海未「両性具有?」 (527)

ふたなり要素あり。

シリアス要素あり。

エロあり。


スピリチュアルパワーによる無理やりなファンタジー設定あり。

自己解釈が盛りだくさん。




これらがダメな人は読むのは推奨致しません。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1403869050

真姫「オーガズムが止まらない病気?」
真姫「オーガズムが止まらない病気?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1401616977/)




真姫「前回のラブライブ!!」



真姫「ある日私が家に帰ってカバンの中を見ると、紫色に輝く石が入ってた!?」



真姫「少しの好奇心。でもそれを触った次の日から私の地獄は始まった…」



真姫「触れただけ、振動があるだけで性的快感を感じ、オーガズムが起こるなんて」


真姫「そのせいでµ’sのメンバーとすれ違いも起きて…」


真姫「でも後に私の症状はある病気であると判明したの!!」


真姫「病気と分かっても原因も治療法もわからず、どんどん衰弱、壊れていく私」



真姫「でも、ついに、ついに見つかったわ!! 原因は希が間違っていれてしまった紫色の石!なんでも、悪運が詰まっていて、それを吸収したから私は病気になったらしい」




真姫「自体は好転、かと思いきや、症状が軽くなっただけ」

真姫「みんなに心配かけないようにと、私はことりに性欲解消をしてもらう日々。それをにこちゃんに見られたり、色々あったわ」



真姫「でも、希を中心にみんなの協力で悪運の中和に成功!38日間の闘病生活の末、病気は治ったの!!」





真姫「でも、なんだか海未の様子がおかしくて……!?」


真姫「どうなっちゃうの!?」

◇◇


希「どう、しよう」



希「どこにも、落ちてない」


希「……猫かなんか持ってってしもたかな……」



 探し物はなんですか? 探し物はブレスレットです。




 ただこの場合のブレスレットというものは普通のブレスレットではない。希のスピリチュアルな力で、人の悪運を閉じ込めた奇跡のもの。




 希以外の者が触れればたちまち悪運で身体は満たされ、様々な悪いことが起こる。


 ――例えば、西木野真姫。



 悪運が詰めこまれた石を触ったことにより、psas 持続性性喚起症候群を発病。




 この件は一つの事件として先日解決したばかりであった。


 直後に、悪運が詰めこまれたブレスレットを無くす。それは希にとって絶望だった。




希「くっ……仕方ない、か。ウチの良運を信じるしか、ない」




 もうどこへ落としたのかもわからないブレスレット。この広大な世界から探し出すのことは不可能、だと判断した。



 ――そして惨劇は繰り返される。

◇◇



海未「全く、なんだったのでしょうか」


海未「あんな気味の悪いブレスレットは始めてです」




 私はブレスレットを手にした時、紫色の光に包みこまれました。


 私に特に何も変化はなかったのですが、ただブレスレットの紫色の光は消え去っていました。




海未「……ブレスレット、持ってきてしまいましたけど……家の物置にでも置いておきましょうか」





海未「とりあえず、今は穂乃果に会いたい、なんて……えへへ」



 私は穂乃果の好物のケーキを片手に穂乃果の家に向かいます。




 色々あってもうすぐ日が変わりそうです。急がなければ。

◇◇


穂乃果の部屋




穂乃果「いらっしゃい」

穂乃果「遅いよー。もうみんな寝ちゃったもん」


海未「すみません。ちょっと色々ありまして」



海未「日舞の道具が壊れるなんて始めてだったんです」


穂乃果「あ、そうだったんだ」

海未「お詫びに、今日は穂乃果の好きな物を持ってきましたよ」

穂乃果「え!?なになに!?」



海未「これです」

穂乃果「うわぁっ!!ケーキだー!わーい!!」


穂乃果「海未ちゃん大好き!!!」


海未「喜んで貰えて嬉しいです」


海未「き、今日は、私達が付き合って、2ヶ月目、ですし……」

穂乃果「そ、そう、だね」


海未「意外と、バレないものですね」


 穂乃果と恋仲になって、今日で二ヶ月が経ちました。


穂乃果「付き合ってることは二人だけの秘密だもん」


穂乃果「それに私達がそういう関係だって知ったら、ことりちゃんに余計な迷惑かけちゃうからね」


海未「ことりも大切な人、ですからね」

穂乃果「うん、私も、そう思う」


穂乃果「ねえ、海未ちゃん」


海未「はい?」


穂乃果「キス、したいな」

海未「え…? え、そ、れは」

穂乃果「ダメ……?」


海未「ご、ごめんなさい!あの、私まだ、心の準備がっ…」


穂乃果「……そっか、海未ちゃんの心の準備が出来るまで、私は待ってるね?」


海未「ありが、とうございます」


穂乃果「好きだよ、海未ちゃん」ギュッ


海未「わ、わたしも、です」



 付き合って2ヶ月。自分の積極性の無さにはうんざりしていました。



 でも、穂乃果を目の前にすると、ドキドキしてしまって、そういうことは全く出来なくなってしまいます。

 思えばこの時。穂乃果との二ヶ月記念日。私は最悪の物を身体に宿してしまった、ということを気づいたのは後のお話です。



 気づけばもうすぐ日が変わります。

 明日は土曜日。穂乃果の家に泊まるので時間は気にしません。




 カチッ……カチッ……カチッ。





 秒針は0を指し示します。



 土曜日。







 ――イチニチメ。


◇◇


一ヶ月後


 30日目



部室


真姫「ふぅーふぅー……はぁっ…はぁ………大分戻って来たんじゃない?」



海未「そうですね。でもまだまだです。こんな程度では真姫は息は切れていませんでしたよ」


真姫「うっ…そうよね」


真姫「でも、体重は9割戻ったのよ?これなら前より痩せたって考えればいいかも……」



海未「真姫……あなたはもう痩せなくても……」



 病気の影響で恐ろしい程に痩せこけた真姫でしたが、一ヶ月たった今ではすっかり元にもどりつつあります。



真姫「……あの直後胸のサイズを測ったらにこちゃんより小さくて、夜な夜な泣いていたのよ…」



真姫「まあ今は戻ったけどね!!」

にこ「……ぶん殴っていい?」



絵里「やっぱり真姫をやる気にさせるのはにこの胸を引き合いに出すしか無かったわね。成功して良かった、良かった」




 真姫が練習着を脱ぎ、下着姿になる。ここにいるのは全員女性、真姫もおおやけには恥ずかしがらない。



 でもやはり、みんなに背を向けて着替え始める。同性とは言えど、着替えを見られるのは恥ずかしいのだろう。





海未(あ、あれ……なん、でしょう。この、感覚)



 見知った姿、見知った下着姿。


 それなのに、真姫の下着姿に見入っている海未。



 ――真姫の足、綺麗……。

真姫「な、なに見てんのよ」


海未「え……?あ、いやなんでも、ありません」


海未(また、私……他の身体を……)



海未(なんでしょう、この気持ち。わかりません、なんだか、ゾワゾワする、というか)


希「どーしたん?」



海未「なっ……まだ上を着ていないのにウロウロしないで下さいっ!!」



 ぷるん。ぷるん。

 希の豊満な胸が歩くたび、動くたびに形を変えながら、うごめく。
 押さえつける下着が可哀想になるほどに。



希「え?…普段からこーしてるやん」


希「ていうかみんなそうやし」


海未「そ、そうでしたっけ」


希「海未ちゃん顔真っ赤だよ?大丈夫?」

希「あ、もしかして、興奮しちゃった?」


海未「そんなわけないでしょう!」



真姫「というか、海未の言う通り、あんたら恥じらいなさすぎなのよ」



絵里「まあ確かに……」



真姫「確かにとか言うなら下着姿で堂々としないで」

絵里「うっ……」





海未「うぅ……」



 ここ最近、海未は違和感を感じていた。

 なんで自分はこんなにも興奮しているのか。


 認めたくなかった。





希「着替えないん?海未ちゃん」


 

海未「ち、違うところで着替えて来ます!!!」



希「……なんだか最近、海未ちゃん変やない?」



絵里「そうねぇ」

穂乃果「海未ちゃん…?」

◇◇


海未「はぁっ…はぁっ……」


 前屈みになりながら、必死にトイレへと駆け込む。奥に、奥に。



海未「ぅあ……」



 海未の股間部分からスカートを、押し上げるもの。



海未「な、んで。なんで、私にこんなものが――」



 それは少女についているものとしては不相応。男についているとなれば大絶賛。

 

 それは大きく肥大し、ショーツからはみ出し、顔を出している――陰茎だった。



海未「うぅ、こんなに、おっきく…」



 息を荒げながら、自分の陰茎を見つめる。先程、真姫や希の下着姿を見たことでここまでなってしまったようだ。



海未「ぅ……ぁ…」




 自分ではどうしようも出来ない"男"の部分を優しく握る。亀頭の部分からはドクドクと透明な液体が流れ出ている。




海未「ひゃっ……うんっ…あっ……んんっ…気持ち、ぃ……」




 海未は自身の亀頭から溢れる淫らな液体を陰茎全体に塗りつけ、擦りあげる。



 ぐちゅぐちゅ……ちゅぷ、くちゃぁ……。

 淫液が海未の手によって卑猥な音を立て始める。それが始まると、海未自身その音に性的興奮を覚え始めてしまう。




海未「んんぁ…んぎゃ……ダメ、なのに。こんな、こと」


海未「はぁっ…はぁっ……おかしく、な、りそうっ……ふぁっ」



海未「真姫……希……んぁっ……いやぁ……んんんぁっ……いや、イク……イッちゃっ……」


 真姫の下着姿が、希の胸の谷間がフラッシュバックし、さらに陰茎を肥大化させる。それと同時に自身の手のスピードも速くなっていく。





 女性器のように亀頭からドクドクと溢れ出る淫液が、トイレの床を濡らしているほどだった。

海未「んっ、んっんっんっ、あぁっ……出る、出ちゃう、でるでる、あっっ……で、りゅ……あぁぁあぁぁっっッ!!!!」




 海未の陰茎から放たれた白い液体は、トイレの壁に穴を開けるかのような勢いで拡散した。



 海未自身の手にも飛び散り、その状態で一度手を握って、開く。



 放たれた精液が、海未の手の中で糸を引いていた。



海未「はぁ……はぁ…んぁ…気持ち、いぃ……」



 脱力感――は襲って来なかった。
 襲って来たのは、さらなる性欲。




海未「なんで、なんで、こんなことに……」




 海未がこうなったのは、異変が起き始めたのは、ゆっくり、かつ急だった。

残念ながら今回は書き溜めないねんです……。エロは難しいし得意とかそういうんじゃないんで、次は時間はかかるかも…

あと着地地点は決めてないんでグダる可能性大です。

10日目

部室


海未「あれ……」


 
 きっかけはささいなこと、でした。

海未「下着が…」

 今まではぴったりだった私のブラシャー。



 それに、違和感がありました。



穂乃果「どうしたの海ー未ちゃん」


海未「え!?い、いや……」



穂乃果「ん?」



 私自身が感じていたのは下着のサイズでした。合わない、合ってない?

 大きくなった。いや、違う。




 ――胸が小さくなっていた。

海未「なんで、でしょう…」



絵里「海未…こんなこと言うのもあれだけど、下着合ってないんじゃない?」

絵里「でもそれ……いつも着てるやつ、よね」





海未「っ……」




真姫「ぅっ……うぅ」


ことり「真姫ちゃん、なんで泣いてるの?」


真姫「うぅ……もう死ぬしかない」


ことり「え……?」




真姫「痩せた影響でにこちゃんと同じくらいまで、胸が小さくなってしまったの」




にこ「っ……!! そのまま死ねっ!!!」

◇◇




 17日目




 洗面台の前で上半身裸で確かめます。



 胸のサイズが小さくなりました。前より3cmほど。カップ数的には、凛やにこよりも下、ということになります。AA……くらいでしょうか。わかりません。




海未「おかしいです……なんで、なんで…」

海未「胸が完全になくなった訳ではないですね……」


 私の二つの突起は小さくなったりはしていません。

 なんだか、中性的になった、といいますか……。




 私は、少し、自分の身体の女の部分を見て、興奮していました。




 思えばきっとこれも前兆だったのでしょう。

◇◇


28日目


海未「くっ…はぁっ…はあっ……」

海未「うっあっあっっっ……」



 苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。

 先ほど熱を計ったら、39度。汗が、汗が止まりません。


海未「うぅ……」





  そこで、私の世界は暗転しました。


 29日目


海未「う……あ、れ」


 私はどうしたのでしょう。寝て、しまっていたようです。


海未「う……頭が……」


 身体を起こすと、突発的に起こる頭痛が気怠さを生み出します。


海未「身体がベトベト、です」


 身体を起こすと、布団には汗がびっしりと染みていました。

 こんなに寝汗をかくなんて。


海未「シャワーでも、浴びましょうか」



海未「あ、れ。なんか、変です」


 違和感。股の部分に、違和感。


 違和感。


 ムニュムニュ。



海未「え……、なんですか、これ」

 触ってみました。股になにか付いて、います。



 走りました。すぐに確認するために。



海未「はぁっはあっ」




 すぐに上半身の服を脱ぎます。
 汗でぐちょぐちょ、です。


海未「……」




 問題は、下半身。

 目を閉じて、深呼吸、そして一思いに下半身の服も脱ぎさります。

 目を、開けます。






海未「――!?」


海未「な、なん、です、か!!!」

海未「なに、これ。え……おかしい、です」

 事態が全く、飲み込めませんでした。

 私の下半身についていたもの、それは男の人のものでした。



海未「あ……あ」




 よく鏡で良く見ると、女性器もそのままの状態であるようでした。

 女性器の上のあたりから、男の人のものは生えてきていました。






海未「いやっ…いやぁあああああっ!!!」


 そして、さらに変化は訪れました。



 ――どうして、私はこんなに興奮しているのでしょう。




 ツンと張った薄桃色の二つの突起。自分自身の見慣れたもの。私の中の女である部分。それになぜか私は見入ってしまっていました。




 それと同時、私の中の男である部分が大きく肥大化していることに気がつきました。






海未「あ…ぁ…おっきい……」


海未「はぁ…はぁ……変な、気分、です」


 私は、自分の女の身体に、男の身体が興奮しているのでした。





 気づいた時には、陰茎を掴み、快楽に悶えている私の顔が鏡には映っていました。

これからエロシーンとかもあると思うので、なんかエロそうなシチュがあったら教えてください……。もしかしたら使わせて頂くかもしれませんので……。

お泊りしたときに欲望を抑えきれず、寝静まったメンバーをおかずに[田島「チ○コ破裂するっ!」]とか
誰かにばれて勃起しないために学校とかで処理してもらうとか
ところで、水泳の授業とかどうなるんだろ、やっぱり休むのかな

ふたなりならおっぱいはそのままでもよかったのでは?

>>43
一応両性具有、ということで不快にならない範囲で少しでも中性的な感じにしておいた方が良いかな、と思いまして。それでもにこにーより1cm小さいだけですので…胸は一応ある、ということになってます。

てことは70か

>>48
上には書くのを忘れましたが、サイズとかはアニメ基準にしてありますので、73ですかね。


エロシチュ募集してます。力不足で申し訳ありません。書いてきます。

ことりちゃんに後ろから抱きつかれながら「もう我慢しなくてもいいんだよ……海未ちゃん」って耳元で囁かれる
そしてゾクゾクするような言葉を投げかけられながら片方の手で胸を揉まれ、もう片方の手でアレを弄られるそんなシチュ
胸を揉まれながらアレを弄られるっていうのが両性具有の利点

海未に好意を寄せていたμ'sメンバーの誰かが「私の方が海未(ちゃん)を愛してるんだからっっ!!」と言いながら穂乃果の目の前でうみみを犯すシチュとか興奮するやん?

無難かもしれないけどふたなりに戸惑いながらさぐりさぐりのほのうみの両思いラブラブ初エッチ見たい……穂乃果が若干リードする感じで


自分の身体に嫌悪感を抱いて憔悴していく海未ちゃんと海未ちゃんなら何でも受け入れてくれる穂乃果が見たい

>>42
ちょうどお泊りは書こうとしてました。ありがとうございます。

30日目


 ほとばしる性欲を抑えた海未は、練習着から制服へと着替えていた


海未(トイレという狭い空間で、あんなことをしてしまって……制服についてない、ですよね)


海未「大丈夫そうです」




絵里「――それは良かったわ」


海未「っ!?」



 トイレから出て、部室に向かう途中の海未と出くわしたのは絵里。

 もうすでに帰る準備が出来ているようだった。



絵里「なにか体調が悪かったりするんでしょう?」




海未「い、いえ…」

絵里「そう?あ、なら明日空いてる?」


海未「明日は……」


海未(確か何もなかったはず、です。でも何か引っかかります……)


海未「確か、何もない、と思います」

絵里「本当?」

絵里「なら、今日真姫と一緒にウチに泊まり来ない?」


海未「え? ど、どうして急に」


絵里「ほら、まだ私達三人だけ曲が完成していないでしょう?」


海未「ああ……確かに」

絵里「他のユニットはもう完成した、っていうのを聞いて、ちょっと焦っちゃって」


絵里「この通り! 海未と真姫の力が必要なのよ。お願い、出来ないかしら」

海未「ああなるほど、そういうことですか」


海未「わかりました。では今日一度帰って準備を整えたら絵里の家まで行きますね」


絵里「本当!? 助かるわー。あ、真姫はもうこのこと知ってるから」

絵里「じゃあ、待ってるわね」


海未「絵里!!」

絵里「ん?」


海未「そういえば、絵里の家を知りません……」

絵里「あー……。じゃあ、このまま私の家に来る?」


絵里「明日は休日だし。三人で私の家に来れば問題ないわ」


海未「そう、ですね。そうしましょうか」


絵里「じゃあ、外で待ってるわね」



◇◇

部室


にこ「ふ、ぁぁ……ちょっ、ちょっと…こと、りぃ……」


ことり「どーしたの?」


にこ「どうしたの、じゃないわよ…」

ことり「そろそろ慣れてきたりしない?」

にこ「む、りぃ……」



海未「あ、あの……これは?」

真姫「あぁ……気にしない方がいいわよ」




 海未が部室に入ってくると、背後からイスに座っているにこを抱きしめていることりの姿が目に入った。




ことり「にこちゃん、本当に首筋弱いんだね……」

にこ「うぅ……力、はいんない」


にこ「だいたいねぇ! 真姫ちゃんも穂乃果も助けなさいよっ!!」


穂乃果「楽しそうにしてたから」

にこ「楽しくない!!」

真姫「私に飛び火するから」


にこ「たまにはいいでしょう!?」


ことり「アイロンしてくれたお礼だよ♪」ツツツッ




にこ「ふぁぁ……」

にこ「だいたい……なんで、私なのよっ。私はノーマルだっていってんでしょ!?」


ことり「……私、男の人は苦手だから」


にこ「……?」



ことり「なんでだろうね、はは……」

にこ(なんかマズイこと言っちゃったかな……)

ことり「過去に何かあったわけじゃないんだよ?」


ことり「でも、なんとなく」


真姫「まあ、わからなくはないわよ。その気持ち」


にこ「……?」

真姫「私も男は嫌いだもの」



真姫「すぐ性的なことを考えるから」




にこ「あ、そうなんだ……」



にこ(え、なに。女子校だからってこと? 周りに女の子の方が好きな人がこんなに居るのは普通なの!?)

にこ(もしかして、私がアブノーマル……!?)

にこ(それは、ないわよね……)




ことり「あっ……もう帰らなくちゃ。穂乃果ちゃん、海未ちゃん、先帰るね!!」

海未「あ……はい」

穂乃果「じゃあねー」



にこ「やっと帰った……!」




海未(男がダメ……。私は、今の私は、どちら、なのでしょうか……)




穂乃果「海未ちゃん、どうしたの暗いよ?」


海未「あぁ……穂乃果。いえ、なんでもありません」




穂乃果「ねえねえ、今日、泊まり来てくれる、よね?」コソコソ


海未「え……どうしてです?」




穂乃果「えっ……覚えて、ないの?」

海未「え……?」

穂乃果「今日で付き合って、三ヶ月、だよ……?」コソコソ


海未「あ……」



 忘れて、いた。と、同時に思いだす。先ほど引っかかっていたのはこのことだったのだろう。


海未(最近、色々ありすぎて……忘れて、いました)


穂乃果「忘れて、たの?」


 今にも泣きそうな、穂乃果の表情は海未の胸に突き刺さった。



海未「ご、ごめんなさい!!本当、ごめんなさい!!」




真姫「……?どうしたの、2人とも」



海未「あ、いや……」




穂乃果「じゃあ、今日泊まりに来て欲しいな……いっぱい、色々なこと、したいな……」

穂乃果「海未ちゃんが良ければ、だけど」



海未「き、今日、は……」

海未(今日はさきほど絵里に誘われて……でも、穂乃果は恋人……)


海未(でも……絵里にはもう約束、してしまいましたし)


海未「ごめん、なさい……」

海未「絵里に、誘われてまして。曲作りのこと、で」


穂乃果「っ…………そっかぁ……」


 顔を俯かせて、唇を噛む穂乃果。そこに笑顔はない。



 しかし、海未が声をかけようとした瞬間、穂乃果は顔を上げる。

 満面の笑みだった。




穂乃果「しょうがないよね!!大丈夫だよっ!私がもっと早く誘ってれば良かったんだもんね」


 極めて明るく、いつもの穂乃果を、穂乃果は演じていた。心の中は土砂降りの天気、なのに。

海未「っ……申し訳ありません」


穂乃果「大丈夫だって。µ’sの活動だもんね? 仕方ないよ」


穂乃果「じゃあ私、もう帰るね!!」


 海未に勢いよく背を向けて穂乃果は出口に向かう。



海未「穂乃果っ!」


穂乃果「っ……」

穂乃果「明日、明日は泊まり来てくれる?」


海未「はい……約束します」



穂乃果「嬉しい、な」


穂乃果「待ってるから」






バタン

真姫「なにかあったみたいだけど……いいの?」


海未「……はい」


 良くない。良くない。海未の心はそう叫んだ。しかし、先に約束したことを捻じ曲げられるほどの強欲さは持ち合わせていない。


 穂乃果が一番大切。だが、絵里や真姫もµ’sのメンバー、だから。



真姫「何があったか知らないけど、穂乃果を傷つけちゃダメよ」



海未「分かっています……」



真姫「じゃあ、私達も行きましょうか。絵里が待ってるわよ」

にこ「なに? お泊り会でもするの?」

真姫「ええ、ほらこの前決めたトリオでの曲作りを」



にこ「あぁ……私と希はすぐ終わらせたからねえ」


真姫「にこちゃんが曲なんて作れると思わなかったわ」


にこ「にこにーはなんでも出来るのー!なんてたって宇宙No――」


真姫「――じゃあね」



バタン





にこ「ちょっとまてぇー!!」




 扉の奥からはにこの叫びが聞こえたが、海未と真姫はそれを気にすることもなく、外にいる絵里の元へ向かった。

◇◇


 ――soldier game――




海未「おじゃまします」


真姫「おじゃましまーす」


絵里「いらっしゃい」


海未「そういえばアリサちゃんは?」


絵里「友達の家に行ってるわ。あの子がいると色々迷惑かけそうだしね」


海未「なるほど」



絵里「部屋もあんまり大きくはないけど、我慢してね」


真姫「このくらいが好きよ」



絵里「真姫の部屋は広いものね」


真姫「いや広くてもあんまり……どうせ一人だし」

海未「じゃあ始めましょうか」


絵里「と、その前にご飯食べてないでしょう?」


絵里「私、作ってくるわね」


絵里「あっ!歌詞考えるのよろしくねっ!」


海未「……」

真姫「……」




海未「まあ確かにお腹は減っていますが」


真姫「歌詞を私たちに考えさせたいだけね、アレは……」



海未「まあどうせ三人でやるんですから、私達も協力しましょうか」



真姫「そうね」


真姫「多分、ロシア料理、よね」

海未「……まあそうでしょうね」



海未「ええと、確か曲名は決まっているんですよね?」




真姫「――soldier game」

海未「なるほど。そうですね……なら……」




真姫「……?」



海未「真姫……私のこと、もっと、知りたくありませんか?」


真姫「……は?」


海未「私には、秘密が、あるかもしれません」グイッ


真姫「ちょっ……な、なによいきなりっ」

真姫「ち、近いわよ……」

海未「……」

真姫「海未……な、なによ」ドキドキ



海未「……ねえ真姫。私と、来ませんか?」

真姫「え……」

海未「もし、そうなら」


海未「――それは、恋、なのかも」




真姫「っ……」キュン

プールに行くことになっちゃて、必死に勃起を我慢するとか、オナホールで容赦無く絞りとられるとか
紐やリボンできつく男性器を縛られて射精我慢とか、海未ちゃんが出した精液を海未ちゃんになめさせるとか
夢は無限大ですね

海未「――こんな感じでどうでしょう」

真姫「は……?」


海未「歌詞のことです」


真姫「……」

海未「……?」


真姫「あなた……歌詞のことになると普通とは違う感じになる、のね」


海未「そうですか?」



真姫(なんだか……少しかっこよく、見えたような)



真姫(……そんなわけないか)


真姫「まあいいんじゃないの。そのなんか背徳的な感じ?よくわかんないけど、そんな感じでアレンジすれば」




海未「本当ですか?」


真姫「本当よ本当」



絵里「出来たわよー」




 絵里が運んで来たのは、案の定ロシア系の料理でした。



真姫「あ、やっぱりロシアね」


 
絵里「分かっちゃった?」

海未「はい」



絵里「まあ私の外見的特徴を生かさない手はないしね」

真姫「んぅ……」



 真姫は胸のところのダボダボ感を気にしているようだ。


真姫「絵里の私への嫌味かしら」


海未「それは……まあ……」


真姫「まったく、秋だってのに暑いったらないわね」


 胸元が見えないギリギリまでファスナーをあけて涼をとろうとする、真姫に海未の視線は奪われていた。



  海未の隣に座る真姫は浴室からあがってきたばかり。



 パタパタと扇ぐ真姫の良い香りが海未の鼻腔を刺激する。


海未「っ……」


真姫「どうしたの?」

 少し前かがみになる真姫の体制。海未の視線から見えるもの。それは控え目な胸ながらも、真姫の腕によって作られる谷間だった。



 加えて、少し濡れている髪の毛が首筋や頬にくっついてどこか艶かしい。




海未「だめっ……」


 必死で耐えた。必死で。




海未「……っ、ごめんなさい、ちょっと、トイレ行って、きます」


真姫「え? あ、うん」



◇◇


 さっきは危なかった。

 シャワーを浴びながら自己嫌悪に陥る海未の表情はやはり暗い。




 シャワーの温度を下げて水を浴びているのは、暴走しそうになった陰茎を収めるためと、自分への戒め。


 人の家で自慰行為をするわけには、いかない。



海未「耐え、ないと」


◇◇


絵里「ふぁぁ……眠くなってきちゃった」

海未「でも、まだ完成していませんよ?」




真姫「まあ今日で他のグループとの差は小さくなったと思うしいいんじゃない?」



海未「まあ確かにそうかもしれません」


絵里「じゃ、寝ましょうかー」


絵里「あ、私は下で寝るから真姫と海未はベッドで寝てね」


真姫「えっ!?」


真姫「2人寝れるの?」


絵里「うーん、シングルだし、女の子2人ならなんとかなるんじゃないかしら」



絵里「セミダブルなら余裕なんだけれど……ごめんなさいね」


絵里「でも、確か2人とも寝相良かったはず、だし」


絵里「特に海未なんか」

海未「まあ……」


絵里「じゃあ早くベッド入って!」

海未「……」



海未「真姫からどうぞ」


真姫「え、ええ……」




 真姫がベッドの中に入ると、いよいよ海未の番だ。




 ただ、見る限りここに二人で寝るとなるとかなり密着しそうでもある。


海未(抑え、ないと……)


海未「失礼、します」





真姫「腕とか……くっついちゃうわね」


海未「はい……」

真姫「その……なかなか恥ずかしい、んだけど」


海未「わ、私もです」



 穂乃果ともここまで近づいて寝たことはない、のにもかかわらず何故真姫とはこんなにも近づいて寝ているのか。


 穂乃果の悲しそうな顔を思い出してしまう。




海未「……」


絵里「電気消すわねー」


 パチッ。



真姫「あ、あの、海未、あんまり寝息とか、聞かないで……」


海未「は、はい……」


真姫「恥ずかしい、から」

海未「真姫の寝息なんか気になりませんよ」



真姫「うぅ……も、もう寝る!!」




海未「あ……おやすみなさい」

 そう言って真姫は海未に背中を向けた。

絵里「そういえば、海未。長く起きてるようになったわね」


海未「そうですか?」

絵里「前なんか一瞬で寝てたのに」

海未「確かにそうだったかもしれません」



海未「色々とあったので」


 穂乃果と恋仲になって以降、夜更かしをすることが増えた。夜遅く穂乃果の家に向かったり、電話をしたり……。


海未「穂乃果……」





絵里「私も寝るわ。じゃあ、おやすみ」


海未「おやすみなさい」

◇◇



 周りの音は人の寝息。真姫の寝息。すぅすぅと静かな寝息。それは子守唄にでもなりそうなほど、リズミカルに心地よい音だった。


 しかし、海未は全くといっていいほど眠気がなかった。



海未「うぅ……」



海未(真姫がくっついて、眠れません)


海未(寝相は良かったはずなのに、なんで)



真姫「んんぅ……すぅすぅ」


 さきほどから真姫が寝返りをうち、海未に密着している。


 むにゅむにゅ。



海未「っ……!」



海未(真姫が動くたびに、胸が、当たって……)

海未「はぁ……はぁ……」


海未「真姫を、どかさなければ」

 どんどんと目が冴え渡る。血液が活発に循環するのを感じる。

 そしてそれらの血液が集まるところは一つ。一つしかない。




海未「だめ……おっきく、ならないっで、ください……」

 海未の願望も虚しく、どんどんと海未の掛け布団の股間部分が膨らんでいった。




海未「はぁ……はぁ……収めなきゃ……」





 自分は興奮している。さきほど湯船からあがってきた真姫の時はなんとか、抑えこんだ。



 モゾモゾと海未が動くと、海未のペニスが掛け布団の布にこすれて、快感へと変換される。

海未「ぅぁ……」


 限界だった。


  海未は下のパジャマとショーツを膝下のあたりまでずりおろし、勃起したペニスを触る。

海未「本当に、ごめん、なさい……」



真姫「うぅん」



 不意に真姫は海未から離れ、海未の身体は自由になる。




 仰向けだった身体を真姫の方に向けて横にする。真姫も横を向いているのでまるで向かい合っているかのようだ。



海未(綺麗な顔……)


 至近距離で見つめる真姫の寝顔は見れば見るほど綺麗に見えてくる。





 海未のペニスはさらに勃起し、真姫の太もも辺りに当たっている。竿の部分に刺激を与えながら、布の擦れる感触に海未の顔はとろけていく。



海未「うぅぁ……ぁん、やっ……やっ……」



 漏れてしまいそうになる声を必死で抑え込む。こんなことがばれたら終わりだ。私はµ’sにも入れなくなる。




 穂乃果という恋人がいる。いけないこと、こんなことはダメなこと。


 それを知っていてもなお、背徳感からか、海未の亀頭からは泉のように淫液が垂れ流されていた。





海未「あっ……擦れ、て」



 真姫が太ももを動かすたびに快感が伝わる。真姫の太ももはもうすでに染みが出来ているほどに濡れていた。




絵里「――ねえ、なにしてるの?」

海未「っ……」



 海未の動きが止まる。



 絵里は起きていた。たまたま目が覚めた時、海未のうめき声が聞こえたのを聞き逃さなかった。



海未「ちょっと、眠れ、なく……んぁっ…!!」




 ここで何の応答もなければ、絵里はただの寝言とでも勘違いしただろう。

 選択を誤った。



  海未は絵里が起きていたことに気がついて、動きを止めるも、真姫はそんなことお構いなしだった。



 眠っている人に状況判断なんて出来るはずがない。


 掛け布団の下で情事は行われている、まだ、まだ気付かれない。




絵里「ねえ、大丈夫?」


海未「あっ……んぁっ、大丈夫、大丈夫です、から……」

 絵里は静かに立ち上がり、携帯電話のライトで海未を照らした。




絵里「すごい汗じゃない」


海未「ほんっとに、大丈夫っ……らぁっ……んハァ……」


海未「暑いだけですから」



 絵里は、海未の腰辺りが仕切りに動いていることに気がついた。


絵里(……海未?)


絵里「ごめんなさい、クーラーつければよかったわね」


絵里「とりあえず、布団剥ぐわね? 真姫を起こさないように……」

海未「ちょ……大丈夫、大丈夫ですからぁ……」



 そして、問答無用とでもいわんばかりに布団に手をかける。



海未「や、やめっ――」


 海未と真姫の足付近の布団を、剥ぎ取った。


絵里「ん? な、なに……なによ……これ……」


絵里「なんなの!? これ!」



 絵里の携帯電話のライトが、海未の膨れ上がっている陰茎を照らす。

 露わになってしまった、海未の痴態。

 女の子についているはずがないものが付いている。

 絵里は言葉を発せなかった。




絵里「……」



海未「っ……誰にも、誰にも言わないで、下さい」




海未「お願い、します」




絵里「これはなんなの?」


海未「わかりません……ある日急、に……」




絵里「ふぅん」

 絵里は海未の奇々怪々なものについて、それ以上追求はしなかった。

 このようなものがついている、今はそれだけで十分だった。




絵里「いま、何をしていたの?」


海未「……収めよう、と思って……」



絵里「オナニー、してたの?」

海未「っ……」


絵里「へぇ……」


 絵里は海未の顔と陰茎を交互に見つめたあと、少し笑った。


 何か面白いものを見つけたかのような笑い。


 絵里は腰を屈めて、真姫の方を向いている海未の後ろから囁く。

絵里「人の家でこんなことしていいと思っているのかしら?」



 その言葉とともに絵里は海未の陰茎に手をのばす。


絵里「おっきい……こんなに、おっきく、なるもの、なの?」


 海未が抵抗しようと、ベッドから起き上がろうとするが、肩を固定されて動けない。




絵里「抵抗するの? そんなことしたら、誰かに言っちゃう、かも」


海未「……」


 海未にとって最高で最強の鎖を絵里は巻きつけた。


絵里「ねえ、なにしてたの? こんなにおっきく、して」

海未「……」


絵里「答えて」


海未「自慰、行為を……」


絵里「なんでこんなになったのかしら? 真姫?」


真姫「すぅ……すぅ」


絵里「真姫をオカズにして、こんなことしてたの?」

海未「は、い……」


絵里「ふふ……最低じゃない」




 絵里は自分の口からこんな言葉が出てくるとは思っていなかった。海未の羞恥に歪む顔、どくどくと脈を打つ陰茎を見ていたら自然と出てきた言葉だった。





海未「ふぁっ……絵里、やめ、てください……はぁっん……んぁ」

絵里「私のパジャマを濡らして、どうしてくれるの?」


絵里「人の家で、真姫をオカズにして、こんなことされてる気持ちはどうなのかしら」


 溢れでる淫らな液を陰茎全体に塗りつける。



絵里「ん……すっごい、熱い……気持ちいい、の?」



海未「ふぁっふぁっ……んぁっ、え、りぃ……」



絵里「せっかくこんなに擦って上げて解消してあげようとしてるのに、どんどんとおっきくなられちゃ困るんだけど?」



絵里「はぁ……はぁ」



 くちゅくちゅと絵里が手を動かすたびに淫靡な音が空間を支配する。




 それは絵里の心を高めるには十分で。海未の羞恥に歪む顔とあいまって、絵里自身も興奮が抑えられていなかった。

 絵里の長い指がペニスに絡みつき、刺激を与えていく。



 初めて与えられる他人からの刺激。自分でやるのとは一線を画すその快楽は、海未の思考回路を焼き切っていた。



海未「あぁあっんんゆっ……いゃぁ……やめ、やめっ……くっはぁっ」


海未「起きて、しまいます。真姫、がぁ……」


絵里「はぁはぁ……そうしたら、その時よ? 嫌なら我慢しなさいよ?」



絵里「ほら、ちゃんと真姫の顔を見なさい」



 気分の高まりとともに、絵里は命令口調になっていた。海未をどうとでも出来る現在の状況。




海未「そん、なぁっ……!!」




 絵里の手は早くなっていく一方だ。海未の陰茎はピクピクと痙攣を始め、最早限界の状態だ。

絵里「イっちゃうの? 人の前なのよ? それもµ’sの仲間をオカズにして?」


海未「いゃぁっ、本当にぃ……やめて、……やめて、下さい」


絵里「精液、出そうなの?」



海未「あっ!!あっ、あっッ、出る、出る出ちゃいますっ……絵里、やめて、手を止めて下さいっ!!」

 絵里は手を止めない。




海未「あっ!! あッや……や……でるでる、でちゃぃ……まっッ、ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ……!!」





絵里「きゃっ!! す、すごい……」



 海未の陰茎から放たれた掛け布団がかかっていない真姫の太ももから腹辺りまで、至るところへ拡散した。


 なかでも太ももの被害は甚大で、ぐしょぐしょになってしまっている。


海未「はぁ……はぁ……」


絵里「あれ……イッちゃったわね」


海未「ふぅ……ふぅ……」


 まだ射精による快楽が抜け切らず頭がぼーっとする。


絵里「大丈夫?」


海未「は、はい……はぁはぁ……」





絵里「今日はこれで満足でしょ? 私もなかなか眠たいし」




絵里「このことについてまたあした色々聞くわね」


海未「……」




 絵里はそう言って床に敷いてある布団に入っていった。




海未(どう、しよう)

 見つかってしまった。それも、こんなことをしているところを。



 穂乃果以外の人にこんな気分になって、最低だ。


真姫『男は嫌いよ。すぐ性的なこと考えるから』

海未「っ……」


 真姫の言葉が心に突き刺さった。




海未「私は、私は、女なんでしょうか」

 こんな身体になって、当然の疑問。一体、どうなっているのか。





 恋人、穂乃果の顔が浮かぶ。


海未「ごめん、なさい……穂乃果……」


 そのまま海未は目を閉じた。

今日はここまで。次はいつになるかわかりません。辛いです……ドロドロが好きすぎて。


皆様のシチュがとても参考になります。そのおかげで展開が思いつくこともありますので、引き続きよろしくお願いいたします。

両性具って金玉ないから精液でなくね

>>112
し、真性半陰陽ということにして下さい……あと睾丸は内部に出来たとかで解釈して下さい……まあファンタジーですから!

