にこ「にっこにっこにー♪」その5【ラブライブ!】 (1000)

・にこ中心でいきます

・書き溜め無しです、すみません

・恐らくゆったりペースになります

・ちょくちょく安価が出ます

・勝手に人様のレスに書かれたネタを拾ったりします


前スレ:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1399360351


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1399909087


―――――

ガチャ


穂乃果「あ、にこちゃん、花陽ちゃん、おかえりー。忘れ物見つかった?」

にこ「おかげさまで」

花陽「うん、私も見つかったよ」

にこ「というか、もうみんな着替え終わってるのね…」

にこ(いくらなんでも早すぎない…?)

穂乃果「にこちゃんたちのこと待ってたんだよ。みんなで一緒に帰ろうと思って」

花陽「あ、じゃぁ急いで着替えるね」

海未「いえ、ゆっくりでいいですよ、花陽」

凛「そうだよー。凛たちは適当にお喋りして待ってるから!」

花陽「うん。じゃぁ着替えてくるね。いこ、にこちゃん」

にこ「ん」コクリ

にこ(…そういえば、誰かと二人で着替えるって、あんまりない経験な気が……花陽相手は特に)ピタ

花陽「にこちゃん、どうかした?」

にこ「あ、いや、なんでも」

にこ(って、男子中学生じゃあるまいし、着替え程度でなに言ってんのよ。そもそも今まで何十回と着替えてきたんだから、今更そんな…)ブンブン

穂乃果「? にこちゃん、なんで急に首振ったの?」

にこ「あ、頭の体操」

穂乃果「へー、変わった体操だねー。こんな感じ?」ブンブンッ

海未「穂乃果、なんでも真似しないでください」

真姫「というか、どう考えても嘘くさいけどね。体操っていうの」

絵里「まさかにこ、まだ体調が悪いんじゃ……なんか顔も赤い気がするし…」

にこ「いやいや、だから大丈夫だってば」

凛「あ、にこちゃんのことだからきっと、かよちんと二人きりの更衣室にドキドキしたりしちゃったんでしょ?」

にこ「ぅえっ!?」

凛「えっ? まさか図星?」

にこ「い、いやいや、そんなわけないじゃない。にこは女の子なんだし、ドキドキとか変でしょ」

凛「んー…それもそうだね」

ことり「あ、でもことりはにこちゃんの着替え見るといつもドキドキするよ」

にこ「は!?」

ことり「あれ、気づいてなかった? いつもチラチラ見てるんだけど」

穂乃果「そういえばことりちゃん、いつもどこか見てたけど、にこちゃんのほう見てたんだね」

にこ「普通に気づいてなかったんだけど……」

にこ(にこの……まぁ正直、かなり凹凸の少ない身体なんて見て楽しいのかしら…)

海未「こ、ここことり! なにを破廉恥なことを言ってるんですか!」

ことり「もう、海未ちゃんは初心なんだから」

絵里「いや、今のは、ことりの発言のほうがどうかと思うけど…」

穂乃果「えー、けど私はことりちゃん側だよ?」

絵里・海未「えっ」

真姫「…」

希「ああもうこの話はおしまいにして、ほら、にこっち、花陽ちゃん、早く着替えてき」

花陽「う、うん」

にこ「はいはい」

にこ(とりあえずことりの言葉は聞かなかったことにしよう…)


ガチャ


花陽「……」

にこ「……」

にこ(凛が変なこと言うから、逆に意識しちゃうじゃない…)チラ

花陽「な、なに?」

にこ「あ、いや、なんでも……さっさと着替えましょうか」

花陽「うん」

にこ(無心無心無心…)スル…

にこ(…これが穂乃果や凛なら一ミリも意識せずに着替えられたんだろうけど…)パサ

にこ(…とりあえず、無言で着替えてると衣擦れの音が気になって仕方ないから、何か話そう)



>>10
(話題。ざっくりしたものでも大丈夫です)

日曜の件について

にこ(ここは平和的に、タイムリーな話題を…ってことで、)

にこ「あの、日曜日のことなんだけど」チラ

花陽「え、あ、うん。なに?」サッ

にこ(…何故か服で胸元隠されたんだけど……。いや、まぁきっと花陽も恥ずかしいのよね。出来るだけ見ないようにしよう)

にこ「日曜、うちに来てくれるって言ったじゃない」

花陽「うん」

にこ「何時ぐらいに来れそう?」

花陽「えっと……朝の十時くらいとか、どうかな。ちょっと準備したいものもあるし」

にこ「準備ってなんの?」

花陽「それは日曜日に言うよ」

にこ「そう…」

にこ(気になる…)

花陽「あ、それでね、帰るのはお昼くらいにしたいなって思ってるんだけど……いいかな? お昼から予定とかあったりしない?」

にこ「大丈夫。こころたちも喜ぶわ」

花陽「うん。楽しみだなぁ、にこちゃんのお家」

にこ「さっきも言ったけど、そんな大したものじゃないわよ」

花陽「そんなことないよ。それに、友達のお家に遊びに行くのって、ドキドキしない?」

にこ「あー……まぁ、そうね…」

にこ(正直、よく分からない感覚だけど…。前に海未の家には行ったけど、あんまりにこが誰かの家に行くことってないからなぁ…)

にこ「花陽はやっぱり、凛とか真姫ちゃんの家によく行くの?」

花陽「凛ちゃんのお家はよく行くけど……真姫ちゃんのお家はあんまりないかな。私の家に来てもらうことのほうが多いね」

にこ「へー」

花陽「にこちゃんは、絵里ちゃんや希ちゃんのお家には?」

にこ「ほとんど行ったことないわね…」

花陽「そうなの? …なんだか意外」

にこ「そう? 高校生くらいになったら、あんまりお互いの家に行くことも少ないと思うけど…」

花陽「でも、にこちゃんたちってすごく仲が良いから」

にこ「べ、別にそんな仲良しってわけでもないわよ」

にこ(…それに、あの二人はお互いが親友って感じで、なんか三人でいると時々疎外感あるし。……まぁ仕方ないことだけど)

花陽「あ、よかったら今度、私の家にも遊びに来てね」

にこ「うん、機会があったらね。…よし、着替え終わった」

花陽「え、早い」

にこ(多分花陽が遅いだけだと思うけど……さすがに花陽にはそんなこと言えないわね)

にこ「待ってるから、ゆっくり着替えていいわよ」

花陽「あ、ありがとう」イソイソ

にこ(……しかし、手持無沙汰ね。なにか鞄になかったっけ)ガサゴソ

にこ「……」ペリ

花陽「? にこちゃん、飴食べるの?」

にこ「え? あ……」

にこ(また体が勝手に………冗談抜きで病気の域ね…)

にこ「花陽、飴いる?」

花陽「えっ、く、くれるなら、もらうけど…」

にこ「ん。はい、あーん」

花陽「……あ、あーん…」パク

にこ「!」

花陽「っ……ご、ごめん! 今、ちょっとにこちゃんの指にも、その、触れちゃって…」

にこ「ああ、いや、平気平気。この飴小さいしね」

花陽「う、うん……」カアアァァッ

にこ(そ、そんなに照れなくてもいいのに…)

眠いので今回の更新はここまでにします
次はまた夜にでも再開できたらと思います

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました

レスありがとうございます

ゆったりと再開していきます

花陽「…」イソイソ

にこ(……飴食べたい、けど、我慢して待とう)

花陽「……よし、着替え終わったよ、にこちゃん。待たせてごめんね」

にこ「いや、全然。じゃ、戻りましょうか」

花陽「うん」


ガチャ


凛「あ、かよちん、にこちゃん、おかえりー」

にこ「うん」

花陽「ただいま、凛ちゃん」

希「じゃぁ二人も戻って来たことやし、帰ろか」

「「「はーい」」」


にこ(早く帰ってお茶でも飲んで口寂しさを解消しよう…)

にこ「…」チラ

凛「にゃ? にこちゃん、どうかした?」

にこ「あ、いや、なんでもない」

にこ(……さ、さすがに、本当に凛に協力頼むわけにはいかないしね…うん)テクテク


―――
――


にこ「ただいまー……」ガチャ

にこ(帰りに買い物して帰ったら、意外と時間かかっちゃったわね…。早くご飯作り始めないと、食べるのが遅くなるし、急がないと)

にこ(…しかし、誰もいない家って、なんか妙に広く感じるのよね…)


ガタッ


にこ「っ!?」ビクッ

にこ(な、なんだ、物が落ちた音か……ビックリした)

にこ「別に怖いわけじゃないけど、とりあえずテレビの電源つけとこう、うん。別に全然怖いわけじゃないからね」ピッ

にこ(…誰に言ってんだろ)ハァ

にこ(よし、じゃぁ早速夕飯の支度を……)


ピーンポーン


にこ「ひゃあぁ!! ……って、インターホンね……さっきの物音といい、タイミング悪すぎでしょ…」

にこ「今度こそ宅配便かしら…」テクテク



>>34
訪問者
(μ’sメンバーでお願いします)

うみ

にこ「はーい」

ガチャ

海未「あ、こ、こんばんは」ペコリ

にこ「え、海未? こ、こんばんは」ペコリ

にこ「どうしたの? こんな時間に……それに、その荷物なに?」

海未「あ、これは……お弁当です」

にこ「お、お弁当? なんでお弁当?」

海未「その……さっき学校で話してたじゃないですか。今日は家に一人だと」

にこ「うん」

海未「なので、よかったら……夕飯として、一緒に食べませんか?」

にこ「えっ……い、いや…」

にこ(それはさすがに悪い……けど、もうお弁当作っちゃってるわけだし、ここで断るほうが悪いわよね…)

にこ「じゃぁお言葉に甘えさせてもらおうかしら」

海未「ほ、ホントですか!」パァッ

にこ「うん。わざわざありがとね」

海未「いえ、にこのためならこれくらい…」

にこ「じゃぁ上がって」

海未「はい、お邪魔します」ペコリ


海未「……」ソワソワ

にこ「そんなソワソワしなくても、なにもないわよ」

海未「そ、そうですよね」

にこ「お茶淹れるからちょっと待ってて」

海未「あ、手伝います」

にこ「ううん、大丈夫。海未はお弁当作ってくれたんだし、これくらいはにこにやらせてよ」

海未「…はい……では、お任せします」ペコ

にこ「ん」


にこ(しかし、まさかお弁当持ってきてくれるとは…さすがに想定外だったわ。まぁ、すごく嬉しいけど)カチャ


(他のメンバーが来るかどうかの安価↓1)


コンマ(一桁)の数だけ追加でメンバーがやってくる展開になります
0と9なら誰も来ません

メンバーが来る結果になった場合、相手はいちいち安価します

にこ「そうだ、海未って緑茶でも大丈夫?」

海未「あ、はい。大好物です」

にこ「りょーかい」パラパラ

にこ「あとはお湯を注いでっと……、よし」


にこ「はい、お待たせ」カタ

海未「ありがとうございます」

海未「…今更ですが、すみません、いきなりお邪魔してしまって」

にこ「いやいや、別に」

にこ(ちょうど怖か……じゃなくて、寂しかったし)

にこ「海未が来てくれて嬉しいわよ」

海未「っ……そ、そう言ってもらえると、私も嬉しいです」

にこ「うん。じゃぁ早速お弁当食べてもいい? なんかお腹すいてて」

海未「あ、はい。急いで作ったものなので、大したものではないのですが…」パカ

にこ「……う、うん。大したものじゃない…のね」

にこ(その割に、すごい豪華なんだけど……品数めちゃくちゃ多いし…急いで作ってこれって、どういうことなの…)

にこ「海未って料理上手なのね」

海未「いえ、そんなことないですよ」

にこ「いやいや、これはすごいと思うけど…」

海未「和食は好きなので、昔から作っていたんです。そのせいで、洋食はあまり得意ではなくて……」

にこ「いいじゃない、にこも好きよ、和食。おいしいわよね」

海未「はい、すごく美味しいです」

にこ「じゃ、早速いただいていい? …って、しまった。お箸持ってこないと」

海未「いえ、割り箸を持ってきましたので。どうぞ」ス

にこ「あ、ありがと」

にこ(なんて用意周到な…)

にこ「いただきまーす」パキッ

海未「いただきます」ペコ

にこ(これだけ色々あると迷うけど……とりあえず、一番なじみのある卵焼きからいただこう)パク

にこ「…おいしい!」パァッ

海未「ほ、ホントですか…よかったです」

にこ「うん、ホントにすごくおいしい。上品な味というか、海未らしいというか。とにかくおいしい」

にこ(って、結局おいしいしか言ってないわね…)

海未「気に入ってもらえて嬉しいです。遠慮なく食べてくださいね」

にこ「じゃぁ遠慮なく……って、海未は食べないの? 割り箸割ってないけど」

海未「食べます…けど、もう少しだけにこの食べる姿を見てから、と思って…」

にこ「…にこの食べる姿なんて見て楽しい?」

海未「楽しいです、すごく。…にこが喜んでくれているのを見ると、嬉しいですし」

にこ「………そ、そう」

にこ(聞いてるこっちが恥ずかしくなってきた…)

海未「あ、よかったらこの煮つけも食べてみてください。これはちょっと自信作なんです」

にこ「うん、じゃぁありがたく」パク

にこ「…あ、これもおいしい。やっぱり海未は料理上手ね」

海未「ありがとうございます」

にこ(…しかし、ジッと見られながら食べるのはちょっと落ち着かない…)パク

にこ「海未もそろそろ食べたら?」

海未「あ、はい。では、遠慮なく」パキッ

にこ(…にしても、やっぱり人と話してるほうが落ち着くわね)

にこ「海未」

海未「どうかしましたか?」

にこ「今日は来てくれてありがとね」

海未「いえ、そんな……私が勝手に押しかけただけですし」

にこ「それでも助かったわ。やっぱり一人はちょっと物足りないというか…寂しかったし」

海未「…にこのお役に立てたなら、本望です」

にこ「本望って……堅苦しい言い方するわね」

海未「あ、すみません…」

にこ「いや、海未らしくていいんじゃない」

海未「そ、そうでしょうか」

にこ「うん、なんか可愛いわよ」

海未「か、かわ……、っ…」カアアァッ

にこ(今のはちょっとした冗談だったんだけど…こうやって赤くなるところは普通に可愛いわよね)

にこ(ことりたちがよく海未をからかうのは、こういう顔が見たいからなんでしょうね、多分)

にこ(…にこもちょっとからかってみようかな。うん、今なら見てる人もいないし、いいわよね)

にこ「海未」

海未「は、はい、なんでしょう」

にこ「この煮つけ、本当においしかったわ」

海未「へ、あ、はい。先ほども聞きましたが…」

にこ「というわけで、海未も食べてみたら?」ス

海未「え、えっと……食べますが…あの、どうして、にこのお箸が私の目の前に差し出されているんでしょうか…? しかも、煮つけを挟んだ状態で…」

にこ「せっかくだし、あーんしてあげようかと思って」

海未「えっ……ええええっ!?」ズサッ

にこ「いや、そんな後ずさらなくても」

海未「で、でも、その……!」

にこ「食べさせっこなんて、友達同士なら普通なんじゃないの?」

海未「っ~……///」

にこ(なんか、可哀想になるくらい顔真っ赤になってる……からかいすぎたのかしら。けど、こうやって食べさせるのって普通なはずよね…?)

にこ「あー……海未、ごめん、冗談だか

海未「い、いただきます!」

にこ「えっ、あ…うん。どうぞ」

海未「……っ」パクッ

海未「………お、美味しいです…」

にこ「う、うん、よかった」

海未「……」

にこ(……なんだろう、この雰囲気。にこが悪いの…よね、多分)

海未「…に、にこ」

にこ「ん?」

海未「…どうぞ」スッ

にこ「あ、うん。ありがと」パク

にこ(自分でする分には平気なのね………あ、これもおいしい)モグモグ

海未「……」ジ

にこ「? …お箸ジッと見つめて、どうかしたの?」

海未「い、いえ、な、なんでもありません!」

にこ「…?」


―――――

にこ「ごちそうさまでした」ペコリ

海未「おそまつさまでした」ペコリ

にこ「ありがと。すごくおいしかったわ」

海未「こちらこそ、綺麗に食べてもらえて嬉しいです」

にこ「そりゃ海未がせっかく作ってくれたんだしね」

にこ「あ、お弁当箱洗って返すわ」

海未「いえ、大丈夫です。お箸と一緒に持ち帰って洗いますから」

にこ(え、割り箸も洗うのかしら……いや、そんなわけないわよね)

海未「……」チラ

にこ「どうかした?」

海未「あの……ご飯、食べ終わりましたよね」

にこ「う、うん。ごちそうさまって言ったばかりじゃない」

海未「……もう少しだけ、お邪魔していてもいいですか?」

にこ「えっ、むしろいいの? 遅くなるとご両親が心配するんじゃない?」

海未「大丈夫です、きちんと連絡すれば」

にこ「それなら…にこは全然かまわない…というか、むしろありがたいけど」

海未「ありがとうございますっ」



海未「今、両親に連絡してきました。もう少しならいいそうです」

にこ「そう。じゃぁ、えっと……テレビでも見る?」

海未「あ、はい」

にこ「何かいいのやってるかしら……あ、ドラマでいい?」ピッピッ

海未「はい。…なんのドラマでしょうか?」

にこ「さあ? 時間的に始まったばっかりなんだろうけど……なんかこの男の人が主人公っぽいし、刑事ものか何かかしら。まぁ見てれば分かるわよ」

海未「それもそうですね」

海未「……あの、にこ。見ながらでいいので、何かお話しませんか?」

にこ「うん、いいけど。お話って?」

海未「えっと……>>58とか」


(話題。ざっくりとしたものでも大丈夫です)

今度はにこと一緒にご飯を作りたい

海未「料理の話…とか」

にこ「料理? いいわよ、なになに?」

にこ(友達と料理の話とかあんまりしないから、ちょっとテンション上がる)

海未「にこは料理をするのは好きですか?」

にこ「うん、普通に好きよ」

海未「なら、今度は……にこと一緒にご飯を作りたいです」

にこ「え、一緒に?」

海未「はい。よかったら、なんですけど…」

にこ「全然いいわよ。しましょ、一緒に」

海未「ホントにいいんですか?」

にこ「もちろん。こころやここあたちくらいとしか一緒に料理したことないから、ちょっと興味あるし」

海未「じゃ、じゃぁ、ぜひ今度一緒に」

にこ「うん」

海未「…」パアアァッ

にこ(無言で喜んでる……可愛い)

海未「あの、楽しみにしてます」

にこ「うん」

にこ(とはいっても…実現するのはいつになるか分からないんだけど……わざわざ今約束するのも変だし…。今度機会があったら誘ってみよう)

海未「私、にこと一緒に作りたい料理、色々考えてたんです。候補が多すぎてまだ絞っている最中なんですが…」

にこ「…なんか、海未って見てて和むわね」

海未「えっ、な、なんですか急に」

にこ「いや、穂乃果とかことりとかとはまた違った無邪気さがあるなって思って」

海未「無邪気なんてそんなこと……、はしゃぎすぎでしたか…?」

にこ「ああ、いや、責めてるんじゃないのよ。ほら、普段はどっちかというと大人っぽいから、なんかそういうギャップがいいなというか、なんというか…」

にこ(上手く言えない…)

海未「よく分かりませんが……もし私がはしゃいでいるんだとしたら、それはにこと一緒だからですよ」

海未「にこと……す、好きな人と一緒だから、その……嬉しくて、ついはしゃいでしまうというか…その…」

にこ「う、うん。言いたいことは分かったから、もういいわ。これ以上はにこも恥ずかしくなってくるし…」

にこ(そっか……よく考えれば、今は海未と二人きりなのね…)

海未「……」

にこ(だ、ダメだ。二人きりとか意識すると恥ずかしくなるから、考えないようにしよう)ブンブン

海未「あ」

にこ「ん?」

海未「いえ……その、このドラマ…刑事ものではなかったみたいです」

にこ「え?」チラ

にこ(……ああ、そうね。ガッツリラブストーリーだったわね……しかもなんか…こんなのゴールデンで流すなよってくらいの、濃いラブシーンで…)

にこ「か、変えましょうか」

海未「そ、そうですね」

にこ「…」ピ

海未「……」

にこ(…な、なんか気まずい)

にこ「あー……そ、そうだ、海未。この間、リズムゲームで対戦したじゃない」

海未「はい。…あ、そういえば、そのときの罰ゲームがまだでしたね」

にこ「うん。ちょうどいいし、今しちゃわない?」

海未「そうですね。…えっと、では、よろしくお願いします」ペコリ

にこ(そんなに改まらなくても…)

にこ「えっと……それで、にこが後ろから海未を抱きしめればいいんだっけ?」

海未「は、はい」

にこ「…今更だけど、なんか海未にしては変な罰ゲームよね」

海未「へ、変…」ガーン

にこ「いや、バカにしてるわけじゃなくて……ほら、なんかこういうのって、どっちかというと穂乃果とかが思いつきそうなやつじゃない」

海未「それは確かにそうかもしれませんね…」

海未「……ただ、私も、たまには…勇気を出してみようと、思って…」ポソリ

にこ「ごめん、よく聞こえなかったんだけど…」

海未「いえ、なんでもありません」コホコホ

にこ「そう…?」

にこ(さてと…じゃぁ抱きしめるわけだけど……ああ、そうだ)

にこ「ごめん、ちょっと待ってて」スク

海未「え? あ、はい」



にこ(えっと、確かここに……あ。あった)ガサゴソ

にこ(あとは、にこの髪をほどいて、結んでっと…)


ガチャ

にこ「お待たせ」

海未「いえ、そんなに待っては……って、にこ? どうしてポニーテールに…?」

にこ「前の逆バージョンよ。はい、これレースのハンカチ。頭に乗せるわよ」ヒラ

海未「え、えっと…」

にこ「覚えてないの? 結婚式ごっこ」

海未「ああ………って、え? 逆って…」

にこ「あのとき言ったでしょ。次は海未を女の子役にするって」

海未「お、覚えていてくれたのですか?」

にこ「そりゃね。まぁちょっと背が低いお婿さんだけど、そこは目を瞑ってね」

海未「そんなこと全然気にしません…。にこが覚えてくれていただけで……」ウル

にこ「って、なに泣いてんのよ!? 泣くようなことじゃないでしょ!」

海未「す、すみません、感激したもので、思わず…」ゴシゴシ

にこ(どんだけ涙腺弱いのよ…)

にこ「…しかし、ハンカチ乗せたのはいいけど、普通に邪魔だったわね」

海未「じゃ、邪魔って…。大丈夫ですよ、そう簡単に落としたりしませんから」

にこ「そう。じゃぁえっと……」ス

海未「あ、私、立ったほうがいいですか?」

にこ「いや、いいわ。立たれると……その、身長差が…」

にこ(座ったままの海未を、立った状態のにこが抱きしめるのが、一番楽な形だろうし)

海未「では、このままで」

にこ「うん。じゃぁいくわよ」

海未「は、はいっ」

にこ(声裏返ってるし……どんだけ緊張してんの)

にこ(とりあえず驚かせないように、ゆっくりと腕を回して…)ソロー

海未「っ…」ビクッ

にこ「って、なんで腕が触れただけでそんなビクつくのよ…」

海未「す、すみませ……は、恥ずかしくて…」

にこ「あんまり恥ずかしがらないでよ。こっちまで恥ずかしくなってくるでしょ」

海未「善処します…」

にこ(あーもう…いいや。やっぱり勢いで抱きしめよう)ギュッ

海未「ひゃぅっ」

にこ「…変な声出さないでよ」

海未「びっくりしたので……すみません…」シュン

にこ「いや、謝らなくてもいいけど…」

にこ「えっと……こんな感じで抱きしめてればいいのよね?」ギュー

海未「は、はい……すごく、いい感じ、です…」

にこ(いい感じってなんだろう…)

にこ(…にしても、なんか海未っていい匂いするわね。なんというか、落ち着く感じ)スリ

海未「っ……に、にこ」

にこ「ん?」

海未「い、今………、やっぱりなんでもないです…」

にこ「途中で言うのやめるって……まぁ、いいけど」

にこ「ところでにこは、いつまでこうしてればいいの?」

海未「あ、すみません……もう少しだけ…」ギュ

にこ「別に。……手、握らなくても逃げたりしないわよ」

海未「す、すみませ……、あの、でも、握ったままでもいいですか?」

にこ「いいけど…」

海未「ありがとうございます…」

にこ(……しかしこの態勢、なんか恥ずかしい)

にこ(しかも手持無沙汰だし……)

海未「……」ニギニギ

にこ「って、手をにぎにぎしないでよ」

海未「いえ、にこの手って……その、やわらかいなぁと、思って…」

にこ「え、そう?」

海未「はい。…すごく、触り心地がいいです」

にこ「ま、まぁそれなら、触っててもいいけど、うん」

海未「ありがとうございます」ニギニギ

にこ(…なんか、心なしか楽しそう)


海未「……あの、にこ」

にこ「ん?」

海未「私……、…にこのことが好きです」

にこ「う、うん……なによ、急に」

海未「……だ、だから、今日はすごく、嬉しかったです」

にこ「…ならよかったわ。というか、にこも嬉しかったわよ、楽しかったし」

海未「っ…」ギュッ

にこ「?」

海未「……好きなんです、本当に」

にこ「いや、それはさっきも聞いたけど…」

海未「……じゃぁ、こたえてください」

にこ「え?」

海未「……、…す、すみません。もう離れてもらって大丈夫です」

にこ「え、でも…」

海未「本当に大丈夫ですから。…お願いします」

にこ(なんか急に様子がおかしくなったような気が……、どうしよう…)


>>79

1.離す
2.離さない

2

にこ(とりあえず、事情を聞いてからってことで…)

にこ「ねぇ海未」

海未「っ……な、なんですか?」

にこ「なんか急に様子がおかしくなった気がするんだけど…」

海未「…そんなことありませんよ。あの、それより早く離れていただけると…」

にこ「そんなことないようには見えないから聞いたのよ。さっきまで普通だったんだし、にこが何かやっちゃったとしか思えないじゃない」

海未「と、とりあえず離れてから話を…」

にこ「話したら離れるわ」

海未「………聞いても、後悔しませんか?」

にこ「うん」

海未「……私は、にこが好きです。だから、その……二人きりでこういう状態だと……ドキドキするというか…」

海未「………その……て、手を出したく、なる、と、いいますか……」

にこ「手を出す………って、は!?」

海未「み、耳元で急に叫ばないでください…」

にこ「あ、ごめん……いや、けど、今のはビックリするわよ、普通は…」

海未「す、すみません……にこが純粋な厚意でしてくれていることなのに、こんなことを考えてしまって…」

にこ「いや、別に…謝ることではないけど…」

にこ(というか、いくらにこが聞いたからって、バカ正直にそんなことを答えるなんて……海未って生きていくのが難しそうなくらい、律儀ね…)

すみません、今回はここまでにします
また改めて夜にでも再開したいと思います

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました

レスありがとうございます

いつもよりちょっと早いですが、ゆったり再開していきます

>>92
何故かID変わってますが、気にしないでください
では、次から今度こそ再開していきます

海未「……あの」

にこ「ん?」

海未「そういうわけですので……離れていただけると、助かります…」

にこ「あ、う、うん、ごめん」パ

海未「いえ…こちらこそ。…先ほどのことはさておき、本当に嬉しかったです。にこが、私との会話を覚えていてくれて」

にこ「別にこれくらい普通でしょ」

海未「…にこにとっては普通のことでも、私にとってはすごく特別なことなんですよ」

にこ「ま、まぁ、そこまで言ってくれたら、にこも嬉しいというか…なんというかって感じだけど…」

海未「……あ、あの!」

にこ「なに?」

海未「前に部の先輩から聞いたのですが…海外では……感謝の印に…その、き、キスをする国も、あるそうなんです」

にこ「あー…挨拶としてしたりするらしいもんね」

にこ(多分絵里もそんな感じだから、この間あんなおまじないしたんだろうなぁ…)

海未「な、なので……」ス

にこ「?」

にこ(なんで手をとるんだろう…)

海未「…失礼します」

チュ

にこ「……う、海未」

海未「な、なんでしょうか」

にこ「感謝とか挨拶とか、そういうキスって大抵、ほっぺたにやるものだと思うんだけど…」

海未「頬はなんとなく恥ずかしかったので、手の甲にと思ったのですが…ダメでしたか?」

にこ「う、うん…いや、ダメではないけどね…」

にこ(見てるこっちとしては、同じくらい恥ずかしかったんだけど…。前の真姫ちゃんといい、する側にとっては手の甲って割と軽いハードルなの…?)

海未「…それに、にこの手は小さくて可愛らしいですし」

にこ(小さくてって…褒めてるのかなぁ……いや、海未のことだから褒めてるのよね、多分…)

にこ「というか、海未って手フェチなの? さっきも手にぎにぎしてたけど」

海未「そんなことはないと思いますが………にこのものなら、手でも他の箇所でも、好きですよ」

にこ「……、な、なんか変態くさい発言ね」

海未「へ、変態…!?」ガーンッ

にこ「いや、冗談だから。そんな顔真っ青にしないでよ」

海未「冗談でも変態はひどいと思うのですが…」

にこ(だってすごい真剣な顔であんなこと言うから…。正直、変態くさい発言だって思ったのは本当だけど…相手が海未だとなんか変な感じがするというか…)チラ

海未「?」

にこ「…あ、そ、そうだ!」ガタッ

海未「どうしましたか?」

にこ「なんか適当にお菓子でもとってくるわね」

海未「いえ、いいですよ、お気遣いなく」

にこ「いやいや、にこもなんかお腹すいてきたし…」

にこ(というか、急に飴が食べたくなってきた……なにこれ、もはや中毒みたいになってない?)

海未「そうですか…では、用意するの手伝います」

にこ「いや、海未はお客さんなんだし座ってて」

海未「…にこがそう言うなら、待ってます」

にこ「うん」



にこ(しかし、思わずお菓子なんて言っちゃったけど……そろそろ時間も遅くなってきたし、これを食べ終わったら海未に帰るよう言ったほうがいいかしら)

にこ(あと、帰りはちゃんと送っていかないと…夜道は危ないし)

にこ(えっと……あとは冷蔵庫からジュースを出して…)

ピリリリリッ

にこ「ん? …なんだろ」ピッ

にこ「…あ、>>100から電話だ」

ことり

にこ(ことりから電話……こんな時間になにかしら)ピッ

にこ「もしもし?」

ことり『あ、にこちゃん、こんばんは。ごめんね、こんな時間に』

にこ「いや、別にいいけど。どうかした?」

ことり『えっとね、>>103



(用件。ざっくりしたものでも、何の用もないでも、なんでも大丈夫です)

明日学校来ないで

ことり『あのね、明日学校に来ないでほしいんだけど…』

にこ「へ? …あの、明日って土曜日よね?」

ことり『うん』

にこ「…今週ってなにか土曜日に特別なイベントとかやってたっけ?」

ことり『ううん、やってないよ』

にこ「……じゃぁ言われるまでもなく、学校には行かないけど…」

ことり『ほんと? じゃぁ家にいてね』

にこ「え、うん……」

にこ「…いや、ちょっと待って。学校に行かないとしても、普通に外に出かける可能性はあるじゃない」

ことり『あ、それもそうだね……じゃぁ言い方を変えて…出来れば外に出ないでほしいな』

にこ「えっと……なんで?」

ことり『理由は、今はちょっと話せないんだけど……出来ればでいいから』

にこ「う、うん……じゃぁ、分かったけど…」

ことり『ありがとう、にこちゃん』

にこ(事情がさっぱり分からないから、感謝されてもあんまり嬉しくない…)

意味ない安価を取ってごめんなさいm(_ _)m

にこ「で、用ってそれだけ?」

ことり『うん、一応』

にこ「じゃぁ切るわよ」

ことり『え、ちょ、ちょっと待って。もう少しだけお話ししない?』

にこ「ごめん、今ちょっと人待たせてるから…」

ことり『人? 誰か来てるの?』

にこ「海未が来てくれてるの」

ことり『……えっ、海未ちゃん?』

にこ「うん」

にこ(というか、ことりには言ってなかったのね。てっきり穂乃果たちには報告してるものだと思ってた…)

ことり『なんで海未ちゃんが?』

にこ「夕飯作って来てくれたのよ。今日にこが一人だって言ったから、多分心配してくれたんじゃないかしら」

ことり『そ、そっか……あ、じゃぁひょっとして、海未ちゃんの手作り食べたの?』

にこ「そりゃまぁ、せっかく作って来てくれたんだし」

ことり『そっかぁ……』

にこ(なんか、急に声に元気がなくなった気が…)

>>114
安価はよほどありえないことではない限り、どんな内容でも大丈夫です
私自身、色々な安価に対し自己流で解釈していたりしますし
レスつくだけでかなり嬉しいですし

ことり『……海未ちゃん、料理上手でしょ?』

にこ「あ、うん。かなり」

ことり『………だよね…』ハァ…

にこ「ど、どうしたのよ? なんか元気なくない?」

ことり『いや……海未ちゃんの作った料理、ことりたちもよく食べるんだけど……いつもすごいなぁって感心してるから』

にこ(それで元気がなくなるって、どういうことなの…?)

にこ「というか、ことりだって料理上手じゃない。特にお菓子とか」

ことり『そんなことないよ……ことりのは、しょせん趣味だもん…』

にこ「海未だってそんな本格的にやってるわけじゃないと思うけど…」

にこ(うどん打てたりするけど)

にこ「にこはことりの作るお菓子も好きよ。前一緒に作ったクッキーもおいしかったし」

ことり『……ほんと?』

にこ「ホントに決まってんでしょ」

ことり『……えへへ、ありがとう、にこちゃん。勇気出たよ』

にこ「うん」

にこ(…って、勇気? なんの?)

ことり『じゃぁあんまり海未ちゃんを待たせちゃうと悪いから、そろそろ切るね』

にこ「うん。じゃ、またね」

ことり『ばいばーい』ピッ

にこ(……しかし結局、明日家から出るなっていうのは、なんだったのかしら…)

にこ(……まぁいっか。とりあえずさっさとジュースを注いでっと…)



ガチャ


にこ「お待たせ。海未の好みとかよく分からないから、お菓子適当に持ってきたんだけど…好きなの食べて」

海未「ありがとうございます」ペコリ

海未「ところで、少し時間がかかっていたようですが、何かありましたか?」

にこ「うん、ちょっとね」パク

にこ(……あ、そうだ)

にこ「海未、ごめん、もう一回ちょっと待ってて」スク

海未「え? あ、はい」

―――――

にこ「はい、これ」スッ

海未「これは……え、あ、あのときの写真、ですよね…?」

にこ「うん。この間、海未がうちに遊びに来てくれたときのやつ」

海未「どうしてにこがこれを…?」

にこ「えっと……ごめん。実は前に海未の家にうどん作りに行ったとき、海未の部屋で見つけて、そのまま手違いで持って帰っちゃってて…」

海未「見つけたって………えっ、あの机の上のもの、勝手に見たんですか!?」ズイッ

にこ「う、うん……ホントごめん。黙ってようと思ったんだけど、さすがにちょっとって思って…」

海未「…そうですか……見たんですか…」

にこ「ごめんね…」

海未「いえ、怒ってるわけではないのです……過去に私もにこの携帯を見てしまったことがありますし…」

海未「…ただ、恥ずかしくて…」

にこ「恥ずかしい?」

海未「にことの写真をわざわざプリントアウトして持ってるなんて……」

にこ「いや、普通に嬉しかったけど?」

海未「えっ」

にこ「だって、それだけ海未があの日楽しんでくれたってことでしょ? だったら嬉しいと思うのが普通じゃない?」

海未「ひ、ヒかないのですか?」

にこ「なんでヒかなきゃなんないのよ」

海未「……じゃぁ、あの写真をアルバムとかに入れても、いいですか?」

にこ「う、うん、もちろん。というか、いちいちにこに許可とらなくても…」

海未「っ…」パアァァッ

にこ(嬉しそう……、まさか本気でヒかれるって思ってたの…?)

海未「ありがとうございます!」

にこ「いや、お礼言われるほどのことじゃないって」

にこ(とりあえず、写真を無事返せてよかったわ)

海未「えっと、じゃぁこれは返してもらいますね……といっても、自分の単体写真は、あまり興味がないのですが」

にこ「そうなの?」

海未「普通はそうだと思いますが…」

にこ「けど、にこはいつだって、自分がピンで写ってる写真が一番可愛いって思ってるわよ」

海未「まぁにこは可愛いですから」

にこ(冗談に真面目な答え返されると、こっちが恥ずかしいわね…)

にこ「でもこれ、よく撮れてるわよ。すごく可愛いし」

海未「か、可愛い…でしょうか…」

にこ「うん。…海未がいらないんだったら、にこがもらっていい?」

海未「えっ」

にこ「いや、もちろんダメならいいんだけど…」

にこ(μ’sのみんなの写真ってあんまり持ってないのよね…。写メとかポスターはいっぱい持ってるけど)

海未「にこが欲しいなら……構いませんが…」

にこ「じゃぁ遠慮なくもらうわね」ヒョイ

にこ「あ、ちゃんと大切にするから、心配しないで」

海未「は、はい……嬉しいです…」

にこ(なんか海未の顔が赤い気がするけど……気にしないことにしよう)

季節の設定ってある?

