設定:
・時代はジョセフがカーズを倒した後で、もしジョセフがジョルノの代わりにパッショーネに入ったらというもしものお話。
・ジョセフはまだ波紋しか使えない。
・リサリサ、エリナ、スピードワゴン、ちょっとだけシーザーも出す予定です。
・JOJOらしくない表現、言い回し、展開があるかもしれませんがそこは大目にみてくれたら幸いです。
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シーザー「おいJOJO! いつまで寝てる気だッ! 修業の時間だぞッ!」
ジョセフ「んぁ…? そんなに急かさなくてもいいじゃねーかシーザー…もう少しぐらい寝たってバレやしねーよ……」ムニャムニャ
シーザー「そんなんだからお前は波紋の腕が上達しないんだぞJOJO!」
ジョセフ「…なんだと? それとこれとは話が別だろッ!」
ジョセフ「いいかぁ? おれさまにかかればあのババアに波紋を習わなくたって1人で強くなれるんだよ!」
ジョセフ「おれはお前らなんかの助けなんかいらねーよ!」
リサリサ「何を騒いでいるのJOJO!」
ジョセフ「ハッ!」
ジョセフ(な…なんだ夢か……脅かすんじゃねーぜまったく……)
リサリサ「さっきからずっとうなされてるけど どうかしたの?」
ジョセフ「ゲッ! リサリサ先生!?」
~飛行機内~
ジョセフ(そ、そうか…そういやリサリサと一緒にイタリアに向かってるんだったな……)
リサリサ「何かうなされていたけど悪夢でも見たの?」
ジョセフ「ああ…ある意味悪夢みてーなもんだったぜ……」
リサリサ「……そう。」
ジョセフ(ったく、夢まででてくるこたーねぇだろ……)
リサリサ「それよりもJOJO…もう心の準備は出来たの…?」
ジョセフ「……あぁ…できてるさ……」
ジョセフ「あいつの形見をちゃんと届けねーとな…」
~ジョセフ・ジョースター~
ジョージ・ジョースターとエリザベス(リサリサ)との間に生まれた子供で、柱の男と呼ばれる男たちと死闘を繰り広げた。
現在、柱の男との戦いで戦死したシーザー・ツェペリの故郷、イタリアにいる家族の元へ彼の報告に向かっていた。
~ネアポリス空港~
リサリサ「JOJO。私は寄る所があるから先にここから南にあるジェノヴァという街に向かいなさい。そこにシーザーの家があるわ。」
ジョセフ「言われなくたってわかってるよ母さ…いやいやリサリサ。」
リサリサ「? どうかしたのJOJO?」
ジョセフ「い、いや~ 何かおれ飛行機に酔っちゃったみてーなのよ! だからちょっくら散歩してから向かうわ! そんじゃ!!」スタスタ
リサリサ「……フフ。照れる仕草がお父さんにそっくりね…」
~ネアポリス空港近くの公園~
ジョセフ「母さんなんて今さら言えるわけねーよな~…リサリサって呼んだ方がしっくりくるしそれでいいだろ。」
ジョセフ「それにしてもイタリアってのは良い街だよな~。静かでオシャレだし脚がグンバツの女がゴロゴロいるし、ここに住めばなに不自由なく暮らせるぜ~へへ!」
?「話を今してんのはこのオレだッ! 誰が質問していいと言ったッ!?このボゲがッ!」グググ
ジョセフ「なんだァ~? ケンカでもしてんのか?」
?「ルカさん。ショバ代ならすでに払いました。カネはないです。」
ルカ「警備員にかああ~~ッンなこたぁオレにゃあ関係ねえんだよオオォォォォーーーッ!!」
ジョセフ「なんだチンピラ同士のケンカか。ま そもそも誰のケンカだろうと止める気はなかったけどね。」
ジョセフ(さて…どうやってジェノヴァまで行こっかなァ~…飛行機も飽きたし、電車ってのもありだな~…)
ブン
ルカ「このガキャアァァァーーーッ!!」
ジョセフ(ったくうるせーな……こっちは考え事をしてんのによォ……)
ルカ「てめーはもう…~~~」
ルカ「てめーはもう…~~~」
ルカ「てめーはもうおしまいだぁあーーーーっ!!」
ガシッ
ルカ「!?」
ジョセフ「ちょっとごめんなさいね~…ケンカを止めるってワケじゃあないんだけど、今おれ考え事してるんだよ。ケンカするなら違う場所に移動してやってくんないかなァ~? そろそろキレちゃいそうなんだわオレ…」
ルカ「てめー…おれの邪魔をするんじゃあねェーーーーーーっ!!」
ジョセフ「ズームパンチッ!」
ルカ「グホッ!」
ジョセフ「おれは忠告したぜ…キレちゃいそうだってなッ!」
ジョセフ「おまえあんまりケンカはするもんじゃねーぞ? めんどくせー事になっちまうからよ」
?「…ご忠告ありがとうございます。お名前を伺ってもよろしいですか?」
ジョセフ「ジョースター。ジョセフ・ジョースター。皆からジョジョって呼ばれてるぜ。」テクテク
ルカ「あ、あいつの腕…伸び…やがった……?」
?「……」
~路面電車内~
ジョセフ「こういう珍しい乗り物はのりたくなっちゃうのよね~。」
ジョセフ(ん? あんな所に金を落ちてやがるな…)
そこに1人の男が現れて金を拾う
?「お? 君の?」
ジョセフ「……そうそう! 拾ってくれてサンキュー!」
?「そう、よかったね……ハハハ」
ゴトンゴトン
?「もしさあ……ここにカバンが落ちてて中に1000万円入ってたとしたら、君…とどける?」
ジョセフ(なんだあコイツァ…? 変な野郎だな?)
ジョセフ「そりゃあ届けるだろうな。おれのじゃなかったらな。」
?「ハハハハハハ!! 君はそう言って自分のものと言い張るんだろう? 君はユーモアがあって面白いよ!」
ジョセフ「ユーモアも何も俺は本当の事を言ってるだけだぜ! 落ちてるお金は交番に届けるなんて常識だろ?」
?「ハハハ!冗談さ!君は本当の事を言っている!」
?「……実はおれね……人が本当の事を言ってるかどうか分かるんだ。いやまあ…ほぼ間違いないかな」
?「君の皮膚を見てる感じでは嘘はついてないように見える…『汗の味』をなめればもっと確実にわかるかな」
ジョセフ(気味悪いぜコイツ!!)
ジョセフ「おたく一体ナニもんだ?」
?「『涙目のルカ』が自分の『スコップ』頭にブッ込まれて空港のはずれの公園にブッ倒れていた……あれじゃあ意識は戻らねえ……重体だ……だれが『やった』のか!調べてる……」
ジョセフ(涙目のルカ? ケンカしてたかたっぽの野郎か……待てよ…? おれはあいつにちょっぴり波紋流してやっただけなのになんで重体なんだ?)
ゴゴゴゴゴゴ
?「ジョセフ・ジョースター。『涙目のルカ』がなぜ公園にいたのかは誰も知らない……」
?「しかし…ルカの近くにいた少年が君がいた事をおれに教えてくれたんだ。だから会ってちょいと質問しようと思ってね…」
ジョセフ(あのガキャア…罪をおれになすりつけやがったな! ちょっと格好つけようと名前名乗らなかったら良かったぜ…)
?「『ルカ』はただのゴロツキじゃあねぇ。『ギャング』なんだぜ……やられる理由はたくさんある……恨みを持たれるタイプだったからな…しかし『やつのボス』はそうじゃあない……」
?「身内がやられたって事でボスは顔にドロをぬられたと思っている。だからオレにやったやつを調べてケリをつけろと命令したんだ」
?「『おまえに質問する』………『公園で』『涙目のルカ』に会わなかったかい?」
ゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ(ヤベーやつに目をつけられちまったぞ…ここは俺おれさまお得意のハッタリをかますしかねェーーー!!)
ジョセフ「涙目のルカ~? そんなやつ見た事も聞いた事もねーな~。もし会ってたらおれ忘れないね…」
?「………」
?「………………」
プシュー
?「汗をかかないね……」
?「よし信じよう……質問は以上だ……じゃましたな……ジョセフ・ジョースター」
電車から降りるギャングの男
ジョセフ「ハァ~~~。やっと解放されたぜ。イタリアってのはやっぱり変な野郎が多い街だわ。」
ジョセフ「ン…?」
ドン
握っていた手の中に目がある
ジョセフ「ナ…ナンダァこりゃあーーーーー!!??」
ジョセフ(に……握っていた手の中になんで目ん玉があるのよォ~~!!!)
ドドドドドド
?「『ルカの右目』だぜ……汗をかいたな…どうせ意識がねえんだから持ってきたんだ。」
ベロン
?「この味は!………ウソをついてる『味』だぜ……ジョセフ・ジョースター!」
ジョセフ(なんでおれはこうもついてないのォ~~~!!)
今回はここまで
本格的に書き出すのは24、25日辺りになりそうです。
それまでに暇があれば更新しようと思います。
ジョセフ(手品…か? いやどう考えても握っていた手の中に目ん玉を入れるなんて不可能だぜッ!!)
ジョセフ「テメー何しやがった!」
?「おやおやおやおや…」
ドドドドドド
ジョセフ(今さら涙目のルカに会ってました!っなんて言っても許してくれるようなヤツじゃあないよなぁ…ここはウソを貫き通すしかねーな…)
?「質問は以上だと言ったが…状況が変わって来たな……『ジョセフ・ジョースター』」
?「おまえはウソを言った! 『涙目のルカ』に会っていないとな。」
?「じゃあなぜウソをつくのか? ん? その理由を聞かせてもらわなくてはならなくなったってわけだな…」
パア
?がジョセフを殴る
ジョセフ「テメー…」
ゴトンゴトン
?「おれの名は『ブローノ・ブチャラティ』。答えろよ。質問はすでに…『拷問』に変わっているんだぜ。」
ジョセフ「!!」
ゴトンゴトン
ゴトンゴトン
ズゥルリ
ジョセフの口の中から指が出てくる。
ジョセフ「ウゲーーー!?」
ブチャラティ「どうブルっちまう特技だろう…それは『ルカの指』だ。実を言うとな『涙目のルカ』は始末された。あれじゃあ生きててもしょうがないってんでな。うちのボスがおれに持っていっていいって言ったんだ。拷問の時おどしに使えるからってな……」
ジョセフ(またかよ!!…あいつどんなトリックを使ってやがるんだ……人の指がおれの口の中に入ったなんて考えただけでも吐き気が止まらねーぜ…!)
ジョセフ「ムカつくぜ……」
ブチャラティ「フフフフフ」
ブチャラティ「さっさと話せッ!」
ブチャラティがパンチを繰り出す。
ジョセフ「へ!動きがのろい…ん?」
ヂヂヂヂヂ
ジョセフ「な!? 俺の頬が!?」
バギィ
ジョセフ「ぐ!」
ブチャラティ「早く話さねーと拷問はさらに続くんだぜッ!」
グラグラグラグラ
ジョセフ「お、おれの首がグラグラしてやがるゥーーー!?」
ジョセフ(頭の整理がつかねーぜ…! なんであいつはおれにルカの死体を持たせる事が出来るんだ…? そしてナゼおれの首はこんなグラグラしてんのよ~~~!!)
テスト
ブチャラティ「時間をとらせるな…正直に答えろ!!」
ジョセフ(けど…おれは絶対に生きてシーザーの家族に会わねーといけねー…こんな所で死んでたまるかよッ!)
ブチャラティ「何をされたか分からなくて戸惑っているようだな…ま、分からなくても無理ないさ……はやいとこ本当の事を話してもらえば解除してやる…」
ジョセフ「……へへへッ!おいブチャラティ!!」
ブチャラティ「ん? なんだ?」
ジョセフ「テメーはおれがこんな事でへこたれる根性なしと思ってるみてーだが、おれはオメーみたいなおかっぱ野郎に倒されるほどやわじゃないんだよ!!」
ブチャラティ「……そうか…ならばお前がルカの事を話すまでじっくりと相手をしてやろう…」
ブチャラティ(こいつがここまで強気でこれるのはこの状況を打破する策があるからだろう……もしかしたらこいつは俺と同じ『能力』を持っているのかもしれない…)
ブチャラティ(だが…たとえ俺と同じ『能力』を持っていたとしても…)
ブチャラティ(おれに勝つには相当の覚悟が必要だ…!!)
ジョセフ「そろそろいくぜおかっぱ野郎ッ! 覚悟しろ!!」
ブチャラティ「…………」
ジョセフ「こういう時は…」
プシュー
路面電車が止まる
ジョセフ「逃げるんだよォォォーーーーーーッ」
ブチャラティ「ナニィ!!??」
ジョセフ「ここは一旦逃げて作戦を練るのが1番だぜ!!」
ブチャラティ「待て!ジョセフ・ジョースターッ!!」
ブーーーーン
ブチャラティ「くっ! 反対車線の車がジャマで渡れない! あの野郎…絶対逃がさないぞ……」
急用が入ったのでひとまずここまで。
続きはできれば23時ごろに書きます。
~路地裏~
ジョセフ・ジョースターは悩んでいた。ブローノ・ブチャラティとは一体何者なのかと…
普通の人間ではない事は確かだった。しかし、波紋使いや吸血鬼、柱の男達とはまた違っていた。
彼はそれらとは別の『新たな能力』を身につけているのだとジョセフは確信した。
ジョセフ「ここまでくればあいつもすぐには追いつけねーだろ…何とかしてヤツを倒さねーと……」
壁に手をかけるジョセフ
ジョセフ「チクショー! せっかくエリナおばあちゃんに買ってもらった洋服がボロボロだぜ…エリナおばあちゃんに何て言ったらいいんだよ…」
ヂヂヂヂヂ
ジョセフ「…? 何か壁から音がしたよーな……」
ジョセフ「ま、まさかね~…」
ブチャラティ「逃げても無駄だぞ…ジョセフ・ジョースターッ!」
ジョセフ「ゲーッ!? 追ってくるの早すぎだっつーのおかっぱ野郎!!」
ブチャラティを背に逃げるジョセフ
ジョセフ「とにかく逃げねーとヤベーぜ!!」
ブチャラティ「もう逃がしやしない…この路地裏ならスピードはおれの方が上だッ!!」
ブチャラティ「くらえッ!!」
ブン
ガシッ
ブチャラティの動きが止まる
ブチャラティ「!?」
ブチャラティ「俺の『スタンド』のパンチが止められた…!?」
ジョセフ「へへ! かかったな!!」
プシーーーー
空中から突然血が飛び出る
ジョセフ「手品なら俺の方が上手だぜッ!」
ブチャラティ「こ、これは…!」
そこには血によって赤く光る『糸』があった!
ブチャラティ「糸ッ!? こいつ…俺がここにくる間にこの路地裏に糸を張り巡らしてやがったのか…!」
ジョセフ「へへッ! 気付くのが遅かったなブチャラティ! 俺はただ逃げるだけのマヌケじゃあねーのよ~!」
ジョセフ「くっ…! ジョセフ・ジョースター……お前は自分が何をしたのか分かっているのか…?」
ジョセフ「さあね…俺は何もしてないけど、オメーが俺にケンカを売ったのは確かだぜ!」
ブチャラティ「きさま……」
ジョセフ「じゃ、俺は用事があるからおいとまするぜ!」
スタスタ
ジョセフ(さて…あんだけ糸を張り巡らしたらすぐには追ってこれねーだろ…ここまでは作戦通りだが、結局の所あいつがどうやって俺に攻撃しているかは分かってねーんだよな……)
ジョセフ(何も無い空中から血が出たってことは透明人間とか幽霊を操ってんのか? だとしたら尚更気持ちワリーやつだぜ…)
ヂヂヂ…
ジョセフ(あとはこのまま、飛行機か何かに乗って、ジェノヴァまで行きさえすればイタリアとはおさらばだな~…)
ヂヂヂヂヂヂ…
ジョセフ(……おいおい…ウソだろ…)
後ろを振り返るジョセフ
ゴゴゴゴゴゴ
ブチャラティ「言っただろジョセフ・ジョースター…逃しやしないと……」
そこには地面にうつ伏せになり、滑るようにジョセフへ移動するブチャラティの姿があったッ!
ジョセフ「や、やっぱりねェ~…」ダッ
ブチャラティ「逃がすかッ!」スッ
ブチャラティ「『スティッキーフィンガーズ』!!」
ブン
グッ
スティッキーフィンガーズに殴られるジョセフ
ジョセフ「ウゴッ! こいつあ効くぜェ…!」
ズルズル
スティッキーフィンガーズにより、路地裏から人通りの少ない通りへと弾き出され倒れたジョセフ
ジョセフ(こ、こりゃあ骨が折れたかな…ま、あとで波紋で治せるからいいか。)
ジョセフ(それよりもあの野郎…本当に幽霊に取り憑かれてるんじゃあねーか?)
ジョセフ(そうでもないとあんな事できねーだろ…)
ブチャラティ「……」
ゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ(今ブチャラティは俺の後ろにいる…おそらく俺が起き上がり、振り向いた瞬間に攻撃する気なんだろう……)
ジョセフ(真っ向勝負じゃあ俺に勝機はゼロだ…ここは何かキッカケがねーと……)
男1「おい見ろよ! あそこに人が倒れてるぞ!!」
ジョセフ(ラッキ~! そのまま近づいて来てくれたら俺にはまだチャンスがあるぜ…!)
男2「なんだなんだケンカか? だらしのないやつだな~。」
ブチャラティ「おいキサマら…ケンカに巻き込まれたくなかったらどっかに行け!」
男1「なんだとコラッ! 舐めてんじゃねーぞッ!!!」
ガシッ
ブチャラティの胸ぐらをつかむ
ジョセフ(バカッ! そいつにケンカを売るんじゃなくて俺を助けやがれッ!!)
ブチャラティ「仕方がない。おれは忠告をしたからな…?」
男1「オラッ!!!」
ブン
ブチャラティ「少し寝ていてくれ…」スッ
ガッ
男1「うっ…」
男1に当て身をするブチャラティ
ブチャラティ「お前もこうなりたいか?」
男2「……いえ帰ります。」
ジョセフ(…オメーらこそだらしのないやつだぜ……)
ブチャラティ「ん?」
ポロッ
男1の胸ポケットから手帳が落ちる
ブチャラティ「!?」
ブチャラティ「……」
ジョセフ(なんだ? ブチャラティはなんで攻撃してこねーんだ?)
ジョセフ(とにかくブチャラティが油断してる今がチャンスだぜ!)サッ
ジョセフ「油断したなブチャラティ!」
ブチャラティを殴ろうとするブチャラティ
ブチャラティ「…やはり気絶したフリをしていたか……」
訂正
ブチャラティを殴ろうとするブチャラティ
↓
ブチャラティを殴ろうとするジョセフ
ドドドドドド
ブチャラティ「こい……決着をつけてやる!!!」サッ
ブン
ジョセフ「オメーの動きは見切ったぜッ!」
サッ
ブチャラティのパンチを避けようとするジョセフ
カチン
近くにあったビール瓶を踏んでしまう
ジョセフ「うぉっ!? 何でこんな所にビール瓶があるんだよ!!」
コロッ
ジョセフ「あ!ヤッベ!」
ドテン
ビール瓶を踏んで転ぶジョセフ
ガラガッシャン
ドバドバドバー
倒れたビール瓶から中身が出てくる
ジョセフ「うわ! せっかくエリナおばあちゃんからもらったマフラーがビショビショじゃねーか!!!」
ブチャラティ「俺を見るよりも周りをよく見るべきだったなジョセフ・ジョースター…」
ブチャラティ「スティッキーフィンガーズ!!」
ジョセフ「ちょっと待てって! 今のおれに攻撃するとか卑怯だぜ!」
ブチャラティ「お前に言う資格はない!」
ブン
バァン
ジョセフ「グヘッ!」
ヂヂヂヂヂヂ
ジョセフ「おれの腕が~~~!!」
ブチャラティ「トドメだ! ジョセフ・ジョースター!!!」
ジョセフ「くっそ~~!」
ジョセフ「……っなんてな! こっちの手は義手だから何の影響もないんだよ!」
ブチャラティ「なに…?」
ヒョイ
ブチャラティに向かって何かを伸ばすジョセフ
ブチャラティ「く! スティッキーフィンガーズ!」
ベチャッ
ガシッ
ブチャラティ「フン…マフラーで攻撃するなんて無駄以外の何物でもないな!」
マフラーをつかむブチャラティ
ジョセフ「無駄? おれは無駄な行動なんてした覚えがないぜ…?」
バリバリ…
ジョセフ「そろそろおれの本気を見せてやる! くらいやがれッ!!!」
パチパチ…
ビリッ!
ブチャラティ「な!? なんだ!」
ジョセフ「リサリサみてーに特製のマフラーじゃなくても液体にさえ濡らせば波紋は流せるんだぜ?…」
ブチャラティ「は、波紋だと…?」
バチバチッ!
ブチャラティ「ヌァッ!?」
腕に電流が走り、驚くブチャラティ
ジョセフ「波紋疾走ッ!!!」
ブチャラティ「クソ! ガードが間に合わないッ!」
ドギャン
ブチャラティ「グアッ!」
ズズッ
男1の近くに飛ばされるブチャラティ
ジョセフ「いくぜ! とびっきりの波紋を流してやるッ!」
ブチャラティ「ウ……身体が痺れて動けない!」
チラッ
男1を見るブチャラティ
ブチャラティ「……」
ジョセフ「 波紋疾走!!!」
ブゥン
ブチャラティ「……」
スッ
ブチャラティの顔の前でジョセフはパンチを止めた
ブチャラティ「!…なぜ殴ってこない! ジョセフ・ジョースターッ!」
ジョセフ「……なんでオメーはその男を身代わりにしなかったんだ?」
ブチャラティ「なに…?」
ジョセフ「おれはオメーほどの男ならおれが波紋を当てるまでにその男を身代わりにするぐらい何とも思わねーと思っていた…」
ジョセフ「だが、それは違ったみてーだな…」
ブチャラティ「なにを言いたいんだジョセフ・ジョースターッ!!」
ジョセフ「ブチャラティ…オメーはこいつの事を『可哀想』だとかおもったんじゃあねーか?」
ブチャラティ「!?」
ジョセフ「その男の腕には違法薬物を使った跡がある…だが、オメーが『可哀想』と思ったのはそこじゃあねー…」
ジョセフ「その男の近くに広がってる『手帳』を見ちまったからだ!」
ブチャラティ「……」
ジョセフ「こいつあ まだ未成年のガキンチョみてーだ…なのに違法薬物を使ってる……それを考えて可哀想だとおもったんだろ…?」
ブチャラティ「それはお前の想像だ…おれはそんな事……」
ジョセフ「……」
ブゥゥーーン
男1に手をかざすジョセフ
ブチャラティ「きさま、なにをしている?」
ジョセフ「何かオメーを倒す気がなくなっちまったぜ…オメーが残酷非道の最低なゲス野郎だと思ってたからよ~…」スッ
ジョセフ「あと、このガキンチョはこれで薬物を辞められるぜ。おれの波紋で治してやったからよ。」
ブチャラティ(波紋…で? 治してやっただと?)
ジョセフ「ルカを倒したのはおれじゃあねー…たぶんお前が情報を聞いたガキがやったんだと思うぜ?…ま、信じねーと思うがな……」
男1「…ん? 何でおれここに倒れてるんだ?」
男1「何だか分からねーけど、気分がいいな! 今日は早いとこ家に帰るか!」スタスタ
ブチャラティ「!」
ブチャラティ「おいジョセフ・ジョースター…これは一体…」
ダッダッ
ジョセフ「今の内に逃げとかねーと、痺れが消えたらまたあいつ追ってくるからな!」ダッ
ブチャラティ「……」
ブチャラティ「ジョセフ・ジョースター…訳の分からない男だ…」
ブチャラティ「だが…ここで逃がすには惜しい男だ……」
~駅構内~
ジョセフ「よし…あとは列車に乗るだけだぜ!」
キョロキョロ
ジョセフ「まさか電車とホームの間とかにいたりして!」
スッ
ジョセフ「……よしいねーな! あいつどこにでも現れるからか~…」
ブチャラティ「おいジョセフ・ジョースター…」
ジョセフ「ゲッ! ウソだろ!? ギャングってこんなにしつこいのかよ!」
ブチャラティ「安心しろ…もうお前を襲ったりはしないさ。」
ジョセフ「…本当だろ~な~? 信用できねーぜ。」
ブチャラティ「最後にお前に頼みがあって来たんだ。」
ジョセフ「おいおいギャングがただの旅行客に頼みってなんだよ。」
ブチャラティ「…ジョセフ・ジョースター、君はギャングに入ってみる気はないか?」
ジョセフ「ハァ~~~!? ギャ、ギャングだとー!?」
ジョセフ「冗談じゃあねーぜ!! ギャング何かに入っちまったら皆に合わせる顔がねーだろ!?」
ブチャラティ「……無理を言ってすまない…だが、君がいればうちのギャングは変わるかもしれないんだ。」
ジョセフ「そんなの知るかよ! ギャングに入ったらおれの人生まで変わっちまうだろ!!」
ジョセフ「いいか? おれは今から友人の家に行かなきゃならねえんだよ! 悪いがギャングに入る余裕はねーな!」
ブチャラティ「…うちのギャングは『パッショーネ』という組織でネアポリスを支配している。おれがギャングに入ったのもあくまでもこの街を守るためだ…」
ブチャラティ「だが! その街をうちの組織は汚そうとしている!! 麻薬や賭博…そんな汚い事をして金を稼いでいるんだ!」
ブチャラティ「おれは…ボスを殺し…パッショーネのボスになるッ! そして、この街を変えたいんだ! 皆が平和に暮らせるような街に!」
ブチャラティ「そのためには君みたいなキレ者が必要だ…だが、君が嫌なら断ってくれて構わない…君が決めてくれ!」
ジョセフ「…断ったらおれは始末されるんだろ?」
ブチャラティ「そんな事はしない! あくまでもこれはギャングとしてではなく、おれ個人の頼みだ…」
ジョセフ「悪いが俺はパッショーネに入る気はねーよ…」
プシュー
駅員「まもなく電車が発車いたします!」
ブチャラティ「…そうか…それなら君とはお別れだ。君を殺そうとしてすまなかった……その服は弁償させてもらおう。」
金を渡そうとするブチャラティ
ジョセフ「……ハァ~…」
ジョセフ「金なんかいらねーよ…」
スタッ
電車から降りるジョセフ
ブチャラティ「それでは俺の気がすまない。受け取ってくれ。」
ジョセフ「それは出世払いで払ってくれればいいのよ…」
ブチャラティ「え…?」
ジョセフ「いいか! ブチャラティ!! 俺はパッショーネに入る気はさらさらねー! お前の話じゃあ最低な組織だからな!!」
ジョセフ「だから! 俺はあくまでだブチャラティ! 『お前が目指す組織』に入ってやる! おれはギャングになるんじゃあねーぞ!」
ブチャラティ「ジョセフ・ジョースター!…感謝する!!」
ジョセフ「おいおいブチャラティ…フルネームで俺の事を呼ぶの止めてくれねーか?」
ブチャラティ「ならなんて呼んだらいいんだ?」
ジョセフ「おれの事は『ジョジョ』って呼んでくれ!」
ブチャラティ「分かった…俺の無理な頼みを聞いてくれて感謝する…『ジョジョ』!」
ジョセフ「……」スッ
ポケットからバンダナを取り出す
ジョセフ「…すまなーな…もう少しだけ俺に力を貸してくれ……シーザー…」
~to be continued~
プー…プー…
ガチャリ
何処かに電話をかけるジョセフ
ジョセフ「お! スピードワゴンのじいさんか? ちょっと頼みごとがあるんだけどいいか?」
SPW「ジョジョ! お前確かリサリサと一緒にシーザーの家に向かったんじゃなかったのか?」
ジョセフ「あぁ、その事なんだがリサリサに先にシーザーの家に向かってくれって伝えてくれねーか? あんたなら財団を使ってリサリサを探すぐらいできるだろ?」
SPW「一体どういう事だ? 何か事件にでも巻き…あっ! エリナさん!」
ガチャ
エリナ「ジョジョ…あなたまた何か事件に足を突っ込んでるわね……」
ジョセフ「ウゲッ! エリナおばあちゃん!? 何でそこにッ!?」
エリナ「約束したでしょジョジョ…もう私にはウソはつかないって……正直に話しなさい。」
ジョセフ「…エリナおばあちゃん……この事はいくらエリナおばあちゃんでも話せない事なんだ…本当にすまねー……」
エリナ「ジョジョ…」
ジョセフ「……」
エリナ「……」
エリナ「…わかったわ……」
ジョセフ「!」
SPW「エリナさん!」
エリナ「あなたの事だから私がどれだけ言っても帰らないつもりでしょう…」
エリナ「だけど、絶対に生きて帰ってくるのよ! スージーQがあなたの帰りを待っているんだから…」
ジョセフ「…ありがとう…エリナおばあちゃん!! スージーQの事は頼んだぜ!」
ブチャラティ「ジョジョ、まだか?」
ジョセフ「あぁ、もう終わる…じゃあなエリナおばあちゃん、スピードワゴンのじいさん!」
ガチャリ
スージーQ「エリナおばあちゃーん! そろそろ帰りますよー!」
エリナ「あらあら…どうやら時間のようだわ。」
ガチャ
スージーQ「エリナおばあちゃん帰りますよ! メッシーナが車で迎えに来てくれてるから! あ、スピードワゴンのおじさま、こんにちわ!」
SPW「こんにちわスージーQ。」
エリナ「それじゃあ私はもう行くわ。」
スージーQ「スピードワゴンのおじさま、また今度ゆっくりとお話しましょ!」
SPW「あぁ、またいつでも会いに来てくれ。」
スージーQ「良い女性…見つかるといいですね! フフッ。」
SPW「ハハハッ! 私は1人の方が落ち着くからいいんだよ。…ジョジョによろしく伝えてくれ。」
スージーQ「ハーイ!」
ガチャ
SPW「スージーQやリサリサを悲しませるなよ……ジョジョ…」
~ネアポリス刑務所前~
ジョセフ「つまり、『スタンド』ってのはおれみてーな一般人には見えない物で、同じ『スタンド使い』にしか見えねーってことか?」
ブチャラティ「あぁそうだ。おれのスタンドはスティッキーフィンガーズ…物にジッパーを取り付ける能力だ。」
ジョセフ「なるほどね~…それでおれの頬が開いたり、首がグラグラしてたのか…ていうか別にファスナーとかチャックって言ってもいいんじゃねーの?」
ブチャラティ「いいやジッパーだ!」
ジョセフ「そこは拘るのね~…」
ブチャラティ「ではそろそろ本題に入ろう。」
ジョセフ「おうそうだな。で、おれの最初の仕事はなんだ?」
ブチャラティ「…君には今からこの刑務所内にいる『面接官』に会って『入団テスト』を行い、入団の許可をもらわなくてはならない。」
ジョセフ「おいおいちょっと待てよブチャラティ! 『入団テスト』だァ~? オメーの権限でおれを入団させるのは無理なのかよ!?」
ブチャラティ「残念だが、今のおれの身分では君をパッショーネに入団させる権限はない…」
ジョセフ「あとよ~、なんで刑務所内に『ギャングの面接官』がいるんだよ! 捕まってちゃあ面接なんて出来ないだろッ!?」
ブチャラティ「…この刑務所に捕まってる男はポルポといってパッショーネの幹部にあたる男だ…今はある罪で15年の実刑を受けて、この刑務所に収監されている…」
ブチャラティ「しかし、ポルポは刑務所を出ようと思えばいつでも出られる…やつは出る気はないみたいだがな……」
ブチャラティ「それはポルポには『自由』が確保されているからだ…だから今回も外と連絡して君の『入団テスト』を行うに至ったわけだ…」
ジョセフ「『自由』? なんで刑務所の中なのに『自由』が確保されてるんだよ?」
ブチャラティ「…それはやつに会えば分かる……」
ジョセフ「ハ~…めんどくせーな~……わかったよ! こうなっちまった以上は入団テストでも何でも受けてやるぜッ!」
ブチャラティ「すまないなジョジョ…ではおれはここまでだ。あとは君次第だ。合格を祈ってる。」
ジョセフ「おうよ!」スタスタ
ブチャラティ(……ジョジョならばあのテストも合格できるはずだ…たとえ『アレ』の結果がどちらに転んだとしてもな…)
お帰りなさい。調子はどうですか?
>>78
ご心配していただきありがとうございます。
体調の方はだいぶ回復してきました!
~ネアポリス刑務所内~
ガッシャ~~~~ン
女看守「荷物・腕時計! ポケットの中の物を全て机の上のトレイの中に出してから奥に進み、ボディ・チェックを受けてください……」
ジョセフ(持っていけるのはバンダナだけかよ…)
男看守「………………」
ジョセフ(何で面会するだけなのに銃を構えられるんだ……)
女看守「奥のゲートをくぐると囚人番号N-28ポルポの監房があります。ろうかをまっすぐ歩いていってください。部屋は強化ガラスによってさえぎられておりますが、会話はできます。ガラスが割れる心配は無用ですが、触れる事は禁止されています。」
女看守「何か物を渡す事ももらう事も禁止されています。面会時間は15分です。」
女看守「あなたがゲートをくぐったらあのゲートは閉じますが、何かあった時は叫んでください。」
ジョセフ(面会なのに注意ありすぎるぜ…覚えきれるワケねーだろ! というか…)
ジョセフ「牢獄で面会するのか? 面会室で看守を見張りにつけてって感じじゃなくてか?」
女看守「あんた、彼を知らないの?」
ジョセフ(…急に帰りたくなってきたぜ……)
クガアアアアア
ゲートが開く
ゴゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ(お化け屋敷かよ…! なんでこんなに顔みてーなオブジェがたくさんあるんだよ!)
ガシャアアン
ゲートが閉まる
ジョセフ「うわ!」
ジョセフ「何だ…ゲートが閉まっただけかよ! もっと丁寧に閉めろっつーのッ!」
ジョセフ「!!?」
ジョセフが見つけた先には監獄があった! だか、そこにポルポの姿はなく、無人であった。
ジョセフ「あるのはトイレに机…それにベッドか…肝心のポルポがいねーじゃねーか!」
ジョセフ「あの看守…おれにウソの部屋を教えたのか?」
?「君の立ち方は無駄がないね? 何か格闘技でもやってたのかね?」
ジョセフ「!?」
ヌォォ
ジョセフ「な、なんだァーーーーーーーー!?」
グオオオオオオオオ
ジョセフがベッドだと思っていたのは、なんとポルポだった! 大きさはジョセフの5倍はあるだろうかッ! ジョセフはポルポのあまりの大きさに軽く引いていた!
ポルポ「君の立ち方は『ネコ足立ち』だね? 空手の立ち技の一つで、あらゆる方向からの攻撃に対処できる立ち方だ。君はとっさにここの異様の雰囲気を察知し、その構え方をとった…どうだね?」
ジョセフ「あ、ああ…そうだぜ。」
ポルポ「ブフ~。そんなに気構える事はない。君を襲ったりしないさ…」
ポルポ「何か飲むかね? ワインでもどうかね? 極上のキャンディ・クラシコがあるスラモルッツァチーズとキャビアをのせて食べるとよく合うぞ。」
ジョセフ「そりゃもちろん…いや…だめだ。ここのルールじゃあ何ももらっちゃいけねー事になってるんだ。」
ポルポ「ブフゥ~~。言ってるだけだよ。人間とは言ってる事と……」
ポルポ「やってる事は違うんだなあ~~~。そこが人間の良さであり悪しき所なんだがね……」
ウィィィ~ン
ポルポがチャンネルをいじると色んな物が出てきた! そこには武器や冷蔵庫、驚くべき事に絵画まで飾ってある!
ポルポ「この牢獄において不自由する事といえば……そうだな~~。システィーナ礼拝堂のミケランジェロの壁画が見れない事かな~~~。ゴッホとゴーギャンはあるんだが……」
ジョセフ「へ、へ~~…」
ジョセフ(会えば分かるってブチャラティが言ってたが、その通りだったぜ…このおデブちゃんはこの牢獄から出なくても何不自由なく過ごせそうだな……)
ポルポ「君の事はブチャラティから聞いておるよブふぅ~~。われわれの組織に入りたいんだって?……えっとジョセフ・ジョースター君………」
ポルポ「どれ……それじゃあ『面接試験』を始めるとするかな………」
ジョセフ(さて…一体どんな試験だ~?)
ポルポ「突然だが、人が人を選ぶにあたって………一番『大切な』事は何だと思うね? ジョセフ・ジョースター君………」
ジョセフ「……『相性があうか』じゃねーか? いくら才能があるやつでも仕事に合わねーと無駄だし、いくら仕事ができるやつでも人間関係が上手くいかなかったらダメだからな。」
ポルポ「ほう~~~。なら君はこの仕事に向いてるって事を証明できるかね?」
ジョセフ「それは俺を合格してくれたら分かると思うぜ?」
ポルポ「ほっほ~~。なかなか面白いね君!」
ポルポ「だがね………最も大切な事というのは他にあるんだ。」
ポルポ「それは『信頼』だよ、ジョセフ・ジョースター君! 人が人を選ぶにあたって最も大切なのは『信頼』なんだ。」
ポルポ「それに比べたら頭がいいとか才能があるなんて事はこのクラッカーの歯クソほどの事もないんだ…」
シーシーシー
ポルポ「テストというのは君の『信頼』を見る事なんだ……この『ライター』の“炎”でなッ! 手にとりたまえ。炎を消さないようにな。」
ガッシャ~ン
ジョセフ「!!」
ユラ
ユラユラ
扉の小窓が開いており、そこには火のついたライターがおいてあった。
ジョセフ「なんだ? ただのライターじゃねーか……」
ボボボ
ジョセフ「!」
ポルポ「おっと! 炎が消えないように気をつけたまえよ! フラーという17世紀の神学者が言った……『見えないところで友人の事を良く言ってる人こそ信頼できる』」
ポルポ「24時間、君にその“炎”を消さずにライターを持っていてもらおう! それができたら……君の入団を認めよう。かんたんだろ? ライターのガスは十分にある……炎が消えないように明日の3時まで静かに自分の部屋で見張るだけでいいんだ………」
ポルポ「君が注意深く努力して見張る男なら“炎”は消えないだろう……君は『信頼』できる男だという事だ。」
ポルポ「だが、君が! もし! わたしの事を軽く考えているような男なら…………きっと居眠りだとかクシャミしたり、あるいは風が吹き込んだり………何か他の不注意な事故で炎は消えてしまうだろう………君は『信頼』できない男!……という事だ!」
ポルポ「これが入団の試験だ……さぁ! ライターを手に取りたまえッ!」
ジョセフ(へへっ…ずいぶんと挑発してくれるじゃあないの……その挑発乗ってやるぜ!!)
ガシャアアン
ジョセフがゲートを出るとゲートが閉まった
ポルポ「24時間………だよ。明日の3時、ここに再び君が面会に来るのを楽しみにしているよ。」
ジョセフ(24時間か…おそらく一睡もする事はできないが、組織に入るためだったらやるしかねーな。)
女看守「面会人はゲートをくぐったら再びボディ・チェックを受けてください!」
ジョセフ「…ハァ?」
女看守「館内を出てもよいという許可が出たら次の部屋へ進み、自分の所持品を受け取ってください!」
ジョセフ「ちょっと待てよ! ボディ・チェックだと!? ポルポから何も聞いてねーのか!?」
女看守「えっ!! !………」
女看守「ボディ・チェックします! 警告しますが、彼から何かを受け取る事は禁止されています!」
ジョセフ(オー! ノーッ! 何てこったッ!! ポルポの野郎がてっきりこいつらを買収してるから持ち出しは自由と勘違いしてたぜ…!)
女看守「『面会人』! 両手をあげて前へ進みなさいッ!」
ジョセフ(なるほどな…これも含めてポルポは俺を試しているのか……)
ドドドドドド
ゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ(やってやるぜ!! こんな事でへこたれる俺じゃねー事を証明してやるぜ…!)
スッ
ジョセフ「調べたきゃあ調べろよ…俺が何かを持ってるならな……」
ドドドドドド
ス…ス…ス…
ジョセフの身体を調べる女看守
ジョセフ「……」
女看守「……」
女看守「OKです。何も問題はありません。ここを出る事を許可します。」
ジョセフ(へへ…チョロイぜ!)
女看守「ただし、バンダナを外してください。」
ジョセフ「!!」
ドドドドドド
女看守「もう一度言います。バンダナを外しなさい! チェックしますッ!」
ジョセフ「……チッ」
ドドド
ドドド
ドドド
ジョセフ「しょうがねーな…」
ガッ
ヒラッ
女看守「…何も落ちない?」
ジョセフ「おい! おれを疑うのもいい加減にしろよ! おれはルールを守れと言われたらちゃんと守る男なのよ!!」
女看守「……疑って悪かったわね。退館を許可します!」
刑務所を出るジョセフ
ジジ
ジョセフ「おっと危ねえッ!」
ジョセフ(あの場面でバンダナにライターを隠すまでは良かったが、まさか外せと言われるとはな……シーザーのバンダナじゃなかったら波紋でライターをくっつける事が出来なかったぜ……)
ジョセフ(フ~…とりあえず何とか乗り切ったぜ……こりゃあ気を抜く暇がないな…)
~ブチャラティが貸したくれたアパート~
カップル男「おいそこの兄ちゃん! 悪いけど写真撮ってくれよ!」
ジョセフ「足にウンコがついてるぜ?」
カップル女「え!? ウソー! 汚ったない!!」
カップル男「おいウソだろ!?……って何もついてないじゃ…あれ?」
カップル男「あいつどこ行った?」
老人「あ……すまんけど、ちょっとこのドアを開けてもらえませんかな……バケツの水がこぼれちまうもので……」
ジョセフ「ならそのバケツの水をこぼしたら解決するぜ?」
老人「…………」
ジョセフ(ここまで来たらあとは俺の部屋に向かうだけだぜ…)
~マンション二階~
スッスッ
ジョセフ(あともう少しで俺の部屋だぜ……)
ガチャッ
男「ヤベッ! 遅刻しちまうぜ!!」
パシッ
ジョセフ「イテーーーーーーッ!」
ヒュー…
男「おっとごめんや!!」
ライターが飛ばされる。その下に待っているのは……
ドン
噴水ッ! ライターが落ちていく先には噴水があったッ!
ジョセフ「ウソだろ!? 何で最後の最後にこうなるのよ!!」
ジョセフ「水に着く前にライターをとらねーと!!」
二階から噴水目がけて飛び込むジョセフ
スーー
ジョセフ「キャッチ!!!」
カスッ
ジョセフ「あ、ヤベッ。」
ジョセフ「くそ~、こうなったら一か八か!!」
バリバリ
ジョセフ「水を使ってキャッチしてやるぜ!」
ボチャッ
水面を殴るジョセフ
バリバリッ!
ポチャ……
ジョセフ「フ~…何とか火の所まで水がつかねーで済んだぜ!」
波紋で水をクッションにして、鉄の部分を水のクッションでキャッチした。
ジョセフ「まだ俺にはツキがあるみて~だぜ、へへッ!」スタスタ
階段に向かうジョセフ
バシャアッ
ジョセフ「!」
老人「おっとあぶない! スマンのう。ごらんのとおり階段そうじをしとったんじゃ…」
老人「いやしぶきだけで水がかからなくてよかった!よかった!」
ジョセフ「ハ、ハハハッ…まさかね~……」
ゴゴゴゴゴゴ
ジョセフが見たライターには火がついていなかった。
ジョセフ「……やっぱりこうなる運命だったのね~…へへッ……」
今日はここまで。
次回は8日を予定しております。
ジョセフ「最悪だぜェ…ここまでのおれの苦労が水の泡だ……」
老人「おやおや。わしのせいでライターが壊れたのかい? そりゃあ申し訳ない事した……ちょっと貸してもらってもいいかね?」
ジョセフ「はいはいご自由にどうぞ!」
ポイ
ジョセフ(ポルポに何て言おう…正直に言ってもダメだし、これと似たライターを持っていってもダメ……こんなとこで俺のギャングへの道は終わっちまうのかよ~!)
シューシュー
老人「このライター、まだガスが出とるようじゃよ。点火ボタンは押してみたか?」
ジョセフ「そんなの押したって点くはずが…」
シュボォォォォ
ジョセフ「!」
老人「おお! どうやら点いたようじゃな。よかった!よかった!」
ジョセフ「じ、じいさんありがとよ……」
ジョセフ(おいおいおかしくね~か…? これで点いちまったらテストの炎を消さずにって意味が分からねーな…)
ジョセフ(ま、いいか! 早いとこおれの部屋に戻ろ!)
ジョセフ「じいさんありがとよ! この借りはぜってーに返すからな!!」
老人「ほっほ。楽しみにしとくよ。」
老人「!!」
ジョセフ「? じいさんどうかしたのか?」
老人「か、体が…急に動かんく……なったんじゃ…わ、悪いが…助けて……くれんか?」
ガクガク
ジョセフ「ったく…ぎっくり腰か? しゃあねーな、これで借りはチャラだぜ?」
ガシッ
ジョセフ「!」
ジョセフ「おい、じいさん…手が冷たすぎねーか?」
老人「………」
ジョセフ「おい! じいさん!!」
バタッ
ジョセフ「!?」
サッ
脈をはかるジョセフ
ジョセフ「みゃ、脈がねえ…何でだよ……たかがぎっくり腰だろ…? まだおれの借りが残ってるだろッ!!」
ガシッ
ジョセフ「! な、なんだ!? 体が動かねーッ! ウソだろ? おれまでぎっくり腰か…?」
ジョセフ「ハッ! まさかおれはスタンドに攻撃されてんのか? それだったらおれの今の状況は…」
ジョセフ「ヤバくね?……」
ジョセフ「………」
ドドドドドド
ブチャラティ「スティッキー・フィンガーズ!!」
ジョセフ「!」
バシーン
ジョセフ「ブチャラティッ!」
ブチャラティ「ジョジョ! 今は説明してる暇がないッ! 黙っておれについてこいッ!」
ジョセフ「あ、ああ!」
ブチャラティ「閉じろジッパー!」
ヂヂヂヂヂヂ!
~マンション裏~
ブチャラティ「間に合わなかったか…また関係のない一般市民に犠牲者が……」
ジョセフ「おいブチャラティ! 助けに来てくれたのはありがてーが、これは一体どういう事だ!? なんでおれは体が…ん? おいブチャラティ……」
ブチャラティ「何だ?」
ジョセフ「いや、おれの目の錯覚かもしれないんだが…」
ジョセフ「お、お前の後ろにいるのってもしかして…スタンドってやつ?」
ブチャラティ「!? ジョジョ…おまえ……まさか…?」
ジョセフ「何かよォ~…さっきお前に助けてもらった時、どっかで手を怪我して、血が止まらねーんだ……それと関係あんのかなブチャラティ……?」
ドバドバ
ドドドドドド
ブチャラティ「……落ち着いて聞けよジョジョ……どうやら君はスタンド能力に目覚めてしまったようだ…」
ジョセフ「え? おれが? な、何の冗談だよブチャラティ~。」
ブチャラティ「冗談ではない…いいか? ポルポがお前に試していたのは『信頼』なんかじゃない。『スタンドが発現』するかどうかだったんだ!」
ジョセフ「? 話が見えてこねーぞブチャラティ…」
ブチャラティ「ポルポのスタンドはブラック・サバスといって、そのライターを再点火し、その再点火された炎を見た者に攻撃するスタンドなんだ…」
ブチャラティ「ただし、ただの攻撃ではない。『運命の矢』という矢で攻撃する…攻撃された者はスタンドが発現するか、死ぬかのどちらかを決められる。」
ジョセフ「じゃあもしかして…あのじいさんは……」
ブチャラティ「あの炎を見てしまい、ブラック・サバスに殺された……そして、ジョジョ…君はおれがブラック・サバスに攻撃した時に運命の矢がたまたま手に刺さり、スタンドが発現したんだろう……幸運だったな。」
ジョセフ「あの豚野郎…よくもじいさんを……」
グッ
ブチャラティ「…残念だが、ポルポは自分の意思でブラック・サバスは動かしてはいないんだ……」
ジョセフ「なんだと!? どういう事だ?」
ブチャラティ「やつのスタンドはあくまで再点火された炎を見た者を攻撃するスタンドだ…つまり、『自動遠隔操縦』されているんだ。ポルポは何もしなくてもいい…ただ、生きるか死ぬかの結果を待っているだけでいいんだ……」
ジョセフ「……それじゃあ自分はのほほんと牢獄の中で暮らしてる時に、ポルポは人を無意識に殺してるって事かブチャラティ?……」
ブチャラティ「…ああ、そうだ……」
ジョセフ「……チクショーーーーッ!!」
ガッ
ブチャラティを掴むジョセフ
ジョセフ「あのじいさんはおれの事を心配してくれたんだ…その前におれが冷たくあしらったにも関わらずだぜ?……そんな優しいじいさんを…何の恨みもなく……殺してるだとッ!?」
ブチャラティ「……ジョジョ、ポルポはギャングだ。一般市民が死のうが関係ないんだ…」
ジョセフ「分かってるさブチャラティ…」
ブチャラティ「……」
ジョセフ「こんな腐った組織、おれが潰してやるッ!! それを改めて確認できてよかったぜ……そのためにはブチャラティ、お前も協力してくれよ…?」
ブチャラティ「ああ、分かってる…」
ブチャラティ「ところでだ、ジョジョ…君のスタンドはどこにいるんだ?」
ジョセフ「いや、それがよ~、イマイチスタンドの出し方が分からねーんだよ。…もしかしたらもう出てたりして?…」
ブチャラティ「確かに君の意志であればスタンドはとっくに出せるはずだが、周りにあるのはバラだけだぞ?」
ジョセフ「バラ? 花壇や土がないのにどうしてバラが咲いてるんだ?」
ゴゴゴゴゴゴ
ブチャラティ「……! ジョジョ、頭の中でこのバラを動かそうとしてみてくれないか?」
ジョセフ「え? なんでそんな事を…」
ブチャラティ「いいからやってみてくれ!」
ジョセフ「ケッ、分かったよ…」
ジョセフ(動けバラッ! なんてね~…)
ズズズ
ジョセフ・ブチャラティ「!」
バラからツルがでて、ウニョウニョしている
ブチャラティ「やはりか…ジョジョ、あのバラは君のスタンドだ。」
ジョセフ「ちょっと待てよ! もしあのバラがおれのスタンドだとしたらショボすぎない?」
ジョセフ「ブチャラティのスタンドは人型なのに、おれのはこんなちっこいただのバラかよ……」
ブチャラティ「…もしかしたらそれはスタンドの一部分かもしれない。ジョジョ、もうちょっと動かして……」
ザッザッ
ジョセフ「……何か音がしねーかブチャラティ?」
ブチャラティ「…あれは……」
ドドドドドド
ブラック・サバス「…再点火を見たな!」
ブチャラティ「ブラック・サバスッ!!」
ジョセフ「おいおい! おれはもうスタンドが発現してんだからいいんじゃあねーのかよッ!」
ブチャラティ「まだだ…ブラック・サバスは君に矢を貫くまで追いかけてくるぞ!」
ブチャラティ「スタンドが発現している相手に矢を貫ぬく…それは死を意味するという事だ…!」
ザッザッ
ジョセフ「なら逃げるしかねーぜ!」
ブチャラティ「ジョジョ! むやみに動くのは危険だ!」
ブチャラティ「!」
スッ
ブラック・サバスがいた方向を見るブチャラティ
ブチャラティ「ブラック・サバスが…消えた…?」
ジョセフ「ぬわッ!?」
ガシッ
ブラック・サバス「逃がさないぞ!」
ジョセフ「こいつがブラック・サバスかッ!! どこから現れたんだこいつッ!」
ブチャラティ「ブラック・サバスは口から矢が出るッ! 気をつけろッ!!」
ジョセフ「そんな事言われても避ける方法がねーんだよ!!」
ブラック・サバスの口から矢が見える
ブチャラティ「ジョジョ! スタンドを動かせ!」
ジョセフ「スタンドを……?」
ブチャラティ「はやくッ!!」
ジョセフ(見た目は全然役に立ちそうにねーが…頼むから動いてくれよ…!」
シュッ
ブラック・サバスの口から矢が出る
ブラック・サバス「おまえには向かうべき2つの道がある!!」
スッ
ブチャラティ「!」
ブン
ドスン
ブラック・サバス「グアアアアア!」
ザーーーー
ジョセフ「……どうなったんだ?」
ブチャラティ「ジョジョ、横を見てみろ…それが君のスタンドだ……」
ジョセフ「え?……」
ゴゴゴゴゴゴ
ジョセフが見た先には全身をバラのトゲトゲなツルで覆われ、所々にバラが咲いている人型のスタンドがいたッ!
ジョセフ「これが…おれのスタンド? ……へへっ! なかなかかっこいいじゃねーか!! それじゃあさっきのバラは一体…」
ブチャラティ「……ジョジョ!」
ジョセフ「ん?」
ブチャラティ「ブラック・サバスがまた消えた…気をつけろ。」
ブチャラティ「やつは何かの手段を使って移動している……すぐ近くに隠れているはずだ……」
ジョセフ「…周りには隠れられるような物は置いてねーぜ?」
ブチャラティ「! ジョジョ、後ろだ!!」
ジョセフ「!」
ブラック・サバス「おまえには向かうべき2つの道がある…」
ジョセフ「しつこいやつは嫌いなんだよ!」
ブン
スッ
ジョセフ「また消えた!?」
ブチャラティ「今度は下だッ!!」
ジョセフ「ナニィ!?」
ブラック・サバス「言っているだろ…逃がさないとッ!!」
ジョセフ「……ハハ~ン…ようやくトリックが分かったぜ。」スッ
ジョセフ「ここは逃げるに限るぜッ!」ザッザッ
ブチャラティ「ジョジョ! どれだけ逃げてもやつはどこへでも君を追いかけるぞッ!」
ジョセフ「ああ、ブチャラティの言うとおり こいつはおれがどれだけ逃げようと、追ってこれるだろうよ……だけど、こいつには追ってこれない場所がある!」
ザッ
いきなり逃げるのを止めるジョセフ
ジョセフ「それは『影がない場所』だッ!」
ザッ……
ブラック・サバス「……」
ブチャラティ「ブラック・サバスの動きが止まったッ!?」
ジョセフ「こいつは影の中を移動してたんだッ! だから太陽の光が当たってる場所には出てこれないってわけよ!!」
ジョセフ「ほ~らブラック・サバスちゃ~ん! ここまでおいでーだ!」
ブラック・サバス「……………」
ジョセフ「さて、とりあえず影のない場所にでも逃げるか…」ザッザッ
ブチャラティ(さすがジョジョというべきか…ブラック・サバスの秘密をたった数分で見破るとは……ジョジョにはこれからも協力してもらわないと…ん…?)