性欲を我慢しすぎて、または薬を盛られて本能のままにレイプしちゃう海未ちゃん
性欲に流されて、だんだんと穂乃果をないがしろにしてしまう海未ちゃん
バイブとかで逆に入れられてしまう海未ちゃん
可能性は止まらない

◇◇

31日目





絵里「ちゃんと拭き取ったの?」


海未「はい、一応は。でも、太もものところは少し量が多くて……」



海未「真姫に気がつかれてしまったら……」


絵里「へえ、そう」




絵里「――海未、また興奮してたんじゃない?」

絵里「真姫にもこういうこと、されたいの?」

海未「そんなわけありません!」





絵里「そんなに真姫の身体が好きなの?」



海未「そ、そんなことは……!!」

絵里「じゃあ、なんでこんなに大きく、してるのかしら」


 真姫についた海未の体液を海未自身が拭き取る、それだけで海未は性的興奮を覚えていた。

 テントのように膨れあがった海未のペニスを絵里はパジャマの上から触れる。


 寝室から離れて、廊下で情事は行われる。




絵里「あら、もうぐちょぐちょ……服の上からなのに、染みてる、わよ?」



海未「うぅ……」


絵里「それにしても、どうしてこんなものが海未についているの?」


海未「私にも、わからなくて……ある突然……」

絵里「ふぅん、不思議ね」




 言葉では不思議というが、対して不思議そうな顔は見せない。絵里の今の興味は服の下でピクピクと蠢いている陰茎にあった。



絵里「昨日あんなに出したのに、もうこんなになっちゃったの?」




海未「ふぁ……触らない、で下さい……」

絵里「昨日は暗くてよくわからなかったもの」


 絵里は腰を屈め、膝立ちの状態で海未の陰茎に顔を近づける。

絵里「脱がせるわよ」



 パジャマとショーツを同時に脱がされ、肥大化したペニス。


絵里「ほんっと……おっきぃ……」



 パンパンに膨れあがった亀頭。充血した陰茎が絵里の方を向く。


 昨日のことがフラッシュバックする。絵里自身が興奮状態になるのも早かった。



海未「……恥ずかしいです、見ないで、下さいっ……」


絵里「へぇ……」

 羞恥に歪む羞恥表情。絵里の劣情を加速させる。



 ペニスに手を絡ませ、目と鼻の先でその動きを観察する。


海未「うぅ……んはぁっ……絵里ぃ……」


絵里「海未、こんなにエッチなお汁出てきてるわよ? 気持ちいい?」

海未「ふぅッ……んはぁ、んんんっ、ああぁっ」





 絵里の目の前でどくどくと液を分泌する海未のペニス。

 強烈な男性器の匂いに、絵里の理性は既に崩壊していた。



絵里「はぁ……はぁ……ねえ、口に入れても、いい?」


海未「っ!? だ、ダメですよ!!」



絵里「我慢、出来ない……」


絵里「あむっ……んんっ……ちゅぷ、ちゅぱ……んぁ……んんぐぅ」



 海未の抑制など、効力があるはずもなかった。


 絵里は自分の欲望のままに海未の陰茎をその口に頬張る。

絵里「んぁっ……海未の、おっきい……んんんぐぅっ」


 海未の大きすぎるペニスは、絵里が精一杯加えても半分も入っていなかった。


 口の中に海未の先走った液体が注がれる。少しほろ苦いその味が絵里をさらに高ぶらせた。


 ――もっと、もっと欲しい。


 海未も初めて味わう、人の口。絵里の舌が動いて裏筋や亀頭を的確に刺激する。



 絵里は自分の秘部から愛液が流れでているのを感じていた。


 右手で海未の陰茎を擦り、頭は海未の陰茎欲しさに激しく振った。
 そして左手では自分の秘部に服越しに刺激を与える。



絵里「んんぅ……ッ……あぁっ、海未ぃ……出して、出してっ、私の、口にぃ……」







海未「はぁっ……絵里、気持ち、いぃ……ふぁっあぁっあぁ……」



絵里「んごぉ……がっはぁ……んんぅうぅ……ぎぃっ……」




 絵里の口により持たらされる快楽は海未の理性をゆうに吹き飛ばしていた。絵里の口には半分ほどしか入っていなかったため、海未は自分から腰を前に突き出した。



 苦しそうなうめき声を上げる絵里のことはもうすでに見えていない。

 
 奥まで突っ込むと、喉の辺りペニスが締められる。




 もっと、もっと、絵里の口を犯す。ただ、これは自分の快楽の為に。



海未「ぁっ……ぁあ……出るッ、で、るぅ……っっ!!!!」


絵里「んっ!? んがぁ……んーっんーっ……!!!」


 精液が尿道を突き抜ける絶頂に、視界が揺れた。



 絵里の口の中で痙攣をするペニス。しばらく身体を動かすことが出来ず、ペニスでいっぱいになった絵里の口の端からは、精液が溢れ出ていた。




海未「っ……すみません!! 本当、ごめんなさい!!」


海未「私、私……!!」




 我に帰った海未はすぐにペニスを引き抜き、絵里に謝罪をする。



絵里「ごほっ……こぼっ……げほっ……げほっ……うぅ……」


海未「本当に、すみません……!!」


海未「何も、むりやり飲まなく、ても……!!」


絵里「いい、のよ。別に大丈夫」
 



 また快楽に負けて、しまった。



絵里「美味しかったわ……ありがとね。でも、まだ……」


海未「え……?」



絵里「海未のおちんちんベトベトよ? 綺麗にしてあげる」

 絵里は海未の陰茎を再度口に運ぶ。


絵里「ちゅる……ちゅっ……ぁぁん」


  尿道に残った精液を絵里は熱心に吸い出す。絵里の舌が尿道に当たるたびに海未は快楽に悶える声をあげた。


海未「ふぁぁっ!!! ダメ、ダメですっ!! 出した直後、はっ……んぁぅっっ」

絵里「んちゅ、んぐっぅぅう……あっ、あぁあぁっ」



 絵里はまたしても自分の秘部を刺激していた。海未の精液を見ると、興奮が高まってしまう。



絵里「ふぁっ、またおっきく……」




 絵里の口でのお掃除により、再び興奮状態に堕ちていく海未の精神。陰茎が刺激を欲して小刻みに動いていた。


絵里「……」



海未「絵里……?」



 絵里は何故か陰茎への愛撫を中止し、自らの服に手をかけた。


絵里「――私も、気持ちよくなりたいな、なんて」


 そして絵里は上半身の服を脱ぎ去った。当然寝ていたので下着はつけていない。


海未「っ……!!!」


 海未は何が起こったかもわからないまま目を強く閉じる。



 見てはいけない、見てはいけない。


海未「な、なにしてるんですか、絵里!!」





絵里「ねえ海未、目を開けて? 私の胸、見て欲しいの」


海未「っ……服を服を着て下さい……」

絵里「ねえ、私の裸くらい見たことあったわよね? どうしてそんなに嫌がるの?」



海未「それっ、は……」


絵里「私の裸見たら、興奮しちゃう?」


 歯を食いしばり震える海未。その対応はやはり無言の肯定。




絵里「ふふっ」


 絵里は海未の腕を掴み、半ば強引に自身の胸を触らせた。

絵里「はぁはぁ……ねえ? どう?」


海未「ぅっ……ダメ、です。やめて、下さい……」



 µ’sのなかでもトップクラスの乳房を持つ絵里の胸に触れるのは初めてだった。


 絵里は海未に自身の胸を揉ませながら、陰茎への刺激を再開する。



絵里「……真姫も起こしてこのおちんちん見て貰う?」


海未「っ!! それは、それだけはっ!!」


絵里「なら触って?」



 そうなれば、あとは海未が弱くなる一方。


 次第に絵里が手を動かさなくても、海未自身が絵里の胸を自発的に触るようになっていた。




絵里「はぁ、んぁ、やっと自分からやってくれた……嬉しい……」



海未「ぁっ、んぁっ、ああっ、やっ、やっ……ッ……あぁんっ」



絵里「ねえわかる? 私、海未のおちんちん触ってえっちな気分になっちゃったの……」



 海未が乳房を触っていると、時々硬いものが手にふれる。



 白人の遺伝子を受け継いだ、桜色の二つの突起がピンと上を向き、刺激を求めていた。

絵里「海未、もっとっ、もっと、触って? んぁっ、めちゃくちゃにして!!」


海未「や、やっぱり、こんな、こと」



 少しでも刺激を抑えようと、目を閉じている海未だったが、手から伝わる絵里の胸の感触。陰茎へ浴びせられる絵里の吐息。

 徒労にすぎないことだった。




絵里「じゃあなんで、こんなにえっちな液体がどんどん出てくる、のかしらっ!!」


海未「言わっ……ないで。んはぁっ……絵里、また……やめっ、やめっ、やめて、ふぁあっッ」



絵里「気持ちぃぃ、のよねっ? そうなのよね、おちんちん、こんなにピクピクしてるっ」

海未「ぅぁっ……」



絵里「ねえ、手を休めないで。私も気持ちよくしてくれないと嫌」




 絵里は手を止める。それは自分を気持ちよくしてくれないと、続きはしない、という合図だった。

 海未は射精直前に手を止められたことで、もうどうしようもない感情で溢れていた。



 ――出したい、出したい、出したい。
 ――昨日みたいに、さっきみたいに。




絵里「ふぁっ!! いいわよ、海未、その調子、んんっぅ!!」



 途端に強くなった胸への刺激に、絵里も声を抑えられなくなっていた。



絵里「ねえ、私のここ、硬くなってるのわかる?」



絵里「んぁっ……ここ触ってくれると、もっと私、気持ちよくなれると思う、のぉ……」





 海未はそう言われると、今度は二つの突起に手を伸ばした。



絵里「あっあっ、あっ、はぁぅんっ!! 気持ち、いぃ……海未の手がクリクリってぇっ……!!!」



 絵里は海未に硬くなった突起を刺激させ、自身では左手で下着越しに秘部を刺激した。

 ショーツから溢れでた愛液は太ももを伝って床へ流れ落ちていく。


絵里「海未も、気持ち、よくなってぇ!?」


海未「ふぁっ、あっ、絵里、絵里ぃっ!!」

 顔をペニスに近づけ、ピクピクと痙攣するペニスと匂いに絵里の手がさらに早くなる。

 ――欲しい、欲しい、精液が欲しい。


 昨日の一件と、朝のこの行為。すでの絵里は海未の陰茎と精液に夢中になっていた。



海未「だめっ、だめっ、です、んはぁっ……んぁっ、あっ、んんぅっ!!!」



絵里「イキそうなの? 出して、思いっきり顔にかけて?」


海未「あっあっ………んぁあぁっ……やっ、やっ、やめて、やめてやめてやめてやめてっっ」





海未「イクっ、イクっ、イっちゃい、ますからぁっっ。あっあっ、ふぁあぁっ、……あっ……あああああああぁぁぁぁぁぁッッッ!!」





絵里「ふぁぁぁっ………!!」



 絵里の手によって放たれた精液が、絵里の顔や髪の毛に噴射される。
 その量は一回目とほとんど変わらず、絵里の顔を白く染めあげていた。




絵里「ふぁ……いっぱい、出たわね」




 目の辺りについた精液を手にとり、ぺろりとそれを舐める。一瞬苦さに顔を歪めるが、すぐに恍惚とした表情を作り出していた。

絵里「すっごぉぃ……」


 射精によって一通りの筋肉が痙攣し終わった後、ヘナヘナと海未は座りこんでしまった。

絵里「大丈夫……?」


海未「もう……いや、です……」


海未「絵里、もう、こんなこと――」




真姫「――絵里ー? 海未ー?」



 不意に聞こえてきたのは真姫の声。

 その声は寝室から来るものだった。朝起きたら他の二人がいないことに不思議に思ったのだろう。



海未「っ!?」

絵里「起きたの!?」



絵里「とりあえず、洗面台行くわよ!!」



海未「ぁ……絵里ぃ、力が、入らなく、て」


絵里「ああ、もう!!」



 絵里は海未を強引に引っ張って洗面台に向かった。


◇◇


絵里「海未はシャワー浴びてて」


海未「絵里は?」


 現在の絵里の顔は海未の精液だらけだった。



絵里「……洗えばとれるでしょ!」

 さあ早く、といわんばかりに絵里は海未を押し込んだ。


 急いでバシャバシャと顔に水を付けて行く。

 粘性の高いものは少し落ちにくい。




真姫「んぅ~、なにしてるの?」


 まだ眠そうな目を擦りながら真姫が洗面台に入ってきた。


絵里「いや、ちょっと早く起きちゃって!」


絵里(よし、落ちた!)

真姫「ふーん」


真姫「お風呂に入ってるのは海未?」

絵里「そうよ、なんだか暑くて眠れなかったみたい」


真姫「私が寝てる時にくっ付いたりしてたかな……」



真姫「ん? クンクン……なんだか変な匂いがするような……」


絵里「え!? そそそそそう?」


絵里「あー、汗とかの匂いかしら!私もシャワー浴びないとね!」

真姫「……なにそんなに慌てているの?」ジト




真姫「……髪の毛になんかついてる」


 真姫は絵里の金髪についていた、精液に手を伸ばす。

絵里「ちょっ……!」


真姫「うぇぇ……なにこれ、ネバネバ……」

絵里「顔を洗った時に、洗顔フォームがくっついちゃったの!! ありがとね! とってもらって!!」


真姫「まあ、いいけど」


 早く終われ、この不自然なことを追求してくる真姫のターンよ終われ!

 そんな願いも虚しく、真姫のターンは続く。


真姫「あと、朝起きたら、なんだか太もものところがカピカピになってたんだけど……これ、なに……?」


真姫「変な匂いもするし……」

絵里「あ、あ……それは」


 絵里は頭を抱えた。
 見る限り、海未の出した精液の量が多すぎて、気のせいだと誤魔化せないレベルまでカピカピとしている。



海未「洗剤か何かの洗い残しじゃないですか?」


 風呂の中から海未の助け舟。


絵里「え?」

海未「ほら、洗剤が洗い残されていると、時間が経つと浮き上がってくるじゃないですか」


絵里(え……そんなこと……なるほど!)


絵里「そうよ真姫。あんまり洗えてなかったみたい。ごめんね?」


 そんな事実は決してない。仮にあったとしても洗い残しレベルでここまで白くカピカピとする訳がない。



 海未は真姫が洗濯などをしたことが無いと踏んで、その無い知識と真姫のプライドの高さに賭けたのだ。


真姫「……?」



絵里「あれ? もしかして知らなかった?」

真姫「っ!! 知ってるわよ! 当然でしょ! ただ確認の為なんだから!!」



 そしてその賭けは成功した。


◇◇


 穂乃果の家の前。私は絵里の家から帰った後一通り準備をしてここまで来ました。


絵里『学校でも、してあげるわね』

 絵里の家からの帰り際にそんなことを言われました。

 あんなことをしておいて、私は穂乃果の家に穂乃果に触れる権利なんて、あるのでしょうか。


 もう、こんなこと、辞めない、と。



 まあとりあえず、穂乃果の家に入らなければ。

 二日連続の外泊とは……こんなこと初めてですね。


海未「穂乃果ー?」


穂乃果「海未ちゃん! いらっしゃい!」



 穂乃果……穂乃果の笑顔は私を出迎えてくれました。

 私は少しの後ろめたさを感じつつ、穂乃果の部屋に向かいます。



海未「はい、穂乃果お土産です」


 私はまた穂乃果の好きなケーキを買ってきていました。それは昨日来れなかったお詫びもかねて。


穂乃果「……」


海未「あ、あれ。嫌いでしたか?」

穂乃果「ううん、大好き」

海未「それは良かったです」




穂乃果「――物で釣るの?」


 そう言った時の穂乃果の顔はまるで別人でした。キラキラ光る笑顔を振りまく、高坂穂乃果とは、別の人間。


海未「ぁ……」


穂乃果「……ふふっ、じょーだんだよー!」

穂乃果「本気にしないで? 美味しそう! ありがとね!」


穂乃果「うーんっ!! おいしぃ!」


海未(冗談には、聞こえません、でした……)


穂乃果「あれ、私の分しか買って来てないの?」

海未「え、ええ……私はお腹がいっぱいなので」


穂乃果「あ、そうなんだ……。じゃあ、はいあーん」

海未「え……!?」

穂乃果「ほら、あーんだよ、あーん」


海未「う、うぅ……」


穂乃果「照れないでよー、恋人同士だよ?」

海未「あ、あーん……」



穂乃果「おいしいっ?」


海未「は、はいっ! ありがとうございます!」

穂乃果「もうー買って来たのは海未ちゃんだよ? 私がお礼言わなきゃ、なのに」


海未「そ、そうでしたね」


穂乃果「……間接キス、しちゃったね」


海未「……っ!!!」


海未「あ、あっ、ごめんなさい! そんなつもりはなかったんです!」


海未「あの……あの」


穂乃果「……」ギュッ


穂乃果「間接キスなんて何度もしてるよ?」


海未「ほ、穂乃果……?」


穂乃果「このまま、キス、しちゃわない?」


海未「えっと……」


 無理です。無理です。無理です。

 穂乃果の顔を真っ正面から見るなん、て。


穂乃果「……」

穂乃果「私から海未ちゃんにキスする、なんていつでも出来るんだ」


海未「……は、はい……」


穂乃果「でもさ、私、初めては海未ちゃんからしてもらいたい、なんて……」

穂乃果「ダメ、かな」





海未「まだ、心の、準備、が……」



穂乃果「そっ、かぁ……」


海未「ごめん、なさい」

穂乃果「待ってる」


穂乃果「私いつまでも、海未ちゃんを待ってるからね?」


海未「ありがとう、ございます」


 なんて優しいんでしょう。何もできない私を待っていてくれるなんて。普通なら愛想を尽かされかねないこと、なのに。


 自然と穂乃果に対しては私の男の部分は反応しませんでした。

 どうして、でしょうか。

 でもそれは好都合です。



海未「絶対、穂乃果だけには……」


穂乃果「え?」

海未「なんでもありませんよ」


 ――穂乃果だけには、私の汚い部分をぶつけないように、しないと。


 そう誓いました。

ここまでです。この時点でオーガズムの半分の文字数に達してしまって、非常に焦っております。長くなりそう…。このままだと無駄にレスが多くなるので1レスに対する文字を多くしておきました…

次はいつになるかわかりません。では。





33日目


昼休み 音楽室


真姫「最近曲作り多くない……?」

真姫「私だってそんなにポンポン思いつくわけじゃ……」


真姫「海未はどうなの?」



海未「あ……そ、そうですね」

真姫「……」

真姫(……なんか……さっきからよそよそしい……?)

真姫「ねえ、何か私に言いたいことでもあるの?」

海未「え? ど、どうして」

真姫「なんか、この前から変じゃない」

海未「そ、そんなこと」

 私が絵里の家であんなことしておいて、普通に接しろという方が、難しいです……。

 

真姫「まあどうでもいいけど」


真姫「あなたがどんなことを思っているかはわからないけど、私に何か気を使っているのならやめて」


海未「え……」


真姫「わかった?」

海未「は、はい……」

 何も知らない、から。すみません……真姫。


真姫「じゃ、始めるわよ」



真姫「とりあえず、完成したとこまで歌うから」


真姫「でもこの曲、なかなかキー高いのよね……」


海未「でも、真姫なら余裕ですよね?」

真姫「ふん、当たり前でしょ?」

真姫「ふぅ……」



 一旦深呼吸。ピアノに真姫の細い指が添えられます。


 ピアノに添えられている指が激しく動く。前奏が終わると、真姫の美しい声がこの音楽室に響き渡っていました。


海未(……本当に、綺麗)

 心が洗われて、癒される、ような。

真姫「ふぅ」


海未「……」


真姫「……」





真姫「だ、黙らないでよ!!」


真姫「歌った後になんも言われないと恥ずかしいに決まっているでしょ!?」


海未「――とても、綺麗でしたよ」


真姫「と……当然よ」


海未「そうでしたね」


真姫(にこちゃんとかならここで突っかかってきて対応するのも楽なのに、海未の場合普通に受け入れるから……)


海未「私は、幸せですね」


真姫「はあ?」



海未「――真姫の弾き語りを独り占め出来るんですから」ニコッ



真姫「は、はぁ!? ば、馬鹿じゃないの!!」カァァァァア


真姫「い、意味わかんないこと言ってないで、早く歌詞の続き書きなさいよ!!」


海未「そうですね」


真姫(さっきまでウジウジしてたくせに、なんなのよっ! なんでこういうことは真っ正面から言えるの!? イミワカンナイ! 馬鹿なの!?)ドキドキ



真姫(うぅ……あぁもう!!)
バンッ



海未「真姫……?」


真姫「な、なんでもないわよ!」

海未「そう、ですか?」

◇◇

放課後 練習前


海未「なん、ですか。こんなところに呼び出して」


絵里「んーいやー、どうかなって最近」

海未「どういう意味ですか?」

絵里「この休み中どうだった? 海未ちゃんの、下の暴れ馬の方は」


海未「……関係、ありませんから」



 実際のところ、海未自身下のモノに触れてはいなかった。そういう気持ちにならなかったとはいえ、モノ自体はお預けをくらっている状態。


絵里「はぁ……酷いわね……」


絵里「でも、これで分かるんじゃない?」チラ


 絵里は制服のボタンを二つほど、開け、前かがみの体制になる。

 その体制をすると、絵里の胸のサイズならば十分艶かしい谷間が形成されていた。


海未「な、なにをっ!」


 海未はすぐに横を向いて目を逸らす。


絵里「ふふ……」


 しかし、脳裏によぎるのはこの前の絵里との行為。

絵里「本当、純粋ね……」


 あの服の下を散々堪能したことで、逆に想像力が海未の劣情を掻き立ててしまった。

 目を閉じていて、直接見てはいないが、人の手によって自在に形を変える白い乳房。ピンと張った桜色の突起。それらを全て連想してしまう。




絵里「ちょっとボタン開けただけで、もうそんなにしちゃって」



 スカートを押し上げる海未の陰茎が、海未自身の性欲の溜まり具合を表しているようだった。

海未「こ、これは……違い、ます」


絵里「身体は正直、とは昔の人もよく言ったものね」


海未「や、やめっ……」


絵里「やっぱり、溜まってるのよね?」



 絵里は盛り上がっているスカートの上から陰茎に手を添え、クニクニとなぞりあげる。


絵里「相変わらずね」


海未「ふぅっぁ……」

 布の擦れる感覚。


絵里「すっごい、苦しそうよ? 大丈夫?」


 スカートを捲り上げ、ショーツから飛び出した陰茎の亀頭を人差し指でツンツンと突つく。



 絵里が人差し指を離すと、長く透明な液体が糸を引いた。


絵里「まだ、おっきくなってる……ふぁぁぁ……」


絵里「こんなにパンパンに腫れて……辛いわよね? 海未のおちんちん、私が楽にしてあげるわ」



絵里「またこの前みたいにやってあげるわね」


 スカートとショーツをずりおろし、下半身を露出させる。


 そして、海未の巨大なペニスを口に含むため、絵里は目一杯口を開けて、ペニスを迎えに行った。


絵里「んぐぅ……ちゅぱ、ちゅる、じゅッ……ぬちゃ……ぴちゃ、っ……ふぁん」



 絵里が目一杯ペニスを頬張ると、襲い来る快感に海未の腰はガクガクと震え出す。

 

海未「ぅあっ……やめ、絵里、んんんぅ……気持ち、よすぎ……てぇ……んんぅ、ふぅぁ……やめてぇ」

絵里「いっへ? いっへいいよぉ、ふみのおひんひん、おいひぃ……おいひぃよぉ……じゅる、ちゅりゅ、ぺちゃ……ちゅぅぅ」


 絵里が尿道内の淫液を吸い上げると、海未の尿道からは再現なくそれを埋めるために液体が分泌されていた。



 海未が初めて絵里に目を向けると、必死で海未のモノを頬張っている絵里の姿。まるで自分が支配しているかのような高揚感。



 海未は絵里の姿を見た途端に絶頂が近くなるのを感じた。




海未「あっっっ!!! いくっ……んくぅ……んぁぁっ、んぁ、ひやぁっ……絵里ぃ、絵里ぃっ!! で、で、るぅ……あぁぁっ……!!!」




絵里「んんぅっ!!! んんぁ……ごふっ……あぁ……ごくっ」



絵里「はぁ……はぁ。おいしいぃ……。海未の精液飲むと、私、すっごくエッチな気分になっちゃうの」
 



絵里「――ねえ、海未、本番、してみない?」


海未「はぁはぁ……ぅぁ……」

海未「ほん……ばん……?」




絵里「……えっとね、海未のおちんちんを私の――」






???「きゃああああああっ!!」


海未「!?」

絵里「!?」







にこ「――あ……」



ことり「えっと……」


にこ「は、はーい……」


 空き教室の出口から叫び声が聞こえた。その音の発信地はありえないほどに近く、もうそれを聞いた時には遅かった。



 悲鳴をあげたであろう二人が、教室の入り口で固まっていた。


絵里「あ……えっと、これは」


にこ「……あんた、たち、なにやってんの」


海未「ち、違うんです!!」

にこ「……あんたの、ソレ、なによ……」


 にこが震える指で指したのは、今だに屹立が止むことのない海未の陰茎だった。


ことり「ひぃ…………男、男の……」


 ことりは海未のソレを見た瞬間、ダラダラと汗を流して後ずさりを始める。


ことり「海未ちゃん……男、だったの?」


海未「違います!私は、私は女ですよ!!」



にこ「違うってなによ!!! このこと、みんなに言うからっ!!」



 にこが背を向けて走りだそうとした時、絵里の身体が動いた。



 にことことりの肩を出口から遠ざけ、自分は片方の出口の方に。


 そして絵里は、片方の教室のカギを閉めたのだ。






にこ「く……」

ことり「あ……ぁ」


 
 海未は二人が戸惑っている隙に素早く、ショーツとスカートを吐き直す。しかし、陰茎の勃起は収まりそうもなかった。

海未「お願い、です。話を、話を聞いて下さい……!」



ガラッ




凛「――なになになにー!? 悲鳴が聞こえたけど、大丈夫!?」


花陽「……?」



絵里「あ……」


 

 悲鳴を聞きつけた、凛と花陽。
 絵里が鍵をかけていたのは、片方、だけ。


 片方はドアが閉まっているだけで、鍵は閉まってはいなかった。




 ――終わった。


 にことことりだけに話すつもりが、ここまで来たら凛と花陽まで知れ渡ってしまう。


 なんとしても、なんとしてもここで情報の漏洩を食い止めなければ。




◇◇

 

にこ「……本当なの?」


海未「はい……本当にある日突然……」

凛「……えっと、大丈夫?」


海未「はい、まだ、なんとか……」


にこ「こんなこと言うのもあれだけど、病院行った方が……」

海未「い、嫌です!こんなもの、こんなもの見られたら、私は……」



海未「私は、私はどうすれば……!」


花陽「もしかして、これ半陰陽ってやつじゃないかな」


凛「それなにー?」

花陽「私も詳しくはわからないんだけど、なんだか男と女の両方の特徴を兼ね備える、とか」

にこ「なるほど」

にこ「だから今の海未は胸が少し小さくなった……?」



にこ「海未、もう一度聞くけど、本当に生まれた時から、つまり先天的なものじゃないのね?」

海未「はい……というか、みんなお風呂に入った時に見てたじゃないですか!」


凛「まあ……確かに」

にこ「……そうね、とりあえず様子を見るしかないわね」


にこ「やっぱりこのことを皆に――」


海未「い、嫌ですっ! お願い、します。もう誰にも言わないで下さいっ」

にこ「でも……」


海未「こんなこと、知られたく、ないんです……」


海未「本当に、お願いします……」


 私は、そう言って頭を下げます。
 もう誰にも知られたくない、ここにいない四人にだけでも秘密にしておきたい。


 特に穂乃果です。



 穂乃果だけには、知られたくありませんでした。

 知られたら、絶対に嫌われる。きっと恋人じゃなくなる、さらに友達関係すらもギクシャクしてしまう、かもしれません。



にこ「……なんで嫌なの?」

海未「きっと、嫌われます……」


にこ「そんなこと思うやつ、µ’sにいるわけ!」



 きっと大半の人は表向きには良い表情をするはずです。いまのにこのように。



海未「優しいですね……でも、きっと私にこれがあることによって、ギクシャクする部分も、あると思うんです」



海未「そうですよね……? ことり」



ことり「ぇ……ぁ、うん、うん……」


 顔面を真っ青にして、私の問いかけにも生返事しかしないことり。



 ことりは以前男性が嫌い、と言っていました。この男性の象徴は、きっとことりにとって嫌なもの。

 それをつけている私も、例外ではない、はずです。




にこ「……ことり?」

ことり「……ごめん、私……」



海未「いいんです、大丈夫ですから」

にこ「一つ聞きたかったんだけど――絵里はこの部屋でなにしてたの?」



絵里「ぅ……」

にこ「早く」



絵里「いや、えっと、その海未が苦しそうだった、から……」

凛「苦しそう?」



絵里「……海未のモノが……その、おっきくなってた、から……」




にこ「……なるほど、とんだ淫乱ロシアね」


絵里「だって、仕方ないじゃないっ! あんなの見せられたら、誰でもああするしかないわよ」

にこ「開き直るんかい!」

花陽「絵里ちゃんはいつから知ってたの?」


絵里「新曲ユニットでお泊りした時に、そこで色々あって海未のを見ちゃったっていうか」


海未「え、絵里……」

絵里「……」



にこ「ついてるだけじゃなくて、性欲も溜まってしまう、と。だから、絵里がそれを解消してあげてたの?」


絵里「ええ」

にこ「――待って、それって、女の子に対して、欲情するってことよね」


花陽「え?」

凛「本当?」

 一番、一番、知られたく、ないことでした。


海未「――っ……」



にこ(真姫ちゃんの時のことりといい、なんだか性欲解消とか多すぎない?)


海未「みんなには、手を出しません、絶対、です」



絵里「真姫のことはオカズにしてたくせに……」ボソッ




にこ「なにか言った?」

絵里「いえ、なにも」


ことり「ねえ、海未ちゃん。海未ちゃんもきっと、辛いんだよね?」


ことり「私、怖いけど、乱暴なことしないなら、海未ちゃんがやれって言ったらしてあげられることはあるからね」


にこ「してあげられることってあんた……」



絵里「じゃ、私は引き続き海未の性処理でもしようかと思ったけど、これから何日か忙しくて相手をしてあげられないの」




海未「……構いません」

 私はこの時は、それでいいと思いました。きっと絵里とあんなことをしたから、私のモノはすぐに反応してしまうのだと。



 それを断てばきっと大人しくなる、元に戻るかもしれない。



 そんな甘い幻想を抱いていました。



絵里「……このことは、口外しないように。残りの四人には申し訳ないけれど、海未の気持ちも考えたら、ね?」


にこ「そうね、分かった」



ことり「出来るだけみんな意識しないで、生活しないとね」


にこ「あんたが一番不安なんだけど」


ことり「そんなことないって、少し怖いけどきっとすぐに慣れるよ」




海未「本当に、ありがとうございます」


にこ(半陰陽……か)ゴクリ




 私の身体の今のこの現状。それはまだまだ私に牙を突き立ててくる前、ほんの序章にしかすぎなかったのです。

◇◇

ことり「……」

穂乃果「ことりちゃん?」

ことり「な、なあに?」

穂乃果「なんだか暗い顔してる?」

ことり「そんなことないって!」

穂乃果「そうかなぁ……」


穂乃果「ねえ海未ちゃん」


海未「はい?」

穂乃果「んぅ……なんだか二人ともいつもと違うような……」


海未「き、気のせいですよ」

ことり「そうだよ穂乃果ちゃん」

海未(あれからことりはあまり顔を合わせてくれません。やはり、心の奥底では、軽蔑されているのでしょうか)



ことり「あ、じゃあ、私はここで」

穂乃果「うんっ! ばいばーい!」


海未「さようなら」


穂乃果「……ねえ、本当に何もない?」


海未「――はい」

 私は、嘘をつきました。


 大きな嘘。初めての、嘘。




穂乃果「……そっか」

穂乃果「なんでも、相談してね。私は海未ちゃんの力になりたいから」


海未「大丈夫ですよ、悩みなんてありませんから」


穂乃果「じゃあそんな暗い顔しないでよー」ギュー

海未「ほ、穂乃果、外ですよ。あんまりこういうことは」


穂乃果「海未ちゃん成分が足りなくなったのです。補給しなきゃ!」ギュー

海未「んもう……まったく……」

穂乃果「好きー、えへへ」



海未(この笑顔を、穢すわけには、いかないんです。許して下さい、穂乃果)ギュー

◇◇



36日目

海未「はぁはぁ……はぁはぁ……」


海未「どう、しましょう」

海未「なんで、こんなことに」

海未「絵里……絵里ぃ……」


 海未は今、窮地に立たされていた。

 それは何故か、少しずつ、海未の身体が海未自身に牙を向きはじめたから。



 みんなにこの身体のことがばれてから、三日が経った。


 三日という数字。これは一般的に男の精液が満タンになるという時期とも言われている。


 つまり、今の海未は、そういうことだ。





海未「うぅ……はぁはぁ……」

海未「絵里ぃ……助けてください、絵里ぃ」


 心の叫びは虚しく。絵里は生徒会の仕事が激務であり、希とともにµ’sの活動に出られない日々が続いていた。


 練習に出られないほどということは、当然海未に構っている時間もない。



 周りには女という生き物だらけ。しかも女子高ということもあり男という存在への警戒心は全くない。


 着替える時はみんな下着、スカートの中すら容易に見える。


 日々の生活をしているだけで海未の精神は刺激されていた。


海未「うぁ……自分で、やる、しか……」


 海未がその視線の先に捉えたのはトイレ。以前にもこういうことがあり、今回もそうするしかなかった。


海未(今回、だけです。今回出したら、もうこういうことは)


 最早抑えきれない欲望は、海未の罪悪感すらも凌駕していた。

 息を荒げ、勃起した陰茎を隠すように、壁に手をつきながらトイレを目指す。


 端からみるとその様子は異常で、廊下を歩く生徒はみなすれ違い様に海未のことを見ていった。



 そして、ある生徒も。



ことり「海未ちゃん……?」


海未「こ、こと、り……はぁ、はぁ」


ことり「どうしたの!? 大丈夫、苦しそうだよ」


海未「はぁ……はぁ、うぅ」


ことり「……保健室行こう! さ、早く」



 すっかりいつもと同じに戻ったことり。

 ことりは海未の状態を普通ではない、と判断した。

 ことりが判断したのは風邪だったり、体調不良なの、だが。


 海未の手を引くことり。今の海未にとっては、ことりと手が触れているだけでもおかしくなりそうになる。



◇◇


ことり「あぁもう! こんな時に限って先生が……」


ことり「どうしようか、薬の場所くらいならわかるけど、下手に手をだすわけにもいかないし」


海未「うぅ」


ことり「苦しい? とりあえず、眠る?」

海未「ち、違う、んです」



ことり「え?」


 ことりは気がついていなかった。

 最初に海未を見た時は前かがみで、すぐに保健室に行こうと背を向け手を引いた。

 そう海未の下半身を見ることなんて、なかった。




海未「はぁ……ぅぁ……こと、りぃ」


ことり「海未、ちゃん……?」



海未「ことりぃ、お願い、します。なんとか、して下さい……」



 藁にもすがる思い。スカートをめくり上げる。


 性欲が限界を迎え、自分で処理しようと思った矢先、ことりに連れ去られる。さらにことりと手とはいえ肌の温もりを感じてしまった。



 迷惑をかけたくない、そう思いながらも海未はおねだりをするしかなかった。


ことり「ぁ……そ、それ……」


 先日も見た、海未の陰茎。

 パンパンに腫れ上がった亀頭がショーツから顔を出す姿はあまりにもアンバランス。


ことり「む、無理だよっ!」


ことり「私、男の人のモノはっ……!」




海未「――ごめん、なさい。私が、どうにかしてました。幼馴染にこんなこと、頼むなんてっ……!!」

ことり「……」


ことり「そうだ……。性欲を解消してあげればいいんだよね?」


海未「え……」

ことり「それなら、やってあげる」



 ことりは、まず、ショーツを下まで下ろした。


ことり(やっぱり……)


 恐る恐る亀頭に手を伸ばす、と思いきや。



海未「ふぁっ……こ、ことり!! そっちは、別にぃっ!!」



 海未の女である方の性器に手を触れた。



ことり「ふふっ……性欲は解消してあげるね。だって、こっちも濡れちゃってる……」


 ことりは海未の陰部から熱を帯びる愛液をすくうと、海未の目の前で糸を引いて見せた。


海未「いやぁぁ……」



 男としての部分はことりとしては目を閉じたかったが、海未に女性器があるということなら話は別だった。



ことり「はぁぁ……可愛い、海未ちゃん」


 ことりは恍惚とした表情を浮かべ、手を動かす。


 溢れでる愛液を陰核に伸ばしコロコロと手を転がした。愛液が全体に塗りたくられ、艶かしく光る。そして断続的に与えられる男のものとは違う刺激が海未を襲う。


海未「ふぁっんッッ、あっあっ、ことり、ことり、ふぅふっ、……や、ぁ……気持ち、いぃ……ふぁぁぁんんッ」



ことり「感じてくれてる、気持ちいい、海未ちゃん? 海未ちゃんが性欲解消して欲しいって言ったんだからね」


海未「わ、私はぁ……そっち、じゃなく、ぅぁっッぁあっ!!!!」

 海未の言葉を遮るかのように、キュッと陰核をつまんで見せる。



 痛いような気持ちがいいような、自分の中で処理できない複雑な感覚に嫌が応でも声を出してしまう。

ことり「ふふ……」


 執拗に陰核だけを攻め続ける。
 弄ればいじるほど膣からは淫液が垂れ流されるが、それらを完全に無視。固くなった陰核がことりの手によって弄ばれる。



 淫液が床に太ももを伝ってポタポタと流れ落ちていく。




海未「イク……あああああっ、ことりぃ、こと、ふぁっ、はぁぅ、はあっはあぁぁぁっッ!!!」




 ガクガクと足を震わせて、快楽をその身に刻みつけられていく。



ことり(まさか、クリトリスまであるなんて……。なんだか気持ち良くなるために――そして気持ちよくするためにある身体みたい……)



ことり「ふぅ、ふぅ……イッて……いいよ! 海未ちゃんの女の子の部分がもう限界だって言ってるよ!?」



海未「っんぁッ!! はぁっぅん……ぁッ……イく、っ…ぁぁイちゃいまッ――」







タッタッタッ



ことり「――!?」

ことり「足音、隠れよう!」

海未「ふぇ……?」




 海未の身体が絶頂を受け止める寸前。不意に聞こえた足音。


 ことりは手を止め、海未の身体を引っ張ってベッドに座らせる。




ことり「カーテン閉めないと」
シャッ




タッタッタッ


ガラッ



凛「いったぁ……」


花陽「大丈夫?」

凛「うぅ……」




ことり「凛ちゃんと花陽ちゃん……」





凛「なんでこんな時に限って先生いないのさー!」


花陽「仕方ないよ……」

凛「むぅー」


花陽「勝手に使うわけにもいかないし――」

凛「あ、そこに薬置いてあるよ! とってー!」

花陽「だ、だめだよ凛ちゃん……!」

凛「大丈夫だって、言わなきゃバレないって」





ことり「足を怪我しちゃってるみたいだね」

海未「……はぁはぁ」

ことり「どうしたの? 海未ちゃん」

 足をモジモジとさせて、俯いている。


ことり「あぁ……なるほど」






凛「あれ、なんだろう床のこの液体」

凛「ちょっとネバネバしてる……?」

花陽「なにかの薬がこぼれた後じゃないかな」

凛「ふーん、そっかあ」

花陽「消毒するね」

 ことりは座っている海未の後ろに回って制服のボタンを外していく。



ことり「凛ちゃんに、海未ちゃんのエッチなお汁、触られちゃったね」



海未「ぅあ」ゾクゾク



 ことりは後ろから海未を抱きしめ、耳元で囁く。

 興奮したことりの吐息が耳をくすぐる。



ことり「なに? 興奮しちゃったの?」

クチュ




ことり「凄いことになってる……」

 ことりは海未の膣口の周りを優しくマッサージする。
 マッサージを続けると、ぴちゃぴちゃと水音が発せられる。


ことり「海未ちゃんのおっぱい小さくなったけど、柔らかい」


 

海未「や、やめ、んぁっ! ……バレてしま――」


ことり「我慢すればいいと思うよ」


海未「そん、なぁっ」

海未「無理、ですよぉ……はぁんっ」

ことり「入れるね」



 ことりは指を一本。
 海未の膣口の位置を確認し、躊躇いなく挿入した。


海未「っっっっ!!!!」



 経験したことのない快楽が襲う。
 そのままことりはクチュクチュと水音のなる膣を弄びはじめる。

 羞恥に歪む表情が、これまたことりを刺激していた。


ことり「ふぁっん………すごい、海未ちゃんの中……」


海未「あっあっ、あっ、あっ」


 ことりの指を容易く飲み込んだ膣内は、すでに愛液で満たされている。ことりが指を動かすと膣壁から再現なく愛液が染み出て来て、ことりの指を濡らし続けた。




海未「いくっ……ことり……声、声が……はぁっはぁつ」



ことり「この際ばれちゃってもいいかもね」



 バレるかもしれない恐怖感。真姫が眠っている時、絵里にやられた時と状況が似ている。


 一歩間違えば、全てバレてしまう。逆にそれが興奮を高める。



海未「うぁっ!! いくっ……っッああああああああっ!!!!」ビクビク




ことり「イッちゃった?」


海未「はぁっ……はあっ」



 息が荒くなる。その身で初めて女としてのオーガズム。それを受け止めた海未の焦点は定まらない。



 下半身にかけて飛び散った愛液が艶かしく輝いている。


ことり「……」



 ことりは、海未の女としての性欲は解消した。ただ、それ以上は、視界に入れないようにしていた。







 ――ビクビクと波打ち、泉のように粘液を出している陰茎には目を背けた。


凛「痛い痛いっ!!」

花陽「ご、ごめんね!」


花陽「もう少し優しくするから」








ことり「海未ちゃん?」


海未「はぁはぁ……まだ、まだ、ですよ。苦しいんです……っ」


 海未はおもむろに起き上がり、自分の陰茎に触れた。



海未「抑えられ、なくて……」


 女としての絶頂を迎えても、男としての絶頂は迎えていない。

 しかも最初に海未が求めていたのは男としての絶頂。



 無理やり女としての絶頂を迎えさせられたせいで、海未の陰茎はさらに膨れ上がっていた。


ことり「ひ……」


 恐怖。
 ことりの目の前で陰茎が脈を打つ。まるでことりの身体を欲するかのように。


ことり「や、やめ、て?」

ことり「なに、するつもり?」


海未「ふーっ、ふーっ」


 正常な判断はできなかった。
 性欲は理性を吹き飛ばし、倫理すら吹き飛ばす。

 海未がことりに近づけて、陰茎を太ももに擦り付ける。


海未「はぁはぁ、ことり、ことり」


ことり「や、やめて、やめてやめてやめて!!」

 ことりの静止を聞かず、海未は太ももに擦れる感触を楽しむ。





凛「おっけー。じゃいこうか」


花陽「うんっ」

ガラッ






 花陽と凛が、保健室を後にした。

 海未はそれを耳に入れていた。




海未「ことり!!」ガバッ

 この空間には二人だけ、もう誰も邪魔できない。


 そして――海未はことりに覆い被さる。




ことり「っ!!! やめて、やめてやめて、海未ちゃん、やめてぇ!!」

 ここから先、されることをことりは予感した。
 ――犯される。



 海未じゃない。目の前にいるのは、まるで男。性欲に支配された魔物。



 ことりは恐怖感で涙を流す。


 そんなことはお構いなしに、海未はことりの服に手をかける。






ことり「きゃああああああああっ!!!!!」






凛「――!?」

花陽「え……?」


 保健室から出ていった、凛と花陽。しかし、二人はまだ保健室のすぐそばにいたのだ。


花陽「保健室から?」

凛「行こう!」

ガラッ



シャッ


 勢いよくカーテンを開ける。凛と花陽の目に入ったのは、はだけた制服をまとったことりに、覆い被さる海未の姿。







凛「――なに、してるの? 海未ちゃん」


◇◇


空き教室



凛「で? なんでことりちゃんを襲ったの?」




海未「わ、私は……」


 性欲に支配されていた、自分が恐ろしかった。いとも簡単にことりを襲おうとしてしまった。


 フラッシュバックするのは、ことりの泣き顔。あれを見ても、なお、止まれなかった。

 なにも、見えてなかった。



凛「ことりちゃん、泣いてたよ?」

海未「……」


 もし、あれが穂乃果だったら。ことりでさえ、あそこまで傷つけて、しまったのに。


 怖い。自分が、怖かった。徐々に抑えが聞かなくなっていく、自分が。




凛「泣かせたんだよ!?」

凛「反省してるの?」

 徐々に語気を強める凛に、海未は言葉が上手く出てこなかった。

海未「はい……なんでも、します」



凛「ふーん」


凛「じゃあ、なんで、そんなにしてるのかなぁ!!!」



海未「ひっ……こ、これ、は」




 反省した、という海未。ただ、まだ海未の身体は快楽を、目の前の女の身体を求めていた。


 スカートを押し上げる、陰茎に反省の色は見られない。




花陽「り、凛ちゃん……」


凛「反省してないよね?」

凛「反省してるならすぐ収めてみてよ、ほら早く」

海未「……」


凛「絶対手を出さないって、そう言ったじゃん」


海未「はい……」


凛「やっぱり、反省してないんじゃん」


海未「反省、してます」


凛「だったら、それを収めてって言ってるじゃん!!」


海未「っ……」



花陽「凛ちゃん、海未ちゃんだって反省してるよ……きっと」


 花陽の静止すら、聞かない。



凛「ううん、ダメだよ」


凛「反省してない」


花陽「でも……」


凛「反省してない子には」









凛「――おしおきしなくちゃね?」

今回はここまで。次はきっと時間かかります。また今度。では。

海未「おし、おき?」


凛「そ、悪い子は躾てあげなくちゃいけないの」


海未「し、躾?」


凛「そうだなぁ……どうしようかな」

花陽「も、もうやめようよぉ」

凛「大丈夫大丈夫」

凛「じゃあさ、下全部脱いでよ」




海未「……はい」




 スルスルとスカートとショーツを下ろすと、海未の膨れ上がったペニスが解放される。

凛「ぅ……おっき、い……」


 初めて間近で見るペニスに凛と花陽の目は釘つけになった。


凛「えっと……」


 凛は思いつきのまま下半身を脱がせたが、そういう類の知識は基本的に持ち合わせていなかった。


 凛の目の前で刺激を求めて蠢くペニス。凛はそれを見て、何をするでもなく、顔を赤らめながら見つめるだけ。



凛「……」

凛「かよちん」


花陽「な、なあに?」


 花陽は手で顔を覆い、自分はペニスを見ていない、とでも言いたそうなポーズだ。だが、しっかりと指の間から海未のペニスを見ている。




凛「――どう、すればいいの」

凛「わかんない、よ」


花陽「えっと……」


 なにもわからない凛に対して、花陽はこのようなことに関しては人並みには知っていた。それは思春期である時に知らない凛の方が異常ともいえる。



花陽「まず、それを、優しく握ってあげて……」


凛「……こ、こう?」



 クチュ……くちゃぁ……。



海未「ふぁぁっんぅ!!」

 ようやく与えられた刺激。ことりの時から、お預けをくらっていた陰茎が凛の手によって刺激を与えられる。すると透明な液体がドクドクと溢れだし、凛の手を犯した。



凛「べちょべちょだにゃぁ……」



 優しく握ったまま、ストロークはしない。ただ、握っているだけで快楽になる。




海未「ふぁ……んぁっ……り、凛……」





花陽「そ、そのまま上下に動かして……」

凛「う、うん」


海未「ぁああああああああああっ!!!」




 約3日ぶりの本格的な刺激に海未は陰茎だけでなく、全体でその快楽を味わっていた。

 すぐに、絶頂を迎える準備も整える。




海未「いくっ……り、凛、気持ちぃぃ……ああっあっ……ッッんんぅ!!」



花陽(すごい……海未ちゃんのおちんちん……)



