カーズ編
影武者カーズ「流法『輝彩滑刀』!!」
ジョセフ「柱のヒビの中から」
リサリサ「蛇首立帯!」
カーズ「…………」
ジョセフ「な…なんだッ!カーズがもう1人現れたぞ!?」
カーズ(し…しまった…現れるタイミングが早過ぎた…)
リサリサ「くっ…」
ジョセフ「よし、リサリサ先生が2人のカーズから距離を取ったッ!」
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リサリサ「これはどういう事なのか、説明してもらえるかしら?」
カーズ(どうする…よ、よし…)
カーズ「流法『輝彩滑刀』!!」
ズザッ!
影武者カーズ「ぎひぃっ」
カーズ「これは貴様の実力を今一度試しただけの事」
カーズ「そいつを殺した事から、一対一の約束を破る気はないのは分かるハズ」
リサリサ「信じられないわね、赤石を砕こうかしら」
カーズ「ま、待て、このカーズが悪かったッ!頼むから赤石を砕かないでくれ!」
リサリサ「敬語を使って欲しいわね」
カーズ(この若作りババアが~)
カーズ「このカーズが悪かったです、お願いですから赤石を砕くのをやめて下さい」
リサリサ「そこまで言われたら、しょうがないわね」
カーズ(貴様が言わせたんだろうが~)
リサリサ「カーズ、貴方は卑怯なヤツね」
カーズ「…………(ニヤリ)」
カーズ「カーズ~♪卑怯と~♪みんなは言うけれど~♪カーズは~♪みんなが~♪言うほど強くない~♪」
カーズ「そうさ~♪卑怯な~♪所もあるけれど~♪真面目に~♪やっても~♪勝つ事ないだろう~♪」
カーズ「卑怯~♪これがカーズの強みさ~♪卑怯~♪勝てばよかろうなのだァ~♪」
カーズ「ウィン~~♪ウィン~~♪」
カーズ「あ~♪どうせカーズは裏切りだけの男さ~♪」
カーズ「あ~♪だからカーズはすぐ騙すのさ~♪」
カーズ「卑怯~♪これがカーズの強みさ~♪卑怯~♪勝てばよかろうなのだァ~♪」
カーズ「ウィン~~♪ウィン~~♪」
リサリサ「…………」
リサリサ「プッ、クッ、ククッ、クッ…」
カーズ「スキありィイッ!『輝彩滑刀』!!」
ズッバァ!
リサリサ「………JOJO………」
ジョセフ(カーズの野郎、戦いの最中に歌を歌って、リサリサ先生にスキを作らせるなんてよ…)
ジョセフ(こんな策、俺でも思いつかないぜ…)
ジョセフ(でも、一応、一対一だったよな…約束は破っていないよな…)
カーズ「よし、赤石を…」
カーズ「…………」
カーズ「無い…この女、赤石を持っていない…」
カーズ(戦いの前、JOJOに渡した素振りはなかった…)
カーズ(まさか、戦いの最中に赤石を落としたのか…)
吸血鬼A「カーズ様、JOJOをどうしますか?」
カーズ「JOJOより赤石だ!全員ここに来て赤石を探すのだッ!」
吸血鬼B「はっ!」
カーズ「よいか、慎重に探すのだ、間違っても赤石を踏み潰してはならん」
ジョセフ「カーズッ!よくもリサリサ先生を!!」
カーズ「このカーズは今、忙しいのだッ!リサリサはまだ生きている、手当てをしたければ勝手にするがいい!」
カーズ(リサリサを人質に使うつもりだったが、まずは赤石を見つけなければ)
ジョセフ「そ、そうか」
ジョセフ(赤石も大事だが、リサリサ先生の…いや、人の命の方がもっと大事だぜ)
リサリサ「う、ううっ…JOJO?」
ジョセフ「リサリサ先生、手当てはしたぜ、もう大丈夫だ」
リサリサ「赤石は?」
ジョセフ「あいつら、向こうで一生懸命、赤石を探してるぜ」
リサリサ「そう、戦いの最中に落としてしまったのね…」
リサリサ「JOJO、私の事はいい、赤石をカーズより先に探しなさい…」
リサリサ「絶対に赤石をカーズに渡してはダメよ…」
ジョジョ「ああ、分かったぜ、リサリサ先生は休んでてくれ」
カーズ「無いッ!無いッ!」
カーズ「何処だ!?何処にあるんだッ!?」
カーズ「そっちはどうだ!?見つかったか!?」
吸血鬼C「いえ、まだです」
カーズ「もっと、真剣になって探せいッ!」
ジョセフ「俺はいつでも真剣よぉ~ん」
カーズ「貴様に言ったのではないわ!ん?JOJOオオッ!いつの間にィイッ!?」
ジョセフ「余所見してていいのか?うっかり、赤石を踏み潰しても知らないぜ」
カーズ「ふん、このカーズがそんなドジなマネをするハズなかろう」
ジョセフ「ロッジでナチ公5人を切り殺せなかったクセによう、アレって全然見当違いの場所を切ったらしいじゃねえか」
カーズ「うっ…」
ジョセフ「後、ワムウの影を踏みまくって、無意識の攻撃をされまくったんだってな」
カーズ「ううっ…」
ジョセフ「それでワムウはお前の為に、誰かに影を踏まれそうになったら横へ跳ぶようにした」
ジョセフ「だからワムウはシーザーとの戦いで、影を踏まれかけた時に横へ跳んでしまった」
ジョセフ「しかも『神砂嵐』を出す最中だったから、『神砂嵐』の方向はズレてしまい、シーザーに直撃しなかった」
ジョセフ「結局、シーザーは負けて、しばらく入院生活を送るハメになったが、死なずに済んだぜ」
ジョセフ「お前がドジだったおかげだぜ~ありがとな~カーズ~」
カーズ「貴様アアアッ!感謝する気など全くないなッ!」
ジョセフ「ほら~ほら~カーズ~赤石探しに集中しないとダメだろ~」
カーズ「くっ、覚えておれ、究極生物になったら、必ず殺してやるからな」
ジョセフ「おい、見つけたぞッ!」
カーズ「何いィッ!このカーズによこすのだッ!!」
ジョセフ「アリの巣を見つけた」
カーズ「主人公らしく、真面目に探せッ!!」
ジョセフ「赤い石~♪付いてた~♪ペンダント~♪戦いの最中に~♪消えちゃった~♪」
カーズ「歌うなッ!」
ジョセフ「お前もさっき歌ってたじゃねえかよ」
カーズ「やかましいィッ!このカーズは歌おうが踊ろうが好きにしていいのだッ!」
シュトロハイム「待たせたなあ、JOJOッ!」
シュトロハイム「シュトロハイムとナチス親衛隊の援軍到着だッ!!」
スピードワゴン「我らSPW財団特別科学戦闘隊もいるぞッ!JOJO!」
スモーキー「JOJO!」
カーズ「おい、JOJO、見つかったか?」
ジョセフ「無いぜ、もしかしてリスが持っていったのかもしれないぜ」
シュトロハイム「お、おい…」
スピードワゴン「ジ、JOJO…」
スモーキー「もしかして、俺達、無視されてる?」
シュトロハイム「おい、JOJO、カーズや吸血鬼どもと何をやっているんだ?」
ジョセフ「あっ、シュトロハイムか、それにスピードワゴンのじいさんとスモーキー」
スピードワゴン「やっと、気付きおったか」
ジョセフ「実は赤石が無くなったんだよ、それで今、探してる最中なんだよ」
シュトロハイム「赤石が!?それはマズイぞ!」
ジョセフ「みんなも探すの手伝ってくれよ、探し物を見つける時は人手が多い方がいいぜ」
シュトロハイム「よし、分かったッ!全員、赤石を探せ!」
スピードワゴン「ワシ等も手伝うぞ、スモーキー」
スモーキー「はい」
吸血鬼D「カーズ様、あいつ等がこちらに来ます」
カーズ「構わぬ、あいつ等にも赤石を探すのを手伝わせるのだ」
シュトロハイム「何処にあるのだ、赤石は…」
スピードワゴン「何としても、見つけなければ…」
吸血鬼E「カーズ様、ダメです、見つかりません」
カーズ「もう少しだったのに、こんな事になるとは…」
ジョセフ「ああっ!あんな所にあったぞ!」
カーズ「あっただと!?」
ジョセフ「嘘だよぉ~ん」
カーズ「おおおっ!本当に赤石があったぞ!」
ジョセフ「えっ…」
シュトロハイム、スピードワゴン、スモーキー「JOJOオオオ~~~ッ!!」
ジョセフ「ゴメンネ…」
カーズ「フハハハハハッ!ついに赤石を手にしたぞ!!」
グワシュ、パリン
カーズ「…………」
ジョセフ、シュトロハイム、スピードワゴン、スモーキー「…………」
ナレーション「カーズは赤石が見つからず、イラついていたッ!」
ナレーション「それ故に見つかった赤石を手にした時、カーズはこれ以上ない歓喜に酔いしれたッ!」
ナレーション「それは力加減を忘れる程であり、その結果、カーズは赤石を握り潰してしまったのだッ!」
カーズ「BAAHHHOHHHHHーー!!」
カーズ「赤石が…究極生物が…」
カーズ「このカーズの究極生物としての夜明けは遠のいた…いや…探せば、別の赤石があるもかしれん」
ジョセフ「おい、カーズ」
カーズ「なんだ、JOJO?」
ジョセフ「夜明けなら来てるぜ、ほら太陽が姿を見せるぜ」
カーズ「は?」
フアアアア、カッ、ブアアアアア
カーズ「GUUHHHOHHHAーー!!」
吸血鬼全員「GAAHHHOAAAAーー!!」
シュー、シュゥー、ボシュッ
カーズ「み、認めぬぞッ!こ、このカーズがこんな…」
ジョセフ「『波紋疾走』!!」
ボッゴアッ!
カーズ「GOHHHA!」
スピードワゴン「JOJOがカーズに波紋を!?」
ジョセフ「もう血くらいでは、お前の痛みは和らげられない」
ジョセフ「カーズ、太陽で死ぬような、ドジな死に方はしたくないだろ」
ジョセフ「こんな死に方だと、あの世でワムウやエシディシに合わせる顔がないだろ」
ジョセフ「お前は俺と戦って、波紋で死んだんだ、戦士として立派にな」
ジョセフ「おかしな事もあったが、お前は一対一の戦いの約束を守って、リサリサ先生に勝った」
ジョセフ「それにお前はリサリサ先生の命も奪わなかった、だからお前を憎いとは思わないぜ」
カーズ「フ、フハハハ…き、貴様は大きな勘違いをしている…」
カーズ「最後に言っておくぞ…」
ジョセフ「お前は『JOJO、貴様はこのカーズの全てを奪った』と言う」
カーズ「JOJO…貴様は…このカーズの…」
ボバッ、シュオオオオッ
ジョセフ「…………」
ジョセフ「カーズ…最後まで言えなかったな…」
ナレーション「カーズは光となって消えた」
ナレーション「JOJOはカーズに対して、友情を感じたりはしなかったが、カーズの仲間に対する想いには敬意を表した」
ナレーション「涙は流さなかったが、カーズに送る、男の歌があった」
ジョセフ「赤い石…探してた…カーズさん…波紋をくらって…死んじゃった…」
カーズ編 完
DIO編(前に投稿したSSのリメイク版)
ブラブラと歩いていたイギーは偶然、DIOの館を発見した
そこで、イギーは凶悪な鳥に出会ってしまった
鳥の名前はペットショップ
ペットショップ「…………」
イギー(早く館へ戻れよ!この鳥公!)
