ほむら「痴漢OK娘レズスペシャル」 (645)


――痴漢OK娘シリーズ。
日本有数のAVレーベルナチュラル○イが手掛ける一大タイトルである。

最初は嫌がる娘を、百戦錬磨の痴漢師がその練達した指技によって性感を開花させ
ついには自ら痴漢を求めるように――すなわち、「OK状態」にするまでの過程を描くこのシリーズは
これまで多くの紳士たちのたぎるリビドーを満たしてきた。

しかし、シリーズ数も両手で指折り数えることができなくなったいま、変化が求められている。

無論、われわれもファンの股間が乾くことのないよう種々の試みはしているのである。
流行りのリモコンバイブや媚薬などに始まり、一人の女性を徹底的に調教して堕とす「スペシャル」、DANDYさんとのコラボもした。

だが、なにかが違うのである。

当初「痴漢OK娘」の企画を見たときの、股間から脳に精がほとばしるような高揚がない・・・・・・。
いずれも小手先の装飾レベルなのである。

なにか、もっと痴漢ものの根底をゆるがすような大革命を起こしたい――。


これは、そんな悩みを抱える一人のADとある少女との出会いから始まる、AV界のニュージェネレーションの胎動を描いたドキュメンタリーである・・・・・・。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1404990787


AD「ふぁーあ」

ADの朝は早い。
昨日も遅くまで残業があったため、その疲れが抜けきらぬままの出勤である。


――大変でしょう

AD「ええ。でもそれ以上にこの仕事が好きなんですよ」

――やりがいがある?

AD「いえ、僕はやりがいというよりむしろ、AVをつくってないと辛いんです」

――というと?

AD「たぶん、表現欲みたいなものがあるんですね(笑)。自分の頭の中に、人生の中で醸成された人間学なり社会学なり・・・・・・。
   そういった哲学を、形にしたいんです。画家は絵で、音楽家は作曲で。・・・・・・僕の場合、それがAVだというだけです」

――要するに、あなたにとってAV制作とはオナニーであると。

AD「はは、まあそうなります。オナニーで給料がもらえるんですから、わがままは言えませんよ」

彼はそう言うと、ちょうど出勤ラッシュのピークである電車の中に溶けていった。


――いつも電車通勤?

AD「ええ。やはりみんなの欲望を満たす仕事をしている以上、その欲望を自分で感じてみなければはじまりませんからね」

――さすがの職人魂である。

AD「ほら、今日だとあの桃色の髪の娘なんかいいですね」

――かわいいですね。

AD「次のシャッフルタイムであの娘の後ろをマークします」

――シャッフルタイム?

AD「満員電車だと、駅に止まるごとに位置関係が大きく変わります。これがシャッフルタイムですね」

――なるほど。

AD「ほら、言ってる間にシャッフルタイムです。しっかり僕についてきてくださいね」


こうして、われわれはターゲットの後ろをマークすることに成功した。


――さっきからずっとメモしていますが、それは?

AD「リビドーメモです。自分の欲望をメモすることで、作品に活かすのです」

メモを取り続ける彼の姿は真剣そのものだ。その表情には一切の妥協も見当たらない。

AD「・・・・・・」サラサラ

しかし、しばらくすると彼は顔をしかめ、メモを荒々しく丸めると鞄につっこんでしまった。

――あまり捗々しくない?

AD「・・・・・・そうですね。ありきたりなアイディアしか浮かびません」

彼は悔しそうに顔をしかめたのち、新たなメモを取り出すのだった。


AD「・・・・・・! これだ・・・・・・!!」

しばらくすると、彼の顔に日が射した。
いい案が浮かんだのだろうか?

しかしよく見ると、彼が見つめているのは当初ターゲットとしていた桃色の少女ではなく、その前に座っている黒髪の少女だった。

AD「・・・・・・」サラサラサラ

難しい数式の解法を見つけた時のように、息巻いてメモにかじりつくAD。
ターゲットを変えたのか? と質問したいのだが、邪魔をするわけにもいかない。

われわれは途方に暮れて、ふとADが見つめているその日本人形のような少女に視線を落とした。

少女「・・・・・・」バチッ

・・・・・・目が合ってしまった。
さきほどまでは本当に無機物かと疑われるほど無表情だった彼女が、露骨に顔をしかめる。

どうやらかなり気の強い性格のようだ。


次の駅についた。
電車が、ずっと止めていた息を吐き出すように乗客たちを出し始める。

AD「待ってくれ!」

ADもその中にいた。
例の少女が降りていったのを追いかけてきたのだ。

少女はそんな声に気づいていないのか、スタスタと姿勢よく歩を進める。

AD「きみ!」グイッ

ADはたまらず少女の腕をとった。

少女「・・・・・・はあ。なにかしら」ファサァ

改めて見ると、思わず息を飲むほど美しい少女である。
しかも、見たところまだ○学生だろうに、しっかりと女の色気を振りまいている。

それが、鬱陶しい、と言わんばかりの溜息を吐きながらこちらを睨みつけているのだ。

・・・・・・なにかに目覚めてしまいそうである。


AD「・・・・・・」

それに対して、AFは言葉を選びかねているのか、金魚のように口を開閉させるのみである。

少女「・・・・・・はあ。用がないのなら、もう行っていいかしら? 私、これから用があるのよ」

AD「待ってくれ!」


AD「・・・・・・き、きみは、きみはレズだろう?」

意を決したようにADが絞り出した言葉に、われわれも閉口せざるを得ない。
だが一番うろたえたのは、言われた少女であろう。

少女「・・・・・・はあ?」

さしのも強気そうな少女も、困惑の色を隠せない。
しかしADの表情は真剣そのものだ。


・・・・・・この珍妙な出会いこそが、ADの良きパートナーとなる、暁美ほむら女史とのファーストコンタクトであった。

つづく!!

急にリアルが忙しくなったので、更新は月曜の夜くらいになると思います


ADの不躾な質問に、少女は返答しかねているようだった。
さらにADは問いかける。

AD「お願いだ。時間は取らせないから、取材させてほしい!」

少女「ちょっと。なにレズ前提で話が進んでるのよ」

AD「きみは、レズじゃないのかい?」

少女「・・・・・・否定はしないけれど」

AD「やっぱり! じゃあ・・・・・・」


少女「お断りよ。珍獣扱いされているようで不快だわ。・・・・・・なにより、この後用事があるって言わなかったかしら?」

AD「今日じゃなくても構わないんだ! これ、連絡先と参考物。もし興味があるようだったら、後で連絡してくれないか」ガサッ

少女「・・・・・・仕方ないわね。必死すぎてなんだか面白いから、受け取るだけ受け取ってあげる」

AD「・・・・・・!! あ、ありがとう!! 連絡待ってるよ!!」

少女「ええ。期待しないでおいてちょうだい」ヒラヒラ

そう言うと彼女は、後ろ手を振りながら去っていった。

少女が去ったあとの風景はひどく淡白に見え、改めて彼女の存在感の濃厚さを思わざるを得ない。


――交渉は成功する?

AD「・・・・・・わかりません。五分五分あればいい方だと思います」

――別れ際に渡した参考物とは?

AD「ああ、うちのAVですよ」

彼は顔をくしゃくしゃにして笑ったが、なにが面白いのかは我々にはわかりかねた。


――それにはどういった狙いが?

AD「狙いなんてありません。ただ、彼女には小細工は通用しないと思ったので、とにかく逃げられない内にこちらのことを知っておいてほしかっただけです」

――レズ物を企画するつもり?

AD「彼女から連絡があれば、そうします。彼女の力を借りれば、必ず名作ができるでしょう」

――なかったら?

AD「すっぱり諦めます。僕がいくら想像力を働かせてみたところで、彼女が携わったそれに比べれば学芸会も同然です」

AD「いまできることは、ただ待つのみです――」

_______
_____


あれから、三日が経過した。
少女から連絡は来ない。

ADは、事あるごとにケータイを確認しては肩を落としてを繰り返している。
その様子は、純朴な少年が思い人からの返事を待つようで、なかなか滑稽である。

そのひどさは、この三日を無為に過ごしたといっても過言ではないほどだった。

もっとも、頭の中で構想ができあがっていながら、それを具現化する手段がないために立ち往生するやりきれなさは、当事者にしかわかり得ないであろう。
われわれ取材班も、気の毒に思ってはいながらも、やはりできることは待つだけであった。

今日も、連絡は来ず終いか――。ADの密着取材もなかばルーチンワークと化してきたころだった。


AD「き、きたっ!!」

なんと、思い人からの電話が来たのである。
ADの狂喜っぷりはすさまじいどころではなかった。


―喫茶店―


少女「お久しぶりね、ヘンタイ」

AD「変態とは、また厳しいね」

少女「初対面の女子中○生にAVを押し付ける大人が、ヘンタイじゃないのなら一体なんなのかしらね」フフッ

AD「それは・・・・・・そうなんだが」

数時間後、われわれは例の少女と近くの喫茶店で落ち合った。
口こそ悪いものの、出会った日に比べれば彼女の表情は若干柔らかくなっている。


少女「で? だいたい想像はできるけれど、用ってなんなのかしら」

AD「・・・・・・実は、レズ物のAVを企画したいんだ。そのために、君に是非とも協力してほしい」

少女「そう・・・・・・。ふふ、想像通りだわ
   ・・・・・・いいわよ。協力してあげても」

AD「ほ、本当かい!? ・・・・・・しかし、どういう心境の変化だい? 最初はあんなに・・・・・・」

少女「ふふ、ただの気まぐれよ。・・・・・・最近、いいことがあってね。気分がいいってだけだから」

AD「また、ずいぶん気まぐれだね」

少女「そうよ。私は気まぐれなの。だから、あなたに協力するのもこの気分限り。せいぜい私を飽きさせないことね」フフフ

AD「それは・・・・・・気を付けるよ」


いったい、彼はなんという少女に目をつけたのだろう。
女王さながらの尊大な態度でありながら、しっかりとそれが様になるほどのオーラが彼女には備わっているのである。

話せば話すほど、彼女と我々との間にはっきりと上下関係が刻まれていく感覚・・・・・・。
彼女は果たして、本当に常世の存在なのだろうか・・・・・・?

少女「で、協力する前に、ひとつ気になることがあるわ」

AD「なんだい?」

少女「あなた、なぜ私のことをレズだと思ったの?」


AD「・・・・・・あの日、電車内で見た君の表情が、痴漢のそれだったからだ」

少女「・・・・・・」ピク

瞬間、彼女の表情が鋭くなる。
ADはなにか琴線に触れるようなことを言ってしまったのだろうか。

AD「あのとき、君は正面の桃色の少女に発情していた・・・・・・。そうだね?」

少女「・・・・・・」

AD「・・・・・・」


少女「・・・・・・そう」クスッ

少女が笑った瞬間、われわれは息苦しさから解放された。

少女「押し隠していたつもりだったのだけれど・・・・・・だめね。どうも私はあの子の前だと調子が狂うわ」フフフ

なにがおかしいのか、少女はひとりで妖艶に笑い続けている。

少女「・・・・・・失礼」コホン

少女「じゃあ・・・・・・どれくらいの付き合いになるかはわからないけれど、よろしくね、ヘンタイのオジサマ」

ほむら「私の名前はほむらよ。暁美ほむら」

AD「僕はADだ。よろしく」


こうして、彼らの二人三脚は始まったのである。

つづく!


ほむら「――で、協力って具体的になにをすればいいのかしら?」

AD「それはほら、君に渡した痴漢物のAVがあるだろう。あれのレズバージョンを作りたいんだ。
   で、君にはレズの立場から適宜助言がほしい」

ほむら「・・・・・・それだけ?」

AD「え?」

ほむら「それだけでいいの? たとえば・・・・・・実際にレズ痴漢を見たくはないの?」

AD「だ、だってそれは犯罪で・・・・・・」

ほむら「はぁ・・・・・・。なにを言っているの。それをOK状態にまで落とし込むのが筋書でしょう」

AD「・・・・・・もし、そうならなかったとしても、僕たちはなにもしてあげられないよ?」

ほむら「けっこうよ。あまりしつこいと、私、冷めちゃうかもしれないわよ・・・・・・?」

AD「・・・・・・」

そう言われては、われわれとしては返す言葉もない。
言葉にならない不安感に後ろ髪を引かれつつも、このほむら嬢の提案に乗ってしまった。


レズ痴漢を見せてあげる――。
そう言われて、連れてこられたのがこのバス車内である。

ADは我々に、バス痴漢について解説してくれた。

AD「バス痴漢は、電車のそれに比べると難易度は高いと言えるでしょう」

――ほとんど同じように思えるが・・・・・・?

AD「段違いです。まず、シャッフルタイムがない。最初の位置取りですべてが決まるのです。
   車内に入ったら一瞬でターゲットを決める、優れた判断力が求められます」

――なるほど。

AD「さらに、満員電車に比べると人口密度がどうしても低いのです。
   被痴漢者側からすれば、犯人特定は容易でしょう」

――リスキーだと。

AD「はい。相手を冷静にさせることなく、一気にOK状態まで持っていく手腕が求められます」

ほむら嬢は成功するのだろうか・・・・・・?
彼女の立ち振る舞いを考えると、なるほど大器であるとは思われる。

しかし歴史を振り返れば、与えられた器にあぐらをかき、大事を為せずに終わった者どものなんと多いことか。
彼女の自信は、実力に見合ったものなのか――。

堂々と胸を張って乗り込むほむら嬢の背中は、そんな我々の思案さえ鼻で笑っているようだった。


ほむら嬢は車内に乗り込むと、ずんずん奥へと進んでいく。
ADによればターゲットを見極めるのが難しいとのことだったが、彼女は獲物を探す素振りさえ見せない。

それとも、もうターゲットは決まったのだろうか?

ほむら「ここ、いいかしら」

「どうぞ」

やがてほむら嬢は、すでにひとりの先客がいる座席の余りを埋めた。

座る際、一瞬だけわれわれと目を合わせ、アイコンタクトで後ろに座るよう促される。
指示通りに席についたころ、ほむら嬢は隣の先客と話を始めていた。


ほむら「奇遇ね」

「そうね。暁美さんはどこまで?」

ほむら「私は、駅前まで」

「あら、私と一緒じゃない」

どうやらほむら嬢は先客と顔見知りらしい。

先客の女性は、瑞々しい金髪を縦巻きにした、少しおっとりした感じの美少女である。
その挙動はいちいち行儀よく、育ちの良さを感じさせる。

妖しい色気を放つほむら嬢とはまた違った雰囲気で色っぽく、
少しおおげさに言えば、近づきがたい深窓の佳人のようである。

そんな美少女がふたり並んでいるものなので、周囲の有象無象のひとびとなど引き立て役になってしまっている。


ほむら嬢は、まさか知り合いである彼女を痴漢するつもりなのだろうか?
もしそうなら、失敗した場合ほむら嬢のコミュニティにも悪影響が出かねない・・・・・・。

我々がそんな思案を巡らせて、ハラハラしていた矢先である。

マミ「あ、暁美さん・・・・・・。なんだか、近くないかしら?////」

ほむら「あら、そう? トモダチなら、そう不自然じゃないと思うわよ?」クスクス

互いの吐息が感じられそうなほど、明らかに不自然に近い距離に隣人はたまらず抗議するも、
ほむら嬢は妖しくおどけるのみで、一向に距離を離そうとしない。

マミ「ちょ、ちょっと暁美さん・・・・・・!」

ほむら「どうしたの? 顔、赤いわよ」ツツーッ

マミ「~~~~~っ! 今日の暁美さん、なんだかおかしいわ」バッ

ほむら嬢が隣人の口元をツツとなぞりあげると、さすがの彼女も不快感も露わに身を引いた。
警戒されてしまったのではないだろうか・・・・・・。


ほむら「うふふ、つれないのね・・・・・・」

マミ「・・・・・・」ブスッ

しばらく、重い沈黙が続いた。
さすがのほむら嬢も、引き際はわかっているだろう・・・・・・。

もとより自分は助言してほしかっただけで、ここまでのことは望んでいない。
大事になる前に退いてくれて助かった・・・・・・。

ADの表情もそう語っている。
実際にレズ痴漢をするなど、しょせんは不可能だったのだ――。

隣のADと、若干の落胆と、それ以上の安堵を共有していた時だった。


ほむら「うふふ、つれないのね・・・・・・」

マミ「・・・・・・」ブスッ

しばらく、重い沈黙が続いた。
さすがのほむら嬢も、引き際はわかっているだろう・・・・・・。

もとより自分は助言してほしかっただけで、ここまでのことは望んでいない。
大事になる前に退いてくれて助かった・・・・・・。

ADの表情もそう語っている。
実際にレズ痴漢をするなど、しょせんは不可能だったのだ――。

隣のADと、若干の落胆と、それ以上の安堵を共有していた時だった。


ほむら「いつも思っていたのだけれど、ウエスト細いわよね」サスサス

マミ「暁美さん・・・・・・くすぐったいわ」

ほむら「そのわりに・・・・・・この巨乳はどういうことなのかしら?」ムギュウ

マミ「ひっ! ちょ、ちょっと! いくらなんでも・・・・・・」

ほむら「ふふ、なあに?」ムニムニ

マミ「ちょ、暁美さん・・・・・・! 触り方・・・・・・んっ。いやらしいわ・・・・・・」

ほむら「あら、甘い吐息が混じってきたわよ・・・・・・? まさか、後輩に、公共の場所で、胸を揉まれて・・・・・・感じてしまったの?」クスクス

改めて状況を認識させることで、より羞恥心を煽るためだろうか。
単語をぶつ切りにして強調している。


マミ「そ、そんなわけ・・・・・・ン、ない、でしょっ」

ほむら「ふふっ、うそおっしゃい。あなたの顔・・・・・・盛りのついた動物そのものだわ」

マミ「どうぶっ・・・・・・!? なにを・・・・・・」

ほむら「でも、それでいいの。いまのあなた、とっても可愛いもの」タプタプ

マミ「ちょっと、いい加減に・・・・・・んあっ」

ほむら「それで抵抗しているつもり? ぜんぜん力がこもってないわよ」

ほむら「そ、れ、と、も。・・・・・・もっと、期待しているのかしら?」クスクス


マミ「~~~~~っ!!」

マミ「こ、声出すわよ!?」

ほむら「それは困るわ」

マミ「じゃあ」

ほむら「だから・・・・・・こうしましょう」ブチブチッ

言うが早いか、ほむら嬢は隣人の服の胸元を乱暴にはだけさせてしまう。

マミ「キャ、んぶっ」

ほむら「ん、ちゅばっ」

そして、悲鳴をあげようとする隣人を口づけで押さえつける。


マミ「ぷは・・・・・・っ」

ほむら「うふふ、ごちそうさま」

マミ「ちょっと! さすがに冗談じゃすまないわよ」

ほむら「ええ、本気だもの」グニィッ

マミ「ぅん・・・・・・っ!」

ほむら「ふふっ、からだは正直ねえ? こんなに胸が張っちゃって・・・・・・。揉まれると気持ちいいでしょう?」ギュウウ

マミ「あひ、だ、だれが・・・・・・っ!」

ほむら「うそはよくないわ。こんなに熱を帯びて、フェロモン混じりの汗をまき散らして・・・・・・」

マミ「うう・・・・・・」

ほむら「はしたないわねぇ・・・・・・。みんなの憧れの先輩は、とんだヘンタイだったようね」フフフ

マミ「あ、あなたのっ、せいでしょぉ」ハアハア


ほむら「あら、身を揺すって・・・・・・どうしたの?」

マミ「・・・・・・っ! な、なんでもありません」

ほむら「あ、そういうこと。ごめんなさいね、私としたことが」

ほむら「・・・・・・乳首、いじってほしいのね?」

マミ「~~~~~~っ////」

ほむら「あはっ、分かりやすくて可愛いわよ、マミさん?」

マミ「うう・・・・・・私は、そんな・・・・・・」


ほむら「じゃあ、お望み通りっ」コリコリ

マミ「んあああっ、あっ、あふっ」ピクン

ほむら「いい感度ね・・・・・・。さては溜まってたんじゃない?」

マミ「そんな・・・・・・ことぉっ」ピクピク

マミと呼ばれた少女は、もう抵抗らしい抵抗もしていない。
口だけの抗議とは裏腹に、完全に身体を許してしまっているようだ。


それからもほむら嬢は、マミの乳首を転がし、乳肉をこねまわし、口づけの雨を降らせて責めぬいた。

マミ「はぁーっ、ふぐっ、はぁー////」トローン

もうマミは見るからに「OK状態」である。
ここで、われわれはひとつの疑問にぶち当たる。

通常であれば、ここからはごく一般的な性交が始まるのだが、女性同士ではそれがない。
レズ痴漢の終着点とは、どこなのだろうか・・・・・・?

ほむら「くすっ」

その時、我々の疑問などお見通しだ、と言わんばかりにほむら嬢が艶美な笑みを漏らした・・・・・・。

つづく!

すみません、訂正です
>>46を丸ごと↓に差し替えでお願いします


マミ「あの、お尻・・・・・・」

ほむら「ええ。素晴らしい弾力だわ」

なんと、彼女は諦めていなかった。
それどころか、ずっと痴漢し続けていたのである!

マミ「暁美さん・・・・・・いい加減にしないと、怒るわよ?」

ほむら「どうして? トモダチなら当然のスキンシップよ」ナデナデ

なぜだろうか。
さきほどからほむら嬢はトモダチという単語をやたらと強調している。

マミ「そっ、そんなはずないじゃない・・・・・・」

そして、その単語を聞くと隣人の抵抗は弱くなるのである。

これは……是非とも絵にしてもらいたい


ほむら「ね、もう駅前よ? 早く服を着なさい」

マミ「えぇっ!? あ、もう!?」ワタワタ

ほむら嬢の声に、快楽に呆けていたマミも夢から醒めたように意識を取り戻したようだ。

ほむら「なにをしているの? 早くしないと置いて行っちゃうわよ?」クスクス

マミ「ま、待ってよ。というか暁美さんのせいで・・・・・・!」

支配を取り戻したばかりの身体では足元がおぼつかないのか、よたよたとマミはほむら嬢の後を追う。
我々も置いて行かれるわけにはいかないので、慌ててふたりの後を追った。

ちらりとADの方を向くと、狂ったようにメモを取っている。
ほむら嬢のレズ痴漢は、彼にとって天眷だったに違いない。


マミ「どういうこと? 言われるから降りてみれば、駅前とは全然違う場所じゃない!」

ほむら「ふふ、細かいことはいいじゃない」ムギュウ

マミ「あっ・・・・・・こら、ここは、あっ! 外なのよ・・・・・・!」ピクン

ほむら「ふふふ、色っぽい声だしちゃって・・・・・・。そうよね。いったん火が点いたらなかなか治まらないものね」グニグニ

マミ「あんっ! ちょっと、ほんと、にぃ・・・・・・!」クネクネ

ほむら「あら? 腰のあたりから水音がするけれど・・・・・・?」ウフフ

マミ「ひぃ・・・・・・! うそよ、こんな・・・・・・////」ハアハア


ほむら「ねえ、すぐそこが私の家なんだけど・・・・・・すっきりしていきたくない?」

マミ「はあ、はあ・・・・・・////」

ほむら「私は、質問しているのよ?」ズチュッ

マミ「ひぃいいいっ!!」ビクン

ほむら「こんなにはしたない汁を垂れ流して・・・・・・我慢はよくないわよ?」ヌチャヌチャ

マミ「あっ・・・・・・ぁあ。い、行きます・・・・・・! ら、ラクになりたいです・・・・・・!!」

ほむら「うふふ、いい子ね。さ、入りましょうか」

マミ「・・・・・・うぅ////」

暁美ほむらという少女のなんと恐ろしいことだろう。
マミとほむら嬢との間には、リードさえ見えるようである。

マミはすっかり懐柔されてしまっており、淫汁を股間から滴らせながら歩いている。
その道程にはナメクジの這ったあとのように淫汁がきらめいているのである。


ほむら「着いたわ。入りなさい」

マミ「・・・・・・えぇ////」ハアハア

我々も入っていいのだろうか。
躊躇っていると、ほむら嬢は入れと促してきた。


ほむら嬢の自宅は不思議な空間だった。
明らかに外観と、内部の広さが一致しない。

ほむら「レディの部屋を眺めまわすのは、あまりお行儀がよくないんじゃないの?」ニヤニヤ

・・・・・・我々まで手玉にとられているようだ。


マミ「暁美さぁん・・・・・・早く」

ほむら「ふふ、すっかり蕩けたわね」

マミ「あっ・・・・・・////」

ほむら「じゃあ、私たちは寝室に行くから。それと残念だろうけど、ここから先はこの子の名誉の為に見せられないわ」

ほむら「まあ、声を聞くくらいなら許してあげるから。あなた達はここで待っていてね?」

ほむら「いろいろと辛いだろうけど・・・・・・。うふふっ」バタン


AD「・・・・・・」

つい、ADと顔を見合わせてしまう。
侮辱されたはずなのに悔しくないのは、相手があまりに遠い存在だからだろうか。

――ためになった?

AD「どころじゃありませんよ。彼女の手腕は本当に素晴らしい! 先ほどの分だけでAV10本は出来そうですよ」

かなりご満悦のようだ。

すると、かすかにあえぎ声が聞こえてくる。
少女たちの嬌宴が始まったのだろう。

我々は全身を耳にしたように、それを聞くのに集中し始めるのだった。


マミ「んあっ! だめよ、いきなりそんな・・・・・・!」

ほむら「うふふ、強すぎる快楽に怯えているのね? 大丈夫、私の信じて、身を委ねなさい・・・・・・?」

マミ「・・・・・・ん」

ほむら「そう・・・・・・それでいいのよ」グチュッ

マミ「あああっ! あっ! ひぎ、は、はげしっ!」

ほむら「うふふ、感じてもらえてるようで嬉しいわ」

マミ「ぅあっ! あん、あ、暁美、さん!」

ほむら「なぁに?」

マミ「キス、キスしてほしいの・・・・・・」

ほむら「・・・・・・どうしようかしら」ウフフ


ほむら「じゃあ、どこが気持ちいいのか言えたらキスしてあげてもいいわよ」

マミ「ど、どこが・・・・・・?」

ほむら「そう。たとえば・・・・・・ここかしら?」

マミ「あんっ!! 胸、だめぇ・・・・・・」

ほむら「だめなの?」

マミ「・・・・・・! いえ・・・・・・。き、気持ちいいです・・・・・・揉まれるのも、乳首をつねられるのも」

ほむら「じゃあこっちは?」グチュッ

マミ「ひンっ! あ、あふ。あ、アソコも、気持ちいいぃ」

ほむら「あそこ、なんてぼかした表現じゃだーめ。私は、乱れたあなたが見たいの」

ほむら「私は、普段のとってもお上品で余裕のあるあなたの、淫らな本性を暴きたいのよ」

マミ「・・・・・・うぅ」


ほむら「さぁ、あなたの本能を解き放つのよ。その淫靡な姿こそが、私を悦ばせる・・・・・・」クイッ

マミ「わ、わたしはっ! 暁美さんに、お、お。おまんこをほじられて、感じてますっ!!」

ほむら「うふ。あは、はははっははは! 傑作だわ。あのマミ先輩が、こんな淫らな表情で、おまんこ、ですって! あはは!」

マミ「・・・・・・////」

ほむら「・・・・・・でも」

ほむら「さっきからあなた、気持ちいいばっかりじゃない。この私の、口づけを望むのなら。もっと表現を工夫してほしいわ」

マミ「え・・・・・・」

ほむら「あなた自身の言葉で」グニィ

マミ「ひあああっ!」

ほむら「こうして胸を揉まれるとどうなのか」タプタプ

マミ「あ、あっ」

ほむら「こうしておまんこを責められるとどうなのか」クチクチ

マミ「お、んぉおお」ビクッ

ほむら「私の愛撫の一つひとつに、言葉を尽くしなさい」

マミ「あ・・・・・・は・・・・・・。私は、私は・・・・・・!」


その後、実に3時間もの間ほむら嬢の寝室からは絶え間なく嬌声が響いていた――。


――声がなくなりましたね。

AD「ついに終わったのでしょうか?」

顔を見合わせていると、

ほむら「入りなさい。終わったわ」

ほむら嬢の・・・・・・この屋敷の女王の声が響いた。


AD「失礼します・・・・・・」

おずおずと我々が寝室に入ると、そこには・・・・・・。

ほむら「どう? 少しは勉強になったかしら」

マミ「・・・・・・」

ベッドの端に腰かけるほむら嬢と、その足元で四つん這いになっているマミの姿があった。
そして、マミの背中にはほむら嬢の足が投げられている。

ほむら「どう? この子、私の足置き台になったんだけど」ウフフ

マミ「・・・・・・////」

マミは恥ずかしそうに顔を背けるが、その屈辱的な扱いそのものには抵抗はないらしい。
彼女は身も心も、ほむら嬢のものになってしまった。


ほむら「・・・・・・んっ。ねえ、マミ。私、あなたのせいで欲情してしまったようだわ」

ほむら「立つことを許すから、私を慰めなさい」

マミ「・・・・・・はい////」

マミは立ち上がると、遠慮がちにほむら嬢の脚を押し開き、股間にむしゃぶり始める。

ほむら「んっ・・・・・・ふふ、なかなかっ、上手じゃない」

ほむら「足置き台から、バター犬に昇格していいわよ」フフフ

マミ「・・・・・・ありがとうございます」ペロペロ

ほむら「返事はわんでしょう? あなたはいま犬なのよ?」

マミ「わ、わん」

ほむら「うふ、ふふふふふ!」


ほむら「あ、そうそう。あなた達がいたんだったわね」

ほむら「明日も、見たい?」ニタァ

AD「い、いいのかい!?」

ほむら「ええ、いいわよ。いま私、とっても上機嫌だから」

AD「ありがとう! じゃあ・・・・・・」

ほむら「また明日、連絡するわ」

AD「わかった! 待ってるよ!」

_______
_____


ほむら「~~~~~っ!」ピクピク

マミ「わん!」

ほむら「ええ、イッたわ。上出来よ」ナデナデ

マミ「くぅーん」


ほむら「・・・・・・ねえ、『巴さん』」

マミ「えっ?」


ほむら「今日、駅前の喫茶店でなにをするつもりだったの?」ニヤニヤ

マミ「・・・・・・っ! それは、その」

ほむら「美樹さんと、佐倉さんと、おしゃべり?」

マミ「そう! そうなのよ!」

ほむら「話題は・・・・・・ふふ、悪魔について?」

マミ「・・・・・・!」

ほむら「知らないとでも思ったの? 甘いわねぇ」

ほむら「最近、コソコソと嗅ぎまわっているようね。別に放っておいても良かったんだけど」

ほむら「3日後に、まどかとデートの約束を取り付けたのよ」

マミ「鹿目さん・・・・・・!」

ほむら「デート中になにかあったら、興ざめじゃない? だから、あなた達全員、調略しようと思って」

マミ「・・・・・・!」

ほむら「いいでしょう? どうせ、あなたはもう私に逆らえない」クイッ

マミ「あっ・・・・・・////」トロン

ほむら「明日、佐倉杏子を呼び出しなさい。場所は・・・・・・」

つづく!!


翌日、我々は指定された電車に乗り込んでいた。
時間や車両まで詳しく言ってきたため、相当綿密な計画なのだろう。

隣のADは早くも興奮しているのか、思わず顔をしかめたくなるほどに鼻息を荒げている。
もう30分も待たされていながらこのような表情を続けることができる彼には、尊敬に若干ながらあきれが混ざってしまう。

――約束を反故にされるのではないか、という疑念はわかない。
どれだけ待たされても、彼女は必ず現れる。

我々は少しだけ、暁美ほむらという少女を理解し始めていた。


みたきばらー、みたきばらー。と、呑気なアナウンスとともに車内に人が詰め込まれる。
大きな駅だけあって、乗り込む人は多い。嫌な湿気が充満してくるのに時間はかからなかった。

と、我々の座っている座席の前に、ふたりの少女が陣取ったのに気づく。
ひとりは、燃えるような赤髪のいかにも快活そうな少女。

と、もうひとり。
吸い込まれそうな底の見えない瞳を、気だるそうに赤髪の少女に向けている彼女こそ、暁美ほむらだ。


ついに来た――!

ADも我々も、少年のように顔を輝かせたに違いない。
ほむら嬢はそんな我々を一瞥すると、満足そうに笑った。

「ずいぶん待ったでしょう?」
「来ないかもしれないって、不安になってきたころだったかしら?」

「ふふ、よかったわねぇ、私の気が変わってなくて」

そんなことを彼女の表情は語っている。
要するに、彼女は我々を焦らして遊んでいたのだ。

また目が合うも、遅れてきてこその主役でしょ、と言わんばかりの不遜さは変わらない。

こんな扱いを受けて、悔しさのひとつも湧いてこないのだから、まったく彼女の魔性というのは恐ろしい。


やがて彼女は、我々と目を合わせなくなった。
目の前の少女(恐らく今回のターゲット)との会話に集中し始めたのだろう。

ほむら「~~」

杏子「~~」

話を聞いていると、ふたりはこれから買い物をしに行くようだ。
その様子を見る限り、それなりにくだけた仲のように思える。


杏子「しかしなぁ・・・・・・ん」ピクン

ほむら「あら、どうしたの?」ニタァ

杏子「いやっ・・・・・・なんでもねーよ」

ほむら「そう」


杏子と呼ばれた少女の身体が、跳ねた。
ついにほむら嬢が動き始めたようである。

杏子「んっ・・・・・・。で、なんだっけか?」

ほむら「ああ、だから明後日にね」

杏子「ぅあっ!?」

ほむら「・・・・・・どうしたの? あなたさっきから様子がへんよ」

杏子「いや・・・・・・っ! どーも、な。頭痛が・・・・・・ひぅ」ピクンピクン

ほむら「へぇ・・・・・・。頭痛ねぇ」

杏子「んああっ! あ、そ、そうな、ンっだよ・・・・・・」

ほむら「そういえば、顔が真っ赤ね。汗もびっしょりだし・・・・・・風邪かしら?」ピトッ

杏子「ひいいぃぃ!? 触るなばかっ!」バッ

ほむら「あら、ごめんなさい」クスクス

杏子はまだ痴漢がほむら嬢とは気づいていないようだ。

と、ADがメモを渡してきた。
紙面には、『あの角度ならバレない』と書かれている。

どうやらADにはほむら嬢の痴漢が見えているようだ。
素人の我々には、サッパリである。


その後も、ほむら嬢による痴漢は続いた。

杏子は恐らくかなり勝気な性格なのだろう。
あのほむら嬢の痴漢テクを受けながらも、最後の一線は越えずに踏ん張っている。

友人の前で、情けない姿は晒せない――。
そんな健気なプライドのみで、圧倒的な存在に対峙している様は哀れですらある。

そして、そんな友人をほむら嬢は極上の笑みで接している。

表面上は心配する友人でありながら、裏ではずっと辱めている張本人。
そんな二律背反が、彼女の快楽中枢を刺激しているのかもしれない。

恐らくほむら嬢の邪悪な笑みは、杏子には認識できていない。
それほどまでに蕩けさせられているのだ。

尋常ではない汗と、太ももを伝う粘液がその現状をありありと示していた。


杏子「んあっ! ぎ、あああああっ!!」ビクンッ

杏子の身体がひときわ大きく跳ねる。

――堕ちた。

我々はそう確信したし、ほむら嬢ですらそう思ったはずだ。
しかし・・・・・・。

杏子「・・・・・・捕まえたぜ。ゲスヤロウ」ギリッ

杏子の腕は、痴漢の腕を捕えていた。

杏子「さあ、そのツラ晒してもらおう、か・・・・・・?」グイッ

ほむら「・・・・・・ふふ」

その腕を辿れば、当然その持ち主を示してしまう。

杏子「ほむ、ら」

ほむら「ええ。正解よ」ニタァ


しかし、意外にもほむら嬢は落ち着いていた。
そして淫蕩な笑みを浮かべると、反対の手を杏子の股ぐらに滑り込ませる。

杏子「あっ! おまっ」

ほむら「うふふ、あなたもうとろとろなんでしょう? イクのを、必死に我慢してきたんでしょう?」

杏子「あひっ! あ、あああ」ビクンビクン

ほむら「ふふ、その末の絶頂はすごいわよぉ。意地もプライドも、全部弾け飛んじゃうわ」クチュクチュ

杏子「いっ、イクって、らんひゃよおお」

ほむら「あら? 意外と初心なのね。なら、刻んであげるわ。魂まで蕩ける、極上の快楽を、ね」ズブッ

杏子「な・・・・・・ひっ! ~~~~~~~~~~~~~っ!!?」プシャアアア

一瞬。まさに、一瞬の早業であった。
犯人がほむら嬢であるということに杏子が狼狽し、ガードが緩んだ一瞬の隙に、すべてが決まった。
目の前には、理性などかけらも感じさせない蕩けきった杏子がある。

小便かと見紛うばかりの大量の愛液を噴出してしまったため、車内は騒然とし始めた。

ほむら「すみません! 連れの体調が優れないようなので、次の駅で降ります。どうもお騒がせしました」

そして騒動は、このほむら嬢の有無をも言わせぬ一言で終結したのだった・・・・・・。


駅員「じゃあ、大丈夫なんだね?」

ほむら「はい。お騒がせしました」



ほむら「ほら、佐倉さん。いつまで死んでるの」ユサユサ

杏子「・・・・・・ぞ」

ほむら「え?」


杏子「許さねえぞこの野郎!!」ガバッ

ほむら「!」

杏子「このあたしを・・・・・・っ! あんな形で辱めやがって!」

ほむら「・・・・・・」

杏子「ゆるさねぇ・・・・・・! 絶対にだ!!」

杏子「いいか、覚悟しておけよ。この貸しはでけぇからな・・・・・・!!」

総毛立つ、とはこういうことなのだろう。
杏子の殺気みなぎる剣幕に、我々はすっかり気圧されてしまった。

しかしほむら嬢は平然としている。

自信のこんしんの脅しに動じないほむら嬢に逆に気圧されてしまったのか、杏子はわずかにたじろぐ。
そしてやがて、熊に対してそうするように、目を合わせつつ後退し、十分な距離が取れると背を向けて一目散に逃げ出した。

――これで良かったのか?

