男「ここが、妖怪の山か」文「あやや?」(777)
人里を遠く離れた所にある山。そこには妖怪が多く住み着き妖怪の山と呼ばれている。
山の入り口に人間が二人。
一人は白衣を着た、珍妙不可思議にて胡散臭い男。名を男という
もう一人は、張り付いたような笑顔が薄気味悪い少女。名を幼馴染という
男「はぁ、はぁ。こんなに遠いとは思ってなかったぞ」
幼馴染「運動不足wwww」
男「うるさいっ。天才は運動はしないのだっ」
幼馴染「天才ならそういう道具作れば?wwww」
男「作るさ。目的地に着いたならなっ」
幼馴染「目的地って?w」
男「………分からん」
幼馴染「wwwwwwww、!?」
男「まぁ、ここなら俺の腕を買ってくれる妖怪がいるだろう」
幼馴染「計画性ゼロwww」
椛「そこの人間、止まりなさい」
シュッ
男「うおっ。なんだ白狼天狗か」
幼馴染「白狼天狗って?wwww」
男「天狗の中の下っ端だ、下っ端」
幼馴染「なんだ、雑魚かwwww」
男「待て待て、雑魚には雑魚で重要な役目があるんだ。雑魚を馬鹿にするんじゃないぞ」
椛「うぅ………」ぷるぷる
幼馴染「でも雑魚なんでしょ?wwwww」
男「まぁな」
椛「うわー! 叩き切る!! 叩ききってやるぅ!!」
ブンブン
男「うわ、危なっ。いきなり襲い掛かってくるとは野蛮極まりないな。少しは話し合いをしようという心がけはないのか」
椛「うるさいうるさいうるさいっ!! 私は雑魚じゃないっ!!」
椛「うわーん!」
男に襲い掛かっている椛を空から見つめる一人の天狗がいた。
文「あやややや? なんだか面白そうな事してますね」
男「はっ、ほっ。なんだかっ、避けるのも、遊びみたいで、楽しいなっ」
幼馴染「ガンバwwwww」
椛「切り潰すっ!」
男「切るか潰すかどちらかにしてほしいものだな」
幼馴染「男でも避けれるなら、ひょっとしてこいつ凄い弱いんじゃない?wwwww」
男「いや、激情中だから攻撃が単調で避けやすい。というかもうそろそろ助けてくれない?」
幼馴染「okwww」
幼馴染は椛の剣を持ってない方の手をつかみ、そのまま足を払った。椛は受身を取ることもなくそのまま顔からこけてしまった。
べしゃっ
幼馴染「winwwww」
椛「………」スクッ
男「いや、第二ラウンドのようだぞ」
椛「ありがとうございます。今のおかげで目が覚めました。次からは本気で行きます」
男「あれ? もしかしてピンチなのか?」
幼馴染「がんばっwwwwww」
男「おい、逃げるなっ!!」
椛「それでは行きますよ」
無拍子で繰り出される椛の神速の一撃。それよりも早くその攻撃を受けとめる者がいた
椛「………文さん」じろっ
文「あややや。そんな怖い目で見ないで欲しいですね」
椛「仕事の邪魔をしないでくれませんか?」
文「暴力はいけません。暴力は。ラブ&ピースでいきましょう。ほら笑って笑って」にこっ
椛「そうですね」にこっ
ブンッ
文「あぶなっ! ちょっと危ないですよ椛。いきなり切りかかって来るなんて」
椛「いつもいつも私の邪魔をして。一体文さんは何がしたいんですか!」
文「妖怪の山までくる人間が珍しくてインタビューしようかと思いましてね」
椛「その人間なら。山の中に入っていきましたよ」
文「あややっ!? 困りますね。妖怪の山は私みたいに人間に好意的な妖怪ばかりではないのですから、私がインタビューするまで食べられないでくださいね」ビュンッ
椛「………まったく、文さんは困りものです」
椛「ふふっ」
男「うむ、なんだかばしばしと殺気を感じるぞ」
幼馴染「いざとなったらおとりになってwwww」
男「断る」
文「あややや、いたいた。困りますよ勝手に妖怪の山の中に入られちゃ」
男「む、さっきの鴉天狗か」
文「射命丸 文といいます。これ名刺」
男「どうも。俺は名刺は持っていないが。男という。発明家だ」
幼馴染「幼馴染www ただの人wwwww」
文「それで、なぜ妖怪の山に? あ、ちょっと待ってください、メモだすんで」
文「はい、いいですよ」
男「うむ。俺がこの山に来た理由は妖怪なら俺の腕を理解してくれると思ったからな」
文「腕?」
男「さっき言ったとおり俺は発明家だ。しかし誰も発明に理解をしめさん」
幼馴染「だって意味分からんものwwwww」
男「えぇい。うるさいっ」
文「参考に聞いておきますが、今まで作ったものは?」
男「携帯蓄音機だ。一分くらいしか録音できないが」
幼馴染「人の声を取ってどうするのさwwww」
文「あやや。いやこれは結構な発明だと思いますがね」
男「おぉ。分かってくれるか!」
文「まぁ。河童の科学はもうちょっと凄いですけどね」
男「うむ。河童の科学力は俺も凄いと思ってるぞ。欲を言えば河童と一緒に発明したいものだな」
文「河童ですと、知り合いにいますが」
男「何っ!? 案内してくれ」
文「駄目ですよ。個人情報なので」
男「なん、だと?」
文「一応親友ですんで居場所は教えれませんね」
文「といいたい所ですが取材に応じてくれましたし、聞いてくるぐらいはしてあげますよ」
男「ありがとう。妖怪って話が通じそうに無い奴ばかりだと思っていたが認識を改めないといけないようだな」
文「私はフレンドリーをモットーにしてますからね。それでは」
文は軽くジャンプをしたかと思うと次の瞬間には視界から消えていた。
幼馴染「はやーいwww」
文「お待たせしました」
男「速いな。全然待たなかったぞ」
文「友人が二つ返事でokしてくれたので」
男「ずいぶんと気さくな友達なんだな」
文「人間が大好きらしいですからね。あ、食料的な意味じゃないですよ?」
男「それは良かった」
文「それでは着いてきてくださいね。少しでもはぐれると胃袋の中、なんてことになりかねませんからね」
男「それは嫌だからしっかりとついていこう」
みすちーは永遠亭のほうですね
一刻ほど歩いた所に文の親友の河童、河城にとりのアジトはあった
男「ここか?」
文「えぇ。おかしいですね。さっきまでいたのですが…」
???「いたいいたいっ! 姉さん痛いですよっ!!」
???「……………」
男「えっと。あれか?」
文「………えぇ」
そこには河童の姉妹がいた。赤い河童、河城みとりがにとりにアームロックをかけている
にとり「折れます折れます! 幻想郷の発明家の腕が」
ぽきっ
にとり「折れたぁぁああああ!!」
???「人間は…駄目」
男「なんだか凄いことになってるが」
文「正直見なかったことにして回れ右したいですね」
にとり「待たせたね」ぷらーん
男「腕大丈夫か?」
にとり「正直泣きそうなほど痛いけど大丈夫だよ」
男「泣いてるぞ」
にとり「ぐすっ。一日もすれば治るよ。多分」
文「姉妹喧嘩ですか?」
にとり「姉さんが人間は駄目だって」
男「姉さんってさっきからこっちをじっと見てる人か?」
幼馴染「負けずとこっちも睨み返そうwww」
男「やめろ」
文「みとりさん戻ってたんですか」
にとり「家に引きこもってるけどね」
文「あやや。まだ他の人には心開かないのですか」
にとり「困ったものだよね」
文「みとりさんの他人嫌いも困ったものですね。いやあんなことがあったので当然かもしれませんが。あの時は上手く守れないで申し訳なかったです」
にとり「その話はやめようよ。後悔しかないからね」
文「すみません。それで結局は駄目なんでしょうか」
男「それは困る。泊まる場所もないし。このままだと幼馴染と仲良く妖怪の胃の中だ」
にとり「うん。わたしとしては盟友の頼みだから聞いてあげたいんだけど」
みとり「………」
にとり「姉さんがあんな感じだから」
文「あやややや。困りましたね。人里に戻るにしてももう遅いですし」
文が仰いだ空の色はもうすでに赤みがかっていた
男「人里には、戻れないんだ」
文「なぜです?」
男「俺は人里の邪魔者だからな。兄さんがいなくなった今。人里にいても冷たい目で見られるだけだ。それに発明家を続けられそうに無いからな」
幼馴染「私の家に来ればよかったのにwwww」
男「お前の親御さんに迷惑をかけるわけにはいかなからな。というかいまさらだがなぜお前は着いてきたんだ? 戻ったほうがいいんじゃないのか?」
幼馴染「うるせぇwwww」
みとり「………」
男「まったく。少し自分達と違うだけで排除しようとするとは。人間という奴は愚かだな」
男「いや。もしかしたら俺はいなくなって正解なのかもしれないな」
みとり「違う」
男「うん?」
みとり「いなくなって正解だなんてない。嫌われても、きっと誰かが貴方を好きでいるから。その人のために生きよう」
にとり「姉さんが」
文「みとりさんが」
にとり&文「長文を喋った!?」
みとり「………」むかっ
文「いたいいたいいたいっ。幻想郷の新聞記者の腕が折れます!」
にとり「両手使えなくなる両手使えなくなるから!」
ぽきっ
にと&文「アッー!!」
文「腕が………」
にとり「でもまだ骨が外れただけだから大丈夫だよ」
文「大丈夫じゃないですけどね」
みとり「家に来ていいよ」
にとり「良いんですか、姉さん」
みとり「この人は私と一緒だから」
にとり「あぁ。そういえばそうですね」
みとり「禁止、しない」
男「じゃあ泊まっていいのか?」
にとり「住んでもいいよ。もちろん発明を手伝ってくれればだけど」
男「それをしに来たんだからな。何も文句はない」
にとり「よしっ。今夜は発明について語り明かそうっ」
男「いいだろうっ」
文「発明家同士打ち解けたようで良かったですねぇ」
幼馴染「お邪魔しまーすwwwww」
にとり「家主より先に入るとは思わなかったね。まぁいいけど」
みとり「入って」
男「お邪魔します」
にとり「そんなにかしこまらなくていいよ。今日から盟友の家なんだから」
男「そうか。じゃあただいまだな」
みとり「うん」
にとり「さぁ。じゃあさっそく発明室に」
みとり「駄目。先にご飯」
にとり「えぇ………」
みとり「禁止」
にとり「しかたない。じゃあ夕飯作るから待ってて」
男「手伝おう」
にとり「料理できるの?」
男「人並みにはな」
にとり「………」
みとり「どうしたの?」
にとり「負けた、完全に負けたよ」
幼馴染「wwwwやっぱりそうなるかwwwwww」
にとり「邪魔にしかならないから出てきたよ。なんだろう女としての自尊心とかそんなのが音を立てて崩れ落ちてくね」
幼馴染「wwwwwwだってプロ並みだもんwwwwww」
みとり「楽しみ」
にとり「私もおとなしく待ってるよ」
男「ん? にとり、手伝ってくれるんじゃないのか?」
にとり「………うん」
幼馴染「がんばっwwwww」
にとり「できたよー」
男「ありがとう、助かった」
にとり「………うん」
男「どうかしたか?」
にとり「いや、なんでもないよ。さぁ早く食べよう」
男「わかった」
にとり「私が持っていくよ」
男「そうか。ありがとう」
にとり「うんうん。これくらいはしないとね」
男「それじゃあ俺は向こうにいってるぞ」
にとり「うん」
にとり「………はぁ。私お嫁に行けるのかなぁ」
にとり「いやいや発明家は発明が恋人さ。なんの問題もないね!」
にとり「本当だよ?」
みとり「おいしそう」
幼馴染「おいしいよwww」
男「俺の料理なんてそうたいしたもんじゃないさ」
幼馴染「………ww」
にとり「………」
みとり「練習、しよう」
にとり「………うん」
男「さて早く食べて発明を見せてくれ。いただきます」
にとり「いただきます」
幼馴染「いただきますwwww」
みとり「いただきます」
にとり「きゅうりおいしい、きゅうりうまい」
男「俺のもいるか?」
にとり「いいの!?」
男「あぁ。そこまで良い食いっぷりだとこっちも嬉しいからな」
にとり「わーい」
みとり「美味しい」もぐもぐ
男「おかわりもあるぞ?」
幼馴染「おかわりwwwww」
男「お前は遠慮しろよ」
幼馴染「解せぬwwww」
男「一応人の家だからな?」
にとり「いいよいいよ、気にしないで」
幼馴染「やったwwwww」
にとり「ごちそうさまー」
みとり「ごちそうさま」
幼馴染「おかわりwwww」
男「もうないぞ」
幼馴染「まじかwwww ごちそうさまwwwwww」
男「さて、開発品を見せてくれないか?」
にとり「待ってました! じゃあこっち来て。こっちこっち」
男「おいおい。袖が伸びる。あ。そういえば皿洗い頼んだぞ、幼馴染」
幼馴染「おkwwwww」
にとり「じゃじゃーん!」
男「おぉ。人里じゃ考えられない設備だな」
にとり家の地下。そこには人間の里では考えられないほどの機材と材料があった。
にとり「んふふー。どう? どう?」
男「凄いな。これとか一体なんなんだ?」
にとり「計算機だよ。簡単に言うと自動で計算してくれるそろばんみたいなものかな」
男「ほぅ。これは?」
にとり「掃除機。ごみを吸い取ってくれるんだ」
男「吸い取ったものはどこにいくんだ?」
にとり「それは、ここだよ」かぱっ
男「なるほど、中に溜まっていくのか」
にとり「中に入ってくごみが多くなると吸引力が落ちるのが難点だね」
男「改良の余地あり、か」
にとり「そこはがんばって改良していくよ。これからは男もいることだしね」
男「あぁ。期待に沿えるようにがんばるよ」
男「これは、なんだ?」
にとり「尻子器」
男「え?」
にとり「尻子玉を綺麗に取り出せる道具だよ」
男「………そうか」
にとり「使ってみる?」
男「全力で断る」
にとり「えー。駄目?」
男「そんな潤んだ目で見ても駄目だ」
にとり「取り出したいなー。欲しいなー。尻子玉」
男「俺以外で試してくれ」
にとり「仕方ないなー。そうするよ」
男(いまさらだが妖怪と一緒に暮らして大丈夫なのか?)
にとり「そうだ。次は盟友の道具を見せてよ」
男「あぁ。ちょっと待ってくれ。リュックの中に色々しまってるから」
男「あんまり持ってこなかったからな。これくらいか」
にとり「これは?」
男「蓄音機。音を録音、再生できる」
にとり「良く人間の設備でこれが作れたね」
男「兄も発明科だったからな。俺と違って有能だったが」
にとり「なんで過去形?」
男「もういないからな」
にとり「………ごめん」
男「いや、いいんだ。そんな事よりもっと発明品をみてくれ。これなんかどうだ? モクモクの実」
にとり「何これ。食べれるの?」
男「食べれはしないが、燃やすと凄い勢いで煙が噴出する。だから火は駄目だ、って」
にとり「え?」ぼっ
ぷしゅーっ
男「先に説明聞いてからやってくれー!!」
にとり「けほっけほっ。ごめんーっ」
ごろごろごろ、どがっしゃんっ!!
みとり「!?」びくっ
にとり「あたたたた」
男「重い」
にとり「ごめんごめん。すぐに退くよ。はぁ。偉い目にあった」
男「せめて説明全部聞いてからにしてくれよ」
にとり「科学的好奇心が抑えきれず………」
もくもくもく
にとり「あちゃー。これはしばらくは地下室使えないかな」
男「地下室だから換気悪いからな」
にとり「もう少し視界が良くなれば換気扇回せるんだけど。これだけ煙がでてたらスイッチが分からないよ」
みとり「これ、なに?」
にとり「あ、姉さん。実はかくがくしかじかで」
みとり「そう」がしっ
にとり「次は足!? 足は駄目足はだ、めーっ!!」
にとり「うぅ。立つのが辛いよ」
みとり「自業自得」
にとり「なんで私だけなのさ。男だって」
みとり「男は悪くない」
にとり「えー」
みとり「左足」
にとり「そうだね。男は何も悪くないね!」
男「いや。注意が遅れた俺の責任でもある。掃除は手伝わせてもらおう」
にとり「ありがとう心の盟友よ!!」
幼馴染「ん? どったの?wwwww」
男「お前も手伝え」
幼馴染「とんだとばっちりですよこれwwwwwww まぁ、いいけどねwwwwww」
男「さすが幼馴染だな」
幼馴染「照れるwwwwwww」
にとり「うーん。今日はもう出来ることがないから寝ようか」
みとり「うん」
男「そういえば俺はどこで寝ればいい?」
にとり「そうだなー。申し訳ないんだけど部屋が一つしか余ってないんだよね。だから幼馴染ちゃんと一緒の部屋になってしまうんだけど」
男「俺は構わないが、幼馴染はいいのか?」
幼馴染「いいよwwwww」
にとり「じゃあこっちだよ。ていっても私の部屋の前だけどね」
男「そうか。なら用事があった時にはすぐ行けるな」
にとり「うん。まぁ一応だけどノックはしてね」
男「分かってるさ」
にとり「ここだよ」がちゃ
男「結構広いな」
にとり「そう?」
幼馴染「人間の里だと考えられない広さwwwww」
にとり「まぁ、喜んでもらえればこっちとしても嬉しいよ」
にとり「じゃあおやすみ」
みとり「おやすみ」
男「おやすみ」
幼馴染「おやすみなさいwwwww」
ガチャン
男「ふぅ。今日は色々あったからどっと疲れたな。もう寝よう」
幼馴染「うんwwwww」
男「じゃあ電気消すぞ?」
幼馴染「待って、布団にまだ入ってないwwwww」
男「消してからでもいいと思うがな。もういいか?」
幼馴染「いいよwwwwww」
男「あぁ。それじゃあおやすみ」
幼馴染「おやすみwwwww」
男「ここ、どこだったか。あぁ。にとりの家か」
幼馴染「zzzzzzzwwwwww」
男「こいつ、やっぱり寝てるときもこの笑ったまんまなんだな。………怖いな」
幼馴染「むにゃむにゃwwww はっ、ここは?wwwww 朝チュン?wwwww、!?」
男「ここはにとりの家で、朝だけど特にすずめは鳴いていないな」
幼馴染「そっかwwwwww」
男「にとりは起きてるのか? 起きてるなら朝食を作ったほうがいいかもしれないな」
幼馴染「朝ごはんできたら起こしてwwwwww」
男「………分かった」
幼馴染「じゃ、頼んだwwwww zzzzzzwww」
男「さて。朝ごはん作るか」
にとり「ふわぁ。おや? いい匂いだね」
男「勝手に冷蔵庫を漁らせてもらったけど良かったか?」
にとり「いいよ。おかげで朝ごはんが出来たんだしね」
みとり「ごめんなさい」
男「いや、こっちが勝手にやったことだ。気にしないでくれ」
みとり「ありがとう」
にとり「そういえば幼馴染ちゃんは?」
男「そういや。起こしに行かないとな。先に食べててくれ」
にとり「分かったよ。もぐもぐ」
みとり「待ってる」
男「いや、冷めるから食べててくれ」
みとり「うん」
幼馴染「まいうーwwwwww」
にとり「うまうま」
みとり「美味しい」
男「食材が人間の里と比べて良い物が多かったからな。特にきゅうり」
にとり「河童はきゅうりの栽培にかけては幻想郷一だよ」
男「みたいだな。そういえば地下室は元に戻ったのか?」
にとり「うん。なんとか換気扇が回せたからね。もう開発とかは出来るよ」
男「そうか。なら何か開発してみるかな。今のところ設計図は思いつかないが」
にとり「誰かと話したら思いついたりするんじゃないかな。誰かに会いに行ってみるといいよ」
男「そうだな。でも外を出歩いたら妖怪に襲われそうだな」
にとり「あぁー。人間だからね。魔理沙みたいに強かったらいいんだけどね。後は見つからないようにするしか」
男「そうだな。ん、見つからない? 思いついた!」
にとり「おぉ。早速だね」
男「朝食を取ったらすぐに開発に取り掛かろう」
設計図『ステルスピーチ』を思いついた
男「ではさっそく。開発に取り掛かるか」
トンテンカントンテンカン ギュイイイイイ ガガガガガッ
男「出来た!」
アイテム『ステルスピーチ』が出来た
にとり「これは?」
男「ステルスピーチ。食べると一定時間存在感を消す桃だ。こっちから何かをしない限り気づかれることはまず無いだろう。まさに、ステルスピーチの独壇場というわけだっ!!」
にとり「おぉー。これで妖怪に襲われなくて済むね」
男「うむ。さて、出来たはいいが誰に会いに行こう」
にとり「文なんかがいいんじゃないかな。情報通だからね」
男「しかしどこに行けば会えるか」
にとり「大体取材行ってるか、家で記事を書いてるかだね。だから家で待ってれば会えると思うよ。はい、これ地図」
男「ありがとう。じゃあ行ってくる」
にとり「いってらっしゃい」
男「ぜはー。ぜはー。そういえば、移動する道具、作ってなかったな………」
男「なんであいつの家こんな山の上にあるんだ?」
男「まぁ、いい。失礼する」
文「うーん。ここの文章はもうちょっと派手に脚色したほうがいいでしょうか」
男「新聞ならありのまま事実を書いたほうがいいと思うのだが」
文「分かってませんねー。こういうのは読者が好むような記事って………!? いつからそこにいたんですか!?」
男「ついさっきだな」
文「まさかこの私が執筆中とはいえ後ろを取られるとは。あと良くここに来るまでに襲われませんでしたね」
男「あぁ、これがあるからな」
文「桃、ですか?」
男「ただの桃ではない。発明ナンバー12!『ステルスピーチ』なのだ!!」
文「えーっと。つまりどういうことですか?」
男「これを食べると一定時間気配がなくなるのだ。だから誰にも気づかれずにここまでこれた」
文「あやや、最近の科学って凄いですねぇ」
文「それで、今日は何か用ですか?」
男「にとりがこの山のことについて詳しいのは射命丸だと言っていたのでな」
文「はぁ。確かに新聞記者なので詳しいといえば詳しいですが、それがどうかしましたか?」
男「山について案内して欲しい」
文「………正気ですか?」
男「あぁ」
文「危険な妖怪がたくさんいるんですよ?」
男「射命丸やにとりみたいに優しい妖怪もいるのだろう?」
文「うーん。でも、ちょっと」
ガチャ
はたて「遊びに来たわよー、ってなんでこんな所に人間が」
男「しまった! ステルスピーチの効果時間が切れてるっ」
文「あややや、まずい事になりましたね」
男「なんでだ?」
文「この妖怪の山には人間を快く思ってない妖怪も多くいるのです。なのでこの事が広まると、色々と面倒なことに………」
はたて「いや、別に言わないけど」
文「本当ですか!? いや、まさかこの事と引き換えにあんな事やこんな事を要求されてしまうのでは……… 新聞にグラビアを載せて読者数を稼ぐなんて卑怯ですよ!」
はたて「しないしない。というか、あんたの写真を欲しがる人なんているの?」
文「………いる、んじゃないですかね」
はたて「で、なんでこんな所に人間が?」
男「それはだな。昨日からこの森に住むことになったからだ」
はたて「は? あんたが?」
男「そうだ」
はたて「へぇ。なんだか面白そうな事になってるわね」
文「記事にしちゃいけませんよ?」
はたて「分かってるわよ。新聞にしたら私の危うくなるもの」
はたて「なにかするのなら私にも一枚かませなさいよ。記事にはしないけど楽しい事は嫌いじゃないわ」
文「あの引きこもりだったはたてがこんなに活発的になるだなんて。社会復帰はもうすぐですかね」
はたて「うるさいわね。あんたのあられもない写真を盗撮してやろうかしら」
文「やったらやり返しますよ」
はたて「へぇ。発明家なのね」
男「あぁ。この桃も発明品だ」
はたて「発明品? それが? まさか品種改良ってオチじゃないでしょうね」
男「違う違う。これは」
文「ステルスピーチといって食べると、気配が消えるそうですよ」
男「俺の台詞が………」
はたて「面白いわね。一つ貰っていいかしら」
文「何をする気なのですか?」
はたて「危ないことはしないわよ。ただ気配を消して張り込めばいい写真が取れるんじゃないかと思ってね」
文「プライバシーのかけらもないですね」
はたて「それをあんたがいうの? そもそもブン屋はそんな事気にしないわよ」
文「それもそうですが… まぁ、人の仕事に口を出すのも野暮って奴ですね」
はたて「分かってるじゃない。それじゃあ行って来るわ。もぐもぐ。甘いわねこれ」
文「写真を楽しみにしてますよ」
文「いまさらなのですがあの人は姫海棠はたて。私と同じ新聞記者ですね。念写が出来ますが最近は自分で撮りに行ってるようですよ」
男「念写が出来るのか」
文「カメラに文字を入れると人が撮った画像が見れるらしいです」
男「射命丸もそのカメラを使えばいいんじゃないか?」
文「お恥ずかしいのですが、私はあんまり、はいてくのろじーな物は使えないのです。触れたら壊してしまいそうで」
男「そう簡単に壊れないと思うが」
文「操作も良く分かりませんしね。だから私はこのカメラで十分です」
男「そうか、残念だ。新しいカメラを作ろうと思ったのだが」
文「気持ちだけありがたく受け取っておきますよ。さて気配を消したはたてがどんな写真を撮ってくるのかが楽しみですね」
男「あぁ。完全に無防備だからな。ん? 思いついた!」
文「いきなりどうしたのですか?」
男「新しい設計図が思いついたんだ」
文「それは良かったですね」
男「さて帰って早速作らなければ」
設計図『スプリンタートル』を思いついた
男「ただいま」
幼馴染「どうしたの。げっそりしてるねwwww」
男「流石に山登りは疲れる」
幼馴染「貧弱!、貧弱ゥwwww」
男「うるさい、いいんだ発明するから」
幼馴染「設計図は?wwwww」
男「帰る時に思いついた」
幼馴染「どんだけ、どんだけ歩きたくないんだよwwwwww」
男「何とでも言うがいい。俺は作る」
幼馴染「やーい貧弱もやしーwwww 押入れにかえれーwwwww」
男「………」ピキピキ
幼馴染「なんとでも言えっと言ったからwwwww」
男「もういい。作る」
設計図『エウレカへブン』を思いついた
男「さて、作るか」
幼馴染「ほんとうすぐ作るねwwww」
男「材料はそろっているからな」
幼馴染「ご都合主義wwww」
ガガギゴ ギガガガギゴ ゴギガガガギゴ
男「できた」
幼馴染「なにこの板wwwww」
男「『エウレカへブン』だ。おそらく冥界までいけるだろう」
幼馴染「死んじゃうwwww」
男「分かってないな。発明ってのは、命張ってのものだろう」
幼馴染「ばかだこいつwwww」
男「さて、そういえばにとりはどこにいったんだ?」
幼馴染「河。誰かに会いに行くってwwwww」
男「そうか。なら俺はこのエウレカへブンを使って会いに行ってみよう」
男「作っておいてなんだが結構これテクニックがいるな」ウォンウォン
男「上手く風に乗らなければ」ブォンッ
男「しまった! 速すぎるっ!!」
ゴンッ!
男「あたたたた。木にぶつかってしまった。やっぱり慣れないと無理だな。これ」
男「結構河に近くまで来たし、歩くか」
男「にとりを見つけたが、一体誰と話しているんだ?」
男「おーい、にとり」
にとり「ひゅい!?」
男「あ、すまん。ステルスピーチ使ってた」
にとり「はぁ。心臓止まるかと思ったよ」
雛「この人は?」
にとり「さっき話してた男だよ」
雛「初めまして。鍵山 雛と申します」
男「男だ。それで、なんでそんなに離れているんだ?」
にとり「あぁ、それはだね。雛は厄神様なんだよ」
男「厄神?」
にとり「人々の厄を吸い取って集めているんだ。だから他の人が近づくとその厄を受けてしまうのさ」
雛「だからあまり私に近づかないほうがいいわよ」
男「いつもそうやって一人なのか?」
雛「えぇ。でも誰かとこうやって話が出来るなら私はそれで満足よ」
男「………」
てくてく
にとり「ちょ! 男、危ないよ!?」
男「人が出した厄だ。俺が別に受けてしまってもかまわんのだろう?」
にとり「それ、死亡フラグ」
雛「それ以上近づくと厄を受けるわ。危ないから近寄らないで」
男「知らんな」
にとり「危ないっ!」
男「――痛っ! なんで上からいがぐりが………」
小傘「あれ? 私何か落としたかなぁ。まぁいっか。そんな事よりいがぐりを目の前に落として驚かせるぞー」
にとり「大丈夫? 血が出てるけど」
男「結構大丈夫じゃなかったりするが。まぁ、想定内だ」
雛「いや、これはまだ序の口よ」
にとり「のびーるアーム!」ビューン
ガシッ
男「うぉ、何をする」
にとり「多分これだけ離れれば厄を受けなくなるよ。雛」
雛「分かったわ。男の厄を吸い取るわ」
にとり「なんで雛に近づいたの?」
男「厄というものに興味があったのと。20メートル近くも離れて話をしたんじゃあまりにも寂しいだろ?」
雛「馬鹿ね。慣れてるから私はいいのよ」
男「むぅ。なんとかならないものか………」
キュピーン
男「ひらめいたっ」
設計図『ヤクセラレーター』を思いついた
設計図『避厄針』を思いついた
にとり「なにを?」
男「鍵山から厄を遠ざける方法だ」
にとり「本当!?」
雛「いくらなんでもそんな方法あるわけがないわよ」
男「その方法を使うと周りに厄が撒き散らされるが、そこも抜かりない」
雛「多分、無理よ?」
男「いいや、やってやるさ! 首を洗って待ってるといいっ。ふはははははっ!」ビュン
にとり「いっちゃった。というかその台詞はなんだか雛に戦い挑んでるみたいだね」
雛「気持ちは嬉しく思うわ。でもあまり期待しないでおくわ。期待しすぎると駄目だったときに落ち込むもの」
にとり「多分大丈夫じゃないかな」
雛「なんで?」
にとり「なんとなくだよ」
雛「勘なのね」
ヌワー セイギョガッ ズドーン
にとり「なんだか向こうで凄い音がなったんだけど」
雛「どうやらまだ厄が残ってた見たいね。厄いわ」
にとり「大丈夫かなぁ」
雛「あれで懲りればいいんだけど」
フハハハハー
にとり「懲りてないみたいだよ?」
雛「はぁ………」
男「あいたたたた。何回か事故を起したが無事家までたどり着いたぞ」
幼馴染「なんでそんなにぼろぼろなの?wwwwwww」
男「何回か木にぶつかったからな」
幼馴染「その発明欠陥品じゃないの?www」
男「そんなわけ無いだろう」
幼馴染「どこからあふれ出す、その自信wwwww」
男「む。そういえば今日はもうあまり時間がないな。発明できるのは一回といったところか」
『スプリンタートル(文)』を開発する
『ヤクセラレーター&避厄針』を開発する
>>88
スプリンタートル
男「『スプリンタートル』を作るか」
幼馴染「なにそれwwww」
男「ステルスピーチを応用した、気配を消せる遠隔操作カメラだ」
幼馴染「ラジコン?wwww」
男「みたいなものだな」
男「それじゃあ作ってくる」
ギギギ カンカンカン ギュィィィィィン
男「できたぞー!」
幼馴染「鴉?」
男「一応バレたときのためにカモフラージュをだな」
幼馴染「そっかwwww で、どこに飛ばすの?wwww」
男「それは考えてなかったな………。射命丸のところにでも飛ばすか。というかそれぐらいしか知り合いいないし」
男「それじゃあ頼んだぞ」
カメラ「カァー!」
バタバタバタ
男「お、映った映った」
幼馴染「それは?wwww」
男「スプリンタートルの映像をリアルタイムで送ってるんだ」
幼馴染「良く分からないけどすげぇwwww」
男「音も拾えるぞ」
文「うぅーん。あんまり面白い事件がないですねぇ。なにか異変でも起こればいいんですが」
文「あまり考えすぎるといい考えも浮かびませんね。お風呂にでも入りましょう」
男「!?」
ぬぎぬぎ
男「ななな、なんでここで脱ぐ!」
文「やっぱり一人暮らしだと楽でいいですねぇ。こんな姿他の人には見せられませんが」
幼馴染「すっごい見てるけどねwwwww」
ザザー
かぽーん
文「あやや~。温かいお湯が体に染み渡りますねぇ」
男「見てない、俺はみてないぞっ!」
幼馴染「誰に弁解してんだwwww」
文「一人は楽ですが。たまに寂しくなりますね。椛が私の家に住み着いたりしてくれないでしょうか」
男「………ふむ」
幼馴染「?w」
男「ちょっと待ってろ。もう遅いが、これくらいなら」
幼馴染「これは?www」
男「電源を切っててくれ」
幼馴染「あいよw」
男「出来た」
犬「わんわん」
幼馴染「それは?」
男「カラクリ犬だ」
幼馴染「?w」
男「中に簡単な式神を仕込んであって、自己学習していく。まぁ実際の犬とそんなに変わらん」
幼馴染「なんでいまそれ?www」
男「ちょっと射命丸に届けてくる」
幼馴染「あー。なるほどwww」
男「じゃあ行って来る」
幼馴染「いってらwww」
男「これの操作にもけっこう慣れたな」
男「さて」
コンコン
文「はいはい。射名丸ですよー。って男さんどうしたのですか?」
男「これなんだが、作ったはいいが置き場が無くてな。良かったら貰ってくれないか?」
イヌ「わんわんお」
文「これは?」
男「カラクリ犬だ。餌をやらなくていい犬とでも思ってくれ。たまに妖力がいるが、そこは射名丸なら問題ないだろう?」
文「でも、これいいんですか?」
男「あぁ。だから持ってきたんだ。それとも迷惑だったか?」
文「いえいえ! そんな事ないですよ。ありがとうございます」
イヌ「わん!」
文「えへへ」ぎゅっ
男「ただいま」
にとり「おかえり」
幼馴染「おかえりw」
男「スプリンタートルは?」
幼馴染「逃げたよwwww」
男「」
にとり「なんだか良く分からないけど元気出してよ」
男「まぁ、設計図はあるんだしな」
にとり「じゃあお夕飯を頼んだよ!!」
みとり「遠慮ってないの?」
にとり「これが最高の選択なんだよ」
男「居候させてもらってるんだからそれくらいするぞ。それじゃあ待っててくれ」
にとり「わーい」
男「できたぞ」
にとり「ビールも取ってきてー」
みとり「自分で取ればいいのに」
にとり「えー。面倒ー」
男「分かった」
男「なんだこれ」
にとり「きゅうり味のビールだよ」
男「………美味しいのか?」
みとり「微妙」
にとり「美味しいよ!」ゴキュゴキュ
にとり「ぷはぁー!」
にとり「飲むかい?」
幼馴染「………w」
男「遠慮する」
にとり「ごちそうさまー」
みとり「ごちそうさま」
男「うむ」
にとり「お先にお風呂入ってるね」
男「………風呂」
にとり「どうしたの?」
男「なんでもない」
にとり「姉さん一緒に入ろうよ」
みとり「いいわよ」
にとり「わーい」
こんこん
男「あいてるぞ」
ギィー
にとり「まだ起きてる?」
男「あぁ、本を読んでたからな。幼馴染はもう寝てるが」
幼馴染「すぴすぴむにゃむにゃwwww」
男「で、どうしたんだ?」
にとり「あんまり寝付けなくてね。少し話ししない?」
男「別にいいぞ。本も読み終わるし」
にとり「それじゃあ失礼するね」
にとり「はい、普通のビール」
男「普通のビールもあったのか」
にとり「今まで姉さんくらいしか飲まないから冷蔵庫の奥にしまってたけどね」
カシュッ
にとり「乾杯」
男「乾杯」
にとり「男はさ。なんで妖怪の森に来たの?」
男「それは人間の里で住めなくなったから」
にとり「いや、そうじゃなくてさ。なんで人間の天敵である妖怪の森に来たの? 河童に会いに来たとしても、命がけすぎるよね」
男「………」
にとり「あ、いや。言いたくないんならいいんだよ?」
男「人の心を操る妖怪っているのか?」
にとり「………私が知る限りではいないね」
男「俺の兄は妖怪に殺されてたんだ。その兄の近くに少女も殺されてたんだが、傷口が違ってな。兄はぐちゃぐちゃだったんだが、少女は綺麗に切り裂かれてた」
にとり「………」
男「その少女を殺したはな。俺の兄なんだ」
にとり「え?」
男「正確には操られた俺の兄だけどな。兄がそんな事するわけが無いんだ。それにその少女を切り裂いた発明。風を操る『エアロ・スミス』もなくなっていたし」
にとり「風を操る?」
男「葉団扇を参考にしたって言ってたな」
にとり「参考って。そんなものが作れるの?」
男「兄は天才だったからな。それに自身を中心として半径20メートルの範囲限定だったからな」
にとり「それでも十分すごいよ」
男「それで話を戻すが、俺はその妖怪を探しにこの山に来た。天狗ならなにか知ってるかと思ってな。まだ聞いていないが」
にとり「その妖怪を見つけたとして。どうするの?」
男「………わからん」
男「今のままだと殺されるからな。ただ考えてる暇があれば行動したほうがマシだと思ったんだ」
にとり「手伝うよ」
男「迷惑になるからいいさ」
にとり「迷惑なんかじゃないよ。だって男は盟友だもん」
男「………」
にとり「駄目?」
男「駄目だ」
にとり「なんで?」
男「盟友だからこそだよ。友達を危険な目に合わせたくない」
にとり「ていっ」ずびしっ
男「いたっ!」
にとり「よーし。ここは相撲で勝負をつけよう。私が勝ったら私は男を助けるよ。私が負けたら私はなにもしない。いいね?」
男「だが断る!」
にとり「のこった!」どんっ!
