穂乃果「海未ハートなことりボディ」 (101)

肉体反応がボディ依存な入れ替わりに慣れてきた穂乃果たちがぷわぷわーお!プワプワ!
するラブライブ!SS 2作目ですスキスキ!
漬け物をパリパリかじりながら書いたからワーオワーオ!
暇な人は漬け物をパリパリかじりながら読んでねプワプワ↑プワプワ↑

ことり「穂乃果ハートな海未ボディ」
ことり「穂乃果ハートな海未ボディ」 - SSまとめ速報
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が前にスキスキ!

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1403273291


――朝 海未の部屋

海未(目が覚めたら海未ちゃんの身体になってた)

海未「ついにことりの時代が来たちゅんんん!!」グッ



[着信] prrrr... prrrr...



海未「ことりの携帯からだ」pi!


海未「もしもし、海未ちゃん? ことりだよっ」

ことり『はい……そうなのですが……希には先ほど電話をして……』

海未「今からことりの家に行くからそのままひとりで待っててっ!」

ことり『はい……?』

海未「あっ、それから海未ちゃん、穂乃果ちゃんと入れ替わったときのこと覚えてる?」

ことり『ええまあ……忘れてませんが……』

海未「あのときの穂乃果ちゃんの反応、すごくかわいかったよねぇ」

ことり『……すみません、話がよく……』

海未「海未ちゃんも覚悟しておくといいよ。ハンカチでも用意しておいて」

ことり『へ……?』

海未「じゃあねっ♪ ちゅんちゅん」pi!



海未(今日は日曜日……練習もお休み……)

海未「あああん! 嬉しいよぉおおおお!」ヤンヤン!

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――その頃 希の部屋


希「さっそく今回の悪を潰しに出かけたいとこだけど……」

希(……この前の戦争で限界以上の力を使ってしまったからなあ)


希「うちはパワータイプじゃないしな。せめてお札くらい温存しとくんやったわ」

希「限られた資源でうまくやるしかないなあ……ま、もともとそういうスタイルやん?」


[着信] prrrr... prrrr...


希「……」pi!

穂乃果『穂乃果だよっ! 希ちゃんまた戦いに行くのかな?』

希「まあ、ちょっと、作戦立てたらな」

穂乃果『穂乃果も連れて行って!』

希「……パワータイプ……」

穂乃果『え?』

希「……いやいや、よしな。危険やって」

穂乃果『だからだよっ! 仲間でしょ? 穂乃果は希ちゃんの力になりたいんだ!』

希「っ……。仲間か……うちはもうひとりじゃないもんな」

穂乃果『あたりまえだよ。穂乃果なんかおかしいこと言った?』

希「穂乃果ちゃんにはかなわんなあ。……うちが絶対守るからな」

穂乃果『じゃ穂乃果、急いで希ちゃんちに向かうよ!』pi!

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――朝 雪穂の部屋


雪穂「チカァ……」

雪穂(なんで私ばっかり……妹と入れ替わった次は穂乃果の妹と……)

雪穂「私、なんか悪いことしたのかな……」うるうる


ドタドタドタ……


雪穂「穂乃果の足音かしら……はっ!」ピコーン!


雪穂(今は雪穂の姿だから……つまり穂乃果がお姉ちゃんというわけで……)

雪穂(やだわっ! エリーチカったらなんて恐ろしいことを思いつくの! 天才かと思っちゃった!)

雪穂「よっし!」ガバッ


ガチャ!


雪穂「ほ……お姉ちゃんっ! 今日いっしょに――――」

穂乃果「穂乃果これからおでかけするから! 雪穂とじまりよろしくっ!」タタタッ

雪穂「――え?」


バタバタバタ…………


穂乃果『いってきまーす!』ガラガラピシャン


雪穂「…………」


 シーン・・・・・・


雪穂「ちかぁ……」じわわっ

雪穂(やっぱりエリチカ泣きそう……)

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――ことりの部屋


海未『海未ちゃぁん、入るよぉ』コンコン


キィイイッ


海未「えへへ、おはよぉ」ひょこ


ことり「ことり、おはようございま……す……っ?」キュウッ


ドクン、ドクン……


ことり(急に胸が……? なんですかこれはっ……!?///)きゅうううっ!

ことり(ただ私の姿を目にしただけですよ……!? 息が……苦しい……?)ギュッ

ことり(……嘘でしょうっ!? まさか、そんな……こんなっ!!///)きゅうきゅう

ことり(だって今までそんなそぶり見せたこと……一度も……っ!!)ドクンドクンドクン



ことり「っ……ことりっ……あなた……」ぷるぷる

海未「ん? 海未ちゃんいきなりどぉしちゃったのかなぁ?」クスッ



海未「――ただ、友達が、会いに来ただけなのにねっ? 変なのぉ」くすくす



海未(――ふわあああ海未ちゃんがことりの身体に閉じ込められてるよぉおおお)

海未(身体の反応がことりには手に取るようにわかっちゃう……)



海未「あっ、わかったぁ。入れ替わったばかりだからまだ緊張してるんだ?」

ことり「っ……、そうだと思います……」プルプル

海未「仕方ないなぁ。ことりの手にある、緊張をほぐすツボを押してあげるよぉ」

ことり「へっ? 緊張をほぐすツボ?」

海未「自分の身体だからね。自分が一番よく知ってるんだっ」

ことり「そうですか……?」

海未「じゃ、海未ちゃん。ことりのおてて貸して?」

ことり「あ、はい…………」スッ



海未「ふむふむ……」さわさわ

ことり「ひぅっ!///」ビクッ!

海未「あれれぇ、どこだったっけなぁ~?」ぷにぷに

ことり「ちょっと……ことり……っ!///」

海未「うぅ~ん、見つからないなぁ~」むにむに

ことり「ひゃ……んっ!///」ビク

海未「海未ちゃんってば動かないでよぉ。それと、ことりの目を見て?」じっ

ことり「……それはっ、私の目ではっ……」ちら

海未「じーっ」

ことり(近っ……私……こんな熱い視線……っ///)ふいっ!


海未「もぉ、逃げちゃ、やぁ」さわさわ

ことり「~~~~っ!///」きゅんきゅん




ことり(駄目です……こんな……私はいったいどうすれば……っ!)

ことり(……誰か……たすけて――――)

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――しかし今日の希はエネルギーが切れている!


穂乃果「……それで、なにか分かった?」

希「諜報と分析はうちの得意分野なんよ――なんといってもカードがうちに教えてくれるからな」ぺらっ

希(今は対象を絞って相当集中しないと勘が冴えないけどな……)

穂乃果「へえ、すごいねえ」うんうん

希(穂乃果ちゃんの神通力の素質も大したもんよ?)


ぺらっ


希「方角は北――結構遠いな」

希「敵さんの狙いは…………」ぺらっ

希「…………海未ちゃんや」

穂乃果「えっ?」

希「あの園田の血筋の末孫やからなぁ……こういう奴らに狙われても不思議じゃない」

希「――穂乃果ちゃん、いそごか。理事長にも電話せんと」prrrr...



希「……うちや。至急いつものとこに。戦闘準備一式と……え? 今日は私服やからいいよ……」

希「……あとちょっと遠いから……うん、なんか手軽につまめるものを二人分……じゃ」pi!

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――希の電話で理事長が動き出した!


海未「逃がさないよぉ?」にぎにぎ

ことり「っ……あっ……んんっ……///」キュウウウッ


ゴンゴンゴン!


理事長『ことりっ! 私ちょっと出かけてくるわっ!』


海未「っ!」ドキッ ぱっ
ことり「っ!」ビクッ ぱっ


理事長『もしもし西木野さんっ!? あと用意してもらいたいものは……』バタバタバタ……


海未「…………気をつけてね」ドキドキ

ことり「…………」バクバク



海未「…………」ちらっ

ことり「…………っ///」すすすっ

海未(逃げられた……)



海未(これがおかん攻撃か――!)


ことり「…………」ソワソワ


海未(気を取り直して……この状況っ)じっ

海未(ことりが夜な夜な妄想してた『海未ちゃんにされてみたいことベスト100』のうち……)

海未(…………、…………39個はできる!)

海未(あれっ、少なくない!?)ビックリ

海未(ことりは普段からなにを考えてたんだ。入れ替わった今でさえ、できもしないことを)ズーン

海未(ベスト1から48まで全部……キスとかの……シチュエーションだからなあ……)

海未(ロマンチックなのも捨てがたいけどハプニング風のほうがリアリティが……おっと)


ことり「…………」モジモジ

海未「こほん」

ことり「っ」ビクッ

海未(小動物みたい)ヤンヤン!



