論破できない

鳴上「そうだぞーすっごくエッチな奴だ」

苗木「!?」

>な、鳴上クン!?

菜々子「やっぱり、えっちなのなんだ…」ボソッ

>菜々子ちゃん?!

鳴上「菜々子も一緒に見るか?」ニコッ

>爽やかな笑顔でセクハラ!?

菜々子「……! お、おやすみなさい!!」ダッ

苗木「あ、待って菜々子ちゃん! 違うん───」

バタンッ!!

苗木「あ…」

>菜々子ちゃんは顔を真っ赤にして、自分の部屋に入ってしまった…

苗木「……………」

>何か大切なモノが壊れてしまった気がする…

鳴上「……ふう」

苗木「…なに『やりきった』って顔してるのさ」

──────
─────
───
──

チク…タク…チク…タク…

ザアアア…


>雨が降っている…

苗木「何も映らなければいいけど…」

>そろそろ時間だ…

>テレビをじっと見つめる

ザ…ザザ…

苗木「………!!」

>画面に人影が映っている…!!

>今度も女性のようだ…

>しかし映像が荒くて詳細は分からな…

>──ん?

苗木「これ…もしかして…」

>…いや、間違いない

>映像が荒くても分かる大量のフリル、大きな縦ロール…

>こんな印象的な人物、ボクはあの人以外知らない




苗木「セレス…さん…?」

ここまでです
次回更新は今週末までには必ず

今更ですけど、訂正です
>>519>>520の間に以下の文章が抜けてました。何故今まで気付かなかったし…ρrz


鳴上「口封じのため…?」

花村「ああ、俺もそう思う」

里中「先輩、何か証拠になるものを見ちゃったりしたのかな…?」

天城「でもよ、犯人はテレビに入れただけなんだよね?」

桑田「そう考えると、証拠なんてモンあるのかねェ?」

花村「そこなんだよなぁ…」

苗木「この後テレビの中に行ってみない? クマから何か聞けるかも…」

鳴上「だな。行ってみよう」

>テレビの中に行く事にした…

今日の10時~11時頃に投下予定です

更に訂正
天城「でもよ、犯人はテレビに入れただけなんだよね?」

天城「けど、犯人はテレビに入れただけなんだよね?」

どうしたユキチャン
本当にすいません……

すいません、まだ書き溜めが終わってないので安価のところまで投下しておきます
それ以降は12時過ぎになる、もしくは日曜日にずれ込むかもです…

──5月5日(木)

>ボク達はジュネスのフードコーナーに集まっていた

花村「みんな、昨日のテレビ見たか?」

>花村クンの質問に全員が頷く

花村「それじゃあ次、誰が映ったか、分かったか?」

天城「──セレスさん、だと思う」

>初めに答えたのは天城さんだった

>それに続いて里中さんと鳴上クンも口を開く

里中「あたしもそうだと思う。ただでさえ印象的な格好だったし」

鳴上「俺も二人に同意だ」

花村「間違いないか? 苗木、桑田」

桑田「ああ、映ったのはセレスだ。あんなシルエット、アイツしかいねーよ」

>全員の意見が一致する

>やはり、テレビに映ったのはセレスさんで間違いないようだ…

桑田「でもよ、なんかおかしくなかったか?」

鳴上「? おかしいって何がだ?」

桑田「今回のマヨナカテレビだよ」

里中「別に【なにもおかしくなかった】と思うけど?」

桑田「だってよ、【前回はハッキリ映って内容は企画モノみたいだった】のに」

花村「企画モノ!?」ガタッ

里中「反応するな馬鹿!」

天城「企画モノってなに?」

里中「雪子も気にしなくていいから!」

桑田「【今回のはノイズが酷くて内容も人影が突っ立ってるだけ】だったじゃん?」

桑田「ほら、【今回のマヨナカテレビはすげー変】だろ?」

>ああそうか…桑田クンは"あの時"のマヨナカテレビしか見てないんだった

>ここで指摘するべき点は…


↓2

苗木「それは違うよ!」

BREAK!!

苗木「変だったのはむしろ天城さんの時だったんだよ」

桑田「え、そうなん?」

苗木「天城さんの時も、最初は今回みたいなノイズだらけの映像だったんだ」

苗木「その時はまだ天城さんは攫われていなかった。そうだよね里中さん?」

里中「うん。その時はまだ雪子とは連絡ついたし」

苗木「けど、天城さんがいなくなった日に、マヨナカテレビの内容が変わった…桑田クンが見た内容にね」

桑田「つまり…天城がテレビに入れられたから、マヨナカテレビの内容が変わったって事か?」

鳴上「そういう事だ。マヨナカテレビは普段はノイズだらけだが、人が入るとハッキリ見えるようになる」

桑田「なるほどなー……ん、て事は、セレスはまださらわれてないって事か?!」

苗木「可能性は高いと思う」

桑田「どうなんだ天城、セレスはちゃんと旅館にいたのか?!」ズイッ

天城「ご、ごめん、起きてすぐこっちに来たから、分からない…」

桑田「んじゃあすぐに天城屋旅館に行くぞ!」ガタッ

花村「ちょ、待てって!お前またそうやって──!!」

>天城屋旅館へ向かった…

以上。今回の更新はここまで
申し訳ない…本当はもっと投下するつもりだったけど、読み直してみたら結構な矛盾があって、ペルソナ4をやり直す羽目になってしまった…
明日(というか今日だけど)はきちんと投下します

投下しますー

──────
─────
───
──

>天城屋旅館前

>天城さんが戻ってくる

桑田「どうだった?」

天城「うん。居たって。けど…」

鳴上「けど?」

天城「大分前に出かけたんだって」

花村「どこに行ったかは分かるか?」

天城「そこまでは流石に…」

鳴上「そうか…何か話を聞ければと思ったんだけど…」

里中「そういえばさ、被害者の共通点が"山野アナの事件と関係する女性"って話あったじゃん?」

里中「それじゃあ、セレスちゃんも山野アナの事件に関係してるって事なのかな?」

花村「うーん…天城んちの旅館に泊まってる、とか?」

天城「でも、それだと、うちに宿泊してる女性のお客さん全員が該当する事になっちゃうよ」

花村「あーそうか…」

桑田「つか、この間来たばっかのセレスが、山野アナの事件と関係あるのか?」

苗木「あるとしたら、ここに来る前って事になるけど…」

>セレスさんと山野アナが何か接点があったという話は聞いたことがない…

>あったとしても、何かの番組で共演したという程度だろう…

>その番組で、犯人に殺したいと思うほど恨まれた…?

>……ないと言い切れないのが怖い

里中「てか、携帯で連絡できないの?」

苗木「セレスさん携帯持ち歩かないんだよね…」

桑田「トランプは持ち歩く癖にな」

>セレスさん、『自分の世界観』をとにかく大切にしてるからなぁ…

花村「誰か場所を知ってそうな奴はいないか?」

>セレスさんの場所を知ってそうな人…

>…あの人かな

桑田「……オレ、思いついた」

苗木「……それ、多分同じ人だと思う」

プルルル…

苗木「………」

桑田「………」

山田『はい、もしもし』

苗木「あ、山田クン?」

山田『おお、苗木誠殿。何か拙者に御用ですかな?』

苗木「うん、ちょっと聞きたい事があって」

山田『ほほう、僕に聞きたい事とな? 二次元の事ならなんでも──』

桑田「オメーの趣味なんざどうでもいいんだよ!!」

山田『ぬわっ!?』

苗木「……!」キーン

>み、耳が…

山田『そ、その声は桑田怜恩殿!?』

桑田「おい山田、どこにいんだ!!」

山田『へ? 今は沖奈市に居ますが…』

桑田「オメーじゃねえ、セレスはどこだって聞いてんだよ!!」

山田『セレス殿? 何ゆえ?』

苗木「う、うん…ちょっとセレスさんに用があってさ。山田クンなら知ってるかなと思って」

山田『知ってるもなにも、さっきまで一緒に居ましたが』

苗木「さっきまで?」

山田『はい、今日も荷物持ちとして連れ回されまして、ようやく解放された所ですぞ』

苗木「別れたのは何時頃?」

山田『そうですな…15分ぐらい前でしょうか』

苗木「どこに行くとかは聞いてない?」

山田『多分稲羽に戻ったのかと。昼は愛屋でとるのが日課になってる様なので』

苗木「分かった。ありがとう山田クン」

>礼をいい、電話を切る

鳴上「どうだ? 何か分かったか?」

>セレスさんが15分前まで、山田クンと沖奈市に居た事を皆に伝える

天城「15分前となると、大体11時ちょうどだね」

鳴上「少なくとも、11時までは確実に"こっち"に居たって事だな」

里中「その後は?」

苗木「多分、稲羽に戻ってるんじゃないかって」

花村「この時間だと、昼の電車だな。今から駅に行けば先回りできるぞ」

鳴上「よし、行ってみよう」

>八十稲羽駅へ向かった…

──────
─────
───
──

>八十稲羽駅

>改札前で待っていると、セレスさんが電車から降りてきた

>…あ、ボク達に気づいたみたいだ

セレス「あら、皆様お揃いで。これからお出かけですか?」

鳴上「いや、お前に少し訊きたい事があって、ここで待ってたんだ」

セレス「わたくしに訊きたい事…でございますか?」

桑田「最近オメーの周りで、変な事があったりしないか?」

セレス「変な事…? そうですわね…」

里中「何か心当たりがあるの?」

セレス「外を歩いていると、常に複数人からの視線を感じるのです」

花村「そりゃ、そんな格好してたらな…」ボソ

セレス「何かいいまして?」

花村「い、いや!何でもない」

>複数人からの視線か…

>花村クンの呟いた通り、セレスさんの格好の所為というのもあるだろう

鳴上「山野アナと面識はあるか?」

セレス「山野アナといいますと、4月に稲羽で起きた事件の被害者の?」

鳴上「そう。その山野アナだ」

セレス「山野アナ本人とは直接の面識はありませんわ。ただ…」

セレス「山野アナと愛人関係にあった──そうそう、生田目太郎。彼となら面識がありますわよ」

>セレスさんが生田目太郎と…?