>>126
一応まだ決めてないです
恐らく季節を感じさせるような出来事も今までなかったはずです、多分


―――
――


にこ「うわ、このあたり真っ暗ね……街灯くらい設置すればいいのに…」キョロキョロ

海未「そうですね。……あの、本当に送ってもらわなくても大丈夫ですよ?」

にこ「もうすぐ海未の家につくってのに、今更なに言ってんのよ。大体、可愛い後輩にこんな夜遅くに一人で帰れなんて言えるわけないでしょ」

海未「お気持ちは嬉しいですが……帰りは大丈夫ですか?」

にこ「へ、平気よ。にこをなんだと思ってんの?」

海未「にこはにこだと思っていますが…」

にこ「海未ってなにに対しても真面目に返してくるわね…」

海未「そういう性格なので。すみません…つまらなくて」

にこ「いや、別に。はっちゃけすぎてるよりは、真面目なほうがいいだろうし」

にこ(…たまに海未もかなりはっちゃけてる気がするけど)

海未「……あの」

にこ「ん?」

海未「本当に、私と話していてつまらなかったら、いつでも言ってくださいね。遠慮せずに」

にこ「…だから、そんなことないってば。なによ、急に」

海未「いえ……穂乃果やことりなどと比べて、自分がどれだけカタい性格なのかは、昔からよく知っていますし」

にこ「にこは海未と話してるの好きよ。周囲にはいないタイプだったし、新鮮で楽しいわ」

海未「……嘘でも嬉しいです」

にこ「嘘じゃないっての」

にこ(ほんと、みんな変なとこでマイナス思考なのはなんなのかしら…)

海未「……」チラ

にこ「?」

海未「……」ソー…

にこ(手がすごい伸ばされてる……手繋ぎたいのかしら)

海未「……」サッ

にこ(って、ひっこめられた……違ったのね)

海未「……」ソー…

にこ「……あの」

海未「は、はいっ」ビクッ

にこ「…よかったら手、繋ぐ?」

海未「えっ、い、いいんですか?」

にこ「別にこれくらいなら」

海未「ありがとうございますっ。で、では…!」ソー…

海未「……っ」サッ

にこ「どんだけ恥ずかしがってんのよ…ほら、早く行くわよ」ギュ

海未「は、はい…!」カアアァッ

にこ(海未ってなんか、中学生みたい…)

すみません、ちょっと夕飯のため、間隔あきます

ゆったり再開していきます

海未「……」ドキドキ

にこ(緊張してるのがすごい伝わって来て、なんかこっちまで緊張してくる…)

海未「……あああ、あの、にこ!」

にこ「あ、うん、なに?」

海未「……い、いいお天気ですね」

にこ「う、うん」

海未「……」

にこ(話すことがなにもなかったのね…)

にこ「……あ、そうだ」

海未「どうしました?」

にこ「明日って、ことりに何か用事とかあったりする?」

海未「え? ことりですか? ……恐らく何もないと思いますが…すべての予定を把握してるわけではないので…」

海未「…ことりがどうかしたんですか?」

にこ「いや、ちょっと気になっただけ」

にこ(さすがに海未に聞いても分からないか…)

海未「そうですか…」



海未「あ……じゃぁそろそろ、ここらへんで大丈夫です」

にこ「ここまで来たんだし、家の前まで送るわよ?」

海未「いえ、大丈夫です。もうすぐそこですから」

にこ「そう。じゃぁまた学校でね」

海未「はい。……あの、今日はありがとうございました。急に押しかけたのに、お茶までごちそうになって…」

にこ「いや、全然。こっちこそおいしいお弁当ありがと。嬉しかったわ」

海未「にこに喜んでもらえたなら、作った甲斐がありました」

にこ「じゃぁそろそろ手を…」

ギュッ

にこ「……あの、海未。手を離してもらわないと、帰れないんだけど」

海未「そ、そうですよね…すみません」パ

海未「……にこと二人きりなんて、あまりないことなので……名残惜しくて、つい…」

にこ「え、えっと……」

にこ(なんて言ったらいいか分からない……とりあえず、)

にこ「海未さえよければ、またいつでも遊びに来てよ。ほら、こころたちも喜ぶし」

海未「は、はい、ぜひ、行かせてもらいます!」

にこ「うん、じゃぁまたね」

海未「はいっ、また!」パァッ

にこ(…可愛い)


―――――

にこ(帰り道に一人でも平気……なんて、さすがに後輩の前では見栄張ったけど…)

にこ(やっぱり、普通に怖いわね……)

にこ(とにかく早く帰ろう…)テクテク


テクテクテク


にこ「?」

にこ(なんか今、にこのもの以外の足音が……)

にこ(暗くてよく見えないけど、誰かいるのかしら…)キョロキョロ


>>144

足音の主
(人物なら誰でもいいです)

穂乃果ちゃん

にこ(…まぁ普通に考えたら、公共の道なんだし誰かいるのは当たり前よね)テクテク

「あー!!」

にこ「!?」ビクッ

にこ(な、ななな、なに!?)

穂乃果「やっぱりにこちゃんだ!」タッタッタッ

にこ「え、あ……ほ、穂乃果? なんでここに…」

穂乃果「お得意様のとこに和菓子配達に行ってたの。その帰り」

にこ(あ、そっか。海未の家の近くってことは、穂乃果の家の近所ってことにもなるのね)

穂乃果「にこちゃんこそどうしてここに? あ、もしかして私に会いに…」

にこ「それはない」

穂乃果「ひどいっ。でも、本当になんでこんな時間にこんなところに?」

にこ「海未を送っていった帰り」

穂乃果「海未ちゃんを? え? 海未ちゃんといたの?」

にこ「海未が夕飯作ってきてくれたから、にこの家でそれを食べさせてもらってたの」

穂乃果「えぇっ、いいなー…うらやましい」

にこ「海未って料理上手だもんね。けど、穂乃果はいつも食べさせてもらってるでしょ」

穂乃果「あ、いや、そうじゃなくて……まぁいいや。ね、それならもう帰るだけなんだよね?」

にこ「まぁそうだけど…」

穂乃果「うちに寄っていかない?」

にこ「いかない。じゃ、またね」

穂乃果「す、すとっぷ!」ギュッ

にこ「なによ。手掴まれたら歩けないじゃない」

穂乃果「いや、だからストップだってば! いいじゃん、寄ってってよー」

にこ「あのね、今何時だと思ってんのよ。こんな時間からお邪魔したら穂乃果の家の人に迷惑がかかるでしょ」

穂乃果「大丈夫だって。うちの家族はそういうの気にしないから」

にこ「にこが気にするのよ。ほら、早く離しなさい」

穂乃果「……やだ」

にこ「は?」

穂乃果「今まで海未ちゃんと二人きりだったんでしょ? …穂乃果とも少しくらい一緒にいてよ」ムス

にこ「そんな子供みたいな…」

穂乃果「にこちゃん……お願い…」

にこ(……こ、これだけ言うんだから少しくらいは一緒にいてあげたいけど…でも)

にこ「あんまり遅くなると帰り道が…」

穂乃果「帰り道? …あ、ひょっとして怖いの?」

にこ「こ、怖いわけじゃないけど…」

穂乃果「そっかー……あ、じゃぁこうしよう!」

にこ「?」


>>151
1.穂乃果がにこの家に行く
2.穂乃果の家に泊める

2

穂乃果「うちに泊まっていって!」

にこ「……いや、それは、さすがにないでしょ」

穂乃果「ありだよー。明日は土曜日だし。ね? いいじゃん、にこちゃん。人助けだと思って」

にこ「人助けってなによ…」

穂乃果「私、にこちゃんと一緒にいたいな…」

にこ「………わ、分かったわよ」

穂乃果「やった! ありがとう、にこちゃん!」

にこ(そろそろ後輩の頼みを断るってことを覚えたほうがいいかもしれない…)

―――
――


ガラ


穂乃果「ただいまー!」

にこ「おじゃまします…」

雪穂「おかえりー……ってあれ、お客さん?」

にこ「あ、こ、こんばんは」ペコリ

にこ(確か穂乃果の妹の…雪穂ちゃん、だっけ)

雪穂「あ、はい、いらっしゃいませ」ペコリ

雪穂「えっと…μ’sの、にこ先輩ですよね? なんでここに…」

穂乃果「さっき偶然そこで会ったから呼んだの。で、今日はうちに泊まってもらおうと思って!」

雪穂「えぇっ、そんないきなり……ちゃんとお母さんたちの許可とったの?」

穂乃果「ううん、まだ。今から言ってくるから、雪穂、にこちゃん私の部屋に案内してあげてて!」タッタッタッ

にこ(いや、穂乃果の部屋がどこにあるかは知ってるんだけど……何度かみんなで来たことあるし)

雪穂「まったくお姉ちゃんってば…」ハァ

雪穂「あの…すみません、あんな姉で」

にこ「あ、いや…」

にこ(なんかすごい真面目そうな子ね……穂乃果の妹とは思えない)

雪穂「じゃぁ…えっと、案内しますね」

にこ「うん、ありがと」



にこ「…」テクテク

雪穂「……あの」

にこ「あ、うん。なに?」

雪穂「ひょっとして今日って、お姉ちゃんに無理やり連れてこられたりしませんでしたか…?」

にこ「えっと……いや、別に無理やりってことは…」

雪穂「そうですか。けど、本当に迷惑だったら言ってあげてくださいね。あの人、ガツンと言われないと分からないとこありますから」

にこ「う、うん、そうするわ」

にこ(ホントにしっかりしてるわね……どっちかというと、海未みたいなタイプなのかしら)

雪穂「あ、ここです、お姉ちゃんの部屋」ガラ

にこ「うん、ありがと」

雪穂「えっと……お姉ちゃん来るまで、私も一緒に待ってましょうか?」

にこ「えっ? えっと……いいの?」

雪穂「はい、一人じゃ退屈でしょうし……多分お姉ちゃんもすぐ帰ってくるとは思いますけど、それまで」

にこ「うん、じゃぁ…お願いするわ」

雪穂「遠慮なくくつろいでくださいね。あ、これクッションです」

にこ「ありがと」

にこ(お願いするとはいっても……なにを話せばいいのかしら…)

雪穂「……あ、そうだ。前から気になってたんですけど、にこ先輩って小さいですよね」

にこ「ち……小さい、かなぁ…?」

にこ(怒っちゃダメだ、怒っちゃダメだ…)

雪穂「はい。それに可愛いですし、ウエストもほっそりしてて、肌も綺麗で……さすがアイドルって感じです」

にこ(褒められてた…!)

雪穂「うちのお姉ちゃんはあんまりアイドルっぽくないので、にこ先輩見た時はちょっと感心しちゃいました」

にこ「そ、そう?」

雪穂「はい。あ、よかったらサイン貰っていいですか?」

にこ「え、あ、にこはプライベートでサインは…」

雪穂「ダメですか…?」

にこ「か、書きます」

雪穂「やった! あ、ちょっと待っててください、今色紙とってきますから」テクテク

にこ(しかし、なんでサインなんて……雪穂ちゃんもμ’sのファンなんだっけ…?)



ガラ

雪穂「お待たせしました。はい、これに書いてもらえると嬉しいです」

にこ「うん……って、亜里沙ちゃんへって書いてあるけど…?」

雪穂「あ。実は私、亜里沙と同じクラスなんですけど、あの子のためにμ’sのみなさんのサイン集めてて。何故か亜里沙、自分からサイン貰うのは恥ずかしいらしいので」

にこ「それはまた…友達思いね」

雪穂「いえ、そんな」

にこ(穂乃果と海未とことりと…あと一年生三人のサインはもうすでにもらってあるのね。いつの間に…)サラサラ

にこ「…よし。はい、書けたわ」

雪穂「ありがとうございます! これであと二人になりました」

にこ「あ、よかったら残りの二人のサイン、もらってきてあげよっか?」

雪穂「いえ、ありがたいんですけど、自分の力で頑張ってみます。友達へのプレゼントですし」

にこ(本当に良い子だなぁ…)

雪穂「あと、何気にこうやって地道に集めるのも楽しかったりしますし」

にこ「そう。じゃぁ頑張ってね」

雪穂「はいっ」

雪穂「あ…サイン貰った上にぶしつけな質問なんですけど……いいですか?」

にこ「なに?」

雪穂「にこ先輩って、どんなお肌のケアしてるんですか?」

にこ「え?」

雪穂「いえ、さっきも言ったんですけど、肌綺麗だなぁって思って……私、そういうのにちょっと興味あるので」

にこ(ま、まさか美容についての話を振られる日が来るなんて…!)パァッ

雪穂「ごめんなさい…やっぱりそういうのって秘密だったり…」

にこ「ぜんっぜんそんなことないわ! 教えてあげる!」

雪穂「は、はい、ありがとうございます」


―――――

にこ「と、いうわけで、色々試した結果、その方法が一番おすすめかも」

雪穂「なるほど……勉強になります」メモメモ

にこ「…ほんと、熱心に聞いてくれるわね」

雪穂「今のうちからお肌のケアとかちゃんとやっとかないと、将来が怖いですし…」

にこ「さ、さすがに気にしすぎじゃない?」

雪穂「そんなことないですよ。前にテレビでも言ってましたし、雑誌にも書いてありました」

にこ「そうなんだ…」

にこ(にこも気を付けよう…)

雪穂「それに私って、なんか体質的に肌荒れしやすいみたいで。油断するとすぐ荒れちゃうんですよ」

にこ「そうなの? …ちょっとごめん、触るわね」ピタ

にこ「んー……けど、ほっぺたとかすごいスベスベで、いい感じだと思うけど…」

雪穂「まぁ今は毎日荒れないように頑張ってますから。にこ先輩に教えてもらった方法も実践してみますね」

にこ「うん、ぜひ。それにしても、やっぱり若い子の肌はきめが細かくていいわね」

雪穂「そんなおばさんみたいなこと……そんなに変わらないじゃないですか」

にこ「いや、でも…」


ガラ


穂乃果「にこちゃんお待たせー……って、雪穂? なんで私の部屋に?」

にこ「あ、穂乃果、おかえり」

せっかくご指摘あったので、トリつけてみることにしました
初めてなので上手くいってるか不安なので、ためしにテスト投稿です、すみません

雪穂「お姉ちゃんが来るまで、にこ先輩に話聞いてたの。じゃぁお姉ちゃん来たんで、私は自分の部屋に戻りますね」

にこ「あ、うん。ありがとね、付き合ってくれて」

雪穂「いえいえ。私も楽しかったですから。では、失礼しまーす」ガラ

にこ(良い子だなぁ……って、さっきから同じことばっか思ってるわね)

穂乃果「……にーこーちゃん」

にこ「なに?」

穂乃果「雪穂となに話してたの?」

にこ「なにって、美容の話とかだけど…」

穂乃果「…雪穂のほっぺた触ってたのは?」

にこ「肌がすべすべだなーと思って」

穂乃果「そっか…うん、じゃぁいいや」

にこ「? あ、それより、お母さんの許可はもらえたの?」

穂乃果「うん、バッチリ。泊まっていっていいよーって」

にこ「そう、ならよかった」

にこ(……あ、そうだ。ことりとの約束があったんだった)

にこ「あの、穂乃果。明日は朝早くに帰るから」

穂乃果「え? ひょっとしてなにか用があった?」

にこ「いや、そういうわけじゃないけど、ここあたちが何時ごろに帰ってくるか分からないし、念のため」

穂乃果「あ、そっか。うん、分かった」

穂乃果「よーしっ、じゃぁにこちゃん、今日は朝までお喋りしよう!」

にこ「いや、普通に寝るけど」

穂乃果「えぇっ!?」

にこ「そんなに驚かなくても……。いくら次の日が休日とはいえ、夜更かしはお肌の敵なんだから、徹夜なんて論外よ」

穂乃果「ちぇー……じゃぁ夜は普通に寝るとして、今お話ししよう!」

にこ「まぁそれならいいけど…」

穂乃果「やった! じゃぁね、えっと、>>178



(話題。ざっくりとしたものでも大丈夫です)

にこの好きな人

穂乃果「にこちゃんの好きな人について聞きたいな」

にこ(…なんか前にも別の子と同じ話をしたような気が…)

にこ「にこの好きな人は、そりゃもちろんツバサとか…」

穂乃果「恋愛的な意味でだよ?」

にこ「」

にこ「……こ、答えづらいんだけど」

穂乃果「まだいないってこと?」

にこ「えっと…」

にこ(絵里と真姫ちゃんには流れで話しちゃったけど……やっぱりμ’sのみんなのことは、自分の中で気持ちが固まるまで言わないほうがいいわよね…)

にこ「うん……特定の人は、いない、かも」

穂乃果「そっか。…じゃぁいいんだよね?」

にこ「なにが?」

穂乃果「私がどれだけアタックしても、いいんだよねってこと」

にこ「アタックって……」

穂乃果「にこちゃんってば、油断するとすぐ私のこと意識しなくなりそうなんだもん。たまには攻めないと、そのうち告白したことすら忘れられちゃいそうだし…」

にこ「いや、さすがにそれはないけど…」

穂乃果「ホント? …私のこと、ちゃんと意識してくれてる?」

にこ「い、意識って………そんなこと答えられるわけないでしょ」

穂乃果「んー…じゃぁ、前みたいに態度で判断してもいい?」

にこ「え?」

穂乃果「…」ズイッ

にこ(ち、近っ……)

穂乃果「にこちゃんっ、好き!」ギューッ

にこ(………って、抱きしめるだけなのね。これじゃいつもと一緒だし、普通に可愛いとしか思えないけど)ナデナデ

穂乃果「えへへ……って、にこちゃん、あんまりドキドキしてないね」

にこ「なんで分かるのよ……って、ああ、心臓の音ね」

穂乃果「うー……ギュッとしたのに、ドキドキしないって…全然意識してないってことだよね…」シュン

にこ「いや、まぁ…」

にこ(穂乃果や凛みたいな性格の場合、こういうことされても、じゃれてるんだろうなぁって感じしかしないし…)

穂乃果「前に、好きって言われたらドキドキするって言ってたのに…」

にこ「いや、今のは勢い任せだったから、あんまり言葉を意識してなかったというか…」

穂乃果「えぇー……じゃぁ、にこちゃん」ス

にこ「なによ」

穂乃果「好きだよ」

にこ「は、」

穂乃果「好き、大好き。…愛してるよ」

にこ「っ……だ、だからって別に言いなおす必要はないでしょ」

穂乃果「だってドキドキしてほしいんだもん。ね、これならドキドキする?」

にこ「ああ、はいはい、する、しますから」

穂乃果「やったぁ!」パァッ

にこ「ったく……大体、あんたのドキドキに対する執着はなんなのよ…」

穂乃果「だって、恋っていえばドキドキだって漫画に書いてあったから」

にこ「ああ、そう…」

にこ(それをそのまま信じるなんて、なんて純粋な…。いや、にこも恋云々については、ちょっとだけ漫画を参考にしたけど…)

穂乃果「というわけで、にこちゃんにいっぱいドキドキしてもらいたいんだよ」

にこ「と、言われてもね…」

穂乃果「ねぇねぇ、にこちゃんは、こう、ドキドキするポイントとかないの?」

にこ「ないでしょ、普通は…」

穂乃果「だよね…」ガクッ

にこ「とにかくその話はいったん置いとかない?」

穂乃果「えー…」

にこ「ほら、別の話ならなんでもいいから、ね?」

穂乃果「んー……じゃぁ、>>186



(話題、行動、どちらでも)

キスして

穂乃果「キスして」

にこ「」

にこ「……ごめん、ちょっと耳がおかしくなったかもしれない。よし、もう寝ましょう」

穂乃果「まだお風呂にも入ってないでしょ、寝るのは早すぎるよ」

にこ「…けど、聞き間違いは事実よね?」

穂乃果「キスしてって言ったんだけど」

にこ「………何故、そうなったの?」

穂乃果「なんでもいいって言ったよね?」

にこ「いや、だからって……」

穂乃果「私相手でも、キスならドキドキするでしょ?」

にこ(って、やっぱりさっきの話とつながってんじゃない…!)

にこ「あー…あの、ほら、あれよ。キスっていうのは、大切にするものよ」

穂乃果「それくらい分かってるよ。…だから、初めてはにこちゃんがいいんだよ」ギュ

にこ「っ……、だ、だだ、ダメだってば」バッ

穂乃果「…にこちゃん、顔あげて」

にこ「……あげたらしてくるでしょ」

穂乃果「嫌?」

にこ「だから嫌とかじゃなくて……こういう流れでするもんじゃないでしょ」

穂乃果「むぅ…」

穂乃果「しょうがない……じゃぁ諦めるよ」

にこ「ほんと?」

穂乃果「ホントホント。何もしないから、顔あげて」

にこ「……」

穂乃果「あ、素直にあげるんだね」

にこ「あんたがあげろって言ったんでしょうが…」

穂乃果「まぁそうなんだけど。ねぇ、じゃぁ口にじゃなければいい?」

にこ「え?」

穂乃果「口以外の場所なら、キスしてくれる?」

にこ「ええぇぇ……」

穂乃果「それもダメ?」

にこ「えっと……」

にこ(ど、どうしよう……正直、なんか口元もむずむずしてきたし………凛の時みたいに、キスしたいって気持ちがないって言ったら嘘になるけど……でも…)



どうしますか?

>>197

1.我慢する(しない)
2.してしまう

凛ちゃんとはいっぱいしたから大丈夫(錯乱)

にこ「……口にしないなら、いいけど…」

穂乃果「えっ、ホントにいいの?」

にこ「う、うん」

穂乃果「やった! じゃぁ、えっと……やっぱりほっぺが定番だよね!」

にこ「あ、うん。じゃぁ…」ス

穂乃果「っ……ちょ、ちょっとストップ」グイ

にこ「なによ?」

穂乃果「いや……なんか、随分慣れた感じで近づいてきたなぁって…」

にこ「そ、そう? 気のせいでしょ」

にこ(…あの勉強会のとき、凛にせがまれてほっぺたには散々キスさせられたから慣れてるとか言ったら、間違いなくヤバいわよね…)

穂乃果「ならいいけど……でも、なんかあんまりドキドキしてなさそう」

にこ「あんたはどんだけドキドキを求めてんのよ…」

穂乃果「だってー……あ、そうだ! にこちゃん、私の膝の上乗ってよ!」

にこ「は!? なんでよ…」

穂乃果「いいから早く、ね、ほら」

にこ「………重くても知らないからね」イソイソ

穂乃果「うん、思った通り全然重くないから大丈夫。で、私の手をにこちゃんの腰に回して、引き寄せて…っと」グイ

穂乃果「どう! これならドキドキするでしょ!」ドヤァッ

にこ「そのドヤ顔がなかったらね」

にこ(しかし実際、妙に密着してるのよね………いや、考えないようにしよう。穂乃果は犬かなにかだと思っておかないと、変な気起こりそうだし…)

にこ「…じゃぁするわよ」

穂乃果「うんっ、いつでもどーぞ!」キュッ

にこ(あ、一応目は閉じてくれるのね)

にこ(凛のときと同じように無心で…)チュッ

穂乃果「えへへ、なんかにこちゃんのキスの仕方って可愛いよね。子供みたいで」

にこ「バカにしてんでしょ…」

穂乃果「そんなことないよー」

にこ「…というか、もうしたんだからさっさと下ろしてくれない? 手もいつまで後ろに回してんのよ」

穂乃果「にこちゃんがキスしてくれたから、私もにこちゃんに何かしてあげようと思って!」

にこ「いや、そんな気遣いいらないから、離れてくれればそれで…」

穂乃果「にこちゃんってホントいい匂いするよね」スリ

にこ(スルーされた…)

にこ「ああ、そう……ってか、首元にすり寄るのやめてくれない? くすぐったいから」

穂乃果「うん、もうちょっとで終わるから」ハムッ

にこ「!?」ビクッ

にこ(な、なんでこいつは自然に人の首に噛みついてんの!? ホントに犬なの!? あ、いや、痛くはないから噛みつかれたわけではないのかしら…って、そんなことはどうでもいい)

にこ「ちょ、ちょっと穂乃果、なに考えて、…っ……!?」

にこ(な、なんか吸われてる気がするんだけど……なんなの? 本当に意味が分からないんだけど…)

穂乃果「ん……、ぷはっ。ど、どうかなっ?」

にこ「どうかなって、なにがよ…」

穂乃果「いや、前に読んだ少女漫画にこういうシーンがあって……こういう風にすれば…あと?っていうのがつくらしいんだけど……うっすらとしかついてないね」

にこ「アトって……なにそれ、意味分かんないんだけど…」

にこ(というか、どんな漫画読んでんのよ…)

穂乃果「私もよく分からないけど、それをつけることが愛情の証だって書いてあったから」

穂乃果「んー……けど、上手くつかないもんだね。じゃぁもう一回…」

にこ「いや、やらせるわけないでしょ」グイッ

穂乃果「ええっ」

にこ「当たり前でしょ……勝手に人の首に噛みつくなんてなに考えてんのよ…」

穂乃果「だって漫画では…」

にこ「漫画は漫画、現実は現実。ごっちゃにしない」

穂乃果「むぅ……それもそうだね。ごめんね、首のとこ、ちょっと赤くなっちゃった」

にこ「いや、別にいいけど…」

にこ(自分じゃよく見えないし)

穂乃果「…」ジー

にこ「…」スス

穂乃果「な、なんで距離おくの?」

にこ「いや、変なことされたくないから」

穂乃果「し、しないよー。いきなり噛みついたのは謝るから……って、噛んだつもりはないんだけど…」

にこ「じゃぁ、もう寝ない?」

穂乃果「にこちゃん、どれだけ寝たいの…?」

にこ「いや、もう早く明日になってほしいなって…」

穂乃果「……そんなに私と一緒にいるの、嫌?」

にこ「い、嫌ってわけじゃないけど…」

穂乃果「もう変なことしないから。ね、近くに来てよ」

にこ「……」スス

穂乃果「ありがと。えっと……手繋ぐくらいならいい?」

にこ「いいけど…」

にこ(室内で手繋いで楽しいのかしら…)

穂乃果「やった!」ギュッ

穂乃果「えへへ」ニコー

にこ「い、いい笑顔ね」

穂乃果「だってにこちゃんが近いんだもん」

にこ「ああ、そう…」

穂乃果「にこちゃん、座ってるままなの辛かったら、私の身体に寄っかかっていいよ」

にこ「いや、辛くないから遠慮するわ」

穂乃果「えぇー…」

穂乃果「あ、そうだ。この後一緒にお風呂入ろうね」

にこ「丁重にお断りさせていただきます」

穂乃果「敬語っ!?」

―――――

にこ(……一生の不覚だわ…パジャマ持ってくるの忘れるなんて…)

にこ(結局穂乃果のを借りることになったけど……なんか、サイズが大きい。腹立つ)


ガラ


穂乃果「あ、にこちゃん、おかえりー……って、可愛い!」ガタッ

にこ「そ、そう?」ビクッ

穂乃果「うん、すごく! ちょっと大きめだからダボダボしてるとことか特に!」

にこ「ならいいけど…。というか、パジャマ貸してくれてありがと」

穂乃果「いやいや、元々私が無理に泊めさせちゃったんだし、これくらい当たり前だよ」

穂乃果「けど本当にいいなぁ……可愛いなぁ…」

にこ「う、うん……にこにーが可愛いのは当然だけど、あんまり何度も言われると照れるから」

穂乃果「あ、ごめん。そうだ、にこちゃんがお風呂入ってる間に、お布団敷いといたよー」

にこ「ありがと……って、やっぱり一緒の布団で寝るのね…」

穂乃果「もちろん!」

にこ「…変なことしたら、本気で出て行くからね」

穂乃果「だ、大丈夫だよ」

にこ「じゃぁ信じてるからね。ならそろそろ寝ましょうか」

穂乃果「う、うん」

穂乃果(…抱きしめるのも変なことに入るのかな…)パチ


モゾモゾ

にこ「おやすみ」

穂乃果「あ、うん、おやすみー」

にこ(………最近気づいたけど、にこって寝つきいいほうだったのね…もう眠いし…)

にこ「……」スースー

穂乃果「早っ! 海未ちゃんほどじゃないけど、にこちゃんも寝つきいいなぁ…」

穂乃果「……頭だけ撫でとこう」ナデナデ


―――
――


にこ「……」コシコシ

穂乃果「にこちゃん、大丈夫? 眠くない?」

にこ「うん。穂乃果のご両親にも挨拶できたし、よかったわ」

穂乃果「それはそうだけど……やっぱり朝ごはんだけでも食べて行かない?」

にこ「いや、ありがたいけど……早く帰らないと、こころたちが帰ってくるかもしれないから」

にこ(あと、ことりのことも)

穂乃果「そっか。……じゃぁまたね」

にこ「ん。泊めてくれてありがと」ヒラヒラ

穂乃果「いやいや。またいつでも来てね、待ってるから」

にこ「機会があればね」




にこ(……やっぱりちょっと眠いかも)テクテク

にこ(けど、一応もう土曜日なわけだし、ことりとの約束を果たすためにも、急いで帰ろう。もうすでにちょっとオーバーしてる気がするけど……そこは大目にみてもらおう)


「あれ?」


にこ「え?」



>>222
(人物名でお願いします)

絵里

にこ「絵里?」

絵里「にこ……こんな時間に、こんなところでどうしたの?」

にこ「いや、それはこっちのセリフ…」

絵里「私はジョギングだけど」

にこ(あ、言われてみれば確かに、練習着だったわ…)

にこ「えっ? というか、ジョギングなんてしてるの?」

絵里「最近、受験勉強のせいで自主練とかできてなかったから、その代わりに」

にこ(偉い…。そういえばにこも一度花陽とやったきり忘れてたわ…。ちゃんと続けないと意味ないわよね)

絵里「それで、にこはどうしてここに?」

にこ「あー……にこは、お散歩」

にこ(さすがに穂乃果の家に泊まったことは言わないほうがいい気がする…。…にこだってバカじゃないし、少しは学習するのよ、うん)

絵里「散歩、ね…」

にこ「うん」

絵里「ちなみに、この近くには穂乃果たちの家があるけど、そのことと、にこが今ここにいることは、無関係なのよね?」

にこ「あ、あるわけないじゃない、なに言ってんのよ?」

絵里「ならいいけど」

にこ(なんか最近、絵里の勘が希並みになってきてるんだけど……正直怖い)

すみません、中途半端ですが今回はここで止めます
また夜に再開できたら、再開したいと思います

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました

昨日は無断でサボってすみません

レスありがとうございます
ちょっと遅くなりましたが、ゆったり再開していきます

絵里「あ、そういえば昨日は大丈夫だった?」

にこ「え、なにが?」

絵里「夜、お家に一人だったんでしょ? にこって確か、お化けとかそういう類のもの、苦手じゃなかったっけ」

にこ「ああ……まぁ、なんとか。というか、苦手なのは絵里も一緒でしょ」

絵里「べ、別に私は苦手ってほどでもないけど。少しだけ気持ちが分かるから、心配だったのよ」

にこ「心配してくれるのはありがたいけど、もう高三なんだし、一人でお留守番くらい平気よ」

絵里「そう。偉いわね」ナデナデ

にこ(バカにされてるのかしら…)

絵里「じゃぁせっかく会ったんだし、途中まで一緒に行きましょうか」

にこ「いや、でも絵里はジョギングの途中なんじゃないの? …まさかにこにも走れってこと…?」

絵里「そんなわけないでしょ。ちょうど休憩したいと思ってたし、歩いていきましょう」

にこ「あ、うん、それなら」


絵里「…ところで、にこの趣味って早朝散歩だったりするの?」

にこ「え? なんで?」

絵里「前も同じような理由で朝に会ったことあったから」

にこ「あー…そういえばそうだったわね。趣味というか、暇なときは外ぶらつきたくなるのよ」

絵里「ということは、今日も暇だったってこと?」

にこ「ま、まぁね」

絵里「へえ……ね、じゃぁ今日一緒に遊ばない?」

にこ「えっ」

絵里「私も暇だし、よかったらだけど」

にこ「えぇっと……」

にこ(今日はなんの用事もないし遊びたい……けど、ことりとの約束があるし、ダメよね)

にこ「ごめん。今日はこの後ちょっと予定があって…」

絵里「あ、そうなの。残念だけどそれなら諦めるわ」

にこ「せっかく誘ってくれたのに悪いわね」

絵里「いいのよ、別に。また誘うから」

にこ「ん、待ってるわ」

絵里「うん。……あら?」

にこ「なに?」

絵里「首元…赤くなってるわよ?」

にこ「え?」

にこ(ああ……昨日、穂乃果に噛まれた…というか、吸い付かれた? よく分かんないけど、変なことされたときに付いたやつね)

絵里「……どうしたの? これ」ソ

にこ「く、くすぐったいから触らないでよ」

絵里「ごめんなさい。…けど、ちょっと気になって……心当たりないの?」

にこ「えっと……」



どうしますか?

>>254

1.正直に言う
2.誤魔化す

1

にこ(まぁ別に、これくらいならごまかす必要もないわよね)

にこ「実は昨日、穂乃果に噛まれたのよ」

絵里「え……穂乃果に?」

にこ「あいつって犬みたいなとこあるから、じゃれてたんでしょ、多分」

絵里「へえ。……ところで、にこ?」

にこ「ん?」

絵里「昨日、いつ穂乃果と会ったのかしら」

にこ「……えっ?」

絵里「昨日はみんな一緒に帰ったわよね? そのときはにこの首にこんな痕なかったし……その後、穂乃果に会ったの?」

にこ「え、えっと……」

にこ(しまった……言われてみれば確かにそういう矛盾が生じる…。穂乃果の家に泊まったことは秘密にする方向だし……、やっぱり適当にごまかせばよかった…)

にこ「あー…実はあの後、買い物に出かけたときに偶然会ったのよ」

絵里「そう。じゃぁ穂乃果は外で堂々と噛みついてきたのね。そこまで大胆な子だとは思わなかったわ」

にこ(なんか穂乃果が変に誤解されることになっちゃったけど……ごめん)

絵里「…それにしても、これ」ソ

にこ「だ、だから触らないでってば」

絵里「この痕、どういう意味か分かってるの?」

にこ「意味?」

にこ(そういえば、あの後に穂乃果がなんか言ってたわね……。確か漫画に書いてあったって……、これをつけることが…)

にこ「愛情の証、だっけ…?」

絵里「…」

にこ(って、しまった…思わず口に出してた)

にこ「あ、いや、でも、愛情って言ったって、ほら、友情の延長線というか…」

絵里「別に無理して隠さなくてもいいわよ」

にこ「え?」

絵里「…まぁ、あの時にこはいなかったから、知らなくても無理はないけど。穂乃果がにこのこと好きなのは、μ’sのみんなが知ってることだから」

にこ「え、そ、そうなの?」

にこ(一体いつの間にそんな話を…)

絵里「穂乃果の発言を、みんなが本気に捉えてるかは分からないけどね」

絵里「…正直、私もあの時は冗談だと思ってたんだけど……違ったみたいね」

にこ(なんか、絵里の声が低い……こういうときはいつも変な展開になるし、そうなる前になんとかしないと)

にこ「あ、絵里。にこ、ちょっと用事を思い出したから、先に帰るわね」

絵里「じゃぁ私も並走するわ」

にこ「え、いや、絵里は疲れてるでしょ? もうしばらく休んだほうがいいわよ」

絵里「これくらいなら平気よ。家まで送っていってあげる」

にこ「いや、悪いから」

絵里「私がそうしたいのよ」

にこ(こうなったら無理に断るより、一緒に走っていったほうが早いかも。走っている最中だったら、会話とかもできないだろうし)

にこ「じゃぁにこも運動がてら、走ることにするわ」

絵里「ええ」

―――――

にこ(ちょっと疲れたけど、無事に家の前に着くことが出来たし、よかったわ。いい運動にもなったし)

絵里「それじゃぁにこ、またね」

にこ「あ、うん。また」

にこ(絵里の声のトーンもいつも通りに戻ってるし、ホントによかった)

絵里「…ああ、そうだ。にこ、ちょっといい?」ス

にこ「え?」

絵里「そのまま動かないでね」

にこ「え…あ、あの、絵里?」

絵里「ん?」

にこ「なんで近づいてくんの?」

絵里「したいことがあるからよ。いいから、ジッとしてて」

にこ(したいことってなによ…。まぁいいや、とにかくジッとしてよう)

にこ(しかしなんだろう……やけに首元に顔近づけてくるけど……って、なんかこれってデジャヴ…)

絵里「…」ハムッ

にこ「ひゃっ……、え、絵里さん? なんであんたまで首噛んで…、っ…」

にこ(しかも穂乃果とまったく一緒のことしてるし……なんなのこれ、流行ってるの…?)

絵里「……、うん、我ながら綺麗につけれたわ」ス

にこ「つけれたって……、ホントに何がしたかったわけ…?」

絵里「穂乃果の痕を消したかったのよ。好きな人の首筋に、他人のものがついたままなんて嫌じゃない」

にこ「はあ……」

にこ(意味がよく分かんないんだけど…)

絵里「…この痕、あんまり他の人に見せちゃダメよ」

にこ「なんで?」

絵里「なんでって……変な誤解が生まれたら困るでしょ。それに、何人かは私と同じことしそうで怖いし…」

にこ「え?」

絵里「もう、分からなくてもいいから、とにかく帰ったら首元が隠れる服に着替えなさい。これ以上誰かに同じことされたくなかったらね」

にこ「う、うん…」

絵里「…いや、でもあえて見せつけるのもアリといえばアリなのかしら……ああ、でもダメね。相手によっては最悪な展開しか想像できないわ…」

にこ「なにブツブツ言ってんの?」

絵里「何でもないわ。…それより、私が言うのもなんだけど、あんまり誰にでも無防備にするものじゃないわよ」

にこ「無防備って…にこはいつだってガード固めだけど」

絵里「……えっ、本気で言ってるの?」

にこ「割と」

絵里「………はぁ…」

にこ「な、なによその溜息」

絵里「いや、なんか逆に悲しくなってきて…。にこの将来が心配だわ、色んな意味で」

にこ「友達に心配かけるほど落ちぶれてはいないつもりだけど……まぁ確かに留年とかの問題はあるけどね…」

絵里「そういう意味じゃなくて……まぁいいわ。説明するのも間抜けだし」

絵里「…にこ」

にこ「ん?」

絵里「私を選んでくれたら、ちゃんと守ってあげるから」

にこ「…守る?」

絵里「色んなものから……って言ったって分からないでしょうけど。まぁ頭に置いておいて」ナデナデ

にこ「…うん」


―――――

にこ(さて……絵里の言う通り、首元隠れる服に着替えてみたけど…この服、久々に着たわね)

にこ(とりあえず今日はことりとの約束を守らなきゃいけないから、今日は外には出られないのよね)

にこ(どうやって時間をつぶせば……と、そういえば、結局ママたちはいつ帰ってくるのかしら)

ピリリリリッ

にこ(ん? ……って、言ってたらママからのメール…)ピッ


【にこにー、ここあだよ! ママもこころも元気だよ! お泊まり会楽しいよ! ママがお泊まり会のお片付けするから、ここあたちもそれ手伝ってから帰るね! お昼すぎくらいになるってママ言ってた! おるすばんよろしくね!】


にこ(すごくビックリマークの多いメールね……ここあらしいけど)

にこ(とりあえず…了解、お手伝い頑張ってねーっと…。あと、帰ったらお泊まり会の感想聞かせてねって送っとこう)ピッピッ

にこ(よし、送信)ピッ

ピリリリリッ

にこ(早っ……って、猫の絵文字だけって…。いや、可愛いけどね)

にこ(しかし、ここあたちが帰ってこないとなると……昼過ぎまで一人なのね…)ハァ

にこ(どうしようかなぁ…。自主練しようにも、外に出ちゃいけないってことは筋トレ一択だし……歌の練習したら、近所迷惑になりそうだしね)

にこ(んー……)



どうしますか?

