陽介「相棒、お前好きなやつとかいんの?」悠「……ああ」(89)

全員「!?」

悠「……」ズズッ

陽介(やべぇ、こいつはやばいぜ相棒…)

陽介(もうすぐ悠もこの街から出てっちまうし)

陽介(軽い気持ちで言ったことがこんな緊張感を生むとは……)

陽介(おいおい、さっきまで和気藹々としていた空間が、一気に愛憎まみれた昼ドラ状態に……)チラ

千枝(だ、誰なんだろ…あたしじゃないだろうし)

雪子(私、結構モテるし、案外鳴上君も……)

りせ(悠先輩がわたしのこと好き!?そ、それならもっと早く言ってくれればいいのにぃ)

直人(ぼ、僕は……でも完二君はどう思うんだろう…)

完二(ま、まさか俺なのか!?そう言われっと最近視線を感じなくも無ぇような……)

クマ(せ、先生…でも、先生ならクマは…)

陽介(って…後半の奴らの表情はオカシイだろ!常識的に考えて!)

悠「……ん?みんなどうしたんだ?」

陽介(しかも本人が口火切っちまった!)

全員「………」

陽介(そりゃあそうだ…ここで玉砕しようもんならトラウマコースまっしぐらだぜ…)

陽介(繋げる訳がねぇ…)

陽介(このままだと、せっかく纏まった絆にヒビが入っちまう)

陽介(よし、相棒、分かったぜ)

陽介(相棒がしでかしたミスは、俺のミスでもある!)

陽介(何とかしてお前の口から、本命を暴いて…)

陽介(んで、スッキリこの話題を終わらせてやるぜ)ギラ

悠(陽介がギラギラした目で見てくる…)

悠(…そっとしておこう)ズズッ

陽介「な、何だよ相棒!水くせーじゃねぇか」

悠「何が?」

陽介「ほら、好きな奴いんだろ?」

陽介「向こうに戻る前に、想いくらい伝えた方がいいんじゃねえか?」

りせ(花村先輩ナーイス!)

悠「…別に」

陽介「あ?何か理由でもあんのか?」

悠「…結構頻繁に会ってるから、それでいいかな」

陽介(!!これは間違いねぇ)

陽介(相棒の想い人はこの中にいる!)

陽介「それなら、尚更言っとけよ」

陽介「遠距離になっちまうけど、そいつも相棒の告白を待ってるかもしれねーぜ?」

悠「…そうかな」

雪子「そ、そうよ鳴上君」

りせ「絶対言ってあげた方が喜ぶと思います!」

完二「いつもの先輩らしくないッスよ」

陽介(最後は引っかかるが、やっぱりみんな乗り気だな)

陽介(そうだぜ、蟠りが残ったまんまじゃいつかギクシャクしちまうもんだ)

陽介(なあ、分かってんだろ、俺の言いたいことが…)ギラ

悠(また陽介が熱い視線を送ってきている)

悠(……そっとしておこう)ズズッ

悪いが電池がない。気になるなら保守を頼む。構成も考えたから適当に書くつもり。

落ちそうになったら上げといて。基本はアニメ基準だから。ではー

菜々子は殿堂入り

陽介(けど実際状況は決して好転してねぇ)

陽介(もしこのメンバー外の奴なら全員が振られるが、仲間内の結束は意外と強まる目もあった)

陽介(だが、結果としてこの中の一人だけが相棒の気持ちを受けられる訳だ)

陽介(……誰になってもフォローは難しい)

陽介(つーことは、ここから強引に話を切るくらいしか穏便に済ます方法はねーんだ)

陽介(けど……)

雪子「……」ジッ

りせ「………」ジィッ

千枝「……」チラ

完二「……」

直人「……」ドキドキ

クマ「ん?どしたんだ?ヨースケ」

陽介(正直クマ以外の連中がマジ過ぎる…)

陽介「な、なあ相棒」

悠「ん?」

陽介「お前としては、直接言う気は無いんだよな?」

悠「……まあ」

陽介「じゃあさ、ヒントだけ出してくれよ」

悠「ヒント?」

陽介「そいつが大人しいとか、活発とかさ」

りせ「あー、それわたしも聞きたーい」

陽介(よし!乗ってきた)

陽介(直接くっつくところさえ見なければ比較的傷は浅い)

陽介(それに、全く違っちまえばそっと諦められる)

陽介(我ながら完璧な誘導だぜ…)

