ほむら「……ペルソナ使い?」(26)
【注意】
これは魔法少女まどか★マギカのssです。
ペルソナシリーズの登場人物は基本的には出て来ません。
書き貯めもそれほどありませんので、読まれる方は気長にどうぞ。
――見滝原市立病院、とある病室
ほむら「……また、守れなかった」
ほむら「この街を。……まどかを」
ほむら「また、契約させてしまった。……あの、インキュベーターと」
ほむら「う……うっ、うっ……」
ほむら「………………」
ほむら「……わかってる、わかってるわよ」
ほむら「もう何度目になるか……もう半年くらいは繰り返しているような気がするけれど」
ほむら「私は……何度でも繰り返す」
ほむら「まどかが、魔女にならない……かけがえのない、未来のために」
第1話 i wander if i had met her in a dream.
先生「さあ暁美さん、いらっしゃい」
ほむら(結局いつも通り、転校生としてまどかのクラスに潜入することにした)
ほむら(まどかと、……美樹さやか。いつも通り、変わりはない)
ほむら(今回は――まどかとの距離感を、どうするべきかしら)
ほむら(友達として近くで護ろうとした前々回の失敗を、私はまだ忘れてはいない。忘れられるはずがない)
ほむら(まどかが、それ以外の周回で見たことのなかった黒白の魔法少女たちに命を奪われた、あの失敗は――!)
先生「……ハイ!それじゃあ自己紹介行ってみよう!」
ほむら(まどかがこっちを見ているわ。……今回も、まどかは私のことを夢に見ているのかしら)
ほむら「暁美ほむらです。よろしくお願いします」
ほむら(とりあえず、いつも通り。――まどかから距離を置き、インキュベーターの出方を見ることにしよう)
ほむら(まどか――まどか)
ほむら(貴女は、私が絶対に護ってみせる。今度こそ……絶対に)
まどか(……えっ?……えっ?わたし、睨まれて、る……?)
ほむら(休み時間、気分の悪いふりをしてまどかを誘い出し、警告はした)オーイコッチダーイタゾー
ほむら(……私の警告が、あの子の役に立ったためしはないけれど。――まどかは、優しいから)アノガキャァタダジャスマネエ!ツカマエテトウキョウワンニ
ほむら(でも、言わないよりは言った方がいい。……そう、そのはずよ)ホムホム・ザ・ワールド
ほむら(放課後。学校を出てすぐ、馴染みの事務所で銃器を手に入れた)
ほむら(しばらくは、これで戦える。今日は――いつも通りなら、インキュベーターがまどかに最初の接触を行う日)
ほむら(未然に接触を防げれば……そのままずっと、あいつがまどかに接触する機会を奪い続けることが出来れば、それがベストなのだけれど)
ほむら(幾つ世界を巡っても、この日にまどかがあいつと出会うという事実は変えられなかった)
ほむら(だからせめて……喋ることができないようなダメージを負わせてやるわ。インキュベーター)
ほむら(初めて触るのに使いなれている、この拳銃で)
ほむら「待っていなさい――キュゥべぇ」アレ、イネェキエタドコイッタチクショー!!
――ビルの一角、資材置き場
ほむら(しまった……なんて無能。なんて不手際)
まどか「ほむら……ちゃん……」
qb「………………」ハッハッ
ほむら(キュゥべぇを発見、追ったはいいけれど、さしたる進歩もなく……キュゥべぇを、まどかと出会わせてしまった)
ほむら(次回からのこの日は、学校にいるうちにgpsの発信機と盗聴器をまどかに仕掛けておくことにしましょう。時間を止めれば、まどかの鞄に気付かれないようにピンホールカメラを設置することさえ可能。これで24時間、視聴覚と位置情報による監視が出来るようになるわね、決めたわ。というか今日だわ。次にパソコンを立ち上げたら忘れずに尼zoneに注文しなければ。もちろんこれはまどかを守るためよ、それ以外に目的なんてあるわけないじゃないキュゥベェがまどかに近づいたら私にもわかるようにするだけよだからそいつから離れて」
まどか「え……えーっとぉ……」(なにこのひとこわい)
ほむら(……まずい、怖がられてしまったわ。クールビューティーは楽じゃないわね)シャフドヤッ
qb「………………」ハッハッ……ウッ
コレは期待
まどか「え、えっと、その……ほ、ほら!この子ケガしてるし!ひどいことしないで!」(なんかブツブツ言ってた、こわいよぉ……)
ほむら「貴女には関係ない」
まどか「だってこの子、わたしを」
ほむら「幻聴よ。動物が喋るわけないじゃない」
まどか「聞こえたんだもん!たすけて、って!」
ほむら「……そう」ハァ…
まどか「待ってその憐れむようなため息やめて」
ほむら(いやまあ、知ってるんだけど、当然)
ほむら(このまままどかが、常識的に考えて小動物が話すわけがないと思い込んでくれれば……!ブッ!?」ドバァァァ
まどか「キャッ」ドファァァァ
さやか「まどか、こっち!!」ブァファァァ
まどか「さやかちゃんっ!」ケホッケホッ
ほむら(くっ、視界が……まどかが……っ!これは、消火器っ!?)
