春紀「幼少の記憶」 (73)
春紀ちゃんの家族に対する愛情や渋なんかでの無邪気で甘えん坊なところを書きたくて頑張ってみますた><
テーマは「兄弟愛」をモチーフに。ブラック・ブレットを頭に描きながら書いてしまったので主人公的存在はあくまで春紀ちゃんではないます。
架空の人物や幼少時代の春紀ちゃんの口調など不明な点が多く正直キャラが崩壊してるます。
初めて書きましたので単調な展開、乱雑な文章や口調はご愛嬌ということで脳内補完頼みますた。
あと百合、伊介様要素は皆無です。リドルなのに期待を裏切って申し訳ないます。日常的なノリでどうぞよろしく><;
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――――「兄ちゃん起きろっ!!!!」
その声高な明るい声は突然やってきた。
布団の中へいつ潜り込んだのか仰向けで寝てる自身の体の上からその小さな天真爛漫な顔を伺わせる
春紀「兄ちゃん!ほら起きろー!」ギュウウウウウウウ
まだ幼く華奢な両腕で精一杯抱きついてくるが、さほど気にはならなかった。
少しずつ鮮明になっていく意識の中で時間を把握しようと外に神経を集中させる。
もう外は明るいが人の声も車の音も気にならない。
どうやらとても早くに起こされたようだ。
○○「まだいいだろー・・・もうちょっと寝かせてくれよ」ムニャムニャ
春紀「ダメだよ兄ちゃん!今日からお仕事なんだろー?」
そうなのだ。春紀が言うように今日から俺は仕事に就くことになっている。
家族が多く、若くして父親を失くし、母は病床に臥していた。もはや家族離散の危機だが俺は諦めなかった。
あまりにもその絶望的な状況を打開できる方法が俺には残されていたのだ。
『職業暗殺者』いわゆる殺し屋だ。依頼主から依頼された特定の人物を[ピーーー]。ただそれだけ。
勿論、家族の誰一人にもこのことは打ち明けていないし墓場まで持っていくつもりだ。
母さんを、いや家族を食わせていくには学のない自分じゃそれしか思いつかなかっt
春紀「ねぇ!兄ちゃんってば!聞いてる?!」
また突拍子もなく高い声が頭にキンキン響いてくる。
○○「・・・(また少し痩せたかな・・・?)」ジー
春紀「なぁに~?アタシの顔に何か着いてるの?」
首を傾げながらこちらを直視してくるその愛らしくも儚げな顔を見て少し心が痛んだ
○○「兄ちゃんなぁ。今日お仕事頑張ってくるよ」ギュッ
春紀「―ッ!?ど、どうしたの兄ちゃん!」
突然のことに驚いている様子のようだが満更でもないように頬を赤く染める春紀。
○○「春紀や冬香の為にも。チビたちの為にも。それに母さんの為にも兄ちゃん頑張らないとな」ニコ
優しく微笑みかけると春紀もそれに応じてニッコリと微笑みかけてくれた。
○○「でももうちょっとオヤスミー」zzz
春紀「もー!遅刻しても知らないよー?」
○○「・・・(この様子だと夜から仕事に行ってくるって言ったら怪しまれそうだな)」
春紀を抱きかかえながらそんなことを考えて目を瞑っていると次第に意識が薄れていった。
*お昼すぎ*
○○「おーい。メシできたぞー」
春紀「兄ちゃん腹減ったー!早くー」
冬香「はーちゃん!ほら手伝わなきゃ!お茶碗運ぼう?」
春紀「やだよー。お腹空きすぎて動けなーい」
冬香「もー。じゃあはーちゃんは机の上片付けといてねー?」
冬香は次女で春紀とは対照的で気が利くしっかりものである。どうやらそれに春紀は甘え放題らしい。
春紀「はいはーい。早く持ってきてねー」
○○「ほら今日は兄ちゃん特性のチャーハンだぞー!ん?冬香、お姉ちゃんはどうした?」
冬香「お腹すいて動けないんだって」
○○「またかー。冬香もたまにはお姉ちゃんに言ってもいいんだぞ?」
冬香「いいのいいの!それより冷めちゃわないうちに早く運んじゃうね」
○○「悪いな。じゃあそれとそれ、先に持って行ってくれるか?」
冬香「うん!早くご飯にしよッ」
春紀のことを思い浮かべやれやれと思っていたが、冬香のその優しく微笑みかけてくる無垢な笑顔に安堵してみせた。
「「「いただきまーす」」」
○○「どうだ?美味しいだろー?」
春紀「うん!兄ちゃんのチャーハン大好き!」
冬香「今日も美味しいね!」
○○「たくさん作ったからいっぱいおかわりしろよー」
春紀「やったー!!」ガツガツ
冬香「はーちゃんそんな急がなくてもごはんは逃げないよー。てか、お行儀悪いよそれ」
春紀「いいじゃんいいじゃん!お腹へってんだからさー」ガツガツ
