モバP「七夕を利用して」 (59)
P「アイドルがいま何を望んでいるのか知ろうと思います」
ちひろ「短冊ですか? そんな回りくどいことしなくても……」
P「もし話しにくいことだったら聞き出せないじゃないですか。アイドル達を理解するために協力をお願いしたいなーと」
ちひろ「私に何をさせたいんです?」
P「短冊を書くよう促して欲しいのと、誰がどんな願いを書いたか覚えておいてもらいたいんですよ」
ちひろ「それって短冊は匿名で書いてもらうってことですよね」
P「その方が気兼ねなく一番の願いを書きやすいはずですから。お願いします!」
ちひろ「……わかりましたよ! その代わり、プロデューサーさんにも短冊書いてもらいますからね。私の前で」
P「お安い御用です。では続きはみんなが帰ったあとにでも――」
ちひろ「――というわけで、どの短冊から見てみますか?」
P「では手近なこれから。なになに……?」
どんな願いが書いてあった?
>>2
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お腹いっぱい食べたい
P「お腹いっぱい食べたい、ですか。何を食べたいのか書いてない辺りがミソですね」
ちひろ「アイドルともなれば食事制限してる子も多いでしょうしねぇ。誰が書いたかによって意味が変わってくるというか」
P「何となく誰が書いたかは思い至りますが、ちなみにこれは誰の書いた願いで?」
ちひろ「>>6です」
胸を小さくしたい
ちひろ「胸を小さくしたい、です」
P「……何を言ってるんですか?」
ちひろ「あ、すみません。うっかり他のアイドルの願いを言ってしまいました」
P「胸を小さくしたいなんて思ってるアイドルがいるんです? ほほう……それはともかくさっきの願いを書いたのは」
ちひろ「えっと、かな子ちゃんですね。……いまやっぱりとか思いませんでした?」
P「そんなわけないじゃないですかーやだなー」
ちひろ「わざとらしさ満点ですよ」
P「さあ次いってみましょう! どれどれ」
どんな願いが書いてあった?
>>10
Pの匂いの香水を作りたい
P「俺の匂いの香水を作りたい? ニッチなものを欲しがるやつもいるもんだ」
ちひろ「それはともかく、誰の書いたものか予想つきますか?」
P「それはまあ、匂いと言えばあいつしかいませんね。香水にしたいとまで考えてたとは驚きましたが」
ちひろ「では答え合わせといきましょう。この願いの主は>>12です」
薫
ちひろ「薫ちゃんでしたー」
P「なん……だと……?」
ちひろ「幼いうちから何かに目覚め始めてて私は心配です……」
P「薫に何があったんですかね……? 香水をつけてみたい、とかだったら微笑ましいで済んだものの」
ちひろ「Pさんの匂いに何かを感じ取ってしまったんでしょうね。本能とか魂レベルで」
P「明日から念入りに無臭を貫き通そうと思います。ファブリます」
ちひろ「……といった感じで、一部魔境と化してますが続けますか?」
P「これもアイドルの本音を知るため……! 次はこれです!」
どんな願いが書いてあった?
>>14
素直になりたい
P「素直になりたい、か。ちょっと安心してる自分がいます」
ちひろ「女の子らしい素朴な願いですよねぇ。この願いが誰のものか当てられたら乙女心を理解してるといってもいいかもしれません」
P「むむ、確かにこれは難しいですね。見当付けにくいなあ」
ちひろ「胸の内にそんな想いを秘めていたなんて知ったら、Pさんもそのアイドルを見る目が変わりそうですか?」
P「多少は意識してしまいそうです。……それでは、これを書いたのは誰ですか?」
ちひろ「>>16です」
未央
ちひろ「未央ちゃんです」
P「未央? 未央が素直になりたいなんて願いを?」
ちひろ「おや、そんなに意外でしたか?」
P「……そうですね。未央はいつも元気で明るいですし、あれ以上に素直になってしまったらどうなるのか想像もつきません」
ちひろ「ふふっ、Pさんはまだまだ乙女心というものが分かっていないみたいですねぇ」
P「ぐぬぬ……ええい、次いきますよ!」
どんな願いが書いてあった?
>>19
『おなかすいたーん♪(チラッ』
P「えーと、『おなかすいたーん♪(チラッ』……何ですかこれは」
ちひろ「それより気付きませんでしたか? この場に私達以外の誰かがいると……!」
P「貴様、見ているなッ! じゃなくて、どういうことですか」
ちひろ「まあその、この展開を読んでいたということでしょうね。こうしてこっそりPさんがリサーチしてるのを逆手に取って」
P「……なるほど。たしかにこのことをアイドルに知られてしまうのはまずい。この願いを叶えれば黙っててくれるでしょうか?」
ちひろ「では何か頼みましょうか。もちろんPさんのおごりで」
P「仕方ないですね……。ちなみにこれを書いたのは?」
ちひろ「>>21ですよ」
紗枝
ちひろ「紗枝ちゃんでしたー」
P「えっ、キャラ違わない?」
紗枝「ほんの遊び心どす~。うちとは思いもよりまへんでしたやろ?」
P「うん、このノリは周子とかあの辺だと思った」
紗枝「それよりプロデューサーはん、女の子のお願いをこっそり知ろうだなんてあきまへんえ?」
P「天女に言われてしまったでござる」
ちひろ「天女じゃなくても言いますとも」
P「面目ない」
紗枝「プロデューサーはんの立場もあるんやろけどな~。うちのお願い叶えてくれたら、ここだけの話にしときますえ」
P「致し方あるまい。じゃあ好きなもの何でも言ってくれ」
紗枝「おおきに♪」
P「――では再開しましょう」
ちひろ「まだやるんですね……」
P「やりますとも! さてさて」
どんな願いが書いてあった?
