まどか「『ジョジョの奇妙な冒険』、読むといいよぉ……」ほむら「……え?」 (334)

ジョジョとまどマギのクロスです。

何番煎じかは知りません。

亀更新に加え、独自解釈・独自設定・キャラ崩壊ですがご勘弁を。

まどマギとジョジョの純粋なファンはそっ閉じお願いしますね。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1401970274


 ◆   ◆   ◆


「ごめんね、ほむらちゃん……」

「いや、いやよまどか……。私、あなたがいないと……」

「ねえ、ほむらちゃんは過去に戻れるんだよね。だから、一つお願いがあるんだ……」

「え……」

「過去に戻ったら……」

「戻った……ら?」

「『ジョジョの奇妙な冒険』、読むといいよぉ……」





「……え?」

「あと、ついでに、キュゥべえに騙される前の馬鹿な私を、助けてあげてくれないかな……」

「ついで!? そっちがついでなの!?」

「じゃあ、ほむらちゃん、私、そろそろ……」

「ちょ、ちょっとまってまどか! ジョジョの奇妙な冒険って何!?」

「きっと、ほむらちゃんの力になってくれると思うんだあ……。さよなら、ほむらちゃん。……これが、私、これがさよならを言う私なんだ……」

「そ、そんな、いやっ! まどか!」

「ああ、せめてジョジョリオン……最新号だけでも見とけばよかったなあ……」

「ま、まどか!? まどかあああああああ!」





ほむら「――スタンダ――――ップ!」


ほむら「……ハッ! また同じ天井……そうか、前回も私はまどかを……」ギリッ

ほむら「いいえ、過ぎたことを悔やんでしまっても前に進めないわ。今度こそ、この時間軸でまどかを助ける! そのためにまた準備をしないと……」ゴソゴソ


 ――ジョジョの奇妙な冒険、読むといいよぉ……。

ほむら「――ハッ! そ、そう言えばまどかは最期にそう言ってた……。きっと私の助けになるからって。……読むといいって言うことは小説か何かかしら?」

ほむら「…………。何にせよ、まどかが死力を振り絞って私に伝えてくれたメッセージ。きっと、意味がある筈。本屋さんに行って探してみましょうか」





 ――文○堂

ほむら「小説コーナー…無いわね。まどかは文学作品を読むような子じゃないし……現代小説かライトノベルだと思ったんだけど……」

「おっとお嬢ちゃん、何かお探しかい?」

ほむら「!?」

書店員「『誰だ』って顔してんで紹介させてもらうがよ、おれぁ、おせっかい焼きの文○堂書店員!」

ほむら「あ……そ、そうなんですか。……えっと『ジョジョの奇妙な冒険』ってありますか?」

書店員「ジョジョの奇妙な冒険! お嬢ちゃん、中々目の付けどころが違うねえ。ついてきなッ! 案内してやるぜ」

ほむら「は、はあ……(何かしらこの店員……)」




書店員「こちらだぜッ!」

ほむら「ええっ!? ま、漫画だったの?」

書店員「後はゆっくり探しなッ! 書店員はクールに去るぜ」スタスタ

ほむら「ど、どうも……」

ほむら「…………」

ほむら「そういえばまどかって漫画が好きだったりしたわね。けどまどかの好みはある程度把握しているつもりだったのに……。まあループの度に若干設定が変わることもあるものね。取りあえず買って……」

ほむら「…………」

ほむら「……あの、すみません」

書店員「おっと、何か困りごとかい?」


「もしかして、ここの棚にあるもの、全部同じ漫画なんですか?」

「おっと、こいつはうっかりしてた! ジョジョを探しに来てたのに小説コーナーに居たってぇことは、お嬢ちゃんは初心者だなッ!」

「オーケイ! このおせっかい焼きの書店員が分かり易く『解説』してやるぜッ!」

「ジョジョの奇妙な冒険は集英社より刊行されている人気シリーズで、現在第一部~七部までが完結、第八部ジョジョリオンが連載中だッ! 第七部までで合計104冊あり、第八部のジョジョリオンは現在7巻まで発売中となっているのさッ!」

「ひゃ、104+7……」クラッ

「……はっ、いけない、予想外の多さについ気を失いそうになったけど……」

「まどかがこれを薦めてくれた以上――必ず何かがこの物語に眠っている筈!」

「け、けど、いきなり104+7冊買うのはキツい……」

「おっと正確には六部からは新しく一巻から出ているからな、63+17+24+7だ」

>>7
すみません、人物名忘れてました。



ほむら「くっ! 初心者である私にはどこまで買えばいいのか分からない……!」

書店員「そうか、ならまず一部を読んでみたらいいと思うぜ。5巻までで短いからな、お嬢ちゃんの細い腕でもギリギリもって帰れる筈さ」

ほむら「そ、そうですね。じゃあそれをお願いします(まあいざとなれば四次元盾があるからいいんだけど……)」


書店員「ありがとうございましたァ――ッ!」

ほむら「い、いやに暑苦しい店員だったわ。けど、とりあえず第一目標は達成ね。嫌に疲れた気がするけど……」

ほむら「『ジョジョの奇妙な冒険』……まどか、あなたの言いたいことがこの物語に眠っているなら、私は必ずそれを見つけ出してみせるわ!」


本屋にいるのはポルナレフだろ?

そこは本屋ナレフじゃないのか…


◆   ◆   ◆


ほむら「さて、とりあえず帰宅したわ。とりあえず次にまどかと会う時のためにも、まずは読んでみようかしら」

ほむら「…………」パラッ

ほむら「……凄い濃い絵ね……。まどかってこういうのも好きだったのかしら……。正直付いて行けるか心配だわ……」パラッ

ほむら「……しかしこのディオって嫌な奴ね、コソコソ影に隠れてジョナサンを陥れようとしたり……」パラッ

ほむら「……けど、ジョナサンも好きなキャラでは無いわね、今時こんな青春キャラ似合わないわ……こういう奴はすぐに騙されて、美樹さやかみたいに魔女になるのがオチよ」パラッ

ほむら「ちょ、ちょっとここまでするのディオッ! そ、そんなエリナの初めてを無理矢理奪うなんて……///」

ほむら「で、でももしまどかが誰かにあんなことされたら……うああああああッ!」ガンガンガン

ほむら「……ハァ……ハァ……いけない、つい取り乱してしまったわ……続きを」パラッ

ほむら「スピードワゴン、いいキャラしてるわね、私にもこんな仲間が居たら……」パラッ

ほむら「そ、そんな、ツェペリさん……! けど、あなたの心はジョジョの中にしっかりと宿っているのね。……私の中にも、まどかの意志はあるのかしら」パラッ

ほむら「宿敵を倒して尚涙を流すなんて……甘ちゃんにも程があるわね……。ふ、フン、けどその真っ直ぐな心は評価してもいいわ!」パラッ

ほむら「……そ、そんな、ジョジョ、駄目よそれだけは……! あなたはエリナと生きる未来があるのに! 自分一人で死ぬなんて、そんな、そんなこと……」パラッ


ほむら「ジョジョ――――ッ!」


ほむら「く……ッ! 愛した人の為に自分を犠牲にするなんて……まるであの時のまどかじゃない……!」ギリッ

ほむら「ごめんなさい……。あなたのこと誤解してたわジョジョ、あなたは、最高の紳士よ……(゚ーÅ) ホロリ」

ほむら「涙……? もう泣かないって決めた筈なのに……まどかのことを思い出したせいかしらね」パラッ


ほむら「……あら? 一部が終わったのにまだページが……そうか、次は第二部……彼がジョジョを受け継ぐのね……」パタン

ほむら「…………」チラッ

ほむら「まだ時間はあるわね……。ま、まだまどかの伝えたいことが完全に分かったとは言えないし、そのためには続きを買う必要があると思うの、うん!」



書店員「ありがとうございましたァ――ッ!」(二回目)


ほむら「う……重い……。三部終了……28巻まで買ってしまったのはやりすぎかしら。けど一般人の目の前で盾の中にしまう訳にはいかないし……とりあえずここで時間停止して……」ゴソゴソ

ほむら「よしっ収納完了、あとは家で読むだけね」


ほむら「二部の主人公はジョセフ・ジョースター……彼もまたジョジョって訳なのね」パラッ

ほむら「ちょっと軽い男だと思ったけど、スモーキーをバカにされて、ゴロツキを相手にする姿……確かにジョナサンの血を継いでいるって分かるわ」パラッ

ほむら「は、柱の男ッ!? こ、今度の敵は吸血鬼よりも更に上の存在なの!?」パラッ

ほむら「うぷっ……流石にジョセフの女装はキツいわね……で、でもスピードワゴンの為に女装すら辞さない姿……尊敬するわ」パラッ

ほむら「シーザー……ジョセフとは相容れなさそうな性格ね……。まるで私とマミや美樹さやかみたい……」パラッ


ほむら「な、何なのこの三人ッ! サンタナなんかとは比べ物にならない強さを感じる……!」ゴクリ

ほむら「ジョセフ、あなたは紛れも無く……ヒーローよ……ッ! ヒーロー……。まどかは私にとってのヒーローだったけど……私には決して届かない存在ね……」パラッ

ほむら「エシディシの次はワムウなのね……。でもあの神砂嵐を打つワムウ相手に一人だなんて……」パラッ

ほむら「そ、そんなッ! ああ、いやよッ! し、シーザーッ!」プルプル

ほむら「シィィィザァァァ――――ッ!」

ほむら「くっ……なんて酷い……。けど、最期に友であるジョセフにその魂を託したのね……」グスッ


 ――魔法少女になる前の私を――


ほむら「……そうか、私もまどかに託されて……」

ほむら「ワムウも……憎めない敵だったわね……。シーザーを殺した敵である筈なのに、敬意すら湧いてくるから不思議だわ……。エシディシも仲間の為にプライドを捨てた。……きっとカーズもそんな信念を……」


カーズ『勝てばよかろうなのだァ――ッ!』

ほむら「カァァァァァァズゥゥウウウウウ――ッ!」

ほむら「何なのコイツ! エシディシもワムウもあんなに真剣に正々堂々戦ったと言うのに! まったくあのクソ白猫もどき並のゲスっぷりね!」プンプン



「くしゅん!」

「あら、キュゥべえ風邪?」

キュゥべえ「いや、……何か理不尽な暴言を吐かれた気がするんだど……」ブルッ



ほむら「そんな、ジョセフ……カーズを倒したのにあなたが死んじゃったら……嘘! これって……」

ほむら「ジョセフ――ッ!」

ほむら「もう、スージーQはマヌケね! でも良かった、ジョセフが生きていて……」パタン



ほむら「……シーザーとジョセフは、初めはぶつかり合っていたけど、戦いを通すことで、無二の親友になった……。シーザーが死んでも、その遺志はしっかりとジョセフに伝わっていたわね……」

ほむら「……私は……」



 ――信じられないね、そんなこと。


 ――みんな死ぬしかないじゃない!



ほむら「助けを求めるだけ、協力を仰ぐだけ無駄だと思ってた……。だから、一人で戦おうと思った……。けど」

ほむら「もし、もし諦めなければ、心の底から信じて、助け合えば、彼らのような関係になれたのかしら……」

ほむら「…………」

ほむら「三部、読もうかしら」ゴソゴソ

ほむら「……何故まどかがこの漫画を私に薦めて来たのか、分かって来たかもしれない」

ほむら「――まどか、あなたが言いたかったこと、すべてこの中から見つけ出してみせるッ!」




 /└────────┬┐
 < To Be Continued...
   \┌────────┴┘


今回はここまでです……って言うかAAズレまくってる!
次から気をつけます。

>>10
>>11
し、しまった! たしかにここはポルポル入れるべきでしたね…

シルバーチャリ乙

未来で会おう イタリアで

>>10
>>11
コブラチームじゃねーか!

しまった このままじゃあアニメ組の俺ではこれ以上先を読むわけにはいかねぇぜ

こういう読んで影響受けるの好きだわ

おつ。
ブチャラティたちがまどマギを観るパターンもあったなwww

グダグダすぎる

台詞に顔文字入れるのやめろ


くっそ深刻な感じじゃなく読めそうでいいわ

まどかはほむらに黄金の精神を持って欲しいのかな

漆黒の持ちそうなんですがそれは…

え?ジョジョの奇妙な冒険とスティールボールランは別の漫画だろ?

ほむらちゃん冷徹そうに見えて中身脆い病弱ヘタレメガネのままだから
むしろジョジョでいう所の漆黒の意志は持った方がいい

>>32
途中から明確にジョジョパート7って小さく書かれるようになった

元々、ほむにはジョニィのような漆黒の意思があるだろうな
黄金の精神と覚悟も身につけてもらいたい

そもそも魔法少女全員が黄金の精神とは無縁の連中ばかりだろ
基本ジョジョの敵みたいに後ろ向きな連中ばかり

ほむらが漫画読んでるだけじゃん
クロスって呼べるのかこれ

まだ始まった所じゃん?

期待してる

俺は好きだよ、こういうの

読み終わって寝て起きたら…とか


>>20

ありがとうございます!

>>21

この台詞いいですよねー

>>22

BGMは素敵ですね。

>>23

三部以降のネタバレもかなり含んでしまうので、アニメで楽しんでいる方はこの先は読まない方がいいかもしれないです。

>>24

ありがとうございます!

>>25

ありがとうございます!
そんな話もあるんですね、ちょっと探してみようかと思います。

>>26

すみません、このSSは基本的にグダグタ進行で行きたいと思っているので、展開が遅いのはご勘弁下さい。

>>27

試しに入れてみましたが、やっぱり微妙だったのでもう使わないと思います。

>>28

ありがとうございます!
言うまでもないと思いますが、重くしたく無いので、基本的にはギャグ寄りで行きたいと思います。

>>30

そこは後々……って言うまでもないですね。

>>31
>>33
>>35
>>36

魔法少女は悲劇の塊みたいなものですからね…。
漆黒の意志みたいな感情を持っているイメージがありますが、ジョジョを読んでどう変わるのか……。
 
>>32
>>34さんの言う通り途中からジョジョになりましたね。
ただほむらが7部読むことにするかはちょっと迷ってます。

>>38

とりあえずジョジョが出てくるのでクロスと書かせて頂きました。
このSSではジョジョキャラは漫画の登場人物なので、活躍を期待していた方は申し訳ありません。

>>39

長い目で見ていてくれると助かります。

>>40
>>41
ありがとうございます!