カーカー
ブチャラティ「カラスか……もうそんな時間か。ジョジョ! もうすぐ日が暮れる。早いとこブラック・サバスと決着を…」
ブチャラティ「? ブラック・サバスのやつ、どこへ消えた…?」
ブチャラティ「! まさか…ジョジョ! はやく走れッ!!」
ジョセフ「へ? なんで?」
カーカー
ブチャラティ「やつはカラスの影を利用して、お前に近づいているぞッ!!」
スー…
ガシッ
ジョセフ「!」
ブンッ
ジョセフ「グヘッ」
影のない場所に飛ばされるジョセフ
ブチャラティ「ジョジョ!」
グググググッ
ジョセフ「うっ……!」
ブラック・サバス「おまえには向かうべき2つの道がある!!!!!」
ジョセフ「クソッ!…」
ジョセフ「あと少しで太陽の光が全身に当たるのに…今日はついてねーなぁ……」
ドヒャアーッ
ジョセフ「ただ…おれの手に太陽の光が当たってるのは幸運だったがな…」
シュビシュビ
ブラック・サバス「!」
ブラック・サバスにトゲトゲのツルが巻きつく
ブチャラティ「ジョジョのスタンドはブラック・サバスに捕まっている。なのになぜツルを出せるんだ…?」
ジョセフ「へへっ! これだよ!」
ブチャラティ「それは!」
バァーン
手には先ほど地面に落ちていたバラがあった。そのバラからはトゲトゲなツルが出ており、ブラック・サバスに絡みついていた。
ジョセフが持っているバラはスタンドの一部分で、ジョセフの遠隔操作でバラを動かす事ができるようだ。
ジョセフ「これでおれがバラに波紋を流したら……たっぷりと太陽の光を浴びれるナァ~~……ブラック・サバスッ!」
ジョセフ「せめてお前が人間だったら…あの世でじいさんに詫びる事も出来たのによ…! それだけが悔やまれるぜッ!!」
バリバリ
ジョセフ「波紋疾走ッ!!!」
バチバチ
ブラック・サバス「ギャアアアーーッ」
ブショアアア
ジョセフ「……」
ガッガッ
スッ
倒れている老人に近づき、老人の目を閉じるジョセフ
ジョセフ「すまねーなじいさん…あの世で借りは返すからそれまで待っててくれ……」
ブチャラティ「ジョジョ…後の事は俺に任せて、君は今日寝た方がいい。」
ジョセフ「ああ、お言葉に甘えさせてもらうぜ。」
ジョセフ「…なぁブチャラティ?」
ブチャラティ「なんだ?」
ジョセフ「一つ頼みがあるんだかいいか……?」
~翌日、ネアポリス刑務所~
ジョセフ「おいポルポ。ライターを持ってきたぞ。」
ポルポ「ブフゥ~。どうやら無事に炎を守ったようだね。おや、今日はブチャラティも一緒なのかね?」
ブチャラティ「このジョセフ・ジョースターってのはおれが一番期待してるやつです。そいつが合格する瞬間をこの目で見届けたかったもので…」
ポルポ「……まーいいか…とりあえずジョセフ・ジョースター。君はこれから『パッショーネ』の一員として、私に従ってもらうからそのつもりでね。」
ジョセフ「おう。任せてくれ。」
ポルポ「合格祝いにピザでも食うかね? ここのピザ屋は高級な物をふんだんに使っているからとても美味しいんだ。ブふぅ~~~。」
ジョセフ「なら食わしてもらおっかなァ~。ちょっとこっちに近づいてきてもらってもいいか?」
ポルポ「かまわんよ。」
ジョセフに近づくポルポ
ジョセフ「あっ! あんな所にゴキブリがいやがるッ!!」
ポルポ「ど、どこだね!? 早くそのゴキブリを殺したまえッ!!」
ヂヂヂ…
ジョセフ「…あ、すまねぇポルポ。どうやらおれの見間違いだったみてーだ。」
ポルポ「…ぼくをからかうのはこれで最後にしたまえよ? ジョセフ・ジョースター……」
ジョセフ「じゃ、これにて失礼するぜ。」
ポルポ「なに? ピザはいいのかね?」
ジョセフ「看守に何ももらっちゃいけねぇって言われてるからもらう事はできねーよ。そんじゃ!」スタスタ
ポルポ「…あの男には厳しい教育が必要だねぇ…ブチャラティ?」
ブチャラティ「……分かっています。では私もこれにて…」タッタッタッ
ポルポ「…フンッ!」
ポルポ(あの小僧、まじめに24時間この炎を守ったのか? それとも再点火してスタンド使いになったのか……ブフ~~~。フフフ…クク! そんな事はどっちでもいい……とにかく生きて炎を持ってきた。あーゆー若くて何も知らんヤツは利用できる……どっちだろうとわれわれの都合のいいようにな……)
パカッ
ポルポ「? 冷蔵庫が勝手に開いた? 中に物を詰めすぎたか。」
ドスッ
パタン
ポロッ
ポルポ「おっと!」
冷蔵庫の上に置いてあった手榴弾がいきなり落ちたのをキャッチするポルポ
ポルポ「…こんな所に手榴弾を置いた記憶がないな…ま、そんな事どうでもいいか。」
ポルポ「安全ピンが抜けてさえいなければ爆発する事はない。」
ゴロゴロッ
ポルポ「?」
スッ
ゴゴゴゴゴゴ
ポルポが見た先にはベッドの上で手榴弾が3つほどバラによって動かされているのが見えた。
ポルポ「こ、これは! まさかジョセフのスタンド!!」
ポルポ「しかもあの手榴弾の安全ピンは抜かれているッ!! マズイ!! や、やめろーーーーーーーー!!!」
コロッ
ボカーーーーーーン
~車内~
ボカーン…
ジョセフ「あの世でじいさんに詫びな、ポルポ…だが、お前はじいさんとは行き先が違うから手紙でも書いて送るんだな…」
ブチャラティ「ジョジョ…これでお前は後戻りは出来なくなったぞ。お前は今日からパッショーネの一員だ…分かっているか?」
ジョセフ「へいへい。精一杯頑張らせていただきますよ、ブチャラティ。」
ブチャラティ「フフフ。そうか。」
ブーン
ブチャラティ「今から君にはおれの部下達を紹介する。少し礼儀知らずなヤツらだが、大目にみてやってくれ。」
ジョセフ「へへっ。任せてくれブチャラティ! どんなやつでも怒るつもりはねーぜ!!」
~to be continued~
ブチャラティ「ジョジョ、今おれが言った事を理解出来たか?」
ジョセフ「えーと…とりあえずおれたちは力をつけて、ボスの信頼を得る事が重要ってわけだよな?」
ブチャラティ「そういう事だ。」
ガチャガチャ
ジョセフ「あ? 何だか騒々しいけど、なんかあったのか?」
ブチャラティ「…いや、いつもの事だ。」
~部屋~
フーゴ「この…クサレ脳ミソがァーーーッ」
ドグシャアッ
ミスタ「あ~あ、切れた切れたまた。なあ、そのケーキ残すの? 食うの?」
アバッキオ「………………」
ピシィッ!
フーゴ「ウッ」
ナランチャ「何だと……クサレ脳ミソって言ったな…~~~~~~人を見下す言い方は良くない!」
ナランチャ「殺してやる! 殺してやるぜ~~~フーゴ。」
ブチャラティ「てめーらッ! 何やってんだーーーッ!」
ブチャラティ「昨日話した新しい仲間を連れて来た! ジョセフ・ジョースターだ!」
全員「…………」
ジョセフ(へへへっ…こりゃあなかなかクセの強いヤツらでやんの。)
ブチャラティ「全員スタンド使いだ………チームの仲間ではあるが…その能力の真の力はかなり信頼されなきゃみせないけれどもね」ボソッ
ジョセフ(ここはちょっと場を和ましてやるか…)
ジョセフ「おれの名前はジョセフ・ジョースターって言うんだ! ハッピーうれピーよろピくねーーー!」
ゴゴゴゴゴゴ
ナランチャ「ごめんなフーゴ。」
フーゴ「ぼくの方こそゆるしてくださいナランチャ。」
ナランチャ「オレいっしょうけんめい勉強するよ。だからまた教えてくれ。」
ミスタ「…………」
アバッキオ「♪」
ジョセフ(…見事にスルーしてくれじゃあないの。)
ブチャラティ「おい おまえらッ! このブチャラティが連れて来たんだ。あいそよくしろよッ! 証明のバッヂも持っているッ!」
ジョロジョロ
ジョロジョロン
ジョロンジョロン
ナランチャ・フーゴ・ミスタ「!」
アバッキオ「いいですとも。ジョセフ君だっけ? 立ってるのも何だからここ座んなよ。お茶でも飲んで…」
ジョボジョボ
アバッキオ「話でもしようや………」
ジョセフ「…話が分かるヤツがいて助かるぜ。」
アバッキオ「さあ飲みなよ。あんた年いくつ。」
ジョセフ「18だ。」
ミスタ「へ~、俺と同い年かよ。そうは見えねぇな~…」
ジョセフ「大人に見えるって意味だよな。じゃあ いただくぜ。」
コップを口に近づけるジョセフ
ジョセフ「うっ!」
ジョセフ(豚小屋で匂った事のあるようなこの強烈な匂いはッ…)
ブチャラティ「オレにも1ぱいついでくれ。」
アバッキオ「ブチャラティ、悪いが別に注文してくれ。」
ブチャラティ「?……?」
アバッキオ「どうした? おまえはオレがわざわざ注いでやったそれをいただきますって言ったんだぜ。いただきますって言ったからには飲んでもらおうか。それともヌルイから飲むのはいやか?」
フーゴ「ブ!」
ナランチャ「クスクス、へへへ」
ミスタ「仲間になりたくねーから飲みたくねーんじゃねーの?」
ブチャラティ「? 何やってんだオマエらッ」
ジョセフ(ブチャラティの言うとおり こいつらは『少し礼儀知らず』のようだな……)
ジョセフ(ほんの少しだけ礼儀を教えてやるか…)
ジョセフ「とんでもないぜアバッキオ先輩! 当然飲ましていただきますよ~。」
ジョセフ「でもその前に、オレの手品を披露させてもらってもいいかな?」
アバッキオ「手品だ?」
ジョセフ「実はオレ、このコップの中のお茶を宙に浮かせる事ができるんだ。」
ナランチャ「なんだよそれ! すげー手品じゃんかッ!」
フーゴ「…おいナランチャ。」
ナランチャ「あ……ぜ、全然スゴくねー手品だな!!」
ミスタ「なら早いトコそのすげー手品をオレたちに見せてくれよ。」
ジョセフ「言われなくてもやらしていただきますよ。」
ジョセフはコップの中に指を入れてコップを逆さまにした!
ナランチャ「すげぇーーー!!!」
ジョセフ「まだこれからだぜ。」
するとジョセフはコップを指から外した。なんと指先にはコップの中の液体が、コップに入っていた形を保ちながらプルプルしていた!
プルプル
アバッキオ「!」
フーゴ「そんなバカな! 普通ならば重力で水は下に落ちるはずです!! 一体どうやっているんですか!?」
ミスタ「おいおいそんな事をしてもオレは驚かねぇぜ…で、どんなトリックを使ったんだ?」
ナランチャ「ジョセフ! オレにもその手品を教えてくれよ~!」
ジョセフ「へへっ。それならオレの指をよ~く見てくれ。」
ジョセフの指に近づく4人
ジョセフ「ブチャラティは離れていてくれ。」
ブチャラティ「?」
ドバァッ
ジョセフは指にひっついていた液体を4人めがけて弾き飛ばした
アバッキオ「うわッ! テメー何やってんだ!!」
ミスタ「テメー、オレたちにケンカ売ってんだろッ!」
ジョセフ「うるせーよッ! おれは触りたくもねーこの液体に指をつっこんでるんだよ!! お互い様だろ!?」
フーゴ「それよりもさきほどの手品はどうやったんですか? もしかしてそれが君の能力なのですか?」
ジョセフ「さあね…オレはテメーらを信頼する気なんかねえから見せらんねーよ。」
アバッキオ「言ってくれるじゃあねえかテメー…」
ナランチャ「フーゴ~~、アレが口の中に入っちまったみてえなんだ。すげー嫌な匂いがする…何とかしてくれよ~~~。」
フーゴ「そんなの口を水で洗えば済む話でしょう! ボクに聞かないでも分かる事だ!!」
ブチャラティ(ジョセフ・ジョースター…ジョジョの扱いには気をつけなくてはいけないな…)
とりあえず今回はアバ茶までです。
次回は更新は2週間以内にします。
~カプリ島~
ジョセフ「あ~あ、暇だぜ…」
ジョセフ「あいつらとは別行動をとって先にこの島にやってきたが…何もねえ所だな。暇すぎてスタンドで遊ぶしか選択肢がねぇんだよなァ~……」
ウネウネ
ジョセフ「だけど、このスタンドについて色々分かったことがある。それだけでも収穫か。」
ジョセフ「それにしてもあいつら…いくらなんでも遅すぎだぜ。何十分待たせる気だぁ?」
ガチャッ
男「ヨット『ラグーン号』をお持ちの方はおりますかァーーッ。『ラグーン号』をお持ちの方ーーッ。」
ジョセフ「『ラグーン号』? 確かブチャラティたちが乗っているはずのヨットだったよな…」
男「ラグーン号の『ズッケェロ様』から………! 『無線』が入っておりますーッ。『ボート監視小屋』までお越しくださーい。」
ジョセフ「?……ブチャラティのチームにズッケェロなんて名前のヤツいたか?」
ジョセフ「!…ハハ~ン。ブチャラティのヤツ、念のために偽名を使ってるんだな…用心深い野郎だぜ。」
ジョセフ「ハイハ~イ! それはきっとオレの事だぜ!」
ダッダッ
ドアノブに手をかけるジョセフ
ジョセフ「さてと…」
ジョセフ「おい! 今からオレはこのドアを開けるけど、逃げるんなら今のうちだぜェ~~~!!」
?「!」
ジョセフ「オレがこのドアを開けた時、目の前にいるヤツは、おそらく敵だろうからな~…」
ドドドドドド
ガチャッ!
ジョセフ「くらえ! ハーミット・パープル!」
ボゴォッ
窓ガラスが割れる
ジョセフ「な…なんだァーーーッ!?」
バシャアア~ン
ピストルズ1「キャモオオオーーーーン!」
ミスタ「行け………『セックス・ピストルズ』ッ!」
グバァアッ
ピストルズ2「パスパスパース!」
ピストルズ1「イイイーーーッハァアアアーーーッ」ゴッ
バギィッ
バズゥッ
?の右脚にヒット。
?「うぐああっ!」
グワシャアン
ピストルズ1・2「!!」
スタタタタタ
ピストルズ1「イエエエーーーイ!」
パシン
ピストルズ2「ヤリィイイイーッ」
ピストルズ1・2「ウシッウシッウシッウシッ!」
ギュッギュッギュッ
ピストルズ1「ン? オイミスタッ。マダ敵ガ一人残ッテルゼッ!!」
ミスタ「OK…任しときな。」
ガチャリ
ジョセフ「え? オレ?」
ミスタ「覚悟するんだな。」
ジョセフ「ちょっとタンマッ! おいミスタ!! テメーは仲間の声を覚えらんねえのかッ!?」
ミスタ「さあな…おまえみたいな声の仲間はいないな……」
ミスタ「…あ? おまえなんで声だけで俺のことがミスタって分かったんだ?」
ジョセフ「だから言ってんだろッ。おれは新しくオメーらのチームの仲間になったジョセフ・ジョースターだよッ!」
ミスタ「! テメーなんでこんな所にいやがるんだッ!?」
ジョセフ「こっちが聞きたいねッ! それよりなんだよ今の変な妖精みたいなヤツは!? あれがおまえのスタンドか?」
ミスタ「オメーなんかに話すかよ!」
ジョセフ「なんだとォ~?」
ミスタ「ムカついたか? なんなら今ここでおれと勝負したっていいんだぜ? ま、確実にオメーは勝てねーがな。」
ジョセフ「その言葉、そっくりそのままテメーに返すぜ。」
バタバタ
ガチャリ
ミスタ「! しまった! 敵に逃げられた!! 逃げられたらオメーのせいだからなジョセフッ!」
ジョセフ「そんな事言ってる場合かよッ! 早いとこあいつを捕まえねーと!」
ブオン
グアアアア
ジョセフ「あの野郎ッ! トラックで逃げる気だ!」
ミスタ「それはマズイぜッ。おれたちは敵の顔を見ちゃいねぇ。ここで見失ったら大変な事になるぞッ!」
ジョセフ「大変な事ってどう言う事だよ?」
ミスタ「後で話すッ。クソッ! このままじゃあヤツに逃げられちまうッ。」
ジョセフ「しゃあねぇな~…おいミスタ! オレに掴まれッ!」
ミスタ「ハァ? こんな時に何冗談言ってんだ?」
ジョセフ「いいから掴まれって言ってんだよこのタコッ!」
ミスタ「誰がタコだよ!…あぁ分かったよ!! テメーの言う通りにしてやるよ!」
ガシッ
ジョセフ「ハーミット・パープルッ!!」
シュビシュビ
ガッ
ジョセフの出したハーミット・パープルのイバラがトラックの後ろの扉に絡みついた!
シュビシュビ
ガシッ
ガツンッ
ミスタとジョセフが扉に激突する。
ミスタ「グベッ!」
ミスタ「おいジョセフ…もっと丁寧に扱えねえのかそのスタンドをよォ~……」
ジョセフ「イテテ…まだ力加減がイマイチ分からねえんだよ。」
ダッダッ
ミスタ「敵はおそらく運転席だ…おまえはここで待っときな。」
ジョセフ「へいへい。」
ゴゴゴゴゴゴ
ガチャッ
運転席の男と目が合うミスタ
ミスタ「くらえッ!」
オオオオオオ(車の風を切る音)
グルッ
ガァーン
ボゴォ
ミスタは振り返り、トラックの上にいた謎の男を撃った。
ミスタ「運転してんのは持ち主か? このトラックの……おどしてエンジンかけさせたな。ケガしてねーんだ……この運転手の右脚はなぁ………殺すつもりはなかったけどよォ……」
?「いっ! 痛てぇぇ~~ちくしょうッ! またやってくれたなうがぁぁっくそ!」
ミスタ「…………!!」
?「2発もやりやがったなこのくそ野郎ッ!」ヨロヨロ
ミスタ「動くんじゃあねえッ! 今度はちゃんと狙うぞコラァッ!」
ミスタ(何てマヌケなセリフ吐いてんだこのオレは---そうじゃあねーだろ-------『何でくたばらねーんだ。ど頭にくらったのによ!』って言うんだろ…だが、そのセリフをこいつに対し言ってやるには何かオビえてるみてえで…好きじゃあねえ……)
ミスタ(いったいこいつは!?……!?『弾丸』が偶然うまいぐあいに脳ミソの急所をはずれたのかな……)
?「可愛い事をやってくれるじゃあねーかよ…ええ? ミスタ。たしかミスタって名前だよな、てめーはよォ~~。オレの名前はサーレーだ。ズッケェロのやつはやられちまったらしいが、オレに気づかれる前にオレを見つけて始末しようって計画だったのか?」
サーレー「このカプリ島にはおめーの他にジョセフってやつがいるみてえだが…オレの顔を見たのは…まだおまえひとりだよな……ええ? ミスタ?」
ミスタ(あぁ? ジョセフの野郎どこ行きやがった? まさかあいつ逃げやがったな……)
ズッ
ガァーン
ヂュキィイーン
ミスタが撃った弾丸はサーレーのスタンドに弾かれる
ガァーン
ガァーン
ヂュイン
ヂュイン
サーレー「『無線の罠』はられたりよ……不意打ちでたまげた時にぶっ放されたから思わず『2発』くらっちまったが、気ィ張って面と向かえば…オレのスタンド『クラフト・ワーク』で拳銃の弾丸なんざたたき落とすのはそんな難しい事じゃあない。」
サーレー「ところでそのリボルバー…夢中だったんでよく数えてなかったんだが、合わせて何発撃ったっけ? ええ? おい?」
サーレー「今、このトラックで4発だろ? さっきマリーナ・グランデのボート小屋がちと自信がねーんだが、たしか2発撃ったな? だよな? 『数』合ってるよな? ミスタ?」
サーレー「これで安心しておまえをブチのめせる距離まで近づけるってもんだ…え?」ズルッズルッ
ミスタ(やばい…一たんこいつから離れねーとまずい…弾丸をこめなおさねーと…)バッ
グン
ピタァ
ミスタ「なっ!? 何だッ!?」
ミスタの手はトラックのバールから離れず、ミスタの身体は宙に浮いていた。
ミスタ「バ…バカなッ! トラックからおりられねえッ! 左手がバールから離れねえッ!」グッグッグッ
ミスタ「おい運転手! 早くトラックを…!?」
トラックの運転手は口から泡を出し、気絶していた。
ミスタ「何で気絶してんだよッ! それと何でこのトラックは止まらねーんだ!」
サーレー「考えてみろよ……何でオレが弾丸切れの事をワザワザ親切に教えたと思う? 慈善事業だと思うか?」
ミスタ「くっ」グッグッグッ
サーレー「ミスタ…もうおまえはこのトラックから逃げられないから安心して教えたんだ…下の運転手もアクセルから足を放せねえ…ハンドルからもな……おまえもそのトラックにくっついた左手で もう弾丸はこめられねえから教えたんだよ。」
ミスタ「……………!!」
グオオオオオ
ミスタは冷静になってサーレーの周りを見てみた。そこには先ほど弾かれたはずの弾丸が空中で固定されたかのようにピタリと止まっていた。
ミスタ(固定………やつの能力が触れたから弾丸が空中に固定されたのか! トラックをさわってオレや運転手をトラックに固定したのか!)
ミスタ(やつの能力は触ったものをその場所に固定する能力なんだ………! ブチ込んでやった弾丸も傷口の皮膚のところで止まって、体内奥まで食い込んでねーからくたばらねーんだ!)
サーレー「実を言うとなミスタ…おまえがオレを襲って来てくれた事はうれしい事だぜ。おまえにつけられたキズの事なんか忘れてやってもいいほどにな…だってよ、ポルポの隠し金が本当にあるのかどうか半信半疑じゃねーか。ただのチンピラ同士でのウワサだもんな……だが、おまえが襲って来たって事はマジにあるって事だ。」
サーレー「ええ! 希望とやる気がムンムンとわいてくるじゃあねーかッ! おいッ!」
サーレー「情熱を持ってブチャラティの野郎から6億円を奪ってやれるぜーーーーーッ。」
ドドドドドド
シュルシュル
ミスタ「!」
ミスタ(あのイバラは何だ?)
シュビシュビッ
サーレー「な…何だこのツルはッ!?」
イバラはサーレーの体に巻きつき、身動きを取れないようにしてる
ジョセフ「今がチャンスだぜ! ミスタ!」
ミスタ「ジョセフ!? テメーどこ行ってやがったッ!」
ジョセフ「いいから早く撃てッ!」
ミスタ「言われなくても手は動いてんだよッ。」
バラバラ
ガシィン
ガァーン
ボゴォォ
ミスタの弾丸はサーレーの喉を直撃した。
サーレー「グボレッ!」
ゴロゴロゴロゴロ
ミスタ「フ~…これであいつの能力から解放されるはずだ…」
ミスタ「ところでジョセフ…オメー今まで何してやがった……?」
ジョセフ「え?…ちょ…ちょっと運転手の人と会話を楽しんでたんだよ。」
ミスタ「…じゃあもしかして運転手を気絶させたのはオメーって事か?」
ジョセフ「…いや~、さすがミスタ先輩! 感が鋭いねェ~!」
ミスタ「…と言う事はおまえってやつは運転手を気絶させた上に今までオレが敵と戦ってたのを知らんぷりしてたってわけか?」
ジョセフ「運転手を気絶させちゃったからこれからどうしようか悩んでたんだよ。ミスタから見て反対側のバールにオレは捕まってたからミスタには見えなかっただろうけどよ。」
ミスタ「普通にオレと敵との会話が聞こえんだろッ! ましてや銃声の音を聞いても何でオレの事を心配しねーだよッ。ただ単純にオメーがビビってただけじゃあねーかッ!」
ジョセフ「ギクッ」
ジョセフ「だけど一応オレはミスタを助けたじゃねーか! まずそこを感謝しろよ!」
ミスタ「ん? やっと左手の固定が解除されたか…ったく…新入りの教育はめんどくせーなァ~……」
ジョセフ「…解除? それってヤバくね?」
ミスタ「何でだよ? オレの身体が自由になって何か文句あんのか?」
ジョセフ「ミスタじゃなくてさ…」
ジョセフ「運転手まで自由になったら、今運転してんのって誰?」
ミスタ「…それを最初に言えよバカッ!!」ガチャッ
~車内~
ジョセフ「さっきは死ぬかと思ったぜ……おれが気づいてなかったら大惨事だった…」
ミスタ「運転はお前が責任を持ってやれよ。お前が運転手を気絶させたんだからよ…」
ジョセフ「そんな怒らなくてもいいじゃあねえか! おれはこの運転手が敵だと思ってたから思わず波紋を流しちまったんだよ。」
ミスタ「波紋が何だか知らねえがお前は何も考えずに行動するのはやめろッ。おれに迷惑がかかるだろうが。」
ミスタ「あとな、おれはさっきおまえに助けてなんて言ってねぇから感謝なんてしねえからな。」
ジョセフ「勝手にしな。」
ミスタ「…そういえばなんでテメーはあの小屋の中に敵がいるってわかったんだ? ドアの前じゃ何も分からねえだろ。」
ジョセフ「おれの秘密をそうも簡単に教えるわけにはいかないね。」
ミスタ「おれの事を信頼してねぇってわけか…新入りのくせに偉そうな口をきくじゃあねーか…ま、おそらく敵がいるのが分かったのはお前のスタンド能力ってとこだろ?」
ジョセフ「…簡単に言えばそういう事だな。」
ジョセフ(たまたまテレビにスタンドで八つ当たりしていたら小屋の中の映像が映ったなんて言えねーよ…)
ジョセフ「おれからも質問さしてもらってもいいか?」
ミスタ「なんだ?」
ジョセフ「ブチャラティはこの島に何の用があるんだ? それに何もねえはずのこの島になんで敵がいるんだよ。」
ミスタ「それはお前が信頼できるやつか分かったら教えてやる。」
ジョセフ「ちょっと待てよ! 俺だってさっきのはスタンド能力って教えてやっただろッ!」
ミスタ「冗談だ冗談。一回しか言わねえからよく聞けよ。」
ブゥン
ミスタ「まず最初におれたちが乗っていた船には敵がいたんだよ。その敵はブチャラティが倒したが、その敵がこの島にいる仲間に『ある情報』を伝えてやがったんだ。」
ジョセフ「『ある情報』? 何なんだそのある情報って?」
ミスタ「ポルポが事故で死んだってーのは知ってるか?」
ジョセフ「…ああ、知ってるぜ。」
ミスタ「そうか。なら話が早い…実はこの島にはそのポルポの遺産、金額にして6億もの金が隠されてんだとよ。」
ジョセフ「ろ、ろ、六億だとォーーーーーーーーッ!!??」
ミスタ「テメー、耳元で大声を出すな!」
ジョセフ「この何もねぇ島にそんな大金が隠されてんのかよ…探しとけば良かったぜ……」
ミスタ「その金をブチャラティはボスに献上して、幹部に昇進しようとしている。もちろんおれたちもそれを望んでいる。」
ミスタ「だが、今その情報が広まってみろ。ブチャラティの計画は全てオジャンだ。とりあえず今はブチャラティたちが待っている港に戻るぞ。分かってんのか?」
ジョセフ「……」
ミスタ「テメーな~…」
ジョセフ「おいミスタ…前をみろ……」
ミスタ「そんなんで話が済むとでも思ってんのか?」
ジョセフ「あの敵が生きていたとしてもか…?」
ミスタ「なに…?」
ゴゴゴゴゴゴ
ミスタが見た先には、先ほどトドメをさしたはずの敵が空中に浮いていた。
ジョセフ「ミスタ…お前ちゃんと急所を狙って撃ったのか…?」
ミスタ「あ…あぁ、寸分の狂いもなくあいつを仕留めたはずだ…外れてるわけがねぇ。」
ミスタ(あいつ…また弾を固定してやがったのか……こいつは厄介な敵だぜ…)
ミスタ「ま、あいつを倒す事に変わりはねえ。お前はこのまま運転を続けろ。」
ジョセフ「おい! まだ俺が運転すんのかよッ! そろそろ変わ…」
バタン
ミスタ「敵一人ぐらい…おれで十分だ……」
~トラックの上~
ミスタ「クソッ! 何でこんな時に限って残りの弾丸が『4発』なんだよ! ええ!? おい!」
ピストルズ1「ミスタ! アンタが弾丸こぼしたカラダヨーッ。」
ピストルズ3「落トシタカラダーッ。」
ピストルズ6「4発ッテ数ハ縁起ガ悪イゼーッ。」
ピストルズ4「ソンな数テッポーにこめるなヨーッ。イイ事ナイゼーーーッ」
ジョセフ「ソウダソウダッ。」
ミスタ「お前は黙ってろッ!」
サーレー「おまえは決してッ! 逃がさねーッ! ミスタ!」グッグッ
ミスタ(あの野郎…さっき弾いた弾丸を自分のまわりに固定したように小石も空中に……階段梯子のように…ああやって登って来たのかよ。近づいてくる…くそッ!)
ミスタ「仕方ねえッ! ここで決着つけよおってんだな。口の中狙ってブチ込んでやるぜッ!」
ミスタ「ジョセフ! ぜったいにトラックとめんじゃあねーぞッ。止めたら……分かってんだろ!」
ジョセフ「言われる前から分かってるぜ…」
訂正:
ピストルズ4→7
サーレー「……」トントントントントントン
サーレー「…………」トントントントントントン
サーレー「ちょこっとずつ指でたたくんだぜ。ちょこっとずつでも何回もたたけば固定されてるとこに力はどんどんたまっていくからな。」
サーレー「おもいっきり殴っちゃだめだ……狙いが正確じゃあなくなるし相手に飛んでく方向がバレちまうからな…そして…………!」
サーレー「解除するッ!!」
ドギャァン
ミスタ「なにッ!?」
グン
ガァーン
ガァーン
ミスタ「うぐぁ!」バァーン
サーレー「戻って来たぜミスタ………おめーのスタンドは2発コントロール失ってどっかへ行ったなッ!」コンコンコンコン
サーレー「ちょっとずつなんだ。ほんの少しの力でな……何回もたたくんだ……」コンコンコンコン
サーレー「SOSのモールス信号打つみてーにな…狙いが正確じゃあないんで動き回るやつには使えないが、今のおめーにはバッチシ使ってやれるぜ!」
ミスタ(や…やはり最悪だった……縁起悪ィーぜ……4て数はいつも最悪なんだ……ガキの頃からそうなんだ…見えない因果関係つーのはあるんだよな……)
ミスタ(でもよ…それ以外はいい数なんだ! 残り2発になっちまったが、最悪の事態は乗り切ったっつー事だよなッ! 数は2だッ。てめーチクショーッ。)
ミスタ「残り2発…もしおれが残りの弾丸が2発って言ったら信じるか?」
サーレー「…………」
ミスタ「どうせ隠してもすぐにバレるんだから先に告白する…残り2発だ…だが、残り2発でおめーを倒すッ! それも先に告白しておくぜッ。」
サーレー「その身体のキズで戦えるのか?」
ミスタ「くっ!」
ジョセフ「やっぱり苦戦してるじゃあねぇかミスタ。」
オオオオオオ
サーレー「!」
ミスタ「!」
ミスタ「テメー! なに運転すっぽかしてんだッ! 早く運転席に戻れッ。」
ジョセフ「運転の事は安心しな。今、おれがしっかりと運転してるからな~。」
ミスタ「なんだと?」
ミスタが運転席を見る
そこにはジョセフのスタンド、ハーミット・パープルのイバラがハンドルに絡みついていた。
ミスタ「スタンドで運転…よくそんな危険な事やってのけるな……」
ジョセフ「へへっ。そりゃどうも。」
サーレー「これから2人で共闘するってわけかァ? かかって来いよ…おまえらをまとめて倒してポルポの財産を横取りさせてもらうからよ。ええ?」
ジョセフ(この不安定なトラックの上で肉弾戦を挑むのは危険だ…となると、この戦いはミスタの方が向いている。)
ジョセフ(だが、あのサーレーとか言うやつの能力は物体を固定させる事…ミスタが弾を撃っても、それを固定させられちまう…こいつあ難しい問題だぜ。)
ジョセフ「おい…ミスタ。」ボソッ
ミスタ「あ? なんだ。」
ジョセフ「今からおれの言う通りに行動してくれねぇか?」
ミスタ「…おれがお前を信用すると思うか?」
ジョセフ「あぁ、思うぜ。」
ミスタ「……」
ミスタ「これでチャラだぞ…」
ジョセフ「?」
ミスタ「これでさっきお前が俺を助けた借りはチャラだからな。」
ジョセフ「勝手にしな。」
ジョセフ「……」ボソボソ
サーレー「おいオメーら! 何コソコソ話し合ってんだよ。攻撃してこねぇんならこっちから攻撃させてもらうぜ。おい!」
コンコン
コンコン
ジョセフ「先制攻撃はこっちからやらしてもらうぜッ!」
ジョセフはサーレーに向かってバラを投げる。バラは途中でイバラを出しながらサーレーに向かっていく。
サーレー「おたくらは学習能力ってのを身につけた方がいいぜ?」
サーレーはバラを指先で触り、サーレーの顔の前で止まる。
ジョセフ「残念ながら俺達は学習能力ってのを身につけてるんだよな~。」
バラの後ろからピストルズたちが出てくる。
サーレー「なに!?」
ミスタ「バラの後ろにピストルズたちを隠してたんだよ。いくぞ、セックス・ピストルズ!」
ピストルズ3「オッシャァァーーーーーーー!」
ピストルズ5「イクゼェーーーーーーー!」
ミスタ「狙いはやつの口の中だ…」
ピストルズ3・5「OKダゼ ミスターーーーーーーッ!」
ピストルズ3・5が弾丸をサーレーの口の中に向かって蹴り上げる。
ピストルズ3・5「イィーーーハァァァーーーー!」
サーレー「フッ、お前の狙いはどうせここだろ?」
パク
サーレーは口を開ける。
ミスタ・ジョセフ「!!」
グボォッ
サーレー「グヘェッ!!」
バタッ
ジョセフ「こいつ…頭がイカれてるんじゃあねえのか……?」
サーレー「い…痛ぇーなァ~ミスタ。だがな…これでお前の残弾数は『1』になったな。」
ミスタ「クソッ!……」
ジョセフ「おれのとびっきりのグンバツな作戦がこうも簡単に破られるとは思わなかったぜ…」
サーレー「2人まとめてあの世に送ってやる。これでおれの勝ちだ……」
サーレー「解除…」
グオオオオオ
ピストルズ1「解除ダトヨ。聞イタカNo.6?…」
ピストルズ6「ハッキリト聞コエタゼ…解除ッテヨォ~」
サーレー「…あん?」
ゴゴゴゴゴゴ
サーレーが見た先、そこにはジョセフが先ほど投げ、サーレー自身によって固定させられたバラが一輪あった。
そのバラはサーレーの解除と言う声が聞こえてから落ち始めていた。だが、そのバラの中には…!
ミスタのスタンド、セックス・ピストルズが弾丸を持って待ち構えていたッ!
ピストルズ7「コイツニ近キタカッタンダヨナァーーーッ! 近ヅケバアソコヲ狙ウノガ正確ニナルカラヨォーーッ」
サーレー(な…なにィ~~~ッ。こ…こいつら、バラの中に隠れていやがったのか!?)
ミスタ「サーレー…残念ながら残弾数は『1』じゃあなくて『0』だ。」
ジョセフ「相手が勝ち誇ったとき、そいつはすでに敗北している…これがジョセフ・ジョースターのやり方ってわけよ!」
ピストルズ1・6・7「行クゼッ! ヤロードモォーーッ! 狙エッ!」
バギィィッ
ドギャン
サーレー「『クラフト・ワーク』防御し…!」
サーレー(ま、間に合わねー…)
ボゴォォ
ズブ
サーレー「……………」
ミスタ「同じ傷口を狙ったんだんだぜ! 傷口のとこで止まってる銃弾にもう一発ブチ込んでやれば……固定して止めたとしても一発分頭の奥にくい込んでいくよなあーッ」
ミスタ「…とはいえ、それでも不死身っつーんならしゃあねーが。」
ドッ…
サーレー「………」
ドシャッ
ピストルズ全員「ヤッタァーーーッ!」
ピストルズ1・2「ウシッ」
パシッ
ピストルズ6・7「ウシッ!」
パシッ
ピストルズ3「てい!」
ゴズッ
ピストルズ5「うえええ~ん」
ジョセフ「こいつら可愛いな…」
ミスタ「お…しかし生きてるぞ。こいつはまじに不死身のスタンドだな。脳ミソにくい込んでギリギリ生きてるぜ…ブチャラティの殺すなって…命令どおりではあったがよ…」
~車内~
ミスタ「おい…ジョセフ……」
ジョセフ「おい! あんまり動くな。おれのハーミット・パープルで波紋を流しながら治してやるから。」
ミスタ「…オメーは何のためにこのパッショーネに入った…? お前の目的はなんだ?……」
ジョセフ「おれの目的? 何か俺を疑ってる聞き方じゃあねえか。そうだな…」
ジョセフ「…おれはブチャラティをこのパッショーネのボスにしてみせる。俗に言うギャングスターってやつにな! それがおれの目的ってやつだな。」
ミスタ「ハッ。そうか……せいぜい俺たちの足手まといにならない事だな…」
ジョセフ「あれ? おれの事を疑わねえのか? 『新入りのテメーなんか信じられるかァー!』って怒らねえの?」
ミスタ「怒る気力がねえだけだよッ! イテテ…いいから早く治してくれ…」
ジョセフ「だったら動くなってさっきから言ってんだろ! ったくよ~…」
ミスタ(このジョセフってやつは未だに心の中で何考えてるか分からねえやつだ…だが、一つ分かった事がある…こいつにはブチャラティと似た覚悟ってのを感じる。このパッショーネを変えてやろうっていうブチャラティの覚悟とな……)
ジョセフ「とりあえず下に行ってブチャラティたちと合流しねえと……少しくらいは財宝を分けて貰えねえかな、へへッ。」
ミスタ(…やっぱり俺の勘違いかも……)
~to be continued~
今回はここまでです。
今回はピストルズ4を登場させてしまうというとんでもないミスをしてしまい、申し訳ございませんでした…
次回は28日を予定しています。
~港近くのトイレ~
ザザザザァァ~~ッ
ジョセフ「ヤベェッ。小便が漏れちまうぜ~ッ…」
フーゴ「行くんなら早く行ってください。あなたのお漏らしなんて誰も見たくないんですから。」
ジョセフ「オメー少しくらいは心配しやがれッ。」
ミスタ「ジョジョ。お前は1人でトイレも行けないマンモーニなのか?」
ジョセフ「マンモーニって何だナランチャ?」
ナランチャ「マンモーニだってよ! これは傑作だぜッ!」
アバッキオ「いいから早くトイレへ行けッ!! ブチャラティに迷惑をかけるな!」
ジョセフ「へいへい…」ダッダッ
ジョロジョロ
ブチャラティ「みんな。良くやってくれたな! おまえらのおかげで無事カプリ島に着く事ができた! 襲ってきたズッケェロとサーレーは船の中で気絶してる! もう心配はないだろうッ!」
ジョセフ「そんな事よりよォ~ブチャラティ! アレはどこに隠してやがんだ。早くそこに向かおうぜ!」ジョロジョロ
ナランチャ「そうだそうだ! 早く行こうよォーッ。」
ミスタ「6億を隠した場所によォ……!」
アバッキオ「どこに隠したんだブチャラティ? 銀行の隠し金庫か? いや……まさかな………どこかに埋めたのか? 島の洞窟とかにか!?」
ブチャラティ「うむ。もうちょっと待ってくれないか?」
ブチャラティは腕時計の時間を気にする。
フーゴ「どうしてです? ここから遠いんですか?」
ジョセフ「おいみんな静かにしろ……………」ジョロ…
ザッザッ
みんなが見た先には2人の清掃員がこちらに向かって来ていた
ジョセフ「おいあんたら……おれたち中でまだ用足してるからさ………な! 掃除ならあとにしてくれよ。あと5分ぐれーで済ましちゃうからさ。ちょっとだけ向こうへ行っててくれ。」
清掃員1「………………」ザッザッ
清掃員1「あんたの名前『公衆トイレ』……?」
ジョセフ「……はい?」
清掃員1「あんたの名前が『公衆トイレ』ってんならここは『あんたの家』って事だ。看板に書いてある…自分の家だから『あとにしろ』って命令するのは自由だ…だけど、もし『公衆トイレ』って名じゃあないんなら…あんたに『あとにしろ』なんて言われるスジ合いはないわけだ。」
ジョセフ「え…えーと…おれの名前は『ジョセフ・ジョースター』って言うんだ。確かに『公衆トイレ』って名前じゃあねーが、あくまでも公衆なんだから誰が使っても文句はねーだろ?」
清掃員1「…」スッ
ジョセフ「だからちょっとだけ待ってってさっきから言ってんだけど…」
清掃員の肩に手を置く
ガシッ
メキッ
ジョセフ「ぐ! うぐおおッ!」
ジョセフ「なッ!?」
メシメシメシメシ
ジョセフ「ちょっと待ってちょっと待って!! おれは何もあんたを殴ろうなんて思ってもねーからッ! 放してくれって!!」
ジョセフ「さもないと…ビリッとするかもしれないぜ……?」
ゴゴゴゴゴゴ
アバッキオ「な…何だ!!」
ナランチャ「まさか!!」
フーゴ「新手のッ!!」
ブチャラティ「いや待て! みんな! ジョセフを止めろッ! もしかするとその2人はッ!?」
清掃員2「! うむッ! ひょっとしてブチャラティか……?」
清掃員2「そこにいるのかね? ブローノ・ブチャラティ!?」パッ
清掃員1「………………」
清掃員2「6億円を受け取りに来たぞブチャラティ!」
ジョセフ「へ?」
ブチャラティ「全員『礼』だッ! 彼は組織の幹部ペリーコロさんだッ!」
全員「……………」
ブチャラティ「島に上陸する時、連絡しておいたのだッ! ここまでわざわざ金を受け取りに来てくれたのだッ!」
ザッザァーーーーーッ(一同礼)
ゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ(こ…こいつらが…組織の上司だったのかよ……おれマズイ事しちまったな。トホホ…)
ブチャラティ「わざわざお越しいただいてありがとうございます。」
ペリーコロ「いやいや。わしの方からこの島に来たいと言ったのじゃ。」
ペリーコロ「みんな……頭をあげてくれ……君、すまなかったな…こいつは自分の体に触られるのがにがてでな。」
ジョセフ「…いやいや、良いってことですよ! ハハハッ」
ジョセフ(そういえばオレ…手 洗ってねーな……そっちの方がバレたらさすがにキレられるな…)
ブチャラティ「息子さんは元気でいらっしゃいますか?」
ペリーコロ「ああ、今ではわしの力を借りんでも立派に仕事をできるようになった。子というのは知らんうちに成長するもんなんじゃな。」
ブチャラティ「そういえばなぜそのようなお姿で? その……掃除人に変装などを……?」
ペリーコロ「…………」
ペリーコロ「訳があってな。あとで話す……それより本当にあるんじゃろうな……組織に納める金…6億は?」
ブチャラティ「はい……ちゃんとここに……」
ミスタ「何だって?………今何てった?」
フーゴ「ここって言ったぞッ!」
ナランチャ「ここだって!?」
ブチャラティ「…………」
ドンッ
バンッ
ブチャラティは便器にスティッキーフィンガーズのパンチを入れる
ガバァァァ~ン
すると、その便器からは大量の金銀財宝が出てきた!
ジャラアアーッ
ナランチャ「うわおおおおおッ!」
アバッキオ「ベッ……便器の「中」にかァァーーーッ!」
フーゴ「ちょっと無茶な隠し場所じゃあないか、おい!」
ミスタ「安全ちゃあー安全だが、ここで小便してたヤツあバチ当たりだぜぇーーッ! あ。」
ジョセフ「くっそーーーッ! まさかおれが小便をしてた場所が財宝の隠し場所だったとはよォーーッ!! 悔やんでも悔やみきれねーぜッ。」
アバッキオ「おまえは金にしか興味がねーのか。」
ペリーコロ「うむ…本物じゃ。このネックレスひとつだけでブルガリとかの宝石店は7~8千万で買うじゃろう。」
ペリーコロ「ブチャラティ……おまえがどうやってこの大金を手に入れたのかは聞くのはやめよう……組織としては金を納めてもらえばそれで文句はないのだからな……」ヂャラヂャラヂャラ
カバンに財宝を入れるペリーコロさん
ミスタ「あれ? もっ……もうしまっちゃうの?」
ナランチャ「ちょ…ちょっとさわらしてもらえます? ニオイだけでも……」
ジョセフ「せめて目で見さしてくれ…財宝の輝きを…」
アバッキオ「こいつら……」
ペリーコロ「この金が示す事実はッ。!!………その者にしかるべき『頭脳』と『信頼』があったという証!」
ペリーコロ「おめでとうッ! ブチャラティッ! 君を『幹部』の地位に昇進させようッ!」
ナランチャ「や…やった……ブチャラティ。」
ナランチャ「幹部だ! ついにブチャラティが幹部になったぞッ!」
フーゴ「つまりポルポの縄張りの権利が全てブチャラティに渡るわけだッ!」
ミスタ(すごいぞ……一気に権力が手に入ったッ! ブチャラティの人望と頭脳だ…バク大な金を産む事が可能だろう。だけど…このジョセフ……このジョセフがオレたちのとこに来たとたん、急に事が動きだした! このジョセフってヤツは縁起のイイ男かもしれねーな。ラッキーボーイかこいつはッ!………)
ペリーコロ「ところで……じゃ………」
ペリーコロ「ポルポの仕事の権利を受け継いだ君にさっそくじゃが………ポルポのやつは生前ひとつだけ、仕事をやり残していたままでのう……」
ペリーコロ「ポルポがやり残した仕事は当然ブチャラティ………君が受け継ぐというわけだ。ここのところはいいかね?」
ブチャラティ「ポルポがやり残した仕事?……………」
ペリーコロ「ボスじきじきの命令なんじゃよ。命令がポルポのやつに行く直前にやつは事故で亡くなったからのう。」
ゴゴゴゴゴゴ
ブチャラティ「ボス……!? ですって……!!」
ジョセフ「ボスって……パッショーネで一番偉い……!!」
ミスタ「誰も会った事がないっつーあの!」
ナランチャ「直接の! 命令!」
ペリーコロ「そう……ボスの命令じゃ! ここで君に伝えるぞ! ブチャラティ……『ボスの娘を護衛する事』…『命を賭けて……』以上じゃ。」
ジョセフ「む、む、む、『娘』だってーーーーッ!!」
フーゴ「ボスに『娘』がいるんですかッ!」
ペリーコロ「護衛は今より始まる! 渡したぞブチャラティ。」
ジョセフ「…………へ?」
ブチャラティ「渡した……?」
ジョセフ「ブ…ブチャラティ……何かこの清掃員……『女』に見えねーか?……まさか! こいつはッ!」
ジョセフ「ボスの娘……!!」
清掃員1「………………」
ブチャラティ「この人が…か?」
清掃員1「トイレ…行っても?」
ペリーコロ「……かまわんよトリッシュ。」
ブチャラティ「とりあえず……ガードにつけ。命令は始まっている…」
ペリーコロ「彼女の名はトリッシュ・ウナ15歳。当然断っておくが、ボスの名ではない…母親の姓じゃ…トリッシュは自分が狙われてる事は知っておるが…父親…つまり…ボスには生まれてから会った事がない……」
するとペリーコロさんはボスの過去について語り始めた。トリッシュ・ウナを探す『組織の裏切り者』がいる事も教えてもらった。
そして…そいつらがボスを倒して『麻薬のルート』のナワ張りを乗っ取ろうとするヤツらだという事をッ!
ブチャラティ「護衛の期間は?」
ペリーコロ「一週間!」
ペリーコロ「もっと短いかもしれん……ボスはその裏切り者を今…探している…見つけて始末するまでだ……」
ブチャラティ「『命令はポルポに行くはずだった』…とおっしゃいましたね…………という事は……」
ゴゴゴゴゴゴ
ペリーコロ「『敵はスタンド使い』! うむ…そう考えていいじゃろうな……ボスがポルポに命令する時はそれに関する事のみだったからね…とにかくわしにはスタンド能力はない……役に立てるのはここまでじゃ…」
ペリーコロ「すぐにこの島を出て、彼女をどこかに隠せ…娘が君のところにいるのはボスとわししか知らない。」
ペリーコロさんが去って行く
コツッ
全員「!」
トイレから出てきたのは、女性らしい格好をしたトリッシュだった
ジョセフ(へ…へぇ~……結構可愛いじゃあねーか。)
トリッシュ「あの…」
フーゴ「……」キョロ
フーゴ「ぼくですか?」
トリッシュ「ええ…」
トリッシュ「あなたなの……? えと…あたしこれからあなたとずっといっしょにいるわけ?」
ジョセフ「そうそう! そういう事よッ! オレたち6人が命を賭けて守るぜッ!!」
トリッシュ「……」
ジョセフ「オレの名前はジョセフ・ジョースター…ジョジョって呼んでくれ! あのおかっぱ頭はブチャラティって名前でオレたちのリーダーだ! あとはナランチャとミスタとフーゴとアバッキオだ。」
ミスタ「おい! 何適当にオレらの事紹介してんだッ!」
トリッシュ「いえ。あなたには話しかけていません。私はフーゴさんだけに言ってるのよ。ちょこっとその上着をここで脱いでいただける?」
ナランチャ「フられてやがんのッ!」
ジョセフ「うるせーッ!」
フーゴ「上着だけですか? ここで? えと……なぜです?」
トリッシュ「いいから早く脱いで……別にあなたの裸が見たいってわけではないのよ。」
フーゴ「わかりました。」
トリッシュ「ハンカチないからハンカチ買ってきてね。」ゴシゴシゴシ
フーゴ「!」
トリッシュ「それとストッキングのかえとジバンシーの2番のホオ紅。イタリアのヴォーグの今月号もお願い。ストッキングのフトモモのところに補強が入ってないとダメ。それとミネラルウォーター。フランス製じゃあなきゃ、死んでも飲まない事にしてるのあたし。その景色を眺めるのにあきたらさっそく買ってきてね。」
ジョセフ「とんだじゃじゃ馬娘だな……」
~アジト~
ジョセフ「さ~てミスタ…どっちがジョーカーか教えてくれよ。」
ミスタ「お、教えるワケねーだろ…」
ジョセフ「こっちか?……それとも…こっちの『4』のカードか?」
ミスタ「…………」
ジョセフ「バレバレだぜ。」
スッ
ミスタ「ダァーーッ。ちょっと待てッ!」
ジョセフ「よっしゃ1番で上がりだぜッ!」
ナランチャ「さっきからジョセフばっか勝ってつまんないな~い。」
フーゴ「なんでこいつは金が絡むとこんなに強くなるんでしょうか…」
アバッキオ「………」
ジョセフ「そんならこの賭け金は全部オレの物だからなッ!!」
アバッキオ「おいジョセフ。」
ジョセフ「なんだ?」
アバッキオ「その右手の袖から出てるイバラはなんだ?」
ジョセフ「ギクッ!」
アバッキオ「もしかして…もしかしてだ……お前の右手の袖には、カードが入ってるんじゃあないか?」
ミスタ「もしそうだとしたら…」
フーゴ「とんでもない詐欺師ですね……」
ジョセフ「………」
ジョセフ「おい! トリッシュお嬢様もトランプやらねーかッ?」
アバッキオ「話を変えるなッ!」
ジョセフ「おいおいあんまり大きな声出すなって! トリッシュお嬢様が機嫌を悪くするだろッ。」
トリッシュ「…これから二度と『トリッシュお嬢様』なんて呼ばないで…次言ったら無視するから。」
ナランチャ「とことん嫌われてやがんの!」
ジョセフ「うっせーーッ!」
ジョセフ「…分かったよ…オレは今からブチャラティに話があるから金は置いてくよ! これでいいか?」
ガサッ
トントン
ジョセフ「ブチャラティ入るぜッ!」
ブチャラティ「あぁ、入ってくれ。」
ジョセフ「それじゃあな。」ガチャッ
ミスタ「あいつだけには金を預けらんねーな。」
アバッキオ「…………」
フーゴ「どうしたんですアバッキオ?」
アバッキオ「…あいつオレの賭け金だけ盗っていきやがった……」
一旦ここまで。
少し寝てからまた更新します。
~ブチャラティの部屋~
ジョセフ「良かったなブチャラティ! 幹部になれてよッ。あとはボスになるだけだなッ!」
ブチャラティ「そう上手くはいかないさ。オレはあくまで新入りの幹部だから、ボスになるには他の幹部を蹴落とす必要がある…」
ジョセフ「お前ならそんぐらいの覚悟ぐらいあるだろッ。…ン?」
ジョセフは壁にかかってある漁師網が目に入った。その漁師網はボロボロで、長年使ってた形跡があった。
ジョセフ「おいブチャラティ。この漁師網は何だ? この部屋にこの漁師網は不釣合いじゃあねーか?」
ブチャラティ「……オレの父は漁師をやっていたんだ。これは父が使っていた漁師網だ。」
ジョセフ「ブチャラティが漁師の息子!? 何だか似合わねーなッ。」
ブチャラティ「あんまりこの事は他の仲間たちには言うなよ? 笑われてしまうからな。」
ジョセフ「分かってるって。オレはどっちかって言うと口の硬い法だから安心しなッ。」
ブチャラティ「…だが、この漁師網が…オレがパッショーネに入ったキッカケと言ってもいいかもしれんな……」
ジョセフ「…深入りして悪いけど、それはどう言う事だ?」
ブチャラティ「話が長くなるがいいか?」
ジョセフ「出来るだけ短くお願いね。」
ブチャラティは自分の生い立ちをジョセフに話した。両親が離婚し、ブチャラティは父について行った事。その父が麻薬の売人に殺されかけ、植物状態になった事。そして、父を殺しにきた麻薬の売人を殺した事を。
ブチャラティは自分の生い立ちを表情一つ変えずに語っていた。その事実を受け入れてるかのように。
ジョセフ「…すまねーな、辛い事を語らしちまってよ……」
ブチャラティ「大丈夫だジョジョ。過去は過去さ。君が気にする事はない。」
ジョセフ「気にするさ…オレの友人にもブチャラティと似た境遇のヤツがいたんだよ。」
ブチャラティ「いた?……そいつは生きてるのか?」
ジョセフ「いや…そいつは戦いで死んだ。でも、あいつは今オレに力を分けてくれてる。」
ジョセフはポケットからカラフルなバンダナを取り出した。
ジョセフ「こいつとは喧嘩別れをしたんだ…結局仲直りする事も出来ず、死んじまいやがったけどな……だけど、あいつはオレにこのバンダナを託してくれた。このバンダナがなかったら、オレは死んでたかもしれないんだぜ?……」
ブチャラティ「…………」
ジョセフ「今度はオレが守る側だ…オレが仲間になった以上、全員守ってやるッ。それがオレの覚悟ってヤツだ。」グッ
ブチャラティ「やはり、君はこのパッショーネを変えれる覚悟を持っているようだな。だが、ジョジョ! その役割はオレがやるッ!! それがチームのリーダーの役割だからな。」
ジョセフ「…さすがブチャラティだぜ。オレごときがパッショーネのボスになるなんて到底無理だわ。」
ブチャラティ「そうだ、ジョジョ。一つ頼まれてくれるか?」
ジョセフ「ん、なんだ?」
ブチャラティ「今からナランチャがトリッシュに頼まれた物を買いに行くそうなんだが、一緒について行ってくれないか? ナランチャ一人ではあまりにも心配なんでな。」
ジョセフ「任しときな。オレさまの華麗なドライビングテクニックでさっさと買い出しを終わらしてくるぜ!」
ブチャラティ「任したぞ。」
~to be continued~
今回はここまでてす。
次回は2週間以内に更新します。
ジョセフ「オレは今からナランチャと買い出しに行くワケだけど、そこでオレから提案でーす!」
アバッキオ「早く話せよ盗っ人野郎。」
ジョセフ「だから! あれは間違えてオレのポケットに入ってただけだっつーのッ。それに金は返しただろッ!」
フーゴ「で、提案というのは何なんですジョセフ?」
ジョセフ「へへっ。聞いて腰抜かすなよ。まず、オレたちはトリッシュを護衛するって任務をボスから任されてるワケだ。もちろん目立っちゃいけねーっていうのは分かるよな?」
ミスタ「当たり前だろ。目立っちまったら裏切り者に見つかる可能性があるんだからよ。」
ジョセフ「でも、今からナランチャが買いに行こうとしている品物は、ほとんどが女性物だ。男であるオレとナランチャが買い出しに行ったら目立つだろ? だけど、トリッシュ本人に行かしたらそれこそ目立っちまう。」
ナランチャ「ならどうすんの?」
ジョセフ「へへっ……『女装』すんだよッ!」
ミスタ・フーゴ・アバッキオ「………………」
ナランチャ「じょ…『女装』?」
ジョセフ「オレは昔、敵の目を欺くために『女装』した事がある。その時は相手に見る目がなかったみてーだが、今のオレの化粧テクニックはプロ並みだから誰にも気付かれずに買い出しに行くなんて簡単なんだよッ。」
ジョセフ「逆に男子にモテモテになっちまって目立っちゃうかもな~。どうだこの作戦…」
フーゴ「却下。」
アバッキオ「無理に決まってんだろ。」
ミスタ「バカかテメーはッ!」
ジョセフ「何でだよッ! この作戦が一番良いだろッ! そうだよなナランチャ!」
ナランチャ「…………」
ナランチャ「面白そうだなッ!! やってみようぜェジョセフッ!」
ジョセフ「だろッ! やっぱりお前は分かってくれると思ってたぜッ 。」ゴシゴシ
フーゴ「バカはもう一人いたようだな……」
~数分後~
ガチャッ
ジョセフ「ハァ~~~イ! 皆さんお待たせッ。どうかしらぁ~ん?」
ナランチャ「ねーどう~? 似合ってるかな?」
ミスタたちが振り向いた先にいたのは、身長約190cmの到底女性とは思えない大男と口紅がやたら分厚く塗られた男の子が女装して立っていた。
ミスタ「…ブッ!」
フーゴ「お…おい2人とも…は…早く僕たちの見えない所に…行ってくれ……ハハハハッ!!」
アバッキオ「何が女装のプロだッ! ただの化け物じゃあねーかッ!」
ジョセフ「誰が化け物だッ! やっぱりお前らは女性を見る目がないな!」
ジョセフ「見てろよ…男ってのはだな、テキーラを持って腰を振りながら誘われたらイチコロなんだぜ?」フリフリ
ナランチャ「お…おいジョセフ……ちょっと恥ずかしくなってきたんだけど……」フリフリ
ミスタ「や…やめろってッ! それ以上オレたちを笑わせるなよッ! ヒァハハハッ!」
ガチャッ
トリッシュ「ちょっと…早く水買って来てくれない? 喉が乾いて死にそうなんだけど…」
トリッシュ「!」
ジョセフ「へへっ! どうだトリッシュ。私たちの格好イカしてると思わなぁ~~~い?」
フーゴ「トリッシュ。殴りたいなら殴っても構わないですよ? 全員があなたを守りますから。」
トリッシュ「……」
トリッシュ「フフフ…」
フーゴ「…トリッシュ?」
トリッシュ「ちょっと…その格好…何のつもり? 笑かしにきてるの? そんな化け物みたいな格好して……フ…ギャハハハハッ!」
アバッキオ「トリッシュのツボに入ったみてーだな。」
ジョセフ「テメーまでオレのセンスが分からねーのかよッ。」
ミスタ「誰も分からねーよッ!」
ミスタ「トリッシュ…後で事情は話すから、すまねーがナランチャだけ化粧してやってくれ。ナランチャだけだぞ。隣にいる化け物は何もしなくていいからな。」
トリッシュ「分かったわ…頼むからあんた……早く元の格好になりなさい。」
ジョセフ「分かったわぁ~~~ん。」
トリッシュ「プププ…ギャハハハハッ!」
ガチャッ
ブチャラティ「おいお前ら…騒々しいが何かあったのか?」
全員「あ…」
ジョセフと目が合うブチャラティ
ブチャラティ「…………」
ジョセフ「……テ…テキーラはいかがかしら……?」
ブチャラティ「……フ…なら一杯だけコップに入れてくれないか『お嬢さん』?」
ジョセフ「よ…喜んでェーーーー!」
全員「ギャハハハハッ!」
~to be continued~
とりあえず敵と戦う前まで書きましたので更新しました。
次は前回書いた通り2週間以内に更新予定です。
~市街~
ガチャッ
ジョセフ「おいナランチャ…買い物は終わったか?」
ナランチャ「おう! 頼まれた物は全部買ってきたぜ!」ガサッ
ジョセフ「でも納得がいかねーな~~。なんでナランチャだけに女装さすんだよ。オレがしたっていいじゃあねーかッ!