ほっぺたにご飯粒を付ける春紀にそれ見て咎める冬香。2人を見ているとなんだか少し空腹が満たされたような気がした。
・・・
春紀「はぁー食った食った」ポンポン
冬香「はーちゃん食べてすぐに寝るとブタさんになっちゃうよ」
春紀「心配すんなって。食った分動けば問題ないよ」
冬香「じゃあその前にお茶碗片付けよう?」
春紀「やだよー。お腹いっぱいすぎて動けなーい」ケプ
冬香「もー!最初もそうやってー」
○○「いいよ冬香。兄ちゃんが全部片付けるから冬香も休んでな」クス
冬香「でもー」
○○「いいからいいから。座ってな」
1人で洗い物をしてる最中これからのことについて思索に耽っていた。
○○「出来るだけ早く済まさないとな・・・」ボソ
やはりこの手の仕事はいつまで経っても気が思いやられそうになる。だからかそんな自分を鼓舞するかのようについ口から言葉を漏らしてしまった。
春紀「お片づけのことー?」
○○「うわッ!いつからそこにいたんだよ!!」ビクッ
春紀「ちょっと前から。兄ちゃんそんなに早く出かけるなら洗い物はアタシがしとくよー?」
○○「大丈夫大丈夫・・・!(春紀はいつも変なところで気が利くな)」
○○「それよりどうしたんだ?(変に勘ぐられなくて良かった・・・)」
春紀「いやーやっぱちょっとは兄ちゃんの手伝いもしなきゃなーって」
照れくさそうに頬を指でかきながらこちらを見る春紀。
○○「んー。じゃあ洗い終わった食器拭いてくれるか?」
春紀「うんっ!」
そう言うとまだ身長が届かない春紀は台座に上り布巾で皿を拭いてくれた。
○○「よし!これで洗い物終わりっ!春紀ありがとな助かったよ」
春紀「うん!また美味しいごはん作ってね!」ニコ
○○「はいよ。じゃあ兄ちゃんはお仕事の用意でもしようかな」
春紀「もう行っちゃうの?」
○○「んー。そうだなぁ・・・(夜だとry)」
春紀と居間に戻ると冬香がチビたちを寝かしつけてくれていた。
○○「冬香はやっぱ寝かしつけるの上手だな。兄ちゃんたちも見習わないとな」
そう言って春紀の方に視線をやると春紀はほっぺたを膨らませる。
○○「兄ちゃんな、お仕事で明日まで家空けちゃうんだけど留守番できそうか?」
春紀「できるー!!!!」
さっきまでの仏頂面はどこへ行ったんだというように得意げになり満面の笑みになる春紀。
冬香「弟たちのことはワタシとはーちゃんで面倒見てるから大丈夫だよ!」
落ち着いた様子で何の不安さも感じさせない冬香。
○○「ほんとお前らって似てないよな」クス
春紀 冬香「んー?」
互いに顔を見つめ合い首を傾げ合う二人の動きはどこかシンクロしていて似てるんだか似てないんだかと思うとまた笑みがこぼれた。
○○「そうだ!二人とも欲しいもんないか?」
突然の申し出にキョトンとする二人。それを尻目に俺は続けた。
○○「何でも欲しいもん言ってみろ。兄ちゃん買ってきてやるからさ」
春紀「お菓子!!!!Rockyがいい!!!」
○○「え?そんなんでいいのか?もっと無いのか?ほら例えばー・・・・」
自分の妹なのにこの年頃の女の子が欲しいものが思いつかない・・・兄ながら少し不覚だった。少しバツが悪そうに一回咳払いをしてまた続ける。
○○「別に遠慮しなくてもいいんだぞ?冬香は欲しいものあるか?」
冬香「んー・・・。別に要らないよ?ワタシは家族皆一緒に居られればそれでいいよ!」
○○「そっかぁー。(冬香のことだ、多分我慢して言わないようにしてるんだろう)」
まだまだ幼い2人に我慢はさせたくない。が、いかんせんウチは貧乏だ。
心では子どもなんだからもっと甘えてもいいのにと思う気持ちと、冬香の気持ちを汲むとそれを素直に口に出せない気持ちが交錯する。
○○「・・・じゃあメシは期待してろよー!美味い肉たくさん買ってきてやるからな!」
春紀「わーい!!!!!」キャッキャ
冬香「ホントにいいの?」
○○「心配すんなって。兄ちゃんがご馳走してやるからさ」
○○「じゃあそろそろ準備するから、二人は遊んどきな。あと兄ちゃんの着替え覗くんじゃないぞぉ~~」
冗談交じりに二人に注意を促す。さすがに仕事に使う得物なんかは二人には見せられない。
仕事着の黒のスーツに身を包み得物を所定の位置に装備する。準備完了だ。
○○「よしっ。じゃあ行くか。」
気を引き締め直すようにネクタイを絞る。
○○「じゃあ二人とも留守番頼んだぞー」
玄関で靴紐を結びながら居間にいる二人に聞こえる程度の大きさでそう伝え、立ち上がろうとした瞬間。