>>42

まだ二部までしか読んでいない今夜のほむらは眠れませんね。


予想以上にレスがあってビビってます……。
とりあえずこのSSは基本的にのんびりグダグタと進めて行くつもりです。
今回もほむらが漫画を読むだけの展開です。


ほむら「……と言う訳で第三部を読みましょうか。あら、でももうこんな時間……先に夕ご飯作った方がいいわね……」

ほむら「…………」チラッ

ほむら「まあいいかしら、もともとゾンビみたいな身体なんだし」

ツェペリ『ゾンビではなーいッ! ゾンビは恐怖も勇気も持たぬ、ノミと同じよッ!』

ほむら「はいッ! すみませんツェペリさん! 私は人間です!」ビシッ

ほむら「……お、思わず脳内ツェペリさんに謝ってしまったわ。流石はジョナサンの師……」

ほむら「冷蔵庫に何か……あ、ウイダーinゼリーあったわ。じゃあこれを飲みつつ……」ズキュー


ほむら「さて第三部は……承太郎? ジョセフの孫とあるけど高校生とは思えない強面ね……」パラッ

ほむら「ジョセフは随分印象が変わったわね、中々ナイスミドルになってるわ」パラッ


ほむら「え……まさかこの棺桶って……」ゴクリ

ほむら「す、スタンド!? 三部からは新たな力が動き出すのね!」パラッ

ほむら「スタンド……か、カッコいいわね……」ワクワク

ほむら「お、おじいちゃんって……! こ、この顔でおじいちゃんって……」プルプル

ほむら「や、やっぱりあの棺桶の中身はDIO! へえ、三部からは英語表記になるのね」パラッ

ほむら「ってそんなことよりなんてこと! てっきり船の爆発に飲み込まれて死んだと思ったのに……。まさかジョナサンの肉体を乗っ取って生きているなんて!」ダンッ!


ほむら「……一部の頃はゲスキャラとしか感じてなかったけど、中々大物感のあるキャラに変わっているじゃない。100年の孤独が彼を変えたのかしら……」

ほむら「……私は、何年孤独な時を過ごしたのかしら。逆行出来る時間はたったの一ヶ月。12回繰り返して、やっと一年の月日」

ほむら「……DIOは、少なくとも私が1200回逆行している分の時間、海底で本当に一人きりで孤独に生きていたのね……。それなのにも関わらず、生きることを諦めずに、こうして復活を遂げた……」

ほむら「それに比べれば私は……」

ほむら「って何考えてるのよ!」

ほむら「コイツは悪役なのよ! 人を大勢平気で殺している奴なのに……」

ほむら「……けど……その生き方は、私が否定出来るものじゃない……わね」


ほむら「……それよりも続きよ!」パラッ

ほむら「ジョセフは勿論だけど、アヴドゥル、花京院、ポルナレフも中々いいキャラね」パラッ

ほむら「あ、でもこのポルナレフの役回りは何となく美樹さやかを彷彿とさせなくも……」パラッ

ほむら「いいえ、ポルナレフの方が100万倍カッコいいわね。決める所はキッチリ決めてくれるわ」パラッ

ほむら「タロットに示されたスタンド……あ、熱くさせてくれるじゃない! ……でも若干魔女の性質みたいに感じて複雑かも……」パラッ

ほむら「私たちの能力がスタンドだったらもっと便利だったのかしら。……でもホルホースよりはマミの銃の方が強そうに見えるわね」パラッ

ほむら「え、エジプト7栄神!? ま、まだまだ敵スタンド使いは居るってことなの!?」パラッ

ほむら「ディ、DIO……一瞬でホルホースの背後にまわるなんて……一体コイツのスタンド能力は何なの!?」パラッ



ほむら「……物語も佳境……ここがDIOの屋敷……」ゴクリ

ほむら「あ、アヴドゥル―――ッ!」

ほむら「そ、そんなあのアヴドゥルが一瞬で……!」

ほむら「ヴァニラ・アイス! なんて恐ろしい能力ッ! こんな能力の魔女がいたらと思うとゾッとするわね……」

ほむら「い、イギーーッ!」

ほむら「こ、こんな短い間に一気に仲間が二人も……。なんて非情な世界なの……」

ほむら「ポルナレフ、私も同じ気持ちよ……。最初はいけ好かなかったけど、この子が死んだ今は痛い程分かるわ、私も、この子が好きだったんだって……」グスッ


ほむら「……マミが、さやかが、杏子が死んだ時……悲しみを感じなくなったのはいつからかしら……?」

ほむら「いえ、感じていたのかもしれない……。けれど、やり直せる私は、いつしか仲間の死をただの過程として受け入れてしまっていたのね……」

ほむら「ああ、今なら分かるわ……。彼女たちが死んだ時、私の胸に刺さるような痛みが走った訳が……忘れていたものが……」

ほむら「なんて、ちょっとセンチになっちゃったわね。さて続きを……――ッ! こ、このシルエットは!」パラッ

ほむら「――ディ、DIOッ!」

ほむら「ついに現れたわね、ポルナレフ、負けないでッ!」パラッ

ほむら「こ、これがDIOの『世界』! く、悔しいけどカッコいいわ……!」ギリッ

ほむら「動作が逆転している……!? 思ったことを逆にするスタンドなのかしら……?」パラッ

ほむら「いえ、違うッ! あのDIOのスタンドはそんなチャチなもんじゃあ無いわッ! も、もっと恐ろしい何かが――」パラッ


DIO『これが……『世界』だ!』











ほむら「……え?」

花京院『やつ……は……「時」を止められるのだ……』


ほむら「え? え?」

ジョセフ『DIOの「世界」の正体とはッ! 「時」を止める能力だったのかッ!』

ほむら「それ私の力じゃないいいぃっ――――!」


ほむら「お、驚きだわ……。フフ、彼の生き方にはどこか賛同してしまう所があると思ったけど、まさか同じ『能力』を持っているとはね……」

ほむら「あ、でも時止めの時間は私の方が長い……けどDIOは停止した時間の中でも攻撃が出来るし……」

ほむら「そ、それより承太郎たちはッ!」パラッ

ほむら「そ、そんなジョセフまでが……。これでもう承太郎たちは承太郎と手負いのポルナレフだけに……」パラッ

ほむら「二人だけの最終決戦……ワルプルギスの夜に立ち向かった、あの時の私とまどかのよう……」パラッ

ほむら「じょ、ジョセフ……。ああ、いっ、行っては駄目!」

ほむら「こんな場面を見せつけられて、怒るなって言う方が無理ってものよ!」

ほむら「ロードローラーッ!? なんて酷い攻撃をッ!」

ほむら「そうか、タンクローリーではなくロードローラーを使うべきだったのね……。流石悪の帝王、考えることが違うわ……!」パラッ

ほむら「で、でもこのままじゃ承太郎が潰されちゃう! ああ、そんなっ、じょ、じょうた――」パラッ


承太郎『俺が時を止めた……』


ほむら「時止め返しキタ――――ッ!」

ほむら「こ、この展開は最高ね! 絶望が漂う中、主人公が最後に能力を覚醒させる……最高にハイってやつよッ!」


ほむら「朝日に映る三人の影……承太郎たちは勝利したけど、彼らが生き返るわけじゃない……。それでも、彼らの遺志は、間違いなく承太郎たちを夜明けに導いたのね……よかった」グスッ

ほむら「はあ……三部、面白かったわ……」パタン

ほむら「っていけない! これじゃただ楽しんでるだけじゃない! ちゃんとまどかがこの漫画を通して伝えたかったことを見つけ出さないのに!」

ほむら「四部が一体どんな話になるかも気になるけど……で、でももう転校まで時間があまりないわね……」

ほむら「くっ、仕様がないわ! キリがいいし、ジョジョは取りあえず一旦打ち切って作戦を立てるわよ!」







書店員「ありがとうございましたァ――ッ!」(三回目)


ほむら「…………」テクテク

ほむら「……あれ?」ピタッ

ほむら「今、私の両手には、ジョジョの奇妙な冒険、29~47巻までがあります」

ほむら「さっき私は、部屋で新たな作戦を練ろうとしてた筈よね?」

ほむら「…………」

ほむら「あ、ありのまま今起こったことを言うわ! 『私は作戦を練ろうとしたら、ジョジョの四部のコミックスを買い終わっていた』」

ほむら「な、何を言っているのか分からないと思うけど、私も何をされたのか分からなかった……」

ほむら「催眠術とか超スピードとか、そんなチャチなもんじゃあ決してない……。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったわ……」

ほむら「まさかこれはあのクソ白猫耳毛うさぎもどきの陰謀ッ!? くっ! 姑息なマネを……」ギリッ




キュゥべえ「きゅっぷしょん! きゅっぷしょん!」

「あらあら、くしゃみ二回は悪いことを噂されている時らしいわよ?」

キュゥべえ「い、いや、全力で理不尽な殺意を向けられた気がするんだけど……」ゾクッ



ほむら「まあ買ってしまったものはしょうがないわ、家に帰って読むとしましょう」ワクワク

ほむら「まどか、必ずあなたがここに託したメッセージを(ry」


ほむら「あ! 四部にも承太郎は出てくるのね、同じ時止め能力者が活躍してくれるのは嬉しいわ」パラッ

ほむら「四部の主人公は……東方仗助? ああ、仗と助で、ジョジョなのね。でも彼はジョースター家とどういう繋がりが……」パラッ





ほむら「……嘘だと言って」orz

ほむら「ま、まさかあのエジプトの激戦の前に既に……なんて」ワナワナ

ほむら「見損なったわジョセフ、スージーQに誓った愛はどうしたのよッ!」ダンッ

ほむら「わ、私は絶対にまどか以外に浮気をしたりはしないわってまだ付き合ってる訳じゃないけどいやまだとかそんな期待を持たせた言い方をしてる訳じゃないくて私がまどかに感じているのはあくまで恩人として友人としての感情であって決してそんなヨコシマなものは(ry」


ほむら「全く……。まあジョセフの性格なら……って考えられちゃうあたりが悲しいわね……」

ほむら「けどこの仗助ってのもさっぱりした性格ね。承太郎が殴られる覚悟で来たのにむしろ謝るなんて……」パラッ


ほむら「……私もこんな風にマミやさやかと接すれば、あんな醜いことにはならなかったのかも……」

ほむら「フフッ、もしかしたらこの仗助がジョジョの中で一番温厚な性格……」パラッ

仗助『このヘアースタイルがサザエさんみてェーだとォ?』

ほむら「なんてことは無かったわね、見た目通りの性格だわ」

ほむら「髪をけなされると怒るのね……マミのドリルをからかったらどうなるかしら」

ほむら「ザ・ハンドの能力使えばもしかしてワルプルギスも粉々に出来るんじゃ……」

ほむら「由花子怖い……。全く、愛があるならもっと優しくする筈よね! これじゃただのメンヘラよ!」

ほむら「露伴先生……この人の能力を使ってさやかの頭から上条への愛をすべて杏子に変換させれば案外上手く行くんじゃないかしら」

ほむら「トニオさんの御飯美味しそう……。ウイダーinゼリーでお腹を満たしていた自分が悲しくなるわね……」


ほむら「今回の話はボスらしき人物が見えないわね、こうして現れる悪のスタンド使いを倒して行くだけなのかしら……――ッ!?」

ほむら「な、何、コイツ! 手……女の人の手だけを持ち歩いている……。こいつはヤバいわ! 残虐性、異常性に置いてはディオ以上よッ!」

ほむら「吉良吉影……コイツが四部のボスってことね!」

ほむら「……爆弾って怖いものだったのね。ちょっとさやかの気持ちが分かったわ……ごめんなさい、何週か前のさやか」

ほむら「早人くん行動力ハンパないわね! 私も見習わなくちゃ」ホムッ

ほむら「このチープトリックのウザさはあのアルビノ並ね!」

ほむら「は、早人くんが……! でも、これで吉良は完全に追いつめ……――!? な、なんなのこの力は!? 時が戻って――ハッ! まさか私と同じ時間逆行!?」

ほむら「いやああああっ! みんなが一気に……。あ、あっけなさすぎる……。こんなの、酷すぎるわ……!」グスッ


吉良『一度起こった「運命」の結果は変わらないんだよ、早人』

ほむら「『運命』は……変えられない……。ひょっとして、私が今までやってきたこともそうだったのかしら……」

ほむら「何度も、何度も、何度繰り返しても、私はまどかを救えなかった。それは、もう既にまどかが死ぬと言う『運命』が出来上がってしまっているから? 時間を遡ってやり直しても、結局、同じ道筋をただなぞり返しているだけなの……?」

ほむら「まどか……もしかしてあなたは、無駄なことはやめろって私に言おうとしたのかしら……」

ほむら「もしそうなら……私が、やって来たことには……意味なんて……」パラッ

ほむら「早人くん……まだ、諦めてないの……? え、嘘……これは……――ッ! 仗助ッ!」

ほむら「解除された……『運命』が変わった……。彼は――『運命』に勝ったのね!」



ほむら「……グレートだったわ、第四部。色々考えさせられたわね……」パタン



ほむら「早人くんは、誰もが絶望する『運命』の中、それでも諦めないで道を切り開いた……。『運命』なんてちっぽけなもの……。『運命』は変えることが……勝つことが出来る」