ほむら「ええ。首尾は上々よ」

AD「彼女は屈しなかったようけれど」

ほむら「なにを言っているの。仕込みは十分よ」

――仕込み?

ほむら「そう。・・・・・・ふふ、見てなさい。今日中に堕としてみせるわ」フフフ

そう口元を歪ませるほむら嬢は、悪魔のようだった。

つづく!


杏子「・・・・・・」ガチャ

さやか「おかえりー。早かったね」

杏子「・・・・・・おう」

さやか「ん、どったの? なんか元気ないじゃん」

杏子「なんでもねーよ」

さやか「なによ、人が心配してんのにさー」

杏子「・・・・・・」ブスッ

さやか「ま、いーや。先お風呂入っちゃっていい?」

杏子「あーあー。どこへでも行ってくれ」

さやか「感じわるー。さやかちゃんが上がるまでには機嫌直しておいてよね!」バタン

杏子「・・・・・・」


杏子「・・・・・・くそっ!」ボスッ

杏子「許さねーぞ、あの野郎・・・・・・」

杏子「・・・・・・」

杏子「なんで、あの時あたしはあんなに・・・・・・」

杏子「・・・・・・!?」ゾクッ

杏子「やべえ。思い出したら・・・・・・」ムズムズ


「発情しちゃった?」

杏子「!!?」ガバッ

ほむら「こんばんわ、佐倉さん」ニタァ

杏子「なっ・・・・・・!? えっ・・・・・・!?」パクパク

ほむら「ふふ、いい反応ね。かわいいわ」

杏子「てめっ・・・・・・どのツラさげて・・・・・・! むぐっ」

ほむら「んっ、ちゅる、ちゅばっ」

ほむら「ぷは。・・・・・・ごちそうさま」フフフ

杏子「・・・・・・!」ハアハア


ついにほむら嬢が動いた。
モニター越しにくり広げられる痴態は、その匂いさえ感じ取れそうだ。

――我々はいま、美樹邸にほむら嬢がとりつけた小型カメラを通して現場を見ている。

ほむら嬢は今晩で杏子を堕とすと宣言したのち、杏子よりも先に美樹邸に潜伏してしまったのだ。
さすがに我々がぞろぞろとついて行くわけにもいかないので、このような手段を取らざるを得なかった。

それにしても、さっき杏子が帰ってくるまでの間、ずっとベッドの下で息を潜めているほむら嬢はなかなか微笑ましかった。
恐らく、ほむら嬢の年相応の挙動を見たのはこれが初めてである。

彼女のこういった面を見て、我々は少し安堵したところがあった。

さて、現場である。


ほむら「ふふ、すっかり発情しちゃって」

杏子「やめぇ・・・・・・・ふあっ」

杏子はろくな抵抗もままならないまま、ほむら嬢に組み敷かれてしまっている。

ほむら「だんだん喘ぎに色が混じってきているわよ?」ウフフ

杏子「知るかよ・・・・・・っ!」

ほむら「いいえ、あなたは知ってしまったわ。私の与える快楽を」

ほむら「想像できるはずよ? 私に身を預ければどれほど気持ちよくなれるのか・・・・・・」

杏子「へっ。あんたに屈するなんて・・・・・・あたしのプライドが・・・・・・っ許さねぇんだよ」ハアハア

ほむら「くすっ。プライドね・・・・・・。確かに身体の方はこんなありさまだし」グチュッ

杏子「ぅあああっ」ビクン

ほむら「なるほど今のあなたはプライドだけで抗っているようね」


ほむら「でも」グニィ

杏子「く・・・・・・っ」

ほむら「そんなちっぽけな意地なんて」クリクリ

杏子「はひゅっ! ぎっ」ゾクゾク

ほむら「この私の前ではないに等しいわ」ズブウ

杏子「んああああっ!」

ほむら「楽しみねぇ。あなたみたいな子をぐずぐずにして女の部分をほじくり出すのって、きっと素敵だわ」

杏子「・・・・・・この、ヘンタイ」キッ

ほむら「ヘンタイっていうのは、友達のベッドの上でこんなに乱れるあなたみたいな子のことを言うんじゃないの?」

杏子「・・・・・・っ」ハアハア


ほむら「さて、だいぶ身体もほぐれてきただろうし、そろそろ本格的に教育してあげようかしら」ウフフ

言うが早いか、ほむら嬢は自分の身体を押し付けるように杏子にのしかかる。

ほむら「あなたはイクってことすら知らないんだったわね。じゃあまずそこから始めましょうか」グリッ

杏子「ひぃいいい」ガクン

ほむら「ほらほら。抵抗する気があるなら少しは耐えてみなさいよ?」ジュップジュップ

杏子「んはあああっ! がっぐ、これ、これっ! だめだ! やめろ! 弾ける! あたしが弾けるぅううう!!」ガクガク

経験などないであろう杏子に、ほむら嬢の容赦ない愛撫が始まった。
杏子の割れ目からは、すでに泡立つほどの蜜が滴っており、早くも限界が近いであろうことは誰の目にも明らかである。

杏子「ああっ、だめだ! またあれが来る! うああああっ! だめっ! だめぇっ!!」

ほむら「ふふふ、やめてほしい?」

杏子「やめてっ! やめてくれええええ」

ほむら「だーめ」ジュポッ

杏子「あっ、ああああぁっ! ひぃいあいああああああっ!!」ビクンビクン


ついに杏子が身体をのけ反らせて盛大にイッた。
かなりの深度でイッたらしく、その痙攣はなかなか治まらない。

杏子「ひっ、ひいいいいい」ピクピク

ほむら「わかったかしら。いまのがイクってことよ」

杏子「イク・・・・・・。これが、イク・・・・・・」ハアハア

ほむら「そう。これからはイク時はちゃんとイクって言うのよ?」

杏子「へっ・・・・・・誰があんたの言うことなんか聞くかよ」

ほむら「・・・・・・」

ほむら「ふ、ふっふふ。あははははははははっ!」

杏子「・・・・・・?」

ほむら「そう! その意気よ! なんでも思い通りじゃつまらないもの! 前の時は正直物足りなかったのよ!」

ほむら「佐倉さん。できるだけ抗ってちょうだいね? そして私を楽しませなさい」ニタァ

杏子「・・・・・・くそっ」

自身の抵抗すら、悦ばれる。
まるで底の見えないほむら嬢に対して、杏子は初めて恐怖の色を示した。


ほむら「ほら、再開するわよ」ズポッ

杏子「ひぎゃっ」

ほむら「ほらほら、ほらほらほらほら!」

杏子「ひぁんっ! あっ、やめっ! ぎひいいいい」ビクビク

以前は陰部のみへの愛撫だったのに対して、今は全身へのものに変化している。
快感を逃がそうと身体をくねらせる杏子を、常に先回りして効果的に嬲っているその様は、まさに杏子で遊んでいるといった感じである。

杏子「ああっ、だめだこんなの・・・・・・! ぅあああっ! くる! あれがくるぅ!」

杏子は意地でもイクとは言わないつもりなのだろう。
そんなものが最後の抵抗というのも、なんだか可笑しいものである。

ほむら「イクのね佐倉さん! じゃあ、これでどうかしら」パッ

杏子「えっ? あ・・・・・・んぎっ、ああああああっ! うそ、触られてないのに・・・・・・!」

これはどういうことだろう。
杏子はイク直前でほむら嬢から解放されたにもかかわらず、勝手にイッてしまったのである。


AD「あ、あれは・・・・・・!」

――あの現象を知っている?

AD「ええ・・・・・・。あれは余熱イキです。快感は急にはしぼまない。イク直前に解放されても、その慣性だけでイッてしまうのです」

――そうなるとどうなる?

AD「ええ、大規模な快感の爆発が起こらないため・・・・・・」

ほむら「ふふっ」チュク

杏子「んあああああっ!?」

ほむら「うふふ、イク直前の性感が残っているでしょう。これが余熱イキの恐ろしさよ」クチュクチュ

杏子「あああ、ぁああああっ! うそ、うそうそ! また来る!また来ちゃううううう」

ほむら「おっと」パッ

杏子「なっ・・・・・・ぎっ、ぐ・・・・・・んひゃああああああっ!」ビクンビクン

ほむら「あら大変。また余熱イキしちゃったの? じゃあもっと感じるようになっちゃうわね」クリクリ

杏子「ひぃいいいいあああああああああ」ガクガク

ほむら「さあ、地獄の連続絶頂の始まりよ」ウフフ


杏子はそれから数分で、数えきれないほどの絶頂を経験した。
顔は呆けきっており、もはや人間の知性は感じ取れない。

杏子はほむら嬢のおもちゃになってしまった。

杏子「ぐぎ、あっぅううううううう」ビクンビクン

ほむら「あは、もう何回イッたのかしらね? おもしろいわぁ」

杏子「はっ、うぅううう」

ほむら「ところで佐倉さん」

杏子「あ・・・・・・あへぇえ」

ほむら「そろそろ美樹さんがお風呂から上がってくると思うんだけど、いいの?」

杏子「み、き・・・・・・? さ、さやか・・・・・・っ!」

ほむら嬢がそう問いかけた瞬間、杏子の目に光が戻った。

杏子「ぅあ、あああ! やめろ! 離せ! こんなとこアイツに見られてたまるかよ!」ジタバタ

ほむら「ふふ、復活したようでなによりだわ」


ほむら「でもごめんなさいね? 決定権は私にあるのよ。あなたがどんなに懇願しようが、決めるのはすべて、私の気まぐれなの」

杏子「そんなっ! そんなぁ・・・・・・! 頼むよほむら、お願いだから・・・・・・!」

ほむら「じゃあ、イク時にイクって言えたら許してあげる。続きは私の家でしましょう」

杏子「それでいい! それでいいから早くっ! さやかが来ちゃう!」

ほむら「じゃあ再開するわよ」ツプッ

杏子「んっ・・・・・・! な、なんで、そんなっ! 急に優しくするんだよ・・・・・・っ」

ほむら「優しいのは嫌い?」

杏子「そうじゃ、なくてっ! 早くイかないと・・・・・・!」

ほむら「じゃあ気持ちよくなる秘訣、教えてあげましょうか?」

杏子「たのむ!」

ほむら「思いっきり喘ぐのよ。気持ちいい、気持ちいい~って」クスクス

杏子「な・・・・・・!」

ほむら「できるでしょう? 恥も外聞もかなぐり捨てて、一匹のメスになるのよ。・・・・・・気持ちいいわよぉ?」

杏子「そ、それで・・・・・・それで早くイけるんだな?」

ほむら「保障するわ」


杏子「・・・・・・ん、あぁん・・・・・・!」クネクネ

ほむら「まだ恥を捨て切れてないようね。もっと乱れるのよ!」グニィ

杏子「ふぁああああっ! あんっ! 気持ちいいっ! 胸こねられるの、いいっ!」

ほむら「そうよ! その調子!」グチッ

杏子「あっ! あそこいじられると、気持ちよすぎるんだっ! せ、背骨が溶けるみてぇだっ」

ほむら「そう! やればできるじゃない!」ズププッ

杏子「ああああんっ! きたっ! 中まできたぁっ! ほじられるの好きなんだっ! すぐだめになるぅ!」

ほむら「あははははは! これがあの佐倉さん? ふふふ、なんて無様なのかしら! 所詮オンナの本能には逆らえないのねぇ」

杏子「そうなんだっ! あたしはいままで粋がってただけで・・・・・・! 本当はこんな、ダサいメスなんだっ!」

ほむら「あっはは、幻滅よ! 佐倉さんってこんな弱っちかったのね!!」

杏子「そうですぅ! 特におまんこが弱いんですぅ!」

ほむら「そう! じゃあたーっぷりいじめないとねぇ」ズプズプ

杏子「あっ! ああっ! それいい! それ好きぃ!!」

杏子「ぅあっ! イクっ! もうイッちゃう! あっ! あああああああ」


ほむら「おっと」パッ

杏子「へっ・・・・・・? あ、イクっ! また余熱でイッちゃう! んあああああああっ」ビクンビクン

ほむら「うふふふふ、さあもう一度イキましょうか!」

杏子「なんで!? イクってイッたじゃねぇかぁあ」

ほむら「誰も一回だけなんて言ってないわよ? さあ、私を満足させるまでイキ狂ってね・・・・・・?」

杏子「ひぃいいいいっ! イクぅ! またイッちゃううううう!!」


杏子「ひぎゃああああああああああっ!!」


杏子の絶望の嬌声が響き渡った・・・・・・。

つづく!!


杏子「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」フラフラ

ほむら「ほら、あと少しなんだからきびきび歩きなさい」

月のない夜道を行く影がふたつある。
その後、宣言通りほむら嬢は杏子を外へと連れ出したのである。

杏子「うう・・・・・・。まだやるのかよ」

ほむら「当然でしょう。続きは私の家でと言ったら、それでいいと答えたのはあなたじゃない」

杏子「あ、あの時は・・・・・・切羽詰まってただけで・・・・・・」

ほむら「気持ちいいのは、嫌い?」ズイッ

杏子「・・・・・・っ!」フイッ

ほむら「くす、私の目は誤魔化せないわよ?」

ほむら「期待しているんでしょう?」

杏子「だ、誰がっ・・・・・・! むぐっ」

ほむら「んちゅ、んぅっ、ちゅば」

杏子「ひゃ、やめぇっ・・・・・・! うぐうぅぅううっ」ビクンビクン

ほむら「ぷは。ふふ、いい顔よ」

杏子「・・・・・・っ」ギリ

ほむら嬢に口を犯され、少々身体をまさぐられただけで、杏子は絶頂したようだ。
それほどまでに彼女の身体は開発されてしまったのだろう。


ほむら「すっかりイキ癖のついたその身体で、なぜまだ服従しようとしないのか・・・・・・理解に苦しむわ」

杏子「・・・・・・なに言ってんだよ。あたしはもうあんたに逆らえねーよ」

ほむら「ふっふふ。嘘おっしゃい。あなたの目はまだ死んでないわ」

杏子「・・・・・・」

ほむら「私に隷属したふりをして、隙あらば寝首をかくか、どうにか美樹さやかにでも助けを求めるか・・・・・・そういう魂胆でしょう?」

杏子「・・・・・・」フイ

杏子は答えない。
だが、思わず顔をそらせたその行為こそが答えだろう。


ほむら「まったく、したたかねぇ。・・・・・・でも、私はあなたのそういうところ、きらいじゃないわ」ニコ

ほむら「状況把握に長けて、しかも自分にとって屈辱的な状況でも受け入れられる」

ほむら「自分の行動を感情から切り離すのってとても難しいわ。少なくとも、美樹さやかや巴マミにはできない芸当ね」

杏子「・・・・・・てめぇ」

ほむら「うっふふふ! 楽しみだわ、あなたの心を芯からへし折ったらどんな音がするのかしら」

ほむら「ねえ? 佐倉さん。敵わない相手に必死にご機嫌うかがって媚びへつらって」ツツーッ

杏子「ひっ」

ほむら「『いつか反撃する』・・・・・・それをプライドへの免罪符にしてギリギリ自己肯定できている負け犬は」グイッ

ほむら「その支柱を折られたとき、どんな絶望の色をしめすのかしら・・・・・・?」ニタァ

杏子「ぇう・・・・・・!」


いまや杏子は小鹿のようにおびえている。
自分の底まで見透かされ、目の前の絶対的な存在に対してどう立ち向かえばいいのかわからなくなってしまったのだろう。

そして、ほむら嬢がそんな杏子に立ち直るだけの猶予を与えるはずもない。

ほむら「私の目を見なさい」グイッ

杏子「ぐっ」

ほむら「あなたは、私に敵わない」

ほむら「あなたは、私になにひとつ隠し事はできない」

ほむら「あなたは、私のおもちゃ」


ほむら「そうでしょう? 佐倉 杏子」ズズズ


杏子「ぁ・・・・・・う」


杏子「あ、あたしは・・・・・・あたしは」


やがて、ほむら嬢にひかれて杏子がやってきた。
その目はうつろで、歩みもおぼつかない。

だが、ほむら嬢が自らの城にわざわざ引き連れてきたということは、杏子はまだ堕ちていないのだろう。
もはや逃げることも敵わず、ただ自身の心を壊されにきた彼女は、刑の執行を前にした囚人のようだ。

それでもその場で堕ちずにいる彼女のちっぽけな強さは、我々の目には哀れにしか映らなかった。

AD「・・・・・・」

ほむら「・・・・・・」

ほむら邸の前で、ふたりの目が合う。
てっきりなにかやり取りがあるかと思われたが、ADが一方的に会釈したのみだった。


――話しかけないでよかったのか?

AD「ええ。彼女は調教中でしたからね。邪魔できません」

いわく、調教中の空間というものは非常にデリケートらしい。
それは即興の劇に似ていて、わずかな乱れも劇の質、すなわち調教の質に響くのだそうだ。

情けないことに、と照れ笑いとともに彼は言う。

AD「僕には、彼女の劇に飛び入りで参加できるほどの自信がなかったんです」

そうして我々は、これまで通りほむら嬢を映し出す画面に視線を落とすのだった。


我々は、ほむら嬢が杏子を部屋から連れ出そうとした時点で、この場所に移った。
それはほむら嬢が「続きは私の家で」とヒントを出したからである。

美樹家にしかけた小型カメラが機能しなくなる以上、せめてほむら邸の近くに居座ることで、調教の雰囲気だけでも感じようとしたのだ。
だが結果から言えば、これは徒労だった。

なんと、美樹家にしかけたはずのカメラが、ほむら嬢と杏子の後ろをぴったりと尾け始めたのだ。
ちょうど宙に浮いているように、である。

それは魔法かなにかかと疑われるほど不可思議な現象だった。

こうして我々は、道中のふたりの様子からいまに至るまでを知ることができたのである。
そしていまも、画面はほむら邸内、すなわちほむら嬢と杏子、さらにもう一人を映している。

我々はこんな不思議なできごとにも、意外なほどに落ち着いて受け入れてしまっている。
ひょっとすれば、ほむら嬢を中心に常識が、もっと言えば世界が浸食されているのではないか・・・・・・。

そんなばかげたことさえ頭をよぎった。

つづく!!


ほむら「帰ったわ」ガチャ

マミ「あ! お帰りなさい、ほむら様」ピシッ

ほむら嬢が帰宅すると、そこには三つ指をついて迎えるマミの姿があった。
しかも全裸に首輪という扇情的なかっこうである。

露わになったマミの豊満なバストが、両腕に圧迫されてぐにゅりと歪んでいるその様はたまらなく卑猥だ。

杏子「マミ・・・・・・!? なにやってんだお前!」

マミ「佐倉さん!? どうしてほむら様と・・・・・・」

ほむら「ああ、巴マミは昨日から私のペットになったのよ」

杏子「・・・・・・マミ」

ほむら「ふふ、あなたもこれからああなるのよ、佐倉さん」

杏子「・・・・・・」

もはや杏子には形だけの抵抗すらできないらしい。
自分の将来を客観的に見せつけられても、ただ目をそらすだけだった。


マミ「・・・・・・」

マミ「ほむら様! 私、夕飯作っておいたの。早くあがって?」

マミは杏子を一瞥すると、まるで存在を無視するようにほむら嬢に声をかけた。
そして、ほむら嬢を労うように肩を揉みつつ奥へと誘導する。

マミ「遅くて心配したわ。私さびしかったんだから。ほむら様ったら、不良ね」スリスリ

言いつつも、自身のセックスアピールである胸をほむら嬢の背中に押し付ける。
そして自慰でもするように円を描きながら擦りつけるのである。

マミ「んっ・・・・・・ほむら様ぁ」スリスリ

甘い声を吐き出し、腰をくねらせ、上気した顔で覗き込む。
これでもかと自身の欲情をアピールするその健気なさまは、男ならば一度は想像する、女性とはかくあるべしという良妻そのものだ。

そしてふと杏子の方を振り返ると、勝ち誇った笑みを浮かべた。
恐らくマミの胸にあるのは嫉妬、であろう。

そして、女性の本能、すなわち独占欲のおもむくままにほむら嬢を占有せんとしている。
マミには、杏子は敵として認識されたのだ。

驚くことに、マミはわずか一日でここまでほむら嬢に魅せられてしまった。


ほむら「・・・・・・」

しかし、マミの献身にほむら嬢はなにも応えない。
マミは不安になったのかアプローチの角度を変える。

マミ「あ、お風呂も焚いてあるのよ。ごめんなさい、最近暑いものね。こっちの方が・・・・・・」

ほむら「巴マミ」グイッ

マミ「あっ」

遮るなり、ほむら嬢はマミを壁に押し付けた。

マミ「ん・・・・・・ほむら様」

照れくさげに、しかし一方で確かな充足感を噛みしめているであろうマミは、うっとりとした表情で唇を尖らせる。


しかし、ほむら嬢はそれに応じなかった。


ほむら「・・・・・・なにをしているの、あなたは」

冷たい表情でほむら嬢は問いかける。

マミ「な、なにって・・・・・・ほむら様に喜んでもらいたくて」

想像とは違う展開に、マミは狼狽せざるを得ない。

ほむら「食事? お風呂? 誰がそんなことを命じたの」

マミ「命じられてはないけれど・・・・・・」

ほむら「黙りなさい」

ほむら「私はただ、普段通りの生活をした後に私の家に来いとしか言ってないわ」

ほむら「いらないのよ、そんなお節介」

マミ「ご、ごめんなさい・・・・・・」

ほむら「・・・・・・はぁ。夕飯、作ったんですって?」

マミ「は、はい!」


ほむら「捨てなさい」


マミ「!! ま、待ってください! せめて一口・・・・・・頑張って作ったんです! 自信作なんです!」

ほむら「そう、ご苦労様」

マミ「・・・・・・えと」

ほむら「どうしたの? 早く捨てなさい」

マミ「・・・・・・っ!!」

ほむら「なにその顔。不満でも?」

マミ「いえ・・・・・・っ! ただ、ただ・・・・・・っ」グスッ

ほむら「マミ」グイッ

ほむら「捨てられたいの?」

マミ「ひっ」

ほむら「三秒で選びなさい。夕食とやらを捨てるか・・・・・・あなたが捨てられるか」

マミ「・・・・・・っ! す、捨てます! 夕飯捨てます! だから捨てないで・・・・・・っ!」

ほむら「そう。まぁ私はどっちでもいいのだけれど、あなたがそうしたいならそうしなさい」

マミ「・・・・・・はい」ポロポロ


マミ「う、ううううううぅぅぅううううっ!!」ダッ

哀れなマミは台所に引っ込んでしまった。

杏子「さすがに酷いんじゃねーの」

ほむら「ふん、押し付けがましい愛情入りの料理なんて胃もたれするに決まってるじゃない」

杏子「・・・・・・」

ほむら「さて、あなたの調教だったわね。まずは服を全部脱ぎましょうか」

杏子「なっ」

ほむら「ほら、早くなさい」

杏子「く・・・・・・っ」

ほむら嬢に催促されては抗えない。
おずおずと杏子は服のすそに手をかけた・・・・・・。


ほむら「・・・・・・ん。これからはゆっくりと脱ぎなさい」

ストリップショーがショーツに差し掛かったところで、ほむら嬢から追加の指示が下る。

杏子「・・・・・・わかったよ」スルスル

杏子は指示通りに飾り気のないショーツを脱いでいく。
やがてショーツが秘部を離れようとすると、のり付けでもされているかのようにそれを一瞬拒んだ。

が、それも一瞬のことである。
すぐにクロッチは秘部を離れ、杏子の支配下に戻った。

その際、秘部からクロッチへとのり状の粘液がにゅるりと糸をひいた。

ほむら「あらぁ? いまなにか見えたわね。気のせいかしら?」

杏子「・・・・・・気のせいじゃないです。それ、あたしの・・・・・・あ、愛液です」

ほむら「まぁ! もしかしてさっきのやり取りで濡れちゃったの?」

ほむら嬢も白々しいものである。

杏子「・・・・・・はい。もともと濡れてたけど、マミのダサい姿を見て、それを自分に重ねたら・・・・・・」

ほむら「ふふ、心もだいぶ堕ちてきたわね。えらいわ」

杏子「・・・・・・」スルリ

杏子は無言でショーツを脱ぎ切った。


ほむら「さて、杏子」ズイッ

おもむろにほむら嬢は杏子に迫り、自身の恥骨のあたりを杏子の下腹に押し付ける。

杏子「んぁっ!」

すっかり欲情しているにも関わらず直接的でない接触をされて、杏子は若干もどかしそうな声をあげて肢体をくねらせた。

ほむら「うふふ」チュパッ

そんな杏子を尻目に、自身の人差し指と中指を挑発的にしゃぶるほむら嬢。
やがて指を引き抜き、てらてらと嬢の唾液で光るそれを、杏子の口に突っ込んだ。

杏子「んむぅ」

口内を犯される杏子の顔は、すっかり官能で蕩けきっている。

杏子「んあっ、ひゃぶ」ジュプジュプ

杏子「ぷあっ!」

ほむら「ふふっ」

杏子「ふぁ・・・・・・」トローン

口内凌辱を終えたころには、杏子は二、三度達しているようだった。


ほむら「さて、玄関じゃあれだわ。私の寝室まで移動しましょう」

杏子「うん・・・・・・」

ほむら「寝室はこの突き当りを右よ。先に行っていて」

杏子「・・・・・・わかったよ」

そう杏子を誘導すると、ほむら嬢は台所へと向かった。


マミ「ぐす、えぐっ」

ほむら「マミ」

マミ「ほ、ほむら様!」

ほむら「全部捨てたかしら?」

マミ「ま、待ってください! あと少しで・・・・・・」

ほむら「・・・・・・そこの戸棚」

マミ「え?」

ほむら「そこの戸棚に、タッパーがあるから。・・・・・・入れておきなさい。朝食にするわ」

マミ「・・・・・・っ!! はい! はいっ!」パアア

ほむら「私、小食だから。あまり入れすぎないでね」

マミ「わかりました!」

ほむら「これに懲りたら、命じられてもいないお節介はやめなさいね」

マミ「はい!!」

ほむら「じゃあ、私は寝室にいるから。・・・・・・片付け終わったら来なさい」

マミ「はいっ!!」


ほむら「・・・・・・はぁ。本当に、手間のかかる子ね」

そうこぼすと、ほむら嬢は寝室へと歩を向けた。

我々は少しだけ、彼女の人間らしい温かみを感じた・・・・・・。

つづく!!


ほむら「佐倉さん?」ガチャッ

杏子「・・・・・・ここにいるよ」

ほむら「そう。暗いから分からなかったわ」

杏子「この部屋、電気のスイッチどこだよ」

ほむら「ちょっと待ってちょうだいね」パタン

ほむら嬢が部屋のドアを閉めると、深海を思わせる底のない暗闇が辺りを支配した。
一呼吸おいて、光が灯る。

それは杏子の背後からもたらされたが、安心感を得るほどの明るさはなかった。
むしろ不安定にゆらめくそれは、この寝室の不気味さを強調しているかもしれない。


杏子「~~~っ!?」バッ

我々の視座からすれば、落ち着いて寝室のふんいきについての感想をのんきに述べていられるが、当の杏子はそれどころではない。
灯った光につられて後ろを振り返ると、驚愕の色を浮かべて飛びのいた。

杏子が驚くのも無理はない。
さっきドアを閉めた、すなわち部屋の入口にいたはずのほむら嬢が、いまは杏子のすぐ後ろにたたずんでいるのである。

ほむら「ふふ、どうしたの? 私の顔になにか?」

銀の燭台にゆれる不安定な火によって浮かび上がったほむら嬢の笑みは、いつもにも増して不気味で、そして妖艶だ。

杏子「・・・・・・っ!」

化け物め、とでも言いたげに睨みつける杏子だが、いまはもうそんなことを口にする勇気すらないらしい。
代わりに彼女が歯の奥から絞り出したのは

杏子「・・・・・・いい趣味してるな」

という、皮肉にもなっていないセリフであった。


ほむら「くす、怯えているの?」クイッ

杏子「・・・・・・」

ほむら「安心なさい。とって食べやしないから」クスクス

ほむら「ふふ・・・・・・」スッ

杏子「うわ・・・・・・っ」ビク

ほむら嬢がおもむろに身を寄せる。
それに身を震わせた杏子は、怯えているのか、それとも・・・・・・。


ほむら「あなたの肢体・・・・・・綺麗よ」スリスリ

杏子「・・・・・・っ」グッ

淫らに絡みつくほむら嬢に、杏子は身を強ばらせる。
だが、拒む様子は見られない。

ほむら「ね、杏子。あなた・・・・・・興奮してるわね?」クスクス

杏子「なぁっ・・・・・・!?」

ほむら「わかるのよ。あなたにすり寄った瞬間、甘酸っぱい牝の匂いがただよい始めたもの」

杏子「~~~~っ!」カアア

ほむら「あぁ、かわいい。私が近づいただけで発情しちゃうなんて・・・・・・」ウフフ

ほむら「ね、もっと顔を見せて?」クイッ

杏子「・・・・・・うぅ、み、見ないで」

ほむら「いい表情よ。緩みきったオンナの顔・・・・・・。これからもっともっと、私好みに調教してあげる」ツツーッ

杏子「あっ・・・・・・」

つつと輪郭をなぞりあげられただけで、杏子は官能的な声をあげてしまう。
この寝室でほむら嬢が愛撫と言えるようなことをしたのはこれが初めてにも関わらず、これほどまでに杏子は昂ぶっているのだ。

ほむら「ふふ、匂いがきつくなったわよ? 興奮してるのね?」

杏子「い、いちいち言うなよぉ・・・・・・っ!」

ほむら「いいじゃない。もっと嗅がせてほしいわ。いやらしい女の淫香・・・・・・」

ほむら「私の」

そこで区切ると、ゆっくり息を吸い込み、やがて煙草をふかすように吐き出すと。

ほむら「・・・・・・大好物」ニタア

妖しく微笑んだ。


その後もほむら嬢は蛇のように杏子に絡みつき、ねっとりと嬲っている。
が、どうも性的急所への愛撫は見受けられない。

――焦らしているのか?

AD「どうでしょう。もう彼女は陥落寸前なので、一気に突き崩してもよさそうなものですが・・・・・・」

ADもほむら嬢の真意を計りかねているようだ。

『ほむら様!』

するとここで、モニターに映る寝室に変化が訪れる。


マミ「ほむら様!」バン

ほむら「ふふ、待っていたわ」

杏子「マ、ミ・・・・・・?」ハアハア

ほむら「マミ、さっそくだけど、杏子をそこの柱に縛りつけてくれる?」

マミ「はいっ。仰せのままに!」シュルル
杏子「あぐっ!?」

これはどういったトリックなのだろうか。
杏子がいきなり宙に現れたリボンに絡め取られてしまった。

――これは魔術かなにか?

AD「いえ、そんなものはこの世にありません。恐ろしく高度なマジック・・・・・・。それがあの現象の正体でしょう」

――なるほど。

AD「暁美ほむら・・・・・・。恐ろしい少女です。自身の調教の雰囲気づくりのために、あのような技術まで身に着けているなんて・・・・・・!」

プロのADをしてここまで戦慄させる・・・・・・。
ほむら嬢の底知れないこだわりを感じた瞬間である。


杏子「な、なんだよこれ!?」

ほむら「ふふ、あなたはしばらくそこにいなさい」

ほむら「さぁマミ。いらっしゃい」

マミ「はいぃ」スリスリ

これはどういうことだろうか。
なんと、調教するはずの杏子を放置してほむら嬢とマミがレズプレイに興じ始めてしまったのである。

ほむら「んふ、ほんと、イヤらしい身体・・・・・・」

マミ「はぁん、ほむら様ぁ・・・・・・っ。もっと愛液飲ませて・・・・・・」

ぬちゃぬちゃと情熱的に絡み合うふたり。
たまらないのは杏子である。

杏子「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・っ」

耳まで紅潮させている彼女は、みじめに股をすり合わせるしかないのだ。


マミ「ほむらさまっ! んぁっ! ほむささまぁ!! きもちいい! そこ、かんじますっ」

ほむら「んっ。あっ、あなたもっ、上達したわね・・・・・・っ!」

ふたりは玉のような汗を弾けさせ、夢中で互いを貪りあっている。
もう何度上下が逆転したかわからず、髪の毛先まで混ざり合っているようなありさまだ。

ほむら「んっぐ、はっ、ふふ! いいわ、もっとよ! もっと奉仕なさい!」

マミ「はいっ! ほむらさまっ! かんじてください! もっとマミの舌できもちよくなってっ」

それでもふたりのボルテージは天井知らずにあがってゆく。
加速していくプレイの様相は、モニター越しでもその湿度が感じられるほどである。

マミ「はぁああん! おっぱい! おっぱい潰されるのいいのっ! イクっ! またイクうううっ!」

ほむら「あはっ! またイクのねこの淫乱! いいわ! 盛大に弾けなさいっ!」ギュウウウ

マミ「おんっ!? ほおおおおおおおおっ!」ビクッビクッ

獣のような咆哮とともに、マミが5回目の絶頂を極めたときである。

杏子「・・・・・・せて」

ほむら「・・・・・・」ニタリ

杏子「あ、あたしもっ! あたしにもしてくれよぉおおおっ!!」

堰を切ったように杏子が吼えた。


杏子「な、なんだよこれっ! あたしを調教すんじゃねぇのかよぉ!!」

ほむら「・・・・・・マミ、まだやれる?」

マミ「はい・・・・・・! 一晩中でも!」

杏子「無視すんなちくしょうっ!」

杏子「くそっ! くそっ! わけわかんねーよ! なにがしたいんだよお前はっ!」

ほむら「ほら、杏子のそばにいくわよ」

マミ「はいっ!」

杏子「・・・・・・!」パアア

ようやく自分の番だ――。期待に頬を緩ませた杏子をあざ笑うように。

ほむら「ふふっ」グチュリ

マミ「あぁんっ!」

ほむら嬢は再びマミを責め始めた。


マミ「あっ! あひっ! きもちいいっ! きもちいいのおお」

息がかかるほどの至近距離で、マミが喘いでいる。
それを見せつけられた杏子はたまったものではない。

杏子「ずるいっ! なんでマミばっかり! あたしも気持ちよくなりたいっ! これほどけっ! ほどけよぉおおっ!!」

半狂乱になって訴える杏子はただただ哀れというほかない。

マミ「うふ、佐倉さ、ンっ! うらやましい? うふふっ! でも残念。ほむら様は私に夢中なのよ!」

杏子「~~~~っ!」バタバタ

ほむら「さて、そろそろイクころかしら?」

マミ「はいっ! マミイキますぅ! またイクっ! イクううううっ!!」

杏子「うっ、うう。ほむら様・・・・・・! あ、あたしもイカせて・・・・・・! お願いします、お願いします・・・・・・」グスッ

散々焦らされた挙句、マミの絶頂による汗のシャワーを浴びせられた杏子はついに泣きだしてしまった。


杏子「イカせて・・・・・・! 疼いて疼いてたまらないんだ! なんでもする! ほむら様の奴隷になるから・・・・・・!」

ほむら「・・・・・・本当に?」

杏子「本当だよっ! もう生意気な態度取らないから! あたしを気持ちよくして!」

ほむら「でも・・・・・・そうねぇ。あなたって演技できそうだものねぇ」

わざとらしく肩をすくめるほむら嬢。
傍らのマミは勝ち誇った笑みを浮かべている。

杏子「ごべんなざい・・・・・・! ううっ、あたしが悪かったがらぁ・・・・・・!」

悪いことなどしていないはずなのに謝り始めるあたり、杏子はもう本当にぎりぎりの精神状態のようだ。

ほむら「じゃあ、そうねぇ。誓いをたててもらいましょうか」

杏子「誓い・・・・・・?」

ほむら「そう。・・・・・・あなたが絶対に逆らえなくなる魔法よ」

つづく!