>>283

1.寝る
2.誰かに電話する
3.筋トレに励む

2

にこ(暇だし、誰かに電話しようかな……)ピッ

にこ(誰にしよう……誰でもいっか。とりあえず目を瞑って適当に…)ピッピッピッ



>>286

かける相手

海未

にこ(よし、ここでストップ……って、あ、海未ね)

にこ(昨日のお礼もかねて、ちょうどいいかも)ピッ

ピリリリリッ、ガチャ

海未『はい、園田です』

にこ(相変わらず家電みたいに出るわね…)

にこ「あ、海未。今ちょっといい?」

海未『ちょうど朝食の片付けが終わったところなので、大丈夫ですよ。どうかしましたか?』

にこ「えっと…昨日のお礼をかねて、電話をと思って」

海未『お礼? わざわざそんなことでかけてくるなんて、にこにしては珍しいですね』

にこ「なんか微妙に失礼な言い方だけど……まぁ実際は暇だったからなんだけどね」

海未『ですよね。その方が納得します』クスクス

にこ「…ひょっとしてバカにしてる?」

海未『いえ、そんなことは。それより、昨日の帰り道は大丈夫でしたか?』

にこ「えっ……あ、あー、うん」

にこ(どうしよう……穂乃果の家に泊まったこと、海未には言うべきなのかしら。けど絵里にはあえて言わなかったんだし…やっぱり海未にも黙っとくのが自然よね)

海未『ならよかったです。昨日は送っていただいてありがとうございました』

にこ「いやいや、お礼言うのはこっちだって。昨日は本当に助かったんだから」

海未『にこからのお礼は昨日、散々聞きましたよ。それに、夕飯の件は私が望んでしたことですし、そんなに何度も感謝されることではないです』

にこ(なんというか、しっかりしてるなぁ……いや、前々からしっかりした子だとは思ってたけど)

海未『それで? 私はにこの暇つぶしの相手になればいいんですか?』

にこ「あー……うん。ちょっと話してくれるだけでいいんだけど…」

海未『あいにくもう少しで稽古が始まる時間なのですが、それまででよければ』

にこ「ありがと」

にこ(とはいえ、いつものことながら何の話題も用意してないっていうね…)

海未『では、>>290について話しましょうか』



(話題。ざっくりとしたものでも大丈夫です)

最近、二年生組と仲はいいのか

海未『では、穂乃果とことりについて話しましょうか』

にこ「あんたたちってブレないわよね…」

海未『どういう意味ですか?』

にこ「いや、ごめん。こっちの話」

にこ(前にことりと話したときも、穂乃果と海未の話だった気がするし)

海未『…あ、そういえば、ことりで思い出したんですけど。昨夜、にこは私にことりのことを聞きましたよね?』

にこ「あー……うん。ちょっと気になることがあったから」

海未『そのとき思ったのですが、最近、にこはことりと仲が良いですよね』

にこ「え、まぁ……確かにそうかも。でも海未たちのほうが断然仲良しでしょ」

海未『それはまぁ、幼なじみですし…。でも、最近三人でいるときにも穂乃果とことりはよくあなたの話をしてますよ』

にこ「そうなの?」

海未『はい。やれどこが可愛いだの、やれどこが可愛くないだのと』

にこ「前者はともかく、後者についてはどうなの…?」

海未『可愛くないといっても、悪口を言ってる風ではないですし。むしろその逆、のような気が』

にこ「ふーん…」

にこ(しかし、自分のいない場所で自分のことが話されてるって、変な感じ…)

海未『…穂乃果も穂乃果で、前に変なことを言ってましたし…』

にこ「変なこと?」

海未『あ…いえ、すみません、こっちの話です』

にこ「? まぁでも、同じμ’sのメンバーだし、仲が良いのはいいことだと思うけど……そもそも、にこは海未とも仲良いつもりでいたんだけどね」

海未『…そう言ってもらえると嬉しいです』

海未『……あの、にこ』

にこ「ん?」

海未『にこは、人に順位をつけられますか?』

にこ「へ?」

海未『たとえば友達が複数人いたとして、その中で誰と一番仲が良いとか、順位をつけられますかということです』

にこ「ええーっと……多分、無理」

海未『私もです』

にこ「…うん」

にこ(…なんだったんだろう、今の会話)

海未『ですから、順番なんてつけられないんです』

にこ「う、うん。…なにに?」

海未『にこたちにですよ』

にこ「にこたち?」

にこ(……ああ、μ’sのみんなってことね。けど、なんで今更そんなこと…?)

海未『…すみません、よく分からない話をしてしまって』

にこ「あ、いや、別に。…本当によく分かんないけど、なんか悩みがあるなら相談しなさいよ」

海未『何かあれば、そうさせてもらいます。では改めて、穂乃果たちの話でもしましょうか』

にこ「ええ」

―――――

にこ(結局、海未は結構長い時間付き合ってくれたけど……お稽古は大丈夫だったのかしら)

にこ(もうすぐお昼ね……お腹すいたから適当になにか食べようかしら)チラ

ピーンポーン

にこ「? 誰かしら……」テクテク

にこ(今度こそ宅配便かな…)


ガチャ


ことり「あ、にこちゃんっ」パァッ

にこ「え、ことり?」

ことり「よかった。本当にお家にいてくれたんだね」

にこ「あ、うん、約束したから……というか、なんでここに?」

ことり「これ、届けに来たの」ス

にこ「えっと……それは?」

ことり「ベイクドチーズケーキ」

にこ「……えっ?」

ことり「あれ、知らない? チーズケーキの一種なんだけど…」

にこ「いやいや、それは知ってるけど………どういうこと?」

ことり「えっとね、つまり…」

―――――

にこ「つまり、あんたはそのチーズケーキを作って届けるために、にこに家にいろって指示したの?」

ことり「指示って言い方はなんだか嫌だけど……そういうことだね」

ことり「ごめんね。無理やり家に引き止めちゃって。このケーキ、冷蔵してないと悪くなっちゃうから、留守だったら困るなぁって思って…」

にこ「それはいいんだけど……電話で用件も言えばよくなかった?」

ことり「びっくりさせたくて」

にこ「そう…」

にこ(家にいろだなんて何事かと思ってたけど、意外と大したことなくてよかったわ…)

ことり「というわけで、これ……って、ところで、妹さんたちは? まだ学校にお泊まり中?」

にこ「今、後片付けしてるんだって。お昼過ぎに帰って来るらしいけど」

ことり「そっか。……あ、じゃぁせっかくだし、ケーキ切ってあげようか?」

にこ「え、いいの?」

ことり「うん。ついでに今食べてくれない? 感想聞きたくて……もうお昼食べちゃった?」

にこ「いや、まだ。ありがたくいただくわ」

ことり「やった。じゃぁ準備してくるね」

にこ「あ、にこも手伝うわ」

ことり「うん、ありがとう」

ことり「…あ、そういえばにこちゃん、今日は珍しい服装してるね」

にこ「え? あー……うん、ちょっとね」

にこ(確かにいつもはどっちかというと、露出度高めの服着てるしね)

ことり「そういう服も可愛いね」

にこ「まぁにこにーはどんな服でも似合うから!」

ことり「うんうん、可愛い可愛い」ナデナデ

にこ(…やっぱりツッコんではくれないのね)



にこ「…やっぱり、ことりのお菓子作りスキルってすごいわね…」

ことり「そんなことないよ」

にこ「いやいや、すごいって。なんかお店に売ってるやつみたい」

ことり「えへへ…そこまで言われると、さすがにちょっと照れるね」

にこ「じゃ、早速いただきます」

ことり「うん、どうぞ」

にこ「あーん」パク

にこ「……おいしい! 味までホントにお店のやつみたい!」

ことり「ほんと? よかったー」

にこ「ことりって衣装作りもすごいけど、料理の腕もすごいわね」パク、パク

ことり「……なんか、そうしてケーキをパクついてるの見ると、本当に子供みたいだね」

にこ「……」ピタ

ことり「あ、嘘だよごめんね、冗談だから。食べて」

にこ(まぁ確かに、パクパク食べるのは子供っぽいかしら…)パク…

ことり「……やっぱり、にこちゃんって子供っぽいよね」

にこ「…あんた、にこに恨みでもあるの?」

ことり「あ、いや、そうじゃなくてね。……自分が好きになるのは、きっとカッコよくて大人っぽい人なんだろうなぁって思ってたから。実際、小さい頃はそういう人に憧れてたし」

にこ「……悪かったわね。カッコ悪くて、子供っぽい人で」

ことり「そんなに拗ねないでよ」

にこ「拗ねてないわよ」パク

ことり「まぁでも、人の好みなんて変わるものだもん。そもそも、好みのタイプの人をそのまま好きになる人のほうが珍しいんじゃないかな」

にこ「そうかしら」

ことり「そうだよ、きっと。…にこちゃんも、そうだと嬉しいんだけど」

にこ「え?」

ことり「だって、にこちゃんの好きな人って年上の人なんでしょ?」

にこ「ああ……」

にこ(そういえばそうだっけ…。……そう思うと、確かに好みなんてあてにならないのものね)パク

にこ「……ごちそうさま。おいしかったわ」

ことり「うん、ありがとう。あ、残ったケーキは家族みんなで食べてね」

にこ「ん、こっちこそわざわざありがとね。…というか、ことりは食べなくてもよかったの? にこ一人で食べちゃってたけど…」

ことり「ことりはたくさん味見したから、もうお腹いっぱいなの」

にこ「味見?」

ことり「にこちゃんには美味しいの食べてもらいたかったから。そのために練習したんだよ」

にこ「なるほど…」

にこ(というか、お腹いっぱいになるほど味見したって……な、なんか急激に申し訳なくなってきた…)

にこ「…今度、なにかおごるわ」

ことり「えっ、どうしたのいきなり」

にこ「いや、すごくおいしかったから、そのお礼に」

ことり「いやいや、悪いよ。気にしないで。趣味みたいなものなんだから」

にこ「でも……」

ことり「…じゃぁさ、一つだけワガママ聞いてくれない?」

にこ「ワガママ? なに?」

ことり「写メ、撮らせてほしいなぁって」

にこ「写メ? …そんなことでいいの?」

ことり「うん。あ、とびきり可愛いポーズでお願いね」

にこ「なにその無茶ぶり…。まぁこのにこにーにかかれば、可愛いポーズの一つや二つ…!」

ことり「あ、にこにーとしてじゃなくて、にこちゃんとしての、自然体のやつがほしいな」

にこ「えぇっ……自然体で、可愛いポーズ?」

ことり「うん」

にこ「えぇぇっと……じゃ、じゃぁ、ピースで」

にこ(普通すぎるけど……自然体でにっこにっこにーをするわけにもいかないしね)

ことり「はい、じゃぁ撮るねー」ス

にこ「あ、うん」

にこ(…というか、今更だけどなんで写メ?)


カシャ


ことり「うん、可愛く撮れた。ありがとう、にこちゃん」

にこ「いや、全然。というか、本当にこんなことでいいの? あのケーキの価値を侮りすぎじゃない?」

ことり「十分だよ。にこちゃんこそ、自分の価値を侮りすぎじゃないかな」

にこ「写メくらいで大げさな…」

ことり「おおげさじゃないよー」ピッピッ

にこ「なにしてるの?」

ことり「なんでもないよ」ピ

にこ(なんか携帯いじってるみたいだけど……まぁいっか)

ことり「よし。……じゃぁにこちゃん、ことり、そろそろ帰るね」

にこ「え、もう?」

ことり「うん。お昼からちょっと用事もあるし…」

にこ「そう。今日はありがとね」

ことり「ううん、こっちこそ家にいてくれてありがとう。あ、分かってると思うけど、お昼は外に出てもいいからね」

にこ「うん。じゃ、玄関まで送ってくわ」スク

ことり「ありがとう」


―――
――


こころ・ここあ「むにゃ…」スースー

にこ(帰って来てご飯食べて、お泊まり会のこと話すなり、すぐ寝ちゃったわね。後片付けで疲れちゃったのかしら)ナデナデ

にこママ「にこ、この後はどうするの? どこかに出かける?」

にこ「いや、別に……って、あ、そうだ。ごめん、ちょっと出かけるかも」

にこ(ことりで思い出したけど、ブローチあげる約束してたんだった。ちょうど暇だし、買いにいこう)

―――――

にこ(というわけで、外に出てみたわけだけど……さすがに服は着替えちゃったわね。ごめん、絵里)

にこ(さて……じゃぁとりあえず、めぼしいお店に行ってみようかな…)テクテク



―店内―


にこ(あ、これとか可愛いかも)ヒョイ

にこ(けど、色的にことりのイメージには合わないわね……あ、こっちのほうは色的にはことりに合うけど…でも形が可愛くないなぁ…)

にこ(ううーん……って、あれ? あそこにいるのって…)



>>308

(人物名。用があることりと、諸事情で穂乃果と海未以外でお願いします)

更新し忘れてました

>>310

花陽

にこ(花陽? …一人みたいね)キョロキョロ

にこ「花陽ー」タッタッ

花陽「え? …あ、にこちゃん? にこちゃんも買い物?」

にこ「うん、ちょっとね。えっと…花陽って今ヒマ?」

花陽「忙しくはないけど……どうかしたの?」

にこ「時間があるならちょっと買い物に付き合ってほしくて…。今なに買っていいか悩んでる最中だったから」

花陽「そうなの? なら、私でよければ協力するよ」

にこ「ありがとう」

花陽「うん。それで、にこちゃんの買い物って?」

にこ「ことりに似合うブローチを探してるの」

花陽「え、ことりちゃん?」

にこ「うん」

花陽「え、えっと……ことりちゃんにプレゼント?」

にこ「いや、プレゼントというか、実は…」



にこ「…と、いうわけなの」

花陽「ああ、なるほど……ビックリした…」

にこ「びっくり?」

花陽「ううん、なんでもない。けど、それならちゃんと似合うの選んであげないとね」

にこ「うん。というわけで早速なんだけど、これどう思う?」

花陽「あ、可愛い。…けど、ことりちゃんのイメージとは違うかなぁ…」

にこ「やっぱり? こっちのほうが色的には合いそうだなって思ったんだけど…」

花陽「けどデザインがいまいちだよね…」

にこ「なのよね…。けど、他のやつは微妙だし…」

花陽「んー……じゃぁ他のところも見にいかない?」

にこ「え、いいの? 花陽は花陽で、なにか買うものがあったんじゃない?」

花陽「ううん、私はただ暇つぶししてただけだから。にこちゃんと一緒のほうが、私も楽しいし」

にこ「花陽…」パァ

にこ「じゃぁせっかくだし、付き合ってくれる?」

花陽「うんっ」

すみません、眠いので今回の更新はここまでにします

今日は土曜日なので、朝か昼くらいには書き始めてるかもしれません

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました
レスも色々嬉しかったですー

レスありがとうございます
ゆったり再開していきます


―――――

にこ「なかなか見つからないわね…」

花陽「難しいねー……」

にこ「ホントごめんね、花陽。変なことに付き合わせちゃって」

花陽「ううん、全然。こうやって町中をぶらぶらするのも楽しいし」

にこ(良い子だなぁ…)

にこ「花陽がいてくれて助かったわ。一人じゃ途中でめげてそうだし」

花陽「そう言ってもらえると、私も一緒に来てよかったって思うよ」

花陽「…あ、そうだ、ちょっと遠いけど、いいお店があるの。行ってみない?」

にこ「うん。もうここまできたら、なんとしてでもことりに合うブローチを探してみせるわ…!」

花陽「頑張ろーね、にこちゃん」

にこ「ええ」



カランコロン。


にこ「わ、このお店広いわね…」

花陽「多分この近くで一番大きな雑貨屋さんなんじゃないかな。前に来た時に……あ、あった。このブローチとか可愛くない?」

にこ「あ、ホントだ、可愛い。それに色もバリエーションあるし、ことりに似合いそうなのが選べそうね」

花陽「うん。ことりちゃんっていえば……やっぱり白かな?」

にこ「かしらね。緑系もいいかもだけど…花陽とかぶっちゃうしね」

花陽「そうなの?」

にこ「うん。前に見せてもらったとき、花陽のは若草色みたいな感じだった」

花陽「だったら濃い目の緑とかでもいいかも。それならかぶらないし、ことりちゃんのリボンも似たような色合いだし」

にこ「あー、なるほど…。じゃぁこれとかどう?」

花陽「あ、いいかも。可愛いし、ことりちゃんにも似合いそう」

にこ「ん。じゃぁこれにするわね。あんまり悩み過ぎてもよくないだろうし」

花陽「うん」

にこ「じゃぁお会計行ってくるから……って、そうだ。花陽はこの後どうする? なにか用事とかあったりする?」

花陽「ううん、今日は一日暇だけど」

にこ「ならこの後どこか遊びに行かない? 付き合ってくれたお礼に、なにかおごるわよ」

花陽「え、いいよそんなの。悪いし…」

にこ「おごるったって、安いもの限定だし、遠慮無用だって。じゃ、とりあえずレジ行ってくるわね」

花陽「う、うん」



にこ「さて、と…」

にこ(ことりのブローチも無事買えたし、月曜日に学校で渡そう)


にこ「花陽、お待たせ」

花陽「ううん、全然」

にこ「じゃぁ、えっと……どこか行きたいとことかある?」

花陽「私はどこでも。にこちゃんに合わせるよ」

にこ「えっと……じゃぁ、喫茶店とか? さっき見かけたし。どうせおごるなら甘いもののほうがいいし」

花陽「うん、そうしよっか」

にこ「じゃぁ決定ね」

―――――

にこ(そういえば、朝ことりが作ってくれたケーキ食べたばっかりなのに……太りそうで怖いわね)

花陽「いただきまーす」パク

花陽「…あ、おいしい」

にこ「ほんと?」

花陽「うん。このソースとスポンジの甘さがよくあってて、おいしいよ」

にこ「ならよかった」


花陽「けど、本当にいいの? 買い物付き合っただけなのに、おごってもらって…」

にこ「気にしないで。実際、あのお店教えてくれたのも花陽なんだし、すごく助かったんだから」パク

にこ(あ、こっちのチョコケーキもおいしい。レベル高いわね、ここ)

花陽「そっか…。…じゃぁ遠慮なくいただくね」

にこ「うん。花陽ってチョコケーキ嫌いじゃなかったっけ?」

花陽「え? 嫌いじゃないけど…?」

にこ「じゃぁ、はい、あーん」ス

花陽「え、あ、わ、悪いよ」

にこ「まぁ遠慮せずに」

花陽「………あ、あーん…」パク

にこ「おいしい?」

花陽「う、うん…おいしい」

にこ「そう、よかった」

花陽「……っ、に、にこちゃんっ」

にこ「ん?」

花陽「わ、私のも…どうぞ…」ス

にこ「あ、うん。あーん」パク

にこ「…うん、おいしい。ありがと」

花陽「う、ううん、こちらこそ」

花陽「…なんだか、休日にこうしてにこちゃんと過ごすなんて、変な感じかも」

にこ「まぁあんまりないもんね。って、明日も一緒だけど」

花陽「あ、そっか。…そうだよね、明日も一緒なんだよね」

にこ「ひょっとして忘れてたの?」

花陽「うん、ちょっとだけ。さっき声かけてもらったときに、なんか全部吹き飛んじゃったみたいで」

にこ「え、そんなにびっくりした?」

花陽「ビックリとは違うけど……嬉しくて」

にこ「嬉しいって…そんな大げさな」

花陽「あはは、そうだよね……けど、私にとっては大げさじゃないよ。こうしてにこちゃんと一緒にいるのも、楽しいし」

にこ「…花陽ってホント良い子ね」

花陽「えっ…ど、どうしたのいきなり」

にこ「いや、なんかちょっと感動して…」

にこ(一緒にいて楽しいって言ってくれる後輩とか……もうホントに感動して泣きそう)

花陽「感動って、それこそ大げさだよ」

にこ「いやいや、そんなことないって。なんかもう嬉しいから、はい、もう一口あーん」ス

花陽「え、あ、う、うん…」パク

花陽「……えへへ、おいしいよ」

にこ(可愛い)

にこ「あ、そういえば、今日は凛はなにか用事だったの?」

花陽「え? どうして?」

にこ「いや、一緒にいなかったから」

花陽「そんなにいつも一緒ってわけじゃないけど……今日は凛ちゃん、お家の人とお出かけしてるの」

にこ「あ、なるほど」

花陽「……ねぇ、にこちゃん」

にこ「んー?」

花陽「凛ちゃんのこと、好き?」

にこ「な、なによ、急に」

花陽「なんとなく。…最近、凛ちゃんがよくにこちゃんの話するから」

にこ「え、凛も?」

花陽「え、凛ちゃん“も”って?」

にこ「あ、いや、ごめん、なんでもない」

にこ(…穂乃果たちといい、凛といい、なんでそんな……、にこって常日頃からそんな話題になるようなことしてるっけ…?)

にこ「…まぁ、凛のことは普通に好きよ」

にこ(…花陽はあくまで友達としてってことで聞いてるんだし、好きって言っても大丈夫よね)

花陽「そっか。そうだよね、うん」

にこ「あ、花陽のことも好きだけどね」

花陽「えっ……あ、う、うん、ありがとう」

花陽「……私も、にこちゃんのことも凛ちゃんのことも好きだよ。あと、真姫ちゃんのことも」

にこ「うん」

にこ(まぁ花陽は、みんな大好きってタイプだろうしね)

花陽「…ずっとみんなで一緒にいられたらいいのにね」

にこ「……花陽がそう思うなら、きっと凛たちは離れて行ったりしないわよ。大体、凛とは今までずっと一緒だったじゃない」

花陽「それはそうなんだけど……ほら、もうすぐ……にこちゃんたちは卒業しちゃうから」

にこ「あと何ヶ月も先の話じゃない」

花陽「そうだけど……でも……」シュン

にこ「……あー、花陽。ほら、このジュースもおいしいわよ。飲んでみない?」

花陽「え、でも……」

にこ「ホントにおいしいってば。はい」

花陽「………う、うん。ありがとう」コクコク

にこ「…そんなに心配しなくてもさ、卒業したって、この世からいなくなるってわけじゃないのよ」

にこ「花陽たちが望むなら、にこはずっとそばにいるわ」

花陽「ほ、ほんと?」

にこ「うん」

花陽「ありがとう、にこちゃんっ」

にこ「お礼言われることではないけど…」

にこ「こっちこそ、そんなに寂しがってくれて嬉しいわ。…って、嬉しいって言い方は不謹慎かもしれないけど」

花陽「ううん、そんなこと。…けど、嬉しいよ。にこちゃんがそばにいるって言ってくれて」

にこ「いやいや。にこも花陽たちと一緒にいると和むし」

花陽「う、うん、ありがとう…。あ、ジュースも美味しかったよ。ありがとう」

にこ「うん。オレンジジュースって正直どれでも一緒だと思ってたけど、違うものなのね」

花陽「そうだね。ただ私は百パーセントだとちょっと苦くて苦手かも…」

にこ「あ、にこも。百パーセントのほうが体にいいって分かってるんだけど、どうしても苦味がね…」

にこ「その点、このジュースは酸っぱさと甘さがいい感じでおいしいわよね」コクコク

花陽「っ………そ、そう、だね…」

にこ「? どうかした?」

花陽「あ、いや、なんでも。ジュース美味しいよね、うん」

にこ「うん…?」

にこ(なんか急にそわそわし始めたけど……どうかしたのかしら)

花陽「……あれ?」

にこ「ん?」

花陽「にこちゃん、その首元……どうしたの?」

にこ「え? ……ああ、これは…」

にこ(…そういえば絵里に、他の人には見られないようにしたほうがいいって言われてたわね)

にこ(正直、花陽が穂乃果たちと同じことをするとは思えないけど、念のために嘘を……、ごめん花陽)

にこ「実はちょっとぶつけちゃって…」

花陽「え、首を? 珍しいね…」

にこ「いや…まぁそういうこともあるのよ」

花陽「そっか……大丈夫? 痛くない? なんか、すごい赤くなってるけど…」ソ

にこ「平気平気。見た目ほど痛みはないから」

花陽「ならいいんだけど……気を付けないとダメだよ。あと、痛くなったらちゃんと病院行ったほうがいいよ」ナデナデ

にこ「う、うん」

にこ(さすが花陽、優しい……穂乃果たちみたいに噛みついたりもしないし…)ジーン

にこ「花陽はそのまま真っ直ぐに育ってね」

花陽「う、うん……よく分からないけど」

にこ(にしても、ことりのことといい花陽に会ったことといい、明日のことも考えると、今週のお休みは比較的に平和ね。…穂乃果と絵里のことは忘れよう)パク

にこ「ごちそうさま」

花陽「うん、私もちょうどごちそうさま」

にこ「じゃぁそろそろ帰りましょうか。あんまり遅くなりすぎると、お家の人が心配するかもしれないし」

花陽「そうだね」


―――――

コンマ(一桁)安価↓1

0.1.2.3.4=誰かと会う

5.6.7.8.9=誰にも会わずに帰り着く


―――――

花陽「じゃぁにこちゃん、また明日」

にこ「ん、またね。気を付けて帰るのよ。知らない人に声かけられてもついていかないようにね」

花陽「にこちゃん、私子供じゃないんだから…」

にこ「それもそうね。じゃ、また」

花陽「うん、ばいばい」テクテク

にこ(…やっぱり、花陽といると心が安らぐわね)ウンウン


ザ


にこ(? なんか足音が…)クル



>>352

(花陽がいるとホラーなので、花陽以外の人物名でお願いします)

真姫ちゃん

真姫「!」ビクッ

にこ「あ、真姫ちゃん……って、なにビクついてんの?」

真姫「べ、別に……急に振り向くからビックリしただけよ」

にこ「ふーん」

にこ(しかし、なんか前にも真姫ちゃんとこんな感じで会ったような……あのときは確か凛と一緒にいて…それで、そのあと………、思い出すのはやめとこう)

真姫「……花陽と一緒にいたのね」

にこ「あ、うん。買い物の途中でたまたま会っちゃって」

真姫「そう。……」ソワソワ

にこ「…あの、真姫ちゃん。なんか最近、にこによそよそしくない?」

真姫「そりゃ……あんなことしちゃったんだし、ちょっとは自重するわよ」

にこ(真姫ちゃんが自重なんて……なんか変な感じ)

真姫「……というか、にこちゃんが平然としてるほうが、私にとっては不思議なんだけど」

にこ「…じゃぁなに? 真姫ちゃん見るたびにビクつけばいいっていうの?」

真姫「そういうわけじゃないけど……」

真姫「……ちょっとは、意識してくれるかと思ったのに…」

にこ「意識ってなにを?」

真姫「…なんでもないわ」

にこ「?」

にこ「まぁ何でもいいけど、じゃぁにこも帰るわね」

真姫「え、あ、ちょ、ちょっと待って」パシ

にこ「なに?」

真姫「あっ、ご、ごめ……」パッ

にこ「いや、腕掴むくらい、別にいいけど…」

真姫「ごめんなさい…」シュン

にこ「」

にこ(なんなのこの真姫ちゃん……これはこれで面倒くさいというか、見ていていたたまれなくなるというか…)

にこ(…なんかこのままじゃ、真姫ちゃんずっと気を使ってきそうだし……何か言うべきかなぁ…)



どうしますか?

>>359

1.前のことは気にすることないと言う
2.前のことは忘れたと言う
3.あえて何も言わない

1

にこ「えっと……あのね、真姫ちゃん」

真姫「…なに?」

にこ「前のこと、まだ気にしてるみたいだけど、そんなに気にすることないわよ」

真姫「でも……にこちゃん泣いてたじゃない」

にこ「いや、だからあれはびっくりして思わず泣いちゃっただけだってば」

にこ「その…真姫ちゃんのことが泣くほど嫌だったとか、そういうわけじゃないから」

真姫「……嫌じゃなかったの?」

にこ「ま、まぁ、そりゃいきなりされたのは、ちょっとって感じだったけど……嫌だったらこんなこと言ったりしないわよ」

真姫「…………、そう」

にこ「だから、変に気遣うのはやめて。そのほうが逆に嫌だから」

真姫「…分かったわ。出来るだけ普通に接するようにする」

にこ「うん。真姫ちゃんには自重なんて言葉似合わないよ」

真姫「…それは微妙にバカにしてない?」

にこ「してないしてない、むしろ褒めてる」

真姫「どうだか…」

にこ「じゃぁそういうわけだから、にこはそろそろ本当に帰るわね」

真姫「私も途中まで一緒に帰るわ」

にこ「えっ」

真姫「…気遣わなくていいんでしょ?」

にこ「あー…うん。じゃ、一緒に帰りましょうか」

真姫「うん」

にこ(さっき引き止めたのも、一緒に帰りたかったからなのね。なんだかんだで真姫ちゃんも年下っぽい可愛いとこあるのね)テクテク

真姫「……にこちゃんが言ったんだからね」

にこ「え?」

真姫「自重なんて似合わないって。…これからもいつも通りの私でいいのよね?」

にこ「う、うん……いつも通りでいいけど…」

真姫「そう。ありがとう」

にこ「どういたしまして」

にこ(何が、ありがとうなのかはよく分からないけど…)

にこ「ところで、今更だけど真姫ちゃんはなんでこんなところに?」

真姫「これ」ガサ

にこ「スーパーの袋……ってことは、おつかい?」

真姫「お使いというより、個人的な買い物だけど…トマト買いに行ってたの。この近くに美味しいの売ってるとこあるから」

にこ「本当に好きね、トマト…」

真姫「まぁね。…けど、買い物に来てよかったわ。にこちゃんに会えたし」

にこ「にこはトマトのついでってわけね」

真姫「ついでとか言わないでよ。にこちゃんのことはトマトと同じくらい好きよ」

にこ(同列なんだ……まぁでも、真姫ちゃんの中でのトマトの順位を考えると、喜ぶとこなのかな)

真姫「……ところで、にこちゃん」

にこ「ん?」

真姫「今日はまた可愛い服着てるわね」

にこ「そう? 真姫ちゃんが服装のこと褒めてくれるなんて珍しいわね」

真姫「そうだっけ。…あの」

にこ「ん?」

真姫「……首元、見えてるけど」

にこ「そりゃ首は見えるでしょ。にこ、髪の毛結んでるんだし」

真姫「いや、そうじゃなくて…」

にこ「? ………あっ」

にこ(そっか、見えてるって、首自体のことじゃなくて…)

にこ「えっと……それ、ちょっと打ち付けちゃって」

真姫「打ち付けた…? 首を?」

にこ「首を」

真姫「ふぅん……、まぁそう言うならそれでいいけど」

にこ「うん」

にこ(…バレてないみたいね、よかった)ホッ

真姫「……ちなみに、にこちゃん」

にこ「ん?」

真姫「私の父親、医者なのよ」

にこ「知ってるけど?」

真姫「だから私も医療の知識はあるんだけど」

にこ「えっと…すごいわね、って言えばいいの?」

真姫「……まぁいいわ。なんか気合いが抜けたし、にこちゃん自身、これがどういう意味か分かってなさそうだし」

にこ「え、これって?」

真姫「教えない」

にこ「えぇっ」

真姫「…ただ、気を付けないとダメよ」

にこ「え、なにに?」

真姫「その痕よ。どこかに打ち付けたんでしょ?」

にこ「あ、ああ、うん。次から気を付けるわ」

にこ(今度穂乃果が噛みついてきたら、怒ろう)

真姫「…今度同じような痕つけてきたら、そのときは上書きするから」

にこ「え、上書きって……、殴るってこと…?」

真姫「なんでそうなるのよ…」

にこ「いや、だって打撃痕の上書きとか言うから…」

真姫「そうじゃなくて……ああもう、いいわよ。早くこれ消しなさいよ」グリグリ

にこ「痛っ、ちょ、真姫ちゃん、グリグリしたら痛いってば」

真姫「こうして血行よくしたほうが早く消えるのよ。…誰がつけたかは知らないけど」

にこ「いや、だからこれはにこが自分で…」

真姫「ああはいはい」グリグリ

にこ(なんで真姫ちゃん怒ってんのよ……嘘ついたから?)



にこ「じゃぁ真姫ちゃん、ここで」

真姫「…うん、またね」

にこ「うん」

真姫「……ね、にこちゃん」

にこ「ん?」

真姫「好きよ」

にこ「はっ!?」

真姫「…間抜けな顔ね」

にこ「ま、間抜けって失礼な……というか、真姫ちゃん、いきなりなに言って…」

真姫「…私、にこちゃんに嫌われたんじゃないかって不安だったから。今日はちょっとテンション上がってるの」

にこ「その割にすごい無表情なんだけど…」

真姫「笑えって言うなら笑うけど」

にこ「あ、いや、別に無理して笑うことないけど……にこが真姫ちゃんのこと嫌うなんて、そんなことあるわけないでしょ」

真姫「…うん。にこちゃん、抱きしめてもいい?」

にこ「それはダメ」

真姫「ケチ」

にこ「ケチで結構。じゃ、また学校でね」

真姫「ええ」


―――――

にこ(…真姫ちゃんも普通に戻ってくれたし、これで心配事はなくなったわね)

こころ「あーんっ」パクッ

こころ「おいしい!」パァ

ここあ「にこにー、ケーキおいしい!」

にこ「うん、よかったわね。ことりが作って来てくれたのよ」

ここあ「ことりちゃんすごいねー」

こころ「おかし作るの上手なんだねー」

にこ「そうね。ホント上手よね」

ここあ「いいお嫁さんになるね!」

にこ(どこでそういう言葉覚えてくるのかしら…)

にこ「まぁ…そうね。いいお嫁さんになりそうだわ」

ここあ「ここあ、ことりちゃんをお嫁さんにもらいたい! それで、毎日お菓子作ってもらうのー」

にこ「その理由はどうなのかしら……。お菓子ならにこにーが作ってあげるわよ」ナデナデ

ここあ「じゃぁにこにーと結婚するー」

こころ「あ、こころもにこにーと結婚したい」

にこ「じゃぁ三人で結婚しよっか」

ここあ・こころ「うんっ」

にこ(可愛いなぁ…)

にこママ「こころ、ここあ、美味しいからってあまり食べすぎちゃダメよ。夕飯の前なんだから」モグモグ

にこ「食べながら言っても説得力ないわよ、ママ…」

にこママ「それにしても本当に美味しいわね。にこのお友達の…ことりちゃん? その子、お菓子屋さんでもやってるの?」

にこ「いや、やってないけど。趣味なんだって」

にこママ「すごいわねー…このケーキとかママ好み。うちにお嫁に来てくれればいいのに……うちには男の子がいないものね…」

にこ「そ、そうね」

にこ(…やっぱり普通は、女の子の相手は男の子よね…)ハァ

にこママ「いっそ娘になってくれないかしら」

にこ「もーっ、ママには、にこにーっていう可愛い娘がいるじゃないっ☆」

にこママ「………うん、そうね」

にこ「なによその妙な間は…」

にこママ「ところで、にこ」

にこ「ん?」

にこママ「さっきからずっと、向こうのほうで音が鳴ってるわよ」

にこ「なんの音?」

にこママ「多分だけど、部屋着に着替えたときに、前の服のポケットに入れっぱなしで放置しちゃってるんじゃない?」

にこ「なにを?」

にこママ「携帯」

にこ「………えっ?」

にこママ「十数秒前から鳴ってるから、多分電話ね」

にこ「もっと早く言ってよ!」タッタッタッ



ピリリリリッ

にこ(ホントに鳴ってるし……まったく気づかなかった)

にこ(大分待たせちゃったことになるけど…誰だろ)ピッ



>>385
かけてきた相手

にこ(あ、希からだ)ピッ

にこ「もしもし? 希?」

希『うん、ウチやよー。ひょっとしてにこっち、忙しかった?』

にこ「あー、いや、ごめん。ちょっと気づかなくて、出るの遅くなっただけ」

希『そっか。それならよかった』

にこ「で、どうしたの?」

希『いや、特に用はないんやけど、暇やったから』

にこ「つまり暇つぶしだと」

希『せいかーい』

にこ「はあ…」

希『…えっと、やっぱり迷惑やったかな?』

にこ「いや、別に。にこも同じことよくやるし。暇つぶしに付き合ってあげるわ」

希『さすがにこっち、話が分かる』

にこ「まーね」

にこ(というか、最近希と電話すること多いような……気のせいかしら)

希『にこっち、今日はどんな休日やった?』

にこ「どんなって……えっと、まぁ、色々」

希『色々?』

にこ「朝にことりからケーキもらって、昼に買い物の途中で花陽と会って、花陽と別れた後に真姫ちゃんと会って一緒に帰った」

希『それはまた……色々やね』

にこ「でしょ。希のほうは?」

希『ウチのほうは大変やったよ。にこっちのおかげで』

にこ「どういうこと?」

希『にこっちにフラれたって言って、エリちがウチに遊びにきたんよ』

にこ「フラれたって……」

にこ(そういえば、絵里の誘い断ってたんだったっけ…)

希『おかげさまで、ウチはそんなエリちを慰めつつ、何故か一緒に受験勉強してた』

にこ「それは、なんというか……ごめん」

希『うん、エリちとマンツーマンはさすがに厳しかったわ…』

にこ「想像つくわ…」

希『次はにこっちも誘うから、二人でエリちのスパルタに耐えよな』

にこ「謹んで遠慮させてもらうわ」

希『拒否権あると思う? というか、エリちが聞いてくれると思う?』

にこ「……思わない」

希『観念して一緒にがんばろ』

にこ「まぁ、そのときがきたらね」

希『さて、じゃぁ次はにこっちの番やね』

にこ「え、なにが?」

希『なにか話題』

にこ「って、交代制だったのね……まぁいいけど」

にこ(なに話そう…)



>>391

(話題。ざっくりしたものでも大丈夫です)

みんなにお菓子作りたいんだけど、どれがいいか

にこ(……ああ、そうだ)

にこ「あのさ、ちょっと相談なんだけど、いい?」

希『ええよー。なに?』

にこ「実はみんなにお菓子作りたいなって思ったんだけど、どんなのがいいと思う?」

希『え、お菓子? なんでまた急に?』

にこ「いや、さっき言ったけど、ことりにケーキもらったし……他にも色々、最近はみんなに迷惑かけっぱなしだったから。そのお礼をかねて」

希『あー、なるほど。にこっちも律儀やねぇ』

にこ「で、なにがいいと思う?」

希『うーん……誰かの嫌いなものが含まれてなければ、なんでもええんちゃう?』

にこ「嫌いなものっていうと……希は確かキャラメルよね」

希『うん』

にこ「……他の子はなんだっけ?」

希『ウチのしか覚えてへんかったんやね…。えっと、まぁ自分で言っといてなんやけど、みんな直接お菓子に関係しぃひんからそんな気にせんでも大丈夫かも。あ、真姫ちゃんはみかんが苦手やったはず』

にこ「なるほど…」

にこ「じゃぁ……いちごのショートとかどう? ケーキとしては王道だけど、手作りとしてはちょっと頑張った感も出せる絶妙なライン」

希『うーん…』

にこ「あれ、イマイチ?」

希『いや、穂乃果ちゃんがイチゴ好きやん?』

にこ「うん。だからちょうどいいかなって」

希『穂乃果ちゃんは大喜びやろうけど……エリちたちの目が濁る光景しか浮かばへんから、やめたほうがええかも』

にこ「どういう意味…? 絵里っていちご嫌いなの?」

希『いや、そういうわけやないけどね』

にこ「…? んー…じゃぁチョコケーキとかは?」

希『うーん…』

にこ「え、また?」

希『エリちがチョコ好きやん』

にこ「う、うん。だからちょうどいいかなって…」

希『そしたら今度は、真姫ちゃんが危ないと思うねん』

にこ「はあ……。あ、じゃぁチーズケーキはどう? ことりにもらったのってチーズケーキだったし」

希『それはもう、アウトやね』

にこ「なんで!?」

にこ(希の言いたいことがさっぱり分からない…)

にこ「じゃぁ一体なんだったらいいってのよ」

希『今出した三つ以外やったらなんでもええと思うよ』

にこ「えー……じゃぁ、マフィンとか?」

希『あ、それならええかも。量とかも調整できるし。持ってくるのも楽そうやし』

にこ「ならマフィンにするわ。にこにーがとびきりのマフィン作っていくから、期待しててね」

希『うん、めっちゃ期待しとく』

希『じゃぁそろそろ切るね』

にこ「え、もういいの?」

希『うん、あんまり長電話しすぎると後々怖いし』

にこ「怖い?」

希『こっちの話。じゃぁにこっち、無理しぃひん程度に頑張ってな』

にこ「うん、ありがと。またね」

希『はーい』ピッ

にこ(さて……思い付きで言っちゃったけど、言ったからには頑張って作らないとね)


ここあ「にこにー、ごはん出来たってー」テクテク

こころ「たってー」テクテク

にこ「あ、うん、ありがと」

こころ「電話してたの?」

にこ「うん、ちょっとね」

ここあ「ひょっとして、お花のおねーちゃんと?」

にこ「あ、いや、他の友達。というか、そろそろ花陽のことは花陽ちゃんって呼んであげてね」

ここあ「はなよちゃん?」

にこ「そうそう」ナデナデ

こころ「はなよちゃん、明日あそびにきてくれるんだよね!」

にこ「うん。明日の朝来てくれるって」

こころ「楽しみ!」

ここあ「こころってばそればっかだねー」

にこ「それだけ楽しみってことだし、いいじゃない。ほら、二人ともママの手伝いにいくわよ」

ここあ・こころ「うんっ」


―――
――


こころ「……」ソワソワ

にこ「こころ、あんまりソワソワしないの」

ここあ「そーだよ。ソワソワしたってなにも変わらないよー」グダー

にこ「ここあはもうちょっとシャキッとしなさい」

ここあ「はーい」シャキーッ


ピーンポーン


こころ「! こころ出てくる!」タッ

にこ「あ、ちょっ……行っちゃったし」

にこ(前々から思ってたけど、こころのあの懐きようはなんなのかしら……メールだけで波長が合うことが分かったとか…?)

