ミカサ「私はエレンのことが嫌い」(153)
アルミン「 」
エレン「ミ、ミカサ? いきなりどうした?」
ミカサ「嫌い。すごく、嫌い」
エレン「お・・・おう・・・?」
ミカサ「それじゃ、そういうことだから」スタスタ
エレン「おい! ミカサ!?」
ザワザワ… ナニナニ チワゲンカカ? コレハチャンスジャン…
アルミン「 」
エレン「・・・なんだよアイツ・・・なぁアルミン?」
アルミン(ミサカが何を考えているのかはわからないけど・・・)
アルミン(悩みの種が増えたのは間違いない)キリキリキリキリ
直接的なネタバレはないはずですが
単行本読んでないとわからないネタとかはありますので、一応注意
ミカサ(エレン・・・ごめんなさい・・・)
ミカサ(でもこれも全て私たちの輝かしい未来のため・・・)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~昨日の夜・女子寮~
サシャ「エレンの」
アニ「気を」
クリスタ「引きたい?」
ミカサ「」コクリ
ユミル「・・・ブッ! ダハハハハ! お前が私達に恋の相談!?こりゃぶったまげたなぁオイ!」バンバン
クリスタ「ちょっとユミル! ミカサが真面目に相談してくれてるのに、笑うなんてひどいよ!」
ミカサ「・・・私は、エレンのそばにいられるだけでいい」
ミカサ「でも・・・エレンにも少しは私のことを気にしてほしい」
サシャ「いやぁ、あのミカサも一人の女の子なんですね。少し安心しました」
クリスタ「うん、ミカサも安心して! 私達でいいなら協力するよ!」
ミカサ「ありがとう・・・///」
アニ「でも・・・協力、って言ってもね・・・」
ユミル「このおぼこ共じゃなぁ」
サシャ「? おぼこってどういう意味ですか?」
ユミル「お前みたいな奴のことだよ」
サシャ「???」
ミカサ「どんなことでもいい。とにかくなにか案が欲しい」
クリスタ「う~ん・・・男の子の気の引き方かぁ・・・」
アニ「悪いけど、私は力になれそうにもないね」
サシャ「贈り物をするってのはどうですか? 肉とか魚とか」
アニ「・・・それで懐柔されるのはアンタぐらいだよ」
サシャ「!? 今私を遠回しに馬鹿にしませんでしたかアニ!?」
ユミル「いや全然遠回しじゃねぇし・・・」
クリスタ「やっぱり、今以上にアピールするしかないんじゃ・・・」
ミカサ「・・・」シュン
ユミル「・・・いや、違うな。ミカサ、お前はエレンにベタベタしすぎなんだよ」
ユミル「朝から晩までエレンと一緒じゃねーか。つまりだな、こいつみたいになってみればいい」ビシッ
アニ「・・・?」
ミカサ「アニみたいに?」
ユミル「ああ。『押してダメなら引いてみろ』ってわけだ。少しエレンと距離を置いてみろ」
ミカサ「!? でも、それは・・・」
アニ「・・・それって私が無愛想って言いたいの?」
サシャ「事実じゃないですか」
アニ「・・・」イラッ
ゲシッ アニ!? ケラナイデクダサイヨ!? ゲシッゲシッ
イタイデスッテ! ゲシッゲシッ チョ、ヤメ…ヤメンカイ!!
アニ「まったく、傷つくよ」
サシャ「私も(物理的に)傷つきましたよ・・・」
ミカサ「・・・ユミルもクリスタとベタベタしてる」
ユミル「私とクリスタは両想いだからいいんだよ! なぁクリスタ?」ガシッ
クリスタ「ちょ、ちょっとユミル///」
ミカサ「でも・・・私とエレンは家族で・・・」
ユミル「だからその家族ってのがダメなんだよ! ミカサ、お前はこのままエレンの『家族』のままでいるつもりか?」
ユミル「それ以上の関係になりたいから私達に相談したんじゃないのか?」
ミカサ「!」
クリスタ「・・・私もユミルの言ってることは正しいと思う」
クリスタ「きっと、ミカサとエレンに必要なのは『変化』なんだよ!」
アニ「あの死に急ぎ野郎は二言目には巨人、だからね」
ミカサ「・・・わかった。エレンと距離を置く」ギリリ…
クリスタ(ご飯抜きって言われたサシャみたいな顔してる・・・)
ミカサ「でも具体的にどうすればいい?」
ユミル「とりあえずエレンと一緒に行動するのはやめるんだな」
サシャ「! ご飯の時、ミカサっていつもエレンたちと一緒ですよね? まずそれをやめることから始めてみたらどうですか!?」
ユミル「お、サシャにしてはいい案だ」
サシャ(ふふふ・・・ミカサのことやから、エレンと離れ離れになれば食欲がなくなるはずやし!)
サシャ(そうなれば、私がミカサのパンを・・・!)ジュル
アニ(・・・とでも)
クリスタ(考えてるんだろうね・・・)
ミカサ「・・・エレンとの朝食は一日の始まり。私の原動力」
ミカサ「エレンとの夕食は一日の疲れを癒すオアシス」
ミカサ「それがなくなるなんて・・・耐えられない」ギリリ
サシャ「ミカサ・・・」チッ
ユミル「・・・あのなぁミカサ。お前がモタモタしてるうちにエレンを他の女に取られてもいいのか?」
ミカサ「!? それは嫌!・・・かもしれない」
ユミル「あいつはお前が思っている以上に女子に人気があるぞ? 成績上位組だしな」
アニ「訓練にもひたむきだし、そういうところがいいって奴もいるかもね」
クリスタ「確かに・・・真面目だし、誠実そうだもんね」
ミカサ「アニ、クリスタ・・・あなた達もしかしてエレンのことを」
クリスタ「えっ!? ち、違うよ! エレンのことは同じ訓練兵として尊敬してるけど、そういう感情じゃ・・・」
ユミル「クリスタは私の嫁だからな」マガオ
アニ「私も違う。興味ない」
ミカサ「・・・興味ないってどういうこと?」ゴゴゴ
クリスタ(そこにも怒るの!?)
