久「須賀くん、オカルトを身につけるのよ!」 (87)


※京太郎要素あり、恋愛要素なし



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和「ツモ、2000 4000です」

優希「これでまた犬のトビだじぇ!」

京太郎「ぐわああああああ!」

咲「うーん、以前よりは上手くなってると思うんだけど」

和「その割に以前とあまり変わりませんね。というより、酷くなってるような……」

まこ「京太郎の能力向上よりおんしらの成長が上回ってるからのう」

京太郎「まだ強くなってんのかよお前ら!」

優希「ふふん、成長期だからな!ちなみに私はあと三回の変身を残している……」

咲「優希ちゃんは何になるつもりなの」

優希「のどちゃんのおっぱいもあと三回の変身を残している……」

和「優希っ!」


~帰り道~

久「うーん……」

まこ「久、どうした?」

久「いえ、須賀くんをどうしたら強くできるかなーと思って」

まこ「そがあこというても、経験を積む以外にないじゃろう」

久「そうなんだけどねぇ~……」


優希「犬も咲ちゃんの嶺上開花やのどちゃんの発情みたいに必殺技があればよかったのにな!相手は死ぬ!」

咲「必殺技ってわけでもないんだけど……」

和「優希、変な言い方しないでください」



久「……!!」ピコーン

~次の日~



久「須賀くん、オカルトを身につけるのよ!」



京太郎「はい?」

まこ「まあた、変なことを……」

久「須賀くんは以前より力をつけたわ。でも、以前より部内での成績は落ちている」

京太郎「う……」

まこ「ただでさえ差があるんに、京太郎の成長を咲たちの成長が上回っとるからのう」

久「このままでは咲たちに追い付くには十年かかるわ!」

京太郎「そもそも追いつける気がしないんですが」

久「で"すが"? 須賀だけに?」

まこ「あんたはたまにアホじゃな」

まこ「しかし否定しにくいのがあれじゃな」

久「そこでオカルトよ! オカルトによっては、十年の経験値すらひっくり返すことが可能!」


まこ「いや、そもそもオカルトなんてそう身につくもんでもないじゃろう」

京太郎「そうですよ、一体どうやって……」



久「聞くのよ」






「「……は?」」



久「教えてもらいなさい。コツでもなんでも、とりあえず打ち方について聞いてみる!」



久「それにオカルトについて聞けなくても、なにか為になるかもしれないじゃない?」





京太郎「……ということなんだが」

咲「ええと、呼び出された理由は分かったけど……」


咲「教えるって言っても、何を教えればいいんだろう……」

京太郎「うーん。そうだな……咲はほら、よく嶺上開花を上がるだろ?あれのコツとか……」

咲「あれは牌が見えないと無理じゃないかな……京ちゃんって普通に打っててもネット麻雀みたいに全然見えないんでしょ?」

京太郎「ぐっ……見えない方がおかしいみたいに言いやがって」

京太郎「そもそも咲はどうして見えるようになったんだよ」

咲「考えたことないなあ、家族麻雀の時にはもう見えてたし」

京太郎「いつもどんな風に見えてるんだ?」

咲「なんというか、ふぁあっと」

京太郎「ふぁあ?」

咲「それでガッときた時にスーッと嶺上牌も分かるから、」

京太郎「ガッ?スー?」

咲「グッてカンするとゴッてなる感じで──」


優希「なるほど、どうしたら私みたいに打てるかってことだな!」

京太郎「できれば説明は言葉の範囲内で頼む……」

優希「言葉以外に何かあるのか?」

優希「まあ、とにかくはじめるじぇ!まずはタコスを用意しろ!」

京太郎「……もう嫌な予感しかしないんだが、さっき作ったのでもいいのか?」

優希「十分だじぇ!犬の作ったタコスはタコス神も満足するレベルになってるからな!」

優希「私のように打ちたくばまずタコス教に入るしかない。そのタコスをこの神棚に置いて……」



京太郎「……え」

優希「いあ!いあ!たこす!」

京太郎「ちょ……」

優希「たこす!くふあやく!ぶるぐとむ!ぶぐとらぐるん!ぶるぐとむ──」







優希「──よし、これで後はキサマの生き血を……」

優希「……おろ?犬が消えたじぇ」



和「オカルトなんてものはあり得ませんが、打ち方を聞くのが勉強になるのは確かです」

和「私が気をつけているのは牌効率ですがこの時重要なのは……須賀くん、どうしたんですか」

京太郎「ぐすっ。いや、あまりにも和がまともで……」

和「とりあえず麻雀ソフトをしながら教えます。これはなかなか高度なAIが入っていて、効率を学ぶ入門としては最適です」

京太郎「おう!」

和「まずこの配牌だと、風牌が浮いてますが……」

京太郎「おぅっ……!?」

和「……ただしこちらでは期待値が……」



京太郎(……和は気づいてないが)