ナランチャ「ブチャラティが言ったんだししょうがないよ。“カップルのふりをした方がいい。ナランチャは敵に顔を知られてる可能性があるから女装するのはナランチャだ。”って。」
ジョセフ「結構オレの女装イケてると思うんだけどなぁ~~~……」
ナランチャ「…………」
ジョセフ「…気付いたか?」
ナランチャ「後ろに敵の気配を感じた…距離はまだ分からないけど、警戒した方がいいかも。」
ジョセフ「ナランチャ。お前はここで待ってろ。オレが後ろの方を見てくるからよ。5分以内にオレが帰ってこなかったらアジトに戻ってブチャラティたちに報告しろ……」
ナランチャ「分かった…」
ガチャッ
ダッダッ
ナランチャ「ジョセフーー! 気をつけろよーーッ!」
?「何が気をつけろだァ~~~? まるで誰かにつけられるのを恐れてるみてーだな。なぁ? ナランチャ!?」
ナランチャ「…………」
バッ
ナランチャは車の下を覗き込んだ。すると、反対側には誰かの足があった!
ダダッ
ガチャリ
バタム
ナランチャ「う…!!」バッ
ナランチャ「あっッ!」
ゴゴゴゴゴゴ
?「なあナランチャ…どこへ向かってんだ……? さっきからよ…誰かに尾行されてんのか? おまえ?」
ナランチャ「何だテメーッ!! どこにいた!? 降りろッ!」ピシッ
ナイフを?に突き立てる。
?「おいおいおい、レディーがナイフを突き立てるもんじゃあねーぞ。」
?「しょうがねーなぁ~~。質問してんのはオレなのによォ……質問を質問で返すなよ……礼儀に反するってもんだぜ。」
ナランチャ「やかましい! 何者だてめーーー。降りろって言ってんだッ! ボゲッ!」
ナランチャ(やばい。こいつやばいぞ……おれたちを追ってるぞ…………バレちゃあいないはずだが、オレたちを調べてる! ス…スタンド使いだろうか?)
?「しょうがねーな…答えてくんねーならオレからわけを説明するよ。オレの名はホルマジオ。組織のメンバーだ。でさ、昨日ポルポが死んだそうだが、ブチャラティ・フーゴ・アバッキオ・ミスタ、みんないっしょに突然どこかに姿を消しちまった。どこにもいねーんだよ。ブチャラティに聞きてー事があるんだ。ナランチャ、おまえはやっと見つけたが、何でだ? どこにいるかおまえ知ってるか?」
ゴゴゴゴゴゴ
ナランチャ「今、どこにいるかなんてしらねぇーよ。オレはポケベルじゃあないんだからな……きっとその辺にいるよ…レストランとか探したかい?」
ホルマジオ「………………」
ホルマジオ「この車ァ~~レンタカーだろ? 借り主はブチャラティだ……そっから車追ってきたんだがよ、何でおまえがこの車に乗ってんだ?」
ナランチャ「オ…オレが運転するのはいつもブチャラティのさ…オレ17だから車持ってねーんだよ…だから借りるんだ。なあ……車降りろったらよ…」
ホルマジオ「聞いたか? ポルポの死体さ……火葬するのに葬儀屋がどうやって焼くかなやんでんだと! あの体がどうやって炉にはいれるかをよォ………ウヒヒッ!」
ホルマジオ「細かくバラバラに切らなきゃ入んねえよなあああーーーーッ。ウヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ。」
ナランチャ「…………」
ホルマジオ「アヒャヒャヒャハハハハハハハハハハハハハハハハーーーーーーーッ!」
スカアッ
ホルマジオは自分のスタンドをだして、鋭利な物でナランチャを攻撃した。
ナランチャ「!」ブッ
ナランチャ「うああああああああああ。」
ホルマジオ「レディーだろうがしょうがねーよなぁーーっ。」
ホルマジオ「何で幹部の葬式に姿現さねーんだよオメーらッ! しゃべってもらうぜ、ナランチャ! 尾行すんのが不可能ならよ、ナランチャ、いろんな事をオメーにしゃべってもらうぜッ!」
ドオオオオン
ドルンドルドルン
ドルンドルドルン
ドルンドルドルン
ナランチャ「てめ~~~~~。」ドルン
ホルマジオ「何だ……何だそれ?」
ナランチャ「ブッ殺す!!」
グオオオオン!
ホルマジオの目の前、ガラスの向こう側に小さいおもちゃサイズの飛行機が飛んでいた。飛行機はホルマジオの方を向いており、ホルマジオは飛行機にとてつもない殺気を感じた。
ホルマジオ「スタンド使いか……やはり……おめーら全員…も。」
ドドドドドド
ナランチャ『エアロスミス』
ドガガガガガガガガ
ナランチャのエアロスミスが機関銃を発射する
バリバリバリバリバリ
グオオオオン
ゴオッ
ホルマジオ「こ…こいつはやばそうだ!………」
ホルマジオ(ホッペタ切ってやったばかりなのによ…間に合うかな、スタンドの効果が……)
ナランチャ「ジョセフが帰ってくるまでに…こいつをブッ殺してやる!」ボタッボタッ
ナランチャ「ちくしょおおおおーーーーーーーーッ。こんなに血が出てるじゃあねーかァーーッ。」
ナランチャ「よくも! よくも! よくも! ブッ殺すッ。ブッ殺すッ。ブッ殺すッ。ブッ殺すッ。」ドカドガドガドガドガ
ナランチャ「エアロスミス!」ドガガガガガガ
バシバシバシバシバシ
ボバ
ホルマジオ「うぐおおおッ!」
ホルマジオ(や…やばい…狙いはあまり正確じゃあねーようだが、ムチャクチャすぎる……何も考えねーで撃ちまくってる…そしてオレは狭い車の中に入っちまってる…それがやばい!)
グオオオオン
ボッ
ホルマジオ「!」
ホルマジオ「ば…」
ホルマジオ(『爆弾』…………か!? ひょっとして、まさかッ!)
ホルマジオ(か……隠れなければ…!! くそっ! とりあえずこの車の中からこの身を隠さなければッ! こいつを尾行してきた時みてーに、おれの能力を使ってよオォーッ。)
バリバリバリバリバリ
カチッ
トグオオオン
ナランチャ「どうだ!どうだ!どうだ!どうだ!どうだ!どうだ!どうだ!どうだ!」ドガドガドガドガ
ナランチャ「どうだッ、くたばったかッ! 痛ーーーッ」
ナランチャの足から靴が飛ぶ
ナランチャ「痛でェーーーッ。ちくしょうッ! やったかッ!!」
ゴゴゴゴゴゴ
ナランチャ「い…いない……………………!! ど…どこ行った!?」
ホルマジオ(これがオレの能力さ……『リトル・フィート』! 他のヤツはこの能力の事をくだらねーという…ククク……ま…くだる、くだらねー…ってのは所詮…ここの使い方ひとつさ…能力ってのはな…)
ナランチャ「何だァーーーッ!? どこにもいねーぞッ!」
ヒュン
ガシッ
ナランチャ「ハッ! そうだ、ジョセフがそろそろ帰ってくるはずだ! ジョセフなら敵を早く見つける事ができるはずだッ!」
ホルマジオ(ジョセフ? こいつらの新しい仲間か? そいつはまずい…2対1じゃあさすがにオレが不利だ……)
ナランチャ「ていうか靴が全然足に入らねーな~…やっぱり女性物の靴はオレには合わねーやッ。」
ホルマジオ(女性物……こいつもしかして女じゃあねーのか? だとしたらあの後ろに積んである女性物の買い物袋は一体何だってんだ?)
ホルマジオ(こいつらのチームの中に女性がいるのは考えられねー…もちろん彼女もだ……だとしたら答えは一つ…何かの事情で家を出られない女の買い出しを頼まれてるって事だッ。しかもわざわざ女装をしてでもバレたくねーみたいだしよォ~~……)
ホルマジオ(間違いねーッ! こいつらはボスの娘を隠している。今ハッキリとわかったぜッ。こりゃあナランチャに話を聞かねーとな……)
ダッダッ
ナランチャ「おーーーいジョセフッ! どこにいるんだーーーーッ!」
ガチャン
ナランチャ「あ、いっけねー。ナイフ落としちまった。」
ナランチャ「…あれ? 何かこのナイフ、オレのやつよりでけーな~…オレのナイフどこいったんだろ?」ガサガサ
ナランチャ「ていうかこの車ってオレが乗ってきた車だっけ? 何かデカい気がすんだよな~…」ガサガサ
ナランチャ「あ!」
ナランチャ「こ、これって確かジョセフが持ってきたテキーラだ! 何でこんなにデケーんだよッ! やっぱり何かおかしいぞ……」
ホルマジオ(や…やばい……もう気付かれたか!)ガサガサ
ナランチャ「…そういえばさっきからオレのカバンから物音がしてるな…まさかな……」
ガバッ
ホルマジオ(まずいッ!!)
グサッ
ナランチャ「グアッ!」
ペンがナランチャの手に貫通する
ホルマジオ「そう簡単にお前に捕まるはずがないだろッ!」ダッダッ
ナランチャ「く…待ちやがれッ!」ダッダッ
ナランチャ(一体どういう事だ…あいつ小さくなってやがる…のか? それだったらオレの周りで起こってる現象は何なんだ? …うぅー、いくら考えても分からねー!)
ナランチャ(しかも女装した格好じゃあやつには追いつかねー! ここはエアロスミスに頼るしかねぇー!)
バリバリバリバリ
ホルマジオ(もう少しだ…もう少し耐えればあの作戦に移行できる! それまで逃げよう!)
ドガガガガガ
ボジ
ホルマジオ「くっ!」
バタン
ナランチャ「はぁ…はぁ…これで…終わりだーーーッ!」
ナランチャはナイフをホルマジオに突き刺そうとする
ボワボワ
ガシッ
ホルマジオ「誰が終わりなんだぁ~ナランチャ?」
ナランチャ「な! いきなりでかくなりやがったッ!?」
ホルマジオ「そろそろケリをつけるか…」
ホルマジオ「今のお前の身長なら生身の俺でも勝てるぜ。」
ナランチャ「え!」
ナランチャが周りを見渡すと、自分の身長がゴミ箱より小さくなってる事に気づいた。そして、それに気づいた時、さらに身長が縮んでいくの感じた。
ナランチャ「な、何なんだこりゃ!?」
ホルマジオ「ようするにお前は黙ってここに入っときゃあいーのさ!」
ガシッ
ホルマジオはナランチャをアタッシュケースの中に入れようとする
ナランチャ「や、やめろ! エアロスミス!」
バリバリ
ナランチャ「ああ! エアロスミスまで小さくなってやがる!?」
ホルマジオ「これが俺の能力だ…ちゃんと覚えたか?」
ナランチャ「うわぁ!」
ガチャリ
ホルマジオ「これでお前はただのアタッシュケースの荷物ってワケだ。…ゆっくりと新しい仲間にアジトを教えてもらうとするか。」
ナランチャ「や…やめろー!!」
ボンボンッ
ホルマジオ「アタッシュケースは車の後ろに積んどかねーとな!」
ダッダッ
バタッ!
ジョセフ「お~い、ナランチャ! 後ろに敵はいなかったぜェ~~~!」ダッダッ
ホルマジオ「道案内頼むぜぇ~新入りぃ~~…」
ナランチャ「くそッ! タイミングが悪りぃーだよジョセフ!」
ポンポンッ
~to be continued~
ナランチャ「うわぁ!」
ガチャリ
ホルマジオ「これでお前はただのアタッシュケースの荷物ってワケだ。…ゆっくりと新しい仲間にアジトを教えてもらうとするか。」
ナランチャ「や…やめろー!!」
ボンボンッ
ホルマジオ「アタッシュケースは車の後ろに積んどかねーとな!」
ダッダッ
バタッ!
ジョセフ「お~い、ナランチャ! 後ろに敵はいなかったぜェ~~~!」ダッダッ
ホルマジオ「道案内頼むぜぇ~新入りぃ~~…」
ナランチャ「くそッ! タイミングが悪りぃーだよジョセフ!」
ポンポンッ
~to be continued~
ダッダッ
ジョセフ「あれ? おたく誰だ?」
ホルマジオ「あ? 俺か? そうか…あんたにはまだ俺の事紹介してなかったな。」
ホルマジオ「しょうがねぇ~なぁ~…俺の名前はホルマジオ。ブチャラティのチームで情報伝達係をさせてもらってる。他のチームのやつらにはバレちゃあいけねーから単独行動を取らせてもらってるがな。」
ジョセフ「…ナランチャはどこへ行ったんだ?」
ホルマジオ「……それは車の中で話そう…あまり街の人には聞かれたくない話だからな。」
ジョセフ「あぁ…いいぜ。」
バタン
バタン
ナランチャ「気づいてくれよジョセフ!!」ポンポンッ
ナランチャ「ダメだ…どんどん俺の体が小さくなってきてる…このままじゃマズイぞ…」
ブゥゥン
ジョセフ「それでナランチャはどこへ行ったんだ?」
ホルマジオ「…ナランチャは今、アジトに向かっている…敵が現れた事を伝えにな。」
ジョセフ「俺がいねー間に敵が現れたのか!?」
ホルマジオ「俺とナランチャは苦戦しながらもそいつに勝った…だが、そいつには仲間がいた。おそらくそいつは現在俺たちのアジトに向かってると思う…」
ホルマジオ「ナランチャはそれをブチャラティに伝えるために単独でアジトに向かった。俺はその事をお前に伝えに来たってワケだ。」
ジョセフ「それはどうも。」
ジョセフ「ところであんた、腕の方は大丈夫なのか? 血がドバドバ出てきてるけど。」
ホルマジオ「なーに…ほっときゃ治るさ。」
ジョセフ「…ならいいけどよ。」
ホルマジオ「そういえばそっちの状況はどうだ? 何か進展はあったか?」
ジョセフ「いいや、相も変わらずお嬢様のお守りさ。」
ホルマジオ「…そうか。」
ホルマジオ(どうやら俺が考えてた事は正解らしいな。このままこいつに運転してもらって、アジトに着いたら始末するか…)
ジョセフ「それにしてもあのお嬢様、何考えてるか分からねーんだよな…あんた、あいつの情報何か持ってねーか?」
ホルマジオ「い…いや、あの子の情報は組織の極秘情報だから何も知らない。ブチャラティに電話して性別を聞いたぐらいだな。」
ジョセフ「…そうか、でも何とかしてあいつと打ち解けねーといけねーよなァ~。」
ホルマジオ「君は何か情報は知らないのか? 知ってれば教えて欲しいんだが。」
ジョセフ「…本当にお前、俺たちの仲間なのかァ~?」
ホルマジオ「!」
ジョセフ「初めて会ったやつにそう簡単に極秘任務を教えるのもなァ~…まだお前を信用したわけじゃないし。」
ホルマジオ「おいおい…冗談はよしてくれ。俺はお前の上司だぞ。マフィアの世界では上下関係が全てだ…言いたい事は分かるよな?」
ジョセフ「……分かったよ。」
ホルマジオ(こいつを始末するのは早めにしたほうがいいな…)
ガサッ
ホルマジオ「?」
ピッピッ
ホルマジオ「お、おい。何をやってるんだ…?」
ジョセフ「何ってブチャラティたちに状況を聞くだけだよ。まだ敵はいないかっていう確認だ。」
ホルマジオ「そうか…心配させるなよ。」
プルルルル
ジョセフ「あ、もしも~し。きこえてる?」
ミスタ「おいジョセフ! どこほっつき歩いてんだッ!! 早く帰って来い! いくらなんでも遅すぎるだろッ!」
ジョセフ「そう怒るなってミスタ。後で可愛い子紹介してあげるからさ!」
ホルマジオ(相手はミスタか。どうやらそこに全員いるようだな。)
ジョセフ「ごめんだけどよ…今、電話に出てるの誰か言ってくんねーか?」
ミスタ「あ? 何言ってんだテメー?」
ジョセフ「いいから答えてくれッ!」
ミスタ「…ったく! グイード・ミスタだ! それがどうした!」
ジョセフ「いつもアジトの電話に出てるのって誰だ?」
ミスタ「…俺だ。俺が1番電話に近いから俺が出ることになってる。」
ジョセフ「…ブチャラティが出る事ってあったっけな~~~ミスタ?……」
ミスタ「あるわけねーだろッ! ブチャラティは忙しいから電話に何か出ねーよ!」
ホルマジオ「!?」
ジョセフ「だよな…ありがと。また連絡するぜ。」
ミスタ「おい! 何のための電話…」ガチャ
ホルマジオ(こ…こいつ!)
ジョセフ「次にお前は…」
ジョセフ・ホルマジオ『俺を挑発するって事はどうなるか分かってんのか…おい?』
ジョセフ「と言う!」
ホルマジオ「ハッ!」
ゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ「俺を騙そうと思ったのが間違いだったな! ナランチャをどこにやった!」
ホルマジオ「誰が教えるかクソがぁッ!!」
フォン
ホルマジオはスタンドを出した
フン
ジョセフ「アブねッ!?」
ジョセフ「ちょ、待てよ! 運転中にスタンドは出すなって!!」
ブオオオン
ジョセフ「やべぇッ! 車とぶつかっちまうッ!!」
ジョセフ「ハーミット・パープル!!」
キリキリ
ジョセフ「アブねーだろッ! 今の俺じゃなかったら事故ってたんだぞッ! 戦う場所は選べよッ!」
バタン
ホルマジオが車から飛び出す
ジョセフ「え? 何で飛びだすの?」
前を見るジョセフ
目の前には電柱が立っていた
ジョセフ「ハハッ…俺ってやっぱついてねーのね。」
ボゴオオオッ!
シューーー…
ホルマジオ「…………」
ホルマジオ「よそ見運転をするからそうなるんだよ。」
ナランチャ「そうだぜ…よそ見はいけねーよなぁ~ホルマジオ…?」
ドドドドドド
ホルマジオ「なに!?」
ナランチャ「時間との勝負だったぜ。もしあの時に鍵穴に気がつかなかったら俺は圧縮死してたかもな。」
ホルマジオ「鍵穴から外に出やがったのかッ!」
ナランチャ「どうやらお前のスタンドには範囲があるみたいだな。その範囲から出れば元にもどるってわけか。」
ナランチャ「この距離ならもう油断はしねーぜ…」
バタン
ナランチャ「!」
ジョセフ「イテテ…あの野郎ぜってー許さねーぞ!」
ナランチャ「あ、ジョセフ生きてたんだ!」
ジョセフ「勝手に人を殺すなよッ!」
ナランチャ「あ…」
ナランチャがホルマジオに目を向けると、ホルマジオがいなくなっていた。
ナランチャ「……俺から逃げれると思ったんだ。」
ナランチャ「探すぞエアロスミス!」
ドルルルルルル
ジョセフ「お前のスタンドオモチャみてーだな。昔俺が遊んでたオモチャにソックリだぜ!」
ナランチャ「…………」
ピコーンピコーン
ナランチャ「そこかッ!」
バリバリバリバリ
ホルマジオ(ウソだろッ!?)
バババババッ
ホルマジオ(ヤバイぞ…このままじゃ見つかるのも時間の問題だ…!)
ジョセフ「なんで分かるんだナランチャ?」
ナランチャ「…俺のエアロスミスは敵をレーダーで探すことが出来るんだ。このレーダーは二酸化炭素が出てる物に反応する。生き物なら呼吸が一定だから簡単に見つける事が出来るってワケだ。」
ジョセフ「そいつは便利だ! まるでネコドラくんの秘密道具だな。おいホルマジオ~、早く出て来いよ。今なら俺の部下にしてやるぜ!」
ホルマジオ(なるわけがないだろ…俺はやらなきゃいけないんだ…チームのみんなのためにも!)
ホルマジオ(二酸化炭素に反応する…それだったらこうしてやる!)
ボカーン
ジョセフ「お! あの車爆発したぞ! あそこにホルマジオがいるんじゃあねーか?」
ナランチャ「ちょっと待ってくれジョセフ! これはマズイぜ…」
ボカーン
ボカーン
ジョセフ「どういう事だナランチャ……?」
ナランチャ「俺のエアロスミスの機関銃は車を爆発させないようにエンジンから離れた所を撃ってるはずなんだ…それなのに車が爆発してる。」
ジョセフ「じゃあホルマジオが車を爆発させてるのか?」
ナランチャ「だとしたらマズイんだよ…」
ナランチャ「あちこちで車が爆発してるせいで二酸化炭素が大量に発生してるんだ! この中からホルマジオだけを探すのは不可能に近いぜ…」
ジョセフ「って事はこのままじゃホルマジオに逃げられるじゃあねーか!」
ホルマジオ(そういう事だ。お前らは後で始末してやる。先にチームの奴らに教えねーとな…じゃあなお前ら!)
ドルルルルルル
ホルマジオ(ん…近いところにエアロスミスがいるな。ここは隠れるか。)
ドルルルルルル
ナランチャ「…………」
バリバリバリバリ
ホルマジオ「何だとッ!?」
グサッグサッグサッ
ホルマジオ「ヌアッ!!!」
ガタガタン
ナランチャ「おいジョセフ! ここにいたぜ!」
ホルマジオ「て…てめーら!」
ナランチャ「次にお前は…」
ホルマジオ・ナランチャ『何で俺の居場所がわかったんだッ!』
ナランチャ「て言うんだろ?」
ホルマジオ「!」
ナランチャ「すげーや! ジョセフの言ったとおりだ!」
ジョセフ「冷静さを失った人間の言葉なんざ、誰だって当てれるんだぜ? ホルマジオ。」
ホルマジオ「く……」
ホルマジオ「なんで俺の居場所がわかったんだ……?」
ナランチャ「ジョセフがいたからさ。」
ジョセフ「俺のハーミット・パープルでちょちょいとお前の居場所を探してみたんだ。」グイッ
ジョセフは親指で道路を指差していた。そこには車から漏れたオイルで描かれた地図があり、今ホルマジオがいる位置を表していたのだ!
ホルマジオ「…どうやらついてねーのは俺の方だったようだな……ウヒヒッ!」
ザッ
ホルマジオ「おいナランチャ…最後にどっちが速いか勝負しねーか? おれのリトル・フィートとお前のエアロスミス…きっと俺の勝ちだけどよ。」
ナランチャ「……あぁ…やってやろうじゃあねーか!」
ゴゴゴゴゴゴ
ズッ
ホルマジオ「リトル・フィィーート!」
ギャッ!
ナランチャ「うおりゃあああああっ!」ゴッ
ドガァァァァ
ギュゥゥゥン
ホルマジオ「うげっ……」
ホルマジオ「……………」
ホルマジオ「しょおおがねーよなああ~~。お前が女だったら勝ってたかもなぁぁ~~~。それと…」
ホルマジオ「ジョセフ…テメーさえいなけりゃあ…もっと楽に勝てたかもしんねーなぁ~~~。」
ジョセフ「………」
ホルマジオ「これからはもっと……しんどくなるぜ……てめーらは……」
ドッサァァ~~ッ
グオオ
ズキュ~ン
ナランチャ「ジョセフ…俺疲れたから代わりに運転してくれよ…」
ジョセフ「何言ってるんだナランチャ…帰りはあの重い荷物を持って帰るんだよ。」
ナランチャ「…私女の子だから重い荷物持てないわ。」
ジョセフ「私だって女の子よお~~~ん!」
ナランチャ「……帰ろう。」
本体名前ーホルマジオ
スタンド名ーリトル・フィート
(死亡)
今回はここまで。
次回は来週日曜更新予定です。
~車内~
アバッキオ「…………」
フーゴ「…………」
ジョセフ「…………」
ジョセフ(面接の前みてーな緊張感だな…こいつら無口すぎんだろ。)
ジョセフ「い…いや~、それにしても驚いたぜ。まさかボスからメールが来るなんてよ。」
ジョセフ「ポンペイ遺跡にある犬のゆか絵の鍵をとってこいってさ~、なんか俺たち007みてーじゃね!」
フーゴ「もし映画なら、僕たちは007とは敵の立場なんですけどね。」
ジョセフ「……ま、小さいことは気にしたらキリがねーぜ。」
アバッキオ「一つ忠告しておくぞジョセフ。」
ジョセフ「ん?」
アバッキオ「この任務の目的は鍵を取る事だ。もし俺たちが死にそうになったとしても、鍵の方を優先しろ。俺たちを助けないでそのままブチャラティのところへ向かえ。逆にお前が死にそうになってもおれたちは鍵を優先する。分かったか?」
ジョセフ「……味方を見殺しにしろって事か?」
アバッキオ「ああ、そうだ。」
ジョセフ「嫌と言ったら?」
アバッキオ「あ?」
フーゴ「まあまあ二人共…喧嘩をするならこの任務が終わった後にしてくれ。アバッキオ、君は運転に集中して、ジョセフは周りに敵がいないか探ってください。」
アバッキオ「フン……」
ジョセフ「フンだ!」
ブウウン
ジョセフ「お! フーゴ! もしかしてあれがポンペイ遺跡か?」
フーゴ「ええ、どうやら着いたようです。」
『ポンペイ』
この1キロ四方の遺跡都市がヴェスビオ火山の火山礫と溶岩により、あっという間に壊滅し、埋れたのは紀元79年の8月24日……その後、1800年間当時の生活のままの姿で土中に眠っていたのはあまりにも有名。
家も道路もワインの瓶も…馬車の轍のあとや人間の遺体までも噴火時の姿で残った。
その遺跡都市の中に『悲劇詩人の家』という場所がある。
ジョセフとフーゴとアバッキオが向かうのは……その家の『犬のゆか絵』のある場所だ……
アバッキオ「ここから車では入れない。」
アバッキオ「ポンペイか。ガキのころ遠足で来たきりだな……」
ジョセフ「へェ~…アバッキオにもガキの時代があったんだ。」
アバッキオ「あたりまえだろッ。」
フーゴ「この先100メートルぐらいのところだ。あと、例の物を取って…みんなのところへ戻るまで30分だな。」
フーゴ「…………」
フーゴ「アバッキオ、ジョセフ……用心を……どうやらお出ましのようだ……」
ゴゴゴゴゴゴ
アバッキオ「何人?」
フーゴ「ひとり……今のところ……キョロキョロして逃げられないでよ。」
ジョセフ「どこだ?」
フーゴ「左うしろだ……石柱のかげからぼくらをのぞいている……どの辺で見つかったかな? これを3人で行けと命令したんだブチャラティは…」
ジョセフ「それならさっきからおれのハーミット・パープルで探さしてるんだけどよ…どこの石柱だ?」
フーゴ「ボケッとするなよジョセフ…柱は一本しかない……その柱のかげにいる。」
アバッキオ「ああ、さっきからオレもそう思っていた。柱は一本しかない…だが、どこに隠れてるのかここから見えない…」
フーゴ「柱から出てきたぞ~~~。コソコソするのはやめたようだ。もうわかっただろ? 向かってくるぞ~~~ッ。」
ジョセフ「おいおい、おれたちをおちょくるのはいい加減やめろよ。」
フーゴ「何言ってるんだッ。そいつだッ!! 歩いてくるやつさッ!」バンッ
フーゴ「え?」
フーゴ「い…いたんだ! そこ柱のかげに隠れて…たしかに…」
フーゴ「男がいたんだ………」
フーゴ「この鏡に映って見えたんだッ!」
ドドドドドド
フーゴが鏡を見ると、そこには謎の男がこちらに向かってきていた。
フーゴ「なっ……なにィ~~~~~~!!」
フーゴ「そこだッ! そこにいるッ! 出てきたぞッ!」バッ!
フーゴ「え!?」
クルリ…
ドンン!!
バッ!
バッ
クルリ
フーゴ「こ…こいつ!! ジョ……ジョセフ、アバッキオ。」
フーゴ「だいたいこんな場所に鍵なんてかかってる事自体が奇妙だったんだ…いったい何だこいつは。この…能力は!?」
ジョセフ「アバッキオ…ついにフーゴが壊れたぞ……いつかは壊れると思ってたが!」
ズドドドドド
フーゴ「こいつッ! スタンドを出したぞッ! 誰が闘うッ!? ぼくか!? アバッキオ! 君がやるかッ!!」
アバッキオ「ジョセフ、今回はお前の考えは間違ってないかもしれん……フーゴがおかしい。」
フーゴ「何ですって!?」
ズオオオオ
フーゴ「ま…まずいッ! 攻撃されるぞッ! 2人とも鏡から離れるんだッ!」
フーゴ「離れろォーーーッ!」
ズゴォ
ズボボボボ
ジョセフとアバッキオが突然消えていく
フーゴ「!? 何だと!!? !?」
フーゴ「ジョセフッ! アバッキオ!!」
ブンブン
バ!
バッ
フーゴ「ど……どこだ!? ジョセフ! アバッキオッ! どこへ行った!?」バッ
フーゴ「鏡に映っていた男もいない…!! !? な…何をしたんだ!?」
ゴゴゴゴゴゴ
フーゴ「何か…わからないが……この風景…どこか…おかしい……」
?「ここだ。」
ドオオ
フーゴ「ハッ!!」
バゴォ
フーゴ「ぶげっ。」
フーゴ「なにィ!?」
ドグオオオ
ドドドド
?「本名……『パンナコッタ・フーゴ』、16歳、1958年、ネアポリスの裕福な家柄の生まれ、IQ152という高い知能を持ち、弱冠13歳の時、すでに大学入学の許可を与えられるが、いかんせん……外見に似合わぬ短気な性格のため、教師との人間関係がうまくいかず、ある教師を重さ4kgの百科事典でメッタ打ちの暴行……以後落ちに落ちてブチャラティんとこの下っぱとなる……いっしょに来たのはレオーネ・アバッキオと…えーと…誰だ? 地味なやつだから忘れちまったぜ。」
フーゴ「2人に……何をした!? き…きさま……どこへやったッ!? 2人をーーーーッ!!」
一方その頃、アバッキオとジョセフは…
アバッキオ「フーゴ!! どこだフーゴ!?」
アバッキオ「てめーは何か見えなかったのかジョセフ!? フーゴはどこへ行ったんだ!?」
ジョセフ「知るかよそんなの!! 俺が見た時には突然消えてたんだよ!! 意味が分からねー!?」
ジョセフ「そういやあいつ…『鏡』がどうたらこうたら言ってたな……『鏡』か………」
ゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ「鏡には何もおかしな所はねーな…まーそれが普通なんだけどね。」
アバッキオ「おいジョセフ……ゆっくりとオレの方に来るんだ。」
ジョセフ「あ? 何だよ、こんな真昼間からデートのお誘いか?」
アバッキオ「いいから来いって言ってんだ! ボゲッ! もうゆっくりじゃあねえ。早く来いッ!」
ジョセフ「へ?」
ドドドドドド
?「ぐああああああるるる」
?「ガァるるるるしゅるるるる」
?「ぐあるるるるるじゅしゅるるるるるるうううう」
ジョセフ「な…何だこの化け物はァーーーーッ!?」
アバッキオ「ジョセフ、そいつにはかまうなッ! そいつは敵じゃあないッ!」
アバッキオ「フーゴのスタンドだッ! フーゴ本人がいないのになぜか…スタンドだけが出現しているッ! だが、そいつから早く離れろッ! 近づくんじゃあねえ。」
ジョセフ「え? どういう事?」
アバッキオ「早くしろーーーッ!」
ジョセフ「わ、分かったよ! とりあえず離れればいいんだろッ!」ダッダッ
アバッキオ「『パープル・ヘイズ』。こいつが出るって事はフーゴはとりあえず今無事なようだが…」
ジョセフ「パープル・ヘイズ…オレのスタンドと名前被ってんじゃあねーか。」
アバッキオ「…テメーは空気を読みやがれ。」
アバッキオ「! さがれジョセフ! もっとうしろにさがるんだ!」
アバッキオ「た…立ち上がるぞ! パープル・ヘイズが……!!」
パープル・ヘイズ「グァルルルルル。」
アバッキオ「動こうとしているぜ。フーゴはこのパープル・ヘイズをどこかでわからんが、これから操作しようとしている…フーゴはこいつをめったに出さないんだ。かなり追いつめられてなきゃあ出さない。」
アバッキオ「フーゴはどこかで闘おうとしている。もっとさがれ! ジョセフ!」
ジョセフ(アバッキオのやつがビビってやがる…そんなにパープル・ヘイズが恐ろしいって事か……だが、いくらなんでもビビりすぎだぜ。)
ドン
ボッ
アバッキオ「!」
ジョセフ「パープル・ヘイズが空中を攻撃し始めたぜッ!」
アバッキオ「まずいぜ!! ここにいるのはまずいッ! 逃げるぞ、来いッ!」
ジョセフ「ちょっと待て! お前はさっきから逃げるばっかりでフーゴを助ける気がねーように見える。それでもお前は仲間なのか?」
アバッキオ「口ごたえしてんじゃあねーぞッ! ガキがぁーーーーーッ。 おれはてめーなんかどうなってもかまわねーが、何も知らねーんで親切で言ってやってるんだ。ヤツの拳はフーゴの凶暴な面を象徴したかのようで、近づくとおれたちもやばいんだッ!」
パープル・ヘイズ「うばぁしゃあああ。」ドバドザ
アバッキオ「殴りやがった!! 走れジョセフーーーッ。」
ドサァ
ジョセフ「カラスが…いきなり地面に落ちたぞ!?」
アバッキオ「近づくなよ……パープル・ヘイズが拳を使うとき、何者もそばにいてはならない…」
カラス「カァー、カァー、カァー。」
カラス「アガッ!」ゲロゲロ
ベロッ
ブバァァー
ドザァ
ブスブス…
ジョセフ「うげぇーーーッ!! カラスが気持ち悪い姿になってやがるッ!?」
アバッキオ「あれがフーゴのスタンド、パープル・ヘイズの能力、『殺人ウイルス』だ。敵はフーゴをどうやって隠したのかわからんが…敵にとって…フーゴとスタンドを離したのがちょっとした幸運だってところだな……」
その後、ジョセフはアバッキオからパープル・ヘイズの説明を長ったらしく受けた
アバッキオ「だが、もういいだろう。今敵はおれたちを無視している。先を急ぐぜジョセフ。」ダダッ
ジョセフ「…………」
アバッキオ「おいジョセフ、ボサッとしてんなよッ! 行くぞッ!」
ジョセフ「…そうやって仲間を平気で見捨てるやつはオレが1番嫌いな奴なんだぜ? そんな奴が仲間なんて吐き気がするね……」
ゴゴゴゴゴゴ
アバッキオ「言葉に気ぃつけろよきさま……いいか、オレたちの指令は鍵を取って娘を安全にボスのところまで護衛する事だ。フーゴを助けたいのはオレもおまえと同じ気持ちだ。だが、鍵をゲットしてブチャラティに渡す事が最も大切な事なんだ。」
アバッキオ「もし今、フーゴのかわりにオレが襲われているのだとしても、オレは見捨ててほしいと思う。」
ジョセフ「…いいか、説教たらしくなっちまうが、仲間ってのはどんな時でも見捨てるなんて思っちゃいけねー。後で気付いた時には遅い事だってあるんだぜ…この場合、フーゴがどこにいるかを確認して助ける事が重要だ!」
アバッキオ「違う! 3人とも全滅する危険を冒す事がまずいんだッ! もう一度言う。先へ進むぜ! 来いッ!」
ジョセフ「嫌だねッ!! オレは意地でもフーゴを助けるッ!」
グォォオオオ
アバッキオ「この状況では先輩であるオレの命令が絶対だ。それを拒否するってんだな! 覚悟してろよ。ただしてめーが生き残ったらの話だがな。」ダダッ
ジョセフ「…勝手にしやがれ!」ダダッ
アバッキオ「あった……これだ。」
アバッキオ「!」
アバッキオ「………? 何だ? この鏡の破片は……今まで……ここにあったか?」
?「何だそりゃあ? 鍵か……」
ドドドドドド
アバッキオ「なにィ!?」クルッ!
?「なるほどッ! わかったぞ。その鍵をオレがぶん取ってやればいいんだなッ!」
ドォーン
アバッキオ「こ…こいつはッ! まさかッ!」
?「オレの姿が見えたのなら……!!」
スタンド名ーマン・イン・ザ・ミラー
本体名ーイルーゾォ
イルーゾォ「おまえももうおしまいだッ!」ゴッ!
アバッキオ「や…やばいッ!」
ブァギイッ
アバッキオ「クソ…わかりかけてきたぜ…鏡の中だったのか。そんなのがあるっていうのならだが、敵の能力は今のように鏡の中から攻撃して来て。そうフーゴのヤツは…間違いないぜ……鏡の中に引きずり込まれて消えたんだ。」
キラッキラッ
ダバァァ
ガシィッ!
アバッキオ「!!」
イルーゾォ「攻撃をかわそうとこなごなに破片にしたのは逆効果だぜ…アバッキオ…おまえは引きずり込む入り口が逆にいっぱい増えたって事だ。」
イルーゾォ「映ればそれは外と中の出入り口! 破片になって出入り口がたくさん散ったっていうだけの事だッ! おまえをつかめる出入り口がなッ!」
イルーゾォ「そして、許可してやるッ! おまえ自身だけ鏡の中にはいる事をーッ。」
アバッキオ「!!……」ズボ
イルーゾォ「入った!!」
イルーゾォ「中に引きずり込んだッ! そしておまえらが必要としている。その鍵ももうオレがいただくぞッ!」
ガシッ
メキ
イルーゾォ「ぐ!?」
イルーゾォ「何だとォ~~~!! ス…スタンドの首を掴めるのは……スタンドだけだ…!! 引きずり込んだおまえがオレのマン・イン・ザ・ミラーの首をつかめるはずが…!! !?」
アバッキオ「破片にしたのは逆効果なんかじゃあねえー~~~~おまえののぞくスペースが狭くなっって事だ。誰をひきずり込むのか…………? よく見えなかったろ?」
アバッキオ「許可するだって? オレだけ入る事を?」ピッピッピッ
アバッキオ「グラッツェ! ひきずり込まれてやるぜ!」ピッピッピッ
メキメキメキ
イルーゾォ「こ…こいつは!? ムーディー・ブルース!」
ドギャドゴォバキッ
イルーゾォ「スタンドだ……し、しまった……」
バァァァァ
アバッキオ「おまえを倒さねーと鏡から出れねーんならおまえを倒すまでだ…」
~to be continued~
長々と待たせてしまったのに今回もほぼ原作通りになってしまいました…
すみません。
次回からはオリジナル展開になります。(今週中を予定してます。)
イルーゾォ「ぐ……ぐぐぐぐ………」
アバッキオ「どうした? 怖気付いたのか?」
イルーゾォ(……鍵がなくなっている。どうやら鍵を持ったまま向こうの世界に行ったようだな。それなら好都合だ…)ズボ
イルーゾォ「アバッキオ…早く鍵をこっちに渡せ。こっちの世界ではお前はスタンドを出せないはずだ。」
イルーゾォ「こっちの世界に来た以上、お前に逃げ場はない。大人しくこっちに渡せ。」
アバッキオ「誰が渡すかよ!」ダダッ
イルーゾォ「逃げ場はないと言っただろうッ!」
ボゴォ
アバッキオ「うぅッ!!」
バタッ
イルーゾォ「無駄な事をしやがってッ!!」
ボゴォ
バゴォ
ドギャ
バギ
アバッキオ「く………………」
アバッキオ(骨が何本か折れたか……!)
イルーゾォ「お前ほどの男がこんな単純な事を理解出来ない単細胞とは思わなかった。」
アバッキオ「単細胞で……悪かったな…」パァ
イルーゾォ「!? きさま…鍵をどこにやった!?」
アバッキオ「最初から鍵なんて拾ってねーさ…拾ったのはオレのスタンドだ。」
イルーゾォ「なにィ!?」
バッ
イルーゾォは鏡を見た
鏡の中には現実世界が映っており、アバッキオのスタンド『ムーディー・ブルース』が後ろ歩きに歩いていた。
アバッキオはムーディー・ブルースに鍵を拾わせ、逆戻しをしていたのだった!
アバッキオ「逆戻しだけならオレが指示をしなくて済む……あとは下っぱが鍵を拾えばいいだけだ!」
ジョセフ「ん? 何だありゃあ?」
チャキン
ジョセフ「鍵? まさかこれが!?」
イルーゾォ「そんなバカなッ!! こんな事があってたまるかッ!」ダダッ
アバッキオ(さぁジョセフ、さっさと鍵を持ってブチャラティの所へ向かえッ。任務を達成出来ればオレたちはそれでいいんだ。オレたちの分まで働けよ。)
アバッキオ(最後までお前の事は嫌いだったがな……)
イルーゾォ「!」
イルーゾォ「フハハハハハハハハッ!!」
イルーゾォ「アバッキオ! お前の仲間は立派だな! 鍵を持ったまま棒立ちしているぞ!」
ジョセフ「…………」
アバッキオ「!? あの野郎…オレが忠告した事を無視しやがって!!」
ジョセフ「そうか…攻撃されてんだなアバッキオ……それでこの鍵を持って逃げろって言いたいのか…」
ジョセフ「だけど…オレは悪い子だから上司の命令には逆らっちゃうのよねッ。」
ジョセフ「どこにいるんだ敵さんよォ~。出て来てオレと遊ばな~い?」
アバッキオ「あの野郎……」
ズボ
イルーゾォ「お前、中々勇気のあるヤツだな。オレと直接勝負するなんてよ。」
ジョセフ「お? あんたがアバッキオとフーゴをどっかにやった張本人か。」
イルーゾォ「そうだ。」
ジョセフ「ならオレはお前を許さねー。鍵を奪いたかったらオレを倒しな。」
イルーゾォ「そのつもりだ。」
ジョセフ「よし…」
ジョセフ「なら鬼ごっこするか!!」ダダッ
イルーゾォ「逃げても無駄だッ!!」ダダッ
ダッダッ
ジョセフ(今までの事を考えたらフーゴとアバッキオはどういう理屈かは知らねーがどこか別の世界にいるみてーだ…それがどこかが問題だ。)
ジョセフ(フーゴは確か『鏡』をしつこく連呼してたよな。『鏡』に敵が映ってるとかどうとか…しかし、後ろを振り向いた時、敵はオレたちには見えなかった……)
ジョセフ(だとすると考えられるのは2つ…1つ目は敵が最初からいなかっただが…フーゴはそんな冗談を言うやつじゃーねぇ……)
ジョセフ(だとすると答えは2つ目だ…“敵は『鏡の中』にいた”!! それだろうな!)
ジョセフ(今あいつらは鏡の中にいるッ。そして出られねーんだ。こいつを倒さない限りッ!)
イルーゾォ「ちょこまかと逃げるなッ!」
ジョセフ「ハーミット・パープル!!」ニョキニョキ
イルーゾォ「スタンドのバリアか…だが効かねー!」グボー
ダッダッ
ジョセフ「やべーッ。行き止まりじゃあねーかッ!!」
イルーゾォ「策は尽きたか。」
ジョセフ「まださッ!」
イルーゾォ「!」
ジョセフ「さっきのバリアはただのイバラのバリアじゃあねー…オレのスタンド本体を真っ直ぐ伸ばしたイバラだ。お前を後ろから攻撃出来るようになッ!」
ウネウネー!
イルーゾォ「マズイッ!」
イルーゾォ「…ワケがないだろう?」
ガシッ
ジョセフ「なッ!?」
イルーゾォ「本体を先に向こうに連れて行けばいいだけだからな。」
ジョセフ「オレとした事がしくじっちまったぜ…」ズボ
ドテー
ジョセフ「イテテ……」
アバッキオ「……」
フーゴ「……」
ジョセフ「ど…ど~も、お久しぶり~~…」
フーゴ「途中までなかなかやるなと思ってたのに最後にしくじるとは…」
アバッキオ「テメー…おれの命令に逆らったな。」
ジョセフ「そ…それに関してはこの敵を倒してから話すからさ~、な!」
アバッキオ「で、お前鍵は?」
ジョセフ「そりゃあもちろんポケットに……あれ?」
アバッキオ「…鍵は?」
ドドドドドド
イルーゾォ「鍵とはこれの事か?」
3人「!?」
3人は下に落ちてあった鏡の破片を見た
そこには現実世界で鍵を手に持ったイルーゾォがいた!
イルーゾォ「間抜けな男だな……鍵を落とすとは。敵ながら面白い男だ。」
アバッキオ「お前なにしでかしてんだッ!!!」ガシッ
ジョセフ「オレだってお前らを助けようと必死だったんだよッ! 確かに悪い事はしたけど、お前らだって同じじゃあねーか!」
フーゴ「ジョセフッ。そんな言い草はないでしょう!」
ジョセフ「フーゴ…オレのスタンドを使えば、お前のスタンドを操るかのように倒す事も出来るんだぜ?」
フーゴ「! ……君って男は。」
アバッキオ「お前はここでぶん殴るッ!!!」
イルーゾォ「ハハハハハハハハハッ!! こんな時に仲間割れするとはさらに笑えてくるぞ!」
イルーゾォ「だが、ここまでだ。じゃあな。」
イルーゾォ「3人共鏡の中で一生を暮らせッ。」
ジョセフ「へ? 今なんてった?」
イルーゾォ「…鏡の中で一生を暮らせと言ったんだ。」
ジョセフ「一生? ……確かにそれもいいかもしらねーが、それはお前の方じゃあねーか?」
イルーゾォ「なに?……」
ウネウネ
ジョセフ「いや~、時間を稼ぐのを手伝ってもらってすまねーな、お二人さん。」
アバッキオ「? 何の事だ?」
フーゴ「ジョセフ、僕でなければ作戦の意図を理解するのは困難でしたよ?」
ジョセフ「さすがうちのチームの勉学担当だぜ!」
アバッキオ「お前ら意味がわからねーぞ……?」
ウネウネ
イルーゾォ「あ? これは何だ。やつのスタンドの一部か?」
ウネウネ!
イルーゾォ「!」
グサ
イルーゾォ「な…何だ……今さら攻撃した所でオレに勝てるはずが…」
パープル・ヘイズ「ガァウウルルルルルルルル。」
イルーゾォ「!」
ジョセフ「確かにオレのスタンドじゃあ勝つのは不可能に近い。だからスペシャルゲストを呼んだんだ。」
フーゴ「ジョセフは向こうに残したハーミット・パープルの一部でパープル・ヘイズを誘き出してくれたんだ。」
ジョセフ「こういう所でジョセフ・ジョースターの軍師っぷりがでるのよね~…」
イルーゾォ「あ…ああ……」
ジョセフ「スペシャルゲストは…とてつもなく凶暴だからご機嫌を損なわないよう気をつけてね!」
パープル・ヘイズ「ウバッシャアアアアアアアアアア。」
イルーゾォ「うあああああああああ。や…やめろ…やめろォォォクッソぉオオオオオオ。」
イルーゾォ「はっ!」
フーゴ「くらわせろーーーッ。パープル・ヘイズッ!」ドヒャア
イルーゾォ「か…鏡さえあればこちらに勝算は…!」
シュパッ!
イルーゾォ「えっ」
ハーミット・パープルが鏡をとりあげる
ジョセフ「鏡の中は暮らしやすかったぜ。ごゆっくり鏡の中で生活してくれ!」
イルーゾォ「なああああんだってエエエエエエエエエええええええええええ。」
イルーゾォ(せっ…せっかく……!! せっかくあいつらを鏡の中においやったのに!!)
イルーゾォ「うわあああああああ。」
パープル・ヘイズ「ブッシャアアアアァーーーッ!」
ドドドド
ドグシャア
イルーゾォ「ふあああ~。」
ブスブス
ブスブス
ブスブス…
フーゴ「ハッ!!」
キョロキョロ
サッ
チッチッ
フーゴ「や…やったぞッ! 鏡から出れた! やつを倒し! やつの能力は消滅したッ!」
アバッキオ「…………」
ジョセフ「…………」
スッ
アバッキオ「何すんだッ!?」
ジョセフ「動くなよ。骨が折れてんだろ? 治療してやる。」
アバッキオ「いらねーよッ! 自分で治す!」ガバッ
ジョセフ「そうですか…せっかくの人の厚意を断るのね。」
ジョセフ「ま、それでもいいさ。あんたらが無事ならそれでいい。」
アバッキオ「…ジョセフ、今回は任務を達成したから良かったが、今回のお前の行動はバカすぎた。オレはお前を認めないぞ……」
フーゴ「さあ…鍵も取り戻した事ですし、車に戻りましょう。」
ジョセフ「よっしゃ~、帰って飯食おうぜ飯~!」
アバッキオ(オレはこいつの全てが嫌いだ……任務よりも仲間の命を優先するのはチームとしてやってはいけない行為だ…)
アバッキオ(だが……ブチャラティがチームに入れるのを認めたのも分かった気がする。)
ジョセフ「……ズボンのチャック空いてるぜアバッキオ?」
アバッキオ「え?」
ジョセフ「うっそぴょ~ん!」
アバッキオ「…………」
アバッキオ(いつか殺す…!)
~to be continued~
今回はここまで!
次回は1週間以内に仕上げます!
〈娘を護ってくれて礼を言う。
ブチャラティ。
ネアポリス駅6番ホームにある『亀』のいる水飲み場へ行き、この『鍵』を使え。
そして、列車にて娘をヴェネツィアまで連れてくる事。
追伸ー君への指令はヴェネツィアにて終了する。〉
アバッキオ「やはりこれだけじゃあこれが何の鍵なのかわかんねえぜ……! 駅の水飲み場に何があるのかもまったくわからん…」
ブチャラティ「ボスは『敵に見つからず移動できる方法』のため、その鍵を手に入れろと言った! それを信じ、駅に行くしかな…!」
ナランチャ「ボ…ボスは……『ヴェネツィア』にいるのかな? そ…その文面によると……」
ブチャラティ「そんな事は考えなくていい! オレたちは指令どおりやるだけだ。6番ホームの水飲み場に行き……そして、列車に乗る! 今から最も早いのは10分後のフィレンツェ行き特急だ……それに乗る!」
ブチャラティ「ジョセフ! もうすぐ駅だが背後はどうだ?」
ジョセフ「追ってくるやつはいないぜ。異常なしだなッ。」
フーゴ「…………」
フーゴ(ボスの娘……このトリッシュ…会った事のない父親のため、自分の身を狙われていったいどんな気持ちなのだろう……?)
フーゴ(それに本当にスタンド使いでもあるんだろうか? そんな雰囲気もまったくないが……)
ガシッ
ガシッ
ミスタ「そーかそーかフーゴ、ケケケ。オメーも彼女のアレが気になってしょうがねーのかよォ~~。さっきからオレらもなんだよォ~~~っ。」ヒソヒソ
ジョセフ「あんなの見ちまったら興奮せざるおえないぜェ~~~っ。」ヒソヒソ
フーゴ「えっ!?」
ミスタ、ジョセフの見つめる先にはトリッシュのオッパイがあった
フーゴ「あ……ああ、あれは。」
ジョセフ「フーゴくん…じっと見つめるのはどうなのかなァ~~? ボスの娘のオッパイをマジマジと見つめるのは…ボスに告げ口されてみろッ。」
フーゴ「えッ!?」
ジョセフ・ミスタ「ギィーーー!! だぜッオメー。」
フーゴ「なっ、何を言ってんですかッ! ぼくは何もッ! 君が言ったからッ………!!」
アバッキオ「着いたぜ。」
キイイイイ~
フーゴ「あっ。」
ガクン
ジョセフ「危ないフーゴ!」ガシッ
見つめ合うジョセフとトリッシュ
……
ジョセフ「うわあああああああああ、ワザとじゃねーんですトリッシュさん。ブレーキのせいで倒れそうになったフーゴくんを庇おうとしたらたまたま顔があなた様のオッパイの近くにいっただけなんですッ。私には愛する妻がいます。あなたと不倫しようなんてこれっぽっちもかんがえていませんでした! はい!」
ミスタ「そ、そうですそうです、ジョセフをゆるしてやってくださいッ。別に悪ギがあったわけじゃありません。ジョセフがフーゴをかばおうとしてあなたのオッパイのぞこーとか、スカートの中の太モモさんに指をはわせよーなんて事は。ついでき心でして! はい! どーかボスにだけは内密に~~。」
ミスタ・ジョセフ「どうかお許しくださ~~~いッ!」
フーゴ「普通に謝れば済む話でしょ……」
~ネアポリス駅構内~
【フィレンツェ行き
16:35発 6番ホーム】
ザワザワ
ザワザワ
ザッザッ
ザッザッ
ピタリ!
ゴゴゴゴゴゴ
?「本当にいたぜ。ブチャラティだ……先頭車のところの水飲み場にいる……他の仲間と娘はすでに列車に乗ってるようだ……一号車か。」
??「しかし、信じらんねェェぜ~~~~~。すぐに見つかる駅に全員でくるとはなあ~~~。ブッ殺してやるッ!!」
?「…………」チラリ
?「駅に来る………だが、それはよほど追いつめられてトチ狂ったか……それとも……オレたちの追跡をかわす方法に何らか自信があるという事か…………どちらか……だな。」
??「どっちにしろブッ殺してやるッ! ホルマジオと鏡のイルーゾォのかたきだッ!」
?「おいテメー、さっきからうるせえぞ。ブッ殺すブッ殺すってよォ~~~。どういうつもりだてめー、そういう言葉はオレたちの世界にはねーんだぜ…そんな弱虫の使う言葉はな……」
ゴゴゴゴゴゴ
?「ブッ殺す…そんな言葉は使う必要がねーんだ。なぜならオレやオレたちの仲間はその言葉を頭の中に思い浮かべた時には! 実際に相手を殺っちまってもうすでに終わってるからだッ! だから使った事がねぇーーーッ。」
?「ペッシ、オマエもそうなるよなァ~~~~~。オレたちの仲間なら…わかるか? オレの言ってる事…え?」
ペッシ「あ…ああ! わかったよ! 兄貴」グスッ
兄貴「『ブッ殺した』なら使ってもいいッ!」
兄貴「オレはこのままホームから向かうから……ペッシ、お前は列車の中から一号車に向かえ!!」ザッザッ
ペッシ「おうっ。」ヒョイ
兄貴「はさみ撃ちだッ! 娘は生け捕りだからな……発車前に終わらせたい。切符を買わずにすむからな…」
ザッザッ
兄貴(ブチャラティのやつには何の恨みもねーが、娘を奪わしてもらう…)ザッザッ
ブチャラティが電車の中に急いで入る
兄貴「ムッ!」
ダダァァォー
ペッシ「あ……」
兄貴「………………」
ペッシ「…………」チラリ
兄貴「おいペッシ、なんでオメーと出会うんだ?」
ペッシ「あ…兄貴こそですぜッ! どうしたってんですか? 水飲み場にいたブチャラティはどこ行ったんですか?」
ガチャア
バ!