杏子「ざがらいません・・・・・・! 誓いますっ! ほむら様には逆らいません・・・・・・」

ほむら「あはっ! あははは! ほんとズレてるわねぇ。焦っちゃだめよ。これには準備が必要なんだから」

杏子「な、なにをすれば・・・・・・?」

ほむら「私の愛液を飲みなさい。それが誓いよ」

杏子「じゃあ準備って」

ほむら「そう。私を昂らせるの」

杏子「さっきのマミのでいいじゃんかよぉ・・・・・・。あたしもう」

ほむら「だめよ。あなた自身がしないと意味ないじゃない」

ほむら「マミ、杏子を解放しなさい」

マミ「・・・・・・はい」

マミは若干不満気だ。


杏子「・・・・・・っ」

杏子は束縛から解放されるやいなや、ほぼ反射的に秘所に手を伸ばしかける。
度重なる本能からの要請にようやく応えられるのだ。
それは極めて正常な行為だといえるだろう。

しかし、杏子は途中で手を止める。
ほむら嬢の視線に気づいたためである。

ほむら嬢は無表情ではあるが、その視線には明らかに威圧の色が含まれている。
ほむら嬢は視線のみで杏子の本能を抑えたのだ。

杏子「ほ、ほむら様・・・・・・」

そして杏子は、自らしようとした行為を誤魔化すように手をうやうやしくほむら嬢に伸ばすのだった。


ほむら「ふふ」

ほむら嬢は微笑む。
それは合格よ、という意味なのか、それとも杏子の逡巡を滑稽に思ったのか。
はたまた全く別の思案を巡らせていたのか否か。

ほむら嬢は語らない。


杏子「ほむら様、ほむら様」

杏子はほむら嬢をベッドに押し倒し、たどたどしくも愛撫を始めた。

ほむら「・・・・・・」

しかしほむら嬢は反応しない。
それもそうであろう、無理からぬことではあるが、杏子の愛撫はほむら嬢のそれと比較すれば稚拙である。

しょせん、杏子の愛撫でほむら嬢が満足できようはずもないのだ。


杏子「・・・・・・っ!」

ほむら「・・・・・・ん」

すると、ほむら嬢がわずかにではあるが反応した。

AD「これは・・・・・・!」

――杏子が成長している?

AD「いえ、成長はそうなのですが、これまででたらめだった動きに一貫性が出てきたというか・・・・・・。そう、なにか指針のようなものができたように感じますね」

確かによく見ると、杏子の愛撫の質が変わってきたように思われる。
なにが彼女を成長させたのだろうか。

杏子「ど、どうだ?」

ほむら「・・・・・・悪くないわ」

杏子「ほんとか!?」

ほむら「ええ。・・・・・・私の真似をしているんでしょう?」

杏子「う、うん」

ほむら「ふふ、いい子ね。奴隷はやっぱりもの覚えがいい方がいいわ」

杏子「ありがとうございます・・・・・・」


ほむら「・・・・・・んっ、あ」

杏子「ほむら様・・・・・・まだあんまり濡れてない・・・・・・」

ほむら「そうね、・・・・・・っく。確かに気持ちいいけれど、あなたの愛撫には足りないものがあるわ」

杏子「お、教えてっ! あたしがんばるから!」

ほむら「だーめ。べつに私はこのままでもいいもの」

杏子「そんな・・・・・・! あたしもう辛いんだよっ! ほむら様の愛撫を思い出してたら、もっと疼いてきちゃったんだ・・・・・・! 切なくてどうにかなりそうなんだよっ」

ほむら「じゃあ考えなさい」クスクス

杏子「そんなっ・・・・・・! そんなぁ・・・・・・」

――足りないものとは?

AD「恐らく意外性ですね。彼女がほむら嬢の愛撫をそのままトレースしているなら、ほむら嬢はそれを知り尽くしていますからね。次にどこを責められるかわかっている愛撫ほどつまらないものはありません」

――なるほど。

AD「・・・・・・」

――他にもなにか?

AD「ええまあ、少々気になることはありますが・・・・・・いまはこのシーンに集中することにします」

そう言うと彼はまたメモにかじりつき始めてしまった・・・・・・。


杏子「・・・・・・はぁっ、はっ」

ほむら「・・・・・・っ、どうしたの? ん、そんなんじゃ私の愛液なんて、飲めない、わよっ」

耳まで赤らめて発情しきっている杏子には、もはや一片の余裕も感じられない。
愛撫も雑なものへと劣化してきているところを見ると、半分自棄であったのかもしれない。

だからそれは、本当に偶然であったのだろう。

ほむら「んあっ!?」

杏子「え?」

杏子は一瞬硬直した。
まったくなんでもないような愛撫が、ほむら嬢を大きく反応させた。

杏子の自棄が、結果的にほむら嬢の意表をついたのだ。


ほむら「・・・・・・ふふ、いまのは良かったわよ」

杏子「・・・・・・!」

杏子の顔がほころぶ。
自分の愛撫になにが足りなかったのかを悟ったのだ。

それから杏子は積極的に責め始めた。
目の前の道が開けた瞬間の高揚感というものは、その者のパフォーマンスを大きく引き上げる。

杏子が「誓い」を立てられるのも時間の問題だろう。

ところで、この間マミはなにをしていたのだろうか。
ふとほむら嬢と杏子から視線を外すと、ふたりがもつれるベッドの傍らに彼女はいた。

恨めし気に杏子を睨みながら、しきりに親指を噛んでいる。
その様子から察するに、彼女はずいぶんと嫉妬深い性質らしい。

反対給付の手はというと、下腹のあたりをしきりに引っ掻いている。
そしてその下には愛液の水たまりが。

自慰したい衝動を必死に抑え込んでいるのだろう。
ひとえに、ほむら嬢に嫌われないために・・・・・・。


ほむら「はっ、うぅ、杏子。もういいわ。もう十分濡れたから」グイッ

その時、ほむら嬢の声がした。
準備が整ったのだ。

杏子「んっ、・・・・・・は、はい」

見れば、わずかにではあるが確かに濡れているようである。

杏子「ほ、ほむら様・・・・・・」

ほむら「・・・・・・待ちなさい」

やや緊張した面持ちでほむら嬢の股間に顔をうずめようとした杏子を、ほむら嬢が引き止めた。

ほむら「本当にいいの? 私の愛液なんて飲んじゃって」クスクス

杏子「は・・・・・・? だってほむら様が飲めって」

ほむら「私の体液は、すべて極上の媚薬。・・・・・・特に愛液なんてとんでもない劇薬なんだから」

杏子「・・・・・・っ!」

ほむら「マミ!」

マミ「は、はいっ!」

ほむら「教えてあげなさい。あなたが昨日、私の愛液を飲んでからどうなったか」

マミ「はいっ! あれ以来、私はずっと発情しっぱなしなんです。今日なんて学校に替えのパンツを3枚も持っていったのに、全部午前中に使ってしましました」

マミ「仕方ないから午後はずっとノーパンでした。愛液を遮るものがなくなって、帰るころには靴までどろどろになってしまいました」

マミ「もう授業なんてまったく頭に入ってきません。ほむら様が常に私の頭の中で私を凌辱するんです。もう私はとろけるしかありません」

マミ「私は変わりました。ほむら様が与えてくれるかいらk」
ほむら「もういいわ」

ほむら嬢は若干うんざりしたような顔をしながら、杏子に向き直る。

ほむら「――だ、そうなんだけど。それでも飲む?」ウフフ

この時のほむら嬢の表情といったらどうであろう。
魔性たっぷりに浮かべる笑みは、まさしく快楽の代償として魂を要求している悪魔のそれそのものだった。


その悪魔の問いに杏子は。

杏子「・・・・・・そんなの、逆らえるわけねーじゃん・・・・・・」

ぼやくなり。

杏子「おねがいします・・・・・・! あたしをほむら様の愛液でぶっ壊してください・・・・・・!」

ほむら「・・・・・・くす」

ほむら「いいわ、許してあげる。さ、召し上がれ・・・・・・?」クイッ

杏子「・・・・・・ありがとうございます」

そして杏子は、ほむら嬢の秘所に、口づけをした・・・・・・。


――本当に彼女の愛液は媚薬なのか?

AD「そんなはずはありませんよ。ただ、杏子にとっては確かに媚薬でしょうね」

――というと?

AD「恐らく杏子は、条件付けによる催眠状態にあります。彼女にとってほむら嬢の言葉は世界の理そのものなのです」

――そんなことが・・・・・・。

AD「まったく、恐ろしい少女ですよ。彼女は・・・・・・」


杏子「うああああっ! イクっ! またイッちゃうううう!!」ビクーッ

ほむら「あはあはは! いいわよ! もっと乱れなさい!」

杏子「はいいいぃ! もっと気持ちよくなりますっ! どんどんイキますっ! あひっひいいいいいっ!」

その後、杏子は期待通りの快楽を貪っていた。

杏子「ああっ! んああああっ! 気持ちいいよぉっ! もっと! もっとおおお!」

ほむら「うふふ。いいものでしょう? 欲望に忠実になるって」

杏子「はいいっ! あたしがバカでしたっ! こんなの知ったらもう戻れないですっ!」

ほむら「あははははははっ! 堕ちた! 堕ちたわね! あの佐倉杏子が! なんて情けないのかしら! あはははははは!」

ほむら嬢は狂喜のなかでも愛撫の手を緩めない。
杏子は快楽の底なし沼に首までどっぷりと浸かっていった。


AD「・・・・・・?」

――どうしたのか?

最初に気づいたのはADだった。

AD「いえ、これは――」

AD「間違いありません! ほむら嬢はほんのわずかずつ、愛撫の力加減を弱めていっています」

――???

我々がそれを認識できたのは、ADの指摘当時よりも五分の時間を要した。

杏子「んあっ! ひっ! またイクううううううっ!!」

杏子の感じっぷりは相変わらずである。
にも関わらず、ほむら嬢はいつの間にか指先だけの軽いフェザータッチしかしていないのだ。

まるでピアノでも弾いているかのような優雅さで、リズミカルに杏子を絶頂に導いている。
その様は、一種の芸術性すら感じられるほどだ。


――これは?

AD「杏子は快楽に飢えきっている状態でした。彼女の身体は、ほんのわずかな刺激でも快楽に返還しようと躍起になっているはずです」

AD「さらに一度激しい快楽を与え、絶頂までの道をしっかりと開拓する。あとは、少しずつ与える刺激を弱めていくだけです。それだけで彼女の身体は快楽を得ようと神経を過敏に尖らせ続けるでしょう」

――要するに、すごいスピードで開発されている?

AD「身もふたもない言い方をすれば、そうなります」

いまだ、杏子の嬌声は鳴りやまない。
ほむら嬢が「演奏」をやめないからである。

といっても、それはそろそろ終盤であることを予感させる。
というのも、楽器たる杏子の音色がテンポ・ボリュームともにみるみる上がっていくのだ。

それは音楽でいうところのサビであろう。
そして、案の定その後音色はフェードアウトしていき、最終的に杏子の気絶という形での終幕となった。

ほむら嬢は杏子をマミに預けると、カメラ中央に立ち、ぺこりとお辞儀をしてみせるのだった。


ほむら「――ふふ。どうだったかしら? 私の演目は」

AD「とても為になったよ」

ほむら「でしょうね。うっふふふ!」

いつになくほむら嬢は上機嫌である。

AD「いろいろ勉強になった。本当に。女性というのは、その場のシチュエーションに酔う傾向にあるみたいだね。あと、今日のことから・・・・・・」

ほむら「・・・・・・ちょっと」

AD「え?」

ほむら「そうやって言葉にするなら五分とかからないわよ。それじゃあ細かい機微は伝わらないだろうと思ってわざわざ見せてあげてるのに。・・・・・・興がそがれるわ」

AD「すっすまない!」

ほむら「はぁ。協力するのやめようかしら」

AD「すまなかった! 本当に! この通りだ・・・・・・!」

ほむら「ふふ、冗談よ。あまりみっともないことしないでもらえるかしら」

AD「そ、それは・・・・・・すまない」

ほむら「結局謝るのね。おもしろい」クスクス

AD「・・・・・・」

ほむら「明日も、見たい?」ニタリ

AD「ぜ、ぜひ!」

ほむら「じゃあ・・・・・・」



ほむら「――ふふ。どうだったかしら? 私の演目は」

AD「とても為になったよ」

ほむら「でしょうね。うっふふふ!」

いつになくほむら嬢は上機嫌である。

AD「いろいろ勉強になった。本当に。女性というのは、その場のシチュエーションに酔う傾向にあるみたいだね。あと、今日のことから・・・・・・」

ほむら「・・・・・・ちょっと」

AD「え?」

ほむら「そうやって言葉にするなら五分とかからないわよ。それじゃあ細かい機微は伝わらないだろうと思ってわざわざ見せてあげてるのに。・・・・・・興がそがれるわ」

AD「すっすまない!」

ほむら「はぁ。協力するのやめようかしら」

AD「すまなかった! 本当に! この通りだ・・・・・・!」

ほむら「ふふ、冗談よ。あまりみっともないことしないでもらえるかしら」

AD「そ、それは・・・・・・すまない」

ほむら「結局謝るのね。おもしろい」クスクス

AD「・・・・・・」

ほむら「明日も、見たい?」ニタリ

AD「ぜ、ぜひ!」

ほむら「じゃあ・・・・・・」


________
______


「ほむら様、ほむら様」

ほむら「・・・・・・んん」ムクリ

杏子「ほむら様、あたしまた疼いてきちゃった・・・・・・」ハアハア

ほむら「ふふ、すっかり奴隷ね」

ほむら「でもだめ。私の睡眠を妨げるのは許さないわ」

杏子「そ、そんな・・・・・・!」

ほむら「・・・・・・」

杏子「・・・・・・」

ほむら「はぁ、仕方ないわね。・・・・・・私の右脚を使うことを許すわ。存分に自分で慰めなさい」

杏子「あ、ありがとうございます!!」パアア


――ズチャッズチャッ


ほむら「・・・・・・ねぇ、杏子」

杏子「はい」

ほむら「あなた、今日映画館で私となにか話そうとしてたわね?」

杏子「・・・・・・! は、はい」

杏子「さやかのやつが、ほむら様のことを悪いやつだって言うから。だから、あたしは理由もなく人を疑うなって怒りました」

杏子「で、ほむら様がふたりで映画館に行こうって誘ってきたから、さやかに『あたしがほむら様が白か黒かを確かめる』っていいました」

ほむら「で、まんまと私に捕まったわけね」

杏子「はい・・・・・・。最初は裏切られた気がして、すごく腹立たしかったけど・・・・・・いまは、ほむら様の奴隷で幸せです」

ほむら「そう」


ほむら「ねぇ、美樹さんにもこの快楽を教えてあげたいわ」

ほむら「協力、してくれる・・・・・・?」ニタア

杏子「さやかにも・・・・・・?」


杏子「はいっ! 喜んで!」


つづく!!


翌日も我々は液晶越しにほむら嬢を眺めていた。
今日は日中から始めるそうで、モニターはほむら嬢を中心に中学校を映し出している。

――ほむら嬢は独りだが・・・・・・?

AD「それはそうでしょう。中学生が彼女と対等に話せるはずもない」

僕でさえ、いまだに彼女と話すのは緊張するんですから。
と付け足したそれは、自虐でもなんでもないのだろう。

と、その矢先であった。

「ほむらちゃーん!」

そのほむら嬢を呼ぶ無邪気な声は、我々を震撼させた。


ほむら嬢を呼ぶ声の主は、いつだったかの電車の中で見かけた桃色の髪をした少女であった。

――まずい。
彼女が近寄ろうとしている暁美ほむらという少女は普通ではないのだ。

おそらく無知ゆえに。
人生経験の乏しさからくる危機察知能力の低さがゆえに。

桃色の少女は、触りさえしなければ祟ることもないであろう存在に安易に接触してしまったのであろう。

ほむら「・・・・・・」

ほむら嬢は反応しない。
良くない傾向だ。

まどか「ほむらちゃんったら!」

にもかかわらず、少女はなおも語りかける。
我々としては、むずかゆいことにただ見守ることしかできない。

せめて、虫の居所が良くあってくれ――。
天を仰ぎかけた時である。

ほむら「・・・・・・あら、まどか」

信じられないものを、我々は目撃した。


まどか「もう、さっきから呼んでたのに」

ほむら「ごめんなさい、すこしぼーっとしていたわ」

まどか「ほむらちゃんでも、ぼーっとすることあるんだねぇ」

ほむら「ふふ、意外かしら?」

まどか「うん。ほむらちゃんってパーフェクトビューティってイメージだったから」

ほむら「それは光栄だわ」クスッ

あのほむら嬢が、談笑している。

我々が知っているほむら嬢の笑みとは、嘲りだとか、侮蔑だとか、そういった類いの、いちいちこちらに分際をわきまえさせるようなものばかりである。
ひとつの超越者のそれであると言っても差し支えないであろう。

神だとか、あるいは大自然だとかが我々にそうするように、ただ巨大な存在に振り回される感覚。
要するに、こちらの事情など一片たりとも気にかけていないのだ。
そんなほむら嬢が。

まどか「ね、ほむらちゃん。明日なんだけど・・・・・・」

ほむら「あら、それはいいわね」フフ

あの少女に対しては、せいいっぱいの優しさを向けている。
母性とすら形容でき得るほどの包み込まれるような無償の愛をたたえた彼女の笑みは、とても我々の知るほむら嬢と同一人物とは思えなかった。

ほむら「・・・・・・」ジッ

と、ここで一瞬ほむら嬢がカメラ目線になり――中継が切られてしまった。

――あれはなんだった・・・・・・?

AD「さぁ・・・・・・。僕にもさっぱりです。彼女にもあんな面があったんですね」

ほむら嬢とは、なんとも謎の尽きない人物である――。

つづく!!


AD「あ、映りましたよ」

一時間後、再び光を点したモニターにはほむら嬢と見慣れない少年の姿があった。

少年「えっと、話ってなにかな・・・・・・」

どこか中性的で線の細いその少年は、その頼りない外見通りの自信なさげな態度で問いかける。
ほむら嬢に目線すら合わせられない様子から察するに、よほど緊張しているらしい。

ほむら「うふふ、そんなに固くならないでちょうだいな」ファサア

ほむら嬢が髪をかき上げると、それを助けるように風が吹く。
それがあまりにも絵になっていたためか、少年は初めてほむら嬢を視界に入れることができたようだ。

ほむら「ちょっと、私の話を聞いてほしいだけなの」

そう言っておどけて少年に歩み寄る美少女に、少年は今度は目線を外すことができなくなってしまっている。

ほむら「聞いてくれる・・・・・・? 上条くん」

いまの彼の状態は痛いほどよく分かる。
手汗が滲み、のどが詰まるような甘酸っぱい興奮・・・・・・。

その形容し難い甘美さは、人生のうちでそう何度も味わえるものではないだろう。
だが悲しきかな、現実は少年の期待通りには展開しないに違いない。

なぜなら、知っての通りほむら嬢はレズビアンだからである。

なぜほむら嬢がこのような茶番を演じているのか・・・・・・それは、この出来事が後々の痴漢に関係しているからであろう。
それにただ利用されているだけのこの哀れな少年には、同情を禁じ得ない・・・・・・。


少年「ちょ、ちょっと暁美さん・・・・・・!!」

ほむら「うふふ・・・・・・」

ついにほむら嬢が彼に触れようとする、まさにその瞬間だった。

「ほむらああ!」

ほむら嬢の作りだしていた独特の空間――結界と言っても差支えのないほどのものである――を、一筋の声音が打ち壊した。

少年「さ、さやか!?」

さやか「大丈夫!? 恭介! なにもされてない?」

突然の来訪者は、間髪入れずに密着しかけているふたりを桃色の空間ごと引き裂いた。

ほむら「・・・・・・ふふ」ニタァ

当のほむら嬢は乱暴に自分の行為を遮られたにもかかわらず、むしろ満足げに口元を歪ませる。
この乱入してきた少女こそ、今日のメインゲストなのだろう。

AD「本当に、彼女は演出というものを解っていますね・・・・・・」

ADの零したそのセリフは、呆れに近かったであろう。


少年「さやか・・・・・・どうしてここに?」

少年はいささか不満げである。
まだ自分が、ほむら嬢にさやかという少女をおびき出すためのダシにされたことに気づいていないのだろう。

気づけ、という方が無理な話ではあるが。

さやか「ほむら・・・・・・。あんた、なにしようとしてたの? 恭介には仁美がいるって知ってるくせに!」

ほむら「そう熱くならないで。・・・・・・なにを想像しているのか知らないけど」クスッ

いきり立つさやかを前にしても、ほむら嬢はどこ吹く風といった体である。

さやか「この・・・・・・!!」

この少年にほむら嬢が手を出しかけたことによほどご立腹なのであろう、さやかはほむら嬢に掴みかかろうと突進する。
しかし、それも簡単にいなされてしまう。

さやか「くそっ! ほむらあああ!」ダッ

ほむら「あら怖い」クスリ

再度さやかは突進するも、今度はほむら嬢に足を払われてしまう。

さやか「っ!」

少年「さやかっ!」ガシ

前のめりで勢いよく転びかけたさやかを支えたのは、はたして先ほどまで立ち尽くすのみだった少年である。
といっても、正面から自分のところに倒れ込んでくる女性がいればとっさに支えてしまうものであろう。

その様子は、見かたを変えればほむら嬢が意図して少年にパスを出しているようだった。


さやか「あ、きょ、恭介・・・・・・」

少年「大丈夫かい?」

さやか「う、うん・・・・・・。ありがと」

さきほどまで猛っていた少女は、少年の腕の中に収まったとたん、借りてきた犬ころのように大人しくなってしまった。

AD「なるほど・・・・・・。なんとなくあの3人の相関関係が見えてきましたよ」

――というと?

AD「恐らくあのさやかという少女は、あの少年に恋をしていました」

――なぜ過去形?

AD「『恭介には仁美がいる』という発言から察するに、彼にはすでに恋人がいる。ために、さやかは彼を諦めたのでしょう」

――そこにほむら嬢が入っていったと

AD「はい」

それではさやかが怒るはずである。
いったいほむら嬢は、なにを意図してこのような展開にしたのであろうか・・・・・・。


さやか「・・・・・・」

少年「・・・・・・」

ふたりの間に、甘酸っぱい沈黙がただよう。
それを構成しているのは、けして単純ではないふたりの関係であろう。

この年代の性差による葛藤のなんと奥ゆかしいことか。
我々も若返る心地である。

ほむら「ちょっと、いい?」

その瑞々しい空間に割り入るのは、ほむら嬢という巨大な、それでいて輪郭にモヤのかかった、得体のしれない存在である。

さやか「・・・・・・なにさ」

一気に現実に引き戻されたであろうさやかは不機嫌そうである。

ほむら「あなたじゃないわ。・・・・・・上条くん」

少年「え」

ほむら「髪の毛にゴミがついているわよ」

少年「・・・・・・あ、本当だ」

ほむら「話っていうのは、それだけ。もうあなたに用はないわ。消えなさい」

少年「なっ・・・・・・!」

まさに後から取ってつけたような、てきとうな理由である。
いつものほむら嬢なら、人を小馬鹿にした煽りを捨てセリフに残すものだが、それすらなしに退場を命じたあたり、本気でこの少年には一片の興味もないのだろう。

そして少年は、もはやその通りに動くしかないのである。


さやか「あんた・・・・・・なにがしたいわけ?」

ほむら「うふふっ。いいわ、その顔」

さやか「は?」

ほむら「いまのうちにしっかりと目に焼き付けておかないとね・・・・・・。こんなに反抗的な美樹さやかは今日で見納めなんだから」ウフフ

さやか「・・・・・・!」

さやかはこの瞬間、悟らざるを得なかっただろう。
彼女は、ほむら嬢という女の天敵に狙われているのだ。


ほむら「うふふふ」スルリ

さやか「う、うわっ! なにするのよ気持ち悪い!」

ほむら嬢がさやかに絡みつく。
ほむら嬢が蛇なら、さやかは蛙であろうか。

とにかく、この時点で両者の関係は捕食者と獲物のそれとなった。
こうなっては逃れるすべはない・・・・・・。

これまでのほむら嬢を見ているからこそ、そう思わざるを得なかった。

さやか「ひいっ!?」

そしてさやかをがっちりと捕らえたほむら嬢は唐突に、そして無遠慮にさやかの股間に手を滑り込ませた。

ほむら「あら? ・・・・・・うふふ」

ほむら嬢がわざとらしく笑う。
おそらく予想通りの展開なのだろう。


ほむら「これはなにかしら? 美樹さやか」

そして、さやかの股間から手を離すと、その手をさやかの眼前に突きつける。
その指は、ぬらぬらと光って見えた。

さやか「・・・・・・っ」

ほむら「あなた、びっしょびしょに濡れてるわね。・・・・・・くひっ」ククッ

ほむら嬢はこの展開を心底楽しんでいるようである。
笑いをかみ殺そうとするあまり、妙な声が漏れてしまうほどに、である。

さやか「わ、笑うなあっ!」カアア

さやかも多感な時期なのであろう。
自身の女としての生理反応に、必要以上の恥辱を感じているようだ。

ほむら「あは、上条くんに、ふふ。抱きかかえられた時かしら? うっふふふふ!」ケラケラ

さやか「~~~っ!」

ほむら「そんなに恥じ入ることはないわ。ふふっ、『好きな人』にあんな風に抱かれたら、女なら誰だって濡れちゃうもの」

さやか「す、好きな・・・・・・って。あたしは・・・・・・!」

ほむら「まだ引きずっているんでしょう? 月並みな言い方だけど・・・・・・下のお口は正直よ? あっははははは! 一度言ってみたかったのよねぇ、これ!!」ケラケラ


さやか「違うっ! 違うっ!」

ほむら「違わないでしょう? ほら」ズブブッ

さやか「くぁっ・・・・・・! んんんんん!」

ほむら「なにを我慢することがあるの? 気持ちよくなることは恥ずかしいことじゃないわよ」ヌチャヌチャ

さやか「ふぁ、ぎっ! やめ、ろぉ」ビクッビクッ

ほむら「・・・・・・あなた敏感ね。まさか、自分で開発済みなのかしら?」

さやか「なあ・・・・・・っ!?」カアアア

ほむら「ぷっ。あはははははは! 私あなたのそういう分かりやすいところ、嫌いじゃないわよ!」

ほむら「かわいそうにねぇ。愛しの上条くんがとられちゃったから、ずっと自分で慰めてたの?」

さやか「・・・・・・っ」ギリッ

ほむら「でも安心して? 私は上条くんとは違って、あなたをめいっぱい気持ちよくさせてあげるわ」ズチュッ

さやか「んあっ! あぁう」

ほむら「ふふ、簡単に堕ちそうね」

さやか「あ、あんたはっ」

ほむら「え?」

さやか「ちがっ、うう! んあっ! あ、あたしは・・・・・・! あんたとは違うっ」

ほむら「・・・・・・? 私とは違う? どういう意味かしら」

さやか「あたしは・・・・・・っ! あたしのはそんな不純な想いじゃないっ! ばかにするなっ!」

ほむら「・・・・・・へえ」

つづく!


さやか「あたしはっ! 恭介にこんなことをしてほしかったんじゃない!」

ほむら「・・・・・・それで?」

さやか「あんたの語る愛ってのは、こういうことだったわけ? まどかに対してもこんな下劣な欲望しか抱いてなかったんだ」

ほむら「・・・・・・」

さやか「見損なったよ、暁美ほむら! あんたのは愛じゃない、ただの性欲だ!」

ほむら「・・・・・・」

さやか「・・・・・・なんとか言ったらどうなの?」

さやかが呼びかけるも、ほむら嬢は応えない。
どういうわけかそれまでの愛撫も止めてしまい、ほむら嬢だけ時間に取り残されたように固まって動かなくなってしまった。

さやか「・・・・・・図星なんだ?」

もはやさやかは勝ち誇っている。
自身の言葉がほむら嬢に刺さったとの確信があるようだ。



「ぷっ」

しかし。


ほむら「くくっ。 あは、あははははっはあはははは!!」

その自信に満ちた表情は、直後のほむら嬢の狂ったような笑い声によってすぐにかき消されてしまった。

今度はさやかが硬直する番である。

ほむら「きゃはははははっ! ひーっ! げほっげほっ!」

あのほむら嬢が、両脚を交互に蹴り上げ全身に埃をかぶりながら、文字通り笑い転げている。
ターゲットであるさやかの拘束も解いてしまったあたりを見ると、よほどツボにはまってしまったようだ。

ほむら「あははっ! はははははは! 恐ろしい! 恐ろしいわ美樹さやか! この私をっ! くひっ。笑い過ぎで窒息死させる気ね!?」

さやか「・・・・・・っ」

我々も彼女があそこまで表情を崩すのを見るのは初めてである。
そのあまりに異様としか形容しがたいさまは、ほむら嬢の拘束から解放されたはずのさやかをその場に釘づけにしてしまっているほどである。

ほむら「ふふふっ! まさか、よりによってあなたに愛について説かれるなんてねぇ! あははは!」

さやか「なっ! なにがそんなに可笑しいのよ!?」

ほむら「あは、言わないと解らない?」

ようやく笑いの波が引いてきたのか、涙目のほむら嬢は物分りの悪い子どもにするように優しく、そしてわざとらしくこんこんと諭すのである。


ほむら「下劣な欲望・・・・・・だったかしら? それも紛れもなく愛の本質の一片だと思わない?」

さやか「まさか! 恋愛は下半身でするものじゃなくて、ハートでするものでしょう!」ドヤッ

ほむら「ぶふぅっ! ふ、うふふふ。ピュアなのねぇ。でも、肝心のあなたの下半身はどうかしら?」

さやか「・・・・・・」

ほむら「上条くんに抱かれただけでとろとろになっちゃったわよね? それにさっきの感度の良さから察するに、自慰も覚えているようじゃない」

さやか「・・・・・・っ」カアア

ほむら「ね? あなた自身、しっかりと愛欲の味を知っている。しかも、飢えている」

さやか「あ、あたしは違うっ!」

ほむら「違わないわ。すべての女性は、愛する人とのふれあいに飢えているの。抗いがたい、獣のような本能ね」

さやか「やめてっ! あたしの想いを汚さないでよ!」

ほむら「・・・・・・はぁ。少しは学習したのかと思ってたわ。潔癖症は相変わらずなのね」

ほむら「恋も情も、簡単に憎悪や嫉妬に転ずるわ。その人への想いや執着が強ければ強いほど、それらは深くなるでしょうね」

さやか「・・・・・・あたしのことを言ってるの?」

ほむら「そうよ。否定できる? 上条くんや志筑さんに、まったくうしろ暗い感情を持っていないと」

さやか「・・・・・・うぐ」

ほむら「ほら、できない。きれいな愛なんて存在しないわ」

さやか「・・・・・・あんたはどうなのさ」

ほむら「うふふふ。いまの私こそが答よ。私の愛はおぞましいわ」フフフ

さやか「あんた・・・・・・」


ほむら「さて・・・・・・もう時間もないことだし、さっさと済ませましょうか」スルリ

さやか「うっ、く」

ほむら嬢が再びさやかに絡みつく。
再び捕えられて初めてしまった、という顔をするさやかであるが、もう遅い。

先ほどの問答は、さやかにとっては千載一遇の逃げ出すチャンスだったのだ。
それがもはや、失われてしまった。

さやか「離せっ! この!」

ほむら「だめよ。あなたは私の愛玩動物にするんだから」

さやか「・・・・・・あたしが、いつまでも好き放題されてると思わないことね!」スッ

さやかはなおも抵抗を試みている。
なにやら彼女はほむら嬢にただならぬ敵意を抱いているようでもある。

それが先ほどまでの上条という少年をめぐる一件に起因するのか、それとも、もともと確執があったのか。
我々が知るよしもないが、どちらかというと後者のように思える。


ほむら「・・・・・・少し身体が冷えてしまったようね」

とくに感情を込めずにほむら嬢がつぶやく。
現状把握、ということであろう。

その隙にさやかが身体を反転させる。
それなりに喧嘩慣れしているのか、うまく左手をほむら嬢の支配から解き放った。

すると、振り払った左手の中指が青く輝いた――ように思えた。

ほむら「させないわ」

さやか「むぐっ」

しかし、さやかの反撃を許すほむら嬢ではない。
すぐに口づけひとつでさやかの動きを封じてしまう。

その時にはすでに、さやかの左手の青い輝きは失われてしまっていた。


――あの輝きはいったいなんだったのでしょう?

AD「指輪ですね。ほら、さやかの指を見てください」

――たしかに指輪をしていますね。

さすがの観察眼である。

AD「おそらく彼女は、クラスでもそれなりのポジションにいるのでしょうね。
  ああいった類のアクセサリーを学校にしてくるということは、周りが目立つことを認めていなければいけない」

――はあ。

AD「ああしてちょっとした校則をやぶる行為は一種の英雄あつかいですよ。懐かしいものです。私なども――」

なにやらさやかの指輪はADの懐古の情を呼び覚ましてしまったようである。
そしてその間にも現場は動いている。


ほむら「うふふ、あなたの唇、柔らかくてみずみずしいわ。上条くんももったいないことをしたわねえ」

さやか「だ、黙れぇ・・・・・・!」

ほむら「ふふ」チュッ

さやか「んっ!」

ほむら嬢の口づけは軽いフレンチキスから徐々に深いものへと変化していく。

ほむら「んちゅ」

さやか「・・・・・・!」

上唇を丹念に舐めまわし。

ほむら「ちゅば、ちゅう」

さやか「くうぅ・・・・・・!」

下唇を吸い嬲り。

さやか「ふぎ、んあぁ」

ほむら「うふふ」

そうしてほぐれたさやかの口内へ、ほむら嬢の舌が挿入される。

さやか「んあ、あっあ」ビクンビクン

まだ火照ったままであろうさやかの身体は、ほむら嬢の舌一本であっさりと発情の熱を取り戻してしまったようである。
ほむら嬢に口からエネルギーを吸い取られていくようなかたちで、さやかの肢体の末端から順に力が抜けていく。

さやか「んぐぅ・・・・・・」

やがてさやかの足腰は機能しなくなり、ポスンと尻もちをついてしまった。


ほむら「ほんとに感じやすいわねぇ」クスクス

さやか「・・・・・・っ」プイ

そうして、ほむら嬢に組み敷かれてしまう。

ほむら「少し急がせてもらうわね」

上四方固めの要領でさやかは押さえつけられたため、お互いの目の前にお互いの陰部がある形になる。

ほむら「うふふふ。ショーツ越しにも中身がくっきり見えるほど濡れているわねぇ」

さやか「そ、そんなことっ」

ほむら「えい」

さやか「ぃひいいい!?」

ほむら嬢がショーツの上からさやかの陰部にむしゃぶりつくと、さやかは素っ頓狂な声をあげる。
急に訪れた強い快感に、つい快楽そのままを声に出してしまったようだ。

ほむら「んふふ、ひもひいいの?」

さやか「やっ! そのまま喋るなぁっ!」

目を白黒させながらも必死にほむら嬢をどかそうと腕をつっぱるも、強い快感のためにうまく力が入れられていないのは明白である。

ほむら「ほのははいかせひぇあげる」

さやか「ひぃあああうっ! これ、だめっ! あっ! んああああ!!」ビクビクッ

目を剥いて、身体を弓なりに反らせて痙攣するそのさまは、誰がどう見ても激しい絶頂であった。

さやか「はっ、はっ・・・・・・!」クテン

絶頂後の沼に沈んでいくような倦怠感のままに、さやかは指先まで余さず脱力してしまった。


ほむら「うふふふ」

ほむら嬢はそんなさやかの様子に満足げな笑みをうかべると、さやかのショーツを器用にも唇だけを使ってついばみ、脱がせていく。
それは品定めでもするかのような絶妙な速度で行われるため、脱がせるという行為ひとつにしてもほむら嬢にかかれば、なんとも言い難い妖しい色気に満ちているのである。

ほむら「あは、女の一番大事な恥部が晒されるこの瞬間・・・・・・たまらないわぁ」

ほむら「この鼻につんとくる、それでいて甘ったるい獣のようなオンナのフェロモンが濃縮された蒸気・・・・・・。うふふふ! 酔っちゃいそう・・・・・・!」

ほむら嬢にとってそれが主食なのではないだろうか。
そう思われるほどに、さやかの気化した体液を吸引したあとのほむら嬢は血色がよくなったように見える。

おそらく精神的な充足がそうさせているのであろう。

さやか「・・・・・・っ、・・・・・・!」ビクンビクン

自身の最大の急所が晒されたというのに、さやかはまだ絶頂の余韻に浸っているようである。

ほむら「うふふ」

そんなさやかをよそに、ほむら嬢はさらなる追撃を加えようとさやかの秘部に唇をあてがうと。
じゅるる、と麺類でもすするような音とともに激しいクンニリングスを開始した。

さやか「ぎひひぃい!?」

その次の瞬間のさやかの反応といったらどうであろう。
雷に撃たれたかのように再び全身を緊張させてしまっている。

ほむら「んふふ」チュウウ

さやか「かはっ! あっあぁあ!」

さやか「あっ! だめっ! イクっ! またっあっああああ!!」ビクーッ

そして、わずかな間に二度目の絶頂を極めさせられてしまった。


ほむら「まだよ」チュウウ

さやか「あうあっ!? ちょ、んっ! イッた、ばっか!」

ほむら「ふふ」ジュルジュル

さやか「うあっ! あああああっ! う、またっ! イクっ!」

さらに休まず三度目の絶頂がさやかの脳を焦がす。

最初からここまで本気で責めたことがあっただろうか。
なにやら今回のほむら嬢の責めは、いちだんと容赦のないもののように思われる。

その後もさやかは、絶え間なく責められ続けた。

さやか「んおおっ! おっお! ~~~~っ!」ビクビク

連続で絶頂させられていくうちに、絶頂から絶頂へのインターバルは狭まっていき。

さやか「おほ、イ、イクっ!? イッてるのにイク! んああっ! イキっぱなしぃい! ひいいい!」

ついにさやかは絶頂から降りられなくなってしまった。

さやか「~~~っ! はぁっ! ぎっ! っくううう!」

さやか「た、たすけて! これっ! だめぇおかしっくううう!!」ビクンビクン

その感覚は男の我々には想像もつかないが、おそらくいつまでも下り続けるジェットコースターのようなものなのだろう。
いつまでも地に足のつかない不安定感に、ついにさやかは助けを求め始める。

しかしそれでやめるほむら嬢ではないであろう。

ほむら「♪」

それはむしろほむら嬢のテンションとともに責めがペースアップしてしまうという事態を招いてしまう結果となった。


________
______


キーンコーンカーンコーン

ほむら「ぷはっ、中休みも終わりね。いまはここまでにしておいてあげるわ」

さやか「――っ! ――っ」ガクガク

ほむら「って、聞こえてないかしら?」クスクス

――惨状。
としか言いようのない光景であった。

打ち棄てられたさやかの瞳は濁っており、意識を感じさせない。
さらにその股間からは妊婦が破水でもしたのではないかと思われるほどの量の愛液がまき散らされているのである。

その凌辱の激しさは、これまでで一番かもしれない。

ほむら「じゃあ、これはいただいていくわね」

ほむら嬢の手には、さやかのショーツとブラジャーがある。

ほむら「じゃあね。淫乱な美樹さやか。あなたも3時間目、遅れないようにね?」ウフフ

さやか「あ・・・・・・がっ」

・・・・・・ほむら嬢とさやかの一日は、まだ始まったばかりである。

つづく!