男「ぐはっ」
幼馴染「ぐえっw」
にとり「私の勝ちだね」
男「いや、まて」
にとり「待たないよ。河童の世界じゃ負けた奴はいう事を聞かなきゃならないのさ」
男「………分かった」
にとり「よし。何かあったら私に言うんだよ?」
男「分かったよ」
にとり「そして一緒に開発していこう」
男「分かった」
にとり「そして二人で子供を育てていこう」
男「!?」
にとり「冗談冗談。まぁ、発明品は子供と言っても過言じゃないんだけど」
にとり「さて。私はもうそろそろ寝るよ。おやすみ」
男「おやすみ。にとり」
にとり「うん?」
男「ありがとうな」
にとり「どういたしましてだよ。じゃまた明日」
幼馴染「………………」ちーん
幼馴染「うぅ、なぜだ。起きたら体が痛いw」
男「おはよう。幼馴染」
幼馴染「おはよう………w」
にとり「どったの?」
幼馴染「なぜか体が猛烈に痛いw」
にとり「………」
男「………………気のせいじゃないか?」
幼馴染「おい、こっち見ろwww」
男「すまない。お詫びに後でお前に渡したいものがある」
幼馴染「なにを?www」
男「ずっとこの家にいても暇だろう。外で外出できるような道具を作る」
幼馴染「普通にステルスピーチくれればwww」
男「それだとつまらんだろう」
幼馴染「おい。マッドサイエンティストwww」
男「さて朝ごはんをけっこう作ったぞ」
幼馴染「それは! 私の好きなカレー!! 今日は朝からカレーを食べてもいいの!?ww」
男「あぁ。しっかり食ってくれ」
幼馴染「もぐもぐもぐもぐ」
男「おかわりもあるぞ」
幼馴染「やったーwww」
にとり「遠慮しないで、私たちの分まで食べていいよ」
みとり「え」
幼馴染「美味しいww 美味しいwww」
男「………」
にとり「………」
みとり「どうしたの? 二人とも」
男「ただ今より新発明品のテストをする!」
にとり「ごめんねー」スルスル カチャ
幼馴染「何をするだー!?w」
男「今つけたベルトは変身ベルトと言って、人の戦闘力を飛躍的に向上させるベルトだ。安心しろ。計算上健康に害は無い」
にとり「ただし。体力に余裕のある人間じゃないと変身できないよ」
幼馴染「凄い。体から力が溢れて来るwww」
にとり「まさか成功するとはね」
男「標準以上の身体能力の優等生だ。変身する運命だったのだ」
みとり「食事中に遊ぶの禁止!」
にとり「姉さん! 標識で殴るのは駄目だよ!?」
がんっ
男「くっ。痛い」
幼馴染「どんまいwwwwwwww」
男「まぁいい。ふはははは!! 今日からお前は仮面ランナーパピヨンだ!」
にとり「その格好ちょっと怖いから変身解除してくれないかな」
幼馴染「分かったwww」シュウィウィウィン
幼馴染「でももうちょっといい変身姿は無かったの?www ドレスとか」
男「戦闘的には一番それがいいんだがな」
幼馴染「ま、いっかwww」
男「それじゃあ今から俺は出てくるが、お前はどうする?」
幼馴染「ちょっと散歩言ってくる」ヘンシーン
男「しまった。あの姿で外でたら事件になるんじゃないのか?」
にとり「多分大丈夫だよ。多分」
男「さて、誰の所に行こうか」
1にとり
2みとり
3文
4椛
5はたて
>>124
1
男(にとりの職場に来たはいいもの。案の定周りに人がいるな。どうするか)
にとり「あうあう。忙しいよ忙しいよ」
河童1「にとりさん。そっちのラインを任せたよ」
にとり「えぇー」
河童2「皆修羅場なんだもの」
にとり「あうあう」
河童1「最近は個人で動く河童が増えてきたからねぇ。人数不足なのよ」
にとり「分かってるけど、忙しすぎないかな」
河童1「仕事終わったらビールくらいならおごってあげるから」
にとり「仕方ないなぁ。じゃあ行って来るよ」
河童1「ありがとね」
男(ふむ。人数不足で忙しいのか。作業を見た感じ俺でも手伝えそうだが、人間だから無理だな。どうにかこの姿をどうにかできれば…)
男(ひらめいた!!)
設計図『変化の笛』を思いついた
男「昼、だな。弁当を作ってきてよかった」
ぐぅ~
男「………腹の音?」
椛「お腹、空きましたね。でも後続の人が来ないから交代できませんし…」
ぐぅ~
椛「………辛抱です」
男(あれは確か、射命丸が椛って呼んでた白狼天狗……… 腹が減ってるのか?)
男(でも出ていいっていいものか。どうするべきか)
男(さらさらさらっと。これでいいか)
カンッ
椛「!? 石がなにかにぶつかった音。動物でしょうか。でも一応」
椛「これは。お弁当箱。紙も一緒に。えっと、食べてくれ? 一体誰が」
椛「罠かもしれません」
ぐぅ~
椛「………食べましょう」
椛「誰かは分かりませんがありがとうございます」
椛「あ、骨付き肉」
もぐもぐ
椛「毒は入ってないようですね」
椛「ご馳走様でした。それでその弁当箱はどうすればいいのでしょうか。少し千里眼で周りの人を探してみましょう」
椛「………誰もいないですね。一体誰が、って弁当箱が消えた? どういうことでしょうか、不思議な事もあったものですね」
白狼「すまない椛。遅れてしまった」
椛「あ、いえ。大丈夫です」
白狼「それでは代わろう」
椛「はい」
男(これでいいか。ん?)
設計図『灯っかりーん』を思いついた
男(ステルスピーチの改良か。帰ったら作ってみるかな)
男「ただいま」
みとり「お帰り」
男「にとりと幼馴染は?」
みとり「にとりは残業。幼馴染さんは散歩」
男「散歩って。あいついったいどこまでいったんだ?」
男「まぁ、いいや。夕飯の支度でもしとこう」
にとり「あー。ただいまー」くたっ
男「おかえり。疲れてるな」
にとり「最近妖怪の山で技術革命が起きたんだけど、その分忙しくなってね」
にとり「それに、最近人手不足だし」
にとり「あー。どっか優秀な技術者いないかなー」
男「見つかるといいな」
にとり「うん」
男「ご飯出来てるが、どうする?」
にとり「食べるー」
男「ん、分かったじゃあ座っててくれ」
にとり「うん」
にとり「ごちそうさま」
みとり「ごちそうさま」
幼馴染「ご馳走様wwww」
男「お粗末様」
にとり「じゃあ私お風呂入ってくるよ。汗流したいし」
みとり「行ってらっしゃい」
幼馴染「ん? どこ行くの、男www」
男「発明」
幼馴染「なるほど。いってらっしゃいwww」
にとり「私にも後でみせてねー」
男「さて、何を作るか」
1 『厄払いセット(雛)』
2 『変化の笛(にとり)』
3 『灯っかりーん(椛)』
>>140
2だ
男「『変化の笛』を作ろう」
テレテッテテテー テレレッテッテテー テレレッテッテッテテテテテテン
男「気分的に3分で作れた気がするが、実時間一時間。時間の流れとは良く分からんな」
男「さて、さっそくだが使ってみるか。まず河童に」
ピー!
どろんっ
男(河童)「鏡、鏡っと。おぉ、河童になってる。服装は流石に変えたほうが良いだろうな」
男「さて、戻るか」
ピー!
どろんっ
にとり「男、できた?」
男「いや、失敗だった」
にとり「残念だね。じゃあ気分を上げるために上で一杯飲もうよ。普通のビールは切らしてるけど」
男「俺、お茶でいい」
にとり「えー、美味しいのに」
みとり「………」ごくごくごく
にとり「ささ、男も飲もうよ」
男「断る。っていうかみとりも良くそれ飲めるな」
みとり「半分は河童だから」
男「種族でやっぱ味覚が違うのか」
にとり「個人差あるけどね」
男「そういえば幼馴染は?」
にとり「もう寝たよ」
男「相変わらず早いなぁ」
みとり「今日はいろんな所行ってて疲れたみたい」
にとり「そういや今日、職場で謎の妖怪が現れたとかニュースあったなぁ」
男「あいつだな」
にとり「だろうね。姉さんもう一本取ってー」
みとり「はい」
にとり「ありがとー」
男「さて、明日に備えて寝るか」
幼馴染「すぴーすぴーwww」
男「こいつは普通に眠れないのか、っていまさらか」
男「おやすみ」
男「……………ねむいな」
昨日遅く寝たはずなのに、誰よりも早く目が覚めた。
幼馴染「zzzzzzzzwww」
空はまだ暗い。月と星の光だけでまだ太陽は出ていない。
男「朝飯を作っておくか」
一階に降りると、不思議と寒気を感じた。
男「まだ夏だよなぁ」
季節は秋に近づいているとはいえ、あまりにも寒すぎる。にとりがクーラーでもつけっぱなしにしたのだろうか。
そう思い、地下とリビングを調べてみたが何も動いていなかった。
カタンッ
玄関の近くを通るときに音がした。方向的に外からだろう。
男「………」
妖怪だろうか。俺は変化の笛を吹いて河童に変身しておいた。
ドアを開ける。外は暑い。いやただ家の中が寒すぎただけだ。
後になって気づいたが、殺気というのはとても冷たいものだ。
それをこのとき気づいておけばよかった。
男「………えっと。どちらさまで?」
玄関の前では不思議な人型の者がいた。
人か妖怪かは片目の部分しか空いていない仮面のせいでよくわからなかった。
???「………………」
男「あのぉ」
???「………………」
唯一見える目は暗く黒かった。白目もない。
人、なのか?
???「………………キヒッ」
人型が金属をこすり合わせたかのような声で笑う。
俺は考えるよりも早く、家に駆け込みドアを閉める。
そのまま俺は武器となるものを探し台所へと向かった。
台所にある武器といえば包丁だ。
この家には川魚を捌くための刺身包丁があった。普通の包丁よりは強そうだ。
手に取るとくすんだ銀が俺の顔を映した。
俺は包丁を握りしめ二階へ向かう。階段の板がぎしぎしと悲鳴をあげた。
自分の部屋を開ける。部屋ではまだ幼馴染が寝ていた
幼馴染「zzzzzzwww」
幼馴染に跨る、そのまま包丁をかかげ、鋭く下に――――
幼馴染「!?」
俺は幼馴染に蹴り飛ばされる。そのまま壁にぶつかり、包丁を手放してしまった。
男「………え?」
ぶつかった音が隣にも聞こえたらしく、部屋の中ににとりとみとりが駆け込んでくる。
にとり「なんかすごい音が聞こえた、けど………」
部屋の中には包丁を近くに落とした俺と、がくがくと震える幼馴染がいた。
1です
にとり「誰!?」
そういえば俺の姿は河童のままだったな。俺は変化の笛を吹き元の姿に戻る。
幼馴染「お、とこ?w」
にとり「一体何があったの?」
その問いに俺は答えることができなかった。
俺は
俺は幼馴染を殺そうとしたのだ。
男「幼馴染」
幼馴染「!?w」びくっ
男「信じてくれ。俺は。お前を殺そうと思ったことなんて一度も無い」
にとり「待って男。先に状況説明をしてくれないかな」
男「状況なんて俺も分からない。俺は気がついたら幼馴染を、刺そうとしていたんだ」
にとり「どういうこと?」
男「外に変な仮面をつけた奴がいたんだ。そいつの目を見たらいつの間にか」
にとり「そんな妖怪、山にいたかなぁ」
幼馴染「本当に男は私を殺そうと思ってないの?w」
男「当たり前だ。多分あの妖怪のせいだ」
幼馴染「そうだよねww 男が私を刺そうとするなんてそんな事ないよねwww」
幼馴染の顔が引きつった笑いからいつもの笑いに戻る。
幼馴染はほっと息を吐き、胸をなでおろしていた。
あの仮面は一体なんなのだろうか。なんで俺は幼馴染を刺そうとしたのだろうか。
もしかしてあれは俺の本当の気持ちなのか?
みとり「男、大丈夫?」
男「あぁ。今のところはなんともない」
にとり「それにしてもそんな妖怪聞いたことないなぁ」
みとり「射命丸さんに聞いた方がいいと思う」
にとり「まぁ。文の方が詳しいよね」
幼馴染「そんな妖怪www 次来たら絶対うすwww 絶対にだwww」
男「あんまり危ない事はしないでくれよ」
幼馴染「大丈夫www これがあるwww」
男「ベルトつけてたからって能力は回避できるわけじゃないと思うが」
にとり「変身状態で殺しに来られたら面倒だしね」
男「にとりはともかく俺は確実的にお陀仏だしな」
幼馴染「そっかwww 残念www」
男「じゃあ。朝飯食べたら射命丸の所に行ってくるか」
にとり「一人で大丈夫かな」
男「ステルスピーチを使ってれば大丈夫だろう」
幼馴染「そんな妖怪www 次来たら絶対うすwww 絶対にだwww」は「そんな妖怪www 次来たら絶対倒すwww 絶対にだwww」です
にとり「心配だからついて行こうか?」
男「にとりは仕事があるだろう?」
にとり「そうなんだけど……… うーん」
みとり「私がついてく」
にとり「お姉ちゃんが? 大丈夫?」
みとり「頑張る」ぐっ
男「みとりもステルスピーチを食べれば大丈夫だろう」
にとり「じゃあ安心だね」
幼馴染「じゃあ私は留守番かぁwww」
男「今日はそうした方がいいだろうな」
幼馴染「………一人かぁw」
男「どうかしたか?」
幼馴染「なんでもないよwww」
にとり「うまうま」もぐもぐ
幼馴染「いあいあwww」もぐもぐ
みとり「………」ずずー
にとり「ん? 男は食べないの?」
男「俺は良い。あまり腹が減らなくてな」
にとり「そっか」
みとり「朝ごはんは大事」
男「大丈夫だ。10秒チャージできる『千豆』を食べたからな」
にとり「新しい発明?」
男「いや昔作った」
幼馴染「だけどあれお腹は膨らまないよねwww」
男「まぁ、豆だしな」
みとり「食べる?」つ焼き鮭
男「遠慮しておく」
幼馴染「間接キスになるもんねーwww」
男「ば。馬鹿をいうな! そんな事は気にしてない!!」
みとり「食べる?」つご飯
男「い、いらんっ」
幼馴染「むっつりwww」
にとり「ごちそうさまー」
みとり「私もごちそうさま」
幼馴染「おかわりwww」
男「おい」
幼馴染「止めてくれるなwww」
男「この家のエンゲル係数上げる気か」
にとり「私はいくら食べても構わないけどね」
みとり「うん」
幼馴染「やたっwww」
男「むぅ」
にとり「じゃあ仕事いってくるね」
みとり「いってらっしゃい」
男「気をつけてな」
男(そういえば変化の笛を使って、にとりの職場に行く計画があったが、今はそんな事してる場合じゃないな)
男「さて、俺達も行くか」
みとり「うん」
男「ほら。ステルスピーチだ」
みとり「ありがとう。もぐもぐ。甘い」
男「味は桃に近づけてあるからな」
みとり「でもこれ本当に見えなくなるの?」
男「大丈夫だ。同じステルスピーチを食べた者じゃないと存在を感じられなくなる」もぐもぐ
みとり「すごいね」
男「それほどでもない」
幼馴染「さすが謙虚な発明家は格が違ったwww」
男「しっかり摑まっていろよ」ウォンウォン
みとり「うん」ぎゅ
男(正直事故にならない自信は無いが………まぁ、なるようになるだろう)
男「それじゃあ出発だ」ウォンウォン
みとり「うん」
男「ふぅ。なんとか無事にたどり着いた」
みとり「お疲れ様」
男「やっぱり人を乗せると緊張感が凄いな」
みとり「私は大丈夫」
男「それでも痛いのは嫌だろう」
みとり「慣れてるから」
男「あまりそんな物に慣れるもんじゃないぞ」
みとり「うん」
男「まぁ。俺が人に偉そうな事言える立場ではないのだが。さてステルスピーチの効果が切れる前に射命丸の家に入ろう」
みとり「おじゃまします」
がちゃ
男「射命丸はこの前の部屋にいるのか?」
がちゃ
文「あやや。玄関が開いたので実に来て見ましたけど誰もいませんね。もしかして男さんですか?」
男「あぁ。正解だ」
文「おはようございます。ところでどうかしたのですか?」
みとり「ちょっと聞きたいことが」
文「あやや!? みとりさんもいたのですか」
みとり「駄目?」
文「駄目と言うわけではありませんが珍しいですね。あ、すみません」
みとり「別にいい」
文「それで。私に聞きたいこととは? あ。立ち話もなんなので私の部屋で話しましょう」
文「どうぞ、麦茶です」
みとり「ありがとう」
文「それで。一体どうしたのです?」
男「射命丸はこの森に住む妖怪について詳しいか?」
文「詳しいかと聞かれればそこらへんの妖怪よりは詳しいと思いますよ。鴉天狗なので」
文「まぁ。この森に住むすべての妖怪を把握してるわけではないですけれども」
男「それじゃあ人の心を操る妖怪はいるか?」
文「心を操る妖怪? それなら………天逆毎さんか白山坊らへんですかね。それがどうかしたんですか?」
男「そいつに襲われた」
文「はい?」
男「今日朝、そいつを見て気がついたら幼馴染を殺しかけていた」
文「………それは大変ですね。そいつは今にとりの家に男さん達人間がいることを知ってるんですよね。だとしたら非常にまずいです」
文「詳しく話しを聞かせてください」
男説明中
男「というわけだ」
文「仮面をつけた妖怪ですか。それじゃあ誰だかわからないですね。天逆毎さんじゃないといいんですが」
男「さっきも出てたが天逆毎って一体誰なんだ?」
文「この妖怪の山のトップの一人ですよ。私たち天狗や、天邪鬼の祖先です」
男「ずいぶん大妖怪なんだな」
文「えぇ。ですがそんな雲の上のお方がわざわざそんな事をするとは思えませんし、白山坊がそんな事しますかねぇ。うーん。もしかすると天邪鬼の仕業かもしれませんけど………」
文「基本的に天邪鬼は悪戯する程度なのですが………」
男「天邪鬼にも色々いるんだろう?」
文「まぁそうなのですが。異端種とかそんな感じですかねぇ」
みとり「………」
文「すみません、みとりさん」
みとり「大丈夫だから続けて」
文「仮面をつけた天邪鬼ですか。私のほうでも調べてみますね」
男「ありがとう」
文「いえいえ。こないだのお礼ですよ」
男「こないだ? あぁ、犬か」
文「えぇ。ちょっと待っててください。おいで、ヒューイ!」
がちゃ
ヒュ「何か用だろうかご主人」
文「男さんの技術は凄いですね。成長するとはいえ、まさか一日でこんなに喋れるようになるとは」
男(………喋れる機能なんてつけた覚えは無いんだが。文の妖力に当てられて式神が突然変異でも起したのか?)
みとり「可愛い」
ヒュ「初めましてお嬢さん。私はヒューイ・ブランカという。見ての通り犬だ。しかしただの犬ではない。私のスピードは通常の犬の三倍だ」
みとり「凄い」
文「まぁ。私のスピードにはついてこられないんですけどね」
ヒュ「あまり無理を言うものではない。私とて犬の子だ」
男(うーむ。進化しすぎだろ)
男(詳しく調べてみたいがやめておくか)
文「よしよし、グッボーイ」
ヒュ「撫でると言うのなら、首の下を撫でて欲しいものだな。ご主人」
文「耳の毛のほうがふわふわで好きなんですよ」
みとり「よしよし」
男「まぁ、射名丸が楽しそうでなによりだ」
ヒュ「開発者よ。できれば助けてくれるとありがたい。犬の耳は触られてあまり嬉しいものではない」
男「いや、犬じゃなくて式神なんだが」
ヒュ「ならば同じ目にあえ! そうすればご主人も喜ぶ!」
男「そんなわけないだろ」
文「え? 撫でていいんですか?」
男「本気だったのか」
文「えぇ。本気ですよ。それでは」
男「待ってくれ。俺は許可した覚えはな、ちょ。止めるんだ!」
ヒュ「君は良い人間であったが、君の行動がいけないのだよ」
男「くっ。髪がぼさぼさになってしまった」
文「男さんの髪質ってけっこう良いんですね」
みとり「うらやましい」
文「私は軽くくせっ毛が入ってるので羨ましい限りです」
男「くせっ毛なのか?」
文「毛先が少し曲がってしまう程度ですけどね」
みとり「禁止する?」
文「遠慮しておきます。そこまでしてまっすぐにしたいというわけではありませからね」
みとり「じゃあ男の髪を禁止する?」
男「止めてくれ!!」
男「さて、もうそろそろ帰るか」
文「もう帰るんですか?」
男「あまり長居すると迷惑だろう?」
文「そうでもないんですが」
男「それじゃあまた来る」
文「お待ちしております」
みとり「ばいばい」
文「それではまた」
男「みとり。ステルスピーチだ」
みとり「うん」もぐもぐ
男「ただいま」
みとり「ただいま」
幼馴染「おかえりwww」
男「さて昼飯を作ってから俺は出かけてこようかな」
幼馴染「自分だけずるいーwww」
みとり「危ない」
男「ステルスピーチを使えば大丈夫だろう」
幼馴染「じゃあ私も食べて散歩行きたいwww」
男「もし危ないことに巻き込まれたらいけないから駄目だ」
幼馴染「自分だって危険なのにwww」
男「大丈夫だ。ちゃんと戻ってくる」
みとり「これ」
男「なんだこれ」
みとり「私の能力を使った護符、男に危害を加えることを禁止する。念のため」
男は『みとりの護符』を手に入れた
男「ありがとう」
みとり「どこ行くの?」
男「>>179の所に行ってくる」
みとり「気をつけて」
幼馴染「いってらっしゃいwww」
雛の所
男「鍵山」
雛「!?」
男「遊びにき、ぶべらっ!!」
雛「だから私に近寄ると厄を受けるってあれほど」
男「そんな物に負けるわけにはいかないのだ」
雛「何故?」
男「鍵山に興味がある」
雛「………そう///」
男「不幸という目に見えない物を操れるとはどういうことなのかのメカニズムを知りたい」
雛「あ、あぁそういう事ね」
男「ん?」
雛「なんでもないわ」
男「まぁいい。いずれ俺の発明であっと驚かせてやるぞ」
雛「気長に待ってるわ」
雛「で、いつまでここに居るの?」
男「帰るまでだな」
雛「いつ帰るの?」
男「分からん」
雛「………帰ってくれない?」
男「断る。どうせ鍵山も暇なのだろう? ならいいじゃないか」
雛「でも、私といると厄いわよ」
男「これだけ距離を取ってれば大丈夫なんじゃないのか? それに会話だってこの通信機を使ってしてるわけだしな」
雛「でも万が一があるかもしれないし」
男「独りぼっちは寂しいだろ? 一緒にいるよ、鍵山」
鍵山「………迷惑だわ///」ぷいっ
男「という発明をしたんだが」
雛「ねぇ、男」
男「ん?」
雛「もうすぐ暗くなるわよ。夜の森は危険だわ。早く帰りなさい」
男「俺としたことがすっかり話しこんでしまったな。すまなかった」
雛「いいわよ。それじゃあ気をつけて帰りなさい」
男「わかった。ありがとう」
雛「あ」
男「ん?」
雛「良かったらまた来なさい。待ってるわ」
男「あぁ。必ず来る。それじゃあ」
雛「おやすみ」
男「帰ってきたはいいものの、夕飯までは少し時間があるな」
男「発明くらいなら出来るか?」
男「さて何を発明しよう」
1 『厄払いセット(雛)』
3 『灯っかりーん(椛)』
>>186
1
男「よし。この発明で鍵山をぎゃふんと言わせてやる」
ガガガガー ウィーン ガガガガー
男「出来た!」
男「さて今度鍵山に会いに行ったときに渡してこよう」
男「その前に。もう材料がないな。お金もあまりないし。最近行ってないし香霖堂に行って物でも売ってこよう」
にとり「あ。男いた」
幼馴染「めしーwww」
男「あ、すっかり忘れてたな。ちょっと待っててくれすぐ作る」
幼馴染「すでに並べた食器たちはどうすればいいんだ!!www」
男「そのままでいいんじゃないのか?」
にとり「今日のご飯は?」
男「冷蔵庫にあるもので適当なものを作る」
にとり「ちくわしかない!」
男「………嘘だろ?」
にとり「まぁ、嘘なんですけどね!」
にとり「ごちそうさまー」
みとり「ごちそうさま」
幼馴染「ごちwww」
にとり「さて、じゃあ私はお風呂入ってくるね。けっこう汗くさいし」
みとり「次からお風呂入ってご飯にすれば?」
にとり「それもそうだね。男達もいるんだし」
男「俺は気にしないが」
にとり「私が気にするの! それじゃ!」
幼馴染「女心が分からないんだねwww」
男「男だからな」
幼馴染「胸を張って言える事じゃないwwww」
にとり「はぁーさっぱりさっぱり」
みとり「さっぱり」
男「出たか。じゃあ次は俺が入るぞ」
幼馴染「えぇーwww」
男「では。幼馴染が先に入るか?」
幼馴染「いやいいwww」
男「じゃあさっきのはなんだったんだ」
幼馴染「wwwwww」
男「………まぁいい。では入ってくる」
幼馴染「いってらwww」
男「上がったぞ」
幼馴染「じゃあ私入ってくるwww 先に寝てていいよ」
男「そうかじゃあ疲れたから今日は寝るとしよう」
にとり「うん。私ももう寝ようかな。明日仕事早いし」
男「あぁそうだ。明日からにとりの分のお弁当作るからな」
にとり「ん。ありがとう。さすが盟友」
男「礼には及ばん。この天才の俺に任せておけばいいのだ」
にとり「お弁当くらいで無駄に大きくでたなぁ」
男「天才だからな」
にとり「関係ないけどね。明日、楽しみにしてるよ」
男「任せておけ」
にとり「お休み」
男「あぁ」
にとり「ふわぁ~ おはよー」
男「おはよう。もうすぐ朝飯ができるから待っててくれ」
にとり「うん」
~男料理中~
男「出来たぞ」
にとり「目玉焼きトーストかぁ。美味しいよね」
みとり「うん」
男「幼馴染はまだ寝てるのか」
にとり「みたいだね」
にとり「今日は男はどうするの?」
男「午前は香霖堂に行って来る。午後は適当にぶらついておこう」
にとり「一応ここは妖怪の山なんだから気をつけてね」
男「あぁ。分かってる。護符もあるしな」
にとり「護符?」
みとり「私があげた」
にとり「それなら安心だね。あ、もうそろそろ出ないとヤバイね。じゃあ行って来るよ」
男「弁当忘れてるぞ」
にとり「おっと危ない危ない。ありがとう盟友。それじゃ!」
みとり「いってらっしゃい」
男「ここに来るのも久しぶりだな。数ヶ月ぶりか?」
がらがら
男「おーい。香霖」
???「いらっしゃいませー」
男「………ずいぶん可愛らしくなったな。香霖」
香霖「男。僕はこっちだ」
男「香霖が二人、だと!? これはまさか奴の仕業………っ」
香霖「いつもどおりで安心したよ。その子は朱鷺子だ。今この店で雇っている」
男「人を雇える程繁盛してたのか、この店」
香霖「現物支給だよ、この本とね」
朱鷺子「それ私の本………」
男「って、言ってるんだが」
香霖「この店に売られたんだ。だから僕の物だ」
男「そっちも相変わらずのようで安心した」
朱鷺「だから言ってるでしょ。はくれーの巫女に襲われたって!!」
男「すれ違っただけで妖怪なら襲いかかるからな。あの巫女は」
朱鷺「何も悪いことしてないのに。迫害だ!」
香霖「まぁ。天災にでもあったと思って諦めてくれ」
男「呼んだか?」
香霖「呼んでない。それで男は一体何の用だい?」
男「あぁ。発明品を売りにきた」
香霖「男の発明品はなぜか売り上げがいいから、僕としても助かるよ」
男「なぜかとか言うな」
香霖「僕の知り合いが男の商品が好きでね。変で面白いって」
男「天才だからな」
香霖「じゃあ値段決めるがてらお茶でも飲もう。朱鷺子、頼んだよ」
朱鷺「分かったー」
朱鷺「お待たせしましたー」
香霖「ありがとう」
朱鷺「あ、そうだ。今日の晩御飯は何にする?」
香霖「適当でいいよ」
朱鷺「分かったー」
男「晩御飯?」
香霖「彼女には住み込みで働いてもらってるんだ」
男「住み込みだと? 珍しいな」
香霖「僕だって血管に流氷が流れてるわけじゃない。それに彼女がいるとなにかと便利だ」
朱鷺「でしょー?」むふー
香霖「さて、これ全てで100円程度でいいかい?」
男「そんなに貰っていいのか?」
香霖「それ以上の利益は見込めるからね」
男「そうなのか?」
???「お邪魔するぜー」
朱鷺「ひぃ!!」
香霖「やぁ魔理沙。冷やかしかい?」
魔理沙「私だって欲しいものがあれば買うのぜ。だけど琴線に触れるものがないだけだぜ」
香霖「それならちょうどいい。君の好きそうな物がちょうどある」
魔理沙「? どんなのだぜ?」
香霖「これさ」
魔理沙「なんだか変で面白そうなんだぜ」
男「変ではない」
魔理沙「ん? 男、いたのか」
男「それはだな」
香霖「目標の物の絵を撮って来る道具らしいよ」
男「俺の台詞が」
魔理沙「なんだか使いどころがあまり思いつかなくて面白いのぜ!」
香霖「正直犯罪的な使い方しか思いつかないね」
男「………」
魔理沙「買うのぜ いくらだんだぜ?」
香霖「10円」
魔理沙「………節約生活なのぜ」
香霖「まいどあり」
魔理沙「ところでそこにいるちっこいのは一体何なんだぜ?」
朱鷺「がくがくぶるぶる」
香霖「朱鷺子だ。住み込みで働いてもらってる」
魔理沙「住み込み、なのぜ?」
香霖「あぁ」
魔理沙「………マスタァアアー!」
香霖「魔理沙! 店の中でマスタースパークはやめてくれ!!」
魔理沙「この店を焼き尽くすのぜ! 香霖なんか嫌いなのぜ!! うわぁああああああん!!」
カランカラン
香霖「い、一体なんだったんだ?」
朱鷺「あわわわわわわ」
香霖「あとで魔理沙の機嫌をとりに行かなければいけないな。やれやれ」
男「俺が言えたことではないが。もう少し女心というものを理解したほうがいいぞ」
カランカラン
香霖「いらっしゃい」
ナズ「宝塔はないかい?」
香霖「あるよ」
ナズ「ご主人の物なんだ返してくれないか?」
香霖「200円」
ナズ「50円」
香霖「175円」
ナズ「………120円」
香霖「140円。これ以上は下げない」
ナズ「分かったよ。140円だね。はぁ………」
香霖「まいどあり」
男「ずいぶんとぼったくるな」
香霖「上客なのさ」
朱鷺「また来てね!」
ナズ「できれば宝塔以外の用事がいいね………」
香霖「あ、そうだ。これを持って行くといい」
ナズ「?」
香霖「チーズだ。買ったはいいが使わなくてね」
ナズ「ありがたく貰っておくよ」
からんからん
香霖「またのご来店を」
男「もうそろそろ帰るかな」
からんからん
朱鷺「ひぃ!?」がくぶるがくぶる
香霖「いらっしゃい。ってなんだ霊夢か」
霊夢「なんだとは失礼ね」
香霖「どうせ冷やかしなんだろう?」
霊夢「お茶をしにきたわ」
香霖「うちは喫茶店じゃないぞ」
霊夢「その割には楽しそうにお茶してるじゃない」
香霖「はぁ。出がらしでいいね?」
霊夢「玉露を頼むわ」
香霖「そんな物うちにはないよ」
霊夢「しけてるわねぇ」
朱鷺「どどど、どうぞ、おおおお茶です」
霊夢「ありがと。ん? 妖怪?」
朱鷺「許してください許してください」
霊夢「許してって、あんた何かしたの?」
朱鷺「ひぃ!!」
香霖「うちの従業員をあまりいじめないで欲しいね」
霊夢「今日は気分がいいわ。はいこれ」
香霖「宝塔?」
霊夢「さっきナズーリンが持ってた」
香霖「君は鬼か」
霊夢「巫女よ」
霊夢「あら美味しい」
香霖「朱鷺子はお茶を入れるのが得意でね」
霊夢「そういえば、久しぶりね男。最近見ないけど」
男「引っ越したからな」
霊夢「へぇ。おめでとう。お金がないからお祝いなんてできないわよ?」
男「別にそんなのは期待してない」
霊夢「それで、どこに引っ越したの?」
男「ここらの近くだ」
霊夢「ここらって。ずいぶん人里から離れてるし、妖怪が多いから人間が住むには危ないわよ?」
男「別にかまわないさ(妖怪だらけの場所に住んでるからな)」
霊夢「ま、妖怪退治なら請け負うわよ。サービスして10割でいいわ」
男「定価じゃないか」
霊夢「普段なら相場の12割は貰うわね」
男「ぼったくり………」
男「さてそろそろ帰るかな」
霊夢「そう」
香霖「君は帰らないのか?」
霊夢「おかわり」
香霖「はぁ………。朱鷺子、頼んだよ」
朱鷺子「分かりましたー」
香霖「男、また来てくれよ」
男「あぁ。今度は何か買うようにするよ」
香霖「じゃ、またのご来店を」
霊夢「ずずー」
男「ふむ、もうこんな時間になるのか。暇だが誰のところに行こうか」
1 文
2 にとり
3 みとり
4 雛
5 椛
1
男「射命丸いるか?」
文「あやや………、こんにちわ男さん………」
男「どうしたんだ!? ぼろぼろだぞ!?」
文「昨日旧地獄を飛んでたら赤いビームが飛んできまして」
男「大丈夫なのか?」
文「まぁ、命の別状はないですけども」
男「でもそれじゃあ生活しにくいだろう、包帯が邪魔で」
文「ある程度のことはヒューイがしてくれるので、大丈夫ですよ。食べ物も携帯食料がありますし」
男「携帯食料? 駄目だそんなものじゃ治るものも治らん。特別に俺が作ってやろう。ありがたく思うのだな!!」
文「いや、いいですよ。迷惑になりますし………」
男「いや、これは天才発明家としての義務なのだ」
文「発明家と料理の何の関係があるんでしょうか」
男「ふはははは! 大人しく待っているといい!!」
文「えーっと、それではお言葉に甘えますね」
男「ふははははは!!」
文「男さんって、スイッチが入るとおかしくなりますねぇ」
男「完成だ!!」
文「あ、ありがとうございます」
男「食べやすいように雑炊にしておいた」