春紀 冬香「「気をつけてね!(お)兄ちゃん!」」ギュッ
春紀と冬香が片腕にそれぞれ抱きついてきた。
○○「あぁ。行ってくる。すぐ帰ってくるからな」イイコイイコ
○○「じゃあ行ってきます」
二人の頭を撫でてやり俺は家を後にした。
※夕方 外※
そろそろ夕日が沈みかけている時間。帰路につくであろう家族連れが仲良く手を繋いでいる。
○○「・・・」
そんな家族の至って普通であり日常的な楽しそうな会話を背にして繁華街を抜け目的地へと足を運ぶ。
まずは依頼主に会うというのが双方の事前の約束だ。家を少し早めに出たせいか目的の場所へはかなり時間の余裕を持って到着してしまった。
○○「早く着きすぎたか。どう時間を潰すかな。」
―ふと母さんの顔がよぎった。
○○「そうだ。久しぶりに母さんの声でも聞きたいなぁ。」
気が付くと携帯が震えている。着信を見ると母さんからだった。
○○「―!? 母さんどうしたの急に電話なんて!」
母からの電話なんてのはごく稀で急なその事態に驚きを隠せず語気が荒くなる。
そんな自分とは対照的に電話越しの弱く細々とした声で、お前のことで胸騒ぎがしたから咄嗟に電話したのだと母は言った。
○○「んだよそれー。皆元気にしてるし俺なら大丈夫だよ。」ホッ
○○「うんうん。でも奇遇だなーさっき俺も母さんのこと考えててさー」
その後近況報告や容態のこと、妹達のことなど久々に母さんとの話に花を咲かせた。
○○「わかった。うん。じゃあそろそろ電話切るね。近いうち見舞いに行くからさ」
そう言い残して電話を切った。妙に風が冷たい、空に目を向けると先刻まで晴れ渡っていたそらに黒い雨雲が差し掛かっていた。
今回はここまで
※夜 廃工場※
○○「さて、そろそろ約束の時間だな。」
雨宿りをしながらそう呟く。雨は以前降り止む気配は無く、さらに強さを増しているようにも見えた。
場所は丁度この雨宿りをしている廃工場。まぁセオリーと言えばそうなのかもしれない。
???「・・・」コツコツコツ
○○「・・・(1人?いや2人か?)」
依頼主「どーもお待たせしました。」
○○「あぁ。」
依頼主「いやー雨足が強くてねー。少し遅れてしまいましたよ。」
○○「御託はいいから。約束のものを見せてくれ。」
依頼主「話が早い御方だ。ほら見せてやれ。」
そういうと脇に居た1人のボディーガードらしき人間がアタッシュケースを開けこちらに提示した。
○○「・・・。あぁ約束通りそれは前金として貰っておくぜ。」
依頼主「では、良い報告を期待していますよ。寒河江くん」ニヤ
不敵な笑みをこぼすと奴等は姿を消していった。
○○「よし・・・やるか・・・」
※夜 雑居ビル※
○○「ここか・・・」
やって来たのは繁華街から少し外れた裏路地にある、築何十年という古めかしい雑居ビル。
依頼主からもターゲットのことについての情報は聞いていたが、まぁこんな中に事務所を構える連中だおおよそ検討はつく。
事前に用意した配管工か清掃員かと思わせるような作業着に着替え、工具箱を手に持ち偽の身分証を胸ポケットに掲げる。
○○「さっさと済ますか」
そう口で言うものの、やはり相当な覚悟と決心が必要になる。生唾を飲み込み一歩また一歩と足を進めた。
エレベーターで目的の階層にまでくると異変をすぐに察知できた。
○○「やけに静かすぎるな・・・。」
不規則な間隔で今にも消えそうな蛍光灯。
○○「なんだこの匂い。――――まさか」
仕事柄、普段臭わないような異臭に鼻が効くようになってしまった。
事務所の扉の前面に来て軽くノックをする。
○○「すみませーん。△△会社ですが設備の点検にやって来ましたー」
・・・
・・・・
暫くその場に立ち尽くすが、自分の声がそのフロアにこだまするだけでまったく反応がない。
○○「失礼しまぁーす・・・」
怪訝に思い声を絞り扉をゆっくりと開けると、床が朱色に染まっていた。
○○「!?・・・なんだこれ・・・」
目前には男が数人と依頼主から聞かされていたターゲットが床に転がっている。
事態を把握しきれず呆然とその場で突っ立てしまう。
○○「・・・状況を把握しないと」
すぐに冷静さを取り戻すとこの予想の斜め上を行く現状を把握しようと努めた。
ターゲットを含めたそこにある死体に目をやるといずれも鋭い切り口でズタズタにされている。
○○「切れ味の良い刃物傷か。」
○○「争った形跡が少ない・・・。相当の手練れか」
同業者の仕業であるのは明白であった。
○○「体温はまだある。てことは・・・」
バンッ!!!!!!!!!
