鳰「気になるぬいぐるみ」 (66)
悪魔のリドル
暇つぶしに書く
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鳰「ずーっと気になってたんスけど」
伊介「何よ」
鳰「柩さんのあのぬいぐるみ、あれなんなんスか?」
兎角「確かにいつも抱えているな」
晴「中に爆弾が仕掛けられてるとかかな…こわいよ…」
兎角「それ、何かのアニメで観たな」
しえな「いやいや、ストレス溜まった時に殴るんじゃないか?」
鳰「ネネちゃんのママじゃないっスか」
伊介「やーん♥なんか気になってきちゃった。鳰、あんた探りなさいよ」
鳰「ウチっスか!?」
兎角「それいいな。きっと軽い調子で聞いたら教えてくれるだろ」
晴「うんうん、だって柩ちゃん優しいもん。頑張って!鳰ちゃん!」
鳰「うぇー…ウチ、あの人苦手なんスよね…」
しえな「安心しろ。ボク達もお前のこと、苦手だから」
鳰「安心できるポイントが無いっス。いたずらにウチが傷付いただけっス」
鳰の場合
鳰「柩ちゃーん」
柩「……」
鳰「あ、あれ?柩ちゃん?」
柩「……」
鳰「あ、あの……桐ヶ谷さん……」
柩「呼びました?」
鳰「下の名前で呼ばれるのが気に食わないならそう言って欲しいっス」
柩「で、ボクに何か用ですか?」
鳰「つかぬことをお聞きするっスけど」
柩「?」
鳰「あの、そのぬいぐるみ。なんなんスか?」
柩「……」チッ
鳰「舌打ち!?」
柩「……」スタスタスタ…
鳰「あ、行っちゃった…」ポツーン
晴「あ!戻ってきた!」
しえな「どうだった?」
鳰「舌打ちされて終わったっス」
首藤「どんな失礼な聞き方をしたらそうなるんじゃ」
鳰「いやウチ普通でしたよ!?」
伊介「どーせ、『なんでぬいぐるみ持ってんスかー?意味ないっスよねー?それ、意味ないっスよねー??』とか聞いたんでしょ」
鳰「してないっスよ。ウチどんだけ信用ないんスか」
しえな「真似とは言え、貴重な走り口調の犬飼を見たな」
鳰「でもホント、そんな煽るような聞き方してないっスよ」
兎角「煽り鳰」
鳰「走りっス!!!!!!」
授業中
鳰(授業受けてる時も離さないなんて、相当大事なんだ、そのぬいぐるみ)チラッ
柩「……」ギロッ・・・!!
鳰「!?」
柩「はぁ……」
鳰(これ見よがしにため息つかれた…)
柩「……」ゴトッ
鳰(!ぬいぐるみを机の上に置いた…!)
柩「……」
鳰(ゴトって重そうな音がしたけど……中に何か入っている、とか……?)
休み時間
鳰「大変っス」
兎角「お前の頭がか?」
鳰「なんでそういう方向に話持っていこうとするんスか、ひどいっスよ」
しえな「どうしたんだ?」
鳰「あのぬいぐるみ、やっぱ中に何か入ってるっスよ」
伊介「うそー♥じゃああれで暗殺するってこと?」
鳰「さぁ……?ただ、何かしら重要なものが入ってるのは間違いないっスよね」
晴「でも何が入ってるんだろ??」
首藤「一番可能性高いのは重りじゃないか?」
しえな「なるほど、それで走りの後頭部を……ということだな?」
鳰「なんでウチなんスか」
首藤「うむ、その通りじゃ」
鳰「ちょっと待て」
晴「晴、思ってたんだけど……」
