勇者「いや、でもそんな事言ったってさ?やっぱり二人じゃきついよ?」
女戦士「あたしは十人分働いてやっからさ?」
勇者「……でもさぁ、やっぱり戦士さん、回復魔法は使えないじゃん?」
女戦士「……それは、だな」
勇者「最近、生傷耐えないし……少なくても回復役は必要だよ?」
女戦士「……」
勇者「ねっ?とりあえず見るだけ見てみようよ?」
女戦士「……う~ん」
~酒場~
勇者「この人なんてどう?実績もあるし、頼りになりそうな人だけど?」
女戦士「……」ボソボソ
勇者「……んっ?」
女戦士「コイツは……絶対、スケベそうなタイプだ……だから勘弁してくれ……」
勇者「う~ん……じゃあ、この人なんかは?」
女戦士「……」ボソボソ
勇者「……んっ?」
女戦士「なんか……性欲の塊みてぇな顔してる気がする……」
勇者「そうかな?僕には真面目そうに見えるけど……」
女戦士「いんや、こういうタイプは絶対むっつりすけべだ……」
勇者「……」
女戦士「……」
勇者「女の人にしてみよっか?」
女戦士「……」
勇者「ねっ?戦士さんも女の人の方が安心するでしょ?」
女戦士「……まぁ、どっちかって言えばな」ボソボソ
勇者「え~っとね……じゃあ、この人なんかは……」
女戦士「……」ボソボソ
勇者「……」
女戦士「……」
勇者「え~っと、じゃあね……この人なんかは……」
女戦士「……」ボソボソ
勇者「……」
女戦士「……」
ーーーーー
女僧侶「本日からお供させていただく女僧侶です。よろしくお願いします」ペコッ
勇者「うん。こっちこそよろしくね!」
女僧侶「はいっ!女戦士さんもよろしくお願いしますね」
女戦士「……ん?あぁ、じゃあ行こうか?」
女僧侶「……えっ?」
勇者「……えっ」
女戦士「魔王城だよ、魔王城!魔王倒しに行くんだろが!」
女僧侶「えっ……あっ、は、はい……!」
女戦士「あぁ、それから一つ言っておくけどなぁ?」
女僧侶「は、はい……!」
女戦士「攻撃はあたし一人でやっから、あんたは自分の身を守る事だけ考えてえりゃいいからな?」
女僧侶「は、はぁ……」
女戦士「じゃあ、行こうか?」
女僧侶「は、はいっ……!」
女戦士「」スタスタ
女僧侶「ク、クールな人ですねぇ……?」
勇者(う~ん……)
女僧侶「お二方は今まで二人で旅をされてたんですよね?」
勇者「うん、そうだよ?」
女戦士「……」
女僧侶「凄いですねぇ~!私だったら絶対無理ですよ!?」
勇者「そうかなぁ?あっ、でもブルードラゴンと戦った時は辛かったな」
女戦士「……」
女僧侶「えっ!?ブルードラゴン!?たった二人であんな強力なモンスターを倒したんですか!?」
勇者「途中で薬草が尽きちゃってね……」
女僧侶「あ~、だから私を仲間にしたんですね?」
勇者「もう戦士さんが一人で倒したようなもんだったよ。僕、ずっと足引っ張ってたようなもんだったからさ……
ねっ?戦士さん?」
女戦士「えっ……!?あっ、あぁ……」
女僧侶「へぇ~、戦士さんってそんなに強いんですか!?」
女僧侶「そういや、戦士さんの剣って見たことない型してますけど、特注品かなにかなんですか?」
女戦士「……そんな事、どうでもいいだろが」
女僧侶「……えっ?」
女戦士「……」
女僧侶「……」
勇者「え~っとね……特注品っていうか、僕の父さんの剣なんだ……?」
女僧侶「えっ!?あの伝説の勇者様の!?」
勇者「僕が使うより、戦士さんが使った方が剣の性能生かせるからさ?戦士さんに使ってもらってるんだ」
女僧侶「戦士さん、凄いですね!?」
女戦士「……うるせぇなぁ」
女僧侶「……えっ?」
女戦士「さっきから無駄口ばかり叩いてるんじゃねぇよ!?てめぇは遊びに来たのか、魔王退治に来たのかどっちなんだ!?」
女僧侶「あっ……」
女戦士「……」
女僧侶「も、申し訳ありません……」
女戦士「……」
女僧侶「あのっ……実は……私、僧侶の中でも落ちこぼれでして……」グスッ
勇者「……えっ?」
女僧侶「今まで……私をパーティーに誘ってくれる方が一人もいなくて……」ボロボロ
女僧侶「始めてパーティーに入れてもらったのが……凄く嬉しくて……」ボロボロ
勇者「そう……なんだ……?」
女僧侶「少し……浮かれてたかもしれません……申し訳ありません……」ボロボロ
女戦士「……」
女僧侶「……でも」ゴシゴシ
女戦士「ん?」
女僧侶「確かに戦士さんの言うとおりでしたね」ニコッ
女戦士「……」
女僧侶「私は友達探しに来たのではなく、僧侶の力を役立てに来たのですから」
勇者「……」
女僧侶「落ちこぼれで、至らない箇所もあるかもしれない私ですが……
全力でお二方の力になる事を、今ここで神の前に誓います」
女戦士「……」
女僧侶「こんな私ですが……どうか一つよろしくお願いしますっ!」ペコッ
勇者「……だって?戦士さん」
女戦士「~~~」
女僧侶「」ペコッ
勇者「……戦士さん?」
