トルコ 某所
「……我々の念願がついに」
「そうーね」
「これもあなた様のお力添えの賜物」
「ふーん……そう。じゃあちゃちゃっと済ませちゃいましょう」
薄暗い遺跡のような場所で円形のように立ち並ぶ茶色の帽子付きコートを着た集団と、
円の真ん中に場違いな赤いスーツとハイヒールを履いた高校生ぐらいの黒髪をストレートロングにした美しい顔立ちをした美少女が腕を組ながら立っていた。
「さぁ、富江様。じゅ……」
パシュッ!
富江「はぁ~メンドイ」
富江は周りを見渡して状況を確認した。
その間にパニックを起こしたフードの集団が四方に逃げて行ったが、うめき声の後に気配が消えた。
富江は煙草を吸いながら耳を済ま下を向いた。
耳から聞こえたのは軍靴の力強い足音だった。
富江はその音を聞いてニヤリとした。
「動くな」
富江「ヒュ~随分とファンが増えたものねぇ~」
目出し帽を被り、防弾バイザー付きヘルメットとボディアーマーを装着した一団が富江を囲んだ。
「富江さん」
富江「あらっ!春日ちゃ~んじゃない~元気?」
「……」
一団の中から14歳ぐらいの少年が現れた。
富江が親しげに春日と呼んだ、少年はうんざりした顔で腕を組んで俯いた。
富江はそれを見て薄ら笑いしながら更に話かけた。
富江「私を捕まえに来たんでしょ~春日ちゃ~ん」
春日「富江さん、あなた地獄で悪魔を勝手に殴り殺したでしょ」
富江「だって勝手にケツ触って来たんだも~ん」
春日「とりあえず、事情聴取したいのでご同行を」
富江「覚醒剤キメていい?」
春日「……え?」
富江「だから、覚醒剤よ~地獄に行ったらキメられないでしょ~」
春日「分かりました。早くキメて下さい」
富江は、左懐から覚醒剤ではなく閃光手榴弾を取り出してピンを抜き頭上に投げた。
春日「伏せろ!」
光ともに、衝撃波によって春日は壁に激突した。
「ミナゴロシにシッテヤレ!!」
謎の片言日本語が聞こえたと同時に、銃声が響き渡り次々と春日の仕留めて行った。
春日「……ッ」
春日は右レッグホルスターからH&K USP(45口径)を取り出し、マズルフラッシュを頼りに富江の配下達に応戦し始めた。
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