ジン「!」
ジン「お、ジンじゃねーか!」
ジン「……ジン=フリークスか」
ジン「こんなとこで何してんだ?」
ジン「お前に話す必要はない」
ジン「つれねーな、同じジン同士じゃねーかよ!」
ジン「つっても、オメーの“ジン”は酒から取ったコードネームだけどな!」
ジン「たしかオメーの本名は──」
ジン「…………」ギロッ
ジン「オイオイ、悪かったよ。そう睨むなって」
ジン「コードネーム、でふと思ったんだけどよ……」
ジン「オメー、いつもそんな黒いコート着てて暑くねーのか? 夏とか」
ジン「フン……お前に心配される筋合いはない」
ジン「心配してるわけじゃねーけど、ホントつれねーな」
ジン「お前こそ、そのみすぼらしい格好は少しはどうにかしたらどうだ?」
ジン「うっせーよ!」
ジン「……茶番はもういいだろう」
ジン「!」
ジン「ジン=フリークス……」
ジン「お前とはそう長い付き合いでもないが、分かっていることがある」
ジン「お前がなにか行動を起こす時は、必ずなにかしらの意味がある」
ジン「偶然を装っていたが、俺になにか用があってここに来たんだろう?」
ジン「へっ、かなわねーな……」
ジン「悪いが、俺もお前の遊びに長々付き合うほどヒマじゃない」
ジン「用件があるなら、とっとと済ませてもらおうか」
ジン「んじゃ、単刀直入にいうぜ」
ジン「オレと一緒に行かねーか? 暗黒大陸」
ジン「…………!」
ジン「オメーも組織の情報網とやらで、オレの方のゴタゴタを知ってんだろ?」
ジン「オレの周りも、どいつもこいつも一筋縄じゃいかねー連中ばかりでよ」
ジン「で、頭のキレるオメーがいれば百人力だと思ったんだ」
ジン「……フン」
ジン「興味がない」
ジン「それに……お前はそうやすやすと他人に助けを求めるタマじゃないだろう」
ジン「障害が大きければ大きいほど、ほくそ笑むってタイプだ」
ジン「おおかた、俺たちの組織も暗黒大陸の騒動に加わるかそうじゃないか」
ジン「俺の反応から探ろうとしたってところか」
ジン「やっぱバレてたか。さすがだよ、オメーは」
ジン「ま、今までの反応でオメーの組織が絡むことはないってのは分かったがな」
ジン「フン」
ジン「俺が暗黒大陸の騒動に参加することはない」
ジン「俺もあの方の勅命を受け、少々慌ただしいんでな……」
ジン「あの方……アイツか」
ジン「アイツに伝えといてくれよ」
ジン「いつまでも下らねー夢見てんじゃねーよってな」
ジン「伝えるわけがないだろう」
ジン「ま、オレがオメーらの組織の動きを知りたかったってのは本音だが」
ジン「オメーが加わりゃ、もっと面白くなるって思ったのも本音だぜ」
ジン「頭のキレだけじゃなくオメーの頭の構造は、ある意味オレらよりハンター向きだ」
ジン「殺った奴のことはすぐ忘れ、次の仕事に取りかかれるってのは」
ジン「余計なもんに目をくれることなく、ハントをやれるってことだからな」
ジン「敵にすりゃこの上なく厄介な反面、味方になりゃこれほど頼もしい奴もいねえ」
ジン「下らんな……」
ジン「俺はお前たちハンターが持つ“念能力”とやらを持たない」
ジン「お前たちの舞台で、俺が出る幕などない」
ジン「偽るなよ」
ジン「もう会得してんだろ?」
ジン「オメーに“念”についてほのめかしたのは他ならぬオレだが」
ジン「得体の知れない力を知って、そのままにしておくわけがねーもんな」
ジン「狡猾なオメーがよ」
ジン「…………」ギロッ
ジン「だから睨むなって」
ジン&ジン「…………」
ズドドドドドッ!
パシュッ! パシュッ! パシュッ!
ジン&ジン「…………」
ジン「仮に今、闘り合ってたら──」
ジン「オレは何発か拳ぶち込んだが、オメーから何発か撃たれたってとこか……」
ジン「やっぱやるなオメー」ニッ…
ジン「……フン」
ジン「んじゃ、用件は済んだし、オレは行くぜ」
ジン「オメーは頭も強さも超一流だが、ここぞってとこでヘマするとこがあっから」
ジン「せいぜい気をつけろよ」スタスタ…
ジン「余計なお世話だ」
ジン「…………」
ジン「遅いぞ、ウォッカ」
ウォッカ「すいやせん、アニキ。ちと面倒なことになりやして……」ザッ…
ウォッカ「あの……今、向こうに歩いてった野郎はいったい……?」
ジン「昔の知り合いだ、気にするな。ところで、何があった?」
ウォッカ「へい、実は例の件で、あの社長から金を払いたくないって連絡が……」
ジン「……愚かな奴だ。我々に逆らうつもりか」
ジン「予定変更だ、今から奴を始末する……いくぞ、ウォッカ!」
ウォッカ「へい!」
END
短いですが完結です
ジンとウォッカしか出ません
ジン二人は対等にしてみました
あと風使いさんは魔界にお帰り下さい
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