セレス「1年ほど前に、ギャンブルで彼と勝負をした事があるのです」

里中「へぇ、あの気の弱そうな人でもギャンブルやるんだ」

花村「大方、お偉いさんとの付き合いでーって奴じゃね?」

セレス「そんなとこですわね。その日、彼は当時自分が補佐をやっていた国会議員と店に来ましたわ」

桑田「どーせ、いつもの様に破産するまで食い尽くしたんだろ?」

セレス「わたくしもそんな鬼じゃありませんわ。無理やり参加させられた方を、破産させるなんて…」

桑田「……どれくらいで勘弁してやったんだ?」

セレス「帰りのタクシー代くらいは残してあげましたわ」

桑田「大して変わらねーだろそれ!!」

セレス「その代わり、国会議員の方はたっぷり絞らせて貰いましたわ。あれ以来名前を聞きませんが、何をしているのでしょうね…ふふ」

>う、うわぁ…

鳴上「……どう思う?」

花村「ありえるとしたら、セレスが狙われた動機は、ギャンブルに負けた恨みで…って感じか?」

里中「それじゃあ、生田目か議員だった人が犯人って事?」

苗木「でも確か生田目太郎は、山野アナが殺された時は自宅謹慎中で、アリバイがあるんじゃなかったっけ?」

里中「あれ、そうだっけ」

鳴上「……ああ、苗木の言う通り、生田目は山野アナと会う機会なんてほとんどなかったと思う」

桑田「じゃあ、国会議員の方か?」

花村「どちらかが犯人だとすれば、そっちの方になるな」

天城「でも、ギャンブルで負けた程度で、人を殺そうなんて思うかな…?」

桑田「分からないぜ。ギャンブルは人を変えちまうって聞くし、政治家ってプライド高い奴多そうだし…」

里中「でもやっぱり、山野アナの事件との関係性はめちゃくちゃ薄いよね…」

花村「だな…"山野アナの事件と関係がある"って線は考え直しか…?」

今日はここまでです
どんどん原作と分岐してきて、いつの間にか破綻してないか怖いな…
そういう所を発見したり、何か質問があればどんどんどうぞ
それと雑談もOKです。皆さんのレスが励みになります

ちょっとした報告
今 月中は

ちょっとした報告
個人的な都合で今月中は更新できそうにないです
来月の始めには更新できるようにしたいです
でも本編更新はできませんが、何か質問等があれば可能な限りお答えします

ちょっとアンケート
今までのストーリーで、イラストでみたいシーンとかありますか?
次の本編更新の時に、3つほど貼りたいと思ってます

都合…というかテストが終わったので、近日中に更新再開します

イラストのリクエストありがとうございます
まだ受け付けていますので、見たいシーンがまだあったりしたら是非

桑田&ミユシス下書き
http://i.imgur.com/nsEy86d.jpg

近日中に更新するといったな。あれは嘘だ


本当に申し訳ない。年内中には必ず更新します

お久しぶりです
ちょっと少なめですが、本編投下していきます

イラストは本編投下後に
一つ間に合わなくて、二つになってしまいました。申し訳ないです

セレス「なにをコソコソ話しているのですか?」

里中「い、いやなんでもないよ。他には何か変な事なかった?」

セレス「他に……ああ、そういえば、もう一つありましたわ」

鳴上「ん、なんだ?」

セレス「皆さん、"マヨナカテレビ"というのはご存知でしょうか」


「───!!」


セレス「…その様子だと、全員知っているようですね」

苗木「セ、セレスさん、もしかして」

セレス「ええ。昨日の夜に見ましたわ。映った時は本当に驚きました…」

花村「あ、ああ…映った時は驚いたよな…」

鳴上「…なあセレス、あれに映ったものの事なんだが…」

セレス「そうだ、あれに何が映っているのですか? わたくしが聞いた話とは違うようなのですが」

>セレスさんが聞いた話は、『運命の相手が映る』というものの事だろう

>だけど、運命の相手なんて映らない

>あれに映るのは恐らく──

鳴上「あれに映った人は、誘拐されるかもしれないんだ」

セレス「誘拐…?」

>不審げに眉をひそめる

天城「確証はないけど…多分間違いないと思う」

里中「山野アナも、その遺体の第一発見者の小西せ…早紀さんもあのテレビに映って…その後に誘拐されて、殺されちゃったんだ」

花村「………っ」ギリ

セレス「それでは、あのテレビは犯人からの犯行予告、という訳ですか?」

鳴上「ああ、俺達はそう考えてる」

セレス「まあ、それでは昨日映った方が大変ではありませんか」

鳴上「そうだな──え?」

>セレスさん、まさか昨日誰が映ったのか分からなかったのか…?

