前回までのラブライブ！

その１→にこ「にっこにっこにー♪」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1396246142/)

その２→http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1396944454

その３→http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1398759586

その４→http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1399360351

その５→にこ「にっこにっこにー♪」その５【ラブライブ！】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1399909087/)

もう前回までのあらすじをまとめる力がなくなってきたので手抜きすみません
次から本編はじめます

―――――

にこ（さて、と……）

ｶﾞﾁｬ

にこ「ただいまー」

ここあ「おかえりなさーいっ」ﾀｯﾀｯﾀｯ

こころ「おかえりー！」ﾀｯﾀｯﾀｯ

にこ（こころのテンションが心なしか高い…）

ここあ「あれ？　にこにー、一人？」

にこ「もうちょっとしたら希が来てくれるから、一緒に待ってましょ」

ここあ「うんっ。ここあ、今日はとことんこころに付き合うからね！」

こころ「ありがとう、ここあ」

ここあ「ううん。こころが喜んでくれるとここあもうれしいから！」

こころ「ここあ…」

にこ（うちの子たちが天使すぎて辛い……）

にこ「よし、じゃぁ待ってる間、三人でなにかして遊ぼっか！」

ここあ・こころ「うんっ」

―――
――
―

ｶﾞﾁｬ

こころ「いらっしゃい、のぞみちゃんっ」

希「あ、うん、おじゃまします」ｼｬｶﾞﾐ

希「今日のこころちゃんは元気いっぱいやねぇ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

こころ「えへへー」

にこ「希、いらっしゃい」ﾃｸﾃｸ

ここあ「いらっしゃーい」

希「あ、にこっち、ここあちゃんも。おじゃましてます」ﾍﾟｺﾘ

にこ「ちょっと遅かったけど、どうかしたの？」

希「あー、それはまたあとで話すわ」

にこ「そう？　じゃぁとりあえずあがって」

希「うん」

にこ「それで、こころはなにして遊びたい？」

こころ「これ！」ｽﾞｲｯ

にこ「えっと……？」

希「トランプやね」

こころ「トランプしたいっ」

にこ（目が輝いてる……。こころってそんなにトランプが好きだっけ？）

ここあ「なんのゲームするの？」

こころ「色々。ババ抜きとか七ならべとか、いっぱいやりたいのあるの」

希「じゃぁ順番にやっていこか」

こころ「うんっ」

―――――

こころ「んー……これっ」ﾋｮｲ

にこ「あぁっ……ま、また負けた…」ｽﾞﾝ…

こころ「にこにー、これでババ抜き四連敗だね…」

ここあ「にこにーよわーい」

希「にこっちはすぐ顔に出るからなぁ」

にこ「くっ……」

にこ（まさか、こころやここあにまで負けるなんて…）

こころ「じゃぁ、次はお絵描きしてもいい？」

にこ「もちろん。今日はこころのやりたいことに、なんでも付き合うから」

希「それにウチもお絵描き好きやから楽しみやわ」

こころ「じゃぁこころ、お絵描き帳持ってくるねっ」ﾃｯﾃｯﾃｯ

ここあ「あ、ここあも一緒にいくー」ﾃｯﾃｯﾃｯ


ﾊﾟﾀﾝ


にこ「……ふぅ…」

希「…もしかして今日って、こころちゃん感謝デーか何かなん？」

にこ「あー…うん。似たような感じ。あの子、大人しいからいつも自分の意見あんまり言わなくて……今日くらいはあの子の言うことなんでも聞いてあげようって思って」

希「なるほど……そんなら、ウチもとことん付き合うわ」

にこ「ありがと、助かる」

希「いやいや。あ、そうや、にこっち。ちょっと話があるんやけど」

にこ「なに？」

希「この間のマフィンのこと」

にこ「……ああ、謝る話のこと…よね？」

希「うん」

にこ（本当は今日の練習の休憩中に謝る予定だったんだけど……何故か希に明日にしようって言われちゃったのよね）

にこ「というか、あのときは深く聞かなかったけど、なんで明日にしようなんて言ったの？」

希「いや、あの二人が周りにずっとおったから、呼び出すのは難しそうやなぁって思って…」

にこ「……あー…確かに…」

にこ（基本的に一年生の三人はいつも一緒にいるし。…まぁ二年生もそんな感じだけど）

にこ「けど、あの二人なら話せば分かってくれそうなもんだけど…」

希「んー…まぁ確かに。けど、あんまり波風立てたくないやん。あの三人は仲良いし、考えすぎかもしれへんけど…」

にこ（波風？　…希の言ってることがよく分かんないけど……まぁいっか）

レスありがとうございます
すみません、ちょっと間隔あきます
また戻ってきたら再開します

再開します

希「そんでね、明日の朝、学校についたら校舎裏に行ってほしいねん」

にこ「なんで？」

希「そこに来てくれるよう、話しといたから」

にこ「いつの間に…」

希「まぁそういうわけやから、よろしくね」

にこ「了解。というか、ごめんね。なにからなにまでお世話になってて…」

希「気にせんでええって。誰かが傷ついてるの見るのは、やっぱりちょっと心苦しいし…」

にこ「……あんたって、割と良い奴よね」

希「割とて……褒めとるん？」

にこ「半々ってとこね」

希「まぁにこっちやったら、半々でも上出来かなぁ」

にこ「でしょ。にこは滅多に褒めないからね」

にこ（……希に対しては、だけど。なんか恥ずかしいし）

希「ふふ、嬉しいなぁ。ありがと」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

にこ「……」

にこ（なんで希っていつも頭撫でんのかしら…）

ここあ「にこにー、のぞみちゃん、持ってきたよー！」

にこ「あ。ありがとう二人とも」

こころ「これ、のぞみちゃんの分のお絵描き帳だよ」ｽｯ

希「ん、ありがとう、こころちゃん」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

こころ「へへー」

にこ（……やっぱりにこも子供あつかいされてるってことかしら…）

―――――

にこ（あの後、あやとりとか人生ゲームとかDVD鑑賞とか、ひたすら体を動かさない遊びをしていたはずなのに…）

こころ・ここあ「…」ｽｰｽｰ

にこ「なんで寝れるのかしら…」

希「頭を使った遊びも、結構疲れるもんなんよ？　にこっちかて、少しは疲れてるやろ」

にこ「んー……まぁ、言われてみれば少しはそんな気もするけど…」

希「特に、こころちゃんたちはまだ子供やし仕方ないよ」

にこ「…それもそうね。じゃ、しばらく寝かせといてあげましょ」

希「うん」

希「しかし可愛い寝顔やね」

にこ「そりゃ、にこの妹だからね」

希「あー、にこっちの寝顔も可愛いもんね」

にこ「えっ」

希「冗談やけど」

にこ「ちょっと！」

希「ほら、あんまり大声出すと起こしちゃうから、早く部屋出よ」

にこ「…それもそうね」


ﾊﾟﾀﾝ


希「よし……じゃぁ、ウチはそろそろ帰るな」

にこ「えっ！？」

希「いや、そんな驚かんでも」

にこ「いや、だって、そんないきなり」

希「やって、ウチが呼ばれたんはこころちゃんたちと遊ぶためやろ？　いつ起きるかも分からへんし……あんま遅くなると色々まずいやん」

にこ「まずい？」

希「嫉妬されるのは勘弁ってこと」

にこ「嫉妬って…」

にこ（絵里たちにってことよね……だったら無理に引き止めるのも悪い気がする…けど、このままじゃ希に迷惑しかかけてないし…）

にこ「あ、じゃぁせめてお茶だけでも飲んでいかない？」

希「お茶？」

にこ「それくらいなら大丈夫でしょ、多分」

希「…まぁ、にこっちがそう言うなら」

にこ「じゃぁリビングで待ってて。準備して持ってくから」

希「手伝おか？」

にこ「平気」

希「ん、分かった」



にこ（さて、と……希はジュースでいいはずだから…あとはお菓子とか…）ｶﾞｻｺﾞｿ

にこ「…あ、そういえばさー」

希「んー？」

にこ「結局、今日来るのが遅れたのって、なにかあったの？」

希「あー…」

希「んー……」

にこ「どうかしたの？」

希「いやー……聞かんでもええんちゃうかなって、思うけど…」

にこ「そう言われると余計気になるんだけど…」

希「……実は、ここに来る途中で、メンバーの子に会ってしもて…」

にこ「えっ……ということは、にこの家に行くことがバレたとか…？」

希「どうやろ…。さすがにその場は、買い物するの忘れたからってことにしたけど」

にこ「そう…」

希「ごめんね。一応気を付けてたんやけど……まさかあんなとこで会うとは思わへんくて……というか、そもそもなんであんなとこにいたんやろ…」

にこ「というか、誰に会ったの？」

希「えっと、>>29」



（会ったメンバー）

かよちん

希「花陽ちゃんやね」

にこ「花陽？　けど花陽の家って結構離れたとこだったような…」

希「せやんな。やからちょっと不思議で…」

希「これがエリちや真姫ちゃんやったら、まだ分かるんやけど……花陽ちゃんやしなぁ…」

にこ「なんで絵里や真姫ちゃんだと分かるの？」

希「そりゃ……まぁ、自分で考えて」

にこ「？」

希「とりあえず、花陽ちゃんなら多分大丈夫かなぁと思うんやけど」

にこ「大丈夫ってなにが？」

希「色々と」

にこ「色々…？」

にこ（希の言ってることって、ホント時々難しくて分かんない…）ｶﾁｬｶﾁｬ

希「にこっちは気にすることないよってこと」

にこ「そう……あ、はい、お待たせ」ﾃｸﾃｸ

希「ん、ありがとう」

にこ「さて、と」ﾋｮｲ

にこ「…」ﾎﾟｲ､ｶﾞﾘｶﾞﾘ

希「……すごい自然に飴食べ始めたね」

にこ「あ、いる？」

希「いや、別にいらんけど……ほんまにいつか虫歯になってまうよ？」

にこ「平気だってば」

希「にしても、にこっちがそんなに飴好きやったとは意外かも」

にこ「んー…確かにおいしいけど、好きっていうのとは違うのかもって最近思ってきたのよね」

希「違うって…？」

にこ「前に真姫ちゃんに言われたんだけど……ええっと、こーしんよっきゅーだっけ？　よく分かんないけど、それのせいじゃないかって」

希「口唇欲求……ああ、なるほど…」

希「……そっか」

にこ「…」ｶﾞﾘｶﾞﾘ

希「えっと…大変やね」

にこ「まったくよ。最近変に口元がむずむずするときあるし、前より悪化してる気がするし…」

希「悪化って…意外と重症なんやね」

にこ「だから困ってるんじゃない」

希「んー…」

にこ（まぁかといって、真姫ちゃんみたいな治し方はさすがにちょっと……いや、でも真姫ちゃんや凛とああいうことしたときは、全然嫌な感じとかしなかったんだけど……むしろどっちかというと…）

希「にこっち」

にこ「な、なに？」

希「？　なんか考え事してた？」

にこ「あ、いや、なんでも。で、なに？」

希「にこっちに問題。ここにありますはー？」ｽｯ

にこ「へ？　ま、マシュマロだけど……」

希「うん、正解」

にこ（なにこれ、なめられてるの…？）

希「はい、じゃぁ正解したにこっちにマシュマロをプレゼント」ﾋﾟﾄ

にこ「……」

希「あ、普通に食べていいよ」

にこ「…」ﾊﾟｸ

にこ「あの……なんで最初、マシュマロを唇に押し当てたの？」

希「いや、そういう欲求を治すのには、こういうのが一番ええらしいから」

にこ「それは知ってるけど…」

希「ありゃ、知ってたん？」

にこ「ま、まぁね…」

にこ（知ったのはつい最近だけど…）

希「じゃぁ話は早いやん。直接的な刺激やなくても何か口に入れるだけでもええらしいし…」

希「飴の食べ過ぎはよくないけど、ガムとかならええんやないかな」

にこ「それもそうね…」

にこ（……というか、希はやっぱり普通の提案してくるのね。……いや、そもそも他のみんながズレてるだけなんだろうけど…）

希「早くよくなるとええね」

にこ（…そもそも、希が好きなのは絵里だろうし……）

希「…にこっち？」

にこ「あー…ごめん、なんでもない。さっさと治せるよう、頑張るわ」

希「うん、頑張って」

にこ「…うん」

にこ（希は他のみんなとは違って、にこと友達であることを望んでる……ってことは、にこもそれに応えないと…）

希「あ、そういや前に聞いた話なんやけどね、」

―――――

希「遅くまでお邪魔してしもて、ごめんね」

にこ「いや、全然。こっちこそ引き止めちゃって悪かったわ」

希「いやいや、にこっちとおるの楽しいし」

にこ「ま、まぁ、にこもそうだけどね」

希「ほんま？　嬉しいなぁ」ﾍﾆｬ

にこ「…う、うん」

にこ（あんな風に、へにゃって笑うの珍しいなぁ……ちょっと可愛いのが腹立つけど）

希「じゃぁまた明日。あ。明日の朝のこと、くれぐれも忘れへんようにね」

にこ「分かってるわ。というか、送っていくわよ」

希「いや、平気。誰かに会ったら大変やろ」

にこ「あー……それもそうね。…じゃぁ、また」

希「うん、バイバイ。こころちゃんたちにもよろしく言うといてね」

にこ「りょーかい」

ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯ


にこ（……“遅くまでお邪魔して”とか、“引き止めて”とか言ったけど……結局、こころたちが寝ちゃった後、十分くらいで帰っちゃったのよね…）

にこ（絵里たちに気を使ったっていうのは分かるけど、なにもそこまで徹底しなくても…）

にこ（……ひょっとして、迷惑かけすぎで嫌われたとか……いや、希に限ってそんなことは…）

にこ「…こんな風に考えてても暗くなるだけだし…こころたちが寝てる間に、夕飯の買い物にでも行こうかな…」ﾊｧ



にこ（というわけで、外に出たはいいけど……そろそろ暗くなってきたわね）

にこ（本格的に暗くなる前に帰ろ）ﾀｯ

すみません、中途半端ですが眠くなったので今日はここまでにします

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました

レスありがとうございます
ゆったりと再開していきます

「に、にこちゃんっ」

にこ「へ？」

にこ（今、後ろから名前を…）ｸﾙ

にこ「…って、花陽…？　なんでこんな時間に……ああ、買い物？」

花陽「う、うん…買い物の帰り」ｶﾞｻ

花陽「……あの、希ちゃんのことなんだけど…」

にこ「希？」

にこ（あ、そういえば希が、うちに来る前に花陽と会ったって言ってたわね……そのことかしら）

花陽「…今日って、もしかして希ちゃんと一緒に遊んでたり、した？」

にこ（ここで嘘ついても仕方ないし…）

にこ「うん、実はちょっと色々事情があって…。希には妹たちに付き合ってもらってたの」

花陽「そっか。………」

にこ「…花陽？　どうかした？」

花陽「……あ、あのね、にこちゃん」

にこ「ん？」

花陽「…私、今からすごく、嫌な子になります…」

にこ「なにその宣言……というか、花陽が嫌な子って…全然想像つかないけど」

花陽「わ、私ね……ダメだって分かってるんだけど…」ｷﾞｭ

にこ「？」

花陽「…の、希ちゃんに………嫉妬してると、思います…」

にこ「……えっ？」

花陽「ご、ごめんなさい！」ﾊﾞｯ

にこ「あ、いや、謝ることないけど……かなり深刻な様子だったから、もっとすごいこと言うのかと思ってた」

花陽「でも、友達に嫉妬なんて……」

にこ「いや、にこだって嫉妬くらいするわよ」

花陽「え、そ、そうなの？」

にこ「そりゃそうでしょ。人間なんだし、当たり前だってば」

花陽「そっか……ならよかった…」

にこ（…というか、今まで友達に嫉妬したことなかったのかしら……どんだけ清い人生歩んできたのよ…）ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

花陽「え、あの、どうして頭撫でるの？」

にこ「いや、なんとなく愛でたい気持ちがわきあがってきて」

花陽「め、めで…？　よく分からないけど、にこちゃんに頭撫でられるの、嬉しいよ」ｴﾍﾍ

にこ（可愛い…）

にこ「あ、ところで、希と会ったときはなにしてたの？　そのときも買い物？」

花陽「うん……明日の買い物をちょっと」

にこ「明日？」

花陽「うん。ちょっとお母さんに用事が出来ちゃって……お父さんは仕事で遅くなるし、明日の夜は一人なの。だから夕飯の買い物。今は、さっき買い忘れたものを買ってきた帰り」

にこ「え、一人って…大丈夫なの？」

花陽「え？　うん、お留守番するだけだし」

にこ「だけって……その、寂しくないの？」

花陽「そりゃもちろん、一人だから寂しいことはあるけど……別に平気だよ」

にこ（すごい……にこなんて、一人で夜を過ごすなんて考えただけで結構無理そうなのに…）

にこ「花陽は偉いわね…」ﾖｼﾖｼ

花陽「う、うん…？」

―――
――
―

にこ「さて、と……」

にこ（学校についたけど、教室行く前に、希に言われた通り、校舎裏に向かお）

にこ（…にしても、昨日の夜話した時も、やっぱり花陽は怒ってない感じしたけど……まさかあれは演技…？　だとしたら花陽の演技力半端ないわね…）ﾃｸﾃｸ



―校舎裏―

にこ（一応早めに学校に来たけど、花陽なら先に来てそうなのが怖いわね…）ｻﾞ

海未「あ、にこ」

にこ「…え？」

にこ「あれ？　海未？　こんな朝早くから……って、ああ。弓道部の朝練ね。道着だし」

海未「はい」

にこ「それで、なんでこんなところに？」

海未「え？　にこが私に用があるんじゃないんですか…？」

にこ「へ？　…にこ、そんなこと言ったっけ…？」

海未「にこから直接聞いてはいませんが、昨日の帰り道に希から聞いたんですが……」

にこ「希に？」

にこ（…………）

にこ（………えっ、もしかして希が言ってた三人って、凛と真姫ちゃんと、もう一人は海未だったってこと？）

にこ（そういえば、希の口から花陽の名前を聞いたわけではなかったけど……てっきり花陽かとばかり思ってた…）

海未「…あの、にこ？　結局、話というのは間違いだったんでしょうか…？」

にこ「あ、いや、ごめん。あってる、海未であってるわ」ｺｸｺｸ

海未「そうですか」

にこ（…というか、海未も海未で怒ってるようには見えないんだけど……）

海未「それで、用というのは？」

にこ「えっと……この間の、にこが持ってきたマフィンのことなんだけど…」

海未「…ああ、そのことですか。美味しかったですよ、すごく」

にこ「あ、ありがと。じゃなくて、あのときはごめん」

海未「ごめんって……ああ、もしかして、凛たちが騒いでいたことですか？」

にこ「そう、それ。別に特別扱いとか、そういうつもりはなかったんだけど…無神経だったかなって思って…」

海未「そんなこと、気にしないでください。私も全然気にしてませんから」ﾆｯｺﾘ

にこ「う、うん」

にこ（笑顔が恐い……やっぱり気にしてたのね…）

にこ「あのね、それでそのときのお詫びがしたくて…」

海未「お詫び？」

にこ「うん。ただ、そのお詫びの内容は海未に決めてもらいたいんだけど…」

海未「私に…ですか？」

海未「…けど、そんなの悪いですよ。せっかく作って来てもらったのに、そのうえお詫びなんて……普通、お詫びするのは私たちのはずですし」

にこ「にこが好きでやってることだから、気にしないで。海未だけじゃなくて、凛や真姫ちゃんにも同じことしたし」

海未「そうなんですか？　…ちなみに、二人にはどんなお詫びを？」

にこ「………ま、まぁ、そこは、いいじゃない」

海未「？」

にこ「とにかく、にこに出来ることならなんでもいいから」

海未「え、えっと……では、少し考えますので、待っていてください」

にこ「うん」

にこ（…まぁ、海未なら凛たちみたいなこと言わないわよね……うん）

海未「………はい、決まりました」

にこ「なに？」

海未「>>61」



（お詫びの内容。言動・行動なんでも）

デートしたい

海未「あの……えっと、デートがしたいです」

にこ「可愛い」

海未「えっ？」

にこ「あ、いや、ごめん、なんでもない」

にこ（凛と真姫ちゃんのことを思い出すと、とてつもなく可愛い提案に思えてしまった…）

にこ「デートって……あの、ようするにどこかに出かけるってことよね？」

海未「はい。…ダメでしょうか？」

にこ「いや、全然大丈夫。じゃぁ…えっと、次の土曜日とかどう？」

海未「すみません、お稽古が…」

にこ「じゃぁ日曜日」

海未「はい、日曜日なら大丈夫です」

にこ「決定ね。集合時間とか細かいことはまた今度メールして決めましょ」

海未「分かりました。た、楽しみにしてます」

にこ「うん」

にこ（…って、軽く約束しちゃったけど……他のみんなには言わないほうがいいのよね、多分）

ちょっと席を外すので間隔あきます
また今日中に再開します

ゆったり再開していきます

―――――

ｶﾞﾗ


にこ「おはよー」

希「おはよう、にこっち」

にこ「うん。あ、海未のことありがとう」

希「いやいや。無事許してもらえた？」

にこ「んー…多分」

希「そか、よかった。とはいえ、海未ちゃんは怒ってるというより悲しんでるって感じやったけどね」

にこ「そうなの？」

希「やって、二年生の中では海未ちゃんだけやし……まぁ、にこっちに特別な意図がなかったとしても、気にしてしまうんやろうね」

にこ「ああ……そっか」

にこ（穂乃果のはいちごジャム入りだし、ことりのはクリームチーズ使ってたからか……気づかなかった…）

にこ「…次からはもう少し考えるわ」

希「いや…まぁ、あのときはああ言ったけど……あれは仕方ないよ」

にこ「でも…」

希「マフィン、すごい美味しかったで。ありがとう」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

にこ「……うん」

にこ（いつまでも気にしてても希に迷惑かかるし、もう吹っ切ろう）ｳﾝ

にこ「…あ、そういえば絵里は？」

希「エリちはあちら」ﾁｮｲ

にこ「…廊下？」

希「の、はしーっこの方におるよ」

にこ「なんでまた？」

希「告白」

にこ「あー……本当にモテるわね」

希「せやねー」

にこ「でも、そろそろ授業始まっちゃうわよ」

希「確かに…」ﾋｮｺ

希「ん～……まだ戻ってくる気配ないね…」ｷｮﾛｷｮﾛ

にこ「このままだと遅刻になっちゃうわよ」

希「生徒会長がそれはまずいかもなぁ…」

にこ「にこ、ちょっと見てくるわ」

希「え、いや、でも告白してる最中やろうし…」

にこ「最中っぽかったら、大人しく戻ってくるわ。じゃ、行ってくる」

希「うん……ただ、邪魔したらあかんよ？」

にこ「分かってるって」

にこ（とはいえ、本当に告白の最中だったらどうしよう…。盗み聞きはダメだし……）

にこ（…ってか、一体どこで…）


「……ですか？」


にこ（ん？）


「なら教えてくれたっていいじゃないですか！」


にこ「！？」ﾋﾞｸｯ

にこ（な、なに今の声…）ﾋｮｺ

にこ（絵里と……知らない子だ。リボンの色的に二年生ね）

にこ（多分まだ告白の最中なのね……変なこと聞く前に戻ろう…）ｿｰ…


「絵里先輩は一体誰のことが好きなんですか！？」

絵里「だから、それは言えないんだってば…」

「そんな得体のしれない人より私のほうがずっと先輩のこと好きです！」

絵里「え、得体のしれないって…」


にこ（……な、なんか大変そうだけど、首をつっこむわけにはいかないし…）

にこ（かといって、このままだとあの二人が授業に遅れることになるけど……んー…）



>>72

１．様子を見る
２．声をかける
３．教室に戻る

１　ﾖｳｽｦﾐﾙﾝﾃﾞｨｽ!