海未(……海未ちゃんの姿で、自分の身体を好きなだけいぢめることができるなんて……)ぞくぞく

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――穂乃果の部屋


雪穂「…………」がさごそ

雪穂「…………」ごそごそ


雪穂「見つからないわね、穂乃果にとられたアリチカパンツ……」

雪穂(亜里沙のためにパンツをとり返してあげようとするなんて姉の鑑ね。やましいことはなにもないわ)

雪穂「これも違うし……」ピクッ


雪穂(…………)

雪穂「ほら、もし間違えるといけないじゃない? よく調べないとね?」

雪穂(…………)

雪穂(…………)くんくん

雪穂(………///)

雪穂(………///)すー、はー、

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ごちゃあっ……


雪穂「……ちょっと散らかしすぎたかしら」ハァハァ

雪穂「結局見つからないし」


雪穂「――って、もしかして海未の家にあるんじゃないの!?」

雪穂「でもなんて言って家に入れてもらえばいいのかしら……」

雪穂「えーと……」

雪穂(『突然で失礼します、お宅に妹のパンツが……』)

雪穂「……あきらめよう」


雪穂「亜里沙には似たようなパンツをあげればそれでいいわよね」

雪穂(かといってエリーチカはあんなお子様パンツ持ってないけど)

雪穂「あっ」ピコーン


雪穂「…………」ごそごそ


雪穂「……これでいっか」

雪穂「目には目を、歯には歯を……ロシアのことわざよ」※ハンムラビ法典

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――少し前 西木野邸 真姫の部屋


絵里「むにゃ……」プワプワ


もぞもぞ


絵里「……もう、お姉ちゃんたらまた私のベッドに入ってきて……///」ぎゅっ

絵里「…………ん?」すりすり



真姫「ん……えりー……おはよぉ」ムニャムニャ

絵里「…………は?」

真姫「んむ、どうかしたぁ?」プワプワ



ゴンゴンゴン!


西木野『――真姫っ! ちょっと出勤してくるわっ! 絢瀬さん、昨夜のバレエ素晴らしかったわ!』
西木野『もしもしっ!? わかったわ! 手軽につまめるものね! あっ、ちょうどこれでいいかしら……』


ダダダダダダ……



真姫「……またか」ハァ

真姫「まったく今度は誰が――」ちらっ


絵里「――ここはどこですか?」キョロキョロ

真姫(なんで毎回エリーは犠牲になるのよ……)

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――時間は戻り ヘリポート


バババババババ……!


穂乃果「わっ、なんかごつごつしてるヘリコプターが来たよ!」

希「うわ……まじか」

穂乃果「ん?」

希「……ほんとに軍用ヘリ買い替えたんかい……うち、口滑らしたかなあ」

希「西木野財団なめとったわ……これだからブルジョワは」


ババババババババ!


西木野「迎えに来たわ! 乗ってちょうだい!」

希「ドクターあんた……。いや、なんでもない。お気遣いどーもな」

希「……さあ穂乃果ちゃん、乗ろか」スッ

穂乃果「レッツゴー!」

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――真姫の部屋 ベッドの上


真姫「――だからね、エリーがバレエやりたいからって急に押しかけてきて、私は伴奏やらされて……」

絵里「この家、広そうですもんね」

真姫「……それをみたママが感動しちゃってね、『何か用意するから泊まっていって』って……」カミノケクルクル



絵里「もう分かりましたって……こういうの慣れてますから」

真姫「ふうん、そう?」クルクル

絵里「5日前くらいに私、亜里沙と入れ替わりましたし」

真姫「ヴェエエ、力使いきってから希が動いたなんて私聞いてないけど」

絵里「あ、希さんはそのとき動いてないですよ?」

真姫「じゃあどうやって戻ったのよ……」

絵里「その……亜里沙と色々やってるうちに……よくわかりませんが……///」

真姫「……?」

絵里「まあ、いいじゃありませんか。それより……」ぎしっ



絵里「……ベッドサイドに写真なんて置いてるんですね」コトッ

真姫「あっ、それは……」ワタワタ

絵里「絵里さん。海未さん。それから部長のにこさん……なにかのユニットですか?」


真姫「……そんなんじゃないわよ、テキトーよ、たまたまその3人が写ってるだけよ、これマジよ」カミノケクルクル

絵里「その割にすごく立派な写真立てですが……」

真姫「別に私の勝手でしょ? なんだっていいじゃない」クルクル



絵里「――それで、誰のことが好きなんですか?」

真姫「ぶふぅっ!」ブーッ!



絵里「わかりやすいですね」

真姫「…………///」

絵里「ちょっときいてみただけなんで、お姉ちゃんにも言いませんよ」

真姫「ほんとかしら……」

絵里「本当ですって」

真姫「ちょっと待ってて……」ゴソゴソ



真姫「……はい、あなたにコレあげるわ。家族でドバイに行ったときのお土産」

絵里「ドバイってアラブの……? ありがとうございます。口止め料ですか」

真姫「…………」

真姫「…………ねえ、知ってるかしら。アラブでは4人まで妻が持てるのよ」

絵里「重婚ですよね。聞いたことありますけど、それがどうかしましたか?」

真姫「…………別になんでもないわ。これも忘れてちょうだい」


絵里「それにしても眠いですね……ふわ……ぁ」くぁ…

真姫「私もベッド、となり座るわね」ギシッ

絵里「なんでこんなに眠いんでしょう……筋肉痛みたいですし」プワプワ

真姫「『明日休みだから自主練よ』、って夜通しでバレエやってたのよ」

絵里「ああ……それで……ですか」うつらうつら

真姫「私だってピアノ弾きっぱなしだったんだからね……眠いわよ、もう」クァ…


絵里「ん……ベッド、大きくて、ふかふかですね……」こっくり、こっくり

真姫「ちょっと、まだ寝ないでよ。私の携帯貸すから、自分の番号を押して」

絵里「ええっと……」ふらふら

真姫「エリーの携帯はいま、ちょっとね」

絵里「んん……」pi.pi.pi...


prrrr... prrrr...


雪穂『――もしもし絵里だけど……真姫の番号よね、誰かしら?』

真姫「私であってるわよ……となりに雪穂がいるわ。とても眠そうよ……私もね」

雪穂『ああ……昨夜はつきあってくれてありがとう』

真姫「別にいいわよ、私とエリーの仲じゃない。それでね、私たち二度寝するから」

雪穂『どうせできることもないしね……私は亜里沙の様子でも見てこようかしら』

真姫「ん……夜のバレエ、素敵だったわ。おやすみなさい、エリー」

雪穂『ええ。あなたのピアノもとても気持ちよかったわ。おやすみなさい、真姫』

pi!


絵里「……真姫さんって、絵里さんとどういう関係なんですか?」ぎしっ

真姫「絵里との関係? そうね、別になんでもないわよ。ドライな関係っていうのかしら」ギシッ

絵里「今のでドライなんですか……」


真姫「エリーも私も、わけわかんない突飛なことしない、ってお互い信頼してるのよ」ふあ…

絵里「ああ……お姉ちゃんがいつもすみません」

真姫「だから助けたり助けられたり……慰めたり慰められたり……」

絵里「一緒に添い寝したり?」

真姫「……それくらい、いいじゃない。アヤシイことはしてないわ」ギシッ

絵里「ベッドの足元に服が散らかってるのは?」

真姫「それはエリーのバレエ着よっ!///」


絵里「でもいいですね……そういう関係」ねむねむ

真姫「そう? そんなことないわ。真似しちゃだめよ」

絵里「真姫さんと一緒にいると、胸が落ち着きます……」プワプワ

真姫「…………子供はもう寝なさい///」

絵里「一緒に寝てくれるんですよね……?」

真姫「まあ……私も眠いしね」フア…

絵里「腕枕、してあげますよ?」ぎしっ

真姫「……調子にのらないの」プイッ

絵里「誰にも言いませんよ?」くすっ


真姫「…………」

真姫(眠くて頭がまわらないわ……)

真姫「…………///」ギシッ



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――ことりの部屋


ことり「――ダンスのための自主練、ですか?」

海未「そうだよぉ。ダンスは自主練習が大事でしょっ」

ことり「ええ、私もそう思います」

海未「ことりはぁ、ダンスで重要なのは柔軟性だと思ってるのぉ」ニコニコ

ことり「ことりは体が柔らかいですものね」

海未「それはね、自主練習の成果なんだよっ?」ニコニコ

ことり「そうだったのですか。私も見習いませんと」

海未「でも柔軟体操って、一日でもサボっちゃうとすぐ身体かたくなっちゃうんだぁ」

ことり「はあ……」

海未「あっ、いま日課の柔軟トレーニングの時間だぁ。困ったなあ……」シュン…

ことり「私が、ストレッチをやればいいのですね?」

海未「うんっ! ことりの身体をよろしくお願いします。じゃ、ベッドに足伸ばして座って?」

ことり「……床ではいけないのですか?」

海未「そうだよ? ベッドの上で足伸ばして? 見ててあげるから」



ぎしっ……



ことり(…………)ギシギシ

海未「じゃ、前屈からやってみよぉー」ニコニコ

ことり「こうですか……?」ぐぐっ

ことり(あ、本当に柔らかいです……すごいっ……///)ググー!