文「なんというか結構平凡な物がでてきましたね。てっきりケミカルな色の物がでてくるのかと」
男「何か俺の事を勘違いしてないか?」
文「すみません、認識を改めます。それではいただきますね」
男「あぁ」
文「あつっ。はふはふ、ん。美味しいですね。男さんはなんでしたっけ、天才料理人でしたか?」
男「天才発明家だ!!」
文「冗談ですよ」
男「………口をあけろ、食べさせてやる」
文「あやや!? いいですよ!! 恥ずかしいです!!」
男「だからするんだ」
文「あやや……… 意地悪ですよ、男さん」
男「スプーンは我が手にある。さぁ、大人しく口を開けるのだ」
文「はぁ。しかたありませんね。それではあーん」
男「熱いぞ、気をつけろ」
文「もぐもぐ」
はたて「………………」かしゃ
文「あやややややや!?」ドンッ
男「あつ!! 雑炊あつっ!! とろとろしてあつっ!!」
はたて「いやぁ。文が怪我したって聞いたから来たけど余計だったみたいね。じゃ」
文「誤解です誤解です誤解です!!」
男「水!! 水!!」
はたて「まぁ、別に私は人と妖怪の恋愛はいいと思うから気にしなくてもいいって」
文「違いますから!!」
はたて「大丈夫、記事にはしないわ」
文「だから違いますって!!」
男「くそっ!! 目が開けれない!! 水はどこだ!!」
文「すみません………」
はたて「なんというか。その、ごめん」
男「いいけど、俺は妖怪みたいに強くないから気をつけてくれるとありがたい」
はたて「で、実際のところ付き合ってるの? 付き合ってないの?」
男「付き合ってないぞ」
文「はい」
はたて「ふーん。つまらないわね」
男「どうせニュースにならないんだろ?」
はたて「別に新聞書くから面白い事探してるわけじゃないわよ」
文「そういえばなぜはたては来たんですか?」
はたて「さっき言ったとおり、あんたが怪我したって聞いたからよ」
文「それは。どうもありがとうございます」
男「本当か?」
はたて「一体あんたは私をなんだと思ってるのよ。普通にお見舞いだってくるわよ」
はたて「んじゃあ大丈夫みたいだし私は帰ろうかしらね」
文「あ、ありがとうございました」
はたて「いいっていいって。んじゃね」
男「じゃあなー」
文「………は、はたても困ったものですね。私と男さんが恋人だなんて」
男「そうだな。そんなことあるわけないのに」
文「はうっ」
男「ん。どうかしたのか?」
文「いえ、なんでもないです」
男「ん、もう結構暗くなってきたな」
文「帰りますか?」
男「帰って夕飯作らないといけないからな」
文「あの」
男「ん?」
文「今日はありがとうございました」
男「構わん。俺も射命丸には色々と手伝ってもらってるしな。困ったときはお互い様だ」
文「それじゃあ。次から思いっきり頼りますね」
男「ははは。お手柔らかに頼む。あ、それと夕飯を作っておいた。冷めてるから温めて食べてくれ」
文「何から何まで、ありがとうございます」
男「それじゃあ帰るぞ」
文「はい」
男「ただいま」
にとり「おかえりー。ご飯まだー?」
男「ん、今作る」
にとり「おなかぺこぺこ」
男「基本それしか言わないだろ」
にとり「乙女に失礼だよ!?」
男「事実だ」
にとり「まぁ、そうなんだけどさ。どこ行ってたの?」
男「香霖堂と射命丸の所だ」
にとり「香霖と知り合いなの?」
男「友人だ」
にとり「意外だね」
男「お前は俺をぼっちかなにかと勘違いしてないか?」
にとり「だって天才は孤独なのだとか言いそうだし」
男「俺はそんなイメージなのか?」
にとり「ごちそうさま!」
みとり「ごちそうさま」
幼馴染「おかわりwww」
男「お粗末様」
みとり「あと片付けするから先にお風呂入ってきて」
男「そうか? すまんな」
にとり「まぁ、一番風呂は私が頂いたけどもね」
幼馴染「河童汁?wwww」
にとり「ひどいよっ!」
男「良いお湯だな。疲れた体に染み渡る」
男「そういえば射命丸の怪我はいつごろ治るんだろうか。早めに治らないと困るよな」
男「うーむ。薬は作ったことないが作ってみるかな」
設計図『ハイポショーン』を思いついた
男「さて、寝るにはまだ早いし、発明でもするかな」
にとり「ん? 手伝うよー」
男「いいのか? 疲れてるんじゃないのか?」
にとり「好きなことだから問題ないよ」
男「そうか。では手伝ってもらうことにしよう」
にとり「任せなさい!」
にとり「で、何作るの?」
男「>>230だ」
1『灯っかりーん(椛)』
2『ハイポショーン(文)』
2
にとり「なんで馬のマスクかぶってるの?」
男「これが正装らしいのだ」
にとり「そう、なんだ」
男「さて、今日用意する材料はこちら」
にとり「これは、薬?」
男「を一杯用意した。これを全部混ぜる」
にとり「大丈夫なの? それ」
男「問題ない」
にとり「うん。一応信じてるよ」
男「さて、全部投入」
にとり「う、凄いにおいだね」
男「良薬口に苦いというぐらいなんだから匂いも凄いんだろう」
男「出来ました」
にとり「あれだけの薬がなんで小瓶一本に?」
男「科学の不思議」
にとり「いやいや、科学じゃ無理だよ」
男「なんか煮詰めたらこうなったんだ」
にとり「目の前で見てたから信じるけどさ。信じたくないけど。で、これは一体なんなの?」
男「飲んだら傷の治りが早くなるんだ」
にとり「凄いね。出来れば飲みたくないけど」
男「俺も嫌だな」
にとり「寝るの?」
男「あぁ。もう結構遅いからな」
にとり「んーじゃあ一緒に寝る?」
男「こ、断る!」
にとり「冗談だよー」
男「うぐっ」
にとり「じゃあお休みー」
幼馴染「zzzzzzwww」
男「良く寝るなこいつは。俺も寝るか」
男「おやすみ」
みとり「朝」
男「む、ふわぁ。ぐっ。腰の骨が痛い」
みとり「大丈夫?」
男「大丈夫だ」
幼馴染「zzzzzwww」
男「おい、起きろ幼馴染」げしっ
幼馴染「うにゃぁ!?w ………おはようwww」
男「起きたか」
幼馴染「ばっちりwww」
みとり「仲、良いんだね」
幼馴染「でしょ?www」むふー
にとり「いってきまーす」
みとり「いってらっしゃい」
男「さて、掃除でもするかな」
みとり「手伝う」
ピンポーン
男「ん?」
みとり「待って、私がでる」
男「………それもそうだな」
みとり「はい」
がちゃ
映姫「朝早くからすみません。おやにとりではないのですか。あなたは確か姉のみとりでしたか?」
みとり「うん」
映姫「貴方は妹と違い、面倒ごとは起こしてないようですね。実にいいですよ」
小町「映姫様ー。早く本題に入りましょうよ」
映姫「えー、こほん。今日伺ったのは聞きたいことがあったからなのです」
みとり「聞きたいこと?」
映姫「仮面をつけてフードをかぶったいかにも怪しいという体の妖怪を見かけたことはありませんか?」
男(………あの時のっ)
みとり「うん」
映姫「まじですかっ!? よっしゃーっ!!」
小町「映姫様。喋り方喋り方」
映姫「あ、こほん。いやでも小町。私ヤマザナドゥ、クビになったんですし、いいのでは?」
小町「今、ヤマザナドゥに戻るために行動してるんでしょうが」
映姫「あー。そうでしたね」
みとり「?」
映姫「こっちの話です」
映姫「で、どこでみかけました?」
みとり「ここ」
映姫「!?」
小町「やりましたね映姫様。手がかりゲットですよ」
映姫「それで、そいつはどこにいますか?」」
みとり「分からない」
映姫「………ですよねー」
小町「映姫様。がんばりましょう」
映姫「それではそいつには気をつけてください」
みとり「襲われた」
映姫「!?」
小町「!?」
映姫「ななな、何があったんですか!?」
男(………みとりに説明は難しいだろうな。しかたない)ピーッ
映姫「うん? やかんが鳴ってますよ」
みとり「?」
男「あぁ、いやなんでもない」
映姫「貴方は? 見たことないですが」
男「この家に居候させてもらってる河童の男という」
映姫「男女が一つ屋根の下―――っ!? 不純ですよっ」
小町「あー四季様四季様。嫉妬はいいですから話聞きましょ」
映姫「嫉妬ではありません!!」
映姫「それで、襲われたというのは」
男「襲われたというかなんというか。その妖怪を見て。気がついたら友人を殺しかけていた」
映姫「!?」
小町「………手がかり、ゲットですね」
映姫「もう少し詳しく話をお聞かせ願えますか?」
男「詳しい事は良く分からないが。あの妖怪が現れたときに凄い殺気を感じたな。それぐらいしか」
小町「気がついたら人を殺しかけた。これで犯人は決まったようなものですね」
映姫「まだ確定は出来ませんが、やはり怪しいですね」
小町「ご協力ありがとうございました。それでは」
映姫「さぁ、小町。そいつを探しますよ! 私がヤマザナドゥをクビになった怒りをこめて裁きますっ!」
小町(なんだかヤマザナドゥをクビになったほうがかえってこの人元気じゃないかな)
男「一体あれは誰なんだ?」
みとり「四季映姫・ヤマザナドゥ。閻魔」
男「あれがか。協力したら死んだ後得するかもしれんな」
みとり「どうするの?」
男「といっても手伝える事なんてないからどうしようもないな」
みとり「そう」
男「さて出かけるか」
みとり「どこに?」
男「>>247」
1 にとり
2 みとり
3 文
4 もみじ
5 雛
5
男「せっかく厄払いセットを作ったのだからな。使わねば」
みとり「いってらっしゃい」
男「夕方には帰ってくる」
雛「あら」
男「リベンジだっ!」
雛「懲りないのね」
男「まぁ、とりあえずこれつけてくれ」
雛「これは、チョーカー?」
男「これで厄を出す。んでこれ」
雛「なにその大きい針」
男「厄吸収装置とでも言えばいいか。厄を集める装置だ。一日以上動かし続けると壊れるがな。さてスイッチオン」
ウィーン
雛「これで本当に大丈夫なの?」
男「俺を信じろ」
男「ほら、大丈夫だろ?」ずいっ
雛「ちょっと近いわ。でもまぁいっか」
男「はっはっは。俺の科学力には神もひれ伏すのだ!」
雛「まぁ、一応厄神だけどもね」
男「さて、これで今日一日は自由だがどうするんだ?」
雛「こうするの」ぎゅっ
男「ななな何をする!?」
雛「あら知らなかったの? 厄神は人懐っこいのよ?」
男「はーなーせー!」
雛「これで人間の里にも普通に行ける様になるのよね。えんがちょなくていいのよね」ぎゅっ
男「解放しろー」
雛「厄を人に与えるのもたまにはいいじゃないの」ぎゅーっ
男「人里行くのか?」
雛「えぇ。そうだけど?」
男「それでは俺は帰らせてもらう」
雛「なんでなの?」
男「人里には。あまり良い思い出がない」
雛「へぇ。なら」ぎゅっ
男「なぜ手をつなぐ」
雛「今日は散歩にしましょ」
男「まて離せ。俺を引きづるんじゃない」ずるずる
雛「貴方が歩かないからよ」
雛「それで私は神様になったのよ」
男「そうなのか。それでいつ離してくれるんだ?」
雛「神様になった話なら今話したわよ?」
男「そうじゃない。手だ」
雛「そんなに私と手を繋ぐのがいやかしら」
男「嫌ではない。しかしだな」
雛「ならいいじゃない」
男「うぅ………」
文「あや、や?」
男「げっ。射命丸」
文「あの。もしかして二人はお付き合いなされているのですか?」
男「そんなわけないだろう!」
文「そうですよねぇ」ほっ
雛「そう否定されると悲しいのだけれど」
文「えっと、お散歩ですか?」
雛「そうよ」
文「それじゃあ私もご一緒しても?」
雛「なぜかしら?」
文「いけないのですか?」
雛「駄目ね」
男「なんでだ? 別にいいだろう?」
雛「………ヨカッタワネ」
文「えぇ、とても」
文「良い天気ですね。男さん」
男「まぁ、雲ひとつない良い天気だな」
文「こんな日は空を飛び回りたいとは思いませんか?」
雛「知らないの? 人間は空を飛ばないのよ?」
文「そこは私が抱いて」
雛「いや、男は私と散歩するのよね」
文「いえ、私と」
雛「むむむ」
男「なんだか子供たちがおもちゃの取り合いしてるときと同じ空気だな」
雛「………厄を操れないわけではないのよ?」ぼそっ
文「はい?」
がっしゃーん
文「あやややややややや!?」
男「大丈夫か? 文」
文「なぜ、空からタライが。うぅ、まだ走れるようにもなってませんし。避けれないですよ………」
男「そうだ。なんで重症なのに歩き回ってるんだ?」
文「新聞記者として一刻も早く、完治できるようにと」
男「無理をすると治るものも治らないぞ。さっさと家に戻って寝るといい」
文「………そうですね。そうします」
雛「………ふっ」
文「………くっ」
雛「それじゃあ行きましょう」
男「あ、あぁ」
雛「ここら辺で休みましょうか」
男「綺麗な滝だな」
雛「良くにとりも来てるのよ?」
男「へぇ」
雛「あとは私が入って厄を流したりするわね」
男「流し雛だもんな」
雛「見たい?」
男「何がだ?」
雛「私の沐浴シーン」
男「ぶっ。いきなり何をいいだすんだっ!?」
雛「ふふっ。そんなに焦らなくてもいいじゃない」
男「まったく。………なんで今日はそんなに鍵山は近づいて来るんだ?」
雛「さっきも言ったでしょ。私は人懐っこいのよ」
男「限度があると思うがな」
雛「いいじゃない。数百年ぶりに人間と触れ合えるんだから………」
男「………そうか」
雛「ハリネズミのジレンマから開放されたのは神様になって始めてよ。それに人形時代は人の厄を背負って流されただけだからね。他者の温もりを知るのは神生初よ」
雛「だから、こうしてもいいかしら」ぎゅっ
男「………好きにしろ」
雛「ありがとう、男」
雛「もう暗くなってきたわね」
男「結局散歩して終わったな」
雛「えぇ。それじゃあ帰って装置の厄を吸収しなきゃいけないわね」
男「一日は休ませないと壊れるぞ」
雛「分かったわ。それじゃあ今度は明後日ね」
男「だな。それじゃあな」
雛「送ってくわ」
男「そうか? ありがたい」
幼馴染「おかえりんこwww」
男「ただいま」
幼馴染「………w」しょぼーん
にとり「ふっふっふー。なんと今日のご飯は私が作ったのだよ!」ばばーんっ
みとり「私と共同」
男「ほっ。なら大丈夫そうだ」
にとり「ちょっと酷いよ? 傷つくよ?」
男「冗談だ。冗談だが、きゅうりづくしになる気がして」
にとり「きゅうりづくしの何がいけないのさー」
みとり「栄養なし」
にとり「思春期の女子の味方じゃないかーっ!」
男「あと飽きる」
にとり「きゅうりに飽きる!? そんな奴河童の風上にも置けないよ!」
男「人間」
みとり「ハーフ」
にとり「いいもんねー、どうせ私はきゅうりを取ると何も残らないもんねー」
みとり「ごはん」
にとり「慰めてよっ!!」
男(面倒だな…)
男「にとりは発明が出来るからきゅうりとっても大丈夫だろ」
にとり「きゅうり取るくらいなら自害するよっ!」
男「どうしろっていうんだ」
みとり「ごはん」
男「そうするか」
にとり「………最近皆が冷たいよ」
幼馴染「がんばっwww」
仮面の妖怪「正体はオルジナルキャラクターだと思った?」スッ…
妖夢「あっはは!残念!…妖夢ちゃんでしたー!」ばばーん!
男「さっぱりした」
にとり「お姉ちゃーん。お風呂空いたよー」
男「ん? みとりはまだ入っていなかったのか?」
にとり「お姉ちゃんさっきまで読書に夢中だったからね」
男「そういえば幼馴染は?」
にとり「お風呂じゃなくて滝浴びに行くって言ってさっき出かけたよ」
男「………超人か」
にとり「人間なのに凄いよね。そういえば幼馴染ちゃんって、何かやってるの?」
男「家が道場だ。そこの跡継ぎらしいんだが、人里に戻らなくていいのだろうか」
にとり「うーん。戻りたくない理由とかあるんじゃないの?」
男「理由? あいつのことだし何も考えてないだけだと思うがな」
にとり「………」
男「おい、なんで俺を生暖かい目で見るのだ」
にとり「なんでもないよー」
男「さてと、寝るか」
男「それにしても、幼馴染はまだ帰ってこないのか?」
幼馴染「帰ってるよーwww」
男「うおうっ!? 音もなく部屋に入ってくるんじゃない。心臓に悪い」
幼馴染「ごめんwww 癖になっててwww」
幼馴染「で、私がいないと寂しかった?www」
男「そんなわけあるか。むしろ良く眠れると安心していたわ」
幼馴染「へぇw」
男「さ、早く寝るぞ」
幼馴染「ういwww」
男「おはようにとり」
にとり「おはよー。今日も元気だね!!」
男「お前もな。ん? かばんはどうした?」
にとり「今日は休みなんだよ。だから家に引きこもって発明でもしようかと」
男「結局いつもとやってることが変わらないんだな」
にとり「趣味と仕事が一緒だからねー。ま、自由に動ける分こっちのほうが楽だよ。で、男はどうするの?」
男「そうだな>>276でもするか」
1 にとりと発明
2 みとりと話す
3 文の家に行く
4 椛を観察しに行く
5 雛に会いに行く
4で
にとり「椛のところに行くの?」
男「ちょっと興味があるからな」
にとり「興味(意味深)」
男「違う。ただ単に」
幼馴染「あのふさふさ尻尾と耳をもふり回したいだけだ」
男「そうそう、って違うぞ!」
幼馴染「おっはーwww」
男「今まで寝てたのか」
幼馴染「うむりwww」
男「まぁ、興味というのはだな。あいつの千里先まで見通す能力だ」
幼馴染「個人情報とかあったもんじゃねぇwww」
男「あの能力を使って何かできないかと思ってな」
にとり「へぇ。望遠鏡みたいな感じになるのかな。楽しみにしてるよ」
男「あぁ。楽しみにしておけ」
男(灯っかりーんを使っているので千里先が見通せても意味がないぞ。ご都合主義? 知らんな)
椛「交代の時間です」
白狼「おいっすもみじん。じゃあとは任せたよー」
椛「もみじんと呼ぶのはやめてください」
白狼「ばっはっはーい!」
椛「もう………。さて今日もがんばりましょう」キリッ
男(どうやらちょうど良いタイミングのようだな)
椛「………」
男(一見、瞑想しているようだが、これは千里先を見通しているのか?)
椛「………お腹空きました」ぐぎゅるるる
男(どうやら違ったようだ)
椛「しかし、今日はおにぎりを持ってきてるんですよね」ごそごそ
椛「………ない」ウルウル
男(………イメージとしては凛としてるかと思ってたんだが、もしかするとそんな事はないのか?)
椛「が、我慢です。これも修行だと思えばっ」ぎゅるるるるる
椛「………ひもじいです」
男(………確かここに。あった、カロリーメイカー)
男(これを、ぽいっっと)ポイッ
コツンッ
椛「あいたっ!? て、敵ですか!?」
男(しまった、近くに投げるつもりだったんだが)
椛「どこです!?」スチャ
男(剣を抜いたな。動かないほうがいいか?)
椛「姿を見せずに不意打ちとは卑怯ですよ! 貴方に戦士としての自覚があるなら姿を見せなさい!!」
男(いや、マッドサイエンティストだ)
椛「って、これは。カロリーメイカー?」
椛「罠でしょうか」もぐもぐ
男(罠と疑ってるんなら食べるなよ)
椛「少し口の中がパサつきますが美味しいです。どうやら毒は入ってないようですね」
椛「ごちそうさまでした」
男(お粗末様でした。結局全部平らげたな)
椛「そういえば一体これは誰が投げたものなのでしょうか。少し探してみましょう」
男(お、千里眼が見れるか?」
椛「どこですかー」がさごそ
男(物理かっ!)
椛「いませんね。もうどこかにいってしまったのでしょうか」
椛「ありがとうございます。名も知らぬ恩人」
男(どういたしましてだ)
椛「会えるときがあるなら、この恩はきっと返しましょう」
男(今いるから千里眼みせてくれ)
椛「そういえば、確か文が話していましたね。お腹が空いた人に食料を上げる英雄がいると」
男(そんな奴がいるのか)
椛「たしか名はアン○ンマンと」
男(………)
椛「ありがとうございます、アン○ンマン。このご恩はきっといつかかならず」
男(俺、アン○ンマンじゃないがな)
文「おはようございます」
椛「………何かようでしょうか」ギロリ
文「おぉ、怖い怖い。そんなに邪険にしなくてもいいじゃないですか」
椛「そう思うのなら日ごろの行いを改めてはいかがです?」
文「はて。改めるようなことをした覚えはないのですが」
椛「はぁ………それで一体どうしたんですか?」
文「何か事件はないかと思って空中散歩してるだけですよ」
椛「あ、そういえば文さん。こないだア○パンマンと言ってましたよね」
文「えぇ。そうですね。そんな名前のヒーローがいると、早苗さんに聞いたことがあります」
椛「その人に会ったのですよ。正確にはご飯を貰ったというのが正しいのですが」
文「なんと。それで彼は一体」
椛「それが、最初から最後まで姿を見せなかったんです。投げて渡してきたので姿も見えず。文さんなら居場所を知ってるかと思い聞いたのですが。どうやら知らないようですね」
文「お力になれずにすみません(………姿が見えない。ですか)」
椛「いえ。いずれ自分の力で探してみます」
文「能力を使えば早いと思うのですけどね」
椛「それもそうですね」クワッ
文「どうです。いますか?」
椛「ここから半径10キロ圏内では河童や、白狼天狗などしか見つけれませんね。特に珍しい妖怪というのは。そういえばア○パンマンについて他に情報はないのですか?」
文「あ、そういえば顔がパンで出来ているとか」
男(………怖いな)
椛「そんな珍しい人ならすぐ見つかるでしょう。100キロまで伸ばしてみます」カッ
椛「………………駄目ですね。見つかりません」
文「もしかすると彼は天狗並みに素早いのかもしれませんね」
椛「残念です」
文「それでは私はこれで」
椛「情報ありがとうございました」
文「いえいえ。これも鴉天狗の仕事ですよ。では」バサッ
椛「………やはり千里眼を使うと目が疲れますね」
男(結局どういう風になっているのかは外見では分からなかったな)
文(風を呼んで、実際の風景と風の流れがおかしい場所があれば………そこですが)
椛「………」キョロキョロ
男(ターゲットに怪しい動きはなしか………)
ポンポン
男「うおっ、むぐっむぐ」
文「静かにしてください。椛が気づきます」
男「なんだ。射命丸か。良く分かったな」
文「種は分かってますから。それでなぜ椛を観察してるんですか? まさかあのふさふさな尻尾がタイプとかですか!? すみません。私翼しかないもので。あ、でも翼でいいなら触りますか?」
男「違う。というかなんで皆俺をそんな目で見てるんだ」
文「いえ、昔はたてが男は皆ケモ耳とかケモ尻尾が好きなのよと言っていたので、もしかすると男さんもそれに当たるのかと」
男「誤解だ。大いなる誤解だぞ。まぁ、嫌いではないが。いや、触り心地の話であって、外見の話ではないぞ」
文「触り心地ですか。そういえば肉球とかもいいと思いますが」
男「肉球か、ん?」
文「どうしました?」
男「新しい発明を思いついただけだ」
文「発明ですか。完成したらみせてくださいね」
男「射命丸も興味があるのか?」
文「もしかしたら新聞のネタになるかもしれないので。今年も鴉天狗の新聞大会最優秀賞はいただきです」
男「新聞大会。そんなのもあるのか」
文「えぇ。ちなみに去年は私でした」
男「そうなのか。流石だな」
文「それでは完成したら見せてくださいね」
男「あぁ」
文「それでは」バサッ
男「さて。発明が思い浮かんだことだし帰るか」
発明『必殺! 猫パンチ!!』を思い浮かんだ。
男「一旦家に帰るかな」
みとり「………」テトテトテト
男「ん。あれはみとりか。一体どうしたんだ? おーい。みとり」
みとり「!?」キョロキョロ
男「あ。灯っかりーんの効果中だったな。つい忘れてしまう。ここだみとり」ぽん
みとり「男」
男「どこかにいくのか?」
みとり「買い物」
男「そうか。俺も手伝おう」
みとり「いいの?」
男「構わん。どうせやることもないからな」
みとり「ありがとう」
男「居候だからな。これくらい容易いことだ。まぁ。あいつが手伝ってるとこは見たことないけどな」
幼馴染「へっくちwww だれか美少女の私の噂をしてるみたいだねwww」
にとり「風邪? 大丈夫?」
幼馴染「風邪とかwwww 都市伝説wwwww」
にとり「………人間離れしてるなぁ」
みとり「妖怪の森の商店街行くから、変身」
男「商店街なんてあったのか」
ピーッ どろんっ
みとり「河童」
男「これなら不自然じゃないだろ?」
みとり「うん、行こう」
すたすた
男「ちょ、待ってくれ、早い」
みとり「ごめん」
男「はぁ、はぁ」
みとり「休む?」
男「すまん」
男(妖怪について行くならボード持ってきた方が良かったな)
みとり「男は」
男「なんだ?」
みとり「毎日、楽しい?」
男「ん。あぁ。里よりは楽しいな」
みとり「良かった」ニコッ
男「………よし、行くか」
みとり「うん」
通貨価値がよくわからないので現代にします
みとり「到着」
男「結構活気に溢れてるな」
みとり「八百屋」
妖怪「いらっしゃいっす。何にするっすか?」
みとり「ジャガイモ、人参、玉ねぎ、マンドラゴラ」
男(マンドラゴラ!?)
妖怪「毎度ー。全部で800円っすー」
みとり「はい」
妖怪「毎度ありっす」
男「みとり、マンドラゴラって美味しいのか?」
みとり「美味」
男「そうなのか」
みとり「お肉屋さんと魚屋さん」
男「魚は少ないから一緒になってるのか」
妖怪「らっしゃーせー」
みとり「牛肉塊、ナマズギツネ」
妖怪「まいどー」
男「ナマズギツネってなんだ?」
妖怪「これっす」
鯰狐「びくんびくん」
男「うおっ。怖っ」
みとり「あと調味料で終わり」
男「結構品揃えいいんだな」
みとり「うん」
男「それで夕飯は何にするんだ?」
みとり「カレー。得意」
男「そうか。では楽しみにしておこう」
みとり「男は、好き?」
男「あぁ。好きだぞ」
みとり「頑張る」
男「頑張ってくれ」
みとり「………」ジー
男「どうかしたか?」
みとり「お団子」
男「食べてくか?」
みとり「いい」
男「なぜだ?」
みとり「今月、ピンチ。私、働いてないから」
男「じゃあ問題ないな。俺は金があるのでな」
みとり「いい、の?」
男「構わん。食べるがよい」
みとり「ありがとう」ニッコリ
みとり「美味」あむあむ
男「そういえば人里にも和菓子屋があったな。いや、正確には食事所か」
店員「うちはそこの支店ですよ」
男「………手広くやりすぎだろう。たしかにあそこの女将は妖怪相手に商売もしていたが」
店員「息子が妖怪と結婚しまして。それで記念にうちが出来たんです」
男「妖怪と結婚する人間か。珍しいこともあるものだな」
店員「ははは。まぁ、そのおかげで私は食べていけるんですがね」
男「その人間さまさまというわけか」
みとり「………妖怪と人間」
男「ん。どうかしたか?」
みとり「なんでもない」
店員「もしかしてお嬢さん。気になる人間でもいるんですか?」
みとり「………」
男「そんなわけないだろう」
店員「いやいやあるかもしれませんよ。もしかするとこの先人間と妖怪は共存するかもしれませんし」
男「それはそれで面白そうだがな」
店員「まぁ。うちのお偉い方が反対すると思いますが」
男「革新が起きるたび、邪魔になるのはいつだって上の奴だろう」
店員「そんな事恐ろしくて口に出来ませんよ。旦那はずいぶんと度胸があると見えますね」
男「実際あったこともないからな」
店員「旦那は他から来たんですか?」
男「あぁ」
店員「妖怪の山から出て行くのはいても入ってくるのは珍しいですね。そういえば、そこのお嬢ちゃんは」
みとり「………」ビクッ
男「………気のせいだ」
店員「………気のせいですね」
男「美味だった」
みとり「うん」
店員「またのご来店を」
男「また来るか?」
みとり「うん」
男「なかなか良い店員だったしな」
みとり「うん」
男「では帰るか」
みとり「お土産も買ったし」
男「これでもう少し近くにあれば文句ないんだが」
みとり「近いよ?」
男「………人間とは不便だな」
みとり「がんばって」
みとり「ただいま」
男「今戻った」
にとり「おかえりー」
みとり「おみやげ、あるよ」
にとり「わーい」
幼馴染「わーいwww」
にとり「みたらし団子。なるほど、こういうのもあるんだね」
男(現在2時か。まだ余裕はあるがどうするかな)
1 椛をもう一度観察
2 文に会いに行く
3 にとりと開発
4 みとりと料理
5 雛に会いに行く
>>302
安価ミスしました
>>305
2
文「えっと。こんなものですかね」
ヒュー「むっ」
文「ヒューイさん、どうかしましたか?」
ヒュー「客人のようだ。主人」
ピンポーン
文「本当ですね。ちょっと行って来ます」
ヒュー「いや。私が行こう。主人」
文「そうですか。ではお願いしますね」
ヒュー「なんだ。発明者ではないか」
男「待て。どうやって扉を開けた」
ヒュー「立ち上がってドアノブを回しただけさ」
男「二足歩行の機能なんてつけなかった気がするのだが」
ヒュー「男子三日会わざれば刮目してみよ。というからな」
男「貴様に性別はない」
ヒュー「なん、だと?」
男「まぁいい射命丸はいるか?」
ヒュー「主人は今仕事中だが」
文「い、いえ。もう終わってますよ」
男「どうした。家の中で息を切らして」
文「何でもないですよ」
男「そうか」
ヒュー「しかし、仕事が」
文「終わったんです」
ヒュー(なるほど。もしかすると主人は発明者を好いているのか)
ヒュー「主人。少し歩いてくる」
文「あ、はい」
男「………散歩にもいくのか」
文「それで男さんは今日はいったい」
男「いや。遊びに来ただけなのだが。邪魔だったか?」
文「歓迎ですよ!」
男「そういえばはたて以外に友人はこないのか?」
文「え、あ。はい………。何故か他の皆さんから嫌われる事が多くて」
男(女で仕事が出来るからか。天狗のくせに嫉妬で差別か。くだらんな)
男「では今後俺が来ても問題はないようだな」
文「はい。大丈夫ですよ」ニコッ
男(………普通から外れると集団で排除しようとする。本当に虫唾が走るな)
文「お茶。どうでしょう」
男「ん、あぁ。美味しいぞ」
文「良かったです」
男(さっきから射命丸はニコニコとこっちを見ているだけだが、何かしたほうがいいだろうか)
男「射命丸」
文「なんでしょう」
男「楽しいか?」
文「えぇ。楽しいですよ」
男「そうか。ならいいんだが」
男(見られるのは嫌ではないが、気になるな)
文「ふふっ」ニコニコ
文「男さん。よかったら夕飯を食べていきませんか?」
男「いや、今日は家でみとりが作るんだ」
文「そうですか………」
男「そんな落ち込んだ顔をするな。また来る」
文「お待ちしてますよ」
男「ではな」
文「はい」
男「なんだ、外にいたのか」
ヒュー「主人のためだ」
男「そう思うならそばにいてやれ」
ヒュー「まったく、開発者は」
男「解体するぞ」
ヒュー「では解体される前に家に戻るとしよう」
男「む、この匂いは」
にとり「おかえりー。今日はカレーだよー」
男「鼻の頭が黒くなってるぞ」
にとり「え!? お風呂にはいったのに!」
男「どうせ、その後少し機械をいじったのだろう」
にとり「ちょっとだけだよ?」
男「顔を洗って来い」
にとり「うん」
幼馴染「んwww 男www おかえりんこwww」
男「今戻った」
幼馴染「ちぇっwwww」
みとり「おかえり」
男「カレーか。それと久しぶりだな。みとりのエプロン姿」
みとり「ずっと男がしてたから」
男「似合ってるぞ」
みとり「ありがと」
男「何か手伝うことはないか?」
みとり「大丈夫」
男「そうか」
みとり「あ」
男「どうした?」
みとり「にとりの面倒みてて」
男「了解だ」
男「ということでにとりの面倒を見にきた」
にとり「ひどいよっ!」
男「それだけ心配なんだろう」
にとり「心配ならチキンウィングフェイスロックなんてかけないと思うな」
男「愛のムチという奴だ」
にとり「酷いときはきゅうりを食べることを禁止されるし」
男「にとりが悪いからだ」
にとり「そんな。ただ実験失敗して地下室爆発させただけなのに」
男「あぁ。確実的ににとりが悪い」
にとり「発明は爆発だー!」
みとり「出来た」
男「うむ。美味そうだ。いただきます」
にとり「いただきまーす!」
幼馴染「いただきますwww」
幼馴染「美味wwwww」
にとり「お姉ちゃんのカレーは幻想郷一だよ」
みとり「ありがとう」
男(うむ。しっかりと味付けされていて美味だ。もしかしてあのマンドラゴラやナマズギツネが美味しいのか?)