ここあ「にこにー、お出迎えしなくていいの?」

にこ「あ、そうだった。行きましょう」

ここあ「うん」



ガチャ

こころ「はなよちゃん、いらっしゃいっ」

ここあ「いらっしゃい!」

花陽「あ、うん、お邪魔します。えっと…こうして会うのは初めてだね」シャガミ

こころ・ここあ「うんっ」

花陽「じゃぁ改めて……小泉花陽です。にこちゃんと同じμ’sのメンバーで、にこちゃんにはいつもお世話になってます」ペコリ

こころ「よろしくね、はなよちゃん!」

ここあ「よろしくー」

花陽「うん、よろしく」

にこ「…えっと、じゃぁそろそろ家に入る? いつまでも玄関前にいるのもなんだし…」

花陽「それもそうだね……忘れてた」スク

にこ「というか花陽、その手に持ってるの、なに?」

花陽「あ、お弁当作ってきたの」

にこ「えっ、な、なんでわざわざそんな…」

花陽「私、最近お料理にハマってて……迷惑だったかな…?」

にこ「あ、いや、全然全然っ。むしろ嬉しいけど…」

ここあ「はなよちゃん、お弁当作ってくれたの!?」

花陽「うん。たくさん作ったから、食べてくれると嬉しいな」

ここあ「やったー! 食べる!」

こころ「こころも食べる!」

花陽「ありがとう、二人とも」

にこ(しかしなんで急にお弁当なんて…)


―――――

こころ「でね、ここをこう描いて…」カキカキ

花陽「わ、こころちゃんお絵かき上手だね」

こころ「えへへ……上手じゃないけど、好きなの。ね、はなよちゃんも描いてみて」

花陽「いいの?」

こころ「うんっ。あ、この鉛筆かしてあげる、お気に入りなの」

花陽「ありがとう。じゃぁ私はなに描こうかな……なにか描いてほしいものある?」

こころ「えっとねー…ねこさん!」

花陽「じゃぁ可愛い猫さんになるよう、頑張ってみるね」

こころ「こころも応援するっ」

花陽「ありがとう、頑張るよ」ナデナデ

こころ「えへへー」


にこ(なにあの空間、可愛い…)キュン

ここあ「てやーっ、ここあキーック!」ドカッ

にこ「痛っ! ちょっ、ここあ、だから跳び蹴りは禁止だってば!」

ここあ「ヒーローごっこなんだから、跳び蹴りしないと!」

にこ「なんなのよその義務感は…」

ここあ「いくよ、にこにー怪獣! てーいっ」

にこ(ここあの活発さは一体誰に似たのかしら…)


ここあ「もー、にこにーってば弱いー」ユサユサ

にこ「悪かったわね……というか、ここあも向こうで一緒に遊びましょうよ。お絵描き楽しいわよ」

ここあ「んー……でも、こころ楽しそうだし」

にこ「? 一緒に楽しめばいいじゃない」

ここあ「今まで、にこにーのお友達、ここあに合わせてくれる人たちばっかりだったから、たまにはこころに合わせてあげないと、なんか悪いかなーって…」

にこ「…ここあもそういうこと考えてるのね」

ここあ「ひどい! ここあだってもう小学生だもん!」

にこ「まぁそうだけど……って、ん? なら、ここあもこころに合わせて、一緒にお絵かきすればいいんじゃないの?」

ここあ「……だってヒーローごっこしたかったから!」

にこ(やっぱりここあはここあだった……ホッとしたような、ガッカリしたような…)

すみません、ちょっと夕食とってくるので間隔あきます
また夜に再開します

ゆったり再開していきます



にこ「」グッタリ

花陽「に、にこちゃん、大丈夫?」

ここあ「にこにー、生きてる?」

こころ「ここあ、にこにーに無理させちゃダメだよ…」

ここあ「ごめんなさい…」シュン

にこ「ああ、いや、大丈夫だから。でもここあ、やっぱりにこたちも一緒にお絵描きしましょ」

ここあ「そうだね、じゃぁ四人で一緒に描こう!」

花陽「うん、みんなでお絵描きしよっか」

こころ「じゃぁ画用紙とってくるー」テッテッテッ

にこ(こころがアクティブに動いてる…)

ここあ「はなよちゃん」クイクイ

花陽「ん?」

ここあ「ありがとう!」ニコッ

花陽「えっ?」

にこ(…やっぱりここあなりに、こころのこと考えてるのね。…偉い)ナデナデ

ここあ「?」


―――――

ここあ「んー……」カキカキ

ここあき「あきた!」ポイッ

にこ(ここあが、思いやりのある子なのかどうか分からなくなってきた…)

花陽「飽きちゃった? えっと……じゃぁ何か別のことして遊ぶ?」

にこ「んー……そうね。もう、かれこれ一時間近くお絵描きしてるし」

こころ「けど、なにして遊ぶの?」

にこ「あー……んー…どうしよう」


>>416

1.家の中で遊ぶ(内容再安価)
2.外に出て遊ぶ(内容再安価)

2

にこ「じゃぁ、外に遊びに行かない?」

ここあ「行きたい!」

にこ「即答ね…。こころと花陽はどう?」

花陽「私は三人がいいならどこでも。こころちゃんは?」

こころ「こころもいいよー。あ、でも、はなよちゃんのお弁当はどうするの?」

にこ「あ、そっか。えっと……じゃぁ天気もいいし、外で食べるとか?」

ここあ「ピクニックみたいでいいかも!」

こころ「楽しそう!」

花陽「じゃぁそれで決定だね」

にこ「そうね。それじゃぁ外に出る前に、どこ行くか決めときましょうか」

花陽「場所はここあちゃんたちが決めていいよ」

ここあ「やった! こころ、どこにする?」

こころ「えっとー…>>418とか」



(現実的に行けそうな場所でお願いします)

公園

こころ「公園とか」

にこ「ん。じゃぁ公園にしましょうか」ナデナデ

こころ「うんっ」

にこ(こころが楽しそうで何よりだわ)

―――
――


ここあ「こころ、一緒にブランコ乗ろ! 二人乗り!」グイッ

こころ「二人乗りは危ないからダメだよ…って、ひっぱらないでよー…」ズルズル

にこ「見事に引きずられてったわね…」

花陽「あはは……助けにいったほうがいいかな…?」

にこ「いや、ブランコ乗ったらここあの気も済むだろうし、ちょっと放っておきましょ」

花陽「じゃぁあそこのベンチに座って待ってよっか」

にこ「そうね」

花陽「それにしても、ごめんね。お弁当箱持たせちゃって」

にこ「いや、にこが勝手に持ったんだし。花陽は作って来てくれたんだから、これくらいはね」

花陽「…優しいね、にこちゃんは」

にこ「普通だってば」


にこ「そういえば、こうやって花陽と公園に来るのは二回目だっけ」

花陽「そうだね。前来た時は確か、にこちゃんに膝枕したんだっけ」

にこ「あー…なんか懐かしいわね。そんなに前のことじゃないのに」

にこ(最近ホント色々あったからなぁ…)

花陽「私は昨日のことのように覚えてるよ」

にこ「それはさすがに嘘でしょ」

花陽「嘘じゃないってば。にこちゃんとの思い出は、あんまり忘れてないよ」

にこ「…ありがとう、って言うべきなのかしら」

花陽「それもなんだか違うような…」


ここあ「わーい! 見てみてこころ、景色きれー!」

こころ「こ、怖くて景色なんて見られないよー!」


にこ「……今日はありがとね。なんかあの子たち、すごい楽しそうだから」

にこ(こころは今、涙目だけど)

花陽「ううん、こちらこそ。私、小さい子と関わる機会があんまりないから、新鮮ですごく楽しい」

にこ「ならよかった」

にこ「……あ、そうだ。ちょっと質問していい?」

花陽「なに?」

にこ「花陽って、なにマフィンが好き?」

花陽「えっ? なんでマフィン?」

にこ「なんとなく」

花陽「え、えーっと……プレーンマフィン、かな」

にこ「そう」

にこ(じゃぁ花陽はプレーンマフィンにしよう)

花陽「……あの、今の質問の意味は…?」

にこ「本当になんとなくよ」

花陽「ならいいけど……、あ、こころちゃんたち呼んでるね」

にこ「ホントだ。じゃ、行きましょうか。お弁当はここに置いておけば、誰か取っていこうとしたら分かるだろうし」

花陽「うん」


―――
――


こころ「いただきまーす」パク

ここあ「…おいしい!」パァッ

こころ「うん、すごくおいしいよ、はなよちゃん!」

花陽「よかった~。一応味見はしたけど、心配だったから」

こころ「にこにーのご飯もおいしいけど、はなよちゃんもお料理じょうずだね!」

花陽「ありがとう、こころちゃん」

こころ「えへへ…どーいたしまして!」

にこ(今日のこころはここあ並にテンション高くて微笑ましいわね)パク

にこ「あ、おいしい」

ここあ「ね、おいしいよね、にこにー」

にこ「うん、おいしいわね」

花陽「二人もありがとう。作って来てよかったよ」

にこ「…あの、けど、なんかやけに量が多い気がするのは気のせい?」

花陽「あ……実はね、にこちゃんのお母さんも今日はお家にいるのかなって思って、一人分多く作ってきちゃって…」

にこ「ああ、なるほど……ごめんね、今日は仕事で…」

花陽「ううん、確認しなかった私が悪いから。その分、私が食べるから大丈夫」

にこ「平気? 結構量あるけど…」

花陽「多分大丈夫。…うん、多分」

にこ(あんまり大丈夫じゃなさそうな顔してるけど)

にこ「…あー、でも、にこもお腹すいてるから、ママの分も貰っていい?」

花陽「え、けど…」

にこ「本当にお腹すいてるんだってば。それに花陽のお弁当、すごくおいしいし」

花陽「にこちゃん……」

にこ「ね、だからにこが貰ってもいい?」

花陽「う、うん、じゃぁ…」

ここあ「……」ジー

にこ「? ここあ、どうかした?」

ここあ「ううん。にこにーとはなよちゃん、仲良しだなぁって」

にこ「まぁ友達だからね。それよりここあ、ほっぺたにケチャップついてるわよ」

ここあ「えっ、ど、どこ!?」

花陽「あ、ここあちゃん、こっち向いて。とってあげる」

ここあ「はーい」クル

花陽「ちょっとジッとしててね。えっと………、はい、綺麗にとれたよ」

ここあ「ありがとう、はなよちゃん!」

花陽「うん、どういたしまして」

にこ「なんというか、微笑ましいわね」

こころ「ほほえま…?」

にこ「和むってことよ」ナデナデ

こころ「よく分からないけど、にこにー嬉しそうだから、こころも嬉しい!」ニコッ

にこ(可愛いなぁ…)

―――――

にこ(さ、さすがに食べすぎた……)

花陽「に、にこちゃん、大丈夫?」

にこ「うん、平気……おいしかったわ、ありがとう」

花陽「ならよかったけど……あんまり無理しないでね?」

にこ「ホントに平気だってば」

こころ「にこにー、元気ないの?」

ここあ「一緒に遊べないの?」

にこ「いやいや、大丈夫大丈夫。遊べるから」

ここあ「じゃぁ一緒にジャングルジムいこ!」

にこ(さすがにジャングルジムは、いくらにこが小さくてもキツいものがある気がするけど…)

こころ「はなよちゃんは、こころと一緒にブランコのろ。あ、二人乗りじゃなくて、一人ずつで」

花陽「うん。じゃぁいこっか」

こころ「うんっ」



にこ「……意外となんとかなるものなのね、ジャングルジム」

ここあ「? にこにー、なんか言った?」

にこ「ああ、いや、なんでも」

ここあ「こころたち、楽しそうだね」

にこ「そうね。…にこたちもブランコにしない?」

ここあ「ここあ、さっきブランコ乗った」

にこ「そういえばそうだったわね…」

ここあ「なんかね、さっきのお弁当のときも思ったんだけどね」

にこ「なに?」

ここあ「こうして一緒に遊んでると、はなよちゃんも家族みたいだなーって」

にこ「ああ……、にこの妹的な感じ?」

ここあ「んー…?」

にこ「…ひょっとして、にこが妹なんて言わないわよね?」

ここあ「ううん、それはないけど……んー…なんだろう」

にこ「なによ」

ここあ「あっ、にこにーのお嫁さんみたい! お料理もじょうずだし!」

にこ「…………うん、まぁ、そういうことでもいいけどね」

にこ(小学生的な発想で可愛いし)

にこ「けど、にこは女の子だから」

ここあ「知ってるよ?」

にこ「花陽も女の子なのよ」

ここあ「見れば分かるよ?」

にこ「……小さい子は自由でいいわね」

ここあ「? けど、にこにー、はなよちゃんのこと好きでしょ?」

にこ「まぁそりゃ好きだけど…」

ここあ「だったら女の子でも関係ないよ! 隣のクラスの子も言ってた! そういう愛のかたちもあるって!」

にこ(どんだけマセた子なのよ…)


―――――

ここあ「こころー、やっぱり一緒にあそぼ! 二人乗り!」

こころ「だ、だから二人乗りは怖いからいやだってば…って、勝手に乗ってこないでよー…」

花陽「あ、危ないから、落ちないようにしてね」

ここあ「はーいっ」

こころ「うぅ…」

にこ(しかし、花陽がお嫁さんね……。にこだって女の子だし、もちろん自分がお嫁さんポジションのほうがいいけど…)テクテク

花陽「あ、にこちゃん。にこちゃんも一緒にブランコ乗ろうよ」

にこ(…花陽相手ならやっぱり花陽のほうがお嫁さんっぽいわよね、色々と……って、なにを小学生が言ったことをいつまでも真剣に考えてんだろ…)

花陽「…あの、にこちゃん?」

にこ「あっ、ご、ごめん、ちょっとボーッとしてた」

花陽「大丈夫? 疲れちゃった?」

にこ「いや、ホントにボーッとしてただけだから」

にこ(大体、花陽はにこのことをそういう意味で好きなわけでもないし……)

花陽「にこちゃんもブランコ、どう?」

にこ「あ、うん」キィ

にこ(……よく考えると、にこがもしμ’sのみんなのことを好きだとしたら…花陽と、あと希には、片思いしてるってことになるのよね。…かなり変な感じだけど…)チラ

花陽「ブランコってこいでると風が涼しいし、楽しいよね」

ここあ「うん、楽しいねー!」

こころ「ここあ、こぐのはやいよー…」

にこ(……可愛い)

にこ(けど、ここあたちを可愛いって思うのとどう違うのかが、よく分からない…)

花陽「…にこちゃん、まったくこいでないけど、本当に大丈夫?」

にこ「あ、う、うん、平気平気」

花陽「ならいいけど…」

花陽「しんどいなら、ちゃんと言ってね」

にこ「うん」

にこ(あんまり花陽に心配かけちゃいけないし、とりあえず今は気にしないことにしよう。頭こんがらがってきそうだし)ブンブン

にこ「よし、じゃぁにこは立ち漕ぎするわ!」

ここあ「おおっ、にこにーすごい!」

にこ「う、うん。ちなみに、今のここあの姿も立ち漕ぎと一緒だけどね」

ここあ「あ、そっか」

こころ「に、にこにー、落ちないように気を付けてね……あと、ここあ、もうちょっとこぐ速度おとして…」

花陽「にこちゃん、立ち漕ぎ出来るんだね。すごい」

にこ「花陽は小さい頃しなかった?」

花陽「私はあんまり……。座って漕ぐ方が好きだったから」

にこ「まぁ花陽は座って漕ぐ方が似合ってるしね」

花陽「あ、でも凛ちゃんはすごかったよ。立ち漕ぎから、何回転かしながら着地してた」

にこ「体操選手かなにかになれそうね…」

ここあ「にこにーも回転しながらちゃくちするの?」

にこ「いや、それはさすがに……、普通におりるわ」

ここあ「なーんだ…」シュン

にこ(…回転したほうがいいのかな……)

にこ「…か、回転は無理だけど、飛び降りるだけなら出来る気がするわ」

ここあ「ほんとっ?」パァッ

にこ「う、うん」

にこ(小さい頃挑戦して失敗して以来、試したことないけど)

ここあ「やってみてやってみて!」ワクワク

にこ「え、ええーっと…」

花陽「にこちゃん…あんまり無理しないほうが…」

こころ「そうだよ、にこにー。危ないよ」

にこ「いや、でも……」チラ

ここあ「…」ドキドキ

にこ(あの期待に満ちた瞳を裏切ることなんて……姉として出来ない…)

にこ(でも、今ならできる気がする……小さい頃とは違うんだし。…よし!)

にこ「いくわよ、ここあ! にこにー、飛び降りるわ!」

ここあ「うんっ」

にこ「っ~…………ていっ!」ピョンッ


ズベシャァッ


にこ「」グテッ

ここあ「に、にこにーっ!?」

―――――

にこ(……結局、顔面から着地することになった…。…人って、数年くらいじゃ成長しないものなのね…)

こころ「にこにー…大丈夫…?」

ここあ「にこにー、ごめんね…」

にこ「いや、ほんと大丈夫だから。ここあもいつまでもしょぼくれてないで」

花陽「そうだよ、二人とも。転び方は派手だったけど、そんなにひどい怪我じゃないから。傷も小さいし、ちゃんと絆創膏貼ってれば、明日にはよくなってるよ」

こころ「そうなの…?」

花陽「うん。はい、じゃぁにこちゃん、ハンカチ濡らしてきたから、顔拭くね」

にこ「ごめんね、なんか迷惑かけちゃって…」

花陽「全然平気だよ。傷にしみるかもしれないけど、ジッとしててね」

にこ「うん…」

にこ(…なんか、これじゃどっちが年上か分かったもんじゃないわね…)ハァ

花陽「…………うん、これでよしと。あとは絆創膏貼るだけだね」

にこ「にしても、よく絆創膏なんて持ってたわね」

花陽「もしものときにと思って、いつも持ち歩いてるから。はい、こっち向いて」

にこ「あ、うん」

花陽「…ふふ、それにしても、ほっぺたに絆創膏貼るなんて久々かも」ペタ

にこ「ありがと。…にこも、ほっぺたに絆創膏貼られるのは久々よ。というか、この歳になって顔に怪我するなんてね…」

花陽「でも、今回は仕方ないんじゃないかな。ここあちゃんのためだったんだし」

ここあ「そーだよ! にこにーカッコよかったよ! 顔から地面にツッコんでたけど!」

にこ「う、うん……ありがとう…」

こころ「それに、にこにーは絆創膏つけてても可愛いよ!」

にこ「こころもありがと」

にこ(妹たちに気を使われる姉っていうのも、情けないものがあるけど…)


―――
――


こころ・ここあ「……」スヤァ

にこ「……」

花陽「えっと……」

にこ「ごめん、花陽」

花陽「あ、ううん、私は平気だけど…」

にこ「その子たち、はしゃぎ疲れるとすぐ寝ちゃう癖があって……でもまさか、外で寝るなんて…」

花陽「あはは……よほどにこちゃんの膝枕が安心したんじゃないかな」

にこ「まぁこころは花陽のほうだけど。というか、ごめんね。こころ、重いでしょ」

花陽「ううん、全然平気。それより、どうする? 起こしちゃうのも可哀想だし……こころちゃんは私がおぶって、家まで送っていこうか?」

にこ「え、いや、でもそれはさすがに…」

花陽「大丈夫だよ。こころちゃん軽いし」

にこ「…なら、お願いしてもいい?」

花陽「うん」

にこ「ホントありがとね。今日は花陽に助けられっぱなしで…申し訳ないわ」

花陽「そんなこと気にしないで。私、今日は本当にすごく楽しかったから」

にこ「花陽…」




にこ(花陽が良い子過ぎて辛い……。どういう風に育てればこんな子になるのかしら…)テクテク

花陽「にこちゃん、今日はありがとう」

にこ「いや、お礼を言うのは完全にこっちなんだけど…」

花陽「けど、にこちゃんが誘ってくれなかったら、こころちゃんたちに会うことも出来なかったかもしれないから」

にこ「こころたちも花陽と遊んですごく楽しそうだったわ。出来たらまた遊んであげて」

花陽「うん。私でよければ、いつでも、喜んで」

にこ「……やっぱり花陽って可愛いわね」

花陽「えっ、な、なに、急に」

にこ「いや、今しみじみと思って……。気遣いは出来るし、優しいし、一緒にいて落ち着くし、可愛いし、最高だなって常々思ってたから」

花陽「そ、そんなに褒めてもなにも出ないよ」

にこ「そんなつもりないわよ。全部本当のことだし」

花陽「っ……な、なら、嬉しいけど…」カアァァッ

にこ(…ほんと可愛いなぁ)

にこ(…やっぱり、花陽とはこういう友達のままって関係が一番いいのかも。実際、花陽はにこのこと友達としてしか見てないだろうし)

花陽「……ねぇ、にこちゃん」

にこ「んー?」

花陽「さっきね、こころちゃんに言われたの」

にこ「なにを?」

花陽「公園で一緒に遊んだり、ご飯作ってくれたり、花陽ちゃんもこころたちの家族みたいだねって」

にこ「あー…ここあにも似たようなこと言われたわ」

花陽「家族みたいって?」

にこ「うん。花陽がにこのお嫁さんみたいだって」

花陽「お、お嫁さ……!?」

にこ「まぁ子供らしい冗談だけどね」

花陽「……そ、そっか。冗談、だよね」

にこ「そりゃ冗談でしょ」

花陽「……」ピタ

にこ「? 花陽? どうかした?」

花陽「あ、あのね、にこちゃん」

にこ「ん?」

花陽「……話が、あるの…」

にこ「話?」

花陽「…うん」

にこ(なんかすごい真剣な表情してるけど……どうしよう)



>>449

1.ここで聞く
2.家に帰ってから聞く

1

にこ(…花陽が真剣な表情してるんだから、よほど大事なことなのよね)

にこ「話って?」

花陽「………あ、あのね」

にこ「うん」

花陽「こ、こんなこと…急に言われたら……きっと、にこちゃん、すごく困っちゃうと思うんだけど…」

にこ「なに?」

花陽「………き、です」

にこ「え?」

花陽「……好き、です」

花陽「わ、私……にこちゃんのこと、……好きなの…」

にこ「…………え?」

花陽「……あ、あの! 返事はいつでもいいから、えっと、じゃ、じゃぁにこちゃんのお家帰ろ!」スタスタスタッ

にこ「え、ちょ、ちょっと花陽、今のって…」

にこ(え、す、好きってどういうこと…? 友達として……って、雰囲気じゃなかったわよね。え、でも、花陽がにこのこと……え、ホントに…?)

にこ「あ、あの、花陽…」

花陽「……ご、ごめん、にこちゃん」

にこ「え?」

花陽「…今、にこちゃんと話すと……恥ずかしくて、多分、逃げちゃうから……ごめん…」

にこ「あ、う、うん、こっちこそごめん…」

花陽「ううん………にこちゃんは、悪くないよ…」

花陽「私が勝手に……す、好きに、なって……っ……///」

にこ(可愛い……って、そうじゃなくて……もうちょっと真剣になろう…)

―――――

にこ「えっと……送ってくれてありがとね」

花陽「ううん。こころちゃんたち、起きなくてよかったよ」

にこ「うん。えっと……それで、あの、さっきの話なんだけど…」

花陽「あっ……ご、ごめんね。さっきは、急に……」

にこ「いや、別に……あの、ごめんね、ちょっとにこ、今頭が混乱しちゃってて…」

花陽「あ、うん、私も…」

にこ「そ、そっか」

花陽「う、うん…」

花陽「……あの、私、待つから」

にこ「え?」

花陽「にこちゃんの考えがまとまるまで、ずっと…。……返事は本当に、いつでもいいから」

にこ「あ、う、うん。ごめん…」

花陽「謝らないで。…悪いのは、急にあんなこと言っちゃった私なんだし」

にこ「いや、そんなこと……。ビックリしたけど…あの……嬉しかったし」

花陽「……うん、ありがとう」

―――
――


にこ(とは言ったものの、どうしよう……)

にこ(花陽にまで告白されるなんて、夢にも思ってなかったし……どうすれば…!)ガンッ

にこ(って、思わず机に頭ぶつけちゃったけど……こんなことしてたら、ここあたちが起きちゃうわね)

にこ(…ちょっと外で頭冷やして考えよう…)


にこ(……花陽への返事も考えなくちゃ……って、その前に絵里とか海未とかことりとか……ヤバい、頭がこんがらがってきた…)ガチャ

にこ(とりあえず、鍵をしめて、と…)カチャ


グイッ


にこ「!?」

にこ(な、なに? 急に引っ張られて……というか、誰?)チラ



>>463
(諸事情で花陽以外のμ’sメンバーでお願いします)

りんまき
複数だめなら凛

にこ「…って、凛…それに真姫ちゃんも…」

凛「やっほー、にこちゃん。ごめんね、急に引っ張ったりして。怪我してない?」

にこ「してないけど……どうしたの? というか、なんでこんなとこに……ここ、にこの家の前なんだけど…」

凛「えっと、それは…」

真姫「にこちゃんをつけてきたのよ」

にこ「え……な、なんで?」

凛「えっと、それは…」

真姫「見てたのよ、さっきの」

凛「真姫ちゃん…言いにくいことをズバズバ言うね」

真姫「事実だから隠したってしょうがないでしょ」

凛「そりゃそうだけど…」

にこ「あの、見てたってなにを…?」

凛「…かよちんが、にこちゃんのこと、好きだって言うところ、かな」

にこ「えっ」

にこ「み、見てたの…?」

凛「うん」

真姫「…そりゃまぁ、道のど真ん中であんな話してたからね」

凛「凛たち、暇だったからなんとなく集まって、かよちんを遊びに誘おうとしてた途中だったんだけど……ちょっとびっくりしちゃったにゃ」

真姫「……まさか花陽までとは思わなかったわ」

にこ「え、えっと、あれは…」

凛「にこちゃん、真剣に答えてね」

にこ「う、うん」

凛「かよちんのこと、好き?」



>>471

1.好き
2.分からない

1

にこ(…嘘言ったって、誤魔化したって、ひっぱたきそうな目してるわね)

にこ「……好きよ」

凛「うん、凛も好き。かよちんのこと、大好き。真姫ちゃんもだよね?」

真姫「ん」コクリ

凛「でね、凛は真姫ちゃんのことも好きなんだよね。にこちゃんもそうだよね? 多分」

にこ「…まぁ、そりゃ」

凛「うん。それで、凛のことはどう思ってる?」

にこ「…す、好きだけど…」

真姫「で、私も凛のことは好きなの」

凛「それで、凛たちは三人そろってにこちゃんのことが恋愛的な意味で好き」

真姫「言いたいこと、分かる?」

にこ「……さ、さっぱり」

真姫「でしょうね」

にこ(…バカにされてる)

凛「つまりね、凛と真姫ちゃんでさっき話してたことなんだけどね、にこちゃん」ギュッ

にこ「?」

凛「凛たち、四人で付き合わない?」

にこ「…………えっ?」

凛「どう、このアイディア!」キラキラッ

にこ「ど、どうって……お、おかしいでしょ、色々と」

凛「え、そう?」

にこ「いや、だって普通、付き合うとかって、一対一でするものなんじゃ…」

真姫「四人でって言ったって、実際は一対一みたいなものよ」

真姫「ただ、にこちゃんには三人恋人がいて、それをお互いが了承している関係ってだけ」

にこ「いや、だけって……」

にこ(そ、それはアリなの……? ……いや、普通に考えてないわよね…)

にこ「…というか、二人はそれでいいの…?」

真姫「私は……まぁ、正直、人よりかなり独占欲高いほうだって思ってるけど……凛と花陽が相手なら、まだ、なんとか耐えられるし。…それに、私自身もにこちゃんと付き合えるなら、形は問わないわ」

にこ「り、凛は?」

凛「凛は元々、ヤキモチとかそういうのよく分かんないっていうか……まぁ確かに、にこちゃんが構ってくれないと寂しいけど。でもかよちんのことも真姫ちゃんのことも好きだし、全然平気」

にこ「い、いや、でも…」

凛「ね、今なら三人ついてきてお得だよ、にこちゃん!」

にこ「お得って……物じゃないんだから」

凛「それもそだね。まぁいきなりすぎるし、とりあえず頭の隅っこにおいといてくれるだけでいいから」

にこ「う、うん……って、ちょっと待って。この話、花陽は了承してるの?」

真姫「まだよ」

にこ「…もし花陽が嫌だって言ったらどうするの?」

真姫「…にこちゃん、花陽の携帯見たことある?」

にこ「え、見たことくらいはあるけど……」

凛「真姫ちゃん、それ一応秘密じゃなかったの…?」

真姫「別にいいでしょ、にこちゃん相手なら」

真姫「花陽の携帯の待ち受けね、本人は隠してるんだろうけど、ちょくちょく見えるのよ」

にこ「待ち受け?」

真姫「にこちゃんと花陽と、凛と私が一緒に写った写真を待ち受けにしてるのよ」

にこ(……ああ、それって前に、にこが花陽に渡したやつ…?)

真姫「さすがにどういう意味か分かるでしょ?」

にこ「………」フルフル

凛「にこちゃん……あの噂のこと、忘れちゃったの?」

にこ「噂って……ああ、あの待ち受けの……って、それって…」

真姫「花陽の携帯には、にこちゃん単体の写真だってちゃんと保存してあったのに、あえて四人一緒の写真を選んで待ち受けにしてるってこと」

真姫「…多分、花陽は薄々気づいてたのね。私と凛がにこちゃんのこと好きだってこと」

凛「凛、昔からよく分かりやすいって言われてたからにゃー…」

にこ(…そういえば昨日花陽が、ずっとみんなで一緒にいられたらいいのにって言ってたっけ…)

にこ(いや、でもだからって四人でっていうのは……)

凛「……にこちゃん、もしかして、凛たちのこと嫌になった?」

にこ「え、な、なんで?」

凛「だってにこちゃん、困ってるみたいだし…」

にこ「そりゃ、突然だし戸惑ってるけど……嫌になったりなんかするわけないでしょ」

凛「にこちゃん…!」パァッ

凛「やっぱり凛、にこちゃんのこと大好…」

グイッ

凛「……あの、真姫ちゃん?」

真姫「今日はじゃれつきに来たわけじゃないって最初に言ったでしょ」

凛「抱きつくくらいいいじゃーん…」

真姫「ダメよ。とりあえずにこちゃん、さっき言ったこと、考えるだけ考えてみて。花陽には私たちからちゃんと話しておくから」

にこ「う、うん」

真姫「じゃぁ、私たちは今日はこれで帰るわ」

にこ「あ、うん。また明日」

真姫「ん」コクリ

凛「あ、じゃぁ真姫ちゃんはお家に帰って、凛はもうちょっとにこちゃんと話を…」

真姫「帰るわよ」スタスタ

凛「うわあーんっ! にこちゃん、また明日ね!」

にこ「う、うん」

にこ(…引きずられていった…)



にこ「…………」

にこ(……マフィン作ろうかな。決して現実逃避ってわけじゃないけど…)


―――
――


にこ(昨日は思わず夜遅くまでマフィン作ってたから、ちょっと寝不足だわ…)

こころ「にこにー、マフィンおいしい!」

ここあ「おいしーよ!」

にこ「ならよかった。たくさん作ったから好きなだけ食べてね」

こころ「うんっ」

ここあ「ことりちゃんのケーキといい、最近はおやつが豪華で嬉しい!」

にこ「二人が喜んでくれるから、にこも嬉しいわ」ナデナデ

ここあ「えへへー」

にこ(和むなぁ……)

―――――

ガラ


絵里「おはよう、にこ」

にこ「おはよ、絵里。…希は?」

絵里「隣のクラスの子に呼び出されてたわ」

にこ「…もしかして告白?」

絵里「どっちかというと、そのお手伝いみたいな感じね」

にこ「ああ、タロットね」

絵里「……ところで、にこ」

にこ「んー?」

絵里「なんかふらついてるけど、大丈夫?」

にこ「いや、ちょっと寝不足で…」

絵里「そうなの? …ちゃんと寝ないとダメよ」

にこ「ん。…ということで、今寝るわ」

絵里「えっ」

にこ「先生きたら起こして」ガバ

絵里「ちょっとにこ、今寝るのは……って、もう寝ちゃってるし…」

にこ「……」スースー

絵里「…よほど眠たかったのね。…というか、この紙袋なんなのかしら……まぁ後で聞けばいいんだけど」

絵里(……髪触ってもいいのかしら……いや、けどここ教室だし……でも…)


ガラ


希「ただいまー…って、ありゃ? にこっちが寝てる。どうしたん?」

絵里「ねぇ希…髪に触ってもいいと思う…?」

希「なに言うてるかよう分からへんけど……やめとき」


―――――


「で、この年にこの出来事が起こったことにより…」

にこ「……」ウツラウツラ

「ここテストに出るぞ、覚えとけ」

にこ「……」カクンッ

「…おい、矢澤。寝てるのか?」

にこ「……」スースー

絵里「に、にこ…」

「…絢瀬。あとで矢澤に伝えておけ」

絵里「え?」

「課題追加だと」

絵里「……は、はい」


―――――

―昼休み―

にこ「起こしてくれればよかったのに…」

絵里「無理言わないでよ……席離れてるんだから」

にこ「はあ……課題追加とか、冗談じゃないわ…」

希「どんまい、にこっち。ところで、なんでそんな寝不足なん?」

にこ「いや、昨日夜遅くまで作業してて………、……あ、そうだ!!」

絵里「な、なに?」ビクッ

にこ「忘れてた!」

にこ(ことりにブローチ渡さないといけないんだった)

にこ「にこ、ちょっと二年生の教室行ってくる!」タッタッタッ

絵里「え、ちょ、にこ……なんなの、一体…」

希「なんやろうね…?」


―――――

穂乃果「……はぁ」

穂乃果(土曜日にことりちゃんが言ってたこと、本気なのかな…)

穂乃果(いきなり用があるって呼び出されたときは何かと思ったけど…)

海未「穂乃果。お昼食べないんですか?」

穂乃果「あ、ううん、食べるよ」

海未「…考え事ですか?」

穂乃果「うん、ちょっとね。……ねぇ、海未ちゃん。海未ちゃんは、土曜日のことどう思ってる?」

海未「……まだ考えてる途中です。すぐに答えを出せる問題でもないので」

穂乃果「だよねー…」

穂乃果(…とはいえ、私は正直ことりちゃんの意見にそこまで反対ってわけでもないんだけど……)

穂乃果(……ん?)

にこ「…」ヒョコ

穂乃果(にこちゃんだ!)パァッ

―――――



にこ(二年教室に来たはいいものの……ことりはどこにいるのよ…)キョロキョロ

穂乃果「にこちゃーんっ!」ギュッ

にこ「ひゃぁっ! ……って、穂乃果?」

穂乃果「うんっ。どうしたの、こんなとこでー?」スリスリ

にこ「すり寄るのはやめてってば」グイッ

にこ「ことりに用があるんだけど、知らない?」

穂乃果「ふぇ? ことりちゃん?」

海未「ことりなら、日直の仕事のため職員室に行ってますよ」

にこ「あ、海未。職員室ね、ありがと。じゃぁ職員室に…」

海未「いえ、すぐ帰ってくると思いますから、ここで待っていたほうが早いかと」

にこ「そうなの? じゃぁ待たせてもらうわ」

穂乃果「にこちゃん、せっかくだし一緒にお昼食べようよ」

にこ「いや、お弁当教室に置いてあるし」

穂乃果「取りにいこうよ」

にこ「それでことりとすれ違ったらバカみたいじゃない…」

穂乃果「じゃぁ私のパンあげる」

にこ「なんでそんな一緒に食べたがるのよ」

穂乃果「だってそうでもしないと、すぐ教室に戻っちゃうでしょ?」

にこ「…じゃぁ穂乃果たちが食べ終わるの見てるわ。それならいいでしょ」

穂乃果「それはなんか嫌だよ」

にこ「どうしろってのよ…」

今回の更新はここまでにします

正直ここからどれくらいの長さになるか、長いのか短いのかさえまったく考えてないのですが、出来るだけキリよく終われるよう頑張ります

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました

レスありがとうございます

ゆったり更新再開していきます

穂乃果「やっぱりにこちゃんの教室まで……って、あ、ことりちゃんだ」

にこ「え?」クル

にこ「あ、ホントだ。ことり、おかえり」

ことり「え…あれ? なんでにこちゃんがここに?」

にこ「ちょっとあんたに用があったの」

ことり「用?」

にこ(…海未はともかく、穂乃果の前で渡すのはなんか嫌ね。絶対なにか言ってくるだろうし…)

にこ「だから、ちょっとついてきてくれない?」

ことり「うん。じゃぁ穂乃果ちゃん、海未ちゃん、少し待ってて」

穂乃果「私もついていっていい?」

にこ「ダメ」

穂乃果「即答!? ひどいっ、海未ちゃん、にこちゃんがイジめるよー!」ワーンッ

海未「はいはい。早く食べますよ」

穂乃果「海未ちゃんにまでぞんざいに扱われてる…!」

ことり「ほ、穂乃果ちゃん、元気出して」

穂乃果「うぅ……二人とも、早く帰って来てね…」グスッ

ことり「うん」

にこ(にこはここに帰ってくることはないと思うけど……まぁいっか)




ことり「それで、用って?」

にこ「これ」ス

ことり「えっと……なに?」

にこ「前に言ったでしょ。新しい衣装につけるブローチ」

ことり「あー……って、ホントに買ってきてくれたの?」

にこ「うん。選ぶのは花陽にも手伝ってもらったけど」

ことり「ごめんね、わざわざ…。…あ、いくらだった? お財布、教室に置いてあるから、練習のときにでも…」

にこ「いや、いらないわよ」

ことり「えっ」

にこ「なによ、その心底驚いてますって顔は…」

ことり「だって…」

にこ「にこだって一応先輩なのよ。これくらいプレゼントするわよ」

にこ(花陽の教えてくれたお店、かなりおしゃれだったけど、値段はかなりお手頃だったし……本当に助かったわ)

ことり「けど、悪いよ…」

にこ「前に言ったでしょ。にこがことりのこと労わってあげるって。これもその一環よ」

ことり「でも…」

にこ「あーもー、だってとかけどとかでもとか、そんなのはどうでもいいの。ほら、さっさと受け取りなさいよ」グイ

ことり「……じゃぁ…ありがとう、にこちゃん」

にこ「どういたしまして。…というか、お礼なら花陽に言ってあげてよ。会ったついでに買い物に付き合わせちゃったし」

ことり「うん、花陽ちゃんにもあとでちゃんと言っておく」

にこ「ん。じゃぁにこは教室に…」

ことり「あ、そ、その前に、ちょっといい?」

にこ「なに?」

ことり「あの……だ、抱きしめて、いいかな?」

にこ「……な、なんで?」

ことり「いや、なんだか…すごく嬉しかったから」

にこ「嬉しいから抱きしめるって…外国人みたいね」

にこ(あー…でも、穂乃果はそんなタイプっぽいし、ことりもそうなのかしら)

ことり「…ダメなら、いいんだけど…」

にこ「いや、別にダメってわけでは…」

ことり「じゃぁ、いいの?」

にこ「い、いいけど……あ、でもお昼食べる時間とかあるし、そもそも人通りが少ないとはいえ、ここ廊下で…」

ギュッ

にこ「…人の話は最後まで聞くものだと思うわ」

ことり「時間がもったいないと思って」

にこ「あ、そう…」

にこ(……ま、ちょっとくらいならいっか)

―――――

ガラッ


絵里「…おかえりなさい」

にこ「た、ただいま…」

希「にこっち、随分遅かったね。もうあと一分くらいでチャイム鳴ると思うけど……お弁当、大丈夫?」

にこ「マッハで食べるわ」ガサゴソ

希「それは、なんというか…ファイト」

絵里「ところで、二年の教室に何の用だったの?」

にこ「衣装のことでことりと話してたのよ」

希「ああ、なるほど…。それでつい時間を忘れて話し込んでしもたってわけやね」

にこ「そういうこと」パカ

にこ(本当は流されるがままに穂乃果たちとお昼を食べてきたなんて言えない……)

にこ(結局パンもらっちゃったし、お弁当入るかな……いや、入るわね)パクパク

絵里「…」ジー

にこ「…なに?」

絵里「いや、ただ見てるだけ」

にこ(気が散る…)パク

希「そういやにこっち、眠いのは治った?」

にこ「あー……うん、ちょっとは。けど、油断すると眠くなるから気を付けるわ」

希「さすがにまた授業中に寝るわけにはいかへんしね」

にこ「ん」


―――――

にこ「」スースー

希(にこっちー!)

