男「はぁ?俺が兄妹達の恋のキューピットになるだと?」 (48)

男「青い空!白い雲!!真っ赤な太陽!!!」

男「俺は!!!!引きこもるぅぅぅぅううう!!!!!」

男「……」

男「年甲斐もなくしょうもないことをここに宣言してしまった…」

TV「こちらのプールでは涼を求めて大勢の人が…」

男「っけ、そんなに涼しさを求めてるならクーラーでガンガンに冷やした家の中にいろよ」

TV「それでは、こちらのカップルにお話を…」

男「チィ、運転しながらポケモンG○でもやって事故れ、そして捕まれ」


説明しよう!!せっかくの盆休みにも関らず家でダラダラと過ごし独り言をつぶやいているこの男性は、これといった特徴も特技もない年齢=彼女いない歴の素人童貞である!!以上


男「へっくしょん!!」

男「クーラー強すぎたか?温度上げとこ」

男「それにしても暇だ…仕事がねぇってのも辛いな」

男「周りは楽しそうに過ごしてるってのに」

男「はぁ……何やってんだろう俺は」

男「……」

男「よし!!!」


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男「こんな時こそ!オナニーだ!!」

男「オナニーてのは偉大だ!全人類が一斉にオナニーを行えばオナニーしている間、争いがこの世からなくなるわけだ!」

男「それだけでなく!!世界人口の急速な増加にブレーキをかけ…いや、こんなバカなことを言ってないでお気に入りの動画をっと」

男「カーテンOK、ティッシュOK、ヘッドフォンOK」

男「いざ!参る!!」

シコシコシコ

男「うぉおおおおおおおお、貴重な時間をオナニーで浪費するのは格別だぜ!!!!」

シコシコシコ

男「ハァハァ…ハァ…」

男(ん?なんだこの胸のトキメキは?)

男(痛た気持ちイイ?いや、痛い?胸が…苦しいぃ…)

男「うぅぅううぅ…うぅ…」


ドサ


――――――
―――――――――――
――――――――――――――――

???「あんさん…あんさん…」

男(…あれ?いつの間にかに寝てたのか?)

???「起きて―な!」

男(どうせ休みだし、二度寝でも…)

???「あんさん!!ほら、起きーや!!」

男(あ”ー誰だよ!うるせぇなー)

???「起きろゆうとるやろーが!!」ザッ

男「はぁ?馬??」

ドッカ!

男「ゴホッゴホッ…nホッゴゴッ…nはぁ…はぁはぁ」

男「ヤベぇ…死…死ぬぅ……」

馬「はよ起きんあんさんが悪いんやで」

男(なんでいきなり馬に後ろ蹴り喰らうんだよ、ってか何で馬が喋ってんだよ)

男「ってか……ここどこ…?」

馬「死後の世界や」


男「何……言ってんの…お前?」

馬「いや、だからここは死後の世界やって」

男(??死後の世界??どゆこと??)

馬「わかるで、いきなり『死後の世界』っていわれても実感わかんやろうなー」

男(ん?それにしても、この馬どっかで見たような…)

馬「でもしゃあないねん、受けとめてもらわんと」

男(緑のメンコ…小柄な馬体…きれいな栗毛…)

男「お、お前、もしかして」

馬「ん?」

男「サイレンススズカか?」

スズカ「おっ!ご明察!これでワイに気づいたのあんさんで二人目や」

男「本当にスズカなのかよ!!いや、でも98年の天秋で…」

スズカ「せやからゆうとるやろココは死後の世界やって」

男「あ…あぁ、それなら納得だわ」

スズカ「これで納得されるのも腑に落ちんけど、まぁええわ」


説明しよう!!サイレンススズカとは父にサンデーサイレンスを持ちデビュー前から素質を関係者各位に認められつつも勝てないレースが続いていたが5歳時より本格化、G1を含む怒涛の6連勝で迎えた天皇賞(秋)にてレース中に故障発生、予後不良・安楽死となった 稀代の逃げ馬である以上!!

