ライナー「巨人850か……」(92)

クリスタ「……起きて」

クリスタ「ライナー起きて」

ライナー「……ん」

ライナー「ああ、クリスタか」

ライナー「クリスタ、だと……?」

クリスタ「そうだけど?」

ライナー「すまん。俺は寝ぼけてるのか?」

ライナー「なんで男子の宿舎にお前がいるんだ」

クリスタ「本当に寝ぼけてるんだね……私達もう訓練兵じゃないでしょ」

クリスタ「卒業後調査兵団に所属して、今は二人で暮らしてるじゃない」

ライナー「なに……?」

クリスタ「ほら、早く起きて顔洗って。今日は二人共休みなんだし買い物行こうよ」

ライナー「お、おう。顔洗ってくる」スタスタ

ジャー ザバザバ ゴシゴシ

ライナー(これは夢か?いや鏡に映ってる俺の姿、確かに年齢を重ねてるよな)

ライナー(しかし、わけがわからん。記憶喪失にでもなった気分だ)

スタスタ

クリスタ「早く座りなよ」

ライナー「お、おう」ギシッ

クリスタ「その椅子も結構古くなってきたね。思い切って新しいの買っちゃおうか」

ライナー「……」

クリスタ「ライナーどうしたの?具合悪い?」

ライナー「いや……そうじゃないが」

クリスタ「訓練時代の夢でも見てた?」

ライナー「わからん。クリスタの声がして目が覚めたことだけしか……」

クリスタ「毎日のことだけど?」

ライナー「俺達はその……なんで一緒に住んでるんだ?」

クリスタ「やっぱり病院で診てもらう?私達もう二十歳を越えてるんだよ?」

クリスタ「そんな男女が二人で暮らすのは言わなくてもわかるような」

ライナー「は?俺達はまだ十代だろ?」

クリスタ「ライナー……やっぱりお医者さんが言ってたことは正しかったんだね」

ライナー「医者が何を?」

クリスタ「私も含めてだけど、沢山の人の死を目の当たりにした人達は、脳が自衛の為に記憶の改竄」

クリスタ「または、楽しかった時の記憶に巻き戻されて現実とのズレに混乱してしまうことがあるって」

クリスタ「だから、今日は丁度そんな感じなんだよ。訓練時代は辛かったけど、皆で助け合いながら色んなことを乗り越えたから」

クリスタ「きっとライナーはあの頃が楽しかったんだよね」

ライナー「そうなのか……俺は記憶が混乱しちまっただけなのか?」

クリスタ「うん。きっとそうだよ」

クリスタ「でも安心して、私が傍にいるから」

ライナー「クリスタ……」

クリスタ「今はゆっくり休んで良いんだよ」

ライナー(ゴツゴツした俺の手に真逆な小さい手が重ねられると確かな体温を感じた)

ライナー(多分これは現実で夢じゃないんだろう。記憶がどうにかなったのか?)

ライナー(この世界がどんな道筋に通って今に至ったのか、その何かを思い出そうとしても、刈り取られたようにすっぽりと思い出せやしない)

ライナー(時間が経てば嫌でも思い出しちまうんだろうか)

クリスタ「今日はもうどこにも出掛けないでのんびり過ごそうか。そうだ、朝からお酒を飲んでみるなんてのも良いかも」

ライナー「真面目っ子だったクリスタからそんな言葉が出るとはな」

クリスタ「いつまでも子供扱いしないでよーそりゃ、身長とかはほとんど変わってないけど」

ライナー「ははは」

ライナー「……いや、やっぱり買い物に行こう」

クリスタ「大丈夫なの?」

ライナー「あぁ、それに天気も良いんだろ?なんかもったいない気がしてな」

クリスタ「そっか、ならごはん食べて支度しよう」

ライナー「だな」

――――

クリスタ「支度できたよ」

ライナー「じゃあ行くか」

クリスタ「……」

ライナー「どうした?」

クリスタ「今日は手繋いでくれないの……?」

ライナー「は?」

クリスタ「洋服とかお化粧とか褒めてくれないのはライナーらしいけど」

ライナー「いつもは黙ってついてこいって感じで手を差し出してくれてたから……今日は無いんだなぁって」

ライナー「お、おう……これで良いか?」スッ

クリスタ「うん!」ギュッ

クリスタ「やっぱり良い天気だねぇ」

ライナー「そうだな」

ライナー(街並みはあんまり変わってないのか?)