アニ(めんどくさい・・・)
ユミル「私が見た感じじゃ、エレンも家族以上の感情をお前に持っちゃいないだろうな」
ミカサ「・・・」シュン
ユミル「だが親愛の情がある分、ほかの女子共より一歩リードしているのは間違いない」
ユミル「そして、情ってやつはちょっとしたきっかけで恋心に変わるもんだ」
サシャ「なんだかユミルが言うと真に迫るものがありますね」
ユミル「今を変えるのは戦う覚悟だ、ミカサ」
ミカサ「! 戦わなければ勝てない・・・」
ユミル「戦え、ミカサ・・・その手にエレンを掴んでみせろ!」
ミカサ「私は戦う・・・! 必ずエレンを手に入れてみせる!」
ユミル「そうだよく言った!」
アニ(ああ・・・これユミル・・・)
クリスタ(完全に楽しんでるね・・・)
サシャ「それじゃ、明日の朝食時から実行ですか!?」ワクワク
ミカサ「・・・心の準備がしたい。夕食の時では駄目?」
ユミル「まぁいいんじゃねえか?」
サシャ「あ・・・そっすか・・」
~朝・食堂~
エレン「んで、その時コニーがさ・・・」
アルミン「あはは・・・」
ミカサ「おはよう」
エレン「ん? ミカサ今日は遅かったな」
アルミン「おはようミカサ」
ミカサ「・・・」
アルミン「ミカサ、どうかした? 元気が無いみたいだけど・・・」
ミカサ「あまり、眠れなかった」
エレン「お前でもそんなことあんのか」ハハハ
アルミン「・・・」
エレン「とっとと飯食おうぜ、遅れると教官にドヤされる」
ミカサ「エレン・・・今日の対人格闘術、私と組もう」
エレン「は? 嫌だよお前超強いし」
ミカサ「 」
エレン「それに今日は・・・」
エート… エレンハ…
ミーナ「・・・あ、エレン! 昨日の約束だけど」
エレン「おう、ちゃんとわかってるって」
ミーナ「それなら良・・・ヒッ!?」
ミカサ「・・・・・・・・・・・・・・」ゴゴゴゴゴゴ
アルミン「エ、エレン! ミーナとの約束って?」
エレン「今日の格闘術はミーナと組むんだ。同じ班だし、得意な科目はお互いに教え合おうって事になってな」
ミーナ「そうなの。ま、まぁ私がエレンに教えてあげられる事なんて、な、何もないと思うけど・・・」ブルブル
ミカサ「・・・・・・・・・・・・・・」ゴゴゴゴゴゴ
エレン「そんなことねぇって。お前との訓練、楽しみにしてるぜ?」ニッ
ミーナ「う、うん・・・」ブルブル
ミカサ「・・・・・・・・・メスブタ・・・」ボソッ
ミーナ(ひいいいいいいいいぃぃぃ!!!)グスッ
エレン「って訳だからミカサ、今日はお前と組めない。悪いな」
ミカサ「わかった・・・」
ミーナ「そ、それじゃ!」ダダッ
エレン「朝から忙しいやつだな」
アルミン(本当にエレンは・・・自覚がないだけ余計たちが悪いよ)
ミカサ「・・・」
(ユミル『エレンを他の女に取られてもいいのか?』)
ミカサ(やはり・・・戦わなくてはいけないのか・・・)
エレン「今日のスープもうっすいな」ズズ
アルミン「僕はもう味がわからないや・・・」
エレン「そこまでじゃないだろ」ハハハ
今日はここまで
ゆっくりめの更新ペースになると思います・・・
~格闘訓練~
ライナー「お手柔らかに頼むぞミカサ」
ミカサ「・・・わかった」
ライナー「まずは俺が暴漢役だな」
ミカサ「・・・」
キャッ ドサッ イテテ
エレン「ミーナ、大丈夫か?」
ミーナ「うん・・・」
エレン「良くなってきてる。筋はいいみたいだな」
ミーナ「本当!?」
エレン「ああ。それじゃ、もう一回だ」
ミカサ「・・・」ジ-
ライナー(訓練中によそ見とは随分余裕だなミカサ・・・)
ライナー「・・・フッ!」ブォン
ミカサ「・・・」ガッ
ライナー(防がれた!?)
エレン「怖がりすぎだミーナ、もっと俺に体を預けてみろ」
ミーナ「えっ・・・う、うん」
ライナー「クソッ!」ヒュッ
ミカサ「・・・」ガシッ
ライナー「ぐっ・・・」
ミカサ「・・・」ギリギリギリ
ライナー「こ、降参だ、ミカサ・・・ミカサ?」
エレン「うおっ・・・今のは惜しかったな、ミーナ。やっぱ飲み込み早いよお前」ニッ
ミーナ「・・・えへへ///」
ミカサ「・・・」ギリギリギリ
ライナー「ちょ・・・ミカ・・・し、締まっ・・・」
ミカサ「・・・」ギリギリギリ
教官「訓練やめ! 集合!」
ミカサ「・・・」パッ
ライナー「 」ドサッ
ミカサ「・・・」スタスタ
ベルトルト「ライナー、集合だってさ・・・ライナー?」ユサユサ
ライナー「 」
ベルトルト「し、死んでる」
~夜・食堂~
エレン「はぁ・・・今日も疲れたな・・・」
アルミン「そうだね・・・明日は兵站行進だからもっと辛いよ」
エレン「飯食ったら早めに寝るか」ゴトッ
ミカサ「・・・」
エレン「どうしたミカサ? 早く座れよ」
ミカサ「・・・私はエレンのことが嫌い」
アルミン「 」
エレン「ミ、ミカサ? いきなりどうした?」
ミカサ「嫌い。すごく、嫌い」
ミカサ「それじゃ、そういうことだから」スタスタ
エレン「おい! ミカサ!?」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~男子寮~
エレン「・・・っていうことがあったんだが」
ベルトルト「ミカサがエレンのことを嫌い、か」
ライナー「実際に見てなきゃ俄には信じられん話だが・・・」
アルミン「あの後、結構騒ぎになったからね・・・」
ジャン「ハッ! エレンお坊ちゃんはとうとうミカサママに愛想つかされたみてぇだなぁ?」
エレン「あ? うるせーよ馬人面」
ジャン「はぁ!? 馬人面ってなんだよ!? 悪人面と馬面が混ざって馬人間みたいになってるじゃねえか!」ガシッ
エレン「おい! 襟を掴むんじゃねぇよ!」
ジャン「そもそも俺は悪人面でも無けりゃ馬面でもねえ!」ググ
エレン「他のどこ掴んでもいいけど襟だけは掴むなって!」グググ