桑田「ちょ、おいおい。なに他人事みてーに言ってんだよ。昨日誰が映ったと思ってんだ?」

セレス「さて、誰でしょうか? 検討も付きませんわ」

>あ、これ気付いててわざと言ってる奴だ

桑田「『さて、誰でしょうか?』じゃねーだろ! オメーだよオ・メ・エ!!」

セレス「まあ、そうでしたの? さっぱり気が付きませんでしたわ」

>口に手を当てて、大袈裟に驚いた顔を見せる

>本当にこの人は…

ブチリ

>桑田クンから何かが切れる音がした気がした

桑田「アホかオメー!! あんなドリルみたいなクルクル、オメー以外にありえねーだろが!」ジタバタ

花村「ストップストップ! お前ここが駅の目の前だって忘れてんだろ!」

>興奮する桑田クンを花村クンが羽交い絞めにする

セレス「ま、冗談はこの辺にして…」

>本当に(ry

セレス「困りましたわ…誰から恨まれるような事なんてしてないのに誘拐なんて…」

>どの口が言うんだ

セレス「そうだ! いい事を思いつきましたわ!」

鳴上「頼れる人がいるのか?」

セレス「頼れるかは分かりませんが…何人もいますわ」

天城「そっか。それならよかった…」ホッ

花村「それなら安心だな」

セレス「ええ。あなた達を特別にわたくしの"ナイト"にしてさしあげますわ」


「………え?」

>セレスさん以外全員が間抜けな声を出す

セレス「ああ、まずは"ランク"について説明しないといけませんわね」

>ま、まさか…

セレス「実はわたくし、周囲の人物をランク付けする癖がありますの」

>ああ、やっぱり…

花村「ランク付けって、タチの悪い癖だな…」

セレス「ランクはFからAまでで、大体の人間がDです。わたくしが何の興味も抱かないレベルですわ」

セレス「ちなみに今のところ、AランクはおろかBランクすら存在しません」

里中「それ、実質Cランクが最高ランクって事じゃん…」

セレス「そして、Cランクになるとわたくしの下僕になる事ができるのです」

天城「もしかして、その下僕っていうのが"ナイト"?」

セレス「その通りです。とても名誉な事なのですよ?」ニコリ

花村「名誉、って言われてもなぁ…」

>皆が呆れた顔になる。そりゃそうだ

セレス「さて、話は以上ですわね?」

鳴上「あ、ああ…まあ」

セレス「では、わたくしは行かせてもらいますわ」

>セレスさんはボク達の横をすり抜けていく


苗木「──セレスさん!!」

>去っていこうとするセレスさんを呼び止める

セレス「…まだ何か?」

苗木「………」

苗木「…本当に、気をつけてね」

セレス「心配はいりませんわ。だって、あなた達が守ってくれるのでしょう?」

セレス「でも、囚われの君というのも悪くないかもしれませんわね」

苗木「セレスさん!!!」

>思わず大きな声が出てしまう

>それに驚いたのか、セレスさんは一瞬目を丸くした

セレス「…分かってますわよ。気をつけますわ」

セレス「あなた達も、何に関わっているか知りませんが、精々頑張ってくださいね」

苗木「………」

>そう言って、セレスさんは今度こそ去っていった…

花村「……なんつーか、予想以上に物凄い人だったな」

鳴上「ああ…」

苗木「なんかごめん…」

>なんだか最近謝ってばかりな気がするな…

里中「頑張れって言われても、何をすればいいか」

天城「ナイトといえば、傍について護衛するとか」

鳴上「護衛か…」

桑田「でもアイツらGW中しかここにいないんだろ? じゃあ今日明日何事もなかったらセーフじゃね?」

花村「逆に言えば、その期間中に犯人が動く可能性が高いって事だな」

里中「うまくいけば、犯人を捕まえられるかも!」

天城「そんなにうまくいくかな…セレスさん、複数人からの視線を感じるって言ってたし」

桑田「いや、それはあの服装のせいで目立ってるだけだろ」

天城「そうかもしれないけど、犯人が単独犯って決まった訳じゃないでしょ?」

花村「それもそうだな。下手すると俺達も誘拐なんて事もあるかもしれない」

苗木「護衛するにしても、少し考えなきゃね…」

鳴上「とりあえず、一旦ジュネスに戻って今後の事を話し合おう」

>ジュネスに戻る事にした…

──────
─────
───
──

>稲羽中央通り商店街

里中「そうだ。だいだらで自分の護身用の武器を買うっていうのは?」

花村「次連行されたら今度こそ補導歴つくからパス」

鳴上「………」

苗木「………」

里中「あんたら、あん時やっぱ何かやってたのか…って、あれ」

天城「どうしたの、千枝?」

里中「惣菜大学にいるの、葵ちゃんとさくらちゃんじゃない?」

花村「…ああ、そうだな。少なくともあれは大神で間違いないな」

>うん、あの鬼が浮かんできそうな背中は大神さん以外ありえないよね

天城「なんだか、悩んでるみたいだけど何かあったのかな?」

>見ると、朝日奈さんが何やら思いつめたような表情をしている

>何かあったのだろうか…

里中「あたし、ちょっと行ってくる!」タタタ

>里中さんは二人のところへ駆けていった

苗木「……あ」

桑田「……なあ。オレ、護衛の件で思いついた事があるんだけど」

花村「奇遇だな。実は俺もなんだ」

苗木「もしかしてみんな…」

鳴上「ああ。多分同じ事考えてる」

天城「??」


「「「「…………」」」」


>ボク達4人の視線は一つに集まっていた

今回の更新はここまでです。次回は多分年明けになってしまうかと…申し訳ない
その時に3枚目も貼れたらなと思っています
それでは皆さん、良いお年を


桑田&ミユシス
http://i.imgur.com/jTBnSxq.jpg

あいかの看病(?)
http://i.imgur.com/KoNm3mx.jpg

生存報告でごぜいます
前回の更新から1ヶ月以上も音沙汰無しで申し訳ありませんでした
遅くても来月の中旬からまた更新を再開します

すいません、言い訳はしません。遅くなって申し訳ないです
ペルソナ5のPVが発表されましたね。発売に備えてPS4を買うためにバイトに励む日々です
少なめですが投稿します。また、学校が長期休みに入ったので更新頻度を全盛の頃に戻せるよう努力します

朝日奈「う~ん…」

大神「むぅ…」

タタタ

大神「む?」

里中「葵ちゃん、さくらちゃん!」

朝日奈「あ、千枝ちゃんだ。やっほー」

大神「ここで昼食か?」

里中「ううん。二人がなんだか難しい顔してたから、どうしたのかなーって思って」

朝日奈「あ、そうなんだ…ごめんね心配させちゃって」

里中「それで、何か悩み事?」

大神「悩み事という訳ではないんだが…まあ少し困ってるな」

里中「あたしでよかったら、相談にのるよ!」

朝日奈「…いいの?」

里中「うん! 遠慮なんかしないでガンガンきてよ!」

大神「ふむ…そうだな。ここに住んでいる里中なら、解決できるかもしれない」

里中「(…あれ、そもそも超高校級の二人が悩むほどの事ってあたしが解決できるの?)」

朝日奈「あのね、千枝ちゃん…」

里中「う、うん…」ゴクリ

朝日奈「二人の運命の人が同じ人で、しかも女の子だったときってどうすればいいのかな?」

里中「……え?」

大神「朝日奈よ、それでは簡略化しすぎだ。それに、この話をする上で確認しておく事があるだろう」

朝日奈「あ、そっか。えーっと…」

大神「マヨナカテレビという噂は知っているか?」

里中「………あっ」

──────
─────
───
──

朝日奈「えぇえ!? セレスちゃんが誘拐されるかもしれない!?」

桑田「声でけーよアホ」

朝日奈「あ…ご、ごめん」

>ボク達は二人にマヨナカテレビの事を(テレビの中の世界の事は除いて)話した

>初めは二人とも半信半疑だったが、実際に実物を見た事もあってか最終的には信じてくれた

大神「稲羽で最近事件が起きていた事は知っていたが、まさか裏でそんな事が起きていたとはな…」

朝日奈「私、誘拐予告の映像見てドキドキしてたのかぁ…うう、なんかぞわぞわしてきた」

天城「しょうがないよ…あの噂の内容から実は犯罪予告だったなんて、普通思わないもの」

朝日奈「…でもさ、私達って明日向こうに帰るんだよ?大丈夫なんじゃないかなぁ…?」

花村「いや、犯人もきっとそれは分かってると思う。だからこそ、今が一番危険なんだ」

大神「犯人が動くとすれば、今日か明日の可能性が高い、という事か」

鳴上「そういう事だ。それで大神に頼みがあるんだが…」

里中「あれ、この件でさくらちゃんに頼みなんてあったっけ?」

天城「そっか、千枝さっきいなかったもんね。実は──」カクカクシカジカ

里中「あー…なるほどね」


鳴上「セレスの護衛に、大神も協力してほしい」

──────
─────
───
──

セレス「……これはなんのつもりですの?」

鳴上「何って食事だが」モグモグ

大神「うむ、食事だ」モグモグ

朝日奈「食事だよ!」モグモグ

天城「食事だね」モグモグ

苗木「そ、そうだね…」モグモグ

セレス「…邪魔なのですが。空いてる席なら他にもあるでしょう」

鳴上「ここがいいんだ」

>ボク達は壁際の席のセレスさんを囲むように座っていた

セレス「………」ガタ

鳴上「何処にいくんだ? まだ料理が残ってるぞ」

セレス「……お花を摘みに」

大神「なら、我がついていこう」ガタ

セレス「……やっぱりいいですわ」

大神「そうか」


モグモグ…

カチャカチャ…


>それを最後に、しばらく店内には食事音と食器がぶつかる音だけが響いた

ガラガラッ

愛屋主人「アイヤー、いらっしゃい」

朝日奈「!!!」ガタッ

一般客「!?」ビクッ

朝日奈「なんだ…」

一般客「? ?」

苗木「す、すいません、人違いだったみたいです」

大神「朝日奈よ、あれは一般の客だ」

鳴上「怪しい奴らが近づいたら、外の三人が報せてくれる」モグモグ

セレス「…………」

セレス「……もしかして、わたくしの護衛のつもりですの?」

天城「あ、バレちゃった」

鳴上「別に隠してるつもりはなかったけどな」モグモグ

セレス「一体どういうつもりなのですか?」

鳴上「どういうつもりって、ナイトとして、お前を守らないといけないだろう?」

セレス「ナイトとしてって……」

鳴上「お前が俺達を任命したんだ。文句は言わせないぞ」ニヤリ

>鳴上クンは不適な笑顔を浮かべる

セレス「っ………」

セレス「……………はぁ」

>セレスさんは呆れたように(実際呆れてるんだろうけど)深い溜息をつく

セレス「………分かりましたわよ。勝手にすればいいでしょう」

鳴上「それじゃあ勝手にさせて貰うぞ」モグモグ

セレス「ちっ」

苗木「…………」

セレス「何見てるんですの?」ギロ

苗木「い、いや何でもないよ」

セレス「……ふん!」

>凄くイライラしているのが目に見えて分かる…

>そっとしておこう…

ガラガラッ

愛屋主人「ありがとうございましたネー」


花村「お、やっと来たか」

天城「外の様子はどうだった?」

里中「特に怪しい奴は現れなかったよ。ただ…」

鳴上「ただ?」

里中「お客さんが何人か、お店の中の様子を見てUターンを…」

苗木「おぅ…」

>……後で店長に謝らないと

桑田「どうしたお姫様、なんだか機嫌が悪そうだぞ。オメーのお望み通りナイトが来てやったのに」ニヤニヤ

セレス「……あなたはランクFに格下げですわ。塵は話しかけないでくれますか」

桑田「ハァ!? 誰が塵だコラ!!」

セレス「はあ……というか、朝日奈さんはともかく大神さんまでこんな事に参加してるのですか」

大神「苗木たちからテレビの事を訊いてな」

セレス「あんな話を信じたのですか?」

朝日奈「正直今でも少し半信半疑だよ。でも、皆の話にはなんていうかその、不思議な説得力があってさ」

セレス「不思議な説得力って…あれのどこに説得力が」

大神「彼らの言葉には言霊が宿っていた、とでも言おうか…」

セレス「なんですのそれ…」


桑田「つか、朝日奈やセレスはともかく大神もああいう噂って試すんだな。運命の人より熊って感じなのに」


苗木「!?」

大神「…なに?」ピクッ

>桑田クンの一言で空気が凍った

苗木「桑田クンなんて事を…!」

花村「お、怒られる前に早く謝れ!」

セレス「怒られてしまえばいいですわ」ニヤニヤ


大神「………いか」ボソッ

苗木「!!」ビクッ

>今何か呟いた…!?

