モバP「焼肉食べるひと集まれー」 (58)

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P「この高級な牛肉は榊原家の提供でお送りします」

イヴ「わぁ~、凄いです~」

P「イヴはお肉食べるのどれくらいぶりだ?」

イヴ「……三ヶ月くらい前にお豆腐のハンバーグを頂きました」

P「そうか」

朋「早く焼いてあげて」

P「ではまず、高級な牛肉を持ってきてくれたさとみんに感謝の気持ちを贈ります。はいこれ、トッポです」

里美「ありがとうございますぅ」

P「みんなの分のジュースを買ってきてくれた村松にも、感謝の気持ちを贈ります」

さくら「わぁい」

P「トッポです」

さくら「ありがとうございまぁす」

P「では次に、ホットプレートとか、お箸とかお茶碗とかを準備してくれた藤居にも感謝の気持ちを贈ります」

朋「トッポはいいから早く焼いてあげて。イヴがもうお茶碗にご飯盛っちゃったから」

イヴ「とても黄金色には見えないですね~」

朋「タレも準備しちゃってるから」

ジュー ジワジワ

イヴ「焼けましたか!?」

P「焼けたよー」

イヴ「もぉ~、まだ赤いですよ~」

P「そうだな。じゃあもう少し焼こう」

ガチャッ

愛海「ただいまー。……うん? 何だかいい匂いがするね」

P「高級な牛肉を焼いている」

イヴ「焼けましたか!?」

P「焼けたよー」

イヴ「まだひっくり返したばっかりですよ~」

P「そうだな」

ジュー ジワジワ

さくら「まだかなー」

愛海「あたしの分もあったりする?」

P「当然だ。じゃあ棟方は俺の隣においで、悪さしないように」

愛海「えぇー。悪さしないよ?」

P「じゃあ好きなところに座っていい」

愛海「やった。イヴさぁん、お肉が美味しく食べられるツボがあってね、あたしがそこをマッサージしてあげるよ」

イヴ「えっ、焼けましたか!?」

愛海「聞いて。あのね、食べるお肉がより美味しく感じられるツボがね、あるよ」

イヴ「そうなんですか~。それならマッサージしてほしいですね~」

愛海「そうだよね、そうだよね、うひひっ、では背後から失礼して……」

P「棟方」

愛海「はいっ。あの、低い声出すのやめてください」

P「おいで」

愛海「……はい」

P「ペナルティ1でやっぱり膝の上な」

愛海「はい、すみません」

P「ペナルティが3まで溜まったら、目も当てられないような凄い事をする」

愛海「はい、勘弁してください、すみません」

P「やはり棟方は膝の上に乗せておくに限る」

愛海「むぅ、これまるっきり子供扱いじゃん。はずい」

P「棟方が悪い。しばらくおとなしくしてたら解放してやる」

愛海「はーい」

朋「愛海ちゃんもご飯いる?」

愛海「あっ、じゃあ貰う」

朋「はい、じゃあこれと、あとこれ、お箸とお皿ね」

愛海「わぁい、朋さんありがとー」

朋「うん、いい子にしてるのよ」

愛海「はーい。それにしても、お高いお肉なんかよく買えたね」

朋「里美ちゃんのお家からご好意で、っていう事らしいわよ」

愛海「ふぅん、さすが里美さん! 普段からいいもの食べてそうな身体してるもんね」

里美「これくらい朝飯前ですぅ」

P「……12時15分である」

朋「そういう意味じゃないんじゃないの」

P「さとみん朝ごはん食べてないのか?」

さくら「えっ。じゃあー、里美さんのご飯は大盛りにしてあげましょうよぉ」

里美「朝ごはん……どうだったでしょう……」

朋「二時間くらい前に、ベーグルのサンドイッチとオニオンスープが美味しかったって話してたけど」

里美「あっ、そうでした」

P「イヴは朝ごはん何食べた?」

イヴ「最近は事務所で頂くお昼のお弁当だけで、朝と夜は食べてないですね~」

朋「お肉まだ焼けないの?」

P「焼けた!」

イヴ「焼けましたか!?」

P「焼けた! お皿出せお皿」

イヴ「は、はい、これに」

P「それはご飯である」

イヴ「間違えました、お皿はこっちでした~」

P「それもご飯である」

朋「なんでご飯二個持ってるのよ」

イヴ「……」モグモグ

朋「……どうなの、おいしい?」

P「手に汗握るな」

イヴ「……今日まで、頑張ってきて良かった、ぐすんっ」

愛海「泣くほどなんだ」

イヴ「お父さんお母さんありがとう」

P「生まれたことに感謝するレベル」

イヴ「里美さんも、ありがとうございます、ぐすんっ」

里美「どういたしましてですぅ。まだまだおうちにいっぱいあったので、遠慮なさらずたくさん食べて下さい」

朋「はい、ティッシュあげるから鼻かんで」

イヴ「ありがとうございます、すみません」

P「よしよし、では食事を続行する。ほら棟方もお食べ」

愛海「うんっ」

P「じゃあ俺は玉ねぎが好きだから玉ねぎを焼こう」

朋「あっ、玉ねぎあたしも」

P「藤居の分も玉ねぎを焼こう。あとは村松のためにピーマンを焼いておく」

さくら「ピーマンじゃないやつがいいです」

P「リクエスト承ります」

さくら「えりんぎ」

P「ではエリンギが投入されます。じゃあこのピーマンはさとみんの分で」

里美「ほわぁ」

かな子「菜帆ちゃん」

菜帆「な~に~?」

かな子「河合プロデューサーさんのところ、いま焼肉やってるらしいよ」

菜帆「そうなんだぁ。羨ましいね~」

かな子「ねー」

宇佐見P「……」

かな子「……みちるちゃん、なんだかお腹減ったね」

みちる「もぐもぐ、ふごふっ、ごっくん。そうですね! パンいります?」

かな子「パンもいいけど、今はお肉な気分かな」

みちる「ああー、お肉もいいですよね。お腹いっぱい食べたいです!」モグモグ

宇佐見P「……」

かな子「……」チラッ

菜帆「……」チラッ

みちる「……」チラッ

宇佐見P「……」イラッ

菜帆「じゃあちょっとお膝の上に失礼しますね~。よいしょ」

宇佐見P「うおっ何だ急に――重てぇ!」

菜帆「うふふ~、やわらか~い物が、たくさん詰まってますので~。触ってみます?」

宇佐見P「どけ」

菜帆「焼肉~」

宇佐見P「直接ねだってきやがったな、うざってぇ。ライターやるからてめぇの二の腕でも炙って食ってろ」

菜帆「そんな~」

宇佐見P「いいからどけっての、でかい尻が脚の血流止めてんだよ」

かな子「……」

宇佐見P「なに見てんだ三村」

かな子「えっ? 順番待ちです」

宇佐見P「何の」

かな子「あの、膝に乗せてもらう、順番待ちです」

宇佐見P「殺す気か!!」

かな子「そ、そっ、そんなに重くないもん!」

菜帆「そうナリよ~」

宇佐見P「……?」

かな子「……?」

菜帆「……コロ助ナリ~」

宇佐見P「……」

かな子「……」

菜帆「……」

宇佐見P「とりあえず今は仕事の邪魔だからマジでやめろ」

かな子「えっと、お仕事終わったら、乗せてくれるってことですか?」

宇佐見P「十秒だけだ、それ以上は足が砕ける」

かな子「あっ、今日ちょっと優しい、えへへ」

菜帆「……すべってないナリよ~」

みちる「あははー」

P「あれ? 俺の育ててた玉ねぎは?」