閉めておいたはずの扉が勢いよく音立てる。
○○「――!?」
咄嗟に距離を保とうと体が反射的に反応する。
???「・・・お前か」
まだ少女の風貌なのに無感情で冷徹さを醸し出すその口調と周囲を圧倒するその雰囲気は自分よりも遥かに格上の相手であるという事実を受け止めるのには容易だった。
床に倒れている死体、タイミングよく入ってきたこの暗殺者。すべて合致した
○○「・・・誰に頼まれたんだ?」
???「答えるわけないだろう。」
○○「□□(依頼主)か。俺を殺せって言われたのか」
???「さぁな。今から死にゆくお前には必要ないことだ。」
○○「白々しいぜ。どう考えたってそうにしか考えられない。」
あらかじめ仕込んでいたダガーナイフを素早く利き手に持ち応戦体勢に構え直す。
もともとフリーランスでやってきた俺には恨み辛みを持つ奴が多くても不思議じゃない。
○○(でも俺には守ってやらなきゃいけない家族が待ってるんだ!)
・・・
冬香「お兄ちゃんお仕事大変だろうなー。帰ってきたらうんとマッサージでもしてあげよっと」
春紀「なぁ冬香。雨止まないね・・・。」
どこか不安げな春紀の意思を無視するかのように雨は無情にも降り続けた。
※夜 事務所内※
???「案外あっけないな」
○○「はぁ・・・はぁ・・・(ダメだ。まったく歯がたたない)」
身体能力には長けていたものの少女その圧倒的な力の前では屈伏せざるを得なかった。
すでにマウントポジションを取られて身動きすら取れない。
???「これから殺されるというのになぜ笑っていられる」
○○「守りたいもの何一つ守れない兄ちゃんで済まないなってさ。情けなくて笑っちまうぜ」
○○「あいつらも・・・ずっとこんなふうに笑ってくれるといいんだけどな・・・」
息をする度に痛みがする体。しかし言葉がこぼれる。
???「それが最期の言葉か?」
少女は腰辺りからプッシュダガーを出し眼前まで近づける。なぜか畏怖の念は覚えなかった。
○○「もし世界が赦しに満ちているなら・・・」
○○「もし世界が赦しに満ちているなら・・・兄ちゃんのこといつか赦してくれるんかな」
自然と笑顔が溢れる。もはや自分の意志ではない気がした。それが諦めからくるものかどうかは定かではないが。
???「―――ッ!?」ピタッ
少女の手がピタリと止まる。
○○「・・・・・?」
その唐突な出来事に言葉を失う。
???「呆れた。殺す価値も無い。」
そう言うと少女は暗器を元ある位置に戻し立ち上がった。
○○「殺さないのか・・・?」
???「フンッ。ふざけるな。お前のような奴の命、私が狙わなくともすぐに尽き果てるだろうさ。」
そう言い残すと少女は薄暗い事務所を後にし暗闇の中へ消えていった。
○○「助かった・・・のか・・・?」
突然の出来事に戸惑いを隠せない。それが故意なのか単なる気まぐれか。まぁ今はそんなことどっちでもいい。
立ち上がることすらままならない体に鞭を打ち這い上がる。
今はただ二人の待つ家へ一刻も早く帰りたかった。
※夜 人気のない公園※
○○「とりあえず雨が止むまではここで休もう」
ボロボロになった体をできるだけ人目につかないように引きずりながら家からそう遠くはない公園までやってきた。
人目につかず雨露を凌げる遊具がちょうど公園内にあったのでそこへ痛む体を押し込める。大の男が入ると少しきつかったがそこは我慢するほかなかった。
体から流れる血と暗殺者としての人生を奪わるように折られた骨が熱を帯びて痛みを助長させる。
土砂降りの雨の中まるで千鳥足のようなペースで歩き続けたからか、頭がボーっとする。
○○「あいつらこんな状態で帰って来たらビックリするだろうな」
まだ冗談を言う余裕はあるみたいだ。
○○「一応金は持ち帰ってくることには成功したが・・・」
○○「これじゃあ春紀はともかく冬香にはバレッかなー」
今はこんな姿を見せたくなかったが、それ以上に早く二人の顔が見たい一心だった。
○○「ちょっとは雨が止んだか」
外に目を向けると雨は緩くなっていったがそれでもまだ完全には止んでいない。
次第に安心していく体は意識を奪っていくようでうつらうつらと眠気を引き起こしていく。
・・・
???「・・・・ちゃん・・・!!!!」
???「・・・・ちゃん・・・きてっ!!!!」
聞き覚えのある一つの声が何度も何度も繰り返し聞こえる。
夢でも見ているのだろうか。