苗木「あ、あの、大神さん。桑田クンは別に悪気があって言った訳じゃ…!」

大神「いいではないか……」

苗木「え?」


大神「我だって女なのだ…運命の人を知りたいと思うくらい、いいではないか…」


>大神さんは耳まで真っ赤にしてモジモジしていた

>…凄い破壊力だった。色んな意味で

苗木「………」

セレス「……桑田くん、謝りなさい」

桑田「あ、ああ……その、なんだ。すまん大神」

大神「い…いや、いいのだ。こんな姿だ。そう思われるのも仕方がない…」

鳴上「なんだ。大神って凄く真面目な印象を持ってたけど、可愛いところあるんだな」

苗木「!?」

大神「なっ…か、からかうんじゃない!」

鳴上「いや、本当にそう思ったんだ。なんだか親しみがわいたよ」

大神「ぬ…ぬう…!」ヌググ

>大神さんの顔は今にも爆発するんじゃないかと思うほど赤くなっていた


朝日奈「……さくらちゃんが押されてるの、初めて見たかも…」

苗木「………」

セレス「彼、凄いですわね…」

>それに賛成するよ…

ここまで

雪子がなかなか喋らせられなくて辛い。後、桑田が動かしやすくて主人公を食う勢いで辛い

今回も少なめですがぼちぼち投下していきます
過去に書いた分で「こうすりゃよかった…」と思う展開がちらほら
まあ後の祭りなんですけどね

では投下していきます

──────
─────
───
──

桑田「うっし、オレらも昼食食ったし準備万全だぜ。昼食つっても四六で買ったパンだけど」

鳴上「それでセレス、これから何か予定とかはあるか?」

セレス「そうですわね…家族へのお土産でも買おうかと。明日はゆっくり選ぶ時間もないでしょうし」

朝日奈「そっか。明日は昼頃の電車で帰るから、今日のうちに買っておいた方がいいかもね」

花村「昼頃か…そん時は俺達学校だな」

桑田「あれ、明日から学校だっけ?」

里中「明日は普通に平日だっつの」

大神「ふっ…桑田らしいな」

天城「でも、お見送りできないのがちょっと残念だね」

苗木「そうだね…」

>少ししんみりした空気になった…

桑田「で、何買うか決めてるのか?」

セレス「いえ、それはまだ。何かオススメとかありますか?」

里中「ん~……ビフテキ串?」

セレス「…他にありませんの。郷土品とか」

花村「郷土品なあ…天城、何か知ってるか」

里中「確か雪子のとこでもお土産品取り扱ってたよね」

雪子「うん、仕入れてるよ。旅館に戻って買う?」

セレス「それでは少し面白みがありませんわね。やはり、実際に店に出向いて選びたいと言いますか…」

桑田「ワガママばっかだな…」

セレス「何か?」ニコッ

桑田「いや何も?」

朝日奈「でも気持ち分かるかも。ドーナツもメニューだけじゃなくて実物見て決めたいし」

天城「えーと、それじゃあ…あそこのお店なんてどうかな?」

>そう言って天城さんはとある店を指差した

苗木「巽屋…?」

天城「染物屋さんで、生地とか色々扱ってるんだけど…どうかな?」

セレス「どうかなと言われましても、実際に見てみないと分かりませんわ」

鳴上「だな。じゃあ早速行くか」


朝日奈「…あれ、ねえ皆ちょっと待って」

苗木「え?」

大神「どうしたのだ朝日奈?」

朝日奈「何か聞こえない…?」

苗木「何か…?」

>耳を澄ませてみる…


…ンダトテメェ!! ルセェダマッテロ!!


>……確かに何か聞こえる

>何か言い争っているようだが…これは…


鳴上「…巽屋からだ」

花村「お、おいおい、これ結構やばい感じじゃないか!?」

セレス「もしかしたら強盗…だったりして」

里中「ちょ、冗談でも笑えないよそれ!?」

天城「どうしよう、あのお店ってご主人がいなくて、おばさん1人で…」

桑田「余計やべぇじゃねぇか!!」

鳴上「行くぞ!」ダッ

苗木「あ、鳴上クン待って!!」ダッ

>鳴上クンの後を追って走る

ガラッ!!

>店内に飛び込むように入る

鳴上「大丈夫ですか!?」


リーゼントの少年「何フザケタ事言ってやがんだテメェ!? アァ!?」

金髪の少年「ふざけてんのはテメェの方だろうが!!」

着物の女性「か、完二止めなさい!!」


苗木「って、大和田クン!?」

>店内で言い争っていたのは、大和田クンとボクらと同年代くらいの金髪の少年だった

里中「ど、どうしよう止めなきゃ…!!」

桑田「と、止めるつったって…」

花村「あの間に割って入るわけ…?」ジリ

大和田「オレのどこがフザケテルってんだよ!?」

金髪の少年「ふざけた所しかねェだろ? んだよそのアトムみてーな頭!!」

大和田「ああ!? このヘアースタイルがサザエさんみてェーだとォ!?」

金髪の少年「やんのかゴルァ!!」

グォッ!!!


苗木「あっ!?」

>二人は拳を大きく振りかぶる

>まずいこのままじゃ…!!

苗木「やめ──!」ダッ

>二人を止めようと走る、が…

鳴上「くそっ間に合わな…!」

>二人は既に拳を前に突き出そうとしていて…


ゴッ!!!


苗木「……!!」

苗木「……え?」

大和田「……なんのつもりだ」グググ

大神「それはこちらの台詞だ」ググッ

>大神さんは二人の拳を受け止めていた

大神「何故このような事態になっている?」

里中「よ、よかった…」

花村「すげー…流石はオーガ…」

金髪の少年「………ちっ!」バッ

>金髪の少年は掴まれていた拳を振りほどくと、二人に背を向けた

大和田「おい待てテメェ話はまだ終わってねぇぞ!」

大神「落ち着け!」ググッ

大和田「っ…!」

金髪の少年「…………」スタスタ

桑田「げっ、こっちくんぞ!」

金髪の少年「邪魔だどけ!」

朝日奈「わっわわっ」

鳴上「……」

>金髪の少年は店の外へ出て行ってしまった…


天城「おばさん、大丈夫!?」タタッ

>天城さんが着物の女性に駆け寄る

着物の女性「ああ雪ちゃん…ごめんねみっともないところ見せちゃって」

天城「ううん、大事がなくてよかった…」

>着物の女性はボク達に向き直り、深々と頭を下げた

着物の女性「皆さん申し訳ありません。息子がご迷惑をかけてしまって…」

桑田「息子…マジか」

大神「どうしてこんな事態になったか、説明してもらうぞ大和田」ギロ

大和田「どうしても何も…オレは買い物してただけだ」

セレス「ただ買い物をするつもりなら、こんな事には普通なりませんわよ?」

着物の女性「こっちが悪いの。息子がその方に失礼な事を言ったから…」

大和田「そうだ! オレはただ商品を見てただけなのに、あのヤロウ『ゾクに買わせるようなモンはウチにねェ』なんてほざきやがって…」ビキビキ

桑田「大和田に正面切ってそんな事言うとか、命知らずだなアイツ…」

天城「完二くん…昔はあんな風じゃなかったのにな…」

鳴上「天城、知り合いなのか?」

天城「ここはうちと昔からの付き合いだから…今は全然話さなくなっちゃったけど、昔はそれなりに遊んだりしたよ」

花村「うわー…それって結構きついな。昔の知り合いが久しぶりに会ったらグレてたとか」

天城「優しい子だったんだけど…どうしてああなっちゃったんだろう」

>天城さんは複雑そうな顔だ…

と、今日はここまで
ダンガンロンパのキャラが介入した事によって、変異していく事件
どんな結末を迎えるかは…正直自分にもよく分かってません(一応の結末は考えてるのだけど、このままだと着地できるかどうか…)

質問、指摘、要望等ありましたらご気楽にどうぞ
それではまた

今日の10時頃に続き投下します
今回は挿絵が2枚あります。お楽しみに!

コミュ関連について
親愛度上昇の際に♪を表示する事でわかり易くしました

それではぼちぼち投下していきます

大和田「分かっただろ? オレは悪くねぇって」

大神「いや。向こうが先に喧嘩を売ってきたとしても、それを買ったお主も同罪だ。御主人にちゃんと謝罪するんだ」

大和田「んでオレが──イデデデデ! 分かった! 分かったからいい加減手ェ離せ! 潰れる!」

女主人「い、いいのよ本当に」

大神「いえ、そういう訳にはいきません。ほら、大和田」

大和田「分かってるっつの!……あー、その、面倒を起こして悪かった」

女主人「気にしないで。あの子にも後でしっかり言っておくから」

大和田「ああ、そうしてくれ…ほら、これでいいだろ?」

大神「言い方が少し気に入らないが…まあいいだろう」

>そう言って大神さんが掴んでいた大和田クンの手を離す

大和田「…じゃ、オレ行くわ」

朝日奈「買い物はいいの?」

大和田「元々ちょっとした気まぐれだったからな」

>そう言って大和田クンは店を出ていった…

セレス「はぁ…旅行最終日だというのに、変なのに付きまとわれるわ、買い物しようと入ったお店で喧嘩に出くわすわで…最悪ですわ」

里中「変なのって…」

桑田「…さっきの大神と朝日奈との会話聞いてて思ったんだけど、セレスの奴オレらの話あんま信じてないよな」

鳴上「伝達力が足りなかったか…根気か、いや根気はもう…まさか限界を超える必要が…?」ブツブツ

花村「いや、そういう問題じゃないと思うぞ…」

セレス「…あら? これいいですわね」

>品物を見て回っていたセレスさんは一枚のスカーフを手に取った

セレス「グランボアシェリによく似合いそうですわ。これを頂けますか?」

女主人「あ、はーい」

天城「グラン…なに?」

里中「もーつっこまないかんね…」

苗木「ん…?」

>あのスカーフ…どこかで…


http://i.imgur.com/qDEbxJ1.jpg

苗木「あ!」

>そうか、分かったぞ…!