朋「えっ? ああ、そういえば無いわね、あたしのも無い」

さくら「……」モグモグ

イヴ「……」モグモグ

P「村松その玉ねぎどこで手に入れたの?」

さくら「……ん? ……落ちてました」

P「落ちてるもの食べちゃ駄目だろ」

さくら「はぁい」

P「イヴはその玉ねぎどこで手に入れたの?」

イヴ「……枕元の靴下に入ってたんです~」

P「そうか」

イヴ「そうなんです~」

さくら「じゃあわたしがプロデューサーさんと朋さんのためにぃ、新しい玉ねぎを焼いてあげまぁす」

P「村松は優しいな」

さくら「えへへぇ」

P「イヴと村松にペナルティ1」

さくら「ばれてた!」

朋「なんで隠せると思ったのよ……」

朋「焼くの代わるから、あんたももっと食べたら?」

P「えっ? 藤居はもう食べないのか?」

朋「ん、少し休憩。トング貸して」

P「そうか、じゃあ頼む。藤居は頼りになる、藤居がずっと一緒にいてくれたらいいのに」

朋「……」

愛海「あっ、朋さん赤くなってる」

朋「なっ、なってないわよ。鉄板の、熱が、あの、あついだけ」

P「ん? 鉄板熱いか? じゃあやっぱり俺が焼く係やる、藤居がやけどしたら困るからな」

朋「えっ、いや、違くて、もう……もうほっといてよ……」

P「そうか。じゃあ俺はすかさず食べる係に戻る」

愛海「朋さん朋さん、プロデューサーの膝の上、代わってあげようか?」

朋「……」

愛海「あっ……ごめんなさい、怒った?」

朋「べつに、怒ってないけど……あんまり、からかわないで、ほしいかも」

愛海「うん、ごめんなさい……ん? 何か垂れてきた」

P「棟方の頭に焼肉のタレこぼした」

愛海「えっ」

P「ごめんなさい」

里美「ふえぇ、おにいちゃーん……」

P「あっ! さとみんもタレこぼしてる! しかも服に! よしよし大丈夫だ、いま拭いてやるからな」

朋「いや、胸のところだから、あたしが拭くから、座ってなさいよ」

P「そうか」

愛海「あたしに拭かせて! お願い! お願いだからあたしに! やらせてよぉ!」

朋「必死すぎるでしょ……愛海ちゃんはまず頭のタレ拭きなさいよ、おでこまで垂れてきてるわよ」

イヴ「タレが、垂れて……えっ? タレが垂れて、んっ? 待ってくださいスゴい面白いこと思いついてしまいました~」

朋「ダジャレ以外だったらぜひ言ってみて」

イヴ「……あっ、こっちのお肉よさそうですよ~」

コンコンコンッ ガチャッ

椿「おはようございます」

宇佐見P「あぁ、うざってぇな」

椿「っ!」ビクッ

宇佐見P「おい、三村、さっきから何べん同じ話してんだ。焼肉焼肉うるせぇんだよ」

かな子「ご、ごめ、ごめんなさいっ……」

菜帆「あぁ~、かな子ちゃんを怒らないで下さい~、叩くなら私を~」

宇佐見P「いや叩きはしねえけど」

菜帆「この辺りがやわらかくて気持ち良いですよ~」

宇佐見P「何だ叩いて気持ち良い場所って……いやまさかお前が気持ち良いって事じゃねぇよな」

菜帆「うふふ~」

宇佐見「うざっ。おい江上」

椿「はいっ! あ、あの、おはようございます……」

宇佐見P「ああ、おはようさん。江上お前、ヴォイスレッスンのスタジオに兵藤がいるから、許可取ってトランプ借りて来い」

椿「は、はい、えっ、あの……トランプ、ですか?」

宇佐見P「あまりに焼肉アピールされて腹が立った。負けた奴の奢りで今日の夕飯は焼肉だ」

椿「あの、状況が、いまいち、飲み込めないと言いますか……」

宇佐見P「無理やり飲み込め。何で勝負するかは三村、お前が決めろ」

かな子「えっ? ……えっと、また罰ゲームありのトランプですか」

宇佐見P「なんか文句あんのか」

かな子「いえ、じゃあ、どうしましょう。ババ抜きは宇佐見さんに勝てない事がこの前わかったし」

みちる「心を読まれてるのかもってレベルでしたからね!」

宇佐見P「いや、三村が表情出しすぎだっただけだろあれは」

かな子「じゃあ、大貧民にしましょう! これなら表情とか、引っ掛けとか関係ないし」

菜帆「……大富豪?」

かな子「ん? 大貧民」

みちる「うちの学校では大富豪でしたねー」

かな子「えっ嘘!? えっ、大貧民ですよね?」

宇佐見P「大貧民に決まってんだろ」

かな子「ですよね、えへへ」

みちる「えー。椿さんはどっちでしたか?」

椿「わ、私は、大富豪です……」

宇佐見P「お前が金持ちみたいになってんぞ」

P「あらかた食べたな」

朋「そうね。あたしお茶淹れてくる」

P「頼む」

朋「うん。みんなもお茶飲む?」

愛海「麦茶がいいかなー」

さくら「あっ、わたしも麦茶がいいでぇす」

里美「お手伝いしますぅ」

朋「ありがと、でも大丈夫だから、里美ちゃんは座ってて」

里美「ほわぁ」

朋「里美ちゃんも麦茶にする?」

里美「私は、では、温かいものを」

朋「ん、イヴは?」

イヴ「……あー!!」

朋「な、何、どうしたの」

イヴ「お茶で思い出しました~。私みなさんにプレゼントを買ってきたんですよ~」

さくら「あっ、それ知ってます! さっきイヴさんが冷凍庫にアイス入れてるの見たもん」

P「サンタさんからのプレゼントを先にばらすのは良くない」

朋「お茶で思い出したって言ってたし、アイスとはまた別なんじゃない?」

さくら「あっ、そっかぁ」

イヴ「みなさ~ん、はい、アイスですよ~」

さくら「ほらっ!」

里美「アイスっ!」

朋「お茶は!?」

イヴ「えっ、お茶は、朋さんが……」

朋「うん、いや、そうなんだけど、そうじゃなくて……」

P「棟方、藤居がお茶淹れるの手伝ったら、もう解放でいいぞ」

愛海「はーい」

イヴ「みなさん今日は~、いい子にしてましたか~?」

さくら「してました!」

P「村松は今日はお菓子とかお茶っ葉の整理整頓とかやってたな」

さくら「そうです」

P「あとジュースも重いのにたくさん買ってきてくれたし、今日はいい子だったと言える」

イヴ「そうなんですか~。それでは、アイスまんじゅうをプレゼントです~」

さくら「やった!」

イヴ「じゃあ次は~、里美ちゃんはいい子にしてましたか~?」

里美「どうだったでしょう……」

P「さとみんはテーブルとソファをぴかぴかに拭いてくれた」

イヴ「あら~、それはかなりいい子ですね~、それでは~……」

P「あと高級な牛肉の提供者である」

イヴ「あっはい、もったいぶってる場合じゃなかったですね~、チョコモナカジャンボをお召し上がり下さいませ~」

里美「はわぁ、ありがとうございますぅ」

朋「お茶、ここに置いとくわね」

P「ありがとう。藤居もかなりいい子だったな、野菜切ってくれたのも藤居だし、お茶も上手だし」

イヴ「ではそんな朋さんには~、ピノをプレゼントです~」

朋「ふふ、ありがと、いただきます」

愛海「あたしもお茶淹れるの手伝ったよ?」

イヴ「ということは、愛海ちゃんもいい子でしょうか~」

愛海「プロデューサー! あたしいい子だったよね?」

P「んー」

愛海「……」

P「棟方は午前中に窓の掃除を手伝ってくれたし、レッスンも頑張ってたから、いい子だな」