ライナー(いや、普段見慣れていて記憶だけが混乱してるなら違いなんて正確にはわからんか)

クリスタ「ライナー?」

ライナー「ん?どうした?」

クリスタル「ボーッと街を眺めてたみたいだったから」

ライナー「すまん。おっ、雑貨屋があるじゃないか」

ライナー「少し見てみるか?クリスタこういうの好きだろ?」

クリスタ「うん。入ってみようか」

クリスタ「わぁ、可愛いのが一杯だね」

ライナー「そうだな。これは手彫りだよな?職人芸ってのは凄いもんだ」

ライナー(凄く新鮮だな。訓練時代に、皆で一緒にいることはあっても二人きりで出かけることなんてなかったせいか)

ライナー(いや、記憶がおかしくなってるだけで今はこういう暮らしなんだろうな)

ライナー「それ欲しいのか?」

クリスタ「え?」

ライナー「いや、さっきからずっと眺めてた気がしてな」

クリスタ「欲しいわけじゃないよ。ただ綺麗だったから」

ライナー(ネックレスか、似合いそうだな)

ライナー「買ってやるよ」

クリスタ「ううん、要らない。それに、これからは色々と物入りになるから無駄遣いは控えないと」

ライナー「なんでだ?俺達の給金そんなに安くなったのか?」

クリスタ「そういうことじゃないけど、結構時間経ってるし他のお店行こ?」

ライナー「そんなに押すなよ」

クリスタ「早く早くー」

――――

クリスタ「色々見れたけど、部屋に合う椅子は無かったね」

ライナー「そうだな」

クリスタ「あとは食材買うだけだから、ライナーはいつもみたいに外で待っててよ」

ライナー「いつも?」

クリスタ「うん。食材とかの匂いが混ざりすぎてて苦手だからって、いつも店の外で待ってるんだよ」

ライナー「そうなのか。なら待ってるよ」

クリスタ「うん。20分くらいかな」

ライナー「わかった」

ライナー(俺そんなに鼻良かったのか)

ライナー(20分か、ただ突っ立ったまま居るのも暇だな)

ライナー(というか、俺がこんな訳のわからん状態にも慣れてるみたいだったな)

ライナー(日常的だとすれば……)ガサゴソ

ライナー(金は足りるよな。あのくらい買ってもバチは当たらんはずだ)

――――

店員「包装しますか?」

ライナー(きっちり包装してるやつを渡すのも気合い入りすぎな感じだし、俺の柄じゃない)

ライナー(どうせすぐ渡して開けるんだからちゃんとしてなくても良いか)

ライナー「いや……」

店員「さっきの方に渡すんでしょ?こういうのはしっかりしたほうが喜ばれますよ」

ライナー「そうか、なら頼む」

店員「はい」

――――

店員「お待たせしました」

ライナー「どうもな」

店員「相手の女性も喜ばれるでしょう。お買い上げありがとうございました」

ライナー「あぁ」

ライナー(さて、戻る頃には丁度良い時間になるか)

ライナー(喜んでくれると良いが)



「やっと見つけた」

ここまで。また書いたら投下します。

ライナー(そういえばここはどの街なんだろうか)

ライナー(それに俺は戦士として人類を殺す立場だったはずだが……)

クリスタ「ライナー!」フリフリ

ライナー(クリスタのほうが早く終わったか)

パシュウウウウウ

ライナー「あれは……信号弾?なんでこんな町中で」

カッ

ライナー「は?」

ライナー「なんで巨人がいんだよ……それにあれは」

ダダダダッ

ライナー「冗談だろ!?クリスタの方に向かっ」

クリスタ「ラ、ライナー!」

ライナー(間に合うか!)ダッ

ガリッ

ライナー「……」

ライナー「なんで巨人化出来ないんだよちくしょう!」ダダッ

ライナー「逃げろクリスタァァ!!」

ドゴォォォォォ!

ライナー「嘘だろ……」

ライナー「クリスタ!クリスタ!」ダキッ

クリスタ「ん……ライ」バタッ

ライナー「出血が……早く止血しないと」

ライナー「お前……自分が何をしたのかわかってんのかよ」

ライナー「エレン!!」

エレン「……」ググッ

ライナー(まずい逃げ)

ドンッ

ライナー(ギリギリか)ダッ

ライナー「ハァ、ハァ……しっかりしろよクリスタ、今治療してやるからな」タタタッ

ライナー(しかし、なぜ巨人化が出来ない)

ライナー(立体機動装置も無いのにどこに逃げれば……)