鳴上「どうした苗木、突然大きな声なんか出して」

苗木「鳴上クン、花村クン、里中さん。セレスさんが持ってるスカーフ、見覚えない?」

里中「見覚え?えーと…って、あぁっ!?」

花村「分かったあそこだ! 顔無しポスターの…!」

鳴上「柊みすずのポスターが貼られていた、テレビの中のあの場所か…」

花村「という事は、あれは山野アナの…」

女主人「あら? あなたたち、山野さんとお知り合い?」

苗木「は、はい…あの、もしかして山野さん、それと同じものを持ってましたか?」

女主人「ええ。それは元々彼女に頼まれたオーダーメイドだったの。男物と女物のセットだったんだけど…
やっぱり片方しかいらないって言われてね。仕方なくもう一枚は、こうして売りに出してるのよ」

苗木「そうですか…」

>やはりこの店は最初の事件と関係がある

>そして、この店の御主人は女性…

>…まだそうと決まった訳ではないが、警戒しておこう

セレス「さて、次に参りましょうか?」

天城「次は…コニシ酒店かな」

花村「!」

朝日奈「酒店って、お酒は私達買えないよ?」

天城「あそこってお酒だけじゃなく、つい最近からお酒を原料にした化粧水も扱ってるの」

里中「へえ、知らなかった」

天城「ほんとに最近始めたばっかりだからね。3月くらいからかな?」

セレス「化粧水…いいかもしれませんわね。では早速──」

花村「ちょいタンマ。俺はここで待ってるわ」

桑田「? どうした花村」

セレス「あら? もしかして、ナイトの職務放棄ですか?」クスクス

花村「いや、そうじゃなくて。俺ジュネスの事で、そこの店長からよく思われてないからさ」

里中「あ、そっか…」

花村「だからさ、俺はここで怪しい奴がいないか見張ってっから」

鳴上「そういう事なら分かった。でも1人だけで大丈夫か?」

花村「そうだな…じゃあ苗木、一緒に残ってくれるか」

苗木「うん」

鳴上「それじゃあ、頼んだぞ」

>そう言って鳴上クン達はコニシ酒店へ向かっていった

花村「悪いな苗木、付き合わせて」

苗木「ううん。別に大丈夫だよ」

花村「そうか。……最近お酒以外にも化粧水を扱いはじめた、か」

苗木「どうかした?」

花村「いや、色々工夫してんだなーって。…うちに負けないように、潰されないように頑張ってるんだなって」

苗木「…花村クン」

花村「さて、見張り見張りっと…」

>皆が戻ってくるまで花村クンと周囲を見張った…

──────
─────
───
──

>結局、巽屋の染物と化粧水以外にこれといった物がなく、最終的に行き着いたのが…

セレス「ジュネス…ですか……」

天城「この付近でお土産を扱っているお店で、まだ行ってないのはもうここだけなんだけど…」

セレス「これ以上は電車などを使うしかない…ですか」

天城「うん…」

里中「ぶっちゃけここで買うより、旅館で買った方がまだマシだと思うんだけど…」ボソ

朝日奈「私もうクタクタだよー。さくらちゃん大丈夫? 荷物重くない?」

大神「大丈夫だ、問題ない」

桑田「オメーら二人は大分買ってんな。特に大神はもしもんときどうすんだ? 護衛できんの?」

大神「問題ない。この程度で動きが鈍る事はない」

桑田「……オメーが言うんならそうなんだろうな」

セレス「ハァ…ま、見るだけ見てみましょうか。あまり期待してませんが」

>お土産コーナーにいくと、見知った顔を見つけた

朝日奈「あ、むくろちゃんだー」

戦刃「あ…」

大神「お主もお土産を買いに?」

戦刃「うん…盾子ちゃんに。どっちがいいかな?」

>戦刃さんは二つのキーホルダーをボク達に示した

花村「う゛っ…」

里中「これは…」

鳴上「『ご立派様キーホルダー』と『ニャル男さんキーホルダー』…」

桑田「ご立派様って…その、形があれだよな。ち…」

朝日奈「ちょ、ちょっと言わないでよ!」

セレス「もう一方は、人と人とで更に一つの人の形を模って…なんとも物凄い形状ですわね」

>こ、これはどっちも…

戦刃「どうしたの?」

苗木「な、なんでもないよ。えっと…」


1:ご立派様キーホルダー  参考画像:http://i.imgur.com/vXh6qrd.png

2:ニャル男さんキーホルダー  参考画像:http://i.imgur.com/HoykJ.jpg

3:別の物を薦める


↓3で多数決。同票はコンマが大きいので

苗木「そ、その二つよりもさ。こっちなんてどうかな?」

>ボクは別のゆるキャラのキーホルダーを戦刃さんに渡した

>『アトラスくんキーホルダー』という白いピエロのようなキャラのキーホルダーだ

戦刃「なんで…?」

苗木「こっちの方が、江ノ島さんもきっと喜んでくれるよ」

戦刃「そう…じゃあそれにする」

>戦刃さんは二つの邪神像を棚に戻し、『アトラスくんキーホルダー』を受け取った

花村「グッジョブだ苗木!」ヒソヒソ

里中「つか、なんであんなモンが売ってんのよ…」ヒソヒソ

>よかった…惨劇は回避できたんだ…

>"勇気"が少しあがった

戦刃「苗木くん」

苗木「な、なに?」

戦刃「盾子ちゃん、本当に喜んでくれるかな?」

>戦刃さんは不安そうに尋ねてくる

苗木「……あー」


1:もちろん

2:どうだろう


↓3で多数決。同票はコンマが大きいので

確定したので進めます

苗木「も、もちろん! 絶対喜んでくれるよ!」

>"勇気"が少しあがった

戦刃「そっか…」 ♪

>戦刃さんは嬉しそうに笑っている…

苗木「はは…」

戦刃「そういえば、苗木くん達も何か買い物…?」

苗木「いや、ボク達はセレスさんの付き添いで」

戦刃「こんな大勢で?」

苗木「う、うん…」

戦刃「ふーん…大変だね」

鳴上「戦刃は初日以降姿を見かけなかったけど、何してたんだ?」

戦刃「……沖奈市に行こうとして電車に乗ったんだけど、寝過ごして変な場所について、帰ろうにも電車がなくて、仕方なく歩いて帰ってきた」

桑田「あいかわらずだなオメー…」

里中「ま、待って、電車でも結構かかるのにそれを歩いてって…山も超えないといけないのに」

戦刃「それがどうかした?」キョトン

里中「……いや…なんでもないです」

>その後セレスさんはいくつかお菓子を買い、ジュネスを後にした



http://i.imgur.com/yxYmJU4.jpg

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──

>バス停

花村「結局、何事もなく怪しい奴が現れる事もなく…か」

セレス「まるで何事かあったらよかった、みたいな言い方ですわね」

花村「い、いや、そんな事はないぞ?!」

里中「護衛が効いたのかな?」

桑田「そりゃ、オーガが近くにいるのに誘拐なんてできねーだろ」

天城「これで明日、無事にセレスちゃん達が帰ったら…」

苗木「犯人の犯行を阻止できた…って事になるのかな」

鳴上「問題は明日…俺たちは学校で付く事ができない。だから…」チラ

大神「うむ。任せておけ」

花村「っと、そうだ。天城、連絡先教えてくれよ」

里中「ちょっと花村、いきなり何言ってんの?」

花村「違うって。これから帰るだろ? だから念のために、旅館についたら連絡してほしいんだ」

天城「うん。分かった」

>天城さんと連絡先を交換した

朝日奈「山田から聞いた噂が、まさかこんな事になるなんてねー」

大神「そうだな…」

苗木「え? 朝日奈さんと大神さん、山田クンからマヨナカテレビの事を聞いたの?」

>それは初耳だ

朝日奈「私だけじゃないよ。セレスちゃんもそうだし…」

>セレスさんは無言で頷く

朝日奈「皆ここにくる時の電車の中で、山田からマヨナカテレビの話を聞いたんだよ」

苗木「じゃあ、山田クンはここに来る前から、マヨナカテレビを知ってたって事?」

朝日奈「そういう事になるね。実は結構有名な噂だったりするのかな?」

里中「いやぁ、そうでもないんじゃない? 稲羽以外で聞いた事ないし」

花村「有名どころか超マイナーだろ。俺ここに引っ越してから半年すんのに、この間里中に聞くまで名前すら知らなかったぞ」

天城「私も、4月の初めに千枝から聞くまで全然知らなかった」

朝日奈「へぇー」

大神「噂が流れ始めたのは極最近…といった感じだな」

桑田「最近流れ出したばっかの、しかも超ド田舎での噂を知ってるとか…あいっかわらず、変なところで耳がはえーなアイツ」

苗木「そうだね…」

>本当に、どこからそういう情報を拾ってくるんだろう…

天城「あ、バスが来たよ」

>バスが停車し、ドアが開く

苗木「…本当に気をつけてね」

セレス「分かってますわよ。まったく…耳にタコができそうですわ」

>そう悪態をついて、セレスさんはバスの中へ消えていった

天城「それじゃあ、旅館についたら連絡するね」

鳴上「ああ。頼んだ」

