千川ちひろ「は? 金が無い?」モバP「…ええ」 (25)

――――――――――――事務所


ちひろ「いやいやいや。給料日この間だったじゃないですか?」


http://i.imgur.com/mwPhvjx.jpg
千川ちひろ(??)


P「まあ……いろいろありまして」

ちひろ「あっ……まさか、風俗やキャバクラに行ってるんじゃないでしょうね?」

P「ち、ち、違いますよ!……その……いろいろです」

ちひろ「でも、どうするんですか? 出費もこれからあるでしょう?」

P「一応、生活する最低限の家賃や携帯代などは残してます」

ちひろ「……まあ、それならいいんですが」



ちひろ(って……よくねーよ! スタエナ買ってくれないじゃん!)

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P「そういうわけでして……今回はドリンクは無しで……」

ちひろ「ちょっと待った!!」

P「えっ?」

ちひろ「はあぁ……仕方ありませんね。いつも、お世話になってるPさんですし」

P「まさか……」

ちひろ「500MCでスタ5本+2本おまけしますよ」

P「やったあああ! さすがちひろんさんです! ありがとうございます!!」

ちひろ「もう……今回だけですからね?」



ちひろ(まあ、これでも十分利益は出るんだけどね……)

――――――――――――後日、事務所


ぐぎゅるるるるるるるるる


ちひろ「Pさん」

P「はい」

ちひろ「お腹鳴りすぎですよ」

P「お恥ずかしいです……」

ちひろ「ご飯食べてないんですか?」

P「一応食べてます」

ちひろ「じゃあ、どうしてそんなにお腹が?」

P「今日はテレビの収録無いですから……」

ちひろ「どういうことです?」

P「テレビの収録だとお弁当出ますからね。お昼代が浮きます」

ちひろ「朝は?」

P「カロリーメイトで」

ちひろ「夜は?」

P「お弁当の残りを……」

ちひろ「何やってるんですか! いつか倒れちゃいますよ!?」

P「ですね……この間調子に乗って30000MC使ったのがまずかったかな?」



ちひろ(ヤバいっ!!)

P「ちひろさん、やっぱり今月はドリン」

ちひろ「わかりました! じゃあ、ドリンクのおまけに私がお弁当作ってあげますよ!」

P「えっ? そこまでしてもらえるんですか?!」

ちひろ「はあぁ……仕方ないですね。Pさんのためですもの。それくらいしてあげます」

P「ちひろさん……なんて優しい女性なんですか」

ちひろ「ふふふ、どうです? ドリンク買います?」

P「買います! ありがとうございます!」

ちひろ「毎度どうも~」



ちひろ(本当、甲斐性なしなんだから)

――――――――――――後日、事務所


P「ごちそうさまでした。すごく美味しかったです!」

ちひろ「それはどうも」

ちひろ(おかげで早起きしちゃったじゃないの……眠い)

P「お弁当持ってきてくれるなんて感激です! ありがとうございました!」

ちひろ「そんなことより、Pさん」

P「はい?」

ちひろ「クリーニングにスーツ出したのPさんでしょ?」

P「あっ。バレました?」

ちひろ「バレました、じゃないです! これはアイドルの衣装や練習着を洗うためのものですよ?!」

P「すいません……」

ちひろ「こういうのはご自身で出されてください」

P「はい……」

ちひろ「おまけにYシャツまで……洗濯機くらいあるでしょ?」

P「それが……今、壊れてて」

ちひろ「洗濯はどうしてるんです?」

P「近所のコインランドリーで一気に……」



ちひろ(この流れ……ヤバい流れかも……)

P「やはり事務所に迷惑はかけられませんね……洗濯機買ってきますので今回のド」

ちひろ「わかりました!]

P「えっ?」

ちひろ「はあぁ……仕方ないですね。私が洗ってあげますから!」

P「え? でも、それは……下着とかもありますし」

ちひろ「いいんですよ。男性の下着を干してると泥棒よけにもなりますし」

P「そうですか?……では、お願いしようかな?」




ちひろ(マンション25階に登ってくる泥棒がいたら見てみたいわ)

――――――――――――後日、Pの家の前


ぴんぽーん


P「はい……って、ちひろさん?」

ちひろ「どうも」

P「僕の家までわざわざ……どうしたんですか?」

ちひろ「洗濯物です。どうぞ」

P「あっ……ありがとうございます! 事務所でも良かったのに」

ちひろ「私がPさんの洗濯物を渡している姿を、みんなが見たらどう思いますか?」

P「ああ、なるほど……そうですね。立ち話でもなんですし、よかったら中でお茶でも」

ちひろ「ありがとうございます。それではお言葉に甘えて……って、何ですか?! この部屋は!」

P「ちょっと散らかってますね。お恥ずかしい」

ちひろ「『ちょっと』どころじゃないでしょう!? まったく……」



ちひろ(こんな部屋じゃ病気になるわよ……そうなったら厄介ね)

P「面目ない……」

ちひろ「はあぁ……仕方ないですね。Pさんはそこに座っててください」

P「えっ? 何を?」

ちひろ「掃除機はどこです? せっかくなんで、ここも綺麗にします」

P「でも、ちひろさんはお客様ですし……」

ちひろ「こんな埃っぽい部屋で、窓も閉めきっていたら病気になりますよ」

P「ありがとうございます……こんなことまでしていただいて」



ちひろ(本当に世話が焼けるわね……いいわ、あとでふんだくってやるから)

――――――――――――後日、事務所


ぷるるるるるるるるるる



ちひろ「はい、876事務所です」

???『もしもし。そちらにPという者はおりますでしょうか?』

ちひろ「ただいま、席を外しておりまして……失礼ですがお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」

???『失礼しました……私、Pの母でございます』

ちひろ「えっ……Pさんのお母様でしたか? 大変失礼しました」

P母『あの……Pに伝えてもらえませんか? もう仕送りはいいと』

ちひろ「仕送り……ですか?」

P母『あの子……Pは主人がリストラされてからずっと家に仕送りしてるんです』

ちひろ「そうだったんですか……」

P母『私達だけじゃなく祖母にまで仕送りして……本人も奨学金の返済で大変なはずなのに……』

ちひろ「おばあちゃんにも……奨学金まで……」



P『ち、ち、違いますよ!……その……いろいろです』



ちひろ(バカね……正直に言えばいいのに……)


ちひろ(その上ドリンクまで買うなんて……お人好しがすぎるでしょ……)

――――――――――――数カ月後


ちひろ「どうしたんですか、Pさん? こんな所に呼び出して?」

P「あ、あの……えっと……」

ちひろ「なんですか? はっきり言ってください」

P「その……ちひろさん、いつも僕のお弁当作ってくれたり、洗濯や掃除までしてもらって……」

ちひろ「別にいいんですよ。わたしが勝手にやってるんで気にしないでください」

P「その……ドリンクもすごく安くしてくれて……」

ちひろ「Pさんのためですから」



ちひろ(お陰で赤字なんですけどー!)

P「そ、それでですね……こ、これを……受け取ってほしいなと……」

ちひろ「ん? プレゼント?」


ガサガサ


ちひろ「こ、これ!……どうしたんです? この指輪!?」

P「そ、その……給料の三ヶ月分……やっと貯まって……」

ちひろ「……」

P「う、うちの婆ちゃんが……その……ひ孫の顔を見たいと言いまして……その……」

ちひろ「……はぁ」

P「……」





ちひろ「くすっ……仕方ないですね。お受けします」





おわり

※これでおわりです

3%ガチャチケでSR出してくれたんで感謝して書きました
後悔はしてない

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