ブロロロロオオオオ
イギー「!」
運転手「ん!鳥だ」
ペットショップ「…………」
パッパアアーーッ
運転手「何だ、この鳥公!?よっ、よけようとしねーぞッま…間に合わねー!ひっ…ひいちまうっ」
ドオオオオン
ドギュ、グチャ、ゴボッ
ペットショップ「グエエエエエッ!」
運転手「鳥をひき殺してしまった…いきなり車につっ込んでくるなんて…自殺願望のある鳥なんて初めてみた…」
イギー(いや…アレは低い車高をくぐり抜けようとして、失敗したんだ…)
鳥野郎 ペット・ショップ ホルス神のスタンド 死亡
回復した花京院と合流し、イギーの案内で承太郎達はついにDIOの館に辿り着いた
彼等を待っていたのは館の執事、テレンス・T・ダービー
ダービー「失礼ですが、私のスタンドは…兄のスタンドとはタイプが違います」
ポルナレフ「おい…おい…こいつ、スタンドを出したぞ!」
ジョセフ「最近珍しいな」
アヴドゥル「まともにスタンドを出すタイプは久しぶりだな……………」
ダービー「最初は誰です?誰が私の相手です?」
ポルナレフ「面倒くせえ!承太郎、ブチのめしちまいな」
承太郎(『スタープラチナ』!)
ダービー「賭けよう…………スタープラチナの私への第一撃はまず『左腕』を繰り出す」
承太郎「!」
ダービー「第一撃はまず左腕のパンチ、賭けよう」
ポルナレフ「承太郎!なんでもいいッ!お前のパワーで殴れば同じ事だッ!」
ポルナレフ「やっちまえ」
承太郎「…………」
ポルナレフ「早くうてッ!承太郎ッ!」
NO、NO、NO、NO
ダービー(NOか、なら右腕…)
オラオラオラオラオラオラオラオラ
オラオラオラオラオラオラオラオラ
オラオラオラオラオラオラオラオラ
オラオラオラオラオラオラオラオラ
ダービー「い、いきなりィィィッ!ブギャーッ!」
ドッゴオオーーン
承太郎「お前の兄貴には手を焼かされたからな、一気にやらせてもらったぜ」
テレンス・T・ダービー 再起不能(リタイヤ)
承太郎にあっさりとやられたテレンス・T・ダービー
それをDIOに報告にやって来たのは、第3部の空気を一瞬で変えた男、ヴァニラ・アイス
ヴァニラ「お休み中、失礼致します」
ヴァニラ「ご存知だと思いますが……1分前にジョースター達がこの館へ侵入致しました」
ヴァニラ「さらに…ダービーが敗北した事をご報告致します」
ヴァニラ「…………」
DIO「えっ?もうやられたのか?いくらなんでも早過ぎるぞ…」
ヴァニラ「私もそう思います…」
DIO「ダービーは天才で勝てる実力を持っていると思っていたが持っていなかったんだな…」
DIO「中に入れ、ヴァニラ・アイス」
ヴァニラ「…………」
部屋に入ったヴァニラ・アイスは、DIOのジョースター御一行の話を聞いた後
DIOに『アイス、お前の生き血を私にくれるか?』と言われ、自らの首をはねて、血を差し出した
戦いもせずに死亡かと思われたが、ヴァニラ・アイスはDIOの血で蘇り、ジョースター御一行抹殺へと向かった
アヴドゥルは『マジシャンズレッド』で生物探知機を生み出した
いきなり生物探知機に見つかってしまった幻覚のスタンド使い、ケニーGは戦いもせず再起不能となった
やっつけたのはイギーである
ポルナレフ「おい、あそこに誰かいるぜ」
イギー「ガルル~」
ジョセフ「あの男、壁に文字を刻んでいるぞ」
花京院「妙な格好をしていますね、あのままで町を歩いたら、確実に警官に職務質問されるでしょうね」
アヴドゥル「ジョースターさん、あいつも敵でしょうか?」
ジョセフ「DIOがあんな妙な格好をした男を配下にするとは思えん」
承太郎「なら、この館に不法侵入した変質者が壁にイタズラをしていると考えていいな」
アヴドゥル「彼をどうしますか?このまま放っておいたら、DIOとの戦いに巻き込んでしまうかもしれません」
花京院「でも、かなりヤバそうな変質者のようです、口で言って、大人しく館の外へ出るとは思えません」
ポルナレフ「スタンドで驚かそうにも、普通のヤツにスタンドは見えねえしな」
ジョセフ「よし、ワシに任せておけ」
ジョセフ(大昔にシーザーにイタズラでしてやろうと考えていたが、考えるだけで終わったアレで驚かしてやる」
ヴァニラ「この私とした事がうっかりしていた、日本語で書いておくだけでいいと思っていたが」
ヴァニラ「日本人ではないジョセフとアヴドゥルとポルナレフが日本語を読めるワケがない」
ヴァニラ「急いで、日本語だけでなく、英語とアラビア語とフランス語で壁に刻まなければ」
ジョセフ(よし、よし、気付いてないの…では、いくぞ…)
ジョセフ(『波紋カンチョー』!)
ズボオオッ、リュッウウッ
ヴァニラ「うびぃひぃ、うぼほおおっ!」
シュー、シュウッ
ポルナレフ「こ、この男ッ!ケツから溶け出したぞオッ!」
アヴドゥル「こいつ、吸血鬼だったのか!?」
花京院「これも、DIOの策略だったのか!吸血鬼を不法侵入の変質者と思わせて、僕達が油断した所を襲う!」
ジョセフ「じゃが、この吸血鬼はもう終わりじゃ、全身に波紋が回った」
シュオオオッ
承太郎「じじい、アレは何だ?いくらなんでも下品過ぎるぜ」
ジョセフ「そうかの?」
ヴァニラ・アイスが壁に文字を刻むのに集中していたのと、ジョセフに殺気が無かったのが災いし
マヌケな最期を遂げた…
男の名はヴァニラ・アイス スタンド名『クリーム』 戦いもせず死亡
承太郎達の前に最後の刺客、ヌケサクが現れたが、あっさりと返り討ちにした
アニメや漫画でよくある、『最後の刺客が一番強い』という法則は適用されなかったみたいである
承太郎達はヌケサクにDIOの元へ案内させる事にした
だが、ヌケサクが案内した棺桶のある部屋にDIOはいなかった
ヌケサクはDIOとヴァニラ・アイスが会話をしていた部屋に承太郎達を案内した
花京院「おい、ヌケサク、あのドアに穴が開いた部屋がそうだな?」
ヌケサク「は、はい、さっきの部屋におられないのなら、この部屋で間違いありません」
ポルナレフ「もしいなかったら、日の当たる場所に連れて行くからな」
ジョセフ「いや、ヤツはあの部屋にいる、あの開いた穴からドス黒いモノが溢れ出しているのを感じる」
アヴドゥル「ジョースターさん、ついにこの時が来ましたね」
承太郎「…………」
ジョセフ「これから会う男は」
ジョセフ(初めて会うのに、すっと昔から知っている男…そう…ワシは…ずっと知っていた……)
ジョセフ(ワシはあの部屋にいる男の事を生まれた時からずっと知っていた…………)
ジョセフ(…この承太郎も………………)
ジョセフ(懐かしい相手ではない…生まれた時から倒すべき相手として………)
ジョセフ(ワシ等、ジョースターの血はあの部屋にいる男といつか会う事を知っていた…………)
アヴドゥル(今から始まる戦いに何が起ころうと後悔はない、後悔をしたくないから、今ここにいるのだ)
花京院「アヴドゥルさん!僕のセリフをパクらないで下さい!そっくりです!」
アヴドゥル「私のOVA版のセリフはこれだったんだ!」
ポルナレフ(今…感じる感覚は…俺は『白』の中にいるという事だ…DIOは『黒』!ジョースターさん達は『白』)
ポルナレフ(『黒』と『白』がはっきり別れて感じられるぜ!)
ポルナレフ(傷ついた体でも勇気が湧いてくる、『正しい事の白』の中に俺はいるッ!)
イギー(難しい事は分からねえけどよ、DIOを倒したら、ウルトラハッピーになるって事だろ)
イギー(こうなったら、最後まで付き合ってやるぜ)
承太郎(全てが終わった時に、そんなに悪くなかったと思う事が出来たら幸せだろうぜ)
ジョセフ「出来るだけ音を立てないように部屋に入るぞ…」
アヴドゥル「鍵は掛かっていないみたいです…」
花京院「ドアに穴が開いていますから、鍵を掛ける意味はないですが…」
承太郎「…………」
ポルナレフ「ようし、入るぜ…」
ドドッ、キュッ
承太郎(軽くドアを開けただけでこの音、これだとDIOに気付かれるぜ)
DIO「ん?」
ジョセフ「な、なに…」
花京院「DIOが服を着替えている…ズボンに片足を通す最中みたいだ…」
DIO「…………」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
ジョースター御一行「…………」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
DIO「ジョースターのエッチ…」
ジョースター御一行「へ…」
承太郎達は、DIOに『着替え終わるまで、部屋の外に出ていろ』と言われ、部屋を出た
別に部屋から出る必要は無かったが、何故か出てしまった
DIO「もういいぞ、入って来ても」
ジョースター御一行「…………」
ヌケサク「DI…DIO様ァ…私は…」
DIO「何故、黙っている?このDIOを倒しに来たのだろ?」
ジョセフ「出鼻を挫かれて、何を言っていいのか、分からなくなった…」
DIO「このDIOは着替え終わったら、棺桶のある部屋に続く階段で、貴様達を待ち構えるつもりだった」
DIO「だが、貴様達の行動が早かった為に、こうなってしまった」
ジョセフ「お前の配下が、弱いからこうなったんだ」
DIO(あのヴァニラ・アイスが弱いだと?ジョースターの力は、このDIOの予想以上だったワケか)
DIO「なら、ここでジョースターとの因縁を終わらせよう」
花京院「来るかッ!」
DIO「その前に…」
DIO(まずはここまでジョースターを案内したヌケサクを始末する)
DIO(『世界』!!時よ止まれッ!)
ドオーーーン
DIO「フン」
ドギャ、バゴ、ドン、ドン、ドン、ゴシャ
DIO「時は動き出す」
ヌケサク「…………」
ジョセフ「な…なにィー、ヌケサクがミンチになっているッ!」
ポルナレフ「こ、これは…」
DIO(フフフ、貴様等に分かるハズがない)
DIO(このDIOの『世界』が『時を止める』と分かるハズが…)
ジョセフ「DIOのスタンドは『時を止める』のか!」
DIO「…………」
DIO「えっ…」
ポルナレフ「はあ…どんな凄い能力かと思ったら、ただの時間停止かよ」
DIO「お、おい…」
アヴドゥル「私はてっきり、無数の平行世界に移動する能力だと思っていました」
DIO「もし、もし…」
花京院「僕は極限まで時間を加速させて、世界全体を一巡させる能力だと思っていました」
DIO「あの、ちょっと…」
ジョセフ「なんだ、DIO?ワシ等は今、お前の能力が期待外れだったから、複雑な気分でな…」
承太郎「やれやれ…拍子抜けだぜ…」
DIO「何故分かったのだ!?このDIOの『世界』が『時を止める』と!?」
ジョセフ「あの状況を見るからには、時間停止以外には考えられん」
花京院「今の時代、時間停止なんて、別に珍しくも何ともない」
DIO「今の時代だと?ジョジョの奇妙な冒険、第3部の時代は…」
ジョセフ「カタイ事は抜きだ」
ポルナレフ「ジョースターさん、DIOにどれくらいの時間停止が出来るか聞いてみようぜ」
ジョセフ「おおっ、それはいい!」
アヴドゥル「どれくらいの時間停止が出来るかで、DIOの凄さが分かりますからね」
花京院「流石に無制限とはいかないでしょうが、数時間は止めていられるでしょう」
DIO(す、数時間…)
ポルナレフ「数時間なんて短過ぎるぜ、最低でも1ヶ月は止められるだろ」
DIO(い、1ヶ月…)
承太郎「DIO、てめーがどれだけの時を止められるのか、教えてくれないか?」
承太郎「気になって、仕方がねえぜ」
DIO「…………」
DIO「フ、フフフ、1ヶ月だと?このDIOがその程度の時しか止められない無能だと思うのか?」
DIO「よく聞くがいい、このDIOの『世界』は1年も時を止められるのだッ!」
ジョースター御一行「…………」
DIO(こいつ等、信じてないな…)
DIO(しかし、本当の事は言えん、このDIOは『5秒しか時を止められない』などと…)
ジョセフ「では、『1年、時を止められる』と証明してもらえんか?」
DIO(証明だとッ!?)