______
____


まどか「ね、さやかちゃん。次小テストだよね、勉強してきた?」トコトコ

さやか「ごめん、まどか。それ後でいい?」フラフラ

まどか「えっ? うん」


さやか「ほむらぁ…!」

三時間目が終わるやいなや、さやかは話しかける友人も振り払い、よたよたとほむら嬢のもとへとやってきた。

ほむら「あら美樹さん。なにかご用?」ウフフ

答えのわかりきったことだろうに、ほむら嬢はあえてとぼけてみせる。
そしてこういう時の彼女はほんとうに活き活きとしているのである。

暁美ほむらという人物は、芯からのサディストであるらしい。

さやか「か、返せ・・・・・・」

胸元と股ぐらに手を添え、羞恥に打ち震えながさやかがつぶやく。

ほむら「なにを?」ニタァ

さやか「~~~っ!」

それは、とても教室で言えることではない。
ほむら嬢はとことんさやかの羞恥心を煽るつもりらしい。

さやか「ついてきて!」グイッ

たまらずさやかはほむら嬢の腕をひっつかむと、廊下に飛び出した。


―女子トイレ―


さやか「さあ、あたしの下着を返してもらおうじゃない!」ズイッ

ほむら「うふふ、ずいぶん強気なのね。さっきは私の腕の中であんなにかわいくさえずっていたくせに」

さやか「う、うるさい! あんなの・・・・・・!」

ほむら「ねえ」

なおも詰め寄るさやかを、ほむら嬢はその一言で止めてしまった。
そして、薄く笑いながら言うのである。

ほむら「私が、怖いの?」

それはもはや、いつものほむら嬢が浮かべる嘲笑ですらなかった。
あきれ、と表現するのがもっとも適当であろうか。

さやかの無意味な攻勢は、ほむら嬢への恐怖を押し殺すためのものである。
そこまでしてブラジャーとパンツを取り返そうとするさやかは、たしかに滑稽というほかない。

もっとも、我々には知るよしもないが、多感な時期の女性にとって下着とは特別な意味を持つものなのかもしれないが。

さやか「・・・・・・っ」

そしてさやかは言葉に詰まってしまう。
図星だったのだ。

ほむら「ふぅ」

やれやれ、と聞こえてきそうなほど露骨なジェスチャーののちに、ほむら嬢は懐からさやかのブラジャーを取り出す。

ほむら「お望みのものはこれかしら?」

さやか「う、うん!」パアア

ほむら「そう」ニタア

そして今度はいつもの妖しい笑みを浮かべ――。

さやか「ああっ!」

そのブラジャーを、窓から外へ放り投げてしまった。


さやか「あぁ・・・・・・っ」

さやかがあわてて窓から身を乗り出すももう遅い。
彼女のブラジャーは哀れにも三階の高さから風に乗って、どこかへと消えてしまった。

さやか「ちょっと! なにして・・・・・・!」

さやかが抗議しようとすると、後ろからほむら嬢に抱きつかれてしまう。

ほむら「うふふ。あなたってほんとバカね。わざわざ自分からこの私と二人っきりになるなんて」

さやか「だ、だって。てか離せぇっ!」ジタバタ

ほむら「・・・・・・ひょっとして、もう堕ちちゃったのかしら? また私によがらせてもらいたくて、こんな回りくどいことを? うっふふ! だとしたら可愛いわ!」

さやか「そんなはずないでしょう!」

ほむら「素直じゃないのねぇ。まあいいわ、どっちみちあなたの意思なんて関係ないし」ウフフ

そう言って舌なめずりする彼女の瞳は、どこまでも淀んでいた。

さやか「んあっ! ちょ、やめ・・・・・・っ!」

ほむら嬢が今回まず標的にしたのは胸であった。
ブラウスの中に両手を侵入させ、生の乳房を嬲っている。

そしてそれだけで、さやかの肉体は抵抗のもがきよりも快感による生理的な痙攣のほうが多くなってしまう。

ほむら「ふふ、ノーブラで過ごして興奮しちゃったのかしら? 最初からずいぶんと感度がいいのね」クスクス

さやか「うる、さいぃい」

性感の高まりに伴って、さやかは自身のからだの制御を手放しつつあるようである。
必死に表情を引き締めようとしているのは見てとれるが、それがどうも弛緩している表情筋では応えることができず、結果福笑いのようなおかしな顔になっているのである。

ほむら「あなたって本当に攻めがいがあるわ。うっふふ! そんな面白い顔で感じてくれる子なんてそういないもの!」

ほむら嬢も同じ感想をいだくほど、じつに彼女の顔は滑稽であった。

さやか「んぁ、はうっぐ」

もはや得意の憎まれ口をたたく余裕すらないらしい。
ほむら嬢の陵辱にただ唇をかみしめて耐えているその様は、嵐が去るのを震えて待つ小動物そのものだった。

ほむら「あは、あなたのおっぱい、すっごくいやらしいわ。私の掌に吸い付いてくるみたい」

さやか「ふぐうぅ。んあっあ」パクパク

ほむら「・・・・・・ちょっと。胸を攻めたくらいで受け答えできなくなるくらい感じられても困るわ、よっ」ビシッ

自身のテクニックを披露しきれていないのため不満なのだろう。
若干むくれながらさやかの乳首をはじく。

さやか「うわ、あ! イク、あっあ! うわああああっ」ビクーッ

それだけで。
たったそれだけで、彼女は果ててしまった。


ほむら「え、うそでしょう? 乳首でイける中学生なんてそうそういないわよ!」プッ

さやか「うる、さいぃ」ガクガク

ほむら「この敏感さ・・・・・・。ね、実はあなたって自慰するの好きでしょう」

さやか「っ!?」カアア

ほむら「うふふ、やっぱり。ここまで開発されてるなんて、よほどのオナニー中毒じゃないとありえないものねぇ」クスクス

さやか「すっ。好き勝手言ってんじゃないわよ!」

ほむら「あら怖い」ムギュウ

さやか「ふぎゅっ」ビクン

さやかがいかに激昂しようとも、ほむら嬢は恐れるはずもない。
ただその指先でさやかを撫でるだけで、彼女はいともたやすく無力化できてしまうからである。

ほむら「・・・・・・しかし、そうね。あなたが最初からこんな調子だと、ショーとしてはいまいちかしら」

さやか「んあ、なに、言ってっ。ぅあああっ」

たしかにこれまでに攻略したふたりは、ほむら嬢の卓越した痴漢術によって性感が開発されていく様子が見られたし、そこがキモであった。
それが、このさやかという少女の場合は見られないわけである。

ほむら嬢が「ショーとしていまいち」と称したのは、そういったことを指しているのだろう。

ほむら「仕方ないわねぇ、少し趣向を変えましょうか」

さやか「なんの、話をしてるのよ・・・・・・っ」ハアハア

しかしさやかに答えは返ってこない。

当然である。
もとより、さやかをどう躾けるかなど彼女に知らせられるはずもないのだ。


ほむら「まずは何度かイキましょうか」

そう言うなり、ほむら嬢はさやかを激しく責め始める。
そしてさやかは多少の抵抗は見せたものの、すぐにほむら嬢の思惑とおり絶頂してしまうのだった。

さやか「んひぃっ! うああああっ」ビクーッ

ほむら「ふふ」

ほむら嬢はさやかの秘所から手を離し、ぴっぴと水気を切りながら左腕におさまるさやかを見て満足げに笑っている。
そのさやかは、激しい陵辱にもはや足腰が立たなくなっており、ほむら嬢に支えられなければ崩れ落ちてしまいそうである。

さやか「ひふぅ・・・・・・っ! あ、あへっ」ビクンビクン

ほむら「あは、半分とんじゃってるわね。・・・・・・それじゃあ、いまのうちに」

ほむら嬢はひょいとさやかを抱き上げ――華奢なわりに案外力もちである――、トイレの個室にはいるとがちゃりと施錠した。
その施錠の絶望的な響きは、さやかに意識があったら発狂しかねなかっただろう。

ほむら「さて、と」

さやかを洋式便所に座らせると、おもむろに懐に手を突っ込む。
やがて取り出したそれは、スポーツ用のテーピングと、アイマスクであった。

びいい、びいいと単調な音が繰り返される。
それはほむら嬢がさやかをテーピングで拘束している音である。

ほむら「~♪ ~♪」

鼻唄まじりのほむら嬢の前には、制服をはだけさせられたさやかがいる。
彼女は後ろ手に縛られ、脚もひざが開かないように固定され、早い話がM字開脚を強要されている形である。

テーピングも終わり、ほむら嬢は最後にアイマスクを装着させるとさやかを揺り起こした。

ほむら「ほら、いつまで寝てるの。起きなさい」ユサユサ

さやか「んぁ・・・・・・あっ!? ちょ、え、なに!?」

起きても目の前が真っ暗なのでは、驚くのも当然である。

ほむら「うるさいわねぇ・・・・・・。少し黙ってちょうだい」

そう言うと、さやかのショーツを丸めて彼女の口に突っ込んだ。

さやか「むぐーっ! んーっ!」ジタバタ

ほむら「うふふ。パンツは約束とおり返したわよ」


ほむら「さて。じゃあまた始めましょうか」ズブブッ

さやか「んむぅ・・・・・・っ! んんん!」

ほむら嬢がスカートの中に手を入れまさぐり始めると、ほむら嬢の陵辱がまだ身体の芯を暖めたままなのであろう、すぐにそれに連動してさやかの声にも色が混ざり始める。

さやか「むががこっ!!」ビクビクッ

すぐにさやかの身体は、絶頂直前のひきつけ状態におちいる。
もともと感度はよかったものの、ほむら嬢に開発されつつあるその身体はさらに敏感になってきているようだ。

ほむら「ん、まだイクには早いわよ」パッ

さやか「んぎ・・・・・・?」

しかし、ほむら嬢は絶頂直前に手を離してしまう。
さやかの身体が、なかば反射的であるが、もの欲しげにひくついた。

ほむら「うふふ・・・・・・。ちょっと待ってちょうだね。すぐに気持ちよくしてあげるから」

そう言ってほむら嬢が取り出したのはシャーペンである。
それをさやかの耳元にもっていき、わざとらしくかちりとノックした。

ほむら「よし、もうイっていいわよ」ズブブッ

さやか「~~~っ! んん~~~~!」ビクッビクッ

それは、直前の行動以外はいつも通りの光景である。
しかしいったいなぜ、ほむら嬢はシャーペンをノックしたのだろうか。


AD「わかりませんねぇ・・・・・・」

ADも首をひねっている。
ほむら嬢が「趣向をかえる」と言ったことに関係があるのだろうか。

AD「まあ、これまでの彼女がそうだったように、今回も私たちに解るような形で示してくれるでしょう」

そう言ってADは笑った。

ところで、この一言からも察せられるが、ADは最近ほむら嬢への臨み方が変わってきた。
ざっくり言ってしまうなら、楽観するようになった。

彼は当初はほむら嬢という得体の知れない魔女に対して、できる限り慎重に接してきた。
それが、いまはほむら嬢の生態がある程度わかってきているため、緊張が和らいできたのであろう。

人間は得体の知れないものを恐れる。
逆に言えば、知ってしまえば怖くない。

神話の幻獣のごとく、いつ去ってしまうかも分からない儚さと危うさをまとうほむら嬢は、もういない。
少なくとも、ADの中からは消えかけている。

メモも取らず、コーヒー片手に画面を見てくつろいでいる姿がそれを如実に語っている。

・・・・・・これでいいのだろうか。
ほむら嬢を知った気でいるが、本当はその輪郭さえ捉えられていないのではないか。

そんな不安も、胸をよぎった。


ほむら「ふふっ」カチリ

さやか「~~~っ!」ビクッ

画面の中では、愛も変わらずさやかが責められている。
絶頂の直前にシャーペンのノック音を聞かせるのもそのままである。

ほむら「どう? なにも見えないと、そのぶんあちこち過敏になっちゃうでしょう」

さやか「むっ。んぐぅうう!」

ほむら「え? 気持ちいいからもっとイカせてくれって? うっふふ! 仕方ないわねぇ」

さやか「んっんん~~~!」

ほむら「おっと」パッ

――カチリ。

ほむら「はい。もうイっていいわよ」

さやか「ふむうんん! むあっぐううう!」ビクンビクン

ほむら「あははっ! ほんと面白いわあなた! これがエロいのは不純うんぬん抜かした女のよがり方かしら!?」

さやか「ん、ん~~」ジタバタ

ほむら「だから、なに言ってるかわからないのよ」クスクス

ほむら「ほらほら、まだ終わりじゃないわよ?」ニュプッ

さやか「ひぐうぅうんっ!!」ビクッ

ほむら「まったく、指をぎゅうぎゅう締め付けてきちゃって。根が淫乱な娘は怖いわぁ」ニュプニュプ

さやか「んぎ、むううう!」

ほむら「おっと」パッ

――カチリ。

ほむら「よし。イキなさい?」コリッ

さやか「んんん~~~~~っ!」ビクッビクッ

ほむら「うふふ、これで20回はイッたわね? そろそろ頃合いかしら」


――キーンコーンカーンコーン


ほむら「あら、もう終わり? 10分って短いのね」

さやか「ぐむっ! んん~~~」

ほむら「うるさいわね、いまほどくわよ」シュルシュル

さやか「むがっ! なにすんのよ! このっ!」

アイマスクと口に突っ込まれたパンツから開放された時点で、さやかがほむら嬢を激しく非難した。
当然である。

ほむら「ふふ、あんなに感じておいてよく言うわ。本当は気持ちよかったんでしょう?」

さやか「そんなわけないでしょ!」

ほむら「まあ、あなたの意見なんてどうでもいいわ。それよりも、いまから面白いことをしてあげる」

さやか「・・・・・・なにさ」キッ

さやかが敵意をこめてほむら嬢をにらむ。
まだ手足は開放されていないため、その程度が、さやかに許された精一杯だった。

ほむら「んふ」スッ

ほむら嬢が取り出したのは、先ほどまで使っていたシャーペンである。
それをくるくるとこれ見よがしにさやかに見せ付けた――それだけの所作でさえ、妖艶である――のち。

――カチリ。

さやか「ひぅっ!?」ビクン

ノックした。
するとどうだろう、それと同時にさやかの身体が跳ねたのである。


さやか「な、なに・・・・・・? これ。あ、あそこが、ビリって・・・・・・」

ほむら「あは、成功したみたいね」

さやか「あ、あんたっ! 説明しなさいよ! あたしにいったいn――カチリ。はぅっ!?」ビクン

ほむら「あなたが体験している通りよ。あなたの身体はシャーペンのノック音に反応して――カチリ。感じてしまうようになったのよ」

さやか「そ、そんな・・・・・・!? ――カチリ。ひうう!」ビクン


AD「なるほど・・・・・・。先ほどの仕込みの成果ですね」

――というと?

AD「パブロフの犬です。餌をやる前に鈴を鳴らすことを習慣づけると、やがて犬は鈴の音に反応してヨダレがでるようになる。要は、生理現象のスイッチは人為的に作れるわけですね」

――その応用であると。

AD「はい。絶頂の前に必ずノックする。すると、さやかの脳は『ノック音が聞こえると気持ちよくなれる』と学習してしまう」

――そんなことが、この10分の間に可能なのでしょうか?

AD「人間の脳の学習能力の高さは犬の比ではありませんからね。しかも、度重なる絶頂でさやかの脳はふやけている。十分可能かと」

なんということだろうか。
ほむら嬢はさやかの身体を、この10分で自分好みに改造してしまったのだ。


さやか「あたしの身体になにしてくれてんのよっ!」

ほむら「そう怒らないでもいいじゃない。どうせ、あなたは私のものになるんだから――カチリ。ね?」

さやか「やあっ」ビクン

ほむら「うふふ・・・・・・! かわいそうな美樹さやか。これからはシャーペンに怯えながら生活しなくちゃねぇ?」ウフフ

さやか「この・・・・・・っ! この・・・・・・っ!!」ジワ

さやかは涙目で言葉にならない抗議を吐き出している。
しかしその哀れなさまは、たまらなくわれわれの劣情を刺激するのである。

ほむら嬢の演出力が光る。

ほむら「さてと」ジュクッ

さやか「んぁああ!」

ほむら「とりあえずもう一回イキましょうか」ジュプジュプ

さやか「ふぁ、やめっ! っくぅう! あっ! だめ、イク・・・・・・っ」

――カチリ。

ほむら「とどめよ」グリッ

さやか「うわあっぁああああ!!」ビクビクッ

さやか「はひ・・・・・・っ! がっ」プルプル

ほむら「いまので暗示は完璧に定着したでしょう。うふふ、次の授業が楽しみね!」

ほむら「あれ、そういえば次の授業の最初に小テストがあるんだったかしら? あは、さっそくの関門ねぇ」ケラケラ

さやか「・・・・・・うぅ」

ほむら「ま、拘束は解いておくから。遅れないようにね?」

ほむら「そうそう、これは返してあげるわ。これがないと椅子が大変なことになっちゃうものね」ポイッ

べしゃ、とさやかの頭に叩きつけられたそれは、さやかの唾液ですっかり濡れそぼった彼女のショーツである。


さやか「・・・・・・悪魔。悪魔め・・・・・・っ!」

力なく痙攣しながら発したその言葉は、本心からだろう。
さやかの受難は、まだ始まったばかりである。

つづく!


_______
_____



――カチリ。

「ひぅっ」

   ――カチリ。

「んあっ」


――カチリ。
    ――カチリ。

「~~っぐ」


      ――カチリ。
――カチリ。
         ――カチリ。

「はっ、うぅうう」


次の時間のさやかは無惨としか言いようがなかった。
不規則に響くノック音が、大小の快楽の矢となって、つぎつぎと下腹部に突き刺さってくるのだろう。

そのたびにさやかは肩を震わせながら耐えているのである。
ましてや、テスト中という静寂のなかではノック音だけが際立ってしまい、余計それのみに集中せざるをえない。


先生「はい、そこまで」パン


さやか「はぁーっ、はぁー」ピクピク

そのため、小テストの10分間という短い時間でさやかはすっかり発情しきってしまっていた。

ほむら「くすっ」

ほむら嬢もその成果に満足そうに笑みを浮かべている。

――我々はこれまでほむら嬢に、どこか浮世離れしているような、この世の因果律から片足ほどはみ出しているような、そんな印象を持っていた。

しかし、やはりほむら嬢ほどの人物でも、ものごとが狙いとおりに運べば嬉しいらしい。
そしてそれはそのまま、失敗する可能性があったことも示すはずである。

やはり彼女も人の子なのだ。

そう思えるのが我々を安堵させ、またある種のさみしさも胸をよぎった。


さやか「はひ・・・・・・、っんぐ」ハアハア

さやかはもはや憔悴しきっていた。
全身から発情をものがたる濃厚な汗がふき出していて、それによって張りついた髪や服が彼女の身体の輪郭を際立たせる。

湿った女体というのは、なぜこうも官能的なのだろうか。
彼女はまだ熟しきっていない○学生であるにも関わらず、我々すら生唾を飲み込むような色気をむんむんと漂わせている。

もし我々が中○生のころに今のさやかを見たら、それは当分自慰のネタになったろうな、などと下品なことを思わざるをえない。

――カチリ。

さやか「あっ・・・・・・は」ビクッ

小テストも終わり、当然ながら通常の授業が行われている教室にシャーペンのノック音が響く頻度は減っている。
しかしそこに、さやかの身体に定期的にノック音を供給し続けている者がいる。

ほむら「くすっ」カチリ

ほむら嬢である。
さやかとノック音の関係を知っているのは彼女のみなので、これも当然である。

さやか「はぁ、はぁ。・・・・・・うう」

ほむら嬢はさやかに余裕を与えない。
徹底的に彼女から理性をそぎ落とすつもりなのだ。


AD「しかし・・・・・・妙ですね」

それを見ていたADが不意につぶやいた。

――なにが妙?

AD「いえ、ほむら嬢自身はあまり性欲を発散しないのだなと」

――レズが責める場合というものは得てしてそうなのでは?

AD「私も最初はそう思いました。しかし、相手を堕としたあとならばいくらでも自分に奉仕させることができるはずです。むしろ、それが主目的であるはずなのに」

――たしかに。

AD「マミの時も杏子の時も、そして今回も。彼女は間違いなく発情しています。
  しかし、上下関係を刻み込むための奉仕以外はさせません。だから彼女はこの数日間、絶頂していない」

――それは・・・・・・妙ですね。

AD「ほむら嬢はなにか別の目的で我々に協力している・・・・・・? いずれにしても、きっとまだ、我々はレズ痴漢の全貌を目にしていない」

そう言ったADの顔は険しい。

その顔を見て、我々は少し安堵した。
ほむら嬢に対しては楽観し始めているものの、AVに対する情熱は失われていないようである。

しかし欲を言えば、やはりメモをがりがりととっていた彼に戻ってほしいところである。
それは感情的にもそうであるし、また現実的に考えても、メモは取っておいた方がいいと思われる。

ADとしては、映像資料が残っている以上メモをとる必要もない、ということなのであろう。
しかし、あのほむら嬢が自身まで映り込んでいる映像を軽々と渡してくれるのだろうか。

それ以外にも、ADが先ほど指摘したようにほむら嬢には依然として謎が多い。
というよりも、ほむら嬢について知っていることの方が少ないのではないか。

ADのほむら嬢に対する楽観には、やはり拭い去れない不安がつきまとう。


さやか「はひっ・・・・・・、ん。あぁう」プルプル

授業も終盤に差し掛かったころには、さやかは望まぬフェロモンをばらまきながら汗でドロドロになっていた。
できるだけ顔を隠そうとしているのか机に伏せってはいるものの、その悩ましい吐息までは隠しきれていない。

ほむら「うふふ・・・・・・!」

「どうしたの? 顔を見せてごらんなさいな。ほらほら、早く! あなたの淫らな本性をさらけ出すのよ!」
といった具合の言葉責めがいまにも聞こえてきそうなほど、ほむら嬢もその表情に高揚を浮かべている。

さやか「あぅうああ・・・・・・! はっ、はあっ!」モゾモゾ

AD「先ほどまでとまた状況が変わりましたね」

――というと?

AD「シャーペンの音が消えました」

たしかに、言われてみるとそうである。
教室の生徒たちの多くは寝ているか、時計とにらめっこしているか、はたまた内緒話に興じているか。

とにかくまともに授業を聞いている者は少ない。
恐らく○学生の集中力では50分の授業に耐えきれないのだろう。

そしてほむら嬢もまた、シャーペンをノックするのをやめてしまった。
それはつまり、さやかを責めるものの滅失を意味する。

――ではいまさやかが悶えているのは?

AD「彼女の中にはもう除きがたい性感の熱がとぐろを巻いてしまっているのでしょう。いま彼女を責めたてているのは彼女自身です」

――なるほど。

AD「これもほむら嬢の構想のうちでしょうね。僕の予想が正しければこのあとは・・・・・・あ! 始まりました」

ADのその声に、我々もあわてて視線をモニターに戻す。
するとそこには・・・・・・。


さやか「はあ、ん、あっ!」ズリズリ

なんと、姿勢はそのままに、乳頭を机のはしに擦りつけて自慰にふけるさやかの姿があった。

AD「まさか、本当に始めるとは・・・・・・」

予想していたADでさえ驚いている。

それもそうであろう。
花の女子中学生が、教室で自慰をしているのである。

性に多感な、しかもさやかのように嫌悪感を持っているようなタイプがそのような行為に及んでしまう。
それがどれほど尋常な事態でないかは言葉に表すまでもない。

ほむら「うふふ」

それを、このほむら嬢はなかば強制させた。
この魔少女は、人の本能が倫理観だとか道徳だとかを食い潰すさまを、見事に映像作品として仕上げたのである。

それは一種の芸術と言ってよかった。


さやか「はっ、んぎっ。んあぁう」ギシッギシッ

さやかの行為はヒートアップする。
そしてそれを助けるようにローション代わりの汗は加速度的に分泌され、ますますピッチは上がっていく。

中○生にしては大きく実った乳房が、たわみ、歪み、また解放されるさまはたまらなく蠱惑的である。

さやか「ふっ、う。んぁあ・・・・・・だめぇ」モゾモゾ

しかし、どうも様子がおかしい。

さやかはいま欲望のままに快楽を貪っている。
であるのに、彼女はどんどん苦しげになっているのである。

AD「欲求不満なんでしょうねぇ・・・・・・」

――自慰にふけっているのに?

AD「いえ、・・・・・・彼女の右手を見てください」

――下腹部をかきむしってていますね。

と、口にして初めて合点がいく。
女体最大の性的な急所が放置されていたのだ。

といっても、放置しているのはさやか自身である。

授業中に胸で自慰はできても、陰部ではできない。
つまりはそこが、発情して理性を溶かされたさやかが新たに設定したボーダーラインなのだろう。

右手の行為はまさに理性と本能のせめぎ合いが表層化したものだったのである。

さやか「あぁっふ。た、足りない・・・・・・! うう。足りないよぉ」ガタガタ

いくら胸を机でこねまわしたところで、さやかが真に欲しているものは手に入らない。
それどころか自身をますます追い詰める結果になることはさやか自身が一番理解しているはずである。

にも関わらずそれをやめることができないのは、滑稽というほかない。


――カチリ。

さやか「~~~っ!? っは、ああぁ」ビクビク

と、久方ぶりの快楽がさやかを貫いた。

ほむら「ふふっ」クスクス

それを発射したのはほむら嬢である。
それはあるいは、滑稽なさやかへのメッセージだったのかもしれない。

さやか「うぐ。・・・・・・シャーペン。・・・・・・!!」

さやかは神でも発見したような表情である。
その視線の先は机上のシャーペンであるようだ。

さやか「・・・・・・」ゴクリ

そしてシャーペンを手に取り・・・・・・。

――カチリ。

震える手でノックした。


さやか「うぁああっ! あっあ! ぎひぃ」

それは期待通りの快楽だったに違いない。
喜悦に顔中の筋肉を弛緩させ、うつろに虚空を見上げるそのさまは、痴女そのものだった。

カチッカチカチカチッカチカチカチ!
カチカチカチッカチカチカチッカチカチカチ!

それからさやかは狂ったようにシャーペンをノックし続けた。

本人の倫理がいましめ続けた快楽を合法的に貪れる。
その解放感が、彼女を狂わせたに違いない。

さやか「~~~~っ! ~~~~~っ!!」ビクンビクン

血が出そうなほど腕に噛みつきながら悦楽にどっぷりと浸かる彼女の表情に、理性などみじんも残ってはいない・・・・・・。


教師「はい、では今日がここまで」

そう教師が言うと、教室から生徒たちがいっせいに椅子から解放された。
さやかもにぎやかになった教室にあってはさすがに自慰どころではなくなったのか、頭の中の霧を払うように首を左右に振っている。

と、そこに事情を知らない無邪気な少女がやってきた。

まどか「さやかちゃん!」ヒョコ

例の桃色の少女である。

さやか「ま、まどか! う、えっと、なに?」アタフタ

まどか「お昼たべようよ」ニコニコ

さやか「ああ、うん。お昼ね、そっか」

まだ脳に色濃く官能がうずまいているからか、さやかの言動には現実の世界をいちいち確認するような不審さがある。

ほむら「まどか」

まどか「あ、ほむらちゃん!」

そこに、獲物を逃すまいとほむら嬢が現れた。

ほむら「ごめんなさいね、私も美樹さんも佐倉さんも、今日は購買なの。だから、先に屋上へ行って場所を取っておいてもらえるかしら」

まどか「え、そうなんだ。めずらしいね」

杏子「ああ。昨日の『仕事』がいそがしくてさ。今朝は余裕がなかったんだ」

ほむら嬢に次いで、昨日堕とされた杏子も会話に加わる。
どうもこの四人は常に学校生活を共有しあう仲であるらしい。

まどか「そっか。まほ・・・・・・お仕事たいへんだもんね! じゃあ私は先に屋上に行ってるね」

ほむら「ええ。お願い」

まどか「うん! また後でねー!」フリフリ

そうして残されたのはほむら嬢とその獲物さやか、そして杏子のみとなった。
杏子の口もとには、ほむら嬢と同じく捕食者の妖艶な笑みがはりついている・・・・・・。

つづく!


ほむら「さて、じゃあ私たちは購買に行きましょうか」

杏子「そうだな」

さやか「・・・・・・」

若干ではあるが平静を取り戻したさやかは、再びほむら嬢へと敵意の視線を送っている。
それは、部外者であるはずの杏子も同行しているという強みからも支えられた強気だろう。

しかし、さやかは知らない。
もはや杏子はほむら嬢の手中にあるのだ。

さやか「っ!!?」ビクッ

購買にて並び始めてしばらくたつと、やはりというべきかほむら嬢がさやかの身体を弄び始めた。

さやか「ちょ、ちょっと、正気なの? 杏子も、周りに人も・・・・・・ぅあっ!」ビクン

ほむら「うふふ、大丈夫、ちゃんとバレないように気持ちよくしてあげるわ。だから安心してよがりなさい?」ヒソヒソ

さやか「だ、誰が・・・・・・あ、ぁあ!」ガクガク

相変わらず、ほむら嬢の痴漢は見事である。
本人はまったく自然な挙動であるにもかかわらず、獲物に効率よく感じさせていく手腕はさすがとしか言いようがない。

ために、客観的に見ればまるでさやかが購買の列の中で突然痴女のようにあえぎだしたような具合になってしまった。

AD「これは・・・・・・改めて見ると、すごいですね」

ADですら舌を巻くほどの技術を、ただの女子中学生が耐えられるはずもない。

さやか「んぐ、っは、ううう!」モジモジ

ほむら嬢たちが昼食を手にしたころには、さやかは先の授業中のようなありさまに逆戻りだった。


ほむら「さて、行きましょう杏子」ニタリ

杏子「ああ・・・・・・」ニタリ

さやか「ちょ、ちょっと! 屋上はあっち・・・・・・!」

ほむら「ふぅーっ」

さやか「ひゃあああっ」

杏子「はは、息を吹きかけられただけなのに、なんだよその反応!」ケラケラ

さやか「・・・・・・////」

ほむら「まどかのいる屋上になんて行くはずないでしょう。私たちが行くのは空き教室よ」

さやか「はあ? なんで・・・・・・」

ほむら「行くのよ」グイッ

さやか「くっ」

結局さやかはほむら嬢に引きずられて、空き教室に連れてこられた。
ガチャリと施錠の音がひびき、要するにそれはまたしてもさやかの敗北を意味している。

さやか「ふん、こんなとこに連れてきてなにしようってのさ?」

しかし彼女は強気だった。
それは杏子の存在に起因するのだろう。

いまほむら嬢が襲ってきても、2対1である。
――杏子がいれば、勝てる。

そんな予想が、さやかの強気の源泉であった。

しかし、そんな予想は甘いものだと、彼女はすぐに思い知らされる。


杏子「ほむらさまぁ・・・・・・」スリスリ

さやか「えっ!? 杏子!?」

ほむら「うふふ。よく我慢できたわねぇ。えらいわよ」ナデナデ

杏子「・・・・・・うん////」

杏子は教室が密室になると同時にかつての勝気そうな顔を溶かした。
情けない媚びた笑みを浮かべてほむら嬢にすり寄る彼女に、プライドなどみじんも感ぜられない。

その様子はまさにほむら嬢の愛玩動物そのものであった。

杏子「ずるいよ・・・・・・さやかばっかり気持ちよさそうで」スリスリ

ほむら「あら、協力してくれるって言ったのはあなたよ?」クスクス

杏子「でもぉ・・・・・・」

さやか「ま、待って! 杏子、いまなんて」

杏子「だから、さっきの時間はあたしが協力してたんだよ」

さやか「え、え・・・・・・?」キョトン

ほむら「おかしいとは思わなかったの? あれだけ喘いでおきながら誰もあなたを気にかけないなんて」ニタア

さやか「・・・・・・うそでしょ」

ほむら「いいえ、これが現実よ」

ほむら「佐倉杏子は最初から私の味方。もっと言えばペット」

ほむら「わかったかしら。ここにあなたに味方なんていないのよ?」クスクスクス

さやかは呆然とするしかなかった。
信じていた友人が、実は自分を辱める片棒をかついでいたのだから当然である。


しかし、杏子が協力していたとはどういうことだろう。

AD「わかりませんねぇ・・・・・・。前後から察するに、周囲にさやかの痴態を悟らせないなんらかの活動をしていたと考えられますが」

――どうやって?

