【ミリマスSS】P「15歳の夜事情」 (44)

百合子「……それでね、その男が『どちら様ですか』と聞いたんだけど返事がなくてね…」

ロコ「…ゴクリ」

百合子「それでもノックは止まらない…ずっと同じリズムで玄関のドアをコンコン、コンコンと…」

昴「そ、それでどうなったんだ?」

百合子「男は気にしないでその日は寝たんだけど…毎晩そのノックがなり続けて…」

朋花「あ、あら……」

百合子「ある晩、いつも通りノックがされてることに気付いて男が部屋から出ようとした時に違和感を覚えたの」

百合子「『今日のは音が違うし、少しだけ音が大きい』って。その違和感の正体は部屋から出ようとドアノブに手を掛けた時に分かった」

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百合子「こ の ド ア を ノ ッ ク し てい る と」

ロコ「ひっ…ル、ルームに上がったってことですよね…」

百合子「男は幸運にも部屋の鍵を几帳面に閉める人だったからそのノックの主が入ってくることはなかった。けれどどんどんノックの音は大きくなって行く…」

朋花「どうなるんでしょうか…」

百合子「すると

ドンドンドンドン

百合子「きゃああああーーーー!!」

ロコ「ウーン…」バタリ

昴「ロコ!?しっかりしろー!」

朋花「ど、どちら様ですか!?」

ガチャ
P「あ、悪い悪い驚かせたか?」

百合子「プ、プロデューサーですか…ひどいですよいきなり!」

P「だっていきなりじゃなきゃ驚かないじゃんか」

朋花「わざとだったんですね~」ニコニコ

P「面白そうだったからつい。ってロコ、さっさと起きろー」ペチンペチン

ロコ「…あれ?プロデューサー、どうしてここに?」

P「お前たちが早く寝ないからだろ…。いくら劇場でお泊まり会っていっても夜更かしは体によくないからな」

昴「もうそんな時間?…うわ、日付変わってるじゃん。百合子の怖い話聞き過ぎたなー」

P「怖い話って…寝る前にそんな話聞いて大丈夫なのか?」

四人「…………」

P「自業自得だな。それじゃあ俺は部屋に」

ロコ「ストーップ!プロデューサー、今日はロコたちとスリープしましょう!べ、別にアフレイドしてるわけじゃないけれど!」

P「無理、今日は徹夜で仕事終わらせなきゃいけないから。それじゃあおやすみ、いい夢見ろよー」

バタン

四人「…………」

百合子「プロデューサーさんの意気地なし…!」

朋花「とりあえず、もう布団に入りましょう~。明日はみんなでお買い物するわけですし~」

昴「お、おう。それじゃあみんな、おやすみ…」

ロコ「グ、ググググッナイ!」

百合子「お、おやすみなさい…」

朋花「みなさんおやすみなさ~い」

・・・・・・

四人(眠れない……)

P「えーと…ここの数字はなんだっけ…?」

コンコン

P「誰だこんな夜遅くに…まあ大体分かるけれど…」

ガチャ
P「百合子、お前だったのか」

百合子「あ、あのプロデューサーさん!ちょっと時間ありますか…?」

P「あるけれど、どうしたんだ?」

百合子「実はケータイを更衣室に忘れて…充電しながら寝ようと思ったんですけど」

P「うん、それで?」

百合子「…言わせるんですか?」

P「更衣室はそんなに遠くないし一人でも行けるだろう」

百合子「えっと、そのー……怖くて…」

P「怖いって、百合子が話してたじゃないか。話し手が怖がるなんて聞いたことないぞ」

百合子「ほんとですよね…ということでプロデューサーさん、ついてきてください。ダメですか…?」

P「仕方ないな…」

百合子「それでは行きましょ…ってなんでプロデューサーさんが後ろなんですか!」

P「へ?いや、別にいいだろ前でも後ろでも」

百合子「うぅ…私が前なんて…でもホラーでは後ろの人から消えてくのが王道、つまり私は生き残る…!」

P「そしたら百合子一人になるぞ」

百合子「何があっても一人にしないでくださいね!?」

P(一人にして慌ててるところ見たいなー)

