エレン「笑わない猫の像?」(80)
夕食にて
エレン「なんだそれ?」
アルミン「お供え物を捧げると、自分がいらないと思う何かを、それを必要としている他の誰かに渡してくれるらしいんだ」
ミカサ「私も聞いた。女子の間でもウワサになってる」
エレン「いらないと思う何かを、必要としている誰かに渡してくれる……か。何でも願いを叶えてくれる、じゃないんだな」
アルミン「うん。ここだけの話なんだけど、ダズが願いを叶えてもらったらしい」
エレン「ほんとか!?そういやあいつ最近やけに体調良さそうだったな。まさか」
アルミン「そうなんだよ。ダズは『すぐに吐く体質じゃなくなりますように』って願ったら、今までの胃腸の弱さが綺麗サッパリなくなったって」
エレン「本当かよ……でも今のダズを見ると信じるしかなさそうだな」
ミカサ「アルミンは何かお願いするの?」
アルミン「……うん、そのつもりだよ。どんなことかは内緒だけど」
エレン「……アルミンがそういうなら俺も……あ、でも『こうなりたい』って願いを叶えてくれるわけじゃないんだよな?」
アルミン「うん。でも一度試してみる価値はあると思うよ」
ミカサ「どうして?」
アルミン「猫像は誰かがいらないと思う何かを、それを必要としている誰かに渡してくれる。つまりほしいものを願う以前に、それを誰かが猫像に捧げていれば、それを受け取ることができるはずなんだ」
エレン「そうか、なるほどな。なら試すだけ試してみるか。ミカサはどうする?」
ミカサ「私は……いい。エレンと居られればそれだけで」
エレン「ばっ!?……お前なぁ……まぁいい。で、その猫の象はどこにあるんだ?」
アルミン「訓練兵団の敷地のすみ、一本杉の根本に立ってるって」
エレン「思ったより遠いな……よし、今夜行くぞ」
アルミン「教官の見回りに気をつけないとね」
一本杉の下
エレン「これか。なんかマヌケな像だな……早めに済ましちまおうぜ」
アルミン「うん……あれ?もしかして……」
エレン「アルミン?」
アルミン「あ、ごめん!それじゃあお供え物を置いて……」
エレン『もっと大人に……』
アルミン『もっと何でもはっきり言えるように……』
エレン「……」
アルミン「……」
エレン「……何か変わったか?」
アルミン「全然」
エレン「まぁウワサなんてこんなもんだよな。ダズのやつもたまたま調子よかったんだろ」
アルミン「そうだね、教官に見つかる前にさっさと帰って寝よう」
ミカサ「……」
アルミン「エレン、おはよう」
エレン「おはよう、アルミン。あれからどうだ、変化はあったか?」
アルミン「ううん、これといっては。エレンは?」
エレン「俺もだ。なんだかあの猫像にまじめにお願いしたのが恥ずかしいぜ」
アルミン「まったくだね。あ、ミカサだ。おはよう、ミカサ」
ミカサ「おはよう二人とも」
エレン「よう……ミカサお前……」
ミカサ「何?エレン。髪に何か付いてる?」
エレン「お前の髪ってこんなに綺麗だったんだな」
ミカサ「!?」
ミカサ「エ、エレン、いきなり何を……」
エレン「いや、ミカサの髪って綺麗だなって……ものすごく美人だし」
アルミン「待ってエレン、ミカサが美人で特に髪が綺麗なのは認めるけど、今の君は気持ち悪い。」
エレン「はは、そう言うなよ。美人に美人って言ってるだけだろ?そんな幼馴染がいて一緒に朝飯を食べられる。俺は幸せだなぁ」
アルミン「その幼馴染は今にも天に昇りそうだけどね」
ミカサ「」
エレン「どうしたミカサ?そんなふやけた顔でボーっとしてたらいたずらしちまうぞ?その綺麗な唇に……」
アルミン「いいからエレンは少し黙ってて」
アルミン「ミカサ、落ち着いた?」
ミカサ「うん、もう大丈夫……だと思う」
エレン「体調悪いなら言えよ?医療室連れてってやるから。そしてそのまま二人きりで夜の立体起動の訓練を……」
アルミン「エレン!いいから黙ってて!」
エレン「おう、わかった!」
ミカサ「……やっぱり、昨日言っていた笑わない猫の像の?」
アルミン「うん、夜の内に二人で行ったんだ。その時は変化には気づかなかったんだけど、今思うとお供え物がなくなってた」