ガチャガチャ
兄貴「おめ~~~、ブチャラティの顔知ってるよなァァ~~~? ペッシ~~~っっ。」クルッ
兄貴「アバッキオとかミスタ、フーゴ、ナランチャ…新入りにジョセフとかいう小僧も入ったようだが……そいつも全員知ってるよなオメー?」
ペッシ「いくら兄貴でもその質問は失礼じゃあないですかい?」
ペッシ「やつらの略歴と顔なら写真に穴の開くほどみてまさあ~~っ!!」
兄貴「じゃあ説明すんのは簡単ってわけだ……今、オレの目の前でブチャラティがホームから列車に飛び乗った! 通路から来たオメーと出会ってなきゃあおかしいよな……え? そうじゃあねーか?」
兄貴「乗客の顔は全員よく見て来たのか? サングラスとかヒゲで変装してる風なやつらはいなかったか?」
ペッシ「だから見て来ましたってッ!!」
ペッシ「誰ともすれちがわなかったし! 他のヤツらも新入りも娘も絶対どこにもいやしませんでしたぜッーーっ。」
のそっ…
のそっ…
ズブズブ…
ミスタ「な…なんなんだ!? こ…ここは!?」
ブチャラティ「水飲み場にいたこの亀! スタンド使いだったッ! そしてここはどうやら亀の中のようだ。どういう仕組みになっているかはわからんが、あの鍵が亀の甲らにはまると、亀はなぜか能力を発現させて………」
ブチャラティ「その鍵が出入り口となってこの空間を作り出しわ中に隠れられるらしいッ!!」
ジョセフ「亀がスタンド使いね~……」
ズガボ
ジョセフ「うおっ。」
ガン
ジョセフ「こ…ここはイスの下か…顔が…潰れそうだぜ……」
ドサァッ
ジョセフ「だけど居心地が良くて良い物件じゃないのッ!」
ナランチャ「オレもここ気に入ったぜェーーーーッ。」
ジョセフ「テレビや冷蔵庫、ソファや家具付き…この亀売ったら大儲けできるぜ…」
ゴトンゴトン
ペッシ「あーあ、乗っちゃった…! 切符買いたくないって言ったくせに……」
兄貴「うるせーぞ。」
兄貴「おい、この壁の下のスキ間……向こう側は何だ? これ?」
ゴトンゴトン
ペッシ「壁じゃなくて運転室のドアじゃあないですかねそれ! でも、こっちからは開かねーし7人からの人間が運転室に入ってるわけはね~っすよォ。」
兄貴「わかんねーぞ……探すって決めたからにゃあよォ~~~、この列車……先っちょから徹底的に荒らしまくってやるからな! おめーのビーチ・ボーイで中を攻撃してみろ!」
ペッシ「…………………」
ゴトンゴトン
ゴトンゴトン
兄貴「やれッ!」
カシン
カシン
カシン
カシィーン
ペッシ「ビーチ・ボーイッ!!」シルシルシル
ポチャアアアン
チリ…チリ…
ゴゴゴゴゴゴ
ペッシ「やっぱり7人もいないよ。この中にいるのは……2人だ。」
ピク
ペッシ「きたッ!」
ドゴオオオオン
兄貴「くそ! たしかに狭いな……運転手ひとりか……だが、この列車のどこかに絶対やつらはいる!」
ペッシ「……………え?」
ペッシ「あれ? ちょっと待てよ。おかしいですぜ…2人だと思ったんだけどな。ひとりしかいない? ほんとひとり? 生き物の気配は2つのはずだったんですぜ…」
フィレンツェまでの所要時間ー3時間30分
次の停車駅ローマまでノンストップ(1時間半)
兄貴「おいペッシッ! この列車を先っちょからケツまでとことんやるぜッ! どっかに潜んでるブチャラティどもを引きずり出してやるッ! おまえはそこにいろッ!」
ペッシ「ちょ…ちょっと待ってくれ兄貴……」
ゴトンゴトン
ペッシ(おかしいんだよな……この運転室の気配は2つだと思ったのにな…この運転手の気配の他にもうひとつあったような……)
ガチャッ
ペッシ「ロッカーなんかに誰かがいるわけねーか…やっぱ運転手はひとりだよなあー。オレは兄貴と違って勘が悪いからな…」
ペッシ「ン?」
ゴゴゴゴゴゴ
ペッシ「なんだ? ……? あの黒っぽいものは?」
モアモア
ペッシ「!」
ペッシ「うわあああ! あ…兄貴ィ!!! ま…まさかッ!」
ドドドドドド
ペッシ「『ザ・グレイトフル・デッドッ!』」
ペッシ「ちょっ! ちょっと待ってくださいよッ。や、やるんですかい!? 乗客ごとやるつもりですかい! しかも、ヤツらがまだ確実に列車内にいるってわかってもいないのに!」
兄貴「言っただろうがよォーーー。トコトンやるってな! ヤツらは絶対いるッ!」
兄貴「それにたいしたこたァねーだろォーッ。毎年世界中のどっかで旅客機が墜落してる…それよりは軽く済むッ!」
~亀の中~
ジョセフ「快適快適ィ~~。キンキンに冷えたジュースを飲みながら漫画読んでテレビを見るなんて最高すぎるだろ。」
ジョセフ「今週号はオレの好きなスラムダンクだぜ! テレビではキャプテン翼もやってるしな!」
ミスタ「少しは黙ってろジョセフ! 疲れて眠ってるやつもいるんだからよッ!」
ミスタ「それにしてもこの部屋蒸し蒸ししててイヤになるぜ。」
ミスタ「おいナランチャ。お前もそう思うだろ?」
ナランチャ「…………」
ミスタ「おいナランチャッ!」
ナランチャ「へ? あ…すまねー……もう一度大きな声で言ってくれるか?」
ミスタ「もういい…それより、もしお前漫画とかに興味あるんだったらジョセフと漫画の話でもしてきたらどうだ?」
ナランチャ「……へ? 何だってえ?」
ミスタ「おいおい、どんだけ耳が遠いんだよ…」
ナランチャ「よく聞こえんからさぁぁぁぁぁぁ…もう一度言ってくれよおおおおお…………」
ゴゴゴゴゴゴ
ミスタ「ナランチャッ!?」
ミスタ「どうしたんだナランチャ!?」ガシッ
ポキッ
ナランチャ「痛いよォおおおおおおお。」
ブチャラティ「ナランチャに触れるなッミスタ! ナランチャの様子がおかしい!」
ジョセフ「いや様子がおかしいのはナランチャだけじゃあねー…」
アバッキオ「スー。」
フーゴ「スー。」
ジョセフ「周りの皆もナランチャと同じように『老けている』……スタンド攻撃だッ!!」
ナランチャ「ワシはぁぁぁ…一体どうなっとるんだみんなあああああああ!」
トリッシュ「どうなってるの……?」
ミスタ「アバッキオにフーゴ……そしてナランチャまで年とってやがる……まさかこの列車に敵がいるのか…!」
ブチャラティ「おいみんな! オレたちも少しずつだが、体に変化が出てるぞ!」
ミスタ「…!? 手にシワが!」
ブチャラティ「敵は無差別に乗客ごと攻撃しているようだ……そしてオレたちを老い殺す気でいるようだッ。」
ゴトンゴトン
ジョセフ「だけど、トリッシュまで巻き込むはずねーだろッ! トリッシュまで殺したら意味がねー。」
ブチャラティ「……敵には勝算があるんだ…トリッシュだけを殺さない作戦が。それが何か分かればいいんだが…」
ジョセフ「…………体温だ。」
ミスタ「体温?」
ジョセフ「さっきから部屋が暑いと思わねーか?」
ミスタ「確かに蒸し蒸ししてるがよ…それがどうした?」
ジョセフ「敵はおそらく列車の冷房を切ってオレたちの体温を上昇させようとしているんだ。それが老いさせる条件といったところだろ……女性は男性より脂肪が多い分、体温の変化が少ないとおばあちゃんから聞いたことがある。」
ブチャラティ「つまり、確実にトリッシュが死ぬ前にオレたちを殺せるってわけだな。」
ミスタ「でも、オレたちは何で老うスピードが遅いんだ?」
ジョセフ「オレたち4人に共通してるのは何だろうな…?」
ミスタ「…! ジュースか!」
ジョセフ「そう! ジュース! 冷たいジュースを飲んでたからオレたちは老化のスピードが遅いんだ!」
トリッシュ「…ていう事は……」
トリッシュはジュースの中にある氷をナランチャの頬につけてみる
すると氷をつけた頬がもとの皮膚に戻っていた!
トリッシュ「!」
ミスタ「ジョセフ! おまえの言うとおりじゃあねーか!」
ジョセフ「どうよ! おれの名推理! 刑事コロンボも真っ青だろォ~!」
ミスタ「氷だッ! 氷で皆を若返らそうッ!」ガチャッ
ブチャラティ「ダメだッ!! 氷はもう残り少ないッ。氷はトリッシュが持つべきだ! みんなもそう思っているはずだ……」
ミスタ「……分かった。で、これからどうするブチャラティ?」
ブチャラティ「もちろん敵を倒しに行く…早く倒さなければナランチャたちどころか乗客全員が死んでしまう。」
ミスタ「誰が殺りに行く? オレか? それともブチャラティ自ら行くか?」
ブチャラティ「……ジョセフ、君が敵を倒しに行ってくれ!」
ミスタ「なにィ!?」
ジョセフ「へ? オレ?」
ミスタ「戦闘向きじゃあねージョセフを行かすのかブチャラティ!」
ブチャラティ「ジョセフの体を見てみろ。」
ミスタ「?」
ミスタ「特に何もないけど…」
ブチャラティ「何もないのがいいんだ。ジョセフはオレたちよりも老化のスピードが格段に遅いんだッ。」
ミスタ「それはどうしてだ?」
ブチャラティ「それは話すと長くなるからあとで話そう……行ってくれるかジョセフ?」
ジョセフ「……分かったぜ。敵を倒しゃあいいんだな!」
ミスタ「納得はいかねーが気をつけろよジョセフ…敵はただ者じゃあねー……死ぬなよ。」
ジョセフ「へへッ! なーに、またあの谷間を拝みに戻ってくるさ!」
トリッシュ「……サイテー。」
ジョセフ「ヤベッ! さっさと行こッ!」ズボリ
ジョセフ(運転手が年をとって死んでやがる……それ以外に人の影はねーな……)
ズルズル
ジョセフ「!」
ジョセフ「エアコンか…エアコンで運転室だけでも冷やしておくか……」
ゴトンゴトン
ゴトンゴトン
ジョセフ「なーんてな。そんなの敵も百も承知だろうからここにトラップでも仕掛けているんだろうな…」
ペッシ「ガリガリガリガリガリ。…ったく兄貴ったらよォー。あぶねーことするよなー。オレまで年とっちまったらどうしてくれんだよな、まったく。」
チリ
ペッシ「!」
ペッシ「……………」
チリ…
ペッシ「きたッ!」
ペッシ「くらいついたぜッ! 餌にィーーーッ。」
ペッシ「兄貴ィ! どこ行った!? いねーのかよォオッ! 兄貴ィッ! 兄貴の言うとおりだったッ! ブチャラティどもはこの列車に乗っていたゼーッ。」ボリボリボリ
ペッシ「このペッシがやつらを見つけたゼーーーッ! 兄貴ィッ!」グルグル
ガラガラ
ペッシ「!」
パチパチ…
ジョセフ「いやいやいやいや、さすがペッシだなァ~~~。兄貴として誇らしい限りだぜ。」パチパチ
ペッシ「て…てめーは……新入りのジョセフッ!? なんでてめーがここにいるんだ!?」
ペッシ「おまえじゃなかったらこのこの反応は……ハッ!!」
ペッシ「こいつ…生命反応がねえッ。それに体重が軽すぎるッ。もしかしてこいつは運転手かッ!?」
ジョセフ「そうだ……おまえたちが殺した何の関係もねー運転手だッ!!」
グバオオオン
ペッシ「グッヘエエエ。」
バタン
ジョセフ「おまえのスタンドはどうやら老いさせるスタンドじゃあねーようだな…答えろッ。てめーのもうひとりの仲間はどこにいる?」
ドドドドドド
ペッシ「し……知るかよッ! オレだって知らねーんだよッ!」
ジョセフ「呆れたね…こんなヤツが敵だなんて気が抜ける……」
老人「ねえええあんたああ。助けてほしいんだよおオオオ。油っこい肉が好物だったのにさあああ、急に食いたくなくなったんだ…さっぱりした物がよくってさあああ。」ズルリズルリ
ジョセフ「はいはいおじいちゃん。もう少ししたら油っこい肉が食えるようになるからね。それまで大人しくしててね。」
老人「いいや…もう何も食えないさ! ただしおまえがだ……ジョセフ。」
ペッシ「え?」
ジョセフ「こいつもしかして…!!」
ズギュン!
ジョセフ「ぬおおおおおおおお
ーーーーーのおォオオーーーッ!」
ペッシ「え? な…なに!? ま…まさか!! そ…そのじじい……!!」
ジョセフ「と…とりあえず離れるぞッ。ハーミット・パープル!!」
シュルッ
ビシッ
老人「こいつ……おれのパワー全開をくらわしてやったのに老化スピードが遅い!!」
老人「しかし、見た目はだいぶ年をとったな~…」
ジョセフ「くっ……」ダダッ
ペッシ「ぜ…ぜんぜん気がつかなかった! あ…兄貴……!! そ…そこにいたのかい? ま…まさか! 自分自身を自由に老化させて乗客の中にまぎれているとは……」
ドドドドドド
ペッシ「兄貴ィッ! プロシュート兄貴ィッ! やっぱり兄貴ィはスゲェーやッ!」
バギィ
ペッシ「うげゃ!」
ペッシ「な!? !? なんでイキナリ殴んだよォーーー兄貴ィィィィ。」
ボギャァッ
兄貴「うわあああ…や…やめてくれよ! この腑抜け野郎がッ! なんだ!? 今のザマは!? ええ!?」
ペッシ「なに怒ってんだよ兄貴ィィィィィ!?」
兄貴「まだわかんねーのかマンモーニのペッシ!」バッ
ペッシ「ひィィ。も…もう殴らねーでくれよォ兄貴ィッ!」
兄貴「いいかッ! オレが怒ってんのはな、てめーの心の弱さなんだ、ペッシ!」
兄貴「いきなり敵に襲われたんなら、ぶっ飛ばされるのは当然だ。オレだってヤバイと思う。」
兄貴「だが! オレたちのチームの他のヤツならッ! あともうちょっとでノドに食らいつけるってスタンドを決して解除したりはしねえッ!」
兄貴「たとえ腕を飛ばされようが、脚をもがれようともなッ!」
兄貴「オメーはマンモーニなんだよペッシ! ビビったんだ…甘ったれてんだ! わかるか? え? オレの言ってる事。」
兄貴「成長しろ! ペッシ。成長しなきゃあオレたちは栄光をつかめねえ。分かったか!」
ペッシ「……わかったぜ兄貴ィ……」
~隣の車両~
ジョセフ「クッソ~…せっかくのイケメンが台無しになったじゃあないか…それに喋り方や声まで年寄りっぽくなっちまったぞ……」ハァ~…
ジョセフ「1番最悪なのは…」
シュビッ
ジョセフ「ハーミット・パープルを人型に出来んくなった事じゃな…」
ジョセフ「…………」
ジョセフ「くぅーーーーッ。自分の喋り方にイライラするーーーッ!」ダンダン
バッ
ジョセフ(…隣の車両ではどうやら仲間割れをしとるようじゃな。ペッシってのがボコボコにされとる。)
ジョセフ(このままブチャラティの所まで逃げてもいいが、それでは早目に決着が着けれない……ここでわしが倒さないと…)
ジョセフ(しかし、今のわしでは2人を倒せる可能性は0に近い……そんな無謀な事はせん…ここはあの2人を分散させる事にしよう。)
ジョセフ(年老いてもジョセフ・ジョースターの頭脳は衰えてない所を見せてやるッ……!!)
~to be continued~
今回はここまで
次回は金曜までには
>>376
皆様のご指摘通り、ペッシと兄貴のセリフが合体してしまってました。
ビビってるのはペッシ、怒ってるのは兄貴です。
ガラガラ
ペッシ「………………」キョロキョロ
ペッシ「どうやらあいつ運転室の方向へ逃げ込んだようですぜ兄貴ィ……」
兄貴「いや…まだ分からない。よく周りを探しながら進めッ。」
ザッ
ザッ
ゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ「……………」ゴクッ
シュビッ
兄貴「!」
兄貴「ザ・グレイトフル・デッドッ!」
ガッ
ペッシ「あいつのスタンドだッ!」
ガラガラー!
ペッシ「! 兄貴ィッ! あいつオレらが驚いた隙に隣の車両に向かいましたぜッ。」ダダッ
ペッシ「待ちやがれッ!!」ガラガラー!
兄貴「待てペッシッ! オレたちはまだあいつの姿を見ていない!」
ペッシ「え?」
ビシビシビシビシビシ
ペッシ「あ!」
ガシッガシッ
パンパンッ!
ペッシ「と…扉が開かねーッ! こいつはジョセフのスタンドッ!?」
ゴゴゴゴゴゴ
スッ
ジョセフ「正解じゃ……おたく残念な子分を持っちゃったねェ~。」
ジョセフ「あんたとペッシを引き離しさえすれば勝算は五分…それどころかワシの方が有利かもなァ~~~。」
兄貴「何を勘違いしている…これでオレたちを分散したつもりか? ペッシのスタンドにはこんな扉など通用しない。それどころかオレ1人でもお前なら倒せるさ。」
兄貴「おいペッシッ! 聞こえてんのか! いるんなら返事ぐらいしろッ。」
……
シ~~~~~ン
ペッシ「あ…兄貴ィ……今返事するのは厳しいってもんがあるゼッ……」
ミスタ「そりゃそうだ。動いたらお前の眉間をオレがブチ抜くからな。」
ミスタ(それにしてもあいつのスタンドが亀の中に入って来たのには驚いたぜ……しかも、いきなり“2人の敵がいる。とりあえず手前の車両にいる1人の敵を足止めしてといてくれ”って手紙を書いてこっちによこすなんてよ……お前はスタンドをペット扱いしてんのかよ。)
兄貴「…………………………」
ジョセフ「あれれェ~。おたくの子分何で返事しねーんだ? もしかして…ワシが呼んだ仲間と交戦でもしてんのかなァ~。それとも…」
ジョセフ「頼りない兄貴を捨てて逃げちまったのかなァ~?」
兄貴「………………」
兄貴「どっちでもいい。今はお前を倒す事が最重要だ……」
ジョセフ「そう言って本当は子分の事心配しとるんじゃないのォ~?」
兄貴「フフフ…」
ジョセフ「ニヒヒ。」
ゴゴゴゴゴゴ
兄貴「ザ・グレイトフル・デッドッ!!!」グアッ
ジョセフ「ハーミット・パープル!!」シュビッ
ザ・グレイトフル・デッドとハーミット・パープルで拳を覆ったジョセフが殴りあう
兄貴「タコがッ。力勝負で今のお前に勝算はないッ。老人には老人のパワーしか出せねーんだよッ!」
ジョセフ「なら老人は老人らしく戦うまでじゃ!!」
バゴォ
バリバリッ
兄貴「こ…これはッ!?」
ジョセフ「一点に波紋を集中させる事によってお前の老化攻撃を防いどるんだよ。お前に触れるとすごく老けるからの~。」バリバリッ…
ジョセフ「そしてッ!!……」バリバリッ!
ジョセフ「この波紋を逆にお前に流してやるッ!!!!」
兄貴(こ…こいつ…スタンド以外に戦う手段があったのか…!!)
兄貴「クアッ!」
ジョセフ「年寄りを舐めちゃあいかんぞ?」ニヤッ
バリーン
ジョセフ「もしここにエリナおばあちゃんがいたら怒られそうじゃな…“周りの人に迷惑をかけたのねジョジョ!”とな。というか今のわしの年で『エリナおばあちゃん』って言うのも違和感バリバリじゃの……」
パリッパリッ
ジョセフ「大丈夫か? 窓のガラスの破片が刺さって血がドバドバ出とるようじゃが…?」
兄貴「……………………」
ジョセフ「乗客の苦しみはそんなもんじゃないぞ……その苦しみで死んでしまった乗客もいるじゃろうからな。」
兄貴「…生憎、今のオレは乗客が1人や2人…いや…何十人死のうが、何も思わねー。そのせいでオレが地獄に行ったとしてもそれはしょうがねーと思ってる……」
兄貴「なぜなら! オレはトリッシュを奪えるなら何だって罰を受ける『覚悟』があるからだッ。それが悪い事だとしても…」
兄貴「オレは実行するッ……!」
兄貴「こい…ジョセフ……」ドバッ
ダラダラー…
ドドドドドド
ジョセフ「……やれやれ…イタリアに着いて1番厄介な敵じゃわい…」
兄貴「くらえッ! ザ・グレイトフル・デッドッ!!」
プロシュートはスタンドで攻撃しようとする
ジョセフ「ハァ~…」
ジョセフ「わしはもう疲れた……勝手に攻撃するならしてこい。」
ジョセフ「だが、その攻撃はお前に返ってくるがな。」
シュルシュル
兄貴「!」
ジョセフ「窓を割ったのはお前じゃ。金を持ってないのなら、命で償わんといけんぞ。」
シュルシュル
兄貴(窓の外にスタンドが!? そんなはずはッ!!)グイッ
ジョセフは窓の外にある柱に自分のスタンドを掴ませ、プロシュートが攻撃するときに腕をそのイバラに巻き込ませたのだ!
あとは、プロシュートが窓の外に出るまでイバラを出し続ければいいだけだった。
兄貴(ま…間に合わないッ……)ビシッ!
兄貴「クソがぁーーーーーーーーーーーーーー!!!」ボゴォ
シュルシュル…
ゴトンゴトン
ジョセフ「ゴホン…ゴホン…」
ジョセフ「アディオス!!」
ジョセフ「あっ、これスペイン語じゃった。」
ミスタ「何だぁ? 今の叫び声は?」
ペッシ「今のは兄貴の声だ……あ…兄貴ィッ!!!」ダダッ
ガラガラ
ミスタ「あっ! 待ちやがれパイナップル頭!」ダダッ
ジョセフ「…………」
ペッシ「お…おいジョセフ……お前兄貴をどこにやった……?」
ジョセフ「兄貴ィ? 今ごろ外でレールの代わりやってんじゃあねーか?」バッ
ペッシ「ジョ…ジョセフの野郎が若返ってやがるッ……それに…」
乗客1「な…なんだ? 今まで何だったんだ?」
乗客2「何か、さっぱりしたもの食いたくなくなったな。」
乗客3「オンギャーーーーオンギャーーーー!」
ジョセフ「若返ってるだァ~? 元に戻ってるっていいやがれッ!」
ペッシ「う…嘘だーーーーーーーーッ!!!!!」
バッ
ジョセフ「外を見たって同んなじだよ。やつはオレが倒したって言ってるだろ?」
ペッシ「!」
ペッシッ「あ…ああ……
あ…」
ダダッ
ミスタ「今度はそっちに逃げんのかよ…」
ジョセフ「ミスタ、亀はどうした?」
ミスタ「亀ならちゃんとオレが持ってるよ。それよりあいつを始末しなくていいのか? あんな奴でも敵は敵だぞ。」
ジョセフ「分かってるよ…あいつを始末すんのはあんたがやってく……」
乗客1「ああああああ、また老けていってるううううううう。」
ジョセフ・ミスタ「!!」
乗客2「おいあんたああああ、これはどういう事だああああああああ?」
ジョセフ「おいおい……嘘だろ?」
キキイイイイー!
ミスタ「パイナップル頭が…電車を止めたのか…?」
ガッ
ジョセフは窓から外を見た。
そこにはもちろんプロシュートの姿はなかった。『風景の中には』いなかった。
次にジョセフは不意に車輪を見た。
それは無意識にとった行動であった。ジョセフ自身もまさかこんな所にいるはずはないだろうと思っていたはずだった。
しかし、そこにはボロボロになりながらも、車輪の上の空間に挟まっているプロシュートの姿があった!
ジョセフ「呆れるを通り越してその根性…尊敬するぜ……!」
ペッシ「プ…プロシュート兄貴ィィィィィィーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」
プロシュート「ペッシィ……オレは……もうあと…あと数分で死んじまう…だからよお…お前が代わりにブチャラティたちの野郎を殺れ……もうマンモーニじゃあねーんだから1人でできるよな? ……ペッシ…」
ペッシ「本当に…兄貴………ううっ。そのとおりだったんだね。いったん食らいついたら腕や脚の一本や二本失おうとも決してスタンド能力は………………解除しないと…オレに言った事は!!」
ペッシ「何があろうともオレたちは娘を手に入れるんだね…兄貴。オレたちはもう、後には戻れないんだねッ!」
ゴゴゴゴゴゴ
ギョロ
ペッシ「わかったよ、プロシュート兄ィ!! 兄貴の覚悟が! 言葉でなく心で理解できた!」
ペッシ「ブッ殺すって思った時は兄貴ッ! すでに行動は終わっているって事だよね…」ビシッ
~to be continued~
今回はここまで
次回は来週中を予定してます
ミスタ「ジョセフ、念の為お前も氷を持っとけッ。もしかしたらヤバイ状況かもしれねえ!」
ジョセフ「だ…大丈夫だぜ……こんな状況でもオレは危機を乗り越えて来た。」
ジョセフ「…………」
ジョセフ「念の為! 念の為だけど! 一個だけもらっとくぜ。」
シュルシュル
グサッ
ミスタ「ジョセフッ!?」
ジョセフ「ぬあッ! な…なんだ!?」
ジョセフの首に糸が突き刺さる
グリグリ
ジョセフ「ぐ……ぐぐ…」
ジョセフ(こ…呼吸がし辛えーッ。あいつのスタンドが喉にまで来てやがるッ!……)
ジョセフ「ミ…ミスタ……糸を…撃って……」
ミスタ「おい! そんな事したら体を弾が貫通しちまうぞッ!」
ジョセフ「早くッ!……う…」
ミスタ「…我慢しろよッ!!」
ダーン
ジョセフ「ぐ……」
ミスタ「おいおい…糸が切れてねーぞッ! 俺の弾を糸が避けやがった!?」
ジョセフ(こ…このままじゃ喉を切られる前に窒息死しちまうぜ……こうなったら…)
ジョセフ「ミスタ……頼む…オレが死ぬ前に……ペッシを探し出して……くれ…」
ミスタ「! 何言ってんだテメーッ!」
ジョセフ「………………」
ミスタ「……死なすわけねーだろ。そこで耐えてろッ! すぐを殺してくる! いいなッ。」ダダッ
ドクン
ドクン
ドク…
ド…
………
シュー……
ペッシ「ん? ジョセフの野郎、もう死んだのか? 案外たいしたことねー野郎だったな……」シュルシュル
パリーーン!
ピストルズ6「ヘイヘイヘーイッ! 見つけたゼッ! ミスタッ!」
ペッシ「!」
ミスタ「逃げんなよ……パイナップル頭ッ!」
ミスタ「さっさとお前を倒さねーとジョセフが死んじまうからな。」
ペッシ「……ハッ、ジョセフの野郎だったらもう死んだぜッ! 証拠にオレはもう糸を戻してるッ。」
ミスタ「! !? そ…そんなハズねーだろ! あいつの生命力はゴキブリ並だッ! ハッタリかましても無駄だぜッ!」
ペッシ「ゴキブリだって寿命があるってんだッ!」シュッ!
ペッシ「ビーチ・ボーイッ!」シルシルシル
ミスタ(そんなハズはねー…のか? 本当に。……あいつは…死んだのか? ……あのバカがッ。)
ミスタ(…って迷ってる場合かッ! 今はこいつを倒すッ!)バッ
ミスタ「セックス・ピストルズッ!!」
ミスタ「1、3はやつの頭を狙え! 2、7はスタンドを狙え!」
ピストルズ1・2・3・7「了解だミスタッ!!」
バーン!
シルシル
シュッ…
ミスタ「やっぱり弾が糸を通り抜けやがるか…だが、頭は外さねー。」
ボゴォ
スッ…
ミスタ「!?」
弾はペッシの耳を貫通した
ペッシ「…こんなの痛くねーぜ…兄貴の苦しみに比べりゃあなーッ。」
シルシルシル!
ガッ
ミスタ「うわッ!!」
ミスタ(足に針が食い込みやがった!)
ペッシ「お前も兄貴の苦しみを味わえッ!!」
グサグサ
ミスタ「!」
ガシッ
ミスタ「くっ!」
ミスタは必死に糸が上に上がらないように抑える。が、それでも糸は心臓に向かって上がってくる。
ペッシ「兄貴ッ! 見てますかい!! 今このミスタを俺が殺すから見といてくださいよ!」
ミスタ「クッソー……」
老人「お…おいあんた。」
ペッシ「!!」
老人「ちょっと…わしを立たせてくれないかい…? 何故か一人で…立てなくなって…しまってなー……」
ペッシ「……断るぜ。そのまま地面に這いつくばってな。」
老人「まったく…最近の若者は老人に対する気遣いがなってないわい。」
ペッシ「……フン。なら立てなくしてやるよ。」
ブン
老人の頭を踏み潰そうとするペッシ
ガシッ
ペッシ「!?」
ペッシ「な…なんだこの力…! !? て…てめーまさか!?」
ボゴォ
ペッシ「グペエッ。」
ペッシを殴った事により、ミスタの糸が外れる
ゴゴゴゴゴゴゴ
老人「まったく…老人を舐めると痛い目にあうというのに……おまえさんのチームは少しぐらい老人を敬え!」
老人「さてと……ミスタ! 油断なんかしとるからそんな目にあうんじゃぞ!」
ミスタ「その話し方はもしかして……てめージョセフか!?」
ペッシ「う、嘘だ! ……確かにジョセフは死んだはずだ……おまえから心拍が感じれなかったのに…!」
ジョセフ「わしの波紋の腕なら心臓を少しだけ止めるのなんてちょちょいのちょいの朝飯前なんじょよ!」
ジョセフ「そのせいでまた年をとっちまったのが気に食わんがな。」
ミスタ「まったく…心配して損したぜ……」
ペッシ「ボケナスがぁ~…」
ジョセフ「よし! 突然じゃが、ここでマンモーニのペッシくんにありがた~い話を聞かせてやろう!」
……
ペッシ「は?」
ミスタ「…いきなりなに言ってんだジョセフ?」
ジョセフ「今から話すのはわしのおばあちゃんから教わった、人と話す時にやってはいけないこと三カ条じゃ。」
ジョセフ「まず一つ目! 周りの人に迷惑をかけてはいけない! おまえたちは一つ目からできてないの~。」
ミスタ(ジョセフのやつ、年とって頭までボケちまったのか…?)
ジョセフ「二つ目! 相手を馬鹿にしてはいけない! これもできておらん…」
ペッシ「ふざけんのも大概にしろよッ!!」
シルシルシル~
ミスタ「ジョセフ!」
ジョセフ「そして三つ目…」
ジョセフ「相手の話は最後まで聞くと言うことじゃ。」
ビシッ
ビシッ
ビシッ
ビシッ
ペッシ「!!」
ジョセフ「Holy Shit!! 三つとも全てできてないじゃあないかペッシくん! …いや…ペッシ!」
シュルシュルシュルシュル
ガサッ
ペッシ「何だよこりゃあーーーーッ!」
大量のイバラがペッシに絡みつく
ジョセフ「わしが話してる時に何もしてないと思ってたか? 残念、罠を仕掛けておったんじゃよ~。」
ペッシ「ヒ、ヒィイイ!」
ジョセフ「おいミスタ、亀の中の皆は大丈夫か?」
ミスタ「ああ、トリッシュがまだ悲しそうな顔はしてねーから生きてるぜ。」
ペッシ「!!」
ジョセフ「さーて、最後にマンモーニのペッシに問題じゃ。わしらはどうやって君にトドメをさすでしょーか?」
ペッシ「ま、待て! 分かったよ! 俺はもうお前らには手を出さねー! だから許してくれ!」
ジョセフ「Oh My God!! ペッシ、ここに来て命乞いするとは男らしくないぞ。」
ペッシ「わ、分かったよ。おれの負けだ…好きなように殺したらいいさ。」
ミスタ「えらく潔いじゃあねーか。」
ペッシ「だけど一つだけ…一つだけやらして欲しいことがあるんだ…」
ジョセフ「なんじゃ?」
ペッシ「それは……」
シルシルシル!
ガシッ
シルシルシル
ペッシはミスタが持ってる亀を奪う
ジョセフ・ミスタ「!」
ペッシ「トリッシュ以外の仲間を殺す事だ!!」
ミスタ「て、てめー!!」
ペッシ「動くなよ! 動いたらこの亀を殺すぞ?」
ペッシ「怪しいと思ってたんだ…なんでこの亀をお前は大事そうに抱えてるのかってな~、だけど、さっきのお前らの会話で全て分かったよ…この亀はスタンドで中にトリッシュたちがいるんだってな~。」
ペッシ「それなら最初兄貴と運転室を襲った時に、生命の反応が2つあったのも今となっては納得だぜ。きっとこの亀がいたんだろーな。」
ミスタ「こ、こいつ…!」
ペッシ「ジョセフ、このイバラから俺を解放しろ。早くしねーと殺すぞ?」
ジョセフ「…ケッ! 分かったよ。」
シュルシュル
ペッシ「おー! すげーや! 亀の中を覗いたらお前らの仲間が映ってる。おれの予想は当たりみてーだ!」
ペッシ「よし……次は…」
ペッシ「お前の仲間を殺すとするか!」ガシッ
ミスタ「!?」
ミスタ「て、てめーーーーーーーッ。」
シルシルシル
シルシル…
ペッシ「…?」
ペッシ(あ、あれ? 1、2、3人…誰か1人足りねーぞ?)
ペッシ(アバッキオ、フーゴ、ナランチャ…もちろんトリッシュは人数から外してる……だとしたらいねーのは…)
ドドドドドド
ジョセフ「誰じゃろうな~?」
ジリジリ
ペッシ「!」
ペッシが見ていた亀にジッパーがついていた。ジョセフが話した瞬間、そのジッパーが開いた。
ジョセフ「これはもしもの時の仕掛けじゃったんだが、まさか使うことになるとは…」
ペッシ「お前は!?」
ゴゴゴゴゴゴ
ブチャラティ「会ってそうそう悪いが、君を倒さしてもらう!」
ペッシ「ブチャラティッ!?」
ペッシ「ビ、ビーチ・ボーイズ!!」
シルシルシル
チッ
ドバッ
ペッシ「怯まないだとッ!」
ジョセフ「うちのリーダーはお前よりしっかりとした覚悟を持っとる。お前なんかには負けんよ。」
ブチャラティ「『任務は遂行する』……『部下も守る』。お前ごときに両方やるというのは、そうムズかしい事じゃあないな。」
ペッシ「あ、兄貴ィィィィィィィィィィ!」
ガシィ
ブチャラティ「アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリ」ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ
ブチャラティ「アリーヴェデルチ!(さよならだ)」
バカァァ
ジョセフ「お! おれの肌が元通りに戻っていくぜ。」
ジョセフ「…プロシュート……瀕死状態でありながら、ペッシが死ぬまで立派に戦い続けた……見事だったぜ…」
プロシュートー死亡
スタンド名 ザ・グレイトフル・デッド
ペッシー死亡
スタンド名 ビーチ・ボーイズ
ミスタ「ふ~~~…今回は疲れたぜ…」
ジョセフ「いーや、俺の方が今回は疲れたね。」
ピストルズ5「確かニ今回ハジョセフの方ガ頑張ってたゼ。」
ピストルズ1「ソウダ! 今回はジョセフが頑張ってゼ!」
ピストルズ2、3、6、7「ソウダソウダ!」
ミスタ「おい! てめーら何裏切ってんだよ!」
ジョセフ「ピストルズたちはよくわかってるぜ! ブチャラティ! 今回は俺の大活躍だったから褒美はたくさんくれよ!」
ミスタ「…! おいNo.5…右手に持ってるのは何だ?」
ピストルズ5「これはジョセフからもらったピザだゼ!」
ピストルズ1「何で素直に話してんダヨ!」ドガ
ピストルズ5「グヘ!」
ピストルズ5「うえええ~ん!」
ミスタ「……ジョセフッ!!」
ジョセフ「み、耳が遠くてよく聞こえんな…」
ブチャラティ「やれやれ…」ニコッ
ザッ
トリッシュ「………ねえブチャラティ。」
ジョセフ「いつもの間に外に出てたんだよトリッシュ!」
ブチャラティ「どうしたんだ?」
トリッシュ「ブチャラティ……私にもそろそろ教えて欲しいのよ。」
トリッシュ「あなたたちの周りにいる幽霊みたいなのは何なの?」
三人「!!」
トリッシュ「それに最近私が触ってもないのに物が動いたりするの! それも何か関係あるの…?」
ジョセフ「お、おいブチャラティ…それってもしかして…?」
ブチャラティ「…………トリッシュ、それについてはまた後でちゃんと話す。今は僕達について来てくれ。」
トリッシュ「……信じていいの?」
ブチャラティ「あぁ…」
ミスタ「ブチャラティ……」
ブチャラティ「…………」
ブチャラティ(もしかしてだが…トリッシュには『スタンド』が発生しつつあるのかもしれない……)
~to be continued~
今回はここまで
今回は更新遅れてしまったことをお詫びいたします。
次回は今月中には投稿予定。
?「現在時刻、午後6時34分、フィレンツェ行き特別急行が停車してから約20分遅れでここに着いた。」
?「プロシュートが線路わきで死亡している。全身を強く打ち、右腕を失っている。」
?「また、ペッシの体の一部が線路そばの河岸に落ちている…バラバラになって残りは河を流れて行ったようだ。」
?「以上のことから推測するに…この仕打ちはブチャラティのスティッキー・フィンガーズがやったんだろう。」
?「やつと部下5人…そして娘は当然だが、ここにはすでにいない。」
?「たぶんハイウェイを北に向かったに違いない。スタンド能力を持つとかの亀に隠れてられるのなら、ヒッチハイクか…トラックの荷台に紛れ込んでな…」
??『追跡は…可能か? メローネ……?』
メローネ「………………」
メローネ「プロシュートとペッシは敗北したが……」
ゴゴゴゴゴゴ
メローネ「2人の仕事は十分追跡を可能にしてくれている! 血液は採取できた! ブチャラティのな!」
・ハイウェイ・
ゴオーーーーッ
ピストルズ7「イェーーーーイッ!」
ピストルズ3「やったゼNo.7!!」
パチーン
ジョセフ「お、お前らなかなかやるじゃあないの…今度は俺の番だ……」
ジョセフ「………難しいな。」
トリッシュ「………………」
ブチャラティ「……………」
ミスタ(…やっぱりブチャラティはトリッシュの異変に気付いてる…しかし、それを言うのを躊躇っているんだ。あくまでも俺たちの任務はトリッシュをボスの所へ安全に連れて行くこと…トリッシュに真実を告げるのは俺たちがやることじゃあない……ボスがやることだ。それでブチャラティは真実を告げないんだろう。)
ミスタ(まったく…早いとこボスの所へ着かねえかな・……ん?)
ピストルズ7「ムシャムシャ…」
ピストルズ3「ムシャムシャ…」
ジョセフ「ムシャ…くっそー! 俺が取ったところで腹の満たしにもならねー!」
ピストルズ7「ジョセフと俺らじゃあ大きさが違うからナッ!」
ジョセフたちはハンバーガーを食していた。
ミスタ「おい…そのハンバーガーって……どこで手に入れたやつだ?……ジョセフ?」
ジョセフ「どこって? 運転手の方から拝借しただけだぜ?」
ミスタ「運転手…だと?」チラッ
運転手「あれ? 俺のハンバーガーどこだ? !! な、なんだこの亀は!?」
ミスタ・ジョセフ「!」
ジョセフ「あ!? マズイ! ズームパンチッ!!」
運転手「ブペラッ!」
キリキリキリキリ
ドーーーン!
シュー…
ナランチャ「な、なんだー!?」
フーゴ「敵襲ですかッ!?」
アバッキオ「今の衝撃はなんだミスタ!!」
ミスタ「え? えーと今のは…」チラッ
ミスタ(おいジョセフ! てめー何とか言いやがれ!)
ジョセフ(お、おれェ・? そ…そうだな……)
ジョセフ「みんな! 俺は見てたぜ! 運転手の野郎は向かいから来たナイスバディなお姉さんの乗った車に気を取られて、運転を誤っちまったんだ! 馬鹿げた話だぜ! な、なーミスタ?」
ミスタ「お、おう! それより早いとここっから逃げねえと人が集まっちまうぞ!」
ブチャラティ「…そうだな。とりあえず近くにある店に行こう。そこでこれからどうするか考えよう。」
ミスタ「……………」
ジョセフ「………………」
ミスタ「今のは俺たちだけの秘密だ。いいな?」ボソッ
ジョセフ「Yesミスタ」ボソッ
・飲食店駐車場・
ジョセフ「あぁ……もう少し真っ直ぐだ……あとは……そうだ……」
ナランチャ「なぁブチャラティ? ジョセフのやつさっきから誰と電話で喋ってるんだ?」
ブチャラティ「さあな、俺にも分からない…ジョセフにはジョセフなりの考えがあるんだろ。」
アバッキオ「でも電話なんか使ったら敵に探知されんじゃあねーか?」
ブチャラティ「それは大丈夫だ。ジョセフは今、ハーミット・パープルを出しながら通話している。探知されれば一瞬でわかるだろう。」
ジョセフ「分かった……気付かれるなよ……」
ガチャリ
ジョセフ「いや・すまねえな待たせちまって!」
フーゴ「では全員揃った事ですし、これからどうするか決めましょう。」
ミスタ「車に乗り込むってのももう使えねえし、車を奪うのもすぐに敵にバレちまう。何か解決策はねーか?」
ジョセフ「それならもう大丈夫だぜ。」
ブチャラティ「? どう言うことだジョジョ?」
ジョセフ「そろそろあいつらが着くはずだな…」
フーゴ・アバッキオ・ナランチャ・ミスタ「あいつら?」
ジョセフ「ようするに・、車を盗んだのを気付かれなきゃいいわけだろ? それならうってつけのやつがいるんだ。」
ブーン
?「ったくよぉ・…なんで俺がこんな田舎に来ねえとならねーんだ・? え?」
??「お! ブチャラティたちの姿が見えたぜ!」
?「ぶつけるなよ! ぶつけちまったらおれたちの心象がさらに悪くなっちまうぜ…おい。」
??「くそ・、今でもあの痛みが目に残ってるぜ…」
アバッキオ「おい。なんか一台車が近づいて来てるぞ。敵か?」
ブブブブ…
ガチャリ
ミスタ「て、てめーは!?」
ドドドドドドド
車から1人の男が出てきた。
その男はミスタにとってはよく知る人物であった。
サーレー「………………」
ミスタ「サ、サーレーッ!?」
アバッキオ「ブチャラティ! トリッシュを守れ!! ここは俺たちが食い止める!!」
ナランチャ「動くなよ! 動いたらエアロスミスがてめーの顔面撃ち抜くぜ?」ブルンブルルッ
フーゴ「いいえ、ここは僕のパープル・ヘイズで確実に仕留めます。皆離れてください!」
サーレー「…おいジョセフ…わざわざこんな田舎にやって来てやったのにこの仕打ちは何だ? あ?」
ジョセフ「いや・、皆に話すの忘れたわゴメンゴメン!」
ブチャラティ「どういうわけだジョジョ?」
ジョセフ「あのね、これからの旅は敵さんも死ぬ気でトリッシュを奪いにくるだろうから、援軍を呼んだのよッ! こいつらなら俺たちに逆らおうとは思わねえだろうからさ。」
ミスタ「…そいつはどうかな。俺にはいつでも俺たちを殺そうとしてるようにしか見えないけどな…」
サーレー「久しぶりじゃあねーかミスタ。あの時の怪我はちゃんと完治したぜ? まだ少し痛むけどな・…」
ゴゴゴゴゴゴゴ
ブチャラティ「ジョジョ…『こいつら』って事はあいつもいるということか?」
ジョセフ「あれ? サーレー、ズッケェロのやつはどこだ?」
サーレー「……ズッケェロ? さあな、もうそこにいるんじゃあないか?」
ペラッ
ナランチャ「!」
スッ…
ナランチャの首にナイフが構えられていた。
ズッケェロ「油断してちゃダメだぜナランチャ・? 敵はいつ襲ってくるか分からねえんだからよ・!」
サーレー「ズッケェロッ! そこらへんにしとけ! 俺たちは雇われの身なんだからよォ・!」
ズッケェロ「へいへい…」
サーレー「で、だ。ジョジョ…俺たちの報酬…あれは本当だろうな?」
ジョセフ「もちろんだ! ジョースター家は嘘はつかない事で有名だからな!」
アバッキオ「報酬? 何のことだ?」
ズッケェロ「トリッシュをボスに渡せたら1億円をくれるって事だ。知らないのか?」
フーゴ「なに勝手に話を進めてんですかジョセフッ!!」ガッ
ジョセフ「お、落ち着けって! そうでもしねーとボスの所へ行くのは厳しいと思ったからやったんだ! 謝るから許してくれよ!」
ジョセフ(まーお金なんて払う気はないけどねェ・。あとで契約書の0の数を減らせるようにしてるからなッ! へへッ。)
ブチャラティ「…構わないさジョジョ。仲間は多い方がいい。これからよろしく頼む、サーレー、ズッケェロ。」
サーレー「よろしく。」
ズッケェロ「へへっ…」
ミスタたち「……………………」
アバッキオ「で、これからどうするんだジョセフ? こいつらが何とかしてくれんのか?」
ジョセフ「あぁ、そうさ。さっきも言ったが、盗んだ車がバレなきゃいいんだ。ズッケェロ、分かってるか?」
ズッケェロ「了解。」
ペラッ
ペラッ
ペラッ
ブチャラティ「なるほど。車を数台ペラペラにして一台の車にするのか。それならどれを盗んだか分からなくなる。」
ズッケェロ「ここから離れれば車は元に戻るが、時間稼ぎにはなると思うぜ?」
ナランチャ「へー。そんな有効活用も出来るのかよ。」
フーゴ「ブチャラティ、これからどうするんですか?」
ブチャラティ「とりあえず二手に分かれて食事を取ろう。俺とジョセフ、トリッシュ、サーレー、ズッケェロはここで敵を見張るからミスタたちは食事をしてきてくれ。食事が済んだら交代だ。いいな?」
ミスタ「分かったぜ。気をつけろよブチャラティ。そいつら裏切るかもしれねーからよ…」ザッ
ブチャラティ「サーレー、ズッケェロ。こんな遠くまで来てくれて感謝する。少ないが前金として受け取ってくれ。」
ジョセフ・サーレー・ズッケェロ「!!」
ジョセフ「ちょ、ちょっといいかブチャラティ?」ボソッ
ブチャラティ「?」
ザッザッ
ジョセフ「ブチャラティ…いくらなんでもあいつらのこと信用しすぎじゃあないか? まだ会って数分しか経ってねーし、先に金を渡す事はねーだろ?」
ブチャラティ「…今の俺たちはそんな贅沢を言ってられない。仲間になってくれるなら大歓迎さ。」
ブチャラティ「それに、彼らが裏切ったとして、その時は俺が倒す。それなら問題はないだろ?」
ジョセフ「はぁ・…ブチャラティが言うならしょうがねえな・。」
ズッケェロ「金もらっちまったからには働かねーとな・。な、サーレー。」
サーレー「……そうだな。」
トリッシュ「……………」
ズッケェロ「それより、あそこにいる女がボスの娘のトリッシュか…なかなか可愛い女だな。口説きたいぜ…」二タッ
サーレー「そんな事したら俺たちはパッショーネどころかイタリアにいれなくなるぞ。」
ズッケェロ「分かってるよ!」
トリッシュ「!」
サーレー「?」
ザッザッ
ズッケェロ「お、おい。トリッシュが俺たちの方に近づいてきてないか? 俺たちの会話が聞こえたのか…?」
トリッシュ「あなた…名前は…?」
サーレー「…サ、サーレーと申します。何かご用ですかトリッシュさん?」
トリッシュ「…トリッシュでいいわ。暇だから話し相手になって。」
サーレー「は、はい?」
トリッシュ「話し相手になってって言ってるの。ジョセフとブチャラティは2人で話してるからあなたが話し相手になって。」
ズッケェロ(俺は…?)
サーレー「構いませんが…何をお話したらよろしいんでしょうか?」
トリッシュ「『スタンド』って言うのかしら…? それについてよ。」
サーレー「『スタンド』ですか? …え・と……突然言われると困りますね…」
サーレー「…スタンドとは本体…つまりスタンドを操ってる人の意志によって使役されるものです。普通の人には見えず、スタンド使いにしか見えないんです。」
トリッシュ「どうやったらスタンド使いってのになれるの?」
サーレー「普通の人間がスタンド使いになることは稀です。普通はスタンドになる道具を使ってなることが多いですが、その人の精神が弱い場合は死にいたります。あとは…」
トリッシュ「あとは?」
サーレー「家族の方にスタンド使いがいる場合です。例えば父親がスタンド使いであった場合、その子供もスタンド使いの素質があります。あとはその子供にスタンドを使えるだけの強い精神力があればいつでも使えます。」
トリッシュ「家族に……」
サーレー「どうかなさいましたか?」
トリッシュ「大丈夫よ。ありがとう。それよりあなたのその喋り方ムカつくからやめてくれない?」
サーレー「え!?」
トリッシュ「私、ボスの娘だからって特別扱いされたくないの! 普通に接してちょうだい。」
サーレー「そうですか…? なら…トリッシュ……いえダメです! やっぱりタメ口では喋れません!」
トリッシュ「フッ…冗談よ。話し相手になってくれてありがと。聞きたい事があったらあなたに聞くわ。また話し相手になってね。」ザッ
サーレー「……………………」
ズッケェロ(いいなぁ・サーレーのやつ・…)
するとトリッシュはブチャラティの所へ行き、ブチャラティが持っていた亀の中に入った。
その後を続いてブチャラティも中に入る。
サーレー・ズッケェロ「!?」
ズッケェロ「おいジョセフ! その亀一体何なんだ! 教えてくれよ!」
ジョセフ「ダメだ! トリックのタネを教えるマジシャンなんていねーだろ! マジシャンがタネを教えたら廃業なんだよ廃業!」
サーレー「どうせその亀自体がスタンド使いと言った所だろ。」
ジョセフ「…早速タネ暴かれちまったぜ……」
ズッケェロ「やっぱり勘が鋭いなサーレー。サーレーが言ったことほとんど当たるじゃあねーか。」
サーレー「たまたまだ。だが…そろそろ警戒した方がいいかもしれない……」
ズッケェロ「?」
ジョセフ「!」
ジョセフ「敵か…?」
サーレー「いや…まだいないが、そろそろ来そうな気がしただけだ。」
ジョセフ「なんだよ。ビックリして損したじゃあねーか!」
ジョセフ「!」
ドッドッ!
ジョセフが見た先にはバイクが1台止まっている。
エンジンはまだ付けっ放しのようだ。
・亀の中・
ブチャラティ「…トリッシュ。」
トリッシュ「なに?」
ブチャラティ「……君には話さなくてはならないことがある。いいか?」
トリッシュ「スタンドのこと?」
ブチャラティ「!!」
ブチャラティ「…あぁ、そうだ。君にもちゃんと話さないと嫌だと思ってな…」
トリッシュ「だいたいの事はサーレーから聞いたわ。私の…私のお父さんはスタンド使いなの?」
ブチャラティ「わからない。だが、君はそんな事考えなくてもいい。いいな?」
トリッシュ「…最近自分が嫌いになってきたの。あなた達は私を奪いに来た敵といきなり戦って…私はそれを見るだけ…ただ見るだけよッ! そしていつの間にか戦いは終わってる……私がいなければあなた達はこんな目に合わなかったんじゃないかって思うの……」
ブチャラティ「それは違う。」
トリッシュ「?」
ブチャラティ「どんな指令だろうと僕たちは文句は言わない。それに従うだけだ。」
ブチャラティ「今回はたまたま君をボスの所へ連れて行く指令だっただけで、君は何も悪くない。俺たちがもっと強ければ君に心配もかけなかったんだ…謝るのは俺の方だ。」
トリッシュ「………………」
ジョセフ「おいブチャラティ! そっちは大丈夫か?」
ブチャラティ「あぁ、何の問題もない。」
ブチャラティ「…………」
バッ
ブチャラティ「トリッシュ?」
シィィーーーン
ブチャラティ「!?」
ジョセフ「どうしたブチャラティ?」
ブチャラティ「トリッシュ!?」
ブチャラティ「!!」
ソファの後ろでトリッシュの手が見える
ブチャラティ「トリッシュ、冗談はヴェネツィアに着いたからにしてくれ。今はそれどころじゃあ…」
ゴゴゴゴゴゴ
ズル…ズルズル
トリッシュの腕が小さいタンスの中に入っていってる
ブチャラティ「トリッシュ!!」ガシッ
スパンスパン
グチャグチャ
チューチューチュー
ブチャラティ(なぜこいつが誰にも気づかれずここに入れたんだ…? こいつ、遠隔操作のパワーじゃあない…本体は近くにいなきゃあおかしい! なぜここまで近づけたんだ?)
ドドドドドド
タンスの中でトリッシュがポリゴンのようになっていた!
ブチャラティ「ト…トリッシュ!!」
ブチャラティ「スティッキー・フィンガー………」
ボコ
ブチャラティ「トリッシュがさらわれるッ! こいつは! このスタンドの能力はッ!!」スパンスパンスパンスパンスパンスパン
ジョセフ「ブチャラティ!? どうしたブチャラティッ!!」
サーレー「なんだ?」
ズッケェロ「トリッシュとイチャイチャでもしてんのか?」
ピッ
??〔ボスの娘トリッシュは………〕
??〔ボスの娘トリッシュはゲットした。ブチャラティも捕まえている。この後どうしますか?〕
メローネ「ディ・モールト!!」
メローネ「ディ・モールトッ! ディ・モールトッ! (非常に非常に)よくやったぞッ! 『ベイビィ・フェイス』(息子)」ゴトーン
メローネ「ゲットしたか! でかしたッ!」ゴトトーン
メローネ「当然すぐに戻ってくるんだ! トリッシュを捕まえる事、それが最優先だッ! ブチャラティはすぐに殺せ!」
ベイビィ・フェイス〔今…亀の中…亀の出口のところにひとり…ちょっと離れてふたり人間がいます。知らない顔です。戻る時にひとりに見つかりますが、どうしますか?〕
メローネ「知らない顔?」ゴトトーン
メローネ「ひょっとして新入りか……? そいつが新入りだ! 亀を見張ってるってわけか!」
メローネ「出る時見つかってしまうならばだなぁ・っ。始末するしかないだろうがァ・・・・・・ッ!! その新入りを!」
メローネ「他のふたりは攻撃してこなければ何もしなくてもいい。それが一般人なら面倒くさいことになるからな。」ゴトーンゴトトーン
ジョセフ「ハーミット・パープルッ! 中で何があったか確かめてこいッ!」シュルッ
サーレー「何があったんだジョセフ?」
ジョセフ「ブチャラティとトリッシュがいなくなっちまった…!」
サーレー・ズッケェロ「!!」
ジョセフ「ブチャラティはいなくなる最後に“トリッシュがさらわれる”って言ってた…たぶんだがブチャラティたちほ敵スタンドに襲われてるッ!」
ジョセフ「どうやって現れたか知らねーが、あんたらは周りを探しに行ってくれ! 本体がどっかにいるかもしれねー。」
ジョセフ「あのタンス…半開きになってやがんな…まさか!」
ガチャッ
ジョセフ「こんな所に隠れてるはずねーか…かくれんぼじょあるめーし……」
ベイビィ・フェイス「正解だ。」
ジョセフ「!?」
ボコ
ジョセフ「ガッ!! こ…こいつは!」スパン
ズッケェロ「何があったジョセフ!?」
ジョセフ「敵だ! 敵のスタンドに攻撃された! こ…こいつは…!」スパンスパンスパンスパンスパン
ジョセフ「ヤバイ敵だぜ…!」スパンスパンスパンスパンスパンスパンスパンスパンスパンスパンスパン
サーレー「ジョ…ジョセフのやつが消えた…!」
シュボッ
ズッケェロ「て、敵が出てきたぞ!」
ベイビィ・フェイス〔新入りもゲットしました。これで邪魔はいません。〕
メローネ「ディ・モールトッ! よくやった! 後は帰ってくるだけでいい! 本当によくやったぞベイビィ・フェイスッ!」
サーレー「ジョセフの野郎が…やられた…!」
ズッケェロ「あ…あいつヤバイぜ…ブチャラティとジョセフの野郎を一瞬で倒すなんて……あいつには勝てねー!」
サーレー「………………」
ズッケェロ「な…なー…サーレー?」
サーレー「なんだ?」
ズッケェロ「前金はもらったしよぉ…ここで帰らねえか? 今だったら戦わずに済むぜ?」
サーレー「…………………」
ズッケェロ「俺たちはブチャラティたちには恨みがある。そいつらが今、敵に倒されそうになってんだ。ここは敵に任せて見捨てて行っちまおうぜ!」
サーレー「……………」
ズッケェロ「早くしねえと敵が俺たちにまで襲ってくるかもしれねーぜ?」
ゴゴゴゴゴゴ
サーレー「……」
ズッケェロ「おい聞いてんのかサーレー!!」
サーレー「ズッケェロ……先に帰っといてくれ。俺にはまだ用がある。」
ズッケェロ「な、なに言ってんだよサーレーッ!」
サーレー「トリッシュさんと約束したからな……」
ズッケェロ「は?」
サーレー「女との約束は…守らねーとな……」
ズッケェロ「おめー…まさかボスの娘と付き合えると思ってんのかッ!? そんなの無理に決まってんだろ!」
サーレー「無理だろうな。」
ズッケェロ「……とうとう頭狂っちまったのか?」
サーレー「だけどよ……恋心ぐらい抱いたっていいんじゃあねーか……え?」
ズッケェロ(おいおいマジかよ…!)
ゴゴゴゴゴゴ
ズッケェロ「もういい! 叶いもしない恋に命かけるなんてよ…バカバカしいぜッ…!」ザッザッ
サーレー「さて…トリッシュさんは返してもらうぜ……敵さんよォー!」グワッ
ベイビィ・フェイス〔今…人間がこちらに向かって襲ってきています。攻撃しますか?〕
メローネ「構わないッ! 邪魔してくる人は殺してもいいッ! とにかくトリッシュを連れ去ってくるのだ!」
・to be continued・
今回はここまで。
次回は二週間以内に更新予定
会話の途中に・が入ってる箇所がありますが、そこはなみせん(・)です。
なぜか変換できてないです。
波線が使えないので伸ばし棒で代用させていただきます。
サーレー(敵は一瞬でブチャラティたちを倒した…倒したのか…? 倒したにしては早すぎやしないか……ブチャラティとジョセフなら抵抗ぐらいできるはず…なら、まだ生きてる確率は高い…!)
サーレー(おそらくトリッシュさんもブチャラティたちと同じ方法で捕まっているはずだ! こいつを倒せば3人とも助けられるッ!)
メローネ「いいな! そいつを素早く倒して私のもとに戻ってこいッ! いいなベイビィ・フェイスッ!」
ベイビィ・フェイス〔敵を…倒せばいい…素早く…〕
メローネ「そうだ素早くだ! いいな?」
ベイビィ・フェイス〔イギギ! 敵を…倒すのは楽しい……〕
サーレー(この広々とした地形なら本体はすぐに見つけれるはずなんだが…)
ピコピコ
メローネ「身長が急激に伸びたか! あの女の血液との相性が予想以上に良いようだなッ!」
メローネ「ディ・モールト…ディ・モールトベネ!!」
サーレー「来いよ敵さん…いるんだろ? おれはここだッ! かかって来いよッ!!」
シィーーーン
サーレー「………………」
ズサッ…
サーレー「クラフト・ワークッ!!」ズアッ
バァーン
ザクッ
サーレー「違う…!」
スッ…
サーレー「! そこか!」
ザクッ
バサッ
ベイビィ・フェイス〔イギ! どこを狙ってるんだバカめ!〕
サーレー「!」
サーレー(なにィ!? そっちには何もなかったはずだぞ!?)