・・・・
春紀「兄ちゃん起きてっ!!!!」グズッ
ハッ!と目を覚ますと目の前には泣き崩れている春紀がいた。
カッパを着てその小さな体にはまだ大きすぎる赤色の傘が横に置かれていた。
○○「・・・どうしてこんなとこ来てんだよ・・・」
喋ることすら辛かったが春紀のことが心配でそれどころではなかった。
春紀「なんだか兄ちゃんが死んじゃうような気がして・・・だんだん不安になって・・・」ヒック
春紀「胸の奥がへんなかんじになって・・・ざわざして・・・」ヒク
○○「・・・心配かけてゴメンな・・・」ギュ
ただ一言そう呟いて春紀を抱きしめた。
春紀「兄ちゃああああああああああああああん」
春紀「うわああああああああああああああああああああん」
大声で泣き叫ぶ春紀の声は不思議にも頭には響かなくてとても安心できるものだった。
・・・
○○「冬香はどうしたんだ?」
春紀「必死にダメだよって止められたけど出てきちゃった」
春紀「すぐ戻るから弟たちのこと任せるって言ったら心配しながら行かせてくれたんだ」
落ち着きを取り戻した春紀は家から飛び出すまでの経緯を教えてくれた。
○○「じゃあ早く家に帰らないとな」
○○「もう少し雨が弱くなったら帰ろう。俺たちの家に」
春紀「うん!」
春紀「兄ちゃんぎゅうして?」
○○「もっとこっちおいで」ギュッ
春紀と二人で入るこの空間は少し窮屈だったが、なんだかその近さと温もりが逆に安心できるものとなった。
※未明 公園※
何時間寝ただろうか。外はもう小雨で新聞配達のバイクの音がかすかに聞こえる。
○○「いてて・・・」
春紀「スースー・・・」
○○「気持ちよさそうに。・・・相当探しまわったんだろうな」ナデナデ
春紀を起こさず外に出て深呼吸を一度してみる。
○○「ハーァ。よし帰るか」
春紀を背中におぶって傘とアタッシュケースを持ちまだ人通りの少ない道を歩き始めた。
※早朝 自宅※
ちょうど家に着いたのは朝もまだ早くのことだった。
○○「ただいまー・・・・」
できるだけ物音を立てずにドアを開ける。
冬香「スースー・・・」
冬香は居間で雑魚寝している状態だった。
○○(ずっと春紀の心配してこんな所で待ってたのか・・・)
春紀を冬香の隣に寝かせてやり毛布をかけてやる。
○○「・・・・」クス
二人の愛らしい顔を見ると途端に顔がほころんだ。
○○「とりあえずこのアタッシュケースと得物をどっかにしまうか・・・」
○○「よし。あとはこの血なまぐさい臭いをなんとかしなきゃな」
そういって風呂に湯をはり、仕事の垢を洗い落とす。
傷口に湯がしみて自由が効かない体をなんとか動かした。
風呂から上がるといつもはまだ寝ている冬香がもう起きていた。
冬香「あ!お兄ちゃんお帰りなさい」
○○「ただいま。悪ぃ起こしちまったか?」
冬香「ううん。へーき」
○○「昨日は春紀が心配かけたみたいで悪かったな」
冬香「目が覚めたらいつの間にか戻ってきててビックリしちゃった。でもはーちゃんもお兄ちゃんも無事で良かった」グス
そうポツリと呟くように言った冬香の目には少し涙が滲んでいた。
冬香「・・・・?」
冬香「お兄ちゃん怪我してるの・・・?」
どうやらすぐに異変を察した冬香が尋ねてくる
○○「いやなに、こんなのツバでもつけときゃすぐに治るって」
苦笑交じりそう返事をすると冬香のこらえていたものが一気に崩れる音がした。
冬香「なんでそんなに無理するの?!はーちゃんも変なこと言うし、お兄ちゃんもケガだらけだし!!」グズ
冬香「お兄ちゃんまで居なくなっちゃ嫌だよ・・・」
俯きながら涙を拭う冬香を見て自分のやっていることがいかに愚かなことか知った。
○○「ゴメンな冬香。今までずっと我慢させてきたんだな」
冬香「ごめんなさい取り乱しちゃって・・・」グズ
○○「それでいいんだよ。」ポン
春紀「アタシだって心配だったんだよ・・・」
冬香「はーちゃん・・・」
春紀「昨日だってホントは行ってほしくなかった!兄ちゃん仕事がある時はいつも不安げな顔してるし」グズ
春紀「それに帰ってくるといつも笑ってるけど笑ってないような変な感じだったじゃん・・・」
○○「ずっと気づいてて黙って・・・。」
春紀「だってアタシらの為に兄ちゃん頑張ってくれてるのに言えないじゃんか!そんなの・・・・」グズ
春紀「うわあああああああん」
冬香「うわあああああああん」