男「そんでなんで俺が、死後の世界にいるわけ?」

スズカ「そりゃ、死んだからに決まっとるやろ」

男「はぁ?死んだ?俺が?」

スズカ「せや」

男「いやいやいや、ちょっと待て何で俺が死ぬのよ」

スズカ「自慰行為中に心筋梗塞を起こしそのままぽっくりと」

男「おい嘘だろ、なんだそれ…なんで……」

スズカ「まぁ、珍しいケースやけどさぁ…」

男「ふざけるなよ!なんで俺が死なないといけねぇんだよ!!」

スズカ「そんな事を、ワイに言われても困るわー」

男「そんな…なんでだよ……まだやりてぇこと一杯あったのによ……」

スズカ「それ本気で言ってるわけ?」

男「あ”」

スズカ「あんさんの今までの人生を調べさせてもらったやけど」

スズカ「正直しょうもない人生やな、これじゃ生きてても死んでても変わらんで」

男「なんで、馬のお前にそんな事を言われねぇといけねぇんだよ!!」

スズカ「人間も馬も死ぬことに関しては一緒やそんな馬から見て価値ないって言うとんねん」

男「喧嘩売ってるのか!?」

スズカ「だからなんや?丸腰の人間じゃワイには勝てへんで」

男「……」

男「…本当は分かってるだよ…たいした人生じゃ無いってことぐらい」

男「……ただ生き延びてるだけの人生…何が楽しんだろうなほんと……」

男「でもよ…いきなり『貴方は死にました』って言われて『はいそうですか』ってなるかふつう……」

スズカ「……」

男「死にたくねぇよ…うぅ…いやもう死んでのか…ハハハ……うぅぅ…うぅ」

スズカ「あんさん何も泣く事あらへんって、ワイも言い過ぎた」

男「もうどうでもいいよ…どうせ死んでるし」

スズカ「ちゃうねんちゃうねんって確認したいことがあってこんな言い方したんよ」

男「確認?」

スズカ「生き返ってみたーない?」

男「生き返る?」

スズカ「せや、生き返るんや」

男「?????」

スズカ「馬が喋ってあんさんの世話役やってるおかしな世界なんや」

男「はぁ…?」

スズカ「せやから、人間の薄っぺらい常識で考えたらあかん」

男「でもどうやって?」

スズカ「神様が決めた課題をクリアできれば生き返ることができる」

男「なんだそれ、えぇーなんだそれ!ってか神様って本当に存在するのかよ」

スズカ「ぎょーさんいるでー」

男「マジかよ」

スズカ「でも、人間がイメージしてるのとはちょっとちゃうかもな」

スズカ「全然、慈悲深くあらへんしドSばっかりや」

男「おい、そんな事いって大丈夫なのか」

スズカ「かまへんかまへん、神様から見れば人間も馬のワイも虫けら以下や気にせへんねん」

男「虫けら以下って…」

スズカ「その程度の扱いなんやって、だから死んだ奴が生き返っても問題あらへん」

男「適当だなおい」

スズカ「そんなもんやで」

男「でも死んだ奴が生き返って神様にメリットなんかあるのかよ?」

スズカ「特にないな、暇つぶしやろ」

男「今までの人生観を全否定された気持ちだわ」

スズカ「人間って生き物は自分らの良いように解釈するからなー」

スズカ「そんで、どないするん?」

男「生き返れるのなら、なんでもする!なんでも!!」

スズカ「よう言った!」

男「課題は何をすればいいんだ?」

スズカ「ちょっと待ってな、えっと今回の課題はっと…」

男「ちょっちょちょっと、待ってストップストップ」

スズカ「なんや?」

男「えっと、それは?iP〇d じゃないのか?」

スズカ「せやけど」

男「へぇ…色々と聞きたいが、なんでそれ使ってるの?」