 凛が海未のペニスを弄り回すのを見ている花陽。少しずつ、自分が興奮していくのが分かった。凛にバレないように、自分の胸へ手を伸ばす。




花陽「はぁ……ぅぁん」

凛「――ダメだよ」

 凛は海未の言葉を聞いて、すぐに手を放す。



凛「――ねえかよちん海未ちゃんにこれ、すると、気持ちいいの?」




花陽「はぁはぁ……え? う、うん。えっと、おちんち――それを擦ると気持ちよくなって……」



凛「ダメだよ、気持ちよくなったら!」



凛「海未ちゃん、自分が気持ちよくなりたいからって抵抗しなかったんでしょ?」


海未「そ、そんなことっ」

凛「――本当、全然反省してないっ!」




凛「凛ね、知ってるよ。おちんちんをいっぱい擦ってあげると、せーえき出しちゃうんだよね。それが一番気持ちいいんだよね?」


花陽「う、うん」



凛「そっか……あ、いいこと考えた!」



 凛はおもむろに自身のポケットの中に手を伸ばす。


凛「これなーんだ」


海未「ゴム、ですか」

凛「せーかい」

海未「それが、どうしたんですか」

凛「ふふ……こうするんだよ」




 凛は海未のペニスを掴んで、ゴムをペニスの根元に巻きつける。
 ぐる、ぐる、ぐる、ぐる。

 四重に巻かれたゴムは海未の肥大化したペニスを締め上げていた。




海未「な、なに、を……くっ」


凛「ふふ……もう、せーえきだせないにゃ」



 知識はほとんどないはずの凛。それでもこの所業を成せるのはまさに天賦の才なのかもしれない。


 小悪魔の笑みを浮かべ、海未の陰茎を先ほどとは違い、強く握る。

海未「くっ、うぅ」



凛「あれ、もう気持ちいいの?」



 強く強く握りこんで陰茎を擦りあげる。凛の小さな手が、強く握り込むことでカリの部分に食い込む。知ってか知らずか、それは先ほどよりさらに強い快楽を生みだしていた。
 



海未「ふぁ……んぁっ、んんんぅ、あっあっ、はぁんっ、はぅぅッ」



海未「いくっ、イクイクイクっ……っあっ、ふぁ、はぁっはあっ、んぁっ、あぁぁああっ!!!!」



 身体とペニスが震える。
 身体は絶頂を受け止める、だが、精液は出ない。尿道を突き抜けるあの感じが圧倒的に不足していた。


 まるで生殺しを受けているようだ。


海未「で、ない? 出させて、出させて、下さいぃ!!」



凛「なに言ってるの? これはおしおきだよ? そんなにいい思いばかり出来るわけないよ!!」


凛「なに? 気持ちよくなりたかったの? おしおきって言ったのに? 本当、意味わからない!!」

 脈を打つ陰茎。尿道は開いてピクピクとしているのに、その先からは少し透明な液体が垂れているだけである。


 間髪いれずに凛は手を動かす。



海未「ぅあっ……っ!!!」


海未「や、やめて、下さいぃ……あっ、あっぁぁっァ」


凛「はぁはぁ……あれもうイッちゃうの? さっきビクンビクンしたばかりなのに!?」


海未「お願い、お願いします。出させて、出させて……」


凛「おしおきだって言ったの聞こえなかった!?」


海未「ぅぅ……」


凛「はぁ、はぁ……なんか、凛までおかしく、なっちきちゃった……」



 男性器の匂いを、間近で受けることにより、知識はなくとも女としての本能が働いていた。

 息を荒げ、陰茎をさらに早く擦る。

凛「気持ちいいの!? 気持ちいいの、海未ちゃん!?」



海未「っ、あっ、あっッ!! り、んぐぅ……ッ!! はぁっ、はあっ、また、またッぁぁっぁあぁあああ!!!!!」


花陽「あっ……あっ……す、ごぉい」


 花陽は自らのスカートの中に手を伸ばしていた。最初は離れていたのに、今はもう凛と同じくらいまで、ペニスに近寄っていた。


 海未はなんとか精液を出そうと弓なりに身体をそらし、陰茎を突き出す。ただ、それはやはり無駄なこと。



凛「ふふ……どう頑張っても出ないって」

海未「んぁ……許して……下さい……」


凛「ふふ……」



花陽「あっ、あっ、あぁぁ……んぁ……」


凛「かよちん?」


花陽「んぅ、あぁんっ……気持ちいぃ……の」


 海未のペニスを目の前にして、花陽の理性はすでに飛んでいた。
 内気な彼女が人の目があるのにも関わらず快楽を求めて、自分を慰める。


海未「っ……」


 海未は花陽が快楽によがる姿を目に入れまいと、目をキツく閉じる。
 これ以上目からの刺激が強くなると、非常にマズイ。



凛「えっと……ごくり」


凛「あ、れ? ……なんか、凛のここ、濡れてる」


花陽「あっ、んぁうあぁ……凛ちゃんも、しよ?」



凛「で、でも、どうやって」


花陽「とりあえず、触って、みて? 後は手が勝手に動くよ」


凛「う、うん」



 凛はスカートに手を入れる。目の前で花陽がやっているように。

 陰部に触れると、下着越しに濡れているのが確認できた。

 と、同時に電流が走ったかのような刺激が凛を襲う。


凛「ひゃぁぁぁんっ!!!」

花陽「はぁぁんっ、気持ち、いぃ?」

凛「あ、あれ?」



凛「なに、これ。んぁぅ、んはぁ……ッぁ……気持ちぃいよぉ」

 花陽が言っていたことは本当だった、と身を持って知る。一回触れて、それが気持ちいいと分かった時、手は勝手に動いて、さらに快楽が強い場所を探し求める。




海未「っ……」


 海未は目をキツく閉じていながらも、耳からの情報が煩悩を刺激し続けた。

 無垢だった少女が、少しずつ女へと変化していく過程。それを目の前で行われているのだから。



凛「んぁ……うぅぁ!! ……そうだ、許してあげるから、海未ちゃんもしてよ」


海未「え?」

凛「ゴム外すね」


海未「な、なにがなんだか……」


凛「うーんとね――私達の前で、えっとおなにーして?」


海未「は? い、嫌ですよ!!」


凛「そっか……みんなに、ことりちゃんを襲ったこと言うよ?」



海未「……ぅ」



 海未は完全に鎖を巻かれてしまった。絵里には真姫のことで、凛にはことりのことで。


 海未は抗えない、と判断し陰茎に触れる。凛におしおきをされてきた陰茎は触れるだけで、手が淫液で溢れ返るほどだった。


凛「ぁぁんっ、凛、凛、海未ちゃんのおちんちん見るの、はぁぁっ、んぅ……すきぃ」




海未「うぁ……あああっ、ふぅ、ふぅ、あっあん、ッーッっ……ふぁゃ……」

凛の一人称私になってるとこありましたが、凛に脳内変換しといて下さい。

花陽「海未ちゃんの、すっごい……どんどんエッチなお汁が……」


凛「気持ちいいの? 出しちゃうの? びゅっびゅってぇ……ぁぁん」
クチュクチュ


 三人の少女が性器をまさぐることで、部屋全体が淫靡な音で溢れていた。それぞれのいやらしい音を聞くことで性欲が増幅され、感度も増していく。



 次第に二人は下着越しではなく、下着の間から直接愛撫をするようになった。


 凛は手が自然と動き、もっとも快楽が与えられるところを見つけていた。



凛「海未っ、ちゃぁん……凛、凛のここ気持ちいぃよぉ……上の固くなってる、ところぉ……」



海未「ふぅ……ふぁ……ぁ、あっあっっあぁ……ッ!!!」



凛「おか、しく、なりそぅぅっ」


 凛の普段とは全く違う声色に海未の手は早くなっていく一方だった。


花陽「私、私ぃ……も、うぅぅッ、イッちゃ、ぅぁッッッ」


凛「イクって、な、に? ふぁぁあっ、あれ、なんか、凛、おかしぃ、なんかふわふわしてぇ……っ!!」


花陽「凛ちゃん、一緒にイこ?」

凛「いゃぁ……っぁぁあっああっ!! なんか、なんかくるぅぅっッ!!!」


凛「かよちん、怖い、怖いよぉ!!」



 まるで身体がフワフワと浮いてくるような感覚に襲われる。視界も歪み、音も遠くなっていく。それに恐怖感を覚えてしまっていた。



花陽「大丈夫、大丈夫だよ続けて、うぅんぁっあああっ!! もっともっと気持ちよくなれる、よ?」



凛「はぁっ、はぁっ、ほんと? もっと、気持ちいいことあるの?」



凛「んはぁッ、んんぁ……気持ちいぃ、気持ちいぃよぉっ!!! あっあっ、くるっ、くるッくるくるぁ……っ!!!」


凛「海未ちゃんもぉっ!!」



 暗転した世界から聞こえてくる二人の少女の喘ぎ声。抗いようのない摩悦にもはや海未も限界だった。


花陽「私、イクっイクっ……ふぁッ!! あっっあぁあああああっ!!!!!」


凛「んぁっあぁあああああっ!!!!!」


海未「出る、で、でちゃ、ぅ……ふぁあぁあああああ!!!!!」



 溜めに溜められた海未の精液は止まることを知らなかった。

海未「あっ、あっ、んぁっ、まだ、まだ、出ますっ!」


凛「はぁっ、出てる……熱いの、出てる」

 海未は約20秒もの間精液を放出し続け、凛と花陽の顔をぐしゃぐしゃに白く染め上げた。



花陽「すごぃ、匂い……」


 全て精液を出しきると、海未は腰が抜けたようにその場に座りこむ。

 そこで、ようやく目を開ける。


海未「っ……」

 目の前では、自分の精液によって白く染め上げられた二人の少女が息を荒げ、精液を飲んでいるところだった。


凛「ネバネバだにゃぁ」

花陽「苦っ……」



海未「うぅ……」


 ――ダメ、ダメ。


 今更になって、射精をしてようやく、今までのことが全て海未自身に返ってくる。

 ことりの泣き顔、自分がしたことによる罪の重さ。

 海未は自分の頬に涙が流れてるのに、気がつかなかった。



花陽「はぁ……もう、一回」


 とろけた表情の花陽が海未の陰茎を掴む。

 ドロドロになった精液が付着した陰茎を掴むと、艶かしい音がした。


海未「っ……出したばかり、ですっ、ふぁぁ」

 涙を流している海未のことを普段の凛と花陽ならば気がついただろう。

 ただ、完全に発情仕切ったふたりに冷静な判断など出来るはずがない。

 拒否しようとする海未の動きを抑えて、陰茎を刺激する。


花陽「ダメ、もう一回、出して?」

凛「ちょ、ちょっと! 凛もやるーっ」


 その後二人の手によって、海未が拒否しても、強制的に刺激を与えられ続けることとなった。


◇◇


音楽室



真姫「……」

海未「……」



真姫「……ねえ」

海未「……」


真姫「ねえ」

海未「……」



真姫「はぁ……なんでそんな落ち込んでんのよ……」


海未「私、私は……」

真姫「ん?」

海未「……」



真姫「はぁぁ……。何かあったのね」



海未「いえ……」

真姫「何があったの?」

海未「なんでも、ありません」


真姫「私、そんな頼りない?」

海未「そういうことじゃ……」


真姫「……まあいいわ。でもあなたが暗い顔してるとこっちまで胸糞悪くなるのよ」


海未「すみま、せん……」



真姫「分かってんなら、早くいつもの海未に戻りなさいよ」

海未「は、い」


海未「……」





海未「真姫は、優しい、ですね」


真姫「え、え?」


海未「本当に」


海未「ありがとう、ござい、ます……」ギュゥー

真姫「ふぇぇ!? ちょ、ちょっ……!!」



真姫「ななななな何すんのよっ!!」

海未「あ……すいません、つい……感極まってしまって」




真姫「――あ……」


海未「急に抱きしめてしまって、本当なんて言ったらいいか……」


真姫(……やめないで、よかった、のに…………)ドキドキ



真姫(!? 違う違う!! 辞めてもらってよかったの! そうよ、こんな、ことありえない)ブンブン




海未「真姫……?」


海未「顔が真っ赤ですよ?」


海未「熱でもあるんじゃないですか?」

真姫「ちょ、ちょっと熱いだけよっ!!」




真姫「さっきまでどんよりしてた人に言われたくない!」

海未「……あはは、そうでしたね」


海未「真姫のおかげで元気が出ました」

海未「ありがとうございます」


真姫「うぅ……」




真姫「な、なんかあったら、その……いいなさいよ」

海未「え?」

真姫「ち、力になれたら、なる、から……」



海未「ふふっ、ありがとうございます」ニコッ


真姫「っ……」キュンッ

◇◇

放課後


真姫「海未ー、さっきのとこなんだけど」


海未「はい? それならああいうふうにするって」

真姫「でも、もっと良く出来る気がするのよ」

海未「うーん」

真姫「ね? もっと良く出来るならした方がいいと思うの」

海未「それは、そうですね」








穂乃果「……」








真姫「だからさ、もっと海未と打ち合わせとかしなくちゃって思って」



真姫(あ、あれ、私何言って……)


真姫「だから、その……今度、ウチに泊まり――」






穂乃果「――海未ちゃーん!!」ギュッー






海未「穂乃果!?」


海未「もう、いきなり辞めて下さい!」

穂乃果「えへへー、ねえ早く帰ろうー?」

海未「全くせっかちなんですから……」




真姫(あ……)

穂乃果「早く帰ろーよー!」


海未「もう! 引っ張らないで下さいー」

海未「では真姫、さようなら」



真姫「あ、うん。バイバイ」



真姫(言えなかった……)



真姫(いやでも、私、言えてたらどうするつもりだったのよ! 海未だけ泊まり来させて私……)


真姫「女同士、そう女同士なんだから! 普通よ、泊まりくるくらい!!」



にこ「――あんたさっきから一人で何言ってるの?」


真姫「ふぁぁ!! ちょっといきなりなによ!」

真姫「びっくりさせないで!」

にこ「いやいや……」


にこ(そういえば真姫ちゃんと希と穂乃果は知らないんだったわね……)


にこ「希にはいつかバレそうだけど」

真姫「なんの話?」

にこ「いや、こっちのことだから」




にこ(それにしても、海未の……凄かったな……)カアァァァァ





真姫「にこちゃん、顔真っ赤」

にこ「はっ……」

真姫「変なこと考えてたんじゃないの?」

にこ「違うわよ!!」


◇◇

穂乃果「」グイグイ

海未「ちょっ、そんなに強く引っ張らないで下さい!」

穂乃果「……」

海未「穂乃果?」




穂乃果「最近、真姫ちゃんと仲良いね」

海未「真姫、ですか?」


海未「元から仲はいいと思うのですが……」



穂乃果「……そういうことじゃ、ないよ……」


海未「え? えっと……」

穂乃果「海未ちゃん、最近構ってくれない」ギュッ


海未「穂乃果……」




穂乃果「海未ちゃん、最近なんだか、余裕がないみたいな。私に構ってる余裕なんて、ないのかもしれない、けど……」




穂乃果「でも、でも……不安だよ」

穂乃果「海未ちゃんが、離れていくんじゃないかって」




海未「……」

穂乃果「……」スッ




穂乃果「ご、ごめんね! 疲れてるよね。最近曲作りが本当に多いし。えーと今何個作ってるんだっけ、4つかな」


穂乃果「私、重荷にはなりたく、ないから」


穂乃果「海未ちゃんを支えてあげなきゃなのに、ごめん。私、ワガママ言って、ごめんね……」ジワ

海未「穂乃果」ギュッ


穂乃果「海未ちゃん……?」


海未「私が、穂乃果から離れるなんてこと、絶対にありません」

海未「すみません、穂乃果にそんなこと言わせてしまうなんて、私は私は……」



穂乃果「ううん……いいんだ。だから、しばらくこのままで居させて……?」

◇◇


穂乃果「じゃあね! また明日!!」


海未「さようなら」


 穂乃果はそう言って笑いかけて、家に入って行きました。


 あの穂乃果にあんなことを思わせていた、なんて。


 余裕がない。確かに、そう、かもしれません。




海未「……でも、どうしたら……」


海未「とりあえず、ことりの家に行きましょう」



 私がことりを襲ってから、ことりは早退しました。


 私のせいです。



 謝るのは早い方がいいのですが、どう顔向けすれば……。

◇◇

 



 ピンポーン。




海未「ことり……」


ガチャ


ことり「はい? ――あ」



海未「こんばんは」

ことり「海未、ちゃん……」


海未「あの、ことり……」

ことり「――上がって?」



 予想外、でした。

 会った瞬間罵倒されて、話も聞いて貰えない。そんなことを想像していた私にとって、扉をあけて微笑むことりは、本当に予想外。




海未「……いいんですか?」

ことり「もちろん」



 ことりに言われるがままに家にお邪魔させて貰い、そのままことりの部屋に通されました。


海未(私の部屋とは大違いです。まさに女の子という感じですね)



ことり「座って」

海未「はい」


ことり「ごめんね、何も出せなくて」

海未「いえ、急に訪れた私が悪いんです」

ことり「……」


海未「ことり、本当にすみませんでした」


ことり「ううん」

ことり「――気にしてないよ」


海未「え……」



ことり「気にしてないよ」

海未「う、嘘です! あんな、あんなことを、私はしてしまって……!」


ことり「……」


海未「私はことりを傷つけてしまいました……! なんでも、なんでもします!!」



海未「だから、だから……償わせて、下さい……」

ことり「……じゃあ、いつも通り接して欲しいな」

海未「っ……! どうして、どうして、怒っても、くれないんですか……!」



海未「これじゃあ、私、どうすれば……!!」



ことり「本当に大丈夫だよ?」


ことり「私はこんなことで嫌いになったりなんか、しないから」


海未「ことり……」


ことり「でも、ちょっと怖かったかな……なんて」


海未「……」



ことり「あ、気にしないで!? 本当に大丈夫。元はと言えば、私が手を出したのがいえなかったんだから」


海未「それは違います!!」

海未「私が!!! 私が……!!!」




ことり「海未ちゃん」ギュッ


海未「な、なにを……」




ことり「落ち着いて。海未ちゃんも辛いよね? だから、これ以上自分を追い詰めないで?」




海未「こと、り……」


海未「うぅ……」




ことり「よしよし」


◇◇

海未「みっともないところを見せてしまい、本当に、申し訳、ありませんでした」


ことり「ふふ、なんでそんなにかしこまるの」


海未「だって……」


ことり「泣いてる海未ちゃん見るの久しぶりだったなぁ」



海未「そ、それは……!」



ことり「――あんまり背負いこまないでね?」


海未「……はい」

ことり「じゃあね」バタン





 私は、私はなんて、良い友達を、幼馴染を持ったんでしょうか。

 私が傷つけた、それなのに。私を支えてくれる、なんて。

 おかしい、おかしいですよ。






海未「――ありがとう、ございました」

◇◇

にこの家




こころ「すぅすぅ……」

ここあ「くかーくかー」

こたろう「んー……すぅすぅ…すぅすぅ」





にこ「やっと寝たわね」


にこ「もう、12時だけど……」


にこ「ん……」ムラムラ



にこ「……イヤホンイヤホン……あった」




 妹と弟を寝かしつけたにこ。既に時間は遅いのだが、やらなければならないことがあった。


 にこは布団の中に頭を入れて、携帯電話にイヤホンを装置したものを自分の耳にあてがう。




にこ「……はぁ……はぁ」



 にこは横向きに寝て、携帯電話である動画を見ていた。


 男が女と性行為をする、いわゆるアダルト動画。


 弟妹が寝てからしかこの時間は作れない。


 女子校で、男という存在と縁遠いにこは自然と性行為への興味がどんどんと高まっていった。


 そういう機会もないので、自慰行為によって満たすことしか出来ない。


にこ「んぁ……んんぅ……」


 布団の中で声が漏れないように、胸をまさぐる。パジャマの上から二つの突起を刺激して、快楽を生み出す。


 にこは動画の中で男がやる前戯と同じことを、自分でして、あたかもやられているかのようにする自慰行為が好きだった。




にこ「んぁ……もっとぉ……んんっッ!!」

 もう既ににこの秘部からは淫靡な液が染み出して来ている。いますぐにでも、下半身に手を伸ばしたい。

 だが、まだ動画ではそこまで行っていない。
 にこはふとももを擦らせてなんとか、乳房への刺激で我慢していた。



にこ「ひゃん……っぁ……いぃぁ……いいよぉ……もっと、もっと、突いてぇ……」



 動画の中で挿入が始まると、にこも素早く服の中に手を入れ、秘部に指を挿入する。


 ぐちゅ……じゅぷ、ちゅぷ。


にこ「あぁっんっ、あぁ……んぁ……んんぅ、んんぅっ!! 気持ちいぃ……」


 指一本での挿入は、それ以外も過去に試してみたが、怖くなってやめたという理由から。

 にこの場合、一本なら処女膜を破ることもなく痛みも感じないからだ。


 動画もクライマックス。
 にこの挿入れている指も自然と速度が増していく。


にこ「あっ……イクっ……んっ!! んっーーッんっ……ッッ!!!!」



 声が出ないように思いきり布団を噛んで、耐える。

 絶頂を迎えたにこの身体はしばらく腰が浮いたままだった。



にこ「はぁ……はぁ……ぅぁ、ちゅぷちゅぷ」


 挿入していた人差し指についている、自分の液体を丁寧に舐めとる。


にこ「んぁ……エッチ、してみたいな……」


 高校三年生なら当然の興味だった。

 男という存在が排除された世界では、そういうことは出来るはずもない。


にこ「……ぁ」


 頭に浮かんで来たのは、先日のこと。


にこ「海未……」


 先日目撃した、海未のモノ。

 それが頭に焼き付いて離れない。


にこ「あんなおっきいの、入る、のかな」


にこ「気持ちいい、のかな……」


 海未への興味は増していくばかり。あれはどうなっているのか、触りたい、弄ってみたい。


 そんなことを考えて、にこは眠りについた。


◇◇

40日目


生徒会室


絵里「ふぁ……海未っ、気持ちいい?」


海未「ぅあ、もっと、もっと」



絵里「んぐっ……あむ、ちゅぷ、じゅる、んぁ……っ……っッ……んぐんぐ、んんぅ」



海未「う……で、出ます、絵、里!」


海未「ぁああああああっ!!」




絵里「んっーんっッッ、んごぉ……ぐぉ…………」







絵里「ごく……ふぁ……はぁはぁ……」

絵里「海未、今日、激しいわね」


絵里「久しぶりだったから、かしら」



海未「そう、かもしれません」


絵里「休みの間、一回も出してないでしょ?」

海未「はい……」



 あれから海未は性欲を解消してもらう手段に困ることは無かった。

 凛と花陽は二人で呼び出してきて、向こうの気が済むまで海未を絞りとる日々。


 ことりとはそういうことはしなくなっていた。


 それだけなら良かったのだが、ついに今日から絵里が復帰。生徒会の仕事が忙しくなくなったからだった。



 そして海未自身にも少し変化が表れていた。
 相手からそういうことをされても拒否をしなくなっていた。



 あの日ことりを襲ってから、性欲を処理して貰わないと自分が何をしでかすかわからない恐怖。




絵里「はぁ……ねえ海未、私も気持ちよくなりたいの」

海未「っ……」


絵里「ズルイわよ。自分ばかり気持ちよくなって……」

 上下下着姿の絵里は後ずさりする海未を追い詰め、海未の手を自身の秘部にあてがった。


絵里「ほら、もうすごいことになってるでしょ? 私ねここ最近海未のおちんちんのことしか考えられなかったの」


絵里「んぁ……ねぇ海未、気持ちよくして? んはぁ……ぁぁ」


 海未の手を固定し、絵里は快楽を貪るために腰を振る。


 絵里の陰部は熱を帯び、海未の手をベトベトに濡らしていた。


海未「はぁはぁ……ダメ、です。絵里」


絵里「んぁ……気持ちいい、海未の手、自分で弄る時より、ずっと気持ちいいわ……ふぁ……んぁ、あっあっ!!!」



 手に伝わる、絵里の陰核の出っ張り。下着の上からでも大きく肥大化しているのがわかるほどだった。


 しかも絵里の陰核の部分に手を触れると、一層大きな喘ぎ声を上げるのだ。


絵里「あっ、あっ、そこッそこぉッ、海未、海未ぃ、手を動かして? お願い、お願い!!」


 絵里の勢いに、負け、海未はついに自分から手を動かし始める。


 出っ張った陰核、淫液が溢れ出してくる膣口の周り。


 それらを優しくこねくり回す。


絵里「ふぁぅ!! はっはっ、あっっッ! 嬉しい、海未、もっと、もっと激しくしてぇ!!!」


海未「はっ、はっ……」


 自身の手によって、快楽に顔を歪める女の姿。


 少しずつ、少しずつ、海未の中の何かが壊れていく。

 自分から攻める喜びが海未の中で芽生え始めていた。



絵里「あっ、海未ぃ、もっと、もっともっともっともっと、もっとぉ!! ああっ!! イクぅッ! あっ、あっあぁああああ!!!」



 オーガズムによって身体が痙攣し、立っていることが出来なくなる。絵里はそのまま前に倒れこみ、海未の胸元に顔を埋める。


絵里「はぁ……はぁ……」

海未「大丈夫、ですか?」

絵里「うん……気持ち良かった。ねえ、またしましょう?」

海未「……」


絵里「海未?」




海未「はい……」



◇◇

部室


 最早自分の身体が自分のものではないように感じてきた。


 絵里に処理をして貰った直後だというのにも関わらず陰茎はすぐに硬くなってしまう。

 これを放っておくと、意識までも奪われる、そんな感覚にさえ、襲われるのだ。




海未「みんなが来る前に、一回……」

 普通より早く部室にやってきた海未は、硬くなってしまったモノを処理するべく手を伸ばす。


海未「はぁ……はぁ……んぁ……」


 自分でやるのと、人にやって貰うのでは興奮度も違って時間がかかってしまう。




ガチャッ


にこ「あーやっと終わった――」


海未「――っ!?」バッ



にこ「急に立ち上がってどうしたの……海未?」



海未「ど、どうしたんですか、早いですね!」

にこ「ま、まあね」


海未「びっくりしましたよ、全く」


にこ「何をそんなに驚いて――ぁ……」



にこ「ね、ねえ……今、興奮、してたの?」


海未「え?」



にこ「……それ」


 にこが顔を赤らめながら指を指したのは海未の、股間の部分。


 にこの突然の来襲で、勃起していたのにも関わらず勢いで立ち上がってしまった。

 スカートを押し上げる海未の陰茎はにこの目に思い切り入っていた。


海未「こ、これ、は」


にこ「こ、興奮したら、処理しなきゃ、いけない、のよね?」



海未「な、なにを」

にこ「わ、私が、手伝って、あああああげるわよ?」



海未「い、いいですよそんなこと!」

にこ「いいから……海未の見せて」

海未「ダメです!」



にこ「……部長命令よ。海未」

海未「そんなこと……!!」



にこ「早く、早く見せなさいよ!」


 服の中で膨らんでいる陰茎、にこはそれを想像して息が荒くなっていた。



にこ「見るだけ、見るだけだから……」




海未「……これで、いいですか」



にこ「ぅぁ……」



 
 にこは膝立ちになり、より海未の陰茎に顔を近づける。
 初めて間近で見る男性器。その匂い、形全てを自分に刻みつけようと、必死だ。




にこ「す、すごいわね……」


海未「うぅ……」

にこ「ピクピクってしてる……」



にこ「先からなんか出てるわよ? これが我慢汁ってやつ?」



にこ「なんでこんなのがついてるの?」

海未「わ、わかりませんよ!」



にこ「……おっきぃ」


にこ「はぁ……はぁ」


にこ「あ、また出てきた。精液じゃない、のよね?」



海未「も、もういいでしょう!」



にこ「待って! まだ、まだ見てたい」

 触りたい。触りたい。

 にこは今すぐにでも触りたいと願っているが、先ほど見るだけと宣言してしまった為、動けずにいた。



にこ「はぁ……はぁ」

海未「く……はぁ」



 見るだけ、見るだけ。それだけなのだが、にこは超至近距離で陰茎を見つめる。にこの興奮した熱い吐息が断続的に吹きかけられ、もはや海未は限界だった。



 以前までの海未ならば、完全に拒否して逃げ出していただろう。


 ただ、ここ数日の間に快楽を、与えられ続けた。

 ――気持ちよくなりたい。

 海未は性欲に抗うことが出来なくなっていた。




海未「――触って、みますか」


にこ「え?」

にこ「いいの?」


海未「……にこのせいです、から」



 恐る恐る、にこは陰茎に触れる。


にこ「熱い……こんなに熱くなるの?」


海未「っぁ……」


にこ「うわっ、なんか出てきたわよ!? 気持ちいいの?」

海未「は、い……」


にこ「そ、そうなんだ。私で気持ちよく、なってくれてるんだ」



 海未の陰茎から溢れ出る液体を全体に塗りたくる。

にこ「あ、そうだ。私が脱いだ方が興奮してくれる、わよね」

 そう言ってにこは陰茎への刺激を中断し、服に手をかける。


海未「なっ……やめて下さい。それは、それだけは」

にこ「どうして? ここまでしたんだから対して同様することでもないでしょ」



 海未はまたしてもきゅっと目を閉じる。基本的に、相手が服を脱ぐということになったら目を閉じることを決めていた。


にこ「――見て? 私の胸」


にこ「女の子に欲情するでしょ?」

海未「見ま、せん……」



にこ「……うぅ……私、こんなこと、してるのに……どうして、見て、くれないの」

にこ「興奮、しないの? 私が……私の胸が小さいから? 女の子の身体じゃないってそういう、こと?」


にこ「うぅ……うぅ」



海未「――にこ、そ、そういうことではありません!!」パチッ



にこ「――ふふ……やっと見てくれたわね」






海未「え……」


にこ「演技上手いでしょー」



 海未の目に飛び込んで来たのは、この身体になってから本格的に見るのは初めての、女の身体。

 息が上がる。顔が熱い。興奮。興奮。陰茎が熱い、さらに大きくなるのを感じる。


 海未にはもう目を閉じるという考えは、無かった。

 女の身体に目が釘付けにされ、離せない。


海未「はぁ……はぁ……」


にこ「さっきより、おっきくなってるわよ。興奮、してくれた? ぅぁ」


 にこは自分の乳房の突起をつまんで見せる。

にこ「私も、こんなに固くなってる。海未と同じ、ね」



 にこは陰茎への刺激を開始すると同時に、スカートの中に手を入れ、自身の秘部にも刺激を与え始める。



 自分の目の前で、自分のモノを弄りながら自慰行為をしている。凛と花陽の時は目を閉じていた、それを目にするのは初めてだ。そしてそれはこの上なく情欲を掻き立てるものでもある。




海未「ぅぁ……にこ……」



にこ「んぁ……あっあっ、気持ちいい? んんぅ、出そうになったら言って?」

にこ「あっあっ、んぁ……ッッぁ……はぁ、はぁ……気持ちいいよ……海未……んぁぁぅッッ!!」



 にこは手で刺激するのをやめ、自身の乳房の突起を亀頭にあてがう。



にこ「ふぁぁッ!! 私の胸、小さいから挟めない、けど。乳首でなら出来るのよ」

 

にこ「んんんんぅっ!! 私の乳首、海未のおちんちんにクリクリってぇ……はぁぁ……んんぁ、海未ぃ気持ちいぃよぉ」




海未「にこ……気持ち、いいです。ぁぁっ!!」



 海未の陰茎から溢れ出る淫液がにこの乳房と二つの突起を濡らす。
 その量の多さから徐々に垂れて、腹の辺りまでもぐちょぐちょにしていた。



にこ「イキそう? イッて、イッていいわよ。おちんちんピクピクしてる、我慢しないでいいから!!」



 憧れの男性器。性行為の前戯。
 にこはその行為に夢中だった。


海未「イキそう、です。はぁっ……」

にこ「出る?」

海未「は、いぃ……あっ、出る、でりゅ……」


にこ「ダメぇ……んぐぅ……ちゅぷ、ちゅぷ」


 にこは手での刺激をやめ、海未の陰茎にしゃぶりつく。
 精液を自分の口に。


にこ「んぐぅ……おっひぃ……海未の、ふっといのぉ……んぐぉ、んぐぅ、んぐっ」


海未「あっ、あっ、にこぉ……」


 初めて見る、自分のモノを加える女の表情。
 とろけたにこの表情が、海未の心を刺激する。支配している、自分が、女を。



 また一つ、海未の中の何かが、壊れていく。



 にこが口内での刺激を初めたのは良かったのだが、にこはそういった経験がない。


 つまり、あまり上手いとは言えなかった。

 手での刺激の方が強く、それを辞められたことで刺激はどんどんと下がっていた。


 一旦絶頂付近まで持ち上げられた快感が、徐々に引いていく。

 海未は絶頂を逃がすまいと、にこの後頭部を掴み自ら腰を振った。


にこ「んごぉ……んっ、ちょ、んんんぅ……んぐぅ、がは……」


海未「はぁっ、はあっ、にこ、にこ、イキます、ああっ、ああっ」



 絵里の時も似た状況があったが、にこの口はそれよりも小さいので、海未のペニスを加えて空きスペースなんてほとんどなかった。



 自身の快楽のため、にこの喉の奥まで突き刺し、犯してゆく。




海未「っはぁ、んんぁ……っッ、イクぅ、あっ、あぁあああああ!!!!!!」



にこ「んんぅ!? んっ、んーーッ、んっ、んぁ……ごほっごほっ……おぇ……ごほっごほっ……」



にこ「ぁ……海未ぃ……抜いて……くひ、からはぁ……」


 海未はにこの口内で射精を終えても、その快楽が忘れられず、動けずにいた。にこの苦痛の表情は、見えていなかった。


海未「あ……ま、また、私……」



 
にこ「ぷはぁ……はぁ……はぁ……精液って、苦いのね」


海未「飲ませてしまって、すみません……」


にこ「それにすっごい喉に張り付く」

海未「……」


にこ「でも、良かった。またしてくれるわよね?」



海未「……はい」



にこ「早く着替えないとみんなが来るわ」

海未「はい……」





真姫「な……なんなの一体、これは――」ガシッ

真姫「っ!?」




希「静かに……バレてまうよ?」

希「とりあえず、離れよ」


真姫「」コクコク


◇◇



真姫「の、希……」

真姫「な、なによ、なんなのよ、あれ!」

真姫「海未の股に、お、男のが!!!」


希「……わからない」

希「なんなんやろ、あれ……」


真姫「そ、それににこちゃんのあれ!! 一体、一体なにが起きてるのよ!!!」

真姫「もう、わけわかんないわよ!!!」

希「落ち着いて」


真姫「――希は、知ってたの?」



希「本当につい最近やけどね」

希「ウチが気がついた時もう既に、海未ちゃんは色々な人とああいうことをしてた、みたいやね」


真姫「――っ」


希「……ちょっと、調べてみる必要がありそうやね」

希「真姫ちゃん」

真姫「なに?」


希「真姫ちゃんはこのことについてあんまり深く入りこまない方がいいかもしれんよ」

真姫「……」


希「ウチがなにがあったか調べてみる。真姫ちゃんにも教えるから、ね?」





真姫「……分かった」


真姫(海未……なんで、私に、教えてくれなかったの。他の他の人ばかり……私は……海未にとって、そんな存在だったの……?)


今回はここまでです。
大分各メンバーのエロ書いて来たので……ストーリーもここから進む、と思います。エロは、まだあります。

そして次はいつになるか、わかりません。

のんたんは責任取ってパイズリフェラとかしてあげるべき

本当にお待たせしてしまいました。出来れば完結させてから、投下したかったのですが、流石に空けすぎだと思ったので、現時点のを投下していきます。


>>229
ちょうど書いてたネタがそれでした。

希(……これは、止まりそうも、なさそうやね)



真姫「海未……」




希「ねえ、真姫ちゃん。真姫ちゃんてもしかして海――」



真姫「……?」



希「いや……人を好きになったことはあるん?」



真姫「は? ないわよ」



希「そっか……」


希(自分の気持ちに、気がついてない?)




希「分かった。だったら、なおさら、このことはウチに任せて、な?」

◇◇

音楽室


真姫「海未……今日は元気ね……」


海未「うーん、そうですか?」

海未「あ、最近色々あったからかもしれません」

真姫(少しでも、海未と距離が縮まってきた、そう思っていたのに……)


真姫「ねえ、海未……」


海未「はい?」

真姫「――私に何か、隠してること、ない?」

海未「――な、なんですか、急に」

真姫「ないの?」


海未「あ、ありませんよ。私が真姫に隠していることなんて」


 ああ、やっぱり。そうなんだ。

 目を見てくれない。

 なんで、なんで、私には隠すの? にこちゃんとは、あんなこともしているのに? 私は知ることすら、許されないの?

真姫「……」

真姫「私、もっと、海未のこと知りた――」

 あ、れ? 胸が苦しい。

 なんで、なんで? 


 顔が、見れない。あれ?

海未『――それは恋なのかも』

 歌詞の打ち合わせをした時に、海未が言った言葉。フラッシュバック。


真姫「っ……!!」


海未「真姫?」


 熱い熱い、熱い熱い熱い。顔が、心が。

 やめて、見ないで。


 あれ? 私、海未のこと――。


海未「真姫、本当に大丈夫ですか?」


 海未の声が、私の脳に響く度、おかしくなっていくのを、感じる。

真姫「……ごめん、ちょっと外すわ」


海未「は、はい……」

◇◇



真姫「ぁぁ……顔が焼けそう……」



希「――大丈夫?」




真姫「の、希……?」

希「ふふ……真っ赤やね、どうしたん?」


希「――海未ちゃんと、二人きり、やったから?」


真姫「ち、違うわよ!」




希(やっぱり……好きなんやね)

真姫「えと……好き、とか、そういうわけじゃ……」モジモジ


希「……」


希「好きなんやん……」


真姫「……私……海未のことが好き……なの?」




真姫「だって……」


希「……」



真姫「気がついたら、海未を目で追って、二人きりの空間が楽しくて、声を聞くと幸せになって……」



真姫「――そっか……私……好きなのね。海未が」

希「……好きか。だったら、今の海未ちゃんの現状は、どう思うん?」




真姫「……」

真姫「現状……」


 現状。
 海未の股間に付いていたもの。希から話を聞いたこと。
 複数人とああいうことをしていた。なんで、私は何も言われない? 信用されていない?

