エレン「恋をしたかもしれない」(166)
アルミン「エ、エレン、今なんて言ったの?(幻聴としか思えないことを聞いた気がする)」
エレン「大っぴらに言うことじゃねえんだから何度も言わすなよ。俺な、恋ってヤツをしたかもしれない」
アルミン「」
アルミン(これほど男子寮で二人部屋だったことに安堵したことはない)
エレン「な、何だよその顔。俺が恋しちゃいけねえってのか?」
アルミン「い、いや、そんなことはないよ。むしろエレンが打倒巨人以外の目的意識を持てたことに感激すら覚えているよ…」
エレン「なんだよそれ。ともかく詳しく話すとだな……」カクカクシカジカ
アルミン「なるほど、それでエレンはそのペトラさんっていう調査兵団の先輩に出会ったと」
エレン「ああ。人を見てあんなに気持ちが昂ったことはなかった。いや、あったにはあったけど、マイナスなことが一切なくて、純粋に『可愛いな』とか『優しいな』っていうプラスの感情だけで昂ったのは、これが初めてだ」
アルミン(エレンが女性を『可愛い』だなんて…まだ季節じゃないけど雪かきの準備をするべきかな)
エレン「ミカサやアニと話したってあんな風にはならねえのに、あの人の前だとがちがちになっちまうんだ。なあアルミン、これって恋か?」
アルミン「うん…普段誰にでも物怖じしないエレンが、先輩とはいえ女の人相手に緊張するなんて今までなかったからね。相手を見て気持ちが昂るっていうのも、一般的な恋の始まりと言えるかも(クリスタの例もあるし)」
エレン「やっぱりそうか! よし、俄然やる気が出てきたぜ!」
アルミン「待ってよエレン、やる気が出てきたって、何をするつもりなんだい?(嫌な予感しかしない…)」
エレン「決まってんだろ。告白だよ。一度しちまった恋には最後まで責任を持つのが兵士だってライナーも言ってたぞ」
アルミン(それはいいけど波乱万丈の未来しか見えないんだよおおおおおお!!)
アルミン「エレン! 焦っちゃだめだ! もう少し冷静になろう! 歳の離れた女の人を見て衝動的にそういう気分になってるだけかもしれないじゃないか!」
エレン「な、なんだよ。年上の女の人だからってだけでこんな気分になんのかよ」
アルミン「なる時はなる!大人の女の人は魅力でいっぱいなんだよ!胸は膨らむしスタイルは洗練されて男が本能的に反応するようになるんだ!最近は104期生しか見てないエレンなら有りうる!」
エレン「た、確かにペトラさんの胸はメロンみたいだったな…」
アルミン「ね!きっとそのメロンを目にしたせいで本能が活発化しているだけなんだ!今日はもう休もう!ね!」
エレン「あ、ああ、そうだな。おやすみアルミン」
アルミン(まずいことになったぞ……エレンのことだ、本当に恋をしているのだとしたらミカサの前でも躊躇なく口にする!直接エレンに当たることはないだろうけど、壁とライナーがいくつあっても足りないよ…)
アルミン(でも朴念仁の親友の恋を応援したいという気持ちもある…どうする…どうするんだよ僕!ぐああああああ胃が痛いぃいいいいいいいい!)
~翌日~
ライナー「なに?エレンが恋をしただと?」
アルミン「ああ…にわかには信じがたいだろうけど」
ベルトルト「エレンが恋か…本人には失礼だけど、意外だね」
アルミン「うん。だからこそ面倒なんだよ。ミカサ辺りが」
ライナー「確かにエレンが自分以外の女に好意を寄せていると知れば、暴走は免れないだろうな」
ベルトルト「ライナー、他人事のように言うけど……」
ライナー「わかってる。俺は全面協力するつもりだ。これ以上痛めつけられたら身が保たんからな」
アルミン「ありがとう二人とも」
ライナー「しかし、あのエレンが惚れる女というのには興味があるな。あれほど個性的な104期女子の誰にも反応しなかった奴が反応するなんて、相当だろう」
ベルトルト「確かに。クリスタにすら反応しないしね」
アルミン「僕も気が動転していて詳しい特徴とかは聞けなかったんだけど、わかるのは可愛い顔立ちで優しく、その…胸が大きい年上のお姉さんらしい」
ライナー「――ほう」
ベルトルト「なるほど、胸が大きいという単純にして高威力な特徴を持ち合わせた人材は104期にいなかったね」
ライナー「年上のお姉さんというのもポイントだな。エレンの境遇を鑑みれば、包容力のある大人な女性に惹かれるのも無理はない」
ベルトルト「うん。エレンが潜在的に求めている女性像にプラスして、見慣れない要素が分かり易く主張している。タイプというだけでなく好奇心も上乗せされているからこその急変と見ていいね」
ライナー「アルミン。他に何か情報はないのか?」
アルミン「えっと、調査兵団に所属していて、名前はペトラ・ラルって言うらしい」
ライナー「ふむ、先に上げた要素に加えて、憧れの勤務先の先輩ときたか。エレンが落ちるのも頷ける」
ベルトルト「ペトラ…って聞いたことがあるな。確かその人、三日後にある所属兵団希望調査の講師だったような…」
アルミン「うん…だから焦っているんだ。エレンの口からボロが出るのは、僕が上手く話を誘導することで防いでいる。要はミカサの耳にこのことが入らなければいいんだからね」
アルミン「でも講座となったらそれも難しい。エレンは分かり易いし、ミカサは察しが良すぎる。僕が流すこともできない。ペトラさんを見るエレンを横目で見れば、もうそれだけで何らかの確信を得るかもしれない」
ライナー「もう慣れたと思ったが、言葉にされると恐ろしいなミカサは…」
ベルトルト「うん…」
アルミン「そこで僕が考える最善策は、ミカサを所属兵団調査に参加させないこと」
ライナー「エレンを参加させないんじゃなくてか?」
アルミン「うん。僕はエレンの恋を応援したい。そして無駄な血も流したくない。ミカサさえその場から遠ざけることができれば、エレンはペトラさんと会えるしミカサが嫉妬に燃えることもないだろう?」
ベルトルト「なるほど、つまりここで話し合うのは―」
ライナー「エレンにべったりなミカサをどうやって引き離すか、ということだな」
アルミン「話が早くて助かるよ」
台詞長い? 長いなら溜めてるの修正するけど
アルミン「所属兵団調査は午前中に講座、午後に実技研修を各々で行うことになってる」アルミン「講座は一番人気の憲兵団を筆頭に、調査兵団、駐屯兵団の順番に食堂を使って行われる。予測だけど、講座一回当たり1時間から1時間半ってところだと思う」
アルミン「午後の実技研修の内容はわからないけど、大方馬術か戦闘訓練だろう。散り散りにやるだろうから考えなくていい」
ライナー「じゃあ1時間半ミカサを引き離す必要があるわけか」
ベルトルト「厳しいね」
アルミン「一応最悪の場合は僕がエレンとミカサの間に座ることで悟られにくくしようとは思うんだけど…」キリキリ
ライナー「お前…身を削って俺たちの平穏を守ろうとしているのか」
ベルトルト「人間の鏡だね」
アルミン「いいさ…最悪のパターンを避けられれば生き地獄を味わう心配もない」
ライナー「お前は立派な兵士だな…。そういうことなら、俺も腹を括ろう」
ベルトルト「ライナー…?」
ライナー「俺にいい案がある。アルミンの言う最善策とは違うがな」
その夜、女子寮にて。
サシャ「変ですねぇ~」ガサゴソ
ミカサ「どうかしたの、サシャ」
サシャ「ないんですよ、私のパンツが。せっかくお風呂に入ろうと思ったのに。あれ~?」ゴソッ
クリスタ「その箱の中にまとめて置いておいたの?」
サシャ「ええ、間違いないですよ。ですよねミーナ」
ミーナ「うん。サシャが洗濯したパンツ箱に入れるの見たよ」
ミカサ「誰かに盗まれた可能性がある」
サシャ「え」
長いと感じるなら二行にわけるのも手じゃないか?
