魔王「もうじき勇者がやって来る」大魔王&邪神「頑張れ!」 (29)

今日中に全部投下できると思います。
20レス位想定してます。
気を抜いてお読み下さい。

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~魔王城~

魔王「もうじき勇者がやって来る…!」

魔王(奴は我が忠臣、四天王を倒した実力者…)

魔王(その仲間もレベルカンスト済みの一流の者達らしいな)

魔王(人間界支配の弊害であり、我が盟友でもあった四天王の仇…)

魔王「勇者よ、貴様は我が手で葬ってくれる!ここは貴様の墓場となるだろう!」

大魔王「おいおい魔王君、ここに墓場を作ったらパパ困るよ~」

邪神「そうよね~。勇者とあれば参拝者も沢山いるだろうし、ママも気を使っちゃうわ」

魔王「…出てくんなよ」

大魔王「ハッハッハ、最愛の息子の晴れ舞台だもんな、ママ」

邪神「そうそう。魔王も大きくなったのねぇ」ウルウル

大魔王「ママ、戦いはまだ始まっちゃいないぞ」

邪神「そうね…勇者が来てからが勝負よね。台詞を噛まないようにするのよ、魔王!」グッ

魔王「台詞とか言うな!」

大魔王「いいや、勇者VS魔王とかもう長い歴史の中で大体お決まりのパターンができちゃったしねぇ。ほらこれなんかパパのおじいちゃんから代々受け継がれているハウツー本」

邪神「パパ、今時の子は漫画で学ぶのよ。そういう台詞の出てくる漫画を小さい時から読ませておいたから、きっとアドリブでも大丈夫よ」

大魔王「おぉ、流石魔王君!パパも頭が下がる魔王っぷりだねぇ」

邪神「覚えてる、パパが現役の頃の話?一夜漬けで台詞を覚えたのに、台詞の途中で勇者が予想外の質問をしてきた時のこと」

大魔王「ははは、あの時はテンパったねぇ」

魔王「…ちょっと待て、勇者と戦っただと!?」

大魔王「あ、君に話していなかったか。パパがまだ現役魔王だった頃、今の勇者のパパと戦ったんだよ!」

魔王「どうして両者生きてるんだよ!?」

大魔王「いや、パパは負けて一旦死んだんだがね」

魔王「!?」

~~~~~~~
大魔王「はっ、ここは地獄!?」

邪神「よくぞ来た、邪悪なる魂よ…」

大魔王「貴方はもしかして…邪神様!?」

邪神「そなたの魂は地獄の洗礼を受け、再び魔界にその命を…」

大魔王「美しい!」

邪神「…え?」

大魔王「絵画や邪神像の何倍もお美しい!貴方の側にいられるなら、私は一生地獄にいましょう!」
~~~~~~~

大魔王「ママに一目惚れしてから、毎日のようにママを口説いたわけさ、はっはっは」

邪神「それでママ、邪神の力を使ってパパを復活させちゃったの…惚れた弱みってやつね」ポッ

魔王(聞くんじゃなかった)

大魔王「魔王君!今から来る勇者はパパを殺した勇者の、息子だ!絶対にパパの仇を討ってくれよ!」

魔王「生きてるからいいじゃねーか…」

邪神「あなたは歴代で唯一、邪神である私の血を受け継いだ魔王…負けてはいけないわ」

魔王「母さ…いえ邪神様。俺は必ずや、光の女神の加護を受けた勇者を討ってみせます」

大魔王「光の女神かぁ、彼女もなかなかの美人さ…」

邪神「パ~パ~?^^」

大魔王「いっけね☆勿論ママが1番さ!」

邪神「私もパパが1番よぉ」

魔王「いちゃついてんじゃねーよ緊張感が無くなる」

邪神「…!この気配は」

魔王「勇者が来たのか!?」

邪神「えぇ、光の女神の力を感じるわ…魔王、負けるんじゃないわよ」

魔王「あぁ…!」

大魔王「じゃ、魔王君が負けた時の為にパパは裏でスタンバイしてるね~」

魔王「あんたの出番はない!」

邪神「ふふ、ママ特別に魔王の進化第12形態まで用意しといたからね♪」

魔王「多いわ!やめろよ人の体勝手に進化させるの!」

邪神「魔王の晴れ舞台に、つい張り切って作りすぎちゃったの~」

魔王「弁当のオカズと同じ扱いか俺の進化形態は!!」

大魔王「じゃ、頑張るんだよ魔王~」

邪神「見守ってるわね~」

魔王「…ったく」

魔王(いい親なんだが、少しは子離れしてくれよ)

キキィ…

魔王(扉が開いた!)