にこ（とりあえず様子を見て、止められそうだったら止めよう…。生徒会長が遅刻なんて、なんか様にならないし）

にこ（……ごめん、絵里。あと、知らない下級生の子）ﾋｮｺ


「大体、絵里先輩はその好きな人とは付き合ってないんですよね？」

絵里「まぁ、そうだけど…」

「だったら私と付き合ってくれてもいいんじゃないでしょうか」

絵里「どこをどうしたらそういう発想になるのかは分からないけど……私は好きな人としか付き合いたくないの」

「だったら私のことを好きになってくれればいいじゃないですか」

絵里「言ってることがめちゃくちゃだわ…」


にこ（なんというか、すごいアタックの仕方ね……さすがの絵里もちょっと戸惑ってるみたいだし）

にこ（……けど、普通はああいうものなのかしら。だとしたら、いつまでもみんなに返事を待ってもらってるにこって……すごいクズね…）

絵里「とりあえず、いったんこの話はやめにしない？　ほら、もうすぐチャイムが鳴っちゃうし」

「……酷いです、絵里先輩…っ」

絵里「えっ？」


にこ（って、なに泣かせてるのよ……いや、あの子もあの子でなんでこのタイミングで泣くのよって話だけど…）

にこ（というか、告白慣れしてる絵里があんなに手こずるなんて……相当なのね）


「私よりも、授業が大切なんですね…」ｸﾞｽｯ

絵里「そういうわけじゃなくて、あなたのためでもあるのよ。授業に遅れて行くのは恥ずかしいでしょう？」

絵里「というか、泣かないでよ。ね？　私の言い方も悪かったわ」

「……いえ、すみません…私も迷惑かけてしまって…」

絵里「あ、いや、分かってくれたならそれで…」

「私、絵里先輩のことは諦めます…」

絵里「え……うん、じゃぁ…」

「その代わり、一つだけお願いしてもいいですか…？」

絵里「なに？」

「……さ、最後に、思い出として、キスしてくださいっ」

絵里「……えっ？」


にこ（………わあ）

絵里「えっと……それはさすがに、ちょっと…」

「……」ﾌﾞﾜｯ

絵里「な、泣かないでよ！」

「だって、だって…」

絵里「ああもう、どうすれば……」


にこ（ああ、なんかもう大変そうだし、完全に第三者が割り込んでいい場面じゃないし……仕方ない。絵里を犠牲にして先戻ってよう）ｿﾛｿﾛ


ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ


にこ（あ）


絵里「ちゃ、チャイムね！　とりあえずほら、教室に戻って。またあとで改めて話しましょう」

「は、はい……ではまた…」

絵里「うん、また」


にこ（あんなに粘ってた割にはあっさり帰ってったわね……って、そんなこと考えてる場合じゃない！　にこも早く戻らないと…）ｸﾙ

絵里「…え？」

にこ「！？」ﾋﾞｸｯ

にこ「あ、あれ、絵里、いつの間に…」

絵里「いや、今さっきそこの廊下曲がってきたんだけど……というか、にここそどうしてこんなところに？」

にこ「えっと……絵里がいつまで経っても教室に戻ってこないから、ちょっと心配で様子を見に…」

絵里「そうなの？　心配してくれたのは嬉しいけど……、もしかして、盗み聞いてたわけじゃないわよね…？」

にこ「それは、その……」

にこ（ど、どうしよう…）



>>81

１．正直に言う
２．ごまかす

1

にこ「……ごめんなさい、盗み聞きしてました…」

絵里「その正直さは褒めてあげたいけど…でも、ダメじゃない。告白現場を盗み聞きするなんて、あの子に悪いわ」

にこ「ごめん……絵里が困ってたら助けようかと思ってたんだけど…やっぱり無神経だったわよね」

絵里「…助ける？」

にこ「うん。だって授業に遅れたら困るでしょ。まぁあの子もだけど」

絵里「ああ、そういう意味……、ねぇ、にこ」

にこ「ん？」

絵里「助けてくれない？」

にこ「助ける？　誰を？」

絵里「私を」

にこ「…なにか困ってるの？」

絵里「…さっきの会話、聞いてたのよね？」

にこ「さっきって………ああ、あの下級生の子の？」

絵里「うん」

にこ「聞いてたけど……にこに出来ることなんてなにも…」

絵里「…私、ファーストキスは好きな人とって決めてるのよ」

にこ「それが？」

絵里「……にこって本当に鈍いわね」

にこ「悔しいことによく言われるわ」

絵里「つまり、にこが私の初めての人になってって言ってるのよ」

にこ「初めてって……」

絵里「ここまで言えば分かるでしょ？」

にこ（……つ、つまり、絵里とキスしろってことなんだろうけど……）

にこ「それはちょっと…」

絵里「助けてくれるんじゃなかったの？」

にこ「そうだけど……でも……」

にこ（どうすればいいってのよ……まさか本当にキスするわけにもいかないし…）

絵里「…それとも、にこは私とするの、嫌？」

にこ「い、嫌ってわけじゃ…」

絵里「じゃぁいいじゃない。ね？」ｷﾞｭ

にこ「っ……い、いや、でも、ほら、こういうのって雰囲気とかお互いの心境とか大事だし…」

絵里「私はにことならどんな状況でも大丈夫だけど」

にこ「え、えっと……」

にこ（ど、どどどうしよう…）

絵里「にこ、目閉じて？　すぐ終わるから」

にこ「っ……」ｷｭｯ

絵里「…うん、良い子ね。…愛してるわ、にこ」ｽ


ﾀｯﾀｯﾀｯ


にこ「！」ﾊﾞｯ

絵里「ど、どうしたの急に……もうちょっとだったのに」

にこ「いや、今なんか足音が……ほら、こっちに近付いてきてる」

絵里「けど今授業中よ？　一体誰が……」

希「あ、にこっち、エリち、ようやく見つけた。…なにしてんの、こんなとこで」ﾋｮｺ

にこ「の、希？　あんたなんでここに…」

希「にこっちがいつまで経っても戻ってこーへんから、迎えに来たんやん。その途中でチャイム鳴って、これじゃウチまで遅刻やん」

にこ「ごめん……ってか、わざわざ迎えに来てくれたのね」

希「なんかあったんかなぁと思て。……えっと、」ﾁﾗ

絵里「……心配かけちゃってごめんね？　希」

希「いや、別に…」

絵里「じゃ、帰りましょうか。途中からでも授業には出たほうがいいし」ｸﾙ

にこ「うん…」

希「……にこっち、エリちとなにかあったん？　なんかエリち怖いんやけど…」ﾋｿ

にこ「えっと……まぁ、うん、色々…」

希「…？」

絵里「ほら、二人とも戻るわよ」

希「あ、うん」ﾃｸﾃｸ

絵里「……」ﾁﾗ

にこ「？」

にこ（なんか絵里が口パクパクさせてる。……あ、あ、あ、お、え？　…ダメだ、なにが言いたいのかさっぱり分からない）

にこ（…最後に何故かウインクしたから、とりあえず頷いて返しとこ）ｺｸｺｸ

絵里「…」ﾆｺｯ

にこ（嬉しそう……だけど結局、なんて言いたかったのかしら…？）

―――――


―昼休み―

にこ（しかし、絵里はどうするのかしら、あの下級生の子）

絵里「にこ」

にこ「あ、絵里。…希は？」

絵里「先生に呼び出されてたわ」

にこ「…お説教？」

絵里「にこじゃあるまいし。生徒会関連の話よ」

にこ「絵里は行かなくていいの？」

絵里「希だけに用事だったみたい。私も個別で呼び出されることあるし、珍しいことじゃないわよ」

にこ「ふーん…」

絵里「というわけで、束の間の二人きりでのランチよ」

にこ「あ、うん」

絵里「色気のない返事ね…」

にこ「なんて返せばいいってのよ…」

にこ「どうせ希もすぐに戻ってくるでしょ」

絵里「まぁそうでしょうけど。それより今日はね、私がお弁当作ったのよ」ﾊﾟｶ

にこ「へえ」ﾊﾟｶ

にこ「いただきます」

絵里「にこの、私に対する興味の無さは異常よね…」

にこ「そ、そんなことないわよ。えっと……ほら、そのハンバーグとかおいしそうだなって思うし」

絵里「じゃぁ食べる？」

にこ「え？」

絵里「はい、あーん」ﾋｮｲ

にこ「い、いいわよ、悪いし」

絵里「あーんして？」

にこ「……あ、あーん…」ﾊﾟｸ

絵里「どう？　昨日の夜から作ってた自信作なんだけど」

にこ「……うん、すごいおいしい」

絵里「ん、よかった」

にこ（さすがにもらいっぱなしは悪いし…）

にこ「じゃぁにこもウインナーを…」

絵里「それより、卵焼きのほうがいいわ」

にこ「へ？　卵焼きなんかでいいの？」

絵里「なんかって……にこの作った卵焼き、私は好きよ」

にこ「そう……じゃぁ、はい」ｽ

絵里「ありがと」ﾊﾟｸ

絵里「…うん、すごく美味しいわ」

にこ「それはなによりだわ」

にこ（…卵焼き褒められると地味に嬉しいわね）ﾊﾟｸ

絵里「……ねぇ」

にこ「ん？」

絵里「今の、間接キスよね」

にこ「…………へ、変なこと言わないでよ」

絵里「事実じゃない」

にこ「そりゃそうだけど…」

にこ（……深く考えないことにしよう）

にこ「……」ﾊﾟｸ､ﾊﾟｸ

絵里「……」

にこ「……」ﾊﾟｸ

絵里「……」

にこ「…あの、絵里、ご飯食べないの？」

絵里「食べるわよ。…ただ、にこが可愛いなぁって思って」

にこ「……今日は一段と変なこと言うわね」

絵里「今朝あんなことがあったばかりだしね」

にこ「…どうするの？　あの下級生の子」

絵里「放課後に改めて話に行くわ」

にこ「そう…」

絵里「……ねぇ、にこはどう思う？」

にこ「え？」

絵里「…私が、にこ以外の子とキスすること」

にこ「どうって……」



>>107

１．分からない
２．嫌

2

にこ「…………、だけど」ﾎﾟｿﾘ

絵里「この距離なのに声が小さすぎて聞こえなかったんだけど…」

にこ「………嫌だって言ったのよ」

絵里「……」

にこ「…いや、なにかコメントしてよ」

絵里「あ、ごめんなさい。…意外ね、にこがそんなこと言うなんて」

にこ「勝手なこと言ってるのは、自分でも分かってるわ。…今のにこには、絵里のやることにとやかく口出す権利なんてないことも」

絵里「…そんなことないわ。あなたが嫌だって言ってくれるなら、私がそれに従わないわけないでしょ」

にこ「絵里…」

絵里「あの子には悪いけど、すっぱり断ってくるわ」

にこ（なんかすごい申し訳ないけど……ちょっとよかったって思っちゃうにこは…多分本当に最低なんだろうなぁ…）

にこ（……やっぱり、みんな好きとかおかしいわよね…。…せめて誰かに決めないと……って、そうなった場合、穂乃果たちと凛たちのことはどうなるんだろう…）

絵里「…どうかしたの？」

にこ「あ、いや、なんでも」

絵里「そう」

にこ（……四人で…か…いっそそれもアリなのかも……）

絵里「…にこ？」

にこ「なに？」

絵里「…なんか様子が変だけど、大丈夫？」

にこ「うん、平気」

絵里「そう…？　…私の作った卵焼きも食べる？」ｽ

にこ「…うん。もらおっかな」

にこ（けどそうなった場合、絵里とは……）

―――――

にこ「……はぁ…」ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ

希「にこっち、えらい元気ないやん。エリちいいひんから？」

にこ「そんなんじゃないわよ」

にこ（大体、絵里はあの下級生の子に会いに行ってるんだし……って、希には言えないけど…）

にこ「……ねぇ、希」

希「ん？」

にこ「ドラマとか映画とかのラブストーリーってさ、基本的に一対一じゃない」

希「えっと…どういう意味？」

にこ「複数で付き合ってハッピーエンド…って作品、今まで見たことないなぁって…」

希「あー……まぁ、恋愛っていうんは普通、一対一でするもんやって考えが多いしね。日本の場合は特に」

にこ「そうよね…」

希「…どうかしたん？」

にこ「いや、なんでも」

にこ（絵里はああ言ってくれたけど、ろくに告白の返事もせずに、他の人とはそういうことしたら嫌なんて、わがまま以外のなにものでもないわよね…）


ｶﾞﾁｬ


穂乃果「あ、にこちゃん、希ちゃん！　あれ？　絵里ちゃんは？」

希「ちょっと野暮用やて。先に始めてていいって言うてたよ」

穂乃果「じゃぁお言葉に甘えてーっと、その前に、」

穂乃果「はい、にこちゃん！」ｽｯ

にこ「…なに？」

穂乃果「くじだよー」

にこ「………ああ」

にこ（昨日やってなかったから、ちょっと忘れかけてた…）

穂乃果「前は確かお夕飯作る担当がことりちゃんだったから、ことりちゃんのは抜いてるよ」

にこ「ん」ｶﾞｻｺﾞｿ

にこ「……じゃぁこれで」ﾋｮｲ


>>116
（結果）

海未

にこ「海未ね」

海未「では、頑張らせてもらいますね」

にこ「えっと…お願いします」ﾍﾟｺﾘ

海未「お任せください」

ことり「…なんか海未ちゃん、機嫌いい？」

海未「そ、そんなことないですよ、普通です」

ことり「ならいいんだけど……。じゃぁ次はお勉強のほうだね」

穂乃果「うん。えっと、こっちは私だったから、私と海未ちゃんの分を抜いてっと…」ﾋｮｲ

穂乃果「はい、どーぞ」

にこ「えっと…」ｶﾞｻｺﾞｿ､ﾋｮｲ



>>119
（結果）

真姫

にこ「真姫ちゃんね」

真姫「…」ｸﾞｯ

花陽「よかったね、真姫ちゃん」

凛「嬉しそうだにゃー」

にこ（すごい無表情だけど…）

穂乃果「さて、じゃぁくじも決まったことだし、にこちゃんと希ちゃんが着替え終わったら練習始めよっか！」

―――――

にこ（……ちょうどいい機会だし、もう一度真剣に考えてみよう…）

にこ（…あのとき絵里に指摘された通り、多分にこは……μ’sのみんなに少なからず、その、恋愛感情みたいなものを抱いてるんだと思う…多分）

にこ（でも、もしそうだとしても……希が言っていたとおり、恋愛っていうのは一対一でするものなんだろうし…）

にこ（……つまり、μ’sのメンバーの中で誰が一番好きか決めなきゃいけないってことに…なるのよね）

にこ（………難しい…）

にこ（……いや、でもちゃんと考えなきゃ…）

凛「にっこちゃーん」ﾃｯﾃｯﾃｯ

にこ「凛？　どうしたの？」

凛「特に用はないんだけど、にこちゃんとお話ししたいなーって思って！」

にこ「花陽と真姫ちゃんは？」

凛「海未ちゃんと絵里ちゃんにステップの確認してる」

にこ「そう。じゃ、暇つぶしに付き合うわ」

凛「ありがとー！」

にこ（なに話そう…）

凛「ねー、にこちゃん」

にこ「ん？」

凛「凛たちと付き合う話、考えてくれた？」

にこ「……ご、ごめんなさい」

凛「いいよいいよー。そうだと思ってたから」

にこ（そう言われるのも情けないけど…）

凛「あ、それとは全然関係ないんだけどね」

にこ「なに？」

凛「今日、かよちん、家に一人らしいんだにゃ」

にこ「あー…うん、知ってる」

凛「でね、凛、かよちんの家に泊まりに行くの」

にこ「あ、そうなの？」

にこ（ならよかった。花陽は一人じゃないのね）ﾎｯ

ちょっと間隔あきます

何時まで更新できるか分かりませんが、ゆったり再開していきます

凛「…にこちゃん」ｽ

にこ「な、なによ、急に近づいてきて」

凛「いや、なんとなく。…嫌？」

にこ「嫌ではないけど…」

凛「じゃぁこのままで。…本当は今日ね、にこちゃんも誘って四人でお泊まり会したいなーって思ってたんだにゃ」

にこ「四人？」

凛「真姫ちゃんも呼んでるから」

にこ「なるほど」

凛「いつか四人でやろうね、お泊まり会」

にこ「……まぁできたらね」

凛「うんっ」

―――
――
―

穂乃果「ふぁー…今日も疲れたねー…」

凛「へとへとだにゃー…」

ことり「二人とも大丈夫？　フラフラしてるけど…」

穂乃果「へーきへーき」

にこ（にこと真姫ちゃんはこの後さらに勉強会なわけね……真姫ちゃんに申し訳ない）

にこ（真姫ちゃん、嫌がってなきゃいいけど…）ﾁﾗ

真姫「…どうかした？」

にこ「あ、いや、なんでも。…ごめんね、今日は勉強に付き合わせちゃって」

真姫「別に。くじの結果なんだし。……それに、私はにこちゃんとなら…」

絵里「ごめん、ちょっといい？」ﾁｮｲﾁｮｲ

にこ「絵里？　どうしたの？」

絵里「ちょっとにこに話があるの」

にこ「話？」

絵里「ええ。だから少しだけ屋上に残ってくれない？」

にこ「別にいいけど…」

にこ（話ってなんだろ…）

真姫「……」

花陽「真姫ちゃん、とりあえず私たちは先に部室に戻ってよ」

真姫「……そうね」

希「じゃぁエリち、にこっち、先行ってるな」

絵里「ええ」

ﾊﾟﾀﾝ


にこ「…で、話って？」

絵里「あの子の話。断ってきたわ」

にこ（あの子って……告白してきた下級生のことよね）

にこ「……今更だけど、ホントによかったの？」

絵里「何が？」

にこ「さっきはああ言ってくれたけど…やっぱりにこには、絵里の…その、恋愛？の事情に口を出す資格なんてなかったなぁって思って…」

絵里「ああ……嫌だって言ったこと？　私が聞いたから、にこが答えた。それだけなんだから、口出しじゃないわよ」

にこ「でも…」

絵里「……そんなことより、実は私、少し傷心中なの」

にこ「傷心？」

絵里「キスのこと断ったらね、思いのほか怒られちゃって。結構傷ついたのよ」

にこ「あー……そ、それは大変だったわね」

絵里「うん。…だから慰めて？」

にこ「慰める…？」

にこ「…話ってそれ？」

絵里「ええ」

にこ「えっと……でも、慰めるってどうやって？」

絵里「どんな方法でもいいわ」

にこ「それが一番困るんだけど……、じゃぁ、よしよししてあげようか？」

絵里「それ、子供あつかいしてない？」

にこ「否定はしない」

絵里「ならダメ」

にこ「ええぇ…」

にこ（こころやここあ相手なら、これが一番喜ぶのに……さすがに同じ歳相手には厳しいか…）

にこ「せめて具体例を言ってよ」

絵里「具体例？　……じゃぁ、たとえば、>>135とか」

膝枕

絵里「膝枕とか」

にこ「……ここで？　地面、硬いわよ？」

絵里「確かに硬いわね」

にこ「…するの？」

絵里「しない。だから、別の場所で、日を改めてってことでどう？」

にこ「絵里がそう言うなら、それでもいいけど…」

にこ（慰めてほしいなんて言うから、てっきり今すぐってことかと思ってた）

絵里「決まりね。じゃぁ今週の土曜日、私の家に来てほしいんだけど……予定は大丈夫？」

にこ「あ、うん、平気」

絵里「ん、なら約束よ。…破らないでね」

にこ「分かってるわよ。じゃ、そろそろ部室に戻りましょ」

絵里「ええ」

絵里「…土曜日、楽しみにしてるわ」

にこ「うん…」

にこ（…絵里が笑ってるってことは……喜んでくれてるってことでいいのかな…）

―――――

真姫「……」ﾑｽｯ

にこ「……ま、真姫ちゃん」

真姫「……」

にこ（なんなの、なんで部室に戻ったときからずっと真姫ちゃんこんな感じなの…？）

にこ（やっぱりにこの勉強に付き合うのが嫌だったのかしら……）

にこ「……ご、ごめんね、真姫ちゃん。無理に付き合わせて…」

真姫「……。…その言葉、さっきも聞いたわ」

にこ「でも真姫ちゃん、怒ってるみたいだし…」

真姫「私が怒ってるのはそのことじゃないわ」

にこ「そうなの？　じゃぁなんで…」

真姫「…本気で分からないの？」

にこ「う、うん」

真姫「………さっき、エリーと何話してたの？」

にこ「なにって……大したことじゃないけど」

真姫「……エリー、さっき部室を出て行くまでずっと…にこちゃんのこと見てた」

にこ「そ、そうだっけ？」

にこ（全然気づかなかった…）

真姫「そうよ。…あんな分かりやすい目つき、見たことないわ」

にこ（目つき？）

真姫「……ねぇ、何話してたの？　大したことないなら、言ってくれてもいいじゃない」

にこ「言っていいかは絵里に聞いてみないと分かんないわよ」

真姫「……、もういいわ」ﾌｲ

にこ（拗ねてしまった……けど、告白云々のことは、完全に無関係なにこが勝手に話しちゃうわけにもいかないし…）

真姫「さっさと勉強して帰りましょ」ｶﾘｶﾘ

にこ「う、うん」

にこ（かといって、こんな空気のまま帰ったら、明日から話してくれなくなりそうだし……）

にこ（そもそも真姫ちゃんは勉強に付き合ってくれてるわけで…そんな真姫ちゃんに嫌な思いさせたくないし…）

にこ（…どうにかして真姫ちゃんの機嫌をなおさないと…）

今回の更新はここまでにします

お付き合いいただき、ありがとうございました

レスありがとうございます
ゆったりと再開していきます

にこ「……」ﾁﾗ

真姫「……」ｶｷｶｷ

にこ（黙々と宿題やってる。…邪魔するようで悪いけど、とりあえず話しかけないことには始まらないし…）

にこ「ね、ねー、真姫ちゃん」

真姫「…なに？」

にこ「この問題分かんないんだけど…」

真姫「ああ……ここはね、」

にこ（真姫ちゃん、本当に三年生の範囲まで勉強してるんだ……すごい）

真姫「……ってこと。分かった？」

にこ「あ、うん、分かった」ｺｸｺｸ

真姫「そ」ｶｷｶｷ

にこ「教えてくれてありがと」

真姫「別に」

にこ（…いつも以上に短い返事…やっぱり怒ってるのかしら…）

にこ（どうしよう……どうやって真姫ちゃんの機嫌をとれば……）

にこ「……あ。真姫ちゃん、よかったら飴いる？」

真姫「…飴って、あのにこちゃんが噛みまくってるやつ？　まだ持ってたの？」

にこ「い、いや、つい…」

にこ（そういえば真姫ちゃんにも飴はやめろって言われてたんだっけ…）

にこ「いらないよね、ごめん…」ｼｭﾝ

真姫「…もらうわ」

にこ「え？」

真姫「頭を使ったら糖分が欲しくなるの」

にこ「あ、うん。じゃぁ…」ｶﾞｻｺﾞｿ

にこ「はい」ｽ

真姫「ありがと」

にこ「じゃぁにこもついでに食べようかな」

真姫「一つにしときなさいよ」

にこ「分かってるって」ﾊﾟｸ

にこ「…」ｶﾞﾘｶﾞﾘ

真姫「…」ｶｷｶｷ

にこ「…」ｶﾞﾘｶﾞﾘ

真姫「…その噛み砕く音、何とかならないの？」

にこ「そんなこと言われても…」ｶﾞﾘｶﾞﾘ

真姫「……その癖もよくないから治したほうがいいわよ」

にこ「善処はする」

真姫「…そう」

にこ（……とりあえず、これ以上は噛まずに飲み込んでおこう）ｺﾞｸﾝ

―――――

にこ「じゃぁそろそろ休憩しよっか」

真姫「そうね」

にこ「……えっと、今日は、いい天気ね」

真姫「そうね」

にこ「……あの、真姫ちゃんのご機嫌はいかが？」

真姫「…麗しく見える？」

にこ「全然」

真姫「じゃぁそういうことよ」

にこ「そ、そっか」

にこ「……ど、どうやったら、ご機嫌麗しくなる？」

真姫「……エリーと何話してたの？」

にこ「…だから、それは言えないってば」

真姫「……じゃぁずっと麗しくならない」

にこ「えええぇ…」

にこ（それは困る……。気まずいし、何より真姫ちゃんに悪いし…。でも告白のことは言うわけにはいかないし…嘘ついたら、それこそ大変なことになりそうだし…）

にこ（一体どうすれば…）ｳｰﾝ…

真姫「……にこちゃんが、」

にこ「え？」

真姫「にこちゃんが、私の言うこと、一つだけ聞いてくれたら、機嫌治すわ」

にこ「え、えっと……ホント？」

真姫「ホント」

にこ「じゃぁ…あの、その方向で」

にこ（とりあえず真姫ちゃんの機嫌を治すことが最優先だし）

真姫「本当にいいの？」

にこ「え、うん」

真姫「…そう。じゃぁ、>>160」



（にこに頼むこと。行動でも言動でもなんでも）

キスさせて

真姫「キスさせて」

にこ「」

にこ「ほ……ほっぺた、とかに？」

真姫「本当にそうだと思う？」

にこ「……いいえ」

真姫「じゃぁその通りよ」

にこ（油断してた……真姫ちゃんとはもうキスしたことあったから、もう要求されることはないと思ってた…）

真姫「…してもいい？」

にこ「え、えっと……」

にこ（どうしよう……でも、言うこと聞くって言ったのはにこのほうだし……真姫ちゃんを不機嫌にしちゃったのもにこだし…）

にこ（………）ｸﾞｯ

にこ「……い、いいよ」

真姫「…ホントに？」

にこ「う、うん」

真姫「…じゃぁ、目閉じて」

にこ「…」ｷﾞｭｯ

真姫「……」ｽ

にこ（…そういえば、絵里とも似たようなことあったし、今日はこういうことに縁がある日ね…）

にこ（あのときは希が来て結局流れたけど…）


ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯ


にこ「！？」ﾊﾟﾁｯ

真姫「ど、どうしたの、急に」

にこ「いや、なんかすごいデジャヴが…」

真姫「デジャヴ？」

にこ「あ、ごめん。こっちの話。それより、なんか足音聞こえない？」

真姫「ああ、そういえば確かに…。けど、誰かが廊下を歩いてるだけでしょ」

にこ「それもそっか……今は放課後だし」

真姫「…それより、続を…」ｷﾞｭ


ｶﾞﾗｯ


にこ「えっ」



>>171
（入って来た人物。海未は夕飯作ってるので海未以外でお願いします）

エリー

絵里「ごめんなさい。忘れ物を……って…え？」

にこ「え、え、絵里！？」ﾊﾞｯ

絵里「…何してたの？　今、随分と距離が近かったけど…」

にこ「いやいや、なんでも！　ね、真姫ちゃん？」

真姫「……そうね。にこちゃんが何でもないって言うなら、何でもないんじゃない」

にこ（なにその嫌な言い方…）

絵里「…それなら、いいけど…」

にこ「う、うん。で、絵里はなんでここに？　みんなと一緒に帰ったはずじゃ…」

絵里「忘れ物を取りに来たの。多分更衣室のほうにあると思うから、とってくるわ」

にこ「うん、ごゆっくり」

絵里「…ええ」

ﾊﾟﾀﾝ


にこ（ビックリした……まさか絵里が戻ってくるなんて…、心臓飛び出そうなくらい驚いた…）ﾊｧ

真姫「……にこちゃん」

にこ「ん、なに？　真姫ちゃん」

真姫「…キスさせて」

にこ「え……いや、今はほら、絵里がいるし…」

真姫「私は別に見られても平気」

にこ「にこは平気じゃないんだけど…」

真姫「じゃぁ見られないようにさっさと済ませるから」

にこ「で、でも…」

真姫「ほら、もう一回目閉じて」

にこ（ど、どうしよう…）



>>183

１．閉じない
２．閉じる

１

にこ（…いや、さすがにここでキスするのはまずい。絵里に見られたら最悪な展開になることくらいは、にこにでも分かる…）

にこ「真姫ちゃん、やっぱり今はダメ」

真姫「…なんで」

にこ「絵里がいるからに決まってるでしょ」

真姫「だからすぐ済ませるってば。……そもそも、なんでエリーがいるとダメなの？　エリーは別に、にこちゃんと付き合ってるわけじゃないんでしょ」

にこ「それはそうだけど……というか、絵里だからってわけじゃなくて、誰がいたって普通は人前でキスなんかしないわよ」

真姫「……それもそうね」

にこ（分かってくれてよかった…）ﾎｯ

真姫「…ごめんなさい、無理言って」

にこ「あ、いや、別に……」

にこ（…って、こうやっていつも許しちゃうからダメなのよね、多分…）

真姫「…それにしても、絵里の忘れ物って何なのかしら」

にこ「え？　……ああ、そういえばなんなのかしらね」

にこ（更衣室ってことは、着替えかなにか…？　いや、でも普通そんなもの忘れる…？）

ｶﾞﾁｬ


にこ「あ、絵里。忘れ物見つかった？」

絵里「ええ、おかげさまで」

絵里「…」

真姫「…」

にこ「…」

にこ（え、なにこの空気）

にこ「あの、絵里？」

絵里「ん？」

にこ「忘れ物見つかったなら、早く戻ってみんなと合流したほうがいいんじゃない？」

絵里「ああ、それなら大丈夫。みんなには先帰っててって言ったから」ｶﾞﾀ

にこ「あ、そうなの？　…えっと、ところで、どうしてにこの隣に座るの？」

絵里「せっかくだし、私も勉強会に混ざろうと思って」

にこ「えっ」

絵里「ダメ？」

にこ「いや、にこは別に……えっと…」ﾁﾗ

真姫「…別に、私も無理に反対はしないけど」

絵里「じゃぁ三人でやりましょうか」

にこ「う、うん」

―――――

にこ「…」ﾝｰ

にこ（この問題が分からない……）ﾁﾗ

絵里「…」ｶﾘｶﾘ

にこ（普通に考えれば絵里に聞くのが自然だけど…）

真姫「…」ｶﾘｶﾘ

にこ（でも今日は真姫ちゃんと勉強してるんだし……ああでも、真姫ちゃんにはこれ以上迷惑かけないほうがいいのかな…）

にこ（………自分で解こう）ｶｷｶｷ

真姫「…ところで、エリーは結局何を取りに来たの？」

絵里「何をって…忘れ物だって言わなかった？」

真姫「だから何を忘れたのかなって思って。…私もさっきタオル忘れたから更衣室に戻ったけど、そのときは何もなかったように見えたから」

絵里「そう？　私のタオルもあったはずだけど」

真姫「…あったかしら」

絵里「あったわよ」

にこ（…二人とも、会話しながらも手は動かして、すごいなぁ…）

にこ（にこも頑張ろう）ｶﾘｶﾘ

絵里「……にこ」

にこ「なに？」

絵里「その問題、盛大に間違ってるけど」

にこ「えっ」

にこ（やっぱり自分で解くのは無理があったか…）

絵里「分からないならちゃんと言ってよ。そのための勉強会なんだから」

にこ「あ、うん、ごめん…教えてもらっていい？」

絵里「ええ。えっと、ここは…」

にこ（……今更だけど、こうして連日みんなに勉強教えてもらって、みんなに迷惑ばっかりかけてるのよね…）

にこ（そのお詫びとして作って来たマフィンも、結局何人かを傷つけることになっちゃったし…）

にこ（…やっぱり、ちゃんとしないと…）

絵里「……で、だから、ここがこうなるの。分かった？」

にこ「あ…うん、分かった」

にこ（と、とりあえず、今は真面目に勉強しよう）

真姫「……にこちゃん」

にこ「ん？」

真姫「分からないとこがあったら、私に聞いてよ」

にこ「え、あ、うん」

真姫「……」

にこ（なんだろう…なんか真姫ちゃん、怒ってるような……って、そういえば結局、真姫ちゃんの機嫌は治ってないままだった…）

絵里「……」ﾁﾗ

真姫「……」ﾑｽ

にこ「……」ｶﾘｶﾘ

絵里「……。……あの、ちょっといい？」

にこ「へ、なに？」

絵里「いや、にこじゃなくて…主に真姫に話があるの」

真姫「…なに？」

絵里「私が言うのもなんだけど、いつまでもこうしてギスギスしてるのも居心地が悪いし、ハッキリさせましょう」

にこ（はっきり？　というか、ギスギスって？）

真姫「…それもそうね。私もエリーとはちゃんと話したいと思ってたし」

にこ（話って…なにを…？）

絵里「にこ、ごめん。勉強いったん止めてもいい？」

にこ「あ、うん。…あの、話ってなに？」

絵里「…にこって本当にニブいわね」

にこ「それはもう言われまくったわ…」

絵里「まぁそれでもいいけどね、可愛いし」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

にこ「可愛いって…」