愛海「だよね! 窓は上のほう届かなくてプロデューサーにやってもらったけど」

P「でも下のほうは棟方がやってくれたから、窓ぴかぴかだ」

イヴ「どうりで、日差しが心地いいと思ったんです~。はい、たまごアイスですよ~」

P「あっ、これ棟方の大好きなやつだ、良かったな棟方」

愛海「うん! わぁい」

山井P「なにやら、美味しそうな匂いが漂ってきてますねぇ」

まゆ「えぇ、お肉を、焼いているような」

山井P「何故だか私は昔から、肉の焼けるいい匂いに、ひひっ、心引かれてしまうのですよ」

まゆ「お肉、美味しいですもんねぇ」

山井P「ああ、何処かに、美味しいお肉が落ちていないものでしょうか」

まゆ「そうですねぇ。みんながお腹を満たせるくらいの、大きなお肉が」

山井P「重さで言えば、そう、45kgくらいの……」

みく「ちょおっと待ったー! にゃ!」

山井P「……どうしました、ふふっ、前川さん。急にそんな、大声で」

みく「これはまたみくにイジワルする流れにゃ! いつものパターンにゃあ!」

山井P「意地悪とはまた、人聞きの悪い」

みく「いっつもそうにゃ! みくを怖がらせて、面白がってるの!」

山井P「そんなことありませんよ、ねぇ、佐久間さん?」

まゆ「ええ。まだお肉が食べたいとしか、言ってませんよ?」

みく「まだって! 今まだって言ったにゃ! これから本題を進めるつもりなんだにゃあ!」

まゆ「言葉の、あやですよ、ふふっ」

みく「それで最後に『これがホントの人を食った話』とか言って似非アメリカ人の笑いで締めるつもりにゃ!」

まゆ「……山井さん、人肉というのは、どうなんですかぁ? 臭みが強そう、というイメージなのですが」

山井P「いえ、血抜きをしっかりして、皮膚表面の不純物や細かい毛などの除去、そういう下処理を経てから香草をふんだんに使いお酒と植物油をたっぷり塗って焼けば……」

みく「知識ひけらかすにしてももっと平和な話題にしてよ!」

山井P「しかし人肉は何かと問題になりやすいので、ここは」

まゆ「はい」

みく「……」

山井P「猫の肉あたりに、初挑戦してみましょうか。どんな味がするんでしょう」

みく「そらきた! でも、にゃふふん、みくは猫キャラであって、猫ではないのにゃ。ヒトにゃ」

山井P「……」

まゆ「……」

みく「霊長類ねこ科のみくにゃんだにゃあ。ぎりぎり曲げてないにゃ」

山井P「佐久間さん調理器具を」

みく「なんでにゃ!」

まゆ「はぁい」

みく「まゆチャン? 工具箱に調理器具は入ってへんのとちゃう? にゃ?」

山井P「……ふっ、ふふふっ、本当に、前川さんは、いい反応をして下さいます。やはり関西出身の方は、違いますねぇ」

みく「関西イコールツッコミって認識やめてにゃあ」

山井P「好奇心で猫を殺す」

みく「やかましいわ! それただの変態やろが!」

まゆ「猫キャラ、猫キャラ」

みく「やかましいにゃ! それただにょ……ただ、の、変態にゃろが! 言いにくいわ!」

山井P「HA-HA-HA-」

さくら「あれー? プロデューサーさんのアイスは?」

P「ん? ああ、俺の分はいらないよって、いつもイヴに言ってるからな」

さくら「えー、なんでぇ?」

イヴ「……すみません」

朋「イヴのは? 自分の分も買ってないの?」

イヴ「はい……あまりお金に余裕も無いので」

朋「えっ、それなら無理していろいろ買ってこなくても……」

イヴ「いえ、それはいいんですよ~。皆さんの喜ぶ顔が見られれば、私も嬉しいので~」

朋「そうは言ったって……」

P「イヴは優しいな! じゃあ特別に俺が例のあれを引っ張り出してきてやる、ちょっと待ってろ」

朋「例のあれ?」

イヴ「……」

朋「……ねえ、ピノって六個入りだし、三人で分けましょ」

イヴ「えっ? でも」

朋「買ったのイヴだし、それにうちの変わり者プロデューサーが言うには、ものを美味しく食べるコツは、みんなで平等に分けること、らしいわよ?」

イヴ「……はい、では」

朋「うん。……あっ、見て! ハートのピノが入ってたわ!」

イヴ「えっ! わ、ホントです~、初めて見ました~」

朋「……イヴ食べる?」

イヴ「いえここは朋さんが~」

朋「えっ、でも、やっぱりお金出した人が」

イヴ「プレゼントですので~」

P「お前ら見ろ! これだ、カキ氷マシーン」

さくら「スゴい!」

里美「カキ氷ですぅ」

愛海「そんなのどこにしまってあったの?」

P「謎のスペースに。よしよし、洗って使おう」

朋「何でもあるわねこの事務所」

P「藤居とイヴは二人でアイス分けることにしたのか? 仲良し、素晴らしい」

朋「あんたも入れて三人で分けるのっ。ハート食べる?」

P「えっ! ハートあるのか! ……でも、ハートは、もらった藤居が食べるべき」

朋「そ、そうかな……じゃあ、貰っちゃおうかな」

イヴ「はい、是非~」

さくら「カキ氷いいなぁ」

P「カップと氷を用意した人はカキ氷が貰えるシステム」

さくら「やった!」

里美「ほわぁ、すぐに用意しますぅ」

朋「ちょっと、アイス食べてからにしなさいよ」

P「まさか」

朋「うん、そうね、でも久々に引っ張り出したわけだし」

イヴ「そうですね~」

さくら「しょんぼり」

里美「ほわぁ」

P「まさか、シロップを切らしているとは」

愛海「大量に氷けずっちゃったけど、どうする?」

P「何か代わりにかけて美味しいものは」

朋「自販のジュースとかは、薄まっちゃって美味しくないしね」

イヴ「……あっ、これです!」

朋「どれ?」

イブ「さっきこれをお肉にかけたら、とても美味しく頂けました~」

朋「そうね、焼肉のタレを焼肉にかけたんだから、そりゃ美味しいわよね」

P「それだイヴ! それでいこう!」

さくら「スゴいです!」

朋「悪ノリやめなさいよ」

P「ごめんなさい」

さくら「しょんぼり」

P「じゃあ俺ちょっとシロップありそうなところ行ってくる」

朋「うん、それじゃあ、作っちゃったカキ氷は冷蔵庫にでも入れておきましょうか」

P「いや、ニ分くらいで戻ってくるから平気だ」

朋「えっ、でも、コンビニに売ってるかわかんないし、スーパーまで行くとけっこう時間かからない?」

P「買う必要は無いのである」

朋「……そうなの?」

かな子「うう……負けた、負けてしまった……ううう」

椿「……」

宇佐見P「そんじゃあ約束通り、三村の奢りっつーことで」

かな子「どうして……どうして……何で手札がばれちゃってたんですか……」

宇佐見P「お前、小さいほうから順番にカード並べて持ってただろ」

かな子「そうですけど……でも、それだけであんなに細かくわかるわけ無い……うう」

宇佐見P「まあそれだけじゃ無いんだけどな」

かな子「やっぱり、宇佐見さんは、心が読めるんです……そうじゃなきゃ、あんな……」

宇佐見P「読めたらこんな所でプロデューサーやってねぇよ」

かな子「ううう、間違ってます……大貧民に焼肉を奢らせる世界なんて間違ってます……」

宇佐見P「知らねえよ、負けた奴が悪い、敗者は悪だ」

かな子「うう、イービルデンタルクリニック……」