魔王(貫禄を出して…と、勇者が近づいてくるまで黙っていなければ)ゴゴゴ

シーン

魔王(…?誰も入ってこないな)

?「ほら魔王だぞ!入れって!」

?「や、やだよ~」

?「大丈夫!勇者ならやれる!ファイト!」

魔王(…ん?)

?「突入~!」

屈強な戦士(40)♂「魔王よ!我らは来たぞ!」

大魔道士(34)♀「人々の平和を脅かす悪の根源よ!」

見習い僧侶(14)♀「我らの正義の鉄槌を受けよ~」

魔王「…勇者は?」

屈強な戦士「ほら、勇者!お前が来なきゃどうしようもないだろう!」グイッ

勇者(16)「嫌だよ~怖いよ~」ブルブル

見習い僧侶「兄貴ー、頑張れー」

大魔道士「お父さんとお母さんもついてるわ!貴方なら大丈夫!」

魔王「…」

魔王(良かった…うちだけじゃないんだ過保護なの)ホッ

大魔王「あーっ、先代勇者!」

魔王「わっ、出てくるなって!」

屈強な戦士「あ、先代魔王か!お前やはり生きていたのか!」

大魔道士「あら久しぶり。しばらく見ないうちにアンタも老けたわねぇ~」

大魔王「あー、あの時の勇者一行の魔道士か!大人の女になったなぁ、パーティーで1番小さかったのに」

大魔道士「あの頃は私も13歳だったからね~。旅が終わってからすぐ父さんに口説かれたのよ」

魔王「へ、へー…」

屈強な戦士「お、俺は大魔道士の頑張っている姿に惚れたんだ!決して幼女趣味ではない!」

大魔王「言い訳しなくていい!俺なんて自分より1000年近く年上の女性に惚れたんだからな!」

邪神「パパァ、歳がばれちゃうじゃないのよ!」

魔王「母さんまで出てくんな!」

勇者「うわああぁぁ、魔王だけかと思ったら強そうな人達一杯いるぅ」ブルブル

屈強な戦士「勇者ぁ、大丈夫だ怖がるなよー、お前は勇者なんだ負けるわけがない!」

見習い僧侶「いやぁ、もう緊張感もクソもありませんな」

魔王「本当だよ…」

魔王「コホン…勇者よ、よくぞ来た!我が野望の弊害となる者よ、この俺の手で直々に葬っ」

勇者「許してくださあああぁぁい」ブルブル

魔王「あ?」

勇者「いいです、世界が闇に染まってもいいです!だから殺さないで下さい、お願いします!」

魔王(…俺の想定していた掛け合いじゃない)

屈強な戦士「こら!何てこと言うんだお前は!」

勇者「もう戦いたくないよ゛お゛ぉぉぉ、殺されるのや゛だよ゛お゛おぉぉぉ」涙鼻水グチャグチャ

大魔道士「泣くんじゃありません、男の子でしょ!」

見習い僧侶「情けねー。こんなのが兄だなんてマジ黒歴史なんすけどー」

魔王(どうすりゃいいんだよ)