AD「わかりません。映像を見る限りでは特にそれらしい挙動もありませんでしたし・・・・・・」

――魔法のようですね。

AD「案外、本当に魔法で幻覚でも見せていたのかもしれませんね(笑)」

――ほむら嬢ならできそうで怖いです(笑)。

AD「まあ冗談は置いておいて。ここで重要なのは、手段がどうであれさやかの痴態をごまかしてしまったという現実でしょうね」

――気になりますが、スルーするしかないのですね。

AD「そういうことです」

ADは、どうせ聞いても答えは返ってこないのだから、と肩をすくめた。


ほむら「ふふ、ずいぶんと切なそうね」ナデナデ

杏子「当たり前だ・・・・・・! 今日、ずっと我慢してたんだ。どうにか、なりそうだよ」モジモジ

ほむら「美樹さやかが感じている姿を見て興奮してしまったの?」

杏子「・・・・・・うん」カアア

杏子は赤面を隠すようにほむら嬢の胸元に顔をうずめる。
しかしその仕草はひどく遠慮がちなもので、当初の勝気な杏子とは似ても似つかない。

どうも杏子はほむら嬢に対して甘えきることがなく、あくまで自分は主人を満足させるために在るのだという意識が感じ取れる。
それは恐らく調教される過程で、マミが自身の欲求に正直すぎたためにほむら嬢の機嫌を損ねてしまった現場を見ていることから起因する畏れなのだろう。

上下関係をわきまえ、主人に忠実。
つねに主人を立てるという意識において、彼女はよりほむら嬢の作品として完成度が高いのではないだろうか。

そんな杏子が、遠慮がちにおねだりをしている。
それはほむら嬢に対する畏れに、自身の性欲が勝ってしまったことを意味する。

そして恐怖と期待の混在する杏子のいまの様子こそ、ほむら嬢の目指しているものではないか。
それを裏付けるように、ほむら嬢の口もとは隠しきれない昂奮で歪んでいた。

――ほむら嬢が好む展開は・・・・・・というよりも表現しようとしているのは、こういうことではないだろうか、とはADの談である。
すなわち、人間が葛藤のはてに、自身を恥じながらも性欲に屈するさまである。

この杏子の様子は、まさにそれと合致していた。


杏子の求愛に、ほむら嬢は少しおどけながら応えている。
ときに焦らし、ときに激しく責めた。
その所作の一つひとつに杏子は身をよじって感じ入って表情をとろけさせた。

もはや杏子の性欲に底などないように思われる。
ほむら嬢の愛撫で一瞬満たされたかに見えた欲求は、さらに巨大な欲求の引き金となってしまい、結果雪だるま式に際限なく肥大化していくのである。

杏子「もっと、んあぁあっ! もっと、気持ちよくしてぇっ」

ほむら「あはっ、いいわよ杏子。いまのあなたとっても淫らで私好みだから、特別にもっと壊してあげる」ウフフ

杏子「んっああっ! ありがとう、ございましゅっ! ああまたっ! イッくうぅうううっ」ビクンビクン

さやか「・・・・・・うそでしょ、杏子」

その乱れようは昨日以上であり、さやかが思わず自失するのもむりはなかった。

杏子「ほむらさまっ! ほむらさまあっ!」

ほむら「うふふふ。綺麗よ杏子。いまのあなた、とっても素敵だわ」チュッ

杏子「んっ・・・・・・。ありがっとう、ございます・・・・・・!」ビクッ

そのほむら嬢の言葉があまりに嬉しかったのだろう。
喜悦に涙すら流しながら、フレンチキスだけで達してしまったようである。

ほむら「ほら、いまのあなたを美樹さんにも見てもらいましょう?」グイッ

杏子「う、うん」カアア

ほむら嬢の言葉に赤面しつつも、命令通り杏子はさやかに対して大股を開いてみせた。

杏子「ほら、見ろよさやか。あたしはこんなに発情して、んあっ」ビクッ

そしてさやかに恥ずかしい告白を始めるも、その命を下したほむら嬢自身が、後ろから抱きついて愛撫をし始めたためにそれは喘ぎに変わってしまう。

ほむら「ほら、どうしたの杏子。ちゃんと言葉にしないと伝わらないわよ?」クチュクチュ

杏子「ん、っは。だ、だってぇ、気持ち、よくって・・・・・・!」

ほむら「ふふ、ほんとに感じやすいのねぇ。でも私の言う通りにしないと責めてあげないわよ?」ピタッ

杏子「う、うう。見てよさやか。あたしはっ! あっん! んはぁあ」ビクビクッ

ほむら「うっふふ! ほらほら、続けなさい?」クチュクチュ

杏子「あっ、あたしはっ! ほむらさまに気持ちよくしてもらって、あふ、さやかに見られてっ! あっん」

さやか「・・・・・・杏子、うそでしょ?」

杏子「うそじゃ、ふぁあ、ないぃ。脳みそまでお○んこになっちまったみたいにっ! 感じまくってますぅう!」

ほむら「よくできました」ズブブッ

杏子「うあっあぁあああ! イクっ! さやかが見てるのにぃっ! イッちゃうぅううう!」ビクッビクッ

杏子「あは、ぁ」クテッ

ほむら「うふふ」ガシッ

絶頂によって弛緩した杏子の身体を、ほむら嬢が優しくささえる。
自分の手中にある者には、一定の優しさを見せるのがほむら嬢の人心掌握術なのだろう。

ほむら嬢の腕の中の杏子は多好感で恍惚としていた。


と、そのふたりに一筋の影がさす。

さやか「暁美、ほむらぁ・・・・・・!」

その主は美樹さやかであった。
あまりの事態にしばらくは呆然とながめていることしかできなかった彼女だが、ようやく我に返ったらしい。

その顔は怒りに燃えており、いまにもほむら嬢につかみかからんばかりの迫力である。

ほむら「ふふ・・・・・・なあに?」ニタリ

しかしそれに動じるほむら嬢ではない。
むしろまだ敵意を向けることのできるさやかに賞賛すら送りかねないほどの余裕の笑みである。

さやか「杏子になにをしたの? 返答によっては・・・・・・」ギロリ

ほむら「どうするの?」ニヤニヤ

さやか「決まってる。あんたを『――カチリ』~~っぐうう!」

怒れるさやかを襲ったのは、先ほどまで彼女を嬲っていたおなじみの快楽だった。
ほむら嬢がシャーペンを――どこから取り出したのやら――ノックしたのである。

ほむら「うふふふ。無様ねぇ美樹さやか」カチッ

さやか「ひいいっ」ビクッ

ほむら「いくら粋がったところで、あなたはこの私がちょっと親指を動かすだけで」カチリ

さやか「んあっああ」ガクガク

ほむら「無力化できてしまうんだもの、ねえ?」クスクスクス


ほむら「杏子、とり押さえなさい」

杏子「うん・・・・・・」ズイ

さやか「ちょっ! やめてよ杏子! 目を覚ま『――カチッ』っくぅうう」

抵抗らしい抵抗などできるはずもなく、結局さやかは杏子にとり押さえられほむら嬢の前に晒された。
さやかは無力感からか涙すらにじませていて、それはほむら嬢の嗜虐的な性癖を刺激しているに違いない。

げんに、さやかの様子を見たほむら嬢は自身の肩を抱いて悩ましげに悶えている。
感情表現に乏しいほむら嬢が、ここまで明確に発情を身振りにあらわすのは初めてではないだろうか。

ほむら「うっふふふ! いいわぁ、あなたみたいな子が快楽の洪水に流されまいと枯れ木みたいな理性にしがみついてる姿・・・・・・あは、とっても興奮しちゃう」ハアハア

さやか「この・・・・・・変態!」

ほむら「ふふ、変態はどっちかしら?」ペラリ

言うなり、ほむら嬢はさやかのスカートをはぎ取ってしまう。
あらわになったさやかのショーツは、見ているこちらがかゆくなってしまうほどの量の愛液で濡れそばっていた。

ほむら「あっはははは! なによこの惨状! 授業中にっ、ふふ。どうしたらこんなことになるのかしら!? あははは!」

杏子「仕方ないよ、こいつは毎晩あたしの横でオナニーしてるような変態だから」ケラケラ

さやか「ちょっ、杏子!?」カアア

ほむら「あらあらあら! 傑作ねぇ美樹さやか! たしか性について語っていたわよね。私は・・・・・・不純? 下劣、とも言ってたかしら?」ウフフフ

ほむら「あ、な、た、も。・・・・・・下劣じゃない」クスクスクス

さやか「う、うぅうう」プルプル

この時のさやかの心理的苦痛ときたら想像するのも痛ましい。
性との付き合い方がわかっていない、しかもさやかのような嫌悪感を持っているようなタイプの人間が、同居人に性事情を暴露されたのである。

おそらく消え入りたいほどの恥辱であるに違いない。


ほむら「さて、じゃあパンツも脱がしちゃいましょうか」

さやか「やぁっ! やめろぉお!」バタバタ

ほむら「あら、パンツの中がごわごわするわね。・・・・・・これは、ハンカチ?」

ほむら「あ、これに愛液を吸わせてたってわけ。うふふ! すっごい重量感!」ズルリ

さやか「ひぅっ」ビクン

杏子「うわ、ハンカチ出された刺激だけで感じてんのか?」

さやか「違うぅ! 感じてないっ」

ほむら「はいはい。・・・・・・しかしこのハンカチ、すごい濡れ方ね」

杏子「搾れそうだもんな」

さやか「・・・・・・ううっ」

ほむら嬢はしばらくそのハンカチを眺めていたが、やがて顔の上にかざし、口を大きく開けると、

ほむら「うふっ、せっかくだしあなたの愛液、いただくわ」

と言うなり、ハンカチを握りしめた。

さやかの愛液ですっかり飽和しているそのハンカチは、すぐにじゅわりとハチミツのように濃厚な愛液を吐き出し始める。
そして次々と降ってくるそれを、ほむら嬢は残さず口に含めた。

ほむら「んふっ」

しかしすぐには飲み下さず、しばらく舌を上で転がせたのち、さやかに見せつけるように喉をならした。

ほむら「・・・・・・ごちそうさま。ふふっ、おいしかったわ。おかげでちょっと・・・・・・んぁ、発情しちゃったわぁ」モジ

杏子「いいなぁ。あたしの愛液も飲んでよ・・・・・・」

ほむら「また今度ね」

杏子「うん・・・・・・」


さやか「変態だよ・・・・・・! あんた狂ってる!!」

ほむら「うるさいわね、またイキ狂わせてほしいの?」

さやか「黙れぇ!」バタバタ

杏子「往生際がわるいぞ。おとなしくほむら様に気持ちよくしてもらえよ」ニタニタ

さやか「杏子・・・・・・! なんであんたまでそんなになっちゃったの? お願い! 正気に戻ってよ杏子!」

さやかのその叫びはもはや嘆願に近かった。
しかし杏子は馬鹿にしたように笑うのみである。

さやか「杏子になにをしたの!? 返して! 杏子を返してよおっ」グスッ

中学生の精神力では無理からぬことではあるが、ついにさやかは泣き出してしまった。
杏子はさやかにとってよほど大きな存在であったことがうかがえる。

それだけに、この状況は悲痛であった。

ほむら「返してあげましょうか?」ニコッ

さやか「・・・・・・え?」

ほむら「佐倉杏子よ。もとの彼女に戻してあげましょうか?」

さやか「できるの!?」

ほむら「ええ。彼女には強力な催眠をかけているだけだから」

さやか「・・・・・・っ!」パアア

さやかの顔がいっきに明るくなる。
こんな荒唐無稽な話であっても、すがりつかずにはいられないのだろう。

ほむら「ただし。きょう一日、私の責めに耐えぬきなさい。一度でも『参った』と言ったらあなたの負けよ?」ニタリ

さやか「・・・・・・いいよ。やってやろうじゃないの」

さやか「待っててね杏子。あたしが必ず助けてあげる・・・・・・!」

もとより正義感の強いたちなのだろう、さやかの目に光が戻った。

杏子「くくっ」

しかしそれに対して杏子は失笑せざるを得ない。

当然である。
さやかが丸一日ほむら嬢の責めを耐えきることなどないだろうし、だいいち催眠などという現実はないのである。

哀れなさやかひとりが、ほむら嬢に踊らされている。


ほむら「うふふ。まぁどうせ堕ちちゃうだろうけど、せいぜい頑張ってちょうだいね?」ウフフ

さやか「絶対あんたなんかに負けないんだから・・・・・・っ!」キッ

ほむら「あら怖い」クスッ

ほむら「じゃあ杏子。昼休み中さやかを可愛がってあげなさい。あ、ちゃんと昼食はとらせるのよ? あとあんまりイカせすぎないで」

杏子「あぁ、わかった。ほむら様は?」

ほむら「私はちょっと用事があるから」

杏子「そっか」

ほむら「じゃあ任せたわよ」

杏子「・・・・・・あ、あの! ほむらさまっ」

ほむら「なあに?」

杏子「その、ほ、放課後は・・・・・・」

ほむら「・・・・・・くす。私の家に来なさい」

杏子「は、はいっ!!」パアア

さやか「・・・・・・杏子」

さやかは、杏子のほむら嬢に対する飼い犬のような態度に心から傷ついているようだった。

ほむら「5、6時間目は水泳だったわね。更衣室で待ってるわよ、美樹さん。じゃあね」フリフリ

一方のほむら嬢は、思いとおりの運びにご満悦のようで、スキップでもしかねないような軽い足取りで空き教室をあとにした。


ほむら嬢の調教は毎度ながら見事としか言いようがなく、今回も問題なく堕とせるだろう。
しかし、ひとつ疑問が残る。

――なぜ、ほむら嬢はさやかに対してあんな無意味な勝負を持ちかけたのでしょう?

AD「おそらく、簡単には堕ちないようにするためですね」

――目的と逆行しているような・・・・・・?

AD「いえ、堕とすだけならそれこそ簡単です。肝は、どのように堕とすか」

――その過程を描く前に堕ちてしまいそうだから、わざとあのような勝負を?

AD「ええ、そうでしょうね。彼女は『友達のため』だとかいった行動に酔いやすい性質のようですから、添え木としては最適です」

――なるほど。

さやかをより多く嬲るために、彼女の意思を固くする。
その構図は、たしかに嗜虐的な趣味を持つ紳士たちを昂ぶらせそうである。


そのころ、ほむら嬢は屋上にいた。

「あっ! ほむらちゃん!」

ほむら「ごめんなさいまどか。待ったかしら」

まどか「ううん! 私もトイレとか行ってたし、いま来たところだよ」

ほむら「そう。よかった」ニコッ

例の少女と会話しているときのほむら嬢は、なぜか柔和なふんいきである。
それに対してまどかという少女は、どこか落ち着きがない。

まどか「えぇっと、さやかちゃんと杏子ちゃんは?」

ほむら「ああ、いつもみたいにじゃれ合い始めたから置いてきちゃったわ。まだどこかでプロレスごっこでもしているんでしょう」

まどか「んもー。ふたりとも元気だなぁ」ティヒヒ


ほむら「ねえ、まどか」スッ

まどか「ひゃいっ!?」ビクッッ

少し間を置いて、ほむら嬢はまどかの手に自分の手を慈しむように重ねた。
それに対してまどかは驚いた小動物のように過敏に反応してしまう。

ほむら「ふたりっきりね、私たち」

まどか「・・・・・・うん」カアア

火を噴きそうなほどに赤面したまどかが、しかしおずおずとほむら嬢に体重を預け、そしてそれにほむら嬢はそっと肩を抱くことで応えた。

そして、画面はブラックアウトした。

つづく!


モニターに再び光が灯った。
場所は更衣室のようである。

ほむら「さて、じゃあ始めましょうか美樹さん」ニヤニヤ

さやか「くっ・・・・・・」

ほむら「そんな顔しないで。せっかく授業を休んでまで調教の時間を確保したんだもの。楽しみましょう?」

さやか「ふんっ、あんたひとりで楽しんでりゃいいでしょ」

ほむら「・・・・・・ノリの悪いこと。でも、あなたの身体はどうかしら」

言うなり、ほむら嬢はさやかの胸を制服ごしにわしづかむ。
それはさやかから胸をもぎとりかねないほどの乱暴さで行われたため、当然彼女は痛みを訴えた。

が、それも最初だけである。
ほむら嬢が何度もさやかの胸を絞り上げては解放するのを繰り返すうちに、さやかの吐息に色が混ざり始めた。

ほむら「うふふ、どうしたの? まさか感じているのかしら」ギリギリ

さやか「ん、あっ! ば、バカ言わないでよ。こんなの痛いだけ・・・・・・んんっ」

ほむら「本当に?」

さやか「ほん、とう! だっての、うあぁ」

ほむら「あは、うそつくの下手すぎないかしら」ギリギリ

さやか「ぐぐっ、あふぅ」ハアハア

うそを吐くということにも、ひとつの才能がいるようである。
その点、さやかは致命的にへただった。

彼女はどうも感情が脳を経ないでそのまま挙動に出てしまう性質のようで、それは半ば反射にちかい。
そのためいくら理性を振り絞ろうと、肝心のさやかの挙動にそれは参照されないので空回るばかりのようである。

そして行き場を失った理性の搾りかすは、情けない自分を再認識することだけに費やされ霧散していくのであろう。
ほむら嬢にとって、さやかほど責めやすい人物もいないのではないだろうか。


ほむら「ふふ、こうして強く絞られたあとって、痛みがじんわりと快感に変わっていくでしょう?」

さやか「な、なにそれ。あんただけじゃ、っぐぅうう! ないの・・・・・・?」

ほむら「本当に口だけは達者ねぇ」クスクス

現状さやかは身体全体で発情を表しているので、まさに口だけである。

ほむら「なんだかますます感度がよくなったわねぇ。杏子によほど仕込まれたのね」

さやか「うう、感じてなんかぁ、あうぅあああっ」

ほむら「よだれまで垂れ流しちゃってまあ。ひょっとしたらこのおっぱいはマミより淫乱かもしれないわ」

さやか「んぁ! マ、マミさん!? あんたマミさんまで、っうぐぅうう」

ほむら「おっと。口が滑ったわ」

さやか「許さないぃ! あっひ、杏子だけじゃなく、マミさんまで!」

ほむら「まあまあ。要はあなたが今日一日耐えきればいいのよ、そうでしょう?」

さやか「・・・・・・っ」


ほむら「さて、前戯はこれくらいでいいでしょう。ほら、横になりなさい。あ、服は全部脱ぐのよ?」

さやか「横にって・・・・・・床に?」

ほむら「そう。プール用のタオルでも下に敷けば大丈夫」

さやか「・・・・・・あたしはあんたよりは育ちがいいみたいでね。いくらタオルを敷こうが」

ほむら「美樹さやか」

さやか「・・・・・・っ」

ほむら「・・・・・・」

その先をほむら嬢は語らない。

さやか「・・・・・・わかったよ」

しかし、その沈黙にさやかは屈した。

さやかがほむら嬢に悪態をつけるのは、ほむら嬢は凌辱以上のことはしてこないというある種の信頼からくるものだろう。
そのさやかがおとなしく屈したということは、あるいはそれ以上の身の危険を本能が察したからかもしれない。

ほむら「うふふ」

さやか「く・・・・・・っ」フイッ

一糸まとわぬさやかに、同じく全裸のほむら嬢が重なった。
その時さやかは顔をそらしたが、画面に映るさやかの耳は発火しそうなほど熱をおびているように見える。

そして、ほむら嬢は今日何度目かのくちづけを施す。
くちゅくちゅと水音を立てながら唾液を注ぎ込み、それをさやかが飲み下すまではずっと口内凌辱は続いた。

さやか「ぷはっ! はあ、はあ。この・・・・・・変態っ」ハアハア

ほむら「あは、いいわぁその顔。反抗的でいて、どこか迷っている・・・・・・。堕ちてからじゃ見られない顔だわ」ウフフ

さやか「あ、あたしは・・・・・・。っ!?」ビクン

なおもさやかが反抗しようとした瞬間である。
さやかの身体がはねた。

さやか「あっ、ひ? な、なにこれ。身体が、熱い・・・・・・っ」

ほむら「うっふふ。私の体液はすべて極上の媚薬・・・・・・。それだけの量を一気に飲み干せば、疼きで夜も眠れないはずよ」

さやか「びやく・・・・・・! だからあんた、いつもキスから・・・・・・うぁあ!」ハアハア


ほむら嬢の分泌する媚薬。
もはやその効能を疑う余地はないだろう。

目の焦点は合わず、口からはだらしなく舌と唾液を垂れ流し、全身からは愛液のように粘り気のある汗を噴き出している。
そんなさやかが狂おしいほど発情しているのは、誰の目にも明らかであろう。

さやか「あ、は。はっ、はあ」

ほむら「うふふ。もどかしいでしょう? 身体のあらゆる場所がパンパンに張りつめて、私から乱暴されるのを切望しているわよね」

さやか「く、っふ。ぐ、うぅうう!」キッ

もはや言葉もない。
視線のみでかろうじてほむら嬢への反抗の意思だけは示したのみである。

ほむら「あはっ! いいわ、あなた最高よ! そんなに反応がいいと私もがぜん燃えてくるわ」

さやかの反応によほど昂ぶったのであろう、ほむら嬢も顔を上気させ、汗すら浮かべて本能のままに顔を歪めている。
あまりの高揚に、獲物どもの性器にそうしてきたように、自分の口に指を挿しこんでじゅぽじゅぽとピストン運動をさせているほどである。

そして物惜しげに指を引き抜くと、その唾液がしたたる人差し指をさやかの眼前につきつけて言うのである。

ほむら「んっ・・・・・・、ねえ、美樹さん。経口摂取でそれだけの威力をほこる媚薬を・・・・・・おまんこに塗りたくったらどうなっちゃうのかしらねぇ?」ウフフ

さやか「ひぃっ・・・・・・!? や、やめっ」

ほむら「あはははっ! まあせいぜい、いい声でないてちょうだいね?」

さやか「やめてぇ!! そんnうわぁああああっ!」ガクン

さやかの必死の懇願はもちろん容れられず、無慈悲にもさやかを破壊しかねない凶器が挿入されるのだった。


さやか「んぅう、はっ! ひ!? あっあうぁああああ!?」ビクンビクン

まず挿入された刺激に反応し、次いで媚薬が浸透していく刺激で絶叫した。

身体を折れそうなほど弓なりに反らせて、壊れたように叫び続ける。
快楽に致死量というものがあるのなら、いまさやかが感じているそれは、まさにぎりぎりのところなのではないだろうか。

さやか「んっぎいいぃいいい! ぎもぢぃっ! あっはぁああ! 壊れるっ! あだしごわれちゃぅうう!!」バタバタ

ほむら「なあに、おおげさねぇ。まだ指を挿れただけじゃない。本番はここからよ?」ニタア

さやか「やめでっ! 動かさないでっ! いまそんなことされたっ、らあっひぃいいい!! ばかああああ! あ! うああああっ!」

それは実に優しい愛撫だった。
ほむら嬢の白魚のような指が、ただ行き来しているだけの刺激である。

いままでに見てきたほむら嬢の性技のいずれも披露されていない、童貞でもできるような愛撫であるにも関わらずさやかは目を剥いてのた打ち回っているのである。

ほむら「あらあら、うらやましいわ。この程度の愛撫でこれだけ感じることができるなんて。淫乱って得よねえ」

さやか「ひぐううううっ! んああまたっ! いっでるのいってるのにぃいいい!!」

ほむら「うふっ、感じるのに忙しいところ悪いんだけど・・・・・・わかってるわよね? ここからはもっとハードよ?」

客観的に見ても、さやかが限界なのは明らかである。
しかし昂ぶったほむら嬢は止まらない。

さやかの理性を完全に粉砕するべく、ほむら嬢は責めの手を一気に激しくする。

さやか「んあああっ!! あーーーーーっ!!! うああーーーーーーーーっ!!!」

ほむら「ああっ! 素敵な音色だわぁ。人間が壊れていく音のなんて美しいこと・・・・・・!」

さやか「んおっ! い、いぐのいくいくまたイっクうううううううっ!?」

ほむら「あはっはははは! 楽しいわね美樹さやか! いまの状態でクリまでいじられたらどうなるのかしら、ねっ!」グリッ

さやか「ぎゃひっ!? んおっ、ぉおおおっほおおっ!!」

ほむら「うふ、私『あんっ』なんて可愛い子ぶったのよりも、そういう獣みたいな喘ぎが好きなのよねぇ。本当に気持ちいいんだなって伝わってくるもの」

さやか「んほおっ! あ、うぅうううううっ!!」


ほむら「でも・・・・・・そうねえ、そんな叫びをずっと続けてたらノドを痛めちゃうわ」

だから、と、ほむら嬢は上を向き、くちゅくちゅと唾液を溜め始める。
そして必要量が集まると、さやかの方に向きなおり、にたりと笑うと――再びキスをした。

それはさやかの息継ぎのタイミングを狙って行われたため、空気を吸おうとしたさやかの肺にごく自然にほむら嬢の唾液が充満してしまう。

さやか「げほっ! おほっ!」

当然さやかは咳き込むが、それでもほむら嬢のくちづけは終わらない。

ほむら「~~♪」チュッチュ

さやか「~~~~~っ! ~~~~~~っ!!」ビクンビクン

さらにほむら嬢は器用にも、その状態のまま愛撫まで始めたのである。
さやかは口を塞がれているため、喘ぐことすらできない。

――喘ぎ声というものは、自分を昂ぶらせる意味もあるように思われる。
実際、ほむら嬢は杏子に感じたいなら喘げ、とアドバイスしたこともある。

しかしこうも激しい、激感ともいえるような官能の渦の中にあっては、逆の意味をもつのではないだろうか。
すなわち、痛みを感じたときに声をあげるように、苦痛を少しでも和らげるためにあげるのである。

それが、いまのさやかには上げることができない。
逃げ場を失った快楽という快楽が、さやかの身体中を乱反射してまわっているのである。

それはいったいどれほどの快感なのだろうか・・・・・・。
それを想像するとき、思わずほむら嬢に隷属してでも味わってみたくなってしまうほど、その光景は劇的だった。


淫霧たちこめる更衣室で、いまだなおほむら嬢による饗宴は続いていた。

さやか「・・・・・・っ! っ!」ピクピク

ほむら「~~♪」ズチュッズチュ

さやかの秘所からは、ほむら嬢が指を動かすごとに潮とも愛液ともとれる液体が噴出し、部屋の湿度を上げている。
またその肢体は、疲れ切っているだろうにほむら嬢の凌辱にいちいち反応して跳ね回っていて、そのたび飛び散る汗のしずくがこれまたたまらなく淫靡である。

しかしその反応のいずれも、ピーク時に比べると弱々しくなってきており、さやかの体力的な限界が迫ってきていることを思わせた。
同じことをほむら嬢も感じたのか、ようやく責めの手を止める。

実に10分にもおよぶ凌辱であった。

ほむら「ぷはっ。・・・・・・うふふ、ごちそうさま」ツヤツヤ

さやか「・・・・・・ぁひ、は、っひ」ピクピク

解放されたさやかは、無惨だった。

まるで道端で潰れたカエルのような印象である。
目に光はなく、しかし意思とは無関係に彼女の身体に残る快楽の残滓がいまだ断続的に身体を痙攣させている。

秘所からは、愛液がとくとくと流れ出していた。

ほむら「ふふ、少しはしゃぎ過ぎちゃったかしら? 意識もあるんだかないんだか」クスクス

ほむら「・・・・・・しかし、いい眺めねえ。美樹さやかの肉オブジェってところかしら? たぶんこれって、女が一番美しい瞬間のひとつよね」

ほむら「・・・・・・あは、ぞくぞく来ちゃう。やっぱりあなたって淫乱の気があると思うわ。どんなに化粧したって、土台がよくなきゃここまで映えないもの」ウフフ

よほど興奮したのか、独り言をこぼしながらうろうろと歩き回るほむら嬢。
彼女のテンションがここまで高くなるのは初めてではないか。


AD「ここ数日の積み重ねでしょうね。なにしろ彼女は、自分から性的な環境に身を置きながら性欲を発散していません。そろそろ限界でしょう」

――なぜそんな修行じみたことを?

AD「わかりません・・・・・・」

だいたい、痴漢とは自身の欲求を発散させるためのものである。
であるのに、ほむら嬢は獲物を性的に覚醒させるだけで終わっている。

これはどういうことなのだろうか。

AD「ひとつの仮説ですが、彼女はああ見えて一途なのかもしれません」

――というと?

AD「どうも、ほむら嬢の正妻は例の桃色の神の少女である気配があります。彼女に操を立てているのかもしれません」

――それなら最初からこんな、ただれた痴漢行為などしないのでは?

AD「それもそうなんですよね・・・・・・」

しかし、桃色の髪の少女。
ほむら嬢の謎を解き明かすカギは、彼女が持っていそうである。


そのころ、ほむら嬢はというとすっかり放心してしまったさやかを介抱していた。

濡れタオルで汗ばんだ身体を拭いてやり、水分補給をさせるなど、なんだか滑稽なほどの真剣さである。
その甲斐あってか、さやかはすぐに意識を回復させた。

さやか「・・・・・・はっ!?」ガバ

ほむら「あら、早かったわね」クス

さやか「あ、あたし・・・・・・? っ!!」

しばらくぼんやりしていたさやかも、さきほどまでの記憶を取り戻したのだろう。
怒りと怯えの織り交ざった表情でほむら嬢から飛びのいて喚き散らした。

さやか「あ、あたしに近づくなあっ!! どっか行けこの悪魔っ!!」

泣き出しそうなその悲鳴に、しかしほむら嬢は動じずにゆうゆうと距離を詰めていく。

ほむら「うふふ、なににそんなに怯えているの? 気持ちよかったでしょう」ニタニタ

さやか「来ないで・・・・・・! うぅっ、やめてぇ・・・・・・」

ほむら嬢との距離が縮まるにつれ、さやかの態度が軟化していく。
よほどさきほどの調教が堪えたのであろう。

ほむら「これで、また狂いたくなぁい?」スッ

そしてこれ見よがしに人差し指を突き付ける。
その瞬間、さやかの表情がぐずぐずに崩れた。

例の快感がフラッシュバックしたのか、その場で自慰を始めかねないほどの強烈な渇望感が伝わってくるようである。

さやか「あ・・・・・・っぐ!」

必死に唇を噛んで自身の発情を霧散させようとしているさやかだが、それは徒労というものだろう。
げんに、女のしずくが太ももを伝っているのである。

底なしの欲求の沼に沈みかけているのは誰の目にも明らかだった。


ほむら「ねえ、見てちょうだい? 私の指、あなたの愛液でこんなにふやけちゃったの」

さやか「そ、そう・・・・・・」ハアハア

ほむら「この指が、さっきまでこんなふうに」

言うなり、ほむら嬢は自らの指をくわえこみ、じゅぽじゅぽとわざと音を立てながら口内をかき回す。

ほむら「んあっ・・・・・・、蹂躙していたのよ?」

さやか「・・・・・・っ」ハアハア

ほむら「ねえ・・・・・・もう一回、してもいいかしら」

さやか「~~~~っ!」ガクガク

そうして追い詰められたさやかは・・・・・・。


さやか「い、いやだっ! もうあれはいやだぁ・・・・・・っ」ポロポロ

あろうことか、泣き出してしまったのである。
これにはほむら嬢も少し面喰ったようで、目をぱちくりさせている。

さやか「あ、あたしが壊れていくのっ! 脳みそがとけちゃうの・・・・・・っ! 怖い、あんなのもう嫌だ・・・・・・」

いまのさやかを支配しているのは、ほむら嬢への敵意でも、まして性欲でもない。
恐怖であった。

無論、敵意も性欲もあっただろう。
しかしここに来てさやかの心を塗りつぶした感情は、意外にも自分が変えられることへの恐怖である。

おそらくこの美樹さやかという少女は、勝気な外面とは裏腹にかなり繊細で臆病な性質であったらしい。
しかしその外面がほむら嬢によって壊され、彼女の本質が一気にあふれ出したたのである。

これはほむら嬢にとっても予想外だっただろう。
しかし、彼女は狡猾だった。

ほむら「ねえ、美樹さん」クイッ

さやか「・・・・・・?」

ほむら嬢が一転、慈母のような表情でさやかに語りかける。
さやかは当然、期待の瞳でほむら嬢に向き直る。

そして。


ほむら「杏子とマミがどうなってもいいの?」

さやか「~~~~っ!!」

さやかの顔が絶望で塗りつぶされた。


ほむら嬢のなんとあくどいことだろう。
彼女はいったん壊れたさやかの外面を、杏子とマミを餌に修復させることを強要した。

さやかはとても正義感のつよい娘である。
それは数時間しか彼女を見ていない我々にもよくわかる。

そして正義感の強い者に共通する性質として、自己犠牲の精神があるだろう。
無意識に自分よりも他人を優先してしまうその気質はさやかにも強くあてはまる。

そのために彼女は言わざるを得ないのである。

さやか「・・・・・・・・・・・・さぃ」

ほむら「え? なあに、聞こえないわ」

さやか「あたしを・・・・・・あたしを、壊して、くださぃ・・・・・・」

もはや涙もない。
痛々しいほどの恐怖を、ほむら嬢によって飲み下すことを強要されたさやかはとても哀れで、そしてそれ以上に劣情を誘うものがあった。

ほむら「あは」

さやか「え?」

ほむら「あははははっはははっははははは!!」

そのさやかの返答を聞いた瞬間、ほむら嬢の顔が邪悪に染まった。

ほむら「ははははっ! 最高よ! あは、あなたのその顔っ!! すっごくそそるわあ・・・・・・!」

さやか「・・・・・・」ギリ

ほむら「あぁ、濡れちゃうわ。すごい、すごく昂ぶっちゃう・・・・・・!」ハアハア

まさに悪魔のような形相だった。
相手を壊すことになんのためらいもない、いや、それを娯楽とするような笑みである。


そしてほむら嬢はさやかを押し倒し――。

嬌声が響き渡った。

つづく!!