真姫「…そんなことはどうでもいいから、話すならさっさと話して、さっさと済ませたほうがいいんじゃないの」

絵里「それもそうね」ﾊﾟ

にこ「あ、それで結局、話ってなんなの？」

絵里「あなたのことについてよ」

にこ「え、にこの？　……にこ、なにかした？」

真姫「そうじゃなくて……ああもう、私から言うけど、私はにこちゃんに告白したわ」

にこ「は、な、なにをいきなり…」

絵里「全然いきなりじゃないわよ。元からそういう話をするつもりで戻ってきたんだし」

真姫「やっぱり忘れ物なんてしてなかったのね」

絵里「ええ」

にこ（さ、さっぱり話が分からない……なに、にこがバカなの…？）

真姫「それで、エリーは？」

絵里「私もしたわよ、告白」

真姫「……そう。まぁ、さすがに予想はしてたけど」

絵里「真姫も返事はもらえてないんでしょ？」

真姫「ええ。…まぁ、返事はいつでもいいって言ったのは私だし」

絵里「それは私も同じ。…まさかここまでややこしいことになるとは、思ってなかったけどね」

真姫「ややこしいって……もしかして、エリーも知ってるの？　にこちゃんが……その、」

絵里「μ’ｓのみんなのことが好きかもしれない…って、こと？」

真姫「知ってたのね。……ま、私だけに言ってくれたなんて、さすがに思ってなかったけど…」

にこ（……な、なんか話が変な方向に…）

絵里「…それで？　にこ？」

にこ「あ、はい、なんでしょうか…」

絵里「なんで敬語なの？」

にこ「いや、なんとなく…」

絵里「あれから何か心境の変化はあった？」

にこ「し、心境の、変化、ですか…」

真姫「…なんか、面接を受けてる学生みたいに緊張してるけど、大丈夫？」

にこ「だ、大丈夫」

にこ（心境の変化っていうのはつまり……そろそろ誰が好きかハッキリしたかってことよね…）

にこ「……ごめん。まだ、考えてる最中で……」

絵里「…そう。まぁ、そうじゃないかって思ってたけど」

にこ「本当にごめんね…」

絵里「そんなに何度も謝らなくていいってば」

にこ「でも…」

絵里「そこまで悪いと思うなら……、えいっ」ｷﾞｭｯ

にこ「え、な、なに、急に抱きついてきて…」

絵里「いや、こうやってれば私は嬉しいし、私が嬉しいと思うことによってにこの罪悪感もなくなるかなって」

にこ（……絵里なりに気を使ってくれてるってことかしら…）

真姫「…」ｸﾞｲｯ

にこ「ま、真姫ちゃん、どうしたの？」

真姫「…エリーばっかりだと不公平でしょ。…私にもさせて」

にこ「え」

真姫「…」ｷﾞｭｯ

にこ（……えっと…大人しく抱きしめられてたらいいのかな…）

絵里「じゃぁ私はにこの手で我慢するわ」ｽ

にこ「手って…」

絵里「適当に触るだけだから、気にしないで」

にこ（気にしないでと言われても…）

絵里「…ところで、にこ。この機会に、ちょっと聞いてもいい？」

にこ「ん？」

絵里「正直なところ、にこって今まで何人に告白されたの？」

にこ「はっ！？」

絵里「穂乃果は多分そうだって分かってるけど」

にこ「い、いや、それは…」

にこ（というか、なんでバレてるの…？）

真姫「…なんでバレてるのって顔してるけど、普通に見てたら分かるわよ」

にこ「え、ホントに…？」

真姫「ええ。分かりやすいもの。…にこちゃんも、他のみんなも」

にこ（必死に隠してたにこの努力って一体…）

絵里「まぁ何人に告白されてるか、正確な数は分からないけど…それでも、ちゃんと一人を選ばなきゃダメよ」

にこ「わ、分かってるわよ」

真姫「……私は別にいいと思うけど」

絵里「いいって…なにが？」

真姫「別に、無理に一人に決めなくてもいいんじゃないかってこと」

絵里「…どういうこと？」

真姫「……この際だからもう全部言っちゃうわね。凛や花陽とはあらかじめちゃんとこうなることも話し合ってたし」

真姫「…私と凛と花陽は、四人で付き合いたいと思ってるの」

にこ「ま、真姫ちゃん、それは…」

真姫「ごめん、にこちゃんはちょっと口閉じてて」

絵里「四人って……あなたたち三人と、にことってこと？」

真姫「そう。正確には、にこちゃんに自分以外の恋人がいることを許し合う関係ってことだけど」

絵里「……本気で言ってるの？」

真姫「私はいつだって割と本気よ」

絵里「でもそんなの…」

真姫「非常識だってことくらい分かってるわ。…ただ、にこちゃんを好きになった時点で常識も何もないでしょ」

にこ（どういう意味だろう………って、あ、そうか。にこが女の子だからか…）

絵里「……まさか、にこはその提案に乗ったわけじゃないわよね？」

真姫「返事はまだもらってないけど」

絵里「…本気なの？」

真姫「それ、二度目」

真姫「…私たちはみんな、それぞれ納得した上で協力することにしたの。凛とも花陽とも十分話し合ったわ。…花陽は、事後承諾だったけど」

絵里「けど…」

真姫「私は凛のことも花陽のことも友達として好きだから、二人とライバルみたいになるのは嫌なの。だったらこうするしかないでしょ」

絵里「……まぁ、私にとやかく言う資格はないし、言うつもりもないけど」

にこ「…あの、にこ、そろそろ喋ってもいい？」

真姫「あ、うん」

にこ「えっと…」

にこ（とは言っても、特になにか喋りたいことがあったわけでもないんだけど…）

にこ「と、とりあえず、勉強再開しない？」

真姫「…それもそうね。あまり遅くなりすぎても、迷惑かけちゃうし」ﾊﾟ

絵里「……」

にこ「…絵里？」

絵里「あ、ごめんなさい。ちょっと考え事してて…」

にこ「そう…」

真姫「…」ｶﾞﾀ

にこ（…真姫ちゃんも席に戻ったし、にこも…）

絵里「にこ」ﾋｿ

にこ「ん？」

絵里「……にこは、複数人と付き合うことに、抵抗ないの？」

にこ「…抵抗っていうか、戸惑ってはいるけど…」

絵里「……嫌ではないの？」

にこ「嫌とまでは…」

絵里「…そう。じゃぁ、いいのね」

にこ「え、なにが？」

絵里「こっちの話。じゃ、勉強頑張りましょ」

にこ「う、うん」

―――
――
―

にこ「……あの、絵里」

絵里「ん？」

にこ「なんで、にこの手を握ってるんだっけ…？」

絵里「さっき言ったじゃない。適当に触るだけだから気にしないでって」

にこ「さっきって…部室にいたときの話でしょ？　今はもう帰り道なんだけど…」

絵里「まぁ細かいことは気にしないで」

にこ「えぇぇ…」

真姫「……」ｼﾞｰ

にこ（真姫ちゃんの視線が、なんか痛い…）

絵里「それにしても、まさか凛と花陽もだなんてね……正直、まったく分からなかったわ」

真姫「…言った私が言うのもなんだけど、他の人には言わないでね」

絵里「さすがに分かってるわよ。…にこってば、モテモテでうらやましいわ」

にこ「目がまったく笑ってないのが怖いんだけど…」

絵里「笑ってたらもっと怖いでしょ」

にこ「まぁ確かに…」

真姫「…というか、エリーなんか機嫌よくない？」

絵里「少しね。今なら真姫にだって笑顔で話しかけちゃうわ」

真姫「意味分かんない…」

にこ「なにか良いことでもあったの？」

絵里「良いことというか、スッキリしたというか……少し先が見えた気がして」

にこ（今日の出来事で先が見えたって……どういうことなの）

にこ（相変わらず絵里の考えてることはよく分かんないわ…）ﾁﾗ

絵里「…待っててね、にこ」

にこ「え？」

絵里「あなたは必ず私のものにするから」

にこ「は……な、なに言ってんのよ、急にっ」ｶｱｧｧｯ

絵里「ふふ、顔真っ赤にしちゃって、可愛い」

にこ（なんなのこの絵里……テンション高すぎて逆に怖い…）

真姫「…」ｷﾞｭｯ

にこ「ま、真姫ちゃん？　両手ふさがると、歩きにくいんだけど…」

真姫「……知らない」

にこ「ええぇ…」

にこ（…まぁいっか。絵里は振り払わないのに、真姫ちゃんだけ振り払うとまたややこしいことになりそうだし…）

にこ（……高校生三人が手繋いで並んで歩く姿は、はたから見れば変な光景だろうけど）

―――――

にこ「ただいま」


ｶﾞﾁｬ


海未「おかえりなさい」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

こころ・ここあ「おかえりなさーい」

海未「今日は少し遅かったですね。何かありましたか？」

にこ「あー…いや、別に。ごめんね、遅くなって」

海未「いえ、何もないならいいんです。夕飯、できてますよ」

にこ「うん、ありがと」

にこ（…なんか今日は色々あったけど、いいキッカケだったのかも）

にこ（今日の夜、こころとここあが寝た後、ちゃんと考えよう。…これからのこと）

今日の更新はここまでにします

そろそろお話に決着をつけ始めたいと思います
正直ここまで来てもさっぱりラストを考えていないのですが、頑張ります


お付き合いいただき、ありがとうございました

レスありがとうございます
ゆったり再開していきます

海未「…にこ、やっぱり何かあったんですか？　少しボーッとしているようですが…」

にこ「あ、いや、なんでも」

にこ（せっかく海未が来てくれてるんだし、今はちゃんとしないと）

こころ「にこにー、うみちゃんがオムライス作ってくれたの！」

ここあ「うみちゃんすごいんだよー。にこに―と一緒で、フライパンをちゃっちゃってやってご飯かきまぜてた！」

にこ「オムライス…海未にしては珍しいチョイスね」

海未「ここあちゃんたちに食べたいものをリクエストしてもらったんです。ことりが、そのほうがきっと二人も喜ぶからと言っていたので」

にこ「ああ、なるほど……そういえば昨日、ことりも同じことしてくれたわね……って、まさかその話聞いたの？」

海未「はい。今の私たちの間には、隠し事は存在しません。にこのことについては、特に」

にこ「そ、そうなの？」

海未「穂乃果曰く、共同戦線だそうなので」

にこ「共同戦線って……やけに物騒な言い方するわね」

海未「穂乃果はカッコいいと思って使ってるらしいです」

にこ「なんというか、穂乃果らしいわ」

海未「ですよね」

こころ「にこにー、うみちゃん、なんの話してるの？」

ここあ「ここあたちお腹すいたよー」

にこ「あ、ごめんね。じゃぁ海未が作ってくれたご飯食べよっか」

こころ・ここあ「うんっ」

海未「では、夕飯の支度をしておきますので、にこは洗面所でうがいをしてきてください。あ、手も綺麗に洗ってくださいね。風邪をひいたら大変ですから」

にこ「はいはい、分かってるわよ」

ここあ「うみちゃん、ママみたい」

海未「ま、ママ、ですか…」

にこ（あ、ちょっとショック受けてる…）

―――――

にこ「……」ﾁﾗ

ここあ「見て見て！　ここあの、可愛いわんちゃんー」

こころ「こころのうさぎさんもかわいー」

にこ（ここあとこころが嬉しそうだし、よかった。海未がオムライスにケチャップで絵を描いてくれたおかげなんだけど…）ﾁﾗ

にこ「あの…海未」

海未「なんでしょう」

にこ「にこのオムライスに描いてるこれは…？」

海未「にこの似顔絵のつもりですが……すみません、下手で」

にこ「いや、ものすごく上手だとは思うんだけど…」

にこ（自分を食べるなんて、すごい複雑…）

にこ（そして海未のは………μ’ｓのロゴ。なんとも無難ね）

こころ「いただきます」

ここあ「いただきまーすっ！」ﾊﾟｸｯ

にこ「いただきます…」ｽ

にこ（スプーンですくうとにこの顔が崩れる……けど、仕方ないわよね）

にこ（……自分の顔を崩して食べる…やっぱり複雑）ﾊﾟｸ

海未「……」ｿﾜｿﾜ

こころ「うみちゃん、おいしーよ」

ここあ「すっごいおいしい！」

海未「あ、ありがとうございます！　嬉しいです」ﾍﾟｺｯ

海未「……」ﾁﾗ

にこ「あ、うん。すごくおいしいわ」

海未「！」ﾊﾟｧｯ

にこ（海未ってホント、意外に分かりやすい表情するわよね）

ここあ「ふぃふぉふぃー、ふょふゅへ」ﾓｺﾞﾓｺﾞ

にこ「飲み込んでから喋りなさい」

ここあ「ふぁーい。………、あのね、今日の宿題で分からないところがあるの」

にこ「そうなの？　じゃぁ後でにこにーが見てあげるわ」

ここあ「ありがとー」

海未「…」

にこ「…そんな不安そうな顔しなくても、小学生の問題くらい教えられるわよ？」

海未「い、いえ、そうではなくて……大丈夫かな、と思いまして…」

にこ「だから、教えられるってば」

海未「だからそうではなくて……疲れてませんか、ということです」

にこ「……ああ、なるほど」

にこ（確かに、真姫ちゃんと絵里と一緒に勉強してきたばっかりだしね…）

にこ「けど平気よ。ここあたちに教えるくらいなら、そんなに頭使わないし」

にこ（…こうして教えられるのも、今のうちくらいだろうし。中学生になったら厳しいだろうなぁ……情けないけど）

海未「ならいいのですが……あまり無理しないでくださいね」

にこ「心配してくれてありがと。でも、にこは全然大丈夫だから」

海未「にこ…」

こころ「…にこにー」ｸｲｸｲ

にこ「ん？」

こころ「大丈夫？」

にこ「だから大丈夫だってば。こころは余計な心配しなくていいの」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

こころ「……うん」

―――
――
―

海未「…あの、私は本当に一人で帰れますから」

にこ「今更なに言ってんのよ。後輩を家まで安全に送り届けるのも先輩の仕事なんだから、気にしないの」

海未「しかし、帰ったらここあちゃんの勉強も見てあげるんでしょう…？　にこの負担が…」

にこ「だから、別に平気だってば。それにどっちも負担なんかじゃないし」

にこ「さすがに小学生の宿題を教えるくらいへっちゃらし。それに、海未とこうやって話しながら歩いてるのも楽しいんだから」

海未「……そう、ですか…」

にこ（…しかしやっぱりこの道には街灯とかつけるべきじゃないかしら…。無駄に薄暗くてちょっと怖いし…いや、怖くないけど）

海未「……」ﾃｸﾃｸ

にこ（海未は平気そうだけど……さすがというか、なんというか）

海未「…ああ、そうだ。日曜日のことなんですけど」

にこ「なに？」

海未「朝の十時に公園に集合ということでどうでしょうか」

にこ「うん、いいわよ」

海未「…あの」

にこ「ん？」

海未「……いえ、なんでもありません。楽しみにしてますね」

にこ「？　うん」

にこ（なんだろ……今、なにか言いかけてたような気がするけど…）

ｶﾞｻｯ


にこ「！？」ﾋﾞｸｯ

にこ「な、ななな、なに今の音！」

海未「風で木が揺れた音じゃないでしょうか」

にこ「あ、ああ、なるほど…」

海未「…もしかして、怖いんですか？」

にこ「はっ！？　そ、そんなわけないじゃない？　にこ、これでも高三なのよ？」

海未「歳は関係ないと思いますが……どうぞ」ｽ

にこ「え？」

海未「手。繋げば、少しはマシになると思いますが」

にこ「あ、う、うん……ありがと」ｷﾞｭ

海未「いえ。ことりや穂乃果も昔はよくこうして怖がってましたから」

にこ「あの二人が？　………どちらかというと、海未のほうがそういうイメージあるんだけど」

海未「あ、あありませんよ！　私は弓道出来るんですよ！？」

にこ「それ関係あるの？」

海未「あります！　精神が鍛えられてるんです！」

にこ（こんなムキになるってことは、多分図星なのね）

にこ（…にしても）ﾁﾗ

海未「…どうかしましたか？」

にこ「いや、なんでも…」

にこ（手を繋いで照れるのは、いつも海未の役目だったのに……今回は平気なのかしら）


ｶﾞｻｻｯ


にこ「！」ﾋﾞｸｯ

海未「…そんなにいちいち驚かなくても」

にこ「い、いや、ビックリして…」

海未「大丈夫ですよ。たとえ何かが来ても、恐れることはありません」

にこ「なにかって……」

にこ（幽霊とか、そういう意味かしら……そう言われると余計怖いんだけど…）

にこ「…というか、普通は恐れるでしょ。海未は怖くないの？」

海未「昔はともかく、今はあまり」

にこ（あ、やっぱり昔は怖かったのね）

海未「…それに、今はにこと一緒ですし」

にこ「…にこってそんなに頼もしい？」

海未「いえ、あまり」

にこ「ハッキリ言うわね…」

海未「すみません。ただ、にこと一緒にいると守ってあげたいと思うので」

にこ「……」

にこ「………それはつまり、にこのことを、子供あつかいしてる？」

海未「そんなことないですよ。…す、好きな人を、守りたいと思うのは、男女共通の思想だと思います」

にこ「あ、そ、そういう意味ね。……ご、ごめん」

海未「いえ……」

にこ「……」

海未「……」

にこ（なんかすごい気まずい……いや、にこのせいよね…）

にこ「えっと……なんか、今日は風がよく吹くわね！」

海未「そ、そうですね。冷える前に帰ったほうがいいかもしれません」

にこ「そうね。じゃぁ行きましょうか」ｸﾞｲ

海未「あ……はい…」ｶｱｱｧｧｯ

にこ（なんで今更照れるのよ…）

―――――

海未「今日は送ってもらってありがとうございます」ﾍﾟｺﾘ

にこ「いや、こっちこそありがと。海未にも色々迷惑かけてごめんね」

海未「気にしないでください。…では、また日曜日に」

にこ「うん。また」

海未「……………あ、あの」

にこ「ん？」

海未「にこはああ言いましたが、私は本当に気にしてなかったんです。マフィンのこと」

海未「……いえ、すみません。本当は気にしていました。ただ、それは決してにこが悪いわけではなくて……私のわがままなので…」

にこ「わがまま？」

海未「…こう言うと誤解を招きそうですが、正直言うと絵里へ宛てたものが特別でも、それは別に構わなかったんです。…も、もちろん、悔しくはありますけど」

海未「ただ……どうしても、穂乃果とことりとは、同じものが良いというか……あの二人はやはり特別なので。その…すみません」

にこ「いや、そんなに謝らなくても…。にこも色々と無神経だったし」

海未「そんなことないです。みんなの好みに合わせようとした気持ちが無神経なわけありません。…さっきも言った通り、ただのわがままですから」

海未「…すみませんでした」ﾍﾟｺﾘ

にこ「いやいや、だから謝らないでってば」

にこ（海未ってこんな真面目で疲れないのかしら……いや、真面目なのも海未の良さなんだろうけど、でも度が過ぎるのも問題よね…）

にこ「じゃぁこうしましょう」

海未「？」

にこ「あのときのことはもう気にしない。その代わり、日曜日はめいっぱい楽しませて」

海未「楽しませる…？」

にこ「うん。それで、にこも海未を楽しませられるように頑張る。それでお互い様ってことで……って、いくらなんでも無理があるわね…」

海未「いえ、全然…ただ、その…」

にこ「ん？」

海未「……いえ、また日曜日に言います。…ただ、私なりに頑張ってにこを楽しませますから」

にこ「楽しみにしてるわ」

海未「はい」

―――――

にこ（とは言っちゃったけど、日曜日どこに行くかすら決まってないのよね…）

にこ（……デートらしいし、やっぱりここは年上のにこがリード…できたらいいな…無理そうだけど）

にこ（そもそも海未ってどういう場所が好きなのかすらさっぱり分からないし…）ﾃｸﾃｸ

にこ「…というか、好きな場所とかあるのかしら…」

「好きな場所？」

にこ「！？」ﾋﾞｸｯ

にこ（な、なんか今、声が…）ｸﾙｯ



>>281
（海未がいるとホラーなので、海未以外でお願いします）

ほのか

にこ「…って、穂乃果…？」

穂乃果「やっほー、にこちゃん。最近よく夜にこのあたりで会うねー」

にこ「そうね……というか、いきなり声かけるのはやめてくれない？」

穂乃果「ごめんごめん。ビックリしちゃった？」

にこ「かなりね…」

穂乃果「私はお届け物の帰りだけど……にこちゃんは海未ちゃんのお見送り？」

にこ「まぁそんなとこ」

穂乃果「そっかー」ﾆｺﾆｺ

にこ「……じゃ、じゃぁ、にこはこれで…」

穂乃果「にこちゃんっ」ﾊﾟｼ

にこ「…手、離してくれない？」

穂乃果「ちょっとだけお話していこーよー。前みたいに泊まれとは言わないからさ」

にこ「……まぁ、ちょっとだけなら…」

にこ（ここあたちはまだテレビ見てる時間だろうし、それが終わるまでに帰ればいいわよね）

にこ「で、話って？　おまんじゅうのこと？」

穂乃果「違うよー。というか、おまんじゅうって……私のことなんだと思ってるの？」

にこ「冗談よ」

穂乃果「ねぇ、さっき、好きな場所って言ってたのはなんだったの？」

にこ「あー…いや、ちょっとね」

穂乃果「？　まぁいいや。それより、>>284の話しようよ！」



（話題。ざっくりしたものでも大丈夫です）

3人と付き合うこと

穂乃果「私たちの話しよっか！」

にこ「私たちって……穂乃果たち？」

穂乃果「うん。あ、私と海未ちゃんとことりちゃんと、あ、あとにこちゃんね」

にこ（おまけみたいに言われた…）

穂乃果「…前にさ、三人で付き合うことについて話したでしょ？」

にこ「ああ、うん」

穂乃果「正直…にこちゃんはどう思ってる？」

にこ「どうって…」

穂乃果「アリだと思うとか、やっぱり無理だなとか、そういうこと」

にこ「えっと………まぁ、無理、とは思わないけど…」

穂乃果「けど？」

にこ「…ただ、やっぱり四人でって形は他の人から見たら…多分、変なんだろうし……にこはともかく、穂乃果たちがそういう目で見られるのかと思うと、ちょっと気が引けるというか…」

穂乃果「……ねぇ、それってさ。私たちがそういうの全部気にしないって言ったら、付き合ってくれるってこと？」

にこ「え、あ、いや……それは…」

穂乃果「なんて、こうやって聞くのはずるいよね。けど、そういう言い方されたら期待しちゃうよ」

にこ「ご、ごめん」

穂乃果「いや、別にいいんだけどね」

穂乃果「でも私は本当に気にしないよ。元々、周りの目とかそういうの気にしない性格だし」

穂乃果「海未ちゃん……は、ちょっと難しく考えるとこあるけど、周りよりもにこちゃんや私たちのこと大切にしてくれてると思うし」

穂乃果「ことりちゃんは私と似たようなタイプだし。私たちの場合は本当に、にこちゃんさえよければいつでもって感じだよ」

にこ「……か、考えとくわ」

穂乃果「うん。…私ね、にこちゃんと付き合ったらたくさんやりたいことあるんだ」

にこ「…そう」

にこ（答えにくい…）

穂乃果「手もつなぎたいし、ギュッて抱きしめたい！」

にこ「そう……って、それならもうしてるじゃない」

穂乃果「あ、それもそうだね」

穂乃果「んー……じゃぁ、恋人同士でしか出来ないことってなにかな？」

にこ「んー……」

にこ（……なんだろ。デートとか……いや、でも日曜に海未とデートするし…）

にこ「なにかしらね」

穂乃果「……キスとか？」

にこ「え、そ、それは、別に恋人じゃなくてもするんじゃない？」

穂乃果「そうなの？」

にこ「た、多分…」

穂乃果「…誰かとしたことあるの？」

にこ「……あ、あるわけないじゃない」

穂乃果「ふーん……まぁそうだよね。うん、私、にこちゃんを信じるよ」

にこ（心が痛いなんてもんじゃない…）

穂乃果「まぁともかく、私、にこちゃんとキスするのを目標に頑張るね！」

にこ「…それを聞いたにこはどうすればいいわけ…？」

穂乃果「別にどうもしなくていいんじゃない？　それとも、今キスしてくれるの？」

にこ「するわけないでしょ！？」

穂乃果「だったら普通でいいよ。あくまで私が頑張るだけだから」

にこ（普通って言われても…）

穂乃果「でも、最終目標は付き合ってもらうことだけどね」

にこ「…そう」

穂乃果「今なら三人ついてくるよ！」

にこ「いや、だからそんな大安売りみたいな言い方されても…」

穂乃果「んー…こんなこと言うのもなんだけど、私がにこちゃんの立場なら絶対にオッケーするのになぁ…」

にこ「ま、まぁ、そこは、ほら、人それぞれだから…」

穂乃果「それもそうだけどねー…」

にこ（…正直、告白してきたのが穂乃果たちだけだったら、にこもきっと…）

穂乃果「よし、じゃぁもっと好きになってもらえるよう頑張るから！」

にこ「う、うん」

穂乃果「…じゃぁあんまり引き止めるのもなんだから、このあたりで」

にこ「ん。またね」

穂乃果「うん、またっ」ｷﾞｭｰｯ

にこ「……」

穂乃果「……」ｷﾞｭｰ

にこ「……あの、もういい？」

穂乃果「うんっ」ﾊﾟ

穂乃果「またねー」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝｯ

にこ「ん」

にこ「……」ﾃｸﾃｸ

にこ「……」ﾁﾗ

ﾌﾞﾝﾌﾞﾝｯ

にこ（すごい勢いでまだ手をふってる…）

にこ（とりあえず手振り返しとこう…）ﾋﾗﾋﾗ

穂乃果「！」ﾊﾟｱｧｯ

にこ（暗いのに、遠くからでも分かる嬉しそうな顔……）

にこ（なんというか…穂乃果はいつもまっすぐでうらやましいわ。……きっと、穂乃果たちと付き合ったら楽しいんだろうなって思うんだけど…）ﾃｸﾃｸ

にこ（でもそうなると凛たちが……あと、絵里のこともあるし…）

―――
――
―

にこ（……ここあたちも寝て、考える時間が出来たけど…）

にこ（…考えるったって、なにを考えるんだろ…）

にこ「……やっぱり誰が好きか、を考えるべきなんだろうけど……」

にこ（μ’ｓの中で、誰が一番…………）

にこ「………」

にこ「………絶対無理」

にこ（そもそも、それを決められたら問題をこんなに長引かせてはいないわけで…）

にこ「どうすればいいのよ……」ﾊｧ

ｶﾞﾗ

にこ「？」ｸﾙ

ここあ「にこにー、おはよー…」ﾌﾗﾌﾗ

にこ「ここあ…寝ぼけてるの？　まだ夜よ」

ここあ「ふぇ…？　そうなの？」

にこ「そうよ。ほら、部屋まで送っていってあげるから」

ここあ「はーい。……にこにー、なにか悩んでるの？」

にこ「え？」

ここあ「どうすればいいのって言ってたから」

にこ「ああ……聞かれてたのね」

ここあ「うん。…どうかしたの？」

にこ「……いや、ただ、にこにーはワガママだなーって思っただけ」

ここあ「わがまま？」

にこ「うん。…ほしいものがたくさんあって、その中のどれか一つを選ばなきゃいけないのに、なかなか決められないの」

にこ（…って、寝ぼけてる妹相手になに言ってんのよ、にこは…）

ここあ「…にこにー、それすごく簡単だよ」

にこ「簡単？」

ここあ「ここあがにこにーなら、ほしいもの全部ここあのものにするもん」

にこ「全部って……ここあはにこに似てワガママなのね」

ここあ「うーん……うん、そうかも。もちろんこころやにこにーがほしいって言ったら、ひとりじめにはしないけど」

ここあ「…でも、ほしいものは自分でつかみとれって、前にママが言ってたから」

にこ（ママもママで、小さい子になに教えてんのよ…）


にこ「はい、お部屋ついたわよ。こころを起こさないように布団に戻るのよ」

ここあ「はーい。にこにー、おやすみなさい」

にこ「うん、おやすみ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ


ﾊﾟﾀﾝ


にこ（…ほしいものは、全部、か…）

にこ（そんなことが出来たらいいけど……でも…みんながどう思うかよね…）

にこ（……普通に考えたら、最低だって罵られる未来しか見えないわね…）

にこ（…でも、ママじゃないけど、確かに自分がほしいって望むなら自分でつかみとりにいかなきゃなんないのよね）

にこ（………どのみち、一人に選ぶことなんてきっと出来ない）

にこ（だったら……一か八か、提案してみるのはアリなのかもしれない）

にこ（…それで嫌われたら……そのときは仕方ない。そもそも、もうこんなにみんなを待たせてる時点で、嫌われて同然のことをしてるんだから）

にこ「よし……頑張ろう」

にこ（ただ問題は…どのタイミングで動き出すか、よね…。とりあえず近いうちがいいけど、どのタイミングがいいかしら…）

―――
――
―

にこ「……」ﾎﾞｹｰ

こころ「にこにー、大丈夫…？」

にこ「あ、うん、平気平気」

にこ（昨日は一晩中タイミングについて考えてたけど…結局ここだってのは見つからなかったわね…）

にこ（…こうなったら、その場でここだって思ったときに動くことにしよう）

ここあ「よく分かんないけど、にこにー、ご飯食べないと元気でないよ？」

にこ「そうね。しっかり食べてくわ」ﾊﾟｸ

にこ（ただでさえ寝不足でフラフラしてるのに、お腹まですいてたら本当に倒れちゃいそうだし）

こころ「ところでにこにー。今日は朝ごはん、いつもより早くない？」

にこ「あー……うん。なんとなくね。ごめん、まだ眠かった？」

こころ「ううん、こころは平気」

ここあ「ここあも平気ー！　あ、どうせなら今日は早くに学校いってもいい？」

にこ「いいけど……食べ終わったあとすぐ行くのはあまりに早すぎると思うわよ」

ここあ「いーのいーの。みんな来るまでお絵描きしてるから。ね、こころ」

こころ「うん」

にこ「二人がそう言うならいいけど…」

―――――

にこ（というわけで、二人に合わせてにこも早めに学校に来たわけだけど…）

にこ（……誰もいない教室…落ち着かない）ｿﾜｿﾜ

にこ（…しかも、やることがないせいで寝不足ゆえの睡魔が襲ってくるし……）

にこ（いっそ授業始まるまで寝てようかな……でも、ここで寝るのはなんか嫌ね…授業中はいつも寝てるけど）

にこ（……場所かえよう）ｶﾞﾀ



―部室―

にこ（……うん、やっぱりここが一番落ち着いて寝れそう）

にこ（本格的に寝ちゃうとまずいから、すぐ起きられるようにしとかないと。あと、念のため携帯のアラームもセットして、と）ﾋﾟｯﾋﾟ

にこ「これでよし……寝よう」ﾊﾞ

にこ「………」ｳﾂﾗｳﾂﾗ

にこ「……」

にこ「…」ｽｰｽｰ

―――
――
―

にこ「…」

にこ「！」ﾊｯ

にこ「あ、あれ？　今何時？」ｶﾞﾊﾞｯ

「あ」

にこ「え？」ｸﾙ

にこ「>>298？　なんでこんなとこに…」

希

にこ「希？　なんでこんなとこに…」

希「こんなとこって言ったって、ここ部室やん」

にこ「いや、そうだけど……あ、というか、今何時？　授業は？」

希「ちょうど一時間目の途中くらいやね」

にこ「嘘……え、アラーム鳴らなかった？」

希「鳴ってたね。けどにこっち、自分で止めとったよ」

にこ「え、ほんと？　どうせならその時に起こしてくれればよかったのに…」

希「起こしたて。けど何度起こしても、あと五分～しか言わへんのやもん。叩き起こしたろうかとも思たけど、それだけ寝不足なんかなて思うたら、さすがに出来ひんくて……ごめんね」