大魔王「はっはっは、子育て方法を間違えたな先代勇者よ!」

邪神「ほほほ、光の女神は見る目が無かったのねぇ」

屈強な戦士「くっ…!ほら見なさい、父さん笑われたじゃないか!」

勇者「僕は初めからやだって言ったじゃないかあぁぁ。僕は遊び人になりたかったのに゛いぃ」

魔王「あ、こいつが1番のクズだった」

見習い僧侶「真っ当な親がそれを了承するわけねーだろボケ」

邪神「魔王、あんなんでも光の女神の加護を受けた勇者よ。やれるわね?ねっ?」

魔王「あぁ…魔王の大魔法を喰らうがいい」バリバリバリ…

見習い僧侶「!あれは…」

魔王「喰らえ!黒き雷!」

大魔道士「何のっ!」ゴゴォッ

バリバリバリィッ

魔王「チィッ!相殺されたか!」

屈強な戦士「魔王!お命頂戴!」バッ

魔王「何のっ!」

カキーン

屈強な戦士「やるな…!」

魔王「お前こそ」フッ

大魔王「魔王くーん、その笑顔こっちにもちょうだーい!」

邪神「素敵よ魔王ー!」

魔王「運動会じゃないんだぞ!」


大魔王「もう我慢ならん!」バッ

魔王「え!?」

大魔王「先代勇者、我を一度殺した者よ!今度はこちらから挑ませてもらおう、大魔王の名にかけて!!」

大魔王「…なーんてな、パパかっこいいだろぉ」ドヤァ

魔王「二言目で台無しだよ」

屈強な戦士「フッ…やはり現役を退いても、魔王の魂までは朽ちず、か…いいだろう、乗ってやる」

大魔道士「一度死んだ身で再挑戦しようという心意気は認めてやろうじゃないの!やっぱり邪神を滅ぼさない限り、この戦いは終わらないようね!」

邪神「ふふ…この私を滅ぼそうですって?いいでしょう、戯言に付き合ってあげるわ!」

ドガッカキーンドゴゴゴゴバーンバーン

魔王「…」

勇者「えううぅぅ、帰りたいよおおぉぉ」

見習い僧侶「これ以上醜態を晒すなら死ね!」

魔王(残った奴がショボい…)

魔王(しかしこれはチャンスというやつか…)

魔王「勇者ぁ!」

勇者「」ビクッ

魔王「楽園へ送ってやる!喰らえ”地獄の業火”!!」ゴオオォォ

勇者「うわああああぁぁぁぁ!?」ダーッシュ

魔王「その炎は標的を焼き尽くすまで消えんぞ!」

見習い僧侶「走れ走れええええぇぇぇ!!」

ゴオオォォォ

勇者「もう駄目だーっ」

>その時、勇者の剣は光った!

魔王「む!?」

シュウゥ…

>剣の光は炎を吸収した!

魔王「この光…光の女神か!?」

光の女神「呼んだ?」

魔王「普通に出てくんな」

見習い僧侶「女神おねーちゃん、おひさ~」

光の女神「おひさ、僧侶ちゃーん。くぉら勇者!アンタもビシッとせんかビシッと!」バチーン

勇者「ぎゃあぁ、光の女神!?」

光の女神「全くアンタは昔から泣き虫の弱虫の水虫で!アンタを加護してる私はいい笑い者よ、もうっ!しっかりしなさいよね!」

勇者「光の女神、僕はやっぱり、君の加護を受けられる程の男じゃない…」

光の女神「バカッ!バカバカバカッ!それじゃあアンタを信じている私は何なの!?これじゃあ私、本当にバカみたいじゃない!勇者は、やればできるんだよ…」ジワァ

勇者「光の女神…」

勇者「僕、頑張ってみるよ…光の女神が誇れるような男になる!」

勇者「さぁ魔王、改めて勝負し」

魔王「おう」ゴオオォォォ

>勇者は倒れた!

光の女神「きゃあああぁぁ、勇者あああぁぁ」

見習い僧侶「お前に慈悲はないのか」

魔王「ねーよ」

見習い僧侶「そうか」

見習い僧侶「おいクズ兄貴起きろ。回復魔王」ポワーン

勇者「…」

見習い僧侶「死んだフリしてんじゃねーよ。あと回復料金、あとでよこせよ」

魔王「…やる気失せる程のクズだ」

見習い僧侶「正に身内の恥!」

魔王「俺は、魔王の宿敵である勇者と戦って死ぬなら、それも決着の形と受け入れていた!」

魔王「俺はこんな奴の為に、修行を続けてきたのかああぁぁ!!」

~~~~~~~~~
魔王「ゼェゼェハァハァ」

大魔王「魔王君が死んでしまうよ~」オロオロ

邪神「魔王、経験値あげるからもうやめなさい」

魔王「ありがたみが無ぇ!!」
~~~~~~~~~