ベルベル「うんたら」
アルミン「かんたら」
アルミン「かくかく」
ライナー「ウホッ」
クリスタ「盗まれたって、そんなことあるわけ…」
ミカサ「ある。見て」ユビサシ
ミーナ「…出窓に土が…それも二か所!」
ミカサ「室内は綺麗に痕跡が消されているけど、部屋を出るときにうっかり処理し忘れたんだと思う」
クリスタ「ということは――」
アニ「ちょっと邪魔するよ」ガチャ
ってなってたわ。ごめんね。
アニ「教官から伝令だ。男子寮で女物の下着が見つかったらしい」
ミカサ「!…やはり」
アニ「何だいやはりって」
ミーナ「ちょうどサシャのパンツがないって話してたのよ!」
アニ「なんだあんたが被害者か。後で教官とこに取りにいきな。それと、戸締りをしっかりしろだと」
>>17 イヤ、助かる
サシャ「なぁんだ、なくなっちゃったかと思いましたよ。いやぁ安心しましたよ無事に見つかって」
ミカサ「サシャ、もう少し気にしてもいいと思う」
クリスタ「うぅ…女の子の下着を盗むような人はいないと思ってたのに…」
ユミル「……」ソッポムキ
サシャ「上手くいきましたねライナー」
ライナー「すまねぇな、サシャ。ほれ、約束の品だ」
サシャ「おおぅ夕食のパァン!悪いですねー三個も貰っちゃって」ハグホグ
ライナー「いいや、助けられたのはこっちだからな。恥をかかす形になっちまったし」
サシャ「いえいえ気にしてませんよ!私自身はなにも減るものなかったですし!」ムシャァッ
ライナー「そうか。じゃあ俺は寮に戻るぜ」
サシャ「また何かあったらご飯で手を打ちますよー!」
ライナー「おう」
ベルトルト「ここまでは上手くいったね。主食のない夕飯になったけど…」グー
アルミン「サシャの協力を経て男子の中に変態がいる可能性を浮上させ、男女混合スタイルを根本から崩そうというライナーの作戦。諸刃の剣だけど、手ごろに目的が達成できるという利点がある!」
ライナー「今後女子と訓練できなくなるリスクがあるが、それも俺が犯人だと名乗り出ればそれまでだ。俺さえ我慢すればみんなの平穏は守ることができる」
ベルトルト「ライナー、君も身を削って…」
ライナー「どの道、壊しちまう関係だからな。悔いはねえよ」ボソッ
アルミン「すまないライナー、エレンのために…」
アルミン(結果として、ライナーの作戦は功を奏し、当日の講座は通路を挟んで男女が座る形となった。ことの成り行きを聞いた女子が男子に向けた軽蔑の眼差しは忘れられない)
やべえまたやっちまった。長くてごめん
アルミン「さて、当日の席なんだけど」
ベルトルト「僕がエレンとミカサを結ぶ直線上に座るよ」
ライナー「やるのか、ベルトルト」
ベルトルト「僕にできるのは、このでかい図体でエレンをミカサの視覚に置くことくらいだからね」
アルミン「すまない。僕はフォローできるようにエレンと一緒に最前列の右端に座るよ。
アルミン「ミカサが座ると思われるのはチラ見ができる最前列か、背中を見ることができる中央列」
アルミン「1ミリでもエレンの近くに行きたい心理を考えれば通路に面した席だろう」
ライナー「じゃあベルトルトの配置はココとココのどちらかだな」
ベルトルト「わかった。当日のミカサのポジションを見て対応するよ」
アルミン「頼んだよ。これで粗方当日の作戦は決まったけど…もう一枚カードが欲しいな」
ライナー「うむ。じゃあ俺の方からサシャにミカサの隣に座るよう頼んでおこう」
ライナー「この程度なら報酬は俺のパンだけで十分だろうしな」
アルミン「何度もすまないライナー。君にばかり重荷を背負わせてしまって…その…ごめん」
ライナー「問題ないね」ニカッ
~そして当日~
ミカサ「エレンの隣に座れないのがもどかしい…」
ミカサ「せめてちゃんとエレンが見えるところに座ろう」
ライアルベルト(読み通り…ミカサが座ったのは中央列の通路側!)
サシャ「ミカサ、隣いいですか?」
ミカサ「構わない」
サシャ(やりましたよライナー!これでパァンですね!)bグッ
ライナー(ああ、いいぞサシャ!)グッ
ジャン「よ、ようミカサ。いやー参ったぜこの間は」
ジャン「どいつか知らんが、ウチの寮から下着泥棒が出たらしくてよ」
ミカサ「知ってる。あなたにも容疑はかかっているんだから、他人事みたいに言わないほうがいい。かえって怪しい」
アルミン(通路を挟んでジャンが座ったッ!いいぞッ!ついてる!ああやって空回りしてくれれば少しはミカサの集中を反らせる!)
エレン「やべえ、心臓バクバクしてきたぞアルミン」
エレン「こんなに早くペトラさんに会えるとは思わなかった」
アルミン「落ち着いてよエレン。気持ちはわかるけど今は勉強する時間なんだから」
エレン「わ、わかってるよ」
サシャ「それでその内地のお店にはメロンなる高級な果物があるらしいんですよ」
ミカサ「メロン?それなら昔育てたことがある」
サシャ「本当ですか!?」
ミカサ「うん」(む…ベルベルトが邪魔でエレンが見えない。席を変えよう…!?)
ライナー(無駄だミカサ。俺がサシャに頼んだのはお前の隣に座るだけじゃない)
ライナー(お前にとにかく話しかけ、集中を反らし時間を奪うこと…!)