京太郎(俺の後ろからPCを覗きこむようにして寄りかかってきているおかげで──)







京太郎(──胸が……ッ、当たってる……ッ!!)


京太郎(ヤバイこの感触はヤバイなんだこのやわらかさ同じ人間か女の子ってこんなにやわらかいのかいや咲を背負った時はこんなのなかったいやあれは中学の時だしでも中学生と高校生だからってこんなに違うわけがしかもすげえいい匂いするし呼吸音がヤバイ和の髪が首筋に当たるしなんでこんなに吐息が甘ったるいんだよヤバイ俺は死ぬかももう一人の俺が覚醒しそうっておい俺和はまじめに教えようとしてくれてんのになんでこんなことでもこれはまじでヤバイ一生こうしてたいいやマジで失礼じゃないか恩を仇で返すようなでも死ぬいや俺今なら死んでもいいエトペンになりたいエトペンになりたかった京太郎って何言ってんだ和が俺は和が和は──)


和「……だからここで先に二筒を……どうしました?」

京太郎「……すまん和、ちょっとだけ席外して良いか?」

和「はい。あ、もしここまでで分からないところがあったら言ってください」

京太郎「おう」スタスタスタ ガチャ


バタン




京太郎「うおおおおおおおおおおおおおおお!!」ガンガンガンガン

和「!?」ビクッ




ギィィ……



京太郎「……悪い、続きをおねがいします」

和「……あの、頭から血が……」




まこ「……で、頭に包帯巻いとるわけか」

京太郎「はい……」

まこ「まあ自制できるだけマシじゃろうて」

まこ「しかしワシの打ち方は牌譜研究と経験が絶対じゃ、時間がかかり過ぎて今回の趣旨には合わないじゃろ」

京太郎「どちらも俺には全く足りてないものですね」

久「あら、あれ教えればいいじゃない」

京太郎「あれ?」







久「ほらあの、時間を吹き飛ばす……」





京太郎「なんすかその超能力。和じゃありませんが流石にそんなオカルトはありえ」

まこ「あれは生まれついてのもんじゃからのう……もしかしたら矢で得られるかもしれんが、どんな能力が発現するかはわからんし……」

京太郎「ないでしy──」

久「悪魔の手のひらはちょっと遠いか、壁の目は行けなくもないけど」




京太郎「──あれ、俺がおかしいのか?」





久「そして私の番か」

京太郎「先に言うのもなんですが俺が悪待ちしても上がれる気はしないんですが」

まこ「潜在能力高くても現状それ以外が最低じゃからのう、悪待ちで運とセンスが最低なのは致命的じゃ」

久「安心してちょうだい、そもそも大会なんかではその方が上がれそうな気がするってだけで私だってよく分かってないし。私が教えるのはこれ!」



ビッ




──バシンッ!!







久「私と同じツモり方ができるようにしてあげる!」

京太郎「……いや、牌が可哀想とか言われる打ち方はしたくないんすけど」

まこ「京太郎、教わってやりんしゃい」

京太郎「染谷先輩」

まこ「そのツモり方はワシの入る前の1年間、久が一人ぼっちだった間にがんばって練習して身につけたんじゃ」

まこ「そして身につけた後は後輩が入ってきたら同じツモり方ができるように教えるのがひとつの夢だったらしい」

久「まこっ、それは言わない約束でしょうっ!!」

まこ「久、顔が真っ赤じゃぞ」

京太郎「……それなら、染谷先輩に教えればよかったんじゃ」

まこ「ワシが断ったらさっき言ったことを語りはじめてのう。涙目じゃったしよほど教えたいんじゃろ」

久「まこっ」

京太郎「……そこまで分かってたのに教わらなかったんですか?」

まこ「交換条件にうちの雀荘で1週間バイトすることになったんじゃが、メイド服が恥ずかしゅうて1日で止めてのう」

久「まこ……いままでの諸々は謝るからもう許して……」

京太郎(部長のこんな顔初めて見た)