残念ながら書き溜めないんだ。期間も空くかもしれん。気付いたらあげといて欲しい。

てかとうとう書き手認定きたか。嬉しいが臭くならん程度になー。俄かだからバリバリ突っ込め。電池ないから明日になるけど、多分短く三連作くらいで考えてる。推理しながら待てー。

バレルルはくさやみたいな存在だと思ってる

>>19
上手いこと言うな、うん。嫌いな奴はとことん嫌いだけど、好きって物好きもいるみたいな。

まあ臭くないssなんて深夜でも溢れてるからそっちいってくれや。僕は構わん。

陽介「んじゃ、とりあえず特徴一つあげてみてくれよ」

悠「え……いや、それは…」

陽介「軽ーいヒントでいいからよ」

陽介「頼む!この通り」

悠「…どうしてそんなに必死なんだ?」

陽介(てめーのせいだろうがぁぁぁぁ)

陽介「ま、まあこのメンバーで色恋って、意外と無かっただろ?」

悠「あったじゃないか」

陽介「俺のは無しだ」

悠「そうか」

陽介「とにかく、学生らしくそういう話題もしてみたいんだよ」

悠「…まあ、そういうことなら」

陽介「よしよし、バシッと頼むぜ、相棒」

悠「……料理は得意じゃない」

陽介「は?」

悠「だから、ヒント」

陽介(おーい、それじゃあお前以外全員そうなっちまうだろうが)

陽介(確かに普通なら少し絞られそうだけど)チラ

千枝「……」キラン

雪子「……」キラン

りせ「……」キラン

直人「……」⁇

陽介(女性陣は当然のことながら反応してるし…)

陽介(まあ自覚してきた分マシなんだが、今回は裏目に出たな)

陽介(直人は表情読めねーが、まあ候補から外れるほど料理のイメージもねぇ)

陽介(前進は無しだな)

陽介(しゃーねー、こうなったら攻めるのみだ)

陽介「おいおい、んなこと言ったらお前以外全員当てはまっちまうだろ」

悠「……まあ」

千枝「うっ」グサ

雪子「ぐふっ」グササ

りせ「くぅっ…」グサササ

陽介(許せ……これもお前たちの為なんだ)

陽介「もう少しわかるやつにしてくれよ」

陽介「ほら、そいつのどういうとこが好きなのか、とかさ」

悠「どういうところ?」

陽介「あんだろ、性格とか色々さ」

悠「うーん……」

陽介(頼む、この際直球のがありがたいんだ)

悠「…とりあえず見た目は好みだな」

全員「!?」

陽介(おーい、また爆弾投下するんじゃねーよ!)

陽介(むしろ自覚どうこうの問題じゃなくなっちまった)

陽介(直球だけどファールなんて笑えないぜ…)

陽介(いつものコミュ力を取り戻してくれよ!相棒…)

悠「ダメだったか?」

陽介「え!?」

悠「いや、結構直接的なことを言ったと思ったんだけど」

陽介(ダメとかダメじゃないとか以前に、これじゃあルックスバトル勃発じゃね?)

陽介(現に….)チラ

千枝(鳴上君の好みか……)

千枝(そういえば一時期海老原さんと付き合ってたっけ…)

千枝(やっぱり派手な感じとかかな)

雪子(確か鳴上君って私のシャドウが出た時に結構食いついてたって花村君言ってたよね…)

雪子(少なくとも嫌いではないってことよね)

りせ(まあ天城先輩は強敵だけど、でもわたしが一番可愛いはず!)

りせ(だてにりせちーなんてもて囃されてないんだから)

りせ(やっぱり、悠先輩はわたしのことを……)

完二(見た目か…)

完二(俺はお世辞にもいい面してねぇし、まあ当然俺ではねぇだろうな…)

完二(って、何ヘコんでんだ俺は!)

直人(ふむ、現在のところだれかが外れたという訳ではない……)

直人(もっとも、僕みたいな人間を好きになる物好きがいるとは思えないけれど)

陽介(思惑が透けて見えそうだぜ…)

陽介「ほ、ほらそういうのって個人の自由みたいなとこあんじゃん?」

陽介「こう推理しがいがあるっつーか」

悠「…別に言いたい訳でもないし」

陽介「ま、まあそれは置いといてっつーことで」

悠「うーん……」

陽介(そうだ、そもそも無理矢理言わせようとしてんだから強気はダメだ)

陽介(落ち着け花村陽介、これは俺と相棒の魂のぶつかり合いなんだぜ?)

