兎角「ぐ……ぐぅ……!!」プルプル
晴「兎角なら、まだ頑張れるよ!」
兎角「そ、そうだな……」
「わたしなら……まだ、まだ……!」
晴「うん、そう……まだ、大丈夫、いける!」
兎角「ぐはぁッ――!!」ガクッ
晴「きゃ!」
「と、兎角……! しっかりして!」
兎角「ぐ、ぐ……ぅ!」ブルブルッ
晴「いーけーいけいけいけいけ兎角!」
兎角「……う、うぅぅ……!」
晴「ファイトだ兎角! 負けるな兎角!」
兎角「――!」
兎角(だめだ……もう……)
(限界だ――)
兎角「ん」チュ
晴「んぅ!」チュ
チュッチュ
晴「ぷぁ……あーあ」
「今回のキス我慢タイムアタックの記録は、3分32秒01だよ?」
晴「今までで一番早いよー……もぉ」
兎角「晴が目の前に居るのに我慢できない方がおかしいと思うんだ」チュ
晴「きゃ! だめだよ、兎角!」
「ひどい成績だったから、キスはお預け!」ググッ
兎角「……」ム
兎角「晴は我慢できるのか? わたしとのキス……」
晴「それは……」
晴「……できないけど」チュ
兎角「ん!」
鳰「は?」
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晴「ん……んん~……兎角ぅ」
兎角「ん? どうした晴」
晴「もっと……」
兎角「もっと……何だ?」
晴「……ん」
兎角「言ってくれなきゃわからないな」
晴「んー」
兎角「……」フイ
晴「いじわる……分かってるくせに」
兎角「……」
晴「……して」
兎角「何を?」
晴「キス……」
兎角「……どこに?」
晴「くちびる……」
兎角「しょうがないな……特別だぞ」チュ
晴「ン……~♪」
チュッチュ
鳰「いや……」
鳰「は?」
鳰(何やってんスかこいつら)
鳰(ウチが教室に来たら、向かい合ってキス我慢タイムアタックだとかいうわけのわからないことをしているし)
鳰(かと思いきやタイムアタック関係なしにチュッチュし始めるし)
鳰(意味わからんっス)
鳰(は?)
鳰(マジ意味わからんっス)
兎角「……晴」
晴「……兎角」
鳰(いや、見つめあうなよ!)
鳰(なんだよ! すごい居づらいよ! 蚊帳の外……いや、外にすら存在してないっスよウチ!)
鳰(早く誰か……!)
兎角「……駄目だ……キスだけじゃ物足りない」サワサワ
晴「あ、だめ……ぇ!」ビックンビックン
鳰(誰か!!)
ガラッ
鳰「!」
鳰(やっと誰かが来たっス!)
鳰(この際番場さんでも誰でもいい!)
鳰(この2人をどうにかして! そしてウチを救ってくださいっス!)チラッ
しえな「助けてぇ~~ッ!!」バタバタ
鳰「」
しえな「はっ! 走り! 助けてくれ!」
鳰「あ……ど、どうしt」
しえな「いま、武智に追われてるんだ!」
しえな「あ、朝、起きたらボクの上に武智が乗っかってて、それで」
しえな「恐ろしい笑みを浮かべながらハサミをペロペロしている武智を見てヤバイと思ったボクは一目散にここへ来たわけだが」
しえな「その途中ボクの身体を切り取ってコレクションにしたいだのなんだのと意味の分からんことを言いながら服を切り刻んでくるんだよ!」
しえな「とにかく助けて……っ!」
鳰「説明ありがとうございますっス……ハイ、そのボロボロの服を見れば何となく察しはつくっス……ハイ」
鳰「と、とりあえず隠すべきところを隠した方が! いろいろ大事なところが見え――」
乙哉「みーつけた♪」
しえな「」
乙哉「だめだよ、しえなちゃん……逃げたら」
乙哉「手元が狂って、その綺麗なお肌が傷ついたら大変でしょ?」チョッキン
乙哉「しえなちゃんの身体だけは……あんまり傷つけたくないの」
乙哉「きれいな状態のまま……切り取って……」
乙哉「切り取った手と恋人つなぎをしたい……」
乙哉「切り取った脚とあたしの脚をからめたい……」
乙哉「一人では動けなくなってしまったしえなちゃんの面倒を一生見てあげたい……」チョッキン
しえな「……あ、ああ……」
乙哉「こんな気持ちは初めてなの……ドキドキする」
乙哉「肉を断つ感触を味わっていないのに……こんなにも胸が苦しい」
乙哉「きっとこれは恋だよね……そうだよね、しえなちゃん」チョッキン
しえな「は、走りっ! 走りぃ!!」
乙哉「鳰っちはどっちの味方?」
鳰「武智さんっス」
しえな「うぇぁ!? そ、そんな……! 走りっ! 助けて……!! あっ」
乙哉「大丈夫、しえなちゃん……痛くしないよ」グイッ
乙哉「めいっぱい気持ちよくしてあげるから……♪」
乙哉「ね、しえなちゃん」ズルズルズルズル
しえな「いやあああああああああああああああ!!」ズルズルズルズルズル
鳰「……」
鳰「……はぁ……」
鳰(あんなおっそろしい状況を目の当たりにしたにも関わらず)
鳰(あれも一つの愛の形なんスかねー なんて、のんきに思っちゃいましたよ)
鳰(……っていうか)
兎角「あッ……! あ、あんッ……!」
晴「兎角のすきなところ……いっぱいいじめてあげるね」
兎角「や、やめて……晴……そこはッ……!」
晴「こんなにいやらしく身体をくねらせながら言ったって、説得力のかけらもないよ……♪」
鳰(何の解決にもなってない!)