アルミン「二人とも落ち着いて! あまり騒ぐと教官が来る」
アルミン「明日の兵站行進・・・荷物を増やされるよ?」
ジャン「・・・チッ」パッ
エレン「襟、伸びちゃったじゃねえか」
ベルトルト「その・・・エレンには心当たりとか無いの?」
エレン「心当たり?」
アルミン「ミカサがエレンを嫌いって言うだなんて、相当な理由があるはずだよ」
エレン「う~ん心当たり・・・心当たりか・・・」
アルライベルジャン「・・・・・・」
エレン「ねぇな」キッパリ
ライナー(だろうな・・・)
アルミン(ここで気が付くような人間なら、そもそもこんなことになってないだろうしね・・・)
ジャン「やっぱお前がいつまでもガキだから愛想つかされたんじゃねえの?」ゲラゲラ
エレン「チッ・・・言ってろよジャン」
ベルトルト「そういえば今日、格闘訓練でライナーがミカサに殺されかけてたね」
ライナー「あ、ああ・・・ミカサ、荒れてたな」
エレン「そうなのか?」
ライナー「故郷の風景が見えた・・・マジで」
エレン「! そういや今日の朝、ミカサに格闘術組まないかって誘われたな」
ベルトルト「それで断ったの?」
エレン「他の奴と約束しててな」
エレン「なんだよアイツ・・・そんなことで怒ってたのか?」
ライナー「もうあんなミカサと組まされるのは御免だぞ」
エレン「仕方ねえ、次の格闘訓練の時はミカサと組むか」
アルミン「・・・」ウーン
ジャン「なんだ、もう解決か? つまんねえな、チャンスだと思ったのによ」
アルミン(その程度のことでミカサがエレンに怒るとは思えないけど)ウーン
エレン「明日も早いし、もう寝ようぜ」
ベルトルト「そうだね・・・おやすみ」
アルミン(そもそもあの時のミカサは、怒っているというより思い詰めている様に見えた・・・)ウーン
アルミン「・・・! そうか、多分・・・」
エレン「? どうしたアルミン」
アルミン「い、いや・・・なんでもないよ、エレン。おやすみ」
今日はここまでです
~女子寮~
サシャ「ハァ・・・ハァ・・・ひどい目にあいました・・・」
ガチャ
クリスタ「サシャ! 今までどこに居たの?」
サシャ「いやぁ・・・格闘訓練でコニーとふざけすぎまして・・・」
サシャ「ずっと外を走らされてました」アハハ
ユミル「3年前から変わらねえなお前は・・・」
ミカサ「・・・・・・」ブルブル
サシャ「・・・あれ、ミカサですよね? どうしたんですか布団にくるまったりなんかして」
アニ「食堂から帰ってきてずっとこの調子なのさ」ハァ
サシャ「食堂? ・・・あぁ、あれを実行したんですか! どうなったんです?」
クリスタ「実は・・・」
サシャ「それは・・・思い切ったことをしましたねミカサ」
ミカサ「・・・」ブルブル
ユミル「対巨人の術より対人間のコミュニケーション方法を学ぶべきだな、こいつは」ハァ
アニ「いきなり『お前が嫌い』だなんて・・・不器用にも程があるよ」
ミカサ「・・・エレンに嫌われてしまったかもしれない」ブルブル
ミカサ「グスッ・・・酷いことを言ってしまった・・・」ブルブル
ミカサ「エレンもきっと・・・ヒック・・・眠れないぐらい傷ついてる」
アニ(それはどうだろう)
サシャ「げ、元気だしてくださいよミカサ! きっとエレンも全然気にしてませんから」
クリスタ「サシャ、その慰め方は本末転倒だよ・・・」
ミカサ「~~~~!!」ガバッ ダッ
ユミル「おい! どこ行くつもりだミカサ!?」ガシッ
ミカサ「離して! エレンに・・・エレンに謝りに行く!」グググ
サシャ「この時間に外出、それも男子寮はやばいですよ! 独房行きになりますよあなた!?」ガシッ
アニ(しょっちゅう食料庫に忍び込んでるアンタがそれを言うのか・・・)
ユミル「耐えろミカサ・・・戦いには待つことも必要だ」
ミカサ「でも・・・エレンが・・・」グスグス
ユミル「あの鈍感巨人バカには、あれぐらい言ったほうが丁度いいんだよ」
クリスタ「うん・・・これでエレンもミカサを意識するはずだよ!」
ミカサ「本当・・・?」グスグス
アニ「少なからず驚いてはいたね」
サシャ「今ここを我慢すればエレンとのバラ色の未来が待ってますよ! きっと!」
ミカサ「わかった、我慢する・・・」グス
ユミル「だが、長期戦は覚悟しておいたほうがいいかもな」
ミカサ「・・・・・・」
ミカサ「・・・・・・」ギリ…
ミカサ「・・・三日ぐらいならなんとか・・・」ギリリリ…
アニ(・・・何が三日?)
クリスタ(三日経つとどうなるんだろう・・・)
ユミル「よし、もう寝るか」
サシャ「ちょっとユミル! 何か作戦があるんですか? ミカサとエレンをくっつける・・・」ヒソヒソ
ユミル「ねぇけど・・・今は成り行きに任せるしかねえだろ」ヒソヒソ
アニ(やれやれ・・・)ハァ
ミカサ「エレン・・・」グスッ
~朝・食堂~
ワイワイ ガヤガヤ ジャンジャン マルマル
エレン「・・・ミカサは?」
アルミン「あそこで、クリスタ達と食べてるね」
エレン「そうか、行ってくる」
ベルトルト(人事だけど、なんだか・・・)ドキドキ
ライナー(緊張してしまうな)ドキドキ
アルミン「・・・・・・」
ユミル「ミカサ、いいな? あいつが話しかけてきても・・・」
ミカサ「わかってる。我慢する」
サシャ「その・・・パン、食べないなら私が貰っても・・・?」
ミカサ「」スッ
サシャ「!」パアァァ
ミカサ「」パクッ
サシャ「 」
ミカサ「・・・半分、あげる」サクッ
サシャ「!! ミカサァァァ! ありがとうございます!」パクッ
サシャ「必ず・・・モグモグ・・・エレンと・・ゴクッ・・・くっつけてみせます!」
ユミル「おい! 声がでけぇんだよ芋女!」
サシャ「す、すいませn エレン「あー、ちょっといいか?」
ユミクリミカサシャ「!!!」ビクッ
クリスタ(き、聞こえてなかったよね?)