「こっちだ!早くこっちに逃げ込むんだライナー!」

ライナー「お前は、ベルトルトか!?」

ベルトルト「時間が無いんだ早く!」

ライナー「でもお前……そっちは地下じゃ」

ベルトルト「関係ない!僕たちは巨人化出来ないんだから」

ライナー「は?」

ベルトルト「説明は後だ。クリスタを死なせても良いのか!?」

ライナー「くそっ!」ダッ

――――

ライナー(全くわけがわからん。なんなんだこの世界は……)スタスタ

ライナー(俺やベルトルトが命を狙われるのはわかる。だけどクリスタは関係ないだろ)スタスタ

ベルトルト「着いた。この中だ」

ライナー「お、おう」

「戻ったか。さっきの音はやっぱりあいつらか?」

ベルトルト「あぁ、それよりもクリスタが……」

「クリスタがどうかしたのか!?」

ライナー「お前はユミルか?」

ユミル「おい……なんでクリスタが血まみれなんだよ……どういうことか説明しろよ!!」

ライナー「……すまん。俺が守れなかったせいだ」

ユミル「ふざけんなよ!!」ガッ

ベルトルト「待って。今はそんなことしてる場合じゃない」

アルミン「そうだね。この出血量は不味い。早くそこに寝かせて」

ライナー「アルミンか……?」

アルミン「そうだよ。さぁ早く」

ライナー「あっ、あぁ」

――地上――

シュゥゥゥゥゥ

エレン「地下に逃げ込んだか。本当に虫みたいに逃げ回るのが好きな奴らだ」

ミカサ「問題ない。クリスタが怪我をしていた。彼らの備蓄では手に負えないはず」

ミカサ「医療施設に張ってれば向こうから現れる」

エレン「そうだな。そろそろ憲兵達がうじゃうじゃ湧いてくるだろうから移動するぞ」

ミカサ「うん」

エレン「次は絶対に逃がさない。皆殺しだ」

ミカサ「うん。必ず」

――――

アルミン「処置は終わったよ」

ユミル「助かるよな!?」

アルミン「厳しいね。薬も足りないし、この地下では衛星管理も行き届いてないから……」

ユミル「そんな……嘘だろ」

ライナー「薬があれば助かる見込みはあるのか」

アルミン「100%とは言えない。それに……」

ライナー「なんだ」

アルミン「薬を手に入れること自体が困難だと思う」

ライナー「エレン、か」

アニ「エレンだけじゃない。ミカサもだ」

ライナー「アニ?」

ベルトルト「二人はやはり……」

アニ「あぁ、後を追っていたけど医療施設から微動だにしない。戻って来てその理由がはっきりしたけどね」

アルミン「巨人化の練度を上げたエレンとそのエレンを唯一絶対的な存在と信仰してるミカサ……」

ベルトルト「……暴走を止めようとした上官のほとんどを殺した二人だからね」

アニ「さらに私達は巨人化すら出来ないときた。分が悪すぎるよ」

ライナー「それでも俺には行くしかない」

ベルトルト「ライナー……」

ライナー「俺はどうやら記憶がおかしくなってるらしい」

ライナー「だけどな、今はそんなことどうだって良い」

ライナー「俺は助けなきゃならん。何としてもだ」

ベルトルト「……ライナーらしいよ」

アニ「しょうがないね。付き合ってあげるよ」

ライナー「アニ」

ベルトルト「僕も行こう。3人いれば誰かが薬は届けられるだろう」

ライナー「二人ともすまないな。恩に着る」

アルミン「わかった。ライナーの立体機動装置を出すからついてきて」

ライナー「わかった」スタスタ

――――

アルミン「メンテナンスは完璧にしてある。操作は……要らない心配だよね」

ライナー「助かる」カチャカチャ

アルミン「場所は二人が先導してくれるだろうけど。ここから南方に2km程の場所だよ」

ライナー「あまり遠くないことが救いか」パチッ

アルミン「……きっと二人は容赦しない。それだけは頭に入れといて」

ライナー「あぁ、殺されても仕方ない理由はあると思うが」

ライナー「死ねない理由もあるからな」

アルミン「どうしてあの二人はあんな風になってしまったんだろう……親友だったはずなのに」

ライナー「アルミン。すまんが、今はお前の嘆きを聞いてる時間は無いんだ」

アルミン「ごめん……。これが必要な薬のメモだよ」

ライナー「助かる」

アルミン「じゃあ戻ろう。二人が待ってる」

ライナー「あぁ、そうだな」

――――

ライナー「待たせたな」

ベルトルト「……行こうか」

ライナー「おう」

アニ「クリスタに別れは?」

ライナー「その必要はない。生きて帰るんだからな」

アニ「……そうだね」

ユミル「おい、頼んだぞ3人供」