兎角「どうした?思っていたことがあるならきちんと言え?な?あ、でも自分のペースでいいからな?お前のことを急かすような奴がいたら私は」
鳰「過保護彼氏面レズは黙ってろ」
兎角「……」ギロッ
鳰「って、伊介さんが言ってたっス」
伊介「おっけー♥鳰あとで殺すー♥」
しえな「で?一ノ瀬の思ってたことって?」
晴「う、うん。柩ちゃんのぬいぐるみの中、千足さんなら知ってるんじゃないかな?」
首藤「確かに。彼奴なら知ってても不思議はないの。ならば善は急げじゃ、走り」
鳰「え!?またウチが聞いてくるんスか!?」
しえな「お前以外いないだろ。早くしろ」
鳰「クラス内イジメだ……クラス中のみんなで……ウチのこと……」
晴「クラスの全員に命狙われてる晴の目の前でそれ言うってすごい勇気だね」ニコッ
鳰「………」ガタガタ
鳰「どもーっス!あれ?柩さんは?」
千足「ひつ、桐ヶ谷なら職員室だ」
鳰「………なんでいま下の名前で呼びかけたのにやめたんスか?」
千足「気のせいだ。で、何の用だ?」
鳰「まぁいいっス。あの、桐ヶ谷さんのぬいぐるみのこと、何か知らないっスか?」
千足「………!!?」
鳰「その様子だと、何も知らない訳ではなさそうっスね……?」
千足「し…………知らない!!!」ダッ
鳰「あ、ちょっと!待って欲しいっス!」
千足「千足、知らないもん!!」タッタッタッ
鳰「何キャラ!?っていうか足早っ!!!」
鳰「………………………………」
伊介「まさかとは思うけど、しくじったなんて言わないわよね?」
鳰「違うんスよ」
兎角「?」
鳰「あのぬいぐるみのこと聞いたら、走って逃げちゃったんスよ」
晴「え!?」
鳰「しかも『千足、知らないもん!』って言って……」
しえな「嘘つくな」
首藤「生田目がそんなこと言う訳ないじゃろ」
鳰「狼少年の気持ちがよぉくわかったっス」
晴「でも、鳰の言ってることが本当だとして、なんで千足さんは……」
鳰「さぁ……?でも、一つハッキリしたっス」
兎角「なんだ?」
鳰「あの人はぬいぐるみの中身を知ってるってことっスよ」
しえな「まぁ、確かに。そういうリアクションがあったとしたら、知ってるんだろうな」
首藤「で、それを話したくない、と。そういうことじゃな」
伊介「増々気になってきたわねー♥あのナカミ」
鳰「兎角さんが聞いてきてくださいよ」
兎角「私が?絶対嫌だ」
しえな「確かに走りじゃもう限界っぽいからな……」
兎角「わ、私はあの”東”だぞ!?」
伊介「うわなんか家柄のこと言い出した」
しえな「小学生かよ」
兎角「はぁ……本当に聞いてくるのか?」
鳰「トーゼンっス!」
晴「千足さんは晴達で引きつけておくからね!」
しえな「あ、でもさり気なく聞けよ?」
首藤「そうじゃな。あまり露骨な聞き方は良くないじゃろうて」
伊介「それでも駄目なら無理矢理ぶんどっちゃえばー?」
鳰「それはマズいっスよ」
晴「そ、そうだよ。そんなことしたら」
兎角「ぶんどる、か……なるほど」
しえな「コラ、カレー廃人」
兎角の場合
兎角「ちょっといいか」
柩「?はい、なんでしょう」
兎角「えっと、その」
柩「??」
兎角「……そのぬいぐるみの中には何が入っている!言え!」
しえな(さり気なく聞けって言ったろ)
首藤(あやつ、もしかしてバカか?)