海未「――あっ、だめだめぇ、そのやりかたじゃ逆効果だよぉ」

ことり「え?」ぴくっ

海未「もう、仕方ないなぁ。ことりが背中押してあげるよ」ニコニコ

ことり「はい……お願いします」

ことり(…………?)



ぎしっ……



ことり(なっ――!?///)



海未「――こうやってね、やさしく……ゆっくり――やるんだよ?」ぺたぺた



ことり「背中を押すって……っ!//// 手で、押すの、では……っ!///」

海未「……こうしてくっついたほうがぁ、身体の動かし方、わかるでしょぉ?」ギュッ



ぎゅううっ……!



ことり「こんなのっ……後ろから抱きついてるのとっ……かわらな……っ!///」きゅうう

海未「ちゃんと集中しなきゃだめだよぉ~」すりすり

ことり「……はーっ、かっ、はーっ……はっ////」キュンキュン

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――真姫の部屋 ベッドの中


絵里「……くー……くー……」zzz

真姫(エリーの腕、冷たくて、ひんやりとして気持ちいい……)すりすり


絵里「すー……すー……」zzz

真姫(私も、肌がひんやりとして冷たいって言われるけど、エリーもよね)ぺたぺた




真姫(……私は……にこちゃんと話すと、何故かいつもかっと熱くなっちゃう)

真姫(……無自覚な海未に対しては、いつも思いを焦がしてばかり……)


真姫(そのたびに言い合いになったり、けんかしたり、傷つけられたり……)

真姫(……たまに、疲れきっちゃう。もうこんな思いしたくないって……)



絵里「……ん……くー……」zzz



真姫(つめたいエリー……やさしいエリー……)すりすり

真姫(無神経に私の心に踏み込んできたりしない、つめたいエリー)

真姫(いたずらに私の心をかき乱さない、やさしいエリー)すりすり

真姫(私が傷つくことをちゃんとわかってくれる、かしこいエリー)


真姫(……私もエリーのこと、きっとわかってあげられる。癒して、慰めてあげられる)ぎしっ

真姫(私が何も言わなくても、エリーが私にそうしてくれるように……)すりすり

真姫(エリーが私にしてくれること、私もエリーにしてあげられる)


真姫(……幼い子どもみたいな穂乃果にいつも傷つけられて、かわいそうなエリー)

真姫(だから私が治癒してあげる。治療してあげる……)すりすり


絵里「……すー……すー……」zzz


真姫(無神経に私の心をめちゃくちゃにする、かわいいにこちゃんなんて大嫌い)

真姫(無自覚に私の弱点を攻めてくる、かっこいい海未も大嫌い……)


絵里「くー……くー……」zzz

真姫(……ここは、かしこいつめたいエリーの、腕の中)すりすり

真姫(私が傷つけられることがない、世界で一番安全な場所)すりすり

真姫(せめて日曜日の朝くらい、この中に閉じこもって休みたい……)ふぁ……


真姫(……エリーの腕の中は……すごく……胸が落ち着くの……)うつらうつら

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ことり「ほのぽっぽー、あさぷわおー」キャピッ☆

穂乃果「あさぷわー。ちゅんきち、うみみんはー?」

ことり「見てこのメッセ、『きのきーと新曲せーさくchu→(はぁと)』だって」ピコッ

穂乃果「ちゅんきちケースまた変えたっしょ。ピンクのウサミミとかあざとくない?」

ことり「あほかわでしょ? まぢラブリー。うみみときのきーもまぢラブリー」

穂乃果「いつもふたりきりとかゼッタイデキてるっしょ」

ことり「それな。ちゅん子も思った。『こんにちは赤ちゃん』の歌詞送ってあげるしかない」ピコピコ

穂乃果「ちょーうける! 新曲の参考にされちゃうよ!」ケラケラ

ことり「うみみはやっ。『きのきーが女の子9人ほしいって(*ノωノ) イヤン』だってさ。スルーしよ」

穂乃果「あのふたりに育児なんてムリムリムリのかたつむり、エスカルゴのオーブン焼きだよ」

ことり「ほのぽっぽ最近それとミラノ風ドリアばっかじゃん? 飽きない?」

穂乃果「あそこはイタリアンな絵画の下でドリンクバー混ぜてルネサンス気分を味わう場所だし」

ことり「次勝手にオリーブたらしたら絶交ね。チーズケーキがメニュー廃止とかありえなくない?」

穂乃果「ていうか育児はチーズケーキみたいに甘くないっての。9人ってどんだけだし」

ことり「豪邸にベビーシッターがフルハウスなんだよ。ベビーベッドに天蓋、まである」

穂乃果「まであるね。YESブルジョワ、今度スイーツ連れてってもらおう」

ことり「見返りに育児させられるかもよ。授乳まである」

穂乃果「ていうか、ぞーみんっておっぱい出そうじゃない?」

ことり「わかる(笑) ドリンクバーで働けるっしょ」

穂乃果「おいしくて行列できる。3回並んで紅茶・コーラ・メロンソーダで混ぜる。でも時給850円」

ことり「カフス・ネクタイ・レオタードにピンクのウサミミで時給アップだね」

穂乃果「『えー混ぜちゃうん? しゃあないなあ、コップにみるく注入、はーいぷしゅ!』」

ことり「いまぞーみんの困った笑顔が見えたよ。はにかんでた」

穂乃果「850円には惜しい笑顔だよねー」ハハハ


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――その頃 上空1500m 希、敵地に進軍中


ババババババババ!(ヘリの音)


希「――あのなドクター、気持ちは嬉しいんだけどさ、普通この状況で特上寿司食べる?」

西木野「えっ? だって手軽につまめるものって理事長から聞いてたわ?」

希「これだからあんたは……今度からサンドイッチとかにしとき。そのほうが穂乃果ちゃんも……」


穂乃果「あっ! ウニだっ! イクラだっ!」

希「……穂乃果ちゃんウニとイクラ好きなん?」

穂乃果「前まで苦手だったんだけどね、最近ウニ好きになったんだ!」

希「贅沢覚えたんやねぇ……」

穂乃果「お寿司屋さんに行ったらウニ食べないと物足りないかな」

希「穂乃果ちゃんはお金のかかる子やなぁ……もし恋人ができたら大変や」


西木野「ごめんなさい! 次までに最高級和牛と七輪も用意しておくわ!」

希「ん? 冗談やろね? 冗談やろね!? ドクターヘイヘイヘーイ!」


穂乃果「ふたりは仲いいなあ。希ちゃんは西木野先生と会うの、5日ぶりかな?」

希「5日前はうちなんもしてないんよ。というより完全にエネルギー切れだったからなあ」

穂乃果「そうだったんだ。でも雪穂が『希さんは頼りになるね』って言ってたよ」

西木野「東條さんはもっと大人を頼ってくれていいのよ?」


希(決して頼りないわけじゃないんだけど、あんたらに頼り切るのは不安なんよ……)


――ババババババババ!(ヘリの音)


穂乃果「……それで今回の入れ替わりは、なんで海未ちゃんが?」モグモグ

希「園田の血筋の末孫。海未ちゃんには素質があってな」

穂乃果「そしつ? なんの? あっ、アワビおいしい」モグモグ

希「穂乃果ちゃんがパワータイプなら、海未ちゃんはロングレンジタイプかなあ」

穂乃果「希ちゃんは? このたまご、ごはんがついてない……」モグモグ

希「うちはちょっと手先が器用なだけよ。カードをめくれたり、術を編めたり、な」

穂乃果「さっきから上手にわさびつけてるもんね」モグモグ

希「それは……うん……特上のくせになんでサビ抜きなんやろな」

希(どこが手軽なんやろか、これ)


穂乃果「…………///」カァッ

穂乃果「あの……/// その、穂乃果は素材そのものの味をですね? 一度味わおうかと……///」イジイジ

希「いや、うちなんも聞いてないよ? うち、そんな穂乃果ちゃん好きよ?」


希(そもそも昼前からなんで寿司……いや、あのタイミングでどうやって用意したん!?)


