・ヤンデレマターに愛されすぎて夜も眠れない(?)一方通行さん
・時間軸曖昧、六巻前半辺り
・Not再構成
・ホモスレ
・会話文中心(心情、擬音表現あり)
・一垣一垣一垣一垣一スレ
・エログロは無し(予定)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1368964540
一方(…何で俺はコイツを助けちまったンだろォな)
打ち止め「パフェ美味しそう、ってミサカはミサカは興味を示してみたり」
一方(今更、やり直しなンざ利く訳もねェのに)
打ち止め「むむ、ゲコ太印のチョコ太だと、とミサカはミサカは反応してみる」
一方(………くっだらねェ。もう、過ぎた事だ)
打ち止め「ねえねえ、ってミサカはミサカは再度呼びかけてみる」
一方(俺は、…やり直したい訳じゃねェ)
打ち止め「ねー、ってミサカはミサカはあなたの身体を揺さぶってみたり」
一方(俺は、……どうしたくて、)
打ち止め「もう、ってミサカはミサカは仕方なしに脱出してみる」ダダダッ
一方「……あ?」
一方「………いねェ。あのクソガキ……」
垣根(一方通行じゃねぇか)
一方「……」コツコツ
垣根(何か急いでんのか)
一方「……チッ」
一方(いねェな)
垣根(辺りを見回して、…何を探してる?)ウーン
一方「はァ」ヤレヤレ
垣根「…一方通行」
一方「!」
一方「オマエは、」
垣根「ひ、久しぶりだな!」
一方(すげェ声上ずってる)
垣根「何か探し物か?」
一方「…まァな」
一方(コイツは垣根帝督———学園都市第二位の『超能力者』。
絶対能力者進化実験を心から応援していた、俺と"同類"の人間。
間柄に名前がつけられねェ)
垣根「手伝ってやるよ」
一方「必要ねェ」
垣根「つれねえな」
一方「魚じゃねェンだよ俺は」
垣根「違いねえ」クキュルル
一方「…腹減ってンのか」
垣根「まあな。…まあな」
一方(何で二回言った)
一方「捜してンのは茶髪のガキだ」
垣根「最終信号か?」
一方「…ン」
垣根「学園都市から出てるってことはねえよな」
一方「当たり前だろ」
垣根「んじゃ、ちょっと探るか」ヨイセ
一方「…何してンだよ」
垣根「未元物質で視覚装置作って学園都市中にばらまいた」
一方「へェ」
垣根(『滞空回線』から得た発想だが…本来は一方通行監視用なんだけどな)
垣根「飯食いに行きたいんだが一緒に来てくれよ」
一方「オマエはガキかよ」
垣根「20歳未満はガキだろ」
一方「………」
一方「っつゥかオマエ今まで何してたンだよ」
垣根「あ? あー…」
一方「……」
垣根「趣味。……(一方通行の)写真撮影と」
一方「……」
垣根「(一方通行の体臭を再現する)香水研究と」
一方「……」
垣根「能力の応用について実験とか理論組立とか」
一方「……」
垣根「まあその位か」
一方「多趣味だな」
垣根「だろ?」
一方「退屈しねェな」
垣根「毎日楽しいぜ。お前も趣味とか見つけろよ」
一方(趣味ねェ)
垣根「恋とか」
一方「はァ?」
垣根「毎日が充実するぜ?」
一方「今はそれどころじゃねェし」
垣根「そういや最終信号と一緒に住んでんだっけ?」
一方「…あァ」
垣根「……」
一方「…ま、お人好しも一緒だけどなァ」
垣根「男一人って辛くねえ?」
一方「あ? なンでオマエ知って、」
垣根「あっ、あー、いや、その、…はは」
一方「……別に辛くねェよ。ホルモンバランス狂ってるから催さねェしよ」
垣根「ふーん」
垣根(……残念だ)シュン
垣根「見つけた。こっちだ」
一方「……」コツコツ
垣根「杖ついて歩くの辛くねえ?」
一方「微妙にな」
打ち止め「あっ、いたいた、ってミサカはミサカは痛ぁい!?」
一方「……」ペチッ
垣根(羨ましい)
打ち止め「何でチョップするのー、ってミサカはミサカは瞳を潤ませてみる…」グスッ
一方「急にいなくなるンじゃねェよ」
打ち止め「心配してくれたの? ってミサカはミサカはニヤけてみる」
垣根「…………」イラッ
一方「好きに考えろ」ツン
打ち止め「ところでそちらのお兄さんはどなた? ってミサカはミサカは首を傾げてみたり」
一方「コイツは…ァー、」
垣根「一方通行の恋人だ」ニッコリ
一方「はァ!?」
今回はここまで。
かわいいヤンデレマターが書けたら良いな、と思います。
またおま……フィアンマじゃ……ない、だと……?
ど、どうした!? 大丈夫か!?
乙。>>1の守備範囲が広がってるんだろうか……他にも広がってくれると(ry
垣根は一方さんに負けず劣らずヤンデレ要素あると思うよ
その結果が新約の白垣根や
乙!
垣根ってなんかホモっぽいよね何でだろ
この>>1にはそんなに特徴があるんでしょうか…?
>>19
処女作()は青ピ物質な>>1なので大丈夫です…まあフィアンマさんに鞍替えしてからの方が長いですが
>>21
>>1の守備範囲はフィアンマさん周り全部です。
>>23
公式怖い(震え声)
>>24
垣根くんはノーマル童貞だよ(震え声)
……あ、でも>>1の書く垣根くんはホモっぽい気がします。精進します
投下。
打ち止め「驚きかも、ってミサカはミサカは三回目の同じつぶやきを漏らしつつただいま!」
黄泉川「お帰りじゃんよ。ん?」
垣根「どうも」ニコ
黄泉川「どっちの友達じゃん?」
打ち止め「一方通行のこ」
一方「俺の方だ」
黄泉川(…良かった。この子にも友達と呼べる相手が出来ていて)
打ち止め「良い匂いがする、ってミサカはミサカはヨミカワの隣をすり抜けて台所へダッシュしてみる!」
黄泉川「上がっていくじゃんよ」
垣根「お邪魔します」
一方「……」
一方「……」ダラダラ
垣根(くつろいでる一方通行可愛いな)
芳川「…あら? あなたは、」
垣根「お邪魔してます」ニコニコ
芳川(有無を言わせぬ笑顔ね)
垣根(研究者か。……一方通行を観察して実験に使おうなんざ考えてねえだろうな)
一方「未元物質」
垣根「!? …俺には垣根帝督ってカッコイー名前があるんだからそっちで呼んでくれよ」
垣根(一方通行に呼ばれた)
一方(何だこの満面の笑みは)
一方「オマエ明日は暇か」
垣根「…ああ、暇だけど」
垣根(何だ。デートか。デートなのか。デートだよな? デートだろ。デートだろ? デート、)
一方「服買いに行くンだが、久々に会った事だし、来いよ」
垣根「仕方ねえな」
垣根(やっぱりデートだったな)フフフ
———翌日
垣根「良い朝だ」ムクリ
垣根「今日は一方通行とデート、か」ニヤニヤ
垣根「そういやどうしてんだ、今」
一方『………』ムニャムニャ
垣根「相変わらず寝顔可愛いな」
垣根「何食うかな…」
垣根「でも飯食わないで行けば一方通行と飯食えるよな」
垣根「何だかんだ言って飯なら付き合ってくれるはずだし」
垣根「じゃあ歯磨きだけしていくか…」
垣根「待たせたな」
一方「本来の時間十分前に何言ってンだ」
垣根「いや、五分でも人待たせちまうと申し訳なくてな」
一方「ふゥン」
垣根(まあ一方通行以外は家畜の餌にしか見えてねえけど)
一方「ン、なら行くか…」
垣根「そうだな」キュルル
一方「また飯食ってねェのか」
垣根「ついつい」
一方「ドジにも程があンだろ」
垣根「ファミレス付き合ってくれよ」
一方「ま、服屋はすぐ閉まるモンじゃねェしな……」
垣根「やっぱハンバーグだな」
一方「こンなモンフリーズドライのオンパレードだろ」
垣根「けど、美味いモンは美味いし」
一方「そりゃそうかもしンねェが」
垣根「……」モグモグ
一方「……」ズズ
垣根(コーヒー飲む一方通行可愛い)
一方「……」ズズズー
垣根「どうでもいいことに幸せを感じるんだが」
一方「日々の生活が荒ンでンじゃねェの」
垣根「どの服買うんだ?」
一方「ブランド」
垣根「こだわってんだな、相変わらず」
一方「そこそこだがな」
垣根「これなんかどうだ?」
一方「却下」
垣根「良いと思うんだけどな、これ」
一方「赤は似合わねェよ」
垣根「…そうか?」
一方「そォです」キッパリ
今回はここまで。
ゆっくりほもぼのします。
垣根の方が年上だろうし、ホモの先輩って事は‥‥あっ(察し)
>>43
垣根「アイスティーしかなかったけど…いいかな?」
投下。
垣根「結構買ったな」
一方「靴買ったから嵩張ってンだろ」
垣根「かもな」
一方「………」
垣根「……はー」
一方「なンだよ」
垣根「いや、暑くて」
一方「…そンな服装してるからじゃねェの」
垣根「あ? このシャツ?」
一方「それ以外に何がある」
垣根「ニットシャツだからこれ自体の通気性は良いんだが」
一方「ほォ」
垣根「時々腹冷えて死にそうになる位には」
一方「その情報は要らねェよ」
垣根「おやつ食いてえ」
一方「食い過ぎだろ」
垣根「お前が少食なんだろ」
一方「……」
一方(そうか?)ウーン
垣根「………」
一方「……」
垣根「ホットケーキ食いてえ」
一方「何クソ真面目な顔して言ってンだよ食えよ」ハァ
垣根「ファミレスのは不味いな」
一方「昼間飯は美味いって言ってただろォが」
垣根「飯は美味い。スイーツは不味い」
一方「…なら店こだわれば良かっただろうが」
垣根「正直自分で作るのが一番美味いから何ともいえねえ」
一方「……」