ミカサ「ということは」
アルミン「願いが聞き届けられたんだ。ねぇ、エレン、エレンは昨日どんなお願いをしたの?」
エレン「え、言うのか?ちょっと恥ずかしいからあんまり言いたくないんだが……アルミンは?」
アルミン「僕のは後で言うから。それよりエレンのお願いだよ」
エレン「そんなに言うならしょうがないな。俺は『もっと大人になれるように』って願ったんだ」
ミカサ「大人に……」
アルミン「それだ。具体的には?」
エレン「具体的にはって……難しいな。ぼんやりとしか考えてなかったからな」
アルミン「うーん……じゃあ以前に誰かが捧げた『大人』が渡されたんだね」
ミカサ「誰か?」
アルミン「うん、誰か……『大人』を捧げた人がどこかにいるんだ」
エレン「なぁ、俺のことはひとまずいいだろ。それよりアルミン、お前は何を願ったんだ?」
アルミン「僕は――」
サシャ「おはようございます三人とも!アルミン今日もご飯残してますね!仕方がないので私が食べ――」
アルミン「おはようサシャ。残してるんじゃなくて、ゆっくり食べてるだけなんだ。だから取らないでよ」
エレカサ「「!!??」」
サシャ「……え?ア、アルミン……?」
アルミン「聞こえなかった?もう一度言うよ。僕の朝食をとらないでくれ」
サシャ「そ、そんな……だってアルミン、いつも残して……」
アルミン「残してるんじゃなくて、よくかんで話しながら食べてるだけ。途中でサシャがかっさらっていくから全部食べきれてないけど」
サシャ「ご、ごめんなさい!ごめんなさい!」
アルミン「たくさん食べたいのはわかるけど人の分までとるのは感心しないよ」
サシャ「すいません!もうしませんから……!」
アルミン「せめてちゃんと交渉して……」
エレン「アルミン、その辺にしとけよ。サシャも反省してるだろ」
サシャ「エ、エレン……」
エレン「サシャ、そんな泣くなって。ほらハンカチ」
サシャ「あ、ありがとうございます……エレンがハンカチ……?」
エレン「そんなに泣いたら綺麗な顔が台無しだぜ?そりゃ泣いてるサシャの顔も魅力的だが、やっぱりお前には笑顔が一番だ」
サシャ「……え?」
エレン「それはそうとサシャ、俺に、アルミンに怒りを沈めてもらういい案があるんだが。その豊満な胸で……」
ミカサ「エレン?」
今さらだけど進撃アニメ派はネタバレ注意
ライナー「おいおいどうしたんだ、朝から騒がしい」
ベルトルト「おはよう。サシャ、泣いてるの?」
エレン「おう、ライナーおはよう。今ちょうどサシャに自分がいかに素晴らしい素質、主に胸を持っているかを説明しようとしてたところで」
ライナー「は?エレンお前一体何を……」
アルミン「おはよう二人とも。ずっと前から言いたかったんだけど、二人って鎧の巨人と超大型巨人にそっくりだよね」
ライナー「え?」
ベルトルト「は?」
アルミン「ぱっと見てそう思っただけで、別に意味はないんだ。まさか巨人が人間の大きさになれるわけないもんね」
ライナー「はは……そりゃそうだな」
ベルトルト「僕らはその……鎧の巨人と超大型の巨人だっけ……どっちも見てないから……うん、ごめん」
アルミン「謝ることなんかないよ!むしろこっちこそごめんね。あー、言えてすっきりした!」
ライナー「あ、ああ。それでこの状況なんだが……」
エレン「いいかサシャ、世間には貧乳こそ正義と言う人も少なからずいる。しかしやはり男は巨乳の魅力には抗えない」
サシャ「ひんにゅう?きょにゅう?美味しいんですか?」
ミカサ「わからなくていい」
アルミン「実は……」
ライナー「なるほど……笑わない猫の像か」
ミーナ「ウワサには聞いてたけど本当だったんだね」
ベルトルト「ミーナ、いつの間に」
ミーナ「おはよう!あっちのテーブルで見てたんだけどさ、様子が変だから偵察に来ちゃった」
エレン「おはようミーナ!今日もステキな髪型してるな!」
ミーナ「えへへ、ありがと!まさかエレンからそんな言葉が聞けるなんて」
エレン「相変わらずのせい――」
アルミン「エレン、黙って」
ミーナ「え?なんか言った?ま、いいや。それで、アルミンは何をお願いしたの?」