宇佐見P「意外と余裕あるだろお前」

椿「……」

宇佐見P「……どうした江上」

椿「……いえ」

宇佐見P「勝ったのに嬉しくなさそうだな」

椿「……やっぱり、負けてあげたほうが、良かったでしょうか」

宇佐見P「はあ? なんだそりゃ、私は優しい人間ですってアピールか?」

椿「そっ、そんなつもりでは」

宇佐見P「ゲームの最中に誰に告げるでもなく負けてやればよかったじゃねえか。後になって俺に言っても意味ねえだろ」

椿「……」

宇佐見P「……」

椿「……」

宇佐見P「……クソ面倒くせえ。自己犠牲なんてうざってぇ思いがあるなら、考えてねぇで騒いで来いよ」

椿「えっ?」

宇佐見P「駅の近くに馬鹿みたいに安い値段で食べ放題の焼肉屋がある。何か理由つけて、どうしてもそこに行きたいって駄々こねて来い」

椿「……」

宇佐見P「あとは放っとけ。つーかあれ見りゃ、心配いらねえ事くらいわかんだろ」

椿「あれ?」


菜帆「かな子ちゃん、これ、お金先に渡しておくので~、こっそり~」

みちる「焼肉っていくらくらいでしょう? とりあえず適当に渡しておくので、あとでまた請求してください!」

かな子「でも、でも……」

菜帆「いいから~」

みちる「見つかる前に早くです!」

かな子「ありがとう、ごめん、ありがとう、ううう……」


宇佐見P「あれでばれてねぇつもりなんだからマジでおめでたい頭だよあいつら。つーか賭けの意味ねえじゃねえか、ふざけやがって」

椿「……ふふっ。仲良し三人組を、一枚、写真に収めておきましょうか」

宇佐見P「被写体に許可無くってのはマナー違反じゃなかったのか」

椿「あっ、はい……仰る通りです、すみません。皆さん全然気になさらないので、麻痺してたみたい……」

宇佐見P「カメラ貸せ、俺が撮る」

椿「あっ」

パシャリ

宇佐見P「あっはっは! 見ろよこの写真、大原と海老原がカツアゲされてるみてぇだ、あっはっは」

椿「だ、駄目ですよそういうのはっ。その少し後のシーンが撮りたかったのに……」

ガチャッ パタン

P「……」

宇佐見P「……ん?」

椿「河合さん、ですね」

P「まずここに可愛いものを置いておく。今回はこれだ」

宇佐見P「あん?」

こずえ「ふわー……どこー?」

P「そうするとあまりの可愛さに人々がわらわら集まってきて、その隙を突いて俺はカキ氷のシロップを探すという算段」

宇佐見P「なに言ってんだあの人は。あのチビは確か小山内Pのところの……」

椿「こずえちゃんですね。カキ氷のシロップが、欲しいように聞こえましたけど……」

P「……」

宇佐見P「すげえ見てるよ、何なんだよ」

椿「集まってくるのを、待っているのでは?」

宇佐見P「……おい、わらわら集まってやれ」

かな子「あっ、はい」

宇佐見P「海老原はシロップを用意……いや待て、カキ氷のシロップなんかあるわけねぇだろ、まだ六月だぞ」

菜帆「ありますよ~」

宇佐見P「あんのかよ。この世の甘いもの全て用意してあんのかもしかして」

菜帆「全部は無いですよ~。九割八分ってところですね~」

宇佐見P「とんでもねぇな」

菜帆「河合さん、こっちです~」

P「作戦通りだ! 今のうちに早くっ」

菜帆「うふふ~、こちらへどうぞ~」

かな子「こずえちゃん、クッキーどうぞ」

こずえ「えー……? ……ありがとー」

かな子「可愛いなぁ」

みちる「天使のようですね!」

こずえ「ふわぁ……くっきー、おいしいねー」

かな子「可愛いなぁ!」

みちる「天使ですね!」

菜帆「はい、これがメロンと、イチゴと、あと練乳ですね~」

P「海老ありがとう! 海老は可愛いしやわらかいし、シロップも持ってて凄いな!」

菜帆「うふふ~、恐縮です~」

P「ありがとう! 今度お礼するから! またなー」

ガチャッ パタン

宇佐見P「おぉい! そのチビ連れてって下さいよ!」

ガチャッ

P「いま連れて行こうと思ってたところ。忘れてない。おいでおいで」

こずえ「こずえねー……くっきー、もらったのー」

P「よしよし可愛い奴だ、後でご褒美をあげような」

P「そういうわけで榊原家に来てみた」

さくら「みました」

里美「ただいまですぅ」

P「夕方にレッスンを終えたり仕事から帰ってきたりする人のために、追加の高級な牛肉を頂きに参上したのである」

里美「である、ですぅ」

さくら「はちきれんばかりに持っていきましょー」

ピンポーン

『はい』

P「来た」

『ああ、はい、お待ちしておりました。ご足労を煩わせてしまい申し訳ありません』

P「平気だ」

『……それで、本日はどちらの方をお供に?』

P「村松がいる」

さくら「います」

『村松……ふぅん、村松、そうですか……皆さん、今日は村松だそうです』

『村松か……』

『えっ! さくらちゃん!? ちょー可愛いじゃないですか!』

『そうなの?』

『うん、私ちょっと調べたんですよ、お嬢様の事務所の子。さくらちゃんはニューウェーブっていうユニットのね』

『ああ、語るのはいいよ、また後で。一応サイン貰っとくか』

『そうですね……お待たせ致しました。ただいまそちらへ……』

『あれ、いま後ろにもう一人可愛いのいなかった?』

『えっ、あっ、ちらっと見えました。後ろの可愛いっぽいのはどなたでしょうか?』

P「後ろの可愛いっぽいのは、さとみんだ」

『なんだお嬢様か、じゃあいいです。その場で少々お待ちを』

P「うん」

里美「ほわぁ」

さくら「こんなにいっぱいサイン書いたの、初めてでぇす」

P「ファンが増えてよかったな」

さくら「うん」

ワイワイ ガヤガヤ

<ナンダ ムラマツ カワイイジャン

<デショ チョーラブリー チョーキュート

<デモ ワタクシハ ヤハリ チエリチャンガ イイデスネ

<ソレハ ダッテ チエリチャンハ テンシデスモン

P「ではこのはち切れんばかりの高級な牛肉を、素早く持って帰るとする」

さくら「夜いるのはぁ、わたしと、イズミンとアコちゃんとぉ、愛海ちゃんと、イヴさんとぉ」

P「あと藤居と、さとみんと、大和と衛藤もいるな。そうだ、大和いるからサバイバル風バーベキューにしよう」

里美「お外でバーベキュー、楽しみですねぇ」

P「そうだな。じゃあメイドさんたちにお礼言って、帰ろう」

さくら「はぁい」

<ジャア 4ゴウ コンドノ ムラマツガデル ライブ チケット トットイテ

<タイヘン モウシワケナイノデスガ テメェデヤッテ クダサイマセン デショウカ

<アァ?

さくら「メイドさぁん! ありがとうございまぁす!」

里美「ありがとうございますぅ」

<アッ ムラマツ マタ コイヨー

<イツデモ オマチ シテオリマス

<バイバーイ マタネー

<オジョウサマー タベスギチャ ダメデスヨー

P「村松は玉ねぎ持つ係な」

さくら「はぁい」

P「さとみんはメロンな。あとは俺が持つから」

里美「おにいちゃん力持ちですぅ」

P「あっ駄目だ重い」

里美「ほわぁ。メイドのみなさぁん」

<アッ! マタ テツダワセル キダ!

<ニゲマショウ!