垣根「…あ、ちょっと興味湧いたか?」
一方「ねェよ」
垣根「今度作ってやるよ」
一方「作らなくてイイ」
垣根「食べたらハマると思うがな。ホッケ」
一方「何だその略称」
垣根「しかし良いな、あの家」
一方「あ? 家?」
垣根「お前の住んでる家」
一方「…別に何の面白みもねェよ」
垣根「羨ましい」
一方「……、…」
垣根(全然思ってねえけどな)
一方「………時々来ればイイだろ」
垣根(お、デレた)
一方「ン、じゃァな」
垣根「ああ、またな。メールしていいか?」
一方「好きにしろ」コツコツ
垣根「……」ニコニコ
打ち止め「迎えにきたよ、ってミサカはミサカはあなたに突撃してみたり!」
一方「じゃれついてくンじゃねェ」ハァ
打ち止め「あ、えーっと…カキネのお兄ちゃん今日は一方通行がありがとう、ってミサカはミサカはお礼を言ってみる」
垣根「いや、こっちこそ楽しませてもらった。じゃあな、お嬢さん」
「………使い捨ての泥人形が、俺の一方通行に纏わりつきやがって」
今回はここまで。
会話文でシリアス表現出来るものなんだろうか…。
(意味もなく空投稿挟んでしまった 投下)
一方「………」ガチャリ
打ち止め「ただいまー、ってミサカはミサカはきちんとお迎えに行ってきたことを誇ってみる」
芳川「お帰りなさい」
一方「黄泉川は…警備員の方か」
芳川「ええ。晩御飯は用意していったみたいだし、もうすぐ出来るわ」
打ち止め「手を洗ってきまーす、ってミサカはミサカは駆け出してみたりー」テテテッ
一方「…芳川」
芳川「あら、キミが私に話しかけるとは珍しいわね」
一方「…ホットケーキってのは美味いモンか?」
芳川「ホットケーキ? 最終信号にでも強請られた?」フフ
一方「……そういう訳じゃねェよ」
垣根「ふんふーん、ふんふんふーん…」カチカチ
定規「……鼻歌なのか独り言なのかよくわからないわね」
垣根「鼻歌だろ。メロディー乗せてねえけどな」
定規「…また携帯買い換えたの?」
垣根「データがいっぱいになっちまってよ。
ま、アドレスも電話番号も変えてないから不自由はねえ」
定規「第一位のデータで埋まってるんだっけ、いつも」
垣根「まあな」
定規「よく飽きないわね」
垣根「飽きるとか無いだろ、好きなんだし」
定規「告白すれば良いじゃない」
垣根「遠まわしに何度もしてるんだが。…っつかお前何しに来た訳?」
定規「ご飯食べに来たのよ?」
垣根「……お前に食わせる飯は…あ、焼きそばパンな」
一方(……寝れねェ)ゴロン
一方(時間……午後十一時半、か)
一方(前は———そォか。…実験で、一日の大半は埋まってたか)
携帯<プルルルル
一方「…あン?」
垣根『もしもし』
一方「オマエか」
垣根『寝るところ、だったか?』
一方「寝れねェから暇持て余してた所だ」
垣根『じゃあ今から会おうぜ』
一方「会ってどォすンだ」
垣根『俺も寝れねえから世間話』
一方「電話でイイだろォが」
垣根『えー。…………まあ、こんな時間、だしな…』
一方「………チッ」
一方「……よォ」
垣根「夜道大丈夫だったか?」
一方「誰に言ってンだよ」
垣根「心配なモンは心配だろ?」
一方「……で、話ってのは」
垣根「だから世間話だっての。…缶コーヒー飲むか?」
一方「…それ、」
垣根「お前の好きな銘柄、だろ?」
一方「……」
垣根「…あれ、飽きたヤツだったか?」
一方「…いや、好きな銘柄だ」
垣根「そっか、そりゃ良かった」ニコ
一方「……」
一方「……よく晴れてンな」
垣根「明日も晴れるらしいからな」
一方「……」
垣根「…どうかしたか?」
一方「…オマエ、実験の事は何も触れねェンだな」
垣根「あ?」
一方「…クローンのことも」
垣根「んー…聞いて欲しいのかよ?」
一方「別にそういう訳じゃねェが」
垣根「じゃあ聞かねえ」
一方「…実験、あれだけ応援してただろォが」
垣根「まあな」
一方「なら何で、」
垣根は、やや深爪に爪の切られた細い指先で。
痛む指で、プルタブを撫でる。
それからぐぐぐ、と力を込めて開け。
そっと、甘い炭酸水を口に含んだ。
ごくり、と飲み込んで、その炭酸の刺激に目を細める。
砂糖でべたつく唇を下でなぞり、その形の良い顔は明るい色合いの前髪に隠された。
彼はゆっくりと、甘みがかった吐息を交えて言う。
「全部、知ってるからな」
一方通行は、何が、と聞き返せなかった。
髪の毛に隠れたその整った唇が、ゆっくりと動いている。
「知ってるから、聞く必要なんかねえんだよ」
お前を傷つけた奴も。
お前を殴った男も。
手のひらを返した泥人形共も。
全員許してなんかやらないし、俺はちゃんと知ってるから。
そんな無言の呟きに、一方通行は並々ならぬ悪しき何かを感じつつ、黙ったままでいた。
今回はここまで。
ちょっとこの先の展開は美琴ちゃん好きにはオススメ出来ないです。
ホットケーキ焼いて待ってる
乙
イケメンヘラやばい
上条さんは一方さんにとって特別な存在でもあるからていとくんそれ知ってたらやばいな
美琴好きさんというか、ヒーローサイド好きさんにはおすすめしません。
直接的には描写していませんが、グロ隠喩があるかもしれません。
>>76
垣根「マジかよ。食いてえ」
>>78
垣根「…今では、俺が幻想殺し。何故なら、俺は特別な存在だからだ」
投下。
垣根「……なんてな」
一方「は?」
垣根「そんな全部が全部知ってる訳ねえだろ。魔法使いじゃあるまいし」
一方「……」
垣根「…聞いたら、お前が不愉快な気持ちになると思っただけだ」
一方「…そォか」
垣根「無敵だろうが、最強だろうが、最強から転がり堕ちようが。
お前が一方通行であることに変わりはねえし、俺の友達だってことにも変わりはねえ」
一方「……、」
垣根「…ちょっと感動したか?」
一方「してねェよ」
垣根「つれねえの」
垣根「わざわざ夜中に付き合ってくれてありがとよ」
一方「ン。…オマエ、後はどうすンだ」
垣根「ちょっと野暮用があってさ」
一方「…そォか」
垣根「欲を言えばお前と朝飯食いたかったんだけど」
一方「結局飯かよ」
垣根「食事は大切だろ?」
一方「じゃァな」
垣根「おお、また明日ー…か、後で」バイバイ
「あなたは誰ですか、とミサカは警戒します」
「そう警戒すんなよ。取って食いやしねえから」
「…殺気を感じます、とミサカはっ、」
「あんまり手荒な手段はとらせんな、お嬢さん。
…おっと、お前は人間じゃなかったな。人形野郎」
「っ、」
「んー。ネットワーク使われても面倒だし、先に頭の方ぶっ壊しとくか」
「何を、っぁが、あああ…!!!」
「…オリジナルの方を片付けるタイミングが掴めねえな」
「が、ぐぎ、ぎゃ、」
「すげえ痙攣。ま、暴れて死んでくれ。
どうせ一方通行に殺される予定だったんだし、予定調和だろ」
「あな、た、は、」
「恨むなら、テメェを助ける為に一方通行の顔を殴ったヒーロー…。
後は、テメェを作り出しちまった研究者を恨むんだな」
垣根「〜♪」
定規「何か良い事でもあったの?」
垣根「いや、別に。苺ミルクうめえな、と」
定規「あなたがそんなもの飲んでるの久しぶりに見たわ」
垣根「牛乳に苺ジャム溶かした本物だ。お前も飲む?」
定規「…そうね、いただこうかしら」
垣根「〜♪」ニコニコ
定規「自分の分は自分で作るわよ?」
垣根「いや、今日は作ってやるよ」カチャカチャ
定規「良いジャムね」
垣根「最高級、あまおうジャムだ。残りはホッケに使う予定」
打ち止め「……、」
一方「…どォかしたか」
打ち止め「…一○○三二号の生体反応が無い、ってミサカはミサカは心配を吐露してみる」
一方「な、…」
打ち止め「呼びかけたり、命令文を投下してみてもダメみたい、ってミサカはミサカは…」
電話<プルルルル
一方「…もしもし」
冥土帰し『朝早くにすまないね? 一○○三二号君が行方不明なんだけれど、行き先は知らないかな?』
一方「こっちも今から捜す所だ」
冥土帰し『もし見つけたなら連絡をよろしく頼むね?』
一方「…あァ」
打ち止め「ネットワークを駆使して捜してみる、ってミサカはミサカは宣言すると共に捜索開始!」
垣根「もしもし」
一方『よォ』
垣根「何か元気ねえな?」
一方『……、…クローンのことなンだが』
垣根「?! 妹達に何かあったのかよ?」
一方『一○○三二号が行方不明なンだよ』
垣根「行方不め、…最後に反応があったのは?」
一方『病院内だと』
垣根「…そうか…」
一方『何か知ら…知ってる訳、ねェか』
垣根「俺も自分のツテで捜してみる。一○○三二号、だよな?」
一方『あァ。オマエに頼るのは癪だが、…杞憂と分かるまで安心は出来ねェ』
垣根「癪とか言うんじゃねえよ。保証は出来ねえが、俺も捜してみるから」
一方『…ン』ツーツー
「見つかるといいな。見つかれば。見つかるかな?
ふ、っくく、はは、ははははははははははははははは!!!!」
今回はここまで。
乙
ヤバい、ここまでこれはヤバいと感じるヤンデレは久々だ
一方さんとダベってるあたり抜き出すとほのぼのなのが尚更くる
>>1って何気?にヤンデレ書きだよね、ひょっとしたらデレに病みっ気がないキャラの方が少なかったりして
乙
コレばれたら垣根が一方さんに殺されちゃうんじゃ……
それも本望か?