希(さっきああ言ったばっかやのに! どんだけ眠いんや、あの子!)

希(幸いにもまだ先生にはバレてへんみたいやけど……起こしてあげるべきやんなぁ…でもウチの席からにこっちの席までは遠いし…)

希(エリち、どうしよう…!)チラ

絵里「……」チョイチョイ

希(? 携帯…? ……ああ、なるほど)ス

希「……」ピッピッピッ

希(よし、送信!)ピッ


ピリリリリッ


にこ「!?」ビクッ

「こらー、誰かは知らないが、授業中はちゃんとマナーモードにしとけ」

にこ「……」キョロキョロ

希(無事起きれたみたいやね)ホッ

にこ「………」

にこ「……」ウツラウツラ

希(…おや?)

にこ「…」スースー

希(にこっちーっ!!)

絵里「……」ハァ

希(ああ、エリちも諦めたみたいやね…)

「ん? …こら、矢澤、寝るな!」

にこ「は、はいっ!」

希(あー…)

―――――

にこ「また課題出された……」ズーン

希「そりゃ、一つの授業の間に五回も注意されれば…」

にこ(起こしてくれればよかったのに……とは、言えないわよね。希から空メールきてたし……それで起こしてくれようとしてたんだろうし)

にこ「課題終わるかしら…」

絵里「それならいい機会だし、また勉強会再開しましょうか」

にこ「え?」

絵里「そうすれば学校で課題終わらせられるでしょ。妹さんたちのことも心配いらなくなるし」

にこ「でも…」

絵里「じゃぁ決定ね。穂乃果にも連絡入れておくから」ピッ

にこ「にこの意見は聞く気ないのね…」

希「まぁまぁ。にこっちかて、家でやるより全然ええやろ?」

にこ「そうだけど…」

にこ(付き合わせる形になって申し訳ないけど……そう言ったら怒られそうだし、やめとこう)


―――
――


穂乃果「というわけで、くじ作ってみました!」ジャンッ

にこ「準備いいわね…」

穂乃果「でしょ! 褒めて褒めて!」

にこ「あーはいはい、偉い偉い」

穂乃果「わーいっ。じゃぁにこちゃん、引いて引いて。あ、ちなみに夕飯のほうからね」

にこ「ん」

穂乃果「あ、絵里ちゃんのは抜いてあるからね」

絵里「そういえば、前回は私だったわね」

にこ「えっと……じゃぁ…これ」ヒョイッ



>>568
(結果)

かよちん

にこ「…花陽ね」

花陽「え、あ……私?」

にこ(微妙に気まずいタイミングだけど……まぁ花陽なら大丈夫よね)

にこ「えっと、よろしくね、花陽」

花陽「うん、頑張って作るね」

にこ(それに、花陽ならこころも喜ぶし)

穂乃果「じゃぁ次はお勉強のやつ。あ、凛ちゃんのは抜いてあるから」



>>570
(結果)

海未ちゃん

にこ「えっと…これ」ヒョイ

穂乃果「どれどれ? ……う、海未ちゃんだね」

にこ「なによ、その微妙な顔」

穂乃果「いや、だって海未ちゃんと勉強って……にこちゃん、頑張って…」

にこ「憐れむような目で見るのやめてくれない…?」

海未「そうですよ。私が厳しいのは穂乃果に対してだけです」

穂乃果「なにその、嬉しくない特別扱い…」

にこ(けど、海未と二人で練習したときは超スパルタだったけど……あれでもまだ優しい方ってこと…?)

海未「とりあえず、頑張りましょうね、にこ」

にこ「う、うん……くれぐれも、お手柔らかに…」

海未「?」

―――――

ワン、ツー、スリー、フォー!


海未「では、そろそろ休憩しましょうか」

「「「はーい」」」


にこ(はぁ…疲れた…)ペリッ

にこ(でも、練習してるとちょっとは眠気も吹き飛ぶし、ちょうどいいかも…)パクッ、ガリガリ

にこ(…って、なんでまた飴食べてんだろ……というか、気が付けばポーチに飴いっぱい入れてきてるし……やっぱり病気ね)

にこ(とりあえずこの一個を食べ終わったら水飲も)ガリガリ

真姫「…にこちゃん」

にこ「!?」ビクッ

にこ「な、なんだ、真姫ちゃんか…ビックリした…」

真姫「また飴舐めてるの? …というか、噛んでるのね」

にこ「あー……いや、これは糖分補給が目的で…」

真姫「…ふーん。じゃぁ別に寂しくなったわけじゃないのね」

にこ(寂しいって……ああ、口元がね)

にこ「そ、そんなわけないじゃない」

真姫「ならいいけど。……前に、その症状を治してあげるって言ったことあったじゃない」

にこ「…あったわね」

にこ(正直、あのときのことはあんまり思い出さないようにしてるけど…)

真姫「あれ、嘘ではないから」

にこ「どういう意味?」

真姫「ああいうこと繰り返してたら、無意識で飴を食べることはなくなると思うわよ」

にこ「へー…そうなんだ」

真姫「…だから、私でよければその相手に…」

にこ「あ、あー! そういえばにこ、部室にリストバンド忘れてたんだった!」スクッ

にこ「ちょっと取ってくる!」タッタッタッ

真姫「………逃げられた…」



―部室―


にこ(思わず本当に部室に来ちゃったけど……リストバンドは普通に腕につけてるのよね)

にこ(多分真姫ちゃんにも、逃げたって思われてるだろうなぁ…)

にこ「……とりあえず適当に時間つぶしてから戻ろう」

にこ(あんまりすぐに戻ると、逆に気まずいし)

にこ(………暇だし、飴食べよ)ペリッ


ガラ


にこ「?」



>>576
入って来た人物(μ’sメンバーでお願いします)

ことり

ことり「あれ、にこちゃん?」

にこ「あ、ことり。どうしたの?」

ことり「部室にタオル忘れちゃって……にこちゃんも何か忘れ物?」

にこ「あー……うん、ちょっとね」

ことり「そっか。じゃぁせっかくだし、一緒に屋上戻らない?」

にこ「あ、うん」

ことり「やった。ちょっと待っててね、今タオルとるから」

にこ「ん」

にこ(その間に飴食べとこ)ガリガリ

ことり「? にこちゃん、また飴?」ガサゴソ

にこ「うん」

ことり「よほど好きなんだね、その飴」

にこ「まぁね」ガリ

にこ「ことりも一つ食べる?」

ことり「せっかくだけど、遠慮しとくよ。練習はじまるまでに舐めきれなさそうだし」

にこ(あ、そっか。普通の人は飴食べるのに時間かかるものなんだった…)

ことり「ちなみに、にこちゃん」

にこ「ん?」

ことり「今食べてる飴ってなに味?」

にこ「レモン」

ことり「レモンかぁ」

ことり「…あれだよね、ファーストキスってレモンの味がするって言うよね」

にこ「!?」ガリッ

にこ(し、舌かんだ……! 地味に痛い…!)フルフル

ことり「ご、ごめん、大丈夫? そんなに驚くとは思わなくて…」

にこ「驚くでしょ、普通は…。というか、なにいきなり乙女チックなこと言ってんのよ」

ことり「だって乙女だもん」

にこ「それはそうだけど…」

にこ(……大体、レモンの味とかあんなの嘘だったし)

にこ(実際はなんの味もしなくて…むしろ味よりも感触のほうが印象に残って……ああいやいや、思い出すな…)

にこ「とりあえず、タオル見つかったなら早く戻りましょ」

ことり「…ねぇ、にこちゃん」

にこ「ん?」

ことり「今キスしたら、本当にレモンの味しそうだよね」

にこ「……」

ことり「……」

にこ「……」

ことり「せ、せめて、なにか言ってほしいかな…」

にこ「あ、いや、言葉が見つからなくて……、とりあえず、屋上戻りましょ」

ことり「え、さっきのコメントに対する返しは?」

にこ「の、のーこめんと!」

ことり「……ちぇ……まぁいいけどね。半分は冗談だったし」

にこ(残りの半分は…?)

ことり「じゃ、戻ろっか」

にこ「ん」

ことり「あ、でも、あれらしいよ」

にこ「なに?」

ことり「飴とかガムとか食べるのが癖になってる人は、キスが好きなタイプらしいよ」

にこ「はっ!?」

ことり「だから、飴食べるのが癖みたいになってきたら、ことりに相談してね」

にこ「な、なに言って……」

にこ(まさか真姫ちゃんが言ってた……えっと、なんだっけ…こーしんよっきゅー…? みたいなのと、同じこと言ってんのかしら…)

ことり「…にこちゃんって、やっぱり分かりやすいよね」ニコー

にこ「えっ」

にこ(……ひょっとして、考えてること全部バレバレ…?)

ことり「さ、早く屋上戻ろ」

にこ「う、うん…」

にこ(希といい絵里といいことりといい……にこの周りって、なんでこう鋭い人ばっかなの…?)


―――――

ガチャ


穂乃果「あ、ことりちゃん、おかえりー……って、あれ? にこちゃんも一緒だったの?」

にこ「えっと…ちょうど部室であったから…」

穂乃果「そうなんだー」

絵里「……なんだか、にこの顔赤くなってない?」

にこ「えっ…そ、そんなことないわよ」

にこ(ことりに考えてることがバレてたとしたら…真姫ちゃんのこともバレちゃった可能性があるわけで……いや、さすがに相手が真姫ちゃんってことまではバレてないだろうけど…)

にこ(でもキスしたことがあるってことがバレてるとしたら……やばい、死にたいほど恥ずかしい…)

絵里「…やっぱり赤いんだけど…」

真姫「……」

希「えっと…う、海未ちゃん、そろそろ練習再開しーひん?」

海未「え? あ、そうですね。ちょうど二人も戻ってきましたし、再開しましょうか」

希「…」ホッ


―――
――


穂乃果「んーっ……疲れたー…」

凛「いい汗かいたにゃーっ」

にこ「ホント疲れたわねー…」

穂乃果「にこちゃんはこれからもっと疲れることになるけどね!」

にこ「笑顔で嫌なこと言わないでよ…」

にこ(まぁでも、海未も練習後で疲れてるだろうし、そんなスパルタにはならないだろうけど…)

―――――

海未「にこ、ここ間違ってますよ」

にこ「えっ」

海未「あと、恐らくそこの答えも。多分途中で用いた公式が間違っているのだと思います」

にこ「え、えっと……ちょっと休んでから、もう一回考え直していい?」

海未「ダメです。休むのはキリがいいところまでいってからです」

にこ「ええぇー……」

にこ(十分厳しかった……というか、なんで三年生の範囲までもう進んでんのよ…。下級生に教えられるなんてカッコ悪すぎるじゃない…)カリカリ

にこ(休みたい……)ハァ

海未「…もう少しで終わりますから、頑張ってください」

にこ「……うん」

にこ(大体、文句言える立場じゃないわよね……海未には付き合ってもらってるんだし…)

にこ(ちゃっちゃと終わらせて、帰って花陽の手伝いとかしたいし…頑張ろう)カリカリ

海未「……」ジ

にこ「……」

海未「……」ジー

にこ「………あの、海未。まだどこか間違ってたりする?」

海未「え、あ、いや……ただ、見てただけです、すみません」

にこ「そ、そう」

海未「……ま、まじめにやります、すみません」

にこ「いや、そんなに何度も謝らなくても…」

海未「すみません…」

にこ「いや、だから…」

にこ(……なんか、海未の態度が変だけど、なにかあったのかしら)


―――――

にこ「終わったー!」バンザーイッ

海未「はい、お疲れ様です。…終わったとは言っても、まだ半分ですが」

にこ「水差さないでよ……。とりあえず、休んでもいい?」

海未「ええ。私も一緒に休憩します」

にこ「うん」

海未「……」チラ

にこ「どうかしたの? 廊下に誰かいる?」

海未「あ、いえ……誰もいないなぁと、思って…」

にこ「まぁ放課後だしね」

海未「……二人きり、なんですよね」

にこ「そうだけど…それがどうかした?」

海未「ど、どうかしたかと問われると、困りますが……」

海未「……あの、少しお話があるんですが、いいですか?」

にこ「話? なに?」

海未「……にこは、穂乃果のことが、好きですか?」

にこ「え?」

にこ(なんでここで穂乃果の名前が…? ……好きかって、友達としてってことよね?)

にこ「……まぁ、普通に好きだけど。友達として」

海未「友達…ですか」

にこ「う、うん」

海未「では、ことりのことは?」

にこ「そりゃ……ことりのことも、穂乃果と同じ意味で好きよ」

海未「……では、私のことは?」

にこ「海未のことも……二人と同じ感じだけど…」

にこ(なにが聞きたいのか、よく分からない…)

海未「……そうですか」

にこ「…あの、どうかしたの? さっきからなんか、態度というか…様子がおかしい気がするんだけど」

海未「いえ…。………その、これから、変な話をしてもいいですか?」

にこ「変なって……まぁ別にいいけど」

海未「…私は、にこのことが好きです。あの…つ、付き合いたいとか、そういう意味で」

にこ「う、うん」

海未「……けど、私はにこに好かれる自信が、正直あまりありません」

海未「にこにはきっと、穂乃果やことりみたいな、明るくて素直な子のほうがあってるんだろうなとも思ってます」

にこ「いや、そんなこと……」

にこ(…って、ここで変なこと言っても、気休めにしか聞こえないか…)

海未「ですから、その……」

にこ「……」

海未「……」

にこ「……海未?」

海未「…すみません。今の、忘れてください」

にこ「えっ!?」

海未「私の勝手な判断ですべて話してしまうところでした……すみません。なかった方向で、お願いします」

にこ「えええぇ……」

にこ(割と本気で意味が分からない……けど、海未がそういうなら、忘れたほうがいいのかな)

海未「…何か別の話をしましょうか」

にこ「別の話って言われても……たとえばどんな?」

海未「えっと……>>593とか…」



(話題。ざっくりとしたものでも大丈夫です)

3年生組について

海未「えっと……絵里と希のこと、とか」

にこ「へ、なんでまた?」

海未「なんとなく……にこが話しやすいのはその二人についてかな、と」

にこ「あー……まぁ確かに同級生だけど」

にこ「穂乃果やことりのことじゃなくてもいいの?」

海未「そ、そんなにいつでも二人のことを考えてるわけではありませんからっ」

にこ(顔が真っ赤になってるけど……まぁ指摘しないでおこう)

にこ「にしても、改めてその二人のことで話したいことってのも……、ないわね」

海未「では……二人とはいつごろ知り合いになったんですか?」

にこ「あー……絵里と本格的に知り合ったのは三年になってからね。希とは一年の頃からなんとなく友達みたいな感じだったから、絵里のことはよく知ってたけど」

海未「へえ……希とは付き合いが長いんですね」

にこ「まーね。あいつ、なんかお節介なとこあるし、一人でいる奴には誰彼かまわず話しかけてたし。にこもその中の一人だったのよ」

海未「なるほど…」

海未「…今も、希とは仲が良いですもんね」

にこ「普通だと思うけど……というか、希は絵里とのほうが仲良いでしょ」

海未「まぁ確かにあの二人も仲良しですが……にこと希だって十分仲良く見えますよ。…絵里とにこもですけど」

にこ「それを言うなら、あんたたちのほうが比じゃないけどね」

海未「私たちは幼なじみですから、ある意味仲が良くて当たり前みたいなものじゃないですか」

にこ「加えて同い年だもんね。同い年の幼なじみとか、正直うらやましいわ」

海未「…やはり、同じ歳というのは、大きいですよね」

にこ「まぁ学生時代はね。同じ学年で過ごせるっていうのは色々楽しいだろうし」

海未「…ですよね」

にこ「…どうかした?」

海未「あ、いえ。……あの、にこ」

にこ「ん?」

海未「……やはり、留年しませんか?」

にこ「真顔で言うのやめてくれない…?」

海未「すみません…。……時々、絵里と希がうらやましくなるんです」

にこ「うらやましく?」

海未「はい。…にこと同じ学年で過ごせているじゃないですか」

にこ「へ、いや、でも…ほら、μ’sの間では学年なんて関係ないって、絵里たちが言ってたじゃない」

海未「それはそうですが……正直、にこは私たちのこと、年下だと思って接しているんだろうなぁと思うことが多々ありますし…」

にこ(事実なだけに言い返せない……先輩後輩なしだって言っても、やっぱり年下って意識は消えないし)

海未「その点、絵里と希に対してはあまり遠慮もしませんし、言いたいことを言い合えてるという感じがして、そこが少しうらやましいです」

にこ「…海未たちにだって、本音で喋ってるわよ。ただ、やっぱりちょっとだけ見栄張りたいなとか、そんな思いがあるだけで…」

海未「それをなくしてほしいのですが…」

にこ「そんなこと言われても…」

海未「……」ギュ

にこ「…あの、海未、手…」

海未「…私は、にこに対等だと思ってほしいです」

にこ「いや、別に対等だと思ってないとか、そういうわけじゃ…」

海未「で、ですから!」

にこ「は、はいっ」

海未「……絶対に、あなたと…こ、恋人に、なってみせますから」

にこ「え」

海未「っ」パッ

海未「わ、私! ちょっと飲み物買ってきます!」ガタッ

にこ「へ? あ、海未…」

海未「失礼します! あ、あと、いきなり手なんて握ってすみませんでした!」ガラッ


タッタッタッ


にこ(すごい速さで出てったわね…)

にこ「……あんなに恥ずかしがるくらいなら、最初から手なんて握らなきゃいいのに…」

にこ(……おかげでこっちまでつられて恥ずかしくなってきたし…)


―――
――


海未「…では、今日の勉強はこれで終わりですね」

にこ「うん」

海未「お疲れ様です」ペコリ

にこ「お疲れ様」ペコ

海未「えっと……では、帰りましょうか」

にこ「そうね」

にこ(…なんかさっきの会話以降、妙に気まずい…)

海未「……一緒に帰ってもいいですか?」

にこ「え、そりゃもちろん」

海未「ありがとうございます」ペコリ

にこ(…調子くるうなぁ…)

―――――

海未「……」テクテク

にこ「……」テクテク

にこ「あの…海未?」

海未「はい。なんでしょう」

にこ「さっきの話のことなんだけど…」

にこ「確かに、にこは海未たちのこと年下だと思ってるし、常に年上らしくしようって努めてるわ」

にこ(それが実際、出来てるかはさておき)

海未「はい」

にこ「けどそれは、海未たちのことを下に見てるとか、そういうことじゃないから、絶対に」

海未「下に見てるだなんて思ってませんよ。…ただ、たとえばにこがすごく困ったときに、真っ先に助けを求める相手はきっと希か絵里なんだろうなと思うと……少し寂しくて」

にこ「…そんなの、海未だって一緒でしょ?」

海未「え?」

にこ「多分だけど…海未だって、なにか困ったことがあったら真っ先に穂乃果かことりに助けを求めると思うわよ」

海未「……そうでしょうか?」

にこ「そうだと思うわよ」

にこ「こういうことって……その、好きな相手だから真っ先に相談するとか、そういうことじゃないと思うし。きっと海未の中での一番の友達っていうのは、穂乃果とことりだろうし」

海未「一番…ですか」

にこ「前に電話で、友達に順番なんてどうこうって話したけど、やっぱり海未たち三人は他よりちょっと特別って感じするわ」

海未「……そうですね。あの二人は私にとって間違いなく特別な存在です」

にこ「うん」

海未「…………私、決心がつきました」

にこ「へ? なに、いきなり」

海未「いえ。……にこ、待っていてくださいね」

にこ「え、なにを?」

海未「そのうち分かります。穂乃果たちと改めて話にいきますから」

にこ「あの、本当になんのことだかさっぱり分からないんだけど…」

海未「ですから、そのうち分かりますよ」

にこ「はあ…」

にこ(…結局、今日の海未はずっと変だった気がする…)


―――
――


ガチャ


にこ「ただいまー」

花陽「あ、おかえりなさい」タッタッタッ

にこ「あ、花陽。ごめんね、ちょっと課題にてこずって、帰るの遅れちゃって…」

花陽「ううん、全然。夕飯、もうできてるよ。あ、それとも先にお風呂入る?」

にこ「いやいや、食べる、いただきます」

花陽「うん、じゃぁ支度してくるね。あ、鞄持つよ」

にこ「いや、悪いから」

花陽「全然いいよ。にこちゃん、お疲れなんだし」

にこ「お疲れって…課題やって来ただけなんだけど…」

にこ(というか、なんか奥さんみたいな反応で戸惑う……よく見たらにこのエプロン使ってるし…可愛いし…)

こころ「あ、にこにー、おかえりなさーい」テクテク

ここあ「にこにー、今日もね、ちゃんとお手伝いして待ってたよ!」テクテク

にこ「偉いわね、二人とも」ナデナデ

こころ「えへへ…あ、はなよちゃん、荷物ならこころが持つ!」

花陽「え、そんな、悪いよ」

こころ「だいじょーぶ! こころ、にこにーとはなよちゃんのお手伝いしたいの!」

花陽「そっか。でも一人じゃ重いかもしれないから、一緒に持とっか」

こころ「うんっ」

にこ(なんか和む光景ね…)

ここあ「にこにー、にこにー」クイクイ

にこ「ん?」

ここあ「ここあ、持つものないから、にこにー持つ!」ギュッ

にこ(可愛い……!)ナデナデナデ

ここあ「?」


―――――

にこ(花陽の作ってくれた夕飯……すごくおいしいけど…このすさまじいご飯の量はなんなのかしら…)パク

花陽「ど、どうかな、にこちゃん」

にこ「え? あ、ご、ご飯の量?」

花陽「あ、ご飯の量じゃなくて……おかず、とか…。美味しいかなって…」

にこ(そっちか……って、当たり前よね)

にこ「うん、すごくおいしいわよ」

花陽「ほんと? よかった…」ホッ

にこ(まぁ花陽の料理の腕は、前にお弁当作ってくれたことあったから、よく知ってたんだけど。にしても、今回も本当においしい)パク

こころ「はなよちゃん、すっごくおいしいよ!」

花陽「ありがとう。こころちゃんたちが手伝ってくれたおかげだよ」ナデナデ

こころ「えへへ~」

にこ(こころたちもよくなついてるし…)

にこ「あれね、花陽はいいお嫁さんになるわね」

にこ(というより、お母さんって感じかもしれないけど)

花陽「えっ///」

にこ「えっ?」

花陽「お、お嫁さんって……」

にこ「あ、い、いや、深い意味はないのよ? 普通に、料理上手だし、こころたちもなついてるし、えっと…ほら、エプロンも似合ってたし…って、これはただの感想だけど…」

花陽「う、うん……ありがとう…」

にこ「い、いや……」

ここあ「にこにー、顔真っ赤だよ?」

にこ「べ、別に真っ赤なんかじゃないわよ。ほら、早く食べなさい」

ここあ「はーい」

にこ「……」チラ

花陽「っ……」カアアアァッ

にこ(……変なこと言うんじゃなかった…)

すみません、中途半端ですが今回の更新はここまでにします
また今日の夜にでも再開できたらと思います

お付き合いいただき、ありがとうございました

レスありがとうございます
ゆったり再開していきます

こころ「はなよちゃん、この煮物おいしー」

花陽「あ、うん、ありがとう。こころちゃんのお口にあって嬉しいよ」

こころ「うんっ」

にこ(……けど、ホントみんな料理上手くてちょっと感心するレベルよね…)

にこ(にこも自信ないわけじゃないけど…………ん? そういえば、にこもなにか作ったものがあったような気が…)

にこ「あああっ!」ガタッ

花陽「ど、どうかした?」

にこ「いや、ちょっと忘れてたことを思い出して…」

にこ(みんなにマフィン渡すのすっかり忘れてた…。まぁ明日でもいっか…)

花陽「よく分からないけど、思い出せたならよかったね」

にこ「うん。あ、というか、花陽には今渡しとくわ」

花陽「え? なにを?」

にこ「ちょっと待ってて」スク



にこ「はい、これ」ス

花陽「えっと、これは……?」

にこ「マフィン。昨日作ったの」

花陽「なんでマフィン……ああ、そういえば公園でそんなことを聞かれたような気が……このためだったの?」

にこ「うん。最近はみんなに迷惑かけっぱなしだから、そのお礼というか、お詫びというか」

花陽「迷惑なんて、そんなこと気にしなくていいのに…」

にこ「そう言ってくれるとは思ったんだけどね……とりあえずもらってよ。味見はしたから、多分まずくはないと思う」

花陽「じゃぁ遠慮なく。ありがとう、にこちゃん」

ここあ「にこにーね、このマフィン作るために昨日ずっと起きてたんだよー」

花陽「えっ」

にこ「ちょっ、なんで知ってんのよ、そんなこと」

ここあ「トイレに行った時も台所の電気ついてたから、そうかなぁって」

にこ「ああ…」

にこ(ここあたちは絶対寝てると思って、すっかり油断してた…)

花陽「だから今日、眠そうだったんだね」

にこ「えっと…ほら、にこって凝り性だから。完璧を求めた結果、朝までかかっちゃっただけであって…」

にこ「……ごめん。徹夜で作ったお菓子とか、なんか重いわよね…」

花陽「そ、そんなことないよ! にこちゃんが一生懸命作ってくれたんだもん、嬉しいに決まってるよ」

花陽「……ただ、あんまり無理してほしくないとは思うけど…。徹夜なんてしたらお肌に悪いって、前ににこちゃんが教えてくれたでしょ」

にこ「…それもそうね」

にこ(というか、普通に今週の休みとかに作って、次の月曜日に渡せばよかった気がする)

花陽「これ、みんなには明日渡すの?」

にこ「一応そのつもり。…本当は今日渡す予定だったんだけど、すっかり忘れてて」

花陽「ああ、だからさっきすごい声あげて立ち上がったんだね」

にこ「うん。というわけで、明日も忘れてたら指摘してね」

花陽「分かった」

ここあ「ところで、にこにー、はなよちゃん」クイクイ

にこ「ん?」

ここあ「ここあたち、とっくにご飯食べ終わったんだけど、ごちそうさましてもいい?」

にこ「えっ」

にこ(いつの間に……花陽と話してたからか、全然周り見てなかった…)

こころ「二人とも、はやく食べないと冷めちゃうよ」

花陽「それもそうだね。じゃぁ急いで食べよっか、にこちゃん」

にこ「あ、うん」

ここあ「食べ終わったら一緒に遊ぼうね!」


―――――

ここあ「…」スースー

にこ「で、遊ぶだけ遊んだら寝ちゃうと…。子供っていいわね」

花陽「可愛いよね」

にこ「まぁそうだけど……というか、ごめん。こんな遅くまで引き止めちゃって…」

花陽「平気だよ。それにそんなに遅い時間でもないし、お母さんにもちゃんとメールで事情説明してあるから」

にこ「そう。あ、帰り送ってくわ。なにかあったら大変だし」

花陽「ありがとう。あの…ところで」

にこ「ん?」

花陽「こころちゃんの手が…」

にこ「え? こころ?」チラ

こころ「…」ギュッ

にこ(…寝てるのに、花陽の服の裾を握り締めてる。赤ちゃんみたいなことしてるわね)

にこ「あー、ごめんね。今、放させるから」グイ

にこ「…?」グイッ

にこ「……どこにこんな力が…」

花陽「そういえば前にテレビで、眠ったときの子供の無意識の力はすごいって言ってた」

にこ「そうなの? えっと……じゃぁ一旦こころ起こすわね」

花陽「え、ダメだよ、可哀想だし…」

にこ「けどこのままじゃ、花陽が動けないじゃない」

花陽「それはそうだけど……でも、すごくぐっすり寝てるし…」

にこ(確かにめちゃくちゃいい寝顔だし、にこだって出来ることなら起こしてあげたくないけど……)

にこ「……あ、あの、花陽」

花陽「ん?」

にこ「ごめん。もうちょっとだけ、適当な話して時間つぶしてもらってもいい…?」

花陽「うん、もちろん」

にこ「ホントごめんね。もう散々付き合ってもらった後なのに……いつまで経っても起きそうになかったら、こころ起こすから」

花陽「気にしないで。こころちゃんと仲良くなれたみたいで、私もすごく嬉しいから」

にこ(ホント、絵に描いたような良い子ね…)

にこ「えっと……じゃぁ、なに話す?」

花陽「そうだなぁ……>>625の話とか」



(話題。ざっくりとしたものでも大丈夫です)

まきりん

花陽「真姫ちゃんと凛ちゃんの話とか」

にこ「えっ!?」

花陽「えっ、だ、ダメだった?」

にこ「あ、いや、ダメってことはないんだけど……」

にこ(どうしても昨日二人に言われたことを思い出して、ちょっと恥ずかしいというか…)

花陽「よかったぁ。あ、今日凛ちゃんがね、授業中に居眠りしそうになってたの」

にこ「へっ?」

花陽「ど、どうかした?」

にこ「あ、いや、なんでも!」

にこ(そっか…そういう普通の話題なのね。…まぁ花陽だもんね)

花陽「それでね、なんとか寝ずには済んだんだけど、先生に問題を当てられて答えられなくてちょっと困ってたのが、可愛かったなぁって」

にこ「可愛いって……凛はたまったもんじゃなかったと思うけど」

花陽「うん、そうなんだけど……でも、凛ちゃんはどんな表情してても可愛いなぁって」

にこ「まぁ確かにね…」

花陽「あ、あとね、そのあとで真姫ちゃんが、」


花陽「それで、真姫ちゃんはやっぱりすごいなぁって思ったの」

にこ「……」ナデナデ

花陽「ど、どうしたの?」

にこ「いや、本当に……なんというか、感極まって」

花陽「?」

にこ(花陽と一緒にいると心底和むというか、落ち着くというか)

にこ(…こういう感情も好きってこととイコールなのかしら…。いや、でも穂乃果とか少女漫画の知識曰く、ドキドキするのが恋らしいし……よく分かんない)

花陽「…あの、にこちゃん」

にこ「ん?」

花陽「にこちゃんは、凛ちゃんたちのこと、好き?」

にこ「へ?」

にこ(なんかデジャヴ…)

花陽「あ、も、もちろん、その……恋愛とか、そういう意味じゃなくて……人として、というか…」

にこ「ああ、そういう……。そりゃ、好きよ」

花陽「…じゃぁ、卒業した後も、一緒にいたいって、思ってくれる?」

にこ「……昨日も似たような話した気がするわね」

花陽「うん……。けど、あのときは、言ってなかったから。……私の、気持ちとか…」

にこ(…つまり、今聞いた“一緒にいたい”っていうのは……恋人として、ってことなのかしら)

花陽「……」

にこ「……あのね、花陽」

花陽「う、うん」

にこ「花陽に好きって言われたのは、すごく嬉しい。…けど、まだにこ自身、気持ちの整理がついてなくて……簡単に返事はできないって思ってて……だから…」

花陽「…うん、分かった」

花陽「私も急に変なこと聞いちゃってごめんね」

にこ「いや、花陽は全然悪くないわよ。すぐ返せないこっちに問題があるんだし」

花陽「そんなことないよ…。……あ、ところで、凛ちゃんたちから聞いたんだけど」

にこ「凛たちから?」

花陽「……あの…四人で……えっと…つ、つきあ…」

にこ「ああ、うん、なんとなく分かった」

にこ(四人で付き合おうっていう、あの話よね)

花陽「今日、学校で二人にその話されて……かなり驚いちゃった」

にこ「にこも昨日聞いた時は頭の中真っ白になったわ…」

花陽「だ、だよね」

花陽「……でも私ね、正直ちょっと嬉しかったの」

にこ「嬉しかった?」

花陽「うん。私はにこちゃんのことが…その、好き、だけど……」

花陽「凛ちゃんと真姫ちゃんとも一緒にいられたらいいなって、ずっと思ってたから」

にこ「花陽…」

花陽「それに、私一人じゃにこちゃんに振り向いてもらえないかもしれないけど…二人と一緒なら、頑張れるなぁって思うし…」

にこ「いや、花陽も十分可愛いと思うけど」

花陽「あ、ありがとう……って、そうじゃなくてっ」ブンブンッ

花陽「出来れば……その…四人でって話も…真剣に考えてほしいなって思って…」

にこ「そりゃ、まぁ……真剣に、考えるけど…」

花陽「…うん」

にこ「……」

花陽「……え、えっと、あ、暑いね」

にこ「そ、そうね」

にこ(って、なにこの会話……いや、なに話したらいいか分からない空気だからだけど…)

にこ(…けど、花陽まで凛たちと同じ考えなんて…、……四人で、かぁ…)

にこ(正直、考えたこともなかったけど……実際、そういう人もいたりするのかしら…)

にこ(…少なくとも漫画では見たことないけど、でも漫画がすべてってわけじゃないし…)

にこ(……花陽と凛と真姫ちゃんと付き合えるなんて、正直幸せ以外のなにものでもないけど…でも…)チラ

花陽「どうかした?」

にこ「あ、い、いや、なんでも!」

にこ「えっと……あ、にこ、ちょっと飲み物持ってくるわね!」スクッ

にこ(ついでになんか口に放り込んどきたいし。…飴、一つくらいなら食べてもいいわよね)

こころ「んー……?」パチ

花陽「あ、起きちゃった…?」

こころ「うん……にこにーの声、きこえたから…」ムクリ

にこ「あー…ごめんね、こころ。寝てたのに」

こころ「ううん」

にこ(まぁでも、ちょうどよかったのかな…)


―――――

花陽「ごめんね、本当に送ってもらっちゃって」

にこ「いやいや、こっちこそ夕飯の支度、丸々任せちゃってごめんね」

花陽「ううん。ここあちゃんたちも手伝ってくれたし、楽しかったから」

にこ「そ、ならよかった。えっと……じゃぁ、ここで」

にこ(こころが起きちゃったから、飴食べるタイミングなかったのよね……なんか口元が落ち着かなくて、ソワソワしてきたし……花陽には悪いけど、早く帰りたい)

花陽「うん、また明日。マフィン、大事に食べるね」

にこ「ぜひぜひ。あ、まずかったら遠慮なく言ってね」

花陽「にこちゃんが作ったものなんだから、きっと美味しいよ」

にこ「ならいいんだけどね。花陽の夕飯もおいしかったわよ、すごく」

花陽「えへへ……、また言ってくれたらいつでも作りにくるから」

にこ「ん、ありがと」

花陽「じゃぁね、にこちゃん」ヒラヒラ

にこ「ばいばい」ヒラヒラ

花陽「…」テクテクテク、ピタ、クルッ

にこ「?」

ヒラヒラ

にこ(……大分離れたのに、後ろ振り向いて手ふってくれてる……可愛い)




にこ(さて……早足で帰って、飴でも食べよ。いや、真姫ちゃんに怒られないためにもお茶にしたほうがいいかな…)タッタッタッ

にこ(しかしこのあたりって、この時間帯になると真っ暗でなんか不気味ね…)

にこ(やっぱり街灯ぐらいつけるべきだと思うんだけど……って、ん?)タッタッ…


ドンッ


にこ「痛っ……」

にこ(や、やばい、誰かとぶつかった……曲がり角なのに、にこが走ってたから…)

にこ「す、すみません!」



>>635
ぶつかった人物

ちゅん

中途半端ですがいったん間隔あきます、すみません、夕飯行ってきます
またあとで再開します

ことり「あ、いえ、こちらこそ……って、あれ? にこちゃん?」

にこ「へ? ……あ、ことり」

ことり「どうしたの、こんな時間に……って、ああ、ひょっとして花陽ちゃんを送った帰り?」

にこ「正解。ことりは?」

ことり「これ」ガサ

にこ「コンビニの袋……ってことは、買い物?」

ことり「うん。それにしても、買い物帰りによく会うね」

にこ「そういえば数回目ね」

ことり「運命感じるね」

にこ「そうね。じゃ、また明日」

ことり「ちょ、は、早いよ、せっかく会ったんだから、ちょっとだけ話そうよ」ギュ

にこ「……まぁいいけど」

にこ(早く帰ってなにか飲みたいんだけど……ちょっとだけならいっか)

にこ「けど、あんまり遅くなるとお家の人心配するんじゃない?」

ことり「大丈夫だよ。さすがにそんな時間になる前に、にこちゃんを解放するから」

にこ(解放って言い方もどうなのかしら…)

ことり「さて、と…」

にこ「……」

ことり「なに話す?」

にこ「考えてなかったのね…」

ことり「だって、にこちゃんに会えるなんて思ってなかったんだもん」

にこ「まぁ別になんでもいいんじゃない」

ことり「んー……じゃぁ、放課後の話の続きでもいいの?」

にこ「続き?」

ことり「キスの話」

にこ「ち、違う話にしましょう」

ことり「なんでもいいって言ったのに…」

にこ「いや、だからって…」

にこ(…そもそも、今のこの状態でキスの話なんてしたら………凛のときみたいになる気がするし……で、出来るだけ考えないようにしよう…)

ことり「…あ、でもごめん。その関連で一つだけ聞いていい?」

にこ「なに?」

ことり「…にこちゃんって、誰かとキスしたことある?」

にこ「えっ」

にこ(あ、真姫ちゃんとキスしたこと、バレてたわけじゃないのね……よかった)ホッ

ことり「ねぇ、ある?」

にこ「そ、そんなの聞いてどうすんのよ」

ことり「好奇心だよ」

にこ「好奇心って…」

ことり「ことり、にこちゃんのこと好きなんだよ? 気になるのも無理ないと思うんだけど…」

にこ「いや、でも…」

ことり「…ねぇ、あるの? 大丈夫だよ、ただ聞くだけだから」

にこ(ど、どうしよう……)