柩「………」パチンッ
兎角「な、指を鳴らしたところでって、おい!」
千足「……」
兎角「生田目!離せ!!」
千足「………」ズルズルズル
晴「……兎角さん、連れてかれちゃった」
伊介「指鳴らしただけで反応するとか、生田目こわー……」
首藤「いやいや、本当に恐ろしいのはそのように生田目を飼いならしてる桐ヶ谷じゃろうて」
しえな「あぁ、言えてるな……」
ガラッ
鳰「あ、帰ってきた」
兎角「はぁ……酷い目にあった……」
晴「だ、大丈夫?怪我とかしてない?」
兎角「いや、それはなかった。ただ、生田目に肩を掴まれて『これ以上探りを入れるようなら殺す』と言われた」
伊介「殺すって……へぇー?そんな面白いこと言うんだ、あいつ♥」
風呂
戻った
鳰「でも生田目さん、戻ってこないっスねー」
兎角「あぁ、そのままフラフラとどこかへ行ってしまった」
伊介「じゃあチャンスじゃーん」
しえな「どういうことだ?」
伊介「指鳴らしても来ないんじゃない?今のうち聞いちゃえば?」
兎角「もしくはぶんどるか、だな」
首藤「なるほどの。それじゃ犬飼、行ってくるといい」
伊介「は?なんで伊介が指図されなきゃいけないワケ?」
首藤「ワシや剣持には無理じゃよ。桐ヶ谷からあのぬいぐるみを取り上げることなぞ出来んて」
しえな「だな。それに、兎角は想像以上にポンコツだったし」
兎角「なんだと!」
鳰「いや、さり気なく聞けって言われてたにも関わらずあんな聞き方する人はポンコツって言われてもしょうがないと思うっスよ」
伊介の場合
伊介「ちょっといい?」
柩「あ、犬飼さん、こんにちは」
伊介「はい、こんにちは。ねぇ、あんたのそのぬいぐるm」
柩「残念でしたね。寒河江さんのこと」
伊介「は?なんであいつの話になるワケ?」
柩「あぁ、ごめんなさい。伊介さんがボクに話し掛けてくれたことなんてなかったから…てっきり寂しいのかと」
伊介「はぁー?なんであいつがいなくなったからって伊介が寂しい思いしなくちゃなんないんだっつの!」
柩「ボクの思い込みならすみませんでした。ただそういう風に見えただけですから」
伊介「あんたらと一緒にすんな」
柩「あんたらって言うのはボクと千足さんのことですか?」
伊介「他に誰がいるってのよ」
柩「確かに、千足さんがいなくなったらボク、寂しいですね……」
伊介「そーゆー意味じゃないってーの。カマトトぶんのもいい加減にしろよ」
柩「どういうことです?」
伊介「伊介と春紀はあんたら二人みたいにアヤしい関係じゃないって言ってんの」
柩「へぇ、犬飼さんって寒河江さんのこと”春紀”って呼んでるんですね、初めて知りました」
伊介「!!」
柩「あれ?なんですか?その顔。もしかして知られたくなかったんですか?だとしたらどうして?
ボク達とは違ってアヤしい関係ではないんでしょう?じゃあ堂々としてたらどうです?逆に怪しいですよ、そういう態度」
伊介「うるっさい!伊介に指図すんな、殺すぞ」
柩「もっと素直になればいいのに」
伊介「やってらんない」スタスタ
柩「あれ?どこ行くんですか?」
兎角「……で、犬飼は?」
鳰「廊下に出てケータイで喋ってるっス」
しえな「ケータイ?」
鳰「はい、多分電話の相手は春紀サンっスねー。愚痴聞かされて大変そうっス」
首藤「完全に”面倒な彼女とその彼氏”という構図じゃな」
鳰「まぁ在学中からそんなんだったじゃないっスか、あそこ」
晴「確かに……でも、学校辞めてもまだ続いてるんだね!別れちゃったらどうしようかと」
伊介「だぁーれが別れるって?」
晴「ひゃああ!!」
伊介「ったく、キショい言い方しないでくれる?伊介達はそーいうんじゃないの」
しえな「言葉のあやってやつだろ、そんな目くじら立てるなって」
首藤「そうじゃ。寒河江に愛想尽かされてしまうぞ」
伊介「だから違うっつってんでしょうが!!」
鳰「にしても、伊介さん今までで一番駄目だったっスね」
伊介「……まぁ、確かにね。そういえばぬいぐるみの話、一つも出来なかったわ」
晴「あれは柩ちゃん、わざとだったよね」
兎角「あぁ、挑発してわざと話題をそらしたように見えた」
しえな「もう犬飼と桐ヶ谷は近づけない方がいいな」
晴「うん…一触即発って感じだったよ」
兎角「最後にぶんどってくるのかと思ってワクワクしてたんだが……」
しえな「ボクもそれ思った……」
首藤「普通に廊下に出て寒河江に愚痴電話とはな……」
伊介「はい………」
晴「こうなったら授業中にかすめ取るしかないよ!鳰ちゃんが!」
鳰「またウチっスか!?」
しえな「確かにな。授業中は手放していたんだろう?チャンスじゃないか」
鳰「いやでもなんでウチが」
首藤「問題ないじゃろ。一ノ瀬が走りと席を交換すれば」
鳰「なんでそこまでしてウチにやらせようとするんスか!!晴がやればいいじゃないっスか!」
晴「えー……ちょっと怖いよぉ」
兎角「……」ギロッ
鳰「はいはいはいはいやりゃいいんスよね、やりゃ」
伊介「伊介はもうあいつには関わらないー♥ムカつくんだもん。性格悪ー」
兎角「お前人のこと言えなモガッ
晴「しぃー…!兎角さん…!」
鳰「まぁ、いいっス。乗りかかった舟っス。うちがあのぬいぐるみの中身を探ってみせるっス」
授業中
柩「……」
鳰(成績優秀な子は違うねー。授業態度も優秀だ)
鳰(ま、それが仇となるんだけど)チラッ
鳰(今だ!)サッ
柩「……」パシィ!