百合子「真夜中の事務所ってやっぱり怖いですね…」

P「確かに霊的なものは出そうな雰囲気だな。ここ前は一軒家で、その家族が一家心中したらしいし」

百合子「えっ」

P「そういえば俺もよく人とは思えない声を聞くことがあるな、アレ霊の怨念だったりして」

百合子「プロデューサー、戻りませんか?」

P「冗談だから。そもそもこんなデカい劇場なのに前が一軒家ってどんな豪邸だよ」

百合子「そ、そうですよね!劇場にそんな幽霊が」

P「いないとは言い切れないかもよ」

百合子「はぁ…早く戻りたい…」

百合子「よかった~、何事もなく更衣室に…」

P「ほら、早くケータイ取ってきなさい」

百合子「え?プロデューサーさんも入らないんですか?」

P「誰もいないとはいえ、女子の更衣室に入るのは流石にダメだろ。外で待ってるから」

百合子「はい~…大丈夫、どこにあるかは覚えてるからパパッと取ってくればいいだけ…」ガチャダッ

P「そんな走るまで怖いのか…おおっとドアが勝手に」バタン

百合子「ええええ!?プロデューサーさん悪ふざけはやめてください!なんで開けてくれないんですか!」ガチャガチャ

P「いやおれなにもしてないし」ドアノブホールド

百合子「やめてくださいプロデューサーさん!やめて…ヒック、やめてよぉ…」

P(これは流石にやりすぎたか…)

ガチャ
P「えっと、百合子すまん。流石に今のは悪いと思ってる」

百合子「グスッ…プロデューサーさんのバカ…イジワル…変態…」

P「変態は余計だろ…でもゴメンな、あそこまで百合子が怖がるとは思わなかったよ」ナデナデ

百合子「…ふんっ、許さないですから」

P「そこを何とか!本当にすまなかった!」

百合子「…それじゃあ、今度一緒に本買いに行ってくださいっ」

P「よし、今度行こう!欲しい本があったら何冊か買ってあげるから!」

百合子「本当ですか?それなら…今回だけは許してあげます」

P「さて、ケータイも見つかったことだし戻りますか」

百合子「……」ギュッ

P「あの、百合子さん?なんで腕に抱きついてるんですか?」

百合子「ま、まだ怖いですし…あと、プロデューサーさんが途中でいなくならないように…」

P「いなくならないから大丈夫だって。まあ百合子がこうしたいなら俺はいいんだけど」

百合子「でもこれはこれで寝れなくなりそう…」ドキドキ

P「ん、何か言ったか?」

百合子「な、何でもありません!さあ早く行きましょう!」

--数十分後
P「よし、ちゃんと数値はあってるな。…あれ、コーヒーもうなくなったか」

コンコン

P「…また誰か起きたのか。まったく、怖い話なんか聞くから」

ガチャ
P「どうしたんだお二人さん」

昴「うわっ、いきなり驚かさないでよ!」

ロコ「サプライズしたじゃないですか!」

P「普通にドア開けただけで驚くってどんだけ怖がりなんだよ。で、お前たちは何だ?」

昴「?? オレたちより前に誰か来たの?」

P「…それがさ、ずっとノックばかりして、いざドアを開けたら誰もいなかったんだよ。それでドアを閉めたらまたノックが…」

昴「そ、それって…」

ロコ「ゴゴゴゴースト!?」

P「なんで特殊召喚されたらゴーレムを蘇生するカードを…二人には分からないか。今のは冗談、百合子がさっき来たんだよ」

ロコ「なんだ、ユリコですか。でもなんでユリコが?」

P「まあ色々あってな。ところで二人は何か用があって来たんじゃないのか?」

昴「そうなんだよ~。実はみんなで用意した飲み物がなくなっちゃってさ、喉が渇いたから飲み物買いに行こうとしたんだけど…」

ロコ「今日はベリーホットでしたしね。トモカもいつもよりドリンクしてました」

P「水とかお茶で我慢できないのか?」

ロコ「こんなホットな日にホットなティーを飲むなんてダイしてしまいます!」

昴「水もあまり冷えてないし…だからさプロデューサー、ちょっとついてきてくれない?」

P「丁度飲み物もなくなったしいいよ。確か下の方に自販機があったはずだ」

ロコ「サンクスですプロデューサー!」

P「あの、怖いからって二人とも抱きつかなくても…歩きづらいんだが」

ロコ「だ、だっていきなりゴーストがアピアーしたらアフレイドですし…」

昴「こうすればあまり怖くないし…」

P「いやいいんだけどさ…こんな経験滅多にないし。ただ階段だけは流石に危ないから離れてくれ」

ロコ「ステアの時は…ハンド!ハンドをホールドしましょう!」

P「どんだけ怖いんだよ…」

昴「ほら、暗くて足踏み外すと危ないし?」

P「道連れにしないでくれ。ほら、階段だから離れろー」

ロコ「プロデューサー、あの…」

P「分かってるよ、ほら手。昴もだろ?」

ロコ「あっ…ありがとうございます」ギュッ

昴「こうしてれば怖さも減るなー」ギュッ

P「…二人とも手汗ひどいな」

昴「っ!プロデューサー、ちょっと手放して!」

ロコ「ロコも!ハンカチで拭きますから!」

P「いやいや、全然不快じゃないからいいよ」ギュッ

ロコ・昴(うう…恥ずかしい…)