ほむら「まどか、ひょっとしてあなたは私が何度も時間を繰り返していたことを……」

ほむら「……まさかね。でも、言葉はとても響いたわ」


ほむら「…………」

ほむら「『スタープラチナ・ザ・ワールド』ッ!」パキーン



ほむら「……ヤバい、ちょっと癖になりそうね、これ」


暁美ほむら ―― ジョジョシリーズを四部まで読破。転校まで残り一日を切ったが、このまま五部を買いに行くことに決めた。

キュゥべえ ―― 遠くから感じる謎の殺意に震えつつ、当初の予定通り、まどかとの契約の為動き始める。

巴マミ ―― 今夜は一人でステーキを食べた。



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9栄神が二人減ってる……

乙コメントなどありがとうございます。
とりあえずこのSSでほむらがジョジョを読んでいるのは前座みたいなものですので、無駄に長くなると思います。
 
次レスより更新再開します。今回で漫画編は一旦終了です。


>>72

ちょっとトーキング・ヘッドを付けられてて……


ほむら「さて……明日はいよいよ転校の日、まどかとご対面な訳だけど……」チラッ

ほむら「五部、勢いに任せてとは言え、全部買ってしまったわね」

ほむら「まあもともと47巻の途中から始まっていたけど……やっぱり読むのだったら一気に読みたいものね!」ホムッ

ほむら「と、言う訳で、改めて47巻から、五部、黄金の風を読み始めるわッ!」



ほむら「あ、承太郎! 五部も登場するのかしら? あ、でも基本的に語り部は康一くんなのね」パラッ


ほむら「しおばなはるの? 随分綺麗……と言うか女の子みたいな名前ね。まあどんな名前を連ねても『鹿目まどか』の美しさの前では全て無駄ね」パラッ

ほむら「ジョルノ・ジョバァーナ? ……なんだかどこかで見覚えがあるような……」パラッ

ほむら「う、嘘っ! そんなまさかッ! 彼の正体はッ!」

ほむら「そうか、だから承太郎は彼に会いたく無かったのね……。ジョルノ、これが五部の主役を努める五人目のジョジョ……」

ほむら「五部は……ギャングの世界のお話なのかしら……」パラッ

ほむら「正直ループの度にヤーさんから武器を借りてる私は微妙な気分ね……」パラッ

ほむら「けど、幼い時に自分を助けてくれた人と言うのは……必要以上に大きく見えてしまうもの」


ほむら「ジョルノは、自分に信じる心を教えてくれた名も知らないギャングに憧れその道を目指した。……私は、自分を変えるきっかけを作ってくれたまどかに憧れて、そして、出会いをやり直す為に魔法少女になった」