>天城さんもバスに乗り込む

大神「旅館まで我と朝日奈も同行しよう」

苗木「え、でも二人は…」

>確か二人が宿泊してる民宿は、方向こそ天城屋と一緒だが、距離は大分離れていたはずだ

大神「少し遠回りになってしまうが、それくらいトレーニングだとしても軽いものだ」

朝日奈「ちょっと走ればすぐだよ!」

苗木「…ありがとう大神さん、朝日奈さん」

大神「なに、気にするな」

朝日奈「友達のためだもん」

運転手「乗るんですか? 乗らないんですか?」

朝日奈「あ、すいません乗りまーす! じゃあね皆、一週間だけだったけど楽しかったよ!」

大神「また、いずれ会おう」

>二人が乗り込むとバスはすぐに出発し、やがて見えなくなった…

花村「…じゃ、ここでお開きだな」

>ボク達も家に帰る事にした…

──────
─────
───
──

>堂島家

ダレモキ~リステナイ、ナニモ~ステハシナイ♪

苗木「あ、メールだ…えっと、天城さんからだ」

>無事に旅館についたようだ

苗木「よかった…」ホッ

ダレモキ~リステナイ、ナニモ~ステハシナイ♪

苗木「あれ、もう一通」

>今度は朝日奈さんからだ

>メールには写真が添付されていて、旅館をバックに天城さん、セレスさん、大神さん、朝日奈さんが写っていた

鳴上「苗木、今天城からメールが…お前にも来てるみたいだな」

苗木「うん。朝日奈さんからもメールで、ほら」

鳴上「何事もなく旅館に戻れたみたいだな」

苗木「うん。これで、とりあえずは大丈夫かな…」

>夜

ガラガラッ

堂島「ただいまー」

苗木「お帰りなさい堂島さん」

鳴上「お帰りなさい」

堂島「おう」

>テレビを見ていた菜々子ちゃんが堂島さんに駆け寄る

菜々子「おかえりなさい!」

堂島「…菜々子、悪かったな、また約束破っちまって…」

菜々子「あのね、お兄ちゃんたちがあそんでくれた!」

堂島「そうか…お前達、ありがとうな」

鳴上「いえ、お礼を言われるような事は…」

>そこで菜々子ちゃんが堂島さんが持っている袋に気がついた

菜々子「あ、ジュネスの袋! なに?」

堂島「はは、今日は5月5日だからな。菜々子にプレゼント買ってきたんだ。…ほら」

>堂島さんは袋の中身を取り出し、菜々子ちゃんに渡した

菜々子「やったー!」

堂島「最近菜々子も大きくなってきたからな。新しい服を買ってきたんだ」

>その服は鳥の顔が大きくプリントされ、その下に『KAMONOHASHI』と書かれたものだった

>…独特なデザインだ

堂島「選ぶのにえらい時間くったけどな。ハハ、どうだ。気に入ったか?」

菜々子「なんかヘンな絵がかいてあるー。へんなのー、あはは、やったー」

>どうやら菜々子ちゃんは気に入ったようだ

堂島「それと、お前らの分もあるんだぞ」

苗木・鳴上「「えっ」」

堂島「子供扱いってつもりは無いが、まあ公平にな…ほれ」

苗木「あ、あるがとうございます」

>堂島さんから包装されたものを受け取る

>開けると、奇抜なデザインの水着が入っていた

>鳴上クンのも微妙な柄の水着だった

堂島「そのうちいるだろうと思ってな。まあとっとけ」

鳴上「は、はい…」

>堂島さんには申し訳ないが…これを履くのか…

堂島「さて、メシにしようか」

菜々子「うん!」

>久しぶりに四人で食卓を囲み、楽しい団らんの時を過ごした…

──5月6日(金)

苗木「さて、そろそろ学校に…」

テンシヨ、イキヲスイコンデ~♪

鳴上「苗木、携帯鳴ってるぞ」

苗木「あ、マナーモードにし忘れてた…」

ピッ

苗木「もしもし?」

天城『あ、もしもし苗木くん?! あ、天城ですけど!』

苗木「天城さん? どうしたの?」

>何やら慌てているようだ

天城『あのね、セレスちゃんが昨日から帰ってきてないの!』

苗木「え…」

苗木「ま、待って! 昨日天城さんと一緒に旅館に帰ったんだよね?」

天城『うん…でもその後、夜にまた外出したみたいで…』

苗木「……!」

>思わず頭を抱える

鳴上「セレスに何かあったのか?」

苗木「昨日あの後、また外出してそれきり旅館に帰ってきてないって…」

鳴上「なんだと…!?」

天城『部屋には荷物も全部置きっぱなしだし…何かあったんじゃないかって、旅館の人達も今大慌てで…』

苗木「わ、分かった。希望ヶ峰の皆にはボクの方から伝えるから!」

天城『う、うん…三人には私から伝えるね』

苗木「うん! じゃあまた!」

ここまで

余談ですけど、挿絵を描いてかかった時間の8割がセレスさん



わかる…セレスは描くの大変だよな
あとイラストあるってことは最初からアトラス君になる予定だったろw

>>883
差分作ってましたw

前回の更新から随分間が空いてしまって申し訳ないです

途中で送信してしまった…
GW中は実家へ帰省するので更新はできないのですが、その間も書き溜めをしていくのでGW終了後一週間以内に更新する予定です

GW終了後一週間以内に更新するといったな。あれは嘘だ

少しだけですが更新します。

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───
──

>ボクは真っ先に昨日協力してくれた朝日奈さんと大神さんに連絡をした

>二人はすぐに事態を把握してくれて、セレスさんを探すと行って電話を切った

苗木「よし、次は…石丸クン達かな」

>石丸クン、大和田クン、不二咲クン、山田クンの四人は同じ所で泊まっていたはずだ

>4人のうち誰か1人に連絡すれば、同時に他の3人にも事態は伝わるだろう

>その連絡する1人を誰にするかだが…

苗木「…山田クンにしよう」

>いつもセレスさんと行動していた(させられていた)彼なら、何か知っているかもしれない…

>……限りなく可能性は低いだろうが

プルルルル…プルルルル…

苗木「……」

プルルルル…プルルルル…

苗木「………あれ?」

>なかなか出ない…

>本人がまだ寝ていても、他の3人が気付くと思うのだが…

苗木「あ…そういえば山田クンだけ、別の部屋なんだっけ」

>何故かと訊いたら、「察して下さい」と返ってきた

苗木「石丸クンなら、この時間は確実に起きてるよな…」

>石丸クンにかけ直す事にした

プルルルル…プルルルル…

石丸『はいもしもし、石丸です』

苗木「もしもし石丸クン? 苗木だけど」

石丸『おお、苗木くんか! おはよう!』

苗木「おはよう。今ちょっといいかな?」

石丸『ああ、構わないぞ! 一体何の用事かな?』

苗木「出来れば、大和田クンと不二咲クンにも聞いてほしい話なんだ。二人とも近くにいる?」

石丸『ああ、ちょっと待ってくれ。おーい兄弟、不二咲くん! 苗木くんから僕たちに話があるのだそうだ!』

大和田『あー? なんだよ苗木の奴、こんな朝っぱらから…』

不二咲『ふわぁああ…』

苗木「おはよう大和田クン、不二咲クン」

不二咲『うん、おはよぉ苗木くん』

大和田『話ってなんだよ。くだらねー話だったらシメッぞ』

苗木「うん。実は…」

>ボクはセレスさんの事を3人に話した…

石丸『なにっ!? セレスくんが昨日の夜から旅館に戻ってきていないだと!?』

不二咲『それ、本当なのぉ…?』

苗木「うん…」

石丸『なんて事だ…『夜間の外出は控えるように』と旅行のしおりにも書いていたのに…!!』

大和田『石丸…それほとんどの奴守ってねーと思うぞ。昨日も山田が夜中どっか出かけてたし』

石丸『な、なんだと…!?』

大和田『というか読みづれーんだよこのしおり。細かくびっしり書いてあってどこに何書いてんのかさっぱりだ』

石丸『そ、そんな…』

不二咲『も、もうその辺で…』

苗木「あ、あの…」

>話がどんどん逸れていく…

不二咲『最近この辺りって物騒な事件が起きてるから、心配だねぇ…』

大和田『他の奴らはこの事知ってんのか?』

苗木「朝日奈さんと大神さんにはさっき電話で伝えたよ。その後──』

石丸『こうしてはいられない! すぐに皆に連絡をしてセレスくんを探しにいくのだ!──ガタッ、ガタガタッ』

苗木「えっ?!」

大和田『お、おい石ま─ガタガタッ…ガチャッバタン』

>急に皆の声が遠くなり、変な物音が聞こえてくる

苗木「も、もしもし?」

>どうやら石丸クンが、電話を切らずに持ったまま行動しているらしい…

苗木「ど、どうしよう切った方がいいのかなこれ」

石丸『山田くん!!聞いているのかね!? セレスくんが大変なんだ!!』ドンドン

不二咲『い、石丸君。そんなに大きな声を出したら、他のお客さんに迷惑がかかるよぉ』

>皆の声がかすかだが聞き取る事ができる

石丸『む、開いている…? 入るぞ山田くん!』

>石丸クンが山田クンの部屋に特攻したようだ

石丸『……おや?』

苗木「ん?」

>何かあったのだろうか

不二咲『いないねぇ…』

>いない…?