実を言うとこの垣根くんはとあるドラマの人物を参考にしてます。
設定部分では当然違いますが、行動というか、発想を。
「お前のことはより深く調べたよ」
「失望した」
公式でヤンデレって。
>>98
>>1の書いたSSでヤンデレが絡まないのは…熱血右方スレ位なものですかね。
九割九分病んでるかキチってます。
>>101
一方通行の中へ如何に自分を刻み込むか、が彼の行動理念です
投下。
垣根「…見つかったのか?」
一方「…あれから三日間ぶっ通しで探したが見つからねェ」
垣根「研究所とかは」
一方「しらみつぶしに。…無駄足だった」
垣根「…そうか」
一方「……」
垣根「その、…元気、出せよ。うまく言えねえが」
一方「うるせェ」
垣根「一方通行、」
一方「せっかく、守るべきものが、」
垣根「一方通行!」
一方「……悪りィ」
垣根「…いや、俺も大きな声出して悪い」
垣根「…そうだ」
一方「あン?」
垣根「最終信号のお嬢さんも落ち込んでるだろ。何か買って行ってあげようぜ」
一方「何かってなンだよ」
垣根「あー…好きなキャラクターグッズとか、お菓子?」
一方「…プリンでも買って帰るか」
垣根「焼きプリンとか良いかもな」
一方「垣根」
垣根「ん?」
一方「…付き合ってくれてどォも」
垣根「…ま、俺暇人だしさ」
垣根「お邪魔します」
一方「おォ」
垣根「今日は女研究者も居ないんだな?」
一方「大学の方で何かやってンだと」
垣根「なるほど、社会復帰か」
打ち止め「あ、いらっしゃいってミサカはミサカはお出迎えしてみる」
垣根「久しぶり…でもないか。はい、プリン」
打ち止め「ありがとう、ってミサカはミサカはお礼を言ってみたり」テクテク
垣根「…天真爛漫さがねえな。当たり前か」
一方「……早く見つかりゃイイが」
垣根「本当に、な」
垣根「じゃあ、俺帰るから」
一方「あァ」
垣根「…お前も気をつけろよ? それと、最終信号のお嬢さんもな」
打ち止め「今日は沢山遊んでくれてありがとう、ってミサカはミサカは手を振ってみる」
垣根「またな。今度はもっとお菓子買ってくるからさ」バイバイ
垣根「………」テクテク
垣根「………」テクテク
垣根「……はあ」
垣根「一方通行、落ち込んでたな…」テクテク
垣根「早く元気になるといいんだが……」テクテク
「それで、お前らが学園都市残りの13577号・19090号で合ってんのかな?」
打ち止め「っ、」
一方「…オイ、どォした!」
打ち止め「…ま、また生体反応が消えた、の、ってミサカは、」ジワッ
一方「生体反応が消え、…どいつのだ」
打ち止め「13577、及び19090号だよ、ってミサカはミサカは回答してみる」グス
一方「クソッタレ……!!」
打ち止め「事件かもしれないから命令文送っておく、ってミサカはミサカは実行してみたり」
一方「その場から逃げ出せ、この一文でイイ。…最後に連絡が取れた場所座標は」
打ち止め「ええと、X————」
「じょ、い、め、ぶ、」
「…あー。やっぱ先に脳ぶっ壊しといて良かったみてえだな、っと」
「ぎ、っ」
「戦闘訓練は洗脳装置で済ませてるみてえだが、」
「が、ぁあああ!!」
「それじゃ足りねえんだよな。俺には通用しない訳」
「ぎぎゃ、ぎぐ、yguiwo、」
「お前らは素粒子レベルの未元物質でちぎって処理してやるからさ。
どんなに汚い姿で死んでも良いし、心配すんなよ」
「だ、ず、」
「助けを求めれば誰かが助けてくれる? ヒーローが来てくれる?
奇跡がそう何回も起きると思うなよ。それにさぁ、」
「あ、ああああああああ!!!!!!」
「うるせえ。…それにさ、…お前らより、一方通行はもっと辛い思いしてきたんだよ。
お前らみたいに作られた"動物"じゃねえのに、毎日毎日、地獄の辛酸を舐めさせられて。
人間なのに。人間なのに、人間なのに、人間なのに—————っ!!!!」
「か、……ぁく、……」
「お前らみたいな人形と同じにすんなよ。テメェらに人権があると勘違いした訳?
馬鹿じゃねえの、ド低脳。殺してもらってありがとうございますと感謝すべき存在が、何?
やれ『もう一人だって死んでやることは出来ない』だの、何だの。
お前らはミサカネットワークという総体を成す只のガラクタ個体端末だろうが。
身の程弁えろって言ってんだよ、木偶の坊共……っっ!!!!!!」
垣根「ねむ」
定規「あら、随分眠そうね。お疲れ?」
垣根「んー、ちょっとな。ボウリングとか、ふぁ…してきた」
定規「そう」
垣根「飯何食うかな…」
定規「私、人と待ち合わせてるから。じゃあね」
垣根「ああ、またな」
垣根「何食うかな。ステーキとか食いてえ」
垣根「トマトソースのカットステーキにするか…」
一方「垣根!!」
垣根「うおっ、何だよいきなり」
一方「オマエ、妹達見てねェか!」
垣根「は? 見てねえけど。何かあったのかよ?」
一方「…チッ、」ダッ
垣根「? 変な一方通行」
———翌日
垣根「うっわすげえ隈」
一方「……妹達のことなンだが」
垣根「また何かあったのか? ! それとも、見つかったとか?」
一方「…13577号と19090号が、消えた」
垣根「な、………」
一方「……生体反応も一切取得出来ないそうだ。
…殺されたとみて、まず間違いはねェ」
垣根「…そもそも存在を秘匿されてる妹達を殺す人間なんているか…?」
一方「わからねェ。…わかンねェから、困ってンだろ……」
垣根「一方通行…。……そもそも、妹達のことをよく知ってる人間は?」
一方「…あの無能力者、オリジナル…冥土帰し、位か」
垣根「……噂に聞くと、妹達はその無能力者に好意を持ってたらしいな。
当然、アタックする個体もいただろうし。追加情報だと、オリジナルも」
一方「…オリジナルがアイツ等を殺す訳ねェだろ」
垣根「恋愛関係のもつれとかはよくわかんねえけど、他に人物が浮かばねえ」
一方「………ねェだろ」
垣根「だよなあ。………組織ぐるみの何か、か?」
一方「研究所…いや、回れるだけ回って、調べたンだ」
垣根「そっか……」
一方「…一旦帰る。悪かったな、愚痴の為に呼び出しちまってよ」
垣根「いいって。…あんまり考え込むなよ。お前は、一人じゃねえんだから、さ」
一方「ン」ガタッ テクテク
「…お前には、俺だけが居れば良いんだから」
今回はここまで。
今はヤンデレの内ヤンシーンなのでエグい場面が多いのですが、デレシーンは可愛い垣根くんです。
乙。まさか、妹達皆殺し、ミサワも打ち止めも殺って……
暴言がどこぞのアレとは違って語彙が豊富、ド外道っぷりが出ててすばら。流石>>1だわ
| │ 〈 ! 人
| |/ノ二__‐──ァ ヽニニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ  ̄ .Y  ̄
/⌒!| =彳o。ト ̄ヽ '´ !o_シ`ヾ | i/ ヽ ! |
! ハ!| ー─ ' i ! `' '' " ||ヽ l |
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>>128
カキネブラザーズ作ればいいんじゃね
垣根くんはただ、一方さんが大好きなだけの平凡な少年です。
>>131
時間軸的にまだ番外個体ちゃんはいません…残念。
>>133
垣根「———俺の一方通行に手を出そうってんなら、潰す」
>>135-137
垣根ホワイトと垣根帝督とカブトムシ05による一方合戦が始まるんですかね?(困惑)
投下。
一方「……よォ」
垣根「悪い。…見つからなかった」
一方「いや、それはこっちも同じだ」
垣根「…そうか」
一方「……クソッタレ」
垣根「一方通行……」
一方「……俺は、妹達を一万人ぶっ殺した」
垣根「……」
一方「だからって、残り一万人を見殺しにしてイイ理由になンざならねェンだよ」
垣根「……犯人、必ず見つけようぜ」
一方「あァ。…絶対にブチ殺す…っ、」
打ち止め「じゃあ調整行ってきます、ってミサカはミサカはわひゃあ!?」
一方「…病院前まで送ってやる」
打ち止め「…ありがとう、ってミサカはお礼を言ってみたり」
垣根「調整終わったら何か食べに行こうぜ。何がいい?」
打ち止め「うーんうーん。じゃあ巨大パフェがいい、ってミサカはミサカはおねだりしてみる」
垣根「お嬢さんの小さな胃袋で大丈夫か?」
打ち止め「む、むむむ。甘い物は別腹なんだから、ってミサカはミサカは」
一方「イイから行くぞ」
打ち止め「はーい、ってミサカはミサカはのんびりお返事してみたりー」
垣根「……一方通行、大丈夫か?」
一方「問題、ねェよ」
垣根「…そっか。気分悪くなったらすぐ言えよ?」
一方「…ン」
垣根「……ま、まだ殺されてるって決まった訳じゃねえんだから。
会ったら小遣いでもくれてやれよ。……な?」
一方「そォ、だな」
垣根「……」
一方「……」
垣根「…自分を責める必要なんか、無いんだぜ?」
一方「わかってる」
垣根「今日は、もう帰るから。ちゃんと休めよ」
一方「ン」
「何で、あの子達が…」
「………」
「…あの馬鹿、…は、何も知ってる訳ないか。
まさか、私の知らない所でまた馬鹿げた実験やって、…」
「よお、第三位」
「…誰?」
「んー。名乗っても良いんだが、面倒だしな」
「…ッ、」
「安心しろ、殺しゃしねえよ。本当は殺してえんだけど」
「…もしか、して。アンタが、あの子達を…!?」
