男「しっかし、今の御時世にセキュリティ的にどうなんだか…」
男「はぁ…良い眺めだなぁ」
男「俺が住んでる街から隣の市まで一望できる、綺麗だ」
男「でも、そんな感動も数秒でなくなる。というか感情がなくなるわけで」
男「さーてと、じゃ、この世におさらばしますか、遺書は自宅においてきたし、だいじょうぶだよな…」
女「ストーップ!!スタァァァァプ!!!」
男「うおっ!?なに!?」
女「なにやってんのアンタ!ここのマンションの住民じゃないね!?不法侵入だよ!!」
男「えっ、ええ!?いや、あの、すぐにおさらばするんで!!」
女「逃すかー!!」グイッ
男「うわわわわっ!?」ズダーン
女「ったく、何を思ったのか知らないけど、不法侵入はいかんよ君」
男「…いててて」
女「あ、ちなみに私はこう見えてこのマンションの管理人」
女「近所じゃ美人で若くて…って評判の」
男「聞いてないです…」
女「なんだとぉ!?生意気いうと警察につき出すよ!!」
男「お好きにどうぞ、俺いまから死のうと思ってるんで!」
パンッ
男「っつ…」
女「ふざけたこと抜かすんじゃないよ!!」
男「なんなんですか、いきなり現れていきなり人をぶって」
男「あなたに俺の苦悩がわかりますか?」
男「頑張っても認めてもらえない、誰からもね」
女「…それは」
男「それはなんです?俺の頑張りが足りないからとか?あはは」
男「そうなんですよ、世の中は結果が全てで結果が出ない限りは努力不足なんです」
女「そんなこと…」
女「ねえ、私の部屋来ない?」
男「俺、童貞ですよ」
女「誰もそんなことしようなんて言ってないよ、話聞くからさ」
男「冗談に真顔で返事されると困りますね」
女「あんたの冗談がつまんないんだろう、ほら行くよ」
男「…はい」
―――女の部屋
男「ずいぶん殺風景ですね」
女「食べて寝られればそれでいいからね」
男「趣味とかないんですか?」
女「サイクリングかなー、自転車は下にとめてあるよ」
男「なるほど」
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