陽介(まともにやって勝てる相手じゃねー、慎重に、かつ大胆に、だ)

悠「気遣いができるな」

陽介(………)

陽介(よし!堪えた!偉いぞ俺!)

陽介「そ、そっか、気遣いね」

悠「人のことをよく見ているというか、困っている人を放っておけないというか」

陽介(お?これは意外といいところまで話してくれたな)

陽介(気遣いっつったら、天城屋で接客やってる天城は結構ポイント高いだろうし)

陽介(りせだって空気の読めるやつだ、芸能人はそういうの大変そうだしな)

陽介(逆に直人なんかはその辺りのアピールは殆どない)

陽介(完二も候補に入れると……まあ困ってる奴は放っとかないか)

陽介(里中は……自由奔放タイプだから期待薄か)

陽介(これで、候補は天城、りせ、完二くらいだ)

クマ「気遣いといえばクマだクマ!」

陽介(こいつは問題外でいいだろ)

陽介(順当にいって、候補は天城とりせに絞られたといっていい)

陽介(何か今日の俺冴えてね?)

陽介(最初の料理で言っても、もしかしたら相当濁した結果かもしれねーしな)

陽介(だとすれば、マニュアルタイプの直人は完全に外れるだろうし)

悠「……すみません、コーヒーおかわりで」

陽介(あともう少しパーツがあれば答えは出る)

千枝「……」チーン

直人(やはり僕は違うようですね)

直人(完二君はどんな顔をしているんだろう)チラ

完二「……」チーン

直人(……見なかったことにしておこう)

陽介(とりあえず思惑通り自主的な諦めが始まってるっぽい)

陽介(出来るだけ傷は浅くしてやるのが、相棒としての俺の努めだからな)

陽介(つーことは、あと一押しもしてやるか)

りせ(わたしか天城先輩か、これで決まりっぽいよね)ギラ

雪子(鳴上君、私は待ってるよ)ギラギラ

悠(二人から並々ならぬ執念の籠った視線を感じる……)

悠(……そっとしておこう)ズズッ

悠「もうこれでいいか?」

陽介「いやいや、ここまで来たらもう少し教えてくれよ」

陽介「な?俺も協力するからさ」

悠「…それなら個人的に…」

りせ「えー、気になりますよ、悠先輩!」ガタ

雪子「そ、そうだよ、鳴上君!」ガタ

悠「え?そうか?」

りせ「うん、別に名前は言ってくれなくていいから」

雪子「ほら、きっとその人も続き気になってるよ」

りせ&雪子(私達とかね!)

陽介(よし、乗っかっていくか!)

陽介「そうだぜ相棒」

陽介「俺たちの絆は、そんな色恋だけじゃ壊れない」

陽介「だろ?皆?」

全員「…」コクッ

悠「……そうか、そうだよな」

悠「それなら、俺が好きなのは……」

陽介「わー、待て待て!」

悠「どうしたんだ、お前が言えって言ったんじゃないか」

陽介「そ、そりゃそうだけどよ」

陽介(それじゃあ慎重にことを運んできた意味が無くなるだろーが!)

陽介「ヒントで良いって」

陽介「お前も少しは恥ずかしいだろ?」

悠「……まあ、な」

陽介「んじゃ、ヒントくれよ」

悠「そうだな……」

陽介(もしかしたら、これで決まるかもしれねーんだ)

陽介(皆、恨みっこ無しで頼むぜ)チラ

全員(……)コクッ

悠「うん、かなりギャップがある感じだな」

陽介「ギャップ?」

悠「ああ」

悠「そういうところもいいんだけど」

陽介(なるほど、ギャップか)

陽介(となると、軍配は天城だな)

陽介(かなりの笑い上戸に酔った時の感じ)

陽介(ギャップっつったらあいつしか…)

完二「……!!」カッ

直人「……!!」カッ

陽介(いたー!!めちゃくちゃギャップのある奴らがいたぜ)

陽介(確かに、この面子でこいつらよりギャップのある奴なんて存在しねぇ)

陽介(おいおい、実はマジで完二なんじゃねぇか?)

陽介(料理は悠基準で言えば皆苦手みてーなもんだ)

陽介(また謎が深まっちまうとはな)

悠(何故か、期待と落胆の視線を同時に感じる)

悠(……そっとしておこう)ズズッ

悠「あ、それとこれもあるかな」

陽介「お?何だ何だ?」

陽介(相棒の口も回って来たな)

陽介(さっきのでごちゃごちゃしちまったこの状況)

陽介(何とか打ち破ってくれよ!)