ほむら「勝手だけど……ジョルノ、あなたにも、私と同じ心を感じ取ってしまうのはおかしいことなのかしら?」

ほむら「と、いけないいけない。続きを読まないと」パラッ

ほむら「ブ、ブチャラティカッコいい……。最初変な髪型とか思ってごめんなさい……」

ほむら「『命を侮辱した』……か。何度も何度も時間を繰り返して、想い人さえ撃ち殺した私には、重い言葉ね……」

ほむら「ちょっ、ちょっとアバッキオ! 新人が気に入らないのは分かるけど何てことを……///」

ほむら「ギャング同士の抗争ってやつか……。内輪で揉める所は魔法少女と大差ないわね」

ほむら「やった、幹部の試練をクリアしたわ! っていきなりボスの娘!? いきなり大物が引っかかったわね。これがボスへの道しるべとなるのかしら」


ほむら「ギャングの世界……法律を犯して、弱者を苦しめるだけの存在だと思っていたけど、彼らには彼らの信条があって、そこに命を賭けているのね」

ほむら「ブチャラティカッコ良すぎるわよもうッ! 『部下』も、『任務』も、『両方』守る覚悟、か……。私は……」

ほむら「プ、プロシュートの兄貴ッ! 敵とは言え、その状態でも能力を使い続けるなんて……ッ! 賞賛せざるを得ないわッ!」

ほむら「ようやくトリッシュを届けることが出来たわね……。けど、ここが正念場、ボスの正体を少しでも……――ッ!? ト、トリッシュ!?」

ほむら「――な、なんてことッ! 『邪悪』ッ! それしか感じられないわッ! 自分の子を、娘を、自分の為に殺すなんてッ!」ホムムッ

ほむら「これがボスの力『キング・クリムゾン』ッ! 時を消し飛ばすなんて……DIOの持つ『世界』とは別ベクトルだけど、なんて恐ろしい能力なの!」ギリッ

ほむら「……フーゴはここで離脱しちゃうのね……。パープルへイズ、私のカラーだから応援してたんだけどなぁ……」ホムゥ


ほむら「ムーディ・ブルースを再生。ようやくボスの素顔が拝めると言う訳……え?」パラッ


ほむら「……あら? どうしていきなり場面が……アバッキオは、どうしてオープンカフェなんかに……」パラッ

ほむら「そんな、その……そのバスに乗って来たと言うことは――」


ほむら「アバッキオ……そんな……こんな、こんな……酷い……」グスッ

ほむら「けど……彼の同僚の言葉……。彼は恨んでいなかった。いえ、それどころか、彼を賞賛した……」

ほむら「大切なのは、諦めない心、『真実に向かう意思』……か」

ほむら「…………」

ほむら「続きを……」

ほむら「アバッキオの残したデスマスク……けど、やっぱり証拠はないのね。……彼の意思は……――ッ!?」パラッ


ほむら「う、嘘、このシルエット……この髪型……――ポルナレフッ! まさかまた貴方に会える時が来るなんて……!」

ほむら「持っているのは『矢』……? でもそれはスタンド使いを生み出すだけの負の産物。私たちにとってのキュゥべえみたいなものなのに、なんで……」



キュゥべえ「い、今なんか初めて名前を呼ばれた気がしたよ!」

「何言ってるの、いつも私は名前で呼んでるじゃない」



ほむら「……最終決戦の地はローマ。ここにポルナレフが……」パラッ

ほむら「チョコラータとセッコ! ボスと同等の吐き気を催すクズね!」

ほむら「ジョルノのセリフ、カッコいい……。いつかあの白毛無表情に向かって吐き捨ててやりたいわ」

ほむら「こ、これがボスの正体ッ! ああッ! ポルナレフが……え?」


ほむら「レクイエム!? スタンドの先にまだ新たな力があったんなんて……!」

ほむら「トリッシュ、寄せて上げるブラ使ってたのね……。何だかあなたとは仲良くなれそう……」パラッ

ほむら「……!? ジョルノの……ブローチ?」

ほむら「……嘘よ、そんな、嘘」

ほむら「ナランチャ――――――ッ!」

ほむら「……ナランチャが死んだ……。けど、彼らもまた悲しみに暮れる暇などないのね……」

ほむら「これが最後……誰が矢を手にするかの大勝負ッ!」ホムッ

ほむら「ぶ、ブチャラティ! あなたも……でも、ジョルノに全てを託したのね」

ほむら「これが――ジョルノのレクイエム……」



ほむら「――そう、ボスはもう、どこへも行くことはないのね」

ほむら「『去ってしまったものたちから受け継いだ者は、さらに「先」に進めなくてはならない』……か」

ほむら「去ってしまったもの……マミ、さやか、杏子……そしてまどか」

ほむら「いくら時間を繰り返しても、彼女達が死んだと言う時間も、私がまどかを撃ち殺したと言う罪も、決して消えるものじゃない」

ほむら「……今まで、私は忘れようとして来た。無かったことにして、やり直そうとして来た……」

ほむら「けど、違うのね」



ほむら「……『眠れる奴隷』。私もまた、目覚めることで、何か意味のあることを切り開いて行く存在となれるのかしら……」パタン

ほむら「……すぅ」


ほむら「――っていけないいけない! このまま寝落ちして転校とか笑い話にもならないわよ! まだ武器の調達もしてないのに!」

ほむら「こ、今度こそ、武器の調達と作戦よ! まだ完結しているシリーズは二つあるけれど、もう駄目! これ以上読み続けたら朝になっちゃうわ!」

ほむら「まどか、ごめんなさい! でも魔女と戦う為にも武器の調達だけは絶対しなくちゃいけないの!」








書店員「蛍の光ィィ――――ッ!」


ほむら「ふぅ、閉店間際だったけど間に合って良かったわ。ジョジョの奇妙な冒険6部、ストーンオーシャン。ギリギリ買えた……――ッ!?」バッ

ほむら「い、いつの間に私はコミックスを買い終わっていたの!? お、おかしい! 私はコミックスを買うまでの『過程』を覚えていないッ!」

ほむら「『結果』だけッ! コミックスを買い終わったと言う『結果』だけがここに残っているッ!」

ほむら「ま、まさかあのクソアルビノまどかストーカーの奴! こんな技まで見につけていたなんてッ!」ダンッ



キュゥべえ「ストーカーとかお前にだけは言われたくねーよッ!」クワッ

「ひいッ! か、帰ってくるなりいきなりどうしたのキュゥべえ!?」ビクッ

キュゥべえ「ご、ごめん、何か言わなくちゃいけないような気がしたんだ……」



ほむら「ま、買ってしまったものは(ry」

ほむら「家に帰ってレッツ読書よ!」ホムッ





ほむら「六部からは巻数が一巻からになるのね。では早速……」パラッ

ほむら「――っていきなりなんて話題から始まるのよ……///」

ほむら「……六部の舞台は……刑務所なのかしら? 名前はジョリーン……そしてこの痣、ひょっとしてこの子は……!」パラッ

ほむら「そっかぁ、シリーズもこれだけ続けば承太郎も結婚くらいしてるわよね……」

ほむら「第六部、空条除倫-――『石作りの海(ストーン・オーシャン)』……か」

ほむら「さ、最ッ低! 何なのこの男! 必死に除倫はあなたを庇っていたというのに……!」ギリッ

ほむら「愛していた人に裏切られるのは辛いわね……。やっぱりさやかにはもう少し優しく接するべきだったかしら……」ホムゥ

ほむら「海外の刑務所ってこんなに怖いのかしら……アメリカ憧れてたけどちょっと見る目を変えちゃうかも……」ブルブル

ほむら「こ、これが除倫のスタンドの真の姿……!」


ほむら「『ストーン・フリー』。この石の海から自由になる為の心の形なのね……」パラッ

ほむら「待ってたわ承太郎ッ! あなたの『スタープラチナ』を使えばこんな刑務所簡単に脱獄出来るわね!」ホムッ

ほむら「まさかDIOとの因縁がまだ続いていたなんて!」パラッ

ほむら「ま、まさか無敵のスタープラチナが奪われるなんて……。承太郎、不器用でも貴方はやっぱり父親なのね……」パラッ

ほむら「スタンドをDISCにすることで盗み、使用することも出来るスタンド、『ホワイトスネイク』……。ひょっとしたら今までで一番恐ろしいスタンドかも……」パラッ

ほむら「本体が神父なんて……一体彼は何の目的で除倫たちを……」パラッ

ほむら「このシルエット、『時を止めることの出来る男』……まさかッ! コイツはッ!」パラッ

ほむら「あの激戦の裏でそんなことがあったなんて……。『天国へ行く方法』。これがこの六部の根幹なのね」パラッ


ほむら「やったッ! DISCを届けたッ! これで承太郎の命はひとまず助かったわね」ホッ

ほむら「父親の記憶を取り戻すために自ら懲罰房に……。ちょっと前までは恋人に騙されて涙を浮かべていたのに、随分逞しくなったわね」

ほむら「……まどか、今の私はどうかしら? 一番始めの私とくらべて、強くなってる? 逞しく……なってるかしら?」

ほむら「……まさかね」

ほむら「これはプッチの回想ね。久しぶりに三部のDIOが……」パラッ


ほむら「……いや誰よこれ」

ほむら「明らかにおかしいでしょ! 何この穏やかな顔! 全然三部の時と顔違うじゃない! 何のんびり船の模型作っちゃってるのよ!」ダンッ

ほむら「友達出来ると顔つきも変わるのね……。私もまどかと出会うまではいつもビクビクしてて……そんな自分を変えたくて魔法少女になったけど……」


ほむら「あ、アナスイって男だったんだ……。と言うかこんなキャラだったのね」パラッ

ほむら「緑色の赤んぼう……!? この子は一体……」パラッ

ほむら「ちょくちょくプッチの回想に出てくるDIO……やっぱり三部と同一人物だと思えない……ってまさかこの『骨』が!」パラッ

ほむら「そんな、F・F……アナスイを助ける為にあなたは……」


ほむら「けど……『さよなら』って言葉は好きじゃないわ。私はさよならは言わない。何度でも何度でも、その言葉を、まどかの口から聞いてしまう限り、私は時を……」

ほむら「……続きを読まなくちゃ」パラッ

ほむら「首に星形の痣……これって」パラッ

ほむら「DIOの残したメモ……とりあえずカブト虫が多いわね」パラッ


ほむら「ピノキオが現実に!? それだけじゃない、白雪姫にアトム、鉄人28号、マジンガーZも!」

ほむら「空想の中のキャラが現実に出てくるなんて夢のような……」

ほむら「……いや、最悪ね、これ。最終的に死ぬんじゃ意味ないじゃない!」

ほむら「でももうちょっと改良すれば、自由にキャラクターを生み出すことが出来たり……?」

ほむら「べ、別に承太郎になってスタープラチナでオラオラしたい訳じゃないわよッ!」」ホムッ

ほむら「プッチの元に集まるDIOの息子たち……。ジョルノはあのギャングに出会えたからこそ、ここまで堕ちることは無かったのね」

ほむら「プッチとウェザーの間にそんなことがあったなんて……」パラッ

ほむら「こ、これがウェザーの真の能力ッ! これはちょっとカタツムリがトラウマになりそう……」パラッ

ほむら「……ウェザー、最後の力を振り絞って、その『希望』を形にして除倫に託したのね」

ほむら「……私が手にしている力は『希望』なのかしら?」

すみません、徐倫の字が間違ってました…


ほむら「あ、指輪が! アナスイ……なんだか凄く可哀想……」ブワッ

ほむら「これがプッチの進化したスタンド! 『裏返す』、単純だけどなんて恐ろしい力ッ!」

ほむら「承太郎がついに到着したッ! もうプッチを助けるものは無い! これで終わり――え?」

ほむら「新たな力……『天国の時』、時の加速……これが天国を作るスタンドなの!?」

ほむら「奴を倒せるのは承太郎だけ、今度こそ、この時間停止で……――ッ!?」

ほむら「徐倫の頭上に……! そんな! いやっ! 承太郎――――――――ッ!」

ほむら「徐倫、あなたまで! だって、承太郎が命を賭けてあなたを助けたのに、いやああああっ!」



ほむら「……一巡した世界……もう、アナスイも、エルメェスも、承太郎も、徐倫もいない……こんなの、絶対おかしい……!」グスッ

ほむら「もう駄目なの? 『運命』は……もう、プッチの中に――」パラッ

ほむら「――! こ、これは、エンポリオの中にッ!」



ほむら「終わった……加速は終わって、『覚悟』を知る世界は消えた……。けれど、承太郎たちは……」パラッ

ほむら「……!? こ、これは……!」

ほむら「新しい世界……これは、アナスイの、徐倫の、エルメェスの、ウェザーの魂であるのかもしれない」

ほむら「けど、『彼ら』と言う存在はもう誰も覚えていないのね。彼、エンポリオを除いては……」


ほむら「エンポリオ、あなたは、私と同じ――いえ、それ以上かしら」パタン


ほむら「私が時を超える度に出会うマミは、さやかは、杏子は、まどかは……」

ほむら「……誰も私を覚えていない。私が何者なのか、誰も知らない。けれど、私は……」


ほむら「『正義の道』を歩むことこそ、『運命』……か。私の『正義』は、私の『運命』は……」



ほむら「まどか、あなたが何を伝えて、何を私に知って欲しかったのか……。『ここ』にあったのね。彼らの持つ、『黄金の精神』が、この私を導いてくれると……」

ほむら「ええ、分かったわ、まどか! 私も、『黄金の精神』を持ってみせる! そして、今度こそ、この時間軸で、全ての物語を終わらせてみせるわッ!」


こうして――、一つのコミックシリーズを通して、ほむらは忘れていた『人を信じる』と言う当たり前のことを思い出した。

奇妙なことだが……数日前までは知らなかった、何の興味も無かった『ジョジョ』が、ほむらの心をまっすぐにしてくれたのだ。
 
もう、イジけた目つきはしていない。ほむらの心にはさわやかな風が吹いた……。



ほむら「この暁美ほむらには『夢』がある!」



  /└────────┬┐
 < To Be Continued... | |
  \┌────────┴┘




ということで今回はここまでです。
七部読了は間を挟んでにしようかと考えています。

コメントありがとうございます、励みになります。
七部に関してはちょっと微妙な感じです。どこかで入れたいとは思っているのですが…。

短いですが、次レスより更新再開します。
今回からようやく本編です。


◆   ◆   ◆


早乙女「じゃあ、先生が呼んだら入って来て下さいね」

「はい、分かりました……」

「あ、あの、大丈夫? 凄く疲れてるみたいだけど……」

「い、いえ、ちょっと転校することに緊張して、よく眠れなかっただけですから」

「そ、そう。ならいいけど……。じゃあちょっと待っててね」


>>118
早速人物名を忘れましたが、スルーして下さい。

>キョウハミナサンニタイセツナオハナシガアリマ-ス


ほむら「はあ……結局六部読み終えたのが今日の明け方……。その後必死に武器を調達してギリギリの状態でここに来たから……正直キツいわ」

>タマゴノヤキカゲンニケチヲツケルヨウナゲロイカノクズトハツキアッチャアイケマセン!

ほむら「でも、心は晴れ晴れとしているわ……。ジョジョは私に、生きる理由を一つ与えてくれた。『黄金の精神』を持つ、私にとっての、新たな目標」

>センセイガイイタイノハソコダケダァーッ!

ほむら「……いや、違うわね、『黄金の精神』を持ちたいと思っている時、既に行動は終わっているのよね。『持ちたい』、と言う言葉を使っちゃあ意味がないわ」

>デハテンコウセイヲショウカイシマ-ス

ほむら「……いよいよね、まどか、これで何度目の出会いかしら……」ガラッ


ほむら「暁美ほむらです。よろしくお願いします」




さやか「うわーっ、すっげー美人!」

仁美「フトモモだけをアップにして撮りたいですわね」

まどか「あの人……夢に出て来た……」

ほむら「…………」

ほむら(まどか、今度こそ、あなたを救ってみせる……! 彼らの教えてくれた、『黄金の精神』と共に!)


◆   ◆   ◆


ほむら「ごめんなさい……保健室に連れて行ってもらえるかしら?」

まどか「う、うん。凄い隈出来てるもんね……」

ほむら(テンプレの展開だけど、今回は本当に休む必要があるわ……。今日は誰かしらとの戦闘は避けられないし)

ほむら(ピストルズだって、ちゃんとシエスタしてるものね。やっぱり働く為には休息が必要よ!)ホムッ




ほむら「保健室、こっちでいいのよね?」

まどか「う、うん。……あの、あけ――」

ほむら「ほむらでいいわ」

まどか(喰い気味で!?)

まどか「じゃ、じゃあほむらゃん……あの、聞きたいことがあるんだけど……」

ほむら「次にあなたは、『ほむらちゃんと私って、前にどこかであった?』というわ」ビッ

まどか「ほむらちゃんと私って、前にどこかであった? ――ハッ!」

ほむら(しまったわ、つい、何度も聞いてるフレーズだから……。でもこれ気持ちいいわね)ゾクゾク

まどか「え、えと……」

ほむら「……無いわ」クルッ

まどか「え、まっ、待って!」

ほむら「一度もあったことが無いわ……。会うはずが無い……。私は転校生なのよ。初めて来た場所だし、もう、出発しなくてはならない……。次の場所(保健室)へね……」スタスタ

まどか「…………」

まどか「……夢だったのかな、やっぱり」



◆   ◆   ◆


ほむら「ふぁあ……」

ほむら「さて……少し眠れたことだし、第一のミッションスタートね。あのクソアルビノをアリアリアリアリアリーヴェデルチしに行かないと……あれ?」

ほむら「……夕日が出てる……」

ほむら「…………」

ほむら「お、『おかしい』わッ! 私はほんの一時間ほど横になっているつもりだったのに! まさかキンクリが発動していたというの!? くそっ、急がないと!」ダッ


ほむら「うおおおおおお――――ッ!」ダダダダダッ



◆   ◆   ◆


――改装中のビル――

キュゥべえ「さて、なんだか昨日は変な悪寒を感じてたけど……(というか何故か若干今も感じるけど)」

キュゥべえ「準備はバッチリさ。後はここにまどかを呼んで、魔女に襲わせてからの契約成立! これでノルマを達成出来るよ」


◆   ◆   ◆


ほむら「はぁはぁ……」

ほむら「まずいわね、この時間じゃあどんなに急いでも、キュゥべえとまどかは出会ってしまうはず……」

ほむら「あいつ見てくれだけは異様にいいから、純真無垢で天使なまどかは一瞬で信じきってしまう……」

ほむら「そうなったらキュゥべえとまどかを引き離すのはより難しくなってしまうわね……」

ほむら「くそっ! どうしたら……!」ギリッ

ジョースター卿『逆に考えるんだ。「出会ってしまっていいさ」と考えるんだ」

ほむら「――ッ! ジョースター卿! その言葉の意味は一体――ハッ! ……そうか、そう言うことね!」

ほむら「ならちょっと……買い物が必要ね」



◆   ◆   ◆


さやか「ねえ、どうしたの、まどか?

まどか「なんだかこっちから声が……


キュゥべえ「お、噂をすれば。さやかも一緒か。数は多いにこしたことはないし、ついでに契約してもらうかな」

さやか「わっ! 何だこのぬいぐるみ!」

まどか「……あれ、あなたはどこかで……」

キュゥべえ「きゅっぷい、初めましてまどか、突然だけど――」

「――あなたは次のセリフは、『僕と契約して、魔法少女になってよ!』という!」

キュゥべえ「僕と契約して、魔法少女になってよ! ――ハッ!」

ズキュン!


キュゥべえ「ひいっ! 頬の横を銃弾がッ!」

さやか「いっ、一体いきなり何だ!?」

キュゥべえ「ま、魔力の気配……!? 君は一体……」

「――ホムナレフ」

まどか「……え?」

「――名乗らせて頂くわ、A(アケミ)・P(ピエール)……」


ほむら「ホムナレフ!」バン! ←E:片割れハートイヤリング+マフラー+学生帽


さやか「転校生!?」

ほむら(決まったわね)ファサッ

さやか「何だあのおかしなファッション……」



お気に入りのキャラコスをしつつ、逆行を浴びながら颯爽と立つその姿!

そうッ! 暁美ほむらはこう考えた!

何気ない日常を送るまどかは、キュウべえという非日常の存在の大きさに、瞬く間に興味を引かれてしまう!

しかしッ! それならば自分が、この暁美ほむらが――その『上』を行く存在となればいいだけだとッ!

キュゥべえ「ほ、ホムナレフ!? 君も魔法少女なのか!? 何故いきなり攻撃を――」


ズズズ……!


さやか「な、なんだこれ!? なんか黒いもんが浮かんでるんだけど!」


ブワツ!


使い魔「gvhbっvgbふsgりh……」

まどか「う、嘘、何これ……」


キュゥべえ「ヤッベ! 使い魔が来るのが予想以上に早かった!」

ほむら「そう、『この時間軸』ではちょいと彼らが来るのが早かったみたいね……」

キュゥべえ「!?」

ほむら「まどかたちと共に、ここで魔女と出会うのは初めての事態だけど……」スチャッ

ズガガガガガガッ!

使い魔「タ コ ス !」ボシュウ

ほむら「『問題はない』……」

キュゥべえ「あ、あの量の使い魔を一瞬で……!」

さやか「ま、マシンガン!?」

使い魔「うえbっじぇいおgrぐっbsrbg……」

ほむら「――依然、『問題はない』ッ!」


ほむら「『スタープラチナ・ザ・ワールド』ッ!」パキーン!


ほむら「時は止まる……。よし、この距離と方向なら、『まどかたち』への被害は無いわね」つ爆弾

ヒュンッ! ……ピタァ

ほむら「『そして時は動き出す』」


ドグォオオオオン!

使い魔+キュウべえ「ヤッダーバァアァァァァアアアア!」


さやか「うわあっ!」

ほむら「片付いたわね」ファサァ

まどか「す、すごい……」


ほむら「怪我はないかしら、まどか?」

まどか「は、はい!」

ほむら「そう、よかったわ……。じゃあ(どさくさにまぎれてキュゥべえも始末したことだし)、私はここで……」

まどか「ま、待って、あなたは一体……」

ほむら「いったはずよ、私の名はホムナレフ。A・P……ホムナレフ!」バァーン!

まどか「ホムナレフ……」

さやか「いやお前転校生だろ」

ほむら「それじゃあね、まどか、自分を大切にするのよ――アリーヴェデルチ!」ガシャァアン

さやか「ガラス突き破って出て行きやがった……」


まどか「ホムナレフ……突然現れて、私たちを助けて去って行く……。あなたは一体何者なの……?」

まどか「けど、ホムナレフ……。あなたとはまたどこかで会う気がする……」

さやか「この茶番なんやねん」


◆   ◆   ◆


「……くっ!」

「あと、数秒早ければ私が使い魔を倒して二人を助けたのに……!」ギリッ

「A・P・ホムナレフ……『警戒』する必要があるみたいね」バッ




  /└────────┬┐
 < To Be Continued...
  \┌────────┴┘


と言う訳で今回はここまでです。
次回はマミさんと出会うことになると思います。

たくさんのコメントありがとうございます、嬉しいです。
はっちゃけほむらさんが受け入れてもらえるか心配だったので、ほっとしました。
次レスより更新再開します。
今回は対マミさん編です。


――その夜、公園にて――


ほむら「ふぅ、ファーストコンタクトは『成功』ね」テクテク

ほむら「強烈なインパクトを植え付けることで、キュゥべえの存在を記憶から抹消する……。ひとまず上手く行ったかしら」

「…………」

ほむら「気付いてるわよ、何の用かしら? ――巴マミ」クルッ

マミ「へえ……名前を知っていてもらえて光栄よ。魔法少女――A・P・ホムナレフ!」バン!

ほむら「…………」

マミ「あら、怖い目ね。まあ、いきなり『同業者』が現れたらそうなるかしら?」クスッ


ほむら「何の用? と聞いた筈よ。同じことを二度言わせないで。一度でいい事を二度いわなけりゃあいけないってのは、そいつが頭が悪いって事だからよ」

マミ「なっ……!」

ほむら「何の用? と聞いているのよ……三度目は言わせないで頂戴」

マミ「こ、この……!」ピクピク

マミ「……いえ、そうね、なら単刀直入に言わせてもらうわ」スッ

マミ「『あの二人に近づかないで』」

ほむら「…………」

マミ「今日――あなたの戦いを見ていたわ。使い魔を瞬時に倒す実力は認めるけれど、あなたの戦い方は危険すぎる。一歩間違えれば、二人とも大怪我をしていたはずよ」


マミ「あの二人はキュゥべえに魔法少女の素質があると聞いている子たち……。後輩になる可能性のある子たちなのよ」

ほむら「その点あなたなら、『二人を安全に守りつつ、魔法少女の道を進ませることが出来る』と?」

マミ「ええ、少なくとも、『あなたより』はね」

ほむら「…………」

ほむら(遅かれ早かれ、生きていれば知る話……なら)

ほむら「話があるわ」

マミ「……話?」

ほむら「巴マミ……あなたには『真実』を知って欲しい。魔法少女になることの、本当の意味を……」

マミ「『真実』ですって……?」





ザアア……。


ほむら「……これが魔法少女の『真実』よ」

マミ「魔法少女の行く末が魔女……ね」

ほむら「ええ……辛いだろうけど――」

マミ「……そんな話、信じると思うかしら?」カチャッ

ほむら「ッ!?」

ほむら「な、待って、巴マミ! 話を――」

ドキュン!

ほむら「……っ!」


マミ「あの子たちを進んで魔法少女にさせるつもりはないわ。ただ――あなたの傍は危険! それだけは! 今! 分かったわッ!」

ズドドドドッ!

ほむら(ッ! まさか、いきなり撃ってくるなんて……!)

マミ「それにあなた……キュゥべえに酷いことしたみたいじゃない? ……『お友達』を傷つける輩には、容赦はしないつもりよ?」スチャッ

ほむら(お友達……ね。そういうこと、インキュベーターッ!)ギリッ

ほむら(キュゥべえを攻撃する以上は、彼女とこうなることは『覚悟』していたけれど、あのクソアルビノが何か吹き込みやがったのね)

ほむら(今までの私だったら、この場で彼女を切り捨てて、彼女の最期に立ち会うこともしなかった……)

ほむら(けど今は……)

ほむら「……悪いけど、退くつもりは無いわ」ザッ

マミ「へえ、そう……」


ほむら「少し、頭を冷やさせてあげるわ、巴マミ!」グッ

マミ「……『頭を冷やさせる』? そんな台詞は――この私を倒してからにしなさいッ!」

シルシル……

ほむら(――ハッ! しまった、 マミの放った『弾丸』からはッ!)バッ

ギリィッ!