ジョセフ「もし、『1年、時を止められる』のが本当なら、ワシ等全員、お前に忠誠を誓ってもいいぞ」
ジョセフ「ホリィの事は諦めよう」
DIO(ジョースターがこのDIOに忠誠を誓うだとッ!?)
DIO(ジョースターとの戦いの結末がこのDIOに忠誠を誓って終わり…こいつ等を皆殺しにするより清々しい結末になりそうだ)
DIO(エンヤ婆は『もっと、もっと、静止した時の中を動けると思え』)
DIO(『大切なのは認識する事』『スタンドを操るという事は出来て当然と思う精神力』と言っていた)
DIO(このDIOがその気になれば、余裕で『1年、時を止められる』ハズだ)
ジョセフ「どうやって証明してもらうか、ワシ等が考えておくから、その間にウォームアップでもしたらどうだ?」
DIO「では軽く、しておこうか」
DIO(よ、よし、練習して『1年、時を止められる』ようになってやる)
DIO(このDIOは『1年、時を止められる』、このDIOは『1年、時を止められる』、このDIOは『1年、時を止められる』)
DIO(このDIOは『1年、時を止められる』、このDIOは『1年、時を止められる』、このDIOは『1年、時を止められる』)
DIO(このDIOは『1年、時を止められる』、このDIOは『1年、時を止められる』、このDIOは『1年、時を止められる』)
DIO(このDIOは『1年、時を止められる』、このDIOは『1年、時を止められる』、このDIOは『1年、時を止められる』)
DIO(『世界』!!時よ止まれッ!)
ドオーーーン
2時間後
ジョセフ「う~む、いい方法が思いつかん」
花京院「そうですね」
DIO(はあっ…はあ…はあっ…はあ…)
DIO(あれから、練習を続けたが5秒のままだ…)
DIO(幸いにもジョースターは、まだ考え中だ、今の間に何としなければ…)
DIO(ぬうっ…流石に吸血鬼でも疲労は溜まる…エネルギーも不足してきた…フラフラする…)
ジョセフ「…………」
ジョセフ「今だッ!」
承太郎「『スタープラチナ』!」
アヴドゥル「『マジシャンズレッド』!」
花京院「『ハイエロファントグリーン』!」
ポルナレフ「『シルバーチャリオッツ』!」
ジョセフ「『ハーミットパープル』AND『波紋』!」
イギー(『ザ・フール』!)
ドッゴオオオオオオーーーーーーン
DIO「この…DIOが…」
ドガパアーーーッ
ポルナレフ「やったぞ!うまくいったッ!」
ポルナレフ「DIOの頭は木っ端微塵になったぞ!」
イギー(やっと、終わったぜ)
花京院「DIOの能力が分かったら、それがどんな凄い能力だったとしても、たいした事がないとバカにする」
花京院「DIOはおそらく、自分の能力に絶対の自信を持っている、それをバカにすれば、必ず冷静さを失う」
花京院「そして、DIOの能力に制限時間があるなら、そこをうまく突く」
花京院「プライドの高いDIOの事だ、制限時間を追求すれば、見栄を張るに決まっている」
花京院「DIOが制限時間を延ばす練習を続けて、疲労とエネルギー不足でスキが出来たら一斉攻撃」
アヴドゥル「ジョースターさんの策は見事です!」
ジョセフ「DIOを倒すにはこれしかなかった、ワシ等は止まった時の中を動けんからな」
ポルナレフ「結局、DIOはどれくらいの時が止められたんだ?」
ジョセフ「ヌケサクをミンチにする時間しかなかったから、数秒が限界だろ」
アヴドゥル「でも、時間停止能力が有名になっていてよかったですね」
アヴドゥル「これが20年以上前だったら、何が起こっているのか分からなかったでしょう」
花京院「僕が『ハイエロファントグリーン』の結界で『世界』の秘密を暴いたかもしれません」
花京院「ですが、僕も致命傷を負ってしまい、死ぬ前に『エメラルドスプラッシュ』で時計台を破壊して、メッセージを残す」
ジョセフ「そして、ワシが『世界』の秘密を承太郎に伝える」
ジョセフ「そのおかげで承太郎は止まった時の中で動く事を『認識』し、DIOと戦えるようになる」
ジョセフ「最後は承太郎も『時を止められる』ようになってDIOを倒す」
ポルナレフ「そんな、漫画のようにうまくいくワケないぜ」
ジョセフ「それも、そうだな」
承太郎(俺がいつの間にか、止まった時の中で動く事を『認識』出来ていたと、じじい達に言っても信じないだろうな)
DIO…『世界』 情けない敗北…死亡
DIO編 完
吉良編
吉良「この吉良吉影は今まで幾多の『彼女』と出会い、共に生活をしてきた」
吉良「もちろん、手がかりの残すようなドジを踏んだ事は一度もない」
吉良「昨日までは…」
吉良「私はなんのトラブルもない『彼女』との生活に気が緩んでしまっていた」
吉良「木にもたれながら食事をしていたが、中学生に『彼女』が入った袋を持っていかれてしまった」
吉良「『彼女』は私が買ってやった『指輪』をしている」
吉良「警察の捜査力なら、あの『指輪』から、この私まで辿ってくるのは時間の問題だ…『彼女』の指紋もある…」
吉良「なんという、ドジを踏んでしまったのだ…」
吉良(ひったくるしかないな……それも気付かれずにクスネ取るのがベストだが……………)
重ちー「…………」
吉良(素早く袋を掴み、引っ張ってクスネ取る…)
スッ、ガシッ
吉良(よし、掴ん…)
億泰「おっ!重ちィーーッ、てめー運がイイぜ!コラァ!」
仗助「その、サンジェルマンのサンドイッチ、すでに売り切れてるよーーッ、くそーっ」
重ちー「お!」
吉良(こいつ!袋を掴んでる手を急に動かした!)
ドサァッ、
吉良(ふ、袋が落ちたッ!)
吉良(なんという事だ…『彼女』が袋から出てしまった…)
仗助「お、おい…重ちー…それは何だよ…」
億泰「な、なんで、そんなモノを持ってんだよオオオッ!!」
重ちー「オ、オラ…知らないど…こ、こんなの…知らないど…」
重ちー「『人間の手』なんて買ってないどッ!!」
吉良(ここは何も気付かないフリをして立ち去るべきだが…)
吉良(くっ…『彼女』をこのままにして、立ち去るワケにはいかない…)
吉良「うわあああッ!な、何なんだね、それは!?」
仗助「俺等、知らないッスよ!なんでこんなのが袋の中に入っていたかなんて!」
億泰「ど、どうすんだよッ!?」
吉良「よ、よく分からないが、警察に連絡した方がいい!」
吉良(一番最初に警察への連絡を提案すれば、この私を疑いはしない)
吉良(犯人が警察に連絡しろなどと、言うハズがないからな)
吉良(だが、まずい事になった、まさか『彼女』を見られてしまうとは…)
吉良(幸いにも、こいつ等は私と『彼女』が結びついている事に気付いていない)
吉良(こうなったら『キラークィーン』で『彼女』を爆破するしかない)
吉良(『彼女』が跡形も無く消えてしまえば、残った『指輪』はただの落し物になる)
吉良(『キラークィーン』は誰にも見えない、こいつ等に『彼女』がいきなり消えた理由を理解出来るワケがない)
吉良(そして、私は『彼女』がいきなり消えた事にビビッて逃げ出す、『腰抜けの会社員』になれば、なにも問題はない)
吉良(こいつ等が警察を呼んでも『彼女』は存在しない、警察は悪ガキのイタズラ通報だと結論を出すだけだ)
重ちー「け、警察だど!は、早く警察に連絡するんだどッ!」
仗助「重ちー、ちょっと待ってくれ…」
仗助(『クレイジーダイヤモンド』でこの『手』を戻すように治す、そうすれば『手』の持ち主の所に戻るハズだぜ)
仗助(この『手』の持ち主が誰かは分からねえが、生きていて欲しいぜ)
吉良(『キラークィーン』)
仗助(『クレイジーダイヤモンド』)
吉良「なっ!?」
仗助「えっ!?」
億泰「ス、スタンドッ!?」
重ちー「この人、スタンド使いだとッ!?」
仗助「あんた…スタンド使いだったのか…」
吉良(バカなっ!私や父以外にも能力を持つ人間がいたなんて!?)
吉良(どうする!ここで逃げれば、絶対にこいつ等は私を追ってくる!)
吉良「スタンド?そうか、こいつはスタンドというのか」
仗助「なあ、あんた、この『手』に何をやろうとしたんだ?」
吉良「私の能力…いや、スタンドでこの『手』が本物かどうか調べようとしたんだよ」
吉良「直接、触ったら、指紋がついてしまうだろ」
億泰「そっかあ!指紋がついたら、警察に疑われるかもしれねえな!あんた、頭いいじゃねえか!」
吉良「これくらい、気付いて当然だよ」
仗助「確かに指紋がついたらまずいっスね、すいません、疑ったりして」
吉良「いや、気にしないでくれ」
仗助「でも、ここは俺に任せてくれないっスか、考えがあるんスよ」
重ちー「仗助、何をやるんだど?」
仗助「『クレイジーダイヤモンド』で、この『手』を戻すように治せば、この『手』は持ち主の所に戻るハズだぜ」
億泰「なるほど!」
仗助「『クレイジーダイヤモンド』!」
ドギューン
億泰「お、おい、仗助、全然動かないぜ」
仗助「なら、もう一度だ」
ドギューン
重ちー「『指輪』が『材料』まで戻ったど!」
仗助「しまった!『指輪』に『クレイジーダイヤモンド』の拳が当たっちまった!」
億泰「『手』の方は変化無しだぜ、ピクリとも動かなねえぜ」
仗助「でも、この『手』は本物だと分かったぜ、もし作り物なら『指輪』同様に『材料』に戻るハズだからな」
億泰「けどよ、なんで持ち主の所に戻らなねえんだ?」
吉良「すでに火葬されているんじゃないかね?交通事故の死亡者で遺体の一部が見つからなかったケースもある」
吉良「交通事故の死亡者を調べれば、持ち主が分かるかもしれない」
億泰「スゲ~、やっぱり大人の人は違うぜ、まるで承太郎さんみたいだぜ」
吉良(助かったぞ、この仗助とかいうガキの能力は『治す(直す)』のようだ)
吉良(『指輪』は材料まで戻ったし、おそらく『彼女』の方も私の指紋がつく前に戻ったハズだ)
吉良(『彼女』の指紋から、身元が特定されるかもしれないが、『指輪』がなくなった以上、この私に辿ってくる事はない)
仗助「いや、交通事故とは限らないぜ、殺人の可能性もある」
億泰「それって、鈴美さんが言っていた、この町にいる『殺人鬼』の事か!!」
吉良(鈴美?まさかな…)
吉良(さあ、ここからだが、私は発見者として警察に事情聴取されたくはない)
吉良「君達に頼みがあるんだが、警察への連絡と説明をしてもらいたいんだ」
吉良「警察が来れば、事情聴取でかなりの時間を取らされてしまう」
吉良「この書類を急いで届けないと、私は責任を取らされて会社をクビになるかもしれないんだ」
吉良「出来れば、私の事も言わないでくれると助かる、会社に警察が来たら、上司や同僚から変な目で見られるからね」
仗助「いいスよ、社会人は俺等みたいな学生とは立場が違うスからね」
吉良「ありがとう、助かるよ」
仗助「そのかわりと言っちゃなんですけど、おじさんの名前と住所を教えてもらえないっスかね?」
吉良(な、なんだとッ!?)