里美「ふえぇ……」

まゆ「はい、みくちゃんのお茶も、ここに置いておきますね」

みく「ありがとにゃあ」

まゆ「えぇ、あちらのプロデューサーさんからですよぉ」

山井P「はい、こちらのプロデューサーさんからですねぇ」

みく「……お魚エキスとか入ってそう」

山井P「入っていませんよ。意地悪は、ひひっ、一日一回までです」

みく「ついにイジワルって認めやがったにゃあ……。ありがと、頂きますにゃ」

山井P「ああ、お茶菓子が必要でしたらありますので、佐久間さんと二人で分けてくださいね」

まゆ「まゆの分もあるんですかぁ、うふふ、嬉しい」

山井P「佐久間さんの分が、無いわけないでしょう」

まゆ「うふふっ」

山井P「ひひっ」

みく「誰かみくを超絶甘やかしてくれる人が来にゃいかにゃあ」ズズズッ

ガチャッ

のあ「……あら、みく」

みく「チェンジで」

のあ「……魚を買ってくるのを忘れたわ」

みく「嘘にゃ、冗談にゃあ! のあにゃん、レッスンお疲れ様っ」

のあ「ええ。でも……」

山井P「お疲れ様です高峯さん。今日はこれで、事務所に来ている人は全員ですね」

のあ「……そうね」

山井P「少し遅めのお昼ご飯となりますが、焼肉でも食べに行きませんか?」

みく「えっ!? みくも行って良いの?」

山井P「悪いわけが、ひひっ、ないでしょう」

みく「やったにゃあ! のあにゃんも行くよね?」

のあ「……折角だけど、少し休憩を入れてから、レッスンを延長してもらおうと思ってるの。終わるのは夕方頃になるわ」

みく「あ、そうなの? にゃう……」

のあ「三人で行ってきなさい。私のことは気にしないで」

山井P「ふむ、そうですか。前川さん、どうします?」

みく「……今あんまりお腹減ってないにゃあ。いっぱい食べたいから夜に行くにゃ」

山井P「では、ふふっ、そうしましょう。お昼は皆さん、適当に」

まゆ「では、まゆは今のうちに、少しお金を下ろしてきてしまいますねぇ」

山井P「お金のことは、気にせずとも構いませんよ」

まゆ「そういうわけには、いきません」

山井P「……ふふっ」

のあ「ありがとう、みく。あとで魚の干物を買ってあげるわ」

みく「いらにゃい」フルフル

夕方

宇佐見P「よし、今日はこんなもんでいいだろ」

菜帆「終わりですか~?」

宇佐見P「ああ。そんじゃあ、肉だか脂だかわからねぇクソ安い肉でも食いに行くか」

みちる「あははー! でも食べ放題はいい案ですね! たくさん食べれますし」

菜帆「お安く済みますしね~」

かな子「椿さんが提案してくれたおかげで、助かってしまいました」

椿「いえ、あれは私じゃなくて……」

宇佐見P「おい」

椿「ふふっ、はい、では静かにしています」

かな子「あっ、出発の前に、宇佐見さんの膝の上に乗せてもらわなきゃ」

宇佐見P「あん?」

かな子「じゅ、十秒、乗せてくれる約束です……」

宇佐見P「……仕方ねぇ、早く済ませろ」

かな子「やった」

菜帆「ごゆっくり~」

みちる「先に駅のところまで行ってますね! お腹が空いているので!」モグモグ

椿「では、お先に失礼します」

ガチャッ バタンッ

かな子「……」チラッ

宇佐見P「なにもたもたしてんだ、乗らねぇなら俺らも行くぞ」

かな子「は、はい、乗ります。では……よいしょよいしょ、えへへ」

宇佐見P「ガキじゃねぇんだから、膝に乗ったぐらいで喜んでんじゃねぇよ」

かな子「すみません、えへへ、なんかにやけちゃいますね。……重くないですか?」

宇佐見P「重てぇに決まってんだろ、ふざけんな」

かな子「あはは、やっぱり、やせてる子のほうがいいですよね……」

宇佐見P「はあ? つーかそろそろ十秒経ったろ」

かな子「あ、あと、あとちょっとだけ……」

宇佐見P「……」

ムギュッ

かな子「あぁっ! 背中のお肉掴むのはやめてください!」

宇佐見P「何だこりゃ」

かな子「背中は、見ないように、直視しないようにして、無かったことにしてる部分なのに……ううう……」

宇佐見P「無かったことには、ならねえだろうよ……」

かな子「えへへ、三分くらい乗せてもらっちゃった。何だかんだ言って乗せてくれるんだもん、えへへ」

かな子「宇佐見さん、鍵とか色々あるから先に行ってろって言ってたけど、もしかして照れてたのかな」

かな子「……照れないか、ちょっと調子に乗りすぎだこれ。あー、みんな待たせちゃったよね、早く行かなきゃ」

かな子「近道しちゃおう」

P「あっ」

かな子「ん?」

P「三村だ! 捕まえろ!」

亜季「Sir,Yes Sir!」

かな子「えっ、えっ、なに?」

亜季「かな子殿、失礼します」

かな子「えぇ!? どうして私つかまってるの?」

P「村松! 説明してやれ」

さくら「ええとぉ、プロデューサーさんがぁ……なんだっけ?」

泉「軍曹」

さくら「軍曹でぇ、このお肉が、ええとぉ」

泉「カルビ」

さくら「カルビ! カルビでぇ、こっちのやつが、えぇと……お肉」

泉「ロース」

さくら「ロース!」

亜子「さくらは可愛いなぁ」

さくら「えへへぇ」

P「な?」

かな子「は、はい……わかんない……」

P「三村はいま帰りか?」

かな子「えっ? あ、はい、まあ。ええと、お疲れ様です」

P「うん。じゃあ、三村も一緒に高級な牛肉を食べよう」

かな子「……え?」

P「たくさんあるからな、三村の分もたぶん大丈夫」

かな子「え、えっと、あの……」

P「さとみんの家から持ってきた凄く美味しいやつだ。イヴが泣くくらい美味しい」

イヴ「も~、恥ずかしいから言ったら駄目ですよ~」

P「じゃあ内緒だ。三村は美味しいもの好きだろう。これはおそらく日本で一番美味しい。高級な牛肉だから」

かな子「……」ゴクリ

P「野菜も凄く新鮮ないいやつだ。藤居、三村の分のお箸とお皿も」

朋「はいはい……って時間とか大丈夫なの? 家にご飯があったりとか」

かな子「……い、いえ」

朋「大丈夫ならいいんだけど。ちょっと待っててね」

かな子「……」

山井P「おや」

宇佐見P「あ?」

まゆ「宇佐見さん、お疲れ様です。皆さんも」

みちる「奇遇ですねー。まゆさんたちもお夕飯ですか?」

まゆ「えぇ。ということは、みちるちゃん達も?」

みちる「そうなんです! 今夜は焼肉ですよ!」

みく「にゃんと! ホントに奇遇にゃ。みく達も焼肉食べるんだにゃあ」

菜帆「そうなんですか~。河合さん効果ですね~」

まゆ「ふふっ、河合さん効果、ですねぇ」

のあ「私はみくを食べるつもりで来たのだけれど」

みく「そのネタは昼間やったからもういいにゃ……」

山井P「おやおや」

宇佐見P「ああ?」

みちる「まゆさんたちは、どこのお店に行くんですか?」

まゆ「ええと、牛角の予定、でしたよね」

のあ「そうよ。あなた達は?」

菜帆「向こうの通りの~、食べ放題に~」

みく「食べ放題! いいにゃあ、みく食べ放題行ったこと無いにゃ」

みちる「もしよければ一緒にどうですか!?」

まゆ「それは、是非、と言いたいところですが、山井さんに聞いてみないと……」

みく「山井チャン!」

山井P「おやおやおや」

宇佐見P「あああ?」

椿「仲良くして下さいっ、もう……」

みく「駄目そうにゃ」

宇佐見P「で、三村はどこ行った」