ライナー「あぁ、クリスタのことを頼む」

ユミル「わかってる」

アルミン「3人供……生きて帰って来てね」

アニ「簡単に死ぬ気は無いよ」

ライナー「行くぞ」

ベルトルト「僕についてきて」

ライナー「わかった」

ベルトルト「地下道で800m程は進めるけど、そこからは地上だ」タタタッ

アニ「わかってるだろうけど、今も二人揃って施設に居るとは限らない。地上に出た瞬間に襲われるなんてこともあるかも知れない」タタタッ

ライナー「こえぇな。巨人化出来た頃は多少の無理は出来たが、出来ないとわかって、さらに相手があの2人」タタタッ

アニ「甘い考えを捨てて殺す気でね」タタタッ

ライナー「……あぁ」

ベルトルト「見えて来た、出口だ。僕が様子を見る」

ベルトルト(人の気配は無い。さっきの騒ぎで皆逃げたか)クイッ

ライナー(ok)コクッ

ベルトルト「本当は隠れながら行きたい所だけど……」

アニ「時間が無いだろ。立体機動で一気に行くよ」

ライナー「そうだな」

ベルトルト「仕方ないね」パシュ ヒュン

ライナー(立体機動がやけに久しく感じるな)パシュ ヒュン

アニ(静かすぎてかえって不気味だ。普通なら憲兵達の姿が見えても良いはずなんだけど)パシュ ヒュン

――――
――


ベルトルト「あれが医療施設だ」

ライナー「意外にでかいな」

アニ「そりゃ、ウォール・シーナ内の総合医療施設でもあるから」

ライナー(ウォール・シーナ……?ここは最後の壁の中だったのか。くそっ!やっぱりわけがわからん)

ベルトルト「入口は裏口も含めて3つ」

アニ「1つだけは当たりってところかね」

ライナー「どこを選ぶか。俺達の中に運が良い奴がいるとは思えんがな」

ベルトルト「……はは」

アニ「冗談言ってないで薬品庫に一番近い場所から入るんでしょ」

ライナー「そうだな」

ベルトルト「なら西側からだ。行こう」

ライナー「おう」

――西側入口――

ベルトルト「……鍵がかかってない」

ライナー「人の気配もしないな」
ベルトルト「入ろう」キイッ

ライナー「……」コクッ

アニ「一直線、か」

ベルトルト「……薬品庫はあの青い扉のはずだよ」

ライナー「俺が先に行く」

アニ「最後は任せて」

ベルトルト「了解」

ライナー(室内は暗いな……)

ベルトルト(……気配は感じない)

アニ「……」

ライナー「棚だらけか。この中からメモの薬を探すのは骨が折れそうだ」

ベルトルト「手分けしよう」

アニ「さっさとやるよ」

――――

ライナー「よし、必要な薬は手に入った」

ベルトルト「……どうやら成功みたいだね」

アニ「……油断は出来ないけどね」

ライナー「行くぞ」

ベルトルト「うん」

「逃がすわけねぇだろ」

ドゴォォッ

ライナー「ガハッ!!」

ベルトルト「ライナー!!」

アニ「チッ!」シュッ

キィーン

ミカサ「エレンを削がせると思ったの?」

アニ「あんたか」

エレン「巨人化した腕でぶち破ってみれば掴んだのはライナーだけか」グググッ

ライナー「ベル、トルト……任せたぞ」ヒュッ

ベルトルト「ライナー!僕も!」

アニ「早く!クリスタに薬を!」

ベルトルト「くっ、死ぬなよ!二人とも」ダッ

ミカサ「行かせない」

アニ「あんたは私でしょ」

ガキィィ!

ミカサ「……」チラッ

エレン「いいよ、どうせ後で腰巾着共も皆殺しにするんだから」

ミカサ「わかった。アニで遊ぶ」

アニ「随分となめられたもんだね」

ミカサ「なめてない。そもそも眼中にすら入っていないから」

アニ「……それがなめてるっていうんでしょ!」ヒュッ

ミカサ「隙だらけ」パシュッ

アニ(アンカー射出!?でも避けれる!)

ミカサ「意識を取られ過ぎ」

ザクッ ボトリ

アニ「ひぐっ!!」

ミカサ「両腕狙ったのに。右だけなのは残念」

ミカサ「でも生えるんでしょ?」

アニ「……チッ!」ヒュッ

ミカサ「片手じゃ無理」ヒュッ

キィーン パキッ

アニ「くそっ!ブレードが」

ミカサ「どうして女型の巨人にならない?室内だから?」

アニ「……」

ミカサ「なら室外に行こう」ガシッ

アニ「離せ!!」

ミカサ「黙って、エレンの耳にあなたの汚い声が届くでしょ」

ライナー「アニ!!」

エレン「自分の心配をしろよ」ググッ

ライナー「ぐっ……くそがっ!」ズバッ

エレン「……」

ライナー(外れた!だが骨がイカれたか……狭い室内は立体機動が活かせん!外に!)