スズカ「これ使って神様たちと意思疎通をはかってるんや、蹄やと使いずらいけどな」

男「あぁ…そうなの……大変だな…悪かった止めて」

スズカ「別にええけど」

スズカ「そんで今回の課題は…」

男 ゴクリ

スズカ「恋のキューピットやな」

男「……」

男「天使みたいな奴がハートの矢でズッバ―――ンと射貫くあれ?」

スズカ「まぁそんなとこや」

男「そんなのありなの?」

スズカ「この世界ならありや」

男「俺もういい歳なんだが」

スズカ「年齢なんざ関係あらへんよ」

男「ハートの矢で射貫くのか?」

スズカ「そんなことせえへんよ、地道な努力で対象の二人を結ばせる訳よ」

男「めんどくせぇーな、おい」

スズカ「神様たちの暇つぶしやで、そう簡単に生き返れさせてくれへんよ」

男「今までに、この課題に挑戦してクリアした奴いるのか?」

スズカ「おるで」

男「参考までにどんな感じだったのか教えてくれないか?」

スズカ「最近やと長谷川さんやなー」

男「誰だよ!」

スズカ「いや、一人娘の結婚式前に逝ってしもた可哀そうなおっさんなんやけど」

男「お、おう」

スズカ「キューピットの話したら説明も聞かず承諾してなー」

男「それで?」

スズカ「恋愛を成就させるのがベルギー人の男性と山羊の組み合わせやったからなー」

男「異種格闘戦だと!!」

スズカ「まず言葉が通じないのに苦労してたみたいやけど、そこは出世頭の長谷川さんや!なんとかフランス語覚えて山羊についても調べ上げ二カ月かかって何とかしたからなー」

男「聞いててあれだが、たぶん参考にはならないっぽいわ」

スズカ「そうかー」

男「ん?それじゃ、今回はどうなのよ?長谷川さんみたいな感じなのかよ?」

スズカ「今回は心配あらへん、男女の日本人で年齢も若く近いし仲もよい」

男「それ聞いて安心したわ、俺でもできそうな気がする」

スズカ「よし!それじゃ、ちょっと見に行くか?」

男「えっ、何を?」

リビング?

男「うぉ!何処ココ?人の家?リビング?」

スズカ「今回の課題の対象が住んでるお宅や」

男「見つかったらやばいんじゃないか?」

スズカ「こっちの姿は見えてへんから」

男「死んだことを改めて実感するわー」

スズカ「ほら、こうやって壁なんかもすり抜けられるで」スー

男「おお!本当だスゲー」

スズカ「せやろ」

男「お前シュールだな、リビングに馬って…半分外に出てるし」

スズカ「仕方ないやろ、狭いねん日本の家は」

男「そういう問題じゃねぇだろよ」

スズカ「おっと、住人が帰ってきたみたいやで」

男「本当に他人から見えないんだろうな?」

スズカ「心配性やね、大丈夫やって」

玄関

妹「ただいま戻りました」

妹(って誰も帰ってないようですね…)

妹「ん?」

妹(リビングに人の気配が…)

妹「兄さんですか?」トタトタ


男「おいおい、気づかれてるじゃねぇのか?」

スズカ「そんなわけあらへんよ」


妹「あれ?おかしいな…」トタトタ


男「こっち近づいてるぞ」

スズカ「たまに、霊感ある人間がおるねん、せやけど大丈夫やろ」

男「霊感っていうな霊感って幽霊じゃねぇよ」

スズカ「成仏してない未練たらたらで現世におるんや似たようなもんやろ」

男「えっ?俺、幽霊なのかよ」

スズカ「人間はそういうかも知れへんけど」

妹「ん~~ん?」ジー


男「めっちゃ目が合ってるちょっと恥ずかしい」

スズカ「何言ってんねん」


妹(何かいるようないないような)