「どう思う?」
「……聞き返すってことは、自覚があるのね。
……許さない。絶対にッッッ……!!!!」
「…おお、すげえな。砂鉄って結構散らばってるモンなのか」
「うあああああああああああああ!!!」
「殺しはしねえが、……広告等で活動出来ればいい訳だし、手足だけもいどくか。
まったく、一方通行は本当に慈悲深いよなあ。テメェみたいなクソガキに温情かけちまうんだから」
「な、ッぎぎゃ、」
「えーっと…9982次実験の時は右脚だったっけ?」
「あ、あう、わ、」
「女も男もやり方はさほど変わらないからな…。んー。どうすっかな。
あんまり徹底的にやると学園都市第三位としてアウトになっちまうし。
殺す程お前に非は無いしなあ。だから…うーん。
ちょっと痛い目見てもらうだけでいいんだが、それだけだと俺が満足しないしな」
「ひ、ぎぎ、ぐ、が、やめ、やめて…い、いたい、ほん、とにぃた、いから…」
「ふーん。だから?」
垣根「ふぁ…」ノビー
電話<ブーッブーッ
垣根「あん?」
一方『よォ、垣根』
垣根「ん? おー、一方通行。悪い、寝起きだった」
一方『オマエ、第三位———オリジナルとは、会ってねェよな?』
垣根「は? 何だよいきなり。何かあったのか?」
一方『オリジナルが襲撃された上に、…………にされて、今は病院に居る』
垣根「…例の妹達の襲撃犯か…?」
一方『だろォな。それで、』
垣根「? 何だよ。何か言うならはっきり言ってくれ」
一方『事件現場付近で、オマエに似た人物の身体的特徴が挙げられてる』
垣根「…………、…」
一方『………』
垣根「…身体変化系の能力者、なのかもな。まあ、その情報が出回ってるなら、俺が疑われんのも道理だろうよ」
一方『………』
垣根「一方通行は、俺を疑ってるのか…?」
一方『……どっちとも、言えねェ』
垣根「そっか」
一方『…悪りィ。切る』
垣根「ん、じゃあな」
「…………はあ。困ったな。困った、困った、困っちゃったなー……?」
今回はここまで。
乙
ふつうに話してるところ読んでると
怖いとかでなしになんか笑えてくるという不思議
この垣根が現時点でどれだけ能力操れるかはわからないけど、少なくとも滞空回線並の監視網はできてるんだよね
それだけでも非常にヤバい気がする……一方さんの関係者の命的な意味で
>>155
ヤンデレマターくんは正統派ヤンデレなので好きな人の前では普通の少年です。
ほのぼの会話を意識して書いてます。
>>161
原作15巻時点よりは能力を活用出来ています。
理由は、『一方通行の全てを見たい』『一方通行の全てをサポート出来るようになりたい』が故の努力です。
投下。
美琴「………」
ドア<ガララ
美琴「っ、」ビクッ
上条「…えっと、…御坂…だよ、な?」
美琴「……そうよ…」
上条「ん、病室間違ってなかったみたいだな。…お見舞い、置いとくぞ」
美琴「……がと」
上条「……」
美琴「……」
上条「…誰に、やられたんだ? あ、話したくねえなら、話さなくていいけど…」
美琴「……わからない。でも、…明るい髪の、男だった」
上条「……」
美琴「服は、…赤いシャツと、……高級ジャケット」
上条「…、」
美琴「私に、勝てるってことは。…多分、私より、上の、人間…」
上条「一方通行、じゃないなら」
美琴「…第二位、…かな。……わから、ないの」
上条「……嫌なこと思い出させてごめんな」
美琴「…お見舞い。……あり、がと」
垣根「………」
垣根「…残りは一人」
垣根「さて、どうするか」
垣根「幻想殺し。…まあ、俺の能力も無効化されるだろう」
垣根「つまり殺害は不可能。正確には隠蔽が出来ねえ」
垣根「だが、諸悪の根源を見逃すってのも納得いかねえ」
垣根「どうするか」
垣根「どうするか、どうするか、どうするか……」
垣根「要するに身体的に傷つけられないだけ、ってことは」
垣根「まあ、あれか。精神に直行が一番か」
「おかえり、とうま!」
「ただいま、インデックス」
「短髪、どうだった?」
「ああ、……怪我は良くなってないけど、話は出来た」
「…良かったかも」
「本当に、な。…あ、晩飯何がいい? といってももやし料理だけどな」
「あのね、とうま」
「? 何だよ」
「わ、たし、が、ぐぎゅ、」グチャッ ズルッ
「…イン、デック、ス?」
「と、ま、」
「あ、ああ、あ……ああああああああああああああ!!!!!」
インデックス「ご飯をご馳走してくれるカブトムシさんなんて不思議かも」
カブトムシ05「これも命令ですから」
インデックス「命令?」
カブトムシ05「ポテトを追加注文しましょうか」
インデックス「うん、お願いしたいかも。…あ、とうま、ちゃんとメモ読んでくれたかな?」
カブトムシ05「同居人がいらっしゃるのですか?」
インデックス「うん。とうまっていってね、強くて、優しい人なんだよ」
カブトムシ05「強くて優しい、ですか」
インデックス「…無茶し過ぎるのがたまにキズかも」
カブトムシ05「それはきっと、あなたの為ですよ」
インデックス「……、…だとしたら、無茶、しないでほしい、なあ…」
インデックス「じゃあまたね!」
カブトムシ05「ええ。さようなら、インデックスさん」
垣根「カブトムシ05…自壊済か。問題ねえな。
んで、幻想殺しの方は…おお、泣いてる泣いてる。
流石に無関係な女を殺す趣味はねえからな。
ま、白いシスターが帰るまで、暫しの絶望を楽しんどけって感じか」ノビー
垣根「本当ならミンチにしてソーセージにして生ゴミ廃棄直行でも収まらねえが。
……ま、現実的に隠蔽出来ないなら仕方ねえよな。んん、これで復讐は…おっと」
垣根「まだ一人残ってるんだよな。さて、あのガキはどうするかな」
垣根「何しろ、一方通行にじゃれついて、能力を奪ったヤツだしな」
垣根「未だに擦り寄ってるのも気に入らねえし。さっさと殺したのは山々だが…。
何分タイミングが掴めねえんだよな。いつ殺せばいいんだ?」
垣根「あーあーあー……行き当たりばったり遠足気分もここまでか」
垣根「一方通行と引き離すことから始めないとな
垣根「ふんふーん、ふーん……」
一方「よォ、垣根」
垣根「お、一方通行。久しぶりだな」
一方「それ程日にち経ってねェだろ」
垣根「いや、何か久々な気がしてさ」
一方「……」
垣根「浮かない顔だな」
一方「……垣根、」
垣根「ん?」
一方「…何でもねェ」
垣根「…? ならいいけど」
打ち止め「垣根のお兄ちゃん、ってミサカはミサカはご挨拶してみたり」
垣根「おお、最終信号のお嬢さん。調整大丈夫だったか?」
打ち止め「近々また行かなきゃいけないんだけどね、ってミサカはミサカはしんみりしてみる」
垣根「大変だな」ナデナデ
打ち止め「くすぐったい、ってミサカはミサカはもぞついてみたり」
一方「………」
垣根「…妬いてる?」ニヤニヤ
一方「妬いてねェ」
今回はここまで。
垣根くんは天使系男子です。
乙
未元物質でインデックスさんを
作ったってことでよいのかな
上条さんの行く先々でこれやったら
やばいわ
垣根くんは尽くすタイプの優しい少年です。
>>180
その解釈で合ってます。手の込んだドッキリでした。
投下。
一方「……ンじゃ、行ってくる」
打ち止め「いってらっしゃい、ってミサカはミサカは手を振ってみたり」
垣根「しかしまあ、携帯の振込か。引き落としにしとけば良かったのによ」
一方「携帯変えた時にしくじったンだよ。…大丈夫だろォな」
垣根「安心しろって。俺が居る限り、お嬢さんには誰も近づかせねえ」
一方「……」
垣根「ま、家から出ない予定だしな。な?」
打ち止め「うん、ってミサカはミサカは頷いてみる」
一方「……ン」パタン
垣根「さてお嬢さん、ゲームでもするか」
打ち止め「ゲーム? ってミサカはミサカは首を傾げてみたり」
垣根「そうそう。パズル」
打ち止め「楽しそう、ってミサカはミサカは目を輝かせてみる」
垣根「立体パズル、ってやったことあるか?」
打ち止め「知識はあるよ、ってミサカはミサカは誇ってみたり!」
垣根「ほら、林檎のやつ」
打ち止め「おおおー、ってミサカはミサカはじっとりんごを見つめてみる」
垣根「これを一旦バラバラにして組み立てるんだ。難しいが愉しいぜ」
一方(……垣根、な訳、ねェよな)
一方(メリットがねェ。第三位に対する個人的恨みなンざねェはずだ)
一方(そうだ、垣根がやってる訳が……)
一方(だが、アリバイはねェ)
一方(………)
一方「……チッ、」
店員「っ、あ、ありがとうございましたー!」
一方(何だ、この感覚は。胸騒ぎ、が…、)ダッ
「…な、に、これ、って、みさ、か、は、」
「何だと思う?」
「……?」
「裁断機」
「さい、だん、き、」
「言っただろ? 立体パズルで遊ぶには一回バラバラにする必要があるって」
「もし、かして。…今までの、妹達、お姉様も、やったの、はあなたなの、ってミサカ、はミサ、」
「気づかなかったのか? ああ、やっぱガキはガキだな」
「か、は、」
「んー。脂肪分少ないと斬りやすくて良いな」
「ぃ、あ」
「おいおい、もっと泣いてくれよ。ガキなんだろ? 人間なんだろ?
人間を気取るなら、死にたくねえ、痛い、怖い、って泣かねえと。
ま、期待はしてねえがな。所詮お前は人形な訳だし。ゴミにも劣る肉の塊。
そういや、人間ってどこまで切断されても生きてるモンなんだ?