ほむら「くっ……!」

ほむら(迂闊だったわ……! 銃で撃って来たのは威嚇じゃあなく、この為だったのね……)

マミ「どう? ブルっちまう特技でしょう?」

マミ「このまま、あなたの喉奥に銃口を突き立てることも出来るのよ。分かったら、あの二人から手を引く誓いを立てなさい」

マミ「誓いさえ立ててくれたら――この場は見逃して上げるわよ」カチン


ほむら「……っ」

ほむら「……本当に、見逃してくれるの? あの二人から手を引くって誓ったら、本当に『見逃して』くれるの?

マミ「ええ、約束するわ」ニコッ


ほむら「だが断る」

マミ「ナニッ!!」

ほむら「この暁美ほむらの最も好きな事のひとつは、自分で強いと思ってるやつに「NO」と断ってる事よ……」

ほむら(力を貸して、――ジョセフッ!)

ほむら「せいっ!」ザアッ

マミ「なっ!? ……目に砂をッ! くっ! 姑息な真似を――」


一瞬! 時にして僅か数コンマの一瞬! ほむらの奇襲に、マミが僅かな隙を見せた、『拘束を弱めたその一瞬』を!

――ほむらは見逃さなかった!

ほむら「『スタープラチナ・ザ・ワールド』(時は止まる)ッ!』ドーン!

ほむら「ふぅ、危なかったわ。けど――ここまでよッ!」ブンッ!

ほむら「『そして時は動き出す』」

ガンッ!

マミ「がっ……! 何……が……!?」ガクッ

ほむら(ま、銃身で殴ればこんなものね)

マミ「く……! 目潰しなんて……卑怯よ!」

ほむら「予告無しに人を縛りあげるあなたから、卑怯なんて言葉を聞くとは思わなかったわ。ましてや今はルール無用のデスマッチ! 私、生き残る為には手段は選ばないわよ」ファサァ

ほむら(ってジョセフも言ってたしね)ウン




ほむら「さて……」

ジャリッ!

マミ「!」ビクッ

ほむら「あなた……『覚悟して来てる人』……よね。人を『始末』しようとするって事は、逆に『始末』されるかもしれない危険を常に『覚悟して来ている人』ってわけよね……」

マミ「ひっ!」

マミ(こ、この子ッ! マジに私を『始末』しようとしているッ! この子の目……精肉工場に連れて行かれる肉牛でもみるかのように冷たい目……残酷な目……! 「かわいそうだけど、あしたの朝にはお肉屋さんの店先にならぶ運命なのね」ってかんじの!)

ほむら(ああ、この台詞一回言ってみたかったのよね……やっぱりジョルノもいいわ)ゾクゾク

マミ「――ッ!」

マミ(マズい……この子には、やると言ったらやる……『スゴ味』があるッ!)


マミ「……けど」

ほむら「?」

マミ「……私だって、負けるわけにはいかないのよッ!」ジャキッ!

ほむら「! まだ銃を隠し持って――」

マミ「『隙』を見せたわね! これで終わ――……ッ!?」グラッ

ほむら「ええ、終りね」

ドサッ!

マミ「うぐっ……!」

ほむら「『相手が勝ち誇った時、そいつは既に敗北している』。これがA・P・ホムナレフのやり方よ」ファサァッ

マミ「……くっ! いつの間に後ろに……!」


ほむら「お願いだから、話を聞いて巴マミ。あなたはキュゥべえに騙されているのよ」

マミ「そんなはずはないわ! だって……だって、あの子と私はお友達なのよ!」

ほむら「…………」

ほむら(……このやりとりも、もう諦めた過程の内だった。でも、今は違う)

ほむら(あなたを救う為だったら……私はあなたを傷つけることだってする!)

ほむら「なら、あなたの『お友達』の口から聞けばいいわ。……見ているんでしょ? インキュベーターッ!」

キュゥべえ「……やれやれ、君は一体何者なんだい? 僕の『正体』を知っているなんて」ヒョコッ

マミ「――キュゥべえ!? いつから……それに『正体』って」

ほむら「今、私が言った通りよ。そいつの正体はインキュベーター。私たち魔法少女を家畜にしてエネルギーを集める、最低のゲスよ」

ほむら(多分ディアボロもそう評すると思うわ)ウン


マミ「う、嘘よ……ねえ、嘘よね、キュゥべえ……?」フルフル

キュゥべ「いいや、本当だよ」

マミ「――ッ! そ、そんな! なんでそのことをずっと黙っていたの!」

キュゥべ「訊かれなかったからさ。君自身――『本当はとっくに気付いていた』んじゃないのかい?」

マミ「ッ! そ、それは……」

ほむら(やっぱりね……)

キュゥべえ「それでも、僕に『真実』を訊かなかったのは、その事実を受け止めようとしなかったのは、君自身の『弱さ』だろう?」

マミ「そんな、嘘よ……じゃあ、私は……この先……」ズズズ……

ほむら(マズい、ソウルジェムが急激に!)

ほむら「『敗北』を認めるんじゃあない! 巴マミ!」


マミ「魔法少女が魔女を生み出すなら、あなたも……私も――みんな死ぬしかないじゃない!」ゴォオオオオッ――

ほむら「『スタープラチナ・ザ・ワールド』ッ!!」ドーン!

ほむら「やれやれだわ……本日四回目の時止めよ」

ほむら「…………」


ほむら「マミ……」スッ

ほむら「強くて、優しくて、それなのに、誰よりも傷つきやすいあなたなら、こうなると分かってた」

ほむら「けど、マミ……あなたはここで死なせないわ。――いいえ、もう、誰も死なせないッ!」

ほむら(……巴さん、もう一度あなたと――)グッ

ほむら「仲間を見捨てることはしない! それが彼らの教えてくれた『黄金の精神』よッ!」

ほむら「あととりあえずキュゥべえは撃ち殺しとくッ!」パパンッ




ほむら「さて……『時は動き出す』!」

キュゥべえ「べちあっ」ブチュン

マミ「はぁ……っ、はぁ……っ!」ガクッ

マミ「ソウルジェムから穢れが……! こ、これはグリーフシード!?」バッ

マミ「まさかあなたが? な、なんで私なんかを……」

ほむら「この暁美ほむらには『夢』がある!」バン!

マミ「!?」

ほむら「その『夢』の為には――あなたの力が必要なのよ、巴マミ」

マミ「……私には、私にはもう、力なんて……」


ほむら「立って。このままあいつの思い通りになる必要なんてないわ。私たちで『運命』を変えるのよ」

マミ「……だって、だって私……唯一の友達に……『裏切られた』のよ……?」ポロポロ

マミ「もう、私、何の為に魔法少女を続ければいいか分からないわ……」グスッ

マミ「ホムナレフ……いえ、暁美さん、あなたは強いのね。私たちの行く末……その『結果』を知って尚、戦えるなんて……」

ほむら「…………」

ほむら「そうね……けど、私は『結果』だけを求めてはいないわ」

ほむら「『結果』だけを知ってしまうと、魔法少女は絶望してしまうものよ……そして近道をしてしまう」

ほむら「近道した時、『真実』を見失うかもしれない。……今のあなたのようにね」

マミ「……ッ!」



マミ「だって……だってもう『真実』を知ってしまったじゃない! 私たちの行く末と言う……『真実』を!」

ほむら「……大切なのは『真実に向かおうとする意志』だと思ってる。魔女になる未来ではなく……この先、あなたが、みんなが、笑っていられる未来と言う『真実』を……」

マミ「!」

ほむら「向かうとする意志さえあれば、たとえ今回闇に呑まれそうになっても、いつかはたどり着くでしょう? 向かっている訳だからね。……違うかしら?」

ほむら(アバッキオの同僚……今なら、より深くその言葉の意味が分かる気がする)

マミ「…………」

マミ「……ふふっ、あなた、変な子ね」

ほむら「お互い様よ。改めて言うわ、巴マミ。この私に……『力』を貸して」スッ



マミ「…………」スッ

マミ「いいわ……狂いそうになるほどの『真実』を、私に話してくれたあなたの気高き『覚悟』と……黄金のような『夢』に賭けるわ。――ホムナレフ!」ガシッ!

ほむら「グレートよ……巴マミ!」


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣


鹿目まどか ―― 突然現れた謎の美少女(というか変人)『ホムナレフ』に対し、ちょっとドキドキ。あの人は一体誰なのだろう?

暁美ほむら ―― 説得のかいあり、マミを仲間にすることに成功。かなりジョジョれたし、今夜は熟睡できそうね!

巴マミ ―― 念願の『人間の』お友達をついにゲット。もう一人じゃない!




  /└──────────────────────────────┬┐┐┐
 < 『ワルプルギスの夜』まで残り約4週 To Be Continued...
  \┌──────────────────────────────┴┘┘┘


というわけで今回はここまでです。
読んでくれている方、ありがとうございます。

乙コメントなどありがとうございます。
かなり間が空いて申し訳ありません。
短いですが、続き更新させて頂きます。今回は繋ぎの回です。


――翌日――


ほむら(昨夜巴マミと共闘の誓いを立てることに成功した)

ほむら(これでワルプルギスの夜との戦いが頼もしくなったわけだけど……)

マミ「」ギュー ←腕に抱きついている

ほむら(どうしてこうなったのかしら)



~昨夜の回想ッ!~


ほむら「さて、今夜は熟睡できそうね」

マミ「あ、まってホムナレフ……」

ほむら「あ、そうそう、流れ的に(語呂が悪かったから)本名を言っちゃったけど、普段は私のこと暁美ほむらとして呼んで頂戴」

マミ「あ、そうなの? じゃあ、これからは暁美さんと普段は呼ばせてもらうことにするわ」

ほむら「ええ、それでお願いするわ」

マミ「そ、その代わりに……」

ほむら「?」

マミ「私のことは……マミって呼んでくれないかしら? その、フルネームって他人行儀だし……///」

ほむら「……分かったわ、よろしくね、マミ」

マミ「ええ、よろしく、暁美さん!」


マミ「それと……」

ほむら「何かしら?」

マミ「今夜は、私の家に泊まってくれないかしら?」

ほむら「別に構わないけれど……何故?」

マミ「恥ずかしい話だけど、今まで私、キュゥべえと出会ってからは、一人の夜って過ごしたことはあまりないの」

マミ「でも、もうキュゥべえとあんなことになっちゃった以上、今日からは本当に一人の夜なわけだし……」

マミ「だから……その……」

ほむら「寂しいのね」

マミ「そうよ、悪い?」

ほむら「いいえ、あなたがそういう性格だってことは知ってるわ。じゃあ、お邪魔させてもらおうかしら」

マミ「あ、ありがとう!」



マミ「……不思議ね」

ほむら「何がかしら?」

マミ「私って、ずっと自分を強く見せることに拘ってた。ずっと、誰かに頼られる存在で居ようと頑張ってたの」

マミ「でも、あなたを前にすると、つい自分の素が出ちゃう。でもね、不思議と……気分がいいの」

ほむら「……あなたは、もっと誰かを頼る術を身につけた方がいいわ。これからはもう、一人じゃないのだから」

マミ「……! そ、そうね! これからは、二人で頑張って行きましょう!」

ほむら(……一人じゃない、か。ほんの少し、言葉を変えるだけで、出会いを変えるだけで……一人じゃない夜を過ごせるなんて……)

ほむら(これも、『黄金の精神』が生み出す副産物かしら?)

ほむら「……なんてね」

マミ「じゃ、じゃあ、ようこそ、ここが私のマンション――」







キュゥべえ「あ、おかえりマミ。今日の晩ご飯はなんだい?」



ほむら「」

マミ「」

キュゥべえ「?」

ほむら「…………」ポァアア

マミ「…………」ポァアア

キュゥべえ「何故変身するんだい?」

ほむら「…………」スチャッ

マミ「…………」スチャッ

キュゥべえ「何故武器を構えるんだい? 訳が分からな――」グシャア


マミ「ここが私のマンションよ!」

ほむら「いい部屋ね、中々気に入ったわ」ファサァ




~回想終了~


ほむら(まさか普通に家に居るとは思わなかったわ……)

ほむら(どんだけ図々しいのよアイツは……。まあ、マミがあのクソアルビノを危険と認識してくれただけでも動いた価値はあったけど……)

ほむら「どうしてずっと私の腕に抱きついているのかしら?」

マミ「ご、ごめんなさい! 私今まで友達って少なかったから、どう接していいのか分からなくて……嫌かしら?」ムニムニ

ほむら(この感触……紛れも無く本物……ッ! AAカップがCになるブラでも付けている可能性を疑ったのにッ!)ギリッ

ほむら「……別に嫌ではないわ。けど、もうすぐあの二人と会――」

まどか「あ、ほむらちゃん!」

マミ「」パッ 

ほむら(瞬間的に腕を離したわね)



さやか「うげっ……転校生」

ほむら「おはよう、鹿目さん、美樹さん」ファサァ

マミ「おはよう、二人とも」

まどか「あ、えっ、えっとお早うございます?」

さやか「あれ、あの人って巴マミ?」

まどか「知ってるの、さやかちゃん?」(小声)

さやか「うん、美人で頭もいいのにいつも昼休み一人で居るって有名な人」(小声)

マミ「あなたたちが鹿目さんに美樹さんね? 今日は、二人に大事な話があるの」

まどか「話、ですか?」

マミ「ええ……これからのあなたたちにとって大事な話よ。とても、ね」スッ

さやか(な、何か一気に空気が……!)