妹「気のせいかな?」

妹「あっ!」


男「やばいやばいやばい気づかれたぞ!」

スズカ「落ち着け、あんさん心頭滅却すればなんとやらや」

男「全然、ちげぇよ」


妹「もうこんな時間、早く夕食の準備を…」トタトタ


スズカ「な?言った通りやろ」

男「それより、自分が幽霊ってことがショックだわ」

スズカ「まあまあ」

男「あの女の子が今回の対象者なのか?」

スズカ「そんな、焦っちゃあかんで」

男「違うのか?」

スズカ「見てればわかるから」


ガチャ


兄「ただいま」

妹「お帰りなさ兄さん」ニコ

兄「イヤー参ったわ、先輩が全然、帰してくれなくて」

妹「お疲れ様です」

兄「部活に顔出さなくていいから、受験勉強しろよって言ってやりたいけど言えない」

妹「その、まだ夕食が出来てないので先にお風呂に…」

兄「手伝おうか?」

妹「大丈夫です、兄さん疲れてるようなので」

兄「そうか?悪いな」

妹「気にしないでください」

男「じゃあ、こっちの兄の方か?」

スズカ「この二人が今回の対象者や」

男「えっ?」

スズカ「だから、あんさんが兄妹達の恋のキューピットになるわけよ」

男「それマズいだろ!」

スズカ「そんなこと言われてもなー」

男「あっ!!分かったぞ!これあれだな、血が繋がってないってやつだろ?」

スズカ「極度の近親配合や」

男「もう、ダメじゃんそれ…」

スズカ「それじゃ、諦めるんか?」

男「仕方ねぇだろ神様たちが許しても、人間たちが許さねぇよ」

スズカ「……」

男「無理だよ無理……」

スズカ「あんさんさぁ、今までに精一杯の努力も悪あがきもしたこと無いやろ?」

男「……」

スズカ「悪あがきすればええやん、どうせ死んでるんやし」

男「……」

スズカ「死ぬ気でやったらええやん、もう死んでるけど」

男「そうだよな、俺もう死んでるんだよな」

スズカ「そうや、死んでるんやから」

男「死んだ死んだ、うるせぇよ!」

スズカ「えぇーー自分も言うてたやん」

男「……」

男「よし!!」

スズカ「やる気になったか?」

男「お、おう!やったるわ!!恋のキューピット!!!」

To be continued? ←
To be concluded?