ごめんなさい変換ミスです
>>335の「桃色の神の~」が神→髪でお願いします

お久しぶりです
どうにも最近忙しいのと筆が乗らないので更新できず申し訳ないです
続き自体は書き溜めてますので正月明け頃には更新できると思います
よろしくお願いします…


ちゅぱちゅぱと、リズミカルに水音が反響する。
その音源は、もはやどちらのものかも判然としないほど長く深く交わり続けている、ほむら嬢とさやかの唇だった。

その音のなんと淫らなことだろう。
それは彼女たちと同年代の男子が小耳にはさめば、それだけで精通してしまいかねないほどの淫靡さだった。

それに合わせてさやかの身体はめちゃくちゃに踊り狂っている。

さやかの瞳はすでに快楽で濁りきっており、理性などみじんも残っていないことは想像に難くない。
それでも身体の反応が止まることがないというのは、それが脊髄反射にちかいことを物語っているだろう。

しかし、これまでのほむら嬢の活動を見ていると、その獲物たちは決して愛撫という物理的な接触で感じていたわけではない。
むしろその堕落には心理的な要素がおおきく寄与しているであろうことは明らかである。

身体だけでなく、心までも愛撫しなければならない。
そう教えてくれたほむら嬢が、意識がほとんどないさやかを感じさせている――。

この一事だけでも、女体の「感じる」という現象の神秘は尽きないことを我々に再認識させてくれる。
少なくとも我々は自身のつたない責めで、女性を感じさせていると勘違いしてきたことを恥じ入らなければならないだろう。

女性が感じているというのは、こんなにも劇的なのである。


ほむら「んちゅ・・・・・・」

ようやくほむら嬢の唇はさやかを解放した。
ふたりの唇は別れを惜しむように唾液の橋をつくり、やがてそれはほむら嬢によって啜りとられた。

その完成された一連の流れは、性的なものとはまた違った(むろん、性的な衝動も覚えたが)感動を我々に与えた。

さやか「ぁは・・・・・・っ」ビクン

さやかはというと、手足も舌も投げ出して呆けきっている。
時々ひきつけを起こしたように痙攣し、そのさい飛び散る体液のしずくが彼女をより蠱惑的にデコレーションした。


――と、ここで授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響く。
それはほむら嬢のただれた劇場から我々を現実へと引き戻すことのできる、貴重な存在だった。

ADの方に向きかえれば、彼もまたようやくモニターから解放されたようである。
その手のコーヒーは冷めきっていた。

それほどほむら嬢のショーは、呼吸を忘れるほどに目が離せないものだった。


さやか「あ、授業、終わって・・・・・・」ハアハア

さやかは快楽の残滓に刈り取られそうな意識を必死につなぎとめ、ぶつ切りの言葉で訴えた。
それは、もう終わりにしてくれという懇願である。

ほむら「うふふ」

ほむら嬢にしてもこの場を誰かに見られるのはまずいだろうに、しかし彼女はうろたえない。
本心から恐れていないのか、獲物の前で取り乱すと精神的な優位性を損なうだろうという計算からなのか。

後者でないはずはないのだが、それだけでは説明できない不気味さがほむら嬢の余裕にはあった。

ほむら「立ちなさい、美樹さやか。見せたいものがあるわ」

さやか「ふ、ぐ・・・・・・!」フラフラ

ほむら「まったく、情けないわねぇ。ほら、肩を貸してあげる」

そうしてほむら嬢は、すっかり腰のくだけてしまったさやかを助けおこし、鏡の前まで引きずっていった。

ほむら「これよ、私が見せたいのは」クスクス

さやか「・・・・・・あたし?」

ほむら「そう。すっかり快楽でふやけたあなたの顔よ」

さやか「・・・・・・うそよ。いやだ、こんな・・・・・・!」

さやかは鏡に映る自分の姿にショックを受けているようだった。

それも無理からぬことではある。
我々やほむら嬢のように客観的に変化の過程を見ているならともかく、いきなり堕ちかけの自分を突き付けられるのは相当こたえるに違いない。


ほむら「ね、どうかしら? 思ってる以上に間抜けで情けないでしょう? うっふふ!」

さやか「ち、ちがっ! こんな・・・・・・!」

ほむら「でね、こうするともっと面白いのよ」

言うなり、ほむら嬢はさやかの股間をひざで擦りあげてしまう。

さやか「ひぃいっぎいぃいい! イックぅうう!!」ガクン

それだけでさやかは無様にも頭をのけ反らせて果ててしまう。
その反応のうち何割かは、鏡を見たくないという無意識な逃避があったのかもしれない。

天井を見ているさやかは、どこか安らかな表情だった。
それは快楽の濁流によって、情けない自分から視覚的にも思考的にも逃げられたことに起因しているのだろうか。

もしそうなら、これは快楽への受容性を高める調教だということになる。
憶測の域を出ない話ではあるが。

しかし、ほむら嬢がいつまでも天井を眺めていることを許すはずもない。

ほむら「ふふ、イクのをちゃんと宣言したのは偉いけどね。目をそらしちゃだめよ」

さやか「うぐっ」

ほむら「よぉく見てるのよ? あなたがどんな顔でイッているか・・・・・・ねっ」

さやか「ふんぎっ!? い、いいいっくぅうううう!」ガクガク

ほむら嬢に頭を押さえつけられているわけではない。
ただ「目をそらしちゃだめよ」と言われただけで、さやかは自主的に自らの痴態から逃げられなくなってしまったのである。

ほむら嬢の言葉の一片一片が、さやかにとって呪縛のようなものだった。


さやか「気持ちいいっ! んああ! いいのぉ!」

ほむら「ほらほら、せっかくイッてる最中の自分を観れているんだもの。感想のひとつでも聞かせてほしいわ」

さやか「んい、あっ! おおっ! そ、だってぇ、きもち、んあ。よくってぇ」

ほむら「そんな余裕ないって? 搾りだすのよ、そのどろどろの脳みそから!」ギュウウウ

さやか「あがっが、う、あっ。い、イクうぅ・・・・・・! あ、っふ。ん、あ、あたし、あたしはぁ・・・・・・」

ほむら「そうそう、鏡の中のあなたはどんな風かしら?」

さやか「悦んで、っますぅ・・・・・・! ああっイクうう! あ、はっ。っぐ、間抜けにぃ、舌つき出してっ、あんっ」

ほむら「ええ、そうよ! いい調子じゃない」

さやか「ばかみたいにっ、ふぎゅっ、目も眉もつりさがってっ。喘ぎまくってますぅ・・・・・・!」

ほむら「へえ、あなたはずいぶんと堕ちちゃったみたいねぇ」クスクス

さやか「そうなのぉ、こ、こんなのっ、誰が見ても屈服してるのっ! 抵抗できてなかったのっ」

さやか「ばか面さらして喘ぎまくる、ヘンタイ女がぉああ、っく、イクうううう!」

ほむら「あはははは、すっごい! 自分を罵りながらイッたわこの子! あっははははは! マゾの才能あるわよあなた!」

さやか「は、はひぃ・・・・・・。あたし、は・・・・・・ドM、でしたぁ・・・・・・! あっ」

ほむら「うふふ、いいわぁ。いまのあなた素敵よ。とっても扇情的・・・・・・」

さやか「あ、ありがとう・・・・・・ございます・・・・・・」

あの口を開けば憎まれ口しか叩かなかった少女が、いまや屈辱的な言葉を浴びせられて礼を言うまでになってしまった。
恥辱によって感じるそのさまは、まるで自尊心が性感帯になってしまったかのようである。

ほむら嬢の調教は、心にまで及んでいた。


ほむら「さて、あなたの現状を知れたことだし教室に戻りましょうか。ほら、服を着なさい」

さやか「は、はい・・・・・・」

ここで、ようやくこの更衣室での調教は終わったようである。
さやかは命令通り着衣しようと試みるが、まだ全身の神経の大部分がほむら嬢の指揮下にあるらしく、かなりまごついてしまっている。

ほむら「ふふ、仕方ない子ねぇ」

そんなさやかをほむら嬢はからかいながらも手伝っていて、さやかもそれが心地よさげである。

思えばほむら嬢はつねに、獲物との行為が終わったあとも丹念に愛撫しているように思われる。
前戯に対応して後戯ともいうべきそれは、精を放てば冷めてしまう我々には新鮮に映った。

AD「女性は性交ののちも触れ合っていたいようですからね。ある意味これは、レズ特有のものと言えるかもしれません」

さやか「んあっ」

ほむら「あら? ノーブラだとシャツに擦れて感じちゃうのかしら」

シャツを羽織ったさやかのわずかな反応も見逃さないのはさすがである。

さやか「・・・・・・はい。ちょっと、痛くも・・・・・・」

ほむら「・・・・・・そう。そうねえ、確かに擦り傷になってもイヤよね。なら、こういうのはどうかしら?」

そう言うとほむら嬢は自身の髪を一本引き抜き、さやかの両乳首を結んでつなげてしまった。
しかも乳首同士が接しかねないような距離で結ばれてしまったため、さやかの乳首は常につままれているような状態である。

さやか「ん、こ、これ・・・・・・っ!」

ほむら「うふふ、どうかしら、特製のブラジャーよ」

どこか得意げなほむら嬢は、そのブラジャーを弾いて遊び始めている。
びぃんと、努めればベースのような低音に聞こえなくもない音が転がるたびに、さやかの身体も反応してしまう。

さやか「う、ふぅ・・・・・・っ! 気持ち、いいっ」

ほむら「あははっ、そうでしょうそうでしょう! これだけ乳首と乳首が近ければシャツと擦れることもないだろうし、なにより卑猥! 我ながら素晴らしいアイデアね」

性感によるものとはまた違う、ひらめきによる快感にはしゃぐほむら嬢はどこか可愛げがあった。

とはいえ、彼女が超常の存在であることに変わりはない。
そう思うと、可愛げも反転して不気味さにつながってしまう。

ほむら嬢の人間性を哲学すればするほど、そこには果てのない闇が広がっていることを再認識せざるを得ない。


ほむら「あ、そうそう。いちおう聞いておかないとね」

さやか「え・・・・・・?」

更衣室を出ようとする矢先、ほむら嬢が立ち止まった。
その目には、サディスティックな期待が自重することなく燃えている。

ほむら「うっふふふ。美樹さん、あなた・・・・・・まさかまだ屈服したわけじゃないわよね?」

さやか「・・・・・・ぅう」

ほむら嬢が言っているのは、杏子とマミを賭けた勝負のことである。

今日一日、ほむら嬢の凌辱を耐えきればさやかの勝ち。
一度でも「参った」と言えばほむら嬢の勝ちというルールである。

しかし、さやかはもう気づいているのだろう。
ほむら嬢がこんな勝負を持ちかけたのは、自分をより長く嬲りものにするためなのであることに。

ここで参ったと言えば、解放してくれる・・・・・・。
そのあまりにも甘美な誘惑を抑え込み、仲間のために自らをより過酷な凌辱の渦中へと放り込む。

そんなさやかの悲壮な正義心を、ほむら嬢は見たいのである。

さやか「・・・・・・あたしは」

さやか「あたしは、・・・・・・まだ、耐えられる」

ほむら「~~~っ」ゾクゾク

すでに限界であろうさやかの心が、悲鳴を上げながらもほむら嬢に立ち向かった。
その悲鳴を聞いたほむら嬢は、この世のものとは思えないほど禍々しい顔で悦んだ。

ほむら嬢は、ひとの心の軋みをこそ好餌としているのかもしれない。

ほむら「・・・・・・そう。くふっ! じゃあ、もっともっと苛めてあげなくっちゃねえ。ふふふふふ!」クネクネ

さやか「・・・・・・くっ」

ただ自分の運命を悲観するしかないさやかだが、その顔のどこかで期待するような色もあった。
ほむら嬢の与える快楽は、さやかの中のなにかを着実に食い潰しているようである。



間もなく、ふたりは更衣室をあとにした。
ほむら嬢の去ったあとのその部屋はひょうし抜けするほど平凡で、先ほどまで淫惨な凌辱劇があった気配などかけらもない。

優れた女優というものは、その舞台までも自分の色に染めてしまうものらしい。


今回の幕間はそれなりに長いようである。
先ほど終わったのが6時間目であるため、さしずめ今は帰りの学活といったところだろうか。

AD「帰りの学活・・・・・・懐かしい響きです」

一日の学習を終え、放課後への期待で胸を膨らませながらもまだ教室に縛り付けられている・・・・・・。
高揚ともどかしさではち切れそうなこの時間は、多くの人々の記憶にこびりついているに違いない。

ADの懐古癖を刺激するのも無理はないだろう。

しかし、その場にほむら嬢がいると想像すると違和感を禁じ得ない。
彼女にとってはママゴトのようなものであるだろうに、いったいどんな顔で臨んでいるのだろうか。

少なくとも、教師などには欠片の敬意もないのだろうことは想像に難くない。
彼女の担任教師には同情するばかりである。


しばらくすると、ようやく画面が明転した。
ほむら嬢とさやかが歩みを進めるそこは、なんの変哲もない公道である。

ほむら「うふふっ! ほらほら、もっときびきび歩かないと周りの人に怪しまれちゃうわよ?」

さやか「く、ううっ。でも、胸・・・・・・揺れてぇ」

相変わらずほむら嬢によって媚熱に苛まされているさやかの足取りはおぼつかない。
そんなさやかをからかうように、時おり痴漢行為を働いては煽るほむら嬢は心底楽しそうである。

そのとどまることを知らない加虐趣味を満たしてくれるさやかは、ほむら嬢にとって極上の獲物なのだろう。

ほむら「うふふ、私の髪で気持ちよくなっちゃってるの?」

さやか「うう、だって・・・・・・常に愛撫されてるみたいで・・・・・・っ」ヨタヨタ

ほむら「あはっ! 普通そんな程度じゃ感じないわよ! やっぱりあなた、とんだ淫乱ねぇ」

さやか「く、ぅうう・・・・・・! だって、あんたが・・・・・・っ! ひゃんっ」ビクン

ほむら「うっふふ! 息吹きかけられただけなのに、いやらしい声出しちゃってまぁ」フフフ

さやか「はあ、はあ・・・・・・っ」

わずかに残った勇気の搾りかす、それを総動員してほむら嬢に噛みついても、彼女の吐息ひとつでさやかは感じてしまう。
しかも、その抵抗そのものをほむら嬢は望んでいるのである。

悔しげに唇を噛みしめるさやかは、ただただ哀れだった。


その後もさやかの難行軍は続き、路上で10回を超える絶頂を味わわされてしまった。
しかもさやかは、律儀にイクたびにそれを宣言するのである。

それは更衣室でほむら嬢に教え込まれた作法であり、それを忠実に実行してしまうあたり、さやかの精神力の摩耗を感じさせる。

ほむら「ほら、着いたわよ」

ここでほむら嬢が足を止めた。
どうやら適当に散歩していたわけではなく、明確な目的地があったようである。

さやか「ここは・・・・・・!」

そこには我々庶民には縁の無さそうな、威圧的な豪邸があった。
そして、一歩一歩が性感との戦いだったためこの瞬間までさやかは気づけなかったが、どうやらこの豪邸にさやかは見覚えがあるようである。

さやか「あんた、一体どういうつもり!?」

これまでしおらしかったさやかが往年の勝気さを取り戻したあたり、よほどこの豪邸には思い入れがあるらしい。

ほむら「ふふ、なにか文句でも?」

さやか「・・・・・・っ、う、ぐ」

しかしほむら嬢が少し低い声でくっくと笑うだけで、さやかの勢いは失せてしまう。
ほむら嬢に恐れおおい態度をとってしまった自分を悔い、一回りも小さく見えるほど萎縮しきってしまった。


さやか「あ、あたしは・・・・・・なにをすれば?」

ほむら「ふふっ、いい子ね。なに、ちょっと上条くんと話してほしいだけよ」

さやか「・・・・・・っ。きょ、恭介には、なにもしないんでしょうね」

ほむら「うふふ。それはあなた次第ね」

さやか「~~~っ」

それはほぼ強制だった。
それでも、さやかがわずかにためらったのは覚悟を決めるために時間を要したためだろう。

ついにさやかは、震える手で呼びベルを鳴らした。

『はい、上条です』

さやか「あ、恭介? さやかだけど・・・・・・」

『ん、いま出るよ』ガチャッ

さやか「・・・・・・」

さやかは苦悶の表情である。
ほむら嬢とともに会うのだから、それはそうだろう。

ほむら「うふふ、楽しみねえ美樹さやか」

さやか「・・・・・・あたし、特に話題とかないんだけど」

ほむら「あら? 想い人となんていくらでも話せるものじゃない?」

さやか「・・・・・・」プイ

ほむら「ふふ、意外と奥手なのね・・・・・・。じゃあこのハンカチでも渡しておきなさい」

さやか「これ、恭介の・・・・・・! あんた、いつの間に!」

ほむら「中庭で拾ったのよ、偶然ね」

さやか「そんな・・・・・・」

そんなはずはない、恐らくさやかがそう言いかけたとき、豪邸の門が開いた。


上条「やあ、さやか。・・・・・・と、暁美さん?」

ほむら「ふふ、こんにちは」

相変わらず上条少年はほむら嬢の目を見られないようである。

さやか「あ、あのっ! これ、落ちてたよ」スッ

上条「わ、ありがとう。これ志筑さんから貰ったやつだからね。あやうく怒られるところだったよ」

さやか「・・・・・・っ。あ、用ってこれだけだから。じゃあ、また明日――」

ほむら嬢に悪辣なまねをされる前に去りたいのか、それともいまの自分の顔を見られたくないのか――。
さやかは不自然なほど早口にその場を去ろうとした。

が、ほむら嬢がそれを許すはずもない。

ほむら「ふふっ」ガッ

さやか「わっ」

鮮やかな足かけでさやかを転ばせてしまう。
さやかは間抜けなほどきれいに宙をまわり、上条少年の腕の中に収まった。

上条「だ、大丈夫かい?」

さやか「う、うん。ありがと」

この構図は以前にも見たことがある。
今日の午前中、まだ生意気だったころのさやかも、こうして上条少年に抱かれていた。

我々は二度も甘酸っぱい光景を見せられたことになるが、これはいったいどういう意図で行われたのだろうか。

上条「じゃあ、また明日」

さやか「うん、また明日・・・・・・」

結局ふたりは、なんの変哲もない定型文で別れた。

しかしここで我々は小さな違和感を抱く。
再びさやかとほむら嬢は「デート」を始めたわけだが、なぜだかさやかの顔が浮かないのである。

前回の彼女は、上条少年に抱かれると少女の顔になり、そのことでほむら嬢にからかわれていた。
しかし今回はどうだろう。

その顔には困惑の色しかないのである。

AD「・・・・・・ほむら嬢は、あえて同じ場面を作ることで彼女の変化を浮き彫りにしようとしているのでしょうね」

――というと?

AD「それはほむら嬢が教えてくれます」

とADが言い終わらないうちに、画面に動きが見られた。


さやか「ぐっう!」

裏路地に入り、ほむら嬢がさやかを壁へと押さえつけたのである。

ほむら「うっふふふ! なんだか浮かない顔ねぇ美樹さやか」

さやか「・・・・・・そっ、そんなこと」

もはやさやかは怯えきっている。
きっといまの自分の状態はほむら嬢の思惑通りであり、それをネタにまた調教される――。

それは確信に近かっただろう。
自分の心を見透かされているのは、とてつもない恐怖である。

ほむら「ねえ、上条くんに触れて『また』発情しちゃった?」

さやか「~~~っ!」

恐らく図星だったのだろう。
自分で認めたくない心理的な動向を、ほむら嬢に暴かれてしまう。

もうさやかはまな板の上だった。

さやか「・・・・・・は、発情・・・・・・発情、して、ないです」

極度の緊張によってかすれきった声で、なんとか返答を絞り出す。
しかもばか正直に、である。

もっとも、ほむら嬢も結論ありきで問いかけているであろうことは明らかなので、正直に答えるのが賢明である。
しかし、それはあまりにもさやからしくなかった。


ほむら「発情してないの? そう・・・・・・。でも、あらぁ?」

ほむら嬢は舞台女優さながらに、憎らしいほどわざとらしく不思議がる。
そしてさやかの股間に手を滑らせた。

さやか「ひんっ」ビクッ

ほむら「じゃあ、このヌルヌルはなにかしらねぇ?」

さやか「・・・・・・っ。あ、愛液・・・・・・です」

ほむら「知ってるかしら? 愛液って、発情しないと出ないのよ?」

さやか「・・・・・・」

ほむら「ねえ・・・・・・。黙ってないでなんとか言いなさいな。本当はわかってるんでしょう?」

さやか「・・・・・・うぅ」

ほむら「あなたは、上条くんに抱かれても発情しなかったのに、私にこうして追い詰められると発情しちゃう・・・・・・。うふふっ! なんでかしらねぇ?」

さやか「・・・・・・や、やめて」ガタガタ

あごを鳴らして怯えるさやかに、ほむら嬢は満面の笑みで続ける。
その間は、ギロチンが自由落下を始めてから首に刃を突き立てるまでの間のようだった。



ほむら「それはね、・・・・・・あなたもレズになっちゃったからよ」クスクス

さやか「~~~っ!!」


自分への懐疑を、ほむら嬢に肯定されてしまった。
そのさやかの心痛は察してあまりある。

しかし、ほむら嬢のさやかレズ説は少々暴論ではなかろうか。
さやかがほむら嬢に押さえつけられて興奮してしまったのは、これまでの経験からの学習の結果であり、イコールレズ、とするのは早合点のように思われる。

AD「そうですね。しかし、証明の出来そのものが問題なのではなく、要はさやかにそう思い込ませることこそが肝心です」

事実、さやかはそう刷り込まされてしまいました。
そう続けるADは心底昂ぶっていた。

性的に、もあるだろうが、それ以上に展開の運びに同業者として舌を巻いているようである。
それはスポーツ観戦の気分に近いであろう。

さやか「あ、あたし・・・・・・。あたし・・・・・・っ」ハアハア

ほむら「どうしたの? レズの美樹さやか。・・・・・・うふふっ。私にいじめてほしくなっちゃったのかしら?」

さやか「はあ、はあ・・・・・・」

ほむら「あは、いい顔っ。いいわ、特別におねだりなしでも責めてあげる」スッ

そうしてほむら嬢はさやかを追い詰めると――。

さやか「いっ!? あ、ぎっ。イックうううう!!」

一瞬でイカせてしまった。


ほむら「あっはははは! いい感度ねえ! ほんと責めがいあるわ、あなた!」

さやか「はっ、はひ・・・・・・っ」

ほむら「情けない顔ねえ、ブタみたいだわ! ・・・・・・あ、そうだ。今度からイッたらブタの鳴きまねしなさい。くっふふ!」

さやか「そ、そんな・・・・・・!」

テンションの高まりきったほむら嬢のなんと恐ろしいことだろう。
まさしく女帝の高慢さである。

ほむら「さあいくわよ! 思いっきり鳴きなさいね? ほらっ」ズブゥ

さやか「ひンっ!?」

そして、さやかには一切の思考を許さない。

さやか「ひ、あんっ。ひぐ、んああ!」

すぐに絶頂へと高められ、屈辱的な命令に従うか否かの選択がさしせまる。
そして、さやかは・・・・・・。

さやか「ああだめっ! あっ! ぶっぶひぃいいいいっ!」

またひとつ、尊厳をかなぐり捨ててしまった。


ほむら「あはははは! 本当に言ったわこの子! あっははははは!!」

そんなさやかに、ほむら嬢はご満悦のようである。
実際、雌豚さやかはとても艶やかだった。

さやか「ぶ、ぶひっ。ぶひぃい」

ほむら「あら、もっとイキたいの? ふふふふ! いいわよぉ、気が狂うまでイカせてあげるわっ」グリッ

さやか「ぶっひいいいいいいいっ!」

さやかはまたしても浅ましく絶頂してしまった。
その表情は、不思議と安らかそうである。

いいように嬲られる自分。
レズになってしまった自分。

さやかにとって快楽は、そんな向き合いたくない現実から目を反らさせてくれるものに変わりつつあったのかもしれない。
圧倒的な快楽の濁流に身を任せることこそが、いまのさやかにとっての救いだったのである。


ほむら「あははは! ねえ、美樹さん。確かあなた言ってたわよね? 恋愛はハートでするものだって」

さやか「あっぐぅ、ぶひっぶひいいい!」

ほむら「ねえ、じゃあいま私の指で狂っているあなたのハートは、私のものだってことでいいのかしら?」

さやか「ひぃ、ひい・・・・・・っ!」

ほむら「困ったわねぇ。心も、身体も私のもの。いったいあなたには何が残っているの?」

さやか「んおおおっ! ぶひっひいいいいっ!」

ほむら「うふふっ。考えたくないのね? それもいいわ。あなたが反応しなくなるまで付き合ってあげる」

さやか「ぶひっぶひぶひぃ!」

ほむら「ふふふ、気づいてないでしょうね。あなたがそうやってブヒブヒ言うたびに、あなたの心は壊れていっているのに・・・・・・」ウフフ

さやか「ぶっひいいいいい!!!」


あるいはさやかは、もう壊れてしまいたかったのかもしれない。

更新遅れて申し訳ないです・・・!

つづく!

ああああ!!
酉ミスです!!!


度重なる調教で雌豚にまで貶められたさやかが最後に連れてこられたのは、やはりと言うべきかほむら嬢の牙城だった。
どうもこの屋敷を調教の終着駅として使用するのがほむら嬢のこだわりらしい。

AD「あるいは、自分の認めたペットしか入れたくないのかもしれませんね」

――さやかはようやく認められたわけですね。

AD「はい。ここまで入念なのは初めてですが」

――それだけさやかは手ごわかったと。

AD「いえ、堕とそうと思えばいつでも堕とせたでしょう。単に遊びたかっただけかと」

どうやらなにもかも、ほむら嬢の気分次第のようである。


さやか「あぐ、うぅ・・・・・・」ヨタヨタ

ほむら嬢に引かれて玄関を歩くさやかの足取りはおぼつかない。
入念に躾けられ快楽を渇望する身体に鞭打たなければならないのだから当然である。

一歩一歩進むたびに身体を震わせるのは、脚が地面につく衝撃からでさえ快楽をむさぼってしまうからだろう。
半開きの混濁しきった瞳はまっすぐにほむら嬢を射抜いていて、そこに畏怖と期待こそあれど敵意などはもはや微塵も感じることはできない。

やがてさやかは完全に足を止めてしまった。

さやか「ほ、ほむらさまぁ・・・・・・」

情けなく甘い声で媚びるさやかはもはや別人のようである。

ほむら「ほら、寝室まであと少しよ? 辛抱なさい」

さやか「~~~っ。はっ、はあ、はぁ」

そうほむら嬢に諭され、再びさやかは踵を引きずるように歩きはじめる。

上条宅の裏で雌豚になって以来、さやかには絶頂を貪れるような愛撫は施されていなかった。
かと言って性的な責めがまったく無かったわけでもなく、むしろ巧みに性感を昂ぶらせるような愛撫はされ続けている。

そのためさやかは完全に出来上がってしまっていた。
極度の発情というものは、ただ廊下を歩くということでさえ極度の忍耐を必要とさせるらしい。


ほむら「うふふ。さあ上がりなさい? 雌豚さやか」

ほむら嬢は扉を開けると上品にさやかの手をとり踊るようにエスコートする。
手を引かれるさやかの表情は複雑で、それを解きほぐすことは困難そうである。

そして我々はそれを無理に解きほぐそうとしなくても良いように思われる。

芸術品を見るとき、その表現技法だとか構図だとかを論理的に解剖するのもむろん楽しみ方のひとつであるのは否定できない。
しかしやはり一番基本的で正しい鑑賞方法は、作品をばっと概観して、そのまま素直に心を震わせることではないだろうか。

芸術的な何事かを感じたときの、得も言われぬ感傷。
鑑賞者のその一瞬のために作者はぼう大な時間を費やして作品を描くのである。

それを軽々しく言葉にしてしまうのは無粋ではないか。
作品についての細微なこだわりなど、作者が注釈したときのみ気にすればよいのだろう。

ほむら嬢の調教過程を見るうち、我々にもそういった心構えができはじめていた。

詩人は詩で、画家は絵で。そしてほむら嬢は奴隷で語り、我々はそれに心で応えればよい。

そういう目でさやかを見ると、彼女は見事な雌豚だった。
ほむら嬢が入城を認めるのも納得の出来である。


ふたりがほむら嬢の寝室に入ると、さやかは息を飲んでしまった。
そこではすでに淫らな饗宴が催されているのである。

マミ「んぁ、はっ。すてきよっ。佐倉さん」
杏子「ちゅぱっ。ちゅる、マミも、すげえ乱れ方だな・・・・・・っ」

すっかり堕ちきった二人は性欲を持て余したのか、お互いを夢中で慰めあっていた。
ほむら嬢の帰宅を待ちきれなかったのであろう。

主人の帰宅にも気づかないあたり、その世界の深度は相当のものである。

そのただれた世界を、ぱん、ぱんという鋭い音がぶち壊した。
ほむら嬢が手を鳴らした音である。

ほむら「帰ったわよ」

杏マミ「ほむらさまっ!」

ほむら嬢を見たマミと杏子の狂喜っぷりはどうだろう。
これまで夢中になっていたのが嘘のようにお互いを打ち捨ててほむら嬢のもとへ駆けよった。

その様はまさに飼い犬の出迎えである。

ほむら「ふふ、二人ともなにをしていたのかしら?」

マミ「その、我慢できなくって」

杏子「・・・・・・ほむら様が遅いのがいけないんだぞ」

そう声を交えながらも、マミと杏子は唇だけを使って器用にほむら嬢を脱がせていく。
ほむら嬢はと言えばふたりの調教の仕上がりにご満悦のようで、ペットたちの顔を愛おしげになぜている。

そのほむら嬢のかすかな寵愛にも、飢えたペットたちは甘く喘いでしまう始末である。

ほむら「そうだ。あなた達にも改めて紹介しなくちゃね・・・・・・」

そうほむら嬢はペットたちと共にドアの前で固まっているさやかの方へと向き直った。
はね上がるさやかの心音が聞こえてきそうである。


ほむら「雌豚の美樹さやかよ。うっふふふ。いい仕上がりでしょう?」

杏子「へへ、すっかり発情しちゃってるじゃん。かわいいなぁ」

マミ「ほむら様、ひょっとして」

ほむら「ええ。あなた達が堕としていいわよ。ふふ、あなた達も堕とす快感を味わってみるといいわ」

その言葉に、ペットたちは主人ゆずりの邪悪な笑みを浮かべる。
もはやこの二人にとっては蜜のような快楽とほむら嬢という絶対的な存在からの評価意外どうでもいいのだろう。

AD「いえ、それはどうでしょうか」

――というと?

AD「ほむら嬢の巧緻な調教は、そこまで人間性をそぎ落としてはいないかと」

――つまり?

AD「ここ数日の様子からほむら嬢は、繊細な人間味にこそエロスは宿る、という信条を持っているように感じます」

AD「倫理観、自尊心。彼女はそういったものを言葉巧みに愛撫して恥辱という人間ならではの快楽を引き出しています」

――なるほど。

AD「彼女のこの一連の調教は、安易な快楽漬けによるセックスジャンキー堕ちに対する強烈なアンチテーゼなのかもしれませんね」

そう言うADの顔は、どこか嬉しそうだった。


さやか「んあっ! や、やめて二人とも・・・・・・!」

さやかの言葉だけの抵抗などペットたちが気にかけるはずもない。
もとより、その言葉の裏に宿る期待も彼女たちは知っているからである。

杏子「へへ、さやかぁ。あの後もずいぶん可愛がってもらったみたいじゃねーか」

うらやましいよ、と杏子はさやかの濡れそばった陰唇に軽く口づけ、続けてじゅるりとむしゃぶりついた。

さやか「あう! あっあああ!」

その快感にたまらずさやかは背骨が折れそうなほどに仰け反って喘いでしまう。
そのあまりの勢いに倒れてしまうかと思われたが、後ろからさやかを抱き支える影によってそれは防がれた。

マミ「うふふ。とっても気持ちよさそうねぇ、美樹さん?」

さやか「マ、マミさ・・・・・・むぐっ」

そして間髪入れずにディープキスが施される。
その技術はほむら嬢に及ぶべくもないが、それでも歪んだ情愛のこもった執拗で丹念な口づけはさやかの表情を溶かしていくのには十分すぎるほどである。

もちろん杏子によるクンニも継続している。
ほむら嬢によって開発され尽くされたさやかに耐えられるような苛烈さではなかった。

さやか「~~~~っ! ~~~~!」バタバタ

すぐに切羽詰まった様子になり、唯一自由な胴体をしきりにしならせてその時が近いことを臭わせる。
そしてそれは、マミと杏子が口を離した瞬間に訪れた。

さやか「んあ、っひ。ぶ、ぶひぃいいいっ!!」ビクンビクン

マミ「あらあら」
杏子「すげえイキかただな」

哀れなさやかはほむら嬢に教え込まれたあさましい雌豚絶頂を、友人二人の前で極めてしまったのであった。


さやか「あひ、ひゃあうぅ・・・・・・」ヒクヒク

ほむら嬢に焦らし抜かれたあとの絶頂はさぞや甘美だったことだろう。
さやかは半目のだらしない表情で未だに桃源郷をさまよっているようだった。

マミと杏子はというと、自らの手で獲物を絶頂させた充足感と官能感でこれまた良い顔をしている。

AD「わざわざ熟しきった収穫どきを連れてきていますからね。二人の達成感もほむら嬢に作られたものと言っていいでしょう」

――なぜあのふたりにやらせるのでしょう?

AD「ひとつには当然、さやかを貶めるため。ふたつにはマミと杏子に責める快感を教え込むためです」

――まだマミと杏子への調教も続いている、ということですか。

AD「ええ。そうなります」

そして、とADは続ける。

AD「マミと杏子の『責めてみたい』という衝動を自分に向かないようにするためでもあるでしょう」

――というと?

AD「ほむら嬢はここ数日、性感をため込んでいます。状態でいえば先ほどまでのさやかと大差ないでしょう」

AD「それをあの二人に責められては危険です。最悪、主人としての威信を失いかねない。だからです」

なるほどその言は的を射ていた。
ではほむら嬢がそんなリスクを冒しつつなぜそんな苦行に臨むのか・・・・・・。

ほむら嬢という人物は、哲学しようとすればするほどその実体がモヤがかってしまう不気味さがある。
そのくせ人の興味を引き付けるのだから始末に負えない。

人は実体の知れないものに畏れと景仰を抱くものだが、彼女のカリスマの源泉は、こうした神秘性からわき出でてくるのかもしれない。


ほむら「ふふふ・・・・・・! 責めるのも楽しいでしょう?」クスクス

マミ「はい。とっても! 女の子を自分の手で喘がせるのってこんなにぞくぞくするのね」

杏子「あたしは今日、ひと足先にさやかを責めさせてもらったけどな」

マミ「まあ! ずるいわ佐倉さん」

ほむら「ふふ、それは謝らなくちゃね。お返しにあとでたっぷり可愛がってあげるわ」

マミ「あぁ、ほむらさま・・・・・・っ! 嬉しいですぅ。うふ、興奮してきちゃう」

ほむら「さあ、あの雌豚はまだ堕ちてないわよ? 止めをさしてあげなさい」ウフフ

その主人の命令にペットたちは再び苛虐的な炎を瞳に灯すのだった。

杏子「さーやか。いつまで伸びてんだよ」グチュリ

さやか「うひぃいい!?」

マミ「まだまだ夜はこれからよ? たっぷり楽しみましょう」グニィ

さやか「あぁううっ! 待って、あ、あたし・・・・・・! うそ、またっ」

またしてもさやかは絶頂してしまいそうな気配である。
確実に絶頂までのインターバルは短くなっており、それは前回の絶頂の余熱によるものだろう。

ほむら「あら、余熱を残すこのやり口・・・・・・。うふふ、杏子、あなた私のテクを覚えてたのね」

杏子「・・・・・・へへ」

偉いわ、と頬に口づけられ、それに応じる照れくさそうな笑顔はどう見てもほむら嬢の愛玩動物である。
その様子に嫉妬心を燃やしたマミはさやかへの責めをより激しくしてしまう。

さやか「あがっ、むり、もうむりっ! イクイク、イッちゃうぅ!!」

割を食ったのはさやかである。
その性感は限界を迎え、二度目の絶頂への離陸を開始してしまう。

ほむら「ねえ、雌豚さやか」

そのどうにもならないであろう飛翔感の中で、ほむら嬢は妖しくさやかにささやいた。

ほむら「もう一回イッたら、あなたの負けね。杏子とマミは助からないわ」


酷いものである。

すでに「参った」と言わなければ良い、とルールを定めてあるにも関わらず、ほむら嬢は勝手にルールを追加してしまった。
しかもそのタイミングは、土俵から転がり堕ちるその瞬間に「やっぱり土俵から落ちても駄目」と言うようなものである。

もはやさやかの敗北は必至だった。

ただひとつの抜け道を除いては。


さやか「ぶっっ、ぎ、ぐぅうううう!!」ビクンビクン

誰がどう見てもさやかは絶頂している。
しかし、彼女は躾けられた絶頂の宣言――すなわち、豚の鳴きまねをしなかった。

すでにほむら嬢の支配下にある心は、ぶひぶひ鳴きたくてたまらなかっただろう。
それを堪えるために彼女は地獄の釜で煮られているようなくしゃくしゃの顔をして、涙すら流していた。

しかし、耐えきってみせた。
ほむら嬢に逆らえばどれほどの報いが待っているかなど想像に難くないのに、である。

すべてはこの二人の友人のためだった。
これだけのことが出来るのだから、さやかにとっていかに大切な人物たちであるかがうかがえる。

ほむら「あらぁ? さやか、あなたいま・・・・・・イッてなかったかしら?」

こういう時のほむら嬢は、実にいじらしい。
さやかにこのような事を強いているのは他ならぬほむら嬢なのである。

それはさやかも重々承知のはずだった。
どこまで抵抗しても、所詮はほむら嬢の掌の上であることはこの一日で痛いほど理解しているはずである。

むしろ望まれた抵抗である、とすら言えるかもしれない。
それでもさやかは抵抗しないわけにはいかなったのだろう。

さやか「あ、あたしは・・・・・・はぁはぁ。い、イッて、ない・・・・・・です」

痛々しいほどに怯えながらも、こうはっきりと言いきってみせた。

ほむら「あは、あははははっ!! いいわ、あなた最高よ! ほら、あなた達! この雌豚はまだ物足りないそうよ? 可愛がってあげなさい」

こうして、さやかはこの晩中なぶり者にされることとなった。


さやか「うっぐぅうう! んあっ、はっ、はぁはぁ」ビクンビクン

杏子「お、今度こそイッただろ?」

さやか「い、イッて、ないぃ・・・・・・っ!」ハアハア

さやかへの凌辱はもう二時間にも及んでいた。
その間さやかが極めさせられた絶頂の数は、ゆうに三桁に届くであろう。

そしてそれと同じ数だけほむら嬢への背信も行ったことになる。
さやかの精神は摩耗しきっていることだろう。

しかしそれでもさやかは絶頂を認めなかった。
さやかの友情は滑稽なほどだった。

マミ「がんばるわねぇ美樹さん。いったい何があなたをそこまでさせるのかしら」

さやか「だ、だって。ふたりを・・・・・・助けたい、から」ハアハア

ついにさやかはその涙ぐましい想いを吐露してしまう。
普段の彼女なら、こんな恩着せがましいことは言わなかっただろう。

この発言が、まずかった。


杏子「・・・・・・助ける? はあ? なんのことだよ」

さやか「え、だ、だって二人はほむら様に・・・・・・洗脳されて・・・・・・」

マミ「洗脳? なにを言ってるの。私たちも墜とされたのよ、いまのあなたみたいに調教されて」

さやか「え、え・・・・・・?」パクパク

ついにさやかはことの真相にたどり着いてしまう。
自分が吹っかけられ、ここまで辛酸を飲み続けて耐えてきたすべてが、茶番であったと。

さやか「う、うそよ! そうだ、洗脳されて、記憶まで・・・・・・」

杏子「いや、冷静に考えてみろよ。もしほむら様がそんな便利なことできるなら、お前にもそうしてるはずだろ?」

さやか「あ・・・・・・あぁ。い、いや! あたしにはきっと調教した方がいい何かが・・・・・・!」

マミ「ねぇ、もう解っているんでしょう? そんなのちっとも合理的じゃないわ」

杏子とマミの言う通りだった。
冷静に考えてみればすぐに分かることである。

ほむら嬢の持ちかけた勝負に筋など通ってはいなかった。
たださやかが不運だったのは、冷静になる機会など一度も与えられなかった点である。

もっとも、ほむら嬢がそれを許さなかったのだが。

さやか「う、うそだぁっ! うそよ、こんなのって・・・・・・」

もはやさやかは半狂乱の体だった。
当然の話だが自分の滑稽さが認められないのだろう。


そこに一筋の影がさした。
ほむら嬢である。

ほむら「うふふ・・・・・・」

不気味に微笑むほむら嬢に、さやかはすがりついた。

さやか「ね、ねぇ! 冗談でしょ!? 嘘だって言ってよ! あたしは何のために・・・・・・!!」

ほむら「ええ、うそよ」

さやか「え」

ほむら「洗脳なんてうそっぱち。マミも杏子も、なにをしようと一生私の奴隷よ」

さやか「あ、え・・・・・・?」

ほむら「うっふふふふふ!! 無駄な努力ごくろうさま、美樹さやか!」

ほむら「いいマヌケ面ねえ? どうだった? トモダチを助けるために頑張る自分に、たっぷり酔えたでしょう?」

ほむら「知ってるのよ、あなたがこういう趣向大好きだって。あっはははは、おかげでずいぶん楽しめたわ。たぶん今までで一番かもね」

さやか「うあ・・・・・・ああああ」


ほむら「ねえ、美樹さやか」




「ばっかじゃない?」

更新遅れて申し訳ないです…!
いったん中断です


さやか「う、うわあああああああ! あああああああ!!」

そのほむら嬢の追い打ちを引き金に、ついにさやかは発狂してしまった。

ほむら「あっはははっははっははははは!!」
さやか「うあああっあっ。ひっ、はっ、はぁはぁ」

泣き叫ぶさやかと、狂ったように笑い転げるほむら嬢・・・・・・。
かたわらには、少し呆然としたマミと杏子が残されている。

ペット二人の目にも、さすがにさやかは哀れに映ったことだろう。

さやか「はぁ、はっ、は、はぁっ」ガクガク

そのうちショックからか、さやかは過呼吸に陥ってしまった。
しかしほむら嬢はあわてずキスをする。

やさしく性感と二酸化炭素を供給され、ようやくさやかは少し落ち着きを取り戻すことができた。

しかし、心の傷はまでは癒せない。
さやかは部屋のすみで静かに涙を流し続けている。

それに対してほむら嬢は何の行動も起こさなかった。
いつもなら心のケアもしっかり行うほむら嬢だが、今回は違うのだろうか。

ほむら嬢はそんなさやかなどお構いなしに、ベッドサイドで優雅に地元のデートスポットを特集している雑誌を読んでいるような始末である。
完全にさやかのことなど眼中にないようだった。