何か昔資料見た気はするんだが、思い出せねえからお前で試させてくれよ。
元々死ぬための実験用に生み出されたヤツ等の司令塔なんだし、本分だろ?
未発達な容姿を活かして愛らしさアピールか。ふざけんじゃねえよ、クソ。
一方通行は何でこんなモノ助けちまったんだ? 能力喪ってまで、本当信じらんねえ。
こんなもの、俺がいくらだって創ってやるのに、かけがえのないものみたいな顔して…。
ああ、ムカつくムカつくムカつく、徹底的にムカついた。やっぱ殺す、すぐ殺す」
「か、きね…?」
「あ」
「が、…ぅぐ、……けほ」
「打ち止め…ラス、と、オーダー……?」
「何だよ一方通行、早かったな」
「あ、ァ。……アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
今回はここまで。
次回は地の文入れる予定です。
乙
垣根さんマジクール(怖)
接待バトルしないでさっさと代理演算邪魔すりゃいいんかね
いやでも翼があるしどうするよ
分裂して長期戦に雪崩れ込むしか無いか?
垣根くんは通常運転です。
余談ですが、このSSは 一方「俺は、オマエの事が、」垣根「………」の分岐みたいなものです。
あの垣根くんが一方さんと二人暮らししないとこうなります。
>>200
迷ったのですがあの翼は0930事件で魔術のパラメータを入力されて初めて出来上がるものだと思うのです。
という訳で、今回は出しませんでした。…? 出せませんでした。
投下。
慈悲の無い暴力にさらされ。
虫の息で弱々しくもがく幼い少女の姿に。
一方通行は、初めて脳が沸騰する程の激情に見舞われた。
目の前の垣根は憎いが、それどころではない。
垣根を殺すことなど二の次三の次、打ち止めを救う方が先決に決まっている。
「おっと」
垣根は一方通行の手が届かぬよう、打ち止めの首をつかみあげる。
当然の事ながら、打ち止めの軽い体重が、その細い首へとかかった。
絞首台に架けられた死刑囚の如く、華奢過ぎる未発達な身体がじたばたと暴れた。
「かっ、ぐ、」
「打ち止め!!」
「大きい声出すなって。何怒ってんの?」
「…か、きね……オマエ、はァアア…!!!」
血反吐を吐きだすかのような怨念の篭った声。
見る者万人が怯む真紅の睨みに、垣根は微笑んでいた。
異常者らしくない笑みが、かえって異常だった。
この状況を見られて隠す様子も、誇示する様子もないのだから。
彼は、平静とした様子で、むしろ、どこか気恥かしそうに言う。
「ったく、こんな早くバレちまうとは」
その声は明るい。
まるで。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
子供にサンタクロースの正体を見破られた父親のようなバツの悪さ。
つまり、悪気など一切無いのだ。
彼は前々より口にしていた通り、妹達を人間としては見ていない。
一方通行にありもしない重い十字架を背負わせる人形共、そんな認識でしかない。
お誕生日にケーキを作っているところを見られてしまった。
そう言わんばかりの軽さで、彼はにこにこと笑みを浮かべてみせる。
その手が血まみれであることは理解しているだろうに、罪悪感というものはなくて。
それもまた当たり前の話。彼にとってそれは血液ではなく、人形の中身、部品や汚れに過ぎない。
「……」
ギリ。
歯軋りをする。
一方通行は学園都市最強の超能力者だが、それも昔の話。
能力使用モードはわずかに十五分しか保たない。
相手は決して雑魚ではない。学園都市第二位の『未元物質』の持ち主だ。
まともにやりあえば、十五分では済まない事はわかっている。
そして、打ち止めを垣根の手からさらう隙は到底見えない。
そうして。
一方通行は、ようやく、はたと気がついた。
簡単な話だった。最初からこうすれば良かった。
思えば、妹達が消され始めた頃にこうしておけばよかったのかもしれない。
怒りが絶望に紛れていく中、どうしようもなくなった一方通行は話を持ちかける。
「……そンなに、俺が憎いか」
学園都市第一位。
第二位にとっては、決して乗り越えられぬ壁。
垣根帝督は、一方通行が無敵になることを応援していた。
そして、一方通行は無敵になれないどころか、今や最強の座からも転がり落ちた。
一方通行は思う。
垣根帝督は、恐らく自分の行動に、状況に、絶望した。
故に、自分へ苦しみを与えようと、こうして大事なものから消しているのだ。
守ろうとしている数少ないものを打ち壊し、自分に絶望を与えるために。
一方通行は、無意識に触れていたチョーカー型演算補助機から手を離す。
「なら、殺せ。そのガキは解放しろ。俺を好きなように甚振ればイイ」
もともと。
自分のような人殺しが、如何に慕ってくれたにせよ、打ち止めと過ごせる訳もなかったのだ。
胡蝶の夢。ヒーローになったと、錯覚してしまっていたのかもしれない。
打ち止めを八月三十一日の悲劇から救ったところで、それは根本的な解決にはならない。
この手は一万と三十一の血液にまみれ、汚れ、穢れきっている。
「殺せよ、俺を」
それが目的ならば、シンプルにそうしたらいい。
何もかも諦めた顔で。
そして、これこそが最善だと信じた様子で。
一方通行の命と引き換えに、打ち止めの命は助かる筈だ。
そのために彼がどれだけ悲惨な殺し方をされようとも。
これは自分の為にカミサマとやらが用意した罰だ、と一方通行は思う。
打ち止めと過ごした日々を思い返す彼の表情には、柔らかさがあった。
全てを打ち捨て、全てを諦めた自殺者の姿が、そこにはあった。
そんな、唯一の希望を。
「…何言ってんのか、全然理解不能なんだけど」
垣根帝督は。
本当に、首を傾げて、子供のように不思議そうな顔をしながら。
"握り潰した"。
一方通行は、目を見開く。
絶望すらも飛び越えた虚無の感情が、その身を支配する。
彼を励ましてくれた希望たる少女の死が、観測された。
どさ、
自分が膝をついた事にすら気づけないまま、一方通行は呆然とする。
「あ………?」
対して。
垣根は、首を傾げたまま普通の口調で、普段の様子で言う。
「俺は、お前が大好きだよ。お前しか好きじゃねえし。
だってのに、殺せだの憎いんだろ、だの。的外れ過ぎだろ」
一方通行の全身から、力が抜けていた。
何も考える事が出来なかった。
だって、自分が死ねば解決すると、そう思っていた。
結局のところ、彼だって世間知らずの少年だった。
定量の悪意しか受けたことのない人間だった。
本物の狂気に遭遇した事など、今回が初めてだった。
「……何で、こンなことすンだよ」
「お前には俺以外必要ないから」
「俺が、オマエに何したって言うンだよ」
「何もされてねえよ。嫌な事は何も」
「打ち止め達は、関係ねェだろォが」
「そうか? ばっちり関係あると思うんだけど」
1+1は2。
2+2は4。
そんな調子で、垣根は言葉を返していく。
「あいつらには人権なんざ存在しねえ。戸籍も、IDも無い。
世界に対して存在を秘匿されるべき存在なんて、もはや人間とは呼べねえ。
ましてや、あいつらが生み出されたのはお前に殺してもらうためだ。
生きる目的を放棄して、実験から放り出されたあいつらはもうこの世に必要ない」
「それを決めるのは俺でもなければ…オマエでも、ねェ…」
「そうか? 俺は第二位、お前は第一位だぜ?」
こと学園都市においては何をしても保護される立場じゃないか、と垣根は笑ってみせる。
「……どォすればイイ」
「何が」
「どォしたら、オマエは打ち止めと妹達を元に戻してくれる」
茫然自失。
現実逃避。
一方通行はそう問いかけて、床を見つめた。
ひんやりとしたフローリングは、何も語らない。
死体から垂れ流された汚物の臭いに吐きそうになりながら、一方通行は同じ台詞を何度も吐く。
「どォしたら、オマエは許してくれる」
「別に、俺は怒ってた訳じゃ……」
垣根は、困ったような顔で呟き。
しゃがみこみ、優しく一方通行の頭や背中を摩る。
「俺は、学園都市第二位の『未元物質』。
その役は生産。だからまあ、最終信号達に似たモノなら創ってやれるよ」
「……、…」
「俺は、一方通行を謂れもない罪状から解放してやりたかっただけなんだ。
悪意なんかこれっぽっちもねえし、お前を憎んでる訳も、恨んでる訳もない。
お前と出会って、俺は可能性を貰ったんだ。落ちこぼれだった俺が、第二位にまでなれた。
どうしようもない低能力のゴミクズ状態から、超能力者にまで上り詰めたんだよ。
足も動くようになった。歩けるようになった。お前のおかげだ。全部、全部全部全部。
だから、俺は一方通行が好きだ。愛してる。大事で、大切で、大好きだ」
「………、…」
「俺は、お前に救ってもらったんだ」
だから、救いたかったんだよ。
そう言う彼の目には、水滴が溜まっていた。
一方通行が落ち込んでいるのが悲しくて、一方通行に怒られたのが悲しくて。
喜んでもらえると思って頑張ってきたことが水の泡になってしまったことが、少し悔しくて。
「じゃあ、俺が殺したヤツ等は全員元通りにするから、…だから、」
そうしたら、あんなガキより、俺を拠り所にしてくれるか?