――ババババババババ!(ヘリの音)


穂乃果「……ほら、ね? ツーンとすると目から涙がでちゃうでしょ?///」

希「そうやな、うちは目がいいからな。その気になれば千里眼が使えるよん」

穂乃果「せんりがんって何が見えるの? カズノコが超ぷちぷちする」プチプチ

希「うちのは頑張れば未来視と過去視……ま、3回でエネルギー切れるから使いどころないけどな」

穂乃果「へー、希ちゃんは本当にすごいんだねえ。海未ちゃんはなにがすごいの?」モゴモゴ

希「あそこは表向きはただの家……いや、園田道場だったか。そういう名で通してる」

希「実際、日舞の世界では立派なもんやと聞いてるし……戦前はそれはそれは栄華を極めたそうよ?」

穂乃果「立派なえびさんだねえ」ツンツン

希「尾が紫色……ってそれぶどう海老じゃないっ!? なんかおかしくないかっ!?」

穂乃果「わっ、とろけるー」モグモグ

希「……いわゆる名家とか旧家とか呼ばれる人たちよ。まあ占領時代に解体されたけどな」

希(園田の血も南の権力も西木野の財力もたいがいやなあ……)

穂乃果「タラバガニかな?」

希「それはズワイガニやな」

希「特に……とある時代、園田の血筋から退魔の天才が生まれたとか……お、ヒラメいけるやん」コリコリ

穂乃果「天然かな?」

希「……天然というか、とにかくレアなもんよ。他の名家にしたって天才なんてそうそう生まれてくるもんやない」

希「それで園田の本家には退魔の矢、伝説の矢が受け継がれてるらしいんやけど、誰も見たことはなくて……って」



希(ヘリで敵地に向かいつつ寿司食べながらする話か、これ? シュール過ぎるやろ)


――ババババババババ!(ヘリの音)


希「……だから欲しいんやろ。園田の力の依り代が」

穂乃果「海未ちゃんの血」モグモグ

希「そう。伝統ある家柄。歴史の中で、長い間かけて進化してきた血筋」

穂乃果「独自の進化を遂げた海未ちゃんの血」モグモグ

希「よくわかってるやん。うちはカッパとか食いたいなぁ……」モグモグ

穂乃果「それで、なんで入れ替わっちゃったの?」

希「ようするに欲しいのは依り代やから、中身はいらんてすっぱ抜こうとしたら失敗したんやろ」

穂乃果「ことりちゃんは海未ちゃんの血のとばっちりを受けたんだね」モグモグ

希「とばっちりか。えりちの被害者体質も神がかってるな」

穂乃果「……」じっ

希「なんだかなあ……これでいいんかなあ……敵さんもいいかげんやなあ」モグモグ

穂乃果「……」ソワソワ


希「……穂乃果ちゃん、別に遠慮しなくてもウニふたつ食べてもいいんよ?」

穂乃果「えっいいのっ! やったぁ! 希ちゃん大好きっ!」パクッ

希(いい子や。かわいい)


穂乃果「海未ちゃんの血、ロングレンジタイプ……あーなるほど」モグモグ

希「どうしたん? うわっ、ガリまでうまいとか憎いわー」ガリガリ

穂乃果「この前入れ替わったとき、ラブアローシュートしたらファンが倒れちゃった」モグモグ

希「ぶふぅっ!?」ブーッ!


穂乃果「大丈夫っ!? すみませーん! お茶くださーい!」

西木野『――ちょっと待っててー!』

希「ごっほ! ごほ!」ゲフゲフ

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――その頃 絵里


雪穂(――自宅の鍵はどこにしまったかしら……?)ゴソゴソ

雪穂(今頃、真姫はおとなしく寝てるかしら。冷たいヤケドを教えてあげる、とかしてないといいけど)

雪穂(Don't worry,don't worry、まあ真姫なら心配ないわよね。ちゃんと見極められるし。信頼してるわ)

雪穂(それより最近部屋にこもりがちな雪穂のほうが心配だわ)

雪穂(……あのおもらし……相当ショックだったのね。悪いことしたわ)

雪穂(目撃したのは本物の海未じゃないって、ちゃんと説明はしたんだけど……)

雪穂(私とは口きいてくれないし……たしかに私が悪いんだけど……)

雪穂(……そういえば自宅の鍵なんて持ってるはずないじゃない)


ピンポーン……


ガチャ


亜里沙「――ゆっ……雪穂!?」

雪穂(あ、今の姿なら亜里沙に口きいてもらえるわね。ちゃんと慰めてあげられるわ)


雪穂「やっ、亜里沙。調子はどう? 元気?」

亜里沙「どうって……よくそんな平気な顔して私に会いに来るね///」

雪穂「……?」

雪穂(なにかあったのかしら……)

亜里沙「もう、とにかくあがってっ///」



雪穂(我が妹ながら……小さくて可愛らしいと感じるわ……未成熟な儚さもあって……)ジーッ

雪穂(肌、白いなあ……キメが細かくて……髪の毛は金色の絹のようで……なにかしら、これ)

雪穂(――なにかしら、これ)汗タラリ

=======================================================


――ことりの部屋 ベッドの上


ことり「……ストレッチにっ……はーっ、はーっ……マッサージって……っ///」ひくひく

ことり「ことりっ……いいかげんに……してください……っ///」きゅんきゅん

ことり「ベッドの上で……くんずほぐれつ……してただけじゃないですか……っ///」はー、はー

ことり(腰が砕けてうまく立ちあがれません///)ぷるぷる


海未(海未ちゃん最初は抵抗してたのに、目がハートマークだよぉ……)

海未(ことりがされてみたいこと、たくさんしてあげたからね)


海未「うーん……」ちらっ

ことり「っ!///」ビクッ

ことり「今度は何をするつもりですか……もうやめてください……」ドキドキ

海未「……」じーっ

ことり(次はいったいどんなことをされてしまうのでしょうか……!?///)ドキドキ


海未「そうだねぇ。おなかすいたよね」ピコーン

ことり「へっ?」

海未「おやつ作ってくるね。おとなしく待っててっ?」

ことり「え……あの……」



キィイイッ――バタン



ことり「…………やっと解放されました」



 シーン・・・・・・



ことり「…………」



 ポツン・・・・・・


ことり「…………」

ことり「…………」ぎしっ

ことり「何故でしょうか……肌がうずきます」

ことり「…………」



――10分後



ことり「……遅いですね……」

ことり「…………」ぎしっ

ことり「なんでしょうか、この感情は……」

ことり「…………」

ことり「だんだん大きく……?」

ことり(まさか――)



『――感覚器とか臓器の反応はボディに依存するやん? でもその生じた反応を律する能力は――』


ことり(この前の入れ替わりのときの、希のメール……)


『――穂乃果ちゃんはそれだけ大きなパン欲求を日常的に抱えとるから、それがもう当たり前のことに――』


ことり(日常的に抱えて……)


『――ただな、耐性が強くなると欲求の側も対抗して強くなるもんや。競合するやんな――』


ことり(私が気づかないくらい、完璧に抑圧して……)


『――そうやって長い間かけて膨れ上がっていった穂乃果ちゃんのパン欲求を――』


ことり(ことりの中で長い間かけて膨れ上がっていって……)


『――いきなり何も知らん違う人が肩代わりしたら潰れてしまうって訳なんよ――』


ことり(何も知らなかった私が……)


『――あの我慢強いえりちでも堪えきれなくなって――』


ことり(……あの時の絵里は……まさか本当に……)


『――パンなんかに負けたりしない!(キリチカッ ……とか言って我慢しとった――』


ことり(我慢しきれなくなって……)


『――どんどん雪だるま式に膨れ上がるらしいんよ。それで最後に暴走したんやろな――』


ことり(……暴走、したのですか)


――20分後


ことり(……とにかく、気をしっかり持ちませんと)キッ


ことり「…………」ソワソワ

ことり(肌が……そわそわします)ぎゅっ

ことり(くっ……こんなの……っ)ぷるぷる


ことり「…………」ぎしっ

ことり(穂乃果はよくパンを食べますが……ことりはそこまでべたべたしてきた訳ではありません)

ことり(だから私は……あの時の絵里と違って我慢できるはずです……)ぎゅっ

ことり(ん……? 間違ってませんよね……?)