仗助「もしかしたら、この『手』はスタンド使いの仕業かもしれないんスよ、何かあったら、連絡したいんスよ」
吉良(どうする!?仗助の言い分は正しい、だが名前と住所を教えるのは…)
吉良(ここでデタラメの名前と住所を教えて、もしデタラメだとバレたら、私に疑いを持つだろう)
吉良(こんな場所では、このガキ達を始末するワケにはいかないし、他の二人も能力を持っているハズだ)
吉良(流石に三対一は分が悪過ぎる)
吉良(さらにドジを踏んでしまった、これなら警察に事情聴取されていた方がマシだった…)
仗助「どうしたんスか?」
吉良「いや、いいだろう、私の名前は吉良吉影、住所は…」
写真の親父「吉影、どうしたんじゃ?そんな表情のお前は初めて見たぞ」
吉良「私はどんな表情をしている?」
写真の親父「『奪われた何かを取り戻して、安心した表情』と言うべきじゃな」
吉良「正解だ」
吉良「私は今日、『平穏な生活』を一時的に奪われ、それを無事に取り戻せた」
吉良「あのまま『指輪』が存在していたら、二度と取り戻す事は出来なかった」
吉良「仗助とかいうガキが『指輪』を『材料』まで戻してくれたおかげだ」
吉良「私の名前と住所を知られたのは計算外だったが、調べれば仗助達の事もすぐに分かる」
吉良「邪魔になるようなら、始末すればいい」
仗助「承太郎さん、わざわざすいません」
承太郎「いや、気にするな、緊急の話があると聞いたが、発見された『手』の事だな?」
仗助「例のこの町にいる『殺人鬼』かもしれない男に会ったんスよ」
仗助「その男はスタンド使いっスよ」
承太郎「…………」
承太郎「なぜ、そいつが怪しいと思ったんだ?」
仗助「発見された『手』は、おそらく被害者の『手』っスよ」
仗助「そいつは『手』をスタンドで攻撃しようとしたんスよ」
仗助「『手』を本物かどうか、スタンドで調べるつもりだったと言っていましたけど」
仗助「あいつのスタンドは明らかに『手を調べる』ではなく『手を攻撃する』動きだったっスよ」
承太郎「証拠隠滅の為の攻撃だな」
仗助「証拠になる『指輪』もここにあるっス、あいつに『指輪』を渡さない為に一芝居打ったっス」
仗助「『クレイジーダイヤモンド』で『指輪』を直して『材料』にして」
仗助「あいつが立ち去ってからもう一度『クレイジーダイヤモンド』で『材料』を直して『指輪』にしたっスよ」
仗助「この『指輪』を調べて、あいつがこの『指輪』を買ったと分かれば、立派な証拠になるっスよ」
承太郎「なるほどな、犯人がアンジェロのようなスタンド使いなら、警察は無力だ」
承太郎「だから、その『指輪』を持ち去ったんだな」
承太郎「それに『手』だけでなく、『指輪』の事が報道されれば、その男はこの町から必ず逃げる」
承太郎「SPW財団でこの『指輪』の購入者を調べてもらおう」
仗助「承太郎さん、悪いっスけど、『指輪』の購入者が分かるまで待ってられないっスよ」
仗助「待ってる間に鈴美さんのような犠牲者が増えるのは我慢ならないっス」
承太郎「ああ、俺も『指輪』の購入者が分かるまで、待つ気はない」
仗助「不本意ですけど、露伴に協力してもらうっス」
仗助「『ヘブンズ・ドアー』ならあいつが『殺人鬼』かどうか分かるっスからね」
仗助「康一や億泰にも連絡して、明日にでもあいつの家に行くつもりっス」
仗助「承太郎さんも来てもらえますか?」
承太郎「もちろんだ、よく話してくれたな」
仗助「承太郎さん、ありがとうっス」
吉良「『彼女』の事がニュースでやっていないな、やるのは明日の朝のニュースか」
吉良「明日の朝のニュースで『彼女』が一躍有名になる」
吉良「大切な『彼女』が手の届かない存在になってしまうのは複雑な気持ちだ」
吉良「だが『彼女』自身がTVに映る事はありえない、これは『彼女』も悔しいだろう」
吉良「私が傍にいたら、『彼女』に優しい言葉をかけてあげられるのだが」
写真の親父「な、なんじゃと!アレの存在が知られたのかッ!?しかも報道されるじゃとッ!?」
吉良「心配ないさ、『指輪』はもうないんだ、この私に辿り着きはしない」
写真の親父「吉影…アレが報道されたら、日本中が大騒ぎになるぞ…」
写真の親父「警察や報道関係者が大量に杜王町に来るぞ…」
吉良「えっ?」
写真の親父「ちなみにこの家にも警察が聞き込みに確実に来るぞ」
吉良「死体が見つかったワケじゃないんだぞ!『手』が見つかっただけじゃないかッ!?」
写真の親父「いや…アレは死体よりタチが悪い…」
吉良「じゃあ、『新しい出会い』はどうなるんだ?」
写真の親父「大変つらいだろうが、しばらく我慢しろ…杜王町の次の行方不明者はかなり注目されるハズだ…」
吉良「こ、こんな事が…」
写真の親父「今気付いた…吉影…お前はちょっとドジな所がある…」
吉良「まあいい、しばらく我慢すれば、また元通りになる」
写真の親父「そうじゃ、お前の平穏な生活はこれからも続いていく」
吉良「私は寝る前に温かいミルクを飲み、20分程のストレッチで体をほぐしてから、床についた」
吉良「いつもと同じようにほとんど朝まで熟睡する事が出来た」
康一「町が生んだ、吉良吉影という怪物が熟睡出来たのは今夜が最後だった」
康一「1週間後、鈴美さんはあの世へと旅立っていった」
吉良編 完
ディアボロ編
ディアボロ「スクアーロとティッツァーノがしくじった…」
ディアボロ「やはり、あの時にブチャラティを始末し損ねたのが痛かった…」
ディアボロ「ブチャラティに致命の一撃を与えるハズが、うっかりバランスを崩してしまい、急所を外してしまった」
ディアボロ「だが、カルネがいる、ヤツならブチャラティ達を確実に始末出来る」
ディアボロ「メール、メールと」
カチャ、カチャ、カチャ、カチャ
宛先 ブチャラティ
件名 困ってしまって、ワンワン、ワンワン
カルネよ、困った事になった
裏切り者のブチャラティ達の始末を命じた、スクアーロとティッツァーノがしくじった
こうなれば、カルネよ、組織の為に死んでくれ
貴様のスタンド『ノトーリアス・B・I・G』は本体が死亡し、その怨念のエネルギーによって初めて発現するスタンド
動く物体を感知して肉体やスタンドエネルギー、金属や飛行機の燃料等、あらゆるものを取り込む、遠隔自動操縦型のスタンド
本体が死亡しているので、もう殺す事の出来ないスタンド
『ノトーリアス・B・I・G』に敗北は絶対にありえない
ブチャラティ達はヴェネツィアを脱出する為にマルコ・ポーロ空港に向かうハズだ
貴様もマルコ・ポーロ空港に向かうのだ
カチャッ
ディアボロ「送信っと、これでいい」
ディアボロ「おや?」
ディアボロ「…………」
ディアボロ「宛先の選択を間違えた…ブチャラティに送信してしまった…」
ディアボロ「何も心配ない…『ノトーリアス・B・I・G』は秘密を知られようが、敗北するスタンドではない…」
ディアボロ「このようなドジを踏んでしまったが、何も問題はない…」
ディアボロ「それにブチャラティ達がこのメールを信用するかどうか分からないからな」
ピコーン、ピコーン、ピコーン
ナランチャ「ブチャラティッ!左前方に反応だッ!何者かが来るッ、向かって来るぞ!」
カルネ「…………」
ブチャラティ「来たか、あいつがカルネだな」
ミスタ「なあ、あのメールを信用するのかよ、いくらなんでも不自然だぜ」
ミスタ「ボスがメールの送信先を間違えるようなドジを踏んだりするか?」
ジョルノ「僕達を騙すメールにしては内容がおかしい気もしますが…」
ブチャラティ「俺達は慎重に動かなければならない、一応念には念を入れておく」
ブチャラティ「その為に俺は飛行機の外でヤツを待っていたんだ」
ブチャラティ「『スティッキィ・フィンガーズ』!」
スド、ド、ドゴ、ド、スド、ドゴ
カルネ「!?」
ブチャラティ「命は取らない、動けなくしただけだ、ついでに自殺も出来なくした」
ブチャラティ「もう貴様は戦う事も死ぬ事も出来ないが祈る事は出来る」
ブチャラティ「そこで、俺達の旅の無事を祈ってくれ」
カルネ「…………」
ヴェネツィア マルコ・ポーロ空港で何者かにハイジャックされた自家用ジェット機はティレニア海サルディニア島で発見された
犯人は行方不明 迷宮入り
サルディニアでブチャラティ達は15年前のボスの素顔を知る
しかし、手に入れた指紋からボスの正体を掴む事は出来なかった
その時、ブチャラティ達に謎の人物Pから通信が届く
謎の人物Pはボス(ディアボロ)を倒す鍵となる『矢』の力を渡すと言うのだ
ブチャラティ達は謎の人物Pに会う為にローマのコロッセオに向かう
その頃、ボス(ディアボロ)は…
ディアボロ「ブチャラティ達を始末するどころか、時間稼ぎすら出来なかった…」
ディアボロ「サルディニア島北東沖約50キロ地点あたりで、飛行機が墜落していたら、状況は変わっていたが…」
ディアボロ「墜落せず、ヤツ等は予定通りの時刻に到着してしまった…」
ディアボロ「今から、サルディニアに行っても、間に合わない」
ディアボロ「既にこの『写真』の場所でアバッキオは『ムーディー・ブルース』の能力で再生しているハズだ」
ディアボロ「15年前に『トリッシュの母親』の『写真』を撮影した私をッ!」
ディアボロ「この私を『指紋』から追跡するのは不可能だ、それは分かっている」
ディアボロ「しかし、この胸騒ぎはなんだ?今までに経験して事のない、この胸騒ぎはッ!?」
ディアボロ「ブチャラティ達が乗ったボートがローマに向かっているという情報は掴んでいる」
ディアボロ「リゾットもブチャラティの後を追って、ローマに向かうだろう」
ディアボロ「…………」
ディアボロ「『チョコラータ』と『セッコ』」
ディアボロ「あのゲス共の力だけは借りたくなかったが…」
ディアボロ「やむをえん……2人に行く手を阻止させる…」
ディアボロ「今からでも、ブチャラティ達を先回り出来るよな、まだ遅くないよな」
ディアボロ「よし、早速、メール、メール」
カチャ、カチャ、カチャ、カチャ
宛先 リゾット
件名 ローマの厄日はヤメロ
チョコラータよ、裏切り者のブチャラティ達がローマに向かった
貴様はセッコを連れて、ローマに行き、ブチャラティ達を始末せよ
なお、同じく裏切り者のリゾットもローマに向かっている、こちらも見つけ次第、始末せよ
チョコラータよ、無駄だとは思うが言っておく、貴様のスタンド『グリーン・ディ』は凶悪だ
現在の位置より少しでも低い所に降りると急激に繁殖して肉を腐らすカビを散布する
いいか、ヤリ過ぎるな、セッコのスタンド『オアシス』をうまく使え
ヤツの能力は周囲のあらゆるものを泥化させる
これを利用して地中にダイブし、自身の進行上の全ての物を液状化した地面に飲み込む
敵や物質を液状化した地中に引きずり込んだり、液状化させて破壊する事も出来る
ある程度距離が離れれば、液状化した物も再び固体化するため
液状化した石を口に含み雨のように吹き付けることで即興の遠距離攻撃も可能だ
これを知る貴様なら、何も問題はない、期待しているぞ
ローマの厄日には絶対にするな
カチャッ
ディアボロ「送信っと、よし」
ディアボロ「あっ…」
ディアボロ「…………」
ディアボロ「宛先の選択をまた間違えた…今度はリゾットに送信してしまった…」
ディアボロ「私はどうしてしまったのだ?これではドジっ子だ…」