みとり「どう?」
男「あぁ。美味い」
みとり「よかった」
男「ごちそうさま」
にとり「ごちそうさま」
幼馴染「ごちそうさま」
男「幼馴染がお代わりを要求しないなんて珍しいな」
幼馴染「お前らのせいでカレーに嫌な思い出が出来たwwwww」
男「しかたない」
にとり「実験に犠牲は付き物だからね」
幼馴染「ちくしょうwww」
みとり「お代わり、いる?」
幼馴染「お願いしますwww」
男「結局食べるのか」
男「そういえば射命丸に何か贈り物をしたいな。何がいいだろうか」
男「5色万年筆でも作ろうか」
発明『五色万年筆』を思いついた
にとり「うん。発明するの?」
男「あぁ」
にとり「えっと、実験器具が散らばってると思うけど気にしないでね」
男「危ないな。片付けておこう」
にとり「ありがとう!」
男「手伝わないのか」
にとり「あとは任せたよ!」
男「………」
男「こんなものでいいか」
男「さて発明を始めよう」
何を作る
1 必殺! 猫パンチ!(みとり)
2 五色万年筆(文)
>>324
2
面白いな
コメントを見ると前作があるっぽいけど、見つけられなかったから良かったら教えてもらえないか?
>>325
ほいよつ
男「幻想郷で、就職活動」
男「幻想郷で、就職活動」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1345154987/)
男「今日から紅魔館で働く事になった男です」
男「今日から紅魔館で働く事になった男です」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1345239916/)
男「簡単だな」
にとり「ん? もうできたの?」
男「簡単なものだからな」
にとり「万年筆?」
男「これ一本で五色出せる」
にとり「地味だけど便利な発明だね」
男「射命丸にやろうと思ってな」
にとり「へぇ。じゃあ私にはきゅうりを」
男「なぜにとりに物をやらねばならんのだ」
にとり「え、えぇ………」
男「冗談だ。次買ってこよう」
にとり「やたー!」
幼馴染「修行行って来るwww」ヘンシンッ
にとり「いってらっしゃーい」
みとり「最近」
にとり「ん?」
みとり「砕けた、岩が良く、見つかるって」
にとり「………修行怖いなぁ」
男「幼馴染は修行か?」
にとり「うん」
みとり「幼馴染って、凄いね」
男「昔は仕込み靴履いてたからな。妖怪対策とか言って」
にとり「仕込み靴って?」
男「つま先に鉄板。かかとに刃がついてる」
にとり「………」
みとり「………」
男「まぁ。怒らせないほうがいいだろうな」
にとり「だね」
男「寝る」
にとり「おやすみ」
幼馴染「はぁーつかれたーwww」ガチャッ
にとり「!? どうしたのその格好」
幼馴染「なんか妖怪に襲われたwww」
にとり「まさかあの」
幼馴染「紅白の服着て、白黒の球持ってたwww」
男「………それ、巫女だ」
幼馴染「まさかwww」
にとり「巫女は鬼より怖いよ。うん」
幼馴染「こえぇwww」
幼馴染「スーツがなかったら即死だったwww」
男「まぁ、怪我はしてないようだな。天災にあったとでも思って風呂に入って寝るといい」
幼馴染「そうする」
にとり「こんな夜にどうして妖怪の山に来たんだろうね」
みとり「分からない」
男「ふぅ。もう朝か」
ピンポーン
男「………みとりを起こしたほうがいいか?」
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン
男「………起こすか」
男「みとり起きてくれ」
みとり「………?」
ピンポン
男「誰かが来てる」
みとり「分かった」
みとり「はい」ガチャ
文「あぁみとりさん!大変なんですよ大変!」
みとり「落ち着いて」
文「実はですね、妖怪の山に」
文「伊吹萃香が戻ってきたんですよ!!」
みとり「そう」
文「あぁ。そういえばみとりさんは別に鬼を嫌いではないんでしたね。それではこのことをにとりにも伝えておいてください。それでは!」
みとり「うん」
男「なんだか慌しかったが、伊吹萃香って誰なんだ?」
みとり「鬼」
男「鬼、か」
にとり「ひゅい!?」
男「なぁ、さっきから聞いていて思うのだが、そんなに恐ろしい存在なのか? 鬼とは」
にとり「恐ろしい。そんな言葉じゃ表しきれないくらいだよ。その気になれば私なんか指先ひとつでダウンさ!」
男(正直にとりならそこらへんの少し強い妖怪にも負けそうな気がするんだが、まぁ言わないでおこう」
にとり「あうあうあー なんでこんなことに………」
みとり「ご挨拶行く?」
にとり「ごめんだよ!」
男「さて、今日はどうしたものか」
にとり「悪いことは言わないから外は出歩かないほうが良いよ。萃香様の帰還で山中大混乱だよ」
男「………む」
にとり「どうしたの?」
男「いや、なんでもない」
男(そこまで恐れられる存在なら、あいつをどうにかしてくれるかと思ったが、無理な話か)
にとり「そうだ今日は私と一緒に開発でもしようよ!」
男「仕事はどうしたんだ?」
にとり「有給とった!」
男(駄目河童………)
男(出歩くな、と言われてもここで出歩かなければマッドサイエンティストの名が廃る)
にとり「ささ、どうぞ地下へ」
男「>>339」
1 地下なんて行けるか。俺は射命丸のところに行かせて貰う
2 地下で開発が許されるのは小学生までだ。ということで犬走観察だ。
3 今、考えてみたが、俺は不幸の引力に引かれて鍵山のところに行く。鍵山のがんばりすぎだ!
4 みとり! 会わずにはいられない!!
5 流石お値段以上の性能を誇るだけある。えぇい、河童のにとりと開発か!
2
にとり「ひゅい!? 危ないよ! 白狼天狗はただでさえ今気が立ってるっていうのに」
男「何、ばれなければいいだけの話だ」
にとり「それはそうだけど」
男「はっはっは。白狼天狗ごときから隠れるなど造作もないことだ!」
にとり「うん………。それじゃあ気をつけてね」
男「では行って来る」
椛「で、あなたは一体」
男(捕まってしまった。それはなぜかというとだ。事は数分前にさかのぼる)
男(さて灯っかりーんを使って。おぉ、ちょうど犬走がいるではないか)
椛「………」
男(瞑想中なのか?)
椛「何者です!?」
男「な!? なぜばれた!!」
椛「!? 誰です!?」
男「くっ、罠か!」
男(といった感じだ。運命のいたずらとはこの俺の目をもってしても見抜けないものだな)
椛「………」ジーッ
男「なんだ、こっちをじっと見つめて」
椛「いえ、貴方は河童ですよね。しかし見たことない顔なので」
男(念のため変化の笛を使っておいて助かった)
男「最近この山に越してきた河童の男という。にとりの家で世話になってる」
椛「にとりの家ですか。………ところで、この山に越してきたのなら情報が出回ってるはずなのですが。私に貴方みたいな河童の情報なんて伝えられていないのですよ」ジーッ
男(くっ。嘘が見抜かれるか?)
椛「もしかして、貴方」ぐぅ~
男「………む?」
椛「今のは忘れてください///」
男「その、なんだ。弁当食べるか?」
椛「………いただきます」
男「遠慮せず食べるがいい」
椛「ありがとうございます。ところで、もぐもぐ。あなたは、もぐ」
男「食べるか、喋るか。どちらかを選べ」
椛「ごっくん。あなたは本当に侵入者ではないのですか?」
男「違う。そちらに情報が行ってないのは申請し忘れていたからだ。あと侵入者ではないということはにとりかみとりにでも聞いてくれ」
椛「そうですか。もぐもぐもぐもぐ。ごっくん。もぐもぐもぐ。ごっくん。ずずー。ふぅ。ごちそうさまでした」
男「食べるのが早いな」
椛「美味しかったです。………えっと、この味どこかで食べたことのあるような」
男「俺の手作りだ。市販ではないぞ?」
椛「あっ。もしかして貴方は、私にこっそりお弁当を恵んでくださった方ですか!」
男「………あぁ。そんなこともあったな」
椛「すると、貴方が噂のア○パンマン」
男「違う。ただの河童で発明好きの男だ」
椛「その説はどうもお世話になりました」
男「ところで犬走はいつも腹をすかせているようだが」
椛「椛でいいです。お恥ずかしながら、燃費がずいぶん悪いもので」
男「そうか。では今度俺が腹持ちのよいものでも作ってこよう」
椛「本当ですか?」
男「うむ、約束しよう」
椛「ありがとうございます」
男「はっはっは。それではな」
椛「はい」
男(なんとかこれで逃げ出せたな。あとはにとりとみとりに言って口裏を合わせてもらおう)
男(まぁ、開発はするがな。約束は約束だ。約束を守らぬものはマッドサイエンティストの風上にも置けないからな)
発明『藤原印のモンペち』を思いついた
男(弁当は椛が食べてしまったし、一度家にもどるか)
にとり「おかえりー」
男「で、有給を使ってごろごろしてるのか」
にとり「社会人、いや社会妖怪の特権だよ!」
男「はぁ。今から昼飯を作るが、食べるか?」
にとり「うん!」
幼馴染「もちろんwww」
男「うおっ!?いたのか」
幼馴染「さっきから後ろにいたよ」
男「やめてくれ心臓に悪い」
男「ところでみとりはいないのか?」
にとり「お姉ちゃんは萃香様のところに挨拶にいったよ」ガクブル
男「そうか」
にとり「それで、男は昼はどうするの?」
男「>>347」
1 文のところへ遊びに行って来る。
2 俺もみとりと一緒に挨拶に行って来よう
3 雛へ会いに行って来る
4 有給なら一緒にどこかにいかないか?
3
男「………っ!? 殺気」
雛「残念私よ」
男「殺気か」
雛「失礼よ。せめて厄いと言って欲しいわ」
男「どう違うのか分からないのだが」
雛「じゃあ愛情?」
男「真顔で背筋が寒くなるようなこと言わないでくれ」
雛「くすくす。それで私に何か用かしら?」
男「ただ遊びに来ただけなんだが」
雛「それじゃあ遊びに行きましょう。今日まだあの装置動かしてないから」
男「ってことは。今の俺は………」
雛「厄を受けまくってるわよ」
男「何をする―――――っ!!」
雛「ちゃんと回収するから落ち着いて」クルクルクルクル
男「さっさと装置を起動するぞ。どうなるか分からん」
男「というかなぜステルスピーチ効果中の俺に気づけたのだ?」
雛「私が近寄ると大体の発明壊れるから。これは別みたいだけど。厄耐性でもあるのかしら」
男「しまった」ピーッ どろんっ
雛「河童?」
男「発明だ。姿を変える」
雛「なるほど。でもそれがあるならそのステルスなんとかっていう発明いらないんじゃないの?」
男「自分自身の姿じゃないと違和感があるだろう?」
雛「分かる気がするけど、こんなことがあったら即アウトよ?」
男「発明は完璧だから大丈夫だ。今回以外は」
雛「心配ね」
雛「じゃあ今日は人間の里に行きましょうか」
男「なんでだ?」
雛「いつもは厄神としていくだけだもの。たまには遊んでみたいわ」
男「あぁ。それもそうだな」
雛「あ、でもお金とか持ってないわ」
男「大丈夫だ。俺が持ってる」
雛「出してくれるの?」
男「まぁ、そんな大金はかからないだろうしな」
雛「ありがとう」ニコッ
男「構わん」
住民1「うおっ! 厄神だー 厄神がでたぞー!!」
住民2「逃げろー、逃げろー!!」
住民3「うわぁー!! まだ死にたくねぇよーっ!!」
男「なんだが、阿鼻叫喚になってるんだが」
雛「まぁ。こうなると思ってたけどね。それにしてもまるでモーゼね」
男「で、どうするんだ?」
雛「今の私を説明すればなんとかならないかしら」
男「どうだろうな」
雛「いっそのこと貴方の笛でも吹いて見ましょうか」
男「神なんだからやめといたほうがいいんじゃないか?」
雛「不便ね、神様って。せめて豊穣神とかだったら良かったのに。あ、でもそれだったら貴方に出会ってないかもしれないわね」
男「それもそうだが、これから本当にどうするんだ?」
雛「どうしましょう」
慧音「むっ。なにやら騒がしいと思って来てみれば、厄神か。人間を愛する同士としては心苦しいのだが、ここは人里ゆえ君がいると困るんだ。出来れば速やかに外に出て行ってもらえないだろうか。用なら私が承ろう」
早苗「え!? 鍵山 雛さんがなんでこんなところにいるんですか!? い、異変ですか!?」
男「なんだか面倒なことになったぞ」
雛「大丈夫よ慧音、早苗」
慧音「大丈夫とはどういうことだ?」
雛「今の私は厄を回りに撒き散らすことなくいられる。いうなれば今の私は新・鍵山 雛なのよ!」
慧音 早苗「な、なんだってー!!」
慧音「つまりどういうことだ? 早苗」
早苗「え!? 私に聞かれてもぜんぜん分かりませんよ!」
男「えっとだな」
早苗「河童!?」
男「今更か」
慧音「ん? 初めて見る顔だな。名前はなんだ?」
男「男だ」
雛「ちょっと男」
男(しまった本名で名乗ってしまったっ)
慧音「男というのか。実は私の教え子だった奴にも同じ名前がいてだな。今頃どこで何やってるのだか。おっと話がずれてしまったが、結局どういうことなのだ?」
男「文字通りだ。俺の発明で厄を抑えることに成功した。つまり今雛の周りにいても厄を受けない。この俺が証明だ」
慧音「うむ。確かに雛の近くにいても無事なところを見ると本当のようだな。科学は日進月歩というがなかなかあっという間に私が知らないことが増えていそうだな」
早苗「この調子でいくとスーパーロボットが出来る日も遠くなさそうですね!!」
慧音「幻想郷の未来は明るいな(すーぱーろぼっと?)」
男「それで理解したのなら、この状況をどうにかしてくれないか?」
慧音「あぁ。この調子だと買い物には不便だな。分かった何とかしよう。皆! どうやら今の厄神に近づいても大丈夫なようだ! 私の名前にかけて保障しよう!!」
住民1「ほ、本当なのか?」
住民2「な、なら俺は厄神様に感謝したいことがあったんだ。こないだうちの娘の役を吸ってもらって」
住民3「お、おらたち助かっただか?」
慧音「あぁ。大丈夫だ!」
住民達「うおぉおおおおおお!!」
早苗「雛さんって実は結構人気者だったんですね」
雛「そうなのかしら」
男「自分達の味方の神だからな。障害がない今、そうなるのは当たり前だろ」
早苗「それにしても慧音さんも凄いですね」
雛「貴方の守矢の名を出しても同じことが起きると思うけど」
早苗「私はまだまだ修行の身なので」
雛「実際面倒だっただけでしょ?」
早苗「そ、そんな事ないですよ?」
慧音「雛。どうやら皆が君にお礼を言いたいそうだぞ」
雛「お礼? そんなのいいわよ。神様だからやってるのだし」
慧音「お礼がしたいそうだ。受け取ってあげてくれ」
雛「まぁ、悪い気はしないけれども」
住民4「ありがたやー ありがたやー」
住民2「これ、うちで取れた野菜です。持って言ってください」
住民5「厄神セール始まるよー!!」
男「なんだか凄いお供え物が集まってくるな」
星「うわぁ!! なんだかいつもより托鉢が集まりますよ!!」
ナズ「どうやら祭りのようだぞ主人」
星「遊んでいきましょう!!」
ナズ「却下だ」
星「そ、そんなぁ」
雛「なんだか一部にも恩恵が行ったみたいだけど」
早苗「あれはもうチートですから。うらやましいですね」
男「大量だな」
雛「えぇ。でもこんなに一人で使いきれるかしら」
男「神様なら食べれるだろ?」
雛「貴方、神様を何だと思ってるの?」
男「まぁ、出来ないなら俺が持って帰るが構わないか? 一人大食らいがいるもんでな」
雛「構わないけど、その前に慧音。リアカー貸してくれない?」
慧音「うむ。構わないぞ。荷物はうちで預かっておこう」
雛「ありがとう」
慧音「祭りだからな。楽しんでいってくれ」
雛「えぇ」
早苗「えっと、それじゃあ私は霊夢さん達呼んできますね」
雛「それじゃあまた」
早苗「また後で会えるかもしれませんよ」
男(霊夢? なんだかどこかで聞いた名だが)
雛「それじゃあ、男。行きましょう」ぎゅっ
男「ん、あぁ」
香霖「なんか見ていかないか?」
男「………なんで香霖がいるんだ?」
香霖「なぜ僕の名前を? うちの店に来たことはないと思うんだが。忘れていたらすまない」
男「男だ。発明で姿が変わっているからな」
香霖「また妙なものを作ったね」
男「危ない道具を作った奴に言われたくはないな。それでなんで香霖がここにいるんだ?」
香霖「祭りは書入れ時なのさ」
男「まったく金儲けしか頭にない奴だな」
香霖「発明しか頭にない奴に言われたくはないね」
雛「えぇっと、もしかして二人は仲が悪いのかしら?」
香霖「ん? いや、そんな事はないよ。挨拶みたいなものさ」
男「だな」
香霖「それで、たしかそこにいる君は厄神だったね」
雛「そうよ」
香霖「ところで二人の関係は?」
男「ただの知り合いだ」
雛「もう私、男がいないと駄目なのよ」
香霖「おい、男」
男「勘違いするな。俺が鍵山の厄を抑える装置を作っただけだ」
香霖「ふむ。まぁ仲は悪くないと見える。それなら彼女にプレゼントを買ってあげたらどうだい?」
男「なぜ俺が」
香霖「祭りとはそういうものさ。デートならなおさら。彼女も喜ぶ、僕も店が潤って喜ぶ。八方得だよ?」
男「俺の事は無視してるがな」
香霖「これはどうだい?」
男「これは腕輪か?」
香霖「シュシュというらしいよ。噂によると厄をはらう効果もあるとか。兎の足みたいなものかな」
雛「綺麗な色ね」
香霖「良い赤色だろう?」
男「手作りか?」
香霖「まさか。土蜘蛛が自分の糸で編んだって売りにきたんだよ」
雛「土蜘蛛ね。にとりが嫌いらしいわよ。川をよごすとかで」
男「それが誰かを知らないから俺はなんとも言えんが。知り合いなのか?」
雛「らしいわ」
香霖「それで買うのかい?」
男「あぁもう。買えばいいのだろう買えば」
香霖「まいどあり」
男「ほら雛」
雛「ありがとう、男」
男「別に構わん。ではな親友」
香霖「またな、親友」
雛「次はどこに行こうかしら」
男「珍しいな。夜雀の屋台がもう出ているぞ。隣に藤原の屋台も出ている。というか合同みたいだな」
雛「軽く食べていきましょう」
男「そうするか」
雛「ヤツメウナギ2つと焼き鳥4本」
みすち「毎度ありがとうございます」
妹紅「まいどありっ」
兎男「すみません。私もヤツメウナギを」
みすち「ひっ」
妹紅「兎男、いきなりはミスティアがビビる」
兎男「早く慣れてもらえないものですかね」
男(………いったいこの二人はどんな関係なのだろう)
みすち「お待ちどお様です」
男「さ、行くか」
雛「歩きながら食べるの? せっかくなんだから食べていきましょうよ」
みすち「構いませんよ」
兎男「では私も」
みすち「………」
妹紅「ミスティア、あきらめろ」
雛「それで妹紅。そちらの方は?」
兎男「今永遠亭に住んでいる、兎男と申します」
男「うむ。美味い」
妹紅「まぁ、色々あってミスティアから恐れられてる」
兎男「なぜなのでしょうか」
妹紅「それ本気で言ってるのか?」
男「もう一本もらえるだろうか」
みすち「毎度ありです」
雛「結局4本食べたわね」
男「ヤツメウナギは嫌いじゃない」
雛「それじゃあ行きましょうか」
男「行くって言ったってどこに行けばいいのやら」
雛「祭りっていうのはぶらぶらするものなのよ」
男「そうなのか?」
雛「祭りに行ったことないの?」
男「小さいころ一度きりだ。あまり騒がしいところは好きじゃないからな」
雛「まぁ、私も来たのは初めてだけど」
男「む。あそこで何かやってるぞ」
雛「あれは、何かしら」
男「無くしたもの見つけます? 占いか?」
ナズ「君の無くし物は押入れの中を探してみるといいよ」
村人「本当ですか? ありがとうございます」
ナズ「はぁ。なぜ私がこんなことを」
星「これも世のため人のためですよ」
ナズ「そう思うなら説法のひとつでも説いたらどうだい。ご主人」
星「あはは………」
ナズ「門前の山彦でも習わぬ経を読むというのに」
星「な! 出来ますよ!? 出来ますけどやらないだけです!!」
ナズ「これはご主人の本気を探したほうがいいかも知れないな」
男「あー。なんだかお取り込み中すまないが」
ナズ「あ。見苦しいところを見せてしまった。失せ物探しかい?」
男「みたいなものだ」
ナズ「それではここに座ってくれ」
男「ある妖怪を探している?」
ナズ「人物探しか。あまり得意ではないがやってみよう」
ナズ「………君の探し人は、妖怪の山にいる」
男「!?」
ナズ「どこにいるかまでは分からないがね。遠すぎるんだ」
男「それだけでもありがたい」
ナズ「見つかることを祈ってるよ」
星「私も毘沙門天に祈っていますよ」
雛「何を聞きに行ったの?」
男「ちょっとしたことだ」
雛「それじゃあ次はあそこに」
男「あぁ」
男「疲れたな」
雛「楽しかったけれどね。それじゃあ帰りましょうか」
男「こんなことならボードを持ってくればよかったか」
雛「あ、外見は河童でも中身は人間だものね。私がおぶって飛びましょうか?」
男「断る。そこまでしてもらうほど落ちぶれてない」
雛「私は気にしないのだけれど、それにリヤカーで山のぼりは辛いわよ?」
男「………も、もし駄目なら少し手伝ってもらおう」
雛「私は男がいいならいくらでも手伝うわよ」
男「それは、ありがたいな」
雛「神様だもの」
すみません
男「ある妖怪を探している」になぜか?が付いていました
男「ある妖怪を探している」です
雛「お疲れ様」
男「はぁ、はぁ。それじゃあまたな」
雛「また今度会いましょう」
男「またな」
男「ただいま」
にとり「うわぁ! 凄い数の野菜とかが!」
男「お土産だ」
にとり「きゅうりだー!!」
男「いい加減きゅうりキャラから離れたほうがいいんじゃないか?」
にとり「キャラ付けでしてるわけじゃないよ!!」
男「さて戻るか」ピーッ
みとり「あ、おかえりなさい」
男「帰るのが遅れたな。すまない今から夕食を作ろう」
みとり「大丈夫。作った、から」
男「美味しかった。後片付けはしよう」
みとり「じゃあ、お願いする」
にとり「じゃあ私は開発ー」
みとり「はぁ」がしっ
にとり「ちょ! お姉ちゃん、河童といえども足はそっちの方向にまがらなーっ!!」ぼきっ
にとり「折れた、はい折れたよ私の足!!」
みとり「大丈夫、すぐくっつくようにしたから」
男「妖怪はやはり凄いな」
にとり「すぐ治るからってそんなにほいほい折らないで欲しいよ」
男「そう思うなら自分の行いを省みたらどうだ?」
にとり「お天道様に顔向けできないようなことはしてないと思うけど」
みとり「多分。お天道様に笑われてる」
にとり「なんでー!?」
男「さて、一体どんなものがあるのか」
男「これは酒か」
みとり「いいお酒」
男「そうなのか?」
みとり「うん」
男「なら伊吹萃香とやらに差し入れしてみようか」
みとり「伊吹様、に?」
男「一度会ってみたいからな。みとりは会いに行ったんだろ?」
みとり「地下にいるとき、何度も違う鬼にお世話になったから」
男「そうなのか」
みとり「優しい人だよ」
男「さっききゅうりを盗み食いしようとしたにとりが伊吹の名を聞いただけで地下室に逃げたが本当なのか?」
みとり「私は、好き」
男「ならそうなのだろうな」
にとり「男、もう寝るの? 発明は?」
男「死ぬほど疲れてるんだ」
にとり「人間は貧弱だねぇ」
男「伊吹萃香をうちに招待してみようか。みとりも喜ぶだろうし」
にとり「ゆっくり眠っていってね!!」
男(便利だな。この名前)
男「で、付いてくるのか」
みとり「危ない、から」
男「そんなに危ないのか」
みとり「妖怪の気が立ってる」
男「そっちか」
みとり「じゃあ、行こう」
男「あぁ」ピーッ
男「………うぷっ」
みとり「疲れた?」
男「ここどこだ?」
みとり「今4合目くらい」
男「………」
みとり「どうする?」
男「もう、ボード使う」
みとり「うん」
男「で、ここか」
みとり「うん」
男「頂上とまでは行かんが、雲があんなに近くに見える。しかも結構酸素が薄い。高山病にならないように注意しなければな」
みとり「?」
男「人間には色々とあるのだ」
みとり「へぇ」
天狗「む、貴様は」
みとり「伊吹 萃香様に会いに来ました」
天狗「そうか。ところで後ろの河童は」
みとり「知り合いです」
天狗「まぁ、深く追求はしないでおこう。入るが良い」
みとり「ありがとうございます」
男「なんだか偉そうな奴だな」
みとり「良い人だよ」
男「そうなのか?」
みとり「あと偉い」
男「おぉう」
みとり「萃香様」
萃香「おぉ。みとりじゃないか。それとそこの」
男「河童の男という」
萃香「おいおい。あんま私を舐めてもらっちゃ困るよ。まやかしが鬼に通じるわけないだろう?」
男「………失礼した。人間の男という」ピッー
萃香「これは驚いた。人間がなんでこんなところに」
男「色々あってな」
萃香「まぁ、そこはいいけど。今日は一体何のようだい?」
男「会いに来ただけだ。これは土産だ」つ酒
萃香「鬼に対して物怖じひとつしないねぇ。お、これは良いお酒!」
男「気に入ってくれたなら幸いだ」
萃香「まぁ、座りなよ。何もないところだけどさぁ」
男「まぁ、たしかに殺風景だが、良い部屋じゃないか?」
萃香「こんな誰もいない部屋、価値なんてないね」
男「寂しがりやなのか?」
萃香「寂しがりや? 違うね。騒ぎたがり屋だよ」
男「それ結局寂しがりやじゃないのか」
萃香「鬼が寂しがりやなんてあるわけないじゃないか」
男(よく分からん)
みとり「そういえば、萃香様」
萃香「うん?」
みとり「男が聞きたいことがあるって」
男「あぁ。そういえばそうだった」
萃香「まぁ、お酒くれたんだし、あたしが知ってる範疇なら答えるよ。一体何が知りたいんだ?」
男「仮面をつけた妖怪についてなんだが」
萃香「………それ、どこで聞いた」
男「―――っ 襲われた」
萃香「そうか。少し帰ってくるのが遅かったね」
男「どういうことだ」
萃香「まぁ、飲みながら話そう」
萃香「よくあれに襲われて生きてたね。一応賞賛には値する」
男「鬼にそこまで言わせるとはそこまでやばい奴なのか?」
萃香「やばいなんてもんじゃないよ。この私と同じか、それ以下ほどには」
男「以下って凄いのか?」
萃香「今ここにいるらしいから、あたしがいなかったら天魔と同格ぐらいには」
みとり「ここのトップ」
男「あぁ、それは凄いな」
萃香「それが私の元とはいえ縄張りにちょっかい出してきたからお灸をすえてやろうと、来たんだけど他の連中が邪魔でね。まったくあたしが帰ってきたぐらいでビクビクしてさ。これだから天狗は嫌いなのさ」
男「それじゃあ意味ないんじゃないのか?」
萃香「いざとなったら見張りをぶっ飛ばしてでも駆けつけるさ」
男(やだ、イケメン………じゃない、鬼にそこまで言わせる奴とは一体)
男「それで一体奴はなんなんだ?」
萃香「奴の名前はね」
萃香「崇徳。悪霊だよ」
男「みとり知ってるか?」
みとり「知らない」フルフル
萃香「まぁ、だろうね。男はともかくみとりも生まれてないだろうし」
男「一体なんなんだ?」
萃香「一応三大怨霊と呼ばれてたうちの一人なんだけど。幻想郷入りするとはね。外の世界ではそんなに知名度が低いみたいだね。一体何があったのやら」
男「そうか、崇徳か」
萃香「一応忠告はしておくよ。手は出すな」
男「断る」
萃香「だろうね。ま、何があったかは知らないけれど、手を出すんなら気をつけたほうがいいよ。気をつけてもどうにもならないかもしれないけど」
男「忠告痛み入る」
萃香「さ、この話はこのぐらいにして飲もう」
男「一杯いただく」
男「うっく」
萃香「あー、少し飲ませすぎちゃったかね」
男「なんだその瓢箪」
萃香「これは伊吹瓢って言って水を酒に変える道具だよ」
男「一杯でやばかったんだが」
萃香「普通の人間は一口でも危ないけどね、はははっ」
男「おい、笑うところか?」
萃香「どうだい、もう一杯」
男「断る」
萃香「そりゃ残念」
萃香「みとりは?」
みとり「貰います」
男「案外みとりは酒豪なんだな」
みとり「お酒、好き」ぐいぐい
萃香「相変わらずいい飲みっぷりだね」
男「じゃあもうそろそろ帰るぞ」
みとり「うん」
萃香「そうかい。またいつでも遊びにきなよ」
男「気が向いたらな」
萃香「待ってるよ、男」
男「悪い奴ではなかったみたいだな」
みとり「でしょ」
男「それじゃあ帰るか」
みとり「もう暗いしね」
男「ただいま」
みとり「おかえり………」ぎゅるるるる
幼馴染「おかえりw」ぎゅるるるる
男「お前らご飯はどうしたんだ?」
みとり「料理作れない」
幼馴染「同じくw」
男「はぁ………。待ってろ」
にとり「わぁい」
すいません、にとりがみとりになってました
男「チャーハンだ」
幼馴染「ほいほいチャーハンwwww」
男「?」
幼馴染「きにすんなwww」
男「お前は良くわけの分からんこと言うよな」
幼馴染「個性www」
にとり「こ、これが黄金のチャーハン、ぱらっぱらだ!」
幼馴染「さすがマッドコックwww。得意料理はコンソメスープwwww」
男「マッドサイエンティストだ。コンソメスープは作れるが得意ではない」
にとり「美味!!」
男「作り方にコツがあってだな………って聞いてないみたいだな」
みとり「教えて」
男「なんだか最近みとりだけが救いな気がしてきたのだが」
みとり「///」
にとり「ごちそうさまー」
男「お粗末様」
にとり「男、発明しようze」
男「あぁ、先に言っててくれ」
にとり「なんだか久しぶりな気分」
男「そうか?」
にとり「じゃあ行ってるねー」
にとり「何作るの?」
男「あぁ、もう作るものは決まってるんだ」
にとり「何?」
男「酸素ボンベ」
にとり「お、おぉ」
男「できた」
にとり「なんだか錠剤に見えるけど」
男「コレ一粒で3時間は高山病にならなくなる」
にとり「あれ、酸素ボンベじゃ」
男「よくよく考えたら不便すぎるだろ」
にとり「だよねー」
幼馴染「zzzzz」
男「今日はいるのか。まぁ、そりゃそうだろうが」
幼馴染「まさか人間と妖怪にこんなに意識の差があるだなんてwww こんなんじゃ私妖怪の山を守りたくなくなっちゃうよwwwzzzzzz」
男「こいつ、なんの夢見てるんだ? まぁ、いい寝るか」
幼馴染「これから毎日岩を砕こうぜwwwzzzzzz」
男「寝てるんだよな?」
男「さて、朝だ」
幼馴染「朝だーwww」
男「なんでお前おきてるんだ?」
幼馴染「おきてちゃわるいかwwww」
男「いや、ただ珍しいと思ってな」
幼馴染「深夜に起きてそれから寝れなかっただけだがなwwwwwww」
男「なんだただの馬鹿か」
幼馴染「ちょwww ひどっwwwww」
男「なんだか、お前のその顔のせいで感情読めないんだが」
幼馴染「ポーwwwカーwwwフェwwwイwwwス」
男「朝から心底疲れるな」
幼馴染「照れるwww」
にとり「それじゃあ仕事に行って来るね」
男「休まないのか?」
にとり「………あの、伊吹様からね、届いたの、手紙。でね、働かないと、殴るって書いてるの。休めないの」
男(そんなに伊吹萃香が怖いかね。そうでもないと思うのだが)
にとり「………行って来ます」
男(目が死んでるなぁ)
みとり「私は今日は家で仕事」
男「仕事って何かやってるのか?」
みとり「さとり様から、仕事貰うの」
男「温泉郷か」
みとり「うん、ポスター書く」
男「なるほどな」
みとり「覗き、禁止」
男「効果覿面だろうな」
男「そうだな俺は>>403でもすることにしよう」
1 射命丸のところに行く
2 変装してにとりのところに
3 このままみとりと
4 変装して椛に会いに行く
5 雛のところへ
1
あやややwwwww
ヒュ「む」
男「今日は外で日向ぼっこか?」
ヒュ「私は番犬だ」
男「そうか。で、射命丸はいるのか?」
ヒュ「中で原稿を書いている。もうすぐ新聞大会というものがあるらしいのでね」
男「邪魔になるか?」
文「そんな事ないですよ!?」
男「うぉっ!?」
ヒュ(今の速度。私のセンサーでも捉え切れなかっただと………っ!?)