しびれを切らして動いたのは、杏子だった。

杏子「・・・・・・さやか」

さやか「・・・・・・」グズッ

杏子「ここ、いいか」

さやか「・・・・・・」ズズッ

杏子「・・・・・・座るな」ストン

杏子「・・・・・・なぁ。おんな同士ってのも、悪くないよな」

さやか「・・・・・・」ジロッ

杏子「ああ、その。・・・・・・レズって世界をほむら様に教えてもらって、い、いまの泣いてるあんたを見て。思ったんだよ。ああ、愛おしいって。守ってやりたいって」

さやか「・・・・・・!」

杏子「ひょっとしたら、気づいてないだけで前からそうだったのかもしれねえ。す、好きだ。さやかのこと」

さやか「・・・・・・え」

杏子「あたしはもう、ほむら様の奴隷だけど。それでも、泣いてるさやかのこと愛すことくらいはできる。た、たくさん気持ちよくしてやる! だから泣くなよ、な?」

そのよくわからないアベコベな告白は、しかしさやかの傷口に甘くしみこんでいるようだった。
ほむら嬢に徹底的に蹂躙されてしまったさやかの自尊心は、他者から肯定されたい欲求で飢えきっていたのだろう。

さやか「ぎょうごぉ・・・・・・!」ヒシッ

さやかは涙混じりに杏子に抱きつき、杏子もそれに応える。
熱いキスを交わし、情愛たっぷりに二人は激しく抱き合った。


マミ「ふふ、二人とも気持ちよさそう。なんだか嫉妬しちゃうな」ススッ

さらに情熱たっぷりに激しくお互いを求め合うふたりに、少し拗ね気味なマミも加わっていく。

マミ「ねえ、あなたは私にとっても可愛い後輩だから・・・・・・あなたが辛そうだと私も辛いの」

だから、とマミはさやかの頭を抱き寄せると自らの豊満な胸の谷間にうずめながら続ける。

マミ「私とも気持ちよくなりましょう? せっかくなんだから楽しまなきゃ損よ?」ウフフ

さやか「ま、マミさ・・・・・・ひゃあっ」

今度はマミからも愛撫され、告白されたばかりの杏子の前ではしたない嬌声をあげてしまう。
しかしその顔は自身が肯定される多幸感で輝いていた。

気に入らないのは杏子である。

杏子「おい、さやかはあたしのモンだぞ! 手ぇ出すな!」グイッ

さやか「あっ・・・・・・♪」ビクッ

「あたしの物だ」そんな漢気したたる台詞に、さやかはそれだけで軽く絶頂しているようである。
ふたりの女が自分を取り合っている・・・・・・そんな状況がさやかを陶酔させていた。


杏子「んっ、れろ・・・・・・。気持ち、いいだろ?」チュパチュパ

さやか「うん、あはっ! きもちっ、いいよぉ。杏子、離さないで・・・・・・!」ギュウウ

杏子「・・・・・・っ! ああ、ああ! もっともっとたくさん気持ちよくしてやるからな!」

さやかが自身の責めを受け入れてくれたことが杏子をより燃え上がらせたのだろう、杏子の責めはより熱を帯び始める。

杏子「うひぃいっ」ビクンッ

マミ「うふふ」クニクニ

そうして杏子が責めに集中しきったところで、マミはいたずらっぽく杏子を責めたてる。

杏子「ぐ、あんっ。な、なにすん、だよ・・・・・・っ」

マミ「え? 責めながらぐちょぐちょになってる佐倉さんが可愛かったから、つい」クニクニ

杏子「ば、ばか、やめっ。あぅっ! そこ、よわ・・・・・・っいい!」

杏子は切なげに身体をくねらせながらも、さやかへの愛撫も忘れずにこなしている。
しかしどうしてもその責めは拙くなり、そのぶんさやかには余裕が生まれてきた。

責める杏子と、責められる杏子。
その両方を見たさやかが抱いたのは、女を責めてみたい欲求だったに違いない。

そして目の前には、ダイナミックに揺れるマミの腰があった。
それにさやかがむしゃぶりつくのは、極めて自然な流れだったろう。

マミ「きゃっ、んっ! うふふ、上手よ、美樹さん・・・・・・あっ」

さやか「よかった・・・・・・んっ。マミさん、かわいいです」

杏子「くそー、すぐに、うあっ! マミを責める余裕なんて、なくしてやるからな、さやかぁ」

こうして円環状に連なった三人娘は、お互いを貪り、求め合っていくのだった。
その様はまさに同性愛という甘美な共依存の沼にお互いを沈めあっている様子そのものだった。

そして気づけば、その寝室にほむら嬢の姿はなかった。


ほむら「これにてレズ痴漢ショウも閉幕――。うふふっ、どうだったかしら?」ペコリ

呼び出され玄関先に駆けつけた我々に、ほむら嬢は優雅におじぎをしてみせる。
くらくらしそうなほどの妖艶さを醸しながらも気品を失わないその仕草は、生で見るのが久々な我々には少々刺激が強すぎるほどだった。

AD「いや、素晴らしかったよ。特にさやかは最高だった」

AD「きみは責め役に徹して、調教済みのペットたちに飴役をこなさせるとは・・・・・・さすがだ」

ほむら「ふふ、それはどうも」

ほむら「・・・・・・じゃあ、あなたたちとも今夜限りね。なかなか楽しかったわよ」

あっけないほどに短いやりとりののち、ほむら嬢は足早に自宅に戻っていってしまう。
そこには彼女生来の淡白さもそうだが、焦りのようなものも混じっているように感じられる。

AD「ま、待ってくれ!」

当然、ADは呼び止めた。
それもそのはず、まだ肝心なものが見れていないのである。


AD「きみ自身の欲求はどうするんだい!?」

そう、彼女はこの三日間というもの、数々の調教をこなしておきながら自身は性的な欲求を満たしていないのである。
むしろため込んでいるような節さえある。

結局彼女のペットたちには向かなかったその矛先の行方というものへの好奇心は、ADだけでなく我々も禁じ得ないところである。

そんな問いかけに、ほむら嬢は足を止める。
そして振り返る彼女の頬ははっきりと紅潮していて、吐き出す息も熱を帯びていた。

おそらくさっきのやり取りの間は抑え込めていたものが噴出し始めているのだろう。

ほむら「あら・・・・・・うふふ。鋭いオジサマだこと。・・・・・・いえ、初対面の時もあの子への欲情を看破されていたんだっけね」

再び近づいてくるほむら嬢だが、先ほどとは打って変わって発情を隠そうともしていない。
彼女の振りまく濃厚でまとわりつくような色気に、我々は完全に硬直させられてしまった。

ほむら「あはっ・・・・・・! そんなに緊張しないで? 呼び止めたのはあなたでしょう」クスクス

ほむら嬢が近づくにつれて淫霧の濃度が増していく。
眩暈すら覚えながら我々が意識の端で感じたのは、恥知らずにも怒張していく下半身であった。

それは全身の血をそこに絞りとられているような錯覚を覚えるほどの強制力である。


ほむら「ふふっ、情けない顔してまぁ。安心なさい、あなた達を襲うような真似はしないから。私、オトコなんて興味ないもの」

なんという重圧だろう。
彼女に調教されてきた娘たちはこれほどの存在に耐えていたのだ。

ほむら「私自身の愛欲はどうするのか・・・・・・? ねえ、察しはついてるんでしょう?」

AD「・・・・・・まどかちゃん、かい?」

ほむら「ご名答! うっふふふふふふ!!」クネクネ

そう彼女は嬉しそうに身を抱きひとしきり笑ったあと――豹変した。
目にもとまらぬ速さでADに詰め寄り、気づけばその首筋に指を突き立てていたのだ。

先ほどまでの色気はどこへやら、その目には底知れぬ闇が広がるのみである
そこから発せられる視線に射抜かれた我々は、今度は本能的な恐怖によって立ちすくんでしまう。

ほむら「貴方ふぜいがあの子の名前を軽々しく口にしないことね」

AD「・・・・・・っ」パクパク

いまのほむら嬢は、逆鱗に触れられた竜そのものだった。
おそらく彼女を蝕む性欲が彼女を平素よりも直情的にしてしまっているのだろう。

ADは無事でいられるのか・・・・・・。
情けないことに、我々は固唾をのんで見守ることしかできない。


ほむら「わかったかしら」

ああ、ほむら嬢の表情が緩んでいく・・・・・・。
どうにかADは許されたのだ。

いったんは我々は胸を撫で下ろした。
しかし、よせば良いのにADという人は、さらに口を開いてしまう。

恐怖よりも勝る創作欲――そのための好奇心。
彼は根っからのワーカホリックだった。

AD「それも、見せてはもらえないだろうか・・・・・・」

絞り出すように、しかしほむら嬢の目を見据えて、はっきりと言い切った。
笑っているヒザやしずくにすらなっている脂汗を見るに、我々と同じかそれ以上の恐怖はあるのだろう。

その狂おしいまでの自己矛盾と葛藤は、これまでほむら嬢に調教されてきた娘たちと同質のものかもしれない。

ほむら「あら・・・・・・あなた意外と・・・・・・うふふっ」

同じことをほむら嬢も思ったのだろう。
敵意はなりをひそめ、今度は試すような笑顔になる。

ほむら「いいわよ、見せてあげても」

AD「!! ほ、本当かい!?」

ほむら「ただし。条件があるわ」

AD「な、なにをすれば」


ほむら「あなたのその願いは、あなたの魂を投げうつに値するものかしら」


AD「・・・・・・え?」

それは正気とは思えない問いだった。
ほむら嬢とまどかの性交の鑑賞料が、ADの魂であるなど荒唐無稽もいいところである。

第一、どうやって魂という無形物を取り出すというのか。
しかしほむら嬢が言うと不思議と説得力が出てくるから不思議だった。

彼女は本気である。

首を縦に振れば、間違いなくADの魂は奪われる。
さながらファウストと悪魔の取引ではないか。

しかもファウストのような莫大な対価ではないのである。
さしものADも言葉に窮してしまった。

ほむら「・・・・・・ふん。あなたも大したことないわね」

そんなADを見てほむら嬢は首をふり、つまらなそうに踵を返してしまう。

ほむら「本当に心の底からの願いならね、人って即答できちゃうものなのよ。代価が魂だろうとなんだろうとね」

そうつぶやき、ほむら嬢はとうとう家の中へ引っ込んでしまった。

我々の中に残されたのは、さびしい安心感だけである。


AD「彼女の言うとおりでした・・・・・・! 僕には覚悟が足りなかった」

残されたADは悔し涙すらにじませていた。

AD「くそ、即答するべきだったんだ。僕は試されるところまでは行っていたのに・・・・・・!」

そんなADに、しかし我々も取材班の仕事として尋ねなければならない。

――ほむら嬢への取材は、これで終わり?

AD「・・・・・・いえ」

しかしこの男の執念にも近い熱意はまだ挫けていなかった。
むしろより燃え上がったようである。

再び立ち上がったADの目にはもう迷いはない。

AD「まだです。まだ遅くない。明日になったら、もう一度ほむら嬢に交渉してみます!」

まさにいま、ADの魂をかけた最後の取材が始まろうとしていた。




「はぁっ、はぁっ・・・・・・!」

身体が熱い。
とめどもなく膨張し続ける感情で弾けてしまいそうだ。

私の身体を焦がすその感情は、愛。
あの子、まどかへの狂おしいまでの情愛。

それを限界までため込んだ私の身体は破裂寸前だった。

この器に納まりきらないぶんが、汗となり、吐息となり、・・・・・・愛液となり排出されていく。
しかし、それすら気力で抑え込む。

まだ、まだだめよ。
もっともっとため込まないと・・・・・・!


最初は、再びあの子を見れただけで十分だった。
まどかと再び言葉を交わしたときなど昇天しそうだった。

しかし、そんなものはすぐに日常へと溶けてしまった。
そのうちにまどかへの想いを自覚した私が抱いた感情は、ごく自然なものだった。

――あの子を穢したい。

毛先から爪先に至るまですべてに私の愛をぶっかけて、浸し尽くして漬け込んで。
まどかをどっぷりと私色に染めてやりたい。

あの子は私を好いてくれている。
おそらくは恋愛感情に近いものも持っているだろう。

そう私が仕向けた。

そんなまどかを、襲ってやるのだ。

一度は私への信頼が崩れて泣き叫ぶだろう。
たくさん悪口を言われて、存在を否定されるだろう。

たまらない!

私はあの子のすべてを味わいたいのだから。
まどかの好意も賞賛も、敵意も罵倒も全部ぜんぶ私のもの。

誰にも渡しやしないわ。

そうして、あの娘たちにしたように快楽漬けにして、私の愛を認めてもらおう。
きっと最後に見せてくれる蕩けた笑顔は何にも代えがたいほど尊いのだろう・・・・・・。

ぞくぞくしてきちゃう。


まどかを穢す。

そう決心したのは最近だ。
そしてその際は思いっきり禁欲しようとも決めていた。

積み木を壊すときは思いっきりじゃないと失礼だもの。

暁美ほむらという矮小な少女が数えきれないほどのループの末手に入れたもの。
それは常人離れした忍耐力。

それとまどかへの愛があればこそ、私は世界を塗り替えるほどの悪魔になることができたのだ。

だから、私のありったけ、世界すら塗りつぶせるほどの力をもってまどかを穢す。
まどかに失礼じゃないように。

そのためには禁欲だけじゃ足りないだろう。

だから目障りな連中を手なずけて、変な取材班をも利用して性欲をため込んだ。
いまの私は間違いなくあの時の感情の昂ぶりと同等かそれ以上に興奮できている。

「うふふっ」

自然と笑みがこぼれる。

ああ、楽しみだ。
まどか。愛しい愛しい私のまどか。

もうすぐよ。
もうすぐ私の中のどろどろをすべて貴女に注ぐことができるの。

たっぷり愛し合いましょうね?

私だけの女神さま。


寝室の戸を開けると、例の三人娘がもみくちゃになってじゃれている。
狙い通りだ。

私とまどかの邪魔をしないように、こいつらの関係には自己完結性を持たせるように調整した。
もちろん最上位にいるのは私だから、命令には服従してくれるだろう。

「「「ほむらさまっ」」」

私の姿を認識した彼女たちがじゃれてくる。
昂ぶりきった私の身体は切なく反応してしまうが、それを愛で押さえつける。

とうぜん身体は悲鳴をあげるが、いまの私にはそれすら甘美な快楽だった。

「こら、お前たち。今日と明日は私に触れるのは禁止よ」

口ぐちに愚痴る声を私は手で制し続ける。

「私はこれから寝るから、子守唄を聞かせてちょうだい。とびっきり淫らな、あなた達の嬌声をね・・・・・・?」

一番いい声でないた子は、あさって一対一で可愛がってあげる。
そう付け足すと私は床についた。

少し遅れて嬌声が聞こえてくる。


私の中でさらなる官能が渦巻き始めたのを感じながら、私の意識は心地よい淫夢へと旅立っていった。

今回は以上です

次回で最終回になります!

更新遅れて申し訳ないです…! 生存報告です
近日中にはあげられると思います!

お待たせしました
今日の分の投下で完結となります


――翌日。

ほむら嬢との再交渉に臨もうとした我々は、結果から言ってしまえばまたも失敗した。
失敗どころか、土俵にすら立たせてもらえなかった。

昨夜は車の中で眠り、明朝一番に再びほむら嬢の家に押しかけるはずだった。
しかしいざその段になって我々が直面した現実は、とうてい理解の及ぶものではない。

ほむら嬢の家の場所がわからなくなってしまったのである。
この三日間通いつめたはずの場所を、ADも我々取材班も誰一人覚えていないというのはただ事ではない。

しかし、まがりなりにもほむら嬢と接してきた我々である。
この程度のことでは驚かなくなっているほどには順応、あるいは麻痺してきていた。

とにかくカーナビと記憶にある光景だけを頼りに、しらみ潰しに見滝原市を散策した。
午前中は、それだけに浪費された。

ほむら邸は、この世から消失してしまったのではないか――。
あるいは我々にのみ見えなくなっているのか・・・・・・。

昼食中、我々はそんなSFめいた会話を大真面目に展開し、そのうえ「さすがに手強いですね」などとのたまうような有様だった。
そしてふと、誰ともなく我に返りその滑稽さに苦笑しあうのである。

なにしろほむら嬢なら空にでも浮かびながら片手間でそれをやってのけそうな説得力を持っているのだから仕方ない。
彼女を思えば思うほど、彼女は常識では捉えられない超常の存在であったことに気づかされる。

そんな、かの霊獣、麒麟のような存在が三日間も我々に付き合ってくれただけでもとんでもない奇跡なのである。
昨晩の問答についてADは哀れなほどに自分を責め抜いているが、あれが引き際としてはちょうどよかったのではないだろうか。

なにしろ昔からのおとぎ話に出てくる霊獣だとかの類は、決まって欲に目がくらんだ者を罰しているのだから。


ともあれ、午後もなお諦めきれないADに付き合ったものの、当然のごとく戦果はあがらない。
男所帯でデートスポットを巡り続け血眼で周囲を睨みつける我々は、客観的に見れば正視に堪えないほど気色悪かったに違いない。

ついに、ADは折れた。

いわく、常に満足のいく取材ができるはずもなく、今回のように尻切れトンボのようなこともザラだという。
帰するところ取材というものは相互作用で、だからこそ対象にも得るものがなければならない。

思えばその点で、今回の取材は最初からまずかったとADは振り返る。
我々はほむら嬢から施しを受けるばかりで、それゆえほむら嬢の翻意ひとつで取材を打ち切られてしまった。

といっても、我々からほむら嬢になにを与えられるか、を考えると疑問符が浮かんでしまう。
結局、我々と彼女との関係に選択肢などなかったように思われる。

最初に彼女が告げたように、すべては彼女のきまぐれひとつなのだ。

ふと、仰ぐように空を見上げる。
綺麗な夕焼けだった。

まるで我々の徒労を慰めるような美しさに、尾を引いていたほむら嬢への執着が、ようやく洗われるようだった。
ほむら嬢はこの同じ空の下のどこかで、果たして彼女の望んでいたものを手に入れられたのだろうか――。

そう思いを馳せ、彼女と関わった者としてささやかながらの応援を夕焼けに込めた。

「そんなもの、いらないんだけど。私を誰だと思っているの?」
そんな返答がどこからか聞こえてくるようだった。


AD「しかし、本人は望まないでしょうが、せめてお礼のひとつでも受け取って欲しかったですね」

そうセダンに乗り込みながらADはこぼす。

AD「公開できないとはいえ、これだけの資料を撮らせてもらって・・・・・・」

そう言いかけたとき、ADの顔が青ざめた。

――なにか?

AD「あ、ありません・・・・・・! 撮ったテープが、根こそぎ・・・・・・!!」

どうやら、取材費はきっちりと取られていたようだった。

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_______



こうしてほむら嬢は我々の記憶の中のみの住人となった。

確かな過去を物語ってくれる媒体がないというのは辛いもので、時折あの濃厚だった三日間は白昼夢だったのかとさえ思えてくる。
辛うじて彼女の存在を肯定してくれるのはADが最初期のころだけつけていた手記のみなのである。

ADが途中でメモをとるのをやめていなければ・・・・・・と悔やまれるが、あとの祭りだ。

今日は、久方ぶりにADのもとを訪れることとなっている。
あの取材をもとに作成されたAVが今日発売だとのことで、ぜひ観てほしいとの連絡が入ったのである。

AD「やあ、どうも。お久しぶりです」

出迎えてくれたADは相変わらずやつれているが、人間としてどこか一回り大きくなったような印象を受けた。
出来上がったビデオはよほどの自信作に違いない。


世間話を交えつつも奥へ案内され、すぐに上映会は始まった。
画面に映った表題はこうである。

「痴漢OK娘 レズスペシャル」――。



――素晴らしかったです。

AD「でしょう? きっとこのタイトルは長くシリーズとして続くと思いますよ」

先ほどは、ほむら嬢は我々の記憶の中だけの人物になってしまったと述べたが、それは間違いだったようである。
嬢本人ではないにせよ、この映像の中で画面狭しと活躍している女優にはたしかにほむら嬢の面影を重ねることができた。

彼女の、一種芸術じみた痴漢術はいまここに一つの作品として――それでも格落ち感は否めないが――完成されていた。

AD「できれば、彼女にも見てもらいたかったものです」

そのADのぼやきは、おそらくこの場の全員が共通していだく思いだったろう。
彼女がこのビデオを見たらどんな反応を返すだろうか。

まったく予想ができないだけに、各々がそれぞれのほむら嬢を虚空に映し出していた。
そんな時だった。


突然、ドアが開け放たれる。
次いで降ってきたのは恐ろしくも懐かしい声だった。

「ひさしぶりね、あなた達」
「今日ここに来たのは、ある物が私の逆鱗に触れたからなの」

これよ、と彼女はあるDVDパッケージを叩きつけてきた。
それは別レーベルの時間停止モノのAVだった。

「これは先日あの子とAVを見ながらプレイに興じていたときの品なんだけど・・・・・・」

「なってないわ。まったくもってなってない。よくこれで時間停止モノが謳えたものね」

「ついてらっしゃい。私が本物の時間停止の魅力を教えてあげるわ」


しみじみ思わざるをえない。
本当に彼女は気まぐれである――。

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「ほむらちゃん、遅いなぁ」

ケータイの画面を見ながら、つい思っていることが口から滑り落ちてしまいました。
もう待ち合わせの時間から三分もすぎています。

またあたりを見回してみますが、相変わらずそれらしい人はいません。
もう辺りの同類さんたちの顔は覚えてきてしまいました。

やっぱり連絡をとってみた方がいいのかな、とLINEを開きますが、その最後尾には「ついたよ」という私のメッセージがあります。
続けて送信するのもなんだか憚られて、結局あてどもない気持ちがため息となって出ていくだけで終わりました。

私の最後のメッセージ、そこにはまだ既読がついていないのでほむらちゃんはまだ移動中なのかもしれません。

気づけば、なんとなく目の前にあるほむらちゃんとのやりとりを遡っていました。
昨日は遅くまで猫の話をしています。

普段のおしゃべりも楽しいけど、こうやって会話が画面に残ってくれるのもまたいいものです。
後日こうして過去の会話を追体験できるのですから。


「えへへ」

ほむらちゃんの言葉ひとつひとつを反すうするたび、どうにも頬がゆるんでしまいます。
ほむらちゃんは不思議な子ですが、とても気が合っておしゃべりしているとつい時間を忘れてしまうほどです。

私のうぬぼれじゃなければ、きっとほむらちゃんもそうなんだと思います。
だから昨日も私がもう日付が変わっていることを指摘しなければもっともっと続いていたはずです。

(ほむらちゃん、夜更かししたせいで寝坊しちゃったのかな・・・・・・? だとしたら可愛いな)
そんなふうに、私が自分の世界に浸り始めたときでした。

「わっ!」
「きゃあああっ」

ふいに何者かに後ろから脇腹を撫でられながら、おどろかされてしまいます。
画面に集中していた私は突然のできごとに情けない悲鳴をあげることしかできません。

でも驚いたのは一瞬で、すぐに愛おしい気持ちがこみ上がってきました。
うしろの人物が誰なのか、振り向かないうちから私にはわかったからです。


「もう、遅いよほむらちゃん」
「うふふ、ごめんね。待たせちゃった?」

会ったら言おうと思っていた文句は二、三あります。
でもいたずらっぽく、けれどどこか上品に笑うほむらちゃんを見たらそんなのは急にどうでも良くなってしまいました。

安らぎと幸福とが溢れでてどうにもならなかったのです。

遊園地に入場すると、わっ、と独特の非日常的な空気が私たちを包み込んでくれました。
パンフレットを見るだけでもわくわくしてきて、私の中の童心が踊り出して止まりません。

「まどか」

と、そこでほむらちゃんが手を差し出してきたので、私もそれに応えます。
手をつなぐとほむらちゃんの体温が感じられて、また少し嬉しくなりました。

「まずはどこに行こっか?」
「そうねえ・・・・・・」

ほむらちゃんはしばらく思案にふけると、ふいに立ち止まり、

「まどかに任せるわ」

そう言って、つないでいた手を組み直されました。
つなぎ直した私たちの手は、お互いの指と指がひとつひとつ絡み合う形です。

なにげないその動作ですが、なぜだか私の頭に心臓に落雷のような衝撃を走らせました。
急にほむらちゃんの目が見れなくなって、目線が泳いでしまいます。

「どうしたの? まどか」

思わず顔をそらしてしまった私に、ほむらちゃんはイタズラっぽく語りかけます。
その余裕ある態度に私は少しむくれました。


「さやかちゃん達も来ればよかったのにね」

ジェットコースターの列に並びながら、私は呟きます。

もともと今日は、いつも遊んでいる仲のいい五人組で来るはずでした。
それがどういうわけか、三日前にマミさんが、一昨日に杏子ちゃんが、そして昨日はさやかちゃんから、キャンセルの連絡がきたのです。

「そうね。まあ、彼女たちにもそれぞれ事情があるんでしょう」

ほむらちゃんはそう無表情に答えます。

でもほむらちゃんと二人きりになれて良かったな、とも心のどこかで思っている私がいます。
いったい私の中のなにがそうさせているのかは分かりませんが、ほむらちゃんと他の友達との間で優劣をつけているようで、自分が少しイヤな人間に思えてしまいました。

そう私がうつむいていると、ほむらちゃんが心配そうに覗きこんできました。

「まどか、私も残念な気持ちはあるわ。でも、こう言ったら失礼かもしれないけど、私はあなたと二人きりになれてうれしいわ」

思わず息をのんでしまいました。
ほむらちゃんも、私と同じ気持ちでいてくれたのです。

嬉しいやら気恥ずかしいやらで、紅潮したのが自分でもわかるくらいでした。


「ほら、私たちの番よ。運よく先頭みたいだわ」

私の心臓はまだ平静をとり戻していないのに、ほむらちゃんに引っ張られてコースターに乗りこまされます。
ほむらちゃんの次はこれから始まるジェットコースターにドキドキさせられて、心臓が過労死しちゃわないかな、とか思ったりしました。

私たちを乗せたコースターが、いよいよ動き出します。
これから私たちの身体はジェットコースターのいいように振り回されるわけですが、私の気持ちの方はずっと隣の美少女に振り回されっぱなしです。

ほむらちゃん型のコースターに私が乗っているのを想像して、少し笑ってしいました。

「あら、まどか。余裕なのね」
「えっ?」

「ほら、前。見てみなさい」
「あっ!」

いつの間にか、コースターはレールの最上部でした。
少し先にレールはなくて、代わりにあと少しで雲が触れそうなほどの距離にあります。

やがてコースターが水平から傾きはじめ、もう落ちるか否か、という時でした。

私の手にほむらちゃんが手を重ねて言うのです。

「だいじょうぶ。私がついてるわ」

瞬間、頭が真っ白になって、そして私は空を滑っていました。

暴れまわるコースターに負けないくらい私の心も暴れまわっていて、ほむらちゃんにならずっと乗っていたいな、なんて思ってしまうのでした。



「楽しかったね」
「ええ、とっても」

午前中を遊び尽くし、昼食をとった私たちは日陰のベンチでひと休みしていました。
疲労と満腹感とが心地よい眠気を誘って、ついほむらちゃんに身体を預けてしまいます。

ほむらちゃんはそんな私を拒むことなく抱き寄せてくれて、優しく頭を撫でてくれました。
そんなほむらちゃんにもっと触れていたくて、全身をすりつけます。

期待した通り、ほむらちゃんもそれに応えて同じように身体を合わせてくれました。
こうして身体でコミュニケーションしているのは心地よくって、どれだけしていたかはよくわかりません。

それを止めたのは、ほむらちゃんが私の太ももに触れたからです。
それは私たちの間でのある合図でした。

「まどか、練習しましょうか」
「うん」


そうして、どちらともなく私のたちは顔を近づけ、唇を重ねました。

「練習」とは、キスの練習のことです。

いつだったかほむらちゃんが私に好きな人がいるのか尋ねてきました。
私がいないと答えると、じゃあ私で練習しない?と言ってきたのです。

それから私たちは、人目を盗んでは練習をしています。
もちろんもう私は練習とは思っていません。

ほむらちゃんとひとつになりたくて、そのための口実でしかなくなってきていました。
きっと、ほむらちゃんも同じはずです。

・・・・・・私のうぬぼれじゃなければ。

もうどれだけ練習しているでしょう。
一分かもしれませんし、十分かもしれません。

それでも足りなくてお互いを貪ります。
ドラマとかで時々見る舌までいれるようなキスではありませんが、私たちにはこれで十分なのかもしれません。

いまの状況も手伝っているのか、今回のがいままでで一番の練習です。
ほむらちゃんの鼻息が感じられて、それを私が吸いなおしてると考えただけで頭がくらくらしてしまいます。


夢中になってほむらちゃんを感じていましたが、しばらくするとほむらちゃんが離してしまったので、私もしぶしぶ応じました。
未練がましく、その艶やかな唇を少し追いかけた私をほむらちゃんは笑います。

「あら、足りなかった?」

にやりとするほむらちゃんは、私の心の奥底まで知っているのでしょうか。
なんだか負けたみたいで悔しくなりましたが、いまの私はそれ以上に大きな感情に支配されていました。

「ほ、ほむらちゃん。もっと、練習・・・・・・したいかなって」

顔から火が出そうなほど恥ずかしいのをぐっと堪えて、せいいっぱい甘えた声でほむらちゃんにお願いしてしまいます。
もちろん、目線を合わせられようはずもありません。

「あら・・・・・・可愛い」

ふとした拍子にほむらちゃんの口から転がり落ちたであろうその言葉は、だからこそ本心なように思えて嬉しくなります。
てっきり私の要求は通ったものと思われたので、また目を閉じてほむらちゃんに唇を差し出します。



でも私の唇がとらえたのはあの柔らかい粘膜ではありませんでした。

「だーめ。またしばらくはお預けよ」

そう人差し指で押し戻されてしまいます。
さすがにもうひと押しする度胸もない私は、そこで引き下がるしかありませんでした。


もう夕暮れ時です。
私たちが最後に乗ることにしたのは観覧車でした。

そういうことに縁のない私でも、観覧車でなにをするのかは知っています。

いつから私はこんなにもほむらちゃんとキスするのが好きになっていたのでしょう。
ここに来るまでもずっと目ではほむらちゃんの唇を追ってしまっていました。

いまもその時を想像するだけで心臓が早鐘のように打ってうるさいくらいです。

二人っきりの密室なのに会話はなくて、でもそれを打破するだけの思考力は私には残されていなくて。
私はずっともじもじ動き続ける私のヒザを見ているだけでした。

「まどか」

ほむらちゃんが、呼んでくれました。
この時をどれほど待ったでしょう。


「・・・・・・うん」

緊張でノドがカラカラだったので上ずった変な声になってしまいました。
外をみればゴンドラはほぼ頂上の部分に差し掛かっているようです。

妖しい笑みを浮かべたほむらちゃんが迫ってきます。
その迫力というか、妖艶さに目が離せなくなってきてしまいました。

ごくりと喉をならした私に、ほむらちゃんは覆いかぶさります。
視界がほむらちゃん一色になっていっそうのこと心臓が高鳴りました。

いったい私の心臓はどこまでギアを上げられるのでしょう。

「まどか・・・・・・」

ほむらちゃんの唇が、私が求めてやまなかったものが目の前で私の名を呼びます。
それだけで私には背骨がとろけるような快感でした。

でも、ほむらちゃんは容赦しません。

「練習じゃなくて・・・・・・本番、しちゃいましょうか」


その言葉の意味を聞き返すいとまもなく、私の唇は奪われました。
しかも、ほむらちゃんの舌が私の口腔内に侵入してきたのです。

本番の意味を理解して少し驚きましたが、私はすぐに歓喜をもってそれを受け入れました。

ディープキス。
ドラマの中でしかみたことのなかった、大人のキス。

その味の、なんと甘美なことでしょう!

腰の奥でなにかぐらぐらと熱いものが肥大してきて、その熱が私を気持ちよくしてきます。
さらにそれが火の粉を飛ばすように身体の端々に熱を飛ばして、火の粉を浴びた腕や背中がびくびくと打ち震えます。

私の意識はもう、その熱の塊をいかに大きくするかで夢中になってしまっていました。
ほむらちゃんと激しく交われば交わるほどそれは大きくなります。

ずちゃずちゃとはしたない音を立てつづける私たちの舌のほかでも私は必死にほむらちゃんを感じようとしました。
腕や脚をほむらちゃんに絡みつかせて、胸や腰を擦りつけます。

気持ちよくて気持ちよくて、幸せで幸せで。
もうどうにかなってしまいそうでした。

すみません、なにやらPCから書き込めなくなってしまったので続きはまた明日投下いたしますー


でもそんな甘美な蜜月は、すぐに終わりを告げました。
私たちはいつの間にやら地上まで下りてきていたのです。




「~~~」

ほむらちゃんが何か話しかけて来ました。
でも内容はさっぱり頭に入ってきません。

さっきの観覧車での残り火が、いまも私の身を焦がしているのです。
どんなに頭を回そうとしても、のぼせた脳が映すのはほむらちゃんだけでした。

私は必死にほむらちゃんの腕に絡みついて、辛いことをアピールしました。
ほむらちゃんに頼ることでしかこの状態は打破できないと、本能が告げていたからでしょう。

でもなかなかほむらちゃんは応えてくれませんでした。
熱くて熱くて狂ってしまいそうな私を見てなんとも思わないのでしょうか。

その時は、唐突にやってきました。

私の股間に優しくも激しい衝撃が走って、次の瞬間、例のどろどろが噴火したのです。
それはまさに噴火というに相応しい感覚で、突き上げるような激感に私の脳みそは一瞬で真っ白に焼き払われてしまいました。

当然です。
火の粉が飛び火しただけであんなに気持ちよかったのに、本体が波打って身体中を駆け巡っているのですから。

びくんびくんと痙攣しながら、あふれ出るほどの快楽を湛えて私は静かに気絶しました――。


「・・・・・・へ?」

がばっと跳ね起きると、そこは電車内でした。

「あら、起きた? まったく突然気絶するんだから。驚いたわよ」

隣には、口調こそ責めるようですが本心では心配してくれていることがよくわかる、優しいほむらちゃんの顔がありました。

「そうとう疲れたのね」

くすくすと笑うほむらちゃんに合わせてとりあえず笑い返しておきましたが、気絶するまえの恐ろしいまでの快楽を私ははっきりと覚えています。
あれをほむらちゃんは無かったこととして扱っているのでしょうか。

いま思い返すとかなり恥ずかしい姿を晒していたので、助かるといえば助かりますが、少しさびしい気もします。


「楽しかったわね」
「うん! また行きたいね」

「今度はみんなも一緒に?」
「うーん、えへへ。ほむらちゃんと二人っきりでもいいかも」

「あら、ふふ。嬉しい。私もよ」
「・・・・・・えへへ」

そんな甘ったるい会話をしながら、私たちはどちらからともなく肩を寄せ合いました。

「・・・・・・そうだ。この前、いいバンドを見つけたの」
「へえ、なんてバンド? 聴きたいな!」

「バンド名は・・・・・・なんだったかしらね。とにかく、おすすめだから。ほら」

そうイヤホンを差し出されたので、さっそく取り付けました。
少しして音が流れ始めます。

でも、そこで流れていたのは音楽なんかじゃありませんでした。


『んあっ! だめよ、いきなりそんな・・・・・・!』
『うふふ、強すぎる快楽に怯えているのね? 大丈夫、私の信じて、身を委ねなさい・・・・・・?』

『・・・・・・ん』
『そう・・・・・・それでいいのよ』グチュッ

『あああっ! あっ! ひぎ、は、はげしっ!』
『うふふ、感じてもらえてるようで嬉しいわ』

『ぅあっ! あん、あ、[ピーーー]美、さん!』
『なぁに?』

『キス、キスしてほしいの・・・・・・』
『・・・・・・どうしようかしら』ウフフ


(なにこれ、なにこれ・・・・・・!?)