大和田『トイレとかじゃねーのか?』

石丸『………トイレにはいないようだ』

不二咲『お風呂にもいなかったよぉ』

石丸『全く、こんな時に鍵も掛けずにどこに行ったのだ! すぐに戻ってくるよう連絡を……あ』

苗木「あ」

>電話に気付いたみたいだ

苗木「もしもし石丸クン? 声聞こえちゃってたんだけど、山田クン部屋にいないの?」

石丸『うむ、そのようだ。だからこれから戻るように連絡するつもりだったのだが…』

苗木「それなんだけど、実は石丸クン達に電話する前に山田クンに電話したんだ。でも、繋がらなかったんだよ』

石丸『なに、そうなのか』

苗木「今はどうなのか分からないけど…」

不二咲『もしかすると、今は電話に出れない状況なのかなぁ』

石丸『ふむ…しょうがない。不二咲くん、すまないが山田くんに『電話ができるようになったら電話をするように』とメールを送っておいてもらえるか』

不二咲『うん。分かったよ』

石丸『苗木くんは戦刃くんに連絡する時に『8時30分に八十稲刃駅に集合』と伝えておいてくれると助かる』

苗木「分かった。伝えておくよ」

石丸『僕は朝日奈くんと大神くんに、集合を呼びかけなければならないので切るぞ』

苗木「うん」

石丸『あと最後にもう一つ』

苗木「なに?」

石丸『セレスくんが心配だからと言って、決して学校を無断欠席して探したりするんじゃないぞ!』

苗木「う、うん…分かってるよ」

石丸『また時間を改めて連絡する。それでは失礼する!』

プツ、ツー…ツー…

苗木「ふう…」

鳴上「終わったか?」

苗木「あ、鳴上クン。後は戦刃さんに連絡すれば終わりだよ」

鳴上「そうか。さっきお前が電話している時に、花村から連絡があったぞ」

苗木「なんて?」

鳴上「『今日、学校はどうするんだ?』だそうだ」

苗木「学校か…」

>石丸クンにはああ言われたけど、どうしようか…



1:行く

2:サボる

↓3まで多数決

苗木「今日はサボってセレスさんを探すよ。まだ誘拐されたって決まった訳じゃないし」

鳴上「そうか。それじゃあ花村たちにもそう伝えておく」

苗木「うん。じゃあボクは戦刃さんに連絡するね」

鳴上「ああ」

プルルルル…プルルルル…

戦刃『もしもし…苗木くん?』

苗木「あ、もしもし。うん、苗木だよ。今少しいいかな?」

戦刃『うん、大丈夫だよ』

苗木「ありがとう。えっと…落ち着いて聞いてほしいんだ。実は──」


>セレスさん…無事だといいけど…

──────
─────
───
──

不二咲「石丸くん、メール送信したよ」

石丸「ありがとう不二咲くん」

大和田「………ん?」

石丸「どうした兄弟? 周りを見回したりして」

大和田「なんか音楽みてーなの聞こえねーか?」

石丸「音楽?」

……チャーチャチャー…

不二咲「……本当だぁ。この部屋から聞こえるね」

石丸「こっちからするぞ」

チャーチャーチャー♪

大和田「音はベッドの下からか…っと、なんかあるな。これか」ゴソゴソ

不二咲「あ、それって…」

石丸「携帯…だな。山田くんのか」

大和田「どーりで苗木からの電話に出れねぇはずだぜ。元々持ってなかったんだからな」

大和田「未読メールが一件、これは不二咲のだな。着信は苗木の奴と…その前に非通知が一件か」

ここまで
このスレもようやく900を超えたか…
次回か次々回の更新でキリがいい所までいったら次スレに以降します

1スレ消化にリアル経過時間約9ヶ月、作中経過時間約1ヶ月
この調子だと完結まで9年ぐらいかかるんじゃないか…!?
ペースあげていかないとまずいなぁ

次回の更新はGW明けに早めにできるよう努力します

私が更新頻度早くすれば全部解決する話なんだよなぁ…
といいながら今回は安価を取るだけで2レス分投下して終了です。申し訳ない

──────
─────
───
──

鳴上「皆揃ったな」

花村「んじゃ、早速ジュネスに行って…」

苗木「待って花村クン。ジュネスに行くのは最後にしたいんだ」

花村「けど苗木、今までの事と状況からするに、セレスは恐らく…」

>花村クンは口を噤む

苗木「分かってるよ。…でも、ギリギリまで希望を捨てたくないんだ」

天城「苗木くん…」

花村「…分かった。ジュネスは最後にしよう」

苗木「ありがとう花村クン」

鳴上「…今の時刻は8時27分か」

>今頃、希望ヶ峰の皆が駅前に集まっている頃かな…

天城「葵ちゃん達が乗る予定の帰りの電車が、お昼頃だったよね」

花村「11時になったら駅前に集合しよう。もしセレスが無事だったら、それまでに駅に来ると思うしな」

里中「それでも姿を現さなかったら…」

花村「ああ、その時はすぐにジュネスに向かう。皆もそれでいいか?」

>全員が頷く

鳴上「で、誰がどこを探しにいくかだが…」

里中「1人よりペアになって動いた方がいいんじゃない? 見落としとかあったら困るし」

天城「んー…その辺りは各自の判断でいいんじゃないかな」

花村「だな」

桑田「時間が勿体無いから、ちゃっちゃと決まった所から動こうぜ」


>どうしようか…


・誰と行くか
1:鳴上
2:花村
3:里中
4:天城
5:桑田
6:1人で行く

・場所
A:商店街
B:八十稲羽高校
C:天城屋旅館
D:沖奈市
E:稲羽駅周辺



↓3 パートナーと場所は同時指定あり

桑田と天城屋旅館、了解しました
次回更新したら次スレを立てたいと思います

このスレ最後の本編投下をするべ!

苗木「ボクは天城屋旅館の方に行ってみるよ」

桑田「天城屋旅館か…うし、オレもそっち側行ってみるか。苗木、いいか?」

苗木「もちろんだよ」

花村「分かった。そっちは二人に任せる」

天城「二人とも。もしかしたら警察の人来てるかもしれないから、気をつけてね」

桑田「げ、マジか…補導とかされたりしたら面倒だな」

苗木「学校サボってる訳だしね…ありがとう天城さん。気をつけるよ」

天城「うん」

桑田「ちょうどバスが来る時間だな。いくぞ苗木」


>桑田クンと天城屋旅館へ向かった…

──────
─────
───
──

>天城屋旅館前

苗木「警察は来てないみたいだね」

桑田「好都合だ。んじゃ、警察が来る前に回っちまおうぜ」

苗木「うん」

>………



桑田「……やっぱりというかなんというか」

苗木「何も見つからなかったね…」

桑田「まさか平日とはいえ、セレスどころか人っ子一人いないとは思わなかった。さすがド田舎」

苗木「他にこの周辺で、手掛かりがあるかもしれない所は…」チラ

桑田「あそこしかねぇよなぁ…」チラ

>二人で目の前の天城屋旅館を見つめる

桑田「セレスの部屋ならなんかあるかもしんねーけど、ゲンバホゾン?で入れてくれないだろうな…」

苗木「だよね…」

桑田「戻って別んとこ探しにいくか?」

苗木「そうだね。バス停まで戻って──」


「あれ、苗木と桑田じゃん。こんな所で何してんの?」


苗木「え? あ…」

???「今日って平日でしょ、ガッコーどうしたのよ」

桑田「…それはこっちの台詞だ。つか…」

桑田「なんで江ノ島がここにいんだよ!?」

江ノ島「なんでって…人の顔見ていきなりそれって酷くない? マジ絶望するんですけど」

苗木「仕事で来れないんじゃなかったの?」

江ノ島「その仕事の用事で近くに寄ったから遊びに来たの。お姉ちゃん達ってまだ稲羽にいるよね?」

苗木「う、うん。まだいるけど…」

江ノ島「よーし、いきなり顔見せてビックリさせちゃおっ」

>江ノ島さんは意地悪な笑顔を浮かべ「うぷぷぷぷ」と笑っている…

桑田「けっ、呑気なモンだぜ。こっちはセレスがいなくなって大変だってのによ」

江ノ島「え。それどういう事?」

桑田「あのな──」

>桑田クンは江ノ島さんに事件の事を話した…

江ノ島「なーるほどねぇ…それでアンタら学校サボって探してるワケだ」

苗木「うん…」

江ノ島「いーねぇ。なかなか面白い事に巻き込まれてんじゃん!」

苗木「えっ…」

江ノ島「うぷぷ…うぷぷぷぷぷぷ」

桑田「オメーなぁ…そういうとこあいっかわらずだな」

苗木「はは…」

>凄く前向き…とでも言えばいいのだろうか

江ノ島「よっしゃ!」バンッ

苗木・桑田「「!?」」ビクッ

江ノ島「アタシもその捜査協力したげる!!」

桑田「ハァ!?」

桑田「おま、何言ってんだ!?」

江ノ島「聞こえなかったのか? 私様が捜査に協力してやろうと言ったのじゃ」

桑田「聞こえてるわ! こっちは遊びじゃねーんだぞ! ふざけてんなら…」

江ノ島「それで苗木くん。これからどうするつもりだったのぉ?」キャルンッ

桑田「聞けよ!」

江ノ島「それでどうなの?」ズイッ

>ち、近い…!