アルミン「僕は『もっと何でもはっきり言えるように……』って、そうお願いした」
ライナー「なるほど」
ミーナ「それで……」
アルミン「うん、いつもはサシャに黙ってパンを取られてたけど、ずっと思ってたことがやっと言えたよ」
サシャ「ずっと思ってたんですね……」
ベルトルト「僕らも言われたしね……」
アルミン「みんなには悪いけど、正直なところ、なんだかすごくすがすがしいんだ!」
エレン「よかったなアルミン!」
ミカサ「おめでとう」
ライナー「お前たちはそれでいいのか……」
ミーナ「本人の望みが叶ったからいいんじゃない?じゃあ、あっちで気にしてた人には私から説明しとくね」
アルミン「ありがとう、ミーナ」
エレン「よろしく頼む。お礼に今度デートしよう」
ミカサ「エレン!?」
ミーナ「あはは、デートはミカサと行ってあげて!じゃあねー」
エレン「しょうがないな、じゃあミカサ、今度デートに行くか。どこに行きたい?」
ミカサ「え!?……わ、私は……エレンとなら……どこでも……」
エレン「うん、恥じらうミカサは最高だな!」
アルミン「よそでやってくれないかな」
ライベル「……」
サシャ「猫像……ですか……」
今日はここまで
その日の夜
ジャン「なぁマルコ」
マルコ「なに?」
ジャン「今日の死にたがり野郎とその腰巾着おかしくなかったか?」
マルコ「エレンとアルミンのことだよね?それって逆に呼びにくくないかい?」
ジャン「うるせぇ。何か知ってるか?」
マルコ「えっと……ジャンは笑わない猫像の話は覚えてる?」
ジャン「あー、なんか前にダズの野郎が言ってたな。いらないものを捧げるだのなんだの。それが?」
マルコ「エレンとアルミンは昨日の夜、その笑わない猫の像にお願いしたらしいんだ」
ジャン「あいつら正気かよ……それで性格が変わったってのか?」
マルコ「うん。女子の間ではそこそこ評判がいいみたいだよ」
ジャン「なん……だと……?」
マルコ「セクハラ気味だけど何だか上品な振る舞いになったエレンは『変態王子』、
かわいい顔してずばずば言うようになったアルミンは『暴言王子』って呼ばれてるんだって」
ジャン「マジかよ……そんなことが……」
マルコ「あと今のエレンに変わったおかげで、ミカサはエレンとデートすることになったとかなんとか」
ジャン「!?」
マルコ「……ジャン?」
ジャン「……なぁマルコ、ダズの野郎が今どこにいるか知ってるか?」
マルコ「ダズかい?彼なら体調が良くなってからの日課の自主訓練中じゃないかな。倉庫の方だと思うよ」
ジャン「そうか……ありがとよ、いろいろと」
マルコ「どういたしまして……ジャン、まさか?」
ジャン「……俺は決めたぞ」
ユミル「ッッぁぁぁあああああ!!生き返るぜぇぇぇ!!やっぱり風呂は最高だ!!」
サシャ「ユミルってお風呂入るとおじさんみたいですね」
ユミル「あ?何だって芋女?お前はおっさんと風呂に入ったことがあるのか?」
クリスタ「やめなよユミル!……そ、それより、今日のエレンとアルミンすごかったね」
ユミル「あー、あの二人な。はたから見てる分には愉快だったな」
クリスタ「エレンはその、ちょっとエッチだったけど、でも何だかいつもより頼もしくて」
サシャ「朝にアルミンにいろいろ言われたときはショックでしたけど、訓練中、教官に対しても堂々としてたのはちょっとかっこよかったです」
ユミル「二人合わせて頼もしく堂々と走らされてたな、罰で」
クリスタ「あ、あはは……それでね、あの話ってホントなのかな?」
サシャ「猫の像の話ですか?私は二人から朝に聞きましたけど、本当みたいですよ」
ユミル「はぁ?本気で言ってんのか?バカバカしい。どうせ男どもの罰ゲームかなんかの遊びだろ」
クリスタ「そうかなぁ……少なくともアルミンは、そういうのしなさそうだけど」
サシャ「お二人は直接話してないからわからないと思いますが、私は信じていいと思います」
ユミル「おい、芋女。なんか根拠はあんのか?」
サシャ「カンです」
ユミル「……きいた私がバカだったよ」
クリスタ「ほら、でも、サシャのカンってよく当たるから」