純「……で、今度はうちに来たわけか」

京太郎「こういうのは数が大事なのよ、と八つ当たり気味に言われました。でもよく引き受けてくれましたね、手の内を明かすようなもんなのに」

一「手の内を明かす、なんて今更だよ。牌譜やビデオを見れば分かることだしそれ以前に清澄とは散々打ってるし」

純「そもそも手の内を知られたら戦えなくなる、なんてのは実力がねえ証拠だしな」

智紀「知られたら困ることは教えないから大丈夫……」

一「それに知らない相手でもないしね」

純「ハギヨシに料理とか教わりに何度か来てるからな。まあ何よりも……」





透華「教えを請う先にウチを選んだのは慧眼であると褒めて差し上げますわ!」





智紀「透華がこうだから……」

京太郎「俺としてはありがたいですけど」




純「とりあえずオレが教えるのは流れと気配についてだな、流れってのがピンとこなければ気運の向きでも確率の偏りでも呼び名はなんでも良い」

京太郎「おっす!」

純「流れを感じとるにも気配を読むにも感覚の練磨と経験が必要だ。だが普段からいくつかのことに気をつけておけば必要な経験値は早く集まり精度も上がる」

京太郎「うっす!」

純「……さっきからなんだ、その体育会系みたいなノリは」

京太郎「いえ、純さんってなんというか兄貴って感じで失礼があってはいけないかと」

純「オレは女だ!」



一「そしてボク達だけど、ボクの打ち方は特別教えられるような所もないんだよね」

智紀「デジタルは原村和に教わってるならそれで十分……」

一「ともきーは相手に合わせた打ち方でちょっと違うんじゃない?」

智紀「あれは特定個人向けなだけで今回のこととはまた違うから……」

京太郎「ええと、じゃあ……」

智紀「……お茶、飲む?」

一「息抜きってことで」


京太郎「じゃあ俺入れてきます」

一「お客さんなんだから座っててよ、ボク達もせっかくこんな格好してるんだから」

智紀「今日は学校じゃないからメイド……」

京太郎「じゃあ、お言葉に甘えて。しかし、いつも思ってましたけど二人共似合いますね」

智紀「ありがとう……」

一「ちょっと恥ずかしいんだけどね」

京太郎「一さんは普段着の方こそ恥ずかしがるべきだと思いますけどね……」

智紀「それには同意……でもああいうのって男の子は嬉しいんじゃないの?」

京太郎「いや、小さい子が男湯に来てるのと同じようなもんですし。智紀さんとかならともかく……」

一「本人がどちらもいる前で言うことではないよね」




衣「きたか、清澄の凡夫」

ハギヨシ「よくおいでくださいました」

京太郎「おじゃましてます、衣さん、萩原さん」

衣「凡百の輩でありながら奮励努力を怠らぬその心根は見事、衣も随宜所説の心得でそれに応えよう」

京太郎「ええと……よろしくお願いします?」


※(随宜所説:相手に合わせて教えるよ!)

衣「きょーたろーは急所弱所の塊だ。雲外蒼天なれど並みの道程では叶うまい」

衣「牌を察知する力、相手の打牌の強さの予覚。それが衣の打ち方の真髄であり支配はそれの波紋なのだ」

衣「きょーたろーにはそれを実感してもらう」

京太郎「……つまり?」

衣「ハギヨシ!」

ハギヨシ「準備はこちらに」

京太郎「ここは……離れに、雀卓?」

衣「今から秋月が満ちるまで。その間を打ち続け"ちから"というものを感覚に得てもらう」




衣「さあ、花晨月夕といこうではないか」




※(雲外蒼天:困難の先には良い事あるよ!)
 (花晨月夕:秋の夜って楽しいよね!)