ベルトルト(いくらミカサでも傍で話しかけてくる友人を邪険には扱わない。親身になってサシャの話を聞く…!)
アルミン(そして活発なサシャの口から発せられる無限大に広がるマシンガントーク。話についていくためには、他のことに意識を割く余裕はない)
アルミン(サシャの話が佳境に入り、割く余裕が出たころには…!)
ガラッ
憲兵団講師「よし、全員集まっているようだな」
ライアルベルト(席はすべて埋まり、講座が始まる――!)
エレン(最初は憲兵団かー。優秀な癖に内地にのさばってる弱虫なんか興味ねえし、適当に聞き流すか。それよりペトラさんだよペトラさん)
ジャン(よし、憲兵団の講座だな。きっちり聞いて見通しをつけねえと)
ミカサ「…エレンが見えない…」シュン
メシと風呂掃除行ってきます
余裕があるから書いただけ投下するね
憲兵団講師「……以上で憲兵団の説明を終える!」
キース「憲兵団講師殿、ありがとうございました。では続いて調査兵団の講座に入る!」
エーチョウサヘイダンー?シニイソギヤロウノイキタイトコカ?チョウサヘイダンダケハネエヨーイノチダイジダモン
エレン(くそっ、どいつもこいつも腑抜けてやがる)
アルミン(気持ちはわかるけどね…)
ミカサ(エレンが傷ついている…)
ライナー(さて、エレンの想い人とやらを拝見させてもらおうか)
キース「ペトラ講師。お入りください」
ペトラ「は、はい!失礼します!」ガラッ
アルミン「」
ライナー「」
ベルトルト「」
ペトラ「エルヴィン団長とリヴァイ兵士長が急な公務によって忙しく、臨時で調査兵団講師を務めることになりました、ペトラ・ラルです!本日はよろしくお願いしますっ!」ペコップルン
男子達の男子達「ボッキーン」
アルミン(こ、これは…)ギンギン
ライナー(予想以上だ…)ギンギン
ベルトルト(納得した…)ギンギン
ジャン(お、俺にはミカサがいるのに…)ギンギン
エレン(やっぱ可愛いぜペトラさん!)ギンギン
クリスタ(わぁ…///)
ユミル(すごいな…だが私はクリスタのちっぱいの方がいい)キリッ
アニ(……)ペタペタ
ミーナ(アニが自分の胸を触ってる…痛いほどわかるわその気持ちっ)ペタペタ
サシャ(おや?さっきまで男子側がブーイングの嵐だったのに急に止みましたね)
サシャ(そして全員ポケットに手を突っ込んでいるのは何故なんでしょう)
ミカサ(……エレンは胸の大きさよりも私の体の一部であることに重きを置く。つまりあの女はエレンのタイプではない)
ミカサ(何の心配もいらないはずなのに、妙な胸騒ぎがする…)カチカチ
一方、内地の酒場。
リヴァイ「おい、なんでペトラを指名したんだ?」プハー
エルヴィン「最も適切だと思ったからだ。私や君が出るよりもはるかに兵士を募ることができる」モグモグ
リヴァイ「あん?」グビグビ
エルヴィン「憲兵団はその人気にあぐらをかいて適当な人材を出すだろうし、それは無難な駐屯兵団も同じこと」
エルヴィン「不人気な調査兵団に少しでも多くの兵士を募るためには、他の兵団にはない分かり易い魅力を見せなくてはならない」
リヴァイ「それでペトラか」
エルヴィン「ああ。彼女は彼らと歳も近いし、顔立ちも整っている。体つきも実に女性的で、その上巨乳だ」
エルヴィン「大人の証に飢えた男子諸君にウケること間違いなしだ」
エルヴィン「加えて任された大役に緊張し、礼の時に机に頭をぶつけたり椅子に足を引っ掛けてこけたりするかもしれない」
エルヴィン「そうしたドジっ娘な部分が発揮されれば、男子のハートは鷲掴みだ。少なくとも、私なら鷲掴みにするために調査兵団に入るな」ハッハッハ
リヴァイ「同意だエルヴィン。以前ペトラの手当てを受けた時に当たったことがあるが、あれはいい。巨乳でありながら良い形をしてやがる」ヒック
エルヴィン「美巨乳というヤツか。いい部下を持ったなリヴァイ」
リヴァイ「ああ!」
おっさんたちキャラ崩壊しててごめんね。とりあえず蓄えはこれで出し切った。
また書き溜めるけど次は22時過ぎか明日になると思う
キース「ラ、ラル!大丈夫か!」
エレン「ペトラさん!?」
ペトラ「痛ぅ……」
アルミン(何もないところで転ぶ人初めて見た…)
ライナー(あざといが、床に押し付けられたブツのお餅感が素晴らしいな…)
エレン(心配だけど可愛い…結婚しよ)
ペトラ「だ、大丈夫です! 皆さん失礼しました!」ペコップルンスタスタ
アルミン(うわぁ…手と足が一緒に出てる)
マルコ(動きがカクカクだ…でも歩くたびに波打つ胸元gj)
コニー(なんでみんな落ち着きがないんだ?)
ペトラ「で、では! 調査兵団がどんなところで、どんな活動をしているのかを、お話ししたいと思いまつ」ガリッ
一同(噛んだ…)カワイイアザトイ
ペトラ「!…っ!っっっ!~~~~~!!」
アルミン(涙目だ…)
ベルトルト(可愛いな…)
ライナー(そそるな…そしてそそり勃つ!)
エレン(結婚する)
ミカサ(おかしい…エレンセンサーの感情値が急激に上昇している…。何故?エレンはあの女に心を動かされているというの?ありえない…)
ペトラ(これじゃオルオみたいじゃない…!馬に乗ってるわけでもないのに!痛いけど、これくらい、巨人と戦う恐怖と比べればっ!)キリッ
アルミン(何事もなかったように凛々しい顔に…健気だ。かわいい)
ペトラ「――調査兵団は、我々人類の天敵である巨人の秘密を探るべく、危険を冒して壁外調査を行っています」ツラツラ
キース(やっと軌道に乗ってくれたか…訓練兵の時からエンジンがかかるまで心配の絶えない奴だったが、しっかりやれそうでなによりだ)
キース(それはそうと…)チラッ
ペトラ「――拠点間の移動は馬を利用し~」プルン
キース(あのまな板がここまで育つとは、人間とはわからんものだな)フッ
ペトラ「――現在ではウォールローゼ・マリア間にまで巨人が侵攻しているため~」
ハンナ(フランツ、愛してる!)アイコンタクトー
フランツ(ああ、僕もだ!)コンタクトガイシ
フランツ(でもペトラさんのおっぱい揉みたい)
フランツ(本命はもちろんハンナだけど、あれを揉まずに一生を終えるなんて考えられん!)