江ノ島「この旅館って、確かセレスさんが泊まると言っていた旅館でしたよね。もう行かれたのですか?」

苗木「え、えっと…気になるんだけど、多分入れて貰えないから引き上げて別の場所を探そうかと…」

江ノ島「サバノビーーーーーーチッ!! これだから早漏の童貞はよォ!!」

苗木「えぇ!?」

>そ、早漏の童貞って…

江ノ島「入ろうとする努力もしないなんて見損ないました…絶望的です…」

苗木「あ、あの…」

江ノ島「しょうがないなぁ。ここはこの江ノ島盾子ちゃんが人肌脱いでア・ゲ・ル☆」

苗木「え、それどういう…」

江ノ島「まぁまぁ、ここはあたしに任せて、あんたらはそこで待ってなさいな」

>そういって江ノ島さんは旅館の中へ入っていった…

苗木「………」ポカーン

桑田「なんだアイツ。いきなり現れて、捜査に協力するだのなんだの抜かしやがってよ」

>無視されたせいか桑田クンは機嫌が悪そうだ

桑田「見てろ。すぐに断られて落ち込んで戻ってくるぞ」

>そして待つこと数分…

苗木「あ、戻ってきた」

>何やら俯いているようだが…

桑田「ほらな。やっぱり断られた」

>江ノ島さんは見るからに落ち込んでいる…

江ノ島「………」ズーン

苗木「え、江ノ島さん…その、仕方ないよ。現場を勝手に弄っちゃまずいし…」

桑田「これで分かったろ。オメーは役にたたねーんだから仕事場に戻──」

江ノ島「違います…あっさりOKでました……」

桑田「………」

苗木「……えっ?」

江ノ島「こんなにあっさり行けるとか、簡単すぎてマジ絶望です…」

桑田・苗木「「…………」」

──────
─────
───
──

>天城屋旅館・セレスの部屋

苗木「本当に入れちゃったよ…」

若い従業員「部屋の物は持っていったり位置変えないようにして下さいよ。女将にバレたら大目玉っすから」

苗木「は、はい」

若い従業員「じゃ、僕は外に居るんで。帰る時は一言言って下さい」

>そう言って出て行く従業員の制服の下から除くTシャツには、江ノ島盾子のサインがデカデカと書かれていた

桑田「……あれで入れんなら、オレでも出来たんじゃねーのか」

江ノ島「男のあんたには無理無理。この"超高校級のギャル"江ノ島盾子ちゃんだから出来た芸当よ!」ドヤッ

桑田「納得いかねー…」ブツブツ

苗木「ま、まあまあ。旅館の人達に迷惑かかるし、早く調べて出て行こう」

桑田「まずはこの鞄からだな」

江ノ島「じゃ、あたしはこっちのキャリーの中身見るかな」

>セレスさんの鞄の中はコンパクトに整理されていて、予想よりも沢山の物が入っていた

苗木「沢山入ってるね。これは…トランプだ。封が開かれてない新品みたいだね」

桑田「トランプだけで10個ぐらいあんぞ…全部種類も違うし未開封だし」

江ノ島「へー、さすがギャンブラーねぇ…っと、おっと今こっち見ないでね」

桑田「あ? なんか見つk」

江ノ島「だから見んなっての」グイッ

桑田「へぶっ!?」ゴキッ

苗木「桑田クン!?」

桑田「く、首が…何すんだ江ノ島!」

江ノ島「下着よ下着。セレスちんの下着出てきたのよ」

苗木「し、下着…?」

江ノ島「そうよぉ。パンティとかブラジャアとか…なに? 苗木ィもしかしてアンタ見たいのォ?」ニタァ

苗木「そ、それは違うよ!」

江ノ島「どーだか。…ひょーッセレスったら、こんな大胆なの履いてたのね。でも色は期待通りというか予想通りというか」

苗木「実況しないでよ!」

江ノ島「きひひひ…」

苗木「全く…………」

>……やっぱり色は黒なのだろうか

苗木「………!!!」ブンブンブンッ

桑田「苗木も男なんだなぁ…なんか安心するぜ」

桑田「お」ズルッ

苗木「何かあった?」

桑田「財布、だな。どれどれ中身は…意外と少ないな」

苗木「その代わりカードが物凄い事になってるね…」

桑田「これ寮の近所にあるスーパーのポイントカードだ。…だいぶ溜まってんな。後2ポイントで500円割引だってよ」

>あの格好でスーパーで買い物してるのだろうか…

桑田「こっちには…お」

>桑田クンは一枚の紙を財布から取り出す

桑田「これは…電車の切符だな」

苗木「今日乗る予定だった奴だね」

桑田「だな」

江ノ島「ねぇ、これなに?」

苗木「え?」

>江ノ島さんは小瓶を持っていた

>小瓶の中には半透明な液体が入っていて、江ノ島さんの手の動きに合わせてちゃぷちゃぷと音を立てている

桑田「あーそれ、昨日セレスが酒屋で買ってた化粧水。つかギャルなら化粧水だって分かれよ」

江ノ島「だって何も書かれてない、普通の小瓶に入ってるんだもん。これ、あたしもお土産に買おっかなー。匂いもいい感じだし」

>そう言って江ノ島さんは瓶を開けて中の匂いを嗅いでいる

苗木「それ、開けたらまずかったんじゃないの?お土産に買ったんだから未開封だったんじゃ」

江ノ島「え? 普通に開いてたけど」

桑田「ああ。アイツ自分の分もちゃっかり買ってたんだよ。どっかに未開封のもあるだろ」

江ノ島「あったあった。袋に『コニシ化粧水』って書いてあんね」

──────
─────
───
──

>旅館を後にする

江ノ島「色々調べてみたけどさ。実際どうよ? なんか見つかった?」

桑田「結局なんもなかったわ…」

苗木「うん…」

江ノ島「そう。残念だったね」

桑田「そろそろ時間もいい感じだし、駅前にいくか」

苗木「そうだね。江ノ島さんも一緒に来る? 多分誰かいると思うけど」

江ノ島「んー…やっぱいいや。なんか飽きちゃった」

桑田「飽きたって…勝手に乱入してきたのはオメーだろうが」

江ノ島「飽きちゃったモンはしょうがないでしょ。あーあ、マジ絶望ー」

苗木「協力してくれてありがとう江ノ島さん。助かったよ」

江ノ島「ん。セレス、見つかるといいね」

苗木「うん」

江ノ島「あ、そうそう。お姉ちゃん達には、あたしが居た事内緒にしててよ」

苗木「え、どうして?」

江ノ島「どうしてって…そりゃお姉ちゃん達をびっくりさせるためよ。電車に乗って、ふと窓から駅を見ると盾子ちゃん。みんな絶対驚くわ~」

苗木「そ、そっか…」

江ノ島「んじゃあね~二人とも。また時間が出来たら来るから!」

>そう言って江ノ島さんは行ってしまった…

桑田「……」

苗木「……」

桑田「あー…なんかドッと疲れた…もしかしてアイツ、オレらの体力吸い取って、それを原動力にでもしてるんじゃねーのか?」

苗木「そんなこと…」

>…ないと言い切れないのが恐ろしい

苗木「じゃあ駅に向かおうか」

桑田「だな。……多分無駄だと思うけどよ」ボソッ

苗木「………」

>桑田クンの最後の呟きをボクは聞かなかった事にした…

と、ここまでだべ
次回からは次スレで投下していくべ
残りのレスは雑談にでも使って欲しいべ
もしかしたら番外編を投下したりするかもしれないけど、あんまり期待はしないで欲しいべ



江ノ島はどの選択肢でも確定で出てきたの?

>>934
別の場所や別の相手とペアだったら違う人に会ってたかもしれないべ

次スレだべ
【ダンガンロンパ・P4】桑田「特捜隊、出動だぜ!」
【ダンガンロンパ・P4】桑田「特捜隊、出動だぜ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1432318265/)

2スレ目とかいった事ないからめちゃくちゃ時間かかった…
予め準備してから立てるべきだった

他にも質問とかあったらお気軽にどうぞ

次スレが落ちてしまっていたので、後日改めて立て直します
ご迷惑をおかけしてしまって申し訳ありません
スレを立て直したら、このスレでも告知します

次スレ建て直しました。今後はこちらに投下していきます
ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした
【ダンガンロンパ・P4】桑田「特捜隊、出動だぜ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1435506720/)

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年08月21日 (木) 16:47:28   ID: r3QlhYuq

ダンガンロンパもペルソナも好きです

続きを楽しみにして待ってます。

2 :  SS好きの774さん   2015年02月10日 (火) 00:22:50   ID: HW9Xm3vy

とても面白かったです。 続きを期待してます

3 :  SS好きの774さん   2015年03月15日 (日) 23:29:03   ID: EoSZSnBg

これは期待

4 :  SS好きの774さん   2015年04月21日 (火) 20:10:42   ID: FeUf7W_C

すごく面白いので続き期待です〜絵も上手いし可愛い!たえちゃんたえちゃん!!

5 :  SS好きの774さん   2015年06月23日 (火) 22:45:59   ID: h7Q1YCX-

早く次が見たいです!!楽しみにしてます!!

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