ユミル(多分な・・・)
エレン「ミカサ。その・・・悪かったよ。お前の気持ちに気付いてやれなくて」
ユミル(・・・お? こいつは・・・)
ミカサ「」ドキドキ
クリスタ「」ドキドキ
エレン「そんなに俺と格闘訓練がやりたかったなんてな・・・」
ミカサ「 」
クリスタ「 」
サシャ(どんな勘違いや・・・)モグモグ
ユミル(んなこったろうと思ったよ)
アニ「・・・・・・」
エレン「次の格闘訓練の時は、一緒に組もうぜ」
ミカサ「・・・・・・」
エレン「だからその・・・機嫌直せよ、な?」
ミカサ「・・・・・・」
エレン「ミカサ?」
ミカサ「サシャ、行こう」ガタッ グイッ
サシャ「ふえっ!? ちょ、まだ食べてるとちゅ・・・」
エレン「お、おい! ミカサ!?」
ユミル「・・・私達も行くか、クリスタ」ガタッ
クリスタ「うん」
エレン「なんだよ・・・なんか俺悪いこと言ったか?」
クリスタ「・・・・・・」ジー
エレン「・・・?」
クリスタ「ふん!」プイッ
エレン「!?」
アニ「はぁ・・・アンタは学ぶべきだね。女の子との話し方を」スタスタ
エレン「なんだそりゃ・・・」
ガヤガヤ オイオイ ミタカアレ? ザワザワ
ジャン「エレーン。またミカサに振られたみたいじゃねぇの」ニヤニヤ
マルコ「ちょっと、やめなよジャン」
エレン「・・・お前には関係ねぇだろ」
ジャン「関係ないことも無いかもしれないぜ?」ニヤニヤ
エレン「あ? どういうことだよ」
ジャン「ミカサのあの態度・・・ありゃ、好きな男ができたに違いねぇ」
エレン「!? ミカサに限ってそんなこと・・・」
ジャン「無い、と言い切れるか? これならお前から離れようとしてるのも納得だ」
ジャン「いつも一緒にいちゃ、死に急ぎ野郎が好きだなんてその男に勘違いされちまうからな!」
ザワザワ マタハジマッタカ… ジャンエレ?
コニー「・・・んで、そのミカサの好きな男ってのは?」
ジャン「そりゃもちろん俺──」
ライナー「無いな」
マルコ「無いね」
ジャン「マルコお前どっちの味方なんだよ!?」
マルコ「いや・・・客観的に考えて、ね・・・」
エレン「アホらしい・・・んなわけねぇだろ・・・なぁ、アルミン?」
アルミン「・・・・・・」
エレン「アルミン?」
ライナー「・・・ひょっとしたらミカサは『アレ』なんじゃないか?」
コニー「アレ? アレってなんだよ?」
ライナー「アニも時折、普段以上に機嫌が悪くなる時があってな・・・」
ライナー「昔聞いたんだが、女はそういう物らしい・・・まぁ、言っちまえば生r」ポンポン
ライナー「ん? 誰d アニ「私がなんだって?」
ベルトルト(ライナー・・・! どうして君はいつもそう間が悪いんだ・・・!)ブルブル
ライナー「・・・いや、その・・・せい・・・性格に裏表のない素敵な奴だという話を・・・な」
アニ「・・・・・・」
ベルトルト「・・・・・・」
アニ「・・・そう」
ライナー(許されたか!?)
アニ「次の格闘訓練楽しみにしてな」ボソッ
ライナー「 」
コニー「おい! 結局アレってなんなんだよ! ・・・エレン、知ってるか?」
エレン「いや、知らねぇ・・・」
アニ(はぁ・・・)スタスタ
アルミン「アニ! ・・・ちょっと、いい?」ヒソヒソ
アニ「・・・何?」ピタッ
アルミン「今日の夕食後、話したいことがあるんだ。二人きりで」ヒソヒソ
アニ(・・・・・・)
アニ「なんだか知らないけど・・・いいよ」
アルミン「ありがとう。それじゃ夕食後、兵舎の裏でいいかな?」ヒソヒソ
アニ「・・・わかった」
エレン「アルミン! そろそろ行こうぜ」
アルミン「うん! ・・・じゃあ、また」スタスタ
アニ(・・・まさか、ね)
エレン「アニと何話してたんだ?」
アルミン「・・・これからのことをね」
エレン「?」
~兵站行進~
ザッ ザッ ザッ…
エレン「ハッ・・・ハッ・・・ハァッ・・・」タッタッタッ
(ミカサ『私はエレンが嫌い』)
エレン「ハッ・・・ハッ・・・」タッタッタッ
エレン(・・・わかんねぇ・・・)
(ミカサ『すごく、嫌い』)
エレン「ハッ・・・ハッ・・・!」タッタッタッ
教官「どうしたイェーガー! 遅れているぞ! そのまま開拓地に歩いて行くか!?」
エレン「・・・クソッ・・・!」ダッ
エレン(なんでだよ・・・わかんねぇよ・・・ミカサ・・・)
~夜・食堂~
サシャ「さ~て、ご飯ですよ! ご飯!」
ユミル「元気だな、芋女・・・」
サシャ「走らされるのには慣れっこですからねぇ」フーッ
ユミル「ドヤ顔で言うことじゃねえよ」
ミカサ「・・・・・・」スーハースーハー
クリスタ「その・・・顔が見えないけど・・・マフラーを顔に巻いてるの、ミカサだよね?」
ミカサ「・・・・・・」スーハースーハー
サシャ「なんでも、少しでも『エレンを感じる物』を嗅いでいないと自我が保てないそうです」
ユミル(なんだそりゃ・・・こえぇ・・・)
ミカサ「・・・・・・」スーハースーハー
ユミル(正直コイツのエレン愛を舐めていた・・・)
ユミル(・・・距離を置けだなんて、悪いこと言っちまったな)
ユミル(もう、エレンに明かして、謝って・・・終わりでいいんじゃねえか・・・?)
ユミル(まさか私に良心みてぇなもんが残ってるとは思わなかったぜ・・・)キリキリキリキリ
ユミル「なぁ、ミカ──」
エレン「ミカサ!」
ミカサ「・・・・・・」ビクッ
エレン「・・・俺が悪かった! なんでお前が怒ってるのか、俺は馬鹿だからわかんねぇけど」
エレン「いい加減、許してくれないか?」
ミカサ「・・・・・・」
エレン「ミカサ・・・?」
エレン(なんでマフラーを顔に巻いてるんだ・・・?)
エレン(・・・俺の顔も見たくないってことか?)