ディアボロ「まあいい、ヤツが2人の能力を知っても、勝つのは不可能だ」
ディアボロ「さあ、私もドッピオに2人を追わせなければ、何としても追いつくのだ」
チョコラータ「どうやら、ヤツ等は既に上陸したようだな、一足遅かったか」
チョコラータ「いや、違うな、私達は『一足早い』と言われて当然のスピードで到着した」
チョコラータ「遅かったのはボスからの連絡の方だ、これで行動が後手に回った」
チョコラータ「ボスもドジを踏んだものだ」
チョコラータ「…………」
チョコラータ「実に素晴らしい、ボスにはこの調子でドジを踏みまくってもらいたい」
チョコラータ「私の前でうっかり正体を曝け出して、なおかつバナナの皮で滑って転んでくれるようなドジを期待するぞ」
チョコラータ「そうすれば、スキだらけのボスを始末出来る、念願のボスの死ぬ所が見れる」
セッコ「うおっ、うおっ」
チョコラータ「どうした、セッコ、角砂糖が欲しいのか?」
セッコ「ち、違う、あそこにリゾットがいる」
チョコラータ「なにッ!何処だッ!?」
チョコラータ「丁度いい、ヤツも始末の対象だ」
チョコラータ「私は見てみたい!『死を与える側の人間』が死を与えられた所をッ!」
チョコラータ「…………」
チョコラータ「おい、セッコ、リゾットは何処にいるんだ?見当たらないぞ?」
セッコ「おかしい、さっきまでそこにいたのに、いきなり消えた」
セッコ「あいつ、『大きなカバン』を持っていた」
チョコラータ「お前はいいヤツだ、私に嘘なんて付いたりしないのは分かっている」
チョコラータ「よし、セッコ、録画の準備だ、『電池』切れには注意しろよ」
チョコラータ「ヤツはそこらの物陰に隠れているな、ならあぶり出して…」
リゾット「あぶり出す必要はない、既にお前の後ろに来ている」
ブシィッ、ギリィッ
チョコラータ「ぐふおッ…」
リゾット「ここに来るまでに『殺り方』は出来ていた、お前がカビの能力を使う前に始末する」
ドビュッ
チョコラータ「…………」
セッコ「チョコラータが負けた…何も出来ずにあっさりと死んだ…」
リゾット(2人同時に始末したかったが、『鉄分』を操作するのを1人に集中した方がハサミを作るスピードが速い)
リゾット(次はこいつを…)
セッコ「…………」
ドッボオン
リゾット(ちっ、潜られたか…)
セッコ「ふんッ!くそチョコラータ!いくらなんでも弱過ぎるじゃねえーかよォォォ!」
セッコ「そんなカス、もう好きじゃなくなったよッ!ぜーんぜんねェェェェッ!」
セッコ「リゾットの能力はなんだ?ワケが分からねえ…いきなりデカイハサミがチョコラータの首を切りやがった…」
セッコ「チョコラータがやられた時、リゾットの声が聞こえたな…」
セッコ「姿を消して近付き、チョコラータにハサミを入れたのか?あいつの能力は『透明化』なのか?」
セッコ「それにあいつの持っていた『大きなカバン』には何が入っているんだ?」
セッコ「まあ、気にする必要はねえか」
セッコ「たとえ爆弾が入っていたとしても、ドロドロにするから、俺には通用しねえ」
セッコ「リゾットの前に姿を現すのは危険だ、たとえ顔や手だけでもな」
セッコ「なら、ドロドロになった地中に沈めて、スキが出来た所を仕留めてやる」
タッ、タッ、タッ、タッ
セッコ「聞こえるぜ、リゾットの足音がよォォォ、残念だったな、姿を消そうが俺には関係ねえ」
セッコ「こうやって、足音で居場所が分かるからな」
コン、コン、コン
セッコ「あの野郎、何かを地面に置いていやがるな、『カバン』の中身か?」
セッコ「いいぜ!どんな小細工をしようが、何もかも沈めてやる!」
ドボボボボボボボ、ドボボッ
セッコ「さあ、いきなり沈められて、ビクついた顔を見せろ、リゾットッ!」
セッコ「な、何だ?液体の入ったビンが何本も…」
ドロッ、ドロッ、ピチャア、ピチャアアッ
セッコ「うぎああああああ!」
セッコ「こ、これはッ!ビンの中の液体は『硫酸』だッ!」
ズボボボボボッ
セッコ「ひっ、ひいっ、ひい…」
リゾット「地上に出てきたな、お前にとってドロドロの地中は海中のようなものだろ」
リゾット「人間の本能というヤツなのかは分からないが、人間は海中でトラブルがあった時、海上に上がろうとする」
リゾット「終わりだ」
ブシィッ、ギリィッ
セッコ「ぎえッ…」
ドビュッ
セッコ「…………」
リゾット「お前が俺の能力を警戒し、姿を現さずに俺を地中へ沈めようとするのは予想していた、ここに来るまでにな」
リゾット「だから、お前の『殺り方』も出来ていた」
リゾット「お前が地中に潜ったと同時に、俺は『カバン』を隠した場所に移動した」
リゾット「『カバン』の中身は『硫酸の入ったビン』10本と『長いロープ』が1本だ」
リゾット「お前がビンを液状化させたから、中身の『硫酸』がお前にかかった」
リゾット「『硫酸』は液体だ、液体を液状化しても何の意味もない」
リゾット「俺は地面の変化に気付いて、すぐに『ロープ』を使い、地面から逃れた」
リゾット「そして、お前が『硫酸』の苦痛に我慢出来ずに地上に上がるのを待っていた」
リゾット「後はチョコラータと同じだ」
リゾット「…………」
リゾット「この2人の能力を事前に知っていなければ、こんなにあっさりと始末は出来なかった」
本体名 チョコラータ(スタンド名・グリーン・ディ) 死亡
本体名 セッコ(スタンド名・オアシス) 死亡
ブチャラティ「『約束の男』は向こうから俺達を見つけると言っている」
ナランチャ「フザけやがって、その前に俺達が組織の『追っ手』に見つかったらどうするんだよ」
アバッキオ「その時はどうする、ブチャラティ?」
ミスタ「『矢』を諦めて、コロッセオから逃げるか?」
ジョルノ「でも、ボスを倒す方法は他にはありません、『矢』は必要だと思います」
ブチャラティ「『約束の男』より先に『追っ手』に見つかってしまう可能性もある、だが『矢』は必要だ」
ブチャラティ「時間がない、こうなったら『約束の男』に見つけてもらう確率を上げる」
ブチャラティ「『約束の男』は『矢』の使い方を教えるのは1人だけだと言っていた」
ブチャラティ「なら、『約束の男』に見つけてもらうのは俺達の中の1人だけでいい」
ブチャラティ「俺達が1人づつ別々に行動し、『約束の男』に誰か1人を見つけてもらい、『矢』の力を手に入れる」
ブチャラティ「この中で誰が『矢』の力を手に入れても、文句は無しだ、いいな」
ミスタ「ああ、それしかないな」
ブチャラティ「『矢』の力を手に入れたら、すぐ他の仲間に連絡するんだ、直ちに集合して、ここから去る」
ブチャラティ「トリッシュ、亀を見つからない場所に隠す」
トリッシュ「分かったわ、亀の中で待っているわ」
ドッピオ「ボス、ブチャラティ達をコロッセオで発見したそうです」
ディアボロ『ドッピオよ、ヤツ等が何を企んでいるのか、突き止めるのだ』
ドッピオ「はい、コロッセオはここから10分で行けます」
ドッピオ「それと、チョコラータとセッコが死体で見つかったそうです、おそらくはブチャラティ達の仕業でしょう」
ディアボロ『リゾットの仕業かもしれん、ヤツにも注意するのだ』
ディアボロ『リゾットもブチャラティ達がコロッセオにいる事を掴んでいるかもしれないからな』
ドッピオ「はい、ボス」
ブチャラティ「見つけてはもらったが…『追っ手』に見つけてもらうとはな…」
リゾット「俺は組織の『追っ手』ではない、俺は暗殺チームのリーダー、リゾット・ネエロ」
ブチャラティ「どちらにしろ、俺達の味方じゃない」
リゾット「お前等が組織を裏切ったのは知っている、だが『敵の敵は味方』などとは思わない」
ブチャラティ「ああ、敵は同じでも、それ以外が違い過ぎる」
リゾット「俺は姿を現さずにお前を始末しようと思えば出来た、それをしなかったのはお前に質問する為だ」
ブチャラティ「俺の返答次第ではすぐに拷問になるワケか?」
リゾット「拷問はない、答えようが答えまいが質問の次は始末だ」
リゾット「ただ軽く、お前等がここに何をしに来たか、興味が湧いただけだ、答えたくなければそれでもいい」
リゾット「このまま、始末に…」
ブチャラティ「『スティッキィ・フィンガーズ』!」
シュバッ
リゾット「…………」
リゾット「もういい、質問は終わりだ」
ブチャラティ「…………」
リゾット「お前のスタンドの射程距離は2メートルだったな」
リゾット「ギリギリ射程距離外だ、今の不意打ちで俺はカスリ傷一つ負っていない」
リゾット「俺がお前のギリギリ射程距離外まで近付いて、話をした理由は…」
リゾット「一気に終わらせる為だ」
ブシィッ
ブチャラティ「な、なにッ…」
ブチャラティ「『スティッキィ・フィンガーズ』!」
ズバッ
カキャンッ
ブチャラティ「バカなッ!ヤツが消えたッ!?」
リゾット「『スティッキィ・フィンガーズ』で、ハサミを取り出したか」
リゾット「ハサミを取り出させない為にここまで近付いたが、お前の反応は予想以上だった」
リゾット「お前の反応がもう少し遅かったら、首を切って終わりだったものを」
ブチャラティ(いつのまに俺の首にハサミを入れたんだ…)
ブチャラティ(いや、これは列車で『針』を体の中に入れられた時のような感覚とは違う)
ブチャラティ(このハサミは『入れられた』のではなく『作られた』んだ)
ブチャラティ(ジョルノの『ゴールド・エクスぺリエンス』のように、『靴』を『ハエ』にするようなものだ)
ブチャラティ(『血液』か何かでハサミを作ったに違いない)
ブチャラティ(しかも相手に触れる必要もない、まさに暗殺向きのスタンドだ)
ブチャラティ(ヤツは俺に『ハサミを取り出させない為にここまで近付いた』と言った)
ブチャラティ(距離が近い程、ハサミを作るスピードが速いワケか)
ブチャラティ(まずいッ!ハサミを取り出そうが関係ない!『作られた時点で攻撃は終わっている』!!)
ブクッ、ブク
ブチャラティ「くっ…」
ズバッ
カラッ、カン、カンッ
ブチャラティ(今度はカミソリか、だが、作られるスピードはさっきより遅かった)
ブチャラティ(どうやら、ヤツは俺から距離を取ったようだな)
ブチャラティ(ヤツは俺が『スティッキィ・フィンガーズ』でハサミやカミソリを取り出せるのを知っている)
ブチャラティ(ハサミで俺の首を切れなかったから、ヤツは『殺り方』を変えた)
ブチャラティ(もしハサミやカミソリが『血液』で作られているとしたら、どうなるか)
ブチャラティ(人間は『血液』の1/2~1/3が失われると失血死する)
ブチャラティ(このまま、ハサミやカミソリを作り続けられたら、間違いなく俺は死ぬ)
ブチャラティ(急いで本体を叩かなければ!)
ブチャラティ(だが、ヤツはどこだ?どうやって姿を消している?)
ブッ、ブブ
ブチャラティ「まただッ!」
ズバッ
カキンッ、カンッ、カキン
ブチャラティ「これで、3度目…」
ブチャラティ「はあ…はあっ…はあ…」
ブチャラティ(これ以上、作られるワケにはいかない…)
ブチャラティ(よく周りを見るんだ…何かヤツを見つける手掛かりが…)
リゾット(あと1回、『鉄分』を奪えば、ブチャラティは動けなくなる)
ブチャラティ「…………」
ダッ、タタタッ、タタッ
リゾット(ブチャラティ!俺の位置が分かったのかッ!?)