昴「自販機発見!さてと、何にしようかなー」

ロコ「スバル、150mlは多いのでスモールなドリンクにした方がいいと思います!」

昴「そうだなー、寝る前に飲むだけだし…するとお茶かスポーツドリンクか…」

ロコ「ロコは…ウォーターでOKですかね。マニーを入れて…」チャリン

P「…そういえば自販機で一つ面白い話があってな」

昴「へー、どんな話?」

P「ある男性が残業帰りに自販機で飲み物を買ってな。自販機に金を入れてボタンを押すと…何も出てこないんだ」

昴「壊れてたの?」

ロコ「あ、アタリ!スバルアタリです!好きなドリンクをチョイスしていいですよ!」

P「その男性は残業帰りということもあり苛立って自販機を蹴った。すると直ったのかちゃんと出てきた」

昴「おっ、本当?ありがとうロコ!それじゃあスポーツドリンクに」

P「腕や足がたくさん」

昴「」

ロコ「」

P「殺人犯が死体をバラバラにしてその自販機に隠してたってオチ……ん?どうした二人とも固まったりして」

昴「プロデューサーがボタン押して…」

P「別にいいけど…」ピッゴトン

P「あ、腕が」

昴「ごめん無理!オレ戻る!」

ロコ「スバル!?ロコを置いて行かないでくださいいいい!!」

P「嘘だから、全速力で逃げようとするな」

P「さっきより密着具合が凄いんですけど」

昴「プロデューサーが悪いんだからな…折角百合子の話忘れかけてたのに」ギュー

ロコ「…ロコはもう何もトークしません…」ギュー

P「ごめんって…飲み物奢ってあげたんだから許してくれよ」

昴「これだけじゃ物足りないよ。なー、ロコ?」

ロコ「そうです、こんなのじゃサティスファクションしません!」

P「分かったよ、昴は今度一緒に野球見に行こう、ロコは一緒にロコナイズしよう」

昴「それなら許すよ!約束だからね?」

ロコ「ロコはそれだけですか…?」

P「分かった、美術館にも行こう」

ロコ「エクスキューズしてあげます!」

P(はあ、また出費が…)

--また数十分後
P「あ?なんでここ違ってるんだ?……あ、これ見落としてたのか…」

コンコン

P「またか…残るはあいつしかいないよなぁ」

ガチャ
P「どうした朋花、怖くて行けないのか?」

朋花「い、いきなりなんですか?」

P「いや、本日四人目だし。で、どこへ行くんだ?」

朋花「ついてきてくれるんですか~…?」

P「百合子の話聞いて怖くなったんだろ?」

朋花「そんなことはありませんけれど、心細いので~」

P「まあそういうことにしとくか。で、どこに行くんだ?」

朋花「えっと、その~…」モジモジ


朋花「あの…お手洗いに…」

P「まあトイレは怖いもんな、仕方ないよな」

朋花「だからそういうわけでは…っ」ブルッ

P「…早く行こう、流石に俺もそういう趣味はないから」

朋花「そうですね~」

P(それにしても朋花もここまで怖がるなんてな、やっぱりまだ15歳か)

朋花「プロデューサーさん、何考えてるんですか~?」

P「いや、何でもないよ」

P「それじゃあ俺はここで待ってるから」

朋花「はい~、わざわざすみません…」

P「いいって。早く行ってきな」

朋花「それでは、少しだけ待っててくださいね~」バタン

P「………暇だな」

P「……っ、俺まで尿意が…コーヒーのせいか?」

P「なんでこんな時に…ちょっと俺もお花摘みに行くか」

P「ふぅ…スッキリしたー」

P「そういえばこういう男女のトイレが近いのって音とか聞こえないんだろうか…ちょっと気になるな」

P「朋花はもう外で待ってるかな。早く行かなきゃ」

ツルッ
P「え?」

バァン!
P「いったぁ!!ドアに顔打った!クソ、なんでここ濡れてるんだ…どっかで漏れてるのか?」

P「あーいった…明日どこか壊れてないか見るか…」

ガチャ
朋花「………」

P「…あの、なんで床に座ってるんです?」

朋花「プ…プロデューサーさん…いきなりバァンという大きな音が…」ジワッ

P(あ、それさっき滑った時のだ)