文「ささ、どうぞどうぞ」
男「いいのか? 新聞の記事書いていたみたいだが」
文「もうほとんど完成したようなものですから」
男(その割には目の下にはくま、髪も乱れているし、肌も少し荒れているな。とても余裕があるようには見えないが)
男「そうだ、コレを飲むといい」つハイポショーン
文「これは?」
男「ハイポショーンといい、体の傷を治すのはもちろん、疲労回復などにも効果のある万能薬で」
文「男さんがつくったのですか?」
男「あぁ、それで」
文「ではいただきます」ごきゅごきゅ
文「げふっ!」
男「凄いまずいから味の濃いものと一緒にと言おうと思ったが遅かったな」
文「なんだかコレ、人生の全ての苦を集めたような味がしますね」
男「どんな味だ」
男「勝手に使って悪かったが、紅茶を入れてきた」
文「ありがとうございます」ごきゅごきゅ
男「もう納まったか?」
文「あ、はいなんとか。それでこの薬なんですが」
男「あぁ、不味いだろ。だからもう作らないようにしようと思ってるんだが」
文「ではなく。効果は凄いですね。もう疲れが取れてきましたよ」
男「余裕があるのにか?」
文「え、あ、いえ! 日ごろの疲れといいますか」
男「冗談だ」
文「男さんは意地悪ですね」
文「まさに良薬口に苦しですが、出来ればこの薬あと数本欲しいのですが」
男「あぁ、何本か作っておこう」
文「ありがとうございます」
男「あぁ、そういえば」ごそごそ
文「?」
男「プレゼントだ」つ五色万年筆
文「え、わ、私にですか?」
男「ほかに誰がいるというのだ」
文「はたてとか」
男「言っちゃなんだがあまり面識はないぞ」
文「そ、そうですよね。でもいいんですか?」
男「いいから渡したのだ」
文「ありがとうございます」にこっ
男「構わん」
男「そういえばもうすぐ新聞大会らしいな」
文「はい。あと数週間後ですね」
男「あまりがんばると体に毒だぞ?」
文「大丈夫です。男さんの薬がありますから」
男「あまり薬に頼るのはいい考えとはいえないのだがな」
文「すみません………」
男「そんなものに頼るぐらいなら俺を頼ってくれ。いつでも助けになろう」
文「いいのですか?」
男「この俺に出来ないことなど少ししかないっ」
文「ありがとうございます。心強いです」
男「ふはははははっ」
男「では俺はもうそろそろ戻ろう」
文「はい。また来てくださいね」
男「ではな」
男「ただいま」
みとり「おかえり」
男「仕事は終わったのか?」
みとり「デザインは」
男(ということはあとは印刷だけか。手伝ってもいいが時間がかかりそうだな、どうするか)
1 みとりを手伝う
2 にとりの職場に行く
3 椛に会いに行ってみる
4 雛とお茶をしにいく
>>413
1
男(手伝うか。居候の身分だしな)
みとり「………」さらさらさら
男「何やってるんだ?」
みとり「量産」
男「印刷をすればいいのではないか?」
みとり「機械、分からない」
男(………マジか)
男「貸せ、印刷してきてやろう」
みとり「いい、の?」
男「構わん。任せておけ」
みとり「ありがとう」
男「印刷機はここら辺にどっかあったかな。………そうか、射命丸の家にあったな」
みとり「行くの?」
男「今から印刷機を作るとしたら時間がかかるからな」
みとり「じゃあ、お菓子。持ってかないと」
男「律儀だな」
みとり「常識」
男(妖怪の山でそんな言葉を聞くとはな)
男「射命丸ー!」
文「は、はい!」ビュンッ
男「印刷機を貸してくれないか」
文「えぇ。構いませんが。あや? みとりさんではないですか」
みとり「印刷機、貸して欲しい」
文「ということはみとりさんの用件なのですね」
みとり「これ」
文「あやや。これはこれはどうもご丁寧にありがとうございます」
男「確か家に入って二つ目の部屋だったよな」
文「三つ目です」
みとり(男、文の家に詳しいんだね)じーっ
男「行くぞ、ってなんだ?」
みとり「なんでもない」
男「教えるからやってみろ」
みとり「噛み付いたり」
男「しない」
みとり「壊れたり」
男「下手なことしなければな」
男「さぁ、やってみるのだ」
みとり「………」おそるおそる
男「で、閉めて。ここを押す」
みとり「………」ぽちっ
男「で、枚数は?」
みとり「50枚」
男「結構多いな。ここの数字を押して、まてそれでは500枚だ」
みとり「難しい………」
男「おばあちゃんか」
みとり「違う………」ガーン
ガーッガーッ
みとり「こ、壊れた」あわあわ
男「正常に動いてるから安心しろ」
みとり「か、紙が出てきた!」
男「印刷だからな」
みとり「私が書いたのと一緒―――っ!?」
男「印刷だからな」
みとり「面妖な」
男「………実はこれは中に絵が上手な小さな式が何人も入っていて、中で書いているんだぞ」
みとり「凄い」
男(………面白いな)
男「出来たぞ」
みとり「ありがとうございます」ぺこっ
文「男さん。なぜ彼女は印刷機に礼をしているのでしょう」
男「気にするな」
文「?」
男「じゃあもう帰るぞ」
みとり「うん。ありがとう文」
文「いえいえ。印刷機ぐらいいつでも使ってください」
みとり「それは、印刷機が可哀想」
文「あやや?」
男「気にするな」
男「それでそういう仕事はどれくらいの頻度で入ってくるのだ?」
みとり「週一」
男「今まで手書き?」
みとり「うん」
男(帰ったら印刷機作るか。簡単な奴をな)
にとり「おかえりー。あれ男も一緒だったんだ」
幼馴染「デートwww」
にとり「しっぽり!?」
男「違うからな」
みとり「………」こくっ
にとり「そんなことよりご飯」
みとり「そんな事………」ガーン
にとり「どうしたのおねえちゃん、私の腕をつかんでそのまま関節を逆方向にぃ!?」
みとり「なんでもない」
にとり「ギブッ!!ギブアップ!!」
にとり「ろ、ロープ!! タッチ!!」
幼馴染「さっ」
にとり「よけられた~。というかおねえちゃんだめ! それ以上はいけない!!」
みとり「てい」
にとり「う、腕の骨が折れたーっ!」
にとり「片手でもご飯は美味しかったです」
男「それは良かったな」
にとり「それで、開発はするの?」
男「もちろんさ」
にとり「さ、先生今日はどんなものを作ってくれるんだい!?」
男「やりにくい」
にとり「何作るの?」
男「そうだな>>425だ」
1 必殺! 猫パンチ!! (にとり)
2 藤原印のモンペち (椛)
3 みとり専用印刷機 (みとり)
3
男「ワンタッチと音声操作でみとりでも簡単に使える印刷機だ」
にとり「お姉ちゃん機械駄目だもんね」
男「河童なのにな」
にとり「お姉ちゃんは………ハーフだから」
男「すまん」
にとり「それじゃあもうそろそろ寝ようか」
男「機械油が付いてるから先に風呂入るけどな。にとりが先に入るか?」
にとり「それじゃあお言葉に甘えるよ」
男「では俺は動作チェックでもしておくかな」
にとり「さっぱりしたー」
男「じゃあ次入るか」
にとり「でも先に幼馴染ちゃんが入ったよ?」
男「………あの女郎」
にとり「滝ならあるけど」
男「風邪を引かせるつもりか」
にとり「人間は貧弱だね!」ふふんっ
男「………」イラッ
幼馴染「お先でしたwww」
男「では入るとするか」
幼馴染「美少女三人の残り湯だよwww」
男「興味ないな」
幼馴染「興味ない→もしかして:ホモ?www」
男「みとりはともかくお前らはどうでもいいな」
幼馴染「くっそうwww みとりん裏山wwww」ダダダダダッ
男「なんなんだ一体………」
男「ぬるかった………」
みとり「牛乳あるよ」
男「飲む」ごくごく
みとり「今日は、ありがとう」
男「構わん」
みとり「………おやすみ」
男「おやすみ」
みとり「おやすみ、男」
ちゅんちゅん
幼馴染「zzzzzzzwwww はっ! zzzzzzzzwwwwww」
男「フェイントか。起きろ」
幼馴染「グッナイwwww zzzzzzz」
男「起きないのか」
幼馴染「zzzzzzzz」
男「仕方ない、寝かせてやろう」がらっ
男「さて朝食は何を作るかな」
ひゅー
幼馴染「へっくちwwww zzzzzzzz」
男「シンプルに味噌汁だ」
にとり「あ、浅漬けがあるだとぅ!?」
男「最近にとりのリアクションが楽しみになってきた」
にとり「えへへ///」
幼馴染「おっはーwwww」
にとり「おはよう」
みとり「おはよう」
幼馴染「ちょwwww 男wwwww 鬼畜wwww」
男「いいだろ、風邪引かないんだから」
幼馴染「寒いわwwwwwww」
にとり「何したの?」
男「部屋の窓開けて放置してきた」
にとり「わお」
男「さて、今日は………」
みとり「どうするの?」
1 にとりの職場に行く
2 みとりと一緒に買い物
3 椛観察
4 雛とお茶
5 文の家に(文ルート確定)
>>434
1
男「たしか、ここだったな」
男「あったあった、では」ピーッ
どろんっ
男「すまない」
河童「ん。なんだい? 用件なら忙しいから後にしておくれ」
男「働きたいのだが」
河童「本当かい!? なら今すぐ手伝ってくれ!」
男(審査無しか)
河童「おーいにとりー! 新入りだよー!!」
にとり「え!? 本当!?」
河童「ほらっ」ドンッ
男「うおっ!」
にとり「うわぁ! ありがとう忙しかったんだよ!!」ぎゅっ
男「!?」
河童「にとり、新入りが困ってるから抱きつくの止めた方がいいよ」
にとり「ごめんごめん」
河童「にとりはここのラインの主任で、見てのとおり、凄いスキンシップ取ってくるからセクハラがあったら、私に言っておくれ」
にとり「セクハラなんてしないよっ」
河童「どうだかね」
男「………で、喋ってていいのか?」
河童「あぁっ!!」
にとり「納品が遅れるー!!」だだだっ
男「………で、どうすればいいのだ」
河童「すまないね。とりあえず機械を動かして商品を作ってくれ」
男「了解した」
にとり「ふぃー。助かったよ本当」
河童娘「最近本当忙しかったですからねぇ」
にとり「河童は個人主義とはいえ、ここまで人手が集まらないとは思わなかったよ」
河童娘「もし納品遅れたらまた神様に怒られますね………」
にとり「そんな話は休憩中はやめてよー」
河童娘「すみませんにとりさん」
にとり「あっ。そういえば自己紹介をしてなかったね。私は河城にとり。ここのラインの担当だよ」
河童娘「河童娘です。にとりさんの部下です」
男「あまり来ることは出来ないかも知れないが、漢という」
にとり「人数が増えるだけでも大助かりだよ」
河童娘「本当にそうですねぇ」
河童娘「さて、自己紹介はこれぐらいにしてお昼ご飯を食べませんか?」
にとり「あ、そうだね」
男(河童娘の方がしっかりしてるな)
にとり「よいしょっと」
河童娘「最近のにとりさんのお弁当美味しそうですよねぇ」
にとり「ふふーん。私も乙女だからね」
男(それ作ったの俺なのだが)
河童娘「さすがにとりさんだなー。憧れちゃいますねー」ぽりぽり
にとり「うぅ。なんだか河童娘の目が冷たいよ」
河童娘「にとりさん料理できないじゃないですか」
にとり「返す言葉もないよ」
河童娘「おそらくみとりさんが作ったのでしょう?」
にとり「え、あぁ。そうだよ」
河童娘「………」じーっ
にとり「な、なに?」
河童娘「いえ、なんだかにとりさんが嘘をついていたような気がしたので」
にとり「えぇ!?」
河童娘「しかし追及はしないでおきましょう」
にとり「うぅ」
男「河童娘はにとりとずいぶん仲がいいのだな」
河童娘「ここのラインは二人ですからね。仲が良くなるのは当然かと」
男「そうか、俺も昼飯を食べるかな」
河童娘「それは何ですか?」
男「あぁ、携帯食料」
にとり「じーっ」
男「なんだ?」
にとり「なんだか最近私の知り合いがそんな物作ったから、似てるなぁって」
男「………今日、白衣を来た男から買ったのだ」
にとり「あぁ、それでね。納得したよ」
河童娘「白衣の、男? もしかしてお弁当を作ったのって」
にとり「ちが、ちがうよっ!?」
河童娘「まだ途中までしか言ってないのですが」
男「というかにとり。嘘つくの下手だな」
にとり「がーん。新人にまで馬鹿にされたぁ………」
河童娘「私は馬鹿にしていません。にとりさんはにとりさんです」
にとり「それって喜んでいいのかなぁ」
男(………そういえば今は漢なんだったな。気をつけなければ)もそもそ
河童娘「それは食べていて口の中が渇きませんか?」
男「多少な」
河童娘「このきゅうりを一本どうぞ」
男「水をくれないか」
河童娘「そっちの方がよろしいのですか」
男「当たり前だ」
河童娘「にとりさんはきゅうりは飲み物だと豪語されてますが」
にとり「そんな事言ってないよっ! 言ってないと、思うよ?」
男「急に自信がなくなったな」
にとり「きゅうり味のビールなら飲み物なんだけど………」
河童娘「お水です」
男「ありがたい」ごくごくっ
河童娘「河童なのに水を携帯していないのですね」
男「忘れた」
河童娘「にとりさんと同じことをしますね」
にとり「でもちゃんと自動販売機で買ってるよ?」
河童娘「家から持ってくればただです」
男(明日からちゃんとにとりに水を持って行かせなければな)
にとり「業務しゅうりょー!!」
河童娘「お疲れ様です。男さん」
男「お疲れ様だ。頬が黒くなってるぞ」
にとり「まぁ、いつものことだよ」
河童娘「にとりさんも女の子なんですから、外見には気をつけましょうよ」
にとり「私はもう仕事と結婚してるもんねー」
河童娘「………どうです。男さん、貰ってくれませんか?」
男「断る」
にとり「期待はしてないけどショックだよ」
にとり「男は家どっちなの?」
男「えっとだな。………あっちだ」
河童娘「なら私と一緒ですね。帰りましょう」
男「!? え、えぇとだな。少し用事が出来た」
河童娘「いたいけな乙女に、一人で帰れというのですね」
にとり「でも用事なら仕方ないよ」
河童娘「まぁ、そのとおりですが」
男「ではまた会おう!」
河童娘「なんだか良く分からない人ですね」
にとり「でも助かったよ」
男「さて、後誰かのところに行くぐらいには時間があるな」
男「どうするか」
1 椛のところへ
2 雛とお茶する
3 みとりのところへ
4 文の家に行く(文ルート確定)
>>452
2
男「雛」
雛「あ、男じゃない。ちょっと待って装置を起動するから」ウィイイイイン
男「今から妖怪の山の商店街に行ってお茶でもしないか?」
雛「デートのお誘いかしら。喜んでお受けするわ」
男「デートじゃない。ただお茶をするだけだ」
雛(それを世間一般ではデートと言うんじゃないのかしら)
男「では行くか」
雛「えぇ」
雛「人間にはこの距離は大変だと思うのだけれど」
男「あぁ、ボードを持って来れば良かったと後悔してるところだ」
雛「背負ってあげましょうか?」
男「たとえ神様だとしても女に背負われるのは男の名折れだ」
雛「女のほうが強いだなんてここではザラよ?」
男「だとしてもだ」
雛「まぁ。男が私のことを女として認識してくれてるようでうれしいけど」
男「雛は、女だろう?」
雛「ありがとう」
男「つ、ついた」
雛「神社のほうならロープウェーがあるんだけど、こっちは無いからね」
男「人間が来ることがないだろうからな」
雛「それでお茶って」
男「こないだみとりと一緒に来たんだが、美味しい茶屋を見つけてな。ここなら雛も周りを気にすることはないだろう?」
雛「そういえば男っていつの間にか私のことを名前で呼んでるのね」
男「む、そういえばそうだな。自分でも意識してなかった」
雛「ふふ。それじゃあ行きましょう」
男「そっちじゃないぞ」
店員「いらっしゃいませ。おや旦那はこないだの」
男「また来たぞ」
店員「毎度ありがとうございます。それで今日は連れている女性が違うのですね。プレイボーイですか」
男「違う」
店員「大丈夫です。嫌がらせをしたりはしませんので。それではごゆっくり」
男(複数女の知り合いが居たら、嫌がらせをされるのか?)
雛「商店街初めてきたけど、こんな場所があったのね」
男「来たことなかったのか?」
雛「基本的に私はあそこから動かないから」
男「そうか」
雛「あ、私三色団子」
男「俺は塩饅頭で」
店員「かしこましりましたー」
雛「それで、慧音が」
男「そういえば慧音とは知り合いなのだな」
雛「人間好きのよしみよ。たまに私のところに遊びに来るの」
男「ほぅ。それで」
雛「話の続きね。慧音ったら―――」
男(雛の活動時間を延ばす、さらに人から避けられないようにする。この両方を満たさなければいけないのが発明の難しいところだな)
雛「―――だったのよ。男、聞いてる?」
男「ん、あぁ」
雛「どうやら聞いてなかったみたいね」
男「すまん」
雛「まぁ、いいけど。それで人里に来たメディスンが」
男「メディスンって誰だ?」
雛「人形の妖怪よ。私と似たようなものね」
男「人形。人形?」
雛「人形でも動き出すことだってあるわ」
男「そうか、人形か」
雛「また何か思いついたみたいね」
発明『フォーチュンメイデン』を思いついた
雛「美味しかったわ。ありがとう」
店員「またのご来店をー」
男「もう、結構暗いな」
雛「そうね」ぎゅっ
男「な、何をするっ」
雛「飛んで帰るわよ」ブーン
男「高い、高いっ!」
雛「落ちないから安心して」
男「安心できん!」
にとり「おかえりー」ニコニコ
男「どうした、いい事があったみたいだな」
にとり「えへへ。うちに新人が入ったんだよ」
男「それは良かったな」
みとり「おかえり」
男「ただいま」
みとり「ご飯にする? お風呂にする?」
幼馴染「それとも私?www」
男「ご飯で頼む」
幼馴染「据え膳wwww 食えよwwwww」
男「何のことだ」
にとり「ジャポニカ発明ターイム!!」
男「いえー。とでも言えばいいのか?」
にとり「それで今日は何をするの?」
男「これだ」
1 必殺! 猫パンチ!! (にとり)
2 藤原印のモンペち (椛)
3 フォーチュンメイデン (雛)
>>463
1
にとり「これは?」
男「必殺! 猫パンチ!!だ。簡単に言えばマッサージ機だな」
にとり「ほうほう」
男「この肉球部分が振動し、体の中まで揉み解す。まぁ、説明もなんだから使ってみるか?」
にとり「柔っ あー、いい気持ちだよぅ」ウィィイイイイン
男「気に入ってくれたみたいで何よりだ」
にとり「ふぅ。ありがと。気持ちよかったよ」
男「それはにとりのために作ったんだが」
にとり「え。私のために?」
男「あぁ」
にとり「えへへー。なんだか照れるね/// ありがと///」
男「疲れてるみたいだったからな」
にとり「おやすみー」タッタッタ
男「おやすみ」
みとり「………」カキカキ
男「仕事か?」
みとり「家計簿」
男「………やはり食費がかかるようだな。申し訳ない」
みとり「いい」
男「いや。これからは家賃+食費ぐらいしか出せないが、出そう」
みとり「大丈夫。だから、男はもう、家族」
男「家族と思うのなら、遠慮なく受け取ってくれ」
みとり「………ありがと」
男「こっちこそ感謝する。みとりとにとりには感謝しても仕切れない」
みとり「そんなこと、ない」
男「そんな事あるぞ。さっきみとりは俺の事を家族と言ったが、俺もそう思っている。では俺はもう寝る。おやすみだ」
みとり「おやすみ」ニコッ
幼馴染「新しい朝が来たー 希望の朝ーwwwwww」
男「………元気だな。最近早く起きるようで何よりだが、うるさい」
幼馴染「ごめんwww それよりご飯www」
男「はぁ。待ってろ」
にとり「いってきまーすっ!!」
男「にとり。水を忘れてるぞ」
にとり「え? 本当だ。ありがとっ!」タタタッ
みとり「にとりは良く、水忘れる」
男「みたいだから用意しておいた」
みとり「出来る男」
男(まぁ、こないだ職場行ったから知ったんだがな)
みとり「それで今日は」
1 にとりの職場へ
2 雛のところに
3 椛観察
4 みとりと一緒
5 文の家へ (文ルート確定)
>>468
5
男「射命丸が新聞で忙しいらしいから手伝ってくる」
みとり「いってらっしゃい」
男「あぁ。そういえばしばらく泊まりになるかもしれない」
みとり「………了解」
男「こんなもんでいいか」
幼馴染「どったんwww 家出?www」
男「いや、射命丸の家に泊まろうと思ってな」
幼馴染「!?」
男「新聞を手伝おうと思ってな。忙しいらしいから」
幼馴染「そっかwww お兄ちゃんの本は持ってかなくて大丈夫www」
男「少しだけだし、いやもって行っておこう」
幼馴染「いってらwww」
ヒュ「開発者ではないか。どうしたのかね。大荷物を抱えて」
男「泊まりに来た」
ヒュ「!?」
男「射命丸。いるか?」ピンポーン
文「はいはーいっ 判子ですかっ!? って、男さんですか」
男「相変わらず早いな」
文「これでも幻想郷最速ですから。それで今日はどうしたのですか。そんな大荷物を持って」
男「泊まりに来た」
文「!?」
男「新聞。一人で困っているのだろう?」
文「あ、そういう事ですか。驚きましたぁ」
男「なぜ皆驚くのだ?」
文(それは………)
文「あ、そんな事より、ここまで来てお疲れでしょう。お茶いれますよ」
男「ん、ありがたい」
文「ちょっと待っててくださいねー」
文「お待たせいたしました」
男「そういえば新聞の調子はどうなのだ?」
文「正直に言うと、まだ半分ほどしか埋まってないのです………」
男「そうか」
文「他の天狗は何人かで書いてますが、私はご覧のとおり、一人なので。まぁ、はたても一人ですが」
男「そうか」
文「理由は聞かないのですね」
男「聞いて欲しいのか?」
文「いいえ。ありがとうございます」
男「さてそろそろ新聞に取り掛かるか。と言っても俺に出来ることはあまり無いが」
文「そうですね。ネタが今のところ無いので、困っているのですが」
男「うーむ。今から探すとなっても幻想郷は広いからな」
文「なにか面白いネタでもありませんかねぇ」
男「………とりあえず足で探してみるか?」
文「悩んでいても進展はありませんからね。行きましょう」
男「最近河童の産業革命が起きたとか聞いたが」
文「電気が使えるようになりましたね。しかしそれはあまりにも有名すぎるのです。同じ記事ならごまんとあるでしょう」
男「どうしたものか」
文「そういえば地霊温泉郷に人間の従業員が出来たとかの噂を聞きましたが」
男「しかし遠いぞ?」
文「そうですね。私も勇儀さんに出来ることならお会いしたくはありませんし」
男「勇儀?」
文「もう一人の鬼です」
男「そうか」
はたて「むー。なんかネタはないかしらねぇって、あれは」ビュンッ
はたて「久しぶりね文。新聞は出来たの?」
文「はたて。それがぜんぜんなんですよ」
男「はたては大丈夫なのか?」
はたて「私はいくらでもネタが手に入るしね」
文「でもほとんどデタラメですけどね」
はたて「うぅ。分かってるわよ。だから最近は自分でネタを探してるんじゃない」
文「良い傾向ですね」
はたて「それでネタが見つからないようだけど、それなら萃香様のところ行って見ればいいんじゃない。あの人は良く幻想郷全体に溶けてるし」
文「その手がありましたか。しかし」
はたて「背に腹は変えられないわよ?」ニヤニヤ
文「はたて、楽しんでませんか?」
はたて「べっつにー?」
男「萃香か。行くか?」
文「気は進みませんが」
文「それはなんですか?」
男「一時的に空気が薄いところでも活動できる薬だ」
文「発明家ってすることが広いんですねぇ」
男「いや、これは兄の影響だ。普通の発明家は作らん」
文「へぇ。お兄さんは凄い人だったのですねぇ」
男「まぁな。さてそろそろつくぞ」
天狗「む、貴様はこないだの、それと射命丸か」
男「萃香に会いに来た」
天狗「萃香様にか………いいだろう通れ」
文「あやや、男さん凄いですね。さっきの方は天狗でもお偉いさんですよ」
男「そうなのか?」
文「えぇ」
男「よう」
萃香「やぁ、男じゃないか。それと」ギロッ
文「ひっ」
萃香「俗物如きが私に何のようだい?」
男「あぁ、今日は新聞のネタが見つからなくてな。萃香なら何か面白いことでも知ってるんじゃないのかと思ってな」
萃香「新聞ねぇ。天狗、男を使って恥ずかしくないかい? 自分が怖いからって男の影に隠れてる天狗は」
男「いや、ちが」
文「………そうですね。私は卑怯でした。ですから」
文「私に何か情報をくださいっ」
萃香「頭を下げなかったのは褒めるよ。でも」
男「俺からも頼む」
萃香「………はぁ、仕方ないね」
萃香「あたしが知っている情報は、そうだねぇ。出せるかどうかは知らないけれども、最近八雲 紫が身重になったってことかね」
文「身重? 紫さんがですか?」
萃香「結婚したんだから、子供が出来てもおかしくはないんじゃないかね」
文「それもそうですが………」
男「スキマ妖怪といったって神出鬼没だろう? よほど運がよくなければ会えないのではないか?」
萃香「博麗神社」
文「え?」
萃香「博麗神社に行くといいよ」
文「ありがとうございましたっ。萃香様っ」ぎゅっ
男「うおっ!? ありがとうな、萃香!」
萃香「どういたしまして。男、射命丸。また来なよ」
文「っ はい!!」ビュンッ
萃香「………さて、コレが餌になるか。すまないね、紫。文」
男「うわぁああああああぁあああ!?」
文「大丈夫ですよ、男さん。落としたりしませんから」
男「人間にこの高さは無理だ!」
文「大丈夫です。もうすぐ博麗神社に着くので」
男「早くしてくれ! いや、速くしないでくれ!」
文「あやや、それは困りますね」
文「こんにちわ! 清く正しい天狗の射命丸 文です!」ズザァッ
男「うおうぁ!?」ゴロゴロゴロ
霊夢「!?」ビクッ
紫「何かしら、天狗」
文「取材に来ました!!」
霊夢「その前に盛大に転がって行った男を回収したほうがいいんじゃないの?」
文「あやややや!? すみません! 男さん!!」
男「………」ズタボロ
霊夢「………傷薬なんてあったかしら」
男「うえっぷっ」
文「例の薬持ってて良かったですね」
男「次からもっと丁寧に降ろしてくれ」
文「面目ないです」
霊夢「それで、どうしたのよ。素敵な賽銭箱なら向こうよ」
文「はいっ」ポイッ
霊夢「うちの賽銭箱はくず紙入れじゃないわよ?」
文「新聞ですよ!!」
紫「新聞は結構あったかいわよ」
霊夢「なら許す」
文「読んで欲しいのですが………」
男「本題に入らなくていいのか?」
文「あぁ! そうでした!!」
文「御懐妊おめでとうございます!!」
紫「霊夢」
霊夢「分かってるわ」シュンッ ガシッ
文「あやや!? 一体何をするのですか?」
紫「ちょっとおくzy、じゃなかったわうちに行くわよ」スキマー
文「あやや!?」
男「俺もかっ!!」
男「オロロロロ」
文「うぅ。頭がぐるぐるします」
霊夢「………で、どうするの?」
紫「どうするもこうするも」
亡霊男「紫、お帰り。霊夢ちゃんもいらっしゃい。おっと、水を持ってこよう」
紫「ただいま。天狗の分の水はいらないわ」
亡霊男「ん、分かった」
霊夢「亡霊男さん。お茶ください」
亡霊男「分かった」
亡霊男「水だ」
男「助かる」
亡霊男「俺もこっち来た時そんな感じだったから気持ちは分かる。って、お前はもしかして男か?」
男「む、そうだが」
亡霊男「そうか。お兄さんの事件はご愁傷様だ」
男「………もしかして亡霊男か。見ないと思ったらこんなところに。というか、変わったな」
亡霊男「死んだからな」
男「は?」
亡霊男「愛ゆえに死んだ」
紫「もう///」
男「そ、そうか」
霊夢「のろけるなら帰るわよ?」
文「なるほどなるほど。コレが結婚相手の亡霊男さんですか」カキカキ
霊夢「腕、折るわよ?」
文「ひぃ!」
紫「さて、本題に入るわよ」
亡霊男「霊夢ちゃん。お茶」
霊夢「ありがと」
紫「………亡霊男。ちょっと悪いのだけれど、向こうで橙と遊んでてくれない?」
亡霊男「分かった」
紫「さて、気を取り直して本題に入るわ。なぜ射命丸 文。なぜ貴方が私の妊娠を知っているの?」
文「え、えぇっと。萃香様から教えてもらいました?」
霊夢「萃香が? なんでまた」
紫「本当でしょうね」
文「本当です!! 私のペンに誓ってもいいです!!」
霊夢「あんたのペンなんて価値ないじゃないの」
男「射命丸の言うことは本当だ」
紫「………ちょっと待ってて」スキマー
霊夢「面倒なことになったわね………」ズズーッ
紫「ただいま!」スキマー
霊夢「お帰り」
紫「事情は分かったわbbaァンっと私に質問して頂戴!!」
霊夢「はぁ!? ちょっと紫正気!?」
文「本当ですか!?」
紫「本当よ、ゆかりん嘘つかない」
霊夢「………真実を聞きたいのなら、紫じゃなく亡霊男さんに聞いたほうがいいわよ?」
紫「ひどいっ!」
文「では両方からお話を伺うということで」
紫「何から聞きたい? 私と亡霊男の馴れ初め?」
文「のろけはいいので簡潔に教えてください」
紫「つれないわねぇ。えぇっと―――」
紫「―――って事なんだけど」
文「なるほど、参考になりました。紫さんと亡霊男さんのラブストーリーはちょっと余計だったですけど」
紫「余計じゃないわっ」
藍「ただいま戻りましたって、なぜ鴉がこんな所に」
紫「私の取材」
藍「………紫様、何かしたのですか?」
紫「なんでそうマイナス方面で捕らえるのよ。私だって他人から尊敬されることの十個や百個」
霊夢「あるわけないでしょうが」
文「こんにちわ藍さん」
藍「新聞なら間に合ってるわ」
文「あやー。しかし私の新聞は」
藍「油揚げ一年分とかなら購読してもいい」
文「………考えておきます」
男「それは明らかにマイナスにしかならんぞ」
橙「藍しゃま。おかえりなさい!」
藍「よーしよし。橙ただいま」なでなで
男「………さっきとぜんぜん違うな」
紫「可愛いでしょ?」
男「うぅむ………」
紫「うちの橙は」
男「あぁ」
紫「亡霊男ー」
亡霊男「なんだい? 紫」
紫「男が、私達の話を聞きたいって」
亡霊男「いいぞ。なら、そこに座っててくれ。お菓子でもだそう」
男「いただこう」
文「ありがとうございます」
亡霊男「―――だ」
文「ねるほど、紫さんが話していたこととほぼ一緒ですね」
紫「だから言ったでしょ?」
霊夢「あんたは余計な話が多すぎたのよ」
紫「ゆかりん反省、てへっ」
藍「うわぁ………」
紫「ボッシュート」スキマー
藍「なんでですかぁあああぁあああ!!」
霊夢「橙。あれが口は災いの元よ」
橙「勉強になります!」
男「反面教師だな」
文「それでは、最後に写真を一枚お願いします」
紫「亡霊男。手、繋ぎましょ?」
亡霊男「あぁ」
文「いきますよー、はい、チーズ!」
カシャッ
文「ありがとうございました」
男「では戻るか。といってもどう帰ればいいかが分からんが」
紫「送るわよ」
男「は?」
紫「じゃあねー」スキマー
男「またコレか!!」
亡霊男「グッドラック」
霊夢「ところで、本当にいいの?」
紫「子供が産まれるまでの数ヶ月。それが私の最大の弱点。その間は幻想郷の管理がしにくくなるわ。だから、それを餌にする」
男「おろろろろろ」
ヒュ「汚いな」
文「お水持ってきます」
男「うっく、すまない」
文「いい記事が書けそうですよ」
男「それは良かった」
文「早速取り掛かるので、男さん手伝いお願いします」
男「出来ることなら手伝おう」
文「こんなもんですかね」
男「出来たのか?」
文「まだ下書きですよ。これから推敲したり削ったり書き足したりするのです」
男「手伝えそうに無いな」
文「あ、すみませんコーヒーを入れてもらえませんか」
男「ん、分かった」
文「さてと、がんばりますか」
文「………」カリカリ
男「ご飯が出来たぞ」
文「え? あ、もうこんな時間ですか」
男「こんなに集中するだなんて、いつもは飯はどうしているのだ?」
文「食べないですねぇ」
男「はぁ………」
文「ありがとうございます。男さん」
男「たまには休んだほうがいいぞ?」
文「心配してくださってありがとうございます」
文「やっぱり男さんの料理は美味しいですね!」
男「そんなたいしたもんじゃない」
文「美味しいですよ、毎日食べたいぐらいです」もぐもぐ
男「そんなに喜んでくれるのならこっちとしても作りがいがある」
文「えへへ」
男「うれしそうだな。そんなにろくな飯食べてなかったのか?」
文「………違いますよ」
男「俺は風呂に入ってくるが」
文「………」カキカキ
男「聞こえてないみたいだな。邪魔しては悪いし、黙って入るか」
文「………」カキカキ
文「ふぅ。こんなものですかね。お風呂に入りましょう」
文「あれ、お風呂に電気がついてますね。それに水の音も。もしかして、男さんが入っているのでしょうか」
男「~♪」
文「みたいですね。上がるまで待ちますか」
ザザーッ
文「………男さんが、入浴中」ゴクリッ
文「バレません、よね?」
ギィー
男「ふぅ。人里と違って風呂がしっかりしてるからありがたいよな」
文(………おぉ、凄い凄い。男さんの体っ)
文(って、私変態そのものじゃないですか。変な考えは捨てて、戻りましょう。でも最後に)
ガラガラ
文「あやや!?」
男「!?」
文「男、さん」
男「射命丸?」
文「あやや。これはですね。タオルを補充しておこうと思っただけなんです」
男「分かったから。出て行ってはもらえないだろうか。裸だからな」
文「あや! すみません!!」ピュンッ
文「………男さんの裸///」
男「風呂があいたぞ」
文「はいっ」ピュンッ
男「偶然とはいえ。悪いことをしてしまったな」
男「そういえば、新聞はどんな感じなのだろうか。見てみるか」
男「ふむふむ、さすが射命丸だな。いい記事だ。紫の喜びが伝わってくるような」
男「これなら新聞大会とやら大賞間違いなしなのではないか?」
男「そういえば」
男「ヒューイ」
ヒュ「男ではないか。どうしたというのか」
男「そういえばお前は妖怪なのか機械なのか」
ヒュ「良い男とは謎を持っているものさ」
男「分解するぞ」
ヒュ「………実をいうと自分でも良く分からないのだよ」
男「そうか。発明に使えそうだったのにな」
文「ふぅ」
男「………っ」ドキッ
文「あれ、男さんどうかしました?」
男「いや、なんでもない」
男(風呂上りの射命丸が色っぽかったなんていえるわけがないだろう)
男「新聞の続きは書かないのか?」
文「えぇ。今日はもう書かないです。根をつめると良い文章を書けなくなりますから」
男「そうか。なら散歩でもしないか?」
文「えぇ、いいですよ」
男「良い天気だな」
文「あの男さん」
男「ん、なんだ?」
文「新聞大会は一週間後ですが、もうすぐ書き終わります。書き終わったら男さんは帰るのですか?」
男「まぁ。手伝いに来ただけだからな」
文「そうですか………」
男「それが、どうかしたか?」
文「いえ、なら」
男「?」
文「今度は私から会いに行きますね」
男「あぁ」
男「ここは星が良く見えるな」
文「空気が澄んでますから、男さん」ぎゅっ
男「何をするつもりだ」
文「もっと星に近づきましょう。触れるくらいに」ビュンッ
男「離すなよ?」
文「分かってますって」
男「見渡す限り星だな」
文「えぇ。綺麗ですね」
男「あぁ、綺麗だ」
文(私に言ってるわけではないってことは知ってますが、やっぱりドキッてしますね)
文「ふふっ」
男「人間が見れる景色じゃないな。ありがとう射命丸」
文「どういたしまして」
男「少し冷えるな。それに空気が薄い。早く帰ろう」
文「おやすみなさい、男さん」
男「おやすみ」
文「さて、私はやることをやりましょうか」
文「男さんが帰るまでには完成させなければ」
文「………初めてです。こんなに緊張するのは」カキカキ
文「………男さん」
男「ふわぁ………。そういえば、射命丸の家だったな」
文「おはようございます」
男「良い匂いがするな」
文「朝ごはんできてますよ」
男「いただこう」
文「そんなたいしたものではないですので期待しないでくださいね」
男「うむ」
男「うむ。うまい。久しぶりだな。パンを食べたのは」
文「パンは手軽に食べれるので重宝してます」もぐもぐ
男「だな」もぐもぐ
文「さて、私は新聞に取り掛かりましょう」ぱくっ
男「俺に手伝えることは、ないな」
文「そうですねぇ。では新聞は二枚あるので、一枚を印刷してもらえませんか。20枚ほどでいいので」
男「分かった」
ガーガーガー
男「仕事、終了。手伝いにきたは良いものの本当にすることがないな」
男「掃除でもするか」
男「そういえば掃除機があるのはにとりの家だけなのか? あれに慣れてしまうとほうきを使うのが面倒だな」
男「むぅ」サッサッサ
ガンッ バサッ
男「しまった!!」
男「これは、資料か?」
男「いやバックナンバーか」
男「どれどれ」
男「………もう昼か。射命丸の新聞。なかなか面白いな」
男「さて、昼飯を作るか」
男「射命丸。昼飯が出来たぞ」
文「あ、もうお昼なのですね」
男「ここで食べるのか?」
文「いえ、ちゃんとリビングで食べますよ」
男「分かった」
男「ところで、新聞の出来はどうなんだ?」
文「あともうちょっとですね。明日には出来そうです」
男「ずいぶん早いな」
文「幻想郷最速の天狗は伊達じゃないのですよ」
男「さすがだな」
文「楽しみにしておいてください。この新聞は男さんなしでは完成しなかったのですから」
男「そんな事はないだろう」
文「いえ。男さんのおかげですよ。私一人では萃香様の前に出ることすら出来ませんでしたから」
文「ごちそうさまでした」
男「うむ」
文「それでは私は篭って来ます」
男「………何をするかな。そうだ散歩に行こう」
男「良い天気だな」
雛「あら、男じゃない」
男「雛か。どうしたんだ?」
雛「暇だから散歩してたのだけれど。貴方は一体どうしたの?」
男「射命丸の家に居ても暇なのでな。散歩をしていた」
雛「え、射命丸の家?」
男「今射命丸の家に居るのだ。だが暇でな」
雛「………え、あ。え?」
男「どうかしたか」
雛「な、なんでもない、わ」
雛「なんで、文のところにいるの?」
男「射命丸の新聞を手伝おうと思うのだが、手伝うことが家事以外なくてな。暇になったのでこうして散歩しているわけだ」
雛「あ、そうなのね」ホッ
雛「暇なら私と一緒に散歩しない?」
男「あぁ、いいぞ」
雛「うーんっ。このあんみつは最高ねっ」
男「雛も甘いものが好きなのか」
雛「あら、甘いものが嫌いな女の子はいないのよ?」
男「そうなのか」
男(では、お土産を買って帰るとしよう)
男「さて、帰るかな」
雛「もう帰っちゃうの?」
男「射命丸の夕食を作らなければいけないからな」
雛「そうなの………。じゃあまたね」
男「また会おう」
雛「えぇ」
文「おかえりなさい」
男「お土産を買ってきた」
文「え? 本当ですか? ありがとうございます」
男「ところで新聞はどうなった?」
文「無事完成しました。予定よりも早く完成しましたよ」
男「それは良かった」
文「男さんは明日帰ってしまうのですか?」
男「あぁ」
文「また泊まりに来て下さいね」
男「うぅむ。それはどうか分からないな」
文「そうですか…」
男「では、完成記念に腕によりをかけて作らせて貰おう。和風、洋風、中華風。どれがいい?」
文「和風でお願いします」
男「承った」
男「出来たぞ」
文「なかなか豪勢ですね………」
男「こっちは食料が豊富で助かる」
文「これはいのししの肉ですか? 良く冷蔵庫にありましたね」
男「いや、買ってきたのだ」
文「あ、代金は」
男「いらん」
文「でも」
男「食べてくれればそれで良い」
文「では、いただきます」
男「いただいてくれ」
文「もう、寝るのですか?」
男「まだ、寝ないのか?」
文「私はまだやることがありますから」
男「新聞は書き終わったのにか?」
文「それ以外で用事があるのですよ」
男「そうか。がんばってくれ」ふわぁ~
文「はい。がんばります」
文「………」カキカキ
文「コレじゃ、駄目です」ぽいっ
文「………」カキカキ
男「おはよう」
文「………おはようございます」
男「大丈夫か? 目の下にくまが出来てるが」
文「大丈夫ですよ~。コーヒー飲めば目が覚めます~」
男「無理せず寝たらどうだ?」
文「大丈夫、ですよ」フラフラ
男「………はぁ」ぐいっ
文「なんですか~?」
男「少し寝ておけ。朝飯を作り終わったら起こす」
文「はい~」
男「出来たぞ」
文「………はい」
男「顔を洗って来たらどうだ?」
文「はい」
文「楽になりました」
男「それは良かった。朝ごはんは和食でよかったか?」
文「構いませんよ。今はスクープを追う身でもないので」
男「では」
文「いただきます」
男「さて、もうそろそろ帰るか」
文「もう、帰るのですか? お夕飯、いえ昼ごはんを食べてからでも」
男「早く帰らないと、みとりだけに家事をさせることになるからな」
文「そうですか。ならしかたないですね」
文「また来て下さいね」
ヒュ「む。帰るのか」
男「あぁ」
ヒュ「さらばだ」
男「またな」
男「ただいま」
みとり「おかえり」
幼馴染「おかえりんこwwww」ウィイイインッ
男「む、幼馴染が掃除とは珍しい」
幼馴染「これでも乙女だぜwww」
男「そうか?」
幼馴染「酷いwww 泣くぞ?www さぁ泣くぞ?www」
みとり「あまり苛めたら、駄目」
男「いつものことだろ」
みとり「男が居ない間、掃除と洗濯をしてた」
幼馴染「どうだwww ひれ伏せwww」
男「凄い凄い」
幼馴染「撫でてもいいのよ?wwww」
男「あー、凄い凄い」なでなで
幼馴染「へへへwwwwwwwwwww」
にとり「ただいまー」
男「お帰り」
にとり「あれ、戻ってたんだね」
男「予定より早く終わったからな」
にとり「なら、久しぶりに発明でも」
男「あんまり発明品が思うかばないんだが、手伝うだけなら」
にとり「わーい!!」
みとり「にとりは、発明が好きね」
にとり「私から発明を取り除いたら何が残るのさ」
幼馴染「きゅうりwww」
にとり「私はきゅうりだったのか!?」
ボンッ!
