ウォッカ「唐揚げ食いたいなぁー」ジン「……」 (59)

ジン「おい、ウォッカ」

ウォッカ「へい!なんですかい、兄貴」

ジン「飯の支度だ、お前も手伝え」

ウォッカ「へい!兄貴!」

ジン「今日の献立は」

ウォッカ(ゴクリ)

ジン「唐揚げだ」

ウォッカ(やった!ちょうど食いたかったんだよな)

ジン「もたもたするんじゃねえ、まずはこの鶏もも肉だ」

ウォッカ「やっぱり鶏もも肉ですぜ、唐揚げは」

ジン「むね肉もいいが、ジューシーさでは敵わねぇからな」

ジン「これを一口大……よりすこしでかめに切る」ザシュ

ウォッカ(兄貴の唐揚げうめぇんだよな。しかも大振りだからくいごたえがあるんだ)

ジン「ボウルにぶつ切りにした鶏もも肉をいれたら」

ジン「にんにくは薄切り。生姜は千切りにして同じボウルに入れろ」

ウォッカ「こないだジャスコで買ったチューブのはダメなんですかい?」

ジン「構わない。切るのが面倒だったり急いでいるのなら使うのも手だなだが、せっかく新鮮なものがあるなら使わない理由もないだろう」

ウォッカ(生姜は皮を軽く削ってから千切り、と)

ジン「唐揚げはにんにくの臭いが気になるという奴もいるが、個人的にはここでこのての薬味を入れないと旨さに差がでる」

ウォッカ「唐揚げくらい好きに食いたいですからね」

ジン「にんにくの臭いをぷんぷんさせて取り引きなんざ笑えないが、休みの前の日なんかは気にせず食ってもらいたいもんだ」

ジン「さあ、味付けだ」

ジン「さっきのボウルに濃口醤油、酒を一対一の割合で入れろ」

ウォッカ「酒はなんでもいいんですかい?ウォッカとかでも」

ジン「……」

ウォッカ「す、すいやせん」

ジン「調理酒だ。へたに他の酒をつかうな、根拠のない工夫は失敗を招く」

ジン「酒なら飯のあとに付き合ってやるから今は我慢しろ」

ジン「これを揉み混むように混ぜる。できたらこの状態で寝かせろ」

ウォッカ「すぐには食えないんですかい?」

ジン「鶏肉に味が染み込むまで待て。でないと、取り返しがつかないことになる。時間にして最短でも30分。できれば一時間は欲しい」

ウォッカ「ここで我慢すればうまい唐揚げは目の前ですね、兄貴」

ジン「ああ、ちなみに急いでいるなら常温に出しておけ。冷蔵庫では染み込みかたがゆっくり、常温では早く染み込む。ただし夏場は気を付けろ」

ジン「ウォッカ、米を磨いでからジャーのスイッチいれておけ」

ウォッカ「へい!」

ジン「ちなみに分量のめあすだが。鶏肉に醤油と酒を混ぜたときにヒタヒタになるくらいがベストだ」

ジン「そして、この間にサラダとスープを作る。メインの唐揚げがカロリー高めだ。こいつはヘルシー路線でいく。ウォッカ、サラダはなにがいい」

ウォッカ「ポテトサラダですぜ!」

ジン(ポテトサラダか。ウォッカもあいつらも白米大好きだからな、炭水化物が被るのは避けたいがまあいい)