みちる「プロデューサーと一緒に来ると思ってました!」

宇佐見P「先に行かせたんだが」

菜帆「寄り道してるんですかね~」

宇佐見P「事務所からここまでに、あいつが寄るようなとこあったか? とりあえず俺は見なかったぞ」

菜帆「マクドナルドとか~」

宇佐見P「食べ放題の前にマック行くのか、すげぇな、あいつの担当やめたくなってきた」

椿「私、見てきましょうか」

菜帆「わたしも~」

みちる「もぐもぐ……あっ! かな子さんです! 来ました!」

かな子「ごめんなさい、遅れました!」

宇佐見P「おせぇよ……ってお前、どうした」

かな子「え? どうもしませんよ?」

宇佐見P「半泣きじゃねぇかよ、何があった、誰かに何かされたのか」

かな子「違います違います! あの、個人的な、欲求との戦いって言うか……」

みちる「戦ってきたんですか?」

かな子「そもそも戦いが発生することに罪悪感がというか……」

宇佐見P「本当に何もねぇんだろうな」

かな子「無いです、大丈夫です。心配かけてすみません、えへへ」

宇佐見P「そうか。紛らわしいことしてんじゃねえよ」

菜帆「ええと、それじゃあ、行きましょうか~。かな子ちゃん、腕組んでもいいかしら~」

かな子「うん、いいよー。よーし、じゃあ、負けないくらい食べ放題しましょう!」

みちる「あっ、まだ戦いの最中なんですか?」

宇佐見P「店が潰れるくらい食ってやれ」

みちる「あははー! やる気出てきました!」

山井P「揃いましたか。ひひっ、では行きましょう、こちらです」

宇佐見P「ああ? 何でてめぇが仕切ってんだよ」

椿「喧嘩しないで下さい!」

里美「メロンはどうしましょう」

P「メロンは食後ださとみん」

里美「ほわぁ」

イヴ「あっ、メロンがありますよ~」

P「メロンは食後にしなさいイヴ」

イヴ「そうなんですか~」

さくら「めろん」

P「食後」

さくら「はぁい」

愛海「あっ、メロンもあるんだ」

P「棟方にペナルティ2」

愛海「何で!? 違うよ、今のメロンはそういうメロンじゃなくて、普通のメロンだよ!」

P「そうか、間違えた、ごめん。じゃあペナルティは1のまま」

愛海「もー。じゃあお詫びとして、亜季さんのたわわなメロンを、うひひっ」

P「棟方にペナルティ2」

愛海「駄目か」シュン

イヴ「はあ~、もう食べられないです~」

さくら「もう入らないでぇす。破裂するかも」

里美「苦しいですぅ」

朋「メロン切ったけど、食べる?」

さくら「食べる!」

イヴ「わ~、頂きます~」

朋「はい、里美ちゃんはこぼさないように気をつけてね」

里美「ほわぁ、ありがとうございますぅ」

朋「愛海ちゃんも、はい」

愛海「わぁい、ありがとー」

朋「……なんで鼻眼鏡つけてるの?」

愛海「ん? ペナルティ2だから」

朋「あ、そうなの……。少し自重しなきゃ駄目よ」

愛海「はーい」

P「俺の分! 俺の分のメロンは!?」

朋「ちゃんとあるから、慌てないの」

P「はい」

朋「ん、大きいほうあげる」

P「藤居優しい」

朋「ふふっ、でしょ? それで、残ったお肉とか野菜とかどうする?」

P「じゃあ、俺が持って帰ってカレーにしよう。重いけど、仕方ない、プロデューサーの義務じゅるり」

朋「それなら、イヴにあげたら?」

P「あっ、それはいいアイデアだ。イヴおいで!」

イヴ「なんですか~?」

P「余ったお肉とか持って帰っていいらしい」

イヴ「えっ! いいんですか~、わぁ、嬉しいです~」

美紗希「一応、里美ちゃんに許可取ったほうが、よくない?」

P「あっそうか。さとみん!」

里美「なんでしょう」

P「余った食べ物をイヴにあげたい」

里美「素敵なアイデアですぅ。たくさん召し上がってください」

イヴ「ありがとうございます~。お料理出来ませんけど~」

P「そうか。ほらメロンをお食べ、早く食べないと溶けるぞ」

朋「あんたメロンの認識おかしくない?」

宇佐見P「食べ放題ってのはよぉ、行くまではすげぇ楽しみなんだよな、よし食ってやるぞって」

椿「……はい」

宇佐見P「でも、食べ終わって店出た後はいつも思うんだよ。二度と来るかって」

椿「確かに、しばらくは遠慮したいですね」

宇佐見P「そもそもタレがまずいんだよタレが。ああ、にしても、食いすぎたな」

椿「私も、少し苦しいです。ペース配分がわからなくて……」

みちる「シメにパンでも食べに行きますか!」

かな子「じゃあ私はラーメンで」

菜帆「甘~いものが~、食べたいな~」

かな子「甘いもの! なに食べよっか」

椿「……店主の方が謝りに来るほど食べてたのに」

宇佐見P「気にすんな、そいつらは科学じゃ解明できねぇ生き物だ」

山井P「それにしても宇佐見さん、あなたという人は、担当する子に支払いを持たせるとは一体、どういった神経をお持ちで?」

宇佐見P「あ?」

椿「あっ、あの、一応、トランプで、罰ゲームという事なので……」

山井P「実際にお金が動くのでしょう? 賭け事が常習化するようでは、いけませんよ」

みく「みくを食べようとするのが常習化してる人が何か言ってるにゃ」

山井P「ひひっ」

宇佐見P「放っとけってんだよ、うざってぇな」

椿「なんだかんだで宇佐見さんが、後々に差し引きゼロになるよう調整してくださいますので」

宇佐見P「江上もうるせえぞ」

椿「はい、静かにしてます、ふふっ」

まゆ「山井さん、そろそろまゆが寂しい想いをしてますよぉ」

山井P「おや、これはいけませんね。では高峯さんに一発芸を披露して頂きましょう」

のあ「一番、高峯のあ、みくの物まねをするわ。……シャケぺろぺろにゃあ、骨まで食べちゃう」

みく「にゃめんにゃ!」

翌日

prrrrrrr

イヴ「zzz……」

prrrrrrr

イヴ「ん、う~……電話……? ……あ~、プロデューサーからですね~」

ピッ

イヴ「もしもし~」

P『いまドアの前にいるよ』

イヴ「ホラーでしょうか~」

P『朝ごはん作りに来た』

イヴ「わ~、少々お待ちを~」

タッタッタッ ガチャッ

P「おはよう」

イヴ「おはようございます~。スーツ姿にエプロン、やる気まんまんですね~」

P「うん。お邪魔します」

イヴ「どうぞ~」

P「では今日はカレーを作ります。準備しておくから、イヴは身だしなみ整えておいで」

イヴ「いいんですか~。では、シャワーを浴びてきてしまいますね~」

P「うん」

イヴ「あ、お肉とお野菜は、冷蔵庫に入ってますので~」

P「うん。じゃあブリッツェンには、魚肉ソーセージをあげような、買ってきたやつ」

ブリッツェン「ぶもー」

P「もうすぐ出来るぞ」

イヴ「……あ、はい」

P「ん? どうかしたか?」

イヴ「いえ……」

P「しかしシャワーを浴びて出てきたイヴは、何故だか急にしおらしくなっていたのであった」

イヴ「あ、あの、冷静に考えたら、寝起きの姿を見られてしまいましたし、スゴい格好でしたし……」

P「大丈夫、すっぴんでぽやぽやしててもイヴは可愛いから安心だ」

イヴ「あの、だらしない子だと、思いましたよね……」

P「えっ、でも俺なんか寝起きもっと凄いぞ、BUCK-TICKのドラムの人みたいになってる」

イヴ「ばくちく、顔が怖い人ですか~?」