ことり「…………」はぁはぁ


――30分後


ことり「駄目です……どんどん……大きく……」ぎしっ

ことり(ことり……ことり……っ)ハァハァ


ことり(いまここに……同じ屋根の下に、あなたがいるのに……っ)ぐぐっ

ことり(あのドアの向こうに、キッチンに、あなたが……いるのにっ)ハァハァ

ことり(どうして……ひとりにするのですか……)



ことり「――肌が……肌が、恋しいっ……」ハァハァ

ことり(あなたに触れたい……さわられたい……)じわわっ



――コンコン



ことり「っ!///」ビクッ

ことり(あ――――急に身体が……熱く……///)カアアッ

ことり(……ノックの音を聞いただけで、耳まで熱く――――)カッカ


――ことりの部屋


海未「――パンケーキブルーベリーホイップクリームマカダミアナッツだよっ?」

ことり「…………///」ドキドキ

ことり(心なしか距離が遠くありませんか……?)


海未「ことりが切り分けてあげるね」カチャ

ことり(どうしてそんな離れて座るのでしょうか……)



カチャ……カチャ……



海未「はい、切れたよ」

ことり「…………」ゴクリ

海未「――じゃ、自分で食べてね」ニコッ

ことり「えっ?」

海未「ん?」ニコニコ

ことり「あっ……いえ、いただきます///」アタフタ


海未「あとこれね、あつ~い紅茶だよっ」スッ

海未「ヤケドしないように、気をつけてね?」

ことり「……はい……」オドオド



ずずっ……



海未「もう海未ちゃんたら……紅茶は音立てて飲まないよっ?」ニコッ

ことり「すみません……///」

ことり(本当に熱い……喉が焼けそうです……)

ことり「…………///」モクモク

海未「海未ちゃん、味はどうかなぁ」

ことり「……すごく甘い、です」モクモク

海未「ことりの好きな味なんだぁ。おいしいでしょっ」

ことり「……ええ……///」モクモク



――――――――

――――――――――――


ことり(――結局、あれから一度もボディタッチがありません……)

海未「おなかもいっぱいになったし、さてと」

ことり「っ///」ぴく


海未「お外にお買い物でも行こうか」ニコッ

ことり「へ……?」

海未「それとも……」チラッ

ことり「……?」

海未「ふたりでお昼寝する? ――ベッドひとつしか無いけど」

ことり「っ!///」



海未「ことりはどっちでもいいからぁ、海未ちゃんが決めてねっ」ニコニコ

ことり(私はどうしたら………私が決めろだなんて………ことり……っ)

海未「…………」

ことり(私はあなたと……ここで……ふたりで……///)

海未「…………」

ことり(――――ふたりで……いたい……)

海未「…………」



ことり「…………いま……」ぼそっ

海未「ん?」

ことり「今、外に出ると……トラブルがあったときに面倒でしょう……」ぼそぼそ

海未「ふうん……そっかぁ」

ことり「だから……おとなしくここに……///」ぷるぷる

海未「…………」

海未「ま、それでいいかなぁ」


――ことりの部屋 ベッドの上


海未「――海未ちゃん、ベッドもっと奥つめて?」

ことり「え……はい……」モゾモゾ

海未「よいしょっと……」



ぎしっ……



ことり「…………///」きゅんきゅん

ことり(あ……くっついてはくれないのですね……)ドキドキ

ことり(……って私は何を期待しているのでしょう……)バクバク

ことり(とても耐えられません……背中を向けておきましょう)ぎしっ


海未「…………」ぎしっ

海未(無防備な背中……)

海未「…………」すっ

海未(指を、一本だけ……)



ぴとっ



ことり「――ひうっ!///」


海未「…………」スッ



スーッ……



ことり「ひゃわっ……!///」

ことり(なんでしょうか……指文字……?///)



スッ、スーッ、スッ……



ことり(『す』…………?)


ことり(『き』…………?)ぴくっ


ことり「――――――っ!!///」きゅんきゅん



海未「…………///」ぽっ


ことり(こんなことされて……もう、我慢できるはずが……っ///)ぎしっ


くるっ


海未「じーっ///」

ことり「っ……///」


海未「海未ちゃんどうしたのかな? 顔真っ赤だよ?」


ことり「……ぃま……の……」ぷるぷる

海未「いまの? ――ことりはなんにも言ってないよぉ?///」じーっ


くすくすっ


ことり(だめっ……そんな顔で見つめられたら……)


ことり「っ……う……あ……///」じわっ

ことり「……ひぐっ……うぐっ……///」じわわっ


ことり(もうダメ……もう……ダメです……)


海未「しょうがないなぁ……片手だけ、好きにしていいよ? ほら」


すっ


ことり「ぁ…………あ…………///」ふるふるふる


ぎゅっ


ことり「……う…………あ……っ///」すりすり


海未「ふうん……そうやってほっぺたすりすりされたかったんだぁ」

海未(ことりにはわかってたけど)


ことり「……えぐっ……ひぐぅ……///」すりすり

海未「もぉ、涙でぐちゃぐちゃだよぉ」くすくす

=======================================================

――その頃 絵里 亜里沙の部屋


亜里沙「……ひっく……ひっく」すんすん

雪穂「だからね……? 海未さんのことは諦めたほうがいいと思うの」

雪穂(海未を追っかけても亜里沙が傷つくだけだと思うし……)

雪穂(ただのファンにとどまらない、あんな感情を身をもって知ってしまったら……)

雪穂「こんなずっと引きこもってないで……ね?」

亜里沙「…………」すんすん

亜里沙「……どうして雪穂は海未さんのこと諦めさせようとするの?」すんすん

雪穂「それは……」

雪穂(姉だからよ……)


亜里沙「……はっ」ぴく

雪穂「ん?」ピク

亜里沙「やっぱり……そういうことなの……?///」

雪穂(え……?)ドキッ

亜里沙「この前のあれは……やっぱり事故じゃなかったの?///」ぐぐっ

雪穂(なんなの? なにかしらこの雰囲気! 危険だわっ!)ドキドキ

亜里沙「雪穂は、私に海未さんのこと、諦めて欲しいんだね」ずいっ

雪穂「ちょっ、亜里沙……近いって……」ドキドキ

亜里沙「そしたら私、失恋しちゃうんだけど……」ぐいっ

雪穂「やっ!」フラッ


ばたーん!