>>643

1.素直に言う
2.さすがに言わない

2

にこ(……さすがに言うわけにはいかないわよね。万が一、相手を聞かれたら困るし…)

にこ(でも、ここでノーコメントって言ったら、あるって言ってるようなものよね)

にこ「…想像に任せるわ」

ことり「むぅ……にこちゃんのいじわる」

にこ「意地悪で結構。というか、あんただってキスしたことあるかとか聞かれたら恥ずかしいでしょ?」

ことり「そんなことないよ? ことり、したことないもん」

にこ「そ、そう」

にこ(あまりにあっさり答えられてしまった…。そういえばファーストキスがどうこう言ってたもんね)

ことり「…それに、初めては好きな人とって決めてるから」

にこ「…………、あ、ああ、そう」

にこ(どう答えろってのよ…)

にこ(…にしても、早く帰ってなにか口にいれたいんだけど…)ソワソワ

ことり「…。ね、にこちゃん」

にこ「ん?」

ことり「ことり、ちょうどお菓子買ってきた帰りだったんだけど、よかったらいる?」

にこ「えっ、いいの?」パァ

ことり「うん」ニッコリ

にこ「じゃぁ遠慮なくもらってもいい?」

ことり「いいよ。あ、にこちゃんが美味しいって言ってた飴も買ったの」ガサゴソ

にこ「そうなの? じゃぁそれもらっていい?」

ことり「うん。なに味がいい?」ペリッ

にこ「なんでもいい」

ことり「じゃぁ適当に……これ。あ、いちご味だね」ヒョイ

ことり「……ところで、にこちゃん」

にこ「ん?」

ことり「一つだけ、交換条件出してもいい?」

にこ「交換条件…?」

ことり「この飴、袋ごと全部あげるから、一つだけことりの言うことなんでも聞いてほしいなって」

にこ「…なんでもって、たとえば?」

ことり「それは受けてくれた後に言うよ」

にこ「ええぇ…」

にこ(変なこと言われたら嫌だけど……まぁでも、ことりだし大丈夫かな…。それにさっさと飴食べたいし…)

にこ「分かったわ。ただ、痛いこととかは嫌だからね」

ことり「そんな特殊な性癖はないよ。はい、じゃぁどうぞ」

にこ「ん、ありがと」

ことり「……提案したことりが言うのもなんだけど、にこちゃんはもう少しだけ警戒心もったほうがいいと思うよ」

にこ「警戒心って……もってるわよ、人並みには」ペリッ

ことり「そうは見えないんだけど……」

にこ「失礼ね。ちゃんともってるってば」ポイ、ガリガリ

にこ「あ。飴一個いる?」

ことり「いや、遠慮しとく。…けど、なんでも言うこと聞くなんて約束、簡単に引き受けちゃったらそのうち大変なことになると思うよ」

にこ「だから相手はちゃんと選んでるわよ」

ことり「え?」

にこ「ことりだから承諾したに決まってんでしょ」

にこ(まぁ、μ’sのみんななら、そんなにひどいことは言わないって思ってるし)

ことり「……そっか。ことりだから、なんだ…」

にこ「うん」ガリ

にこ「それで、」ペリッ

ことり「えっ、もう食べ終わったの?」

にこ「うん。だって噛んでるし」

ことり「だからって、いくらなんでも早すぎると思うけど…」

にこ「スナック菓子みたいな感覚だから」パク

にこ「それで、にこはなにすればいいの?」

ことり「あ、えっとね…>>650



(行動、言動なんでも)

お泊りしたい

ことり「お泊まりさせてほしいな」

にこ「…」ガリガリ

にこ「…」ガリガリ

ことり「…無言で飴を噛むのは、なんか怖いからやめてほしいかな」

にこ「ご、ごめん。えっと……泊まりって、今日?」

ことり「ううん。さすがに今日いきなりは迷惑だろうから……明日とか、ダメかな?」

にこ「……まぁ、約束だしね。分かったわ」

ことり「ホントにいいの?」

にこ「もう飴食べちゃったし。えっと……明日、学校でみんなに言ったほうがいい?」

ことり「え、いや、それはやめたほうがいいと思うよ…」

にこ「じゃぁ言わないけど……でも、事情話さないと、くじで決まった誰かが夕飯作りに来てくれることになるだろうし…」

ことり「じゃぁその子が帰った後、ことりに連絡ちょうだい。そしたらにこちゃん家に行くから」

にこ「分かったけど…」

にこ(それって、ただにこの家で寝るだけってことよね…? なんの意味が…)


―――
――


ガラッ


にこ「おはよー」

絵里「おはよう、にこ」

にこ「あ、絵里、ちょっといい?」ガサゴソ

絵里「なに?」

にこ「はい、これ。プレゼント」ス

絵里「え、ど、どうしたの、急に」

にこ「勉強会とかもろもろの日頃の感謝をこめて。中身マフィンだから」

絵里「にこ……ありがとう。大事に食べるわね」

にこ「うん」

絵里「……ねぇ、にこ、これって私のために焼いて…」

にこ「あ、希にも渡してくるから、ちょっとごめん」

絵里「え、あ……そ、そうよね…そんなことだろうと思ったわ、うん」

にこ「?」

にこ(えっと、希は……あ、いた)

にこ「希ー」テクテク

希「あ、にこっち、おはよーさん」

にこ「おはよ。前に電話で話したマフィン、作ってきたの。もらってくれる?」

希「おー、もちろん喜んで」

にこ「はい」ス

希「ありがと、にこっち」

希「……あの、ところで」チラ

にこ「ん?」

希「エリちが扉の前あたりで固まってるけど…なんかしたん?」

にこ「マフィン渡しただけだけど」

希「ならええけど……あ、マフィン後で味わって食べるな」

にこ「ええ。このスーパーアイドルにこにーが作ったマフィンだから、大事に食べなさいよ」

希「はいはい。にこにーは偉いねぇ」ナデナデ

にこ「…バカにしてんでしょ」

希「あ、バレた?」

にこ「ったく……。あ、希の好みがよく分かんなかったら、希のはプレーンマフィンにしちゃったんだけど、大丈夫?」

希「うん、平気。…ん? ウチのはってどういう意味?」

にこ「いや、絵里のはチョコチップ入れてみたの。チョコ好きだって言ってたから」

希「そ、そうなんや。…ちなみに他の人のは?」

にこ「ことりはチーズクリームマフィン。正直、チーズケーキが好きだからって、安直すぎた気はするけど」

にこ「で、穂乃果のはいちごジャム練りこんだマフィン」

にこ「残りのメンバーはお菓子関連の好みが分かんなかったから、王道のプレーンマフィンにしたわ」

希「そっか。……まぁ、お互い中身の見せっこでもせーへん限り、大丈夫かな…」

にこ「? なにが大丈夫なの?」

希「ああいや、こっちの話。……にこっち、もし次またなにか作ってくることがあったら、くれぐれもみんな同じものにしてあげてな…」

にこ「う、うん…?」

にこ(みんな同じマフィンだけど……味が違うから…?)


―――――

―昼休み―


にこ(さてと……どうしようかな)

にこ(他の子にマフィン渡しに行くべきかな……けど、練習の前に渡せばいいだけのような気もするし…)



どうしますか?

>>664

1.今行く
2.練習の時にする

2

にこ(…まぁ後でいっか。お昼食べる時間もあるし、みんなの邪魔するのも悪いだろうし)

希「にこっちー」

絵里「一緒にご飯食べましょ」

にこ「あ、うん」

絵里「そうだ、あのマフィンだけど、他のみんなにも焼いてきたの?」

にこ「ええ。感謝を込めてってことで」

絵里「けど、私の分も希の分も結構な数入ってたけど、あれだけの量焼くのは大変だったんじゃない?」

にこ「あー、まぁね…」

にこ(徹夜で焼いてたとは言えない……怒られそうだし)

―――
――


穂乃果「にこちゃんっ」ギューッ

にこ「な、なに?」

穂乃果「こうすれば、少しは私のパワーがにこちゃんに伝わるかなって…!」

にこ「意味が分からないんだけど…」

穂乃果「だって、私まだくじで引いてもらってないんだもん!」

にこ「ああ…」

にこ(そういえばそうだっけ…)

ことり「あ、じゃぁことりも、にこちゃんの手にパワー注入ってことで」ギュ

にこ「う、うん」

真姫「……」キュ

にこ(真姫ちゃんまで背中を掴んで…)

穂乃果「……」ギューッ

にこ「えっと……」

海未「にこ、くじを引いてください。穂乃果たち、離れそうにないですから」

にこ「あ、うん、ありがと」

海未「夕食のほうからなので、昨日当番だった花陽の分は抜いてあります」

にこ「りょーかい」ガサゴソ

にこ「…じゃぁ、これで」ヒョイ



>>670
(結果)

ことり

にこ「あ……ことりね」

にこ(なんてタイミングのいい偶然…)

ことり「え、ホント? やった!」パァッ

ことり「じゃぁ頑張ってご飯作るね! こころちゃんたちの面倒も任せて!」

にこ「うん、お願い」

ことり「うんっ」

にこ(にしても、テンション高いわね…)

海未「では、次は勉強のほうを。こちらは、私の分と、あと、今ことりの分を抜きました」ス

にこ「あ、うん、ありがと」

にこ「えっと……」ヒョイ



>>673
(結果)

穂乃果

にこ「…穂乃果ね」

穂乃果「ホント!? やった! やったよ海未ちゃん!」

海未「おめでとうございます。穂乃果、くれぐれも勉強をサボらないようにしてくださいね?」ニッコリ

穂乃果「は、はいっ」

にこ(穂乃果と一緒に勉強……なんか、真面目に出来る気がしない…ってのは、さすがに穂乃果に失礼よね)

希「じゃぁくじも終わったことやし、そろそろ着替えて練習始めへん?」

にこ「あ、ごめん、その前にちょっといい?」テクテク

穂乃果「にこちゃん、どうかしたの?」

にこ「みんなに渡したいものがあって…」ガサゴソ

希「え、まさか今渡すん?」

にこ「うん、忘れないうちに」

希「んー……まぁえっか…」

にこ「?」

ことり「渡したいものって?」

にこ「あ、えっと……これ。マフィン焼いてきたの」

凛「マフィン…お菓子! にこちゃんが作ったの?」パァッ

にこ「うん。あ、これリボンの色がみんなのイメージカラーになってるんだけど……はい、これが穂乃果」

穂乃果「わーい、ありがと! でも、嬉しいけど急にどうしたの?」

にこ「いや、みんなには色々お世話になってるから、そのお礼にって思って。物じゃ遠慮されるだろうから、手作りのお菓子とかなら受け取りやすいかなぁって」

海未「わざわざすみません」

にこ「ううん、全然。はい、これ海未の」

海未「ありがとうございます」ペコリ



希「にこっち」チョイチョイ

にこ「ん?」

希「配り終わったんやったら、早めに練習始めたほうがええと思うんやけど」

にこ「さっきからやけに急かすわね。どうかしたの?」

希「いや、多分このままやと……」

穂乃果「あ! このマフィンいちご味なんだね!」

希「あああ…」ガクッ

にこ「なに急に項垂れてんのよ…大丈夫?」

希「大丈夫やけど……まぁ多分、大丈夫かなぁ…」

にこ「…?」

凛「え、いちご? 凛のは普通のプレーンのやつだよ?」

穂乃果「あれ? でも私のはなんか赤いのが入ってるけど……これ、まさかにこちゃんの血…?」

にこ「んなわけないでしょ。穂乃果のにはいちごジャムを入れたのよ」

穂乃果「え、私のだけ?」

にこ「うん」

凛「えぇーっ、な、なんで穂乃果ちゃんのだけ特別なの?」

にこ「いや、特別ってわけじゃないけど……ただ、穂乃果っていちごが好きだから…」

穂乃果「あ、覚えててくれたんだ!」パァッ

にこ「そりゃね」

真姫「……ふーん。穂乃果のだけ、特別なのね」

にこ「いや、だから特別ではないってば……」

希「そ、そうそう。それにプレーンのほうがジャムとかつけて食べればいろんな味が食べれてお得やん」

花陽「うん、そうだよね。私もプレーン好きだよ」

凛「かよちんがそう言うなら凛もそうだけど……でも、穂乃果ちゃんだけ特別なんだねー…」シュン

にこ「な、なんでそんな落ち込むのよ」

真姫「そりゃ落ち込みたくもなるでしょ」

にこ「いや、だってまさか、ラーメンを生地に練りこむわけにもいかないでしょ…?」

真姫「そりゃそうだろうけど……プレーンが嫌ってわけじゃなくて…なんで穂乃果だけって話で…」

ことり「あ、あの……穂乃果ちゃんだけじゃないよ、多分」

真姫・凛「え?」

ことり「ことりのも多分…プレーンじゃないんじゃないかな。なんか色が薄いというか…」

にこ「ああ、それはクリームチーズ使って作ったの」

絵里「私のも明らかにプレーンじゃなくて…チョコチップ入ってるわね」

にこ「チョコ好きだって言ってたから」

絵里「…つまり、私も特別ってことね」

にこ「いや、だから特別ってわけじゃ…」

真姫「……意味分かんない。なんでそんなわざわざ差つけるようなことするわけ」

にこ「別にそんなつもりは…」

にこ(な、なんか変な空気になりつつあるんだけど……なんなの、みんなプレーンにすればよかったの…?)

希「あーもー……とりあえずみんな練習しよ、な? 時間もったいないし…」

海未「そうですよ。それに、マフィン一つで大騒ぎするのもバカらしいじゃないですか」

真姫「でも海未…」

海未「練習、しましょう?」ニッコリ

真姫「……し、しましょうか、練習」

凛「り、凛もさんせーっ」

にこ(今の海未の顔、すごい怖かった…)


―――――

凛「……」ジトー

真姫「……」

花陽「り、凛ちゃん、真姫ちゃん…」オロオロ


にこ「……希」チョイチョイ

希「ん?」

にこ「凛と希が、氷のように冷たい目で見てくるんだけど…」

希「そりゃ…まぁ、そうやろね。花陽ちゃんも気まずそうやし…」

にこ「……にこが悪いのよね」

希「八十パーセントくらいね」

にこ「残りの二十パーセントは?」

希「それを止められへんかったウチと、あとタイミングかな」

にこ「……百パーセントにこのせいだと思うわ」

希「まぁそんなことはどうでもええんよ。問題はあの三人をどうするかやん」

にこ「そうね…」

にこ(三人? …ああ、花陽も入ってるのね。確かに、花陽はあまり怒ってなさそうだけど、すごいオロオロしてるし)

>にこ「凛と希が、氷のように冷たい目で見てくるんだけど…」
凛真姫の間違い?

>>688

すみません、ナチュラルに間違えました。ご指摘ありがとうございます



>>686

×にこ「凛と希が、氷のように冷たい目で見てくるんだけど…」

○にこ「凛と真姫ちゃんが、氷のように冷たい目で見てくるんだけど…」

にこ「……」

希「……」

にこ「ど、どうすればいいと思う…?」

希「うん、聞かれると思った」

にこ「ごめん…」

にこ(後輩と喧嘩なんてしたことないし……というか、喧嘩できるほど親しい後輩いなかったし……仲直りの仕方が分からない…)

希「んー……凛ちゃんたちは多分、怒ってるというか、ショック受けてると思うねん」

にこ「ショック……、なんで? ラーメン味とトマト味のマフィン作ってこなかったから?」

希「そうやなくて、穂乃果ちゃんたちにだけ違う味のやつ作ってきたからやないかな。しかもそれぞれの好物」

にこ「……それがダメだったの?」

希「うん。やっぱりほら、いくつかだけ味が違うと、特別感が出てまうしね」

にこ「そんなもんなのかしら…」

希「恋する乙女の心は複雑ってやつなんやないかなぁ」

にこ「はあ……難しいわね。…にこも乙女だけど」

にこ「……じゃぁ、穂乃果たちの分は返してもらって、改めてプレーンのやつ持ってこればいいの?」

希「そんなことしたら、次は穂乃果ちゃんたちが拗ねると思う」

にこ「どうすればいいのよ…。ラーメン味のマフィンを作ればいいの…?」

希「んー……こればっかりは、凛ちゃんたちに聞かな分からんなぁ……かといって、にこっちが直接聞くのは問題あるやろうし…」

にこ「手詰まりね……」

希「かといって、このまま冷たい目で見られんのは嫌やろ?」

にこ「そりゃね…」

にこ(凛たちに嫌われたままとか……ショックで倒れる自信があるわ)

希「んー……ウチが機会作るから、とりあえず凛ちゃんたちと二人きりで話してみたら?」

にこ「えっ……それからどうすればいいの?」

希「そこは、そりゃ……にこっちが頑張るしかないやん」

にこ「ええぇ…」

希「冷たい目で見られたくないんやろ?」

にこ「……そりゃ、そうだけど…」

にこ(…自信ない)


―――――

にこ(……希に言われて、とりあえず部室に戻ってはみたけど…)

にこ(凛か真姫ちゃんか…あと花陽よね。誰が来るんだろ…)


ガラ


にこ「っ」ビクッ



>>696
(入って来た人物。諸事情により、凛か真姫でお願いします)

凛ちゃん

凛「…にこちゃん」

にこ「あ、凛…」

凛「…話ってなに?」

にこ「えっ」

にこ(希、話があるって言って呼び出したのね……まぁ確かにそのほうが話しだしやすいけど)

にこ「えっと……さっきのこと、なんだけど」

凛「…マフィンの?」

にこ「うん」

凛「……ごめんね」

にこ「え?」

凛「だって凛、変なこと言って空気悪くしちゃったし…せっかくにこちゃんが作って来てくれたのに…」

にこ「あ、いや、そんなこと…」

凛「…」シュン

にこ「……あのね、認めたくないけど、にこってかなりニブいほうなの」

凛「うん、知ってるにゃ…」

にこ「う、うん。だからね、凛の気持ちを全部くみとって、にこが悪かったとか、そういうことは言ってあげられないんだけど…」

にこ「でも、にこが悪かったっていうのはさすがに分かるから……だから、お詫びがしたいの」

凛「…お詫び?」

にこ「うん。どういうことすればお詫びになるか分かんないから、それは凛に決めてほしいんだけど…」

凛「凛が決めていいの?」

にこ「ん」コクリ

凛「…なに言っても聞いてくれる?」

にこ「まぁ……にこに出来る範囲のことなら。地球一周して来いとかは無理かもだけど…」

凛「さ、さすがにそんなこと言わないよ…」

凛「じゃぁ、>>699



(お詫びの内容。行動・言動なんでも)

唇にキスして欲しい

凛「…き、キスしてほしい」

にこ「えっ……と、ほ、ほっぺたとかに?」

凛「いや、そうじゃなくて……その、く、唇に…」

にこ「え…いや、でもそれは…」

凛「…凛が決めていいって、言ったでしょ」クイ

にこ「そうだけど……」

にこ(いや、でもキスなんて……でも、確かに凛に決めてって言ったのは、にこのほうだし……)

にこ「……後悔しない?」

凛「するわけないよ。…にこちゃんが相手だもん」

にこ「じゃ、じゃぁ、するわよ」グッ

凛「え、ほ、ほんとにいいの?」

にこ「い、いいわよ。…にこに出来ることならなんでもいいって言ったのはこっちだし」

凛「……にこちゃん」

にこ(こ、こっちをジッと見られるのは恥ずかしいわね…)

にこ「凛、目瞑って」

凛「あ、うん…」キュッ

にこ(……凛は多分、初めてなのよね。けど、凛が望んだことだし…いや、でも責任問題とか……けどここでやっぱりやめたほうがいいって言ったら、もう絶交される未来しか見えないし…)

すごく中途半端で申し訳ないですが、今回はここで更新止めます
また夜に再開したいと思います

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました

レスありがとうございます
今日は少なめになると思いますが、ゆったり更新再開していきます

にこ(ど、どうしよう…)

凛「……にこちゃん」ギュ

にこ「っ…」

にこ(ああもう、考えるのはやめてとりあえず流れに身を任せよう…!)


チュッ


にこ「……こ、これでいい?」

凛「…う、うん……ありがとう」

にこ「いや、お礼言われることじゃないんだけど…」

凛「……」ウツムキ

にこ「…凛?」

凛「な、なに?」

にこ「いや…なんか急にうつむいたから、どうしたのかなって」

凛「…あ、えっと…ただ、恥ずかしくて……」

にこ「そ、そう」

凛「うん……」

にこ(……なにこの空気…! まさか凛と一緒にいてこんな空気になるなんて…)

にこ(とりあえずなにか話をしないと…)

にこ「…あの、マフィンのことなんだけど」

凛「あ……さっきは本当にごめんね。凛、にこちゃんにマフィンもらったことはすごく嬉しかったよ。…文句つけるみたいな感じになっちゃったけど…」

にこ「いや、にこのほうも……多分、考えなしだったから」

にこ(希がなにか心配してる風だったのは、こういうことになる可能性があったことに気が付いてたってことだし……それに気が付かなかったにこも悪いし…)

にこ「で、凛ってなにか好きなお菓子とかある?」

凛「え?」

にこ「作れる範囲のものなら、今度作って来ようかなって」

凛「い、いいよ、そんなの」ブンブンッ

凛「もらったマフィン、ちゃんと大事に食べるから」

にこ「そう……ならいいけど」

凛「うん…。…あ、あの」

にこ「ん?」

凛「……穂乃果ちゃんたちのだけ味を変えたのは、穂乃果ちゃんたちが喜ぶと思ったから…なんだよね?」

にこ「そうだけど」

凛「そっか……うん、それならよかったにゃ…」ホ

にこ「…?」

凛「にこちゃんは優しいね」

にこ「そんなことないわよ」

凛「そんなことあるよー。…そういうとこ、すっごく好きだよ」

にこ「……あ、そう」

凛「えへへ。じゃぁそろそろ屋上に戻ろっか。あんまり遅くなっちゃうと、みんなに悪いにゃ」

にこ「そうね」

にこ(…ところで、真姫ちゃんたちのほうはどうするのかしら…。戻ったら希に聞いてみよう)

凛「よし、じゃぁにこちゃん、行こ、……、えっと…」

にこ「どうしたの?」

凛「…あの、手、繋いでもいい?」

にこ「なに今更遠慮してんのよ…。いつもは構わず抱き付いてくるくせに」

凛「それはそうだけど……うぅ……というか、にこちゃんのほうこそちょっとは意識してくれてもいいのに…」

にこ「意識って…」

にこ(…さっきのキスのことなんだろうけど、意識したら恥ずかしくなるから、分かんないふりしとこう…)

にこ「とりあえず、さっさと行くわよ」グイ

凛「あ…うん」


―――――

ガチャ


絵里「あら、おかえりなさい。二人とも一緒だったのね」

にこ「ちょっとそこで会ったから」

花陽「凛ちゃん、にこちゃん、おかえりなさい」

凛「かよちん、ただいまーっ!」ギューッ

花陽「わ……と、り、凛ちゃん、急に抱きついたら危ないよ…」

にこ(とりあえず、凛の機嫌が元に戻ったみたいでよかった)

にこ(花陽も結構普通にしてるし…、真姫ちゃんは…)チラ

真姫「…」フイ

にこ(…ダメそうね)

にこ「希」テクテク

希「あ、にこっち」

希「その調子やと、凛ちゃんと仲直り出来たみたいやね」ヒソヒソ

にこ「うん、おかげさまで。ところで、真姫ちゃんたちのほうはどうすればいいと思う…? もうすぐ練習始まるし、やっぱり謝るのは明日にしたほうがいいかしら」

希「んー……明日でも大丈夫かもしれへんけど……にこっちはどうしたいん?」

にこ「にこは……」



>>731

1.明日
2.今日

あえての1

にこ「明日…のほうが、いいかも」

にこ(今日はもう、放課後くらいしか時間ないし、そうすると勉強に付き合ってくれる穂乃果を待たせるか、真姫ちゃんたちに終わるまで待ってもらうかになるわけで、それはあまりに申し訳ないし)

希「そう。やったら、明日でええんちゃうかな」

にこ「ん。じゃぁ明日、自分で真姫ちゃんたちを呼び出してみるわ」

希「ファイトやで、にこっち」グッ

にこ「出来る限り頑張る」コクリ

海未「…あの。にこ、希、練習始めてもいいですか?」

にこ「あ、うん、ごめん。今行くわ」

海未「早めにお願いします」

にこ「う、うん」

にこ(なんか海未、ちょっと機嫌悪いような気が……)

希「…にこっち、ほんまに頑張ってな。ウチの身体が耐え切れんようになる前に」ポン

にこ「どういう意味よ…」


―――
――


穂乃果「さぁにこちゃん、お勉強の時間だよ!」シュルッ

にこ「と言いつつ、なんでにこがあげたマフィンの袋開けてんのよ」

穂乃果「いやー、甘いものは脳にいいって言うし…ね?」

にこ「…まぁ、止めはしないけど」

穂乃果「さすがにこちゃん、私と同類ー」

にこ「それはなんか嫌ね…」

穂乃果「えー……。あ、にこちゃんも食べて食べて」

にこ「自分で作ったものを自分で食べるのはちょっと…」

穂乃果「そうなの? 変わってるね」ヒョイ

にこ「そう?」

穂乃果「私もことりちゃんも、普通に自分用にお菓子作ったりするよ。あ、でもことりちゃんはどっちかというと、誰かに食べてもらいたい派かも」パク

穂乃果「…」モグモグ

にこ(にしても、大きい一口ね……ほっぺたふくらませてる様がなんかハムスターみたい)

穂乃果「にこちゃん、これすっごい美味しい!」パァッ

にこ「ん、ならよかったわ」

穂乃果「にこちゃんお菓子作るの上手だねー」パク

穂乃果「ひゃっはひひほひゃんほ…」

にこ「飲み込んでから喋りなさい」

穂乃果「…っくん。やっぱりにこちゃんも、一つ食べない? すっごい美味しいよ」

にこ「いや、もう味見で何度も食べたし。やっぱり自分で作ったものだし、人に食べてもらうほうが嬉しいし」

穂乃果「そっかぁ…残念」

穂乃果「……あ、そうだ!」

にこ「なに?」

穂乃果「はい、あーんっ」ス

にこ「……?」

穂乃果「あーんして食べさせてあげる! これならちょっとは味変わるかなって」

にこ「いや…変わらないでしょ」

穂乃果「そんな真顔で答えなくても…。気の持ちようってやつだよー」

にこ「はあ……まぁ、そこまで言うなら食べるけど…」

穂乃果「やった! じゃぁ、あーん」

にこ「あーん」パク

にこ(……うん、やっぱり味は一緒ね)モグモグ

穂乃果「美味しい?」

にこ「……答えづらいんだけど」

穂乃果「それもそうだね。じゃぁ、ドキドキした?」

にこ「またドキドキって……。はいはい、したわよ、ドキドキした」

穂乃果「なんて嘘くさい言い方…。にこちゃん、だんだん私の扱い雑になってきてるよね…」

にこ「そんなことないわよ」

穂乃果「そんなことあるよー」ユサユサ

にこ「ああもう…揺すらないでよ」

にこ「というか、食べ終わったらさっさと勉強始めるわよ。穂乃果も帰りがあんまり遅くなるのは嫌でしょ」

穂乃果「はーい…」


―――――

穂乃果「ねー、にこちゃん、ここってどうやって解くの?」

にこ「……海未にメールで聞いたほうが、早いと思うわ」

穂乃果「夜聞くことにするよ…」

にこ(二年の範囲も解けないなんて…にこ、情けないわね…)ハァ

穂乃果「……」カリカリ

にこ「……」カリカリ

穂乃果「……」ノビーッ

にこ「……」カリカリ

穂乃果「……」ヒョイ、パク、モグモグ

にこ「……」カリカリ

穂乃果「……」ウツラウツラ

穂乃果「…」スースー

にこ「いや、なんでよ!?」

穂乃果「うわっ……び、ビックリした…どうしたの、にこちゃん?」

にこ「どうしたのはこっちのセリフよ! なんであんた、ナチュラルに寝始めてんの?」

穂乃果「いやー、私って集中力が続かないほうで…」

にこ「それは見てれば分かるけど……マフィン食べるのはいいけど、寝るのはやめなさい」

穂乃果「善処します…」

にこ(…凛のときもだったけど、穂乃果を勉強に付き合わせるのも、結構罪悪感すごいわね…)

穂乃果「よーし、頑張るぞ!」

にこ「うん」

穂乃果「……」カリカリ

にこ「……」カリカリ

穂乃果「……」ウツラウツラ

にこ「……」チラ

穂乃果「…」スースー

にこ「穂乃果……」ガクッ

―――――

穂乃果「ふぁー…疲れたねー」ノビー

にこ「穂乃果は三分の二くらい寝てたけどね…」

穂乃果「面目ない…。あ、でも今日の宿題は結構進んだよ!」

にこ「偉いわね」ガサゴソ

穂乃果「なにか探してるの?」

にこ「いや、ちょっと飴をね……あ。あった」

穂乃果「にこちゃん、飴好きだねー」

にこ「まぁね」パク

穂乃果「さて、じゃぁせっかく休憩してるんだし……なにかお話しする?」

にこ「話って?」ガリガリ

穂乃果「うーん……>>738とか」



(話題。ざっくりとしたものでも大丈夫です)

にこの(恋愛的な意味での)人気について

穂乃果「じゃぁ、にこちゃんの話とか」

にこ「…それを、にこと話すのはどうなの…?」

穂乃果「にこちゃん、自分の話好きそうだから」

にこ(ナルシストだって言いたいのかしら……まぁそういうキャラだし、いいけど)

穂乃果「にこちゃんってさ、人気あるよね」

にこ「そりゃぁスーパーアイドルにこにーだから当然でしょ」

穂乃果「あ、いや、そうじゃなくて」

にこ「?」

穂乃果「恋愛的な意味で」

にこ「はっ!?」

にこ(え、あれ? 絵里たちに告白されたことは、穂乃果には言ってないはずなのに…)

穂乃果「…海未ちゃんとことりちゃんに、告白されたんでしょ?」

にこ「え…」

にこ(あ……その二人の名前が出てくるってことは…)

にこ「…二人から聞いたの?」

穂乃果「うん」

にこ「あんたたちって、本当にお互い隠し事しないのね」

穂乃果「うーん……今回はちょっと違うんだけど、まぁそういうことでもいいや」

穂乃果「こんなこと聞くのもどうかと思うけど……三人に同時に好かれるのってどう?」

にこ「……答えづらすぎるんだけど…」

穂乃果「普通に思ったまま言ってくれればいいよ。返答次第でどうこうとかいうのはないから」

にこ「……まぁ、ちょっと戸惑ってるけど……誰かに好意を寄せられるのは、普通嬉しいことでしょ」

穂乃果「そっか。…じゃぁもしも絵里ちゃんたちに告白されても嬉しいんだ?」

にこ「えっ」

にこ「ま、まぁ、そうなるんじゃない…?」

にこ(…さすがに絵里たちのことはバレてないみたいね)

穂乃果「そっかそっか」

にこ「…それがどうかしたの?」

穂乃果「いやー…私の目から見てね、にこちゃんってすごく人気あるなって思うの」

にこ「そ、そんなことないと思うけど…」

穂乃果「あくまで私の目から見てだから。けど、そのことに気が付いたのってつい最近なんだよね」

穂乃果「…最初は正直、そんなに焦ってなかったんだけど。最近、なんかそろそろ本気出さないとまずいんじゃないかなぁって思ってきて」

にこ「……穂乃果がなにを言いたいのか、イマイチよく分からないんだけど…」

穂乃果「つまり、本気でにこちゃんにアタックしないと、誰かにとられちゃいそうだなぁって思ってるってことだよ」

にこ「アタックって…」

穂乃果「…私、にこちゃんのこと本当に好きだよ」

にこ「穂乃果……」

穂乃果「……ねぇ、にこちゃんってさ、大人っぽい人が好きそうだよね」

にこ「…………急になに言ってんの?」

穂乃果「いや、なんとなくイメージ。あたってる?」

にこ「大人っぽいというか……そりゃ、落ち着いてたり、まじめだったり、そういう人のことはみんな好きなものだと思うけど」

穂乃果「そっかそっか。…じゃぁ、私みたいなタイプは? …嫌いかな?」

にこ「い、いや、嫌いではないけど…」

穂乃果「ほんと?」パァッ

穂乃果「よし、じゃぁ大丈夫だね!」

にこ「なにが?」

穂乃果「こっちの話。にこちゃんにはまた今度、改めて話すから」

にこ「は、はあ…」

にこ(なんなのかしら…)

穂乃果「よーし、じゃぁ続きの勉強もがんばろー!」

にこ「もう寝ないようにね」

穂乃果「が、頑張ります…!」

―――
――


穂乃果「」グッタリ

にこ「お、お疲れ様」

穂乃果「うん……こんなに勉強したの、久々かも…」

にこ「普段どんだけやってないのよ…」

穂乃果「いやー、お恥ずかしい……けど、にこちゃんもあんまり人のこと言えないでしょ?」

にこ「……さ、さあ、帰りましょ」

穂乃果「ごまかした…。まぁいいや。帰ろっか」

にこ「ん」



穂乃果「……えへへ」

にこ「…なによ、いきなり笑って」

穂乃果「にこちゃんと二人きりで下校なんて……放課後デートみたいじゃない?」

にこ「……ノーコメント」

穂乃果「えぇー。…じゃぁ手繋いでもいい?」

にこ「…恥ずかしいからパス」

穂乃果「大丈夫だよー。誰も見てないって、ね?」

にこ「………誰かと会ったらすぐ離すからね」ス

穂乃果「やった! ありがと!」ギュッ

にこ「じゃ、さっさと帰るわよ」

穂乃果「はーい」スル

にこ「っ……あ、あの、穂乃果」

穂乃果「ん?」

にこ「手のつなぎ方、さりげなく変えるのやめてくれない?」

穂乃果「私の憧れ、恋人繋ぎ!」

にこ「……離していい?」

穂乃果「ダメ。さっきも言ったでしょ、本気でアタックしていくって。…もう遠慮するつもりないから、そのつもりでよろしくね!」ニコッ

にこ「そんないい笑顔で言われても…」

穂乃果「とりあえず、早くいこ」グイ

にこ「う、うん…」

にこ(…なんか、手を繋いでるっていうか、絡めてるって感じで落ち着かない…)ソワソワ

穂乃果「こうしてると本当に恋人みたいでドキドキするね」

にこ「は、はは……」

にこ(笑ってごまかしておこう…)

穂乃果「ねー、にこちゃん」

にこ「ん?」

穂乃果「にこちゃんって、お弁当でなんのおかずが好き?」

にこ「え、う、ウインナーとか…? 基本なんでも好きだけど…」

穂乃果「そっか」

にこ(……え、なに今の会話…)


―――――

コンマ(一桁)安価↓1

0.1.2.3.4=誰かに会う

5.6.7.8.9=誰にも会わず、無事家に帰る

穂乃果「じゃぁ嫌いなおかずとかは?」

にこ「え、あんまりないけど……ただ辛すぎるものはちょっと苦手かも」

穂乃果「そっかそっか。分かった」

にこ「えっと…」

にこ(にこも話題合わせるべきかしら…)

にこ「穂乃果はなんのおかずが好きなの?」

穂乃果「んー……ピーマン以外ならなんでも!」

にこ「そう」

穂乃果「うんっ」

にこ「……」

にこ(この話題、広げにくいわね…)

穂乃果「あ、ほら見てにこちゃん、あのわんちゃん可愛い!」ビッ

にこ「指ささないの…。確かに可愛いけど」

穂乃果「だよねだよね! 可愛いなぁ~」

にこ(……なんか穂乃果、いつも以上にテンション高いわね…)

にこ(…まぁ全然いいことだけど。はしゃいでるのとか、ちょっと可愛いし…)

にこ(……って、穂乃果相手に可愛いとか…)

今日の更新はここまでにします
また夜に再開すると思います

お付き合いいただき、ありがとございました

レスありがとうございます

朝ですが、ゆったりと再開していきます

穂乃果「あ、そうだ、にこちゃんにこちゃん!」

にこ「…あんたって、ホント落ち着きないわね」

穂乃果「大人しい子のほうが好きなの?」

にこ「いや、そういうわけじゃないけど……、そうね、大人しい穂乃果なんて気持ち悪いわね」

穂乃果「酷い言い方だなぁ…」

にこ「で、なにか用だったの?」

穂乃果「あ、うん、あのね、明日のお昼、私が作ってきてあげる!」

にこ「……はっ?」

穂乃果「はっ、じゃなくて。にこちゃんにお弁当、作ってきたいなぁって」

にこ「いや……なんでいきなり?」

穂乃果「さっきから好きなおかず聞いたりしてたじゃん」

にこ「確かにそうだけど……それでもいきなりすぎるでしょ」

穂乃果「だって今日はことりちゃんがお家で夕飯作って待ってるわけでしょ?」

にこ「まぁそうだけど……」

穂乃果「海未ちゃんもこの間夕飯担当に当たってたし、私だけがなんか出遅れてる感すごいじゃん…!」

にこ「いや、別に出遅れてるとかないでしょ…。大体、穂乃果には前に夕飯作ってもらったことあるし…」

穂乃果「それはそれ、これはこれだよ。…それとも、わざわざお弁当作ってくるなんて、いくらなんでもヒいちゃうかな…?」

にこ「ヒきはしないけど……普通に悪い気がする。お弁当代だってかかるわけだし…」

穂乃果「にこちゃんってホント、お金のことには細かいね」

にこ「家庭の事情でね……というか、金銭のことをなめちゃダメよ」

穂乃果「なめてはいないけど……んー…あ、そうだ。にこちゃん、今あの飴持ってる?」

にこ「え? 持ってるけど……それがどうしたの?」

穂乃果「それ二個くらいちょうだい? お弁当代的な感じで」

にこ「ああ、なるほど……って、二個でいいの? なんなら残ってるのまとめてあげるけど…」

穂乃果「ううん、それはさすがに私が遠慮しちゃうから。……お弁当の味も、自信ないし、ね……」

にこ「え、えっと……料理は愛情だから」

穂乃果「にこちゃん…!」パァッ

穂乃果「私、頑張るから! にこちゃんへの愛情たっぷりで作るからね!」

にこ「あ、う、うん…」

にこ(…なんか成り行きで作ってもらうことになったけど……まぁいっか…)


―――――

ガチャ

にこ「ただいまー」

こころ「おかえりなさーい」テクテク

にこ「ただいま、こころ。ここあとことりは?」

こころ「台所でお料理してる」

にこ「こころたち、お手伝いしてたの?」

こころ「ん」コクリ

にこ「偉いわね」

こころ「えへへ……あ、でもね、今日はあんまりお手伝いすることないかもって、ことりちゃん言ってた」

にこ「え? なんで?」

こころ「今日、おこのみやきだから」

にこ「……ああ、なるほど」

にこ(確かに、包丁はまだ危ないから二人には扱わせられないし、そうなるとやることといったら、生地を混ぜ合わせるところくらいね)

にこ「けど、なんでお好み焼き?」

こころ「ここあが食べたいって言ったから」

にこ「なるほど…」



ことり「あ、にこちゃん、おかえり。ごめんね、出迎えられなくて。今ちょっと立て込んでて…」

にこ「ただいま。…いや、なんとなく分かったわ」チラ

ここあ「……」カシャ、カシャッカシャカシャ

にこ(すごい一生懸命ボウルをかき混ぜてる。……けど、手つきがちょっと危なっかしいわね)

にこ(子供らしくて可愛いけど、いつか中身を盛大にこぼしちゃいそうで、ちょっと怖い。そりゃ目も離せないわ)

にこ「ごめんね、わざわざ妹のリクエスト聞いてもらっちゃって」

ことり「ううん、全然。こういうのもなんだけど、お好み焼きなら作るのも簡単だしね」

ここあ「ことりちゃん、これくらいでいい?」

ことり「うん、いい感じ。ただ、あとちょっとだけ混ぜたほうがいいかも」

ここあ「はーい。あ、にこにーおかえりー」

にこ「ただいま。お手伝いして偉いわね、ここあ」

ここあ「へへー!」

にこ「あ、じゃぁことり、ちょっと手洗ってくるから。そのあと手伝うわ」

ことり「うん」

ここあ「よし、もっかいがんばる!」カシャカシャ

ことり「頑張って、ここあちゃん!」

にこ(手伝うといっても、あの調子なら焼く作業しか残ってなさそうだけど……)テクテク



ガシャーンッ!