 そう思った瞬間、私の中で、何かが弾けた。


真姫「――なんで、なんで私は、蚊帳の外、なんだろうって……」


真姫「なんで……なんでなんでなんでなんでっ……!!!」

希「真姫ちゃん……?」

部室



凛「きょ、今日はもう練習出来ないよ~」

凛「あ、足がガクガクして……」

海未「……」



花陽「ちょ、ちょっと凛ちゃん……!」


凛「ねえ海未ちゃん! 休憩中もう一回やろ!」


海未「し、しかし……」

希(ふーん……)


希(なるほど、なるほど)

絵里「まあ、ほどほど、にしときなさいよ」


にこ「誰もあんたにはいわれたくないんじゃないの」


ことり「あはは……」


希(……会話に参加している、のは、にこっち、凛ちゃん花陽ちゃん、えりち、そして少し遠慮がちに、ことりちゃん……と)



希(会話に参加していない、のは。ウチ、真姫ちゃん、穂乃果ちゃんか)



真姫「みんな、何の話をしているの?」

にこ「え? い、いや対した話じゃないわよ!」

真姫「……」

真姫「凛、何か海未とするの?」


凛「え!? あーいや、ほら! リリホワのダンスの確認!!!」


真姫「ふーん……」


穂乃果「ねえねえ海未ちゃん海未ちゃん! 昨日ね、おいしいお菓子見つけたんだ!」



希(ここまで会話の様子を見てみて、完全に知らなそうなのは……穂乃果ちゃん……だけか)


希(一体、いつからこんなことになってたんや……)




希(よーく意識して見ると、みんながみんな海未ちゃんのことばかり話している。凛ちゃん花陽ちゃんにこっちえりちは、お互いが海未ちゃんとそういうことをしていることを、知っている、みたいやね)



>>242の前に入れるの忘れてました




真姫「ずるいわ……みんな、みんなずるい……っ!!!」


希「……ねえ真姫ちゃん、これは忠告に近い、んやけど」



希「――この件、真姫ちゃんは関わらん方がいいよ」


真姫「な、なんでよ!! いやよ、もっともっと海未のこと、知りたい!!」




希「っ……」

希(これ、は……)



真姫「嫌だ、嫌だ! 私も蚊帳の中に入れてよ! 海未に、海未になら、襲われても、いいから!!」



希(……今まで自分の感情に気がつけなかった真姫ちゃんが、自分の感情に気がついてしまった……ということは)




真姫「私も、自分で調べるわよ。何があったのか」



希(真姫ちゃんの性格上、もう止められない。自分の思ったことに対して、突き進んでしまう)



真姫「じゃあね、希も何かあったら教えてね」



希(冷静さを失ってしまった真姫ちゃんは、何をしでかす、か……)


真姫「希のお陰で完全に自分の気持ちを知ることが出来た。ありがと」



希(――早く、何があったか調べんと)


◇◇

42日目


絵里「あっあっ、海未ぃ、海未ぃっ!!!」


海未「っあ……イクっ……出ますっ……!!!」






希「……まずはえりち……」


希「にこっちがやってるのは見たから、二人目、か」


希「実際に目撃すると、本当、摩訶不思議……やん」


◇◇




凛「ふぁっ……! 海未ちゃんのおちんちん、おちんちん……ぁぁっ!!!」


花陽「あっ……凛ちゃん、エッチな顔、してるよぉっ!!」


海未「く、はぁっ……凛、花陽っ……もうっもうっ……!!!」


凛「んぅ……んぐっんぐっ……んーっ、んっ……ぷはぁ……凛、海未ちゃんの精液大好きにゃ……」

花陽「ズルイよ凛ちゃん! 私も海未ちゃんの精液欲しいのに……」

凛「んー、じゃあもう一回!!」







真姫「……凛と、花陽……か」



希「――なかなか、µ’sの中で乱れてる、みたいやね」

真姫「希……あんた一体どこから湧いてくるのよ」

希「スピリチュアルやから」


真姫「はいはい」






凛「あっ……あっ海未ちゃぁん!!」





真姫「……」ギリリッ


希「ねえ、今からでも全部ウチに任せて……」


真姫「――嫌よ」

真姫「私は……好きになった人が他の人とああいうことをしているってことを、見て見ぬふりをして、接することが出来るほど……器用じゃないもの……」




希「真姫ちゃん……」



希「真姫ちゃんは、どうしたいの?」

真姫「……わかんない。でも、海未が他の人とああいうことをしているのは、見たくは、ない」


希(……自分も、海未ちゃんとああいうことがしたい、そういうこと、かな……)

希(恋は盲目……よく言ったものやね。今の真姫ちゃんは……ここ数日で恋を知ってしまった)


希(全然状況が、見えて、ない)



真姫「……もっと、もっと調べないと」


真姫「何かわかった?」


希「えりちが海未ちゃんとこういうこと、してたくらいしか」


真姫「そう……絵里もなのね穂乃果は多分知らなそうね」


真姫「ことりは?」


希「今のところ、そういう動きは見られない、ね」


真姫「ことりは知らない……?」

真姫「でも、ことりの性格からして、そういう変化には、とても敏感なはずよ」


真姫「――それは私が一番良く知っているもの」


希「っ……そう、やね」


 それは、前の事件の話。オーガズムが止まらなくなる、地獄を乗り越えたお話。

 そこでのことりちゃんは、ほとんどの人が気づけなかった真姫ちゃんの変化にいち早く気がついて、動いていた。




希「ことりちゃんも、何か知ってると」


真姫「ええ」


◇◇
47日目


希(真姫ちゃんとウチが海未ちゃんのことについて調べ始めてちょうど一週間くらいがたった)

真姫「……」





にこ「ふぅ……ふぅ……ねえ、海未ぃ……」


海未「にこ……綺麗ですよ」



真姫「くっ……」


希(ウチの目から分かるくらいに、真姫ちゃんの様子が変わってきている)


希(それもそうなのかもしれない……好きになった人、初恋の相手があんなことをしているところをずっと陰で見ているんやからね……)


真姫「ふぅーふぅー……くっ……」



希「真姫ちゃん……やっぱり」


真姫「うっさい……黙ってみててよ」


希「……」




にこ「はぁはぁ……んぁっ……気持ちいぃよお……ねえ、海未、にこのおまんこどう?」


海未「っあ、気持ちいい、です……」

にこ「あっ、にこのおまんこににゅるにゅるってしてりゅぅ……、あっ、おっきい、おっきぃ!」

海未「っはぁっ……」


にこ「うぁ、イキそう……ねえ、海未、そろそろ、ね? にこ、もう、我慢出来ないよぉ!!」


にこ「挿入れて!? もう素股だけじゃ、海未も我慢出来ないでしょ?」

にこ「挿入れて気持ちよくなろうよぉ……!」

にこ「もう、おかしくなるくらいびしょびしょだからっ!!」


にこ「海未のおちんちんでにこの中、ぐちゃぐちゃにしてぇ!!!」


海未「だ、ダメぇ……ですっ!!」


海未「はぁっ、はあっ、あぁんっ、気持ちい、ですっぁ…!」

にこ「ど、どうして!? ふぁぁあっ!! にこのクリトリスっが、おちんちんに擦れ、てぇっ!!」

にこ「いや、いやっ、動かないっでぇっ!! 嫌だ、嫌だよっ、イッちゃう、イッちゃうからぁ!!」

海未「気持ちいい、ですか? にこ!」


にこ「ね? やめて!! 海未のおちんちん中に挿入れられてイキたいの!! はぁっん、うぁぁあッ、おちんちんが、擦れて、ふぁっ、気持ちいいのぉッ!!! やだやだやだ、イッちゃう、海未そんな、激しく動いたらぁ!!!!」

にこ「ふぁっ、いやぁ……いっ……ふぁっ……あああぁああぁぁぁぁぁっ!!!!!」


海未「うっ……うっぁ……にこ、にこぉ……まだ、出ます……ぅぁっ」



にこ「あっ、出てる。精液、すきぃ」

にこ「んぐぅ……んぐぅ、海未の精液、おいしい。海未の精液、もっと欲しいよぉ」


海未「はぁ……はぁ……」


にこ「ねえ、なんで挿入れてくれなかったの?」

海未「それ、だけは……」


にこ「なんで? 一緒に気持ちよくなりたい、のに……」




海未「……」


にこ「……ケチ、いいじゃん別に、エッチくらい」

海未「そういう問題ではありません!」

にこ「はぁ……仕方ないわねぇ」


にこ「今度、ホテルとか行かない? 海未とエッチしたい」

海未「そ、そんなこと、ダメに決まってます! 18にもなっていないのに!」

にこ「そんなんバレないわよ。そんなことより、私、エッチがしたくて、おかしくなりそう、なの」

海未「……」

にこ「分かったわよ……」



にこ「はぁ……気持ち良かったけど、疲れちゃったわ。私拭き取るから、そこの粉でスポーツドリンク作っててよ」


海未「わ、分かりました」


にこ「もう、こんなことしてると痩せちゃうわね」


海未「スポーツと似てる、とも言いますし」

海未「あれ、もう粉が無いですね……」

海未「ラスト一袋しか」


にこ「ラスト一袋って使うのなんか嫌だし、今回はいいや」


海未「そうですか?」

にこ「はぁ……また買ってこなきゃじゃない」


希「……今日は今までで一番激しかったね」



真姫「……私、ことりのとこ行ってくる」


希「ちょっ! 真姫ちゃん!?」




希「あー……ついにことりちゃんとこ行ってしもた」



希(ここ最近のリサーチで分かったことは。ことりちゃんは、海未ちゃんの身体の変化、周りの人間関係の変化に気がついていながら、海未ちゃんとはそういうことをしていない……)



希「海未ちゃんがああなっているなかで、性行為をしていない、のはことりちゃんだけ……」



希「そもそも、なぜ……みんな狂ったように海未ちゃんを求めるん? ……いくら海未ちゃんの、……モノを好きになったとして、おかしない?」



希「海未ちゃん自体も、最近はどんどんそういう行為がエスカレートしている……。毎日毎日色んな組み合わせで……何回も何回も……」



希「……」



希「ウチもことりちゃんのとこ行った方がええね」

◇◇


保健室



真姫「ここに居たのね」


ことり「え? 真姫ちゃん?」

ことり「どうしたの、体調でも悪い? それとも怪我?」

真姫「いえ、今日はことりに話があってね」

ことり「どうしたの? 急に」


真姫「……」


真姫「海未って私に隠してること、あるでしょ?」


ことり「え、え? えっと、海未ちゃん?」

真姫「そう」


ことり「なんで私に?」

真姫「別にいいでしょ?」

ことり「……そういうのは特にないよ」

真姫「……なんで、無いってわかるの?」

ことり「え」

真姫「なんで、ないって断定するの?」

ことり「それは……」



真姫「――例えば、海未の身体の変化とか」


ことり「っ……」


真姫「海未、少し胸が小さくなったと思わない?」

ことり「ま、まあ……」




真姫「――いい加減、白状しなさい!」



ことり「ひ……」




真姫「――早く言いなさいって言ってんのよ!!!!!」



ことり「ど、どうしたの真姫ちゃん? な、なんだかおかしいよ!」


真姫「ぁあ……ごめん。ちょっと熱くなっちゃって」

ことり「……」


真姫「まだ、言うつもりないの?」

ことり(海未ちゃんの身体の、こと……きっとあれ。でもあれは……)

真姫「ことり聞いて欲しいことが、あるの」

真姫「まあ、それは置いておいて」

ことり「あ、うん」




真姫「――私、海未のことが好き」



ことり「え……?」






真姫「海未のことが好きなの。もっと、もっと、海未のことが知りたいの」


ことり「そ、そっか……い、いいんじゃないかな。応援するよ?」


真姫「ありがとう、じゃあ、もう一度聞いていい?」

ことり「う、うん……」

真姫「――海未の股のあれ、なに?」

ことり「……知ってたんだね」


真姫「こっちのセリフよ」


ことり「……あれはね、よくわからないの」

真姫「え?」

ことり「海未ちゃん自身が言ってたけど、ある日突然、らしいよ」


真姫「本当に?」

ことり「よくわからないまま今日まで過ごしてる。でも、あれは……男の人のモノだよ」


ことり「よくわからないんだ。なんだか、海未ちゃんが少しずつ、おかしくなっているような、そんな気がして」

ことり「ううん、海未ちゃんだけじゃない! 他の人もまるでおかしくなっちゃったみたいに海未ちゃんを求めて!!」



真姫「落ち着いて」


ことり「ご、ごめん……」


真姫「ことりはああいうこと、したの?」

ことり「……男のモノではしてない、よ」


真姫「それって……――ああ……ことり、女の子好きだもんね」

ことり「どうして、そんな目で見るの!?」


真姫「いや……だって、ねえ?」


ことり「うぅ……真姫ちゃんだって男は嫌いって!」


ことり「ていうか、海未ちゃんのこと好きって言ってたよね……」



真姫「ぅ……ま、まあそうだけど」


真姫「海未の女の子の方では、そういうことしたってこと?」

ことり「……う、うん……」


真姫「どうして、男の方ではしなかったの?」

ことり「男の人は苦手、だから」

真姫「そんなの関係ないと思うけど……」




ことり「え?」



真姫「海未のなら、別に関係ないわ。海未ってのが重要なの」


真姫「――ここで、本題」


真姫「……海未は、どうして、他の人ばかりとああいうこと、するの?」

ことり「いやそれは……」

真姫「おかしいじゃない。私だってµ’sの仲間よ? それなのに、教えてすら貰えず……私……私……」




ことり「真姫ちゃん……?」


真姫「うぅ……辛いの……私ばかり、蚊帳の外で。海未はみんなとああいうことして、楽しんでっ……」


真姫「二人でいくつも曲を作って……近づけたと思った、それなのに……」


真姫「海未にとって、私は……そういうことも相談する必要がない、くらい順位が下なんだって……分かって……」


真姫「でも、でも……そんなの認めたく……なくてぇ……うぅぁ……」


ことり「……」

ことり「――きっと、そうでもないよ」

真姫「え?」

ことり「泣かないで? 綺麗な顔が台なし」

ことり「きっと真姫ちゃんのことを大事にしていたから、相談出来なかったんだよ」

ことり「迷惑をかけたくないって、海未ちゃんなら思いそうでしょ?」

真姫「……」

ことり「私たちも相談された訳じゃないんだよ?」

真姫「そう、なの?」


ことり「絵里ちゃんが、海未ちゃんとそういうことをしている所をにこちゃんと一緒に目撃して……あ、凛ちゃんと花陽ちゃんも、だね。そのまま成り行きで」



真姫「そう、なんだ」

真姫「でも……私もしたい」


ことり「え?」


真姫「私も、海未と、エッチなことしたい。海未のこと好きだもん」

ことり「ちょ、ちょっと待って、やめた方がいい、と思うよ」


真姫「どうして?」

ことり「さっきも言ったけど、海未ちゃんの様子がおかしいの」

真姫「……おかしいなら――仮に性欲が抑えられないなら、私を襲ってもいいと思わない?」

ことり「そ、そういうことじゃ……」


真姫「ねえ、ことり、どうすれば私、海未に求めてもらえる……?」


真姫「海未が相手なら、別に私はどうなってもいい……」

真姫「ねえ、ことり、教えてよ」

ことり(真姫ちゃん……もう海未ちゃんしか、見えてない……)

ことり「えーと……えと……えと、エッチな気分になるお薬を使う……とか?」


真姫「……は?」






真姫「――薬……?」






ことり「じ、冗談だよ!」

ことり「それより真姫ちゃん、女の子が簡単に自分の身体がどうなってもいい、とか言っちゃいけません」



ガラッ


希「こんなとこにおったんやね」

真姫「……希なら、もっと早くくるかと思ったけど」

希「ウチだって万能やないしね」

真姫「私は一通り話は聞いたし、もう行くわ。ありがとね、ことり。相談にも乗ってくれて」

ことり「う、うん」

真姫(薬……か)

◇◇



希「なるほどねえ」

絵里「別に変なことはないでしょう?」

希「んーまあ、最初は興味本位やったんね?」


絵里「そうよ。……そりゃあ誰でも少しは興味持つわよ。気味が悪いって人もいるかもしれないけれど、私はすんなり受け入れられたわ。なんでかしらね」


希「……えりちはそういうことがしたかったん?」


絵里「ぅ……そりゃあ……女なら当たり前よ……。そこにたまたま海未があんなもの持ってるんですもの」


希「……そんなに気持ちいいん?」


絵里「……い、言わせないでよ!」



 ことりちゃんから話を聞いた後、ウチはそろそろ当事者たちにも話を聞いてみることにした。



 それで何故えりちを選んだ、かと言うと、一番最初に海未ちゃんの変化に気がついたのはえりちだったというのをことりちゃんから聞いたから。



希「ふふ……かしこいかわいい生徒会長さんは、実は煩悩で毎夜悶々としてた、そういうことやね?」


絵里「そ、そういうことじゃないわよ!」



絵里「の、希だって興味くらいあるでしょう?」

希「ウチは別に……そういうことは」



絵里「そういうことが一番好きそうな身体してるのにー?」ワシワシ


希「ひゃんっ……!! え、えりち、やめてって」ボン




絵里「……希、自分は人にやるくせに、やられるのはダメなのね」


希「うぅ……」



希「というか、胸おっきいからってそういうことが好きって風潮おかしいよ!」

希「そ、そういうことは、その……軽々しくすることじゃないって、いうか……」


絵里「……?」




希「そ、その……一生を誓い合った人、と本当に愛し合う時に……した方が、その……いいやん?」モジモジ




絵里「……希……あなた、本当に、乙女なのね……」



希「い、いいやん別に!!」カァァァアアア




絵里「ふふっ、あなたが私をイジッたお返しよー」


希「もう……こんなこと話に来たんやないのに」

絵里「まだ何かある?」

希「いや、もういいや」

絵里「あらそう? じゃあちょっと、また海未の所に行ってくるわね」


希「……はいはいー」


絵里「――あ、希も一緒にしてみない?」

希「しない!」

◇◇


海未「んはぁ……絵里ぃ、もう一回、もう一回お願い、します。まだ、まだ出したいんです……はぁはぁ……」




絵里「今日はいつにも増して元気ね」



海未「我慢が、できなくて………絵里……苦しいんです、お願いします!」


絵里「仕方ないわね」



 絵里は既に何度も射精を繰り返した亀頭に手を滑らせていく。潤滑油となるのは、絵里自身で弄った愛液と海未の淫液。



絵里「ふふっ、気持ちいい?」

海未「あっ、あっぁぁ……もっと、もっと、早く……!!」


絵里「海未のおちんちん、本当いやらしいわね。もう何回もどぴゅどぴゅしちゃってるのに、まだ出るの?」


海未「ふぁっぁ……自分でも、うぁいあぁっ、わからな、んぅぅぁ、くてぇッッッ!!!!」



海未「ぁぁん……絵里も、絵里も気持ちよく、なって下さい……」


 海未は絵里の下腹部、太ももの間の茂みに手を滑りこませていく。


絵里「ちょ、海未!?」



絵里「ひゃぁっ!!! うみぃ、んはぁっ、そこ、そこぉ、そこが気持ちいいの! んはぁ……嬉しい、海未から私のおまんこ弄ってくれるなん、てぇッ!!」


海未「はぁ、はぁ……絵里、イってイっていいですよっ、ぃぁぇ……みゅぁ……っ!!」

絵里「そっちこそ、イキそうじゃない!!」

 二人の少女が、ただただ、快楽という目的だけを共有し、お互いの性器をぐちゅぐちゅと刺激しあう。淫靡な音が空間にこだまし、さらに快楽は高ぶっていく。



 絵里はここ最近の海未の変化を感じていた。

 前は自分から攻めることはほぼ無かった海未は、自分から攻めることもするようになっていた。



 自分の手で女が快楽に顔を歪める、ということ。それは海未の心を満たしていくものに、なりえたのだ。


 

――少しずつ、少しずつ、おかしくなっていく。変わっていく。海未自身もそれは自覚していた。


海未「じゃ、ぁぁぁっ、一緒に、一緒にぃ、っぁ、あぁぁぁぁぁっ!! 絵里ぃ、一緒に一緒にっ!!!」



絵里「あっ、ああああっあぁぁぁぁぁっ!! 海未の手で、海未に弄られて、おかしくなっちゃぅ……ふぁっ、海未、海未っ、ふぁっぁぁっあぁぁぁぁぁっ!!」



 海未と絵里、ほぼ同時の絶頂。


 先に腰が抜けたのは絵里だった。



 膝から崩れ落ち、ちょうど絵里が体制を落としたところ、絵里の顔に海未の精液が放出されていた。


 快楽に打ち震える海未も、射精が終わるとヘナヘナと座り込む。




 本日9回目の射精であった。






希「……」




希「確実に回数が多くなっていってる……?」

希「それに、海未ちゃんの行為中の行動も様子も、一週間前とは違う……」


希「……」

◇◇

屋上

希「とはいえ……凛ちゃんと花陽ちゃん、この二人とにこっちに聞いてもきっと何か分かるってことはなさそうやし……」


希「あとは……海未ちゃん、か」


希「ことりちゃんが言ってた、真姫ちゃんのことも気になる……何かしでかさなきゃええけど」

希「あの子、本当に何するかわからんもんなー」



希「恋する乙女は怖いものなんてない? てことやね」


希「穂乃果ちゃんは、多分なんともない。無警戒で大丈夫」

希「はぁ……」



ガチャ


希「うん? あ」


海未「希、珍しいですね」

希「え、あ、そうやね」


海未「隣、いいですか」

希「うん」


海未「いい天気、ですね」


希「そうやね」


海未「……」

希「……」




海未「……私、最近考えるんです」

希「ん?」


海未「人の理性って、どこまで強く、あれるんだろうって」


希「突然どうしたん?」


海未「迷惑でしたよね……」

希「続けて」



海未「……私たちは動物です。本能ってものがあります。でも……それでは人間とは呼べません……。本能で大切な人を傷つけてしまうことも、あります」


海未「……希は、理性ってどこまで強くあれると思いますか?」

希「……本能ってのは仕方ないこと、なんやない?」


海未「え……」



希「でも、眠い、お腹が減った――エッチなことがしたい」


海未「っ……」


希「最後の、性欲ってのは、人間なら強い理性で抑えられるものやと思う」



海未「そう、ですよね」


希「海未ちゃん?」


海未「……やっぱり、私は、穂乃果に、顔向け出来ません……」ボソッ


海未「人に流されて、そのひとのされるがままになる。私も最終的には、それに乗ってしまう」

海未「私は、最低です。本当に、本当に……人間じゃ、ありません……」


希「……」


希(これは、自分のことを言ってる、んよね。……海未ちゃん……相当悩んでるみたいや)



希「ねえ海未ちゃん」


海未「はい?」



希「――今日ウチの家に泊まりこない?」



◇◇


穂乃果「海未ちゃん海未ちゃん!!」



海未「なんですか?」


 顔を見れない。


 いつ、穂乃果を、穂乃果のことを性の対象としてみてしまうか、私はそれが怖いのです。


 穂乃果を性の対象として見てしまったら……。



 私に、穂乃果を愛する気持ちがないから、だからそういう気持ちが出てくると。そういうことです。




穂乃果「宿題教えてー!」


海未「全く、仕方ないですね」



 だから今日も穂乃果の目を見ません。

 宿題を教えるのは顔を見なくて済みます。良かった。


 私が、私がこの欲望を、抑制出来るまで。


 あなたのことを見ることは、出来ません。


 ――本当にすみません。




穂乃果「……」


海未「どうしたのですか」


穂乃果「ううん……なんでもない!」


穂乃果「さ、やろやろ!」


海未(なんで……なんで、こんなに辛いんですか……穂乃果と、一緒、にいるのに)


海未(……私が穂乃果のことしか見なければ、穂乃果をここで……襲ってしまえば……私のものに、してしまえば……)


海未(穂乃果も、みんなみたいに気持ち良くなったり、するのでしょうか。あんな風に喘ぐんでしょうか。あんな風に顔を歪めるのでしょうか)


穂乃果『はぁ……はぁ……海未ちゃん、気持ちいいよぉ…………きて……?』






海未「っ……私は……なに、をっ!!」バンッ



海未「っ……!!!」

 一瞬。一瞬、穂乃果を、私は……。



穂乃果「……?」


 最低、最低。




海未「……穂乃果、私たちが恋仲だということ、みんなに言いませんか?」


穂乃果「ど、どうして?」

海未「……もう隠す意味もないでしょう?」


穂乃果「……嫌だ」

穂乃果「嫌だよ。海未ちゃん、私、海未ちゃんが知ってさえいてくれればそれでいいから」

海未「しかし……」


 穂乃果が良くても、私は嫌。

 言えなかった。それを穂乃果が望むなら。

 でも、みんなに言わないと、みんなが私に性的なことを、求めてきて……。それに私は、抗えなく、て……。



海未「……ごめん、なさい」



穂乃果「さっきから、大丈夫?」


海未「はい、大丈夫です。さあ宿題をしましょう」


 私は、さらに目を背けた。


◇◇

希の部屋


希「ごめんなー、外食で、しかもお金負担させてもうて」


海未「流石に自分の分は払いますよ」


希「いやあウチが料理作れないの忘れてたわ、あはは」


海未「料理作れないんですか?」


希「うーん、なんか難しいやん」

海未「普段は?」

希「適当に買ってきたりしとるよ。一人暮らしだと、自炊するよりそっちの方が安かったりするから」


海未「まあそうかもしれませんが、栄養とか……」


希「大丈夫やって! まだ若いし」

海未「ですが……」


希「あ、作れる料理あったわ!」

海未「なんですか?」

希「――うどん! おうどんさん!」


海未「……ただ茹でるだけじゃないですか……」



希「えー、料理やってー」

海未「まあ、そうですが……」


希「じゃ、お腹いっぱいになったとこでお風呂入ってきて!」


海未「え……」


希「……?」


海未「あの……ひとつお願いがあります」

海未「絶対覗かないで下さいね?」




希「わかってるってー」




海未「本当ですか?」

希「本当本当」




希「着替えとかは持ってきてるの?」

海未「はい、一応。一旦家に帰った時に」


希「そっか、タオルとかはそこ置いてあるから使ってなー」



ガララ







希「……ごめんね、海未ちゃん。海未ちゃんの身体いろいろ調べることになるけど……」

希「何かあってからじゃ、遅いんよ。まだ、まだµ’sの中で情報は留まってるけど」



希「……はぁ、海未ちゃんの為に、ちょっと体張らないとダメやん。……恥ずかしいんやけどな。えりち達みたいな、まあ……そういうことはするつもりはないけど」




◇◇




海未「……」

海未「話ってなんでしょうか……」


シャアアアアアァァ



 希がシャワーを浴びている音だけが寝室の方まで木霊している。


 話があるから、と呼び出された海未。何も泊まる必要は、とも言ったのだが、どうしてもということで希の家に来たのである。



 家から持って来ていたパジャマを着て、ベッドに座る。





海未「一人暮らし……ですか」


海未「色々大変なことも、ありそうですが……」




希「――なれちゃえばそうでもないよ」



海未「うわっ! ――の、のぞ……み!?」


希「んー? どうしたん?」



 いつの間にか浴室から出てきていた、希。片手にドライヤーを所持して、やはりというべきなのか、格好はバスタオル一枚だった。



 濡れた髪の毛、蒸気した身体。
 海未はたまらず下を向く。



海未「そ、そんな格好……」



希「んー? なんや、もしかして興奮しちゃったー?」


希(意外と恥ずかしい……)



海未「何を言って、るんですか!」



 希が覗き込むようにして、海未に接近する。少し海未が視線を希にやると間近に迫った胸元が海未の目を支配した。

海未(希の胸……おっき……い)


 とくん、とくん。



海未(ダメ……ダメ……)


希(海未ちゃん、ウチの胸見過ぎやって……ダメや、恥ずかしなってきた……下着姿見られるのはなんにも抵抗ないのに)


希「……ふふ、海未ちゃんはかわいいなぁ」



 ふいっと希が海未から離れる。

 希は海未が座っているベッドの隣に座り込み、ドライヤーをコンセントに差し込んだ。


希「最近洗面台のコンセントが使えなくて」

海未「ああ……だからドライヤーが無かったのですか」

希「ごめんなー、次使わせて上げるから」



希(えっと……どうしよう……。理由が必要。ウチが海未ちゃんの身体を調べる、理由が)


希(やっぱり、てっとりばやいのは……興奮してもらうこと、やけど……)


希(よし……)



希「んんぅー、秋やけど、風呂あがりは暑いなぁ」


海未「そ、そうですね……」


 希は海未の様子を伺うようにして、胸元のバスタオルの結び目に空間を作りパタパタと仰ぐ。



 その空間から溢れでる希の女の香りが海未の鼻腔をくすぐる。
 



海未「の、希、服を……」

希「んー? どうして?」




 とくん、とくん。




希「えいっ」ギューッ


海未「な、な……!!」

希「にしし……」


希(どうかしてるってウチ……恥ずかしい、恥ずかしい。これじゃただのビッチやん……。お願い、お願いだから早く興奮して……!)


海未「な、なんの、つもりですか」


希「いやー、なんかかわいいなぁって」


海未「そ、そうですか……いいからは、離れて下さい。暑いです!」


希(あ、あれ?)チラッ


希(まだ……か。えっと、えっと……胸を……うぅ、これじゃえりち達とやってること変わらないやん……)



海未「!?」


 希は抱きついたまま、さらに接近。海未の腕にスリスリと胸を当てるだけじゃなくて、擦り付ける。


海未「な、なにを!!」


希「んぁぁ……」


希(ヤバ……ちょっと、敏感なとこに当たってしもた)




 海未は希が一瞬、快楽に歪む声を発したのを聞き逃さなかった。

 ここ数日の間、聞き続けてきた声色。それを希が発した。

 その時点で海未の煩悩は極限まで刺激され、希が快楽に歪む顔まで全て連想してしまう。



希(……おっきくなってる?)



海未「はぁ……はぁ……希、離れて下さい」


 希が海未の股間に目をやると、陰茎がパジャマを押し上げ、まるでテントが貼ってるかの如く変形していた。




希(よし、これで……!)


希「海未ちゃん……それ、なに?」



海未「……こ、これは……」

希「なんか物でもいれてるんやない?」

海未「そ、そうなんですよ!!」

希「見せて見せて!」


海未「っ、ダメですっ!」


希「はぁ……仕方ないなぁ……」



希「――ウチ知っとるんよ」


海未「な、なにを、です?」

希「――男の人のモノが、ついてること」



海未「……ぁ、知ってた、んですか」


希「もう一度聞くよ。――それ、なに?」

 希が少しドスを効かせ、指を指したのは、海未の膨れ上がった陰茎。服の上からでもピクピクと動いているのが確認出来た。


海未「こ、これは、違うんです……」

希「ウチに欲情しちゃった?」


海未「……」



希「……ウチな、えりち達みたいなことがしたいわけじゃないんよ」

海未「……それも、知ってたんですか」

希「うん。ウチは海未ちゃんの力になりたいって思ってる。そんな身体、イヤやろ?」



海未「もちろんです……」

希「力になれることもあるかもしれない。だから、ね? 調べさせてくれんかな?」



海未「……わかりました」


希「ありがとね。じゃ、脱いで?」


 海未が下半身のパジャマに手をかけ、一気にずりおろす。

 屹立した陰茎が海未の腹まで反り返っていた。

希「ま、間近で見ると、す、すごいおっきさ、やね……」カアァァァァアアア



 希は初めて間近で見る男性器に、驚いて思わず顔を背ける。


希「えっと……そう調べなきゃね」


海未「そ、そんなに、み、見ないで……」


希「ピクピクしてる……」


海未「う、うぅ……うぁ……」



希「……な、なんか出てきたよ? こ、これが我慢汁ってやつ……?」


希「ウチ、見てるだけなのに、興奮してきたん?」


希「不思議やね」



 初めて見る男性器に、本来の目的もそこそこに、ジッと観察をする希。

 海未は希が見るだけ、と言ったものの、刺激を快楽を与えてくれるんだと、期待していた。



希「えっと……見るだけじゃ、わからんから、その、さ、触るよ?」

海未「は、はい」




 おそるおそる希は海未の陰茎に手を伸ばす。

 ああ、触ってもらえる、気持ちよくしてもらえる。海未の頭はもはやそれだけで埋め尽くされていた。



海未「ふあっ……ぅうぁ……」


希「大丈夫……?」

海未「は、はい……あのもっと……もっと、お願いします」

希「もっと……? い、いや、でも……――!?」



 突如として、希は目を見開く。


 それは、まさに今回の海未の身体に異変があったことと直結する。原因。








希「――な……なに、これ……」


海未「はぁはぁ……希?」

 海未の陰茎を握ったまま、希は"それ"を感じ、硬直する。海未のモノに驚いたわけでは、ない。



 握られたまま一向に動かす気配を見せない希に、海未の陰茎はダラダラと汁を溢れさせて希の手を犯していった。



希「こ、これは……?」




希「――悪運の、塊……」






希「な、なんで……こんな、こんな……」


 希はサッと陰茎から手を離す。

海未「ぁ……」


希「海未ちゃん、一ヶ月くらい前、ブレスレット拾わんかった? ――紫色に光る、ブレスレット」



海未「……? えーと……ああ確かに拾った、ような……」



 声は出なかった。


 また、また、やってしまった。自分のせいで、自分の過ちのせいで、一人の人間をおかしくしてしまった。


 前回は、西木野真姫を。――今回は、園田海未を。





希「……ごめん」


海未「え?」


希「ごめんね……」

希「本当に、本当に……」





 海未が見たのは、頭を抱えて涙を流す、希の姿。

 突然、まさに精神病なのではないかと疑うくらい希の様子は急変した。



希「うぅ……ウチの、ウチのせいで……うぅぁ……ごめん、ごめんな」


海未「な、なんのことですか?」


希「……こうなったのも、全部全部ウチのせい。今、興奮して苦しんでるのも、海未ちゃんの気持ちが揺れている、のも、これがあるから悩んでいるのも……」



海未「え?」



 希は何も知らない海未にそう言うと、涙を流したまま自身のバスタオルを剥ぎ取った。



 µ’sの中で一番の大きさの乳房が外気に晒される。他のメンバーよりも少し大きめの乳輪、ピンと上を向き張りのある桜色の突起が海未の目を襲う。





希「――せめて……ウチが責任とって、楽にしてあげるから」





 そのまま希は海未に急接近し、海未の陰茎に胸元を寄せる。


海未「な、なにを?」


 海未の問いかけに無言。

 ただ、涙だけを流しながら、海未の陰茎を、希は豊満な乳房で挟み込んだ。

 ――そこに恥じらいは、ない。



 海未の陰茎はすでにドロドロな液で溢れかえっており、希が乳房で挟むことにより希の乳房もすぐに淫液でドロドロの状態になる。


希「あー……」


 それでも希は、潤滑油として舌を突き出し、みずからの唾液をたらりと落とす。

 状況が全く掴めない海未だが、そんなことはすでに頭に無かった。あるのは煩悩、だけ。


海未「ぅあ……」



希「……うぅ……ひっぐ……ごめんね、ごめんね……うまく、ないかも、やけど……」



 ぐちゅ……ぐちゅ、べちゅぁ……ぬちゅ……。


 希は嗚咽を漏らしながら、海未の陰茎を乳房によって刺激する。暖かく、ぐちゃぐちゃになった胸の間の快楽は想像を絶していた。




海未「ぅあ……ッッ、希、希っ!! くっ……はぁッ、気持ちい、ですっ、はぁああああんッ」


希「……うぅ……んぐっ……んぐっ、はぁ……んぅぅ」


 希の胸に挟み込んでも、今だ姿を見せ続ける海未の陰茎を小さな口いっぱいに頬張る。


 希の胸と、口、身体の至る所を使った全身刺激に、海未はさらなる淫液を口に注ぎ込む。


希(ウチのせい……ウチのせい……もっと、もっと……海未ちゃんのために……してあげないと)


 煩悩で埋め尽くされている海未とは違い、今の希を動かしているのは凶悪なまでの罪悪感。

 また人を絶望させてしまう。それは、とてつもなく、嫌なこと。

 涙を流し、希は海未を奉仕する。



 少しでも力になれることをするしか、現時点での償いはこれしかなかったのだ。




海未「んっ、んっんぅぅぅぅッッッ!!! あ、希、でちゃう……希の、口と胸、が……気持ちよすぎてぇ……ふぁぁっっっ!!!」



 海未は堪えきれず自身も腰を振って希の口のなかに陰茎を叩きつけ、蹂躙する。

希「んっ、んぅぅ…………んっ、んぐぅぁ……んごぉっ」


 海未は希の口と胸の同時攻撃に、たまらず精液を希の口の中に吐き出した。



希「っ!?」



希(あ、悪運!? これ、精液も悪運で……は、吐き出さんと、飲んでは、飲んじゃダメ――」


希「んぐぅっ……んぅうぅん……がはっ……」


 海未は精液を吐き出しても、吐き出している限り腰を振るのを辞めようとは、しない。




 相手の状態も、出され続けている精液を、吐き出そうとしている希の姿も海未の目には入ってはいなかった。


希(も、もう……ダメ……)



希「ごくっ……うぅぁ……――ごく、ん」





 ――悪運が、侵入した。





 希だからわかったことだ。海未の陰茎は悪運によって出来たもの。

 精液も同じだった。悪運によって精製されたもの。


 一通りの快楽を味わうと、今だ勃起をやめないペニスをゆっくりと引き抜いた。



海未「ごめん、なさい……私、気持ちよく、なると……自分が見えなく、なって……」



希「ごほっ……ごほっ……いいんよ。別に、ウチには、なにしてもいいから」



希(ぐ……悪運が、入って、きた。あ、れ? なんか、おかしい。精液、もっと精液海未ちゃんの、精液欲しい……)





希(ああ……なるほど。こういうこと、やったんね。みんなが海未ちゃんを求める、理由は)



希(まだ、おっきい。また、またやって、あげないと)




希「海未ちゃん、またおっきくしてるやん。ウチが、すっきりさせてあげるね」

◇◇

海未「はあ……はぁ……もう、いいです……」

希「……そっか」

海未「気持ち、良かった、です……」



希「……海未ちゃんが、したいなら、ウチのここ、いつでも使ってもいいよ?」くぱぁ




希『初めては……本当に愛し合った人と……』






 そんな甘いこと、もう言ってられないんよ。

 海未ちゃんが望むならウチはそうして、あげないと。償わない、と。


海未「そ、それは……」

 下着をずらして海未に陰部を開いて見せる。トロトロになって今にもとろけそうな陰部を、直視は出来なかった。


海未「――明日も学校があります。今日はもう寝ませんか?」

希「そう……? わかったわ」


なんだこの泥沼(歓喜)もっとやってくれ 修羅場も思いっきりドロドロしたものを頼む(満面の笑み)

◇◇



希「べ、別にウチは床でねるって……」


海未「いやいや私が床で寝ますって……」


希「……」


海未「ほら、八方塞がりになるから、一緒に寝ようって言ったんです」


希「な、なるほど……」




L

海未「……希、聞いてもらって、いいですか?」

希「うん」

海未「……私は、自分が怖いんです」


海未「気持ちいいことをすると、なにも考えられなくなって。気持ちいいことをするためならば、なんでもしてしまいそう、になるんです」

海未「――それが、大切な人、でも」


希「……」

海未「……希は言いましたね。性欲は、抑えられる、と」


海未「でも、私は……私は、抑えられ、ないんですっ……!」


海未「今はまだ、大きなことは起こしていません。でも、いつ何をしでかすか、わからなくてっ……!!」

海未「だからっ……苦しいんです……性的なことをした後、いつもいつも……っ!!!」


海未「私は、私は……どうすれば……!!」




希「――ごめん」


海未「え? 先ほどから希……なんで謝って……」

希「実はね、海未ちゃんがそんな身体になったの、ウチのせい、なんよ」

海未「は?」

希「……あのブレスレット。ウチが帰りに落としたものなんや」


海未「えっと……あれ、希のだったのですか? それなら物置に……」

希「……あぁ……そっか。海未ちゃんはなんにも知らないんやったね」


希「全部説明するわ」




 ウチは今までのことを全て話した。

 真姫ちゃんの病気は、全てウチのせいやったこと。そしてそれらは"運気"によるものだということ。

海未「……真姫のことはまさか、そんな……」


海未「それと同じことが、私にも、起きている、と?」


希「……うん」


希「海未ちゃんの身体は悪運で満たされている。きっと、それを放出しようとして、精液にも悪運が込められてるん、やね」



希「そして、その悪運が込められた精液を飲んだものは、精液を求めるようになる」



海未「……?」


希「精液を飲んだ人は、みんな海未ちゃんを求めてるやろ?」


海未「……確かに……ことりは……そういうことはしてきません……」



希「そういうこと……実は、ウチも、今おかしくなりそうなくらい海未ちゃんの精液が……欲しいんよ? はぁ……はぁ……」

海未「っ……」


希「……これはきっと、ウチの中に入り込んだ悪運が、より大きな悪運を求めてる証拠なんよ」




希「ウチは……海未ちゃんに償わなきゃいけない」


希「我慢出来なくなったら、ウチを使ってくれていいから。ウチは海未ちゃんの物やから」

希「ほら、道具を使うって考えれば……海未ちゃんの心も少しは……」

つい先ほど、あるスレに誤爆をしてしまいました。そのスレは楽しく拝見させて頂いており、そんな素晴らしいスレを私の誤爆によって損なってしまったため非常に自分に憤りを感じております。


というわけで本日は投下はこれまでとさせて頂きます。

また昼頃には……。


>>281
悪役を作らないようにドロドロを作る……と意気込みましたが、多分無理かも……。それでもあんまりドロドロしないかもしれません。

海未「――そんなこと、出来るわけないじゃないですかっ!!!」



希「っ……」


海未「希が落としたから確かに今の私があるのかもしれません。でも、拾ったのは私です。結果として拾った私が悪いに決まっています!!」

海未「でも、自分を道具だと思え? ふざけるのも大概にして下さい」




海未「……だから、そんな……そんなこと言わないで、下さい……!!」


希「海未ちゃん……」



希「ごめん……ね……海未ちゃん……」



海未「……希のせいじゃありません。こんなに優しい希が、悪いなんて、ありえませんよ」ギュッ




希「ふぁ……」




希(真姫ちゃんが、海未ちゃんを好きになる理由、分かった気がするするよ……)



希(きっと、海未ちゃんの特別になれる人は、幸せ、なんやろね)ギュッ




海未「……希、一つ、いいですか?」

海未「私は……みんなに悪運を与え続けているっていう、ことですか?」


希「そう……なるね」

海未「……みんなを中から、犯していってるという、ことですか……!!!」

希「……」

海未「――もう、辞めます。全部。希が解決してくれるまで、私は……」




希「……でも……精液による悪運なんて身体に害があるものじゃないし……それに海未ちゃんがそれじゃおかしくなって……」




海未「私は……どうなっても、いいんです……」


海未「私も、償わなくてはならないんです」


海未「大切な関係を、守るために」



海未(穂乃果にも、いつかは、謝らないと、いけません。どう思われても、私がやったことは、事実ですから)

◇◇


西木野宅 仕事場




真姫「……」




ことり『お薬を使う……とか?』




真姫「…………これは……違う」ガサゴソ



真姫「これは……よくわかんないわね」ガサゴソ


真姫「ん……こっちの薬は……確か……センセーション……?」



真姫「これは……お父さんのレポート、かしら」






-sensation-


この薬自体の効果を緩和する、特定の薬と混ぜて使われる粉末状の薬。強い鎮痛作用がある。

単体だと鎮痛作用に加え、極めて強い催淫作用があることが確認されている。


強烈な脱抑制作用がある。感情をむき出しにしたり、性的欲求を求めたり。手が震える。鬱に近い症状が出る。副作用は強いが、依存性共に一過性のもの。







真姫「ふ~ん……ふふ……」

真姫「良いおくすりがあるじゃない……」



真姫「どうやってもっていこうかしら……透明な袋に白い粉なんて見られるだけで面倒だし誤解を招く可能性も……」



真姫「あ、そうだ……家にあったかしら」



センセーションは>>1の為に都合よく作られた架空のお薬です。

Kira-Kira Sensation いい曲ですよね。うん。

聴いててムカつく曲

◇◇
48日目



海未「希、起きて下さい。希」


希「ん……? ぁ……もう朝?」

海未「はい、おはようございます」


希「うぅんぅ……海未ちゃんは早起きやねー」



希「ふぁぁ……じゃあ朝の占いでもしようかなー」



海未「毎日やってるんですか?」


希「うん。じゃ海未ちゃんから」



希「むむ……」



希「出たよ」

海未「どうですか?」


希「……っ。良くは、ないね。いやむしろ、最悪……?」


海未「うわ……今日一日気をつけないとですね……」


海未「――私、今日……みんなに、謝ろうと思います。今までしてきたこと」




希「そっか……」



希「ウチも、全力で海未ちゃんの悪運、浄化するために頑張るから」



海未「ありがとうございます」

◇◇



穂乃果「……海未ちゃん遅いなー……」


穂乃果「寝坊してるのかな……?」



穂乃果「うーみちゃーん!!」



穂乃果「……」




穂乃果「……あ、海未ちゃんのお母さん!」




穂乃果「……え? 友達の家に泊まりに行ってる?」



穂乃果「……海未ちゃん……」

>>294
wwwwwwwwwwwwwwww

◇◇

校門


希「あ、真姫ちゃんおはよう」



真姫「……」スタスタ



希「真姫ちゃん……?」


真姫「あ、海未、おはよう」


海未「あ……はい」


真姫「また後でね」


海未「なんだか……様子が変な気が……」

希「そう……やね」


穂乃果(海未ちゃん……希ちゃんと一緒に……?)