サシャ「そうですよ!神のお墨付きです!!」
ユミル「神って……おいクリスタ、お前もしかして……」
クリスタ「うん、お願いしてみようと思うの」
ユミル「マジかよ……」
サシャ「私もです!」
ユミル「お前は好きにすればいいぞ」
サシャ「冷たい!?」
クリスタ「じゃあサシャ、今夜二人で行ってみようよ」
サシャ「そうしましょう!」
ユミル「あー、もう好きにしてくれ。私は部屋でクリスタのベッドを温めながら待ってるよ」
クリスタ「ちょっとユミル!?」
ミーナ「……」
アニ「……」
今日はここまで。
誰か見てくれてるんだろうか。
応答と助言に感謝します
ミーナ「……アニ?」
アニ「……何?」
ミーナ「今の話、聞いてた?」
アニ「……別に……耳には入ったけど……」
ミーナ「アニはどう?笑わない猫像の話信じてる?」
アニ「私は……どっちでもいい」
ミーナ「あ、あはは、アニらしいね。……じゃあ、今日も格闘訓練エレンと組んでたよね。どうだった?」
アニ「どうって……別に何も……」
エレン『ようアニ!今日も綺麗だな!今日も格闘訓練よろしくな!』
エレン『おいおい、前に約束してただろ?今日もお前と組めるのを楽しみにしてたんだから頼むぜ!』
エレン『あいててて……今日はいつもにも増して威力が出てるな!さすがだぜ!』
エレン『やっぱりお前の足って綺麗だよなー。いや、もちろんお前の魅力は足だけじゃないけどな!』
エレン『いてて!ア、アニ!もう十分に決まってるから!!そんなに胸を当てなくても……いててててててて!!!!!』
アニ「まぁ、確かに、いつもと様子は違ったね」
ミーナ「だよねー。私も朝エレンに『デートにいこう』なんて言われてびっくりしちゃった」
アニ「!?……それで?」
ミーナ「え?」
アニ「それで、ミーナはどう答えたの?」
ミーナ「えっとびっくりしてつい『ミカサと行ってきなよ』って流しちゃった」
アニ「……そう……そうなんだ」
ミーナ「えーっと……アニは猫の像に何かお願いする?」
アニ「……どうして?」
ミーナ「どうしてって聞かれると……特に意味はないんだけど。あ、別に今のアニに不満があるとかそういうのじゃないからね!!」
アニ「そう……ミーナは?」
ミーナ「私?私はいいかな、何だか怖いしね」
アニ「そうなんだ……」
ミーナ「……そろそろ上がろっか」
アニ「そうだね……」
アニ「私は……」
コニー「なあ、エレン、アルミン。ちょっといいか」
アルミン「どうしたのコニー」
エレン「なんだ?」
コニー「お前ら猫像に願いを叶えてもらったって本当か?」
エレン「ああ、本当だ」
コニー「やっぱあのウワサは本当だったんだな……よし、ありがとよ!」
アルミン「コニーも何かお願いするの?」
コニー「おう!最近座学がやばいからな!頭を良くしてもらうんだ!」
エレン「コニーお前……」
アルミン「勉強しようよ」
コニー「う、うるせぇ!別にいいだろ!!」
アルミン「座学なら僕が教えるからさ。せっかくなんだから別のことお願いしたら?」
コニー「……いつまでも一生お前に教わるわけにもいかねえだろ。それに母ちゃんが言ってたの思い出したんだ。『勉強して、頭良くなって、自分で判断できるようになれ』って」
エレン「コニー……」
アルミン「……じゃあさ『もっと考えられるようにしてください』っていうのはどうだい?」
エレン「なんかひどい暴言を聞いた気がするぞ」
アルミン「気のせいだよ。それなら僕が教えなくても、自分でも勉強できる……と思う」
コニー「なんだかよくわからんが……さすがアルミンだな!言われたとおりにしてみるぜ!!」
アルミン「う、うん。見回りに見つからないように気をつけてね」
ベルトルト「……」
その日の深夜。一本杉の下。
ジャン「――がなくなりますように……」
クリスタ「――なくなりますように……」
サシャ「――してください……」
アニ「――になりますように……」
ベルトルト「――がなくなりますように……」
コニー「もっと考えられるようにしてくれ!」
次の日の朝
アルミン「おはようエレン」