《一時間後》
ペトラ「――以上で、当講座での説明を終わります。午後の実技研修は宿舎裏の山を越えた先にある湖にて行いますので、定刻に宿舎裏に集まるようにお願いします」
キース「起立!」
ガタタッ
キース「一同、礼!」
ススッ
ペトラ「あ、いえこちらこs」ゴスッ
ススッ
アルミン(何でおでこが赤くなってるんだろう)
ライナー(涙目いただきました)
ベルトルト(且つすまし顔いただきました)
エレン(緊張が緩んじゃったんだな…)ホッコリ
キース「ペトラ講師、ありがとうございました。続いて駐屯兵団の講座に入る!(やりきったと思ったらこれか。まだまだだな)」
ハンネス(っべーマジ緊張するわっべーマジっべーわマジべーわ。もう前の講座終わりだわ出番数十秒後だわっべー)
ガラッ
ペトラ「あ、頑張ってくださいね」ニコッ
スタスタ
ハンネス「……」ムクムクッ
ハンネス(っべー良い巨乳だったわいい笑顔だわ。緊張とか吹き飛んだわ逆に股間が極度の緊張状態だわマジべーわ)
ハンネス「失礼する!」ガラッ
~昼休み~
アルミン「何とか凌げたね。二人のおかげだよ、ありがとう」
ライナー「なに、いい物見れたし十分さ」
ベルトルト「ああ」
ライナー「それにしても予想以上だったな、ペトラ講師は」
アルミン「そうだね…僕もかなり心を動かされたよ」
ベルトルト「午前の記憶のほとんどは彼女のインパクトに持っていかれたね」
ライナー「動くたびに揺れるんだもんな。慣れてない俺たちには刺激的すぎる」
アルミン「そういえばフランツが医務室に運ばれていったね」
ライナー「最後の涙目で推進力に使えそうなレベルの鼻血を流したらしい。耐えきれなくなったんだろうな」
ベルトルト「そういえば、エレンの様子はどうだったの?」
アルミン「真面目に話を聞いていたよ。ポケットの中が忙しそうだったけど」
ベルトルト「それは男子全員だろう。ペトラさんの登場とほぼ同時に衣擦れの音がしたからね」
ライナー「教官に察知されてないといいけどな」
アルミン「教官もポケットに手を突っ込んでいたよ…」
ライナー「oh…」
ベルトルト「っと、そろそろ時間だね。宿舎裏へ行こうか」
~宿舎裏~
ザワザワザワザワ
アルミン「うわ、すごい人だ」
ライナー「効果てき面だな。男の数が圧倒的だ」
ベルトルト「居るのはミカサにアニ、サシャとユミルにクリスタにミーナか。残りは全部男子みたいだ」
アルミン「ジャンとマルコまでいるよ。二人とも憲兵団志望って宣言してたのに」
ライナー「ジャンはミカサ目当てとして、マルコはペトラ講師に釣られたな」
ペトラ(えぇっ、こんなに!?ウソ、嬉しいけどこの人数捌くのはきついかも…)
ペトラ(いいえ、エルヴィン団長直々の命令だし、リヴァイ兵長だって背中を押してくれた…弱音なんて、吐いていられない!)
ペトラ「みんな注目っ!!」
ザワザワザワザワザワザワザワザワ
ペトラ(うっ、ざわつき過ぎて声が聞こえてない…?目いっぱい声出したのに…)
エレン「お前ら静かにしろよ!ペトラさんが困っちゃってるだろ!!」
ペトラ「え、エレン!」
エレン「お前らここ居るってことは調査兵団希望なんだろ!居る以上は真面目にやれよ!調査兵団の現役兵士が時間割いて来てくれてるんだぞ!」
エレン「それともお前ら、エルヴィン団長やリヴァイ兵士長みてえな有名人じゃないからって馬鹿にしてんのか!?」
エレン「俺は逆だ!リヴァイ兵士長みたいな天才よりも親しみやすくて、身近な人だからこそ勉強になると思ってる!」
シーン…
ペトラ「え、エレン、もういいから。みんな静かになったし、ね?」
エレン「でも……!」
ペトラ「大丈夫」ニコッ
エレン「…!…は、はい///」
ペトラ「ふぅ…ごほん。これより実技研修を始めます。実技と言っても巨人と戦うわけにはいかないので、移動の訓練を行おうと思います」
ペトラ「基本的に移動には馬を用いますが、退避の際には泳げない巨人への対策として川や湖を泳いで渡ることがあります」
ペトラ「もうお分かりのことと思いますが、本日の研修はズバリ、着衣水泳になります!」
アニライベル(っべー)
その組み合わせじゃ同郷トリオじゃないか
すみませんが今日はここまでです。
ss書くの初めてなんで、テンポが悪くて申し訳ない。
ペトラさんが巨乳になっているのは、お姉さんキャラだし他に巨乳枠作れなくね?という安易な理由です。
おやすみなさい
>>68 同郷トリオで大丈夫です
リヴァイ「チッ、もうツマミが切れやがった」
エルヴィン「君は酒に対してツマミを食べ過ぎだ。少しは計算して食べないと」ポリポリ
リヴァイ「こんな事にまで頭使う気にはなれねえな。おい大将、ちりめんじゃこ追加で」
エルヴィン「やれやれ、人類の英雄らしからぬ発言だな」
リヴァイ「お前も人の事は言えねえだろう」グビグビ
オルオ「リヴァイ兵士長!ペトラの所在をご存知ですか!見当たらんのです!」
リヴァイ「オルオか。ペトラならアレだ…訓練兵のガキどものところで講師をやらせてる」
オルオ「講師?…講師ということはつまり、所属兵団希望調査の…?」
リヴァイ「そうだが? おう、すまねえな大将」
オルオ「な、何故ペトラなのですか!エルヴィン団長やリヴァイ兵士長の方が適任ではないですか!時間が作れないのであれば、このオルオめをご指名いただけばよろしいのに…」
エルヴィン「まあ飲みたまえオルオ。ペトラを指名したのには訳があってだね」カクカクシカジカ
オルオ「ぐぬぬ…確かにそういうことでしたら、私も引っ込みがつきますが…」
リヴァイ「わかったら突っ立ってねえで酌をしろ酌を」
オルオ「!!り、リヴァイ兵士長のお酌ができる!!?なるほど!これほどの大役はこのオルオ・ボサド以外には勤まりますまい!ささ、どーどー」