P「それはボーカル。まあ気にしない気にしない、リラックス、リラックス」

イヴ「……でも、お部屋に、二人きりですし」

ブリッツェン「ぶもっ」

イブ「あっ、ブリッツェン、忘れてないですよ~」

P「出来た! ご飯盛ってご飯」

イヴ「……ああっ! あの……すみません、お米ないんです~」

P「違う違う、袋の中にレンジでチンするご飯入ってるから」

イヴ「あ、そうなんですか~、何から何まですみません」

P「いいよ」

イヴ「では二つ、温めますね~」

P「ん? 一個でよくないか?」

イヴ「えっ? え、でも……」

P「あ、俺はその辺で朝ご飯食べてくから大丈夫だ。これは全部イヴの分、二個目のご飯は夜食べるといい」

イヴ「でも、わざわざ来てまで、作っていただいたのに……」

P「イヴはいつもみんなにプレゼント買ってくれるから、そのお返し。カレーがたくさん食べれて嬉しいな」

イヴ「……でも」

P「明日の朝は朝マックとか食べに行こう。牛丼屋さんでもいい」

イヴ「え?」

P「イヴがちゃんと三食食べられるようにしてやるから大丈夫、安心です」

イヴ「そんな……」

P「じゃあ俺、事務所行くから、イヴもカレー食べたら支度して来るんだぞ」

イヴ「……」

P「また後でなー」

イヴ「……ありがとうございました」

ガチャッ バタンッ

イヴ「……プロデューサーに、甘えてばかり。サンタクロースなのに、与えられてばっかりで」

ブリッツェン「ぶも?」

イヴ「……昨日の反動かな、一人でのご飯は、少し寂しいですね~」

ブリッツェン「……」ウルウル

P「棟方にペナルティ3」

愛海「えっなんで!? 今日まだ一回目なのに!」

P「今度からペナルティが日を跨いでも持ち越されるようになりました」

愛海「酷いよぉ! あたしに何も伝えないで変更なんて!」

P「しかしもう決まったことなのである」

愛海「酷い! 今日も二回までなら大丈夫って思ってわくわくしながら来たのに! あたしのわくわく返してよ!」

P「……」

愛海「……なんで携帯出すの? 誰に電話するの?」

P「猪狩Pに電話する」

愛海「なんで? なんで猪狩プロデューサーなの?」

P「あっ、もしもし猪狩Pか……ん? 何で怒ってるの?」

愛海「……」

P「柳と木場をちょっと借りたいんだけど」

愛海「やだぁ! やめなよ! 清良さんも真奈美さんも急がしいんだから!」

P「うん、十分くらい」

愛海「やだよぉ、ぷろでゅーさぁ……何でもするから、許してよぉ……」

里美「あのぉ、そのあたりでそろそろぉ、許してあげて下さい。私、気にしてませんので」

P「ん? そうか。あっ猪狩P、やっぱりいいや、うん……はい、ごめんなさい」

ピッ

P「もむもむされたさとみんが許してくれると言うので、今回はこの辺りにしてやる」

愛海「……」

P「さっき何でもするって言ったな」

愛海「……うん」

P「じゃあまずさとみんに謝る」

愛海「……ごめんなさい」

里美「はい、大丈夫ですぅ」

P「あとは、資料室から荷物運ぶお手伝いを申し付ける、重たいやつ」

愛海「……はい」

P「ん、もう断り無くもむもむしたら駄目だぞ」

愛海「……はい」

P「よしよし、聞き分けがいいから飴をあげよう。さとみんにもあげる」

里美「ありがとうございますぅ」

ガチャッ

イヴ「おはようございます~」

愛海「あっイヴさんだわぁい!」

P「立ち直りが早い」

さくら「イヴさん来た! わぁい」

P「イヴが来るとわらわら集まりだす子供たち」

朋「おやつの使者みたいになってるからね」

美紗希「……イヴちゃん、なんか元気ないかもぉ」

朋「えっ? ……そういえば、そうね。眉尻もいっそう下がり気味だわ」

イヴ「……」

さくら「……?」

愛海「……?」

イヴ「……今日は、その……プレゼントは持ってきてないんです~」

さくら「あぁー」

朋「露骨にがっかりしないの。貰えるのが当たり前って思うの、良くないわよ」

さくら「あっ、そっかぁ。ごめんなさぁい」

イヴ「私のほうこそ、すみません……」

朋「いいのよイヴ、持ってこなきゃいけないってわけじゃないんだから」

イヴ「はい……あの、プロデューサー」

P「ん?」

イヴ「あの、今朝はありがとうございました」

P「うん」

イヴ「それで、ええと……お料理の勉強をすることにしたんです~」

P「そうなのか。何でも一人で出来るようにするのは、概ね良いことだ。イヴは偉いな!」

イブ「……今までプレゼントに当てていたお金を、食費に回そうと、思って」

P「うん」

イヴ「皆さんへのプレゼントは、しばらく、その……すみません」

P「大丈夫、イヴ悪くない。むしろ良い感じ、やりくりを考えられて凄い」

イヴ「……ご飯も、明日からはもう、大丈夫ですので」

P「うん、イヴが大丈夫なら、それでいい」

イヴ「……すみません、ちょっとお花を摘みに~」

P「えっ、花が咲いてるところがあるのか、俺も行きたい」

朋「はいはい、座ってて、代わりに摘んできてあげるから」

P「そうか。じゃあ俺は、昨日三村を半泣きにさせてしまったことについて謝ってくるとする」

朋「ああ、結局なんだったんだろ、かな子ちゃん」

ガチャッ

P「三村!」

かな子「はいっ! な、な、なんでしょう」

P「三村に昨日のことでちょっとお話が……」

宇佐見P「河合さん、昨日も思ったんですけど……ノックはしましょうよ」

P「あっそうか、ごめん。テイクツー」

ガチャッ バタンッ

かな子「……ええと」

宇佐見P「……」

コンコンコンッ ガチャッ

P「三村!」

かな子「はいっ!」

宇佐見P「そこはやり直さなくていいだろ」

P「三村を昨日、半泣きにさせてしまったので」

宇佐見P「ああ、河合さんだったんですかあれ。三村に何したんです」

P「それが……」

かな子「言わないで! 言わないで下さい……幻滅されちゃう……」

P「じゃあ言わない。で、結構考えたんだけど、何が悪かったのかわからなくて」

かな子「いいんです、まるっと全部わたし個人の問題なので……」

P「許してもらえた。三村ありがとう! すっきりした。三村は優しくて可愛いな」

かな子「いえ、とんでもないです。なんか私こそすみません」

P「じゃあこれ、お詫びに」

かな子「ん?」

P「昨日焼肉やってたのはご存知の通り、で、これ、余ったから」

かな子「えっ、えっ嘘、まさか、高級な……!?」

P「黄金のタレ」

かな子「あっタレか」

イヴ「……」

朋「……何かあったの?」

イヴ「……」

朋「言いたくなかったら、いいんだけど」

イヴ「……今朝、なんですけど」

朋「うん」

イヴ「プロデューサーが、朝ご飯を作りに来てくださって」

朋「家に?」

イヴ「はい」

朋「何か事前に連絡あった?」

イヴ「なかったですね~」

朋「うん、そうよね、ほんとにもう……」

イヴ「それは、まあ、いいんです~。ちょっと恥ずかしかったけど、嬉しかったので~」

朋「そっか」

イヴ「はい、それで、夜に食べる分も用意してくれて。明日の朝ご飯も、食べに連れてっていただけると……」

朋「……それで、三食ちゃんと自分で食べることにしたの?」

イヴ「……」

朋「……」