>>23
再登場したい
P「再登場したい? なんのことやら」
ちひろ「わかってるくせにとぼけないでくださいよ」
P「……いや、誰が書いたかによりますよね。場合によって笑えなくなりますが」
ちひろ「さすがに全員均等にとはいきませんが、なるべく配慮してあげてくださいね?」
P「わかってますとも。ちなみにこの願いは一体誰の……?」
ちひろ「……>>25です」
トーゴーさん
ちひろ「……あいさんです」
P「……だいたい半年くらいですか」
ちひろ「なーんだまだそのくらいか、とか思ってませんよね?」
P「思ってません思ってません!」
ちひろ「半年も過ぎたらそろそろきてもいいんじゃないかなぁ? とファンの方々も切実に思ってることでしょう」
P「……しょうがないじゃないですか。未だに頭数増え続けてるのに!」
ちひろ「そのうち何人スカウトしてきたんでしたっけ?」
P「次の短冊は、と」
どんな願いが書いてあった?
>>27
広島優勝
P「広島優勝……? とりあえず一人候補から消えますね」
ちひろ「わかりませんよ~広島は広島でもいろいろあるでしょうし」
P「いやーこれはきっとあれでしょう。問題は誰の願いかです」
ちひろ「やっぱり地元のアイドルだと思いますか?」
P「妥当な線ですからね。期待を裏切られそうな感じしますけど」
ちひろ「これはですねぇ、>>30の書いた短冊なんですよ」
ユッキ
ちひろ「友紀ちゃんの短冊です」
P「一番無いと思ったアイドルだったああ!! なぜだ友紀!?」
ちひろ「キャッツとは何だったのでしょうか?」
P「たまげたなあ……。まあどっちみちスターの球団じゃないからどうでもいいですけど」
ちひろ「そんな軽く流しちゃっていいんですか? 友紀ちゃんといえばキャッツと立ててきたキャラがぶれてますけど」
P「大人の事情ってことにしておきましょう。次はこの短冊にします」
どんな願いが書いてあった?
>>33
揉みたい
P「揉みたい。たった4文字なのにこの世の真理が詰まってますね」
ちひろ「……」ジトー
P「もちろん俺が書いたものではありませんよ? というかこんなの、あいつしかいないでしょう」
ちひろ「自信がおありのようで。ちなみにこれを書いたのは>>35です」
美嘉
ちひろ「美嘉ちゃんです。想像通りでしたか?」
P「いえまったく。これは何を、よりも誰を揉みたいのかが問題になってきますね」
ちひろ「……あの説ですか」
P「人には思いも寄らない一面がありますからね。憶測の域を過ぎませんが」
ちひろ「美嘉ちゃんの願いは何かを揉みたい、それがわかっただけよしとしておきましょう。ね、Pさん?」
P「これ以上踏み込まない方が良さそうですね、わかってますとも。……七夕が終わりそうなのでこれ最後にしますか」
ちひろ「えっ、うわあもうこんな時間……何やってんだろ私……」
どんな願いが書いてあった?
>>38
身長が伸びますように
P「身長が伸びますように、か。平和でよかった」
ちひろ「Pさん、いまあなたは無意識にこれを書いたアイドルの背は低いと思いましたね?」
P「それはもちろん、こんなの低身長なのを気にしてるからこその願いのは……ず……?」
ちひろ「ええ。セオリーならそうでしょうとも、セオリー通りなら……!」
P「な、なんですか急に。おどかさないでくださいよ」
ちひろ「まあこれ書いたの>>41なんですけどねぇ」
きらり
ちひろ「きらりちゃんが書いたんですよね」
P「えっ、ほんとにきらりなんですか? まだ満足していなかったのか……というか露骨に振るからただの脅しだと思ってたのに」
ちひろ「私も疲れてるんですよ。それよりPさん、私の前で短冊を書いてもらう約束でしたよね」
P「そういえば。明日じゃ駄目ですか?」
ちひろ「駄目です。せっかくなのでこの流れで済ませちゃいましょう」
P「いいですけど、つまり俺の願い事を知りたいってことですよね。別にこんなのつまらないと思いますが」
ちひろ「いいんです! 早く書いちゃってください」
P「わかりましたよ。……知ったところでどうするつもりかしりませんけど」
ちひろ「さっさと書く! 出来ましたか? それではチェックさせてもらいますねー、どれどれ」
どんな願いが書いてあった?
>>45
目の前の天女さんと結婚したい
ちひろ「……」
P「さあ、帰りますよー」
ちひろ「待ってください! ……その、これって」
P「俺の願い事ですよ。願うだけなら自由でしょう?」
ちひろ「そんな……ズルいですよ、こんなの……」
P「それなら、ちひろさんの短冊も見せてください。それでおあいこにしましょう、ね?」
ちひろ「Pさん……わかりました。私もまだ書いていませんので、急いで書いちゃいますね!」
P「……。書けました? では見せてもらいますね」
どんな願いが書いてあった?
>>48
目の前の人の願いが叶いますように
P「……目の前の人の願いが叶いますように、か」
ちひろ「音読しないでください! ……恥ずかしいじゃないですか」
P「あはは、すみません。しかしこの短冊、ここに吊るしておくわけにはいかないだろうなあ」
ちひろ「そもそも吊るす必要あるんですか? ふふっ」
P「えっ、あー、それもそうですね。もう願わなくても叶っちゃいそうですし?」
ちひろ「Pさん……」
P「ちひろさん……」
後日、Pとちひろの願いは正式に受理されましたとさ
終わり
ラストがこんなに綺麗になるとは思いませんでした
おのれ千川
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