エレン「何か言ってくれねえと、わかんねぇよミカサ!」ダン
ミカサ「・・・・・・」
エレン(・・・完全無視かよ・・・!)ギリッ
エレン「──わかった」
ミカサ「・・・・・・」
エレン「もう、いい・・・」スタスタ
ライナー「お、おいアルミンいいのかあのままで」ヒソヒソ
ベルトルト「すごい修羅場になってるよ!?」ヒソヒソ
アルミン「今は・・・見守るしか無いよ・・・」
アルミン(自覚させないといけないんだ・・・エレンには)
サシャ(えらいことに・・・)ダラダラ
ユミル(これはさすがにまずいな・・・)ダラダラ
クリスタ「・・・どうしよう。大変な・・・ことにっ・・・」グスッ
サシャ「・・・ミカサ、よく我慢出来ましたね・・・ミカサ?」
ミカサ「・・・・・・」
サシャ「ちょ、ちょっと失礼しますよ・・・?」マフラーハラリ
ミカサ「 」
サシャ「し、死んでる」
アニ「・・・・・・」チラ
アルミン「・・・・・・」コクリ
~兵舎裏~
アニ「・・・それで、話って?」
アルミン「うん。エレンと、ミカサのことなんだけど──」
アニ(まぁ、そうだろうね・・・)ハァ
アニ(・・・? 何でガッカリしてるの? 私は・・・)
アルミン「それで──アニ、聞いてる?」
アニ「・・・ああ、聞いてるよ。エレンとミカサ・・・喧嘩してるみたいだね」
アルミン「これは僕の推測だけど・・・あれは、アニたちがミカサに入れ知恵をしたんだろ?」
アニ「!」
アルミン「ミカサが、自分からあんなことをエレンに言うはずがないからね・・・」ハハ…
アニ(・・・アルミンなら、気が付いて当然か・・・)
アニ「・・・怒ってるの? 私らがミカサにあんなことをさせたこと」
アルミン「・・・そうじゃないよ。ここからが本題なんだけど・・・」
アルミン「僕は、アニ達に協力したい」
アニ「・・・? それをなぜ私に?」
アニ「直接ミカサに言えばいいじゃない。協力する、って」
アルミン「・・・さっきアニは僕に、怒ってるかって聞いたけど」
アルミン「実のところは・・・嫉妬、してるんだ」
アルミン「ミカサが僕にじゃなく、アニ達に相談したことに」ハハ…
アニ「・・・・・・」
アルミン「でもそれはきっといいことなんだ」
アルミン「・・・そういうことを相談できる仲間が、ミカサにも出来たってことだから」
アルミン「だから僕は、『アルミン』としてミカサに協力できない」
アルミン「これは本当に勝手なお願いなんだけど・・・」
アルミン「僕の作戦を、アニが考えた作戦としてミカサ達に伝えてほしい」
アニ「・・・ひとつ聞いてもいい? なぜ私がミカサ側だと思ったの?」
アニ「私は特別ミカサと親しいわけでもないし、食事の席は別々だったでしょ?」
アルミン「・・・うん。まず、クリスタたちがミカサに協力してることはすぐにわかった」
アルミン「でも・・・」クスッ
アニ「・・・?」
アルミン「アニは、優しい人なんだね。自分じゃ気が付いて無かったのかもしれないけど」
アルミン「食事中、アニがずっとミカサたちのことを気にしていたのが丸わかりだったからさ」
アニ「・・・・・・!」
アニ「・・・目ざといね、アンタ。嫌いだよ、そういう所・・・」
アルミン「ご、ごめん」ハハ…
アニ「・・・もう一つ。それで、なぜその作戦をあえて私に?」
アニ「クリスタ達に頼めばいいじゃないか」
アルミン「それは・・・僕もうまく説明できないんだけど」
アルミン「アニが一番信用できる、と思ったからかな・・・」
アニ「・・・そう」
アニ(信用、か・・・滑稽な言葉だね)
アニ(私はもう・・・既にアンタ達を・・・)
アニ(・・・・・・)
アニ「・・・・・・いいよ。その作戦・・・乗った」
続きはまた、明日・・・
~女子寮~
アニ「・・・・・・」ハァ
ガチャ ギィ
サシャ「あぁアニ! 大変なんです、ミカサがかなり狼狽してしまって・・・」
ミカサ「・・・・カルラおばさんに・・・合わせる、顔がない・・・」ブルブル
クリスタ「やっぱり私、エレンに事情を話すべきだと思う」
ユミル「そう・・・だよな、やっぱ」
アニ「そのことなんだけど・・・私に作戦があるんだ」
ユミル「作戦?」
アニ「明日の休日を使ってね。みんなにも協力して貰いたいんだけど・・・」
クリスタ「も、もちろん! なんでもするよ!」
ユミル「まぁ、こんなことになったのは私らのせいでもあるしな・・・」
サシャ「私にはミカサにパンを貰った恩義があります!」
ユミル「んで、その作戦ってのは?」
アニ「いや・・・その・・・」
サシャ「?」
アニ「・・・・・・名付けて、『やっぱり俺、ミカサがいないと駄目なんだ 嫉妬の炎で恋心を自覚させちゃえ作戦』」
ユミル「 」
クリスタ「 」
サシャ「 」
アニ「・・・って、言うんだけど///」カァァ
ユミル「それ・・・プッ・・・お前が・・・ククッ・・・考えた、のか・・・?」プルプル
サシャ「ユミル・・・わ、笑うなんて酷いですよ」プルプル
アニ(呪うよアルミン・・・///)ハァ
クリスタ「なんだか、素敵な作戦名だね///」ポー
ミカサ「・・・・・・アニ」フラリ
ユミクリアニサシャ「!!!」ビクッ
ユミル(さすがに怒らせたか・・・?)
ミカサ「その作戦の概要を教えて。完璧に遂行してみせる」キリッ
サシャ「元気になりましたね」
~男子寮~
ライナー「・・・アルミン! どこ行ってたんだ?」
アルミン「なんでもないよ・・・ちょっとした用事があって」
ベルトルト「エレンに声をかけてあげてくれないか・・・ずっと、あの調子なんだ」
エレン「・・・・・・」ボーッ
アルミン「あれは・・・相当重症みたいだね・・・」
マルコ「ジャンですら、からかうのを止めたぐらいだから・・・」
ジャン「・・・・・・」チッ
アルミン「うん・・・僕が声をかけてみるよ」
アルミン「エレン・・・大丈夫かい?」
エレン「・・・ん? ・・・あぁ、アルミンか・・・」
エレン「なぁ、アルミンは・・・ミカサがなんで俺に怒ってるかわかるか?」
アルミン「ごめん、わからない」
アルミン(そもそも、怒ってないからね・・・)
エレン「そうか・・・アルミンにわからないんじゃ、俺にわかるわけねぇよな・・・」
アルミン「・・・問題は、ミカサが何に怒っているかじゃないと思うよ」
エレン「・・・?」
アルミン「ミカサに『嫌い』って言われて、エレンはどう思ったの?」
アルミン「それが、答えになるんじゃないかな」
エレン「俺が・・・どう思ったか・・・?」
アルミン「うん。僕はもう寝るね・・・おやすみ、エレン」
エレン「・・・あぁ、おやすみ・・・」
ベルトルト「・・・・・・」スースー
ライナー「・・・・・・」グーグー
アルミン「・・・・・・」スヤスヤ
エレン「・・・・・・」
(ミカサ『私はエレンが嫌い』)
エレン(どう思ったかだって・・・?)