鳰「!!?!?」
柩「よぉ」
鳰「あ、いや、えーと………その………」
柩「どうしてボクの机に手を伸ばしたんですか?」
鳰「……は、ハエが、飛んでたっていうか……あは、あははは……」
柩「ハエが飛んでるのは走りさんの方じゃないですか?腐った海の臭いがするそうですし」
鳰「あー……かもしんないっスねー……はは……」
ヒュン!!
ゴン!
鳰柩「!!?」バッ
首藤「すまんのぉ。手が滑って筆入れが吹っ飛んでしまったわ」
溝呂木「はいはーい、みんな真面目に授業受けようなー?」
柩「……いまの絶対わざとじゃないですか。ボクのぬいぐるみ狙って投げたでしょう」
溝呂木「無視かー、そっかー」アハハ
首藤「にしても、桐ヶ谷や。地面に落ちた時に、随分と重そうな音がしたんじゃが?それは一体…」
溝呂木「えっと、このぬいぐるみは桐ヶ谷の」
柩「だ、大丈夫です!自分で拾うます!」
真昼「……(今の言い間違い、キャラ被ってるからやめて欲しい…)」
ブゥィィィィン………
溝呂木「で、それが次のページの………」
ブゥゥン……
柩「………」
鳰「………」チラッ
伊介(え、何の音?)チラッ
鳰「……」ブンブン
伊介(鳰もわからない、か……しょーがないわね)
溝呂木「そして、これは前の授業でやった」
伊介「はーい、センセー。さっきから誰かのケータイが鳴ってまーす」
鳰「うちも気になってたっスー」
キーンコーンカーン
伊介&鳰「!?」
伊介「タイミング悪………」
溝呂木「おっ、授業終了だな。おーい、誰か知らないが、授業中は携帯を切っておくようになー?それじゃ日直、頼む」
千足「………」
溝呂木「生田目ー?今日の日直はお前だろー?」
千足「は、はい!!」ビクッ
伊介「…!」
首藤(どうしたんじゃ?生田目の奴……)
千足「えっと、起立。礼」
溝呂木「…じゃ、またあとでHRで会おうなー」ガラッ
鳰「……行ったっスね」
伊介「どうすんのよ?この絶好の機会を逃す気?」
鳰「まっさかー」
鳰「みんな、着席したまま聞いて欲しいっス。そして耳をすまして欲しいっス」
晴「さっき言ってた携帯の音のこと?」
鳰「そうっス!今も鳴ってるっスよね?」
柩「……」
ヴィィィィン………!!
首藤「そうじゃのう、よぉく聞こえるわい。ワシの前の席から、な」
千足「や、やめろ。こんなことをして何になる?みんなでよってたかって桐ヶ谷をイジめるなんて……剣持、お前はイジメが嫌いだと言っていたよな?」
しえな「確かにイジメは嫌いだ。大嫌いだ。だけどこれは違う。ボクは桐ヶ谷の暗殺の道具に興味があるんだ」
千足「だが」
しえな「多少強引になってしまうのは仕方が無いだろ」
千足「くそっ……!」
兎角「しかし妙だ」
晴「え?」
兎角「こんな音を出す武器、私は知らない」
晴「うーん、晴も想像がつかないな……てっきり重りが入ってるのかと思ってたから……」
兎角「あぁ、私もだ」
柩「あーあ」
鳰「!?」
柩「千足さん、もういいですよ」
千足「お前が良くても私は良くないんだ!桐ヶ谷!頼む!」ガシッ!
首藤「お主でもそんな風に取り乱すことあるんじゃのう……」
柩「はい、鳰さん」スッ
鳰「!いいんスか……?」
柩「ぬいぐるみの背中がチャックになってますから。見たいならどうぞ。ついでに床に落ちた拍子に入っちゃったスイッチも止めてくれると助かります」
鳰「………」
ジィー……
鳰「!!?!?/////」
ジィー!!