透華「そしてトリは私!私がトリですわ!」

京太郎「」

透華「……この須賀京太郎は生きてますの?」

一「衣と数時間打ちっぱなしだったからね」

透華「……衣が楽しめるような打ち手でしたかしら?」

衣「いや、相も変わらず劣弱なる打ち手だった」

智紀「トリはトリでもこっちはヤキトリ……」

衣「しかし、鎧袖一触で終わりかと思えばその度に立ち上がる。それを繰り返していただけだったが不思議と退屈はしなかった。疾風勁草なる精神に興味が湧いたのかもしれない」

純「で、ぶっ続けかよ……よく耐えられたな。案外それが須賀のオカルトなんじゃないか?」







京太郎「……いえ……ただ単に咲たちと打ち慣れてるからだと思います……」



一「あ、生き返った」


※(鎧袖一触:有象無象の下等生物たちが……衣に勝てる訳無いんだからっ!!)
  (疾風勁草:雑草魂というものは踏み潰して初めて目にすることができるのだ)


透華「ともかく、私に教えを乞うことのできるこのような晴れの場にて意識をおろそかにするなど言語道断!」

透華「以後は全神経を集中していただきますよう!」

京太郎「はい、申し訳ありませんでしたっ!!」

純「なんかあいつ使用人みたいになってねえか?」

一「ハギヨシさんに料理ついでで執事の作法教わってる時、透華が相手すること多いからじゃないかな」

純「……いつの間にか龍門渕家の執事になってても驚かないな」

一「でも透華、何教えるのさ。やっぱり原村和と同じデジタルについて?」

透華「同じものを教えてどうするの一、それでは目立てませんわ!」

智紀「じゃあやっぱり……」

透華「いかにして目立つか!人生目立ってなんぼ、目立ってなんぼですわー!!」

京太郎「いや、目立つ前にしっかり打てないと駄目なのでは」



透華「何を言っていますの、目立つということは注目されること。注目されるということは一挙一動が見られているということ」

透華「見られているという意識は強い打牌へと繋がり、プレッシャーを友とすることで強靭な精神を手に入れる事ができる」

透華「つまり目立つことがすなわち強くなるための道、王道!」

京太郎「な、なるほど!」





純「あいつ、馬鹿なのか?」

衣「きょーたろーは温和な面はあるが怜悧とは無縁だな」

一「執事モードに入ってるからそれもあるんじゃないかなー」


※(温和怜悧:まさにキャプテンのことだし!)

透華「まずあなたは見た目が地味ですわ。それでは仮に久々の登場でコマの端にいたとしても目立たない!」

京太郎「岩手のあの人に似ているとか変な方向には話題になってましたけどね」

一「金髪と白髪は漫画だとわからないから特にね」

智紀「あの絵だと姉弟とか姉妹と言われても納得……」

純「ある野郎はふざけて宮守の制服でコラったらあまりの違和感の無さに爆笑してたな」

透華「脱線しない!とにかく、あなたのその"描写されるまでそこに存在するのか存在しないのかが不確定"な存在感をどうにかしないことには、目立つこともままならないですわ」