鳰(いや、剣持さんが思い切り教室内に飛び込んできた時点で何らかの反応をしろよ!)
鳰(あんな大きな叫び声、耳に入ってないわけないっしょ!)
鳰(何平然と乳繰り合ってんスか!)
兎角「んん~~~~ッ……♪」ビクッ
晴「は、はぁッ……! 兎角ぅ……♪」
鳰(……)ドキドキ
鳰(いやいやいやいや! 何ウチもドキドキしちゃってるんスか!? バカ! ウチのバカ!)
「……あの2人は一体教室で何をやっておるのじゃ」
鳰「! こ、この声は……!」
鳰(首藤さん! 年齢不詳の美魔女っス!)
鳰(若干おかしなところはあれど黒組きっての常識人! やっとまともな人が来た!)
鳰(そして気配がもう一つ……これは神長さんっスねぇ!)
鳰(この2人ならきっと……きっとこの状況を打開してくれる!)
鳰「いやー、それが聞いてくださ――」
鳰「……」
鳰「は?」
鳰「首藤さんと……神長さん」
鳰「お二人の両手にある……その大荷物は何スか?」
涼「ん? これか? これは……なあ、香子ちゃん」
香子「ああ、これは、3日分の着替えやトラベルセットだ」
涼「これからワシらは有馬温泉に旅行に行ってくる。その報告をしに教室に来たわけじゃが」
鳰「なるほど」
鳰「なるほどじゃない」
鳰「え? 旅行? 旅行ってなんスか?」
涼「それは……聞くのは野暮ってものじゃよ……」カァ
香子「……ん」カァ
涼「しいて言うなら新婚」
香子「涼……まだわたし達は結婚していないぞ」
涼「ああ、そうじゃった。つい、気がせいてしまって……」
香子「気にしないでいい。……わたしも、その気持ちはわかる」
涼「……香子ちゃん」
鳰「は?」
涼「それより、そこの2人は何をしておるのじゃ、と聞いているのだが」
鳰「……」
鳰「端的に言えば教室に来たら盛りあってたんスよ」
鳰「理由はわからないっス」
涼「なるほど」
鳰「どうにかしてもらえないっスか? お二人さん」
鳰「新婚旅行だとかそういうことはもう気にしないので、この際」
鳰「とりあえずウチの精神衛生上好ましからざるこの状況を打開してください」
香子「だから新婚旅行では……茶化すのはやめてくれ走り」カァ
鳰「……」
涼「ふむ……確かに公共の場でやることではないな」
鳰「そうっスよねぇ」
涼「しかしこういう場でこそ、盛り上がるという気持ちもわからないでもない」
鳰「は?」
涼「一旦火がついてしまえば、もう周りなど関係ないし」
鳰「は?」
香子「……うん」コク
鳰「いやいや」
香子「この際走りは寮に戻ってしまえばいいんじゃないか?」
鳰「いy……あ、それも……そうっスね」
鳰「なんでウチはこの場にとどまろうとしていたんでしょう」
涼「やっぱり興味があったからじゃ」
鳰「それは断じてないっス」
涼「なんてこった、スパっと即答されてしまったぞ香子ちゃん」
香子「……温泉だけにか?」
鳰「あん?」
このSSまとめへのコメント
このバカップル共めwwww誰か鳰ちゃんの愚痴を聞いてあげて!