和「レズノート?」 (63)

和「……………」



咲「お姉ちゃ~ん♪」

照「咲~♪」

優希「犬!タコス切れたから買ってこい!いや作れ!」

京太郎「もう食べたのか!」

久「美穂子、週末の風越との練習試合なんだけど…」

美穂子「はい♪腕によりをかけて料理作ってきますね」

まこ「平和じゃのう」

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和「…はぁ」

和(清澄高校は部員全員の頑張りもあって、全国大会で見事優勝を飾ることが出来ました)

和(それにより私の頑張りも父に伝わったのか、清澄に留まることを許してくれました)

和(これにより私と咲さんとのバラ色の高校生活3年間が約束され)

和(咲さんとの距離は徹底的射程距離圏内、今後より一層の身近なお付き合いも約束されていた…は

ずでした)

和「…」チラッ



咲「お姉ちゃん今日の夜は何がいい~?」

照「咲の作るものなら何でもいい」

咲「それじゃ分かんないよ~」



和(この人が来なければ)

和(咲さんがお姉さんとの仲直りを原動力に全国で大活躍したのは当然分かっています)

和(全国大会での決勝の上がりの数々は、改めて惚れ直すほどのカッコ可愛さでしたし)

和(結果、咲さんはお姉さんとの関係修復に成功。その結果が)



照「じゃあプリンがいい。でっかいの」

咲「またプリン?お姉ちゃんせっかく可愛いのに太るよー?」

照「その時は咲も道連れにする」



和(姉妹同居)

和(何でも全国大会をきっかけに咲さんのご両親の夫婦仲も一気に良くなったとか…)

和(長野で夢にまで見た家族団欒が出来たと、咲さんは嬉しそうでした)

和(しかし残り半年弱で卒業というのに、お姉さんは清澄に編入してきました。予想外です)

和(私のプランではお姉さんが不在のはずの半年以内に咲さんを攻略するはずだったのに…)

和(まぁそれだけ咲さんと一緒にいたいということなんでしょうけどね。その気持ちは分かります)

和(三日会わなかったら発狂する自信があります。ええ)

和(しかしそれ以外にも…)



久「どうせやるなら総当たり戦にする?私も美穂子も照も入る感じで」

美穂子「みんながそれで自信をなくさなければ良いけれど…」

まこ「二人が仕切ってくれてるおかげでわしゃー何もしとらんな」



和(何で貴方は毎日のようにこの部活に来てるんですか?)

和(風越の部活にいかずにうちで毎日部長とだべってるだけじゃないですか…)

和(それと)



京太郎「ーったく。じゃあ手伝え」

優希「あらアナタったら。これが初めての共同作業…?」

京太郎「誰がアナタだ。どアホ」



和(何だか目に見えてイチャつくことが多くなってきた優希と須賀君)

和(ちょっとは勉強したらどうなんですか?未だに符の計算出来てないじゃないですか)

和「…………」

和(何が悲しくて部室で他人のイチャコラを見てなければいけないんですか…)

和「…帰ります」

和(…結局今日も咲さんとはまともに会話出来ませんでした…)

和(やっぱり私と咲さんとの関係は友人止まりなんでしょうか…)

和「……ん?」

和「何ですかこのピンクのノートは」



和「レズノート?」

和「レズノート?」

和「…普通の大学ノートみたいですが、それにしても表紙のピンク色が目立ちますね…」

和「……しかし、何故だか見過ごしてはいけない気がします。家で見てみますか」

――――原村家――――

和「レズノート…レズのノート…ということでしょうか」ペラッ

和「How To Use It…使い方…全部英語ですか…面倒ですね…」

和「…なになに、『このノートに名前を書かれた人間は…』」

和「『レズになる』」

和「」ガタッ

宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲
宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲
宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲宮永咲