ガシャァァァン

エレン「窓から逃げたか。遊びすぎたかな」

エレン「まぁいい」

ガリッ カッ

ドオオオオオン

ライナー「簡単に巨人化してくれるもんだぜ……」

ライナー(練度が上がってるなら硬質化もできるはず……どうしたもんか)

――――

ミカサ「……」ブンッ

アニ「……あぐっ!」

ミカサ「早く巨人化して」

アニ(出来たらとっくにやってる)ググッ

ミカサ「無様に構えてどうするの?あなたの技なんてもう当たらない」スタスタ

アニ「それはどうだろう……ねっ!」シュッ

パシッ

ミカサ「効かないって言った」

アニ「……嘘、片手で」

メキッ グチュボキッ

アニ「……い゛っづ!」

ミカサ「脆い。巨人化がないとこんなに弱いんだ」

ミカサ「右足がグシャグシャだ」

アニ「ハァ……ハァ……とんだ馬鹿力だね」

ミカサ「訓練兵時代、エレンにちやほやされて嬉しかった?」

アニ「なんであんな死に急ぎ野郎なんか」

ブスッ グリグリグリ

アニ「っぐああああああ!」

ミカサ「左足もおしまい。ブレードに女狐の汚い血が付いた」

ミカサ「……次は左腕でも切り落とそう」

アニ(……こいつ、狂ってる)

ミカサ「エレンに触れた手はあなたには不要。だから切り落とそう」

アニ「……さっさと殺しなよ」

ミカサ「殺すのは簡単。首を落とせばいい」

アニ「やりなよ」

ミカサ「ダメ。エレンの心に僅かでも想われていたのに楽に死ねるなんて思っちゃダメでしょ?」

ミカサ「爪、皮膚、骨、血、中身その全てで後悔させながら死なせてあげる」

ミカサ「エレンなら大丈夫。きっとライナーをぐちゃぐちゃにしながら私の帰りを待ってくれている」

ミカサ「ので、小指からいこう」

ザクッ ボトッ

アニ「うぐっ!!」

――――

ベルトルト「あと少し……」タタタッ

ガチャ

アルミン「ベルトルト!」

ユミル「おぉ、ベルトルさん無事だったか」

アルミン「他の二人は?」

ベルトルト「戦ってる。薬を託されたんだ」

アルミン「わかった。クリスタを救おう」

ユミル「……頼むぞアルミン」

ベルトルト「僕は戻るよ」

アルミン「ベルトルトも気をつけて……」

ベルトルト「……うん。二人を絶対に連れ戻してくるから」

レスありがとうございます。期待してるのと違うと思いますが完結したので投下します。

アルミン「メモに書いたのは……うん、さすがあの3人だ。全部ある」

ユミル「私も入るぞ。クリスタが心配だからな」

アルミン「わかった」

――――

クリスタ「ん……」

ユミル「クリスタ目を覚ましたのか!」

クリスタ「ユミ、ル?」

ユミル「そうだ私だ。待ってろよ、今アルミンが薬を打ってくれるからな」

アルミン「うん。ライナー達が届けてくれた薬だよ」スッ

クリスタ「く、す……ダメ!!」

アルミン「うわ!クリスタ何を!!」

ガシャ パリンッ

クリスタ「薬はダメ……」

アルミン「どうして!そのままにしたら君は死んでしまうんだよ?」

クリスタ「……どうしても」

ユミル「お前まさか!」

クリスタ「……」コクッ

ユミル「最悪だ!なんでそんな大事な時に」

アルミン「どういうこと?」

ユミル「……ガキいるんだろ」

アルミン「ガキ?妊娠してるの!?」

クリスタ「……」コクッ

アルミン「それで薬の副作用を気にして……でも君が死んだら何も」

ドオォォォォォン

ユミル「派手にやり合ってるみたいだな」

アルミン「まずい。そこまで耐久力がある地下壕じゃない……このまま続くと生き埋めになってしまうかも」

ユミル「なぁ、クリスタル。お前が薬の副作用を懸念してるのはわかるが、何ともない場合もあるわけだろ」

アルミン「そこははっきり無いとは言えない」

クリスタ「なら嫌。ライナーはどこ」

ユミル「戦ってるよ」

クリスタ「会いたい」

アルミン「無茶だよ!その身体で」

クリスタ「会うの」

ユミル「……お前死にたがりは治ったんじゃないのか?」

クリスタ「私は死なない。ライナーも死なない」

アルミン「そんな子供みたいな」

クリスタ「ライナーはどんな状況でも目的を投げ出して簡単に死ぬような人じゃない」

ユミル「……やれやれ、いつの間にか随分わがままを言うようになったもんだ」

ユミル「アルミン準備だ。クリスタは私が背負う」

アルミン「そんな!正気なの!?」

ユミル「ここで生き埋めになるよりマシだ」

アルミン「……わかったよ」

――地下道――

ドオォォォォォォン

ユミル「くそっ!エレンの馬鹿野郎暴れすぎだろ」

アルミン「光が見えて来た。あと少しだよ」

クリスタ「痛ッ……」

ユミル「クリスタ揺れが傷に響くのは我慢してくれ」

クリスタ「うん、ありがとうユミル」

ユミル「……」

アルミン(もとから無茶な話なんだ……本来なら絶対安静にしてなきゃならない怪我なのに)