伊介「何よー。一瞬開けただけじゃ何も見えないじゃな」
鳰「アンタ何考えてんスか!!!///」
柩「何って。別に?」
鳰「百歩譲って持ってるのはいいっスよ!本人の自由だし!でもなんで学校に持ってくる必要があるんスか!!」
柩「え、それ聞いちゃいます?ボクだけじゃなくて誰かさんに飛び火しますけど。いいんです?」
鳰「は、はぁ?飛び火って……」チラッ
千足「………………………………………………………………………………」
鳰「もしかして、桐ヶ谷さんの後ろで暗いオーラ発しながら机に突っ伏してる人っスか?」
柩「……さぁ?」
伊介「いや絶対そうでしょ。なんか耳真っ赤だけど」
晴「ねぇねぇ鳰ちゃん、結局中に何が入ってたの?」
鳰「………いや、流れで察して欲しいんスが……」
兎角「私もわからなかった」
伊介「伊介もわかんなーい」
鳰「アンタはぜってー嘘だろ」
伊介「マジだっつの」
首藤「よかった。わからなかったの、ワシだけじゃないんじゃな」
柩「みなさん察しが悪いんですね……別にボクはバレても構わないんですけど、千足さんが」
しえな「ボクは……なんとなく、察してしまったような………」
晴「え!?すごい!なになに?」
しえな「いや、でも……え………?桐ヶ谷、お前……右側じゃなくて左側なのか……?」
兎角「右?左?」
柩「……千足さんが可愛過ぎるからいけないんですよ」クスッ
しえな「う、うそだぁあああああ!!!」
兎角「なんだ?どういうことだ?」
伊介「あー……なんかわかっちゃったかも……わぁー……引くー………♥」
首藤「すごい顔しとるぞ、犬飼」
伊介「あー、うん。もうこの際ハッキリ行っちゃうけど、そのぬいぐるみの中って」
柩「はい、性具が入ってますよ、各種」
晴「!?////」
兎角「?せーぐとはなんだ?一ノ瀬。しかも各種って」
晴「兎角さん静かにして!!」
兎角「……」シュン
伊介「………生田目、アンタ…生きてる?」
千足「いま死んでるから話し掛けないでくれ」
二号室
千足「死にたい」
伊介「気持ちは痛いくらいわかるけど、なんでわざわざ伊介の部屋に来てそれ言うのよ」
千足「だって……首藤に言ってもピンときてないみたいだったし……剣持は別の意味で喜びそうだし……」
伊介「まぁ、確かに。鳰に至っては選択肢にすらあがらないレベルでしょーね」
千足「鳰…?あぁ走りか。そうだな。アイツはない」
伊介「で、何しに来たの?あんたらがいいならそれでいいんじゃないの?学校で変なプレイするのは頂けないけど」
千足「学校のそれについては誤解だ!確かに持ちかけられたことは何度もあるが、今のところ躱してる、つもり……いや、その、被害を最小限に抑えてはいる、つもりだ……」
伊介「……大体察したわ、学校で何やってるか。ばーっかじゃないの」
千足「うぅ……犬飼は、ほら、寒河江とどうだったんだ…?」
伊介「あんたら全員が伊介達のことそういう目で見てたのはよくわかったわ」イラッ
千足「え?違うのか?」
伊介「当たり前でしょ」
千足「そうだったのか、私はてっきり……。まぁいい。私がどうしたいか、だったな」
伊介「そうよ」
千足「私は……今日の出来事全部、綺麗に忘れて欲しい」
伊介「無理だっつの」
千足「だよな……………………」
伊介「っていうかアンタのが図体デカいんだし、力も強いんでしょ?無理矢理ねじ伏せちゃえば」
千足「そうか、確か寒河江の方が身長も力も」
伊介「春紀の話はすんなっつってんでしょ!!!!!///」
千足「しかし、あんなか細い体に力ずくなんて、私にはできない」
伊介「じゃあずっとヅカネコやってりゃいいでしょ」
千足「おいその言い方やめろ」
伊介「大体なんでそんな風になっちゃったのよ……」
千足「なんでって言われても……流れで……?」
伊介「自然な流れでそうなったんならアンタらにとってそれは普通だったんじゃ……?としか言えないわ……」
千足「その心底ドン引きした視線やめてくれ……」