春紀が泣き出すと釣られるようにして冬香も泣き出してしまった。
○○「ゴメンなふたりとも。もう兄ちゃん今のお仕事は辞める。」ギュ
二人を抱き寄せて優しくそして力いっぱい二人を抱きしめた。
春紀「お金が無くてもいい贅沢も言わない。だから兄ちゃんはどこにも行っちゃやだ」グズ
冬香「ワタシもお兄ちゃんが居て、はーちゃんや兄妹全員居るほうがいい」グズ
二人が今まで秘匿にしていた気持ちを素直に聞き、もう暗殺業から足を洗おうと決心した。
それと同時に二人がいつも以上に頼もしく成長したように見えた。
ちなみにあの朝春紀があんなに早く起こしたのは二度寝させて仕事に行けなくするための幼いなりの抵抗だったらしい。
※お昼すぎ※
いつもなら春紀が騒がしく昼飯をねだる頃、春紀と冬香を隣に三人は川の字で寝ていた。
○○「ん~~~。よく寝た。」
まだ傷が痛む。あの後傷口と骨折箇所に荒療治を施したがそれでもやはり傷は昨日の出来事を鮮明に想起させた。
○○「こりゃ両手に花ってやつだな」クスクス
○○「暫くは安静にしてないとなぁー。まぁ金は当分大丈夫だとは思うが」
――春紀『お菓子!!!!Rockyがいい!!!』
――○○『美味い肉たくさん買ってきてやるからな!』
○○「楽しみにしてたもんな」ボソ
○○「チビたちも寝てるしもう一眠りするか」
そう言っていつもの慣れたベッドに横になった。
※一週間後 昼さがり※
春紀「兄ちゃーん コショウないよー?」
冬香「はーちゃんそっちの戸棚にあるよ」
春紀「もー!冬香は兄ちゃんの面倒見ててよ!チャーハンぐらい一人でできるって!」
そんな喧騒がとても幸せなある日。そろそろ傷も癒えてきた。
冬香「お兄ちゃん具合どう?」
○○「あぁ。おかげさまでだいぶ良くなってきてるよ。ありがとな」
冬香「良かった!何か飲み物取ってこようか?」
○○「別にかまわないよ。それより春紀のやつ大丈夫か?ここ最近えらく張り切ってるけど」
冬香「はーちゃんあれから張り切ってるよね。なんだか前のはーちゃんとは全然違う」クス
そういって冬香は姉である春紀を見て少し笑った。
春紀「うわっ!焦げちゃった!!」
奥から何やら失敗したような声が聞こえてくる。
冬香「はーちゃんチャーハンでなにを焦がすの?!」タッタ
○○「ほんと幸せだな」ニコ
あの日以来こんな小さな(?)、いや春紀を見てると大きいかもしれない。
が、こんなことが幸せに感じれる程であった。
○○「そういえばあれ以来、あの依頼主から何のアクションもないな。」
○○「あの青い髪の娘が上手く話をつけてくれたのだろうか・・・?」
○○「名前も分からないがあれが本当の暗殺者なんだろうな。でもありがとうよ」
そんなことを考えてたら少し焦げ臭いにおいを漂わせる料理が運ばれてきた。
春紀「じゃじゃーん!はーちゃん特性チャーハンだよ!」ドヤァ
春紀「ね!兄ちゃん早く食べてみなって!絶対美味いから!」
目を輝かせてそう訴えかけてくる春紀には逆らえず少し口に含んで咀嚼する。
○○「いただきます・・・。」モグモグ
春紀「ね!美味いでしょ!!?」
○○「あ、あぁ・・・上手になったな」ナデナデ
春紀「ふふーん♪そりゃあ1週間も練習したんだもん!」
冬香「なにこれ!焦げの味がする・・・!」
春紀「嘘だ!!!!絶対しないよ!!!!」
冬香「じゃあホラ食べてみて」ヒョイ
春紀「ん・・・・。んまい・・・!」
冬香「はーちゃん無理しなくてもいいんだよー」クスクス
春紀「次はぜってぇー美味いの作るから!」
兎に角、以前より笑いが絶えなくなったのは確かなようだ。
※翌日 昼※
○○「じゃあ兄ちゃんちょっと用事あるから。留守番頼めるか?」
冬香「ホントに一人で大丈夫なの?邪魔にならないようにするから付いていっちゃだめ?」
春紀「・・・すぐに帰ってくるよね?」
○○「あぁ。すぐに帰ってくるし大丈夫だよ」ポンポン
○○(本音を言えばまだその手の連中がいつ襲ってくるか分からないからな)
○○「じゃあ行ってくるね。チビたちのこと頼んだぞ」
春紀 冬香「「じゃあー」」チュ
○○「―――ッ!!」
抱きつくのは体に障ると考えたのか両頬にそれぞれ唇をつけてきた。その予想もしない行動で思わず頬が赤くなる。
春紀 冬香「「行ってらっしゃい!!」」ニコニコ
元気よく手を振って送り出してくれた。
○○(いつからキスなんて覚えたんだ・・・!)