問いかけた垣根に、脅迫の意図はなく。
一方通行以上に追い詰められた表情で、垣根は一方通行の向かい側に座る。
「守ってやるよ。愛してる。大好きだ。お前の一番になりたい。
お前の絶対になりたい。お前の希望になりたい。お前の拠り所になりたい。
お前の安らげる場所になりたい。お前が望む状態で待ちたい。
お前を幸福にしたい。お前を助けてやりたい。お前を救ってやりたい。
なあ、十年だ。十年間だよ、一方通行。俺、ずっとお前が好きだったんだ。
お前が笑う顔が好きで。泣く顔が悲しくて。嘆く声が辛くて。
怖がる様子を抱きしめてやりたくて。自分の非力が悔しくなるくらい。
お前を殴ったやつが憎い。お前を傷つけたやつが恨めしい。
お前を地獄に堕としたやつは、未だに殺し足りない程大嫌いで憎い。
俺にはお前しかいないんだよ。だから、お前にも俺だけがいればいいだろ。
お前がどうしても諦めきれないから、またお人形は創ってやるよ。
でも、お前が好きになるべきは人間なんだよ。お前は人殺しなんかじゃねえ。
俺が保証する。俺だって人殺しじゃねえんだから。もう苦しむ必要なんかねえんだよ。
何も背負い込まなくていい。俺がずっと傍に居る。だから、だからだからだから、」
いつまでも妹達を引きずる一方通行に自分を見て欲しくて。
歪みきったまっすぐで正常で異端な少年はぐしゃぐしゃに顔を歪める。
溢れ出した透明な液体が、端正な顔を伝った。
「俺とだけ一緒にいてくれよ、あくせられーた…」
今回はここまで。
乙
唾棄すべき糞虫だな第二位は
乙。今回は悪魔主義的作品に挑戦してる感じなのかね。好物ですが
いいぞもっとやれ
>>219
>>1のことは嫌いになっても、第二位のことは嫌いにならないでください><
>>225
ヤンデレの途中通過点はエゴイズム、到達点は悪魔主義のような気もします。
このSSの垣根くんはサイコパズイメージかもしれません。
正統派ヤンデレを追求してたらこうなりました。
投下。
黄泉川「ただいまじゃん。…あれ? 一方通行は?」
打ち止め「あの人ならもう帰ってこられないよ、ってミサカはミサカは伝えてみる」
黄泉川「帰ってこられないって、もしかして何か事件に」
打ち止め「心配ないよ」
黄泉川「……、…打ち止め?」
打ち止め「心配fwtsyguhしなくても、あの人はもう幸せだから、ってミサカはミサカgewu」
黄泉川「……、…体調でも悪いじゃん?」
打ち止め「、……ちょっと眠いの、ってミサカはミサカはえへへと照れ笑いしてみる。
おかえりヨミカワ、ミサカはもう寝ますってミサカはミサカは戦略的撤退!」
黄泉川「……?」
打ち止め「…あの人はお引越しすることになったから追いかけないであげてってミサカはミサカはお願いしてみたり」
黄泉川「……わかったじゃん」
黄泉川(…引越し? 何の連絡も無しに?)
美琴「……」
黒子「お姉様、…お具合がまた悪くなりまして…?」
美琴「あっ、ううん、大丈夫よ黒子。もう完全に治ってるから」
黒子「ならよろしいのですが…、…?」
御坂妹「お久しぶりですお姉様、とミサカは頭を下げます」
黒子「!! 何と愛らし…お姉様の妹君ですの?」
美琴「…アンタ、…なん、で」
御坂妹「? ミサカは何か妙な格好をしているでしょうか、とミサカは首を傾げます」
黒子「お姉様、いかがいたしましたの?」
美琴「どういう、事…?」
御坂妹「お姉様? もしやお熱があるのでは、とミサカは手を伸ばします」ピタ
美琴「冷たっ、……ま、さか。…アンタ、やっぱり、死ん、なのに何で、」
御坂妹「…何についての発言かわかりかねます、とミサカは暗に説明を求めました」キョトン
13577号「ただいま戻りました、とミサカは報告します」
19090号「同じく戻りました、とミサカも報告を被せます」
冥土帰し「……ひとまずは、お帰り。……状況を飲み込むまで、少しだけ時間が欲しいね?」
13577号「状況を飲み込むとは」
19090号「何か妙な点でもあったのでしょうか、とミサカは疑問に突き当たります」
13577号「そういえばミサカ達二名は何故公園のベンチなどで眠っていたのでしょう、とミサカは疑問を口にします」
19090号「記憶がぼんやりとしています、とミサカは呟きました」
13577号「不可解な事もあるものです、とミサカは自らを納得させます」
垣根「いらっしゃい」
一方「……よく片付いた部屋だ」
垣根「そうか?」
一方「掃除のしすぎで生活感が薄れてる程にな」
垣根「はは。だってほら、汚いと落ち着かねえし」
一方「潔癖症かよ」
垣根「病的じゃねえつもりではいる」
一方「ふゥン」
垣根「あ、何か食うか?」
一方「……」
垣根「…一方通行?」
一方「……オマエは、」
垣根「?」
一方「……これで、満足か」
垣根「満足に決まってるだろ。まあ不満はあるが、お前がそれがいいっていうんだし」
一方「……」
垣根「どうかしたか?」
一方「もしも、俺が妹達を殺すなと言ったら、オマエはどうしてた」
垣根「殺した」
一方「…、」
垣根「お前には必要無いと思ってたから。でも、一方通行は優しいもんな。
どうしてもあいつらを生かしておきたいっていうから、元に戻しただろ」
一方「……」
垣根「…あ、そうだ。ステーキ用の肉があるんだが」
一方「ほォ」
垣根「バターもあるし、焼いてくる」
一方「………」
一方(これで、イインだ。俺が居なければ、アイツ等は垣根の保護も受けられる。
俺が垣根の言いなりにさえなっていれば、アイツ等の命と安全は保証される。
これで良かったンだ。これが最善に決まってる。辛い方を選ぶのは、当たり前だ)
一方(そもそも俺にあのガキと過ごす権利なンざねえ。離れて然るべきだった。
死ぬより辛い生き方をすンのは、……俺の罪を考えれば、妥当でしかねェ)
垣根「あくせられーたー」
一方「何だよ」
垣根「ちょっと手伝ってくれ」
一方「杖つきの人間に言う事か、それが」
垣根「はあ。仕方ねえ、自分でや、うおっ」ドンガラガッシャン
一方「……何やってンだ、オマエは」コツコツ
垣根「っつつ…」サスサス
一方「……」
頭にフライパンが落下してきたらしい。
第一位の攻撃を易易と防げるだけの腕を持っているクセに。
垣根は弱々しく、フライパンの直撃した頭頂部を手のひらでさすっていた。
「うう……」
痛いらしい。
或いは、たんこぶでも出来てしまったのか。
やや涙目で情けなく摩り続ける垣根。
長いズボンの裾からわずかに露出された足首は細く、長く。
華奢過ぎる脚に、一方通行はほんの少しだけ、昔のことを思い出した。
『!わあぁ……あくせられーた、けーき、けーきだ!』
『さわいでンじゃねェよ』
『かってきてくれたのか?』
『オマエがたンじょうびたンじょうびうるせェから。…で、くわねェのかよ』
『たべる、たべるから! ……これ、けんきゅうじょからちょっととおいところでうってるやつだよな。
くるまいすでいくにはしんどいきょりだから、あきらめてたんだよ』
『……そォかよ』
『ありがとな、あくせられーた。だいすき!』
『げンきンなヤツ』
幸せそうに、両手に余る大きなホールケーキの入った白い箱を抱きしめる少年。
ありがとう、と満面の笑みを浮かべ、幸せそうにケーキを見つめる、少年。
大切な友人だと思っていた。
だからこそ、疑えず仕舞いのままで、あんなことになってしまった程に。
『なあ、十年だ。十年間だよ、一方通行。俺、ずっとお前が好きだったんだ』
涙を流していた。
自分の為に。自分のことを想って。
勿論、垣根帝督が異常者であることは間違い無い。
正直理解出来ない思考回路だし、理解していはいけないとも思う。
だけれど、彼に罪を犯させたのは自分がきっかけでもあるとは、考える。
「……馬鹿じゃねェの。っつゥかバカだろ」
一方通行は杖をしっかりと床につき。
それから、もう片手を垣根の方へ差し出した。
垣根は、一方通行の手を見つめ。
あれだけのことを仕出かした事を覚えているくせに。
一方通行に嫌われた可能性などまったく考慮に入れずに、はにかんでみせた。
その手に触れ、殺されるかもしれない、そんな考えなど浮かんでいないから。
「ありがとな、一方通行。大好き」
幸せそうに、本当に幸福そうに、己の手を掴む垣根を。
誰よりも早く、一番に。
自分のためを想い、空回り、自分を庇い、破綻している男を。
一方通行は、傷つける事が出来なかった。
今回はここまで。
この垣根は心理定規と親しいみたいだけど、暗部とは無関係でスクールとも無関係なのだろうか
「俺だって人殺しじゃねえんだから」と、一方さん相手に言い放ってるが
一方「…何で冷蔵庫に肉しかねェンだ」
垣根「お前、肉好きだろ?」
一方「確かに好きだが、」
垣根「何でもあるぜ。豚肉、牛肉、鶏肉、羊肉」
一方「計画性ねェな」
垣根「結構食うから大丈夫」
一方「そンなに食うよォには見えねえが」
垣根「痩せの大食いって知らねえ?」
一方「そォかい」
垣根「ふんふーん」
一方「何作ってンだよ」
垣根「シフォンケーキ」
一方「…買った方が楽だろ」
垣根「作った方が安上がりだろ?」
一方「金なら腐る程あンだろ」
垣根「いや、研究中のものが金かかってな」
一方「…研究?」
垣根「まだ秘密」
一方「……」
垣根「じゃじゃーん」
一方「何だそれ」
垣根「見てわかんねえのかよ」
一方「…マフラー…いや、ストールか」
垣根「ご明察」
一方「……オイ」
垣根「え?」
一方「これ全部俺の髪の毛じゃねェか」
垣根「あっ」
一方「……」
垣根「…へへへへ」
一方「…ったく」
垣根「一方通行はどっち派?」
一方「あ? 何がだよ」
垣根「犬と猫」
一方「……猫、か?」
垣根「こうか」ピョコ
一方「人に猫の耳付けンのは正気の沙汰じゃねェな」