リゾット(大雑把ではない!こちらへ真っ直ぐ向かって来ているッ!)
リゾット(ちぃッ!)
リゾット「『メタリカ』!」
ブオッ
ブチャラティ「『スティッキィ・フィンガーズ』!」
アリアリアリアリアリアリアリアリ
アリアリアリアリアリアリアリアリ
アリアリアリアリアリアリアリアリ
アリアリアリアリアリアリアリアリ
ズドオオオオン
ブチャラティ「アリーヴェデルチ!(さよならだ)」
リゾット「ガハッ…な、何故…俺の位置が分かった…」
ブチャラティ「最初の不意打ちは俺も『失敗』だと思っていた、だが『成功』だったんだ」
ブチャラティ「貴様のコートをよく見てみろ」
リゾット「コートだと…こ、これは…ジッパー…『スティッキィ・フィンガーズ』が付けたのか…」
ブチャラティ「小さいジッパーだったんで、俺も最初は気付かなかった」
ブチャラティ「貴様がどうやって姿を消していたかは分からなかったが、おそらくスタンド能力によるものだろう」
ブチャラティ「俺の付けたジッパーもスタンド能力によるものだ、だからジッパーだけは消せなかった」
リゾット(俺は『磁力』で『鉄の粉』を操作して、光学迷彩のように姿を消していたが、ジッパーの部分だけは操作出来なかったのか…)
リゾット「ブチャラティ…お前…『メタリカ』の攻撃を気にせず、俺を攻撃してきたな…」
リゾット「まるで、相打ちを『覚悟』した、攻撃だった…」
ブチャラティ「今更だな、お互いに『覚悟』は出来ていたハズだ」
リゾット「『覚悟』はボスに反逆を決意した時から出来ていた…俺だけでなく仲間全員が…」
ブチャラティ「そうか…」
リゾット「…………」
ブチャラティ「…………」
本体名 リゾット・ネエロ(スタンド名・メタリカ) 死亡
ドッピオ「ボス、見つけました、あいつは確か、ジョルノ・ジョバーナです」
ディアボロ『ドッピオよ、確認するのだ』
ドッピオ「間違いありません、ジョルノです」
ディアボロ『そうではない、周りを確認するのだ、誰もいないか?』
ドッピオ「はい、確認しましたが、ここには誰もいません」
ディアボロ『では、今から私がそこに行く』
ドッピオ「ボス?」
ディアボロ『ジョルノ・ジョバーナは最初から『裏切る』つもりで私の組織に入団して来たヤツだ』
ディアボロ『この私、自らが始末しなければ気が済まない』
ドッピオ「僕はどうしたら、いいですか?」
ディアボロ『ドッピオよ、しばらく休むのだ、ゆっくりとな…』
ドッピオ「…………」
ヒククッ、ギャキィ、ギギギ、グゴゴゴ
ディアボロ「ジョルノ・ジョバーナ…」
ディアボロ「ジョルノ・ジョバーナ、貴様の目の前に誰がいるか分かるか?」
ジョルノ「ボス…ディアボロ…」
ディアボロ「その名前を誰に聞いた?誰かに会いにここへ来たらしいが、そいつから聞いたのか?」
ジョルノ「…………」
ディアボロ「そいつの事はブチャラティにでも聞くとしよう、貴様は始末する」
ディアボロ「もう貴様は何処にも向かえはしない、『帝王』に出会ってしまったら、そこが『終わりの場所』だ」
ジョルノ「僕はもう何処にも向かう必要はない」
ジョルノ「あんたの言うとおり、僕は目的地である『終わりの場所』に辿り着いた」
ジョルノ「『あんたのいる場所』に『新しい力』と共に辿り着いた」
ブワアアアアアア
ゴールド・E・レクイエム「…………」
ディアボロ(これがジョルノ・ジョバーナのスタンドか、たかが生命を与える能力で、我が『キング・クリムゾン』に歯向かうとは)
ディアボロ「ジョルノ・ジョバーナ、『終わりの場所』は貴様の為だけに存在する」
ディアボロ「『帝王』に『終わりの場所』は存在しない」
ジョルノ「…………」
この後は原作と全く同じ戦いなのでカット
ジョルノ「何ですってッ!!」
ディアボロ「何だとッ!!」
この戦いの後、ジョルノがパッショーネの新しいボスとなった
ブチャラティがそれで良いって言うならついていくと、アバッキオ、ナランチャ、ミスタも反対しなかった
ジョルノがディアボロを倒した事を高く評価したのかもしれないが
ブチャラティは副長となり、ジョルノを補佐している
トリッシュは以前の生活に戻っていったが、ジョルノ達をかけがえのない友人と思っている
ポルナレフは組織に入らず、SPW財団を通じて、承太郎やジョセフと再会した
フーゴがジョルノの部下になるのはもう少し先である
ディアボロは今日も何処かで死んでいる…
ディアボロ編 完
プッチ編
徐倫「『スタープラチナのDISK』と『記憶のDISK』、この2枚のDISKを何とか刑務所の外へ持ち出さないと」
F・F「『記憶のDISK』はあの場所には置かないハズなんだ」
F・F「どうして『空条承太郎の記憶のDISK』が紛れ込んでいたのか分からない」
エルメェス「大掃除の時にたまにあるじゃないか、いらなくて捨てる物の中に大事な物をうっかり混ぜて、一緒に捨ててしまう」
エルメェス「それと同じだったりしてな」
徐倫「うっかり、あの場所に『記憶のDISK』を混ぜたのなら、『ホワイトスネイク』ってドジよね」
エルメェス「そうだよな、そんなドジなヤツが相手なら案外、楽に倒せるかもな」
プッチ「無い…『空条承太郎の記憶のDISK』が無い…」
プッチ「まさか、『スタープラチナのDISK』と混ぜて、あの場所に置いて来てしまったのか…」
プッチ「もし、そうだとしたら、空条徐倫は2枚のDISKを手に入れている事になる」
プッチ「なんとしても、取り戻さなければならない」
プッチ「空条徐倫は面会も電話も制限されている、彼女が2枚のDISKを刑務所の外に出すにはカネがいる」
プッチ「他の囚人にカネを渡して電話の順番を手に入れ、外部に連絡を取って、2枚のDISKを刑務所の外に持ち出す」
プッチ「なら、空条徐倫が動き出したら、2枚のDISKを取り戻す」
プッチ「その為には私が空条徐倫に電話の順番を手に入れるカネを渡してやらなければいけない」
プッチ「500ドルあれば足りるな」
プッチ「DISKで操った看守か囚人を使って渡せばいい、ワザと『バレるとまずいモノ』を見せて、口止め料として渡す」
プッチ「これでいい、必ずうまくいく」
プッチ「それにしても、私のロザリオは何処にあるんだ…」
プッチ「確か、ミラションと仮釈放の件で話をしていた時まではあったハズだが…」
エルメェス「儲けたな!徐倫!500ドルも『口止め料』を貰うなんてさ!」
徐倫「2枚のDISKもあっさり手に入ったし、500ドルも転がり込んできた、なんか最近のあたしってツイてるわ」
エルメェス「徐倫は面会も電話も制限されているから、DISKを外に持ち出すにはカネが必要だ」
エルメェス「いいぞ、500ドルもあれば、十分お釣りがくる」
F・F「必要なカネは手に入れた、それで徐倫、これからどうする?」
徐倫「…………」
徐倫「みんなでエンポリオの所に行きましょう」
エルメェス「エンポリオの所?」
徐倫「そこでしか話せない、大事な話があるわ」
プッチ「カネを渡すのは無事に成功した、あとは空条徐倫の行動を待てばいい」
プッチ「空条徐倫がDISKの記憶を読んだのなら、私も計画を早めなければならない」
プッチ「既にスポーツ・マックスに『リンプ・ビズキット』を使わせた」
プッチ「『DIOの骨』のある『懲罰房棟』でこれから何かが起こるッ!」
プッチ「その何かが起こった時こそ、始まりなのだッ!『天国』への道のッ!」
プッチ「DアンGにソレを目撃させ、生まれたモノがあれば『ヨーヨーマッ』で回収させればいい」
プッチ「…………」
プッチ「行方不明の私のロザリオも回収してくれたらいいのにな…」
プッチ「何ですって?脱獄者が?」
看守A「はい、どうやって、脱獄したのかは不明ですが、5名もです」
プッチ「その脱獄者5名の名前を伺ってもよろしいですか?」
看守A「空条徐倫、エルメェス・コステロ、エートロ、ウェザー・リポート、ナルシソ・アナスイです」
プッチ「…………」
プッチ「は?」
看守A「これ以前に行方不明になった、スポーツ・マックスもまだ見つかっていません」
プッチ「スポーツ・マックスが行方不明?」
看守A「ご存知ありませんでしたか?」
プッチ「…………」
徐倫「ミューミューの能力は大したモノね、あっさりと脱獄出来たわ」
エンポリオ「まさか、ミューミューを5人かがりで襲うなんて…しかも不意打ち…」
徐倫「こうでもしないと脱獄出来なかった、仕方ないわ」
徐倫「早くこの2枚のDISKをスピードワゴン財団に渡さないと」
徐倫(ちょっとした買い物で30ドル使ったから、残りは470ドルか…)
エルメェス「みんな、あたしの復讐に巻き込んで悪かったな」
徐倫「あたしはあんたがスポーツ・マックスにやられるのがイヤだった、だから気にしなくていいわ」
F・F「まさか、スポーツ・マックスもスタンド使いだったとはな」
徐倫「ウェザーが天候を操ってくれたおかげで、『見えない死骸』の位置を掴めたわ、ありがとう」
ウェザー「いや、ヤツも『ホワイトスネイク』の部下かもしれなかったからな、確かめる目的もあった」
徐倫(ウェザー・リポート、彼には記憶がなく、自分が何者か知りたがっている)
徐倫(おそらく彼の記憶は『ホワイトスネイク』が奪った、だから彼はあたし達に協力してくれている)
アナスイ「徐倫、俺も協力したんだ、何でもいいから、俺にも話しかけてくれ」
徐倫「えっと、アナスイ、貴方も協力してくれて嬉しいわ」
アナスイ「その言葉を脱獄してから、ずっと聞きたかった」
徐倫(ナルシソ・アナスイ、彼もあたし達、正確に言えば、あたしに協力してくれている)
徐倫(あたしの事を初めて見た時から気に入っていたらしい)
徐倫(なぜ、あたしが脱獄を決意したかと言えば、この2枚のDISKが原因だ)
徐倫(おそらく、あたしが2枚のDISKを持っているのを『ホワイトスネイク』は気付いている)
徐倫(『ホワイトスネイク』は必死になって、DISKを取り返しに来るだろう、それこそ、手段を選ばずに)
徐倫(刑務所は『ホワイトスネイク』にとって、庭のような場所、あたしにとって圧倒的に不利だ)
徐倫(このままではDISKを刑務所の外に出す前にやられてしまうと感じた)
徐倫(父さんの『記憶のDISK』から『ホワイトスネイク』の目的が分かった)
徐倫(『天国』へ行く、それが『ホワイトスネイク』の目的だ)
徐倫(今、刑務所で『ホワイトスネイク』は『天国』へ行く為の準備をしているハズ)
徐倫(けど、DISKを守る為には脱獄するしかなかった)
徐倫(北緯28度24分西経80度36分の場所で待っていれば、『ホワイトスネイク』は必ずやって来る)
プッチ「これが、DアンGの『ヨーヨーマッ』が持ち帰った『骨から生まれたモノ』か…」
プッチ「目覚める前に回収出来たのは幸運だった、目覚めてからだと『ヨーヨーマッ』ではおそらく回収出来なかった」
プッチ「『天国へ行く方法』、何事もなく手に入れられた、空条徐倫の脱獄は私にとっては好都合だったかもしれない」
緑色の赤ん坊「…………」
プッチ「まだ不完全で未熟だが、あとは空条承太郎が封印した記憶に従って……」
プッチ「DIO!君を目覚めさせ、私が使いこなすだけだ」