エレン「アルミンおはよう。今日もいい天気、訓練日和だ!」
アルミン「あはは、暑苦しいね。あ、アニ、おはよう」
エレン「おはようアニ、今日も美人だな!」
アニ「おはよう二人とも。気持ちのいい朝だね」
エレミン「「え?」」
アニ「二人ともどうかした?」
エレン「い、いや、ちょっとな」
アルミン「アニがいつもと違いすぎる調子で話してるから驚いてるんだよ」
エレン「おい、アルミン!」
アニ「アルミンははっきり言うね。そういうアルミンもかっこいいよ!」
アルミン「」
アニ「あ、エレン!今日の対人格闘、楽しみにしてるから!」
エレン「お、おう。俺もだ!今日は負けねえぞ!」
アニ「うふふ、じゃあまた後でね!」
エレン「あ、ああ……アルミン?」
アルミン「うん……いつものアニじゃなかったね……」
エレン「あいつあんな笑顔できるんだな……いつものクールな顔もいいが、今日の少女みたいな笑顔もまたいいな」
サシャ「クリスタ、そんなこと言っちゃダメですよ」
クリスタ「いいじゃん、事実なんだし」
サシャ「もう……二人ともごめんなさい」
エレン「い、いや……」
アルミン「大丈夫……だよ」
クリスタ「ほら、本人たちがこう言ってるんだから」
サシャ「だ、ダメですよ!二人は優しいからそういってるだけで、きっと心の中では傷ついてます!」
ミス。>>59は無かったことにして下さい
アルミン「問題はそこじゃないよ。あれはたぶん……」
サシャ「おはようございます」
エレン「おう、サシャ。おはよう」
アルミン「おはよう。あ、クリスタも一緒なんだ」
クリスタ「おはよう、変態王子に暴言王子」
エレミン「「え」」
サシャ「クリスタ、そんなこと言っちゃダメですよ」
クリスタ「いいじゃん、事実なんだし」
サシャ「もう……二人ともごめんなさい」
エレン「い、いや……」
アルミン「大丈夫……だよ」
クリスタ「ほら、本人たちがこう言ってるんだから」
サシャ「だ、ダメですよ!二人は優しいからそういってるだけで、きっと心の中では傷ついてます!」
エレン「サシャ?」
アルミン「誰君?」
サシャ「大丈夫ですよ二人とも、クリスタには私がちゃんと言っておきますからね!」
エレン「お、おう」
クリスタ「ちっ、うるせぇなぁ」
アルミン「」
サシャ「ごめんなさい二人とも!じゃあまた後で!クリスタ、行きましょ!」
クリスタ「今日の朝飯はなんだったっけか」
アルミン「」
エレン「おい、アルミン大丈夫か?」
アルミン「はっ!あれ!?おじいちゃんは!?」
エレン「何いってんだよ、サシャとクリスタはもう向こう行ったぞ」
アルミン「……さっきおじいちゃんが綺麗な川の向こう側で手をふってて……」
エレン「ほんと大丈夫かよ。よっぽとショックだったんだな」
アルミン「うん……まさかクリスタからあんな言葉が出るなんて……」
エレン「他のやつらも聞いても驚くだろうな……そういえば今日はユミルのやつ一緒じゃなかったな」
アルミン「珍しいよね。朝はいつも一緒なのに……」
コニー「よう、エレン、アルミン。昨日はすまなかったな」
エレン「コニーか、おはよう」
アルミン「おはよう!願いはどうだった?」
コニー「ばっちりだぜ!」
エレン「ってことは、行ったんだな、猫像のところへ」
コニー「ああ、アルミンが教えてくれた通り願ってきた。願ってすぐはよくわからなかったんだが、今朝目が覚めて確信した。俺は頭が良くなった!」
アルミン「その発言はものすごく頭が悪く聞こえるけど」
コニー「ははは、違いないな!今の発言は正確じゃなかった」
エレン「お前……使う言葉まで変わって……」
アルミン「昨日までのコニーならおそらく、今の僕の言葉に笑って返すなんてことはなかっただろうね。おめでとうコニー、君は望んだ力を手に入れた」
コニー「ありがとよ!これも二人のおかけだぜ、感謝してる!」
エレン「そんな礼なんて……」
ライナー「よう、お前ら。おはよう」
アルミン「あ、おはようライナー」
エレン「おはよう」
コニー「おはようライナー!今日もいい朝だな!」
ライナー「お、おう……コニーお前……なんか変わったか?」