リヴァイ(ペトラに何回もやらせてるのは伏せとくか…)トクトクトクトク
エルヴィン「ペトラと言えばリヴァイ、あの話はどうするつもりなのかな?」
リヴァイ「あ?…ああ、あの話か」
オルオ「へ、兵士長。ペトラ絡みの話とは一体…?」
リヴァイ「……さて、な」
オルオ「兵士長!?」
リヴァイ(あんまり大っぴらにする話でもねえだろうし、な…)
ペトラ「ほらみんな、キビキビ歩く!」
サシャ「お腹、お腹が減って、力がぁ~」グギュルルルルッルル
ミーナ「サシャってば、スゴイ音、鳴ってるよ?さっき、お昼食べた、ばかり、なのに」ハァハァ
クリスタ「後、どれくらい、あるの、かな?」ハァハァ
ユミル「随分歩いた気がするんだが…まだ頂上にすら辿り着いてねえとは…」
ミーナ「しかも、それを、下って、さらに、歩くんだもん、ね…」ハァハァ
アニ(私もライナーもベルトルトも諸事情で泳げないっていうのに着衣水泳だと?裸になっても泳げそうにないのに着衣とか溺れるだろ絶対…)サァァ
ミカサ「アニ、顔色がよくない。大丈夫?」ツヤツヤ
アニ「あ、ああ。大丈夫だ(ミカサに心配されるとか、そんなに顔に出てたのか?)」
ペトラ「ところでさ、出発する時にキース教官から男女別々に行くよう言われたけど、何かあったの?」
ペトラ「私が訓練兵団に居た時は男女混合だったはずだけど」
クリスタ「そ、それは…」ハァハァ
ユミル「サシャの下着を男子寮の誰かが盗んだっつう騒ぎがあってな…」
ペトラ「ええええええ!?ホントに!?」
ミカサ「本当。なくなったと思った直後に男子寮で発見された」
ミカサ「部屋は一階だから教官の見回りさえかいくぐれば侵入は容易」
ミカサ「特に夕食から就寝時間までの時間は警備が手薄。教官も食事をしたりお風呂に入ったりするから」
ペトラ「ミカサ、随分詳しいのね…」
ミカサ「…エレンニウムの補給のためなら、それくr」ガバッ
ミーナ「はいはいミカサその辺にしとこうねー!(104期が変態の集まりだと思われたらどうするのよ!)」
ペトラ「…よくわからないけど、まあいいか。でも女子の下着を盗むなんて、やっぱりこういう環境だと色々溜まっちゃうのかなぁ」
ユミル(男どもの今晩のオカズはアンタだろうがな…)
アルミン「…ねえライナー。こんな風に言うのは酷いと思うんだけど…」
ライナー「みなまで言うなアルミン。下着泥棒の自白を早めよう、ってんだろ?」
アルミン「うん…」
ライナー「そんな顔をするなよ。自白すれば俺は十二分に理由のある暴力を浴びせられた後、宿舎にとんぼ返りにされるだろうが…」
ライナー「どうせ信用を失うなら、意味のある失い方をしたいと思う」
アルミン「ライナー……っ!」
ライナー「ふっ…よし!男子班!一度止まれ!」
オイオイナンダナンダ キュウニトマッタゾ ハンチョウノライナーガナンカイッテル
ライナー「これより進路を変える!女子班と合流するぞ!」
男子一同「!!?」
エレン「お、おいライナー、何を言ってんだ?」
ジャン「あの下着泥棒の事件以来、男女別々に訓練をするようになったのを忘れたのか?」
コニー「つーかさっきキース教官に言われたばっかじゃねえか。バカか?」
マルコ「理由を聞きたいな、ライナー」
ベルトルト(ライナー…!やるんだな!?今…ここで!)アイコンタクト
ライナー(ああ!勝負は今!ここで決める!)
ライナー「あの日女子寮に侵入し、パンツを盗んだのはこの俺、ライナー・ブラウンだ!」
男子一同「」
ライナー「特に理由のない性欲に支配された俺は、本能の赴くままに監視の隙をついて女子寮に赴き、パンツを盗んだ!」
ライナー「これによって男女混合の制度が改正され、今のこのむさ苦しい現状がある!」
ライナー「女子からの軽蔑、訓練環境の激変…俺の行動でお前たちに嫌な思いをさせてしまったこと、そしてあわよくば最後まで隠し通そうと思ったことは、深く詫びる」
ライナー「だが今日、あのペトラ講師のお姿を見ただろう。みな昂るものがあったはずだ」
ライナー「そして!俺たちは着衣水泳…つまり、水に濡れてビショビショになった女子たちを拝むことができるイベントに出くわした!」
ライナー「この二度とないチャンスを存分に活かすため、俺はすべてを白状する!俺の身と引き換えに、制度を再び男女混合に戻すよう申請する!」
ライナー「以上のことから我々男子班は進路を変更し、女子班と合流する!異論のある奴はいるか!?」
ザワザワザワザワザワザワザワザワ
ジャン「ライナー…お前、本当にそれでいいのか…?」
ライナー「誰がどう見ても俺の自業自得だ。犠牲ですらない」
コニー「お前自身は、女子のずぶ濡れ見れねえんだぞ!?」
ライナー「罪人が楽園を見るなどおこがましいだろう」
エレン「だがライナー、俺は、お前のことを誇りに思うぜ。自業自得かもしれねえけど、その罪を、最大限に活用しようっていうその心意気を!」
ライナー「ははっ、そいつは光栄だな…」
アルミン「よし、進路を変えるよ!女子班と男子班の人数差、体力差からいって、女子班は僕たちより数百メートル先を進んでいる」
アルミン「この時間のタイムロスも含めて計算すると――」
男子一同「いくぜええええええええええええええ!!!」
ベルトルト(よくやったよ、ライナー。君は、本物の戦士だ。せめて労いの言葉でも…)チラッ
ライナー「ふぅ…これで泳がずに済みそうだな…」ボソッ
ベルトルト「……!」ハッ
ベルトルト「ま、まさかライナー、君は、正体が露見する可能性までも…!?」ボソッ
ライナー「言ったはずだぞ、ベルトルト。俺は罪を、最大限に活かすとな」ボソッ
ベルトルト(だったら…!)
ベルトルト(だったら僕も助けてくれよっ……!)