プッチ「…………」
プッチ「『らせん階段』 『カブト虫』『廃墟の街』『イチジクのタルト』…」
プッチ「『カブト虫』 『ドロローサへの道』『カブト虫』『特異点』…」
プッチ「『ジョット』 『天使』『紫陽花』『カブト虫』『特異点』『ロザリオ』…」
緑色の赤ん坊「…………」
プッチ「…………」
プッチ「あれ?」
プッチ「どうして、何も起こらないんだ?『14の言葉』が間違っているのか?」
プッチ「いや、忘れないようにこの言葉を私のスタンドそのものに傷として刻みつけたのだから間違っているワケがない」
プッチ「おかしい…」
エルメェス「SPW財団が用意してくれた隠れ家に来て1週間になるけど…」
エルメェス「『ホワイトスネイク』のヤツ、襲撃してこないな」
F・F「もしかしたら、『記憶のDISK』は必要ないから、あそこに置いたのかもしれないよ」
エルメェス「『天国に行く方法』が分かりさえすれば、もう必要なかったワケか?」
F・F「脱獄してから、スタンド使いが一度も襲撃してこないのも、それが理由かもね」
エルメェス「じゃあ徐倫はもう『ホワイトスネイク』に狙われなくて済むのか?」
F・F「『ホワイトスネイク』は『天国』を優先しているだけで、そっちが終われば、必ず徐倫を狙ってくる」
F・F「このまま、徐倫を放っておくワケがない」
エルメェス「『ホワイトスネイク』が『新月』にケープ・カナベラルにやって来るのは分かっている」
エルメェス「でも、あたし達は『ホワイトスネイク』の正体を掴んでいない」
エルメェス「これじゃあ、戦いようがない」
F・F「回復した承太郎さんが3日前に来た時に言っていたじゃないか」
F・F「『ホワイトスネイク』の正体を調べているって」
F・F「今は承太郎さんを信じて待とう」
エルメェス「そうだな、頼んだぜ、承太郎さん」
看守B「おはようございます、お髪が伸びましたね?何日ぶりの本土帰宅ですか?神父様」
プッチ(この私とした事が何という間違いをしていたのだ、最後の言葉は『ロザリオ』ではなく『秘密の皇帝』だった)
プッチ(かなりのロスをしてしまったが、『新月』まではまだ時間がある)
プッチ「それと、お願いしたい事があるのですが」
看守B「なんでしょう?」
プッチ「もし、私のロザリオを見つけたら、保管しておいて下さい」
看守B「はあ…」
徐倫「父さん、みんなを集めたって事は『ホワイトスネイク』の正体が分かったのね」
エルメェス「承太郎さん、『ホワイトスネイク』は誰なんだ?」
承太郎「徐倫達が脱獄した日から最近までの、長期休暇を取った職員を調べた」
承太郎「既に『ホワイトスネイク』は刑務所から出て、ケープ・カナベラルを目指しているハズだ」
承太郎「私は『ホワイトスネイク』の正体は囚人ではなく職員だと考えていた」
承太郎「徐倫達から刑務所での『ホワイトスネイク』の行動を聞いた」
承太郎「いくらスタンド使いでも、職員でなければ、ここまで自由に動けない」
承太郎「それに囚人が旅行気分でケープ・カナベラルに行けはしない、たとえ脱獄出来ても、リスクが高過ぎる」
アナスイ「なるほどな、流石は徐倫の父親だ」
承太郎「G.D.st刑務所の教誨師、エンリコ・プッチが数日前から長期休暇を取った」
承太郎「『新月』までの時期的にも間違いない、この男が『ホワイトスネイク』だ」
徐倫「エンリコ・プッチ…」
エンポリオ「まさか、神父が『ホワイトスネイク』の正体だったなんて…」
ウェザー「…………」
承太郎「今から、ケープ・カナベラルに向かえば、ヤツより先に着ける」
徐倫「行きましょう、父さん、ジョースターとDIOの因縁を終わらせる為に」
エンポリオ「神父、来ないね…」
エルメェス「『新月』まで後1時間だぞ、ギリギリまでやって来ないつもりか?」
ウェザー「後1時間、気を抜かずに見張らなければならない」
F・F「でも、承太郎さんの言う通り、変装しておいてよかった、誰もあたし達に気付いてないよ」
アナスイ「ここにも俺達の手配書は回っているハズだからな、変装してなかったら、どうなっていたか…」
徐倫「父さん、どう思う?」
承太郎「私達が先にケープ・カナベラルに到着している事に神父は気付いているハズだ」
承太郎「私達の気付かない所で神父は…」
ゴバッ、ドドドッ、バアアアン
F・F「うわっ!?」
エルメェス「な、何だ!?体が落ちて…」
承太郎「みんな!柱に捕まるんだ!」
エンポリオ「ダメだ!間に合わないよ!」
ウェザー「『ウェザー・リポート』!」
ビュウウウッ、ビュオオオオッ
ウェザー「人間が飛ばされる程の暴風だ、柱の近くまで飛ばしてくれる」
F・F「はあ…間一髪だった…」
徐倫「助かったわ、ウェザー」
アナスイ「こ、これは!駒の置いてあるチェスボードを垂直に立てたようにみんな落ちていくぞッ!」
承太郎「これは『重力』を操っている、スタンド能力だな」
エルメェス「『ホワイトスネイク』の能力とは違う!別のスタンド使いが来てるっていうのか!?」
承太郎「いや、神父は『天国』へ行くために刑務所で何かをした、その結果、スタンドに変化が起きたのだろう」
徐倫「いたわ!あそこにッ!」
プッチ「…………」
エンポリオ「ホントだ!ここから10メートルくらい離れた場所にいるよ!」
アナスイ「堂々と姿を現わすとは、随分と余裕があるな」
ウェザー「この能力なら、その余裕も分かるが…」
プッチ(物陰に隠れたつもりだったが、見つかってしまったか…)
プッチ(新月までに何とか間に合った…)
プッチ(ここまで散々だった…病院でDIOの息子達に出会った時は『運命』に感謝したが、すぐに呪った)
プッチ(ウンガロに『天国』へ行くのが目的と言ったら、また私をハサミで刺してきた)
プッチ(『俺が神父を天国へ送ってやるぜ』『神父は死んだら、絶対に天国に行けるぜ』などと言っていた)
プッチ(あそこまでイカれていたとはな…)
プッチ(その後、ウンガロは駆けつけた警官に射殺されたが、私は数日間、入院生活を送るハメになった)
プッチ(リキエルは入院生活を送るハメになった私を元気付けようとして、ロッズを使い、芸を披露した)
プッチ(私はロッズに体温を奪われ、体調が悪化した)
プッチ(これだけでは済まなかった、体調最悪の私をヴァルサスが攻撃してきた)
プッチ(今なら勝てると思ったのだろう、私は裏切られるなんて思ってもいなかった)
プッチ(リキエルとヴァルサスが戦いに突入したが、相打ちで2人共死んだ…)
プッチ(『運命』は私に『味方』してくれているのではなかったのか?ちょっとおかしいぞ)
プッチ(どうやら、ヤツ等は変装しているようだが、今の私はヤツ等の位置を知る事が出来る、変装など無意味だ)
プッチ(だが、この状況は私にとって、かなり不利だ、承太郎がいる)
プッチ(私の思い通りに事が進んでいるように見えているが、進んでいない)
プッチ(空条徐倫に『記憶のDISK』を渡してしまい、脱獄のきっかけを作ってしまった…)
プッチ(最後の言葉を『ロザリオ』と間違えた…)
プッチ(DIOの息子達に出会って、数日間の入院生活を送るハメになった…)
プッチ(能力の完成前に回復した承太郎と戦わなければならなくなった…)
プッチ(これも『試練』なのか?『天国』へ行く為の『試練』とは、これほどまでに過酷なものなのか?)
プッチ(いくら『C-MOON』でも、時を止められたら、無力だ)
プッチ(だが、ここまで『試練』を乗り越えたからこそ、私はここにいるのだ、このまま終わらせはしない)
プッチ「この、最後の『試練』、私は乗り越え…」
ガタッ、バサッ
プッチ「ぶふおっ…」
エルメェス「神父が躓いてダンボール箱にはまった!?」
F・F「器用に体が曲がって、すっぽり入ってる…」
エンポリオ「これって、神父の作戦なのかな?」
徐倫「作戦じゃないわ、ただの失態よ」
アナスイ「『ホワイトスネイク』はこんなにドジなヤツだったのか…」
ウェザー「俺はこんなヤツに記憶を…」
承太郎「やれやれだ…」
ブワアアアアア
エンポリオ「ダ、ダンボール箱と一緒に神父が浮いている…」
エルメェス「プッ、プププッ、ププッ」
徐倫「アハハッ!こ、これって、ギャグのつもりかしら!?」
アナスイ「さ、最近の神父はギャグまでこなすとはな!ハッハハハッ!」
F・F「フッ、フハハハッ!いいギャグセンスしてるよ!」
承太郎「待て!様子がおかしいぞ!」
徐倫「と、父さん、言わなくても分かるわよッ!あんなのおかし過ぎるわ!アハハハッ!ハハハハハッ!!」
ウェザー「まさか、あのまま逃げるつもりか?」
プッチ「そうか、そうだったのか、『試練』は終わっていたのだ…」
プッチ「『運命』は、やはり、この私の『味方』だったのだ…」
プッチ「『重力』は私を中心に働いている」
プッチ「驚いた!……つまり…たとえば、私がダンボール箱の中に入れば、ダンボール箱は私ごと宙に持ち上がるッ!」
プッチ「理解したぞ、DIOッ!」
プッチ「『新月』まで、後1時間だが、もう待たなくていいッ!」
プッチ「私に必要なのが『新月』の時の『重力』の影響というのなら………!!」
プッチ「このまま、宙に浮いて、同じ『重力』の条件を体で感じて探せばいいッ!」
プッチ「『新月』と同じッ!『重力』の影響の位置をッ!」
エンポリオ「神父が展示用シャトルに乗り込んだよ!」
エルメェス「お、おい、神父のヤツ、展示用シャトルで何をやるつもりだ!?」
F・F「ここから、展示用シャトルまで離れ過ぎている、もう間に合わない!」
アナスイ「俺達を油断させる為にワザと躓いてダンボール箱にはまったのか!」
ウェザー「いや、アレは本当に躓いていた、ダンボール箱にはまったのも意図したものじゃない」
ウェザー「『運命』がヤツの思い通りに動いている…」
徐倫「でも新月までは、まだ時間があるじゃない!」
承太郎「あのダンボール箱に乗って、宙に浮いている時にヤツは見つけたんだ」
承太郎「『新月』と同じ『重力』の影響の位置を」
エンポリオ「これから、一体何が起こるんだ?」
徐倫「父さん…」
承太郎「DIOの『天国へ行く』という目的がヤツの手で実現されるのか」
カッ、ゴオオーーーーオオオオォォ
徐倫「…………」
徐倫「ここは!?」
アナスイ「神父の野郎は?スペースシャトルは何処だ?」
承太郎「シャトルなら、あそこだ」
F・F「『重力』が元に戻っている、これって…」
エルメェス「神父のヤツは何処だよ!?逃げやがったのか!?」
ウェザー「おかしい、太陽がいつの間にか夕陽になっている」
エンポリオ「いくらなんでも、早過ぎるよ」
承太郎「今の時間は…」
グルウウーーーーーーウッ
承太郎「この時計の針の動きは!?」
アナスイ「まさか、す、既に!!あの時からッ………神父の能力がシャトルの時から既にッ!」
ウェザー「そう考えていい、全てのモノが早く動いている、これが神父の能力の『完成』だろう」
F・F「太陽が沈んだッ!ついさっきまで夕陽だったのに!」
アナスイ「星々がもう出ているッ!」
承太郎(何もかもが早く動いているだけじゃない……『時間』だ……それも『加速』しているッ!)