ベイビィ・フェイス〔イギギ!〕
スパ…
ズッケェロ「ソフト・マシーン…」
ズサッ!
サーレー「な!」
シュボ
ベイビィ・フェイス〔き…消えた!?〕
ズッケェロ「こっちだマヌケッ!!」
バン
ベイビィ・フェイス〔ぐはっ!〕
ズッケェロ「本当ならしぼましてやりてえ野郎だが、ブチャラティたちが捕まっている以上、殴ってスタンド解除さした方がいいよなー!」
バン
ベイビィ・フェイス〔ぐへ!〕
メローネ「くっ! この大きさで敵を2人相手にするのは厳しいか!」
ボン!
サーレー「ズッケェロッ!!」
ズッケェロ「お前のために戻って来たんじゃあねえ…金が欲しいから戻って来たんだ。勘違いするなよ。」
ベイビィ・フェイス「ぐ…ぐぬぬ…」
ズッケェロ「さて…トドメを指すか。」
ベイビィ・フェイス〔俺を…舐めるな…〕
スパン!
ズッケェロ「!」
ドバッ
ズッケェロ「う…うぁあああああああああああ!!!」
サーレー「ズッケェロッ!!」
ズッケェロ「か…肩が…俺の肩はどこ行っちまったんだよ…」
ベイビィ・フェイス〔これが俺の能力だ…お前の肩を小石に変えた…俺は物体ならどんなものでも違うものに変えれる…痛いか…? 次は喉だぜ! イギ!〕
メローネ「凄いぞ! 今だにベイビィ・フェイスの成長が止まらないッ! あの女との交配は大成功だ!!」
サーレー(そうか…! やつはこうしてトリッシュさんたちを別の物体に変えてたんだ! それなら亀も違う物体に変えられてるだけで、まだ取られたわけじゃあない!)
サーレー(だが…ズッケェロのやつが……)
ズッケェロ「うぅうう……!」
ズッケェロはポケットからナイフを取り出し…
ズサッ
サーレー「!!」
サーレー「ズッケェロッ! 何をしてるんだッ!?」
ズッケェロ「何って…腕を取ってるんだよ……」
ズザッ!
ズッケェロは自分の体から腕を切り取った。
その行動にはサーレーだけでなく、敵のベイビィ・フェイスさえ驚かした。
ベイビィ・フェイス〔何してんだ人間ッ! 人間ってのは壊れちまったら自分の体を傷付ける生き物なのかー? イギギ!〕
ズッケェロ「ああ…いてえ…いてえぜ……腕が切れるってのは…こんなに痛えものなんだな……」ドバドバー
サーレー「ズ…ズッケェロッ!!」ダッ
サーレー(俺のせいだ…俺のせいでズッケェロは…!)
メローネ「ベイビィ・フェイス! トドメをさせ!」
ベイビィ・フェイス〔わかった。〕
ズッケェロ「解除だ……」
サーレー「……?」
ズッケェロ「解除をしろサーレーッ!」ドバッ
ベイビィ・フェイス〔なんか解除しろとか人間が言っている。どう言う意味だ?〕
メローネ「解除…? さあな、人間にだってわからないことだってあるんだベイビィ・フェイス。」
サーレー「!」
サーレー(ズッケェロのやつ…まさか!)
サーレー「ク、クラフト・ワーク! 解除だ!」
ガシッ
ベイビィ・フェイス〔ぐっ!……〕
ズッケェロ「方向はばっちしだったようだな…」
メローネ「どうしたベイビィ・フェイスッ!?」
ズッケェロ「腕を体から切り離したら…それは『生きてる腕』じゃあねーよなー……死んじまってるんだからただの『物』だよなー!」
ベイビィ・フェイス〔クァアッ!〕
ベイビィ・フェイスの首にズッケェロの腕が掴まり、その勢いでベイビィ・フェイスは後ろに吹っ飛んだ。
ダッダッ
サーレー「………………」
サーレー「…お前の腕を切っちまったの実質俺だ。俺が弱いばかりにこうなっちまった…」
ズッケェロ「そうだな…俺とお前のせいだ。だからこんな…一か八かの賭けをしたんだ。」
サーレー「それなら…」
ズッケェロ「それなら…何だ……サーレー…?」
サーレー「それなら俺だって一か八か賭けるぜ…ズッケェロ……」
ズッケェロ「そうこなくっちゃお前じゃあ…ねーよなー…?」
サーレー「俺の命を賭けてトリッシュさん、ブチャラティ、ジョセフを取り返すッ! そしてズッケェロの賭けた腕もだ!」
バッ
サーレー「やつの姿がねえ…」
サーレー(やつ自身も姿を隠せるのか…!)
サーレーは地面に落ちてる小石を掴み取り、空中に浮かせる。
サーレー(どこからでもかかってこい…小石をぶっ飛ばしてやるッ!)
スッ
ズッケェロ「サーレー! あれを見ろ!」
サーレー「あ…あれはッ!?」
サーレー「か…亀だ! なぜあんな所に亀が!」
ダッダッ
サーレー(待てよ…これは敵の罠か! 亀の近くにやつは隠れてるのか?)
サーレー(だが…その罠にあえて乗ってやるッ!)
ダッダッ
ベイビィ・フェイス〔わざわざ罠に引っかかってくれるとはありがてえ!〕
バン
サーレー「それを待っていた!」
サーレー「解除ッ!」
サーレーが言ったと同時に小石が亀の方向へ飛んでいった
ベイビィ・フェイス〔イギ! それはもう学習したぜ!〕
スパンスパンスパンスパンスパンスパンスパンスパンスパンスパン!
ベイビィ・フェイスは飛んでくる小石を砂に変えていく。
ベイビィ・フェイス〔痛くねえなー! イギ!〕
バッ
サーレー(接近戦はこっちには不利だ。ここは距離をおかないと…)
ベイビィ・フェイス〔もう十分に近付いたぜ!〕
スパンスパン
サーレー「な…なにィッ!! この距離でも間に合うのか!」
スパンッ!
サーレー「ぐ…ぐはッ!」
サーレー「くそっ…たれ…!」
ベイビィ・フェイス〔これで終わりだ! 心臓をバラバラにして踏んづけてやる!〕
サーレー「……………………」
ゴゴゴゴゴゴ
ベイビィ・フェイス〔! あ…あれ?〕
メローネ「どうした? 早くトドメをさせベイビィ・フェイス。」
サーレー「早く…動かしてみろよ……俺の心臓をよ……」
ベイビィ・フェイス〔なぜだ! なぜ動かないんだよ! やつの心臓はもう動かせるはずだ!」
ズッケェロ(心臓を固定したのか…だが、それも時間の問題だぞ……)
サーレー「うご…かせない…のなら……俺が…攻撃するぜ…!」
トン…トン…
サーレー「この一発に…賭ける……!」
トン…トン…
サーレー「正確に…狙いを……」
ベイビィ・フェイス〔クソ!! こうなったら心臓をバラバラにしてやる!〕
シバッ
ベイビィ・フェイス〔!!〕
シュボ
ベイビィ・フェイス〔俺の足が! しぼんでいく!?〕
ズッケェロ「正確に当てろよ…サーレー……!」
サーレー「……分かってるぜ…相棒!」
サーレー「解除ッ!!」
ベイビィ・フェイス〔や…やめろーーーーーーーー!!〕
バキューーーン
ドビッ
ベイビィ・フェイス〔チクショーーーー!! チクショーチクショーチクショーチクショーチクショーチクショー…〕
シュー…
ベイビィ・フェイスを倒すと、サーレーの近くに亀が出てきた。
ー列車内ー
メローネ「クソッ! 今回は失敗したか! 最高の息子だったのに!」
メローネ「…まあいい。まだブチャラティの血液は残ってる。今度はもっと相性の良い女を見つけないと…」
ブーン
スッ…
メローネ「あ?」
チクッ
メローネ「! ハチか! この虫ケラがッ!!」
バチーン
メローネ「あとで消毒しないといけなくなったじゃあないか。面倒なことをさせるハチだ。」
メローネ「それより、次こそはブチャラティを……」
バタリ
『お客様にご案内いたします。現在、猛毒を持った“ボローニャバチ”が列車の中を飛んでおります。“ボローニャバチ”は刺されて数秒で体内に毒がまわるため、もし見かけましたら速やかにお逃げください。繰り返します…』
メローネー戦闘不能
スタンド名ーベイビィ・フェイス
数分後
アバッキオ「トリッシュは大丈夫かブチャラティ。」
ブチャラティ「大丈夫だ。今は亀の中で眠っている。何があったのかは知らないようだ。」
アバッキオ「俺たちがいない間に大変だったみてーだなーブチャラティ。」
ブチャラティ「あぁ、サーレーとズッケェロがいなければやられていた。」
ミスタ「ここを怪我したのかーズッケェロ。」チョコン
ズッケェロ「ウギッ!」
ズッケェロ「イテーーーーッ!! まだ触んじゃあねーよッ! ブチャラティに引っ付けてもらったけど、まだ傷むんだよ!!」
アバッキオ「てめーは子供か。そんな事ぐらいで痛がるな。」
ジョセフ「ズッケェロ、お前はここで救護班が来るのを待っててくれ。」
ミスタ「救護班? そんなのいたっけか?」
ジョセフ「俺の知り合いに頼りになる人がいてよ、『スピードワゴン財団』ってのが来たらそいつらの言うとおりに従ってくれ。」
ナランチャ「フーゴォー、『スピードワゴン財団』って何ィー?」
フーゴ「ロバート・E・O・スピードワゴン氏が会長を務める世界で1番の金持ち集団さ。組織力としては向こうの方がうちより凄い。」
ナランチャ「何だよそれ…ジョセフすげー…!」
サーレー「なんでお前があの『スピードワゴン財団』と繋がってんだよ!」
ジョセフ「人には喋りたくないことだってあるんだよ。ま、話すのがめんどくせーだけなんだけどな。」
サーレー「お前という人物がますます分からねー…」
ズッケェロ「とりあえず早いとここっから逃げた方がいいぜ。周りの一般人が車がない事に気づき始めてる。騒ぎを聞きつけて敵がすぐやってくるかもしれない。」
ズッケェロ「俺がいる限りバレることはねーけど、救護班が来て俺がここからいなくなったらすぐにバレるだろーぜ。」
ブチャラティ「ズッケェロ。」
ズッケェロ「ン?」
ブチャラティ「改めて例を言う…」
ズッケェロ「!」
ブチャラティ「トリッシュを助けてくれて感謝する。君の怪我は絶対に無駄にしない。報酬は君の銀行に振り込んでおくぞ。」
ズッケェロ「……………」
ブチャラティ「いや、いい。」
ミスタたち「!!」
ミスタ「お、お前金が欲しかったんじゃあねーのか? なんでいらねーんだよ!」
ズッケェロ「金はトリッシュ護衛のために使ってくれ。怪我をした鈍臭い俺には貰えねえよ。」
サーレー「ズッケェロ…」
ブチャラティ「分かった……君の意思を尊重しよう。」
ブチャラティ「サーレー、君にはこれからもチームに同行してもらう。構わないか?」
サーレー「了解、トリッシュさんを死ぬ気で守るぜ。」
ミスタ「おいジョセフ…」ガシッ
ミスタ・ナランチャ・フーゴ・アバッキオがジョセフの肩をつかんで小さな声で会話を始めた。
アバッキオ「俺たちがいねえ間にあいつら頭でも打ったのか?」ボソッ
フーゴ「それともあれはズッケェロたちではないんじゃあないですか?」ボソッ
ナランチャ「分かったぜ! あいつらは敵だ! 敵が化けてるんだ!」グワッ
ミスタ「声がでけーよバカッ!」バン
ナランチャ「イッテー! 殴ることあねーだろ殴ることは!」
ジョセフ「さあな…だけどあいつらは正真正銘俺らの仲間になった…それだけは確かだぜ。」
~to be continued~
今回はここまで。
次回は二週間以内に更新予定
>>485
訂正
ブチャラティ「いや、いい。」
↓
ズッケェロ「いや、いい。」
テスト~
ブゥウウウウン
ジョセフ「……………………」
ミスタ「……………………」
サーレー「……………………」
ジョセフ(なんでよりによってこのメンバーなんだよッ。)
ジョセフ「おい…ミスタ。後ろからは着けられてねえか?」
ミスタ「あぁ…ネズミ一匹も走ってねえな。」
サーレー「………………」ゴシゴシ
ジョセフたちはヴェネツィアに向けて車を走らせていた。
サーレーとズッケェロがベイビィ・フェイスを倒した後、ボスからメールが届いた。
【全員無事だろうか?
娘を護衛してくれている事に感謝する。
最後の指令を送る。
『アバッキオのムーディー・ブルースをダイニング・チェアーのそばにて10時間以上戻せ』
以上】
ムーディー・ブルースで10時間戻らせると、そこには幹部のペリーコロさんが現れたのだ。
ペリーコロはブチャラティたちに写真を見せ、写真の場所にあるOA-DISCを手に入れるようにと伝えたのである。
そのDISCにはトリッシュの引き渡し場所が記録されているらしい。
ブチャラティによると写真の場所はヴェネツィアの入口…国鉄サンタ・ルチア駅前。
それを伝えるとペリーコロは自分の頭を撃ち抜き、自殺したのだった。
自分と写真の後始末を自分の部下に任せ、ペリーコロは死んでいった。
ドアアアア
朝もやの中に浮かぶ海上要塞都市ヴェネツィアッ!
本土からこのあまりにも有名な街に車で行く方法は一本の道路だけ。
浅瀬の海にかかる3.5kmのリベルタ橋を渡ることになる。
橋と平行して鉄道鉄橋が左側に走っており、駅は橋を渡り切ったところッ。
つまり、ヴェネツィアの入口にある! 車で行けるのはそこまで! 目的はDISCの入った像はその駅前広場にあるッ!
ミスタ「依然敵の姿はなし……こりゃあ逃げ切ったか?」
サーレー「油断するのにはまだはえーよ。油断したら一瞬で殺されるぞ?」
ミスタ「…誰が殺されんだ?」
サーレー「お前だよ。そこのお、ま、え。」
ミスタ「ナニィ~? お、ま、る? 残念ながらお子ちゃま用のおまるは持ってきてねーんだ。トイレは我慢しなちゃいよ僕ちゃん。」
サーレー「なんだとッ!?」ザバッ
ミスタ「ここで決着つけるかッ!!」ガバッ
ギョギャギャギャギャ
グアシィン
ジョセフ「おっと!」
車が突然ブレーキをし、サーレーは窓、ミスタは前の椅子の頭にぶつかった。
ミスタ「お…おいジョセフッ! なんて運転をしてんだよ! 本当に免許持ってんだろうなッ!!」
ジョセフ「お…おっかしいな…? 何もねーとこでスリップしやがった………タイヤがオカシくなっちまったか?」
サーレー「イテテテテ……ジョセフに運転を任したのが間違いだったな………体がいてーぜ…」
ミスタ「?」
ゴオオオ
ミスタ「…………サーレーの顔の横に張り付いてるのは何だ? こっからだとよく見えねえんだけど…」
サーレー「へ? オレの横? ちょっとまてよ…」
グイグイ
サーレー「アレ? か…顔が窓から離れねー……」
ゴゴ
ミスタ「? なんだありゃあ~~~? あれは…………………あの形は……ゆ………び……だよな……………?」
ゴゴゴゴゴ
クルッ
ミスタ「俺の指じゃあねえ……だとしたらあの指は…………」
サーレー「オレの………指………?」
ジョセフ「チクショー! 窓が曇ってて前が見えねーよッ! 少し窓開けるぜ。」
ズッ
ドバ
ビュウウウウウ
ジョセフ「な…なにィ!?」
窓を開けると、突然冷たい突風が流れてきたッ。
ジョセフは急いで窓を閉めようとしたが、窓が凍っていて閉めるのは不可能であった。
バシン
ジョセフの顔に写真が張り付いた
ドドドドドドド
?「時間がかかったぜ。10数台の車を盗んで逃げられた時はもうおまえらを見失ったと思ったが…………」
?「残るおれの仲間が幹部ペリーコロを追っていたのでかろうじておまえらの行き先がヴェネツィアと言う事だけつきとめられた……」
?「ペリーコロは自殺死体だったが……やつのそばに落ちてた焼いた写真の灰をコンピュータで解析されるのはそうムズかしいことではなかった。時間はかかったがな…」
ベコン
バコン
ボコン
?「ヴェネツィアが目的地なんだな…!?」
ジョセフ「て…敵だッ! 敵が今真上にいる!」
?「亀はどこだ? 亀はどこにいるんだ?」
?「まさか…! きさまら別行動をとっているのか!!」
?「しかし…そこまでしてあそこの場所に行こうとしてるって事は…そこには大事な何かがあるんだよなー? そんだけ用心してるって事はよーッ。」
?「写真の場所をじっくりと探せば……」
?「見つかるかな?」
?「てめーらを始末した後でよ…………」
ベコッ
ベコッ
ジョセフ「ミスタ今だッ!!」
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン
ボッ
ドゴドゴドゴドゴッ
ボゴッ
ミスタ「こんだけ撃ちゃあ命中してんだろ。」
ピストルズ全員「!?」
ビシッ
?「野球のポジションってよォ………………」
?「一塁はファースト、二塁はセカンド、三塁はサードっていうよなァー? それは分かる。」ビキッ
?「でも遊撃手の事はみんなショートって呼ぶんだよォーーーーー。時にはショートストップとか言ってよォ。」グオア
?「でも何で遊撃手だけ数字から離れてんだよォォォォッ! それだったら無理して作らなくていいじゃあねーかァァァッ。」ビシッビキッビキッ
?「そんなの納得いくかァーーーーおい? オレはぜーんぜん納得いかねえ……」ドガッ
?「なめてんのかァーーーーッ。このオレをッ! 遊撃手なのにショートって呼ぶのも英語としておかしいっつうのッ! ボケがッ!」ガスッガスッ
ピストルズ2「コ…氷ヲ身ニマトッテ屋根ニヒッ付イテイルゾッ!!」
ピストルズ3「ヤツノトコロマデ弾丸ガ貫通シナイッ!」
ビビビ
ピストルズ5「ヤ、ヤバイーっ。オレタチマデ凍ッテクルゾ。ニゲロッ!!」
ピシィ
ピストルズ2「ウワッ!」
ピストルズ2「ウワアアアーッ。タ…助ケテクレッ!」
ピストルズ3「ナ…No.2!!」
ピストルズ5「行クナァーッ!」
ピストルズ2・3「ウワアアアァ!」ビビビ
ピストルズ1・5・6・7「No.2、No.3ーーーーッ!」
サーレー「!!」
ピストルズ5「ミスタッ!」
ビューー
ミスタ「か…風が冷てェッ。」
ジョセフ「これがやつの能力かッ! オレの体が凍ってきた…ぜ……」
ジョセフ(おそらくだが、外の気温は北極並に寒くなってやがる………それが今、天井に穴を空けたことによって車内に冷たい冷気が流れ込んで来たんだ。)
ジョセフ(ブレーキを踏み込んで車を止めてーところだが…ブレーキまで凍ちまってる………)
ジョセフ(ジョースター一行最大のピンチだなこりゃあ…!)
ミスタ「鼻の穴まで凍ってきてる……このままじゃ…………息が………」
バコ…
ジョセフ「よし…」
ジョセフ「サーレー……もう大丈夫だ…………」
?「何が大丈夫なんだァーおい? お前らはもう少しで窒息死するってのよォーーーーッ!」
サーレー「うるさい………もう少し離れた場所で言ってくれ………」
サーレー「『解除』…………」
バコン!
ドグァア
サーレーが解除と言った瞬間、車の屋根が外れた。
?「おああああ。」
ドッガァーン
ジョセフ「オレのスタンドで屋根を少しずつ切り取ってたのに気づかなかったか? このオタンコナスッ!」
サーレー「ジョセフの意図は何と無く分かっていた…………わかりたくもなかったがな……………」
バァァァァ
サーレー「ちっ…やつが離れた瞬間に血が出てきやがった。こればっかしは痛いな…おい!」
ゴロゴロ
シャキン
シャキン
シャキン
ドーーーーーーン
ミスタ「ヤロー…………ああやってこの車に乗り移って来たのか…!」
サーレー「しかもスタンドを身にまとう………おい…あんなタイプのスタンドはみたことがないぜ。」
ミスタ「追ってくるぞッ。ここはひとまず喧嘩は休戦だッ!」
?「チェッ!! まさかサーレーのやつがブチャラティ側についてたとは…しかし逃がさねぇ……駅前にある品物はこのギアッチョが必ず手に入れる………」
ドンドンドンドンドン
ボコボコボコ
ミスタ「どんだけ撃っても体まで辿りつかねぇ。サーレーのスタンドよりタチが悪いぜ。」
サーレー「………」
サーレー「おいジョセフ。このまま逃げ切れそうか?」
ジョセフ「いや、間違いなく追いつかれるな。ミスタが一瞬よそ見してる間に屋根の上に登ったって事はやつは相当なスピードだってことだ。」
ジョセフ「んでもって今は屋根がねえ。敵にとっては好都合だぜ。」
ミスタ「冷静に解説してる場合かよッ! 早くなんとかしねえとすぐ追いつかれるぞッ。」
ギアッチョ「おまえらはこの先のS・ルチア駅に到着することは決してありえねーッ。」
ガァーン
ガァーン
ガァーン
ギアッチョ「てめーの弾丸ごときでは撃ち抜けねエーッて言ってるだろーがよォー!」
ミスタ「屋根のNo.2もNo.3も戻れ。」
ズギャン
ギアッチョ「!!」
ピストルズ2・3「イイイーーーーハァーーーーッ!」
ギャン
ガギ
ガギ
ミスタ「キスでもしてんだな………スピードがついてる分だけ道路さんに熱烈なヤツをよォーーーーッ。」
ドバッ
ギアッチョ「うおあ!」
メシャ
ドガァーン
ピストルズ全員「やりィーーーッ!」
ミスタ「このまま飛ばせジョセフ! 敵に追いつかれねーようによ。」
ビシビシビシビシ
3人「!!」
サーレー「あ…あいつ…! 車から出ている水滴を凍らせてロープみてえーにしやがったんだッ!」
ミスタ「どんな温度で冷やせばそんなこと出来るんだよッ。」
バギャン
ドガッ
ミスタ「あいつトランクを開けたぞ…」
サーレー「! ジョセフッ! 急いでブレーキを踏めッ! さっきみたいに凍る前にッ!!」
ギアッチョ「言うのが一足遅かったなサーレー!」
ジョセフ「ブレーキが間に合わねーなら………こうしてやるッ!」
ギギギギギ
ジョセフはドリフトでギアッチョを振り落とそうとするッ。
しかし、それでもギアッチョは落ちない! 体を車に氷で固定しているからだ。
それでもジョセフは必死にドリフトをするが…
ギギギギギ
ミスタ「!! おいジョセフ! 前…前を見ろッ!!」
ジョセフ「え。」
サーレー「そっちは川だッ!! ハンドルを回せッ!!」
ガゴオオオン
ジョセフ「やっぱりこうなるのね…」
ビシャアアアン
ビチャッ
ビチャッ
ミスタ「危なかった……おまえがイスを空中に固定してなかったら今ごろ水中だったぜ。」
サーレー「こういう時に頭の違いが出てくるんだよ。」
ミスタ「…あれ? ジョセフはどこだ。それにあの氷野郎も………」
サーレー「あ……そういえばジョセフのイスだけオレ触ってなかったな。」
ブクブク
ジョセフ(な…なんでオレだけ水中なんだよ………神様は薄情だぜ……)
ジョセフ(……意外と陸は近いな………泳いでいけるかもしれねーな……)
ジョセフ(あいつがいなければな……)
ギアッチョ「まずはおまえから殺してやるぞ新入りのジョセフッ!」
ジョセフ「しつこい野郎だぜ……」
ジョセフ(ただ…頭を冷やしたせいか、やつを倒せる可能性は見えてきた……いっけん全ての攻撃が通じないようにみえるが、一つ…一つだけあいつには疑問がある。)
ジョセフ(それはあの野郎がどうやって息をしてるかだ………どこかに空気を出す穴があるはずだ………そこがやつにとっての弱点なはずだ。)
ジョセフ(そして今…その弱点をオレは見つけたぜ!)
ギアッチョ「死ねッ!」
ジョセフ「ハーミット・パープルッ! オレを陸まで引っ張り上げろッ!!」
シュル
シビシビ
バッサア
ミスタ「お! やっと上がってきたかジョセフ。」
サーレー「DISKはすでに回収したぞ。早くあいつを倒す………」
ギアッチョ「それが例の品物か?」
ミスタ・サーレー「!!」
ミスタ「セックス・ピストルズッ!」
ドォーン
ドォーン
ドォーン
ギアッチョ「まだ言ってなかったが、オレは弾丸ぐらいなら氷のバリアで弾くこともできるんだ。つまり! オレは無敵だ!」
グイーン
ドグオオオン
サーレー「ウブッ!」
ミスタ「グアッ。」
2発の弾丸は2人に命中し、残りの1発は街灯の棒に当たった。
ザッザッ
ギアッチョ「これが例の品物……これでボスの居場所が分かるってことだな。」
ギアッチョ「おまえらはおれに勝てやしない……そうだろ?」
ジョセフ「ブッブー! 不正解でーす!」
グワア
ジョセフはギアッチョの首の後ろにある穴に向けて氷の破片を刺そうとする。
クルウン
ガシーン
ジョセフ「!?」
ギアッチョ「自分の弱点ぐらい把握してるんだよ。」
するとギアッチョは氷のトゲを作り、ジョセフの腹にそれを刺す。
ジョセフ「うわっ。」
ジョセフは腹に刺さる寸前で氷のトゲを掴んでいた。
ジョセフ「う…やべ……手が冷たい………」
ギアッチョ「そろそろあの世に行きな……新入りのジョセフ………」
ブズザアア
ズブ
ギアッチョ「……………………」
サーレー「ターゲットの急所に命中………寸分の狂いもなく………な。」
ギアッチョ「サーレー………おまえか……………」
ギアッチョ「オレに何をした………?」
ジョセフ「ちゃんと見てたようだな。オレさまが考えた突破口を…」
サーレー「さっきも言ったが、これが頭の違いってやつだ。」
ミスタ「言っとくけど、オレがきづいたんだからな。」
ギアッチョ「お………おまえ…………ら………」
ギアッチョ(刺さってるのは……棒…? ……………これは街灯を支えている棒と同じ素材か………)
ギアッチョ(……オレが弾いた弾丸が……街灯の棒に当たって棒がささくれみてーになってたのか………それを今オレの首に………)
グサッ
ギアッチョ「!……………」
サーレー「よし! やつの空気口に棒を突き刺してやったッ。」
ミスタ「いくらやつと言えど、首を刺されちゃあ息は出来ねえはずだッ。」
ギアッチョ「………………………」
ダッダッ
ジョセフ「さあ、早いとこDISKを奪ってブチャラティたちと合流しようぜ。きっとあいつらオレに会いたくてウズウズしてるはずだからなッ!」
ジョセフ「そんじゃま、DISKは頂いていくぜ………」
ゴゴゴゴゴゴ
スッ…
ジョセフ「!」
ジョセフ「あ…あれ?」
ミスタ「どうしたジョセフ?」
ジョセフ「い…今………こいつの手が動いた気がしたんだが…………気のせい……だよな?」
ゴゴゴゴゴゴ
ギアッチョ「……気のせいじゃあねーなァ~~~~~…それは。」
ジョセフ「ゲッ! こいつまだ生きてやがるッ!?」
サーレー「そんなバカなッ! 空気口にしっかりと突き刺したはずだぞ。」
ギアッチョ「空気を凍らせれば全ての動く物体は止まる……それはオレにダメージを与えることへの可能性を全否定することになるんだぜ。」
ギアッチョ「つまり、おまえらはオレに攻撃を与え、倒すことは不可能ってことなんだよッ!!」
ジョセフ「!! サーレーッ! そこから離れろッ。」
サーレー「あ…?」
ミスタ「No.5、No.7ッ! 急げッ!!」
ドォーン
ピストルズ5・7「イイイーーーーーハァーーーー!」
スボオオン
ギアッチョ「くらえッ!!」
ギアッチョはサーレーに向かって尖った棒を投げた!
カン
だが、その棒に偶然ミスタがギアッチョに向けて撃った弾丸が当たり、サーレーの急所を避け、脚に刺さった。
ズブゥサア
サーレー「!!……」
ミスタ「な…なにィッ!」
ジョセフ(た…助かった………もし、ミスタが撃った弾丸が棒に当たってなかったらサーレーは確実に死んでたぞ。神様ってのはいるんだなやっぱり…)
ジョセフ(まだツキはこっちにあるみてーだ…)
ミスタ「す…すまねえサーレー。わざとじゃあねーからな。」
サーレー「…………………」
サーレー「……こんな棒………もう必要はない…!」
ズボッ
ポイッ
ジョセフ「!! 危ねッ!!」
ガシッ
ジョセフ「おい! 危ねえなサーレーッ! 物を投げる時は周りを確認してから投げろッ!」
ポイッ
ミスタ「つ…次こそは……絶対に倒す…!」
サーレー「さっさと撃っちまえッ。トロトロ遅いぞ!」
ミスタ「…………分かってる………」
ギアッチョ(やつらは追い詰められて焦ってるに違いない。その証拠にチームワークが乱れてやがる。こりゃあ仲間割れを起こすのも時間の問題だな。)
ドォーン
ボゴォッ
サーレー「な…んだと………?」
ミスタが撃ったのはギアッチョではなく、サーレーだった。
その弾丸はサーレーの右腕に当たった。
ミスタ「おまえのことは前から気に入らなかったが…もう我慢の限界だぜ…………」
ミスタ「オレに指図すんな…イライラすんだよ。」
サーレー「て…てめー……………」
ジョセフ「おいおまえらッ! 喧嘩してる場合かよッ! 今はギアッチョを倒す事に集中しやがれッ!」
ミスタ「そいつにはもう敵わねえ…無敵ならどうしようも出来ねえよ…」
ミスタ「それなら…死ぬ前にこいつだけは始末する…それでオレは満足だ。」
ジョセフ「ふざけるのもいい加減にしろ! オレたちは仲間なんだぜ?」
サーレー「仲間仲間うるせえんだよ! オレは一度もおまえらを仲間だなんで思ったことはねえよ…おい。」
ギアッチョ「最後の最後に仲間割れをするか……理解出来ねえな。」
ギアッチョ「ま、オレが攻撃しなくても死んでくれるなら見届けてやるぜ。」
ジョセフ「いい加減にしろよッ! オレもそこまで気は長くねェーッ。喧嘩をやめないなら攻撃するぜ?」
ミスタ「やってみろよ?」
サーレー「やれるもんならな………え?」
ゴゴゴゴゴゴゴ
3人はギアッチョを中心にして三つ巴になっていた。
だが、それは偶然ではない。
偶然ではなく、それは3人がわざとそうなるように仕向けた陣形であった。つまり必然的にそうなったのだ。
ミスタ「セックス・ピストルズッ!」ドォーン
サーレー「クラフト・ワークッ!」バッ
ジョセフ「ハーミット・パープルッ!」シュビッ
3人は一斉にギアッチョに攻撃したのである。
ギアッチョ「なにィィィィィッ!?」
ギアッチョ(そんなバカなッ! こいつらの仲間割れは演技だったのかッ! それにしては感情がこもりすぎていたぞッ。)
ミスタ(今すぐにでもサーレーは殺してぇーぐらいムカつく野郎だが…今はそいつよりもムカつくやつが目の前にいるからな………)
サーレー(後で決着をつけるがな…)
ジョセフ「オレの作戦に気づくとはおまえらなかなかやるじゃあねーかッ!」
ジョセフ(三方向からの攻撃ならどれかはダメージを与えられるハズだ!)
ギアッチョ「とでも思うと思ったかこのボケがッッッ!!!!!!」
ビキッ
ビキビキビキビキ
ジョセフ「ナッ!!」
ジョセフの左腕が凍る
ミスタ「グゥアッ!!」
ミスタの弾丸が跳ね返り、ミスタに着弾。
サーレー「ヒグッ!」
サーレーの右手が凍り、ヒビが入る。
ジョセフ(う…腕が凍ってるッ!! ていうか3人の攻撃を全部防いだだとッ!? 化け物かよあいつ!!)
ジョセフ(このまま攻撃したら腕がなくなっちまう……ここは一旦離れねえと…!)
ミスタ(くそッ…! さっき弾き返された弾丸が思ったより痛いな…………足がフラフラしてきた………勝手に足が後ろに下がっちまう…!)
ギアッチョ(オレに勝てるハズがないというのが理解できたようだな。それが正解だ。あとはオレがこのDISKを持ち帰れば完璧だ。)
ザッ
ギアッチョ(おっと! その前にこいつらを始末しとかねぇーと完璧じゃあねーなァ~……………)
ザッザッ
ギアッチョ「ン?」
クルゥン
ゴゴゴゴゴゴゴ
サーレー「そのDISKは…おまえの物じゃあねえ………持ち帰るのはオレらだ……さっさと離しな…」
ギアッチョ「おまえ…自分の体を見て勝つのは無理だって分からねえか? おまえはオレに対抗できる力は残ってない。オレに説明させんなよ。」
サーレー「それはどうだろうな…あ?」
ガシッ
ギアッチョ「…オレを掴んでどうするつもりだ?」
サーレー「もちろん………倒すつもりだ………しっかりとな……」
ギアッチョ「…………………」
ギアッチョ「はぁああああああああああああああああ~~~~~~~~~~。」
ギアッチョ「分からねえかな~………オレがよォ………おまえを凍らせるぐらい簡単だってことによォーーーーーーッ!!」
ビシ
ミスタ「サーレー!」
サーレー「分かってねえのはおまえだよ。」
ギアッチョ「ああん?」
サーレー「オレの能力をしっかりと把握しとかねぇーとなー………」
サーレー「『解除』だ!」
ビュシュッ
ボゴォッ
ギアッチョ「な…なんだとォォォォォォォッ!?」
サーレー「オレの腕にはミスタ様が恨みを込めて撃ってくださった弾丸が残ってたんだよ…勢いはそのままでな…………」
ギアッチョ「ぐぐぐ…それがどおした! これぐらいではかすり傷と同じだ!!」
ミスタ「クソッ! サーレーの弾丸はやつの首に届いていねぇ!」
ビシビシ
サーレーの体が一瞬のうちに凍っていく
ミスタ「ヤバイぞッ! サーレーの体が半分まで凍っちまったッ。もうサーレーの意識が…………」
サーレー(……………………)
サーレー(………トリッシュさん…無事にボスに…………会ってくださいよ……ブチャラティたちなら……ちゃんと会わせてくれますから………)
サーレー(最後に………恋したのが……………あなたで良かったです…………)
サーレー(さような…………ら…………)
ドグサァァァァァァ
ギアッチョ「!!」
ビシャアアア
トビュッ
ドヒュッ
ギアッチョ「な…なんだ……?」
ジョセフ「いや~…なかなか位置を調整するってのも難しいんだなサーレー。」
サーレー(ジョセフ………?)
ギアッチョ「オ…オレに………何をした…ジョセフッ!!」
ジョセフ「おいおい! あんまり喋ると首を貫通して刺さってる棒がどんどん刺さっていくぜ。」
ギアッチョ(こ…こいつ………は何を……言っているんだ?)
ギアッチョ(この棒は………なんだ……? おれの目の前にあるこの棒は?)
ジョセフ「気づかなかったか? さっきサーレーが掴んだ棒をオレが上に放り投げて、その後に棒が落ちる音を聞いたやつはいないはずだぜ?」
ミスタ「! そういえば確かに音が聞こえなかった。」
ジョセフ「それはオレがおまえの上で棒が固定されるのを待っていたからだ…ハーミット・パープルが持ちながらな。」
ジョセフ「そしてこの棒はサーレーが自分の右腕に着弾した弾丸を固定した時に一緒に固定されていたんだよ。おまえの真上でな。」
ジョセフ「それからオレは解除されるまでずっっっっと地道な調整をしてたんだ……おまえにバレねえかヒヤヒヤだったぜ。」
ギアッチョ「ぼ…ボケが…………!」
ちょうど、その時、朝日が昇ってきた。
ジョセフ「もう朝日か………眩しいぜ。」
ジョセフはギアッチョに背をむけた。
ギアッチョ「………………」
シャキン
ギアッチョ(戦いで背中を向けるのは敗北を意味している………バカめ……おまえだけでもオレが始末してやるッ!)
ギアッチョ「死ね…ジョセフ………」
グンアアア
ジョセフ「そのまま目を瞑ったままなら………何もしなかったのになァーーーーッ!」
ジョセフ「『ハーミット・パープル』ッ!!!」
ボコ
ギアッチョ「グハッ!」
ジョセフ「まだまだこんなもんじゃあねー…」
ボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコ
ギアッチョ「ゥェ…」
ジョセフ「おまえには暗闇がお似合いだぜ。」
シュアアア
ボッチャアン
バアーーーーン
ギアッチョは海の中へと沈んでいく。
その後、2度とギアッチョの姿を見た人はいなかった。
ジョセフ「DISKも無事回収成功ッ! これでボスの居場所が分かるぜ!」
サーレーの体が元に戻っていく。
サーレー「……………………」
ミスタ「おいサーレー。」
サーレー「………あん?」
バッ
ミスタはサーレーに手を差し伸べる
サーレー「なんの真似だ?」
ミスタ「早く手を貸せッ。立てねえんだろッ!」
ガシツ
サーレーの手を握ったミスタはサーレーに肩を貸し、歩いてく。
サーレー「何を企んでる?」
ミスタ「何も企んでねーよ。」
ミスタ「…ジョセフのやつはまだピンピンしてるから、あいつに傷口を治してもらうだけだ。あいつは波紋とかいうのでオレたちの傷を治してくれんだ。」
サーレー「…不思議なやつだな……………ジョセフは。」
ミスタ「あぁ…」
ミスタ(前から思っていたが……ジョセフ…いや…ジョジョはブチャラティと似た覚悟をもっている気がしてならない…………オレたちを命をかけても守るという覚悟が………普段はふざけた野郎だが、ここぞいう時にやつはいつも仲間を助けてくやる………おれはどこかで………ジョジョがチームに入ってくれたことに感謝している…! あいつがいなければオレたちはここまで来れていない気までしてくる………)
ミスタ(ジョジョがオレたちを守るってことはやつはオレたちを信用してるってことだ………それなら…………オレもジョジョを信用してやらねえとな。)
ミスタ「あ! あと、これは貸しだからな。いつか返せよ。」
サーレー「…勝手にしろ。」
ミスタ「……あとな…」
サーレー「なんだ?」
ミスタ「どうやらオレも限界みてーだわ…」
バタリ
二人は力尽きるように倒れる。
ミスタ「もう立てねえぜ………」
サーレー「だったら格好つけてオレを運ぶなよ………」
ダッダッ
ジョセフ「てことは…ここでオレの波紋が役に立つってわけだな!」
ミスタ「お前は元気すぎるだろ。」
ジョセフ「俺の波紋で少しだけ傷を治してやる。傷跡を見せてくれ。」
サーレー「好きにしてくれ。」
ジョセフ「うわ……サーレーの傷は結構深いな…ちゃんとした治療はスピードワゴン財団にやってもらえよ!」
ジョセフ「これ以上旅を続けるのは危険だ…あとはブチャラティに判断して………」
サーレー「そんなことしなくても自分で分かる。この状態でおまえらのチームにいても役立たずだからな。おとなしく入院させてもらうぜ。」
ジョセフ「そうか。それなら治療を始めさしてもらいましょうか!」
シュル
ミスタ「! お…おいジョジョ! もうちょっとゆっくりやってくれ! こしょばいからよ。」
サーレー「そ…そうだ。俺はこういうのに弱いんだ…」
ジョセフ「そんな事言われたらやりにくくなるじゃあねーか!」
ピコーン
ピコーン
ナランチャ「あ! ジョセフだ! おーい3人とも………」ダッダッ
ミスタ「あぁッ! ジョジョ! そこは!! そこだけはやめてくれ!!」
シュルシュル
ナランチャ「!」
ナランチャ「!!」
ナランチャ「!!!」
ジョセフ「ここさえやれば気持ちが良くなるから我慢しろ!」
サーレー「ミスタばかりやってないか! オレはまだ痛いぞ!」
ジョセフ「フゥー…二人相手にするのは疲れるぜ…」
シュルシュル!
ミスタ「ダメだ!! 我慢出来ねえッ!! アハン!」
サーレー「うわ! どこ触ってんだジョジョ!! そこはダメだ!!!」
ブチャラティ「どうだナランチャ。3人はいたか?」
ナランチャ「え! い…そッ…その…あの…い…いえ!」
ナランチャ「あれッ! 急に目にゴミが入った! 見えないぞッ。3人なのかよくわからないぞッ!!」
ナランチャ(…お…オレは何も見ていない見ていない…オレはなぁーんにも見てないぞッ!!)
ミスタ「あ! ジョジョ! そこはダメーーーッ!」
ジョセフ「お前らうるせーよッ!!」
DISKゲット!
本体名ーギアッチョ
スタンド名ーホワイト・アルバム
(死亡)
~to be continued~
今回はここまで。
ギアッチョの能力が強すぎてなかなか倒す方法が考えつかず、無理矢理な倒し方になってしまったかもしれません。
次回は出来れば今週中に更新予定。
『さっそくだが、まず断っておく事がある。このDISKに入力してある情報は君たちがネアポリスの町から列車に乗った時点で入力したものである。』
『したがって追っ手があと何人残っているのか? 君たちのチームがこの任務における戦闘において何人失ったのか。現時点でのわたしには知る由もない事をまず断っておく。』
『そしてこのDISKの情報は娘と安全に出会うための方法であり、君たちへの最後の指令である。』
『なお……これから述べる指令と少しでも違った行動を君たちがとることは決して許されないということも断っておく………………』
『もし、誰かが指令と違った行動をとったのなら、たとえそれが偶然の事故であったとしてもわたしは“それを悪意ある危険信号とみなす”。わたしと娘が安全に出会うことが非常にむずかしくなるからだ!』
『それでは指令を述べる!』
ピピピピピ
ピピピ
『これより君たちが向かうのはサン・ジョルジョ・マジョーレ島!! たったひとつの教会のみある島でそこにはたったひとつの大鐘楼がある!』
ドドドドドド
『娘を連れてくる場所はその塔の上ッ! 塔の上に娘を連れて来た時点で終了するッ!』
『指令?
塔には階段はなく、現在エレベーター一機のみで塔上に登ることができる! エレベーターに乗るのはトリッシュと護衛ひとりのみである!』ピコーンピコーン
『指令?
護衛の者はナイフ・銃・携帯電話等あらゆる物の所持を禁止する!』
『指令?
島にはこのDISKをゲットしてから15分以内に上陸しなくてはならない! なお、このDISKには発信機がついており、ライオン像からDISKが移動していることはすでに確認している。』
『指令?
他の者は船上にて待ち…上陸を禁止する!』
ナランチャ「あの塔の上に今…ボスがいるのかァ…………」
フーゴ「ものスゴく用心深い…だが、ああじゃなきゃあ組織のボスなんかやってらんねーんだろーがな。」
アバッキオ「しかしま、オレたちの任務もここでおわりだな。2人除いて全員無事だったしよォー。よかったってところか?」
ミスタ「かろーじてだったがなあー。オレもうヘトヘトだぜ。これからこのヴェネツィアで何日か遊んで帰ろーぜ。オレたちの街ほどじゃあねーが、ここも飯がうまいそうだ。」
ジョセフ「それは聞き捨てならねーなァ。飯が美味いんだったらたらふく食わねえとな!」
ナランチャ「ここ料理美味いの? 何があんの? どんな料理?」
ミスタ「ピザはダメだが、イカスミのパスタとかよ、毛ガニのサラダだろ。チブリヤーニホテルのカルパッチョって生肉料理は絶品らしい。」
フーゴ「ほんと2日間の任務ろくな食事とってませんからね。特にジョセフが作ったグラタンはスープになってましたからね。」
ジョセフ「あれは機材が悪かったんだよ。もっとちゃんとした機材が整った施設なら完璧な料理が作れるぜ。」
ジョセフ「そん時はトリッシュも一緒にパーティーしよーぜ。父親に会えた記念によォッ!」
ブチャラティ「おいナランチャ! レーダーを見張っていろッ! てめーらもまだ気抜いてんじゃあねえッ!」
ジョセフ「おまえらしっかりしろよな。」
トリッシュ「……………………」
トリッシュ「………………………」
ジョセフ(トリッシュが汗をかいてる………普通は涙なんだけどな…………ま、理由はおそらく………)
ジョセフ「おいブチャラティ。その格好で行くつもりか?」
ブチャラティ「なに?」
ジョセフ「ちゃんと正装しねーと…ほら、オレのハーミット・パープルの花でも付けてけよ。少しはマシに見えるぜ?」
ブチャラティ「ジョジョ……」
ジョセフ「そうだよなブチャラティ…?」
ゴゴゴゴゴゴ
ブチャラティ「……そうだな。ジョジョの言う通りだ。バラは見栄えがいいからな。」
ブチャラティ(このバラはジョジョにとって探知機…そして盗聴器になる。もしオレに何かあったらジョジョにはすぐわかるはずだ。絶対に正体をつきとめてやる…………必ず…」
ゴゴゴゴゴゴ
スッ…
ブチャラティ「ボタンは一階と塔上の2個だけだ。直通で他に降りる階はない。」
トリッシュ「あたし…」
トリッシュ「……………………」ガタガタ
トリッシュ「これからどうなるの? あなたたちのようなギャングにいきなり拉致されて命を狙われて……」
トリッシュ「そして、会ったこともない愛情なんかない父親のところに連れて行かれる……………………」
トリッシュ「あたし、これからどこへ行くの?」
ブチャラティ「…………………」
ブチャラティ「ボスは……ただ、君の無事を心配してるだけだ…」
ブチャラティ「君がこれからどうなるのか?…………オレの考えでは多分こうだ…………まず君は違う名前になる。顔を整形するかもしれない。身分も戸籍も違う人になり、オレたちの知らない所で…きっと遠い国で…幸せに暮らすんだよ…」
ブチャラティ「君の父親はそういう力を持った人だ…」
ブチャラティ「さあ…手をかそう。立ってエレベーターに乗るんだ。」
トリッシュ「…」
トリッシュ「不安でしゃがんでたんじゃないわ! 亀の中にずっといたから足がシビレてたのよッ!」グイ…
トリッシュ「………………」ガクン…
ウイイイイイイイ
トリッシュ「あたし……父親の事………」
トリッシュ「好きになれるのかしら?」
ブチャラティ「そんな事を心配する親子はいない。」
トリッシュ「…………」
トリッシュ「そうよね…その通りだわ…………そんな事心配するなんて……おかしいわよね……」
ブチャラティ「それに…父親に会えたらジョジョがパーティーを開くらしいからな。逆に楽しみじゃあないか。」
トリッシュ「……そうね。」
ブチャラティ「着くぞ! 塔上だ…………」
ブチャラティ「!!」
ブチャラティ「トリッシュ!!」
ブチャラティ「トリッ……」
ゴゴゴゴゴゴ
ブチャラティが握っていたのはトリッシュの腕だった。
ブチャラティ「なにィィィィィィッーーーッ! トリッシュ!!!!!!!!!!」ドギャア
ドドドドドド
ブチャラティ「まさかッ!」
ブチャラティ「そんなッ! まさかーーーッ!!」
ブチャラティ「まさかッ! ボスはッ!」
ブチャラティ「自分の正体を完全に消し去るために……」
ブチャラティ「トリッシュ!!」
ブチャラティ「オレたちに護衛の任務をさせたのはッ! 自分の娘を確実に自らの手で始末するためなのかァァァァァァァーーーーーーーッ!」
ブチャラティ「吐き気をもよおす邪悪とはッ! なにも知らぬ無知なる者を利用する事だ……!! 自分の利益だけのために利用する事だ…」
ブチャラティ「父親がなにも知らぬ娘を!! てめーだけの都合でッ!」
ブチャラティ「ゆるさねえッ! あんたは今、再びッ! オレの心を裏切ったッ!」ドグシャア
ガハアア!!
ドドドドドド
ブチャラティ「いた…!! どうやったのかは知らんが、やはり塔の下へ…!! トリッシュはまだ生きている。あんたの正体だけを知るつもりだったが…」
ブチャラティ「予定はかわったッ! あんたを始末する! 今ッ!」
ジョセフ「………………………」
アバッキオ「ジョセフ……さっきから汗をかいてるがどうかしたのか?」
ジョセフ「え? ……い…いや…少し熱があるだけだ。寝れば治るさ。」
ジョセフ(……そんな事があっていいのか? いや…あってたまるかよッ! トリッシュの……トリッシュの気持ちをボスは…………どう責任とるつもりなんだよッ………)
ジョセフ(ブチャラティが帰ってくるのを待つ予定だったが…オレも予定変更だ………)
グアッ
ミスタ「! おいジョジョ、どこへ行く気だ? ボスはここで待機って指令だったろ。」
ジョセフ「トイレだよ。トイレ。あの大鐘楼の一階にトイレがあるみたいだからそこでしてくる。」
アバッキオ「ボスの指令に逆らうもりか? 逆らえばそれは組織を敵に回すということになるんだぞ…?」
ゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ「元からオレは組織の一員になったつもりはねえよ。今さら関係のないことだ。そもそもトイレぐらいならボスも許してくれるさ!」
ダッダッ
フーゴ「おいジョセフッ!!」
アバッキオ「あいつはバカだぜ…」
ミスタ「…………………」
ナランチャ「…何食おうかな?」
ダッダッ
ジョセフ(ブチャラティは確か塔の下へ…とか言ってたな……)
キュッ
ジョセフ(だが…エレベーターには下へ行くボタンがない………つまり、隠し通路があるって事だ…………)
ジョセフ(ブチャラティはスティッキー・フィンガーズでとっくに下へ向かってるはずだ……早くオレも合流しねーと………)
ブチャラティ『ジョジョ。聞こえているか。今オレはボスの教会脱出ルートを先回りし! そこでボスを殺るつもりだッ!』
ドシュウウーッ
ビイイイイイ
トン!
ゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ「こっちからはブチャラティに声は聞こえねーか………何かイヤな予感がするな。」ダッダッ
ドドドドドドドドドドドド
ブチャラティ『来るッ! ボスだッ! 階段を降りたッ! 今! やつを殺るッ!!』
ボス「そのまま帰った方がいい…………ブローノ・ブチャラティ………その柱から出たら……おまえは死ぬことになる。」
ドドドドドド
ドドドドドド
ドドドドドド
ブチャラティ『スティッキー・フィンガーズ…………』ガオオオン
ベキィッ
ブチャラティ『うおおおおおおおお!』
ジョセフ「ブチャラティッ!?」
ジョセフ(今! 一体ブチャラティの身に何が起こってるんだッ。ボスと戦っているのか…?………)
ゴツン
ジョセフ「イ!! イテテ…」
ジョセフ「な…なんでこんなとこに柱があるんだ? さっきまでこんな柱なかったのに。」
ジョセフ「あ…あれ? ここってさっきの場所より先のところじゃあねえか?」
ジョセフ「…………………………」
ゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ「………これはヤバイ気がするぜ…!」
ダッダッダッダッ
ブチャラティ「追跡はバレていたのか…当然かな………」
ブチャラティ「だが! 再びまた姿を隠すとは…」
ブチャラティ「どんな正体か知らんが、大した実力ではないと判断するぜ。」
ボス「理由を聞いておきたい………」
ブチャラティ「!」クルッ
ズババババ
キョロ
ボス「どういうつもりなのだ…………? いったい………ブチャラティ……」
ゴゴゴゴゴゴ
ボス「せっかくおまえは命がけの任務を無事果たしたばかりというのに…わたしは今回のおまえの仕事ぶりに尊敬の念をいだいていたのに…」
ボス「信じられない行動だ! 何が望みなのだ?」
ボス「幹部になったのがうれしくってもっと縄張りがほしいと欲がでたのか? それとも自分の実力を過大に評価し、わたしを追い越せるとうぬぼれたのか?」
ブチャラティ「トリッシュが目を醒ましたのなら、父親など最初からいなかったと伝えておこう…」
ボス「…………」
ボス「トリッシュだと?」
ボス「トリッシュがなんだというのだ? 娘の事はおまえにはなんの関係もないッ!」
ブチャラティ「きさまにオレの心は永遠にわかるまいッ!」
ダッダッ
ジョセフ「!」
バッ
ジョセフ(ブチャラティだ………それにトリッシュも………やっと合流できたぜ………だけど…)
ジョセフ(ボスはどこだ? 柱の影に隠れているのか?)
ジョセフ「!」
ジョセフ「ブチャラティ! 後ろの柱にいるぞッ!」
ブチャラティ「そこだーーー!」
ズババババババ
ボス「…………………!!」
ブチャラティ「くらえッ!」
ゴゴゴゴゴゴ
ゴゴゴゴゴゴ
ブチャラティ「柱の…」
ブチャラティ「…影にいたのは…」
ブチャラティ「オレだ!………?」
ドドドドドド
ジョセフ「ど…どういうことだ………?」
ボス「最後だから教えてやろう………そこのネズミにもな…………ブチャラティ……おまえがたった今目撃し、そして触れたものは…………」
ボス「未来のおまえ自身だ。数秒過去のおまえが、未来のおまえ自身を見たのだ。これが我がキング・クリムゾンの能力! 時間を消し去って飛び越えさせた…!!」
ボス「誰だろうとわたしの永遠の絶頂をおびやかす者は許さない。決して。確実に消え去ってもらう。」
ブチャラティ「ガフッ。」
メキ
メリメリ
ズボ
ベギ
ドドドドドド
ビシ…
ボス「………?」
ジョセフ「ね…念のため……」
ジョセフ「念のためブチャラティにバラを持しといて正解だった………というより持たせてなかったら今ごろ………」
ジョセフはブチャラティが胸に付けていたバラのイバラを伸ばし、柱に掴ませてブチャラティを僅かだが、横に引っ張っていた。
そのおかげでブチャラティは腹を貫通されず…脇腹をえぐられるだけで済んだのだ。
ボス「…………ネズミ。きさまか? オレの絶頂を邪魔したのは…………きさまなのか?」
ジョセフ「そ…そんなとんでもない! わたしはここでボスの絶頂を眺めさせていただいてるだけですよッ!」
ブチャラティ(ジョジョ………感謝する………君には助けられてばかりだ………)
ブチャラティ「スティッキー・フィンガーズ!」
ボス「しかし! キング・クリムゾンはすでにッ!」
ドバアアーン
グニウウウウ
ュウウウウ
ウウウウウ
ボス「読める……」
ジョセフ(だ…ダメだ………今のオレたちではボスには勝てない! オレの勘がそう言ってる…!)
ジョセフ(ボスの能力は時間を飛ばすこと………しかも、ボスの姿はまだわからない…だとするとボスにダメージを与えるのは不可能だ……こういう時に取る行動といえば……………)
ドゴオオオ
ブチャラティの左肩にボスの一撃が入る
ブチャラティ「こ……この能力……は!!」
ボス「どんな人間だろうと…一生のうちには浮き沈みがあるものだ。成功したり、失敗したり…………」
ボス「未来という目の前に………ポッカリ開いた落とし穴を見つけ! それに落ちる事がなければ、人生は決して沈む事がない。絶頂のままでいられる。わたしは!………」
ボス「そうじゃあないか? え?」
ブチャラティ(クソ………立ってる気力が………もう………)
ドシャアア
カツーン
カツーン
ボス「ネズミ……きさまは後で始末してやる………今は黙って隠れていろ。」
ジョセフ「……………………」
カツーン
ボス「わかる……実際に会ってみて……やはりたしかにわかる。」
ボス「説明はなくてもこのわたしと血のつながっていることが…たしかに実感できるッ! 我が娘であるという事が…直感で完全にな…」
ボス「…と…言うことはつまり!! おまえも意識のある時ならこのわたしに同じ事を感じるという事だ!! わたしの正体を感じる者はこの世に存在してはならないッ!」
ゴゴゴゴゴゴ
ブチャラティ「う…」
ブチャラティ「トリッ…シュ。」
ボス「わたしをおびやかす落とし穴はふさがねばならないッ! 今! この血の流れは断ち切るッ!」ドドドドドド
ブチャラティ(今だけでいい…! 今だけ体を動かせてくれッ!)
ボス「命はもらったァーーーーーッ!」ドガオオ
ブチャラティ「トリィイイイイイイイイイーーーッシュッ!」
ビシッ!