にとり「けほっ、けほっ」
男「だ、大丈夫か?」
みとり「………」ジーッ
にとり「げぇ! お姉ちゃん!!」
みとり「何が起きたの?」
にとり「これはですね。なんだかんだで爆発が」
みとり「片付け」
にとり「分かりましたー!!」
男「分かった!!」
男「煙い」
にとり「目が痛い」
男「換気扇のスイッチを入れるまでにいろんなものに躓いたな」
にとり「うぅ。ぼろぼろだよ」
みとり「お風呂、入ってきなさい」
にとり「はーい」
みとり「男は、料理、手伝って」
男「了解だ」
にとり「ふわぁ。さっぱりしたー」
男「ご飯できたぞ」
にとり「わーい! 今日の晩御飯は何?」
男「照り焼き」
にとり「鶏肉かぁ」
男「どうした?」
にとり「文が居たら文句言いそう」
男「あぁ。鳥だからな」
皆「いただきます」
にとり「それで文の家はどうだった?」
男「一人ぐらしの割りに家が広いんだな」
にとり「文は天狗の中でも優秀だから、お給金はいっぱい貰ってるみたいだよ?」
男「ほう」
にとり「あ、だからって財産目当てで結婚とかだめだよ?」
みとり「男は、そんなこと、しない」
男「当たり前だ」
にとり「なら安心だね」
幼馴染「おかわりwww」
男「ぜんぜん喋らないと思ったら一心不乱に食べてたのか」
幼馴染「えぇwww」
カーカー! コンコン
男「ん?」
にとり「文の式神だね。どうしたんだろう」
ガチャ
にとり「えっと、明日神社に行きませんか? だって、男」
男「俺か? 俺は暇だから別に構わないが」
にとり「ん、良いって文」
カー! バサッバサッ
男「神社というと守矢神社になるのか」
にとり「うん」
男「おはよう」
文「おはようございます」
男「………いつもと服が違うんだな」
文「私だっておしゃれぐらいはしますよ?」
男「それもそうだな。そういえば守矢神社はここからだとどれくらいあるんだ?」
文「山頂ですから結構ありますね。ですから、今回は私が連れて行きますよ」
男「………」
文「大丈夫です。ゆっくり飛びますから」
男「なら安心。なのか?」
文「つきましたよー」
男「………うぇっぷ」
文「あやや。速かったですか?」
男「ものすごくな」
文「すみません、あまり遅く飛んだこと無いので、加減が苦手なのです」
男「学んでくれ。じゃないと俺が死んでしまう」
文「すみません」
早苗「あれ、射命丸さんがうちにやってくるなんて珍しいですね。それに、そちらの河童さんは?」
文「こんにちわ。今日は取材じゃなくて、次の新聞大会の願掛けに来ました。あと、こちらの方は男さんといいます」
早苗「そうなのですか。よろしくお願いします。うちを信仰するのは大歓迎ですよ」
男「信仰すると決めたわけではないのだが」
早苗「それは残念です」
神奈子「………参拝客?」
文「えぇ。今日は参拝しにきました」
男「この人は誰なんだ?」
文「八坂神奈子さん。この神社の神様のうちの一柱ですよ」
男「神様なのか」
早苗「うちは会いにいける神様がモットーですから」
男「ありがたいのか逆にありがたみが薄れるのか微妙なところだな」
神奈子「………………それは盲点」
男「というか気づかなかったのか」
早苗「でも人間は目に見えるほうにやってきますし」
男「立地条件を考えろ」
早苗「あぅ。ごもっともです」
文「男さんは本当に怖いもの知らずですねぇ」
早苗「あ、そうだ。良かったら上がっていってください」
男「いいのか?」
早苗「今日は人里に行く日ではありませんから暇なのですよ」
文「どうしましょうか」
男「せっかくだし上がっていくか」
早苗「神奈子様も構いませんよね?」
神奈子「………うん」
男「なんとなく思ったのだが、ずいぶん大人しい神様だな」
早苗「普段はこうですけどいざとなったらカリスマモードになるのですよ」
神奈子「………えへん」ふんす
文「神奈子さんは戦いの神様でもあられるのですよ」
男「………そうなのか」
早苗「これがか? と言いたくなるのはわかりますが、そうなのです」
男「なぜばれた」
早苗「コレが奇跡の力です」
早苗「うちにお客様が来るのは久しぶりですね」
神奈子「………うん」
文「そもそもこの神社に参拝以外の目的で来る人のほうが珍しい気がするのですが」
早苗「あー、遠いですからね」
文「そういう問題ではなく」
諏訪子「あーうー 私のお菓子がなくなってるよー」
男「子供?」
文「この方も神様なのですよ」
男「そうなのか」
神奈子「………」だらだら
諏訪子「神奈子、食べた?」
神奈子「………!?」ブンブンッ
諏訪子「あうあうあー! 神奈子が私のお菓子食べたー!! 楽しみにしてたのにー!!」
早苗「諏訪子様。次買ってきてあげますから落ち着いてください。神奈子様、あるからと言って食べるのはおやめください」
男「なんというか、早苗が一番偉く見えるな」
男「なんというか大変だな」
早苗「いえ。私はこの神社の巫女なので」
文「家の中はこんな風になっているのですねぇ。見たことのない建築方法ですね」
早苗「こっちは外の世界の家をそのまま持ってきましたから。あ、撮影は駄目ですよ」
文「残念です」
諏訪子「早苗ー。おなかがすいたー」
神奈子「………ぺこぺこ」
早苗「そうですね。ではお昼にしましょう」
男「迷惑ではなければ手伝おう」
早苗「本当ですか? ありがとうございます」
諏訪子「いいの? こないだ紫の旦那さんに料理で負けてたけど」
早苗「あれはあの人が特別なのですよ。別に私が料理下手なわけではないのですから問題ないのです。乙女ですから、そんじょそこらの人に料理で負けませんよ」
文「あやや………」
諏訪子「まぁ、わたしは美味しいものが食べれるならなんでもいいんだけど」
神奈子「………料理対決」
早苗「なぜそうなるんですか。男さんは手伝ってくれるだけで」
諏訪子「早苗? ビビってるの?」
神奈子「………へいへーい。早苗、ビビッてるー」
早苗「そんなことないです!! やってやりますよ!! えぇ、やりますよ!! この私をあまり舐めないほうがいいですよ!?」
文(単純だなぁ。早苗さん)
諏訪子「男はいい?」
男「構わないが」
諏訪子「では、お料理対決、レディー!!」
神奈子「ゴー」
早苗「………くぅ、負けました。これにて敗北です」
諏訪子「勝者、男!」
神奈子「………ぱちぱち」
文「おめでとうございます、どうですか今のお気持ちは」
男「後ろで暗い目をしている早苗が怖いです」
早苗「そうだ、消せば私が一位」ぶつぶつ
男「おい、こいつ怖いことつぶやいてるぞ!?」
早苗「幻想郷では常識にとらわれてはいけないのですねぇ」ふらり
諏訪子「でも人道から外れた行いはしちゃいけないよ?」
早苗「正義は我にありぃいいい!!」
神奈子「………えい」ごんっ
早苗「はっ。私は一体何を」
男「………こいつ大丈夫なのか、実は危ないんじゃないのか?」
神奈子「………薄々、感づいております」
諏訪子「ふぅ。おなか一杯だよ」
神奈子「………………満足」
早苗「悔しいですが、美味しかったです。ごちそうさま」
文「ご馳走様です」
男「食材はこの家のだからご馳走様と言われても違和感しかないが、まぁ、お粗末様だ」
文「では、私は祈願してきますね」
諏訪子「けろ? 私が目の前にいるんだから言えばいいのに」
文「こういうのは形式が大事ですから」
神奈子「………そのとおり」
文「では行ってきます」
文「えっと、5円は。ありました」ぽいっ
ちゃりんちゃりん
文(新聞大会で優勝できますように)
文(あと、男さんへの告白が成功しますように)
諏訪子「けろっ」ピキーンッ
神奈子「………っ!」ピキーンッ
早苗「どうかなされたのですか?」
諏訪子「なんでもないよー」ニヤニヤ
神奈子「………うん」ニヤッ
男「なぜこっちを見るのだ?」
諏訪子「けろけろ」
早苗「どうかされたのでしょうか」
文「ただいまもどりました、ってなんですか?」
諏訪子「その願い」
神奈子「………しかと聞き入れた」
文(しまったっ。そういえばこのお二方には伝わるのでした。この射命丸 文。一生の不覚っ)
男「願いかなうといいな」
諏訪子「ぷぷぷっ」
文「くっ」
早苗「良く分かりませんが、あまりからかってはいけませんよ?」
諏訪子「けろけろ、わかってるよー」ニヤニヤ
文「うぅ。なんなのですか。この羞恥プレーは///」
文「それではもう帰りましょうか」
男「ん。あぁ」
早苗「そうですか。また来て下さいね」
男「暇があれば来よう」
諏訪子「待ってるよー」
神奈子「………願い、叶うといいね」
文「………えぇ」
諏訪子「またねー」
文「それでは失礼します」バサッ
男「ひっ。な、なれないなやはり」
男「酔った」
文「あやや。まだ速かったでしょうか。すみません。産毛が生えてからゆっくり飛んだことがないので」
男「もう、空を飛ぶ道具を開発してみようか」
文「出来るんですか?」
男「すばやくは飛べないと思うがな」
文「それでも凄いと思いますよ。飛べない妖怪だっているのですから」
男「まぁ。作れると決まったわけではないのだが」
文「では、がんばってください」
男「あぁ、またな」
文「それでは」バサッ
文「出来ました!」
ヒュ「何が出来たのかな、主人」
文「え!? ひ、秘密です!」
ヒュ「体温、心拍音上昇。なにやら興奮しているようだが」
文「なんでもないですから、向こうに行っててください!!」
ヒュ「やれやれ、仕方ない」
文「はぁ、出来たは良いですが、これをどうやって渡しましょう………。とりあえずかばんに入れておきましょう」
文「って、もうこんな時間なのですか。早く寝ましょう」
にとり「仕事行きたくない」
みとり「駄目」
男「ほら、弁当と水筒だ」
にとり「男もうちで働けばいいのになぁ」
男「人間が働けるわけないだろう?」
にとり「そこは私の権力でなんとか」
男「権力なんかないじゃないか」
にとり「ひどいっ」
男「さて、良い天気だがすることがないな」
みとり「じゃあ、手伝って」
男「何をだ?」
みとり「内職。お札作り。巫女からの仕事」
男「みとりのだったのか」
みとり「忙しいときは、手伝う」
男「といっても俺が作って意味があるのか?」
みとり「ない、だからまとめて」
男「了解した」
文「なにか、面白いことはないですかね、って」
雛「おはよう、文」
文「これは厄神様が珍しいところに、いつものところではないのですか?」
雛「ふふふ。男に自由にしてもらったのよ」
文「そういえばそうでしたね。それで」
雛「まぁ。今日は使ってないけど」ぼそっ
文「え?」
ガァーンッ!!
文「いたた。なんで、いきなりタライが降って来るのですか」
雛「運が悪いようね」クスクス
文「………一体何のようです?」
雛「勝負しましょう。弾幕勝負じゃなくて。本気、でね」
文「………くっ」ビュンッ
ガァーンッ!!
雛「いくら速くても不幸からは逃れられないわ」
雛「さぁ、始めましょう」
文「一体、なんなんですか。私が何をしたっていうんですか」クラクラ
雛「理由はただ一つ。とても簡単な答え。貴方が大嫌いだから消えて欲しいの」ニヤァ
文「え?」ゾクッ
雛「ほら、逃げないと死んじゃうわよぉお!?」
文「旋符『紅葉扇風』!!」
雛「まだスペルカードなんて使うのねぇ。優しい子」クスクス
パァンッ
雛「そんなんじゃ、私は殺せないわぁ」
文「くっ。鴉っ!!」バサバサッ
雛「数だけ多くっても!。ってあら。鬼ごっこかしらぁ?」
文(私の式神を逃げるためだけにしか使えないなんて。雛さんってあんなに強かったのですか)
文(なんでこんなことに)
文「突風『猿田彦の先導』っ!」
雛「速いわねぇ。私じゃあとても追いつけないわぁ。風ぐらいじゃないと追いつけないわぁ」
ゴォオオオォオ!!
文「竜巻!? た、竜巻『天孫降臨の道しるべ』!!」
シーン
雛「あらあら、不発ねぇ」
文「きゃぁああああぁああああ!!」ぽろっ
雛「くすくす、無様ねぇ」
みとり「竜巻?」
男「今日は外に出なくて正解だったようだな」
みとり「うん」
男「他の奴は大丈夫なのか?」
みとり「多分、大丈夫」
男「そうか」
文「うぅ」ボロボロ
雛「いい気味ねぇ、ほら勝負はまだ終わってないわよぉ?」ゴッ
文「がっ、はぁっ。なん、なんですか。私の何がいけなかったって言うんですか。謝りますから、なおしますから。許してください」
雛「貴方の嫌いなところ?」
???「お前の嫌いなところ?」
雛「そんなの決まってるじゃない」
???「そんなの決まってるだろ」
雛「あなた」
???「お前」
「生意気」
文「っ………く、はぁ、あっ、くぅ」ポロポロ
雛「あらあら、泣き出しちゃって。どうしたのかしらぁ。私の言葉でそんなに傷ついたのかしらぁ? もしかして他の誰かに同じこと言われたのかしらぁ?」
文「うっ、ぐっ。ぐずっ。はぁはぁ。うぅ、あぁ」ポロポロ
雛「ごめんなさいねぇ」クスクス
文「許して、ぐずっ。ぐだざいっ。あやまりますからぁ。やめてください。もうやめてくださいぃ」
雛「あらあら」クスクス
文「新聞、破らないでぇ。謝るからぁ。もうでしゃばらないからぁ」
雛「ふふふ。何か思い出したのねぇ」
文「せっかく書いたのに。一生懸命書いたのにぃ!」
雛「やめてあげるわ」
文「本当、ですか?」
雛「えぇ。本当よ。だからもう」
雛「男に近づかないでね」
男「ぐっ。ふわぁ。程よく疲れた」
みとり「お疲れ、ありがとう」
男「そういえばいつの間にか。風が止んでるな」
みとり「うん」
男「では散歩でも行ってくるかな」
みとり「いってらっしゃい」
男「なんだ。木がぼろぼろだな、む、これは」ひょいっ
男「封筒、手紙か。名前は。射命丸か。コレが天狗の落とし文って奴なのか。あて先は、………俺か」
男「読んでいいものか悪いものか」
男「読むか」ビリッ ペラッ
男「なになに」
男「私は、男さんのことが好きです………!?」
男「私は、男さんのことが」
「大好きです」
「私はこの山では変わり者として嫌われていて、知り合いがにとりとはたてぐらいしかいませんでした。男性の知り合いなんてずっといなくて、男さんが始めての男性のお友達なのです」
「同情を誘うわけではないのですが、私は昔色々あって、男性が怖いのです。しかし男さんは私の特別な人になってしまいました」
「初めてあった日のこと。面白いくらいにしか思ってませんでしたが、人間なのに私の家まで臆せずに来て、さらにはプレゼント、看病までしてくれました。ヒューイが来てから、家の中がとても賑やかになりました。胡蝶夢丸を幸せな夢だと思えるようになったのは貴方のせいですよ。貴方が夢に出てきたから、なんて嘘です。嘘ですよ!」
「こんな私に優しくしてくれて。新聞を手伝ってくれて、本当にうれしかったです。一方的に伝えるようですが、きっと男さんは私以外にも優しくしていると思うので、私だけに優しいと思うのは間違いだと思います、勘違い女ですね。あはは」
「こうやって気持ちを手紙で伝えるのも、せっかく出来た友達を失うのが怖い、面と向かっていえるほどの勇気を持たない私の精一杯の告白なのです。もしも男さんも私と同じ気持ちでいてくれるととてもうれしいです」
「男さん。私と付き合ってください。大好きです 射命丸 文より」
男「射命丸………」
男「俺もだよ」
ヒュ「やぁ」
男「射命丸はいるか?」
ヒュ「いるにはいるが。ボロボロでしかも泣きながら帰ってきた」
男「なにっ!?」ダダダッ
ヒュ「だからそっとし、………せっかちなものだな」
男「射命丸っ!!」
文「男、さん!?」
男「大丈夫か!?」
文「来ないでっ 来ないでください!!」
男「!?」
文「帰ってください。お願いです」
男「射命丸」
文「っ」ビクッ
男「好きだ」
文「え?」
男「お前のことが好きだ。手紙では先に言われてしまったが、言葉では俺のほうが先に言わせて貰う」
男「俺は射命丸のことが好きだ。大好きだ」
文「そ、そんな。困りますよ」
男「だから、何があったんだ。教えてくれ」
文「困りますよ」
文「そんなに優しくされたら。もう、この感情を捨てようって決心したのに、鈍っちゃうじゃないですか」ポロポロ
男「そんな決心なんてしなくていい」ギュッ
文「っ、ふわぁあああああぁあああぁあああああんっ!!」
男「泣き止んだか?」
文「はい///」
男「それで、何があったんだ?」
文「それは………」
男「雛が?」
文「なんだかいつもの雛さんとは様子が違っていて」
男「………まさか」
文「どうかしましたか?」
男「萃香のところに行くぞ」
文「はい?」
男「早くしろ! 間に合わなくなっても知らんぞぉ!!」
文「それでは行きますよ?」
男「あぁ、出来るだけ急いでくれ」
文「はい」
ビュンッ
男「いぃいいいぃいいい!!」
文「大丈夫ですか?」
男「だだだ、大丈夫だぁあああぁああああ!!」
文「そうには見えませんが」
男「大丈夫だ、急いでくれ」
文「はい」
男「うえっ、かはっ」
文「虚勢を張るからですよ」
男「でも行かなければいけないんだ」
天狗「またか」
男「萃香に会いに来た」
天狗「はぁ、分かった通れ」
文「すみません」
男「さっさといくぞ」
男「萃香」
萃香「おぉ。男じゃないか。どうしたんだい?」
男「おそらく雛が奴の被害にあった。射命丸が雛に襲われたのだ」
萃香「………詳しく教えてもらおうか」
文「えっとですね。なんだか不気味な笑みを浮かべて雛さんが襲い掛かってきたんですよ。スペルカードルールを無視して」
萃香「限りなく黒っぽいけど、見てみなきゃあ分からないねぇ。ここから動ければいいんだけども」
男「動けないか?」
萃香「あたしが動くと他の奴が警戒しだすからね。私が動くのは最後さね」
男「そうか」
萃香「まぁ、相手からきたら別だけど」
天狗「むっ、な。がぁっ!」
萃香「………ほら噂をすればなんとやらだよ」
雛「みぃつけたぁ」ケタケタ
男「!?」ビクッ
雛「約束は破っちゃだめよぉ?」
萃香「………間違いないね」
男「雛はあんなじゃないからな」
雛「私は私よぉ?」ケタケタ
文「萃香様………」
萃香「人に頼るな、と言いたい所だけど今は仕方ないね。そこでじっとしてなよ」
男「………雛はなんでこんなことを」
雛「仕方ないじゃないのぉ。そこの鴉があなたに近づくんだもの。貴方は私のもの。私が貴方を一番愛してるのよぉ?」
萃香「雛。先に謝っておくよ」
雛「貴方も、男の近くにいちゃだめよぉ? だめなのよぉ!? クケケケケケ 男は私のもの。私のものなのよぉ!!」
萃香「少し休みな」ドスッ
萃香「実力は変わらず、か」
男「終わったのか?」
萃香「目が覚めたら面倒だから縛っとくよ。よいしょっと」グルグル
文「あの、一体何が彼女に」
萃香「秘密。ってことにしとくのは無理があるね。簡単に言うと今異変が起きてるんだよ。で、黒幕が山にいるらしいからあたしが来た」
文「黒幕とは」
萃香「そこまで知らなくていいよ。ただ危ない。だけ知ってれば」
男「とりあえずどうしたものか」
萃香「そういえば門番の天狗が倒されてるみたいだね。ちょっと射命丸見てきてくれないかい?」
文「かしこまりました」
萃香「あたしが動ければ解決は早いんだけれど」
男「………俺が何とかしよう」
萃香「頼んだよ。といいたいけどそれは男には荷が重過ぎるよ。いざとなったら私が駆けつけるからそれまで調べてもらえるかい?」
男「了解した」
文「気絶してるだけみたいです」
萃香「そうかい。それはよかった。ほら起きな」ペチペチ
雛「う、うぅん」
男「起きたか、雛」
雛「おと、こ? って、何、この状況。なんで私は縛られてるのかしら」
萃香「記憶はないのかい?」
雛「あったら混乱してないわよ。とりあえず解いてもらえないかしら」
萃香「まだ、洗脳が解けたと決まったわけではないからそれは無理な話だ」
雛「洗脳?」
男「何か覚えてないか? 仮面をつけたフードの妖怪とかは」
雛「………ごめんなさい」
男「手がかりはなし、か」
雛「私は何をしたのかしら」
萃香「被害は極軽微、射命丸に怪我を負わせたぐらいだね」
雛「え、本当に?」
文「はい」
雛「ごめんなさい。それと詳しく教えてもらっていいかしら。私のこと」
文「分かりました」
雛「そんな事が///」
男「まぁ、操られていたんだからしかない。それにしても感情まで操るとは」
雛「え、えぇ。そうね」
文「しかも神様に対してここまで出来るとは、ですね」
男「あぁ」
萃香「だから恐ろしいんだよ。抵抗できるとしたら、あたし並みじゃないと無理だよ」
男「ほとんどが無理ってことか」
萃香「なにか対抗手段でもあればいいんだけど」
男「情報が少なすぎるか。どうしたものか」
文「………雛さん」ボソッ
雛「え?」
文「明日、会えませんか?」
雛「え、何よいきなり。まぁ、いいけれども」
文「そうですか」
男「どうかしたのか? 何か良い案でも」
文「私にはさっぱりですよ」
男「そうか。うぅむ」
萃香「まぁ、今日は帰りな。雛はうちに泊まっててもらうけど」
雛「まだ危ないかもしれないものね」
萃香「それにもう一度奴に狙われたくはないだろう?」
雛「そうね。ならよろしくお願いするわ」
男「では。気をつけてな」
萃香「男こそね」
男「じゃあな」
文「失礼します」ペコッ
バサバサッ
雛「はぁ………」
萃香「操られたことがショックかい?」
雛「えぇ」
萃香「なら飲んで忘れるといいよ。あんたに一杯、私に一杯」トクトクトク
雛「いただくわ」
萃香「乾杯」
雛「乾杯」
ちんちーん
男「朝か………」
幼馴染「つかれてんねwwww」
男「色々あったからな」
幼馴染「乙www」
男「まぁ、ここまで色々あったらしばらくは何も無いだろう、はっはっは」
幼馴染「ちょwww おまwww それフラグwww」
男「なわけ無いだろう」
幼馴染「今にでもwww あれ何もおきねwwww」
男「そりゃそうだろう。なんども起きてたまるか」
幼馴染「じゃメシwwww」
男「やれやれ」
雛「それで、何かしら」
文「今日は、雛さんに決闘を申し込みます!! スペカルールで」
雛「はい?」
文「男さんをかけて決闘です!!」
雛「ちょっと待ってなんできなりそうなるのよ」
文「雛さんも男さんが好きですね。理由はそれで十分ではないでしょうか」
雛「いやいや、あれは操られていたからで」
文「私の嘘を見抜く目を舐めないでください。記者たるもの真実か嘘かは、見れば分かります」
雛「その割にはガセネタを書いてるときもあるようだけど」
文「記事にはエンターテイナメント性も必要ですよね」
雛「限りなくいらないと思うけど」
文「さぁ、決闘です」
雛「はぁ、分かったわ。でも本気で行くわよ?」
文「望むところです」
雛「………くっ」
文「スペルブレイクですね」
雛「はぁ………。仕方ないわ。男から身を引くわ」
文「いや、そこまではしなくていいと思いますが」
雛「はい?」
文「ただし正妻は私ですからねっ」
雛「貴方、馬鹿じゃないの?」
文「え、なぜです?」
雛「好きな男を人と共有よ? 嫉妬とかしないの? そもそも夫婦は一人ずつって昔から、いやまぁ貴族とかは別だけれど」
文「え? 昔から天狗は重婚ですよ?」
雛「………いいわよ、あきらめるわよ」
文「なぜです?」
雛「貴方は言いとして男が駄目でしょ。人間よ?」
文「あやや。そういえばそうでした。でも男さんなら」
雛「いいのよ。私は自由になれただけで十分」
文「そうですか」
雛「ありがとう文」
文「え、あ、はい」
雛「まぁ、転生したら私が貰うけど」
文「そのときも負けませんよ!」
男「風が強くなって、木が倒れる音がしたがすぐに止んだ」
幼馴染「なにごとwww」
男「俺は行かんぞ。これ以上いざこざに巻き込まれたくはないのでな」
幼馴染「へたれwwww」
男「君子危うきに近寄らず、だ」
幼馴染「いやへたれwww」
男「だから君子」
幼馴染「へたれwwww」
男「………」
文「こんにちわー!」
みとり「こんにちわ」
文「あのちょっと相談があるのですがよろしいでしょうか」
みとり「うん」
文「相談というのはですね。男さんと私の家で一緒に住みたいなぁって」
みとり「え?」
文「あ、言い忘れてました。私と男さん恋人同士になりました」
みとり「そう。おめでとう」
文「ありがとうございます。それで」
みとり「えっと、ちょっと待って」
文「はい」
みとり「どうしよう、えっと、男が、でも」
文「お悩み中ですね」
みとり「………週3、なら」
文「週4では駄目ですか」
みとり「禁止、する」
文「あやや。禁止されてはしかたありませんね」
みとり「なるほど、これが親の、心境」
文「どうやらライバルにはならないようですね」
みとり「?」
文「こっちの話です」
にとり「たっだいまー!!」
文「おかえりなさい、にとり」
みとり「おかえり」
にとり「あれ? なんで文が」
文「かくがくしかじかで」
にとり「え?」
文「にとりも反対派ですか」
にとり「反対というか私と男の発明タイムが」
文「ではにとりさんも男さんの恋人に立候補するといいのではないですか?」
にとり「恋人かぁ。今は発明が恋人だからいいかなぁ」
文「そうですか」
にとり「でも週4はこっちにいるならまだ許容範囲内かな。男の料理を食べれるし」
文「美味しいですからね」
にとり「うん」
文「では男さんに伝えておいてくださいね。それでは」
にとり「自分で伝えればいいのにねぇ」
みとり「恥ずかしい、のよ」
みとり「そういえば、私の料理は、食べたくないって、こと?」
にとり「え? ちが、違うよ!?」
みとり「嫉妬しちゃう」ガシッ
にとり「嫉妬を行動で表すのはやめてー!!」
みとり「えいっ」ブンッ
にとり「へぶんっ!!」
にとり「あいたたた、一本背負いは痛いよ」
みとり「さて、ご飯ご飯」
にとり「したいだけだった! 絶対そうだ!!」
みとり「………にゃあ」
にとり「いきなりのあざとさにだまされたりはしないよ!?」
男 幼馴染「うぇ!?」
にとり「ひゅーひゅーお暑いね!!」
男「ちょっと待ってくれ。射命丸が?」
みとり「うん。今日、きた」
幼馴染「まじでw 本当に?w」
みとり「うん」
幼馴染「男はどうするの?w」
男「うーむ。まぁ俺は困らないから別に構わないが」
幼馴染「まじかw」
男「あぁ」
幼馴染「………w」
にとり「じゃあ明日は泊まりなんだね」
男「何曜日に泊まるかを決めておいたほうがいいかもしれないな」
みとり「うん」
幼馴染「修行してくるw」
男「おかわりは?」
幼馴染「いいw」ダダダッ
男「………明日は雨かな」
にとり「晴れだよ?」
男「………いや雨だな」
にとり「雨かぁ」
みとり「ちょっと、失礼」
男「そうか?」
みとり「女の子、だよ?」
男「そういえばそうだった」
みとり「刺される、よ?」
男「あいつに限ってないだろう。ふはははは」
みとり「………はぁ」
男「………雨だな」
幼馴染「めっちゃ晴れてるしwww」
男「いや、コレは雨だ」
幼馴染「太陽サンサンwww」
男「気のせいだな」
幼馴染「認めろよwww」
男「しかたないな。これは晴れだ」
幼馴染「しかたなくねぇwwww」
にとり「で、今日は文の家に行くの?」
男「あぁ」
みとり「通い婚?」
男「違う。まだ付き合っただけだ」
幼馴染「そーだそーだwww」
みとり「そういえば時間大丈夫?」
にとり「うん。もう遅刻確定だし」
みとり「早く、行きなさい」げしっ
にとり「あぁん! 蹴らないでよぅ! というかお弁当と水筒!!」
みとり「はい」ぽいっ
にとり「最近扱いが酷い気がするよ」
文「………えぇっと」ソワソワ ソワソワ
ヒュ「落ち着いたらどうだろうか」