着地点は決めてるんだけど、何か無駄が多くなっちゃうな。長さに見合った内容があるかわからん
アルミン(その後、無事に女子班と合流できた僕たちは)
アルミン(最初こそドン引きされたものの、ライナーの白状によって無事和解し)
アルミン(ミカサの熱狂的な支援もあって、ペトラ講師に男女混合に戻す許可を得た)
アルミン(エレンの恋を応援したいという僕の気持ちに応え、すべての汚名をその身に被ったライナーは)
アルミン(……岩場の隙間で、目と口を塞がれ、手足を縛られて転がっている)
ライナー「」ピリッ
アルミン(すまない、ライナー。僕にできることは、これくらいしかないけれど)
ライナー「アルミン、か…?」
アルミン「そうだよ、ライナー。目が覚めたかい」
ライナー「拘束されてからの記憶がない…体の節々が痛む」
アルミン「ガタイがデカいって、アニやユミルに転がされて運ばれてたからね」
ライナー「そうか……女子たちの声が聞こえるな」
アルミン「うん。訓練なんて名ばかりで、ほとんど湖で遊ばせてもらっているようなものだからね」
アルミン「ペトラさんも一緒になって遊んでいるよ」
ライナー「そうか…」
ライナー「なあ、アルミン…みんなは、楽しんでいるか?」
アルミン「うん…」
ライナー「エレンは、どうだ…?」
アルミン「ミカサに追いかけまわされてるけど、ペトラさんと一緒に居て楽しそうだよ」
ライナー「そうか…なら、いいんだ」
ライナー「…意識が遠くなってきた。最後に、一つだけ…」
アルミン「なんだい?」
ライナー「クリスタは…水の上でも、天使か…?」
アルミン「……」
クリスタ「もうユミルやめてよ~」バシャバシャ
ユミル「それクリスタ!ずぶ濡れになっちまえ!ほれ!」バシャーンバシャーン
クリスタ「もう全身びしょ濡れなのに~!」アハハハハ キラキラキラキラ
アルミン「ああ…女神だよ。アフロディーテだ」
ライナー「なら…もう」
ライナー「――何も、言うことはないミン…」
アルミン「元気そうで何よりです」
風呂掃除に行ってくるミン
ミカサ「エレン見て、私、すごく早い。エレン、どうして逃げるの。待って」ザバザバザバザバ
エレン「おま、おかしい、何で服着ててそんなに早く泳げるんだよ!」バシャバシャバシャバシャ
ミカサ「私は自分の体を完璧に支配できる…状況に応じて最も適切な動きが可能…」ギュァァァァアアッ
エレン「何言ってるかさっぱりわからねえ!ありえねえだろその方向転換!」バシャバシャバシャバシャ
ペトラ「エレンがんばれー!バタ足ばっかりだと脚つっちゃうよー!」
ミカサ「ペトラ講師もああ言っている。エレン、立ち泳ぎにシフトするべき」ザバザバザバザバ
エレン「捕まんじゃねえかそれ!」バシャバシャバシャバシャ
ジャン「くそっ、エレンの野郎、ミカサと追いかけっこしやがって羨ましい…」
マルコ「あのイェーガーがイェーガーされている様子のどこに羨む要素が…」
ジャン(くそっ、何とかミカサを幻滅させる方法はねえのか…)
マルコ「おーい、ジャン。コニーたちが水中鬼ごっこをやろうって言ってるんだけど」
ジャン「ああ?鬼ごっこ?そんなガキみてぇなこと…(いや、待て)」
マルコ「やらないのかい?」
ジャン「いや、どうせやることもねえし付き合うぜ(ふふ、いいことを思い付いた)」
ミカサ「エレンー」シュバッザァァアァ
エレン「何で回り込めるんだよ!?」ドキョッ
ペトラ「二人とも楽しそう」フフッ
みんなの服装は着衣ですが、ジャケットやブーツは外した軽装です
ジャン「ルールは普通のと変わらないのか?」
コニー「おう、鬼にタッチされたら次の鬼だ」
サシャ「じゃあ早速始めましょう!」
ジャンケンポン
ユミル「私が鬼か。よしクリスタ」クルッ
クリスタ「ええ!?集中狙いはダメだよっ!」
サシャ「それじゃあお先に!」ザバァツ
ジャン「なるほど、潜水して姿を隠すのもアリなんだな」
マルコ「見つけるので一苦労しそうだね…」
ジャン(よしよし、このルールなら上手くやれそうだぜ)
ベルトルト「ねえ、アニ…」チャプ
アニ「…なんだい」
モブ「何やってんだあの二人…」
ベルトルト「僕たちは諸事情によって泳ぐことはできない。それはわかる」
ベルトルト「水と戯れることが目的の訓練において、水場に入らないわけにはいかない。それもわかる」
ベルトルト「でも」
ベルトルト「何故君は水中で僕の体にしがみついているんだい?」
アニ「…あんまり浅瀬に居ると、泳げないみたいだろ」
ベルトルト「事実だろう。僕もだけど」
アニ「私にもメンツってものがあるんだ。氷の女と呼ばれるぐらいのメンツが」
ベルトルト「僕にしがみついている理由を聞きたい」
アニ「…脚が付かないからだ」
アニ「アンタだって、適度に深いところで顔だけ出して、立ち泳ぎを装っているじゃないか」
アニ「自分のことを棚に上げようったってそうはいかないよ」
ベルトルト「自分の脚で立とうとすらしない君よりは、棚の上にふさわしいと思うんだけど」
アニ「いいから、動くならゆっくり動け。ずり落ちたら大変なことになる」
ベルトルト「……」スィー→
アニ「……」スィー→
ベルトルト「……」スィー←
アニ「……」スィー←
ベルトルト(アニ、思ったより胸があって気持ちいいな…)スィー→
アニ(ベルトルトの背中って、広くて安心する…)スィー→
アニベルト()ホッコリ
エレン「くっそおおお捕まってたまるかあああああああ!!」バシャバシャバシャバシャ
ミカサ「エレンは本当に素直じゃない。私に捕まえてほしいならそういえばいいのに」ゴォッ!!
エレン「逃げ切ってやる……!」バシャバシャ
ジャン「くっそー逃げられちまったー(棒)」ザパー
エレン「ッ!?」カワシッ
エレン(くそっ、急に方向転換なんかしたらミカサに追いつかれ――)ムニュッ
エレン「え」
ペトラ「な…///」
ライナー「急に静かになったな…」
アルミン「エレンがペトラさんの胸を掴んだからね」
ライナー「……は?」
エレン「えっ、いや、ちょっ、ちげ、こんなつもりはっ///」アセアセ
ペトラ「わ、わざとじゃないのはわかってるから…///」アセアセ
ミカサ「……」ボーゼン
一同「……」ボーゼン
ライナー「わからないな…エレンはどうしてペトラ講師の胸を掴んだ」
アルミン「エレンにその気はなかったと思う…原因は、ジャンだ」
ライナー「ジャン…?」
アルミン「エレンはクロールでミカサから逃げていた。ミカサの泳ぎ方は見たこともない泳法だ」
アルミン「ジャンはエレンの進行方向に突然現れることで、エレンの軌道を変え――」
アルミン「みんなを見守っていたペトラさんの方向に誘導した」
アルミン「まあ胸を掴んだのは不可抗力だろう」
アルミン「ジャンはペトラさんとエレンをぶつけることで何らかのラッキースケベが起こせればそれでよかったんだ」
アルミン「不意でも突かなければこれだけ広い湖で人にぶつかることはない」
アルミン「エレンが意図的にペトラさんに向かっていったとミカサに思わせれば、ジャンの思惑通りだよ」
アルミン「もっとも…」
ミカサ「エレン、事故とはいえ女の人の胸に触ってしまったら謝らなくてはダメ」プンプン
ジャン(な、なにィいいいいいいいいい!!?)