ボスの手にイバラが巻きついている。
ボス「な!!?」
ボス「なにィ~~!!?」
その先を辿ると…
ドドドドドド
ジョセフ「ハローボォ~ス!………ネズミネズミってうるさいんで自己紹介しにきたぜ!」
ジョセフ「オレはこれからあんたを倒すことになっているジョセフ・ジョースターってもんだ。よろしく頼むぜ。」
ゴゴゴゴゴゴ
ブチャラティ「ジョジョッ!!」
ボス「ネズミ………いや…ジョセフ………きさまはわたしを怒らせたことに気づいていないようだな………」
ジョセフ「ボス………あんたもオレを怒らせてるんだぜ? お互い様だな…」
ボス「…………………………」
バッ
先に動いたのはジョセフだった
ボス「キング・クリムゾンッ!!」
ドゴオオオーン
シュルウウウウ
ウウウウウウウ
ボス「私に真っ正面から攻撃をしてくるか………私の能力を分かった上で攻撃するとは………何ともマヌケだ………」
ボス「そんなヤツでも生かしておけば、私の正体をバラしてしまうだろう………しっかりと始末しなければ………」
ボス「一瞬の油断は絶頂からの転落を意味する………絶頂は誰にも揺らがせはしない!」
ドオオオン
ボスがキング・クリムゾンを発動した時、ブチャラティはジョセフの攻撃に疑問を抱いた…
ボスのキング・クリムゾンの能力を考えれば、真っ向から勝負を挑むのはバカげているからだ。
ましてや、ジョセフがそんな行動を取るとはブチャラティには考えられなかった。
そして…ブチャラティは………
バッ
最後の力を振り絞り、トリッシュのいる方向へダッシュしたッ!
ダッダッ
ガシッ
ジョセフ「さすがブチャラティッ! 分かってるぜ!」
ブチャラティ「スティッキー・フィンガーズ!」
ジョセフ「ハーミット・パープル!!」
ジョセフが出したイバラはボスのキング・クリムゾンの横を通り過ぎていく。
シュウ!
ボス「!」
ガシリ!
ジョセフ「先の行動は見抜けても、人の考えを見抜くことは無理みてーだな。」
ジョセフが掴んだのは柱!
ジョセフ「ピンチになった時………1番良いのは……………」
ジョセフ「逃げることなんだぜッ!!」
ズイイイイン
ブチャラティはその柱をジッパーにし、上に登っていた!
ジョセフ「一旦お別れだボス!! 次会う時は心理学でも学んでおけよッ!」
ボス「…………………」
ボス「…………………」
ドバアン
ジョセフ「ブチャラティ! 傷は大丈夫かッ! それにトリッシュは…」
ブチャラティ「……オレの傷は大したことない………トリッシュも腕以外は傷を負っていない。」
ボス(ジョセフ・ジョースター……新入りのこいつの事はまだ把握していなかったが………ブチャラティよりも注意すべき男だった………だが、逃しはしない………絶対にだ。)ガシッ
ダダダダダ
ミスタ「おいジョジョ! いくら何でもトイレ長すぎだろ! 何してやがんだッ。」
アバッキオ「ボスにこの事が知られたらどうなるか分かっての行動だろうなッ。」
ボス「く。」
四人「!!」
フーゴ「ブチャラティ!! その傷はどうしたんですかッ!?」
アバッキオ「それになんでトリッシュを連れ戻してきたんだ! ボスに会ったのかッ!?」
ナランチャ「意味が分からないよッ!」
ボス(いくら時を消し去る我が能力でも…あのスタンド使い6人相手の前でトリッシュを始末するには…………)
ボス(時間がかかりすぎるだろう。6人相手ではこの姿を誰かには見せなくてはならない。)
ブチャラティ「ジョジョ…今のオレたちでボスに勝てると思ったか?……」
ジョセフ「…………いいや…残念だが、これっぽっちも思わなかったぜ。逃げることで精一杯だった……」
ジョセフ「ボスの正体を掴まねーと勝ち目はねーぜ。」
ボス「だが、このままでは済ませるわけにはいかないッ! 決して逃がしはしないッ! ヴェネツィアからッ!」
ドドドドドド
ブチャラティとトリッシュはジョセフの治療を受けている。
アバッキオ「………どういうことなんだ? ブチャラティ!! 説明してもらおう!! なにをやってるんだあんたは!!」
ドドドドドド
ブチャラティ「わかった…単刀直入に言おう。多くは説明できない……時間がないし、危険が迫っているからだ!」
ブチャラティ「トリッシュを連れ帰ったのはたった今! オレがボスを裏切ったからだッ! おまえたちとはここで別れるッ! これからおまえたちがオレといっしょに行動すればッ! おまえたちもオレと同じ裏切り者になってしまうからだ!」
ミスタ「な…なんだって?」
アバッキオ「…………………」
ナランチャ「よ…よくわからないな。い…今言ったこと…今なんて言ったんです?」
フーゴ「裏切った…と言ったんだ…ボスを!」
フーゴ「な…なぜ?」
ブチャラティ「これ以上は………聞かない方がいいだろう…………おまえたちは…無関係なんだからな………」
ジョセフ「ブチャラティ…そいつはねえんじゃねえか? こいつらが仲間である以上、話した方がいいぜ。もしかしたらついてくるやつがいるかもしんねーし…」
アバッキオ「てめーには聞いてねえんだよジョセフ~~~~~~~~~!!」グイ…
アバッキオ「さっきから命令にそむいたり、勝手に教会に入ったりよォー!」
アバッキオ「オレはおまえのことは大嫌いだ。本当は目も合わしたくもないが、ブチャラティが信頼してるから話してやってるんだ。」
アバッキオ「偉そうにしゃしゃりでるんじゃあねえぞ…?」
ジョセフ「…………………」
バッ
アバッキオ「……ブチャラティ。詳しい説明を聞きたい!」
ブチャラティ「…………………」
ジョセフ「ブチャラティ…仲間はいた方がいい。オレらだけじゃあ勝てっこねえぞ。」
ドドドドドド
ゴゴゴゴゴゴ
ブチャラティは皆に全てを話した。
ボスがトリッシュを護衛させた理由を…そして、ボスを倒すということを…
それを聞いた仲間は、動揺を隠せなかった………
ナランチャ「ハァハァハァ…」
フーゴ「……………………」
アバッキオ「………………………」
ミスタ「……………………」
フーゴ「言ってることは……よくわかったし、正しいよブチャラティ。」
フーゴ「だけど…はっきり言わせてもらう。残念だけど………ボートに乗る者はいないよ…情に流されて血迷った事をするなんて………あんたに恩はあるが、ついて行くこととは別だ…」
フーゴ「あんたは現実を見ていない…理想だけでこの世界を生き抜く者はいない。この組織なくしてぼくらは生きられないんだ…」
フーゴ「僕は裏切り者にはなれない。」
スッ
ジョセフ「……………………」
ジョセフ「今から言うのは独り言だから聞き流してくれ。」
ジョセフ「裏切り者裏切り者って言うけどよ………本当の裏切り者ってのは何か知ってるか?」
ジョセフ「…本当の裏切り者ってのはどっちの味方かはっきりしねーやつの事を言うだぜ?」
ジョセフ「それを踏まえた上でどうするか決めてくれ。決めた上でとった行動ならそれはしょうがねえ。」
ブチャラティ「……………………」
アバッキオ「…フーゴの言うとおりだぜブチャラティ。あんたのやったことは自殺に等しい事だぜ。」
アバッキオ「世界中どこに逃げようともうあんたには安息の場所はない…」
アバッキオ「そしてオレが忠誠を誓ったのは組織になんだ。あんたに対し忠誠を誓ったわけじゃあねえ!」
アバッキオ「しかしだ………」ズ
アバッキオ「オレももともとよォ~~~~。行くところや居場所なんてどこにもなかった男だ…この国の社会からはじき出されてよォーーーーー。オレの落ち着けるとこは………………ブチャラティ。」ザッザッ
バン
アバッキオ「あんたといっしょの時だけだ…………」ズン
ジョセフ「アバッキオ………ありがとよ。」
アバッキオ「いい気になってんじゃあねーぞ!! ジョセフ。フン!」
フーゴ「バ…バカなッ! アバッキオ!」
ミスタ「ボスを倒したのならよォーーーー。」ス…
グイッ
ミスタ「実力からいって……………次の幹部はオレかな。ホレ! 亀を忘れてるぜ。」
ミスタ「オレはブチャラティの性格はよく知ってるぜ。ヤツは頭がいい。あんな事言ってるが、勝つみこみのない戦いはしない男だ。」ヒソヒソ
ミスタ「絶対にばく大な金が手に入るんだ……ボスの隠し財産とか知っているにちがいない! そうだなんだろ? ジョジョ!」ヒソヒソ
ジョセフ「……さすがミスタ。そこまで見抜いてるとは思ってみなかったぜ…」ヒソヒソ
ミスタ「分け前はもちろん…」ヒソヒソ
ジョセフ「オレとミスタで多めにな…」ヒソヒソ
ミスタ・ジョセフ「シシシシ。」ヒソヒソ
フーゴ「ミスタッ!」
フーゴ「おまえら。ど…どうかしているぞッ! 完全に孤立するんだぞッ! どこに逃げる気なんだッ!? い…いやッ! このヴェネツィアから生きては出れないッ!」
ジョセフ「それがお前の決断なんだなフーゴ……ナランチャ…お前はどうするんだ?」
ナランチャ「ぉ…ど…オ…オレ……ど…どうしよう? オレ?」
ナランチャ「ねえ…ブチャラティ…オレ…どうすればいい? 行った方がいいと思う?」
ブチャラティ「怖いか?」
ナランチャ「ああ…す…すごく怖いよ。で…でも命令してくれよ…いっしょに来い!って命令してくれるのなら…そうすりゃあ勇気がわいてくる。あんたの命令ならなにも怖くないんだ…」
ブチャラティ「だめだ……こればかりは命令できない! おまえが決めるんだ………自分の歩く道は………自分が決めるんだ……」
ナランチャ「わ…わかんけーよォ~~~~~~~。」
ブチャラティ「だが、忠告はしよう。」
ブチャラティ「来るなナランチャ…おまえには向いていない。」
ドドドドドド
ブチャラティ「いくぞッ!」
ドドドドドド
ジョセフ「ナランチャ…フーゴ………また会えたらいいな。」
ブチャラティ「ジョジョ……亀をとってくれないか……トリッシュを中に入れよう…」
ジョセフ「! へへ…」
ジョセフ「ブチャラティ、振り返ってみろよ。」
ナランチャ「ブチャラティィィィィィィィィィィィィィ!」
ナランチャ「行くよッ! オレも行くッ! 行くんだよォーーーーーーッ!」ザッバァァ
ドドドドドド
ナランチャ「オレに来るなと命令しないでくれーーーーッ!」
ナランチャ「トリッシュはオレなんだッ! オレだ! トリッシュの腕の傷はおれの傷だ!!」
フーゴ「………………………………………………………………………」
ドドドドドド
『トゥルルルルルルルウウルルル。』
『トゥルルルル。』
『ガチャリ!』
『スクアーロか。裏切り者がでた。このヴェネツィアでだ。』
『裏切り者の名はブローノ・ブチャラティとジョセフ・ジョースター。生死は問わないとの命令だ! ボス自らの!』
~to be continued~
今回はここまで。
次回は二週間以内には…
長かった旅もあと少しです。
更新ペースは相変わらずですが、これからもお付き合いください。
>>559
訂正
ジョセフ「…本当の裏切り者ってのはどっちの味方かはっきりしねーやつの事を言うだぜ?」
↓
ジョセフ「…本当の裏切り者ってのはどっちの味方かはっきりしねーやつの事を言うんだぜ?」
.,― 、
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Y ´~ ^ ‘~ `ー゜、
l r-、v?、 r -、  ̄ `ー、
r | .l ノ ( ノ l ) レ:l
t | Y ~ ー.' fーメ :|
l l / | ̄ j ノ
i l ! |ー く
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誇りの道(スレ)を~行く者(>>1)に太陽の導きぃをぉ~♪
t | :l
i l
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/~ // / \/
/ 《 l \
| |
~ヴェネツィア市内のレストラン~
ジョセフ「暇だからさァ~~~~~ナランチャ。お前に算数を教えてやるぜ。」
ナランチャ「え? 突然すぎないジョジョ?」
ジョセフ「フーゴがいない今、お前に算数を教えれるのはオレくらいだぜ? どうせ暇なんだからありがたく教われ!」
ナランチャ「わ…わかったよ…教わればいいんでしょ…」
ジョセフ「よし! なら今回は2ケタのカケ算に挑戦するか!」
ナランチャ「ふ…2ケタ……」
ジョセフ「お前が2ケタのカケ算が出来ねーのは知ってるぜ。だから今はそれを乗り越えないとな。」
ジョセフ「じゃあまずは、オレが初めてお前らに会った時にやってた16×55からやるぞ。」
ナランチャ「わかった。やってみる!」
ミスタ「ジョジョのやつ何だかんだ言って面倒見が良いよな。」
ブチャラティ「親友のフーゴがいなくなった事にジョジョは気を遣ってるんだろう。ジョジョなりにナランチャを勇気付けようとしてるんだ。」
カキカキ
ジョセフ「16×55って考えるから難しく感じるんだ。まずは16×5からやってみろ。」
ジョセフ「まず6×5はいくつだ?」
ナランチャ「たしか…さ…30…?」
ジョセフ「そうだ! じゃあ5×10はいくつだ?」
ナランチャ「…おれ九九しか分からないからできないよ…」
ミスタ「ジョジョのやつ短気だからそろそろキレるんじゃあねーか?」
ブチャラティ「大丈夫さ。」
ジョセフ「………………」
ジョセフ「じゃあ5×1はいくつだ?」
ナランチャ「それは分かるよ! 5だろ?」
ジョセフ「そうだ。じゃあ5×10も分かるはずだぜ? 1の後ろに0が付いてるだろ? そんな時は5に0をつけるだけでいいんだよ。」
ナランチャ「てことは…」
カキカキ
ナランチャ「50…でいいの?」
ジョセフ「やれば出来るじゃあねーかナランチャ!!」
ゴシゴシ
ナランチャ「い…痛いよジョセフ!」
ジョセフ「それじゃあ16×5はいくつだ? さっき計算した2つを足してみろ。」
ナランチャ「え…えーと……6×5と 5×10を足すと……80だ!!」
ジョセフ「そしたらだ…ナランチャ。実はお前はもうすでに16×50の計算は出来るはずなんだ。」
ナランチャ「ウッソーッ! マジかよ!?」
ナランチャ「ん? 待てよ…」
ナランチャ「この式ってさっきのに0をつけただけだ!」
カキカキ
ナランチャ「……800だ!!」
ジョセフ「正解! じゃあさっきのと足してみろ!」
ナランチャ「うん!」
カキカキ
カチャ
ナランチャ「………………880?」
ジョセフ「…………………」
ナランチャ「……………………」
ジョセフ「完璧だナランチャッ!」
ナランチャ「やったぜッ!!」
パチッ
パチッ
ピシッ
ガシッ
グッ
グッ
ミスタ「やっと人並みになったってところだな…」へッ
アバッキオ「それでも成長だ……」
アバッキオ「ところでブチャラティ………これから………どうするんだ。」
ブチャラティ「………………」
ブチャラティ「ボスのスタンドはあきらかに時間を消し去り、そしてその中をボスだけが自由に動いていた。」
ブチャラティ「無敵だ。どう考えても何者だろうとあのスタンドの前ではその攻撃は無駄となる!」
ブチャラティ「ボスの正体をつきとめた時は別だ! ボスの素顔さえ知る事ができればッ! こちらからの本体への暗殺の可能性が出てくるからな! なんとかしてボスの正体を知らねばならないッ!」
ミスタ「しかし…どうやって探すんだ? ボスはあらゆる人生の足跡を消して来てる男だぜ…」
アバッキオ「トリッシュだ! ……トリッシュに何かヒントがあるぜッ! みんなトリッシュを追い……そしてボスはトリッシュを始末しようとしていた!」
ジョセフ「だが、これ以上トリッシュをこのことに巻き込むのは可哀想だぜ……なんてったって父親に殺されかけたんだからな…………ボスの事はトリッシュに黙っておいて違う方法を探した方が………」
トリッシュ「その必要はないわジョセフ。」
トリッシュ「もうすでに……理解しているもの……さっきから…」
ゴゴゴゴゴゴ
バン
トリッシュ「思い出したわ…人生の足跡を消しているという言葉で…あたしの母は昔、父親とはサルディニア島で知り合ったと言っていたわ………」
トリッシュ「あたしが小さい頃……昔話で母からチラリと聞いた事がある…母親が旅行した時に知り合い…母にすぐに戻ってくると言ったきり、写真も本名も何も残さず永遠に消え去ったのよ。」
トリッシュ「サルディニアよ。サルディニアに過去と正体はきっとある!」
ブチャラティ「なぜオレたちに教える!? オレたちは君の父親は殺すかもしれないッ! いや! 倒そうと決意しているんだぞ。」
トリッシュ「倒すとか倒さないとかあたしにとっては別問題だわ!」
トリッシュ「ただ! あたしの知らないところで勝手に戦って守られてるのがイヤなのよ! あたしにも協力をさせて欲しいのッ!」
アバッキオ「どうやら…彼女……オレたちが考えてる以上にタフな精神力のようだな……」
ジョセフ(……トリッシュってブチャラティの事をすっごく気にしてるよなァ~……………こりゃあ面白くなりそうだ!)
ジョセフ「?」
ジョセフ(あれ? オレのスプーンどこいったんだ?)
スッ
サッ
ジョセフ(……まぁいいか…ミスタのやつを借りておこう!)
ジョセフ(スープは熱いうちに飲むのがベストでェ~すッ!)
カチン
ジョセフ「!」
ズズ…
スープの中から溶けたスプーンが出てきた
ズギョガガ
ズザザザザザ
ジョセフ「て…敵だ! スープの中に……サメがいるッ!」
ドドドドドド
ジョセフ「ハーミット・パープル!」
シュビッ
ガチャアン
パリィーン
ブチャラティ「アバッキオッ!! トリッシュを亀の中に入れて護れッ! ナランチャは右ッ! ミスタは左を護れッ!」
ミスタ「どこだ!? ジョジョ!? 敵はどこにいるッ!?」
ジョセフ「スープの中だァーーーーーッ! どっかからすでにはいってやがったッ!」
ミスタ「どこだって?」
ジョセフ「だ…だからスープの中にサメがいたんだよ! サメの背ビレのような物があったからおそらくサメだッ!」
ズズズ
ズオオ
ジョセフが持ってたスプーンにサメが現れた
ジョセフ「なにッ!」
ドシュバッ
ジョセフ「おぞごぉおうッ!」
ジジジュウウ
ジョセフ「な、な、ななな…」
ガッチャアアーン
ブチャラティ「ジョジョ!!?」
ミスタ「どうした!?」
ズズズ
ジョセフ(み…水の中を移動してやがる…! 早く……ブチャラティたちに伝えねえと……!)
ミスタ「ジョジョ!? どうしたって聞いてんだよッ! どこか攻撃されたのかッ!? どこをやられた?」
ジョセフ「あ…あ……あそ…」
アバッキオ「さっそく襲ってきたかってかんじだが、オレたち5人相手にいどんで来るとはいい度胸だぜ。」
ブチャラティ「違うぞミスタ! ジョジョはしゃべれないんじゃあないのか!」
ミスタ「え? おい! しゃべれねえのか?」
ドシュン
ジョセフ「!!」
ドシュン
ドシュン
ドシュン
ジョセフ(なるほど………水から水へ移動してきたってわけか……このままじゃあ皆が危ねえ……しゃべれねえなら………行動でしめすぜ!)
ガシッ
ジョセフはテーブルを掴む
ナランチャ「どうしたんだジョセフ!?」
グワアアア
ガッシャアアアーン
テーブルをひっくり返す
ミスタ「お…おい! 何してんだジョジョ!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ティッツァーノ「なるほどな………ジョセフ・ジョースター。」
ティッツァーノ「ちょっとわかりかけて来たぜ。ボスが情報で言ってたことを。一番用心しなくてはならないのはあの新入りのマッチョだってな。」
スクアーロ「あぁ…」
スクアーロ「正直言ってオレの『クラッシュ』の攻撃だけで十分と思っていた仕事だけど。」
スクアーロ「やはり5人確実に全滅させるには君の協力が必要というわけだティッツァーノ。」
ティッツァーノ「仕込んできたかい?」
スクアーロ「ああ。作戦通りにな。確かにジョセフの口の中に仕込んできたぜ。すでに君のスタンド『トーキング・ヘッド』をよ…………」
ジョセフ「ゲホッ…ゲホッ…」
ジョセフ(イ…イタかったぜェ……敵の野郎……絶対にゆるさねぇ………!)
アバッキオ「敵は遠隔操作だ………となるとどうやってこのヴェネツィアを脱出するか? だぜ!」
アバッキオ「海を行くのか? 橋を行くのか?」
ブチャラティ「ジョジョ、しゃべれるか? 何を見たんだ? 敵のスタンドはどうやって攻撃してきた?」
ジョセフ(そうだ! 敵の事を知らせねえとッ!)
ジョセフ「ゲホッ……」
ジョセフ「運河を行くべきだぜッ! ブチャラティッ! 敵は金属になって攻撃を仕掛けてくるやつだから地上は危険だッ!」
ジョセフ「へ?」
ジョセフ「オ…オレ今なんつった?」
ミスタ「襲ってきたのはサメじゃなかったのか? それとも言い間違いか?」
ジョセフ「も…もちろん見ましたとも!」
ジョセフ「敵は金属に化けるスタンドだ!」
ジョセフ「な!」
ナランチャ「つまり敵はスプーンとかに化けてたって事だよね? それだったらサメって何のこと?」
ミスタ「ジョジョ! サメは見てないって事でいいのかッ?」
ジョセフ「ああ、そうだぜ!」
ジョセフ「ち…ちげーよ!」
ミスタ「どっちだよ!!」
ジョセフ(な…何でオレが言おうとしてる事と反対の事を言ってるんだオレ………わけわかんねえッ!)
ブチャラティ「ジョジョ。君の言う敵のイメージがまったくオレたちに伝わって来ないな。」
ブチャラティ「確認するぜ! ……敵は金属に化けるやつで素早くお前を攻撃したんだな?」
ジョセフ「いいや! やつはのろかったねッ!」
アバッキオ「ああ!?」
ナランチャ「!?」
ミスタ「!?」
ブチャラティ「!?」
ジョセフ「な…なんでこうなるのォ~…?」
ミスタ「お前言ってることの辻褄が合ってねえぞ!? 嘘ついてんじゃあねえだろうな!」
アバッキオ「それともいつものアメリカンジョークとか言うやつか? それをこんな時に使うなんかバカだな。」
ジョセフ(! そうか! さっき舌を攻撃された時に何かされたんだ!! オレの舌にはスタンドがいるんだ!! 敵は二体いたのかッ!!)
ミスタ「おいブチャラティ。ここはすぐにボートで立ち去って行こうぜ。」
ジョセフ「!! ダメだミスタ!」
ジョセフ「ボートを渡るってのはなかなかの作戦だな。オレは大賛成だぜ!」
ジョセフ「…ってちがーうッ!!」
ミスタ「…ジョジョが壊れる前に早くボートに乗ろうぜ?」
ジョセフ「そうだよな! ボートに乗るべきだぜ! ミスタはやっぱり賢いよなァ~! 次期幹部はグイード・ミスタで決まりだな!」ガガガガガガ
シュビ…
ミスタ「おいジョジョ! 言ってることと行動が正反対だぞ! あと! オレを褒めても金は払わねえぞッ!」
アバッキオ「…ジョセフ、てめー大丈夫か?」
ジョセフ「言うまでもないね。」コクリ
ジョセフ「オレのバカッ! 違う違う違うッ!!」ガンガンガン
ブチャラティ「いやミスタ! どうせ運河を行っても追いつかれてしまうだろう。だが、これはチャンスだッ! 今、逆にこの敵を追撃して倒すのだ!」
アバッキオ「賛成だ。」
ナランチャ「賛成!」
ミスタ「しゃあねーな。」
ジョセフ(ふぅ…何とか運河を行かねーようにしたぞ。)
ジョセフ(とりあえず…しゃべりで皆に伝えるのは不可能だ! ここは………)
ガシッ
カキカキ
ジョセフ(ペンで伝えるぜ! ペンは剣よりも強しってな!)
ジョセフ(『水は危険だ! オレの舌は嘘をつくんだ! スタンドなんだ!』)カキカキ
グバッ
ジョセフ「おいみんな! これを見てくれ! これで分かっただろ?」
四人「…………………」
ミスタ「オレ…もうあいつに近づきたくねえわ…ジョジョって呼ぶのやめよっと……」
ナランチャ「ジョセフって下ネタが好きだったんだ………失望したよ。」
アバッキオ「狼少年だな…まさに。」
ジョセフ「…………」
サッ
ジョセフ「あ!」
『水着は卑猥だ! オレの下着は女性物なんだ! レガースなんだ!』
ジョセフ(OhMyGod!! 違う! 違うんだ! オレはこんな下ネタキャラじゃあねえんだよッ!)
ブチャラティ「…ジョジョ、大丈夫か?」
ジョセフ「言うまでもないね。」コクリ
ジョセフ(か…勘弁してくれェーッ!)
ザザザ
ズズズ
ジョセフ「!」
ドドドドドド
ジョセフ「見てくれ! 敵はあそこにいるぞ!!」
グン
ジョセフが指差したのは運河ではなく、トイレだった!
ブチャラティ「レストランのトイレの中か……ここに本体がいる可能性もある!」
アバッキオ「最後だぞ、これで信じるのは………狼少年さんよ!」
ミスタ「ジョセフ? 今度は本当に見たんだろうなあッ!」
ジョセフ「もちろんだ。」コクリ
ジョセフ(どうしたらいいんだよ!)
ブチャラティ「追跡するぞッ! この敵との決着はここでつける。」
ズズズ
クラッシュ「行クゼグラッツェ!」
アバッキオ「とりあえずムーディー・ブルースで数十秒前にここにいたやつが誰かハッキリさせよう………」
ジョセフ「ぬあああああああ!」
バアアン
アバッキオ「! おいジョセフ!! 何しやがんだ!!」
ジョセフ(オレがしゃべろうとすると嘘を言っちまう……それなら行動で敵がいることを伝えねーと! たとえ嫌われようとやってみせるぞ!)
アバッキオ「ん? 大便の近くでムーディー・ブルースが変身していくぞ…」
ジョセフ「!」
ビチャア
ジョセフは大便の水の中に左手を突っ込む。
ジョセフ「アバッキオ! 近づいてくれよ! ここに近づいてくれ! (近づくな! 頼むからここに近づかないでくれ!)」ビチャアビチャア
ジョセフ(義手の左手ぐらいどうってこたぁねーよ!! こんなの…どうってこと………ねーよ………うぅ………)ビチャアビチャア
アバッキオ「気色悪いぞテメー! お前自分の行動がおかしいと思わねえのかッ!」
ジョセフ「思ってねぇぜ。(思うに決まってるだろバカッ!)」バァン
ジョセフ「ハハァッ! オレは大丈夫だぜ! これが本来のオレなのさ! 助けはいらねーぜ。(頭が狂いそうだ……こんなのオレじゃあねーよ! 誰か助けてくれ!)
ミスタ「おい皆…ここはジョセフを一人にしておいてやろう………敵に襲われて混乱してるんだろう……可哀想にな。」ザッザッ
アバッキオ「とりあえず最初にジョセフが襲われた場所に向かおう。そこでムーディー・ブルースを巻き戻す。」ザッザッ
ブチャラティ「……そうだな。」ザッザッ
ナランチャ「………………」ザッザッ
ジョセフ「お…オレの義手が………」
ジョセフ「…なんでこんな時に限って本当の事言えるんだよ………くそ……」ガン!
ザッザッ
ジョセフ「!」
ナランチャ「………………」
ナランチャ「ジョセフ……もしかしてだけど………敵に襲われてるのか?」
ジョセフ「!!」
ナランチャ「ジョセフは確かに嘘をついたりするけど、敵が出て来たのに冗談を言うようなやつじゃあないと思うんだ………何か…攻撃を受けてんだろ?」
ナランチャ「それに、オレはもうジョセフを信じることにしたんだ。さっき算数を教わった時に……だから………オレはジョジョを信用する!」
ジョセフ(ナ…ナランチャ………おまえは分かってくれると思ってた……って言ったら嘘になるが…もう嘘でもいいや………)
ジョセフ「ナランチャ! オレは大丈夫だ! 敵はここにはいない!」
ナランチャ「…て事は敵が近くにいるんだな。レーダーで探すから待っててくれ。」
ピコーン
ピコーン
ナランチャ「ジョセフから反応があるぞ! ジョセフの体にスタンドがいるのか!」
ジョセフ「そうだナランチャ! 早く倒してくれ! 敵はオレの口の中にいる!!」
ナランチャ「分かったぜ! エアロ・スミス!」
ジョセフ(ち…違うんだナランチャッ! 敵はオレの舌だけじゃあねえ! 水の中にもいるんだよ!)
ズズズ
ザッバァ
ジョセフ「ナランチャ! 早く倒してくれ! (後ろだ! 後ろに敵がいるぞナランチャ!)」
ザズバァァ
ジョセフ「ナランチャァーーーーッ!」
ナランチャ「オレがおまえの存在に気づいてないと思ったのか……?」
スクアーロ「何だと!?」
ピコーン
ナランチャ「エアロ・スミス!」
ドバババババババ
ズバッ
スクアーロ「うおあっ!」
ティッツァーノ「スクアーロ!」
ナランチャ「敵は二体いる………そうだろジョジョ?」
ナランチャ「今ならジョジョの言いたい事が全て分かる………逆の事を行えばいいんだからよォーーーーッ!」
ジョセフ(ナランチャめ………良い所持っていきやがるぜ!)
ジョセフ「とりあえずナランチャ! ブチャラティたちにこの事を伝えに行け! 敵の一人は傷を負ってるから今ならいける………」
ジョセフ(あれ? ……何でオレ思ったことを伝えれてるんだ………逆じゃあねえってことは舌の敵がスタンドを一時的に解除したのか? なんで今になって…)
ナランチャ「分かった! すぐに戻ってくるぜジョジョ!」
ジョジョ「!!」
ジョセフ「早く行けナランチャッ!! (敵の罠だナランチャッ! 戻ってこいッ!)
ズバァァ
ナランチャ「うあ!」
ジョセフ「!」
スクアーロ「ナランチャ……てめーを逃がすわけにはいかねーんだよ…!」
ズズズ
ジョセフ「ナランチャッ!」
ジョセフ「ハーミット・パープルッ!!」
シュビッ
カスッ
ハーミット・パープルの攻撃をかすかに避け、クラッシュはナランチャを連れて行った!
ジョセフ「逃がすわけにはいかねェー!! ここで逃がしたらダメなんだよッ!!」
ズズズ
ジョセフ「ナランチャーーーーーーーーッ!!」
スクアーロ「よし…ジョセフの攻撃は避わせたぞ………あとはナランチャを始末し、残りのやつらを一人ずつ始末していくだけだ………」
ティッツァーノ「待て………今あいつ何て言った?」
スクアーロ「残りのやつを一人ずつ………」
ティッツァーノ「いや違う! ジョセフがですよ!」
ティッツァーノ「うっかり聞き逃すところだった………ジョセフは今…たしかに言ったぞ!!」
ティッツァーノ「『逃がすわけにはいかねェー』…と……声に出してしゃべった!」
ティッツァーノ「オレのトーキング・ヘッドがやつの舌にひっついているのに言ったんだ!」
ティッツァーノ「やつはわざとクラッシュを逃がしたんだ! 君を油断させて瞬間移動の時間を少しでも長く止めるためにッ!」
ドドドドドド
ジョセフ「ナランチャはもうおまえらを追ってねぇぞ…!」
ドバ
ティッツァーノ「やはりだッ! 早く移動しろーーーーッ!!」
ブシュウウウウ
ジョセフ(オレだってナランチャのやりたい事が分かってるぜ…あとはオレに任せてくれ。)
ナランチャはエアロ・スミスを出し続けており、自分ごと攻撃するように命令したのだ。
それは命がけの行為であったが、ジョセフなら何とかしてくれるという信用があったため、ナランチャは行動できた。
ジョセフはその行為を無駄にはしないために動き始めた。
タッ…タッ…
ティッツァーノ「マズイぞ……ナランチャを捕まえる事には成功したが…スクアーロ………大丈夫か?」
スクアーロ「ああ…死ぬほどじゃあねーよ。まだ戦えるぜ……」ハァ…ハァ…
タッ…タッ…
スクアーロ「おい…見ろ…ジョセフだ…レストランの外からジョセフが歩いて出てきたぞ…何でだ?」ハァ…ハァ…
スクアーロ「ひょっとしてオレたちの居場所が分かったのか? そんなはずは……」
ティッツァーノ「安心しろスクアーロ。やつに分かるはずがねえんだ。」
ティッツァーノ「ひとまずここを離れよう! 街の人々に紛れればバレるわけがない!」
ガヤガヤ
ガヤガヤ
ジョセフ「見つかんねぇなァ~~~。どこにいるんだ敵は…」
タッ…タッ…
ゴゴゴゴゴゴ
ティッツァーノ「そ…そんなはずはない………オレの聞き間違いだ………!」
ジョセフ「オレの今までの演技に気づいてるんなら…とんでもなく天才だな………敵はよォ~。」
タッ…タッ…
スクアーロ「ハァ…ハァ…ハァ…」
ドドドドドド
ジョセフ「オレは敵を逃がす………絶対に倒さねえッ!」
タッ…タッ…
ティッツァーノ「まさか………やつはオレたちを騙していたのか…?」
ティッツァーノ「わざと……気づいてないフリをしていたのか? いつからだ………いつから騙していた…!」
ゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ「敵を欺くには普通の演技でOKだからな………なかなか楽だったぜ……」
ジョセフ「いつからか? ……そんなのおまえの能力に気づかなかった時からだよッ!!」
ティッツァーノ「……スタンドを今、解除した………なぜオレたちの居場所が分かったんだ!」
ジョセフ「ブチャラティたちに演技してもらってたんだよ。おまえのスタンドの正体に気付いた時からな。」
ティッツァーノ「なにィッ!?」
ジョセフ「おまえらはこっちの変化に気づいてなかったみてえだな。オレはスタンドを使ってテーブルに血で文字を書いてたんだよ。」
“敵は二体いる! 一体はオレの舌にいる。今からオレは逆の事を言うから付き合ってくれ。”
ジョセフ「てな!」
ジョセフ「そして! ブチャラティたちにおまえらの周りを包囲させてもらったんだ。」
バッ
ティッツァーノ・スクアーロ「!?」
ブチャラティ「……すまなかったなジョジョ。君には辛かっただろう。」ザッ…
ミスタ「演技だと分かっちゃあいたけどよォ~…一瞬おまえが気持ち悪いやつだと思っちまったぜ。」ザッ…
アバッキオ「…おまえには呆れるぜ……まったく………」
ジョセフ「オレはおまえらの能力をハッキリと理解する必要があった………そのために長いこと演技してたんだ。」
スクアーロ「この野郎…!」
ズズズ
ミスタ「セックス・ピストルズ!!」
ドゴオオオン
ピストルズ3・7「ヨッシャアアアアア!」
バゴオオン
スクアーロ「!」
ダバァ
ズトン
スクアーロ「!? ティッツァー……!?」
ビチャア
スクアーロ「ティッツァーノォッ!?」
ティッツァーノ「これで周辺に水がたくさん出来ただろ…スクアーロ…ほんのちょっぴり予定通りではなかったが……」
ティッツァーノ「勝利にはかわりがない。オレたちの勝ちには……な。」
ドグオオン
ナランチャ「オレたちはよォ………このヴェネツィアを……何事もなく皆で脱出する。それじゃあな……」
ナランチャ「ボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラ…」
ズドドドド
ナランチャ「ボラーレ・ヴィーア(飛んで行きな)。」
スクアーロ「こんな……圧倒的な、精神力……こいつらをつき動かす……まるで希望があるかのような精神力は…い…一体?」
ドグシャア
グオオオン
ジョセフ「なかなか手強い相手だったぜ………」
ジョセフ「…でさ、どうだったオレの演技!! アランドロンも真っ青の演技だったろッ!」
アバッキオ「ああ。違う意味で真っ青だったろうな。」
ミスタ「お! アバッキオ。なかなか的確に言うじゃあねえか。」
ナランチャ「これから嘘をつくとそれも演技だと思っちゃうぜ!」
アバッキオ「その通りだな!」
ミスタ・アバッキオ・ナランチャ「ガハハハハハハッ!」
ジョセフ「フン! おまえらの事なんか大嫌いだぜッ!!」
ブチャラティ「フ…」
これからブチャラティたちは飛行機でサルディニア島へ向かうことになる。
そして、その先はボスの正体を掴むヒントと敵が待ち構えているだろう。
ブチャラティたちは最後の希望を抱き、サルディニア島へと向かう!
本体名ーティッツァーノ
スタンド名ートーキング・ヘッド
死亡
本体名ースクアーロ
スクアーロ名ークラッシュ
死亡
~to be continued~
今回はここまで!
頭を使ったせいか今回は疲れました…
次回は二週間以内を予定してます。
〜飛行場〜
警備員「ヘイッ! ヘイッ! おまえらだオイッ! どこへ行く気だッ!?」
警備員「ここは一般乗客用のゲートではないッ! 進入禁止の立て札が見えなかったのかッ!」
ジョセフ「………………………」
ジョセフ「ブチャラティ、ここはオレが交渉しとくから先に行っててくれ。」
ジョセフ「すまねえなあんた。オレたちはただの旅行客で道に迷ってんだ。ちょっと教えてもらってもいいか?」
警備員「それだったら外のやつらに聞きな! ここは立ち入り禁止区域だ! これ以上ここにいたら逮捕することになるぞ!」
ジョセフ「まあまあ…そう固いこと言うなよ。一つ聞いたら帰るからさァ〜…」
ジョセフ「盗めるような『飛行機』ってないかなァ〜………あとでちゃんと返すからさァ〜〜〜。」
警備員「………………は?」
ジョセフ「ちょっと手貸してもらっていい?」
警備員「え?」
ジョセフ「いやァ〜…あんたは優しい人だとオレの直感が言ってんだよォ………きっと優しい人に違いねぇ………」
ガチャ
警備員「!!」
警備員(て…手錠? ってこれオレの手錠じゃあないか?………こ…こいつ……いつの間にオレの手錠盗みやがったんだ……!)
警備員「こんな事してただで済むと思っているのかッ!! きさまら全員逮捕するッ!」
ジョセフ「だからさ、あんたが教えてくれたら何もしねぇって……飛行機の場所をだなァ………」
ナランチャ「おいジョセフゥ〜〜〜。あっちに飛行機があるってよォッ!」
ジョセフ「え? そうなの?」
ジョセフ「………なら話は別だぜ。」
警備員「えッ!?」
ビリビリ
警備員「ぶふ。」
ガクン
ジョセフ「そこで10分ぐらい寝といてくれ。あんたより優しい人が起こしに来てくれるからよ。」
グオオオオオ
ジョセフ「さてと…なら運転はアバッキオに任せたぜ。」
アバッキオ「言われなくても分かってる。ムーディー・ブルースに操縦士をしてもらうからな。」カシャカシャ
ジョセフ「ちなみにこの飛行機にはゴキブリ一匹もいねえぞ。オレがハーミット・パープルで隅々まで探さしたからな。」シュビシュビ
ブチャラティ「よしッ! この機をいただこう!」
ブチャラティ「ミスタ! ジョセフッ! この機に何人たりとも…いや! いかなる生き物ッ! いかなる機械類をも近づけるなッ!」
ブチャラティ「離陸後、飛行機は高度数千から一万メートル上空を時速800キロものスピードで滑空する! 一度飛び立てばそんな距離はそのようなスピードと力で地上から遠隔操作できるスタンド使いなど存在しないッ!」
ブチャラティ「行き先はサルディニア島!! フライト時間は約2時間弱だッ!!」
ゴゴゴゴゴゴ
トリッシュ「………………………」
ジョセフ「…おいミスタ…」ボソッ
ミスタ「ン………何だ?」
ジョセフ「トリッシュってさ、何か掴めねえやつだよな。突然笑ったり、突然黙ったり………こっちも話しかけにくいっつうか…」
ミスタ「ジョジョ、オレらはトリッシュを守るだけでいいんだ。話しかけるのはホドホドでいいんだよホドホドで。」
ジョセフ「一応オレたちの仲間じゃあねーか。仲良くフレンドリーにしたいと思ってんのはオレだけか?」
ミスタ「……話しかけたいんだったら話しかけろよ。無礼なことしなきゃあオレは何も言わねーよ。」
ジョセフ「ったく…おめーはめんどくさがりだな。」
トリッシュ「………………………」
ジョセフ「おいトリッシュ。」
トリッシュ「?」
ジョセフ「紅茶持ってきたけど飲むか?」
トリッシュ「……いただくわ。」
カチャ
ズズズズ…
ジョセフ「ここ座っていいか?」
トリッシュ「…好きにしたら?」
ジョセフ「そんならお言葉に甘えて…」
ブゥゥゥゥゥ!
トリッシュ「!!」
ジョセフ「お…おい! 誰だよこんな所にブーブークッション置いたやつは! おかげで恥かいたじゃあねーかッ!」
ミスタ(…お前だろ。)
トリッシュ「…………フッ。」
ジョセフ「お! 笑ってくれた? 良かった………トリッシュが笑ってくれて良かったぜ…もし誰も笑ってくれなかったらオレが変なやつみたいだからよ!」
ミスタ(十分に変なやつだろ。)
ジョセフ「やっぱり女の子ってのは笑ってなきゃあダメだぜ? 笑ってる姿が一番可愛い瞬間なんだからさ。」
トリッシュ「……………………」
トリッシュ「……………でも笑うのって疲れない…?」
ジョセフ「へ?」
トリッシュ「誰かのために笑顔を作ったりするのって結構疲れるの。言葉では大丈夫って言っても本当は疲れてる………それだったら最初から笑顔を作らない方が良くないかしら?」
トリッシュ「私だって普通にしたいけど……私はボスの娘………普通にしたいけど普通にはできないわ。」
ジョセフ「……………………」
ジョセフ「別にボスの娘だろうと普通にはできるぜ?」
トリッシュ「え?」
ジョセフ「今、オレは別にトリッシュをボスの娘だと意識して話はしてねーよ。一人の普通の女の子と思って接してる。そして、オレたちの仲間だと思って旅をしてる。」
ジョセフ「オレたちだけでもいいから普段のトリッシュを見せてくれよ。ボスの娘になりきる方が疲れちゃうぜ?」
トリッシュ「……………………」
トリッシュ(…………本当に変な人…別に私なんかに構わなくたっていいのに…)
ジョセフ「あと……一つだけ聞きたい事があるんだけどさ………」
トリッシュ「?」
ガッ
ジョセフ「ブチャラティの事どう思ってるんだ?」ボソボソ
トリッシュ「……え?」
ジョセフ「おれって一つの事が気になると夜も昼も眠れなくてさー………どうもトリッシュがブチャラティのことを気にしてるように見えて仕方ねえんだよ………で……実際どう思ってるんだ?」
トリッシュ「………ジョセフ。」
ジョセフ「何だ?」
トリッシュ「すぐ私から離れて。出来たら私の目線に入らないとこまで。」
ジョセフ「ごめんごめん! そんなに怒るとは思ってもみなかったぜ! まー、オレたちは旅の仲間なんだから仲良くしよーぜ仲良く………」
トリッシュ「どうなっても知らないわよ…?」
ジョセフ「どうもすみませんでしたッ!」ダッダッ
ミスタ(バカだなあいつは………正真正銘の。)
ピコーン
ピコーン
ピコーン
ナランチャ「レーダーに反応だ! 誰かが近づいて来る! 滑走路を歩いてくる…」
ドドドドドド
クルッ!
ナランチャ「ミスタッ! 左前方に反応だッ! 何者かが来るッ。向かってくるぞ!」
ドドドドドドドドドドドド
ミスタ「そこで止まるんだーーーーッ。」
ミスタ「勝手な事を言わしてもらうが、この飛行機に近づく者はたとえ聖人だろうと射殺させてもらうッ!!」
ミスタ「聖人ならよォー。ここに来るはずはねーーし、自分の幸福を願うならよォーーー。飛行機に背中見せてこの滑走路から消えるんだ…」
ザッザッザッザッザッザッザッザッ
ガァーン
バグオッ
ガクゥ
ミスタ「耳クソがつまってるんなら別だが、よく聞くんだ。もう一度だけ警告するぞ…見逃しやる………そのままはいずってこの滑走路の外に出ろ!!!!」
ズ…
ズル…
ナランチャ「向かってくるぞーミスタ。」
ジョセフ「あいつもしつこいねェー。」
ズオオオオ
ミスタ「!」
ナランチャ「スタンド使いだ! スタンドを出したぞッ!」
ミスタ「セックス・ピストルズッ!」
ギュウウウ
ドンドンドンドン
ボゴボゴボゴボゴ
ナランチャ「やった! よしッ!」
ミスタ「ナランチャ、飛行機のまわりを見張れッ! 他の敵に用心しろッ!」ドンドンドンドン
ボゴボゴボゴボゴ
ナランチャ「敵はそいつひとりだ! 他にこの飛行機に近づく者はどこにもいないッ!」
ジョセフ「……間違いねえ…こいつはもう死んでるぜ。だけどこの敵マヌケすぎやしねえか? こうもアッサリ死んじまうと何か怪しく思っちまう………」
ミスタ「オメエ〜、オレとオレのピストルズを侮辱してんのか? そいつはオレ様の敵じゃあなかったって事だ! はるか格下だッ!」
ナランチャ「ミスタ! ジョジョ! 飛行機が動き始めたぞッ! 早く乗って! どうやらアバッキオの『ムーディー・ブルース機長』が離陸の手順を始めたみたいだ!」
ギュイイイイイ
ジョセフ「ミスタッ! オレに掴まれッ!」ダダダダ
ミスタ「おう!」ダダダダ
ガシッ
ジョセフ「ハーミット・パープルッ!」
シビシビッ!
シュルシュル…
バコン!
ミスタ「イテテ…おまえのスタンドの荒っぽさは変わらねえな…………」
ジョセフ「すまねえ。」
アバッキオ「おい! 乗ったら早くドアを閉めろよオラァッ!」
ドドドドドド
ムーディー・ブルース機長が操縦する飛行機は無事、サルディニア島へのフライトを成功させた!
ゴオオオ
ジョセフ「これで飛行機に乗るのは4回目だけど………今回のは落ちねえだろうな………」
ミスタ「そう簡単に飛行機が落ちるかよ。しかも、この飛行機を操縦してるのはムーディー・ブルース機長だ。墜落の確率は0に等しいぜ。」
ジョセフ「ちなみにオレの乗った飛行機の落ちる確率は3分の2だぜッ。」
ミスタ「おいナランチャ、墜落するかもしれねえからパラシュート出しとけ。」
ナランチャ「わかった。」ダダダダ
トリッシュ「……………………」
トリッシュ「あたしの父は…………」
ブチャラティ「……………」
トリッシュ「いいえ………」
トリッシュ「あなたたちのボスは…あたしがサルディニアに過去を探しに行くと…予想するかしら?」
ブチャラティ「元だ…」
ブチャラティ「元…オレたちのボスだ。当然予想はするだろう……オレたちがただ闇雲に組織から逃げてるわけはないとな…」
ブチャラティ「だからサルディニアには2時間で到着するが、時間の余裕はない。一刻を争っている。一刻も早くボスの過去をつきとめなくてはならない……………」
ブチャラティ「オレの考えではサルディニアでボスが君の母親と知り合った時、ボスはまだ正体を隠すようなギャングではなく、ただの若者だったと予想している。その後、ギャングになったのだ。」
ブチャラティ「正体は必ずある…ボスの14年前の素顔が必ず残っている。それはオレたちには探す事は不可能だが…」
ブチャラティ「娘である君には見つけられるはずなんだ。何か…何でもいい。もっと君のお母さんの思い出話でもっと細かい事を何か覚えていないか?」
トリッシュ「『カーラー・ディ・ヴォルぺ』よ。」
トリッシュ「エメラルドのように青い海岸のある『キツネの尾』という名の。母はそのリゾート地へヴァカンスに行って父と知り合ったと言っていたわ。そして父はサルディニアで育った人だとも言っていたわ…サルディニアの方言を使う人だったらしいから。」
トリッシュ「私が知っているのはこのくらい……単なる母の思い出話よ。」
ブチャラティ「それだけでもオレたちの行くべき目的地が決まったんだ。感謝する…トリッシュ。」
トリッシュ「……………………」
シュル…
ジョセフ(良い雰囲気じゃあないの2人とも! これはオレが恋のキューピットになってあげないとなッ!)
ミスタ「おいジョジョ! なにニヤついてんだ?」
ジョセフ「! す…少し喉が渇いたなァ〜と思ったんだ! 冷蔵庫からコーラ取ってくるぜッ!」ダダダダ
アバッキオ「機内を走るなオイッ!」
ジョセフ「コーラが入ってる事を祈ってオープンだッ!」
ガパァッ
ジョセフ「!!」
バタム
ジョセフ「……………………」
ガパアッ
ジョセフ「……………………」
ジョセフ「な…なんだコリャァーーーーーッ!?」
ミスタ「うわ! お、驚かすなよジョジョ! いったいどうしたんだよ!」
ジョセフ「こ…氷の下に………骨が…!」
ミスタ「!!」
ガバッ
ミスタ「……な、なんだ……ただの鳥肉の食べ残しじゃあねえか………ビックリさせやがって………」
ミスタ「前に乗ってた乗客が、間違って冷蔵庫に鳥肉の食べ残しを入れたんだろ。そうに違いねえ。」
ジョセフ「………人型の指をした鳥がいるんならそれは新種だよな………?」
ミスタ「………………………」
ミスタ「嘘だろ…?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
ミスタ「…何の冗談だよジョジョ………さっきおまえはゴキブリ一匹もこの飛行機には乗っていねえって言ってたじゃあねえかッ!」
ジョセフ「そのはずだったんだ! だけど…この骨は間違いなく人の指だ!! しかも血が新しい!! 滑走路で殺したやつの手だッ!」
ミスタ「な…何のホラー映画だよッ!」ガシッ
ジョセフ「チャッキーか何かがいる映画だぜ。きっとそれは………」
ミスタ「……冗談はもうよそうぜ………こっちが疲れてき………」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ「ゆ…指が一本増えた気がするんだけどォ〜………」
ミスタ「き…気のせいだッ! き…気のせいに違いねえよきっと…」
ジョセフ「そうだよな! きっとそうだよなミスタッ!」
ミスタ「そうだ! そうなんだよきっと…!」
ガシッ
ジョセフ・ミスタ「ハハハハハハハハハハッ!」
ジョセフ・ミスタ「ハハ………ハ…………………」
ジョセフ「ブチャラティ! トリッシュの護衛を頼む!!」グアッ
ミスタ「ナランチャはまわりを調べろッ! 敵がいねえかくまなく探せッ!」グアッ
だが、ミスタたちの捜索もむなしく、敵の手がかりは見つからなかった。
残されているのは冷蔵庫の指だけ…
ジョセフ「よ…よくよく考えたらオレの数え間違いだったのかもしれねえな………テンパってて冷静じゃあなかったしよ。」
ミスタ「それでもこの指が異常な物には変わりねえぜッ!」
ブチャラティ「…とりあえずこの冷蔵庫は外に捨てよう。それでひとまず冷静になるんだ。」
ナランチャ「す…捨てるったってここは高度一万二千メートルなんだぜ……アバッキオが言ってたけどそんな高度だったら機内と外の気圧はもの凄く違うらしいんだ!」
ナランチャ「扉を開けたらオレたちは外にぶっ飛んでいくよッ!」
ブチャラティ「扉を開けるだと? 扉にまで持っていく必要はない。みんななにかにつかまれ…」
ブチャラティ「スティッキー・フィンガーズ!!」ゴバ
ナランチャ「えっ!! なにッ! まさかジッパーをここで!」ガシィ
ミスタ「ひいッ! うわあああえ!!」ガシィ
ジョセフ「オォーーーーノォーーーーー!! まだオレは死にたくないんだよォーーーーーーーッ!」ガシィ
トリッシュ「!」ガシィ
ポン
ブチャラティ「……るほどの事もなかったかな。」ス…
ジョセフ「絶対今ので寿命が縮んだぜ………」ズルリ
ゴオオオオオオオ
ジョセフ「…ン?」
『フライドチキンが食べたい』
ジョセフ「フライドチキンねェ〜………エリナおばあちゃんが作るフライドチキンを食べたくなっちまったぜ………」
『女の子大好き』
『バカ死ね』
ジョセフ「やけに落書きが多いな…悪ガキが乗ってたんだろうな。」
『サルディニアへ行きたい。オレたちは…』
ジョセフ「? サルディニアだと…?」
ガパァッ
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
『死体に喰われる。助けてくれ。』
ジョセフ「なんだ〜〜〜これは…!!」
『死体だからもう殺すことはできない。』
『敵スタンドの名はノトーリアス・B・I・G。』
ジョセフ「誰が書いたんだよこんなの!! こんな情報書けるのは…!!」
『ジョセフ・ジョースター』
ジョセフ「…………ハッ!!」
ピクッ
ピクッ
ピクピクピクピク
モコモコモコモコ
バッ
ジョセフは左手を見た。
グジョグショグジョグショ
ジョセフ「なにィィィィィィィィ!!?」
ジョセフ「この気色悪いのは何なんだいったいッ!?」
グジョグショ
ジョセフ(お…オレの義手を食ってやがる! そして手がでっかく…)
ジョセフ(!! そうか! きっとこの手は滑走路で死んだやつのスタンドだッ!)
ジョセフ(そして! 冷蔵庫の中に死体の指を入れたのも…ペンで落書きしたのもオレだったんだッ!!)
ブチャラティ「何事だ……ジョジョ。」
ミスタ「お、おい!?」
ドンドンドンドン
ドザァ
ミスタ「くそッ! ジョジョの手から離れねえぞ!」
ナランチャ「スタンドか!? どこに本体がいるんだ!!」
ジョセフ「オレの左手にいるこいつの本体は………おそらくヴェネツィアの滑走路に横たわってるぜ……」
ナランチャ「……………………」
ジョセフ「あいつは死ぬためにやってきたんだ…わざと撃たれてな。スタンドの能力を自動追跡にするために…本体が死んで始めて動きだしたんだ……」
ナランチャ「ミスタッ! 早くもっと撃たないとジョジョの左手が!」
ミスタ「ナランチャ……撃ちたいんだけど撃てねえんだ………」
ナランチャ「え?」
ミスタ「こいつは素早いぜ…オレのピストルズが……今ので4…体…半分以上だ…」プッ…プッ…
ミスタ「ヤバイぞ…こいつは…」ダラダラ
ドドドドドドドドドド
ピストルズ1「No.2! No.3!」
ピストルズ5「No.6!! No.7!!」
ブチャラティ「ミスタッ!!」
ナランチャ「ミスターーー!!」
ズルゥ
ブチャラティ・ジョセフ「!!」
ジョセフ「オレの手から飛び移りやがったッ!!」
ナランチャ「エアロ・スミスッ!」
ドガガガガ
グバァ
ナランチャ「!!」
バシ
バシ
バシ
ナランチャ(バ…バカなッ! 早い…早すぎるぞ! 本体が近くにいて見えなきゃこんなに正確に弾丸の軌道がわかるわけがないッ! しかも、ダメージがないみたいだッ! や…ヤバイぞこいつ! こっ…このままじゃ全滅だ!)
ボンボンボンボンボンボン
ナランチャ「うおおおおおおおおおおお!」
ブチャラティ「ナランチャ!!」
ブチャラティ「トリッシュ!! 君はクローゼットの中に隠れるんだッ! すぐに亀の中に入れッ!」
バッ
グオオオ
ブチャラティ「ト…トリッシュを!!! バ…バカな!! オレやジョジョを飛び越してトリッシュに向かうだとッ! なぜトリッシュなんだ!?」
ブチャラティ「トリッシュ! 早くドアを閉じろォーーッ!」
グオオオ
トリッシュ「まっ!! 間に合わないッ!」
ブチャラティ「トリッシューーーッ!」
ブオン
グオオオ
ブチャラティ・トリッシュ「!」
ジョセフ「へへ…全てのトリックが分かっちまったぜ!」
ベチャベチャ
ジョセフ「左手ぐらいくれてやるよ!! 金属の味しかしねえだろうがなッ!」
ジョセフ「こいつは動きだ! 動いている物に飛びついてくるんだ!! 相手が素早ければ素早いほどスピードについてくる! こいつは驚異だったぜ!」グジョグショ
バリィィン
ジョセフは窓を割り、左手を切り落そうとしている!