穂乃果(希ちゃんの家に行ってたんだ……)



穂乃果「あっー!!! 海未ちゃんなんで朝いなかったのー!?」




海未「穂乃果! おはようございます。えっと……す、少し早く出――いえ……希の家に泊まってたんです」


穂乃果「希ちゃんの……?」


希「ちょっと話があってねー」


穂乃果「そ、そうなんだ……」シュン



穂乃果「……」ギリリ



穂乃果(なんで……なんで、希ちゃんの……許せな、い……。海未ちゃんは、私の……私の)



希「穂乃果ちゃん……?」


穂乃果「……っ」ダッ


海未「穂乃果!? すみません希、追いかけます」

希「あ……うん」




希「もしかして、穂乃果ちゃんも……? いやいや、それはないか」


希「それに、真姫ちゃんの様子も……」

>>297
。゚(゚´Д`゚)゚。

◇◇
校舎裏



穂乃果「はぁ……はぁ」


海未「穂乃果っ!」




穂乃果「こないでっ!!!」


海未「え……」



穂乃果「……」


海未「穂乃果……私」


穂乃果「――ダメ……私、最低、なの」

海未「え?」

穂乃果「……私、さっき一瞬、希ちゃんにとっても良くないこと思っちゃった」

海未「良くないこと?」




穂乃果「ふざけるな。って。私の海未ちゃんを取らないでって。……嫉妬、嫉妬しちゃった。とってもとっても、希ちゃんが憎くて……」




穂乃果「きっと海未ちゃんだって仕方なくお泊りしたって、分かっているのに……!」


穂乃果「こんなこと、思っちゃダメなのに。希ちゃんもµ’sの仲間、なのにっ!!!!!」


穂乃果「海未ちゃん……どうして言ってくれなかったの?」

海未「……それは」





穂乃果「海未ちゃんは優しくて、強くて、かっこよくて、誰にでも好かれる凄い人。そんな人の恋人が、こんなに、汚い、私でいいのかなっ……私なんかじゃ――」

海未「――好きです」


穂乃果「……海未ちゃん?」


海未「私は、誰よりも穂乃果が好きです」


海未「どんなに汚れても、穂乃果は穂乃果です。わたしにとってそれで十分なんですよ」


海未「穂乃果じゃないと、私は、ダメなんです」



穂乃果「……こんなに汚いこと考えてるのに、それでも、いいの?」



海未「もちろん」


海未「私も穂乃果に、謝らなければならないことが、あります」


 もう、下は向きません。

 今、決別するんです。希と話せて、本当に良かった。


 今にも泣きそうな穂乃果の瞳をジッと見つめます。それが償い。誠意。





海未「私は穂乃果に隠していることが、あります。きっと、これを知ったら嫌いになるでしょう」


海未「私は、汚れています。誰よりも」

穂乃果「どういうこと?」


海未「いまは、話せません……。ただ、全部終わったら、話します」


海未「それじゃあダメ、でしょうか……」



穂乃果「……私は海未ちゃんを、信じてるよ。待ってるね?」ギュッ


海未「……ありがとうございます」



海未「――穂乃果……昨日も言いましたが、私たちが、こういう関係だってこと、みんなに、言いませんか……?」

海未「そうすれば、誰かに取られるとかそういうのも、無くなると思うんです」


穂乃果「……でも、みんなになんて思われる、か……」


海未「どういうことですか……?」

穂乃果「――女の子同士、だなんて……軽蔑、されちゃうかも、しれない」



穂乃果「イヤだ……怖いよ……」


穂乃果「それに、二人だけのヒミツ。海未ちゃんと繋がれる、気がして」


海未「……穂乃果。そういうことだったのですね」


海未「大丈夫。µ’sに心から軽蔑する人なんて、きっといません……」

穂乃果「でも……世間的に、見たら……」



海未「……では、ことりに相談、しませんか?」


穂乃果「ことりちゃん?」


海未「……ことりは実は、同性愛に関しては、理解があるんです」


穂乃果「そうなの? にこちゃんをからかったりしてるのは、ふざけてるんじゃなくて?」



海未「本当に、男性が苦手、らしいです」


海未「ことりなら、きっといい考えも出してくれるはずです」


海未「――ことりは私たちの幼馴染なんですから」

穂乃果「そう、だね」


穂乃果「うん……分かったよ!!」



穂乃果「ねえ海未ちゃん、好き」


海未「も、もう……」











穂乃果「私ね、海未ちゃんを好きって気持ちは――誰にも負けないから」

◇◇


保健室


真姫「またここに居たのね」



ことり「あ、真姫ちゃん。なあに?」



真姫「……ことりにはお礼を言うわ。私が前に進めるきっかけはあなたが作ってくれたんだもの」

ことり「え? なんのこと?」




真姫「海未のこと」

ことり「ああなるほど」

真姫「じゃ、それだけ」



ことり「ええ? それだけなの!?」


真姫「ええ……それだけよ」

◇◇


昼 二年生教室




ことり「なんだか二人ともちょっと元気ない?」


海未「流石ことりですね……」


海未「ちょっと、話があるんですが、いいでしょうか」



ことり「もちろん」


穂乃果「……」





海未「――私と穂乃果は付き合っているんです」



ことり「――は?」





穂乃果「っ……海未、ちゃん」

ことり「本当なの?」


海未「はい」


ことり「そ、そうだったんだ……気がつかなかったよ……」


ことり「私、人の動向には目を配ってるつもりだったんだけどな」


海未「……」


ことり「いつからなの?」


海未「二ヶ月ほど前、から」

ことり「へぇ~」


ことり「――良かったね、穂乃果ちゃん!」



穂乃果「え……」


ことり「海未ちゃんみたいな素敵な人と出会えて」


穂乃果「う……うんっ!!」

海未「全く……ことりったら口が上手いんですから」

ことり「えへへ、事実だよー」



 穂乃果が笑っている。ことりに言って、良かった。


 少しずつ、穂乃果がみんなに言っても大丈夫だと思わせなければ。

 そうすればきっと……私と穂乃果は幸せになれる、はずなんです。



 後は、みんなに、今までの謝罪をすれば……。



海未「ことりに相談して、良かったです」


海未「本当に、心からそう思います」


ことり「二人のこと、応援するね」

穂乃果「ありがと……ことりちゃん!」








ことり(あ……待って……これじゃ……真姫ちゃんが……)








海未「ことり?」

ことり「う、ううん、なんでもないよ」

海未「――ことり、私、今日でケジメをつける、つもりです」




ことり「え?」


海未「そのうち、わかりますよ」



◇◇


練習前 空き教室






海未「絵里、凛、花陽、ことり、にこ」


にこ「なに? 急に呼び出して」


絵里「ついに全員でエッチなこと、するとか?」




海未「……」


凛「だったら凛からやるーっ」


花陽「ちょ、ちょっと……」




にこ「えー、海未は私とエッチするんだからー」ギュー


絵里「ちょっと、抜け駆けはダメよ」ギュー


絵里「ねえ海未ぃ、私とセックスしましょう?」



ことり「あはは……」



海未「――離れて下さい」



にこ「え……?」


 海未のいつもとは違う、声色に。その場の空気が、凍る。



絵里「どうしたの?」



海未「みんなに、話があるんです」

 貫くような、海未の目。



 全てを覚悟した、目。それはまさに武士のよう、武道に精通している海未の一端を垣間見た気がした。

海未「……今まで私は、みんなと、私の性欲の解消のために色々なことをしてきました」


海未「でも、もう……終わりにしたいんです……」



にこ「は……?」


海未「……勝手ですみません」


 謝っても、海未が目線を落とすことはない。それは、覚悟の表れ。




絵里「何かあったの?」



海未「このままでは、大切な関係が、崩れてしまう気がして」


 それは、ここに居る人に向けて。そして、穂乃果に向けて。


海未「すみません、でした」



 膝をつき、そして頭も地につける。

 ここから先、どんな罵倒が飛び交うだろう。乙女の心と身体を弄び、あげく勝手に切り上げる。


 海未にはなにをされてもいいという覚悟が、出来ていた。



海未「私を、どうしてくれても、構いません……」



ことり「海未ちゃん……」


ことり(ケジメ……そういうこと、だったんだね)



絵里「……そう」


にこ「……」

にこ「あーあ、なに本気にしてんの? 今までのは全部演技なんだからね」



にこ「にこの初めてが奪われちゃうかもぉってドキドキしちゃった!!」


にこ「――だから、安心して。関係は、壊れたりしない」



にこ「ほら、だから早く頭を上げなさい」


絵里「そうよ、あなたがそんなこと思っていただなんて。知らなかった。ごめんなさい……」



絵里「――最初に拒否したの、は…本心、だったのね」




 驚くほどあっさりと。



海未「ありがとう、ございます」



 事態は収束に向かっていった。

 µ’sというグループを、心から信頼していなかったのは海未の方だったのかもしれない。





凛「……うぅ」


凛「海未ちゃんとまだエッチなことしたかったよぉ」



花陽「ちょっと凛ちゃん……」


絵里「ま、まあ私も……」ムズムズ

にこ「ちょ、ちょっとぉせっかくいい雰囲気だったのに……」ムズムズ





絵里「ね、ねえ海未、最後に一回だけ、しない?」


海未「な……! し、しませんよー!!!!」







希「――なるほど……これが海未ちゃんの、みんなの出した答え、か」



希「みんな、悪運が入って海未ちゃんの精液が欲しくてたまらない、やろうに……」




希「後は、ウチが頑張るだけ、やね」

◇◇


海未「ワンツー、ワンツー、ほら真姫もっと足動かして下さい!」

真姫「ぅ……」




海未「大丈夫ですか?」

真姫「う、うん……」カァァァアアア


海未「顔が真っ赤ですよ。無理しないで下さい」

真姫「だ、大丈夫よ」




真姫(海未……海未……好き……)ポー


真姫(海未のことみてると、おかしくなりそう。あぁ……熱い)

真姫(海未を私の、ものにしたい。海未のものに、されたい、どうすれば? どうすれば……あぁ……もう答えなんて、出てるわね)




希「……」




海未「じゃあ休憩にしますね」



海未「飲み物を忘れてしまうなんて……」



穂乃果「私のあげるよー」

海未「うーん、少しだけ頂きますね」

凛「おっちょこちょいだにゃー」





真姫(……今しかない)


希「真姫ちゃん?」


真姫「」ダッ


希「……!?」

希「ヤバイ……」

◇◇


休憩中 部室



真姫「……」



真姫「これで……これで」



 私が持っているのは、スポーツドリンクの袋に入れられたセンセーション。なぜスポーツドリンクの袋にしたかと言うと、見られても誤魔化しが容易だから。これに入れておけば部活で使うって言えば済むから。





希「……」



真姫「これで……海未と、海未と……」



ガチャ


希「……真姫ちゃん」



真姫「ん?」


希「――なに考えとるん?」


真姫「……別に……どうしたの急に」


希「別に……か。真姫ちゃんの別には別にじゃないの知っとるよ」


真姫「あっそ……私がなにしようと勝手でしょ」


希「……真姫ちゃんも含めて、何か大変なことをしようとしとるなら、勝手じゃすまされないよ」



真姫「だからなにもしないわよ」

希「その手にもってるのはなに?」

真姫「ああこれ、スポーツドリンクの粉末よ」

希「ちょうどラスト一袋だし、部室に置いてくれるん?」



真姫「これは私の家にあったのを間違って持ってきちゃっただけだから」


希「ふーん、部室にあるのと同じパッケージやからてっきりおいてくれるんかと思ったわ」

真姫「あらそれは残念ね」



希「……今日の真姫ちゃんおかしいで」


真姫「そう?」

希「……ねえ。それ、本当にスポーツドリンクの粉末なん?」

真姫「ええ」

希「見せてくれん?」

真姫「はあ? 嫌よ」




希「……そっか」





希「なら、ここからはウチの独り言だとでも思ってきいて」



希「何か邪道なモノに頼って、海未ちゃんとエッチなことして、それで何が残るんやろ」


真姫「……はぁ?」


希「知ってる? 海未ちゃん、苦しんでるんよ。自分が快楽に抗えないって。そのせいで大切な何かを壊してしまうって。エッチなことを繰り返す度、海未ちゃんは苦しんでる」



希「――自己嫌悪によってね」




真姫「っ……」


希「自己嫌悪の辛さ。わかるやろ?」






 それは、私が一番よく分かっていることだった。

 抗えない快楽に身体がおかしくなっていく、ことも。





希「――好きな人を、苦しめたい? 好きな人が苦しむ顔が、みたい?」

真姫「うるさい……うるさいのよ!!! なんなのよ、聖母ぶって、私の邪魔ばっかりして!!! 私に構わないで、私に近づかないで!!!」




希「間違ったことをしている友達を正すのは、当然やろ?」



真姫「私が、間違ってるっていうの?」




真姫「じゃあ……」プルプル


真姫「じゃあどうすればいいのよっ!!!!! 私は、私は海未とどうやって近くなればいいのよっ!!」





希「――想いを伝えればいい」






真姫「え……」


希「好きだって、伝えるの。どうなるかはわからない。でも、そっちの方がいいと思わん?」




希「……これで独り言は終わり。この後どうするかは、自分で考えて」


バタン





真姫「っ……」


真姫「私は……私は……」



 苦しんでいる?
 そんなの聞いてない。私とそういうことをしても、苦しむ……?


 自己嫌悪に押しつぶされること、快楽によっておかしくなること。それを海未にも強いるの……?

 ――海未は、それで苦しむ。





真姫「……私は、海未が、好き」




真姫「私は……」




 気がついた時にはセンセーションが入っている袋をその場に置き、部室を飛び出していた。

◇◇

部室




凛「あー、休憩終わっちゃうよー」

凛「替えのタオルは……と」



凛「あったあった」


凛「――ん? あれ」



凛「スポドリの粉があるにゃ!」



凛「ラスト一袋を開けるのって抵抗あったからなー。お、封もあいてるあいてる。なんだラストだと思ってたけど、あったんだね」


凛「水に粉を入れて……と」



凛「よし完成」


凛「あ……凛飲み物いっぱい持ってきてたんだった……」



凛「せっかく作ったし誰かにあげればいいか」



凛「あ、そいえば海未ちゃんが飲み物忘れたって!!」



凛「凛ナイスタイミングにゃ!」



凛「あっ! 休憩終わってる!! 早く行かなきゃ!」


あっ!……あっ……あぁ~(´;ω;`)

◇◇


屋上




真姫「ふぅ……」


希(真姫ちゃんの様子が変わった?)


真姫「ねえ希」


希「なあに?」



真姫「さっきは、ごめん。あと……ありがと」




真姫「私、最低なこと、するところだったわ」


真姫「どうしていいか、わからなくて……でも」

真姫「もう分かった」


真姫「答えは、出たから」



希「そっか……。がんばってな」


真姫「私、正々堂々、闘うから」

希「応援してる」









真姫「私、海未を好きな気持ちは――誰にも負けないつもり」







凛「あ、ねえねえ! 海未ちゃんこれあげる!」


海未「これは?」

凛「スポドリだよ!」

海未「い、いいんですか?」

凛「凛いっぱい持ってきちゃったから」

海未「穂乃果から頂いたものを飲み切ったら、頂きますね。ありがとうございます、凛」


凛「いいのいいのー」





海未「あ、真姫」


真姫「な、なあに?」


海未「次の休憩の時に私たちだけ音楽室へ行こうと思うのですが、どうでしょう?」


真姫「ああ、また曲を作るのね。別に一人でも大丈夫よ?」


海未「いえ、ダメです。やっぱり歌詞を書いた以上最後まで見守らないと」



真姫「そう? 分かったわ」

真姫(やった……! やった!!!)ピョンピョン



海未「どうしたのですか?」

真姫「なんでもない!」




希「ふふ……頑張って、真姫ちゃん」



希(占いなんて当たらないんやね。占いには自信あったんやけどなぁ。まあ今日の海未ちゃんの占いは当たらんで良かった)




海未「ということで絵里お願い出来ますか?」


絵里「分かったわ。任せて」


ことり「あ、ねえねえ絵里ちゃん」

絵里「ん?」


ことり「私も、次の休憩から家庭科室に行ってもいいかな?」


絵里「どうして?」


ことり「ちょっと……衣装が……」

絵里「ああそういうこと。一人で大丈夫? 手伝いましょうか?」


ことり「ううん微調整だから一人でも平気だよ」


絵里「そう。ごめんね全部任せてしまって」

ことり「いいのいいの」



絵里「じゃあ、よろしくね?」

今回は以上となります。


また次は、いつになるかわかりません……。期間が空く、かもしれません。では。

書き溜めたんじゃなかったのか!

>>331
申し訳ございません……。>>238から現時点までの書き溜めは25000字程度でした。

わたくし自信、相当な遅筆なモノで……。また書き溜めてきます。

あと少しで完成致しますので、もう少々お待ち下さい。本当に申し訳ありません。

>>306

二ヶ月→三ヶ月

希(練習終わったらどうしようかなー)

希(もう、この学院に良運を余らせている人はいない……。そもそも、良運が有り余っている人なんて滅多にいないもの、なのに……。真姫ちゃんの時に凛ちゃんと穂乃果ちゃん、二人も居たのが奇跡だっただけ……)



希(どうする……。この学院がダメなら、外部から頂くしかない……)


希(とりあえず、神田明神に行って、そこで手当たり次第当たってみる。それくらいしか出来なそうやね)


希(練習終わったら神田明神に直行したいとこやけど)


希(海未ちゃんには悪いけど、治せるのは、いつになるか……。海未ちゃんに悪運を植え付けられたメンバーの浄化もしなくちゃいけない……。マズイ……ね)




絵里「……希?」


絵里(……またなにか一人で、考えてるわね……)

絵里(希のことくらい、わかるんだから)




◇◇

休憩中



真姫「あ……私も飲み物なくなっちゃった」


海未「真姫行きましょう」


真姫「あ、ええ」

◇◇


音楽室


真姫「はぁ……疲れたー」


 真姫は音楽室につくと、すぐにピアノ椅子に勢いよく腰を下ろした。



海未「そうですね……」キュパ


 海未はピアノにおっかかりながら、先ほど凛から貰った飲み物の口を開ける。穂乃果から貰った飲み物は既に飲み干してしまっていた。


 そして。



海未「んぐ……んぐ……はぁ……」


 それを口に運んだ、のだった。


海未(ん……? あんまり味が、しませんね)


海未「真姫の体力も完全に戻ったみたいですね」

真姫「ま、そうねー」


海未「体重は?」

真姫「体重もほとんど戻っちゃったわ」

海未「いいことではないですか」


真姫「よくないわよ」

海未「ただでさえ真姫は一番痩せているんですから」

真姫「うーん……」




海未「じゃあ今日はどうしましょうか」


真姫「あーそういえばこの前三曲目が完成したのよ」



海未「本当ですか?」

真姫「ええ」

海未「ではまたお願いします」

真姫「え?」

海未「弾き語りですよ。弾き語り」


真姫「ぅ……」


海未「私の楽しみなんですよ?」


真姫「……喜んでくれる?」

海未「もちろん」

真姫「そ、そう……海未が喜んでくれるなら……」






真姫「ね、ねえ。私が歌い終わったらさ……話したい、ことがあるの」





海未「……?」


真姫「――大事な……話」


海未「わかりました」


真姫「……喉渇いちゃった……。海未それ一口ちょうだい」


海未「いいですよ」


 真姫は練習により、飲み物を切らしていた。
 そこにすぐ歌う、となれば渇いた状態では歌えない。

 当然の行為として、海未から飲み物をもらった、のだが。



真姫「んぐ……んぐ……。ありがと。あれ、味がしない……?」

海未「そうですよね。なんだか変な飲み物です」

真姫「まあいいわ」


真姫「あれ……?」


真姫(間接キス……私、間接キスしちゃった……!?)

真姫「うぅ……」カァァァァァ

海未「……?」



真姫「ああもう! 歌うわよ!」

海未「はい」

 真姫はピアノに指をかける。

 真姫の手によって紡がれた音色は、真姫の声によって命を与えられる。

 命を与えらた音は、音自体が躍動し、真姫の声すらも彩ってゆく。


 相乗効果。

 海未の歌詞と、真姫の音。

 それらが合わさった歌を、海未は目を閉じて感じていた。



海未(綺麗……)





海未「お疲れ様です。やっぱり真姫はすごいですね」


真姫「私の声じゃなくて、曲の感想いいなさいよ」

海未「曲もしっとりとしていて、素晴らしいと思いますよ」

真姫「海未のおかげね」

海未「真姫のおかげです」

真姫「……じゃあ二人のおかげってことで」

海未「そうですね」





真姫「……」


海未「……」



真姫(言わなきゃ……言わなきゃ……)



海未「それで、話、とは?」

真姫「えっと……」



海未(あ……あ、れ……なんだか変な、感じ……?)


 急激に襲ってきた、身体の変化。


 おかしい。おかしい。目が眩む。身体が熱い。


 血液が、巡り、一点に集中するのを感じる。
 なぜ、こんなことに。


 海未は既に冷静な判断が出来なくなっていた。



 真姫を、めちゃくちゃにしたい。
 海未が初めて女に対して性的なことを感じたのは真姫だった。その時のような感情が、戻ってくる。

真姫「私ね……私……」


海未「はぁ……はぁ……」




真姫「わた……し……?」


 それは、真姫も同様だった。
 突如として襲ってくる、身体の熱さ。身体が火を吹くように熱い。

 しかし、ここまで来て想いを伝えないわけには、行かない。

 身体が、性的な意味で、火照って来たと感じる。

 目の前の海未が愛おしい。めちゃくちゃにされたい。頭はそれで埋め尽くされていた。



真姫「はぁ……はぁ……私ね……あれ……ごめん。えっと……」




真姫「――私、海未のことが好き」




真姫(言え、た……私海未に……)



 真姫の告白。真姫の答え。




 海未は――聞こえていなかった。



 少し真姫よりも早く薬を飲んだせいか、薬が回るのも早かったのだ。


 耳も遠くなり、視界も揺れる。研ぎ澄まされるのは女への執着と性欲。

 目の前にいる。女が。女の、身体が。


 海未は、真姫ではなく、女を求めて、真姫に抱きついて、ピアノの椅子から、地べたに座らせた。



海未「はぁ……はぁ、真姫ぃ……」ギュッー


真姫「ふぁ……う、海未?」


 真姫も薬さえ入っていなければ、海未の異常さに気がつくことが出来たのかもしれない。


 真姫も薬が回ってきた今、正常な判断は出来なかった。


 海未が、海未が想いに答えてくれた。

 そう、真姫の心は曲解する。






 ――海未の、恋人になれた。

真姫「海未……嬉しい……」


海未「真姫ぃ……はぁ……はぁ」



 海未は少し真姫から離れると、両手で真姫の頬を掴み固定する。


 海未に見えているのは真姫の唇だけ。健康的なぷるんとした唇が、海未の劣情を掻き立てる。

 海未は、迷いなく、そして勢いよく、真姫の唇にしゃぶりついた。




海未「んちゅ……ぁぁ……真姫……真姫ぃ……んぁ……ちゅぷ、ちゅぱ、ちゅぷぶ……ぬちゃぁ」



真姫「ちょっ……ふぁ……んちゅ……っ……ちゅぷちゅぷ……んちゅ……ふぁぁ……海未……しゅきぃ……」



 一瞬逃げようとした真姫の、後頭部を掴み逃げ場をなくす。


 海未は容赦無く真姫を攻め立てていた。最早、遠慮はなく、海未の人格すらも変わっていた。


 舌を真姫の口内に侵入させる。


 上顎のヒダの部分を舌でクリクリと撫で回す。その度に真姫の身体は震え、涙を流す。

真姫「ふ、ぁぁぁ……」



 上顎の歯茎に沿って、舌をすべらせる。下顎の歯茎にも満遍なく刺激を与える。

 薬によって高められた性欲は、たったそれだけの刺激で真姫の心を踊らせた。


 お互いが絡み合い、粘膜を刺激しあうことで、口元の筋肉がゆるくなっていく。
 少し経つと、二人の口元はお互いの唾液でぐちょぐちょになっていた。


真姫「はぁ……はぁ」

海未「大丈夫でしたか?」


 穂乃果と、するため。
 穂乃果に捧げるもの。
 穂乃果と――。



 ――ファーストキス。


 これが、海未にとってのファーストキスとなったことを、真姫が知ることはない。

真姫「……」

 真姫の潤んだ目。赤らんだ頬。それは言葉よりも何よりも雄弁であった。


 離れた両者が再び交わる。

 今度は真姫も海未を抱きしめ、お互いがお互いを貪りあう。


 交わった口元からは二人の拙い舌がチロチロと顔を覗かせる。


 真姫の舌を誘いだすかのように、海未は真姫の唇の周りを舐め回す。

 たまらず真姫は舌を出して海未の舌に絡ませる。二人の舌は空中で絡み合い、糸を引く。



真姫「んぅ……んぅぅ……海未……はぁぁん」



 鼻にかかった甘い息を出しながら、海未は自分の口内に真姫の舌をおびき寄せる。

 餌を与えられた真姫の舌はすぐに、海未の口内へと招き入れられることとなる。


 そして、そこで極上の快楽という餌を与えられるのだ。


 ねっとりと舌が絡み合い、そこから唾液が溢れ出し、糸を引いて身体に垂れてゆく。


 海未が攻めれば攻めるほど、真姫の身体はすこしずつ後ずさって壁に押し付ける。


 海未は口づけをやめない。

 壁に押し付けたまま真姫の口内に唾液を送り込む。


海未「んぅ……じゅる……こくん……」


 そして、どちらの唾液かもわからなくなったものをジュルジュルと音を立てて吸い出す。

 何回も、何回も、時間など存在しないかのように、繰り返した。


 何回やったかわからなくなった、ところで、ふやけたように感覚がなくなってくる。


 研ぎ澄まされた感覚は、お互いのより強い性感帯の準備をさせたのだ。

◇◇



ことり「んー微調整も終わったし、完璧だね」

ことり「というか、被服室と家庭科室ってなんで二つあるんだろ」


ことり「家庭科室だけでよくない?」


 なんの変哲もない疑問を浮かべながら、屋上へも向かう。


 微調整も終わったし大体オーケー。

 時間にすると三十分も経っていないんだから、そこそこ上出来かな?



ことり「あ、音楽室で2人が活動してるんだっけ」


ことり「ぁ……」


 目の前には音楽室から漏れてくる灯り。二人はそこで活動している。



 ふとよぎるのが、今日の海未ちゃんの告白。


 ――穂乃果ちゃんと付き合っているというもの。


 最初は私もすっごくびっくりしたけれど、今思いかえすとああ……ってなることが多い。


 付き合ったとしても、自然体でずっといられたから私も気がつかなかったんだよね。

 そして、そうなってくると問題が発生する。



 真姫ちゃんの存在。

 もう海未ちゃんは穂乃果ちゃんと付き合っている。ということは、真姫ちゃんの恋は……もう実ることはない。



ことり「そんなのって……」



 報われなすぎる。


 今からでも、このことを真姫ちゃんには言った方がいい。

 私はそう思って、音楽室を――覗き込んだ。





ことり「っ……!?」




 は……?

 なに、しているの?


 海未、ちゃん……?



ことり「え……え?」





 音楽室を覗き込んで、目に入ってきた光景。それを処理することなんて出来っこなかった。



 海未ちゃんが壁に真姫ちゃんを追い詰めて、絡み合っている。

 身体をしきりにくねらせ、唇と唇をまるでしゃぶるようにして、貪りあっている。



 意味が、意味がわからない。




ことり「海未ちゃん……なにしてるの……?」


 私はそれを見た瞬間、屋上へと駆け出していた。

◇◇


海未「真姫、触りますよ」


真姫「うん……」


真姫「あっ……や、やんっ……んぁ」

 海未はすぐに真姫の小振りな乳房に手を伸ばし、制服の上からグニグニと揉んだ。


真姫「ふぁっ、海未、胸好きなの?」

海未「はぁはぁ……」


 真姫は覆いかぶさってくる海未を下から見上げる。


真姫「もっと、触って欲しい。海未になら、めちゃくちゃにされたい」


 真姫は自ら制服のボタン、シャツのボタンにに手をかけ、外してゆく。



 二つともボタンを外し終わったところで、真姫の赤色の下着が露わになった。


 背中側にあるホックを海未がすぐに外し、強引に下着を上に押し上げる。




 海未の眼前に広がるのは、はだけた服に唾液でドロドロになった蕩けるような真姫の表情。


 海未はすぐに張りのある乳房を生で触り、感触を楽しむ。


真姫「ふぁ……つ、強い……んぁ、もっと……もっと……」



 海未の手が乳首に触れる度に真姫は嬌声を発していた。
 断続的に与えられる乳首への刺激に、突起はすこしずつ膨らんでいく。

海未「真姫……いやらしいですね」

真姫「んぁゃ……言わないでぇ……」

 自己主張を始めた真姫の二つの突起に向かって、食いつく。


 舌先で右の突起をコリコリと刺激して、左手でもう一方の突起を刺激する。


 真姫は快楽に悶え、海未の頭を抱くようにしてぎゅっと締め付ける。

 海未は唾液で濡れた乳首をドロンと舐め上げ、さらに吸う。


真姫「ふぁぁぁぁぁっ!! やめへ、きもちぃぃのぉ……!!」




 少量とはいえ、薬により増幅された快楽により、叫びながらピクピクと身体を揺らす。

 クネクネと腰を動かす真姫の秘部からは滴るほどの愛液が染み出している。


真姫「こっちも触ってぇ……」


 真姫は海未の手を掴み、自分の下腹部へと移動させる。


海未「もう、ぐちょぐちょじゃないですか。真姫はエッチですね」

真姫「海未の、せいなんだからぁ」


 海未は真姫の股に頭を持っていき、覗き込むようにして、真姫の太ももを開かせる。

 下着越しに触っても生で触っているのではないか、と錯覚するほどに真姫の秘部なダラダラと愛液を分泌していた。

 真姫は顔を手で隠し、耳までも真っ赤に染める。


 それを見て、真姫の陰部の上で手を小刻みに動かした。


真姫「ふ、はぁぁぁっ!! いやぁ、あや、やぁぁぁ、んぁっ、気持ちいぃ、気持ちいいよンン、海未そこ、そこぉっ!!!!」


海未「気持ちいいですか? はぁはぁ……じゃあ脱ぎましょうか。もっと、もっとよくしてあげます」


 下着越しの刺激もほどほどに、腰を少し持ち上げて、すぐに真姫の下着を脱がせた。するとクロッチ部分と、真姫の陰部の間ではっきりわかるほど長く、ねばねばと糸が引かれている。



海未「本当にいやらしいです」

海未「エッチですね。こんなにしちゃって。音楽室でこんなこと、変態ですね」


真姫「ふぁぁ……」


海未「……」


海未「真姫、こんなにぐちゃぐちゃにして、どうして欲しいんですか?」

姫「……触って」


海未「どこ――」



海未「私のおまんこ!! はやくぅぅ!!」

真姫「うぅ……エッチだから、私エッチだから……早く、早く触って……」




 海未は真姫の陰部にじっと視線を注ぐ。
 周囲を覆う薄い陰毛はびっしょりと濡れていて、そこからただよう猛烈な女の香りに、海未はさらに昂ぶってゆく。



 薄く色づいた大陰唇が真姫の昂ぶりによって、少し開き、その間からちらつくピンク色の膣口がひくひくと動いているのも確認できた。



 海未が見ているそばから、愛液はどんどんと溢れ出してくる。



真姫「見てないで、触ってよぉ!」
 

 真姫の叫びに、海未は股の間に顔を突っ込む。



真姫「やっ、あああああっっっっ!!!!!!」


 海未の舌が、すでに硬くなっている陰核を刺激したのである。



真姫「やっやっ、うぁ……おかしくなるぅぅ……ぁぁん、ふぁっ!!!!」



 海未の舌が所狭しと、真姫の陰部で動き回る。
 溢れ出してくる愛液を救い、全体に塗りたくる。



 海未の唾液か、真姫の淫液か、どちらともわからない液体で、女核は水をかけられたようにぐちょぐちょだ。



 それでも海未の愛撫は止まらず、執拗に刺激を与え続ける。舌を細くして、膣口の浅い部分をほじくる。



真姫「いやぁ、いや、いやぁ……イクっ、イクイクっ! ああああっら海未ぃ、海未ぃ、気持ちよすぎてぇっ!!!! ああああああああああっっっ!!!!」




 海未が与える刺激から逃げるかのように、腰がずんと上がり太もも付近から痙攣が始まって、膣もピクピクと蠢く。


海未「ふぅ……」


 顔をドロドロに汚しながら海未が顔をあげる。

真姫「はぁ……はぁ……はぁ……」


真姫「はぁ……海未ぃ……ちょうだい……おっきくしてる、おちんちん、おちんちんちょうだいっ……!!!」



海未「知ってたんですか……」




 海未はそれだけ言うと、スカートと下着両方に手をかけて、一気におろす。

 はねじかけのように飛び出してきた巨大な淫棒。



海未「真姫……」



 足を開かせ、膣口のあたりまでペニスを接近させる。


真姫「ふぅぅうん……」


 秘部にペニスを押し付けると、先端がコリコリと固くなっている陰核に触れる。


 たたでさえ両者とも少量ながら薬を服用している。それによって高められた感度により、同時に声を上げる。


 少しペニスが触れただけでガグガクと真姫の足と膣は痙攣し、軽い絶頂を迎えていた。


 ――こんな状況で、挿入したら、どうなるだろう。

 海未は溢れでる淫液に視線を奪われる。


 真姫ががっしりと海未の腕をつかむと、海未は狙いを定める。






 ――そしてなんの躊躇もなく、一気に奥まで突き刺した。


真姫「ンあああああああああああああっ!!!!!! ふぁ、ぁっ、あんっ、あああああっッッッ!!!! きもひぃいぃ、ふみの、ふみのおひんひんがぁ……はぁぁぁあんっー!!!!!」



 一思いに突き刺し、それだけで真姫は舌を突き出して絶頂を迎えた。

海未「ふぁっ、真姫ぃ、真姫のなか、なかぁっ、んぁっあっあっ、あっ、あっ、あっ、ぐにゅぐにゅしてぇ……!!」



海未「あっ、あっ、ごめん、ごめ、なさっ……わたし、ぁぁんっあ、真姫のなか暖かくてトロトロでぇ……!! ふぁぁ……腰が腰が止まらないれすっ……!!」


真姫「らめぇっぁ、おかしく、おかしくなるよぉっ!!!」


真姫「んっんっもっと、もっと突いてぇ!!! おちんちんすきぃ、海未しゅきぃ!! 奥まで、奥まで、あぁっ!!!!」


 海未のペニスが子宮口めがけて一気に挿入される。処女膜を貫いて、血が滴り落ちるが、真姫に痛みはなかった。それはセンセーションによる鎮痛効果が働いているからだった。


 突くたび膣口が恐ろしいほどに、締まり、ペニスを搾り取ろうとする。


 初めての女の中での快感。
 海未は腰をがっしりと掴み、勢いよく、ペニスを打ち付ける。


 ペニスを突き立てると膣が蠢き、まるで一つの独立した生き物のようだった。膣壁のヒダが絡まり合い、海未のペニスをさらに求める。


真姫「いやぁぁぁっ!!! また、またイクのぉ、イクイクっ、こんな、すごいの!! おっきいッッンぁ気持ちよくて、イクぅっ!!!! ぁあああああっあっあっ!!!」



海未「私も、私もでひゃいますぅ、真姫のなかれぇ真姫のなかに、でちゃいますぅぅ!!!」



真姫「すごい! すごいよぉっ!!! 海未のおちんちんっ、ぁぁっ、ンぁっ、おちんちんっがぐちゃぐちゃってぇっ!!! ぃぁぁあああああああっ!」


 快楽に悶える真姫はさらにペニスを締め上げる。そんなこともお構いなしに刺激を求めて激しくうごかされる陰茎は、その圧迫に耐え切れず、真姫の一番奥で精液を放出した。


真姫「ぁぁ……出てるぅ、海未の精液注がれてる……はぁ……はぁ……すごぉぃ……おちんちん、びくびく、してぇ……」

海未「ぅぁ……真姫の中もぐちゃぐちゃって、動いて、ます……はぁン……くっ、ああぁっ、もう一回っ、もういちどい、いきますよっ!!!」


真姫「あっ、ちょっ、海未。そんなすぐっ、ああああああっ!! 激しいよぉ、あん、っぁん……おまんこ気持ちいい、海未のおちんちん気持ちよすぎておかしくなっちゃうぅぅ!!!!!」


海未「はぁっ、はぁっ、もっと、もっと、もっと気持ちよくしてあげます。はぁ、んぁぁぁ!!」



真姫「んみぁぁぁっ、ふぁぁっん……もっと、もっと、精液注いでぇ!! 奥で! 奥で!!!」



 度重なる絶頂。

 真姫は以前これ以上の絶頂の地獄を経験している。

 しかし、それとは全く異なる絶頂。前のものが地獄ならば、今回の絶頂はまさに天国。

 心から気持ちいいと思えるものに、真姫はおかしくなっていく。


真姫「もっと、もっとぉっ!!!!」


 センセーションの効果によって、鎮まらない陰茎を打ち付けてゆく。
 普段の射精とは比べものにならない快楽に、海未は真姫の身体を貪ること以外に考えることが出来ない。


 頭がおかしくなるような幸福感が両者を包んでゆく。



真姫「ふぁっあっあああああああっ、気持ちいぃ、イク、イクぅ、海未のおちんちんがぁっ!! 出して、出してぇぇぇ!!! んぁぁぁぁあああああああっッッ!!!!!」


 さらに絶頂。

 真姫は強く締め付ければ締め付けるほど、海未の陰茎を膣全体で感じることになる。



 自分が締め付けた圧力で、自身が絶頂へと駆け上っていく。そして絶頂に達して締め付けたことで、さらに強い絶頂に導かれていく。腰は浮いて、ほぼ常に達していた、


 最早真姫の身体は狂っていた。

海未「また、また出ますっ、あぁっッ!!!」


 繰り返される射精。一度も抜かれることなく射精を繰り返すことで、突くたびにドプドプと精液を掻き出し、さらに新しい精液を送り込む。


 それはすなわち、悪運を流し混み続けているということ。


 時間を忘れて、お互いを貪り合う。



 海未が真姫の中で8回目の射精を終えたところで、初めてペニスを抜いた。


 ようやくセンセーションの効果が切れたのだ。少量だったため、持続時間は短かった。




海未「はぁ……はぁ……」


真姫「ふぅぅん……あぁ……ぁぁ……」



 少しずつ、世界が、鮮明になってゆく。

 鮮明になった世界で最初に見えたのは、お互いの体液によってぐちょぐちょになって横たわっている真姫の姿。


 目は虚ろで、激しく胸板を上下させている。


 海未は自身のやったことが、一気に蘇って、くる。


 真姫と話していたら急に身体が熱くなって、真姫に――何かを言われて……。

 それで――。


海未「ぁ……ぁぁ……」


海未「私は……なん……」




真姫「はぁ、はぁ」




 頭を抱えて自分の行ったことに絶望する。

 真姫はむくりと起き上がり、そんな海未を抱き寄せた。

真姫「嬉しい……」

海未「……」

真姫「ずっと海未と、こうしてたい」


真姫「海未の精液、もっと、もっと欲しいのぉ……ねえもっと突いてぇ……?」


 ――悪運が、入り込んでいた。


 薬の効果で至上の快楽を知り、さらに悪運によって、依存心も上乗せされていく。


 真姫は精液が溢れ出てくる膣口を開いて、海未を誘惑する。

 だが、海未にそんな気力など残っているはずもない。


真姫「んもう……」


真姫「んっ、じゅぶ、じゅぶ、ね、もうひっかい。海未のせーえきぃ……んじゅぶ、ちゅぱっ」

真姫「セックスぅ、セックスしたいのぉ……」

真姫「んんぅ、ちゅぷ……んはぁ……おちんちん、おいひぃ……ねえ、おっきくしてぇ……」

 全てを忘れ、海未の陰茎だけを一心にしゃぶる。勃起していない萎えている状態でさえ、お構いなし。

 柔らかい陰茎の全てを包み込むように、口で覆いつくす。

海未「……やめてください……」


 弱々しい力で頭を掴み自身の陰茎から離れさせ、制止させる。


真姫「……」


真姫「ふぇ……疲れちゃった?」

海未「……」

真姫「はぁ……」

真姫「……もう時間てこと? みんなに怪しまれちゃうかもしれない……でも、そんなことより突いて? もっともっと、気持ちよくなりたいの」


海未「っ……」


海未「あ……ぁぁ……」


 真姫は心ここにあらずと言った具合の海未の様子を見て、諦めたように乱れた服を直し始める。

真姫「海未とセックスできて、よかった。本当に、気持ちいいの。私、まだ、まだしたい」

真姫「もっと海未と、セックスしたいの。ねぇ……今度ウチに来て? 親いない日があるから、そこなら一晩中――海未?」


海未「あ、あぁ、うぁっ、あっぁぁああああああああああっ!!!!!!」




 自身が何をしたか、決別。そう決別をしたはずなんだ。

 それでも、身体は言うことを聞かない、今だに、熱を帯びている。





海未「ぅあ……水……水」
 

 おかしくなった身体を冷やすため、海未は本能から水を求める。


 凛から貰ったペットボトルを強引に手に取り、勢いよくキャップを外す。


海未「んぐっ……んぐっ……」

 全てを忘れようとするかのように、半分ほど入った液体を一気に飲みほした。





 ――海未は先ほどの倍以上、つまり、大量のセンセーションを服用したのだ。





真姫「大丈夫――あっ……くっな、なに、これ」


 海未の異常な様子に違和感を覚えた真姫。すぐに確認しようとしたところで、それはやってきた。



真姫「あぁ……手が……震え……」

真姫「いゃ、海未、離れないで……いやっ、いやぁっ!!! 海未がいないと、私、私……!!」


 副作用による効果が少しずつ、現れてきていた。

 少し海未が離れただけで、永遠にいなくなってしまうそんなビジョンが浮かぶ。

 精神が急激に不安定になっていき、身体もあちこちが震え出す。



真姫「いや、海未、海未ぃっ!!」


 立ち上がった海未の足にしがみつく。


海未「真姫……」


海未「っぁ……!!!!」



 薬が回る。


 水を飲んだのに、身体が熱い。
 両手で肩を掴み息が荒くなっていくのを感じていた。

 またあの感覚、身体が、心が昂ぶっていく。


真姫「側にいて……」


 しがみつく真姫を見下ろす。
 潤んだ瞳が海未を見上げる。捨てられた子猫を連想させる真姫の表情は海未の情欲を一気に高めていくことになった。


海未「ぁ……だ、め……」


 熱い、血液が回る。血液が下腹部に集中する。


海未(また……真姫の中に挿入れたい。ぐちゃぐちゃになるまで、セックス……セックス)