亜里沙「……雪穂が慰めてくれるってことだよね?」

雪穂(押し倒され――――っ)サーッ


雪穂(なんか前にもこんなことが……なんで私は毎回……こんな危ない目に)じわわっ

雪穂(何が悲しくて妹に押し倒されなきゃいけないのよぉおおおおおっ)ぽろぽろ

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――その頃 北の荒野 悪の研究所 数km前


希「――荒野って……半径十キロ以上なんもない変なとこに施設構えてると思ったら、また派手な結界やな」

穂乃果「結界? あの先のちっちゃいのが建物なの? よく見えるねえ」

希「これ以上うかつに進むと結界のトゲがささる。この先はトゲトゲや」

穂乃果「穂乃果には見えないけど。ウニみたいな?」

希「ウニか……なるほど、それはいいなあ」

穂乃果「いいよねえ」


希「なあ穂乃果ちゃん、なんでウニってあんなトゲトゲしてるか知っとる?」

穂乃果「おいしいから、食べられないように?」


希「そう、外敵から身を守るため。ウニは泳げないし、逃げられないし、武器もなくて戦えないから……」

希「……だからああして殻にこもって身を守るしかないんよ」

希「傷つきやすい子は武装して殻にこもる。生存競争の基本やね」


穂乃果「誰と競争してるの?」

希「ほんとや、誰とやろ。生存戦略の間違えやろか」

穂乃果「穂乃果と、なのかな」

希「……穂乃果ちゃんは勝ちたい?」

穂乃果「誰も傷つけたくないかな。それが穂乃果の願い」

希「やさしい子やね。太陽みたいや」


穂乃果「ウニの話してたら食べたくなっちゃった」

希「さっき食べたやん……じゃ、終わったら食べに行こか?」

穂乃果「えっ!?」

希「北の海ではな、おいしいウニが穫れるんよ」


穂乃果「穂乃果あれやりたい! 自分でこじ開けるやつ!」

希「ウニは弱い子だとうちは思うけど……」

穂乃果「あのトゲトゲした殻を見るとね、隙間にガッ! って差し込んでガバッ! って開けたくなるんだっ!」

希「そしておいしくいただかれちゃうんやね」

穂乃果「よだれがでそうだよ」


希「そう……ウニは弱い」すっ

穂乃果「ん、カード使うの?」

希「あの分厚い結界さえぶち破れば、今の状態のうちでも突入して一瞬でケリがつくやろ」シャシャシャ

穂乃果「希ちゃん強いもんねっ」

ぺらっ

希「……うん、カードもそう言っとる。ふー、前回みたいな武闘派だったらどうしようかと思ったわ」

希「四天王倒したと思ったら親玉が出てくるし……ああいう物量で押されるの、うちの弱点なんよ」


穂乃果「じゃ、今回は楽勝なんだねっ!」

希「問題はあの結界だけど、うちじゃパワー不足やなあ」

穂乃果「穂乃果が隙間からこじ開けるよ?」

希「そうやな。うちひとりじゃどうしようもなかったわ」

穂乃果「おいしくいただいちゃうんだよね」

希「おいしくはないやろなあ……悪者やし」


――北の荒野 高台の上


希「穂乃果ちゃんの背中に手のひら置かしてもらうな?」

穂乃果「ん……? わ、なんか背中が熱い!」

希「今、うちの見えない指を使って、穂乃果ちゃんの背中にうちの思念を編みこんどるからな」

穂乃果「見えない指で背中に編みこむ?」

希「ゆびあみ……穂乃果ちゃんはただ力を呼べばいい、うちが制御するから」

穂乃果「そんなことできるの?」

希「できる人にはできるんよ。じゃ穂乃果ちゃん、目を閉じて……」

穂乃果「ん……」


すっ……


希「――そのまま深呼吸……全身を巡る血液の流れをイメージして……そう……」

希「ここに世界中の雷雲が集まってくるイメージ……これから天の力を借りるんよ」


穂乃果(――――――――)ビリビリ


希「……天から落ちるは、あたたかな光。悪しきものだけ焼き払う、あたたかな光」

希(すごい力や……想像以上やった。うちにも制御しきれるか……いや、やったる!)ビリビリ


ゴロゴロゴロ……!


希「穂乃果ちゃんいまや――――!」


穂乃果「――――かみなり、落ちろぉおおおおおおおおっ!!」


 ピカッ――!!

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――真姫の部屋 ベッドの上


真姫「…………んむ……」zzz

真姫「…………どかーん」

真姫「……はっ」キョロキョロ

真姫(変な夢みたわ……)


絵里「……すー、すー」zzz


真姫(ぁ……)

真姫(安全な場所……)すりすり

真姫「ここは安全な場所よ、エリー」すりすり


絵里「くー……くー……」zzz


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――悪の研究所内部 ラボ制圧後


希「――やっぱ、今回はあっけなかったなぁ」フゥ

希「おしおき完了や。武闘派じゃないと楽やね」パンパン

希「ん? なんやろこの資料」ぴらっ

希「『園田家の家系図』……やっぱり海未ちゃんの血が欲しかったんやね」

希「気持ち悪いな。燃やしとこ。……すぅぅっ……――はっ!」カッ!


メラメラ……


希「……普通にライターでも探せばよかったわ」バサバサッ

希「『ライブ映像の分析・園田海未の髪の毛についての研究ノート』……?」ぴらっ

希「ん……『神経かくにん! よかった』ってなにこれ……燃やそ」メラメラ

希「『園田海未の振り付けについての考察』……?」ぴらっ

希「……『投げキッスの回数は~~』……まあ、確かに多いよなあ」メラメラ

希「この『指令書・エムジー』ってのはなんやろ。燃やすか」ぼっ

希「『コール&レスポンス確認メモ』……?」ぴらっ

希「ふむふむ『会場での振る舞いでは、迷惑にならないよう十分注意し』……?」ぴらっ

希「――ならこんなハタ迷惑な研究やめてしまえ!」バシッ!


メラメラ……


希「まあ、マナーは大事やけどな……最後のは燃やさんでもよかったかも」ゴソゴソ

希「おっ、結界用のパワーストーンか。こいつだけいただいてしまおう……」ゴソゴソ

希「案外おいしいなあ……」

-------------------------------------------------------



――――――――



――――――――――――



――――――――――――――――


――ことりの部屋


ことり「…………」

海未「…………」

ことり「……喉かわいちゃった」ぎしっ

海未「すみません……たくさん涙を流してしまって……」ぎしっ


カチャ


ことり(――冷たい紅茶……)コクコク

ことり(……淹れてからだいぶ時間たっちゃってるから、当たり前だけど)コクコク

ことり(喉から、頭の芯まで冷えていく――)コクコク


海未「あの……ことりっ」

ことり「っ!」ガフッ!


ことり「かはっ! ごほ! ごほっ……」コンコン

海未「……大丈夫ですか?」すっ


さすさす……


ことり(背中をさすってくれる……海未ちゃんやさしいなぁ。ことり、あんなことしたのに……)

海未「あっ」ハッ


ぱっ!


ことり「――っ!!」ずきんっ!


海未「…………すみません」シュン

ことり「なんで謝るの……?」


ずきんっ! ずきんっ!


海未「ことりは私のこと……」


ことり「……好きだって? それは勘違いだよ?」

海未「え……」



ことり「――――だってことりは、友達以上の意味で好きだなんて、一度も言ったことないでしょ?」

海未(え…………?)



ことり「今日も、これまでも、これからも……そんなこと言ったこと、一度も、ないよ?」

ことり(そう。それがことりが引いた、小賢しい予防線)



海未「ですがっ……!」

ことり「一度も言ったこと無いのに――言葉にしたことないのに――勝手に勘違いしないで?」

海未「ことり――――」



ポツリ、ポツリ……

ザ――……



ことり「雨、降ってきたね。もう帰ったほうがいいよ」

海未「まだ話は――っ!」

ことり「――もうその話はおしまい。もうしないでね」

海未「なっ……」

ことり「傘かしてあげるから、今日はもう帰って?」



――――――――

――――――――――――


――次の日 月曜日(雷雨) 部室


にこ「――雨は止む気配ないし、練習は無理ね。ことりたちも帰っちゃったし、私も帰るわ」ガチャ


バタン!


海未(……ことり……)

希「海未ちゃん、元気ないなあ。どうしたん?」

海未「そうでしょうか……?」

希「よし、うちがおもしろいこと教えてあげるわ」

海未「……おもしろいこと?」

希「そ。ゆびあみ」

海未「ゆびあみ……?」

希「といっても手芸のゆび編みとは違うんやけどな」

海未「はぁ……」

希「海未ちゃんはえりちの趣味知っとる?」

海未「たしか、キルティングとアクセサリー製作ですね」

希「少し前は編み物にハマってたんやって」

海未「あみもの……」

海未(おばあちゃんみたいですね……)


希「あ、今ばばくさいって思った?」

海未「いえ……その……」

希「そんなことないんよ。一本一本編んでいって……だんだん目に見える形になっていくのがハラショーなんやって」

海未「……ずいぶんとロマンチックな表現ですね」


希「そう。これはロマンチックな技術なんよ」

希「見えない指で気持ちの糸を一本一本編みこんで、想いを形にする。そんなイメージや」


海未「気持ちの糸を……一本一本……?」

希「まあ、最近のえりちは……恐竜の勉強ばっかしとるけどな」

海未「……なぜ恐竜なんかに興味を?」

希「なんでやろなあ」

海未(恐竜の勉強……なぜでしょう?)