ジョセフ「よくも仲間を傷つけてくれたなァッ! 2度と顔を見せるなよッ!」
ジョセフ「アリーヴェデルチ……だぜ!」
ゴバアアア
バシ
窓をしめるジョセフ
ジョセフ「ふううううう……」
ガクリ
ブチャラティ「ジョジョッ!!!」バッ
ジョセフ「大丈夫だブチャラティ……ちょっと疲れて倒れただけだ。ダメージは食らってないから安心しな。」
ブチャラティ「そうか……それは良かった。」
トリッシュ「ジョセフッ! 左手は大丈夫なの!?」
ジョセフ「あぁ。オレの左手は義手だから大丈夫だ。昔に左手がなくなっててよかったと初めて思ったぜ。」
トリッシュ「義手…?」
ジョセフ「名誉の負傷さ………敵との戦いでなくしちまったのさ。」
トリッシュ「……………………」
トリッシュ「……ジョセフ。あたし…あなたの事ただのバカだと思っていたけど、どうやら違ったみたいね。ごめんなさい。」
ジョセフ「なーに、そんなの慣れっこだよ慣れっこ。」
ジョセフ「…一応言っとくけどオレは世界を滅ぼそうとした敵から地球を守った男なんだぜ。」
トリッシュ「………冗談も言えるぐらい元気みたいね。」
ジョセフ「本当なんだよッ!」
ブチャラティ「とりあえずみんなが死ななくて良かった。トリッシュ。サルディニアにはあと一時間で着くから少し休んでてくれ。」
トリッシュ「ええ。」
ガチャリ
ジョセフ「オレはトイレ行ってこよッ!」
ダッダッ
ガチャリ
トリッシュ「…………………」
ス…
トリッシュ「あたしも……何かジョセフたちの役に立てないかしら…………ジョセフたちは必死になってあたしを守ってくれる。あたしはもう役に立てないのに…………」
トリッシュ「……………………」
トリッシュ「あたしも普通の女の子になれるのかしら………」
トリッシュ「整形とかしないとダメなのかな? ………あ…でも、顔をいじるのは産んでくれた母に申し訳ないわね………化粧でごまかさないと…」
パッ
パッ
トリッシュは化粧をするため、手鏡を出した
ポンポン
トリッシュ「………………」
クルッ
トリッシュ「今…確か羽の上にサッカーボールがあったような気がする………見間違いかしら…」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
バヂョ
トリッシュ「きゃああああああああああ!」
ドヒャ
手鏡を落とす
バシ
シュルシュル
グニグニ
トリッシュ「こ……これはッ!」
トリッシュ(ば…バカなッ! 飛行機の外に吹き飛ばされたのにふり落とされなかったというの? い…いや違う! ……逆だわ……! ジョセフはこの敵は動くものに反応して攻撃すると言っていたわ…)
トリッシュ(だとしたら飛行機は外を動いてるわッ…)
トリッシュ(そ…そうだ! ゆっくり動けば敵は攻撃して来ないはず! クローゼットの中に逃げ込んでドアを閉めようッ!)
ス…
ズウウウ
トリッシュ(び…敏感だわッ! まずい! スピードを増してきた!)
ピクン
トリッシュ(動きが…止まった?)
ジャアアアア
ジョセフ「ああ! スッキリしたッ! 気分一新だぜッ!」
ガチャガチャ
ジョセフ「なかなか硬い鍵だな……くそっ! 開かねえぞッ!」
トリッシュ(そうか…トイレの中にいるジョセフに反応してるのね………今ならクローゼットに逃げ込める…………)
ズズズズズ
トリッシュ(敵も移動を始めた………今のうちに…)
トリッシュ「………………………」
トリッシュ(このままならジョセフが扉を開けた瞬間………敵はジョセフを襲う……油断してるジョセフはおそらく抵抗できないでしょうね………)
トリッシュ(リクライニングシートのスイッチ…指でこのスイッチを押すだけで…シートの背もたれが電動で後ろに倒れていく………)
トリッシュ(これを押せば、ジョセフを助けれる……はず………)
トリッシュ(こんな私にだってできること………でも…もしかしたらあたしは死ぬかもしれないわね………クローゼットに逃げ込めばあたしは助かる………)
トリッシュ(でも!)
カチッ
ウイイイイイイ
グルン!
ボグオオオオ
トリッシュ「うう…ひ…ひっ…」
トリッシュ(…もうあたしは変わらないといけないッ! 自分が正しいと信じる道へッ!)
トリッシュ「ジョ…ジョセフッ! 今トイレの外にさっきの敵がいるわッ! ゆっくり扉を開けて出てきてッ。」
ジョセフ「な…なんだとォッ!?」
バギンバキン
グルゥン
トリッシュ「ま…また向かってくるッ! シートを破壊し終わったからッ! リクライニングシートの動きが止まったから!」
ビタッ
ビタッ
ビッシイイイ
トリッシュ(あ…あたしの汗に反応したッ! ブーツを掴まれてる!!)
トリッシュ(あ…あたしはここで死ぬんだわ……やっぱりあたしは普通の女の子になんかなれやしないのね…!)
ギシィ
トリッシュ「ひイイイイ。」
ドッシュッ
トリッシュ「!!」
トリッシュ「た! 助けてッーーーブチャラ……きゃあああああ!」
パタン
トリッシュ「え……!!」
ゴロリ
グシグシ
バリン
トリッシュ「一体…!? 今…何が起こったの…?」
ブスブス
ブスブスブスブス
トリッシュが手を置いた場所には恐竜の手形のような跡があった
?「ソノママ動カナイデトリッシュ……モウスコシデタスケガクルワ。アナタガ思ッテイル人デハナイケド。」
トリッシュ「え?」
トリッシュ「だ…誰……?」
ガチャリ
ビクン
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ「せっかくトイレでスッキリしたっていうのによォ〜……」
ジョセフ「機嫌が悪くなっちまったじゃあねえか。」
ジョセフ「1人でいる普通の女の子を攻撃するとは………紳士としては見逃せないぜ!」
トリッシュ「ジョジョッ!!」
ジョセフ「トリッシュ。ブチャラティじゃあなくて悪かったなッ!」
ビシ!
ボグオオオオ
グシグシ
ジョセフ「オレのスタンドはいくら攻撃されようと効かねえぜ。イバラなら何本も作れるからなァ〜。」
ジョセフ「トリッシュ。ゆっくりこっちに来いッ! クローゼットはこっちだ!」
トリッシュ「…………………」
トリッシュ(今…声が…どこかから聞こえたわ…何? 今のは? ブチャラティの声? それともジョジョ? いや違う…女性の声だった…今のは…)
?「ズット前カライマス…アナタガ幼イ時カラ。イツモアナタノソバニイマシタ。」
?「トリッシュ。クローゼットヘムカッテクダサイ。」
?「アナタハ自分でソウ決メテイル! ミンナヲ守ルトズテニ決心シテイルッ! 迷イは弱サにツナガリマス。ソシテ…命令ヲ…シテクダサイ…ワタシに…」
トリッシュ「だ…誰なの…?」
?「ワタシは…アナタデス。ワタシハアナタに作ラレマシタ。今はアナマガミンナヲ守ルノデス。」
トリッシュ「……………………」
?「トリッシュ! クローゼットへ向カウノデス!」
ダッ
トリッシュ「守るったってどうすんのよッ!」
ガシッ
トリッシュ「え?」
グニョグニョ
ベチャベチャ
?「コレガアナタノ能力デス。座席シートヲ柔ラカクシマシタ。」
グニイイイイ
ジョセフ「ト…トリッシュのやつなんでこっちに来ねえんだよ。」
ボゴオオオ
ドギヮア
BIG「ブゲッ。」
バグオオオン
BIG「ウゲッ。」
ジョセフ「ナ、ナンダァーーーッ!?」
トリッシュ「! あんたはひょっとして………あたしなの? これはあたしがやった事なの?」
?「重要ナノハ…………トリッシュ…」
?「仲間ヲ守ロウトシタソノ迷イヲ吹っ切ッタ固イ決意デスッ!」
?「アナタハ強クナッテイル! 精神的ニモ! 人間的ニモ強クナッテイルッ! ソシテッ! アナタハこの世ノアラユル物質ヲ柔ラカクスル事ガデキル!」
?「柔ラカイトイウ事ハダイヤモンドヨリモコワレナイ!!」
グニョグニョ
?「サア…ハヤクジョセフノ方へ向ウノデス。クローゼットノ中ニ一旦隠レ………」
トリッシュ「言われなくても分かってるわよッ!」ダッ!
グニイイイイ
ジョセフ「トリッシュ! 走るんじゃあねえ! 敵は動きに反応してるんだ! それじゃあ敵の思うツボだぜッ!」
?「言ウノガ遅イワネ。」
ジョセフ「だ、誰だテメーはッ!?」
トリッシュ「そんな事より早くクローゼットの中に入ってジョジョッ!」
ジョセフ「お、おう!」
バタン
グニグニ
グオン
ジョセフ(扉が粘土みてえに柔らかくなってやがる。これは………もしかして…トリッシュがやったのか…?)
ジョセフ(トリッシュには前からスタンドが見えていた………ボスの娘である以上、素質があるとはわかってはいたが、まさか本当に発現しちゃうとは………)
ジョセフ(とりあえず………)
ジョセフ「隠れたはいいけど…これってマズくないか……?」
グニグニ
トリッシュ「こんな狭いとこに女と二人っきりなんて…なんかドキドキしてくるぜ…なんて思ってるの?」
ジョセフ「! そ…そんな事思ってるわけないだろッ! オレが思ったのはだな!」
?「静カニシテクダサイ。敵二気ヅカレマス。」
ジョセフ「ていうか何だお前ッ! お前はスタンドなのか!?」
?「ワタシハトリッシュ…トリッシュハワタシデスッ!」
ジョセフ「意味が分かんないからちゃんと説明してくれねえかなァ〜? ……なんでスタンドが喋ってるんだよッ!」
?「ソンナ事ワタシニハワカリマセン。トリッシュ二聞イテクダサイ。」
ジョセフ「おまえはロボットかなんかなのか? こんな質問に答えられねえなんてよ!」
トリッシュ「喧嘩はやめてよ!! あたしの周りで騒がしくしないで! 敵があたしを襲って…」
グワアアア
トリッシュ「きゃあああああ!」
ピクン
トリッシュ「……?」
ズルズル
バギッ
チッチッチッチッチッチッチッ
ドクシャ
?「時計ヲ柔ラカクシマシタ。アノ時計ハモウ少ナクトモ電池ガナクナルマデハ永久二壊レル事ハナイ!!」
?「ソシテアナタガアノ秒針ヨリモ速ク動カナケレバ……………!!」
?「ヤツハ針の動き二反応シ、優先的二何度モ何度モ時計ヲ襲イ続ケマス!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
?「スピードハ出サズ! タダシッ! 万力ノヨーナ力ヲ込メテッ!」
グググ
ズプ
?「コイツヲ細切レニ切リ刻ンデブッ殺スノデスッ!」ズブズブ
BIG「ウギギギギアギニャアアアアア。」
ジョセフ「うへっ…」
?「テメェーッ! サッサトあの世へ行キヤガレェェェェコノクソガアアアアアッ!」グシッビュッ
?「イツマデモコノ世ニヘバリ付イテンジャアネエェーーーーーッ! コラァァァァッ!」グシッグシッビュッ
BIG「アギィィヤアアアアアアギギギググググガゴグババババ!」
ジョセフ(いきなり口調が豹変しやがった!! 怖えよ! このスタンドすっげえ怖えよッ!)
トリッシュ「な…名前……あなた……名前はあるの? あんたの事、何て呼べばいいの?」
?「『スパイス・ガール』!!」バン
トリッシュ「そう……一味………違うのね……」
グシッグシッ
ジョセフ「本当だぜ…あんだけしつこかった敵が小さくなっていきやがる!」
グシッグシッ
トリッシュ「あたしのスタンドへの恐怖心はなくなった?」
ジョセフ「……………………」
ジョセフ「なくならないね。」
トリッシュ「あたしはもう慣れたけどね。」グシュー
ジョセフ「随分とお早いことで…」
シュー…
ジョセフ「よし! これで敵は死んだぜ! ブチャラティに報告しにいくぞ!」
ガチャリ
トリッシュ「あら、ちょうど良いときに来たわ。ブチャラティ、実はあたし…」
ブチャラティ「それ以上しゃべるんじゃあないッ!」
トリッシュ「…………………」
ジョセフ「おいブチャラティッ! いくらなんでもそれは言い過ぎだぜッ?」
ブチャラティ「い…いや…ゆっくりだ…二人とも…ゆっくりとこっちに来るんだ。」
アバッキオ「高度7000メートル、6800、6600、6400…」
ジョセフ「え?」
アバッキオ「ダメだ! どんどん落ちていく! なぜか分からねえッ! ムーディー・ブルースにもどうすることもできねえ!!」
ブチャラティ「降下している原因が……アバッキオ。」
ブチャラティ「わかった……だが……これを…どうすればいいんだ?」
トリッシュ「ブチャラティ? 一体何を言ってるのか……」ス…
ブチャラティ「動くんじゃあねえトリッシュッ!!」
トリッシュ「!! ま…まさか!」
アバッキオ「こっ…こ…これは…!! そんなバカな!!」
ジョセフ「夢じゃあ…ねえよな? ……こんなとこで寝るはずねえもんな。」
ゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ「!! ト、トリッシュ…後ろを向くなよ……オレは見ちまったけど…今、とてつもなく後悔してるぜ!」
ドドドドドドドド
トリッシュ「こ…これは! そんなバ…バカなッ!」
ノトーリアス・B・I・Gは自分の体を大きくし、飛行機の後部を侵食していた!
それこそが、飛行機の急降下の原因であった!
ブチャラティ「トリッシュ…ゆっくりとこっちに来るんだ…走るな……絶対にだ。」
トリッシュ「………ねえジョジョ、スパイス・ガール………」
トリッシュ「あたしが今、考えてることわかる?」
ジョセフ「……オレを誰だと思ってやがる。オレもそれしかねえと思ってたところだ。」
スパイス・ガール「トリッシュ。何回モ言ッテルケド、ワタシハアナタナノ。考エテル事ハ手ニトルヨウニ分カルワ。」
トリッシュ「OK……行くわよ。」
ダッ
ブチャラティ「な!!?」
ボンボンボン
ブチャラティ「バ…バカなッ!! 何をやっているんだッ!! 追いつかれるッ!」
トリッシュ「ええ! 追いつかれるわッ! ゆっくり動くなんてスットロい事やってたらいずれ追いつかれるわよどっちみち!」
ドシューー
トリッシュ「コックピットに!! 入るのよーッブチャラティーーーーッ!」
ブチャラティ「血迷った事を!! ドアが破壊されるッ!!」
ジョセフ「ここは黙ってトリッシュに従おうぜブチャラティ!」
シュルッ!
ブチャラティ「う!」
シュビッ
バタム
ドグオオオ
グニョオオオオ
アバッキオ「い…一体!? まさかトリッシュ……おまえ…ド…ドアが……」
トリッシュ「あたしはもう守られる側じゃあない…今度はあたしがみんなを守る番よ……だから…今はあたしを信じて!」
トリッシュ「スパイス・ガール!」
スパイス・ガール「WAAAAAAAANNABEEEEEEEBE!!!」ズドドドドドドドド
グニャアアア
ブチャラティ「ト…トリッシュ、こらは……おまえ…いつスタンド能力が…」
アバッキオ「カ…カベも、ゴムみてーに、柔らかくなってる。」
ジョセフ「敵がスピード優先で攻撃するなら、オレたちがいる場所とあの飛行機…どっちが遅いだろうなァ〜?」
シュパアーー
トリッシュ「もちろんこのパラシュートねッ!」
BIG「GYYYYAHHHHHHHーーーーッ!」
ドグオオオオンンンン
アバッキオ「こいつは!! いつの間にトリッシュ…」
ブチャラティ「君に…こんな能力が…こんなパワー型の…」
ドドドドドドドド
トリッシュ「アリーヴェデルチ(さよならよ)」
ジョセフ「ブチャラティ! お前の決めゼリフを言われちまったな! へへへッ!」
ブチャラティ「……………………」
トリッシュ「さあ…姿をくらましてボスの正体を探しに行きましょう。父の過去を追跡するのよ。」
ジョセフ「……よっこらせ!」
ドス!
トリッシュ「ちょ、ちょっとジョジョ! 何してんの!」
アバッキオ「お、おいジョセフ押すな! おまえは体がデカイから危険なんだよ! 落ちるだろッ!」
ジョセフ「狭いんだから仕方ねえだろ!! 我慢しやがれ!」
ジョセフ「……………………」ジー…
ブチャラティとトリッシュはかなり密着している。トリッシュはなぜか顔を少し赤くしていた。
ジョセフ(恋のキューピット作戦は継続だな!)
ジョセフ「……あ。」
トリッシュ「どうしたのジョジョ?」
ジョセフ「この飛行機、例の飛行場に返すって約束してたのに壊しちまったなァ〜と思って…」
アバッキオ「向こうもジョセフだったら諦めがつくだろうよ。」
ジョセフ「……言い返せねえ…」
バァーン
『グイード・ミスタ、ジョセフ・ジョースター、ナランチャ・ギルガ、ブローノ・ブチャラティ』ー再起不能
ヴェネツィア、マルコ・ポーロ空港で何者かにハイジャックされた自家用ジェット機はティレニア海サルディニア島北東沖約50キロ地点で謎の墜落。迷宮入り。
乗客は全員ー(行方不明)
ザザザザ
ザザザザ
BIG「GYAHHH!」
バシッ
バシッ
スタンド名ーノトーリアス・B・I・G
完全殺害不可能。
ノトーリアス・B・I・Gは動いているものなら何でも襲ってしまう。そのせいで何台もの貨物船や何人もの漁師が犠牲になったという。
だが、たまたま弱ったノトーリアス・B・I・Gを発見したとある漁師がノトーリアス・B・I・Gを引き上げ、生き物と勘違いし、自分の家で育てたらしい。
その漁師はノトーリアス・B・I・Gを子供のように可愛がり、ノトーリアス・B・I・Gは動くものを襲うのを止めた。
〜to be continued〜
今回はここまで
次回は2週間以内更新予定。
サルディニア島に着いたブチャラティたちはボスの手がかりが残っているとされている像の前に着いた。
しかし、ブチャラティたちはすでにボスがこの島に着いていることを悟り、別々に行動する事にした。
ブチャラティ、ナランチャはボスの探索。アバッキオ、ジョセフは像でリプレイ。ミスタ、トリッシュは遠くでアバッキオたちの観察をすることになった。
アバッキオ「……………………」
ジョセフ「………アバッキオは好きな女っているのか?」
アバッキオ「いねーよ。いてもお前にだけは教えねえな。」
ジョセフ「………どうやってこの組織に入ったんだ?」
アバッキオ「おい。いい加減にしねえとぶん殴るぞ…」
ジョセフ「悪りい悪りい! そんなに怒るなよッ。」
カチカチカチカチ
アバッキオ「……………………」
ポン
ポン
アバッキオ「!」
子供「ごめんなさい! おじさん!」
アバッキオ「…………………」
ジョセフ「…………………」
アバッキオ「ほらよ。」
ポン!
子供「ありがとうおじさん!」
ダッダッ
ジョセフ「アバッ……おじさんってガキに対しては優しいんだな…」
アバッキオ「ガキには未来があるからな…オレたちみたいにバカな大人になって欲しくねえんだよ……あと次おじさんって言ったらぶっ殺す。」
ジョセフ「それってオレも入ってんの?」
アバッキオ「当たり前だッ! お前が一番バカだろッ!」
ジョセフ「うっせーッ! バカって言った方がバカだもんねェーッ!」
アバッキオ「ガキかテメーはッ!」
ジョセフ「心は永遠にガキのまんまでいたいんだよ…」
アバッキオ「どこのピーター○ンなんだよおまえッ!!」
ジョセフ「ようするにオレは子供心が分かるって言いたいんだよ! 見とけよ!」
ザッザッ
ジョセフ「おいお前ら!」
子供1「ひぃッ!」
子供2(で…でけェー…!)
子供3(知らない人は無視する…知らない人は無視する…)
ジョセフ「今からお兄さんが手品を見せてやるよ。おまえらを誘拐とかしねえから見といてくれ。」
子供1「で…でもオレたちサッカーに戻らないと……」
ジョセフ「すぐ終わるから見とけって!」
子供1・2・3(帰りたい…)
ゴソゴソ
ジョセフ「ジャジャーンッ! ここにシャボン玉の液がありまーすッ! どっからどうみてもただのシャボン玉だ!」
ジョセフ「試しに…ほら、そこの帽子被ったボウズ。このシャボン玉を吹いてみな。」
子供1「う…うん……」
子供1「フーッ。」
子供1が吹くと、そこには何個かのシャボン玉ができた。
ジョセフ「な! 普通のシャボン玉だろ?」
ジョセフ「だが…オレにかかればもっと面白くシャボン玉で遊べるんだぜ!」
ポワーン
子供2「す、すげェー! 道具を使ってもないのに、手だけでシャボン玉を作ったッ!!」
ジョセフ「おらよッ!」
ペタッ
子供3「しかも手にひっついてやがる!? 割れずに!!」
ジョセフ「驚くのはまだ早いぜ。」
ジョセフ「ハンカチかなんか持ってるか?」
子供1「持ってるよ。」
ジョセフ「では…このハンカチをシャボン玉の中に入れちゃいます!」
バリバリ
ポン
ジョセフ「そして宙に浮かすッ!」
フワフワ
子供1・2・3「すげェーーーーッ!!」
パチパチパチパチ
ジョセフ「じゃあ誰かこのシャボン玉に触ってみろ。」
子供3がシャボン玉に触ろうとする
子供2「あ。」
子供2「おい何してんだよ! ここはジャンケンだろ!!」
子供1「順番抜かしすんなよ!!」
子供3「だって触りたいんだからしょうがないじゃん!!」
パチン
子供1・2・3「!!」
シャボン玉が割れる
ジョセフ「あーあ! おまえらが喧嘩するからシャボン玉が割れちまったじゃあねえか!」
子供1・2・3「ご、ごめんなさい……」
ジョセフ「それじゃあ…」
ジョセフ「オレもサッカーに混ぜてくれたら許してやるッ!」
子供1・2・3「ええッ!?」
ジョセフ「ダメか?」
子供1・2・3「……………………」
ゴソゴソ
子供1「……それなら…来て。みんなのとこに行くから。」
子供2「入れるかは分からないけど……」
ジョセフ「へへ! オレさまは意地でも入るつもりだぜッ!」
子供1・2・3(この人なら入ってくるだろうなー…)
アバッキオ(こどもと戯れてるって言うよりは弄んでるな。)
ジョセフ「アバッキオ、オレちょっと遊んでくるからここで仕事を続けといてくれ。」
アバッキオ「おいッ! ボスがこの島にいるってのにそんな事していいも思ってんのかッ!!」
ジョセフ「思ってねえよ。」
アバッキオ「!」
ジョセフ「敵はどこから出てくるか分からねえ…向こうの様子を見に行ってくる……少し遊んだらすぐにここに戻ってくるぜ。」
アバッキオ「………………………」
ジョセフ「おいおいアバッキオ。聞いてんのか? 寝てんのかもしかして?」
アバッキオ「……あ、あぁ。早く遊んできな。」
子供1「おじさん早くッ!」
ジョセフ「おいテメーッ! お兄さんって呼びやがれッ!!」
ジョセフ「安心しなアバッキオ。お前だけじゃあなく、みんなを狙ってくる敵はオレが絶対に倒して、みんなを守ってやるぜッ!」ダダダダーン
アバッキオ「…………………………」
アバッキオ(あいつをただのバカだと思ってたオレこそがバカだったのかもな……)
子供3「……ねえねえ。おじさんは一緒に遊ばないの?」
アバッキオ「あ? オレか? オレはあいつと違って仕事をしなくちゃあならねえんだよ。すまねえな。」
カシャカシャ
子供3「なんで謝るの?」
アバッキオ「い…いや、なんでもない。オレの機嫌が悪くならないうちに早く行った方がいいぞ。」
子供3「でもさ………」
アバッキオ「?」
子供3「オレもここでやらないといけないことがあるんだ……アバッキオ。」
アバッキオ「!!」
ズドッ
アバッキオ「ウ。」
子供3「やはり、生まれ故郷はいい…ついてる。」
子供3「バイバイおじさん。また会えるといいね。」ダダダ
アバッキオ「…………………」
?「……………………」
?「………ッキオ。」
ナランチャ「アバッキオッ!」
ナランチャ「バカなッ!!」
ナランチャ「ちくしょうッ! そんなバカなッ!」
ナランチャ「ジョセフの波紋ならアバッキオのケガも治せるよね! 今までそうやってオレたちのケガを治してきたじゃんか!」
ドドドドドドドド
ジョセフ「………………………」
ブチャラティ「くどいぞナランチャ。ここは危険なのだッ! おまえはエアロスミスを出して周囲を警戒しろ。」
ナランチャ「何言ってんだよー〜〜ブチャラティ。今アバッキオは目覚める途中だってばよォ!!」
ミスタ「……………………」
ナランチャ「何で返事しないんだよ! 冗談はよしてくれアバッキオッ!」
トリッシュ「ぐ……うぐ……」
ナランチャ「アバッキオッ!! 返事をしてくれアバッキ……」
ジョセフ「ナランチャ……いい加減理解しろ……アバッキオは死んだんだ。」
ナランチャ「!! ジョ……ジョジョ? 今……な…何て言ったの?」
ジョセフ「アバッキオは死んだ……そう言ったんだぜ。」
ナランチャ「何で波紋で直してもいないのにそんな事言えるんだよ! やってみなきゃ分からないだろ!」
ジョセフ「…………やってるからこそ言っているんだよ……ナランチャ……」
ナランチャ「え?」
バリバリ…
ジョセフ「さっきからずっとだ……オレがアバッキオを発見してからずっとこうしてる…………それなのにアバッキオは目を覚まさねえ……」
ジョセフ「何で目を覚まさないかはナランチャ……お前も分かってんだろ?」
ジョセフ「この現実を受け止めれないのならこのチームから外れな。邪魔だからよォ……」
ナランチャ「……………………」
トリッシュ「ジョジョ! あなたナランチャに何てひどいことを言うの? ナランチャの反応は普通よ!! あなたは何でそんなに冷たいのッ!?」
ブチャラティ「トリッシュ……ジョジョが冷たいっと言ったのを謝罪しろ。」
トリッシュ「え?」
ブチャラティ「謝罪しろと言ったんだ。」
ポタッ…
トリッシュ「!」
ジョセフ「なぜアバッキオが死んだか……それはオレがアバッキオと離れたからだ……! そのせいでアバッキオは敵に殺されたんだ…………」
ジョセフ「敵は最初からここに来るのを分かっていたんだ……そしてアバッキオはそいつに殺された…………それが分かった………オレのせいでなッ!」
ポタッ…ポタッ…
ジョセフ「アバッキオはオレのせいで死んだッ!! ナランチャ……恨みたいんならオレを恨めよ? …………オレはこいつとの約束を破っちまったんだからさ……みんなを守るって約束をなァ〜………」
ジョセフ「この最低なおふざけ野郎のオレを怨んでくれ……ナランチャ……………………」ポタポタポタ
ミスタ「……あいつは誰よりもアバッキオが死んだ事を理解し、誰よりも後悔しているんだ………それは、あいつがそれだけ仲間の事を大切にしていたってことだぜ……」
ブチャラティ「ジョジョは冷たくなんかない……オレたちと同じ仲間なんだよ。」
トリッシュ「ジョジョ…………………」
ジョセフ「仲間の死を受け止めねえと先へは進めねえ………アバッキオの分までオレたちはボスを倒さねえといけねえんだ。」
ジョセフ「もし! こんなオレと一緒に行動したくなかったらこのチームから外れてくれ。それがおまえのためだ。」
ナランチャ「…………………………」
ナランチャ「………つ…続けるよ。」
ナランチャ「オレはボスを倒すまで諦めないよ! それがアバッキオのためなんだろ?」
ナランチャ「それが……アバッキオの………うぅ……」
ガバッ
ジョセフ「あーあ! 泣くなんて情けねえなァ〜〜〜…もう二度と泣くなよ。」
ナランチャ「う……うん………」グスッ
ザッザッ
ジョセフ「ちゃんとした墓は作れねえが………ボスとの戦いが終わったら立派な墓を作りに戻ってくるぜアバッキオッ!」
ジョセフ「ブチャラティ……いつまでもここに残るのはマズイと思う……ボスがこの島に上陸してんのなら証拠も全部隠滅されてるだろうし……オレたちへの刺客も用意してるだろうな。」
ブチャラティ「あぁ…それは分かってる。今すぐにこの島を立ち去らなくてはならない。」
ミスタ「そうは言ってもよォ〜〜……ボスの手がかりはもうなくなったんだよな? それならどこへ行っても一緒だぜ?」
トリッシュ「あたしももうボスの情報は持ってないわ……残念だけど………」
ジョセフ「……チクショォーーーーーッッッ!!!! これじゃあアバッキオの行動が無駄になっちまうじゃあねえかッ!!!!」ガコッ
ジョセフは像を殴った
ジョセフ「ん……? なんだこれは?」
ドドドドドドドド
ブチャラティ「お…おいこれは。」
ミスタ「リプレイは!! 終了してたみたいだな。」
ドドドドドドドド
ミスタ「これはデス・マスクだ!! リプレイのデス・マスク。アバッキオのムーディー・ブルースがくちゆく前にッ!」
ミスタ「最後のスタンドエネルギーで変身した顔の形を石面に押し付けたのだッ!」
ミスタ「指紋までわかるッ! くっきりとめり込ませてあるぞ!」
ブチャラティ「アバッキオは最後に残してくれていたッ!」
ブチャラティ「これがボスの素顔だッ!」
ジョセフ「この顔は忘れねえ……次にこの顔に会った時……二度と合わねえようにしてやるッ!!!」
ジョセフ「アバッキオ……ありがとよ…………おまえの覚悟……しかと受け取ったぜ……」
ザバアアアアアア
ザバアアアアアア
シュビシュビ
『該当者なし』
シュビシュビ
『該当者なし』
ブチャラティ「だめか…?」
ジョセフ「あぁ。インターネットのありとあらゆるデータベースをスタンドで探さしているが………合致する指紋がねえ……まあ当然だな。」
ゴゴゴゴゴゴ
トリッシュ「許してはいけないわ…………」
ブチャラティ「…………………」
トリッシュ「あたしの心にもこの男は許してはいけないと感じるわ……………」
トリッシュ「ヴェネツィアの時と同じ感覚がさっき少しの間あった……………………」
トリッシュ「アバッキオに近づいたのは………………」
トリッシュ「父だわッ!」
トリッシュ「この男が直接アバッキオに手を下したのよ!! それが今わかるわッ!!」
ブチャラティ「ボスがここに来てるというのか? トリッシュ。」
トリッシュ「ええ…さっき感じたのよ……今はどこか分からないけどこの海岸のどこかにいるわッ!」
ジョセフ「そうか………アバッキオを殺したのはボスだったのか。これでハッキリしたことが一つあるぜッ!」
ジョセフ「ボスは一人しか確実に殺せないんだよ……ブチャラティの時もアバッキオの時もそうだ。やつはオレたちをまとめて殺せないんだ!」
ブチャラティ「だが! それが分かったところでボスの正体が判明しなければ攻撃のしようがないッ! なんとしてもボスの正体を………」
?「ソンナ事ハナイゾッ! 君タチハ追跡ヲモウ…終エテイルッ! 後ハ倒ス方法ヲ見ツケルダケダ!!」
?「ディアボロヲ倒シタイノナラ私ノ言ウコトヲ信ジテ欲シイ。私ハ君タチノ味方だ。」
全員「!」
ジョセフ「ディアボロ……だと…………?」
ジョセフ「おい! おまえ今何て言ったんだッ!?」
ブチャラティ「しっ。」
?「君タチハパッショーネノボスデアルディアボロヲ倒シタイノダロウ? 私ノ目的モディアボロヲ倒スコトナノダ。」
ジョセフ「はったりかましてんじゃあねーぞッ! ディアボロだと? それがボスの名前だって証拠もねえのに信じられるか!! 通信を切るぜ!」
?「ヤツノスタンド能力ハ時を飛ばす能力ダッ!」
?「ブチャラティ……君ハヤツノスタンド能力ヲ間近デ体感シタハズダ! ソレニジョセフ! 君モ体感シテルハズダナ!!」
ブチャラティ「!!」
ジョセフ「こ…こいつ……なんでその事を………」
ブチャラティ「………………………」
ブチャラティ「みんな…ここはこいつの話を聞いてやろう。何かわかるかもしれない。何者かまず、名を名乗れッ!」
?「名前カ………“ヴェルゴーニャ”トデモ呼ンデクレ。君タチ二ヤツノ攻略法ヲ教エヨウ。」
ジョセフ(どうせ暗殺とかそんなかんじだろう。)
ヴェルゴーニャ「マズ…ヤツの時を吹き飛ばす能力二弱点はナイッ! 君タチノ誰かはヤツを暗殺シヨウト考えてイルカモシレナイガ、ソレハキット失敗スルゾ!」
ジョセフ(ウゲッ。)
ヴェルゴーニャ「ヤツノキング・クリムゾンは無敵だ!! シカシ、倒ス可能性ハ知ッテイル。可能性ダ。君ラハそれを手二入レナケレバナラナイ!」
ジョセフ「手に入れる? 何を手に入れるんだヴェルゴーニャ?」
ヴェルゴーニャ「可能性だよ。ローマのコロッセオに来れば君タチ二可能性を渡せる。」
ブチャラティ「ローマだと!? さっきからおまえはオレたちに何をさせたいのだ? ボスとおまえはどんな関係なのだ? 信用してローマなんかにオレたちが行くと思うのか!」
ヴェルゴーニャ「コレを見ればキミタチモ信じ得ざるおえなくナルだろ。」
ドギャン
トリッシュ以外「これは!?」
トリッシュ「?」
ジョセフ「これは!! 矢だ!」
ブチャラティ「なぜおまえがこれを持っている!?」
ヴェルゴーニャ「コノ矢ハ君タチ……トリッシュを除いてだが、君タチノ体を貫いてスタンド能力ヲ身につくために使ったハズダナ?」
ヴェルゴーニャ「実はこの矢はスタンドを発現サセルタメダケのものではない。真の矢の使い方がアルノダ!」
ヴェルゴーニャ「この矢の真の使い方さえ知ればキング・クリムゾンを超える力ヲ手に入レラレル! ローマに来イ! この矢はディアボロを倒すタッタヒトツの最後の手段ナノダ!!」
この矢についての詳しい説明はジョジョの奇妙な冒険59巻P155をお読みください。
ジョセフ「つ…つまりィ〜……この矢をあんたは独自のルートで手に入れて……それをオレたちにあげるってわけだな?」
ヴェルゴーニャ「そうだ。とりあえず君たちはローマのコロッセオに来ればいい。そこで私と会える。いつでも君たちを待っている……」
ヴェルゴーニャ「君たちならディアボロを倒せるはずだ………」
プチン
ジョセフ「……ブチャラティ。ちょっといいか…」
ブチャラティ「なんだジョジョ?」
ジョセフ「なんでヴェルゴーニャはオレとブチャラティがディアボロと対決した事をしってんだ? ブチャラティとディアボロならまだ分かるが、オレがいた事も知ってるってのはおかしいぜ?」
ジョセフ「あの場所にはカメラや盗聴器はなかったはずだ! あそこはディアボロが選んだ場所なんだからそんな物あるはずがねえ!」
ブチャラティ「………………………」
ジョセフ「一つの可能性だが……もしかして………」
ブチャラティ「……ジョジョ。この話はまた後で話そう。誰にも聞かれない場所でだ。」
ジョセフ「わかった………」
〜to be continued〜
今回はここまで。
話の都合上リゾットをジョセフたちと戦わすのは厳しいと思い、カットしてしまいました。
期待してた方にはお詫び申し上げます。
次回更新は2週間以内とさせていただきます。
〜飛行機内〜
ドッピオ「ボス……いくらなんでもヤツらを野放しにするのはやりすぎじゃあないですか?
いつ、あのゲス共が裏切るかわかりませんよ?」
ディアボロ「その事は心配するな。ローマにはゲス共の他にもう一人……頼れるオトコを配置している………そいつがブチャラティたちがローマへ行く事を教えてくれたのだからな………もしチョコラータとセッコが裏切るような行為をすればそいつが動くだろう。」
ディアボロ「おまえがローマに着いた頃には全てが終わってるかもしれんが…一応ローマに向かって、やつから物を受け取れ。それがおまえの任務だ。」
ドッピオ「……ボスがそこまで信頼してる部下なんてオレ以外にいましたっけ? そいつの名前はなんて言うんですか?」
ディアボロ「名前は…………………」
〜ローマ〜
ジョセフ「前方に敵の気配なーし! 上陸準備完了だぜ!」
ミスタ「周りには酔っ払い共しかいねーなァ……あいつらがどっかに行ったら上陸するぞ!」
酔っ払い1「ういいいいいいいい〜。おい……ションベンはここでしたらいいのかおぉい〜〜〜〜〜〜〜。」
酔っ払い2「バカ! そこは水飲み場だよォ! ションベンはこっちだこっち!」
酔っ払い1「バカ野郎! それはポストじゃあねえのかァァァァァァァ〜?」
酔っ払い2「いいからここでしろって!」
ガガッ
酔っ払い1「あれぇ?」
酔っ払い1「オレのファスナーってどこにあるんだァ〜?」
酔っ払い2「おまえがションベンションベン言いまくるからオレもしたくなっちまったじゃあねえか……オレもしよ。」
酔っ払い2「あぁぁぁれええ?」
ドドドドドドドド
ジョセフ「おいミスタッ! あれはッ!」
ミスタ「あぁ……ベンチに座ってるのはタダの酔っ払いと思ってたが……死体みてえだ。」
酔っ払い1「ぐべぇえええええ。」
ジョセフ「うええッ! あいつらまるで腐っちまってるみてえだぞッ!! 何があったんだ!」
ミスタ「とりあえず上陸して様子見するぞッ!」
ザッ
ジョセフ「……! 待てミスタッ!」
ミスタ「あ?」
ジョセフ「そのままだ……そのまま上に上がれ………そしたらそのまま動くな。」
ミスタ「どういう意味だ?」
ジョセフ「それはオレが今から証明するぜ。」
ジョセフは自分の左手を自分の体より下に動かした
ジュクジュ
ミスタ「!」
するとジョセフの義手にカビが生えたのだ!
ジョセフ「あの酔っ払いの一人はズボンのファスナーを下ろそうとして手が腐った……もう片っぽの方はションベンをしようと階段を降りたら足が腐ったんだ……」
ジョセフ「おそらく自分の体より下に自分の部位を動かしたらカビが生えちまって腐るんだッ! 敵のスタンドで間違いねえぜッ!」
ミスタ「すでに敵がいたか………」
ミスタ「てことは……上陸したらもう戻れねえて事じゃあねーのか…?」
ジョセフ「…………気にしたら負けだぜ。」
〜???〜
チョコラータ「なるほどな……」
チョコラータ「ボスを裏切ったのにヤツらがここまで生きて来れた理由が今のでわかる気がする。」
チョコラータ「セッコ、しっかりと撮れただろーなッ! 今のヤツらの生命にしがみつく必死の形相を!」
セッコ「ふおっ。うお!!? うおっ!!」
チョコラータ「うおおお!!」
チョコラータ「良ぉお〜〜〜〜〜〜しッ! よしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよし。りっぱに撮れたぞセッコ!」
チョコラータ「人間は好奇心が刺激されるほど精神のパワーがわいてくるものだ。人ほどの生命よりも好奇心が強いから進化したのだッ! 早く見たいッ! おれはこーゆーヤツらが死ぬところを早く見たいと思っていたのだッ…」
セッコ「うああ。おっ。うおっ。おおーーッ! 」
チョコラータ「そうだすまない。忘れてた。ごほーびをやるぞ。良く撮れたごほーびだ。2個でいいか?」
セッコ「うあああっ。うおっ。おおあっ。」
チョコラータ「3個か!? 甘いの3個ほしいのか? 3個…イヤしんぼめ!!」
セッコ「うおおううおっ。」
チョコラータ「いいだろう。3個やろう!! 行くぞセッコ、3個行くぞ!」
ドシュゥー
バク!
バク!
チョコラータ「うぉっ。悪い…塀の下に……」
プッ!!
カァ
ンッ
セッコ「ガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリ。」
チョコラータ「良ぉ〜〜〜〜〜〜〜〜しよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしたいしたヤツだセッコおまえは。」ナデナデ
チョコラータ「そして行けッ! 次にブチャラティは車をゲットしようとするだろう。おまえが行くのだセッコ。おまえのオアシスがッ!」
ジョセフ「とりあえず車を調達しねえと!」
シュビッ
シュルシュル
ガチャリ
ジョセフ「調達完了!」
ミスタ「おまえのスタンドは泥棒向きだな。」
ガチャ
ブンブンブンブン
バオオオン
ジョセフ「よし。エンジンがかかったぞ! とりあえずみんなを車に乗せて敵を探すか。」
ミスタ「………………………」
ミスタ「おいジョジョ………はやく出発しろ……今すぐだ。」
ジョセフ「言われなくても分かってるよ! え〜と……敵はおそらく高い所からオレたちを見張ってるはずだからァ〜………」
ミスタ「いいから早く出発しろって言ってんだよッ!!」
ジョセフ「何でそんなに怒ってんだよミスタァ〜。ここは落ち着いつリラックスしていこーぜェ! 焦ったらそれこそ敵の思うツボってな!」
ズブズブ
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ(じ…地面から顔だしてやがるッ!! モグラかなんかかよあいつッ!)
ジョセフ(敵はカビを生やすやつだけじゃあなかったのか!)
ジョセフ「…ど…どちらさん?」
セッコ「…………………………」
ジョセフ「え…え〜と……名前を伺ってもよろしいですかァ……?」
セッコ「…………………………」
セッコ「セッコ……………」
ジョセフ「あぁーはいはいセッコさんね! よく知ってますよ! この前テレビにも出演してたあのセッコさんね! ところで…そんなセッコさんが今日はどんなご用件でしょうか? オレたちはちょっとばかし急いでるもんでさ。」
セッコ「おまえらを………殺しに来た。」
セッコ「全員を…な………」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ「そ…それはずいぶんと物騒なご用件でェ〜〜〜………」
ミスタ「……………………」クイッ
ジョセフ「…………………」コクッ
ジョセフ「そんなセッコさんに一つ言えることは……………」
ジョセフ「誰がいつ…全員車に乗ったって言ったかなァ〜〜〜?」
セッコ「なんだと?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
車の中にいるのはトリッシュ、ミスタ、ナランチャ、ジョセフと亀。
セッコ「!!」
セッコ「ブ…ブチャラティはどこだッ! ブチャラティはどこにいる!!」
ジョセフ「ブチャラティならすでにもう一人の敵の方へ向かったぜ? あれ? もしかして気づかなかったのかなァ〜?」
ジョセフ「可哀想なやつだなおまえ!」
セッコ「ぐぐぐ……」
セッコ「絶対に……殺す……!!」
ズブズブ
ジョセフ「やっべ!! ここはひとまず………」
キュルルルル
ジョセフ「逃げるっきゃあねーぜェーーーーーーーーッ!!」
ブゥウウウウン
ジョセフ「どうだミスタッ! あいつはまだ追ってきてるのかッ!!」
ミスタ「そ…それが分からねえんだよ。あの野郎、地面に潜り込んでるみてえなんだ。」
ナランチャ「つまり……どういうこと?」
トリッシュ「どこに敵がいるのか、いつ攻撃をしてくるのか分からないのよ!」
トリッシュ「エアロ・スミスのレーダーは二酸化炭素に反応して探知できる……でも、それは生物が地上にいる時だけ。地面の中にいられちゃあ意味がないってことよ!!」
ナランチャ「………それはマズイよッ!!!」
ミスタ「このまま上を目指してもいつかは下らねえといけねえ! そうなったらオレたちの体はカビだらけだぜ……」
トリッシュ「そ…それだけは絶対にイヤだわッ!」
スパイス・ガール「トリッシュガ嫌ガッテルカラソレダケハ避ケナサイアナタタチ。」
ジョセフ「今さらそんな事言うなッ! 今は上を目指すしか方法がねえんだ! ブチャラティが敵を倒すまでの辛抱だッ!」
ミスタ「オレが一番心配してるのはブチャラティじゃあなくておまえなんだけどな。」
ミスタ「おまえと乗り物に乗るとロクなことがねえからな………特におまえが運転してる時はよォ〜〜〜〜〜。」
ジョセフ「なら運転代わってくれるのミスタ先輩? あんたが運転手ならみんなもさぞかし安心でしょうねェーーーーーッ!!!」
ミスタ「てめーの言い方は何か頭に来るんだよなァーーーーーーッ!!!」
ジョセフ「頭に? 頭に血が昇ると早死にしちまうってどこかのお偉いさんが言ってたっけなァ〜。」
ミスタ「よし。おまえには後でオレの弾丸をプレゼントしてやる……ありがたく受けとれよ。」
トリッシュ「あなたたちが一番の心配の種ね………」
ナランチャ「きたッ!!!! あいつだッ! あいつが地面から顔を出したよッ!」
ズブズブ
ミスタ「くらいやがれッ! オレのとびっきりのプレゼントをなッ!!」
ピストルズ7「ソレモ今回ハ5発プレゼントしちゃうゼェーーッ。」
ピストルズ3「イヤッホォーーーー。ミスタ太っ腹だぜッ!」
ピストルズ1「出血大サービスダゼーーーーッ!」
ドンドンドンドンドン
バアアアアア
ピストルズ6「ヒィーーーハァーーーー!」
ピストルズ5「フウウウウヤッホォーーー!」
ズブ…
プッ!
プッ!
プッ!
プッ!
プッ!
ダンダンダンダン
ミスタ「なにィィィッ!?」
ピストルズ2「い…石カナンカヲ吹っ飛ばして弾丸を全て弾キヤガッタ!!」
ピストルズ1「イヤ! ヨク見ろ! コレは石ジャアナクテ砂ダッ! アイツハ砂を飛ばしてキタンダッ!!」
ピストルズ5「キットコレもアイツノスタンド能力ナンダッ!」
セッコ「……………………」
バゴオオオオオオン
全員「!」
ジョセフ「な、なんだ今の爆発音はッ!?」
ミスタ「見ろッ! ヘリコプターが墜落してるぞッ。」
セッコ「!!」
セッコ「……………チョコラータなら大丈夫だ………きっと大丈夫だ…………」
ナランチャ「あいつのスピードが落ちてるぜ! このまま逃げ切ろう!」
ジョセフ「オレの予想じゃああのヘリコプターに乗ってるのはカビのスタンドの本体だと思うぜ。あの高さならこの街のすべての箇所を見渡すことができるからな……」
ナランチャ「…という事はブチャラティがやったって事だなッ!、」
ジョセフ「たぶんな……だけどあれで死ぬほど敵も柔じゃあねえだろ。スタンドの効果はまだ続いているみたいだぜ……」
市民1「うわああああ。誰か助けてくれェ〜〜…足が…………足がァ〜……」
市民2「誰か彼女を病院に連れて行ってくれェーーーーッ! 彼女のお腹の中には赤ちゃんがいるんだッ。誰か助けてェーーーーッ!!」
ミスタ「…………ブチャラティが早く敵を倒してくれる事を祈るしかねえな……」
トリッシュ「……………………」
ブウウウン
ジョセフ「このままあの橋を渡れば下り道はねえはずだ! 逃げ切るぞッ!」
ガゴン!
ナランチャ「うわッ!! 橋がすごい角度になってるぜッ!?」
トリッシュ「多分あの敵の仕業よッ!! あの橋を斜めにしてあたしたちを空中にほっぽり出す気よ!」
ミスタ「それよりマズイのはこのままだったらオレたちはカビだらけになっちまうってことだぜッ!!」
スパイス・ガール「モシモノ場合ハトリッシュダケを救出シマス。」
ジョセフ「へへッ! そんなこともあろうかとちゃんと仕込んでるのよねェ〜オレ様はッ!」
シュビッ
シュビッ
ジョセフ「オレのハーミット・パープルでこの車ごと引っ張ってビルの上に乗り上げるからなッ!」
ナランチャ「さすがジョジョッ! 天才だぜッ!」
ミスタ「さすが頭脳派を名乗るだけあるな!」
ジョセフ「トリッシュゥ〜。惚れちゃいそうって言ってもいいんだぜ?」
トリッシュ「ジョジョッ! 前を見なさい前をッ!!」
ジョセフ「照れ隠しする事はねえじゃあねえかァ。」
トリッシュ「バカッ! 早くスタンドを増やしなさいって!」
ジョセフ「へ?」
クルン
ギリ…ギリ…
ジョセフ「あ。」
ビチン!
ジョセフ「この車の重さを計算に入れてなかったぜ……………」
ミスタ・ナランチャ「前言撤回………」
4人「うわああああああああああ。」
バゴオオオオオオン
ズブズブ
セッコ「チョコラータ………聞こえるか…………ブチャラティ以外のやつらはカビだらけになったぜェ……そっちはブチャラティを倒したのか?」
「…………………………」
セッコ「……チョコラータァ?」
トリッシュ「どうやらあんたの相方はブチャラティに倒されたようね。」
セッコ「!」
セッコ(そ…そんなバカなッ!)
セッコ「チョコラータが殺られるはずねえだろッ! ブチャラティごとき簡単に………」
ドドドドドドドド
トリッシュ「そう? あたしの体はカビどころかケガ一つ負ってないもの。それが倒したって確証にならない? キレイなままで済んで本当によかったわ。」
スパイス・ガール「トリッシュの言ウ通リ……『車』を柔ラカクシマシタ。アイツラハピンピンシテイマス。」
ジョセフ「へ…へへ……この通りオレたちはピンピンだぜ………」ヘナ〜
ジョセフ(どうやらブチャラティが間に合ったようだな……)
セッコ「チョコラータが…………死んだ………?」
セッコ「………………………………」
セッコ「ケッ!!」
セッコ「チョコラータめ………ブチャラティごときにやられるなんて…………ザコすぎるぜッ!」
4人「!!」
グシャア
セッコは手に持っていたカメラをぶっ壊した!
ナランチャ「な…何かあいつ様子が変だぞ? いきなり態度が変わったぜ。」
ミスタ「変わったってより……元に戻ったってところだろうなァ〜…………」
トリッシュ「今……あなたは仲間の事をバカにしたわね…?」
セッコ「それがどうした? ザコの事をザコって言って何か悪いことでもあるかァ?」
セッコ「確かにィ……チョコラータには金もたくさんもらったし…よく遊んでもらったさァ………だけどォ〜〜〜〜! もう死んじまったんならもう用済みだぜェッ!!!!」
セッコ「これでお前らを全員倒せば金や地位は全てオレのモノだッッ! 逆にオレはチョコラータに感謝しねェ〜となァ〜〜〜。」
トリッシュ「…………………………」
ジョセフ「おいトリッシュ。ここは下がってな。オレたちがこいつを倒しちまうから車の中で待機………」
トリッシュ「あたしがやるわ。」
ジョセフ「!」
ミスタ「なに言ってんだよ。トリッシュは別に戦う必要はねえんだからおとなしくしてろって。」
トリッシュ「もうあたしを特別扱いするのはやめて。」
トリッシュ「あなたたちにはボスの娘じゃあなくて普通の女としてあたしを見て欲しいの………仲間としてね。」
ミスタ・ナランチャ「!!」
ジョセフ「……………………」
ジョセフ(何か子供が成長した気分だぜ………なんか…こう……胸にジーンとくるもんがあるな……………)
ジョセフ(まートリッシュの親の気持ちはわからねえけどな……ってわかるはずもねえか………)
ジョセフ「……もし、ヤバくなったらすぐ助けるがそれでもいいか?」
ミスタ「お…おい! 何言ってんだよッ!? 戦かわせるわけにはいかないだろ!」
ナランチャ「…………オレはトリッシュに任せてもいいと思うよ…」
ミスタ「ナランチャ!? おまえまで何言ってんだよッ!!」
ジョセフ「ミスタ。ここはトリッシュを信頼してやれ。仲間としてな。」
ミスタ「…………ったくおまえらここにきて頭がどうかしてるぜ………」
バフ
ミスタ「ふぅうううう…」
ミスタ「………ま、オレも頭がどうにかなってるけどな。」
ミスタ「無茶すんなよ。少しでもヤバイとオレらが感じたらその時は助けに入る……いいな?」
トリッシュ「ありがとう……ミスタ………」
ジョセフ「オレたちはこの車の中で待たしていただきましょうか!」
ミスタ「ったく…油断してるとあいつに…………」
ナランチャ「おい………あいつどこ行ったんだ?」
ズブズブ
ナランチャ「!」
ナランチャ「トリッシューッ! 下だ! 地面に潜ってるぞッ!」
ジョセフ「とりあえず一定の距離を保ちながら逃げろ!!」
トリッシュ「わかった!!」
ダダダダ
トリッシュ(まずは敵の能力を判断するのが優先ね。敵はこうやって地面に潜って移動してる………)
トリッシュ(そして…さっきみたいに橋を変化させる事もできるし、砂を石のように飛ばしてくることもできる………)
トリッシュ(つまり……敵の能力は……………)
トリッシュ(………何なんだろう?……………)
スパイス・ガール「アナタトヨク似テル能力ネ。」
トリッシュ「え?」
スパイス・ガール「敵ハ物ヲドロドロニスル能力デス。地面二潜レルノハ地面ヲ泥ニシテルカラ……」
スパイス・ガール「橋ヲ変化サセタノハ橋ヲナナメ二ナルヨウ動カシタカラ…」
トリッシュ「橋を? そんな大掛かりな事できるの?」
スパイス・ガール「『一時的』ナラ…………私ノ能力ノヨウニデキマス。橋ヲ見テクダサイ。今ハ元ノ橋二ナッテイマス。」
スパイス・ガール「ソシテ…私タチハ砂ヲ固クシテ飛バサセタトオモイコンデイマシタガ、ソレハ砂ヲ泥二変化サセタダケナンデス。」
スパイス・ガール「アル程度本体カラ離レルト泥カラ元に戻ル…コレガヤツノスタンドノ正体デス!」
トリッシュ「凄いわねあなた………探偵にでもなったらいいのに。」
スパイス・ガール「褒メテクダサリアリガトウゴザイマス。」
スパイス・ガール「トリッシュ。敵ガ近ヅイテキマシタ。ドウシマスカ?」
ズブズブ
トリッシュ「敵の能力がわかった今、攻撃するに決まってるッ!」ダッ
プッ!
ボゴォ
トリッシュ「う!」
トリッシュ(この攻撃を防ぐ方法を考えないとマズイッ……!)
ナランチャ「トリッシュッ!!」
トリッシュ(クソッ! これじゃあ接近戦に持ち込めないッ。どうしたら……)
スパイス・ガール「トリッシュ。ソノマママエヘ進ンデクダサイ。」
トリッシュ「え! 前へッ!?」
プッ!
トリッシュ「ま…またよッ! また撃ってきたわ!!」
スパイス・ガール「トリッシュ! ソコニ落チテル葉っぱデガードシテクダサイ!」
トリッシュ「は、葉っぱで?……」
スパイス・ガール「私ヲ信用シテクダサイ!」
トリッシュ「…わかったわ!」
サッ
フニョアアア
ダム!
セッコ「!」
ボゴオオオ
トリッシュは葉っぱをゴムの柔らかさに変化させた。
葉っぱで跳ね返した泥はセッコの腹部に直撃した
セッコ「!? ど…どんなってやがんだッ……」
トリッシュ「これがあたしの…いや……スパイス・ガールの能力よッ。」
ダダダダ
トリッシュ「人を殴るのは初めてだわ………でもそれがあなたなら構わないわよね?……」
ドッゴオオオ
セッコ「ぐおおお。」
ジョセフ「いいぞトリッシュッ! その調子だぜ!」
ミスタ「この調子じゃあオレたちの出番はないな。」
セッコ「…………………………」
ズブッ!
トリッシュ「!!」
セッコ「いいのかァ〜? もし次にオレを攻撃したらこの車を爆発させてこいつらをあの世へ連れて行ってやるぞォ?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
セッコはジョセフたちが乗っている車の上に移動していた!
ジョセフ「げっ! いつの間に上に上がりやがったッ!?」
ミスタ「このままじゃエンジンを壊されちまうぞ!! ドアを開けろッ!」
ズブアッ
ズブ!ズブ!
ナランチャ「あ!?」
ナランチャ「と…扉が開かないッ! 扉が開かないよミスタァ〜!」
ミスタ「あの野郎! この車ごと地面に沈めやがったぞッ!!」
ジョセフ「ナニィッ!? それじゃあオレたちは車の中に閉じ込められたってわけかッ!?」
ナランチャ「このままだとセッコにエンジンを壊されてオレたちは………………」
ドンドン
ミスタ「ダメだ……窓を弾丸が貫通しねえ………泥のせいで埋もれちまうぜ。」
ジョセフ「………………………」
ジョセフ「…なんてな! オレがこの事態を予測してない訳がないだろ!!」
ミスタ「……今回は本当だろうな?」
ジョセフ「もちろんだぜ! ちゃんとここの窓は簡単に取り外せるようにしておいたんだよ!」
ジョセフ「いくらドロドロだろうと意味がないはずだろ!」
ジョセフは窓を蹴り上げる
ガン!
ジョセフ「あ、あれェ〜……?」
ナランチャ「どういう事だよジョジョッ!」
ジョセフ「おっかしいなァ………確かに取り外し可能にしてたはずなんだけど………」
トリッシュ「そっちの窓の周りは泥になってて外せないようにされてるわジョジョッ!!」
ドロオオオ
ジョセフ「うそォ〜〜〜〜〜!!」
セッコ「気づかねえと思ってたのかよォ〜。ま、オレだから気づいたんだけどなァ〜!」
セッコ「この車の爆発でこの三人は死に…残るのはおまえとブチャラティだ。そして、最後にボスを倒し、オレがパッショーネのリーダーになるんだ!」
セッコ「謝るんなら今のうちだぜェ………まぁ許さねえけどなァ〜ッ!」
トリッシュ「……………………」
トリッシュ「ジョジョ、ナランチャ、ミスタ………少し痛いかもしれないけど我慢してね…」
トリッシュ「これもあなたたちを助けるためだから。」
ジョセフ・ナランチャ・ミスタ「え?」
セッコ「この距離でおまえがこの車に接近するのは不可能だッ! 仲間を助けることが出来なくて残念だったな!」
トリッシュ「あたしは諦めたつもりなんてないけど?」
セッコ「ハァ〜?」
スパイス・ガール「トリッシュノ言ウ通リ二………」
スパイス・ガール「『車』ヲ再ビ柔ラカクシマシタ。」
スパイス・ガール「コレデ…車ハ………」
セッコ「関係ねえんだよそんな事はッ! オレがこのエンジンをぶっ壊せばッ!!」
ブオン
ズブッ!