透華「まずは麻雀で目立つ前に見た目から変えてみましょう。ハギヨシ!!」

ハギヨシ「は。こちらに」

透華「さあ、おいでなさい。生まれ変わらせて差し上げますわ!」










純代「今日来るのって清澄の男子部員なんですよね」

美穂子「ええ、なんでも強くなるために話を聞いて回ってるとか」

華菜「コーチには話を通してあるから安心するし!」

星夏「先輩たちは会ってるんですよね、どんな人なんですか?」

未春「普通にいい人だったよ、見た目はあまり麻雀やりそうにない感じだけど」

華菜「コーチと同じ金髪だしな!」

未春「そういう意味じゃなくて……あ、車の音」

星夏「あの車ですかね。あの真っ黒な──リム、ジン?」


純代「……出てきたのは金髪をオールバックに固めて……」

未春「サングラスをかけた長身で額に傷のある黒スーツの男性……」

華菜「ヤクザだし!」










美穂子「あら、須賀くん来たのね」

純代「えっ!?……ああ……えっ!?」

星夏「……た、確かに麻雀部って感じはしませんね」

未春「私も驚いてるよ……」





未春「なるほど、龍門渕で」

京太郎「お騒がせしてすみません」

純代「……その傷は……」

京太郎「これについては聞かないで下さい……」

華菜「キャプテンはよくわかりましたね」

美穂子「私、顔を覚えるの得意だから」

星夏「そういう問題では無かった気もしますけど」

未春「存在感という意味では試みは成功だったね」

京太郎「すみません……」


華菜「とりあえず気を取り直して本題に戻るし」

未春「でも、清澄や龍門渕の人たちに学んでいるなら私に教えられることはないかなぁ」

星夏「ウチは基本的に堅めのデジタルが主流ですから。原村さんや龍門渕さんに教えてもらったなら基本はそれと同じですし」

京太郎「深い部分じゃなくても、ここに気をつけてるといったさり気ないことで十分なんですけど」

華菜「文堂もみはるんもそんなんじゃ今後後輩指導も満足にできないぞ。まずは華菜ちゃんが見本を見せるし!」

純代「見本?」

華菜「そう、見本だし! すーみんもよく見とくといいし」




華菜「さて須賀、麻雀は運の競技だ。常勝とはなかなかいかない」

華菜「それでも、限りなく常勝に近づくことはできる。運だけの競技ではないからだ」

京太郎「その、常勝に近づくことができる、というのは?」

華菜「ずうずうしく、諦めないことだし! どんな悪い状況でも、それをひっくり返せる可能性というのは絶対にある」

華菜「その可能性を常に探して、可能性のイメージをいかに実現させるかを考え続ければ自然と常勝に近づくのだよ]

華菜「潔く諦める、なんてことをせずにずうずうしく常に勝つイメージを持ち続けること!」

華菜「聞いた感じ須賀は打たれ慣れているが勝つイメージを持っていない、まずは勝つイメージを模索するところから始めると良いし」

京太郎「なるほど……」



華菜「どうだし!」

純代「おお……」

京太郎「教わっている身で言うのもなんですが今までで一番"先輩"って感じがしました」

星夏「池田先輩は後輩指導も手慣れてますから」

未春「華菜ちゃんは面倒見いいからね。妹さんがいるからかな?」

華菜「もっと褒めると良いし!」


美穂子「じゃあ華菜が頑張ってくれたし、私も頑張らないとね!」

京太郎「よろしくお願いします!」

華菜「……なんか私の時と態度が違わないか、あいつ」

未春「相手がキャプテンじゃ仕方ないよ……」




美穂子「私の場合オカルトというか能力というか……この目に依るところが大きいのだけど」

京太郎「綺麗っすね、オッドアイって言うんでしたっけ」

美穂子「ふふ、ありがとう。昔はそんなこと言ってくれる人も居なかったのだけど」

華菜「凄く綺麗ですよ、キャプテン!」

京太郎「え……意外ですね」

未春「(オッドアイのことを色々言われて、イジメられていたこともあったみたいで……)」

京太郎「(男からは主に中学二年くらいの頃だと憧れの的だったと思うんですけど……)」



京太郎(女子は嫉妬……か? 男子は福路さん相手ならいくらでも褒め言葉が出そうなもんだが)チラ

美穂子「?」



京太郎(……ああそうか、この人綺麗すぎるんだ。男では近寄りがたくて軽口で褒め言葉とか言えないタイプだ……)

美穂子「この右目が青いのは色素が薄いからなのだけど、私の場合光に弱いだけじゃなくて入り込む視覚情報も多いみたいなの」

美穂子「入ってくる情報量が多い上に光量の刺激もあって、右目を開いている間は脳の働きも活発になる」

美穂子「人よりも多い視覚情報と上がった思考精度で、場から手牌や相手の思惑を読むのが私の打ち方……だそうなの」

京太郎「だから普段は右目を閉じてるんですね」

美穂子「いつもそうだと疲れちゃうから」



京太郎(邪気眼的なものだと思っててすみません……)

純代(……両目開いてるときならPCも使えるのかな……)