ここあ「あっ!」

にこ「?」クル

にこ「…って、ここあ、ボウルこぼしちゃったの? だ、大丈夫?」

ここあ「う、うん……ここあは大丈夫だけど…ことりちゃんが…」

にこ「ことりが?」チラ

ことり「あはは…」ベッタリ

にこ「って、あぁっ! だ、大丈夫ことり?」

にこ(隣にいたことりにほとんどこぼした中身がかかってるっていう…最悪のパターンね…)

ことり「平気平気。ただ、借りてたにこちゃんのエプロンが大変なことに…」

にこ「あ、いやいや、それは大丈夫。それより制服にもちょっとかかっちゃってるわね…」

にこ(けどこれくらいなら手洗いすればとれるかも…)

ことり「…あの、にこちゃん? ことりは本当に大丈夫だから」

にこ「ことり、脱いで」グ

ことり「………へ?」

にこ「いいから、早く。今なら洗えば間に合うから」

ことり「え、あ、いや、大丈夫だってば、そんなの」

こころ「ことりちゃん、にこにーの言うこと聞いてあげて…」

ここあ「……ここあが、ことりちゃんのお洋服よごしちゃったから…だから、にこにーに洗ってもらってほしいの…」

ことり「え、えっと…じゃぁ、お願いしようかな」

にこ「決定ね。じゃ、脱がせるわよ」スル

ことり「い、いや、いいよ! 自分で脱げるから、ね?」

にこ「そう? じゃぁ自分で」パ

ことり「…うん」




バシャバシャ

にこ(……よし、なんとか汚れも落ちたわね。ただこれ、どうやって乾かそう…)

にこ(いや、普通に乾かせばいいんだけど……時間がかかるし…ことりには明日の朝返すとか…?)

にこ(…とりあえず、ことりに聞いてみよう)

こころ「にこにー」テッテッテッ

にこ「あ、こころ。ここあたちの様子どう?」

こころ「新しい生地できたみたい。ここあもちょっと元気なかったけど、ことりちゃんになぐさめられて、元に戻ってた」

にこ「そう。ならよかったわ。こっちもちょうど終わったし、二人のとこに戻りましょうか」

こころ「うんっ」

ことり「あ、にこちゃん」テクテク

にこ「って、ことり? どうしたの?」

ことり「ホットプレートのコードが見つからないんだけど…どこにあるか分かる?」

にこ「あー…」

にこ(そういえば、ホットプレートって最近使ってなかったから……確か前に掃除したときに…)

にこ「にこの部屋に置いてあるわ、多分」

ことり「なんでそんなところに…?」

にこ「前掃除したときに、まとめてコード類を自分の部屋に片付けたの。ちょっと取ってくるわね」

ことり「あ、ことりも付き合うよ」

にこ「ん。じゃぁこころはここあと一緒にご飯の準備してて」

こころ「はーいっ」



ガラ


ことり「…にこちゃんの部屋だね」

にこ「まぁにこの部屋だけど」

ことり「やっぱりあれだね、お部屋ってその人の匂いがするよね」

にこ(匂いって……どう反応すればいいのよ)

にこ「確かコード類はここら辺に…」

ことり「探すの手伝おうか?」

にこ「いや、多分すぐ見つかるから。ちょっと待ってて」

にこ(って、これじゃぁことりに付き合ってもらった意味ないような気も…)ガサゴソ

ことり「……」キョロキョロ


にこ(えっと……、ないわね。ちゃんと片づけとけばよかった…)

にこ(んー……あ、これとか形が似て……って、違うわね)

にこ(どこにあるのよ……まさか捨てたとか? …いや、まさか……あ、あった)ガサ

にこ「ことり、見つかったわ。待たせちゃってごめん……って、いつの間にそんなところに移動したの…?」

ことり「いや、ちょっと手持無沙汰だったから。…それより、にこちゃん」

にこ「ん?」

ことり「これ、なにかな?」ヒラ

にこ「え?」

にこ「…って、ああ……普通に海未の写真だけど…」

ことり「なんでにこちゃんが海未ちゃんの写真を? …それにこれ、いつ撮ったの?」

にこ「前に海未が遊びに来てくれた時に撮ったのよ」

ことり「…どうして、この一枚だけプリントアウトしてあるの?」

にこ「えっと……これは元々海未がプリントアウトしたもので……話すと長くなるから省くけど、別に深い意味はないわよ」

ことり「でもこんなの……なんか、好きな人の写真を持ってる女の子みたいだよ」

にこ「へ、変なこと言わないでよ。ただほら、その写真の海未、可愛いから」

ことり「…可愛いから?」

にこ「う、うん。ことりもそう思うでしょ? ほら、写真うつりが絶妙に良いというか…ね?」

ことり「……まぁ、確かに可愛いけど。いや、海未ちゃんはいつも可愛いけど」

にこ「そう。つまり、だから、えっと……ほら! にこってアイドルオタクでしょ? その延長線みたいなものよ」

ことり「……そっか。うん、納得した」

にこ「よ、よかったわ。じゃぁ台所に戻りましょ」

ことり「……あ、一つ聞いてもいい?」

にこ「なに?」

ことり「この写真を撮った日って、海未ちゃんと二人で遊んだの?」

にこ「いや、こころたちも一緒だけど…」

ことり「他には?」

にこ「え?」

ことり「他のμ’sのメンバーは誘ったのかなって」

にこ「いや、誘ってないけど…」

ことり「…そっか」

にこ「…?」


―――――

にこ「ていっ」クルッ

ここあ「おーっ! にこにーすごい!」キャッキャッ

ここあ「綺麗にひっくり返ってるー」パチパチ

にこ「ふふ、まぁにこにーに任せればこんなものよ」

ことり「本当に上手だね。なんかちょっと意外」

にこ「まぁハンバーグとかホットケーキとかで、何かをひっくり返すのには慣れてるしね」

ことり「ハンバーグとかならことりも作れるけど、お好み焼きは難しそうだけど…」

にこ「あー…あと、あれね。前に希とにこの間にお好み焼きブームが到来したことがあって」

ことり「お好み焼きブーム?」

にこ「そ。二年くらいの頃だっけ。その時はもう、いかにお好み焼きを上手く焼くかについて希と語りまくったわ」

にこ「たまに暇ときとか、放課後に二人でお好み焼き屋さんに行って、実践とかしてたわね」

ことり「え、二人で? 絵里ちゃんは?」

にこ「絵里とにこが仲良くなったのって、割と最近のことだから」

にこ「三年になるまでは……言い方は悪いけど、希を介して友達の友達って感じだったわね。多分向こうもそんな感じだったと思うわ」

ことり「そうなんだ…」

にこ「よし、そろそろ焼けたわね。じゃぁことり、お皿貸して。よそってあげる」

ことり「え、いいよ、ことりは最後で。お邪魔してる身だし…」

にこ「お客さんだから先なんでしょ」

ここあ「そーだよ、ことりちゃん! にこにーいつも言ってるもん。お客さんが来たときは、お客さんをゆーせんさせなさいって」

こころ「だから、ことりちゃんが最初なの」ニコー

ことり「……にこちゃんって、意外ときちんとお姉ちゃんやってるんだね…」

にこ「その意外とってのは、かなり失礼だけどね…」

ことり「あはは…ごめんね。じゃぁ、お願いします……って、よそうくらいなら自分でも…」ス

にこ「いいってば。ことりは生地作り頑張ってくれたんだし、これくらいはにこにやらせてよ」ヒョイ

ことり「…うん。なら、遠慮なく」

にこ「よろしい。人間、遠慮しないで素直なほうが可愛いわよ」

ことり「…にこちゃんがそれを言う?」

にこ「ま、まぁ、人は人、自分は自分だから…」



ここあ・こころ「いただきまーす!」

ことり「いただきまーす」

にこ「いただきます」

にこ(しかし、家でお好み焼きなんてほんと、何年ぶりかしら…)パク

ここあ「あーんっ………んー、おいしい!」

こころ「うん、おいしいねー」

ここあ「ことりちゃんも、おいしい?」

ことり「うん、美味しいよ、すごく。お家でお好み焼き作るのはじめてだから、新鮮で余計美味しく感じる」

ここあ「はじめてなの? じゃぁ今日は記念日だね!」

にこ「記念日って……そんな大げさな」

ことり「そんなことないよ。…にこちゃんのお家で、三人と一緒に食べた日だから、ことりにとっては十分記念日だよ」

にこ「……ことりがそう言うなら、まぁ、それでいいけど…」

ここあ「記念日! 記念日!」

こころ「ここあ、覚えた言葉をすぐ使いたがるから…」

にこ(ああ、だからやけに記念日を連呼してるのね……ホント可愛いわ)

にこ「…あ、そうだ。ことり、制服のことなんだけど…」

ことり「ああ……ごめんね、洗ってもらっちゃって」

にこ「いや、それはこっちの責任だから全然いいんだけど……あの、今乾かしてるんだけど、多分乾ききるのは明日の朝くらいだと思うの」

ことり「そっか。えっと、じゃぁ…どうしよう。明日の朝、貰いに来ればいい?」

にこ「ううん、にこが届けに行くわ。二年の教室で待っててくれる?」

ことり「うん……あ、というより、明日は一緒に登校しない?」

にこ「え?」

こころ「にこにー、ことりちゃんと一緒に行くの?」

ここあ「仲良しさんだねー」

にこ「あ、えっと……」チラ

ことり「…ダメ?」

にこ「い、いや、ダメじゃない、全然ダメじゃない」

にこ(まぁ確かに、教室で渡すよりは目立たなくていっか…)

ことりが泊まるのって明日だったか

>>785

すみません、素で忘れてました
そうだ泊まるんだった

情けない話ですが、お泊まりのことを忘れていたので、>>784の会話だと不自然になっちゃうので、書き直します
すみません、なかったことにしてやってください

にこ「…あ、そうだ。ことり、制服のことなんだけど…」

ことり「ああ……ごめんね、洗ってもらっちゃって」

にこ「いや、それはこっちの責任だから全然いいんだけど……あの、今乾かしてるんだけど、多分乾ききるのは明日の朝くらいだと思うの」

ことり「うん。じゃぁ明日の朝もらうね」

にこ「…え、家まで取りに来るの? いや、にこが渡しにいくとか?」

ことり「え? ……あの、にこちゃん。ことり、今日は泊まりなんだけど…覚えてる?」

にこ「…………あっ!」

にこ(忘れてた…)

ことり「にこちゃん…」

にこ「ご、ごめんなさい……こんな記憶力だからきっと勉強も覚えられないのね…」ズン…

ことり「いや、そんな自虐的にならなくても…」

こころ「ことりちゃん、今日お泊まりするの? …あ、そういえば荷物もおっきかったもんね」

にこ(そういえば、ことりのらしき荷物おいてあったわね……着替えとか持ってきたのかしら)

ことり「うん。お世話になります」ペコリ

ここあ「やった、お泊まり! じゃぁことりちゃん、ご飯食べ終わったら一緒にあそぼ!」

ことり「もちろん」

ここあ「わーいっ」

にこ「…ここあ。ヒーローごっこはダメだからね」

ここあ「わ、分かってるよ?」

にこ「嘘が苦手な素直な子に育ってくれて、嬉しいわ」

ここあ「うぅ…」

こころ「ここあ、今日はお絵描きでもして遊ぼうよ」

ここあ「えぇー……お絵描きなんて、子供っぽいよー…」

こころ「ここあも子供だと思うんだけど…」

ここあ「でも…」

にこ「はいはい。とりあえずご飯食べてから決めましょ。ほら、せっかくのお好み焼きが冷めちゃうわよ」

こころ・ここあ「はーい」

にこ(まぁここあには悪いけど、さすがにことりに跳び蹴りの相手をさせるわけにはいかないしね…)

―――――

ここあ「てやーっ!」ピョンッ

ことり「ていっ」ヒョイ

ここあ「な、なにをー、こしゃくな!」

ことり「ふ、その程度の技でこの我を倒そうなんて片腹痛い!」


にこ(意外とノリノリね…)

にこ(そういえば、ことりは小さい頃から穂乃果に色々振り回されてたんだし、こういうノリが得意でも不思議ではないか…)

こころ「ここあってば、結局ヒーローごっこにしちゃうんだもん…」ハァ

にこ「はは……まぁあの子は遊びたい盛りなのよ」

こころ「うー…」

にこ「こころ、どうかした?」

こころ「こころも遊びたい」

にこ「お絵描きする?」

こころ「……にこにーのお友達も一緒がいい」

にこ「お友達って…ことりのこと? それならこの後声かければ…」

こころ「今日じゃなくて。……最近、にこにーのお友達がよく一緒に遊んでくれるけど……いっつもここあばっかりずるいなぁって…」

にこ「あー……」

にこ(まぁ確かに、ここあの方が押しが強いから、ついついそっちに傾いちゃうことは多いかも)

こころ「…」ジー

にこ(こころがすごい期待のこもった目で見てきてるし……。大人しいこの子がここまで言うんだから、相当寂しかったんだろうし…)

にこ(……こ、こうなったら、)

にこ「じゃぁこころ、明日ね」

こころ「え?」

にこ「明日の放課後、にこにーのお友達に頼んで家に来てもらうから。その時に一緒に遊んでもらいましょう。今度はこころが好きな遊びを提案していいから」

こころ「…ほんと?」

にこ「うん」

こころ「やった! ありがとう、にこにー!」ギュッ

にこ「ううん、こっちこそ寂しい思いさせてごめんね」

にこ(…とは言ったものの、まったくあてがないんだけど……どうしよう)

にこ(誰かに頼まなきゃいけないけど……でも、そうなるとその相手に迷惑がかかるし…それ以前に勉強会はどうするのよって話だし…)

にこ(…けど)チラ

こころ「?」

にこ(姉として、こころの期待を裏切るわけにはいかない……とりあえず明日、ダメ元で誰かに頼んでみよう)

にこ(…もしどうにもならなかったときは、こころの好きなお菓子をたくさん買って帰ろ…)

―――
――


にこ「じゃ、こころ、ここあ、そろそろお風呂入って来て」

こころ「はーい」

ここあ「ことりちゃん、あがったらまたあそぼーね!」

ことり「うん、ことりでよければ」

ここあ「うんっ、じゃぁいってきまーす」

こころ「いってきます」


ガラ


にこ「…ごめんね、ことり。ここあの相手任せちゃって…」

ことり「ううん、全然。ことりも楽しいし。ただ、こころちゃんのほうは大丈夫? …なんだか少し、寂しそうな顔してたけど…」

にこ「よく見てるわね……まぁあの子のほうはにこが何とかするから大丈夫」

ことり「そっか。…なんか、こころちゃん見てると昔の海未ちゃん思い出すよ」

にこ「そうなの?」

ことり「うん。こころちゃんよりもっと泣き虫で人見知りな子だったけどね。ただ、ここあちゃんのテンションが穂乃果ちゃんに似てるから、そのせいで余計似て見えるのかも」

にこ「ああ、なるほど…」

ことり「そのせいかな、なんかにこちゃんのお家、落ち着く」

にこ「落ち着く、ね……じゃぁいっそのこと、ことりも家族になっちゃう?」

ことり「え、いいの?」

にこ「あ、いや、冗談だったんだけど…」

ことり「だよね。さすがに分かってた」

にこ「即答だったからビックリしたわ…」

ことり「けど、ホントに家族になれたらいいのにね」

にこ「……まぁ、にこもことりみたいな妹がいたら可愛いとは思うけど」

ことり「…そこで妹って答えにたどり着いちゃうあたり、にこちゃんはにこちゃんだね」

にこ「どういう意味…?」

ことり「なんでも。それより、ここあちゃんたちっていつも一緒にお風呂入ってるの?」

にこ「いつもってわけじゃないけど、ちょくちょく入ってるわね」

ことり「そうなんだ…仲良しだね」

にこ「そう? 姉妹なんだし、あんなものだと思うけど」

ことり「ことりは一人っ子だから、そういうのちょっと憧れるなぁ」

にこ「なるほど」

ことり「……ね、にこちゃん、一緒に入らない?」

にこ「はっ!?」

にこ「い、一緒にって、にことことりが?」

ことり「他に誰もいないよね」

にこ「そうだけど……い、いや、それはさすがに…ね?」

ことり「ダメ?」

にこ「ダメっていうか……あ、ほら、うちの浴槽狭いから」

ことり「ことりは狭くても全然平気だけど。それだけにこちゃんにくっつけるってことだし」

にこ「い、いや……でも…」

にこ(一緒にお風呂ってことは、当然二人とも服を着てないわけで……そ、そんな状態で、くっつくって……む、無理、絶対無理、恥ずかしすぎて死ぬ…)

ことり「……ふふ、冗談だよ。そんなに顔真っ赤にしなくても」

にこ「あ……じょ、冗談なのね……ホントにビックリしたわ…」

ことり「にこちゃんが良いって言ってくれたら、本当にするつもりだったんだけどね。だからちょっと残念」

にこ「そ、そう」

にこ(流されなくてよかった…)


―――――

こころ「……ん」スースー

ここあ「にゃー…」スヤスヤ

ことり「よく寝てるね、二人とも」

にこ「子供だからね。じゃ、リビングに戻りましょうか」

ことり「うん」



ガラ


ことり「…ねぇ、にこちゃん」

にこ「ん? あ、なんかお茶でも飲む?」

ことり「いや、お構いなく」

にこ「……いや、ぜひ飲んでほしいんだけど」

ことり「そ、そこまで言うなら、もらおうかな」

にこ「ん。今持ってくる」

にこ(飴ガリガリ食べるよりは、お茶飲んでたほうがマシよね)

にこ「ところでさっき、なにか言いかけてなかった?」テクテク

ことり「あ、うん。…えっと、さっきのお好み焼きの話なんだけど」

にこ「お好み焼き? …ひょっとして、あんまりおいしくなかった? 焼き加減とか、問題あったかしら…」

ことり「いやいや、そうじゃなくて……そのときに話してた…お好み焼きブームがどうこうって話」

にこ「ああ…それがどうかしたの?」

にこ(ことり相手ならお茶よりもジュースのほうがいいのかしら…)カチャ

ことり「……前から思ってたんだけど、希ちゃんとにこちゃんって、仲良しだよね?」

にこ「まぁ友達だし、腐れ縁みたいなものだしね」カチャカチャ

ことり「……腐れ縁」

にこ「うん。ことりたちにはかなわないけど、三年も一緒にいるわけだし、そりゃ仲良くもなるわよ」テクテク

にこ「はい、お待たせ」

ことり「うん、ありがとう」

ことり「……あの、希ちゃんの話なんだけど…」

にこ「また希? …希となにかあったの?」

ことり「あ、いや、そうじゃなくて……ことり、にこちゃんと出会ってまだ一年も経ってないから……にこちゃんの過去のこと、もっと知りたいなって…」

にこ「そ、そう」

ことり「…希ちゃんとは、一年の頃から仲良しなんだよね」

にこ「うん」

ことり「……親友、なんだよね?」

にこ「ま、まぁ……いや、お互いそんなこと本気で言うガラでもないけど」

ことり「…それだけだよね」

にこ「え?」

ことり「え、えっと……だから……、いや、やっぱりなんでもない」

にこ「?」

にこ(…なんか、ことりの顔が微妙に暗い…)

ことり「……」

にこ「……」

にこ(なに話そう…)


ピョンピョコピョンピョン! カーワイイッ♪


にこ「」ビクッ

にこ「電話?」

ことり「あ、うん、そうみたい。ごめん、ちょっと待っててくれる?」ピッ

にこ「あ、うん」


ガラ


にこ(…ちょっと気まずかった…。ことりもなに考えてるか、よく分からないときあるわね…)

にこ(…まぁ、にこは大抵誰の考えてることもよく分からないけど…)

にこ(ことりが帰ってくるまでテレビでも見とこ)

―――――

にこ(遅い…! 一体いつまで話してるのかしら……というか、誰からかしら…まさか両親とか…?)

にこ(けど、どうしよう……見てた番組も終わっちゃったし……なにしてヒマつぶそう…)



>>800

1.誰かに電話してみる
2.チャンネルを変えてみる
3.寝てみる

1希

にこ(ヒマだし、にこも誰かに電話してみよ。……希でいっか)ピッ


ピリリリリッ、ガチャ


希『はーい。にこっち、どしたん?』

にこ「いや、ヒマで」

希『また!? にこっち、ウチのことなんやと思てる?』

にこ「大親友」

希『すごい嘘くさいわ…』

にこ「まぁそれはさておき、希は今ヒマ?」

希『残念ながらヒマやよ。なんか話す?』

にこ「うん。……あ、そういえば前にお好み焼きにハマってたことあったじゃない」

希『あー、あったなぁ……って、いきなりどうしたん? そんな懐かしい話…』

にこ「いや、今日の夕飯お好み焼きだったから」

希『そうなんや。ことりちゃんにしては珍しいチョイスやね』

にこ「ことりの意思じゃなくて、ここあの意見聞いてくれたみたいで」

希『ああ、なるほど。ことりちゃんらしい気遣いやね』

にこ「ホントにね」

希『にしても、あの頃は本当に狂ったようにお好み焼きにハマってたなぁ…』

にこ「そうね。二人してお好み焼きの雑誌立ち読みしてたくらいだもんね…」

希『あったなぁ、そんなこと。それをエリちに見られて、翌日すごい怒られたわ…』

にこ「それは大変だったわね…。というか、絵里ってその頃からそういう性格だったのね。生徒会長でもないのに」

希『まぁ正義感は強かったかなぁ……というより、あれは嫉妬も入ってた気がするけど』

にこ「嫉妬?」

希『なんで私も誘ってくれなかったのよ、的な』

にこ「ああ、なるほど…。あんたたち、あの頃いつもベッタリしてたもんね」

希『やなこと言わんとってよ…。まぁ今ではウチの方が嫉妬される側なんやけどね』

にこ「いや……まぁでも、絵里はにこにも嫉妬してると思うけどね」

希『えぇ……それはないと思うけど。エリち、にこっちにゾッコンやん』

にこ「にこの目には、あんたのことも大切にしてるように見えるけど」

希『んー……まぁエリちは優しいからなぁ』

にこ(…そういえば結局、希って絵里のことが好きなのかしら…)

にこ(聞きたい気もするけど……さすがに無理よね)

希『あ、そうえいばエリちといえば、前にな、』

にこ(けどこうして絵里の話ばっかりするところを聞くと、あながち間違ってもいない気がしてくるわよね…)

希『にこっち? 聞いてる?』

にこ「あ、うん、聞いてる。絵里がどうしたって?」

希『エリちが前に言ってたんやけど、』

―――――

にこ「はー……絵里も意外とバカなのね…」

希『バカって…その言い方はどうかと思うけど、うっかりさんで可愛いやん』

にこ「でも、おもちゃのチョコを五回も本物と間違えるのはさすがにどうかと思うけど…」

にこ(って、気が付けば結構時間経ってるわね…)

にこ「ごめん希。そろそろ切るわ」

希『りょーかい。じゃ、また明日』

にこ「うん、またね。今日はありがと」

希『いやいや、ウチもいいヒマつぶしになったし。じゃ、また』

にこ「ん」ピッ

にこ(さて、と……ことりはまだなのかしら)

にこ(んー……人の会話を聞くのはどうかと思ったから遠慮してたけど、さすがに遅すぎるからちょっと様子を見に…)ガラ

ことり「あ、電話終わった?」

にこ「!?」ビクゥッ

にこ「こ、ことり…いつからそこに? 電話は?」

ことり「ちょっと前に終わったよ。にこちゃんが電話してたから、邪魔しないようにと思って待ってたの」

にこ「そんな変なとこで気を使わなくても……。ごめんね、待たせちゃって」

ことり「ううん、元はと言えばことりが待たせちゃってたんだし」

ことり「……希ちゃんから電話だったんだよね?」

にこ「え? なんで分かったの?」

ことり「ごめんね、ちょっと声が聞こえてきて…。絵里ちゃんの名前が連発されてたから」

にこ「ああ、なるほど…」

にこ(確かに絵里のことをたくさん話す相手といったら、希くらいだし)

にこ「ことりのほうは誰からだった? 両親からとか…?」

ことり「ううん。…穂乃果ちゃんと海未ちゃんから」

にこ「二人から? なんでまた…」

ことり「ちょっと大事な話があるからことりの家に行ったら、ことりがいなかったから電話してきたみたい」

にこ「ああ、なるほど……って、うちに泊まること言ってなかったの?」

ことり「うん。黙ってるつもりもなかったんだけど、キッカケがなかったから、なんとなく」

にこ「そう」

にこ(しかし穂乃果たちの大事な話ってなにかしら…)

ことり「長くなかったのはその話を電話でしてたからなんだ。ごめんね」

にこ「いや、全然」

にこ「えっと……」

ことり「……ねぇ、にこちゃん」

にこ「ん?」

ことり「穂乃果ちゃんと海未ちゃんって、良い子なんだよ」

にこ「う、うん? いきなりどうしたの?」

ことり「いや、二人の話がしたいなぁって思って」

にこ(なんでいきなり? …まぁいっか)


―――――

にこ(結局あのあと長いこと二人について聞かされたけど……ことりは本当に穂乃果たちのことが好きね)

ことり「じゃぁ寝よっか」

にこ「……うん。あの、布団が一つしかないんだけど…」

ことり「…ダメ?」

にこ「ダメではないけど…」

にこ(…まぁいっか。今まで普通に一つの布団で寝ること多かったし、これが普通なのよね、多分)

ことり「やったー。じゃぁ早く寝よ」

にこ「ん」モゾ

にこ(しかし、なんでみんな一つの布団で寝たがるのかしら……狭くないのかな)ゴロ

ことり「にこちゃん、おやすみ」

にこ「お、おやすみ」

にこ(想像以上に距離が近かった……もうちょっと離れよう)モゾモゾ

ことり「……なんかこうやって誰かと寝るの久しぶりかも」

にこ「穂乃果たちとは寝ないの?」

ことり「うーん……あんまりかな。小さい頃はよくお泊まりしあってたけど、今はお互い忙しいから」

にこ「なるほど…」

ことり「ことりはこうやってくっついて寝るの好きだから、やっぱり姉妹とかがいたらなぁってたまに思うんだよね」

にこ(まぁ確かに、にこもここあたちがいてよかったって思うこと多いし、気持ちは分かるけど)

にこ「…じゃ、今日はこのにこにーをお姉ちゃんと思っていいわよ」

ことり「……にこちゃんなら、妹のほうがしっくりくるかも」

にこ「怒るわよ」

ことり「冗談だよ。ありがとう」

ことり「……ことりね、昔から穂乃果ちゃんたちと一緒にいたの」

にこ「なによいきなり。それはもう十分知ってるけど…」

ことり「うん。それでね、穂乃果ちゃんって昔からあんな感じだったから、みんなを引っ張っていくような存在だったの」

にこ「ん」

ことり「それで、海未ちゃんは海未ちゃんで…あの整った容姿のうえ、運動面とか勉強面とかすごかったから」

ことり「どのみち、二人ともすごく目立つ子だったの」

にこ「あー……まぁそんな感じはするわね」

ことり「でしょ。そんな二人のそばにいて、それでいて一人っ子だったからなのかな……、人に特別扱いされたいなって思うことが多かったんだよね」

にこ「特別扱い?」

ことり「そう。ことりじゃなきゃダメだとか、ことりがいいとか、そういうドラマみたいなセリフに憧れてたんだよ。おかしいでしょ」

にこ「……いや、可愛いと思うけど。女の子らしくて」

ことり「女の子らしい、のかな…」

にこ「女の子ってなにかに憧れること多くない? にこも昔からアイドルに憧れてたし、ここあたちだって今よりもっと小さい頃はお姫様になりたいって言ってたわよ」

にこ「ことりはようするに、ドラマの中に出てくる素敵な王子様みたいな人に憧れてたんでしょ? ならおかしくないわよ。十分可愛いわ」

ことり「……そっか」

にこ「うん」

ことり「…ことり、にこちゃんのことが好きだよ」

にこ「な、なに急に」

ことり「いや……こうやってすぐにことりが喜ぶ言葉くれたりとか、優しくしてくれたりとか、みんなのこと思ってるとことか、そういうところが好きだなぁって思って」

にこ「そ、そう…」

にこ(いきなり言われるとやっぱり恥ずかしいんだけど…)

ことり「…ねぇ、にこちゃん」

にこ「んー?」

にこ(というか、そろそろ寝ないでいいのかな…)

ことり「じゃんけんしない?」

にこ「はぃ? この態勢で?」

ことり「大丈夫。寝転がってでもじゃんけんは出来るよ。万能な遊びだから」

にこ「いや、それはそうだけど……でもなんで今わざわざ?」

ことり「賭けがしたいの」

にこ「賭け…? …負けたらなにかあるの?」

ことり「うん」

にこ「なに?」

ことり「それは言えないけど」

にこ「なによそれ……怖すぎるんだけど…」

ことり「で、どうする? やる? やめる?」

にこ「えええぇ……」



>>814

やるorやらない

やる!やるったらやる!

にこ(…まぁ、本当に嫌がることはしないだろうし…いっか。こういうノリに付き合うことも女子高生としては大事って、なにかの雑誌に書いてあったし。そもそも勝てばいいんだしね)

にこ「じゃ、やるわ」

ことり「うん。じゃぁどっちが負けても恨みっこなしだからね」

にこ「ん」

ことり「じゃぁ、じゃんけん、ぽんっ」グー

にこ「」チョキ

にこ(……そういえばにこって、運がないほうなんだっけ。講堂のくじ引きも外したし…)

ことり「…ことりの勝ちだね」

にこ「そうね……見事に負けたわ。あいこもなく、一発で」

にこ「……で、結局賭けってなんなの?」

ことり「あ、うん、えっとね…」

ことり「……や、やっぱりなんでもない」

にこ「は? どうしたのよ急に」

ことり「いや、なんか怖気づいちゃって…」

にこ「怖気づくって……どんなこと言おうと思ってたのよ…」

ことり「…言えないようなことかな」

にこ「はあ…よく分かんないけど……じゃぁなにか別なことに変えれば?」

ことり「…いいの?」

にこ「そりゃ……それがどんなことだったか、にこには分からないわけだし、いいんじゃないの?」

ことり「そっか…じゃぁ別のにする」

にこ「ん」

にこ(…って、なんでにこはわざわざ自分を追い詰めるようなこと言ったのかしら…バカじゃないの…)

ことり「えっと……じゃぁにこちゃん、決まった」

にこ「なに?」

ことり「>>819



(言動・行動なんでもいいです)

寝てる間抱きしめさせて

ことり「寝てる間、抱きしめさせて」

にこ「…抱き枕になれってことね」

ことり「すごく雰囲気のない言い方をすると、そういうことかな」

にこ「まぁいいけど…」

ことり「ほんと? ギュッとしていい?」

にこ「苦しくならないレベルなら」

ことり「ありがとうっ」パァッ

にこ(すごい嬉しそう……なんだろう、やっぱり姉妹に憧れてたって言ってたし、こういうことにも憧れあったのかしら)

ことり「じゃぁ早速いいかな?」

にこ「あ、うん。えっと、ちょっと待って、近づくから」モゾモゾ

にこ「…にこは、ことりに背中向けてればいいのよね?」

ことり「正面だと、にこちゃんが寝づらくなっちゃうから」

にこ(まぁさすがに面と向かって抱き合うのは恥ずかしいし、助かったわ…)

にこ「じゃ、どうぞ」

ことり「う、うん。じゃぁ、遠慮なく…」ギュ…

にこ(遠慮なくって言う割には、おずおずと腕が回ってきたけど……今更緊張してんのかしら)

ことり「……な、なんか、逆にソワソワする」

にこ「そう? …にこはあったかいし、眠くなってきたけど」

ことり「ホント? ならよかったかも…」

にこ「けど、ことりが寝づらくなるんだったら、離れたほうがいいんじゃ…」

ことり「あ、ううん、全然平気。それよりごめんね、いつまでも話しかけちゃって」

にこ「いや、別に。…ことりと話すのは楽しいし、ことりの話聞いてるのも楽しいわよ」

ことり「……ありがとう」ギュー

にこ「ん。じゃ、おやすみ」

ことり「うん、おやすみなさい」


にこ「………」ウトウト

にこ「……」スースー

ことり(…ホントに寝るの早いなぁ…。合宿のときは普通だったのに…くっついてあったかいからかな? …というか、今更だけどあのキュウリパックは家ではやってないんだね)

ことり(……それにしても、にこちゃんの身体、ちっちゃいなぁ…)スリ

ことり(こんなんじゃ、誰にでもあっさり組み敷かれそう……そんなことする人いるか分からないけど)

ことり(……あのこと、にこちゃんには近いうちに言うことになるけど………嫌われたり、しないよね)

ことり(穂乃果ちゃんは大丈夫だって言ってたけど、海未ちゃんはちょっと不安そうだったなぁ……ことりから言い出したことだし、ことりが不安になってどうするのって話だけど…)

にこ「んー……」ムニャ

ことり(…まぁ、嫌われるのはないかな、にこちゃんだし。…ヒかれる、くらいはありそうだけど…)

ことり(もしも拒絶されたら……それはあんまり考えたくないな…)

ことり「……にこちゃん、好きだよ」

にこ「…………にゃ」スースー

ことり(にゃって……ふふ、猫みたい)

ことり(…おやすみなさい)ギュ


―――
――


にこ「んー……」パチ

にこ(あれ……なんか体が……って、そっか。ことりに抱きしめられてたんだっけ…)モゾ

ことり「……ん…」

にこ(えっと、起こさないようにそっと抜け出して、と……)ソロー

にこ(……よし。じゃぁ早速朝ごはんの準備を…)


ガラ

にこ「ん?」

にこ(テーブルの上に置手紙が……ママから?)ペラ


【この間のことといい、ママは少しだけ、にこの将来が心配です】


にこ「……どういうこと?」

にこ(P.S.友達と仲が良いのは素敵なことです……なにこれ。……まぁいっか。とりあえず支度しよ)テクテク

にこ「あ、そうだ」ピタ

にこ(ついでに、真姫ちゃんにメールしとこ。昼休みに……って、昼休みは穂乃果と約束があるから…。じゃぁ学校についたら屋上に来て…で、いいかな)ピッピッ

にこ(昨日のこと、ちゃんと謝らないと。……あ。あと、花陽にも謝らないといけないのよね)

にこ(……ただ、にこの目には花陽が怒ってるようにはとても見えなかったけど……でも希は三人って言ってたし…)

にこ(まぁとりあえず今は真姫ちゃんにメールを送ってっと)ピッ

にこ(これでよし)

ピリリリリッ

にこ(相変わらずの返信の早さね…)ピッ


【了解】


にこ(なんて事務的な返事…! いや、真姫ちゃんはいつもこんな感じだっけ)

にこ(よし、真姫ちゃんへのメールも送ったことだし、今度こそ朝ごはんの支度はじめよう)


―――
――


にこ「……あの、ことりさん」

ことり「さん付けはなんだか遠い感じがするから、嫌かも」

にこ「ご、ごめん……って、そうじゃなくて! なんで手繋いで登校しないといけないの…?」

ことり「だってにこちゃん、家を出てからずーっと昨日のこと謝ってるんだもん。制服のこと、ことりは全然気にしてないのに」

ことり「だから、にこちゃんがいつまでも謝り続けないように、手を繋いで登校することで、申し訳ないって気持ちを吹き飛ばそうと思って」

にこ「いや、それは分かってるけど……なんでわざわざ、その、恋人が繋ぐような感じで手繋ぐの? 普通でもいいじゃない」

ことり「…ことり、にこちゃんのこと好きだもん。出来るならいつもこうやって手繋いでいたいくらい」

にこ「っ……が、学校についたら離すからね」

ことり「うん」

にこ(……ま、昨日のお詫びだって思えばいいのかもしれないけど……しかし恥ずかしい。穂乃果といいことりといい、恥ずかしくなったりはしないのかしら)


コンマ(一桁)安価↓1

0.1.2.3.4=誰かに会う

5.6.7.8.9=誰にも会わず、無事学校につく

にこ(ま、知ってる人に会わなきゃ平気よね)

ことり「あ、見てにこちゃん、あのワンちゃん可愛い」

にこ「…あんたたち幼なじみって、言うこと似てるわね」

ことり「え?」

にこ「いや、こっちの話。で、どれ?」

ことり「あれあれ」

にこ「ああ、ダックスフントね……な、なんかすごい唸ってるけど」

にこ(吠えられそうで怖い…)ギュ

ことり「小型犬は臆病な子が多いからね。平気だよ、ほら、こうやって手振ればちょっと表情やわらいだりするし」

にこ「あ、ホントだ。さすがことり…」

ことり「それにしても、怖いからってことりの服の裾掴むなんて、にこちゃんって可愛いよね」

にこ「べ、別にいいでしょ」

にこ(……って、あれ? なんか忘れてるような気が……、気のせいかしら)

ことり「…にこちゃん? どうかした?」

にこ「あ、いや、なんでも」

ことり「そう? …じゃぁ早く学校いこ」ギュ

にこ「そうね」

にこ(あんまり遅くなりすぎると、真姫ちゃんを待たせることにもなっちゃうし)


―――――

ことり「じゃぁまた部室でね」

にこ「ん、またね」ヒラヒラ


にこ(……さて、と。真姫ちゃんもう来てるかな…)テクテク



―屋上―


ガチャ


真姫「あ、にこちゃん…」

にこ「ごめん真姫ちゃん。待たせちゃって」

真姫「ううん、私も今来たとこだから」

にこ「そう、ならよかった。……あの、真姫ちゃん」

真姫「ん?」

にこ「その手に持った紙袋はなに?」

真姫「…にこちゃんにって思って」ス

にこ「え、にこに? なに?」

真姫「……マフィン」

にこ「へ?」

にこ(ま、まさか昨日のマフィンを突き返されたとか……って、さすがに違った)ガサ

にこ「これ、どこかで買ってきたの?」

真姫「うん」

にこ(…って、よく見たらこの紙袋、すごい有名な洋菓子屋さんのロゴが入ってるけど……まさかそこで?)