和「……はっ」

和「…何をやってるんですか、私は。そんなオカルトがありえるわけが…」

レズ神「気に入ってるようだな」

和「…!?きゃああああっ!」

レズ神「私はレズ神。そのノートの本来の持ち主だ」

和「」

レズ神「そのノートを拾った人間にとり憑く」

和「…そんなオカルトありえません!」

レズ神「オカルトも何も…今お前たくさん名前書いてただろう?見せてみろ、ノート」

和「書きましたけど…」

レズ神「…どれどれ。…こりゃ凄いな」

和「…何か?」

レズ神「…お前ちゃんとHow to Use It全部読んでから使った?」

和「…恥ずかしながら、最初の一文を読んでからは体が勝手に動いてしまいまして…」

レズ神「ここ読んでみろ」

『同一人物の顔を思い浮かべ、4度名前を書き間違えると、その人間にレズノートは効かなくなる』

和「私が咲さんの名前を書き間違えるなんてことはありえません」

レズ神「そうだけどちゃんと全文読んでから使えよ…」

和「…ですが、いまいち信じられませんね。…そりゃ、咲さんがレズになるのならそれは素晴らしいことなのですが」

レズ神「なら今すぐに確認できるようなやつに対して使ってみろ」

和「今すぐ…ですか」ポチッ



恒子『さあ生放送でお送りしているプロアマ対抗戦!対局も熾烈を極めてきたよ!』

健夜『なかなかいい試合を見せていますね…』



和「それじゃこの人たちで確認してみますか」

福与 恒子

和「これでよし…ですね」

レズ神「効果が出てくるのは名前を書き終わってから40秒後だ」

レズ神(これもちゃんと使い方に書いてあるんだけどな…)

和「40秒です」

レズ神「どうなるか楽しみだな」



恒子『いやーでも勢いがあるとすご…』

健夜『?どうされました?』

恒子『結婚して!』

健夜『勢いが凄いとかいうレベルじゃない!?』

―しばらくお待ちください―



和「………」

レズ神「こんな具合だ」

和「…まだ信じられません。たまたま公共の電波で告白なんてロマンチックなことをやろうと突然思

っただけかもしれませんし」

レズ神「信用ないな」

和「あ、画面が復帰しましたよ」

レズ神「実況も解説もいない打牌だけの音ってのもシュールだな」



竜華「」タン

憧「」タン

靖子「」タン

大沼「」タン



和「それでは、もう一度試してみます」

レズ神「言っとくけど男には…」

和「そんなことぐらいわかってますよ…」

清水谷竜華
新子憧

和「書きました」

レズ神「じゃあ40秒だ」

和「…」

レズ神「…」



竜華「」タン

憧「」タン

靖子「」タン

大沼「」タン



和「…何も起こりませんけど」

レズ神「何も起こっていないように見えるが、レズノートに書かれたことは絶対だ」

和「胡散臭いですねぇ…」

レズ神「レズノートに単に名前を書かれると、その人物と親しい人物・もしくはそうありたいと思う人物に対して、恋愛感情が可能な限り自然なように発生する」

レズ神「つまりこいつらに対してノートが効いていないのではなくて、その自然な恋愛感情をぶつける相手が今ここにいないということだろう」

和「なるほど…それなら…まぁギリギリ納得はいきます。この人たちなら」

レズ神(まぁもう一つ可能性はあるが)

和「ん?」

和「…今『単に名前を書かれると』って言いました?」

レズ神「ああ、言ったぞ?」

レズ神「名前を書いてから6分40秒以内という制限付きだが、その恋愛感情の行き先・具合等詳しい内容を追記すればその通りになる」

和「」

レズ神「だから最初に書いた奴の恋愛感情はもういじれないぞ。時間切れだ。最も自然に発生する恋愛感情しか起こりえない」

和「…そ、それを…もっと早く…」

レズ神「おっと。殴ろうとしても無駄だぞ。私に手を出すことはできないし、そもそもお前が使い方をきちんと呼んでいれば…」

和「うるさいですっ!」

BAKCOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOON

レズ神「ぐっはあああああああああああああ」

和「手を出せないとかそんなオカルトありえません」

和(落ち着け…落ち着きなさい私…)

和(レズノートに書かれたことは絶対)

和(つまり咲さんがレズになったのは間違いありません)