 欲望だけが膨らむ。


真姫「海未?」


海未「うあああああああああああっッッ!!!!」

 一瞬、薬に犯される前の海未が戻った。このままでは、また、また真姫に手を出してしまう。そして最後の力を振り絞って、真姫を振り払う。

真姫「え!? い、いやっいやぁ!!!!」


 真姫が叫ぶ声を背中に受けながら、音楽室の扉を勢いよくあけてそのまま飛び出した。




◇◇


部室


希「トイレトイレ……と……。その前にハンカチどこやったかなー?」


希「ありゃ、忘れてきてもーたかな」

希「なら仕方ないね」

希「ただでさえ練習開けてきてるのに」



 すぐにトイレに行って、また練習に戻ろう。そう思った矢先だった。

 ウチの目にそれは入り込んできていた。


 真姫ちゃんが"言うには"スポーツドリンクの粉末。


希「……こぼれてる?」


 真姫ちゃんがそれを手にしていた時は粉末を取り出していた様子はなかった。

 真姫ちゃんが袋に手をかけた瞬間に話しかけたから、それは間違いない。



 少し、ほんの少しだが白い粉末が飛散していた。



希「……」

 自然に眉間にシワがよる。


希「……」


 悪寒。

 なにか、とんでもないことが起きている、そんな感じ。


希「……なんやろ、この感じ……」


 普段は狭く感じる部室が妙に広く感じた。

 秋も本番を迎え、辺りは薄暗い。


希「……」



 ウチは部室を飛び出した後、トイレに向かうわけでもなく、練習に戻るわけでもなく、ただ校舎を見て回ることにした。


◇◇



真姫「海未ぃ……いなくならないで。もっともっとセックス、セックスセックスセックス……」


真姫「……」


真姫「ふぅ……ふぅ……こんなんじゃ練習なんて、できっこない……海未とエッチしたい。せーえき、精液……はぁはぁ……」



 薬の副作用は切れかかっていた。

 一過性であることと、少量での摂取にとどまったため少しずつ我に帰っていく。

 
 しかし、真姫の身体と心は海未を求めていた。


 セックスと海未に対する精神的依存。センセーションによる身体的依存。

 まだ軽いが、両方がのしかかろうとしていた。
 

 至上のセックス。この世の真理を見たようなそんな世界。

 またあんな風になりたい。

 それしか考えていなかった。


 しかし、海未は狂ったようにどこかへ行ってしまった。



真姫「とりあえず……帰ろう」


真姫「……ぁ」


 快楽を追い求めて、頭に思い浮かぶのは持ってきたセンセーションのこと。


真姫「あれを、使えば……さっきみたいに気持ちいいのが……?」


 半ば希望にすがる形で薬へと。


 もはや本能で、自分は薬を服用したのだと気がついていたのかもしれない。



 目標を定めた真姫は部室へと歩みを進めたのだった。

◇◇



海未「くはぁっ……ぜぇっぜえっ……うぅぁっ……なに……」


海未「私はっ……どう……した……くっ……」


 燃えるように熱い。

 薬を使用した場合、普通は身体が凍ったように冷たくなっていくように感じるのだが、センセーションは真逆だった。


 さきほどとは比べものにならない量のセンセーションを体内に入れたのだ。


 この時間はほとんど人が通らないであろう廊下に座りこむ。近くには生徒会室があるが、この時間ならば関係のないこと。



 苦しい。

 苦しい。


 快楽を欲している。とてつもない快楽を。

海未「だめっ……私は……ぅああああああああああっ!!!!!」

 自分の中の獣を押さえつけるかのごとく、狂乱の声を上げる。

 誰もいない廊下に不気味なうめき声と、叫び声。

 惨劇の狼煙は既に上がっていた。


◇◇



絵里「ことり! どうしたの!?」


ことり「あ……うん、ごめん……」

絵里「……大丈夫? なんだか心ここにあらずって感じよ」

ことり「も、問題ないよ!」

ことり「ちょっと衣装のこと考えてたら!」

絵里「……衣装のことはありがたいけど、こっちも疎かにしたらダメよ?」


ことり「わかってるよ! ごめんごめん、あはは」


ことり(どう……しよう)


ことり(あんなの……見たら、集中なんて出来ない……)


ことり(きっとあの先も……)


ことり(誰かに……相談したい……。穂乃果ちゃんはダメだし、凛ちゃんはダメ……というか海未ちゃんとエッチなことしてた人はダメ)


ことり(そうなると……)

絵里「それにしても、希遅いわね」


ことり「わ、私様子見てくるねっ!!」

絵里「え!? ちょ、ちょっと!」

◇◇



 当てもなくさまよう。


希「……」


 外を見ると日はほぼ落ちかかっている。薄暗い校舎にウチの歩く音だけが木霊している。


希「……ちょっと怖いかも」

 階段を上がる。

 そしてそこには安心をもたらす、灯りが存在していた。


希「音楽室……。真姫ちゃんと海未ちゃんがいるはずやね」


 電気がついているということはまど二人が活動しているということだろう。

 少しだけ安心する。



希「……」

 音楽室のドアから中を除きこんでみる。

 あれ。


 いつもは海未ちゃんがピアノに寄りかかって、真姫ちゃんがピアノに座った状態で作業をしているはず。

 おかしいな。トイレでも行ってるんかな。

 中を再び覗き込む。やはり二人の姿はない。
 無人の音楽室に貼ってある偉人の写真が、今日は少し恐ろしく感じた。

希「電気消しとこうか」

 一応の善良心から、音楽室のドアを開け中に侵入する。


 キィィって音を立てながらしまっていく音楽室のドアには毎回少し驚く。

希「なんだか……不気味」

 電気を消すだけのつもりだったんやけど、自然にピアノの方まで歩みが進んでいた。

 目に入ってきたのは、ピアノの弾くところが開けられている様子。

希「やっぱり真姫ちゃんが使った後か」

 閉め忘れるとはおっちょこちょいな真姫ちゃんやね。真姫ちゃんが使った証拠に、ピアノには譜面が置かれていた。


 ウチは譜面なんて読めないけど、きっとこれは新曲やね。だって題名がまだ途中までしか書いてなかったりするし。


希「……あれ」


 違和感。
 真姫ちゃんが譜面を放り出してどこかへいくなんてありえる?


 部室にまだバッグはあったし帰ったわけではない。

希「……じゃあどこに」


  周囲を見渡すと、壁の付近が異常な状態であることに気がついた。

希「水……?」



 壁の付近を中心とした場所になにかの液体が飛散して、飛び散っているのが確認出来た。小さな水たまりになっているのもある。


 近づいて、観察してみる。


希「白くてネバネバしたのがあちこちに飛び散っている……対して透明な液体は溢れ出てきたみたいに、一点で水たまりみたいなのを作っている……」


 悪寒。

 またしても悪寒。



希「なんや……この感じ……」


 白い液体には、少し心当たりがあった。

希「精……液?」


 海未ちゃんの。でも、そんなこと、ありえない。


 あれだけの決意を見せた海未ちゃんが、そう簡単に曲げるとは思えない。


 そもそも海未ちゃんが射精をするのは、悪運が溜まりすぎたことによる自己防衛本能が働くから、なんやけど……。


希「気味が悪い……早くここから出よう」




 飛び散った液体を尻目に、ウチは譜面を持って音楽室を後にした。

◇◇


部室


 再び訪れたのはここだった。

 譜面になにかあってはいけないと思い、ひとまず安全なところに置いておきたい。そんな思いから。



 ウチは作った本人である真姫ちゃんに返すべきだと思い、真姫ちゃんのカバンを探す。

希「あれ、さっきまでスポーツドリンクの袋があったのに」


 探してみる。

 さきほどまですぐに目についていたものが無くなっている。と同時に、真姫ちゃんのカバンまで無くなっていることに気がついた。


希「なんで無くなってる……?」


 それらが意味することは帰ったということだろうか。
 ということは、真姫ちゃんとは入れ違いになったってことやね。


 さっきまで音楽室に居た……? あの、液体は一体。




 ――ガチャ。




希「ひっ……」


ことり「希ちゃん……」

希「はぁ……なんだことりちゃんかびっくりさせんでよ」


 少しだけことりちゃんが来て安心した。なんだか、不気味な雰囲気が学校に漂っている気がしたから。


ことり「ごめんね……でも、でも、相談したいことがあって」

希「……なに?」


 ことりちゃんのただならぬ様子に、少し気を引き締める。


ことり「本当は、本当はこんなこと言っちゃダメ、なんだと思うけど!! でも、でも!!」


希「落ち着いて?」

ことり「はぁはぁ……う、うん」

希「で……?」

ことり「……じ、実は前から、真姫ちゃんから、海未ちゃんが好きっていう相談を……受けてたの」


希「……」


ことり「驚かないの?」


希「ウチも知ってたから」

ことり「あ、そ、そうなんだ。それなら話は早い、んだよ」


希「……?」


ことり「さっき、音楽室に行ったら……真姫ちゃんと海未ちゃんが……抱き合ってキス、してて……それも深いやつ……。海未ちゃんが押し倒している感じで」



希「本当!?」


ことり「う、うん……」


希「いやー、真姫ちゃんついにやったかー。あのタイミングで告白するとは思っていたけど、まさか一気に深いキスまでやってしまうなんて……」

希「真姫ちゃん積極的やね……!」



 あの真姫ちゃんが海未ちゃんへの告白を成功させて、しかもキスまでするなんて。
 相談を受けていたウチとしては本当に嬉しい。


 真姫ちゃんだって自分を見失いそうになりながら、正面からぶつかったんや。……本当におめでとうっていいたい。



希「ふふ……」


希「――ことりちゃん?」


 素晴らしい知らせ。
 相談を受けていたということりちゃんもきっと嬉しいはず。……それなのに、ことりちゃんの表情は晴れない。


ことり「……話はまだ終わってないの」

 見る見る顔が青ざめてゆき、声も震えていく。


ことり「本当に、本当に誰にも言っちゃダメなんだけど……友達を裏切ることになっちゃうんだけど……!! でも……でも」


ことり「――海未ちゃんね、穂乃果ちゃんと、付き合ってるの」




希「ん?」


 なに?

 どういう、こと?

 何を言っているの?

希「ことりちゃん、それ嘘――」

 今にも涙がこぼれそうなことりちゃんの大きな瞳。それがウチを真っ直ぐに見つめていた、それは嘘ではない、証。



希「そんな……」



希「いつからなん?」

ことり「三ヶ月前からって」

希「……気がつかなかったよ」

ことり「私も……」

希「てことは、このことはウチらしか知らないんやね?」

ことり「うん」

ことり「ねえ、どうしよう。海未ちゃんが真姫ちゃんと……! もうわかんないよっ!!!」


希「……」

希「今日見たとはいえ、一人でかかえこんで辛かったね」

ことり「……うん」

ことり「どうしよう、穂乃果ちゃんが……」

希「……きっと、なにかあったんよ。ウチが調べるから。ことりちゃんは練習戻ってて?」

ことり「でも……!」

希「こんなにメンバーがいなくなるのもおかしいやん? ウチはちょっと用事があるからってえりちに言っておいて」

ことり「……分かった。じゃあお願い。何か分かったら」



希(なにが……なにがおきてるんよ……)

 とりあえずあの音楽室をもう一回ってとこやね。




◇◇


ことり「……あれ」

 希ちゃんが部室を後にしてからも、しばらく動くことが出来なかった。

 ぼんやりと外を眺めていたんだけど、そこに、今回の元凶である人が目に飛び込んできた。


ことり「真姫ちゃん!!」


 校門に向かって、ゆっくりとゆっくりと、まるでゾンビのような足取りで歩いていた。


 今から全力で走れば間に合う!

 部室の扉を勢いよく開けて、走る。

 階段も普段はしない二段飛ばしまでして駆け下りる。
 靴はそのままに玄関を飛び出す。見えた、眼前には真姫ちゃんの後ろ姿。


ことり「真姫ちゃん!!!」


 私の声に、真姫ちゃんは足を止め、振り返った。

真姫「ことり」

ことり「はぁ……はぁ」

真姫「どうしたの?」


ことり「……単刀直入に言うよ」

ことり「私、みちゃったの。音楽室で海未ちゃんと真姫ちゃんがなにしてるか」


真姫「……そう」




真姫「――気持ちよかったわ。すっごく。おかしくなるくらい。前にことりに慰めて貰った時よりずっと」




ことり「なんで、なんで、そんなことしたの!!」

真姫「知らないわよ、あっちがやってきたんだから」

真姫「ことりも勿体無いことしたわね、男が嫌いだからってあんなの逃して」





真姫「想像してみて? あなたが家で一人慰める時より何倍も気持ちがいいのよ?」




ことり「……」

ことり「海未ちゃんがやってきた……? そんな、そんな訳ないよ!! だって、だって!!」

ことり「――海未ちゃんは穂乃果ちゃんと付き合ってるんだよ!?」



 時が止まったような。私の一声で。


 ああ、言ってしまった。これは口が軽い人って言われても、仕方がないかも、しれない。

 真姫ちゃんはきょとんとした表情を見せる。


真姫「ぷっ……あははははは。なに言ってるの? 本当面白いこというのね」

ことり「え?」

真姫「海未は私の恋人よ? 穂乃果と付き合ってるなんて、ありえないわ」


ことり「ほ、本当だよ!!」


真姫「はいはい、じゃあ私は帰るから」

ことり「待って――」

真姫「私に構うより早く練習、戻った方がいいんじゃない?」


ことり「くっ……」

投下する時間ないので本日はここまでとします。また本日の夜辺りにでも。

◇◇



 カツ……カツ。


 光を無くした太陽が、廊下を照らしていた。

 辺りは暗闇。音楽室への道のりは遠いというわけではないが、なぜだか今回は遠く感じた。


 希の歩く音だけが辺りに木霊する。部室に帰ればみんなが練習を終えて着替え終わっていることだろう。


 希はゆっくりと歩きながら音楽室であったことの整理をしていた。


希「真姫ちゃんはきっと二人きりになった時に海未ちゃんに告白した。多分これは間違いない」



希「そこから、キスをした。海未ちゃんが押し倒している感じって言ってたけど……そんなことありえるん? 海未ちゃんは決別をはかって――」



海未『大切な関係を守るために』



希「……なるほど、そういうことやったんか。最初から、ずっと穂乃果ちゃんのことを考えてたんやね」



希「穂乃果ちゃんを大切に思っているから、最後まで穂乃果ちゃんには何も教えていない。それだけの愛があるなら、なんで真姫ちゃんを……」




希「わからん、なにかなにか引っかかる」

希「音楽室の液体。あれは……透明なのが真姫ちゃんので、白いのが海未ちゃんの精液、かな。エッチまで、してもうたん? いままでエッチだけは一回もしていないのに」


希「ぅあ……精液……せーえき……」

 少し身体を震わせる。
 海未と行った行為を思い出してしまった。精液が欲しい、沢山口の中に注がれたい。沢山沢山。



希「ウチ……こんなエッチなこと考えて……ダメダメ、支配されちゃダメや」

希「しかも、海未ちゃんは、そんな人じゃ――」




「――ぅぁあああああああああああああああああああああっっ!!!!!!」





希「っなに……!?」


 突如聞こえてきた悲鳴は希の思考を断ち切った。

 後ろを振り返るが、あるのは歩いてきた長い廊下。まるで暗闇しかないような、光景に恐怖する。


希「上かな」


 聞こえてきたのは上から。希は階段を素早く駆け上がり、聞こえてきた階に出る。


 静かだ。さきほど悲鳴があがったのが嘘のよう。ツーと冷や汗が背中を伝うのを感じる。


「いやぁああああああ!!!」


希「生徒会室!?」


 今度ははっきりと聞こえた。それは少し先の生徒会室からだ。


希「ごくっ……」




 また訪れる静けさ。恐る恐る生徒会室の前に立つ。すっと深呼吸をして、扉に手を掛け――開け放つ。



希「……電気」


 希は慣れた手つきで生徒会室の電気をつける。
 明かりがついたことで希の精神は安定し、一気に生徒会室の中に入る。












 ――安心した希は背後でドアが閉まっていたのにも、気がつけなかった。

希「うーん、誰もいな――きゃあっっ!!!!!」


希「う、海未ちゃん!?」


 背後に気配を感じ、すぐに振り返る。

 希の背後に立っていたのは海未だった。






希「もう……びっくりさせないで。全く……いつの間に――な……」

海未「ふーっ、ふーっ、かっ、はぁ……」

 
 鬼のように見開かれた目、口元からは唾液が垂れ、歯を食いしばりながら息を荒げる。


 ――まるで獲物を見つけたかのよう。


 しかも、海未はスカートを履いていなかった。いきなり露出させられている陰茎に希は絶句してしまう。





 海未の異様な様子に、恐怖を覚える。いつもの物優しげでどこか強かな海未はそこには存在していない。

 少しずつ、少しずつ、後ずさり。





希「っ……」


 後ろは壁。もう逃げるところは、ない。


海未「ふーっ、ふっ、はぁっ、かっ、はぁっ……」



希「本当にど、どうしたん!?」



希「――え」

 張り裂けそうな程膨張した陰茎が、希を捉えていた。
 

 興奮している?

 その様子と、今の自身が置かれている状況。希は悪い予想をする。


希「海未、ちゃん。もしかして……?」

海未「ぅああああっ!!!!」



希「きゃっあ!!!! ちょ、やめ」


 海未は希の肩を両手を振り下ろすようにして掴むと、そのまま向きを変え生徒会室の長机に押し倒した。


希「や、やめて、本当に!!!」



 もしかしたら。そう考える希は可能な限り暴れるが、普段から鍛えている海未の力は非情。上からのしかかり希の反撃を許さない。


 そのまま海未は希の服に手を伸ばし、制服を引きちぎるくらいの強い力で希の胸元から、服を剥ぎ取っていく。そして露わになる乳房を握りつぶす勢いで揉みしだく。



希「ぐぎぃっ……!!!」


希「う、海未ちゃんっ」


海未「ふぅっーッッッ、ふっ、ッッ」




 今だに抵抗を続ける希を押さえつけ、スカートの下の紫色のショーツを抜き取る。



希「い、いや……やめて」





 目の前の"海未の様な何か"に、恐怖し希は涙を流す。これからされること、それらを全て想像した。


希「待って……するならせめて、濡らしてから。めんどうならウチ自分で濡らすから……ね? ちょっ、ウチ、まだ濡れてな――」



希「――っ!!!! ぃぁぎゃああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」


海未「んっ、はぁぁぁっ……」



 ――そして、海未は狂気を持って、凶器と化した陰茎を希に突き刺した。



希「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぎゃぁっぁぁぁぁ!!!」



希「痛い痛い痛いっ!!! いだぁぁっ、ぎゃぁぁああああああああああああああああっッ!!!!」



希「ゔみちゃっ……ぅあああああっ、ぎゃぁぐぅっ!! や、めっ、痛ぁぁぁいっっっっ!!!!!やめて、やめてぇっっ!!!!! なん、でこんなことぉっ!!」



 泣き叫び、悲痛な声を上げる希の声など海未には聞こえていなかった。目の前の女の身体に全てを奪われていた。



 一瞬で貫かれた処女膜は血を吹き出し、海未の陰茎を血で染め上げる。陰茎を奥まで突き立てれば突き立てるほど、希は激痛に襲われていた。


 真姫の場合はセンセーションを服用していたのと、まだ海未が正気を保っていたため前戯をしっかりと行ってからの行為だった。




海未「あっ……ぁぁあああっ」


希「痛いよぉ……くっ、はっ、はっ、あっ……どうしてぇ……うぅ」



 海未の陰茎は挿入している最中もさらに大きく太く膨張していく。




 希の膣は、真姫のものよりも浅く、膣口も狭いこともあり、膣口は裂け、もはや受け止めておける容量は無かった。のだが、海未はそらすら無視して根元まで収めようとする。

 子宮すら陰茎で押し上げる。まるで頭が揺れるような痛みに希の意識は少しずつ遠のいていく。

 ぎゅうぎゅうにしまった膣が海未の陰茎を刺激し、さらに快楽を求めて海未は速く、より速くペニスを押し込む。


希「はっ、はっ、痛……ぃ……んぅ……あぁ……あっ、あっぁぁぁぁぁ、ぐぎゃぁぁぁぁぁあ!!!!」


希「なんで! なん……で、こんなことするんっッッ!!!」

 必死の叫び。

 その時、何も言わなかった海未の口が開いた。






海未「――のぞ……みの、せい……です。こんなに、なった……の、は」







 海未が放った言葉は無意識ながら、非情なものだった。

 希はその言葉を聞き逃さなかった。自分のせい。


 自分が落とした、から。

 全て自分のせい。自分が償わなくてはならない。今この扱いも当然。


希『ウチのここ、使ってもいいから』


 確かに希はそう言っていた。



希「ぅぁぁああああああっ
ごめん……ごめんね……ごめん……ごめん……ごめん……ぎぃぃっっ」




海未「はっあ、はっ、でる……っ、ぁあああああああっ!!!!!! あっあっ……」


 海未が希の膣の快感に耐えきれず、一番奥の奥まで陰茎を勢い良く突き刺す。

 声にならない絶叫をあげる希。と同時に痛みで硬直した希の膣はさらに締め付け、海未は一番奥で精液を解き放った。

希「あっあっ…………う、み……」



 痛みと酸欠で薄れてゆく意識。その中で少しだけ考える。
 今こうやられているのは自分が悪いからだ。

 海未に自分を"使って"貰えている。

 そうしてくれるだけ、幸せなのかもしれない、と。


希『初めては……本当に愛し合った人と……』







希(本当……ウチって、甘いことばっかり……考え――)

希「い、いや、あっ、ぐぎゃぁぁあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!!」


 気絶しそうになった希だったが、海未の動きは止まらない。射精をしながらさらに快楽を求める。


 再び与えられる激痛は希の意識を嫌でも覚醒させる。


 どんなに痛みで希が泣き叫んでも、どんなに抵抗しようとも海未は希の中を壊すような勢いで貫いた。



 何度も何度も希の中で果てても動きを止めることはない。ただひたすらに快楽を求めて、海未の陰茎は勃起をやめようとはしなかった。悪運を注ぎこみ続ける獣。そういうのが正しいだろう。




 最初こそは悲鳴をあげていた希だったが、しばらくすると、抵抗をやめた。



 それは愛液の分泌と精液による潤滑油が注がれたのと――道具としての自分を認めたから。


 自分のしたことを償うのは、道具として存在して、海未を気持ち良くすること。



 虚ろになった目で希は犯され続ける。もはや、心はそこには、ない。




海未「うっ、またで……る。っぁ、はぁん、んんんぅぅ……はっ…はっ……ンンぅ……」


 何度出したかわからない。そんな状況でセンセーションの効果は切れた。

 海未はペニスを抜き、激しく肩を上下させつつ横たわっている希に目を向ける。





希「あ……ぁぁ」




海未(あ、れ……なにこれ。私……わたし……)


 意識が覚醒していく。自分自身がやったことをはっきりと覚えていた。泣き叫ぶ希を押さえつけて、無理やり、何度も何度も。

 顔が青ざめていくのがわかった。

 真姫にも、おなじようなことをしたばかりだというのに。


希「う……み、ちゃん」


 希がか細い声をあげる。

海未「私は……なんて、こと……」

海未「のぞ、み大丈夫、ですか」

 希に近づいて、抱き寄せようとして――。










希「――きもち、よかった? ……ごめん、ね?」







 希は少しだけ、微笑んだ。

海未「あ……ぁ……ぁぁ」

 急に怖くなってくる。なぜ、なぜこんなことをされたのに、笑っていられるのだろう。酷いことも言って、酷いことを、して。

 こんなにも、優しい人を。



海未「うぁぁあああああああああっ!!!!!」


 

 海未は自分のやったことに対しての恐怖に、押し潰された。

 自分が怖くなっていた。薬を服用していることを知らず、性欲を暴走させていることが。

 頭を抱えて発狂する。


 そして、生徒会室から逃げ出した。





希「……はは」

 海未がいなくなり生徒会室には希一人取り残される。自然と、もう涙は出ない。

 股のあたりが激しく痛むが、これも必要な罰と思って、受け入れた。

◇◇


 はぁ……はぁ……。

 上手く、走れません。足は震えて、視界もなんだか狭くなったみたいです。

 気がついたらスカートを履いていなかったので、記憶を頼りに音楽室に行きました。しかしスカートは見つからず呆然としていた所、ピアノの陰、見にくい所に投げ捨ててありました。どうかしていました、下半身を露出させて、校内を徘徊していたなんて。



 誰かに持っていかれなくて良かった。

 探している時に見つけた私と真姫の体液は、拭き取っておきました。


 そして私はもうみんながいなくなった部室から荷物を取り、すぐに走りました。

 怖かった。ここで止まったらなにかに捕まるような、そんな気がして。




海未「私は、なんてことを……!! しかも、逃げて……逃げ出して…」

 玄関を出て、校門にさしかかるところで、生徒会室の窓に目をやります。

海未「まだ電気……」



穂乃果「あっ! 海未ちゃん!!」


海未「っ!? ……穂乃果……」


穂乃果「……」


 私を待っていてくれたのでしょうか。こんな、こんな私を。

 抱きしめたい、穂乃果……穂乃果。
 穂乃果に抱きつこうとしたところで、視界が揺れる。










穂乃果『海未ちゃん、どうして私以外の人とエッチなことしたの?』

穂乃果『ねえどうして? ……他の女の子とエッチしたその手で私を触るの?』




海未「え……穂乃果……?」

穂乃果「えへへ……」



穂乃果『私はこんなに待ってるのに? 他の女の子の方が大切?』



穂乃果「えっと……ことりちゃんが、海未ちゃんのこと待っててあげたらって」



穂乃果『好きっていったよね? 嘘だったの? 嘘だったんだよね!?』



穂乃果「二人きりで帰るとか……ちょっと恋人っぽいよね。でもことりちゃんも友達だから明日からは三人で帰ろうね」

穂乃果「学校からずっと二人きりなんてほとんどないし……」




穂乃果『私はこんなに辛いのに! 海未ちゃんだけ気持ちのいいことばかりして満足!?』



穂乃果「……だから今日くらい、海未ちゃんの恋人だってこと……味わいたいんだ。腕組んで帰ろ? 迷惑……かな。私って、重い……かな」




穂乃果『嘘つき……嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき!!!』


海未「あっ……あぁ……いや……いやぁ……」


穂乃果「……本当にどうしたの? 大丈夫?」

 私が近くにいると。

 ――穂乃果でさえ、また襲ってしまう。




海未「いゃぁあああああああっ!!!」







穂乃果「え……? 待ってよ!!」


 走りました。



穂乃果「うみちゃーん!!!!」




 誰も近寄れないように、追いつけないように。今度はうまく走れました。


海未「今日は……一人にさせてください」

◇◇


真姫の家


真姫「今日ご飯いらないから」


バタン



真姫「うぅ……海未ぃ……セックス……セックスしたいよぉ……」



 こんな状態では練習なんて出来ない。そう思って帰ってきたんだけど、状態は変わらなかった。

 身体が疼く。


 海未のおちんちんが欲しい。精液が欲しい。


 ううん、それだけじゃない。身体が、何かもうひとつ求めている。



真姫「うぅぁ……」


 海未とのセックスを想像して、私は下半身に手を伸ばす。

 きっと、またオナニーをすればこの感情も少しは消えてくれるはず。


真姫「んんぅ……ぁぁ……あ、あれ……?」

真姫「あんまり気持ち良くない……」



 足りない、足りない。全然足りない。なにがなにが足りないの?


真姫「……あれを使ったら、どうなるのかしら」


 思い浮かべるのは今日持って行って、結局使わなかった薬。


真姫「……副作用……一過性のものってあったし、きっと大丈夫。一回だけ、今回だけ……」

 カバンの中からスポーツドリンクの袋を取り出す。

 中を覗いて見ると、白い粉末。それを少しだけ手にとり、舌ですくう。


真姫「んぐっ……」



真姫「飲んじゃった……これで……気持ちよくなれるのかしら」


真姫「あ、あれ……身体が……んんぅ……」

 しばらくすると、少しずつ効果が現れてきた。

 身体が芯から熱くなっていく。この感覚……ついさっき海未の時に味わったものと、似ているような。飲むのは初めてなのに。

 しかしそんなことはすぐにどうでもよくなり、ベッドに飛びこんで、陰部に手を伸ばす。


 陰核に触れると、先ほどまでとは比べものにならない快楽が襲ってきた。それに思わず叫び声を上げてしまうが、手は止まらない。


 もっと、もっと――。


 ショーツ越しに割れ目を何度もなぞって、溢れ出てくる愛液を染み込ませる。



 やがてショーツにくっきりと性器の筋が浮かんでくる。今にも海未のペニスを求める秘裂が、ショーツを食んでいるようだ。



真姫「んぁ……んんぅ、おまんこ……きもいちぃぃ」


 ショーツを横にずらして、指をクリトリスに当てる。


 ぷちゅぶちゅと淫靡な水音を立てて、刺激していく。


 激しく激しく、クリトリスを弄る。


 無我夢中で自分が一番感じるクリトリスの先端をつつく。まだ包皮に覆われているクリトリスは、限界まで肥大している。

 くっとクリトリスの上の皮を持ち上げ、露出させる。

 すーすーという風すら快楽に変わっていく。


真姫「ふぁ……」


 くいっとつまむと、頭の芯が痺れるような快楽がほとばしる。

 乳房の向こうで心臓はバクバクと破裂しそうな程高鳴っていた。


 海未のことしか考えられない。あの笑う顔、怒る顔、いやらしい顔。全てが愛おしかった。



 すべすべとした性器の肉に愛液を擦り付け、自分の股からただよう発情した雌の香りをいっぱいに吸い込み意識を酩酊させてゆく。



 上着を脱ぐと、ツンと張った乳首。それらにも愛液を塗りたくり、あっという間に全身がぬらぬらと輝く。

真姫「海未ぃ……好き……」



 目の前で自分を見ている海未を想像する。こんなことを海未に見せている。自分のとびきり淫乱な姿を。そうしてまた口で罵られる。そう自分はエッチなんだ。でもそれは海未の前でだけ。だから、見て、もっと、見て。



 ショーツを指に巻きつけて、陰核をつまむ。敏感すぎる陰核を気遣いながら自慰を出来るほど余裕はない。



 ショーツが巻きつけてあれば、爪でひっかく心配もない。


 グリグリと押し付けて、快楽を貪る。ぷしゅぷしゅと少量の潮すら吹き出して意識が吹き飛びそうになる。



真姫「ひゃぁぁああああ、見て、もっと見てぇ!!!」



 ショーツが潮と愛液によって水浸しになる。吸いきれない淫液でベッドが濡れる。

 一番感じるクリトリスの先端。それを包皮を剥いた状態で刺激する。指で愛液をすくい取り速く、速く。



真姫「ひゃぁっ……く、くるっ、ひぎぃ……きもひっッ……ひぐぅ……ンンぁっ!!!」



 歯の根がガタガタと震えるような絶頂が、陰部から尻、そこから背筋へと物凄いスピードで移動して開脚して支える足先までを快楽の波がぶち抜いてゆく。


真姫「ぁ……んぁ……はぁはぁ」

 ぶるりと身震い。

 ようやく快感の波が引いてゆく。


真姫「ふぅ……もっと、もっとぉ……あは」




 私は再び熱くなる身体に笑みを浮かべ、バイブを取り出し、より激しい自慰をスタートさせた。


◇◇


海未「……ふぅ……ふぅ、あ、あの今日ご飯、いりませんから!!」


バタン



海未「ふぅーふぅー」


 穂乃果が穂乃果が……。あんなこと言うはずないんです。

 あれは私の妄想。なにを考えているんでしょうか。

 穂乃果にそうされたいとでも願っている? 違う、私は穂乃果のことが好き。今からでも謝りに……。


海未「ぁ……ダメ、謝りに行っても……ぁぁ……」


 手がブルブルと震えて、止まりません。こんなんじゃ、穂乃果のところに行っても、意味ありません。悪いことしか思い浮かばない。


海未「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」







穂乃果『最低だよ、海未ちゃん』





海未「うぁああああああああああっ!!!!!」

◇◇


51日目




ことり「海未ちゃんどうしたんだろうね」


穂乃果「うん」


ことり「休むことなんて滅多になかったもんね」

ことり(きっとこの前私が見たものは……見間違い。海未ちゃんが穂乃果ちゃんを裏切るはずがない。あとで希ちゃんにどうなったか聞いてこよう)




ことり「あ、そういえばこの前どうだった?」


穂乃果「この前?」

ことり「帰りのこと」


穂乃果「……うぅ」

ことり「ど、どうしたの!?」


穂乃果「うぅ……ひっぐ……ことりちゃん……」ギュッ



ことり「……穂乃果ちゃん」

ことり「何かあったんだね」



ことり「海未ちゃん……あなたは何を考えているの……?」

◇◇

希「……」

にこ「どうしたのよー!」


絵里「朝からずっとこの調子なのよ」


絵里「あと、歩くのが痛いっていって」

にこ「はぁ?」

希「……」

にこ「なによ、歩くのが痛いって。股ズレでも起こした?」


希「そんな感じや……」


希(こんなことしてる場合じゃない。ウチはやることがある)


希「帰る」

にこ「はぁ!?」


絵里「ちょっと待ちなさいよ」


絵里「……希」

にこ「なにあれ……」

絵里「何かあるわね」

◇◇



凛「真姫ちゃんまた休みだー」


凛「皆勤賞の凛からしたらまただよ」

凛「ここ三日休んでるよ? 海未ちゃんも」

花陽「体調悪いのかな」

凛「うーん……」


花陽「お見舞いいく?」

凛「まだいいんじゃないかな。これが何日か続いたら行こうよ」

花陽「まあそうだよね」

凛「海未ちゃんとエッチなことしたーい!!」

花陽「ちょ、ちょっと声が大きいよ!」

凛「んぅ……じゃあさ、かよちん凛とエッチなところ見せ合いっこしようよ」

花陽「ぇぇ!? い、いや」

◇◇

真姫「ひゃぁぁぁんっっ! きもちぃぃ……ふぁ……んぁ……気持ちいぃよぉ……」

真姫「クリが……コリコリしてぇ……ふぁ……」



真姫「弄りすぎたかな……すっごいクリがおっきく、なってる……んんぁ」


 肥大化したクリトリスが皮からぷっくりと顔をだしている。その先端部分をつつくと、自然に声が出てしまう。



 前はずっと皮を被っていたので、生で刺激を受けた時は本当に死ぬかと思った。



 病気になった時に使っていたバイブを露出したクリトリスに押し当てる。


真姫「いやぁ、あっぁぁっ、っんぁ、ンはぁ、んんんんぁぁあああああああっ! おかし……っぁ!! おかしくなりゅぅぅぅ!!!」


真姫「はぁ……はぁ」


真姫「……もっともっと……おっきいの……海未のが欲しい……」


 三日前の夜、センセーションを飲んでから、私はずっと自分を慰めていた。手だけの刺激では物足りなくなっていき、薬をのみつつバイブでクリトリスのみを刺激し続けた。


 薬が切れたら、飲んで、切れたら、今度はもっと多く飲んで。


 頭がおかしくなりそうだった。こんなに気持ちいいなんて。

 ――気持ちいいことが、苦痛じゃないなんて。



 そしてわかったことだけど、これは持続時間が短い。


 だからある程度の時間が経ったら飲まなくてはいけない。


真姫「ふぅ……切れてきた……飲まなきゃ……薬……薬」



 薬を多量に溶かしたお茶が入っているペットボトルを掴む。



 2リットル入っていたものが、もう一夜で無くなりそうだった。

 

 薬も補充しなくてもいいように、お父さんの仕事場からたくさん持ってきた。



 これを飲まないと、気持ち良くなれない。


真姫「あ、れ……」


 切れてきた効果で少しずつ頭が冴えていき、身体が震え始める。

 この感覚……この前と……。


真姫「……私が今こうなっていることと、三日前の海未の姿……おかしい」


 思い返してみると、この前の海未と私は明らかに異常だった。快楽に狂い、お互いを貪り合う。

 掴んでいるお茶は私自身が震えることで、水面をゆらゆらと揺らしていた。



真姫「飲み物……」

 あの日、私がセックスをする前確かに飲み物を飲んだ。私も海未も。

 
 スポーツドリンクだと言うのに、味がほとんどしない、少し苦いかなと思うくらいだった。

真姫「あのスポーツドリンクには……薬が入っていた……?」


 部室にこの袋を置いていたから、勘違いしてスポーツドリンクを作って海未に渡したとかそんな感じかもしれない。それとも、意図的に希辺りにでも入れられた?