ほむら(さっきの声から判断して、美樹さやかの仕業……それにっ!)ウニョォォォ
ほむら「魔女の、結界……こんな時にっ……!」イヌカレェェェ
ほむら(この感触。既に……呑まれているわね。このビルは……そして)
ほむら(まどか……無事でいて!)
ほむら(全力で、走った、はぁ、まだ、身体が、運動に、慣れて、いない……)ゼェゼェ
ほむら(時を越えるのは魔力と心だけで、元の身体は病弱な私のままだものね……物陰で息を整えなければならないなんて、なんて無様)ゼェゼェ
ほむら(――おかげで。まどかと美樹さやかが、出会ってしまったわ)
ほむら(今日という日には出会ってほしくなかった、あの人に)
まどか「た、助けてくれてありがとうございました!わたしたち、小さな化け物に襲われて……」
さやか「あの、あなたは」
??「そうそう、自己紹介がまだだったわね――でも、その前に」
ほむら(そう、あれが――あの人が、私たちのはじまりの魔法少女)
マミ「ちょっとひと仕事、片付けちゃっていいかしら――?」
ほむら(巴……マミ!)ギリッ
マミ「――ペルソナッ!」ヘンシーン
ほむら「えっ」ポカーン
しばらく休憩入れます、aパート終了
七時頃から再開予定
ベイベベイベベイベベイベベイベ
ペルソナ。その一言が引鉄であったかのように、マミの掲げるイースターエッグのような物体から膨大な力が彼女の体を包む。零れた力は暴風となり、まどかとさやかを撫でて散って行った。一陣の風が収まったとき、そこに在ったのは見慣れた黄色の魔法少女。しかし、
ほむら「な―――なんなの、これは――」
かつて見たことのない現象に、ほむらは愕然と呟くしかない。
魔女結界の胎動が気付かぬうちに起こっていたのか、ほむらの隠れていた段差はいつの間にか消えている。マミとほむらの視線が交わった。
マミ「あら、貴女もペルソナ使いなの?」
ほむら「違うわ、聞いたこともない名ね」
マミ「うーん、違うの?召喚器≪ソウルジェム≫も持っているのに」
ほむら(ペルソナ使い?召喚器?一体……本当に一体、なにが起きているというの……?)
マミ「まあ、いいわ。一般人ってことも、なさそうだし――あの子たちを、守ってあげてくれるかしら?」
ほむら「え、ええ。わかったわ」
まどか「キ、キャアア!?」
さやか「てっ、転校生っ!?」
ほむら「静かにしてなさい、危ないかもしれないわ」
ほむら(巴マミ……なにを始める気!?)
マミ「いくわよ――デュナミス!」
マミのソウルジェムが輝きを増す。何かが弾ける音とともに、マミの背後に白亜の巨人が姿を現した。
腹から巨大な砲を生やした、翼持つ巨人。砲門より上には、昔の判官がつけていたような、白い布を纏っている。
足は無かった。その逞しい二本の巨腕と穢れのない白い翼で、マミを守るかの如く背後に浮かんでいた。
マミ「刹那五月雨撃!!」
マミが号令のように帽子を振ると、巨人の周りに多数の――無数の、マスケット銃が現れた。残っていた魔女の使い魔たちが後ずさる――しかし、展開された100を超える砲門から逃げられないことは、誰の目にも明らかだったろう。
全てのマスケット銃の撃鉄がひとりでに落ち、魔法の弾丸が一斉に発射される。
その全弾は、ひとつひとつが吸い込まれるように使い魔に命中し――爆発が起きた跡には、なにも残ってはいない。魔女結界すら、マスケット銃の爆発で消し飛んでいる。
白亜の巨人はいつの間にか姿を消し、マミが一人、微笑んでいるだけだった。
あっさりと――マミは号令をかけ、帽子を振っただけ。たったそれだけのことで、これだけの破壊が行われる。
これが、魔法少女――否。
これが、ペルソナ使いなのだ。
まどか「す、すごい……」
さやか「すっげー……」
ほむら「――なんなの、これ」
マミ「シャドウは逃げたわ。仕留めたいなら、すぐに追いかけなさい?今回は貴女に譲ってあげる」
ほむら「……シャドウってなによ。魔女じゃないの?」
マミ「魔女?まあ、そうも言えるかもしれないけど……あれはシャドウよ?大型の」
ほむら「…………」
マミ「――まさか貴女、知らないの?ペルソナのことも、シャドウのことも」
ほむら「……魔法少女と、魔女のことなら知っているけれど」
マミ「魔法少女?……くす、確かに私たち、魔法少女って言葉がお似合いな格好はしているわね」
ほむら「…………」
マミ「とぼけないで。――キュゥべぇを傷つけたのは、貴女のペルソナでしょうに」
ほむら「……ペルソナは知らないけれど、私の目的は」