ジン「こいつの作り方は簡単だからぱっぱといくぞ。ジャガイモの皮を向いてラップにくるんでレンジにぽん。

ジン「その間にキューリをスライス。ウォッカ、ジャスコで買ったコーンの缶詰めをあけて水分を軽く切っておけ。」

ジン「チンしたジャガイモを潰したらさっきの野菜と塩コショウ、マヨネーズとお酢だ」

ウォッカ「お酢、ですかい?」

ウォッカ「そんなもんいれたら、酸っぱくて食えないんじゃないんですかい?ポテトといえばマヨネーズですよ」

ジン「ウォッカ、マヨネーズはどんな味がする」

ウォッカ「そりゃあ、ほんのり酸味のある……そうか!」

ジン「ああ、ボテサラにはマヨネーズだ。だがマヨネーズだけで味を着けるとどうにもくどい。それにカロリーも気になる」

ウォッカ「太って黒服きれないとかまずいですからね」

ジン「まずは塩コショウマヨネーズで薄めに味付け。少しずつ、味を見ながらお酢だ。いいか、ドばっといれるな。スプーンで少しずつだ」

ジン「次はスープだが、昨日ベルモットが作った根菜のスープが残ってたからそいつにする」

ウォッカ「姐さんのスープうまいですからね」

ジン「あいつは油断ならない奴だが、スープ作りの腕は一流だからな。とにかく、野菜はこれでとれたが」

ジン「さて、唐揚げの衣を作るか、ウォッカ」

ジン「衣に使うのは薄力粉と片栗粉だ。これを一対一の割合でボールに入れろ」

ウォッカ「へい!ですが兄貴。薄力粉だけとか片栗粉だけとかじゃダメなんですかい?」

ジン「いろいろ試したがカラッと揚げるならこの組み合わせだ。だが独り暮らしだと片栗粉なんかなかなか使わない。そんなときは無理するな。からあげの粉なんて便利なものもある」

ウォッカ「なるほど、カラッと揚げるのは唐揚げのうまさを高める重要な要素ですからね」

ジン「つけておいた鶏肉の余分な水分をクッキングシートで吸ったら、さっきの粉に入れてまんべんなく粉をつけろ」

ジン「油は準備できているな?」

ウォッカ「もちろんですぜ!」

ジン「まずは低温の油でじっくりと揚げて一度取り出しておく」

ジュージューシュワシュワシュワー

ウォッカ「に、にんにくの香りと香ばしい香りがキッチンに広がりますぜ!」コリャタマラン

ジン「あ、ウォッカ。換気扇回してくれ」

ブォーン

ジン「一度目で肉に火を遠し唐揚げの形を作るただし、火を入れすぎないように。そして一度取り出し、油の温度を高めにしてから」

ジュッ!ジューシュワシュワシュワー

ジン「今度は高温でカラッと揚げる!」コザラニトリワケー

ウォッカ「こ、こいつはたまりませんぜ!色合い、香り、音と旨さが伝わってきますぜ!」

スッ

ジン「ウォッカ、揚げたてだ。食ってみろ」

パチッ!ピチッ!ジュージュー

ウォッカ「いいんですかい?」

ジン「味見だ、さっさとかぶりつけ」

カブリッ!

ジュッジュワー

ウォッカ(な、なんだ!?この肉汁は!)

ウォッカ(ジューシーなもも肉にサクッサクの衣!口のなかを火傷しそうなほどのあつあつの肉汁)

ウォッカ(にんにくと生姜が効いてて、もうたまらねえ!こいつぁ、いますぐに白飯をかっこみたい!いや、ここは……)

プシュッ!

ジン「ウォッカ、ほら。ビールだ」

ウォッカ(兄貴!わかってる!)

モグモグ!グビグビグビッ……プハァー!

ウォッカ「……」

ジン「どうした」

ウォッカ「……俺、兄貴の部下で良かったです。本当に」

ジン「フッ、それで唐揚げはどうだったんだ?」

ウォッカ「そりゃもう!めちゃくちゃにうまかったですぜ!」

ジン「そうか」ニヤッ

ジン「おーい!お前らー!晩飯にするぞー!」

ジン「ウォッカ、冷蔵庫に俺がつけたキムチが切ってあるから出してくれ。その右の皿も頼む」

ウォッカ「こりゃ、なんですかい?」

ジン「レモンだ。ベルモットが唐揚げにはレモン派だからな。」

ウォッカ(細かいところに気が利く兄貴だなあ)

ガヤガヤ……オナカスイター

ジン「おい、キャンティ。飯だぞ、スマホいじるのはやめろ」

ジン「おいバーボン、つまみ食いはやめろ。ほら、はし使えはしを」

ジン「おい、コルン、もくもくも食い始めるな!あの方を待て、みんな揃ってからだろ」

ウォッカ「ははっ、みんな揃っての飯はいいもんですね」

ジン「ああ、さて。みんなそろった。冷めないうちに食うぞ」イタダキマース

ブシュッ

ジン「!?」

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