まどか「そ、それって……」

マミ「……今はやめておきましょうか、遅刻しちゃうしね。もう学校だし、続きはお昼休み……屋上で待ってるわ」

さやか「は、はい……」

ほむら(手筈通り……ディモールトいいわよ、マミ!)グッ

マミ(これでいいのよね)グッ

マミ「暁美さんも、また後でね! それじゃあ、アリーヴェデルチ!」バッ


まどか「…………」

さやか「…………」

まどか「さやかちゃん」

さやか「うん」

まどか「カッコいいね、マミさん……!」グッ

さやか「マジ? あんたそれマジで言ってるのまどか?」


ほむら「流石ね、鹿目さん、あなたは人を見る目があるわ」

さやか「…………」

ほむら「それより鹿目さん、今日は一段と嬉しそうね。何かいいことあったのかしら?」

まどか「……おいまどか、コイツにはあまり関わらないほうがいいと……」

まどか「そうなの! 昨日、すっごいことがあったんだよ!」

さやか「無視!?」

まどか「上手く説明出来ないんだけど、昨日私とさやかちゃんが危ない目にあってね! でもその時『ホムナレフ』って謎のヒーローが颯爽と私たちを助けてくれたんだよ!」

ほむら「そう、そんなことが……」

さやか「いやだからあれは転校s――」

まどか「もう私ね! すっごく感激しちゃったんだ!」



さやか「話をきいt――」

まどか「私ってドジでどんくさいから、あんなカッコいい人憧れちゃうなあ……」

ほむら「そう……」

ほむら「でもね、鹿目まどか」

まどか「?」

ほむら「あなたは、家族や友人のこと、大切だと思ってる?」

まどか「え、う、うん。勿論大切だと思ってるよ?」

ほむら「そう、ならあなたに『忠告』しておくわ。その気持ちが本当なら、これだけは守って」

ほむら「あなたがどれだけそのヒーローに憧れても、この先何が起ころうとも、『自分を変えよう』だなんて決して思っては駄目」

ほむら「でなければ――あなたの大切なものを、全て失うことになるわ」

まどか「ほむらちゃん……?」


さやか「おい、転校生、アンタ何を言ってんだ?」

ほむら「それじゃあ、また、教室でね。アリーヴェデルチ!」ガシャアアン

さやか「隠す気ゼロか!」

まどか「…………」

さやか(これには流石のまどかもドン引き……)

まどか「マミさん、そして、ほむらちゃん……。どうしてだろう、あなたたちには初めて逢った気がしない……」

まどか「これが……『運命』ってやつなのかなぁ?」

さやか「おかしいのあたしなのか……いや、そんな筈は……」ブツブツ




~昼休み~


さやか「まどか、本当に行くの?」

まどか「約束したし、ほむらちゃんだって先に待ってるって言ってたよ?」

さやか「いや、ホントあの転校生に関わるのは止めた方がいいと思うんだけど……」

まどか「心配性だなぁ、さやかちゃんは。あ、ほむらちゃん! マミさん!」



マミ「……来たわね」

ほむら「じゃあ、マミ。昨日話した通り、お願いね」

マミ「ええ、絶対にあの二人を、『魔法少女にはさせない』わ」

ほむら「よろしく頼むわ……マミ」


マミ「来てくれてありがとう二人とも。今日は二人に……大切な話があるの」




ザアア……。



マミ「これが、昨日あなたたちに起こったこと。そして、ずっと昔から世界中で繰り返されていた出来事よ」

まどか「魔法少女、魔女、契約……」

まどか「え、えっと……ご、ごめんなさい、いきなりすぎてどうしたらいいか……」

マミ「そうよね、いきなりこんなお話をされても訳が分からないと思うわ。けど、これは全部真実なの」

さやか「じゃ、じゃあ、昨日あたしたちが襲われたのも……」

マミ「ええ、あれも『使い魔』と呼ばれる魔女の手下よ。もしその『ホムナレフ』と言う魔法少女が来てくれなければ、二人とも命を落としていたでしょうね」

まどか「…………」

さやか「…………」

マミ「ごめんなさいね、こんな話。でも、あなたたちには『真実』を知って欲しい。間違った道に進まない為にも……」

さやか「その、キュゥべえって奴が、あたしたちを勧誘しようとしているから、ですか?」



ほむら「正確には、鹿目まどか、あなたを最優先に契約させようとしているわ」

まどか「ウェヒ!? 私?」

ほむら「ええ、あなたには相当の魔法少女の素質が眠っているみたい」

まどか「私に……そんな才能が……?」

ほむら「駄目よ!」

まどか「っ!」

ほむら「……ごめんなさい、けど、契約だけはしては駄目。もし契約をしてしまったら、あなたは……」

まどか「ほむらちゃん……?」

ほむら「……いえ、なんでもないわ」

マミ「とにかく、いつあなたたちのもとにキュゥべえが現れるか分からない。だから、一つだけ覚えていて欲しいの。甘言に騙されて、後先を考えず契約なんてしないで。きっと、後悔することになるから……」

まどか「マミさん……」

マミ「話はそれだけよ、時間を割いてしまってごめんなさい。暗い話はここまでにして、みんなでお昼を食べましょう!」





マミ「じゃあ、暁美さん、また放課後ね」

ほむら「ええ、校門で待ってるわ」



まどか「……ほむらちゃんも、魔法少女だったんだね」

ほむら「ええ、隠していてごめんなさい」

さやか「……あ、あのさ、転校生」

ほむら「? 何かしら?」

さやか「その、ごめん。何も知らなかったのに、アンタのこと……」

さやか(あんな奇天烈な格好をしていたのも、あたしらを遠ざける為のコスプレだったんだな……)

ほむら「構わないわ。あなたたちが魔法少女を危険なものだと認識してくれただけで、私は嬉しい」

さやか「…………」

ほむら「次、移動教室ね。先に行ってるわ」

まどか「あ、うん……」





さやか「……はあ、なんか短い時間で凄い話聞いちゃったね」

まどか「さやかちゃん、私、バカだね」

さやか「うん? どうしたの?」

まどか「私、勝手に昨日助けてくれたあの人に憧れて、あんな風になりたいなんてはしゃいで……。でも、ほむらちゃんたちからすれば、すっごいバカみたいなことだったんだよね。あの人たちが、どんな場所で戦っているかも分かってなかったのに……」

さやか「うん、まあ……仕方ないよ。あたしたちにはどうもできないし、何も知らなかったんだから」

まどか「魔法少女の契約を聞いた時、私、一瞬だけでも、あの人と同じ場所に立てるのかなって思っちゃったんだ。けど、ほむらちゃんの必死な目を見たら……」

さやか「どんな願いでも、か……。でも、死ぬリスクがあってまで叶えたい願い事なんてね……」

まどか「あの人は、どんな願い事をしたのかなぁ……」

さやか「うん……そうだね……ってあれ?」


さやか「そういえばさっきから『あの人』『あの人』言ってるけど、まどかは昨日のアレを……」

まどか「え、正義の味方『ホムナレフ』だよ? ああ、でもあの人の正体を知りたいって願いごとならちょっと……」キラキラ

さやか(……この曇の無い目……間違いない、こいつ、『大マジ』だッ!)

まどか「? 次にあの人にあったら、しっかりお礼言いたいね」

さやか「あ、あー、うん、ソウダネ……」

さやか「…………」

さやか「契約すれば、何でも願い事が叶う、かぁ……」

まどか「さやかちゃん?」

さやか「ん? んーん、なんでもない。早く行こっか」



~放課後~


マミ「暁美さん」

ほむら「マミ……」

マミ「……どうして、あの子たちには魔女化のことを伝えなかったの? もし、本当に契約を阻止したかったら、そのことを第一に言えば済むと思うのだけど」

ほむら「……契約を阻止する為には命の危険を伝えるだけで十分よ。わざわざ、その先の『真実』を伝える必要なんて無い」

マミ「その顔、『嘘』を付いてる顔ね」

ほむら「ッ!?」バッ

ほむら(汗を舐められた――訳じゃあないわね)

マミ「理由が、あるんでしょう?」

ほむら「……美樹さやかはともかく、鹿目まどかにそのことを話すのは危険すぎるのよ」

マミ「鹿目さんに……?」



ほむら「……あの子はね、車にひかれた野良猫を助ける為に契約をするような、優しい子なの。もし、この先私やあなたが魔女になった時――あの子が契約をする危険がある」

ほむら「だからマミ。あなたはともかく――もし、私が魔女になるようなことがあったら、その時は……」

ほむら「……よろしくね、マミ」ポン

マミ「……っ」

ほむら「……結界が近くにあるわね、急ぎましょう」タタッ

ほむら(そう、まどかを救えるのであれば、この身が魔女になってもいい!)

ほむら(大切な人を救う為だったら、自分の全てを捨ててでもやり遂げる……。それが、『黄金の意志』なのだから!)

マミ「…………」

マミ「暁美さん……あなたの瞳に移る『覚悟』は、計り知れないほど深く激しい。……けど、その『覚悟』が、あなたを盲目にさせている気がするのは気のせいかしら?」

マミ「……させない、絶対に、そんなこと……!」グッ




  /└────────┬┐
 < To Be Continued...
  \┌────────┴┘


というわけで今回はここまでです、
読んでくれている方、ありがとうございます。

追いついた。そして思った。
劇中でA・P・ホムナレフが4度ほど「スタープラチナ・ザ・ワールド」と称して時間停止していたが
空条承太郎の「スタープラチナ・ザ・ワールド」は
「スタンド・スタープラチナの卓越したスピードが『光を越える』または『時を越える』と世界はその動きを止め、時間が止まる」
…要するに「超凄いスピードで精密動作をすることで、経過する時間をゼロにしてしまう能力」
能力として別物であることは明白。しかも6部で語られることだから暁美ほむらが知らないはずはない。
故に、魔法少女暁美ほむらの時間停止は純粋な時間停止であるDIOの「世界」の名を冠するべ気じゃないかと。
強いて言うなら「ほむほむ・ざ・わーるど」?

マミ「ティロティロティロティロティロティロティロティロティロ!」

マミ「ティロ・フィナーレ!(最後の一撃よ!)」

随分遅くなって申し訳ありません。とりあえずトリップ付けてみましたが大丈夫かな…?

乙コメントなどありがとうございます。
ほむラッシュについては未だ不明なので、とりあえずは漫画ラッシュを使うことになると思います。

>>256

これはいつか使わせて頂きたいです。


次レスより更新再開します。


~某日、病院~


さやか「恭介ー! 今日はこんなん持って来たよ」

恭介「うわぁ、すごい、これネットでも手に入らない――」

さやか「そ、そうなんだ――」



キュゥべえ「…………」

キュゥべえ「先日はマミとほむらにボコされて上手く話を出来なかったけど……」

キュゥべえ「単刀直入にまどかに契約を仕掛けるのは困難になったみたいだね」

キュゥべえ「けど、まだまだ『手』はある」





恭介「よかったら一緒に聞くかい?」

さやか「え、い、いいの?」

恭介「うん、ほら――」



キュゥべえ「……美樹さやか、君は僕の『駒』にさせて貰おうかな」


 ゴゴゴゴゴゴ……。


◆   ◆   ◆


ほむら「『スタープラチナ・ザ・ワールド』ッ!!」

ほむら「そしてッ! 時を止めたこの状態で繰り出す!」

マミ「『ティロ・フィナーレ』ッ!」

ほむら「――『そして時は動き出す』」

 ドォオオン!

ほむら「ふぅ……」

マミ「今回も楽に片付いたわ、暁美さんのおかげね」

ほむら「そんな、あなたの攻撃力が高いからよ」

マミ「あら、わたしをおだててもケーキと紅茶くらいしか出せないわよ?」クスクス

ほむら「……客観的事実を言ったまでだわ」


ほむら(……そう、実際、私の攻撃では強いダメージを与えられない)

ほむら(魔力の大半を時間停止に注いでしまっているから、自ずと攻撃は盗……拝借した武器頼り。けど、このままでワルプルギスの夜に対抗できるの?)

ほむら(確かにマミは強い。私なんかとは段違いに……。けど、やっぱりあいつはその遥か上を行く筈……。今までの時間軸で、結局あいつを倒せたのはまどかただ一人。けど、それだけは絶対に出来ない……)

ほむら(ワルプルギス討伐、そのためには、まず、私が強くならないと……)

マミ「……暁美さん?」

ほむら「あ、ごめんなさい、ちょっと考え事をしていて……グリーフシードあったわね。じゃあマミ、これを使って」

ほむら「……いえ、それはあなたが貰って。私は魔力が十分じゃなくてもやっていけるわ。この先のためにも、あなたは十分魔力を貯めておいて欲しい」

>>269
すいません、最後の台詞マミさんです。



マミ「そう? ……じゃあ、ありがたく貰っておくわ。また今日も家に泊まって行くかしら?」

ほむら「今日は遠慮させてもらうわ。少し、やりたいことがあるの」

マミ「そう、じゃあまた学校で」

ほむら「ええ。何か――得に、美樹さやかと鹿目まどかに異変があったら、教えて頂戴」

マミ「分かったわ、じゃあ、アリーヴェデルチ!」ビシッ

ほむら「アリーヴェデルチ!」ビシッ

ほむら(マミもなかなかサマになってきたわね)




ほむら「さて、家に帰って来た訳だけど……」


ほむら「そろそろ、『あの魔女』とぶつかる時ね。けど、今回はマミと共に戦える。マミを死なせることはない……けど」

ほむら「なんとかして、もっと『力』を手に入れないと」

ほむら「今までのループ……どんな武器を持ってしても、ワルプルギスの夜に決定打を与えることは出来なかった」

ほむら「あいつを倒したまどかも、そのすぐ後に魔力を使い果たしたせいで……」

ほむら「武器に頼り続けても光明は見えない……何か、魔力を用いた効率のいい戦い方を――」



ほむら「……ハッ!」

ほむら「そうか、その方法が……」

ほむら「一か八か……鍛えてみる価値はありそうね……」



~後日~


まどか「今日も上条くんのお見舞い?」

さやか「う、うんまあね――ってあれ……」

まどか「キュゥべえ!?」

キュゥべえ「やあ、久しぶりだね、さやか、まどか」

さやか「アンタ、何でここにいるの!」

キュゥべえ「怖い顔しないで欲しいな。僕はここで孵化しようとしてるグリーフシードがあるからどうしようかと見ていただけさ」

まどか「……ッ! さやかちゃん! あれ!」

さやか「あの黒いのがグリーフシード……転校生とマミさんが言ってた……!」

キュゥべえ「君たちは早く逃げたほうがいい。結界に取り込まれたら命はないよ?」

まどか「――っ! さやかちゃん、早く!」


さやか「……駄目ッ! 前に屋上で、病院に魔女が取り憑いたらやばいってマミさんが……」

まどか「で、でも……」

キュゥべえ「では、まどか、君は二人を呼びに行けばいい」

まどか「!」

キュゥべえ「僕もここに残ろう。最悪、さやかが結界に取り込まれても、僕が居れば場所を二人に伝えることが出来るからね」

さやか「……アンタ、誰の味方なの?」

キュゥべえ「味方とかそういう理念は無い。ただ、魔女によって大量の死人が出るのは、僕らにとっても『マイナス』だからね。ほら、早くしないと結界が完成してしまうよ?」

さやか「っ!」

まどか「さやかちゃん……」

さやか「行ってまどか! 二人を呼んで――」


「それには及ばないわ」


キュゥべえ「!」

まどか「あ、あなたは――」

キュゥべえ「ま、まさか、この声はッ! その影はッ! 君は、魔法少女――」

まどか「――A・P・ホムナレフッ!」

ほむら「YES I AM!」バーン!