エレン「す、すみませんでしたっ!」
ペトラ「いいわよ、減るもんじゃなし…ちょっとびっくりしたけど」
男子一同(クリスタに次ぐ天使…そしてエレン爆発しろ)
アルミン「ミカサがエレンに幻滅することなんてまずないけどね…」
ライナー「せやな…」
~そして夕食~
フランツ「エレン、聞いたぞ…」フラフラ
エレン「おうフランツ、鼻血は大丈夫なのか?」
フランツ「お前、ペトラさんの胸に触ったそうだな…あのメロンみたいなおっぱいに」フラフラ
エレン「なっ…!///」
ミカサ「フランツ。エレンは触りたくて触ったんじゃない。あれは事故」
エレン「そ、そうだ!事故なんだから仕方ねえだろ!それに謝ったし!」
エレン(でも、もう少し触ってたかった…)
飯堕ち
ルートがバッドエンドとハッピーエンドとあるんだけどどっち先にする?
フランツ「くけっ、わからないのかミカサ。このエレンの顔を見ても」
ミカサ「……」
エレン「な、何だよ(は、鼻の下伸びたりしてるのか…?)」
ミカサ「……///」
エレン「何なんだよマジで」
フランツ「エレンの頭ん中はペトラさんのことでいっぱいだ!おっぱいだ!」フラフラ
ミカサ「ハンナ、フランツはどうしてしまったの?」
ハンナ「わからないの…医務室から戻ってきたらずっとこんな調子で…」
ハンナ「おっぱいおっぱい言うから出して見せてあげたのに、ちっとも見向きもしなくて」
ハンナ「うぅ…あの女…ペトラさえフランツの前に現れなければ…っ!」
フランツ「エレェン…今すぐペトラさんの元へ連れて行け…」フラフラ
エレン「はあ?ペトラさんならもう本隊に戻ったっての!案内なんかできるか!」
フランツ「貴様ァ…自分だけいい思いをして、まかり通ると思っているのかぁ!!」クワッ
アルミン(まあ事故だしまかり通るよなぁ)
アルミン(ライナーは1か月の営倉入りだし、ベルトルトとアニも具合が悪くて寝込んでる)
アルミン(僕、ミカサやエレンが話してくれないとぼっちなんだなぁ)
クリスタ「ねえアルミン、隣いいかな?」
アルミン「え、あ、うん。どうぞ(天使降臨)」
クリスタ「ちょっとアルミンに聞きたいことがあるんだけどさ…」ススッ
アルミン「えっ…?(か、顔が近い!)」
クリスタ「エレンって、ペトラさんのこと好きだったりするの?」
アルミン「……え、な、何で急にそんなこと」
クリスタ「今日のペトラさんと一緒にいるときの態度が気になったの」
クリスタ「ミカサやアニがアプローチしてもちっとも靡かないエレンが、ペトラさんの前でだけは借りてきた猫みたいになってたし」
アルミン(す、鋭い…)
クリスタ「頻繁に赤くなってたし、胸を触ったことだっていつものエレンならあんなに動揺しないでしょ」
クリスタ「年上でナイスバディな先輩っていうことを差し引いても」
クリスタ「アルミンはエレンの親友だし、何か知ってるんじゃないかなって思ったんだけど、どう?」
アルミン(落ち着けアルミン・アルレトルト…間違えた、アルレルト…)
アルミン(よく状況を把握するんだ…クリスタの後ろで、ニヤニヤしたミーナがこっちを見てる…)
アルミン(ミーナだけじゃない、女子のほとんどがこっちの様子を伺っている)
アルミン(あのエレンの恋の可能性とあって、みんな興味津々なんだ!)
アルミン(女子の恋バナほど理不尽なものはない…今晩こいつらはエレンの恋をテーマに語らうつもりだ!)
アルミン(親友の純粋過ぎる気持ちを玩具にさせてたまるものか…!)
アルミン「それは、ないんじゃないかな…憧れの調査兵団の先輩として尊敬してるとは思うけど)
ミカサ「私もないと思う。エレンは私一筋だし、私以外の女に興味を持たないから」
アルミン(ナチュラルに会話に混ざらないでよ…びっくりするじゃないか)
アルミン(でも、ちょっとミカサがいたたまれないな…)
クリスタ「そ、そうなんだ。そうだよね!エレンは巨人を倒すことに集中してるしね!」
アルミン(ミカサにドン引きして引き下がった…でも、エレンのためにはこれでいいよね)フゥ
エレン「なあアルミン、ペトラさんのことでまた相談があるんだけど」
アルミン「」
ミカサ「」
クリスタ「」
背景女子「」
アルミン(自ら地雷踏みにきやがったーーーーーー!!)ジーザァース!
ミカサ「エ、エレン?ペトラ講師のことって、なんのこと?」オロオロ
クリスタ「わ、私も気になるなぁ」ニマニマ
背景女子「……」ワクワク
エレン「は?俺はアルミンに相談を頼みにきたんだぞ」
アルミン(いつでも受け付けるからせめて場所を考えてくれよっ!)