女戦士「~~~///」カァーッ
女僧侶「」ペコッ
勇者「ほら、戦士さん?」
女戦士「う、うちのパーティーに甘えは通用しねぇからな!?覚悟しておけよ!?」///
女僧侶「はいっ!」ニコッ
~その夜、宿屋で~
女僧侶「う~ん……むにゃむにゃ……」
勇者「よく、寝てるね?」
女戦士「魔物と戦うのも始めてだったらしいからな……まぁ、緊張の糸が切れたんだろ」
女僧侶「むにゃむにゃ……戦士さん……今、回復しますよ……」
勇者「あはは、だって?戦士さん」
女戦士「った~く、あたしはそんなに弱くねぇっての」
勇者「……ねぇ?」
女戦士「……ん?」
勇者「この子にして……正解だったね……?」
女戦士「……」
女僧侶「むにゃむにゃ……戦士さぁ~ん……」
女戦士「そう……かもな……?」
勇者「ねぇ、戦士さん?」
女戦士「……ん?」
勇者「最初からさ……急に距離を縮めるのは難しいと思うけど……」
女戦士「……」
勇者「ゆっくりでいいから頑張ってみようよ?」ニコッ
女戦士「……」
勇者「ねっ?」ニコニコ
女戦士「~~~!」///
ボフッ
勇者「んがっ……!も~う……急に枕を投げつけないでよ……」
女戦士「う、うるせぇ!元はと言えば、てめぇがもっと強かったらこんな目にならずにすんだんだよ!」
勇者「でも、回復役はやっぱり……んがっ!」
女戦士「うるせぇ!文句があるなら、てめぇでこの剣扱えるぐらい強くなってから言いやがれ!」
勇者「……うぅ」
女戦士「明日も早いんだ!とっとと寝るぞ!ほら、枕返せ!」
勇者「……は~い」
女戦士(///)
勇者(ふふ)
短編って事にしたらここで終わりだな
女戦士「おらぁっ!うらぁっ!」
魔物「……ガッ、グガガ」
勇者「僧侶ちゃんっ!あいつの動きを止めて戦士さんを援護して!」
女僧侶「はいっ!いきますよ!~~~~んっ、たあっ!」
ドヒューーーーーンッ
勇者「……えっ?」
女戦士「うおっ!危ねっ!」サッ
魔物「ギャアアァァァァァァ!」メラメラ
女僧侶「……あ、あれっ?」
女僧侶「戦士さんっ!大丈夫でしたか!?」アセアセ
女戦士「……ん?あ、あぁ」
女僧侶「申し訳ありません、戦士さんっ!今、回復しますっ!今、回復しますから!?」アセアセ
勇者「いやぁ……凄い炎の魔法だったねぇ?」
女戦士「……なぁ?」
勇者「僕は動きを止めてって言ったけど……こういう事だったのかな……?」
魔物「コゲコゲコゲコゲ」
女僧侶「あのっ……!ごめんなさいっ!ごめんなさいっ!私、落ちこぼれで……!
勇者「いや~、魔法自体は良かったけどさぁ……?一歩間違えれば、戦士さん大怪我だったよ?」
女僧侶「ごめんなさいっ……!ごめんなさい、戦士さんっ!今、回復しますっ!」
女戦士「……」
女僧侶「あのっ……!戦士さん、許して下さいっ……!私、頑張りますっ……!頑張りますからっ……!」
女戦士「……」
女僧侶「戦士さんっ!」ボロボロ
女戦士「……あのさぁ?」
女僧侶「はいっ!」
女戦士「あたしはさぁ……あんまりそういう風に言われるとウザいんだよね……」
女僧侶「……えっ?」
女戦士「別に怪我もなかったし……そういう風な事されても、鬱陶しいだけだから……?」
女僧侶「も、申し訳ありません……」
女戦士「だからさ……?そういう風に謝られるのが鬱陶しいって言ってんのっ!」イラッ
女僧侶「!」
女戦士「それにさ……落ちこぼれのあんたに最初から、過度な期待なんかしてねぇってのっ!」
女僧侶「!!」
勇者(あちゃ~)
女僧侶「あはは!そうですよね!私、落ちこぼれだからそんなに期待されてませんよね!」クスクス
勇者(ん……?あれ……?)
女僧侶「戦士さん、次こそはしっかりします!申し訳ありませんでした!」
女戦士「……」
女僧侶「あっ……!こういう風に謝ったら、また戦士さんに鬱陶しがられますね?」クスクス
女戦士「……まぁ」
女僧侶「あっ、そうだ!この近くに綺麗な湖があるの知ってます?私、地理には詳しいんですよ!」
勇者「へぇ~、全然知らなかったや」
女戦士「ふ~ん」
女僧侶「ちょうど、飲み水もきれてきた所だし、ちょっと私汲んできますね!?」
勇者「……一人で大丈夫?」
女僧侶「はいっ!落ちこぼれの私に出来る事なんてこれくらいですから!先程の失態を挽回させて下さいっ!」ニコッ
勇者「う~ん……まぁ、僧侶ちゃんがそこまで言うなら……」
ー湖ー
女僧侶「うぅ……ううぅ……」グスッ
女僧侶「また……失敗しちゃったよう……」
女僧侶「私の力を必要としてくれる人がいるのに……どうして……」グスッ
女僧侶「でも……いつまでも泣いてちゃダメ……戦士さん達に迷惑かけちゃう……」
女僧侶「……」
女僧侶「うぅ……」グスッ
書き溜め消えたし今日はもう終わりだ終わり
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