京太郎「……ん? だそうなのってなんか人事みたいでしたけど」

美穂子「コーチが私の打ち方見て教えてくれたの。なんとなくでは感じてたことだけど、私そういうことを考えるの苦手だから」

華菜「コーチもたまには役に立つし」


貴子「池田ァ!」

華菜「ひいいッ!」


未春「どこからかコーチの叫び声が」

京太郎「いったいどこから……というかどうやって」

美穂子「コーチは華菜に目をかけてるから」

星夏「そういう問題ではない気がしますけど」






京太郎「おみやげにクッキーまでもらってしまった……お菓子まで作れるとかどこまで完璧なんだ」

照「……」

京太郎「さて、次は最後の……」

照「……」

京太郎「……」

照「……」

京太郎「……何してるんですか照さん」

照「その手に持ってるもの、美味しそうだね」

~カフェ~

照「良かったの?奢ってもらって」

京太郎「今更でなんですけど個人戦三連覇のお祝いってことで」

照「団体戦は持って行かれちゃったけどね」

京太郎「しかし、咲から聞いてわざわざ来てくれたんですか」

照「ちょうどこっち戻ってきてて、暇だったから。中学時代から咲が世話になってたみたいだし、その御礼」

京太郎「俺も色々手伝ってもらったりしてましたけどね」

照「ふふっ、その辺の話はまたゆっくり聞かせて欲しいかな」





京太郎「でも、どうしますか。卓のある場所に……」

照「いや、とりあえず基本だけでもここで」モグモグ

京太郎「……ゆっくり食いたいんですか?」

照「そんなことないけど」モグモグ




照「とりあえず、私と同じ能力を身につけよう」

京太郎「え、そんなあっさり身につくものなんですか」

照「多分平気。まずは見本を見せるから、後から続いてね」







照「まず、腕を回します」ギャルルルル

京太郎「すみません、先約に急がなければいけないのを思い出したのでもう行ってもいいですか」








智美「へえ、チャンピオンにマンツーマンで教わってたのか。羨ましい限りだな」ワハハ

ゆみ「ホントだな、機会があれば私も話を聞きたいものだ」

京太郎「いや……まあ……はは……」

佳織「でも、あれですね。わざわざウチを最後に持ってきたのは……」

睦月「うむ」

智美「オチは見えてるな」ワハハ

ゆみ「そう言うな……まあ、他に教えられるようなことがないのは確かなことだが」

京太郎「加治木さんは俺と同じで高校から始めた選手と聞いてますし、どんなことでもためになりそうですけど」

ゆみ「いや、下手に教えて変なクセが付いたりしてしまっては大変だ」

ゆみ「我流で付いたクセなら個性にもなり得るだろうが、人から教わって付いたクセはただの弊害になる」

ゆみ「私はまだ誰かに教えられるほど、そして教えたことに責任を持てるほど経験を積んでいない。まだ君と同じ初心者だよ」

京太郎「なるほど……その心意気だけでも勉強になります」

智美「しかしすぐに本編入るのももったいないなー」

佳織「智美ちゃん、何かあるの?」


智美「うーん……あ、むっきーの投牌とかどうだ?」

京太郎「闘牌?」

智美「"投"牌だな。闘牌(物理)に使うって意味じゃ合ってるけど」ワハハ

京太郎「???」

智美「むっきーは凄いぞ、前回の裏の暗殺者トーナメントで優勝してるし」

睦月「……先輩」

京太郎「ああ、良かった突っ込む前にツッコミが──」



睦月「暗殺者が多いってだけで普通の裏トーナメントです。それだと私まで暗殺者みたいじゃないですか」

智美「あれー、そうだったか」ワハハ

京太郎「──はいらなかった、だと……?」


ゆみ「あとは……妹尾は同じ初心者だしな」

佳織「私は役もまだちゃんと覚えていないので……」

智美「初心者どころか入門者だな」ワハハ

睦月「蒲原先輩は……」

智美「描写は全くなかったが一応においで気配が分かる的な能力をでっち上げられないこともないけどなぁ」ワハハ

ゆみ「基本この設定はモモ探しにしか活用されてないからな」

佳織「うーん、あとは……」

智美「あ、そうだ時間稼ぎにドライブでも──」




ゆみ「仕方ないから真打ちの登場といくか」

佳織「はい、それがいいですね」

睦月「ですね」

京太郎「?」






智美「このくらいでは泣かないぞ」


ゆみ「じゃあとりあえず呼んで──」

智美「というかこの部屋にいるぞ」

佳織「……ええと……」チラ

睦月「そっちには壁しかないんじゃ……」

京太郎「さっきからずっと加治木さんの横に居ますよ」





「……へえ……」ユラリ


//真打ち登場!?//



                      ・ ・ ・ ・
 【超高校級の???】 「見えてるみたいっすね」ゴゴゴゴゴ



                               //この謎の人物の正体は!//











桃子「いや、そういうネタは要らないっす」

桃子「というかかおりん先輩、私の存在感壁以下っすか!」

佳織「ご、ごめん……」

桃子「謝らないでください、余計凹むっす……」

桃子「でもホント見えてるんすね」

ゆみ「正直意外性はないがな」

睦月「うむ」

京太郎「"マイナス"の東横さんといえど俺からすれば十分な"プラス"でしかありませんから」

智美「悲しいことをキリッといったな」ワハハ

佳織「と、智美ちゃん」

ゆみ「なるほど、"0"どころか"無"の須賀からすれば"マイナスがある"ということか」

佳織「加治木先輩まで……」


京太郎(……というか一部の存在感のせいで多分男子には見えてる人も多いと思うんだけど)チラ

桃子「?」ボイーン

京太郎(それは言わないほうが良いんだろうな……。ずっと女子校育ちなのかもしれない)



玄(女子にも見える選ばれた人間は居るのです!)