垣根「えー、可愛いだろ」
一方「モロ生やすのはキモいだろォが」
垣根「仕方ねえな…今度買ってくるか」
一方「何を」
垣根「カチューシャ」
一方「いらねェ」
垣根「なあなあ一方通行」
一方「…なンだよ」
垣根「俺、一方通行とまた一緒に暮らせて幸せだ」
一方「……そォかよ」
垣根「夢だったんだ」
一方「俺と暮らすのが?」
垣根「そうそう」
一方「…物好きな野郎だ」
垣根「帰ってきたら一方通行が居て、外出る時は一方通行が居て。
俺が作った飯を一方通行が食べてて、こうやってくだらねえ話すんの、楽しみだった」
一方「………」
垣根「…怒ってるか?」
一方「別に、……」
垣根「……ごめんな。…ごめん。ごめん、一方通行、ごめん、でも俺、」
一方「イイから、…また喉枯れるまで謝ったりすンじゃねェぞ」
垣根「優しいな」
一方「そンなンじゃねェ」
今回はここまで。
…どなたかカブトムシ05×垣根ホワイト書いてくださる方いらっしゃいませんか。
髪の毛で文字通り毛糸を作った垣根くん。とっても女子力の高い超能力者です。
夢落ちでホラーエンドか、謎の感動エンドか、
現実でヤンホモエンドか迷います。
>>268
書けない(震え声)
投下。
垣根「はよ」ウトウト
一方「…ン」
垣根「体調でも悪いのか?」
一方「悪くねェ」
垣根「そっか」
一方「…」
垣根「……」
一方「寄りかかってくンな」
垣「にゃん」
一方「バカが。…馬鹿」
垣根「二回言うなっての」
垣根「何処に行くんだ?」
一方「…コンビニだよ、コンビニ」
垣根「俺も行く」
一方「…勝手にしろ」
垣根「……」
一方「…何ニヤけてやがる」
垣根「いや、アイス何食うかな、って」
一方「……」
垣根「何だよ」
一方「…別にィ」
垣根「半分こする?」
一方「いらねェし」
垣根「腹減ったなー」
一方「肉ならあンだろ」
垣根「味噌汁食いたい」
一方「…材料あるだろ」
垣根「食いたいー」ゴロンゴロン
一方「……」
垣根「美味い」
一方「…味見はしたからな」
垣根「やっぱ優しいよな」
一方「うるせェ、黙って食え」
垣根「幸せ」ズルル
一方「…呑気なヤツ」
垣根「毎朝作ってくんねえかな」
一方「新手のギャグか?」
垣根「古風なプロポーズ」
垣根「…よく寝てるな」
一方「…」スー
垣根「……」
一方「……」スヤ
垣根「…」
一方「…」
垣根「…俺も寝ようかな」
垣根「……、…」
一方「ナニ人の後ろに隠れてやがる」
垣根「…Gはちょっとな」
一方「……」
垣根「助けて」
一方「却下」
垣根「ううう」ヒシッ
一方「……ガキか。或いは女か、オマエは」ハァ
垣根「俺が幼女だったら大好きになる?」
一方「かもな」
垣根「…ちょっと肉体グチャグチャにして未元物質で幼女に生まれ変わってくる。
電車に飛び込むのは厳しいからスキルアウトが有効か?」
一方「冗談だっつゥの、やめろバカ」
「出来た」
垣根はのんびりとした調子で、ゆっくりと息を吐き出す。
彼はそのまま、その小さな機械を一方通行へと差し出した。
柔らかい笑みは人の良さそうなイメージを抱ける程優しげなもので。
「ほら」
「何だこれ」
「あれ、説明してなかったっけ?」
首を傾げ、これはいけないと垣根は肩をすくめる。
彼は指先を一方通行の首元へと向けた。
チョーカー型の、代理演算用ネットワーク接続端末だ。
これがなければ、脳に大きな障害を負った一方通行はまともに歩けず、一足す一程度の計算も出来ない。
その小さな機械と何の関連性があるというのか、と一方通行は不可解そうに眉を潜める。
垣根は機械のスイッチをかちりと押し込む。
収納式だったそれは、あっという間にチョーカー型へと変わった。
一方通行の装着しているものと同型。それでいて、今身につけているものとは真逆の、白一色。
「演算能力補助装置。その医者が作ったヤツとほぼ同じだ」
「……違いがねェなら変える必要はねェな」
「ん? あるある。あるに決まってんだろ」
これは。
垣根はゆっくりと唇を横に横に裂いて笑む。
「俺と同型の脳二万体分をフルに使用し、焼ききれ次第使い捨てるモノだ。
一回につき一つ脳を使い捨てる訳だから、お前の全盛期の力も余裕で出るんじゃねえかな」
「………、…何言ってンだ」
「大丈夫、脳の保管場所は誰にも知られない場所にあるし、俺が保護してある。
脳派を合わせるのは少し苦労したからな。俺の脳の方がぶっ壊れるようにしてある。
ま、どうせいくらでも作れるし、替えが効く代用品だし、意思とかはねえから気にすんなよ」
この、短い期間。
いいや、もしかしたらとてつもなく長い間。
彼は自らの脳だけを複製して置いてある部屋を作り。
その脳を使用して一方通行の能力を補助出来る装置を作り。
自分と同型の脳を使い捨てられる覚悟で、それを差し出している。
脳があるということは、少なくとも意思があるはずなのに。
『垣根帝督(ダークマター)』の一部なのだから、関係無いとでもいう風に。
彼にとって御坂美琴のクローンが人形であるならば、自らが創り出した脳も只の装置の部品の一つ。
未元物質で形作られたものとはいえ、自分の脳なのに。焼ききれてもまた作ればいい、そんな軽い思考。
その考えに、一方通行はゾッとした。
自分が思うのも何だが、やはりコイツは人間としての軸をなくしてしまっている。
自己犠牲に他者犠牲を加えた、究極の装置。
ほら、と差し出しながら。
垣根帝督は、にこにこと笑んだ。
「これがあれば、ミサカネットワークなんて劣等粗悪品、必要ねえよな?」
彼はこう言っているのだ。
今までも、これからもこう言い続けるつもりなのだ。
お 前 に は 俺 だ け が 居 れ ば い い だ ろ ?
と。
今回はここまで。
使用時間はどんなかんじなんだろ
この垣根さんは一方さんの洋服とか下着とかも全部捨ててダークマター服つけさせそう
謎の感動エンドにすることにします。ただ>>1が感動と思ってるだけで皆様としては残念なオチkもしれないですが。
スマフォさんが規制食らってるので、よろしければ適当に『支援』とか書き込んでくださるとありがたいです。
途中で消えたら規制の影響で投下出来てない、と考えてください。支援レスいただければ書き込めます(イーモバイル端末のため)
>>293
少し考えはしたと思いますが我慢したようです
>>291
"すごく"伸びました。抽象的。
投下。
一方通行は、悩んだ。
悩みに悩んで、それを受け取る事にした。
これを受け取って鞍替えすれば、妹達との関係性は完全に絶たれる。
別にそれを望んでいる訳ではないが。
仮にここで時間が欲しい、あるいは拒絶して現状維持を保とうとすれば。
傷つけられるのは自分ではなく、無関係な妹達であること位わかっている。
「…こォか」
ガチャガチャと取り替える。
一瞬だけ演算が完全に絶たれ思考が危うくなったが、無視して装着した。
通常モードからして性能が違うらしい。
もはや身体を支えるための杖さえ必要とせず、一方通行はそこに立っていた。
「………」
自分の体を見つめる。
今この瞬間にも、この正常な状態を保つ為に脳が焼かれているのだろう。
わかっていても、手放す気にはなれなかった。
無言の脅迫をしていることすら理解していないまま、垣根は満足そうに微笑む。
「良かった。やっぱ俺の作ったやつの方が優秀だな」
そううぬぼれて。
腹が減った、と彼は台所へと向かう。
垣根は料理をしている。
トントン、という包丁の小気味良い音がしていた。
ひき肉をぐちゃぐちゃとかき混ぜる、ややグロテスクな音。
ハンバーグでも作っているのか、と適当に予想しながら、一方通行は杖を拾い上げた。
身体の揺れや不安定さはもうどこにもない。こんなものはもう必要無い。
それでも捨ててしまうには忍びなくて、何となしに壁へと立てかける。
「ケチャップとデミグラスソースどっちがいい?」
「後者だな」
端的に答え。
一方通行は、ぼんやりとソファーへ腰掛ける。
白いチョーカー型演算補助機を、指でなぞる。
これも未元物質で出来ているのだろうか、とうっすら考えて。
「出来上がり。召し上がれ」
目の前に置かれたハンバーグからは、良い匂いが漂っている。
一方通行は何を考えるでもなく、日常の一ページとして垣根の手料理を受け入れた。
もはや、脅されて生活を共にしているのか、生活を共にしている中で脅されていると自分に言い訳しているのか、わからない。
「まずくはねェな」
「ならいい」
安堵の笑みと共に、垣根は食事を進め、勧める。
一方通行は黙々とハンバーグを食べながら、自分の人生を振り返った。
クソみたいな人生だった。
研究者に散々使われ、いいように従わされて。
そんなつまらない人生で、垣根と出会った。
車椅子を必死に押して近づいてくる彼と、友人になった。
話して、笑い合って、ときに苦しみを愚痴りあい。
『レベル6シフト、か』
無敵になったら、もう誰も傷つけないで済むな。
そう言って。
自分の本心を理解した上で、垣根は微笑んで応援してくれた。
実験が終わったら、あんなことをしよう、こんなことをしよう。
誰も狙いに来ないのだから、平穏に変わった日々を楽しく過ごそう。
最初は、普通だったはずだ。
いつしか、自分達は歪んで、おかしくなっていった。
「なァ、垣根」
「んー?」
水を口に含み、垣根が首を傾げる。
一方通行は、乾いた唇を舐めた。
唾液で少しだけ濡らして、彼は言う。
「何で、オマエは俺が好きなンだよ」
からん
垣根は、思わずフォークを取り落とした。
みるみる内に、整った顔が赤く染まっていく。
「な、なんっ、なんだよいきなり」
「気になっただけだっつゥの」
途中までは、友人だったはずだ。
普通に物事を考え、お互い普通の少年だったはずだ。