コニー「ん?さすがライナーだな。俺は生まれ変わったんだ!新しい俺をよろしく頼むぜ!」
ライナー「あ、ああ……」
コニー「じゃあ俺はあっちで朝食とってくるから。アルミン、後で勉強教えてくれよな」
アルミン「わかったよ、また後でね
ライナー「……あいつ」
アルミン「どうしたのライナー?今日はベルトルトは一緒じゃないのかい?」
ライナー「あ、ああ……その事で二人に相談があったんだが……」
エレン「相談?」
ライナー「やっぱり実際に見てもらったほうが早いな。おい、ベルトルト!」
ベルトルト「え~、もういいの~?」
エレミン「「!?」」
ベルトルト「僕待ちくたびれちゃったよ~。ぷんぷんだよ~」
ライナー「お、おう、すまん。朝飯のおかずを一品やるから許してくれ」
ベルベルト「やった~。あ、二人ともおはよう~」
エレン「お、おはよう」
アルミン「おはよう……ベルベルト……だよね?」
ベルベルト「何いってんのアルミン?もちろんだよ、みんなの裏切り者ベルトルトんだよ~」
アルミン「え、みんなの何?」
イナー「みんなの人気者って言ったんだ!そうだなベルトルト!?」
ベルトルト「え~?そうだったっけ~?ライナーが言うならそうなんだろうね~。あ、そうだ、エレン」
エレン「な、なんだ?」
ベルトルト「ごめんね~」
エレン「何だよいきなり……ベルトルトに謝られる覚えなんかないぞ」
ベルトルト「だって僕――」
ライナー「も、もういいだろベルトルト!それより、悪いが俺の分も一緒に朝飯を取ってきてくれ!」
ベルトルト「え~。ま、いっか~。じゃあいってくるね~」
エレン「何だってんだ?」
ライナー「すまん、朝からあの調子でな……」
アルミン「もしかして猫像に?」
ライナー「おそらく。ベルトルトのやつ、このままだと教官にまであの態度になりかねんからな。二人に助けを求めようと思ったんだが……」
アルミン「ごめん、力になれそうにない」
エレン「俺達も昨日教官には叱られっぱなしだったしな」
ライナー「そうだったな……何とか元に戻ればいいんだが」
ベルトルト「ライナ~!ご飯もらったよ~」
ライナー「わかった、今行く!すまんが、何とかできる範囲で頼む」
エレン「わかった」
アルミン「期待はしないでね」
ライナー「ああ。じゃあな」
アルミン「……まさかアニにクリスタにサシャにコニー、ベルトルトまで猫像にお願いするなんて」
エレン「やっぱりアニやクリスタ、サシャもなのか?」
アルミン「たぶんね」
マルコ「もう一人追加してくれるかな、アルミン」
エレン「マルコ!?まさかお前まで」
マルコ「いや、僕じゃないんだ」
アルミン「ということは……」
エレン「もしかして……」
マルコ「うん、ジャンだよ」
エレン「そういえば、いつもは聞こえるジャンの話し声が今日は聞こえなかったな」
ジャン「誰も得しない嫌味たっぷりの自慢話を毎日毎日大声で語ってうっとおしかったのにね」
マルコ「アルミン……そんな風に思ってたんだ……ほら二人とも、あそこ見て」
エレン「あ、ジャンだ」
アルミン「静かにスープ飲んでるね」
マルコ「静かだろ。いつもだったらいかに自分は正しくて、素晴らしく立体立体起動が操れるかひけらかしたりしてるのに」
アルミン「マルコもけっこう言うね」
マルコ「……ええと、僕もさっきまであそこにいたんだ。朝からジャンの様子があんな風だったからきいてみたんだけど、猫の像としか言ってくれなくて」
エレン「正直、ジャンが願い事なんて、なんか似合わないな」
マルコ「うん……」
エレン「しかし、ああやって一人静かなジャンは……」
アルミン「不気味っていうか、殺し屋ってああいうの感じなのかなって思うね」
マルコ「……否定はしないよ。でもあの調子じゃやっぱり訓練にも支障が出るんじゃないかと思うんだ」
アルミン「うーん……ジャンだし別にいいんじゃないかな」
エレン「アルミン、さすがにそれは言い過ぎだと思うぞ」
今日はここまで。広げた風呂敷がたためる気がしない。ので、しばらく間を空ける。かも
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