朋花「それでビックリして…腰が抜けちゃったみたいです~…」

P「…なんかゴメン。ほら涙出てる」

朋花「なんでプロデューサーさんが謝るんですか~?」

P「大丈夫か?どこか打ったりしてないか?立てるか?」

朋花「はい、大丈夫なんですけれど…立てそうにありません~」

P「まあ腰抜けてるしな…よし朋花、俺の首に手回して」

朋花「?? 分かりました~」

P「最近体鈍ってるから大丈夫かな…よいしょっと」

朋花「きゃっ!…いきなりお姫様抱っこするなんて、大胆なんですね~」

P「まあその体勢からやるのはこれが一番簡単だし。それに朋花は軽いからな」

朋花「あら、嬉しいこと言ってくれるんですね~」

P「あ、朋花が嫌ならやめるけど」

朋花「嫌なわけないじゃないですか~。このまま部屋まで連れって行ってくださいね~」

P「部屋以外どこに連れてくって言うんだよ」

P「実際のところ、百合子の話聞いて怖くなったんだろ?」

朋花「…ほんの少しだけですよ~?それがどうかしましたか?」

P「朋花もまだまだ子供だなって」

朋花「うふふ、子供っぽい私は…好きじゃないですか?」

P「え…えっとー…」


昴「プロデューサー…朋花と何やってんの…?」

P「昴!?寝たはずじゃ…」

百合子「残念だったなぁ、トリックだよ。じゃなくて、なんで朋花さんをお姫様抱っこしてるんですか!ズルい!」

P「え、ズルいってしてほしいの?」

百合子「それは憧れますよ!男の子の両手で支えられて女の子が『重くない?』って聞くと『お前は軽いから大丈夫だよ』って言われるのは全国の女の子の憧れですよ!」

P(それに近い会話をしたのは黙っておこう)

ロコ「むにゃ…そもそもトモカが…えーっと、突然でぃすあぴあーするのが…ふわぁ…」

P「朋花がいなくなったのに気付いてみんなで探しに来たってわけか。別に変なことしてるわけじゃないよな、朋花」

朋花「さあ、どうでしょうかね~?」

昴「うわ…サイテーだなプロデューサー…」

百合子「やっぱりプロデューサーさんって変態なんですね!…でもちょっと気になるような」

ロコ「すやぁ…」

P「ええい、お前らもう寝ろ!つかロコはもう寝てるじゃねーか!」

P「はぁ、まったく変な誤解生んだじゃないか…さてと、さっさと終わらせるか」

コンコン

P「またかよ…寝たかと思ったのに…」

ガチャ
P「はいお次は誰ですか……って誰もいない?」

P「…あいつらのイタズラか?変態認定された上にしょうもないイタズラなんかしやがって…もう何もしてやらないからな!」


P「…ここはこの計算で出して…」

コンコン

P「……無視だ無視。で、次はあそこを参照にしてっと…」

コンコン

P「あ、ここ式ミスってるのか。通りで変な数値になったわけだ」

コンコン


コンコン

--翌朝
P「…はっ、いつの間にか寝てたのか…。って仕事全部片付けてたっけ」

コンコン
「プロデューサーさん、起きてますかー?」
「ロコたちでブレックファーストをイートしに行くんですけれど一緒にゴーしませんか?」

P「ん、行くからちょっと待っててくれ。少し支度する」


P「そういえばお前たちあのあとまたノックしてただろ。あんな夜遅くまでやって、イタズラがすぎるぞ」

百合子「え?あのあとみんなで寝たはずですけれど…」

昴「オレも起きてないけど?」

ロコ「ロコはドリンクしたあとのメモリーがナッシングです!」

朋花「私もあの後はいい夢を見れました~」

P「…じゃあ誰が」


百合子「プロデューサーさん、それは深く考えない方がいいと思います…」

P「…今日寝れそうにないわ……」


おわり

150mlって多いか?

読んでいただきありがとうございました。とりあえずスレタイ見てえっちなSSだと思った人はまつり姫に腹パンされてきてください

最初はみんなお漏らしさせようか思ってましたけど良心が働いて誰も漏らさせませんでした。漏らせばよかった

>>38
150円とごっちゃになってました。今度朋花ちゃんを漏らさせるので許してください

乙です




今度の朋花ちゃんお漏らしに期待

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