春香「千早ちゃんて、胸が小さいの気にしてるの?」 (53)

千早「……なに?どうしたのよ、急に……」


春香「ほら、私達も最近、お仕事が増えてきたよね?」


千早「そうね」


春香「それでファンの人も増えてきて、良く言ってくれる人たちもいっぱいいるけど、悪く言う人も出てくるよね?」


千早「それはそうよね」


春香「特にインターネットだと悪い意見が多いくて、例えば私の場合だと」


春香「無個性とかリボンが本体とか」


春香「後はホントに最初の頃は、歌がちょっとだけ上手くないとか」


春香「もちろん、良く言ってくれる人の方が多いんだけど、やっぱり気になっちゃって……」

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春香「それで、千早ちゃんの場合だと胸の大きさについて言われてる事が多いんだけど」


春香「千早ちゃんは、どう思ってるのかなーって」


千早「はぁ………全く、何なのかと思って聞いてみれば、下らないわね」


春香「ん?」


千早「確かに私は、周りの人と比べると、胸がほんの少しだけ、本当にちょっとだけ、僅かに、微かに、微細にも、目の誤差と言っても過言ではないくらいに、小さい気がするような感じがしないでもないとも言い切れないわ」


春香「うん」


千早「そしてインターネットでも、私の事を壁だの板だの薄いだの平らだのフラットだの72だのナイチチだの無乳だのなんだのと言う人が居るらしいというのも知ってるわ」


春香「うん」


千早「でもインターネットなんて、不特定多数の人間が匿名で好き勝手言っても問題ないような無法地帯のような所もあるし」


春香「うん」


千早「そもそも私は歌のためにこの業界に入ったの、歌が全てなの、それ以外は眼中に無いのよ」


春香「うん」


千早「結論を言うと、私は胸の大きさなんて気にしてないわ」


春香「ふーん」

春香「……」


千早「……」


春香「でも千早ちゃん、壁とか板にすごい反応するよね」


千早「春香は何を言ってるの?」


春香「やっぱり胸の事、気にしてるんじゃない?」


千早「さっきも言ったけど気にしてないわ」


春香「ふーん」


千早「………」


春香「………」

>>4  訂正

誤 春香「でも千早ちゃん、壁とか板にすごい反応するよね」


正  春香「でも千早ちゃん、壁とか板って単語にすごい反応するよね」


春香「私、コーヒー淹れてくるね。千早ちゃんも飲む?」


千早「今は大丈夫よ、ありがとう」


春香「うん、わかった」スタスタ


千早「………」


春香「ただいまー!そうだ、千早ちゃん、昨日の話なんだけどね――」スタスタ



ガツン!!