アルミン「外に出るよ、気をつけて」

ユミル「あぁ、わかってるさ」

――地上――

ユミル「……静かだな」

アルミン「うん」

ユミル「医療施設はあっちだったよな?」

アルミン「そうだけど」

ユミル(……気配は無いな、どうする地上か建物の上に登るか)

アルミン(ユミルが迷ってる。クリスタのことを考えると僕が先行するしかない)

アルミン「あの建物の高さなら遠くまで見通せるはず。同時に相手からも見つかりやすい……」

アルミン「安全が確認できたら合図する」

ユミル「あぁ」

アルミン「……」パシュッ ヒュン

アルミン(あれは……建物がめちゃくちゃじゃないか。あれをエレンがやったのか)

アルミン(地上に人影はない。それにエレンは巨人化を解いたのか?)

アルミン(15m級の巨体が建物に隠れるとは考えられない)

アルミン(とにかくここはまだ無事そうだ)クイッ

ユミル「合図が来たな。クリスタ負荷がかかるかもしれんが堪えてくれよ?」

クリスタ「ん……」

ユミル(……明らかに衰弱してきてるじゃないか!ライナーのバカ野郎恨むぞ)パシュッ ヒュン

――――

アルミン(もう医療施設の入口まで確認できる。これ以上は……)

ユミル「……酷い有り様だな。どんだけ暴れまわったんだよ」

アルミン「でも、その……死体は無いね」

ユミル「……」

アルミン(中か?施設の中なのか)

ポンッ

エレン「よう、アルミン久しぶりだな」

アルミン「ひっ!!エレンいつの間に」

エレン「ユミルにそっちはクリスタか?久しぶりだな」

ユミル「……お前、その血はどうした」

エレン「血?あぁ、有害な巨人の血だよ」

エレン「面白いの見せてやるからこっち来いよ」

アルミン「いや、僕達……」

ユミル「……もう無理だ。あいつは私達が知ってるエレンじゃない」

アルミン「……」

アルミン(確かに、以前はこんなに冷たい目をしていなかった)

アルミン「わかったよエレン。君の後を付いていく」

エレン「おう。こっちだ」パシュッ ヒュン

ユミル「……おい、躊躇うなよ?」

アルミン「わかってるよ。この先に何が在るのかも大体予想はしている。もう戻れないんだ」

――――

エレン「この中だ。こいつら重いから運ぶの苦労したんだぜ」

アルミン「……これ」

エレン「左のがベルトルトだな。逃げたと思ったら戻って来てさ」

エレン「いきなり斬りかかってきたからこう左手で掴んで。力を込めたら中身がネチャッて飛び出してさ」

アルミン「う゛げえ゛ぇぇぇ」

エレン「吐くなよ。こんなの昔から見慣れてるだろ」

ミカサ「エレン戻った」

エレン「おう。アニはどうした?」

ミカサ「……」

エレン「あぁ、他の女の名前を口にするなだっけ。お前面倒だよな。あいつはどうした?」

ミカサ「これ」ポイッ

ボトッ グチャ

エレン「なんだよ頭だけか?後始末が面倒だろ」

ミカサ「心配しなくてももう他の部分の原型はない」

エレン「そうか、ならいい」

ユミル「……お前ら本当にエレンとミカサか?」

エレン「そうだけど」

ミカサ「うん」

アルミン「違う……違う違う違う!こんなの僕の友達だった二人じゃない」

エレン「酷いな。俺はまだアルミンと友達だと思ってるぞ?」

アルミン「……」

クリスタ「あ……ぁ……」

ユミル「……どうしたクリスタ」

クリスタ「下ろして」

ユミル「無理だろ」

クリスタ「下ろして」

ユミル「……お前が言いたいのはわかるけど」

クリスタ「下ろして下ろして下ろして下ろして」

ユミル「……断る。もう判ってるだろ?確認する必要はないだろ?」

クリスタ「ライナーが痛そうなの。血が一杯止めてあげないと」

エレン「なんだ?クリスタはライナーが心配なのか」

クリスタ「ユミル、側に行かせて」

ユミル(……それほどか)