悠「誰とでも分け隔てなく接してる」

陽介「おお!それって結構ヒントデカくね!?」

悠「つい本気を出してしまった…」ドヤァ

陽介(なんで相棒が自慢気なのかはこの際置いておこう)

陽介(こうなると、天城は微妙になる)

陽介(里中やりせは男子にも女子にも割とフラットに話せるし)

陽介(直人もそういうタイプだ)

陽介(つーことは、その基準がある中での分け隔て無さは他の面子には無ぇってこと)

陽介(それを言いたいんだろう)

陽介(今んとこ、りせが一番当てはまるな)

陽介(よくよく考えてみれば、アイドルりせちーと今のりせは自然体ってこともあってギャップがある)

陽介(ストリップの話にも食いついてたしな、相棒)

陽介(そのりせは……)チラ

りせ「悠先輩……」キラキラ

陽介(こりゃあ完全に勝ちを確信してんな)

陽介(でも、決まりだろうな)

悠「……」

陽介(相棒、そういうことなら、俺たちも文句は無いぜ)

陽介(遠距離はキツイだろうけど、全力でサポートしてやんよ!)

悠「ん?何だか変な空気じゃないか?」

陽介「そんなことねぇよ、相棒」

陽介「皆、何となく分かっちまったのさ」

悠「え?そうなのか?」

全員「……」ウンウン

悠「参ったな、そうか」

悠「一応最大ヒントまで考えていたんだけど」

陽介(なんだかんだ乗り気になってねーか?)

直人「まあ、僕の予想が正しいかは分かりませんが」

直人「よろしければ、そちらの最大ヒントをお聞かせ願えませんか?」

陽介(直人、お前……)

陽介(そうだよな、ここまで来たら最後は決めてもらいてーよな)

陽介(全員覚悟はできてる)

陽介(相棒、よろしく頼むぜ)

悠「それじゃ、最大ヒント行くぞ」カッ

陽介「いや、そんなキメ顔はいらねーけどさ」

悠「そうか?」

陽介「ほら、スパッと言っちまってくれ」

悠「……では改めて」

悠「…実はこっちに来たばかりの時から親しくしてもらってる」

全員「!!!!????」

陽介(な、なんだと!?)

陽介(つーことは、後輩組は全員外れじゃねーか!)

直人(やはり、そうでしたか)

直人(確かに、これは言いにくいはずだ)

陽介(待て待て、こりゃあヤバイ)

陽介(!そうだ、りせは……)バッ

りせ「………」チーン

陽介(か、完全に意気消沈しちまってる……)

陽介(そりゃそうだ、さっきまで勝ちを確信してたんだからな)

陽介(こいつは効くだろ)

悠「これでヒントは終わりだな」ズズッ

悠「直人、お前はもう分かってるんだろ?」

直人「はい、わかりました」

悠「それじゃ、もういいかな」

陽介(おい、俺には全然わかんねーって!)

陽介(と、とにかく整理するんだ)

陽介(料理が苦手で、見た目が好みで)

陽介(気遣いが出来てギャップがあって)

陽介(分け隔てが無くて来たばかりの時から親しくしてるやつ)

陽介(そんな条件に当てはまる奴なんて……)

陽介(……ん?待てよ)

陽介(まさか、いや、そんなはずは……)

陽介(でも、こんな条件に当てはまる奴なんて……)

陽介(まさか、相棒)

陽介(お前の好きな奴って……)









陽介(……俺、なのか?)

陽介(おいおい、それは完全に外してた選択肢だ)

陽介(相棒、合図でいい、何かくれよ!)ジッ

悠(陽介が何か意味のある眼差しを向けてきている)

悠(とりあえず微笑んでおこう)ニコッ

陽介(!!こいつは間違いねぇ!)