京太郎(こいつ、直接脳内に!)


桃子「とりあえず、本題に入るっす」

桃子「……まあここまでの流れからして分かると思うっすけど」

京太郎「まあそうっすね」

桃子「ステルスを教えるっす」

桃子「あ、存在感を消すとかそういうことじゃなくて麻雀への応用っすよ」

京太郎「念押さなくても大丈夫っすよ、分かってますんで」

京太郎「まあぶっちゃけ唯一タイトル通りになりそうな能力っすね、俺にとっては」

桃子「メタはその辺にしとくっす。まずはとりあえず──」



ゆみ「……須賀が敬語のままのせいで会話が面白いことになってるな」

睦月「ゲシュタルトが……」

智美「まあ敬語というか体育会敬語だな」ワハハ

佳織「須賀くんはなんかやってそうだけど、桃子さんも運動部とか入ってたのかな?」

睦月「……バスケ部?」

智美「幻の6人目か」ワハハ

ゆみ「その路線で行くならテニス部という線も……」






京太郎「……なんか好き勝手言われてますけど」

桃子「……集中っす」



佳織「そういえば須賀くんがステルス覚えたらなんて言うんだろ」

睦月「ステルスモモ、みたいな?」

ゆみ「下の名前は京太郎だったか。そのままステルスキョウでいいんじゃないのか」



智美「……ステルッスガ」



「「「……」」」




智美「ステルッスガ」

佳織「ふふっ、と、智美ちゃん……」プルプル

睦月「……せ、先輩、それは」プルプル

智美「ステルッスガ」

ゆみ「や、やめろっ……繰り返すな……」プルプル





桃子「……好き勝手言われてるっすね」

京太郎「……思ったんですけど、俺ら」





京太郎「居ること忘れられてません?」

桃子「あっ……」






京太郎「ただいま……戻りました」

久「おかえりなさい。……ふふ、いい顔つきになったみたいじゃない」








咲「……変わってるかな?」

和「わかりません」

優希「変わってないじぇ」

まこ「部長がカッコつけとるんじゃ、のってやりんさい」


久「その様子だと、何か身につけたみたいね」

京太郎「ええ、部長には感謝してますよ。色々な考え方、打ち方、そして──オカルトを」

久「へえ……オカルト。ふふ……面白いじゃない、一体どんな能力を身につけたというのかしら」








咲「ステルスだよね」

優希「ステルスだじぇ」

和「SOA」

まこ「ぬしらは……まあ分からんわけがないが」




久「須賀くん、卓に着きなさい。見せてもらおうじゃないの、新しい須賀くんを!」

京太郎「ええ、見せてやりますよ。新生・須賀京太郎を!」









───────



────



──その力は、圧倒的だった







まこ「嘘じゃろ……こんなもん、麻雀になりゃあせん……!」




──師匠(モモ)をも一目で唸らせ、教えることはないと言わしめたその力の強さ











優希「京太郎の打牌が……いや、それどころか……!?」




──元凶(部長)すらも、その力の前には驚き慄く他無く











久「嘘……こんなことが……」




──その師(モモ)の力をも容易く破ったデジタル神の目をも疑わせ











和「SOA」




──某所にては"魔王"と呼ばれる文学少女の心身をすらも震わせた











咲「京ちゃん……まさか……こんな──」











──この時、この場所。人の目に映るのは、いやもしかしたらカメラのレンズにさえ映るのは






咲「──牌どころか、雀卓ごと消しちゃうなんて……!!」






──何もない空間に、椅子に座った少女がコ型に三人並んだ姿。それだけであった











まこ「……いや、本当に麻雀にならんじゃろ」

京太郎「ですよねー」




カン!

レスくれた方、見てくれた方ありがとう
ぶっちゃけ咲照モモやりたかっただけ


ただ蒲原はさとみじゃなかったっけ?

>>86
ホントだー日和見たら毎回丁寧に「さとみ」ってフリガナ振ってあった

にも関わらず原作日和通して今までずっと「ともみ」と読んでた

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