ユミル「わかった」スタスタ シュルッ ストッ

クリスタ「ライナー私だよ、クリスタだよ。起きてよねぇ起きてよ」ユサユサ

エレン「綺麗に千切れてるだろ?苦労したんだぜ?殺さないように1つずつ丁寧に千切ってさ」

エレン「でも、おかしいんだよ。なんでか再生しなかったんだよ」

エレン「そうだ。アルミンは頭良いから縫って繋げてやれよ。パズルみたいにさ」

アルミン「エレン、君は……」

エレン「どうした?巨人を出来るだけ苦しめるのは普通だろ」

アルミン「普通じゃないよ!昔のエレンならこんな惨たらしいことはしなかった」

エレン「良いだろ。巨人なんて有害な存在なんだから」

クリスタ「ねぇアルミン。ライナーを助けてよ。ほら手が繋がってないの、足も、首も……助けてよ、助けてよ」

アルミン「……」

クリスタ「ねぇってば!!」

ミカサ「クリスタうるさい。黙って」

ミカサ「それはもう動かない」

ミカサ「死体をどうやって治すの?」

クリスタ「……シテヤル」

エレン「あぁ、これもしかしてクリスタに渡す気だったのか?ライナーから落ちたんだが」ガサッ

エレン「血で汚いがネックレスか。巨人のくせに人間の真似事するなんて変わってるよな」

クリスタ「コロシテヤル」ダッ

ユミル「よせ!!」

ミカサ「……」ヒュッ

クリスタ「うっ、あ」

ズリッ ボトッ ドサッ

ミカサ「エレンに汚い言葉を吐かないで」

エレン「ミカサ……なんでクリスタを」

ユミル「お前も死ねよ」ヒュッ

ミカサ「……」ヒュッ

キィィィィン

ミカサ「私がエレン以外に殺されることはない」

ユミル「気持ち悪いんだよ」

ギリギリギリギリ

ユミル「アルミン殺れ!!」

アルミン「出来ない……やっぱり出来ないよ」

ユミル「役立たず!」

ミカサ「……」シュッ

ユミル「痛ッ!クソッ足かよ」フラッ

ミカサ「死んで」ドスッ

ユミル「……くそ」

ドサッ

エレン「ミカサ、なんで、人間を殺したんだよ……」

ミカサ「……」スタスタ

エレン「ミカサ?」

ミカサ「心配しなくて良い。私に任せて」ダキッ ナデナデ

エレン「ミカサ……」

ミカサ(まだ足りてなかったか)