男「ありゃ?」

スズカ「どないしたん?」

男「悪い、ちょっとタバコ買ってきていいか?」

スズカ「それなら、その庭の壁をすり抜けて左手に歩いていくとコンビニあるから」

男「じゃあ、行ってくるわ」

スズカ「きいつけて」

男「もう死んでるっての」



男「すり抜けられるってのは便利だなー」

男「ん?待て待て、壁すり抜けらるのならなんで道上を歩けるんだ?」

男「うぉ!浮いてるよ浮いてるのかよ!」

男「そりゃ、浮いてれば関係ないかー」

男「ん?待て待て待て、そもそもタバコ持てなくねぇ?」

男「それ以前に、人に見ないのにどうやって買うんだよ」

男「いや、見えないんだから勝手に持っていきゃいいのか」

男「いやいや、持てねぇんだよ」

男「はぁ…死んでもなお吸いたいと思うとか」

男「ニコチンこえー」

スズカ「えらい早いな」

男「お前、知ってて俺を行かせただろ」

スズカ「体験したほうがはやいからな」

男「なんて不便な体なんだ」

スズカ「まあまあ、あんさんの為にこれ用意しといたから」

男「なんだこれ?箱?」

スズカ「この中に入ってるタバコなら吸えると思うで」

男「なんか悪いな、気を使わせちまって」パカ

スズカ「ええねん」

男「おい、思いっきり菊の紋章が入ってるんだが」

スズカ「そりゃ、恩賜のたばこなんやし」

男「突っ込みどころ満載だな」

スズカ「それしかないねんからしゃあないやろ」

男「天皇ってすげぇのな、吸えりゃ何でもいいけどよ」

男「とりあえず、外出るかー」

スズカ「別に見えへんのに」

男「気分の問題よ人様の家でとかーないわー」

スズカ「律儀やね」


男 スパー

スズカ「どないするん?これから?」

男「どうするも何も、見えない触れない喋れないじゃどうしようもない」

スズカ「そこは、対象者のみ見えるようにと喋れるようにはするけど」

男「うわーなんて事大主義」

スズカ「でも触れられんの変わらんでそこまですると生きてるのと同じやからな」

男「とりあえず、兄の方に接触するしかねぇのかなっと」

スズカ「いや、妹さんの方や」

男「なんでだよ」

スズカ「少女の切なる願いを神々が聞き入れ遣わされたのがあんさんやから」

男「なんでそんなところだけ無駄に律儀なんだよ」

スズカ「単純にそっちのほうが面白いからやろ」

男「神様嫌いだわー」

スズカ「それもこれも、生き返るためや」

男「そもそもよぉ、妹さんから見れば俺なんておっさなわけで」

スズカ「14、5歳ぐらいやろからな~」

男「目の前に突然、おっさんが現れて『どうも恋のキューピットです』なんて言ってみろトラウマもんだぞ」

スズカ「それは嫌やわー」

男「なんかできないのか、こう可愛いキャラクター的なものに姿を変えるとか」

スズカ「今の世の中、そんなもん通用しないやろ」

男「じゃあどうしろと」

スズカ「これもあれやな、土下座や」

男「DOGEZA?」

スズカ「せや、土☆下☆座☆」

男「んーーーーーーーん、無理だろ」

スズカ「誠心誠意を込めた土下座で相手に向かえば妹さんも心を開いてくれるはずや」

男「そうだなーーーーーーーーーーーいや、無理だろ」

スズカ「そうか?」

男「そんな土下座は万能じゃねぇよ」

スズカ「じゃあどないするん?」

男「ちょっと時間をくれ一時間でいいから」

スズカ「ええよ、時間はいくらでもあるから」

男「俺が今まで生きて得た全ての知識と経験をもってスマートでクールな方法を考えてやる」

スズカ「楽しみやなー」


一時間後、妹部屋

スズカ「結局、土下座かい」

男「黙れ」

スズカ「たいした知識と経験やなー」

男「黙れ」

トタトタ

スズカ「おっ!そろそろくるでー」

男「お前は絶対に邪魔するなよ」

スズカ「安心せえ、ワイの姿は見えない様にするから」

男「絶対だぞ」


ガチャ


妹「えっ」


男「突然の無礼をお許しください!!!!!!」

男「どうか!どうか!私の話を!!!私の話を聞いてから判断して下さい!!!」

スズカ「あんさん」

男「危害を与えるつもりはありません!そもそもこのように触れられませんし」

スズカ「あんさん!」

男「どうか!私の話を聞いていただいて…」

スズカ「あんさんて」

男「うるせぇなー邪魔するなって言っただろ」

スズカ「妹さんもういないから」

男「えっ?」

スズカ「『突然の』段階で出てったで」

男「俺、やっちまったか?」

スズカ「そういうことやな」

To be continued? ←
To be concluded?

男「終わった~終わりましたわ~」

スズカ「これで、つまらん人生ともおさらばやな」

男「お前が言うなお前が」

スズカ「ほんまに諦めるんか?」

男「この絶望的な状況をどう打開しろと?」

スズカ「馬にわかるわけないやろ」

男「世話役だろどうにかしろよ」

スズカ「それなら、この話を聞いたら生き返りたくなるで」

男「なんだよ」

スズカ「あんさんが死んだ後のこと」

男「気になるな!どうなったのよ?」

スズカ「盆休み中は誰にも気づかれず」

男「まぁ誰も来ないからな」

スズカ「休み明けは無断欠勤になるわけやけど」

男「そりゃ死んでるからな」

スズカ「出来が悪いながらも仕事は真面目にやっとからな、無断欠勤したら上司も気にするわけで」

男「出来が悪いは余計だろ」

スズカ「あんさんのことやから、何かに巻き込まれたってわけでも女って線もないからな『これちょっとヤバいんじゃない』っと」

男「事実過ぎて反論できねぇ」

スズカ「そこで後輩君があんさんの家まで行ったが反応がない」

男「後輩には悪いことしたな~」

スズカ「これでいよいよっちゅうことになったんやけど、今の世の中は個人情報とか言ってうるさいねん」

スズカ「まずはマンションの管理会社に連絡して次に警察、あんさんの実家って九州やろ親御さんはこれへんから許可をとって上司と管理会社と警察官二人があんさん宅にお邪魔したわけや」

