大学を中退してからの矢澤にこ(23)は最悪だった。
毎日がつまらないギャンブルをし続ける毎日。
にこ「はあ、いっそのこと風俗でも働こうかしら…」
にこ「…はっ!ダメダメ!にこはアイドルなんだから」
ププー
DQN「邪魔だよ!そこの女!」
にこ「あ、すいません」
DQN「ったくよぉ」ガチャ
にこ「全くああいったクズにはなりたくないものねw」
にこ「なんでクズのくせにこんないい車乗ってんのよ。お仕置きが必要ねww」
にこ「」ガシガシ
にこ「はあ、今日も大負けしちゃったわ」
にこ「これからどうやって生活すればいいの?」
ピンポーン
にこ「誰よ?ったくこんな時に」
にこ「新聞ならお断りっていつも言ってるでしょ!」ガチャ
真姫「久しぶりね、にこちゃん」
にこ「ああ!真姫ちゃん!どうしたの突然?」
真姫「実は最近この辺りでたちの悪い悪戯する輩がいるらしくて」
にこ「」ギクッ
真姫「悪いんだけど少し上げてもらえないかしら?大の大人2人が玄関で立ち話ってのも変でしょ?」
にこ「ごめーん、今ちょっと散らかってて外じゃダメー?」
真姫「別にいいけど…じゃあ車出すから少し待ってて」
にこ「今の内にマイコレクション()を片付けねば…!」
にこ「…これでよしっ!」
真姫「にこちゃん、やっぱり車出せないわ」
にこ「え?なんで?」
真姫「見てこれ」
にこ「ひ、ひどい悪戯する人もいるんだねー」
真姫「…」
真姫「私は『悪戯された』なんて一言も言ってないんだけど」
にこ「…ッ!」
真姫「まあ、この話は後でいいわ」
真姫「実はもっと重要な話をしに来たから」
にこ「重要な話?」
真姫「代わりの車が車でにこちゃんの部屋にいさせてあまり人目につきたくないの」
にこ「い、いいわよ。久しぶりに高校の時の話でもしましょ!」
真姫「ふふ、そうね」
事務所
真姫「それでにこちゃん」
にこ「なにー?」
真姫「この紙を見て欲しいんだけど」
にこ「どれどれ?…350万!?宛がにこになってる!?意味わかんない!」
真姫「ええ、それはにこちゃんの借金よ」
にこ「なんでよ!?にこは借金なんかしたことないわよ!」
真姫「落ち着いてにこちゃん」
にこ「…」
真姫「1年ほど前に凛の連帯保証人になったでしょ?」
にこ「そ、そういえば…!で、凛はどこに行ったのよ!?」
真姫「わからないわ…彼女は失踪したわ」
にこ「な、なんですってえ…!?」
真姫「毎月6万は返済するとして、うん、37歳の頃には完済してるじゃない」
にこ「37歳!?」
真姫「そういうわけで納得いった?」
にこ「いくわけないでしょ!?こんなっ350万なんておかしいわよ!!違法に決まってるわ!」
真姫「違法も法よ、そちらは契約の内容を承認して契約書に名前を記入したんだから」
にこ「今すぐ警察に行くべきだわ!」
真姫「はあ~~~」
にこ「な、なによ!?」
真姫「にこちゃん、あなたいくつよ?いつまで他人に頼って生きてるつもり?」
にこ「…」
真姫「にこちゃんがダメならにこちゃんの家族に頼むしかないわね」
真姫「昔に両親は離婚しててお母さんが女手一つで家庭を築いてたんだっけ?」
真姫「お母さんは公務員、高校生の双子の妹さんは2人とも家計をまかなうためにバイト三昧」
真姫「家族で協力すればすぐに返せるんじゃない?」
にこ「やめてよ!家族には言わないで!」
真姫「仕方ないわね」
真姫「昔馴染みのにこちゃんだけに特別な方法を教えるわ」
にこ「特別な方法?」
真姫「ええ、一晩で借金を返済する方法があるの」
にこ「一晩で!?」
真姫「ええ、今晩横浜の港から船が出港するのその名もエスポワール」
真姫「フランス語で希望」
にこ「希望…」
真姫「そこで一晩限りのギャンブルが行われるの勝てば借金を返せてさらに何百万何千万ってお金が手に入るわ」
にこ「え!?本当!?」
にこ「…負けたらどうなるの?」
真姫「そこら辺はあまり詳しくないけれど集団施設で1、2年働いて集中的に借金を返すらしいわ」
にこ「1,2年…」
真姫「それでもこうやってダラダラ毎日を過ごすよりはいいと思うけれどね」
真姫「今のにこちゃんの毎日ってゴミって感じでしょ?」
真姫「毎日つまらないギャンブル、パチンコ挙句に他人の足を引っ張って鬱憤を晴らす…」
真姫「この勝負に勝てばにこちゃん変われるのよ?」
にこ「で、でも…そんな急に…」
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