ミカサ「アルミン。あなたはどうするの?」

アルミン「僕は……君達に刃を向けることは出来ない」

ミカサ「なら、私達はもう消えるからあなたも逃げたほうがいい」

アルミン「……」

ミカサ「行こうエレン」

エレン「あぁ……」

ミカサ「……さようなら、アルミン」

アルミン「……」

――どこかの地下――

エレン「これであとは壁外の巨人だけだな」

ミカサ「……」

エレン「どうしたミカサ?」

ガンッ

エレン「えっ、なんで……」

ドサッ

ミカサ「……」ダキッ

ミカサ「もう復讐は済んだでしょ?私は我慢してきたんだよ?」

ミカサ「だからもう、これからはずっと二人だけ……」

ミカサ「私とエレンだけの人生を生きて行こう」

ミカサ「エレンだけが居ればいい」

ミカサ「エレンだけが……」



アルミン「という訳でどうだったかな!?」

マルコ「え、えっと……」

サシャ「……あれ?感動物って聞いたんですけど」

コニー「感動はしなかったけど……なんか色々凄かったな」

ミカサ「やっぱりエレンは映像でもカッコいい///」

エレン「ははは、ミカサこそ迫真の演技ってやつだったな」ナデナデ

ジャン「ぐぬぬ……」

ベルトルト「ジャン見たら辛いだけだよ」

ライナー「完成してみるとなかなかのもんだな」

アニ「そだね、あっポップコーン無くなった」シュン

ライナー「そのくらい買ってやるよ」

アニ「本当!?」

――数ヵ月前――

アルミン「ねぇねぇ、アルレル堂の売上げ伸ばす為に短編映画っての考えてみたんだけど」

ライナー「なんだそれ?」

アルミン「演劇を映像に収めた感じのやつだよ、はいこれ台本。ちなみに、ライナーは主役だよ」

ライナー「なに!えっとなになに……」

ライナー「巨人850か……」

ライナー(タイトルのセンスどうなのこれ)ペラペラ

ライナー「主役なのに死ぬの!?クリスタと恋人役は嬉しいけどクリスタも死ぬの!?」

アルミン「え、うん」

ライナー「しかも色々謎が多いが?」

アルミン「あぁ、その辺は見た人に丸投げでいいよ。考察だとかなんだとかで話題になるし、そういうのがウケる時代だから」

ライナー「そうなのか……」

アルミン「世界観が閉鎖的で、ちょびっとグロくて、全体的によく判らなくて、見終わってもやっとする感じのが良いんだよ」

ライナー「せっかく104期には美男美女多いんだからなんか恋愛物とかのが……」

アルミン「僕恋愛したことないもん!壁内に公開処刑したくせにもっと追い込む気!?」

ライナー「すみません」

アルミン「というわけで、演者さん達に集まってもらいました」

ミカサ「アルミン」

アルミン「なに?」

ミカサ「私こんな酷いことしない……」

エレン「そうだぞ、ミカサはあんな台本みたいなことしない」

アルミン「作り物だから。それに、ミカサなら素でいけるから大丈夫大丈夫」

ユミル「ダッハハハ確かに、想像しやすいわ」

ミカサ「……」シュン

エレン「まったくユミルは酷いよな。こんな可愛いのに」

ミカサ「エレン///」

アルミン「バカップルは無視して続けます」

アルミン「とりあえず舞台栄えしそうでちょっと影がある人達を集めました」

クリスタ「あの、なんで私がヒロイン?」

アルミン「可愛いから、あとアルレル堂の売上げ上位だから。以上」

アルミン「あと、ライナーはカッコいいからではありません。老けたメイクしやすいからです」

ライナー「そこかよ!!」

ベルトルト「確かに」

アニ「楽そうだね」

ライナー「お前ら……」

アルミン「というわけで完成までよろしく!」

――撮影中――

アルミン「ライナー!何回セリフ間違えてんの!?」

ライナー「そんなこと言われても……クリスタが恋人役だと緊張してな」

アルミン「老け顔のくせに童貞くさいこと言わないの!」

ライナー(お前もだろうが!!)

アルミン「あとバカップル!待機中にイチャイチャしないで!!」

ミカサ「エレン、アルミンがヤキモチ妬いてる」

エレン「撮影で気が立ってるだけだって」ナデナデ

アルミン(エレンが浮気するシーンでも追加しようかな)

ジャン「監督自ら出演すんのかよ」

アルミン「仕方ないよ。アルレル堂の売上げ上位に入ってるし、ちゃんとカメラ回してね」

ジャン「へーへー」

アニ「ところでさ、私泣く演技しろって言われたんだけど」

ベルトルト「あぁ、普段強気とか無表情な子が泣くとそそるよね。わかってるなぁアルミン」

アニ「……」ササッ

ベルトルト「えっ?どうしたのアニ」

アニ「普段真面目に見える奴ほど恐ろしい……」

ベルトルト「なにが!?」

――――

アルミン「さて、終盤のシーンは1/1人形とかを駆使しておしまいなんだけど」

ライナー「監督!せめて何かしら俺とクリスタの役にハッピーエンド的なものを」

アルミン「不要」

ライナー「酷いな!!」

アルミン「天国でハッピーエンドだよって勝手に解釈されるから問題ないよ」

ライナー(どんどん性格がねじ曲がって行ってるな……)

アルミン「はい、終盤撮ってくよー!皆気合い入れてね!!」

ライナー(どうにかしてやらねば)

――月日は流れて上映後――

ライナー「ユミル、ユミルちょっと」

ユミル「なんだよ」

ライナー「アルミンを救いたいと思わないか?」

ユミル「どういう意味だ?」

ライナー「この作品含め、だんだんアルミンの性格がダークサイドに堕ち始めてる」

ユミル「あぁ、なるほど」

ライナー「だからこれをクリスタからアルミンに読ませてやってくれよ」

ユミル「変なことじゃないだろうな」

ライナー「もちろんだ!」

ユミル「ふむふむ。あくまでも言わせるだけだぞ?」

ライナー「それで良い」

アルミン「上映効果で売上げが伸びた。むふふ」

ガチャ

アルミン「いらっしゃいませー」

クリスタ「こんにちわ」

アルミン「あれ!珍しいね!?」
クリスタ「ちょっとアルミンに用事があって」

アルミン「クリスタが僕に?」

ライナー(さぁ、元のアルミンに戻ってくるんだ)チラッ

ユミル(……男と二人きりなのは許せんがアルミンなら大丈夫だろ)

クリスタ(えっと……確かユミルから渡された紙に書いてあったことを伝えれば良いんだよね)

クリスタ「えっと……その」

アルミン(ま、まさか告白か)

クリスタ「あの!合コンしよ!?」

アルミン「は?」

ライナー(よし!これで少なからずアルミンが女の子との触れ合いの機会に持ち込めるはず)

アルミン「……」

クリスタ「アルミン?」

アルミン「うわあああああん!!女神はそんな俗な言葉言わないもん!うわああああああん!!」ダダダダダッ

クリスタ「アルミン!?」

ユミル「……」ポカーン

ライナー「アルミィィィィィィン!!」

ユミル「えっと……どういうことだ?」

ライナー「また俺がやっちまった……アルミンを傷つけちまった……」

ユミル「あっ、そうなんだ」

ガチャ

クリスタ「あっ、二人共いたんだ」

ユミル「あぁ」

ライナー「すまなかったなクリスタ。あとは任せてくれ」ダダッ

クリスタ「えっ、うん?」

ユミル「……」

クリスタ「結局なんだったのかな……」

ユミル「……男も色々と大変だってことだ。多分」

クリスタ「そうなんだ。帰ろうか」

ユミル「帰ろう」

おしまい

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