唯「そうだ、あずにゃんを埋めよう」(25)

唯(あずにゃんは本当に食べちゃいたいくらいに可愛いな~)

唯(きっとあずにゃんをオカズにしたらご飯も何杯でも食べられるね)

唯(だけど実際にそんな事は出来ないし……)

唯「そうだ、あずにゃんを埋めよう!」

けいおん部・部室……

唯「みんな、私あずにゃんを埋めようと思うの!」

澪「また急だな。でも何でまた?」

唯「だって私本当にあずにゃんの事が大好きなんだもん。寝ても覚めてもあずにゃんでもう我慢出来ないの」

紬「キマシタワー」

律「我慢できないなら仕方ないか。本当に唯は梓にゾッコンLOVEだな~」

一同「AHAHA」

澪「でも埋めるにしても何処に埋めるんだ?」

唯「勿論ウチの庭だよ。憂に頼んですでに場所は確保済みだよ!」フンス

律「私達も手伝ってやるよ。その代わりに……」

唯「勿論分かってるよ。あずにゃんの可愛さはみんなで分かち合わないとね」

紬「楽しみだわ。私、人を地面に埋めるのが夢だったの~」

唯「それじゃあさっそく準備に取り掛かろう!」

一同「おー」


…………

梓「すいません、遅くなりました。掃除当番だったもので」

唯「あずにゃん、待ってたよ。こっち、こっち♪」

梓「分かってはいましたが今日も最初はティータイムですか。ちゃんと練習もするんですよね?」

律「あたりきしゃりきのこんこんちきだよ。まあティータイムは練習の為の充電みたいなもんだからさ」

澪(あたりきしゃりきのこんこんちきを日常会話で使う奴、初めて見た)

紬「はい、梓ちゃん。紅茶とケーキよ」

梓「あ、何時もありがとうございます」

唯「…………」ジィー

梓「な、何ですか、唯先輩? 人の顔をジッと見て?」

唯「いや~あずにゃんは今日も可愛いな~って」

梓「や、やめて下さいよ。食べにくいじゃないですか」

唯「本当に可愛すぎるよ……ああ、今すぐ食べたい……」ハァハァ

澪「唯、涎垂れてるぞ。はしたない」

律「少しの辛抱なんだから我慢しろよ」

梓「我慢? 何の話……!?」

ドサッ!

梓(あれ? 身体が動かない……こ、声も……)

律「おお、ケーキに入れたクスリ、もう効いたのさ」

澪「さすが紬が用意したクスリだな。すごい即効性だ」

紬「うふふ~♪」ブイ

梓(何? 先輩達何を話しているの? 助けて下さいよ)

唯「よし、それじゃああずにゃんの動きも封じた事だし、ウチに運んで埋めに行こう」

梓(埋め……る?)

唯「よっと、ムギちゃんは足の方を持ってよ」

紬「梓ちゃん軽いから私1人で運べるわよ?」

律「いや、ここはみんなで担いで運ぼうぜ。なんせこれから梓を埋めるんだからさ」

澪「そうだな。けいおん部全員の共同作業だ」

梓(????)

…………

唯・澪・律・紬「えっほ、えっほ」

梓(何これ? 何なのこれ? 何で私お神輿みたいに担がれてるの?)

梓(ただ1つ分かる事は先輩達はまともじゃないって事……)

梓(何とかして逃げないと! だけど身体も動かないし、声も出せないし……)

和「あら、みんな揃って何をしているの?」

梓(和先輩、助けて!!)

唯「あ、和ちゃん。これからあずにゃんを埋めに行くんだよ」

和「そうなんだ。じゃあ私生徒会行くね」ノシ

唯「うん、和ちゃんも生徒会のお仕事頑張ってね」ノシ

梓(えー)

梓(な、なんかみんなおかしいよ……ていうかやっぱり唯先輩、私を埋めるって言った)

梓(埋めるって本当にそのままの意味なの? 私一体何をされて……)

平沢家……

唯「憂~あずにゃん運んで来たよ~」

憂「お帰りお姉ちゃん。あ、皆さんも来て下さったんですね」

律「そりゃ唯が梓を埋めるなんていうんだからな。付き合わない訳にもいかないさ」

澪「急に大勢で押しかけてごめんね」

憂「いえ、逆にありがたいです。それじゃあすぐに皆さんの分のスコップを用意しますね」

紬「本当に憂ちゃんは出来た妹さんね」

梓(予想はしていたけど憂もおかしくなってる……)

…………

ザク……ザク……

唯「えっほ……えっほ……」

澪「穴を掘るって結構体力いるな」

律「もうこれくらいで良いんじゃないか?」

憂「駄目ですよ。もっと深く掘らないと途中で梓ちゃんが出て来ちゃうかもしれません」

紬「分かったわ。もっともっと深く掘りましょう」

梓「…………」ガクブル

梓(本当に私をここに埋める気なんだ? なんで? どうして?)