魔王(思い出が生温かった)ガックリ

勇者「えーい隙ありー」シュッ

魔王「隙はない!」バキィッ

勇者「ぐああぁっ」

見習い僧侶「汚名挽回だな兄貴!」

見習い僧侶「うちの兄貴はご覧の通りのクズだ…フォローのしようもねぇ。こんな兄持った私は不幸な妹だよ」

勇者「ひ、ひでぇ」シクシク


ワイワイ

魔王「え?」


大魔王「いやー、うちの息子は堅物でねー、伴侶を見つけられるか心配だよぉ」ハハハ

屈強な戦士「いい息子さんじゃないか!うちのは将来ヒモ確定だよ!」

邪神「光の女神の主夫ならそれなりにいい身分じゃないの~」

大魔道士「女神ちゃんはいい子だから、あの子とくっついてくれたら安心だわぁ」


魔王「おい!何意気投合している!」

大魔王「いやぁ共通の話題があると盛り上がっちゃってねぇ」

邪神「話してみるとなかなかいい人達じゃないの」

魔王「勇者の親がいい人でなかったら問題だろ。つか悪い人でいろよあんたら!」

大魔道士「ところでさっき、僧侶からフラグの立った音が聞こえたんだけど?」

屈強な戦士「それは本当かああぁ!父さんは許さんぞ僧侶おおぉぉ!!」

見習い僧侶「うっせ」

光の女神「勇者、起きてよおぉぉぉ」

勇者「もうここでしぬー」ゴロゴロ

>>17 大魔道士の台詞間違えました
>>16で見習い僧侶が魔王に思わせぶりな台詞言ったのですが削除したのを忘れていた為矛盾しましたorz

すみません、直しますorz

見習い僧侶「うちの兄貴はご覧の通りのクズだ…フォローのしようもねぇ。こんな兄持った私は不幸な妹だよ」

勇者「ひ、ひでぇ」シクシク


ワイワイ

魔王「え?」


大魔王「いやー、うちの息子は堅物でねー、伴侶を見つけられるか心配だよぉ」ハハハ

屈強な戦士「いい息子さんじゃないか!うちのは将来ヒモ確定だよ!」

邪神「光の女神の主夫ならそれなりにいい身分じゃないの~」

大魔道士「女神ちゃんはいい子だから、あの子とくっついてくれたら安心だわぁ」


魔王「おい!何意気投合している!」

大魔王「いやぁ共通の話題があると盛り上がっちゃってねぇ」

邪神「話してみるとなかなかいい人達じゃないの」

魔王「勇者の親がいい人でなかったら問題だろ。つか悪い人でいろよあんたら!」

大魔道士「ところで僧侶、あんた最近仲の良い男の子いるんだって?」

屈強な戦士「初耳だぞおおぉぉぉ、父さんは許さんぞ僧侶おおぉぉ!!」

見習い僧侶「うっせ」

光の女神「勇者、起きてよおぉぉぉ」

勇者「もうここでしぬー」ゴロゴロ

魔王「うるせええええぇぇぇ!!」

シーン

魔王「ホームパーティーしに集まったんじゃねぇんだよ!これは勇者と魔王の最終決戦なんだよ!もう外野は黙っとれ!!」

外野一同「はい」

魔王「わかったならいい。なら改めて…」

魔王「勇者よ!死ねえええぇぇぇ!!」

勇者「うわあああぁぁぁ!?」


カキイイィィン


魔王「む!?」


老戦士「危うかったな…勇者よ!!」

魔王「誰!?」

勇者「あ、じいちゃん」

屈強な戦士「生きていたのか…父さん!」

魔王(ええええぇぇぇ)

魔王「外野は黙っていろと言ったろうが!」

老戦士「黙れ若造!可愛い孫を見殺しにする爺がいると思うか!」

ガキイイィィン

魔王(くっ、こいつ強っ…!)

老戦士「果てるのは、貴様の方だったようだな?」ニッ

魔王「!!!」

老戦士「喰らええええぇ!!」

ガコオオォォォン

魔王「…!?」

大魔神「危なかったな…魔王よ!!」

魔王「誰だよ!」

大魔王「パパ!」

魔王「俺のじいちゃん!?」

邪神「大魔神…貴方確か、先代勇者の更に先代の勇者に封印されたのでは…」

大魔神「我が宿敵が姿を現したとあらば…封印など、突き破るわ!!」

老戦士「死に損ないめが…いいだろう、50年の時を経て、今!!決着をつけてやろう!!」

ズゴオオォォォンドガアアアァァン

魔王「」

大魔王「おぉ凄いなぁ、桁違いだ」

邪神「伝説の戦いの決着がつくわよ!これは見ないと損ね!」

屈強な戦士「頑張れ父さん!」

大魔道士「これぞレベルカンストを更に超越した戦い…」

見習い僧侶「じじー、後で小遣いくれー」

魔王「」



>盛り上がる一同の中、1人冷めた魔王は思った。
>「何だよこれ、完全に俺引き立て役じゃねーか」と。

>この戦いの行方がどうあれ、彼のテンションは2度と上がらないであろう。

>そう、もう2度と。




fin

お付き合いありがとうございました。

いつもはメモ帳に溜めて投下するスタイルなのですが、今回は勢いに任せてやってみました。
もう2度としません。

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