希「ま、口で説明するより実際にやってみたほうが早いやろ。ちょっと背中かして?」

海未「こうですか……?」くるっ

希「そのまま目を閉じて……うちこれから、指文字するから当ててみてな?」

海未「はぁ……」すっ

希「――よっと」シャシャシャシャシャ

海未「……『あ、め、す、ご、い、な』……そうですね。昨日から止みませんね」

希「なんでやろな」

海未「全国的に雷雨が続いているらしいですね」


希「あっ……」

希「……すまんな、やっぱりうちの手には余ったというか」

海未「は?」


希(穂乃果ちゃんに頼もうにも、もう穂乃果ちゃんの力、すっからかんやからなあ……)

希(少なくとも10日間は、神通力は使えんやろな。うちはあと3日あれば回復するけど、あんな力技できんし……)

希(どうしよ……ま、雨くらい勝手にそのうち止むやろ……)


海未「それで……いまのがなにか?」

希「いまな、『雨すごいなあ』ってうちの気持ちをこめたんだけど、海未ちゃんわかった?」

海未「いえ……指の動きが速かったので字を追うのが精一杯で……」

希「そう。字を追うのがやっと。うちの気持ちは、字の奥に消えてしまう。それが指文字」

海未「はあ……」

希「今度は指あてるだけで動かさんからな。もっかい目つぶって?」

海未「…………」すっ


ぴとっ


海未(希の指が……熱い……?)ぴく

海未「……『あ、め、い、や、や、な』……そうですね。練習ができませんし――」

海未「――って、あれ? いま……指、動かしませんでしたよね……?」

希「そう、いまのがゆびあみ。うちの気持ちを、指にこめたんよ。海未ちゃんにもきっとできるよ?」

海未「うそでしょう……」

希「ま、一ヶ月くらい修行が必要だろうけどな」

海未「一ヶ月……」


希「……それにこれができれば、あとは距離なんてあってないようなもんよ?」

海未(そうでしょうか!?)

希「穂乃果ちゃんだって衣類は姉妹関係ないって言ってたし、これも距離関係ないんよ」

海未「なんですかその理屈はっ!? 距離が関係ない説明になってません!」

希「海未ちゃんはもともとロングレンジタイプやしなあ」

海未「なんですかそれはっ!」

希「じゃあちょっとやってみよ。海未ちゃん、もっかい目を閉じて、背中かして?」

海未「またですか……?」すっ

希「……うち、手のひら近づけてるだけで今なんも触ってないけど、なんか感じる?」

海未「触れられていなくても希の手の体温が伝わってきますが……」

希「伝わるのは、体温だけ?」


海未「あ……」ぴく

海未「『が、ん、ば、れ』…………。えっ……?」


希「そう」にこっ

海未「……がんばれって……、希の応援の気持ちが……伝わります」

希「そう。大事なのはハートやから。今日、海未ちゃん元気なかったやろ?」

海未「はい……その通りです。希にはかないませんね」

希「……海未ちゃんのつらそうな顔見て、うちも心が悲しくなった」

海未「希にはいつも……ご心配おかけします」


希「だから『海未ちゃんがんばれ』って気持ちを、うちは心で編むことができたんよ」

希「そして本物の気持ちは触れなくても伝わるやんな」


海未「わかったようなわからないような……でもとにかく、なんだか元気がでました」

希「そう。大事なのはそこやからな」


希「これは想いを……ハートを届ける技術やから」

希「紙に書かれた文字は視覚依存やから、光がなければ届かない。声は聴覚依存やから、音がなければ届かない」

希「だけどハートは離れていても、ちゃんと届く。これ、本当のことなんよ?」


海未「離れていても、ハートは届く……」

希「そう。他でもない海未ちゃんのハートやからね」

海未「私の……ハート」


希「――あ、ところで海未ちゃん、噂で聞いたんだけど、もしかして家宝に伝説の矢ってある?」

海未「よく知ってますね。ありますよ」


希「実在したのおおおおおっ!? すすすごいっ!! どどどんなのっ!? 古くからって言うしもうぼろぼろなんちゃう!?」
希「何本あるのっ!? 長さどんくらい!? 太さは!? あつかましいお願いだけどできたら今度見せてもらうわけには――」


海未「なんでも、私の心なんですって」


希「…………」

希「心か……」

希「…………///」カァッ

希「あの……その、希は伝説の矢をですね? 一度拝もうかと……///」イジイジ

海未「いや、私なにも聞いてませんよ? 私、そんな希好きですよ?」


――――――――

――――――――――――


――カーテンの閉じたことりの部屋


ことり「――こんな雷雨のなか、海未ちゃんは何しに来たのかな?」

海未「ことりは言いましたよね……友達以上の意味で……好きだなんて、一度も言ったことない、と」

ことり「うん、そうだよぉ。だってそうでしょ? 言ったことないんだもん」

海未「勘違いだ、と」

ことり「うん。だってそうだもん」

海未「でも、私には確かにわかります」

ことり「言葉で言ってもいないのに伝わっただなんて、そんなの嘘だよ」

海未「…………ことりがあくまでそう言い張るつもりなら、私にも考えがあります」


ことり「……? ねえ、もうその話しないでって言ったよね」

ことり「もうその話、ことりは口聞かないよ。海未ちゃんの言葉なんてなにも聞かない」

ことり「……もうことりにかまわないで」


海未「ええ、だから話なんてしませんよ」

ことり「え?」

海未「それならいいのでしょう?」

海未(一ヶ月……そんな長い間、ことりを苦しめることはできません)


海未「今日をいれて3日間だけ、ことりには私のわがままに付き合ってもらいます」

海未「――ことり、手を握らせてください」


――――――――

――――――――――――


――次の日 火曜日(大雨) カーテンの閉じたことりの部屋


海未「――ことり、また手を握りますよ」すっ


ぎゅっ


ことり「きのうからこれ、なんの意味があるのかなぁ。もう諦めちゃったら?」

海未「……そうして笑ってられるのも、今のうちですからね。明日はハンカチでも用意しておきなさい」

ことり「こうして会いに来るのも、ひょっとしてことりの手を握りたいだけなんじゃないのぉ?」

海未「そうですね。ことりの手のひらはやわらかくてもちもちで、触ると気持ちよいです」

ことり「っ……、今日はもう帰って!」


――――――――

――――――――――――


――次の日 水曜日(雨) 部室


海未「――希、修行をお願いします」

希「なあ海未ちゃん。あんま無理したら……」

海未「どうしても届けなければならない想いがあるのです」

希「海未ちゃんのハートか。誰に届けるん?」

海未「とてもとても、大事な人です」

希「ふふ、海未ちゃん、いい目になったやん?」


――カーテンの閉じたことりの部屋


ことり「――こんなざーざー降ってるなか、よくことりのうちまでくるねぇ。でも今日で最後だよ?」

海未「わかってます。ことり、カーテン開けませんか? 部屋が暗いですよ」

ことり「いいんだよぉ。外は雨だし、カーテンを開けたって空も、どうせ暗いでしょ」

海未「では、電気をつけませんか。こんな光の差さない部屋にいては気持ちまで暗くなりますよ」

ことり「ことりはこれでいいの。海未ちゃんは口出ししないで」


ことり(だって、もう海未ちゃんのそばにいられないことりも、どうせ……)

ことり(ことりはこれからずっと、光の差さない部屋に……)


海未「ことり……手を」

ことり(今日で……最後かぁ……)すっ



きゅっ



海未(――指先に、想いをのせて)



……ぎゅぅ



海未(私のハートからあふれるこの想いをすべて、この指先にこめて)



……ぎゅううっ



海未(伝えたい。届けたい――)



ことり(……海未ちゃんの指先が……熱い……?)ぴく



海未(私の想い、どうかことりに届いて――――!)

-------------------------------------------------------

――その頃 穂乃果の部屋


穂乃果「雨、雨、雨。ざー、ざー」ザーザー

穂乃果「空はずっと、雨模様」

穂乃果「なんでかな?」←原因



ザー、ザー



穂乃果(ことりちゃんの心もずっと、雨模様)

穂乃果(海未ちゃんの顔もずっと、くもりのまま)


穂乃果「なんでかな?」



ザー、ザー



穂乃果「穂乃果、嫌だなあ……」

穂乃果「ふたりには、笑顔が似合うと思うんだ」

穂乃果(穂乃果にできることは、なにもないけど)

穂乃果(今の私には何の力もないけど)

穂乃果(何の力もなくたって、それでも穂乃果は願うよ)

穂乃果「だって、だいすきだから」



ザー、ザー



穂乃果「………………」ザーザー


穂乃果「雨さん、やんでください」

穂乃果「雲さんも、お願いします、どうか」

穂乃果「光、さして」


穂乃果(だって――――だいすきだから!)


――穂乃果の願いは大空をかけめぐった!