代わりに聞こえてきたのは、まだ私が聞いてはいけないようなエッチな音でした。
しかも女の人同士がいけないことをしているようでした。


「どう?」

ほむらちゃんがきいてきます。
私がいま聴いていることになっている「おすすめのバンド」のことです。

「う、うん・・・・・・。いいと思うな」
「そう。よかった」

きっとほむらちゃんは、間違えたトラックを選択してしまったのでしょう。
まさか電車内で「間違えてえっちな音を流してるよ」とも言えません。

しばらく放置してやり過ごすことにしました。

『・・・・・・ん、あぁん・・・・・・!』
『まだ恥を捨て切れてないようね。もっと乱れるのよ!』

『ふぁああああっ! あんっ! 気持ちいいっ! 胸こねられるの、いいっ!』
『そうよ! その調子!』

『あっ! あそこいじられると、気持ちよすぎるんだっ! せ、背骨が溶けるみてぇだっ』
『そう! やればできるじゃない!』

『ああああんっ! きたっ! 中まできたぁっ! ほじられるの好きなんだっ! すぐだめになるぅ!』
『あははははは! これがあの佐[ピーーー]さん? ふふふ、なんて無様なのかしら! 所詮オンナの本能には逆らえないのねぇ』

『そうなんだっ! あたしはいままで粋がってただけで・・・・・・! 本当はこんな、ダサいメスなんだっ!』
『あっはは、幻滅よ! [ピーーー]倉さんってこんな弱っちかったのね!!』

『そうですぅ! 特におまんこが弱いんですぅ!』
『そう! じゃあたーっぷりいじめないとねぇ』

『あっ! ああっ! それいい! それ好きぃ!!』
『ぅあっ! イクっ! もうイッちゃう! あっ! あああああああ』


えっちな音は続きます。
しかも内容がすごくハードなのです。

やはり最初に言うべきでした。
いまさら言い出せるはずもなく、ただじっと耐えるしかありません。

(・・・・・・やだ、女の子同士なのに、こんなに気持ちよさそう)
(ほむらちゃんも、こういうの・・・・・・興味あるのかな)

脳内がだんだんピンク色になっていきます。
観覧車の中で感じた腰の奥の熱いものに、また火がついてしまったようです。

(そもそも、ほむらちゃんの端末にこのえっちな音が入ってるんだから、ほむらちゃんが知らないはずないんだよね)
(ほむらちゃんも・・・・・・女の子同士がいいのかな)

そんなことを考え始めている私は、いつの間にかその音に夢中になっていたのでしょう。


『あ、は。はっ、はあ』
『うふふ。もどかしいでしょう? 身体のあらゆる場所がパンパンに張りつめて、私から乱暴されるのを切望しているわよね』

『く、っふ。ぐ、うぅうう!』
『あはっ! いいわ、あなた最高よ! そんなに反応がいいと私もがぜん燃えてくるわ』

『んっ・・・・・・、ねえ、[ピーーー]樹さん。経口摂取でそれだけの威力をほこる媚薬を・・・・・・おまんこに塗りたくったらどうなっちゃうのかしらねぇ?』
『ひぃっ・・・・・・!? や、やめっ』

『あはははっ! まあせいぜい、いい声でないてちょうだいね?』
『やめてぇ!! そんnうわぁああああっ!』

『んぅう、はっ! ひ!? あっあうぁああああ!?』
『んっぎいいぃいいい! ぎもぢぃっ! あっはぁああ! 壊れるっ! あだしごわれちゃぅうう!!』

『なあに、おおげさねぇ。まだ指を挿れただけじゃない。本番はここからよ?』
『やめでっ! 動かさないでっ! いまそんなことされたっ、らあっひぃいいい!! ばかああああ! あ! うああああっ!』

『あらあら、うらやましいわ。この程度の愛撫でこれだけ感じることができるなんて。淫乱って得よねえ』
『ひぐううううっ! んああまたっ! いっでるのいってるのにぃいいい!!』

『うふっ、感じるのに忙しいところ悪いんだけど・・・・・・わかってるわよね? ここからはもっとハードよ?』
『んあああっ!! あーーーーーっ!!! うああーーーーーーーーっ!!!』

『ああっ! 素敵な音色だわぁ。人間が壊れていく音のなんて美しいこと・・・・・・!』
『んおっ! い、いぐのいくいくまたイっクうううううううっ!?』

『あはっはははは! 楽しいわね美[ピーーー]さや[ピーーー]! いまの状態でクリまでいじられたらどうなるのかしら、ねっ!』
『ぎゃひっ!? んおっ、ぉおおおっほおおっ!!』


片方の子はいったいどんなことをされているのでしょう。
なにぶん音だけなので想像するしかありませんが、たぶん私の知らないようなオトナの遊びなのだと思います。

(あんな、叫んじゃうくらい気持ちいいんだ・・・・・・)

つい、ごくりと生唾を飲んでしまいます。
ほむらちゃんとディープキスして気絶してしまった私があの子の立場だったら、どうなってしまうのでしょう。

(そういえばこのいじめてる方の子、ほむらちゃんの声に似てるような)

そんなことあるはずもないのですが、気になりだしたものは止まりません。
どんどん声に合わせて妄想が膨らんでしまいます。

まるで私がほむらちゃんにいじめられているような錯覚すら覚えてしまって、くらくらしてきました。

(・・・・・・からだ、あつい)

気づけば私はまた、遊園地の時のような欲求に身を焦がされていました。

(ほむらちゃんと、キス、したくなっちゃった・・・・・・)

もう私はそんな恥ずかしい思いで頭がいっぱいです。
他のことを考えようとしても頭の奥がチリチリして思考がまとまりません。

完全に私は、熱でのぼせあがってしまっていました。


「まどか?」

ほむらちゃんの声で、現実に引き戻されます。
いつの間にか例のえっちな音はしなくなっていたので、ほむらちゃんがイヤホンを外してくれたのだと思います。

「大丈夫? 顔、まっ赤よ?」
「ぅええ!?」

そう言ってほむらちゃんは自分の額を私の額に押し付けました。
すっかり熱に浮かされている私はついすっ頓狂な悲鳴をあげてしまいます。

(ほむらちゃんの唇が、こんなに近くに・・・・・・)

ほむらちゃんの(たぶん)無自覚な急接近によって、私の心拍数はさらに跳ね上がりました。
ほむらちゃんは私を心配してくれているのに、私は恥ずかしい欲求を抱えて嫌らしい目で彼女を見ているのです。

そんな私が少し嫌になって、そのおかげか心臓はちょっぴり落ち着いてくれました。

「・・・・・・やっぱり。少し熱っぽいわ」
「そ、そうかな」

「ええ。ごめんね? 無理に歩かせすぎちゃったかしら」
「そんなことないよ! 大丈夫だよ」

「いえ、悪いわ。・・・・・・よかったら、今日は私の家に泊まっていかない? 駅からなら私の家の方が近いでしょう」
「え、いいの!?」

「ええ、もちろん」

一体どこまでほむらちゃんは優しいのでしょう。
なのに私は頭のどこかで、ほむらちゃんは一人暮らしだから、とかいけないことを考えているのです。

私はいつからこんなにえっちな子になっちゃったのでしょう・・・・・・。

そんなちくりと心を苛む自己嫌悪すら、あっさりとこれからの訪れるであろう甘い期待にすぐ呑みこまれてしまうのでした。

________
______

______
________



「・・・・・・んぅ」

目覚めると、私は闇の中にいました。

「えっ、えっ!?」

軽いパニックに陥って手足を衝動的に動かそうとしますが、無理でした。
どうやら大の字に拘束されているみたいです。

「ひっ、だれか! だれかー!」

こんな危険な状態に晒されて、冷静でいるなんてできようはずもありません。
半狂乱になって可能な限り身体を動かしました。

しかし帰ってくるのは、虚しい束縛感と反響してくる私の悲鳴だけ。
しばらくそれを続けて、軽い疲労感からようやく少し落ち着きを取り戻しました。


(とにかく、何でこうなったのか思いださないと・・・・・・!)

まだ重い頭からモヤを取っ払おうと、記憶を探り始めたころでした。

「あら、まどか。目が覚めたのね」

私にとって安らぎを与えてくれる声がしました。

「ほむらちゃん!」

ほむらちゃんが傍にいる――。
それだけで一気に不安はなくなりました。

まだ状況はつかめないけど、ほむらちゃんと一緒ならどうにかなる。
私はそう本気で思っていたのです。

だからほむらちゃんの二の句に絶句させられることとなりました。


「ふふ、私に縛り付けられたというのに、まだ私の声を聞いて頬を緩めるなんて・・・・・・かわいい」

「・・・・・・えっ」

理解できないどころじゃありません。

『ほむらちゃんが私を拘束した』とは、どういうことなのでしょう?
私は本当にその日本語がわかりませんでした。

「うふふ・・・・・・まだ記憶が混乱しているのね。いいわ。じゃあ一緒に一から思い出していきましょうか」

諭すような優しいほむらちゃんの口調に安堵します。
やっぱり、ほむらちゃんが私に酷いことをするはずがありません。

なにか退っ引きならない事情があって、仕方なく私を拘束している。
そうに違いありません。

ほむらちゃんの声を聞き洩らさないように、私は耳を澄ませました。


「まず、熱に浮かされたあなたを私の家に招待した。そうだったわね?」

そうでした。
ほむらちゃんと遊園地に行って、その帰りの電車で・・・・・・えっちな声を聞いて熱っぽくなった私を気遣ってほむらちゃんの家にお邪魔することになったのでした。

「そして、夕飯にクリームシチューを二人で食べた。そうよね?」

はい。
ほむらちゃんの手作りのシチューはとってもおいしくて・・・・・・。

その後の記憶が、ありません。

「そ、その後はどうしたんだっけ、ほむらちゃん」
「その後? カンタンじゃない」

「シチューに入ってた睡眠薬であなたはころりと寝てしまったわ。その隙に私があなたを縛り上げて、いまに至るのよ」

「え、え?」

わけがわかりません。
一体なぜ、ほむらちゃんが・・・・・・。


「うふ、うふふふふ」
「やっぱりあなたは優しいわ。純粋で、無垢で・・・・・・。そんなあなただから穢したくなっちゃうのよ」

ほむらちゃんの声調が、暗く、重くなっていきます。
誰よりも信頼している人の声のはずなのに、身体の芯から寒気が走りました。

次の瞬間、視界が開けます。
そして目隠しを外された私が最初に目にしたのは、形容しがたいほどの悪意を湛えた親友の顔でした。

「っひい!?」

「うふふ・・・・・・。おはよう、まどか」

もう疑いようもありません。
ほむらちゃんは、私に明確な害意を持っています。

「ほむ・・・・・・っ」

もう言葉もありません。
喉が詰まって、代わりに溢れてきた感情が涙となって頬を伝いました。

「あはっ」

そしてほむらちゃんは歓喜の表情で私の感情をすするのです。

「ああっ、おいしいわぁ・・・・・・まどかの・・・・・・んっ。っはぁ・・・・・・」

身体をえっちにくねらせながら私の涙を味わうほむらちゃん。
その姿は普段のクールでかっこいいものとはかけ離れた、狂気に満ちたものでした。


「んぁ・・・・・・見てまどか。舌のうえで踊るあなたの涙・・・・・・しょっぱくて、とってもおいしい・・・・・・。あはっ」

「んっ、まどかぁ・・・・・・。夢のようだわ、まどかの白磁のような肌が・・・・・・目の前に、うふふふっ」

ほむらちゃんが私に覆いかぶさります。
ここで今更気づいたのですが、私もほむらちゃんも生まれたままの姿にされていました。

「ひゃあっ、これ。なんで・・・・・・」
「なんで? ふふ、まだ解ってないの? あなたはこれから、私にむちゃくちゃに凌辱されるのよ?」

「りょう、じょく」
「そう。あなたが電車内で聞いた彼女たちみたいにね・・・・・・最後には私の奴隷になっちゃうの・・・・・・うふふっ」

「・・・・・・っ」

具体例を出されてようやく実感が湧きました。
あの子たちは、私の将来の姿――。


「いやあああああああっ!」

感情が爆発しました。
狂ったように暴れて、恥も外聞もなく泣き叫びました。

凌辱への恐怖、自分の浅はかさへの後悔。一番は、親友だと思っていた子からの裏切りからくる哀傷。
処理しきれないほどの負の感情が一気に押し寄せて、私なんてちっぽけな存在はすぐ溺れてしまいます。

「きらいっ!! ほむらちゃんなんて大っきらい!! うあああああああっ!!」

ほむらちゃんのことが大好きだったからこそ、あまりにそのショックは大きくて。
ひどいことと知りつつも彼女を中傷しなければ私が壊れてしまいそうでした。

「んああっ! まどかから、っんぅあ、罵倒されてる・・・・・・っ」

なのに、ほむらちゃんは傷つくどころか恍惚とした表情を浮かべているのです。

「あはっ、あなたは・・・・・・っ、そんな顔で人を罵るのねっ! ああっ、キくわぁ、その表情だけでイッちゃいそう!」
「~~~~っ」


狂人としか思えません・・・・・・。
さっきまで親友として接してた人から罵られて喜んでるなんてマトモな神経ではありえません。

「私が怖い?」

ほむらちゃんが悪魔のような表情で私に絡みついてきます。
怖いなんてものではありませんでした。

親友だと思っていたその人は、まるで理解の及ばない存在だったのです。
その瞳に渦まく底知れない狂気が私を射すくめるたび、私は恐怖におののきます。

「んふ、かわいい・・・・・・。瑞々しくって繊細で・・・・・・素敵なお肌ね」

私の拘束された全身を、ほむらちゃんは自身の身体で味わっています。
でも遊園地でのキスのように甘い気分にはなりません。

ひたすら怖くて、不気味なだけです。
こんな状況にあとどれだけ耐えればいいのでしょう・・・・・・。


「ほ、ほむらちゃん」
「なぁに? 私のまどか・・・・・・」

相変わらず身体をまさぐられていますが、少し恐怖感が薄まってきました。
そこで恐怖をついに上回ったある疑問をぶつけてみることにしたのです。

「な、なんで最初からこうしなかったの? なんで友達のふりなんかしたの?」

いったいなにを回答として望んだのかは自分でもわかりません。
でも、この回答次第でこの元親友との関係が決まってしまうような予感はありました。

「ふふ、なんで? 決まってるじゃない」

「ジェットコースターがなんで怖いと思う? 一度高くまであがるからよ。つまり、そういうこと」

そして、私の期待のようなものは粉々に打ち砕かれました。


「ひどい・・・・・・ひどいよぉ。こんなのってないよ・・・・・・っ」
「ああ、泣かないでまどか。心が痛むわ」

私の頬のなでる悪魔のセリフは、どこまで本気なのでしょう。

「心が痛いなんて・・・・・・うそばっかり」
「嘘じゃないわ。心が痛くて、でも気持ちいいの。うふふっ、わかるかしら」

「わからないよ・・・・・・っ。もう私、あなたのことわからない・・・・・・!」
「ふふ、自分でも気持ちいいくらい矛盾してるものね。でもそれでいいの。矛盾こそ愛なのよ」

もう、静かに涙を流すしかありませんでした・・・・・・。
私が夢見たほむらちゃんとの未来は幻想だったのです。


「さて・・・・・・そろそろ私も我慢の限界だわ。まどか、思いっきり気持ちよくしてあげるわね」

気持ちよくなんて、なるはずありません。
ほむらちゃんは自惚れているのです。

遊園地でほむらちゃんにとろけたのは、ほむらちゃんが好きだからでした。
いまの狂気をむき出しにしたほむらちゃんになんて・・・・・・。

「あうっ」

つい、声が漏れました。
ほむらちゃんがその秘部を私の乳首に擦りつけたためです。

(え? なんで? いまのピリって感覚は・・・・・・)

「んひゃうっ」

またです。
刺激があるたび、小さな快感のようなものが・・・・・・。

「うあうぅっ!」

もう疑いようもありません。
私は悪魔のような人にいいようにされて、快感を貪っているのです。


「そ、そんな・・・・・・っ。ふぎゅっ、んあっ」
「ふふっふ。電車内でもっ、聞いたと、思う、けどっ。ん、あはっ、私の体液はすべて極上の媚薬なのよ」

「びや、くふぅう!」
「そうっ。簡単に、言っちゃえばっ、はぁん! むりやり、気持ちよく、させちゃうのよ」

「そん、なぁっ」

でもほむらちゃんの言う通り、確実にそれは私の中で肥大していきます。
悔しいのに、私はどんどんその熱に忠実になっていって、気張らないとそれに流されてしまいそうでした。

そしてそんな私などお構いなしに、ほむらちゃんは私のあらゆる部位に秘部を擦りつけて快楽を貪っています。

「はぁ、はっ、うぅうう! んぁ、へあぁ」

もう私は満身創痍でした。
全身から乱反射してくる熱にすっかりのぼせてしまって、いまにも快楽の塊は破裂してしまいそうでした。

そしてそれが破裂したが最後、私はもうもとには戻れないであろう予感もあります。

しかし、ほむらちゃんは・・・・・・。

「はぁはぁっ。ごめんねまどか。私もう我慢できないわ・・・・・・っ」

まるでいままでのが遊びだったかのように顔色を変え、私の秘部に自分のそれを押し付け始めたのです。



「~~~~~っ!? あ、っは、う、あっああああああああ!!」

飛びました。
比喩でもなんでもなく、あまりの快感の量に意識が弾けとびました。

もちろん、その衝撃が一回きりで終わるはずもありません。
間断なくそれが打ち付けられるたび、私は快楽にのた打ち回りました。

津波に呑まれているというのはこういう感覚なのでしょう。
前後不覚どころか、あらゆる方向に目まぐるしく意識が回転し、明滅し、弾けます。

ひとつの寄りべもなくただただ大いなるなにかに翻弄され続ける私――。
しかも、それが気持ちよくてたまらないのです。

親友に裏切られた傷にそれは甘くしみ込み、じわじわと私を浸食していきます。

(もう、どうでもいいや・・・・・・)

そんな考えが鎌首をもたげてくるのに、そこまで時間はかかりませんでした。

(この気持ちいい感覚に、すべてを委ねれば・・・・・・)

苦しまずに済むのかも。
わずらわしい思考なんてものはかなぐり捨てて、ただ快楽に身を任せれば・・・・・・。


そんなことを思っていた矢先でした。

「ま、まどかっ! 私、イクっ! まどかでイクわっ!」
「イクっ! イクうう!! まどかっ、好きっ! 大好きっ!! 愛してるっ!!」

そんな声とともにほむらちゃんの秘部から熱い飛沫が吹き上がり、私を汚しつくしました。
強すぎる快感に目を白黒させていると、手足が自由になった感覚がしました。

「ふふっ、もう・・・・・・っ、必要、ないでしょう?」

あのほむらちゃんが息をきらしています。
そのほんのり上気した顔に、思わず私は生唾を飲みました。

「さあ、いらっしゃいまどか。私まだまだ乱れたいの・・・・・・。うふふっ。付き合ってもらうわよ?」
「あ・・・・・・っ♪」

ほむらちゃんに抱かれて、つい甘い声で鳴いてしまいます。


そして私は、考えることをやめました――。


「あっ、ん。そう。上手よまどか・・・・・・」

ほむらちゃんに頭をなでられながら、私は奉仕を続けます。
あれから私はすっかり躾けられてしまい、いまではほむらちゃんが感じている姿を見るだけで満たされた気分になってしまいます。

「ああ、イクっ。イクわまどかっ」
「~~~っ」

ほむらちゃんの愛液が吹き上がります。
それを私は懸命に口で受け止め、飲みこんでみせました。

「ふふ、いい子ねまどか」

無事ほむらちゃんをイカせたご褒美として、ディープキスをしてもらえました。

「ん~~~っ。ふぐっ」

そして私はそれだけで絶頂を迎えます。
ほむらちゃんの愛液をすすり続けたために、私の舌はすっかり爛れきってキスだけでイケるほどの性感帯になってしまったのです。

「ふふふ。あなたは本当にかわいいわ。私の自慢のペットよ・・・・・・」

こうして褒められると、温かい気持ちになります。
ほむらちゃんへのご奉仕をもっとがんばらなければなりません。


「・・・・・・そろそろ頃合いかしらね」
「え?」

特等席、ほむらちゃんの膝の上でまどろんでいた私は事務的に答えます。
ほむらちゃんは独り言が多いので、自己完結することが多々あるのです。

しかし今回は私へ投げかけられた言葉でした。





「まどかの・・・・・・いえ、円環の理の調教よ」

ね、眠いので…中断させていただきます…


――円環の理。

その言葉ですべて思い出しました。

魔法少女、インキュベーター、魔女、魔獣。そして、ほむらちゃん。


「ほむらちゃんっ!!」
「うふふ、ひさしぶりね。女神のまどか」

「あ、あなたは・・・・・・っ」

私はそれきり二の句を継げません。
頭の底から湧き上がってきた・・・・・・というよりは、どこからか流れ込んできた大量の情報にまだ心が追いつかないのです。

「あは、神々しいわまどか・・・・・・! こっちのあなたも穢せるなんて、ぞくぞくしちゃう」

しかしそんな私に構わずほむらちゃんは迫ってきます。

「んぅ!」

強引に唇を奪われました。
ほむらちゃんのキスは相変わらず巧みで、私はすぐに蕩けさせられてしまいました。

やはり身体の方はすっかりほむらちゃんに隷属させられたままのようです。
頭でどんなに抵抗しようとしても、身体は私の意思よりもほむらちゃんに躾けられた奉仕の作法の方に忠実なのです。

「あは、っん。そう、そうよまどか・・・・・・」

熱くキスを交わしながら私の指は勝手にほむらちゃんを愛撫します。
そのたびほむらちゃんは感じてくれて、その仕草につい私は満たされてしまいます。


(だ、だめ・・・・・・! 身体は逆らえなくても、せめて、心だけは・・・・・・っ)

ほむらちゃんが行為をさらに進めるために私の唇を離したので、ここぞとばかりに私は叫びました。

「ど、どうして!?」
「ん?」

思った通りほむらちゃんは行為を中断してくれました。
やっぱりほむらちゃんは私の言葉を無視できないのです。

「・・・・・・」

しかし、次の言葉が紡げません。
もともと話題などないので当たり前ですが。

とにかくほむらちゃんの土俵で戦ってはいけない、そう思ってのことでした。


「まどか?」

ほむらちゃんは優しく私の言葉を待ってくれます。
いまの彼女からは、あの悪魔のようなおどろおどろしい雰囲気は感じられません。

「・・・・・・ほむらちゃんは私のこと、好きなの? 嫌いなの?」

それはふと湧いてきた、素直な疑問でした。

私のために必死に時間を繰り返してくれたほむらちゃん。
私の救済を拒否して私を引きずり下ろしたほむらちゃん。
また私と仲良くなって、デートしたときのほむらちゃん。
そしてその後の、私を思いっきり凌辱したほむらちゃん。

いったい彼女はいま私のことをどう思っているのでしょう。

「ふふ、どう思う?」

質問で返されてしまいました。
ほむらちゃんはこんなやりとりですら楽しんでいるようで、いたずらっぽい笑みを浮かべています。

「・・・・・・わかんないから聞いてるのに」
「まあ、むくれちゃって。かわいいわ」

「・・・・・・いじわる」
「じゃあ、キスしてくれたら答えてあげる」

そうほむらちゃんは唇を尖らせてきます。
つい私はそれに応えようとしてしまいますが、あわてて踏みとどまりました。

「だ、だめだよ! そうやって有耶無耶にする気でしょ」
「あら。・・・・・・ふふふ、残念」


「私がまどかをどう思っているか・・・・・・ねえ」

ふと、ほむらちゃんは真面目な表情になりました。
それにつられて私もつい畏まってしまいます。

「好きにきまっているじゃない。好きなんてものじゃない。愛しているわ」
「~~っ」

ほむらちゃんたら、真顔でそんなことを言うのです。
私は恥ずかしいやら何やらで赤面するしかありませんでした。

「ふふ。目を反らさないで。あなたの瞳には常に私を映していてほしいの」
「・・・・・・もう」

「ねえまどか。私はあなたを愛しているわ。だからあなたのすべてが欲しかった・・・・・・愛情だけじゃなくて、憎悪ですら独占したかったの」
「だから私を傷つけたの? ひどいよ」

「うふふ。私ってわがままでしょう? ・・・・・・まどかも、もう少しわがままになっちゃえばいいんだわ」

ちくりと胸が痛みました。

人間をやめてまで円環の理となった私の自己犠牲を、過剰すぎると言っているのでしょう。
あるいは私がこのままこの世界を去ってしまうのではないかと恐れているのでしょうか。

「あの時ほむらちゃんを置いていっちゃったの、怒ってる?」
「ふふ、ちょっとだけ恨んだ時期もあったわ。でもあの願いはすごくまどからしくて、かっこよかった。惚れ直したわ」

「・・・・・・うぅ」

なんだか今のほむらちゃんは苦手です。
感情にまっすぐすぎてその分こちらが戸惑ってしまいます。


「ねえまどか。私はあなたを愛してる。あなたはどう? 私のこと、愛してる?」
「ええっ!?」

「私はちゃんと言ったわよ。まどかも言ってくれないと不公平じゃない」
「わ、わたし・・・・・・私は」

無数のほむらちゃんを脳裏に浮かべます。
円環の理となって初めて観測できた、私とほむらちゃんの積み重ねてきた歴史。

それは本当に星の数ほどあって、宇宙みたいな存在になった私にとってさえ眩暈を覚えるような量でした。
そしてそれだけ私はほむらちゃんに想われていたということでもあります。

「昔のほむらちゃんは・・・・・・ちょっとおどおどしてたり不器用なところはあったけど、好きだったかな」
「照れるわね」

でもそれを初めて観測できたのはもうほむらちゃんと交流できなくなってしまった後で。
時間の感覚なんてなくしてしまっていた私だけど、それでも彼女と再会できる時が来るのを心待ちにしていました。

私でさえこんなに切なかったのです。
私を前にしてどんどん心の距離が離れていくのを実感せざるをえなかったほむらちゃんはどんなに辛かったことでしょう。

やっと同じ距離でおはなしできるね。

再会したら、まず最初にそんなことを言おうかと思っていました。

でも、彼女との再会はあまりにも・・・・・・。

「でも、いまのほむらちゃんは・・・・・・。堂々としてるし、器用だけど・・・・・・好きじゃない」

私はなにを言っているのでしょう。

「あんな、人を歪めて傷つけて、むりやり服従させるようなやり方して・・・・・・!」
「私の好きだったほむらちゃんは、そんな子じゃないよ!」

口から飛び出したのは、思ってもないようなほむらちゃんを傷つける言葉でした。

でも構わないはずです。
ほむらちゃんだって私を傷つけたのですから。

「・・・・・・そう」

しかし少し頭が冷えた状態で改めてほむらちゃんを見ると、そのあまりの悲しげな表情に胸が締め付けられました。
そして同時に、私はこのとき理解してしまったのです。

思えばこの時点で私はほむらちゃんに敗けていたのかもしれません。



「じゃあ仕方ないわねぇ。チカラづくでいきましょう」
「あっ!」

油断していました。
つぎの瞬間ほむらちゃんは悪魔になって、私に絡みついてきたのです。

「むぐっ。んっ・・・・・・ひぃあぁ」

ほむらちゃんお得意のディープキスです。
これだけで私はすぐに絶頂を極めさせられてしまいます。

心臓はどきどきしてるはずなのに、妙に心は安らぎました。
ほむらちゃんに調教されつくした私は快楽中毒になってきているのかもしれません。

「んふふ・・・・・・耳までまっ赤ね。かわいい・・・・・・」

そう言って私の耳を唇で揉みながら、私の身体をまさぐり始めるほむらちゃん。
そのくすぐったさの方が勝るような優しいタッチでも、すでに一度イッている私は完全にスイッチが入ってしまっていて過剰なほどに反応してしまいます。

「ふぁ・・・・・・だめっ、ん。ほむらひゃっ、かんじ、うぅ」

でも意外なことに、初期のころのような激しい責めではありません。
むしろ恋人にするような(といってもそんな経験はないのですが)いたわりや優しさを感じる性交なのです。

(うう・・・・・・。わたし、愛されてる。ほむらちゃんに、こんなに愛されちゃってるぅ)

私もそれなりに覚悟の防波堤は築いたつもりでしたが、責めの方向性が予想外すぎました。
まるでそんなものは最初からなかったかのように甘ったるい快楽が私の心を蝕んでいきます。


「~~~っ」

あえなく、二度目の絶頂です。
全身が歓喜に打ち震えて、脳が芯から痺れていくのがわかります。

(こ、これ・・・・・・。だめ、こんなの続けられたら・・・・・・堕ちる。すぐ堕とされちゃうぅ)

ぐずぐずに溶かされた視界の端で、ほむらちゃんがなおも迫ってくるのが見えました。


「あはっ、またイクわまどかっ! あ、っん! ああ、イイっ! くるっ! イッちゃう!」
「うんっ! 私もっ! うあっああああぅう! あっ、あはっ」

もう何度目の絶頂でしょうか。
私もほむらちゃんもあれから甘く交わり続けています。

そして、私がイクたびに聞いてくるのです。

「ねえ、私のこと愛してくれる気になった?」

それに対する返答はずっとこうです。

「うぅん。そんなわけ、ないよ・・・・・・」

もう私にとって、とっくにこの台詞は意味のなすものではなくなっていました。
意地と条件反射によって導かれるだけの答え・・・・・・だったら、まだましだったかもしれません。

この台詞は「拒絶しなければ」という私の方針に対しての免罪符となっていたのです。
拒絶してしまえば、もうこの地獄のような快楽は味わえなくなる――。

(まだ堕ちてない・・・・・・。まだ大丈夫、戻れる・・・・・・)

そうやって私はどんどん取り返しのつかないところまで堕ちていってるのに、必死に気づかないふりをしているのです。
このベッドは、蟻地獄そのものでした。


「ふふっ、さすがになかなか強情ね」
「んぁ、はっ、はぁ。はあ」

にちゃり、とほむらちゃんが腰を離したのはどれほど経ったころでしょう。
私の秘部とほむらちゃんの秘部とが、別れを惜しむように濃厚な愛液の橋を作りました。

私たちはお互いにあらゆる体液にまみれていて、部屋の空気もまるでまとわりつかれるような錯覚を覚えるほどの湿度に達しています。
私はというと息も絶え絶えで、もう限界が近いことは自分でもわかっていました。

(それを分かったうえでほむらちゃんは、私に思いっきりトドメを刺す気なんだ・・・・・・)

絶体絶命だというのに、身体のいたるところがほむらちゃんを求めてきゅんきゅん戦慄きます。

(あれ、私・・・・・・なんで抵抗してたんだっけ)

そんな些細なことよりも今の私はほむらちゃんがこれから与えてくれるであろう極上の快楽の方がはるかに興味がありました。

(はやく・・・・・・イキたいな)

しかし、ほむらちゃんの言葉に私はまたも驚かされます。

「さすがに私も疲れちゃったわ。あとは違う子たちにお願いしようかしらね」
「・・・・・・え?」

違う子たち?
どういうことでしょう。

ほむらちゃんは、私一筋ではないのでしょうか。


「ほら、入りなさい! あなた達!」

混乱する私をよそに、事態はかってに進展していきます。

私たちのベッドルームに入ってきたのは、私のよく見知った三人組でした。

「ま、マミさん!? 杏子ちゃんに、さやかちゃんまで!」

「ふふ、あなた達。まどかにトドメを刺しておあげなさい?」

「へへ、待ちくたびれたぜ」
「まどか、覚悟してね」
「ほむら様に隷属する悦びを教えてあげるわ」

彼女たちは口それぞれに私ににじり寄り、絡みつきます。
でもそれ以上に私が気になったのは――。

「ほ、ほむらちゃん!? どういうことなの!? なんでみんなまで調教してるの!」
「あら? 気づいてるのかとばかり思っていたわ。電車内で彼女たちが堕ちていく過程を聞かせてあげたじゃない」

頭がくらくらしてきます。
ほむらちゃんにとって私は、数いるペットのうちの一人にすぎないというのでしょうか。

「あ、そうだ。まどかを責めるのは二人でいいわ。残りの一人は私と楽しみましょうね? ・・・・・・まずはマミ。いらっしゃい」
「はいっ! ほむら様!!」

ベッドルームを後にする二人を、私はただ呆然と見つめるしかありません。

「さぁて、まどか。たくさんよがらせちゃいますよー?」
「覚悟しろよ? あたし達だって結構やるんだからな」

そんな二人の声は、水中で聞いているような感じがしました。


「んぎゅぅう! い、イキます! まどかまた、イッ、ちゃううぅう!」

イクときはちゃんと宣言すること。
これも躾けられたマナーです。

私は代わる代わる犯され続け、よがり続けました。
でもたしかに身体は上りつめているのに、ぜんぜん満たされないのです。

(ほむらちゃん・・・・・・なんで姿を見せてくれないの)

私はやっと気づかされます。
あんなに芯から狂えたのは、相手がほむらちゃんだったからなのです。

(やだよ・・・・・・私以外の人とえっちしないでよ・・・・・・)

そしてもう一つ気づかされたのは、私は案外嫉妬深い性質のようだということです。
いまも他の女がほむらちゃんから寵愛を受けていると考えただけで気が狂いそうでした。

私は奢っていたのかもしれません。
確かにほむらちゃんは私のために幾度も同じ時間を繰り返してくれましたが、私が特別であり続ける保証などどこにもなかったのです。

なのに私は傲慢にもほむらちゃんの求愛を何度も足蹴にしてしまいました。

(ごめんなさい、ごめんなさい・・・・・・)

心の中で何度も詫びながら、また喘ぎます。
私はもうすっかり、ほむらちゃんのことしか考えられなくなっていました。



「調子はどうかしら?」

その時でした。

あの、懐かしくて愛おしい声が降ってきたのです。

「ほむらちゃんっ!!」

考えるよりも先に叫んでいました。
それは私にとってまさに、垂らされた一筋のクモの糸でした。

「ごめんなさい! 私、ばかだった! 私、ほむらちゃんのこと・・・・・・!」
「待ちなさい!!」

涙ながらに訴えようとしました。
しかし、それはほむらちゃんによって遮られてしまいます。

「・・・・・・あなた達。ちょっと、外してちょうだい」

そしてさやかちゃん達を外にやると、私の隣に座って微笑んでくれました。


「続けて・・・・・・?」

「わ、私ね。私もね? ほ、ほむらちゃんのこと、愛してます」

ついに、言ってしまいました。

「・・・・・・ふふ。うっふふふふ!」
「もう一度聞きたいわ、まどか」

「私、鹿目まどかはっ! ほむらちゃんを愛してますっ!」

愛を叫んだその口は、すぐにその相手に塞がれます。
確かめ合うように舌をからませては唾液を交換します。

「もっと! もっと聞かせてまどかっ!」
「好きだよほむらちゃんっ! 大好きっ!」

「ああ、私もよまどか! あなたはなんて愛おしいのかしら!」

久しぶりのほむらちゃんの身体は最高です。
身体中が燃え盛って止まりません。

「ほむらちゃん! 私をあなたの特別にしてっ」
「ええ! 当然じゃない。私はあなただけのものよ!」

ほむらちゃんの肌にすりつきます。
この肌のなんともどかしいことでしょう。

こんな私と彼女を隔てる皮なんていりません。
私は彼女ともっとひとつになりたいのです!

「ほむらちゃんっ! ほむらちゃんっ! ほむらちゃんっ!!」
「まどかっ! まどかっ! まどかぁっ!!」

私たちは限界を競い合うように乱れ合いました。
魂までとろけるようなセックスでした。



――私はあの時、ほむらちゃんの愛を拒絶したとき。

彼女の悲しそうな顔を見て、理解してしまっていたのです。


ほむらちゃんのあの悲壮な表情はとても美しいものでした。

きっと好きだからこそなんだと思います。

好きだからこそ、その人のすべてが美しく見えてしまう。

その人のすべてを見てみたい。

私も、ほむらちゃんと一緒でした。

ほむらちゃんの狂っているように見えたその面は、大小の差はあれどきっと人間なら誰しも持ち合わせているのだと思います。

ただほむらちゃんはちょっとそれが巨大すぎるだけなのです。

それを心の底で理解してしまった私は、もうとっくに彼女を拒む理由などなくなっていました。

多くの人は彼女のそれを恐れたでしょう。

でも、私には理解できました。

私もほむらちゃんと同じように、愛する人のすべてを、狂気でさえ愛してみせましょう。


だって私は、すべての魔法少女を救済してきた円環の理だったのですから。



「おはよう、まどか」

いつの間にか寝てしまっていたようです。
隣には、愛しい彼女の顔がありました。

「おはよう、ほむらちゃん」


そうして私たちはおはようのキスをして、また飽きもせず抱き合ったのでした。

今度こそ本当に完結になります
なにやら長丁場になってしまいましたが、みなさんのレスのおかげで楽しく書くことができました
見てくださってありがとうございました!

>>60
がんばりました
ttp://i.imgur.com/NUvnywd.jpg

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