さやか「転校生……!」

ほむら「チッ♪ チッ♪」

ほむら(甘いわね、クソアルビノ。既にこの未来も『経験済み』よ!)

マミ「あら、私のことも忘れないでね?」

さやか「マミさん!」


キュゥべえ(……バカなッ! 来れる筈が無い! 情報では今日二人は真逆の方向へ魔女狩りへと行っている筈! 囮のグリーフシードまで置いて来たんだ! いくら二人がベテランの魔法少女とは言え、二人の行動範囲から大きく外れた場所にグリーフシードを発注したのに!)

キュゥべえ(ホムナレフ……君はやはり相当な『イレギュラー』のようだ)

ズズズ……。

ほむら「!」

キュゥべえ(だけど『少し遅かった』ね!)

マミ「ッ! しまった!」

キュゥべえ(既に『結界』は完成したッ!)

 
ズキュゥゥゥゥゥーン!


さやか「う……ここが魔女の『結界』の中……なんか、変な感じ~……」



マミ「……二人とも、私たちから離れては駄目よ」

さやか「は、はい!」

まどか「あ、あの、ホムナレフさん……」

ほむら「話は後にして。今は、この魔女を倒す所から始めなきゃあいけないわ」

まどか「やっぱりカッコいい~……」

さやか「……最早何も言うまい、とさやかちゃんは決めました」

マミ「――お喋りはそこまでね。早速お出ましよ、魔女が現れたわッ!」

ほむら「!」

ほむら(前のループではマミが攻撃すると同時に魔女の体内から『本体』が現れた! その瞬間を狙い、爆撃のラッシュを叩き込むッ!)

マミ「一気に行かせてもらうわよ!」ギュイン!

ほむら(――リボンが魔女を拘束した!)


お菓子の魔女「もごっ……」

マミ「……え?」

ほむら(今だッ! この瞬間――)

ほむら「『スタープラチナ・ザ・ワールド』ッ!!」ドーン!

ほむら「そして爆弾を――え?」

 瞬間ッ! ほむらはある『違和感』を抱いた!

 時間停止した世界! まどかも、さやかも、動いては居ない! 風は止み、音は消える! 確実に時間停止出来た筈の世界!

 ――しかし!

ほむら「――なのに、何故、『魔女は動いている』のッ!?」

ほむら「はっ、こ、これはッ!」バッ!

ほむら「魔女の胴体が、いつの間にか私の身体に絡み付いているッ!」


 そこでほむらは気付く! 時間停止の唯一の弱点、それは、自身に触れているものはその『能力』に囚われないこと!

 お菓子の魔女はそのロープのように長い胴体を瞬間的にほむらの身体に巻き付けることで、『偶然』ほむらの時間停止の檻を逃れていた!
 
 時間停止の能力は、実質、認識不可能の最強とも言える魔法! しかしッ! 敵がその『檻』を潜り抜けたとき、その『能力』は、孤独の時間を生きるほむらにとって、最大の『諸刃の剣』となるッ!

 時間停止を逃れたお菓子の魔女、そしてその向かう先には!

ほむら「――まどかぁッ!」

 ――鹿目まどかと美樹さやかの二人の姿!

ほむら(まさか二人を狙うなんて!)

ほむら(くそっ! 停止解除!)



さやか「――……え? うわあぁああッ!」

まどか「きゃああああッ!」

ほむら「早く逃げて!」

ほむら(マミも今現状を理解した所の筈、このままじゃあ間に合わない!)

ほむら(くそっ! この『胴体』を切り離して再び時間を停止しなければッ!)

ほむら「ま、まどか――」

ほむら(……間に合わない。わ、『私のせいだ』……。敵の『本体』を出現させる為に動きを待っている場合じゃあなかった……。マミと共に、『魔力を多量に消費してでも始めから時間停止をして、外側から叩くべき』だったんだ……)

お菓子の魔女「もげっ!」

ほむら「!?」

お菓子の魔女「? ? ? ?」

ほむら「……魔女の身体が空中で止まった……? ――ハッ!」

>>269-271が繋がらないのは俺の読解力が欠如しているからだろうか
グリーフシードをマミが出して引っ込めたようにしか取れないのだが。


マミ「ホムナレフ、無茶し過ぎよ!」

ほむら「マミ!」

マミ「まったく、そんな『絶望』した顔をするもんじゃあないわ。魔法少女は、『希望』を振り撒く存在でしょう?」

ほむら「マミのリボンが、魔女を……! 何故、こんなに早く状況を……?」

マミ「あら、『足下』はよおく見るべきよ、ホムナレフ?」

ほむら(――! わたしの足にリボンを巻き付けることで時間停止の中でも動けるように……)

ほむら(……全く、『敵を欺くには味方から』と言うけれど、まさか始めから欺き返されていたとはね。やはりマミ、只者じゃあないわ)

ほむら「……フン! やるわね、マミ」

ほむら「ところでマミ、あなた相撲は好きかしら? 特に土俵際のかけひきを! ――手に汗にぎるわよねぇッ!」ガシャッ!


マミ「ええ、好きよ、でも、銃を使って攻撃するのも、二対一で戦うのも反則よね?」クスッ

>>281
すみません! すごい変な所で切ってしまった為に仰る通り訳の分からないことに。

>>269の最後

マミ「……いえ、それはあなたが貰って。私は魔力が十分じゃなくてもやっていけるわ。この先のためにも、あなたは十分魔力を貯めておいて欲しい」

>>271の最初

ほむら「そう? ……じゃあ、ありがたく貰っておくわ」

マミ「また今日も家に泊まって行くかしら?」

二人の台詞がくっ付いてました。これが正式です。指摘ありがとうございます。


マミ「ハアアアアッ!」グイィィン!

お菓子の魔女「うぎゅッ!?」

ほむら「ボラボラボラボラボラボラボラボラ――」

 ズドドドドド!


ほむら「ボラーレ・ヴィーア(飛んで行きなさい)!」カチン!


 ズドォオオオン!


ほむら「片付いたわね」ファサァ

まどか「やっ、やっぱり凄い……」

さやか「これが、『魔法少女』の力……」



カラーン……


マミ「グリーフシード……」

マミ「…………」ギュ

ほむら「マミ? 何をしてるの?」

マミ「いえ、ちょっと、『お祈り』しただけ」

マミ「魔法少女の成れの果てが魔女だと言うのなら、もしかしたら、今の魔女も、どこかの魔法少女だったのかもしれない」

マミ「だから、せめて、安らかに『天国』に行けるように……ね」

ほむら「……結界が消えて行くわ、帰りましょう」

マミ「ええ……。――二人とも、もう大丈夫よ!」



キュゥべえ「…………」


キュゥべえ(馬鹿なッ……! 孵化したばかりとは言え、この『魔女』の力は相当のものだった筈……!)

キュゥべえ(今回の戦いで、確実に誰か一人は多大なダメージを受ける計算だったのに……)

キュゥべえ(…………)

キュゥべえ(まあいいさ。巴マミ。そして、ホムナレフ。君たちは一つ、ある『間違い』を起こしている)

キュゥべえ(『感情』という信号に踊らされて、一つ、大事なものを見落としているんだ)

キュゥべえ(僕はせいぜい、その『間違い』を利用させて貰うとするよ、美樹さやかとの契約、そしてひいては鹿目まどか契約の為にね)スゥウ……


ほむら「……インキュベーター」

ほむら「何を企んでいるか知らないけど、私たちは、その全てを叩き潰す。……清めてやるわ、『宇宙』の為などとぬかして、魔法少女を家畜にする……その穢れたる野望をね」ファサァ

ほむら(この、『黄金の精神』と共に、今度こそ……)


マミ「……暁美さん」



◆   ◆   ◆


マミ「じゃあ、二人とも、気をつけてね」

さやか「はい、今日はありがとうございました!」

マミ「こっちこそ、二人が近くに居てくれたおかげでグリーフシードを早く見つけることが出来たしね」

まどか「あ、あの、ホムナレフさんは……」

マミ「帰ってしまったみたいね。あの子、見かけに寄らず恥ずかしがり屋さんだから」クスッ




ほむら「くしゅん!」

ほむら「……風邪かしら? まさかね」

ほむら「あとはマミが上手くやってくれるでしょうし、暁美ほむらはクールに去るわ」スッ



まどか「そ、そうですかぁ……残念」


マミ「前のお礼なら、私から彼女に伝えておくわよ?」

まどか「うー……ん、いえ、いいです。やっぱり自分で言いたいので」ウェヒヒ

マミ「……そう。ええ、そのほうがきっと彼女も喜ぶと思うわ。じゃあ、また明日、学校でね」

まどか「はい!」

マミ「アリーヴェデルチ!」ビシッ


さやか「うーん……」

まどか「どうしたの? さやかちゃん」

さやか「ん、いや、ちょっと……『カッコいいな』ってね」

まどか「…………」パァァァ

まどか「だよね!」

さやか「ちょっと! ちょっとだけだからね! じゃ、あたしこっちだから、また明日」

まどか「うん、明日はマミさんとほむらちゃんとも一緒にお弁当食べようね!」

さやか「あいよ、じゃあねー!」


さやか「…………」


さやか「……魔法少女。契約すれば、何でも、願いを叶えられる……」




◆   ◆   ◆


~翌日の朝~

まどか「おはよう、ほむらちゃん!」

さやか「おっす、転校生……ていうのも他人行儀だよね。……よし、おっす、『ほむら』!」

ほむら「…………」

さやか「え、えっと、いやだった?」

ほむら「いいえ、嬉しいわ。おはよう、美樹さん、鹿目さん」

さやか「あははっ、嬉しかったならさ、もういつまでも、名字でよばないでさぁ――」

ほむら「! ……鹿目さん」

まどか「うん、私も、さやかちゃんと同じ!」

ほむら「…………」



ほむら「……ありがとう、『まどか』、『さやか』……」

さやか「あれ、ひょっとしてほむら、泣いてるのかー?」

まどか「ウェヒヒ、泣き顔も可愛いね、ほむらちゃん!」

ほむら「な、泣いてないわよ! ちょっと目に埃が入っただけなんだから――」





マミ「ふふっ、一つ、『殻』を壊せたみたいね。これは美樹さんのお手柄かしら?」

マミ「……けど、暁美さん。これであなたはまた一つ、大きな『覚悟』を決めるのね」

マミ「きっとまだ、私にあなたは『話していないこと』がある」

マミ「それは、あなたの背にある、途方も無く大きな『覚悟』の証なのね」

マミ「……聞かせてもらうわよ、暁美さん。ワルプルギスの夜を迎える、その前までにね」バッ


マミ「…………」

マミ「お昼休み、楽しみね」





◆   ◆   ◆



~病院~

恭介「……くそっ! 駄目だ……。駄目だ……! 僕には、これしかないのに……」

コンコンコン……。

恭介「!」

さやか「恭介? 今日はこんなCD持って来たんだけど――」

恭介「…………」

さやか「ど、どうしたの、怖い顔して」

恭介「杏子は僕をいじめているのかい?」

さやか「……え?」



キュゥべえ「…………」

キュゥべえ(さて、『時』は来たようだね)



キュゥべえ(ホムナレフ、君は僕が何か行動を起こすことを狙っているんだろうけど、それは間違いだ)

キュゥべえ(僕が動かずとも、勝手に人間はシナリオを進ませてくれるんだよ)


恭介「奇跡か、魔法でも無い限り、僕の腕はもう……」

さやか「…………」

さやか(奇跡、魔法……)

さやか「……あるよ」

恭介「……え?」

キュゥべえ(決まったね)

さやか「奇跡も魔法も――」


キュゥべえ(美樹さやかは、これで――)



さやか「あるんだよ、恭す――」


――甘言に騙されて、後先を考えず契約なんてしないで。きっと、後悔することになるから……。


――あなたたちが魔法少女を危険なものだと認識してくれただけで、私は嬉しい。

さやか「……ッ!」

さやか(マミさん、ほむら……)ギュッ


キュゥべえ(……どうしたんだ、美樹さやか? あと一言だ。その続きを言えば、君は彼の救世主になれるんだよ?)