ミカサ「エレン、今から言う質問に答えて。ハイかイイエで答えて」ガシィッ
エレン「ちょっ、そんな強く掴むなよ!肩が砕けちゃうだろ!」
ミカサ「あなたはペトラ講師が好き?」ミリミリ
エレン「な、何だよその質問!がっ、肩、ごぉっ!」ミシッ
ミカサ「…答えて。正しい答えを聞くまで、手を放すことができない」ミシッミシッ
エレン「痛っ、痛え!答える!答えるから!力を、抜いて……」ミシミシミシミシ
ミカサ「……」ミシミシミシミシ
エレン「ああああああああああ!!イエスッ!イエス!ほら、答えたから――」
ミカサ「」ゴキッ
エレン「ごああああああああああああああああああああああああああああっ!!?」
アルミン「ちょ、ミカサやめなよ!」
エレン「お、おい!どうすんだよっ!肩脱臼しちゃったじゃねえかっ!」
ミカサ「…あの女のどこが良かったの?」
エレン「ちょ、それよりおま、医務室…」
ミカサ「胸が大きいのがそんなに偉いの?年上だったら素敵に見えるの?」
ミカサ「私は子供の頃からエレンと一緒に居るのに、その私よりも魅力的に映るの?」
ミカサ「答えてエレン。今、すぐに…!」ジワァ
アルミン(ミカサ…)
ジャン(この流れなら言える。結婚しよ)
エレン「なに、涙目になってんだよ…痛ぇのはこっちなんだぞ…?」
ミカサ「……っ」ダッ
クリスタ「ミカサっ!」
アルミン「……エレン、大丈夫?」
エレン「大丈夫に見えんのかよ…何だよあいつ、わけわからねえ」
アルミン「ペトラさんのことと合わせて、部屋で話をしよう。とりあえず、医務室に…」
エレン「あ、ああ…」
クリスタ「ミカサ、ここにいたんだ」
ミカサ「…クリスタ?」グスッ
クリスタ「勢いで飛び出したからどこまで行っちゃったのかと思ったけど、まさか湖まで来てるだなんて」
ミカサ「私も、途中から記憶がない…」
クリスタ「とりあえず、戻ったらエレンに謝ろう?」
ミカサ「それはもちろん…。でも、未だに信じられない。エレンが、ペトラ講師のことが好きだなんて」
クリスタ「ミカサのそういう性格はダメだと思う」
クリスタ「本当にエレンのことが好きなら、エレンの恋を応援してあげるくらいのことはしないと」
ミカサ「エレンの恋を応援したら、私は一人になってしまう」
クリスタ「そんなことないよ。ここでペトラさんとエレンと三人で遊んでたじゃない。あなたを一人になんかしないよ」
ミカサ「違う。エレンが他の女と結ばれてしまったら、エレンの邪魔にならないために私は身を引かざるを得ない」
ミカサ「エレンの邪魔をしたくない。邪魔と思われたくない。でも傍に居たい」
ミカサ「エレンに私を好きになってもらうしか、いい方法がない」
クリスタ「いつまで…」
ミカサ「…?」
クリスタ「いつまで甘えてんだよ!」スパァン
ミカサ「ッッッ!?」
クリスタ「傍に居たいからエレンによりつく女を引き離す?ふざけんなよ!」
ミカサ「く、クリスタ…?」
クリスタ「私がアンタからエレンを引き離すって言ったら、どうだよ!嫌だろ!?」
クリスタ「エレンだってアンタと同じように好きな人がいるんだ!邪魔をしたくないとか言うが、もうアンタはエレンの恋路の邪魔をしてんだよ!」
ミカサ「……エレンの、邪魔を…私が…」
クリスタ「私は身を引いたぞ!今まではエレンが誰かを好きなんて言ったことがなかったから狙ってたけど、エレンの幸せを優先した!」
クリスタ「家族だ何だと言いながら、アンタはこれっぽっちもエレンを理解してないじゃないか!」
ミカサ「私が…エレンを…理解…してない…?」
クリスタ「見えるものにフィルターをかけるのをやめなさい」
クリスタ「都合の良い解釈をして、エレンを自分の理想の形にするのをやめなさい」
クリスタ「ちゃんと話さなくちゃ、相手の気持ちなんかわからない。話したって本心かどうか確かめる術はないけど」
クリスタ「エレンはあなたのことを姉か妹のようにしか見ていない。刷り込みなさい。これからのために」
ミカサ「……私が、間違って、いたの?」
クリスタ「取り払えよ、組み替えた現実を。そして見つめて頂戴、現実のエレンを」
ミカサ「……」グスッ
勢いで書いたらクリスタが厨二になった…今日はここまでです。
明日には完結できるかな
~エレンとアルミンの部屋~
エレン「ちくしょー、治ったのはいいけど、これから癖になるとか嫌だぞ」
アルミン「でもエレン、いくらなんでもあの言い方はなかったと思うよ」
アルミン「ミカサだって女の子なんだ。ペトラさんが好きなのはわかるけど、せめてミカサを納得させる努力をしなきゃ」
エレン「はあ?納得もなにも、あいつがおかしいんじゃねえか。いきなり肩掴んできて外すし」
アルミン「はあ…一から十まで説明するのは難儀だなあ…」
エレン「それよりもアルミン――」
アルミン「エレン。気が逸るのはわかる。でも今はミカサの件から片付けよう」
エレン「ミカサの件って、俺が被害者だろ?」
アルミン「実害としてはそうかもしれない。でもミカサにとってエレンの言い方や答えが傷つくものだったのも事実なんだ」
アルミン「いいかいエレン。ミカサへの感情をリセットしたつもりで聞いてくれ」
エレン「いや、意味わかんねえって」
アルミン「いいからやろう」
エレン「…わ、わかった(なんか今日のアルミン怖えぇ)」
アルミン「単刀直入に言おう。ミカサは君のことが好きだ」
エレン「いやそれはn」
アルミン「リセットしろって言っただろう!?この朴念仁!」
アルミン「はぁ…とにかくミカサは君のことが好きなんだ。好きなんてレベルじゃない」
アルミン「愛してるという言葉でも足りないくらいね」
エレン「…よくわかんねえ」
アルミン「とりあえず君と結婚して子供を産んで君とどんな人生を歩んでいくかシミュレーションしていることだけ認めればいい」
エレン「すっげー重いな」
アルミン「そんなミカサが、君の口から『別な好きな人』ができたなんて聞いたらどう思うだろう」
エレン「……?祝福しなきゃ、って思うんじゃね?」
アルミン「女心はそうすぐに変わらないよ。何故、っていう疑問が湧いてくるんだ。そして君にその答えを求めた」
アルミン「でも君は答えられなかった」
エレン「肩外されちゃそれどこじゃねえもん…」
アルミン「今は結果の話をしてるんだ。肩外されたから、ってことは、ミカサへの答えは用意してるんだね?」
エレン「…要は、俺が何でペトラさんが好きなのか、ってのを話せばいいんだろ?」
アルミン「そう。ミカサが納得できるようにね」
エレン「何でいちいちあいつの許可を得なきゃならねえんだ」
アルミン「許可じゃなくて、理解ね。ずっと好きだった人を諦めるんだ、それなりの理由がないと」
アルミン「ミカサが幸せになれなくなってしまうよ」
エレン「……」
アルミン「今すぐにとは言わないよ。明日の朝にでも、ミカサに話すといい」
アルミン「じゃあ、ペトラさんの話に入ろうか」
エレン「……、明日の訓練が終わる頃に、希望調査用紙の回収のためにペトラさんがここへ来る」
エレン「俺はそこで、ペトラさんに告白しようと思う」
アルミン「…えと、ちょっと話が急すぎないかな」
エレン「これを逃したらペトラさんに会える機会がほぼなくなっちまう」
エレン「ここを卒業するまでの残り一年の間、ペトラさんに会えねえ」
エレン「だから明日、決着をつけたいんだ」
アルミン「でも無理だよ、こんな短い付き合いじゃ、判断だってつけられない!」
エレン「少しでも俺を意識してくれているなら、悪い答えは出ないはずだ」
エレン「あんまり長く付き合って悪い部分も見えてきちまったら、それこそ悪い答えになりやすいだろ」
エレン「少ない要素を振り絞ってどう思ってくれるか、俺はそれに賭ける」
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