梓(やばい。今までは何か性質の悪い冗談だって自分に無理やり言い聞かせてたけど……この人達本気だ)

梓(やだ……何で……逃げないと……埋められる……殺される……殺されちゃう……)

澪「ん、何だ? この水?」

唯「あーあずにゃんお漏らししてる~」

律「お前なぁ……いい年して何漏らしてんだよ? 高校生だろ?」

唯「あ~あずにゃんのおしっこ。良い匂いだな~」クンカクンカ

澪「ちょっと舐めたいな。さすがに地面に零れてるから無理だけど」

紬「逆に良い肥料になるかもしれないわね」

梓(助けて……助けて、お母さん……)

律「よし、穴はもうこんなもんで良いだろう」

憂「そうですね」

梓「!」

唯「それじゃあさっそくあずにゃんを穴の中に放り込もう!」

梓(やだ! やだ! やだぁぁぁ!!)

澪「きゃあ!? なんだ、梓の奴、急に暴れ出したぞ!?」

紬「あらやだ、もう薬が切れて来ちゃったのかしら?」

律「大人しくしろ、梓! 埋められないだろ!!」

梓(埋められたくない! 死にたくない! 逝きたくない!!)

憂「これじゃあ大変ですね……仕方ないか」



ゴスッ!!

梓(…………へ?)

唯「おお、憂ったらアグレッシブ!」

憂「あまり時間を掛けるのも何だしね」

梓(頭が……痛い? えっ、私今……スコップで……)

澪「まあ少し強引になるが仕方ないかもな」

律「そうだな。ジッとしない梓が悪い」

紬「せっかくだしもう少しやった方が良いんじゃない? 今度はみんなで」

唯「そうだね。ちょうど全員スコップ持ってるし♪」

梓(……何これ?)

梓(何でみんな笑いながら私を見下ろして……スコップを振り上げてるの?)

梓(私が何をしたっていうのよ? 昨日まではみんな普通だったじゃない?)

梓(唯先輩、澪先輩、律先輩、紬先輩、憂……)

唯「あずにゃん♪」

梓(やめ……)





ゴス! メキ! ボス! バキッ! グチャ! ドチュ!

唯「……動かないね」

澪「……動かないな」

律「やれやれ、やっと静かになったか」

紬「何だか無駄に体力使ったわね」

憂「それじゃあ梓ちゃんも大人しくなってくれた事ですし……早速埋めましょう」

ザッ……ザッ……

唯(こうして私達は無事にあずにゃんを地面に埋める事が出来た)

唯(だけど私達の仕事はこれで終わりでは無い)

唯(私はすぐにホースを持って来てあずにゃんが埋まった地面に水を撒いた)

唯(そして5分ほど経つと……それはすぐに始まった)

……ニョキ

一同「お」

ニョキニョキニョキニョキ!!

一同「おおおおおお」

澪「すごい、一瞬にして大木になったぞ!」

憂「これが梓ちゃんの木なのね!」

律「梓の奴……立派になったな」ホロリ

紬「あ、みんな! 上の方を見て!!」

唯「あった! あずにゃんの実だ!!」




「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」「ヤッテヤルデス」

律「あははは! なんか首だけですげえシュールだな♪」

澪「でもなんか微妙に顔が曲がってないか?」

紬「最後に叩いたのがいけなかったのかしら?」

唯「でもあずにゃんはあずにゃんだよ! 憂、早速取るから梯子持って来て!!」

憂「もう用意してるよ、お姉ちゃん。気を付けて昇ってね」

唯「よし、取れたよ!」

梓の実「ヤッテヤルデス」

憂「お姉ちゃん、貸して。食べやすいように皮をむいてあげるから」

唯「ううん、まずはこのまま丸かじりするよ」

唯「私、あずにゃんの全部を食べたいの。この肌も髪の毛もお目目も鼻も耳も唇も……」

澪「唯は欲張りだな」

唯「だってあずにゃん可愛すぎるんだもん。ああ、やっとあずにゃんが食べられる」

唯「あずにゃんが1人だけだと1回食べたら終わりだけど……埋めて増やせば毎日食べる事が出来るね」

律「後で私達にも食べさせろよ」

唯「それじゃあいただきます。あずにゃん、私の胃袋にようこそ♪」

梓の実「ヤッテヤr

ガブ!!

唯「…………」ムシャムシャ

唯「…………」ムシャムシャ

唯「…………」

唯「うえ……何これまずい」ペッ



唯(結局、梓の木は燃やして処分した)

唯(こんなに不味いなんて幻滅したよ、あずにゃん)

<おわり>

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