思い出すたびに顔を赤らめてしまう。
○○「今日はあそことあそこへ行くだけだし、まぁそんなに時間はかからないだろう」
※昼過ぎ デパート※
○○「こんな所久しぶりだな」
○○「金も結構持ってきたし大丈夫だよな」
身なりは一見普通だが財布にはあの日稼いだ札束の一部が入っていた。
○○「まずはあいつらになんか買ってやらなきゃ」
○○「うーーーーん。どれがいいんだ・・・?」
迷いながらいろいろと商品を手に取るが実際のところどれが気に入りそうなんて皆目検討もつかなかった。
???「お兄さん何探してるの?」
○○「え?」
突然声をかけられた。周囲には目を配るが誰も居ない。そう思い下に視線を逸らすと赤い髪の女の子が立っていた。
○○「君は・・・?」
???「わたしは一ノ瀬 晴っていいます」
元気よく答えるその子は春紀より2つか3つ年下の風貌に見えた。
○○「晴ちゃんか。ね!晴ちゃんならどういうものを貰ったら嬉しい?」
晴「うーん。晴はどんなものでも嬉しいかな!」
○○「なんでもいいのかな?」
晴「だって好きな人にもらえば嫌なはずないもん!そうでしょ?」
○○「そうだね」クス
晴「晴もね誕生日にねパパとママそれにお兄ちゃんや弟に祝ってもらってプレゼントも貰ったけどすごい嬉しかったんだ!」
○○「そうなんだ 今日はパパとママも一緒に来たの?」
晴「うん!向こうに多分居るよ!」
○○「たぶん心配してるからパパとママのところに戻りな」ニコ
晴「分かった!じゃあ晴もどるね!ばいばい!」
○○「気持ちが大事か」
○○「って言っても難しいなー」
指で頭をかいて悩ませていたがやっぱりいい物が思い浮かばない
○○「ゲーム機でいいかな?ずっと使ってくれそうだし」
前世代の古いゲーム機と真っ赤な帽子を被ったおじさんがキノコ食って加速するレースゲームを購入した。
○○「あ・・・・これ・・・!」
レジの横に掛けてあった一つの商品に一目惚れするかのように体が勝手にそれを手にとっていた。
○○「春紀も冬香も喜んでくれるかな?」
二人の喜ぶ顔を想像するだけで痛む体も足取りが早くなった。
○○「あとは肉だな!」
食料品のコーナーに行くと普段は買いたくても買えないような高級品をカゴいっぱいに入れる。
○○「よしッ!今夜は焼き肉だな」
○○「おっといけね。リンゴ買っていかなきゃ。」
買い物はそれほど時間を取らずデパートを後にした。
・・・
・・・・
○○「xx号室の寒河江なんですが・・・」
取り合ってくれた看護婦は優しく病室まで案内してくれた。
○○「母さん元気か?見舞いに来たぜ」
連絡なしに訪問したので最初は驚いていたがすぐによく来てくれたと歓迎してくれた。
前に電話で話したがやはり以前見舞いに来た時より弱っているのは明白だった。
元気だけが取り柄だった母は今では弱々しく、こんな姿はあの娘たいには見せられないね、とどこか寂しげに笑っていた。
○○「それで最近春紀が張り切っててさ」
他愛のないごくごく普通の会話を何時間しただろうか。
持ってきた果物のリンゴを剥いてあげると美味しそうに食べてくれた。
○○「じゃあ、そろそろ帰らないとあいつら心配するから」
○○「たまには顔出すからさ、早く良くなってくれよ。」
優しく微笑んだ母は病室をでるまで手を振ってくれていた。
※夕方 自宅※
○○「ただいまー」
春紀「おかえりー!!」
冬香「おかえりなさい」
○○「ほーら!今日は焼き肉だぞー!!」
春紀「うわーーーーい!焼き肉!!!」
冬香「大丈夫なの?お金?」
○○「そんな心配冬香はしなくてもいいのー。もっと喜んでもいいんだよ」ニコ
冬香「うん!」
春紀は肉をガサゴソと出しては見比べており、冬香は照れくさそうに笑っていた。
○○「よーしじゃあホットプレート出さなきゃな」
春紀「アタシ手伝う!」
冬香「ワタシも!」
棚の奥から出したホットプレートは年に数回も役目を果たさなく少し埃をかぶっていた。
水で汚れを落とし鉄板を拭くと皮肉にもまだ真新しい物と遜色ない程綺麗だった。