承太郎(『時の流れ』がッ!どんどん早くな…)
F・F「お、おい、何だか分からないけど、ここで動かずにいるのはヤバイぞ、早く移動しよう」
エルメェス「そうだな、見晴らしのいい屋根の上に登った方がいい、神父を見つけられるかもしれないしな」
ウェザー「屋根の上では逃げ道がなくなるが、ここにいたとしても逃げ道はないな」
アナスイ「逃げ道を探す前に神父を倒す方法を探すべきだ」
エンポリオ「早く屋根の上に上ろうよ!」
徐倫「父さん、早く!」
承太郎「そうだな…」
ウェザー「承太郎さん、神父の能力をどう見る?」
承太郎「神父の能力は『時間を加速させる』で間違いないだろう」
承太郎「しかし、あくまで加速しているのは時間だ、神父自身は加速していない」
承太郎「時計の針や太陽の動きを見る限り、生物だけが『時間の加速』についていけない、ついていけるのは神父本人だけだ」
承太郎「神父は周囲から見ればとんでもないスピードで動いて見える」
承太郎「逆に神父から見れば、周囲の生物は異常に遅く見えている」
承太郎「神父に奇襲をかけても、カタツムリがチーターに奇襲をかけるようなモノだ」
承太郎「通常の攻撃はまず当たらない」
承太郎「だが、神父はこの屋根の上に登って来るのも用心している」
承太郎「私の能力が数秒だけ『時を止められる』事を知っているからだ」
エルメェス「神父に攻撃を当てられるのは、『時が止められる』承太郎さんだけというワケか」
F・F「なんとか、神父の『動き』を見て、神父が射程距離に入ったら、承太郎さんが時を止めて倒す」
徐倫「それ以外にはないわね」
ウェザー「神父が承太郎さんの能力を知っているなら、そう簡単には射程距離には入って来ないだろう」
ウェザー「俺や徐倫の能力も神父に知られている、対抗策は練られていると考えていい」
ウェザー「だが、エルメェス、F・F、アナスイ、エンポリオの能力はまだ知られていない」
ウェザー「ミューミューを5人で不意打ちした時は速攻で倒した」
ウェザー「神父はミューミューからアナスイ達の能力を聞き出せてはいない」
承太郎「なら、エルメェス、F・F、アナスイ、エンポリオの能力が神父を倒す鍵になる」
アナスイ「…………」
アナスイ「思いついたぞ、ひとつだけヤツを殺る方法がある」
エンポリオ「えっ?」
徐倫「アナスイ、どうするの?」
エンポリオ「『拳銃の幽霊』!!」
ドゴオォーーーッ
エンポリオ「みんな、捕まるんだーーーーーッ!!お互い絶対に離しちゃだめだァァァーーッ」
エルメェス(ここで、弾丸に貼ったシールを剥がす!)
べシィ
ゴオーーーーーーッ
プッチ「…………」
ドオオーーーーーーッ
ウェザー「やはり、追って来ているな、これでいい」
エルメェス「『キッス』の戻る早さはスタンドだから加速していないッ!あたし達の動きと同じだッ!!」
アナスイ「F・Fッ!『F・F弾』を撃て!当たらなくても、弾幕代わりにはなる!」
F・F「わ、分かった、『F・F弾』!」
ドバ、ドバ、ドバ、ドバ
アナスイ(弾丸を撃って、弾丸のシールを剥がす、これを繰り返して、このまま『海』へ移動すれば!)
アナスイ(『ダイバー・ダウン』!)
アナスイ(なんとか、7人全員の体内に『ダイバー・ダウン』を潜り込ませた)
アナスイ(これでいい、順番が誰から攻撃されようと、まず『ダイバー・ダウン』が最初のダメージを引き受ける)
アナスイ(ヤツが俺に攻撃を加えた瞬間、承太郎さんに『合図』を送る)
アナスイ(『合図』は『ダイバー・ダウン』を通じて感覚として、承太郎さんの体内で分かるハズだ)
アナスイ(『合図』を送った瞬間、承太郎さんが『時を止めて』、あの野郎を殺る)
エンポリオ「もうすぐ海だけど…」
エンポリオ「アナスイ、いきなり致命傷が来るかもしれないんだ…そうなったら、君は…」
アナスイ「かもな、だが急所まで達しないうちに『合図』を送れるかもしれない…」
アナスイ「俺は前向きに考える」
F・F「前向きって…いくらなんでも相手が悪過ぎる…」
ウェザー「すなまい、アナスイ、俺が神父を倒す方法を思いついていれば…」
エルメェス「クソッ、どうしてあたしは賢くないんだッ、賢かったら、あんな神父を倒す方法の一つや二つ…」
アナスイ「俺は神父を殺って生き残った後の事を考える…その時は徐倫に結婚を申し込むとするかなああ」
アナスイ「ククク……ハハ…とか言ったりして…ハハ」
徐倫「いいわ」
アナスイ「…………」
徐倫「いいわ、アナスイ…申し込んで……この状況で『絶望』しているから言っているんじゃない……」
徐倫「貴方の考えには希望がある、暗闇なんかじゃあない…」
徐倫「道が一つしかなくても、それに微かでも考えがあるなら、それはきっとうまくいく道」
アナスイ「…………」
承太郎「…………」
徐倫(でも、悪い予感がしてならない…)
徐倫(神様にお祈りをすれば、『運命』があたし達に『味方』してくれるかな?)
アナスイ「いるそーーッ!既にあの岩の上にいる!エンポリオーーッ」
ガアーーーン
ドバ、ザババババ
ウェザー「なんとか、海に到着出来た、だが、ここからだ」
アナスイ「7人全員に潜り込ませているがギリギリなんだ!」
アナスイ「もっと固まれッ!俺のそばに寄るんだッ!」
アナスイ「右に回り込んでいるぞォオーーッ」
エルメェス「く……来るぞッ!」
承太郎「なるほど……周囲が『水』なら……飛沫のせいでヤツの移動方向が分かり易くなった」
アナスイ「まだだ、承太郎さん………!!まだ時を止めてはダメだッ!」
アナスイ「逃げられたら、そこで終わりだッ!ヤツの体は掴まなくっちゃあダメだ」
アナスイ「『合図』を体で感じて下さい」
ウェザー「おかしいぞ、雲の動きが急に早くなった、それに東の空が明るい」
F・F「太陽が凄い早さで昇って来た!神父のヤツ、加速のスピードを上げたんだッ!」
エンポリオ「な……波の動きが見えないッ!」
エンポリオ「押し寄せたり引いたりする波の動きが早過ぎるッ!ヤツの移動が分からないッ!」
ウェザー「波がダメなら…『ウェザー・リポート』!」
ポッ、ポ、ポッ、ポッ
ウェザー「視界の邪魔にならない程度の雪を降らした」
ウェザー「ここなら、海水に雪が溶けて、積もる心配もない」
ウェザー「この雪はスタンド能力によるものだから、『キッス』の戻る早さと同じで加速しない」
ウェザー「いくら、加速していようが、雪に当たらずに移動は不可能だ」
ウェザー「神父が雪に当たれば、それで移動が分かるハズだ」
エンポリオ「ね、ねえ、神父の動き、おかしくない?」
エルメェス「神父のヤツ、円を描くように動いているぞ!」
F・F「この円、あたし達を中心に小さくなって来ているッ!」
エンポリオ「これじゃあ、どの方向から来るか、よく分からないよ!」
アナスイ「覚悟を決めろ!!」
アナスイ「承太郎さん、まだだッ!まだだぞッ!俺の『合図』を待て」
バリッ
アナスイ「今だッ!時を止め……………」
承太郎(『スタープラチナ・ザ・ワールド』!)
ドーーーーーン
承太郎「掴んだッ!!くらえ、プッチ神父ッ!!」
オラオラオラオラオラオラオラオラ
オラオラオラオラオラオラオラオラ
オラオラオラオラオラオラオラオラ
オラオラオラオラオラオラオラオラ
承太郎「徐倫を攻撃したか、やれやれ…こんなに怒ったのはDIOの時以来だ」
承太郎「時は動きだす」
ブシャアアアアアアッ
プッチ「ぐあばああああ」
プッチ(う、裏切ってしまった…)
プッチ(『運命』は私の『味方』だった…それを裏切ってしまった…)
エルメェス「や、やったぞ!神父を倒したぞ!」
エンポリオ「僕達は勝ったんだ!」
F・F「神父はどう見ても致命傷だ!もう完全に終わりだ!」
承太郎「徐倫のダメージはアナスイが引き受けてくれた」
承太郎「おい、アナスイ、大丈夫か!?」
徐倫「アナスイ!」
アナスイ「承太郎さん、いいタイミングで時を止めてくれた、急所に達する前だった」
ウェザー「ツイてて、よかったな、アナスイ」
プッチ「く…空条徐倫…な…何故…この…ロザリオを…も…持っていた…?」
エンポリオ「し、神父が!?」
アナスイ「心配するな、もうヤツは何も出来ない」
エルメェス「あいつが持っているロザリオって、確か…」
徐倫「脱獄する前にあたしがミラションっていう囚人から、30ドルで買ったモノね」
徐倫(『運命』があたし達に『味方』してくれるようにポケットから出して、左手で握ってたんだっけ)
徐倫「それ、あんたのだったの?」
プッチ「わ…私の…ロザリオが…ガハッ…」
F・F「神父が沈んでいく、海が神父の墓標か」
ウェザー「貴様に奪われた記憶は戻らなかったが、もういい」
ウェザー「今の記憶を誇りにして、俺は生きていく」
承太郎「本当に色々あったが、やっと終わったな…」
ナレーション「本来なら、プッチが勝利する『運命』だった」
ナレーション「プッチは円を描きながらの移動で、徐倫達を観察しながら近付いていき」
ナレーション「アナスイのスタンドが徐倫達に潜り込んでいるのを見て、アナスイの能力を理解する」
ナレーション「これにより、徐倫達の『プッチを殺る方法』はプッチに見破られてしまった」
ナレーション「プッチは徐倫達がスタンドを出して防御しているのを見て、ソレを利用する事にした」
ナレーション「自分ではなく、徐倫のスタンドを動かして、アナスイを攻撃する」
ナレーション「アナスイは承太郎に『合図』を送り、『時を止めて』攻撃させるが、承太郎は徐倫のスタンドを掴んでしまう」
ナレーション「これで1手遅らせる」
ナレーション「ナイフを空中に投げて、徐倫に刺さるように仕込んでおく」
ナレーション「徐倫に刺さろうとするナイフを見た承太郎は必ず徐倫を助ける、これでさらに1手遅らせる」
ナレーション「2手遅れた承太郎は自分を攻撃出来ずに終わる」
ナレーション「時が動き出したら、すぐに全員始末する」
ナレーション「本来なら、この結末だった、しかし、プッチは見てしまったのだッ!」
ナレーション「徐倫が自分のロザリオを手にしているのをッ!」
ナレーション「自分が探していたロザリオを宿敵のジョースターが持っていた、それをプッチは許せなかった」
ナレーション「プッチは怒りに我を忘れてしまった」
ナレーション「徐倫のスタンドを動かすのもせず、ナイフを仕込むのもせず、徐倫からロザリオを奪い返した」
ナレーション「怒りが収まらないプッチは、そのまま自らの手で徐倫を攻撃してしまったのだ」
ナレーション「これが『合図』となり、承太郎は『時を止めて』、プッチを掴んで攻撃した」
ナレーション「プッチが勝利する『運命』だったが、プッチ自らが『運命』を裏切ってしまったのだッ!」
プッチ「ぐぼっ、ごぼぼっ…」
プッチ(こ…この私は人類の『幸福』の為に…友であったDIOの為に動いて来たのだ…)
プッチ(正しき行いをしてきた私を…主は必ず天へと導いて下さる…)
プッチ(もう、私の命も終わる…最後に…)
プッチ(わ…私のロザリオが30ドルなんて…いくらなんでも安すぎるるるーーーーーーッ…)
エンリコ・プッチ スタンド名 メイド・イン・ヘブン 死亡
プッチ編 完
今回、おまけはありません
終わりです
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乙