-------------------------------------------------------


――カーテンの隙間からことりの部屋にほのかな光が差し込んだ




ことり「あ…………」ぴく



『ずっとことりのそばにいさせてください』



ことり(うそ…………)じわっ




ことり「届いたよ……言葉にしなくても……海未ちゃんの……」じわわっ

ことり「ハート……ちゃんと……とどいた、よぉ……」ぽろぽろ



海未「まったく、ハンカチを用意しておきなさいと言ったはずです」くすっ

ことり「ごめんね……ひぐっ……海未ちゃん……ひぐぅ……ごめんね……」ぼろぼろ





海未「――さあ、カーテンを開けましょうか。もう雨はあがったみたいです」しゃっ

ことり「……えぐっ……まぶしい……よぉ……」ぽろぽろ きらきら

海未「ええ、私たちの太陽に感謝しませんと」にこっ




――ことり編 おわり――


<♪ぷわぷわーお! ~Bonus Track~ >


――夜 海未の部屋


海未「……眠れませんね」もぞもぞ

海未「ぷわぷわーおでも聴きましょう……」



    君にっ飛んでけ♪ スキスキぷわぷわっ♪



海未「君に飛んでけスキスキぷわぷわ……」

海未「ふむ……」

海未(ことりの家はあちらの方角でしたね……)

海未「…………」


海未(…………)


[着信] prrrrr...! prrrrr...!


海未「おや……?」

pi!

海未「もしもし」

ことり『海未ちゃん、あのね……? それ、やめてくれないかなぁ……?』

海未「ふふ、なんのことでしょうか」

ことり『ことりの部屋にぷわぷわ飛ばしてこないでっ! どきどきして眠れなくなっちゃうでしょ!』

海未「ときにことり、いまベッドの上ですか?」

ことり『え? そうだけど?』

海未「歯は磨きましたか? 目覚ましはかけましたか?」

ことり『うん……うん……いったいなに?』

海未「いま後ろには何がありますか?」

ことり『ことりの枕があるけど……?』


海未「…………」すぅぅっ…

ことり『…………?』



海未(指先に……想いを込めて……見えない矢に……編みこんで……)


    君をずっとずっと好きなこと♪


海未(狙いを定めて……弓をひく!)


    教えるよ 今すぐ♪



海未「――ばぁーん」

ことり『…………?』

ことり『――ひうっ!』

海未「では、良い夢を」


pi!


海未(楽しいです……)




――ことりの部屋


ことり「~~~~っ!///」くらくら


ことり「きゅう……」ふらっ


 ぼふっ!


『君をずっとずっと好きなこと 教えるよ今すぐ』


<♪ぷわぷわーお! ~Bonus Track~ おわり >


――早朝 真姫の部屋 ベッドの上


真姫「…………んむ……」zzz

真姫「……ひとりは……いやいやbaby……」プワプワ

真姫「くー……くー……」zzz



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バニー希『えー混ぜちゃうん? しゃあないなあ、コップにみるく注入、はーいぷしゅ!』ニコニコ

穂乃果『ぞーみんあとんす! そのバニーガールちょーきゃわたんだよっ!』グルグルチュー

バニー希『ほのぽっぽに言われると照れるやん……うちはこんなえっちなかっこ恥ずかしいわぁ、もぉ』テレテレ

穂乃果『そんなことナイチンゲールだって! ねっ、ちゅんきち?』

ことり『まぢラブリーだよぉ~』パシャパシャ☆

バニー希『もぉ、シャメっちゃダメやんかぁ///』

ことり『隠しちゃだめだよっ☆ うみみときのきーに送ってあげないとぉ』ピロピロ

穂乃果『ルネサンスな味がする。これ復活しちゃう。壁に天使たちが見える』チュー

ことり『まぢヴィーナスの誕生だよぉ~』パシャパシャ☆


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――朝 音楽室


~~~~♪ ~~~~♪


真姫(――また変な夢見たわ……頭痛い)ポロン♪ポロン♪


~~~~♪ ~~~~♪


海未「――綺麗なピアノの音が聞こえてくると思ったら、やはりあなたでしたか」ガラッ

真姫「あら海未、あさぷわ……じゃなくてっ! おはようっ!///」アセアセ

海未(あさぷわ……?)

海未「変な真姫ですね」ふふっ


真姫(凛々しい……やっぱり本物の海未が一番よね)

真姫(バカみたいにべたべたしてこないし)

真姫(この前、耳を舐められたときは心臓が止まるかと思ったわ)

真姫(……一度さりげなく手を握るくらいのことはされてみたいけど)

真姫(まあ、本物の海未には無理よね。スキンシップを好むタイプじゃないもの)


海未「……ところで、日曜日の朝、絵里と同じベッドで寝てたんですってね」クスッ

真姫「ああああれはっ! 絵里が急にバレエやりたいって家に来てっ! ピアノ弾いてって頼まれてっ!///」

海未(本当でしょうか……どことなく怪しい雰囲気がしますが……)


海未「まあ、真姫のピアノで踊るのは確かに気持ちよさそうですね」

真姫「どうしてもって言われて仕方なかったのよ!///」

海未「真姫の家は広いですからね。きっとのびのびと踊れるのでしょう」

真姫「そうよ……それだけよ? 勘違いしないで」


海未「あの広い家、ベッドはいくつあるんでしょうね」

真姫「っ!///」

真姫(今日はなんでこんなに鋭いの……)

真姫「あの……その、脱ぎ散らかってた服はエリーのバレエ着で……」

海未「いや、私なにも聞いてませんよ? 墓穴、掘ってませんか?」

真姫「~~~っ!///」


海未「にこの耳に入らなければよいのですが」

真姫「……は?」ピキッ

海未「真姫はにぶいですからねえ」

真姫(海未にだけは言われたくない……あんたにだけは言われたくないわよ!!)

真姫(鈍いのか鋭いのかはっきりしなさいよぉ!!)イライラ


海未「ところでアラブには何を見に行ったのですか?」

真姫「……文化研究///」ボソッ

海未「文化研究?」


真姫「それで……なにしに来たのよぉ」カミノケクルクル

海未「ああ、穂乃果から聞いたのですが、真姫が私の歌詞のこと……」

真姫「――それは言わないでっ!!///」

海未「え?」

真姫(うう……私なんであんなこと言っちゃったのよ……恥ずかしくて死にそうだわ……)プルプル


海未「私も真姫の曲が……」

真姫「――何も言わないでってばっ!!///」

海未「わかりました。では何も言いません」スタスタ

真姫(は……?)


ぎゅっ


真姫(なっ!?///)


海未(私は……)キュ

海未(――私も……真姫の曲が大好きです)ぎゅうっ


ぱっ


海未「ではまた、部室で」くるっ


ガラガラッ
ぴしゃ!


真姫「――――」ボーゼン


真姫「~~~~っ??///」カアッ!


真姫(え……? なに今の……? えっ……??)


真姫「触れられた手がまだじんじんする……熱い……一体何したのよ……///」プルプル


じんじん


真姫「わっ私が、だだだ『大好き』……だとかっ……海未の気持ちが流れてきて……」ジンジン


じんじん


真姫「ありえない……なんなの……いみわかんない……///」くてっ


――真姫編 おわり――


――亜里沙の部屋


亜里沙「――すごいっ! 綺麗っ!」キラキラ

雪穂「ドバイのお土産、らしいんだけど……」

亜里沙「えっ!? いつ行ったの!?」

雪穂「いや、私じゃなくてね……」

亜里沙「もしかしてこの宝石、本物なのっ!?」キラキラ

雪穂「まあ……多分……」

雪穂(どんだけブルジョワなんだあの人……)

雪穂(こんな高そうなもの、私が持ってても意味ないでしょ……)


亜里沙「これ本当にすごいよ……綺麗な色……」キラキラ

雪穂「ねえ、亜里沙の目の色に似てると思わない?」

亜里沙「えっ?///」ドキッ

雪穂「だから亜里沙にあげようと思って、持ってきたの」

亜里沙「うそ……嬉しいっ! 雪穂大好きっ!」キラキラ

雪穂「亜里沙が元気になってよかったよ。今度一緒に外にお出かけしよ?」

亜里沙「うんっ!」ニコッ!


――亜里沙編 おわり――


この前ぜんざいを食べに行ったらね プワプワ↑プワプワ↑ サイドに漬け物が出てきて ??? ってなったの ワーオーワーオ!
これマジよ ビュンビュン! そういうイメージ スキスキ! 今回はインターバル ワーオワーオ! ではまた プワプワクダサイ!

依頼してきます
※本当に終わりですこのスレではもう何もありません紛らわしいことしてごめんね……

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