春香「『いた』っっっ!!!!」


千早「………」ピクッ

春香「『いた』ぁー……テーブルの脚にスネぶつけちゃったぁ」チラ


千早「………」


春香「いやー、『いた』!」チラチラ


千早「……もぅ、何やってるのよ、大丈夫?」


春香「うん、なんとか……えへへ」


千早「……それで、昨日どうかしたの?」


春香「うん、別に大した事じゃないんだけど、昨日ちょっと料理の練習をしようと思ってね」


千早「うんうん、それで?」


春香「そしたら『まな板』が全然見当たらなくてさー」


千早「………」


春香「何処にあるのか探してたら、なぜか柱と壁!の間に落ちててね」


千早「………」


春香「それで拾って見てみたら、『まな板』じゃなくて『洗濯板』でね」


千早「………」ヒクヒク


春香「そうしたら――」ズズッ


春香「『薄』っっっっっ!!!!!!」


千早「……っ」ピクッ

春香「『薄』いなぁー!このコーヒー『薄』っ!」チラ


千早「………」


春香「いやー失敗しちゃったなー、『薄』いなあー、すっごく『薄』い!!」チラチラ


千早「……なら淹れなおしてくればいいじゃない」ピクピク


春香「千早ちゃん、なんか怒ってる?」


千早「別に……怒ってないわよ」


春香「やっぱり気にしてるよね」


千早「いいえ、気にしてないわ」


春香「ふーん」


千早「………」


春香「………」

春香「千早ちゃん、今PSPと『シャイニーフェスタ』の『ハニーサウンド』持ってる?」


千早「持ってるけど、それがどうかしたの?」


春香「ちょっと見せてもらっても良い?」


千早「えぇ、いいわよ」ガサゴソ


千早「はい」スッ


春香「ありがとう!えへへっ」カチッ



  \アイドルマスター!シャイニーフェスタ!ハニーサウンド!/



春香「……ねえ千早ちゃん」カチカチ


千早「なにかしら?」


春香「なんで『神summer』だけ、まだ一回もプレイしてないの?」


千早「………別に、気分が乗らなかっただけよ」


春香「プレイ時間カンストするほど遊んでるのに?」


千早「そうよ」


春香「違うよね、765プロのバストサイズNo1とNo3に挟まれる自分を見たくなかったんだよね」


千早「春香が何を言っているのかサッパリわからないわ」


春香「気にしてるよね」


千早「いいえ、全く気にしてないわ」


春香「ふーん」


千早「………」


春香「………」

春香「せっかくだし、ちょっとプレイしてもいい?」


千早「……別に構わないわ」


春香「えへへっ♪それじゃ遠慮なく……」カチカチ



  \テーレッテレ♪テーレッテレ♪/


春香「見て見て、千早ちゃん!この水着、三人ともすっごく可愛いね!」


千早「そうね」


春香「『神summer』聞いてると、皆で海に行ったの思い出すよねー、楽しかったよねー!」


千早「そうね」


春香「あずささんと貴音さんのオッパイ、大きくてすごかったよねー」


千早「……そうね」


春香「ねえ千早ちゃん」


千早「何かしら」


春香「とりあえず目のハイライトさんを戻してもらってもいいかな」


千早「春香が何を言ってるのか、全く理解できないわ」


春香「気にしてるよね」


千早「いいえ、一切気にしてないわ」


春香「ふーん」


千早「………」


春香「………」

春香「あ、あずささーん!」


あずさ「あらあらー」ドタプーン


千早「………」


春香「この前、ダイエットに効くっていうんで真から縄跳び借りたので、一緒にやりましょう!」


あずさ「あらー、良いわねー」


春香「ほっ、ほっ!」ピョンピョン


あずさ「あらっ、あらっ!」ドタプンドタプン


千早「……っ!」ギリッ

春香「あと、ダイエットに効くっていうんで真からベルトをお腹に当てて振動させる機械も借りたので、一緒にやりましょう!」


あずさ「あらー、良いわねー」


千早「………」


春香「う゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛い゛」ヴヴヴヴヴヴ


あずさ「あ゛ら゛あ゛ら゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛」ドタププププププ


千早「……っっ!!」ギリギリッ

春香「あずささん、お疲れ様です!また明日ー!」


あずさ「あらあらー」


千早「………」


春香「ねえ千早ちゃん」


千早「……なに?」


春香「とてもじゃないけど、女の子がしちゃいけない表情になってるよ」


千早「春香が何を言ってるのか、皆目検討がつかないわ」


春香「気にしてるよね」


千早「いいえ、微塵も気にしてないわ」


春香「ふーん」


千早「………」


春香「………」

春香「あ、プロデューサーさーん」


P「おー春香、どうした?」


春香「確か、千早ちゃんを使うか迷ってる企画があるんですよね」


P「え?あぁ……まぁ、うん」


千早「どうしたんですか?えらく歯切れが悪いですけど……」


P「いやな、その……水着のグラビア撮影の企画なんだけど………」


千早「?別に水着の撮影ぐらい…少し前までの私だったらいざ知らず」


P「それが…CGプロとの合同企画撮影でな、うちと向こうで三人づつ出る事になってるんだけど………」


千早「はい」


P「現時点でうちからは、あずささんと貴音。向こうのCGプロからは及川雫と向井拓海が出る事が決まってる」