男「多くねぇか?」

スズカ「仕方ないやろ、そういう世の中やねん」

スズカ「っでだ、部屋に入ったらエロ動画はリピートかかって垂れ流し、ヘッドフォン外れて喘ぎ声はダダ漏れのなか下半身丸出しで倒れてるあんさんが発見されたわけや」

男「うゎーーーー!!死にてえーーー!!!!死んでるけどさぁ」

スズカ「クーラーでガンガンに冷やしてたから腐敗は最小限に抑えられたのが救いやな」

男「全然、救われねぇ」

スズカ「どや?生き返りたくなったやろ?」

男「いや、このまま死なせて」

スズカ「なんでやねん!」

男「そんな醜態さらしてる場面で生き返りたくねぇよ」

スズカ「そこはいい具合に生き返る時間を調整するから」

男「本当かよ?」

スズカ「だいたい、ちょっと腐りかけの所に戻すわけないやん」

男「腐りかけってオイ!」

スズカ「まだ生き返ったわけでもないのに生き返った後のことを心配するのは違うんちゃう」

男「いいだろ別によ」

男「よし!」

スズカ「ん?気が変わったか?」

男「どうせ死ぬなら、うら若き乙女の部屋を堪能してから死のう!」

スズカ「最低や」

ガチャ

妹「あの…それは困るのですが…」

男「へっ」

スズカ「おっ!戻ってきたか」

男 サッ! ズサササーーーーー

男「すいやせしたーーーーーーーーーー!!!」

スズカ「うぁー何言ってるか分からへんし結局、土下座やし」

妹「いえ…その…顔を上げてください」

男「私の発言により不快な思いをさせてしまい!!大変申し訳ございません!!!」

妹「あの…顔を上げt

男「弁解の余地もございません!!なんとお詫びしてよいのやら…」

妹「顔をあg

男「そうだ!!!私、一人暮らしが長いので家事全般は得意でして何かお手伝いさせていただきたく!!」

妹「それはいいので…顔をあg

男「はっ!!!こんなおっさんが何言ってんだろって話ですよね…」

妹「いえ、だから顔をa

男「こうなった以上!!死んでお詫びするしか!!!!」

妹「それが一番困るので、k」

男「では私に!!どうしろとおおうおおおお!!!」

妹「とりあえず、顔を上げてください!」

男「はい」ヒョイ

妹「あ、ありがとうございます…」

スズカ(感謝されよった!!顔を上げただけなのに!!)

妹「えっとそれで、どちら様で…」

男「これは!!失礼致しました!!私は男と申しまして今回、妹さんに聞いて頂きたい話があり勝手ながら妹さんの部屋で待たせて頂いた次第です」

妹「はぁ…」

男「どうか!どうか!私の話を!!!私の話を聞いてから判断して下さい!!!」

妹「ですが突然、そのようなことを言われましても…」

男「では!!!死にます!!!」

妹「やめてください!話聞きますから!!」


スズカ(ほぼ脅迫やろ!でもやりよった…状況は最悪やけど交渉のスタートラインに立ちよったでこ奴…)


妹「あと……隣の方?とでも言いましょうかその…」

男「もしかしてこれ見えてますか?」つ

スズカ「モノみたいに言うなや」

妹「いえそのぼやっと見えてはいるのですけが…」

スズカ「わぁこの子ほんまもんやで、めちゃ霊感ないとワイは見えへんで」

男「お前がポンコツなだけじゃ無ねぇのか?」

スズカ「いやいやワイは神使なんやで、そう簡単に人間に見えるわけないんやけど」

男「紳士?お前馬じゃん」

妹「あの…」

男「はい、すみません」

妹「いえ、あのそちらの方?馬さん?とお話されてるのでしょうか?」

スズカ「どうもワイの声は聞こえんみたいやな」

男「すぐどかします…ってか驚かないんですか?馬って」

妹「いやその、もうシルエットが…」

スズカ「こりゃ挨拶せんといかへんな」

男「出てくんなよ」

スズカ「そういうわけにもいかんで、あんさんの世話役やろ保護者みたいなもんやし」

男「勝手にしろよもう」

スズカ「初めてお目にかかります。私は神使のサイレンススズカと申します。」ペコ

妹「は、はい初めまして妹と言います」ペコ

スズカ「お気に召していただけたら嬉しいのですが…」つ

妹「そんな悪いです…頂けません」

スズカ「私どもの近くでおいしいと評判のゼリーでして…冷やしてぜひ」

妹「あ、ありがとうございます。頂きます」ペコ

男(なんだこれ?なんだこれ?)