文「え、えぇ? 落ち着いてますよ?」
ヒュ「落ち着いてる人が部屋の中をうろつきまわるとは思えないがね」
文「あぁ、本当だ!!」
ヒュ「盲目になるとは良くいったものだ 精神的にも肉体的にも」
ピンポーン
ヒュ「主人、来………速いな」
文「はいはーい!」
はたて「おはよ」
文「ちっ」
はたて「え!? 何!?」
はたて「そうなのね」
文「はい」
はたて「まぁ、私は応援するけど、他の天狗にばれないようにしなくちゃ。あいつ等頭堅いし」
文「そうですね。気をつけます」
はたて「まぁ、部屋の中にいても文なら気配で気づくんじゃないの?」
文「まぁ、誰かがいる。くらいなら」
はたて「ならよし。じゃあ私は邪魔しちゃ悪いんで帰るわね」
文「すみません」
はたて「じゃ、明日来ることにするわ」
文「はい。それでは」
文「まだかなー」ソワソワ
ヒュ「恋心とは度し難いものだな」
ピンポーン
ヒュ「主人。来たようだが」
文「………」
ヒュ「残像か」
男「来たぞ」
文「お待ちしておりました。ささ、どうぞ中に」
男「あぁ」
男「来たはいいが、何をしてすごすか」
文「えっと、ですね。ちょっと待ってください。考えます」
男「いや、たまにはゆっくりしてすごすのもいいだろう」
文「そうですね」
男「………」
文「………」
男「………」ズズーッ
文「あの」
男「なんだ?」
文「いえ、沈黙に耐えられなくて。少し聞きたいことがあるのですがいいですか?」
男「構わないが」
文「男さんはどうして妖怪の山へ?」
男「………」
文「いえ、言いたくないのなら構わないのですが」
男「いや、話す」
男「兄が殺されてその犯人探しだ」
文「すみません………」
男「射命丸が謝ることは無い。それにおおよそ目星はついているしな」
文「そうなのですか?」
男「あぁ。おそらくだがな」
文「お手伝いします」
男「いやいい。巻き込みたくないからな」
文「私は、男さんが傷つくのが嫌です。だから手伝います」
男「………ありがとうな。射命丸」
文「だって、男さんのことが好きですから」
文「そういえば、私のことは射命丸って呼ぶんですね。まだ」
男「ん。あぁ、そういえばそうだな」
文「出来れば文って呼んで欲しいのですが」
男「了解した」
文「呼んで下さいよ~」
男「文」
文「えへへ。なんだか照れてしまいますね///」
男「そうか?」
文「はい///」
男「それにしても暇だな」
文「えっと、まだ日が高いですし良かったら温泉でも」
男「温泉? 地霊温泉郷か?」
文「そっちは遠いですから、今日は博麗神社にでも」
男「あるのか、温泉」
文「はい。沸きましたよ」
男「でもいいのか? 博麗の巫女だぞ?」
文「大丈夫ですよ。お金を払えば」
男「そうなのか」
文「到着です」
男「今回はゆっくり飛んでくれたな」
文「はい。もう学習しましたよ」
男「三歩歩けば忘れるのではないか?」
文「え!? 酷いですよ男さん! 馬鹿じゃないですよ!!」
男「冗談だ」
文「からかわないでくださいよ。それで霊夢さんはどこに」
霊夢「いるわよ」
文「あやや!? いつのまに!!」
霊夢「さっきからずっといたわよ。で、何のよう? 新聞はもう貰ってるわよ? いい燃料だったわ」
文「出来れば読んで貰いたいのですがねぇ。あぁ、そうそう。今日は温泉に入りに来ました」
霊夢「賽銭箱なら向こう。あとは好きにしなさい」
文「はい♪」
文「更衣室はここですよ」
男「あぁ」ガチャ
文「さて」
男「まて、なぜ一緒に入る」
文「ここ、混浴ですよ?」
男「なんだと!? いや、それでも更衣室ぐらい別だろう!?」
文「だって、ここ霊夢さんの私有温泉なんですから、しかたないですよ。基本霊夢さんの知り合いの方しか入りにこられませんし」
男「なんだかだまされた気分だ」
文「さぁ、行きましょう」
男「まて」
文「はい。なんでしょう」
男「せめて何か巻け」
文「大丈夫です。私は気にしないので」
男「俺が気にするのだ!!」
文「でもお風呂なんで」
男「せめてタオルを巻いてくれ!」
文「はい………」
男「うぉ、凄い湯気だな」
文「だからタオルをとっても」
男「駄目だ」
文「はい」シュン
男「貸切か?」
文「そうみたいですね」
ブクブク
男「ん?」
小傘「うらめしやー!!」
男「うおっ!」
小傘「やったー! 驚いてくれたー!!」
文「どうやら先客がいたようですね」
男「こいつは、たしか傘のつくもがみだったか」
文「知ってるんですか? 小傘さんのこと」
男「たまに里で見かけるからな」
小傘「ずっと待ってたかいがあったよ」
文「ずっと、って、どのくらい待ってたんですか?」
小傘「朝だよ」
文「………そうですか」
小傘「あれ、ふらふらする…」
男「そりゃあ、こんな湿気にあふれたところに本体を連れて来れば湿気でやられるだろ」
文「本体しっとりしてますね」
小傘「あぁ! しまったぁ!!」
男「馬鹿なんだな」
文「とりあえず、出たらどうです?」
小傘「うん!」タタタッ
男「これで貸切か」
文「ですねぇ」
男「ふぅ、いい湯だ」
文「ですねぇ。そっちに行っていいですか?」
男「駄目だ。恥ずかしい」
文「行きますね」
男「やめろ!!」
文「この距離なら男さんの顔がしっかりと見えますね」
男「う。なんだか文こんなに押しが強かったか?」
文「えぇ♪」
男「体洗うか」
文「体洗う前に湯につかるのは駄目なんですけどね」
男「流し湯をしたからいいのではないか?」
文「どうなんでしょう。まぁでも霊夢さんの私有温泉ですし」
男「ならいいのか?」
文「あ、男さん背中を流します」
男「あぁ、頼む」
文「男さんの私の背中を流してくださいよ」
男「仕方ないな」
文「では早速、と言いたい所ですが、先に頭ですよね」
男「まぁな」
文「じゃあ、背中を洗いますね」
男「あぁ。頼む」
文「男さんって、細いですよねぇ」
男「言うな。気にしているのだ」
文「ちゃんと食べてます?」
男「食べてるのだが太らないのだ」
文「それ、女子を敵に回す発言ですよ」
男「こっちもこっちで悩んでるのだ」
文「前はどうします?」
男「当たり前に自分でする」
文「残念です」
男「なぜ残念がる」
文「お願いします」
男「じゃあ行くぞ」
ゴシゴシ
男「なんというか、肌が綺麗だな。文は」
文「あや!? い、いきなりなんですか!?」
男「文が押してくるから対抗しただけだ」
文「そんな事言われても、うれしいですよ」にへら
男「そうか」
文「ひゃう! 翼の根元は優しく洗ってください!」
男「敏感なのか。すまない」
文「お願いします」
男「終わりだ」
文「前は自分でしますよ」
男「当たり前だ」
文「えへへ」
男(文の肌。すべすべだったな)
文「もう上がりますか?」
男「もうか?」
文「長風呂はあんまり好きではないので」
男「鴉の行水か」
文「鴉じゃなくて鴉天狗ですよ!!」
霊夢「用が済んだらさっさと帰りなさい」
文「おぉ、ひどいひどい」
霊夢「妖怪が住む神社とか言われて迷惑してるのよね」
男「手遅れだとおもうが」
霊夢「あぁん?」
男「すみませんでした」
文「では、帰りましょうか」
男「飛んで帰ると湯冷めするよな」
文「ゆっくり飛びましょう。今日はあったかいですし」
男「そうしてくれると助かる」
男「ただいま」
文「おかえりなさい」
男「さて、もうすぐ昼だが」
文「ご飯の時間ですね」
男「分かってる。俺が作る」
文「ありがとうございます♪」
男「適当に作るがいいか?」
文「はい、なんでも食べますよ。鶏肉はあんまりですけど」
男「了解だ。待っておけ」
文「はい」
男「どうだ?」ズズーッ
文「おいふぃいふぇふ」
男「飲み込んでから喋ってくれ」
文「美味しいです」
男「そうか。それはよかった」
文「まったく、男さんの料理は最高だぜ」
男「やめてくれ、照れる」
文「えへへ」
男「午後………、暇だな」
文「ですねぇ。お昼寝しますか?」
男「そうするか」
文「じゃあ、寝ましょうか」
男「待て」
文「なんでしょうか」
男「ベッドが一つしかないように見えるのだが」
文「大丈夫です。ダブルサイズなので」
男「そういう問題ではなくだな。もういい、床で寝る」
文「駄目ですよ。一緒に寝ましょう」ガシッ
男「うわぁー! はなせー!!」ジタバタジタバタ
文「男さんじゃ私の力にかなわないんですから大人しくしててくださいね」
男「くそー!!」
文「………すやすや」
男(寝れん。眠れるわけが無い)
文「すぴー」
男「………こいつは気持ちを分かってやってるのか?」ナデナデ
文「んっ」
男(いくらなんでも一緒のベッドというのはなんというかムラムラするというか)
男「触ってもばれな、いやいや」
文「むにゃむにゃ」
男「あぁもう、可愛いな。こいつは」ナデナデ
文「えへへ~」
男「はぁ。色々と溜まるな。おっと。まぁ、寝てるからいいか」
文(狸寝入りですけどね!!)
文「ん~」ゴロンッ
ギュッ
男「!?」
男(文がこっちに寝返りをうったと思ったらいきなり抱きついてきた。やわらかいなんてものではない。やわらかすぎるというものを産まれて初めて知った。いや、そんなに大きいわけではないが、足の肉付きは妙にいいというかなんというか。つまり)
男「たまらんな」
文(起きてるときになんて恥ずかしくて出来ませんからね。今は思う存分堪能しましょう)
文「ふわぁ」
文(いいっ、匂い、ですっ!)
男(静まれ。静まれぇ!)
文(撫でてくれませんかねぇ)
男(くっ。俺のミシャグジ様が御柱キャノンになってしまいそうだ)
文(あれ? 男さんは無反応ですか。う~ん)
男(無心無心無心無心無心無心無心無心無心無心無心無心)
男「………」
文(こうなったら)
文「だい、好きです。男、さん」
男「!?」
男(大好きだと!? いやまぁ恋人同士なんだからそうかもしれんが、今のタイミングで言われると)
ムクッ
男(………やってしまった)
文(あや? なにか足に妙なものが、なんでしょう)ぐいっ
男(やめろ、やめてくださいしんでしまいます)
文(………これって)
ぱちっ
男「うおうっ!?」
文「男さん。これは」
男「ああああのだなこれは男として当然というかなんというかつまりはだな。ごめんなさい!」
文「………あの、男さん」
男「なんでしょう」
文「私は構いませんよ///」
男「え?」
文「男さんが望むなら」
男「いやいやちょっと待て」
文「でも最初はキスから、ですよ?」
男「………………」
文「男さん?」
チュッ
男「最初はキスから、だろ?」
文「はい///」
映姫「エッチなのはいけませんよ!!」
小町「いきなりどうしたんですか、四季様」
映姫「いえ、なにやら禍々しい念を感じましてね」
小町「あたいはてっきり閻魔クビになってついにおかしくなったのかと」
映姫「小町、私がヤマザナドゥに戻ったら覚えてろよ」
小町「ヤマザナドゥに戻れるといいですねぇ」
映姫「職権乱用して仕事週7月休み1に代えてやる。あと胸がでかいんだよ削れ」
小町「四季様ヤマザナドゥやめて元気になりました?」
文「えへへ///」
男「今更だが本当に良かったのか?」
文「えぇ。女の子は誰だって好きな人と結ばれるのが夢なんですから」
男「そうか」
文「男さん。頭なでてください」
男「了解した」ナデナデ
文「えへへ」
鴉「………」
バサバサッ
にとり「そういえば、もうすぐ天狗の新聞大会の日だね」
男「あぁ、三日後だな」
にとり「文の調子はどう?」
男「緊張してるな。まぁ、仕方ないが」
にとり「行ってあげればいいのに」
男「今日はこっちに居なければいけないからな」
にとり「律儀な守らなくてもいいと思うけど」
男「それに幼馴染が遊びに行こうというからついていかなければならんしな」
にとり「浮気、にはならないのかなぁ」
男「浮気? なぜだ?」
にとり「………」
文「男さーん!」
男「またせたな、文」
文「いえ、まだ始まるまでは時間がありますし、のんびり行きましょう」
男「のんびりしようと思うなら、少し肩の力を抜いたらどうだ?」
文「そ、そうですね。すーはーすーはー」
男「緊張はほぐれたか?」
文「はい!」
男「では行くか」
男「ここが会場か」
文「はい」
男「今更だが俺は入れるのか? 河童なんだが」
文「河童でも新聞を作るメンバーなら入ることができるんですよ。もちろん申請済みです」
天狗記者「おやおや、誰かと思えば変わり者の射命丸じゃあないか」
文「………こんにちわ、天狗記者さん」
男「誰だ?」
文「天狗記者さんです。前大会準優勝者です」
天狗記者「そう。優勝したのは君だがね。しかし今年は私が勝つ。去年の君みたいに卑怯な手など使わずにね」
男「文が卑怯な手なんて使うわけないだろう」
天狗記者「ん、君は射命丸の仲間かい? どうせまた女を利用して」
文「違います!!」
天狗記者「………一人ぼっちの射命丸のくせに私に何か言ったか?」
文「私は卑怯な手なんて使ってません! 男さんだって卑怯な手を使ったわけではないです!!」
天狗記者「男、ねぇ。くくく」
男「なんだ?」
天狗記者「また会場で会おう。さらばだ」
男「なんなんだ、あいつ」
文「よく嫌がらせをしてくるんですよ。あっかんべーだ」べー
男「まぁ、気にしないでおこう」
文「はい」
文「あーあー。私が取材した」
男「お茶買って来たぞ」
文「あ、ありがとうございます」
男「練習しすぎで声が枯れないようにしろよ?」
文「分かってますよー」
文「あの大妖怪八雲―――」
男(にしてもあの天狗はどこか余裕の表情をしていたな。何かしてくるのか?)
文「―――ということを、って男さんどうかしましたか?」
男「いやなんでもない」
文「そうですか。夫である幽霊男さんに話を聞いたところ」
男(杞憂、だといいなぁ)
男「文、始まるぞ」
文「ですから。あ、はい」
男「最後まで原稿チェックか」
文「間違えに気づいては遅いですからね」
男「大丈夫だ。間違えていない」
文「自信満々ですね」
男「あぁ。だって文が書いたのだろう?」
文「うぅ。男さんは本当に恥ずかしい台詞をぽんぽん言いますね」
男「そうか?」
文「そうですよ」
司会天狗「ありがとうございました。次、射命丸 文」
文「はい!」
男(がんばれよ、文)
文「私は先日八雲 紫の妊娠について取材に行ってきました」
モブ天狗1「八雲 紫ってあの八雲 紫か!?」ザワザワ
モブ天狗2「八雲に取材だと!?」ザワザワ
文「八雲 紫は夫の幽霊男と――」
男(さすがに大ニュースなだけあって周りに与えるインパクトが凄いな」
司会天狗「ものすごいニュースをありがとうございました」
司会天狗「それでは次、天狗記者どうぞ」
天狗記者「はい」ククク
男(………なぜ余裕なのだ?)
天狗記者「私のニュースはこちらです」ドンッ
天狗記者「昨年度優勝者射命丸 文が人間と恋愛。さらに肉体関係を結んでいるということです」
男「!?」
天狗記者「写真はこちらになります。この写真は私の知人が開発した鴉型の撮影用カラクリを使い撮影しました」
男「あれは、スプリンタートル………」
文「男、さん?」
男「違う。俺ではない。そもそもあのスプリンタートルは脱走………」
天狗記者「皆さんご存知の通り、我々天狗が他種族、ましては人間と結ばれることはご法度であり」
天狗記者「射命丸 文は処罰されるべきだと私の個人的な意見ですが思います」
文「それは新聞の内容に個人の意見を挟むのはおかしいと思います!!」
天狗記者「失礼。しかし私はこの新聞で真実を伝えますよ」
文「―――っ」
天狗記者「さて、射命丸 文さんの処置はどうするべきだと思いますか?」
モブ天狗「断罪すべきである!!」
天狗記者「私もそう思います」ニヤリ
天狗記者「あぁ、それともう一つ。その人間は姿を変えることができ普段は河童の姿をしているとか」
モブ天狗「河童?」
モブ天狗「そういえば射命丸の隣に」
男「くっ」
モブ天狗「射命丸とあの河童を捕まえろ!!」
文「男さんッ!!」ヒュウウゥウ!!
モブ天狗「うおっ、風か!」
モブ天狗「先に射命丸を捕まえろ!!」
男「文!! 文!!!!」
文「男さん、逃げてください!!!!」
モブ天狗「風をっ、とめろっ!!」ゲシッ
文「うっ。男さん――――っ!!」
男「文―――――っ すまない!!」ダダダッ
モブ天狗「おい! 河童が逃げたぞ!! 捕まえろ!!」
文「男さん。さようなら」バタッ
男「………………」パチッ
萃香「目、覚めたかい?」
男「夢だったのか?」
萃香「いや、残念だけど夢じゃあないよ」
男「俺は何をしてた?」
萃香「うちへ天狗の姿で駆け込んできて、もとの姿に戻ってそのままバタン」
萃香「何があったんだい?」
男「それは………」
萃香「協力は出来ないけど、相談なら乗るよ」
男「ありがとう萃香」
萃香「気にするぐらいなら次美味い酒を持ってきてほしいね」
萃香「………」
男「俺は文を見捨てて逃げてしまった」
萃香「いや、そんな事はない。鬼は持っていないけど逃げるのもまた勇気。天狗に立ち向かっていくのが勇気とは思わないね。それは無謀で、私が嫌うものさ」
男「だがっ」
萃香「黙りな。射命丸に救ってもらった命だ。その命の価値、もう一度見直しな」
男「救われるぐらいならこの命ないほうが」
パシンッ!
萃香「手加減はした。だけれど痛いだろう。それ以上その言葉を続けるようならこのあたしじきじきに引導をくれてやるよ。そのときはこの痛みなんて比じゃないよ」
男「すまない」
萃香「まだ射命丸が死ぬと決まったわけじゃあない。もしかしたら軟禁ですむかも知れない。そこでお前が引っ掻き回して射命丸が死罪に、なんて事があるかもしれないんだよ。今は大人しくしてな」
男「あぁ………」
萃香「私の一部を貸してやる。あたしがついてる限りそんじょそこらの妖怪じゃ手を出してこないよ。一旦家に帰りな」
男「恩に着る」
萃香「もし、射命丸が死罪になるってんならまたあたしの所にきなよ。その天狗記者を潰してやるからさ」
男「ありがとう」
ピンポーン
みとり「はい」
男「俺だ」
みとり「誰?」
ボンッ
男「男だ」
にとり「男!? 無事だったんだね!?」
幼馴染「天狗来たww 私は変身してごまかしたけどww」
萃香「にとり」スゥ
にとり「ひゅい!?」
萃香「分身だよ。私は戻るけど男の事たのんだよ」
にとり「わわわわかりました」
萃香「ん」スゥ
みとり「男、おかえり」
男「ただいま」
みとり「男」
男「なんだ?」
みとり「ご飯。できた」
男「あぁ」
にとり「お姉ちゃん」
みとり「何?」
にとり「文。大丈夫かなぁ」
みとり「大丈夫」
にとり「だといいけど」
みとり「もしものときは」
にとり「もしものときは?」
みとり「皆で殴りこみ」
にとり「え!?」
幼馴染「うまうまw」
男「あぁ………」
にとり(空気が、重い! 当たり前だけどさぁ!!)
男「にとり。きゅうりいるか?」
にとり「え? あぁ、うん」
男「ほら」
にとり「ありがとう」
にとり(って何やってるんだ私ー! 空気よまなすぎるよ!! のんきにきゅうり食べてる場合じゃないよ!!)
男「ごちそうさま」
みとり「うん」
幼馴染「寝るの?w」
男「あぁ」
幼馴染「おやすみーw」
はたて「おはよー」
みとり「何?」
はたて「花果子念報の購読ーは冗談で、ただ単に男に会いに来ただけよ」
みとり「………」
はたて「今この状況だし信じられないのは分かるけど、文についての情報を持ってきたんだから入れてくれないかしら」
みとり「分かった」
はたて「文は今のところ無事よ。処罰は上のほうが決めててまだ分からないけど」
にとり「って事は天魔様が出てくるの? たかが鴉天狗なのに?」
はたて「人間と関係を持つことは禁じられてるから仕方ないわよ」
にとり「うわぁ。どうしよう」
みとり「かちこみ」
にとり「お姉ちゃんそんな交戦的だっけ」
みとり「山ン本五郎左衛門………勝てる」
にとり「勝てないよ!! というか何で天魔様呼び捨てにしてるの!?」
みとり「………………いける」
にとり「なんでしばし考えた結果その回答が出るのさ!?」
はたて「あー。天魔の名前が山ン本五郎左衛門ってのは二次創作だからね」
はたて「そういえば男は?」
にとり「朝からずっと地下室に篭ってるよ。幼馴染と一緒に」
はたて「いかがわしいこと?」
にとり「あはは。男に限ってそれはないよ」
はたて「それを否定するのも男としてどうかと思うけど。まぁ、他に進展があったら伝えにくるわ」
にとり「ありがとう」
はたて「いいわよ。だって私も。あー、文の、友達、だから///」
にとり「恥ずかしいなら言わなきゃいいのに」
はたて「うるひゃい!!」
みとり「じゃあね」
はたて「………また来るわ///」
にとり「男は一体………」
幼馴染「大丈夫なんwww」
男「大丈夫だ。だから俺に任せろ」
幼馴染「優しくしてねwww」
男「大丈夫だ、慣れてるから」
幼馴染「男なら安心だよwww でもちょっと怖いwww」
男「大丈夫だ。素数を数えてればすぐ終わる」
幼馴染「うんwww」
にとり「なにやってるのさーーー!?」
男「何って、変身スーツの改造だが」
にとり「あ、そうなんだ///」
幼馴染「何を考えたのかにゃー?wwwwww」
にとり「な、なんでもないよ!!」
男「?」
にとり「忘れて」
にとり「変身スーツの改造って何でまた」
幼馴染「いざって時のためって私がwww」
男「すまんな」
幼馴染「それは言わない約束だぜwww」
にとり「そっか。でもこのスーツ私でも良く分からない技術で出来てるね」
男「兄が残した本に載ってただけだから俺にも詳しくは分からん」
にとり「お兄さんって何者?」
男「人望はあったが俺以上に変わり者だった。科学と魔法を融合させるとか言ってな」
にとり「それで出来たの?」
男「知らんが、錬金術という技術は出来たらしい。その技術を使ってこのスーツは作られた」ウィィイイン
にとり「錬金術?」
男「簡単に説明すると、魔理沙が持つ八卦炉みたいなものだ。魔法を科学でサポートしている。まぁどっちつかずの技術だ。幼馴染足上げてくれ」カチャカチャ
幼馴染「あいよwww」
にとり(錬金術かぁ)
男「ここをこうしてっと。終了だ」
幼馴染「なにかわったん?www」
男「変身形態を増やした」
幼馴染「おぉ。新フォームwww」
にとり「見てたけどさっぱり分からないかった」
男「にとりも見てみるか?」
にとり「いいの?」
男「にとりなら構わん」
にとり「やったー!!」
幼馴染「ちょっと修行してくるwww」
男「この状況で修行すると天狗が来るからやめておいたほうがいい」
幼馴染「ちぇwww」
にとり「ほうほう、これはこれは。ごくり」ジュルリ
幼馴染「エロ本見てる少年みてぇwww」
男「言ってやるな」
みとり「ご飯。にとりは?」
男「ずっと地下室で本を読んでいる」
みとり「はぁ」
幼馴染「今日のご飯は?www」
みとり「川魚を塩焼きにした」
幼馴染「やったwww」
みとり「にとり」トテトテ
男「じゃあ俺達は皿でも並べておくか」
幼馴染「がんばwww」
男「お前もやれ」
幼馴染「しかたねぇなwww」
にとり「あうあうあー」ボロボロ
男「どうしたんだ?」
にとり「お姉ちゃんにやられた」
みとり「自業自得」
男「何やったんだ?」
にとり「私は本読んでたかったんだよー」
みとり「ご飯は一緒に」
男「研究熱心なのはいいが。食べなければ体調を崩すぞ?」
みとり「そうよ」
にとり「体調の前に身体が重傷なんだけど」
みとり「すぐ治る」
にとり「まぁそうだけど」
幼馴染「妖怪って凄い。私は箸を構えながらそう思ったwww」
コンコン
みとり「はい」
雛「こんにちわ」
みとり「どうしたの?」
雛「文がいなくなってもう4日たったから男が心配になって来たのよ」
みとり「いたって元気。文の判決が出るまで、待つって」
雛「案外落ち着いてるのね」
みとり「萃香様のおかげ」フンス
雛「なんで自慢げなのよ」
みとり「萃香様だから」
雛「好きなタイプは鬼なの?」
みとり「否定はしない」
雛「珍しいわねぇ」
にとり「うーん」
男「どうしたんだ?」
にとり「この技術を組み込むとのびーるアームの性能が上がるはずなんだけどどう組み込めばいいかが検討つかないんだよ」
男「なら無理に組み込まないほうがいいんじゃないか? 不具合が出ても困るだろう?」
にとり「うーん。そうなんだけどロマンを追い求めたいよねぇ」
男「新しい発明に使えばいいんじゃないか?」
にとり「それがベストなんだろうけどね」
男「そのときは手伝おう」
にとり「男なにか作りたいものないの?」
男「あるんだが。まだ作れないんだ」
にとり「なんで?」
男「周囲に風を起こさなくする装置なんだが、実力不足で作ることが出来ない」
にとり「手伝うよ?」
男「ありがたい。が暇なときでいいぞ?」
にとり「文の親友ってことで職場から休暇出されたから暇なんだよねぇ」
男「そうか。助かる」
にとり「設計図は?」
男「兄が書いたのだが」つ設計図
にとり「………このにとりの目をもってしても理解できない」
男「安心した。俺もだ」
にとり「お兄ちゃんって凄いんだね………」
男「兄だけ半妖なんじゃないかと疑うぞ」
にとり「お、おぉう」
にとり「おはよ。今日で一週間だね」
男「あぁ」
みとり「多分、もうそろそろ判決が出る」
はたて「男ー!!」
にとり「噂をしたら来たね」
男「どうしたんだはたて」
はたて「文が、禁固刑100年」
男「え?」
はたて「男が確実に死ぬまでだって」
男「………………」
にとり「男………」
男「100年ってのは天狗にとっては長いのか?」
はたて「短いって事はないけど。長いってほどでもないよ。いや禁固刑100年はつらいけど」
男「そうか………」
男「俺が死ぬまでなんだよな」
はたて「一応はそうなってるけど」
男「なら」
みとり「駄目」
男「………」
みとり「絶対駄目」
男「しかし俺がここに来てしまったばっかりに文が」
みとり「家族が死ぬことは禁止する」
みとり「男と結婚するなら文も家族なら、文を取り返す」
男「みとり………」
にとり「え?」
はたて「みとり。正気?」
みとり「正気」
にとり「まじかぁ」シクシク
みとり「にとりも」
にとり「うん。やっぱりそうなると思ってたよ」
はたて「私は手伝わないわよ。天狗の一員だから逆らえないのよ」
みとり「直談判」フンス
にとり「うちのお姉ちゃんがこんなに好戦的なわけがない」
はたて「戦わないと。現実と」
にとり「バッドエンドまっしぐら………」
???「話は聞かせてもらったわ」クルクル
男「お前は………」
みとり「雛………」
雛「私も協力するわ」
男「ありがとう、雛!」
にとり「うわー。さらに参加しないといけない雰囲気になってきたよ」
はたて「私は帰るわ」
にとり「薄情者!!」
にとり「と言ってもさ、どうするの? 数とか圧倒的に向こうが上だよ?」
みとり「何とかなる」
にとり「そんな行き当たりばったりな」
???「話は聞かせてもらったよ」
にとり「誰だぁ!?」
萃香「あたしだ」シュゥウウ
男「なんだ萃香だったのか」
にとり「ひぃ!!」
萃香「霧になって話は聞かせてもらったよ」
男「結構自由に動いてるんだな」
萃香「まぁね」
みとり「これで大丈夫」
にとり「無理だよ!!」
みとり「何が?」
にとり「お姉ちゃんは禁止する能力、雛は神様だし萃香様は鬼」
みとり「うん」
にとり「私だけ雑魚じゃないか!!」
男「俺も無力なのだが」
にとり「ずっとオプティカルカモフラージュで隠れてるしかないよ!!」
萃香「ちっ」ガンッ!