にこ「あー……いや、にこが悪いんだから気にしないで」

にこ「…というか、結局あんたはなんでここにいんの？　授業は？」

希「ここに来たのは偶然やけど……にこっち見つけた以上は、ウチ一人で教室帰るのも罪悪感があって」

にこ「……なんというか、ごめん」

希「いや、ええんよ。残ったんはウチの勝手やし」

にこ（しかし、実質授業をサボったってことになるわけで……これはあとで絵里に怒られそうね…）

希「さて……じゃぁ、にこっち」

にこ「ん？」

希「眠気はどんな感じ？」

にこ「んー……もう大丈夫」

希「８×９は？」

にこ「７２……って、バカにしすぎじゃない？」

希「ごめんごめん。じゃぁもう平気やね」ｶﾞﾀ

にこ「？」

希「いこか」

にこ「どこに？」

希「授業」

にこ「えっ、今から？」

希「途中からでも受けへんよりはマシやて。ほら、行くよ」

にこ「べ、別に今日くらいサボっても…」

希「にこっち、ウチら三年生やで」

にこ「……分かりました」

にこ（そういや希も一応生徒会の一員だったわね……）

ｶﾞﾁｬ

にこ「…廊下、静かね」

希「そりゃ授業中やし。んー……なんて言い訳して教室入る？」

にこ「普通に体調悪くて保健室寄ってきましたでいいんじゃない？」

希「じゃ、それでいこか。れっつごー」

にこ「…なんか楽しんでない？」

希「いや、二日連続で遅刻して行くなんて初めてやから、なんか楽しいなぁって」

にこ「あんたってやっぱり変わってるわ…」

希「にこっちの友達やってるくらいやからね」

にこ「ちょっ、それどういう意味よ！？」

希「はいはい。怒るよりも早よ教室いこ」

にこ「あんたが怒らせるようなこと言ったんじゃない…」

希「ごめんて」

にこ「……ま、いいけど。ほら、さっさと行くわよ」ﾃｸﾃｸ

希「うん」

にこ（…そういえば、結局希の中のにこって、友達のままなのよね…）

にこ（……やっぱり希には一度気持ち聞いといたほうがいいのかな…）



>>304
１．聞いてみる
２．やっぱりやめる

1

にこ（…うん、やっぱり聞いてみよう。もし希に本当に好きな人がいたら、告白すら迷惑になるかもしれないし…）

にこ「ね、ねぇ、希」

希「んー？　あ、見てにこっち、一年生が体育やってる。真姫ちゃんたちおるかなぁ」

にこ「え、どこどこ？　って、そうじゃなくて！　ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

希「なに？」

にこ「希ってさ……あの、ほら、絵里と、仲良いじゃない」

希「そりゃぁエリちとは長い付き合いやし。どうしたん、今更そんなこと」

にこ「いや、もしかして……絵里のこと、好きだったりする？」

希「もちろん好きやよ。友達やもん」

にこ「そういうことじゃなくて……れ、恋愛感情で」

希「れ……、そ、そんなわけないやん。エリちは友達。それ以上でもそれ以下でもないよ」

にこ「ほんとに？」

希「ほんまやって。こんなことで嘘ついたりせーへんよ」

にこ「そっか。……じゃ、じゃぁさ、にこのことはどう思ってる？」

希「……そ、そりゃぁ、にこっちのことも大切な友達やと思ってるよ？」

にこ「いや、そうじゃなくて、だから恋愛感情で」

希「恋愛って…」

希「…にこっち、どうしたん？　なんかおかしいよ？」

にこ「おかしくなんてないわよ。…前々から聞きたかったけど、機会がなかっただけで…」

希「……そもそも、そんなこと聞いてどうするん？」

にこ「どうするって、それは……」

にこ（…いや、でも希にだけ言うわけにもいかないし…）

にこ「…どうもしないけど…」

希「…そっか」

希「……ウチはにこっちのこと、友達として好きやよ」

にこ「…友達として？」

希「うん。……ほら、早くいこ。一時間目終わっちゃうよ」

にこ「うん……あ、希」

希「ん？」

にこ「じゃぁさ…希は今、好きな人とかいないの？」

希「……そうやね。おらんかも」

にこ「…そう」

にこ（希に好きな人はいない……まぁそれが分かっただけで、よかったほうなのかしら）

希「…」

にこ（…ただ、希が本当のこと言ってるかどうかは確認のしようがないけど…）

希「…よーし、じゃぁにこっち、教室に入るときは「遅れてごめんなさーいっ☆」ってにこにーモードで入ってな」

にこ「絶対嫌」

希「えぇー」

―――――

絵里「にこ、体調が悪くて保健室に行ってたって……大丈夫なの？」

にこ「あ、うん。なんとか」

にこ「…ところで希は？」

絵里「授業が終わるなり、用があるって言ってどこかに行っちゃったけど…」

にこ「ふーん…」

絵里「……ねぇ、にこ」

にこ「ん？」

絵里「私の目、まっすぐ見てくれる？」

にこ「は？　なによ、急に」

絵里「いいから」

にこ「……これでいいの？」ｼﾞ

絵里「ええ、ありがと」

にこ（一体なんなのかしら…）

絵里「じゃぁにこに質問」

にこ「え？」

絵里「今朝、希と何をしてたの？」

にこ「……なにもしてないわよ」

にこ（これなら嘘にはならないわよね。実際なにもしてないわけだし。起こされて、教室に向かってきただけ）

絵里「………うん、もういいわ。ありがとう」

にこ「なんだったの？　今の」

絵里「いや、にこが嘘ついてないか確認しただけ」

にこ「……え、今ので分かるの？」

絵里「なんとなくね。にこ、分かりやすいから」

にこ（いや、いくらなんでも限度があると思うけど…。まぁでも、嘘はついてないから大丈夫よね）

絵里「ねぇ、にこは希が好き？」

にこ「……今日はやけに脈絡がないわね」

絵里「たまにはそんな日もあるわ」

にこ「あっそ。……まぁ、嫌いではないわよ」

絵里「そう。…私も好きよ、希のこと」

にこ「そりゃまぁ、知ってるけど」

絵里「希は一緒にいて落ち着くし、見ていて胸が痛くなることもないわ」

にこ「う、うん」

にこ（どうしよう…絵里がなにを言いたいのかさっぱり分からない…）

絵里「…ごめんなさい。よく分からないわよね」

にこ「にこ頭悪いから…」

絵里「そんなことないわ。あえて分からないように話してるんだもの。…今度、改めてちゃんと話すわ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

にこ「ん…」

絵里「……希、早く帰ってくるといいわね」

にこ「そうね……って、どこ行ったかも分からないけど…」

ｶﾞﾗ


にこ「あ、噂をすれば希ね」

希「え、エリち、ピンチ！」ﾀｯﾀｯﾀｯ

絵里「ピンチ？」

希「さっき廊下でたまたま会計の子とすれ違ったんやけど……あのな、」ﾋｿﾋｿ

にこ「？」

にこ（……ああ、生徒会の話ね。…あ、ということは…）

―――――

絵里「ごめん、にこ。今日は一緒にお昼食べられない！」ﾊﾞｯ

にこ（こうなるわよね、うん）

にこ「いや、いいわよ。生徒会のほう、頑張って」

希「ホントごめんね、にこっち」

にこ「だからいいってば」

絵里「じゃぁまたあとでね、にこ」

にこ「ん、いってらっしゃい」



にこ（久々の一人ご飯……）

ﾜｲﾜｲ､ｶﾞﾔｶﾞﾔ

にこ（……やっぱり教室以外のとこで食べよう…）ｶﾞﾀ

にこ（とはいっても、どこにしようかな…）ﾃｸﾃｸ

にこ（屋上か部室か……思い切って他のメンバーのとこに行ってみるとか…？）ﾃｸﾃｸ

にこ（……いや、やっぱり無難に部室でパソコンでも見ながら…）

凛「あ、にこちゃーんっ！」ﾃｯﾃｯﾃｯ

にこ「え？　凛……それに、真姫ちゃんと花陽も…」

凛「にこちゃんに会いに来たんだけど、まさか廊下で会えるとは思ってなかったにゃー」

にこ「にこに会いに来たって……なにか用だったの？」

花陽「用ってわけじゃないんだけど、ただ少し気になることがあって…」

真姫「一時間目の途中で、希と廊下にいたでしょ？　あんな時間に何してたのかなって思ったの」

にこ「ああ…」

にこ（そういえば一年生が体育してるって希が言ってたっけ。まさか三人にも見られてたなんて、思いもしなかったけど）

にこ「というか、それ聞くためにわざわざ三人で来てくれたの？　しかも昼休みに」

凛「うんっ……なんて、それは口実で、にこちゃんたちと一緒にお昼食べたいなーって思ったの。ところで絵里ちゃんたちは？」

にこ「絵里たちは生徒会の仕事で生徒会室に行ってるわ」

花陽「そうなの？　だったらにこちゃん、私たちと一緒にお昼食べない？」

にこ「三人がいいなら、もちろん喜んでついてくけど…」

真姫「じゃ、決定ね」

すみません、ちょっと眠いので今回はここまでにします

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました

再開遅れてすみません
レスありがとうございます

少しですが、更新再開します

今日は土曜日なのでまた昼か夜にでも本格的に再開したいと思います
今回は終盤に向けてのつなぎ部分になります
なので面白くないかもしれませんが、ご了承ください

―屋上―

にこ「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

真姫「……」ｼﾞｰ

にこ（なんか真姫ちゃんがすごい見てくるんだけど…怒ってるのかしら）

凛「えへへ。こうやって三人で食べるのも久しぶりだから楽しいにゃ」

にこ「久しぶりだっけ…？」

凛「久しぶりだよー、多分」

にこ（最近いろんなことがありすぎて時間の感覚がおかしくなりつつあるわね…）

凛「だから真姫ちゃんもすっごい嬉しそうだし」

花陽「そうだね。すごく上機嫌」

にこ「えっ」

真姫「べ、別に嬉しくなんてないわよ」ﾌｲｯ

にこ（機嫌いい……？　怒ってるようにしか見えないんだけど…）ｼﾞｰ

真姫「……っ」ｶｱｱｧｯ

にこ（あ。赤くなった……なるほど、確かに怒ってるわけではなさそうね）

にこ「にしても、二人は真姫ちゃんのことよく分かってるわね」

凛「そりゃー凛とかよちんと真姫ちゃんは仲良しだから！」

花陽「それに同じクラスだから一緒にいる時間も長いし……なにより真姫ちゃん、分かりやすいし」

真姫「わ、分かりやすいって……初めて言われたわよ…」

にこ（確かに時々すごい分かりやすいこともあるけど、常日頃からこれだけ真姫ちゃんのこと分かってるのはこの二人くらいよね…）

にこ（…凛が言った通り、それだけ仲が良いってことなんだろうけど。…だからこそ四人でっていう提案につながったんだろうし）

にこ（……にこがもし、μ’ｓのみんなと付き合いたいなんて言ったら、三人もやっぱり怒るかしら……いや、怒られるのはまだマシだけど、もし泣かれたりした日には、一生立ち直れないほどショック受けそう…）

花陽「…にこちゃん？　どうかした？」

にこ「あ、い、いや、なんでもない」

凛「でもにこちゃん、ボーッとしてたよ？」

真姫「…何か考え事でもしてたんじゃない？」

にこ「ううん、ほんとになんでもないから」

真姫「…」ｼﾞ

にこ（あ、あれは完全にこっちを疑ってる目…）

にこ「えっと……ただ今日のお弁当、上手く出来たなぁと思ってただけよ！」

にこ（って、なに自画自賛してんのよ…）

凛「そうなの？　凛も食べたい！」ｷﾗｷﾗｯ

にこ「あ、うん。じゃぁ…はい、あーん」ｽ

凛「あーんっ」ﾊﾟｸｯ

凛「んーっ……美味しい！　やっぱりにこちゃんは料理上手だね！」

にこ「ほ、褒めてもなにも出ないわよ。……もう一口食べる？」ｽ

凛「食べる！」ﾊﾟｸｯ

にこ（…可愛い）

花陽「……に、にこちゃん」

にこ「ん？」

花陽「凛ちゃんがにこちゃんのお弁当食べちゃったから、代わりに、私のを…」

にこ「え？　いや、そんな気使わなくても大丈夫よ」

花陽「……そ、そっか…」ｼｭﾝ

にこ「あ、あー、やっぱりせっかくだから貰ってもいい？」

花陽「うんっ」ﾊﾟｧｯ

にこ（真姫ちゃんより花陽のほうが断然分かりやすいと思うわ……素直ってことなんだろうけど）

花陽「じゃぁはい」ｽ

にこ「あーん」ﾊﾟｸ

にこ「ん、やっぱり花陽は料理上手ね」

花陽「えへへ…」

凛「かよちん、かよちん、凛も食べたい！」

花陽「うん、いいよー。あーん」

凛「あーんっ」ﾊﾟｸｯ

凛「ん～、やっぱりかよちんのお弁当もいつも美味しいにゃー」

花陽「ありがと、凛ちゃん」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

凛「にゃー」

にこ（ほんと、仲良いなぁ……というか、凛は本当にただの猫に見えるときがあるから困るわ…）

にこ（にしても、この間も穂乃果たちとこうしてご飯食べたような気が…、…）

真姫「……」ﾑｽｯ

にこ（…なんか、真姫ちゃんが分かりやすく拗ねてるわね。凛と花陽は微笑ましく笑い合ってるし……にこがなんとかしたほうがいいのかな…）

にこ「真姫ちゃん」ﾁｮｲﾁｮｲ

真姫「…なに」

にこ「よかったら真姫ちゃんも、にこにーのお弁当食べる？」

真姫「………食べる」ｺｸﾘ

にこ「うん。はい、あーん」

真姫「…あーん」ﾊﾟｸ

真姫「…」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

にこ「おいしい？」

真姫「…ん、美味しい」ｺｸﾘ

にこ（…なんか真姫ちゃんの仕草がいちいち子供っぽい。…まぁ元々二つも年下の子だし、当然といえば当然かもしれないけど）

凛「へへ、真姫ちゃん、嬉しそうだにゃー」ﾆｺﾆｺ

真姫「…凛にそう言われると、バカにされてる気がするわ」

凛「もー真姫ちゃんってば照れ屋さんなんだからーっ」ｷﾞｭｰｯ

真姫「ちょ、だ、抱き付かないでよ、サンドイッチが落ちちゃうでしょ！」

にこ（よく見れば真姫ちゃんまたトマトサンド食べてるし…）


花陽「…凛ちゃんと真姫ちゃん、仲良しだね」

にこ「…それ、花陽が言う？」

花陽「あはは…。……ねぇ、にこちゃん」

にこ「ん？」

花陽「私、やっぱりこうしてみんなと一緒にいるのが好き」

にこ「…にこも好きよ」

花陽「うん…でも、にこちゃんと二人きりでいるのも同じくらい好きなの……やっぱりそう思うのってワガママなのかな」

にこ「…別にワガママではないと思うけど」

にこ（にこみたいに、みんな一緒っていうほうがよっぽどワガママだろうし…）

花陽「……にこちゃん、やっぱり私たちと…」

凛「わーんっ、かよちん！　真姫ちゃんがいじめる！」ｷﾞｭｯ

真姫「べ、別にいじめてないでしょ。人聞き悪いこと言わないでよ」

花陽「凛ちゃん…」

凛「あれ？　ひょっとして、にこちゃんとなにかお話中だった？」

花陽「えっと……ううん、なんでもないよ。それより早くご飯食べないと休み時間終わっちゃうよ」

凛「あ、それもそうだね」

にこ（…今、花陽が言いかけたのって、やっぱり四人で付き合うって話のことよね）

にこ（穂乃果にも言われたし、そろそろちゃんとしないと…）

にこ（…けどそのためには、まず希と…それから絵里にも話さないと…）ﾊﾟｸ

真姫「……にこちゃん、やっぱり何か考え事してる？」

にこ「い、いや、そんなことないわよ」

真姫「…ならいいけど。何かあったなら、ちゃんと相談してよ」

にこ「ん、ありがと」

真姫「…」

にこ（とりあえず今日は普通に過ごして、土曜日、絵里と会うときに機会があったら話してみよう）

とりあえず今回の更新はこれで止めます
本当に短くてすみません

また昼か夜に再開したいと思います

お付き合いいただき、ありがとうございました

レスありがとうございます
すごくゆったりとですが、再開していきます

―――
――
―

にこ（さて、練習着に着替えたし、早速練習を……、……その前になんか口寂しいから飴食べとこ）

にこ（一個なら多分怒られないはず…）ｶﾞﾘｶﾞﾘ

穂乃果「はい、にこちゃん」ｽｯ

にこ「…？」

にこ「…ああ、くじね」

穂乃果「にこちゃん、いつまで経ってもくじに慣れないね…」

にこ「いや、最近忘れっぽくて…」

穂乃果「…歳？」

にこ「あんたと一つしか変わらないけどね。えっと…これってどっちのくじ？」

穂乃果「お夕飯のほうだよー」

にこ「ん、了解」

にこ（昨日は確か海未が夕飯作ってくれたんだっけ…ということは、海未のは抜いてあるのね）ｶﾞｻｺﾞｿ

にこ「じゃぁ…これで」ﾋｮｲ

穂乃果「だれだれ？」ﾋｮｺ


>>354
（結果。海未以外のメンバーの名前でお願いします）

縺医ｊ

にこ「絵里ね」

穂乃果「絵里ちゃんかぁ……って、ところで絵里ちゃんは？　まだ来てないよね？　あ、そういえば希ちゃんも」ｷｮﾛｷｮﾛ

海未「絵里と希は生徒会の仕事を片づけてから来ると連絡がありましたよ……って、さっきも言いましたよね？」

穂乃果「あれ、そうだっけ？」

にこ（穂乃果こそ人のこと言えない記憶力じゃない…）

穂乃果「じゃぁ次のくじは絵里ちゃんと…あと、昨日担当だった真姫ちゃんを外してっと…」ｶﾞｻｺﾞｿ

穂乃果「はい、どうぞ、にこちゃん！」

にこ「うん」ｶﾞｻｺﾞｿ

にこ「…」ﾋｮｲ


>>358
（結果。絵里・真姫以外のメンバーの名前でお願いします）

ことりちゃん

穂乃果「あ、ことりちゃんだ」

にこ（ことり……、ことりって穂乃果の勉強見てるときはすごい甘いイメージがあるけど…）ﾁﾗ

ことり「よろしくね、にこちゃん」ﾆｺｰ

にこ「あ、うん、よろしく」

穂乃果「よかったね、にこちゃん！　海未ちゃんと違ってことりちゃんなら優しく教えてくれるよ」

海未「私と違ってってどういう意味ですか…」

にこ「というか、それ以前ににこは一応三年なんだけど…」

凛「大丈夫だよ、にこちゃんの学力はみんな知ってるから！」

にこ「あんたにだけは慰められたくないわ…」

凛「失礼だにゃぁ…」

花陽「ま、まぁまぁ…」

真姫「…というか、さっさと練習始めない？」

穂乃果「あ、それもそうだね。じゃぁ絵里ちゃんと希ちゃんが来るまで私たちだけで頑張ろう！」

―――――

ﾜﾝ､ﾂｰ､ｽﾘｰ､ﾌｫｰ!


にこ（…そういえば、海未っていつも手拍子やってて大変ね……って、そんなこと考えてる場合じゃなかった。今は順番で休んでる最中なんだから、しっかり休まないと）

にこ「………」ｿﾜｿﾜ

にこ「……」ﾍﾟﾘｯ､ﾊﾟｸｯ

にこ「…」ｶﾞﾘｶﾞﾘ

穂乃果「にこちゃん、また飴？」

にこ「え、あ、いやー……ちょっとなにか食べたくて、つい」

穂乃果「そうなの？　あ、私も一つもらっていい？」

にこ「うん」

ことり「じゃぁことりもー」

にこ「どうぞどうぞ」

ことり「にこちゃんが食べてるの、なに味？」

にこ「ぶどう」

ことり「じゃぁことりも、ぶどうがいいなぁ」

にこ「あ、ごめん。ぶどうもう無い」

にこ（なんか前にも似たような会話した気が…）

ことり「そっかぁ……にこちゃんとお揃いがよかったけど、マスカットで我慢するよ」

穂乃果「なら私もマスカットー」ﾍﾟﾘｯ､ﾊﾟｸｯ

にこ「…あ、というか、にこは平気だけどあんたたちは休憩終わるまでに舐めきれるの？　あと数分で凛たちと交代よ」

穂乃果「そ、そういえばそうだね…」

ことり「でももう食べちゃったし……きっと大丈夫だよ」

穂乃果「そうだね。気合い入れて転がせばなんとかなるよ！」

―――――

海未「穂乃果、ことり……口に含んでいるものはなんですか…？」

穂乃果・ことり「飴です…」

にこ（やっぱり気合い入れても無理だったわね…）

海未「…にこ」ｼﾞﾄ

にこ「ご、ごめんなさい……あげたのはにこです」

海未「休憩時間に何をしようと自由ですが、練習の障害になるようなことは控えてください」

にこ「すみません…」ｼｭﾝ

海未「……ま、まぁ、怒ってるわけではないですけど。とりあえず二人は早いところ飴を食べきってください」

穂乃果・ことり「はーい」

凛「にしても、絵里ちゃんたち遅いにゃー」

花陽「そういえばそうだね。生徒会のお仕事がある日でも、これだけ遅いのは珍しいかも…」

真姫「よほど忙しいってことじゃない？」

穂乃果「早く来るといいねー」ｶﾞﾘｶﾞﾘ

ことり「そうだねー」ｶﾞﾘｶﾞﾘ

にこ（そういえばまだ水飲んでなかった…。練習始まる前にちょっと水飲んどこ……って、あれ？）ｶﾞｻｺﾞｿ

海未「にこ、どうかしましたか？」

にこ「あー…いや、ちょっとボトル部室に忘れたみたい。とってくるわ」

海未「はい、気を付けて」

にこ「ん」ｽｸ

にこ（にしてもボトル忘れるなんて……やっぱり歳なのかしら…いやいや、まだ女子高生だし…）ﾃｸﾃｸ


…、……ﾅｲﾖ


にこ（ん？　なんか、部室の中から声が聞こえるけど……あ、ひょっとして絵里たちかしら）


……ﾅﾝﾃﾞｼｮ?