陽介(そうだったのか、そういうことかよ相棒)

陽介(そりゃあ言いにくい訳だ)

陽介(ごめんな、相棒、気付いてやれなくて)

陽介(確かに俺は料理苦手だし、チャラく見えっけど悩み症なとこあるし)

陽介(でもこうやって気遣いとか出来るとこもあるし、分け隔て無ぇし)

陽介(何より、最初の頃からずっとダチだもんな)

陽介(そんな俺に誰か何て聞かれて、きっと傷付いたよな)

陽介(思えば、文化祭の時とか、結構マジだったんだな……)

陽介(あの時の熱い視線、今でも覚えてるぜ)

陽介(……でも悪いな相棒)

陽介(お前の気持ちに応えることは、俺には出来ねぇ)

陽介(そりゃあお前は最高のダチで、相棒で)

陽介(お前の為なら命懸けで戦えっけど)

陽介(俺、ノーマルなんだ)

陽介(だが心配すんな、こんなとこで振ったりしねぇよ)

陽介(もっとこう、雰囲気のいい店とかでさ、じっくり話し合おうじゃねーか)

陽介(んで、そういうとこなら、もしかしたら俺の気持ちも変わるかもしれねぇ)

陽介(いいだろ?相棒)キラキラ

悠(陽介が熱い視線を送ってきている)

悠(とりあえず微笑んでおこう)ニコッ

陽介(…それでこそ、俺の相棒だ)

陽介(分かったぜ悠、それがお前の気持ちなんだな)

悠「それじゃ、そろそろいいか」

悠「皆も、このままじゃスッキリしないだろ?」

悠「俺、ここで気持ちを伝えるよ」キリ

陽介(お、おいおいマジかよ、相棒)

陽介(い、イキナリなんて気持ちの整理つかないぜ)

悠「直人、行けると思うか?」

直人「ええ、きっと大丈夫です」

直人「花村先輩も、気付いたんでしょう?」

陽介「え!?」

直人「先程から居心地悪そうにしていましたから」

直人「さすが相棒を名乗るだけはありますね」

陽介「ま、まぁな」

悠「そうか、陽介も分かっているのか」

悠「それなら、もういいよな」

悠「俺の男らしい姿、見ててくれ」

陽介「お、おう!任せとけ」

陽介(……よし、俺も覚悟を決めた!)

陽介(バッチコイ、相棒!)

悠「俺が好きなのは……」

陽介「お……」

雪子「……」ドキドキ

りせ「……」

完二「……」ドキ

直人「……」

クマ「センセー!言うクマー!」








悠「……里中、お前だ」

陽介「え?」

雪子「え?」

直人(……やはり)

千枝「あ、あたし!?」

悠「ん?何で陽介は驚いているんだ?」

陽介「い、いや、驚いてねーよ」

陽介(本当はめちゃくちゃ驚いてっけど)

千枝「鳴上君、ドッキリとかじゃなくて?」

悠「そんなの、こんな場面で言えるわけ無いだろ?」

悠「俺の本心だ」

雪子「ま、……」

りせ「……負けた…」

完二「そうだったのか」

直人「確かに、今更言うにはお二人とも友達としての時間が長すぎましたから」

直人「でも、僕は素敵なカップルになれると思います」

陽介「で、でもヒントを考えたら……」

直人「それでは、僕が解説しましょう」

直人「いいですか?」チラ

悠「ああ、構わない」

直人「まず初めの料理が苦手という点」

直人「この時点で僕は外れたも同義でした」

直人「僕から見ても、里中先輩、天城先輩、久慈川さんはお世辞にも料理が得意ではありませんから」

千枝「ぐっ」

雪子「うっ」

りせ「もう、酷い!」

直人「次の見た目は、ヒントではありませんね」

直人「御三方とも容姿は優れていますから、甲乙はつけられません」

千枝「……なんだろう、ちょっとドキっとしちゃった」

雪子「わ、私も…」

りせ「まあアイドルやってたし」

直人「次のギャップも、同じ理由でヒントにはなり得ませんでした」

直人「僕が注目したのは気遣い、という点です」

直人「実はこの時点で、天城先輩か久慈川さんだと思っていました」

りせ「そうなの?」

直人「ええ、里中先輩には申し訳ないですが」

直人「総合的な気遣いを考えた時、二人はハイレベルなものをお持ちですから」

千枝「そ、それはそうだよね」

直人「しかし、ギャップというところで少し思い留まったんです」

直人「それは、あくまでこれが主観によるヒントだということを思い出した瞬間でもありました」

クマ「どういうことクマ?」

直人「つまり、万人がどうこう、という問題では無かったということだよクマ君」

直人「」

直人「言葉では言い表しにくいことですが」

直人「この気遣いというのは、友情的な側面の強い話なのではないか、と疑問が生まれました」

直人「ギャップという話題をわざわざ出したところもそうです」

直人「僕らは影を通してそれぞれの言わばギャップを知っています」

直人「つまり、ギャップというのは性格的、外見的なものではなく、態度や言動によるものなのではないかと」

直人「そこで、里中先輩を候補にもどした結果、残りの分け隔ての無さと来たばかりの頃から親しくしているというヒントが出て」

直人「推理は確信に変わった、というわけです」

直人「まあ、何分人間の感情の問題なので不安ではありましたが」

陽介(こいつのカットインはそれに気付いたからだったのかよ…)