恭介「……さやか?」

さやか「……ごめん、あたし、恭介の気持ち、全然考えてなかった。今日は、もう……帰るね」

恭介「…………」

さやか「じゃあ、『また』ね」

 バタン。

恭介「……さやか」





キュゥべえ「……バカな! 何故願いを叶えないんだい? 君は危険な目に遭ってでも、魔女と戦う運命にあってでも、契約をする『覚悟』を持っていた筈だ! それなのにも関わらず、何故……」


キュゥべえ「……全く、人間と言う生き物は、本当に、『訳が分からない』よ」

キュゥべえ「だけど……」



 コンコンコン……。

恭介「? ……さやか?」

仁美「失礼しますわ、上条くん」

恭介「……志筑さん?」

仁美「あら、さやかさんは? いらっしゃると思ったのですが……」

恭介「……っ」

仁美「……どうやら、すれ違いをしてしまったようですわね」

仁美「では、私もまた、後日改めて伺うことにさせて頂きますわ」

恭介「…………」


キュゥべえ「人と言うものは、実に便利だ。こうして頼まなくても、自ら勝手に素晴らしい『絶望』の脚本を書いてくれるのだからね」



◆   ◆   ◆


マミ「あら、美樹さん、奇遇ね」

さやか「あ、マミさん……」

マミ「浮かない顔しているけれど、何かあったの?」

さやか「…………」

さやか「マミさん、誰かの為に、契約をすることは悪いことかな?」

マミ「なっ……! 美樹さん! あなた、まさか――」

さやか「最後まで、聞いて!」

マミ「……ッ!」

さやか「あたしより、ずっとずっと困っている人が居て――その人を助けたいと思って、契約することは……悪い、ことなのかな?」


マミ「……感心出来ることではないわ。大きなリスクを負う以上、その願いは自分だけの為にすべきことよ」

マミ「あなたが想っている人が誰かは聞かないけれど――あなたは、その人の夢を叶えたいのかしら? それとも、夢を叶えた恩人になりたいの?」

さやか「…………」

マミ「仮にあなたがその人の夢を叶えられたとしても、その人の隣を歩くことが出来るかは、全然別の問題よ」

マミ「ただ、遠くへ離れてしまう誰かの為に、一度きりの『奇跡』を使って、後には魔女と戦い続ける辛い『運命』が待っている後悔の日々を送ることになるかもしれない……」

マミ「――美樹さん、あなたには、そうまでして願いを叶えるだけの『覚悟』があるのかしら?」

さやか「……あたしは」


 ザアア……



  /└────────┬┐
 < To Be Continued...
  \┌────────┴┘


というわけで今回はここまでです。
読んでくれている方、ありがとうございます。
ミスホントにすいませんでした…。

そろそろ杏子を出してあげたいです。

恭介くん女の子の名前間違えとるで…

さやか(杏子って誰?…言ってる事がわからない…イカレてるのか?…この状況で)


>>300
>>301

ホントすいません!

杏子を早く出してあげたいと言う気持ちが無意識に指を動かしてしまったようです。
ちょっと昨日は中途半端な場所で終わってしまったので、短いですが続きを更新させて頂きます。



◆   ◆   ◆


ほむら「ハアッ……ッ! ハァ……ッ! ――マミ!」

マミ「……暁美さん」

ほむら「メール……どういうこと!? さやかが、契約をするかもしれないって!」

マミ「そのままの意味よ。彼女は、『大切な人』を救う為に、契約をしたいみたいね」

ほむら「は……? な、何……それ……? マミ! あなたは魔法少女になることがどれだけのことか――」

マミ「ええ、『分かってる』わ」

ほむら「!」

マミ「魔法少女になることが、どれだけの業を背負うことになるのかもね……。けど」

マミ「少なくとも、『絶望』じゃあないわ。暁美さん、この世にはね、どれだけの『絶望』を背負ったとしても、その『絶望』の前に『希望』を見出せることもあるのよ」

ほむら「い、言っている意味が分からないッ! 魔法少女になるということは、『魔女』となる『絶望』を背負う『運命』しか残されていないのよ!? 」



マミ「けど、まだ『絶望』したわけじゃあないでしょう? あなたも――わたしもね」

ほむら「っ! けどッ! そんなの!」

マミ「……そうね、傲慢な答えかもしれない。けど、私には彼女を止めることが出来ない」

マミ「さっきね、『誰かの為に契約をすることは悪いことなのか』って彼女は私に訊いて来たわ。私は当然褒めたものじゃないと答えた」

マミ「けどね、彼女は、そう言われても――いえ、むしろ、『そう言われることで』、より強い『覚悟』をその瞳に宿したわ」

ほむら「……っ!」

マミ「暁美さん、誰かの『覚悟』を止めると言うことは、止める側にも、それだけの『覚悟』が必要なのよ。少なくとも――私には、あの子の持った瞳の輝きを止めることなんて出来なかった」

マミ「美樹さやかさん――彼女には、『覚悟』があるわ」

ほむら「……もういい! さやかは絶対に契約をさせない! もう、誰かが『絶望』した顔を見るのは沢山なのよ!」


マミ「…………」

マミ「絶望、ね」

マミ「あなたに救われた身で、言えるようなことでは無いけれど……少なくとも、暁美さん、彼女はあなたが想っているほど……弱くはないわ」


 ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣




ほむら(くそっ! マミ、見損なったわ! あなたなら絶対にさやかを止めてくれると思ったのに!)


――彼女には、『覚悟』があるわ


ほむら(『覚悟』……マミ、どうして、あなたはそんなことを)

ほむら(今まで見て来たループの中、さやかが契約した時間軸は、遅かれ早かれ、ワルプルギスの前に魔女化を迎えてしまった)

ほむら(あの上条恭介の隣を歩くことが出来ず、そして、自分の身体が人とは呼べないそれに成り果ててしまったことに『絶望』して……!)

ほむら「……いえ、今は余計な感情は棄てなさい、暁美ほむら! マミのもとにさやかが訪れたのはほんの十数分前のこと! 向かう先なんて分かっている、全力で追い掛ければ――……なッ!」

ほむら(あそこに居るのは、キュゥべえと――まどか!?)

まどか「きゅ、キュゥべえ? 何の用なの?」

キュゥべえ「実はね、今、美樹さやかが大事な決断をしようとしているんだ」


まどか「大事な決断?」

キュゥべえ「そう、彼女はね――」

ほむら「! キュゥべえッ! まさかッ! あなたはッ!」

ほむら「させないッ! その『先』を言わせないッ!」

ほむら「『スタープラチナ・ザ・ワールド(時は止まる)』ッ!!」ドーン

ほむら「うぉおおおおッ!」

 ズドドドドッ!

ほむら「長い時間『時』を停止している猶予は無いッ! ――停止解除!」

キュゥべえ「きゅぷっ!」プチュッ

まどか「――きゃあああああッ!」ダダダッ

ほむら「まどか、怖がらせてしまってごめんなさい……! けど、これもあなたの親友の為――くそっ! 間に合って!」




~病院~


さやか「恭介?」

キュゥべえ「寝ているみたいだね」

さやか「そっか、じゃあ、都合がいいや。別に、恩着せたいわけじゃあないからね」

キュゥべえ「本当にいいのかい?」

さやか「何を今更。腹の底では契約が取れてラッキーと思っているんでしょ?」

キュゥべえ「まあそのことについては否定しないよ。こっちも生活がかかっているからね。仕事が上手くいけば誰だってうれしい」

さやか「……じゃあ、願うよ。魔法少女になる代わりに――『上条恭介の腕を治して』!」

ほむら「さやかぁッ!」

さやか「……ほむら」

キュゥべえ「残念。『二手』……遅れたようだね」

ほむら「!」



キュゥべえ「マミのもとへ『理由』を尋ねに行くことで、『一手』、そして、まどかと話す僕を殺す為に『一手』」

キュゥべえ「どうやら君は、『まどか』を最優先に行動し、その理念のもとに僕を妨害して来た。――けれど!」

キュゥべえ「君の弱点もまたその理念故に、ホムナレフ……『まどか』が君の弱点なんだ」

キュゥべえ「さやか! 君の願いはエントロピーを凌駕したッ! その『願い』のもとに、魔法少女になるがいい!」

ほむら「さやかぁあああッ!」

 シュゥウウウ……。

さやか「これが、ソウルジェム……」

ほむら「あ、あ……そんな……」ガクッ

恭介「……さやか?」

さやか「……ッ! きょうす――」


ほむら「――『スタープラチナ・ザ・ワールド』!!」




恭介「……さやか? ……気のせい、か」

恭介「……あれ、腕が……?」



ほむら「ハァ……ッ! ハァ……ッ!」

さやか「すごいね、ほむら。今のがあんたの力?」

キュゥべえ「成る程、君が突如現れることに疑問を感じていたけど、その力……『スタープラチナ・ザ・ワールド』とやらは時間停止能力だね? ……いや、それだけじゃあない、君はまだ隠された力が……」

さやか「……ほむら、大丈――ぐっ!」

ほむら「さやか! どうして契約なんてバカな真似をしたの!? あなたはどれだけ愚かなの!?」

さやか「…………」

キュゥべえ「さやかを責め立てるのはよしなよ。どのみち『結果』は変わらないのだから」

キュゥべえ「彼女も一度は思いとどまったのさ。けれど、結局はこうして僕と契約をすることになった」

キュゥべえ「それにね、引き金を引いたのは君たちのほうなんじゃあないかな?」

ほむら「何ですって!?」

キュゥべえ「君たちは、魔法少女は危険なものだと言っておきながら、まるで息をするように『簡単』に魔女を倒して来たじゃないか」

ほむら「なっ……!」


キュゥべえ「いくら君たちがベテラン魔法少女とは言え、普通の子が見たらこう思うよ。――『なんだ、意外と簡単そうだな』ってね」

ほむら「!」

キュゥべえ「君が悪いんだよ、ホムナレフ。君が悪いんだ、これは君の責任だ。最初からおとなしくまどかを契約させておけば、こんなことにはならなくてすんだのにね」

ほむら「……ッ!」

キュゥべえ「それじゃあね、さやか。力の使い方は先輩たちに教えてもらうといい」

ほむら「ま、待ちなさいッ! ……――くそぉッ!」ダンッ

さやか「ほむら……ごめんね、必死に止めてくれたのに」

ほむら「……いいえ、もうあなたを責めても仕方ないことだわ。あいつのいう通り、あなたが魔法少女になってしまった『結果』は、どうやっても変えられない」

さやか「……ほむら、これだけは信じて。あたし、『簡単そうだから』なんて思ったから契約をしたわけじゃない。二人が命がけだったことは、十分、分かってるよ」

ほむら「…………」


ほむら「……ごめんなさい、少し一人にして。魔法少女については、マミに教えてもらうといいわ。少なくとも……私よりは、冷静にあなたに物事を教えてくれる筈」

さやか「そっか……分かった。ありがとうね、ほむら!」

ほむら「…………」


ほむら(……どうしてなの? ここまで、ここまで全て上手く行っていたのに……)

ほむら(私の……私のせいなの? もっと二人を突き放しておくべきだったの?)

ほむら(私は……)



まどか「ホムナレフ……さん?」

ほむら「! ……まどか」

まどか「や、やっぱりホムナレフさん! あ、あのッ! 先日も、先々日も、助けてもらってありがとうございます!」

ほむら「……お礼を言われるようなことは何もしてないわ。今だって、私は……」

まどか「ど、どうしたんですか?」

ほむら「……ごめんなさい、何でも無いわ」



ほむら(……まどかは、私の作り上げた『ホムナレフ』という虚像に憧れている)

ほむら(それでいい。魔法少女とは、そう言うものとだけ思っていてくれれば)

ほむら(いずれ時がくれば消えてしまう『私』などよりも、悪を倒せばどこかへ行ってしまう『ヒーロー』のようだと思っていてくれれば)

ほむら(心根の優しいまどかには、魔法少女の持つ『絶望』など知ってはいけない。どんな『覚悟』を持っても、その『運命』だけは変えられないのだから)

――彼女には、『覚悟』があるわ。

ほむら「……覚悟」

まどか「ホムナレフさん?」

ほむら(……そうね、何を気弱になっていたのかしら)

ほむら(歴代のジョジョも、その絶望的な道のりを切り開いて来たのは、いつも彼らの持つ『覚悟』だった)

ほむら(マミだって、その『運命』を知っても、それでも『絶望』することなく、今、新たな『覚悟』を持って、私と共に戦ってくれている)

ほむら(『死』と言う運命を乗り越えて、私と共に戦っている!)

ほむら(むしろこれは、ワルプルギスの夜を前に、また一人、共に戦ってくれる仲間が一人増えたということ)



ほむら(いいわ、マミ。魔法少女の行く末を知ってるあなたが、『運命』を知っているあなたが、尚、そこまで言うのなら、私も、見届けさせてもらうわ。……彼女の『覚悟』と言うものを)

まどか「ホムナレフさん? 大丈夫ですか?」

ほむら「……ホムナレフでいいわ、敬語もやめて。わたしも、あなたと同い年なのだから」

まどか「え、えっと、じゃあ……ホムナレフ、ありがとう!」

ほむら「ええ、それでいいわ」

まどか「え、えへへ。ヒーローさんとお友達になれるなんて、嬉しいなぁ」

ほむら「……まどか!」ギュッ

まどか「ウェヒッ!? な、なんで突然抱きしめ?」

ほむら「……まどか、私は、諦めないわ……絶対に」

まどか「……ホムナレフが、何をやっているのか、私にはよく分からないけど」

まどか「私は、ずっと、いつでも! ホムナレフのこと、応援してるからね!」

ほむら「……ありがとう、まどか」

ほむら(そう、――『黄金の精神』を持つものは、決して諦めない! この暁美ほむらには『夢』がある!)バァーン!

まどか(流石はホムナレフ! いきなり謎のポーズを無言で取るなんて……私には出来ないことを平然とやってのけるッ! そこに痺れるし憧れるよ!)





◆   ◆   ◆



キュゥべえ「残念だね、ホムナレフ。君がいくら『運命』を否定しようとしても、変わらないものなんだよ」

キュゥべえ「美樹さやかの『運命』は決まった。けれど、まだまだワルプルギスの夜を迎えるまでにすべきことはあるね」

キュゥべえ「さて、次は――」


杏子「なんだよキュゥべえ、急に呼び出しやがって。何か奢ってくれる訳かい?」

キュゥべえ「――やあ、待ってたよ、杏子」


美樹さやか ―― 『上条恭介の腕を治す』と言う願いのもと、契約を完了。新米魔法少女としてマミに弟子入りすることに。

佐倉杏子 ―― キュゥべえに呼び出され、見滝原へ。ここまで来るのにお腹が減ったから何か喰わせろ。

キュゥべえ ―― 美樹さやかとの契約を成立。次のステップに進みたいんだけど、杏子、何故君は僕を見ながら涎をたらしているんだい?



  /└─────────────────────────────────┬┐┐┐
 < 『ワルプルギスの夜』まで残り約2週 To Be Continued...
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と言う訳で短いですが、今回はここまでです。
読んでくれている方、ありがとうございます。

次は杏子戦になれる…かな?

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