伊介「だってぇー……」
千足「はぁ……違うんだ、なんていうか、桐ヶ谷が、その、グイグイくるんだ」
伊介「だからそれを受け入れた時点でアンタの負けでしょっての」
千足「はい……」
伊介「はぁ……グイグイくるってどんな風に?」
千足「えーと、例えば、私達がそういう関係になる前の話なんだが」
伊介「その頃から主導権握られてるなら修復不可能っぽいけど……まぁいいわ、続けて」
千足「寝てたんだ、私が」
伊介「どこで」
千足「もちろん、私のベッドで」
伊介「ふぅん、普通じゃない」
千足「あぁ。とても普通だ。でも、右手に違和感があって目が覚めて…桐ヶ谷の声も聞こえてくるし、ゆっくり目を開いたんだ」
伊介「大体わかったしすごく気持ち悪いからもう続き聞きたくないんだけど」
千足「そっそんなこと言わないで聞いてくれ!」
伊介「…………………いーけどぉー……」
千足「とにかく、目を開いたら桐ヶ谷が私の手にまたがって、その………」
伊介「聞いてあげるって言ったけど、ごめん……ちょっとやっぱダメージデカいわ、その話……」
千足「だよな……」
伊介「武智といい、桐ヶ谷といい……ヤバい奴だらけじゃない、このクラス……」
千足「否定はしない……」
伊介「ホント、もう事情はわかったから生々しい話はしないでくれる?」
千足「あぁ、わかった。ちなみに私が目覚めたときには既に指がふやけている感触があった」
伊介「生々しいこと言うなっつっただろ殺すぞ」
伊介「で?あんたはそれでどうしたの?」
千足「寝たフリした」
伊介「ヘタレかよ」
千足「だって……」
伊介「だってじゃないってーの。ま、あんたに下克上なんて無理ねー♥帰って寝てな」
千足「……でも、それは無理だったとしても」
伊介「…しても?何?」
千足「もうちょっと私に発言権があってもいいと思うんだ」
伊介「何?あんた発言権すら与えられてないの?ウケるー♥」
千足「おいやめろ」
千足「違う、普段は平等だ。勘違いするな」
伊介「してないわよ、ソッチの時だけ意志を無視されるとかそんな話でしょ?どーせ」
千足「……!!!!」
伊介「その『お前はエスパーなのか!?』っていう顔」
千足「なんでわかったんだ?」
伊介「流れでわかるっての。ま、それも諦めなさいよ。あの女、相当腹黒いみたいだし、アンタに勝ち目はないわ」
千足「そうか…………」
伊介「あんたはあんたの立場受け入れて上手くやってけば?そんなに嫌ならとっとと予告票出してトンズラこきなさいよ」
千足「失敗前提で言うなよ……というか、そんな、嫌っていうわけでは……」
伊介「じゃ、諦めなさい。っつか結局ノロケかよ、ばっかばかしい。ほら、出てって」
千足「しかしだな、犬飼」
伊介「これから野暮用があるのよ。ほら早く。来ちゃうから」
千足「……?寒河江がここに来るのか?」
伊介「いいから出てけ!!!!///」
翌日
伊介「ねむ………」
鳰「まーた寝不足っスかー?」
伊介「お前にはカンケーねーだろ」
鳰「またまたー、そんなこと言われたら悲しいっスよー」
伊介「はいはい」
柩「おはようございます」
晴「あ!柩ちゃん!おはよー!千足さんも!」
千足「あ、あぁ………」
伊介「ねぇ、アンタ。それ何持ってるの?」
柩「それって、私に聞いてます?」
伊介「そうよ。なにそのリモコンみたいの」
柩「リモコンバイブのコントローラーですが、何か?」
鳰「なんかすごい単語聞こえたんスけど!!?」
しえな「清々しい朝がぶち壊しになるようなセリフが聞こえたんだけど、気のせいか?」
兎角「一ノ瀬、リモコンバイブって」
晴「黙ってて」
兎角「ん………」シュン
伊介「確かに受け入れろとは言ったけど、そういう方面で言ったワケじゃないわよ!!?」
千足「……」ビクンビクン
鳰「え!?ビクンビクンじゃないっスよ!?ちょっと!?」
おわり
寝る。おやすみ
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