悠「さすが直人、そこまで読まれていたなんて」

直人「いえ、これはパズルのようなものでしたから」

直人「それより、里中先輩」

千枝「え?何?」

直人「お返事、してあげるべきじゃないですか?」

直人「ねえ?」

悠「……ああ、聞かせて欲しい」

悠「正直な気持ちを」

千枝「え、えーっと……」

千枝「ここじゃなきゃ、ダメ?」

雪子「ダメよ、千枝」

千枝「ゆ、雪子」

りせ「そうですよ!」

完二「先輩の漢気に応えてあげて下さい!」

千枝「み、皆も……」

悠「里中……」

千枝「……ああもう!分かったから」

千枝「……です」

雪子「千枝、聞こえないよ」

千枝「……っ!!」

千枝「だから、あたしも、です」

りせ「何があたしも、なんですかー」

千枝「うう」

千枝「……あたしも、鳴上君のことが」

千枝「……好き、です」

悠「ほ、本当か!?」

千枝「こんなとこで嘘つかないよ!」

雪子「おめでとう、千枝」

りせ「悔しいけど、お幸せに!」

完二「何となくホッとしたぜ」

直人「完二君は狼狽えすぎでしたよ」

完二「う、うろたえてねぇよ!」

直人「はいはい」

クマ「おめでたいクマー!」

りせ「それじゃあ、カップル成立記念に、皆でパーティしよう!」

雪子「うん!ウチの旅館でお泊まり会ね」

クマ「い、いいのかクマー?」

雪子「次覗きをしたら、手のひらを料理するけどね」

完二「あれは俺達のせいじゃ……」

雪子「何?」

完二「すんませんっした」

直人「か、完二君……」

りせ「ほーら、悠先輩も千枝先輩も、早く早くー」

悠「ちょ、ちょっと……」

千枝「歩く、自分で歩くから!」

わいわいがやがや……

陽介「……」

陽介(いや、これでいいんだぜ?)

陽介(相棒も上手くいったし、嬉しいよ)

陽介(けど……)