イヴ「……プロデューサーの、負担になりたくないんです」

朋「……うん」

イヴ「お仕事を与えてもらって、住むところのお世話までして頂いて、今度は食事まで」

朋「まあ、ひとのお世話するのが生き甲斐みたいな奴だから」

イヴ「もう、どっちがサンタだかわかりませんね~」

朋「イヴのほうがサンタっぽいと思うけど。帽子とか」

イヴ「ふふっ、ありがとうございます~」

朋「……」

イヴ「……朋さん」

朋「なに?」

イヴ「少しお胸を貸していただいても、いいでしょうか」

朋「うん、おいで」

ダキッ ギュッ

イヴ「……プレゼントを運んでこないサンタクロースを、皆さんはどう思うでしょう」

朋「プレゼントはプレゼントで嬉しいけど、とりあえずあたしは、プレゼントよりイヴが元気でいてくれたほうがいいかな」

イヴ「……」

朋「あと、あたし達の中に、イヴのご飯よりお菓子やアイスの方が大事って人はいないから、それは信じて」

イヴ「……はい」

朋「ちょっとイヴ、これ持って」

イヴ「手鏡、ですか~?」

朋「うん、胸に抱いて、目を瞑って、耳を澄ませて……何か聞こえる?」

イヴ「……」

朋「最初に聞こえた言葉を、拾って、覚えて」

イヴ「……」

朋「……」

イヴ「……聞こえました~」

朋「何て?」

イヴ「誰かが、『ありがとう』って」

朋「うん。そしたら、それを迷ったときの指針にするの。きっと上手くいくわ」

イヴ「占いですか~?」

朋「うん、ホントは雨が、晴れてるのに雨が降ってるときとかがベストなんだけど、あたしの占いはルールを重視するものじゃないから」

イヴ「……朋さん」

朋「ん?」

イヴ「ありがとうございます」

朋「うん」

イヴ「なんだか、少し照れくさいですね~」

朋「そうかしら。たまにはこういうのも、良いと思うけど。……それにしても」

イヴ「……?」

朋「イヴって美人よね。近くでまじまじ見てびっくりしちゃった」

イヴ「え~」

朋「ずるいわ、少し分けてよこれ」

イヴ「きゃ~、あははっ」

朋「ふふっ」

さくら「イヴさんがお花を摘んでる間にぃ、愛海ちゃんと美紗希さんと一緒に高速でアイスを買ってきました」

P「そうか」

愛海「すごい高速だったよね、足が渦巻きみたいになってたよ」

美紗希「走ってたら怒られちゃったけどぉ」

さくら「でも、でも、きんきゅー事態だったのでぇ」

里美「私だけお役に立てず、すみません」

愛海「里美さんはぽよんぽよん走るから、高速移動は向いてないよ」

里美「すみません……」

愛海「大丈夫、脂肪燃焼を期待してあたしがそのお山を……」

P「……」

愛海「……里美さんはいるだけでみんなを癒してるから、そのままでいいの!」

P「そう」

里美「ほわぁ、ありがとうございますぅ」

さくら「イヴさん、アイス喜んでくれるかなぁ」

美紗希「渡すとき、イヴちゃんの代わりに買ってきたって、そういうふうに言ったら駄目だよ?」

さくら「はぁい」

美紗希「いつもありがとうって、プレゼントって言って渡すの」

さくら「ばっちりでぇす」

ガチャッ

イヴ「ただいま戻りました~」

さくら「きた! イヴさぁん」

イヴ「はい?」

さくら「いつものお礼にぃ、桃のアイスをプレゼントでぇす」

愛海「どれがいいかわかんなかったから、さくらさんの一番好きなやつにしたよ」

さくら「じゅるり」

美紗希「さくらちゃんは自分の買ったでしょぉ。イヴちゃんいつもありがとぉ、はい、食べて食べてぇ」

イヴ「……すみません、皆さんに気を遣わせてしまって」

P「違う」

イヴ「えっ?」

P「お詫びの心は尊重されるべきだけど、村松たちは多分、イヴにそんなこと言わせたくてアイスを買ってきたんじゃない」

イヴ「……」チラッ

朋「……うん」

イヴ「……ありがとうございます~、とっても嬉しいです~」

さくら「やった!」

美紗希「うふふ、よかったぁ」

P「よしよし。で、藤居、花は?」

朋「え、あっ、ごめん忘れてた」

P「えっ、花を取りにいったのに花忘れちゃったのか?」

朋「う、うん、ごめん……」

P「なんてこった……」

かな子「完璧です」

宇佐見P「何が」

かな子「昨日はタレがちょっと美味しくなかったとの事でしたが、今日は黄金のタレがあります」

宇佐見P「だから何だよ」

かな子「今日も行きましょう」

宇佐見P「はあ? つーか持ち込みって大丈夫なのか?」

かな子「それは、わからないですけど……」

みちる「行って聞いてみたらいいのでは?」

菜帆「もしかしたら、タレくらいなら大丈夫かもですね~」

かな子「そして今日は、山井プロデューサーさんから凄い情報を仕入れてきました」

宇佐見P「あん?」

かな子「宇佐見さんの読心術の正体は、ずばり記憶力です!」

宇佐見P「あの野郎……」

かな子「山井プロデューサーさんが言ってました、宇佐見さんは人の名前以外なんでも覚えるって」

菜帆「そう言えば、担当の子以外はみんなニックネームですね~。なんで名前は覚えないんでしょう」

みちる「ちょっとトライアドプリムスのお三方、言ってみてください」

宇佐見P「ハナコ、過保護、ツンデレ眉毛」

みちる「正気ですかプロデューサー」

かな子「ハナコは飼ってる犬のほうです……」

宇佐見P「で、記憶力がどうのってのが判ったから、なんだっつうんだ」

かな子「記憶力を使わず、表情を観察しても意味がなく、引っ掛けの仕様もない勝負の方法を考えてきました」

宇佐見P「おお、マジか」

かな子「はい。それは……」

菜帆「それは?」

かな子「じゃんけんです!」

みちる「ああ、確かに、単純な三択の勝負ですからね!」

菜帆「これなら公平ですね~」

かな子「でしょ、えへへ、だよね。というわけで勝負です、食べ放題を賭けて!」

宇佐見P「安く済むからって調子に乗ってやがるな」

かな子「えへへ……えっと、駄目ですか?」

宇佐見P「いや構わねぇよ。で、じゃんけんか。確かに普通にやれば、三つから一つ選ぶだけの単純な勝負だわな」

かな子「そうです、頭脳の入り込む余地はありません。では早速……」

宇佐見P「じゃあ俺グー出すわ」

かな子「!!?」

以上です。
私は朋ちゃんPですが、イヴにプレゼントを与え放題に与えてあげたいです。
ではHTML化の依頼を出して参ります。

ひとの食べ方についてはでたらめなので、実践してはいけません。
レスを下さった皆様に感謝を。ご覧頂きましてありがとうございました。
コメント欄の荒れてしまったまとめサイトの管理人様や、飛び火したssの書き手の皆様には深くお詫び申し上げます。

>>47
そこの所はあまり気にしないで、どんどん書いて欲しい
続きを書いてくれてありがたいわ

ところで、里美の朝飯わすれって元ネタあんの?

ありがとうございます。続きを期待して下さる方がおられる限りは、書き続けようと思っております。

>>52
さとみんは食べてないのかと問われれば食べてないような気がしてきてしまうのでは、という妄想からの、あの反応です。
家は山形にあるはずではとか、そもそもお金持ちなのかとか、そういう部分も含めて今作のさとみんには勝手な想像が多く含まれてます。

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