にこ（…どことなく声のトーンが低い……真剣な話っぽいし、今は入らないほうがいいわね）

にこ（……とはいえ、どうしよう。トイレでも行って時間つぶすとか…？　それとも屋上に戻って誰かに水もらうとか…）

にこ（んー……って、あ、そうだ。水なら蛇口で飲めばいいんだった）ﾎﾟﾝ

にこ（よし、水道場いこ）ﾃｸﾃｸ

にこ（屋上に続く階段のすぐ近くに水道場があるっていうのに、すっかり失念してたわね…）ﾃｸﾃｸ

「あ」

にこ「え？　>>368？　なんでここに？」



（絵里と希がいるとホラーなので、それ以外のメンバーの名前でお願いします）

凛ちゃん

凛「にこちゃん！　ボトルもう取ってきたの？　早いね」

にこ「あ、いや、まだ。ちょっと事情があって……ってか凛、あんたなんでここにいんの？」

凛「汗かいちゃったから流しに来たの！」

にこ「なるほど」

凛「にこちゃんも一緒にどう？　気持ちいよー」ﾊﾞｼｬﾊﾞｼｬ

にこ「…あんたって、そうやって頭から水ぶっかける絵がすごく映えるわね」

凛「褒めてるの？」

にこ「褒めてるわ。スポーツ少女って感じ」

凛「えへへ、なら嬉しい！」ﾌﾙﾌﾙｯ

にこ「って、猫じゃないんだから水振り払おうとしないの。タオルは？」

凛「持ってきてない」

にこ「なんでよ！？」

凛「いや、忘れちゃって」

にこ「まったく…」

にこ「ほら、にこのハンカチ貸してあげるから、これで拭きなさい。振り払うよりはマシでしょ」ｽ

凛「いいの？　ありがと！」

凛「……えへへ。にこちゃんのハンカチ、かわいーね」

にこ「ま、まぁ、にこはセンスいいからね！」ﾄﾞﾔｯ

凛「そーだねー」

にこ「って、なんでここで棒読みなのよ…」

凛「気のせいだよー。ハンカチ、借りるね。洗って返すから」ﾌｷﾌｷ

にこ「いや、そのまんまでもいいわよ」

凛「いやいや、さすがの凛でもそれはデリカシーないって分かるにゃ」

凛「ところで、にこちゃんがさっき言ってた、事情ってなに？　部室でなにかあったの？」

にこ「あー……いや」

にこ（……絵里たちは秘密の話してるみたいだったし、言わないほうがいいわよね）

にこ「別に大したことじゃないんだけどね。なんとなく、ボトルはまたあとで取りに行けばいいかなぁって思って…」

凛「？」

にこ「あ、ちょっと水飲んでもいい？」

凛「うん……って、ここで飲むくらいならボトル取りに行けばいいんじゃ…？」

にこ「気にしない気にしない」

にこ（まぁ学校の水道水って微妙な味だし、あんまり好きじゃないんだけど…）ｷｭｯ

にこ「……」ｺﾞｸｺﾞｸ

凛「……」ｼﾞｰ

にこ（なんでこっち見てんのかしら…）ｺﾞｸｺﾞｸ

凛「…にこちゃんってやっぱり可愛いよね」

にこ「」ｹﾞﾎｯｺﾞﾎｯ

凛「わ、だ、大丈夫！？」

にこ「だ、大丈夫……ってか、なによ、いきなり…」

凛「いや、水飲んでるとこ見たらなんとなくそう思って」

にこ「なんとなくって………あんまりそういうことハッキリ言わないでよ」

凛「でもにこちゃん、普段は自分のこと可愛いって連呼してるにゃ」

にこ「それはそうだけど……あれはキャラだし。実際言われるのは…その…恥ずかしいでしょ、普通に…」

凛「…ふえー……」

凛「！」

にこ（…なんか嫌な予感がする）

凛「にっこちゃーんっ」ｷﾞｭｰｯ

にこ「…なによ」

凛「えへー。にこちゃん、可愛い！　大好き！」

にこ（なんというか…凛の行動って分かりやすいわね…）

にこ「あー、はいはい。分かったわよ」

凛「あれ、これは恥ずかしくないの？」

にこ「さすがにこういうのには免疫がついてきたからね」

にこ（穂乃果とか凛のおかげで）

凛「ちぇー、つまんないにゃー」

にこ「つまんないならさっさと離れなさいよ」

凛「んー、もうちょっとだけ」ｷﾞｭｰ

にこ（……そろそろ帰らないと海未たちに怒られそうなんだけど…）


希「あ、にこっち、凛ちゃん」

絵里「…何してるの？　こんなところで」


にこ「え？　…あ、希…と、絵里…」

凛「あ、絵里ちゃん、希ちゃん」ﾊﾟｯ

凛「生徒会のお仕事終わったの？」

希「うん、ついさっき」

にこ（ついさっきって……、やっぱり部室で何か話してたことは内緒ってこと？　…それともあれはただの世間話だったのかしら）

絵里「…ところで、二人はどうしてここに？　というか、何してたの？」

にこ「にこは水飲みに、凛は水浴びに来たの」

希「水浴び…」

絵里「抱きしめられてたのは？」

凛「ただのスキンシップだにゃー」

絵里「…なら、いいんだけど」

希「えっと…じゃぁせっかくやし、一緒に屋上いこか」

にこ「そ、そうね。海未たちも待ってるだろうし」

絵里「…」

にこ（すごく絵里の視線を感じる。でも、悪いけど無視しとこう……）

―――
――
―

にこ「……練習、疲れたわね…」

ことり「そうだねー…」

にこ「…ごめんね、付き合わせちゃって」

ことり「ううん、平気。ことりも宿題は早めに片づけたいって思ってたから」

にこ「じゃ、一緒に頑張りましょうか」

ことり「うんっ」



にこ「……」ｶﾘｶﾘ

ことり「……」ｶﾘｶﾘ

にこ（…ことりって意外と真面目なのね。穂乃果と一緒にいるときはテンション合わせてるのかしら）

にこ「……」ﾁﾗ

ことり「……」ｶﾘｶﾘ

にこ（…すごい真面目な顔でうさぎの絵を描いてた……）

にこ「…ことり」

ことり「なに？」

にこ「にこが言うのもなんだけど、勉強しなくていいの？」

ことり「あー……ちょっと飽きちゃって……」

にこ「えっと……休憩する？」

ことり「ううん、もうちょっと頑張る」

にこ「ん」

にこ（とはいえ、にこもそろそろ疲れてきたところだったんだけど……とりあえずもう少し頑張ろう…）ｶﾘｶﾘ

―――――

ことり「ふえぇー……授業以外でこんなに集中したの久しぶりかも…」

にこ「いつも練習の時、集中してないの？」

ことり「言葉のあやだよー。それより、お疲れ様。にこちゃん頑張ってたね」

にこ「ことりもね。…ノート、らくがきだらけになってるけど」

ことり「あはは…」

ことり「それよりせっかく休憩してるんだし、なにかお話しようよ」

にこ「話って？」

ことり「穂乃果ちゃんと海未ちゃんのことについて、かなぁ」

にこ「…本当に好きね、あの二人のこと」

ことり「好きだよ。幼なじみだもん。…にこちゃんのことも、同じくらい好きだけどね」

ことり「…だから、やっぱり早めに返事ほしいなぁ」

にこ（返事って……もちろん、告白のことよね…）

にこ「…極力、頑張るわ」

ことり「うん。ごめんね、急かすようなこと言っちゃって」

にこ「いや、全然」

にこ（むしろ今まで言われなかったことが不思議だったくらいだし…）

ことり「……」

にこ「……」

ことり「……よし！」

にこ「ど、どうしたの？」

ことり「にこちゃんに質問です」

にこ「質問？」

ことり「にこちゃんは、どういう時にドキドキしたりする？」

にこ「ドキドキって……なによ、その質問」

ことり「いや、前に読んだ漫画に恋といえばドキドキって書いてあったから」

ことり「にこちゃんのことドキドキさせられたら、ことりのこと少しは意識してくれるかなぁって」

にこ（もう十分意識はしてるんだけど……いや、というか…）

にこ「…幼なじみって、言うことまで似るものなのね」

ことり「え？」

にこ「いや、なんでもない」

にこ（穂乃果にも何度も同じこと言われてたし…）

ことり「…それで、どうやったらドキドキしてくれる？」

にこ「いや、そんな突然聞かれても…」

ことり「手を繋ぐのは？」ｷﾞｭ

にこ「……べ、別に、こんなのにいちいちドキドキしてたら大変でしょ」

ことり「んー…でも抱きつくのは穂乃果ちゃんたちがしょっちゅうやってるし…」

にこ（ことりがやるのはまた違うと思うんだけど…言わないでおこう）

ことり「……じゃぁ、キスとか？」

にこ「そ、それは、どうかと思うわ」

ことり「そういえば前にもこういう話したよね。ファーストキスうんぬん」

にこ「う、うん」

にこ「……えっと、別の話しない？」

ことり「しない」

にこ「そうですか…」

にこ（ど、どうしよう……なんとか誤魔化さないと…）

ことり「……ねぇ、にこちゃん」

にこ「は、はい」

ことり「ことり、小さい頃からずっと初めてのキスは好きな人とがいいって決めてたの」

にこ「そ、そう。素敵よね、そういうの」

ことり「……叶えてくれない？」

にこ「……て、手！」

ことり「手？」

にこ「…手、繋ぐだけでも、ドキドキ、します」

ことり「……じゃぁ手で我慢する」ｷﾞｭ

にこ「……ごめん」

ことり「ううん、いいよ。…ちょっと残念だけど」

にこ（……こういうことはちゃんとみんなと話し合ってからじゃないと、卑怯というか……最低な行為になっちゃうし…）

ことり「…にこちゃん」

にこ「なに？」

ことり「目、つむって？」

にこ「へ？　うん」ｷｭ

ことり「……にこちゃんってホント無防備だよね」

にこ「いや、あんたが瞑れって言ったんじゃない」

ことり「そうだけど…」

にこ（…って、そういえば前にもこんなことあったような気が…）

ことり「……にこちゃん、好きだよ」ﾁｭ

にこ「っ」ﾋﾞｸｯ

ことり「えへへ…ほっぺたにならいいよね？」

ことり「ちょっとはドキドキしてくれた？」

にこ「………べ、勉強再開しましょう」

ことり「気づいてないかもしれないけど、顔、赤いよ」

にこ「わ、わざわざ指摘しないでよ…」

ことり「ふふ。あ、にこちゃん、素直なのは可愛くていいけど、あんまり無防備すぎるとそのうち大変なことになっちゃうから、気を付けたほうがいいよ」

にこ「う、うん」

にこ（大変なことってなに…？）

ことり「よーし、じゃぁ勉強再開だね」

にこ「今度はらくがきしないようにね」

ことり「気をつけます…。あ、でもこのウサギさん上手く描けたんだよ」

にこ「あ、ホントだ可愛い……って、そういう問題じゃなくて」

ことり「うん、分かってるよ。にこちゃんが真面目にやってるんだもん、ことりも真面目に頑張る」

にこ「ん」

にこ（…とはいっても、にこのほうも分かんないとこはほとんど飛ばしちゃってるんだけど。さすがにことりに聞くわけにもいかないし…）ｶﾘｶﾘ

ことり「あ、そういえばにこちゃん」ｶﾘｶﾘ

にこ「ん？」

ことり「今日、絵里ちゃんがご飯作ってるんだよね？」

にこ「うん」

ことり「ダメだよ」

にこ「…なにが？」

ことり「絵里ちゃんと一緒のときにあんまり変なこと言っちゃダメだよってこと」

にこ「変なことって？」

ことり「んー……具体的にこんな感じとは言えないけど…。…とりあえず、さっきも言ったけど、無防備な行動は控えたほうがいいと思うよ」

にこ「…まぁ、そう言うなら気を付けるけど…」

ことり「うん。本当に、食べられないように気を付けてね」

にこ「た、食べ…？」

にこ（え、なんなの、絵里って人食べるの…？）

今回の更新はここで止めます
また昼か夜にでも再開したいと思います

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました

最近更新頻度低くてすみません

レスありがとうございます
ゆっくりになりますが、更新再開していきます

今更言うのもなんだがことりちゃんにキスしてやれよ
他の人とはしてるんだからむしろしない方が最低ﾁｭﾝ(・8・)

毎日待ち焦がれてる(*´ω｀*)

―――
――
―

ことり「じゃぁにこちゃん、またね」

にこ「ん、気を付けて帰るのよ」

ことり「にこちゃんの方こそね」

にこ「にこは大丈夫よ。三年生なんだし、知らない人にもついていったことないし」

ことり「そうじゃなくて……まぁいいや。なにかあったら大声出して逃げるんだよ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

にこ「わ、分かってるわよ」

にこ（なにこの子供あつかい……）

ことり「じゃぁね」

にこ「うん、また」ﾋﾗﾋﾗ

絵里と何も無い訳がない(´・8・`;)

ｶﾞﾁｬ

にこ「ただいまー」

絵里「おかえりなさい」

にこ「！？」ﾋﾞｸｯ

にこ「た、ただいま……なんで玄関で待ち構えてたの？」

絵里「そろそろ帰って来る頃かなって思ったらジャストだったの」

にこ「すごい勘ね……。ところで、こころたちは？」

絵里「今は食器運ぶの手伝ってくれてるわ」

にこ「そう…」

にこ（なんか最近、全然夕飯の準備手伝えてなくて、すごい申し訳ない…）

絵里「にこも手洗ったら台所に来てね」

にこ「うん」


ﾃｸﾃｸ

にこ（ちゃっちゃと洗って手伝いに行こう）

にこ（そういえば今日のご飯なにかな…）ﾊﾞｼｬﾊﾞｼｬ

ﾋﾟﾘﾘﾘﾘｯ


にこ（なんか携帯鳴ってる……メール？）

ﾋﾟﾘﾘﾘｯ

にこ（って、電話か……誰よこんな時に）

にこ（とりあえず石鹸を洗い流して、手、拭いて……っと、よし。早く出ないと切れちゃうかも）ﾋﾟｯ

にこ「はい、もしもし？」

にこ（…あ、しまった。また誰か確認せずに出ちゃった……まぁいっか。声で分かるでしょ）



>>404

（電話の相手。さすがに絵里だと怖いので絵里以外でお願いします）

穂乃果ちゃん

穂乃果

>>1に質問です。料理当番が複数はダメですか？２年生ﾄﾘｵ集合とか

>>406
あまり多すぎると処理できなくなりますが、三人くらいまでになら大丈夫です
ただ次の週にはお話が終わりかけてる気がするので、くじの安価を出せるかが怪しいところですが、ご了承ください

了解です回答ありがとうございます

穂乃果『あっ、にこちゃーんっ！』

にこ（本当にすぐ分かったわ）

にこ「穂乃果、どうしたの？」

穂乃果『にこちゃんとお話したくて』

にこ「いや、お話って……あんた、今日は絵里が来てるって知ってるでしょ？」

穂乃果『うん、分かってる。だから冗談。本当は用あるよ』

にこ「で、用って？」

穂乃果『うん、あのね>>411』



（用件。ざっくりとしたものでも大丈夫です）

二年とにこちゃんでデート

安価↓2

穂乃果『今週の日曜日のこと覚えてる？』

にこ「へ？　今週のって……えっと」

にこ（海未とのことよね？　…でも本当にそのこととは限らないし…）

穂乃果『海未ちゃんとデートする約束してるでしょ？』

にこ「うん……って、なんで穂乃果が知ってんのよ」

穂乃果『海未ちゃんに聞いたから。その日ね、私たちも一緒にデートすることになったから』

にこ「私たちって？」

穂乃果『私とことりちゃん』

にこ「えっと……つまり、四人一緒ってこと？」

穂乃果『うん、そういうこと。今日、ことりちゃんに言っておいてって頼んでたんだけど…ことりちゃん言い忘れてたらしくて、代わりに私が電話したの』

にこ「なるほど……、ちなみにそれって海未は了承してるの？」

穂乃果『そりゃもちろん。というかそもそも、提案してきたのは海未ちゃんだよ』

にこ「海未が？」

いや！土曜日ならデート出来るぞ
一日中膝枕する訳じゃないし…

セクシーポーズしながら膝枕

色々発言すまない静観してます

穂乃果『にこちゃんと二人きりになるのは、私とことりちゃんに悪い気がしてって言ってた』

にこ「なんというか……海未らしいわ」

穂乃果『真面目さんだよねー。そこが可愛いけど』

穂乃果『というわけで、日曜日はよろしくね、にこちゃん』

にこ「はいはい。じゃ、そろそろ切るわよ」

穂乃果『はーい。また日曜日にね』

にこ「ん」ﾋﾟｯ

にこ（しかし当日に言えばいいのに、穂乃果も変なとこで律儀ね）

にこ（…と、早く絵里たちのとこに行かなきゃ…）ｸﾙ

絵里「電話終わった？」

にこ「ひゃぁうっ！？」ﾋﾞｯｸｩｯ

にこ「えええ、絵里！？」

絵里「そんなに驚かなくても…」

にこ「いや…まさかそんなとこにいるなんて思わなかったから」

にこ（というか、帰って来た時といい、驚かされすぎね）

絵里「にこが遅いから様子見に来たのよ。こころちゃんたちも心配してたわよ」

にこ「え、そんなに時間経ってた…？」

絵里「手を洗いに行っただけにしてはね。けど電話してたなら仕方ないわ」

にこ「ごめんね。じゃぁ早く手伝いに…」

絵里「ところで、電話誰からだったの？」

にこ「穂乃果から」

絵里「穂乃果……そう。じゃ、行きましょうか」

にこ「うん」

―――――

ここあ「えりちゃんのハンバーグおいしい！」ｶﾞﾂｶﾞﾂ

絵里「ふふ、ありがとう。ゆっくり食べてね」

ここあ「うんっ」

にこ（しかし、四人でデート……それってもうデートっていうのか怪しいところだけど…）

こころ「……」ﾊﾟｸ

にこ（…四人で食事とかした場合って、先輩としてにこが全部おごるべきなのかしら…）

こころ「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

にこ（お金たりるかなぁ…）

こころ「……」ｺﾞｯｸﾝ

こころ「…にこにー」ｸｲｸｲ

にこ「ん？」

こころ「ごはん、食べないの？」

にこ「あ」

にこ（考えるのに夢中で忘れてた…）

にこ「あ、うん、食べる食べる」

こころ「…にこにー、元気ないの？」

にこ「へ？　いや、全然元気よ」

絵里「ダメじゃない、にこ。ちゃんと食べないと大きくなれないわよ」

にこ「怒るわよ」ﾊﾟｸ

にこ（……おいしい）

こころ「……にこにー」ｸｲｸｲ

にこ「なに？」

こころ「はい」ｽ

にこ「…？」

こころ「あーん」

にこ「え、えっと…？」

にこ（どうしたのかしら、急に…）ﾊﾟｸ

にこ「ありがとう、こころ」

こころ「…元気出た？」

にこ「あ、うん、すごく」

こころ「よかったー」ﾊﾟｧｯ

にこ（なんでこの子こんなに天使なのかしら…）

ここあ「こころズルい！　ここあもにこにーにあーんってする！　はい！」ｽｯ

にこ「あ、うん、あーん」ﾊﾟｸ

絵里「じゃぁ私も…」ｽ

にこ「いや、それはおかしいでしょ…」

絵里「私だけ差別するのね…」ｼｭﾝ

ここあ「にこにーひどい…！」

にこ「わ、分かったわよ、食べればいいんでしょ、食べれば！」ﾊﾟｸｯ

絵里「ふふ。…美味しい？」

にこ「……おいしいわよ」

絵里「うん、よかった」

にこ（…なんか最近、本当に食べさせられてばっかりね…）

―――――

ここあ「えりちゃん、えりちゃん」ｸｲｯ

絵里「ん？」

ここあ「これね、友達にかりたの！」ｼﾞｬﾝｯ

絵里「えっと、これは…？」

にこ「ここあが好きなヒーロー特撮もののＤＶＤ」

絵里「ああ…確か朝にやってるのよね」

ここあ「うんっ。これね、今日きてくれたにこにーのお友達とみたいなって思ってたの！」

絵里「えっと……」ﾁﾗ

にこ「あー……その、ダメよ、ここあ。遅くなると絵里に迷惑かかるでしょ」

ここあ「えぇー…」ｼｮﾝﾎﾞﾘ

絵里「私は全然かまわないけど」

にこ「え、いや、でも…」

絵里「…にこさえよければだけど」

にこ「………じゃぁ、みんなで見よっか」

にこ（…って、言わないと、ここあが拗ねそうだし）

ここあ「やった！」

―――――

ここあ「…」ｸｶｰｯ

にこ「…で、こうなるのよね、結局…」ｶﾞｯｸﾘ

絵里「本当に寝つきいいわね…」

にこ「まぁここあの場合、日中散々動き回ってるだろし。落ち着きがないのよ」

絵里「にこにそっくりね」

にこ「どこがよ…」

にこ「……で、」ﾁﾗﾘ

こころ「…むにゃ…」ｽｰｽｰ

にこ「こころも見事に寝ちゃったわね」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

絵里「…じゃぁ二人も寝ちゃったし、私はそろそろお暇させてもらうわ」

にこ「ん。じゃ、送ってくわ」

絵里「別に平気よ」

にこ「いいから。もう暗いし、心配だし」

絵里「……まさかにこに心配される日がくるとはね…」

にこ「どういう意味よ…」

にこ（鍵をしっかりかけて、と）ｶﾞﾁｬ

にこ「じゃ、行きましょうか」

絵里「ええ。…気が付けば結構暗くなってたのね」

にこ「もう大分遅い時間だしね。ごめんね、こんな時間まで付き合わせちゃって」

絵里「いいのよ別に。……それにしても、こんな遅くまで一緒にいたって思うと、なんだか嬉しいわね」

にこ「なにが嬉しいのかはよく分からないけど……一緒に特撮見てただけじゃない」

絵里「…にこはロマンチックな雰囲気とか、そういうの作る気がまったくないわよね」

にこ「いや、この場でロマンチックになっても困るでしょ…」

絵里「それもそうね。じゃぁそういうのは明日ってことで」

にこ（…そういえば、明日も絵里と会うことになってたんだっけ…）

絵里「明日、楽しみに待ってるからね」

にこ「楽しみにされても困るんだけど……」

にこ（……明日は絵里と二人きりになるわけだし、ちゃんと話さないとね）ｺｸ

絵里「……ねぇにこ」

にこ「ん？」

絵里「なんか今日はやけに考え事する頻度が高くない？」

にこ「え、あ、いや、にこだってたまには悩む日もあるわよ。人間だし」

絵里「そう……まぁいいけど。それより、家の近くにつくまで、何か話さない？」

にこ「そうね。えっと……なに話す？」

絵里「>>429とか」



（話題。ざっくりとしたものでも大丈夫です）

希のこと

絵里「希のこととか」

にこ「…あんたも結構、希好きよね」

絵里「好きにならない理由がないじゃない」

にこ「……ぐうの音も出ないわ」

絵里「でしょう」

にこ「で、希の話って…あいつの胸の話とか？」

絵里「なんでそうなるのよ…」

にこ「いや、なんとなく」

絵里「なんとなくって……まぁいいわ。胸云々は置いておいて、にこは前に希のこと好きだって言ってたじゃない」

にこ「…言ったっけ？」

絵里「言ったわよ。大体、μ’ｓのみんなのことが好きだって言うなら、希も含まれるでしょ」

にこ「……まぁね」

にこ（ただ、希はにこのこと、完全にただの友達だと思ってるだろうけど）

絵里「……この間ね、真姫が言ってたじゃない。真姫たちは四人で付き合うことを提案してるって」

絵里「私、あの日、すごくスッキリしたのよ」

にこ「すっきり…？」

絵里「私は今までお付き合いというものは一対一が当たり前だと思ってたの」

にこ「いや、実際日本ではそれが普通だと思うんだけど……」

絵里「まぁそうなんだろうけど。でも、お互いが了承してる状態なら、そういう形もアリなんじゃないかなって」

にこ（アリ……だったら、いいんだけど…）

絵里「だからね、私は希と一緒に、にこと付き合いたいと思ってるわ」

にこ「………。………はい？」

絵里「すごく間抜けな顔してるわよ」

にこ「いや……だって、絵里、あんた自分がなに言ってるか分かってるの？」

絵里「もちろん」

にこ「……あのね、希はにこのこと、友達としてしか見てないのよ？」

絵里「……ああ、まだその段階だったのね」

にこ「え？」

絵里「いえ、ごめんなさい、こっちの話。まぁとにかく、考えておいて」

にこ「ちょちょ、ちょっと待ちなさいよ！　希はこのこと納得してんの？」

絵里「全然」

にこ「えぇっ！？」

絵里「さっき話したらね、呆れられちゃった」

にこ「そりゃそうでしょ……。友達と付き合えって言われること自体、変なことだし……しかも三人でとか…」

絵里「……んー…」

にこ「…なによ？」

絵里「いや、にこはもう少し鋭くなったほうがいいかもしれないと思って」

にこ「どういう意味…？」

絵里「それは私の口からは言えないわ。怒られちゃうもの」

にこ「…？」

絵里「でも、私は本気で考えてるわよ。私と希なら気も合うし、にこだってそうでしょう？」

にこ「いや、だからって……」

絵里「…それとも、真姫たちのほうがいいの？」

にこ「……誰もそんなこと言ってないでしょ」

にこ（そもそもにこはみんな一緒にって思って……って、さすがにこのタイミングで言うのは絶対マズいわね…）

絵里「私と希なら絶対にあなたを幸せに出来る自信があるんだけどね」

にこ「なによその根拠のない自信……というか、希が納得してないんじゃ叶いようがないじゃない」

絵里「にこさえその気になってくれれば、後は大丈夫だと思うわよ」

にこ（意味が分からない…）

絵里「……さて、言いたいこともちゃんと言えたし、送るのはここまででいいわ」

にこ「え、でも…」

絵里「大丈夫。ここら辺は街灯もあるし、危なくないわ。それに、もしもこころちゃんたちが起きちゃって、その時にこがいなかったら、不安になっちゃうでしょ」

にこ「……じゃぁ、また明日ね」

絵里「ええ」

絵里「…ねぇ、にこ」

にこ「ん？」

絵里「希のこと、好きなのよね？」

にこ「ま、まぁ……って、何度も言わせないでよ」

絵里「…じゃぁ、私のことは？」

にこ「………聞かなくても分かってんでしょ。前に言ったんだし」

絵里「ちゃんと伝えてほしいのよ。ね、好きって言って」

にこ「……」



>>436
言うor言わない

言わないふりして不意打ちで言う

にこ「…」ｼﾞ

絵里「…ダメ？」

にこ（な、なんか微妙に寂しそうな顔してるし、言ってあげたいけど……でも真正面から言うのは恥ずかしいし…）

にこ「…と、とりあえず、また明日ね」ﾀｯﾀｯﾀｯ

絵里「あ、にこ……もう……」

絵里「…また明日ね」ﾋﾗﾋﾗ

にこ（……よし、ここまで距離をとれば、さすがにちょっとは恥ずかしくない）

にこ「…絵里！」

絵里「？」

にこ「にこは絵里のことも……その、好きよ」

絵里「っ……ほ、ほんと？」

にこ「こんな恥ずかしいこと、嘘で言うわけないでしょ」

絵里「……そう…」

にこ（絵里が照れてるのってなんか珍しい気がする…）

にこ「…えっと、じゃぁ、そういうことだから、にこはこれで帰るわ」

絵里「あ、ちょ、ちょっと待って」ﾊﾟｼｯ

にこ「…なに？」

にこ（というか、一瞬で距離詰められたわね…）

絵里「ありがとう。…私も大好きよ」

にこ「う、うん」

にこ（無性に恥ずかしいんだけど……絵里はよく平気ね。ロシアだからかしら…）

絵里「……なんというか、今こそチャンスだと思うの」

にこ「チャンス？」

絵里「キスしていい？」

にこ「なっ……なんでいきなりそうなんのよ」

絵里「いいじゃない。好き同士なんだし…ね？」ｷﾞｭ

にこ「い、いや、それとこれとは……じゃなくて、今日はダメ」

絵里「…今日はってどういうこと？」

にこ「あ、いや、ちょっと考えてることがあって……」

にこ（ことりのことも拒否しちゃったし、絵里だけ受け入れるわけにはいかないわよね）

絵里「……分かったわ。にこに考えがあるって言うなら、従う」ﾊﾟ

にこ「あ、ありがとう」

絵里「…ただ、今日はっていうのは、明日はいいってことだと解釈するから」

にこ「えっ」

絵里「待ってるから。明日、私の家で」

にこ「あ、いや、絵里…」

絵里「じゃぁまた明日ね」ﾀｯﾀｯﾀｯ

にこ「ちょ、ちょっと待ちなさいよ！　……って、ホントに帰っちゃったし…」

にこ（明日……にこがあの話をしても、絵里は愛想尽かさないでいてくれるのかしら…）

にこ（……嫌われたらどうしよう……って、今更そんな心配しても仕方ないわよね）ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