和(そして咲さんの交友関係の中で、最も自然な恋愛感情のベクトルの行き先が向けられる人物といえば)

和(どう考えても私しかいません。つまり、もう既にその追記を書く必要はなかった)

和(イージーミスですが全く問題はありません…明日すぐにそれが分かります…)



咲「お姉ちゃ~ん♪」

照「咲~♪」



和「何も変わってないじゃないですかああああああああ」

和「姉妹百合とかそんなオカルトありえませえええええええええん」

和「………」

レズ神「…まぁ何だ、お疲れ。でも使い方をきちんと読まなかったお前にも責任が…」

和「…また殴られたいんですか?」

レズ神「勘弁してください。…どうする?お前が望むならレズノートさえ返却してくれれば、レズノートを使った記憶を消してやることが出来る」

和「馬鹿言わないでください。こんな便利なノート、絶対に返しません」

レズ神「ほう」

和(咲さんの恋愛感情のベクトルはどうやら「今は」お姉さんに向いてしまった…これはもう一つの事実)

和(ならば私ができることといえば、世界中をレズ一色に染め上げることだけ)

和(その内世界中が気付くでしょう。女性をレズに代えている者がいるということに)

和(そして世界中がレズ一色になったところで)

~和の妄想中

和『咲さん、実はこの世界をレズ一色にしたのは私の功績なんですよ』

咲『わぁ!麻雀の役として新しく出来たほどの世界中のレズ一色っぷりは和ちゃんのおかげだったんだ!』

咲『素敵!抱いて!』

和『その言葉が聞きたかった』

妄想終了~

和「…完璧です」

和「私はこの世界をレズ一色に染め上げてみせます」

和「私以外にできるか?いや、出来るはずがない!私にしかできないんです!」

和「レズノートで、世界を変えてみせます!」

和「…そして私は」

和「咲さんの女神になる!!」

レズ神(はた迷惑な野郎…いや女にとり憑いちゃったな…)

「…この一週間で分かっているだけで52人の女性」

「その全てがレズビアンと化しております」

「確認が取れていないだけでレズ化している女性たちも沢山いるでしょうな」

「…となると軽く100人以上…でしょうか」

「しかし別にレズビアンだろうと何だろうと構わないのでは?」

「馬鹿者!そうなれば男女間での交際にも影響し、ひいては少子化の大きな問題になりかねん!」


「…こうなったらまた、Kに解決して貰うしかありませんな」


塞「…何ですか?Kって」

憩「あぁ、塞さんは知らんのだっけ?」

憩「Kというのは、居場所も名前も顔すら誰も知らない…」

憩「しかし、こういった何だかアホらしい事件性の事だけに興味を示す謎の探偵…」



「しかしKは、自分が動きたい事件にしか動かない傲慢な人物だというじゃないか!」

「その通りだ!それに、我々からはコンタクトが取れない!」


ワタリ「Kは既に動いています」


「ワタリ…!」


塞「ワタリ?」

憩「Kと唯一コンタクトを取れる人や。もっとも、ワタリの正体も誰も知らんけど…」


ワタリ「お静かにお願いします。Kの声を今お聞かせします」

和「…しかし人の名前を書くというのは疲れますね」

レズ神「書いた人物の顔も思い浮かべないと意味がないからな」

和「なんかネットでは私のことを『レズっち』とか言ってるみたいですし…」

レズ神「それだけお前の存在を知っている人が増えたということだろう?」

和「まぁそれはそうなんですけれども…」

和「誰ですか命名したの…というか何でそれが普及してるんですか…」

和「なんかもう疲れましたしテレビでも見ますか…」

レズ神「麻雀してるな」

和「そりゃ麻雀の対局を流しておけば視聴率が取れるのだから、流すでしょう」


『番組の途中ですが、全世界同時生中継をお送りします』


レズ神「ん?」

和「全世界同時生中継?」


健夜『私が全世界の警察やら、えーっと…とにかくそういうのを動かすことが出来る唯一の人間』

健夜『通称Kです』


和「へぇ~。麻雀プロ八冠ともなると警察も動かせるんですね」

レズ神(絶対違うと思うんだが…)