にこ「こ、これ、高くなかった?」

真姫「別にそれほど…。昨日、お手伝いさんから聞いたおすすめのお店に行って買ってきたの。にこちゃんにあげるわ」

にこ「う、うん、ありがとう……でもなんで?」

真姫「…昨日のこと、謝りたくて」

にこ「え?」

真姫「凛と一緒に話したんだけど……昨日、私たち態度悪かったでしょ。凛はもう謝ったらしいけど、私はまだだったから…」

にこ「ああ、それでわざわざ…」

にこ(…しかし、手作りマフィンを送った相手へのお詫びに、恐らくかなり美味しいであろう有名店のマフィンを渡すなんて…)

にこ(真姫ちゃんのことだから、多分深く考えずに、にこがマフィン好きと思ったから、とかなんだろうけど…)

にこ「ありがと、真姫ちゃん。妹たちと一緒にありがたくいただくわ」

真姫「うん。…ところで、にこちゃんも何か私に用があったんじゃないの?」

にこ「ああ、うん。にこも真姫ちゃんと同じ用事だったの。これ、もらったのはいいんだけど、昨日のことはにこが悪かったと思うの」

真姫「え、いや、そんなこと…」

にこ「そのことは希にも言われちゃったし、だからお詫びがしたいの……って、これは凛にも言ったんだけど」

真姫「お詫び…」

にこ「うん。で、なにがお詫びになるか分かんないから、真姫ちゃんに決めてほしいんだけど…」

真姫「…なんでもいいの?」

にこ「うん。出来る限りのことなら」

真姫「そう…」

真姫「……」

にこ(すごい真剣に考えてる……)

真姫「……」

にこ(暇だなぁ……もらったマフィンでも見とこ)ガサ

にこ(…おいしそう)

真姫「決めたわ」

にこ「あ、うん、なに?」

真姫「>>837



(お詫びの内容。言動・行動なんでも)

首元にキスしたい

真姫「首元にキスしたい」

にこ「」

にこ「え、く、首元?」

真姫「うん」

にこ「な、なんでまた、首…?」

真姫「別に深い意味はないけど。…さすがにちょっとは自重した結果」

にこ「あ、うん」

にこ(自重して首っていうのも……どうなんだろう。…まぁいっか)

にこ「えっと……じゃぁにこ、どうすればいい?」

真姫「にこちゃんはそのままじっとしてて」グイッ

にこ「うわっと……」

にこ(…真姫ちゃん、抱き寄せるの好きよね)

真姫「……にこちゃん」スル

にこ「えっと……さー真姫ちゃん、いつでもこの可愛いにこにーにちゅーしていいよっ」

真姫「そういうのいいから」

にこ「はい…」

にこ(かといって黙ってるのも気恥ずかしいんだけど…)

真姫「……」ナデナデ

にこ「…あの、真姫ちゃん」

真姫「ん?」

にこ「早くしないの? いつまでも首撫でられてると、恥ずかしいんだけど…」

真姫「…うん、もうちょっと」ナデ

にこ(……首だけじゃなくてほっぺたまで撫で始めてるし……なんなの、真姫ちゃんなんか特殊な趣味でもあるの…?)

にこ(にしても、なんか最近やけにキスに縁があるような気が……いや、考えないでおこう…)

にこ「……」

真姫「……」

にこ「…あ、あの、真姫ちゃん、そろそろ…」

真姫「じゃぁ…」チュ

にこ「っ…」ビクッ

真姫「にこちゃん、好き、大好きよ」チュ、チュ

にこ「ちょっ、ま、真姫ちゃん、すとっぷ!」グイッ

真姫「…なに?」

にこ「いや、もう終わったでしょ?」

真姫「回数は指定してなかったでしょ」

にこ「」

真姫「というわけで、はい、にこちゃん、おいで」パ

にこ「にこを犬かなんかだと思ってない…?」

真姫「そんなわけないでしょ、いいから早く」

にこ「ええぇ…」


―――――

にこ(け、結局真姫ちゃんの気が済むまでキスされたけど……そんな首に何回もして楽しいのかしら…。にこはひたすらくすぐったかったし…)ハァ


ガラッ


絵里「にこ」テクテク

にこ「あ、おはよ、絵里」

絵里「おはよう。それより今日はやけに遅かったわね。休みかと思って心配したのよ」

にこ「ん、ごめん。ちょっと用事があって」

絵里「そう。……それ、どうしたの?」

にこ「あ、もらったの」

絵里「もらった? ファンの子から?」

にこ「いや、真姫ちゃ

希「ににこっち、おっはよーう!!」ピョーンッ

にこ「あ、うん。おはよ、希。…今日はやけにハイテンションね」

希「あはは! いやー、ウチ今日はラッキーデーやから!」

にこ「そ、そう。よかったわね」

希「うんっ」

希「さあエリち、そろそろ授業始まんで」グイッ

絵里「え、ええ、そうね」

にこ(ほんとテンション高いなぁ……いや、希が楽しそうだからいいんだけどさ)

にこ(さて、じゃぁにこも席に…)

希「あ、にこっち、ちょっとええ?」ヒソ

にこ「ん? なに?」

希「今、真姫ちゃんって言いかけてたよね?」

にこ「あー、うん、そうだけど。これ真姫ちゃんから貰ったから」

希「それ、エリちには言わへんほうがええと思う」

にこ「なんで?」

希「なんでもええから、とにかく出来る限り内緒で」

にこ「まぁ希がそう言うなら……」

希「あー…あと」

にこ「ん?」

希「真姫ちゃんが原因かは知らんけど……首元、ちょっと赤くなってる」

にこ「へ?」

にこ(……そういえば何回か、真姫ちゃんが前の穂乃果たちみたいに吸い付いてたような気が……微かにだったから、あんまり気にしてなかったけど…)

希「注意して見いひんと分からへんレベルやから大丈夫やと思うけど……気をつけなあかんよ」

にこ「うん…」

にこ(気を付けるってなにを…? 前のときも言われたけど…これってそんなに変な意味があるのかしら…)

希「じゃぁウチらも席に…」

にこ「というかさ、」

希「ん?」

にこ「にこの首元が赤くなってること、よく気づいたわね」

希「え?」

にこ「注意して見ないと分からないレベルなんでしょ? それによく気が付いたなぁって」

希「あー、それは…」

にこ「今回だけじゃなくて、なにかあったらよく気が付くし……ひょっとして希、にこのこといつも見てくれてるの?」

希「え、そ、そりゃ……にこっちは色々危なっかしいし、うん」

にこ「危なっかしいって…子供みたいな言い方しないでよ。にこだってもう高校三年生なんだから」

希「うんうん、そうやね。大きなったねぇ」ナデナデ

にこ「同い年だってば。……まぁ、希の観察眼にはいつも助けられてるけど」

希「いやあ……ウチが勝手にやってることやし」

にこ「それでも助けられてるのは事実でしょ。多分あんたがいないと、にこ死んじゃうわ」

希「お、大げさなやなぁ…」

にこ「んなことないわよ。じゃ、チャイム鳴るし席戻りましょ」テクテク

希「あ、うん…」

>>851

誤字りました

×希「お、大げさなやなぁ…」

○希「お、大げさやなぁ…」


―――――

にこ(ようやく休み時間ね……早くお昼にならないかな…)ノビー

にこ(……あ、そうだ)ガタ

にこ「ねぇ希」テクテク

希「ん?」

にこ「凛には昨日、真姫ちゃんには今朝、昨日のこと謝ったんだけど、残りの一人はどうすればいいと思う?」

にこ(…今思えば、にこってどんだけ希に相談してんのよって話だけど…)

希「あー……せやねぇ。今日の昼休みとかは?」

にこ「ちょっと先約が…」

希「じゃぁまた練習の最中にある休み時間とかかな。昨日の凛ちゃんと一緒で、ウチが部室に行くよう言うから、にこっちは先に行って待ってたげて」

にこ「いや、さすがにそこまで迷惑をかけるわけには…」

希「にこっちが声かけたら、他の二人もついてくるかもしれへんやん」

にこ(他の二人って……凛と真姫ちゃん? あの二人なら同じ状況を経験してるわけだし、言ったら分かってくれそうなものだけど……まぁいっか)

にこ「じゃぁお願いするわ。ごめんね、なにからなにまで…」

希「いやいや。ウチはみんな仲良しが一番好きやから」

にこ「ん…ありがと」

にこ「じゃぁ、にこはちょっと自分の席で寝てくるわ」

希「え、でももう授業が…」

にこ「数少ない時間に寝る。それこそ、授業中に寝ない秘訣よ」グッ

希「にこっちが言うと説得力皆無やなぁ…」

にこ「とりあえず寝てくる」タッ

希「いってらっしゃーい…」ヒラヒラ

希(絶対起きられへんやろうなぁ…)

絵里「……希」テクテク

希「あ、エリち。どしたん?」

絵里「希って……あの、にこと最近、仲良いわよね」

希「友達やからね。エリちかて仲良しやん」

絵里「そうなんだけど……、希」クイ

希「なん?」

絵里「…もしかして、なんだけど……にこと希って…」


キーンコーンカーンコーン


希「あ、チャイムやね。エリち、今の話…」

絵里「ああ、いや、なんでもないの。じゃぁまたあとでね」

希「ん、またね」

希(……うーん…)


―――――

―昼休み―


希「エリち、今日は生徒会室で食べへん? ついでに片付けたい仕事もあるし…」

絵里「え? でもにこは…」

にこ「あ、にこは大丈夫だから生徒会のほう優先してよ」

絵里「そう…? じゃぁそうしましょうか」

希「うん。にこっち、またあとでな」

にこ「うん」


にこ(さて、と……)

にこ(……あ、そういえばまた穂乃果との集合場所決めてなかった…)

タッタッタッタッ

穂乃果「にーこーちゃーん!」ギュッ

にこ「ぐぇっ」

穂乃果「にこちゃん、その叫び声は女の子としてどうかと思うよ…」

にこ「あんたが勢いつけて抱きついてくるからでしょ!?」

穂乃果「あはは、ごめんごめん。じゃ、屋上いこ」グイ

にこ「あ、うん。というか、屋上で食べるの? 今日はちょっと風強いし、室内のほうがよくない?」

穂乃果「だって、周りに誰もいないほうが、ゆっくり出来るでしょ?」

にこ「まぁそうだけど…」




―屋上―

にこ「あれ?」

ことり「あ、にこちゃん、いらっしゃい」

にこ「あ、どうも……じゃなくて、なんでことりと海未がここに?」

海未「先ほど穂乃果に聞いたんです。昼休み、にこと約束をしていると」

にこ「えっと…」チラ

穂乃果「本当は二人きりで食べるつもりだったんだけどね。にこちゃんにちょっと話があるから、ついでに今話そうかなって思って二人も呼んだの」

にこ「話?」

穂乃果「うん。とりあえずご飯食べながら話そ」ゴソゴソ

にこ「あ、うん」

穂乃果「はい、にこちゃん! 穂乃果が愛情こめて作ったお弁当、めしあがれ!」パカ

にこ「う、うん、ありがと…」

ことり「穂乃果ちゃんが作ったお弁当…」

海未「……」

にこ(二人のなんともいえない視線が…。そういえば穂乃果の料理の味って、確かなかなかに画期的だったっけ…)

にこ(まぁ料理は愛情って言ったのはにこのほうだし……そもそもせっかく作って来てくれたんだし)

にこ「じゃ、いただきます」

穂乃果「うんっ」

にこ「…」パク

にこ「……あ、普通においしい」

穂乃果「普通にって…」

にこ「ご、ごめん。おいしいわよ、すごくおいしい」パク、パク

にこ(前に食べたのが絶妙な味だったから、すごいおいしく感じられる…)

穂乃果「えへへー、そんなに美味しい?」

にこ「うん、すごく」

穂乃果「にこちゃんが喜んでくれて私も嬉しいよー」

海未「ごほん。穂乃果、そろそろ話を…」

穂乃果「あ、そうだった。えっと、にこちゃん、ちょっといい?」

にこ「なに?」パク

穂乃果「私たちと付き合ってほしいんだけど」

にこ「………うん? どこに?」

ことり「その返しって王道的だよね」

穂乃果「そうじゃなくて、私たちと付き合ってほしいの」

にこ「えっと……付き合うって…」

穂乃果「恋人になってってこと」

にこ「」

にこ(いきなりのことすぎて思考が追い付かない……というかこの展開、なんかデジャヴ…)

海未「穂乃果…もう少し説明しないと、にこが混乱してしまいますよ」

穂乃果「あ、それもそっか。えっとね、私たちってみんなにこちゃんに告白したでしょ?」

にこ「う、うん」

にこ(やっぱりお互いそのこと知ってるのね……幼なじみってみんなこんな感じなのかしら…)

穂乃果「けど私たち、お互いのことも友達として好きだし、正直にこちゃんを巡ってドロドロ修羅場劇とか、あんまりしたくないんだよね」

にこ(修羅場劇って……そんな笑顔で言うことなの…?)

穂乃果「で、いっそのこと四人で付き合えばいいんじゃないかなって話になったの!」ペリッ

にこ「なったの!って、そんな、パンの袋を開けながら軽く言われても…」

穂乃果「深刻な顔で言ったらなんか重いでしょ?」

にこ「そうだけど……いや、でもいくらなんでも軽すぎでしょ…」

海未「…私たちはそれなりに真剣な顔をしてますけど」

ことり「穂乃果ちゃんだけだよ、パン食べてるの」

にこ「そ、そう言われればそうね…。えっと……二人は賛成してるの? 穂乃果の言うこと…」

ことり「賛成もなにも、提案したのはことりだから」

にこ「えっ」

海未「私も真剣に考えた結果、賛同しました」

にこ「そ、そう…」

にこ(あの真面目な海未まで……)

にこ「えっと……」

ことり「…ねぇ、にこちゃん。四人一緒じゃダメかな?」

にこ「いや、ダメとかそういう問題じゃなくて…」

海未「世間から見ればすごく非常識というか……あまり一般的ではないと思いますが、私たちは本気です」

にこ「海未……」

穂乃果「あ、今日のパン美味しい! にこちゃんも一口どう?」

にこ「穂乃果…」ガクッ

海未「穂乃果、お願いですから少しは真面目にしてください」

穂乃果「あ、うん。えっと、にこちゃん」キリッ

にこ「なに?」

穂乃果「これがいわゆるハーレムってやつだよ!」

にこ「」

海未「穂乃果に期待した私が愚かでした…」

ことり「あはは……。けどにこちゃん、ゆっくりでいいから考えてほしいな」

にこ「う、うん…」

にこ(考えろって言われたって……。というか、凛たちといい穂乃果たちといい、四人で付き合うって流行ってるの…? いや、まさかね…)

ことり「……にこちゃん」

にこ「ん?」

ことり「ことりたちを選んでくれたら、絶対に幸せにしてみせるからね」ニコー

にこ「え、っと……」

海未「わ、私も精いっぱい頑張ります」

にこ(答えづらい…)

穂乃果「ねーにこちゃん、このパン食べない? 本当に美味しいよ?」

にこ「…いらないってば」

ちょっと間隔あきます
また後で再開します

ゆったり再開していきます

穂乃果「むぅ……本当にいらないの…?」シュン

にこ「そんなシュンとされても…」

穂乃果「美味しいのになぁ……」シューン

にこ「……た、食べるわよ。食べればいいんでしょ」

穂乃果「わーいっ。はい、どーぞ」ス

にこ「…あむ」パク

にこ「………、うん、おいしい」

穂乃果「ホントにそう思ってる?」

にこ「思ってるけど…」

穂乃果「その割になんかテンション低めだけど…」

にこ「いや、だって…穂乃果のお弁当のほうがおいしいし」

穂乃果「えっ」

にこ(そもそも、ご飯食べたあとに菓子パン食べると味がこんがらがるに決まってるじゃない)パク

穂乃果「……そっか。穂乃果のお弁当のほうが……えへへ…」

にこ「?」

ことり「…にこちゃん」チョイチョイ

にこ「ん?」クル

ことり「はい、あーん」ス

にこ「……あ、う、うん。あーん」パク

ことり「美味しい?」

にこ「…うん」

ことり「よかった」ナデナデ

にこ(なんなの…? …餌付け?)

海未「に、にこ」

にこ「あ、はい」

海未「……」スッ

にこ「……」パク

にこ「……、うん、おいしいです」コクコク

海未「…!」パァッ

にこ(本当になんなの…?)

―――――

にこ(結局、三人に延々と餌付けのような攻撃を受けたけど……おかげさまで口の中が甘いやらしょっぱいやらで大変なことに…)

にこ(ちょっと気まずいから早めに屋上から帰ってきたけど……昼休み終わるまで暇だなぁ…希たちはまだ生徒会みたいだし)

「ねーねー矢澤さん」

にこ「ん?」

にこ(ああ、確かクラスメイトの……あんまり話したことないけど)

「矢澤さんってさ、μ’sのみんなと…その……」

にこ「……ああ、あの噂…?」

「そう、それ! 私ね、前々から聞いてみたかったの!」ズイッ

にこ「う、うん…」

にこ(なんだろ……悪口でも言われるのかと思ったけど、この子の目やけに輝いてるし……そんな悪い話ではないのかな)

「あのね、矢澤さんって、μ’sの中で誰が一番好きなのかなって」ヒソヒソ

にこ「……はい?」

「ほら、色々噂されてるでしょ? 私、それがずっと気になってて、夜も眠れなくて…」

にこ(なんてくだらないことで眠れなくなってんのよ…)

にこ「えっと……メンバーのこともファンのみんなのことも、同じくらい好きだから。一番とかそういうのはないの」

「そうなの? じゃぁじゃぁ、一つだけお願い聞いてもらってもいい?」

にこ「なに?」

「私、前から矢澤さん推しで、ぜひ写メ撮ってほしいの!」

にこ「う、うん、それくらいならいいけど…」

「ほんと!? ありがとう!」

にこ(前はサインすら拒否してたのに……にこも色々変わったわね…)

にこ(……まぁ、にこ推しって言われちゃ、仕方ないわよね。ファンサービス、大事)コクコク

「じゃぁじゃぁ、あとで練習のときに行ってもいい?」

にこ「え、いや、練習のときはちょっと……みんなの邪魔になっちゃ悪いし…」

「じゃぁ練習の前!」

にこ「まぁそれなら……というか、今じゃダメなの?」

「それが一つお願いがあって…」

にこ「あ、うん」

にこ(もうすでにお願い二つ目なんだけど……気にしないでおこう)

「矢澤さんとμ’sメンバーの誰か一人、ツーショットの写真がほしいの!」

にこ「……ええっと……なんで?」

「私、アイドル同士が二人で仲良くしてるの見るのが好きなの!」

にこ「う、うん…」

にこ(まぁ確かにそういう趣向の人もいるだろうけど……まさか自分がその対象になる日がくるとは…)

「だから矢澤さんお願いします!」ドゲザァッ

にこ「ちょっ、わ、分かったから! 撮る! 撮っていいから!」

「ありがとう!」パァッ




にこ「……はぁ…」ズーン…

にこ(どうしよう…つい勢いで約束しちゃったけど……この状態で、みんなの前で誰かとツーショットなんて…)

にこ(頭の悪いにこでも分かる……絶対ややこしいことになる…)

にこ(いっそ練習が始まる前にあの子と誰かを呼び出して写真を撮るとか……うん、それでいこう)

にこ(そうと決まれば相手を誰にするかだけど………、アミダで決めよう)カキカキ



>>889
(結果)

にこ(えっと……あ、希だ。偶然とはいえ、ちょうどいい人選かも。…あいつに迷惑かけすぎるのは、ちょっと申し訳ないけど)

にこ(とりあえずあとで希が帰ってきたら頼んでみよう)

―――――

希「えっと……それで、その相手を、ウチに?」

にこ「うん。ごめん、迷惑だろうけど…」

希「あー…いや、大丈夫大丈夫。むしろウチでええん? えっと……花陽ちゃんとか凛ちゃんとかなら、まだ平和的やと思うけど」

にこ「希じゃなきゃダメなのよ」

希「え?」

にこ「アミダで決めたんだから」

希「はぁ…」ガクッ

にこ「な、なによ」

希「いや、にこっちやなぁって思って…」

にこ「?」

希「じゃぁ放課後にその子をつかまえて写真撮ればええんやね」

にこ「ん。悪いわね、厄介事頼んじゃって」

希「気にせんでええよ。にこっちとウチの仲やん」

にこ「希…」

にこ(友達って素晴らしい…)ウン

希「じゃ、さっさと教室戻ろか。エリちがなんかすごい目で見てきてるし」

にこ「絵里? ……ああ、なんか拗ねた子供みたいな目になってるわね…」

希「にこっちがおらへんからやろうね」

にこ「というより…にことあんたがそろっていないからじゃない?」

希「…どう違うん?」

にこ「だから、私だけをはみ出し者にしてーって感じ」

希「ああ、なるほど…」

にこ「なんというか…本当に子供みたいよね。絵里も」

希「エリちも?」

にこ「真姫ちゃんも子供みたいなとこあるじゃない」

希「ああ、なるほど…。…まぁそこが可愛いんやけどね」

にこ「……否定はしないけど」


―――
――


希「ごめんエリち、ウチちょっと用事があるから先部室行ってて」

絵里「あ、うん」

にこ「ごめん絵里、にこちょっと用事があるから先部室行ってて」

絵里「え、にこも?」

希「あー…にこっちもなん? 奇遇やなー」

にこ「そ、そうね!」

絵里「…?」



希「にこっちの演技下手すぎやろ……ウチとセリフまったく一緒やったやん…」ハァ

にこ「しょ、しょうがないでしょ。嘘つくのには慣れてないのよ」

希「やからって…。…エリち、疑ってへんかったらいいんやけど…」

にこ「大丈夫でしょ、多分。帰るタイミングずらせばバレないわよ、多分」

希「そのいちいち、多分言うのやめて、不安になるから…」

にこ「断定なんて出来ないんだから仕方ないじゃない」

希「それはそうやけど…」

希「…で、その例の子は誰なん?」

にこ「あーっと……あ、あの子。ちょっと呼んでくるわ」

希「ん。じゃぁ待ってる」

―――――

「本当に裏庭なんかでいいの? もっと目立つとこのほうが…」

にこ・希「目立ちたくないから」

「そう? じゃぁ早速……はい、二人とも並んで!」

にこ「えっと……こう?」テクテク

「あ、もうちょっと近づいて」

にこ「ん」ズイ

「あ、矢澤さん、東條さんと腕組んで」

にこ「ええぇ……」チラ

希「あー、うん。ええよ」

にこ「…じゃ、じゃぁ、失礼します」オズオズ

にこ(希とはあんまりこういうことしないから、ちょっと恥ずかしいわね…)

「うん、いい感じ! じゃぁ撮るね! はい、チーズ!」カシャッ

にこ(ふぅ……これで終わっ…)

「じゃぁポーズ変えてもう一枚!」

にこ「えっ」

「次は矢澤さんが東條さんに抱き付く感じで!」

にこ「ええぇ…」

希「にこっち……ファンサービス、ファンサービス」ヒソヒソ

にこ「そ、そうね…」

にこ「えっと……じゃぁ、ごめん。抱きつくわよ」

希「うん…さあ、友情!のハグや!」バッ

にこ「う、うん!」

にこ(なんで友情の部分をすごい強調したのかしら…)

にこ(とりあえず無心で、でも笑顔で…えいっ!)ギュッ

「素敵です! ありがとう!」カシャッ、カシャッ

にこ(なんでそんな何枚も…まぁいっか)

にこ(…にしても、希に抱きつくのなんてかなり久々……相変わらず嫌味なほどいい身体…っていうと変態くさいね…)

にこ(……というか、なんか落ち着く)ギュー

希「…」


―――――

にこ「疲れたわね……」グッタリ

希「せやね…」グタッ

にこ(結局あの後何十枚も写真撮られたし……いちいちポーズ変えて…)

にこ「ホントごめんね、付き合わせちゃって…」

希「いや、ええって。にしても、にこっちにも熱烈なファンがいたんやねぇ」

にこ「うん…まぁファンでいてくれてるのは嬉しいんだけど…」

にこ「……というか、希」

希「ん?」

にこ「あんたって体やわらかいわね」

希「はっ!?」グルッ

にこ「いや、そんな驚かなくても……」

希「や、やって、今、やわらかいって…」

にこ「ホントのことだし、いいじゃない。あんたにくっついてるとなんか落ち着くし。ほら、やわらかくて気持ちいいってことで、褒め言葉よ」

希「……にこっち、その発言はちょっと…変態くさい…」

にこ「お、乙女に対して変態って…」

希「と、とりあえず、さっさと部室いこ」

にこ「……なんかあんた、顔赤くない?」

希「赤くない!」

にこ「…?」

希「…って、あ、そうや。ウチら、別々に行くんやったね」

にこ「あ、そうだったわね。じゃ、にこはちょっと時間つぶしてから行くから、希先に行ってて」

希「ウチが後でもええよ?」

にこ「いや、にこは付き合ってもらった側だし」

希「んー…分かった。じゃぁまたあとでね」

にこ「うん」


にこ「さて、と……」

にこ(とりあえず一回教室に戻って、そこからゆっくり歩いていけば、適当に時間もずれるでしょ)テクテク

グイッ

にこ「!?」ビクッ

にこ(な、なに、後ろからいきなり…)クル

にこ「って、え…? >>909…?」



(希以外のメンバーの名前でお願いします)

そりゃ絵里でしょう

にこ「絵里…? なんでここに? 部室に行ったんじゃ…」

絵里「……何してたのよ、希と」

にこ「なにって…」

にこ(ああ…一緒にいるとこ見られたのかしら…)

にこ「たまたまそこで会ったから、話してただけよ」

絵里「じゃぁさっき言ってたことはなに? 別々に行くとか、付き合ってもらったとか…」

にこ「それは……」

絵里「それに……希のあんな顔、私は見たことないのに…」

にこ「あんな顔…?」

絵里「……、…ダメだから」

にこ「…なにがよ」

絵里「希とにこが…付き合うのだけは、絶対ダメ」

にこ「は!? 付き合うって……あんた、なんて誤解してんのよ…」

絵里「…誤解だって言いきれるの?」

にこ「言いきれるわよ。にこと希は友達だし、そもそも…」

にこ(そもそも、希が好きなのは絵里なんじゃないの…?)

絵里「…そもそも?」

にこ「な、なんでもない、けど…」

にこ「…それより、絵里はなんでこんなとこにいるわけ?」

絵里「…にこと希の様子がおかしかったから、ちょっと気になって…探しに来たの」

にこ(さすがにあの演技じゃごまかせなかったってわけね…)

にこ「じゃ、さっさと部室に戻りましょ」

絵里「まだ私の質問に答えてもらってないわ」

絵里「…希と何してたの?」

にこ「なにって……」



どうしますか?

>>915

1.正直に言う
2.ごまかす

2

にこ(とりあえず、写真撮ったことは黙ってたほうがいいわね)

にこ「えっと……実は、にこと希のファンだって子がいて、その子にサインを頼まれたの」

絵里「サインを?」

にこ「うん。で、今はそのサインを書いてきてあげた帰り」

絵里「…それなら別にこそこそする必要はないんじゃないの?」

にこ「だってμ’s全体のファンならともかく、個人のファンだから……みんなの前でサインするのはなんか、自慢してるみたいだなぁって…自意識過剰だろうけど」

絵里「……そう。で、部室に行く時間をずらしたのは?」

にこ「希と一緒に行くと、穂乃果あたりに問い詰められそうだなぁと…」

絵里「………そう。…それ、本当?」

にこ「うん」

にこ(こう堂々と嘘つくのはさすがに心が痛む……ごめん、絵里…)

絵里「……嘘つき」

にこ「え?」

絵里「……見てたのよ、全部。裏庭でやってたこと」

にこ「え、み、見てたって……最初から?」

絵里「ええ」

にこ「…全部?」

絵里「にこ、楽しそうだったわね。希にくっついて」

にこ「え、えっと…」

にこ(ヤバい……。散々ニブいニブいと言われ続けたにこでも、この状況がヤバいことだけはさすがに分かる…)

にこ「あ、あの、絵里…」

絵里「なあに?」ニッコリ

にこ(笑顔なのが余計に怖い…)

にこ「……ごめん。嘘ついて…」

絵里「…謝るくらいなら、最初から本当のことを言えばいいじゃない」

にこ「正論過ぎて返す言葉もないんだけど…」

絵里「……それで? どうしてあんなことになってたの?」

にこ「それは……さっき言ってたことと同じ。にこのファンの子が…写真撮りたいって言ってきたから…」

絵里「希も一緒に?」

にこ「うん」

絵里「……で、嘘をついた理由は?」

にこ「それは……」

絵里「それは?」

にこ「……怒るかなって、思ったから…」

絵里「怒るって…私が?」

にこ「うん…」

絵里「…私、別に正直に言ってくれれば怒らないけど。今までだってそうだったでしょ」

にこ(そうだっけ…?)

絵里「…だから、これからはちゃんと正直に言ってね」

にこ「あ、う、うん」

絵里「私だけには嘘ついちゃダメだからね」

にこ「う、うん」

絵里「……じゃぁ約束。はい、指切り」

にこ「え、いや、そんな子供じゃないんだから…」

絵里「いいから手、だして」

にこ「は、はい」

ウソツイタラ、ハリセンボンノーマス

にこ(…指切りするのなんていつ以来だろ…)

にこ「…というか、今更だけど、嘘ついたら針千本って結構怖いわよね」

絵里「そうね。…まぁ、嘘をつかなければ平気でしょ」

にこ「まぁそうだけど…」

絵里「じゃ、私たちもそろそろ部室に行きましょうか。あんまりみんなを待たせるのはダメだし」

にこ「うん」

にこ(…にこ、嘘ついちゃったけど、絵里思ったよりは怒ってないのかな…)チラ

絵里「?」ニコッ

にこ(……だ、大丈夫よね、多分)

今回の更新はここまでにします

お付き合いいただき、ありがとうございました

レスありがとうございます

少しになるかもしれませんが、ゆったり更新再開していきます


―――――

ガチャ

穂乃果「あ、にこちゃん、絵里ちゃん、待ってたよー」

絵里「私たちが最後だったみたいね…遅れてごめんなさい」

穂乃果「ううん、全然平気ー」

真姫「…希は先に来てたけど、二人で何か用事でもあったの?」

にこ「いや、ただ来る途中で会っただけ。それより、にこたちも早く着替えて練習に…」

穂乃果「にこちゃん、にこちゃん、その前に」チョイチョイ

にこ「ん?」

穂乃果「はい、くじ!」スッ

にこ「……あ」

にこ(そっか。こころのこと、みんなに言うの忘れてた…)

にこ「あのね、実はちょっと事情があって…」

穂乃果「ほぇ?」




にこ「…と、いうわけなの」

にこ(本当のことをそのまま言うと、今までここあに合わせて遊んでくれたみんなに悪いから、その部分はちょっとぼかして説明しちゃったけど…)

穂乃果「なるほど……つまり、最近にこちゃんの帰りが遅いから、こころちゃんたちが寂しがっちゃってて…」

ことり「そんなこころちゃんたちと一緒に遊ぶために今日は練習が終わったらすぐにお家に帰りたいと、そういうことだね」

にこ「うん、そんな感じ」

絵里「そういう事情なら仕方ないわね。じゃぁ今日は勉強会はなしにしましょう」

にこ「ありがとう。えっと、それで…」

にこ(…どうしよう。誰かを家に呼ばなきゃいけないんだけど……今このタイミングで言っていいものなのかしら…)



>>948

1.言う
2.後にする

2

にこ(んー……やっぱり後にしよう。ただでさえ、にこのせいで練習始まるの遅れちゃってるし)

絵里「じゃぁにこ、着替えてきましょうか」

にこ「うん」

―――――

にこ「……疲れた…」グッタリ

にこ(にしても、こころのこと、どうしようかな…)

にこ(ここあはちゃんと説明したらこころに合わせてくれそうだけど、問題は誰を誘うかよね…)

穂乃果「にーこちゃん、お疲れ様ーっ」テッテッテッ

にこ「…穂乃果はいつも元気そうでいいわね」

穂乃果「褒めてる?」

にこ「すごく」

穂乃果「わーいっ。あ、ねーねーにこちゃん、今日一緒に帰ろうよ。海未ちゃんとことりちゃんも一緒に!」

にこ「えっと…」

凛「にこちゃーん!」タッタッタッ

にこ「凛、どうしたの?」

凛「一緒に帰ろ! 真姫ちゃんとかよちんもにこちゃんと帰りたいって言ってたにゃー」

にこ「あ、じゃぁ穂乃果たちも一緒に…」

にこ(って、そうじゃなくて! 帰るまでに誰かを誘わないといけないんだった…!)

にこ(ど、どうしよう……どうやって誘えば……というか、誰を誘えば…?)

穂乃果「じゃぁいっそみんなで帰ろっか!」

凛「それがいいにゃ!」

ことり「すごく穂乃果ちゃんらしいね…」

海未「まぁ、昔からああいう子ですしね…」

穂乃果「ふぇ?」

真姫「…まぁ、みんなでっていうのも悪くないけどね」

花陽「うん、楽しいもんね」

希「じゃ、みんなで帰ろか。今日はいつもより早足のペースで」

絵里「そうね。こころちゃんたちも待ってるだろうし」

にこ(ああ、なんかどんどん話が帰る方向に進んでいってる……いや、当たり前なんだけど…)

にこ(ど、どうしよう……誰を誘えばいいの……)ソワソワ

にこ(……ああもう、いいわ、やけくそで、目があった人を誘おう)

にこ(えっと……)キョロキョロ



>>953
誘う相手

希「?」

にこ(あ、希……、希ならこころにも合わせてくれるかも…)

にこ「希、ちょっといい?」

希「どうかしたん?」

にこ「えっと…」

にこ(…みんながいる前で正直に言うのは、なんかまずい気がする…特に、絵里はにこたちのこと変に誤解してる感じだし)

にこ「ちょっとダンスのステップについて聞きたいことが…」

希「ウチに? それなら海未ちゃんたちのほうが…」

にこ「希に話があるの」グイ

希「…あー、うん、りょーかい。じゃぁみんな、ちょっと先行ってて」

絵里「…別に、待ってるわよ?」

にこ「いや、悪いからいいわよ。すぐ追いつくから」

穂乃果「はーい。じゃぁ絵里ちゃん、いこ」

絵里「あ、うん……じゃぁ、すぐ来てね」

にこ「うん」


ガチャ


希「で、話って? ダンスの話っていうんは嘘やろ」

にこ「ご名答。あのね、実は今日こころたちに、にこの友達と一緒に遊びたいって言われちゃって…」

希「……えっと、もしかして、それでウチを?」

にこ「うん。…なんか用事とかある?」

希「用事はないけど……ウチでええん?」

にこ「ん。色々事情があって、あんたならそういうの察してくれそうだし…」

希「んー……よう分からんけど、そういうことなら任せとき」

にこ「ホント? ありがと、助かるわ」

希「うん。…あ、でもこのことはみんなには…」

にこ「内緒、でしょ」

希「おぉ……にこっちが賢くなってる」

にこ「まぁ…にこも少しくらいは成長しないとね」

希「偉い偉い」ナデナデ

にこ(……まぁ、絵里との約束は早々に破っちゃったわけで…罪悪感半端ないけど…)

希「よし、じゃぁみんなのとこ戻ろか」

にこ「うん……って、あ、希はどのタイミングでうちに来る? さすがに一緒に行くわけにはいかないだろうし…」

希「あー……とりあえずいつものところで別れて、しばらくしたらにこっちの家行くわ」

にこ「ん、了解。じゃ、行きましょうか」

希「はーい」

―――――

穂乃果「それでね、そのとき海未ちゃんが言ったんだけど、」

にこ(さっきから穂乃果が延々、海未とことりのことについて話してくるんだけど……やっぱり昼休みのことが原因なのかしら…)

凛「あ、それを言うなら真姫ちゃんだって、」

にこ(そして凛は真姫ちゃんと花陽の話ばっかりしてくるし……しかも両側から話しかけてくるから、頭の中で海未とことりと真姫ちゃんと花陽がグルグルして変な気分になってきた…)

海未「穂乃果、凛、それくらいにしておかないと、にこが困惑してますよ」

穂乃果「え? あ…ごめん。一気に話しすぎたかな…?」

にこ「まぁちょっとね…」

凛「ごめんね、にこちゃん…」シュン

にこ「いや、平気平気」

穂乃果「じゃぁ話はやめて、手繋いで帰ろっか!」

にこ「なんでそうなるのよ…」

穂乃果「いいじゃんいいじゃん! はい、ぎゅーっ」ギュッ

にこ「まぁいいけどさ…」

凛「あ、じゃぁ凛もー!」ギュッ

にこ(両手ふさがるとさすがに歩きにくい…)

海未「……」

ことり「……」

真姫「……」

絵里「……」

にこ(な、なんか、背中にすごい視線が突き刺さってる気がするけど……穂乃果と凛は気づいてないのかしら…)チラ

穂乃果「今日の夕飯なにかなー」

凛「ラーメンだったらいいなー」

にこ(全然気づいてなさそう…)

にこ(にこですら気づいてんのに……逆にすごい気がしてきたわ)

にこ(って、感心してる場合じゃないわね。見られっぱなしなのは落ち着かないし…)

にこ「穂乃果、凛、歩きにくいから手は離して」

穂乃果「えー……あ、じゃぁ腕を組…

にこ「組むわけないでしょ。余計歩きにくいわよ。というか、にこはもう後ろに下がるから、適当に二人で話してなさい」

凛「えぇー……まぁ仕方ないか…。じゃぁ穂乃果ちゃん、今日の夕飯の話でもしよっか!」

穂乃果「そうだねー。あ、ことりちゃんも一緒にどう?」

ことり「へ? あ、うん。じゃぁ遠慮なく…」テクテク

凛「ならかよちんも一緒に話そー」

花陽「え? う、うん」テッテッテッ

にこ(助かった…)ホッ

絵里「…にこ、手が空いたなら私と繋がない?」

にこ「え」

真姫「わ、私が繋いであげてもいいけど…」

にこ「あ、いや……」

にこ(全然助かってなかった…)


希「…にこっち、そのうちストレスで入院しそうやなぁ…」

海未「そ、そうですね…」

中途半端ですが今回の更新はここで止めます

多分次の更新で次スレに移ると思いますが……いい加減続きすぎな気がしてきたので、キリがいいところでオチをつけられたらと思います

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました

レスありがとうございます

ご指摘がありましたが、情けないことにまたもさっぱりとイベントを忘れてました
マフィンの件は後々書いていきますが、後付けなので後付け感がすごいことになると思います、ご了承いただけると助かります

では、ゆったりと再開していきます

希「…あ、そうや。海未ちゃん、ちょっとええ?」チョイチョイ

海未「? なんですか?」

希「あんな、ちょっと話があるんやけど…」


にこ(…なんか希が海未に耳打ちしてるけど…どうかしたのかしら)

にこ(希が海未に用事……ダメだ、思いつかない)

真姫「ちょっとにこちゃん、どこ見てるの?」

にこ「え? あ、ごめん。ボーッとしてた」

絵里「そろそろ決めてくれないかしら。私と真姫、どちらと手を繋ぐか」

にこ「いや、だからどっちとも繋がないってば…」

再開したばかりでなんですが、レス数が危ないので次スレ建てます
建てたら改めて報告します

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