にこ（…とりあえず早く帰って寝よ）

―――――

ｶﾞﾁｬ

にこ（ただいま……と、声出したらこころたち起きちゃいそうだしね）

こころ「にこにーっ」ﾀｯﾀｯﾀｯ

にこ「へ？　こころ？」

こころ「っ」ｷﾞｭｯ

にこ「え、ちょ、どうしたの？　大丈夫？　というか、なんで起きてるの？」

こころ「目さめたら、にこにーいなかったから……どこか行っちゃったのかなって、思って…」ｸﾞｽｯ

にこ「あー……ごめんね。ちょっと絵里を送っていってたの」

にこ（しかし、見事に絵里の言った通りになったわね…）

こころ「にこにー…」ｷﾞｭｰ

にこ「もうどこにもいかないから。ほら、早く寝ないと明日寝坊しちゃうわよ」

こころ「……にこにーも、一緒…」

にこ「え？」

こころ「にこにーも一緒に寝て…こころたちの部屋で」

にこ「んー……そうね。じゃぁにこにーも一緒に寝るわ」

こころ「ありがとうっ」

にこ（こころがこんなこと言うなんて、よほど寂しかったのね…）

にこ「よし、じゃぁにこにーちょっと着替えてくるから、待っててね」

こころ「…こころも、ついてく」ｷﾞｭ

にこ（不謹慎だけど、なんか可愛い…）

―――――

ここあ「んにゃー……ヒーローきぃっくー！」ｹﾞｼｯ

にこ「いたっ……って、またここあね…。これで一体何度目よ……こんなに寝相悪いとは思わなかったわ…」ﾊｧ

にこ（とりあえず、ここあを元の位置に戻して…）

にこ（…よし、寝よう…）ｷｭ

ここあ「……」ｽｰｽｰ

ここあ「んー……ぱーんちっ！」ﾎﾟｶｯ

にこ「」ｲﾗｯ


―――
――
―

にこ「……ん…」ﾊﾟﾁ

にこ（…朝……？　結局あの後、ここあに蹴られたりパンチされたりで、あんまり眠れなかったわね…）ﾑｸﾘ

ここあ「んにゃ……」ｺﾞﾛﾝ

にこ（…しかも、にこの上に乗っかって寝てるし…どうりで寝苦しいと思った）

にこ（……あれ？　というか、今何時？　携帯、携帯…）ﾋﾟｯ

【不在着信：三十四件】

にこ「！？」

にこ「えっ、な、なにこの数……って、全部絵里から……なんで…って、え？　今、もう十二時…？」

にこ（……ね、寝坊したー……！）

にこ（やばい…と、とりあえず、ここあたち起こそう！）

にこ「ここあ、こころ、起きて！」ﾕｻﾕｻ

こころ「ん……にこにー？」ﾑｸﾘ

ここあ「なーにー？」

にこ「もうお昼よ！　起きて！」

こころ「えっ、うそっ！」

ここあ「今日お昼から友達と遊ぶ約束あるのに！」

にこ「と、とりあえず急いで着替えましょう」

こころ・ここあ「うんっ」

にこ（えっと、とりあえず昼ご飯作って……ああ、でも絵里に連絡しないと…いや、けどここあたちが友達と遊ぶなら早めにご飯済ませないとダメだし…）

にこ（…絵里、こころ、ここあ、ご飯………とりあえずご飯！）ｻｯ

にこ（チャーハンでいっか。具材出して、包丁で刻んで、炒める！）ﾁｬｯﾁｬｯ

ﾋﾟﾘﾘﾘｯ

にこ「！？」

にこ（まずい、絵里から電話……でも今、火使ってるし……）



>>450
出るor出ない

出ない

にこ（下手に手を放して家事にでもなったら大変だし……ごめん、絵里！　あとでちゃんとかけるから！）

ﾋﾟﾘﾘﾘｯ､ﾋﾟﾘﾘﾘｯ

にこ（…すごい罪悪感が…）

―――――

こころ「いってきます」

ここあ「いってきまーす！」

にこ「いってらっしゃーい」

にこ（はぁ……なんとか無事に送り出せたわ…。ここあがいちいち服がないとか鞄がないとか騒いでたから、忙しかった）

にこ「…さて、絵里に電話しないと。あの後も何度かかかってきたけど、結局忙しくて出れなかったしね…」ﾋﾟｯ

にこ（……着信が、すごく増えてる…）

にこ（よし、電話しよう…）ﾋﾟｯ

すみません、絵里が可哀想なことになってますが、今回の更新はここで止めます
次こそはまた夜に再開したいと思います

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました

レスありがとうございます
ゆったり再開していきます

ﾋﾟﾘﾘﾘｯ

ﾋﾟﾘﾘﾘｯ

にこ（……出ない…！）ﾋﾟｯ

にこ（え、なに、もしかして怒ってる…？　絵里が電話に出ないなんて、よほど怒ってるってことなの…？）

にこ（まぁこんな何回も無視すればね……にこが逆の立場なら怒ってるだろうし…）

にこ（急いで絵里の家に行こう…）

―――――

ﾋﾟｰﾝﾎﾟｰﾝ


にこ「………」

にこ（……え、まさか誰もいないの？　それともシカトされたとか…？）

にこ（…とりあえず、絵里にもう一回電話を…）


ﾀﾀﾀﾀｯ､ｶﾞﾁｬ


絵里「……っ、にこ…」

にこ「あ、絵里、遅れてごめん……ってか、なんか髪ボサボサじゃない…？」

絵里「こ、これは、その……今まで寝てて…」

にこ「寝てた？　……あ、だから電話に出なかったのね」

絵里「え、電話くれてたの？　ごめんなさい、気づかなくて…」

にこ「あ、いや、全然。どう考えても悪いのはにこのほうだし」

絵里「…あの、ところでどうして私の電話に出てくれなかったの…？」

にこ「あー…ごめん。実はにこ、昨日の夜あんまり眠れなくて……その、普通に寝坊しました…」

絵里「ね、寝坊…」

にこ「面目ないわ…。あと、こころとここあの支度の準備でバタバタしてて、折り返し電話も出来なくて…」

絵里「…そう。けど、それならよかった」

絵里「もしかしてにこに嫌われたんじゃないかって、不安だったから…」

にこ「…ひょっとして、それで寝てたの？」

絵里「……わ、悪い？」

にこ「いや、悪くはないけど……ホントにごめんね。えっと、今からでも絵里の家にお邪魔してもいい？」

絵里「もちろんよ。…というか、ここまで来てくれたのに追い返すほど鬼じゃないわ」

にこ「ありがと」

―――――

絵里「はい、どうぞ。あ、飲み物が紅茶しかなかったんだけど、よかった？」ｶﾁｬ

にこ「うん」

にこ（…このクッキー高そうだなぁ）ﾊﾟｸ

絵里「……」

にこ「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

絵里「……」

にこ「……」ｺﾞｸｺﾞｸ

絵里「……あの、にこ」

にこ「ん？」

絵里「お茶を出した私が言うのもなんだけど、何しに来たか覚えてる？」

にこ「……あ、うん、もちろん」

にこ（そうだ、膝枕の約束を果たしに来たんだった……ちょっと忘れかけてた）

にこ「あの、じゃ、じゃぁ、」

にこ（とりあえずお茶を置いて、と）ｶﾁｬ

にこ「正座したほうがいいわよね」ｲｿｲｿ

絵里「あ、うん」

にこ「えっと……ど、どうぞ」

絵里「どうぞって……なんかムードないわね」

にこ「膝枕にムードもなにもないでしょ。ほら、早く」ﾎﾟﾝﾎﾟﾝ

絵里「じゃぁ、失礼します」ｺﾞﾛ

にこ「……」

にこ（そういえば前に膝枕されたことはあったけど、するのは初めてだっけ）

絵里「……にこの膝って思ったよりやわらかいのね」

にこ「思ったよりっていうのがすごく引っかかるんだけど……」

絵里「一応褒めてるのよ。にこの足ってすらっと細いから、やわらかくはなさそうだなって思ってたから」

にこ（褒めてるようには聞こえないんだけど…）

絵里「…そういえば、あの下級生の子」

にこ「……ああ、絵里に告白してた子？」

絵里「うん。あの子ね、色々無茶苦茶なこと言ってたけど……私の目を見て真っ直ぐに好きだって言ってくれたの」

にこ「…そう」

絵里「やっぱり誰であろうと、人に好意を寄せられるのって嬉しいものね。…だからこそ、あの後その子に怒られたのには本当に凹んだんだけどね」

にこ「……」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

にこ（真っ直ぐに好き、ね…）

にこ（…にこは一度もそういう風に好きだって言えてないわね……誰相手にも）

にこ（なんというか、情けないわ…）ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

絵里「……あの、にこ」

にこ「んー？」

絵里「頭を撫でてくれるのは、すごく嬉しいの」

にこ（…あ、しまった。ほとんど無意識だった……ここあたちといるとこういう癖つくわね）

絵里「けど、ちょっと恥ずかしいかなって……」

にこ「ご、ごめん」ﾊﾟ

絵里「ううん、慰めてって言ったのは私だから。…それに、嫌ってわけじゃないから。にこにされることなら、どんなことでも嬉しい」

にこ「っ……あ、そ、そういえば、今日絵里のお母さんとか亜里沙ちゃんは？　まだ会ってないんだけど…」

絵里「出かけてるわ」

にこ「えっ」

絵里「亜里沙は友達の家に遊びに、両親はそろって買い物に。…二人きりだからにこを呼んだに決まってるじゃない」

にこ「そ、そう」

にこ（なんか妙に含みのある言い方だけど、詮索しないでおこう…）

にこ「……」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

にこ（それにしても、絵里の髪ってふわふわしてるわね……にことは違った髪質だから、ちょっとうらやましいかも）ｻﾗｻﾗ

絵里「……」

にこ「……」ﾅﾃﾞ

絵里「……」

にこ「……あの、ところで絵里」

絵里「なに？」

にこ「にこはいつまでこうしてればいい？」

にこ（言えないけど、そろそろ足のしびれがヤバいのよね…）

絵里「……そうね。もう結構時間経ったし、やめましょうか」ﾑｸﾘ

にこ「え、もういいの？」

絵里「そろそろ足がしびれてきたでしょ」

にこ（さすが絵里、鋭い…）

にこ「ごめんね」

絵里「いいわよ。十分癒されたし」

絵里「じゃぁせっかく来てくれたんだから、何かして遊ぶ？　あ、映画のＤＶＤとかあるけど」

にこ「あ、そ、その前に、ちょっといい？」

絵里「なに？」

にこ（話すなら早いうちじゃないと、だんだん話す勇気がなくなってきそうだし……今は二人きりだし、ちょうどいいわよね）

にこ「えっと……」

絵里「…何か言いづらいことなの？」

にこ「言いづらいというか……その、ちょっと真剣な話」

にこ「…昨日の夜、言ってくれたでしょ。絵里と希とにこで付き合いたいって思ってるって」

絵里「ええ」

にこ「……今まで何度か言った通り、にこはμ’ｓのみんなのことが好き」

にこ「だから……その、にこは、出来ればμ’ｓのみんなと付き合いたいの」

絵里「……」

にこ「……」

絵里「……」

にこ（こ、この沈黙……気まずい。いや、にこが変なこと言ったんだから仕方ないんだけど）

絵里「…みんなとって、本気で思ってるの？」

にこ「…うん」

絵里「…八股ってこと？」

にこ「い、言い方は嫌だけど……そうなるんだと思う」

絵里「……そう。つまり私と希だけじゃ不満だってことね」

にこ「不満とかそういうわけじゃなくて……にこは誰が一番とか選べなくて…みんなのこと同じくらい好きで……その…」

にこ（……なんか、なにを言っても最低な言い訳にしか聞こえないわね…）

絵里「同じくらい好きだから、みんなと付き合いたいってこと？」

にこ「…うん」

絵里「…じゃぁそのうち私が一番になれば、私だけを見てくれるようになるってことよね？」

にこ「……え？」

絵里「いいわよ。その提案、私は受け入れるわ」

にこ「え、ちょ、ちょっと待って。今、変なこと言わなかった？」

絵里「言ってないわ。ただ、みんながみんな私みたいにあっさり承諾してくれるか分からないわよ。独占欲とか、嫌な言葉だけど、そういうのがないわけじゃないだろうし」

にこ「あ、うん…」

絵里「他の子にはもう言ったの？」

にこ「いや、絵里が初めて」

絵里「……そう。それって信頼してくれてるってことでいいのかしら」

にこ「それもあるけど…タイミングがよかったから…」

絵里「…普通に、そうだよって頷いてくれればいいのに…変なところで素直よね、にこって」

にこ（褒められてるのかしら…）

絵里「じゃぁみんなにはこれから言うのね。……正直、何人か大変そうな子はいるけど」

にこ「というか、絵里があっさり受け入れてくれたのも、にこ的にはすごいビックリなんだけど…」

絵里「まぁどんな形であれ、にこと付き合えるってことなんだから、前向きに考えてるわ」

絵里「…恋人って形になった以上、前以上に出来ることは広がるわけだし」

にこ（……できること？）

絵里「それで、いつ言うかとかは考えてるの？」

にこ「あ、えっと……一応、穂乃果たちとは明日会うから、その時にでもって思ってるけど…」

絵里「…そう。……というか、ちょっと待って」

にこ「ん？」

絵里「…ひょっとしてにこって、希以外のみんなに告白されてたの…？」

にこ「え……あ、うん」

絵里「……それは、さすがに想定外だったわ…」

にこ（そういえば言ってなかったっけ……てっきりバレてるのかと思ってたけど）

絵里「…にこ」

にこ「なに？」

絵里「正直に答えてね」

にこ「なにを？」

絵里「……もしかしてだけど、誰かとキスしたこととか、ある？」

にこ「」

にこ（……ど、どうしよう…）



>>481
１．素直に答える
２．適当に誤魔化す

1

にこ（嘘はつかないって約束したし……針千本は嫌だしね…）

にこ「…あ、ある」

絵里「」

にこ「……」

絵里「……」

にこ「あの……絵里？」

絵里「…誰と？」

にこ「いや、それはさすがに言えないけど……相手に悪いし…」

絵里「そう……けど、したことあるのね…、そう…」

絵里「……じゃぁいいわよね？」

にこ「え、なにが？」

絵里「キスよ。今更恥ずかしいなんて言わないでしょ？」

にこ「いや、したことがあるって言っても、そんな何回もしたわけじゃないし、恥ずかしいことは変わらないんだけど…」

絵里「けどズルいじゃない。…誰かとはしたことあるのに、私とはしてくれないの？」

にこ「え、や、けど……と、とりあえずそういうことは、みんなにこの話をし終えて返事を聞き終わってからって決めてて…」

絵里「……そう。なら、待つけど…」

にこ「ご、ごめん」

絵里「…別に」ﾌｲ

にこ（なんかちょっと拗ねてる気がする…）

絵里「…ところで、他の人が承諾してくれなかったらどうする気なの？」

にこ「そのときは…諦めるわ。無理強いしていいことじゃないし、そういうことはしたくないし」

絵里「そう。……じゃぁみんなが断ったら、にこは私だけのものってことになるのよね」

にこ「……まぁ、そうなるわね」

絵里「楽しみに待ってるわ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

にこ（…フラれるのをってことなのかしら…）

にこ（……でも、絵里が受け入れてくれてちょっとホッとした。ここで断られてたら、間違いなく心折れてただろうし…）

絵里「…じゃぁこの話はここまでにして、ＤＶＤでも見ましょうか」

にこ「そうね、見ましょうか」

絵里「ん。ならリビングに行きましょ」

にこ「うん」

―――――

ｱﾅﾀｶﾞｽｷﾅﾉ…!

にこ（って、これってバリバリのラブストーリーじゃない…）

にこ（いや、にこもこういうのは嫌いじゃないけど……さすがに二人きりで見るのはちょっと…）

にこ（……まぁ、意識しなければ大丈夫よね）ﾁﾗ

絵里「……どうかした？」

にこ「あ、いや、なんでも」

にこ（意識しない、意識しない……）

ﾎﾞｸﾆｷﾐﾉｽﾍﾞﾃｦﾐｾﾃﾎｼｲﾝﾀﾞ…
ｼﾞｪｰﾑｽﾞ…ﾀﾞﾒ､ｺｺｼﾞｬﾋﾄｶﾞｸﾙｶﾓｼﾚﾅｲﾜ

にこ「……ねぇ、絵里」

絵里「ん？」

にこ「この映画って、あの……変なシーンとかないわよね？　えっと、年齢指定がつくようなやつ」

絵里「さすがにないわよ。…ただ、ちょっと過激な場面はあるけど」

にこ「……に、にこ、トイレ行ってくる！」ﾀﾞｯ

絵里「ごめんなさい、うちのトイレ今工事中なの」ｶﾞｼｯ

にこ「それ絶対嘘でしょ！？」

絵里「にここそ、嘘ついて逃げようとしてたでしょ」

にこ「いや、だって……にこ、そういうシーンとか苦手なのよ…」

にこ（キスシーンとかならまだ平気だけど…）

絵里「…大丈夫よ。それに、にこは大人なんだから、こういうことに少しは耐性つけたほうがいいわよ」

にこ（大人…！）ﾊﾟｧｯ

にこ「そ、そうね、にこは大人だもんね！　じゃぁそうするわ」

絵里「……にこって単純よね」

にこ「え？」

絵里「何でもないわ」

絵里「そもそも、どうして苦手なの？　海未みたいに恥ずかしがりだっけ？」

にこ「いや、恥ずかしいのもあるけど……なんか、怖いじゃない」

絵里「…怖い？」

にこ「なんていうか、分からなさすぎて怖いというか……そういうこととか、深く考えたことないし。テレビとかで聞いてる限りじゃ、あんまりいいイメージないし…」

絵里「……なるほど。にこってやっぱり子供っぽいわ」

にこ「なっ……つ、ついさっき大人だって言ったじゃない！」

絵里「あ、怖いなら私にくっついてていいのよ」

にこ「にこの言葉聞いてないし…！」

絵里「聞いてるわよ。本当はにこのこと、大人だと思ってるわ」

にこ「え、ホント？」

絵里「ホント。だからほら、くっついていいのよ」

にこ「あ、うん、じゃぁ遠慮なく」ｽｽ

にこ（……ん？　怖いからくっつくって、なんか逆に子供っぽくない？　……考え過ぎかしら）

絵里「…」ｷﾞｭ

にこ「え、あの、なんで手握るの？」

絵里「私も怖いから。にこに頼りたいなぁって思って」

にこ「そ、そう！　それなら仕方ないわね」ｷﾞｭｯ

絵里「……なんか、単純すぎて逆に不安になってくるわ」

にこ「？」

にこ（…というか、目を離してる間に画面がすごいことになってた…）

にこ（にしても、すごい熱烈なキスシーンね……いや、キスくらい、どうってこと、ないけど……、！？）

にこ「え、えええ絵里！」

絵里「なに？」

にこ「こ、この人たちなにしてるの！？」

絵里「何って……キスじゃないの」

にこ「い、いや、え、でもなんか、にこの知ってるのと違うんだけど……」

にこ（な、なんであんな……か、からめあってるっていうか、え、イミワカンナイ…）

絵里「………ひょっとしてああいうキスのこと、知らないの？」

にこ「し、知らないわけじゃないけど……見るのは初めて…というか…」

絵里「……そう。じゃぁにこは今まで子供みたいなキスしかしてないのね」

にこ「こ、子供って…」ﾑｯ

にこ「…キスに子供も大人もないでしょ……テレビでもキスすれば大人だって言ってたし」

絵里「今時、小学生でもキスくらいするけどね」

にこ「うぇっ！？　ほ、ほんと！？」

絵里「ホント」

にこ（嘘……ということは、にこってかなり遅れてるの…？）

にこ（い、いや、でも絵里の言うことを安易に信じるのはどうなのかしら…）

にこ（……というかそもそも、絵里って感覚がロシア的だし……ロシアでは普通のことってことなのかもしれない。きっとそうよ、そうに違いない）

にこ（……そうよね…？）

絵里「ねぇ、にこ」

にこ「…なに？」

絵里「私と一緒に、こういうことしてみない？」

にこ「こういうこと？」

絵里「大人がするようなキス」

にこ「…………はっ！？」

絵里「ダメ？」

にこ「い、いいい、いや、ダメというか、だからそういうのは…！」

絵里「一回だけでいいから」

にこ「か、回数の問題じゃなくて！　そもそもこういうことは、その、もうちょっと大人になってから……いや、にこはもう十分大人なんだけど…」

絵里「……じゃぁ、みんなに話しつけてからでいいから」

にこ「え？」

絵里「みんなにあの話をした後、解決した後、真っ先に私とキスして。…子供っぽいキスでもいいから」

にこ「あ、う、うん」

絵里「約束よ」

にこ「…うん」

にこ（子供っぽいって言われ方は気になるけど…）

絵里「…約束やぶったら針千本じゃなくて、本気で拗ねるからね」

にこ「怒るんじゃなくて、拗ねるのね」

絵里「私、拗ねた時のほうが面倒くさいってよく言われるの」

にこ「そ、そう」

にこ（…約束やぶらないようにしよう）

―――――

にこ（そのあと、他のＤＶＤ見たりゲームしたりして……気が付けば夕方になってたわけだけど）

にこ「じゃぁそろそろ帰るわね」

絵里「送っていくわ」

にこ「平気よ、まだ夕方だし。帰りにスーパー寄って帰りたいし、お構いなく」

絵里「そう。…じゃぁせめて、玄関まで見送らせて」

にこ「ん、ありがと」



絵里「…じゃぁ、また……月曜日かしら」

にこ「うん」

絵里「…にこ」ｸﾞｲｯ

にこ「わっ、と…」

絵里「またね」

ﾁｭｯ

にこ「え、あ…」

にこ（ほっぺにキスされた…）

絵里「…頑張ってね、明日。本当は複雑だけど、応援してるわ」

にこ「う、うん」

―――
――
―

こころ「にこにー、いってきまーす」

にこ「うん、いってらっしゃい」

ここあ「お土産買ってくるね！」

にこ「ん、楽しみに待ってるわ」

にこ（にしても昨日、こころとここあがいきなり友達家族と遠出するって聞いた時はビックリしたわ…）

にこ（ママは前々から知ってたらしいけど…それなら教えてくれればよかったのに）


にこ（…さて、とりあえず準備しよう…）ｲｿｲｿ

にこ（髪を整えて……あ、着替えもしないと）ｲｿｲｿ

ﾋﾟｰﾝﾎﾟｰﾝ

にこ「…誰よ、こんな朝から」ﾃｸﾃｸ


ｶﾞﾁｬ

にこ「はーい、どちらさま……って、穂乃果たちじゃない」

穂乃果「にこちゃん、おっはよー！　…あっ、パジャマ可愛いっ！」ｷﾞｭｯ

にこ「あ、ありがとう……って、そうじゃなくて、なんでここに？　集合場所は公園じゃなかったっけ？」

ことり「穂乃果ちゃんが待ちきれないから直接にこちゃんの家に行こうって話になって…」

海未「すみません…」

にこ「いや、いいけど……とりあえず上がって待っててくれる？　急いで着替えるから」

今回の更新はここまでにします
また再開できたら夜に再開します

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました

レスありがとうございます
ゆったり再開していきます

海未「おじゃまします」

穂乃果「あれ？　ここあちゃんたちは？」

にこ「友達と一緒に遊びに行ってる」

穂乃果「ふぇー、そうなんだ」

ことり「じゃぁ今日はちょうどよかったのかも」

にこ「まぁね」

にこ（休日に家で一人っていうのは、さすがに寂しいものがあるし……）

にこ「じゃ、着替えてくるわ」

穂乃果「はーい。あ、手伝おうか？」

にこ「謹んでご遠慮します」ｶﾞﾁｬ

穂乃果「海未ちゃんみたいな丁寧な言葉で拒否された…」

海未「バカなこと言っていないで大人しく待ちますよ」

穂乃果「はーい」

―――――

ｶﾞﾁｬ

にこ「お待たせ」

穂乃果「ううん、全然待ってないから平気だよー」

ことり「じゃぁどこに行くか決めよっか」

海未「そうですね」

穂乃果「にこちゃんはどこか行きたいとこある？」

にこ「にこはどこでも。三人に合わせるわ」

にこ（一応今日は海未へのお詫びも兼ねてるわけだし）

穂乃果「じゃぁ二人は？」

ことり「ことりは四人一緒ならどこでも」

海未「私もです」

穂乃果「そっかぁ」


「「「「……」」」」


にこ「って、これじゃいつまで経っても決まらないじゃない」

穂乃果「だよねー」ｱﾊﾊ

穂乃果「よしっ、くじで決めよう！」

海未「またですか？」

ことり「穂乃果ちゃん、くじにハマってるの？」

穂乃果「実はちょっと。引く瞬間のドキドキ感がたまらないよねー。にこちゃん、紙とペンある？」

にこ「あー、ちょっと待ってて」ｶﾞｻｺﾞｿ

にこ「はい」ｽｯ

穂乃果「ありがとー。えっと、まず紙を破って…」ﾋﾟﾘﾋﾟﾘ

穂乃果「これにみんなそれぞれ好きな場所を書いて。あ、宇宙とか海外とか、行けないところはなしね」

にこ「穂乃果じゃないんだから、そんなことしないわよ」

穂乃果「私だってしないよ！」

にこ（しそうだから怖いのよ…。とりあえず適当に周辺を書いとこう）ｶｷｶｷ

海未「……、はい、書けました」

ことり「ことりも書けたよー」

穂乃果「よし、じゃぁこの四枚をシャッフルしてー」ﾏｾﾞﾏｾﾞ

穂乃果「…私が引いてもいいっ？」

海未「そんなにキラキラした目で見られたら断りづらいですよ…」

ことり「あはは……うん、穂乃果ちゃんが引いていいよ」

にこ「ちゃっちゃと引いちゃいなさい」

穂乃果「わーいっ」

穂乃果「うーん…」ｶﾞｻｶﾞｻ

穂乃果「じゃぁこれだ！」ﾋｮｲｯ



>>513
行く場所（行けそうな場所でお願いします）

みょうじんさん

穂乃果「えっと…」ﾍﾟﾗ

にこ「神田明神……渋い」

ことり「あはは……まぁ近いし、よくお世話になってるよね」

穂乃果「そうだねー」

にこ（…それにしても）ﾁﾗ

ことり（誰が書いたかすぐに分かるチョイスだなぁ…）ﾁﾗ

海未「…」ｿﾜｿﾜ

穂乃果「まぁデートの場所としてはイマイチかもだけど」

海未「」ｶﾞｰﾝｯ

にこ「そ、そんなことないわよ。神社デートだって全然アリよ」

ことり「そ、そうだよ。楽しそう！」

海未「…」ﾊﾟｧ

にこ（海未、いちいち表情変わって本当に分かりやすいわね）

にこ（しかし穂乃果は多分誰が書いたかさっぱり分かってないんでしょうね…）

にこ「えっと……じゃ、行きましょうか」

穂乃果「うんっ」

―――――

―明神さん―

にこ（……しかし、穂乃果に賛同するわけでも、海未を否定するわけでもないけど、ことりの言う通りここにはいつも来てるから、あまり新鮮味はないわね）

穂乃果「風が気持ちいいねー」

海未「そうですねー」

ことり「ほんわりするねー」

にこ（三人そろって風にあたってのんびりしてる……なんか可愛い）

穂乃果「にこちゃんも立ってないで座りなよー。この木陰、涼しくていい感じだよ」

にこ「ええ」

にこ（……にこも久しぶりにのんびりしよう）ｽﾜﾘ

穂乃果「……」ﾎﾝﾜｶ

穂乃果「……」ｳﾂﾗｳﾂﾗ

穂乃果「……」ｶｸﾝｯ､ｽｰｽｰ

にこ「えっ、ね、寝るの早すぎない？」

ことり「穂乃果ちゃん、眠い時は本当にすぐ眠るから」

海未「昨日はにこと遊びに行くのが楽しみで夜遅くまで起きていたらしいですから」

にこ「子供みたいなことしてるわね…」

にこ「…にしても、よく座ったまま寝れるわね」

ことり「けどこのままじゃ、そのうち首がガクッてしちゃいそう」

にこ「……それもそうね。横にして寝かせたほうがいいのかしら」

海未「起こしたほうがいいのではないでしょうか…」

にこ「けど、起こすのも可哀想な気がしない？　…なんか、すごいいい顔で寝てるし」

ことり「んー…じゃぁこうしよう」ﾎﾟﾝ

にこ「？」



にこ「……で？」

ことり「ん？」

にこ「なんでにこが、穂乃果に膝枕してるの？」

ことり「穂乃果ちゃんうらやましいよね。ことりも寝ちゃおうかなぁ」

にこ「いや、そういうことじゃなくて…」

海未「すみません、にこ……私が変わりましょうか？」

にこ「あー……ううん、平気」

にこ（ことりみたいに誤魔化されるのも嫌だけど、海未みたいに素直に謝られるのもなんか逆に遠慮しちゃうわ）

にこ（…この三人って本当にバランスのいい組み合わせなのね）

ことり「じゃぁことりたちは何かお話でもしようか」

にこ「お話ね…」

にこ（最近、お話しかしてない気がしてきたわ）

ことり「何の話がいい？　海未ちゃん」

海未「えっ、わ、私ですか？」

ことり「うん」

海未「………」ﾑﾑﾑ

にこ（そんな真剣に考えなくても…）

海未「……こ、ことり、タッチです」

ことり「はーい。じゃぁ、>>519の話でもしようか」



（話題。ざっくりとしたものでも大丈夫です）

1年生組

ことり「じゃぁ一年生三人の話でもしようか」

にこ「……唐突ね」

海未「私が言うのもなんですが、確かにいきなりですね」

ことり「穂乃果ちゃんと海未ちゃんの話は前にたくさんしたから。たまには気分を変えようかと思って」

にこ「気分ね…」

にこ（しかしこのタイミングで別の学年の子の話って……微妙に気まずいわね）

ことり「…海未ちゃんは、真姫ちゃんたちのことどう思う？」

海未「え？　わ、私ですか？　にこではなくて？」

ことり「うん。海未ちゃん」

海未「えぇっと……それは、もちろん、大切なメンバーですよ。可愛いですし」

ことり「だよね」

海未「はい」

にこ（…今の会話の意味はなんなんだろう…。ことりってなに考えてるのかよく分からないときがあるのよね）ﾁﾗ

ことり「…なら、にこちゃんは三人のことどう思ってる？」

にこ「え？」

ことり「真姫ちゃんたちのこと」

にこ「どうって……そりゃ、海未と一緒よ。大切だと思ってるわ」

ことり「そっか」

にこ「……」

ことり「……」

海未「……」

にこ（えっ、本当になんなの今の会話）

にこ「えっと……そう言うことりこそ、どうなのよ」

ことり「もちろん好きだよ。三人とも素直でまっすぐでキラキラしてるよね」

海未「ああ…確かにキラキラしてますね。たまに子供っぽいところもあって、見ていて微笑ましいです」

ことり「そうだね。…それに、すごく分かりやすいし」

にこ「まぁ確かに…」

にこ（三人とも分かりやすいわよね。…少なくとも、この二年生たちとあの三年生たちよりは）

にこ（…というか、あの三人が分かりやすいんじゃなくて残りの五人が分かりにくいだけな気がしてきたわ）

ことり「…ねぇ、にこちゃん」

にこ「ん？」

ことり「ことりたちのことはどう思ってる？」

にこ「……真姫ちゃんたちと一緒で、大切だと思ってるわよ」

ことり「一緒かぁ…」

海未「……」

にこ（なんか複雑な顔してるけど…そりゃそうよね。やっぱりこの話題は気まずい以外のなにものでもないのかも…）

ことり「よーしっ」ｷﾞｭｯ

にこ「え、な、なに急に手握ってきて」

ことり「真姫ちゃんたちよりも、希ちゃんたちよりも、ことりたちのことを好きって、いつか絶対言わせてみせるぞっていう意思表明だよ」

にこ「そ、そう…」

海未「……」

にこ「…海未、どうかしたの？」

海未「あ、いえ……私の位置では、難しいなと思って…」

にこ（確かに海未とにこの間にはことりがいるし、手を繋ぐのは無理ね…）

ことり「じゃぁ海未ちゃんはことりと手を繋いで、これで間接ってことで」ｷﾞｭ

にこ「いや、それは微妙に違う気が…」

海未「…」ﾊﾟｧｯ

にこ「あ、それでいいのね…」

ことり「それにしても、今日はいい天気だから本当に眠くなってくるねー」

海未「そうですね……かといって、穂乃果のように眠るわけにはいきませんが」

にこ「まぁ穂乃果もそのうち目覚ますでしょ」

ことり「そうだね」

にこ（…そういえば、今日は希、ここにはいないのかしら）ｷｮﾛｷｮﾛ

海未「……にこ？　なにか探しているのですか？」

にこ「あ、いや、ちょっとね…」

ことり「……今日は誰もいないと思うよ。お手伝いさんとかも」

にこ（誰を探してるかバレてるっていう……恥ずかしい）

―――――

海未「……」ｽｰｽｰ

にこ「……海未、見事に寝たわね」

ことり「合宿の時もだけど、海未ちゃんは誰より寝るの早いから。それに、穂乃果ちゃんに対してあんなこと言ってたけど、楽しみで寝れなかったのは海未ちゃんも一緒なんだよ」