○○「美味しいか?」
春紀「うん!!美味い!!」
冬香「美味しい!ありがとねお兄ちゃん」
春紀「ありがと兄ちゃん!」
○○「どういたしまして。たくさんあるから腹いっぱい食えよー!」
肉の焼ける音と幸せな匂いが狭いこの家の中いっぱいに広がる。
冬香「でもちょっと気がひけちゃうね」
○○「ん?どうしてだ?」
冬香「だって弟たちはまだ食べれないから」
○○「まぁまぁ。それは仕方ないよ。でも兄ちゃんちゃーんとチビたちにも買ってきたよ」
春紀「これ!最高級たまごボーロ!」
○○「チビたちにはそれで勘弁してもらおうと思ってな」
冬香「良かったねー!皆も美味しいの食べれるよ」
そう言って冬香は嬉しそうに弟たちにたまごボーロを見せた。
・・・・
春紀「はぁー食った食った」ポンポン
冬香「はーちゃん食べてすぐに寝るt・・・あれ?寝てない」
春紀「ブタみたいな姉ちゃんより美人で強い姉ちゃんの方がいいだろ?」
冬香「はーちゃん変わったね!」
春紀「もう前みたいに冬香に頼りっぱなしはやめたんだ。もっと姉ちゃんらしくならないとな」
冬香はもう何も言わずニコニコと春紀を見つめていた。
春紀「じゃあ片付けるかね」
○○「いいよ二人は休んでな」
冬香「でもお兄ちゃん体に障っちゃうよ」
○○「いいのいいの」
冬香「うーん。」
○○「じゃあお利口さんな二人にデザート。ほら」ヒョイ
春紀「これ、Rocky!!」
冬香「デザートまであるんだ!」
○○「たまには贅沢もしないとな」
春紀「これ好きなんだよ!兄ちゃんありがと!!」
春紀は飛び跳ねるぐらい喜んでくれた。
・・・
○○「ふぅー。終わった終わった」
洗い物を済ましてる間に春紀はもうデザートのRockyを食べ終えていた。
春紀「ねー!兄ちゃんあのデカイ箱は何なの?」
○○「気になるか?開けてもいいよ」
冬香「はーちゃん何が入ってるの・・・!」
二人とも神妙な面持ちで中を覗き込む。
○○(喜んでくれるといいんだけどな)
春紀「これってあのゲーム機!?」
冬香「すごーい!我が家にもゲーム機が来た!」
二人とも満面の笑みで喜んでくれた。
冬香「はーちゃんやろやろッ!」
春紀「カセットはヒゲおやじのカートだ!冬香やろやろ!」
さっそく遊ぼうとするが重要な物を買い忘れていた。
コントローラーが1つしか付属していなかったのだ。
○○「あちゃー。悪ぃ!今度もう一つ買ってきてやるから今日は代わりばんこで遊んでくれ。な?」
春紀「だめー。」
冬香「はーちゃんの言うとおりだよー」
○○「えぇ・・・。そんなこと言ってもなぁ」
春紀「コントローラーはあと2つ!」
冬香「そうそう三人でしなきゃ意味ないよ!」
そう言うとなぜか三人でするまではプレイしないと二人は約束を取り決めていた。
○○「じゃあお詫びにもう一つ。用意してるものがあるんだ。」
春紀「まだあるの!?」
冬香「そんなにいいのに」クス
○○「兄ちゃんな、二人にはこれが似合うと思ってつい買っちゃったんだ」
袋の中から二人にそれを差し出した。
春紀「うわぁー綺麗」
冬香「これワタシに似合うかな?」
○○「やり方分かるか?」
春紀 冬香「うん!」
そう言って二人は慣れない物に苦戦しながらもそれを付けた。
○○「うん!!!二人ともすげー似合ってる」
○○「鏡の前に立ってごらん」
春紀「うわぁぁぁぁ!」
冬香「はぁぁぁぁ!」
二人とも目を丸くして自分の髪の毛を凝視していた。
二人の髪の毛には橙、緑、桜色の三色の髪留めが女の子らしさを引き立てた。
○○「よかった~。喜んでくれて」
春紀「兄ちゃんこれ宝物にする!!!」
冬香「ワタシもこれ宝物にするね!!」
喜ぶ二人を見てこれで良かったのだとホッと一息ついた。
暗殺稼業から足を洗った身分だ。またこんなプレゼントをしてやれるかどうかも分からない。
しかしこんな笑顔を見つけれたのだ。もう二度と間違いは犯さないだろう。
~Fin~
おわり。またネタあればこっそり書きます><
このSSまとめへのコメント
兄弟愛と期待したら知らん奴がいた