陽介「何だよこの妙な悔しさはよー!!」

クマ「?変なヨースケ」

クマ「ほら、早くしないと置いてくクマよ?」

陽介「待てよ、俺も行くって!」

~天城屋旅館 夜~

悠「……里中、こんな時間まで起きてたのか」

千枝「な、鳴上君」

悠「外は冷えるぞ」

千枝「……うん、少し肌寒いけど」

千枝「何か、まだ実感湧かなくて」

悠「……」

悠「……これでもか?」ギュッ

千枝「わ、わわわ…」

悠「ほら、これなら寒くないし」

悠「実感も湧くかと思って」

千枝「……結構強引だよね」

悠「ごめん」

千枝「あ、謝らないでよ」

千枝「……別に嫌じゃないから」

悠「…そうか」

千枝「うん……」

千枝「……ねえ、鳴上君」

悠「何だ?」

千枝「昼間のヒントだけどさ」

千枝「その、鳴上君の意見としてはどうなのかなって」

悠「どういうこと?」

千枝「あれは、直人君が聞いた時の意見でしょ?」

千枝「例えば、ギャップとかさ」

千枝「あたし、そんなギャップとか言われたこと無いし」

悠「なるほど」

悠「…里中ってさ」

悠「普段は男勝りっぽいけど、やっぱり女の子なんだなって感じるんだ」

千枝「え?」

悠「ほら、修学旅行のクラブの時とかさ」

悠「それに、見ていないと何処かに行ってしまいそうな危うさもあるし」

千枝「そ、そうかな」

悠「ああ」

悠「里中ってさ、強いけど」

悠「でも、だからこそ危ういんだよ」

悠「誰かが守らないと、崩れてしまいそうなほど脆い時もある」

悠「そう思ったら、その誰かになりたいなって」

千枝「そ、そっか」

千枝「あたしのこと、よく見てるんだね」

悠「それは、好きだから」

千枝「友達としてじゃなくて?」

悠「女の子として」

千枝「……ちょっとくらい恥ずかしがってよ」

悠「実際恥ずかしい」

千枝「全然見えないし」

悠「そうか?」

千枝「うん、いつもの鳴上君と変わらない」

千枝「……まあ、そういうとこ、結構好きだけど」

悠「結構?」

千枝「……だいぶ?」

悠「だいぶ?」

千枝「………」

千枝「……はぁ」

千枝「ううん、本当はすっごい好き」

千枝「普段はクールで、でもいつでも全力で」

千枝「仲間のことをいつも考えてて」

千枝「弱いとこは見せないけど、でもちゃんとあたし達を頼ってくれる」

千枝「そんな鳴上君のこと」

千枝「………大好き」

悠「…俺もだ」

千枝「……ねぇ、こういう時ってさ」

千枝「その、……するもんなんじゃないの?」

悠「?するって?」

千枝「……もう、鈍感!」

悠「?」

千枝「ほら、ちょっとこっち向いて」

悠「あ、ああ…」

千枝「ほら、こういうこと!」チュッ

悠「!!」

千枝「……ファーストキスなのに、なんかあんまり雰囲気よくないじゃん」

悠「ごめん…」

千枝「だから謝らないでってば」

千枝「…」

悠「…」

千枝「…ねえ」

悠「ん?」

千枝「さっきのはあたしからのファーストキスでしょ」

千枝「……鳴上君からのファーストキス、あたし貰ってないよ」

悠「……そうだな」スッ

千枝「……!」

千枝「……なんか手慣れてた」

悠「でも、初めてだけど」

千枝「海老原さんとは?」

悠「死守した」

千枝「ぷっ、何それ」

悠「ふふ」

千枝「あはは」

悠「……」

千枝「……」

悠「…なあ里中」

千枝「何?」

悠「もう一回してもいいかな?」

千枝「……いちいち確認しないでよね、もう」

千枝「恋人なんだからさ」

悠「そうか」ズイッ

千枝「ちょっ!?その先はダメだからね!?」

悠「……そうか」

千枝「そ、そんなに落ち込まないでよ」

千枝「それはさ、もっとお互いを知ってから…」

悠「でも、結構もう知ってるけど」

千枝「それは、友達としてのあたしでしょ」

千枝「その、さ」

千枝「女の子としてのあたしってこと」

悠「……そうだな」

千枝「言っとくけど、浮気とか許さないからね」

千枝「都会で可愛い子がいても、ダメだよ」

悠「今のところ里中より可愛い子は見たことない」

千枝「……不意打ちはダメだってば」

悠「本当のことだから」

千枝「……ねえ、皆寝てるよね?」

悠「ああ」

千枝「じ、じゃあさ」

千枝「もう少しだけ、くっついててもいいよね?」

悠「一晩中でも」

千枝「……ブレないよね」

悠「本心、だからな」

千枝「……でも、お言葉に甘えようかな」

千枝「……ねえ」

悠「ん?」

千枝「あたしのこと、好き?」

悠「ああ」

千枝「菜々子ちゃんより?」

悠「………」

千枝「そこは嘘でも即答してよ!」

悠「…ごめん」

千枝「謝らないでってば!」

クマ「…ところがどっこい、皆起きてるクマ」

りせ「うう、悠先輩ー」

雪子「千枝、あんな顔もするんだ…」

直人「良かったですね、お二人とも」

完二「なんか、妙に感動するぜ」

陽介「なあなあ、あいつら帰ってきたらどうする?」

クマ「コイバナクマ?」

陽介「いやいや、もう付き合ってるって」

りせ「こうなったら、王様ゲームで……」

雪子「だ、ダメだよ…」

完二「気ぃ利かせて二人だけ部屋分けるとか?」

直人「……学生として、節度ある交際は必要です」ジト

完二「わ、わぁってるよ」

陽介「くうっ、何だか微妙な心境だけど、とにかくわいわいやるっきゃねぇ!」

陽介「それが一番、俺達らしいだろ?」

直人「……ですね」

雪子「うん」

りせ「もう!今日は自棄酒よー!」

完二「バカ、あっちに聞こえっだろーが!」

雪子「お酒はダメ!」

わいわいがやがや

陽介(ま、里中となら上手くやれんだろ)

陽介(幸せにな、相棒)