にこ「そうなの？」

ことり「うん。二人で夜遅くまでお喋りしてたんだって。携帯で」

にこ「二人そろって子供ね…」

にこ（にしても、素直にことりの膝枕に応じるなんて、よほど眠かったのかしら）

ことり「でもこうして寝ている二人をそろって膝枕してると……なんだろ。家族みたいだよね」

にこ「外見は何一つ似てないけどね」

ことり「もう、そういうこと言うのやめようよ。それに、にこちゃんと海未ちゃんは髪の毛の色似てると思うよ」

にこ「まぁ確かに黒に近い感じだけど……というか、海未の髪ってほんと綺麗ね。触っていい？」

ことり「ことりに聞かれても……でも、いいんじゃないかな。にこちゃんなら」

にこ「じゃぁ遠慮なく」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

にこ（サラサラしてる……海未のことだからお手入れとか丁寧にやってるのかしら）ｻﾜｻﾜ

ことり「……ことりの髪も触る？」

にこ「いや、いい」

ことり「……そう」ﾑｽ

にこ「ごめん、冗談だってば。触らせて」

にこ（髪は女の命っていうし…それすなわち、アイドルの命。μ’ｓのみんながちゃんと手入れしてるか、改めてチェックしとかないと）

ことり「はい、どうぞ」

にこ「ん」ﾎﾟﾝ

にこ（…ふわふわしてる。なんか気持ちいいかも）ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ことり「…えへへ、ちょっとくすぐったい」

にこ「あ、ごめん」

ことり「ううん。ね、ことりもにこちゃんの触っていい？」

にこ「うん。にこのは自慢の髪だから、特別に許してあげるわ」

ことり「ふふ、ありがと」

ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

にこ「……」

にこ（なんか黙って撫でられるのも落ち着かないから、穂乃果の髪でもいじってよう）ｿ

穂乃果「むにゃ…」ｽｰｽｰ

にこ（穂乃果の髪も、ことりとはちょっと違う感じでやわらかいわね。ちょっと癖が強いけど）ﾅﾃﾞ

ことり「…やっぱりいいね、こういうの」

にこ「え？」

ことり「四人でこうしてるの、すごく幸せ」

にこ「……にこもよ」

ことり「え、ホント？」

にこ「うん」

ことり「…なんか、今日は優しいね。どうかしたの？」

にこ「まぁ心境の変化とか、色々あって」

ことり「へぇ……、……そっか。色々」

にこ「うん、色々」

ことり「……決まったってこと？　返事」

にこ「…うん」

ことり「そっか。……にこちゃん」

にこ「なに？」

ことり「ことりも寝る」

にこ「えっ」

ことり「……」ｽｰｽｰ

にこ（ホントに寝ちゃったし……しかももたれかかってきてるから、肩が重い…）

穂乃果「ん、にゃ……にこちゃん…」

海未「……」ｽﾔｽﾔ

にこ「……これ、いつになったら起きてくれるのかしら…」

にこ（いっそにこも寝るとか…？　いや、そんなことしたら体重を預けてきてることりが大変なことになる気がする。崩れる的な意味で）

にこ（…かといって、このままじゃ暇すぎて本当に寝ちゃいそう）

にこ（……誰かにメールでもして時間つぶそうかな）ｽ

にこ（…とりあえず、目を瞑って適当に送る人決めよう）ﾋﾟ



>>527
送る相手
（暇をつぶしたいので、穂乃果、ことり、海未以外でお願いします）

希

にこ（えっと……あ、希だ）ﾋﾟ

にこ（なんか最近、希に縁があるわね。でもこの状況では一番気軽に送れる相手かも）ﾋﾟ､ﾋﾟ

にこ（よし、とりあえず今なにしてるのって送ってみよう）ﾋﾟｯﾋﾟｯﾋﾟｯ

にこ（送信）ﾋﾟｯ


ﾋﾟﾘﾘﾘﾘｯ


にこ（早っ…）ﾋﾟ

【只今戦争中】

にこ「！？」

にこ（せ、戦争…？　どういうことよ）ﾋﾟｯ

ﾋﾟﾘﾘﾘｯ

【エリちと話してるってこと】

にこ（友達と話すのを戦争扱いしてんじゃないわよ…）

にこ（…って、もしかして絵里の奴、希に余計なこと言ってんじゃないでしょうね…）

にこ（…何の話？って送ってみよう）ﾋﾟ

ﾋﾟﾘﾘﾘｯ

【にこっちの話。エリちがにこっちをどう攻略するかについて熱く語ってるん。助けて】

にこ（それをにこに言うのはどうなのよ…。反応に困るわ）ﾋﾟ

ﾋﾟﾘﾘﾘｯ

【けどエリちがにこっちのこと好きなんは割とみんな知ってることやし】

にこ（え、そんないつの間にか周知の事実みたいになってたの…？）

【うちも一応、応援してるし】

にこ「……応援」

にこ（ということは、やっぱり希はにこのことそういう目で一切見てないってことじゃない…）ﾊｧ

にこ（これ、どう返せばいいのかしら…）

にこ「……」ｳｰﾝ

ﾋﾟﾘﾘﾘﾘｯ

にこ（って、え、電話？　…希から）ﾋﾟｯ

にこ「もしもし…？」

絵里『あ、にこ？」

にこ「は？　絵里？　なんで……って、ああ、希と一緒にいるからか…」

絵里『ええ。…というか、どうして小声なの？』

にこ「いや、ちょっと事情があって。それより何の用？」

絵里『希が今ね、台所に行っちゃったの。お茶のお代わり取りに』

にこ「で？」

絵里『一人で待ってるのヒマだから手伝うって言ったら断られて。駄々こねたら、携帯くれた。大人しく待っててって』

にこ「あんたはなんで希の前だとそんな子供なのよ…」

にこ（いや、それで携帯渡す希も希だけどね……絵里だって携帯くらい持ってるでしょ）

絵里『それより今、希とメールしてなかった？』

にこ「まあね。というかあんた、希に変な話してんじゃないわよ」

絵里『あら、そのこと話しちゃったのね。さすがに少し照れるわ』

にこ「まったく照れてるようには聞こえないけど……」

絵里『あ、希戻って来た』

にこ「早っ」

絵里『代わるわね』

にこ「え、ちょ、別に、にこは希と話すことなんて…」

希『あー……もしもし、にこっち？』

にこ「…お、おはよう」

希『へ？　う、うん、おはよう。ごめんな、まさかエリちが電話かけるとは思わへんくて』

にこ「いや、別にそれは平気だけど…」

希『…というか、なんで小声なん？』

にこ「ちょっと事情があって」

希『事情……そっかそっか』

にこ（…なんか、誰かと一緒にいることはもうバレてそうね）

にこ「……あ、あのさ、絵里からもう聞いた？」

希『エリちから？　なにを？』

にこ（この反応……ひょっとして絵里、昨日にこが言ったことは話してないのかしら。だとしたら、にこが希のことも好きだってことは、希自身にはバレてない…のかも）

にこ「…ううん、やっぱりなんでもない」

希『そう言われると気になるんやけど……まぁええや。じゃぁそろそろ切るね』

にこ「あ、うん。じゃぁまた」

絵里『え、ちょっと、もう切っちゃうの？　切る前に私が話を…』

希『はいはい、エリちはまた今度ね。てことで、にこっち、またね』

にこ「ん、また」ﾋﾟｯ

にこ（……一緒にいる相手に気を使ってくれたのかしら）

にこ（…とりあえずにこも、三人が起きるまで待ってよう）

ことり「…」ｶﾞﾊﾞ

にこ「うわっ……って、ことり、起きたの？」

ことり「……うん、ちょっと前にね」

にこ「あ、じゃぁ声とか聞こえてた？　ごめんね、うるさくて…」

ことり「それはいいけど……でも……希ちゃんたちと、話してたの？」

にこ「うん。ちょっと暇だったから」

ことり「……」ｷﾞｭ

にこ「ことり？」

ことり「……ううん、なんでもない」

にこ「…？」

―――――

穂乃果「ふわぁー……私、いつ寝ちゃってた…？」

にこ「そうね。ここに来て五分後くらいかしら」

穂乃果「我ながら恐ろしい早さだ……ごめん、三人を残しちゃって…」

海未「…」ｿﾗｼ

穂乃果「なんで海未ちゃんは無言で目を逸らすの？」

海未「気分です」

にこ（まぁ海未もあの後寝ちゃったしね）

ことり「…それで、どうする？　ここで遊ぶのも限界があるし、他にどこか行く？」

海未「そうですね……もうすぐお昼ですし、どこかのお店にでも行きますか？」

にこ「あ、そ、それなんだけど……よかったらにこの家に来ない？」

海未「え、いいんですか？」

にこ「うん」

にこ（…お金がピンチだからとか言ったら幻滅されそうだから、黙っておこう）

ことり「じゃぁおじゃまさせてもらおっかな」

穂乃果「やった！　にこちゃんのお家でお昼ご飯！」ｸﾞｯ

にこ「そんな大したものは出せないけどね…」

―――
――
―

穂乃果「にこちゃん、お料理手伝うよ！」

にこ「あ、いや、うちの台所狭いから…」

ことり「一人で待つのもあれだし、二人ずつに分かれよっか」

海未「えっと……では、じゃんけんですか？」

穂乃果「じゃぁ恨みっこなしで、じゃーんけーん、ぽんっ」

―――――

海未「よろしくお願いします」ﾍﾟｺﾘ

にこ「あ、うん、よろしく」

にこ（三人でじゃんけんして、勝った人が手伝うって、どういうルールなのかしら…）

海未「何を作りますか？」

にこ「えっと……スパゲティとか」

にこ（前も作った気がするけど……今度はちょっと凝ったのにしてみよう。せっかく二人で作るんだし）

海未「では、始めましょうか」

にこ「ええ」

海未「にこ、キノコはこれくらいの大きさでいいですか？」ﾄﾝﾄﾝ

にこ「うん、大丈夫。やっぱり海未は手際よくていいわね」

海未「いえ…にこにはかないませんよ」

にこ「そりゃー、にこにーは完璧だからね！」

海未「ふふ」

にこ「いや、そこは笑わないでツッコんでよ…」

海未「すみません。可愛いなと思いまして」

にこ「か、かわ……」

にこ（いつもは簡単に赤くなるくせに……海未ってなんなの、二重人格かなんかなの？）

海未「……にこ」

にこ「なに？」

海未「日本にいる限り、籍を入れることはできませんが、一緒に住むことは可能だと思うんです」

にこ「……な、なんの話をしてるの？」

海未「将来の話です」

にこ「そんな真顔で…」

海未「…それだけ本気ってことです。私は家事なら出来ますし、ことりも器量の良い子です。穂乃果は明るくて一緒にいると楽しいですし……きっと後悔はさせないと思うんです」

にこ「……えっと」

にこ（どうしよう……普段真面目な海未だけに、返しづらい…）

海未「………す、すみません」

にこ「え？」

海未「今のは忘れてください……すごく恥ずかしいことを言った気がします…」

にこ「あ、い、いや…恥ずかしかったのはお互い様だから、大丈夫」

海未「そ、そうですか…よかったです」

にこ「うん…」

にこ（なにがよかったんだろう…）

海未「……えっと、切り終わりました」

にこ「あ、うん。じゃぁそれをこれに混ぜてソースをからめて」ﾁｬ､ﾁｬ

海未「……」

にこ「で、あとはパスタを炒めながら混ぜ合わせれば完成……って、海未、どうかした？」

海未「いえ。……さっきの話、嘘ではないですから」

にこ「…」

海未「こんなこと言いたくはないですが……私たちを、選んでください…」ｷﾞｭ

にこ「…料理中に抱き付いたら危ないわよ」

海未「す、すみません」ﾊﾟ

にこ「ごめんね、散々待たせちゃって。…ちゃんと返事するから。にこなりの」

海未「……はい」

―――――

穂乃果「いっただきまーすっ」ﾊﾟｸｯ

穂乃果「んー、おいしい！」

ことり「うん、すごく美味しいよ」

にこ「ならよかった」

海未「…」

にこ「……ほら、海未も食べてよ。せっかくなんだから」

海未「あ、は、はい」ﾏｷﾏｷ

海未「…」ﾊﾟｸ

海未「……美味しいです、すごく」

にこ「うん。じゃ、にこもいただきます」

にこ（…）ﾁﾗ

海未「…」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

にこ（海未、ちょっと元気がないわね……あんなこと言ったのは失敗だったかな…）

ことり「……にこちゃん、どうかした？」

にこ「え、あ……いや、なんでも」

ことり「ならいいけど…」

にこ（ことりにも気付かれかけてるし…せめてにこだけでもちゃんとしないと）ﾌﾙﾌﾙ

穂乃果「…」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

穂乃果「ねぇ、これ食べ終わったらみんなで遊ばない？」

にこ「遊ぶって、外に行くの？」

穂乃果「んーん。にこちゃんのお家で。トランプとかしようよ」

にこ「にこはいいけど…」ﾁﾗ

ことり「ことりもいいよ。元々、今日は一日予定空けてたし」

海未「…私も大丈夫です」

穂乃果「よしっ、じゃぁ遊ぼう！」

―――
――
―

にこ（つ、疲れた……なんで家で遊んでんのにこんな疲れてるのかしら…。日頃の疲れが溜まってるとか？）

穂乃果「あ、にこちゃーん」

にこ「穂乃果…、海未とことりは？」

穂乃果「二人はコップとお皿洗ってる。お菓子食べた時のやつ」

にこ「え、そんなのにこが洗うのに」

穂乃果「二人とも好きでやってるんだから、邪魔するほうが悪いよ」

にこ「けど……」

穂乃果「それよりちょっと聞きたいことがあるんだけど、いい？」

にこ「聞きたいこと？」

穂乃果「廊下、ついてきてくれる？」

にこ「いいけど…」

―廊下―


にこ「で、話って？」

穂乃果「…海未ちゃんとことりちゃんに、何か言った？」

にこ「なにかって……まぁ、言ってないって言えば嘘になるわね」

穂乃果「そっか…だよね。なんか二人とも、元気なかったから」

にこ「そういうのはよく分かるのね」

穂乃果「そりゃ幼なじみですから。……やっぱり、告白のこと？」

にこ「……うん。その返事のこと」

にこ「…そのことでね、にこも三人に話したいことがあるの」

穂乃果「……いいよ。じゃぁ二人が終わったら、話そっか」

にこ「ええ」

にこ（…ちゃんと言わないとね）

―――――

海未「……それで、話というのは、私たち三人同時でいいんでしょうか」

にこ「うん。話す内容は一緒だから」

海未「そうですか…」

にこ（……い、言わないと。…絵里は受け入れてくれたけど……正直、海未とかは真面目だから即否定されそうな気がする…。穂乃果とことりは……想像がつかない）

にこ（というかこの三人の場合、一から説明しなくちゃいけないのよね）

にこ「あ、あのね」

穂乃果「うん」

にこ「……に、にこは、みんなが好きなの」

ことり「…みんなって？」

にこ「μ’ｓのみんな。にこ以外の八人、のことが、あの……恋愛的な意味で」

にこ「それで、穂乃果たちは四人でって提案してくれたけど……にこは、九人で付き合いたいなって思ってて…」

穂乃果「……」

ことり「……」

海未「……」

にこ（やっぱりこうなるわよね……）

海未「ひ、一つずつ、整理してもいいですか？」

にこ「う、うん」

海未「……八人が好きというのは、本当ですか？」

にこ「うん」

海未「…私たち以外のみんなは、どう思ってるんですか？　にこのこと。…絵里はなんとなく分かりますが」

にこ（絵里ってそんなに分かりやすいんだ…）

にこ「……希以外は、にこのこと好きだって言ってくれたけど……でも、この話はまだ絵里にしかできてない。真姫ちゃんは、にこがみんなのこと好きってことは知ってるけど」

海未「そうですか……」

にこ「…やっぱり、こんな提案、受け入れられないかしら」

海未「…私は…」

穂乃果「私はいいよ」

海未「へ」

にこ「えっ」

ことり「ことりも特に異論はないよ」

海未・にこ「えっ」

穂乃果「二人とも、なんでそんな目丸くするの？」

にこ「い、いや、だって、九人よ？　八股よ？」

ことり「八股って……まぁ確かにそうだけど。でも、ことりたちの提案した四人でっていうのと、あんまり変わらないよね」

海未「数が圧倒的に違う気がするのですが…」

穂乃果「けど、大切な友達との間でっていうのは変わらないよ」

海未「それは、そうですが…」

穂乃果「…海未ちゃんは九人でっていうのは、嫌？」

海未「嫌というか……その…」ﾁﾗ

にこ「？」

海未「……嫌じゃないです、けど」

穂乃果「じゃぁ決定だね！」

にこ「え、ちょ、ちょっと待ってよ。そんなあっさりでいいの？」

ことり「でも、絵里ちゃんもこんな感じじゃなかった？」

にこ「まぁ確かにそうだけど……って、よく分かったわね」

ことり「まぁね。…多分みんな、独占欲よりもにこちゃんと一緒にいることを優先してるんだよ。じゃなきゃ、普通複数人で付き合うなんて提案できないもん」

穂乃果「それに、みんなで付き合えば誰かと喧嘩することもなくなるしね」

海未「そうなのでしょうか…」

穂乃果「えっと…多分。ま、まぁ、にこちゃんがみんな好きって言ってる間は抜け駆けも出来ないしね」

ことり「考えようによっては平和的だよね」

海未「だといいのですが…」

にこ（…というか、μ’ｓってそんなにギクシャクしてたっけ…？　マフィンのとき以外は割と平和だった気がするけど）

穂乃果「とにかく、穂乃果とにこちゃんは今日から恋人なんだよねっ」ｷﾞｭｯ

にこ「あ、う、うん」

穂乃果「やった！　じゃぁこれからはもっといっぱいくっついていいんだよね？　にこちゃんにもっと触っていいんだよね？」

にこ「へ、あ、えっと…」

海未「…穂乃果、にこが困ってますよ」ｸﾞｲ

穂乃果「えー、そんなことないよ。ね、にこちゃん？」

にこ「困ってはいないけど……あの、何度も悪いけど、本当にいいの？」

穂乃果「だからいいってばー。ことりちゃんと海未ちゃんは？」

ことり「ことりもいいよ。…九人でっていっても、にこちゃんと二人きりになれないわけじゃないだろうし、色々するチャンスはあるだろうし」

にこ（…色々？）

海未「…私も、構いません。にこや穂乃果たちと一緒なら、それで」

にこ（…やっぱり海未はまだ納得してない感じだけど、大丈夫なのかしら）

穂乃果「…というか、にこちゃんっていつから私たちのこと好きだったの？　全然分からなかったんだけど」

にこ「そりゃ態度に出したりはしないようにしてたし」

にこ（…ただ、いつからか普通に可愛いとか思ったり、キスとかも、なんか自然に受け入れるようになってたけど……いつからかはにこ自身もよく分かってないのよね）

穂乃果「でも私のアピールは無事成功してたってことだね！」

ことり「アピール？」

穂乃果「ぎゅって抱きしめたりとか、首に噛みついてみたりとか、胸触ってみたりとか！」

ことり「……にこちゃん？」

海未「二人でそんなことしてたんですか……一体いつの間に」

にこ「い、いや、あれは別に、どれも深い意味はなくて……」

ことり「ねぇ、にこちゃん。みんなで付き合うってことは、みんな平等ってことなんだよね？」ﾊﾟｼ

にこ「う、うん……あの、なんで腕掴むの？」

ことり「じゃぁ穂乃果ちゃんと同じことしても、いいよね？」

にこ「え、い、いや、にこ、これでもアイドルだし、最初のはともかく、後者二つは遠慮願いたいというか……」

海未「…平等じゃないと、不公平ですよ」

ことり「というわけで、いいよね」

にこ「ほ、穂乃果…」ﾁﾗ

穂乃果「にこちゃん、ファイト」

にこ「えええぇ……」

―――
――
―

ｶﾞﾁｬ

こころ「にこにー、ただいまーっ」

ここあ「ただいまーっ」

にこ「おかえり……」ﾖﾛﾖﾛ

こころ「に、にこにー、大丈夫？」

ここあ「フラフラしてるよ？」

にこ「いや、今日はちょっと遊びすぎちゃってね…」

にこ（結局ことりと海未を止められなかったし……疲れた…）

こころ「？　にこにー、首のとこ赤くなってるよ？」

にこ「ああ……平気だから、気にしないで」

こころ「うん…。…？」

ここあ「にこにー、それよりお土産買ってきたの！　見て見て！」

にこ「うん。じゃ、手洗ってお部屋に行きましょうか」

こころ・ここあ「はーいっ」


にこ（とりあえず、穂乃果たちも受け入れてくれて、これであとは一年生たちと……希もになるのかしら）

にこ（でも、希には伝えないほうがいいのかも…）

こころ「にこにー、これ、にこにーに買ってきたの」

にこ「あ、うん、ありがと、こころ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

こころ「えへへー」

にこ（…とりあえず、一年生たちに話してから考えよう）

―――
――
―

ｶﾞﾗ

絵里「おはよう、にこ」ﾃｸﾃｸ

にこ「おはよ」

絵里「…今日も可愛いわね」

にこ「…頭でもうったの？」

絵里「そんなわけないでしょ。…もう、忘れちゃったの？　私たち、恋人同士なのに…」

にこ「きょ、教室でそういうこと言うのやめなさいよ。誰かに聞かれたらまずいでしょ」

絵里「私は平気よ」

にこ「少しは世間体とか考えなさいよ……もしバレたら、にこは間違いなく絵里のファンに消されるわ」

絵里「そんな大げさな…」

にこ「あんたは自分のファンを侮りすぎ。…もう変な噂流されてヒソヒソ話されるのは嫌だし」

絵里「…私と噂になるのは嫌ってこと？」ｼｭﾝ

にこ「そうじゃなくて、絵里が変な目で見られたりしたら大変でしょってこと」

絵里「にこ…」ｽ

にこ「あ、というか、希は？」ｻｯ

絵里「…希なら、まだ来てないわ」

にこ「え、まだ来てないの？　…休み？」

絵里「連絡はないからそのうち来ると思うけど…」

ｶﾞﾗ

希「おは…って、うわ。ビックリした……二人とも何やってんの。こんな入口付近で」

にこ「なにこの奇跡的なタイミング…」

絵里「すごいわね…」

希「なにが？」

絵里「今ちょうど希の話をしてたのよ」

希「そうなん？　えっと、ウチになにか用ってこと？」

にこ「いや、あんたがにこより遅いなんて珍しいなって思って」

希「あー……昨日はちょっと寝不足で」

にこ「寝不足？　…悩み事かなにか？」

希「ううん。面白いテレビがあったから夢中で見てただけ」

にこ「なんだ…」

にこ（…って、希ってテレビはあんまり見ない派じゃなかったっけ）

希「それより、早く席につかへんと授業始まっちゃうよ」ﾃｸﾃｸ

にこ「……希」

絵里「……希のこと、心配？」

にこ「…まぁ、そりゃね」

絵里「…それなら、助けてあげてね」

にこ「助ける？」

絵里「全部が終わった後でもいいから、ちゃんと希のこと気にかけてあげてってこと」

にこ（割といつも気にかけてるつもりだったんだけど…）

絵里「あ、もちろん私のこともほったらかしにしないでね」

にこ「…はいはい」

今回の更新はこれで止めます

次で一年生、あとは希を書いてラストに向かいたいと思います
長々とした物語ですが、ここまで読んでくれている皆さんに感謝してます
なんとか最後まで書けるよう、頑張ります