エレン(そんなの、ムカついたに決まってるじゃねぇか・・・!)
エレン(・・・いきなり、嫌いだなんて・・・)
エレン(俺らは・・・家族じゃ無かったのかよ・・・!)
エレン「・・・・・・・・・」ジワッ
エレン(!? 何・・・泣いてんだ俺はっ・・・!)ゴシゴシ
エレン(もうすぐ訓練兵を卒業するってのに・・・これじゃジャンの言う通り、ガキみたいじゃねえか・・・!)
(ジャン『ありゃ、好きな男ができたに違いねぇ』)
エレン(・・・もしかして、本当にそうなのか? ミカサ・・・)
エレン(だとしたら俺は・・・どうするべきなんだ・・・?)
エレン(・・・くそ・・・考えがまとまらねぇ・・・)
エレン(もう、寝よう・・・)
──────────────────
─────────
────
エレン『やるよ、これ』グルグル
エレン『あったかいだろ?』
ミカサ『・・・あったかい・・・』
エレン『ほら、帰ろうぜ』
エレン『俺達の家に』
ミカサ『・・・うん』
ミカサ『帰る・・・』
────
─────────
──────────────────
~休日~
エレン(・・・暇だ)
エレン(アルミンは用事があるって言ってどっか行っちまったし・・・)
エレン(・・・一人で休日を過ごすなんて久しぶりだな)
エレン(普段はいつもミカサが・・・)
エレン「・・・・・・」
エレン(ミカサに会いに行ってみるか・・・?)
エレン(でも、またミカサに『嫌い』って言われたら、俺は・・・)
エレン「・・・ハッ」
エレン(ビビってんのか俺・・・情けねえな・・・)
エレン(ジッとしてても仕方ねぇ・・・訓練場の外周でも走るか)ハァ
エレン「・・・・・・」スタスタ
ユミル「おいエレン! ここにいたのか」
サシャ「探しましたよ」
エレン「? ユミルと・・・サシャにクリスタ? 何か用か?」
クリスタ「おはよう、エレン」
ユミル「実は私達、これから市街地の方へ買い物に行くんだが・・・最近は物騒だって聞くだろ?」
ユミル「だから、一緒についてきてくれねえか?」
エレン「・・・俺がか? う~ん・・・」
クリスタ「やっぱり、男の人がいたほうが安心できると思うの」
ユミル「か弱い乙女だけじゃ不安なんだよ。頼むぜ、エレン」
エレン「・・・クリスタはともかく、ユミルとサシャはそこらへんの男よりよっぽど強いだろ」
ユミル「 」
サシャ「 」
クリスタ「エレン、女の子にそういうことは言っちゃ駄目!」
エレン「そ、そうなのか? いや、二人とも格闘術はなかなかのもんだった気がしたからさ・・・悪い」
ユミル「いや・・・私もミカサほどじゃねえが腹筋割れてるしな・・・」
サシャ「私もよく考えたらコニーに負けたことがありませんでした・・・」ズーン
エレン「・・・わかったよ。一緒に行けばいいんだな?」
クリスタ「! いいの?」
エレン「ああ。どうせやることも無かったしな」
サシャ(よし・・・)
ユミル(とりあえず第一段階はクリアーか・・・)
クリスタ「ありがとう、エレン」ニコッ
エレン「・・・おう」
~市街地~
ユミル「お、ここみたいだな」
エレン「もう着いたのか?」
クリスタ「うん・・・」チラッ
ユミル「」コクッ
クリスタ「エレン、悪いんだけど・・・外で待ってて貰えないかな?」
エレン「? なんでだよ?」
ユミル「これ読め、これ」トントン
『婦人服店』
エレン「婦人服店・・・女物の服しか無いってことか?」
ユミル「はっきり言えばだな・・・私たちは下着を買いに来たんだよ」
エレン「・・・は?///」カァ
ユミル「まぁ、私がどんな下着買うのか見たいってなら・・・仕方ねえ、入ってきてもいいが・・・」ニヤニヤ
エレン「あー、わかったわかった。外で待ってるよ」
クリスタ「ごめんね」
ユミル「・・・サシャはどこに行った?」キョロキョロ
『焼きたてパンありマス』
サシャ「・・・・・・」ズビズバー
エレン「ブレねえなアイツ・・・」
ユミル「早く来い芋女」ガシッ ズルズル
サシャ「焼きたて! 焼きたてなんですよ!?」グググ
ユミル「帰りに買ってやる」ボソッ
サシャ「はいわかりました」スタスタ
エレン「じゃあ俺はそこのベンチに座ってるよ」
クリスタ「うん。なるべく早く済ませるから・・・」
ユミル「クリスタはいつも同じ白い下着だもんなー」ニヤニヤ
クリスタ「も、もう!/// ユミル!」
タマニハボウケンシタラドウダ? …ウルサイ ヤキタテ♪ヤキタテ♪
エレン「・・・はぁ」ドサッ
エレン(・・・疲れた。女子ってよく喋るな・・・)
エレン(ミカサはあまり喋らねぇ方だから余計に・・・)
エレン(・・・・・・婦人服店か)
エレン(ミカサに何か買っていったら機嫌治すかな・・・)
エレン(・・・・・・?)
エレン(・・・俺、さっきからミカサのことばっか考えてるじゃねえか・・・)
エレン(なんか、モヤモヤするんだよな・・・)ハァ
ジャンジャン ミカミカ
エレン「ん? あのひと目で分かる馬面はジャン、とその隣にいるのは・・・」
エレン(ミカサ!?)ササッ
エレン(・・・って、何隠れてんだ俺!?)