にとり「ひぃい!!」
萃香「親友が捕まってるんだ。命とか気にしてる場合じゃないだろう?」
にとり「は、はい」ガクガク
みとり「よし、殴りこみ」
雛「開始ね」
にとり「あうあう」シクシク
にとり「あ、お姉ちゃん」
みとり「何?」
にとり「これ成功してももう山に住めなくなるよね?」
みとり「………大丈夫。地底いいとこ」
にとり「やだぁ………」
萃香「そうなったら向こうの知り合いに連絡取っておくから安心しな」
みとり「勇儀様に」
萃香「あぁ、そういえばみとりは知り合いだったね」
みとり「はい」
萃香「よし。もう心配する要素は無くなったね。行くよ」
???「ちょっと待ったwww」
男「幼馴染か!!」
幼馴染「幼馴染だよ、って先に言うなしwww」
男「幼馴染はここで待ってろ」
幼馴染「嫌だよww」
男「危ないんだぞ?」
幼馴染「分かってる、でも、私も………www」
男「幼馴染………」
幼馴染「妖怪をぶっ飛ばしたいwwwwwwwwww」
にとり「お、おう」
萃香「なかなか面白い人間だね」
雛「腕っ節は安心していいみたいよ」
幼馴染「変身!!」デデディディケイド シャキシャキーン
雛「あら変わったのね」
幼馴染「私の変身はあと108こあるwwww」
男「ねぇよ」
萃香「ところで、文はどこにいるんだい?」
にとり「あ、多分はたてぐらいしか知らないと思います」
萃香「そうか」シュゴゴゴ
はたて「うぇ!?」
萃香「文はどこにいる?」
はたて「ややや山の頂上です!」
萃香「そうかい」
はたて「あの私はもう行っても構わないでしょうか」
萃香「いいよ」
はたて「ありがとうございます!!」
萃香「よしじゃあ山の頂上まで行こうか」
皆「おー!!」
にとり「あの、文を能力で吸い寄せたほうが早いのでは」
萃香「それじゃあ根本的な解決にはならないだろう? 長を黙らさなければ天狗はいくらでもついてくるさ」
にとり「そうですか………」
萃香「さて、まず先に私の体のほうを取りに行かないと」
男「霧になってくればいいんじゃないか?」
萃香「霧が少ししか出せない結界が貼ってあるんだよ。だから直接私の力でぶち壊さないといけない」
萃香「ま、あの天狗も分かってくれるだろ。天狗にしちゃ融通は利くようだし」
男「融通利かせるの間違いだろ?」
萃香「はっはっは。なかなか言うね」
にとり「こえぇ。この会話こえぇ」
萃香「あたしはちょっと出て行くよ」
門番天狗「なぜですか?」
萃香「一発天魔ぶん殴ってくる。あと記者天狗を五体バッキバッキにしてくる」
門番天狗「はい?」
にとり(そりゃあそうなるよねぇ)
雛「文を助けるために殴りこみに行くの」
門番天狗「その殴りこみとはどういうことでしょう」
萃香「いいからだしな」
門番天狗「しかし」
萃香「あ?」
門番天狗「私にも仕事が」じっ
にとり(ごめんなさい)ふいっ
門番天狗「………私はここで萃香様にやられたという事で」
萃香「あぁ」
みとり「結界を禁止、する」
萃香「ん。やっぱり自分の体が一番だね。じゃ、行こうか」
幼馴染「おっしゃwww」
天狗1「!? 男がいた―――」
萃香「正拳突き」
天狗1「うぼあ」ピチューン
天狗2「うわぁあああ!! 萃香様だぁあああ」
幼馴染「ライダーキックwww」
天狗2「なんてこったー」ピチューン
萃香「なかなかやるじゃないか」
幼馴染「お主こそwww」
にとり(うわぁ。死屍累々)
天狗3「に、逃げろー!! 逃げて天魔様にご報告だぁー!!」
みとり「逃げるの禁止」
幼馴染「ちょいやwww」
天狗3「じょなさんっ!」ピチューン
天狗4「こ、こうなったら弱そうな奴を」
萃香「あ?」
男(あ、こいつ地雷踏んだな)
萃香「弱そうな奴からなんて卑怯な事しちゃだめだよねぇ」ゲシッゲシッ
天狗4「ありがとうございます!!」ピチューン
にとり「いくら速くても萃められたら意味がないね」
幼馴染「こりゃディナーまでには帰れるかなwww」
みとり「うん」
萃香「ここが天狗の本殿だよ」
男「案外早く着いたな」
にとり「そりゃあまあ」
幼馴染「ぶいっwww」
みとり「ふふ」にこっ
萃香「あんな雑魚じゃあ話にならないね」
にとり「それと、何もしてなかったように見えて実は」
雛「厄神様の通り道には誰も近づけないのよ」
にとり「だもんね」
萃香「さて、入るとしようか」バァーンッ
幼馴染「スタイリッシュお邪魔しますwww」ドカーンッ
みとり「妨げるのを禁止する」
雛「くるくるくるり」ギュィィィィィィインッ
にとり「誰も門を普通に開けて通らない件について」
男「皆凄いな」
にとりは助けを求める門番天狗の視線から目をそらしました
ザワザワ
シンニュウシャシンニュウシャ ケイカイセヨ
ゲイゲキセヨ イブキスイカヲカクニン ゼンセイリョクヲモッテゲキタイセヨ
ミトリモカクニン キヲツケヨ
ヤクガミヲカクニン ゲイゲキセヨ
ニトリヲカクニン ホウチデヨシ
萃香「さぁて、ここからは少し本気を出していかないといけないね」
幼馴染「100パーセント中の100パーセントだwww」
みとり「がんばる」ぐっ
雛「たまには厄を受ける立場を交代してもらいたいわぁ」ニタリ
にとり(怖い)
兵隊天狗1「萃香様、お覚悟!!」
萃香「遅いっ」バキッ
兵隊天狗2「なんか良く分からない奴、覚悟!!」
幼馴染「ぬえーんwww」ゲシッ
兵隊天狗3「厄神、覚悟!!」
厄神「厄ドリルブレイクッ!!」ギュィイィイイイン
兵隊天狗4「みとり。覚悟!!」
みとり「標識攻撃」ベキンッ
天狗天狗5「にとり!!」
にとり「ここここないでぇえええ」ババババババッ
男「………これが第三次世界大戦」
にとり「馬鹿なこと言ってないで助けてぇ!!」
男「倒してなかったのか」
にとり「私を他の人と一緒にしないでほしいよ!!」
萃香「それにしても数が減らないね」
幼馴染「空真っ黒www」
みとり「………よし」
男「?」
みとり「ここは私が食い止めるから、先に行って」
にとり「え!? お姉ちゃん!?」
雛「じゃあ私も手伝うわ」
みとり「ありがとう」
萃香「じゃあ頼んだよ」
にとり「大丈夫なの!? お姉ちゃん!?」
みとり「にとり。私、この戦いから帰ったら、お菓子食べに行くんだ」
にとり「お姉ちゃんんんんんんん!?」
にとり「なんでシリアスにならないのさ………」
男「このメンバーだとなりようが無いからじゃないか?」
萃香「さて、ここからはみとりと雛の補助がないからきつくなる、よっ」ゲシッ
幼馴染「ストラーイクwwww」
天狗兵士「隙ありっ」
幼馴染「いたっ!www」
萃香「そうらっ」ゴンッ
天狗兵士「うぐっ」ピチューン
男「大丈夫か!?」
幼馴染「スーツが無ければ即死だったwww」
男「大丈夫なのか?」
幼馴染「なんとかwww」
にとり「スーツすごいなぁ」
ドカーンッ
文「なんだか騒がしいですね」
天狗兵士「おい、お前も手伝え!!」
看守天狗「何があったんです?」
天狗兵士「例の人間が萃香様を連れて本殿に侵入してきた。しかもみとりと厄神のせいで援軍も呼べない状況だ!」
文(!?)
看守天狗「分かりました、急ぎましょう」タッタッタ
文「男、さん」
文「馬鹿ですよ、大馬鹿です、よ」ポロポロ
文「えへへ。恋人を泣かして、許さないんですからね」ポロポロ
???「そこまでだー!!」
萃香「誰だ?」
筋肉天狗「我が名は筋肉天狗。この鍛え抜かれた美しき肉体で兵士長をやっておる」ムキッ
男「ビキニパンツにワセリン………」
にとり「へ、変態だぁあああああ!!」
萃香「あたしに勝てると思ってるのかい?」
筋肉天狗「我は自分の筋肉を信じるのみ」ムキムキ
萃香「そうかい………」
幼馴染「ちょいまちwww 私がやるwww」
男「幼馴染危ないぞ」
幼馴染「見せ場欲しいもんwww」
男「すまん。すぐ戻る」
幼馴染「ゆっくりしていってねwww」
筋肉天狗「ここは通らせん!!」ムキィ!
幼馴染「せいやwww」ガガガガッ ガッ!!
筋肉天狗「ぐあっ!!」ドーンッ
萃香「さて、今のうちに行くよ」
筋肉天狗「くっ、筋肉が無ければ危なかった」
幼馴染「いや、鎧着ろよwww」
筋肉天狗「筋肉兵士よ!! 追え!! 追うのだ!!」ムキッ!!
筋肉兵士「マッスル! イエスマッスル!!」ムキッ!!
幼馴染「掛け声ひでぇwww」
筋肉天狗「さぁ、筋肉対決と行こうか!」
幼馴染「うるせえよwww」
筋肉天狗「さぁ。お前の筋肉に託す願い。我が筋肉で受け止めてやろうではないか!!」
幼馴染「そんな願いねぇよwww」
筋肉天狗「ははーん。分かったぞなぜ我と戦いたかったのか。恐れているのだな!? 嫉妬しているのだな!? 我が筋肉に。 見せ付けてやろう!! 我が筋肉の美しさを!!」サイドチェスト
幼馴染「………www」
筋肉天狗「あまりの美しさに声もでんか。サービスだ受け取れ」ダブルバイセップス
幼馴染「死ねや有害害虫!!wwwww」ガシッ
筋肉天狗「甘い!」ヌルッ
幼馴染「うぇ!? すべっ」
筋肉天狗「ふんぬっ」ドカーンッ
筋肉天狗「ワセリンを塗りたくった我が美しき肉体の前につかみ技は効かぬ」ヌルヌル
幼馴染「いててwww 反則だろwww」
筋肉天狗「ほう。今のを受けて立てるか。面白い」
幼馴染「悔しいがいいパンチだwww 認めたくねぇけどwww 認めるくらいならもう死にたいけどwww というか認めないけどwww」
筋肉兵士「待て!! 待つのだ!!」ヌルヌル
萃香「あれは殴りたくないねぇ」
にとり「うわぁあ!! スプラッシュ!! スプラッシュ!!」ブシャアアアア!!
筋肉兵士「うわぁ!! ワセリンが洗い流される!!」
筋肉兵士2「お、落ち着け!! ワセリンが洗い流されたところで我々の肉体は!!」
萃香「萃符『戸隠山投げ』 敵ver.」
天狗兵士「うわぁあ!! 来るなぁあああ!!」
筋肉兵士「我々の筋肉が仇となったかぁああああ!!」
萃香「にとり。水」
にとり「は、はい」
男「さて、文は一体どこだ?」
萃香「天魔に聞いた方が早いよ」
にとり「あの萃香様。天魔様の前では隠れてても」
萃香「駄目だね」
にとり「ですよねぇ」
男「天魔か。どんなのなんだ?」
萃香「ただの爺だよ。偉そうなね」
男「それだけ大妖怪ということか」
萃香「さて、もうそろそろ着くんじゃないか?」
左門番天狗「ここは通さん!」
右門番天狗「天魔様のところにはいかせんぞ!!」
萃香「萃符『戸隠山投げ』 敵ver.」ドーンッ
左右門番天狗「げふぅ!!」
男「また筋肉キャノン。いや筋肉バスターか」
にとり「いやな倒され方だね」
天魔「こ、これは何事だ」
萃香「ちょっと命令があるんだけどさ。天魔」
天魔「これはこれは萃香様。ご機嫌は」
萃香「そんな事はどうでもいいよ。文を解放しな」
天魔「しかし萃香様。こちらにも決まりごとがありまして」
萃香「決まりごとなんて知ったことじゃあない。これは命令だ。文を解放しろ」
天魔「………例外を許せば、組織は容易く崩壊します。その崩壊を防ぐためなら、この老骨喜んでささげましょう」スッ
萃香「反抗するんだね?」
天魔「失礼ながら」
萃香「面白い。さぁ天魔! 数百年前とどう違うのかを見せ付けな!!」
にとり「お、男逃げようよ!!」
男「しかし」
萃香「ここは危ないからさっさと文を探してきな。後は任せたよ。にとり」
にとり「は。はい!」
幼馴染「せいやっwww」バキッ
筋肉天狗「ふむ。いいパンチだ」
筋肉天狗「では次はこちらの番だ」バキンッ
幼馴染「っ! かはっ。けふっw」
幼馴染「いてぇwww けどノーダメージだwwww」
筋肉天狗「ほう、ではいくぞ」
幼馴染「こいやぁ!!wwww」
ビュンッ
幼馴染「ちょ、はやw」
筋肉天狗「忘れたのか。我は天狗だぞ?」
幼馴染「忘れてたw」
ドォーン!!
にとり「てれれれってれー オプティカルカモフラージュ~ だよ!」
男「もうさすがに危ないからな」
にとり「うん。こっそり行こうか」
男「結局天魔から聞いてないからしらみつぶしだな」
にとり「うん」
男「広いな」
にとり「広いねぇ」
男「………」
にとり「………」
男「ヒューイを連れて来ればよかったな」
にとり「だね」
文「男さ~ん 男さ~ん!!」ポロポロ
男「! こっちだ」ピキピキーン
にとり「え?」
男「涙の落ちる音が聞こえたのだ」
にとり「何者………」
男「とりあえずさっさと行くぞ」
にとり「う、うん」
文「男さ~ん」ポロポロ
男「呼んだか?」
文「男、さん?」
男「あぁ。迎えに来たぞ」
文「男さん!!」
男「文!!」
にとり(オプカモ解除しないほうがいいみたいだね)
男「ところでこの檻はどうすればいいのだ?」
文「看守さんはさっき出て行ったんで、鍵が」
にとり「はぁ」バサッ
文「に、にとり! いたんですか!?」
にとり「見させてもらったよ」
文「えへへ///」
男「で、何かいい案があるのか?」
にとり「案っていうかなんていうか」
にとり「もう爆発しちゃえと」
男「は?」
にとり「テレレレッテレー tnt~」
文「うわぁ。幻想郷らしくない解決の仕方ですね」
にとり「私はどっちかって言うと科学よりの妖怪だから。よいしょっと。檻から離れててね」
文「は、はい」
にとり「これでよしっと。ぽちっとな」
ドカーン!
男「げ、げほっげほっ」
にとり「大丈夫? 文」
文「大丈夫なんですけど。この妖力を吸収する首輪のせいで飛んだりは出来ません………」
にとり「まぁ、そこはお姉ちゃんに言えば何とかなるかなぁ」
文「そういえば萃香様がいると聞いたのですが」
にとり「あぁ。今天魔様のところにいるよ」
文「え?」
男「今戦ってるな」
文「あやや。予想以上に大変なことになってますね」
男「あぁ。びっくりした」
にとり「あれでこっそりのつもりなら目がガラス球で出来てるんだと思うよ」
文「とりあえず萃香様のところへ行きましょう」
男「そうするか」
にとり「オプカモしなきゃ」
男「だな」
文「はい」
にとり(というか、今あそこに行って大丈夫なのかなぁ)
天魔「届きませぬか。まだ貴方に届きませぬか………」ボロボロ
萃香「届くわけないじゃないか。あたしは鬼、お前は天狗なんだから」
天魔「そうですか………」
萃香「じゃああたしは鬼らしく文を攫って来ようかね」
天魔「………!?」
萃香「追いたければ追うといいよ。いくらでも相手はしてあげるよ」
天魔「ふふっ。貴方様にかなう天狗がいましょうか」
萃香「じゃあ、後は任せたよ。山ン本五郎左衛門」
天魔「この老骨の果てるまで頑張らせていただきます」
文「萃香様!!」
萃香「あぁ。くつろげたかい。文」
男「萃香。文の首輪を取ってくれないか?」
萃香「これか。よいしょっと」ブチッ
文「ありがとうございます」
萃香「じゃあ帰ろうか。他の奴らを拾ってね」
ドンッ!!
文「!?」
男「何の音だ?」
萃香「向こうからだね」
男「行って見るか」
数分前
幼馴染「やべぇw 冗談あんま笑えねw」
筋肉天狗「どうした。ずいぶんと遅いな」
幼馴染「ちきしょうw」
筋肉天狗「やはり我が筋肉にかなうものなしか」
幼馴染「………じゃあ本気だすわw」
筋肉天狗「いくら本気を出したところでこの天狗の知覚出来ないほどのスピードの世界に」
クロックアップ
幼馴染「さぁ、やってきたよwww 幼馴染さんがねwwwwwww」シュンッ
筋肉天狗「!?」
ドンッ!
筋肉天狗「かはっ!」
幼馴染「一気に決めるよwwww 9.8秒………それがお前の、絶望までのタイムだよwwwwww」シュンシュンシュンシュンシュン
筋肉天狗「――――――――っ! げふっ!!」
幼馴染「惜しいっwwwwww 10秒ジャストwwwwwwww」
筋肉天狗「なぜ、最初から、本気を、ださん」
幼馴染「だってピンチにならないと新しいフォームをだせないお約束だもんwwwwwww」
筋肉天狗「………そんな事で」ガクッ
幼馴染「よしwwww 勝利のポーズwwww きめっ!wwwwwww」
???「………………」
幼馴染「!?w」ゾクッ
幼馴染「誰?w あんた?ww」
???「キヒヒ、いいぞ、その感情」
幼馴染「は?w」
???「ククク。さぁ、醜く感情をさらけ出せ」キラッ
幼馴染「!?」
男「大丈夫か、幼馴染!!」
幼馴染「………」ボーッ
にとり「幼馴染?」
幼馴染「………」クルッ
ニタァ
にとり「ひっ!?」
男「幼馴染?」
幼馴染「男………」
萃香「気をつけな。様子がおかしい」
幼馴染「だいっきらい。死んじゃえ」
幼馴染「ケタケタケタ」シュン
萃香「危ないよっ」ガキンッ
男「幼馴染!!」
萃香「下がりな。危ないよ」
幼馴染「邪魔をしないでよ、ねっ!!」ゴッ
萃香「っ。鬼に一発食らわせるとは大したもんだね。だけど」
幼馴染「男!! 死ねぇえええええ!! 死んじゃえぇええええええ!!」シュンッ
男「!?」
文「男さんっ!!」ガシッ
幼馴染「離せ!!離せ!!」
文「凄い力です、ね。萃香様!!」
萃香「あぁ。そのまま抑えてな」
にとり「萃香様!? 幼馴染は人間ですよ!?」
萃香「それでも仕方ないじゃないか。命はとらないように加減するから」
幼馴染「!!」ブンッ
文「あやや!?」
萃香「ちっ。せっかくのチャンスが」ギロッ
にとり「ひっ」
萃香「まぁ。気づかなかったあたしが悪いけどさ。まさか来てるとは思わないよ」
男「崇徳天皇か」
萃香「………文。にとり。ここを任せる」
にとり「え!?」
文「………」
萃香「これ以上被害を増やさないようにしないといけないからね。あたしは崇徳を追う。一応霊夢との約束だし。それにあたし自身も気に入らないからね」
幼馴染「ケタケタケタ!!」シュンッ
萃香「話の、邪魔をするんじゃないよ!!」ガシッ ブオンッ
幼馴染「かはっ」ドンッ
萃香「後は任せたよ」
文「はいっ」
にとり「………はい」
萃香「コレが終わったら宴会だよ、付き合いな」タッタッタ
文「さて、がんばりますか」
にとり「う、うん」
男「幼馴染………」
幼馴染「話は、終わったぁ?」ユラリ
文「えぇ」
幼馴染「ねぇ、射命丸。だぁいすきだよ?」
文「!?」ゾクッ
幼馴染「だからさぁ。そこどいて」
にとり「え、えっと精神操作だよね!?」
男「かかったことあるから分かるが多分、プラスの感情がマイナスに、マイナスの感情がプラスになるんだと思う」
にとり「ってことは幼馴染は男が大好きってこと?」
男「まぁ、昔からの付き合いだしな」
文「私はずいぶん嫌われてるんですねぇ」
にとり「というかのんきに話してる場合じゃないよ!!」
幼馴染「そうだねぇ」シュンッ
文「すみませんっ!」シュンッ ズバッ
幼馴染「痛い、なぁ!!」ザシュッ
文「ぐっ」
男「文!! 大丈夫か!!」
文「えぇ、一応かすり傷です」
にとり「文! 塗り薬だよ!!」ポイッ
文「ありがとうございます」
幼馴染「だめぇ~」パリンッ
文「あぁ!!」
男「………どうすればいい、どうすれば」
にとり「のびーるアーム!!」ブンッ
幼馴染「遅い遅い!! こんなノロマな動きじゃぁハエがとまるよ!!」シュンッ
にとり「あぁ! 私じゃ駄目か!!」
幼馴染「もう、邪魔だなぁ」シュン グイッ
にとり「え、あっ」
幼馴染「向こう行ってて」ブオンッ
文「にとり!! ぐっ」ガシッ
にとり「助かったよ文。ありがとう!」
幼馴染「男………」シュッ
男「うおっ!!」バッ
にとり「男が危ない!!」
幼馴染「………避けないでよねっ」ザシュ
男「………………かはっ」ブシュッ
文「男さん!? 男さんっ!!」
幼馴染「ちょっとずれちゃったなぁ」
文「うわぁああああああ!!」シュン ガキンッ
幼馴染「………何?」
文「どいてください!! 男さんが、男さんが!!」ズバズバズバズバッ
幼馴染「くっ 痛いよ!!」ガッ
文「どいてください!!」ズバンッ!!
にとり「文!!」
幼馴染「邪魔ぁ!!」ゴッ
文「男さんっ」ズババッ
幼馴染「離れて、よっ」ゴッ ゴッ ゴッ
にとり「男、大丈夫!? よいしょっ!」ぐっ
幼馴染「あっ。男を持っていかないで」
文「ここは通さない!!」
幼馴染「どいて!!」
文「いやです!!」
にとり「えっと、えっとこうしてこうして。止血できた!! でも駄目だ!! 血が足りないよ!!」
幼馴染「ケタケタ やったやった」ゴッゴッ
文「くっ、あぁっ」ダラダラ
にとり「文!!」
文「あはは、私の血を、あげれれば良いんですけどね」ダラダラ
幼馴染「どうしたの? 天狗のくせに飛ばないの?」ゴッゴッ
文「飛んだら男さん狙うじゃないですか………」ダラダラ
幼馴染「うん」ゴッ!!
文「っ!」
文「………羽毛が生えて以来こんなに遅く飛んだことはないのですが。まぁ、そもそもこんな状態じゃ飛べませんね………。飛ぶならゆっくり男さんと飛びたかったですね」フラッ
にとり「あやっ!!」
文「にとり、逃げて、ください」バタッ
幼馴染「逃がさないよぉ?」
みとり「禁止は私の特権」
にとり「お姉ちゃん!!」
みとり「移動を禁止する」
幼馴染「!?」キンッ
雛「なんだか厄いことになってるけど」
みとり「雛」
雛「えぇ。彼女の厄を吸い取ればいいのよね」シュゴゴゴ
幼馴染「あっ」
パタンッ
にとり「た、倒した?」
雛「厄は吸い取った、けど。なかなか強烈な厄ね」
にとり「そういえば男が!!」
みとり「分かってる。男が死ぬのは禁止」
文「みとり、さん」
みとり「大丈夫。男は死なせない」
文「ありがとう、ございます」
みとり「うぅ」
雛「大丈夫?」
みとり「ちょっと疲れるけどがんばる」
にとり「えっと、じゃあ私は文を運ぶよ」
みとり「任せた」
雛「じゃあ私は幼馴染を運ぶわ」
みとり「うん。じゃあ帰ろうか。後は萃香様に任せて」
雛「というか萃香以外対処できないのよねぇ」
にとり「よいしょっと。大丈夫? 文」
文「………………」
にとり「文?」
男「………ここ、は」
鈴仙「あ、目が覚めたんですね」
男「………永遠亭か?」
鈴仙「はい。そうですよ。あ、あんまり動かないでくださいね。傷が完治したわけではないので」
男「皆は無事か!?」バッ
ズキッ
男「ぐっ」
鈴仙「あはは。だから言ったじゃないですか」
男「文は!? 幼馴染は!? にとりは!?」
鈴仙「大丈夫ですよ。ちゃんと生きてます。ほら」
文「すぅ、すぅ」
幼馴染「むにゃむにゃwwww もう食べれないぜwwwww」
男「良かった、良かった」
鈴仙「では師匠に伝えてきますね」
男「頼んだ」
鈴仙「くれぐれも安静でお願いしますね」
男「分かっている」
男「………………」スタッ
スタンディングバーイ コンプリート ヘンシンッッ
鈴仙「ちゃんと安静にしてますかー?」
ヒュー
鈴仙「………………」
鈴仙「男さーん!!」
男「萃香」
萃香「!? 男かい?」
男「あぁ」
萃香「またなんでそんな格好」
男「ちょっと用事があるのだ。ところで奴はどうなったのだ?」
萃香「残念ながら逃がしたよ。あとは霊夢達が何とかするだろうね」
男「そうか」
萃香「で、あては?」
男「頼む」
萃香「はぁ………。千里眼みたいに便利な能力でもないんだよ?」
男「どこがだ」
萃香「はいはいっと、数分ぐらいで分かるよ」
男「そうか」
萃香「なんでまたこんなところに」
男「どうした」
萃香「天魔の館だよ」
男「表彰でもされてるのではないか?」
萃香「いや、いるのは檻だよ」
男「あぁ。それもそうか」
萃香「どういうこと?」
男「自分がきっかけであそこまでに被害を出したんだ。無事でいられるわけないだろう?」
萃香「思わぬところで裁かれてたけどどうするんだい?」
男「行くさ。個人的なお礼参りだから裁かれていようと裁かれてなかろうと関係ない」
萃香「そうかい。それならこれ以上は手伝わないよ」
男「構わん」
スタッ
男「警備が少ないな。動ける奴が少ないのか?」
男「まぁいい。好都合だ」
記者天狗「なぜ俺がこんな目に。まったく忌々しい射命丸だ」
男(………見張りはいないのか、鍵も壁にかけっぱなしだし)
記者天狗「ちくしょう。なぜ鬼も厄神も奴に味方をする。きっと裏で何かを」
男「それは文がまっすぐで良い天狗でお前がひねくれてて駄目な天狗だからだろう」
記者天狗「!? 誰だ?」
男「と聞かれて名乗る奴はいないだろうな」
記者天狗「な、なんのようだ」
カチャリ
男「出ろ」
記者天狗「出してくれるのか?」
男「あぁ」
記者天狗「ありがたい。これで射命丸に復讐を。いや今は逃げるのが先か」
男「まぁ、待て」ガシッ
記者天狗「あぁ。礼か。今は何も無いがいつか」
男「用があるのだ」
記者天狗「なんだ。俺が知ってることなら」
男「そんな事はどうでもいい」
記者天狗「じゃあなんだ? 俺が出来ることなら」
男「単純だ。二度とペンが握れぬようになればそれでいい」グシャッ
記者天狗「―――っ!! お、俺の手が!! う、うわぁああああ」
男「待て、まだ右手が残ってるだろう」グシャリッ
記者天狗「ぐぁあああああぁああああ!?」
男「………そうか口を使えば他人に書かせることが出来るな。それに羽があれば飛べて情報を収集できるし、目があれば事件を見れる。全部潰しておくか」
記者天狗「や、やめてくれ」
男「………………」
男「戻った」
鈴仙「あ! 男さんどこに行ってたんですか!! 私が怒られたんですから大人しくしててください」
男「それはなんというか。すまなかった」
鈴仙「最近師匠以外にも怒る人が増えたので勝手な行動は慎んでください。貴方と私の体のために」
男「分かった」
鈴仙「さ、早く戻ってください」
文「男さーん!!」ダキッ
男「うおっ!?」
文「どこ行ってたんですか!? 心配したんですよ!?」
男「ちょっと野暮用だ」
幼馴染「野暮用(意味深)www」
男「おいやめろ」
男「うぐっ。体中が痛い」
永琳「運び込まれたときにはそんなに体に負担がかかってなかったのだけれど、一体何をしたの?」
男「掃除を」
永琳「体に響くからやめてちょうだい」
男「あぁ」
永琳「とりあえず塗り薬を渡しておくから鈴仙にマッサージついでに塗って貰って頂戴」
男「分かった。感謝する」
鈴仙「行きますよー」モミモミ
男「うっ、ぐっ。がぁっ!!」
鈴仙「我慢してくださいねー」モミモミ
文「がんばってください男さん」
幼馴染「嫉妬しないの?www」
文「え、何にですか?」
幼馴染「畜生www まぶしいwww」
鈴仙「はーい、あと半分ですよー」
男「一思いに殺してくれ」
鈴仙「ここ、その真逆のことをする場所ですからね?」モミッ
男「あーっ!!」
男「ふぅ。良い湯だ」
萃香「まったくね」
男「おい。ここ男湯なのだが」
萃香「あー大丈夫大丈夫。今半分霧にしてるから」
男「あぁ、だからこんなに湯気が多い、ではなく男湯なのだが」
萃香「まぁまぁ。一杯どうだい?」
男「いただく。ではなく男湯なのだが」
萃香「あぁ、男湯だね」
男「………………」
萃香「ぷはぁ」
男「なぜ出て行かん!!」
萃香「風呂ではあまり騒ぐもんじゃないよ?」
男「………………もういいか。いいのか?」
萃香「いいのさ」
永琳「もうほぼ完治ね」
文「本当ですか?」
永琳「医者が嘘ついてどうするのよ」
文「男さんはどうなのですか?」
永琳「あと数週間。幼馴染さんは数日って所ね。回復力が人並み外れてるわ」
文「さすがですね。そうですか男さんはもう少し時間がかかるのですか」
永琳「薬を大量に使えば治るのは早くなるでしょうけどそれは私のやり方に反するし副作用も怖いのよねぇ」
文「副作用があるのならやめましょう」
永琳「そうするわ」
文「退院おめでとうございます」
幼馴染「ありっすwww」
文「あの幼馴染さん」
幼馴染「なん?wwww」
文「天狗は重婚okなんですよ」
幼馴染「え!? いいい、いきなり何!? どうしたの!?」
文「え? 幼馴染さんって男さんのことが好きなんですよね?」
幼馴染「そそそそんなことないですから!! 普通ですから!! 凄くlikeなだけですから!!」
文「でも感情が逆になるから死ぬほど嫌いってすっごく大好きって事ですよね」
幼馴染「うぇ、あ、あう///」
文「幼馴染さんも男さんに告白しましょう!」
幼馴染「うわーん!! 射命丸のバカー!!」タタタタタッ
文「あっ。えっと何が悪かったのでしょうか。もしかして本当に嫌いだとかですかね」
男「………病室に一人になってから暇だな」
鈴仙「だからと言って脱走とかしないでくださいね」
男「分かってるから見張らなくていいのだが」
鈴仙「といいながら脱走するから駄目です」
男「前科一犯で駄目なのか」
鈴仙「駄目です」
男「発明は」
鈴仙「駄目です」
男「………暇に殺される」
萃香「みとり」
みとり「何ですか?」
萃香「地底で暮らしてみないか? 妖怪の山では暮らし辛いだろう?」
みとり「でも、にとりたちが」
にとり「お姉ちゃん。私は構わないよ?」
みとり「いたの?」
にとり「普通に椅子に座ってるんだけど。もしかしておねえちゃん怒ってる?」
みとり「? 違うよ」
にとり「ならいいけど。それで私は発明が出来ればそれでいいしね。それに家族だし………」
みとり「ありがとう」
萃香「なら地底にあたしの店があるからそこに住むといいよ。商売もできるだろう?」
みとり「いいんですか?」
萃香「構わないよ。それにあっちだと頼れる人が多いだろう?」
みとり「ありがとうございます」
萃香「礼なんかいいって。それじゃあ他の奴らにも伝えてくるかね」
文「私は構いませんよ。もうここでは新聞書けませんからね。それなら地底の新聞記者になるのもまた一興でしょう」
萃香「男は?」
男「俺は構わないが」
萃香「そうかい」
幼馴染「おいwww 私は無視かwww」
萃香「男がいくなら行くんだろう?」
幼馴染「オフコースwww」
萃香「だろうと思って聞かなかったんだよ」
幼馴染「良く分かってるじゃないかwwwwwww」
萃香「そうかい」イラッ
永琳「もう傷は大丈夫みたいね。これなら退院していいわよ。あ、でもあまり無理はしないことと、何回かうちに来て頂戴。経過を見るから」
男「何から何までありがたい」
永琳「それが医者よ」
鈴仙「それじゃあお大事に」
男「世話になった。鈴仙」
鈴仙「またのご来院をー、ってこれいいんですかね」
永琳「健康診断で来ることも大事だからいいのよ」
鈴仙「ですか」
萃香「ここから地底だよ」
パル「多人数で、妬ましいっ」
萃香「これは出来るだけ無視の方向でいくよ」
男「あ、あぁ」
萃香「そういえば店なんだけど、たまに旅館のほうから注文が来たりするから」
みとり「分かりました」
文「私運びますよ」
萃香「重いよ?」
幼馴染「じゃあ私の出番かwww」
萃香「妖怪より力持ちの人間って何なんだろうね」
幼馴染「私だwww」
萃香「あぁ、あんただね」
萃香「ついたよ」
男「ここか」
にとり「結構大きいね」
萃香「居酒屋だからね」
文「ありがとうございます。萃香様」
萃香「構わないよ。それじゃ」
男「行くのか?」
萃香「まだ終わってないからね。終わったときの宴会は任せたよ」
文「はい!!」
にとり「はいっ」
みとり「はい」
男「任せろ」
幼馴染「幼馴染にお任せwww」
萃香「ん、じゃあまたね」
にとり「2番テーブルのお客様がから揚げと枝豆だよ」
男「了解した」
文「配達行ってきます」
みとり「カクテルできた」
にとり「ありがと。お姉ちゃん」
幼馴染「ちょwww 重wwwww」
男「休みながらでいいんだぞ?」
幼馴染「だが休まんwww」
男「そうか、気をつけろよ?」
幼馴染「当たり前だぜwww」
男「はぁ。やっと客が少なくなってきた。しかし幼馴染がヒューイを連れに行ってるから人数不足が否めない」
みとり「大丈夫。だから休憩」
男「了解だ」
文「男さん」
男「なんだ?」
ギャー ヤクジンダー!! ヤベェヨ!!
文「これからはずっと一緒ですね」
シッケイナ ワタシハタダノヤクジンジャナイワ イウナレバエンガチョマスター!!
男「そうだな」
イミワカンネェヨー
文「ふつつかものですが。これからもよろしくお願いしますね」
男「あぁ。幸せにしてみせる」
文「もう幸せですよ」
文「皆さんと一緒ですから」
終わり
遅筆過ぎてすみません。
この後は永→映姫→地→オリジナル たまに紅魔館番外編でいきます
よろしければ今後ともよろしくお願いします
このSSまとめへのコメント
今更だがとても良かった。
次回作もがんばってくれ
面白かった!
この人のSSはいいな
読む作品の順番間違えたぜ・・
文ちゃんかわえぇぇぇ!
なんだ
ただの神か
最高すぎる
幼馴染みwwなにもんだよww
幼馴染みww強過ぎるだろww
これ記者天狗が悪い部分はそれほどないよなぁ・・・
元々自分の発明品が招いたことなのによく記者天狗にあんな事できたなー男
まぁ、文ちゃんかわいいからしょうがないか!