千早「そうですか」


千早「………………………」


千早「………は?」

千早「誰と誰と誰と誰ですって?」


P「向こうは及川雫と向井拓海は決定、あと一人は多分、片桐早苗さんになると思う」


千早「それでウチからは?」


P「あずささんと貴音」


千早「それで後一人が?」


P「千早」


千早「」

千早「え、ちょっと待って下さい…普通に考えたら、そこは美希辺りが入りますよね?」


P「まぁ、そうなんだけど……美希がスケジュール的にちょっと厳しくてな」


P「次点の律子は表に立つのを嫌がるし、スケジュール的に千早が調度良いんだけど……流石にちょっと………な」


千早「そ、そうですよ!それは流石に――」


春香「大丈夫ですよ!プロデューサーさん!!千早ちゃん、胸の事なんて気にしてないって言ってたから問題無いですよ!!」


千早「!?」


P「え?そうなのか?」


千早「いや、違っ――」


春香「そうなんです!何度か聞きましたけど、全然気にしてないって言ってました!!」


千早「待っ――」


春香「私は別に悩んでるって言うほどでもないけど、ちょっとは気にしてるから」


春香「そのメンバーの中に入るのは気が引けちゃいますけど」


春香「千早ちゃんは、そんなの気にしてないって言ってたから大丈夫です!問題ありません!!」


千早「……………」


春香「そうだよねー!千早ちゃん!」


千早「」

千早「…………る…よ」


春香「ん?どうしたの千早ちゃん?」


千早「……してるわよ……!」


春香「ごめん!聞こえない!もう一度ハッキリと言ってもらっていい?」


千早「………………」


千早「気にしてるって言ってるのよ!!!!!」

千早「何よ!?」

千早「何よ何よ72よ!?」


千早「なんなのよっっ!!!!!」


千早「私が胸が小さいのを気にしてるから何!?」


千早「皆の中で一番小さいのを気にしてるからなんだっていうの!?」


千早「それがどうしたっていうのよ!?」


千早「ん゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!!!!!!!」

千早「……ふっ………うぅ……くっ」グスグス


春香「………千早ちゃん」


千早「……うっ……ぐす………なによぅ……」ボロボロ


春香「やっと………本音を打ち明けてくれたね」


千早「……ひっく……だから…なに…?」ポロポロ


春香「私、知ってるんだよ?千早ちゃんが海であずささんと貴音さんのオッパイを見て悔しそうに歯を食いしばってるのを」


千早「…………くっ」グス


春香「その後、あずささんと貴音さんに律子さんも加わった、765プロのトップバストズに囲まれて、とても複雑そうな顔をしてたのも」


千早「……………ふぐっ」グスグス


春香「皆の学年が上がって成長して、千早ちゃんの765プロバスト最下位が決定した時、すごく悲しそうにしてたのも、全部知ってるんだよ」


千早「…………それが?」


春香「なのに千早ちゃんにどうしたのか聞いても、なんでもないの一点張り」


春香「私にはまだ、悩みの一つも話してもらえないんだって、とても悲しかった………」


千早「……………」


春香「でも、千早ちゃんは今、ようやく本音を打ち明けてくれて……」


春香「そのことが、とっても嬉しいよ」


千早「………だからなんだっていうの?別に話したからって、どうにもならないじゃない………」


千早「もう、私の事はほっといて……!」


春香「ほっとかない、ほっとかないよ!!」


千早「!!!」ハッ

春香「確かに、私に話してくれたところで何も出来ないかも知れない!」


春香「私が何かしたところで、何も変わらないかも知れない!」


春香「でもだからって、765プロの仲間が……友達が………」


春香「私の親友が…目の前で悲しそうにしてるのを見過ごすなんて出来ない!!」


春香「ほっとける訳ないよっっ!!!」


千早「……っ!」







春香「だって――」


春香「私たち……」


春香「仲間だもんげ!!!!!」


千早「春香ぁっ!!」ダキッ


春香「千早ちゃぁん!!」ダキッ

千早「うぅっ……春香……春香ぁ……!」ギュウー


春香「千早ちゃん……千早ちゃぁん……!!」ギュウー














P「んー」ポリポリ


P「なんかわかんないけど、じゃあ今度のグラビアは千早で良いかぁ」

春香(その後、件のグラビアの撮影現場には)


春香(あずささんと貴音さん、及川雫さんと向井拓海さんな囲まれ)


春香(目から一切の光を失った千早ちゃんの姿がそこにありました)


春香(またCGプロの方の最後の一人は、まさかの棟方愛海ちゃんでした)


春香(結果、撮影は困難を極め、現場は混沌の坩堝と化しました)


春香(ですが、苦難の末に撮影が終わった後、千早ちゃんはとても晴れ晴れとした笑顔をしていました)


春香(撮影中、なにがあったのかはわかりません)


春香(だけど、こうやって辛い事や苦しい事を一つ一つ乗り越え、私たちは)


春香(人は強く、そして輝いて幾のだと実感しました……―――)











最後の最後で誤字った……死にたい

ちーちゃんかわいいよちーちゃん

HTML化依頼だしてきます

読んでくれた方々、画像支援してくれた方々
感謝感激でございます

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