~駅~

悠「……皆も、元気で」

ぷしゅー

がたんごとん……

雪子「…っ、色々ありがとう!」

雪子「今度会う時まで、元気でー!」

クマ「センセーは、ずっとクマのセンセイクマ!」

直人「忘れないで下さい!僕らのこと!」

りせ「!先輩!愛してるー!」

完二「俺、頑張っから!先輩も、逃げんじゃねーぞ!」

千枝「……っ!」

千枝「君のこと!いつも想ってるから!」

陽介「距離なんて関係ねぇ!離れても、仲間だかんなー!」

悠「……」

悠「忘れない、絶対に……!!」

悠「忘れないから!」

>>カバンの中に見覚えのない手紙が入っている

ガサゴソ

>>大好きだよ、悠

>>これからも、ずっと!

>>千枝

>>これは、大切に保管しておこう

>>次に会う、その時まで……

fin

おまけ、ゴールデンウイーク

ジュネス フードコート

陽介「そういや、休みだってのに里中見なくね?」

りせ「確かに」

完二「風邪でもひいたんじゃないっすか?」

直人「心配ですね」

雪子「私も何も聞いてないけど」

陽介「よし、ちょっと俺と天城で様子みてくるわ」

りせ「お見舞い必要なら、わたしたちも行きますね」

完二「おうよ」

直人「よろしくお伝え下さい」

雪子「うん」

陽介「んじゃ、行ってくる」

~里中家~

雪子「確か、千枝のご両親旅行でいないんだよね」

陽介「つーことは、あいつ三日くらい一人なのか」

陽介「こりゃあ病気でもしてたら心細いだろ」

雪子「とにかく、様子みてみないとね」ピンポーン

どたばたどたばた

陽介「ん?居るみてぇだな」

千枝「……っ、な、何?」

陽介「よ、よう、元気そうじゃん」

雪子「最近顔見てないから、風邪とかひいたのかなって」

千枝「か、風邪?ぜ、全然元気だよ!」

陽介「そ、そっか」

雪子「それにしても千枝、いくら家だからってラフすぎない?」

陽介「むしろ、もうちょっとしたら裸婦だよな」

雪子「花村君、それセクハラ」

千枝「あ、あはは……ごめんごめん」

千枝「何か、最近暑くてさ」

陽介「暑い?むしろ少し肌寒くなかったか?」

千枝「そ、そうだっけ?最近家から出てなくて…」

雪子「アウトドア派の千枝が?」

千枝「あー、えーっと…」

???「千枝、誰なんだ?」

雪子「え?誰かいるの?」

陽介「ご両親は旅行だって……」

悠「あ」

陽介「あ」

雪子「あ」

千枝「……あちゃー」

陽介「よ、よう」

悠「ああ」

雪子「久しぶり…」

千枝「もう!だから悠は隠れててって言ったのに!」

悠「いや、でも揉めてるのかと思って…」

雪子「悠?」

陽介「そういや、さっき千枝って…」

雪子「それに、鳴上君の格好…」

陽介「何でジーンズしか着てねぇんだ?」

千枝「そ、それは……」

雪子「!」

雪子「もしかして、二人してこの三日いか……」

千枝「あー!雪子黙って黙って!」

陽介「相棒、大人になっちまったのか?」

悠「……そっとしておけ」

陽介「マジかよ……」

雪子「千枝、不潔…」

千枝「…あーもう!いいじゃん!別に!」

千枝「悠、こうなったら予定変更で皆に挨拶に行こう」

悠「あ、ああ」

雪子「どうする?花村君」

陽介「……ま、仲良いならいんじゃね?」

陽介「おい相棒、話聞かせてくれんだろ?」

悠「あ、え、えっと……」

千枝「悠、言ったら一週間口利いてあげないから」

悠「……ごめん」

陽介「早速尻に敷かれてんのな、お前」

悠「……そっとしておけ……」

おしまい

これで終わり。あと二作くらい、今度は千枝と付き合う鳴上悠を書きたいと思うので気に入ったらよろしく。

ぶっつけにしたら全然推理にならなくて悪かった。普通にバレたと思う。

んじゃ、良かったら他にも書いてるんでそっちも読んでくれ。ではー

ミスです。ごめん

あ……ごめん、反省して次はもっと面白いの書くわ。

エレ速さんがまとめてくれましたが、ちゃんと直人を直斗になおしてくれてるあたり分かってる。ありがとうございます。

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