スパイス・ガール「壊レルコトハナイデショウ。」
セッコ「これさえ……ぶっ壊せばッ!」
フニャアァァ〜
車が萎んでいく
セッコ「な…なんだこれはッ!」
トリッシュ「言ったでしょ? 車を柔らかくしたの……たとえドロドロになったとしても柔らかさは変えられるのよ。」
トリッシュ「そして…元に戻すこともできるッ!」
ボンッ
車がゴムのように元の大きさに戻る
セッコ「グハァッ。」バタアア
ジョセフ「ぐへッ。」
ミスタ「うあッ。」
ナランチャ「ぬあッ。」
ジョセフ「な…中にいるオレたちまでダメージを受けてる…ぜ……」
セッコ(車を一旦萎ませて、元の大きさに戻しやがったッ。そのせいで車から飛ばされて………)
セッコ「ハッッ!」
ドドドドドドドドドドドド
セッコ「あ…うあああ。」
バッ
セッコは土下座した
セッコ「うううあああ……お…おれは……このスタンドなしじゃあ生きていけない体なんだァ〜〜〜………だから……もう………攻撃するのはやめてくれェ〜!」
スパイス・ガール「今サラ命ゴイシテ助カルワケネーダロォォォォォォォォォォッ!」
グアアアア
トリッシュ「WAAAAAANNABEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!」ズドドドドドドドドドドドドドドドド
セッコ「あへェ〜…………………」
ガシリ!
セッコ「!」
トリッシュ「まだよ……こんなので終わるほど………あたしは甘くないの…」
セッコ「ひ…ひィィィィィィィィッ!」
セッコ(オ…オレはこの女の事を舐めていたッ!! いくらボスの娘だろーと女だと思ってたが……それは間違いだった……………)
ガシィ
セッコ(お…女だからこそ怖いんだーーーーーーーッッッ!!!!)
トリッシュ「WAAAAAAAAAAAAAANNABEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!」ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
セッコ「べろおおばああああ。」
ガゴン!
『燃えるゴミは月・火・金』
トリッシュ「『仲間の事はバカにしない』………あたしがこの旅で学んだ1番大切なことよ…………」バァァン
スパイス・ガール「アナタハモウ私ナシデモ生キテイケルワ……トリッシュ。」
ジョセフ「オレたちも大切なことを学んだぜ…………」
ミスタ「ああ……その通りだ………」
ナランチャ「うん……」
ジョセフ・ミスタ・ナランチャ「『女には逆らわない』って事だぜ………」
トリッシュの活躍により、強敵セッコを倒したジョセフたち。
話は一旦、ヘリコプターが墜落した時に戻る……………
〜to be continued〜
今日はここまで。
続きは一週間以内に更新予定!
シュウウウウウウ
バゴッ
バゴッ
ガゴオオン
チョコラータ「誰だッ! そこにいるやつはッ。おまえがオレのヘリコプターを落としたのかッ?」
?「………………………」
?「少し騒ぎすぎたなチョコラータ。」
チョコラータ「お…おまえは………」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
チョコラータ「“パンナコッタ・フーゴ”……おまえの名前は知っている…おまえの能力は前から気になっていたからな………」
フーゴ「…それは褒め言葉か?」
チョコラータ「もちろんそうさ。キミは敵をウィルスで跡形もなく消し去ってしまう能力…その時、相手は一体どんな表情で死んでいくのか………とても興味が湧いてくるんだよ。」
フーゴ「気色の悪いやつだ。」
チョコラータ「だが…なぜおまえがオレのところへ来た? 行くのならブチャラティのチームじゃあないのか?」
チョコラータ「組織を裏切ったブチャラティたちを……な。」
フーゴ「……ボスからの指令でな………」
チョコラータ「指令?」
フーゴ「おまえを跡形もなく消しされとの事だ。これはボスからの直々の命令だ…」
チョコラータ「……………………………」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
チョコラータ「…そうかァ〜〜……そうかそうかそうかァ〜〜…………」
チョコラータ「つまり…オレはおまえを倒してもそれは悪いことじゃあないって事だよなァ〜?」
チョコラータ「どうなんだフーゴ?……」
ゴゴゴゴゴゴ
フーゴ「…そっちがその気であるならこちらも攻撃をするまでです。」
チョコラータ「楽しみだ………おまえの能力がッ!!」
チョコラータ「もしおまえの攻撃が当たったら人はどんな表情をするのか………それがやっと分かるんだからかなァ〜ッ!」
チョコラータ「早く攻撃をしてこい! オレだけに攻撃できるのか? 市民を巻き込まない自信でもあるのか?」
フーゴ「…………………………」
チョコラータ「おまえのスタンドは本体のおまえでさえ制御が難しいんだよな? そんなスタンドで攻撃してみろ。おまえも大量殺戮犯の仲間入りだ!」
フーゴ「あるさ………」
チョコラータ「………あん?」
フーゴ「おまえだけを殺す自信はある。オレは人殺しにならなっても構わない。」
フーゴ「それがボスのためならば…どんな身分になろうと構わないッ! たとえ恥知らずと言われてもッ!」グワッ
フーゴはチョコラータの方へ走り出した。
フーゴ「『パープル・ヘイズ』ッ!」
パープル・ヘイズ「うばっしゃあああああああああああ!!」
チョコラータ「………見るからして狂暴そうなスタンドだ。フーゴ…おまえの内面を表すかのようにな。」
チョコラータ「実はおまえはブチャラティチームの中で1番狂暴な男だった…………そうなんじゃあないかァ?」
フーゴ「それがどうしたんですかッ!!」
パープル・ヘイズ「ガルルルウルルルッ!」
チョコラータ「『グリーン・ディ』ッ!」
チョコラータ「ウイルスをばら撒きなッ!」
シュワッ
チョコラータはウィルスをフーゴに向かってばら撒いた。
チョコラータ「きさまのスタンドはその狂暴さゆえにコントロールができない! つまり! どれだけスタンドが強くても自分自身を守ることはできないはずだッ!!」
フーゴ「…………………………」
チョコラータ「これでおまえもブチャラティたちと同じだ!!」
ガリッ…
ジュウウウウウウ
フーゴの前で煙が出る。
それは不気味な色をしていた。
チョコラータ「な…なにィッ!?」
フーゴ「毒には毒でもって制す………オレはみんなとは一味違っているぞ?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
チョコラータ「そ…そんなバカなッ!! なぜパープル・ヘイズを動かせた!? おまえの思い通りに……!!」
パープル・ヘイズ「ガルルル………」
フーゴ「これが…『パープル・ヘイズ・ディストーション』………オレはこの戦いで死ぬ気でいる……勝つ気なんてない……………」
フーゴ「だが! それがパープル・ヘイズ・ディストーションの強さだ。」
チョコラータ「なんだと………………?」ジワ
フーゴ「敵を倒そうとすればするほど、オレのウィルスは狂暴になり、ウィルス同士で殺し合う……つまり、ウィルスの数が減り、おまえを一撃で倒す確率が大幅に低くなる……」
フーゴ「逆に……倒す気がないほど……パープル・ヘイズ・ディストーションの制御は効き、攻撃力を保ったまま攻撃ができるってわけだ。」
フーゴ(昔のオレだったらパープル・ヘイズを出しただけで精一杯だったが、今は違う……オレは成長した。スタンドも…精神的にも…………自分の『過ち』を乗り越えた……)
フーゴ(乗り越えたその先にはッ! 恐れるものなどないッ!!)
チョコラータ「ちょ、ちょっと待てッ! オレと手を組もうぜフーゴッ! オレたちならボスを絶対に倒せるぞ……?」
フーゴ「もうオレはボスに忠誠を誓ったんだ。残念だが…」
チョコラータ「油断してんじゃあねーぞッ!!!!」ガバッ
チョコラータはフーゴの脚にウィルスを付着させた。
チョコラータ「どうだ!! これでおまえは自分の体より下へは行けない………」
フーゴ「だからどうしたんです? ………」
ガバッ
チョコラータを掴む
チョコラータ「!」
フーゴ「さっきも言いましたが、オレには勝つ気はないんですよ。勝つ気がない限り…」
フーゴ「おまえごときのゲスはオレに勝てないんだよッ!!」
ボゴォ
チョコラータ「グアッ。」
ジュウウウウウ…
フーゴ「………………」
クルン
ザッザッ
チョコラータ「また油断したな…?」
フーゴ「!」
ドドドドドドドド
バァァァァァァァ
チョコラータの上半身と下半身の間からは骨が剥き出しで見えている。
チョコラータ「幼い時に人体解剖をしてきて良かったぜ。そのおかげでどこを傷つけなければ死なねえか把握しているからなァーーーーーッ! オレの勝ちだーーーーーッ!」
フーゴ「………………」
フーゴ「………勝つっていうのは負けるかもしれないという覚悟を持っていなければいけない………必ず勝つ勝負なんてないのだから………」
ボゴォ…
フーゴ「そして! 勝つならば徹底的に相手をブチのめさなくてはならないんですよッ!」
ボゴォボゴォボゴォボゴォボゴォ
チョコラータ「ヤッダーバァァァァァァァァァァァァ。」ズド
ガゴン!
『燃えるゴミは月・火・金』
フーゴ「………………………」
ザッザッ
ブチャラティ「ヘリコプターが墜落したのはやはり君がやったからか……フーゴ。」
フーゴ「!!」
ブチャラティ「どうやらカビを生やしてた敵は君が倒したようだが…君には聞きたいことが一つある。」
フーゴ「…………………ブチャラティ。」
ブチャラティ「……………………」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
〜to be continued〜
今日はここまで。
続きは明日か明後日に更新予定ッ!
10分後更新予定ッ!
この三連休で完結予定ッ!!
ブチャラティ「フーゴ………君がオレたちに情報を流していたヴェルゴーニャなのか?」
フーゴ「…何のことか分かりませんねブチャラティ。僕は情報を流したやつを始末したあと、あなたを倒し、矢を奪うようにボスから命令されて来ただけですよ。」
フーゴ「あなた達がとった行動は………組織を敵に回すのは間違いだったんです。」
フーゴ「今…ボクの目の前にいるのは仲間ではなく、敵なんですブチャラティ!」
ブチャラティ「……………………」
フーゴ「やはり、情報を流した裏切り者は後で殺します。今はあなたです。」
ブチャラティ「そうか……ならオレも手加減はしない……君のスタンド相手に手加減はできないからな。」
ドドドドドドドド
ドッピオ「………………………」
ドッピオ(………この任務はやつに任せて正解だったな…後始末は綺麗にな…フーゴ。)ザッザッ
フーゴ「…………………」
ザッザッ
ガッ
ブチャラティ「……………………」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
フーゴ「パープル・ヘイズッ!」
ブチャラティ「スティッキー・フィンガー………」
スッ…
ブチャラティ「!」
フーゴ「この矢はブチャラティが持っていてください。ボクは今からコロッセオに用事があるので失礼します。」ボソッ
コトン
矢を地面に落とすフーゴ
ブチャラティ「!!」
ブチャラティ(な…なんだと?)
ブチャラティ「ちょっと待てフーゴ!」
フーゴ「……………………………」
ブチャラティ「今のは………どういう意味だ?……」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
フーゴ「ブチャラティ…あなたたちは裏切り者なんかじゃあない………ボクこそが裏切り者なんです。」
フーゴ「もう少しでジョセフが来るはずです。そしたらこの街から逃げてください。」
ブチャラティ(やはり………オレたちに情報を流してくれていたのはフーゴだ…! 間違いない……)
ブチャラティ(フーゴは最初からオレたちを助けようとしてくれていたんだ…)
ザッザッ
フーゴ(ブチャラティ……あなたなら組織を作ってギャングスターになることができるはずだ……オレはここでボスを倒し! 全てにケリをつけるッ!)
ブチャラティ「フーゴ!!」
ザッ…
ブチャラティ「…………オレは……おまえが裏切ったなんて思ったことはない。」
フーゴ「………………………」
ブチャラティ「フーゴは信じた道を進んだだけだ。それは間違いなんかじゃあない。オレが命令したことに従ったんだからな。」
ブチャラティ「それでも…自分が裏切り者と思うのなら、それでいい……だが…」
ブチャラティ「おまえはオレたちの立派な仲間だ! もどってこいッ!!」
ブチャラティ「これは上司からの命令だ。もし、逆らうならオレも君を敵とみなすッ!」
ゴゴゴゴゴゴ
フーゴ「……………………」
フーゴ「オレは…………ボクはあなたの上司なんかじゃあありません。すでにあなたは組織の一員ではないんですから…」
ザッザッ
ブチャラティ「……………………」
ジョセフ「おーい! ブチャラティッ!」ダダダダ
ブチャラティ「ジョジョか………他の仲間は無事か?」
ジョセフ「あぁ。今は周りに敵がいねえか確かめに行ってるぜ。」
ジョセフ「で…例の情報提供者には会えたのか?」
ブチャラティ「………ああ、会えたさ…やはりオレたちがよく知る男だった………」バッ
ブチャラティは服の中から矢を取り出した
ジョセフ「そう…か。やはりか。オレの勘は当たりすぎて逆に良くないぜ。」
ブチャラティ「ヴェルゴーニャ……イタリア語で恥を意味する言葉だ………」
ジョセフ「つまり情報提供者はイタリア人。そして、オレたちがボスと会ったのを知っているのはチームの仲間だけだ。すると自然に情報提供者は一人に絞られる…」
ジョセフ「パンナコッタ・フーゴ。オレたちの仲間だった男だ。」
ブチャラティ「……オレはここでみんなが来るのを待つ。ジョジョはこの中にいるフーゴを探してくれ。」
ブチャラティ「何かあれば無理せず戻ってこい。これ以上仲間を死なすわけにはいかないからな。」
ジョセフ「わかってるさ。フーゴに会って事情を聞いてくればいいんだろ? 任しときな!」ダダダダ
ブチャラティ(この矢はフーゴと再び会ってから使う…! 今はまだだ………)
〜コロッセオ内〜
ザッザッ
フーゴ「ボスッ。どこにいるんですか? 例の物を持ってきました。」
ザッ
ドッピオ「あんたがフーゴ?」
フーゴ「! 誰ですあなたはッ!?」
ドッピオ「そう慌てるなって。オレはボスの直属の部下のドッピオって言うんだ。ボスからあんたに例の物をもらうように言われたんだ。」
フーゴ「ボスはここには来ていないと言う事ですか?」
ドッピオ「そういう事だ。残念だが、ボスはここに来るほど暇じゃあないんでな。」
フーゴ「それは残念です………だって……」
フーゴ「こんなに近くにいるのに会えないなんて……」
ドッピオ「は、はぁ? 何言ってるんだおまえ?」
フーゴ「あなたが二重人格で、リゾットやアバッキオを殺した事も知っています。白状してください。」
ドッピオ「…………………………」
ドドドドドドドドドドドド
ドッピオ「で……それがどうしたの?
ドッピオ「別に構わないさ。気にしないよ? どうせ………」
ドドドドドド
ディアボロ「目撃した者は全員死ぬからな…!」
フーゴ「!」
ディアボロ「お前の様子だと…ブチャラティは殺していないな…それに矢もブチャラティに渡してるとみた……」
フーゴ「………………」
ディアボロ「ローマに来たブチャラティたちの動きがどうも怪しいと思っていたんだ…誰かに案内されたようだったからな。それを指示していたのがお前だとしたら理解できる。お前はブチャラティを裏切り、ブチャラティたちの居場所を伝えてくれる優秀な部下として俺が信頼していたからな。」
ディアボロ「それもこれも…俺を裏切り、情報を探るためだったとはな…」
ディアボロ「とんだ恥知らずだッ!」
フーゴ「どうとでも言ってください。俺はあんたを殺せればそれでいいんですから…」
ディアボロ「だが…お前はまだブチャラティの所に戻る決心をしていないな?」
フーゴ「!!」
ディアボロ「オレに矢の真の能力を話したのも、組織を敵に回すのを恐れ、本当のことを喋ったんだろう? それに関してはおまえは賢い行動をした。」
ディアボロ「ブチャラティに指示をし、組織を裏切ったお前に最後にチャンスをやる…質問に答えろ。」
フーゴ「…………………」
ディアボロ「ブチャラティはどこだ。答えろ。」
ゴゴゴゴゴゴ
ディアボロ「答えれば今までやってたことに目を瞑る。そして、お前を幹部に昇進させてやろう。」
フーゴ「………………」
フーゴ「………………」
ディアボロ「ボスに逆らうのはこれで最後にするのが、おまえにとっては良いぞ……」
フーゴ(………………)
フーゴ「いつどこでオレがあんたをボスって言った?」
ディアボロ「なに?」
フーゴ「俺の………俺の『ボス』はブチャラティだ……あんたには従わない!」
ディアボロ「どうやら愚問だったようだなッ!!」
フーゴ「『パープル・ヘイズ・ディストーションッ!』」
ディアボロ「『キング・クリムゾン!』」
カプセルをかじった。
カリッ
パープル・ヘイズ「うばっしゃあああああああああああああああッ!!」
ディアボロ(パープル・ヘイズを制御出来るまで成長をしていたか…だが…)
ディアボロ「帝王はこのディアボロだッ!!」カバッ
フーゴ(俺はブチャラティを裏切った…しかし…ブチャラティの命令には従った……俺はそれを口実に逃げたのはブチャラティたちだと思い続けていた…)
フーゴ(だけどそれは違う…逃げたのは俺の方だ……トリッシュを守る理由が分からなかったから逃げた…いや…単にパッショーネという組織を敵にまわしたくないとビビっていたんだ。)
フーゴ(そして…俺は影ながらにブチャラティたちを支えようと思い、ブチャラティたちに情報を与えていた。だが…それは組織を裏切ったことになる…)
フーゴ(俺はブチャラティと組織…どっちも裏切ってたんだ…俺はなんてバカな事をしていたんだろうな…)
フーゴ(……今なら…最後にジョセフの言ったセリフが痛いほど理解できる…!)
ジョセフ“本当の裏切り者ってのはどっちの味方かはっきりしねーやつの事を言うんだぜ?”
フーゴ(裏切り者の俺が従うのは……)
フーゴ(裏切り者の俺を最後まで信じてくれたブチャラティだッ!!)
パープル・ヘイズ「ぐるるるるるるるるるぅ!」
ディアボロ「勝てるとでも思ったかッ!!」
シュン
フーゴ(ボスはこうやって時間を飛ばして攻撃してくる…気付いたらすぐそばにいるはずだ。)
フーゴ「上だッ!」
シャバー
ブワアアアア
パープル・ヘイズは自分の上空に細菌をばら撒いた。
それをエピタフで見ていたディアボロは、攻撃をしなかった。
しかし、それがフーゴの狙いだった。
ディアボロが攻撃してこないと分かってるなら…
こっちから攻撃をすれば良い!
そう思ったフーゴはディアボロに足を一歩近付けた。
だが…
ザッ
ディアボロ「俺の後ろに立てるとでも思ったのか…?」
フーゴ「!?」
ディアボロ「帝王に策など通用せんッ!」
フーゴ「まださッ!」
パープル・ヘイズ「しゃああああばあああああ!」
パープル・ヘイズに細菌をばら撒かせた後に、自分の近くにパープル・ヘイズを待機させていたフーゴ。
しかし、この時、フーゴはまだ知らなかった…
ディアボロがなぜ、パッショーネのボスとして君臨しているかを…その強さを…!
シュン
フーゴ「!」
ディアボロ「相手を侮ることはしない…それが強さだ!」
ドグサッ
フーゴ「う…!」
ドピュッ
フーゴ「う…うぐあ…!」
キング・クリムゾンが放った一撃は、フーゴの腹部を貫いた。
その一撃は、普通の人間ならば致命傷となる傷だった。
ダッダッ
ジョセフ「はぁ…はぁ…ど…どこだフーゴのやつ…あいつの顔には一発パンチ入れてやらねーと気が済まねーぜッ!」
フーゴ(この声は…ジョセフか…?)
フーゴはこの時、仲間の事を再び思い出していた。
フーゴ(ジョセフ…ミスタ…アバッキオ…ナランチャ……………ブチャラティ……)
フーゴ(みんな…良いやつばっかりだったな……本当なら俺はあのチームには戻れない…)
フーゴ(だけど……)
フーゴ(ブチャラティがそれを許してくれた……こんな俺を……)
フーゴ(…こんな俺が出来るのは…手助けぐらいだ…)
フーゴ「僕は……ッ!」ドピュッ
ディアボロ「! まだ戦う気力が残ってたか。まるでゴキブリだな…」
フーゴ「僕はあなたの部下なんかじゃあない…」ボソッ
フーゴ「…ジョセフッ! みんなを頼みましたよッ!! 絶対にボスを倒してください!!」
ジョセフ「フーゴの声だッ! こっちか!!」
フーゴ「ブチャラティチームとしての誇りを…汚すわけにはいかない!!!」
パープル・ヘイズ「うるるるるるるるるぅしゃああああああああああああああああッ!」
ブン
フーゴはパープル・ヘイズ・ディストーションの左腕をウイルスで攻撃した。
ビュッ!
ディアボロ「なッ!?」
その攻撃はあまりにも強力で、ディアボロの左手に飛んで付着した。
ディアボロはそれを予測していなかった。ディアボロはフーゴの攻撃の恐ろしさをしっかりと把握していなかった。
フーゴ「勝ち目がないほど……パープル・ヘイズ・ディストーションの殺傷力は上がるんだよ………」
ディアボロ「ぐ、ぐうおおおおおお!!」
ジュウウウウウ
ディアボロ「し、下っ端ごときが………オレの左手を………」
ディアボロ「下っ端ごときが………このオレを……!!」
ディアボロ「きさまァーーーッ!! 絶対に許さんッ!」
ダダダダ
ジョセフ「!! おいフーゴッ!!」
フーゴ「ジョセフ………来るのが一足遅かったですね……」
フーゴ「ジョセフ……いや…ジョジョ……君に伝言を頼みたい…………」
ジョセフ「!」
フーゴ「ブチャラティに………今までありがとうございました………『ボス』……と………」
フーゴ「伝え………」
フーゴ(いや………やはりいいか………オレは……上司の命令に逆らった………チームに『戻れない』………な……)
ディアボロ「ふん!」
ドサッ
地面に投げられるフーゴ
フーゴ「………………………………」
シュー…
パンナコッタ・フーゴー死亡
スタンド名ーパープル・ヘイズ・ディストーション
ジョセフ「フーゴーーーーーーーーーーーーーーーッ!」
ザン
ボピュッ
ディアボロは自分の左手を切り落とした
ジョセフ「おめーのその顔…ディアボロだな…? よくもフーゴを……!」
ディアボロ「ジョセフ…次はお前の番だ……ブチャラティはどこにいる?」
ジョセフ「て…てめー……」
ジョセフ(アバッキオだけでなく、フーゴまで…許さねーッ!)
ガッ
アバッキオ「そうカッカするなジョジョ。」
ジョセフ「!」
バッ
ジョセフがフーゴの死体の頭上を見ると、そこには人型の雲のような物があった。
フーゴ「まったく…僕たちの死を無駄にする気ですかジョジョ?」
ジョセフ「アバッキオ…それにフーゴ!」
アバッキオ「お前は頼りになるオトコだ…こんな所で死んだら承知しねーぞ!」
ジョセフ「…あぁ…わかってる…わかってるさ…」
?「それでこそジョジョだ…」
ジョセフ「その声は…!」
シーザー「お前ならやれるさジョジョ…ジョセフ・ジョースター。俺が友と認めた男だからな。」
ジョセフ「お前ら…」
アバッキオ「頑張るんだジョジョ…」
フーゴ「君なら倒せますよ…」
シーザー「でないとリサリサ先生が悲しむぞ? …………じゃあな…ジョジョ。」
ジョセフ「ま…待ってくれみんなッ!」
シュウウウウウウ…
雲のような物は消えた
ジョセフ「………へっ…化けてでやがったなあいつら……」
ザッ…
ジョセフ「あいつらに………………」
ジョセフ「…………泣いてるような情けないジョセフ・ジョースターは見せれねーな…」
〜to be contiued〜
今回はここまで。
次回は明日を予定ッ!
仕事終わりに一気に最後まで更新します!!
>>755
フーゴ(俺はブチャラティを裏切った…しかし…ブチャラティは来るなと命令していたからブチャラティの命令には従っている……俺はそれを口実に逃げたのはブチャラティたちだと思い続けていた…)
これならどうでしょうか?
あー…よく読んだら俺が文章の内容を読み違えてただけだったわ、手間をとらせて申し訳ないです
>>767
いえいえ!
読んでくださるだけでもありがたいので、全然気にしていただかなくて大丈夫です。
>>748
訂正
フーゴ(ブチャラティ……あなたなら組織を作ってギャングスターになることができるはずだ……オレはここでボスを倒し! 全てにケリをつけるッ!)
↓
フーゴ(ブチャラティ……あなたなら組織を作って立派なギャングになることができるはずだ……オレはここでボスを倒し! 全てにケリをつけるッ!)
ご指摘ありがとうございます!
>>195
訂正
ジョセフ「…おれはブチャラティをこのパッショーネのボスにしてみせる。俗に言うギャングスターってやつにな! それがおれの目的ってやつだな。」
↓
ジョセフ「…おれはブチャラティをこのパッショーネのボスにしてみせる。それがおれの目的ってやつだな。」
ディアボロ「ジョセフ…覚悟というのは戦うことだけじゃあない……言ってる意味が分かるか?」
ディアボロ「オレに従うのだって覚悟なんだ。お前が今、矢の居場所を教えてくれるのであれば…殺すのはやめよう……」
ジョセフ「もし…俺が持ってると言ったらどうする…?」
チラッ
ディアボロ「!」
ジョセフ「おっと! ヤッベ! 見えちまったかなァ〜?」
ディアボロ「……………」
ディアボロ(なぜあいつが矢を持っているんだ? あいつとフーゴは接触すらしていないはず…どこで手に入れた?)
ディアボロ(だが…そんな事考えるまでもない。奪い取ればいいだけだ…)
シュン
ジョセフ「おっと次動いたらこの矢を折っちまうぞ! お前の能力はもう分かってんだからな!」
ディアボロ「なに?」
ジョセフ「じわじわと距離を縮めてんのは分かってんだよ。お前の血がそれを教えてくれてるからなーッ!」
ディアボロ「!?」
ポタッ…
ポタッ…
ディアボロ「な…なにィッ!!」
ジョセフ「お前にとって負傷は初めてのようだな。そんな初歩的な事に気づかないって事はよーッ!!」
ジョセフ(おまえはヴェルゴーニャなんかじゃあねえ……立派なオレのコムラード“仲間”だったぜ……ッ!)
ディアボロ(ぐ……虫ケラめ…どこまで俺に屈辱を味あわせる気だッ!)
ディアボロ(だが…オレは諦めない……オレが頂点にあり続けれるのであればどんな事をしてもいい。誇りを捨てない限りオレには勝機がある。)
ジョセフ「さあて…あとはお前を倒す方法だけだが……」
ダッダッ
ミスタ「ジョジョ! フーゴはいたか!」
ナランチャ「フーゴはどこにいんだジョジョッ!」
ジョセフ「ゲッ! あいつらもう近くに来たのかッ! 来るのが早えーよ! 今来たら俺の作戦が…」
シュン
ゴゴゴゴゴゴゴ
ディアボロ「俺の作戦が…何と言ったんだジョセフ…?」
ガシッ
ジョセフ(し…しまったーッ!)
ナランチャ「あ! あんな所にジョジョがいる! あっこにフーゴもいんのかなッ!」
トリッシュ「なんでそんなに楽しそうなのよ。まだフーゴが情報を流した人って分かってないのよ? 本当にバカね。」
ナランチャ「誰がバカなんだ?」
トリッシュ「バカとは喋りたくないわ。」
ミスタ「どっちもバカだ。」
トリッシュ「でもおかしいわね…誰かがジョジョを掴んでるように見えるわ。もしかしてフーゴ?」
ミスタ「一体どういう状況なんだありゃあ? ジョジョを掴んでのは誰だよ?」
トリッシュ「!!」
トリッシュ「あ…あぁ…!!」
ブチャラティ「どうしたトリッシュ?」
膝を落とすトリッシュ
トリッシュ「私達に…もう希望はないの……?…」
ブチャラティ「何を言っているんだトリッシュ! 君は俺たちが命を賭けて守ると言っただろッ。」
トリッシュ「だ…だって……あそこにいるのは………」
トリッシュ「私の……お父さん…なのよ…?」
ブチャラティ「!!」
ブチャラティ「君は父親の顔は見たことがなかったんじゃあないのか。なぜ父親だと分かる?」
トリッシュ「分かるのよ……あれは間違いなくお父さんよ………!」
ブチャラティ(なんだと? そんなはずはない……ボスがこんな所に来るはずがないんだ………決して人前には姿を見せないやつだ。しかも、俺が会った時も顔は決して見せなかったんだ……だが…娘であるトリッシュが言っていると言うことは…もしや………)
ミスタ「!!」
ミスタ「お…おい……ブチャラティッ! こっちに来てくれッ!!」
ブチャラティ「今はそれどころじゃあなくなった。早くジョジョを助けないと…」ザッザッ
ブチャラティ「!!」
ブチャラティ「…………………………」
ナランチャ「?」
ナランチャ「何でビックリしてんの2人とも?」
ブチャラティ「く…来るなナランチャーーーーッ!!」
ゴゴゴゴゴゴゴ
柱を曲がった四人が見た先には、お腹に穴が空き、死んでいるフーゴの姿があった。
ナランチャ「!?」
ナランチャ「なんでフーゴが倒れてん…の…?」
ミスタ・ブチャラティ「………………」
ナランチャ「お…おい…嘘だろフーゴ? ………なぁ…フーゴ?」
ダッダッ
ナランチャ「ブチャラティ、ミスタ……………これは何かの冗談だよね? そうだよね…?」
ミスタ・ブチャラティ「………………………」
ガバッ
ナランチャ「フーゴ? おいフーゴ!! 久し振りに会ったんだから喋れよ!! 何で黙ってんだよ!!!」
ナランチャ「!」
ナランチャ「お…俺さ! ジョジョのおかげで2ケタの掛け算が出来るようになったんだぜッ? 16×55は…16×5を計算したやつと……え…えーと…16×50…それを計算したやつを足せばいいんだろッ! で、答えは……確か…880だッ!! どうだフーゴ! スゲーだろッ?」
ブチャラティ・ミスタ「…………」
ナランチャ「それに俺さ! まだ皆には言ってないけど、この任務が終わったら学校に通おうと思ってるんだ!! なー? ビックリしただろ!?」
トリッシュ「ナランチャ…」
ブチャラティ「………………」
ブチャラティ「ナランチャ…俺からの命令だ。トリッシュを遠くに連れて行け! 今すぐだッ!!」
ナランチャ「え?」
トリッシュ「どう言うこと? ブチャラティ…意味が分からないわ。」
ブチャラティ「ナランチャ。聞いてたか? 早く行動しろ。」
ナランチャ「で…でも……フーゴが…」
トリッシュ「ブチャラティ! 私だって戦うわ! 私だってスタンドがいるのよ? 相手が父親でも手加減はしないわ!」
ブチャラティ「早くしろッ!!」
ナランチャ「う…うぅ……」
ミスタ(ナランチャには無理だブチャラティ…ナランチャは仲間の死をすんなりと受け入れられるほど心は強くはない……しかも、今回は親友のフーゴだ…決めれるはずがねえよ…)
ナランチャ「……わかったよ。」
ミスタ・トリッシュ「!!」
ナランチャ「フーゴはボスを倒すために俺たちに協力してくれたんだ…その覚悟は無駄にしない…!」
ナランチャ「いつまでも悔やんでたら…またフーゴに叱られちゃうや…」
ガシィ
トリッシュ「ちょっと! ブチャラティ!!」
ダッダッ
ミスタ「ブチャラティ…ナランチャのやつ…」
ブチャラティ「あぁ…今すぐにでも泣きたいだろうな。だが、あいつだってもう立派なギャングだ。成長しなくちゃあな…」
ブチャラティ「今のナランチャは俺の立派な部下だ。トリッシュの事はナランチャに任せよう。」
バッ
ブチャラティ「………………」
ブチャラティ(この先にいるのは本当にボスなのか?)
ザッザッ
ブチャラティとミスタはジョセフの方へ隠れながら歩みを進める。
ブチャラティ(この感覚は……一度味わったことがある…! これは………ボスと遭遇した時だ…!)
ブチャラティ(やはり…ジョジョを掴んでいるのは間違いなくボス……ディアボロだ! そして…フーゴはディアボロに殺された……)
ミスタ「おいブチャラティッ。やつは何者だ? あんたがそんなに汗をかいてんのは見たことねえぞッ?」
ブチャラティ「ミスタ……ジョジョの目の前にいるのはボスのディアボロだ。」
ミスタ「…やっぱりそうだろうと思ったぜ。」
ミスタ「アバッキオだけじゃあなく…フーゴまで殺すとは………オレの堪忍袋も限界だぜ。」
ブチャラティ(今こそこの矢を使う時のようだな…フーゴ………)
ブチャラティ(最後のオレの命令が戻ってこいだなんて………イヤだったろ………)
ミスタ「……………………」
ブチャラティ(フーゴやアバッキオを殺したボスを…絶対に許さないッ! この手で始末するのがオレの…オレ自身への命令だッ!)
カチャリ
ミスタ「ピストルズ…準備しとけ。こいつあ厳しい戦いになるぞ……」
ピストルズ全員「了解!」
ブチャラティ「…たとえオレが死んでも振り向くな…ディアボロを倒すことに集中しろ。」
ミスタ「分かってるぜ。」
ブチャラティ(ボスが油断した時………それが矢を使うタイミングだ………今使えば間違いなく気づかれる! 時を飛ばされ…一気に殺られる……)
バッ
ディアボロ「矢は返してもらうぞ…!」
ブン
ジョセフ「グヘー!」バタッ
ディアボロ「ん? な…何だこれはッ!」
ジョセフ「な…何って…俺がお土産屋で買ったサッカークラブのストラップだけど?」
ジョセフ「こんな恥ずかしいもんボスに見られたら、クビになっちまうから見せたくなかったんだよ。あー恥ずかしいッ!」
ディアボロ「きさまーッ!!」
ミスタ「セックス・ピストルズッ!」
ダン!
ダン!
ブチャラティ「スティッキー・フィンガーズッ!」
ジパパパパ
ジョセフ「お…お前ら!」
ディアボロ「無駄だッ! 俺に勝つのは不可能だ!!」
ディアボロ「きさまらは絶対に許さん! 真の絶望を味わせてやるッ!」
ドォーーーーン
ドドドドドドド
ザッ
ザッ
ザッ
ディアボロ「やはり…きさまが矢を持っていたかブチャラティ…」
ディアボロ「オレが油断した時に矢を使おうとしたのか? だが、それはおまえにこの矢を使う覚悟がなかったことを意味するんだ……心の中ではまよっていたんだろう?」
ディアボロ「そんなお前の目の前で矢を貫いてやる。最初に俺に殺されるのはきさまだ! きさまに頂点にいる者の強さを見せてやるッ!」
シュン…
ガシッ
ディアボロ「ついに手に入れたぞッ!」
ブチャラティ「!!」
ディアボロ「矢のパワーはッ! この運命からの贈り物はッ! これで我がキング・クリムゾンをこの世の頂点に連れて行ってくれ………」
ブチッ
ディアボロ「!」
ディアボロ「…今の音はなんだ?」
ゴゴゴゴゴゴゴ
ジョセフ「そういう動きをとるのは予測してたぜ…ディアボロ。予測出来てたから罠を張らしてもらった。」
ディアボロ「罠だと…?」
シュルッ!
シュルシュル
ディアボロが手に持っていた矢は、イバラに奪われた
ジョセフはブチャラティのそばにハーミット・パープルを張り巡らせ、ボスが来るのを待っていた。
ディアボロ「! なにィッ!?」
ジョセフ「奪われると分かっているなら奪い返せばいいんだッ!」
ジョセフ「お前なんかにイタリアを汚させはしねー! 俺がお前を裁いてやるぜッ!」
ガシッ
ドドドドドドドドドドドド
ディアボロ(このままでは!……矢をやつに使われてしまう…それだけは……それだけは回避しなければ………)
ジョセフ「覚悟はしてたが…いざやるとなると勇気がいるぜ……」
ジョセフ「けどよ…俺がやらなきゃ皆の道が閉ざされちまう。それだけはごめんだぜッ!!」
ディアボロ(ここはひとまず距離を取らなくては…ここは退くのだ………ここで一時退くのは敗北ではない…………!! オレは頂点に返り咲ける能力があるッ!)
トリッシュ「ジョジョッ!」
ディアボロ・ジョセフ「!」
トリッシュ「ディアボロは逃げる気だわ! 今確かに一歩退いたわ!」
ナランチャ「ブチャラティごめん! やっぱりオレたちも戦うよ!! 逃げたら臆病者みたいだろーーーッ!」
ブチャラティ「ナランチャ……」
ディアボロ(だめだ……やはりこのオレがここで……逃げるわけにはいかない……!! 誇りが消える……ここでこいつから退いたら!!)
ディアボロ(オレは帝王だ。オレが目指すのものは絶頂であり続けることだ。ここで逃げたら…その誇りが失われる。次はないッ!)
ジョセフ「ハーミット・パープルッ!」
ドオオオン
ディアボロ「例を言うぞ…我が娘よ………おまえが逃げる気だと言った。オレに対する侮辱の言葉で……」
ディアボロ「我が誇りは失われずに済んだッ! 退かなくて良かった…もし逃げていたら……」
ディアボロ「この予知を見ずしてやり過ごしてしまうところだったッ!」バサバサ
ディアボロ「フフフフフ…」
ディアボロ「フハ。」バサ
ディアボロ「フフフフフハフハハ。」
ディアボロ「このキング・クリムゾン・エピタフの意外な予知を!」
ドオスウウウーン
トリッシュ「やったッ! あの矢の力の先に向かうのは!! ジョジョのハーミット・パープルだわッ!」
ボゴオオオ
ジョセフ「ぐふっ!」
ミスタ「え?」
ディアボロ「フフフフフフ……」
ディアボロ「フフハ。」
ディアボロ「ハハハ…ハハ。」
ディアボロ「フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハーーーーーーッ。」
ミスタ「ン…!?」
トリッシュ「これはッ! なッ!」
ディアボロ「逃げなくて本当に良かった…いや、正直言って絶望がオレの心を包んだよ……我が娘のわたしを見下した侮辱がなかったら向かう決断はつかなかった…おかげで矢が地面に落ちる予知をみることができたよ。」
ディアボロ「感謝するぞ我が娘よーーーーッ!」
ナランチャ「逃げろジョジョーーーーッ。」
ディアボロ「とどめだァーーーッ!」
ドグシャア!
ディアボロ「帝王はこのディアボロだッ!! 依然変わりなくッ!」
トリッシュ「ジョジョーーーーーーーーッ!」
ドクン
ドクン
ドクン
ドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクン
ディアボロ「これは……」
ドドドドドド
ミスタ「ジョ…………」
ブチャラティ「こ………これは…………」
ナランチャ「ジョジョ!?」
トリッシュ「ま…待ってナランチャ! あのヘコんだ頭から何か出てきたわ!! ……あれは…」
トリッシュ「まさかッ!」
ディアボロ(何が……起こっているんだ………予知だとジョセフの頭はヘコんでいるはずだ。なのに……なぜ倒れない…)
バグオオオオン
バラバラ
ディアボロが殴ったのは、すでに枯れているハーミット・パープルだった。
クルウウ
ドドドドドドドドドドドド
ディアボロが振り返るとそこにはハーミット・パープルとジョセフがいた。
ハーミット・パープルの体には赤く、綺麗な薔薇がたくさん咲いていた。
ディアボロ「これは……真実なのか………? きっと何かの間違いだ!………」
ブチャラティ「レクイエムだ…あれはジョジョのレクイエム。」
トリッシュ「『ハーミット・パープル・レクイエム』!」
ジョセフ「……………………」
ディアボロ(…………………)
ディアボロ(なぜやつは攻撃をせずにこちらを見続けている…………様子見か………このままではやつに攻撃する機会を失ってしまう! 攻撃せねば!…………)
ディアボロ(予知ではオレの勝つ未来が見えている……臆することはない!)
ジョセフ「次のお前の言動は…」
ジョセフ・ディアボロ『最後に勝つのはこの俺だッ!』
ジョセフ「と言い…」
ジョセフ「左足を前に出して…」
ダッ
ジョセフ「キング・クリムゾンの右手で俺を殴ろうとする…」
ガシッ!
ジョセフ「…だぜ。」
ディアボロ「ハッ!」
ディアボロ(バ…バカなッ…なぜ俺の言動が分かるんだこいつはッ! 時間を削ったはずだぞ…!)
ジョセフ(先が見える……ディアボロの予知よりはるかに先が見える…ディアボロがどういう行動をしてくるかはっきりとわかるぜ。これが矢の力か…………)
ディアボロ(オレの予知が変わるはずがない………)
バッ
ジョセフ「さて…」
ディアボロ「!」
ジョセフ「そろそろ決着をつけねーとなー…」
ジョセフ(こいつはオレたちの仲間を殺し、市民に麻薬を売り捌いた………そして…シーザーが愛したこの故郷! イタリアを汚そうとしたッ!)
ジョセフ(オレにはオレの誇りがある。それは仲間との思い出………オレの青春だぜ! その青春を壊させやしないッ!)
ジョセフ「『ハーミット・パープル・レクイエム』!!」
ディアボロ(お、おれが負けるなどありえん…帝王に敗北はないッ!)
ディアボロ(ギャングに入ってまだ日も経たないこの下っ端に負けることは……オレにとって一番の屈辱になるだろう。それだけは絶対にありえんッ!)
ディアボロ「『キング・クリムゾン』!!」
ジョセフ「負ける時は負ける…それを受け止めねえと成長しねーぜ?……」
ジョセフ「オイッ!!!!」
バーーーーン
ディアボロ「エピタフッ!」
ドォーーーーン
ディアボロ(この時間はオレだけが移動できる! 誰にも邪魔することは………)
ディアボロ(! ジョ…ジョセフのやつがいない…! どこだ! どこに………)
ディアボロ「ウグァアッ!!」
ブチャラティ「ジョジョの一撃が入ったぞ! ジョジョはディアボロのスタンド能力を遥かに上回っているッ! これが矢の力か!」
ザッザッ
ジョセフ「………………」
ディアボロ「はぁ…はぁ…」
ディアボロ(なぜだッ! なぜ攻撃することができるのだッ! これが……矢の力とでも言うのか!!)
ジョセフ「トリッシュ。」
トリッシュ「……………………」
ジョセフ「トドメを刺したいんなら刺していいぜ? こいつは娘であるトリッシュを殺そうとしたバカ親父だからな。」
トリッシュ「いいえ…大丈夫よジョジョ……」
ジョセフ「…本当にいいのか?」
トリッシュ「ええ…どれだけ私を殺そうとしてもディアボロは私のお父さんなの…私の中に……この人の血が混じってる………」
トリッシュ「トドメを刺すのはジョジョ…あなたよ……これは私からの命令よ。」
ジョセフ「…女の言うことには逆らえねえや。」
ディアボロ(…今ジョセフは完全に油断している。恐らく能力を発動していないはずだ……)
ディアボロ(やはり最後に勝つのはこのオレだった! 帝王の誇りが消えないかぎり、負けることはしない!!)
バッ
ダッダッ
トリッシュ「!!」
ギャシッ!
ジョセフ「あ! トリッシュが!」
ディアボロ「ジョセフッ。いくらお前でもこの距離からならば攻撃は出来ないだろ?」
ジョセフ「く…」
ディアボロ(矢はもうないが…やつを倒せば頂点を再び取り戻せる……頂点に居続けることができる…下っ端ごときが頂点に立つことはありえないのだ…!)
ザッ…
ディアボロ「そのまま動くな…動いたらこいつを殺す…!」
ジョセフ「…オレは動かねーさ。」
ヂヂヂ…
ジョセフ「ただ……トリッシュを殺しでもしたらそいつが許さねえだろーぜ?……」
ディアボロ「!」
ブチャラティ「吐き気を催すぜ。お前には…」
ディアボロ「!!」
ゴゴゴゴゴゴゴ
ブチャラティ「親ってのは…子供を守る存在だ。一生懸命働いて世話をして、それを恩返しするのが子供の役割だ。」
ブチャラティ「だがお前は違う…」
ブチャラティ「娘であるトリッシュを一度だけじゃあなく……二度も殺そうとしたッ!」
ブチャラティ「父親としてじゃあなく…人間としてもお前は失格だッ!」
ブチャラティ「スティッキー・フィンガーズ!!」
ジパーッ!
ディアボロの右腕が取れる
ディアボロ「ヌゥオッ。」
ジパパパパ
ガシッ
ブチャラティはトリッシュを掴み、移動する
ブチャラティ「ジョセフ…あとは頼んだ。」
ジョセフ「ドラマならここで“何か言い残すことはないか?”って聞く場面だな。」
ジョセフ「だけど………お前にそんなセリフを答えるほどの器はねーよな。」
バブオン
ジョセフ「『ハーミット・パープル・レクイエム』ッ!」
ディアボロ「や…やめろーーーーーーーッ!」
ジョセフ「やめろって言われたら…やりたくなっちゃうのよー…オレはーーーーーッ!!」
ボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコ
バコン!
ディアボロ「うぁ…う……う…」
ディアボロ「ハ!」
キョロキョロ
ディアボロ(ま…まだ生きている! オレはまだ生きているぞ!)
ディアボロ(だが…あれだけ殴られたのになぜ無傷なんだ…? 痛みも何もない…攻撃を受けた時、痛みは確かにあったはずなのに…なにか…おかしい……)
ジョセフ「『ハーミット・パープル・レクイエム』ッ!」
ディアボロ「!!」
ジョセフ「やめろって言われたら…やりたくなっちゃうのよ…オレはーーーーーッ!!」
ディアボロ「な…なにィ!!」
ボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコ
ディアボロ「うぁ…う……う…」
ディアボロ(な…なんだこれは……さっきとまるで同じだ。一体これはどういう………)
ジョセフ「『ハーミット・パープル・レクイエム』ッ!
ジョセフ「やめろって言われたら…やりたくなっちゃうのよー…オレはーーーーーッ!!」
ボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコ
ディアボロ「うぁ…う……う…」
ディアボロ(さっきとまるで同じだ。ジョセフの言ったセリフ…時間…殴られた回数まで。これは偶然なんかじゃあない。レクイエムの能力だ。)
ディアボロ(オレはずっと同じ痛みだけを味わい続けるのか…? ただ殴られ続けるだけの痛みを。このままずっと……)
ディアボロ(ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと…)
ディアボロ「だ…誰か助けてくれーーッ! ドッピオ! 聞こえてるのか! オレを助けろッ!」
ジョセフ「『ハーミット・パープル・レクイエム』ッ!」
ディアボロ「と…トリッシュッ!! 近くにいるんだろ!! 助けてくれッ! もう痛みを受けたくはないんだッ!」
ジョセフ「やめろって言われたら…やりたくなっちゃうのよー…オレはーーーーーッ!!」
ディアボロ「誰でもいいから助けてくれェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!」
ボチャン
ミスタ「あいつ川から逃げる気だぞッ!」
ジョセフ「ほっときな。」
ナランチャ「追わなくていいのかジョジョ?」
ジョセフ「今あいつは死ぬよりも苦しいのをあじわってるんだ…生かしておいてやってくれ。」
ジョセフ「フー…」バタッ
ナランチャ「ってことは…」
ナランチャ「終わった…終わったんだ!」
ミスタ「本当にボスを倒したんだよな俺たち!」
トリッシュ「そうよ! これで終わりなのよ!」
ミスタ「おいトリッシュ! あんだけバカとは喋りたくねーって言ってたのにナランチャと喋ってんじゃあねーか。」
トリッシュ「あらそう? 案外バカすぎると可愛く見えてくるのよ。」
ナランチャ「それ悪口じゃん!」
ミスタ「ヒヒ…」
ナランチャ「へへ…」
トリッシュ「フフ…」
ナランチャ・ミスタ・トリッシュ「ワハハハハハハハッ!」
ジョセフ「あいつら楽しそうだな。人が今疲れて倒れてるってのによー。」
ブチャラティ「そうだな。」
ジョセフ「ディアボロがいなくなった今、パッショーネの存続は危ねえだろうなぁー…」
ブチャラティ「それについてなんだが…」
ジョセフ「?」
ブチャラティ「君がパッショーネのボスになってくれないか?」
バッ
ジョセフ「な…なにィ!? 俺がボスッ!?」
ジョセフ「じょ…冗談はよしてくれよブチャラティ。パッショーネはなくして新しい組織を立てればいいじゃあねーか! それにボスになるなら俺じゃなくてブチャラティの方が適任だぜ!」
ブチャラティ「…今まではそうだったが…、もしパッショーネがなくなれば、あちこちのチンピラやギャングが暴れ出して、今までパッショーネのおかげで平和に暮らしていた市民が危険におかされる…それは何としとも避けなくてはいけない……」
ジョセフ「………………………」
ジョセフ「……それは分かったけどよ、ボスを俺に任せるってのはおかしくない?」
ジョセフ「冷静で威厳のあるようなボスとは正反対にいるような性格のおれだぜ? それに前からブチャラティはボスになりたいって言ってたじゃねーか!」
ブチャラティ「…君は気づいていないかもしれないが、俺たちの仲間は皆君の事を認めてるんだぞ?」
ジョセフ「お…俺の事を…?」
ブチャラティ「最初はみんな、君の事を“ジョセフ”と呼んでいたが、今では“ジョジョ”って呼んでいる。それが証拠さ。」
ブチャラティ「こんな短い間で、君は仲間の信頼を得た。それは君に人望がある事をしめしている。それに加えて君には賢い頭脳や仲間をまとめる統率力もある。十分じゃあないか?」
ジョセフ「…………………」
ブチャラティ「君なら、俺が目指す組織を目指せる。俺がいきなりボスだと言っても信じないやつの方が多いだろうからな。」
ブチャラティ「…決めるのは君自身だ。無理なら無理と言ってくれ。君を恨んだりしないさ。」
ジョセフ「へへっ…」
ブチャラティ「どうした?」
ジョセフ「そのセリフ…前にもブチャラティから同じようなのを聞いたなって思ってよ。」
ブチャラティ「…俺が君をチームに誘った時か。」
ジョセフ「あぁ…まさかあん時はこうなるとは思ってなかったぜ…」
ブチャラティ「懐かしいな…」
ジョセフ「じゃあ…あん時みたいに正直に言うぜ!」
ブチャラティ「……………………」
ジョセフ「残念だが俺はボスにはなれない。」
ブチャラティ「…どうしてだ?」
ジョセフ「俺にはボスになれる資格があったとしても、俺は飽きっぽい性格だからすぐに辞めるだろうと思ってさ! ボスとして長く続けるならブチャラティの方が適任だぜ。それに…」
ジョセフ「…俺にはまだ残された仕事が残ってる…そこで俺の大事な家族が待っているんだ…」
ブチャラティ「……ハハハハ!」
ジョセフ「!! ど…どうしたんだブチャラティ! 突然笑ったりしてよ!!」
ブチャラティ「いや…今考えてみたら君がパッショーネのボスになったら本当のギャングになってしまうなと思ってな。何てバカな頼みをしたんだと自分に笑ってしまったんだ。」
ジョセフ「…お前らしいぜブチャラティ。」ザッザッ
ブチャラティ「もう行くのか?」
ジョセフ「早いとこ行かないと色んな人に怒られるからな。」
ジョセフ「何か困ったことがあったら俺に相談しろよ! 親友として相談に乗るぜ!」
ブチャラティ「あぁ、ありがとうジョジョ。」
ジョセフ「あと…」
ブチャラティ「?」
ジョセフ「俺のハーミット・パープル・レクイエムによると…“ブチャラティは最初に自分に近づいてくる女と結婚する”って出てるぜ?」
ブチャラティ「?」
ジョセフ「じゃあなブチャラティ! 皆にもよろしく言っといてくれ!」
ブチャラティ「お…おいジョジョ、今のは一体どういう……」
ダッダッ
トリッシュ「ブチャラティ? さっきからジョジョの姿が見えないんだけど……もうジョジョは行っちゃったの?」
ブチャラティ「!」
ブチャラティ「……まったく…………君には全てお見通しか………………」
~イタリア・ジェノヴァ~
女子1「リサリサさん! 洗濯物たたみましたよ!」
リサリサ「ありがとうフラン。」
女子2「今日はシーザー兄ちゃん帰ってくるかなー。」
リサリサ「………………」
ダッダッ
男子1「リサリサさん、変な男がリサリサさんを訪ねてきたぜ。」
リサリサ「変な男?」
リサリサ「…その変な男は無駄に身体がデカくなかった?」
男子1「うん! 無駄にデカかった!」
リサリサ「そう…あなたたちご飯の支度をしといて。あと、今日はお客様がいるからもう一人分用意しといてね。」
女子2「もう一人分? 分かりました!」
ガチャ
ジョセフ「久しぶりだな…」
リサリサ「………………」
リサリサ「遅かったわね…あなたを待っている間に兄妹のみんなと仲良くなったわよ。」
ジョセフ「シーザーのか…」
リサリサ「ええ…」
ジョセフ「…………」
リサリサ「帰るつもり? 私達はシーザーの事を話しにここまで来たのよ。」
ジョセフ「帰らねーさ…帰ったらまたあいつが化けて出てくるだろうからな。」
ジョセフ「あとよ…」
リサリサ「?」
ジョセフ「…心配をかけちまってすまねーな…そのー………か…母…さん…」
リサリサ「!」
ジョセフ「くううううう! やっぱり今のは聞かなかった事にしてくれーっ!」
リサリサ「……ふふっ…お父さんと本当そっくりね…ジョジョ。」
ダッダッ
男子2「リサリサさん、この変な男は誰?」
ジョセフ「おい坊主! 俺は変な男なんて名前じゃあねーぞ!」
男子2「じゃあなんて言うの?」
ジョセフ「俺の名前か? 俺の名前は…」
ジョセフ「ジョセフ・ジョースター…ジョジョって呼んでくれ!」
ー完ー
時が経ち、舞台はアメリカへと移る…
~刑務所~
タッ
タッ
タッ
看守「…名前は?」
ブチャラティ「ブローノ・ブチャラティ…隣の男はグイード・ミスタだ。」
看守「…通っていいぞ。」
タッ
タッ
タッ
ミスタ「ボス…運転係りのナランチャが外に着きました。ペリーコロ、ズッケェロ、シーラEには周りを調べさせています。」
ブチャラティ「ムーロロは?」
ミスタ「…ムーロロはサーレーと一緒にトリッシュ夫人の警護をしています…しかし、なぜボスはそこまでやつを信頼しているのですか?」
ブチャラティ「…俺にも言えない事だってあるさ。」
タッ…
ミスタ「どうやら着いたみてーだな…」
ゴゴゴゴゴゴ
?「…………………」
ブチャラティ「そう睨まなくていい…君に話があって来たんだ……」
?「…何です?」
ブチャラティ「突然だが、君はお父さんについて何か知っているか?」
?「いいえ。何も知りません。」
ブチャラティ「嘘をついても無駄だ。私は話している相手が嘘をついたら分かってしまうんだ。君はお父さんを知っているね。」
?「…姿だけなら見たことあります……写真だけですけど…それ以外は何も知りません。」
ブチャラティ「そうか…ならもう一つだけ聞こう…」
ブチャラティ「君はまだ若い…ずっとこの刑務所で暮らすのはイヤだろ? 私の仲間にならないか? なってくれるならここから出す。」
?「脅しですか?」
ブチャラティ「脅しなんかじゃあない…君は他の人とは違うからスカウトをしているんだ。」
ブチャラティ「俺や俺の隣にいるこの男は…君と同じように特殊な能力を持っている…」
?「あなたたちも?」
ブチャラティ「そうだ。君に力を貸してもらいたいんだ。イタリアの平和を守るために…」
?「あなた…パッショーネのボスのブローノ・ブチャラティですね?」
ミスタ「!」
ブチャラティ「…ああ。そうだ。何で分かったんだ?」
?「あなたの身なりと隣にいる用心棒がいることから、あなたは高い地位にいる人だと判断できる。でも、社長や議員だとかのそんな感じの男じゃあない。人を殺した目をしている。」
?「そして、イタリアという言葉からあなたはイタリアの組織で権力のある人というのもわかる…だとすると、あなたはパッショーネのボスのブローノ・ブチャラティである確立が高いと思ったんです。」
ブチャラティ「すごい分析力だね! さすがだ!」
ブチャラティ「さすが…DIOの息子の汐華初流乃…ジョルノ・ジョバーナ君だよ…」
ドドドドドドドドドドドドドド
ジョルノ「………………」
~to be continued~
今回でこの長かったSSも終了となります。
今まで読んでくださった方々、本当にありがとうございました!
皆様のコメントを読むのが、私にとっての活力でした!
続きに関しましては…現状のところまだ決めておりません。仕事の方もありますし、その時はまた書きに来ます。
長くなりましたが、私はジョジョが大好きです。ジョジョという作品に出会えて私は本当に良かったです。
これからも、ジョジョという作品を書いてくださった荒木先生を応援します!!
今までありがとうございました!
レクイエムの能力はスーパー未来予知?
>>812
自分が考えた設定ではジョセフ自身が死ぬまでの未来が見える未来予知ということになっています。
このSSまとめへのコメント
おっ、いよいよ明日か
楽しみにしてる
なにこれ、ジョセフすごい
女装ジョセフも持ってきたとは面白すぎw
続きに超期待
ジョセフの老けた見た目は三部と同じくらいか?