エレン「・・・・・・」ソーッ
ジャン「────、───」
ミカサ「──────。───、───」
エレン(聞こえねぇ・・・)
ジャン(くそ・・・アニの奴に『ミカサと二人きりでデートできる』て言われたから)
ジャン(ほいほい来ちまったんだが・・・)
ミカサ「──それで、エレンのおねしょを私がしたことにする代わりに、将来結婚してくれると約束してくれた」
ジャン(なんであの死に急ぎ野郎との馴れ初めを聞かされなきゃならねぇんだ)ハァ
ジャン(そしてなんだよそのエピソード・・・情けなさすぎるだろ・・・)
ミカサ「ジャン。聞いてる?」
ジャン「あ、ああ。もっと聞かせてくれ」
ミカサ「わかった」
ミカサ(『ジャンにエレンとの思い出を喋るだけでいい』なんて・・・)
ミカサ(なんて容易い任務なのだろう)ウキウキ
ミカサ「次は私とエレンが初めて手をつないだ時のことを話そう。あれは、いつもの様に私とエレンが──」
ジャン(しかし、やっぱ・・・あの野郎の話をしているミカサは、楽しそうなんだよな・・・)
ジャン(・・・・・・)
ミカサ「それから──」
ジャン「なあ、ミカサ」
ジャン「なんでエレンと喧嘩したんだ?」
ミカサ「・・・・・・それは・・・・・・」
ジャン「言いたくないか?」
ミカサ「・・・・・・」シュン
ジャン「あいつも大概、巨人殺しの術以外のことになるとサッパリな奴だ」
ジャン「お前が腹を立てるのも無理はねぇと思うが・・・」
ミカサ「・・・エレンは、悪くない。悪いのは私」
ジャン「まぁ・・・お前らの問題だから、口を出す気はねぇよ」
ジャン「だがな、ミカサ。口に出して言わなきゃ、伝わらないことだってある」
ジャン「たとえ、家族みたいに仲が良かったとしてもな」
ミカサ「・・・!」
ジャン「何も言わないで自分の気持ちをわかって貰おうなんざ、ただの我儘だ」
ジャン「だから・・・エレンに何か思うところがあるなら、はっきり言ってやれ」
ミカサ「・・・ジャン」
ジャン(・・・はぁ・・・また余計なことを・・・俺は・・・)
ジャン(嫌われちまったかな・・・)
ミカサ「・・・・・・」ギュッ
ジャン「!?」
ジャン(ミミミミカサが、俺のてっ、手を!?)
ミカサ「・・・ありがとう、ジャン。あなたの言う通り」
ジャン「お、おう・・・///」
ミカサ「私は、怖がっていたのだと思う・・・」
ミカサ「言葉にして伝えることで、今の関係が壊れてしまうことに」
ミカサ「もう逃げない・・・エレンに、私の気持ちを伝えてみる」
ジャン「ああ・・・そうしろよ」
ジャン(・・・敵に塩を送るなんざ・・・俺らしくもねぇ)ハァ
ジャン(『口に出して言わなきゃ、伝わらないことだってある』、か)
ジャン(俺が人に言えた義理かよ?)ハハッ…
ジャン(・・・・・・とっととミカサと仲直りしろ、糞馬鹿エレン・・・)
エレン「・・・・・・」
エレン「ミカサ・・・」
エレン(なんだよ・・・ジャンの手を掴んで・・・嬉しそうな顔して・・・)
エレン(・・・まさか、本当にジャンの事が・・・?)
エレン「・・・・・・」
エレン(・・・・・・だとしても、俺には関係ねぇ・・・)
エレン(関係ない・・・はずなのに・・・)
エレン「なんで・・・涙が出て来んだよ・・・」ポロ…ポロ…
(アルミン『エレンはどう思ったの?』)
エレン(ミカサに『嫌い』って言われて、ミカサがジャンと一緒にいるのを見て)
エレン(俺は、どうして泣いてるんだ・・・?)ポロポロ
──────────────────
─────────
────
エレン『ねぇ、母さん』
カルラ『ん?』
エレン『母さんはどうして父さんと結婚したの?』
カルラ『あら』クスッ
ミカサ『・・・・・・!』ピクッ
カルラ『もうエレンも、そういう事が気になる年頃なのかしら?』
エレン『教えてよ!』
ミカサ『・・・・・・』キニナル
カルラ『そうねぇ・・・』
カルラ『この人と、一緒に歩いて行きたい』
カルラ『この人と同じ時間を過ごして、同じ景色を見たい』
カルラ『そう思ったから、かしらね』
エレン『・・・ふーん?』サッパリ
ミカサ『・・・エレン』クイクイ
エレン『ん?』
ミカサ『私は、いつもエレンと一緒にいる』
エレン『ああ、そうだな。だから?』
ミカサ『・・・・・・』ムスッ
カルラ『フフッ』クスクス
────
─────────
──────────────────
エレン(・・・・・・そうか・・・)ポロポロ
エレン(俺は、ミカサと一緒に・・・・・・)ポロ…
エレン(歩きたいんだ)
エレン「・・・・・・」グイッ
エレン「・・・・・・」
ユミル「悪い、エレン・・・待たせちまったか?」
エレン「・・・・・・」
クリスタ「エレン?」
エレン「・・・なぁ、みんなに相談があるんだ」
今日中に終わらせるつもりだったのに思ったより進まなかった・・・
今日はもう寝ます
~夜、食堂~
ミカサ「みんな、ごめんなさい」
サシャ「どうしたんですか? ミカサ」
ミカサ「せっかく協力してもらったけど・・・私は、エレンに謝る」
ユミル「・・・そうか」
ミカサ「許してもらえるかはわからない・・・でも・・・」
ユミル「でも、そいつはちょっと待ったほうがいいな」
ミカサ「? どうして? もうエレ──
ユミル「そら、来たぞ」
エレン「・・・ミカサ」
ミカサ「! エ・・・レ」ビクッ
エレン「この後、兵舎裏に来てくれ。話したいことがあるんだ」
ミカサ「私、に・・・?」
エレン「ああ。待ってるからな」
エレン「・・・お前が来るまで待ってる」スタスタ
ミカサ「・・・・・・・」ボー…
クリスタ「ミカサ! これはきっと・・・アレだよ!」
ミカサ「まままだ、慌ててるる場合じゃな、ない。絶縁を言い渡されるのかも」ブルブル
サシャ「・・・大丈夫ですよ」ニコッ
ミカサ「・・・・・・本当に?」グスッ
ユミル「行ってこいよ、ミカサ」
ミカサ「~~~!」ガタッ ダッ
クリスタ「・・・どうなるかな?」
ユミル「問題ないだろ。あの二人なら」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