健夜『相次ぐ女性たちをレズに変えていく奇妙な事件』

健夜『これは絶対に許してはおけない、史上最悪の犯罪です。…確かに』

健夜『よって私はこの犯罪の首謀者、俗に言われる「レズっち」を必ず捕まえる』


レズ神「必ず捕まえるだって」

和「いや、無理ですよ。レズノート差し押さえない限り証拠とか出ないですし」


健夜『レズっち。お前がどのような考えでこのような行動をしているのか、大体は想像はつく』

健夜『…しかし、お前のやっていることは』

健夜『ただのレズだ』


和「そうですけど」

レズ神「開き直った」

和「なんかまだぎゃーぎゃー言ってますが…煩いんで彼女もレズにしてあげましょう」

小鍛治 健夜

和「はい40秒」


健夜『うっ…があっ…!』

健夜『あ…』

健夜『赤土さあああああああああああああああん』


レズ神「会場から消えていったぞ」

和(ごめんなさい、赤土さん)



K『…信じられない』パッ



和「!?」

K『もしやと思って試してみたが…まさかこんなことが…』

K『レズっち…お前は直接手を下さず人をレズに出来るのか…』

K『よく聞けレズっち…もしお前がTVに映っていた小鍛治 健夜をレズにしたのなら』

K『それは単に私の代わりにTVに出て原稿を呼んでくれれば、婚活の世話をしてやると言ってホイホイ引き受けた女だ。私ではない』

K『だがKという私は存在する』

K『さあ!私をレズにしてみろ!』


和「こ…こいつ…」

レズ神「痛い痛い!私に暴力振るうのやめて!」

K『…どうやら、私はレズに出来ないようだな』

K『レズに出来ない人間もいる。…良いヒントを貰った』

K『お返しと言ってはなんだが、もう一つ良い事を教えてやろう』

K『この中継は、全世界同時中継と銘打ったが』

K『実は日本の長野と奈良と大阪の一部でしか放送されていない』


和「!」


K『時間差で各地区に流す予定だったが、もうその必要もなくなった』

K『お前は今、日本の長野か奈良か大阪に居る』


レズ神(ピンポイントなようでアバウトだなぁ)

K『レズっち、お前がどのような方法で人をレズにしているのかはすごく興味がある』

K『だがお前を捕まえてノンケにしてしまえばそんな問題はどうでもいい』

K『ではまた会おう、レズっち』ブツッ


和「…なかなかコケにされましたね」

和「私をノンケにするって…?」

和「ありえません。そんなオカルトありえません」

和「正直こんなKとかいう探偵どうでもいいですが…」

和「私と咲さんとのレズ道を阻もうと言うのなら話は別です」

和「面白い。受けてたとうじゃないですか」




和「レズが!」

K「ノンケが!」



「正義だ!」



レズ神(憑く奴間違えたなぁ…)



カン!

Thus concludes this story of the LESBIAN NOTE.
続きは後日建てる新スレで。灼だけ出てないのとか咲→照がバレバレで冷や冷やでした。
BJ先生の台詞を間違えたのがショック。読んで頂いた方、ありがとうございました。

>>22
×レズ神「おっと。殴ろうとしても無駄だぞ。私に手を出すことはできないし、そもそもお前が使い方をきちんと呼んでいれば…」
○レズ神「おっと。殴ろうとしても無駄だぞ。私に手を出すことはできないし、そもそもお前が使い方をきちんと読んでいれば…」
>>25
×和(その内世界中が気付くでしょう。女性をレズに代えている者がいるということに)
○和(その内世界中が気付くでしょう。女性をレズに変えている者がいるということに)

>>43
本間J太郎先生「レズが生き物の恋愛感情を自由にしようなんて、おこがましいこととは思わんかね、、、」

>>47
和「それでも私はレズるんだ!咲さんと結ばれるために!!」

それではありがとうございました。誰か咲とBJのコラボ書いてください。レズ神かわいい。

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