 どっちにしろ、昨日の私と海未はセンセーションを飲んでいたということだろうか。




真姫「なる、ほど……うぅ……海未ぃ……近くにいて……私、海未がいないと……」


 副作用が少しでてきたのかもしれない。この部屋がとてつもなく広い宇宙で、私はそこに一人取り残されている。そんな感じがした。


真姫「この前薬を飲んだなら……今海未は副作用で苦しんでいるはず……ふぅ、ふぅ……あげなきゃ、薬飲ませてあげなきゃ」









真姫「ふふっ――好きな人が苦しむ顔なんてみたくないもんね」

◇◇

海未「……」


 こうやって公園のベンチで制服で座っていると……なんだか罪悪感が増して行きます。

 今日は学校に行きたくありませんでした。こんな日がもう何日か続いています。

 あんなことをして、本当はすぐにでも謝らないと行けない、のに。


 風が冷たくなってきましたね。……もう夏も終わりました。


 穂乃果に告白されたのは、夏でしたね。……もうその季節も終わり。きっと穂乃果はもう私のことなんて……。


 少し前から身体がおかしいです。何かを欲している、何か何かを。


海未「……また私は……。穂乃果のことを一番に信じてあげないとダメなのに」


海未「まずは、みんなに謝りましょう」

海未「……とりあえずは電話で。あとは……もう直接会って謝って……」

海未「昼休みですか。これなら電話を鳴らしても気づいてくれるかもしれません」

プルルルルルル

海未「……」

希『もしもーし』

海未「っ……希」

希『どうしたん? 海未ちゃん』

希『電話なんて珍しいなー』

 なんの、なんの変化もない声色。私はどう罵られても、どう思われても構わない。

 そう思っていたのに、どうして、どうしてそこまで変わらないで私に接することが……。

海未「この前のことは……」

希『ん? あああれ、気にしないで』

海未「え……」

希『高校三年生になってまで処女とか恥ずかしいやん? それを海未ちゃんが貰ってくれて、よかったよ』

海未「嘘だ……希は……」





希『……例えウチの言ってることが、嘘でも……そういうことにしといてくれんかな?』



希『……ぐすっ』

 希はそう言って、少し間を空けました。……電話から少し離れたところで、希のすすり泣く音が聞こえてきました。


海未「ごめん、なさい……」


希『絶対助けてあげるから。海未ちゃん』

ブツッ

海未「希……希!!」

海未「……」


プルルルルルルルル


海未「電話……」

 電話がかかってくるとは珍しいですね。

海未「真姫……」

 真姫にも、謝らなくてはいけません。


海未「もしもし」


真姫『海未……』


海未「昨日は本当にごめんなさい!!」

真姫『今どこにいるの? 学校?』

海未「……いえ」

真姫『そう、ならウチに来て』


海未「え、いや、しかし」


真姫『私、処女だったの』


海未「っ……」



真姫『……責任とりなさいよ』

海未「……はい」

真姫『そう、なら今から住所教えるから、携帯で検索して』

ブツッ

海未「……」

 電話が切れてしばらくすると住所が書いてあるメールが送られてきました。

 地図に住所を入れて場所を確認します。

海未「……真姫」


 責任を取らなければ、どんな形でも。

 私は携帯電話をみながら真姫の家に向かって歩きだしました。

◇◇

神田明神




希「はーい、今なら手相占い無料でしますよー。手相以外でもタロット、星座なんでもオーケーでーす」



 巫女服を身に纏い、そんな謳い文句を口にする。


 平日の昼ということで人はまばらだが、それでもいないよりはマシ。


 ウチの声を聞いた人が振り向く。
 女の人はこういうのが好きな人は多いから集めるのは問題ない。


 問題は男の人。

 だからウチは、ウチの武器を最大限使うことにした。

 掛襟のところをかなり緩めて、手相を見る時にかがむと胸元が見えるようにする。

 これなら男の人も興味を持ってくれるはず。



 全ては良運を集めるため。

 占いに来た人から少しずつ頂いていく。本人には悪影響が出ない範囲でやけど、塵も積もればなんとやら。


 さっそく少しチャラチャラした男の人が二人来た。大学生かな。


希「手相でいいですかー?」

 最高の営業スマイルを送る。

 ウチが手相を見るために、屈む。

 ああやっぱり、胸に視線を感じる。いいよ見て、好きなだけ見ればいい。

 前のウチなら、こんなこと恥ずかしくて出来なかったやろね。



希「ありがとうございましたー」

 手を握っている間。悪影響が出ない範囲で良運を吸い取らせて貰った。微々たるものやけど、ウチにはこれしか出来ないんよ。

◇◇


真姫の家


海未「ここですか、大きいですね」


海未「……お邪魔しまーす」

海未「……あれ」


真姫「――いらっしゃい」

 応答がないまま、海未がしばらく立ち尽くしていると、奥からパジャマ姿の真姫が出てきた。

 少しクマがある。

 真姫に促されるままリビングに通された。




真姫「座ってて」

海未「はい」


 客間と思しき場所にはソファがいくつも置いてあった。

 一番小さいところに腰を下ろすと、ふかふかすぎてぐっと身体が沈みこむ。


海未「うわ……凄いですね」

真姫「そう?」

真姫「はい、紅茶」

海未「ありがとうございます。えっと――」

真姫「御託はいいから本題に入りましょう?」

真姫(海未……海未のおちんちん欲しい欲しい……)モジモジ

真姫「はぁ……はぁ」


海未「そう、ですね……申し訳ありませんでした」



真姫(薬……飲まないと)


真姫「ごくっ……」

 真姫はあらかじめ二つの紅茶にセンセーションを混ぜ込んでいた。


真姫「……私ね、海未とエッチできて良かったわ」

海未「え……?」

真姫「……気持ちよかったし」

海未「……」

真姫「海未はどうだった?」

海未「やっぱりこんなこと……」

真姫「別にいいでしょ? だって私たち……」




 ――恋人同士なんだから。

 この言葉は真姫からは出てこなかった。こんなことを言うのは無粋だとか野暮だとかそう感じたから。


真姫「ちゅ……」

 真姫は代わりに行動で示したのだ。


海未「な、なにを……!」

真姫「はぁ……はぁ……」

 頬は上記し、つり目の真姫の目がトロンと垂れ下がる。甘い息を出しながら、海未に急接近する。薬が回ってきたのだ。


真姫「ふふ……ねえ海未、紅茶飲んで?」

海未「どうして」

真姫「いいから。責任取るっていったでしょ」

海未「それとこれとは」

真姫「めんどくさいわね……んぐっ……んぐっ……」

 痺れを切らした真姫は自分の紅茶を一気に飲み干す。

 そして海未の紅茶を手にとりそれを全て口に含む。


海未「なにを……」

真姫「ふぅぅん……んちゅ……んちゅ、ちゅぷ」

海未「んんっ!? んん……んぐ……んぐ」

 強引に唇を覆い、海未にセンセーション入りの紅茶を流し込む。
 入りきらない紅茶がぼたぼたと胸元に落ちてゆく。

海未「な、なんなんですか。私はこんなことするために……!」

真姫「ふふ……」

真姫「一緒に、気持ち良くなろぉ?」

真姫「今日親いないの」

海未「や、やめて……真姫近寄らない、で……」


海未「あ、あれ……」


 またあの感覚。血液が物凄いスピードで循環するのを感じる。
 視界がゆがむ。それでも真姫の姿だけは確認出来た。

 ――挿入れたい、またぐちょぐちょになった真姫の中に。



真姫「ひゃあ……海未ぃ、海未……好き」

海未「ふぅ、ふぅ……」


 海未は他のことなど全て忘れて、真姫に覆いかぶさっていた。

◇◇

部室


凛「あれ、今日はこれだけ?」


絵里「真姫と海未は来てないみたいだし、希は今日途中で帰っちゃったわ」


にこ「こんなんで練習しても意味ないんじゃない?」

穂乃果「……」

にこ「なんだか穂乃果も元気ないし」

絵里「そうね……ここ最近休みもなかったし。ここらでとっておく?」

穂乃果「……」

ことり「そうした方がいいかも」

絵里「じゃあ土日の練習は無し。今日もみんな早く帰りなさい」

にこ「はいはーい」

にこ「じゃそういうことなら、私帰るわねー」

凛「凛もかえろー、かよにん帰ろー」

花陽「う、うん」


絵里「……穂乃果、どうしたの?」

穂乃果「なんでも、ない」

ことり「絵里ちゃん……」

絵里「はぁ……」



絵里「ことり穂乃果を、よろしくね」ボソッ




ことり「うん……」

ことり「穂乃果ちゃん、今日ウチに来ない?」

穂乃果「え……」

ことり「美味しいチーズケーキがあるの! たまには二人でどうかな?」

穂乃果「でも……」


ことり「――海未ちゃんのことも一緒に話そう?」

◇◇



真姫「んぁっ、もっと、もっと、はぁぁぁあんんまむむむ」


真姫「気持ちいい、奥ついてぇ!! 海未のおちんちん、子宮んとこ当たたって、うぁぁ……っ!!」

真姫「んぁぁああああああああっ、またまた、いくいくいくっ、うぅぅう、あああああああっ!!!!」


海未「真姫、真姫のなかぁっ!!」

真姫「だしてぇ!! 奥でビクビクさせて、私の子宮に注いでぇ!!!!」



海未「だし、ますっ!! ン、んはぁ……くっぁぁぁ」


真姫「あっ、あっ、……出てりゅぅ……あっついの……んぁ。おちんちん私の中でビクビクしてる、気持ちいい……」


真姫「もっともっと、気持ちよくなろ?」

海未「んはぁ……真姫、ちょっと休ませて、下さい」

真姫「えぇ……?」

海未「そうだシャワー、シャワーを浴びさせて下さい……」


真姫「本当にやめるの?」

海未「……」

真姫「出て左に行った突き当たり」

海未「……ありがとうございます」

◇◇

ことり「えへへ二人でお泊まりなんて久しぶりだねー」


穂乃果「うん……」


ことり「……穂乃果ちゃん?」


穂乃果「……こういうこと、普通だよね。友達が友達の家に泊まりに行くなんて」


ことり「うん」


穂乃果「私ね……海未ちゃんが友達の家に泊まりに行っただけなのに、すっごく嫉妬して、すっごく憎いって思っちゃったことがあるの」

ことり「……」


穂乃果「でも、最近海未ちゃんの様子がおかしくて。……この前海未ちゃんの帰りを待ってた時も、一人で先に帰っちゃって……」


ことり「それ本当?」



穂乃果「私、迷惑なのかな。重荷にはなりたく、ないけど。でも、でも!」

穂乃果「もっと……恋人らしいこと、したいよ」




ことり「……穂乃果ちゃんは悪くないよ」

ことり「嫉妬しちゃう気持ちだって、それは相手のことが好きだからだよ」

ことり「海未ちゃんは……」


ことり(真姫ちゃんとのこと、やっぱり……)




ことり「海未ちゃんには私が話聞いてみてもいいかな?」

穂乃果「うん……」

ことり「じゃ、チーズケーキ食べよ!」

53日目

希「うーん、全然ダメや……」


 少しずつ良運を吸収させてもらってるとはいえ、成果はほとんどなかった。

 これを続けても海未ちゃんを治すことが出来るのはいつになるやろう……。


希「どうしよ……もっと一人辺りから貰う量増やす? その人に悪影響を与えるくらいまで」

希「……ダメダメ、そんなことしちゃダメや」


希「でも、どうしたら、どうしたら!!」

「あ、希さんだ!!」

「え、ちょ、ちょっと!」


「こんにちは!」






希「――え、亜里沙ちゃん! と……」

雪穂「高坂穂乃果の妹の、雪穂です」

希「ああ雪穂ちゃん。話には聞いてたよ」



亜里沙「で、希さんなにしてるんですかー?」


希「これはねえ、占いやってるんよ」

亜里沙「へー確か朝とかにやってるやつですよね」

希「くすっ……やってみる? 二人とも」

亜里沙「はい!」

雪穂「お願いします」

希「じゃあ、手を見せてね、亜里沙ちゃんから。どれどれ――」


希「な……なに、これ」

 一般の人とは比べものにならないほどの良運。亜里沙ちゃんはえりちよりずっと良運が……。


希「ちょっとごめんね、雪穂ちゃん手貸して」

雪穂「はい」

希「……やっぱり」

雪穂「……?」


 雪穂ちゃんは穂乃果ちゃんまでとは行かなくても、常人の何倍も良運を持ち合わせている。


希「……これなら……」

亜里沙「……?」

希「二人とも、ちょっと話があるんやけど、いいかな?」

◇◇


真姫「すぅ……すぅ」


海未「……」


 真姫と交わり続けてもう一日が経ちました。風呂に入ったりしていたのでずっと、というわけではありませんが。


 真姫は私と交わっていない時は、自分を慰めていたようでした。


 ベッドに二人で寝転がり、眠ろうとしています。

 ついさっきまでセックスをしていたせいか、身体が異常に重くて動けません。



海未「なんでなんで、こんなこと」

 
 
 もう、真姫と交わっていないと、落ち着きません。身体が真姫の身体を欲しているのが、わかります。


海未「ふぅ……ふぅ……」


 ダメだとわかっているのに、なぜなぜ、私は……!!

 交わっている時は、何も考えなくていいから楽です。でも終わった瞬間……もうどうしていいか分からなく、なるんです。


海未「真姫……真姫を起こして、セックス……」

海未「ダメ……ダメ……どうすれば、私は……」


 欲望にまみれた汚らしい獣。もうそれも、いいような気がしてきました。



 気持ちいいことをすれば、全部忘れられる。

◇◇


絵里「どうしたの亜里沙」


亜里沙「今日ね! 神田明神で、希さんと会ったんだよ!!」


絵里「へえそうなの」


亜里沙「そこで占いしてもらったんだー。なんかね、占いを無料でやってくれてるんだよ」


絵里「希らしいわね」


亜里沙「希さんに占いをしてもらったんだけどさ、なんだか私ってすごい良運ってのを持ってたんだって!」


絵里「ん?」


亜里沙「今、µ’sで大変なことが起こってるって聞いたけど、大丈夫お姉ちゃん?」


絵里「大変なこと? なんのこと?」


亜里沙「海未さんが……なんだか色々あるらしくて」


絵里「海未のこと……?」


絵里「希が海未のことで大変だから、良運をわけてくれって言ったの?」


亜里沙「うん」


絵里「はぁ……なるほど、なんで生えてるか……やっと分かったわ」


絵里「亜里沙、ありがとね」




亜里沙「え、な、なにが?」

◇◇

54日目


海未「んはぁ……真姫っ、真姫……」

真姫「あぁぁンッ、すごぉい、おっきぃのぉ……入ってる、んぁっ、や、やんっ」

海未「ふぁ、真姫の中、狭くてぐちゃぐちゃでっ……」

真姫「あっ、あんっ、んはぁ……うぁっ、あきゅ、気持ちよすぎでぇ、おかしく、んきゅぅ……なりゅ、のぉ」

真姫「あ、っ、そこ、子宮コツコツして、ひゃぁん、もっと、突いてぇ、気持ちいいとこいっぱい突いてぇ!」

海未「ここ、ここがいいんですかっ!? まったく、んぁぅ、真姫は、変態、ですねっ!!」

真姫「いやぁぁぁぁ、あっあっ、変態、変態だかりゃぁ……もっと、もっとぉ」

海未「わ、私もおかしく、なってぇ……もう、もう真姫の中、気持ちよすぎて、出します、出しますよっ! 一番奥に!!」

真姫「来てぇ、いっぱいいっぱい奥で、奥の子宮んとこに、おちんちんくっつけて、んぁぉぁぁ……ビクンビクンってぇ!!」

海未「んぁっ、はい、はぁぁぁっ、くっ、ぁぁ……ぁぁぁああああ」


真姫「ふぁぁあ、でてりゅ、でてりゅぅ……らめらめ、あたしも、イクっ、イッちゃぅぅぅ!!!!」


海未「真姫! 真姫、もう一度!!」

真姫「あ、あっすごぉい、出したばっかなのに、硬く硬くなって、あぁぁぁんっ、ンァぁぁあっ!!!」

海未「真姫、また、……んんぅ……またキテ……くっはぁ……」


真姫「ふぇぇ!? 今出したばかり、なのに、ふぁぁ……すご、すごいすごいすごい!! また来てる、海未の精液どぴゅどぴゅってぇぇぇ!! ひやぁぁぁあああ!!」


 両者とも完全にセックスに薬に依存していた。肉欲に溺れ、それ以外のことなど全てかなぐりすててお互いを求めあった。

 海未はそれが薬のせいだとは知らず、薬が切れた瞬間発狂を繰り返していた。

 それを見た真姫は、すかさず薬を海未に気がつかれない形で飲ませて、さらにセックスをする。

 今の真姫は海未とのセックスが全てだった。


 親が帰ってきた時はピアノが置いてある防音室で行為を行った。レッスン場のような大きな鏡があったので、そこで自分達の痴態を見ながらセックスをする。それも快感だった。



 しかし、薬がないと、海未は手を出すことはしなかった。それに真姫も気がついていた。


 脳裏に浮かぶのはことりのあの言葉。嘘だ、嘘だといいい聞かせる。しかし、もし本当だったら?

 薬が無かったら、海未を繋ぎとめておける自信が――無かった。

 いつも、いつも、終わった直後は誰かのことを考えているのだ。そこに真姫が入っていけるはずもない。


 セックスをしている時は海未は自分のことを見てくれる、海未も気持ち良さそうな表情をする。少なくとも苦しんではいない。



 ――だからまた、薬を飲むんだ。

◇◇



希「昨日の二人のおかげで、大分良運が集まった……!」


希「これなら……あとニヶ月もすれば……!」

希「……二ヶ月。そんなに待てるはずがない。今海未ちゃんはどういう状況になってるんやろ」

希「……なにかなにか手を打たないと」









絵里「――困ってるみたいね」


希「え、えりち!?」

絵里「亜里沙から聞いたわよ?」

希「ぁ……」

絵里「海未がああなったのも、前回真姫がああなったのと、同じ理由?」





希「亜里沙ちゃんと雪穂ちゃんに口止めするの、忘れてた……」






絵里「……やっぱりね」

希「ごめん……」

絵里「どうやってそうなったのかは知らないけど、失敗したなら、私たちを頼りなさいよ。これ前も言ったわよね?」

希「……」

絵里「お節介だと思われても、私は手伝うわよ?」

希「えりち……」


絵里「――占いやってまーす!! 当たりますよー? どうですかー?」


希「……うぅ……」

絵里「辛い時はみんなで頑張りましょう?」


希「みんなに、話した方がええかな」

絵里「そうね……」

希「穂乃果ちゃんだけまだ知らんよね?」

絵里「ええ、そこも含めて、明日みんなに話しましょう?」

希「……」

絵里「私も一緒に話してあげるから、ね?」

◇◇


ことり「……んん……寝ちゃってた。もうお昼だ」

ことり「穂乃果ちゃんは……」

穂乃果「……ぐす……」

ことり「……泣いてる」


穂乃果「海未、ちゃん……」


ことり「……眠ってても、海未ちゃんのこと考えちゃうんだね。それほど好きなんだね」

ことり「海未ちゃん……穂乃果ちゃん、こんなに苦しんでるんだよ? 連絡しても帰ってこないし、一体なにしているの?」

ことり「あ、そうだ家の電話にかけてみよう」



プルルルルルルル



ことり「あ、もしもし南ことりです」

ことり「え、いない? ここ最近ずっと友達の家に?」

ことり「……はい、ありがどうございます」


ブツ







ことり「――真姫ちゃん、だ……」ギリリッ

◇◇


海未「うぅ、ぁぁ……くっ、やめて、やめて!!!」

真姫「海未、どうしたの? 大丈夫?」

海未「うぅ、うぁぁあああああっ!」

真姫「……また、またお薬……」



海未「明日は……何曜日、ですか」

真姫「月曜日よ」

海未「学校……行かないと……」

真姫「そんな状態で学校なんて無理よ!!」

真姫「大丈夫、少しくらいやすんだって。辛いことからは逃げましょう?」

真姫「ほら、一緒に気持ちいいことして……」

海未「……」

海未「穂乃果が……」

真姫「穂乃果? 大丈夫よ、あの子ならわかってくれる」

海未「穂乃果……」

真姫「穂乃果穂乃果ってなんなのよ!!!」

真姫「いいじゃない、今は穂乃果のことなんかより、私を見てよ!!!」


海未「――そんなこと、できるわけないじゃないですかっ!!!!」

真姫「っ……」

海未「私は、真姫と、こんなことを……!!」


真姫「……んぐ、んぐ……」


真姫「んんぅ、海未ぃ……ちゅぷ、ちゅぷ」

海未「んんぅ、ダメ……こんらこほ……んぐっ、んぐっ」




真姫「――ふふ……一緒に気持ちよく、なろ?」

◇◇


穂乃果「ただいまー」


雪穂「おかえりー」


雪穂「ねえきいてよアライズがねー」

穂乃果「どうでもいいよ、そんなの」

雪穂「え……」

穂乃果「……」

雪穂「……そっか、ケーキあるけどいる?」

穂乃果「いらない」

雪穂「え!? ちょっとお姉ちゃん!」

穂乃果「……」

雪穂「何かあったんだね?」

穂乃果「うん……」

雪穂「……それは、もしかして海未ちゃんのこと?」


穂乃果「……」

雪穂「海未ちゃんと恋人なんでしょ?」

穂乃果「な、なんで知って――」

雪穂「いや知らなかったよ。言ってみただけ」

雪穂「へぇ、そうだったんだー。海未ちゃんかっこいいもんねー」ニヤニヤ

穂乃果「……」


雪穂「……大丈夫?」

雪穂「……昨日ね、亜里沙と神田明神に行ってきたんだ。そこで希さんと会って、まあ色々あって話を聞いたんだよ」

雪穂「海未ちゃんに大変なことが起きているから協力して欲しいって」



雪穂「――それと関係ある?」




穂乃果「大変な、こと? なにそれ」

雪穂「……お姉ちゃんも知らないの?」

穂乃果「神田明神って言った? まだいるかな」

雪穂「どうかな……」

穂乃果「行ってくる!!」

穂乃果「ありがと雪穂!!」


◇◇


絵里「集まらないわねー」

希「そうやね」

絵里「もう日が暮れたわよ?」

希「まだ人は来るし」

絵里「うーん」

絵里「見通しではどのくらいで終わるの?」


希「二ヶ月くらいは……」

絵里「そんなに?」

希「……さっき話したように、えりちや他の人の悪運も取り除いてあげなきゃ」

絵里「まあそうよね……。まさか亜里沙が私よりその、良運? を持っているなんて」

希「すごかったでー」


絵里「なんか悔しい」


絵里「私の良運もとってよ。少しでも力になりたい」

希「……そうやね。じゃあ失礼させてもらうね」

絵里「ん……」

希「はい終わり」

絵里「もう終わり?」

希「うん」


希「えりちは運があんまないねー?」

絵里「ぅ……そうかも」


希「ふふ……あ、お客さんやっ、て……」






絵里「――穂乃果」


穂乃果「こんばんわ、二人とも」


希「どうしたん?」


穂乃果「……雪穂から話を聞いてきたの。……私に全部教えて」

希「っ……」

絵里「希……」




希「分かった……全部話すよ」


◇◇

真姫「すぅ……すぅ」

 疲れ果てて眠る真姫を尻目に、海未はベッドから起き上がる。また真姫が起きたらすぐに海未を求めてしまう。真姫は一日のほとんどをセックスか自慰で埋めていた。



海未「ごめんなさい、真姫」


 海未は自分のカバンから取り出した紙にさらさらと文字を書き込んでゆく。

 携帯電話を開くと、そこには穂乃果やことり、他のメンバーからのメールや電話がたくさん来ていた。

海未「私は……」


 海未はカバンを持って、真姫の部屋を後にする。

 身体をなんとか動かす。なんだかここ数日で自分がおかしくなっているのを感じていた。


 一回は親が帰ってきていたが、また出かけ、そしてまだ親は帰って来ていないようだ。暗いリビングを通って、玄関に。


 扉を開けると丸くて大きな月が夜を照らしていた。

海未「……いっそ、ここでオオカミ男みたいになって……自分を無くせたら、いいのに」

 海未は追い詰められていた。心は穂乃果を求めている。しかし、身体は真姫を求めていた。そのギャップに心が抉られていく。

 薬の効果はないはずなのに、海未は今でも女の身体を求めていた。

海未「……私は一体……」

 門を出て、自分の家に――。











ことり「――久しぶり、海未ちゃん」

海未「うわ!? こ、ことりなぜここに」


 そこにいたのは私服姿の南ことり。


ことり「なんでここにいるか? ――こっちのセリフ、だよ?」

ことり「ずっと真姫ちゃんの家に泊まっていたんだってね?」

海未「な、なんでそれを」


ことり「そんなことはどうでもいいの。ねえ、真姫ちゃんとどこまでいったの?」


海未「な、なんのことですか」



ことり「音楽室のこと、みちゃったの」


海未「……ぇ……う、そ」


ことり「キスしてたよね? もしかして、そのままエッチもしちゃったのかな?」

海未「ぁ、ああ……」




ことり「すんすん……海未ちゃん気がついてないかもしれないけど、凄い匂いだよ? すっごい精液の匂いする。私にとって、本当に嫌な匂い」


海未「違う、違うんです! これは」



ことり「――違くないよね!!!!!!」


 ことりは声を張り上げる。今までのこと、穂乃果のこと、それらを全て叫びに乗せて。


ことり「海未ちゃん……なにしてるの!? 穂乃果ちゃんは泣いてたんだよ!?」


ことり「海未ちゃんのことだけ思って!!」

ことり「それなのに、海未ちゃんは穂乃果ちゃんのことほったらかして、真姫ちゃんとずぅっとエッチしてたの!?」

海未「……」

ことり「嘘って、言ってよ……」


海未「――事実です」


ことり「くっ……」

 

 パァンッ!!



海未「っ……」


 ことりの平手が海未の頬に直撃していた。


 ことりがこのようなことをする、それほどまでに二人のことを想っていた。


 それだけに、許せなかった。


ことり「最低、だよ。海未ちゃん」

海未「……ならなら、どうすれば良かったんですか……」



海未「こんなものが、生えて……自分が自分じゃなくなるような感覚が断続的に襲ってきて……こんな状態で穂乃果の近くにいられるわけ、ないじゃないですか!! 穂乃果を傷つけてしまうってそう……」


海未「どうして、いいか、わからなくて……穂乃果に、嫌われたく、なくて……!!」


海未「もう、嫌……。嫌です、こんな身体……うぅ……ひっぐ……」

海未「わかっています……私が一番悪いって、ことくらい……。でも、身体がいうことを……うぅ……ごめんなさい」



ことり「海未ちゃん……」

ことり「穂乃果ちゃんのこと、好き?」

海未「はい。世界で、一番です」


ことり「海未ちゃんさ、穂乃果ちゃんが奇病にかかったり、片足がなくなったりしたら嫌いになる?」

海未「……なりませんよ。穂乃果は穂乃果です」

ことり「――穂乃果ちゃんも、一緒なんじゃないかな」

ことり「海未ちゃんになにが生えてようと、きっと穂乃果ちゃんは受け入れてくれる」

海未「……」




ことり「――好きなら、もっと、信じてみない?」





海未「こと、り……」


ことり「辛いことかもしれないけど、海未ちゃんならきっと大丈夫」


ことり「やっぱり、海未ちゃんは海未ちゃんだね」


海未「うぅ……ぅぁ……ごめんなさい、ごめんなさい……」

ことり「よしよし。明日全部終わらせよう? 真姫ちゃんのことも、穂乃果ちゃんのことも」

海未「……はい」

◇◇


雪穂「どうだった?」

穂乃果「……うん、全部聞いてきたよ」

穂乃果「明日、話を聞くつもり」

雪穂「そっか」



◇◇

希「話して良かったんかな」

絵里「いつかは話さなくちゃいけないことだしね」

絵里「それに、穂乃果の怒るところみたでしょ?」

希「うん、まさか自分に怒るなんてね」

希「……自分に相談させられなかった自分が悪い、だなんて」


絵里「聖徳太子でもそんなこと言わないわよ」

希「くすっ……そうやね」

希「ねええりち、月が綺麗や」

絵里「そうね」

希「……まだまだ問題は山積みなのに、なんだか全部なんとかなりそうな気がするんよ」

絵里「どうして?」

希「わかんない」

絵里「ふーん」


希(真姫ちゃんのこと、穂乃果ちゃんのこと、良運集めのこと……まだまだやることは沢山、ある)

◇◇


――55日目――


真姫「んんっ……海未?」

真姫「海未?」

真姫「どこー?」

真姫「あれ、紙が……」


 明日、学校で話し合いましょう。


真姫「……学校……」

真姫「時間は、まだ大丈夫。今からいけば間に合う」

◇◇

海未「……おはようございます、穂乃果」

穂乃果「おはよう」

穂乃果「……久しぶりだね」

海未「はい」

海未「メールとか、返せなくて、申し訳ありません」

穂乃果「うん……」

ことり「二人ともおはよー」

海未「おはようございます」

穂乃果「おはよー」

海未「……」

穂乃果「……」

ことり「学校いこっか」

◇◇

凛「真姫ちゃん!」

真姫「久しぶりね」

凛「どうしたの? あれ、ちょっと痩せた?」

真姫「そうかしら、まあ今日くらいでようと思って」

凛「ふーん、本当に大丈夫?」


◇◇

希「真姫ちゃんも海未ちゃんも来たみたいやね」

絵里「久しぶりに全員集合かしら」

にこ「あれ、あんた達2人で登校?」

希「いつものことやん」

にこ「そうだっけ」




 それぞれがそれぞれの想いをかかえながら、音ノ木に集まった。


続きはまた今度。多分次の投下で終わると思われます。

◇◇

昼休み



真姫「海未!」

海未「……真姫」


真姫「……なんでいなくなっちゃったの!? 私、私捨てられたのかもしれないってそう思って」

海未「すみません……。私は……」


ことり「その話なら放課後しよう?」


真姫「はあ? いやよ! すぐに話し合ってそして、海未と海未とまた――」

ことり「エッチなことするの?」

真姫「っ……そ、そうよ!!」


真姫「もう私、海未なしじゃ生きられない! ねえ海未、海未もそうでしょ!!」


ことり「やめよう真姫ちゃん、ここ廊下だよ」



真姫「そんなの知らない! ねえ海未、私と一緒に――」


穂乃果「ねえ真姫ちゃん」


真姫「なによ、穂乃果……」


穂乃果「どういうこと?」





真姫「……ごめん……とりあえず部室に行きましょう」



ことり「先に行ってて……みんな呼んでくるから」

◇◇



海未「……」


穂乃果「海未ちゃん私ね、全部聞いたよ? 希ちゃんから」

海未「な……」


希「色々あって話さなくちゃダメやってそう思ったんや」


希「それとみんなに聞いて欲しいことがあるんよ」

希「まず、海未ちゃんがこんなになってしまったんはウチのせい」


希「簡単に言うと人には悪い運気があるんや。それをウチが集めてたんやけど、偶然海未ちゃんにそれが全部入り込んでしまったんよ。ちなみに真姫ちゃんが病気になったのもウチのせい」


にこ「……おかしいと思ってたけど、今回もあんたが絡んでたのね」

凛「悪い運気?」


希「人の許容量を超えると摩訶不思議なことが起こるんよ」

希「海未ちゃんには本当にとんでもないことをしてしまったって思ってる。本当に……ごめん」



真姫「……ふぅん、そうなんだ」





真姫「話は終わった? だったら私、海未と早く帰りたいんだけど」




穂乃果「っ真姫ちゃん……さっきからどういう――」




真姫「あ、私と海未付き合ってるの」






海未「は……!?」


海未「真姫、どういうことですか!?」

真姫「あんなにエッチもキスもしたじゃない、当然でしょ?」

真姫「それに、告白にも答えてくれたじゃない」


穂乃果「海未……ちゃん?」

海未「……告白なんてされたつもりは、ありません……」


穂乃果「真姫ちゃんデタラメ言わないでよ!!」

真姫「デタラメなんかじゃない!」



穂乃果「私は海未ちゃんの――」

真姫「あんたは海未のなんなのよ!! いつまでも海未の中に居て、出ていって、出ていってよ、ただの幼馴染のくせに!!!!」

真姫「海未は、私のもの。私は海未のもの。2人の世界を邪魔するな、高坂穂乃果!!!」




穂乃果「――くっ、私は、私が!!! 海未ちゃんの恋人だもん!!!」


真姫「っ……なに言ってるのよ!!」


ことり「……真姫ちゃん、私は前言ったよね?」

真姫「……そんな、嘘でしょ……」


海未「本当、です」

真姫「どういうこと」

真姫「私は、海未の恋人、でしょ……?」

海未「……」



穂乃果「……私は、海未ちゃんのことが好きなの」



穂乃果「海未ちゃん、真姫ちゃんとエッチなこと、したの?」



海未「はい……」


真姫「……ねえ、海未、また気持ちいいことしよう?」


海未「……私は穂乃果のことが好きです――」

真姫「くっ……!! 他の人ともエッチなことしてたじゃない!! 私だけじゃなく、ここにいる全員と!!!」

穂乃果「……海未、ちゃん」




真姫「私はどんな海未も受け入れる、受け入れてあげられる」



穂乃果「そんなの私だって同じ!! 海未ちゃんなら、どんな海未ちゃんだって、嫌いになんてならない!!」


真姫「……海未……好きよ、好き、世界で一番好き」



絵里「……」

にこ「なに、これ……」

穂乃果「やめてぇ!!!」

穂乃果「海未ちゃんの恋人は私!! 渡さない、絶対、絶対に!!!!」


真姫「ね、海未。? 2人で死ぬまで永遠にエッチしよう?」

真姫「またいつもみたいに」

真姫「私の中におちんちん入れて、もう身体がおかしくなりそうなの、海未が欲しい、海未が好き」




真姫「お薬ももっといっぱい使って、もっと気持ちよく――」



希「薬……?」

海未「やめてくださいっ!!!!」


真姫「っ……どうして」

真姫「こんなに海未のことが好きなのに、いっぱい気持ちいいことしたのに、どうして……どうして……」


真姫「どうして、穂乃果なの……!?」


海未「ごめんなさい……」


真姫「くっ……」

 真姫は勢いよく立ち上がり、スポーツドリンクの袋をカバンから取り出す。

希「それは……」


 真姫は強引に袋をあけ、中に手を突っ込んで粉末を掴みあげる。
 そして、自身の口の中に粉を流し入れた。


真姫「げほっげほっ……ふふ……海未、私準備オーケーよ。さ、これ飲んで、気持ちよくなりましょう?」



海未「真姫、それは……」

真姫「ふふ、これ飲むとね、気持ちよくなれるの」

真姫「私の家にいる時、ずっと海未も飲んでいたのよ? 水にとかしてだけどね」


希「真姫ちゃん、あんた、なんてこと!!!」

穂乃果「薬……? それって覚醒剤みたいな……?」

真姫「そこまで大層なもんじゃないけどね」


真姫「んぁ……おちんちん、欲しいよぉ……」

希「海未ちゃんがおかしくなってたのも、全部そのせいなん?」

真姫「ええ、あなたには関係ない」

穂乃果「真姫ちゃん、どうしてこんなこと!!!」



真姫「知らないわよ!!! 私だってこんなことしたくなかった!! でも、誰かが、誰かが薬を飲み物に混ぜて海未に渡したのよ!!」


希「誰か……?」


 希の頭に浮かぶのは、あの日の出来事。不自然に零れた粉末。あれは、誰かが入れた後だったのだろうか。

真姫「それを私と海未が飲んで、それから、全てそれからなのよ!!」


真姫「もう、戻れない。どうなってもいい! だからだから、お願い、海未……!」







凛「――凛、かも……」







ことり「え……?」


 凛が声をあげた。みるみる青ざめていく顔は自身のしたことを物語っていた。

 真姫が取り出したあの袋、それに真姫が言った薬が混ぜられた飲み物。


凛「多分……凛が入れた……。少し前、真姫ちゃんのカバンの近くにあったスポーツドリンクの粉を……」


海未「……あの日の凛から貰った飲み物は薬が入っていた」

海未「だからあまり味はしなかったし、それを飲んでから私はおかしくなったみたいに、真姫と希を……」



真姫「へえ、凛だったの。まあ別にどうでもいいわ」

凛「凛の、凛のせい……ぁ」



真姫「んぁ……海未、エッチ、しよ?」


穂乃果「もう、もうやめてよ……!!」

希「穂乃果ちゃん……」

 真姫は海未のボタンを外そうとする――しかし、肩を唐突に掴まれ、離れされられる。

にこ「もうその辺にしておきなさい」

真姫「なによ、なによなによにこちゃんまで!!」


真姫「海未、どうして私じゃダメなの?」

真姫「告白に答えてくれたのは、薬のせいなの? いや、いやよ……! 私たち、恋人よね? 付き合ってるのよね?」



海未「……すみません」




真姫「なん、で……。私を、選んでよ……」




 気づけば真姫は崩れおち、海未の膝下に頭をついていた。


にこ「……あんた、こんなことするなんて思わなかったわ」



真姫「うぅ……」





ことり「……ねえ真姫ちゃん、真姫ちゃんと穂乃果ちゃんの違い、わかる?」


真姫「うぅ……ぁぁあ」



ことり「穂乃果ちゃんはずっと海未ちゃんのことだけ思ってた。でも真姫ちゃん、今の真姫ちゃん、自分のことしか考えてないよね? 気持ちよくなりたいって」


真姫「っ……」



真姫「私は、海未の苦しむ顔が見たくなくて」


ことり「――結果、海未ちゃんは苦しんでる」

真姫「ぁ……」





ことり「苦しむ顔が見たくないなら、笑っている顔がみたかったなら――他にやり方があったんじゃないかな?」



 
 ことりの言葉に真姫はただ涙を流していた。
 部室に流れる静寂に、しばらく真姫のすすり泣く声だけが響く。

希「……ことりちゃん、保健室今日先生いなかったよね?」

ことり「うん」




希「連れて行ってあげて。薬いっぱい飲んでるから、きっと授業なんて出られない」


にこ「手伝うわ」


ことり「ありがとう。さ、行こう真姫ちゃん」


真姫「ひっぐ……ぅぁあああああ……」




バタン




凛「凛の……凛のせいで」

希「ううん、凛ちゃんは悪くないよ?」

凛「でも……」

希「大丈夫、大丈夫だから」ギュッ

凛「うん……」




穂乃果「海未ちゃん……」



海未「……穂乃果、屋上へ行きませんか?」

穂乃果「……分かった」

◇◇


ことり「大丈夫?」


 ことりはにことともに真姫をベッドに寝かせる。

 真姫は右腕を目において涙を流していた。頬は蒸気し、太ももをすりすりと擦り付けあわせている。

 襲い来る興奮に耐えているような。



にこ「……こんなことになってるなんてね」

にこ「本当真姫ちゃんがこんなになるまで気づけなかったなんて、部長失格ね」

ことり「ううん、そんなことないよ」

ことり「私は気づいていたのに、なんにも出来なかった」

ことり「やり方は間違ってたけど、海未ちゃんのことを好きっていうのは本当だと思うよ」

ことり「本気で人を好きになって、どうしていいかわからなかったんじゃないかな」




にこ「全く……本当不器用なんだから」

真姫「うぅ……うぅぅ」



◇◇


絵里「これでよかったのかしら」

希「うん」

絵里「凛も相当参ってたわね」

希「言っちゃまずいけど、あれがなければ真姫ちゃんは海未ちゃんに振られて、そこで話は終わってたと思う」



希「でも、凛ちゃんには、花陽ちゃんがいる。真姫ちゃんにはにこっちがいる」



希「きっとまた前みたいに戻れる。こんなことで崩れるほどµ’sっていうグループは弱くない」



絵里「そうね。にこに任せておけば、真姫もきっと戻ってくる」




希「ウチにはえりちがいるしね」




絵里「どうだか」

希「ええ!?」

◇◇


穂乃果「……風冷たいね」

海未「風邪引かないで下さいね」

穂乃果「うん」

穂乃果「ねえ海未ちゃん、いくつか聞きたいことがあるの」

海未「なんでも、聞いて下さい」

穂乃果「真姫ちゃんとエッチしたの?」

海未「はい……」

穂乃果「真姫ちゃんだけ?」

海未「性行為は、希と真姫だけです」

穂乃果「希ちゃんともしたんだね」

海未「……嫌いになりましたか?」

穂乃果「……うん」

海未(自業自得、ですよね)








穂乃果「――私、自分のことが嫌いになった」


海未「え?」

穂乃果「海未ちゃんさ、今自分のこと大嫌いでしょ」

海未「はい」

穂乃果「私ね、なんで他の人が気づいていたのに、気づいてあげられなかったんだろうとか、私にもっと余裕があれば海未ちゃんも相談してくれたのかなとか考えちゃった」


海未「そんな!! 私が欲望に負けたのが悪いんですよ!!」

穂乃果「それもあるかもしれない。でも、お互い様だと思う」

穂乃果「私は自分が嫌いだけど、海未ちゃんのことは大好きだよ」

穂乃果「海未ちゃんも自分が嫌いでしょ? なら私のことは、どう思ってる?」

海未「……好きです、誰よりも、一番……!!」

穂乃果「嬉しい……」

穂乃果「じゃあこれからは、お互い自分のことを好きになって行けるようにがんばろ?」

海未「っ……はい!」

 自然と涙が出た。嬉しい反面、ここまで優しい穂乃果の優しさは、辛かった。

穂乃果「もう泣かないで!」


穂乃果「じゃあまず私から海未ちゃんの好きなところ言っていくね!!」

海未「ええ!? それは恥ずかしいですよっ!!」


穂乃果「いいからいいからっ!!」


 秋の風が私たちを撫でました。それは一つの季節の終わりと、季節の始まり。


◇◇
58日目



 あの日以来、真姫の姿を見ることはありませんでした。まだ正式に謝っていないのは真姫だけなので早く謝りたい、のですが。



 今日も真姫は来ていないのでしょうか。一年生の教室を覗き込みます。


海未「真姫……!」


 真姫の名を呼ぶと、反応して目が合いました。すっと立ち上がってこちらへ向かってきます。



真姫「――その、おはよう」

海未「おはよう、ございます」

真姫「……ごめん」

 真姫はそう言って頭を下げました。どうして、謝りたいのはこちらなのに。


真姫「私、あれから色々考えたの。ことりに言われたこと、自分のしたこと」



真姫「私本当にどうかしてたわ。海未を苦しめて、これじゃあ穂乃果に勝てないのも当然よね」



真姫「――身体は平気?」


海未「まだ少し手が震えますが……」


真姫「一過性のものだし、すぐに良くなるわよ」

海未「そうですかよかった」



真姫「私は薬抜きの治療しなくちゃだけどね」





真姫「――穂乃果のこと、大切にしてあげるのよ?」

海未「もちろんです」


真姫「そう、ならいいの。じゃあまたね」


 真姫はそう言って教室の中に入って行きました。

希「――真姫ちゃんも色んなことを乗り越えてきたんよ」



海未「うわっ!!」

希「びっくりさせちゃった?」



海未「……で?」

希「……ウチな真姫ちゃんから話をずっと聞いてたんよ。海未ちゃんのことが好きっていう」

希「好きな気持ちは本物。ただやり方が間違ってた。今の真姫ちゃんは多分もう快楽を普通の状態で得るのは難しいかもしれんね」

海未「え……」


希「薬を使いすぎたんや。海未ちゃんも使ってたけど、海未ちゃんは男の方でしか使ってないやろ?」


海未「はい」


希「女が薬を使うと抜けられなくなる。よく言われることよ。多分真姫ちゃんが薬を使った時に感じていた快楽は海未ちゃんよりも何倍も強かったはず」


希「そんなのが薬をやめて、快楽を得られるはずがない」


希「真姫ちゃんはこの先、快楽を捨てて生きてくしかない」


希「だから、真姫ちゃんのこと、許してあげて?」

海未「……許すもなにも、私も悪いですから」



希「そっか。ならあとは海未ちゃんを治すだけやね」


希「それにしても、覚醒剤とかじゃなくて良かったね。そうだったら今頃警察よ?」


海未「それは確かに……ぞっとしますね」


海未「流石に真姫はそこまでしませんよ」


希「そうやね……」


◇◇



希「ふぅ、集まらないねー」

絵里「こればかりは根気のいる作業になりそうね」

絵里「そういえば希、少し前海未に土下座されてたけど、あれなんだったの?」

希「ああ……あれはね。乙女の身体を奪った償い……的な」

絵里「どういうこと?」

希「えりちはしらなくていーのー」


希「それよりどうしよう、このままじゃ良運が一向に集まらんわ」

絵里「誰かいないの? 凄い量の良運を持っている人は」

希「うーん」



「占い、お願いできる?」


希「あ、はい、ただいま!」

希「――え……」


絵里「あなたは……!!」










希「アライズのツバサさん……!?」



ツバサ「――あら、サングラスとかしてたのにバレちゃったか」

ツバサ「初めまして、µ’sの東條さんと絢瀬さん」


希「初めまして!」

絵里「は、初めまして……」




ツバサ「こんなところで最近注目のスクールアイドルµ’sの人が占いをやってるなんて聞いたから、来てみたの」


希「わ、わざわざですか? ありがとうございます! えっとじゃあどの占いに」

ツバサ「お任せするわ」



希「では、手相で。お手を拝借します」

 ウチはツバサさんの手を取る。小さな手……それなのに、指は細くて長い。これがアライズのセンター。





希「――!? え、えりち!!」

絵里「どうしたの?」

希「こ、これは!!」

ツバサ「……?」






希「ツバサさん、お願いがあります!!!」


◇◇


UTX



ツバサ「どうぞ掛けて」

希「は、はい……」

希(どうしてこんなことに……)



 見渡す限り白の近未来を思わせる内装。まさかウチがUTXの中に入ることがあるなんて思わなかった。

 なるほど、これなら中学生がここに来たい理由も分かった。こんなに華やかで……。




ツバサ「――つまり、あなた達このままだと次のライブまでに間に合わない事情がある、と」





希「はい」

ツバサ「……ふーん、それで私がそのリョウウン? とかいうのを沢山持ってるからわけて欲しいのね?」

希「なんとかお願いします……!」


ツバサ「……あなた、恥ずかしくないの? 私は敵なのよ?」

希「……例えあなたが敵だとしても、頭を下げることに抵抗はありません」


希「――だって、友達のためだから」

ツバサ「……」

ツバサ「……私たちアライズは、友達というより、どちらかと言うと仕事仲間。だからみんな頑張る。勝つために頑張る。勝つことが全て。だからチームワークもあなた達に負けているつもりはない」

ツバサ「µ’sというグループは、どうなの?」


希「……」




希「――みんな友達です。楽しいから頑張るんです、なにがあっても、みんなで乗り越えていく辛くても、きっと楽しいことが待ってる。みんなで夢を叶えたいから。だから私たちも――あなた達に負けているとは思いません」

ツバサ「……なるほど。私たちとは真逆なのね」


ツバサ「――分かった。今回は塩を送るとするわ。ただの敵じゃなくて、好敵手、としてね」


希「アライズが私たちの……好敵手……?」


ツバサ「ふふ、そういうこと。楽しみにしているわ。こんなことでµ’sが潰れたりしたらつまらないでしょう? さ、東條さん、どうぞお好きに」


 ツバサさんはそう言ってウチに手を突き出してくる。



希「……いいんですか」

ツバサ「ええ」


 ウチはツバサさんの小さい手を包み込む。


希「んっ……」



 ツバサさんの中から膨大な良運を吸収する。すごい量だ、こんなの見たことがない、穂乃果ちゃんより、誰よりも多いんじゃないか。


 吸い取った良運を石に送り込む。すると、みるみるうちに黄金色に輝いていくのが分かった。


ツバサ「へぇ」


希「……終わりです」


ツバサ「意外とすぐ終わるのね」

希「はい」

ツバサ「そう、なら後はがんばって」

希「え?」



ツバサ「――ライブ楽しみにしているわ。高坂穂乃果さんにも、そう言っておいて貰える?」


ツバサ「じゃあね東條希さん」

希「は、はい!!!」






 ツバサさんは立ち上がり、どこかへ行ってしまった。

 ――まるで、太陽だった。

 あんなのと近い将来戦うことになるんかな?