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました

レスありがとうございます
遅くなりましたが、ゆったり再開していきます

にこ「じゃ、さっさと席につきましょ」

絵里「あ、ストップ」ｶﾞｼ

にこ「ん？」

絵里「首元、怪我したの？」

にこ「あ……う、うん、ちょっと蚊に刺されたのをかきむしったら血が出ちゃって」

にこ（本当は海未とことりのせいなんだけど…言ったらあの二人まで怒られそうだし…）

絵里「……ならいいけど、気を付けないとダメよ。…こんなに何ヶ所も刺されるなんて、蚊にまで人気なのね」ｸｽ

にこ「あ、あはは……そうなの。にこにーったら虫にまで人気で…」

にこ「と、とりあえず、席戻りましょ」ｸﾞｲ

絵里「…ええ」

―――――

にこ（…真姫ちゃんたちにはいつ言いだそう。早い方がいいだろうし、昼休みなら空いてるかな）ﾋﾟ

にこ（……誰にメールしよう。…常にどちらかと一緒にいそうな子っていえば……花陽かしら）

にこ（えっと……昼休み、花陽たちが空いてるなら四人で一緒にご飯食べない？　っと…）ﾋﾟｯﾋﾟｯ

ﾋﾟﾘﾘﾘｯ

にこ（早っ……ちょうど携帯見てたのかしら）ﾋﾟｯ

【いいよー♪　場所は屋上でいいかな？】

にこ（…花陽にしてはテンション高いし、最後に絵文字が連発されてるし、多分凛が代わりにうったんでしょうね。とりあえず返信しよう）ﾋﾟ､ﾋﾟ

にこ「これでよし、と……」ﾋﾟ

絵里「何が「よし」なの？」

にこ「！？　……って、絵里、希、いつからそこに…」

希「ついさっき。にこっちが携帯いじってたから、話しかけるのは遠慮したんよ」

にこ「そ、そう。……あ、今日の昼休み、ちょっと用事があるから、にこは別のとこで食べるわ」

絵里「…用事？」

希「あ、えっと、そういうことなら…」

絵里「それなら仕方ないわね」

希「えっ？」

絵里「？　希、どうかした？」

希「いや、意外やなぁって……」

絵里「意外？」

希「あ、ううん、なんでもない。じゃぁ…今日はエリちと二人でお昼やね」

絵里「そうね。せっかくだし、二人でゆっくり話しましょうか」

希「…うん」

にこ（…なんか希の表情がちょっと暗いような気がするけど…気のせいかしら…）

―――――

―昼休み―


にこ（……三人はまだ来てないみたいね。待ってよう）ﾄｻ

にこ（…そういえば、花陽たちが最初に三人で付き合おうって言ってくれたんだっけ。それなのに返事が最後っていうのは、我ながらどうかと思うけど…）

にこ（絵里と穂乃果たちは受け入れてくれて、あとは四人だけだけど…）

ｶﾞﾁｬ


凛「あ、にこちゃん、もう来てたんだー」ﾀｯﾀｯﾀｯ

花陽「ごめんね、待たせちゃったかな」

にこ「いや、にこも今来たばっかりだから。それより急に呼び出してごめんね」

花陽「ううん、全然平気」

凛「そうだよー。むしろすっごく嬉しいにゃ！」

真姫「…まぁ、にこちゃんの行動が脈絡ないのはいつものことだし」

凛「もー真姫ちゃんってば素直じゃないなー。早足で屋上に来たのに」

真姫「べ、別に普通に歩いてきたわよ！」

にこ（やっぱり一年生は可愛いというか、見ていて和むというか……そんな相手にあんな提案をすると思うと……うん、今はあんまり考えないようにしよう…）

凛「いただきまーすっ」ﾊﾟｸｯ

にこ（どのタイミングで話そう…）ﾓｸﾞﾓｸﾞ

花陽「真姫ちゃんは本当にトマトサンド好きだね」

真姫「花陽こそいつもおにぎりばかりじゃない」

凛「かよちんは昔から、おにぎりをおかずにおにぎりを食べるのが好きだったもんねー」

花陽「うんっ」

真姫「どういうことなのよ…」

凛「真姫ちゃんだってトマトサンドをおかずに野菜サンド食べてるにゃ」

真姫「け、健康に良いんだから問題ないでしょ」

凛「そういえばにこちゃんはいつもちゃんとお弁当作って来てるよね。偉いにゃー」ｸﾙ

にこ「……」

凛「にこちゃん？」

にこ「え、あ、な、なに？」

凛「どうかしたの？」

にこ「あー、いや、なんでも…」

にこ（考え事しててボーッとしてた…）

>>577

にこ（…そういえば、花陽たちが最初に三人で付き合おうって言ってくれたんだっけ。それなのに返事が最後っていうのは、我ながらどうかと思うけど…）


間違えました
三人で、じゃなくて、四人で、です

花陽「…にこちゃん、ひょっとして何かあった？」

にこ（……今言ったほうがいいわよね。先延ばしにしたら勇気なくなっちゃいそうだし……）

にこ「あの、三人に話したいことがあるの」

真姫「話したいこと？」

にこ「うん。ご飯食べてるときになんだけど、聞いてくれる？」

花陽「うん、聞くよ」

にこ「えっと、実は……」



真姫「……」

凛「……」

花陽「…え、えっと、つまり、私たちが四人でって言ったのと同じように、九人で付き合おうってこと…？」

にこ「う、うん」

にこ（真姫ちゃんと凛がすごい真剣な顔で黙ってるんだけど……、いや、そりゃそうよね、普通は…）

花陽「すごく、ダイナミックな提案だね…」

にこ「自分でもそう思うわ…」

花陽「ちなみにこのこと、他のみんなには言ったの？」

にこ「うん。みんなというか、絵里と穂乃果たちには」

花陽「穂乃果ちゃんたちはなんて？」

にこ「多分、受け入れてもらえてる…と思う」

凛「…ねぇ、それってさ、みんなと同時に付き合うってこと、だよね？」

にこ「うん」

凛「じゃぁその、デートとかは、二人きりでしてもいいんだよね？」

にこ（…そういうこと深く考えてなかった）

にこ「えっと……う、うん、多分」

凛「そっかぁ……じゃぁ凛は賛成かな」

花陽「凛ちゃん…いいの？」

凛「うん。だって凛、かよちんたちと同じくらい穂乃果ちゃんたちのことも好きだし」

花陽「そっか…、真姫ちゃんは？」

真姫「……私も、そういうことなら、反対ってわけではないけど…」

凛「かよちんは？」

花陽「私も反対ではないけど……でも、大丈夫かなって…」

にこ「大丈夫って？」

花陽「私たちはにこちゃん一人と付き合ってるから大丈夫だけど、にこちゃんのほうの負担が…」

にこ「あ、いや、それは全然平気」

にこ（…正直、そのことについてもまったく考えてなかった…。……にこってやっぱりバカなのかしら…）

凛「でもにこちゃん、前に過労で倒れてなかった？」

にこ「あ、あのときは……心労もプラスされてたから…」

にこ「もう無理はしないし、あんなことにはならないから大丈夫」

花陽「……なら私たちはみんな賛成でいいの、かな」

凛「うんっ」

真姫「…ええ」

にこ「え、えっと、にこが言うのもなんだけど、もう少し考えたほうがいいんじゃ…」

凛「大丈夫だよ。大体、四人でって言いだす前からずーっと考えてたことだもん。今更って感じ」

にこ「今更…」

にこ（…なんか、みんなあっさり過ぎて、悩んでたのがバカみたいに思えてくるんだけど……）

花陽「…でもにこちゃん、本当に無理だけはしないでね」

にこ「うん、大丈夫。花陽は優しいわね、ありがとう」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

花陽「そ、そんなことないよ」ｶｱｱｧｯ

にこ（可愛い…）

凛「……にこちゃん」ｸｲｸｲ

にこ「なに？」

凛「…ううん、なんでもない」

にこ「…？」

真姫「…」

―――――

にこ（……これであとは希だけ…）ﾃｸﾃｸ

にこ（でも、他の人と違って希はにこのことそういう目で見てないわけで……つまり、普通に断られる可能性のほうが高い…）

にこ（……それに、希とは普通の友達でいたほうがいいかもって思ったばっかだし…）

にこ（……どうしようかな…）

―――
――
―

穂乃果「にーこーちゃんっ」ｷﾞｭｯ

にこ「え、あ、な、なに？」

穂乃果「くじ」ｽ

にこ「………ああ」

にこ（ちょっと忘れてた…）

穂乃果「はい、これ夕飯のやつ。絵里ちゃんの分は抜いてあるからね」

にこ「あ、うん」ｶﾞｻｺﾞｿ

にこ「……」ﾋｮｲ


>>584
（結果。絵里以外でお願いします）

希

にこ「……希ね」

にこ（なんてタイミング……喜んでいいのか、複雑だけど）

穂乃果「じゃぁ次は勉強会のほうだね。えっと、こっちは前のことりちゃんと希ちゃんを抜いてあるから」

にこ「ん」ｽ



>>586
（結果。ことりと希以外でお願いします）

穂乃果

にこ「……あ、穂乃果ね」ﾋｮｲ

穂乃果「え、ほんと！？　やった！」

にこ「いや、喜んでるけど勉強するのよ？」

穂乃果「えー、でもにこちゃんと二人きりでしょ？」

にこ「ふ、二人だろうと、することは勉強よ」

穂乃果「えへへー、分かってるけど、でも二人だもん」

にこ（二人ってことをそんな強調されても困るんだけど…）

海未「…穂乃果、分かってると思いますが、きちんと勉強してくださいね」

穂乃果「や、やだなー。分かってるよー」

ことり「頑張ってね、二人とも」

穂乃果「はーいっ」

にこ「うん…」

―――
――
―

穂乃果「じゃぁみんなまた明日ねー」

凛「うん、また明日ー」

真姫「……」

花陽「真姫ちゃん？」

真姫「…やっぱり私も残って一緒に勉強する」

にこ「え、なんで？」

真姫「だって……」ﾁﾗ

穂乃果「？　……あ、大丈夫だよ。なにもしないから」

真姫「……なら、いいけど…」

にこ（なにもって…どういうこと…？）

にこ「…ねぇ、さっき言ってた、なにもしないってどういうこと？」

穂乃果「ふぇ？　あー……勉強以外のことはしないってことだよ」

にこ「勉強以外のこと？」

穂乃果「んー」ｷﾞｭ

にこ「…なんで急に手繋ぐの？」

穂乃果「いや、こういうこと」

にこ「……どういうこと？」

穂乃果「あーもー、だから、恋人っぽいこととか、そういうことだよ」

にこ「……あ、ああ、なるほど…」

穂乃果「にこちゃんのニブさには時々驚くよ…」

穂乃果「でも、真姫ちゃんがあんな分かりやすい態度をとるってことは……真姫ちゃんたちにも言ったってこと？　あのこと」

にこ「あ、うん、言った」

穂乃果「で、オッケーもらえた？」

にこ「うん…一応」

穂乃果「そっかぁ……えっと、じゃぁあと言ってないのって？」

にこ「……希」

穂乃果「あー、なるほど……確かに言いにくそうだよね…」

にこ「言いにくいというか……希はみんなとは違うから」

穂乃果「違うって？」

にこ「にこのこと、そういう目で見てないだろうから」

穂乃果「……？」

にこ「…なんでここで首を傾げるのよ」

穂乃果「いや……んー…？」

にこ「…なに？」

穂乃果「ううん、なんでもない。……えっと、希ちゃんに直接言われたの？　にこちゃんのこと、好きじゃないって」

にこ「いや、そういうわけじゃないけど……でも、見た感じそうでしょ」

穂乃果「そうかな…」

にこ「そうでしょ」

にこ（…正直、やっぱり希は絵里のことが好きなように思えるのよね。本人には否定されたけど）

穂乃果「…じゃぁさ、一度告白してみたら？」

にこ「告白って…希に？」

穂乃果「そりゃもちろん」

にこ「いや、でもそれだと希を困らせることになるし……希はにこと友達のままがいいんだろうし、多分…」

にこ「…告白したら、いやでも関係が変わっちゃうじゃない」

穂乃果「……あの、にこちゃん」

にこ「なに？」

穂乃果「私思うんだけど、このまま希ちゃんに何も伝えないとしても、にこちゃんは私たちと付き合うんだよね？」

にこ「そのつもりだけど…」

穂乃果「希ちゃんは勘がいいし、きっとすぐにみんなの変化に気が付くと思う」

穂乃果「そうしたら、どのみち多少なりとも関係は変わっちゃうと思うよ」

にこ「……そ、それもそうね」

穂乃果「でしょ？　だったら、やらないよりやるほうがいいよ！」

にこ「い、いや、でもその場合と告白した場合とでは、変わるの度合が違うんじゃない？」

穂乃果「まぁそれはそうだけど……でも、にこちゃんはこのままでいいの？」

穂乃果「にこちゃんは希ちゃんのことも好きなんでしょ？　だったらやっぱり想いを伝えないとダメだよ。じゃないといつか絶対後悔するよ」

にこ「穂乃果……」

穂乃果「……そりゃ、私だって本当はこんなこと言いたくないけど……でも、にこちゃんが苦しむのは見たくないから、応援してる」

にこ（…そうよね。希にフラれるのが怖いからって言わないっていうのは、卑怯よね。みんなだってちゃんとにこに伝えてくれたんだから、にこだって同じようにしないと…）

にこ「……分かった。ちゃんと伝えるわ、希に」

穂乃果「うんっ。頑張って、にこちゃん！」ｷﾞｭｯ

にこ「ん……って、そうだ、勉強やらないと」

穂乃果「あ、忘れてた！　……もうちょっとギュッとしてていい？」

にこ「海未にも言われたでしょ。ちゃんと勉強しろって」

穂乃果「ちぇー……まぁ真姫ちゃんにも約束しちゃったし、やろっか」ﾊﾟ

にこ「ええ」

穂乃果「じゃぁ私は宿題やってるから、にこちゃんは勉強頑張ってね」ｶﾞｻｺﾞｿ

にこ「………ありがとね、穂乃果」

穂乃果「ふぇ？　今なにか言った？」

にこ「なんでもない。ほら、さっさと済ませちゃいましょ」

穂乃果「うん…？」

―――
――
―

にこ（希に言うとしたら今日よね……ちょうどタイミングもいいし）ﾃｸﾃｸ

穂乃果「にこちゃん、何か考え事？」

にこ「あ、いや、なんでも」

穂乃果「それにしても、やっぱり勉強って疲れるよね……練習後だからかお腹もすいてきたし」

にこ「あ、じゃぁ飴でもなめる？　少しだけどマシになるかも」

穂乃果「うん、もらうー…というか、にこちゃんまだ飴持ち歩いてたの？」

にこ「念のためにね。ただ最近はあんまり食べないようにしてるから」ｶﾞｻｺﾞｿ

にこ「はい」ｽ

穂乃果「ありがとー」ﾍﾟﾘｯ

にこ（…今くらいは別に食べてもいいわよね。糖分補給ってことで）ﾍﾟﾘｯ､ﾊﾟｸ

穂乃果「んー……にこちゃん」

にこ「ん？」

穂乃果「手、繋いでもいい？」

にこ「……えっ？」ｶﾞﾘ

穂乃果「そんなに驚かなくても。付き合ってるんだったら普通だよー」

にこ「え、えっと……うん、まぁ、ならいいけど…」

にこ（確かに手を繋ぐくらいなら普通のことよね…前からよくやってたし）

穂乃果「やった！」ｷﾞｭ

穂乃果「えへへ、にこちゃんの手って小さくて可愛いよねー」

にこ「いつも思うけど、小さいは褒め言葉じゃないと思うの」

穂乃果「でも可愛いは褒め言葉だよ」

にこ「……まぁ確かにそうね」

穂乃果「…あのね、私、実はちょっと心配してるんだよ」

にこ「心配？」

穂乃果「複数人で付き合うことには抵抗ないけど……でも、いつか誰かがにこちゃんを取っていっちゃいそうだなって」

にこ「とるって……どういう意味？」

穂乃果「にこちゃんが誰か一人を好きになっちゃうってこと」

にこ「……それは多分ないと思うわ」

穂乃果「…言いきれちゃうんだね」

にこ「そう出来るなら、とっくに誰か一人選んでる」

穂乃果「でもそれは今までの話でしょ。これから恋人として過ごしていったら、気持ちも変わるかもしれないよ」

穂乃果「……それに、なんかその気満々って感じの子もいるし」

にこ「え？」

穂乃果「ああ、いや、なんでもない。……じゃぁにこちゃんは、ずっと穂乃果と付き合ってくれるんだよね？」

にこ「…穂乃果がにこに愛想尽かさない限りはね」

穂乃果「ならずっと一緒だね。…約束、破っちゃやだよ」ｷﾞｭ

にこ「……うん」

―――――

にこ（……今日中に希に言う。今日中に希に言う……よし）

ｶﾞﾁｬ

こころ・ここあ「にこにーおかえりー」ﾃｯﾃｯ

希「にこっちおかえりー」ﾃｸﾃｸ

にこ「た、ただいま！」

希「？　どうかしたん？」

にこ「あ、いや、なんでも」

にこ（テンパらないようにしよう…）

にこ「えっと……もしかしてこころたちもお料理手伝ってたの？　エプロンつけてるし」

ここあ「うんっ、一緒にごはん作ってたの！」

こころ「今ね、おなべグツグツしてたのー」

にこ「え、お鍋ぐつぐつって……まさか火つかってたの？」

希「あ、今は消してるから大丈夫やよ。にこっちも手洗って、一緒に手伝ってくれる？」

にこ「ん、じゃぁちょっと待ってて」

希「はーい」

にこ（……とりあえず、言うのは後にしよう）

こころ「にこにー、おなべいい感じ？」

にこ「あ、うん。あとは弱火でコトコトすれば完璧ね」ｶﾁ

ここあ「完璧ー！」

希「じゃぁその間に食器の準備しよか」

にこ「そうね」

―――――

ここあ「んー、おいしい！　やっぱりのぞみちゃんはお料理上手だね！」

希「ふふ、ありがとうね」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ここあ「へへー」

こころ「にこにー、これ、こころが切ったの。食べてみて」ｽ

にこ「うん、ありがと」

―――――

こころ・ここあ「…」ｽﾔｧ…

希「じゃぁにこっち、また明日な」

にこ（……み、見事に言う機会がなかった……ど、どうしよう…！）

にこ「あ、の、希！」

希「ん？」

にこ「……ちょ、ちょっと、話があるの」

希「話？」

にこ「…だから、ごめんだけど、もう少しここにいてくれない？」

希「ええけど……話ってなに？」

にこ「それは……その……」

希「…言いにくい話なん？」

にこ「言いにくいというか……えっと…」

にこ「…希にとっては、迷惑かもしれない話」

希「迷惑って……そんなん今更やん」

にこ「…サラッと酷いこと言うわね」

希「事実やん」

にこ「まぁそうだけど…」

希「…ウチは、今更にこっちに何言われたって、迷惑やなんて思わへんよ」

にこ「希…」

希「まぁもちろん、ほんまに言いにくいことやったら無理して言わんでもええけどね。そこはにこっちに任せる」

にこ「…っ……あ、あのね！」

希「？」

にこ「に、にこは……その…」

にこ（…好きってことよりも、現状を説明するほうが先よね…）

今回の更新はここで止めます
次の更新で終われそうなので、朝か昼から再開したいと思います

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました

レスありがとうございます
ゆったり更新再開していきます

にこ「実は……その……にこ、今、絵里たちと付き合ってるの」

希「え……エリちたち、っていうのは？」

にこ「絵里と、穂乃果とことりと海未と真姫ちゃんと花陽と凛」

希「……えっと……つまり、ウチ以外のみんなってこと？」

にこ「そ、そういうことになるわね…」

希「そ、そっか……あの、なんて言えばいいか分からへんのやけど……」

希「…多分、もう知ってるやんな。ウチもエリちに言われたんよ。三人で一緒に付き合わへんかって」

にこ「うん」

にこ（前に絵里が話して呆れられたって言ってたし）

希「しかしまさかそれが八人に進化してるとは思わへんかったなぁ…」

にこ「進化って…。……やっぱり、呆れる？」

希「呆れるっていうか……ビックリしたかな。にこっちにしては大胆やなぁって」

にこ「…このままじゃダメだなってずっと思ってたから」

希「うん。どんな形であれ、答えを出したのはいいことやと思うけど……大丈夫なん？　その、色々と」

にこ「散々考えて出した結果だし、大丈夫。もう腹はくくってるし。…そもそも、にこが提案してみんなが乗ってくれたことだし、にこのほうから投げ出すようなことしないわ」

希「……そか。じゃぁもうウチが言うことはないね」

にこ「うん……って、ん？」

希「よし、じゃぁ話も済んだし帰るね」

にこ「ちょ、ちょちょっと待ちなさいよ！」ｶﾞｼｯ

希「なに？」

にこ「いや、今のは前置きというか……本題はここからなの」

希「今のが前置きって……なに？　ブッキングしないようにみんなとデートするための相談とか？」

にこ「なんでそうなんのよ…」

希「やって、にこっちがウチを頼ってくるのって大体そんな感じのときやん」

にこ「今回は違うの！　その……あ、あんたに、言いたいことがあるのよ」

希「言いたいこと？」

にこ「あ、あの……」

にこ（……そういえばにこ、自分から人に好きって言うのは苦手なんだった…。今まではみんなが言ってくれたのに返したり、催促されて言っただけだったし…）

希「にこっち？」

にこ「っ……あ、あの」

希「うん」

にこ「その……にこは…えっと……」

希「うん」

にこ「……の、希のこと……好き、です」

希「…うん。ウチもにこっちのこと好きやで」

にこ「あ、や、そうじゃなくて……友達としてじゃないの。いや、友達としても好きだけど」

希「？」

にこ「……希と、付き合いたいの」

希「…………え？」

にこ「だ、だから、希と付き合いたいの！」

希「あ、いや、聞こえへんかったわけやないんやけど……でも、にこっちはもうエリちたちと付き合ってんのやろ？」

にこ「うん。だから、希とも付き合いたいって言い方のほうが正しいかもだけど…」

希「……それって、ウチ以外のμ’ｓのみんなと付き合ってるから？」

にこ「…どういう意味よ」

希「つまり……えっと…ウチが一人であぶれてしまうから、気を使ってくれたんかなって…」

にこ「……それ、本気で言ってんの？」

希「にこっち、なんか目が怖いけど……」

にこ「当たり前でしょ！　大体、同情とかそんなので人に告白できるわけないじゃない！」

希「いや、でも……」

にこ「こんなこと言うと世間的には最悪なんだろうけど、でもにこはμ’ｓのみんなのことが好きなの！　だから希のことだって…その……す、好きに決まってるじゃない」

希「けど……そんなの…」

にこ「それに、にこはそんな良い子じゃないし、好きでもない相手には絶対に好きなんて言えない。…信じられないってんなら別にいいけど……でも、にこが希のこと好きなのは変わらないから」

希「っ……ちょ、ちょっと待って。頭の中整理させて」

にこ「あ、うん。……ごめん、急すぎたわよね」

希「いや……ごめん、大丈夫」

にこ「……希が絵里のこと好きなのは、なんとなく分かってるわ」

希「…………ん？」

にこ「だから多分、にこのこと恨んでるのかもしれないけど…でも…」

希「ちょ、ちょっと待って、にこっち、ストップ」

にこ「なに？」

希「えと……ごめん。ウチ、別にエリちのことはそういう目で見たことないんやけど…」

にこ「……えっ？」

希「エリちは親友やし……そういうんとは違うよ」

にこ「え、いや、でも……あれ…？」

にこ（ひょっとして本当ににこの思い込み…？）

希「…まぁ確かに、よく二人でいることは多かったかもしれへんけど。それだけ」

にこ「…じゃぁ希は好きな人いないってこと？　前にも聞いたけど…」

希「……そ、その話は、今はいいやん」

にこ「いや、でももし誰か好きな相手がいるなら……無理言ってまで付き合ってほしいとは思わないし…」

希「…それよりも、このこと他のみんなには言うたん？」

にこ「？」

希「にこっちのことやから、きっとみんなにはちゃんと八人で付き合うことは報告してるんやと思う」

希「けど、そこにウチが加わるんは……その、みんなの迷惑になるんやないかな」

にこ「…なんでそんなこと思うのよ」

希「……ウチはみんなと違って、自分から言えへんかったから」

にこ「言うって、なにを？」

希「にこっちに、自分の気持ちを」

にこ「希の気持ち……って、なに？」

希「…うん、まぁにこっちやからね。直接言わな分からへんよね…」ﾊｧ

にこ「？」

希「……エリチにな、言われたんよ」

にこ「なにを？」

希「そろそろ素直にならな、いつか後悔するよって」

にこ「にこも昨日、穂乃果に似たようなこと言われたわ。希に伝えないと、いつか絶対後悔するって」

希「…そっか。じゃぁ、ウチもちゃんと言わなあかんね」

にこ「なにを？」

希「にこっちのこと。どう思ってるか」

にこ「どうって…」

希「…あんな、ウチ、今まで言えへんかったけど……ずっと、にこっちのこと…」

―――
――
―

ｶﾞﾗｯ

絵里「あ、にこ、おはよう」

にこ「おはよう。…希は？」

絵里「まだ来てないみたいよ。……昨日はちょっと夜更かししちゃったから、そのせいで起きられなかったんじゃないかしら」

にこ「夜更かし？」

絵里「メールしてたの。主に、にこのことで一晩中語りつくしたわ」

にこ「……あんたたち、本当に仲良いわよね」

絵里「嫉妬してくれる？」

にこ「…ちょっとはね」

絵里「……随分素直になったわね」

にこ「にこはいつだって素直に生きてるわよ」

絵里「……」

にこ「やめて、その無言はキツい」

絵里「ごめんなさい」

にこ（まぁ実際、まだ教室にほとんど誰もいない状態だから言えることだけど）

絵里「…でも、嫉妬っていえば私のほうが酷いけどね」

にこ「酷いって？」

絵里「…」ﾁｮｲﾁｮｲ

にこ「？」

にこ（近づけばいいってことかしら…）ﾃｸﾃｸ

絵里「希からほぼ無理やり聞き出したんだけど、希にはにこから告白したんでしょ？」ﾋｿ

にこ「…そりゃ、あっちがどう思ってるか分からなかったし、自然とそうなるわよ」

絵里「分かってはいるけど、でも妬けるわ。…希のことは諦めたくなかったってことでしょ」

にこ「そりゃそうだけど……でも、みんなに対してだって同じ気持ちよ」

絵里「……そう。ところで、にこ」

にこ「ん？」

絵里「今日、泊まりにいってもいい？」

にこ「え、な、なんで急に？」

絵里「なんとなく。…流れちゃってる約束とか、ちゃんと果たしてもらいたいし」

にこ「約束…？」

にこ（…なにかあったっけ？）

ｶﾞﾗ


希「…あ」

絵里「おはよう、希」

希「うん、おはよ…」ｺｼｺｼ

絵里「思ったよりは早く登校してきたけど、さすがに眠そうね」

希「まぁ、そりゃ……エリちはよく平気やね」

絵里「強いから」

希「そう…」

にこ「希、おはよ」

希「あ……う、うん、おはよ、にこっち」ｽｽ

にこ（距離とられた…）ｶﾞｰﾝ

絵里「…ああ、そうだ、希」

希「ん？」

絵里「こういう形に落ち着いたけど、私はまだ完全には諦めてないからね」ｸﾞｲｯ

にこ「って、腕引っ張らないでよ。というか、諦めてないってなに？」

絵里「にこは相変わらずニブすぎて将来が心配ね」

にこ「そこはかとなくバカにしてるわよね…」

希「諦めてないって……それは、穂乃果ちゃんたちに怒られるんやないかな…」

絵里「関係ないわ。海未や真姫だって同じ考えみたいだし」

希「いつの間にそんな話を…」

絵里「昨日の夜。希とメールしてる合間に」

希「エリちはホント……ちゃっかりしてるね」

絵里「希だって似たようなものじゃない」

希「…それもそうやね」

にこ（…二人がなにを話してるのか分からない…）

絵里「だから希も、前みたいに遠慮した状態じゃ本当に後悔しちゃうわよ」

希「……うん、気を付ける」

にこ「…あ、あの、にこの疎外感が半端ないんだけど…」

絵里「なに言ってるの。にこの話をしてるんじゃない」

にこ「え？」

希「まぁにこっちは鈍いままのほうが可愛いかもしれへんけどね」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

にこ「いや、最近にこは自分が鈍いんじゃなくてあんたたちの話が分かりにくいだけなんじゃないかって思ってきたんだけど…」

絵里・希「それはない」

にこ（即答なのね…）


―――
――
―

ｶﾞﾁｬ

穂乃果「にこちゃーんっ！」ｷﾞｭｯ

にこ「な、なに！？」ﾋﾞｸｯ

穂乃果「絵里ちゃんからメールで聞いたよー。これで心置きなくにこちゃんにギュッてしていいんだよね！」

にこ「メールって…」ﾁﾗ

絵里「それも昨日の夜に。にこ一人でみんなに報告するのは大変かなって思って」

にこ（すごい手の早さね……いや、助かったけど…）

穂乃果「えへへ、にこちゃん」ｽﾘｽﾘ

にこ「と、とりあえず離れなさいよ。練習始められないでしょ」

穂乃果「いいじゃんもうちょっとー」

凛「あ、じゃぁ凛も凛も！」ｷﾞｭｯ

にこ「いや、だから練習……」

にこ（……なんか、もういっか…）ﾊｧ

ことり「二人ともいいなぁ…」

海未「うらやましがってる場合じゃないです。今は練習の時間なんですから」

真姫「それもそうね……ほら、凛、離れなさい」ｸﾞｲ

凛「えぇー…」

絵里「穂乃果もよ。ほら、今日はいつものくじ引きしなくてもいいの？」

穂乃果「あ、そっか！　忘れてた！」ﾊﾟ

にこ「あ、そのことなんだけど…」

穂乃果「ん？」

にこ「いつまでもみんなに付き合ってもらうのも悪いし、これからはにこ一人で頑張るわ。そろそろ自立しないと三年生としてどうかとも思うし……」

絵里「そう？　…まぁ、にこがそう言うなら無理強いはしないけど…」

にこ「うん。今まで色々ありがとう」