少女「あちー」(17)

男「少女・・・扇風機を返してくれないか?」

少女「・・・あつい」

男「お前夏休みの宿題やってんのか?」

少女「やる気はあるけど、暑くてそれどころじゃない」

男「勝手に俺のアイスまで食いやがって・・・」

少女「期限切れそうだったから食ってやったんだろうが」

男「お前さ、ちょっとダラけ過ぎじゃないのか」

少女「とは言うけどね」

少女「人間は元々ダラけた生き物だから・・・いいよね、男には宿題がなくて」

男「今日も残業だったよ」

少女「クーラー効いた社内で、でしょ」

男「俺がつけたクーラーじゃねえし」

少女「それに男のところは残業代出るけど、宿題は出ないじゃん?」

男「あのな・・・そういう問題じゃねえだろ」

少女「あー、カタい話してたら急に頭痛が・・・よっこらせ」

男「どこ行くんだ」

少女「散歩」

乞食「・・・・・・」

少女「うわ・・・あのジジイがいる・・・」

乞食「ん?」

少女「ひっ!」

乞食「金を・・・金をくれんかのう・・・・・・」

少女「か、金なんて持ってない」

乞食「何か金目のものは無いかぇ?」

少女「無い!無い!!」

乞食「持ってるモン全部見せな」

少女「持ってる物と言っても・・・鼻かんだティッシュとか、拾ったビンの蓋とか、キャラメルの包み紙とか・・・」

乞食「ふぅん・・・」

少女「じゃあ、これでさよなら!・・・・・・もうっ」

少女「ハア・・・ハア・・・・・・アア・・・」

少女友「wwwwww」

少女「あ・・・」

友「オッサンいたでしょ」

少女「うん、おっぱいさわられた」

友「だいじょぶ?汗だくだけど」

少女「ハア・・・あっつ・・・」

友「ところでさ、宿題どこまで進んだ?」

少女「やってないよ」

少女「今エアコン壊れててさ、あっついんだよ」

友「そっか、じゃあうち来る?エアコンちゃんと動くしアイスも腹壊すほどあるから」

少女「うん、そうする」

友「じゃ、先に行って部屋冷やしとくね」

少女「よろ」



友「前に腹壊した時は危なかったな」

友「水泳指導中に下痢便漏れそうになって、必死に我慢してたんだ・・・。」

少女「来たよー」

友「入って、入って。鍵開いてるから」

少女「お邪魔します」ガチャ

友「今日親が留守だからさ、いつも以上に寛いで行ってよ」

少女「そっか」

友「じゃ、初めよっか」

少女「あ、もう半分以上終わってんだね」

友「クーラーのおかげでね」

少女「9×6って何だっけ」

友「・・・九九くらい覚えたら」

少女「繰り上がりの足し算もできないのにかけ算なんて無理だよ」

友「じゃあさ、9×3は何だか分かる?」

少女「え?27でしょ」

友「それを二倍すると、答えは?」

少女「・・・・・・・・・・・・・・・・・64、かな」

友「たぶんそれで合ってる」

少女「疲れたー」

友「一問で!?」

少女「アイス貰うよ」

友「マイペースにも程があるだろ」

少女「アイスうまい」

友「私もう終わったから、これ見て写して」

少女「センキュー」

友「少しは自分で努力しろよ・・・」

少女「まあね・・・」

友「ノート移すのだって本当はダメなんだからね」

少女「そりゃそうだけど・・・」

友「そうだけど?」

少女「ダメって分かってても、誰かに怒られないと納得できないんだよね・・・」

友「自白してお説教してもらえばいいじゃん」

少女「それは怖いしなあ・・・」

友「まあでも、少女だからしょうがないか」

少女「ってか現に努力しても報われなかった奴って大勢いるんでしょ」

友「そうだね」

少女「巡り合わせが悪いなら努力しても意味ないよ」

友「少女頭悪いからな」

少女「そう、だからマジメに勉強しても意味ないってこと」

友「言い訳完成!」

少女「言い訳じゃないよ、本当のこと言ってるだけ」シャリ

友「また食ってんのかよ!」

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