自分にとっては、あの実験。
垣根にとっては、自分への恋慕。
きっかけは何だったのか、とぼんやり気にする。
「きっかけか。…難しいな」
好きなものは好き。
一言に集約される現実を丁寧に説明するのは、なかなか難しい。
小説だったら一行で済むところを、作文にしろと言われているようなものだ。
「まあ、でも、俺にとっては一方通行が全てだから」
「………」
「お前が居れば、何だっていい」
一方通行にしか認めてもらえなかったから。
ぽつりと漏らす垣根は寂しそうで。
同情に似た何かを想う。
それと同時に、一方通行の脳裏に、打ち止めの死した姿が蘇る。
「じゃあ聞くが」
「?」
「オマエ、俺が死ねって言ったら、死ぬのか」
一方通行の問いかけに、垣根は困ったような顔をして。
それから、ほんの少しだけ、泣きそうな顔をした。
「やっぱり、俺のことは、嫌いか?」
「……、好きじゃねェ」
「でも、俺が死んだら後悔すると思うぜ?」
寂しそうな声。
「試してみるか」
今更になって憎悪がこみ上げ。
一方通行は、おもむろに立ち上がる。
右の毒手を、垣根帝督の首へと伸ばした。
未元物質による介入があるかもしれないが、構わない。
もう、こんな狂った生活は終わりにしてしまいたい。
本当はわかっていたはずだ。
例え未元物質で蘇生させられた妹達が生活していたとしても。
それは模造品であり、違う生き物であり、彼女達本人ではないのだと。
垣根帝督は彼女達を殺した。
その事実には何の変わりもない。
自分を誤魔化すのは、もうやめにしよう。
能力は完全な状態へと戻っている。
このチカラで。
垣根帝督を殺し、自分も死んで、全部終わりにしよう。
首を絞められ、今正に殺されようとしながらも。
垣根はうっすらと笑っていた。泣きそうな顔で、わらっていた。
腕が伸ばされる。
反撃かと身構える一方通行の髪を、垣根の手が撫でた。
「好きに、しろよ」
お前が選ぶことに、俺は逆らえないから。
一方通行は、ひと思いに、手に、力を込めた。
首の骨が折れる、ゴキリという、嫌なおとが、して、
今回はここまで。
規制問題大丈夫でした。お騒がせしました。
いよいよクライマックスです。
>>310
イーモバイル端末なのでイーモバイル以外の端末による投稿を挟まないとSS投下出来ないのです。
投下。
一方通行は、目を覚ました。
真っ白な天井は、恐らく病院のそれだろう。
酷く無機質で生活感の存在しない天井。
病院と研究所は酷く似ているな、と一方通行は思う。
「……、」
手に、生々しい感触は存在していない。
何もかもが夢だったかのようだ、と思う。
「…は、」
こひゅ。
自らの呼吸音に違和感を覚える。
一方通行は、そっと視線を自らの口元へ向けた。
人工呼吸器らしきものが取り付けられている。
首には、白いチョーカー型演算補助の機械。
「…あァ、そうか」
全て、思い出した。
全ての戦いが終わって、数年が経って。
多くの手続きを経たが、打ち止めは晴れて中学生になることが出来た。
似合うかな、と制服を着ては自慢していた姿。
髪は切らずに伸ばし続けた為、彼女はかつて実験に使われた妹達とは似ておらず。
それでもトラウマを若干刺激されながら、一方通行は彼女の日常を支えていた。
番外個体は大学に入り、自分のやりたいことをやっていた。
IDを不正入手するには多くの金と面倒がかかったが、それでも構わない、と一方通行は思っていた。
彼女達の手に入れた平穏は、学生生活は、それとなく続いていく筈で。
いつしか自分のことを憎悪の対象と思うだけになったとしても、構わないと割り切った。
『じゃあミサカ達調整に行ってくるから』
『行ってきます、ってミサカはミサカは手を振ってみたり』
『おォ』
適当な返事を返したのは、いつだったか。
夏過ぎの頃だったかもしれない。ちょうど、打ち止めを救って間もない頃と重なった。
彼女達は連れたって病院へ行き、調整を受け。
それから数日後。
調整の甲斐なく、死んだ。
呆気ない幕引きだった。
想像していなければならないことだった。
元より、妹達の寿命は短かった。
御坂美琴の寿命マイナス提供年齢、それを二で割った数。
彼女達が生きることが出来るのは、最大にしてその年数だけ。
にも関わらず急激に成長させれば、身体はおかしくなる。
何度調整しても、最初の過ちがあった時点で、彼女達の早逝は確定していたのだ。
ようやく手に入れた学生としての生活を。
彼女達は、幸せそうに謳歌していたはずだった。
実際、二人の自慢とも愚痴とも呼べる下らない話を聞くことを、一方通行は楽しんでいた。
そんな資格はないとは思いながらも、幸福だと感じていた。
これから先だって、ずっとそんな下らない毎日が続いていくと、信じていた。
愚かだった。
それでも、失望はこらえきれなかった。
やがて、時を同じくして、妹達は倒れ始める。
アレイスターを倒した今、彼女達を精一杯保護する者はいないし、方法は無い。
どうにかならないものかと足掻き、足掻き、しかし、一人たりとも救えないままに。
とうとう、一方通行は、演算機能を喪った。
代理演算をする脳が存在しなくなった。
即ち。
妹達は、一人残らず、その命を亡くした。
誰を恨むことも出来ない。
神様が決めた寿命によって、彼女達は逝った。
一方通行の演算能力は、垣根帝督———かつてカブトムシ05と呼ばれた白い少年が担うことになった。
多くの脳を作り出し、ミサカネットワークと同じように同一人物の脳波を用いて。
思考能力を取り戻してしまった一方通行は、現実を認識した。
しっかりと認識して、絶望し、失望し、落胆した。
『何で俺を生かした。廃人同然の俺なンざ、学園都市にゃ必要ねェだろ』
殺してくれ、と暴れまわる彼を、優秀な医者は止めた。
患者の命は何であれなるべく一番良い状態に戻す、冥土帰しという医者が。
死ぬ事さえ許されないのなら、せめて現実から逃避したい。
一方通行はそんな思考に至り、劇薬を多量に服用した。
死んで、あの世というものがあるとしたら、あるいは、彼女達に謝罪出来ると信じて。
結果として、彼は死ねなかった。
彼は病院に担ぎ込まれ、今の今まで眠り続けていた。
人工呼吸器を取り付けられて。
「…そォ、か」
一方通行は、ひっそりと悟る。
夢の中、あの垣根帝督は、自分の理想と現実を体現していた。
理想は。
もしも、自分を認めてくれる幼い頃からの友人が本当にいたのなら。
実験など受け入れなかった。そうだ。どうして違和感を覚えなかったのだ。
誰かに愛してもらえ、無条件に受け入れられ、決して傷つけられない。
下らない幻想。子供の頃の夢。
現実は。
妹達が次々と死んでいく。
自分には決して救えない。
演算補助装置が未元物質によるものに切り替わる。
自分はそれを拒絶出来ない。
いくら垣根が第二位とはいえ、打ち止めをとらわれれば、自分は立ち向かった筈だ。
にも関わらず、殺すことを許してしまったのは、彼女が死んでいることを本当は把握していたから。
既に起こったことは変えられないから、自分は夢の中でその"過程"を変更したのだ。
『お前が選ぶことに、俺は逆らえないから』
垣根帝督は笑っていた。
泣きそうな顔で、優しく、優しく笑っていた。
「……確かに、言ったしなァ…」
オマエが、この世界のどこかに生きた証を望むなら。
俺が、その爪痕になってやる。
垣根にそう告げて、実際、自分は彼のことをしっかり覚えていたのだろう。
打ち止め達が死んだ行き場の無い悲しみや恨みをぶつけられ。
自分が望むだけの愛情を与える存在へと堕とされ。
夢の中のあの少年は、それでも、幸せそうに笑っていた。
『お前は人殺しなんかじゃねえ。 俺が保証する。
俺だって人殺しじゃねえんだから。もう苦しむ必要なんかねえんだよ』
自分が欲しかった言葉を優しくかけて、垣根は泣いていた。
自分の代わりに。
未元物質で妹達は蘇り、自分を愛してくれる人間と共に暮らす。
現実的に考えればありえないし、都合が良すぎる話だが、自分はそれを望んでいた。
その相手として選ばれたのが、自分が最期を看取った垣根帝督だった。
「………垣根」
人工呼吸器が邪魔だ。
鬱陶しいそれを取り外して、枕元に置く。
一方通行はふらふらと立ち上がり、スリッパを履いて。
壁伝いに弱った脚を動かし、窓へと辿りついた。
元々ガリガリだった自分の体は、ますますやせ衰えている。
「………」
思い返すのは、垣根の言葉。
『でも、俺が死んだら後悔すると思うぜ?』
一方通行は窓の鍵を開け、小さく笑った。
「…そォだな。後悔する羽目になっちまったよ、クソッタレ」
現実から逃避した先の夢で好き勝手やって、してもらって。
そんな歪んだ幸福な夢から逃げて、現実に戻ってきて。
これでは頭のおかしいアリスだな、と一方通行は自らをあざ笑う。
微妙に涼しい風を顔に浴びる。
雨が降りだしそうに暗い空は、真っ黒だった。
「……」
無言のままに。
指先を自らのチョーカー型演算補助機に触れさせる。
そのままスイッチをスライドさせれば、演算能力はフルとなった。
「……じゃァな」
反吐が出る世界に捨て台詞を吐き出して。
一方通行は、今まで妹達を殺してきたことを思い出す。
実験内容を思いだしながら、それを自分に適用した。
人とは呼べぬ酷い死体へと変わっていきながら、一方通行は願った。
もう一度だけ、あの狂った世界でいい、戻りたい。
妹達が生きていて、贖罪気取りで生きていられた世界に。
自分を愛する少年が笑っていた、幻想の中に。
病室には、奇妙な肉の塊だけが、遺っていた。
今回はここまで。
次回最終回です。
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