希「好敵手……か」

◇◇

59日目



 昨日の夜、希からメールがありました。なんでも大事な話があるから、部室に集まってくれとのこと。


 私はその通りいつもより早く、学校に来ていました。


海未「話……というのは」


希「全員揃ったねー」


にこ「なによ、すっごい眠いんだけど」

希「まあまあそう怒らないで」

希「ついに! ついに完成したんよ!」

 希はそう言ってポケットから丸くて、金色の石を取り出しました。
 なんだか神秘的な輝きですね。



海未「それは……?」

希「……真姫ちゃんならわかるやろ?」



真姫「……良運が詰め込まれたもの、よね」


希「せーかい」

にこ「つまりどういうことよ」

希「みんなの中に入った悪運を、浄化出来るってこと」

海未「――え」

海未「の、希!! では……私は……」

希「――治るよ、全部」

 実感が湧きませんでした。

 本当に? 本当に?

海未「うぅ……うぁぁ……」

穂乃果「海未ちゃん?」

海未「ごめん、なさい……ちょっと、実感が、わかなくて」

希「……今まで苦しめて、本当にごめんね」

海未「私も! 希に酷いこと――」

希「それはもういいって言ったやん?」

海未「ですが……!」

希「じゃあ初めるよ。海未ちゃんは量が多いから最後」

希「じゃあ穂乃果ちゃんと海未ちゃん以外は目を閉じて」

 私は希の後ろ側に立ち、みんなの様子を見守りました。

 希は石を両手で握りながら、目を閉じています。

キィィィイイイン



真姫「っ……」

 この音は……。

 私が紫色のブレスレットを拾った時に聞いた音。それにとても良く似ています、でもなんだか心地よい音……。


希「はい、終わり」

凛「これだけ?」

希「うん」

にこ「なんか実感わかないわね」

真姫「……私は二回目だし」

希「あはは……」


希「じゃあ次は――」

穂乃果「ね、ねえ希ちゃん!」


 ついに私、と思った矢先、なにやら穂乃果が希に近づいていきます。

 そして希の耳元でなにやら話をして……一体なんの話を?

 話が終わった瞬間、穂乃果は顔を赤らめて俯いていました。それを見て希はニヤニヤと笑っています。


希「ふぅ~ん、なるほどなるほど、大丈夫やで。穂乃果ちゃんのぶんくらいは多分あるから」


穂乃果「本当!?」

希「うん。それにしても……意外とそういうこと興味あったん?」




穂乃果「ち、違うよ!!!」

海未「えっと……なんの話ですか?」

希「なんでもないなんでもない。あ、海未ちゃん。みんなに良運入れるのに予想以上力使ってしまって……今日は出来そうにないんよ……」

希(ま、力なんて使わないんやけどね)



海未「え……」

希「明日でいい? 練習あるやろし」

海未「……わかりました」

希「ごめんね」


海未「いえ、そんなに謝らないで下さい」

穂乃果「……ねえみんな、ちょっと話があるんだ」

 穂乃果はそう言って私を見ます。一体なにが。


穂乃果「――私、海未ちゃんと付き合ってるの」

海未「な……穂乃果!」


穂乃果「いいの。あんなことがあったし、もう隠しておけないでしょ?」



にこ「ふぅん。ま、そうだろうと思ったけどね。いいんじゃない」

絵里「なるほど……だから海未はずっと……」


凛「そ、そうだったの……?」

花陽「気づいてなかったの……?」


希「ウチもことりちゃんからきいてたし」

穂乃果「ことりちゃん言ったの?」

ことり「こ、これは色々あって……」

穂乃果「……」チラッ




真姫「……」


穂乃果「……」




海未「えっと……」


 まずい。
 穂乃果はじっと真姫を見て反応を待っています。この前のことがあったからそれも当然だと思いますが……。


 そんな穂乃果に真姫は全く目を合わせようとしません。思えばあれ以降真姫と穂乃果が話しているところを見ていない気がします。

 私が見兼ねて間を取ろうと思った時、真姫がんーと声をあげながら伸び上がりました。


 


真姫「――はあ。本当、ダメね。完敗よ」



真姫「お似合いだと思うわ」


穂乃果「真姫ちゃん……」


 真姫は穂乃果と私を交互に見て、微笑みました。



真姫「この前は、本当に、ごめんなさい。酷いこと言って。本当にごめんなさい……許して欲しいとは言わない。でも、海未を責めないであげて」


真姫「悪いのは私だから」

穂乃果「……大丈夫。真姫ちゃんの気持ちも分かっているつもりだから」

真姫「そう……あり、がと」






真姫「……」ジワッ


にこ「こら泣くな」ペシ



真姫「あう」


真姫「なにすんのよ!」


にこ「あのままだとまたわんわん泣いてたでしょ?」

真姫「はあ!? 泣かないわよ!」


にこ「はいはいわかりましたわかりました」

にこ「真姫ちゃんて涙腺弱いんだからー!

真姫「ちょっと!!」





希「……真姫ちゃんも大丈夫そうやね」

絵里「まだ少し穂乃果とはわだかまりがあるかもしれないけど、穂乃果は引きずるような子じゃないし、きっと大丈夫」


絵里「そういえば希。ツバサさんとなんて話してたの?」


希「んー……秘密!!」

絵里「えー? 教えてよー」



希「穂乃果ちゃんには、いつか教えるけどねー」

絵里「えー!?」

◇◇



ことり「ふふ、まさかあのタイミングで言うと思わなかったよ」

海未「私もです。言うなら言うと相談があっても」


穂乃果「あはは、とっさに思いついたから」


海未「まったく……そういえば希になんて言ってたんですか?」






穂乃果「あ、あれは、なんでもないよ!!!」カァァァァアア






海未「……?」

ことり「あ、じゃあ私はここで!!」


穂乃果「うん! じゃあねー」

海未「さようなら」


穂乃果「……」

海未「……」


海未&穂乃果「あの」


穂乃果「っ……お先にどうぞ」

海未「いえいえそちらが……」

穂乃果「……」

海未「……あの、良かったら、なんですけど今日穂乃果の家に行ってもいいですか?」


穂乃果「え……」



海未「ダメですか?」

穂乃果「私もそう言おうと思ってたの!!」

海未「本当ですか?」

穂乃果「うんっ! すっごい嬉しい!」



海未「では、準備してきますね。また後ほど」

◇◇

穂乃果「ふんふ~ん」



雪穂「なんだか嬉しそうだね?」



穂乃果「海未ちゃんが来るんだ!」

雪穂「ああなるほど。部屋大丈夫?」

穂乃果「大丈夫!」




穂乃果(海未ちゃん……覚えててくれてる、のかな)





雪穂「ニヤニヤ気持ち悪いんだけど」

穂乃果「う……仕方ないでしょ!!」


穂乃果「雪穂邪魔しないでね!」

雪穂「するわけないでしょ」



海未「お邪魔します」



穂乃果「あ、来た!!」タッタッタッ


雪穂「……女の子同士なんておかしいはずなのに、あの二人を見ていると、なんかそう思えないんだよねえ」



雪穂「不思議」

◇◇

穂乃果「あはは、なにそれ」

海未「本当ですよ?」


 寝巻き姿の二人は、ベッドの上で色々なことを話していた。


 他愛ないことだったり、µ’sのこれから、いままでのことだったり。



 何を話していても満たされる。一緒に居るだけで満たされる。



 そして両者とも話の中で、チラチラと時計を確認していた。もう少しで0時を回る、それはすなわち。



海未(もう少しで……穂乃果は気がついているでしょうか)



穂乃果(もう少し……海未ちゃん、気づいてくれてるかな)



――60日目――






 時が、止まる。

 両者とも話をやめ、静寂が訪れる。


海未「……」

穂乃果「……」







海未「……四ヶ月、ですね」

穂乃果「覚えててくれたんだ」

海未「もちろんです。その……好きですから」



穂乃果「そっか、嬉しい」

 カチ、カチ。

 時計の秒針が動く音と心臓の音がリンクしていると思えるほど、海未の心は震えていた。

 自然にお互い顔を見合わせる。

 お互いの瞳に吸い込まれてしまいたい、そんなことを思う。

 そして穂乃果は、すっと目を閉じた。


海未(今度は、大丈夫。大丈夫、私なら)





 海未は穂乃果の後頭部に手を当てて固定する。そして自身が近づいて、ついばむようにキスをした。


海未「んっ……」


穂乃果「ふぁ……」


穂乃果「嬉しい。初めてのキスが海未ちゃんで良かった」

海未「……」


 穂乃果の言葉が心にグサリと突き刺さる。





 穂乃果は初めてだが、海未は初めてではない。初めてのキスは真姫と、薬を飲んでいたとはいえ、それは変わらない。


穂乃果「……海未ちゃん?」

 そんな海未の心情を察したのか、穂乃果は海未を優しく抱きとめる。



穂乃果「私、気にしてないよ? 例え海未ちゃんが初めてじゃなくても、大丈夫」


穂乃果「海未ちゃんがどこか他の人の所に離れて行っても、私は海未ちゃんを想い続けるよ。そして帰ってきたら、またこうやって抱きしめてあげる」



海未「穂乃果……」ギュッ



 抱き合ったまま、またしばらく時間が過ぎる。お互いの心音が聞こえる。もっとこうしていたい、手の中に広がる温もりを全身で感じていた。静寂を切り裂くように穂乃果が口を開く。




穂乃果「私、すっごいドキドキしてる。抱き合うことなんてたくさんあったのにね」



海未「はい」



穂乃果「ねえ、海未ちゃん。こんなこと言うと軽蔑されちゃうかも、しれないけど」

海未「……私は穂乃果が何を言っても大丈夫です」










穂乃果「本当? じゃあさ――エッチ、したいな」

未「は?」

 海未はすぐに穂乃果に抱きつくのをやめ、向き直って両肩を掴んだ。


海未「穂乃果、正気ですか?」

 海未の問いかけに、顔を真っ赤に染めて目線を逸らす穂乃果。その行為は肯定を意味していた。


海未「で、でも……」


 海未のそれは悪運の塊。そんなもので穂乃果の身体を穢すわけにはいかない。

 第一そうしない為に、自分を抑えてきたのだ。まさか穂乃果の方からしたいだなんて言われるとは思っても見なかった。


穂乃果「……私、初めては海未ちゃんがいいの。知らない男の人に奪われるなんて、いや」


 普段見せている元気な穂乃果はそこにはいない。あれが昼の顔だとするなら、いまの穂乃果は夜の顔。



穂乃果「こんなこと考えて、ダメな人だよね……でもそれでもいいの」

 とくん、とくん。



 穂乃果は海未の手を取り、自分の胸に当てさせる。

海未「な、なにを」


穂乃果「ほら、私の胸、こんなにドキドキしてる。わかるかな……?」


 今にも破裂しそうな顔のまま、穂乃果は海未の手を握りしめる。



海未「ほ、穂乃果……」

穂乃果「私……そういうこと全然わからないけど、でも……」


穂乃果「海未ちゃんならいいって思えるの。だからね海未ちゃん……私の初めて、貰って?」

海未「でも、私のこれは、悪運が」


穂乃果「それも大丈夫。例え私の中に悪運が入ったとしても、浄化出来るくらいの良運は余るって希ちゃんに確認はとったから」

海未「……」




希『穂乃果ちゃんのぶんくらいはあるから』

 そう希が言っていたのを思い出した。
 穂乃果はその時からこうすると決めていた、その意思に海未も気がつく。




海未「本当に、いいんですか? 私でいいんですか?」

穂乃果「海未ちゃんじゃなきゃ嫌なの」


 穂乃果は再び目を閉じる。


海未「……んんぅ」


 海未はむっちりとした穂乃果の唇を自身の唇で覆いつくす。

 穂乃果はそれに驚いたようにびくりと身体を震わせる。

 海未が穂乃果の口内に舌を入れ、穂乃果の舌を撫で上げたその瞬間。


穂乃果「う、海未ちゃん……?」




 穂乃果は驚いたように身体をはねのけ、自分の口元に手を当てて驚いた表情を見せる。


海未「い、嫌でしたか?」


穂乃果「い、今のなに? なんだか、変な気分……」


海未(え……知らない?)



 先ほど穂乃果はこういうことはわからないと言っていた。海未はそれをただの建前として受け取っていたが、どうやら、もしかすると本当なのかもしれない。


海未「あの、穂乃果、ディープキスって知ってますか?」



穂乃果「漫画で読んだことあるよ。長い時間キスするやつ、だよね?」


 確かに間違ってはいない。間違ってはいないのだが、決定的に間違っていた。

海未「えっと……ディープキスというのは、舌を絡ませたり……」

穂乃果「そ、そうなの?」

 ディープキスも知らない穂乃果の様子を見て真姫の時のような無茶は出来ない、と感じる海未だったがむしろ穂乃果の方は好奇心が膨れ上がっていた。



穂乃果「そんなことも知らなくて、ごめん……今度は逃げないから、教えて欲しいな」

海未「そ、それじゃあ舌を出して」


穂乃果「こう?」


 穂乃果は恥ずかしそうちろりと舌を覗かせる。

 海未は顔を寄せ、その舌を自分の舌で再び撫で上げる。


穂乃果「んぁ……」

 それだけで穂乃果はびくんと震え、舌を引っ込めてしまう。

 しかしまたそろそろと唇の間から出てきて、海未の刺激を待った。



穂乃果「んぅ、ふぅぁん……」

海未「んぁ……穂乃果……」



 穂乃果はキュッと目を閉じて、海未の腕を握りながらなんとか舌を出し続けることが出来るようになった。



海未「穂乃果、ど、どうですか?」


穂乃果「な、なんか……んんぅ、わかんない……ンんぅ……」

 海未は穂乃果の反応を見てさらに舌を絡ませる。するとされるがままだった穂乃果は見様見真似ではあるが、海未の舌を舐め返す。



 そうなると、ディープキスの完成である。



 海未は唇を押し付け、穂乃果の舌を吸い上げる。
 穂乃果は身体を強張らせながら海未の動きに答えていく。



 海未は穂乃果が攻めようと舌を出してくるが、すかさずそれを舐めとり舌全体をねっとりと絡ませる。


 穂乃果の口の端からツツっと唾液が流れて、あごを伝う。



穂乃果「んぁ……んんんんんぅ、海未、ちゃん……ぷはぁ……」



 海未が唇を離すと、とろりとした表情で海未を見つめる。



穂乃果「海未ちゃん……私、なんか変だよぉ……どうしよう」

 穂乃果の身体は一気に熱くなり、身体全体が蒸気した赤くなってきている。


穂乃果「もう一回、ね、もう一回しよ?」



 海未自身も、少しずつ女になっていく穂乃果の姿に興奮を覚え、拒むわけがなかった。

 海未が唇を押し付けると、すぐに穂乃果は舌を出してくる。

 さっきとは違い、積極的に海未の舌を招き口の中に入ってくる舌を受け入れ、唾液を絡ませる。


海未「んぁ……ふぁ」


 さきほどと違い、予期せぬところに快楽を与えられる。海未は自然に声を発してしまう。

 そして我慢の聞かなくなってきた海未は穂乃果の身体に手を伸ばす。


穂乃果「ひゃぁ!!」


 腰の辺りをさするようにして触ると、身体を震わせた。しかしそれは嫌だという訳ではない、ということを分かったので、海未は穂乃果の身体の輪郭に沿って手を這わせていく。



 パジャマの上から胸に手を当てる。柔らかい生地の下には、暖かな肌の感触。先ほどは気がつかなかったが、下着のものらしい感触はどこにもなかった。



穂乃果「ふぅぁ、そこ……ダメ……海未ちゃん……んぁ」


 穂乃果は羞恥と直接的ではない快楽によって、行き場をなくした感情を舌を出すことで直接的な快楽を得ようとする。


 海未は舌を絡ませながら、穂乃果の乳房をゆっくりと揉んだりなでたりを繰り返す。



 それをしているうちに、なにやら硬いものが海未の手に当たることに気がついた。



 そこに手が当たるたび穂乃果は震え、嬌声を発した。

海未「穂乃果……ここ、気持ちいいんですか?」


穂乃果「う、うん……はぁ、恥ずかしいよ……」


 海未は舌での刺激を切り上げ、穂乃果の服に手を掛ける。

海未「脱がせますよ?」


 そう言ってボタンを外していく。全て外して胸元をはだけさせると、ツンと上を向いた薄茶色の乳首が刺激を待っていた。


 親指と人差し指でぎゅっと摘まむ。


穂乃果「ふぁ……ふぁぁん」


 背中をぴくんとはねさせ、鼻にかかった息を漏らしながら海未を見つめる。


 乳房を強く揉んだり、優しく触ったり、時々乳首に触れたり。そうすると穂乃果は無意識のうちに腰をくねくねと動かして快楽をその身に刻みつけていた。


 そした海未はここぞと、乳首だけを責め立てる。
 穂乃果の勃起した乳首に舌を這わせ、そのまま口に含む。


穂乃果「な、なにやってるの!? いや、いやぁ……ふぁ、や、やめて、んんんんぁ……海未ちゃん、海未ちゃん……」
 

 硬くなった乳首を舌で転がす。吸ったり、噛んだりすることで穂乃果の嬌声はさらに大きくなっていく。


 口での愛撫をやめると、穂乃果は息を荒げる。快楽によって悦んだ表情の穂乃果はなんとも官能的だった。



穂乃果「……あ、あの……」モジモジ

 太ももをこすり合わせて、何かを欲するように海未を見る。

 海未は穂乃果の様子を見て、下半身にも手を伸ばす。

 上半身と同じ要領で、太ももをさする。



穂乃果「んぁ……」

 少しずつ、少しずつ円を描くようにして陰部に接近していく。



 ロングのパジャマはこれ以上の刺激を与えるには不向きだと判断し、穂乃果の腰を浮かせて、すぐに脱がす。

 オレンジ色の下着が見えると、女の香りがむんと広がる。すでにそこは液による染みが形成されていた。

穂乃果「やぁ……」

 顔を両手で覆って、ベッドに持たれかかる。



 そのまま陰部に手をやろうとした時、海未の中に少し懸念がうまれる。

 なにも知らないというのはやはり、下半身のこともそうなのだろうか。

 だとしたら、このままやるのはどうなのだろう。

海未「ほ、穂乃果……一つ聞いていいですか……」


穂乃果「なに?」

海未「穂乃果は、その、一人でいじったりとかは……?」



穂乃果「……えと……二回くらいしか……。どっちも怖くなって辞めちゃったけど」


 少しは知っているようだった。少なくとも快楽を感じたことはある。それだけで十分だ。

 海未は陰部に手をおき、グニグニと恥丘のあたりを刺激する。そしてその動きのまま下へ。

 陰核があるであろうところを避け、割れ目のところを人差し指でなぞる。




穂乃果「ひゃぁぁあんっ!!!」

穂乃果「あ、いやっ、んぁっああぁ、そこ、らめぇ、海未ひゃん、なんか変になってくる、から、ンぁぁ」


海未「気持ちいいですか?」

 半ば分かり切っている質問をなげかける。

 質問をしながらさらにグニグニと割れ目に指を押し込んでいく。

 ぐちゅっ、という愛液が海未の手に染みる音がすると穂乃果はさらに顔を赤く染めた。

穂乃果「いや、いや、変な音してる、ごめんなさい私が、私がエッチだから……ンぁぁっ」


 穂乃果の反応に少しずつ海未の支配欲が増幅されていく。

海未「もう、こんなになってます。気持ちいいんですね」

穂乃果「言わ、ないでぇぇ!!」

 完全に理性が吹き飛んだ海未は、穂乃果の陰部を刺激する指の位置を変える。上へ、少し上に。

 さきほどは避けた陰核を少しだけ触る。

穂乃果「んぃぁっ!!!」

 一瞬、電流が走ったように腰が浮き上がる。

穂乃果「な、なに、今の……」

海未「もっと気持ちよくなりたいですか?」

 その問いかけに対して黙っている穂乃果だったが、海未は何もアクションを起こさなかった。質問に答えまで何もしないつもりだ。

 ついに痺れを切らした穂乃果が顔をそらしながら


穂乃果「……もっと、気持ちよく……なってみたい」

海未「じゃあ、脱がせますよ」

穂乃果「し、下着くらい、自分で脱げるよ!」

海未「ダメです」



 有無も言わさず、下着を下ろして、足を開かせる。


 薄く色づいた穂乃果の陰部は中の肉の部分が妖しく蠢いている。



穂乃果「いやぁ、いやぁ……恥ずかしいよ……ねえ、電気、電気消そう? 恥ずかしくて死んじゃうよ」

海未「……よく見えないからダメです」

穂乃果「こんな汚いとこ見ても意味ないよぅ――んひゃぁ!!」



 穂乃果の口をとじさせるように、陰核を摘まむ。

 下着の上から刺激を与えていたため、中はぐっしょりと濡れていて薄く生えた陰毛は湿っていた。


穂乃果「んっ、いや、あっ、あっ、な、なんか、変、ふぁぁぁ、ン、はぁ……」


 
 見ているそばから愛液が溢れ出してくる。それをすくって陰核にこすりつける。暖かな膣の周りをマッサージしながらさらに愛液を分泌させる。




穂乃果「ふぁ、あっん、ンぁぁぁっ!!! そこ、触られると、ふぁん、ああぁぁ、おかしくなっちゃう、よぉ!!!」


穂乃果「だめぇ、そこ、弱いの……んはぁ」

 口ではそういいながら、穂乃果は海未の動きに合わせてくねくねと腰を動かしていた。身体は正直だった。


 それを察した海未はさらに責め立てる。


海未「気持ちよくなりたいって言ったのは穂乃果ですよ?」

穂乃果「そう、だけどぉっ!! ぁぁぁあああああ、やだっ、おかしくなる、んぁ、気持ちいぃ海未ちゃん……」





海未「こんなに糸が……」

 膣口に人差し指を押し当て、すっと引くと粘性の高まった愛液が糸を引いていた。


 それを指で舐めとり、海未は恍惚の表情を浮かべる。


穂乃果「やめてぇ! そんなの汚いからぁ……」


 瞳に涙を浮かべながらぐわんぐわんと頭を振る。


 最早海未は限界だった。パジャマを押し上げる陰茎は行き場をなくして、海未に痛みすらもたらしていた。


海未「うぅ……」

穂乃果「海未ちゃん?」


 その様子に穂乃果も気づいて、下半身に目をやる。


穂乃果「……苦しそうだよ?」


穂乃果「今度は私がやってあげるね」


 穂乃果はチャンスとばかりに海未にのしかかる。


穂乃果「にしし、散々恥ずかしい思いさせてくれたねー」


海未「ちょっと――ふぁぁん」



 穂乃果は細く柔らかい指をパジャマの上から陰茎に絡ませていく。

穂乃果「すっごく、硬い……こんなになるんだ……」

 初めて触る男のもの。

 希から話を聞いた時何を言っているんだ、とそう感じた。笑い飛ばそうとも思ったが、希はいつになく真剣でそれが本当だったのだとわかる。

 信じた穂乃果だったが、全くと言っていいほど実感は湧いていなかった。

 それもそうだ、超奇怪なことをイメージする方が難しい。

 パジャマの上から、確認するように亀頭の部分をグニグニと触ってゆく。


 海未は穂乃果の容赦ない手の動きに少しずつ昂ぶっていった。あの穂乃果にこんなことをさせている、こんなことをされている。背徳心。


穂乃果「えっと……脱がすね」


 穂乃果がパジャマとショーツをいっぺんにずりおろす。
 跳ねるように飛び出した巨大な陰茎は反り返って腹まで突いていた。


穂乃果「す、すごい……本当に、こんなの」

 驚き、目を丸くする。超奇怪が目の前には存在していた。

海未「うぅ……」


 こうなるとさきほどとは立場は逆。顔を覆いはしないが、真っ赤にして小さな呻き声を上げる。

穂乃果「えっと……どうすればいいの」

海未「ぇ……さきほどみたいに、触って……」

穂乃果「こ、こう?」

 すりすりとさするように撫でつける。穂乃果の冷たい手が絡みつく。ぴくんと跳ねるペニスに穂乃果も身体を強張らせる。


海未「んっ……ぁぁ……」

穂乃果「こ、こんなに熱いんだ……」


 穂乃果は海未に言われる前に陰茎を掴み、上下に擦りあげる。自然とこうすれば気持ちよくなるそう判断したのだ。

海未「い、いゃ……穂乃果……」


 そのうち穂乃果の手は亀頭まで移動していた。赤く充血した亀頭を包みこむようにして触る。


 そうしているうちに、先端からぷっくりと淫液が出てきて、穂乃果の手にタラりと垂れる。


穂乃果「なな、なんか出てきたよ……?」

 穂乃果は驚いて手を離し、手に突いたその液体を見つめる。

 そしてなにやら考えた後――それを舐めとった。

穂乃果「んっ……ちょ、ちょっと苦い……」

海未「穂乃果……そんなの舐めなくても……」

穂乃果「海未ちゃんもしたんだから私もしたかったの!」


穂乃果「……気持ちよくなっちゃつと、しゃせー、しちゃうんだよね? なにか出てくるって。そのくらい知ってるもん」

海未「は、はい」

穂乃果「私、海未ちゃんを気持ちよくしてあげたい。ねえ海未ちゃんがしゃせーするには、どうすればいいの?」

海未「も、もっと刺激を……」

 それを聞いて、穂乃果は再び陰茎に手を伸ばす。

 もっと刺激を。さらに速く手を動かす。

海未「んっ、ぁぁ……んっ、んっ、ふぁぁん」

 溢れ出てきた淫液で、陰茎全体を包み込み擦りあげる。

 ビクビクと穂乃果の手の中で震え続ける。海未は快楽に悶え続けるが、達することは無かった。

 確かに気持ちいい。ただし、海未も真姫と一緒であった。


 薬を使いすぎた。


 その刺激に慣れすぎて、しかも穂乃果の拙い技術では到底射精することなど出来なかった。


 罪悪感が湧いてくる。


 もし、真姫とそういうことをしていなければ……。





穂乃果「気持ちいい? しゃせーする?」

海未「ぅぁぁ……気持ちいぃ……です。でも……」

 海未は起き上がり穂乃果の手を取り刺激を中断させる。



海未「ごめんなさい……。私、薬を使いすぎた影響なのかわかりませんが……イキにくくて……」


穂乃果「イク?」

海未「射精することです」

穂乃果「あ、そう……そうなんだ……」



 あからさまに穂乃果の声のトーンが下がった。自分では気持ちよくできない、薬に、真姫に負ける。



穂乃果「私ばっかり……ごめんね。下手でごめん……」

海未「違うんです……穂乃果が悪いんじゃないんです」ギュッ


穂乃果「……海未ちゃんも気持ちよくなって欲しいよ……」


海未「十分気持ちいいですから、気にしないで下さい」


 海未はそう言って、再び穂乃果を押し倒した。両手を顔の両脇につき、上から穂乃果を見つめる。穂乃果も目は逸らさない。



海未「穂乃果……もう、いいですか?」

穂乃果「ぅん……」




 海未は陰茎を穂乃果の陰部に押し当てる。コリコリとした陰核を先端で潰すように愛撫する。



穂乃果「ふぁぁ、あっ、んむ、いゃ……あぁぁ」


 さらに愛液が出てきて十分にほぐれたところで、するすると下に移動させ、膣口のあたりに先端をくっつける。
 海未の液体と穂乃果の液体が境界線で混じり合う。



海未「行きますよ……?」



穂乃果「……好きなようにして、いいから……」

 海未はそのまま腰を突き出す。海未の巨大な陰茎をなんとかその身に入れようと膣口が目一杯口を開いて迎え入れる。


穂乃果「ひゃぁん」

 淫靡な水音を上げながらずるずると沈みこんでいく。
 しかし、亀頭が全て入った辺りで、穂乃果の身体が強張っていることに気がついた。

 唇を噛み締め、目に涙を浮かべながら耐える様子。




海未「い、痛いですか?」



穂乃果「だ、大丈夫……ぐぎぎ……」

 思い浮かぶのは、希のこと。
 あの時も我を忘れ、暴力と等しいセックスをした。痛い痛いと泣き叫ぶのを無視して。


 目の前の穂乃果にも、そんなことを……。


 海未の動きが止まる。


穂乃果「海未ちゃん……?」

海未「い、痛いなら……やめたほうが……」

 半ばトラウマと化す。


穂乃果「――痛い方が嬉しいよ」

海未「え……」


穂乃果「だって……海未ちゃんと一つになれてるって感じることが出来るから。それが何よりも嬉しいの。痛い方がいつまでもその瞬間を覚えていられそうな気がするんだ」

海未「……」


穂乃果「だから、優しくなんてしないで? 海未ちゃんの好きな様に動いて? そうしてくれるのが、一番嬉しいから」


 そう言って微笑んだ。

 太陽だ。素直にそう思った。

 海未は涙が出そうになるのを堪えて、穂乃果に微笑む。




海未「ありがとうございます」




穂乃果「――んぁっ!!!! ぁぁぁあああああっ……ふぅ……ふぅ……んぐ……はぁ……」




 そして、一思いに突き刺した。海未の腰と穂乃果の腰がぶつかる。


 じんわりと血が染み出してきて、海未の陰茎を濡らす。



 入ってきたのを歓喜するかのように穂乃果の膣はグニグニと蠢いて、陰茎を締め付ける。

穂乃果「はぁ……入った?」


海未「はい」

穂乃果「ぐすん……嬉しい……」


海未「最初は痛いかもしれませんが、少しずつ慣れていくと思います。……動きますね」

穂乃果「ちゅー、ちゅーしたい」

 海未は唇を押し付ける。

海未「んぅ、んくっ」


 そして締め付けてくる膣を感じながら、腰を動かしていく。


 今までの誰よりも締まり切った膣の抵抗。ヒダが絡みついて離さない。


 二人の間で一瞬見える陰茎、しかしすぐに奥まで突き立てる。

穂乃果「ふぁ……あぁん、ぅん、ンぁぁ……なんだか、 変だよ、ぁぁああああ」


 最初こそ痛みで声を上げていた海未であったが、少しずつそれが快楽に変換されていく。


 未開発の膣に激しく腰を振る。

海未「んぅ……ぁぁあああああ、穂乃果の中、狭くて…はぁはぁ、あったかい……んぁ……」


 徐々に動きが大きくなっていく。 最初は穂乃果の為と少し緩めだったが、今は目先の快楽に溺れていた。



穂乃果「んっ、んっ、あぁ、いゃぁ、海未ちゃん、海未ちゃん、なんかなんかぁ!!」


 気づけば穂乃果は痛みを忘れて、快楽に声を上げていた。


 海未が奥まで突き立てると、穂乃果の身体は痙攣を始める。粘着質な音が部屋に響くが、それらをかき消すほど穂乃果の喘ぎ声は大きくなっていた。


穂乃果「あっ、あっ、あっ、ぁぁあああああ、来る、なんか来るぅ……怖い、怖い……っぁああ、海未ちゃぁん!!」


 穂乃果の声と身体が絶頂に向かって駆け上がる。以前怖くなってやめた。それは今の現状だろう。

 身体がふわふわと浮いていくような、視界が遠のくようなそんな感覚に包まれていく。

海未「ふぁ……ぅあぅ」

穂乃果「いやぁっ!!! やだやだやだやだぁ、んぁ、なんかなんかぁぁあ――っ、ぁぁ……っっ!!!!!」




 身体が大きく跳ねる。声にならない声を上げながら、海未にがっしりとしがみつき、経験したりことのない快楽の波を受け止める。



 穂乃果の膣が断続的に強く強く搾り取るように締め付ける。海未も穂乃果の絶頂を陰茎で感じて、動きを止める。グニャグニャと最上級の快楽を与える穂乃果の膣だが、海未はそれでも達することは出来なかった。

海未「……」


穂乃果「はぁ……はぁ、なに、今の……」

海未「ぅぁ……締まって……。気持ちよかったですか?」

穂乃果「うん……もうわかんないよ……」


海未「それがイクってことですよ」

穂乃果「これが……。頭真っ白で……ぅぅん」



 穂乃果の身体からダラリと力が抜け、ベッドに倒れこむ。

 これ以上の続行は不可能だも思い、海未が陰茎を抜こうとした時――。





穂乃果「――まだ、気持ちよくなってないよね?」

海未「いや、私は……」

穂乃果「ダメ。私ばかり気持ちよくなっても意味ないもん」

穂乃果「んんぅ……今、ビクビクって動いた……」



 
穂乃果「――めちゃくちゃにして?」

海未「っ……」


穂乃果「ひゃぁぁああああああっ!! すごい、すごぉいっ、ぁぁぁああああっ!!!」

海未「ふぅ、ぁぅ、穂乃果、穂乃果ぁっ!!」



 穂乃果の一言によって、ストッパーが外される。

 勢いよくぶつけられる腰に穂乃果の尻の肉や乳房が波打ち、身体が大きく前後する。


 胸をもんだり、尻に食い込ませたり、欲望のままに肌の感触を楽しむ。


 幸せだった。



 こんな瞬間が訪れるだなんて、夢にも思わなかった。


 それは愛を確かめ合う性交。

 お互いを求めあい、抱きしめ合う。



 海未は精液が上がってくるのを感じる。

海未「ふぁっ、あっ、あっ、んぁああぁあああああっ、ふぅ、ふぅ、出そう、出そうです……っはぁ」


穂乃果「んやぁ……私も、また、また……んっ、んっ、ひやぁあん、ンん、みゃぁあ!!!」

 穂乃果の身体が跳ねる。

穂乃果「いくっ……いゃ、私……ぁぁあああああああっ!!!!!」



 膣がさらに締め込まれる。そこに海未は陰茎を押し込み、穂乃果の身体を感じる。前から奥に断続的に搾り取る穂乃果の膣に合わせ、さらに腰を打ち付ける。



海未「あっ、でるでる、ぁぁぁぁ、っぁ、んはぁ、ンんんんんっ、ぁああああああああッっっっ!!!!」



穂乃果「みゃぁっ!!! 海未ちゃん、熱いなんか、熱いの出てる……」



 限界となったペニスを奥に打ち付け、精液を放出する。


 ビクビクと精液が放出されるたび、二人とも声をあげて飛びそうになる意識をつなぎとめる。精液が尿道から飛び出す時幸福感に包まれる。


 身体だけではなく、心が快楽を感じていた。この上なく満たされてゆく。



 何度放出したかわからない、ようやく海未が全てを出し終え、陰茎を抜いた。収まりきらない精液がドロリと膣を伝って落ちてゆく。


海未「はぁ……はぁ……」

穂乃果「ぁぁ……海未ちゃん……」


 疲労感で海未は穂乃果の横に倒れこむ。向かい合う形で寝転がり、手を絡ませる。



穂乃果「……幸せ」



海未「はい、私もです」

海未「大好きです」

穂乃果「私も」

穂乃果「……今日練習あるのにね」

海未「休んじゃいますか?」

穂乃果「……ダメだよ。そんなこと言うなんて」

海未「穂乃果のが、うつってしまいました」

穂乃果「私はそんなにサボらないよー」

海未「ふふ……」

 穂乃果は重そうな瞼をなんとか持ち上げる。

穂乃果「キスしよ」

 今度は海未が目を閉じる。そして、穂乃果はゆっくりと海未の唇にキスをする。一瞬の短いキス。


穂乃果「えへへ……」

海未「眠いのですか?」

穂乃果「うん、ちょっと」

 もうほとんど目を閉じた状態で答える。

 今までのことを思い返す。常に常に裏切ってばかりだった。



 そんなのがこの人の恋人で良いのか。そう思う時もあった。



海未(信じてくれるなら……)




 自分を信じることを始めてよう。

 自分を信じられなくても相手は信じられた。きっとこれから自分のことも信じられるようになっていけば良い。



海未(眠くなってきました……)



 寝顔を見たいと思う海未であったが、それは叶わなそうだ。

 瞼を閉じる。

 このまま穂乃果と一緒に――。




 ドンッ!!!!!!!




穂乃果「っ!?」

海未「な、なに? 壁が……隣から――あ」








雪穂(ったくなにしてるか知らないけど……喘ぎ声聞かされるこっちの身にもなりなさいよ。少しは抑えてよ……)








穂乃果「隣雪穂の部屋……どうしよう、あんなに声、出しちゃった……」

海未「雪穂にどんな顔みせれば……」

穂乃果「海未ちゃんはいいじゃん! 私なんて毎日顔合わせるんだよ!?」

穂乃果「あんな声聞かれて……うぅ……」

海未「……きっと大丈夫です」

穂乃果「もうやだぁー!!!」



◇☆◇☆





 秋の風が音楽室に入り込んできます。もう肌寒いですね。あっという間に冬が来て……。


 風が入るから譜面の紙は固定した方がいいんじゃないかと提案しましたが、風に舞ったら舞ったで別にいい。と彼女には却下されました。

 カリカリと譜面を書き進めていく彼女。






真姫「そういえば聞いてなかったけど、もう治ったの?」


海未「ええ、もうすっかり」

真姫「あらならもう女の子なのね」

海未「なんですか、女の子じゃなかったみたいな」

真姫「冗談」




真姫「……私が使った薬ね。もしかしたら今後、危険薬物に指定されるかもしれないの」

海未「え!? 真姫、大丈夫ですか?」

真姫「……自分の心配しなさいよ、ばか」




真姫「――やっぱりあなた、卑怯な人……」



 先程全ての曲は作り終わって、なにをしているかと言えば今は単純に休んでいるだけでした。

 なんだか今書いている譜面はただの自己満足だとか。

 全く、凄い人です。

真姫「もう屋上戻ってもいいわよ?」



海未「いえ、最後まで付き合うっていいましたから」

真姫「そう……。あなたって、本当卑怯な人ね」

海未「どういう意味ですか?」


 彼女のペンが止まって、私をみます。

 風が吹いて、譜面が舞う。彼女の後ろで舞う譜面はなんとも神秘的だ。


真姫「――私、まだ諦めてないから」


海未「……」


真姫「私が入り込める様なチャンスを作ったりしたら、捕まえちゃうわよ」


海未「……望むところです」

真姫「そう」


 ふふっと微笑んでピアノに手をかけます。

 一体なにを。譜面もないのに。


 そう思った矢先、ピアノからは音が奏でられ、それと同時に彼女の声が音楽室を満たしていきます。

 ――この曲は……。



真姫「愛してるばんざーい! ここでよかった」



 紡ぐ、音が声が。
 風に揺れる髪の毛が、細い指が、その横顔が。私の目を奪います。


 音に命を与える声。




 ――やっぱり、私は贅沢ですね。


 音に身を任せて、目を閉じます。全てが包み込まれる感覚。





真姫「昨日に手をふってほら前向いて」


 曲が終わる。

真姫「……海未に聞かせるのは、初めてかしら」



海未「――いい曲ですね」



真姫「ふふっ、ありがと」

 ピアノから手を離し、んっと精一杯伸びる。そして一瞬声を上げながら勢いよく立ち上がり、譜面を拾って歩きだしました。


海未「どこへ?」

 彼女は音楽室の出入り口に立ち扉に手をかけます。そして、私を見つめて。










真姫「――私、海未のことが好き」


真姫「付き合って?」








海未「……ごめんなさい」



 ――それは彼女なりの、ケジメだったのかもしれない。



真姫「そっか、答えてくれて、ありがと」

 真姫は笑います。私には穂乃果がいます。それでも人の好意を蹴るということが、どれだけ辛いか、わかりました。




真姫「――ほら、なにしてるの練習行くわよ」


 彼女が扉を開けると、風が吹き抜けました。すぅっと身体を何かが通り抜けていく感覚。



海未「はい」






 ――そして風が止まって、私は彼女に続きました。




fin

ここまで付き合って下さった皆様、本当にありがとうございます。前作の約三倍と無駄に長くなってしまいました。


>>42>>53>>54>>60>>61>>79>>115>>229

意見を下さったみなさま、本当にありがとうございました。参考にさせて頂いた展開やセリフが数多くあります。

以下宣伝。よろしければどうぞ



真姫「は……?西木野真姫……君…?」シリアス
http://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssnip&dat=1396438684


希「えりちなんて本物のヘタレや!」普通のカップリングモノ
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にこ「人という漢字」シリアス ドロドロ
http://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssnip&dat=1403687901


ちなみに穂乃果と海未の記念日は30日計算でやりました。現実だとズレてしまいますが。


次はドロドロしないすっきりとしたシリアスか、超変態的なやつか、ことまきか……。

それではありがとうございました。

穂乃果「センチメンタルな足取りで」
穂乃果「センチメンタルな足取りで」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1406438776/)


新しいの書き始めました。未来のお話でちょっとシリアスです。

よろしければ見てみて下さい。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年07月06日 (日) 14:38:25   ID: oPoCtYju

穂乃果と別れるなんてことはないよな(震え声

2 :  SS好きの774さん   2014年07月11日 (金) 00:47:59   ID: 8Y9HMqNr

ってか穂乃果にだけ反応しないとかバッドエンドフラグにしか見えなくなってきた
別れるなら別れた方が面白いけど

3 :  SS好きの774さん   2014年07月16日 (水) 21:45:14   ID: 1zjCc4O1

こんなエロいもんが題材でよくシリアス書けるなこの人(褒め言葉)

4 :  SS好きの774さん   2014年07月25日 (金) 07:18:37   ID: PZOQlrIr

エロいけど反応しない!なにこれすごい

5 :  SS好きの774さん   2014年07月25日 (金) 22:29:30   ID: VAUUxrHB

いい勉強になった

6 :  SS好きの774さん   2014年07月26日 (土) 22:08:41   ID: D5MFtJiE

このあほぉ、のんたんの初めて返しやがれ

7 :  SS好きの774さん   2014年07月29日 (火) 05:23:38   ID: C-C14Lwi

あぁ・・・穂乃果が報われたし、バッドエンドじゃなくてよかった・・・

乙でした!

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