エレン「ミカサに・・・何か贈りたいんだ」
ユミル「! ・・・そりゃ、仲直りするためにか?」
エレン「まぁ、そんなところかな・・・」
クリスタ「・・・うん! いいと思うよ!」
サシャ「・・・ユミル、これは!?」ヒソヒソ
ユミル「作戦、成功したんじゃねえか?」ヒソヒソ
エレン「だから、どんなのがいいか聞きたいんだ」
クリスタ「そうだね、なるべくいつも身に付けていられる物・・・」
クリスタ「髪飾りなんてどうかな?」
エレン「髪飾りか・・・そうだな、そうするよ」
クリスタ「いろんな種類があるけど、どれにする?」
エレン「こんなにあるのか・・・」
エレン(・・・! これ・・・シガンシナによく咲いてた花、だよな)スッ
エレン「これに・・・しようかな」
クリスタ「うん、きっとミカサも喜ぶね・・・」
エレン「・・・ああ」
エレン「ミカサによく似合うんだ・・・この花は」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~次の日の朝・食堂~
ワイワイ ガヤガヤ
ミカサ「エレン。口の周りに食べかすが付いている」ゴシゴシ
エレン「んっ、おい・・・自分で出来るって言ってるだろ!」
コニー「・・・なんだ? もうイェーガー夫妻は復縁したのか?」
ドッ ワハハ
ミカサ「///」
エレン「うるせぇな・・・///」
ライナー(・・・『夫妻』は否定しないんだな)フッ
ミーナ「ねぇミカサ! その髪飾りって、もしかして・・・」
ミカサ「うん。エレンに・・・貰った///」
ヒュー アツイネー エレンカオアカイゾー
エレン「あぁもうお前ら! 集まってくるんじゃねぇよ!」
サシャ「そうですよ! エレンとミカサの話が聞きたいなら私にパンを置いていってください!」
コニー「いや、お前はどういう立ち位置なんだよ・・・」
ワイワイ ガヤガヤ エレエレ ミカミカ
クリスタ「ミカサ・・・良かったね・・・」
ユミル「ま、結果オーライだな」
クリスタ「最悪なことにならなくて・・・本当に良かった・・・」グスッ
ユミル(嫁に貰いたい)
ジャン「・・・・・・」
マルコ「ジャン、珍しいね・・・こういう時に君が大人しいなんて」
ジャン「ハッ、俺を見くびるなよマルコ」
ジャン「俺が・・・惚れた女の幸せを祝福してやれねぇほど、小さい男に見えるか?」プルプル
マルコ(涙目で肩を震わせながら言っても、あまり説得力はないけど・・・)クスッ
マルコ「そうだね・・・ジャンは、そういう人だ・・・」
ジャン「・・・そりゃ、どっちの意味だよ」グスッ
エレン「ったく・・・あいつら、面白がりやがって・・・」
アルミン「あはは・・・」
ミカサ「・・・アルミン」
アルミン「うん?」
ミカサ「ありがとう」
アルミン「! ・・・僕は、何もしてないよ?」
ミカサ「それでも。感謝する」
エレン「・・・俺も。ありがとな、アルミン」
アルミン「・・・・・・うん」
ミカサ「サシャも、ありがとう。私のパンをあげる」グイッ
サシャ「あ、ありひゃほうほはいひゃふミカヒャ・・・」モガモガ
エレン「そろそろ行くか」ガタッ
ミカサ「」ガタッ
アルミン「・・・・・・」
アルミン「エレン、先に行ってて?」
エレン「どうした? 少しぐらいなら待・・・」
ミカサ「エレン、行こう」グイッ
エレン「・・・そうか? じゃあ行ってるぞ、アルミン」
アルミン「うん」
ミカサ「・・・・・・」コクリ
アルミン(・・・ミカサ、ありがとう)
アルミン「アニ」
アニ「・・・アルミン」
アルミン「ありがとう。アニのおかげで、上手く行ったみたいだ」
アニ「・・・私はアンタの作戦を伝えただけだよ」
アルミン「アニがちゃんと伝えてくれたから、成功したんだよ」ニコッ
アニ「・・・・・・」
アニ「・・・あの二人の扱いに関しては流石だね、アンタは」
アルミン「・・・二人とも、ほんの少し素直になるだけで良かったんだ」
アルミン「そのほんの少しに、これだけ手間がかかるっていうのも・・・あの二人らしいけどね」フフッ
アニ(ほんの少し素直に、ね・・・)
アニ(・・・・・・私も、今だけは・・・)
アニ「・・・ねえ、アルミン?」
アルミン「・・・うん?」
アニ「今度の座学・・・アンタの隣で講義を受けてもいい?」
アニ「私には難しくてね・・・教えて欲しいんだ」
アルミン「えっ? 構わないけど・・・」
アルミン(アニって、座学の成績も悪くなかった気がするけど)
アニ「ありがと。お返しに、格闘術は私が教えてあげるよ」
アルミン「うえっ!? そ、それは・・・お手柔らかに、頼むよ?」
アニ「フフッ・・・冗談だよ」クスッ
アルミン(! アニの笑った顔・・・初めて見たな・・・)ドキドキ
エレン「ミカサ、お前本当にそれずっと付けてるんだな・・・」
ミカサ「駄目?」
エレン「駄目じゃねえけど・・・訓練中は外しとけよ? 教官に怒られるぞ」
ミカサ「・・・わかった」
エレン「・・・・・・」
ミカサ「・・・・・・エレン。その・・・本当にごめんなさい」
エレン「? ・・・あぁ、またその話か」
エレン「もういいって。ユミル達にも謝ってもらったしな」
ミカサ「・・・・・・」シュン
エレン「・・・なぁ、ミカサ。もし、巨人共を駆逐して・・・」
エレン「シガンシナ区に・・・俺達の家に、帰ることが出来たらさ」
エレン「ちゃんとした、母さんの墓を・・・建てような」
ミカサ「!」
ミカサ「・・・うん。絶対に」
エレン「・・・よし、そうと決まったら・・・巨人の前にお前を倒さないとな」ニッ
エレン「今度の格闘訓練の時は真剣勝負だ。手加減するなよ?」
ミカサ「・・・・・・」コクリ
エレン「じゃ、行こうぜ」
ミカサ「──エレン」
エレン「ん?」
ミカサ「私はエレンのことが好き」
おしまい
ミカサにエレンを嫌いって言わせてみたいな、なんて
思いつきで書き始めたらエライ目に合った・・・
やっぱりエレミカがナンバーワン
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