マミ「呑み込みが悪いわね。――見逃してやるって言ってるの」
ほむら「…………」
マミ「お互い、余計なトラブルとは無縁でいたいと思わない?」
ほむら(どうする……どうやら、妙な世界に行き着いてしまったらしいわ。ペルソナやシャドウとかいうものが存在して、その代わり私の知っている魔法少女と魔女の概念はここでは知られていない。キュゥべぇの目的は何?魔女のいない世界なら、どうしてまどかに近づくの?ペルソナって?シャドウと魔女はどう違うの?ソウルジェムが召喚器?――わけがわからない)
ほむら(――とにかくここは。節を曲げてでも、巴マミに状況の説明をしてもらうべき場面であるようね)
ほむら「――わかったわ。……でもお願い」
マミ「くどいわよ」
ほむら「待って。――私と貴女には、大きな認識のずれがある」
マミ「そうかしら?ことはとてもシンプルだと思うのだけれど?」
ほむら「だから、待ってと言っているでしょう。巴マミ、貴女は勘違いをしているわ」
マミ「……勘違いって?」
ほむら「私は――貴女と敵対するつもりはない。グリーフシードを横取りする気もないし……そうね、貴女がお願いを聞いてくれると言うのなら、しばらくはキュゥべぇに危害を加えることもないわ」
マミ「あら。ペルソナ使いにとって、グリーフシードは生命線だと思うんだけど――」
ほむら(そこは変わっていないのね)
マミ「その生命線を手放すほどの、貴女のお願いというのは何かしら。――考えると怖いわね?」
ほむら「貴女に不利益は与えないわ。巴マミ。私のお願いと言うのは――」
ほむら「私と、しばらく一緒の部屋で生活を共にしていただきたいのだけれど。お願いしていいかしら?」
マミ「えっ……それって、どういう」
さやか「えぇーーーーー!?」
まどか「ほ、ほむらちゃん!?何をいきなり初対面の人に!?」
さやか「ててて転校生!あんたまさか、まどかのコスプレストーカーじゃなくて、実はマミさんの――?」
まどか「えぇーーー!?」
マミ「えっ、えぇーーー!?こ、困るわ、ええと、ほむらさん!」
さやか「マミさん、ほんとにこんなヤツと同棲なんてする気ですか!?」
まどか「ど、同棲……うわ、うわうわうわぁ」
マミ「そ、そうね、そのくらいでとも、いえペルソナ使いが一人仲間になるのなら、私一人の身体くらい」
ほむほむ「」
qb「マミ、そろそろ治してほしいんだけど」
マミ「邪魔しないでね、ほむらさん」
ほむら「さん付けはしなくて結構よ。邪魔もしないから……当分は」
まどか「ほむらちゃん、マミさんと約束したんでしょ?」
ほむら「うっ……したわよ、それで?」シャフド
まどか「じゃあ、あんまり不穏当なこと言ってマミさんを困らせないのー」
ほむら「ま、まどかが言うなら、仕方ないわね……もう」
まどか「ティヒヒ、ほむらちゃんってさ」
ほむら「なあに、まどか」
まどか「怖いけど……いい子だよね?」
さやか「そうかぁ?あたしはまだ信用してないからね、転校生!」
マミ「美樹さん、あんまりカリカリしないの。ほらキュゥべぇ、じっとしていて?」
qb「…………」キュップィ
ほむら「…………」ホム
qb「ありがとうマミ!」
ほむら「チッ……」ホム
マミ「お礼はこの子たちに。私は、通りかかっただけだから」
qb「どうもありがとう、ボクの名前はキュゥべぇ!」
ほむら「今さらって感じよね、その名前」
まどか(しゃべってる……よかったぁ、わたしの頭がおかしくなったんじゃなかったんだ)ティヒヒ
さやか(まどかの頭、ちょっと心配してたんだけど、こういうことだったのかー)
ほむら(作戦失敗ね……純粋なまどかなら、上手く騙せると思ったのだけれど)
qb「ボク、君達にお願いがあって来たんだ!」
まどか「お、お願い?」
ほむら「!?……待って、それはっ」
qb「ボクと契約して、」
qb「ペルソナ使いになってほしいんだ!」
to be continued...
第2話 i thought that it sounds very delightful.
書き貯め分終了しました。
第2話「それはとっても嬉しいなって」、書きあがったらまた投下しに来ます。
書きあがるまでアンケだしときま↓
・まどマギの各キャラのアルカナ
ほむ 吊るされた男
まど 審判
さや 恋愛(or戦車)
マミ 剛毅(or節制)
あん 隠者
qb 塔
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