スズカ「っとまぁ、堅い挨拶はこの辺で」

妹「あの…すみません無知で『しんし』とは…?」

スズカ「神の使いのことですわ、ほら狐とか蛇とかおりますやろあれと一緒ですねん」

妹「はぁ~そうなんですか…えっ神の使い?」

スズカ「そんなに驚くありまへん、よくあることですわ」

男「嫌だっての!似非関西弁喋る馬が神の使いとして頻繁に来たらよ」

スズカ「しゃあないやろ関西馬なんやから」

男「安直!安直ですわ~そんな理由で関西弁使ってのかよ」

妹「じゃあ…男さんも神の使いなのですか?」

男「わ、私ですか?」

スズカ「ほらあんさん」

男「えぇーっとですね、私はですね…」

妹「はい?」

男「こ…恋の……」

妹「鯉の?」

男「…キューううぅう……」

妹「九?」

男「ちょっとタイム」

スズカ「ヘタレ」

男「だってお前、話聞いてもらってるのにあんな事を言ったらすべてがパーになるぞ」コソ

スズカ「そんなこと言うたーて事実なんやからしゃーないやろ」コソ

妹(鯉?鯉?あっ!カープ!!の九?背番号九番は…えっと…丸選手!!!なわけないか…)

男「スズカ!バトンタッチ!!!」

スズカ「丸投げかい!」

スズカ(しゃあない、話変えるか)

スズカ「妹さんリビングに居たワイたちに気づいてましたやろ」

妹「えっ……はい…」

男(あれ?気づいての?)

妹「スズカさんは先ほど言った通りぼやっとでしたが、男さんは…わりと……」

スズカ「あぁ~すいませんこのおっさんが年甲斐もなく頬を赤くして照れてる所を見せちゃったみたいで」

妹「いえ…そんな……」

男「良いだろうよおっさんが照れたってよ!」

スズカ「それにしてもワイがぼやっとでも見える方はそういるもんじゃないんですわ」

男「無視かよ」

妹「小さい頃はもっとはっきり見えてはいたのですが…」

スズカ「そうですかーそれは大変だったでしょ」

男「どういう事よ?」

スズカ「考えてみん?他の人が見えへんもんが当たり前のように見えるんやで」

スズカ「それもまだ世の中のことが分かってへん子供の頃にやで」

男「そういうことか…」

妹「でも兄だけは信じてくれましたので…」

スズカ「良いお兄さんお持ちになりましたね」

妹「はい」


スズカ「実はそのお兄さんとの事で来ましたねん」

妹「兄ですか?」

スズカ「妹さん今年の七夕の日にあることを願いませんでした?」

妹「七夕ですか……えっ…いやあの…」

スズカ「ほぅ~心当たりがおありで?」

妹「あれは…そんなんじゃ……」

スズカ「ほらほら言って楽になりぃ」

男「お前ってドSだよね」

スズカ「ドSの神々連中に囲まれてるんやでしょうがないやん」

男「いやいやいや」

スズカ「まぁ体育会系の部活でよくある話や」

男「世界中の体育会系に謝れ全力で」

妹 コッソリ

スズカ「妹さんどちらへ?」

妹「うぅ…」

To be continued ←
To be concluded

男「なんだろう?二ヶ月ぐらい時間が進んだ気がする」

スズカ「気のせいやろ」

男「そうか…気のせいか」

スズカ「死んだばっかりや体が慣れてへんのやろ?」

男「そうなもんか…」

スズカ「まぁ、内容分かってるからここに来たわけで」

妹「へっ?」

スズカ「来たからにはその願いをかなえるわけで」

妹「えっ?」

スズカ「そのために、この横にいらっしゃる男が恋のキュ―p

妹「いやその結構です結構です」アタフタ

スズカ「自分でお願いしときながら結構ですとはどんな了見なん?」

男(うぁー逆切れとか…そもそも願いを叶えに直接来るとは思わねぇだうよ)

妹「あのそれは違うと言いますか…」

スズカ「どう違うねん?」

妹「あれは…えーーーっと、あ、兄の様な人と一緒になれたらって意味で…」

スズカ「ほうほう、ならお兄さんと一緒になればいいじゃないん?」

妹「私の話聞いてましたか?」

スズカ「勿論やん、兄と付き合いたい恋人になりたい一緒になりたいってことやろ?」

妹「だーかーらーちがくて、その、えーっと…」

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